蒼天紳士チャンピオン作品別感想

兄妹 〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜
第26話 〜 43話


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 各巻感想

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連載中分

兄妹 〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜 4巻


第26話:鬼のいる村2  (2015年 27号)


桐島さんのメモを盗み見て田舎の村にやってきたらまたもや事件に巻き込まれる蛍ちゃん。
幽霊を招きやすい体質ということもあるだろうが、これも名探偵の宿命という奴だろうか。

しかし疑われて逮捕されるだけならまだしも、殺されるかもしれないというただならぬ状況。
蛍ちゃんが血まみれで燃えている未来が圭一さんには見えるという。
うーむ、ここは何とかして一時撤退と行きたいところですが・・・容疑がかかってる今では簡単にはいかないか。

村人たちは根も葉もないウワサで蛍ちゃんを疑っている。
というかもう、犯人と決め付けているような感じになっている。
こういう思い込みが独り歩きするのは危険ですなぁ・・・

さて、県警から刑事さんが到着。
身元を保証してくれる人について尋ねられたので桐島さんの名前を出す。
こっそりメモを盗み見して来ている以上、出来れば桐島さんには知られたくなかっただろうが、背に腹は代えられない。
まあ、桐島さんとしてもこのドサクサに紛れて山木さんと連絡を取ることが出来たみたいだし、結果的には良かったわけか。

身元も確認できたのですぐに釈放されることとなった蛍ちゃん。
しかしどうやら村の方はかなり怒りのボルテージが上がっている様子。
圭一さんが見たところ、一部の連中がウソの目撃証言までして煽っているのだそうな。おやおや。

罰するべき犯人を見つけて裁いて安心したい、か。
何とも小市民的発想というか何というか・・・それで犯人扱いされる蛍ちゃんとしてはたまったものではありませんなぁ。

集団的な決め付けは抗いようがない。一種のヒステリーだと圭一さんは述べる。
うむ、いくら正論を投げかけても感情で覆いかぶせてくるでしょうからねぇ。
そういうのを相手にするには劇場型というか、感情に訴えるような演技でもしてみせるのがいいんでしょうが・・・
決め付けて煽っている奴までいるのではそういう手段も難しいか。

というわけで裏口から逃亡する蛍ちゃん。
しかしこの逃亡により村の住人の態度は悪化。完全に犯人と決め付けて動き出す様子。おやおや・・・
だが、村人の頭部に刺さったクモの糸のようなものは何だろうか?
これが村人の意識に介入していたりするのだろうか・・・?さてはて。

オンミヤで発見された子供の遺体。と思ったら人間ではなく類人猿のものだったらしい。
不法投棄の温床になっている場所であるし、飼っていた猿か何かを埋めたのではないかとのこと。人騒がせな。
そうなると消えた子供はどこに行ったのか。
蛍ちゃんは調べられそうにないし、県警の蓮宮さんにお任せでありますな。

とにかく村から逃げ出したい蛍ちゃん。
しかし村人は総出で蛍ちゃんを逃がさないよう包囲網を敷いている。
なので、まさかの山越え。塔を登るぐらい体力のある蛍ちゃんでもこれは厳しいですなぁ。
だが、それだけ苦労しても結局見つかってしまう蛍ちゃん。あらあら。そして山狩りでありますか。あらあらあらあら。
着実に圭一さんが見た不吉な光景に近付いて行っている感じがします。
うーむ、何というか・・・ホラーな感じがしてきましたぞ。幽霊よりも恐ろしいのは人間の集団意識か・・・



第27話:鬼のいる村3  (2015年 28号)


村人の怒りを避けるために山越えまでする蛍ちゃん。
しかしその行為が不審を招き、完全に人殺し扱いされて追われることに。
うーむ、閉鎖空間の恐怖でありますなぁ。

車に乗せられて運ばれる蛍ちゃん。
隣に座る圭一さん、まだ逃げるチャンスはあると頼もしい様子。
と思いきや車が発進したらすり抜けて落ちてしまったりと情けない様子。何してんの!!
すり抜ける能力は便利だけど、こういう時には不便ねぇ。

車はどうやら例のオンミヤに向かう様子。
ここからだと10km以上あるのだが、果たして圭一さんは間に合うのだろうか。

さて、オンミヤに連れてこられた蛍ちゃん。そこには村人一同が集まっている様子。
そして村のことは村内で決めると裁判を始める。
うーむ、何だかいかにもな魔女裁判って感じになってきましたよ・・・

そんな村人の頭には何かが差し込まれている。
冷静な判断力を失わせるような、人をオカシクさせるようなもの。
どうやらこれのせいで村人たちは過激な行為も平気で行えるようになっているらしい。
そしてその触手の源はオンミヤ。遺跡から出ている。

鬼のマナイタ・・・あれが人を狂わせているんだ。この村の伝説・・・
鬼にイケニエを出してたんじゃなくて・・・あの岩が村の人を鬼にする
鬼っていうのは・・・この村全体か・・・!!

謎は解けた。しかし大ピンチであることに変わりはない。
こうなってしまってはもう頼りの綱は圭一さんだけである。
圭一さんとしても蛍ちゃんを失うようなことは耐えられないでしょうし、あってはならないことと思われる。
どんなことをしてでも蛍ちゃんは助けないと。そのように考える圭一さんでありました。

さて、そんな圭一さんの前にいるのは山木さん。
圭一さんが山木さんの頭に差し込まれていた悪意の触手を破壊。ふむ、これで正気に戻ってくれればよいのですが・・・

そうこうしているうちに蛍ちゃん。杭に縛り付けられた上に焼き殺されようとしている。
うーむ、どこまでも魔女裁判な流れでありますなぁ。
それにしても山神の正体はタコですか。タコの癖に触手がやたらと多いとはなぁ。
いやそんなことを気にしている場合ではない。火も付けられてしまったし、かなり危険な状況であります。
何とか大ごとになる前に圭一さんには辿り着いていただきたいものであります・・・



第28話:鬼のいる村4  (2015年 29号)


現代において火炙りの刑に処される蛍ちゃん。
蛍ちゃんだけに刑に処されるとか言っている場合ではない。

絶体絶命の危機であったが、ここで正気に戻った山木さんが到着。

これが人のすることか!お前達それでも人間か!!

操られていた間は自分も私刑に参加していたのだが、どうもその辺りの記憶は曖昧な様子。
何にしてもマトモになって止めてくれるのなら助かります。
しかし圭一さん、山木さんのパトカーに乗ってここまで来たんでしょうか?今回はうっかりすり抜けなかったってことかな?

圭一さんが来れば怪異にも対抗することが出来る。
住人達を操っている触手の出どころは判明しているし、これさえどうにかできれば問題は解決する。

これは・・・虹色に輝い・・・て。我々・・・死者とはレベルが・・・違う。
これが・・・「神」・・・か。悠久の時間・・・力を蓄え続けた巨大な存在。
いや・・・神など・・・ではない。これは「魔」だ・・・イケニエを欲する化物。

神と魔の概念は難しい所でありますな。見る人、信じる人、立ち位置によって色々と変わりそうだ。
いずれにしても強大な力を持った存在であることには違いない。
しかしそんな圧力に屈して大事な蛍ちゃんをむざむざイケニエにさせるようなことは認められない圭一さん。
触手の束を掴んだ時・・・はるか昔の記憶を垣間見る。

元は一匹の軟体動物
その死体が泥炭につつまれ、やがて体は石に置換した。
悠久の歴史を重ね、浸食と隆起を繰り返す。その結果、死体を内封した岩は地表に露出する。
その岩の周りに人が集まり、村が出来た。村は生まれては消えを繰り返し、時は流れる。
そのうちに村の人々は岩に信頼感――信仰を抱くようになる。その結果・・・この軟体動物は神となった。
神は人々の信仰を集め、その力で人々を守る。ギブアンドテイクの関係が成立する。しかしそれもいつまでもは続かない・・・

信仰が力の源であるならば、その信仰を失った軟体動物は力を失うしかないって話ですな。
本来ならばそのまま消えていくはずの存在。それが見つけてしまったのは小さな灯。

そこには・・・灯のように輝く・・・少女がいた。暗闇の・・・中、光輝く・・・蛍のよう・・・に

この軟体動物もまた蛍ちゃんの力に惹かれたわけでありますな。
自身がかつて持っており、失った力。それを欲し、残った力を振り絞って蛍ちゃんを我が物としようとしたわけだ。
うーむ、思いはわからないでもないが、方法も結論も到底受け入れられるものではありませんなぁ。
圭一さんも気持ちは分かるとしながら間違っていると述べる。

蛍の力とは・・・蛍の・・・やさしさ・・・なんだ。
人を助けずにいられ・・・ないやさしさ・・・が。蛍・・・を輝かせて・・・いる。
かつてお前が神だった時代、人々に持っていた感情だ・・・
それを失ったお前は・・・もう神などではない。醜悪な怪物だ。

