蒼天紳士チャンピオン作品別感想

思春鬼のふたり
第1話 〜 16話


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 各巻感想

1巻 2巻

連載中分

思春鬼のふたり 1巻


第1話 出逢ったふたり  (2014年 11号)


新進気鋭の異能作家本誌襲来!!
反転邪郎先生のスプラッタ・ラブ・アクションが開幕!!

次回予告でこのアオリが入っていたためある程度心構えはできていました。
とはいえ、巻頭カラーの2ページ目で既に殺しが始まるとは思いませんでしたよ。正直な話。

卒業生代表として答辞を読むほど優秀で人当たりの良さそうな主人公、辻侘救(つじ たすく)。
そんな秀才クンが人殺しで、その殺害現場をクラスメイトに目撃されたという流れ。
これはいけない。目撃者は即座に消さなければ。
そう考え、メガネのクラスメイトの女子へとナイフを向ける侘救。が、このタイミングでメガネ女子が発した言葉はこれ。

たすっ・・・侘救くんの第二ボタンをください!!

首元にナイフ突き付けられながら何を言っているのだこの子は。涎まで垂らして。
つい下の名前を呼んじゃったとか今更慌てられても。いや、そもそもそこが気付くポイントではない。
侘救の方も、この状況でその台詞なの?と突っ込むしかない。
が、それに関しては元々知ってたからとの答え。

辻くんが殺人のボランティアしてること

ほう。殺人のボランティア。凄くアレな言葉の並びであるが、まあそれはさておこう。
それよりも何故この子はそんなことを知っているのか。
話によると今回の件だけではなく、入学してすぐに侘救の行動をチェックして日記につけていたらしい。
信号無視して人を撥ね飛ばした警官を殺害したり、毎晩騒音を立ててた暴走族の総長を殺害したり、
自分の子供に売春させてた両親を殺害したり、酷いイジメをしていた高倉さん――今この場で血塗れになっている子――を殺害したり。
なるほど・・・侘救が気付いていなかっただけでもう全部全部見られていたわけでありますか。そりゃ驚かれることもないわな。

それよりも侘救の方がストーカーに遭遇したのかと慄いている。
確かに慄くべきかもしれないが、それを気にするのも優先順位的にどうかと思うぞ侘救。
リコーダー舐めについてはさておき、チョコの中身の話はむしろ聞いておいた方がよかったかもしれないな。

ともかく、どっと殺る気が萎えた侘救。第二ボタンをメガネ女子――白雪厘子さんにあげることにする。
まあ、これまで目撃しておきながら何も言わずに来た相手であるし、今更目撃者だから絶対に殺さねばも何もないですわな。
後始末も手伝わせて共犯のような形にしているので安全性も増すという話である。

さて、その夜。
侘救の部屋でケータイアプリのキャラが侘救と会話をしている。
"世界お掃除機構"(WCO)のイチ担当と名乗るこのキャラにより色々と設定が明らかになる。
今回卒業式で殺害された高倉さんは酷いイジメを行っており、"お掃除依頼"が来ることになったそうな。ほう。
まあ自殺者を複数人出しているみたいだし、そりゃあ恨みは相当買っていたでしょうわなぁ。

ボランティアとのことだが、"お掃除依頼"をこなすとWCOからポイントがもらえるらしい。
そしてケータイキャラのコスチュームがもらえたりするらしい。うむ、好きな人はさておき興味ない人にはどうでもいいな。

というわけで、ここでよい子のためのWCOルールが掲示されます。

第1条。お掃除人は法的責任能力の低い"18歳未満"じゃなきゃダメだよ!
第2条。依頼されたターゲットを殺そう!
第3条。自分の正体がバレそうになったら目撃者も殺してOK!(自己判断で!)
第4条。お掃除人同士の殺しはダメだよ!仲良くしようね!
第5条。ルールを破ったらおしおきだよ!

なんともアバウトというか、やっていることの割に制約が少ない。というか疑問点が色々と出そうな内容である。
例えばお掃除人が成長して18歳を越えたらどうなるのか?自動的に引退となるのか?とか。
ルールを破ったらというのはこの五箇条のルールだけなのかとか。気になる部分である。

何にせよ侘救は白雪さんのことが気になる様子。
彼女とは中学3年間1度も話したことがない。
控えめで大人しい。かといって暗いというわけでもなく、どこにでもいそうなその他大勢の1人。
そんな印象の子であったが、その実はとんでもない子であったという。
あの大人しい子が重度のストーカーだっただなんて・・・思いもしませんでした!!って感じですね。
ニュースのインタビューでもそんなことをするような子には見せませんでしたって言われるタイプだ。
しかしウサギと一緒の場所に埋めてしまうとは・・・確かに掘り返しにくいですけどね。

すっかり殺す気は萎えたのかと思ったが、やっぱりどうしようかと悩んでいる様子の侘救。
目撃されたことに気付かなければモヤモヤすることもなかったのにねぇ。
どうでもいいが、もう少し人目につかない、後処理のしやすい場所で殺害すればいいのに。

というわけで、もう1度あって殺すか殺さないか決めようと考える。
でもまあ、基本的に白雪さんは面と向かうと殺す気がどっと失せるタイプの子だと思うんですよね。
実際デートの誘いと思ってカチコチになっておりますし。純情だけど思い込み方は大胆だな。

侘救の趣味は人殺し。趣味やったんかい。
何故殺しをしようと思ったのか。それは少しでも幸せな世の中にしたいという思いからだそうな。ほう。
基本的に依頼の来たターゲットしか殺せないけど腐ってどうしようもない人間を殺せば少しはマシになるって考えでしょうか。

たとえば絵に描いたような幸せいっぱいの家族なんかほんの一部だよ。
ちょっと1枚皮をめくればたくさん出てくるんだ。救いようのない。そんな家庭がね・・・
(そういえば初めてのターゲットもそんな家庭だった)

幸いこの国は未成年の犯罪には甘々だし、仮に捕まっても精神異常者のフリをすればいいとも語る侘救。
ふーむ、WCOのお掃除人が18歳未満なのはその辺りにもかかっているんですかねぇ。
世界規模の組織のようだし、もう少し何か考えがあっての設定な気もするが・・・はてさて。
侘救の方はあくまでシリアスに、真面目に自分の考えを話している。
のだが――白雪さんは白雪さんで真面目に自分の恋路に夢中になっている様子である。深刻な空気になる気配がねぇ!!
まあ実際の殺害を目撃した現場であの反応だしなぁ。あの時以上の空気を作るのは難しかろう。
それにしても白雪さんはさらりと面白いことを言う。
幸せを奪うのは簡単だけど、幸せを運ぶのは大変、か。
壊すことと造ること。造ったものを守ること。どれが一番大変か・・・考えなくもない話ですな。

結局殺す気にはなれず帰宅する侘救。
その侘救の家までついていく白雪さん。家は4駅ほど先だが3年間いつもここを通って帰っていたそうな。そ、そうか。

今日ね・・・私、この3年間で1番楽しかった。本当に・・・本当にありがとう

普通にしていれば可愛い子であるのだが、うーむ。
そんな白雪さんが落としたICレコーダー。
落とした際に再生されたのだが、そこに入っているのは侘救の学校での宣誓や授業中での受け答えといった内容。うわぁ。
まあ、それはもうある意味予想できた話なので良しとする。
それより気になるのは一番古い録音された内容。その内容は白雪さん自身が吹き込んだ言葉であった。
それを聞き終えたところで侘救はこう述べる。殺りに行こう、と。

侘救と別れて家路につく白雪さんは幸せいっぱい。景色もよかったねと祝福してくれております。ウフフフフ。
あまりにも幸せで、今なら私――死んでもいいかも。なんて考える白雪さん。そこに迫る凶刃――

その凶刃の持ち主は公園の警告ポスターに記されていた通り魔によるもの。
あやうく他の犠牲者と同様に白雪さんも斬りつけられるところであったが、急いで駆け付けた侘救が助けてくれました。
ふむ、どうやらこの通り魔も殺害ターゲットであった様子ですな。犯行内容もえげつないし、そりゃ依頼も来るか。
侘救が殺りにいこうと言っていたのはその通り魔がすぐ側を通り過ぎたからなんですな。
しかし急いで駆け付け白雪さんを救ったのは通り魔がターゲットだったからという理由だけではない。
何でも白雪さんは侘救が初めて依頼を達成した時の殺害相手の娘であったらしい。

1年前に私を助けてくれた"あの人の"声は忘れられるはずがない。
私をいじめてたお母さんを殺してくれた人・・・

娘の虐待。それだけではなく大勢の人から恨まれるような人だったらしい白雪さんのお母さん。
それはそうと、侘救は初依頼の時から目撃されてしまっていたんですなぁ。
そしてその時は目撃者の白雪さんを平然と見逃していたという。本人もそのことは忘れてしまっていたようだが・・・
まあ、入学式の1年前の話ってことは小学生ですしね。忘れちゃっても仕方ないよね。
目撃者とはいえ、虐待にあっていた子を殺す気にはなれんでしょうさ。これから幸せになって欲しいと思っても不思議はない。

――私は侘救くんのおかげで幸せになった
この中学3年間、ずっと侘救くんを見続けられるなんて・・・考えただけでも嬉しい!
目標は第二ボタンをもらうこと!あと・・・それから・・・侘救くんにこの気持ちを伝えられたらいいな。

そんな言葉がICレコーダーには記録されていた。
そう、白雪さんは侘救が初めて救った人だったのだ。
初めて救った人を自分の危機回避のために殺す。それは確かに躊躇われる行為であるな。

かつて侘救は自分の非力さに絶望したことがあるという。
でも今は人を救えてるんだと実感しているそうな。ほう、この辺りはWCO絡みの伏線になりそうな流れですな。

ともかく侘救に白雪さんを殺すことはできない。それはもうハッキリしました。
むしろ白雪さんを見ていると色々と不安になってしまう様子。それは分からないでもないですなぁ。
殺されかかったりしたというのに不安がったり暗くなったりする様子もないですし・・・
虐待から救われて色々と精神の成長の方向がおかしな側に向かってしまったのだろうか。こりゃ心配になるわ!!

