蒼天紳士チャンピオン作品別感想

少年ラケット
SPIN.1 〜 SPIN.15


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 各巻感想

1巻 2巻

連載中分

少年ラケット 1巻


SPIN.1/始まりは再び  (2015年 26号)


新人まんが賞出身の気鋭、掛丸翔先生が新連載!!
読み切りで好評を博した少年ラケットがついに連載であります。

19世紀英国で生まれた紳士淑女の遊戯、卓球。手軽な"娯楽"として世界中に広まった。
その一方で"競技"としての卓球は高度にそして美しく進化した!!

紳士淑女の遊戯。何とチャンピオンらしい甘美な響きか。
しかし現代卓球の激しさはただ甘いだけではない。

"卓球とは100m走をしながらチェスをするスポーツである"――荻村伊智朗

この言葉が示す通りの激しさと知的さを少年少女たちがどのように見せてくれるのか。楽しみであります。

まずは2年前の話。
天才卓球少年と称される如月ヨルゲン君が苦戦している。
それも大会に出たことすらない、親とお遊びでやっていただけの少年相手に。
相手の、ヘラヘラしたと言われる可愛い感じの少年は日向伊智朗君。
確かに楽しそうな感じであるが、緊張が高まった時には厳しい顔も見せている。ほほう。

そんな激しい卓球の話も過去のこと。
今のイチロー君は何故か野球部に所属している。あまり向いていない感じなのに。

イチロー君の父親は男手一つで彼を育てていたらしいのだが、1年半前にアパートの火事で亡くなられたらしい。
その際に記憶も失ってしまったイチロー君
自身のことも含め、以前のことは何も思い出せないまま、遠い親戚のおばさんの元へ引き取られたという。
ふうむ、1年半経っても何も思い出せないのか。
まだ幼い身であるし、忘れても影響は少ないという考えも出来なくはないが・・・親との思い出も無くなるのは問題ですなぁ。

過去ではなくこれからのことを考えようとするイチロー君。
しかしそれはそれで悩みが出てくる。
まんべんなくだめっ子。そのように評されるのはどんな気持ちであるのか。
クラスメイトの宮原愛ちゃんは優しい言葉をかけてくれますが、こればかりは自分の自信に繋がるものですしねぇ。
何か一つはこれというものが欲しい。求めてしまうものであります。分かる。

友人である内田くんが言うように、イチロー君にはいい笑顔がある。確かにそれは武器にならなくもないですな。
まあ、その笑顔もどこか無理してる感じと分析されちゃったりしてるわけでありますが・・・うーむ、ままならないねぇ。
ところでこの内田くんは宮原ちゃんのことが気になっているようですが・・・うむ、若い若い。

若者であるイチロー君はラジオのお悩み相談に投稿したりしている。
番組特有の笑いを交えたノリであるが、しっかりと相談には答える感じでいいですな。
とはいえ、さすがに両親がいないとかそういう情報は聞かされていなければ分かるはずもなく、か。うーむ。

自分のことや人との思い出は忘れてても知識や体の動かし方は覚えているはずと医者は言う。
だから色んなものに触れてるうちに何か思い出せるかもしれない。
そう思ってはいたのだが、1年半が経過しても何も思い出せないイチロー君。
卓球の記憶なんて、それこそラケットを握らなければ出てこないものでありましょうなぁ。
反復横跳びが得意なのはヒントなのだろうけど、そこから卓球に繋げられる人はそうそういないか。

さて、現在のイチロー君の通う中学校の卓球部は宮原ちゃんのお兄さんが復興させた部らしい。
そのこともあり、色々と手伝いをしている様子の宮原ちゃん。兄思いのいい子ですなぁ。
近くに卓球というキーワードがあるわけですが、イチロー君の記憶はどうなるか。刺激されてはいるようですが・・・

宮原ちゃんが忘れていった卓球の道具を勝手に使って遊ぼうとする男子たち。もー、しょうがないんだからー。
しかしこの遊びがいい方向に転がりそうな雰囲気である。
ラケットを使ってのリフティング。他の子らが脱落する中延々と続けることができるイチロー君。

溶けるようなリズム。まるで・・・心臓の音みたいな――

単調ながらもそれが凄く気持ちよく楽しい様子のイチロー君。
その笑顔は本当の意味でのいい笑顔となっている。ほほ・・・
そして続いたリフティング――玉突きの回数は驚きの1万5千86回。これは確かに自慢できることであるかもしれませんな。
ずっと2時間の間続けており、宮原ちゃんが来なければおそらくもっと続いていたと思われる。
この集中力、というか没入力は特徴の一つでありましょうか。

ちょっとしたイチロー君の変化に気付くおばさん。なかなか良い感じですな。
引き取り先で厳しい目に遭ったりしてないようで良かった良かった。

さて、宮原家ではお兄さんにイチロー君のことを話している宮原ちゃんの姿が見受けられる。
ううむ、何というか随分とポエマーな感じのお兄さんですな。格好良さげではありますが。
そして実力者な雰囲気は漂っている。ふむ。

イチロー君はラジオに得意なものが見つかったということでラケットでのリフティングを上げてみる。そこだけ切り取っちゃったか。
まあでもこれを皮切りにしてくれればいいってことですよね。
一つ見つければ次の出会いはきっとすぐ見つかるラジオでもそう言ってくれている。励みになるなぁ。

さて、翌日。
学校の卓球部にはよその学校の卓球部が練習試合を行いに訪れている。
この10年。常に全国トップに君臨する名実ともに日本最強の私立――紫王館!!
一軍のSランクはもとより、三軍のBランクでもそのほとんどは全国ホープス(小6以下)出場レベルであるという。
うーむ、近隣に強豪がいるのは有難いとも言えるが・・・全国狙う場合はこの上ない障害になるなぁ。

ちなみにその紫王館のAランクには金髪の少年――如月ヨルゲン君の姿がある。
去年の全日本選手権ホープスの部で優勝、カデット(中1以下)の部ではベスト8入りを果たしているという。
ううむ、その成果を持ってしても1年でいきなり一軍ってわけにはいかないのか。紫王館の壁、恐るべし。

ヨルゲン君の相手をするメガネの選手も個人で県大会にいけるだけの実力者。
であるにも関わらずレベルが違いすぎると思わせるだけのプレーを見せるヨルゲン君。うーむ。凄い。
しかしそんなヨルゲン君を負かしたのが昔のイチロー君。
その敗北をバネにして変わり、強くなって日本一の学校に入ることが出来たのだとヨルゲン君は語る。

それでも上には上がいる・・・だから先に進みたいんだ。なのに――

敗北した際にイチロー君から渡された友達のしるし
その際にイチロー君。大会に出てヨルゲン君と再戦することを約束していたそうな。
もちろん今ではそのことも含めて記憶は綺麗さっぱり消えてしまっているわけでありますが・・・

約束を果たさない限り、この友達のしるしは同時に敗北の証でもある。
これを抱えたまま前に進むことは出来ない。だからこそイチロー君の姿を探し求めるヨルゲン君。
悩んだ末にラジオ番組に投稿したりしているという。君もかよ。変なところで似た者同士でありますなぁ。きっちり。