信仰を失った神が祟りを成すようになる。伝承にはよく聞く話であります。
そういったものに対抗するのも蛍ちゃんのような、圭一さんのような存在の使命でありましょうか・・・
穏やかに暮らせればそれに越したことはないんでしょうけどねぇ。ううむ。

ともあれ圭一さんの手によりオンミヤ破壊。
銃弾で岩が壊れたようにも見えるけど、神が入っていることで半ば霊的な物質になっていたってことだろうか。
兎にも角にも住民は正気に戻った。蛍ちゃんも火炙りになることなく助かった。良かった良かった。しかし・・・

あの神に・・・そこまでの力は・・・なかった。やったのは疑惑を強め・・・自制心を薄めたくらい・・・
人はこういうことをやれてしまう・・・ものなんだ
でもね蛍・・・お前には人を・・・信じていて欲しい。信じていて欲しいん・・・だよ。

この辺りを見るとやはり圭一さんの方が大人に見えますな。
警官となって色々な人間の弱さ、汚さを見てきたのでしょうなぁ。
集団心理による暴走。自制心が薄まり、常識を判断する力が失われた時、人はどうなるのか・・・
それでも理性を保っていられるのかどうか。難しい話であります。覚えておきたい話でもあります。

さて、正気に戻った山木さんから謝罪。そして行方不明の子供が見つかったという話も聞かされる。
うーむ、複雑な家庭であるための騒ぎだったわけですか。何とも人騒がせな・・・
そんな騒動に巻き込まれてイケニエにされそうになったのだから、蛍ちゃんの不幸さも極まりないなぁ。

それはそうと、山木さんは神の件とは別に蛍ちゃんに対し疑いを抱いていた様子。
それは蛍ちゃんが赤木圭一の妹であると聞いたから。ほほう?
桐島さんに話を聞き、蛍ちゃんのことを信用すると言いだす山木さん。どうも警戒していたのはある可能性があったかららしい。

赤木圭一は十二人委員に関係があった可能性がある

十二人委員。なんだかいかにも胡散臭い感じの単語が飛びだして来ましたぞ。
事件の本質に迫りそうな感じでありますが・・・一体どのような真実が飛びだしてくるのか。怖くもありますなぁ。



第29話:十二人委員  (2015年 30号)


兄の元上司である山木さんが警戒する十二人委員。
言葉からしていかにも怪しげであるが、内容もまた怪しげなものであるらしい。ほう。
それはそうと、見開き入浴シーンの蛍ちゃん
割と入浴シーンとかそういうのが多い子ですな。良いことです。良いことです。

それはそうと、十二人委員について。
古くからある警視庁のタブーであり、都市伝説のようなものであるという。
それは昭和中期、戦後の混乱で治安が著しく低下していたころの話。
警視庁にGHQの監査が入り、捜査の正当性が徹底された。悪党共はそれでつけ上がった。警察は牙を抜かれた、と。
それにより犯罪が激増する中、一人の若手警察官僚が立ち上がった。
各分野から仲間を集め悪人狩りを始めた。その仲間の数が十二人

ふーむ、そのメンバーの呼称が十二人委員でありますか。
その十二人がその後どうなったかは分かっていない。まだ警察内部に存在しているという噂もあるとのこと。ふむ・・・
それだけならばまあ、都市伝説の類で話のタネになるぐらいですが・・・

最近、十二人委員が復活したというウワサがある・・・
犯罪者の失踪があいついでいるんだ。警察でマークしていた犯罪者。法で裁けないような大物。多くが行方不明になっている。

ほう、それはまたきな臭い。
その話に加え、失踪者の捜索をしていた圭一さんの行動が山木さんには不審に思えたということでありますか。なるほどね。
しかし十二人か・・・圭一さんが死ぬ前に見た十人と一匹のケモノ。ケモノが人なら十一人・・・

兄キを入れれば十二人になる・・・まさか・・・いやでも・・・

今の圭一さんは十二人委員という言葉に心当たりはない。
しかし桐島さんのことも忘れているし、記憶があいまいになっているだけの可能性は否定できない。
うーむ、真相はいかに・・・?

ともあれ疲れを取るために温泉でゆっくりする蛍ちゃん。
家には遅くなることを伝えるのと、行動はなるべく隠したいのか志田ちゃんにアリバイ作りをお願いする。
うーむ、お助けガールは大変でありますなぁ。良くやるよねー。本当。

てなわけで温泉に浸かっている蛍ちゃん。普通はこういうところの方が考えが纏まりそうなのだが、蛍ちゃんはどうやら違う様子。
身体を動かしてこそ考えが纏まる・・・マルチタスクが高じ過ぎた弊害という奴でありましょうか。
まあ、たまには頭を休ませるのも大事だと思いますけどね。

圭一さんは改めて蛍ちゃんを守ることを誓う。それがきっと僕がここに居る理由だと述べて。

というわけでのんびりして疲れを取り、帰宅しようとする蛍ちゃん。
旅館を出たところで出くわすのは・・・村の人々。
山木さんを含めて全員で膝を地面につけ、蛍ちゃんに謝罪をする。ほほう・・・

基本的にこの村人たちは善良なんですよね。弱い気持ちにつけ込まれて間違いを犯しそうになった。それは人間としてはあり得る話だ。
しかしそれを自ら正し、きちんと謝罪できるというのがえらい。
圭一さんも述べるとおり立派なものだと思います。願わくばこの先は平穏なままの村であって欲しいものです。うん。



第30話:謎の桃園  (2015年 31号)


火炙りとか生きててまず経験することのないだろう出来事を体験した蛍ちゃん。
それでも何とか無事に済んで、また学校に通えるようになったわけで。良かった良かった。

なんて風に落ち着いていると災厄が寄って来たりするのが蛍ちゃんの厄介な体質。
今までとはまた違った気配。圭一さんが近寄れないほどの圧力を放つのは同じ学校の女生徒・・・
なんでしょうな。綺麗な感じの人であるが、だからこそ只者ではなさそうに思える。
蛍ちゃんはこの女性に関して何故か初対面という感じがしないという。ほほう・・・?

なにか事件が起きなきゃいいけどと蛍ちゃん。
往々にしてそう考える時ほど事件は起きる物だったりする。名探偵は辛いねぇ。

中等部の女子にサインをお願いされる蛍ちゃん。
こんなこともあろうかと玄人っぽいサインをしてみせる蛍ちゃん。いつの間にそんな練習を!?

それはさておき、学校名物二人で組を作ってーの時間であります。
ぼっちになりやすかった人には辛い時間でありますなぁ。ハッハッハァ!!
しかし捨てる神あれば拾う神あり。ぼっちになってた楓ちゃんを放っておけずに声をかける蛍ちゃん。おやおや。
体育中も帽子を被ったままな楓ちゃんでありますが、赤面した顔を隠すには丁度いいって話でありますやね。ハッハッハ。

体操中に朝出会った人物について尋ねる蛍ちゃん。
薄い砂色の髪に赤いバンダナをして切れ長の目で常に微笑んでいるような顔の女性。
それは誰かと問われれば、返ってきた名前は桃園霧子。初等部からのマルスの生徒で、現在は二年A組の風紀委員長とのこと。
なんでも元貴族のお嬢様で眉目秀麗。上品で学業優秀。お嬢様の鑑みたいな人であるとのこと。ほほう。

そういった基本情報を元に探りを入れようと動き出す圭一さん。
違和感があるので少し張り付いて様子を見ようとのこと。
本人は真面目だからまだいいけど、男性の幽霊に張り付かれて見張られると言うのも年頃の女性としてはどう思われるか・・・
そりゃ見えるのであれば威圧もしてきますよね。仕方がない。ゴオ!!

圭一さんの方がピンチに陥っている中、蛍ちゃんの方でも異変が発生。
サインをもらいに来た子とは別に中等部からファンの子たちが詰めかけてきている。ほう、モテることでありますな。
しかしサインぐらいならともかく、いきなり抱き付いてきたりとなんだか過激な子たち。こら、接触はアカンよ!
かわして逃げる蛍ちゃんはさすがの逞しさでありますなぁ。

なにか変だと感じ、急いで圭一さんと合流するために2−Aを目指す蛍ちゃん。
その教室の前で見かけたのはバラバラになった圭一さん。またこんな姿に!!