てなわけで、無事に中学を卒業。高校の入学式を迎える侘救。
私立だから顔ぶれは中学の頃とは大きく変わっている様子。
しかしここでも新入生代表として名前を挙げられる侘救。どれだけ秀才だったんだ。というか目立ちすぎじゃないか?
まあ、目立つことによってまさかあの人が殺人してるなんてと思わせることは出来るかもしれないが・・・うーむ。

それはさておき、代表の言葉を述べているところで気になる光景を目撃する侘救。
当然のように同じ高校に入学し、ICレコーダーを構えている白雪さん。
その白雪さんに向けて隣の子が銃口を向け――

ばぁん

何でありましょうねこの女子は。
次回予告では殺人マニアなんて書かれているわけでありますが・・・
ケータイキャラの担当さん曰く、侘救と同じような人間ということだが、やはりお掃除人なのだろうか?
お掃除人同士の殺しはご法度。しかし白雪さんを狙うのは問題ないってことでしょうか?
いやでもさすがにこの女子の殺人を目撃したわけではない以上、この女子が白雪さんを殺せる正当な理由はないわけで・・・

色々と考えさせてくれる第1話でありました。なかなかキャッチーな内容ですなぁ。
突然の殺害シーンや、話の噛み合わないヒロイン。そして世界お掃除機構という存在。
考察する部分は色々ありそうですが・・・この先どういう方向の物語となるかはまだ分かりませんな。
青春ものとなるのか、もっとドロドロしたドラマとなるのか・・・
とりあえず白雪さんにはずっと笑顔でいてもらいたいものですね。うん。侘救は毎回苦労することになると思うが、ガンバレ。



第2話 殺し屋がふたり  (2014年 12号)


入学式の最中、突然銃口を向けられる白雪さん。それを見せつけられる侘救。
驚きの引きであったが、やはりこの場で害せられるようなことはなかった様子。
白雪さんは相変わらずな子なので銃を向けられたことに気付いてはいたが怖がってはいない。
どうやら侘救の声を録音するのに命懸けでそれどころではなかったらしい。そ、そうか。

侘救は入学式が終わった直後、その銃を向けていた女子を連れて体育館裏に問い質しに行く。
その跡をつけて録画する白雪さん。相変わらず行動力と隠密性は凄いものがありますなぁ。

それはさておき、銃を持ったツインテ女子はやけにテンションが高い。
そしてどうやら先の、侘救が白雪さんを救うために通り魔を殺した場面を目撃している様子。
まああの時は路上だし、周囲に気を配る余裕もなかっただろうし、目撃者が出ても仕方がないか。
そもそも死体放置して長いこと喋りすぎじゃないかという気はしましたしね。

それはさておき、ツインテ女子は侘救にこんなことを聞いてくる。
人を殺すのってどんな気持ち?興奮するでしょ!ワクワクもする!あとそれからゾクゾクするよね、と。
うーむ、まあその辺りは人それぞれなので何とも言えませんわなぁ。少なくとも侘救はそういう感情は得ていなさそうだけど。

立ち去ろうとする侘救の背に銃口を向けて脅すツインテ女子。
それに対し、引いた瞬間にキミを殺す自信があるからと返す侘救。

キミは、殺しを勘違いしてる

そう言い残して立ち去る侘救。ふむ、カッコ良く決めましたな。
実際それだけの自信はあるのかもしれないが、少しカッコつけすぎなセリフな気もするが、撃たれずに済んだのでよしとしましょう。

ここでツインテ女子の名前が判明。深海末姫さん。
どうやら侘救としてはその名前に聞き覚えがない様子。
世界お掃除機構の"担当さん"にその名前を知らないか聞きだそうとする。担当さん、呼び名も"担当さん"なのか。
というか、白雪さんがいる前で堂々と担当さんを見せてもいいのだろうか?
いや、既に知っているからいいのか。白雪さんの情報収集能力を甘く見てはいけませんやねぇ。

担当さんが言うには殺人依頼の仲介が主な役目であり、お掃除人の個人情報を調べる権限はないらしい。
ふうむ。担当さんは個人についているだけで余り偉い位置にいるわけではないってことかね?
相変わらず全貌が知れませんなぁ。世界お掃除機構。

さて、侘救に勘違いしていると言われた末姫ちゃん。ムカついておられます。
どうやら自身が今までゴミのように死んでいく人間を見て興奮してきたから侘救も同じだろうと思っていたらしい。
それがああいう風に拒絶され、やるせない感じになっているようだ。おやおや。
でもだからといって、空に向けてとは言え往来で発砲しないでください。通報されますよ。

勘違い!?たかがナイフ1本の奴が見下しやがって・・・!
銃ならもっともっと人を殺せる・・・私の方が上に決まってる!勘違いしてるのはテメェだ!!

上とか下とかあるものなのだろうか?
その辺の意識の違いがやはり勘違いしていると言われる所以だと思うのだが・・・気付きそうにはないですな。こりゃ。

翌日の学校のシーン。
侘救、末姫ちゃん、白雪は同じクラスな上に机が横並びという状況。頬杖ついてる末姫ちゃんが可愛いですな。

侘救は高校でも相変わらずの秀才っぷりを見せている。
数学の授業はさておき、体育では50mで6秒を切り5.67秒を出す。
美術では本格的な絵を描いてみせたりする。そこでピカソが出てくる辺りが高校生らしい反応というか何というか。

注目される侘救に対し、目立つことのできない末姫ちゃん。
美術の時間に描いた絵を捨てて寂しく立ち去ろうとする。そんな末姫ちゃんに話し掛けている白雪さん。
銃口向けられたとかそういうことに関しては全然無関心なんですな。侘救の仲間という認識でしかないのだろうか。

さて、昼食の時間。
屋上で食べようとしていた侘救の前に置かれているポータブルプレーヤー。
どうやら白雪さんが入学式の侘救の記録映像を上映するために設置していたらしい。
何というかこの子の情熱は本当に凄まじいものがある。よく中学の3年間気付かれずにいたものだ。

自分のメモリアル映像を見せられるというのはどんな気分なのだろうか。
ストーカー気質満面な子と普通に付き合えるようになった侘救の気持ちというのも計り知れないものがある。
が、今回に関しては何か気付く助けになったようで良かったみたいですな。
どうでもいいが、このポップコーンも白雪さんの特製なのか。やっぱり妙なものが入っていたりするのか・・・?

それはさておき、白雪さんは下校する末姫ちゃんを追いかける。
一緒に帰って仲良くするはずが何故かいつもの癖で尾行のようになっている白雪さん。おやおや。
しかし末姫ちゃんには簡単に気づかれる雑な尾行なのに侘救はずっと気付かなかったのだろうか・・・?気合が違う?

どうやら白雪さんは殺しをしている末姫ちゃんのことを尊敬している様子。ははぁ、それで侘救のように仲良くしたいと思ったわけか。
しかし末姫ちゃんは侘救のように秀才タイプではない。
何をやっても1番という侘救に苛立ちを見せる末姫ちゃん。
それでも殺しのことに関してならばという想いは抱いているらしく、今日侘救が殺しに向かう現場へと向かおうとする。
その辺りの動向も逐一把握している白雪さんはやはり凄いというか何というか。もう驚くまでもなくなってきておるわ。

今日の侘救のターゲットは婦女暴行犯。21件てまた凄い数だな。
激しく抵抗されたので、動きを封じるために痛めつける侘救。そこに現れる末姫ちゃん。
どうやら自分の方が上であることを見せるために来たようだが・・・虫の息のターゲットを前に硬直してしまう。

あれ?"ネット"で見た時の感覚と違う
グッチャグチャになって死ぬ人間はいっぱい見てきたのに。実際こうやって間近で見ると・・・すっげー生々しい。
血ってこんなに生臭かったっけ・・・獣のような息づかいが聞こえる。

なんだこれなんだこれなんだこれ。ガタガタと震える末姫ちゃん。
ああ、この子は結局1度も人を殺したことはなかったんですなぁ。
それどころか生の死体も碌に見たことはない。ネットでそういう画像を見て粋がっていただけであったわけか・・・
まあ、中学生ぐらいの子にはありがちな話ですな。
フィルター越しの画像が現実と隔離しているのかどうなのか・・・そういう感性は分からないのでなんとも言えませんが。

末姫ちゃんが1度も殺していないと侘救が見抜いたのは例の映像を見たためである。
そこで銃の構え方を見る機会があったが、90度傾けて撃とうとしていた。
映画や漫画の真似のつもりなんだろうけど、実際は狙いが悪くなるだけだよとのこと。
まあその通りなんだが、その指摘をする時の笑顔が微妙に性格悪そうでよろしくないですな。
慣れた人なら命中率が多少下がろうと関係ないと思うのだが、そういう風には考えなかったのだろうか・・・?
いやまあ、リボルバーを正面から構えて横倒しにするのは見た目的にもあまりカッコ良くはない気がするけどもさ。

