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蒼天紳士チャンピオン作品別感想

空が灰色だから
第35話 〜 最終話、短編集


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 各巻感想

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空が灰色だから 4巻


第37話 「私が守りたかったもの」  (2012年 33号)


高2女子の物語。
メガネの男子斉藤くんはクラスメイトから不気味であると評されている。
なんでも、制服姿で動物っぽい物を引きずり回していたという噂もあるそうな。
ふーむ。それが事実だとしたら虐待でありますね。許されざる行為だ。

しかし、噂程度でクラスメイトを悪く言ったりするのも感心しない。
そう注意するのは今回の主人公である越後さん。固い子である。

越後さんは斉藤くんに今から体育倉庫の掃除だ。大変だけど頑張ろうと声をかける。
が、斉藤くん。ボソっと何事か呟いたかと思うと掃除をせずに帰っていってしまう。

高2にもなって掃除を平気でさぼれる奴にろくな奴はいない。
さっきの噂も真実味を帯びてきた!それが本当なら許せん!

極端な子である。
というわけで、掃除1回さぼったくらいで虐待疑惑は暴論だよと注意する駒林さん。
だが、ちゃんと根拠はあるのだと越後さんは言う。

あいつは以前自習中にゲームをやっていたんだ!
そのゲームが動物を乱獲してお金を稼ぐ内容だったんだ!

いやいや。ゲームってだいたいそんな感じですし!狩猟ですし!一狩り行こうぜって感じですし!
願望の現われだ!とか言われても困りますよ。
そりゃそんな生活ができたりしたら面白いかもしれないですけど。決して虐待ではない。
駒林さんの、お偉いさんみたいというツッコミは中々秀逸。

さっき人を噂程度で疑うのはよくないって言ったばかりの越後さん。
だが、絶対そうだ!目を見れば人なんてわかる!などと言い出している。
掃除はさぼるし、残虐ゲームはするし、動物は虐待するし、私の正義感が許さん!とのこと。

じゃあ明日掃除ないから尾行して事実を確かめようよ。もしその噂が嘘だったらどうする?

はんっ。全裸で片腕で逆立ちしながら鼻くそほじりつつ斉藤に誠意ある謝罪をしてやる!

いや、それどう考えても誠意ないですから!
まあ、普通に謝るより辛い体勢になるのは間違いないし、ある意味誠意は感じられるかも。

まあいいわ。それじゃあつまんないから、全裸にニーソックスね
そのうえボイスパーカッションしながら謝罪の言葉を言ってね!
もし虐待してたら超動物好きな私が全裸にネコミミつけてパクられ覚悟で斉藤くんボッコボコにするから

それでいいのか、駒林さん。
つまり、どっちが勝っても斉藤くんの目の前には全裸の女子高生が現れることになるわけだ。
ふーむ。それはそれは・・・ええ!?

翌日の放課後。前日の会話どおり斉藤くんを尾行する2人。
そのとき、偶然斉藤くんの足元に少年のサッカーボールが。
拾った!盗る気か!?
ひでえええ、あさっての方向にブン投げやがった!
やっぱり斉藤は悪い奴だったんだ!喜ぶ越後さん。
いや、単に運動神経悪いだけでしょと擁護する駒林さん。
確かに、手の方向を見る限り、少年の方に投げようとしていたのはわかる。なんというノーコン。

さて、今度は重いものを持っている老人の登場。もうスイカの季節か。
その老人を素通りする斉藤くん。人情のカケラもないな!
いやいや。物騒な世の中ですし、手助けを申し出るのもありがた迷惑になる可能性ありますからねぇ。
そんな御時勢なのに、見てみぬふりできなくて声をかけている斉藤くん。
おっと、しかしおじいさんは遠慮している。

越後「いやっ違う。スイカが美味しそうなんで強盗する気だ!」
駒林「いくらなんでも越後ちゃん、頑固すぎでしょ!」

いやまったく。しかし、斉藤くんの好意は悲劇を生む。ドス。
ああああああああ。美味しそうなスイカがあああああ!!

ばりくそ怒られている斉藤くん。お爺さん怖いっすよ。
駒林さんは単に不器用なだけでしょと言うが、越後さんはありゃわざとだと断じる。

さっきから何よそのイチャモン。ただの負けず嫌いじゃない。
まるで越後ちゃんは斉藤くんが悪人であってほしいと願ってるみたい

ふむ。いいところを突いてきていますね駒林さん。その考えはおそらく正しい。
それはさておき、斉藤くんが怪しげな動きを見せている。

見ろ駒林!斉藤が何かゴソゴソしてるぞ!麻薬栽培か!?
ああああああ子猫どうわああ!キャワイイイイイどうにかなっちゃいそう!!

落ち着いてください越後さん。さっきからところどころテンションがおかしくなっておりますぞ。
まあ、この子猫は中々かわいいと思いますけどね、確かに。

越後「ああっ殴ってるぞ!?」
駒林「どうみても撫でてるでしょ!」
越後「今度は首に貫手だと!殺る気だ!?
駒林「顎下撫でてるだけでしょ!」

貫手と来ましたか。さすがにその発想はなかったわ。確かに見ようによってはそのようにも見える!!
というのはさておき。今度は斉藤くん、子猫が嫌がっているのに無理矢理何かを食べさせようとしている。
これは、間違いない!毒物だ!シーチキンとか書かれてるけどな!

一刻も早く斉藤の暴走を制動するぞと乗り出す越後さん。
動物のことについては発覚したし、もう隠れている意味はないですわな。
駒林さんは、約束覚えてるよね、と越後さんに確認する。もちろん越後さんは覚えています。
全裸でニーソで片腕で逆立ちしながら鼻くそほじり、ボイスパーカッションしつつ誠意ある謝罪

いっ、嫌だそれだけは。
斉藤は悪人なんだろうか実はそうでもないんだろうか。もうわからん。
でももう悪人じゃないと私が困るんだ
あんなに偉そうにみんなの前で悪人呼ばわりしたんだ。もう引き返せないんだ。全裸にはなりたくはないんだ。
頼むから斉藤。お前は猫を虐――・・・

不謹慎なことを考えそうになったところで、越後さん。なにやらはっとしたような表情になる。ふむ。

さて、駒林さん。斉藤くんに子猫ちゃんに何をしていたのか問いただす。
斉藤くん、相変わらずボソボソとしか喋らないので何を言っているのか分かりにくい。
が、よく聞いてみた結果はこの通り。
どうやら3日前に空き地で捨て猫を見つけたのだが、自分の家では飼えなくて困っていた。
とりあえずエサだけでもと家から缶詰を持ってきた。
しかし食べようとしなかったり吐き出したりしてこのまま衰弱死してしまうかもしれない。どうしよう。とのこと。

ふむ。単なる動物好きな気のいい子だったみたいですね。
掃除をさぼったのも反省しているし、子猫が気になってしょうがなかったからという話だったみたいだ。

子猫なのだから、エサはそれようにしないといけない。
駒林さんの家はみんな猫好きだから、私が引き取ってあげると申し出る。
さらに、たまには遊びに来てあげてね、と斉藤くんに声をかける駒林さん。
これには斉藤くんも少し大きな声でお礼を言う。ありがとう、と。
うむ、そりゃあね。これで公然と女子の家に上がる口実ができたわけですもの。ありがとうとも言いたくなるってものさ!

てな発想はさておき。賭けは駒林さんの勝ちである
。 となれば、越後さんは全裸ニーソとなるわけだが・・・わー!何本当に脱いでるの!?冗談に決まってるじゃん!!

とめるな駒林!私は最低だ!
悪人だと思ったから斉藤が嫌いだったのに、私は自分のプライドを守りたいがために一瞬斉藤に虐待を望んでしまった。
最低で愚かでブスでゲスでカスだ!
何も言わず私に屈辱的で蹂躙的な罰を執行してくれ〜〜〜うわあああああああん!!

うむ、そこに自分で気づくとは、なかなか優秀な子でありますな。
一度悪人と認定してしまった時に、それが間違いであってもなかなか訂正できないって人はよく見かける。
間違ってしまったのだから、それを認めるのが正しい。
にも関わらず、自分の間違いを認めたくないので、むしろ悪人に違いないと攻撃を開始する人までいたりする。
そういう人と比べ、自分の醜さに気づき、謝罪を敢行しようとする越後さんの潔さはいかに素晴らしいことであるか!

でも、往来で裸になるのはさすがにどうなんでしょうか。
いや、空き地だし人の目はないのか・・・?ふむ、なんだか凄いシチュエーションに思えてきましたね。
人気のない空き地で泣きながら屈辱的で蹂躙的な罰を執行されるために脱ぎ出す女子高生の図か・・・

駒林さんがいなければそのまま実行していた可能性が高い。
斉藤くんは戸惑いはするけど、止めるだけの実行力があるとは思えないですしね。
しかし、駒林さんがいたおかげで、全裸ニーソは食い止められた。そもそもニーソつけてたら全裸じゃないじゃないか。
てなわけで、スク水ニーソに変化しました

というわけでヅンヅンブクツン授業で使った水着を着てて悪いんだがブンブンヅグツン。
本当に悪かった!斉藤!ブスブスプーブスブスプーシュワワーッ

本当に片手で逆立ちしてボイスパーカッションしながら謝罪する越後さん。
さすが、頭が固いと言われるだけあって律儀すぎる子であります。
これを見せられては、斉藤くんも許すしかありますまい。
いや、斉藤くんにしてみれば別に被害にあったわけでもないし、いきなりそんな謝罪をされてもって感じでしょうが。
むしろありがとうとお礼を言ってもいいくらいである。聞こえる声でね。

てなわけで、引くに引けない時ってあるよねってな話でした。
意地になっちゃう時ってあると思うけど、そういう時に自分の過ちを認めれるのはよいことだと思うのですよ。

それにしても、水着は授業で使ったのがあったからというのは分かった。
しかし、ニーソックスはどこから出てきたのだありましょうか。
越後さんも駒林さんもニーソではない。となると考えられるのは・・・斉藤くんだ!
たまたま持っていた斉藤くんのニーソを越後さんが着用したと考えれば辻褄があう!
てな話になると、斉藤くんは悪人ではないが、変態の可能性も出てくる!
まあ、賭けの対象は悪人であるかどうかだし、変態であるかどうかというのには関係ないからね。
ようするに変態は悪人ではないということだ!証明できた!いやいやいやいや。



第36話 「噂によると世の中は甘くないらしい」  (2012年 32号)


一挙2話掲載の第2話
この表紙はなんとも言えぬ・・・なんだー!?
一挙2話掲載第2話!!で埋められているのかと思ったら、どうやらそれだけではない。
埋めたうちに、「空が灰色だから」という文字が分解されて混じっているらしい。
一体どういう意味があるのだろうか。難解な暗号のような意味が含まれているようできっといないのかも。

てな話は気にせず、12話で登場したおバカ3人組が再登場だ!
ちなみに単行本では話数がずれてるので、15話で登場した3人組のことになるぞ!!

3年生の2学期。もうすっかり寒くなってきたころのお話。
美緒ちゃんが寒さに震え、さむさむさむっと呟くのを受けてリコナちゃんは死にたいを連発する。
なんというネガティブ。気軽に死にたいなんて言うもんじゃないよ!どうせ死ぬ気もないくせに!
てな風にツッコミを行うのはリコナちゃんの思う壺。ニヤッ。

別に気軽に死にたいくらい言ったっていいだろ!受験疲れだよ!
美緒だって気軽に寒い寒い言って特別防寒する気もねえじゃねえか。

ふんふんふんふんと反論を行うリコナちゃん。
言われてみればそうですな。寒い寒いとネガティブなことを口にするのがOKなら死にたい連発でも問題はないはずである。
これは一本取られました!それはそうと、璃瑚奈ちゃん漢字表記じゃなくなったんですね
まあ、その方が感想を書くときにありがたいので嬉しいのですが。リコナちゃんは気遣いのできる子だ!

太陽がにっこり笑うから、小鳥もご機嫌に歌をうたって、葉っぱも踊る。
なんだか私も楽しくなってきちゃった!生きるって素晴らしいー!暑いぞおー!!

翔ちゃんは相変わらずのポジティブっぷりである。
テンションが高ければ寒いどころかむしろ暑くすら感じるって話ですな。

かようにネガティブ、普通、ポジティブの3人組。なんなのこのメンツ。とか言っちゃいけない。親友親友。

今回も受験生ということで睡眠時間の話がされます。
美緒ちゃんはあんまり寝れていない。睡眠5〜6時間とのこと。
リコナちゃんはたった8時間しか寝てないとのこと。前は9時間と言ってたから短くなってるよ!?
翔ちゃんは3時間ぐっすり。変わりがありませんな。健康に悪そうだけど非常に健康的な動きを見せる翔ちゃんです。くるくる。

8時間も5時間も3時間も2〜3時間差なんてたいしたことない。映画1本観れるかどうかでごわす。

そうですね。って1年続ければ365本差見れるじゃないですか。羨ましい!

まあ、結局のところ、起きてた時間よりも勉強した時間が大事である
私ついつい長編マンガ1巻から読み始めちゃって実質勉強3時間もやってないよ。だめだめだーと美緒ちゃん。
私は勉強0時間!朝までオセロゲームやってた!と翔ちゃん。いつ3時間寝たのだろうか。

私は・・・30っぷ・・・いや、インターネット時点も勉強時間に入れるなら4時間だな。
ツングースカ大爆発とかジョンタイターとか榎本喜八とか試験でばっちこいだぜ。

その辺りが高校入試に出たら驚きだよ!
ネットサーフィンで身につけた知識で受験に勝てたら色々と嬉しいのになぁ。

美緒ちゃんはそんな生活を続けているリコナちゃんに説教。
今のリコナちゃんは三高ギリギリアウトなんだから、もっと頑張らないと、とのこと。
前の時の成績はかなりあかんたれっぽかったが、それでもギリギリ行けるくらいだったのか?
それとも前のときよりは頑張って成績が上がっているのだろうか。

リコナ「はぁ。本当、日本って遅れてるな。才能のある人間が埋没する社会になっている」
美緒「あ?リコナちゃんなんの才能もないじゃん」

この、あ?は怖い。確実に語尾があがっている。何ぬかしとるんじゃワレとつながりそうである。
まあでも聞いてくださいよ美緒さん。

人間は寝ている時は何もできないから何も向上できない。
起きてる時間だけ行動ができ学び精神も学力も成長させられるものだ

平均睡眠時間の凡人美緒を平均的15歳として、人生で成長できる機会のあった時間は約10年8か月あったわけだ。
これが平均だ。
さて、平均睡眠時間3時間で天才とか言われてる翔を比べると、約13年1か月半となる。
平均より2年以上起きていて成長のチャンスがたくさんあったわけだ。実質17歳だこんなもん!
さて私はというと!約8年しか起きていない!平均よりも2年も成長の機会がなかったんだ!
実質13歳!これはいろいろ仕方ない!ドン!
実質中学1年生が中3の勉強をしている!これはすごい才能ではないか。
精神的にも他の15歳より2年分も行動してないのにこの大人ぶり!ドドーン!

まさに13歳レベルの屁理屈だよ!そんな計算する暇あるなら数プリしようよ!

ある意味納得できそうな考察であったが、あっさり潰される。
この理論が支持されれば胸の成長もそのせいと言えましたのにね。

時間はみんな平等に与えられ自由に使う権利があるんだから通用しないよ。
それを人生経験っていうんでしょ。要はリコナちゃんは人生経験が平均より2年少ないってことじゃない。

うーむ、すごくマジメに返された。
リコナちゃんの考察は大学教授なりの肩書きを持ってすれば論文のひとつにでも出来そうな内容なのになぁ。
問題はその大学教授にリコナちゃんはなれそうにないということであるが。

屁理屈を潰し、スムーズに説教に移行する美緒ちゃん。リコナちゃんは甘いんだよー!!

世の中そんなに甘くはないよ。そんなんじゃあ本当に三高落ちちゃうよ!

厳しい御意見でありますね。リコナちゃんも思わず泣き出してしまう意見だ。
めそめそとネガティブに浸るリコナちゃん。
それに対し、現実を見ないとと言う美緒ちゃん。ネガティブに逃げたって何も状況はよくならないよ、とのこと。

・・・今なんつった?
私が現実から目を逸らしてる?ネガティブに逃げたっていいことない?
ポジティバー共にネガティバーの何がわかる!ネガティバーはネガティバーで現実をちゃんと見据えてるんだ!
こうやって落ち込んだ時にわざとネガティブになって心のバランスを保ってるんだぞ!
たまには後ろ向いたり暗い気持ちに浸ったりしないと、心はパンクしてしまうんだ!

なるほど。まあ、常に前向きに生きるのは難しいですからねぇ。分かる気はする。
でも、たまにじゃないですよね、リコナちゃんの場合。とツッコミたいがその隙がない。

世の中は甘くないって言ったな!たった15歳の扶養家族のお前がなんで世の中甘くないってわかるんだよ!
確かめもしないで世の中は甘くないって勝手に決めつけるなよ。決めつけて説教するなよ。
世の中もしかしたら甘いかもしれないだろー!!

