蒼天紳士チャンピオン作品別感想

あまねあたためる
第12話 〜 最終話


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あまねあたためる 2巻


第12話・あまね巻き込む  (2013年 11号)


夜のカラオケボックスで歌って楽しんでいるのは私立蓮城高校2-Bの担任、恩田日射さん。
友人3人と一緒に朝までお楽しみといった感じの様子。
と思いきや、その友人は空想の友人だったので実質は1人でありました。な・・・なんやそら・・・

恩田先生もこれが脳内友人であることは理解している。
脳内友人も自分たちが脳内友人であると理解した内容を喋っている。起用というか何というか。
朝まで歌うつもりならパーティセットとドリンク4つは適量かもしれませんがね。

それはさておき、ひとりで歌っている所をあまねちゃんに発見される恩田先生。
ってあまねちゃん、知り合いだからっていきなり扉を開けて来るのはいかがなものかと。
ヒトカラの最中に話しかけられるだなんて・・・考えるだけで恥ずかしい・・・殺す気か!!

あまねちゃんは友達の竹中さんに誘われてカラオケ店に来ている。ようやく友人の名前が出てきましたな。
というわけで、あまねちゃんたち3人のところに連れ込まれて一緒に楽しみましょうと言われる恩田先生。
男性教師が女子高生とカラオケでお楽しみであるか。
シチュエーションだけなら羨ましがられる可能性のある話だが、リア友も作れない人には苦行でしょうな。

いつもの脳内仲間とのノリの違いに苦しむ恩田先生。これは分かる。いや、脳内友人の話ではないが。
身内カラオケと他の人も含めてのカラオケって雰囲気が違って戸惑いますよね。あるある。
手拍子を打つこと自体があんまりないわさ。

心細くて死にそうな先生。
先生が教職についたのは、この性格を矯正するためだったらしい。ふむ。
まあ、人間そうそうは変われないですしね。リア友が作りにくい性格ならそれはそれでしょうがない。
だからって脳内友人とよろしくやって過ごすのは・・・うーむ。

しかし、この脳内友人たちはなかなかに凄い。
都合のいい人格と本人たちも認めておきながら、言いにくいこともちゃんと言ってくれたりする。いい友人だ。
こういう自己批判というか整理ができるのはいいことでありますね。
教師という昨今色々言われている立場の人間としては、是正ができるこういう存在は有難い。
と思いきや、逆ギレかましちゃったりする恩田先生。グ、グムー。
まあ、ちゃんと生徒たちに教師の凄さを見せつけたからよかったということなのかもしれませんが・・・

でも確かにこの芸は確かに凄いっちゃ凄い。リアルシャドーの領域に踏み込んでいる。
極めれば一人でデュエットでもなんでも可能になるわけか・・・思い込みの力ってのは強力ですね!!

ひとりが好きなのはわかる話だったりするだけに、なんだか切ない気分にさせられるお話でありました。
久しぶりにヒトカラでもやってきますかね!そして女子高生に一緒にどうですかと誘われてみるか!起こりえないよ!!



第13話・あまね張り合う  (2013年 12号)


センターカラー&2本立てで送る今回。
まずはあまねちゃんと戦う運命の女の子、銀つららちゃんの回であります。え?そんな間柄でしたっけ!?

ミス蓮城の初代グランプリに輝いた生徒会副会長の銀つららさん。
この結果に生徒たちは納得。下馬評通りだと噂している。
しかし、実はつららちゃん以外の全員が辞退して不戦勝による勝利だったりします。
ふーむ、勝ち目がないと見られたということでしょうか。それはそれで実力での勝利と言えるんじゃない?
企画したのも自分なので出来レースに見えちゃうのが問題なんでしょうけど。

しかし、つららちゃんはこの王冠&マント姿が異様に似合う。まるであつらえたかのようだ。
普段からこの姿でいてくれてもいいんじゃないかと思える。可愛い。

不戦勝ではなく戦いたいというつららちゃん。
なので生徒会長の神崎さんは「指名挑戦者」という制度を提案する。
一度決まった王者は強い挑戦者と戦わなければならない。王者の権威を自他ともに確立させるために。
その提案を受けて、ワクワクしだすつららちゃん。戦いたい相手はもういますものね。そりゃワクワクもするさ。

というわけで、指名されたのはもちろんあまねちゃん。
神崎さんは伝令役として使われることとなりました。生徒会長なのに。
というか、それを一般生徒に悟られてしまっている現状がなんともはやである。会長・・・

つららちゃんは女性にとっては憧れ、男性にとっては高嶺の花。孤高の人という評価を受けている。
メロンパンもらうために土下座したと認識されているのにその評価は変わってないのね。

孤高とはどのような存在であるか。自分だけがてっぺんにて、肩を組める人は一切ない。
そのような存在は寂しいものではないだろうか。ちょっとかわいそうかもと考えるあまねちゃん。

やるわ!私!かなうかどうかわからないケド、副会長の好敵手になってみたい!

ふむ。珍しくアグレッシブですな。
短髪の友人のフルネームは竹中美穂さんであるか。ふむ。

副会長に対抗してリボンをつけてみたあまねちゃん。弟の保くん曰くこういうのが萌えるらしい。ほう、保くん。そうか。
態度に緩急をつけてギャップで男心をくすぐる。いわゆるツンデレ。これも保くんから聞いた萌えポイントらしい。そうか。
そして、絶対領域も身に着けようとするあまねちゃん。
なるほど。ここから導き出されるのは、保くんの好み。
リボンをつけたツンデレでニーソの絶対領域持ちが保くんの好みであると。よい趣味の小学生ですね!!
まあ、一般で流行ってるよと言いたいだけなのかもしれませんが。

副会長に対抗しようとして後追いをしているあまねちゃんを見て感心しないねと言い出す美穂さん。
戦うなら相手の一歩先を行かなければいけない!!
単なる模倣ではなく、決戦兵器にならなければいけない!!そう、「にせツララ」ではなく「メカツララ」に!!
なんだそのゴジラ対メカゴジラみたいなイメージは。メカ側になったら勝てないと決まっているではないか!!
まあそれはともかく、メカツララ計画が始動。その結果――よくわからない存在となって廊下を歩くあまねちゃんが誕生した。

ご機嫌麗しゅう銀つらら!この温周・・・あなたとの決着をつけるべく、わざわざ参上ですわよ!

なんだか全身に羽根をつけてゴージャス感を出し、高笑いをしているあまねちゃん。
なるほどこれが一歩先を行ったつららちゃんの姿というわけか。そうか・・・そりゃつららちゃんも盛大に顔をしかめる。
でもこのしかめた顔が微妙に可愛い。ふむ。よいね。

というのはさておき、戦いたいのは普段のあまねちゃんなのに、こんな恰好をされては台無しである。
そんな身の丈に合わない飾りをつけて、自分で自分をワッショイして、とってつけたように「オホホホー」とか。必死か!!
誰の真似だか知らないケド馬鹿じゃないの!?出直してらっしゃ・・・

そこまで言いかけて、自分の真似をしていたことに気付いたのか、今言ったことが自分に突き刺さっちゃうつららちゃん。
盛大にダメージを受けてヨロヨロと立ち去るのでありました。何をやっているのやら。

というわけで、ミスコンは中止。あまねちゃんとつららちゃんの対決もお流れとなりました。
まあ、つららちゃんは勝手にプライドがズタズタにされて泣きじゃくっている様子ですけどね。
うーむ、可愛いけどやっぱりアホな子ですな。この子は。まあそれもまたよしだ!!



第14話・あまね翻弄する  (2013年 12号)


陶芸にうちこんで3年弱。自身の集大成といえるほどの作品を作り上げたのは陶芸部の土井修峰さん。
すぐに乾燥させて焼いてみようと考えるが、曲がり角であまねちゃんとごっつんこ。
結果、焼く前の作品は見事にあまねちゃんのお尻に潰されてしまうのでありました。あらあら。

次の美術展は全国規模らしく、土井さんはすべてをかけていたそうな。ああ、そりゃあ凹みますな。
だが土井さんに言わせればリテイクもいい経験とのこと。
気持ちを切り替え、今は己の3年間を作品にぶつけるのみ!!
そう心に決めて出来上がったのは・・・あれっ?

どうした俺の集大成。なぜ尻なんだ?それにしてもいい出来だ。

本当にやけにいい出来だから困る。
というか、妄想した結果とはいえ、無意識でよくもこんな風に出来るものよ。凄い技術だ・・・!!

お詫びに菓子折りもってやってきたあまねちゃん。
しかし実物を見てしまったことにより、土井さんの邪念はまた大きくなってしまった様子。あらあら。邪念、つえー

純粋に陶芸にうちこんできたはずが、思いっきり邪念に囚われてしまっている。
よく見たら後半なんて足の先まで作り込んだりしてるし、かなり楽しんでいるじゃん。

・・・楽しい?そうかっ!!
かつて河井寛次郎という陶芸家はこのような言葉を遺している。好きなものの中に必ず私はいる。と。

邪念じゃなかった。コレが好きなのも本当の俺なんだ!!

見事に悟った土井さん。3年かんじゃダメだ。俺の人生を「人間」をぶつけると誓いを新たにする。それこそが集大成――!!

小学生の頃からそういうのが好きだったんですな土井さん。
なるほど、その心を持って育ち、そして18年という生の集大成で生み出された陶芸が・・・コレか!!
あまねちゃんをモデルとした裸身像。審査員特別賞に選ばれるほどの逸品である。
ってこんなもん学校の玄関に飾られたらたまったもんではないわ!!あまねちゃんが思わずぶちこわしても無理のないこと。

18年の集大成が破壊された。
しかし土井さん、形じゃないモノを手に入れてるから大丈夫だと述べる。
言葉だけを聞くと強いし格好良さげに聞こえるが・・・なんというかですな。
まあ、好きこそ物の上手なれという言葉もありますしね。好きなことを堂々とやれる強さは羨ましいと思えなくはない。
自分としてもチャンピオンの感想を大々的に行いたいと考えてはいますが、リアルに世間様に公言するには少し・・・とか思っちゃう。
いつしかこのように開き直ることもできるのだろうか・・・あ、開き直るって言っちゃった!!



第15話・あまね謀る  (2013年 13号)


蓮城高校2年の土井先輩連続の登場。
先週「あまねデストロイ」で作品破壊されたばかりなのに、もう新作を完成させたという。
うーむ、乗ってる時期って奴ですかのう。

当然の如く今回も裸像である。
しかし顔に関してはハッキリあまねちゃんというわけではない。
確かにものものしい眉毛をしているが、髪型や目つきは微妙に違う。
でも前回の件もあるので意識せざるを得ないあまねちゃんでありました。これしばらく飾られるのかな・・・!?

沈むあまねちゃん。それとは反対の感想を抱くのはつららちゃん。これはこれは・・・

誇りすら思わせる気丈な目つき。優雅さを醸すくるっと巻いた髪。まるでこの私じゃないの・・・
というワケで美しいっ・・・傑作ですわ!!

つららちゃんは自分に自信ありまくりですなぁ。
憂鬱な気分となったあまねちゃんとは反対に、ルンルン気分となっておる。

放課後。当然の如くまだ裸像は飾られている。憂鬱なあまねちゃん。しまってくれなんて言えないしと困った様子。

自然現象かなんかで倒れてくれないかな

おっと、悪いあまねちゃんが顔をのぞかせたぞ!!
さすがに連続でデストロイをするわけにはいかないので自然現象に頼ることにしたか。
でもそう簡単にこの大きさの像が倒れるような現象なんて起きるはずもない。どんなレベルの突風よ。
そんな微妙な期待をしている最中に嬉しそうなつららちゃん登場。
どうやら自分がモデルとなったと勘違いしている裸像を磨きに来たらしい。うーむ。ちょろい子だ。
逆に自分がモデルとされていると思ったあまねちゃん。磨かれている様を見てなんだかゾワゾワしている。ふむ。

できればココに永遠に置いておきたいとか言い出すつららちゃん。
それは勘弁だよと考えるあまねちゃん。日当たりも悪くなるし早めにしまった方がいいと提案。
じゃあちょっと日陰にずらそうかしらと像を動かそうとするつららちゃん。
それに対し。ワックスをかけて滑らせようとするあまねちゃん。滑って押し倒させようという魂胆か!!結構悪い企みだ!!

モップの向きを間違えた振りして攻撃を仕掛けたりと、今回のあまねちゃんは色々と仕掛けてくれている。
そこまでやるのであればこっそり押し倒しちゃった方が早いのではないだろうか・・・!!
さすがにつららちゃんにもわざと壊そうとしているのではないかとバレてしまう。
ので、あまねちゃん正直な感想を述べます。

あまね「見ていて正直愉快なものではないので、どっか物置にでもいけばな〜〜なんて・・・」
つらら(ついに本音を吐きましたわねこの女!!この私が美しく再現されて、いくらそれが妬ましいからって。なんて悪女!)

なんとも勘違い、すれ違いな2人である。思ったことはちゃんと口に出さないといけませんやねぇ。
実際お互いが像を「私」と呼んだことで誤解が解けそうになっておりますし。最初からそうしていれば・・・
と思いきや、このタイミングで土井先輩乱入。飛び蹴り1発で像を破壊する。な、なんて威力だ!!ではなく、どうして?

フム。やっぱり失敗作だコレは。
眉が毛虫みたいでドン臭いし、上品ぶってる目つきも気に入らん。すごい性格悪そうだ
やはり作品の内面も美しく作らねば・・・即興とはいえ最低な女を発表してしまった。そうは思わんか?

黙らっしゃーい!!