その銃はキミのじゃない。
深海さんは銃を持って殺し屋気分になってしまっただけの――普通の人間だよ

どうやら銃そのものも拾い物であったらしい。なるほどねぇ。
まあ何というか、色々と残念な子でありましたな。
でも今回のことはいい薬となったみたいで良かった。
侘救もこれなら誰にも言うことはないだろうと目撃者であるにも関わらず、今回も見逃そうとする。
まあ、そういう方向性は貫いてくれた方がよいですわな。

元あった路地裏に銃を捨てに行く末姫ちゃん。いや、その行動はどうなんだろうか。
案の定、その場にやってきた落とし主と鉢合わせすることになっちゃいましたし。

落とし主は諏訪という男。
侘救と同じクラスの男子でありました。うーん、やっぱりコイツかぁ。
学校では侘救とは別の意味で目立っていた子でありましたから、多分そうじゃないかなとは思っていましたが・・・
それはそれでいいのだが、何となく性格は良くなさそうな感じである。
侘救とは違い目撃者はしっかり殺そうとするタイプらしい。
果たして末姫ちゃんはこれで殺されてしまったのだろうか・・・それは少し勿体ない気がするがはてさて・・・

目撃者は消してもいいということだが、それは殺害現場の目撃者に限定されるのだろうか?
諏訪の言い様だと、自分が銃の所持者だとバレたので殺しましたと言っているように聞こえる。
しかしそれはどちらかというと自分でバラしたようなものだと思うのだが・・・
これが許されるのなら、自分で正体バラして殺す流れにすれば誰でも殺せることになるのではなかろうか。
その辺りの規約に引っかかり、お仕置きの流れで侘救と対決方向に持っていく・・・可能性はあるかな?

とりあえず、末姫ちゃんは殺されずに済んだ方向で考えてみたい。
最後のパァンは末姫ちゃんを追ってきた白雪さんの平手打ちが決まった音とかそういうことで。
血も口から激しく出血した諏訪のものとすれば辻褄は合う!!どんなものでしょう。



第3話 真逆のふたり  (2014年 13号)


前回の引きから日は変わり翌日。
点呼で読み上げられる名前の中に深海という名はあるが、返事はない。むむむ・・・

末姫ちゃんの行方不明は非常に気になる。
が、侘救の担当さんはどうやらそれどころではないらしい。
というのも、白雪さんから送られてきたメールが大容量すぎて潰れかけているからだそうな。
動画とか入っているわけでもないのに凄い文章量でデータ圧迫しているのか・・・
ちなみにメルアドは教えていません。まあ、そのぐらいではもう驚きませんよ。ええ。

色々と長いメールの内容はさておいて、末姫ちゃんのことを気遣っている部分にだけ返信する侘救。
短めのメールを送信したら凄い速さで凄い長さのメールが返ってくる。うーむ、何という情念の違い。

どうでもいいが、担当さんは何で普通の携帯機能のサポートまでしているのだろうか。
殺人依頼の仲介が役目みたいなこと言ってたはずなのに・・・
まあ、このリアクションは楽しいのでアプリとしてあるなら地味に欲しくはなってきましたけどね。

さて、どうやら末姫ちゃんは昨日から家に帰っていない様子。
気になるので学校が終わったら家に寄ってみると白雪さん。相変わらずアグレッシブですなぁ。

その末姫ちゃんをどうこうしたと思しき人物である諏訪。
どうやら物忘れが激しいらしい。昨日からのボケ倒しはそういう理由でありましたか。

さて、本日はスポーツテスト。シャトルランを行う予定。
ここでも諏訪は物忘れの激しさを披露している。何をするのか分からなくなっているようだ。ふむ。
ちなみに諏訪の下の名前は旺史郎と判明したが、まあこれは割とどうでもいい。

流れてくる電子音に合わせて白線の間を行ったり来たりする。
最終的に何回線を踏んだかを記録するのがシャトルランである。
ちなみに電子音は247回までしかないので最大でもその回数までしか踏むことはできない。
侘救は当然のように247回達成できる様子。さすがというか何というか。

意外なのは諏訪。侘救と同じく最大の247回を達成している。他のクラスメイトが次々と脱落しているというのに・・・
うーむ、お掃除人になるためには身体能力の高さも必須条件だったりするのだろうか?
まあ、身体能力が高いと言っても曲がり角の向こうから走ってきた白雪さんを避けれない程度でありますが。
いや、白雪さんのタックルならば避けれなくてもムリはないのか・・・?

それはさておき、諏訪の荷物から末姫ちゃんの描いた絵が発見される。捨てようと思ってたのに忘れてたそうな。
こいつ、ヘタすれば死体の隠滅とかも忘れてしまうんじゃなかろうか。
自分で言うには、自分が覚えられるのは人を殺った回数ぐらいとのこと。
日常生活に色々と支障をきたすことこの上なさそうでありますが、大丈夫かねこの子。
まあ捕まった場合は本当に正しい意味で精神分析に引っかかりそうな感じでありますが・・・

諏訪の担当さんはちゃんとコスチュームを着せてもらえているらしい。良かったですね。
それはさておき、またもや銃口をつきつけられる白雪さん。
まあ初回の時とは違って今回は本当に撃たれそうになっているわけですが。
そういえば前回も発砲による引きでありましたな。次回の引きでも発砲引きをするのかどうか。気になる所です。



第4話 対峙するふたり  (2014年 14号)


目撃者として諏訪に狙いをつけられた白雪さん。
ピンチであったが、末姫ちゃんの時とは違い、今回はすぐ傍に侘救がいたので難を逃れる。
そのナイフ、メリケンサックにもなるんですな。握りの部分が太すぎて殴りにくそうではありますが。

担当さんが付いていることからも諏訪がWCOの人間であることは明らかである。
侘救の担当はこんな所で銃をぶっ放すな、どんな教育してんだとか吠えているが、教育するものなのか?
いやまあ、ただのケンカ言葉なのかもしれませんが。

立ち上がった諏訪は目撃者を殺そうとする。それを阻止しようとする侘救。
銃こそ使わないものの消火器を振り回して侘救を撃退しようとする諏訪。
これはルールとして大丈夫なのか?
と思ったがルールの第4条はお掃除人同士の殺しはダメというだけで争いまでなら問題ないらしい。なるほどねぇ。

逃げたはずの白雪さん。
しかし連絡をしようと思ったらすぐ傍にいたりする。うーむ、相変わらずの隠密性である。
そして末姫ちゃんとのやり取りの時の侘救の声を着ボイスにしているようだが・・・これはひどい。

末姫ちゃんが殺されていたことを知る侘救と白雪さん。
うーむ、やはり殺されてしまっておりましたか。何とも惜しい。
惜しいが、とりあえず今は白雪さんを守らないといけない。
諏訪の性格からして殺すのをやめろと説得しても止まりはしないでしょう。さて、どうするのか・・・

侘救は諏訪を屋上に呼び出そうとしている。
ふむ、そこで決着をつけるようだがどうするのか。
やはり白雪さんに死んだふりをしてもらうのだろうか?
侘救が殺して、これで目撃者は消えたとか言って納得してもらう流れだろうか。
そして白雪さんは翌日も元気に登校してくると。なあに、忘れやすい諏訪だし、翌日になれば忘れているよ!!きっと。



第5話 意志あるふたり  (2014年 15号)


屋上に諏訪を呼び出す侘救。横には縛られた状態の白雪さんが立っている。
そして、他のお掃除人とトラブルになってしまうからやはり目撃者は殺すことにしたよと言い出す侘救。

ただし――僕が、彼女を殺す

そう述べて白雪さんの胸にナイフを突き刺す侘救。
まあもちろんこれは演技であります。
死んだ人間のことなんてすぐ忘れるという諏訪の言葉に基づき死んだふりでやり過ごそうという考えのようだ。ふむ。
その後は転校なり何なりするつもりらしい。あら、やっぱりそこはそうせざるを得ないのか?
まあ諏訪が忘れたとしても担当さんは覚えてるだろうしなぁ。
同じ学校にいなくても侘救を見続ける方法はいくらでもあると述べる白雪さん。さすがというか何というか。

どうやらこの演技は上手くいった様子。死んだふりはバレていない。
のだが、このまま解体をしようかとか言い出す諏訪。おやおやそれは・・・

僕が後始末をすると述べる侘救であるが、それだと自分が忘れられないと述べる諏訪。
自分にとってはそこまでが殺人なのだそうな。ふむ・・・忘れられないならむしろそれはそれでいいのでは・・・?
スッキリしないからって理由のほうが大きそうで嫌ですなぁ。

白雪さんにしてみれば、侘救になら本当に殺されても問題ないという感じ。
が、裏を返すと侘救以外に殺されるのは許容できないということらしい。
死ぬのに人を選ぶって何!?というツッコミに対し普通のことだよと返す白雪さん。そ、そうか。

とりあえず白雪さんが解体されるのは防ぐことができた。
が、どうやら諏訪はかなりイラついてしまった様子。侘救も含めて2人とも殺すと息巻いている。おやおや。
お掃除人を殺すのはルール違反である。それにこれ以上騒ぐと人が集まりそうである。
そう担当さんが忠告するが、だったらここにいる奴ら全員殺せばいいだろと吠える諏訪。うーむ、駄目な子だ。

というわけで、先に命を狙われた形になる侘救。正当防衛を主張して本気で諏訪を倒しに行く。
シャトルランでは同じだけの身体能力を見せていたが・・・やはりものが違うか。
諏訪に一発も打たせることなく、ナイフを突き立てる侘救。そしてこう述べる。

諏訪くん・・・キミは一番大事なことを忘れてる。
怒りで我を忘れたら――ただの殺人鬼だよ

殺人は殺人でしかない。諏訪はそう述べるが侘救の考えは違う。
悪い人間を排除するために殺しを行うというのが侘救の考え方。WCOに所属するお掃除人としての矜持を持っている様子。
ふうむ。殺人に正当性があるかどうかは議論の余地がありそうですが・・・少なくとも矜持ぐらいは持っていてほしいものですな。

そしてその矜持を持たずルール破りを行った諏訪を処罰するためにお仕置き人が現れる。
眼帯や定規に仕込んだ鎌という武器のスタイルはさておき、靴下の左右の上げ下げが違うのはどうなんだろうか・・・
そんな格好が地味に気になるお仕置き人に処罰される諏訪。
とりあえずの危機は去ったみたいですな。よかったよかった・・・で済んでいいのだろうか?はてさて。



第6話 雨の中のふたり  (2014年 16号)


諏訪との戦いを終えたところで激しい雨が降り注ぐ。
この雨によって屋上の血の痕跡は全て洗い流されるだろうとのこと。そ、そうなのか?
まあ屋上なのでそうそう血のシミがあっても目立つことはないし、時間が経てば風化もするか。
死体自体はお仕置き人さんが担いできてくれている様子。
あれ、お仕置き人さん。その眼帯はファッションか!?靴下も両方上がってるし普通になってる!!