いや、現に世の中を甘く甘く生きている人間は少なからずいる!と思う。

いるでしょうね。生まれからして特別な人間とかに限定されそうですが。
人生の荒波なんて知りませんよって人は確実にいると思われる。
ならば、私がその特別な人間かもしれないだろ!と述べるリコナちゃんだが、さすがにそれはムリがあるよ。

そうやって最初からあきらめるなよ!世の中甘いか甘くないかで言ったら絶対甘い方がいい!そうだろ!
私は世の中が甘い甘い世の中であってほしいと願ってるんだ!
最初から世の中は甘くないと伝説を信じるだけで、まったく甘く生きようと考えたこともない、自ら苦い生き方をしている輩め。
甘く生きたいと考えてる私とどっちが本当の意味で現実を見ている?

うむむ。確かにね。そりゃあどっちかと言えば、甘い方が嬉しいに決まっている。
凡人には鋭利であり甘美な響きすらある。甘い世の中っていいよねー。

私はこの世の中を甘く甘くなめまくりな世界に変えたいんだ!

強く言い切るリコナちゃん。その意見に翔ちゃんもうんうんと頷いてくれる。

口だけ言っても自分が行動を起こさないと何も変わらないよ!
行動するためには努力がすごく必要だよ。がんばれ!リコナ!
甘くなるといいね!楽しみ!

うん・・・まあ、そうですね。
最後に変えたいんだ!とか行動的なことを口にしたのがまずかったようですね。
甘く甘くなめまくりな世界に変わると信じていたいんだ!なら行動をしなくても済んだかもしれない。
まあ、どちらにしろ行動を起こさないと何も変わらないよと言われたかもしれませんけどね。
現実つきつけられてしおらしくなるリコナちゃんでありました。可愛いのう。

まぁ、まずは三高さくっと合格してじっくり甘い世の中にしていってやんよ。
たまにはブラックコーヒーも飲みたいでごわす。

なんだかんだでリコナちゃんはすごくポジティバーな気がする・・・

てな感じのオチでありました。
まあ、リコナちゃんが結構なポジティバーなのは感じておりました。
ネガティブなことを口走りながらも微妙にウィットに富んでいるというか、本質は前を向いている。
屁理屈のレベルが凄いからなのか、聞いていても不快な感じがしないのが凄いですよね。
一般のネガティバーとは違うってことですよ。
でも文章にするとやはりネガティブな内容になっちゃうと思える。
やはりリコナちゃんが口にするからという可愛さ成分も含まれてのことなのだろうか。くっ。
でもまあ、意外と世の中なんとかなったりすることも多かったりするのですよ。うんうん。

このトリオの初登場回は単行本の2巻に納められています。
そして、2巻の表紙はリコナちゃんだったりするし、愛されているなぁリコナちゃん。私も好きですよー!
それはそうと、2巻のオマケには3人の三高受験合格発表の話がおまけであったりする。
その話はさらりと入れてしまっていいものだったのだろうか?別に問題はないか。
高校生になってもこの3人はあんまり変わってない気がしますしね。



第38話 「世界一我儘な私から世界一ブスなお前に」  (2012年 34号)


「おいブス」「あ?」
ってな感じで、いきなり罵倒から始まる高2女子の物語。
花の飾りをつけた今崎さんと、ソバカスの中浦さんが今回の主人公でございます。

今崎「あっ。ふりむきやがった。中浦は自他共に認めるブスだ」
中浦「おうなんだ。てめえ今崎。売ってんのか」
今崎「ブスは言葉も汚ねえなー」
中浦「おう。タイマンはれや」
今崎「上等ー」

ゴッと頭をぶつけるぐらいにメンチきりながら言い合いをする2人。じりじり。
でも、その後そろって爆笑。なんだよこのノリ!しょうもねえ!!あはははは。小学生か!

どうやら仲の良い2人がテンプレ会話で遊んでいただけのようだ。
まあ、いくらなんでも女子がいきなりタイマンはれやはないよね。ないよね?

この2人。少なくとも小学生の頃から付き合いがあるらしい。
中浦さんはその頃から今崎さんにブスって呼ばれ続けているけど、それを気にした様子はない。
ただ、普通は最低の言葉だから私以外には使うなよと気遣いの言葉をかけたりしている。

お前以外に使わねーよブス!他のはんぱもんに使ったら本物のお前に失礼だろ!

えらい発言でございますな。気のおけない仲すぎだ。
今崎さんはそれなりに可愛い。北中祭のミスコンでは準々グランプリに輝いている。
参加者5命中堂々の第3位である!って判断に困る順位だなそりゃ。

中学生の頃から全く変わらぬ日々を送っている2人。
ずっと2人でつるんでバイトもせず男も作らずダラダラしてるだけだ。これじゃいかんと考えてみる。
そんなタイミングで今崎さんに声をかけてくる平口という男子。と他数名。日曜日遊ばないかと言ってくる。
遊びたくても金がな〜とか言ってみると、金がないならウチでバイト募集してるぞと言い出す平口くん。

丁度女の子のホール探してたんだよ。
ウチの店は自営だからアットホームだし、自給いいし、オレらの紹介なら絶対うかるぜ。

この話にちょっとノリ気な中浦さん。
とりあえず今日、平口くんたちもバイト入っているので、学校の帰りに店に来てくれよと言う。

というわけで放課後。
平口くんのバイト先に面接に行く。と思いきや、今崎さんはそのつもりはない様子。
ママが高校生の間はバイトをするなってうるさいから、だそうな。

もう高校生だろ今崎。ママとか言ってんじゃねーよ。自分で決めろよ自分のことは。だからお子様なんだよお前は〜。

どうやら中浦さんはバイトする気マンマンらしい。
バイトしてお金貯めてオシャレに使って男をつかまえて、残りの高校生活は高校生らしい大人の生き方をしてやるとのこと。

その間お前は匂いケシゴムでも集めてろや!

なんで匂いケシゴム。集めてたのか?今崎さん。
ともかく、そんな宣言をする中浦さんに対し、お前はブスだから男なんてできやしねーよと言ってみる今崎さん。
大人ぶったってブスはブスだ。
ブスブスブスブッスブッスー!中浦はミスブスですでやんす!

てな感じで罵倒を繰り返す今崎さんに中浦さんから一言。

さっきからブスしか悪口言えてねえじゃねえか。本当かわいいなお前は。
早く自立して大人になっていろんな言葉覚えような今崎ちゃん。世の中顔だけで動いてるんじゃないぞ。

ふむ。確かにそれはその通り。
まあ、顔がいい方が何かとアドバンテージを取れる部分はあるが、それだけで動いているわけではないわな。

てなわけで、中浦さんはバイトの面接に行くことになりました。
一人別れて歩く今崎さんは言い負かされてプンプンとした様子。急に大人ぶっちゃってさ!

だいたい放課後とか私は誰と遊べばいいんだよブス!
あっそうだ。今からバイト先行って客として冷やかしてやろ。私をバカにした罰だ!

今崎さん、他に親しい友人はいないんですかね?
中浦さんがいい友人過ぎて交流が広がっていないのかもしれない。それはそれで危惧する事態かもしれぬのう。

それはともかく、やってきましたバイト先。窓が開いていたのでそこから様子を覗き見る今崎さん。
平口くんたちのバイトの制服とか見ると飲み屋っぽく見えるが、定食屋ということでいいのかね?
中浦さんは店長らしき男に面接を受けている。
が、態度の悪い男ですね、こりゃ。携帯いじりながら喋るなよ。

今崎さんは家の事情でアルバイトは禁止されているので私だけで来ましたと告げる中浦さん。
それを聞き、全然話が違うじゃねえか、なんだよコレと店長。
平口くんも、中浦さんに何ノコノコ1人で来てんだよ。今崎いねえと意味ねえだろとか言い出す。
一生懸命やるから、2人分働くからと言う中浦さんだが・・・

そういうことじゃねえんだよ。
君ブスじゃん。ホールにいらないじゃん。
もう1人の子かわいいじゃん。ホールに必要じゃん。オレらテンションあがるじゃん。わかる?

よくわからんが、じゃんじゃん言われると何だかむかつくじゃん。

ブスなのはかまわねえけど、せめて空気読もうよ。ねっお嬢ちゃん。
君も17年くらい生きてるんだからそういうのわかるでしょ。子供じゃねえんだから。

なんともはや・・・ハッキリ言う店長ですな。
客商売をしているとは思えないほどに歯に衣着せぬ態度である。まあ、客の前に出たりはしないのか。
にしても、この態度はありませんわな。
今崎さんを誘ったのも下衆な下心があったからと吐露してたりするし。
初対面の相手にそういうことを軽々しく口にするもんじゃあないと思わないものですかね。いい大人がよう。

ともかく、中浦さん。失礼いたしますとバイト先を去ろうとする。
それに対し店長。2度と来ないでねなどと言い出す。このオッサンは、本当に・・・

消沈し、涙目になっている中浦さん。店を出たところで、すれ違うように今崎さんが中に入る。
そして、店長に向けて持っていたカバンを中身ごと投げつける今崎さん。

お前らが。お前らが。
お前らが私のかわいい中浦を、勝手にブス呼ばわりしてんじゃねえ!!

ビシッと中指をおったてて吠える今崎さん。
この描写はなんだかやけに気合が入ってますね!主に中指。長ぇ!!

お前らゲス共にブスって言われるほど中浦は安くねえんだよ。身分わきまえろよ黴菌どもがあー!!
中浦をブスって呼んでいいのはこの世でたった1人、友達の私だけじゃぼけえええ!!
糞まずそうな残飯屋の銀蝿共がコラ女なめてんじゃねえぞ!!

暴れ出す今崎さん。慌てて止めに入る中浦さん。しかし止まらない。

ネットにこの店写真付きでアップしてギタギタに叩いて炎上させてやるからな!
平口共は学校でタバコ吸ってたことチンコロこいて停学じゃあ!

チンコロって。また妙な言い回しを知ってますな今崎さん。

さっき聞いたぞ。保健所にも通報してやる!閉店だ、ばかやろう。
オッサン。お前の家庭ボロボロに崩壊させてやるからな!女子高生なめんなよ!!

そういえば、賞味期限切れてる商品も平気で使えとか言ってましたね。
こりゃ調査が入ったら余罪がポロポロ出てくる可能性ありますぜ。
とはいえ、さすがに暴れまくったので、つまみだされようとしている今崎さん。

私らをなめたこと絶対後悔させてやる!

罵倒されたのは中浦さんだけなのだが、自分のことのように怒る今崎さんでありました。
いや、むしろ自分が罵倒される以上の怒りを見せているのではないだろうか。うーむ。

というわけで、とりあえず無事に店を出ることはできたと思われる2人。
中浦さんも、こっち女だぞ、危険だろと言っている。
まあね。店長達が暴力的な手段に訴え出してきたりしたら危ないことになっていたかもしれない。
その後は本格的に潰しにかかれる口実ができるかもだが、その場の安全は保証できないとこだった。

私が男だったら脳漿飛び散るまでズッタズタにしてやるのに。くそお。

な、なかなかに過激な発言ですね今崎さん。まあ、それだけ怒っているということなのでしょう。
その怒り。友人が自分のために怒ってくれているという事実。
それもあってか、中浦さん。泣きながら素直に心情を吐露する。あんな奴らにバカにされて悔しいよ・・・

あのオッサンどついてくれてありがとう今崎。

中浦は泣いてもブスだなくそがあ。
あいつらは絶対どん底のフチまで追い詰めてやる。今度住所特定してブロック塀投げ込んでやろうぜ、くぉらああ。

並んで一緒に泣く友人2人。うーむ、美しくも涙ぐましい光景である。
持つべきものは親友って話でありますな。

余りに歯に衣着せぬ友人関係だっただけに、どうなってしまうのか最初の頃は不安でした。
しかし、今崎さんのブスという罵倒は愛情表現の一種なんだなと分かりましたね。
実のところ、罵倒のボキャブラリーがないわけではない今崎さん。
店長らに怒ったときは、黴菌だの銀蝿だのといった言葉が飛び出してますからねぇ。
中浦さんに対しそういうことは言えずにいたりする今崎さんは実に可愛らしい。
それはそれにしても、微妙に凄い言語センスではありますな。チンコロとかも含めて。

今後2人は一層仲良くなっていくのではないかと推測される。
それはよいのだが、本当に復讐を開始し出すのかは気になるところ。
少なくともブロック塀を投げ込むのはどうかと思う。なんせでかすぎる。ブロック片にしておきな!

しかし、今崎さんの、悪く言っていいのは私だけだという感情はなんとなく共感できるものがある。
チャンピオンを真剣に読み込んでいるからこそ、批判的な部分やネタにしちゃう部分が出てくる。
けど、ろくに読んでない人にマイナスイメージなネタ扱いされるとナメてんじゃねーぞくぉらああとなる。

ところでこの2人。
衝動でございます回のクリオネ委員長こと円ちゃんの回に登場しておるようですな。
買い食いをした委員長に2人でたかっていた姿が印象的でありました。
平口たちのような連中もいるが、円ちゃんのようないい子もいる学校ですし、2人には明るく生きていって欲しいですなぁ。



第39話 「マシンガン娘のゆううつうつうつうつうつ
うつうつうつうつうつうつうつうつ」
 (2012年 35号)


今回はまた中々に個性的なタイトルでございます。数を数えるのが面倒だったぜ!!

てなことはさておき、今回は高校3年生女子のお話。
牛島さん、乙香ちゃん、アスカさんの3人によって展開されます。

放課後。今日3人でカラオケに行かないかと誘うアスカさん。
その誘いをのんびりと受ける牛島さん。んーとーカラオケー?いいよーちょうど気分転換に。
しかし、もう1人の乙香ちゃんはと言うと――

今からカラオケ!?
私たち高校3年生の受験生だよ。アスカなんて特に成績悪いのに大丈夫なの!?もう浪人覚悟!?

バババババババと言い難いことをズバズバ言ってくる乙香ちゃん。
聞きたくない言葉がグサグサ刺さって心が傷みますわぁ。
最初見たときは髪が刺さっているのかとグサグサ刺さってるのかと思ったが、刺さってるのは言葉でした。

アスカ「乙香!あんた懐に入ってきすぎっつの!インファイターか!
牛島「んーとー乙香はー毒舌だー

激しい喋りの乙香ちゃんに比べ牛島さんは非常にマイペースな喋り方をする子である。
普通に話そうとするアスカさんが大変な目に合う流れですね。

乙香ちゃんは頭はいいが固いよなとアスカさんに評される。
人生は勉強だけじゃ意味が無ない。死ぬまでにいかに人生を楽し――

死ぬまでに人生をいかに楽しむか!?
勉強してよりよい進学したら、それこそ人生を楽しめる基盤を築きやすいと思うけどな!

ちょっと、うおおおおおい!現実を突き付けすぎ!
私はまだ夢見る18歳の乙女だぞ!?泣くぞコラ!あっもう泣いてた!

この内容では色々と分が悪い。現実的な話はとりあえずさておきましょう。
別の話題を牛島さんプリーズ。

アスカが釜瀬くんとー今度2人きりでーお家デートをするー

なんだか薮蛇な話になった!!これはアスカさん恥ずかしい。
というか、牛島さんはなんでそんなことを知っているのだろうか。
デートじゃねえよ、誤解生むだろと否定するアスカさん。
しかし乙香ちゃんはぐいぐいと迫ってくる。釜瀬と付き合ってるの!?この時期に!?アホのくせに!?

アスカ「さっきからグイグイ来すぎだっつーの!私を言葉で蜂の巣にする気か!?お前はマシンガン娘か!
乙香「えっ。マシンガン娘とは一体?」
アスカ「知るか!急に冷静につっこむな!」

いや全く。急に冷静になられても困りますよ。こっちが空回ってるみたいじゃない!
まあ、空回っているんでしょうけども。
牛島さんは牛島さんでマイペースに話題を進めているし。
釜瀬くんはアホ過ぎるアスカさんを見かねて自宅で勉強会をすることになったんだよとのこと。
何気に毒舌ですね牛島さん。くそがー!!

一気につっこみすぎて疲れた様子のアスカさん。それでも気を取り直し、釜瀬とは何もないと言う。

釜瀬はやめたほうがいいよ!
あいつはナヨナヨしてるし優柔不断だし意志が弱いし根性ないし情けないって感じのタイプだよ!男らしくない。

ザクザクと述べる乙香ちゃんの言葉にちょっとムッとするアスカさん。
あーやっぱり釜瀬くんのことー。てな感じで反応するからからかわれちゃうんですよね。可愛いのう。

アスカ「男にそんな理想ばっか求めても、乙香は恋人できねーんじゃないかってな!妥協するのも――」
乙香「でも妥協したらあとあと困るんじゃないかな!結婚後何十年と夫婦生活があるんだよ!?」

何とか言いくるめようとするアスカさんだが、口数の多さと激しさで乙香ちゃんには敵わない様子。
喋ろうとした言葉を先に後から喋り出した乙香ちゃんに食われているわけで、これは厳しい。
トークスキルでは敵いそうもありませんね。
でも、人が喋ってるのを遮るの失礼だから!傷つくわアタイ

ごめんね。てへっ。

かわいく言ってもダメだ!
とつっこむアスカさんだが、アスカさんもいきなり一人称がなまったりしてますしねぇ。楽しそうだなおい。

結局カラオケはどうするのか、と牛島さん。おっとそうだった。
乙香ちゃん曰く、もっと喋ってたいから私は行くよ!とのこと。
まだ喋り足りないのかよ。お前いかついな!

