蒼天紳士チャンピオン作品別感想

スポ×ちゃん
第1話 〜


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 第1話 〜 (2012 20号〜)



第1話「金髪と黒髪」  (2012年 20号)


小太刀護身道!スポーツチャンバラ始めよう!
キラキラ乙女のロマンが燃え盛る。
「かるた」「釣り屋ナガレ」でおなじみの竹下けんじろう先生による新連載開始だ!!

あいかわらず飛ばしたアオリであるが、それもまたよし。

入学の時期。桜が満開の時期でございます。
掃除中の女子高生。入る部活は剣道部と定めている様子の黒髪の女子、佐々木かすみさん。
そのかすみさんに階上から突然斬りかかる金髪の女子がいた。
慌てて持っていた得物で防ぐかすみさん。何!?辻斬り!?

お互い掃除道具ではあるとはいえ、突然斬りかかるとは穏やかではない。
いや、辻斬り?とか考えちゃうほうが穏やかではない気がしないでもない。

鍔迫り合いになりそうなところだが、金髪の女子、宮本さんはあっさり離れて距離を取る。
そして、かすみさんに宣言する。新しい部活作るんだ、と。佐々木さんも入ってヨ!と。
新しい部活。それは一体・・・?

スポーツチャンバラ!!だヨ!

チャンバラ!それは、子供がよくやるあのチャンチャンバラチャンバララってやつですか?
今の子供もやるのだろうか?いや、掃除の時間があるなら子供はやる!確実に!!

あれは・・・スポーツというか・・・「お遊び」ですよね。

まあ、そのように捉えられても仕方がないですね。宮本さんも否定はしない。
剣道部に入ると決めているのだと渋るかすみさんに、お願いと足に取り縋る宮本さん。公衆の面前で何してるんですか!
そこに先生が登場。
かすみさんの友達のメガネちゃんに説明を受けるメガネの先生。

じゃあ勝負して決めたらどうかしら

突然の提案でございますね。
まあ、剣士同士でありますし、それが一番手っ取り早いってことなんでしょう。

佐々木さんが勝ったら宮本さんは諦める。
宮本さんが勝ったら佐々木さんはスポチャン部に入る。

わかりやすい話だけど、それかすみさんにメリットが薄いんじゃありませんか?
でも、友人メガネの面白そうという言葉で引き受けざるを得ない形になっちゃいました。
メガネ先生は見届け人になってくれるとのこと。ウフフフ。

体育館に到着。上着を脱ぎ、靴下も脱いで素足となる。靴下じゃ滑りますものね。
勝負の内容はもちろんスポーツチャンバラ。
シュコシュコと、チャンバラに用いる道具に空気を入れる宮本さん。
それを尻目に準備運動を行うかすみさん。負けるつもりはないとの心持ち。

私は10年近くお姉ちゃんと稽古してきたのよ。女子剣道日本一の佐々木蘭と・・・!!

姉の名誉にかけて負けられないと気合を入れている。
そのかすみさんに、膨らました剣を渡す。
しかし、2人が持っている剣は長さが違う。宮本さんが持っているのは小太刀。佐々木さんが持っているのは長剣。
長剣は約100cmに対し、小太刀は約60cmと短い。
でも、今日はこの2本しか持って来ていないからしょうがない。

佐々木さんてスポチャン未経験でしょ?ハンデだヨ!

なるほど。でも、そう言われるとかっち〜んと来るのが武道経験者ってもんだ。
手加減なしで打ちのめしてやると考えるかすみさんでありました。
チャンバラの剣だが、長さは竹刀とほぼ同じ。しかし、軽い。刀身は風船のようなものである。
柔らかすぎるため、強く振ると竹刀より振り遅れる感じになってしまう。

スポチャンのルールは1つ。単純明快。どこに当てても一本!だヨ!

実戦であれば、体のどこを切り込まれようとも大打撃になる。そういう話でありますか。
ただ、実際の競技では面をつけて行う。なので、今日は首から上はナシとなります。
危険さなんてなさそうな競技なのに、面は必要になるんですなぁ。

ともかく、ルールはわかりました。さっそく始めましょう!!

というところで、1本目終了。引き続き2本目に入ります。



第2話「小太刀と長剣」  (2012年 20号)


勝負の前に少し回想。入学式のときのこと。
宮本さんの金髪は目立つ。否が応でも話題になる。かすみさんも目に留めていたようだ。
そして同じクラスになる2人。かすみさんは中学に剣道をやっていたことを挨拶で述べる。
これが元でスカウトされることになっちゃったわけですね。
一方の宮本さん。フルネームは宮本百合百合と書いてリリィと読むそうな。それはまた。
母はイギリス人。だけど日本育ちだから英語は喋れないヨとのこと。皆も日本語で話しかけてネ!!
なるほど。ハーフでありましたか。そりゃ金髪でも納得?

そんな2人が、放課後さっそく剣を交えようとしています。
小太刀と長剣。実戦でも相対してそうな2つの戦い。どのような形になるのか。

剣道経験者のかすみさん。剣の持ち方や姿勢も剣道に倣った形をとる。
一方のリリィ。半身の下段の構えをとり、ボクシングのように軽いフットワークをみせる。
とりあえず動き出してはいないが、すぐに駆け出しそうな足踏みでありますな。

フェシングみたいに突いてくる?いや、剣は短い。それはきっとないはず・・・
相手の出方を探るかすみさん。
しかし、フットワークが激しいゆえか、胸の揺れ方が気になります。かすみさんだって気になります。
姉のようにスタイルいいなぁとか考えちゃったりしたり。

ダンッ。
ビクッ。

突然強く踏み込まれてビックリするかすみさん。
胸を見ていたのがバレた?ニヤニヤされちゃってるし!?これは恥ずかしい。集中集中!勝負に集中!!

大振りは危ない。剣が柔らかいから振り遅れる・・・どうする?小手狙い?
いや・・・剣が柔らかいのなら・・・
剣道で禁止技の・・・「突き」が使える!!

せああアアッ!!

首から上は禁止と言われたが、首は問題ないってわけですね。
中学時代に使ったこともないでしょうに、いきなりの突きを放ってくるとは!なかなかの殺意でありますな。
野試合では遠慮なく刺し貫いたものよ!とか言うのでしょうか。

しかし、上体を反らしてこの突きをかわすリリィ。
そしてブリッジのような姿勢を保ったまま、剣を振るう。
振るった剣は、狙い過たず、かすみさんの左脚に命中するのでありました。おおっ。

倒立から一気に起き上がるリリィ。なんとも身軽でありますね。
脚に当たろうがどこに当たろうが一本となるのがスポーツチャンバラのルール。
実戦であれば、脚を斬られた時点で致命的。起き上がることもできず、一方的にやられるでしょう。
というわけで、この勝負はリリィの勝ちで確定となりました。

じゃあスポチャン部に入ってくれるよネ!?

そういう約束でしたね。剣士に二言はありません!!
姉のようになるために剣道部に入るつもりだったかすみさん。思わぬ回り道となってしまいましたな。
これもまた試練であるか。
メガネ友達もよく言った!と応援してくれる。いいのですか、それで?

部員1人目ゲットに沸き返るリリィ。
見届け人のメガネ先生に嬉しそうに話しかける。やったヨ師匠!師匠の言った通りに勝てたヨ!!

なに?この勝負の提案者であるメガネ先生。もしやグルだったと申すのですか!?

バレちゃったら仕方ないわね。
私がスポチャン部の顧問(の予定)土方桜よ。

担当は物理という土方先生。しかし、言った通りにってのはどういう意味であるか?
それは、試合前のこと。リリィにアドバイスをする土方先生。

いい?カウンターで脚を狙うのよ。剣道選手は脚がノーガードだから九割九分勝てるわ!!

なるほど。的確なアドバイスですな。
確かに勝負への持って行きかたは謀った感じがあるが、勝負の内容に問題はない。
これはかすみさんも諦めるしかないでしょう。

というわけで、始まりましたスポーツチャンバラ漫画。
最初から一挙2話掲載で部員を1人ゲット。よい流れでありますな。
しかし、キャラクター名。宮本、佐々木、土方と来ましたか。今後もそういう流れになるんでしょうな。
小太刀護身道というアオリが連載前からありましたが、リリィは小太刀を主にするのだろうか?
かすみさんは長剣で押し通しそうな雰囲気ですな。
今後どういった展開をみせるのか。とりあえずは部員集めから始まりそうだけど、どうなりますやら。
男女の混合戦もあるということだし、男の部員が入ることもあるのかな?
そうなると、試合中の色仕掛けとかも普通にありそうな気配がしますな。
かるたで色仕掛けがあるなら、チャンバラにだってあるさ!きっと。



第3話「剣と駄菓子」  (2012年 21号)


センタカラー&前号に続いて今号も2本立てでございます。

勝負に敗れ、スポーツチャンバラ部に入ることになったかすみさん。
放課後、リリィはかすみさんに声をかけ、途中まで一緒に帰ることになりました。

かすみさんの中学のアダ名。男子からは「カス」とか「スミっ子」とか呼ばれていたそうな。
それはまたなんとも酷いアダ名でございますね。
可愛いのにそのような呼ばれ方をされるとは一体・・・?

というわけで、リリィはかすみさんを「かすみん」と呼ぶことに決定しました。決定ネ!
かすみん、リリィと呼ぶことになった2人。
親睦を深めるために何か食べてくことになった。リリィのおごりで。ってうまい棒かよ。
コンポタとめんたいを一緒に食べると美味しいらしい。へぇ。

並んで座って食べる2人。ちょっとした沈黙。気まずい。何か喋らないとと考えるかすみん。
そのかすみんにリリィ。

結構カワイイのはいてるよネ〜〜ピンクの水玉〜〜♪

いきなり何を言い出すのでしょうかこの子は。
脚に切りつけるために上体をそらしたときにチラッと見えたそうな。
あんな一瞬で見えたって、どんな動体視力なの・・・と驚くかすみん。
いやあ、目立つ部分ではありますしね。記憶されてもおかしくはないさ。

リリィのスポチャン歴は半年ほど。中学までは体操部だったという。
ははぁ。だからあんなに身体が柔らかかったりするんですな。身のこなしもそれっぽい。
体操はやらないのかという問いに、私みたくデカくなりすぎるとダメなんだよネとの返答。
ふむ、胸が大きくなりすぎると色々と動きづらいわけですな。あ、身長の話か。
中2で160あったというリリィ。大きすぎると体操は無理がでてくるらしい。

身長が伸びる度、体重が増える度、身体のバランスが崩れるんだ

橋の欄干に登り、歩きながら話すリリィ。
今までできてたこともできなくなって・・・という言葉と共に足を滑らせる。
が、その瞬間に跳躍。一回転しつつ、うまい棒でかすみんに面を決めてみせる。
片足滑らせてからもう片方の足で跳躍し、一回転しての斬撃!これはなかなかにアクロバティックな技ですよ。
その技を目の当たりにしてのかすみんの反応は・・・!?

本当に水玉だった・・・

ああ、リリィも今日は水玉だって言ってましたね。っておい。
斬られる瞬間に目を閉じたりしてるし、かすみんは色々とスキだらけであるなぁ。

体操は続けられなくなったリリィ。しかし、今はスポチャンが面白いからいいんだと笑顔で言う。
前向きですね。かすみんは未だに剣道部に入れなかったことを後悔しておる様子ですけど。
その様子を感じたリリィ。本当にイヤだったらいいよ・・・スポチャン部・・・入らなくても・・・

ちょっと憂いを帯びた表情が可愛いリリィ。
それにほだされたわけではないと思うが、かすみん。負けを反故にするのは剣士ではないと宣言する。
そして、うまい棒の先を交わして3年間ヨロシクと挨拶するのであった。

夜。かすみんの家はお寺らしい。月尚寺に帰宅する。
庭では姉が素振りをしていた。弛まぬ鍛錬って奴ですね。なかなかカッコイイ姉だ。
その姉に、勝負に負けて剣道部に入れなかったことを報告する。

どこのどいつだ!?私が代わりに話をつけてやる!!うぉのれい!!

真剣をギラリと光らせて意気込み姉。怖いっすよ。
憤る姉を、負けた私が未熟だった、それだけですと宥めるかすみん。
かすみがそう言うなら矛を納めようと姉。次は必ず勝てよ!とのこと。

どう報告しようか悩んでいたかすみんだったが、何だかあっさりと収まってしまいましたね。
頑固な姉というわけでもないようですし、早めに纏まってよかったよかった。

いい感じになったところで2本目にGO!!



第4話「道着とレオタード」  (2012年 21号)


部員は2名。顧問は既に候補がいる。
この人数でも部の申請はできるらしい。どちらが部長になるか決めておいてね、と土方先生。
部長はどっちがやるか、これは勝負で決めましょう!とかすみん。
次は必ず勝てよ!と姉に言われたのだ。今度こそリベンジを果たす!!

というわけで、前回と同じく体育館。
今回は気合を入れて剣道着を着てきたかすみん。よいですね。
勝負を行うと宣伝しただけあり、ギャラリーが詰め掛けている。賑やかな状態だ。

スポチャンでは服装は自由となっている。剣道着でも問題ない。
リリィも動きやすい服装に着替えてくるといい、現れた姿は・・・レオタード!!
これが一番動きやすいからとのこと。本当に自由なんだなぁ。
ただ、面をつけるというルールはある。
この面をつけることにより首から上の打突も解禁され、どこを切ってもOKとなる。

スポチャンの面は微妙にダサイ気はするが、透明感があって顔が見えやすい。漫画にはよいですな。
剣道の面に比べると凄く軽い。まあ、武器が武器なだけにそんなに厚くする必要なないですものね。
目とかに当たったりしないように防御できればいいって話だ。

さて、今回もかすみんは長剣。リリィは小太刀を持っての勝負となる。
かすみんは前回の反省をいかして下段の構え。
現代剣道ではほぼ使われない構えだが、相手の出足を制するにはよい構えである。

打ちかかってこようとするリリィの剣を弾くかすみん。
長剣は小太刀より40cm近く長い。冷静に受ければ打たれることはない。
しかし、剣が柔らかくしなって、どうしても一拍遅れてしまうとのこと。やりづらそうですな。
それゆえか、間合いに入ったけど一本を取れず逃してしまう。決め手にかけますねぇ。

ならばと後ろを向いて思いっきり距離を取るリリィ。ん?なんだなんだ?
いくよーと宣言して始めたのは・・・側転からのバク転。回転しながら迫ってくるリリィ
いきなり何をするんだこの子は!!
とはいえ、人間が縦回転しながら迫ってくるのは想像するとなかなか怖いものがある。
混乱したかすみん。迫ってくるリリィに悲鳴をあげながら斬りかかる。わああっ。
そのかすみんを宙返りで飛び越し、背面に回って面を叩き込むかすみん。えいっ!!!

勝負あった!って凄いことをしてきましたな、また。
奇策にもほどがあるし、実戦で使えるかは不明だが、とにかく派手でよい。
しかし、かすみん。目をつむって斬りかかるのはどうなのよ。
言葉の割に剣道少女として未熟な部分が見られるかすみん。実はそれほど強くないのでは・・・と思えてしまう。

そんなかすみんですが、スポチャン部の部長に認定されました。
勝ったほうが部長になるなんて誰が決めた?
だって部長って面倒臭そう!というリリィの意見。土方先生もかすみんの方がしっかりしてそうでいいとの判断。
というわけで、かすみんが部長に決定ネ!!

負けたのに部長になるなんて納得いきません!!
気持ちはわかるが、受け止めてもらうしかありませんな。ハハハ。

始動したスポチャン部。まずは部員集めでしょうか。
その後は試合を行ったりするのだろうか。大会とかあるのかな?
どんな風に展開して行くのか読めないのはいいところですな。
服装は自由とのことだがどこまで自由なのかも気になります。
公序良俗に反するくらいでも問題ないのかな?んなわきゃーない。



第5話「泥棒と下着」  (2012年 22+23号)


部長はかすみんに決定した。とはいえ、まだ部の発足には至っていない。
やはり部に認められるには人数がいるようだ。
4人いれば部として認められる。そのため、明日からは部員集めを行うことになる。

土方先生曰く、部費も出るからそれで得物も買える、とのこと。
スポチャンの武器ってそんなにお金のかかるものなの?と思ってちょっと調べてみた。
小太刀などの短い武器で7500円程度。
槍などの長い武器だと2万円前後するらしい。うーむ、これは自費で買うには厳しい!
やはり部費は必要だとわかった。面も1万以上するし、数揃えるには金がいる。

それはそれとして、汗をかいた2人。シャワールームを使えるようにしておいたので入るといいわ、とのこと。

並んでシャワーを浴び、話を始める2人。話題は土方先生のことについて。
リリィは入学前から土方先生と知り合いだった。
出会ったのは中3の秋。体操の大会があった同じ体育館でスポチャンの大会もやっていたんだそうな。

さすがに服装が自由なスポチャンである。老若男女、いろんな年齢のいろんな格好の子がいる。
ジャージと道着が公式戦で戦うなんて滅多に見られない光景ですね。
パーカーの子もいたりするし、自由な感じだ。いや、その子は出場者じゃないかもしれないけど。

体操部の仲間と共に更衣室に戻ろうとするリリィ。
すると、女子更衣室から、見るからに怪しい人が出てきた。何だ?チカン!?下着ドロ!?盗撮!?
悲鳴を上げる女子。ヤバイと思った痴漢は逃げ出そうとするが、その前に立ちふさがるリリィ。逃がさない!!
そのリリィに対し、ナイフを取り出して脅す痴漢。怖いもの持ってるじゃねぇか・・・

さすがに慄くリリィ。そのリリィを下がらせて前に出てきたのは・・・土方先生!
どうして先生がこの場所に?

師匠はスポチャンの大会に出場してたんだヨ。

なるほどね。
そのヘソ出しルックもスポチャンの大会用の試合着といったところでしょうか。
いくらなんでもこれが普段着ってことはないでしょうし、そうなんでしょう。たぶんきっと。

土方先生は、痴漢の声を聞いて体格はいいけどまだ中学生くらいだろうと見抜く。
そのくらいの年頃じゃあね、女の子に興味があってしょうがないくらいでしょう。
だから先生も、あまり強くはいわず、今なら謝れば許してもらえると諭す。

うっ・・・うるせえっババア!!

中学生くらいの子からじゃあ、ババア扱いされてもしょうがないかぁ。
とはいえ、そんなことを言う子にはお仕置きせねばなりますまい。

テーブルの上に置かれていた広告の紙の束を手にする土方先生。
それをぐるぐると細く巻、武器とする。長さとしてはナイフより少し長いかというぐらいの武器だ。
紙の束を手に、じりじりとナイフを手にした痴漢に近づく先生。
痴漢は威圧するかのようにナイフを前後させている。
刺す気があるかどうかは不明だが、まかり間違うと危険なことになる。
が、先生は恐れることなく踏み込み、ナイフを握っている右手に紙の束を叩きつける!!

小手は弱点になる場所ですからねぇ。衝撃を受けると得物を取りこぼしてしまう場所である。
思わずナイフを離してしまう痴漢。本来ならこれで終わるところだったのだが、追撃を開始する土方先生。
横薙ぎの一撃を顔に決め、続いてスネを強打。
足を押さえてうずくまったことで打ち込みやすくなった頭頂部にトドメの一撃!!
痴漢は見事に撃退されたのでありました。

ババアなんて言うから・・・手加減できなかったじゃない・・・

そりゃあ仕方がないっすよねー。
というか、土方先生もいくつぐらいなんでしょうか。
中学生からしてみればそれなりのお歳でしょうが、実のところは・・・?

それはさておき、土方先生のかっこいい姿に惚れこんだリリィ。
「私もあんな風になりたい」って思って、その場で「弟子にして」って頼んだらしい。
それ以来個人的に教えてもらっていたそうな。

月女に入ったのも師匠が先生やってるからなんだー
体操で推薦決まってたんだけど蹴っちゃった。

そこまでしてスポチャンを始めようとしていたのか・・・
でも、推薦が決まっていても、身長的問題で体操は続けられなかったんじゃなかったっけ?
そういう意味では、推薦も蹴って正解だったのかもしれませんな。

土方先生のカッコイイ話を聞いたかすみん。今後見る目が変わるか。
と思いきや、脱衣所で何やら怪しい動きをしている土方先生を発見してしまった。何やってるんですか?
どうやら抜き打ちの服装検査ということらしい。
最近の子はどんな下着なのかなって気になっていたらしい。
なるほどねー。チカンっすね。中学生じゃないですし、謝っても許されないよ!!
そういえば、シャワーを勧めたのも先生であった。これは計画的な犯行だよ!!
チェックするのにどれだけ時間かけてんだよって話もあるが。

尊敬されそうで尊敬されない土方先生でありました。まあ、これぐらいの緩さでいいってもんですよね。

それにしても、紙の束ってそんなに威力あるものなのでしょうか?
勢いをつければそれなりの打撃にはなるだろうけど、倒れるほどまでいくかな?
と疑問に思ったが、巻末コメントで紙は束ねると存外重いものですので遊び半分で殴らないようにと注意されていた。
なるほどねー。遊び半分ではなく、本気で打ち込めってわけですね!わかった!!
いや、危険だから止めときます。はい。



第6話「体験入部と手加減」  (2012年 24号)


部の設立に必要な部員は最低限あと2人。というわけで、部員勧誘の回となります。

お昼ごはんを食べながら部員勧誘の方法について話す2人。
土方先生曰く「体験入部をやったらどう?」とのこと。
確かに。スポーツチャンバラは認知度が低い。
それでいて気軽に参加して楽しめそうなものではある。体験入部は面白そうだ。

それはさておき、リリィの昼食は駄菓子。うまい棒のみであるらしい。不健康な!
というわけで、かすみんからおひたしとキンピラを進呈。あら美味しそう。
こんなに美味しそうなのにリリィはホウレンソウはキライという・・・なんでやのん。

それはさておいて、体験入部。
手書きのポスターを持ち、試合着に着替えて勧誘を行う2人。
リリィはレオタードが正式な試合着ってことでいいんですかね?それはそれで嬉しいが。

宣伝のかいあってか、それなりの人数が体育館に集まりました。この学校、第2体育館とかあるのか。
今日は小太刀と長剣を複数持ってきている様子。
リリィとかすみんの2人がそれぞれ、やってきた子達を相手する。
柄を持ち、切っ先の所だけでうつ。当たればそれで勝ちというシンプルなルールは馴染みやすい。

和やかに行われる体験入部。
しかし、実行する前に土方先生から注意事項があった。決して本気を出さないでね、ということ。
この2人が本気で打ったら皆怖がって逃げちゃうから!とのこと。それはそうかもね。
とはいえ、キャッキャウフフしてるだけでは本格入部してもすぐに逃げられるのではないでしょうか。
とりあえず人数そろえて部を設立すればこっちのもんだってことなんでしょうか。さすが土方先生。腹黒い。

先生の言いつけ通り、手を抜きまくっているリリィ。
そのリリィを見てなんだかイライラするかすみん。
私に勝った人間が、素人に簡単に負けたりする姿が見ていられないという様子。複雑ですね。

私と戦った時は、あんなに凄い動きで容赦なく打ち負かしたくせに!!

ふ、複雑ですね。なんだこの表現は。合ってるけど、今思うべき内容でもないような。

それはさておき。かすみんの相手として名乗りを上げてきた少女がいる。
1年A組の河上菜花ちゃん。ヘアバンドで前に髪を垂らさない様にまとめている。
ひょっとしたらおでこが広いのかもしれない。いや、この状態でも十分広そうな気もする。デ子だデ子。

長剣をそれぞれ持ち、対峙する2人。
菜花ちゃんは、その長剣を逆手に握り、腰を落とした構えを取る。なんだこの構えは!?
新聞部に入ったメガネちゃん。あ、あの構えは・・・!!と驚きを見せる。知っているのかメガネちゃん!!
パッと見た感じではア○ンストラッシュに見えるが、他紙の技だしその名称は使えまい。

牙王剣旋風斬!!

どうやら格闘ゲームの技だったらしい。格闘ゲーム「牙王伝」の主人公ファングの必殺技だ!おおぉ。

奇抜な技を行うのであれば、格闘ゲームから流用するのが一番ですよね。
こういった行動をしても怒られにくいのがスポちゃんのいいところですよね!本当に怒られないのかな?

旋風斬は回転力により剣を振り回すのでうかつに近づけない。
が、そのまま移動してくるわけでもないので、待っていれば勝手に回転は止まる。隙だらけだ!
あっさりと面を打たれて負ける菜花ちゃん。
しかし、手を抜かれた感じが気に入らなかった様子。再戦を申し出てくる。あんなんでアタシに勝ったつもりかよ!

アタシはな、小さいからって手加減されたりするのが一番キライなんだ!!

そうは言われてもな。手加減する気がなくても、いきなり自滅されては何ともしがたい。
まあ、そう言う話であれば改めて尋常に勝負するしかありますまい。

相変わらず逆手持ちを行う菜花ちゃん。
あの構えから繰り出すとしたら、どうしても横軌道になるはず。
というかすみんの予想を裏切り、跳躍から体を捻っての縦の軌道!!
しかし、これは後ろに引いて交わすかすみん。すかさず前に踏み込んでの面!
鋭い面であったが、菜花ちゃんもこれを飛びのいて交わす。
激しい動きに歓声が起こる。これはこれでいい見世物でございますな。

菜花ちゃんは素早く振りも早い。
しかし、逆手は順手に比べて圧倒的にリーチが短い!!
逆手は近接での奇襲のための持ち方!!
普通の間合いでも当たることはまずない・・・十分に引きつけてカウンターで勝つ!!

さすがにかすみん。冷静に戦える相手だと普通に強い。
ジリジリと間合いを詰めようとする2人。と、菜花ちゃんは何か思いついたかのような表情を見せ――

あ、ゴキブリ!

ひゃあっ!?

スキありっ!!
うん。スキだらけでございましたね。
武道家だというのに、この子はなんでこうもスキだらけなんでしょうか・・・
予想外の行動に弱すぎる。そういう意味では、予想外の行動が多いスポチャン部はいい鍛錬になる・・・か?

面白いね!スポチャン。アタシ入部するぜ!

というわけで、部員1人を見事にゲットすることに成功したのでありました。
卑怯者?それは褒め言葉だぜ。兵は詭道なり。戦いは騙しあいってわけだ。これぞ真剣勝負!!

ちなみに今回の河上菜花ちゃんだが、名前の元は河上彦斎と思われます。
別名「人斬り彦斎」片手抜刀の達人で、幕末で活躍した剣士である。

これで部員は3人。続いて4人目のゲットもなるか?
今度はどんなタイプの子が入部するのだろうか。色んな属性の子が現れるのは楽しみであります。



第7話「縦ロールと風船」  (2012年 25号)


かすみんの敗北姿はきっちりとカメラに収められてしまいました。これは恥ずかしい。
新規入部者が現れ、活気づくスポチャン部。
そこに、さらに私もやってみたいと言い出す少女が現れた。
縦ロールの大人しめの子である。
縦ロールといえば、高慢なお嬢様が定番だが、おさげの縦ロールならおさげ成分で清楚になるって話ですな!