ふむ、どうやらお仕置き人というのは専属でこういう仕事をしているわけではないらしい。
お掃除人の中でポイントと評価の高い人がお仕置き人になれるのだそうな。ほう。
今回来てくれたこの子の名前は小鹿陸。わざわざ侘救の高校の制服を入手して潜入したそうな。ご苦労様です。

一応諏訪は不必要に目撃者を殺すので上からの命令で監視対象とされていたらしい。
他のお掃除人と衝突した場合早急に対処する状態となっていたわけだ。
ふうむ。お仕置き人が即座に現れたのには理由があるってことですな。

実際諏訪はルールを侵しお仕置きが執行されました・・・が、元々はそちらの目撃者を消せば起きなかった出来事でもあります。

正論でありますな。
しかし続けて白雪さんにも正論を述べる小鹿さん。これはよろしくない。
人を殺す私たちとあなたとでは住む世界が違う。普通なら納得できる言葉であるが、この子はこの子で凄い世界にいるからなぁ。
実際小鹿さんにこんなことを訪ねだす白雪さん。

もっとその世界のこと教えてください。辻くんのことならなんでも知りたいんです。たとえそれで私がどうなろうと構いません。
私、1回死んだようなものだから

ふうむ。怖いもの知らずの理由はそれでありますかね。
自由に生きている感じがして羨ましく思えなくもないですな。

さて、色々と悶着はありましたがどうにか家に戻ってくることが出来た侘救。
一時はさらし首まで行っていた担当さんであるが、機嫌がよくなった侘救によりマトモな服を設定される。良かったですね。

WCOの依頼をこなせばポイントが貯まり、それだけ評価も上がる。もっと悪い奴らの殺人依頼が来るようになるそうな。
侘救が望んでいるのはその悪い奴らを殺すことの様子。ふうむ。
服を買うとポイントは消えちゃうんですかね?なら買いたくないのも仕方がないですわな。

それはさておき、侘救は白雪さんの1回死んだようなものだからという言葉が気になっている様子。
それは侘救自身の過去に関係する言葉であった。

小さい頃の侘救は両親に愛され、絵に描いたような幸せな家庭の中で暮らしていた。
が、家に強盗が現れて父親が殺されてからそれは一変する。
母親はそのショックで自殺し、絶望した侘救も両親の後を追うために首を吊った。
しかしどうやら縄が脆かったおかげで途中で切れて死ぬことはなかったらしい。ほう。
そうやって生き残った侘救に話しかける者がいる。

うん。なかなか見込みがあるよ。ボクの好きな瞳をしてる。1度死んだ人間の瞳だ
"死"を知ってる人間ほど強いものはこの世に無いからね。その力を別の方向へ生かす気はないかな?
キミのような人間が世界お掃除機構に必要なんだ。

そう語りかける人物。ふうむ、侘救はこういうスカウトを受けてWCOに加入することとなったわけですか。
選択肢の少ない子供がそういう道を示されたのなら染まってしまうのも仕方がないことなのかもしれませんなぁ。
さて、引き続き新たな殺人依頼が来るわけですが、今回はどんなターゲットであるか。
普通のターゲットなら問題なく遂行できるだけの力が侘救にはあるわけですが・・・さてはて。



第7話 善悪のふたり  (2014年 17号)


月夜の晩。暗い廃病院の中で拘束されている女性。
動きを封じられ、目隠しされて不安な中、突如その身に刃を突き立てられている。
ふうむ、何やら危ない奴がいるみたいですな。

侘救は中学時代の友人たちとお食事。
その中で他の高校に進学した友人がヤバイ話を聞かせてくれる。

1か月前先輩のクラスの女子が変質者に拉致られたんだ。
その女子はまぁ・・・生きてたんだけど、なんでも発見された時、腹が裂かれて中身が飛び出してたんだとよ。

ハンバーガー食べながらする話でもありませんな。鈍い奴はこれだから困る。

さて、侘救の学校ではカエルの解剖が行われる。
懐かしいですなぁ。やったような覚えはありますよ。かすかに。
生物の黒金先生はカエルをわざわざ捕まえたというが、よくこんなデカいカエルを複数捕まえたものだ。

本日は解剖に詳しい先生ということで揺籃大学医学部の若丸という先生が招かれている。
ボサボサ頭に分厚いメガネのうさんくさそうな先生。医学部なんだしこれぐらいの感じでもいいでしょ!!と偏見を述べてみる。

それはさておき、侘救が今回受けた殺人依頼。
そのターゲットはどうやら"人間を生きたまま解剖してる奴"らしい。そりゃまたキテる奴だなぁ。依頼主は11人。
ふうむ、被害者は解剖されはしたけど殺されることはなく、生かされていた様子。
つまりこれは仮に捕まったとしても死刑は免れてしまうってことですな。
そうなるとそれが許せない人もいる。そこでWCOの出番となるわけでありますな。

犯人が割れているとなると依頼主は警察関係者の可能性がある。
が、依頼人がどういう存在かはWCOからは教えてもらえない。ふむ・・・

解剖に詳しい若丸先生。
カエルに対してなるべく苦しむことのないよう配慮し、授業後は供養もしている。いい人だ。
自己満足と思われそうな行為であるが、その気持ちを持ち続けるのは大事なことでありますわな。

僕は、先生のような人がもっと増えればいいと思います

そう述べる侘救。こういう人ばかりなら殺人依頼が飛び交うような世の中にはならないのかもしれませんわなぁ・・・
しかし、実際にヤバイ犯罪者は存在している。
カエルやフナといった小さな生き物だけでは飽き足らず、人間を解剖するようになった犯罪者――黒金先生。
解剖を楽しみだけでなく、泣き叫ぶところまで楽しんでいる様子。こりゃ見事にクズですわ。
そんなクズな意見を声に出して言わないでください。

さて、クズな黒金先生が今回のターゲットであり、帰りの道中で仕留めようと考える侘救。
しかし実はいい人と認識した若丸先生はこの黒金先生と近々結婚をする予定だったと判明し・・・こ、これは・・・

この事実を知らされた侘救はどう動くのだろうか。
自身の殺人でいい人が悲しむこともある。それに気づく流れとなるのだろうか。
やらなければやらないで悲しむ人もいるわけではあるが・・・ふむ、難しい話でありますな。



思春鬼のふたり 2巻


第8話 幸せなふたり  (2014年 18号)


黒金先生はどうやら寿退社する様子。
生徒たちに結婚することを告げ、今日でお別れとのこと。結婚しても子供が出来るまでは続けれそうな気もしますがなぁ。
まあその辺りは個人の考え方次第なのでしょう。

ともかくお相手である若丸先生は幸せ者だとクラスの皆は呑気に語っている。
しかし色々と事実を知っており、かつ殺しのターゲットとして狙わなければいけない侘救は複雑そうな様子。
こういうことで思い悩むのも大事なことですわなぁ。

若丸先生は何も知らない。あの笑顔の下の姿を・・・
黒金は罪のない人たちを生きたまま引き裂く。イカれた犯罪者だってこと。
若丸先生の幸せは偽りのものなんだ・・・でも、偽りとはいえ僕は若丸先生の幸せを壊してしまう
こうしてる間にも次の被害者が出るかもしれないのに・・・

人付き合いのいい殺し屋ってのは大変ですなぁ。
変に情が移らないように人間関係を希薄に保つのが良さそうなものですが・・・
今まではこうやって思い悩むようなこともなかったんでしょうな。

さて、思い悩む侘救のために動く白雪さん。
やはり相談するならば同業者が良かろうということで陸ちゃんの学校・・・というか、陸ちゃんのロッカーに忍び込む
一体どうやってこの子の学校を知ったのか・・・白雪さんの情報収集能力はやはり異常である。
侘救に関連しているとはいえ、侘救以外の人の居場所も探れるのか・・・

まあ白雪さんの凄さは今更なので考えないことにする。
それよりもせっかくなので陸ちゃんに質問をする侘救。殺しによって他の人間が不幸になるかもしれないと思う時ありませんか?