死神の時にバラバラにされて以来ですね。何て思ってたら本当に死神さんが出て来ちゃいました。うわぁ。
死神をだました罪はつぐなってもらわないといけないとのこと。
何でしょう?スマホ解約して使えなくなったことについて言ってるんでしょうか?
そうは言ってもなぁ。差し上げるとは言ったけど機能がフルに使えますよとは言ってないわけで・・・あ、これ騙してる感じだ。
逆に普通に使い方を教えてあげれば矛を収めてくれるのではないだろうか。どうなんだろうか。

ともあれ、村という閉鎖空間で迫りくる集団の恐怖を味わってきた蛍ちゃん。
それが終わったら今度は学校という日常空間で集団に追われる恐怖を味わうこととなりそうな雰囲気。うーん、辛い辛い。
上手い事切り抜けていただきたいものです。



第31話:謎の桃園2  (2015年 32号)


死神が仕返しにやってきた!!
さすがにだましてタダで済むはずもありませんでしたか。
だまされたことにずっと気付かないでいてくれれば・・・さすがにそれは無理だったか。

ともあれまたもや異常な状態の集団に囲まれる蛍ちゃん。
下級生だけではなく上級生まで異様な雰囲気で蛍ちゃんに迫ってくる。
モテる女は辛いねぇ。とか言っていられる状態ではありませんわな。

どうにか難を逃れた蛍ちゃん。相変わらずの身体能力である。
体育倉庫に身を隠して善後策を練る。圭一さんがバラバラの状態では怪異に対するのは難しそうですなぁ。

生徒から隠れるのならばここくらいだろうと推理した楓ちゃん。体育倉庫に現れる。さすがの推理力ですな。
蛍ちゃんを心配してやってきたという楓ちゃんに蛍ちゃんも思わずホロリ。いい話だ。
と思いきや、突然後ろから襲いかかる楓ちゃん。うわあ!!

赤木い赤木い。もうガマンできないんだよぉ!

後ろから抱き付いてゴロゴロ転がる楓ちゃん。ふむ、これまで我慢していたということですか。ほう・・・!
しかしそんな楓ちゃんに非情の肘鉄をくらわす蛍ちゃん。
骨は折れてないから大丈夫というが、かなりキツそうですよ。ヒューヒュー言ってるぞ!!

まあそれはさておき。
よく見ると蛍ちゃんの頭に矢のようなものが刺さっている。
どうやらこの矢こそが死神の仕掛けであるらしい。

クピドの矢・・・嗜好改変の方位針だ
この矢が刺さった者は皆の好意を一身に浴びることになる。本人の意志は関係ない。その力は時とともに強力になる。
人々の独占欲が最高になった時、矢の刺さった者は皆で分配される結末を迎える。この国では白羽の矢と呼ばれてるな。

所謂キューピッドの矢でありますな。
とはいえ刺さった者が恋に落ちるのではなく、周りを落としてしまうとは・・・恐ろしい。

この矢に触れるのは高位の者、「神」の階級の者でないと扱えないという。
圭一さんが復活したとしてもどうにかできるわけではないということか。
うーむ、相変わらずゲーム好きな死神。確かにネタをバラしてくれるだけ有難いと思えなくはないなぁ。迷惑に変わりはないが。

人のいないところに逃げようとする蛍ちゃん。が、志田ちゃんのクラゲに捕らえられる。
志田ちゃんが意識しているわけではないのだろうが・・・霊にもクビドの矢の効果があるのだろうか?
ともかく校庭に集まった人々の前に誘導される蛍ちゃん。大ピンチだ。

蛍ちゃんもこれは死んだと諦めてしまう状況。しかしここで現れるのは風紀委員の桃園さん。
そしてその身から現れるのは三面六臂の鬼神・・・これは、阿修羅!?
蛍ちゃんに刺さった矢を破壊し、更に現実まで改変してしまう鬼神。こりゃ凄い。というか凄すぎる。
死神も神の癖に触らぬ神にタタリ無しと恐れをなすほどであるという。おやおや。

桃園さんには一族代々を守る守護神がいる様子。
本人も気付いていないが世界の均衡を守っているとのことであるが、一体どれほど強力な存在であるというのか・・・
異変の解決のみならず、異変があったことまで消し去っている様子ですし・・・ああ、前回デジャヴを感じてたのはこういうことか。

圧倒的な力を持つ守護者。桃園さんはそれを意識はしていないようだが・・・
さてさてこれからどのように関わってくるキャラでありましょうか。楽しみです。
そして死神さんは今後も出番があったりするのでしょうか。
とりあえずスマホの使い方は教えておいたし今後は害を及ぼすことはない。はず。

しかし楓ちゃんの行動はどこまでクビドの矢の影響によるものであったのか。
行為に及ぶことになったのは間違いなく影響でしょうが・・・はてさて。はてさて。



第32話:節の反抗期  (2015年 33号)


蛍ちゃんの妹、節ちゃん。父親の膝の上で仲良くTV鑑賞。家族仲が良いのはいいことですなぁ。
そういった団欒にもう加わることの出来ない圭一さん。笑いが怖い怖い!

家族と笑いを共有することもできないと嘆く圭一さんの寂しさよ。真面目な人ですしねぇ。

それから一週間後。
いきなり態度を硬化させてしまっている節ちゃん。なんと!?
まあ年頃ではありますしねぇ。反抗期が訪れるのもおかしな話ではないか。これも成長の一環なのだろうが寂しい。
蛍ちゃんとしてはなにか変な物が憑いている可能性もあるかなとのこと。
ふーむ。この一週間で急激な変化があったとするなら、それも否定はできないか。

節はさあ、巻き込まれ易いんだよ。死者や悪意を気がつくと引き寄せちゃって。危なっかしいんだよね。

初回から盗撮されそうになったりしてましたからねぇ。
見方によってはヒロインポジションといえなくはないが・・・
となればヒーローである圭一さんが見守っておかなければいけませんわな。

というわけで本日は節ちゃんに憑いて回る圭一さん。
小学校では屈託のない笑顔を見せて楽しそうな様子を見せている。ストレスがあるようには見えない。
生徒の体にやたら触る先生の存在は・・・どうなんだろう。
確かに触れる個所は危なくはなさそうだしスキンシップの範疇に思えるが・・・
当人がどういう考えでいるかによりそうですなぁ。むう。

それにしても相変わらず考え事をする時は体を動かしてないといけないらしい蛍ちゃん。
どうせ動かすならと掃除をしているのでしょうが、どう見ても奇異に見えちゃいますよね。やれやれだぜ。

さて、そのやたらとボディタッチをするという噂の先生について聞き込みを行う蛍ちゃん。
弟を含めて話を聞くがその人――満島先生の評判は上々。悪いウワサは皆無な様子。ほほう。
そんなことをしていると満島先生当人が登場。その後ろに憑いているのは・・・先生の母親。ほう。
どうやら元教師である母親が強い影響を与えながら見守っているらしい。
ふーむ。であれば邪な感情で触れたりしたら許すはずもないってことですかね。
このお母さんのスキンシップ方法を真似て、というか影響を受けてのボディタッチかもしれませんなぁ。

先生に下心がないことは分かった。となると節ちゃんの豹変は何が原因なのか。
ちょっと前まではお姉ちゃんお姉ちゃんと慕ってくれていたのにと寂しそうな蛍ちゃん。難しいですね人間って。

家族でもこれじゃあ・・・赤の他人とわかりあうなんて・・・奇跡のようだよ

完全に人とわかりあうなんてことは無理なのかもしれない。
わかったつもりでいながらもわかっていなかった。そういうことは往々にしてあるものです。
その辺りの折り合いをつけながら人と付き合っていく。難しいことでありますなぁ。

さて、節ちゃんの家での反抗期は継続中。工員のオヤツとか全部食べちゃうぞ!!
娘に甘そうな父親もさすがにこれには怒っております。おやおや。
早い所この状況はどうにかしたい。節ちゃんと直接話をしてみる蛍ちゃん。いい笑顔です。いいお姉ちゃんであります。
そんなお姉ちゃんに対し、誰にも言わない?と前置きして理由を語り始める節ちゃん。

父ちゃんと一緒に見てる○○って番組、今スゴイつまんないの!
父ちゃんが毎日節と見たがってるから見てるけど、惰性で見てるだけで本当は見たくないの!
でも父ちゃん楽しそうだし節も付き合わなきゃって・・・節がイヤって言ったら父ちゃんキズつきそうで言い出せなくて・・・
だから悪いことしてTV禁止にさせようと・・・

そ、そんな理由だったのか!?
いやまあ、気を遣う子にしてみればそんな理由と言ってしまうようなことではないのかもしれませんな。
というか圭一さんの感性は間違ってなかったんですな。実は父ちゃんも愛想笑いしてるだけだったりして。
しかし他の手は思いつかなかったのだろうか節ちゃん。
父ちゃんは大好きだしヒザの上も好きだけど番組がツマラナイ。うーん。なかなか致命的というか何というか・・・
どうすれば良かったのかと考えると確かに難しいところではありますがねぇ。
まあ反抗期のような態度取られるよりは正直に言ってもらった方がキズつかなくて済んだ気もしますが。