小太刀を握ってゆっくりと振りかぶり、ゆっくりと振り下ろす少女。お・・・遅い!!
驚くほどのんびりしているが、大丈夫だろうか。
疑問ではあるが、とりあえずやってみる。

ほいっ。

やはり、禄に動くこともできていない少女。あっさりとリリィに面をはたかれる。ポコンッ。
はたかれた状態で固まる少女。あれ?痛かった?
いや、どうやらそういう話ではないらしい。

うれしいの!

いきなり目を輝かせる少女。もう1回打ってとせがんでくる。な、なんだ?
なんだかよくわからない子であるが、ここで身の上話を聞かせてくれます。

私ね、子供の頃から格闘技が好きだったの。
それで自分でも何かやってみたかったんだけど、親に「危ないからダメ」って言われて・・・
男の子がチャンバラとかプロレスごっこをするのを見て、うらやましいってずっと思ってたの!
この剣なら風船みたいで柔らかいし、ケガしないから大丈夫かなって・・・

私、1年A組の近藤綾女っていいます!私も入部していいかしら!?

ほう。近藤さんでありましたか。
のんびりとした子ではあるが、今のスポチャン部は来るもの拒まず。もちろんOKであります。うんうん。
入部は許可したところで、さらにスポチャンの楽しさを知ってもらおうとするリリィ。
打たれるより打つほうがずっと面白いし気持ちいい、とのこと。
試しに面を打ってみるように勧める。

ゆら〜〜〜
ゆる〜〜〜〜

これだけゆっくり動かすほうが疲れるんじゃないだろうかと思えるぐらいゆったりとした動きである。
遠慮しなくていいよというリリィ。何度か打たせてあげる。もっともっと!もっと思いっきり!!
全力!全力で打って!!

全力・・・!

ズパァンッ!と盛大な音を立てて打ち込まれる。
余りの衝撃にリリィの体が崩れそうになる。こりゃビックリだぁ。
しかも、打った綾女さんの小太刀がおかしなことになっている。何じゃこりゃああ!?
剣の先から小さな風船がにゅっと飛び出している
何かと思ったら、中の風船が飛び出してしまっただけのようだ。
ゴム風船を布の袋で覆っている構造なので、切っ先の縫い目がほどけるとこうなってしまうらしい。
これを「風船」というそうな。そのまんまっすね。

ほどけただけなので、縫い目を直せば簡単に直る。
それはいいんだが、まだ新しい道具が簡単にほどけてしまうとは・・・どんだけ怪力なのよ・・・
リリィたちも口々に凄い打ち込みだったと褒める。剣がまったく見えなかった、と。
ん、これはもしかして・・・親が「危ないからダメ」って言ったのは・・・

ええ。「怪我させるから危ない」って・・・

そっちかー・・・

おっとりとしたお嬢様かと思ったら、よもやの怪力娘の参戦でございました。
剣速の凄まじさとか考えると、実は期待のホープ?
ともあれ、これで一気に部員が4人揃いました。これで部の設立申請ができるようになったわけだ。
次回からは部活動開始ということになるんでしょうけど、どういった話になるんでしょうかね。
部であるならば、大会に出るというのが基本的な流れだが?
まずは練習から始めるのだろうか。スポチャンの練習って何をするのだろうか。
色々と気になるところですな。菜花ちゃんと綾女さんの戦闘着も気になるぜ。



第8話「花筏とシャボン玉」  (2012年 26号)


2人の新入部員、ナノちゃんとアヤちゃんを迎えて、4人揃ったスポチャン部。
入部記念に皆でお祝いをしようと提案するリリィ。
私とかすみんでおごるからさー」「えっ?

いきなりのおごる宣言。
とはいえ、リリィのおごるといえばアレでしょうし、そんなに高いものではない。
問題ないと考えるかすみん。
これで、意表をついて高い食事とかだったらびっくりですよね。
その場合でも、かすみんは二言はありませんと無理して捻出してくれたことでしょう。健気な子だ。
まあ、そんなことはなく。買って来るのは駄菓子。
ちゃんとした駄菓子屋さんは初めてというかすみん。色々会って面白いですよね。

戻ってみると、ナノちゃんとアヤちゃんが腕相撲をしていた。
怪力のアヤちゃんに叶うはずもなく、あっさり敗れるナノちゃん。

私、毎日部屋でこっそり筋トレしてるの

その怪力は天然物ではなく、鍛え上げたものだったというのか・・・!?
是非、その筋トレ風景を見てみたいものですな。じっくりと。

それはさておき、並べられる駄菓子。懐かしいものがあるなぁ。
これだけ色とりどりに並べられているのに、全部で440円しかしない。安い!
アヤちゃんは駄菓子を食べたことはないらしい。
「家で出されたもの意外は食べたらダメ」とのこと。お嬢様っぽいですなぁ。

場が進む中、リリィがおもむろに取り出したのは、オモチャの剣。
中に液体が入っている。ジュース?いや、ゼリーか?なんなんでしょうか?

これはねー

といいながら、柄を握って中のものを取り出し、駆け出すリリィ。
そして、舞い踊るシャボン玉。ああー、シャボン玉の容器だったのか!!
舞い散る無数のシャボン玉。それを、おもちゃの剣で次々と斬りおとしてみせるリリィ。
なるほどーこういう楽しみ方ができるものなんですな。考えられている!!

型はメチャクチャだけど、あんなに動いてるのに身体の軸がブレない・・・
やっぱり・・・リリィの身体能力は凄い・・・
まるで・・・花びらが舞ってるみたい・・・

キラキラと輝いて見えるリリィ。
アヤちゃんのキレイね、という言葉に思わず同意するかすみん。ほっほ。
しかし、その後の・・・白・・・という言葉には思わず聞き返してしまうかすみん。何を見てるのアヤちゃん!!

その日の夜。
今日も姉と剣道の稽古に励むかすみん。スポチャン部に入ったとはいえ、稽古は怠りません。
とはいえ、今日も試合で敗北を喫してしまったかすみん。
あのようなことを言われた場合、お姉ちゃんはどう反応するだろうか。
気になったかすみん。その視界に、本物のゴッキーの姿がよぎる。ひっ・・・!!

その名を叫ぼうとしたところで、姉に面を決められる。完全に気持ちが抜けてましたな。
うーん、やはり隙が満点でありますな、この子。
ま、本物のゴキを見つけちゃったのなら動揺しても仕方ありますまい。そこにいると指摘するかすみん。
動いているのを見つけた姉。ふむと認めた後、素手でひょいっと掬い取って、外にポイッと投げ捨てた

もう虫の息吹く季節か・・・春だな・・・

フフ・・・じゃないですよ。なにをさりげなく凄いことをやってくれるのだこの姉は!!
オトコ前すぎて慄く。でも、害虫だし生かして返すことはありませんでしたな。
道場を汚したのだし、伊達にして返すべきだったのではないでしょうか?
それはそれとして、素手で掬い取るのは凄い。衛生的な部分もそうだけど、実力的にも凄い。
まるで箸でハエを掴んだというある剣豪の故事のようではないですか!!
名前的にニアピンだけど別人の故事ですな。
そういえば、武蔵はその後その箸で食事を続けたのだろうか?剣豪は色々と凄いっすね。



第9話「初練習と小太刀」  (2012年 27号)


部員が4人揃ったことで、目出度く部として認められたスポチャン部。
これから毎日地道に訓練をすることになる。まずは己のダメさを自覚しよう!!

というわけで、走りこみ。体力競技では必須の練習ですな。
この走りこみのときでも袴姿なかすみんは徹底してると言わざるを得ない。

まだグラウンド1週しかしてないのに、死にそうな勢いのナノちゃん。
他の3人は元運動部だったり筋トレ好きだったりと体力はある様子。
いや、筋トレ好きと持久力はあんまり関係ない気がするが。
ナノちゃん、瞬発力はあるけど持久力はさっぱりなんですな。

それでも「走る意志」を止めないのが大事だと土方先生は言う。うむ、大事ですな。

さて、体育館に移動。今日から正式に土方先生の指導のもと、練習を行うことになる。よろしくお願いします。

まず得物に空気を入れる所から始めます。
柄のゴムキャップを外して、バルブから空気を入れます。自転車の空気入れと同じ要領ね。
空気は足りないと剣がフニャフニャになるし、入れ過ぎてもパンクしちゃう。
表の布がピンと張るくらいでいいわ、とのこと。

最初に教わる得物は「小太刀」
「スポチャンは小太刀に始まり小太刀に終わる」と言われるくらいすべての基礎となる得物である。
全長60cm。片手で操作する武器。攻守のバランスが良く、最も使用者が多いのが特徴である。

この小太刀、刃に該当する部分が約40cmあるけど、有効打突として認められるのは剣先の方のみである。
竹刀でいうところの「物打ち」のようなものですな。
日本刀は「切っ先三寸」が最もよく斬れると言われている。
遠心力を最も効率よく伝えることができるのがこの部分だからだ。
また、スポチャンの得物は柄側の途中まで硬い芯が入っているから、ここで打つと危ない。
だから「元打ち」は認められないというルールになっている。なるほどねぇ。

続いて、リリィを手本にして構えの講座。

まずは「気をつけ」剣は左手で鞘の部分を持つ。
「構え刀」の号令で利き足を肩幅分前へ。小太刀は中段に切っ先を相手のノド元につけるように構える。
左手は腰に差した鞘を押さえるつもりで。上半身は半身で首から上は正面を向く。これが基本の構えだ。

みんなも手本にならって構えをとってみる。
さすがに剣道経験者のかすみんは問題ないが、他の2人は棒立ちになっている。
ようするに、ヒザが伸びきっているって話ですな。
かすみんはヒザが少し曲がっており、柔軟な動きが出来るようなたち方を心がけている。
袴をめくりあげて見せてくれたから、その辺りはよくわかる。うむ、なんかエロいネ!

次は基本動作。
構え刀の状態から、面、小手、胴、脚、突きなど色んな箇所に打ち分けを行う。
脚があるところが剣道との大きな違いってところでしょうかね。

今日はこの基本動作をみっちりやることにする。スポチャンにも基礎ってちゃんとあるんですなぁ。
割と自由な動きだけしていればいいのかと思ったが、やっぱり基礎を学ぶのは大事ってことか。

10分ほどの休憩時間。
ナノちゃんはこんなに運動したの、人生で初めてだという。
中学で部活やってなかったの?というリリィの問いに、アタシ「ゲーセン部」だったからと返すナノちゃん。

「ゲイせん」?

なんだ、そのゲイ専門の略みたいな言葉は!!いや、ちゃうねん。
ゲーセン部というのも部活ではなく、帰宅部でゲームセンターに通っていたって意味である。
ナノちゃんは大会に出て入賞したこともあったらしい。ほほう。

ゲームはゲームの面白さがあるけど、それはどこまで行ってもプログラムの枠の中だけの「勝負」なんだ。
アタシはそれに少し不自由を感じてた。
そんな時、見たのが、リリィとかすみの勝負だった――
「コレだ」って思った。アタシが求めてたのは「コレだ」って!!

そうか、その戦いのときからもう入る気でいたのですな。

自分の身体を自由に動かしてやるゲーム。これがアタシの求めてた「自由なゲーム」だと思った・・・
でも・・・身体って自由に動かないもんだなー

そりゃあね。普段運動してないとなかなか・・・体ってすぐ衰えちゃうもんだしなぁ。
反復練習をしてれば少しずつ思い通りに動けるようになります、とかすみん。
それはゲームも同じですからね。やはり地道な練習が一番であるか。

休憩終了。そして、いきなり総当りの試合を行うという。いきなり?

うん。だって知りたいでしょ?この中で誰が一番強いのか!

親しき仲にも序列有り。
いきなりの総当たり戦であるが、誰が抜きん出るのであろうか?
身体能力と経験の分、リリィが一番抜けていそうな感じはある。
逆に、最下位が誰になるかは予想がつきづらい。
かすみんが隙だらけになるかどうかでも勝敗がわかれそうだし、予想は難しいな。
それにしても、意外なほど真面目に部活をやっててかえって驚いた。
まあ、紹介漫画的な意味合いもあるだろうし、ちゃんとスポチャンはしないとね。



第10話「試合と序列@」  (2012年 28号)


総当たり戦の組み合わせはダイスロールで決定される。
うん、やはりランダムで決める場合はサイコロの出番でございますよね。

この順に試合するわよと決まったのは以下の通り。
1 近藤 × 佐々木
2 佐々木 × 河上
3 宮本 × 近藤
4 河上 × 近藤
5 佐々木 × 宮本
6 宮本 × 河上

というわけで、第1試合はかすみん対アヤちゃんでございます。

得物は両者とも小太刀を用いる
かすみんとしては慣れた武器ではないが、構えはさすがに堂に入っていますな。
この対決は即座に決着がつく。踏み込んでの小手でかすみんの勝利。
素人相手にこの小手は交わしづらい。容赦ないですなかすみん。
まあ、やられたアヤちゃんは何だかうれしそうな様子でありますが。ウフフ。

第2試合。かすみん対ナノちゃん。
今回のかすみんは落ち着いている。さすがに何度も不覚はとれないってところか。
瞬発力をいかして振り回すが、間合いを見切られているナノちゃん。
ならば奥の手。ゴキブ・・・リ・・・
言い終わる前に、かすみんの得物がナノちゃんの得物を叩き落とす。
うーむ、さすがに同じ手は2度も使えないですわな。
というか、もう少しフリを入れるとかしないとバレバレですわ。

ちなみにスポチャンでは得物を落としても試合は続行される
落とした人はすぐに拾うか場外へ逃げること。場外2回で一本となる。へぇ。
そういうところはやはり実戦っぽい感じでありますな。

奥の手も封じられたナノちゃん。結局特攻をかまし、撃墜。面を受けて沈んだのでありました。みし。


第3試合。リリィ対アヤちゃん。
これも即座に決着。アヤちゃんが振りかぶったところに、リリィの横薙ぎの一閃が命中する。
さすがにリリィとかすみんは強いですなぁ。

この勝負が終わったところで、リリィからアヤちゃんへアドバイス。
最初から上段に構えてみたらどうかということ。
相手が間合いに入ったら思いっきり振り下ろす。振り上げてから振るより早いわけだ。
確かに上段からの打ち落としは技の出が速く、威力もある。いい考えですね。

そのアドバイスを受けて4試合目。アヤちゃんとナノちゃんの戦い。
上段に構えて立つアヤちゃんの威圧感は相当なものがある。踏み込んだら殺られる・・・!!
その考えは間違いではない。振り下ろされる上段は物凄い音を立てている。怖〜〜っ!!

リーチでは負けている以上、間合いに踏み込むしかないナノちゃん。
なら、自分の剣で相手の剣を防御し、反撃!よし・・・これだ!!

作戦を立て、実行に移そうとするナノちゃん。
しかし、見誤ったのは相手の剣の威力。
防御したはずの剣ががくりと傾き、振り下ろしたアヤちゃんの上段はそのままナノちゃんの面を捉える。
おやおや、アヤちゃんの勝利でありますか。
今後もこの構えをするようになったら、アヤちゃんは相当強いかもしれませんな・・・

防御をするときは両手でねと教える土方先生。確かにそうしないと威力に押されて抜かれてしまいますわな。
まあ、両手でもアヤちゃんのパワーは押さえ込めるかどうか・・・
その辺りの対策はおいおい教えてくれるとのことです。

さて、それでは総当たり戦のメインイベント。
リリィ対かすみん。3回目の勝負であります。

かすみんが相手ならば少しでも軽くしたいとジャージを脱ぎ出すリリィ。下にはレオタードを着込んでいた。
やはりリリィの勝負着はレオタードでありますか。

さて、同じ得物を用いての勝負は初めてとなる2人の対決。
かすみんには今までのような油断はない。これは一体どういった勝負となるか。注目です。

しかし、思った以上に勝負がさくさくと進んでいきますな。
迷いのないかすみんがリリィから初めての勝利を得るようになるのか?
そして、消化試合っぽい6試合目は消化試合気味に終えられてしまうのか。気になります。



第11話「試合と序列A」  (2012年 29号)


リリィとかすみんの三戦目。
同じ武器でお互いの手の内を知った状態での戦いである。
さすがに集中したかすみんが相手では、リリィも早々楽には勝たせてもらえない。
パンッ、バシッと剣戟の音が響いております。

お互い見切りも見事なものである。
かすみんは脚の斬激への対処も抜かりない。成長しましたなぁ。

だが、やはりまだ小太刀の間合いはつかみきれていない様子。
剣道の間合いでかわすとどうしても距離を取りすぎてしまう。
向こうの剣もこっちの剣も届かない。

そんな膠着の最中、リリィは小太刀を掲げ上段の構えをとる。
かすみんもそれに合わせ、上段の構え。
ステップを踏むリリィ。勝負の一閃となりそうな雰囲気だ。

リリィの鋭い面打ち。これを引かず紙一重でかわすかすみん。
もらった!と逆に面を打ち据えようとする。
が、リリィはしゃがんでそれをやりすごす。となれば、そのリリィの剣の軌道は・・・脚!?
打たれるのを警戒し、踏み出した足を咄嗟に引くかすみん。
リリィの小太刀は地面を打った。
だが、その態勢はすぐに次の斬激に移れるものだった。
それに対し、かすみんは脚を引いたことで両足が揃った態勢となり、動きづらい状態。
それゆえ、リリィの逆袈裟に対処することはできず、打たれてしまうのでありました。
この逆袈裟決める前のリリィはいい表情してますなぁ。やはり斬る前は笑わないとね。ニィー。

いい内容ではあったが、まだかすみんは及ばずってところか。今後に期待ですな。

さて、消化試合になる気配がする第6試合。リリィとナノちゃんの試合。
始まる前からヤバイと考えているナノちゃん。
というのも、脚がパンパンでガクガク。もう動くことができないって状態である。
瞬発力はあるが持久力はないからねぇ。何戦もできる体ではまだない。

こうなったら一気に飛び込んで、メチャクチャに振り回してやる!!

わーんと飛び込もうとするナノちゃん。
だが、いきなりずっこける。ビターン。
前のめりに倒れこんだわけだが、その剣はリリィの脚を捕らえている。
どう見てもコケただけだけど剣はキレイに入っているわけで・・・審判の判定はアリという形になりました。
こういった不測の事態にも冷静に対応しないといけないって話ですわな。

よもやの1勝を得るナノちゃん。おめでとう。またカワイイ顔しておりますなぁ。

というわけで、現在の部内序列はこんな感じ。
宮本 ≧ 佐々木 ≧ 近藤 ≧ 河上

しかしこれは今の「とりあえず」序列であり、半年後、1年後にはどうなってるかはわからない。
皆、それぞれに頑張りましょうと先生は言う。
ちなみに土方先生は部員の数倍強いという自己評価。
いや、自己評価でないことはすぐにわかる。

じゃあ、最後に1人ずつ私と試合をして終わりましょう♪

実際にやってみたところ、まさしくバケモノのように強かったらしい。
かすみんをして5秒持たなかったとのこと。どれだけやねん。
お姉ちゃんとどっちが強いだろうと考えるくらいだし、相当なものでしょうなぁ・・・

それはそうと、部活ですっかり脚がはってしまったナノちゃん。
歩けないのでかすみんがおんぶすることになりました。
これも部長の務めってやつですかね。まあ、仲がよろしくていい話ですわな。

部はいい感じに始動した。これからは大会に向けての練習とかをしていくのですかねぇ。
大会では男子が出たりもしそうだし、楽しくなりそうな気配がします。



第12話「『いつく』と『いつかざる』」  (2012年 30号)


センターカラーで登場。得物をかまえるかすみんの姿はよい感じ。
なんというか、こう、いい感じですね。どこがどうとはあえて言わないけど。

さりげなく紹介されているけど、持っている得物は長剣。約100cmで、竹刀とほぼ同じ長さ。
大会では両手で操る「両手長剣」と持ち方自由の「長剣フリー」の2部門があるとのこと。へぇ。

序列を決める戦いの翌日。本日はあいにくの雨。「花散らしの雨」である。なんだかちょっと憂鬱。
花の名前を持つだけに雨は苦手ってわけですかね。
そんな気分を吹き飛ばすように猫耳レインコートで登場のリリィ。よう似合っとる。

ナノちゃんはすっかり筋肉痛。
まあ、筋肉痛になるってことは筋肉が鍛えられているってことだ。よいことである。
なっている間は辛いだろうけどね。

筋肉痛慣れしているアヤちゃんは色々とアドバイスをしてくれる。
さらに、アミノ酸とクエン酸たっぷりの特製筋肉痛解消ドリンクまで作ってくれている。
効果はあるかもしれないけど、マズイらしい。ウフフ。判って飲ませているのか!
まあ、主目的は筋肉痛解消ですしね。

続いて、本格的な筋肉痛解消に乗り出すアヤちゃん。
ナノちゃんの服を脱がし、マッサージ。これは気持ち良さそうですね。もみもみ。
なんだかすっかりだらしない顔になっちゃってるナノちゃんでありました。

放課後。筋肉痛はある程度よくなったのか、部活に参加しているナノちゃん。
しかし体が硬い。やっぱり運動不足だと体力も柔軟性も損なわれるってわけなんですかねぇ。
あ、かすみんも柔らかくはないんだ。
逆に元体操部のリリィの柔らかさはさすがと言える。サソリのような構えでありますなぁ。

続いて、2人ペアになっての山囲いという練習。
片方が面を打ち、もう片方は両手で得物を構えてそれを受けるという練習のようだ。
かすみんやリリィの小太刀と違い、ナノちゃんの小太刀は音がヘッポコな感じ。
どうも得物の問題ではないようだが、振りが遅いのかなぁ?

河上さん。それは「手の内」を使ってないからよ。

土方先生の指導が入ります。
剣道において竹刀を握るときは「卵を潰さないくらい」「小鳥を絞め殺さないくらい」の力と教えられる。
そのぐらいの力で小指と薬指を締めて軽く保持することになる。

早く打とうと力んで握り締めてしまうと得物は手の内で動かなくなる。
逆に力を抜いて軽く握ることで得物が手の内で動けるようにしておくと・・・
握りこんだ瞬間、手の内で得物が加速する!
親指と人差し指の間が支点に。小指が力点になるような感じね。

手の内だけじゃなく、これは全身の運用にも言えることなの。
宮本武蔵はその兵法を記した「五輪書」で「いつくは死ぬる手なり いつかざるは生きる手なり」と言ってるわ。

力を抜くことで速く振ることができる。そして打突の瞬間に握りこむことで剣に体重を乗せられる。
なるほどね。やはり脱力することが重要なんですな。
脱力と力みの振り幅の大きさこそがダメージの増大に繋がるわけだ。

とはいえ、力を抜きすぎると得物がすっぽ抜けて飛んで行きます。これはこれで攻撃にはなるな。

脱力を意識せずにやるのは難しい。意識するとかえって力むこともよくある話。
ならば自然に力が入らないようにしてあげるのが一番でありましょう。
というわけで、何やらナノちゃん以外の3人に耳打ちする土方先生。

菜花「な・・・何?」
綾女「いいからいいから♪」
百合「大丈夫だヨ〜」

あ〜〜〜〜〜っ!あっひゃっひゃっひゃっ

3人がかりでくすぐられて悶絶するナノちゃん。ひゃははははは。
この「くすぐり脱力特訓」によってすっかり力が抜けた状態にさせられてしまいました。
うーむ。それはいいが、なんというか・・・ね、なんというか。エロイ。ビクッビクンッ。

いい感じに脱力できたみたいなのでその状態で打ってみる。
すると、見事に手の内が使われているのか、いい音がするようになりました。おぉー。
しかし、ツボに入ったらしく笑いがとまらなくなるナノちゃん。あらあら。

いろいろ目覚めちゃったナノちゃんでありましたとさ。
ふむ。マジメに部活やっていたはずなのに、なんだかとてもエロイことになってしまってますね。
こういう路線で行くのは正直・・・キライではありません。もっとやれ!



第13話「槍と小太刀」  (2012年 31号)


アヤちゃんとナノちゃんが公園で遊んでいる。仲良しですなぁ。
アヤちゃんの力でシーソーを押し込めば、軽いナノちゃんはポーンと吹っ飛ぶって話である。
遊具壊したりしないでね、アヤちゃん。

という話はさておき。
部費が下りたので、小太刀と長剣と面を3人分購入することになった。
リリィは自分のものがある。他の子がこれまで練習で使っていた小太刀等は他の学校からの借り物だったらしい。

エアー剣は青と黒の2種類。
面は白、赤、黒、紺の4種類から選べるらしい。
ナノちゃんは赤。アヤちゃんは白。かすみんは黒を餞別。リリィは白だった気がするな。紺色余っちゃった。

というわけで、さっそくマイ面が登場。
これで汗まみれのを使いまわさなくて済むと嬉しそうなナノちゃん。

え、私気にしてなかったわ

アヤちゃんは気にしていなかったらしい。ふむ。アヤちゃんが言うとなんだか怪しく聴こえるから困る。

さて、今回は小太刀と長剣以外の得物を教えてくれます。
まずは「槍」200cmあって、スポチャンで最大間合いの得物である。
続いて「楯」もちろん楯で殴るわけではなく、防御に使用するものである。
「楯小太刀」「楯長剣」の2種類があり、それらの得物と併用して使う。防御ができるから試合が長引きやすいのが特徴。
「棒」「杖」
「棒」は200cm。「杖」は140cm。どちらも棒先と棒尻の両端での打突が可能。回転技や左右前後に切り替えた攻撃が特徴。
「短刀」45cm。頭部と胴への突きのみが有効。
接近戦に成りやすくて衝突しやすいから女の子には勧めづらい。一部に熱烈な「短刀マニア」がいるらしい。

他には小太刀と長剣を両手に持つ「二刀」や剣道のように両手で長剣を操作する「両手長剣」
長剣を槍のように使う「短槍」とかが現行の種目となる。

基本的に同じ得物で戦うんだけど、得物自由の「異種」という種目もある。
「槍」対「小太刀」なんて組み合わせもありえるわけだ。

ふーむ。色々とありますねぇ。これはなんだか面白い。
個人的に興味深いのは「棒」や「杖」ですね。振り回して使えるのは楽しそうだ。
それと、今回のリリィは髪をまとめており、大変よい。特筆すべき事柄といえなくもない。

ひととおりの説明を終えたところで、ナノちゃんの質問。どれが一番強いの?
端的な質問ですね。でも、気になるところではある。
状況や得物の習熟度で一口には言えないが、やっぱり「槍」かしらと先生は言う。

槍は雑兵や足軽の武器ってイメージがあるけど、弓矢や鉄砲を除くと古今東西の戦場で最も戦果を上げた武器である。
まあ、取り扱いが比較的楽で、効果が高いからこそ、雑兵に持たせれるし、戦果も上がるってものですからね。
極めればさらに強くなるというのも槍の特徴と言える。
というわけで、その槍の強さを土方先生が示してくれることになりました。

例えばあなたたち4人が小太刀なら、私1人の槍で勝てるわ!