というわけで、一旦別れてそれぞれ帰宅。着替えて駅に集合することになりました。

牛島「んーとー乙香のー芸術的歌唱が楽しみー
アスカ「おい!お前」

やはり牛島さんは毒舌なのだろうか。芸術的歌唱とはどういう表現なのか!?アーティスティックなのかい?

まあ、それはさておき。
牛島さんとアスカさんと別れ、一人だけになって家路につく乙香ちゃん。
が、歩いている途中でいきなりヒザから崩れ頭を抱え出す。

また喋りすぎた。だるい。痺れる。無気力だ。胸が苦しい。溶解しそうだ
ここから動きたくない。消え去りたい。私をなかったことにしたい。
喋ってないと隙間が空く。するとどんどん黒い血が血管を詰まらせて気分が悪くなっていく

さっきまで満面の笑顔で喋り捲っていた乙香ちゃん。
それが一人になった途端、苦しそうな表情になっている。
一人で思い悩む闇は深いのか、いつしか乙香ちゃんの姿は真っ黒になり表情も伺えなくなる。

ダメだ。何もしたくない。今日はもう2人と会う気もしない。遊ぶのはよそう。

そう考えながら、乙香ちゃんはさきほどの3人での会話を振り返る。
アスカ「乙香!あんた懐に入ってきすぎっつの!インファイターか!」
牛島「んーとー乙香はー毒舌だー」

懐?毒舌?
どうして私はアスカを思って言ったのに傷つけるような無神経なことを言ってしまうんだろう。
最低だ私

アスカ「乙香は頭いいけど固いよな。人生は勉強だけじゃ意味がないぜ」

私はみんなに勉強だけが人生と思ってると思われてるのかな。
人生を楽しめてない負け組みだと思われてるのかな。私の人生ってなんだろ。

牛島「アスカが釜瀬くんとー今度2人きりでーお家デートをするー」

アスカや牛島は私と違って知らないうちにしっかりと人生を楽しんでいる。勝ち組なんだなきっと。
それが普通なんだな。
だいたい最初はずっと私が釜瀬と仲良かったのに。アスカはそんな私を否定してたくせに。
どうしていつの間にかアスカと釜瀬が親密になっているのだろう。

アスカ「男にそんな理想ばっか求めても乙香恋人できねーんじゃないかってな!妥協するのも」

だって私は釜瀬の告白をずっと待っていたのに釜瀬が口にはしないまま自然消滅してしまった。
私は釜瀬に理想を求めすぎたのだろうか。
こんなのじゃ恋人もできず結婚もできず子供もできないのだろうか。
私はやはり人生を楽しめてないんだろうか

私は1人っ子なのにお母さんに孫を見せてあげることができないのだろうか。
我が娘も当然のように恋をし、当然のように結婚し、当然のように家庭を作るとお母さんは思ってるに違いない。
こんな娘で慙愧に堪えない思いだ。

乙香「勉強勉強うるさいな!私だって頑張ってるのにお母さんは私のことをなんだと思ってるの!?死ね!クソババア」

そういえばあの時、私はなんて最低なことを言ってしまったんだろう。
まだあの一言を謝れていない。
なんてなんて私は親不孝なんだろうか。
生きてる価値なんてないんじゃないだろうか。
黒い黒い。血が詰まる。消えたい消えたい消えたい。存在をなかったことにしたい。

アスカ「お前はマシンガン娘か!」

マシンガンって私の言葉は銃弾のように人を傷つけるという意味も含まれているのだろうか。
なんで私は上手く喋れないんだろう。もう少し上手く喋れたら誰も不快にせず傷つけずにすむのに。

アスカ「かわいく言ってもダメだ!」

私はかわいくないってことか。だから恋人もできないし、釜瀬もかわいいアスカに行っちゃったんだな。

こんな私だから後輩からも誰からも尊敬されないんだろうな。
みんなどうしてあんなに息を合わせて喋るのが上手なんだろ。どうして私はすぐ会話の流れを乱してしまうのだろう。
そういえば以前アスカたちが男子たちと遊びに行った時、私はなぜ呼ばれなかったのだろう。

思い出す
中学校の頃、私は一生懸命音楽祭の練習をしていたのに、
三沢さんがみんなの前で私が足を引っぱっていると晒し者にした。
芸術的歌唱ってなんだろう。ああそうか。私は音痴なんだな。

私が喋るたびに声を出すたびに誰かを傷つけてしまう。
じゃあ喋らなければいいんだけど、喋らないと隙間が空いてすぐこうなってしまう。
そしたまた喋って誰かを傷つけ自分も傷つく。その繰り返しだ。

考える
彼女たちとこれからもずっと友達でいられるのだろうか。
私はこれからもこの倦怠感を背負いながら何十年と生きていけるんだろうか。
やはり私は消えたほうがいいんだろうか。
勉強しかない恋人もいない人生を楽しめてない将来のない親不孝ものなんて。

たくさんと思い出してしまう
たくさんと考えてしまう
たくさんと血管が詰まってしまう

喋っていないと忘れることができない考えないことができない。
ああダメだ。喋らないと。誰かと喋らないと。

――というわけで。
今日は2人と会うのはやめておこうと思った乙香ちゃんでしたが、しっかりカラオケボックスにやってきました。
それもこれも、喋らないと考えてしまって苦しいからっていうのがなんとも切ない理由である。

アスカ「やっぱカラオケはいいもんだな乙香」
乙香「歌ってると嫌なこと忘れられるし何も考えなくていいもんね!
アスカ「なんだよそれ!?乙香は個性的だわ」

(間)

アスカは個性ないもんね。流行の歌、流行の本、流行の服。
好きな物を自分じゃ決められずいつも何かを参考にしてるしそれじゃあ――

わああああ!もういい!もういい!私が悪かった。

(間)

牛島「乙香マシンガンが炸裂したぞおい!死ぬー」
乙香「それって日本は銃禁止だから私はいちゃダメってこと!?
アスカ「あっ次は私の曲じゃねえか。マイクマイク」
牛島「んーとーこれーラブソングだー釜瀬くんのために歌うのかなー?」
アスカ「ちっちっちっ違うっつーの!」

てな感じで、3人でいるときは変わらず笑顔で喋り続ける乙香ちゃんでありました。
しかし、最後のセリフとかを見るとなんともいえずネガティブな本音が表れている。
でも、アスカさんや牛島さんからは、乙香ちゃんがそんなネガティブな内心を抱えているとはわかるまい。
なんとも切ない話でありますな。

微妙に共感を覚えなくもない話であります。
なんであんなこと言ってしまったのか、とか後悔するのはよくある話。
だけど乙香ちゃんは日常的に、それも深いレベルで抱えている様子。やばいですなぁ。
明るく多弁な人も内心では闇を抱えているのかもしれないと思わせられる回でした。
いやまあ、誰しもそういう感情は抱くものですけどね。
その当たりを上手く消化できるかどうかが人生を楽しむコツだと思うのですよ。
どこぞのネガティバーさんは口でネガティブ垂れ流す割に実際はポジティブだったりしますしねぇ。
乙香ちゃんももう少し気楽に構えてみてもよいのかもしれません。

黒くなってからの内心の吐露の場面は色々と激しい。
激しすぎて感想を挟むヒマがなかったという話。これはよろしくない。
赤ん坊がつながって子孫を洗わす絵とか、日本秋田党とかつっこみ所は色々とあったのにね!
秋田書店は秋田組とかそっち系だけでなく、政党まで作り上げていたというのか・・・!!

乙香ちゃんは何だかんだで2人との友達関係を続けたいと願っている様子。
アスカさんたちも、何だかんだで友達づきあいを続けているわけだし、問題はないはず。
ちょっとした言葉の強さで傷つけ合ったりはしてるけど、それを許容できるぐらいの関係なはずなんですな。きっと。
いい友人を持てたことは乙香ちゃんの人生の光明と言えるかもしれない。
なので、卒業までに彼氏を見つけることができれば今後も楽しく過ごせるかもしれませんな。

しかし、このような話が挟まると、3人組がだべってる回でも油断はなりませんなぁ。
やはりこの漫画、次にどんな展開が来るのかドキドキしながら見守るのが正しい読み方であるということだ。
そして読み終わったあと読み返し、ドキドキは薄れながらも新たな発見を楽しむというのもこの漫画の特徴。
今後もドキドキさせられていこうと思います。長いタイトルの回数はほどほどがいいですけどね!



第40話 「長い黒髪の乙女の長い話」  (2012年 36+37号)


高2女子の物語。
今回の登場人物の1人である小谷さん。「黴春」回で登場した黒髪ロングの少女でありますね。
その自慢の黒ツヤロングがバッサリ切られた状態で登場する今回。いったい何があったのか!?

夏休み明け。
後村さんに話しかける小谷さん。
小谷さんはクラスメイトの志村くんに片想いしていたそうだが、もしかして?
というわけで、髪を切ることになった経緯について語ってもらうことになりました。少し長くなるんだけど、とな?

7月20日
終業式が終わって下校中。
17歳、もうひとりぼっちの夏は嫌だから、告白するために志村くんを探していた。
しかし、志村くんは他の学校の女の子といた。あら、彼女がいたんですねー。

私は失恋のショックのままにすぐにヘアサロンに駆け込んだの。

長くなると言ってたのに、結構すぐ話終わった!

と思いきや、ここで終わりではなかった。
そのヘアサロン。完全予約制なので飛び入りでカットはできないとのこと。そういう店多いよね。
なので7月22日に予約を取り、会員カードを作る小谷さん。
そうしていると、店の美容師さんが髪長くてすごくキレイだねと話しかけてくる。

よかったらオレ指名してカットさせてよ。自信あるからさ。

美容師さんがかっこよかったのでおもっくそ指名したという小谷さん。現金だなぁ。

7月21日
中学から一緒のクラスメイトの沼井くんに、電話で失恋したことを聞いてもらう。
そしたら励ましてくれるために家に駆けつけてきてくれたという。
沼井くんにいろいろ辛かったことを吐き出したそうな。ふーむ。
年頃の男の子を部屋に上げてベッドで並んで座るとか・・・なんとも照れるシシュエーションっすね。

7月22日
サロンに行く。
しかし途中でお金が無いことに気づいた。ということですっぽんかました。電話すごい鳴ってたけど。

すっぽかしたのかい!ダメでしょ!最低!!というか、すっぽんかますってどこの言葉だ!!

7月23日
沼井くんが私を心配して家に訪ねてきてくれた。
お金に困っていることを言うとアルバイトを薦めてくれたので、コンビニの求人に電話し7月25日に面接にこぎつける。
美容院と思われる番号と知らない番号からその日だけでもたくさんの不在着信があったそうな。うーむ。

7月25日
予定していたコンビニの面接に臨む。
ちょうど女の子が抜けて困ってたというコンビニの店長。即採用は決まった様子。
あれ?この店長、宇佐美さんの回の店長かね?となると、辞めた女の子というのは宇佐美さんのことかな?
店長曰く、1つ注意があるとのこと。
接客なのでその長い髪ね。キレイなんだけど――

と店長に言われたところで、腹を立てて帰る小谷さん。
髪を切るお金を稼ぐために来たのにそんなこと言われたら本末転倒じゃない!って話であるか。
わからないでもないが、いきなり飛び出されていっても困りますわいな。困った人だな小谷さん。

7月26日
志村くんには彼女いるし私はいまだに髪切ることもできないし、といろいろまた沼井くんを呼んで愚痴を聞いてもらう。
そしたら沼井くん。もしかよかったらオレが切ろうか?なんて言ってくれる。
でも素人だから断ったそうな。そりゃそうですわな。ドライだけど仕方ない。

それで、沼井くんがなんでか知らないけど8月5日の夏祭りに誘ってきたのでとりあえず承諾する小谷さん。
なんでか知らないって・・・どう考えても気があるとしか思えないのだが・・・気づいてないのでしょうな。

7月27日
お母さんに頼んで新規の携帯に買い換えてもらう。
後村さんの方に新番号のメールが来ていたりもしたそうな。
ってお母さんに美容代も出してもらえばいいのに。

7月28日
はあ、志村くんは今何してるんだろう。彼女と仲良くしてるのかな。PS髪切りたい。
って日記をつけようと思ったら日記帳がどこにも見当たらなかった。

どうでもいい話だ!というか、日記をつけているわけでもないのによくそんな感情とか覚えてますな。

8月2日〜8月6日
家族で海外旅行行ってきました。海がキレイでした。

え?何これは!?ただの自慢!?
なるほど。3泊4日の旅行でございますか。それは楽しそうで何よりでありましたね。
でも確か8月5日に・・・?

沼井くんとの夏祭りの約束は――!!?

小谷さん本人は喋りながらも全く気にしていなかった様子。
逆に聞いている後村さんの方が気にかけてしまっているという流れだ。うーむ。

8月7日
プリクラ帳がどこにも見当たらない。どうでもいいよ!

8月8日
夏の甲子園開幕。球児たちの暑い夏が始まる。だから何!?

8月9日
このころから非通知の無言電話がかかってくるようになる。それはおおごとだけど、いつ髪切るの!?

8月10日
なんだろう。誰かに監視されている気がする

8月11日
夜道で誰かにつけられた

な、なんだ?いきなり深刻な話になってきましたよ?怖い怖い。

8月12日
地元高校が1回戦で敗退――無念

っておい。怖い話になるんじゃなかったのか!
まあ、連日事件が起きるわけじゃないというのはそりゃ分かるけど・・・地元が負けたのは無念ですよね。
しかし、かっこいい長身の2年生エースか、これってもしや・・・?

8月13日
志村くん今頃何してるんだろう?ああ髪切りたい。と100回くらい独り言を言った。
そういえば最近沼井くんと会ってない。新しい番号を教えるのを忘れていたことに気づく

なんと・・・夏祭りの約束をすっぽんかまされたあげく、電話での連絡もできないようにされていたとは!?
さすがにこれは沼井くんが可哀想すぎる。しかも小谷さんに悪気が全く無いところが救えない。

8月14日
後ろから人の気配とハサミを空切りするような音がする。シャキーン、シャキーン。って、こわっ!!
怖くなった私は音の元を確かめに行く。って逆ーっ!!逃げてー!!

そこには覆面をしたハサミ男がいた――

な、なんだこりゃあ!?
のんびりした話をしていると思ったらいきなりホラーな展開になったぞ!これが夏か!
お前のそのキレイな髪を全部よこせと迫ってくるハサミ男。
しかし、飛びかかろうとしたところで横合いから助けの手が入る。
なんと悲鳴に駆けつけ助けてくれたのは、以前面接に行ったコンビニの店長だったという。偶然ー。

覆面男の覆面をはがす。その正体は――沼井くん!ここでまさかの沼井くん!

なんでオレを無視するんだ。そのキレイな髪を切らせてくれないんだ。こんなに小谷さんを愛しているのに・・・

切ない感情を吐露する沼井くん。でも襲ったのは事実なので警察に連行されました
言われてみれば、今日沼井くん見かけなかったぞ!!
停学になったのか、実は今も留置されているのか・・・いや、さすがにそれは。

事情聴取から一旦解放される小谷さん。
同じく解放されたコンビニ店長。なんで面接途中で逃げたのかを尋ねてきます。
だって髪切るお金欲しさに面接に行ったのに。と小谷さん。

いや別に切らなくてもいいよ。髪が長いから束ねるなりしてねっていう注意だよ。

そりゃそうだ。冷静に考えればいきなり切れとか言ったりはしないでしょうさ。
勘違い勘違い。というわけで、コンビニのバイトを始めることにした小谷さんでありました。

8月28日
もう8月も終わりですね。ってまだ髪切ってないのか!

コンビニのバイトも慣れ始めた頃。
コンビニにすっぽんかましたサロンの美容師さんがやってくる!見つかっちゃった!すみませんー!!
命だけはおたすけーと涙ながらにお願いする小谷さん。いやいや、そんなチンピラじゃないっしょ美容師さん。

美容師さんは誰かに電話して呼び出しをかける。
急いでやってきたのは・・・志村くん?

小谷・・・やっと会えた。オレ会える口実が欲しくて何度も電話したのに。
これ、生徒手帳と日記とプリ帳。先輩の店に忘れていってたぞ。

そうか、見つからない日記とプリクラ帳はヘアサロンに行った時に落としていたんですね。謎は解けた。
そして、志村くん。小谷さんが予約した美容師さんとは先輩後輩の間柄だったらしい。

オレ、美容師目指して先輩の弟子やってるんだ。
ずっと小谷のその美しい髪に惚れていたんだ
もしオレが美容師になれたら、最初のお客さんになってその髪を切らしてください。

・・・はい。よろこんで。

なんとも遠まわしな告白でございますね。微笑ましいですなぁ。

終業式後、志村くんは美容師さんの妹さんの応援のもと、小谷さんに告白するつもりだったらしい。
なるほどね。小谷さんが見かけたのは美容師さんの妹さんだったのか。謎は解けた。

しかし私が見つからず連絡先もわからずにいたら、手伝いに行った店に私の番号が載ってる生徒手帳などがあったから、
ずっと電話をかけてくれてたんだって。嬉しいな〜〜

という感じに惚気てみせる小谷さん。うん。よかったね・・・で、いつ髪切るの!?