というわけで蛍ちゃんの口からこの番組超ツマラナイと聞かされる父ちゃん。
しかしその番組プロデューサーの件は本当なのかどうなのか。まさかの風評被害!?まあ、これも方便ってことで、ね。うん。

久しぶりの1話完結方式。このスピード感は懐かしく楽しいですな。
霊が絡んでの重い話にもならず、たまにはこういう話が挟まるのも良いものです。



第33話:崖の下の呪い家  (2015年 34号)


圭一さんが生前に調べていた謎の失踪事件。
その現場と目される展望台にやって来る蛍ちゃん。
果たして誘い出された人はどこに行ってしまったのだろうか。

展望台から身を乗り出して下を見てみると家がある。
ふむ。展望台から落とせばこの家の庭に落ちることになりますな。
今は空家となっているようですが、失踪事件が続いていた時は誰かが使用していたのだろうか。

ここで圭一さん。僕が上から飛び降りてみるよとのこと。
まあ確かに死んでるし、これ以上死ぬことはなさそうですが・・・またバラバラになったりしないでしょうね。

とりあえず大丈夫だった圭一さん。幽霊なのに重力に縛られるってのも不便な話ですわなぁ。
ともあれ予想通り、展望台から落下すると下の家の中庭に落ちることが判明する。
そうなるとこの家の持ち主も犯行に携わっている可能性が高いですわな。処刑場として用いるのに合理的だ。

そこまでの推測はついたのだが、家に異変が発生。圭一さんの身に危機が迫る。
ふーむ。霊が見えるとはいえ霊的な対応はお手上げな蛍ちゃん。
とはいえ圭一さんを放ってはおけないし・・・どうにか家に入って圭一さんを見つけ出さないといけない様子でありますな。

てなわけで家に入るために楓ちゃんを頼る蛍ちゃん。
本当の理由など信じてもらえるはずもないので弟の和也くんに濡れ衣を着せる。まあ、兄の為ですし。仕方ないと思ってくだされ。

楓ちゃんの伝手で管理会社に口利き。ついでに過去の住人についても聞き出してもらうことに。
その依頼の報酬は、楓ちゃんの探偵の仕事を手伝うこと。ほう!
楓ちゃんの探偵の仕事を手伝う蛍ちゃんか。興味深い流れですな。
探偵への依頼料を見て驚いている蛍ちゃん。このコンビでの活動が軌道に乗れば家計への援助になるか・・・!?

警察の身内という伝家の宝刀を用いて管理会社から情報を引き出す蛍ちゃん。
ずるい気はしないでもないが、コネは有効に使うのも探偵の基本でありますか。
蛍ちゃんに勝ったーと内心震える楓ちゃんがなんとも可愛い。フルフル。

ともあれ持ち主は官僚のエリートだった鏡二郎という人物。
五年程一人で暮らしていたらしいが、いくつか持ってた内の一軒かもしれないとのこと。
まあ処刑場として使っていただけなら常駐していることもありませんわな。

さて、楓ちゃんのおかげで家の中に入ることが出来た蛍ちゃん。圭一さんを探すために動き出す。
一方の楓ちゃん。霊感はないはずなのだが、それでもこの家には悪寒が――嫌な予感が走る様子。ほう・・・

奥の部屋に足を踏み入れると人の影のように見えるものが複数壁に刻まれている。
ススによるものであるが・・・一番右の人物は圭一さんのような格好をしているように見える。
ふーむ。なんでしょうなコレは。十二人委員に関係するものなのだろうか・・・?

そんなことを気にして前に注目していたら、いつの間にか後ろに亡者の群れが。うわぁ。
前も後ろも怪異のこの状態。進むも地獄退くも地獄とはこのことか。
幽霊とかにはビビリな楓ちゃんを抱えてこの現象にどう立ち向かうのか。注目です。



第34話:崖の下の呪い家2  (2015年 35号)


飛び降りてから反応のない兄を追い、崖下の家を訪れる蛍ちゃん。
奥の部屋の壁に塗り込められた人影が気になるが・・・後ろから何かヤバイ感じのものが迫ってきていた。
こりゃあ楓ちゃんが気絶してしまっても仕方がありますまいて。パニックになられるよりは良かったかな?

圭一さんのように見えた人影はやはり圭一さんでした。
圭一さん曰く、この家は霊を喰うとのこと。
ふうむ。この家が多くの死を体験したことで死を欲するようになったと。
そのため死者の霊を使い、人を襲って霊を喰う怪物になったのだそうな。死者にも生者にも危ない家ってわけですな。

蛍ちゃんのために強引に抜け出て多数の霊たちを相手取る圭一さん。格好いい。
そのおかげで楓ちゃんを連れて脱出に成功する蛍ちゃんでありました。
気絶した楓ちゃんはどうやら霊と遭遇した記憶がないらしく、説明の手間が省けてとりあえず良し。
とはいえ結局圭一さんは家に残されたままのようですし・・・どうにかしないとですなぁ。

家に帰る楓ちゃん。その後ろに誰かが付いて来ているとのこと。こりゃあホラーだ!!
それはそうと、友達が来たと思って嬉しそうにしている緑川母の様子がなんともはや。
これはアレだね。蛍ちゃんは近い内に緑川家を訪れてお母さんを喜ばせてあげるべきではないですかね?

それはそうと取り憑かれてかなりまいっている様子の楓ちゃん。
どうでもいいけど眠る時もその帽子被ったままなんですか?まさかまさか。

帽子のことはさておき、一睡も出来ずに酷い顔になっている楓ちゃん。いかにも取り憑かれた人の顔って感じだ。
幽霊を信じるか?と聞かれたら信じるも信じないも何を今更って話であるが・・・今はそんなことは言えませんわな。
楓ちゃんに取り憑いている霊は崖の下の家に楓ちゃんを連れ込もうとしているらしい。
これがあの家の手段。死者の霊を用いて死を抱く手段ということか・・・!!

圭一さんがいない今、取り憑いている霊をどうにかする方法は無い。
と思いきや、そこで通りすがるのが例の桃園さん。
楓ちゃんに触れた瞬間に背後の霊が爆発四散する。おう、こりゃ凄い!!

前の死神の再来の時のことは時間が巻き戻った為ハッキリとは覚えていない蛍ちゃん。
しかし今の力を見れば圭一さんを助ける可能性は出てきたと考えられる。
どうにかして力を借りることが出来ればあの家の悪意をツブせる。兄キを・・・助け出せる!

というわけで桃園さんに近付く蛍ちゃん。
まずは当たり障りのない話をして距離を縮める。さすがのコミュニケーション力だ。
しかし霊の話を持ちかけてみるとオカルトとか信じてないのとバッサリ。
強大な守護霊は有しているものの、本人はそのことに気づいていないというのか・・・!?
圭一さんの存在に気づいてバラバラにしたのかと思ったが、どうも桃園さん自身には霊を察する能力はなさそうである。
うーむ、協力を得たいというのに何とも厄介な話ですなぁ。どうするのか蛍ちゃん。工夫の見せどころでありますな。



兄妹 〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜 5巻


第35話:崖の下の呪い家3  (2015年 36+37号)


「家」の力に捕らわれた兄を助けるべく、強大な力を持った桃園さんを誘う蛍ちゃん。
しかし強大な守護霊に護られていながら、霊の存在を否定する桃園さん。
ああ、そうか。逆に護られているからそういう者を目の当たりにすることもなったわけでありますか。

ちなみにお気に入りのマスコットはお婆ちゃんからもらった阿修羅を模したもの。うん、いいセンスですね。うん。

桃園さんのことをもっと知るために聞き込みを行う蛍ちゃん。
志田ちゃんによると桃園さんは初等部のころから目立つ存在だったとのこと。
昔はもっと気さくでよく笑ってて友達も多かったのだが、今じゃすっかり風紀委員長にして学園警察状態だそうな。
ふーむ、何か変わるような出来事でもあったんですかねぇ。
しかし金持ち・・・セレブか。怖いけどコネクションを結べるならオイシー相手であるかもしれませんなぁ。

蛍ちゃんの為に力を振り絞って家から一度は抜け出た圭一さん。再び捕まっている様子。
吸収され始めているからか、家の記憶が流れ込んできている。その中にはかなり気になるものが混じっていた。
悪人を処刑するという言葉。うむ、予想通り十二人委員が殺人の死体処理にこの家を使っていたみたいですな。
だが、その十二人委員と思われる者たちの口から赤木圭一の名前が出てくる。
これはどういうことなのか。協力者になってくれるかもとマークされていたのだろうか?
それに従わず秘密だけ知ったから殺された・・・可能性はありそうだが、さてはて。