なかなか難しい悩みにも面白い解答をしてくれるラジオ。
かなり例外的な事象なのに当たりを引いて見せるとは・・・やりますなぁ。
何にしても元気づけるのがこういう悩み相談の役割でありましょうし、時が解決するというのはいい落としどころかもしれませんな。
多用するのもどうかと思いますが。ネタ的には天丼でありか。

いつか会える・・・一昨日言われたようにそういうものなのかもしれない。
確かに世の中には偶然が溢れてる。あの日の出会いだって偶然に他ならないし。
少なくとも今のボクに本格的に人探しをする余裕はない。
偶然を待つだけ・・・運命を信じることだけがボクにできる唯一の――

運命を信じる。その信じた結果が今目の前にやってくる。
全く思わぬタイミングでの再会を果たし、驚きを隠せないヨルゲン君。ハッハッハ。
さてさて、過去のイチロー君を知る彼との再会はどのような展開を引き起こすのか。
本格的な卓球の始まりとなるのか。期待したいところであります。



SPIN.2/持つべきものは  (2015年 27号)


思わぬ出会い。敗北。そして友達となり再戦の誓いを果たしたあの日。
自信と殻を打ち砕かれたあの日から2年。
ずっと探し続けていた相手が今目の前にいる!!見つけたー!!

驚愕のヨルゲン君であるが、ここからもっと驚くこととなる。まさか記憶喪失だったとは思わなかったでしょうからねぇ。
しかしヨルゲン君はハーフなのか。スゥエーデンの元世界チャンピオンの名前っぽいし、スゥエーデン人とのハーフなのだろうか。

ともかくイチロー君が記憶喪失になっていることを聞かされる。
そして野球部に入っているのはイチローなら野球だろうという理由でのことらしい。
ふむ、まあ確かに有名なイチローではありますが・・・実際の由来は違うんですなぁ。
イチロー君の父がそう名付けた理由もヨルゲン君は知っているらしい。
だからこそ、そんな認識ではイチロー君のお父さんも浮かばれない。
そう語り、明日の日曜にここに来てくれとイチロー君を誘うヨルゲン君。

キミには知るべきことが――思い出すべきことがある!
キミ自身のこととお父さんのこと。ボクが教える。思い出させる!!

そう述べて立ち去るヨルゲン君。
立ち去り際、イチロー君と父親、そして自分とを繋いだのは卓球だよと言い残す。
さてさて、ここからが記憶を取り戻すための戦いの始まりでありますな・・・

いざ記憶を取り戻すとなると少し怖いイチロー君。
でもやっぱり知りたいという思いは止めようがない。誘われた場所へと足を運ぶこととなる。

やってきたのは卓球ショップ。ここの地下には卓球台があり、時間で使用できるよう貸出されているらしい。
部活も休みなイチロー君とは違い、紫王館の選手であるヨルゲン君は合間を縫って抜け出してきている身。
その限られた時間でどうにかイチロー君の記憶を取り戻したい。
てなわけで早速卓球開始!!言葉でどうこう言うよりも体から思い出させた方がいいって話ですな。

そんな勝負の最中に訪れるのは宮原兄妹。
宮原ちゃんだけではなく、兄のヒロさんも来ましたか。
実力者であるヒロさんから見て、この2人の戦いはどのようなものに映るのか。気になるところですな。

しかし記憶を失っているイチロー君は構えも動きも未経験者そのもの。
このままではらちが明かないと強烈なスマッシュを決めるヨルゲン君。
昔のイチロー君ならばあれをカウンターで決めてみせたというのに・・・
失望を隠せない様子のヨルゲン君。しかしここで違和感に気付く。ははぁ、ラケットの握りか。

その辺りのことに素早く気づいてさりげなくラケットを持ち込む店員さん。さすが商人の息子よ。
流れに乗り、ペンのラケットを用意してもらうヨルゲン君。
そしてイチロー君が選んだのは・・・反転式(ローター)のペンラケット
それを握った時、手にぴったりと収まる感じがしているイチロー君。そして思う。

何だろこの感じ・・・懐かしいようなワクワクするような。なんか――しっくり来る感じ!!

記憶こそ戻ってはいないものの、思う所はあった。
そして身に付いた体の動きは先に反応し、構えが変わる。
ここまでくれば打ちあうことも不可能ではないはず・・・あとは、本気で打ちあうだけですな!!
その効果で記憶が戻れば良し。そうでなくても卓球の道に戻ってくれれば御の字と言えましょう。
卓球を再開すれば記憶の方は後からどうにかなる可能性もあるわけですしねぇ。
しかし限られた時間でどこまでのことが出来るか・・・注目であります。



SPIN.3/本気の輝き  (2015年 28号)


過去に使っていたペンラケットに持ち帰ることで構えも変わるイチロー君。
さてさて、実際に打つ方はどんな感じでありましょうか。

ヨルゲン君のギリギリを狙ってくる球を小さいスイングで返すイチロー君。
このツッツキこそが基本的な打法。経験者である証拠というわけですな。
とはいえもちろん、ただの経験者というわけではない。次々と卓球の技法を繰り出していくこととなる。

カット――台から離れたところからしっかりと下回転をかける打法。
プッシュ――ペンラケットでバック側に来たボールを台上で強く押すように返す打法。
ドライブ――主にボールの上側をこすって回転(上回転)を強くかける、攻撃的な打法。
ブロック――相手の強打を止めて返す打法。
ロビング――台から離れた所から上回転をかけて、高い軌道で返す打法。
ストップ――ネットに近い所に短く止める打法。

基本的な打法だけでもこのようにいくつもの種類がある。
この中から場面場面に応じて有効な打ち方を選択して返さなければいけない。
うーむ、あのスピードの中でそれをやるというのは・・・どれだけ難しいことか分かろうというものですなぁ。
感想もこれらの用語を使い分けていかなければいけないのだろうか。が、頑張ります。

ともかく見事にヨルゲン君とのラリーを続けるイチロー君。
しかしまだ過去のイチロー君には追いついていない。見たい姿にはまだまだ遠い。だから――

今度こそ入れてくれよ!!キミの中の本気スイッチを――!!

過去止められた強烈なスマッシュを今再び。
そう思ったのだが、宮原さんが転んだおかげで不発。
2人だけの時間かと思いきや連続して知らない人がやってきちゃって大変ですなぁヨルゲン君。ハッハッハ。

見つかってしまったのだから仕方がないとずんずん出ていく宮原さん。積極的ですなぁ。
そして出そこねて寂しそうにしている宮原兄。なんだか可愛い。

いい感じにイチロー君の記憶は取り戻しつつあったのですが、一度集中が途切れたためかまた微妙な動きになっている。
うーむ、時間が無いというのにこれでは仕方がないですなぁ。
なのでヨルゲン君。イチロー君に本気になってもらうために条件をつけることとしました。
父親のことを教えるためのつける条件とは――

5本。今から5本勝負でキミが1本でも取ったら教えるよ。でも、もし1本も取れなかったら教えない。
ちなみに――今からは本気で打つから。本気のボクは――強いよ。

もはや悠長なことは言っていられないって感じでありますな。
その言葉の通り、本気のヨルゲン君の攻撃は凄い。
サーブを返した後に放たれるカーブドライブ。その変化の凄さには目を瞠る者がある。
2本目はチキータ――手首を活かして強烈な横回転をかけるバックハンドの技法による逆方向への変化を見せる。
ふーむ。さすがに本気を出してくると違うみたいですなぁ・・・

3本目、4本目も取り返すことができないイチロー君。
ヨルゲン君の強さに驚きつつも悔しいという想いが生じている様子。しかしそれ以上に沸き上がるのはある想い。
鼓動が高まり、思わず笑顔が浮かんでしまうその、楽しいという想い。

それだよ。その笑顔だ!!