破片を投げつけられ、夜の校舎に倒れる土井先輩。なんだかシュールな光景だ!!当直の先生が見かけたらビックリしそう。

土井先輩は女体が好きではあるが、別にあまねちゃん自身にはどうこうという感覚は抱いていないのですな。
まあ、おかげで面白いキャラに仕上がっている気がしないでもないが・・・!!



第16話・康子かくしてる  (2013年 14号)


いきなりのヌンチャクアクション。
叩く武器であるはずのヌンチャクでローソクを斬るとかどれだけ鋭いのだこの一撃は!!
さぞかし腕に覚えのある武術家の技でありましょう。
って、君はあまねちゃんの友達のメガネっ娘、康子ちゃんじゃないですかー!!

無敵ヌンチャク娘!!
怪鳥音を鳴らしポーズを決める姿は凄い迫力である。普通の部屋で何してるんだよ。

どうやらかのアクションスターの映画を見て衝撃を受け、気付けばハマりまくっていたらしい。
しかし煮えよドラゴンって・・・一気に燃える成分が水で薄まった感じがするんですが!!

凛としてアクティブで、声も張ってて・・・強い・・・!
私に無いもの全部持ってるんだよね。

康子ちゃんは学校では大人しい子である。
掃除とかよく押しつけられるし、あまねちゃんや美穂ちゃん以外の子と喋るのも怖くて躊躇う程である。

家の自分を外に持っていけたら――変われるのにな・・・そうだ!

内弁慶な自分を変えるために、何かいい案を思いついた様子の康子ちゃん。
その効果があってか、朝からやけに溌剌としております。
そう、昨晩思いついた案とはお守りを持ち歩くこと。家では自分の一部となっているヌンチャクをカバンに入れてきたのだ!!

これで私は変わるのよ・・・!

決意を秘める康子ちゃん。
その通り、今日はやたらと元気な様子を見せてくれます。
ツッコミが激しかったりバドミントンで活躍してみたりと。ほわらっっっ!!
そしてその勢いのまま包丁でタマネギを潰してみたりする。刃の方を持って。ってすげえ危ない!!!

元気が出るのはいいが、家の自分をまんま出すわけにはいかないストレスが貯まっていく康子ちゃん。
お守りは効果が大きすぎて困る代物だったみたいですね。うーむ。
しょうがないのでトイレでヌンチャクを振り回して発散する女子高生。ど、どういうことなの・・・?

ようやく下校時間。家に帰れば存分に暴れられるとさっさと帰る康子ちゃん。
しかし、最近は近辺でひったくり被害が急増しているという。
弱そうな御年寄や女性が狙われる傾向にあり、注意が必要とのこと。物騒ですなぁ。

てな風に思ったらさっそく被害にあう。いやあったのは生徒会長の神崎さんですけども。

鞄はいい。貴重品など入っていない。だがひとつだけ答えてくれ。俺は「弱そう」なのかー!?

はい。見るからに弱そうだと思います。自覚していなかったのか!?いや、してたはずであるが。
今更なことで泣き出されても困ります。

というわけで弱いものを救うため。というか、思いっきりヌンチャクを振るうために飛び出してくる女性が一人。
ヘルメット被っているのは好都合。これなら思いっきり叩いても死ぬことはあるまい!!ホワタッッッ!!
いやでもスクーター走らせてる相手の頭をどつくのはかなり危ない気もしますがね。

まあ、多少過剰な気もするがひったくり犯逮捕のためには仕方がなかったと考えることはできる。
大暴れの結果、髪止めとメガネが外れたので正体は気づかれずに済みましたし、よかったよかった。

あまねちゃんの友達にはいずれ焦点が当たってくるとは思っていた。思ってはいたがこれは・・・!!
さすがに思いもよらぬ方向から攻め込まれた感じがする。
まあ、影響を受けて染まっちゃう子はそれなりにいると思いますし、そんなに不自然なことはないか。
はい、不自然なことを述べてしまいましたね。すみません。そうそうありはせんよ!!



第17話・あまね取っ組みあう  (2013年 15号)


単行本第1巻は四月八日発売。
合わせて4月14日にはサイン会が行われるという。ほほう、さすがですな。

さて、本編。

弟の保くんが傷だらけになって帰ってきた。ど、どーした?
ランドセルを置いた後、すぐに公園に向かうという保くん。
夕飯はいらないし、傷の手当ても無駄だからいらないと断る。こ、これは・・・?

もう――帰れないかもしれない。父さん母さん、あま姉――幸せにな!

悲壮な覚悟で公園に向かう保くん。
これはもしや決闘という奴だろうか。それともいわゆるひとつのイジメという奴か!?
心配になってこっそりと後をつけるあまねちゃんでありました。

いじめっ子に呼び出されたのね――いざとなったら姉の私が助けなきゃ!
どこだ〜?今んとこいるのは猫と女の子だけ・・・

確かに公園には扇子を手にした女の子が1人いるだけである。
しかしこの女の子こそが保くんを呼び出した張本人。名前は筑苗花ちゃん。保くんのクラスメイトである。

問答無用。立ち合ってもらいますぇ

ドンドコドンと効果音を鳴らし宣言する花ちゃん。
保くんは格闘家ではないので立ち合いを所望されても願ってもないこととは答えない。
しかし今回が初めてではなく、いつも狙われている様子なんですな。

だけどそれも今日までだ!男が本気になったらどうなるか教えてやりゃぅっ!!

開幕のヒザ裏を狙った花ちゃんのタックルをまともに受けて転倒する保くん。
そしてマウントポジションをとられ扇子でべすべすと頭部を殴打される。やがて保くんは動かなくなる。しーん。

本気を見せるはずが圧倒的敗北。これは立つ瀬がない。
そんなタイミングであまねちゃんが乱入。イジメカッコ悪いぞ!!

んまっ!一人ではかなわぬとみて・・・ご家族になきつくとは。
なんたる軟弱。いつもの技でお仕置きどすぇ!
からくり按摩ー!

ダダダダダと花ちゃんの足裏で股間を按摩される保くん。こりゃいわゆる電気あんまってやつですな。
小学生らしい技である。むしろ小学生ぐらいまでしか許されない技である。
というか保くんはいつも喰らっているのかコレ。

ちなみに保くんが絡まれるようになったのは先月転入した花ちゃんに声をかけたのが原因。
変な喋り方してんなーと方言に因縁をつけてきたためであるとのこと。そりゃーよくないなー。
とはいえ、その報いは十分以上に受けていそうな気がしますが。

情けない・・・過保護に育つとこうなるんどすぇ。これは家族もろとも面倒見る必要がありますぇ。
呼ぶほうも呼ぶほうならかけつけるほうもかけつけつほう。その性根・・・たたき直してあげますぇ。

扇子を口にくわえ、両手を開けて掴みかかる姿勢を取る花ちゃん。
これは・・・温家のピンチだ!!というわけで、その乱暴なところをお姉さんが教育してやると立ち向かうあまねちゃん。
結果は1コマでべすべす。やっぱりね!!

筑苗家は「強くあれ」が家訓。物心ついた時より寝技、組み技の手ほどきをうけてますゆえ

さようでありますか。からくり按摩も家で教わった技なのだろうか?何教えてるんだ筑苗家。
それにしてもあまねちゃんにからくり按摩を仕掛けようとする花ちゃんが可愛い。きゃほほほほほ。

すかすかすか。

しまった、足の長さの問題で股間まで届かない!!大誤算どすぇー!!
何やってるんだ花ちゃん。足首じゃなくて膝辺りを抑えれば十分届くんじゃないかね?
仮に決まったとしてもその技(保ほどは)効かないわよ!と述べるあまねちゃん。まあ、男は一撃でも喰らうと厳しいしなぁ。

そして――私は届くもんねー!

ドガガガガと工事現場のような音を立ててからくり按摩を花ちゃんに仕掛けるあまねちゃん。あうーん

もしかして俺は、とってもお勉強になるものを見てるのではないか

そんな感想を抱く保くん。間違ってはいない。よく見ておくがよいでしょう。
中学校に上がったくらいになれば意味もわかろうし、語ることもできるようになりそうだ。うーむ、教育に悪い!!

きゅうと倒された状態になる花ちゃん。
しかしそれでも立ち上がろうとする。あまねちゃんの強さはわかったが、保くんの弱さはどうにもなってまへんでと指摘。
そうは言われましても。保くんが強くても弱くても花ちゃんには関係ありますまいに。

関係あれへんコトあれへん!
将来の旦那様に強ぅなって欲しい思うんは、女として当然どすぇ!

おやおや・・・これはこれは。
まあ、公園に一人で待っていた辺りから怪しいとは思っていましたが、これはこれは。
どうやら転入初日。誰も話しかけてくれず不安に思っていたところ、声をかけてきてくれた保くんに一気に転んじゃった様子。
なるほどねぇ。さすが保くん。不安な少女の心を温めたわけですな。このこの。
しかし思わず想いを吐露してしまった花ちゃんは恥ずかしがって逃亡。

よくも・・・花の心を赤裸々にひんむきましたぇ!
責任とって強くなってもらいますぇ!また明日!

泣きながら去っていく花ちゃんでありました。うーむ・・・まあ、可愛らしい話じゃないですか。
保くん当人としては迷惑なのかもしれないが、まあ、青春といった感じではある。
割かし保くんはモテそうな感じではあるし、有意義&大変な学園生活を送ってそうな気がするなぁ。鬼とかにもモテてたし!!
不本意なモテ方をしてそうな気はかなりしますな。大変だ!!



第18話・あまね影を守る  (2013年 16号)


本日、月曜日は校内球技大会フットサルの部がキックオフする日である。
体育館内でA組女子5名とB組女子5名が熱い戦いを繰り広げようとしている。

みんな!ゴール死守よ!
(――いや、キーパー死守よ!)

そのように心の中で叫ぶあまねちゃん。む、何かワケありの様子ですな。

話は2日前(土曜日)に遡る。
あまねちゃんの友人、竹中美穂ちゃん。
青森の祖父の葬儀に出るために今から出発するとあまねちゃんに電話。
その後は鹿児島で伯母の一周忌。その帰りしな長野で母方の祖母の3回忌があるとのこと。なにその法事ツアー
なるほど、それで月曜日までに帰ってはこられないという話ですか。

美穂がいないと戦力ダウンだよねというあまねちゃん。しかし美穂ちゃんとしては問題はそこではない。

私はね、小中と無遅刻無欠席だったんだよ――明後日休んだらその記録がとぎれちゃうだろ!!それだきゃ避けたいんだよ!!

切実ですねぇ。でも、そうは言われてもしょうがないじゃないですか。
ハハァ、そこであまねちゃんに頼んでほしい人がいるという流れですか。
というわけで、その頼まれた人は陶芸部の土井さん。
なるほど・・・美穂ちゃんの即席身代わり像を作ってもらったという話ですか。
紙粘土に着色してニス塗っただけなのでものすごくモロい。なので壊れないように守らないといけない。
ああ、それでキーパー死守・・・この体勢で固まってる時点で普通はバレるだろ。いや、普通というならもっと早く・・・いいかもう!

フットサルはサッカーよりもボールの行き来がはげしい。キーパーの死守は難しい。
それはわかっているが、身を呈してでも身代わり像を守ろうとするあまねちゃん。どうしてそこまで・・・!!

どうやら各地のお土産を美穂ちゃんに買ってきてもらう約束をしていたらしい。
一箇所の品だけではない・・・全箇所だ!!
長野の野沢菜、鹿児島の豚の角煮、青森の絶品リンゴスイーツ。これらの報酬のためにあまねちゃは頑張っている!!
そしてこの話を聞いた康子ちゃんも盛り上がる。ははぁ、野沢菜大好きなのですか。なるほど。

ともかく、康子ちゃんが本気を出すと凄い。ヌンチャク女として要注意指定されているぐらいの人でありますからな。ほわあああっ!!
見事なボレーで1点先取。しかし、それを取り戻すために攻撃に出て来るA組。リードしたのは失敗か!!

身代わり像は紙粘土なだけに軽いのか、ボールが当たっただけでぐらぐら動き回転する。
だが、軽いがゆえに、女の子が片足で持ち上げるぐらいの重さでもある。ほわちゃ!!
い・・・いや、重さはともかく、普通はこんな芸当はできねぇよ・・・!!
ヌンチャクだけかと思いきや、既に体術も普通にアクションスターの領域に踏み込んでいる康子ちゃんでありました。

高い所から着地した身代わり像は首の辺りで折れてぶら下がる。
普通ならとれているが中の繊維が途中で繋ぎとめた様子。怖いがなんとかセーフって感じですね。やるな紙粘土!!

守りに入ったら追いつかれてしまう。
というワケで――攻撃こそ最大の防御!!
康子ちゃんも眼鏡と三つ編みを外して本気モードに突入する。あ、指名手配の危険人物だ!!

キーパー以外の全員でボールを奪って支配しようとする。
が、ここでA組。苦し紛れのロングシュート。これが見事に枠を捉える。やられたか!?
と思いきや、身代わり像だったはずの美穂ちゃんが動き出す。おぉ、見事なオーバーヘッドだ!!
ってあれ。本物かコレ。今の攻防の間に入れ替わっていたんですな。というか法事ツアーはもう終わったのかい?

親に頼んでさ、私だけ長野の3回忌はしょってきたんだ!

ああ、なるほど。そういう話でしたか。ん、飛ばしたのが長野ということは・・・

野沢菜は?野沢菜はないの?

頑張り損となった康子ちゃんでありました。おやおや。
というか康子ちゃん、だんだん友人たちの前でも素が出るようになってきたじゃありませんか・・・よいことだ!!