ありません

はっきりとそう答える陸ちゃん。
悪い人間を排除する。WCOで必要なのはそれだけとのこと。
幸・不幸なんて人それぞれ。殺ってみないことにはわかりませんと語る。
ふーむ、さすがに優秀さゆえにお仕置き人に選出されているだけのことはありますなぁ。一歩先に進んだ考えを持っている感じだ。

陸ちゃんの勧めもあり、若丸先生と話すことにする侘救。
何か見えるものがあるかもしれない。それを期待してのことであるが、はてさて。

若丸先生はどうやら医学生であるらしく、大学病院で手術に立ち会う機会が多いそうな。
苦しんでいる人を救いたいと語る若丸先生は本当にいい人であるというのが窺える。侘救が今までにない優しい顔してるぞ。

手術記録を見せてもらうと、その中に気になるものがあった。
1か月前の手術記録。42針の縫合手術というかなりとんでもないものである。
もちろんこれは例の黒金先生の解剖の被害者の件でありましょうな。
この手術に立ち会った若丸先生。恐怖したと述べる。

人の尊厳をもてあそぶ・・・そんな人間がいるのかって。
許せなかったね。本当に許せないよ。
こんな人間がいなくなれば・・・世の中平和なのにね

そのように語る若丸先生でありました。
ふうむ、若丸先生は果たして真実を知った時に愛を取るのか正義と平和をとるのか。どちらでありましょうか。
黒金先生がこのタイミングで家にやってきたわけであるが・・・一気に動きますかね侘救?
やるのなら悩む前に思い切ってやってしまいたいところでしょうが、はてさて。



第9話 相愛のふたり  (2014年 19号)


若丸先生の自宅を訪れていた侘救。そこにターゲットである黒金先生も来てしまった。
生徒の前で惚気話を始める黒金先生。浮かれてますなぁ。こいつは居たたまれない。いや、別にそれが理由で居づらいわけではないか。

出会いのきっかけは黒金先生が盲腸で大学病院に入院した時のこと。
ちょうど若丸先生が手術見学に来ており、そこで一目惚れしたのだという。出会いは突然ってやつですな。

黒金先生の入れてくれた紅茶を嗜む男2人。
これから毎日紅茶を飲むつもりならマグカップじゃなくてティーカップでも買ったらいいんじゃなかろうか。
そんなツッコミはさておき、どうやらプロポーズをしたのは若丸先生の方が先だったらしい。ふむ。
どうやら1年前、黒金先生は医学に興味があると言って今の侘救のように若丸先生の家を訪ねたらしい。
そしてその後もちょくちょく会うようになり、今に至るというわけですか。

違う・・・それは黒金が若丸先生を利用するためだ。人間を解剖するための知識を得るために近付いて・・・

そのように考える侘救であるが、どうやら黒金先生の若丸先生への想いは本物であるようだ。
初めての手術でとても怖くて緊張していた黒金先生。
そんな時、若丸先生は優しく声をかけてくれたのだそうな。ほほう。

そしたら本当に安心しちゃったの。そして若丸さんに私の体の中を・・・
だから私ね、もっと若丸さんのこと知りたくなっちゃったの。
人柄。生活。学歴。価値観。体の中まで、すべて

自分の体の中を見られたのが衝撃なので相手の体の中も見たいってことなんでしょうか。
そういう性癖をカミングアウトされても困りますなぁ。いや結婚前だからこそ言ってもらうべきなのかもしれませんが。
少なくとも生徒の前で言うような内容ではない。
いや、今はそんなことを言っている場合ではないか。なんせ侘救たちが飲んだ紅茶に一服盛られていたようですし。

楽しみだわ。若丸さんの解剖
悪いわね辻くん・・・あなたには私の罪を被って死んでもらうわ。
明日のニュースの見出しは・・・"連続解剖魔は高校生!最後は自分を引き裂いて自殺!"・・・ってとこかしら?

目的を果たした後は若丸先生と一緒に死ぬとかそういう考えはないんですね。なかなかにあくどい。
しかしお掃除人でありながら油断が過ぎますねぇ侘救。
その点、誰にも気づかれずにこの一連の様子を覗いている白雪さんの方が凄いと言わざるをえないでしょう。いやこの子は本当凄い。
いつの間にか名前の呼び方が辻くんから侘救くんに変わっているが、まあ気にしないでおきましょう。

担当さんは一時避難と称して白雪さんの携帯に入っている。そういうこと出来るんだ。便利な。
そして担当さんは白雪さんに頑張って侘救を助けるよう述べる。
WCOはお掃除人個人のために動いてくれる組織ではない。返り討ちにあうのは自己責任である。
だから今動けるのは白雪さんしかいないということになる。ふーむ。まあこの子がいれば大概何とかなりそうな気はしますが。
ツンデレ風な言動をする担当さんが地味にいい感じである。

さて、とある廃墟の中。柱に縛られた状態で目覚める侘救。
目を開けた時、そこに広がった光景は・・・なんだこれ・・・
白いタキシードを纏い、ベッドに縛られて横たわる若丸先生。
そして同じく純白のウェディングドレスを纏いながら手術道具を準備している黒金先生。なんだこれ・・・なんだこれ・・・

今日は記念日なのよ。私が入院して若丸さんと出会った特別な日・・・
この日のために用意した舞台・・・ステキでしょ?
辻くんは医学の勉強したかったのよね。そこでゆっくり見てるといいわ。

それはまた間の悪い日に訪れてしまったみたいですね侘救。若丸先生としては助かったといえるのか?まだ分からないけども。

しかし黒金先生の趣味は本当ヤバイ。
確かに体内を見られるのは恥ずかしいと言えば恥ずかしいかもしれないが・・・言葉が怪しいよ。

まだ手も繋いでないのにいきなり愛する人の体の中身を見ようとする黒金先生。
ははぁ、これまでの解剖はこの日のための練習だったわけですか。本当にイカレてますわコリャ。
しかしあなたの初めてを私にとか言っているが、若丸先生は手術受けた経験とかあったりしないのかねぇ。さすがにそれは調べてるか。

兎にも角にもピンチな若丸先生。
侘救も手持ちの武器を取り上げられているし大ピンチ。
まあ白雪さんがいるからどうにかしてくれると信じてはいますけども・・・若丸先生が傷物になる前に救い出さないと!!



第10話 相違あるふたり  (2014年 20号)


ストーカー・白雪さんがGPSの反応を追って侘救が捕えられている場所へとやってくる。
さすがの白雪さんでも車より速い移動手段は持っていないのか・・・!!

さて、今にも開きにされてしまいそうな若丸先生。
縛られている侘救としては口による脅かしぐらいしかできそうにない。
さすがに現役の殺人鬼だけあって迫力は結構なものであるが、手出しできないのではどうにもなるまい。

しかしそこにやってくるのは侘救も予想外の白雪さん。
まあ普段から現場にまでついてくる子ではありましたが、さすがに自分が守れないこの状況ではヤバイと考える侘救。
白雪さんとしては逆に侘救を助けるために来たのでありましょうが・・・まあ、危険なことは危険ですわな。
黒金先生もさすがに神経過敏になっているのか、多少の物音がすればすぐに反応する。
気付かれそうになりながらも、入口にいたカエルを身代りにすることで難を逃れる白雪さん。やりますなぁ。

さて、担当さんのカンペによる指示に従って引きのばしを開始する侘救。
そうやって時間を稼いでいる隙に侘救の武器を回収して渡してあげようという話ですな。

担当さん「ストーカー黒帯のおまえなら楽勝だろ?」
白雪「ストーカーじゃないけど・・・辻くんのためなら頑張るよ!」

何!?白雪さん自分のことをストーカーだと認めていないのか!?地味に驚きだ。

それはさておき、無事に武器を回収することに成功する白雪さん。
後は黒金先生が意識を逸らしているうちにその武器を渡すだけである。
が、ここで独自の理論を語りだす黒金先生の言葉に聞き入ってしまう。
うーむ、想いを寄せる人のことを知りたいと考えるのは確かに普通のことかもしれないけど・・・やはり行き過ぎてるのはなぁ。

思わず黒金先生の意見に同調してしまい、気付かれてしまう白雪さん。怖いよ黒金先生。
しかし更にここで思わぬ流れになる。どうやら自分の気持ちを分かってくれる白雪さんに親近感を抱いた様子の黒金先生。
2人で何やらストーカー談義のようなものを始めてしまった。ドドドドドドッ。
ある程度ならその想いも純粋なものといえるのでしょうけども・・・
さすがに体の中まで知りたいとか考えるようになるのは異常が過ぎますわ。白雪さんもそれは否定する。

それで完璧に知ることができたとしても・・・誰かを傷つけて知ったことは、キレイなものじゃありません!
もし私が辻くんの体の中を見たくなったら・・・レントゲン写真止まりにします。

そ。そうか。
白雪さんの行為も結構精神的に追い詰められそうな行為であると思うのだが・・・
まあ、侘救は意外と受け入れているようだし問題ないのかな?割れ鍋に綴じ蓋という言葉が浮かんでしまうのがアレですが。

ともかくその会話の隙を縫って侘救に武器を投げ渡す白雪さん。
慣れ親しんだ武器さえあればこちらのもの。スムーズな動きで縄を切る。器用なものだ。

さて、こうなってしまえば戦力差は歴然と言える。
若丸先生のことを考えると躊躇いも生まれそうであるが・・・気持ちは既に聞いておりますからねぇ。
こんな人間がいなくなれば世の中平和なのに。その呟きが侘救の迷いを消す。

一瞬で追い詰められる黒金先生。
しかし大人らしく汚い交渉術を行ったりもする。
ほう。妊娠しているから殺さないでくれと来ましたか。それが本当ならちょっと悩むところであるが・・・

さっき、若丸先生の体を見るの"初めて"って言ってましたよね。

鋭く指摘する侘救。まあ、若丸先生との子供じゃない可能性もありますが・・・いやさすがにそれは・・・
ついでに体を見ずに行うことも可能だったりはしますが・・・まあ、いいやそれは。
どちらにしても侘救は黒金先生の嘘を見破ったということでしょう。
そして、容赦なくその体を切り裂く侘救。ついに自分が解剖される側に回ってしまったようですな黒金先生。

やだっ・・・私の中が・・・!恥ずかしいじゃない・・・ッ

最後までどうにも変態な人でありました。
若丸先生の意識がないまま仕留めてしまったわけでありますが、この後の処理はどうなるのだろうか。
目撃人に甘い侘救でありますし、全ての事実を話して納得してもらう方向に行くのだろうか。
まあ若丸先生なら悪いようにはしないと思いますが・・・悲しませることにはなりそうですなぁ。
プロポーズした相手が悪かったというか、目をつけられた相手が悪かったというか・・・ご愁傷様です。



第11話 息抜きのふたり  (2014年 21+22号)


信じられないです!黒金先生が連続解剖事件の犯人だったなんて!