あ、それでこの夏、宿題に一切手をつけてないことバレて、
お母さんにお仕置きとしてバッサリいかされちゃった。すっきりんこっこー!!

オチそれかい!10秒で終わる話じゃん!

まあ、すぐ終わる話であるが、どこで切るのか。切られるのかとドキドキできる話ではあった・・・?
と、ともかく。髪のことはわかりました。
それに志村くんとの関係もよくなったことがわかりました。ヒューヒュー。

それともうひとつ。
髪を断りもなくバッサリしたせいで志村くんにふられちゃった。だはは。

ってそんなオチかい!
なんでこの物語は異常に髪フェチが多いんだ!

小谷さんは実に面倒な性格をした人だと判明した回でありました。
うーむ。こんな子だったとは思いませんでした・・・やはり人間パッと見ただけでは性格はわからないものですな。

なんだかんだで軽い展開を見せた話であったが、沼井くんが可哀想すぎる。
とはいえ、沼井くんも髪フェチをこじらせてあのような奇行に走ったのだとしたら自業自得な部分もある。
趣味は人それぞれだけどこじらせすぎちゃいけませんわな。覆面状態の沼井くんの表情がすごく怖かったぜ。

小谷さんは割と男子に勘違いさせちゃうタイプの子のようですな。
そりゃあ、気のない相手をホイホイ部屋にまで招き入れたりしてちゃなぁ・・・
将来痛い目をみそうな気もする。が、のらりくらりと回避しそうな気もする。どうなることやら。

ところで、夏の甲子園の話。
これはやっぱり「信じていた」回の柏木涼くんのチームの話なんですかねぇ。
甲子園まで行けはしたが敗れたか・・・
まあ、エース一本で甲子園まで行けただけでも立派な気はしますね。来年もあるしさ。

上記のように、クロスオーバーな小ネタがどんどんと増えていっておりますなぁ。
そのうち美容師さんの妹の話とか、コンビニ店長のコンビニ人間関係の話とかもあったりするのだろうか・・・!?
登場人物の姿とかを忘れないように覚えておくと一層楽しめますな!



第41話 「漏らしたくない」  (2012年 38号)


高2女子の物語。
修学旅行の最中。自由見学の時間を利用して班で行動していた男女4名。
その4名を乗せたエレベーターが急に止まってしまいました。

今回の主人公はその内の一人、村沢さん。
エレベーターは密閉空間であり、いつ出られるかもわからない。

そんな状況でよりにもよって私はちょっと漏らしそうである

プルプルと震えている感じの村沢さん。こりゃ大変だ。
こういうのは意識すると本当にヤバクなっていきますからねぇ。
というか、もよおしてきたというレベルじゃなくもう漏らしそうなんかい。

他のメンツは、村沢さんと同じく女子の吉良さん。
首の太さが凄いゴリ山くんにメガネパーマのガネっちでございます。
ゴリ山くん見た目怖そうだけど、普通にゴリ山と皆から呼ばれているんですね。意外と本名だったりして。

修学旅行初日でいきなりハプニング。まあ、こういうのも思い出になったりするんですよね。
漏らしそうになっている村沢さんにしてみればそんな場合じゃねーよって感じでしょうが。
せっかくクジで決まった班であるし、この時間を利用して話でもしようかということになる。
いやまあ、漏らしそうになっている村沢さんにしてみればそんな場合じゃねーよって以下略。

ふん。こいつら私が今ここで小便を漏らしたらどんな顔するだろうな。
バカにするだろうな。きっと漏れ沢とかそういうくだらんあだ名をつけてくるだろう。
漏らしたからどうだっていうんだ。お前らの膀胱にもあるものだぞ。不必要な水分を外に排出するだけだ。
お前らだって毎日数回固定の場所で漏らしているだろう
だいたいな、もし私が漏らしてお前らが私をアンモニア的なキャラに仕立てようとしても、
漏らして体内から排出した分、実はこの中で今1番私がアンモニアから遠い存在だからな。
間違うなよそこんとこ、このアンモニア野郎共め。

気を紛らわすためか既に漏らした後のことにまで想像が行き及んでいる村沢さんでした。
さすがに固定の場所で放出するのを漏らしているというのはいかがなものかと。
そりゃ誰だって膀胱には貯めているものではありますが。人類みなアンモニア兄弟だといいたいのか!?

村沢さんがそんな物思いにふけっているころ、他の3人はお話を開始している。
テーマは恋の話。っていきなり激しいテーマであるな!
吉良さんは恋しまくっており、ゴリ山くんも恋をしている。顔赤い赤い。ガネっちは片思い中とのこと。熱い!
では、村沢さんはどうなのだろうか?
水を向けられる。何!?漏らしそうにしている相手に水を向けるとは何事か!?
そういう話ではないが、話したがらない村沢さん。

私には他に漏らしたくないものがもう1つある。自分の情報だ

村沢さんには恋人はいない。
そんな親密な関係の人間を作ると、私の内密な情報がいろんな所に漏れまくるだろ、とのこと。

この情報社会の時代、個人情報が法律で保護される時代、情報漏洩問題が頻発する時代。
自分で自分の情報をコントロールとセーブをしなくてはならない。
だから私は決して私の情報を無闇に他人に漏らしたりはしない。おしっこは今にも漏らしそうだけど

凄く正しく立派なことを言っているのに自分でオチをつける村沢さんは何気に凄い。
まあ、ヤバすぎて思考が最終的にそこにいきついちゃうってことなのかもしれないけどね。

情報を漏らそうとしない村沢さん。協調性がないぞとゴリ山くんに怒られる。
わがままそうだし一人っ子だろ。兄弟いるのか?などと尋ねられるが、そんな誘導尋問に引っかかったりはしない。

急に家族構成なんか聞いてどうする気だよ。どっかに名簿でも売りつける気かよ。こええー。

さすがに被害妄想に入っている気はする。
漏らした後の責められ方まで想像しているぐらいだし、結構妄想が激しい子なのかもしれませんな。

話題変更。
来年はもう受験だけど、将来の夢はどうなのかという話題。これまた重いな。

漠然と進学かなと答える3人。まあ、まだ高2の段階では漠然としてますよねぇ。
それでも受験まではあと1年しかない。長いようで短い時間である。
いや、村沢さんが漏らした後送る高校生活の時間として考えるなら1年は短いようで長い。
立場によって感じる時間の長さが大きく変わるといういい見本でありますな!

改めて、小便を漏らすことの何がいけないんだ。
人間は体の穴から日がないろいろ漏らしてだろう。なんで下系は漏らしたらいけない空気があるんだよ。
臭いからか!?汗に関してはすでに漏らしまくりだぞ私!

もし小便を漏らしたら。
ガネっち「うわっ、村沢さんが恐怖で尿を漏らしている!」
ゴリ山「きもい!女としてかわいくない!」
ってなるだろう。

しかし涙を漏らした場合なら。
ガネっち「あっ、村沢さんが恐怖で涙を漏らしている」
ゴリ山「かわいそう!女としてかわいい!」
って感じになるだろう。

同じ体液だろーが!排出口や臭いのあるなしで態度変えるんじゃねえよ!

そ・・・そう言われましても。
やはり下系はあれでございますからなぁ。なんといえばいいのか、アレですよアレ。
涙とか汗とかは拭いてあげても爽やかな感じになるが、下系はちょっとアレになってって何書いてんだオレ。
しかし、まあ、漏らしても女としてかわいくないという反応になるかどうかはわからないと思う。
それはそれで喜ぶ層がいたりする世の中だったりするわけでして。ガネっちは喜びそうな雰囲気があって困る。

それはそれとして。波が来てやばい状態になっている村沢さん。
足を組んでいるだけじゃ耐え切れず。手で押さえるような感じになってきている。
こりゃ気付かれるのも時間の問題でありますな。

あまりに必死な状態だったので、投げられた質問に答えてしまう村沢さん。
将来の夢?将来?将来だって?将来だって?

進学とか受験とか今そんなこと考える余裕はない。1番大切なのは今だから

強い瞳で見据えそのように述べる村沢さん。言葉だけ聞けばかっこいいぜ!ゴリ山くんも思わず認めちゃう。

限界が近く、脂汗が流れ、息も荒くなっている村沢さん。
だけど、ヤバイことにはまだ気付かれていない様子。良かったら残り飲む?とか言われてもありがた迷惑すぎる!
というわけで、吉良さんが差し出したペットボトルはゴリ山くんがいただくことに。
ほう。なんとも仲の良さそうな行為ですな。
年頃の男女が普通に飲みまわしのようなことをするとは、これはもしや?
と思ったら正解。どうやらこの2人前から付き合っていた様子。あらあら。
なんでわかったんだよというゴリ山くんだが、ヒントが漏れ漏れだよとつっこみを入れる村沢さん。

これまでの会話を見ると、恋の話を振ったりするところとか、ノロケているように見えなくもない。
が、さすがにバレバレというほどには感じなかった。
まあ、エレベーターに閉じ込める前に駄々漏れだった可能性はあるから何とも言えませんけどね。

実際どこまでいったの2人は!?と大声で尋ねるガネっち。興奮しすぎ。
って答えるのかよ吉良さん。キスまで行ったってか?なんともはやおっぴろげでございますなー。チッ。

本当みんな漏らしまくりだな。よっぽどこいつらのがジョバジョバだろ。
まあ私は今にも物理的にジョバジョバしちゃいそうだが

こうやって情報はひび割れた排水口を伝うように各所に漏れていくんだ。

ううう漏れるぅ!漏れる未来しかもう見えない!
漏らして私が漏らしたことをこいつらがいろんなところに漏らしまくって、小便くせえ学校生活を送る未来しかみえない〜

フゴーフゴーと暴れたあげく、ヒクヒクと泡を吹きそうになる村沢さん。限界もいいとこですな。
そこに、救いの声が聞こえる。
エレベーター外部からインターホンを通じて声がする。すわ、作業員か!?嬉しそうにする村沢さん、
が、ダメ・・・!
作業員、渋滞につかまり遅延。解放される時間が先に伸びることに・・・!!

バカー!!もう漏れちゃうよっっっ!!

あまりの衝撃に真っ白になりかけ、思わず叫んでしまった村沢さん。
つい人前で不満をおもいっきり漏らしてしまった!というオチでございます。
うん。ここでオチはついたはず。なので、その後耐え切れたのか漏らしたのかは想像に任せられることになるわけだ・・・

実際、作業員が到着しても、動き出すまでは時間がかかる。
また、密閉空間から外に出れてもトイレまでは距離があるはず。中々に険しい道のりですね。

寝ているとある程度尿意を我慢できる。というか、漏らすことがないことがある。
ので、村沢さんもとりあえず寝てしまってみてはどうだろうか。寝れないだろうけど。
限界に達する前に速いところ寝てしまうべきでありましたね。
しょうがないから、ゴリ山くんが一撃入れて昏睡させてみたらどうだろうか。
お腹の辺りを一撃ドスンと。うん、どう考えてもトドメとしかならんな。

尿漏れの話なので、いきおいそっちの話になりがちだが、情報漏洩の話は興味深い。
今は確かに個人情報の漏らさないように気を使っている時代ですからねぇ。
ネットなんかで個人情報を駄々漏れにするのは特に怖かったりする私も気を使っています。
でも、特に空灰の感想をなんかを書いていると嗜好がバレバレになってしまう恐れがある。
やだ、私の趣味とか嗜好とか性癖が駄々漏れになっちゃってる・・・!!
なんてこと気にしてたら感想なんて書けないですよって話ですけどね。うんうん。
でも、ちょっとは気を使って書いてたりはします。性癖の暴露なんかは抑えて抑えて。フゴーフゴー。



第42話 「膨らんだ」  (2012年 39号)


高1女子の物語。
って今回の扉絵はなかなか厳しいですね。苦手な人はかなり苦手な絵面だ!なめくじなめくじ。

今回の主人公は前村さん。
下校中に友人である荻原さんと鋼田さんに声をかけられる。
違った。萩原さんと網田さんでございました。まあ、これは間違えてもムリはない。特に萩原さんは分かりづらい。
が、実はもう知り合って3か月にもなっている。ずっと間違っているのはどうかという状態だ。

すまん。弟の親友に荻原くんと鋼田くんがいるので。

それならしょうがないですね。
それはさておき、今から電車に乗って街に行かないかと萩原さんから提案される。
が、弟の勉強を見なければならないので、と前村さん。

前村さんの弟は1歳下の中3。受験生である。
弟は前村さんと同じニ高に来たがっているが、前村さんとしては頑張って地区1番の一高に行ってほしいとのこと。

じゃあさ、今度の日曜。弟くんも連れて買い物行こうよ!と提案する萩原さん。
だが、弟は肌が弱くて長い時間、外出がムリだとのこと
ならば、私の家でみんなでお菓子でも作ろうかと提案。
しかし、弟は私の作ったもの以外は食べられないんだ、とお断り。
ならば、弟くんなしでと提案するが・・・
すまん。というか、日曜は弟と家で買ってきたゲームをする約束なんだ。と拒否される。

ってさっきから弟くんとどういう関係なのよ!?前村さん!ベッタリすぎない?
生活の軸が弟さんすぎるよ。本当にただの兄弟?

いやまったく。ベッタリすぎでしょう。
他はさておき、姉の作ったものしか食べられないというのはよろしくない状態だ。

前村さんの過去の発言によると、弟くんはこんな人物らしい。
サッカー部のキャプテンで県大会優勝に導き勉強も常に上位の完璧人間
雑誌の読者モデルもやってて趣味は園芸と読書という。こりゃ凄いですね。
こんなすごい弟がいたら、私意識しちゃうかも、と萩原さん。うむ、ベッタリになるのもむべなるかな。

弟と帰りの約束をしていたということで、立ち去ろうとする前村さん。
じゃあ、萩原さん。網田さんと言って去っていく。
あれ、今回はちゃんと名前合ってましたね。まあ、今確認したばかりだし、早々は忘れないよね。

というわけで、一人家路につく前村さん。ここで、内心で告白。

私に弟なんていない

そ、そうでしたか。まあ、おかしいとは思ってましたよ。
さっき話した内容の中で、なんだか食い違ってる部分がありましたしねぇ。

萩原さんと網田さんとは高校入学時に同じ班ということで知り合った仲。
その際に名前を間違えたわけだが、そんな些細なことで人を傷つけないために名前を覚えられない人間を演じることになった。
本当はもう名前なんてとっくに覚えているけど、
あのときの無礼を隠すために演じている内に切り換えるタイミングを見失ってしまった。

人見知りで社交性のない私が高校に入ってできた友人があの2人だからとても大切にしたい。
しかし、3人で遊びに行かない?と言われ、とっさのことで心の準備ができてなかった私は――

その日、弟の用事があって。

と、ウソをつくことになってしまった。
それ以来、私は架空の弟を溺愛している設定で学校生活を送っている。
私の事情で人を傷つけないようにするたび架空の弟が登場し、私と私の周りで成長し続けていく。

そしてそれも演じることをやめられず、未だにクラスメイトに距離を作ってしまう。
私は1歩目から間違った選択をしてしまったのだ
しかしまあ、本当にそんな弟がいたらいいなと空想するのも楽しく思えてきてしまった。

その気持ち、わからないではないですな。
空想は楽しいものである。架空の嫁を作ってイチャコラするのも楽しかったりするわけですし、ね。
いやまあ、だからって架空の嫁の話を口にしたりはしませんよ!ええ、本当、本当!!

ちなみに、サッカー部のキャプテンなのに肌が弱くて外出ムリというのは設定ミスですね。
前村さんも、その辺りは反省している。ちゃんと練り直さないとと考えているようだ。細かいな。

背が高くて顔が良くて聡明で姉思い。
スポーツも万能でサッカー部のキャプテンで責任感も強く、学校でも慕われている弟。
少し弱気なところもあるけど、いざとなれば私を守ってくれるような勇気のある家族思いの心優しい弟。
私が作ったご飯はとてもおいしそうに食べてくれる弟。
勉強熱心で、わからないことがあればいつも私を頼ってくれる弟。
休日なんかは2人で買い物して知り合いに恋人と勘違いされるような仲の弟。

・・・今度はなんだかむなしく思えてきた。
そんな弟なんて架空の存在なんだから

まあ、空想は我に返るとむなしく思えてしまうものですよ。だから空想は空想なのだ。
空想した相手が完璧であればあるほどむなしさも増す。厄介な話でありますな。

家に帰り、部屋に入る前村さん。
その手には弟と撮ったと思われる写真が・・・アレ?壁一面に弟とのツーショット写真が。アレレ?
これはアレですか。いたはずなんだけどもうそんな弟はおらず、架空のものとなってしまったと?
なんだか悲しい話になりそうな感じ!!とこのページをみた時は思ったりもしたものでした。

今日もお母さん遅いから、晩ご飯作っとかないとと考える前村さん。台所にて調理を開始する。
その途中で、中学生らしい男子たちがだべっている。
元サッカー部だったらしいが、3年で1度も補欠にも入れず、ドロップアウトした子たちのようだ。
勉強もできているわけではなく、受験も考えたくないなぁとか言っている。ダメな子らだ。
そんなダメな子らの中に混じっているのが雄大くん。
さきほどの前村さんの写真に記載されていた弟の名前も雄大くん。こ、これは・・・

男子たちの側を横切る前村さん。
男子たちは雄大くんに尋ねる。もしかして、あれが噂の雄大の自慢の姉ちゃん?と。

ん。ちがう・・・あの人は親戚の高校生
かっ家庭の事情でちょっと居候してるんだよ。

ははぁ。そういう設定でありますか。
雄大くんが友人に語っていた、自慢の姉の設定はこうだ。
地区一番の一高でトップの成績
更にミス一高でスレンダーな美人で陽気なしっかり姉ちゃん。生徒会にも在籍しているという。

姉が姉なら弟も弟って話ですかね。なぜそう理想を高く持とうとする!