美穂ちゃんの身代わりをしてくれた人形は風に舞う。
一体どこに飛んで行ってしまうのだろうか・・・この話だけで場合によっては1本作れるかもね!!



第19話・あまねよーく見る  (2013年 17号)


お花見にやってきたあまねちゃんたち。
場所が見つからないので、1人で広く場所を取っていた恩田先生に声をかける。
ああ、また脳内友人と一緒に楽しんでいたのですか。脳内の友人なんだからスペースいらないでしょうに!!

場所を譲って撤退しようとした恩田先生だが、強引に誘い込まれ、同席の形となってしまう。
ふうむ、人見知りにはなかなか厳しいシチュエーションでありますな。女性ばかりだし!!だが――

そろそろ気づけよ俺。逃げた先にゃ何もねぇぞ?
人との関わりを避け続け、場数も踏めず成長せず――同じ苦痛の繰り返し。
だったら!ココでその輪廻を断ち切ってみたらどうだ?
決めた!今日の俺は・・・逃げないぞ

人知れず決心を固める先生。教職にあるものがこんなに人見知りだとは誰も思うまいて。
小学生の保くんに話しかけられただけでオタついてしまうという有様。おやおや。

保「あま姉、家だと意地悪なんですよ。いっちょもんでやってくださいね!」
恩田「お、おうよ。もむもむ!

何をどうもむというのですか?二回繰り返してはいかん!!

それはさておき、今日はいつもと違う所を見せるぜと頑張っている先生。
逐一脳内友人が褒めてくれるというのがなんともはや。相変わらず独立思考しているのかこいつらは。

恩田先生に言わせると大人を相手にしている方がムチャ振りされることもないだけ安心できるとのこと。
まあ、女子高生なんてどんだけムチャ振りしてくるかわかったものじゃないですしね。気持ちはわかる。
でも酒の席ってのはムチャ振りするやつはいくらでもいるものである。大人であってもね。そうここは酒の席・・・

ところで先生――野球拳しません?

物凄いムチャ振りが来た!!
そうか、あまねママは酔うと面倒くさいことになるタイプか。

逃げねぇんだよ、俺は!!

自分の誓いにむしろ縛られている感じのある恩田先生。野球拳の誘いにも逃げることなく立ち向かう。
その結果、勝ってしまったりする。勝っちゃったー!!
ふむ、教師が野球拳で生徒の親御さんを脱がせるという流れか・・・いろいろと大問題だな!!
コレは社交性あるなし関係なしに問題のある行為である。むしろまともな社会人ならどうにか有耶無耶にしたい流れだ!!

あまねママはジャンケンも弱い。出す前から形を作るからバレバレである。
上着の次はストッキングをするっと脱ぎ去るあまねママ。うーむ、色っぽいなオイ。
フツー小物から外していくものなのに、まるで衒いのない脱ぎ方にギャラリーも興奮。いよいよヤバイ状況だ!!
脳内友人たちもどうする?どうする?とドッキドキ。

おめぇら――ちぃと黙ってろ。これは――俺の戦いなんだ!!!

そう告げて戦いを継続する恩田先生。その結果は・・・

――というわけでお母さん。俺の負けです

服を全て脱ぎ去り、桜の木の前で仁王立ちする恩田先生。お・・・男らしい!!
いやまあ、脱いだ服で前は隠しているので大丈夫・・・大丈夫・・・?誌面的にはどうにか大丈夫だ!!
ああ、桜の木を背負っているのは後ろから見られないためなんですな。

勝負がついたということであまねちゃんが割り込み、ママを撤収させる。
ふむ。どうにか危機は乗り切ったみたいですな先生。
あまねちゃんたちも先生がワザと負けたのは分かっている様子ですし、良かった良かった。
けど恩田先生。完全に脱いだ状態でヒートテックとか関係ねーだろ。

逃げずに戦い抜いた男は1人、桜の下で祝杯をあげる。男だね〜。
それはいいが、さっさと服を着ましょう。見回りの警官が来たりしたら言い訳もできないことになるぞ!!

脳内友人という割とヤバイ設定持ちの恩田先生でしたが、今回はなかなか面白いことになってましたな。
人見知り解消の方に頑張る姿勢を見せてくれるならこれはこれでありということだろうか。
あまねママがエロかったのも大きいと思われる。大人組の活躍もなかなかよいものだ。



第20話・あまね沸騰する  (2013年 18号)


いきなり雑巾のようにずぶぬれ泥まみれになっているあまねちゃん。
どうやらトラックに泥をはねられたらしい。そりゃ災難ですな。
雨が上がった後は気温も上がり、ムシムシして汗だくになってしまっている。
こりゃあ早い所シャワーでも浴びてすっきりするしかないですわな。急ぎ風呂場へ向かうあまねちゃん。しかし――

今、保が入ったとこよ〜〜

おやおや。タイミングが悪いですな。
まあ、保くんが全部脱ぎきる前でよかったということなのかどうなのか。

ちなみに保くんが泥だらけになっているのは花ちゃんに泥の中に投げ飛ばされたからである
なるほど強い男に育つための試練を課されたわけですな。きゃほほほほほと。おつかれさまです。

しかしそれとこれとは別。私は姉だからどきなさいと強権を振るうあまねちゃん。横暴だ!!姉らしいな。

言い合いをしている所にお母さんが介入。
仲裁の結果、途中まで脱いでいた保くんの勝ちとなる。おふろは裸のほうが強いのよ!という裁定だ。なるほどなー。

というわけで、あまねちゃんがじっと待っている間に入浴を開始する保くん。
シャワーだけなのかと思ったらがっつり温まってるじゃないですか。
まあ、濡れたのなら温まりたいだろうし、それは仕方がないか。
でも日頃の仕返しなのかどうなのか、意地悪をしたくなる保くん。突然掃除を開始したりと時間稼ぎをしたりする。

いーかげんにしなさーい!!

我慢できなくなったあまねちゃん。お風呂場に乱入。何気に髪をほどいた姿は初めてか?
保くんに対し変わりなさいよと風呂場の中で取っ組み合いを始める。当然全裸で。
どうでもいいが、制服の脱ぎ散らしが酷いな。こっちはこっちですぐに洗わらないといけないでしょうに。

風呂場の中でいがみ合う姉弟。母親が仲裁に入るが今度は通用しない。服を着てる人は黙ってもらおうか!
おふろは裸の方が強いと言っちゃいましたものね。そういう反論が来るのは仕方のないことでしょう。
まあ、となれば次の展開は予想できますけども。つまり――

いーかげんにしなさーい!!

あまねちゃんと全く同じ様子で風呂場に乱入してくる母親の与さん。
うむ、肌かという互角の条件に持ち込まれたのでは勝ち目はありませんわな。降参する姉弟でありました。
というわけで、43℃にまで熱くしたお湯に500数えるまで浸かる2人。こりゃ温まる。消毒される。ゆだー。
姉弟はしっかりお仕置きされて反省したことだし、ケンカも泥も水に流すこととなった様子でありますな。
というわけで、いつものやるわよと言い出す与さん。何かと思ったら・・・

すぱーん

3人横並びになって股間にタオルを打ちつける。
そしてタオルを巻いた状態で牛乳を飲む。当然手は腰に当てて、だ!!どこのオッサン共だよ!!

これがいつもの温家のスタイルらしい。ふむ・・・なんというか・・・奔放な家庭っすね!!

保くんは小学5年生だし、一緒に入ったらいいんじゃない?と思ったら本当にそうなりましたなぁ。
しかしそのすぱーんは・・・
こうやって伝統というのは受け継がれていくこととなるのか・・・!?まあ別にいいんですけども。



第21話・つらら愛を知る  (2013年 19号)


単行本1巻発売記念の巻頭カラー!!
主要キャラの並んだ見開きがいい感じ・・・って土井先輩、1人だけ前面で目立ってるな・・・!!
つららちゃんは金髪だったんですね。銀髪の方が冷たい感じはしたと思うが・・・まあ、基本的に熱い子だしなぁ。

さて、巻頭カラーの今回はそのつららちゃんのお話。
悲劇の女王を気取り出しているが何が起きたのであろうか。

生徒会室にて生徒会長の神崎さんと副会長のつららちゃんが話をしている。
神崎さんがあまねちゃんと出会った時、彼女は校則を犯して猫を飼っていた。
その際のやりとりで堅物だった生徒会長も大分くだけた性格の現在に変化することとなったのでした。
でも未だにその時のやりとりが正しかったのか悩んでいるという神崎さん。真面目だのう。心労で余計に身体が弱くなるぞ。

神崎さんの話をもじもじしながら聞いているつららちゃん。
その首筋からは、制服の背中に入った白く長い尻尾のようなものが飛び出しており・・・

私とこの子の出会いは――こうですわ。

校庭に入り込んでいた白く大きなヘビ。やけにつぶらな瞳をしたヘビである。
他の女生徒は怖がって先生を呼びに行くのだが、つららちゃんは一目で気に入った様子。

透き通るような真っ白なお肌。スリムなボディ。見る者を魅了する妖しげなオーラ。まるで、この私じゃない・・・!!

相変わらず自分が大好きな様子のつららちゃん。土井先輩の像の時もそんな反応してましたな。魅了と言うが、女生徒逃げてますやん。
白蛇といえばその希少性により縁起のいい、幸運の象徴として扱われることの多い存在である。
弁財天の使いとして富をもたらすものという言い伝えもあるそうな。へぇ。
でもつららちゃんが魅了されたのは自分と似た存在だからというものだったりする。うーむ、色々と突き抜けた子だな、やはり。

というワケで、愛らしいっ!!今日から私の家族ですわ!!

颯爽と強奪し背中に匿うつららちゃん。
生き物を学校で飼うのは校則で禁止されているのでこれは校則違反。
なるほど。あまねちゃんと同じことをしているという現状でありますな。
もじもじしているのはその後ろめたさ・・・だけではなく、ヘビが背中で動き回るからぞくぞくしている様子。

さて、ヘビは女生徒に発見されていたが、つららちゃんが黙って持ち去ったので消息不明。
そのことから注意を呼びかける校内放送が流される。毒でも持っていたら大変ですものね。
神崎さんは生徒会の保安義務として動き出そうとする。
が、その前にさっきから怪しげに悶えているつららちゃんをチェック。何か隠してないか!?

違いますわ。これはただの――亀甲縛りですの

いつの間に結んだんだ!?というかそれが出来るってかなり長いヘビじゃないか!?
まあ、いきなりこんなの見せられたら神崎さんも目を逸らすしかないですわな。わかります。

バカはごまかしましたわ。でもこの先どんな障害があることやら・・・
どんなことがあろうとも、この子は私が守りますわ!

バカな手段でバカを回避したと述べるつららちゃん。うーむ。バカげた話だ。
しかしそれはさておき、校庭に出てみると生徒が総出で捜索中な現状に驚くこととなる。騒ぎになってる〜!!
なるほど。見つけたら内申が良くなる可能性があるからか。
中には漢方薬にしようとかバカなことを考えている子もいるようですが・・・ともかく、各自欲求がある様子。

つららちゃんとしてみれば、動物に優しいはずのあまねちゃんも捜索に加わっているのが気に入らない様子。
そうは言われましても、毒があったら危ないですし・・・

何を馬鹿な!!あの子は「インディゴヘビ」のアルビノ種で、無毒でしかも人懐こいんですのよ。知りもしないで勝手なことを!

どうやら携帯のwikiで調べた様子のつららちゃん。現在機器は便利ですなぁ。

そもそも何ですの!?猫はよくって毒ヘビは排除なの?差別じゃないそんなの!

そうは言われましても。やっぱり毒は危険が危ないですからして。区別される明確な理由があると思う。
というか、スカートの下からめっちゃ飛び出してきてますよつららちゃん。

慌てて体に巻きつかせるように収納し走り出すつららちゃん。
しかし内股をにょろりと撫でられて力が抜けてしまう。むう、エロイな。

そして腿をつたい出ていきそうになる白蛇。これではバレてしまう!!
と思いきや、あまねちゃんが身を呈して、その体を壁として白蛇を生徒の視線から遮る。
勢い余ってブロックに頭をぶつけて危ういことになっているが・・・なかなかの自己犠牲だ!!
やはりあまねちゃんは動物には優しんですなー。
つららちゃんもその気持ちを受け取り、白蛇を制服に隠し直して外へと向けて走り出す。

生徒会副会長銀つららは校則に背いてこの子への愛を貫きます。そう――心中する覚悟でっ・・・!!

気分はまるでクレオパトラかといった様子のつららちゃん。
たった今恩を受けたはずのあまねちゃんが奴隷のイメージになっているのが酷い。
まあ、ともかく。無事に生徒の目に触れることなく校舎の外までやってくることができました。これであとは帰るだけですな。
邪魔する者はいなくなったので安心して顔を寄せて話しかけるつららちゃん。
だが、白蛇はそんなつららちゃんの鼻に咬みつき、そして川へと逃れ去っていくのであった・・・

・・・愛さえ・・・愛さえなければ・・・こんな辛くないのに・・・

女王が愛を知り苦しんでおられる様子。
これはあれですかね。将来的に愛など不要!愛あるからこそ人は苦しまねばならぬ!とか言いだす布石でありましょうか。
つららちゃんならば白蛇のために盛大な墓標を作ろうとしても不思議ではないわなぁ・・・

ヘビとつららちゃん。非常に似合った取り合わせであったが、この組み合わせは成立しなかったかー。
むしろ無毒だったのがいけなかったのかもしれませんな。
毒を有するのであれば似たような存在ということで仲良くできたかもしれませんのに・・・!!
まあ、ヘビを飼うのは難しいということですよ。神無月めぐみちゃんも扱えてませんでしたしな。



第22話・あまねいてこまされる  (2013年 20号)


近頃は不審者が増えて物騒な世の中となっている。
かよわい女の子としてはそういう緊急時にどうするかは常に考えておきたいところでありますな。
自分の身を守るとした場合、それなりの技量が必要となって来る。
どこかにいい護身術のコーチでもいないかなと言い出す美穂ちゃん。
そんなタイミングで何者かに襲われて姉に助けを求める保くんに出くわす。

特訓中に逃げるとは・・・殿方として恥を知りなはれ。お仕置きどすぇ!