なんと4対1。そこまで打ち上げてくるとは思いませんでした。
でもなんだか面白そうである。やりましょう!

体育館にスポチャンの試合場の大きさを示すテープを張る。ここから出たら場外となる。
準備は整ったので、いざ勝負!始めっ!!

開始の合図と共に、アヤちゃんの脇腹に先生の槍が突き刺さる。
一瞬のことに呆気に取られた隙を逃さず、ナノちゃんの顔面に続いての突きが刺さる。
いきなりの2人退場だ。

槍の最大の特徴はその間合いの広さにある。
かすみんも予想以上に遠間から届くのに驚いている様子である。
だが、まだ2人残っている。双方回り込み、挟み撃ちにしようという作戦。
しかし先生はそう動かれる前に自ら下がり、角を背にする。
この状態だと後ろに回り込まれる心配はなく、どちらも正面か斜めから仕掛けるしかなくなる。
少しずつ距離を詰めて、合図して一緒に踏み込むことを考えるかすみん。
一人がやられても、もう一人が仕留めてくれるって作戦だ。
だが、ここで先生。予想以上の間合いの攻撃を仕掛けてくる。
槍を片手で持ち、踏み込んでの突き。これならば先程までの両手突きより遥かに遠くまで届く。
この奇襲でかすみんも刺され、退場。残すはリリィのみとなりました。

えいっ。とすっ。あーっ!

もちろん1人残ってしまっただけではなんともできず、リリィもあっさり敗退。
開始28秒で4人制圧されてしまいましたとさ。

どう?これが槍の強さよ

やっぱり槍は強いですねぇ。それは間違いない。
でも、どちらかというと土方先生の強さを見せ付けられた感じが無きにしもあらず。
もう少し経験を積んでおけば、ここまで一方的ってことはなかったんでしょうけどねぇ。

なんにしても面白そうである。
4人はそれぞれどの武器を選択するのだろうか。
リリィは小太刀、かすみんは両手長剣ってイメージはある。他の2人はどうするのだろうか。
楯持ったナノちゃんはヘアバンドが勇者化するほど似合ってはいた。適合する可能性はありますな。
アヤちゃんには棒とか振り回して見てほしい。凄い威力になりそうな気がする。エアー剣で人が飛んだ!?とか。
やあ、なんだか楽しみになってきましたな!!



第14話「兵力と勝機」  (2012年 32号)


師匠の槍は天下無双!!
どうやら槍1人対小太刀4人のハンディキャップ戦はまだ続いていたらしい。
あの1戦だけなら、慣れれば対応も可能じゃないか?と思った。
が、やはり何回やっても勝てないというリリィたち。うーむ、やはり槍は強いということなのか。

土方先生の槍の猛攻を避けきれず攻撃を受けてしまうリリィとナノちゃん。
リリィは胸に受けてやけに性的な感じなのに、ナノちゃんは今回も顔面にもらっている。
うむ、まあ、ナノちゃんが胸に受けましても、ね。うん。
そういえばリリィはちゃんとレオタード姿になってますな。やはり身軽にならないとね。

2人やられたらもう詰みと言える状況。
もっと広い場所で戦えたのなら先生を囲んで一気に攻撃することもできる。
が、この狭い試合場では十分に動けない。4人が「並んだ的」になってしまう。

並びを変えて挑んでも意味はなかった。
地の利も実力もこっちが劣っている。が、このまま負けっぱなしなのは悔しい。勝ちたいと考える4人。

そう。じゃあ考えてみて!
「戦は兵力より勝機」という考え方があるわ。
今の自分の力で兵力に勝る相手にどうすれば勝てるか、創意工夫して考えてみて。

という先生の言葉を受け、作戦会議を行う4人。
どうにかして先生の後ろ側に周りこめないかなと考えるナノちゃん。
前にリリィがやっていたように飛び越えるのはどうだろうか?
それについては無理と答える。人を超える高さを跳ぶにはかなりの助走が必要。狭い試合場じゃ無理というわけだ。
なるほどね。あんなこと実際の試合で出来るのか?と思ったがやはり難しいのか。

あ!ひらめいた!
師匠はパンツが好きだから、皆で下を脱いで戦えばいいヨ!

なるほど。色仕掛けでございますね。これは有効そうだ!あ、却下ですか?やっぱり。
でも、他校との男子生徒相手だったらこの上なく有効な手段ではないでしょうか。
露骨過ぎるとさすがに審判に怒られるだろうけども。

トランポリンでもあればなぁとナノちゃん。
その言葉に、前回初めの方に出てたシーソーのことを思い出すかすみん。あれ伏線だったのか!
こういうのはどうですかと作戦立案。
どうやら方針は固まったらしく、自信を持った表情で先生の前に立つ4人。不敵っすな。
しかし、この4人。リリィが一番背が高いのでしょうか?
並んで立ったコマを見るとやけにリリィが大きく見える・・・胸的な意味だけじゃなく・・・

それはさておき。
今回の4人は変則的な並びをしている。
ナノちゃん一人前面に立ち、残りの3人は少し後ろで横並び。
ほう。これはもしや、噂に名高いインペリアルクロスの陣形!?

よいか菜花。我々はインペリアルクロスという陣形で戦う。
両脇をリリィとかすみんが固め、お前は私の前に立つ。お前のポジションが一番危険だ。覚悟して戦え。

てな具合の陣形である。どう考えても一番突出しているナノちゃんがまっ先に狙われますよね。
それが分かっているのか、アヤちゃんはナノちゃんに小太刀を渡す。
小太刀を二刀にして突っ込んでくるナノちゃん。
なるほど。これは防御を固めるための構えですね。
突き出した槍を交差した小太刀で跳ね上げる!パリィ!!

穂先をどかして突進するナノちゃん。だが、もちろん接近を許す先生ではない。
引いた槍を再度突き出し、ナノちゃんの胴を突き刺す。ドッ。んがっ!!痛そうだな。

だが、ナノちゃんの突っ込みはオトリ。狙いは次の動きの目くらましだ!
倒れたナノちゃんの向こうでは、アヤちゃんが背中を向けていた。
何をしているのかと思ったら、リリィと向かい合わせになっている。
そう、狙いはこれ。
怪力のアヤちゃんが踏み台となり、身軽なリリィを飛ばすという作戦だ
手を組んで踏み台を作るアヤちゃん。そこにリリィが足を乗せ、跳躍!
そのタイミングに合わせ、思いっきり腕を上に突き出すアヤちゃん。
筋力とバネの相乗効果によって見事に高く跳躍。先生の後ろまで跳ぶことに成功する。

しかし、動きは大きい。跳んでいる姿は丸見えである。
だったら・・・着地を狙う!!

着地しきる前に先生の槍がリリィに突き刺さる。
だが、その動きもオトリでありました。
リリィを攻撃するために後ろを向いた先生。その背後からかすみんの小太刀が迫り、見事に面を取る。

先生なら・・・先生の反射神経なら、きっとリリィに反応して撃ち落そうとすると思ってました。

相手の強さを見切った上での作戦というわけですね。
リリィが狙われるのはわかっていた。だからこそ、素早い飛び出しで後ろを突くことができたわけだ。

これは文字通り一本取られたわね、と先生。
よかったよかった。見事な作戦勝ち。お見事でございます。

先生はもう1試合やりましょうと言うけど、この誘いに乗る必要はありませんわな。
勝ち逃げするのも戦略でございます。気ん持ちイイまま勝ち逃げしましょう!!

戦力が足りないなら頭を使って補うのも重要という話でありました。
考えてみると、このメンバーあんまり賢そうな子がいない気がしないでもないな。
知将枠が欲しいところであるが、これ以上部員は増えないのだろうか?気になるところである。



第15話「JKとDK」  (2012年 33号)


男だらけのスポチャン部。
前回までの女だらけのスポチャン部とはまるで雰囲気が違う!
まあ、そういうところもありますよね。うん。

どうやらリリィたちが専用の得物を入手するまで貸してくれていた人たちの部らしい。
部費で得物を購入したので、借りた得物は返却したってわけですな。
空気を入れて漏れがないかチェックしようとする沖田さん。
その手伝いをしようとした一理くんは、月女スポチャン部一同のお礼の手紙を発見する。

おっ女の字だ〜〜〜ッ!!

女の手紙というだけで驚愕する一理くん。落ち着け!
もうひとりの部員、何人だかわからないジオに至っては手紙に残った女の子の匂いを嗅ぎ取ろうとする。
さらに、使用したと思しき小太刀を舐めていき・・・ド変態だー!!

なんだか大変なことになっていますね。飢えすぎでしょ。

で、ようやくカメラは女子のスポチャン部の方へ。
土方先生は言う。来週、皆で出稽古へ行きます、と。
出稽古。他の学校や道場へ行って練習することである。決して沖縄弁ではない。でげーこでげーこ。
ようするに、道場破りでありますね。部の看板とか奪って帰ってくるわけですな。楽しみだ!

出向く先は、私立星ヶ丘男子高等学校。男子高であります。

ど・・・どうしよう。
男子が苦手で女子高に入学したのに・・・どうしてこんなところで出稽古をしなきゃならないの・・・?

目をグルグルさせているかすみん。そうかー、かすみんは男子が苦手かー。らしい話だな。
それはさておき、土方先生から部員たちに注意。
これから何があっても単独行動はしないこと。トイレに行く時も2人以上で、とのこと。

こう考えて、ここはサバンナ。あなたちはウサギ。男子生徒は飢えたライオンだと・・・!!

確かに色々と飢えていそうではありますよね。
でも、割かし純情な奴等が揃っている雰囲気もあるし、そこまで警戒しなくてもいいんじゃないですかね?
と思ったが、チャラそうなのもちゃんといるらしい。うん、警戒してしかるべきですな。

さて、星ヶ丘の先生に案内され剣道場に入るリリィたち。先生猫被ってら。
剣道場は広い。普段は剣道部が使っていて、時間をずらして使用してたりするのかなぁ?

ともかく、更衣室に案内されます。星ヶ丘の部員が来る前に先に着替えていてください、とのこと。
土方先生は職員室に挨拶にいく。ちゃんとカギを閉める様に、とのこと。

更衣室に入ってみると、むせ返るような汗の匂い。フローラルとは程遠いな。
言うなれば温泉の匂い。ナトリウム泉の匂い・・・ってリリィとアヤちゃんにはそういう風に感じられるのか!?
そうか、それで面を使いまわしたときも他人の汗が気にならなかったのか・・・物は考えようなんだな。

キャッキャウフフと着替えを進めるリリィたち。
リリィはやはりジャージの中にレオタードという井出達なんですな。男子相手にその姿を披露するのか?

月女部員でスキンシップをしながらの着替え中。
その間に、星ヶ丘の男子部員がやってきてしまいます。
そして、カギをかけたはずの更衣室の扉が何故か開き・・・ふむ、ネコちゃんでありますか。

一人着替えの済んでいなかったかすみん。パンツを見られて放心状態。なんか可愛い。
どうやら更衣室のカギは壊れていて使い物にならなかったらしい。
部員はもちろんそのことを知っていたが、どうせカギなんて使わないしと放置していたらしい。
まあ、男子は見られて困るってわけではないですしねぇ。
っていや、貴重品とか入れておくのに使用するんじゃないのかね。
まあ、確かに部で使うロッカーとかは部活中にカギをかけた覚えはなかったけど。

ヒザを抱えて放心しているかすみんに誠意ある謝罪をする沖田さん。
さすがでありますね。これが星高剣士の礼儀というものであるか。
不可抗力とはいえ、貴女に恥ずかしい思いをさせてしまったことを丁重にお詫びします。

これで「おあいこ」にしてもらえまいか?

キラリと星を飛ばしながら、己のブリーフをさらけ出す沖田さん。
なるほど。これが星高剣士の礼儀か・・・ウラァッ!!

ナノちゃんに尻を蹴り飛ばされ倒れこむ沖田さんでありました。しょうがないよね。

一緒にすんなッ!!
DKとJKじゃパンツの価値が違うんだよッ!!天と地程になッ!

うん。まあ、その通りでありますね。
そもそも恥らっているかすみんと、恥らっていない沖田さんとではその差も大きいですしねぇ。
見て楽しめるかどうかという部分でもポイントは変わると思うのだが・・・
考えてみると、月女の連中は男に興味がありそうなのがいるのかいないのかわからない状態である。
先生はどうなのか。それが疑問であるが、むむむ。

ともかく、かすみん。試合で相手の記憶が飛ぶくらいぶん殴っちゃいなさいというアドバイスで元気になる。
それはいいけど、早いところ袴はきましょうよ。
上着はまくられなければパンツは見られないかもしれないが、その姿だけで十分扇情的なんですぜ。

と、いうわけで。ついに名のある男子が作品に登場してきました。
沖田という有名どころの名前が出てきて驚き。他の2人の苗字も気になるところ。特にジオ。
スポチャンといえば男女混合で楽しめる競技。
やはり男子も混ざっての戦いというのが楽しそうでありますよね。
竹下先生は男女混合の競技を多く描かれているのですし、こういった展開は手馴れていそうだ。

そういえば、今週の作者コメント。
今週のエピソードの反響次第では今後の展開が変わるかもしれません、とのことであった。
これはつまり、今後男子キャラが出てくるかどうかが決まるって話なんですかね?
女子だけでキャッキャウフフするのか、男子も絡めてウフフのフとなるのか。てな話ですね。
個人的には男子を絡めて欲しいところですな。
やはり男の眼を意識することによって恥じらいも強くなり、エロスも増すってものでありますし。
あ、いや別にエロスだけを期待しているわけではないんですけどね。うん。



第16話「出稽古と巨漢」  (2012年 34号)


試合前にゴタゴタはあったものの、ともかく練習試合が開始されます。
しかし、前回予告。スケベな男子に見られてしまいはないでしょう?
内心はさておき、表面上は紳士的だったよ!!まあ、いいんですけど。

星高スポチャン部の部員3人の名前が冒頭で紹介されています。
2年の奥山慈男。同じく2年の薬丸一理。3年の沖田快人の3人である。
沖田はわかりやすいけど、奥山とか薬丸という剣豪がいたのでしょうかね?

さて、月女の先鋒はナノちゃん。星高の先鋒は慈男ことジオでございます。
形式は勝ち抜き戦。人数は少ないものの、経験者の集まりである星高の方が有利かって状況だ。

しかし、ジオとナノちゃんが並ぶと本当に大人と子供のようである。
なんせジオは192cm。ナノちゃんは140cm。その差52cmという大差。何食ったらそんなになるんだよ!
どうやらジオは黒人とのハーフらしい。へぇ、なるほどね。

大きな相手にはすばやく飛び込み懐に入るのが一番。
だけど、簡単にそれをさせてくれるかどうか、ですな。

始めの合図が入る。
ナノちゃんが狙ったのは、前に突き出している右足。
踏み込んで切りつければ届く間合いなだけに、ついつい手が出てしまう箇所である。
だが、これは誘いでありました。
突き出していた右足を引き、カウンターで面を入れるジオ。
相手が小さすぎるせいか、思わず手加減した面を打ってしまうジオはなんだか優しい。
けど、その優しさは戦いの場では不要でございますな。先生にも注意を受けています。

続いてはアヤちゃんが出陣。
怪力をいかした振りは男子も驚くほどの鋭さがある。
でも、スキだらけだったりする。
よって、よく見て振りの隙間を狙うようにカウンターを叩き込むジオ。シュッ。
横薙ぎの一撃がアヤちゃんの面を捉える。
鋭すぎて面がズレて前が見えなくなるぐらいの一撃だ。ほほう。

たて続けに敗北する月女。しかし、残る2人はそうはいきません。
まずはかすみん。沖田さんも、次の人は少しやるぞと評価している様子。

ジオの得意技は横面。射程に入ると素早く打ってくる。
冷静に受ければ、かすみんなら防げなくない攻撃である。
が、相手のリーチは長く、こちらの攻撃も当てることができない。
一足一刀の間に入ることができないという状況。
ジオの攻撃を受けて下がっているうちに、思わず場外に出てしまうかすみん。次出たら負けとなります。

どうにかして相手の射程外である遠間から攻撃をしかけないといけない。
ならば、アレだ。お姉ちゃんの得意技・・・
あの技なら・・・遠間から必殺の一撃を打てる・・・!!

左手に小太刀を構え上段の構えを取る。
これは剣道の構え。左諸手上段の構えであります。
剣道選手は左手で振ることに慣れている。今の自分に打てる最速の一撃に賭けるつもりのようだ。

その言葉のとおり、遠間から踏み込み、一気に振り下ろしてくるかすみん。
その速度はジオの横面を上回り、見事に相手の面を捉える。

ようやくの勝利でございます。よかったよかった。
次はかすみんをパンツ女呼ばわりしてくる薬丸一理が相手となります。
って、一理よ、かすみんをパンツ女呼ばわりするってことは、沖田さんをパンツ男呼ばわりするのと同義なのでは!?
まあ、別にいいんですけどね。

しかし、ジオの得意技は横面だったわけですが、意外とナノちゃんは苦手な相手だったのではないだろうか?
身長差がありすぎて、横面が空を切ってしまう恐れがあった。
だからこそ、右足を囮にしてカウンターを狙った。ジオにとっても苦肉の策だったのだ!
というフォローがありそうでないような気がする。
ナノちゃんもアヤちゃんもまだまだ素人だし、今後に期待ですな。
ジオの変なTシャツの文字にも今後期待がかかりますな。



第17話「出稽古と手クセ」  (2012年 35号)


出稽古先での対抗戦。
内心は変態的だがいざ相対すると純朴なジオを撃退したかすみん。
次なる相手は手クセが悪くヘラヘラした感じの一理。かすみんの一番嫌いなタイプだ。

かすみんは嫌っているが、ナノちゃんは一理のある部分に惹かれた表情をしている。

指抜きグローブ・・・カッコイイ!超欲しい・・・!!

まあ・・・高校生なら憧れちゃうのもある話ですよね。ナノちゃん格ゲーマーですし!

ともかく。試合開始。
軽快な動きで剣を繰り出す一理。しかしかすみんも負けてはいない。
長いリーチをいかし、じりじりと圧してきたジオに比べると一理はやりやすい相手である。
普通に打ち合いをするだけならばかすみんにも十分に勝機はある。

というところで面打ち。これは届かない。
ギリギリで回避し、そしてカウンターを・・・

と考えたのだが、一理の剣は面に届いてしまう。パコアッ。
えっ!?当たった・・・!?どうして・・・!?

戸惑うかすみん。確かにかすみんの間合いの読みは正しかった。
だが剣が届いたのには別の理由がある。それは一理の剣の握りによるものだ。
振りながら持ち手を変化させてリーチを伸ばしたのだ
なるほど。これが虎眼流でいうところの流れというやつか・・・担がなくても繰り出せるものであったとは!!

打突に十分な威力があればどんな持ち方でも一本になる。ルール上、何の問題もねーっス。

と一理の言葉。まあ、確かにその通りですな。
通常の剣では重くてこんな握りは相当鍛えていないとできようはずもない。
スポチャンの剣とルールだからこそ用いられる技ですな。
噂によるとリアルでも本当にこの握りを用いる人が出てきているというそうな・・・面白そうだなオイ。

相変わらずかすみんは奇策に弱い。
けどこうやって負けを重ねて行くことで色々な局面に対応できるようになる。
土方先生もかすみんをそう評している。
今のうちにたくさん負けなさい。佐々木さんはきっと負けて強くなるから・・・と。

さて。いよいよ月女は最後のリリィを残すのみ。
かすみんに勝つヨと宣言したリリィ。いつになく真剣な表情でございます。

始めの合図と共に飛び出し、鋭い攻撃を仕掛けるリリィ
。 相手の反撃も柔らかい身のこなしで交わし反撃を行う。華麗っすな。
そして、足を狙った一理の攻撃を・・・跳びあがって交わすリリィ。
そのまま空中で面を放ち、一理の頭部を捕らえる。うーむ、お見事。

あの高さを跳ぶのか・・・素晴らしい身体能力だ。

リリィの強さを目の当たりにし、侮れないと認識した星高大将、沖田さん。その実力は!?

実力も気になるところですけど、その黒塗りの面がなんだか怖い。
表情とかを探れないし、結構有利になる面かもしれませんな。

ところで、リリィ。髪はまとめたけどまだ本気を出しているわけではない様子。
その証拠にレオタード姿になっていない。
ジャージの襟元を見る限り、中に着込んでいるのは間違いない。
となると、沖田さんとの対戦中に、身軽になるためと言って脱ぎ出す可能性がある!
そうなった時のジオたちの反応が楽しみである。
逆に、そうなった場合の沖田さんの反応が心配でもある。
動揺はせず、むしろ相手に対抗して脱ぎださないかという意味で。これで互角だ!とか言い出しかねんから困る。



第18話「出稽古と剣士」  (2012年 36+37号)


黒塗りの面を被って星高の大将である沖田さんが登場。こりゃ怖い。口元は開いてたんですな。

歩き方だけでわかる・・・この人・・・強い・・・

警戒するかすみん。
道着を着てたりするし、色々と腕に覚えがありそうな雰囲気を漂わせておりますなぁ。沖田さん。
道着の胸に書かれた、護身道という文字も気になる。
まあ、ナノちゃんからしてみれば単なるブリーフ野郎なわけですが。
確かにあの行為はインパクトありましたしねぇ。

さて、両軍の大将が激突。相手はかなりの強敵のようだが、リリィはどう戦うのか。
沖田さんの鋭い一撃を、身を崩して交わすリリィ。その崩れた体勢のまま斬撃を行う。
この柔らかい変幻自在な動きがリリィの強みですな。

続いて、打ち合い。激しく小太刀を打ち合わせる2人。
そこに審判の止めの合図が入る。
どうやら打ちすぎてリリィの小太刀に空気漏れが発生したらしい。

というわけで、一時中断。リリィはかすみんの小太刀を受け取る。
このタイミングでジャージを脱ぎ、レオタード姿になるリリィ。
なるほどね。さすがに試合中に脱いでるヒマはないよなと思ったら、中断という手がありましたか。

身を軽くするための勝負着であるレオタード姿だが、青少年には刺激が強い格好である。
黙って鼻血を流すジオ。ムウ・・・じゃねえよ。
一理も思わず赤くなってしまっているが、そんな色仕掛け沖田さんには通用しないぜ!と述べる。
信頼されてますなぁ沖田さん。

ふむ・・・ではオレも脱いで身軽に・・・

帯を外し、脱ぎ始める沖田さん。さすが!そういう行動に出てくれると思ってた!信じてた!!
やっぱり信頼感バツグンですね沖田さん。まあ、止められましたけども。

身軽になったリリィ。しかし、沖田さんの手数はかなりのものである。
鋭い攻撃を受けて防戦一方になりつつあるリリィ。
しかし、どうやらリリィには狙っている技があるようだ。
師匠こと土方先生用に考えたという必殺技。その技の使いどころを見定めている様子。

良い技じゃない?射程は長いし姿勢が低いからカウンターももらいにくい。
何よりあんな動きできる人はまずいないから初見でかわすのはちょっと難しいわね。

土方先生も賞賛する必殺技。
沖田さんが軽くバランスを崩したのを見定め、今、その技が繰り出される。
その名も・・・開脚足(コンパス)打ち!!

足をバッと広げ、ペタリと地面に座り込むリリィ。
それと同時に相手の足を切りつけようという技だ。
しゃがみこむスピードが速く、それでいて鋭く足を狙うという。なかなか怖い技である。
なるほど、対戦相手からしてみれば、いきなり視界から消えるわけだし、初見ではまず避けられないですわな。
だが――その必殺技と跳んでかわす沖田さん。
そして、その跳びあがった状態で小太刀を振るい・・・斬!!

「飛び避け」からの面アリで沖田さんの勝利。
面アリといっているが、斬ったのは首である。
足を狙うのもえげつないが、首を薙ぐというのもなかなかに凄まじい。スポチャンの獲物だからできる打ち方だ。
とはいえ、わざわざ細い首を狙ったりする辺り・・・沖田さんは世が世なら本物の人斬りになれそうですね。
実際、斬られたリリィが前のめりに崩れ落ちている。
その気迫も併せて、本当に斬られたかのような錯覚を感じたのかもしれませんなぁ。

土方先生曰く。沖田君、どんどん強くなるわねとのこと。
前から知っていた相手ということなんでしょうか?
まあ、お互い強者っぽいし、事前に知り合ってた可能性は十分ありますわな。
となると、今後も沖田さんの登場はありえるのではないかと思えて、それはそれで楽しみな話となる。
やたらと脱ぎたがる人ではあるが、強さは本物。いいキャラである沖田さんの今後の出番と活躍に期待だ!



第19話「出稽古と妹背」  (2012年 38号)


男子高との対戦。小太刀戦は男子側の勝利。
続けて長剣の試合が行われたわけだが、内容は小太刀の時とほとんど同じ。
つまりこれが今の両者の地力の差なのである。

ただ――小太刀の試合の後からリリィの様子がおかしい――

なんだかぼーっとした様子のリリィであります。可愛い。

一通りの試合を終え、お互いに礼をする。
というタイミングで、相手の高校の先生の名前が判明する土方先生?その名前は・・・?
そっかー土方先生の旦那さんだったんだー。いや、ちゃうねん。
土方伏竜。兄でございます。ふむ、言われてみれば顔が似てる気がしますな。
ちなみに妹の土方先生の名前は土方桜というらしい。桜はともかく、伏竜って凄い名前だな。

土方兄妹って言や東京じゃ有名だぜ?いろんな意味で

いろんな意味とはどういう意味が篭められているのだろうか。気になって仕方がない。
ついでに、沖田さん。かすみんの苗字である佐々木という名に反応する。
沖田さんは実力者だし、かすみんの姉と面識があるのかもしれませんなぁ。

さて、時間が多少あるということで、土方兄妹による試合が行われます。
どちらも普段着のままではあるが、それを感じさせない凄い試合展開。
一打一打が速いだけじゃなくて、技と技の繋ぎや防御と回避との連動が全て速い。
そして何より楽しそうに打ち合っている。

先生たちはまるで会話や踊りを楽しむように――時間一杯まで打ち合っていた――

なんとも楽しそうな話でありますね。強者の語り合いはよいものであるなぁ。

男子高ということで、女子トイレは職員用のものしかない。
というわけで移動して用を足すナノちゃんとアヤちゃん。
トイレから出たところでジオと遭遇。
ジオはどうやらナノちゃんにアドバイスしたいことがあったようだ。
足打ちの時、足を見るのは良くない。足狙いがバレバレである、と。
それだけ伝えると去って行くジオ。なんとも照れ屋さんでございますなぁ。

さて、更衣室にて着替えて帰り支度をしているリリィたち。
そんな中、相変わらず元気がない様子のリリィ。気にしたかすみんが声をかけてくる。
沖田さんに負けたのがそんなにショックだったのだろうか?
と思ったら、そういう話でもないらしい。

強い人と戦うのも負けるのも別に初めてじゃないけど・・・
師匠とか今まで戦った強い人は皆どこか手加減して戦ってくれてるのがわかってたんだよ。
でもあの人は本気で・・・全身全霊で私を斬った――眼が合った時にはもう心が斬られてた――
その時のことを思い出すと、なんだか胸がドキドキして顔が熱くなるんだヨ〜〜

ほう・・・ほう!これはこれは。
ひとめぼれならぬ「斬られぼれ」ってことでございますか!いやはやこれはこれは。
人斬り同士惹かれるものが合ったってことなんですかねぇ。いやーこれはなんだか面白い展開。
リリィはそんなんじゃないヨ〜と笑っているがはたしてどうなのか。

い・・・いけません!不純異性交遊はいけません!!