居候設定の姉がご飯を作っているのだが、それを無視してファミレスに行く雄大くん。
結局戻ってくることはなく、作りおいた食事はラッピングされたまま置き去りに・・・

うぅうううううむ。
これはまた・・・なんとも病んだ話でございますなぁぁあああ。
悲しい話になるのかと思ったら、別の意味で物悲しい話になっちゃったよ!!
というか、色々と鬱な話である。
弟なんていないといいつつ、実は昔はいたんだよと思わせつつ、現実の現状はこんなんですというお話。
小学校の頃は姉弟仲睦まじそうにしていましたのに、どうしてこうなったのやら・・・
仲睦まじすぎて色々とこじらせちゃったんですかねぇ。難しい話である。

お互い完璧人間が理想であっただけに、その期待に応えれなかったことが尾を引いているのだろうか?
サッカー部の練習についていけれなかった辺りとか原因になっていそうである。
あと、雄大くんは実はスレンダーな子が好きだったのが発覚したとか。
それはそれで前村さんにはショックな情報だったのかもしれない。

前村さんは結構美人であるし、スタイルもよい。
目撃した男子も、一言した感じでは、あれが自慢の姉ちゃんかな?と思えるぐらいには美人なのであろう。
けど、スレンダーでもなければ陽気という感じでもない。しっかりはしてそうであるが。
そういった弟の理想像との食い違いが、現実の姉弟間の溝を形成しているのかもしれない・・・

まあ、現実の姉弟なんてそんなに仲良くしているわけでもないですけどね。
冷えているぐらいの関係なんてのはよくある話ですよ。うん。
まあ、さすがに架空の存在を設定したり、作った料理を無視したりはしないと思いますけども。
うーん。厄介な話であるなぁ。本当に。

とりあえず前村さんは萩原さんと網田さんと仲良くなっていただきたい。弟のことはなるべく忘れて。
そういう方面に進んでくれた方が今後のためになると思いますよ、きっと。
萩原さんたちも薄々架空の弟設定に気付き出しているんじゃないかなあ。



第43話 「私と私で私のまっぴるみにトートロジー」  (2012年 40号)


平日昼間の物語。
って、学生じゃないからってこの入りの表現はどうなんだろうか。その通りなんだけどさ。
そして、何故かアパートの間取りが紹介されているという不思議。一般的な感じですな。

平日の真昼間に女やもめの布団に1人、世間的に後のない26歳。
眠れない。眠る必要なんてない。しかしまた眠らない必要だってない。

いきなり悲しいような深いような独白から入る。
今回の主人公は26歳の郁美さん。実に胸がでかい。
どうやら1か月前にバイトをやめて現在無職中らしい。なるほど。それで平日の真昼間に寝ていられると。

母親から実家に帰ってきなさいという連絡があるが、拒否。
1回実家に帰る気もないし、結婚する気、働く気も今はない。苦なく暮らす。貯金はまだある。ので寝る!

なんとも堂々とした態度である。1度はこんな風に宣言してみたいものであるなぁ。

1か月前まで務めていたバイトでのこと。
年長という理由だけで任されたバイトリーダー
接客のかしこまった言葉が特に苦手だったし、ろくに年下の学生バイトもまとめられないし。
責任を感じて辞めたのが先月の給料日。
気のせいかもしれない。
ただ口を開けばみんな私の悪口を言ってるんじゃないかと思い、どんどん被害妄想にとりつかれた日々。
いい年して何ひとつ得ず、何ひとつできない私が学生にとって滑稽だったに違いない。

堂々としていると思いましたが、割と考えてしまう方の人だったのですね。接客業は色々と大変そうである。

昼間なので、色々と外から騒音が聞こえてくる。
近くの家が金槌でも打っているのか、カンカンカンカンと音が響いている。寝るには厳しい状況だ。

正体のわからない音は気持ちが悪い

というのを意識すると、他の音も色々と聞こえてきだすわけで。
ウオオオオというパソコンの送風機。そういえば電源切ってない。気になる音と電気代。
ぴしっ。ぱきっ。とラップ音っぽい音。幽霊が通った時に生じる音の印というし奇怪だし怖すぎだし。
きゃあきゃあと外から響く子供の声。小学校はもう終わったのだろうか。

あるいはもしかしたらもう、私は眠りに陥り、これは見ている夢か幻。あるいは錯聴の類なのかもしれない。
いずれにしろ若いということは羨ましい。私も子供の頃に戻りたいなのかもしれない。
子供の頃自分がまさか将来結婚もできずに仕事もせずに酒飲んでは寝るだけの毎日を過ごすとは思うまい。

ゴオオオオオと飛行機の飛ぶ音。これが鳴らす騒音は不吉で大嫌い。こっちに向かい墜落するんじゃないかというイメージ。
パーンパーンという音。これは何?まさか発砲音じゃあるまいし。わからん。本当に冗談なしに、なし崩し的なしに。
ポタポタ。まずい、水道の栓ちゃんと閉めていない。

にしても暑い。うーん暑い。
しかし眠い。起きる気しないし、いないし彼氏、捨てなきゃだし、たまった雑誌。
つけてもいいんだけど扇風機、それを扇風させると風が起こりそれなりに涼しくなるシステムだけに。
眠い暑い不快。けど動かない。体が錆び脳が黴び。
いつまでも休んでいたい。子供でいたい。子供の遺体はみたくない。
痛いな胸に。このままダメになるのか私。まあどうでもいい。どうでもいい世界。い〜い〜い〜。

ポエムなんだかよくわからないものを詠んでいる内に眠りに入る郁美さん。
最初の方を読んだとき、彼氏捨てなきゃだしと読んで驚かされたりしたりしなかったり。
そしていつまでも休んでいたいという気分は同意だし、子供の遺体はみたくないのも激しく同意。普通は見ないよ。

で、眠りに落ちていくらしきイメージ。
水中で出血した時に咲く花が咲いていく。水中で出血した時に咲く花のように。
ポタポタと舞った血がパーンパーンと弾けて花のように見えている。

花の実が弾けて大地に種を植えつけているみたい。見たい見たい見えない未来。
君の未来が見たい気味。そんな私はどうですかーい。
大人げないかい?内科医になりたい。そうでもないない。精神科医の精神はかいかい。

弾けた花の実が大地に植えた種。それが人の形に育っている。なんだか不気味。
そこにゴオオオオオとやってくる飛行船。空から宝石を降り注ぐ。

義賊たちが飢えた貧民たちに盗んだルビーやパーリやダイヤモンヂのブリリアンカッチを放り配るインザスカーイ。
宝石に我が物にという姿勢に飛行船に下に群がり貧民たーち。
貧民さん酒飲みたいしジンギスカン食っときたいし内視鏡ないし聖徳たいーし。

でもこの高さからに宝石にまるで散弾攻撃さんざんだにー。
次々途絶える貧民たちのいのーち。忘れられないシンギスカンのイメージ。
出血した血が大地の染みになるーし。行きたいかベラルーシ。
そうでもないかそうか。ありかなしかでもないか。やっぱりかさっぱりか。

なんとも不気味な貧民が凄惨なことになった。
と思いきや――今度は地面から可愛い少女たちがぴしっぱきっと生えてきて、きゃあきゃあ鳴いている。

やいやいやい。これは目出度い。
子供が大地に咲いたしこれは目出度いし。
子供が大地にするぞ脱皮。気持ち良い良い。

ウオオオオという勢いと共に少女の群れと共に飛ぶ郁美さん。
目の前には遮断機のように、少女がカンカンカンカンという音と共に群れを成して視界を遮る。

あたあたあた新しい世界ニンジンピーマン。
ふきふきふき風がフキノトウ。
たちたちたち子供たちドウモロコシ。
私をはこはこはこビール。

しょっしょっしょっ少女の門が、ひらひらアジの開ーき。かねかねかね鐘の合図ッキーニが響きわたーり。
ですかですかですか。ですです。ででででででででで。
でっでっでっでっでっでっでっでっでっ。

で。

それでどうなる私

どうなると問われましても。ファンシーな夢の中でいきなり問われても困りますよ。
とりあえず、鳴っている電話を取ってみたらいいんじゃないでしょうか。

眼を覚まし、電話にでてみたところ、かけてきたのは前に務めたバイト先の主任。
郁美さんに戻ってきて欲しいらしい。
まとめる人がいないからバイトたちが揉めてばっかりで大変らしい。

主任!私は戻る気はありません。しばらくは無職でいると決めたので。ので寝る!

うーん。やはり堂々とした人である。
家族以外にもこのような発言ができるとは・・・憧れるなぁ。憧れちゃいかんのだろうけど。

というわけで、一見すると何がなんだかわからないが、読み返してもよくわからない回でした。
まあ、あれですね。色んな音を混ぜているとよくわからない夢を見るってことですよ
最初は気付かなかったが、音が見ている夢に影響を及ぼしていたんですな。
でも、ぴしっぱきっというラップ音で少女が地面から生えてくるという発想には繋がらないよ。普通。
では、どうすれば少女が生えてくる夢を見ることができるのか。それが問題だ。
今回は外で少女たちがきゃあきゃあ言っているのを聞いたのが大きい。
やはりそういう想像を歓喜するファクターがなくてはそういう夢を見られないものなのか。考えさせられる。

そういうバカな考察はさておき。
タイトルにもなっているトートロジーについて少し調べてみた。
トートロジーとは、ある事柄を述べるのに、同義語、または類語、または同語を反復させる修辞技法のこと。
同義語反復、類語反復、同語反復と訳される。とのこと。
例文としてあげるなら、「トートロジーはトートロジーである」「世界一位とは、世界一位である」となる。

うん、なるほど。わからん。

今回の文で言うなら、
「水中で出血した時に咲く花が咲いていく。水中で出血した時に咲く花のように」
が当てはまるのだろうか。確かに同語を反復している様子だ。

しかし、調べる過程で見たトートロジーのアンサイクロペディアは酷いものである。
ページがトートロジーで埋め尽くされているではないか。まあ、アンサイクロペディアらしい話であるが。
だが、これを見て真っ先に思い浮かんだのがガガスパンダスである。
ようするに、ガガスバンダスとはガガスバンダスであり、ガガスバンダスであることに変わりない。
うん。トートロジーとガガスバンダスは繋がる部分があるのかもしれない。
この辺りを考察すると今日もおかしな夢が見られる予感がしないでもない。
見たいかというとそうでもあり、そうでもなし、パーリナイ。



第44話 「なのるなもない」  (2012年 41号)


中3女子と小4男子の物語。

泣きながら北公園にやってきた少年に声をかけてきたのは、誰かから隠れるようにしているお姉さんでした。

私は名乗る名もない中学3年生!
訳あって追われる身であり、一時的に身を隠している者だ!

ふんふんと鼻息荒く述べてくるお姉さん。さようですか。
一体何に追われているというのだろうか・・・
敵多き私にとってこの公園は安住の地だと言う。なぜ公園だと安全?結界でも張られているのだろうか。

それはさておき、少年の名は鈴鹿光生。小学4年生と判明。
光生くんは何故ないているのだろうか?やはりアレかね、いじめかね?いじめられっ子かね?

いっ、いじめられてなんかはないよ!

いじめられっ子は皆そう言うのさ。
光生くんによれば、最近友達が気に入らないことがあるとすぐ暴力をふるってくるとのこと。
ひどい時はみんなの前で泣くまで叩かれたりするという。
なるほどねぇ。いじめですな。

そんなの一発しばいたらいいじゃん。私なら男相手でもそうするな

お姉さんからの端的なアドバイス。
確かに有効だが、それができれば苦労はしない。
いじめてくる相手の中でも、翔栄くんは体が大きく、抵抗しても勝ち目はない、とのこと。

所詮小学生だろ。どうにでもなるだろ。

本当にアッサリと述べるお姉さんですね。
小学生だとガタイの差は致命的な気もする。が、まあ、やりようはあるっちゃあ、あるが・・・
なんにしても、光生くん自身が変わらないとどうにもならんでしょうな。

というわけで、お姉さんが光生くんに稽古をつけてくれることになりました。
私がお前の師匠になってやる。これからは私を姉御と呼べ!
いじめっこに勝つためにさっそく相撲で稽古つけてやるからこい!

私は170センチ以上ある!私に勝てるようになればそこらの小学生には負けないぞ!さあこい!

そりゃあでかいっスねアネゴ。
確かにそこらの小学生には負けなくなるでしょうさ。にしても、何故相撲?嬉しいじゃないですか。
実際、正面から組み付いて、その感触に戸惑ったりする光生くんだったり。
そんな光生くんを突き飛ばして倒すアネゴだったり。なんというアメとムチ

何回かぶつかり稽古を行う2人。
しかし、痛くて泣き出してしまう光生くん。ぐすぐす。そんな光生くんにアネゴから一言。

泣くな光生!意地でも相手に1発ダメージを与えるんだ!そういう奴らは実は心の弱い奴ばっかだ!
絶対仕返ししてこない奴しか狙わない卑怯な奴らだからすぐに手を引くに違いない!
1発かましてこい!光生
安心しろ!なんかあったら私がついてる!いつもここにいるから!

アネゴの力強いお言葉に感動する光生くん。
いやぁ、小学生は純粋でいいですねぇ。ふんふん。
どうでもいいが、光生とか翔栄とか、カッコイイ名前が多いのはやはり今時の流行なのか?普通に読めるだけいいけど。

さて、小学校。
早速、翔栄くんにいじめられている光生くん。
クリアもしていないゲームを貸せだと・・・?貸さないと暴力だと・・・?どうみてもいじめっすね。

でかくて怖い相手であるが、アネゴの教えを思い出す光生くん。
1発かましてこいという教えを守って、前に出る!
相撲の稽古の効果が出たのか、光生の鋭い飛び込みにビックリし、押される翔栄くん。
周りの連中も、アレ?実は翔栄たいしたことなくね?という評価に・・・

光生のくせによくも恥をかかせたな!

光生のくせに生意気だぞってやつですかね。
まあ、アネゴのいうことはある程度あっていそうな反応ですね。たいした相手ではない。
けど、こういう相手は面子を大事にするし、それを守るために暴力的になったりする。
というわけで、1発やり返した結果、いつも以上にやられることになった光生くんでありました。うっうー。

今日も北公園でアネゴと出会う光生くん。アネゴはまた隠れてるのか。
光生くんは言う。アネゴ!翔栄くんをやっつけちゃってよ!と。

バカ言うな!光生!それでなんの解決になるんだ。自分のことは自分で解決しろ!
男っつーのはいつもそうだ。強さを誇示したいくせに群れなきゃ威張れない奴ら。
翔栄みてえに弱い奴の気持ちを考えることできねえ奴ら。
男のくせに見てるだけで、自分から何もできない奴。何もしない奴ら。
光生は、お前もそんな情けない男になっていいのか?

なかなか深いことを言ってくれますねアネゴ。男のプライドをくすぐられる言葉だ。
というわけで、光生くんは述べる。もう1回、相撲で稽古つけてよ、と。
いや、抱きつけて嬉しいから、とかそういう意味でお願いしているわけじゃないですよ!たぶん。

稽古つけてもらったおかげでちょっとだけ強くなれたからだよ。
もっと強くなりたいから。本当だよ

純粋な光生くんの言葉に嬉しそうにしているアネゴ。ふんふん。
ならばと、早速稽古の開始!

もし私に勝てたら、褒美にチューしてやろう!

いきなりの御褒美提示。これは思わぬサプライズって奴ですね。
テンションが上がる前、戸惑いの内に突き飛ばされる光生くんでありました。ぐはぁ。

何度も挑んでは返り討ちにある光生くん。
口の辺りに何かあるなと思ったら、翔栄くんに殴られた時点で口を切ってたんですね。

ほらほらどうした!光生。全然弱いぞ、弱い弱い弱い弱い!
本当にお前はカスだな光生。お前なんか一生恋人もできないまま生きてくんだろうな。
ゴミ!ウジ!虫けらめ!生きてて楽しいのかお前?死んじまえば〜!?

妙に嬉しそうに罵倒するアネゴ。やたらと口汚いですね。いじめっ子のような口ぶりだ。
そんな罵声に対し、意地を見せようとする光生くん。
思いっきり組み付き、相手の脚を取る。
そうだ、上体に当たり、脚を崩せば、自ずと相手は倒れるものだ!

せいっ!

アネゴのエルボーが光生の背中に炸裂した。ヒデェ!!
相撲でいきなりヒジを叩き込んでくるとは。なんともルール無用でありますな。
まあ、ケンカってのは基本ルール無用なものであるが。
なるほど。勝つためにはクレバーであれという教えが篭っていたんですねアネゴ!!