何かと思ったらいつものように花ちゃんにしごかれていたんですな。
あまねちゃんとしても痛い目にあわされた相手ですし、触らぬ神に祟りなしと逃げ出そうとする。
が、それを押しとどめようとする保くん。裏側から片足タックルだ!!

まぁ保。いつの間に筑苗流臥制術「朽花倒し」を!?

朽木倒しならぬ朽花倒しでありますか。花ちゃんなだけに。
しかし筑苗流臥制術とはまた大仰な命名を・・・
たけにテイクダウンを奪ってからの攻撃が多いと思ったらそういう流派でしたのね。

花には夢があるんどすぇ。愛する人にすがり助けてもろて、お姫様だっこ・・・

そいつは少女らしい素敵な夢でありますね。
まあ、強くなるのは悪くないと思いますし、保くんも少しはやる気を出してもいいかもしれないな。

美穂ちゃんは迂闊にも花ちゃんに護身術をコーチしてもらおうと言い出す。それはまた迂闊!!
結果はいうまでもなくマウントを取られて殴打されることとなる美穂ちゃん。
うーむ、さすがは花ちゃん。すべては実戦から学べということであるか!!

花には狙いがあったんどすぇ?
愛する人の前で弱みを見せ、助けてもろてお姫様だっこ・・・

ね、狙いは分からないでもないが・・・それで圧勝してしまってどうする。
続いてあまねちゃんに襲い掛かる花ちゃん。
前に敗れているだけに、この方なら花を倒してくれて、泣くほどしばいてくれて、そして保くんに助けてもらえる流れに!!と考える。
まあ、当然結果はその逆になるわけでありますが。基本的に強いわけではないからねぇ、あまねちゃんも。

弱すぎや!あんさんら襲われたら瞬く間にアレどす!

アレって何がどうなるんどす?いや、詳しく説明されても困るが。
倒れ込みながらこっちは素人なのにと抗弁するあまねちゃん。
それに対し、花ちゃんは新技を繰り出す。
相手の片足に縋り付き、自身の足を相手の股間に叩き込む。これぞからくり按摩弐式!!
旧式の大きい相手には届かないという弱点を解消した改良型だ!!
しかし相手はうつぶせになっているのだが、それで急所を突くことはできるのだろうか。踵に力を込めているのかもしれない。
というか、泡を吹くほどの刺激とはどんな威力だ!?

あまねちゃんが酷い目にあったところで頼もしい助っ人が現れる。康子ちゃんだ。

ボロボロじゃない!暴漢にでも遭ったの?

もし本当に遭ってたとしたら、そんなに簡単に尋ねていいものであろうか・・・?
その疑問はさておき、暴力行為にあったのは間違いない。相手は漢じゃないけどね。

康子ちゃんはどうやらまた例のアクションスターの映画を見て身体が疼いている様子。それでそんな恰好でランニングですか。
そんな康子ちゃんを見てただならぬオーラを感じ取る花ちゃん。さすがに武の心得がある子には分かるのか。
というわけで、この人なら・・・!と思い挑もうとする花ちゃんでありました。

ヤッ子はん!立ち合いが所望。いざ!

武人らしい申し出である。
しかしその心意気は武人らしくない。手心を加えるのでピンチを作ってもらおうという考え。
そしてお姫様抱っこの夢を、という考えであるが――相手が悪い感じですな。

花ちゃんお得意の片足タックル。それを受けてもビクともしない康子ちゃん。
片足でタックルを受けておきながらもう片方の足で蹴りを放ったりしている。これは怖い。
メガネをはずし、髪もほどいての完全な臨戦態勢にまで移行してきましたぞ!!

アカン。手抜きが死を意味する相手どす

強敵との邂逅に汗が噴き出す花ちゃん。
この相手はひとりではどうにもならない!!ん?これぞまさに・・・ピンチどす!
理想通りのピンチを見つけた花ちゃんは保くんに助けを求める。
うん、いや、無理でしょこれは。保くんが加わったからって何がどうなるってもんではないわい!!

な・・・なんでなん?花はただ・・・ただっ・・・!お姫様だっこして欲しいだけなのにぃー!

康子ちゃんの突きを交わして上体に飛び移り、足を相手の左腕に絡めて封じる花ちゃん。
そしてそのまま両腕で相手の顔面を締める!!おぉ、骨がぎしぎしとなる見事な絞め技だ!!
まあ、極められている相手の右腕はガラ空きなので首筋を叩かれて倒されてしまったわけでありますが。

いい勝負であるがやはり体格の差か。康子ちゃんに軍配が上がった強豪対決。
あまねちゃんたちも、とりあえず私たちはヤッ子がいれば大丈夫かなと満足のいく結果。
康子ちゃんは今更ながらとぼけようとするが、もうとぼけようがねーだろ、コレ。
諦めて自分の趣味をさらけ出し、学校でも常にその状態でいたらいいと思います。生徒会長は怖がるかもしれないが。

さて、KOされた花ちゃん。
ひとりでは立たれへんと側に立つ保くんに手を伸ばす。だっこして欲しいんですな。
でも保くんはその願いを叶えて上げる気はない様子。
まあ、お姫様だっこからあんな絞め技に移行される様を見せられたらそりゃあなぁ・・・

いけず―――――!!

しょうがないのに無理やりお姫様だっこ締めを保くんに敢行する花ちゃんでありましたとさ。
うん、夢が叶ってよかったですな!!いやいや。

うーむ、保くんが強くなるにはまだまだ時間がかかりそうでありますなぁ。
花ちゃんももう少しアメとムチを織り交ぜながら特訓した方が・・・何がアメになるかはよく分からんな。実際の所。



あまねあたためる 3巻


第23話・あまねあぶられる  (2013年 21+22号)


なんだか知らないが妙にカッコイイポーズで表紙を飾る土井先輩。
何か波動でも放ってそうな構えである。いてつくはどうとかそういう類の。

今日もあまねちゃんの像を作っている土井先輩。
一応皿とか壺なんかも作っているらしいが、コレ系を作っている時が一番テンションが高くなるらしい。

おかしいのかな俺は

いやあ・・・まあ、別におかしくはないんじゃないでしょうか。
好きなものを作るのが一番楽しい。それは当然の話であります。
倫理観とか色々と気になる部分を除けば何もおかしいことはない。何も。

土井先輩がトイレに行っている間に陶芸部の部室を覗いてみるあまねちゃん。
ヘンなもの作ってないよね・・・という懸念からの行動だ。
しかし、果たしてヘンなものはそこにこしらえられており――思わず破壊するあまねちゃんでありました。おやおや。
まあでも今回は制服姿でありますし、これまでの裸婦像に比べればずいぶんマシじゃありませんかね?

破壊した像の破片を片付けているところに土井先輩が帰還。思わず硬直するあまねちゃん。
さすがに破壊も2回目だし、どう謝罪すればいいのかと悩んでいる様子ですな。
でもそんな態度でいたためにおかしな誤解をされることとなる。

作品は・・・作ってる時よりも時間をおいて後から見た方が出来を判断しやすいというが・・・
最高傑作だ!まるで生きてるようじゃないか!

どれほど自分の腕に自信があるのか。単に思い込みが激しいだけなのか。
本物のあまねちゃんを作品だと思い込んでしまっている様子。
そんなバカなことを言っている男のもとにもうひとりバカな男がやってきた。生徒会長の神崎さんである。
どうやら部の視察に訪れたらしいが、その結果2人してあまね像をローアングルから覗き込む結果に。なにしとんねん。
というわけで、男としてこの作品の完成を見届けることとなった神崎さんでありました。なにしとんねん。

神崎「――で、コレはいつ完成するんだ?」
土井「あとは焼くだけだ

焼く!紅蓮の炎で焼かれるあぶられる!あぶるのと全身炎に包まれるのとでは何か違うような!?
ってそんなことを言っている場合ではない。どうにか神崎さんに止めていただかないと・・・

ベイク!レッツベーイク!!

なんだかハイテンションになっている!!だめだ、ここの男たちはもはや正常な判断が出来る状態ではない!!
たとえあまねちゃんが動いて喋り出して本物だと主張しても止まらないかもしれない。
うむ、実際動き出したが止まらない様子ですな。動き出して実は私・・・と主張しだしたあまねちゃんを制する土井先輩。

何てコトだ・・・遂に俺は命を吹き込む域にまで達してしまったようだ

てな主張を始めてしまいました。だ、ダメだこれは・・・!!

神崎「何ィッ・・・それは・・・愛でていた家庭用ロボットに自我が芽生えて奉仕してくれるというアレじゃないか!
土井「よくわからんがソレだ!

いや、ソレだじゃないでしょう。奇跡という部分では近いのかもしれないがなんだか違う。
ともあれ、これはもうどうにもならない状態でありますな。あまねちゃんではどうしようもない。
ので武力介入をすることとなりました。ほわちゃっ。

相変わらず学校にヌンチャクを持ち込んでいた康子ちゃんの攻撃により倒される男2人。
危険な攻撃であるが、もはやこの2人の方が危険な状態になっていたのだから仕方ありますまいですわな。
倒れて悶えながら、自分たちはただ作品を完成させたかっただけだと主張する2人。

だまらっしゃい。未完成はおまえらですわ

つららちゃんにそう断じられる2人でありました。うむ、言われても仕方がないですな。
だが、それでも決してへこたれることのないのが土井修峰という男である。

男は永遠に未完成だ。だからこそ夢が見られる

む、無駄に!かっこいい!!
やらかした行為を考えなければ本当にかっこいいセリフだから困る。
名言としてピックアップして場面説明をされてガッカリされる見事な流れとなっている!!やりおる・・・!!
いつか使ってみたい言葉でありますなぁ・・・似たようなシチュエーションで!!どんなシチュエーションだ!?



第24話・あまね尽くされる  (2013年 23号)


あまねちゃん愛用のうさぎの髪飾り。
今回はその髪飾りが意志を持っていたらというお話。
ふむ、道具の擬人化か。萌え系の漫画ではよくある話でありますな。

左助「右京さん!大丈夫っスか!?」
右京「・・・ああ平気だ。心配しすぎだぜ左助」
左助「なにが平気なもんですかい!片目取れかかってるじゃねえですか!!」
右京「うるせぇよ・・・かえって傷にひびくぜ」

兎たちの慟哭。っていやいや、何でこんな擬人化の姿にしたし!!
確かにウサミミはついているが・・・どこの浪人だよお前ら!!

左助「なんスかこの扱いは・・・俺ら道具なんスかね?」
右京「道具だよ。だから道具らしく役に立たなきゃいけねぇんだ」

道具であることに疑問を持たれる道具というのも嫌なもんだ。左助はまだまだ未熟であるな。
ちなみにこの髪飾りの2人は鍋掴みミトンのおまけとして温家にやってきたらしい。
本命の製品であるミトンは兄者としておまけの2人に慕われている様子。さすがに本命とおまけには差があるわけか!!
というか、この髪留めはおまけだったのか・・・道具としての意識が薄くても仕方ないのかもね。
でも捨てられずに使われているだけでも有難いと思ってもらわないと!!おまけなんですし。

髪止めはさておき、ミトンは基本的に熱いものを持ったりと過酷な場面で使われることが多い。ぬううううん!!
このままだといずれ劣化して死んでしまう!!
だがミトンの兄者は言う。遅かれ早かれ死ぬんだ。それまで精一杯生きるまでだぜ、と。
さすがに本命製品の兄者は達観しておられますなぁ。
しかし火のついたまま鍋を持とうとしたママさんの行動によりミトンに火が燃え移り、兄者瀕死。兄者ー!!

持つ部分が燃えてしまってはミトンとしてはもうおしまいである。
力尽きる兄者。しかしそれでも弟分たちにこの家の恩を忘れずに尽くすよう伝える。大きいぜ兄者!!
だが、ミトンとしての生を終えた兄者であるが、そのまま捨てられるようなことはなかった。
焼け残った可愛い兎部分を切り取り、エプロンのアップリケとして再利用されることとなりました。
おぉ・・・これは。兄者にも新たな道具としての生が・・・

兄者ー!!

ゲー!!新たな生を得たとかいう流れかと思いきや、磔にされているではないですかー!!
ハッ。エプロンに貼り付けたから磔・・・!!なるほど。考えてみれば当然な流れなわけですな。

ともかく、兄者の壮烈な死によって道具の生き様を教えられた弟分たち。
それでも髪留めの片割れである右京さんが死んでしまうのは嫌だし、ひとりじゃ頑張れないと嘆く左助。
だが、兄者も再生利用する温家である。道具を大事にする心は忘れてはいない。
なのでほつれた部分をあまねちゃんが手縫いで修繕してくれます。
子供の頃からの付き合いなだけに愛着も大きいということなんでしょうなぁ。共にお風呂に入った仲でもありますしね!!