ヨルゲン君が取り戻させたかったものこそこの笑顔である。
相手が強ければ強いほど楽しくてその分強くなる。そんな卓球バカの笑顔。それこそを取り戻したかったのである。

その表情を――待っていたんだよっ!!

本当のいい笑顔を取り戻せたイチロー君。
さてさて5本勝負の最後をどうにか制して父親のことを聞き出すことが出来るのだろうか?
この再会の対決もいよいよ大詰めでありますな。



SPIN.4/きみの名は  (2015年 29号)


強いヨル君と打ちあうのがこんなに楽しいっ!!
本当のいい笑顔を取り戻したイチロー君。さあ、ここからが本番でありますな。
ヨルゲン君としては本気にさせることがまず第一だが、その本気のイチロー君に勝つことも目的として設定している。
だからこそ、この1本もボクが取るっ!!

ストップによる緩急に、ダブルストップという更なる緩急を織り交ぜる容赦のないヨルゲン君。
どうにか拾ったイチロー君であるが、打ち上げてしまった。
この上がり方は・・・昔戦った時の最後の場面と同じ!!

今度こそはキミの本気を――打ち抜く!!

今度こその全力スマッシュ。
しかも打ち返すために体を開いたイチロー君の正面に向かって打ちこんでいる。
サイドステップをした直後であるし、ここから更にステップを踏むのは間に合わない。
間に合わないのならば――上体を逸らして倒れ込みながら打つ!!

そのような体勢でストレートに打ち返しを行うイチロー君。
これが見事に決まり、ついにヨルゲン君から一本取ることに成功したのでありました。ギャウンッ!!

この凄さは正に過去体験したもの。ヨルゲン君としては悔しいけど嬉しいという複雑な気分でありますな。
ともあれ一本取ってくれたことで約束通り過去の話が出来る。二年前のあの日のことを・・・

ようやく過去の記憶についての一節に触れることが出来たイチロー君。
とはいえそれを聞いただけではまだピンと来ない様子。昔の自分がそこまで積極的な約束をする子とは信じられないのかな。
しかし、卓球をするべきというのはなんとなくわかったとのこと。

だって楽しかったから!記憶喪失になってから今までで・・・一番!!

その気持ちを取り戻してくれるたのであれば何よりですなぁ。
そしてヨルゲン君はもう一つ大事なことを教えてくれる。イチロー君の父がつけた、伊智朗という名について。
そう、偉人イチローは野球だけではない。

誇らしげに教えてくれたよ。キミの名は・・・1950年代、世界選手権において12のタイトルを獲得し、
その後日本人として唯一国際卓球連盟の会長を務めた伝説の人――
萩村伊智朗の名から付けたと!

卓球の偉人から付けてもらった名前。そしてその名にふさわしいぐらいに卓球の技術を身につけさせてもらっている。
頭ではそのことは覚えていないが体では覚えている。
何も遺してもらってないと思ってたイチロー君にとって、この事実は凄く大きなものであるみたいですなぁ・・・良かった良かった。

イチロー君が逸れかけた道から正しい未来に向かいつつあるように、ヨルゲン君もこれで未来に目を向けることが出来る。
再会を果たすことが出来た。ならば次は公式の場でリベンジを果たす!!

改めて・・・約束をしようイチロー!大会でキミがボクに勝てたら、これを譲るよ!!

記憶が戻る手がかりとなるかもしれないマスコット。
確かに欲しくはあるかもしれないが、それ以上にヨルゲン君との約束の証であるという意味合いは大きい。
こうして少年2人は大会で決着をつけることを約束するのでありました・・・!!

熱い展開になってきましたが、ここで不吉な言葉をかけるのは宮原兄。
約束が果たせないかもしれないとはどういうことでありましょうか?
我々森原は県大会に行けるほどの実力はない!!とか言い出すのだろうか。それはさすがにやだなぁ!!
というか団体戦でいけなくても個人戦でいけるかもしれないわけだし、そういう理由はさすがにないか。さすがに。



SPIN.5/さそり座の男  (2015年 30号)


ヨルゲン君の前に現れ不吉な言葉を述べる宮原兄。
こっそり邂逅するつもりだったのに、次々と知らない人が現れて大変ですなぁ、ヨルゲン君。ハッハッハ。

時間がないので慌ただしく立ち去るヨルゲン君。仕方がないですね。
てなわけで、ようやく宮原兄。覗き見している必要がなくなり、堂々と姿を現すのでありました。
うむ、確かに大きい。イチロー君と比べるのは間違いかもしれないが、扉と比べるとその大きさが分かる。
妹のイチロー君は本物でしょ?という問いかけに対し、兄はこう答える。

まだ分からない・・・が、確かに輝きは感じる。
ただし――まだまだこれからの三等星ってとこだな

ようやく顔出しが完了した3年生の宮原博治さん。
身長によるものか風貌によるものかキャラクターによるものか、イチロー君と同じ中学生とは思えませんな。ハッハッハ。
ついでに店員さんの名前も明らかに。獅子内空くん。この子も卓球部員であるらしい。ほほう。

何はともあれ、卓球部に入る決心をしたイチロー君。
ヨルゲン君との約束を果たすためにも前へ進まねばなりませんからねぇ。

それはそうと、もっとイチロー君を観測したいというヒロさん。
イチロー君が本当に三等星なら嬉しいんだが、とのこと。
ふうむ、輝きが足りずとも、星であるかどうかがまず重要ということでしょうか。そういう貴方は何等星?

俺は・・・女神の遣いし暗殺者。
賢治が詠う最初の星座にしてジョバンニの標たる紅の火。さそり座のα星・・・そう。
俺はアンタレス。21ある一等星のひとつだよ

うん、変な感じの人だとは思っていたが・・・思ったよりも変な人だった。いいね!
服装までさそり座を冠したものにしているとは色々と恐れ入る。拘りの人だ。
まあ、何にしても一級プレイヤーってことなんでしょうな。要するに。

ポエミィなのと音痴だけは残念と妹に言われてしまうヒロさん。
しかしその実力は本物。世界卓球に日本代表として出た人と去年の中体連で試合して勝っているという。ほほう・・・!!

ヨルゲン君よりももっと強いヒロさん。
そんなヒロさんと打ってみたいと思ってしまうイチロー君。楽しさに目覚めておりますなぁ。
ヒロさんとしてもイチロー君を観測したいところであるし、打ってみるのは望む所。試合開始だ!!