まっ、敢闘賞だな。

というわけで、ほっぺにチューをしてもらう光生くん
あらあら。純粋な少年にこの御褒美は刺激が強いんじゃないですかね。真っ赤になってもじもじしちゃってる。
その様子を見て、ふんふんふんといつもより鼻息の荒いアネゴ。
まあまてアネゴ。それ以上は色々と危ない。

すっかりアネゴの虜となった様子の光生くん。
さっそく学校にて翔栄くんに1発かます。後ろから
そして倒れた翔栄くんをガッガッと踏みまくる光生くん。
取り巻きは卑怯だとかやりすぎだとか言うが、知りませんがな。
いじめなんて行っている子だし、ある程度の報復はされてもしょうがないってものですよ。
でも、翔栄くんがどれだけの状態になっているかはわからない。本当にやりすぎなのかもしれない。
なんせ、光生くんってば相手の様子も見ずに一心不乱に踏みまくってますもの。
しかも踏んでいる間も考えていることはアネゴのことだったり。アネゴアネゴアネゴアネゴアネゴアネゴ

恍惚そうな表情でいじめっ子を踏みまくる光生くん。
こりゃあ、今後色んな意味で注目を浴びる存在になりそうですなぁ。

アネゴ。
やったよ僕。翔栄くんに勝ったよ。翔栄くん泣いてたよ、女の子みたいにさ。
アネゴのおかげで僕変われたよ、アネゴはすごいよ。
僕を褒めて褒めて。アネゴアネゴアネゴ。アネゴ。

勢い込んで北公園にやってくる光生くん。
なんですか?チュー以上の御褒美がもらえるかもしれないとか期待してるんですか?
まあ、確かに言われた通りの成果を出してきたわけですしねぇ。期待するのもしょうがないか。

しかし、アネゴの姿は公園になかった。
だが、制服は北中のものだった。ならば、待ち伏せすれば会えるかも知れないと考える光生くん。
校門にてアネゴが出てくるのを待つ。

アネゴかっこよくて、きっと学校でも憧れの的なんだろうな。また僕にキスしてくれるかな。

妄想する光生くん。
そんな時、バカ笑いをしながら学校から出てくる一団があった。
悪そうな男女が1人の女の子を囲んでいる。女の子は荷物持ちをさせられながら、卑屈そうな笑みを浮かべていている
これが、学校でのアネゴの姿でありました。

ブス。ちゃんと持てよ!落としたらまた相撲の刑だぞ。
最近さぼってたからな。その曲がった根性叩き直してやる。
家にも行ったのにいなかったしねー。びびりすぎー。
何ヘラヘラしてんだよ。ゴミ、ウジ、虫けらめ。生きてて楽しいのかお前?

何だか聞いたことがあるようなセリフである。
そうか・・・アネゴ。言われたことを弱いものに言って悦に浸ってたんですね・・・

光生くんと目があったが、目をそらし、卑屈な笑みを続けるアネゴ。これは辛い。
一切、仕返してもこないし一言も喋らない。ただ成すがままにされているという様子でありました。

憧れのアネゴの本当の姿を目撃した光生くん。

それ以来、僕はあの場所に近づくことはなかった

なんという絶望・・・!!
信じていたものが砕かれた瞬間でございましたな。ああ、鬱だ。
オチを見てから読み返してみると、アネゴの言動は色々と酷い。
自分のことを棚にあげまくっている。
それが光生くんにも分かってしまっただろうから、より辛い。
アネゴ、自分なら男相手でも1発かますとか言ってたじゃないかー!とかね。

今後この2人はどうなっていくのだろうか。
アネゴの行いにより、良きにつけ悪しきにつけ、変わることとなった光生くん。
いじめられることはもうないだろう。翔栄くんがお礼参りしてこないとは限らないが。
そういう意味では変わる切欠を作ったアネゴの存在は大きいと言えなくもない。
その後、家に引きこもっちゃいました。なんてオチがないとも限らないのが怖いところであるが。

そしてアネゴ。まあ、この歳までいじめられていると、早々は変われませんわな。
幸い中3である。卒業は間近だし、高校になれば逃れれる可能性はある。
高校では、高身長を生かして部活動でも始めればよい。高校デビューってやつだ。
そうすれば、部員も守ってくれるようになるかもしれないし、楽しく過ごせる可能性はある!
家までいじめっ子が来たらどうするかって・・・?そりゃあ・・・そりゃあ・・・一発かませ!!無理か。
最後のアネゴの卑屈な笑みがなんとも心に突き刺さるお話でありました。うむむむう。



第45話 「初めましてさようなら」  (2012年 42号)


中2女子の物語。

中学校にて女子が噂話をしている。内容は幽霊について。
どうやらこの学校、出るらしい。女子学生の幽霊が!
なんでも3年前に自殺した、当時2年の子らしい。そりゃ怖いっすね。

夜。1人の女子学生が怖がりながら廊下を歩いている。
と、屋上からしくしくという泣き声が聞こえてくる。これは・・・?
怖がりながら屋上に向かうと、そこには泣いている女子学生が・・・

ぎゃああああああああああ、出たー!!

悲鳴を上げる女子学生。と思いきや、相手の方も悲鳴を上げている。
どうやら双方、相手を幽霊と思ったらしい。
屋上にいた子は生きている人間と問われ、肯定する。
が、廊下から屋上にやってきた子は、自分は幽霊だと告白する。え―――!!そんな、あっさり。

言われてみれば体に触れることができない。すかすかとすり抜けている。
だけど見た目は普通。思ったより怖くない様子。

ここでお互いの自己紹介。
元から屋上にいた子は宮本さん。2年生。
屋上にやってきた幽霊の名前は磯辺さん。小学校の時のあだ名は磯辺っちょ。
どうやらこの2人、似たような性格らしい。
というのは、人との距離感を取るのが苦手な人間ということ。
話すのは苦手だけど、1対1とかならけっこう喋る。
だけど、調子のりすぎてすべって嫌われるという。ああ、あるある。凄くよくわかる話だ!

そんな似たもの同士ゆえか、夜の学校の屋上でお話を開始する2人。
宮本さんこと宮もっちゃんは、親が離婚するため遠くに転校しなければいけないらしい。
かなり人見知りで学校の集団生活が苦手で友達もほとんどいない宮もっちゃん。
転校となると、今の少ない友達なども全てリセットしてやりなおさないといけない。やっていける自信がない。
だから親に離婚をやめてもらうか、この世から逃げ出すかの2択しかないと思ったそうな。

だからさっきここで大量服薬で自殺をはかった
結果死ねてなくて、意識は戻り、ただ泣くだけしかできなかったけど・・・

バキャモーン!!

身の上を語る宮もっちゃんにとび蹴りをかます磯辺っちょ。
いや、すり抜けてしまうんですけどね。突然体をすり抜けられたら蹴られるより驚くかもしれんが。
ズザザザと滑りながら、説教を開始する磯部っちょ。

そんなノリで自殺なんてするもんじゃない、宮もっちゃん。自殺はあとが辛いぞ

噂通り、私も自殺した。
中学生になった途端、空気を読むことが大切になって、読めない私はすべりまくって、
冷ややかな目で見られてひとりぼっちになって世の中が嫌になって復讐のように自殺した。
予想外なのは地縛霊になってしまったこと

私は学校で自殺をした。
自分に無関心だったり自分を冷ややかな目で見てたクラスメイトたちがすごく悲しんで涙を流してるの見て、
最初は主人公になれた気分で嬉しかった。
しかしそんな時間も束の間。学校から誰もいなくなる時間。

夜の校舎のなんたる恐怖感!
しかも私はここで死んだから学校から出れないっていう!
ずっとこんなホラー施設に夜はいないといけないとかオイ!幽霊が出たらどうしよう!

というわけで、夜な夜な泣き叫ぶ磯辺っちょでありました。
なるほどー噂になっている女子学生の泣く声とはこのことだったんですね。なんか怖くないな。
というか、自身が幽霊のくせに幽霊を怖がるとはどういう話なのか。

自分が幽霊になっても幽霊はまだ怖いの!私まだ人間気分なの!

3年は経過しているはずだが人間気分でいるらしい。
まあ、姿とか見ても普通の人間と変わりないですし、しょうがないのかなぁ。

しかも。
次の日から、あんなに泣いてくれたクラスメイトもみんな笑顔!
テレビタレントの話や流行の音楽の話や、挙句スマホのアプリの話題とか普通にしてた。
切り替えはやっ!みんな前を向いて生きてるんだなあ〜っ!人間って強いな〜っ!

そして夜は恐怖の時間の幕開けだ〜っ!
どうせ死ぬなら24時間営業のスーパーとかで死ねば怖くなかったのに!

なんだか目的がズレてきている磯部っちょ。
まあ、でも確かに。学校に縛られても夜中は暇でしょうがないですよね。
悲しい話をしているのに、オチでそっちの話を持ってくるものだから、悲しくならない!不思議!!
とはいえ、死んだらもっとひとりぼっちになるというのは宮もっちゃんにも伝わったらしい。だしょだしょ!

でも私がここで死んでも、磯部っちょがいるからひとりぼっちじゃないね

面と向かってそんなことを述べてくる宮もっちゃん。
恥ずかしがりながらシュッシュッと殴りかかってくる磯部っちょ。物理攻撃の多い幽霊だな。

宮もっちゃんはこれからのことを考える。私が自殺をしたらお母さんはどうするんだろうか。
お母さんは厳しいから、これから2人でやっていってグズグズする私を見て毎日怒りそう。
やっぱり死んだほうがいいのかも、なんて言い出す。
そんな宮もっちゃんに対し、磯部っちょ。真剣な表情で答える。そんなわけないでよ、と。

私だってそう思ってたでよ。
兄弟の中で頭も運動神経も美術センスもない上にすべりたおしなんだから。

そんな風に思っていた磯部っちょ。しかし――

今でも毎月花を届けてくれる
それを毎月私は眺めている。声をかけてみるが、都合悪いことにこういうときだけ声がちっとも届かない。
見えてるのに、そこにいるのに、誰とも触れあえない。私は本当のひとりぼっちになった。

家族のみんなに申し訳ない気持ちでいっぱいの毎日だよ。
後悔でたくさんの毎日だよ
ただひとりぼっちで後悔を繰り返すだけが、今の私の世界だよ。

涙を流す磯辺っちょ。うーむ、切ない話でありますな。
夜の怖さやら何やらという話より、後悔に苛まれて毎日を過ごす。これほど怖い話はない。
だから、宮もっちゃんも理解する。自殺なんて、私がバカだったよ、と。

磯部「経験者からの忠告だ。間違いない!生きろ!宮もっちゃん」
宮本「うん、がんばる。私甘えてたよ」

2人共に、涙と共に笑みを浮かべる。
短い間でありましたが、2人は友達と言える間柄になれたようですね。
転校する前に、似たような子に会えた。
幽霊になったのに、話せる子に会えた。嬉しい話じゃないですか。

屋上から去っていこうとする宮もっちゃん。その背後にエールを送る磯部っちょ。フレーフレー!
涙のエールに、思わず振り返りそうになる宮もっちゃん。

振り返るんじゃない!私はただの死人だ!
宮もっちゃんには無限の未来がある!人にはもっと頼れよ!甘えろよ!後悔するぞ!

よい言葉でありますねぇ。
しかし・・・宮もっちゃんが屋上から出ようとした時に発見したものにより、それらの言葉は台無しになる。

磯部っちょ。磯部っちょ。これこれ。
私もう・・・死んでた

指差す先には、宮もっちゃんの肉体が倒れている。
無限の未来があると言われたばかりなのに、実は・・・という流れ。これはさすがに気まずい。

でも・・・これでふたり、ずっと一緒だね!

宮もっちゃんのどあほ〜!!

結局泣き出してしまう2人でありました。
うーむ・・・なんとも切ないお話でありますなぁ。
結局、服薬自殺には成功しちゃってたんですね。
よく読むと、磯部っちょが屋上に入ってきたとき、ふきだしに隠れてるが宮もっちゃんの足らしきものが見える。
だけど、あれじゃないかね?仮死状態とかそういう。まだ間に合うみたいな話にはならないのかね?
無理矢理体に押し込んでみるとか、スープレックス叩き込んだりしたら戻らないものだろうか。
諦めずに試していただきたいものである。

親より先に死ぬのは最大の親不孝とよく言われますよね。
残された親兄弟にとってはたまらないものがありましょうて。
その悲しむ姿を見ることになった磯部っちょの心境も察してあまりあるが・・・
うーむ、やはり簡単に自殺なんてするもんじゃないですなぁ。

それにしても、幽霊同士でもお互い触れ合うこととかできないんだろうか?
認識力の問題なので、認識した今なら触れ合えたりするとか・・・あるかもしれん。
考えてみれば、触れ合えないとスープレックスも出来ない。頑張って触れるようになるんだ!!

にしても、今回の2人はかなり可愛い。
この丸い顔の感じが好きですねぇ。顎の辺りのラインとかに可愛さを感じる。

今後、2人はどうやって毎日を過ごしていくのか。
後悔しながらも、2人で慰めあって過ごしていくのか。考えると切ないものがある。
お仲間が徐々に増えていったりしてもあれだが、どうなるんでしょうかね。
幽霊仲間が増えると、その中でも孤立する子が出たりする可能性ありますしねぇ。
人との付き合いが苦手な2人にとってはよろしくない話だ。
なので、これ以上の自殺者がでないように尽力する2人という流れになるかもしれない。
それはそれでまた1つの物語になりそうですな。描かれることはないと思いますが。



第46話 「アリス14歳乙女座の告白」  (2012年 43号)


中2女子の物語。

自室で1人、パジャマ姿で何やら人形遊びをしている少女が1人。
今回の主人公は中2女子の久美子ちゃん。
手に握るは、女の子とパンダの人形。

リンダ「ゴード、いいかげんに男らしく私の恋人になりなさいよ」
ゴード「リンダ。よしてくれ。僕は君とはそういう気持ちになれやしないんだ」

どうやら女の子の人形はリンダという名で、久美子ちゃんはゴードという男子の役らしい。
と思いきや、久美子ちゃんはもう一役も演じる様子。
心に決めてる人がいるというゴードに迫るリンダ。それを止めようとやってきたのはアリス!

ゴード「あっ、彼女はクラスのマドンナのアリス。今日も今日にして麗しい!」
リンダ「キキー!アリスが私たちになんの用かしら!」
アリス「嫌がってる人を困らすなんてレディの風上にも置けないわ」

立ち位置を変えることでアリスとゴードの役を切り換えているらしい久美子ちゃん。
ゴードの場合は声色も変えているのが窺える。

マドンナのアリスの登場に焦ったリンダ。アリスをしこたま猛打しようと迫る。
そのリンダの攻撃を身を挺して守るゴード。ぐわー。

アリス「よしてよして。私を軸にして争うのはよして!
リキマル「なになに?何かあったのかい。それにしてもお腹が減ったでごんす」

ここでパンダの人形が登場。名前はリキマル
お菓子をあげるからということで暴走したリンダを止めてくれるリキマルでありました。頼りになる奴だ。

リキマル「やったーお菓子でごんす。セイントアターック!

ガコッと決まったセイントアタック。リンダの頭部がふっ飛ぶ。や、やりすぎじゃないかね・・・?
久美子ちゃんはセイントアタックを決めたあと、2体の人形を放り捨てる。
後はゴードとアリスの2人の世界ということらしい。

アリス「よかったゴード、あなたが無事で。ケガはない?私が手当てをしてあげる」
ゴード「ありがとうアリス。僕は平気さ。しかしどうしてこんな僕のためにそこまで気をかけてくれるんだい」
アリス「・・・取るに足らない質問よ。至って単純な気持ちたったひとつ。それは私が、ゴードあなたのことを」

いよいよ告白か、という流れの時に・・・
ノックの音と共に母親から声がかかる。
久美子ー!晩ご飯よー。今日は寿司だからー

ぎゃああああああ。スシダカラー!!

あなたがスシダカラーになってしまいました。あらあら。
急にノックしないでと不平を漏らす久美子ちゃん。
それに対し母、ノックする合図のノックが必要かしら?と返してくる。そりゃキリがない話ですな。
まあ、単にタイミングが悪かったという話でありますけども。

せっかくいい所だったのにまた最初から・・・

というわけで、一連の流れをまた最初からやることになりました。
リンダの頭部がないままに再開。それでいいのか!?
ドタドタと走り回りながら先ほどの流れを再現する久美子ちゃん。
最初からやってはいるけど、間は省きたいのか早送りでやっている様子。なんとも百面相ですなぁ。

セイントアタックど――――ん!

強烈なセイントアタックがべっこーと決まった。
ってリキマルじゃなくて久美子ちゃんが直接叩きつけてますがな!!
頭部どころか四肢まで吹き飛ぶリンダ。大変なことに!!