てなわけで、兄者の一部を移植され蘇った右京さん。見ろ・・・兄者はここにいる・・・!
こうして髪留めの2人は兄者の存在を感じ、精一杯道具として生きていく決心を固め直すのでありましたとさ。
精一杯生きろよ!2人とも!

というわけで、道具の擬人化の話でしたが・・・やはりどうしてこんな姿になったのかと!!
オチの右京さんの姿を見るとブラック・ジャックっぽい印象がある。
やはりチャンピオンならではの流れでこうなったということであろうか!?
いや、別に浪人じゃなくてもよかろうにと思わないでもないが・・・面白かったからいいか!!



第25話・あまね応援する  (2013年 24号)


久しぶりの登場となるサラリーマンの山内くんと沖田くん。ま、まさか再登場するとは・・・!!
相変わらずそれぞれに譲れない趣味趣向を持っている様子。
こういうことを臆面もなく語り合える仲というのは割と貴重なのかもしれませんな。
で、今回のお題。

沖田「高校野球は夏に限る!露な素肌、飛び散る青春の雫、それが理解できないとは不能だお前は!」
山内「やっぱり春センバツだよ。初春の寒さが生み出す上下のギャップとハーモニー。これがわかってもらえないのは悲しいね」

ふむ。どちらのイメージ図も可愛いが・・・
あえていうならやはり夏の方かなぁ。佐渡川先生の描く女の子の青春の雫は美しいですゆえに。

さて、ここで前回と同様にたまたま出くわすあまねちゃん。
今回も脳内でチア服を着せられる流れに――なると思いきや、既に夏のチア服を着ていたー!!

あまねちゃんだけではなく友人の2人も一緒にチアの格好をしている。
康子ちゃんはともかく美穂ちゃんはかなり恥ずかしそうな感じ。
まあ、助っ人でいきなりこんな格好になったあげく、いきなり屋外での練習だなんて恥ずかしく思って当たり前であるわな。

蓮城高校チアリーディング部の3年生、姫川さんによると部員が3人ほど病気で休んでしまっているらしい。
折り悪く明日の試合で応援をしないといけない状態での欠員。
文字通りに頭を抱えている所に通りがかったあまねちゃん。友人と一緒に人助けをしようという流れとなったわけです。

というわけで、恥ずかしさの克服のためにも人目のあるところで応援練習を開始する3人。REN!JO!
それを見てウン、夏いいなとあっさり認める山内くん。あらあっさり認めちゃいましたね。
まあ、持論はどうあれ、他のジャンルにだっていいものはあるって話ですしね。拘り噛みつく必要もない。
だが、逆に沖田くんは認められたのに不満そう。というか噛みついてきて欲しかった様子。ははぁ、何かあったんですな?

すまん!実は・・・取引先との交渉が決裂して契約がなくなっちまって。午後は上司にどやされに帰社するようなもんだよ。
それが怖くてさ・・・はけ口としてお前を巻き込んじまった。
・・・孤独だぜ。新米の営業はさ。俺もあんな風に応援されてぇなぁ・・・

寂しそうに語る沖田くん。それに鉄拳制裁をくらわす山内くん。バカヤロウ!

水くせぇぞ。だったらそう言え!
さっきからひっかかってた。噛み合わねぇワケがわかったよ。
お前はチアを語った。応援「されたくて」。俺は応援――「したい」

方向性の違い。ということなんだろうが、応援したいという考えでチアを語るというのは珍しいと思う。
それはつまり自身がチアの立場に立つということを意味するのであるが・・・

それ。大きいサイズありますか

姫川さんにいきなりそんなことを言いだす山内くん。そ、それはつまり・・・着やがった!!応援始めやがった!!

頑張れ頑張れ沖田!負けるな負けるな沖田!お・ま・え・が、か・い・しゃの希望だ!どっこいしょーい!!

大きめのサイズのチア服でも収まり切らない腹を揺らし、同僚を応援する山内くん。
非常に厳しい絵柄であるがそれでも感じ入ってしまう沖田くん。おやおやいい友人関係ではありませんか。
その魂のこもった応援に触発された姫川さんたちも加わり皆で沖田くんを応援。どっこいしょーい!
それを背中に受けながら明日のためにどやされにいく沖田くんでありましたとさ。

いやあ、応援というのは力になるものですねぇ。よい話だ。
でもその山内くんが着たチア服はもはや使い物にはなりませんな。お返しされても困る!
ので、今後も私用で人を応援するために使われるといいと思います。うん。余り人目のあるところでは着ない方がいいよ。今更だけど!!

というわけで、応援の練習の成果を見せようとする3人。
本日応援するのは落語研究部の定期公演会
なるほど・・・声援が邪魔でしかねぇ!!
なんでここに応援が必要だと思ったのか・・・!!色々と不思議すぎる判断である。
噺をする前に場を温めるだけなら分かるが。とも思ったが、彼のキレ芸を出すためには有効な舞台装置なのかもしれない。
なるほど。応援によって芸を引き出す下地を作っているわけか・・・深いな!!



第26話・あまねさらされる  (2013年 25号)


梅雨の時期が近づいてきました。
温家としては片手が塞がる傘ではなくかっぱを推奨。
まあ、強い風を伴うという予報がされてますし、傘だと風にあおられて折れてしまう可能性が高いですものね。

しかしあまねちゃんに用意されたのは父親の地味なかっぱ。
逆に保くんに用意されたのはあまねちゃんのおさがりの花柄。くすくす。
意には沿わないかもしれないが、まあ、着るのは通学の間だけですしね。

TVでは強い風と雷が映っている。多くの朝の通勤通学前の人たちがこの放送を見ているんでしょうな。
いや、他にも見ているモノがいた――

雷神「うぉい風神!見てみろお前TV出てンぞ!
風神「お前もだっつの!ブァーカ」

鬼、再び。
節分の時に突然世界観を吹き飛ばすように鬼が登場したものだが・・・こういう話がまた来たか!!
まあ、今回は人前に現れる流れでもないし、大丈夫か?絵柄は相変わらずだが。
屏風に描かれる風神雷神そっくりな神たち。
そうかー。この世界では自然現象は彼らが起こしているんですなー。
しかし雷神はどうにも不真面目な様子。雷様なだけにごろごろしてるって話ですか。ハハハ。

あ、そうだ!風神!勝負しねぇか?どっちが先に人間の服を脱がせられるか!

まるでイソップ童話の「北風と太陽」みたいなことを言いだす雷神。
ただ仕事するだけよりも遊び要素が欲しいという気持ちはわかりますけど、不真面目ですなぁ。
まあ、風神も示されたターゲットを見て話に乗るわけですが。

雷神「JK脱がせたくはないか風神
風神「よし、うけてたとう雷神

そんなポーズ決めて言うセリフじゃねーだろ。
まあ、何にしても受難に見舞われそうなあまねちゃんでありました。

野暮ったい雨雲色のかっぱを着て通学するあまねちゃん。誰かに見られたらハズカシイよ〜〜。
と考えていると誰かに会うのが常というもの。
出会ったのはつららちゃん。思った通りかっぱに着いて指摘してくる。オホホホ。
つららちゃんは薔薇柄の傘をさしている。時折見かけるけど、本当ハデですよねコレ。照れもなくさせるつららちゃんは凄い。

ドス暗い街角に一輪の彩り!この私にピッタリじゃなくて?

てなことを言っていたら突然の突風にあおられるつららちゃん。
傘はこういう時に不利ですよね。まあ、この突風はあまねちゃんのかっぱを飛ばそうとした風神の仕業なわけですが。
つららちゃんの手から吹き飛ぶ傘。そして雷神の力で黒コゲになる傘。
ってよく考えたら雷神の力でどうやって脱がすんだ?
え?服だけ焼け焦がす?死ぬわ!!ギャグ漫画じゃないんだぞ!!あれ・・・?

まあ、根本的な問いはともかく。
もはやあまねちゃんを脱がすには風の力を使うしかないと考える風神雷神。
しかし、お母さんがせっかく出してくれたお父さんのかっぱである。飛ばされるわけにはいかない!!
そんな意識を持つようになったあまねちゃんのガードは固い。

駄目だぁ〜〜女の子脱がすって難しぃ〜〜〜!!

涙雨を降らす風神雷神。たぶんいい歳だろうに泣くなよ。
そんなタイミングで現れるのは福の神、じゃなくて天照大神。お、同じ系統の顔・・・!?

一度頑なになったレディーの心の岩戸は――力押しじゃ開かねぇぜ?

さすが一度閉じこもった経験のある方の言うことは違いますね。
しかし雲の上でバイクとか凄い絵面だな。
それはともかく、天照大神の力で雨雲が裂け太陽が顔を出す。
晴れたと思って顔を出すあまねちゃん。うーむ、やはり童話通りの流れでありますか。と思いきや――

うっ。UV強そう

調子に乗って日射しを強くしすぎたために再度かっぱを着こむあまねちゃん。むしむしむし。
暖めるはずが蒸し焼きになってるじゃねーか。
うむ、やはり力押しはいけないということですな。レディーの心の岩戸は繊細でござる。

女の子を脱がすのは神でも難しいというお話。
まあ、あんまり女の子にモテなさそうな連中のやっていることですしねぇ。そりゃあ上手くもいかないさ!!
逆にモテ神なら上手く脱がすことができたということなのだろうか・・・それはそれで興味あるな。

しかし、天照大神が男性というのも珍しいですな。
まあ、話の展開上男になった感じでありますが。いや別に女性に興味のある女神でもよかった気は・・・!!



第27話・あたえしめつけられる  (2013年 26号)


佐渡川先生お得意のサイレント回でございます。

衣替えの日。今日からあまねちゃんも夏服で登校であります。
一気に涼しくなるというものですな。
元気に登校するあまねちゃん。それを見送る母親のあたえさん。
掃除をするためにあまねちゃんの部屋に入ると、そこには着ないということで置き去られた冬の制服が。

冬服を手に自身の高校時代を思い返すあたえさん。
ラブレターを直接手渡されたりと色々青春していたようですな。というわけで――
実際に娘の制服を着てみて鏡の前でポーズを決めるあたえさん。お、お母さん何を・・・!!

しばらくして我に返り大慌てなあたえさん。
脱ごうとするが娘の制服は小さく、無理矢理着たためか上も下もボタンが外せない。
サイズが合わなくてへそだし&際どいミニとなってしまっているあたえさんでありました。ハハハ。

まあ、家事をしている間は誰に見られるわけでもなしと諦めるあたえさん。
と思いきや、今日はたまごの特売日であり、買い逃すわけにはいかない日であり・・・

たまご1パックのために真っ赤になりながら制服でレジにならぶあたえさん。これは恥ずかしい!!
これ、どう考えても顔見知りがいたりするんじゃなかろうか?いきつけのスーパーだろうし。
というかあたえさん。暑いかもしれないが何か羽織るなり何かすればいいのに。
仕方ない仕方ないと思いながら実は見てもらいたかったとかそういう気持ちがあったとか・・・!?

それはわからないが、ともかくたまごを抱えて急いで帰ろうとするあたえさん。
しかしそこを蓮城の総務さんに捕まってしまう。
なるほど。制服を着た生徒が授業中に校外で買い物なんて許されませんわなぁ。
いやいや総務さん。さすがに生徒かどうかぐらいはわかるんじゃありませんか?高校生かどうかぐらいは。
と思いきや土井先輩が高校生に見えますか?と言われると考え込んでしまうし・・・そういう高校生もいるか!!

てなわけで蓮城高校に連れて行かれ生徒指導室まで連行。
たっぷり絞られることとなりそう・・・と思いきや、それどころではない。あまねちゃんと出くわしそうだ!!
さすがにあまねちゃんに見られたら、お母さん何やってんのという目で見られるのは避けられない。
なんとかそれを避けるために暴れてみせるが・・・余計に目立つ羽目になる。
まあ、その際の動きで外せなかったボタンもはじけ飛んだし、これで着替えることができますね!!自宅までは遠いけど。

制服姿どころかはだけて下着まで見えたりしている状況で娘に発見されるあたえさん。
さあ、娘さんに発見され、何してるの?と問われた際の第一声は!?

あたえ「衣替え
あまね「・・・そうなんだ・・・」

衣替えなら仕方ないですね。そんな時期ですもの。仕方ねぇ・・・仕方ねぇ・・・

制服ママ・オブ・ジ・エンドというアオリの通り色々と終わった感じの締めでありました。
うーむ、なんというかまあ、花見の際のことを思えば、こういう奇怪な行動も珍しくはないのかもしれない。
酔っぱらっていたと言えば皆なるほどなーと納得してくれるかもしれません。いつものことだなと。
それがいつものことと認識されるのもいかがと思うが・・・まあ、ある意味似合っていたからいいんじゃないかと。ね。



第28話・あまねつかれる  (2013年 27号)


学校の帰り道か、あまねちゃんが友人たちと歩いている最中、公園でケガ人を発見。
どうやら自転車に乗ってた子供が転んだ様子。スネは痛いでしょうなぁ。可哀想に。
赤くなっている所にハンカチでも当ててあげようとするあまねちゃん。しかしそこに――

触ってはいけません!
ここは祓魔師、蘭堂貴理子にお任せあれっっ!!

なんだか知らないが元気な子が現れた。御札とか持っております。
まあ、鬼とか普通にいる世界ですし祈祷師みたいなのがいてもおかしくはないが・・・?

その子は邪鬼にとり憑かれた可能性があります!だから痛がっているのです!迂闊に触ると乗り移られますよっ!

どう見てもケガして痛がっているようにしか見えませんが。思い込みの激しそうな子だ。
そう叫びながら勢いよく子供とあまねちゃんを中心に魔方陣を描く。
そして真言を唱えだす貴理子ちゃん。

退・鬼・浄・邪!ヒトに巣喰う厄よ災いよ失せ給いッ!!

