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蒼天紳士チャンピオン作品別感想

さくらDISCORD
第31話 〜 最終話


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 第1話 〜 第30話 (2011 40号〜2012 19号)   第31話 〜 最終話 (2012 20号〜2012 34号)



第31話 バケツ 恋 戦争  (2012年 20号)


バケツ娘・住吉が島の助太刀に現れた!これは頼もしくない!いや、まあ数は力ですよ。
とはいえ、バケツ持って現れたろしたら康介でも怯む。
なんせ一度住吉さんのバケツで水浴び食らった経験もあったりしますしね。

住吉「島君!!勝つわよ!!」
島「おう!!」

並んで攻める島と住吉さん。なんだこの絵になる構図は。おのれ島公。
恋煩う者同士の共闘。切ないものはあるが、青春という感じもある。

一気呵成に攻めてくる2人。一旦退こうとする康介だが、ノ宮は強気。
バケツなんて弾数少ない上に小回りもきかない・・・隙だらけの武器だよ!!

その発想は正しい。ノ宮の二丁拳銃が水を吹き、住吉さんに襲い掛かる。
が、その放たれた水をバケツでガードする住吉さん。
おぉ・・・凄いぞバケツ!攻守共に扱える優れた武器だったんだ!!
これなら、弾数が少なくなっても相手から奪うことで補給もできるわけだ、凄いねバケツ。最強よ最強!!

てな感じで盛り上がっている4人。
そんな中、ハルカさんは芽吹と対峙していた。こっちはこっちで頂上決戦っぽいですね。
丘が倒れているので、修一先輩は余っている。
ハルカさんに手を出すなと言われたので相手がいなくなる先輩。さっさと丘を倒したツケが来たか!

さっさと康介たちの方に行きたいハルカさん。
しかし、芽吹としては住吉さんや島の事情を知っているだけに邪魔は入れたくない。

芽吹「こっちはこっちで楽しもうじゃないのさ!!」
ハルカ「上等っ!!」

なんとも楽しそうな2人でありますねぇ。いい勝負になりそうだ。
康介たち4人も一進一退の攻防を繰り広げている。
まさか住吉さんが善戦するとは・・・やはりバケツは強いっすね。

そんな中、ハルカさんの盾にされて修一先輩脱落。丘と並んで休憩。やっぱりこの2人は似た者同士だな。

決着がなかなかつかないので、走り回って汗だくの島に住吉さん。
バケツ持って走り回るものだから腕もパンパンになっている。
そんな状況なのだが、楽しい。笑顔でそう言える2人。うーん、なんだか切ないねぇ。

楽しいよな住吉。泣きたくなるほどに。
俺がノ宮に告白したらこんな時間も終わっちまうのかな?

結果なんてわかりきってるのに、それもこんな合宿2日目にさ、バカだよ俺は。
けどさ俺はバカだけど、ノ宮に告白できなかった時に、
こんなにも大切な時間を「壊したくなかった」とか「守りたかった」とか、
自分を守るためのつまんねぇ言い訳に使っちまうような、そんな大馬鹿野郎には絶対なりたくねぇから。

もはや、すっかり玉砕モードに入っている島。気持ちはわからなくもないですけどね。

4人の激しい戦いも佳境。ノ宮のダブルバケツは意味をなさなかったので割愛。
給水よりも大事なドーナツを補給したノ宮は新たな戦法を思いつく。
ってまだドーナツ持ってたのかよ。一体どれだけ持ち込んできているんだ?合宿終わってもまだありそうだ。

島公!ヨッシー!これで終わりだよ!!
爆裂!水風船!!

両手一杯に抱えた水風船を空に放り投げる。なるほど、これは怖い。
でも自分たちの頭上まで投げたら自分たちも危ないじゃないですかー。
しかも、両手一杯に抱えていたものだから、今のノ宮はフリーハンド。無力な状態。
というわけで、バケツ持ってノ宮につっこむ住吉さん。
頭上からの水風船は浴びてしまうが、バケツを浴びせることには成功する。ノ宮、えらい顔になってるぞ。

島君、貴方は一歩を踏み出しなさい!
だから貴方は、勝ちなさい!!

住吉さんの言葉に後押しされ、康介に銃口を向ける島。
康介もまた、その動きに反応し銃を向ける。
2人の親友が互いに銃を向け合う。なんだかスタイリッシュな構図じゃないですか。

ああ・・・ちくしょう。すげぇ・・・楽しかったな

島のモノローグが入り、空が映し出される。そして銃声が鳴り響き決着がついた。
うーん。まるでアクション映画っすね。実際はただの水鉄砲なのに。
さすがちょっとしたことでも本気で立ち向かえる連中である。遊びも全力さね!!

最後の勝負、制したのは島の方。やるじゃん島公!
そして、芽吹とハルカさんの勝負は芽吹の勝ち。
髪の長さの分当たりやすかったのがハルカさんの敗因だったわけだ。なるほどね。実弾なら分からなかったわけか。
というわけで、第1回さくら対抗水合戦!勝者は赤チーム!!

さぁて・・・罰ゲームは何にするかねぇー

凄くいい顔で呟く芽吹。いやあ怖い怖い。ハッハッハ。コワイコワイ・・・

罰ゲームはさておき、島が勝ったら話したいことがあると言ってた件は今晩果たされることになる。
合宿2日目の晩。こんな早い段階で大勝負に出るとは。
住吉さんは未だに及び腰の様子。そんな住吉さんに決意を述べる島。

・・・俺は腰抜けだからさ、いつかいつかと思ってるうちにここまできちまった。
ありがとな住吉。背中押してくれて

・・・ああ、ホントダメだな俺は。
ここまで来てまだこの時間を終わりにしたくねぇとか思っちまう。

でも今日ノ宮に告白出来なきゃ、きっと俺はずっと終われねぇと思うから。
だからこれはきっとずいぶん早いけど俺の・・・桜島結太の卒業式なんだ――

一世一代の告白を敢行しようとする島。
もうやる前から既に結果が見えていると思い込んでいるが、その態度もいかがなものか。
万に一つの可能性だってあるだろうし、諦めた態度で挑むのはノ宮は好きじゃないと思いますけどね。
それに、これまでは恋というものを知らなかったノ宮だが、今はそれに気づきつつある。
その恋心を上手く自分の方に誘導できたら可能性もないことはないんじゃないだろうか。いや、ないな。

まあ、実際のところ、今の島は大分悟った感じになっているけど、その前は卑屈だったからなぁ。
康介のいない4年間ずっと燻っていたわけですし、そりゃ自分でも腰抜けとか言っちゃう。
島がそんな自分を卒業し、どんな島になるか楽しみであります。
岩礁のような島から北極のようなでかい島になってやるぜ!とかそういう話になるのだろうか。
島が島さんと呼ばれるようになる日は近い・・・気がしないこともない。



第32話 島の一歩  (2012年 21号)


長かったな。ここに来るまで。
走って走って走り続けて、ようやくここまで来たんだ。
さぁ、あと一歩だ。桜島結太。
さぁ、始めよう。俺の、桜島結太の卒業式を

あと一歩。例のワードが飛び出したというのに、残念ながら卒業式を迎える気満々の島でありました。
まあ、うまくいっての卒業ってのもあるかもしれんが・・・期待はしにくいな。

ノ宮は島の初恋の相手である。
小学生の頃に出会ってすぐにやられたっぽいですな。
そして、島は出会ったときから島公呼ばわりされていたらしい
行いを見るまでもなく島公扱いだったとは・・・さすが島というかノ宮というか。

決して報われることのない、長い長い俺の初恋。

夜に2人きりでノ宮と会う島。まずは思い出話に花を咲かせようとする。
2人が出会ったのは小2の頃。ノ宮に島、康介と丘の4人が同じクラスになった。それ以来の縁である。
小3の時、島は罰ゲームでボウズにされたことがある。
芝生がキレイに刈られちゃったわけですね。そりゃキツイ。
小4の頃。市民プールで丘が25m泳げるように練習したことがある。今も泳げるのだろうか?
修学旅行で康介と島は鹿に食べられそうになる。ノ宮が鹿せんべい粉々にして2人に振りまいたからだ。

島「それで、康介が引っ越して・・・中学入って初めて全員違うクラスになったんだよな」
ノ宮「そこで私はヨッシーに会ったんだよ!」
島「あー・・・住吉苦手だったなぁ・・・」
ノ宮「島公いっつも説教されてたよね!!

そうか、島と住吉さんは中学のころから知っていた間柄だったのか。
ノ宮との絡みが強かったせいか、どうにも昔この2人に繋がりがある感じがしなくて困る。
今はずいぶんと繋がりができている感じですがねぇ。

ノ宮と島は丘と住吉さんに熱心に勉強を教えてもらってなんとか高校受かったらしい。
この発言からしてノ宮の頭の程度は島並ということがわかる。康介も似た感じだったか。
さくらの面子って、割と頭悪い方が多いのでは・・・?

あ・・・あれだよ。島公はずっと走って頑張ってたし・・・私は水切り頑張ってたから仕方ないよ!?

そいつは仕方ないですよね。おかげでノ宮は記録に迫るスコアを出せるようになっているわけで。
努力が実ってるねぇ。島とは違う。

・・・あぁ、そっか。
ちゃんと覚えててくれたんだ。ノ宮は、ちゃんと見ててくれたんだ。
だったらもう十分だよな。もう十分、報われたよな

ありがとな康介。おまえのおかげで俺は前を向いて走れるようになったんだ。
ありがとな丘。俺が腐ってた時励まし続けてくれて。
芽吹、丘のことよろしくな。おまえらならきっとうまくいくよ。
ありがとな住吉。おまえが背中を押してくれたから、俺は最後の一歩を踏み出せるんだ――

ノ宮。
桜島結太は、桜ノ宮さくらのことが、ずっと好きでした

静かにはっきりと、その言葉を述べる島。過去形になっちゃってるのはいかがなものかと思うが。
いや、現在進行形ということなのかもしれんか。
いきなりの島の言葉に思わず聞き返すノ宮。

だからさ、おまえが好きだって言ったんだよ。

一度本気で口に出した以上、もう迷うようなこともない。さらりと口にする島。
その言葉を聞いたノ宮はというと・・・走って逃げ出してしまった。うわっ本気ダッシュかよ!?

だって!!だってだって!!
そんなの急に言われてもワケわかんないよっ!!そんな真剣な顔で・・・

告白とは真剣にやるものですからねぇ。それはしょうがない。
普段の島とは違う雰囲気だし、真剣で茶化すこともできないから逃げたってことなんですかねぇ。
本気で走るノ宮を本気で追う島。今こそ鍛えた足の見せ所だ。

悪いとは思ってる!!いきなりこんなこと言われても困るって!!
でもっ頼むから!お願いだから!!
人の顔色ばっかうかがって生きてきた俺だけどさ、誰かの背中ばっか追いかけてきた俺だけどさ。
ようやくさ!違う道に進もうって思えたんだ!誰の背中を追うでもなく、ちゃんと自分で選んだ自分だけの道を!!
だから!ちゃんと終わらせてくれっ!!

なんとも悲しい告白でございますなぁ。
島の言っていることが、なんとなく分かってしまったノ宮。足を止め島の方をふり返る。

・・・もう覚悟は出来てんだ。きっともうノ宮だって自分の気持ちに気付いてんだろ?
ただおまえの口からそれを聞きたいだけなんだ。
・・・それを言いたくないから、走って逃げ出したんだろ?
俺なら大丈夫だから、聞かせてくれないか?

島「ノ宮はさ、目を閉じて最初に誰の顔が浮かぶ?」
ノ宮「・・・・・・こーちゃん
島「ノ宮はさ、誰といると一番楽しい?」
ノ宮「・・・・・・こーちゃん
島「ノ宮はさ、誰か好きな人っているか?」
ノ宮「・・・こーちゃん

だよな。

島の問いに涙しながら答えてくれるノ宮。
思った通りの答えが返ってきた。それでも、それを聞くことで終わらせることができた。
長く燻っていた初恋をちゃんと終わらせることができた。
おかげでスッキリしたような顔をしている島。もうとっくに諦めはついてたって感じですよね・・・
逆に泣き出してしまったノ宮を慰める島でありました。

・・・ありがとなノ宮。おまえを好きになって良かった。

諦めなくても、望んだ結果が得られないことはある
けどきっと、諦めなかったから、ちゃんと走り終えることが出来たんだろう――

その仕上がりが満足いくものでなくても、最後まで成し遂げるってのは大事なことである。
キレイさっぱり玉砕したと、住吉さんに報告する島。
やっと終われたよ、となんとも味のある笑顔を見せてくれる。
だからこそ、なんだか感極まってしまい泣き出してしまう住吉さん。うーむ、ほろ苦いっすねぇ。

康介がいない間、島が燻っていた4年間。
その4年間のうちにノ宮に告白できていたら結果は違っていたのだろうか?
ノ宮が自分の気持ちに気付きだしたのは本当につい最近のことである。
ならば、その間に告白すればひょっとしたら違っていたのかもしれない・・・
いや、告白を機に、気付かず潜んでいた康介への想いが表面化しちゃった可能性もあるか。
それに、康介と勝負していない島は闇を抱えたままで、とても今のような笑顔での告白はできそうにない。

告白するために闇を払うには康介が戻ってくる必要があった。
康介が戻ってきたことで、ノ宮との初恋は実らないことが確定した。うーん、酷い積みっぷりですね。
もっと早い段階で住吉さんと康介をくっつけるように画策しておくべきでしたな。甘かった!!