かすみん。発想が飛びすぎですよ。落ち着け。
不純でも同性の交遊ならいいよねとか言い出したらどうしようか!!

恋愛要素が絡んで乙女っぽくなったせいか、今回のリリィはやたらと可愛く見えた。よいことである。
沖田さんのキャラもいいせいか、不満もほとんどありませんしねぇ。
これからも沖田さんの出番があることに期待したい。
あと、ジオとナノちゃんはどうなんですかね。
でかい男と小さい女の子の交流というのは楽しいものがあるのだが、はてさて。



第20話「剣友と秘密」  (2012年 39号)


顔に直撃する体勢での海賊危機一髪。いや、海賊じゃないのかコレ。
ともかく危ない姿勢である。案の定アヤちゃん避けれてないし。
でもそんなどん臭いところが可愛いなと思うナノちゃんでありました。

さて、男子との出稽古を終えたばかりであるが、早速来月江東区大会に出場することになる。
小さい大会ではあるが、4人のデビュー戦となります。

先日の出稽古でも感じたと思うけど「初対面の人とどう戦えるか」で本当の実力が問われるの。
毎日の練習は同じ相手だからどうしてもクセやパターンがわかってしまう。
大会での一戦は勝っても負けても普段の練習の何倍もの収穫があるわ。

とのこと。よくわかる話でありますね。
今日からは大会に向けて試合中心の練習にするという。
相変わらず小太刀中心の練習のようですが、他の得物での試合は参加しないんですかね?

アヤちゃんとナノちゃんの戦い。
ナノちゃんはすっかりアヤちゃんの速い振りに慣れた様子。
それに慣れてしまうと、アヤちゃんは避ける技術がほとんどないのでやられ放題になってしまう。
振りこそは鋭く、攻撃は目を見張るものがあるが、やはり反応が鈍いのは致命的ですな。
遠くからの、避けきれぬ一撃。二の太刀いらずの一撃をアヤちゃんは身につける必要があるのかもしれない。

リリィとかすみんは激しい稽古を続けている。
出稽古以来激しく打ち合っている2人。かすみんもかなり成長をしてきているようですなぁ。
というか、この2人が突出して強くなっているので、ナノちゃんアヤちゃんが置いていかれている感じがある。

部活終了。
アヤちゃんはちょっと用事があるということで1人でどこかに向かう。
最近1人で帰ることが多いが何だろうか。
まあ年頃ですしね。彼氏が出来たりとかバイトに行ってたりとか色々とあるのかもしれない。
妄想逞しくしちゃったナノちゃん。アヤはアタシが護るとばかりに駆け出して行く。おおおおおお。

で、アヤちゃんが何をしていたかというと・・・バッティングセンターでバットを振っていた!!
低速SP75と書かれた打席にて上段の構えを取っているアヤちゃん。
なるほど。うまく当てるために動いている球を標的にしようという話なわけですな。
これぞ反射神経を鍛える秘密特訓である!
動いて避けるのはまだまだ難しい。ならば、動いている相手を捉え、先に仕留めるようにする。いい考えである。

アヤちゃんが秘密の特訓を行っているのを見てショックを受けるナノちゃん。
アヤが反射神経を身につけたら・・・アタシが部で勝てる奴がいなくなるじゃないかっ!!

凄く後ろ向きな考えですね。
まあ、4人しかいない部で2人突出している人間がいるのではしょうがないか。
負けず嫌いな初心者としては何とも厳しい環境だ。
だけど、一生懸命に特訓するアヤちゃんの姿を見て絆されるナノちゃん。
1個も当てることができずにいるアヤちゃんにアドバイスを行います。

イキナリ大振りしても当てられるようにはならない。
「当てる」ことから始めるんだ。そしてスピードに目が慣れたらこうだ!と手本を見せるナノちゃん。
うん。いいアドバイスですな。まずはバントでもいいから当てることが重要と。
当てたという感触が次に繋がるって話でありますな。
というか、だ。アヤちゃん球が来ているのに目を瞑ってちゃいかんでしょ。
よく(>_<)のような顔になるが、怖がらずに見据えれるようにならないといけませんわな。
まあ、この表情は可愛いのでいいといえばいいのだが・・・いやいや。

ともかく、ナノちゃんのアドバイスで段々と当てれるようになってきたアヤちゃんでありました。

いいんだ。アヤが強くなれば・・・その分アタシもきっと強くなれる・・・
アヤ・・・一緒に強くなろう!!

前向きでよい考えであります。いい子ですなぁナノちゃん。
こういう考え方は見ていて気持ちがいい。
初心者ですしどちらも伸びしろは大きいはず。2人の成長に期待したいところであります!!



第21話「テスト勉強と剣道家」  (2012年 40号)


月女4名の水着姿カラー。
おー、これはあざといわー。うんうん。あざといあざといー。
この絵をプリントされたタオルを公式の場で背負う作者はただものじゃねぇ・・・!!

というのはさておいてと。
江東区大会まで2週間。
でも中間テストのテスト期間に入ったので部活は禁止です。学生らしい話だ。
赤点の生徒は追試まで部活禁止が伸びる。
ナノちゃんは放っておくと赤点確実が見込まれて大会が危うい。
というわけで、かすみんの家に集まってテスト勉強をすることになりました。

かすみんの家はお寺。
リリィに言わせると、かすみんはお香のイイ香りがするらしい。へぇ。

リリィは一度読めばすぐに物事を覚えられるスキルを備えている。
これまでも前日しかテスト勉強をしたことはないそうな。ほほう。チートっすな。
ただし、記憶できるのは3日くらいなのが玉に瑕。
テスト勉強という環境でこそ役に立つスキルですね。ハハハ。

というわけで、昨日の授業でやった文法を元に英訳を行ってみる。
文法は合っている。が、スペルがアチコチで間違いだらけである。ローマ字的間違いだ!

いいヨーそれくらい。私、英国人と日本人の血が入ってるからブロークンイングリッシュなんだヨ!!

かわいこぶってもダメである。さすがに砕けているというか砕けすぎてバラバラだ。

リリィには単語の覚えなおしをやってもらう。面倒くさそうだ。
一方のナノちゃん。勉強から思考が外れていっている。
うん。本人が言う通り、見張ってないとダメな子でありますな。
絵にはジオの姿が描かれている。そうかージオは巨乳なんだー。ぼいーん。その発想はなかった。

かすみんがお茶を入れるために席を外している間に部屋を物色。
アルバムやら下着やらを探る3人。好き放題だなオイ。日記も発見したぞ!朗読だ!!なんという辱め。

かすみんは小さい頃から剣道をやってきているが、賞とかそういうものをもらったことはない。
なるほど。いわゆる"無冠の剣豪"という奴ですね!!フォローフォロー。

長く続けてはいるのだが、これといった強さを身につけていないかすみん。軽くコンプレックスっぽいですな。
まあ、当初のかすみんは色々とスキだらけでしたから・・・
いまでこそ大分強くなったようにも見えるが、まだまだ不意打ちに弱い気がしますしねぇ。
リリィもかすみんは強いと保証してくれます。
かすみんと戦っている時が一番思い通りに動ける、とのこと。相性が良いんでしょうな。

そんなこと言って。星高の沖田部長と戦ってる時の方が生き生きしてるように見えましたが。

沖田部長の名前を出され、赤くなるリリィ。可愛らしい。
それはそうと、かすみんの表情がなんだか怖い。リリィが言い訳しているダンナのようだ!!

さて、その話題に上った星高の3人。彼等も江東区の大会に出場するらしい。ほう。
ジオの分析によると、リリィの胸はFの91。ほほう。ジオめ、いい目をしている。
F91かぁ・・・ってガン●ムかよ。見極めえた方もジオですし。そして巨乳仲間ですし。同属か!?

確かに大きかったなぁ。
165cmくらいありそうだったな・・・それであの身体能力・・・男性と戦ってもフィジカルで遅れをとることはなさそうだ。

相変わらず沖田さんは朴念仁である。いいキャラでございます。
165cmは大きいと言えるかは微妙だが、身体能力が高いのは間違いないですね。

で、沖田さん。リリィ以外にも出稽古の時に気にかけていたことがありました。
それはかすみんのこと。あの人は「佐々木蘭」の妹だ。と勘付いている。

佐々木蘭。かすみんの姉で剣道日本一という人物。
その踏み込みは剣道場で行われているのに離れた部屋にまで震動が伝わるほどだという。怖ぇな。

蘭さんはもう高校生ではない。卒業している。
となると大学生だろうか?ん、違うのか?じゃあ社会人かね?

・・・いえ。お姉・・・姉は・・・剣道家です。

ほ・・・ほう?
どこかの道場で教えている師範とかそういう人ですかね?

いえ・・・毎日ここで稽古して、たまにあちこちへ出稽古へ行ってます。

ほう・・・ほう。
学生でなく、働いてなく、職業訓練を受けていない・・・
つまりそれは若年無業者・・・所謂ニート・・・

いえ「剣道家」です
お姉ちゃんは自分の全てを剣に捧げてるんです!!

ソ、ソウデスカ。
職業欄には堂々と剣道家と書かれたりするんでしょうなぁ。現代人離れしている・・・!!
まあ、そうでなければ日本一の強さを得ることはできないってことなのかね。
しかし、かすみんが必死でお姉ちゃんと呼びそうになるのを言い直しているのが微笑ましい。
最終的に口にしちゃってるのがまたさらに微笑ましい。

さて、稽古を始めたので上気した様子の蘭さん。色っぽいっすな。
こちらの様子に気付く。そして、スポーツチャンバラ部の部員であると紹介される。

なるほど。君たちも剣士か!
じゃあ少し汗をかいて行かないか?

け・・・獣の眼光や!!
何がじゃあ、なんですか!?剣士としての挨拶をしてあげようとかそういう話ですか!?コワイコワイ。

部活禁止なのでと言い訳してどうにかこの場を切り抜ける。
いやあ、怖かった。伊達にして帰されるところだったよ。
蘭さんは、沖田さんをして「人の皮を被った獣」という感じだったと言われている。
どれほど強い、というか怖いんだこの人!?ただのニートじゃねぇ!!

まあ、剣道日本一の肩書きがあるし、その気になれば就職先はありますわな。
いや、その気がないからニートと言うんでしょうけど。
あ、いえ、はい。剣道家ですよね。今後も邁進していってください!!寺の後継ぎとか大丈夫なのか?



第22話「大会と飛び入り」  (2012年 41号)


勉強会をやった結果はどうなったか。早速テストが返却されています。
ナノちゃんは81点という好成績。
赤点どころかこんな良い点とったのは生まれて初めてだ、とのこと。良かったねぇ。

それを聴いたかすみん。そうですかと妙に気のない返事だなと思ったら・・・
ナノちゃんに負けているとは・・・本番に弱いから、ということで納得してよいのかねぇ。

まあそれはさておき。テストによる部活禁止期間は終了。
大会に向けて練習を行うことになります。
大会に出場するのは高校生だけではない。スポチャン部のある高校なんて全国でも数えるくらいだしなぁ。
なので、一般の部のようにインターハイとかそういうものがあったりはしない
マイナーな部活の悲しいところである。
そのかわり、幼稚園児から老人までいろんな人と対戦できるとのこと。ほう。

1回の大会でいろんな部門があるからチャンスも多い。
目標はまず、全員1勝以上することと定めました。

大会を明日に控え、アヤちゃんからの提案。
大会なんだからおそろいのユニフォームとか作らないか?とのこと。
当然ながら明日の大会には間に合わないので、次の大会での話となる。
おそろいのユニフォームねぇ。全員レオタードとかか?なんとなく微妙なイメージ図だ。
アヤちゃんはフリフリした可愛い服で戦いたい、とのこと。
メイド服なんかはどうか?と言ってくる。悪くない。が、これに面をつけると違和感抜群だ。

アヤちゃんは前回もかすみんの巫女服がどうとかいう話題で目を輝かせていた。
そういうのがお好きなんでしょうか?アヤちゃん。巫女さんとかそういうのが。私は好きです。

最終的に、おそろいの何かを用意することになったのか、ここでは明らかにされませんでした。
次回の大会時には登場すると思いますので、期待したいところですな。
なんだろう。月女なだけに、月の女王様の何かを身につけるとかそんな話か?どうなのか。

スポーツチャンバラ江東区大会、大会当日。
中には子供が一杯待機している。なるほど、まさに老若男女って光景ですな。
そして、月女からは新聞部の子が取材としてやってきている。
広瀬莉花ちゃん。最初の頃にかすみんと一緒にいたメガネの女の子である。
そうか、新聞部に入っているんだ。らしい外見でありますわな。

月女に遅れて星高の男子3人もやってくる。ウィッス!
星高の先生曰く、今日はTVカメラが入るらしい、
なんでも、アイドルの女の子が飛び入りで大会に参加するためだそうな。
それはまた・・・緊張する話でありますな。
参加するアイドルとは、アイドルユニット「プリンセス☆マスケティア」の斉藤茜ちゃんでございます。

はいっ。茜、今日は都内のとある小学校へ来ましたっ!
今日ここでスポーツチャンバラの大会があるんですよっ。
なんと私っ、スポーツチャンバラに挑戦したいと思いますっ!

学校の前でカメラを回して撮影している茜ちゃん。
そうか、大会は小学校の体育館でやってるんだ。いかにもマイナースポーツらしい話であるな。

斉藤茜。17歳。特技はフェンシング
莉花ちゃんの情報により、それなりの心得がある相手だと分かる。
フェンシングかぁ。剣道とはまた違う、異色の相手となりそうですなぁ。

茜ちゃんはフレッシュマン部門に飛び入りとなるため、月女の面々と当たる可能性が高い。
フレッシュマンとは「入賞経験のない人」だけの部門のことである。なるほどね。
そういう分け方をしているのであれば、今回は星高の面々とは当たらなさそうですね。残念だ。

というわけで、アイドルと当たる可能性を受けて、土方先生は皆にこう伝える。

わかってるわね?
お客様は丁重にお相手するのよ?「手ブラ」で帰すわけにはいかないわよ?

そ・・・それは・・・やっぱり、そういう意味で言っているんですよね?
かすみんの表情からしても窺えるが・・・やはり、伊達にして帰せってことですよね。
息の根は止めず、目、鼻などを削ぎ、伊達にして帰すべし。
さすればその顔により、スポチャンの勇名を天下に轟かせることができる。とかそういう。
まあ、さすがにそこまでは土方先生も言うまいが、なめられないようにキッチリ相手しろとは言ってますな。
心胆寒からしめる。異種の相手には必要となる行為だ。努々怠るなかれ。
アイドル相手にも容赦はない。スポチャン道は厳しいものであるなぁ。

さて。
着替えをする前にトイレに駆け込むかすみん。
用を足していると、電話をしながら中に入ってきた人がいる。これは・・・アイドルの茜ちゃんだ!
茜ちゃんはなんだかダルそうな喋り方で電話をしている。
そしてスポチャンを舐めたような口ぶりをしている。
こちとらオリンピック競技のフェンシング経験者だぜ、本気なんて出したりしねーよってもんだ。
会場はガキばっかりだし、かったるくてやってらんねーよって感じ。

うーむ。やはりアイドルキャラってのはこういう扱いされるもんなんですかね。
誰もいないと思ってウカツなことを口にし、聞きとがめられると。
今回はかすみんが聞いてしまう側となった。
けど、特に何も言わずにそそくさと立ち去るかすみん。
これは、逆に茜ちゃんの方が聴かれてしまった!と慌てねばいけなくなる流れでありますね。やあ困った。

色々と波乱が起きそうな江東区大会。一体何が起きるのか・・・楽しみである。
そういえば、茜ちゃん。苗字は斉藤、とこれまた剣豪の名前でありますね。
フェンシングという突き技が得意な斉藤でありますか。
ここで因縁を持っておけば、これからの出番にも期待できるって話ですよ。

かすみんに会話を聞かれた茜ちゃんは、逆に大ハリきりしてみせたりするのだろうか?
その努力むなしく、リリィやかすみんに伊達にして帰されたりするのだろうか?
アイドルを獲物で切りつけるのはなんだし、当身にてとかいって殴りつけられたりするのだろうか?
スポチャンの場合はそっちのがよっぽど酷いか。
ともかく、楽しみな流れである。



第23話「アイドルと組み合わせ」  (2012年 42号)


初の公式戦である江東区大会が開会。
さっそく子供たちが対戦している様子が見える。微笑ましい。
1人くらい持って帰りたくなるわね、とアヤちゃん。
そうですね・・・とでも言うと思ったか!
さりげなく不穏当な発言をする子である。

まずは幼年の部。チビッコたちが一生懸命闘っている。
老若男女と戦えるスポチャンだが、さすがに幼年の部とかはありますのね。
年齢無差別の部とかもひょっとしたらあるかもですが。

大会の様子をアナウンスしている、アイドルの茜ちゃん。
その茜ちゃんの本音を聞いてしまったかすみん。複雑そうな表情をしている。
まあ、自身も昔は「子供の遊び」とバカにしていたわけですし、なんともいえない。
なのであの人のことはもう気にしないようにしようと考える。気にしない、気にしない。

なんて考えていたら尿意が襲ってくる。メンタル弱いですなぁ。
女子トイレに向かうかすみん。
中には着替え中の茜ちゃんがいました。ロッカールームとかないんですかね?

茜ちゃんは、トイレでうかつな発言をして聞かれてしまったことを気にしている。
なので、ネットで言いふらしたりしないように脅しをかけてくる。あらあら。
もちろんそんなつもりはないかすみん。
興味ありませんから、というのは本心のセリフなんでしょうが、アイドル的には傷つく発言だ。

というわけで、挑発を継続する茜ちゃん。
かすみんが剣道服を着ていることに目を留める。

あ、わかった〜〜剣道だと良い成績だせないから〜〜マイナーなスポチャンに逃げたんだぁ〜〜でしょ?でしょ〜?
でもさぁ〜剣道と比べたらチャンバラなんて遊びみたいなもんでしょ?
勝っても自慢にならないって言うか〜

挑発しまくりの茜ちゃん。かすみんもついそれに乗せられてしまう。

やれば・・・わかります。遊びかどうか・・・私も・・・そうでしたから!!

これは、よい因縁ができましたね。2人の対決が楽しみである。
かすみんが小刻みに震えているのは怒りによるものか。はたまた尿意によるものか。
モヤモヤは抱えるかもしれないが、あんまり感情で剣を振るう子ではないだけになぁ。

さて、フレッシュマン部門の順番が回ってこようとしています。
参加する人数は12人。組み合わせはトランプで決める。丁度いい数ですな。
ところで、土方先生大会の進行役をやっているのか?
そういえば、兄の方は幼年部の審判をやっていたな。そういうものなのだろうか。

トランプを引いた結果、ナノちゃんは@番。アヤちゃんはD番。リリィJ番に、かすみんG番。
1回戦は全員ぶつかることなくバラバラになった。
むしろ準決勝までは誰ともぶつからない状態だ。いい配置ですね。
ちなみに茜ちゃんはA番。いきなりナノちゃんとの対決である。
それはいいが、なんでブルマなんだ・・・?アイドルだからって話なんでしょうか?

カメラを回しながら、対戦相手のナノちゃんに挨拶にくる茜ちゃん。

なんと1回戦は小学生の子と対戦することになりましたっ!よろしくお願いしますっ!!

小学生扱いされた!!
まあ、しょうがないのかもしれませんな。ジャージだし。判別は付き難いか。
訂正する間もなく、試合に入る。
が、その前にかすみんからアドバイス。
フェンシング選手は9割9分突きで攻めて来る。突きを回避してカウンターで狙ってください、とのこと。

勝ってください!必ず!!

やはりわだかまりはあるんですな、かすみん。当然か。
しかしナノちゃんに勝てる相手であるかどうか・・・アイドルの力が今明らかになる。

開始前の挨拶はフェンシング流。構えもフェンシングな茜ちゃん。
フェンシングスーツ着てない状態だと・・・なんというか、なんというかですな。
ブルマなおかげでかよけいにこう、間が抜けているというかなんんというかな構えになっている。

構えの見た目はさておき、実力は確かなものである。
うねる様な突きが繰り出される。これぞまさにフェンシングの突き!
ヒュヒュっと連続で出てくる突きに翻弄されるナノちゃん。
そしてがら空きとなった持ち手に対し斬り付けてくる茜ちゃん。
中々に合理的ですな。手首の返しだけで、獲物の持ち手である手首を切り裂こうとしている
これがフェンシングの強さであるか・・・思った以上に厄介な存在だ。

後ろに逃げても一気に詰められる。突きだけではない自在さも持っている。なかなかに面倒な技術だ。
順当にいけば、茜ちゃんと次に当たるのはアヤちゃんであるが・・・さすがに勝てそうもないな。
ここはひとつ、負けてもいいから思いっきり振り回して心胆寒からしめていただきたい。
試合には勝ったが、下がった後で茜ちゃんの面がまっぷたつに割れるとかそういう演出で。怖ぇよ。

というか、茜ちゃん。最後のは挑発だったんですかね?大人気ない。
相手は小学生と思い込んでいたナノちゃんだったのに、挑発決めたんですかね?大人気ない。
いやまあ、小学生じゃないと分かってて言ったのかも知れないけど。それはそれで大人気ない。
大人気ないアイドルとの戦いはどうなるのか。注目ですな。
組み合わせ的に、リリィとかすみんが準決勝でぶつかることになるってのにも注目だ。どうなるやら。



第24話「大学生と小学生」  (2012年 43号)


莉花によるフェンシング解説。
フェンシングにはフルーレ、エペ、サーブルの3つの種目がある。
フルーレとエペは突きだけだけど、サーブルは斬りもあるんだそうな。

種目名ですが、それぞれ武器の名称でもありますね。サーブルは斬ることもできる武器なんでしょうな。
有効面もそれぞれの種目で違ったりする。なかなか面白い話ですな。

ちなみに、最後にタンタンっと踏んだ足踏みは試合終了の合図だったらしい。
ははぁ、別にバカにして鳴らしていたわけじゃないんですね。
小学生と認識していたはずの子に煽りを入れるとはさすがに思えなかったし、なんだか安心した。

ナノちゃんは下がるときに小手がガラ空きになるクセがある。
そのクセを見逃さずに打ち込む剣力。あのアイドルの子、素人じゃないわね、と土方先生。
伊達になめた口をこっそり叩いていたわけではないってことですよ。

さて、アヤちゃんの出番でございます。
1回戦の相手は大学生。青梅大学の君塚愛さん。地味だけど可愛い子ですな。
アヤちゃんは得意の上段の構え。
相手の攻撃をよく見て、間合いを測る。

攻撃するということは相手にスキを与えるということに繋がる。
特にアヤちゃんは振りが大振りだから、相手にかわされるとカウンターの格好の的となってしまう。
だから相手を見ずに無闇に振り回してはダメ。
必ず体か剣に「当てる」つもりで振ることが大事である。

動きから目を離さない。目を離さなければ・・・当てようとしなくても・・・当たる・・・!!

バッティングセンターでの練習を思い出し、当てるつもりで剣を振るうアヤちゃん。
君塚さんの小手に強烈な一撃が決まりました。パギャアッ!!
何かが破裂したかのような派手な音を立てる。
あまりの威力に獲物を零してしまう君塚さん。おやおや真っ赤になっちゃってるよ。
まあ、それでも風船剣ですし、後々まで響くほどの怪我ではない。よかったね。

この一撃はさすがに警戒されるに十分なものであります。
茜ちゃんも、あんなデタラメな大振りフェンシングじゃありえないと注意しております。
うむ、試合前からビビらせただけでも上々の結果を得られてますな。

さて、続いてかすみんの出番。
相手は小学生。礼道館に所属している源紅葉ちゃんであります。

礼道館は子供の指導に力を入れている道場とのこと。ナメてはかかれない相手のようですな。
名前の通り礼儀も正しいし、道場で鍛えられている感じがする。
しかし、そのスタイルはなかなかに独特のもの。左利きで、得物を肩に担いでいる
その状態でステップを踏みながら、突如踏み込み振り下ろし気味の攻撃を仕掛けてくる。
低くて速い。これはなかなか攻撃がし辛い相手ですな・・・
ナノちゃんが見習うべきスタイルじゃないですかね、これ。観察しておいた方がいいぜよ。

それはさておき、ここでかすみんにトラブルが発生する。お・・・おび!おび!
トイレのときに慌てていたのかおびがほどけて来ている。
まさしくトラブルって感じですな。なにやってんだか。
混乱したかすみん。慌てて場外に逃げようとするが、下がってきた袴を踏んで転倒する。
袴が半脱げという割とみっともない状態をさらし・・・そのまま敗北。
うーん。これは茜ちゃんにみっともないと言われてもしょうがないですなぁ。実際みっともない。

小学生相手に1回戦敗退。しかも敗因は袴が脱げた
この事実はかなり大きい。小さくなるしかないですよね。ううう。手乗りかすみんだと!?

やらかしてしまったかすみんに代わり、リリィは大学生相手に快勝。
相手は青梅大学の北山寛さん。青梅大学はいい所がありませんなぁ。ドンマイ!

リリィはさすがに華があるということか、カメラも多めに回してくれております。
かすみんも勝利していれば注目を浴びることができたかもしれないのに・・・
今回は渋い表情で締めている茜ちゃん。
でもむしろこういう表情の方が可愛く見える気がしないでもなかったりする。

意外と茜ちゃんは実力があるし、普通にマジメに勝とうとしているように思える。
トイレでのかったるい発言とは一体なんだったのかという感じだ。
ナメてかかっていたが、見ているうちに侮れないと感じてきたのだろうか?いい傾向だ。

それにしても、まさかかすみんが1回戦敗退とはねぇ。
まあ、スポチャンの強さを見せると言ったのだから、剣道上がりのかすみんが勝ってはいけないってことなのかもしれん。
そういう意味ではリリィに任せるというのは間違いではないですな。
とはいえ、茜ちゃんと戦う前に、準決勝で強敵と当たりそうな雰囲気。
リリィと紅葉ちゃんの戦いが今から楽しみである。



第25話「突きと防御」  (2012年 44号)


入賞経験のないフレッシュマン部門とはいえ、男子大学生相手に5秒で仕留めるリリィ。
さすがに月女最強は伊達じゃないって話ですね。
試合の様子を見ていた沖田さんも、これは優勝するかもなと考える。
そんな沖田さんと目が合い頬を赤らめるリリィ。あらあら乙女ですねぇ。

さて。早速2回戦が開始されていきます。
アイドル斉藤茜ちゃんの2回戦の相手は有明南中の渋谷友斗くん。
中学生男子に生足晒したアイドルの相手は色々と厳しくないですかね?色々と。
中学生じゃないけど、茜ちゃんのブルマ姿に興奮している男もいたりしますし。ジオ・・・

というわけで、茜ちゃんは2回戦も問題なく勝利。やはり男子中学生には色々と厳しいですよね。

アヤちゃんの2回戦の相手は礼道館の遠藤進也くん。やはり礼道館の子は礼儀正しいっすね。
相手が小学生ということもあり、加減して打たないといけないかなと考えるアヤちゃん。
しかし、1回戦の相手、君塚さんは言っていた。私の分も頑張ってねと。
そう。手加減して負けたりしたら、この子にも先の相手にも失礼にあたることになる。

全力を尽くそう・・・!!私はそのためにスポチャンを始めたんだもの・・・!!