締めに御札をぺたーんと叩き付ける貴理子ちゃん。
しかしその一連の動きを見た後も痛い痛いよと叫ぶ子供。

コイツ痛ぇ!逃げろー!!

ははぁ。そういう意味の痛いでしたか。はい。まったくもってその通りだと思います。
美穂ちゃん康子ちゃんも全く同じ感想を持っている。さらには初めてではなく、また言われてしまったと語る貴理子ちゃん。
そうか・・・毎回言われているのか・・・まあ、仕方ないよね。
でもそんな痛い子相手でも慰めてみたりするあまねちゃん。おっとちゃんと温めようとしてますな。

貴理子ちゃんの家は神社である。
父は神主としてその力を発揮し人の役に立っているのだが、娘の自分には何の力も備わっていないという。
だから私なりに文献あさって勉強してこうやって実戦で修行しているんだそうな。
ふーむ。実戦で修行はいいけど、そもそも見立てが間違っているのではどうにもならんような。

困った子ではあるが、困った子を放っておけないあまねちゃんはいきなり演技を始める。
さっきまで平気だったのに肩が重い!!どうかしちゃったのかなぁ〜!!
と、わざとらしく演技してみせれば、すぐさま乗って来る貴理子ちゃん。
さっきの儀式で邪気が子供からあなたに乗り移ったに違いありませんと断定しだす。
同じ方法でやってもまた誰かに乗り移るかもしれないと本格的な準備を開始する。
荷物を漁り、服を着替え、出来上がったのは・・・何じゃこりゃ。

神社の娘なんだから巫女服でも用意すべきところじゃないのか!?
どちらかというと僧服に近いような格好になってますよコレ!!というかその顔を隠す紙の本気厚着とはどういう意味なのか!?
いやそもそも、この服がどうやってあの小さなカバンに収まっていたのか。
その部分の摩訶不思議を追及するとむしろ魔法少女なのではないかと疑ってしまう。

あまねちゃんを縛って抵抗できないようにし、その身体にくまなく術をほどこしてもろともに浄化するという。
ほどこす方法は・・・筆。ああ、全身にお経を書くとかそういう話ですか。はいはい。
ちなみに術式を行う前に広げていた文献。それは・・・漫画。安倍晴明とかそっち系ですかね?

やっぱりマンガの見過ぎだったか

なんとも言えない表情になる美穂ちゃん康子ちゃん。
なんでもいいがこの漫画やたらと分厚くないか?実は月刊誌!?

あまね「なんでここまで・・・っていうか、他に方法ないの〜〜!?」
貴理子「こうも暴れる邪気は凶悪。浄化にあたってはまさに念入りな施術が必要なのです。こんな風に!!!」

言いながら服を脱ぎ捨てる貴理子ちゃん。じ、自分の身体に書いてるー!!
ってどうやって自分の身体に書いたんだ!?
というか心頭滅却とか明鏡止水とかはいいが、胸に双丘と書くのは何か色々と・・・別の願望やないかい!!

ゴメン。ここまで一生懸命だと抵抗できないよ。

と、すっかり諦めてされるがままとなるあまねちゃんでありました。あーれー。

空が夕焼けに染まる頃、ようやく施術は完了したらしい。
肩どころかもう何もかもが軽くなったと述べるあまねちゃん。おやおや。

私は蓮城高校1年A組、蘭堂貴理子。人呼んで「凶晴らしのキリ」!お困りの時はまたお申し付けくださいね!

何!?貴理子ちゃんは高校生だったのか!?というか、同じ高校の後輩だったのかい。
なんというか、登場時の頭身が小さかったのでもっと小さい子なのかと思っていました。
そうか、高校生でこれか・・・いや、20歳越えてこれだというわけじゃなかっただけマシと考えよう。うん。
しかしあまねちゃんの背中に書かれているこれは何だ。剛体術に握撃に転蓮華・・・漫画の読み過ぎだな!!

というか、ふとももや腕にまでびっしり文字が書かれていたはずなのに制服を着ると消えるのは何故なのだろうか?
実は全身を肌を露出しているようで何か薄いもので覆っているのか?
と思わせておいて自分への文字は全部シールでしたとかそういう!?
なるほど。それなら手の届きそうにもないところに文字が書けている理由も判明する!!

まあ、深く考えるものではないってことですね。うん。さわらぬ神に祟りなしって話だ。うん。



第29話・あまね何を思う  (2013年 28号)


校庭に集まったあまねちゃんたちが一斉に声を揃える。何だこりゃあっ!?と。
何があったのかと思いきや・・・なるほど。これは本当に何だこりゃだ。

芸術家、土に還る

というアオリと共に、校庭に埋まる土居先輩の姿がそこに。
おぉ・・・体が完全に埋まり、首だけ出しておられ・・・何だこりゃあ!!

ハハァ。スランプに陥っていたので新たな創作意欲を生み出すべく泥に抱かれる道を選んだのですか。ハァ。
だからって何もグラウンドのど真ん中に埋まらなくても。
しかもこの泥。土居先輩の特製で、本人が内側から崩すしか方法がないらしい。
が、何時間もこうしていたせいか衰弱しきっておりほとんど動けなくなっている土居先輩。
ふむ。つまりどうやって掘り出そうかという話でありますか。
まあ、非力な神崎さんでは救出は無理だったんでしょうね。

美穂ちゃんや康子ちゃんが道具を用いて泥を破壊しようとするが上手くいかない。
ふーむ。美穂ちゃんはともかく、康子ちゃんのヌンチャクで破壊できないとは。これは外部破壊は無理っぽいですな。

力技は駄目らしい。ならば霊力の出番ですね!と勇ましく名乗り出る「凶晴らしのキリ」こと貴理子ちゃん。
登場したばかりだというのにすっかりこの変な面子の一員に馴染んで動いているようですな。
まあ、何にしても結果は衰弱した土居先輩にすら痛い子と認定されただけに終わったわけですが。

なかなか上手い方法が出てこない一行。
ならばと副会長であるつららちゃん。高貴に気高く解決すると言い放つ。
気高く泥からどのように救出するのか。その答えは・・・まさかの力技。頭持って引き抜けばええねん!!ぐもー。

みきみきと音を立てて引かれる頭。こりゃ痛い。
結局、地面から抜き切れず、土居先輩の髪の毛がぶちぶちと抜けるだけだったりして、これまた痛い。
どれだけ引き抜いたのか、引き抜いた髪の毛もってるつららちゃんがえらく怖い絵面になっておりますわ!!

てな一連の救出劇が失敗し、残るはあまねちゃんのみとなりました。
とはいえあまねちゃんに一体何が出来るというのか。力技が通用しないのは既に判明してますしなぁ・・・
迷ってぐるぐる回っているところ、早くおし!とつららちゃんに急かされ倒れ、結果土居先輩にヒップアタック。ごき。
なんかすごい音がしましたよ。首がイッたか!?
と思いきや、活力を得たらしく自力で復帰する土居先輩。
何でも神崎さんによればあまねちゃんの尻の温りが土居という乾いた泥を潤す雫となったのだそうな。ほ、ほう・・・

まあ、色々とあれではありますが、無事にスランプという泥沼からも抜け出れた様子の土居先輩。
生まれ変わった気分だぜとやたらとスッキリした顔で述べておられます。
神崎さんと並んでカッコつけてるけど、お前さんら・・・いや、ツッコムのはもはやヤボというものかもしれない。

てな感じで大変なことがあった1日。
帰宅するあまねちゃんは大変だったけど思い出すと笑っちゃうなぁと思いだし笑い。

ホンットみんな、武器持ってるよねぇ〜・・・
私は――・・・・・・あれ?私だけ、何も無い

重要なことに気付いてしまった様子のあまねちゃん。
仮にも主人公なのにこの何も無さはどうしたことなのか!!
なるほどー気づいちゃったかー。こりゃー大変だー。
何やら焦った様子を見せているあまねちゃん。これは何ですか?個性という名の武器をこれから身につける流れかね?
付け焼刃で身につけた個性などたかがしれたものとなりそうだがなぁ・・・

というか、美穂ちゃんもそれほど武器があるような感じはしませんけどね。
あまねちゃんはまあ、あれだ。面倒くさい事例を呼び寄せる体質とかそういうものがあるってことで。
それを自身の武器と認識してしまうのもアレかもしれませんが、まあ色々と諦めてくだされ。



第30話・あまねどこへ行く  (2013年 29号)


私って何だろう・・・みんなはイイ武器もってるのに、私だけ・・・私だけ丸腰――!

何だかすっかり思い悩んでいる様子のあまねちゃん。
ハダカで家の中をうろうろしたりしている。
そして髪止めだけしてそのまま学校に行こうとしたりしている。じゅ、重症だ!!

とりあえず自分の武器について友達に相談するあまねちゃん。
美穂ちゃんは行動力。康子ちゃんは文字通りの武器を持っている。ほぁっ!!
しかしあまねちゃんの武器はと問われると友人であってもすぐには出てこない。ふーむ。
まあ、武器は何かと問われてすぐに出てくる人なんてそういないとは思いますがね・・・
あまねちゃんの周りに濃い子が集まり過ぎなのですよ。

何か自分だけの武器はないかと探して駆けずり回るあまねちゃん。
やってきたのは陶芸部。相変わらずあまねちゃんの像を造るのに余念がない土居先輩。
泥の状態なのにスカートの薄さまでしっかり表現してめくれるようになっているとは・・・なんという技術力か。

どうしてここまでやれるんですかというあまねちゃんの問いに泥論を語る土井先輩。ドロロン・・・
詳細に語ると四半世紀かかるので簡潔に述べてくれます。

万物は泥より出で、泥に帰す
コレが俺の武器といったな。それは違う。コレが俺なんだ――そう俺は泥なのだ!!あとはこの手が勝手に俺をこねている!!
そしたら――コレが出来ているに過ぎん・・・

ふーむ。芸術家らしい話でありますね。
まあ、無意識で造り上げたりしてしまってるぐらいですし、説得力はありますな。
私も向上すれば無意識で感想が書けるようになるのであろうか・・・いや、無理だな。無理無理。

ともかく、土居先輩の言葉はあまねちゃんに強く響いた様子。
私も泥なら・・・泥に触れれば「私」を探せるのでしょうか。土居先輩みたいになれるでしょうかと言い出す。

よくわからんが――なれるさ!!

力強く断言する土居先輩。男らしいわぁ。
まあ、それで武器――個性が見つかるならいいんじゃないですかね。

泥にまみれて辿り着く。これが――「私」!!

そう言いながら造り上げたお皿。この皿は――!!ふ、普通だ。
突っ込むほど下手でもなければ褒めるほど上手くもない。これが芸人殺しということか・・・!!

これといった個性が見当たらない。なかなか不安になる話なのは分からないでもない。
集団に迎合しやすいのに何故か個性を探したがる。人の心とはかくも不思議なものであるのか。

壊れて暴れ出すあまねちゃんを必死で宥める友人たち。
自分探しも結構だけど、そんな顔してるあまねは見てて耐えられないよ!とのこと。

そう――あまねの武器は笑顔なんだよ
特技とかなくったって・・・あまねの何気ない笑顔やしぐさにみんな元気を貰ってるんだよ。
名前のとおり、あまねは周りのみんなをあたためてるんだよ!

ほう。これぞあまねあたためる。タイトル通りの話でありますな。いや、いい結論だ。と思いきや――

知らないよ!そんなのどうだっていいよ!!

主人公自らがぶった切ったー!!
タイトル全否定。あの頃のあまねちゃんはもういない?

うむ、まあ自分で笑顔が武器なんだよとか自覚しちゃうのもどうかとは思いますしねぇ。
自覚せずとも笑顔が周りを温めるというのがコンセプトでありましょうし、そう考えるならこの流れは悪くは・・・悪くは・・・
そもそも笑顔を失っているじゃないかという根本的なダメさがありましたな。
果たしてあまねちゃんは笑顔を取り戻すことができるのか!!
これがダメとすると、どんな個性を見つけるのか見当もつかないぜ。



第31話・あまねくらいつく  (2013年 30号)


私立蓮城高校の中庭。掃除によって集められたゴミが燃えています。
おやおや落ち葉焚きですかね。暑い最中だというのにご苦労なことですな。
いや、どうやらそういう話ではない。
山火事の原因として稀にある、雨粒を透過した日光によりレンズの要領で物が焼ける自然発火が発生したらしい。
うーむ。恐ろしい話ですな。これは急ぎ消化しなければいけない。

というわけで、何故か火の前で消火器を奪い合って争う2人の少女の姿がここにありました。な、何してるの!?

生徒会副会長の銀つららちゃん。
いつも通りの目立ちたがりを発揮するためにもこういうアピールポイントは外せない。
そのつららちゃんと争うのはあまねちゃん。
普段はつららちゃんに争いを仕掛けられる立場なのだが、今回は逆に争いを仕掛けに言っている。
それもこれも全ては自分の個性を手にするため!!
彼女にはつららちゃんのような肩書も経歴もない。しかし、だからこそ譲るわけにはいかなかったのだ!!

常にない気迫を見せるあまねちゃん。
0の自信を1にしたいその渇望が力となっているということでありましょうか。
持っている部分が良かったとはいえ、あのつららちゃんから消火器を奪い取ることに成功するとは!!
しかし、一気に引き抜いたことでつららちゃんの鋭利なヒジがあまねちゃんの顔面を捕える。

「宙を舞う」「背中から落ちる」「顔を痛打する」
KOとはそんな一瞬かつ極端な非日常より生まれることが多い。
無論、温周が日常において人中への衝撃に慣れている訳がなく、KO。因みに偶然である。
かくして消火器を手に入れたのは――銀つらら!