さて、圭一さんを救うためになりふり構っていられない蛍ちゃん。桃園さんに絡むことにする。
確かに学園警察を気取っている割には見場君のことも放っていましたな。
風紀委員にそこまでの力はないってことなのかもしれませんが・・・まあ、普通の学校はそんなもんですよね。

私、これから犯罪起こそうと思うんですよ。それを桃園さんに言っておこうかと思って・・・
放っておきますか?私が捕まったら桃園さんに相談したと証言する。証人もいる。犯罪者を見過ごしたと責任を問われるかも・・・

ふむ、桃園さんを挑発し、監視という名目で例の家に連れて行こうという魂胆でありますか。
しかしあまりに強力な力の持ち主の桃園さん。眼力で蛍ちゃんをカナシバリにしたりする。
これも立派なオカルトでありましょうが・・・本人は単に威圧できてると思ってるだけでしょうからなぁ。ううむ。

というわけで、桃園さんには敵わないなと全ての真実を話す蛍ちゃん。
変な小細工をせず事実を話す。誠意を持って話せば兄が幽霊となって帰ってきたという荒唐無稽な話も信じてもらえるかもしれない。
なんて思ったのが甘かった。

私はアナタを泳がせて、アナタの本性をつかみたかっただけ

ぬう、これはまた何ともしたたかな。
先に絡むようなつっかかりかたをしたのは蛍ちゃんでありますが、これは手強い。
だけど、まだおびき寄せる手段はある。本命とも思える手段が・・・!!

お気に入りのマスコットをスリ取ってオバケ屋敷まで誘導する蛍ちゃん。ご苦労様であります。
怒り満面な桃園さんをかわして家に触れさせれば・・・いきなり派手な勢いで倒壊する呪いの家!!
やあ、これは業者さんも取り壊す手間が省けたって感じですかねぇ。
結局材木などを取り除かないといけないから手間は変わらないかもですが。
それにしても何というか・・・ドリフ的な崩壊だなぁ。ヒョコっと姿を現す圭一さんもそんな感じである。

兄も助かったことだし、マスコットは返却する蛍ちゃん。
圭一さんのことは良かった良かっただけど、これはまた何というか、敵にしちゃいけない人を怒らせちゃった感じですなぁ。
コネクションになったらいいなと思ったら逆に睨まれることになりそうで・・・いやぁ。前途多難前途多難。



第36話:緑川楓の誤算1  (2015年 38号)


蛍ちゃんに一本取られてばかりの楓ちゃん。
心が乱されて仕方ない様子。言い換えると蛍ちゃんのことが気になって仕方がないんですね。分かります。

ともあれそんな弱った楓ちゃんがついつい寄ってしまったのが占いの館
現実主義の探偵がすがるものとは思えないが・・・弱っているなら仕方ないですなぁ。

適当な占い師を選択する楓ちゃん。この時はあんなことになるとは思っておらず・・・てな感じですな。

そんなことがあってから、人が変わったような楓ちゃん。
いつもとは違い笑顔を浮かべて回りに愛嬌を振りまいたりしている。ええ・・・!?
なんでも朝一で仕事があり、ドロボウをとっつかまえたのだそうな。
ふむ。久しぶりに活躍が出来て舞い上がってるって感じでしょうか。確かに前からそういうところありましたけどね。

しかしここから一週間ほど楓ちゃんの活躍劇が始まる。
様々な事件を解決し、警察から感謝状を頂くほどに。
ふむ、上機嫌で態度も良くなっているせいか、クラスの子たちの好感度も上がっているようですな。ホッホッホ。

窃盗、盗撮、器物損害。それらの現場を押さえて警察に連絡。治安浄化に貢献したとのこと。
うむ、圭一さんの言うように探偵の仕事にしては幅広い感じがありますな。
実際の探偵は不倫調査とかもっと泥臭いというか地道なものなんでしょうが・・・まあ、楓ちゃんはこれでいいんでしょう。

活躍のおかげで段々と天狗になりつつある楓ちゃん。
元々推理力は確かにあるし、実力がないわけではないのだが・・・どうにも迂闊というか、巡り合わせの悪い子だったんですよね。
それが上手くハマればこういう結果を残せるということなのか。はたまた何か裏があるのか。
変なことに手を出してるんじゃないだろうなと心配する蛍ちゃん。
面倒臭い子と思いつつも楓ちゃんのこと気にかけているんですね。いいですねぇ。

さて、今日も犯罪者を捕まえるために動く楓ちゃん。
事前に占いの館によっているようですが、やはりここが情報源なのだろうか。

しかしその情報を元に人気のない路地にやってきてみれば・・・そこにあったのは死体
世の死体に慣れ切った名探偵とは違い、まだまだ死体慣れしていない楓ちゃん。青ざめてる青ざめてる。
それでもすぐに警察を呼ぶ辺りはさすがと言えましょう。しかし・・・

明るかった楓ちゃんが一転してヤバイ様子に。
そしてなりふり構わずといった感じで蛍ちゃんを頼ってくる。おやおや。ふむ、まずは話を聞かせてもらおうじゃないですか。

最近の楓ちゃんの活躍は占いの館の占い師の言葉が原因だったとのこと。
ふうむ、その占い師は空き巣が現れる場所をしっかり言い当てたと。
その後も犯罪者の現れる場所を正確に言い当ててみせた・・・これが情報源だったわけですな。
怪しいと思うべきところなんでしょうが、そこは迂闊な楓ちゃん。活躍出来てることに舞い上がってしまったのでしょう。
本来なら占い師の言葉を鵜呑みにするのではなく、情報の裏を取るべきだったのだが・・・青いですなぁ。

てなわけでしっぺ返しを食らうこととなった楓ちゃん。
いつも通り、占い師の言葉に従って現場に行ったらそこに死体が。
それだけならまだしも、現場には楓ちゃんがつけた痕跡しかなかったという。凶器にも指紋がついていたのだそうな。
ははぁ。これは立派な第一容疑者でありますな。

楓ちゃんもこの話はちゃんと警察にしている。
が、これがオカシな話。どうも殺された人物は楓ちゃんを占っていた占い師と同一人物であるという。
顔などは全然違っているように見えたが、これはどういうことでありましょうか?
商売している時の顔と使い分けてたりするのだろうか。そんな器用な・・・

我が世の春を謳歌していたら一日にして絶望の淵に立たされる楓ちゃん。
奢れる者久しからずとは言いますが・・・見事すぎる転落劇に笑うしかありませんな。ハッハッハ。

警察の知人は身びいきがないようにと事件から外された。もう頼るのは蛍ちゃんしかいないという状況。
ふーむ。これはどうにかしないといけませんわな。友達として。
面倒臭い子ではあるけど、見捨てるような真似はできませんわな。うんうん。



第37話:緑川楓の誤算2  (2015年 39号)


活躍していい気になっていたら1日にして容疑者。楓ちゃんのジェットコースターっぷりはさすがである。

ともかくそんな楓ちゃんを救うために調査に乗り出す蛍ちゃん。
話に聞いた占いの館を訪れる。
詳しい話は事前に聞いていたが、何やら怪しい道具を使ったりするらしい。
精神感応棒。特殊な金属で出来てて守護霊と通信する時の通り道にするのだそうな。あ、怪しい。

しかしそれが効果があるのかどうなのか、実際に事件がおきる場所と時間を言い当ててしまう占い師。
何かしらタネはあるんでしょうけど、何でしょうね。
圭一さんは占い師と言う立場から情報を仕入れているのではないかと予想。
うーむ、それで犯罪が分かるとなると、この街はどれだけ犯罪が多いのよって話になりますが・・・

それはそうと、楓ちゃんが言っていた通りにジュエル先生を指定したのに部屋の札は違うものが出てきた。
いつも楓ちゃんが会っていたのはH-5のカラスアゲハ先生。ふむ、何だか奇妙な食い違いがあるようですな。

さて、圭一さんは警察署で捜査状況を調査。
聞き取りしなくても誰かが話していればそれだけで把握できるってのは大きいですなぁ。
逆に誰も話をしない状態だと全く調査が進まないという欠点はあるわけですが。

ともかく楓ちゃんの疑いは濃い様子。
占いの館の防犯カメラには楓ちゃんが映っており、被害者の占い師を選んでいる姿が撮られている。
ふうむ、関わり合いがあったという証拠には充分って感じですか。
でも蛍ちゃんが押した券売機だといつも会ってた人とは別の占い師が出たようだが、それが今回の被害者・・・?

蛍ちゃんはカラスアゲハ先生のところに向かう。
入ると同時、家族のこと・・・お兄さんになにかあった?と問われる蛍ちゃん。これはギクッとしますな。
占い師らしいカマかけな気もするが、それにしても具体的すぎる・・・

相対してみればすぐに分かることであったが、どうやらタネの正体は霊的なものであった様子。
無数の触手が蛍ちゃんの頭に入り込み、情報を抜いていく。
さらに目の付いた触手が時間や空間を飛び越えてその情報の行方を探り当てる。
なるほど。これならば将来起こることも確実に、正確に分かるわけだ。これが本物の預言者・・・!!