さて、自分の気持ちを口にしたノ宮。
果たして合宿のうちにその気持ちをぶつけるようなことがあるのだろうか。
そして、島に先立たれた住吉さんはどう動くのか!
まだ島は死んでないよ!といいたいが、告白直前のありがとなラッシュはどう考えても死ぬ間際のセリフだったからなぁ。
明日には修一先輩の家の庭にキレイな緑の芝生ができあがっているかしれない。
島が、あいつが・・・埋まっているんです、とかそういう。島ー!!



第33話 前進  (2012年 22+23号)


合宿3日目の朝。島、笑顔の離脱!!
え?帰るの!?いきなり!?

あぁ。もう十分満喫したしな!!

確かにやりとげたって感じではあるが、まさか帰るとは思いませんでした。
翌日以降ノ宮と気まずくなるかなと思ったが、なるほど。これなら問題はありませんわな。

・・・俺さ、陸上部に戻ることにしたんだ
今日から合宿らしいから、頭下げて参加させてもらおうって。

ああ、そういう話ね。ちゃんと島なりに日程を、この先のことを考えていたんだ。
陸上部の合宿に合わせて、2日目の夜にケリをつけると心に決めていたわけなんですな。
今度はマジだぜ、嘘じゃねぇってと島。いや、さすがに今は疑ったりしないよ。

今って高二の夏だろ。だったらさ・・・だったらギリで間に合うかなー・・・なんてな。
嫌な思い出のまま終わりたくねぇからさ

・・・そっか。
そういう話なら笑顔で送り出すしかないですよね。

康介「島、頑張れよ!!」
丘「島、おまえはもう大丈夫だよ」
島「おぅ!!」

3人ともに拳を突き出し、それぞれに挨拶を交わす。よい光景だ。爽やかだなぁ。
去り際に島、おせっかいかもしんねぇけどと前置きし、康介に言葉を残す。

康介もそろそろ自分のこと考えてもいいんじゃねぇかな?人のことばっか心配してねぇでさ。

じゃあまた補習でな!!

いいこといいつつ、最後に嫌なことを思い出させて島は帰っていった。
やはり島も康介も補習であるのか・・・
ノ宮も島並の頭脳であると判明したし、補習に来るのかな?

男たちで島の見送り。残った女性陣は一体何をしているのだろうか。
ノ宮は庭を前にしてぼへーっと呆けていた。
まあ、昨夜衝撃の告白を受け、断り、自分の気持ちを吐き出させられ、泣かされたわけですからねぇ。
こうして書き上げてみると色んなことがあったもんだ。呆けもしますわ。
住吉さんと芽吹はその様子を物陰から見守っている。まあ、そっとしときましょうやと芽吹。

・・・芽吹、貴女はよかったの?島君いなくなっちゃったけど。

なんのことだろうか。と思ったら、丘との約束のことについてだった。
『さくら』6人でっていう。
それに関してはまあ、問題はない。島クンも納得してることですし、別にケンカして帰ったわけでもない。
それに『さくら』なら今現在でもまだ7人いるわけですし。いや、これは何か違うか。

・・・それに、『さくら』ってのに一番こだわってんのは、たぶんミヤなんじゃないかなぁ

何やら訳知りの様子の芽吹。
ノ宮の家庭について知っているのは芽吹だけなわけだが、『さくら』に拘っている理由も見当がついてるのかな?
その辺りも含めてノ宮の話が掘り下げられていきそうですなぁ。
放心しながら、思い悩むノ宮。

島公は前に進むって言ってた。誰の背中を追うでもなく、自分で選んだ道をって。
わかってる。どれだけ願ってみても時間は止まらないし、ましてや戻っちゃくれないって。
私だけがいつまでも立ち止まったままじゃいけないって

最初の頃もノ宮はそんなことを言ってた気がしますねぇ。
元気な少女のように見えて、ときおり酷く空虚に見えるのがノ宮である。
立ち止まってしまっている原因は一体なんなのか。知るのが怖い気もしますなぁ・・・

そんなノ宮の頭にいきなり冷や水が浴びせられる。パシャア。な、なにやつ!?

なーにしょぼくれてんだドーナツ!!隙だらけだったぞー?

さすがハルカさんである。暗い雰囲気なんて私が吹き飛ばしてやるぜって感じで現れおった。
昨日の水合戦、2人の決着はまだついていなかったから、ここでつけるぜって感じだ。
悪いけど、今そういう気分じゃ・・・というノ宮に容赦ない攻撃を浴びせるハルカさん。

クケェーッ!!

よしきた!!

結局暴れだすノ宮でありました。
ちょうどそんなタイミングで戻ってきた康介。いいタイミングだな。
康介は余り落ち込んでいるノ宮は見ないほうがいいでしょう。ややこしいことになりそうだし。
そういう意味ではハルカさんはいいタイミングで元気付けてくれたわけだ。
と思ったら、康介。朝からノ宮が落ち込んでいたのは気づいていたらしい。朝食も共にしてるだろうし、そりゃ気づくか。
ノ宮が元気ないのと島が帰ったことに何か関係があるのだろうか?
その康介の問いにはちょっと答えづらいですな。

康介「ただ・・・まぁ、ハルカさんなりにノ宮の心配してんじゃねぇかな」
住吉「いやいや、それは無いでしょ」
康介「・・・そういう人なんだよ

なんだろう、この康介の表情と発言は。
尊敬の念も受けるし、捉えようによってはノロケに見えなくもなく・・・こいつは住吉さんも気が気じゃないっすね。

うーん・・・ややこしくなってきたねぇ・・・

芽吹も同じコトを考えております。やっぱりそう思う?
恋心とかそういうのじゃないんだろうけど、特別な気持ちはありそうな感じなんですよねぇ。

そんな康介は置いておき、広い公園に戦いの舞台を移そうとする2人。
結局汗だくになるまで戦い続けたらしい。いい運動になりましたな。
気づけば、空はとても青い。
立ち止まってはいられないと思いつつも立ち止まってしまっていたことを思い知らされるかのようだ。

・・・ハルカ。その・・・なんか、ありがと。ちょっとスッキリした。

ノ宮は言いながら思い出す。
初日の夜、康介がハルカさんに語っていたこと。
ハルカさんが今日みたいに隣でバカやってくれて俺は救われてたんだと思います、というセリフ。

・・・こーちゃんが言ってたこと、少しわかった気がする

なんだか少しハルカさんとも打ち解けれそうな雰囲気のノ宮であります。いいね。
だけど、ノ宮にはどうにも気になることがあった。

こーちゃんはあのピアスは接着剤で固定されて、ただ外れないだけって言ってたよね。
ハルカはどうしてそのピアスをこーちゃんにあげたの?
ハルカはどうして今もそのピアスをつけてるの?

疑問には思うが、そのことは口に出せずにいる。
だから、遠まわしに康介の中学時代のことを尋ねてみる。
康介は野球部に入っており、ハルカさんはマネージャーだった。どういう間柄だったのだろうか。

・・・こーちゃんはハルカのことどう思ってるの?
・・・ハルカは、ハルカはこーちゃんのこと、どう思ってるの?

戻れるもんなら戻りたいね。修一がいて野球部のバカどもがいて、こーすけがいたあの頃に

このセリフは・・・!!
おそらく、奇しくもノ宮が思っているのと同じ内容ではないのでしょうか?
戻れるものならあの頃に戻りたい。ノ宮はそう願ってやまないように思える。
その同じ思いを、ハルカさんは抱いている。そう知ったからには、ノ宮も止まれない。

・・・私は。

私は知りたい。ハルカのこと・・・もっと。もっとこーちゃんのこと・・・!!
だから・・・教えて?中学の時のこーちゃんとハルカの話・・・!!

最初の頃の回想で描かれているだけだった、康介の中学生の頃の話が描かれる!
その回想ではハルカさんの出番はなかったが、どのように過ごしていたのでしょうか。
野球部にいた頃は、昔の康介らしく一生懸命だった。
その頃のことも語られるでしょう。そして、最後の試合に勝てず落ち込んでいたときの話も。
そして、ピアスの話にも繋がるのでしょうが・・・その話を聞いたらハルカさんの気持ちも明らかにされるのかなぁ。
うーむ、なんだか怖い気もするなぁ。どういうオチが飛び出すのやら。
とりあえず、回想で修一先輩の出番があるんじゃないかなということを喜ぶとしよう。
今は影が薄いけど、回想でなら目立てるよ!きっとそうだよ先輩!!せめて回想でぐらい・・・!!



第34話 昔話  (2012年 24号)


康介の過去。
中学の野球部は弱かった。連戦連敗。ただ一勝を求めて邁進しているのであった。

「康介が全打席ホームラン打たねぇから!」
「完全にそれが敗因だな」

仮に打っても負けてますからね!?コールド負けだし。

どうやら邁進しているわけでもなかったようだ。
とはいえ、ゆっくりと進もうとはしている。一歩ずつ一歩ずつ。
ゆっくりでも進んでいきゃそのうち『一勝』出来るさ、というのが修一先輩のお言葉。

というわけで、負けた日は桜家にやってきて肉を食うのが恒例となっている感じ。焼肉だ!!
出迎えてくれる中学時代のハルカさん・・・中学生とは思えない体つきっすな。
ハルカさんに高い高いされる康介。うむ、やはり日常的にリフトアップされていたんですねぇ。

その日々は長い人生でのたった1年半の記憶。
思い返せば花火のように一瞬で、目に焼きついて消えない記憶

康介にとっては忘れられようもない思い出の時間ってことなんですかねぇ。
ちなみにこの野球部の連中、学校の成績はボロボロで野球もヘタクソな奴等の集まりだったらしい。
文武両道とはかけ離れた連中ってことですな。
修一先輩、丘のような雰囲気がある人なのに成績ボロボロなのか・・・?

公式戦でも練習試合でもいいからとにかく『一勝』を目標とする野球部。
ある日、ハルカさんが珍しくやってきたとき絶対勝てる秘策を授けてくれる。

男は黙ってフルスイングだ!!

そんな案だろうと思ってましたよ。でも、ちゃんとその通りにやってみようとする部員たち。
そして見事に玉砕する部員たち。

・・・康介・・・フルスイング作戦はダメだ・・・

実行すんなよ!!

なるほど。これは成績もボロボロなわけだ。修一先輩・・・

試合をしては負けて焼肉を食うというサイクル。
いや、一応練習もしてはいるみたいですけどね。康介が呼びかけて朝練とかもしていた。
全然勝つことはできなかったが、雰囲気はとてもよいチームである。
週一でしか顔を出していなかったハルカさんから見ても十分いいチームだったと思うよ、とのこと。
そんな感じはしますね。しかし、こーちゃんいじられすぎじゃないですかね?

中学の野球部に美人な女子マネージャーがいる。
このシチュエーションであれば、マネージャーはアイドル扱いされるのが普通なのだが、ハルカさんだからなぁ・・・
なので代わりにこーちゃんがマスコットとしていじられることになる。これは仕方ない。
中学時代の康介は今よりもさらに小さいですしね。こりゃいじられても仕方ないさー。
むしろハルカさんが率先していじってる感じがありますしね。皆が追従しても仕方なし。おお仕方なし仕方なし。

それはさておき。康介が『一勝』に拘っていたことについて話が出てきます。

・・・ハルカさん。その・・・聞きました。ハルカさんがたまにしか顔出さない理由
あの時は何となく言った言葉だったけど。
俺っ絶対に『一勝』プレゼントしますから!先輩と、ハルカさんに!!

部室の裏なのかどこなのか、狭い所でそんな宣言を声高に行う康介。
ここで先輩の名を出さずに、貴女に勝利をプレゼントします!なら告白と間違われるぐらいのシチュエーションである。

・・・ったくバカだよな康介は。んなこと気にしなくていいっての。

そう言って、昔話はこの辺にしとくかと切り上げるハルカさん。あれ、もう終わり?
一体ハルカさんがたまにしか顔を出さない理由とは何だったのか。
それにこーちゃんが野球部を辞めた理由もノ宮は聞けていない。
それと、ピアスの話とか・・・

やはり気になるピアスの話。
ノ宮のそんな様子に笑顔を見せるハルカさん。頭を撫でてくれます。わぁ、お姉さんっぽい!