栄光の鎮火を迎えるために消火器を構えようとするつららちゃん。
しかしテンパったたためにロックオンする前にレバーを握り、ちょっと飛ぶ。と・・・飛ぶんだ!?
なんだかこれはこれでシュールな光景として評価を受けそうな気はしますな。

そんなことをやっているつららちゃんに襲い掛かるあまねちゃん。
しかし冷静さを取り戻していたつららちゃん。冷静にあまねちゃんに消火器をロックオン。浴びせかける。
ひ、人に消火器を浴びせるのは・・・泡だらけでエロいですねってことにもならないですし!!
まあ勝負の世界は非情ってことなんでしょう。栄光を掴めるのはただ一人なのだ!!

しかし、あと一歩というところで消化液が尽きてしまう。おやおや。せっかくの栄光が・・・
と思ったところで奇跡が起きる。
消化液にまみれてもんどりうったあまねちゃんが炎を鎮火してしまう。
そう――コロコロカーペットが無数の毛埃を取るが如く――!
そしてそのまま転がり、側溝にスッポリとはまるあまねちゃん。
結局、生徒から称えられ、栄光を手にしたのはつららちゃん一人となったのでありました。

しかしその栄光の影に、傷つき倒れた真の英雄の姿があることを私たちは忘れてはならない――・・・

うむ。あまねちゃんの活躍がなければ炎は・・・普通に消火器で鎮火されていたでしょうな、うん。
ま、まあ身を呈して自らの身をあたためつつも鎮火するなんて普通はできないことですしね!!
友人たちもちゃんと見ていてくれたよ、その活躍を!早く忘れてあげて!!

一体あまねちゃんの自分探しはどこまで深まっていくのか。
色々と可哀想になってくるのでどうにかして欲しい!!
これはもう、空手を学ぶなり葬兵術でも身につけるしかないのではなかろうか・・・!!

しかし今回の全編モノローグは新しい試みですな。
サイレントは前にやったばかりなので、また違った方法で攻めてきたということですか。
色んな手法を見せて行って頂きたいものであります。



第32話・あまね抜く  (2013年 31号)


今日も自分の武器を求めて過ごすあまねちゃん。
すっかり自分探し少女というキャラ付けが身につきましたね。ある意味それが個性になっている!?

意外に健脚なあまねちゃん。早歩きで登校。
しかしそのあまねちゃんをさらりと追い抜く陸上部の末北君。
さすがに陸上部。気のない様子で歩いているのに速い速い。

早歩きなのにあっさり抜かれちゃった。いいな〜〜。抜かれちゃった。いいな〜〜〜。
なんだろう。ムカつく!

おっと。かつて抱かれたのとは逆の想いが沸いてきたようですね。
前に追いかけられたときは何故だかわからなかったあまねちゃんでしたが、これはいい機会かもしれませんな。

一時怪我をしてやる気を失っていた末北君。
怪我は完治し、今では部内にも追いつける人はいないぐらいの速さを得ている。
のだが、どうも最近タイムが伸び悩んでいる様子。ふーむ。壁に当たった感じですかな。

そんな末北君を早歩きで追い越してみるあまねちゃん。ふんっ。
しかしあっさりと抜き返される。おやおや。
しょうがないのでさらに速度をあげて追い抜き、全力のドヤ顔。ふふん!!

この態度が――というより、抜かれたこと事態が末北君の癇に障った様子。
ハンドポケット状態から手を抜き、軽く駆け出す末北君。さすがに抜き放つと速いな!!
とはいえ、さすがに陸上部の人間が素人相手に本気を出すのも大人気ない。
カメを相手にするウサギのような余裕を見せる末北君でありました。

ならばとカメのあまねちゃん。鞄を投げ出し、裸足となって末北君を追い越す。バカな!?学校に行くのに素手だと!?

上等だ。本気でやってやるよ!

ウサギを狩るのに全身を出す獅子・・・いや、チーターと化す末北君。
陸上部でも敵のない男が本気の走りを見せてきたぞ!!
途中で鞄をも投げ出すほどの本気。しかしそれでも前を走るあまねちゃんはかなりの健脚に思える。

そっか。俺は――自分のタイムばっか見てて、誰かと競り合うのを忘れてた。
「競技」だろが。ムキにならねーでどうする!?
その背中をとらえろ!くらいつけ!抜きつ抜かれつの中で俺は――俺を超えるんだ!

鞄どころか服まで脱ぎだす末北君。それはいけない!!
と思いきや、中にランニングと短パンを着ていた様子。用意のいいことだ。
しかし逆に言うとそこまでしないとあまねちゃんを抜けなかったということなのだろうか?
なかなか熱い勝負が出来たみたいでよかったですな。

取り戻した!今の俺ならタイム伸びる気がする。アイツが思い出させてくれた!
ありがとよ。温―――!!

感謝の声と共に見えないテープを切ろうとする末北君。
その足に見事なタックルを決めるあまねちゃん
おぉ・・・小さな亀が巨大な恐竜に進化したぞ・・・!!いやいやいやいやいや。

まあ、走りでの勝負だなんて一言も言ってませんものね。
どんな手を使おうが先に辿り着いたものの方が勝ちなのである。え?そういう勝負何だっけ?

色々と見失っているあまねちゃん。
まあ、必死になれるというのはいいことだと思いますよ。うん。
何だかんだで末北君も壁を破ることができたみたいですしね。
本大会での末北君のタックルに期待である。いやいや。



第33話・あまねどこにいる  (2013年 32号)


生徒会長絶体絶命!!
校内球技大会ドッジボールで最後まで生きのびた神崎さん。
しかしその命も風前の灯火。
なんせ相手の3-Bの相手はあの強豪として名高い蓮城高校空手道部の主将と副主将――伊奈光さんと細野純也さんだ!!

ううむ。蓮城が舞台になったのだしいつか出てきてくれるのではとは思っていたが・・・
こいつらもキャラの立った連中であるし、色々と活躍してくれそうでありますね。

全校生徒のデータは頭の中にあるという神崎さん。
とはいえデータが頭にあればなんとかなるというものではない。
まさに解析すればするほど勝てる気がしないという状況だ。
追い込まれてから解析するんじゃなくて事前に調べておくべきでしたね。
球技大会の前日に伊奈さんの母親に連絡して朝食をカツ丼にしてもらい、胃をもたれさせるとか。

顔面にボールを受けてダウンしそうになる神崎さん。
しかし校舎で戦いを見守るあまねちゃんの姿を見て奮起しだす。
よい根性だ!!しかし捕らなくても顔面セーフが適用されたんじゃないんですかね?
まあ、あまねちゃんを見なかった場合、普通にノックダウンしてたかもしれませんが。

自分の頑なな心を温め溶かしてくれた人のために戦う神崎さん。
その心意気が胸を打つのか周りの観客は神崎さんを応援しだす。細野さんたちとしてはやりにくい空気ですな。
しかしそんな空気にも動じず、むしろ感嘆の意を示す伊奈さんは大人である。外見通りに大人である。

ここは悪役に甘んじようじゃないか。ただ、どうせ演じるなら全力だ!!

殺人蜂の一投が神崎さんの腹を貫く。
捕ってくれという仲間の叫び。
しかし、既に神崎さんは意識を失っていた。それでも立ったまま、最後まで捕球しようと努めていたという・・・

感動的な試合内容。勝利した伊奈さんもいい試合だったと褒め称えてくれる。
また戦ろうぜという細野さんのセリフは否定された上にそんなこと呼ばわりされちゃいましたが。
まあ、それも仕方がない。自分が頑張れたのは見てくれていた人がいるからであり、その人にお礼を言わないといけない。
予備のメガネを取り出し、校舎へと駆ける神崎さん。
その瞳が捕えた姿は・・・蓮城高校陶芸部、土居修峰!!お・・・オマエかーいッッ!!

さすがに友人のことをよくわかっているというかなんというか。
ちゃんと右側の髪飾りがつぎはぎになっているあたり細かいというかなんというか。
空手道部の2人が出てきたのも嬉しかったが、それ以上に反則な感じのオチに撃沈されかけた。
なんというか・・・楽しいなぁこの男どもはよ!!



第34話・あまねおどろかす  (2013年 33号)


ドキドキの夏イベントであるきもだめし大会
しかしあまねちゃんは楽しむよりも全力で怖がっている。
どうやら参加する側ではなく脅かす側らしい。
暗い墓場でずっと待機と言うのは確かに怖いかもしれませんなぁ。

しかし一緒に居るのは貴理子ちゃん。
得体の知れない物は私の専門というぐらいだし、こういう時は頼りになる子である。
ともかく騒がしいので怖さも紛れるってものですよね。
しかし紹介文にまで痛いコと書かれるのはさすがというかなんというか。

もう一人の脅かし役は田中さん。
身長は高めですが年上の方だったりするのでしょうか。

ともかくそんな3人で肝試しのラストポイントの脅かし役を務めることとなる。
ラスボスということで頑張って脅かさねばと気合の入る貴理子ちゃん。
まあ、雰囲気のある場所ですからね。ふらっと現れるだけでもなかなかに怖い。
で、1度うまくいったものだから調子に乗り出すあまねちゃん。

っていうか何かスッとするよ・・・!?

このところ自分探しで迷いを抱えておりましたからなぁ。
自分にも与えられた役目――脅かし役が出来たというのが嬉しい様子。

というわけで、血のりをつけて木から落ちてみたり恨み言を叫んだりとノリノリな調子のあまねちゃん。
どっかの会社の営業さんらしい人も驚いておりますわ。

心からのシャウトが怨霊のリアリティを出している。なかなかの才能だ。
貴理子ちゃんに天才かもと褒められるあまねちゃん。
おかげで物凄い鼻高々になってしまう。にょき。
しかし将来の夢がないよー!!という叫びはなんというか凄い物悲しくて困る。

最後にやってくるのは知った顔。何と保くんと花ちゃんである。
ふむ・・・これは危うい。白兵戦に持ち込まれたら勝ち目がないぞ!!
いや、オバケが白兵戦を気にするというのもどうなんだろうか。

ともかく、最強の敵には最強の怨念をぶつけることとする。
そんなことしなくても結構ビビリな花ちゃん。普通に驚かしても十分だったようですが・・・

貴理子「見せつけてんじゃないよー
あまね「こっちが寂しいよー
田中「男ほしいよー

そうか。それが最強の怨念でございましたか・・・
確かにイチャついてんじゃねーよと言いたくなるのはわからないでもないですが。

心を折った!と思いきや、果敢に攻勢に出てくる花ちゃん。
怖がって固まるような子じゃありませんでしたね。
タックルをくらって墓石に頭をぶつけてダウンする田中さん。死ぬで!?
マウントをとられてべすべすと仕留められる貴理子ちゃん。
そして音付きのサンダルでからくり按摩弐式を決められるあまねちゃん。うーむ死屍累々。
酷い目にはあったが、まあ驚かすという目的は達成できたのだし結果オーライですかね。

すっかり自信をつけて鼻高々のまま固定されているあまねちゃん。しばらく折れませんよ!とのこと。
そんなあまねちゃんの前で家に帰る田中さん。
なるほど。確かに家は近いですな。というか目の前でございますな。
目の前の墓へと消えていく田中さん。ほほう。これはこれは・・・うむ、そりゃあまねちゃんの鼻っ柱も折れるさ!!

まさかのオチ。いや、鬼が普通に出てくる世界ならこれも予想して然るべきであったか!!
でもちょっと安心した。既に死んでいるなら墓石に頭をぶつけても平気ですよね!!全然平気そうじゃなかったようには見えたけど。

それにしても田中さんは男関係に未練があるのでしょうか?最強の怨念があれであるし・・・
今後の出番があるのならばそっち関係で温まる展開があるかもしれない。期待しておきますかな!!



第35話・神崎もがく  (2013年 34号)


俺の一挙手一投足は全て生徒のためにある。なぜなら俺は――生徒会長なのだから――・・・

体が弱いくせに暑い最中働く神崎さん。
その神崎さんが発見する尻。ダクトにひっかかって出られずにいる女子の尻であった。

どうやら自力脱出は不可能な様子。引っぱって出してやろうとするが触ると暴れ出す。
これは会長、掴むところを間違えたということだろうか。でも力こめて引っ張るならその辺りになりますよね。

長いダクトなので反対側から迎えるのは不可能。
というわけで、途中からノコギリで切断することになる。中にはまっている人は響いて大変そうだ。
でもなんとか空中に浮かんではまっている状態から地上に降りることができた。
それに反対側から覗き込めば誰がはまっていたのかわかる状態にはなった。
そしてこんな状況になった理由は迷い込んだ猫を助けようとしたためである。

!こんなことする心優しき間抜けぶり・・・温か!?

勢い込んで覗き込むが、はまっていたのはつららちゃんでありました。神崎さんしおしお。
目的の相手ではなかったがまあ、生徒を救うという役目は果たせた。
とりあえずここを出ようという神崎さん。
が、反対側から体を入れたら神崎さんも出ることができなくなったらしい。何やってんだか。

というわけで、短いダクトの両方に上半身を突っ込んだ奇怪な生物が誕生した。
外から見ると四本足と胴体のみの非常に奇怪な動きをする生物だ。怖い!!
そんな状況で校内に入ってきて暴れるなよ。

生徒会として恥ずかしい状況。ここは力を合わせて何とかしないといけない。
と思ったがダクトは密閉空間となっており、つららちゃんが酸欠で苦しそう。
おや、会長体弱いのにつららちゃんより長持ちしてますのね?
弱い分だけ呼吸に使う酸素が少ないエコな体の持ち主なのかもしれない。

何はともあれ、今こそ生徒会長としての意地を見せるべきとき。いや――

生徒会長ではなく、一人の漢として!!