凄い力を有している。割に一介の占い師でしかない。
というのもどうやらこの力を完全に理解して使いこなしているわけではないみたいなんですな。
生半可な霊感。ハンパな霊能力。それにより圭一さんの姿も見ることは出来るが、抗するほどの力はない。こりゃ怖いわな。

というわけでそれを利用して脅しをかける蛍ちゃん。緑川楓に復讐を頼まれた悪霊使いとの設定である。
まあ、圭一さんの姿は悪霊呼ばわりされても仕方ない部分はありますかなぁ。

これから次々と悪霊百体が集まりお前を殺す。
朝昼晩お前を責めつづけ、最後には体中から出血して衰弱死することになるのだ。

実に悪いことを述べる蛍ちゃん。陳腐な気もするが、圭一さんの存在はそれを後押しするに十分すぎる。
さらには圭一さん。普段から自分が見ている光景を見せたりするわけだが・・・生者にそれはキツかろう。

というわけで、自白。
どうやら券売機に仕込みをして、ジュエル先生のところに行くはずの客が自分のところに来るようにしていたらしい。
それで偶然引っかかったのが楓ちゃん。何度か会う内に罪を被せるのに都合のいい人間と判断されたそうな。
楓ちゃん、気を許すと色々とゆるゆるな感じみたいですからなぁ・・・

カラスアゲハこと蝶野はジュエル先生こと円卓明子さんを殺害。その後、楓ちゃんを誘導して死体の発見をさせた。
ははぁ、凶器の指紋は例の精神感応棒でありましたか。それを触らせて指紋をつけて凶器の柄につけかえれば完成と。なるほどね。
楓ちゃんも自分が容疑者となってテンパらなければこのぐらいの推理はできたかもしれませんが・・・
自分が容疑者になるなんて予想もしなかったことでしょうし、動転するのも無理はないかなぁ。

なので蛍ちゃんにも素直に、殊勝な態度で礼を言う。あらあらカワイイことで。
なんだか大きな貸しを作ってしまった感じはありますが、まあ普段から色々と調査協力してもらってますしねぇ。
今後も協力してもらったり酷いことに巻き込まれたり酷いことに巻き込まれたりするでしょうし、それで帳消しってことで。ね。



第38話:騙された死神  (2015年 40号)


スマホの調子が悪いのでケータイショップを訪れる蛍ちゃん。
まさかそこで死神と鉢合わせしようなんて誰が思ったか。そりゃ吹くわ。

しかしどうやらスマホの契約に来たわけではないらしい。
目的はここの店員、丹波七郎35歳。今夜十二時に急性心不全で死ぬこの男を迎えに死神はやってきたのだという。
ふうむ。病死か。ならば仕方がありますまいな。
死神も死後の魂が迷うことがないよう迎えに来ているのでしょうし、これは妨害するべきではない。
とはいえ知らずに済んでくれればいいことを知ってしまうってのは気持ちのいいことではありませんなぁ。

死神曰く、我々は世界の摂理を管理する組織とのこと。そのように言われると何となく俗っぽく思えるなぁ。
自然の摂理はシステム面っぽいところがあるってのは納得出来る話ですが。
死は救いでもあると述べる死神の言葉は覚えておくことといたしましょう。

さて、この丹波さん。どうやら霊の見える素質があったらしく、死神の姿が見えてしまう。
そんな丹波さんに死神であることと、お前が後3時間で死ぬことを正直に伝える。
ふーむ。いきなりそんなことを聞かされても困りますわなぁ。せめて朝に教えてくれればまだ・・・

と思いきや、ふともらした女性とつきあったこともないという発言から話は急展開。
童貞のまま死ぬことになるのは余りにも可哀想。生きていた甲斐もないだろうと同情される丹波さん。酷い言われようだ!!
しかし死神がそんな同情の仕方で摂理を曲げてしまっていいのだろうか?意外と緩いのか摂理。

てなわけで初体験を済ますまで死を待ってくれることとなりました。
うーむ、回収される魂にもそれなりの経験が必要ということですか。世知辛いねぇ。

それはそうと、あの約束だったら童貞を捨てなきゃ死ななくてすむんじゃないかと思い付く丹波さん。そりゃそうだ。
具体的な期日を設けたりしなかった死神の落ち度でありますなぁ。
死神は約束は守ると律儀なことを言っちゃってるし・・・なら契約内容はもっとちゃんとするべきでしたね。

というわけで蛍ちゃんに相談を持ち込む。
ハハァ。つまりそういうことでありますか。いやさすがに少年誌でそれは、ねぇ。
本人も嫌がるが、それ以上に嫌がるのは兄である圭一さん。
怒りと妹への愛で自身の霊格を急上昇させている
本来ならば神である死神には攻撃は通用しないはずなのだが・・・これならばいけるかもしれない。兄の愛は偉大だなぁ。

交渉は決裂したので立ち去る死神。
だが、身代わりに奴の身近な人間に死んでもらうかと言いだす。
ふうむ。それで標的となったのが丹波さんの姪っ子さんでありますか。これは厳しいですねぇ。
兄たちが待ち望んでやっと生まれた子で家族には唯一の光と言える存在。
それが自分の約束破りの代償で連れていかれるなど・・・耐えがたいですわなぁ。

病院に運ばれる姪っ子の真利奈ちゃん。
悔やむ丹波さんの前に現れたのは事情を知る蛍ちゃん。どうやら作戦があるらしい。
ふむ、さすがに今から童貞を捨てて標的を戻してもらうって話にはなりますまい。少年誌ですし。少年誌ですし。
それよりももっとスマートな解決方法を考える。
そう、スマートなだけにスマートフォンのプランを説明して時間を稼ぐのだ!!スマートかなこれ。

でもスマホを欲しがってた死神には効果覿面。
ややこしい説明を頑張って聞いた結果、十二時の回収は間に合わず助かる真利奈ちゃん。それでいいのか!!

自然の摂理というのがどこまで守らなければいけないものなのかちょっと不思議になるお話でありました。
まあ、最後まで死に抗うのは人間の業ってことでありますよ。本当にね。

それにしても死神さんはこのまま準レギュラーのような位置に収まるのだろうか。面白いからそれもいいけどね!!



第39話:恋する桃園  (2015年 41号)


家事に勉強に忙しい蛍ちゃん。遅刻しそうになってパンをくわえながら登校。
そして曲がり角でステキな男の子とぶつかっちゃうラブハプニング。いつの少女漫画か!!
今時ラノベでもやらないと蛍ちゃん自身が言っちゃうのもアレですが。テンプレ過ぎてロマンに繋がり難いかなぁ。

さて、楓ちゃんが蛍ちゃんに仕事を手伝わないかと持ち掛けてくる。
校内の身元調査。しかも浮気調査とのこと。うわー、探偵らしい仕事だなぁ。楓ちゃんもそういうことやってるんだ。
あんまり気が進まないから蛍ちゃんに回そうとしているんじゃなかろうか。

とはいえお金はちゃんと出すと言われたら聞かざるを得ない。
労働による対価は必要って話ですよ。普段苦労してる割に特別収入があるわけじゃないですしねぇ。

てなわけで調査の相手は2−Cの東条春道さん。
偶然にも蛍ちゃんが朝ぶつかった男の子である。
ふむ、全くの偶然ではあるが話しかけるきっかけには丁度良かった感じですな。
浮気しているかどうかを聞き出すために直接会話に臨む蛍ちゃんでありました。楓ちゃんとは探偵のタイプが違うなぁ。

東条さん曰く、古いつき合いの奴はいるけど彼女はいないとのこと。
実際に彼女がいるとしたら浮気に繋がりそうな発言だが、さてさて。

ともかく調査のために東条さんの後をつけることとなった圭一さん。
なんかうまく使われている気がしないでもないでしょうが、これも可愛い妹のためと思って、さ。

しかし東条さんに近付いたらいきなりバラバラになる圭一さん。何事!?
ああ、桃園さんが近付いてきたからか。仕方がないとはいえ圭一さんはすぐバラバラになるなぁ。骨は大変だ。

依頼人が桃園さんと知って驚愕の蛍ちゃん。
前に怒らせてしまったこともあり、あんまり近付きたくはない相手。
しかしこれ、なんとも厄介そうな依頼でありますな。
単純な浮気調査ではなく、別に東条さんは桃園さんと付き合っているとかそういう話ではないらしい。
好きな男の子に悪い虫が付いてないかの調査と言った方が正しそうだ。面倒なことですなぁ。