そんなに気になんのなら、康介に聞けばいい。
あたしは康介じゃないし、康介が何考えてんのかなんてわからん。
なにより。今、康介の隣にいるのは、あんたなんだからさ。

・・・あたしにとっちゃ昔話はさ、やっぱ昔の話なんだよ

ハルカさんはそういい、ノ宮を康介のもとに送り出す。
最後のセリフを聞き、ノ宮にはわかってしまったことがある。
ハルカは、時間の流れに逆らうことなく生きていた
それは、いつまでも立ち止まったままの私にはとてもまぶしくて。少し、さみしいことだった。

康介のもとにやってきたノ宮。
ハルカさんから野球部の話を聞いたと言い出す。
そして尋ねる。こーちゃんにとって野球部っていい思い出・・・?と。

・・・そうだな。楽しかった。そりゃ間違いねぇよ。
ただ・・・まぁ『一勝』したかった。それだけが心残り・・・かな。

・・・ハルカさんと先輩には弟がいたんだよ
「もしこの弱小野球部で一勝出来たら」「おまえの病気もきっと良くなる」
ただ、それだけの話だよ。

そういう話でありましたか。ハルカさんが週一でしか部活に顔を出せない理由。
康介が『一勝』をプレゼントすると宣言するに至った理由。
だけど、その『一勝』をあげることはできなかった。

『一勝』そんなことで何か結果が変わっていただろうか。
そんなことはもう誰にもわからない。もう、結果は出てしまったのだから。

確かに。これは所詮願掛けのようなものでしかない。
例え勝利をものにしていたとしても、弟さんの結果は変わらなかったかもしれない。
でも、もしかしたら。そういう思いがずっと康介には残っている様子。
そんな康介に、ハルカさんからの伝言を伝えるノ宮。

「うぬぼれんなバーカ」
「あれは誰にもどうしようもなかったし」「ましてや」「康介の力でどうにか出来た話じゃない」
「だからもういい」「もういいんだ」って。

ハルカさんからの伝言。それを聞き、改めて思い直す。
あの時の康介は「あと一歩」が届く人間になりたがっていた。

俺は変わりたかったんだ。
「俺はもう無力じゃない」ただそう思いたくて。

最後の試合でも一勝をプレゼントできず、気に病み、燻っていた康介。
そんな康介に、ハルカさんはピアスを送った。
そして、ハルカさんは中学を卒業する際、康介に対し言う。

康介・・・そのピアスはあたしからの免罪符だ
あんたがどれ程気にし続けようが、あたしが許し続ける。
だからもういい。もういいんだ

そのセリフ。改めて聞かされたのだということを思い出し、康介は涙を流す。
そんな康介を見て、ノ宮は思った。
こーちゃんもずっと立ち止まっていたんだ、と。

私とこーちゃんは、同じだったんだ・・・!!

康介は2年間の間ずっと『一勝』をプレゼントできなかったことを気にし続けていた。
免罪符を与えられたとしても、それで自分を許すことができなかったのでしょうな。
「あと一歩」そこに向けて踏み出せる人間になれたのはつい最近の出来事である。
それまではずっと立ち止まっていた。過去に囚われ続けて。
そんな康介と同じだとノ宮は言う。
一体ノ宮の過去はどうなっているのだろうか?
前からノ宮の過去は気になっておりました。家族はおらず、携帯も持ち歩かない。
島や丘と疎遠になっていたころは、一人で水切りをして過ごしていたという。
住吉さんと仲良くなったときは、そういう寂しさもなかったんでしょうが、その住吉さんとも距離が空いてしまった。

次回からはノ宮の過去か、立ち止まっている理由についての話が出そうな気がしますね。
快活そうな少女が抱えているものとは一体何なのか。
家族がいないことも含め、康介はその抱えているものを背負うことができるのだろうか。
そして、ドーナツが主食になった理由も明かされるのだろうか!?
全てはドーナツが原因だったという話に収まるのだろうか・・・これは壮大なドーナツ会社の陰謀劇だったんだよ!!
そんなオチが待っていたりしたら本気で困ります。



第35話 時間  (2012年 25号)


康介は、再会した時のノ宮のセリフを思い出している。

変わりたくても変われないものがあるのと同じ。
変わりたくなくても変わっちゃうことは、きっとこの先本当にたくさんあるんだよ。

・・・以前、ノ宮が言ったことだ。

「変わりたい」
「変わりたくない」
一見真逆のようで、根底にあるのは同じなのかもしれない。
きっとそんなことを考えるのは、いつまでも同じ時間に立ち止まっているからなんだろう。

康介とノ宮。2人は真逆のようでいて同じである。
だからこそ、康介は尋ねる。俺のいなかった4年間。どんなだった?と。

・・・うん。今度はちゃんと話すね?

ノ宮の口から語られる、康介が転校した後の4年間の話。
康介が引っ越してすぐ、事故でノ宮は両親を失った。
そのショックから、康介からの手紙に返事を出すこともできずにいたらしい。
なるほどね。それで音信不通の状態になっていたわけか。

両親が死亡したことは、芽吹以外知らないんじゃないかというノ宮。
あんまり人に言うことでもないと思うし、とのこと。
確かにわざわざ口にすることではありませんな。
でも、友人の親が無くなったことぐらいなら、親伝いに聞かされそうな気がしないでもない。
島や丘は、親からその辺りの話を聞いて既に知っているという可能性もありますな。

・・・気を遣われるのが嫌だったからってのもあるけど、
きっと一番怖かったのは、気を遣われて母さんにも父さんにももう会えないって実感したくなかったんだと思う。
実感したくなかったから、じーちゃんとばーちゃんにわがまま言って、あの市営住宅に一人で住むって言い張って、
けどやっぱり一人であの部屋にいるとさみしくて、誰も待ってない家に帰りたくなくて。

・・・それで4年間、ずっと一人で水切りしてた・・・ってか・・・?

そういう話でありましたか。
島や丘がノ宮と疎遠になってたのも、この辺りの気遣いがあったのかもしれない。
2人がノ宮の両親の死を知っており、ノ宮がそれを認めたがっていないのを知っていたとする。
それゆえに、そっとしておこうと距離をとっていたとしたなら・・・会う!ツジツマが!!

・・・今になって思うと、きっと私はこーちゃんを待ってたんだ
こーちゃんにまた会えれば戻れる気がしてたんだ。こーちゃんも、母さんも父さんもいたあの頃に。

だからあの春の日、こーちゃんが帰ってきたあの日。
その後ろ姿を見て、もしかしてと思った。
その顔を見て、やっぱりと思った。
泣き顔を見られたくなくて、必死に走った

なんとも・・・そういう思いがあの時にあったのか・・・!!
となると、先についていたノ宮がトイレで遅くなったというのもウソなんでしょうな。
泣きながら走ったあと、それに気づかれないように涙の跡を拭いていたので遅くなったわけだ。
うーむ、そういうことだったのか。なんだか感動的な気がしてきた。

両親の死でノ宮が弱っているなら、島もその隙に心に入り込んでおけば・・・
なんて思っちゃったりしたが、どうやらやらなくて正解だった気がします。よかったよかった。

芽吹がノ宮の家に遊びに来たとき、ノ宮はこんなことを言っていた。

ブッキー知ってた?私たちっていつか誰かが結婚したとしても、みんな『さくら』のままなんだよ?

ああ、言われてみれば確かに。
そうか、それで女子の名前は3人とも『さくら』なんだ
男は苗字が『さくら』だから結婚しても変わらないし、女子は名前が『さくら』だから変わらない。

桜ヶ丘さくら・・・いやいや何考えてんだ

ブブブブブッキー!?
何をいきなり乙女な発想をしているんですか。学校中にいいふらしてみたくなる衝動に駆られる。ウズウズ。
まあ、丘とのデートの様子からして、結構乙女であることはわかっておりましたけどね。

・・・みんな同じ『さくら』同じ名前・・・
それってさ、なんかまるで、まるで家族みたいじゃない?

なるほどねぇ。これが芽吹が言っていた、『さくら』に一番拘っているのはノ宮という話の理由であるか。
『さくら』という名前を揃えることで、家族が揃うような気になっていたわけだ。なるほどぉ。
しかし、そうなるとハルカさんだけはその規則から外れることになるんですな。
思わぬところで修一先輩がハルカさんより有利な箇所が出てくることになった!やったね先輩!!
まあ、ハルカさんは家に婿養子を迎えるようにすればいいって話ではあるんですけどね。

・・・『さくら』6人揃った時は嬉しかった。
結局昔に戻るとか代わりとかじゃなくて、また見つけられるんだなーって。

けどその後、すぐ怖くなっちゃった。この時間もいつか終わっちゃうんだなって
戻りたくても戻れないし止まってもくれない。
一方通行でただ進んでく・・・

私は、時間が怖いんだ

・・・本当はちゃんとわかってる。いつまでも子供のままじゃいられないって。ちゃんと大人にならなきゃって。

時が進めば、環境は変化する。否が応でも変わってしまうものはある。
今できあがってる大切な関係も、変わってしまうことはありえる。それが怖いとノ宮は言う。
わかる話ですな。
楽しい時間ほど早く過ぎ去ってしまうものであるし、切なく感じるものである。これが青春か・・・!!

今でも辛いか?と問いかける康介に、辛いとはちょっと違うかもしれないけど、時々たまらなくさみしくなることはあると答える。

きっといつか大丈夫になる日は来るかもしれないけど、やっぱり忘れられる日は来ないと思う
それはきっと・・・こーちゃんも同じなんでしょ・・・?

変わりたくても変われないように、変わりたくなくても変わってしまう。
忘れたくなくても忘れてしまうように、忘れたくても忘れられない。

ちゃんとわかってる。それは仕方ないことで、どうしようもないことだって。

忘れられなくて悪いかくそったれ!!
そんな簡単に割り切れるかこんちくしょう!!

いきなり、遠くに向かって叫びだす康介。えぇ!?こっ・・・こーちゃん!?
康介がまた壊れたぞって感じである。心配そうにするノ宮。だが大丈夫。まだいつもよりは平静な康介だ。

・・・ノ宮。おまえの言う通りだよ。いつまでも子供じゃいられない。
いろんなこと受け入れながら、ちゃんと大人にならなきゃって。
だからさ、ちゃんとわかってるからさ。ちょっとくらい愚痴ってもいいだろ?

そういう話でありますか。まあ、いいんじゃないんですか。ちょっとくらいなら。青春には必要だ。

康介「女々しく悩んで何が悪ぃ!?そんな簡単に大人になれたら誰も苦労しねぇっつーの!!」
ノ宮「時間が戻らないとか止まらないとかそれくらいわかってるよ!!ちょっとくらいそんなこと考えてもいいでしょ!?」

遠くに向かって並んで叫ぶ2人。やあ、青春が迸っているかのようだ。

きっとみんなわかってる。いろんなことが仕方ないことも、どうしようもないことも、何が正しいとかどうすべきとか。
ちゃんとわかってる。だからさ、せめて今はちょっとくらい愚痴ってもいいだろ?
言うだけ言ったら、ちゃんと前に進むから

こーちゃんのアホーっ!!

えぇっ!?
ぐ、愚痴っていいとは言ったけど、まさか悪口が飛んでくるとは思いませんでした。酷いよ!!
まあ、溜め込んでいいようなものではないし、この機会に言っておくのはいいかもしれませんな。
いや、ノ宮ならこのぐらいは普通のときにでも言うかもしれないが・・・

ともかく。
ノ宮の両親の不在、そして『さくら』を集めようとする拘りについて判明してしまいました。
順調に伏線は回収されていっている様子。
これはこのまま大団円を迎える流れとなってしまうのでしょうか?
ここで、あえて話を逆転させる流れとか来たりしないものだろうか。
住吉さんの母がまた倒れちゃうとか、島が陸上の合宿で潰されちゃうとか、芽吹兄がまた暴れるとか。
まさかの2週目!てな展開がないとも限らない。何故ならそれもまた青春であるから!な!!