それはさておき、クライマックスである。
もう場所の移動もせず、声色を変えるだけで演じる久美子ちゃん。
そして、今度は間違えずに最後まで言い切ることに成功する。
それは私がゴード、あなたのことを〜す・・・す・・・す・・・好きだから

ゴード「アリス俺もだ。愛してるぞ!ブチュー」
アリス「私だってゴード。やっとこの灼熱千度の愛を伝えられたわ。ムチュー」

抱き合う2人。リキマルは結婚式のオーケストラのやつを流し祝福する。
リンダもまた妬みながらもお似合いの2人だと言ってくれます。やあ、ハッピーエンドですねぇ。

これで明日はばっちり

どうやら一連の演劇は明日のための予行演習だった様子。
さてさて、練習どおりの流れになりますやら。

朝の登校時。並んで歩く男子と女子。
男子の名前は神門。と書いてごうどと読む。ははぁ、彼がゴードですか。
そして、隣の女子がリンダってわけですね。人形と目がそっくりであります。
何やら親しげに話している2人。そこに登場する久美子ちゃん。

いいかげんよしたらリンダ。嫌がってるレディを困らすなんてえーと人に桶ないわ?

最初から思いっきり躓いている久美子ちゃん。何が何だかだ。
ここで久美子ちゃんのフルネームが判明。有須久美子ちゃんでございます。
ははぁ。それで演劇の主役はアリスだったわけですか。

台本と違う。これじゃあ大切なことを伝えられる構図にならない。私を軸に争いをしてくれないと。

そうは言われましても・・・事前に台本見せてくれないと合わせようもないですよ。
そもそも争いをしている所でやってこないと話は始まらないのではないかと。

リンダ「がんばれーアリス!」
リキマル「絶対告白成功するよ!」

カバンの中に詰めたリンダ人形とリキマル人形も応援してくれています。
リンダ人形、ちゃんと復元してもらえたんですな。よかったよかった。

このように2人も私の恋を応援してくれています。
それはなぜか?至って取るに足らないたったひとつの気持ちよ。

・・・神門!あなたのことが寿司だから!

グダグダの流れの上に、肝心なところで間違った!!
やっぱりあなたがスシダカラーは刻み込まれてしまっていたか!!
何が何だかわからないが、フォローもあって告白だと理解できた神門くん。
それはごめんなさい、とお断りをしてきてくれます。

思いもよらなかった断りの言葉に涙目になる久美子ちゃん。じわわ・・・
と、そのタイミングで力丸くんが登場。おぉ、なるほどこれがリキマルかぁー。さすがにごんすとは言わないな。

セイントアタックど―――ん!

べっこーと、体当たりをかます久美子ちゃん。
さすがに頭部や四肢が吹き飛ぶような勢いではない。ただの体当たりだ。
驚いた様子で体当たりを受ける林田さん。ああ、それでリンダでありますか。納得。

思い込みの激しい少女の恋は終わりを告げたのでありました。

うーむ。まあ、あれですな。予行練習も前提が間違っていたら何の意味もないってことですね。
せめて最後の言葉ぐらいはちゃんと言えたらいいのだが・・・
むしろ予行演習で刻み込まれた言葉がでちゃったという。
やっぱり寿司はダメですね。美味しいもの。あなたがスシダカラー!!

恋は盲目といいますか、人間関係を理解していないとなんともなりませんわな。
しかし力丸くんの扱いは色々とあんまりな気がしないでもない。
ついでに、自分をクラスのマドンナ扱いするというのはどうなんだろうか?
さすがにその設定は無理があろうし、その辺りから改善するべきでしょうな。
次があれば、設定を練る所からしっかりしていただきたいものである。頑張れ!



第47話 「幸福パンデミック」  (2012年 44号)


中1女子の物語。

登校している生徒たちに向かって元気に挨拶している中学生の男女3人。
今回の主人公はその内の1人、中学1年生の流々香ちゃんでございます。

今日も元気に幸せいっぱい、おはようございます!

元気な挨拶でございますね。
部長と呼ばれる3年生の女子は笑顔で大きな声で挨拶をしている。
同じく3年生の男子生徒、俊哉くんも同じく笑顔で挨拶。
しかし、同じように並んでいる流々香ちゃんは何となく恥ずかしいのか声を出せずにいる様子。
そんな流々香ちゃんを叱る部長。
ふむ、どうやら部長と流々香ちゃんは幼稚園の頃から知り合っているようですな。

幸せですかー!と問われれば幸せでーす!と返す。そんな彼らは何物か。

はい、ハッピーハッピーハッピークラブ、部長こと私も世界で1番幸せでーす!

ハッピーハッピーハッピークラブ(H3C)とは全人類を幸福にさせることが目標のクラブである
それはまたでっかくぶちあげたものですな。全人類と来ましたよ!中学生らしい。
クラブの考え方、方針は以下のようなものである。

人とは自分が幸せだと他人にも幸せを分けたくなる。
例えば人に優しくされたら誰だって嬉しい。嬉しくなれば自分もまた誰かを同じような気持ちにさせてあげたくなる。
それはまるで幸福が感染するように。そうやって世界は幸せで1つにつながっている。

幸福菌を生産して世界中にばらまいて幸福パンデミックを起こす!
それがハッピーハッピーハッピークラブ!!

ポポポーンと幸福菌を撒き散らす部長たち。
ああ、さっきからポポポポと出てたのは幸福菌なんですね。
歯が飛んでいるのかと思ったりしたがそうではなかったらしい。安心した。

よーし放課後はH3Cの活動。1日100兆善よ!

本当、規模のでかいことを述べるお人である。まあ、その意気込みはよしといったところか。
その善行の活動内容とは以下のようなもの。
・小学生やご老人の横断歩道誘導
・道に迷っている人を道案内
・町のゴミ拾い
・駅前で帰りの社会人や学生に労わりのあいさつ

いかにもな活動でありますね。
労わりのあいさつをされてどこまで喜ぶ人がいるかは不明ですが・・・
いやまてよ。可愛い子が挨拶してくれるならそれは幸福に繋がるのではないか?ふむ、よい活動ですな。

そんなクラブに所属しているのだが、流々香ちゃんは恥ずかしがって行動できていない。
それが気に入らないのか、部長による説教開始。
自分の意志を表に出さず周りの人間の行動に受動してばっかじゃダメだ、とのこと。
そういった姿勢を正すためにH3Cに入れてあげ、人に幸せを配ることで精神を磨こうと考えたようだ。
そうかー流々香ちゃん、自分の意志で入ったわけじゃないんですな。
それは結構辛い話なんじゃないだろうか。まあ、嫌なら嫌とハッキリ言うのも大事な話ですわな。

そんな辛気臭い顔ばっかしてると幸せが逃げていくのよ!見てるほうも辛気臭くなる。
不幸だって感染るんだからね

確かに。不幸は幸せ以上に感染力が強い気がする。厄介な病だ。
しかし何をもって幸せとするか不幸とするかは人それぞれですからねぇ。
説教を受けて夜遅く家路につく流々香ちゃん。
携帯に打ち込むその文字の羅列は・・・死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死――

うーむ。病んでますなぁ。かなりよろしくない病み方だ。
そんなもんだから流々香ちゃん。1人でいるときは善行なんてするものかって態度。
道に迷っている人の質問を聞き流し、小学生にぶつかりながら道にポイ捨てをする。ワルだな。
そんな流々香ちゃんに声をかけてくる俊哉くん。相変わらず笑顔ですなぁこの子。
通常状態でも幸福菌を出現させている俊哉くん。なかなかに幸せな子である。

流々香ちゃんが昨日のことでご機嫌ななめなのは俊哉くんにもわかったようだ。
部長は流々香に厳しいけど気にすることはないよ。流々香は流々香だからねとフォロー。
これを聞き、嬉しそうに顔を赤らめる流々香ちゃん。あらあら。
しかし、その後部長を誉めてしまう俊哉くん。
部長は本当に全人類の幸福を願っている人だと言う。なんとも凄いエネルギーの持ち主ですなぁ。

憧れちゃうな、僕とか言い出す俊哉くん。
その発言を受けて、再び病んだ感じになる流々香ちゃん。うーむ女心っすかねぇ。

さて、この俊哉くんだがどうやら体が弱いらしい。
登校中前のめりにぶっ倒れる。ど、どうした・・・!?
見るとうつぶせになった状態のまま顔面から血が流れてきている。これはやばいのでは・・・?
遠巻きに様子を窺う中学生たち。顔を見合わせ誰も動けないでいる中・・・流々香ちゃんが動いた!
倒れた俊哉くんを抱き起こす流々香ちゃん。
どうやら貧血だったらしい。流れた血も鼻を打って鼻血が出ただけだったらしい。大事なくてよかった。

・・・流々香が僕のためにこんなに行動してくれるなんて思いもしなかったな。
優しくされたこととそんな流々香の一面を見れて、なんだか僕は幸せな気分だよ

満面の笑みでそんなことを言ってくる俊哉くん。ほほう。
かなり嬉しかったのか、流々香ちゃん。幸福菌が凄い勢いであふれ出している。
昨夜は死と打ち込んだ携帯であったが、今打ち込まれる文字はその真逆。
生生生生生生生生生生生生生生生生生生生生――

幸せな気分になった流々香ちゃん。
さきほどの道に迷っていた老婆にわかりやすく道を教えてあげる。
さらに自分が捨てたゴミを始め、ポイ捨てされたゴミの掃除を始める。ほほう。
そんな流々香ちゃんの様子を登校中に発見する部長。流々香――!!

やっと自分から行動したっていうの!しかもたかだかゴミ拾いとかー!!
あんた本当昔から手間がかかる子だわーこんちくしょーが!

流々香ちゃんがようやく動き出してくれたことに感激する部長。
厳しいことを言っていましたが、部長は部長で本当に流々香ちゃんのことを心配していたんですね。
さすがは全人類の幸福を願う子なだけはある。厳しさも必要と理解しているということなのか・・・!!
そんな部長の気持ちを理解した流々香ちゃん。幸福菌が部長のものとも結合する

本当これくらいH3Cの部員ならできて当たり前なんだからね。自惚れないでよ。
私たちは幸せを配布する活動をしてるんだから、流々香はまず自分から幸せを呼び寄せて掴まなきゃいけないんだからね!
だってそうでしょ!幸福パンデミックを起こそうという者が、自分の行動で幸せになれないなんてちゃんちゃらおかしい!
だって私たちハッピーハッピーハッピークラブなんだから!!

てな感じで、H3Cの活動は続いていくのでありました。
最後に流々香ちゃんを俊哉くんにぐいぐいと押し付ける部長がいい感じ。
なるほど。もっと自分から行動してってのはそういうのも含まれてるってことなんですな。

飛び出す幸福菌と、それが結合していく様がなかなか楽しい。
このように幸せの要素が目に見えたりしたら色々と交遊もやりやすくもなるんでしょうかねぇ。

世の中を知ってスレてしまった大人の意見としては、全人類の幸福なんて夢物語でしかない。
大きくなるにつれ、幸福を願う人の範囲は狭まっていくように感じられる。
部長はいつまでこの気持ちを抱き続けることができるのか。気にはなるところです。
全人類は無理だと悟ったとしても、幸福菌をばらまく活動は続けていって欲しいものですなぁ。
なんだかんだいっても、辛気臭い顔されるよりは笑顔の方がいいですもんね!可愛い子ならなおさら。
落ち込んでいる時なんかはその笑顔がうざったく思える時もありましょうが・・・それはそれだ。

それにしても、ふと思う。幸せってなんなんだろうか、と。
こういうことを考え出すとアレですよね。哲学的な思想にふけっているように見えていいですよね。学を哲してるよね。
人の数だけ幸せの形ってのはありますし、何を幸せとするかはわからない。
僕は君がいるだけで幸せなんだと囁く若大将とかいますしね。
自分としては感想にコメントや反応があったりすると幸せな気分になれますね。
自分に限らず、何かを書いている人は皆そういうところがあるんじゃないでしょうか。
H3Cの皆さんの活動にそういうコメントの書き込みとかも加えてくれないものだろうか。
ネット上で幸福パンデミックが起きないとも限らないですぞよ。



空が灰色だから 5巻


第49話 「不謹慎なそれ」  (2012年 46号)


校舎裏でカワイコちゃんがイジメられている。
内股で泣き出しそうなこの子の名前は菜野くん。男の子でございます。男の子です。
男の子なんですよね。かわいいんだけどなー男のクセに!!

てな風に複数人で菜野くんをイジメている男たち。
そこにヨダレを噴出しながら現れたのは、菜野くんのクラスメイトである甲賀くん。
ケンカで自宅謹慎を言いつけられたりするほどの乱暴者らしい。

もういこうぜ!あいつは本物だ。手、出してくる奴だぞ!

逃げ出すイジメっ子たち。しかしその理由はどうなんだろうか。
自分たちは手を出さずにイジメる人間だぜと言いたいのだろうか。陰湿じゃのう。

助けられてドキドキしながら涙目でお礼を言う菜野くん。
しかし、これで助かったというわけではありませんでした。
何故か甲賀くんが持ち歩いていたメイド服を着せられる菜野くん。メイッドー!

お前は今日からオレにイジメられるんだよバーカ!似合ってるじゃねーか、男のくせによお。
この写真バラまかれたくなかったら明日も放課後ここに来いよ。イジめてやる!

というわけで、この日から菜野くんは放課後、甲賀くんの呼び出しを受けるようになったのでした。

今日は婦警さんだ!

フッケーと取り出したのは婦警さんの衣装。
また菜野くんに女装をさせようという話ですな。
ふうむ。婦警のポーズを取る菜野くんはやたらと可愛いというかなんというか。可愛い。

ふははは。やっぱ弱いものイジメ最高だな!完全にイジメてるぜ!

笑いながら着替えた菜野くんの姿を写真に収める。楽しそうですね甲賀くん。
菜野くんは、もう帰らせてよ・・・と泣きそうになっておりますが。

僕、こんなだから昔からイジワルされやすかったけど、
あんなにかっこよく男の人に助けてもらえたの初めてだったから嬉しかったのに、ひどいよ。

不平を述べる菜野くんに対し、言いたいことがあるんなら、はっきり言ってみろと言う甲賀くん。

この行動はオレにとって楽しいものだ。何ひとつ不快のないな。だからやめるわけねえ。
やめさせたかったらこの行動をとると、オレに不利益を感じる言動をしてみることだな。できるんならな。

あっ。女装させるのが楽しいって意味じゃねえからな!いじめるのが楽しいってことだ!

やけに強調する甲賀くん。女装させる趣味もないのに、制服を持ち歩いたりするものかね?
彼女がいるのなら、彼女に着せるために持ち歩くのもあるかもしれないが。
菜野くんも、せっかく素敵な衣装なのに。彼女に着せればいいのにと言う。

はっはあああああ?そっそんなことねーよ!こんなクソコスなんてお前にはお似合いなんだよ!
女がいてもこんなもん着せるかアホが!!

やけに動揺してますね甲賀くん。まあ、落ち着け。

翌日。
今度はバニーの衣装を持ってきたという甲賀くん。
これで女装させるのが好きじゃないと言ったって無理があるってもんでしょ?
よく見たら首からやけにごっついカメラを下げて歩いてるし。
最初はケータイのカメラだったのに、やけに気合が入っていってるじゃあないですか。

放課後を楽しみにしている甲賀くん。
菜野くんが先日のイジメっ子たちに囲まれているのに気付く。
どうやらイジメっ子にも放課後呼ばれていたようだが、先約があるということで甲賀くんの方に来ていたらしい。
そんな話はさておき、囲んでいるイジメっ子のコメカミに膝蹴りをかます甲賀くん。
先日は投げたクツをぶつけられる程度で済んだが、今度は同じ箇所に膝だ!!これはキツイ。

甲賀「てめえら何勝手にオレの菜野に手出してんだよ、ドサンピン共があ!!」
菜野「えっオレの?」
甲賀「オレのツレの!わかるだろだいたい!」

いやあ、そういうニュアンスで言っているような感じでもなかった気がしますなぁ。
これはやはりそういう話なんでしょうか。不謹慎なそれなんでしょうか?

放課後。
イジワルばかりしてるのに友達だったんだ、と早速菜野くんのツッコミ。
それに対し、言葉のアヤだろと誤魔化す甲賀くん。あらあら。
それはいいから、今日のコスに着替えて来いよとバニー衣装を取り出そうとする甲賀くん。しかし――

僕もう嫌だよこんなの。毎日毎日遅くまで。
甲賀くんは僕を助けてくれたりなんか他の人とは違う接し方してくれるだなんて思ってたのに。
やっぱりイジワルなクラスメイトと変わらない人だったんだね。もうそんなの嫌だ!

泣きそうな顔でそう述べる菜野くん。
その表情を見て甲賀くんも大人しい感じになり、すまんと謝罪してくる。

・・・オレ、本当はイジメとかのつもりじゃなかったんだ。
イジメなんて最悪だと思ってる。説得力ねえけど。
オレもあいつらと一緒に思われてたんだな。そりゃ嫌だわな。すまなかった。
言いたいことをハッキリ言えなかったのはオレの方だ。

実は用意してる衣装、オレの自作なんだ

これまでのメイドや婦警さんといった衣装は全て甲賀くんの自作だったというのか!?凄いな。オイ。
どうやら甲賀くん、子供の頃から着せ替え人形が好きだったらしい。
けど、それがバレるのは恥ずかしいから表では男らしくケンカばかりしてたそうな。
中学生になったら自分でも洋服を作るようになった。
しかし自分で着るワケにもいかないし女友達もいない。
そんな矢先、菜野くんをみつけてこの機会をずっと伺っていたそうな。

お前とずっと友達になりたかったんだ
オレの作った服をかわいく着てくれるだろうなって。

ということだ。ケジメをつけてくれ!菜野!
何でもする!根性の汚いオレを許してくれ!!