左利きのヒロさん。それに対し、さっきより真ん中寄りに構えるイチロー君。
これも体が覚えているってことか。左利き対策もきっちり行われていたようですな。

まずはヒロさんのサーブ。対角へ逃げるきつめの当たり。
しかしこれを返すイチロー君。そして返した球は相手のコートの角に当たり、外へと飛んでいく。
ふむ、普通ならばこれはラッキーな得点となる場面でありますな。普通ならば・・・

一歩で、一振りで追いつき、それだけではなくカーブをかけながらイチロー君のコート隅を捕らえるヒロさん。
ううむ、この長身は伊達ではないということか!!
ステップの細かさを考えるとあまり大きいのは不利な気もしたが、その分左右のフォローが広く取れるわけですな。

うーむ。さすがに一等星。その実力は間違いない。
はてさて、この勝負でイチロー君は何を得るのか、何を見せることが出来るのか・・・楽しみですな。



SPIN.6/見切った!?  (2015年 31号)


宮原さんのお兄さんことヒロさんは変わった人だけど強い。言い方を変えると変人だけど強い!!
そんなヒロさんと1ゲームを行うこととなったイチロー君。
卓球の1ゲームは11点を先取した方が勝利となる。さて、どこまで食らいついていけるか。

強い相手であるヒロさん相手にも勝ちたいという意志を持ち、笑顔を浮かべるイチロー君。
とはいえさすがに一等星。あっという間に2点差。
チキータを返して見せたりはするが、カーブドライブにはついていけない様子。うーむ、鋭い。

その後もヒロさんのカーブドライブに苦戦するイチロー君。
段々と上手く合わせることが出来ていっているが、そうこうしているうちに得点差が広がっていく。
そしてついに0-10。あと1点で勝負は終わりであります。

ヨルゲン君の時とは違い、最初から全力で打てているのにこの結果!
うーむ、やはりヒロさんの強さは格が違うということでしょうか。
それでもこのまま1回もカーブドライブを返せないままで終わりたくはない。
その想いでギリギリ・・・どうにか間に合ったイチロー君。カーブドライブを打ち返して見せる。が・・・
まさかの逆方向へのカーブドライブ。外へ遠くへ逃げるような球を左右に使い分けることができる。
しかも自分のコート左隅から相手のコート左隅に曲げて送り込んでいるわけですからねぇ・・・単純な対角線技ではないわけだ。

ヨルゲン君の時とは違い、1点も取ることは出来なかったイチロー君。
しかしそれとは別にヒロさん厳しい表情。曰く、誰が相手でもイチロー君は勝てないとのこと。
ふむ、今のままではヨルゲン君との再戦どころかレギュラー入りも厳しいとな・・・?
束の間見えた星の輝きは何だったのか。

それは惑星の輝き。偽りの強さだ。今の日向の卓球は・・・お遊びでしかない!

自ら光るのではなく、惑星によって照らされていただけということか。ふむ。
しかし偽りの強さというのはどういうことでありましょう。
確かにヨルゲン君は途中まで手を抜いていた感じではありましたが・・・
今の試合を見る限りではカーブドライブを返すのに夢中になっててそれ以外が疎かになっている感じはありました。
その辺りが勝負に徹しきれてないと判断されたのでしょうか。ふむう・・・答えを待ちたいところですな。



少年ラケット 2巻


SPIN.7/チは●●●のチ  (2015年 32号)


イチロー君の卓球はお遊びと言ってのけるヒロさん。
その意味は真剣勝負の場には辿り着けないという意味でありました。

恐らく日向は打ちあいながらこう思っていたんだろう?"強い相手のボールを返すのが楽しい"――と。

確かに楽しんでいた。しかしヒロさんに言わせると楽しいという部分が問題ではない。
返すのが楽しいと思ってしまっている部分が問題であるとのこと。

卓球の点数は「正しく打ち返せなかった時に相手が点を得る」。
つまり、ボールを返すゲームではなくボールを返させないゲームなんだよ

楽しみ方が間違っているということでありますな。
真剣に行う卓球とは頭を使うスポーツである。
イチロー君の名の元となった荻村伊智朗曰く、卓球とは100m走をしながらチェスをするようなスポーツであるとのこと。
ふむ。体の反応だけではなく頭もちゃんと働かせないといけないってわけですな。
確かにその辺りが趣味の卓球と競技の卓球の分かれ目に思えます。

ただ強い球を打つのではなく「点を取る」。すなわち相手が打ち返せない状況をどう作るか。
相手を見、相手の考えを読み、相手を動かす。それが"頭を使う"ことであり、"お遊び"じゃない卓球の面白さであるとのこと。

相手を動かす。この言葉に記憶を揺さぶられるイチロー君。
どうやら父親とは別に卓球について指導してくれた人がいる感じでありますな。興味深い。
それにしてもヒロさん、カットは駄目なんですかね?
カットマンと呼ばれるような人もいますが・・・専門的にやるのとただ交えるのとでは意味合いが違うってことでしょうか。

それはそうとイチロー君。ヒロさんの話を聞いて頭を使いだす。
先程のゲームの内容を。ラリーの分析を開始する
11本のみとはいえ、その内容を完全に記憶し、更にその内容を何かに記すでもなく頭の中で整理しながら分析してしまう。
どこに打つかによって返ってくる球が予想できる。ならばわざとそういう所に打って予想通りの球を狙えばいい。
ヒロさんの指摘だけでそこまで答えを導き出すイチロー君。うーむ、あれだけの説明でここまでやってのけるとは・・・

間違いない。この子は今――卓球を理解している!

ヒロさんも驚愕。
確かに驚くべきはその記憶力。
考えてみれば玉突きにしても打ち続けながら数え続けるのは容易なことではない。
5桁もの数になると頭がぼうっとして数え間違いをすることは珍しいことではありませんからねぇ。
その集中力と記憶力。これは大きな武器である。
今日のイチロー君も初めて見た卓球を記憶してプレーに活かしている。

卓球において記憶力は重要な武器だ。
相手の打球の種類や思考パターン、そして癖・・・それらのデータを収集し分析することで「心技体」の差を埋めることができる!
ゆえに卓球はこうとも呼ばれる。「心技体"智"」のスポーツ!!

なるほどねぇ。技術などのフィジカルな面だけではなく、そういった面も大切になるわけでありますか。
ヒロさんもこれには期待せざるを得ない。集中力と記憶力にフィジカルを備えたなら。それが夏までに叶うなら――!!

なれるかもしれないな。3つ目の星に

相変わらずの星好きであるヒロさんですが、かなりイチロー君への評価が上向いたようでありますな。
そして打倒シオウ。打倒日本一を口にするヒロさん。これもこの人にとっては目標の1つに過ぎないのでしょうか。ううむ。

さて、どうにかぎりぎり間に合ったヨルゲン君。
鈍っているという評価を受けてしまいそうになっているが、さてどうなりますか・・・
シオウのレギュラー争いも熾烈なものとなりそうですし、少年2人の再戦は前途多難でありますな。

それにしても今回のサブタイトル。読めば言いたいことは分かるが・・・ほのめかしすぎじゃないですかね!?



SPIN.8/3つの星  (2015年 33号)


紫王館。進学科・スポーツ科共に一流と呼ばれる私立校。
特に如月ヨルゲンの所属する中学男子卓球部は全中団体戦で10年間連続優勝の超強豪部である

そんな部でレギュラーを目指そうとするヨルゲン君。
しかしイチロー君と再び約束を交わせた高揚感で動きに鋭さが増している様子。
それを見ているのは卓球部総監督の天海将さん。その10年間卓球部を勝利に導いた男・・・!!