お決まりの、そんなことをするような人には見えなかったというインタビュー内容。
まあ確かに黒金先生は外面は良かったですからねぇ。生徒にはとてもそんなことをする人には見えなかったでしょう。
しかしお決まりのように後ろでピースしている奴らはどうにかならないのだろうか。
後でその自分の姿を見て恥ずかしくはならないのだろうか。ならないのでしょうな。

ともかく、報道陣が詰めかけたこともあり、とても授業が出来る状態ではないと休校になる学校。
侘救はそのインタビューも含めた報道番組を見ている。
ふむ、どうやら黒金先生は恋人と心中を図って自殺したことになっている様子。
これは組織の手回しによるものか、依頼者である警察関係者がやってくれたことなのか。
さすがに自殺かどうかぐらいは調べれば分かってしまいそうなはずであるが・・・?

若丸先生は無事に警察に保護された様子。
そしてその若丸先生が侘救の家を訪れる。
ふうむ。どうやら若丸先生は一連の戦闘の間ずっと目を覚まさずにいたようですな。
さすがに念入りに眠らせていると言われただけのことはある。
侘救が一緒に連れていかれていたことも、侘救が黒金先生を殺したことも知らずにいるようだ。ふむ・・・

恋人が亡くなったというのに侘救のことを気遣う若丸先生。自身も苦しい時期でしょうに。と思いきや――

それがまったく悲しくないんだ

意外なことを言い出す若丸先生。
そこからさらに侘救に聞いてほしい話があるという。誰かに聞いてほしい"この話"。
それは――自分が黒金先生を殺してしまったかもしれないというもの。

いや・・・正確には・・・誰かに殺させた

話は1か月前に遡る。
例の解剖された女の子の手術に立ち会ったときのことである。
むごすぎる被害者の様子を見て絶望的な気分になった若丸先生。
命は助かっても、もうこの子はまともに生きていくことはできない・・・

他にも同じような被害者がいる。
犯人は悪魔だ。仮に捕まってもこの悪魔はいずれ釈放される。でも私には何もすることができない・・・!

そんな無力感に苛まれた日の帰り道。
路地裏に貼られていたのは世界お掃除機構への連絡先を示すビラ。
馬鹿馬鹿しいと思いながらもつい、その連絡先に電話してしまう若丸先生。
一応掃除の取り消しもできるシステムのようだが・・・とにかく、若丸先生は連続解剖事件の犯人の掃除を依頼したらしい。

まさか黒金さんが犯人とは思わなかった・・・でも・・・どうも自殺のようにも思えなくってね。

ふうむ。なるほどねぇ。
事件の犯人は許せない。その気持ちが強いため、黒金先生の死も悲しむことはできないわけですか。
しかもその死に自身も関わっているのではないかと考えると・・・微妙な気分でしょうなぁ。それは。

侘救は世界お掃除機構の存在は当然否定する。これ以上深みに入らせる必要はないですからねぇ。
だけど一つだけ質問をさせてもらう。
もし仮にその電話が本物だとしたら、若丸先生は後悔しますか?と。

・・・・・・これで・・・よかったと思ってる

涙を流す若丸先生。
頭ではそう思うし、口にもしているが・・・さすがに完全に割り切ることはできないんでしょうな。
悲しくなかったはずなのに、口にすることで想いが溢れてしまったのだろうか。うーむ切ない。

さて、若丸先生のそんな姿を見て、侘救も少し自分の所属している組織について考えるようになった様子。

今回僕は初めて依頼主がどんな思いで依頼してきたか知った。
悪い人間を殺す・・・単純なことだと思ってたけど、その裏ではいろんな感情がうずまいてるんだ。
WCOではもっとたくさんの感情がうずまいているのかな。

ふむ。まあそういう依頼とかが殺到する場所でしょうからねぇ。様々な感情がうずまいていそうな気はしますよ。
いずれ侘救もその辺りのことにも詳しく関わるようになるのだろうか・・・

実際、どうやらその感情のうずまきからか、WCO内部でも何か起きている様子。
お仕置き人である陸ちゃんがWCOお掃除依頼を受けて一人の男と戦っている。
男はWCOから抜けたと言っている。ほう。

僕は僕のやり方でWCOを潰すしかない
そのように述べる男。ふうむ、これは考え方の相違による物別れなのかどうなのか。
別に成人になったから抜けなければいけなくなったって話じゃないですよね?
さすがにそれでお掃除されてはたまったものではないし。
もしかして抜けるだけで命を狙われるような組織だったりするのだろうか?どこの忍者だよ。
まあ秘密の内容を考えると簡単に抜けれないようにするべきだとは思いますが・・・

ともかく早くもかませのポジションになった陸ちゃん。今後の活躍に期待したいところです。



第12話 白黒のふたり  (2014年 23号)


黒金先生の騒ぎで学校は休校。
助けてもらったお礼と言うことで白雪さんを誘って動物園へ向かう侘救。
ふむ。侘救もちゃんとこれはデートという認識を持って誘っているんですな。ほうほう。

今日のデートのために昨日は1日中園内を調べつくしてたという白雪さん。この情熱はやはり凄い。
そしてそこで得た知識を生かして侘救を案内して回っている。
が、動物園で一番人気の"タロウ"のお母さん、メスライオンの"ハナコ"は紹介できなかった。
どうやら老衰で急死したらしい。ふうむ、そういうこともありますかなぁ。
でも昨日はあんなに元気だったと述べる白雪さん。ふむ・・・?

そのハナコの急死の情報を知り、涙を流す青年の姿がある。おや、この男は前回の・・・
涙を流しているのは生き物の死を純粋に悲しんでいるからのようだが・・・ふうむ。

それはさておき、動物園デートを満喫する2人。
凄く偏った楽しみかたしてる気はするが、まあ白雪さんは凄く幸せそうだから良しとするか。

それはそれとして、このタイミングで投下されるお掃除依頼。気になりますね。
でももっと気になるのは担当さんの衣装ですね。何ですか侘救?担当さんの着せ替えに目覚めたんですか?どうなん!?
まあ、救出に少し手を貸してくれてたし、そのお礼と言うことなのかもしれませんが。

さて、時間は経過しこの動物園のメインイベントが始まる。
間近で動物にエサをあげられる体験ができるらしい。ほう、面白そうだ。
・・・と思ったが、オスライオンの檻に入って直接対面しながら渡すだなんて想像してませんでしたよ!!

メインイベントだけどなかなか参加する人はいないというこの企画。
飛び入りの侘救でも普通に参加できてしまう。そりゃそうだ。
まあ一応ライオンのタロウの首には鎖がついてるから飛びかかっては来られないようだけども。

とにかくこの動物園の園長からエサの肉を受け取る侘救。
その肉を手に振り返って、相対したところで・・・タロウが激しく暴れ出す。
怯えて檻の外へと逃げ出したがるタロウ。おやおやこれは・・・?

侘救はタロウにエサはあげず、肉を回収する。
これはあげられない。あのライオンが食べるものじゃないからと語る。それは、まさか・・・

さて、17:00を回り閉園。侘救は殺しのために動き出す。
今回のターゲットは動物園の園長。
罪状は21件の動物虐待。年老いた動物をいたぶりつくして、殺した後は他の動物のエサにする。なんだそりゃ!!
うーむ、これは・・・死刑にはなりそうにない犯罪だが・・・かなり許せないものがありますな。お掃除依頼も止む無しか。
しかも今回タロウへのエサに、母親であるハナコの肉を使おうとしたらしい。
自分の嗅覚でそれに気づき、怯えて暴れ出したタロウ。なるほどねぇ。酷い話だ。

侘救にそれを指摘された園長は・・・逆ギレ。
客引きパンダにもならない虫けらなんざ切り刻んで他の動物のエサがいいに決まってると述べる。
うーむ、どこまでも救いようがない奴だ。さっさと殺してしまうのが良さそうですなぁ。

と思いきや、ここに突如現れる第三者。
園長を殴りつけて気絶させるのは、昼間に動物園で会った、ハナコの急死を知って涙していた青年。
園長を気絶させて青年は、侘救の手をとり、僕と一緒に逃げようかとか言い出す。は?