第36話 紡ぐ  (2012年 26号)


修一先輩とハルカさんの弟。もはや記憶だけの存在となってしまった子。
修一先輩はその弟のことを振り返る。
あいつは野球部の話が好きだった。だから部活の日は見舞いをハルカに任せて、俺は野球部に顔を出し続けた。

そして、見舞いの日には野球部の話を聞かせてあげることにしているらしい。
ある日、面白い話があると切り出す修一先輩。

こないだ新入部員が来てさ、そいつの名前がなんと・・・『さくらこうすけ』
漢字は違うけど、おまえと同じ名前なんだよ。幸助

作楽康介桜幸助。感じは違うけど、同じ名前の2人。ふうむ・・・これは。
修一先輩やハルカさんが格別に康介を構っているのはそういったわけがあったということなのだろうか?
いや、康介とこの2人であるならば、そういった接点がなくても仲良くなっていたに違いあるまい。

それはそれとして。
康介が幸助のことを知っていたことを今更ながらにハルカさんから聞かされる修一先輩。

・・・おかしいとは思ってたんだよ。
いくらなんでも康介のヤツ・・・『一勝』出来なかったこと、気にしすぎじゃねぇかって。

どうせ黒木か中谷辺りだろ?あいつら口軽いからなー、と修一先輩。
確かに、その2人は聞いていた。修一先輩が幸助くんに言っていた言葉。
もしこの弱小野球部で一勝出来たら、おまえの病気もきっと良くなる!!という言葉。

・・・俺はキャプテン失格だな。そんなもんまで康介に背負わせちまって・・・
・・・結局、康介から野球とか野球部連中とか奪っちまったのは、俺だったんだな

そう述べる修一先輩の背中はなんとも寂しそうである。うーむ、切ない。
確かに、康介は『一勝』をプレゼントできずに内に篭るようになってしまった。
それは、先輩たちに『一勝』を送れず、弟の死という結果を迎えることになってしまったため。
せめて幸助くんが元気になったというのであれば、康介がこんなに思い悩むこともなかったかもしれない。
とはいえ、それで康介が悪いなんて話はあるはずもない。
誰が悪いとか、誰の責任とかでもないし、全部もう済んだ話である。

・・・ったく。ホントよく似てるよ。あんたと康介
ホント、クソ真面目で、なんでもかんでも一人で背負い込んで。

・・・かもな。

軽い様子で、包容力がある感じだった修一先輩。であるが、実のところ康介と似たような性格であるらしい。

康介が中学2年で俺が中学3年で、俺の引退試合となったあの日。
あれ以来、野球部のメンバーで集まることはなかった。
ごめんな、幸助
おまえが好きだって言ってくれた野球部は、もうないんだ

なんとも切ない話である。
あれだけ仲の良さそうに騒いでいた野球部の連中とも、会うことはなくなっている。
時が過ぎれば、自然とそうなる。数が多ければ多いほど、疎遠になる人数は多くなる。そういうものだ。
わかってはいるけど、改めて言われると切ないものがありますなぁ。

さて、思いっきり弱音を叫んでいた康介とノ宮。喉がガラガラになるくらい叫んだようだ。
すっかり汗だくになっている。けど、思いっきり弱音を吐いたことで少しスッキリした様子。

結局さ、もしかしたら何が問題なのか理解するのが一番難しいのかもな

そうかもしれませんな。それが分からなければ、向き合うとか逃げるとかそれ以前の話になってしまう。
これまでの住吉さんや島、芽吹の問題も、原因がわかるまでが一番難しく感じられた。
逆に原因さえ判明してしまえば、意外なほどにスッキリと解決したりしてしまっている。
やはり何が問題なのか理解するのが一番難しいって話なのであります。

・・・案外自分のことってわかんねぇもんだなって。もう大丈夫だって思ってても、大丈夫じゃなかったりさ。
自分が何の前で立ち止まってるのか、それさえわかれば弱音とか愚痴とか言いながらでも、ちょっとずつでも進めるのかなって。

ノ宮にそういいながら、康介は気づいたことがある。
きっと俺は、あの中学時代の野球部の日々をまだ終われずにいるんだ、と。

あの結末を、いつまでも受け入れられずに。
過去には戻れないし、変えることなんて出来やしない。でも、だからこそ。
だからこそ。過去じゃなく、今。もし俺に出来ることがあるのなら。
そしてもしそれが、俺と同じように立ち止まってるノ宮の・・・ノ宮の勇気になるのなら。

過去じゃなく、今

そんなことを思いながら、思わず島の言葉を浮かべる康介。
そう、嫌な思い出のまま終わりたくねぇからさと今を見据えて島は陸上部に戻ることにした。
こうして見ると、その一歩を踏み出した島のことが凄いヤツに思えてくる。不思議だ。

やり直すことなんて出来ないけれど、時間を越えて、今、続きを紡いでいけることもあると俺は知ってる。
俺たちが出会って、また始められたように。

バラバラになってしまった『さくら』たちが、人数を増やしてまた一緒に行動している。
そうやって新たな関係を紡ぐことができる。康介はそれをやれることを知っている。
であれば――なにやら、康介には思いついてしまったことがあるようだ。

・・・なぁノ宮・・・言ってたよな。時間が怖いって。
『さくら』たちと過ごす時間もいつか終わるんだって。

・・・もしいつか『さくら』たちがバラバラになったとしても、また集まれる日が来るって思えたなら、もう時間は怖くないか?

そんな風に思えることが出来たら、怖くなくなるかもしれない。
だが、どうやったらそんな風に思うことが出来るのか。
『さくら』たちを集めた奇跡はある。が、それ以上の奇跡を起こせば、そんな風に思えるようになるかもしれない。
出来るかどうかはわかんねぇ・・・けど、けどさもし・・・

もし俺があの野球部をもう1回集められたら、『さくら』だっていつかバラバラになっても、また会えるって信じられるか?

・・・まあ、同窓会ってヤツだよ
それが出来たらその・・・ハルカさんにも先輩にも、泊めてもらってるお礼にもなるかな・・・なんてな。

康介の提案に、驚きの表情を持って応えるノ宮。
しかし、その後は満面の笑顔で肯定してくれます。

うん!!びっくりさせようよ。ハルカと修一を。

そうか、修一先輩も呼び捨てなんですね。いや、それはまあいいか。
ともかく、ノ宮も肯定してくれたようですし、野球部の仲間集めが始まることになりそうであります。

ノ宮、俺とおまえが同じように立ち止まってるなら、今、一緒に踏み出そう。
昔話が昔の話であるように。

そう決めた2人でありました。
次回からは野球部の仲間集めが開始されそうな流れ。何人いるのだろうか?
それはさておき、康介たちは一体どれだけの時間叫んでいたのだろうか?
夏だと言うのに、暗くなるまで外にいた様子。
ノ宮がハルカさんと争ってから後は康介と一緒であった。その後は2人で叫んでいた。
うーむ、やはりどれくらいの間叫んでいたことなのか・・・気になりますなぁ。

そして最後のページ。あいつらだってさ、いつまでも子供のままじゃねぇんだからさ、と言われているページ。
2人が並んで歩き、光の中に消えていこうとしているかのように見える。
過去、未来を紡ぐ今!なんてアオリが入っていることも含め、タイムトラブルでも始めるのかと思えてしまう。
むしろそういった話もありかもしれませんな。
過去の出来事が忘れられないから、過去の野球部の連中を集めてくるぞ!とか。
いや、それじゃ全く未来を紡げていないじゃないか!じゃ、じゃあ未来の自分たちも集めてくれば・・・
過去と未来の野球部員が同じ時に揃った!紡がれたよ!!タイムパラドックスなんて怖くないよ!!
そんな展開があるかもしれません。ねーよ。



第37話 再会  (2012年 27号)


康介とノ宮、二人で踏み出す一歩。
まずは、修一先輩と一番仲の良かった黒木さんという人を尋ねるとしましょう。

――って、今夜からいきなり始めるのかよ!!
飯も食べずにご苦労なことである。
動き始めた青春は止まらないって話でしょうか。文字通りメシ食ってる場合じゃねぇ!!

あの野球部をもう一度集める。
あの日、『一勝』に手が届かなかったあの日、野球部から逃げ出した俺が。

・・・今日じゃなくても、今日じゃなくてもいいんじゃないか。別にまた明日にでも・・・
そもそも今更どの面下げて・・・

悩み出す康介。まあねぇ。別にこんな遅い時間に訪れなくたって、と思いますわなぁ。
だけど、今日やろうとしたことを明日に送るのはよろしくない。
今日逃げたら明日はもっと大きな勇気が必要になるぞ。とは、あるチャンピオン作品のキャラのセリフ。
うーむ、名言であるなぁ。

こーちゃん。『あと一歩』だよ

まあ、康介としては、この言葉で十分でありますな。
ノ宮がついてきてくれるのはやはり大きかったようだ。おかげでその一歩を踏み出すことができる。

正直・・・怖い。けど、だからこそ踏み出さなきゃいけない。
立ち止まったままのあの日から、今とをつなぐ新たな一歩を。

インターホンを鳴らす康介。はいはいっと出てきたのは黒木さん本人であります。

・・・その・・・夜分にすみません。・・・作楽康介というものですが・・・

この挨拶だけで十分だったのか、ドタバタと大きな音を立てて黒木さんが玄関を開き姿を現す。
黒木さん・・・?
なんだか、その・・・なんでしょう。その左頬の傷は?
昔の回想を見る限り、そんな傷なかったですよね。あの・・・正直怖いんですけど。

別にそれでビビッているわけではないが、ともかく恐縮している康介。
今の今まで何の連絡も取らなかったことも含めて謝罪しようとする。

おい、てめぇ康介。歯ぁ食いしばれ

その言葉と共に、康介の顔面を殴りつける黒木さん。ドッ。

これで全部チャラだ
全部チャラっつってんだよ。てめーが謝ろうとしてる、くっだらねぇこと全部な。

んなくっだらねぇことよかなぁ・・・康介てめぇ、元気にしてたか?

笑顔で語りかけてくる黒木さん。あらやだ、かっこいいじゃないですかこの人。
そりゃあ康介も思わず肩を震わせてしまうってもんですよ。仕方ない。

実際のところ、黒木さんは康介がこっちに来ていることは修一先輩に事前に聞いていたらしい。
なるほど。であるからこそ、家にやってきたことに対する驚きは半分くらいで済んだわけだ。
黒木さんは、野球部全員集めて同窓会という案に乗り気な様子。
だけど、4日のうちに全員集めることはできるのかね?と疑問。高校の寮に入っている人もいたりしますからねぇ。
全員の連絡先を教えてやろうかという黒木さん。そうすればわざわざ全員の家を回んなくても・・・

あ・・・いや。その・・・ありがたいんスけど・・・
ちゃんと全員直接会えるなら・・・それが一番いいのかなって

まあ、そうでしょうね。それぞれ会いたいと思っているでしょうし。会うのが一番いいでしょう。
それはそれとして――だ。

康介てめぇ・・・あの娘なんなんだよ!?てめぇの女か!?

ようやくノ宮の存在に気づいたらしい黒木さんの突っ込み。
いきなりそんな風に言われたりしたら恥ずかしいじゃないですか。
でもまだそんなんじゃなくて、その、説明すると長くなりますけど。

てめぇの長ったらしい説明なんざ聞いてられっか。
さっさと他の連中んとこ行って殴られてこい!!この女たらし

蹴り飛ばされる康介。そりゃあそうですよね。この女たらしが!!
ともかく、黒木さんの家を後にし、他の人の所を回ることにする。

・・・ねぇ、こーちゃん。もしかして私・・・いる意味無い?

まあ、確かにあんまりない気がしないでもない。面識のない相手ですし、気まずかろう。

・・・でもさ、その・・・ノ宮さえよけりゃなんだけどよ。
俺は・・・ノ宮にいてほしい・・・かな
それでもし俺がビビッてたら一声さ、ダッセェって言ってほしい。
なんつーかさ・・・その。そしたら俺は、前に進めるっつーか・・・ダメか?

・・・いいよ。こーちゃんの側にいる

あら?なんだかプロポーズでも受けて、返事したかのような流れになっていないですか?
まあ、似たようなものか。なんとも幸せそうなオーラでも漂わせてしまいそうな流れでございます。
そんな状態で野球部という、彼女とかがいそうにない連中の家を回ったりするわけでして・・・

「くらえ康介!!」「いくよっ!!」「このリア充がっ!!

最後のセリフが全てを表しておりますね。そう、それだ。康介てめぇ・・・このリア充が!!
これは殴られても仕方ない。むしろ積極的に殴られてしかるべきでありましょう。
長く連絡も取れず、どうしているかと心配していた後輩が可愛い彼女つきで現れました。
これは祝福の意味も込めて殴っておかないといけますまい。やっかみも半分くらい乗せたっていいよね?

最後の日焼けした先輩だけ笑顔で殴ってきているが、これは本人彼女持ちの余裕ゆえってなことなのだろうか?
それとも、笑顔の裏には大きな怒りが潜んでいたりするのだろうか。
あの可愛い康介が女なんか連れてくるだなんて・・・とかそういう。いや、そういった流れは勘弁なんだ。

なぁノ宮。不思議なもんだな。
こうやって同窓会だっつってさ、昔の仲間と再会して昔に戻ってるようで、
その反面あれからそんなに時間が経ったんだなって自覚して。
戻ってるようでちゃんと進んでる。だからさ、矛盾してるけどさ、戻りたいのなら進まなきゃいけないのかなって。
胸張って再会出来るように。

胸張って再会してまた別れて。いつかまた会えるようにそれぞれの場所で頑張ってさ。
「あいつも頑張ってる」なんて思いながら。

顔はボコボコになったが、かえってスッキリしたって感じですかね、こーちゃん。
同窓会の話は皆ノリノリらしく、乗ってくれる。これで残るのはケンヤとカズユキの2人のみ。
ってなんで黒木さん含めてみんな集まってきてるんですか。別にいいですけど。

つーか康介てめー、同窓会で何やんのか決めてんのかよ?
つまんねーことだったら容赦しねーぞ?