彼の方針は明確。「環境が人を育てる」
海外留学のように本番に近い環境の中で全て選手に決めさせることで――
必然的に本気の人間しか存在しなくなり、その上で一人ひとりのサポートをこなす・・・名将の為せる業である。

部活動ではモチベーションの高い者が強いでしょうからねぇ。
指示に甘んじるのではなく、自分で強くなろうという意志を見せる者が大事ということですか。
環境作りは大変でしょうに、それをしっかりやってのけるのは確かに名将と呼ぶに相応しいかもしれません。
先週時点では危なげに見えたヨルゲン君の評価でしたが、ちゃんと実際の、現在の彼の動きを見て評価してくれている。凄い。

日本一の指導を受け日本一の努力が出来る紫王館。
ただの公立校で追いつくのは簡単なことではない。

だけど、それでもキミならと期待してしまう!!
・・・次に会う日が楽しみだよ。イチロー!

モチベーションが大事という意味ならば、今のヨルゲン君は正に水を得た魚のような状態。漲っておりますなぁ。

さて、中学生でありながら王道と覇道の区別をつけて語る人物
本人に自覚はないようだが、その語り方は確かにヒロさんに似ている感じがある。ハッハッハ。
この男が例の世界卓球に日本代表で出たという人物でありましょうか。それでいながらヒロさんに敗れたという・・・

紫王館と違い森原中はただの公立中学。卓球に全てを懸けているわけではない。
指導者は卓球を識らず、練習時間も練習相手も練習設備も全てが限られている。不足している。

だから・・・似ているどころか正反対ですよ。我々が才能を努力で伸ばす代わりに、奴は努力を才能で補っているのです

その才能にしてやられたわけでありますな。
だがその差異は努力によって逆転していると述べるその男。雪辱に燃えている感じですな。いいですなぁ。
しかしヒロさんは部活動にはあまり参加していないようですし、どこか別のところで指導受けてる可能性は高そうなんですよね。

さて、イチロー君。卓球部の話はまた明日ということで今日は帰宅。
卓球部に入ることを決めたわけであるが、野球部に誘ってくれた内田くんになんて言おうかと気にし出す。おやおや。
友達関係を気にすると難しいところでありますが、ヒロさんとしてはそこで止まられても困る。
既に3つめの星。団体戦で白星をつけられる選手として期待されているのだから。

中学生の卓球団体戦はシングルス4人とダブルス1組
中学では1人の選手がシングルスとダブルス両方には出られないという。
つまりレギュラーになれるのは6人というわけですな。その中で3勝上げられる人物が揃っていれば団体で勝つことができるわけだ。

仮に相手が日本一でも――

夢なのか野望なのか。ヒロさんも燃えてきているようで何よりです。

さて、帰りながら思い悩むイチロー君。
今の自分にとっての1番の友達は内田くんである。
ヨルゲン君は昔の自分の友達であるし、探していたのは今の自分とはまた違う、昔の自分。
そういったことを考えるともしかしたら本当は今のまま野球部でいる方が。そのようにも思える・・・が、やっぱり違う。

だって、このドキドキは正真正銘"今の僕"のものだから――!!

記憶は戻りきっていないものの、その気持ちだけは今の自分のものとして感じられるって話ですな。
うむ。その気持ちに従ってこそいい笑顔を見せられるというものでございます。いいよいいよ。
いい友人である内田くんならばそういったイチロー君の気持ちも分かってくれることでありましょう。
チャンピオン勧めるぐらいの子でありますし、そのぐらいの器は持ち合わせてますさね!!

心を決めたイチロー君。しかしそこで何やら危ない場面に遭遇。
"東小の闘犬"などと呼ばれていたことのある森原中2年の轟木先輩。
高校生3人と相対しながら随分と余裕を持った感じである。
この人物がヒロさんの言う所の3つの星の1人・・・!?
いや、確かに紫王館との練習試合で―相手がBランクとは言え―勝利しているわけですからねぇ。そう呼ばれるだけのことはあるか。

しかし闘犬などと称されるだけあり、何だかバイオレンスな感じの先輩。
さてさてイチロー君はこの場面に遭遇してどう動くのでありましょうか。気になるところです。



SPIN.9/はじめの一歩  (2015年 34号)


年上の3人に襲いかかられる卓球部員。
順番に向かってきたとはいえ難なく3人を撃退してしまう卓球部員。
実に鮮やかなパンチを放つもんだから連呼しておかないと忘れてしまいそうになるけど、卓球部員でございます。

あっと言う間に3人を片付けた轟木先輩。しかも右手のみ。
いや、どうやら右手しか使えない理由があった様子。

・・・こいつは義手だ。人は殴れねーんだよ

指もしっかりしてるし一目では分からない精巧な義手であるため荒事には使えないってことでしょうか。
荒事に使うのなら無骨に仕込めばいくらでも出来そうだが・・・いや、そういう漫画じゃないですし。

色々な出会いで混乱しそうな一日でしたがようやく帰宅。
そして早速久しぶりに登場のおばさんに卓球部に入りたい旨を告げる。
うむ、記憶に関することでありますし、おばさんとしても断る理由はありませんわな。
イチロー君の嬉しそうな顔も見れて良かった良かった。

さて、卓球部に移ることを内田くんにも報告。
怒らせたり嫌わせたりするんじゃないかという不安はあった。
けれどもそのままの気持ちを伝えることにしたイチロー君。
相手のことを信じる気持ちもあるし、自分でもそうして欲しいという思いがあったわけですな。
その期待の通り、卓球部に移ることについて激励してくれる内田くん。良かった良かった。
ところでチャンピオン縛ってたみたいですが、それ持ってイチロー君の家に行こうとでもしてたんでしょうか?
先んじてまた明日と言われて行くに行けなくなったみたいな。
そうなるとイチロー君はチャンピオンを購読していないということに・・・いやまあ、学生は回し読みも多いですしね。

夏服に変えて心機一転のイチロー君。可愛らしい。
内田くんとの関係も良好のままで居られそうで何よりです。まあ、寂しさがないわけではないみたいですけどね・・・

環境が変われば変わるものがある。衣替えで心機一転を図ったのもそういうことでありましょう。
そしてついに向かうは森原中卓球部。

・・・今日から、ここから始まるんだ!ヨル君との約束に向かって――
そしてこれが未来の僕への――はじめの一歩だ!!