古いつき合いとの言葉通り、お互いの家族の繋がりもある幼なじみという2人。
小学生の頃には結婚の誓いも・・・いや、単にけしかけられて言わされたとかそういう流れらしいですが。
それを本気にしている桃園さん。うーむ、何とも気持ちがすれ違っている感じですなぁ。
桃園さんにも可愛らしい部分がある。そのように思えなくはないが・・・情念が深いのは面倒事が起きやすそうで怖い。

蛍ちゃんと話しているところを見たという桃園さん。
その話に乗っかり、他に好きな人ができたんだと蛍ちゃんを立ててしまう東条さん。あらあらこれは・・・オオ・・・

やりとりを見ている感じだと東条さんもまんざらではないのかもしれない。
が、幼なじみと改めて恋人関係というのは照れくさいという感じでありましょうか。
そんな恋のすれ違い。傍から見てるだけなら楽しめるかもしれないが、巻き込まれた身としては笑っていられませんなぁ。
何やら東条さんには黒い影が沸きだしてきたとのことであるが・・・さて何でしょうか。

最近なんだかついてないという東条さん。その理由は取り憑いている悪運のせい。
どうやら子供の頃に入るこみ、東条さんの中で共に成長していたらしい。
本来ならば東条さんはもっと幼い時に死んでいた。
しかし側に桃園さんがいたために悪運は何も出来ずにいたそうな。
それが桃園さんが離れたことで、溜め込んでいた力を一気に解放しようとしていると・・・うわぁ。

何とも危険な状態の東条さん。
そんな状態なのに桃園さん。恋敵と一方的に思い込んでる蛍ちゃんに迫ってくる。うわぁ。

となればもう・・・こうするしかありますまい。
自分がたぶらかしたことにするが、東条さんは桃園さんのことが大好きだったとでっちあげる!!
二人の長い時間の前に立ち入るスキはないなと述べることで納得させようという戦法だ。うわぁ・・・ハッハッハ。

え・・・?そ、そう?

そんな勢い任せの言葉にもコロッと嬉しそうな顔で騙されてしまう桃園さん。可愛らしいことである。
まあ、おかげで東条さんに取り憑いていた悪運も排除できたみたいだし・・・良かった良かった?

恋愛事には軽々に第三者を巻き込んではいけないって話でありますな。面倒なことこの上ないよ!!



第40話:フックマン  (2015年 42号)


姉妹校四校合同交流会
漢字がいっぱい並んでいるけど、ようするに提携している学校の生徒たちの交流会でありますな。
その中でも成績上位者が集まっており、特待生である蛍ちゃんも参加している。
色々他事にかまけてたりするけど、蛍ちゃんもエリートなんですよねぇ。これでも。

頭の良さそうな連中が集まっているわけだが、その中に異様な影を背負った人物が一人。
カギ爪の手に顔を見せないようなマフラーの巻き方。なんとも怪人といった風情の影である。
宿主は城町西高きっての秀才と名高い能見という男子。
ふうむ、なにやらキナくさい感じがしますなぁ・・・

というわけで交流会が終わった後、個人的に能見君に接触する蛍ちゃん。
これはある意味勘違いされちゃう行為なのではなかろうか。アドレス交換とかしてるし。
人当たりの良い蛍ちゃんはそういう勘違いとかされやすそうな気もするが・・・今までなかったんですかね?

それはそうと能見君。気になることを述べる。オレにはこんなとこに出る資格は・・・と来ましたか。
ふーむ。単に腰が低いだけならいいのですが・・・どうにもキナ臭いですなぁ。

久しぶりの出番なのに合コン行ってたと聞かされ焦るだけに留められる慎一くん。
もう少し自己アピールをしないと蛍ちゃんにも読者にも忘れられてしまいますぞ。

さて、交流会の参加者が例のカギ爪の男に襲われる。
フックを頭に突き刺す・・・だけではなく背中を切り裂いて立ち去るという酷い話。うーむ、これは怖い。
ちなみに圭一さんは夜の間は蛍ちゃんの寝顔を見て過ごしているらしい。なにそれ怖い。本当に冗談なのかどうなのか。

ともかく蛍ちゃんのもとに領内高の村見さんが暴漢に襲われたという情報が入ってくる。
ふむ。姿が見えない相手であるが、後ろからいきなり襲われたのなら見えようが見えまいが同じでありますか。

聖マルスにはブッちぎりのトップ学力を誇る二年の青葉さんという人物がいる。
が、変わり者なので会合なんかの人が集まるところには顔を出さないとのこと。
ふーむ。色のついた苗字か・・・将来の重要人物であるかもしれませんなぁ。
どんな風な変わり者なのか。期待したい。

さて、会合の後に襲われた人物が出たということで耳聡い楓ちゃんが蛍ちゃんに話を聞きに来る。
やさしいねーと蛍ちゃんに言われて戸惑う楓ちゃんが可愛い。

そんないつもの光景はさておき、ここからの楓ちゃんはいつもと一味違う。
圭一さんの失踪の件はまだしも、圭一さんが桐島さんと交際してたり山木巡査長が地方に飛ばされた件まで知っているとは・・・
焦るとアレだけど、やっぱり有能なことは有能なんですよねぇ。焦るとアレだけども。
色々と明かしづらい事情のある蛍ちゃんとしては放っておいてほしいところであるのだが・・・

普通の人のプライバシーならほっとくが、犯罪のにおいがしたらそれは見逃せない。それが私の探偵としてのプライドだ

随分と格好いいことを言ってくれる楓ちゃん。
それ自体はいいのだが・・・十二人委員は警察関係者であっても危険な感じの存在ですからねぇ。
現に警察官である圭一さんの失踪にも関わっていそうなわけですし・・・
なるべく危険な目にはあって欲しくはないが、簡単に諦めてくれる子でもないし、面倒くさいですなぁ。

ともあれ今の事件について。
村見さんのお見舞いに行く蛍ちゃんたち。そこには他の交流会の参加者がやってきていたりする。
ふーむ。頭の刺し傷は霊的なものっぽいが背中のキズは残っちゃうのかぁ。女の肌に何ということを・・・

そして凶行は繰り返される。今度は蛍ちゃんと同じ聖マルスの創さんが狙われる。
またもやカギ爪で頭を突きさすわけだが、この行為・・・きっと意味があるんでしょうなぁ。
カギ爪で頭のいい人から知力を吸い上げて宿主の能見君に与えたりしているのだろうか?
それを自覚しているのなら能見君が資格うんぬん言い出すのも分かる気がする。能見なだけに脳みそ頂くとかそうゆう。
しかしそれだけならそれに留めればいいのに、何故ケガまでさせるのか・・・何にしても野放しにはできない感じですなぁ。



第41話:フックマン2  (2015年 43号)


未来ある若者に襲いかかるカギ爪の男。
蛍ちゃんもそのうち狙われるかもしれませんし、どうにかしないとなぁ・・・

そんな狙われるぐらいに優等生な蛍ちゃん。予習もちゃんと欠かさない。
前後を掴んで後は流れで覚えた方が記憶するには楽とのこと。
だから1何周もパラパラすれば要点は掴めるのだそうな。ほ、ほほう・・・デキる人は違うなぁ。
そりゃあもう、兄も温かく見守るぐらいしかできませんわ。ゴゴゴゴゴ。

それはそうと、創さんが襲われたという情報が入ってくる。
これはひょっとしたら交流会の関係者が狙われているのではと警戒する蛍ちゃん。
早速明日から調査を開始しないとですなぁ・・・

外に出なければ安心かと言うとそうでもない。
三人目の被害者はベッドの中で襲われ、朝起きたら血まみれだったそうな。
うーむ。家の中でも襲われるとなると怖さが段違いになりますなぁ。
そんな中、パニックになりそうな面々を押さえ、ソースのある情報以外は控えさせる蛍ちゃん。さすがに場馴れている。

三人目の被害者は井上さん。ソースも確認できたし、どうやら本当に家の中で襲われたみたいですな。
それはそうと、交流会のメンバー全員集まったはずなのに能美さんの姿がない。
一番怪しい人がいないってのはどうにも気にかかる・・・のでちょっと城町西高に行くと言いだす蛍ちゃん。
ふむ、まあ危険を伝えるために行ったのだと考えれば怪しまれることもないか。

ところが蛍ちゃんが離れたのを見計ったかのように現れるカギ爪の男。
一か所に集まったのがアダとなったか、纏めてやられる交流会のメンバーたち。あらあら・・・
見えないし触れない相手にはどうにもなりませんわなぁ・・・

惨事が発生している中、能美くんの居場所を探る蛍ちゃん。
そんな蛍ちゃんに近付いてくるのは楓ちゃん。話したいことがあるのだそうな。
ああ、楓ちゃんが襲われた交流会のメンバーを発見して警察や救急車を呼んでくれたのですか。それは有難い。
有難いが、面倒な子に嗅ぎ付けられてしまいました。うーむ。