その黒木さんの問いに、康介はこう返す。このメンツでやることなんて、一つしかないでしょ?と。

当然!!これっきゃねぇわな

みんなグローブやボール、バットを持参してきている。用意がいいというか、ちゃんと理解しあっているって話だね。
でも、なんというか・・・バット持った黒木さん。似合いすぎて困るんですけど。
いや、野球選手としてのバットという意味じゃなくて、別の意味合いで。

・・・「あと一歩で世界は変わる」
またあとでこーちゃんに聞いてみよう。
『あと一歩』踏み出して、こーちゃんの目には、今どんな世界が映ってるのかって

かつての仲間に囲まれ嬉しそうにしている康介。
ノ宮もこの姿に希望を持ち、進むことが怖いことじゃないと思ってくれるなら、それは何よりのことでございます。

思ったよりも遥かに早い速度で集まる野球部員たち。
今日と明日で集めると言っていたが、下手したら今日だけで全員揃ってしまいそうな勢いだ。
にしても、顔を腫らして帰ったらさすがに追求されたりしないものだろうか。住吉さん辺りに。
まあ、若い男女が夜中に帰ってきて、男の方は顔をボコボコにしてた、なんていったらねぇ・・・奥さん。
茶化すネタには事欠かないことになりそうである。楽しみであるな!!



第38話 プレイボール!  (2012年 28号)


頑張って再び中学の野球部の部員をそろえようとした康介。
その結果を修一先輩とハルカさんにお披露目します。というわけで移動中。

肉か!?この先に大量の肉でも用意してんのか!?

ハルカさん・・・
康介を大きくするために肉を用意していたのかと思っていたが、単に本人が肉好きだったらしい。
その肉食っぷりで今の豊満で俊敏な肉体を手に入れたということなのだろうか。
住吉さんも少しは見習ったほうがいいかもしれませんね。金かかりそうな食生活だけど。

それにしても、やっぱり康介の顔の傷はツッコミを入れられてますな。
そりゃあね。ノ宮と2人、長いこと夜中をほっつき歩き、帰ってきたらボコボコなのだもの・・・

ダメだぞ康介。無理矢理は。ドーナツだっていきなり押し倒されたら・・・

そういう風にからかわれるのは当然ですな。ハッハッハ。リア充め!
ま、そんなからかいにも耐えて、見せたいものを披露する康介。

・・・先輩、ハルカさん・・・これが、これが見せたかったものです。

特に問題なく部員全員をそろえることができたらしい。よかったよかった。
丘たちも、康介が集めた部員たちを受け入れてくれます。
しかし、部員たちにしてみれば青天の霹靂。なんせ女子が3人もいるのだ!!
そりゃあ驚きでしょうさ。しかも皆可愛かったりするという。これはまた・・・この野郎。高2の夏をエンジョイしやがって
おい!もう一発殴ろうぜって流れになるのは必然というか当然の帰結。

そういえば、前回は笑顔で康介を殴っていた日焼けの先輩。
今回はちゃんと笑顔で怖そうな顔になっている。やっぱり笑顔の裏で怒ってたんや!!

ともかく、康介は先輩のために部員を再びそろえたのでありました。いい後輩じゃねぇか。

・・・あぁ。康介は最高の後輩だよ。あの頃からずっとな。

よい話でありますね。
さて、大人数になったところで広い場所に移動する。野球ができるくらいに広い場所だ。
そこで軽く交流。よかったな野球部員共。女子と交流できる機会が設けられたぞ!!

・・・どうやったら女子と旅行できんの?
おい康介。もう一発殴ってもいいか?

まだ殴る気ですか!?
フッ。部員たちは知る由もなかろう。
まさか康介がこの女子3人のうち2人からすでに好意をよせられていようなどとは!!
知られたらもう一発ずつなんて優しいことになっていたかどうかわかりませんやね。
逆にいうと、住吉さんが告白するタイミングは今かもしれない。惨事を起こすという意味では。

それはさておき。
ハルカさんはこの光景を見て呆然としている。

わかるよハルカ。おまえが戸惑うのも。
俺だってまたこのメンバーが集まれる日が来るなんて、思いもしなかったから。

このまま思い出は思い出のまま。再び集うこともなく、離れ離れになる。
そんな風に思っていたらって状況ですからねぇ。そりゃあ戸惑いもしますわな。
まさしくサプライズ。康介の狙い通りになったと言えます。

というわけで、野球開始。
人数は18人に少し足りないけど、まあなんとかなるでしょう。どういう風にチーム分けしたのか。適当かな。
ともかく、プレー開始。死ねぃ!康介!!この幸せもんが!!
いきなり殺意向き出しのバッティングを見せる部員。気持ちはわかります。
でも、その打球は丘を直撃。ゴッ。丘ぁ!!なんだか久しぶりに叫ぶな。丘ぁぁぁ!!

あー悪い悪い。康介狙ってたんだけど・・・

悪いで済んだら警察はいりません。芽吹もいりませんって話です。
というわけで、ぶつけた部員はブッキーに連行される。ちょっとそこまで歩こうかって話だ。くいっ。
やっぱり芽吹は怖いですなぁ。ほどほどになー。
どうやらその部員。無事に帰ってきたようだが、青い顔をしている。何があったのだろう。何があったのだろう。
気にはなるけど。それはさておいて――

・・・なぁ康介。
きっとさ。おまえが一番気に病んでたと思うんだよ。『一勝』できなかったことを。
誰より頑張ってたのはおまえだからさ。
だから皆思ってた。そんなおまえを差し置いて、俺たちだけ集まって楽しくやるのは何か違うって。
そしてもう一つ、皆ずっと思ってた。
もしいつか、康介おまえがもう一度集まりたいって言ってくれたのなら、何が何でももう一回集まろうぜって。

なぁ幸助
おまえが好きだって言ってくれた野球部は、そんな簡単に消えてなくなるものじゃなかったみたいだ

よい話でありますね。
うがった見方をすると、康介が沈んでたせいで部員が集まることがなかったと読めなくもないが・・・
ま、まあ。今こうしてちゃんと復帰した康介の呼びかけでまた集まることができたわけなんですし、ね。

プレーは続く。
そんな中、守備につく康介は横に抜けそうな打球に思い切って飛びつく。ダイビングキャッチだ。
その光景は、今でも頭にこびりつく、あの中学野球部での最後の試合の光景。
『あと一歩』が届かなかったときの光景にそっくり。だが、今回は届いた。『あと一歩』に手が届いたのだ。

・・・先輩・・・俺・・・届いた。
俺・・・俺っ・・・届きましたよ・・・!!

・・・先輩・・・俺っ・・・ずっと言いたかったことがあるんス・・・
ずっと・・・ずっと言い残してて・・・「すみません」とかより・・・ずっとずっと強く・・・

ずっとずっと本っ当に、ありがといございました!!

夕焼けに染まる空の下、康介の感謝の叫びが木霊する。

・・・バカだな康介は・・・あのな、そんなの・・・こっちのセリフに決まってんだろ・・・?
最高の野球部をありがとう。康介

涙する男2人。うーむ、青春だねぇ。
ずっと康介の中でわだかまりとなっていた『あと一歩』という状態。
それを届くことができた。感無量でありましょうな。そして、ようやくずっと言いたかったお礼を言うことができた。
康介自身の足を止めていたものから解消され、部員たちも心配していたものが解きほぐされた。
皆によい結果となった同窓会といえましょう。よかったよかった。
『さくら』たちも、皆康介のことは気にかけているだろうし、康介が幸せになれたのなら嬉しいはず。
丘も打球をぶつけられた甲斐があったってもんだ。そこはなくても問題なかったろうけど。

そういえば、こんな感動的な光景だが、島はいないのですな。
康介が過去の因縁から解放された記念すべき瞬間だというのに・・・!!
しょうがないっちゃしょうがないけど、間の悪い男である。そこが島らしいといえなくもないんですけどね。

さて、いい感じに話がまとまってきました。
合宿も残り2日ほどだと思いますが、後は何をするのでしょうか。
次回いきなり帰宅する場面になったりしてそうな気はしないでもないですけど。
住吉さんはもう告白する機会はなさそうだし、合宿中にやることはもうないかなぁ。
せっかくだから少し足を伸ばして川かどこかに行ってみんなで水着に着替えてって話になってもいいのよ?問題ないのよ?



第39話 感謝  (2012年 29号)


合宿のシメは祭り!!祭りだ祭りだー夏祭りだーい!!

どうやら、野球部の連中はあれからもずっと一緒に遊び歩いている様子。
康介たちと同じくぞろぞと連れ立って夏祭りに来ております。

ねぇねぇこーちゃん。花火って何時から?何時から!?

浮かれまくりのノ宮。はしゃいでうろうろしたら迷子になりそうな勢いだ。
ならば、手でもつないでやったらどうだ、とハルカさん。くそう、面白がってやがるな!
まあ、この2人の組み合わせを見て面白がるのはわからないでもない。
しかし、それをやられると住吉さんの立場が大変複雑なものとなるわけでして・・・

芽吹。あれ美味そうじゃない?食べましょ?ねぇ、食べましょ?

微妙にやけ食いを始めてしまう住吉さんでありました。切ねー。

なんだかんだと色々会った合宿も今日で最終日。明日には帰る予定となっています。
なんせ康介は明日補習が待っておりますからねぇ・・・ということは、島もか・・・ノ宮はどうなんだ?

というか、黒木さんたちこそ・・・いいんスか?受験生なんでしょ?

全くですね。思いっきり遊び歩きおって。いやまあ、ときには息抜きも大切かなぁ。

現実逃避して何が悪い!!

開き直るなーッ!!中谷さんってば・・・しょうのない人である。
ちなみに黒木さんは就職とのこと。就職かあ。顔に傷つけた状態だと色々難しそうですなぁ。
本当、どこでその傷をこさえたのだろうか。
仲間からもチンピラ扱いされてますしねぇ。怖いお人である。上司殴るなよ?

そうこうしているうちに花火が始まる。
そのタイミングで食べ物を買いに行く黒木さん。
このタイミングならみんな花火見てるから客足は少ないという計算だ!さすが黒木さん。計算高いわぁ。

それにしても、康介が立ち直ったのが今年でよかった。
あと1年ずれていたら、就職組みも多く、揃うことは難しかったかもしれない。
康介としては、就職した後はどうなっちゃうのだろうかという危惧があったように見える。
だけど、修一先輩は言う。

大丈夫だよ。いつかまた集まれるよ。おまえが集めてくれたこの野球部なら

そうですね。そう信じたいと思います。皆いい奴らですものねぇ。羨ましいわぁ。

さて、皆とは少し離れた場所で花火を楽しんでいるノ宮。
側にいたハルカさんは、神社の本殿を前にして立ち尽くしている。
どうやら昔のこと、弟のことを思い出してしまったようだ。
よくここに足を運び、弟の病気が治るようにお願いしていたというハルカさん。
表面には出さないようにはしてたみたいだけど、やっぱり必死だったんですねぇ・・・

あたしはさ、弟が向こうにいっちまった時、泣かないって決めたんだ。
泣いても喚いても何も変わらない。
だから立ち止まらないように、「昔話は昔の話」ってフタをして線を引いて。振り返らず生きようって。
・・・けどさ。たまにゃこうして振り返るのも、いいもんだな。

・・・あんたと昔の話して、康介がああして昔の野球部連中集めたの見てさ、なんか気付いたよ。
あたしは辛い結末と一緒に、こんな楽しかったいい思い出にまでフタしちまってたんだなって

なんだかスッキリした感じに見えるハルカさん。
野球部連中が集まったのを見たとき、かなり呆けた様子でしたが、そういった思いでいたんですね。
ハルカさんのそんな言葉を受け、ノ宮も身の上話をする。
ノ宮の両親は2人とも事故で亡くなった。

・・・私はハルカと違って立ち止まっちゃったから、ハルカの「昔話は昔の話」っての聞いて、すごいなって思った。
でもね私・・・立ち止まって良かったと思うことが一つだけあるんだ。
一つだけ気づいたんだ。どうしようもなく辛くて悲しくて、さみしかったけれど・・・
こんなに辛くて立ち止まっちゃう程大切でかけがえのないものが私にはあったんだって
だから、辛い分だけ「ありがとう」って。
それを辛い思い出と一緒に忘れたくない。
辛い思い出も、いい思い出も、一緒に前に進もうって。今はそう思うんだ

よい話ですね。
前に進もうって思えたからこそ、立ち止まった時の大切さを振
り返ることができたともいえる。
そして、その大切な時の象徴がドーナツだったわけですな
そうか、ノ宮にとってドーナツは亡くなった両親との絆の証みたいなものだったのか。
そりゃそのドーナツを奪ったハルカさんに牙をむいても仕方がありませんわなぁ!