見開きでおっきく使ってのサブタイトル。うーん、いい演出。
まさにここからイチロー君の卓球人生が始まるわけですな。
正確には再スタートといった感じなのでしょうが、現在の僕としてははじめの一歩であるわけでございますな。
さてさて、そのスタートダッシュは快調となりますかどうか。期待して見ていきたいところですな。



SPIN.10/森原中学校卓球部  (2015年 35号)


新たな一歩を踏み出したイチロー君。
緊張しながら自己紹介。まずは自分を知ってもらわないとね。
轟木先輩が割り込んだりヒロさんが遅刻してきたりと話が逸れそうになったが、とにかく紹介。
続いて現部員の方から男女合わせて自己紹介がされることとなります。

3年男子。宮原博治岩元繁雄(男子キャプテン)。
2年男子。轟木誠治城島浩二埋金連十郎(副キャプテン)、鳥飼歩
1年男子。獅子内空御子柴海障子田陸
3年女子。加藤春菜(女子キャプテン)。
2年女子。橋立美香(女子副キャプテン)、夏目杏
1年女子。宮原愛深見礼(幽霊部員)。
卓球部顧問。西沢雪乃(25)

以上が森原中学校卓球部の面々であります。25歳の西沢先生可愛いよ25歳。
幽霊部員がいたりするのもなんだからしい感じですな。
しかし1年男子。海と書いてまりんと読むのも凄いが、陸海空とそろい踏みしているんですな。
兄弟で揃えているとかならまだしも違う苗字の同年代で揃うとは・・・何か運命的なものを感じますな!!

それはそうとヒロさん。
いきなりイチロー君をシングルスのレギュラーに入れてもいいかもと言いだす。
事前に期待の新人と聞かされてはいた部員たちもこの言葉にはさすがに驚きでありますな。荒らしていくねぇ。
一応補欠の枠はあるので来月の春季県大会に出る事自体は問題ない。
しかしレギュラーとして出られるかどうかは・・・部員が納得しない限りは難しいでしょうな。
特に現森原中の4番目。イチロー君に取って代わられる可能性のある城島先輩としては見逃せない話である。

てなわけでいきなり"レギュラー決め"の試合を行うこととなってしまいました。
城島先輩にはキャプテンである岩元繁雄ことシゲさんがアドバイザーに。
イチロー君には先日出会ったばかりの轟木先輩がアドバイザーとしてつくこととなりました。
イチロー君本人以上にぶつかりあってる轟木、城島の両先輩。闘争心高いなぁ。
と思ったらどうやらこの2人、小学生の頃から因縁のある相手らしい。

中学生含め十数人を従えるチームの頭だった"西の狂犬"城島先輩
そのチームから何度絡まれても一人で返り討ちにしてきた、ボクシングの全日本UJ優勝者"東の闘犬"轟木先輩
およそ卓球とは無縁とも思えるような人たちがイチロー君の先輩であります。な、何故!?
ま、まあ。卓球をやってる間は殴られたりするようなことはありますまい。外では知らないけどもさ。

真剣勝負だけど怖いことはない。卓球はボールを打ちあうだけ。
いや、ボールを打ち返すゲームではなく、ボールを返させないようにするゲーム!!
そのヒロさんの教えに従い、練習ラリーで強い打ちこみを行うイチロー君。ハッハッハ。こりゃ見事に抜かれちゃったね!!

全くそんな意識はなかっただろうが挨拶はすんだ感じで試合開始。
ヒロさんにしてみれば今のイチロー君には厳しい相手。
だけどその中で成長を見せてくれるか、それとも敗北という糧を得るか。
いずれにしても楽しみな一戦であるとのことである。ふむ、こちらも楽しみに見守るとしますかねぇ。



SPIN.11/勝利への執念  (2015年 36+37号)


レギュラーの座をかけて、いきなり始まる対決。
アドバイザーとなった轟木先輩の助言は、とにかく短く低く打てというもの。
シンプルであるが、長くコメントしても相手にそれができるかはまだ分からないですし、いい判断ですな轟木先輩。

そのアドバイスに従い、短く低く打つことで相手のミスを誘い1点を先取する。やるじゃん。
どうやら城島先輩はかなりこの手のツッツキ勝負が苦手な様子である。
しかしそう来ることは読んでいたのが城島先輩側のアドバイザーであるキャプテンのシゲさん。対策も助言済みだ。

思い切ってコースを空けて甘い球を送るノーガード戦法
これによって短い球ではなく、強い球を誘い込もうというわけですな。
これもまた相手を自分の思ったように動かす卓球のテクニック。まんまと嵌ってしまうイチロー君はまだまだですねぇ。

シゲさんの言葉に丸め込まれたように感じる城島先輩。だが――

ヒロさん・・・俺は――アンタに必要とされたから、必要とされてえからここにいんだよ
仕掛けたことは後悔してねえ。どのみちヤるならすぐがいい。
そう、勝てばいいだけの話だ。絶対に負けねえ――負けらんねえ!!
・・・だから、これでコイツに勝てんなら!!俺は俺の許せる範囲で丸め込まれてやるぜ。
喰らえよ俺の全力――パワードライブ!!

イチロー君のうかつな打ちこみに対し、ループドライブからのパワードライブ。
なるほど。これが城島先輩の武器でありますか。
轟木先輩もヒロさんほどではないがと前置きしつつ、強烈なドライブがあると言ってたようですしねぇ。
これを封じるためにも短くて低い球を打つように指示していたわけですな。

下から擦り上げるようなループドライブは強烈な回転が加わる。
その回転による加速の影響で短く低く返すことが困難となっているイチロー君。
一度ドライブを打たれたら、別の手で断ち切らない限り打たれ続けることになるとヒロさんは述べる。

・・・そこの切り替え方を昨日理解してくれたと思ったんだが・・・
緊張や恐怖で忘れているのか。理解るのと実戦るのは別か。このままでは城島(ジョー)には・・・

ヒロさんのニックネーム的には城島先輩はジョーでありますか。
それはさておき、そのまま上手くドライブを切り返すことが出来ず1ゲームを落としてしまうイチロー君。
しかしここで轟木先輩から一言。

オメーなんで・・・裏面使わねーんだ?

イチロー君のラケットは反転式。裏返すことで別の顔を見せることが出来る。
身体に動きが沁みついていても、その優位性が分からなければ使うことも出来ないって話でしょうか?
裏面を用いて挑むこととなるであろう2ゲーム目。さてどう変わりますか。



SPIN.12/回転・反転・時計回り  (2015年 38号)


反転式のラケットは裏面も使うことが出来る!!
うん、確かにその裏の黒いのは滑り止めかと思ってました。スミマセン。
というわけで、轟木先輩から裏面――粒嵩ラバーについての説明を受けるイチロー君。

裏ソフト・・・そのツルツルの方は相手の回転の影響をモロに受ける。だからドライブを受けると上に飛んでくだろ。
けどそのツブツブは相手の回転を残して返せる。だから割とまっすぐ返せる・・・はずだ。

どうやら轟木先輩も使ってはいないのでハッキリしたことは言えないらしい。
が、とにかく理屈的には相手の回転を利用できるラバーであるらしい。ほへー。
その分自分からは回転がかけられないため、サーブやツッツキは赤い方。ドライブを打ち返す時は黒い方を使うのがいいわけだ。
なるほどね。それを回転させて使い分けられるのが反転式の利点というわけですか。

粒高は使っていないが轟木先輩は森原で唯一のペンラケット使い。
そしてヒロさんに言わせると轟木先輩はロッキーになるらしい。そっかー。
城島先輩がジョーで轟木先輩はロッキー。何だか別の対決に思えてきましたな。殴り合いが得意なわけだぜ。

記憶喪失なので覚えはないが、体は覚えているはず。
それを信じて挑む第2ゲーム。なのだが・・・反転が上手く行かない!!
ふーむ。反転のさせ方は体が覚えていないのだろうか?
ヨルゲン君が選んでくれたわけだし、昔は反転式使ってたのは間違いないと思うのだが・・・