二足歩行に進化し、振り回すことでつららちゃんをダクトから放り投げる神崎さん。
うーむ。相変わらず心が定まるととんでもない力を発揮する人である。

オチはせっかく空いた方に心配して自らはまりこむあまねちゃん。エンドレス地獄!!
とのことであるが、密閉空間で好きな子といられるのだし、神崎さんにとってはご褒美のようなものではなかろうか。
いざとなったらまた頑張ってもらえばいいわけですしね。



第36話・あまねトぶ  (2013年 35号)


セミのおしっこの話。おぉ、1話目を踏襲した話がやってきましたね。
それはいいのだが、木の枝に乗った憂い顔の少女。キレイな構図なのに凄く台無しなことを考えているあまねちゃん。
まあ、生理現象ですし仕方ないと言えば仕方ないのだが・・・全くこの子は!!

夏が私を解き放つ。バーサス尿意

えらい表現がされているあまねちゃん。
どうやら弟におだてられてスルスル木に登って降りられなくなった様子。パンダか君は。
最近のあまねちゃんはおだてられるのに弱い様子。
しかしおだてられれば結構な力を発揮するというのも面白い特徴といえますな。

ハシゴか何か探すためにいなくなる保くんと花ちゃん。
耐えきれなくなってきたあまねちゃんは人目につかないウチにここでやっちゃうかとか考えだす。追い詰められているなぁ。
確かに人目にはついていないが、少し離れた公園の内部には子供たちがいたりするというのに。

おあつらえ向きな形の洞を発見。
あそこに座れば人間様みたいにできるかもしれない。
いや、座ればいいとかいう問題ではないような気がするのですが・・・
そもそも問題は隣の木であるということ。
降りれなくなっている現状でどうやって隣の木に移るのか。
まあ、追い詰められているこの状況では四の五の言っていられない。私はセミになる!!

気合を込めて突きだしている枝に飛び移る。
が、先の方は細く、体重をかけるとぐにゃーとしなる。
これは途中で折れたら間違いなく落下する。
が、その前にあまねちゃんの足が地上に到達。飛びあがることで反動で見事に隣の木の上に到達した!やったね!!ミラクル!!
って下まで到達していたなら手を離せばよかったのに。まあ、そういう判断をしている余裕はないか。

木の洞は小鳥の巣になっていて結局用を足すこともできないあまねちゃん。おやおや。

雨はまるで空のおしっこのよう。大自然はしたい放題と嫌なことを考え出すあまねちゃん。
そのおかげでゲリラ豪雨が発生したりしている。イヤミか貴様!!

いや、チャンス!!
音はバレないし、ズブ濡れになってしまえば洗い流せる・・・!
やってしまおう。直立不動で。天を仰いで――

色々と覚悟完了なあまねちゃん。
しかしゲリラ豪雨は止むときも突然である。
光のさす青空。しかし車も尿も急には止まれない。
結果あまねちゃんは人間様をやめてセミになることに・・・・・・

やたらと恍惚な顔になっているのがまたなんともいえない。
まあ、保くんにはバレていない様子であるが・・・色々と大変な体験でございましたな!!
もう次のゲリラ豪雨が来るまで樹上で待機していたらいいんじゃあるまいか。



第37話・つらら立ちはだかる  (2013年 36+37号)


何やらとても不満そうなつららちゃん。面白くありませんわ!
何事かと思いきや、どうやら土居先輩があまねちゃんの像ばかり造っているのが気に入らない様子。
こんなに美しい私をさしおいてあの子ばかりモデルに選ばれるなんて不愉快ですわ、とのこと。ふむ。

俺は気のまま意欲のまま――この手が勝手に造ってるに過ぎん

そう語る土居先輩。さすがでありますな。
ならばとその手に直談判をするつららちゃん。私を造りなさいとのこと。
西洋の神話に出てきそうな優美なのが御所望の様子。
まあ、依頼されたとあらばそれをこなすのも職人の務めでありますな。やってみようと返答する土居先輩。

フフ・・・これでもう一人の美しい私ゲットですわ。誰にも邪魔はさせませんわよ!

陶芸部の前で腕組して立つつららちゃん。何だか可愛い。
通りがかった神崎さんを邪魔とばかりに倒し、一度様子を伺うために中を覗く。
が、座った状態で指一本動いていない土居先輩。おやおや。
あまねちゃんのはスッと造れるが、つららちゃんの像に関してはなかなか腰が重い様子ですな。

自分自身が「美」を感じないとこの手は動かない
そう述べるが別にただ座っているというわけではない。
一度引き受けた以上はイイ物を造る。そういった使命感は確かに存在している土居先輩。
よく見れば・・・本気で戦っている、悪戦苦闘している姿が浮かんで見える!!これがリアルシャドー・・・!?

どこまでも職人な土居先輩は泊りがけで制作に励む。
ならばとつららちゃん。その意気に答えて邪魔が入らないようにしようと頑張って陶芸部の封鎖を行う。
差し入れ用のカレーを作ったりと気合満点でありますな。
しかしカレー銃はなかなか危ない。普通にヤケドしそうだ。

最初はワガママで自分の像を造らせようとしていたつららちゃん。
しかし土居先輩の本気を見てしまった以上、その想いは変化を見せている。
今は――ただ――その本気を護りたい!!

勇ましく戦うつららちゃん。友の解放に動き出した神崎さんはボコボコにされるのでありました。弱ェッ!!
その様子を窓から伺い、笑みを浮かべる土居先輩。お、何かを見出した様子ですな。
そう、「美」さえ見出せば土居先輩の仕事は速い。
しばらくして出来上がったその像は・・・えっらい逞しい・・・

女戦士(ザ・ヴァルキリー)俺が辿り着いたお前の――「美」だ

確かにつららちゃんにはピッタリな感じがしますな。
単純な美ではない。戦うものの美しさ。ズレてはいるが一生懸命なのは間違いありませんからねぇ。
つららちゃん自身もどうやら気に入った様子。
しっかりとこの像は生徒会室に飾られることとなったのでありました。
まあ、確かに依頼通り西洋の神話に出てきそうな像ではありますものね。
しかし跨っている馬のモデルが・・・まあ、確かにそんな場面を目撃していたわけであるが・・・神崎さんも大変だな!!



第38話・あまねのようになる  (2013年 38号)


姉弟で対戦格闘ゲーム
それほど強くないとはいえ一緒に遊んでくれる姉というのはなかなか有難い存在である。
そして何だかんだで一生懸命になるあまねちゃん。
うかつな約束をしてしまった保くん、まさかの敗北で明日はあまねちゃんの代わりに制服を着て高校に行くことに・・・

というわけで、小学生男子の一日女子高生ライフが展開されることとなります。どうしてこうなった。
漢の約束だ!やってやんよ!!と漢らしい発言をする保くん。しかしその格好で言われても・・・どうしてこうなった。

保くんは声はあまねちゃんによく似ているとのこと。
制服もしっかり入るし同じタイプの眉毛だしつけ毛もしてますしこれならバレないかもしれませんね!!
いや、どう考えてもサイズが違うだろう・・・ああ、痩せたのか。それなら・・・納得するかーい!!
友人たちに手をひかれて歩く姿が捕獲された宇宙人のようである。

授業は理解るワケがないのでずっと寝たフリで過ごす。
座っている状況なら先生も気づきはしないか。

そして昼食は高校生の群れの中、足元をくぐりながら購買へと向かう。
しかしそれで容易く手に入れられるほど高校の昼は甘いものではない!!
うーむ、何でこんなにパン派が多いのだろうか。地味に不思議だ。

コミニュケーションも最小限にし、なんとか1人の場所を見つけて過ごす保くん。
こりゃまさしく敵地に潜入してバレないように過ごすスパイ軍人のようでありますな。
ゲームのようなものだと考えると少し楽しくなる。保くんのやる気も上がってきたようだ。
だがそこに襲い来る最大の試練。それは・・・尿意!!
さすがにこの格好で男子トイレに入るわけにはいかない。自殺行為だ。
ならば女子トイレに入ればいいんじゃない?と思わないでもないが漢としては非常に躊躇われる行為でありましょう。

しょうがないのでここで済ますかと立ち小便開始。ちぼぼぼぼぼ。
しかしよりにもよってつららちゃんに発見される保くん。何でよりにもよって・・・!!
しかもつららちゃん気付いてないみたいだし。しっかりあまねちゃんと思ってるみたいだし。
こりゃー口封じも兼ねて仕留めるしかありませんわな。

というわけで草むらから不意を打って仕掛ける。その技は――からくり按摩俺式!!

ついに保くんがからくり按摩を身につけてしまった!!
男子が女子に決めるというのはかなり色々とアレでありますが・・・まあ、理解はしてなさそうですし・・・うん。
しかしつららちゃんが何とも幸せそうな顔で倒れているのが気にかかる。あまねちゃんとの仲が変な方向に発展したらどうしよう!!

というわけでどうにか1日を乗り切り帰ることが出来た保くん。ミッションコンプリート!!
スパイ向いてるんじゃないの俺と自画自賛する保くん。
いやいや。最初に友達と会った時点でバレてましたから。さすがに。大変だなぁ。弟ってのも・・・

指摘しないで見逃してあげたのは優しさなのかどうなのか。非常に微妙なところであります。

と、今週もあまねちゃんを楽しんだわけでありますが、信じられない訃報が。
亡くなられたのは8月13日でありますが、遺族の意向も踏まえて遺稿を掲載するとのこと。
次回までは読めるということでありますが・・・なんとも悲しい。
佐渡川準先生のご冥福をお祈り申し上げます。本当に惜しい・・・



最終話・あまねそこにいる  (2013年 39号)


ひとつの街で今、歴史が動こうとしていた!
数多抗争を繰り返し、近隣の高校を手に入れていた東の黒菱高と西の鬼瓦高。この二強が遂に激突したのである。
しかし黒菱のトップ尾瀬沼が事故り戦線を離脱。勝負の行方は代役の拳に委ねられた。
そして――城島真理也。その最強伝説の幕が開かれたのである。

拳で拓くオトコ道!!男率100%!!ボッコボコ不良活劇!!
なんていうアオリが入っていますがこの作品は間違いなくあまねあたためるでございます。

二強の代表選を制した城島。これで街のトップと呼ばれることとなる。
しかし本人はそういう評価には興味がない。二強がぶつかりいらぬ血が流れることのないようタイマンをしたのだと述べる。
ふーむ。なかなかに男らしい方でありますなぁ。
自身の今の姿を見たら親が泣くわなと分かってもいる。しかし自分にはこの拳しかないとも分かっている。悩ましい年頃ですな。

タイマン帰りの傷ついた顔で道を歩くと、道路の真ん中で死んだフリしているあまねちゃんが発見される。何してんだ?
ははぁ。熊が出たから死んだフリでありますか。いや、街中にいきなり熊なんかでねえよ!!
と突っ込んでみようと思ったが街中にいきなり鬼が出る漫画だった。熊が出てもおかしくはないか。
というか、城島さんの姿を見てギャー熊!!と驚くあまねちゃん。まあ、これは仕方がないな。

ちゃんと人間であると認識したあまねちゃん。怖がっていたのも束の間、傷の手当てを行ってくれます。
相変わらずこういう優しさは持ち合わせている子でありますなぁ。

どうやらあまねちゃんは買い物をしようとして道に迷ってここまで来たらしい。
蓮城の名を聞いても聞かない高校だという反応の城島さん。どんだけ迷ったんだよあまねちゃん。

城島「よく聞けウサギちゃん
あまね「なんですかクマさん

何だか知らないがいいなこのやりとり。お互いの特徴が出ている上に小粋な呼び方に聞こえる。
それはさておきクマさん、いや城島さん。この街は危ないからとっとと出てけと忠告する。
まあ不良の街みたいですし、女の子が1人でウロウロするようなところじゃないですわな。
しかしあまねちゃん、卵は買って帰らないといけないと述べる。
なるほど、近所はどこも売り切れだったから迷いに迷ってここまで来てしまったわけであるか。

その話を聞いた城島さん。自らの足で卵を買いにスーパーへと向かう。
しかしそのスーパーの側には敵対している鬼瓦高校があった。
手を出すことなく、俺の負けだ。見逃してくれと述べる城島さん。迫力勝ちはしているが負けは負け。
こうして城島真理也の最強伝説は幕開けと同じ日に謎の幕引きとなるのであった――

傷つきながらも卵を買ってきてくれた城島さん。
あまねちゃんはお代を払いながら感謝の気持ちを伝える。ほんっと。助かりました・・・!!
その表情を見て嬉しく思う城島さん。こんな拳ふるわなくてもあんな顔されんだな。悪くねぇ・・・と。

なんだか久しぶりに男の子を温めたあまねちゃん。
そして温められた城島さんはあまねちゃんを追ってか蓮城高校へと転校してくる。って下級生だったんかい!!

うーむ。何とも濃いキャラが現れたものである。
でもせっかくだからいい青春を送って欲しいものですね。

というわけで、あまねあたためるはこの回を持って最終回となります。
今回の分までをまとめて単行本の最終巻3巻は11月8日に刊行されるとのことです
これまでの長い間、佐渡川先生の作品を楽しませていただきました。ありがとうございます。
最後にもう1度、佐渡川先生のご冥福をお祈りさせていただきます。



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