そして、さらに判明した事実。
ハルカさんと康介がつけている桜のピアス。
これは幸助くんがハルカさんの誕生日プレゼントとして贈ったものだった
なるほどねぇ。これならば、ハルカさんがずっとピアスを外さずにいた理由もわかるってものである。

ノ宮はハルカさんに対し、言う。

私も・・・泣いても喚いても何も変わらないと思うけど。
だから私は、泣いても喚いてもいいと思うんだ。

ノ宮のその言葉にほだされたのかどうなのか。
弟のことを思い出し、涙するハルカさん。
花火の音に紛れ、その泣き声は誰かに聞かれるようなこともない。今は思い切って泣くとよい。

それは思い返せば花火のように一瞬で。目に焼きついて消えない記憶。
大事で大切で幸せで大好きだった日々。
この痛みと、大好きだったあの日々に。限りない感謝を込めて――

・・・ありがとう。ありがとう幸助・・・!!

楽しかった過去、悲しかった過去。
それらに立ち止まることなく、感謝を込めて振り返り、前に進む。とても大切なことでありますな。
強そうに見えたハルカさんも、そういった悩みを抱えた人だったということであります。

先輩たちの悩みを吹き飛ばし、明日には帰ることになる康介たち。
伏線はほぼ全て回収されてしまったような状況だが、今後どういう展開になるのでしょうか。
とりあえず、補習と島が待っている。その顛末が描かれることになるのでしょうな。
果たして島はちゃんと陸上部の合宿に合流できたのだろうか?
反省の意味も込めて坊主になってたりして。島の芝生が刈られているだと!?驚きの新展開。ありそうな気はします。



第40話 帰り道  (2012年 30号)


楽しかった夏合宿も終了。お別れの時間と相成りました。
受験終わったら今度はこっちから行くからな、と修一先輩。
その修一先輩に対し、また語り合いましょう!と答える丘。
確かにこの2人よく話をしていたが、何について語り合っていたのだろうか・・・?

そして、ノ宮とハルカさんは泣きながら飛び上がって抱擁を交わす
初日ケンカをしていたはずなのに、いつのまにやらマブになっておりました。
まあ、お互い悩みとか弱いところとか見せた仲でありますからねぇ。
仲良い分には問題ない。まさしく芽吹の言う通りである。

ホント、あっという間だったな・・・

先輩たちと別れ、しんみりする康介。
その背中に黒木さんたち野球部員たちの声が投げかけられる。俺らに一言もなく帰ろうなんざ、いい度胸じゃねぇか!!

「また来いよクソ野郎!!」
「今度はいっそ女の子10人くらいつれて来い!!」
「メールシカトすんなよ?」
「元気でな!じゃねーとまたぶん殴ってやる!!」
「また野球やろうぜ!このメンツで」
いや、あれだ。桜島っつったか!?今度はそいつもつれて来い!!

修一「康介!絶対だぞ!絶対にまた会うんだからな!」
ハルカ「康介!そいつら大事にしろよ!今度会ったらまた腹いっぱい肉食わせてやる!!」

未練を引きずるような別れになりそうであったが、これはまたスッキリとした別れになりましたね。
一度別れはするが、また会うこともある。そう思えるいい話であります。
康介も見開きでいい笑顔を見せてくれますわ。よかったよかった。
何がよかったってさりげなく島の名前が出されているのがよかった。やったね島公!

帰り道。電車で並んで座る5人。帰り道は疲れて眠ってしまうものである。
丘は鼻ちょうちんまで作って豪快に眠っている。その肩にもたれるように芽吹が眠っている。
うーむ、なんですかねぇこの2人・・・!!まるで夫婦のような見せ付けている・・・!!

皆眠っているのかと思ったが、ノ宮と康介は起きていた様子。
改めて2人はこの1週間の夏合宿のことを思い起こす。あっという間の1週間だった。

あのね?こーちゃん・・・ありがとね。
もう私、時間は怖くなくなったから

ノ宮はそう告げる。ふむ、それはよかった。
野球部の連中を集めたのも、元はというとノ宮に時間は経過すれども、希望はあると教えるためだった。
その結果、ノ宮は時間を怖くないと思えるようになった。
そしてまた、その行為により、康介はまたあの野球部の連中ともう一回会うことができた。
康介のおかげであり、ノ宮のおかげでもある。

だから・・・その・・・礼を言うのはこっちの方なんだよ。ノ宮。・・・ありがとな。

礼を述べる康介。その言葉を聞き感極まったのか、ノ宮がいきなり康介の唇を奪って・・・なにぃ!?

はあぁぁぁぁああああああぁ!!?

ノ宮「なっ何、何してんの!?こーちゃん!?こーちゃん!?」
康介「はぁぁぁぁ!?んなもんこっちのセリフだろうが!?」

なんだか大混乱な2人。康介はともかく、仕掛けたノ宮までこの反応とは。
意志よりも先に体が思わず動いてしまったということなんでしょうかね。そりゃあ戸惑いもするか。初々しい。

こ・・・このこーちゃん君め。ノ宮パンチ、ノ宮パンチ!!

ゴッ。と派手な音を立てて繰り出されるノ宮パンチ。並の威力じゃなさそうだ。
いやノ宮、電車で人を殴ってはいけない!いや丘、そういう問題じゃないんだ。電車じゃなくてもよくないよ。

一体何がどうなっているのやら。起き抜けの丘や芽吹にはわからない。
しかし、住吉さんは起きており、全て目撃しちゃっていました。プルプルプル。あーあ・・・

なんだかとんでもない事態で終わりを告げた夏の合宿。
時は流れ、夏休み終了。何!?補習の話に行くと思ったらもう夏休み終わりだと!?
だが、久しぶりに島の姿を見ることはできた。
島は夏休みの課題をまだ終えていない。そう島の夏休みはまだ終わってないのだ!ダメじゃん。

島はどうやらちゃんと陸上部に復帰しているらしい。
同じ陸上部の速水くんと親しく話をしたりしている。おやおや、島ってば。

誰か俺に優しくしてくれ!!

おやおや、島ってば。陸上部でも扱いは変わりないようですな。さすがぁ。

新学期早々、芽吹とお話。
そして芽吹は言う。あれどうにかしてくんない?と。・・・あれ?

芽吹が向けた視線の先にいたのは・・・住吉・・・さん?

あら島くん。ごきげんよう・・・ふふふ。夏休みは満喫できたかしら・・・?

す、すす住ヨッシーが故障しているーッ!!プルプル。
玉砕を仕切れなかった結果がこれであるか。なんというか・・・なんというか。可愛いなオイ。

住吉さんは夏休みの間ずっとプルプルして過ごしていたのだろうか。
そうなると結構長い間プルプルしていたことになる。それでも立ち直れなかったというのか・・・
果たして住吉さんに復帰の目はあるのだろうか。
島がどうにかしてくれるのだろうか?というか出来るのだろうか?
人を立ち直らせるにはショックを与えるのがいいという。
うむ、島なら何か住吉さんを怒らせる手段がいくつも思い浮かぶはずである。
それらをいくつか、というか全部実行して怒られてみていただきたい。
島の芝生が無くなって平地になるころには住吉さんも元に戻っているかもしれない。いないかもしれない。



第41話 逡巡  (2012年 31号)


登場時はキリッとしていて、反吐が出そうとか言っていた住吉さん。
それが今ではすっかりポンコツのようになってしまったプル吉さん。
見事なbefore、afterであります。どうしてこうなった!?
やはり愛ですかね。愛ゆえに人は苦しまねばならぬ。愛ゆえに・・・!!
いやぁ、人って変わるものですね。ってそれを言うなら芽吹もたいがいである。

住吉さんがすっかり壊れちゃった原因は、もちろん合宿の帰りの電車内のアレである。

あ・・・あの二人が電車でキ・・・キ――ッ!!

落ち着いてください。色々と面白い人になってますね住吉さん。

住吉さんと芽吹、島の3人は屋上に移動。相談事があるときはやはりここですね。
そして、島は知る。ノ宮と康介がキスをしたことを。ずぅーん。

なんとも落ち込んだ気分になる島。
ノ宮への気持ちってのはもちろんあるが、友人が先んじてそういう行為をしたと知ると落ち込むのが人情である。
なんだかわからないけど、気分が沈む。不思議な感覚。経験あるわぁ。

こうなると、あのタイミングで告白しておいて良かったという島。たしかにね。後腐れがない。
まあ、そのせいで2人の仲が進展したともいえますけどね。
もしそうだとしたら、住吉には悪いことしちまったなと島。
だけど、住吉さんとしてはそれはお門違いな話である。

私は私で選んだのよ
あの時・・・島君がノ宮に告白するって教えてくれた時、私は島君とは違う選択をした。ただそれだけの話よ。

まあ、そういうことなんですよね。
それはそれでまた選択のひとつであったということなんでしょう。
話したことで気持ちの整理がつきそうになっているのか、笑顔を見せる住吉さん。おや、戻った?

・・・私は、見てきたもの。
いつだって康介君、貴方は、ノ宮のために。
・・・こんなのただの強がりかもしれない。ただの綺麗ごとだと言われるかもしれない。
でも、それでも。私は他でもない。ノ宮のことが好きな康介君に恋をしたんだ
そりゃあ、ちょっとは悔しいし、少し胸は痛むけど。

はぁーあ。どっかにいい男いないもんかしらね

空を仰ぎ、笑顔でそう述べる住吉さん。
ふむ、失恋の痛みを乗り越えることができたって感じですかね。
夏休み中壊れていたわけですし、長く悩んだ結果といえなくはないですわな。
それゆえか、康介の呼び名がフルネームから康介君に変わっている。これも変化の証なんでしょうか。
まあ、当人に対してそういう呼び方をしているわけじゃないから、まだわかりませんけどね。

・・・というかね、あっ・・・あの二人は公共の場で何してんの!?
あ・・・あんな!あんなこと!!バカなの!?あの2人は。

まあ、確かに。他に乗客はいなさそうだったけど、公共の場で異性交遊とは感心しませんな。
ようするに刺激が強すぎてオーバーヒートしてたのが故障の原因だったわけですな。
夏ですし、熱暴走には気をつけなければいけないって話ですよ。
そうなると、島と出会って気持ちが冷却されて立ち直れたと考えればつじつまは会う。酷い話だ!

ねぇねぇスミ。いい男ならここに!

と言い、島を指差す芽吹。おっと、この展開は!?

・・・・・・
ごめんなさい

いや・・・島君のことは嫌いじゃないけど、そういうのとは違うというか・・・いい友達でいましょう?

ええ!?なんで!?なんで俺フラれたみたいな流れになってんの!?

なんででしょうね。
この2人のカップリングは非常にありえると思っていたのだが、まさかの流れですよ。
芽吹はなかなかいい仕事をしてくれますね。この流れはこの流れでアリだ!おいしいよ島公。おいしい。

それはさておき、結局のところ、あのバカップルはどうしているのだろうか。教室でイチャイチャしてるのか?
と質問する住吉さん。バカップルはどうしているかというと――ギクシャクしている
あー・・・そっちかぁー・・・

まあ、思わずといった感じでの行為でしたからねぇ。
あれは発展するかギクシャクするかのどちらか、と言われたらギクシャクする流れですわな。

あーでも・・・ギクシャクとはちょっと違うかも。
なんていうか・・・照れくさいとかじゃなくて、お互い避けてる感じがするんだよねぇ。

ほう。それはなんだか微妙な話でありますな
。 そんな2人を気遣って一緒にお昼をどうかと提案する丘。丘は苦労人ですなぁ。
丘の誘いを断り、立ち去るノ宮。その想いは複雑。

何を浮かれていたんだろう。
私はこーちゃんが好きだ。だけどそれは、ヨッシーも同じなんだよね

もし私が島公の告白に応えてたら?
私だって島公のことは嫌いじゃないし。そしたら。
そしたら、ヨッシーとこーちゃんは?

・・・ごめんね?こーちゃん。
せっかくこーちゃんが、もしいつか『さくら』が離れ離れになっても、また集まれるって信じさせてくれたのに。
・・・誰より――

「誰より『さくら』をバラバラにしてるのは私だ」とか?

悩むノ宮の前に立ち塞がったのは・・・満面の笑顔の住吉さん。
この笑顔は・・・怖い!怖い笑顔だ!!

もし島君の告白に応えてたら、とか?
もし私に康介君をゆずれば、とか?

コツコツと足音を立ててノ宮に接近して行く住吉さん。

ははっ。確かにそうしたら6人仲良くやっていけるかもね。
そうやって誰も傷つかない選択を考えて、顔色うかがいながら末永く6人で・・・って。

まさに茶番ね。反吐が出るわ

出た!久方ぶりに反吐が出た!!でも、これはまさしく茶番呼ばわりされても仕方なし!!
住吉さんの追求に思わず逃げ出そうとするノ宮。
しかし、振り向いたところには芽吹が立ち塞がっていた。しかも、ニタァとした笑顔の芽吹だ!こっちも久方!!