なかなかいい心構えになってますな、アヤちゃん。
その姿勢がよかったのか、2回戦も勝ちを収めるアヤちゃんでした。よっしゃよっしゃ。

源紅葉ちゃんの2回戦の相手は有明南中の上島夏歩ちゃん。
しかしこの勝負は瞬殺で紅葉ちゃんの勝利。
紅葉ちゃんのセンスは土方先生が誉めるほどである。あんなに動ける子がどうして今まで受賞歴がないのか・・・

リリィの相手は青梅大の大下耕次さん。青梅大は相手が悪いですねぇ。
これもリリィの瞬殺で勝負ありでございます。
大下さん、その構えじゃ足狙いがバレバレじゃないっすかね?

ともかくベスト4が出揃いました。
このタイミングで面をとった紅葉ちゃんの顔が明らかになるのだが・・・麻呂眉だったんですな。

さあ、いよいよ準決勝。
まずはアヤちゃんと茜ちゃんの対決であります。
ナノちゃんのカタキとドキドキしながら挑むアヤちゃん。
茜ちゃんはさすがに試合の様子を見ていたので慎重な様子。
大振りであるがアヤちゃんの振りは鋭く強い。パラード――剣で受けたりしたら、剣ごと持ってかれる。
「剣」じゃなくて「斧」と思って戦らなきゃ。とのこと。いい認識ですな。

斧と突剣の対決。
踏み出す茜ちゃんの動きに合わせ、獲物を振り下ろすアヤちゃん。
しかし、その踏み出しは誘いであった。
前に出て、すがさず後ろに下がる茜ちゃん。初激をかわすのが目的だったのだ!

すかさず、攻撃後のスキだらけのアヤちゃんに迫る突き。
しかし、攻撃時にバランスを崩していたのが功を奏し、この突きは不十分となる。
フェンシングルールなら有効となる突きだったので追撃は出していなかった茜ちゃん。
スポチャンのルールに不慣れなのがここで響きましたね。いい展開だ。

前後の移動が速く、アヤちゃんの振り下ろしですら間に合わない。
必殺の一撃が通用しないのではアヤちゃんに勝ち目はない。どうすればいいのか・・・
そこで思い起こされるのが土方先生の指導。
一口に面打ちといってもいろんな軌道がある。
アヤちゃんは面うちを山なりに振っている。これは威力は出るけど当たるまでが遅い。
直線的に振る起動の方が速く相手に届く。わずかな差だがそれが死活を分けることもあるのだ。

直線的な軌道で速度アップを試みるアヤちゃん。
今度はド真ん中にブッ刺すと考える茜ちゃん。
2人の剣士たちの緊張は高まり・・・そして激突!!
会心の一撃・・・果たして勝者はどちらか!?

うーむ、なかなか試合描写も緊張感が出てきて面白くなってきましたねぇ。
危なげなく茜ちゃんが勝利するかと思えたがそうでもない様子。
さらに、別ブロックの方も予想外な展開になるかもしれない。
リリィが危なげなく決勝に行くかもと思えたが、紅葉ちゃんは結構な強者っぽい。
場合によってはアヤちゃんが勝利し、リリィが敗北するという準決勝結果もありえるかもしれない。
これはなかなかに先が読みづらい展開ですな。よい感じだ!!



第26話「細剣と戦斧」  (2012年 45号)


細剣と戦斧の渾身の一撃が交錯!!
決まったのは・・・細剣の一撃の方だった!!

工夫により、アヤちゃんの一撃は前よりも速さを増していた。
しかし、茜ちゃん。上体を落とし、しゃがみこむように刺すことで相手の攻撃が届く前に刺すことに成功したようだ。
なかなかに白熱した準決勝ですが、最終的に制したのはアイドル茜ちゃんでありました。

よっしゃああ!どんなもんじゃぁ〜〜いっ!!

内心でガッツポーズを決める茜ちゃん。
あらあら、「お遊び」とか言ってたわりにずいぶんと熱くなってますね。よいことである。

しかも、勝負後にアヤちゃんから握手を求められたりする茜ちゃん。

悔しいけど、楽しかった!ありがとう!決勝頑張ってね!

素直な気持ちで差し出された手を取る茜ちゃん。うんうん、いい画だいい画だ。
茜ちゃんもなんだかフワフワして悪い気分ではないらしい。
うーん。この子も業界人なのでスレているところはあるが、基本的にはいい子なんだろうな。
冷めて可愛こぶったキャラより、感情を表に出した今の方が魅力的だと思うんですけどね。

勝負には勝ったが、左足に痛みを覚える茜ちゃん。
おや?無理な体勢での踏み込みで痛めちゃいましたかな?なんとも不安な要素だ。

さて、もうひとつの準決勝開始。
リリィと紅葉ちゃんの対戦であります。
紅葉ちゃんはかすみんに勝った強敵。かすみんが自爆しただけという気はしないでもないが、ともかく強敵。
というわけで、リリィも本気の衣装でお相手することになる。レオタードで出撃だ!!
この派手な格好に観客はざわめく。テレビは喜ぶ。そりゃあ喜ぶわな。
しかし、茜ちゃんとしては立場がない。
こっちは仕事でこんなのはいてるっつーのに・・・素人がプロより目立たないでよ!!

ああ、その格好は仕事でやっていたんですな。
しかし、考えてみると体育館の床を素足で体重移動するのって結構危険ですな。
急激な制動で足の裏がスレたり火傷する可能性がありますぜ。
フェンシングの動きは特に危ない気がする。

それはさておき、リリィと紅葉ちゃんの試合開始。
礼道館の紅葉ちゃんよりも大きな声で挨拶をするリリィ。紅葉ちゃん戸惑ってるな。

しかし、腕前の方はどうやら互角の様子。
紅葉ちゃんはリリィの強さを感じ距離を取っている。「お見合い」の状況。
おそらく紅葉ちゃんは相打ち覚悟でカウンターを打つ気だと、かすみんの見解。
ちなみにスポチャンの試合では相打ち2回で両者負けになるらしい。
そんなことになったら茜ちゃんが労せずして優勝になっちゃいますね。それはそれで面白い。

均衡を破り、リリィから仕掛ける。
その一撃は身を引いてかわし、横薙ぎの反撃を行う紅葉ちゃん。
リリィもそれをかわすが、バランスを崩し尻餅をつく。えっ!?
かすみんの時のようなチャンス状態!素早く紅葉ちゃんの追撃の一撃が迫る!
が、これはリリィの誘いでありました。
紅葉ちゃんの一撃を後転で回避するリリィ。そして獲物を持ったまま倒立!!
さらにその姿勢のまま反撃を行い、下から顎を斬り裂くように叩き込む!!

曲芸のような一撃が決まり、この勝負はリリィの勝利となりました。
倒れたフリして誘い込む。それだけならまだしも、この斬り方はリリィにしかできない技でしょうなぁ。

凄い・・・やっぱりリリィは凄い・・・!!

感嘆するかすみん。テレビクルーも大興奮。
下手なアイドルより、よっぽどタレント性あるぞと太鼓判を押してくれる。
確かにリリィは華がある。可愛いしスタイルもよい。まさに衆目の関心を集めておりますしな。
しかし、後転もうまく回避できたから格好良かったが、目測を誤って後転中に斬られたら格好悪かったですな。
それは結構みっともない絵面になっていたかもしれない。

さて、アイドルとしての注目度まであやうくなってきた茜ちゃん。
決勝ではその茜ちゃんとリリィが争うことになる。
テレビとしては非常に嬉しい組み合わせでありましょうが、これは一体どうなるのか?

いやあ、茜ちゃんも段々と魅力的なキャラになってきましたな。応援したい気分もある。
勝利した喜びか敗北した悔しさを基にして、今後もスポチャンを続けて欲しいキャラだ。



第27話「決勝とコスチューム」  (2012年 46号)


決勝戦を前にして、何やら企んでいる様子の茜ちゃん。

私はプロなんだから・・・素人に負ける訳にはいかないのよ・・・!!

普通なら、手段を選ばず勝つために反則を用いるというような感じのセリフに思える。
でも今回はそういう話ではない。茜ちゃんはなんだかんだで真っ直ぐなんですなぁ。

準決勝で見事な、というか派手な勝利を収めたリリィ。
対戦後に紅葉ちゃんと会話。
どうやら紅葉ちゃんも体操をやっていたらしい
なるほどね。それで後転倒立なんて言葉もスムーズに出てきたわけだ。
身体能力があるが、受賞歴がないってのも、これが理由なのかな?
リリィと同じように、他で鍛えられているが、スポチャンの大会は初めてという。

ずっとジト目のような感じだった紅葉ちゃんがようやく笑ってくれました。よい笑顔だ。
そんな紅葉ちゃんにうまい棒をプレゼント。
ってどこから出しているんだリリィ!!あんな所にいつも入れてるの!?そりゃかすみんもツッコム。
胸の谷間に挟んでてよく割れたりしないものですなぁ。弾力のおかげなのか!?

それはさておいて。いよいよ決勝戦であります。
リリィは変わらずのレオタード姿。
一方の茜ちゃん。全身を怪しげなローブに身を包んでいる。何だー!?
そして、試合場に立ったところで、バサアッとローブを脱ぎ捨てる。
その下からバキューンと現れたのは・・・ゲームキャラのコスチューム!!
これはまた・・・下手な水着とかよりもよほど恥ずかしい格好ですぞ!!

この格好を見て、アヤちゃんは可愛いと感じる。
ナノちゃんはむしろカッコイイと感じている。さすがですな。
そしてかすみん。

うわうわうわうわうわ。どうしよう・・・見てる方が恥ずかしくて顔が熱い・・・
って着てる本人も顔赤い!!恥ずかしいの!?恥ずかしいんでしょ!?

盛大にまっ赤になるかすみんでありました。
この子は純情と言うかなんというか。色仕掛けに弱い子ですねぇ。

恥ずかしくない!!
何を着ても堂々としてれば見る人を魅了する!!それがプロのアイドル!!(アイドル アイドル アイドル)
勝負に勝つだけじゃダメなのよ!人の視線を集めることでも勝たなきゃ!!

見上げたプロ根性と言う奴でございますな。エコーまでかかっとる。
そしてこの狙いは的中。会場の目は釘付け。対戦相手のリリィにもカッコイイと褒められる!!
褒められて、虚をつかれたように可愛い顔してお礼を言う茜ちゃん。いい子ですなぁ。

ちなみにジオ的にはブルマじゃなく、こっちもアリだそうな。そうか・・・鼻血拭けよ。

というわけで、決勝の三本勝負開始!!
大会では決勝のみ三本勝負になるらしい。へぇ。

相変わらずフェンシングの突き技が冴える茜ちゃん。
しかしリリィは持ち前の身体能力で突きをいなしながら前に出る。
前後のフットワークを織り交ぜる茜ちゃん。しかし、準決勝で痛めた足がうずく。
足を治療するよりもコスチュームチェンジに時間をかけたのが仇となったか!!

だが、それでも痛みをこらえて茜ちゃんは飛ぶ。
跳躍しながらの突き。
リリィはこれを交わす。が、手首を返して横から切りつけるように面を取ってくる茜ちゃん。
微妙な判定ではあったが、1本目を選手しました。

土方兄妹によれば、今のは完全に「手打ち」であり、あれでは斬れないとのこと。
ポイントにするかどうかはそういう所で判断してるんですな。当たればいいってわけではないのか。

1本目を先制した茜ちゃんだが、足はますます痛みを激しくしている。
それでも痛みを表情に見せない茜ちゃん。プロですなぁ。

何だかんだで一生懸命になっている茜ちゃん。いいキャラでございます。
プロ根性を見せてもらったわけだが、さすがにこのまま勝ってしまえるとは思えない。
ここからリリィの反撃が始まりそうな気配。
その際に足の怪我が明るみにでるのかどうか。気になるところですな。



第28話「怪我と矜持」  (2012年 47号)


いきなりの回想。
親に言われ、フェンシング教室を辞めさせられる茜ちゃん
この様子を見ると、結構真剣にフェンシングに打ち込んでいたみたいですなぁ。
確かにちょっとかじったくらいの動きではないと思っていましたが。

茜ちゃんはアイドルとして学業の傍らお金を稼いでいる。
にもかかわらず、斉藤家は今月も赤字だそうな。一体何に消費されているのだろうか・・・?
なんとなく父親がいなさそうな気がする光景だ。

辛い背景を抱えながらも、アイドルとして健気に活動する茜ちゃん。
アイドル的には知られたくないかもしれないだろうが、読者的には応援したくなってたまりませんわいな。

スポーツチャンバラにおいては突きは胴と面のみ有効となる。
フェンシングではポイントとなる手や腕への掠めるような打突では一本とはならないのだ。
実際の獲物で掠めたらかなりの被害になりそうな気はするが、仕留めれるとは限らない。
実戦では脳内麻薬も出ているでしょうし、確実に戦闘不能にできる一撃が求められているわけですな。

茜ちゃんの足の痛みが段々と増してきた。
激しい前後へのフットワークを行うことができなくなっている。
小さい動きを行った際、両足が揃ってバランスが崩れる。
その隙を見逃さないリリィ。コンパス打ちで見事に茜ちゃんの足を刈ることに成功しました。

これで1対1。次のポイントを制したほうの勝ちとなる。
しかし茜ちゃんの足は限界が近い。
もうマルシェ(前進)もロンペ(後退)も満足に出来ない。
ならばフレッシュ(飛び込み)で一発にかけるしかないと覚悟を決めてくる。

覚悟を乗せた一撃。
だが、直前の痛みによりバランスが崩れる。
リリィは茜ちゃんの必殺の一撃を交わした。
が、その際に大きく踏み込んだ茜ちゃんの右足がリリィの右足を踏みつける
ゴリッと交錯し倒れこむ2人。
このタイミングで茜ちゃんの負傷が発覚。治療の時間が挟まれることとなりました。

どうやら茜ちゃん。足の裏の皮が破れたらしい。
痛みがある時点で剥けていたんだろうけど、さらに激しく動いたことで出血にまで至ったようだ。

フェンサーはグリップのあるシューズを履いて練習や試合をする。
素足での急発進、急制動に足の皮が耐えられなかったわけだ。なるほどねぇ。

痛み自体は準決勝からあった。
が、その治療を行うよりも衣装を変えることに時間を割いてしまった茜ちゃん。
これもまたアイドルのサガというやつなのか・・・!!
事務所の人も心配そうにしています。なんだかいい人っぽいですね。ちょっと安心した。

踏まれたリリィの方もタダでは済んでいない。足が腫れてしまっている。
さすがにこの足では先ほどのように動き回ることはできないでしょうな。

双方負傷。このままでは両者負けという裁定が下されることになる。
その審判の話を聞き、茜ちゃん。リリィにごめんなさいと謝る。

私のケガは自分のせいだけど・・・あなたのケガは私のせいだわ・・・だから・・・
私の負けで・・・いい・・・

しおらしい感じになっている茜ちゃん。可愛いですなぁ。
なのでリリィ、避けられなかった私も悪いヨと笑顔で返す。
そして、無理をしながらでも立ち上がり、まだ戦れるヨ!と宣言。

戦ろうヨ!不戦勝でも不戦敗でも面白くないでしョ?

リリィのこの発言を受け、茜ちゃんも立ち上がる。
両者負傷した状態で決勝三本目が再開されます。
条件は互角。この勝負を制するのは果たしてどちらか!?

いやぁ。本当、茜ちゃんはいいキャラに育ちましたなぁ。
トイレでのあの仕事を舐めた感じの発言は一体なんだったのか・・・!?
相手がそういう感じの人なので、合わせて思ってもいないことを口にしたのかもしれない。
そんな風にフォローしてもいいんじゃないかと思えるぐらい、いいキャラになっている。

大会の終わりは近そうですが、今後も茜ちゃんの出番があると嬉しいですなぁ。紅葉ちゃんもね。



第29話「全身と全霊」  (2012年 48号)


過去の不満が今の活力!!
自分で稼いだお金でフェンシングをやれば、誰にも文句は言われない。
道場に通うことはできなくなったが、フェンシングでオリンピックに出る夢は諦めていない様子の茜ちゃん。
そうか、そこまで思い入れがあったのか。
最初にスポチャンをバカにしてたのも、私の信じるフェンシングが負けるはずがないという想い故の発言かもしれないですね。

さて、決勝戦の三本勝負もついに最終戦。
お互いに足を負傷したリリィと茜ちゃん。どのように勝負をつけるのか?

茜ちゃんとしては飛び込みの一撃に賭けるしかない。
一方のリリィ。体勢を変えて逆半身の一本足となる。
かすみん曰く、これは「待ち剣」相手の攻撃を受ける構えであるらしい。
突き出した左手が誘っているようで蠱惑的ですな。

「来い」ってことね・・・上等・・・!!

フェンシングに対する想い。アイドルとしての想い。
複雑な感情が茜ちゃんの中に渦巻いている。
しかし今は、勝つために全身全霊の一撃を・・・!!

渾身の力を込めて飛び、突き刺そうとする茜ちゃん。
しかし、リリィ。十分に待ち受けていたため、その攻撃に対して見事な反応を見せる。
一本足の軸である左足の踵を支点にして回転するリリィ。
完全に半身の状態になることで茜ちゃんの突きをかわす。
だが、それだけには留まらない。
回転はさらに続き、遠心力を生み出す。
突きをかわされ、飛びぬけて行こうとする茜ちゃんの背中に・・・回転したリリィの斬りが入った!!

見事なものですな。美しい。まさに体操、踊るがごとくの斬撃でした。

いい勝負ではあったが、最後はリリィに軍配があがった決勝戦。
すっかりしおらしくなった感じの茜ちゃんはかすみんに例の件について謝罪を述べる。

ゴメンなさい・・・
スポーツチャンバラを「遊び」なんて言ってゴメンなさい・・・
自分でやってみてよくわかったわ・・・遊びなんかじゃない。真剣勝負だって・・・

可愛らしいことですね、茜ちゃん。でもそんな風にしおらしくしている茜ちゃんにリリィはこう返す。

いや「遊び」だよ。
「遊び」だから本気で全力で真剣に勝負するんだヨ!
だってその方が絶対楽しいからネ!

命を奪い合う真剣勝負とはまた違う。遊びであり命は賭けない。だからこそ全力で戦える。
現代という環境では、遊びだからこそ本気で全力が出せるってことなのでしょうか。
なかなか深い話ですな。

茜ちゃんとしても心当たりはある。
仕事とか、家のこととか全て忘れ、無心になって剣を振るうことができたいたのだ。

・・・そうね。久々に人と真剣勝負ができて・・・楽しかった!ありがとう

健闘を讃えあい握手をかわす2人。うーん、いい絵ですなぁ。スタッフも満足でありましょうて。

さて、決勝の後は三位決定戦。
アヤちゃんと紅葉ちゃんの戦いは、アヤちゃんの大振りを冷静にかわして小手打ちを決めた紅葉ちゃんの勝利。
これにて江東区大会フレッシュマン部門(小太刀)は幕を閉じることとなりました。
1〜3位のリリィ、茜ちゃん、紅葉ちゃんにはメダルが。
4位のアヤちゃんには敢闘賞として賞状が送られました。よくやったね!!
一応銀メダルよね、と嬉しそうにしている様子の茜ちゃんが可愛い。

小太刀の試合は終わった。
それ以外の試合は行うのでしょうか?長剣や槍の部門もあると思うのだが?
負傷した茜ちゃんやリリィは出れないとしても、他の3人は出場しないのだろうか?
長剣部門であればかすみんが活躍する可能性もあると思うのだが・・・さてはて。

何にしても、この大会で茜ちゃんと紅葉ちゃんという新たな魅力のあるキャラが登場しました。
今後の出番や活躍に期待したいところです。



第30話「もんじゃと反省会」  (2012年 49号)


初の公式試合である江東区大会終了。
打ち上げにもんじゃ屋さんを訪れる月女の面々でありました。
ちなみに今回登場している東京、月島の「夢や」さんは取材協力ということでクレジットがでている。
これこそ作者取材の成果ってもんでしょうな。

もんじゃの作り方を詳しく説明してくれるナノちゃん。
具を炒め、軽く刻む。
炒めた具をリング状に広げて中に汁を注ぐ。そしてソースを好みでかける。
広げた具をダムと呼んだりするのは全国共通なんですかね。

あ・・・「お祭り」の匂いだぁ♪

はあああと幸せそうな表情になっているアヤちゃん。可愛いですなぁ。
外食とかはほとんどしないようですし、いい経験になってますねアヤちゃん。

全体を広げてチーズをまいて、チーズが溶けたら完成。
小さいヘラを使って少しづつ食べることになります。うーむ、美味そうだ。
食べた後のアヤちゃんのリアクションもまた可愛い。
これはナノちゃん、アヤちゃんを連れていろんな所に食べ歩くことにするのがいいんじゃないかな?かな?

さて、ここで新聞部の莉花ちゃんによるインタビュー開始。
皆の大会の感想を聞かせて欲しいとのことであります。
まずはリリィ。
結果はフレッシュマン部門で優勝(4勝)他は怪我で棄権となっている。
ああ、やっぱり小太刀のフレッシュマン以外にも参加しようとしてたんですな。
怪我せず、他の種目に出れたならリリィはまさに台風の目となったかもしれませんなぁ。

ナノちゃんはオープン小太刀部門で1勝を収めている。
オープン競技とは地域、年齢、性別の区別なく誰でも参加できる部門である。ほう。これぞスポチャンの醍醐味か。
描写こそされなかったものの、ナノちゃんも1勝できてたんですな。よかったよかった。
小さいのは不利と零しているが、紅葉ちゃんのように勝てている子もいる。
紅葉ちゃんを倣っての剣術を身につけてくれることに期待ですな。

アヤちゃんはフレッシュマン部門の敢闘賞(3勝)。それ以外では勝ち星はなし。
フレッシュマン部門で戦い方のパターンを見せすぎたので手の内がバレてしまった様子。
今後は上段振り下ろし以外の技も身につけるのが課題となりますな。

そしてかすみん。実はそれなりに成果を残しているかすみん。
オープン小太刀部門で1勝。オープン長剣部門で1勝。
そして基本動作部門、級の部で3位(4勝)とメダルを獲得している。

基本動作部門とは面・小手・胴・足・突きの5つの技の優劣を競う一種の型競技
2人同時に行い、3人か5人の審判が勝敗を決めるとのこと。
へぇ。スポチャンにも型競技なんてあるんだ。
こういうところで入賞する辺り、さすがにかすみんと言えなくもない。
そしてトータルの勝ち数もかすみんが一番となっている。さすが部長!!面目躍如ですな!!

獲得したメダルは人生初のメダルである。
まさかスポチャンを初めてこのような感慨を味わえるとは・・・
他の選手たちからの拍手を受けて思わずぞくぞくしてしまうかすみん。

拍手って・・・くすぐったいものですね・・・知らなかった・・・

もじもじと赤くなって語るかすみん。可愛いことである。
しかし「拍手はくすぐったい」か。なかなかいいフレーズだ。莉花ちゃんとしても新聞の見出しに使えて満足!!

フレッシュマン部門は入賞経験者は出ることができない。
型部門とはいえかすみんも入賞したので出場できない様子。
というわけで、次に出れるのはナノちゃんのみ。
これはうまくすれば上位入賞の可能性が出てきましたね。次までに鍛え上げたいところである。
まあ、次の中野区大会は来月なんですけども。早っ!!

全員の感想を聞き終えたところで、話題は星高の沖田部長のことに。
かすみんも思わず凄かったと口にする強さを見せた沖田さん。
土方先生曰く、彼は小学生の頃から強かったけど、この1年で格段に強くなったとのこと。
その沖田快人さんの結果はこんな感じ。

オープン小太刀部門優勝(5勝)
オープン長剣部門優勝(5勝)
オープン二刀部門優勝(5勝)

三冠かよ。すげぇな。相手するほうとしてはやってられないレベルかもしれない。
その強さは土方先生ですら危ういのでは、という程だそうな。マジか!?

リリィは沖田さんの戦いを見ていた。
その中でも一番印象に残っているのが二刀部門での戦い。
暴れまくる沖田さんの姿に思わず見惚れた様子のリリィ。相変わらず人斬り仲間が好きなんですね。

師匠!二等を教えて!!
二刀を極めて、沖田部長と戦りたい!!

ふむ。沖田さんが一番強いのは二刀の時なんですかねぇ。
その二刀の沖田さんにわざわざ挑もうとするリリィ。
一刀の時では見れなかった激しい斬撃が見れそうで楽しみではある。
大会は短いスパンであるみたいだし、今後の展開がどうなるか楽しみですな。
今後は槍とか盾とか扱っての試合にも参加するのだろうか?それらも見てみたいところである。



第31話「骨折とお見舞い」  (2012年 50号)


初めての公式戦である江東区大会を終えた4人。
休日あけての平日であるが、1時間目が終わっても教室にリリィの姿が見えない。
その1時間目が終わった休み時間のタイミングでかすみんのもとにやってくるアヤちゃん。
どうやらリリィから連絡を受けた様子。

いやぁ〜朝起きたら右足がすっごい腫れてたんだヨ〜。
病院寄ってから登校しようと思ったら「骨折してます」だって♪いや〜〜まいったネー。あっはっは。

なんてアッケラカンとした口調で述べてくるんだ!こりゃ驚き。
よくもんじゃ食べてる余裕があったものである。
いや、すぐに病院にいかずに寝たりしたから悪化したのかもしれませんけどね。
寝相が悪かったのが一番の問題だったりして。

今日明日は自宅で安静となったリリィ。
一人暮らしだし、足が悪いのでは買い物にも行けない。
というわけで、放課後お見舞いに行くことになりました。

食事等を買い込んで、リリィの済むアパートにやってきたかすみんたち。
入口のカギは開けっ放しというリリィ。無用心ですなぁ。
入ってみると、やたらと元気なリリィの姿があった。
まあ、病気ってわけでもないし、足を使わなければ元気に振る舞えますわな、そりゃ。

元気そうで何よりであるが、しかし・・・汚い部屋だ。
ずぼらな性格なのが見て取れますね
。 コンビニ袋の散乱もそうだが、洗濯物がそこらに放り出されている辺りがリアルである。
正直、ずぼらな子がロフトを使うのはオススメできない
なぜなら布団を干すのが凄く面倒くさいからである。干すのも戻すのも面倒くさい!!
高校卒業する頃には煎餅布団になってそうだな。

というわけで、掃除と選択をすることになった、かすみんたち。
まるで1人暮らしの大学生のもとにやってきた母親のようでございますね。

洗濯を開始しようとするかすみん。
その洗濯物の中には男物の下着が紛れ込んでいた?こ・・・これは一体!?
ダミーのパンツ?ダミー?誰だ?外国人か!?
いや、それはないでしょう。落ち着けかすみん。

女の子の1人暮らしと思われないよう、ダミー用に干すためのパンツですな。
リリィはこれを父からもらったとのこと。女の子の1人暮らしは何かと大変そうですものねぇ。必須か。
まあ、リリィは楽だからという理由で実際に穿いていたりするみたいですが・・・
下着ドロがいたとしても、まさかトランクスを女子が穿いているとは思うめぇ。

洗濯機を動かし、部屋に戻ってくるかすみん。
中ではアヤちゃんが看護婦の格好をしてリリィを解放していた。
そして、ネコミミをつけたナノちゃんが傷に向かってゴロゴロと喉を鳴らしていた。な、なんだこの光景は・・・

アヤ「やっぱり看護は形から入らないとね。さっき寄ったディスカウントストアで売ってたのー♪」
ナノ「知ってるかニャ?かすみ。ネコがノドを鳴らすゴロゴロ音には骨折を治す効果があるニャ!!