この人の悪行は全部警察にリークしたんだ。あとは警察がやってくれるよ。だからキミは殺す必要はない。
僕は星野銀華。少し前までお掃除人をやってたんだ。人殺しなんて駄目だよ

さらりと侘救の仕事を全否定する銀華。
ふうむ。WCOに属することで何か妙な考えを持つに至ったのでありましょうか?
いやまあ、人殺しがいけないことは確かなんですけどね。
しかし今回の件のようなものを見せられるとどうにも・・・うーむ。難しい話となりそうだ。



第13話 生死のふたり  (2014年 24号)


仕留めるべきターゲット。
しかしそのターゲットは罪を暴かれ警察へと連行されていく。
おやおや、お掃除依頼失敗でありますか侘救。

元お掃除人と語る銀華。
生き物が死ぬのが嫌なのならば、人間だって生き物だよと侘救に語る。
それはそのとおりだが、そんなざっくりとした割り振りをしていいものであるかどうか。
案の定、侘救はそんな言葉に耳を貸そうとはしない。
悪い生き物に対して感情など必要ないと返す。しかし――

必要ないのは"こいつ"だよ

そう述べて、侘救のナイフの刃を素手でへし折る銀華。どういう力だよ!?
優男な見た目に似合わず、高い戦闘力を有しているのがよく分かる。
それでも侘救に退く様子はなく、倒してでも依頼を遂行しようと構えを取る。
元お掃除人であるならば銀華も今はただの目撃者として処理できるわけだが・・・

でもいいのかな。辻くんってまだ目撃者を殺したことってないでしょ。

おやおや、こちらは向こうのことを知らないのに、向こうは事前調査万全って感じですな。

侘救の過去、強盗に襲われ両親を亡くし、自殺を図ったこと。
そしてWCO人間にスカウトされて加入。殺しの腕を磨いていったこと。
さらには今まで308人もの悪人を殺したことも調べられている様子。さすがに元WCOの人間ということか。

そんな侘救の情報を読んでいるだけで僕の胸が張り裂けそうだと語る銀華。そして、泣きながらこう述べる。

世の中にはまだいっぱい悪人がいるんだよっ

まあそうですね。100人単位じゃ効かないぐらい大勢いることでしょう。
それでも悪人をそうと知っていて野放しにしていていいものか。
いや、一応銀華は警察に逮捕させたりはしているし、野放しにしているわけではないか。
でも黒金先生のように裁かれてもその罪の大きさに納得いかない結果になりそうな人もいるしなぁ。うーむ。
そういう悪人たちを1人でも減らしていけば世の中も少しはましになるのではなかろうか。

僕は999人殺しても何も変わらなかった

おっと、さすがに先達。経験者の言葉には重みがありますな。
銀華が言うには、世の中の善悪は"パレートの法則"に当てはまるのだそうな。

人口の2割が悪人。残り8割は善人って言われてる。
それなら悪人を全て取り除けばいいと思うでしょ?
でも不思議なことに残った8割からまた2割悪人が出てくるんだ
つまりキリがないんだよ。悪を完全に無くしたいのなら人類が滅亡するしかない。キミのしていることは無意味なんだ。

ふうむ。働きアリの内2割は働かなくなるみたいなものですかね。
まあ昨日までは善人だったって人はいるでしょうし、キリがないのは分かる話だ。

それを知ってまで人の命を奪う理由なんてあるのかな。

そう告げて逃亡する銀華。
通報したという警察もやってきたことだし、もうこの場で依頼をこなすのは無理と思われる。
侘救も銀華の後を追うようにこの場を去るしかないのであった。

てなわけでお掃除依頼に失敗した侘救。
五箇条には書かれていなかったが、お掃除依頼に失敗したお掃除人にはちゃんとペナルティがある様子。
まあそういうのが無ければ組織としてはやっていけませんわな。
そういうわけで、失敗した侘救の前に現れるのは・・・お仕置き人である小鹿陸ちゃん。

私立揺籃高等学校1年A組 辻侘救。
お掃除依頼不履行によりWCOはお掃除人として不適格とみなします。よって"おしおき"を――

ペナルティがあるとは思ったが、いきなり処分されることとなるのだろうか。
意外と厳しいんですねWCO。最初の頃はルールも少なく組織としてどうなのかと思ったぐらいであったが。

結局帰らずにずっと侘救の活躍を見ようとしていた白雪さん。
陸ちゃんに対し、おしおきなら私が代わりに受けますと割って入る。そういうものではありますまい。
まあ、何にせよ陸ちゃんに侘救をおしおきするつもりはない。
銀華に壊された武器もそのままのようですしね。

こんなことをしていたら私も含め、何十人ものお掃除人が死んでしまいます

そのように語る陸ちゃん。ふむ、これはそれだけの数のお掃除人が銀華によって邪魔されてきたってことでしょうか?
さすがにWCOとしては今回の依頼不履行は不問とすることにしたみたいですね。良かった良かった。
しかし陸ちゃんの担当さんが80年代スタイルなのは陸ちゃんのセンスだったのか・・・ふむ。

それはさておき、陸ちゃんは侘救に共同戦線を張るよう申し出てくる。
星野銀華。あの男を追い詰めるために共に戦って欲しいという話ですな。ふうむ。確かに一人では厳しそうな相手であるが・・・
あの情報能力は自分の元担当を魔改造して手にしているらしい。
その辺の管理と言うか、セキュリティ杜撰じゃないですかねWCO?
これで先回りされているんだし、そりゃあお掃除人に責任何て問えませんわなぁ。

何とも厄介な男が現れたものである。
星野銀華。主張は分からないでもないが・・・その行動はどのような波紋を広げることとなるのか。注目であります。



第14話 逆転のふたり  (2014年 25号)


悪人を殺すこと。それが世界お掃除機構お掃除人、星野銀華の正義だった――

幼少の頃に初めてのお掃除依頼をこなす銀華。
さすがに昔から怪力だったわけではないのか、殺しには短剣を用いている。
いや別に怪力でも素手で殺さなければいけない理由はないか。

ターゲットが殺害される理由は自分の娘に振るっていた暴力。
しかし振るわれていた娘は幼いせいか、環境のせいか、そんな父親のことも慕っていた様子。うーむ。
それでもこういう親の下で暮らすよりは幸せになれるんじゃなかろうか。
銀華もそう考えたのか、気にやまないこととした様子。あの子だってきっと笑顔になる。そう信じて・・・

初依頼をこなした後は順調に次々に仕事をこなしていく。
やられている悪人の叫びを見ると確かにやむなしと思える人が多い感じでありますな。
可愛い子は手を出さず見守るようにしましょうや。な?

999人もの悪人を殺し、幸せそうな笑顔を見せている銀華。
銀華の考えであれば、これで笑顔になっている人も大勢いることとなる。それを想像するのが楽しいのでしょうな。
しかし、記念すべき1000人目のターゲットのもとに向かったところで・・・その期待は打ち砕かれることとなる。

ターゲットは高倉さとみ。酷いいじめを行っていた、というか現在進行形で行っている。
いやまあ、そういう光景なら銀華も見慣れたものでありましたでしょう。
だが、訪れた場所は最初の殺人依頼で訪れた場所。
そして、ターゲットは最初に殺した男の娘。おやおやこれは・・・

どうしてこんなことに?
僕が悪人を殺してきたのは・・・あんな顔を見たかったからじゃない・・・
どうしてまた同じようなことが――

今いる悪人さえ殺してしまえば後は善人しか残らない。
その考えは脆くも打ち砕かれた。善人が悪人へと変わる場合もある。つまり・・・悪人は消えない

そうだ・・・この一件だけの話じゃない・・・
殺しても殺しても悪人は必ず出てくるんだ。
僕は悪人を殺すことが世の中のためと思ってたけど、なんにも変わってなかった・・・
WCOはただ無意味なことを繰り返してるだけじゃないか・・・
こんな辛い思いするくらいなら殺しを・・・WCOを辞めて・・・
いや・・・それじゃ駄目だ。僕だけ辞めても意味がない。他のお掃除人もこうなる前に止める

そのように決意する銀華。
すべてはみんなの笑顔を見たいという想いから。
ううむ、動機は純粋なのだが、純粋すぎるのが玉に瑕であったわけですか。
まあ銀華の想いも分からないわけではないですけどねぇ。

星野銀華は東京特別区の依頼の大半を担っていたらしい。
そんな彼が3か月前にWCOを抜け、ほどなくしてお掃除人の邪魔をするようになったそうな。
銀華はお仕置き人に何度も推薦された実力者である。
しかしあくまで悪人を殺したいという希望で辞退していたそうな。ふむ。

さて辻侘救・・・協力していただけますよね。星野銀華の"お掃除"を。

改まってお願いをする陸ちゃん。しかし侘救の答えはNo。

僕も悪人しか殺しません。あの人は悪人ではないですから
さっきはいきなり依頼の邪魔をされて苛立ちましたけど、あの人の言動や今の話で・・・思ったんです。
"根"は僕らと同じなんじゃないのかって。
人を殺すか殺さないかの違いで・・・世の中をよくしたいと思ってる。
だから殺す前に、僕と1度話をさせてもらえませんか。

ふむ。そういう流れになりましたか。説得できるかはともかく、お互いに思うところはあるでしょうし話し合うのは悪くない。
というか、今回のエピソードを見ると侘救と銀華は似たような道を辿ってるんですな。
白雪さんは親から暴力を受けていた。が、それを嫌だと思っており、親を殺して助けてくれた侘救に感謝している。
銀華が救った幼いころの高倉さんもいい感じに育っていれば・・・
逆に白雪さんが悪人になっていたりしたら侘救はどうなっていただろうか。考えると本当に"根"は同じに思える2人だ。
というか、この高倉さんって1話で侘救が殺した子か。うーむ、因果ですなぁ。

というわけで、すぐに対決ということはなさそうである。
が、銀華は自身の担当さんを改造して不正にWCOからお掃除依頼を引き出している。
邪魔をするために現れる銀華を制し、お掃除依頼をこなす。これが今度の侘救に課せられた任務である。