悪いねぇ、ミヤ。こっちは行き止まり。

逃げ場を塞がれたノ宮。住吉さんは間近にまで迫ってくる。

ちょうどいいじゃないノ宮。覚えてるかしらこの場所・・・
中学の時、あんたが私に「友達になる」とか宣言した場所よ?

さぁ、心ゆくまで語り合いましょう。だって私たち友達なんでしょう?

久方ぶりに反吐を吐き散らしそうな住吉さんが帰ってきてくれた!わーい。
まあ、これは仕方がないですよね。
ノ宮の行為は正直あまりにも遅すぎる。
もうそれぞれが気持ちに整理をつけて、祝福までしようかってタイミングでやられても困るとしか言えない。
さすがの島も、それでノ宮と付き合えても嬉しくはあるまいて。あるまい・・・よな?

自分が身を引けばそれで、という考えもなくはない。住吉さんはある意味それで決着をつけたようなものですし。
だからといって、好き合っている関係のカップルがそれをやられても困る。面倒くさいことにしかならない。
というわけで、キッチリとその辺りを話し合っていただきたいものですな。
恋愛に対して幼すぎるノ宮にはいい教訓となりましょうて。

それにしても、お互い避けているということだが、康介はどういう考えでいるのだろうか。
康介としては単に気まずいという思いだけでいるのかどうなのか。今ひとつハッキリしませんな。
島に追求していただきたいところであります。

さて、そうこうしているうちに、最終回まで残り3話となりました
張っていた伏線はほぼ綺麗に回収されましたし、人物の関係も纏まりそうな雰囲気。
終わってしまうのは残念ですが、見事に走りきってくれたという感じはあります。
どのような最終回を迎えるのか気になりますが、楽しみつつその瞬間を待ちたいと思っています。



第42話 地ならし  (2012年 32号)


さぁノ宮。心ゆくまで語り合いましょう。だって私たち、友達なんでしょう?

正面から迫り来る住吉さん。微妙に目の焦点があってない感じがして怖い!
後方は芽吹が抑えており、逃げることは出来ない。
ちなみにノ宮は真剣な話になると逃げ出そうとする。この情報は島からもたらされたものだったりする。
なるほど。そういうわけで、逃げられないように退路を塞いだわけですな。いい情報だ、島。

その島は屋上に1人残っている。そこに康介登場。丘も一緒に屋上にやってきた。
ふむ、女3人に続き、こっちは男3人が揃ったって状況ですな。

康介はなんだか神妙な顔をしている。これはひょっとして気づいてしまったってことでしょうか?
島がノ宮に告白したってことを。

・・・合宿が終わって少ししてから・・・だな。そう考えると今までのいろんなことの辻褄が合うなって・・・

そりゃあね。あんなタイミングで1人だけ帰ったら何かあったのかと普通は思う。
合宿中に気づけなかったのは康介も色々と大変だったからってことなんでしょうかね。
しかし、そうか。それでノ宮だけでなく、康介もなんだか気まずい感じになっていたのですね。
ノ宮が住吉さんに遠慮していたように、康介は島を気遣っていたと、そういうわけか。
うーむ、やっぱり似たもの同士だなこのバカップルは。バカ共めが。

ずっと気づけなくてごめんなという康介
。 しかし、島。本当に俺に言いに来たのは、ノ宮に告白するって決めたってとこじゃねぇの?と突っ込み。
鋭い話である。康介はノ宮に想いを伝えたいとは思っていた。

康介「・・・島・・・おまえがどんな風に思ってくれてもかまわない。俺はノ宮が・・・」
島「・・・嘘だな。本当に俺のこと気にしてないんなら、わざわざんなこと言いに来ねぇよ」

まさしく、ですな。さすがに島。見抜いております。
だからこそ、島は康介の胸ぐらを掴み、言う。
そして、同じタイミングで住吉さんもまた、ノ宮の肩を掴み、言う。
島君の告白をオッケーしてたら?私に康介君をゆずる・・・?
ノ宮あんたバカにしてんの?私も島君も康介君も

住吉「あのねノ宮。・・・あんたは気を遣ってるつもりかもしれないけどねぇ」
島「・・・あのな康介。そんな気遣って何になるってんだ・・・?」

おまえらがうまくいったら俺は幸せか?おまえらがうまくいかなかったら俺は幸せか!?
バカにすんなよ!?俺は俺なりに悩んで答え出してんだ。その答えに泥かけてんじゃねぇよ!

だから!

島「俺は俺で勝手に一歩踏み出すから!作楽康介!!
住吉「桜ノ宮さくら!あんたはあんたで勝手に一歩踏み出しなさい!!

同じようなタイミングでそれぞれ相手の眼前で叫ぶ2人。
うーむ。何だかんだでこの2人も似たもの同士なのかもしれませんなぁ。
似たもの同士とはいえ、康介とノ宮のように惹かれあうとは限らないですけどね。ええ、限りませんとも。限らん!

島の激励を聞き、丘は笑顔で述べる。だから言っただろ?と。

俺の知る桜島結太という男は、そんなに弱い男ではないと

いやはや全くでありましたね。さすが丘。その目に狂いはなかったということか。
あの初期の、康介を避けたりしてた頃の島を見ていると、丘の言葉はとても信じられなかった。
けど、今なら信じてもいいんじゃないかなという気に少しぐらいならなってもいいんじゃないかという気になっている。

最後に島はこう述べる。
康介。ああは言ったけど、おまえのそういうとこ嫌いじゃねぇぜ?と。

あと、おまえらがうまくいこうがいくまいが俺には関係ねぇけど、どうせなら幸せになれ!!

それが何よりですわな。
島の恋はもう決着がついたことである。
後は親友が幸せになるのを見守るばかり。どうせなら幸せになって欲しいと思うのが人情ってもんだ。
お前も不幸になれと道連れを探そうとする人情もある気はするが・・・それはそれ!
康介達がうまくいけば、きっと島にも相手が見つかる時が来たりするよ!きっと。死ぬまでには。たぶん。

てな感じで、男たちの方は爽やかに決着。
一方の女子たちの方。
こちらはさすがに康介たちほど爽やかに決着とは行かないらしい。
住吉さんとしては、いい機会だからこの際今まで溜め込んでいたこともブチまけてやるぜって話のようだ。

だいたいバカノ宮、あんたはいつもいつも一人で抱え込んで!!
私のこともそうだし、島君に告白された後だってそう!!
あんたのご両親のことだって・・・!!

・・・え、えぇ!?

両親のことを指摘されて驚きの表情のノ宮。なんでヨッシー知ってるの!?エスパー!?

そりゃ気づくわよバカ。あんたに何回夕食作ったと思ってんの!?
あんたがバカなんだから隠しとおせるワケないでしょ!?言っとくけど島君も丘君も知ってるわよ!?

ああ、やっぱり島も丘も知ってたんだ。そりゃあ、知らないわけないですわな。
失踪とかならまだしも、事故死ですし。葬儀もちゃんとやっている。
親経由で不幸があったことなんてすぐに伝わるに決まっておりますわなぁ。

うまく隠しおおせていると思っていたノ宮。これは恥ずかしい。思わず赤面。
なので、住吉さんにも反論をしてみせたりする。一人で抱え込むとかヨッシーも人のこと言えないじゃん!!
うむ。これはいい反撃だ。住吉さんも言葉に詰まっている。

今回のことだってヨッシー私のこととやかく言うけど、逆の立場だったら絶対ヨッシー私と同じこと考えてるよ!?

そうかもしれませんね。でもそれは言っても仕方ないことじゃない?

ブッキー(芽吹)は黙ってて!!

珍しくマジメな顔で口を挟もうとしたら、2人がかりで怒鳴られたでござる。
これにはさすがの芽吹も渋面を作るしかない。もー勝手にしなさいや。

というわけで、口論を続ける2人。結局この2人、お互いのことがよくわかっているんですな。
激しく言い合いながらも、相手のことを思いやっているのがよくわかる。
しかし、よくもまあ言葉が尽きないものである。もう昼休みは終わって5限目ですよっと。

というのはさておき。
芽吹は丘のつけた『さくら』6人の名称について想いを馳せる。
『さくらディスコード』
6人の主義主張が一致しなくてもいいじゃないか。
ぶつかり合って不協和音を奏でながらやっていこう。いつか綺麗な和音を奏でるために・・・!!

いやぁーいいこと言うねぇ。さすが丘クン。

うん。丘はいいことを言っている。さすがである。
けど、そうさらりと惚気られると、色々と困る。羨ましいやら何なのやら!!

というわけで、ずっと言い争いをしていたノ宮と住吉さん。
そうか、住吉さんの部屋はクマのぬいぐるみだらけなのか。それでクマさんパンツなわけであると。
合点が言った気がしますな。いや、それはどうでもいいんですけどね。

住吉さんが言いつかれて息を荒げている。
そこに島と丘がやってきた。授業中だけど、こっちの様子が気になって抜け出してきた様子。
住吉さんと芽吹のカバンも持って来てるし、このまま帰れる状態ですな。
ん?このまま帰れる・・・?

住吉「というか島君、貴方陸上部は?さっさと行きなさいよ」
芽吹「へぇ。サボリかい?それともまさか・・・」
丘「・・・!!島・・・陸上部で何かあったというのか・・・?俺でよければ話を・・・」
島「行くよ!?このあと行くよ!?おまえらホントひっでぇな!!」

まあ、前科がありますからね。しばらくは疑われてもしょうがないって話ですよ。
芽吹辺りは確実に面白がって言ってるでしょうけどもね。
そんな芽吹曰く。からかわれるのは島クンがそういう星の下に生まれてきたから、とのこと。運命!?
そうか運命か。じゃあしょうがないですね。読者にもてあそばれるのも島の運命であったというわけだ。
運命ならしょうがないデスティニー。

島の運命のことはさておき。
住吉さんは笑顔で、ここから立ち去ったノ宮に向け、心の中で告げる。

・・・ノ宮。私のことは心配しなくていいよ。私は私で勝手に幸せになるからさ。
あんたはあんたで、ちゃんと幸せになりなさい

言い争いを終えたノ宮。足を向けたのは康介のところ。
康介もノ宮もどちらも無駄な遠慮であるということに気付かされた。
わだかまりはもうない。むしろ、遠慮した相手にちゃんと幸せになれと言われちゃっている状態である。
であるならば、幸せになるしかないですわな。
次回は盛大な告白劇が行われることになるんじゃないかと期待される。
どんな恥ずかしいことになるのか、今から期待だ。
御近所に響き渡るぐらいの告白を行った丘を越えるぐらいに恥ずかしい目に合ってほしい。
少なくとも芽吹はそう思っているに違いない。場合によってはTVカメラ持参でその場に参上する可能性もある。注目ですな!



第43話 告白  (2012年 33号)


きっと初めから特別な人なんていない。きっかけなんて、きっとささいなことで。

康介とノ宮。この2人の出会いはやはり『さくら』という名前の共通点からであった。
幼い2人が教室で見つめあい、そして今、大きくなった2人が河原で対峙する。
溢れる想いをお互いに語り合いたいと願っている!!
おかげで、どちらも言い出すタイミングがつかめずにいるという有様でありました。
こいつらどんだけ似たもの同士なんだよ!!

というわけで、勝負をしないかとノ宮に持ち駆け出す康介。
勝負して勝った方が先に話したいことを話すという寸法だ。
もちろんその勝負の内容とは・・・水切り!
再開した2人が行った勝負を、今ここで再びって感じでありますね。

それぞれ5投ずつ行い、その中で一番回数の多いのを投げた人の勝ちとします。
ルールを定めてまず、康介の一投!ドプン。0回。プッ!!ダッサ
ここ一番で力みすぎてしまってますね、こーちゃん。
まぁ見てなってと続いてノ宮。その結果は・・・0回!!人のこと言えねぇじゃねぇか!!