どうにも目の前のことに囚われやすいイチロー君。
本番という一点を争う場面でも一つのことに執着してしまうのは危うさを感じますなぁ。
そんなイチロー君の為にタイムアウトを取る轟木先輩。
今までのようにやってるうちに思い出せるかもしれないという思い込みに囚われているイチロー君を解放する。

オメーは今アイツと戦ってる。使えんのは今手の中にある武器だけだ。
だから――憶えてねーんなら昔のことなんて関係ねーんだよ!
今日からがオメーの卓球スタートでそこにたまたま積み上げたモンがあったってだけ・・・それでいいじゃねーか。
持ってねーもんを探す前に今持ってるもんを宝だと思いな

ふむ。いいことを言いますな轟木先輩。
過去の自分の記憶も大事だが、それだけではなく今の自分も大事にしようと決めて卓球部に入ったはずのイチロー君である。
ならばこれから学んでいくという姿勢も大事でありましょう。

ヒロさんが言う所の、過去を失くした者同士という表現。
それは轟木先輩の義手に関わる話でありましょうか。
元々ボクシングやってたのが何かの出来事で腕を失い卓球にって感じでしょうか。気になりますな。

さて、試合再開。
最初から粒高面で構えるイチロー君。まずは粒高面の感覚に慣れるところから始めないといけない。
面を向けた方に飛んでいくためコントロールが難しいらしく、使う人はあまりいない。
しかし使いこなせるのならば、ドライブ主体の城島先輩にはこの上なく有効な手段となる!!

みるみるうちに感覚を覚え、相手の球の回転を利用して返すイチロー君。
1ゲームで見事に粒高面の使い方を習得したみたいですな。ううむ。よくやる。
そしてその結果、2ゲーム目を獲得するイチロー君。とれましたー。ほめてほめてと嬉しそうにするイチロー君が可愛すぎる。

勝負は最後の3ゲーム目に。今のところ粒高を扱うイチロー君が有利にみえる。
が、同じく粒高を使うシゲさんはそういう弱点があることも既に理解していた。

だからこそ――攻略法も見える。
タイムアウトで指示した通りにやれていたし・・・この試合、こっちの勝ちだ

優位に闘えてはいるが、まだまだ油断はならない様子。
シゲさんの指示とは一体何だったのか。逆境を迎えそうな3ゲーム目。注目です。



SPIN.13/砂上に笑う  (2015年 39号)


3ゲーム目。反転式ラケットの扱いに慣れてきたイチロー君。
左手を添えて、球によって赤い面と粒高面を切り替える。うっし。

3ゲーム勝負かと思いきやどうやら5ゲーム中3ゲーム取得した方が勝利だった様子。
2ゲームを制したイチロー君。このまま後1ゲームを取得できれば勝利・・・なのだが。

確かに接戦ですがおかしいですねえ。
2ゲーム目は日向くんが追い上げて逆転したのに、3ゲーム目は城島先輩が追い上げていました。これって・・・

得点係を務めるまりん君は違和感に気づき易かったみたいですね。
次の4ゲーム目の攻め方を見ていれば、その理由は自ずと分かる。

回り込んでのフォアドライブを続ける城島先輩。
その方が力強くは打てましょうが、回り込まずにバックドライブを打ったならばイチロー君は拾えずに得点できていたかもしれない。
これはつまり、得点よりも優先して行っていることがあるということ。
シゲさんが城島先輩に授けたイチロー君の攻略法。それは・・・スタミナ攻め!!

イチロー君のアドバイザーである轟木先輩は全国レベルのフィジカルを持っている。そのために気付くのが遅れた。
この短い試合だけで足が動かなくなるとは・・・!!

ブランクはあるが期待の新人。ヒロさんのその情報を元に持久力のないことを見越したシゲさん。
それゆえ、左右に走らせてイチロー君のスタミナを削っていったわけでありますな。
シゲさんは耐える戦い方をするカットマンだけにそういう発想はお手の物ということか。

フォアドライブを武器にするようジョーに助言したのも、ヒナのブランクのことをシゲに伝えたのも俺・・・か。
・・・すまないな、ヒナ

心の中で謝罪するヒロさん。
まあでも、この弱点は早目に露呈し、早めに対処しないといけない部分でしたでしょうからねぇ。
そういう意味では本番より前のこのタイミングで知れたのは良かったかもしれない。
とはいえ、それでレギュラーを諦めるわけにはいかないのですが・・・

スタミナが切れればベタ足になる。ボールに追いつくのも打球後の戻りも遅れる。
踏ん張りはきかず、フォームは不安定になり思い通りには打てない。
そう・・・そこは――まるで、砂の海・・・

思ったように動けない。それでは拾えるものも拾えない。結果・・・4ゲーム目を落とすこととなる。
まだ1ゲームあるとはいえ、城島先輩の方は体力十分。次の5ゲーム目も同じ結果になると想定させられる。

てなわけで轟木先輩。諦めることを提言。
スタミナ切れているのでは対策もクソもないし、入部早々無理して怪我させるわけにもいかない。
ここで諦めてもまだチャンスはあるし、1年なんだから焦る必要もない。
確かにそれはその通りなのだが・・・約束のこともありますしねぇ。

城島先輩はヒロさんが大好きなのでイチロー君をレギュラーにすることに対しヤキモチを妬いている
ふむ、冗談だよと轟木先輩は言ってますが、ある意味では冗談でもないような。
何というか、尊敬と言うか敬愛の念を感じますからねぇ。

1年間居続けた場所を追い出されるのは誰だって嫌に決まっている。レギュラーの座を奪うとはそういうことだ。
とはいえ勝負の世界とはそういうものであり、城島先輩だってその辺りは分かっているから正面からぶつかってきている。

なんだかんだ言って本気でぶつかりてーんだよ。男の子だからな

男の子ってバカねぇ。てな風に言われそうでありますが、こういう意識はやっぱり分かりますなぁ・・・
相手の本気に応える。それが楽しいのだ。それに――

城島先輩がレギュラーでいたいように僕だってヨルくんと戦いたい。大会に出たい!!

モチベーションを新たにするイチロー君。
そしてそれを思い出したことでまた別のことも思い出す。
動かされたら付いていくことは出来ない。ならば・・・

動かされずに11点取れば僕の勝ちですよね

なるほど。動くことができないのであれば動かずに済むようにすればいい。
逆に城島先輩を11点分動かして見せる!!そう考えるイチロー君。
足は動かなくても頭を使うことならできる。今こそイチロー君の"智"を見せる時でありますな。
ヒロさんが期待しているのはまさにこの部分。果たしてどのような智を見せてくれるのか・・・注目です。



SPIN.14/向かうは智の果て  (2015年 40号)


城島先輩を11点分動かしてみせる!!

そのように意気込むイチロー君。
それを果たすには今まで通りに来た球に対応しているだけではいけない。
今までの4ゲームでのパターンを頭の中で整理。まずは自身のサーブから始まるパターンを分析する。

右に短いサーブを出したのが36回中26回で。まっすぐ返されたのが失敗含めて26回中21回。2ゲーム目からは100%まっすぐだった。
そこから僕が左に返したのが21回中19回・・・9割!
城島先輩もこのパターンに慣れてるはず――これに沿って城島先輩を"動かす"!!