追及される前に町止地区で起きた有名な事件が何かわかる?と尋ねる蛍ちゃん。
確証はないものの、能美くんの居るこの地区で何かがあったのではと推測する。
それがどうやらアタリらしく、十年前に小学校に一人の男が乱入して大暴れした事件があったらしい。
その時教室にいた生徒十人が負傷、うち二人が死亡したという。何ともはや・・・

その男の名前・・・能美一郎37歳・・・
逮捕後裁判で心神喪失を理由に保護観察処分に。後に失踪、現在行方不明・・・
襲撃時に使った凶器は氷などを扱う時に使う巨大なフックだったと・・・

こいつはまた、思った以上に大きな情報が手に入りましたなぁ。
能美くんと能美一郎が親子だとしたら・・・
そういった推測はできるが、どうやら考えている場合ではない様子。蛍ちゃんうしろうしろー!!
圭一さんが側にいるというのに大胆に襲いかかろうとするカギ爪の男。
最初の一撃を躱すことができるかどうか・・・気になるヒキですな。



第42話:フックマン3  (2015年 44号)


凶行を重ねるカギ爪の悪霊。
残る目標は蛍ちゃんのみ。後ろから襲いかかるがさすがに圭一さん。見事にブロックしてくれました。
が、退治するまでは及ばず取り逃がす。うーむ、どうにかしないといけませんなぁ。

どうにかしないといけないといえば追及してきている楓ちゃんの処置。
仕方がないので能美一郎が怪しいことを伝える。
凶器も一緒だし、能美君のライバルを襲ってるんじゃないかと告げる。
能美一郎は生死不明になってるのだし、捜索しても肉体は簡単には見つかるまいって話ですな。
そうとも知らずに警察に連絡を取ったりと忙しそうにする楓ちゃん。クリクリ。今のうちに逃げよう!!

楓ちゃんから逃げ出し、能美くんの家に。
能美くんの背後には例のカギ爪の悪霊の姿。
どうやら能美くんの頭に知識を挿入している様子。
ふーむ、やはり学業優秀な子らの頭から情報を抜き出して息子に挿入してたって話ですか。

さて、蛍ちゃんたちに気付いた悪霊。容赦なく襲いかかってくる。
姿を消したり表したりと神出鬼没な感じはまさに悪霊ですなぁ。

生前から色々と諍いの絶えない生活をしていた能美一郎。
職場で揉めて解雇通知を出され、飲んだくれて暴れ回るなど・・・ううむ。
その気持ちは察することが出来なくもないが、だからといってその鬱憤を弱いものにぶつけようとする考えは分からない。
子供を殺したカギ爪は特別な力を持ち、悪霊と化した能美一郎の一部となっているようである。ふむ。

能美一郎が学力を吸い取るだけではなく、学生たちをキズつけるようになった理由。
それは学力トップグループの会合の場で、能美くんが自分は場違いだと感じたため
自分とは違い実力のある人間に囲まれて、劣等感と疎外感を感じた・・・父親はそれを見逃さなかったわけか。

なんて・・・自分勝手な理屈だ・・・

悪霊に道理が通じるはずもないが、それで襲われるのでは筋違いにもほどがある。
さっさと退治してしまうのがいいのだが、どうにも手強い悪霊。
攻撃が効かないと思ったら本体は別の所にありましたのか。なるほどね。

父親の形見の指輪をネックレスにしている能美くん。
あんな父親でも父親であったということか。そういう思いがあったから悪霊として能美一郎は暴れるようになったのか。
父から子への無償の愛。それ自体は美しい。だが、だからといってなにをしてもいいわけではない。

愚かな愛は、みにくく罪深い・・・悪だ

妹にちょっと偏愛のケがありそうな圭一さんでありますが、その辺りは弁えてるってことでしょうか。弁えてるといいなぁ。
ともあれ本体の指輪が破壊されたことで悪霊も動けなくなった様子。良かった良かった。何とか事件は解決か・・・

どうやらケガした人たちも命に別状はなく、順調に回復しているらしい。
結構な傷だったと思ったのだが、綺麗に治るのなら良かったですな。
ちなみに楓ちゃんは能美一郎を探していたようだが結果は出ず。
前回までは随分と鋭い所を見せて迫っていたのに、今回は蛍ちゃんの口車に乗せられた形になっちゃいましたな。ハッハッハ。
まあ、楓ちゃんが能美一郎を探し出せなかったのも無理はない。何故ならば・・・

能美一郎が溶け落ちる時、兄キは見た。
能美一郎の死の瞬間を・・・能美は殺されたのだ。
能美を殺したのは黒いフードの男。十二人委員の一人だったのである

人知れず悪人を処罰し、その死体も処理する。
なるほど、これは警察が手を尽くしても簡単には見つからないでしょうなぁ。
しかし思わぬところで事件はリンクしているものである。
この調子で悪人の霊と接触できれば十二人委員の正体を掴むことも可能・・・か?
それはそれで危険な話ですなぁ。



第43話:緑川楓の冒険  (2015年 45号)


フックマンの事件は無事解決。今後学力優秀な子が狙われることはないだろう。
しかしそうとは知らない楓ちゃん。独自に事件を探っている様子。
蛍ちゃんが襲われる前に捕まえようと思ってるんですね。健気ですねぇ。ウンウン。

というわけで、能美一郎が昔常連だったという居酒屋を訪れる。
警察と繋がりのある女子高生探偵ということで情報も得やすい。
それはいいのだが、名刺に警察庁公認とか書いてあるが・・・本当かいな?

能美の友人は何人か今でもこの居酒屋に通っているらしい。
なのでその友人に聞き込みを行う・・・までの間、居酒屋の手伝いをさせられる楓ちゃん。なんでまた。
こういう時でも帽子は外さないのだが、それも個性ということで許容されているのだろうか?
まあ、好きで手伝っているわけでもないのだし、文句言われてもなぁ。
でも楓ちゃん、やっぱりこういう接客業には向いてない感じですよねぇ・・・泣いちゃったよ。

そんな辛い社会勉強はさておき、目的の人物が登場。能美一郎の友人から話を聞くことが出来る。
能美一郎は悪いヤツではなかったが情緒不安定だったとのこと。
最初は子煩悩でマトモな男だったが、仕事でつまづいたあたりからおかしくなっていったらしい。
ふーむ。順風満帆の時にはマトモでも一旦つまづくと人間どうなるかわからないってことですかねぇ。

能美一郎を最後に見た時はこの店で黒ずくめの男と飲んでいたらしい。
その後二人で店を出ていき、それ以来見ていないとのこと。ふむ・・・

友人とは別に、能美とフードを被った男の二人が行ったところを知っているという人物に案内してもらう楓ちゃん。
む、この展望台は・・・下が例のオバケ屋敷ですし、間違いないですな・・・
能美一郎はフードの男にその日連れていかれ、ここで突き落とされたわけか。
楓ちゃんもそこまでの事実は知らないようであるが、展望台とオバケ屋敷のことを知ってしまった。
推理によってはここが殺人に使われる場所で、オバケ屋敷が死体処理場だと気づいてしまうかもしれませんなぁ・・・

案内した男曰く、ここは出入り口が一つしかなく大声出しても周りには何もない。
昔からヤバイ取引きをする時なんかに使っていた場所だとのこと。ふむ、有力な情報ですな。こりゃ推理が進む。
というのはさておき、ピンチの楓ちゃん。
働いている時に痴漢にあってたりしたし、意外と狙われるタイプの子なのだろうか?隙だらけに見えるのかもしれない。

とはいえいつも単独で窮地に飛びこんでいる身。相応の備えはある。
閃光弾にスタンガン。近代装備を使って窮地を乗り切ろうとする楓ちゃん。
だがどうやらパワーが足りなかった様子。うーむ。蛍ちゃんほどの運動神経があるわけではないし、捕まると厳しいなぁ。

いよいよヤバイ状態に追い込まれた楓ちゃん。が、そこに救いの手が現れる。
普通は誰も足を運ばないような所に現れ、複数の男を一人であっという間に片づけてしまう。
その男は黒いフードを被っており素顔は見えず・・・ってその特徴だけで十分だ!!

正義の方向性はアレだが、基本的に悪人を見逃すようなことはないと思われる十二人委員。
フードの男がそのうちの1人であるならば、この行動は正当なものであるか。
しかし楓ちゃんがこの場所まで来たことをフードの男に知られてしまった。これが後にどう響くのか・・・

何はともあれ楓ちゃんが無事で良かった良かった。
しかし怖い目にあったというのに探偵業について足踏みをする気はない様子。
うーん。せめて単独行動は控えて欲しいところなんですけどねぇ。
蛍ちゃんが側にいれば・・・とも思うが、蛍ちゃんも結構単独で動く方ですしねぇ。もっと頼れる友人が必要か。




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