それは本当の話なのだろうか。眉唾だな。
というか、本物のネコじゃないっしょ。
本当に治るのかどうか、ウチにきて試してみてくれやがりなさい。

流されるようにしてメイド服を着せられるかすみん。うむ、よく似合ってますな。
その姿のままご飯を作り、食事を開始する。
ううむ、ナースとネコミミとメイドが一室に・・・どういう漫画だっけか、コレ。

かすみんは家のことをやっているのか、料理は得意な様子。いいですねぇ。
ご飯にみそ汁をかけて怒られるリリィ。コラーッ!!
全く。「ネコまんま」はご飯をみそ汁に入れるのが正解だというのに。
いや、そういうことじゃないと思いますよナノちゃん。ネコミミ状態だと説得力あるな!!

かすみんをお嫁さんにしたいと取り合いを始める3人。
うむ、かすみんは武道はさておき、いいお嫁さんにはなれると思いますからねぇ。
色々とからかい甲斐のある子である。

食事を終えたところでテレビを点ける。
どうやら今日は先の大会の放映日らしい。皆で見ようという流れのようですな。

まずは茜が小学生に1勝!

あ、やっぱり小学生だと思われたままだったんだ!そっかー。
そして、かすみんの転倒シーンもそのまま流れている。これは恥ずかしい。
リリィも映っている。さすがに華があるなぁ。素人とは思えん。

大会の様子を放映した後は斉藤茜ちゃんのインタビュー。
今回は惜しくも準優勝という結果。あと一歩というところでした。でもっ!

次はプリ☆マス全員がスポチャンに挑戦します!!

そういえばグループなんだよなと思ったら・・・まさかのプリンセス☆マスケティア5名全員参戦!!
これは驚きの展開である。
茜ちゃんの出番が今後もあるといいなぁと思ったが、まさかアイドル軍団を引き連れてくるとは・・・
他の子もなんらかの武道の心得があったりするんでしょうかね?

こうなってくると、リリィたちも5人目の剣士を見つけないといけないのではなかろうか?
新キャラの導入になるか、紅葉ちゃんの加入になるか。楽しみな話である。
まあ、リリィのケガが治ってからの話になりそうですけどね。



第32話「ドッキリと鍛錬」  (2012年 51号)


かすみんにまさかのラブレター!?
女子高でこのイベントが発生するとは、これは・・・またなんというか、なんといえばいいんだ!?

月島女子高等学校の新聞部が発行している月女通信
前日発行されたのはこの間のスポチャン部の大会の様子を記事にしたもの。
そこでは転倒するかすみんの姿が大きく取りあげられていた。
確かに印象的な場面だがこれを取り上げるのはどうなのかと!テレビでも取り上げられてたけどさ。

というわけで、すっかりドジっ子として有名になったかすみんでありました
。 まあ、事実ですししょうがないよね。遅かれ早かれ気付かれることだ。

かすみんは練習では強いのに本番はイマイチ活躍できない。
予想外のことや意表をつかれるととたんにパニクってしまうのが原因である。
というわけで、ナノちゃん発案。
かすみんがアクシデントに強くなるように鍛える計画の発動であります。悪巧みですね。わかります。

てな打ち合わせを前日の夜中にしていたかすみん以外の3人。
ラブレターを受け取ってドキドキしているかすみんにイタズラ開始だ!!

まずはブーブークッション。これはまた懐かしいシロモノが出てきたものだ。恥ずかしい。
続いては本などを開くと飛び出すゴムパッチン。これも懐かしい。
駄菓子を愛好しているリリィなだけに、なんだか懐かしのオモチャシリーズになってるぞ。

というわけで、続いてのナノちゃんは、もう少し新らしめなイタズラに挑戦。
リモコン稼動のマスコットで慌てさせるという作戦でございます。
さすがにこれで慌てふためくのはいかがなものかと思うが・・・いいリアクションしますよね、確かに。
そりゃあリリィたちも段々と調子に乗ってきてしまうってものである。しょうがない。目的変わってるがしょうがない。

ジャージのヒザのアップリケ。これはいつ用意したのだ・・・!?実はシールだとか。
これは結構長時間恥ずかしい目に合いそうで辛い。
そして、トドメにホラーメール。
イタズラを仕掛けられてるのを気付いているのにホイホイ飛び込むかすみんは警戒心が足りない。
対応力に欠けているのだから、せめて警戒心は持って欲しいところでありますね。

しかし、ホラーが怖くて気を失うってのは剣士としてどうなのか・・・いや、剣士なのは姉の方だけか。

気絶したかすみんは保健室に運ばれている。
リリィはその側で起きるまで付き添い。
どうやら今は保健室の先生はおらず、2人っきりという状況。
ベッドに腰掛けて迫るリリィ。何かいい匂いとか考え出すかすみん。オイ。
そして小声での好きだよかすみん発言に真っ赤になるかすみんであるが・・・いや、違う!!

これも「ドッキリ」だ!!きっとナノとアヤがカーテンの向こうに隠れてるんだ!!
私はエイプリルフール生まれなのよ!!これ以上引っ掛かるものですか!!

その辺りは関係ない気がする。
が、疑いやすくなったのはいいことなのかもしれない。
あまりやりすぎると不信感を生む結果になりかねませんけどね。
でもこと恋愛ごとに関しては疑ってかかるのは悪くないと思える。
それで機会を失うのはいかにもかすみんらしい気がしますしね!!

それはさておき。リリィの告白に私も好きですと返すリリィ。
そしてチュッチュッと分かりやすく要求するリリィを相手にして退くことはできず、2人の顔は次第に接近し・・・
なかなかに際どいシーンでありましたな。
リリィは本当に止めに入らなくてもいいヨと思ってそうで危ない。

悪巧みがバレたのでしっかりと謝罪の意を示す3人。
誠意のある謝罪といえば、そう土下座。謝罪のベスト・オブ・ベスト。
まあ、このぐらいはしていただきませんとね。

一応、最初はかすみんのためを思ってという部分は間違いなかったわけですし。
今回の件である程度鍛えられたのも事実ではありましょうな。
心臓に毛が生えてボーボーでありますよ。やな表現だ!

一度引っ掛かったネタなら冷静に対応できるのがかすみんである。
なので、思いつく限りのトラブルを事前に仕込んでおくのは悪くないかもしれない。
試合に関係しそうなトラブルに限定したほうがいいとは思いますけどね。
例えば、強盗団が襲ってきて試合が中断!なんてトラブルも事前に経験していれば冷静にかすみんは対処・・・
いや、無理っスね。さすがに。姉なら本気で対処しちゃいそうで怖いけど。

さて、リリィたちのイタズラは解決したとして、冒頭のラブレターについて。
アレはリリィたちの仕業ではない。
そう、本当にラブレターを出した子は存在していた。
1年A組の霧島美子さん。かすみのファン第1号である。
ファンという枠組みくらいの意味でのラブレターってことでよかったんですかね・・・?
ラブレターというかファンレターみたいなもんだったと解釈すればよいのだろうか。
ハートマークついてるけど、アクセント的な意味だけなのかもしれませんしね。
まあ、ガチな可能性も考慮には入れておきます。

最後にゴムパッチンの作り方を記載して締め。
む、考えてみると今回本当にスポチャンと関係ない話ばかりしているぞ!?
スポチャンも精神的な鍛錬が必要なのだよ!ってことでひとつ。どっとはらい。



第33話「山篭りと老師」  (2012年 52号)


小さいのはやはり不利なのか。
自分より大きい相手とどのように闘えばいいのか、悩むナノちゃん。
土方先生も背が高い方なので有効なアドバイスは難しい様子。
なので、知り合いの小柄で凄く強い先生を紹介してもらうこととなりました。
その先生は山の中に住んでいるとのこと。ほうつまり・・・山籠りですな!!

熊でも出そうな山の中を不安気に進むナノちゃん。
そこに上から声をかけてくる存在があった。
木を抱えるようにして掴まった状態でズザザザと滑り降りてくる小柄な老人。その姿は・・・まるで忍者!!

忍者先生の名前は千葉修作先生でございます。
こりゃ元ネタは間違いなく千葉周作ですな。北辰一刀流の創始者だ。

千葉先生は元日本一という経歴の持ち主。それでいてナノちゃんより小さいという。
なるほど、こりゃ教えを受けるには最適な相手かもしれませんな。

千葉先生に小僧扱いされるナノちゃん。小学生扱いの次はこれであるか!!
ここは娘であることを盛大にアピールするべきではないですかね?ね?

それはさておき、早速スポチャンの修行に入る。
まずは腕前を見るために一本相手をすることとなりました。
ナノちゃんは長剣。千葉先生は小太刀。しかも先生は面をつけていない。相当自信がある様子です。
さらに、右足首をいただくと予告打突まで行ってくれます。ほほう。

来るってわかってて食らうほどバカじゃねーぞ!こっちの方がリーチはあるんだ!カウンター食らわしてやる!

そのように考えていたナノちゃん。
しかし、千葉先生。長剣も届かないような間合いから飛び込んでくる。
低く速く飛び込む、予告どおりナノちゃんの右足首に切りつける。さすがだ。

動くな。そのまま長剣をワシの頭へ下ろせ!

言われた通り、下ろしてみると、長剣の先がギリギリ頭に届くぐらいの距離の開きがある。
踏み出した右足を切りつけている分、リーチの差が解消されているわけですな。
相手が届かなくても、相手の踏み出した部位に手を伸ばすことで先に触れることができるって寸法だ。
しかも、背の低いナノちゃんでようやく先が届くくらい。逆に高身長の相手ならなおさら剣は届かない理屈となる。

超低空の飛び込み足打ち。その名も「地走り」!!

おぉ・・・必殺技ですよ、必殺技。格ゲー好きのナノちゃんにとってこれは嬉しい。
だが、この技を使うには足腰の筋力と股関節の柔軟さが必要である。
体の固いナノちゃんにはまだ厳しい。足腰も弱いのでそこから鍛える必要がありそうです。
うーむ、一度相対しただけでそこまで見抜かれてしまうとは・・・さすが老師!!

というわけで、ロープを用いた柔軟を行うナノちゃんでありました。基本は大事ですよね。
千葉先生は枝打ちの仕事が残っているということで、仕事をしながら指導を行ってくれる様子。
ああ、やっぱり鳶職とかやっているんですな。身軽だし適職かもしれん。

柔軟の後は飛び石。足腰とバランス能力を育てる訓練ですかな?
低く遠く飛ぶのが大事。高く飛ぶからバランスを崩す、とのこと。なるほどねぇ。しかしいい目してるな。

さらにロープを木に回して登る訓練。腕と足の力を均等に使えば疲れないとのことだが本当か・・・!?

自然を応用したトレーニングでボロボロになったナノちゃん。
疲れきった様子で千葉先生の山小屋に入る。
その小屋の中には何やら見たことのある少女の写真が飾られていた。あれ、これは・・・紅葉ちゃん?
と思ったら、千葉先生、紅葉ちゃんと同じ眉毛してるー!!
なるほど。紅葉ちゃんは千葉先生のお孫さんだったんですなぁ。眉毛は遺伝なのかよ。

紅葉ちゃんは定期的に米や醤油、酒などを小屋に運んできてくれているらしい。いい孫ですな。
食材なんかは山で採れたが、山では賄えないそれらの品はやはり必要になる様子。

というわけで、山で採れた材料を用いてのキジ鍋が振舞われる。ほう、これは美味そうだ。ホッカアア。
ナノちゃん、紅葉ちゃん、千葉先生の3人での食事風景・・・な、何!?ナノちゃんがでかく見える!?
この3人で対比すると一番大きいのだから当然なのだが、凄く違和感を覚える光景だ。

しかしあの土方妹が人を教えるようになるとはな・・・ついこの前まで小娘だと思っとったが、奴も「踏み台」が欲しくなったか

クックックと笑う千葉先生。踏み台とはどういうことですかな?

大人になるとな、稽古時間も稽古相手も不足する。1人でも稽古はできるが勝負勘は鈍っちまう。
だから育てるのさ。自分好みの「稽古台」を
そいつが強くなればなるほど手前も強くいられるってえ寸法だ。
剣士なんて人種はな、結局「最期は自分が一番強くなる」ことしか考えとらん。
「後進の育成」なぞタテマエじゃ。ワシが紅葉にスポチャンを教えるのも、ワシの相手をさせるためじゃ。

なるほど。業の深い者たちでございますな。
大人になると働かないといけないし、大会などに出る機会も減る可能性は高い。
なればこそ、孫娘を鍛えたり、学校に部を設立したりと稽古できる場を作り上げる必要があるわけなんですな。
まあ、働かないという選択をした剣士も中にはいるみたいですが・・・それは賢いといっていいものなのかどうなのか。

自分の孫がいるまえでハッキリと踏み台宣言をする千葉先生。
しかし、伊達にこの爺さんの血をひいているわけではない。同じようにニヤッと笑って紅葉ちゃんはこう述べる。

大丈夫。私の「踏み台」になるのはじーちゃんの方だから。大丈夫

なんとも似たもの同士でありますなぁ。剣士とはこうありたいものですね。
かすみんが姉の蘭さんとこういう雰囲気になることができれば・・・さすがに無理な話か。

土方妹に聞いてみりゃいい。「私たちは踏み台ですか?」ってな〜〜

笑いながらそんなことを言い出す千葉先生。
その勧めに応じて本当に尋ねてみるナノちゃん。
結果は千葉先生の予想通りの反応。目を逸らしてごまかす土方先生でありました。図星のようですな。

まあ、土方先生もまた剣士ってことなんですよ。
現代に生きる剣士は社会に溶け込みながらも牙を磨いているってことですな。頼もしい。

さて、千葉先生からの教えを受けたナノちゃんはどのぐらいの成長を見せているのだろうか?
次の大会の内容が楽しみでございます。



第34話「頑固と不器用」  (2012年 53号)


強くなるため、己の課題を克服する必要がある。
かすみんは家で黙々と打ち込み。道場に「回し打ち」用の機材を持ち込んでいる。
小手にローラーのついた人形のようなもの。
その人形に小手を打ち込み、その勢いを利用して肩を軸に回して元の構えに戻す練習である。

かすみんはその回して戻す時の動きがどうしてもぎこちなくなるという。
土方先生が言うには「力が抜けてない」とのこと。
なんとなくかすみんは脱力とかそういうのが苦手そうな印象がありますわな。剣士としては厳しい話だ。

かすみんの姉、蘭さん。得物を借りて人形の前に立つ。
スポチャンの小太刀を持つのは初めてのようだが、一度握っただけで特製は理解できている様子。
軽すぎるので剣の重さを利用して遠心力を作るのが逆に難しい。
だが、その軽さゆえに、ヒジや手首で返すのも速くてよい。

見事な軌道を描いての小手を決める蘭さん。これが脱力できているということなのだろうか。
さらに、かすみんに言われるまでもなく、ヒジや手首での回し打ちを行ってしまう。
肩の回し打ちを見ただけでそこまでわかるというのが蘭さんの凄いところでありますな。さすがに剣道家か。

剣道には無い動きでなかなか興味深かったという蘭さん。
その姉にかすみん、思い切って質問を投げかける。
お姉ちゃんにはやっぱり・・・スポチャンはただの「お遊び」に見えますか?と。
その質問に対し、蘭さんはこう返す。

例えば昔から「剣道は武道かスポーツか?」という議論があるよな?
「真剣での殺し合い」をしない時点で剣道もすべて「お遊び」とも言えるな。
私はこう思ってる。「登山口が違うだけ」だと。
開かれて楽な登山口。狭く険しい登山口。
同じ山でも様々な登山口とルートがある。
でも「遊び」「スポーツ」「武道」どこから入山しても目指す頂は同じ――「強くなる」という頂じゃないか?
「どこから入るか」は大きな問題ではない。大切なのは「どこまで登ったか」だろ?

なるほど。いい答えでございますな。
剣の道に邁進し、求道してきた蘭さんらしい答えと言える。
とにかく目標は強くなることであり、その道中に至る過程は人それぞれである。
そういう考えがあるから、妹がスポチャン部に入ることになっても反対したりはしなかったわけだ。
硬そうに見えてなかなかに柔らかさを持った思考の人である。魅力的ですなぁ。

さて、リリィの骨折は順調に回復している。そろそろギプスも取れそうだ。
だがしばらくは激しい運動は控えるよう言われている。
なので次の中野区大会は棄権する方向になりそう。うーむ、残念。
稽古も椅子に座った状態での素振りなどといったことしかできない様子である。ブンブン。

部活の稽古にて、早速習いたての「地走り」を披露するナノちゃん。
かすみんの振り下ろしを避けながら、右足首への一刀。足アリが決まった。よっしゃ!
しかし、今の打撃音は袴のスソに当たっただけで、足には当たっていない。抗議するかすみん。

う〜〜ん、これは難しいわね・・・
大会では審判によっては衣服に当たっても一本取る場合があるのよ
袴みたいに面積の大きい衣服はちょっと不利ね。

なるほどねぇ。体に密着した服装が有利になるというわけか。
ならばリリィのレオタードを、という流れにはならない。
私は剣道着を通します!と宣言するかすみんでありました。うん、それがいい。

剣道着に拘るかすみん。長剣も両手持ちに拘っている。
長剣は自由に持っていい「長剣フリー」と両手でしか持ってはダメな「両手長剣」のニ部門がある。
両手は体を正面に向けて剣を振るのに対し、片手は半身で剣を振ることができる。
片手の方がリーチの面で圧倒的に有利となるのだ。
もちろん両手の利点がないわけではないが、それゆえに区別されているという。

私は両手で通します!!

ハッキリと宣言するかすみん。
姉とはまた違い、頑固で不器用な面が見て取れる。
でも、だからこそそこを曲げずに強くなって欲しいと考える土方先生でありました。

さて、明日は中野区大会の前日。なので調整のために稽古はお休みとなる。
先生から遊園地のキップらしきものを頂いた4人はさっそく遊びに行くこととしました。
私服姿の4人。まずはループするコースターに乗る。好きだねぇ。かすみんは苦手っぽいようだが。
でもリリィに手を繋いでもらいながら一緒に乗ることになりました。おやおや。

私・・・リリィと出会ってから流されやすくなってる・・・?
振り回されてビックリさせられて、でもおかげで視野が広がったような・・・

まあ、それはそれでいいことなんでございましょうな。面白がられているのは間違いなかろうが。

苦手なコースターに乗せられて涙目になるかすみん。ハハハ。
しかし、その回転が前に見た姉の回し打ちにかぶさるイメージを感じ取る。
何かを掴みかけている様子のかすみん。ほう・・・これは・・・
日常の中でこういう発見ができるってのはなかなかに凄いことである。
かすみんが一気に強くなる可能性はありますな。次の大会が楽しみだ!!



第35話「大会と応援」  (2013年 1号)


月女2度目の大会となる中野区大会が開催されます。
前回の反省を生かした特訓の成果を見せることができるか!?

小学生の部では紅葉ちゃんが猛威を振って優勝。
さすがに元日本一に仕込まれただけのことはあります。
その日本一である千葉先生も今日は観戦に来ている。さすがに出場はしないのかな。

足を痛めているリリィは本大会は欠場。代わりにチアとして応援に回る
これはこれで激しい動きをしているように見えるがいいのか?
優勝した紅葉ちゃんにうまい棒をあげているが、また胸から取り出したりしたのだろうか。

さて、続いてフレッシュマン部門。
月女では唯一受賞経験のないナノちゃんだけはこの部門に参加できる。
山篭りの成果を今!解き放つ!!

という感じで快進撃を行うナノちゃん。
足切りだけではなく、小手や面などで勝ち登り、ついに優勝をしてしまう。おぉ。
ただ、今回の出場選手は小学生と中学生ばかりであった。なのであまり「勝ったー」って気分じゃないというナノちゃん。
ふむ。強さ的に一皮剥けて精神的にも欲が出てきたってところですかね。
考えてみればフレッシュマン部門は受賞経験のない人ばかりだし、強い人はあまり出ないんですよね。
前大会が強豪揃いすぎたということなんでしょう。大学生の人は大会を一月ずらすべきだったな!!

さて、フレッシュマン部門の次はオープン小太刀の部でございます。
さすがにこの部門は出場する選手が多いのか組み合わせのカードが多い。
ナノちゃんが引いたのはハートの2。スペードの2を引いた人が対戦相手となる。
そしてそのスペードの2を引いたのは因縁の相手。星高のジオである
この長身のジオが相手ならば「地走り」を試すには絶好・・・!!
かつての借りを返す機会とも言えますし、よい相手ですわな。

どのぐらいの期間山に篭っていたのか、それなりに特訓の成果はでている様子のナノちゃん。
練習で紅葉ちゃんと打ち合ったときも「地走り」を決めていたりする。
硬く鈍かった体も大分動くようになってきたようだ。
しかし千葉先生は言う。踏み込みがあと一歩足りん。あと1拍遅い、と。

踏み込むことを無意識に恐れているから体にブレーキがかかっとる
それを克服しなければ真の「地走り」は使えん。

要するに度胸がないってことなんですな。しかし、これを克服するのは難しい。
体の方は日々の鍛錬でどうにかなるが、心を鍛えるには切欠が必要となるものである。
授業のソフトボール中に考え事をしているナノちゃん。外野を守っています。
そこにアヤちゃんの怪力による打球がやってくる。
さすがの当たりか、普通に走ってもまるで追いつけない。捕れない。だが――恐れるな!!
足から踏み込もうとするからブレーキがかかってしまう!!
いっそ体ごと前に投げ出してしまえ!!
「落下」の力を「加速」に変えろ!!飛べ!!身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ!!

どうやら既に切欠は掴んでいたらしい。
真の地走りに必要な要素は既に手中にしており、後は実戦で試すのみである。
が、その実戦を前にして緊張をしているナノちゃん。前より強くなったのに、どうして・・・?

前は・・・気楽に試合をしてた・・・正直「負けて元々」とか思ってた・・・でも・・・今は違う・・・
たくさん練習した・・・だから「負けたくない」「負けられない」そんな気持ちが強くなってる・・・

その負けられないという気持ちがプレッシャーとなって小さな胸を締め付けている様子のナノちゃん。
そんな震えた背中に抱きつく者がいた。アヤちゃんである。
抱きつきだけではなく、脇をくすぐりリラックスをさせてあげようとするアヤちゃん。
そしてリリィとかすみんもリラックスを促すように語り掛けてきてくれます。
うむ、仲間の存在はやはりありがたいものですなぁ。

どうにか緊張の解けた様子のナノちゃん。さあ、特訓の成果は現れるのか!?期待の対決だ!!

しかし、ジオは気になる存在である。何がって、その眉毛が
紅葉ちゃんの眉毛は千葉先生からの遺伝であった。そしてジオも似たような形をしている。
もしやジオもまた・・・!?そうなると地走りについて知っている可能性もあったりする!?
ひょっとすると千葉先生が将来の自分の相手として世界中にバラまいた種の1つなのかもしれない。ありうる話だ!!
開幕で2人同時に地走りを行ったら面白いことになりそうですな。
背の低いナノちゃんの上にジオが倒れこんで押しつぶす構えになってしまいそうだ。それはそれで面白い。

ところで、ナノちゃんとアヤちゃん。お揃いの月マークがついたシャツを着てますな
リリィとかすみんは格好が固定なので2人だけでやっているのか。
まあ、単行本2巻のオマケに合ったとおり、柄の所の月マークは全員つけているんでしょうけどね。
お揃いの〜の伏線を単行本のオマケでやってしまうのもどうかとは思わなくもなかったですが。



第36話「地走りと断頭台」  (2013年 2+3号)


身長差は実に52cm!!
巨漢ジオとの再戦に望む小兵のナノちゃん。山篭りの特訓の成果を出すことができるか?
同じく小兵でありながら元日本一という実績を持つ千葉先生も見守ってくれています。楽しそうに。

というわけで、開幕からさっそく繰り出される必殺の「地走り!!」
対戦相手からはいきなり相手が消えたかのように錯覚される動きだ。
だが、巨漢のジオはそれだけに対戦相手の動きが読みやすい。
こちらが大きければ、相手は低い位置にもぐりこんで来るだろうと読めるって話だ。
だからこそ、低空突撃の対策も行っている。それがこの超速の振り下ろし。断頭台(ギロチン)落としだ!!

ナノちゃんの地走りとジオの断頭台は同時に決まる。
真剣であれば、片方は足を断たれ、片方は脳天を割られていたところである。
そういう意味では相打ちという裁定は甘いかもしれないが、時代によっては足を断たれたら生きてはいられないでしょうしね。

相打ちは2度続けば両者負けになる。
地走りをうかつに使うこともうかつに迎撃することも難しい状態となりました。
しかし、この断頭台落とし、すげぇ痛そうなんだが。
フーセン剣だけど、思いっきり床に頭叩きつけられているじゃないですか。

試合を観戦する沖田部長。ナノちゃんが相当鍛えてきたことを一目で見抜く。さすがですね。
ジオも低空対策はやっていたが、それでも足を引くまでには至らなかった。
これはナノちゃんのスピードが相当速かったことを意味する。この試合、まだわからない。

しかしナノちゃん。地走りが撃ち落とされたことに動揺している様子。
前の試合では優しく小突いたのに、今回は全体重を乗せて打ち込んできた。
怖い・・・次またあんなのを食らったら・・・怖い・・・!!

恐れの色を見せるナノちゃん。その背中に仲間たちの声援が飛ぶ。
その声を聞き、恐れながらも立ち向かう姿勢を見せるナノちゃんでありました。

そうじゃ恐れるな!!恐れを知ってなお立ち向かえ!!それこそが勇気!!