記録したシートも何もなしにこれまでの4ゲームの内容を整理するイチロー君。これだけでも驚異的である。
そしてそこから導き出す誘導法。
サーブを右に出せばまっすぐ来る。その後左に返さずにまっすぐ打ち返せばどうなるか。
パターンになれた城島先輩の逆を突けるのでは。そう考える。それも粒高面を用いて押し出すように速い球を!!

できた・・・!動かされず動かすことが。
・・・これは――気持ちいいっ!!

自分の想定通りに相手が動き、相手のいないスペースに見事に決めてみせたイチロー君。確かに気持ちよさそうだ。
そしてこれこそが頭を使う卓球であり、ヒロさんがイチロー君に望んでいたもの。
卓球戦術における基礎中の基礎――"3球目攻撃"!!
1球目で相手の位置や2球目の種類をコントロールし、自分に有利な状態の3球目で得点することである。
基本と言えば基本なのでしょうが、それを試合中に独自に分析して実績に導いて見せるのはやはり難しいのではなかろうか。
そして基礎を手に入れたのであれば・・・次は発展!!

サーブ以外の時の動きを参考にイメージする!
イメージ通りじゃなかった時のパターンも考えて――

ただ来た球を返すだけではなく、考えて打ち始めるイチロー君。
ならば相手の動き――例えば強打を警戒して後ろに下がったならストップで短い球を落とす。そういった打ち方が出来るようになる。
ドライブ一辺倒の城島先輩とは違う、色々出来るからこそ考えられるパターンも増えるって話ですな。

相手の動きを見ての強弱の切り替え。
更には2バウンド目が台を出るか出ないかギリギリのサーブ。
ドライブを打ちたい相手としては非常にいやらしいサーブであります。いいですねぇ。

こうやって考えて打つことでラリーに持ち込む前に得点をすることが出来る。これならば体力が切れかけでも戦える。
ゲームは進み、得点は拮抗・・・いや、イチロー君が押している。
ここに来てようやくシゲさん。自身の見積もりの甘さに気付く。

最初に気付くべきだった。コントロールがそこそこ。粒高でようやく浩二と互角・・・
それだけなら、あのヒロが"期待の新人"なんて言うわけがない!!

本物のレギュラーの器。対戦相手の城島先輩だけではなく、周りにそう思わせるほどの試合を見せるイチロー君。
うむ、これこそが本当のイチロー君の姿。智を使ったイチロー君の卓球なんでしょうなぁ。素晴らしい。
その凄さは相手している城島先輩が一番感じている様子。
バテバテであるはずなのに、どこに打っても何を打っても読まれるんじゃないかという眼をしているとのこと。

得点できる気がしねえ!

まるで心を読むサトリの妖怪とでも戦っているかのようですねぇ。
そう考えるとブツブツとパターン構築しながら構えているイチロー君の姿がとても怖く見えてくる。ズズズズズ。

10-8。あと1点イチロー君が決めれば勝利。
そんな中、城島先輩。まだこの試合で見せていない球を使う決心を固める。

最後の1点――どうせなら持ってる武器は出し切りてえよな。たとえ・・・未完成でも!!

ヒロさんに謝罪しながら構える城島先輩。
使うのを止められているような技でもあるのだろうか?
未完成のものに頼らざるを得ない不徳に詫びているのかもしれませんが、さてどうなんでしょうか。
未知の攻撃にイチロー君は耐えられるのかどうか。注目であります。



SPIN.15/チャレンジ  (2015年 41号)


城島浩二は町の有力者の次男として生まれた。
両親は浩二と優等生である兄とを事あるごとに比較し、耐えかねた浩二は居場所を家の外に求めた。
どんな小さなことでもいい。認められたい。必要とされたい。
不良グループのリーダーとなり上級生を従えた。それは溢れる衝動を共に発散し怠惰を分かち合うためだけの関係ではあったが、
浩二は居場所を見つけたと思っていた。
・・・しかし、その思いは裏切られた。

見つけたはずの居場所。しかしただその力だけを利用されていたと知った城島先輩。おやおや。
轟木先輩は関係ないのか、轟木先輩に負けたことで見限られたのか。
それは分からないが、ともかく居場所を失ってしまったのは確かな様子。

春になって中学生になった城島先輩。
運動はできる。運動部に入れば自分の居場所が出来る。そのように考える・・・が、まず入ることが出来ない。
素行の悪さは有名でしょうし、髪も染めたままですからねぇ。無理もないか。
その内心では自身を必要としてくれるところを求めていたというのが何とも悲しい話でありますが。

何とかバスケ部に仮入部したものの、肩身の狭い状態の城島先輩。
その側に隕石・・・ではなく卓球の球を落としてしまうのはヒロさん。昔っから相変わらずの調子のようですなぁ。

球を柵の間に通すことに熱くなる城島先輩。
やることを決めたら真っ直ぐに突き進むのは悪くないが・・・団体競技には向きそうもありませんな。
しかし個人競技の卓球ならばその不器用な強さも曲がらない心も必要とされる
卓球部ならば君の居場所を作れる。そうヒロさんは述べる。おぉ・・・的確に殺し文句を述べるねぇ・・・!!

来ないか?

そのように城島先輩に語り掛けるヒロさん。

子供でも大人でもない、今まで見た誰とも違う目。どこか自分に似て寂しく、しかし深く。冷たくも確かに熱い眼差し。
全てを見透かすような、違う世界を見ているような瞳に、俺は――

何だかすっかりオトされたような感じの城島先輩。あらあら。
こうして卓球部に居場所を見つけ、更にはヒロさんに必要としてもらうべく頑張っているというわけでありますな。健気な!!

そんなヒロさんに謝罪する城島先輩。
まだ早いと言われながらもこっそりと練習していた打ち方を、このイチロー君との試合で見せようとしている。

まだ完全じゃねえけど、全部・・・出し切る!
負けるわけには、居場所を取られるわけには行かねえんだよ・・・!!

イチロー君のデータに無い構えを取る城島先輩。
それはヒロさんが去年使っていた、しゃがみ込みサーブ!!
上体を落とし込みながら打つことで凄い回転がかかるってことでしょうか。
どうでもいいが、微妙にカッコ悪い姿勢にも思えますが、ヒロさんもそういうの使ってたりするんですなぁ。

とはいえ城島先輩の狙いはこれではない。これは布石。
イチロー君に返させてからの狙いはヒロさんの昨日打ってみせた・・・カーブドライブ!!
見事にコート隅に決まる。が、止めてしまうイチロー君。
本来ならば止められなかった球でしょうが・・・さんざん昨日練習することになってしまいましたからねぇ。
皮肉にもヒロさんと先に試合をしたことがこの結果に繋がってしまうとは・・・

ヒロさんの試合では左右対称のカーブドライブでやられた。
ならば同じ流れが来ると読むのは自然なこと。
これをフォアに返せば、回り込んで打っていた城島先輩に返すすべはない。
遂に決着・・・と思ったところで訪れるイチロー君の体力の限界。
崩れる脚であるが・・・届くのか!?あと少しなので頑張っていただきたい!!




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