やっぱりどこまで行っても似たもの同士なんですねぇこの2人。
しかしまさか2投目も2人とも0回とは・・・頭抱えたくなりそうな結果である。
3投目にはようやくノ宮が3回を記録し歓喜に吠えちゃったりしたりして・・・レベル低いなぁ俺ら・・・
一体36回とはなんだったのかという話でございます。

水切り勝負をしながら、子供の頃の話がザッピングされている。
「こーちゃん」「ノ宮」と呼ぶようになった頃の2人。なんとも初々しいですねぇ。
なんというか、「島公」と名づけたときのざっくばらんさとは大違いである。
そうかぁ。やはり島は出会いの当初から敗北していたということなのか・・・

こんな2人が転校により離れ離れになる。
そして停滞するそれぞれの時間。離れてしまってはいけない2人だったんだなと今になっては思える。
再度の転校で戻ってきた。そのおかげで、ようやくらしい2人に戻ることができたというお話。

たぶん、気が付かなかっただけで。ずっと、ずっと前から

そう。ずっと前から想っていたんでしょうねぇ。なんとも遠回りしたものである。

で、結局5投ずつ投げて・・・結果は7対7の同点であったという水切り。
うーむ、なんというお粗末な流れであることか。

こうなりゃとことんやってやるという康介。
しかしノ宮。もうこうなったら言ってやる・・・言ってやるぞー!!と口を開き出す。
わっわたし、ずっとずっとこーちゃんのことが・・・

こりゃいかん!先んじられる!!
焦った康介は止めに入る。待て待て何勝手に先に話そうとしてんだよ。んなもん俺だってなぁ・・・

突っ走りそうになるノ宮を押し留める康介。
告白の言葉を止めるためには口を封じるのが手っ取り早い。というわけで、ノ宮の口を塞ぐ康介であった。あらあら。

・・・まぁなんだ・・・こないだの仕返しってことでだな・・・

真っ赤になる2人。
勢いのつけたキスだったので、歯に当たっちゃったりしたらしい。ダッサ。
まあ、それを言ったら電車のときもそういう状態だったらしいですけどね。まさしくお返しか。

・・・ノ宮。好きだ

こーちゃん。大好きだよ

交わされる告白の言葉。そしてようやく行われる落ち着いた状態での口づけ。
やあ、まさかの見開きキッス2連発でございます!果てしないまでに青春しているねぇ、おふたりさん!!
しかし、見開きの片側に寄らないといけないという決まりでもあるのでしょうか。いや、別にいいんですけどね。

主義主張は中々どうして一致しない。たった一人の人間とわかり合うことさえ困難だ。
例えば俺たち『さくら』「さくら」と「さくら」。
何かある度ぶつかり合っていがみ合って・・・まぁでも仕方ないとも思う。
俺たちは名前以外何もかも違うんだから。

・・・でも、それでも。わかり合いたいと願うから

1話の時のモノローグ。それに1文が加わった感じでありますかね。
卒業するときにみんなで笑いあっていられるのだろうかなどと言っていた。
時は流れ、その卒業式の日がやってこようとしています。
結局『さくら』の面々は誰も欠ける事はなかったようだ。
丘。島。芽吹。住吉。それぞれが学校に向かう。島と住吉さんが丘と芽吹に話しかけれられ汗を流しているが・・・なんだ?
その内容はさておき、残る康介とノ宮も学校に向かっている。
転校初日に遅刻しかけた康介。卒業式の日もまた遅刻しかけている。なんという因果か。
その横にはノ宮の姿があり、ドーナツを咥えながら並走している。これもまた転校初日と同じ風景。
ただ違うのは2人の関係。いやまあ、ノ宮が煽って康介が煽られての部分は変わってないみたいですけどね。

どうでもいいけど、こーちゃん、ほんとブレザー似合わないね。

おぉ、言われてみればブレザーじゃないですか。
さすがに式典の時はちゃんとした制服を着て来ないといけないわけですね。
ブレザー姿の康介も目新しいが、ノ宮の髪型にも変化が見受けられる。後ろ髪がほどけている?
おさげの桜結びは健在だが、後ろ髪のまとめは変わっているようだ。これも年月が経ったことを示す変化か・・・
単に寝坊したから結べてないだけなんてオチはない。はず。きっと。

泣いて笑って響き合い。恋をして――

迎えるのは卒業式。『さくら』たちの青春を過ごした学生生活の卒業式。

そして、次号は笑顔の最終回!!
抱えている悩みも闇も全て語り尽くした!恋もした!やりつくしたって感じだ!!
さあ、一体どんな最終回を迎えてくれるのか!座して楽しみに待つしかないって感じだぜ!!
6人の卒業後の姿なんかも気になりますね。どのように描かれるのか・・・楽しみだなぁ。



最終話 卒業  (2012年 34号)


春が嫌いだった。
暖かな陽気が否応なしに「何かやらなきゃ」って気にさせるけど、
その度に何も出来ない自分に気付いてたから。

高2の春願った。「あと2回桜が咲いて卒業する頃には」「どうか笑ってますように」と。

そして今――

さくらたちは卒業の日を迎えようとしていた。
そして、その晴れの日に盛大に遅刻する康介とノ宮であった。せめて静かに入ってこいよ。
遅れてくることで誰よりも目立つことに成功する2人。
これには丘も流石だとキラキラした瞳で見てしまう。カッケー。住吉さんや芽吹には他人のフリされちゃうけどね。

さて、遅刻はあったものの、無事卒業式を終えた6人。
3年生でも全員同じクラスだったんですかねぇ?
少なくとも丘と芽吹は同じクラスだったようだ。黒板の右上らしきところに名前が見える。
表出ろby芽吹とか物騒なことが書いてあるように見えるけど・・・ガクガク。左下の相合傘も気になるな。

全力で走ったくせに卒業式に遅れた2人。
どうやら途中でノ宮が「卒業したくない」とかごねだしたらしい。あらあら。
ここに至ってそんな無垢な少女みたいなことを言われても困りますよね。
全く。島君は頑張ってなんとか卒業出来るってのにねぇ。
ん?なんとかってどういうことだ?留年間際だったりしたのか?ま、まあよかったよかった。

卒業式後の打ち上げは一番仲の良い『さくら』6人で過ごす。
島は陸上部の人間とも交流があるが、彼等とは明日改めて卒業パーティーをすることになっているらしい。

そんな島はさておき、芽吹。どうやら音大を受けているらしいが、さすがに厳しそう。
高2の途中から夢に向かって再勉強って感じのようだし、いくら芽吹でも厳しいかぁ。
まあ、そんな苦労も覚悟の上って感じのようですね。ならば何も言うまいて。
でもちゃっかり丘に対し、もし受かったら何でもいう事聞いてくれる?とお願いしてみる芽吹。うーむ、こりゃ百人力っすね。

・・・結局俺たちは、それぞれ別々の進路を選んだ。

芽吹が音大で、丘が国立。住吉が調理師の専門学校。島は体育大
俺とノ宮はそれぞれ違う職場に就職が決まった

なんと・・・島が体育大に!?まさかの進学に驚きを隠せないでおりまする。
頭ではなく、運動の推薦で入ったとか・・・それはそれで驚きになるんだなぁ、これが。
まあ、それはいい。
ノ宮は集合住宅から職場の近くに引っ越す予定らしい。
前々から一人立ちしたいと考えていたようだし、引っ越すのもいいのかもしれませんな。
祖父母からの仕送りではなく、これからは自分で稼いでドーナツを食いまくることになるわけですね。

そして、同じく就職組みの康介。

俺の方は・・・まぁなんだ。高校出てすぐこんなこと意識すんのは早いのかもしんねぇけど。
・・・・・・まぁ・・・なんだ。恥ずかしいから秘密だ。

秘密だ。とか言われましてもねぇ。大体想像がついちゃうってものだ。

6人で揃って歩いているが、途中で住吉さんと芽吹が抜けることになる。
まあ、この後すぐ打ち上げのために集まるんですけどね。一旦帰って市営住宅集合ということになっている。

・・・ま、一応一区切りってことで。一言。
このメンツの一員になれて良かった。ありがとね

満面の、爽やかな笑顔を見せる芽吹。よい笑顔ですねぇ。
そして、続いて住吉さんも一言を述べてくれます。

こんな学校生活送れるなんて思ってなかった。だから私もありがとう・・・かな?

これまた良い笑顔でありますねぇ。
高校に入った頃はもうずっと諦めていたような感のあった住吉さんでしたからねぇ。
まさしく、思ってなかったというのは本心でありましょう。よかったよかった。

さて、続いては島の番。

色々会ったけどさ・・・俺の一言は、楽しかった!以上!!

島は色々とありましたよね。
逃げ続けた生活からの卒業。初恋からの卒業。色々と経験してきている。
その分成長もしたし、友達も増えた感じで楽しい学園生活が送れていたのではないでしょうか。
よかったよかった。恋人が出来た様子はないみたいですけど、まあ楽しかったと言えたのならよかったよかった。

そして、丘。
丘もまたノ宮と康介に「ありがとう」を述べる。

俺は誇りに思う。この6人で・・・『さくらディスコード』で過ごせた日々を、俺は誇りに思うよ

うーむ。みんないい笑顔でありますなぁ。
高校の卒業式を笑顔で飾ることが出来る。こんな嬉しいこともないって話である。
ノ宮はなんだか感極まって泣き出しちゃってるみたいですけどね。
それぞれの一言が、卒業後の別れというのを強く感じさせてしまったのかもしれない。

ふたりきりで家路につく康介とノ宮。
泣き出しちゃったノ宮の手をとる康介。あらあら、うふふ。

・・・そりゃこの先どうなるのかなんてわかんねぇけどさ、少なくともノ宮・・・おまえには俺が側にいる
・・・まぁ、おまえが嫌がらねぇ限りは・・・だけど。

それでだ!!その・・・俺も就職だろ?
それで・・・その。全然先の話だし、金が貯まったらなんだけどさ、オレ・・・と・・・

なんだなんだ。まさかこのタイミングでプロポーズかい?
恋人になってそれほど立ってないだろうに、気が早いというかなんというか。
何事も全力な康介らしい発想と言えなくもないですけどね。
なんにしても、康介の言葉はカメラのシャッター音で遮られる。

へぇー。二人きりの時はそんな感じなんだぁ?

一言ずつ言って別れたはずの4人が揃ってすぐ側で様子を見ていたらしい。
そうとも知らず二人きりと思ってイチャついてしまった二人。ハハハ、こりゃー恥ずかしい!
写メもバッチリ映っておりますよ。フフフ。素晴らしい一枚だ。待ち受けにしよう!

てな感じで、からかわれる康介。
2人が付き合いだしてからの1年半はずっとこんな調子だったのでしょうなぁ。楽しそうだ。

こうやって6人の『さくら』は最後まで笑顔のまま卒業を迎えることができました。
「どうか笑っていますように」という願い。それは叶えられたと考えてよいでしょう。よかったよかった。

さて、『さくら』たちの高校生活は幕となりました。
でも、その後も6人の交流が途絶えてしまったというわけではない。
別れたとしても、いつかまたこうやって集まれる。康介がかつて言ったセリフ。
それを体現するために、何年かの間を開け、6人が勢ぞろいする。
居酒屋らしきところで集合ってのがなんというか、大人になったんだなって感じがしますよね。

ちなみに店を予約したのは丘。
幹事である丘は、ちゃんと『さくらディスコード』の名前で予約してくれたらしい。
けど、大きくなってもこの名前はちょっと恥ずかしいって雰囲気の島と住吉さん。えぇ!?
なら、やっぱり『THEさくら』がいいよねと再度の主張を開始するノ宮。いつまで言ってんだよ!!

ノ宮「第36回チーム名会議――!!『THEさくら』がいい人!!」
住吉「無いわね」
康介「ねぇな」
芽吹「無いねぇ」
島「ノ宮・・・悪ぃけど」
丘「すまないが賛同しかねる」
ノ宮「満場一致!?」

全く。どのぐらいの年月が経過したのかわからないが、会話のノリが全く変わっていない6人である。
まあ、それぞれ多少の変化はあったんでしょうけど、この6人が揃えばあの頃に戻れるってことなのかもしれないですね。
そういう仲の連中がいるってのはとても喜ばしいことである。羨ましい話ですなぁ。

ところで、ノ宮はまだ桜ノ宮のままみたいですね。ノ宮パンチも健在な様子ですし。
康介は結婚を申し出るほど資金が貯まっていないということなのだろうか。はてさて。
そういえば、ノ宮の髪型がまた変化している。桜のおさげが一本だけになっているのだ。
後ろ髪の桜は散り、前髪の桜も数を減らしたか・・・なんだか寂しい気がしますなぁ。
寂しい気がするといえば、島の髪も3年のときずいぶん短くなっていたのだが・・・ファッションで、だよな?アレ。
同じく短くしていたといえば住吉さん。これはかなり可愛い。好みだ。
前の髪型だと少し頭が大きく見えるときもあったので、短くしたのは正解だったかもしれませんな。

というわけで、泣いて笑っての青春劇もこれにて閉幕!!
高校時代の思い出の1ページは携帯の待ち受けに保存されているのが最後のコマから見受けられる。
誰がこの写真撮ったのだろうかという疑問はあるけど、いい写真ですねぇ。微笑ましい。

1年弱に及ぶ連載でありましたが、その間、楽しく読み、楽しく感想を書かせて頂きました。
『さくら』たちのキャラクターが立っているおかげか、感想が書きやすく、色々とネタも浮かびやすかったです。
芽吹の闇を解決してからは、かなり青春要素の方に傾倒していった感じが見受けられました。
それはそれで楽しかったのですが、広がりは薄れてしまった気はしましたかねぇ。
まあ、まとめに入っていったということなんでしょうけど。
実際、伏線と思われるものはほとんど回収し、描ききったという感じのある最終回は見事なものでございました。

次回はどのような形式の作品が来るのか。最終回の余韻を楽しみつつも、先の展望に期待せずにおれません。
増田英二先生の次回作に期待しております!!


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