千葉先生の教えに従い、ナノちゃんは戦う。
ジオが全力で打ってきたということは、アイツもアタシを恐れているってことだ。だったら勝機はある!!

相打ちからの再開。
今度は慎重な立ち上がり。お互いに様子を見ての戦いとなる。
再度の相打ちを警戒してか距離を取ってチャンスを伺う両者。
ジオは得意の横打ちを見せたりしているが、ナノちゃんはきっちりこれを交わしている。
そしてナノちゃんが一歩前に出れば、ジオは合わせて距離を取る。これは相当に地走りを警戒してますね。
あそこまで引かれると地走りでも届かない。

使うか・・・?「二足」・・・!!

一歩で打ち込む「一足」に対して二歩で打ち込む「二足」なら相手が逃げても追撃できる・・・
まだ試合で二足を使ったことはない・・・つまりアタシが二足を使うとは思っていないハズだ・・・!!

一歩目で踏み出しながら切り込むのではなく、一度足をそろえて、次の踏み込みで切り込むのが二足である。
なるほど。これならタイミングを外しつつ間合いも詰めることができますな。
逆にそれを読まれると、足が揃ったタイミングで切りかかられることになる。読みが重要な技術っぽい。

勝負は一回きり・・・一発に賭ける!!

覚悟を決めての・・・二足!!
ジオはこの突進は読めなかった様子。一歩以上を退く事はできなかったので、慌てて横面を放つ。
これを身をかがめて交わすナノちゃん。そのまま地走りの体勢に・・・

しまっ・・・バランス・・・崩・・・

倒れこむように踏み込む地走りだが状態のバランスが崩れていると獲物を振ること自体が難しくなる。
このままでは振り切るより前に右肩が地面に衝突し、倒れただけの的となってしまう。
そこに襲い掛かるのは、新たなギロチン。ジオの断頭台落としが迫る!!

が、その断頭台は床を叩くだけだった。
地面に身を伏せ仰向けとなったナノちゃん。
足切には固執せず、倒れた状態でジオの顎下を突き刺して見せた!!
これは見事な突きアリでございます。
なかなかに苦しい戦いでありましたが、見事な勝利である。やったぜ!!アヤちゃんも思わず感涙。

敗れたジオもナノちゃんを称えてか手を差し出し助け起こす。地味にこういうところ紳士よね。
そしてナノちゃんは面とバンドを取ってさわやかな笑顔を見せてくれる。
ほう・・・これは可愛い。バンドは普段から取っててもいいのかもしれないと思わなくもないな・・・

何はともあれ熱くていい勝負でありました。ナノちゃんの成長がよくわかる回だった!!
さて、かすみんはナノちゃんに続いての活躍を見せることができるのか・・・期待です。



第37話「飛び入りと赤髪」  (2013年 4+5号)


棺桶型のバッグを背負った謎の少女が中野区大会の会場の前にやってきた
なんというか奇抜な感じでございますな。2つに括った髪の長さも相当なものだ。目立つ子だ。

そんな少女が入ってくる中野区大会会場。
試合場ではアヤちゃんが沖田部長に敗北を喫していた。
1回戦から優勝候補に当たるとは運がない。この敗北は仕方がありませんな。

さて、足を踏み入れた新顔の少女。さすがに目立った姿なだけに注目を浴びている。
だが、この子はスポチャン経験者ならば知る人ぞ知る存在。
目立つ赤髪の少女の名前は「仏生寺なずな」ちゃん。
本来は京都の選手なのだが、わざわざ東京の地区大会にまでやってきている。いわゆる「武者修行」という奴だろうか。
なかなか可愛い子ではあるが、とにかく目立つ。本人は周りの目とかは意に介してないみたいですけどね。

なずなちゃんはさておき、試合の方は順調に消化されていく。
小太刀の試合、かすみんは1戦目を見事な勝利で飾る。
回転の力をものにしつつあるかすみん。だがまだぎこちない。もっと滑らかに動ける軌道があるはずと模索を続ける。いい傾向ですな。
敗れて強くなるかすみんであるが、勝ちながらも強くなれるならそれはそれに越したことはないわけで。

かすみんの勝利に沸くリリィ。そこに近づいてきたのは例のなずなちゃん。
リリィは漢字で宮本百合と書くが、読みはリリィという。
さすがに番組では読み方までは放映されなかったし、なずなちゃんが読めなかったのも仕方ない。

「リリィ」・・・それが貴女の現世での名前・・・
覚えてる・・・?私のこと・・・
無理もないわね・・・私も貴女を思い出したのは動画で貴女の姿を見てからだもの。フッ・・・

フッじゃねーよ。というか、これはまさか・・・

じゃあこれを言えば思い出すかしら?
私の現世名(リアルネーム)は「仏生寺なずな」
前世名(ソウルネーム)は「火閻魔神(イーフリータ)」

仏生寺という苗字事態珍しいのに、さらにソウルネームまで名乗りますか。
いや、そういう問題ではない。というか、だ。

やっ・・・やべええっ!!コイツ・・・マジモンだああっ!!

慄くナノちゃん。いや、これは誰だって慄くか。
さすがにマジモンの電波と正面切って話すのはヤバい。ヤバいヤバい。リリィの天然でどこまでしのげるか。

思い出した?「金色の堕天使(ミカエル)」。私は前世で貴女に封滅されたのよ

出た!!「ミカエル」!!マジモンの中二病だ!!

ああ、電波ではなく中二病でありましたか。こじらせちゃったんですね。
まあそれならまだ回復する余地もなくは・・・ないと・・・思うけど・・・
かすみんに言わせれば警察を呼んだ方がいいんじゃないか?と思うほどの相手らしい。気持ちはわからなくはない。厄介ですねぇ。
その会話を見てステキと言えちゃうアヤちゃんも地味に危ない。
ところどころ危険な言動が見えるのが怖いですわぁ。
というか、イフリートはアラブ神話のランプの魔人だし、天使であるミカエルとは関わりがあるとは思えないのだが・・・
まあ、それはどうでもいいか。その話を広げられても困るし。

リリィは足を骨折したので大会にはでないことを告げる。
決して長剣(ロングソード)の部から出るという話ではない。ロングソード・・・

そう・・・だったの・・・記憶を失っただけでなく翼を折られていたなんて・・・

徹底してますな、なずなちゃん。翼じゃなくて足だヨ。やはり通常の会話が難しい相手である。
まあ、こっちの言うことをちゃんと理解してくれるだけまだマシか。
解釈すればちゃんと意思疎通もできそうですし。というか、ツッコミを放棄すれば普通に話せるのかもしれないな。

「のぞみ」でやってきたなずなちゃん。リリィと戦えないのならば帰ると言い出す。「のぞみ」で。
ってなんでのぞみにそんなに拘るのだ。それも前世と何か関わりがあったりするのか。まさかあの・・・!!

つれない様子のなずなちゃんを引き留めるために、あることを思いついたリリィ。
そう、それは私と戦いたければこの3人に勝ちなさいというもの。

・・・わかった。この3人を殺ればいいのね。約束よ

ノリノリで受けてくれるなずなちゃんでありました。うーん、なんだか厄介なことに!!
思わず顔を見合わせるかすみんとナノちゃん。そして1人ドキドキしているアヤちゃん。アヤちゃん・・・

てなわけでおかしな挑戦者がでてきたわけだが、試合はそのまま消化される。
小太刀部門は沖田部長の優勝で終わりました。さすがですな。
二位は青梅大の木元章さん。お、前回はいいところのなかった青梅大の人が二位につけている。やったな!!
三位は礼道館の松原大輔くん。少年かどうかはわからないが礼道館なので君付けしておこう。
敢闘賞は星ヶ丘男子高の薬丸一理となりました。
かすみんとナノちゃんは2勝したところで敗退した模様。ふうむ、なかなか頂上は厳しい。

さて、続いて長剣の部が始まります。ここになずなちゃんも参加することになるのですな。
色々と荒れそうな戦いになりそうだ。まあ、沖田部長の優勝は揺るがないでしょうが・・・
と思ったら、このタイミングで1ページ目と同じコマ割りで参加者登場。
格好はなずなちゃんとは違い普通。ただ、今時珍しくゲタをはいており、カランカランと音を鳴らして歩いている。
そんな古風な剣士が中野区大会の会場前にやってきた
一体この女性は誰のお姉ちゃんなのだ・・・!?

いやまあ。蘭さんが飛び入り参加すると決まったわけではないですけどね。まだ。
参加してくれたらすごく面白そうではあるが、どうなるのか。
優勝した沖田部長に果し合いを申し出るぐらいで済ませてくれるかもしれないし、済ませてはくれないかもしれない。
戦い方は苛烈だが、基本的には礼節を伴っている人ですし、無法は早々しない・・・と思いたい。どうなることやら。楽しみだ!!



第38話「飛び入りと仮面」  (2013年 6号)


火閻魔神よ、ベールを剥げ!!
薔薇の棺桶(ローズコフィン)開放(オープン)!!!
十握の剣(トツカノツルギ)抜刀!!!
不死の聖衣(インモータルクロス)着装!!!

見よ、これがイーフリータの戦闘スタイルだ!!
ちなみに変身シーンはモタモタとしてますのでトイレの個室で行われます。モタモタ。
さすがにあの膨らみの大きい格好で闘ったりはしないんですな。
まあ、変身するのが基本だろうし、着替えるのは当然の話であるか。

ちなみに十握の剣は日本神話にも登場する剣。
拳10個分の幅の長さの剣ということで、長剣の一般名詞のひとつと考えられている。
ただ、かのイザナギが振るったとされる天之尾羽張(アメノオハバリ)も十握の剣であり、
息子の迦具土神(カグツチ)を切ったとされている。その際に、カグツチの力が剣に宿ったという
カグツチは火の神。火。そう、イーフリータは火閻魔神。
であるならば、その剣が十握の剣の名を冠していても何も不思議はないということ!!

というのを、なずなちゃんが考えているのかどうか・・・それはまだ定かではない。

リリィによると、なずなちゃんは強そうな匂いがするらしい。
その勘は当たっている。強者は強者を知るということなのか。
土方先生によると、「仏生寺なずな」といえば西日本では知らない人はいないくらいの有名人。
まあ、目立つ外見のせいもありますが。ともかく、ついたあだ名が「西日本サイキョウ女子」!!
最驚!!最強!!そして最凶!!
決して西京焼きは関係ない。最も胸があるという話でもない。たぶん。
とにかくまあ、強いことは強いってことだ!!思い悩むなかすみん。気持ちはわかるが。

そんな西日本サイキョウ女子の飛び入りにざわつく会場。
だがここに、そんなざわつきすら前哨だったと思える事態が発生する。
飛び入りの参加を頼む謎の女性。その顔を見て受付の女性が驚いている。
ああ、やっぱり有名人なんですね。他の観客も登場にざわめいている。と思ったら・・・なんだぁ!その仮面は!!!
額にはスポチャンのSと書かれた大きな文字。左右がそれぞれ異なるマスクはまるでルチャ・リブレのマスクマンのごとし。
そりゃあ、こんな姿の選手がいきなり現れたらざわつかない方がどうかしている。
体つきは立派な女性のものだったりするこのアンバランスさも注目の的だ。
どうでもいいが、前髪をマスクに巻き込んでいる感じなんだが痒くならないのだろうか。

あ・・・あれは。お姉ちゃん!?

さすがかすみん。一目で見抜いたか。
普段は察しの悪い子だが、さすがに気づく。いや、気づいてしまうから不幸なのかもしれないな・・・
その証拠に、お姉ちゃんですよね?と声をかけてみるのだが、その返事は・・・

何のことだ?私の名はスポチャン仮面だ

キリッと返されてしまう。そ・・・そうですか。
有名人だから正体は隠した方がいいかもしれない。それはわかる。
でもその隠し方はないと思うのですよ。わからない・・・わかりませんお姉ちゃん!!
というか、その額のマークといい、この日のための特注のマスクですよねコレ。マメな人だ。実は手作りか!?

あの人・・・もしかして・・・

強者は強者を知る。さすがに沖田部長は正体に気付きそうな感じとなっている。
うーむ。変人は変人を知ると置き換えても過言ではないかもしれませんな。

さて、飛び入りの登場でざわついた会場だったが、どうにかプログラムを進める。
トランプを引いて対戦相手の決定。ナノちゃんはまた最初の戦い。そしていきなりの強敵との戦い。
整列時に一番前に来ることが多そうだし、1番とか引きやすい体質なのかもしれませんな。

というわけで、1回戦はナノちゃんとなずなちゃんの対決。
なずなちゃんは勇心館というところの所属らしい。ほう。真面目に道場に通ってたりするのかね?
しかし勇心館か・・・勇者の心とか学べそうなところですな。
ああ、それでなずなちゃんの長剣の構えも勇者パースが入っているわけなんだ。見事!!

彼女の剣は変幻自在の無軌道剣――
定石にない動きで我武者羅に振ってくるから、軌道が読みにくいの。剣速は速く、身体能力は相当高いわ。

という土方先生のアドバイス。ふむ、リリィと似たタイプというわけですかな。ナノちゃんとしては苦手なタイプだ。
長剣はナノちゃんの腕力では小太刀ほど自在には操れない。
必殺の地走りも小太刀ほどの速さは出せない。半可技は打ち落とされるのがオチですし、地走りは封印となる。

だがそうなると、さすがに防戦一方となるナノちゃん。
なずなちゃんの動きはまさしく無軌道。いきなり後ろを向いたかと思えば、激しく打ち込んできたりする。
まるで剣の嵐(ソードストーム)のような剣激。
それでも、事前に速いという話は聞いていたので防御することはできているナノちゃん。
飛んでくる横面も落ち着いて剣を立てて防ごうとする。
が、右からの剣激を受け止めはずなのに、同じタイミングで左の面を斬られてしまう。

今のは単純に剣を左右に往復させただけである。
が、物凄く速いために同時に二発もらったように感じるのだという。

「双頭蛇の咬撃(ダブルバイト)」!!我が牙からは何人も逃れることはできない!!

ポーズを決めてそう述べるなずなちゃん。
うーむ、性格はさておいて、確かに強い。
腕なら2本あるが、獲物がひとつしかない状態でこのダブルバイトを防ぐ手立てはあるのだろうか・・・?
同じ速度で2回防御すれば防げるかもしれないが・・・それなら素直にかわした方が早いか。

なずなちゃんの強さ、そして飛び入りのスポチャン仮面と面白い要素が大量になってきた本大会。
沖田部長の優勝は揺るがないと思っていたが、これはどうなるかわからない流れになってきましたねぇ。
果たしてこの大会中にスポチャン仮面の正体が判明するのだろうか!?
スポチャン仮面・・・一体何者なんだ!!その正体は!目的は!すべてが謎でわかりません、お姉ちゃん!!



第39話「片手と両手」  (2013年 7号)


目にも留まらぬソードストームでナノちゃんを撃破するなずなちゃん。
この速さには沖田部長も驚いている。スポちゃん仮面は面白がっていたりしますが。ううむ、貫録。
しかし沖田さん、あんな動きを続けたら・・・どうなるんですか?
さすがに疲労で動けなくなるとかそういう話ではないと思うが。そのくらいの判断はなずなちゃんも出来るでしょう。たぶん。
動きが激しすぎて胸の形がくずれるとかそういう危惧だろうか?それならわかります。

さて、続いての2試合目。
こちらも出稽古のリベンジ戦となりました。かすみんと一理との戦いであります。
負けたくないという思いを持っているかすみんであるが、それと同じように押し通そうとするスタイルがある。
それが長剣の両手持ち。「両手」で戦うことに拘りを持っているかすみんであった。
袴姿もそうだが、かすみんって結構頑固ですよね。

両手の欠点はリーチが出ないこと・・・でも両手を使うことで、てこの力で剣を素早く切り返すことができる!
力負けもしにくい両手は防御には有利!

土方先生のその解説の通り、一理の激しい連打を完全に受け切る。
さらに足を狙った一撃も完全にかわしてみせます。
袴姿の弱点であるスソの広さについても対策はされている。
ひざを曲げて足を引くとスソが残るが、腿から足全体を一気に引けばスソも引っ張られるというわけだ。

かすみんは不測の事態には弱いが、対策を練ってさえいればそれをきっちりとこなしてくる子である。
出稽古の時とは経験の数が違う。まるで別人のように思えても仕方がないですわな。

かすみ「戦える・・・!!両手でも片手相手に充分戦える・・・!!」
一理「もう小手先の技じゃ勝てねーか・・・わかったよ・・・佐々木かすみ!!もう楽に勝とうとは思わねェ!!

本気になった一理。
片手で剣を突き出し、少しずつジリジリと距離を詰める。
決して自分からは仕掛けない。重圧に負けた相手が仕掛けてきた所を叩く、待ち剣!!

半身で剣を突き出して構えられると、相手の体がとてつもなく遠く感じる。やりにくそうですなぁ。
剣を持っている腕への小手ならば届く。だがそこはどう考えて「オトリ」でありましょう。
狙ったらカウンターがくる。ならば飛び込み技で・・・
と考えるが、飛び込んだならばカウンターで突きがくるのが想像できる。むむむ。

ならば手段は1つ。その構えを崩す!!構えを崩して内に斬り込む!!

強く振り下ろした剣が一理の剣を払う。
剣が流れた!体が開いた!今だ!!
内に切り込みをかけるかすみん。
しかし、一理は無理矢理に体制を崩しながら、払われた腕を戻して切りかかる。
腰砕けになった分、一理の攻撃は届いたが、かすみんの攻撃はあと少しのところで空を斬る。
手打ちで腰も引けた一撃であるが、かすみんが飛び込んだがゆえに威力が出てしまっている。うーむ、惜しい。
実力に大きな差はなかったのだが・・・惜しいところで勝てないかすみんでありました。

・・・やっぱり・・・両手は片手に勝てない?
違う・・・!!負けたのは私が未熟なだけ・・・!!
でもそれを証明するには・・・私が強くなって両手で片手に勝つしかない・・・!!

とことん頑固なかすみんでありました。その信念は良し。

さて、そんな風に意志を固めるかすみんに話しかける蘭さ・・・スポチャン仮面。
次試合なので剣と面を貸して欲しいらしい。って持ってきてないんですか!?
覆面は用意しているのに何で面とか剣は持参していないのだ・・・?借りればいいからと思ったからか。そうか。

覆面の上に面を被るスポチャン仮面。防御力はこれで数倍になったわけですね。
汗をかいたらダメージは面のみの時の数倍になりそうな気はしますが。

まあともかく、スポチャン仮面の参陣であります。その実力のほどはいかに!?
相手は・・・なんと紅葉ちゃんだ!!これは楽しみな戦いとなりました。果たして紅葉ちゃんはスポチャン仮面と渡り合えるのか?
さすがの冷静な紅葉ちゃんもその威容に気圧されている感じではあるが、はてさて。
いい戦いを期待したいところだが、瞬殺される気配もある。どうなりますことやら。



第40話「仮面と誘い」  (2013年 8号)


謎の覆面剣士スポチャン仮面の登場に会場の注目が集まる。
この存在は土方先生も千葉先生も目をかけている。さすがに強者は一目で只者ではないと気づくようですな。

あの腕・・・あの肩・・・何かやっとる人間じゃ・・・

さすがに千葉先生はいい目をしていらっしゃいますな。
リリィもさすがに剣を構えたところで正体に気づきそうになっている。
でも違う。違うの。あの人はスポチャン仮面なんです。お姉ちゃんじゃないんです。当人がそういってるのだからしょうがない。

さて、スポチャン仮面と紅葉ちゃんの対決は慎重な間合いの測り合いから始まる。
さすがに警戒しておりますな紅葉ちゃん。相手の強さを感じ取ったか。ならば・・・

いきなり構えを変えるスポチャン仮面。剣を横に向ける。
この構えは・・・小手が狙える!!
狙って剣を振るうがこの一撃は空振り。しかし、今度は胴に隙が出来た。
見えた隙を目がけて剣を振るう紅葉ちゃん。だがそれはスポチャン仮面の誘いである。

そうだ・・・怖くない・・・おいで・・・もっとおいで・・・

傍目にはもみたん。いや紅葉ちゃんが押しているように見える。
あと少し・・・あと少しで届く・・・あと少し踏み込めば届く・・・!!

紅葉ちゃん当人としても、それが誘いとは気づけていない。強敵を相手取って見つけた隙に必死になっている感じですなぁ。
そして、脚への隙を見つけ、大きく踏み込む紅葉ちゃん。いかん!紅葉!!行くなっ!!

千葉先生の制止は届かず、紅葉ちゃんはスポチャン仮面の間合いに踏み込んでしまう。
この球体こそがスポチャン仮面の制空権。ここより中に踏み込めば、それは斬られることを意味する。
それが示すように、先に動いた紅葉ちゃんよりも早くスポチャン仮面の腕が振り上がり、そして下ろされる。

パシャアッ

風船の剣で切ったはずなのに、まるで水がすり抜けたかのような感じで面を打たれる紅葉ちゃん。
確かに打たれたはずなのに全然痛くない。当たったはずなのに音がほとんどしなかった。この斬撃は一体・・・?

腕の力を一切使わず剣と腕の重さだけで振り下ろしてる・・・
一見威力がないように見えるが・・・速く鋭い・・・水のような滑らかな打突・・・

なるほど。これが脱力による鋭さというものなのだろうか。
これが鋭い刃物であったならばそれは綺麗に面が割れたりしたんでしょうなぁ。怖い怖い。
スポチャン仮面の実力は紛うことなく本物である。なずなちゃんもそれを感じ取ってかペロッと舌なめずり。
強さを感じ取っても勝つ算段はあるということなのか・・・?
それとも、スポチャン仮面にも前世の繋がりを感じたとかそういうことだろうか。どうなんだろうか。

千葉先生は敗れた紅葉ちゃんに今の試合について説明をする。
自分の思い通りに攻めていたつもりであろうが実は違う。
あの人はわざとスキを作ってそこを狙わせていたのだ。まるで操られているかのようにそれに乗せられてしまった紅葉ちゃん。
スキを見分けられるだけの眼力があるがゆえに踊らされてしまったという話であります。
なまじ実力があるだけに不幸だったということですな。まあ、我武者羅に向かっても実力差は相当あったみたいですが。

ありゃ並の剣士では勝てん。ワシが参加してれば・・・

楽しそうな表情を見せる土方先生。
飛び入りがOKとはいえ、さすがに長剣部門はもう始まってしまってますからねぇ。ここで参加は難しいだろう。
いや、途中で誰かが不慮の事故で倒れたならリザーバーとして代わりに出るという可能性も・・・さすがにないか。

続いての対戦はアヤちゃんの登場。相手は剣武会の大江秀一さん。
狙いは沖田だけだと大言壮語を吐く男。こんな雑魚女は軽くあしらってやるぜと甘く見ております。
その油断が命取り。剣を叩き落とされ、慌てたところをたたき伏せられるのでありました。んがっ!!何やってるのやら。

他の面々の1回戦は省略。1回戦は全試合終了し、参加者は半分の8人に減った。
その状態で再度クジを引き、トーナメントが組まれることとなる。
長剣部門のベスト8カードは以下の通りだ!!

スポチャン仮面 VS 薬丸一理
奥山慈男 VS 仏生寺なずな
大江秀二 VS 近藤綾女
沖田快人 VS 紫堂燐

果たして優勝するのは一体誰なのか!?
うーむ、意外と読みずらいかもしれませんな。スポチャン仮面が頭一つ抜きんでている気はしますが・・・
準決勝でなずなちゃんと当たりそうというのが面白い。どんな戦いになるのか、今から楽しみである。
そして、優勝候補である沖田さんだが相手の紫堂燐という男、なんとなく只者ではない気がする。見た目が。
アヤちゃんの相手は1回戦の大江さんの弟であろうか。結構やりそうな雰囲気はあるが・・・
うーむ。なんとも楽しみなトーナメントになってますな。主人公は不在だけど!というか主人公チームはアヤちゃんのみか。
アヤちゃんのまさかの勝ち残りにも期待はしてみますか。頑張れー。



第41話「水と剣」  (2013年 9号)


ベスト8による長剣部門のトーナメント開始。
初戦に出てくるのは薬丸一理。相手はいきなり登場のスポチャン仮面だ!!

一理。あの仮面の人は佐々木蘭だ

おっと、ここで沖田部長によるネタ晴らしが出てきてしまいました。
せっかく謎の覆面戦士なのにバラすなんて酷い!!まあ、まだ身内に話しているだけの段階だからいいか。
どうせなら衆目の前でマスク剥ぎとかしていただきたいものですわな。出来うるものなら。

彼女の得意技は左諸手上段からの片手面だ。
遠間からの電光石火の一撃は来るとわかっていてもかわせないだろう・・・
だが先の試合では片手技は使っていなかった。おそらく本気を出していないんだろう。
だから片手技を使われる前に勝負をつけろ。勝機はそれしかない。

左諸手上段からの片手面。前にかすみんがジオに使っていたアレですな。
かすみんは両手持ちに拘っているが、剣道にも片手打ち技はあるんですなぁ。
まあ、基本は両手持ちだってことなのかもしれませんが。

沖田さんにそのようなアドバイスを受けた一理だが、片手で両手に勝っても仕方がないと考えている。
これは逆に一理の方が両手持ちの相手というのに拘ってしまっている様子ですな。
なんとか片手技を引き出し、その上で勝とうなどと考えるが、はたして上手くいくかな?

立ち上がりは一理の激しい片手斬撃。
しかしこれを両手持ちで捌くスポチャン仮面。ふむ、かすみんの時と同じような流れですな。
いや、かすみんの時とは防御側の反応が段違いである。技の出端を折られ、先に進めずにいる一理でありました。
そんな状況なので、不意を打ってスポチャン仮面が攻勢に出る。この打ち込みは重く片手では抑えきれない。
ならばとサイドステップで横にかわし、相手の胴を狙って進撃を止める。
そして、まだ引き切っていない脚を狙う。と見せかけて・・・逆袈裟だ!!

強く踏み込み、面を下から切り上げるように振りぬく。
が、これは冷静にスポチャン仮面の剣に止められてしまいました。うーむ、なんだか怖いんですけどこの絵面!!

スポチャン仮面の反撃は風船剣がしなるゆえにわずかに速度が出ずに一本とはならず。竹刀ならこの反撃で終わっていましたな。

この一連の攻防で、自分とは次元の違う相手であると悟った一理。
片手技を引き出してやるとかそんなことを言っている場合ではない。全力を尽くさねば勝機などあるはずもないのだ。

というわけで、かすみんの時と同様に剣を片手で持ち前に突き出す。
プレッシャーを与えて間合いを取る戦術。なのだが、むしろ押しているのはスポチャン仮面の方であった。
突くぞ突くぞと脅す一理だが、感じるのは自身の頭に振り下ろされる真剣のプレッシャー。
息の詰まりそうなその重圧に、腕に力が籠る。素早く動けないぐらいに固まる。
その一瞬を見逃すスポチャン仮面でもなかった。オトリとして突き出していたはずの腕があっさりと切り落とされる。
そして流れるような動作で一理の胴を薙ぎ払う蘭さん。あ・・・仮面が!!いや、演出演出。演出であるさね。

流れる水のような斬撃。そして剣道家らしく、切った後は残心を忘れない。この姿勢は好ましいですな。

勝った・・・!!両手で勝った・・・!!しかも剣道の技だけで・・・!!
凄い・・・!!やっぱりお姉ちゃんは凄い・・・!!