今回のターゲットは――計5人

グループの場合はまとめて殺人依頼が来るわけですな。ふむ。
加減を知らなさそうなクズたちがターゲット。これは容赦はいらなさそうである。
今回は陸ちゃんと共同で殺しを行い、銀華の妨害を潜り抜けないといけない。
なかなか難易度の高そうな任務であるが・・・さてさてどうなるか。
そういえば侘救の武器は壊されているけどどうするのだろうか。陸ちゃんもそうだけど。
すぐに補修されるのか、壊れたまま任務を遂行することとなるのか・・・気になるところです。



第15話 不殺のふたり  (2014年 26号)


小さな娘さんのいる幸せそうな普通の家庭。
本来ならば誕生日を祝って楽しい一日になるはずでした。
しかし父親はろくでもない連中に襲われ、さらに家にまで上がりこまれることとなってしまい・・・
これは危なすぎますな。お掃除人の方々の到着が待たれます。

ターゲットは不良グループ"夜刃音珠"
木田雷をリーダーとする沖大和、城戸小介、速水烈、山吹樹の五名。
障害・恐喝・窃盗数知れず・・・情報によれば今日金曜はこの界隈にバイクを繰り出しいます。

道すがらターゲットの情報を提供してくれる陸ちゃん。
そのおかげもあり、該当しそうなバイクを発見する。さすがに白雪さん。目ざとい。
そして侘救も即座にターゲットが暴れているのを発見する。

不良グループは家に上がり込んで本人たち曰く、お宝探しを開始する。
両親と女の子の3人はロープで縛られ、ガムテープで口を塞がれ、さらにナイフで脅されている。
うーむ、これはまさに悪夢といっていい状態ですな。
通帳の在処を知りたいなら両親に聞けばいいのにわざわざ女の子に聞こうとする辺りが実にゲスい。

人生ってのは楽しんだモン勝ちと主張する木田雷。
その主張だけなら間違いでもないが、他人を蹴落として楽しむのはさすがに見過ごせない。
これはお掃除依頼が来て当然な相手でありますな。やってしまえ!!

ブレーカーを落とし、闇に乗じて不良グループに攻撃を仕掛ける侘救。
ふむ、武器はどうやら代用品を使っているみたいですな。
愛用の武器じゃないだけに少し手間取りそうな雰囲気ですね。むむむ。

侘救が手こずっている間に家族3人を一瞬のうちに外へと連れ出す白雪さん。何と頼りになる人なのか・・・
本職の2人も頑張って仕留めてくださいな。
まあ愛用の武器じゃないとはいえ、素人相手に仕留めそこなうようなことはないでしょうけどね。
・・・なーんて思っていたら、甘かった。
準備良くというか、防刃チョッキのようなものを全員纏っており、1人も仕留めることができない2人。おやおや。

俺らってさー。ありがたいことにいろんな方々から目をつけられてっから用心してんだよ。
さっきもこんなメール来るしさ。これ送ったのはテメェらか?

おや、どうやら事前に警告メールが木田のところに行っていたようですな。
もちろん侘救たちがこんなメールを出すはずはない。
警察に自首を勧めるこの内容は間違いなくあの男のものでありましょう。

その予想に違わず、星野銀華登場。
どうやら銀華もこいつらが大人しく自首するとは思っていなかったらしい。
むしろそんなメールを見たら用意周到に待ち構える類の人間だとのこと。正しい分析ですな。
本来の目的は侘救たち可愛い後輩が人殺しをしないように防御を固めさせることだったわけですか。おやおや。

警察を呼んでおいたという銀華。
さすがにこの時間がない状態で銀華の妨害を受けながら5人を殺すのは不可能に近い。
そう判断して早々に退却する陸ちゃん。素早いですな。
そして残った銀華は不良グループを素手でボコボコにする。うーむ。強い。

警察に連行される木田たち。
しかし当然ながら復讐心に燃え猛っている様子。
これはこのままでは済まないかもしれませんな・・・
生かして法の裁きに任せようとする銀華の行動はどのような結果となるのか。注目です。



第16話 信念あるふたり  (2014年 27号)


コミックス発売記念!!ドロドロラブラブセンターカラー。
いや、別に恋愛関係でドロドロしてるわけじゃないんですけどね。
そっち関係はどちらかというと現在は爽やかな感じである。倒錯はしているが。倒錯しているのに爽やかって何だ!?
色々とツッコミたく思うが、とにくこのカラーは良いデザインですな。

病院内。小さな女の子が入院した父親の見舞いに訪れている。
ふむ、前回の不良グループに上がり込まれた家の子でありますな。
その女の子に、ニュースで見たよといいながら声をかけているのは星野銀華。
こういう心のケアというフォローもしっかり行うということですか。いい心がけでありますな。

銀華の傍には侘救の姿もある。
見舞いを終えた後、2人で話したいことがあるようだ。
狙われている身でありながら堂々と公共の場に姿を現し、更には喫茶店でお茶を嗜む銀華。
ふーむ、これは陸ちゃんが挑発されていると考えても仕方がないかもしれませんな。

しかし・・・何故呼んでもないのに彼女が私の目の前に?

植え込みを挟んで隣に陣取る陸ちゃん。そこに相席しているのは白雪さん。
もちろん侘救の様子を観察してホッコリするためにやってきているのだ。この子はいつでもブレないなぁ。
まあ、白雪さんのことは置いておいて、話を進めましょう。

――さっきの女の子。大雁江美ちゃんっていうんだって。とてもいい笑顔をしていたね。
人殺しをせずとも人を救える・・・辻くんもわかってくれたよね。

確かに今回の事件だけ見れば殺すことなく家族の危機を救うことは出来た。
侘救もそういう解決法があることは否定しない。
――だが、それでも。僕はこれからも悪人は殺しますと告げる侘救。

キリがないからって、周囲を不幸に陥れる悪人を生かしておく必要もありません
今回の不良グループだって警察に捕まって終わるようには見えませんでした。

それはまさに侘救の言うとおりである。あの不良たちはしつこそうな気がします。
銀華は、彼らはあれだけのことをしたのだから少年院送りに間違いない。今頃たっぷりお灸をすえられてると述べるが・・・
いやあ、それでも少年院から出てきても復讐に走る奴っていますからねぇ。
そういう更生的な部分には期待し過ぎない方がいいのでは・・・期待してるからこのやり方を選んでるんでしょうけどね。
どうでもいいがあいつら未成年だったのか。まあ不良グループというぐらいだからそうなんだろうが・・・うーむ。

不安はなさそうな銀華。しかし狂気はすぐそばに迫っている。
不良グループの主犯である木田雷。この男が面会と称して大雁さんの病室を訪れようとしていたのだ!!

どうやら木田の父親は衆議院議員であり、大金を積んで釈放させたらしい。それはまたなんともはや。
議員さんとしてみれば体裁があるのだろうが、そういう行為がバレた時の方がよほど致命的だと思いますがねぇ。
案の定、木田は再犯する気まんまんの様子でありますし・・・どうにもならんな本当に。

そして木田はあの家族に謝りたいという口実で病院を訪れる。
もちろんそんなつもりはない。目的は銀華への復讐
しかし居場所は見当もつかない。のであれば・・・関係者を人質にする。そして誘き出す。

木田の悪辣な考えにより、病院から連れ去られる江美ちゃん。せっかく笑顔が戻ったというのに。何てことだ・・・

連絡手段は銀華が送った警告メールのアドレスを用いられる。
そのアドレスに対し、江美ちゃんを連れ去ったことを示す画像を送り付ける木田。
当然、銀華は救出のために即座に動き出す。
白雪さんのおかげでそのことを知れた侘救たちも急いで後を追うことにする。
まあ、陸ちゃんは会計を済ませないといけないので遅れるようですが。がま口財布とはさすがのセンスだな!!
というか、白雪さんの食事は自前のものだったように思えたのだが4人分の会計とはどういうことなのだろうか・・・

さて、木田の呼び出しに応じて病院の裏山にやってくる銀華と侘救。
木田は今からやるゲームのために、江美ちゃんには"タイマー"になってもらうと告げる。
ふむ。単純に人質にするとかではなさそうですな。
まあこっちは目にもとまらぬ速さで動けるわけですし、そんなことしても無駄なわけですが。
実際、適度な距離を取って銃を使おうと考えていたのだが、一瞬で間合いを詰められて殴り倒される。何しに出てきたお前は。

銀華としては予想外の出所であったが、結果としては同じ。
そのように思ったのだろうが・・・木田という男のゲスさは予想を上回る。
前のめりに倒れた江美ちゃん。その背中にはナイフが突き刺さっている
まさか・・・これが木田のいう"タイマー"の意味か!!
わざと急所を外して刺して死ぬまでに殺した方が勝ちだとかのたまうつもりだったわけか・・・外道な。
さすがにこの行為には銀華の顔色も変わっております。

江美ちゃんは白雪さんが急いで病院へと連れていく。
そして残った侘救は・・・仕事を行おうとする。銀華に手を出さないでくださいねと告げて。

銀華の主張は部分的には分からなくもない。
確かにこの世から悪は消えないし、キリがないのはその通りだと思う。
だけど、こういうどうしようもない相手を野放しにしていていいとは思えない。
警察がどうにかしてくれるぐらいの相手ならまだしも、法の裁きにかけられないような相手ならば・・・仕方がないのではなかろうか。

殺すことで余分な憎しみが発生することはある。
が、殺さないことで起きずに済ませられた惨劇が起きる可能性もある。
その行動が正しかったかは後になってみないと分からないわけであるが・・・
だからこそ、それぞれの納得いく方法というものをしっかりと考えて欲しいものであります。
銀華の主張はこれで崩れるのかどうか・・・注目です。




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