はああ・・・と感極まったような吐息をつくかすみんでありました。嬉しそうで何よりです。
そして嬉しそうにしているのはかすみんだけではない。
スポチャン仮面の水のように流れる斬撃を見てなずなちゃんは確信する。

間違いない・・・見つけたわよ・・・断海竜(リヴァイアサン)・・・!!!

そ、そう来たかぁ〜〜。
なるほど、それで前回から水のような演出が見て取れたわけでございますね。
果たして火閻魔神と断海竜はどんな間柄という設定がなずなちゃんの中ではなされているのであろうか!!
そして、割と蚊帳の外になりそうな次のなずなちゃんの対戦相手であるジオ。
熱視線を送っても、何かこう怪物要素みたいなのがないとなずなちゃんには見向きしてもらえないぞ!!



第42話「般若心経と無敗」  (2013年 10号)


1年前――世界選手権大会

せ、世界!?いきなり単位がでかくなったな!!
という驚きはさておき、その大会で活躍していたのが仏生寺なずなちゃん。
沖田さんはその大会で彼女のことを見知っていた様子。

なずなちゃんに敗れた強者、夏目さんは来年のリベンジを語る。
しかしなずなちゃんに言わせれば「次」はないとのこと。

真剣勝負に二度目はないわ。負けた方が死ぬか両方死ぬ。それしかないから
あなたは今日死んだ。だからもう戦わない。戦う必要もない。

そう言い捨てるなずなちゃん。これはまた・・・ストイックというかなんというか・・・

後で調べてわかった。仏生寺なずなは公式戦で一度も負けたことがない。
そして同じ相手とは二度と戦わない。一度戦った相手はたとえ決勝でも棄権してしまう。

うーむ、これが"サイキョウ"であるか・・・独自の理念に従いすぎでしょ。
逆に公式戦で一度でも負けたとしたらどうなるのだろうか?いきなり引退したりするのだろうか?
いや、前世の私は断ち切られた。これからは現生の仏生寺なずなとして生きるとかなんとか言いだすんじゃなかろうか。
きっとそのぐらいのことは言ってくれるはず。独自の世界の持ち主ゆえに。

さて、そんな自分の世界を持ったなずなちゃんに立ち向かうのはジオ。
ナノちゃんはジオにアタシの分も頑張れよと話しかける。
幾度かの戦いを経てずいぶんと親しくなった感じですな。よいことだ。
しかしジオにはそんなナノちゃんの言葉が届いていない様子。なっ・・・なんだ!?お経みたいのつぶやいてるぞ!?大丈夫か!?

マズイな・・・実はジオは女子が苦手だ!

一理から明かされる驚愕の事実。いや、読者は普通に知ってたけど。
ちなみに苦手と言っても男に走ってるとかそういう話ではない。むしろ女子が大好きで苦手なのだ!
ってナノちゃん何をドキドキしてるのですか。やはりそういう男同士とかのアレに興味がコレだったりするソレなのか?

好き過ぎて女子相手だと緊張してしまう。実力を十分に発揮できない!!
だからジオは女子と戦る時はいつも心の中でお経を唱えながら戦う!
それが口に出てしまってるってことは相当相手を意識してるってことだ!!

ふーむ。ジオは戦闘中ほとんど心の声がでないと思ったら・・・そんなことになっていたのか。
ということは、ナノちゃん相手だとあんまり意識はしなかったということなのだろうか。やはり。

・・・・・・あ・・・あーゆーのがいいのか・・・?

ゴゴゴゴゴと音を立てて驚くナノちゃん。む、これはどういう反応だ?
別に中二が良い!とかそういう話じゃないですよ。なずなちゃんはやたらとスタイルいいのですからして、仕方がない。仕方がない。

仏仏とお経を唱えながら得物を振るうジオ。得意の横面を中心に組み立てる。
しかし緊張のせいか手が縮こまって折角のリーチが生かせていない。むむむ。
なずなちゃんとしては間合いを完全に見切っているのか全く動こうともしていない。動く必要もないという判断のようだ。

ようやく動き始めるなずなちゃん。剣を高々と掲げる。
その殺気はまるで火のように激しく、まるで剣が燃え上がるようである。
という風にスポチャン仮面にも見えているらしい。きょ、強者には見える共通の何かがあったりするのか・・・?
なずなちゃん独自の世界かと思ったが、スポチャン仮面はその領域に入り込めるというのか・・・!?

炎のような猛攻を見せるなずなちゃん。その勢いと力でジオが押されている。
必死に防御をするが、なずなちゃんの勢いはそれを強引に押し破る。

吠えろ!!我が牙"十握剣"!!炎虐王(フレイムタイラント)!!!

激しい炎がジオの全身を包み焼き尽くす。
かと思ったが、かろうじて場外に出て命拾いしていたジオ。
しかし気持ちは既に完全に折れており、結局は焼き払われてしまうのであった。

灰燼に帰するがいい・・・

ポーズと共に決め台詞までやってしまうなずなちゃん。うーむ。さすがというかなんというか。
しかし、フレイムタイラントとな?今までとは何だか毛色が違う所が出てきましたな。
神話とか伝承系の名前を持ってくるかと思ったが・・・格好良さげな響きのものならなんでもよかったりするのか!?

ともかくこれで炎と水の剣の戦いが見れることとなりました。果たしてどちらが上回るのか!!
その前にアヤちゃんの試合があります。
頑張ってとは言うが、化物が揃ったこのトーナメントでどこまで行けることやら。うまくベスト4に残れれば僥倖であるが。
主人公たち不在のまま妙な盛り上がりを見せるトーナメント。でもやっぱり先が楽しみですな!!



第43話「炎と水」  (2013年 11号)


準々決勝の3回戦は沖田さんの出番。
相手は大道大の紫堂燐さん。上り調子の沖田さんを今のうちに叩こうと考えている。大学生の意地って奴ですね。
だが、その気合も空しく、一蹴されてしまう紫堂さん。うーむ、カッコよさげな見た目だったが活躍はせずか。
スポチャン仮面は沖田さんの腕前を見て感心した様子。
一方、なずなちゃんは無表情。なんだろう。該当しそうな神話生物でも検討しているんでしょうか?

そして準々決勝の4回戦。アヤちゃんと剣武会の大江秀二さんの戦い。
結果は相打ちによる両者敗北。おやおや。
振りが速いアヤちゃんは相手の打突を見てから振っても相打ちに持ち込むことができる。
それを狙ったのかどうかはわからないが、ともかく大人しく負けることはなかったということですな。相打ちなら0.5勝だ!!
あとは護身もできるようになればなお良しですな。

これで全員敗退となりましたが、なずなちゃんに出したリリィの条件はどうなってしまうのでしょうか?
そのかすみんの問いに対しなずなちゃん。新たな提案を行ってきます。

私が優勝できたら、私と戦ってくれる?"金色のミカエル"

ふむ。そう来ましたか。まあ、妥当な所ではありますかな。いや、妥当以上かもしれないな。
なんせ優勝するにはここからスポチャン仮面と沖田さんの2人に連勝せねばならないわけで・・・
この提案にはリリィも頷くしかないってものですわな。うんっ!ミカエルっ!

それに・・・他にも戦りたい相手が見つかったから・・・断海竜(リヴァイアサン)・・・!!!
私たちは相容れぬ魂を持った者同士・・・共存はない・・・どちらかが滅するまで戦う・・・!!

ふむ。物騒ですな。
でもまあ、相手も物騒な感じの人ですし問題はないか。物騒な対決だ!!

というわけで始まりました注目の準決勝。仏生寺なずなVSスポチャン仮面。
炎と水の戦い。制するのはどちらか・・・

開幕でいきなり得意の左諸手上段の構えを取るスポチャン仮面。
その構えから発せられる闘気はなずなちゃんをも怯ませるものがあった。すげぇな。
怯みを感じ取ったスポチャン仮面は勢いよく得物を振り下ろす。
水圧にて叩き斬ると言わんばかりの斬撃。だがこの電光石火の一撃を後ろに引いてかわすなずなちゃん。笑みを浮かべて反撃だ!!

炎のような猛攻を仕掛けるなずなちゃん。しかしこれを両手持ちで捌くスポチャン仮面。
思わず見入るような攻防の最中、会場にパアーンと大きな音が響く。
何事かと思えば、スポチャン仮面の得物の袋が破れて風船しちゃったみたいです。あらら。

か、かすみ・・・すまない。壊してしまった。高いのか?

珍しく焦りを見せるスポチャン仮面さん。可愛らしい。
やはり働いていない人からすると弁償の可能性があっては焦るということなのだろうか。可愛らしい。

待ての声がかかり、得物をアヤちゃんのものに交換するスポチャン仮面。
そして流石にちょっと暑いな、と言い出し、勢いよく剥ぎ取る!!・・・仮面を、ですよ。残念ながら。
しかし、その仮面の下から出てきた顔は・・・!!

さあ・・・戦ろう・・・!!

こ、これが人の皮を被った獣という奴なのか・・・!!まさに文字通りといったところだ!!こりゃ怖い。
さすがになずなちゃんも笑みを浮かべながら冷や汗をかかざるを得ない様子ですな。
いや、この笑みは受けてたとうとする者の笑みなのかもしれない。
獰猛な獣が狩る前に見せる笑み。攻撃的なそれを浮かべる2人の戦い・・・これは苛烈なものとなりそうだ。

果たしてこの戦いの勝者はどちらか。なかなかに想像がつかない。
試合の立ち上がりを見るかぎりはスポチャン仮面こと蘭さんが押しているように思えたが・・・?
炎と水の戦い。結末が楽しみである。



第44話「『勝』と『生』」  (2013年 12号)


準決勝!!関西最強級女子VS剣道の野獣!!
その通りだけど野獣というアオリがなんだか楽しい。

野獣の笑みを見せるスポチャン仮面改め蘭さんに対するなずなちゃん。
炎虐王(フレイムタイラント)の名を冠する炎の連撃を叩き込むが、蘭さんは涼しい顔でこれを受け流す。
さすがに蘭さんが両手で防御に回るとどうにもならなくなるか。
しかし、それでもなんとかその防御をこじあけようと得物を振るうなずなちゃん。

速く・・・速く!!もっと・・・もっともっと。オオオオオオ!!

獣のような気迫を見せるなずなちゃん。
ならばこちらもと無言で獣の気迫を放つ蘭さん。うーむ・・・野獣度が違う!!
鋭いなずなちゃんの打ち込みを両手での打ち込みで制御し、そのまま面を打ち込む。
得物は面を掠めた。
通常なら一本になる打突。しかし主審・土方伏竜は旗を上げなかった・・・上げられなかった――
この試合で2人が求めているのはこんな打突ではない――この2人が求めているのは、命に届く打突・・・!!

そうだ・・・今のは皮しか斬れてない・・・もっとだ・・・もっと・・・もっと!!

野獣というかなんというか。まさに命の駆け引きをしている様子の2人。
イメージではあろうが、なずなちゃんの額の皮が斬られ出血している様が描かれる。

大きく振りかぶっての斬撃を行うなずなちゃん。
しかしその軌道が急にズレる。この予想だにしない動きに蘭さんの腕が軽く斬られる。
だがこれも皮を斬られたぐらいであり、骨や腱までは届いていない。
それよりも、ズレが生じた理由の方が深刻。なずなちゃんは右腕の肘を押さえている。どうやら腕を痛めたらしい。

関節を無視したあんな無茶な振り方をしてたんだ・・・肘や肩を痛めない方がおかしい・・・

という沖田さんの解説。
ああ、1回戦で言っていたあんな戦い方をしていたら・・・はこれに繋がるんですな。納得しました。

だが、右腕を痛めたからといって闘志を失うなずなちゃんではない。
右腕がダメなら左腕で闘うのみ!!その剣に宿る炎はいささかの衰えも見せはしない!!

「勝」は「生」・・・!!勝った者だけが生きられる・・・!!

手負いの獣と化したなずなちゃん。今が一番恐ろしいと考えることもできる。
蘭さんは気を抜くことはなく、居合の構えを取る。本気の一撃で勝負をつけるつもりですな。

最後の勝負をつけるべく交差する2人。
居合の一撃ゆえか、一撃が速いのは蘭さん。しかし、その横薙ぎの斬撃を身をかがめ交わすなずなちゃん。
そのまま踏み込み、胴体へ向けて斬撃を行う。
しかし、蘭さんは踏み込んだ足を制動し、この胴薙ぎの斬撃を皮一枚で抑え込む。
そして、振り上げた剣をなずなちゃんの頭へと叩き込む!!

まさしく命に届く一撃を受け・・・死闘決着!!
なずなちゃんは敗北しました。やけに色っぽい表情をして。

うーむ、なんとも息を呑む戦いでありましたなぁ。これが真剣勝負の空気か。
さて、敗北したなずなちゃんはこれからどうするつもりなのであろうか。
勝つことが生きること。ならば敗者には何が待っていると考えるのか・・・気になる所である。
そういえば、なずなちゃんの左目は本当に見えていないのだろうか?なんとなくそんな感じの描写に見えたが・・・

野獣の対決はより野獣度の高い方が制した。
次の沖田さんとの戦いは剣士としての戦いになりそうな気配がある。
というか、人斬り同士の戦いとなりそうな気配である。どちらが人斬り度が高いか・・・これは甲乙つけがたそうであるなぁ。
なずなちゃんの今後と、決勝戦どちらも楽しみである。主人公たちは完全に蚊帳の外であるがな!!
いや、なずなちゃんの今後に多少は関わるかもしれませんが。



第45話「『敗』と『灰』」  (2013年 13号)


ハイスピードバトルを制したのはスポチャン仮面こと蘭さん。
無敗を誇るなずなちゃんがついに敗れたのでありました。

今まで一度も負けたことがない"サイキョウ"が敗れた。
彼女の信念によれば真剣勝負に2度目はない。負けた方が死ぬか両方死ぬ。それしかないとのこと。
では自分が負けた時はどうするのだろうか?やめるのか?スポチャンを・・・

その疑問はごもっとも。
敗れたなずなちゃん。面を外し、まずは号泣。声を上げて大泣きであります。ザワザワ。
決してお腹が痛くなったからではない。
誰はばかることのない涙は慟哭とも言えるもので、見ているものを青ざめるような迫力がある。

敗けた・・・!敗けた・・・!!敗けた・・・!!!
一度も負けたことがない、誰にも負けたことがない、私が負けた・・・!!!

勝つことが生きることであるならば、敗北は灰。つまり死である。
生物が生存競争に敗れたならば、それは即ち捕食されたということ。生きているはずもない。
その考えにのっとり、刃物を取り出して喉を突き自決しようとするなずなちゃん。って、えええええ!?

現代であるまじき行動。さすがにこれは呆気に取られる。
かと思いきや、冷静にその刃物を叩き落す蘭さん。さ、さすがだ・・・
手から吹き飛んだ刃物は主審の土方伏竜が回収。
そして蘭さんはなずなちゃんに問う。何のつもりだ?と。

まっ・・・敗けた・・・から・・・
敗けたら・・・一度でも敗けたら死ぬ・・・そう・・・決めてたから・・・から・・・

り・・・理解できない・・・
なずなちゃんの言葉に声もないかすみん。はい、読んでいる方も同じ気分でございます。
なんという恐ろしいことを考える子であろうか。
中二的な要素が薄ければ本当に辻斬りとか初めていたのではあるまいか。中二成分が強くて良かった!!・・・良かったのか?
まあそれはともかく、なずなちゃんの話を聞いた蘭さん。

その意気や良し!!その覚悟や良し!!
その覚悟に報いるために、私が自ら引導を渡してやる!!

そう述べて、大上段。渾身の一撃をなずなちゃんに叩き込み、真っ二つに切り裂く
そんなイメージを見ている者すべてに与えるのであった。こりゃ怖い。なずなちゃんも思わず震える。ガクガク。

これで・・・お前の命、私が預かった!!私の元で生き直せ!!

そのように宣言してこの場を取りまとめる蘭さんでありました。おぉ・・・なんと男前な・・・!!
って。え?私の元でって・・・それはつまり・・・?

はい。月女に新たな仲間が加わりました
京都から来た仏生寺なずなさんです。よろしくお願いします。

ほう・・・そういう話になりましたか。これで月女にも5人目の剣士が、てな話でありますな。
いやあ、なんだかしおらしい感じのなずなちゃんもまた良いですなぁ。
これはあれですかね?かすみんの家に住み込んでいたりするんでしょうか?
そして蘭さんに鍛えられたりしているんでしょうか?ふうむ・・・興味深い!!
ということは、蘭さんに挑んで負けてみて自決する振りをしたら同じようなことを言ってもらえる可能性があるということだろうか。
そして住み込みさせてもらえる可能性があるということだろうか。興味深い!!
振りかどうかぐらいは簡単に見抜かれちゃいそうですけどね。

それはそれとして、大会の決勝戦はどうなったんだ?いきなり時間が飛んだぞ!!
まあ、未遂とはいえ刃傷沙汰が発生しそうになったのだし中止になってもおかしくはないか。

なんとも驚きの展開。いやあ、急展開でありますな。
しかし目の前で自決を試みてくれたから止めれてよかったものの、後でやられたら大変なことになるところだった。
トイレとかで自決されたりしたら凄く困る。場所を提供していた人たちも愕然とすることでしょうよ!!
まあ、時間を置いたらさすがにそういう気分にはならずに済んだかもしれないが・・・ともかく良かった良かった。

一度死んで生まれ変わったなずなちゃんの活躍に期待したいところでありますな。
リリィとの対決も楽しみなところである。命預かられてるから敗けても死んだりしないよね・・・?



第46話「かすみとなずな」  (2013年 14号)


蘭さんに人生初の敗北を喫したなずなちゃんは佐々木家で教えを受けながら暮らすこととなった。
剣の修練。そして家事を行うなずなちゃん。ほう、料理も結構な腕前なのですな。

祖父と蘭さん、かすみん、そしてなずなちゃんの4人で食事。
蘭さん・・・ご飯山盛りすぎじゃありませんか・・・!?
やはり鍛錬するにはエネルギーが必要ということなのだろうか。
働いていないのに食べる量は三人前。などと言ってはいけない。剣道家として恥ずかしくない人生を送っているのだ!!たぶん。
ちなみに単行本によると家事をする意志がないわけではない。が、腕前は残念な様子。器用そうなのになぁ。

ここで中野区大会の決勝の様子が報告される。
ああ、ちゃんと沖田さんと蘭さんの決勝は行われていたんですね。大幅に省略されてしまったか。
白熱の接戦の結果、2対1で蘭さんが制し優勝した様子。ほほう。
あの蘭さんから1本取るとは・・・さすが沖田さんというべきであろうか。得意の二刀ならばわからなかったかもしれませんな。

そうして大会が終了し、なずなちゃんが居候するようになってから3日が経過。
なずなちゃんは月女に通い、スポチャン部に所属するようになった。ようやくの5人体制でございますな。
ちなみにリリィからはなずなんと呼ばれている様子。まあ、その辺りでしょうな。

なずなちゃんは編入試験を満点で受かったという。英語もペラペラ。眼鏡をかけているのは伊達ではないということですな。
文武両道に家事も出来て可愛い・・・中二病でなければどれだけ完璧なのよという話である。
いや、だからこそ中二病という欠点が付加されていたのか。世の中バランスが取れている。

かすみんが言うにはまるで「できないことがない」みたいだったとのこと。しかし――
肝心のスポチャンでの神懸かった強さは消えてしまった様子。
メチャクチャ振って腕を痛めることのないよう、蘭さんに太刀筋の矯正を受けているというなずなちゃん。
でも問題はそこではない。一番重要なのは精神的な要素である。
「負けたら死ぬ」という悲壮な覚悟が彼女の強さを作っていた。それが失われた今、彼女は何に拠って再び強くなれるか・・・

それは・・・毎日の稽古の積み重ねしかないと思います

かすみんらしい答えでありますね。その積み重ねをずっと行ってきた人らしい言葉である。

さて、部活後は新たな仲間を加えて恒例の駄菓子タイム。
ナノちゃんはなずなちゃんに問う。リリィが「ミカエル」ならアタシらは何だ?と。
同じ天使系か。アタシは仏教系がいいなと無邪気なナノちゃん。最初は中二病コエーと誰よりも引いていたのに・・・!!

必要ないわ。あなたたちは「普通の人」だから

そ、そうであるか。厳しいですなぁ。

そして私も、今はもう「ただの人」だわ・・・「火閻魔神」なんかじゃない。

そういう意識になってしまったから神懸かった強さが消えてしまったんですね。
文字通り神じゃなくなったから強さが人並みになったと。納得の流れですな。
落ち込んだ様子のなずなちゃんにリリィは優しく声をかける。

いいじゃん「ただの人」でも。これから何にでもなれるってことだヨ!

まあ、そういうことですな。ここからまた神を目指すこともできるし、天使を制す勇者になることだって出来ましょう。
ただの人が天使や海を割る怪物を制する!これもまた燃えるシチュエーションじゃありませんか?ねぇ。

それはさておき。
佐々木家にてかすみんとなずなちゃん、蘭さんが稽古。そして3人一緒にお風呂に入る
蘭さんは先に上がってしまって残念であるが、そういうシチュエーションもあると分かったのは大きい。
何が?と聞かれると困るが、色々と大きいのである。

それはさておき。
なずなちゃんはかすみんに問う。

かすみはどうして蘭先生とリリィ相手だと本気を出さないの?

おや、これは思いがけない質問でありますね。
かすみんはいつだって本気で、全力で当たっていると答える。
しかし、なずなちゃん。じゃああの2人に一度でも勝ったことがある?と重ねて質問。ふむ、どうやらないみたいですな。

蘭先生はともかく、リリィとはさほど実力差があるとは思えない。
今日だって試合中何度か一本決められる瞬間があった。
なのにあなたはその一瞬手を止めてしまう。どうして?ワザと?

なずなちゃんの質問に戸惑いを返すかすみん。なるほど、自覚していなかったみたいですな。

あなたはあの2人に勝つことに怯えてる
自分が一度認めた人間は「自分ごときに負けてはいけない」と思い込んでる。
謙虚は美徳なんだろうけど、それで全力を出せないのなら相手にとって一番失礼なことじゃない?

そう言い残し、風呂場から去るなずなちゃん。残されたかすみんはその指摘を胸に刻み・・・翌日。
意志を込めた表情でかすみんはリリィにこう述べる。

私と勝負してください

かすみVSリリィ。次号の最終回で白熱のファイナルバトルを繰り広げることとなる!!

ああ・・・終わってしまうのですね・・・
かなり面白くなってきていただけに非常に残念である。
が、ともかく今は最終回を楽しみに待つこととしましょう。
思いの丈はそこでまた語ることとします。



最終話「かすみと百合」  (2013年 15号)


リリィに勝負を申し込むかすみん。その眼差しは真剣そのもの。
故に、部活の時間まで待つこともできない。
屋上にて部員たちの立会いの下、制服のまま相対することとなりました。
心配そうに見守るアヤちゃんに、決闘かと息を呑むナノちゃん。そして炊きつけたなずなちゃんは静かに見守る・・・

得物は自由に選択することとなった。リリィは「二刀」を選択。かすみんはもちろん「両手長剣」
うーむ、これはまさに宮本VS佐々木という形でありますな。
異種の戦いが今始まろうとしている・・・始めっ!!

なずなの言う通りだ・・・私はリリィやお姉ちゃんに対して・・・
いや、誰に対しても「殺してでも勝つ」という気概がなかった・・・
でも・・・尊敬するからこそ・・・殺すつもりで戦る・・・!!自分のすべてを賭して・・・!

姉の得意技である左諸手上段の構えを取るかすみん。
遠目の間合いから一気に振り下ろす!!
が、これを二刀を用いて受け止めるリリィ。そして素早く右手の長剣で反撃を行う。
かすみんはこの反撃をかわし、突き。それもかわすリリィは上体を倒しつつ足を狙う。
最初の戦いで見せた技でありますな。だがそれは既に対策済み。飛んでかわすかすみん。
飛び上がってからの振り下ろしを後転で回避するリリィ。
紅葉ちゃんの時のような倒立からの斬撃は今回はなし。既に見られているから対策される可能性ありますものね。

なずなちゃんの言うとおり、今のかすみんとリリィはそこまでの差は無い。いい勝負をしている。
そんな2人の戦いを見てなずなちゃんは蘭さんの教えを思い出す。

戦って、勝って、殺して、勝って、殺して、殺して、殺して、その果てに何がある?
自分しかいない世界――自分を高めてくれる相手のいない世界だ。
それは相手だけでなく自分を殺すことだ。殺人剣だ。
私たちが目指すのは活人剣――自分を、他者を活かす剣

それはただ戦う相手を仕留め殺すことで得られるものではない。
戦って、お互いを高めあう。活かすことで何かを得るという考えでありましょう。
実戦ではなくスポーツという分類で考えると分かりやすいかもしれないですな。
つまり、スポーツチャンバラは真剣勝負でありながらお互いを活かす活人剣であるということか。なるほどな・・・!!

リリィ・・・あなたが私を変えてくれた。私を強くしてくれた。
だから・・・届けよう・・・私のすべてを届けよう。ありがとう!!

かすみんの長剣が見事な弧を描く。
ジェットコースターの回転をヒントに自分の中で昇華した回転の力がここで花開いたようですな。
これが世に伝え聞く燕返しという奴なのだろうか・・・!?

見事な回転を得た一撃は見事にリリィの面を捕らえる。勝った!!かすみんが勝った!!
それを驚きつつも笑顔で称える部員たち。
なずなちゃんも活人剣というのがどういうものなのか少し分かったのではなかろうか。よい話だ。

――あなたと出会えたこと――
――あなたと戦えたこと――
――そのすべてに――ありがとう

というところで、スポ×ちゃん。終了であります。
一皮向けたかすみんはこれからもリリィと共にお互いを高めあうようになるんでしょうな。

最終回の対決としては当初の想定どおりの感じに思えますな。キレイな終わり方でございます。
まあ、そこに至るまでの道程がショートカットされてしまった感じなのがなんとも残念でありますが・・・!!
本来ならリリィもこれから二刀を使いこなすようになり、そこから最後の戦いに繋がる流れだったのでしょうが・・・むう。

やはりスタートダッシュで躓いたのがずっと響いた感じがありましたかね。
試合を始めて真剣勝負の描写がされるようになってからは面白くなっていったのですが・・・残念です。
次回作では連載終盤での面白さを開始から発揮してくれることを期待したいと思います。
剣も漫画も修行して出直してきますと言ってくれていることですしね!!
竹下けんじろう先生の次回作に期待しています!!


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