ハッキリとした謝罪をしてみせる甲賀くんに菜野くんは笑顔を見せる。
じゃあ、これで痛みわけでしょ。とある提案を行う。それは――

いや、これはない!

揃ってバニーの衣装に着替える男2人。こ、これはない!!
でもまあ、痛みわけな感じがしないでもないけれどもさ。
ん、でも菜野くんは全然嫌がって着ている様子もないんじゃないですかね?むしろ嬉しそうだ。

着るのは甲賀くんが楽しそうにしてくれるし、もう慣れたよ。
嫌なのは、だって甲賀くんなかなか帰してくれないから門限過ぎちゃって親に怒られるんだもん。

なんだよその理由!かわいいなお前!!

てな感じで、2人とも同じ衣装を着た仲で本当の友達になれたわけでございますね。よかったよかった。

男の子2人で話を展開させるのは今までになかったパターンである。
が、菜野くんはしぐさとか言葉遣いが普通に可愛いからなぁ。何の問題もないのであった。

言いたいことはハッキリ言えるようにしておくといいんじゃないかというお話でした。そういう話なんだっけか?
まあ、不謹慎な話にはいくらでも持っていけそうな気はする話ですが――
不謹慎なそれは各自の想像に任せるということでいいんじゃないでしょうか。おぉ不謹慎不謹慎。

さて、次号から空灰はしばらく休載。52号からの再開となります。
その代わり、次号から別冊で連載中のブラックギャラクシー6が4週連続の出張掲載!
さらに次号は特報もあるという。
特報・・・い、一体なんだというのだろうか!?
と思いきや、巻末の作者あとがきで短編集の作業に入ると喋ってしまっているという。アレー?

だが特報が短編集のこととは限らない。いや、これはこれで嬉しいんですけどね。
それ以外の特報があったならそれはそれで面白い気がしますですし。
でもその内容にもよったりするので喜ぶ準備をしていいのかどうなのかに悩む。灰色ですなぁ。むふう。



第48話 「おはようございます!
自分やる気あります!」
 (2012年 45号)


単行本3巻発売ということで、あの3人娘が再々降臨!!
高校生になってもネガティブ全開だ!!

というわけで、璃瑚奈ちゃん、美緒ちゃん、翔ちゃんの3人娘のお話でございます。
2巻のおまけでさらりと第三高等学校に合格していた璃瑚奈ちゃん。
3人揃って三高生になれたみたいでよかったよかった。

春。
第三高等学校前通学路では今年から高校生になった新入生の未来と希望を胸に秘めた活気でにぎわっていた。

やる気ねえー
朝早いわ学校遠いわ9時間しか寝てないわやる気でね〜〜

高校生になろうが春だろうが相変わらずネガティヴ全開の璃瑚奈ちゃん。
タイトルではやる気ありまくりな風を装っていたというのに!!装っていただけですけども。

さて、校門前ではメガネの女教師が短いバットを片手に挨拶をしている。
元気のいい先生ですね。ジャージだし。体育会系なのだろうか。
先生の挨拶に、元気よく挨拶を返す翔ちゃん。美緒ちゃんも挨拶を返す。璃瑚奈ちゃんは・・・

翔ちゃんの挨拶は先生にも評価される。いい挨拶だ。
美緒ちゃんの挨拶はもう少し声に元気が欲しい。
で、璃瑚奈ちゃんだが・・・「す」ってなんだ!?他人の「おはようございま」に隠れてバレないとでも思ったか!

やる気あるのか!もう高校生だぞ!そんなんで社会に出られるのか!?
放課後の掃除終わったら職員室こい。挨拶の仕方を教えてやる!!

早速怒られる璃瑚奈ちゃんでありました。
で、放課が終わったわけであるが・・・

絶対、行かねー

やっぱり行く気はないらしい。そうでしょうね。
しかし、翔ちゃんは相変わらず凄いバネであるな。どんだけ跳躍してるんだ。

先生の言った通り、挨拶くらいキチっとできないと社会でて恥をかくと思うよと美緒ちゃん。
そんな美緒ちゃんの意見に対し、璃瑚奈ちゃんお得意の独自理論展開が始まります。

だいたい挨拶って、人間の作ったごっこじゃねえか。
人間なんてそもそもただの動物だ。知恵があり文化社会を築いてきたただの動物だ。
その人間(動物)共が、挨拶もろくに出来ない人(動物)は社会人(動物)として恥ずかしいとか、
勝手なルール作ってみんなで息巻いてるんだぜ!
挨拶なんて「す」でいいだろ。複雑にルール作ってゲーム感覚味わいやがって!!

宇宙人がこの動物が勝手に作ったごっこを見たらカルチャーショックを受けるぞ!
ドキュメント番組で動物の変わった非合理的で意味不明の習性を見た時と同じような気持ちになるぞ、宇宙人が!
宇宙から見た時、私たちの習性は恥ずかしくないかどうか今一度考えるべきだろ!
常に宇宙人視点を持っておこうぜ!
そんな誰かが勝手に作った強制ごっこ遊びに、私は巻き込まれたくはない!

なるほど。宇宙視点でございますか。
グローバルを越えてギャラクシーな視点で見るのが大事ってことですね!
共感できるかはともかく、話はデカイな。

挨拶は理由も無くすれ違う人と声をかわせるものである。それがいいと翔ちゃんは言う。
けれどネガティバーとしてはその理由も無く人と声をかわさなきゃいけないのが嫌なのである。

そもそもやる気とは一体なんであろうか。

洗脳されたみたいにやる気やる気って、みんな使いやがって。
オーラとか気だとかの類に近いよな。自己申告制だろ。やる気あるとかないとか。
どうやら私はやる気なさそうな顔してるらしい。
だからすぐやる気がないって怒られて散々なんだよ。

確かにやたらとやる気がなさそう、というか常時ネガティブそうな顔をしている璃瑚奈ちゃん。
実際のところは言うほどネガティブってほどでもないんですがねぇ。
というわけで、今度はやる気についての講釈でございます。やる気って本当に必要か?

現に私はやる気がないと言われながらも絶対無理と言われた三高を合格したんだぞ!
私くらいになると、やる気なんていうスピリチュアルなもんに頼らなくてもできるんだよー!!

確かに成功例ではありますな。
でも、前々回は多少やる気になるかみたいなことを口にしてたような。
まあ、実際そのやる気が持続してたようには見えませんでしたしね。

中3の文化祭の準備でこんなことがあった。
私がアーケードの飾りを誤って剥がしてしまったときだ。

そのことを口々に責めるヤンキーたち。3−2と書かれたハチマキまで締めてやる気満々な様子。
責められて涙目になる璃瑚奈ちゃんと、慰める美緒ちゃんの姿が大変良い。
文化祭まであと少し!間に合わないかもしれないけどやる気で乗り越えよう!と叫ぶヤンキーたちだが――

だってあのヤンキー共最初はさぼってたんだぜ!
途中で勝手に青春ごっこに目覚めて、やる気に火がついて初日からずっと参加していた私をコケにしやがって!
こういう気紛れで最後は精神論で回収できるとか思ってる輩の犠牲になるのはいつも私だ!
お前らが最初から手伝ってれば誰もやる気出さないでも間に合わせられたんだよ!
だいたいやる気なんて本来必要ないものなんだよ!
やる気なんて出たり出なかったりいい加減な運要素だ!
やる気なくてもやることはしっかりやれ!
やる気が出なかった場合も想定して行動計画立てろ!

社会という戦場ではやる気がなくても戦える奴が強いんだよ!
やる気がーやる気がーとかってずっとこだわってる奴は、やる気がなくても戦える奴に置いてかれるぞ!

私はやる気なんぞに頼らないで生きていくつもりだ。それだけだ。

見事な演説を終えた璃瑚奈ちゃんでありました。
ドオオンと決めたコマの璃瑚奈ちゃんは上気したような表情になっていてそこはかとなくエロス。
他のコマでも妙に可愛さをアピールされているような描写がある。
これは自然に可愛さがあふれ出ているって話なのか!?やる気なくても可愛いんだぜ!!

璃瑚奈やる気すごい!やる気なくてもやるってやる気がすごい!

何がなんだかわからない翔ちゃんのセリフ。けどなんとなくわかる気もする。
美緒ちゃんは、なんでもいいからがんばろうよとまとめに入る。
やる気なくてもごっこだとしても、挨拶は身につけたほうがいい。私たちはそのごっこの中の住人なんだしって話だ。

いや絶対しない!恥ずかしい!宇宙人に笑われる!
マナーとかモラルとか作った奴らが有利なゲームだ。いっつもそうだ。調子ノリが始めるんだ!

さっきやる気なくてもやることはやれって言ったの璃瑚奈なのに、
やる気なくてもやることもやらないというやる気がすごい!

うん。えーと、まあ、そうだね。やる気がすごいってことだよね。翔ちゃんは正しいなぁ。
というわけで、長々と話したが結局職員室に向かうこととなりました。

おおー今朝の1年坊!
ばっくれるかと思ったらちゃんと来たか!意外にやる気あるじゃねえか!

やる気ねえつってんの。やる気がなくたって、私はこれくらい造作もない

てなわけで、やる気とはなんなのか考えさせられる回でありました。
まあ、毎度のごとくの璃瑚奈ちゃんの屁理屈でありますが、考えさせられる部分もある。
やる気に頼らずに計画を立てるのは非常に重要だと思いますよ。
感想を書く場合についても、後回しにしておいて、後はこれだけ今日中に気合で!とかやると大変な目に会いますしな!!

普段から淡々とそつなくこなせる人は貴重だと思われる。
いざというときの働きはともかく、平均的には活躍できているわけですからな。アベレージヒッターって奴だ。
考えてみると、翔ちゃんは普段も出来て、いざという時も出来そうな子だからすごい。
これは常時やる気に満ち満ちているからってことなんだろうか?
これがショートスリーパーなポジティバーの力か・・・!!羨ましい。

さて、三高に無事進学した3人。
三高生は他にも何人かいるが、特にあげるとしたら別冊のブラックギャラクシーの面々。
今回、画面にちらほらとその別冊のキャラたちが写っているのが見える。
特徴的な髪型をした子たちだから見つけやすくていいですねぇ。カレルナはわかりにくかったが。
今後も璃瑚奈ちゃんたちが登場した時に、さらりと顔を見せてくれたりすると嬉しいぜ!!



第50話 「飛んで落ちて死んで」  (2012年 52号)


待望の連載再開、センターカラー!!
夏の日射しに選ばれない私は、だから陰に融けて

いきなり不穏な文字が躍っている辺りさすがといえる。が、まだまだどうなるかはわからないさ!

今回の主人公は高校1年生のちゃんと知香ちゃん。
真夏の下校時間、2人で帰る約束をしていた満ちゃん。
しかし、知香ちゃんは他にも友達を2人ほどつれてきていました。
せっかくだから途中までみんなと一緒に帰ろうよ、とのことです。ははぁ。まあ別にどうだっていいんだけど

並んで歩く3人の後ろを少し距離を空けてついていく満ちゃん。
会話に乗って入ってみるが、聞こえていないのか流されてしまう。あらら。まあ別にどうだっていいんだけど

携帯のメールのやりとりを見る限り、2人は高校入学する前からの知り合いっぽい。
しかし、高校に入ってクラスが別々になってあまりおしゃべりができていないそうな。
というわけで、たまには2人で帰ろうと約束していたわけであったのだが。まあ別にどうだっていいんだけど

前を行く3人は先生のモノマネを行ったりと楽しそう。
その後、バイト先の話に移行する。みんなで団結してがんばり甲斐がある職場だそうな。
が、そのタイミングでツクツクボウシのものまねを披露する満ちゃん。
知香ちゃんには評価されたが、なんとなくすべったみたいになっています。まあ別にどうだっていいんだけど

公園に寄る事にした知香ちゃんたち。
そこで満ちゃん。突然中学の文化祭で2人で力合わせてがんばったことについて話し出す。
何かと思ったら、さっきのバイト先のがんばり甲斐がある部分に掛かってるのか。
絵のうまい2人が看板を任されて、毎日学校でも家でも一生懸命2人ですごいのを描いたそうな。
懐かしくも楽しそうな思い出。であるが、話が長いですな。
他の友達もいるし、呼ばれたので満ちゃんの話途中に移動する知香ちゃん。まあ別にどうだっていいんだけど

日陰でしばらく歓談をしている知香ちゃんたち。
満ちゃんは1人日陰のベンチで視線を彷徨わせている。うーむ、所在なさげ。
知香ちゃんに声をかけられるのは嬉しくもあるのだが、他の友達と一緒だとあまり構ってもらえない寂しさがある様子。
というわけで、再び長い話を披露してくれます。

こんなに暑いなら太陽なんていっそなくなった方がいいのにと思うけど
たぶん本当になくなったら生きていけなくなるのがやるせないけど、
夜に街灯の光につられて飛んでる虫けらがいるけど、昼は太陽が一番眩しいけど、
アホな奴は太陽目指して飛んで羽がとけてなくなるまで、
飛んで落ちて死んで。飛んで落ちて死んで。飛んで落ちて死ぬんだろうな。まあ別にどうだっていいんだけど

別にどうだっていいんかいっ。あははは。

さっきから口癖になっている言葉だが、知香ちゃんにうけた感じなのは嬉しい様子の満ちゃん。
手を引かれ、そのまま2人で帰れそうな流れになってますし、嬉しさも倍増し。
なのだが、一緒にここまで帰ってきていた知香ちゃんの友達が、今から4人でカラオケ行かない?と提案してくる。くっ。
ようやく2人で帰れるかもと思ったのに・・・
先ほどからとり残され気味の満ちゃん。想いを込めて知香ちゃんの手を握る。ぎゅっ。

じゃあ行こっか

想いは伝わらなかったみたいです。
どちらに分岐するかという話でしたが、今回は満ちゃんの想いが通じない方向でありました。
知香ちゃんは明るく社交的で人気者の様子。
こうして満ちゃんたちと帰りながらも休日遊ぶ予約が飛び込んできたりするくらいの人気者。
まさしく太陽のような存在です。逆に日陰に融けるしかないのが満ちゃん。まあ別にどうだっていいんだけど

別にどうだっていいことなんだよ。
いやまあ別にどうだっていいってこともないか。
別にどうだっていいことなんだと思う・・・
やっぱり別にどうだっていいことではないのかなあ。

辛いことを感じながらも、これは別にどうでもいいことと口にすることでダメージを減らそうとする。
意外と有効な手段だったりするのでオススメの手法である。
のだが、それを多用してもやはり哀しい気持ちってのは完全には消すことができないわけで、物悲しい。
最後のしおれたヒマワリってのも色々と想像できて物悲しい。

今回、センターカラーで書かれた文言を見ると色々と考えさせられます。
知香ちゃんは人気者の太陽。いろんな人に注目される。
その太陽の日射しに選ばれなかった満ちゃんは陰に融けるしかない。泣ける。
途中のセリフで満ちゃんが太陽と虫のことについて語ったりしていた。
これも知香ちゃんを太陽に見立て、自分を虫と定義しているのかもしれません。
そう考えてしまうと、2人のやりとりがなんともやるせない感じになって、まあ別にどうだっていいんだけど。

誰とでもすぐ仲良くなれる子というのは羨ましい。
特定の相手としか仲良くできず、その相手が社交性の高い相手だと満ちゃんのようになりやすい。
なんだか分かる話だったりするんですなぁ、これが。うーむ物悲しいなぁ。まあ別にどうだっていいんだけど。

ちなみにお気づきでしょうか。
今回の感想、満ちゃんの「まあ別にどうだっていいんだけど」発言は全部同じ位置に揃えてみました。
最初の2つが揃ったのは偶然でしたが、それ以降は文章を調節して揃えてたりします。
ってメモ帳で揃ってて満足してたらHP上ではフォントの関係でずれてる!まあ別にどうだっていいんだけど。
いや意外と気にする方なので、どうだっていいこととはいえないかもしれなかったり。くぅ。



第51話 「僕と交流しよう」  (2012年 53号)


23歳女子の物語。

23回目の孤独なクリスマスシーズンを迎えたのは今回の主人公、亀村さん。
常に眉根を寄せて難しそうな表情をしております。

男女たちがこの時期になると特に熱心に得意面して恋愛ごっこに興じるものだが私には関係のないことだ。
当日からは破竹の10連勤シフトだ。恋人もいないフリーターにはシフトに口出す権利すら与えられてはいない。

まあ、その期間は休みたい人も多いでしょうしね。
逆に考えると稼ぎ時とも言える。手当てとか多そうな期間だ!!
という風に考えるのはやっぱり淋しい発想だったりするんですかね?

私はまったく男性にもてないという亀村さん。
なるほど。仕事先でもそんな様子が垣間見えますな。
女好きそうな主任からは迫られることもない。デートの話とか振られても経験がないので分からない。
それでいて見栄を張ってわかるとだけは答えてみる。うーむ、淋しい!

女としてこの子たちはよくて、私は何がダメなんだろうか?
なぜ私は男からもてないのか。
銭をケチって前髪のセルフカットを失敗したからか。
年で視力が落ちている事実を認められず、コンタクトもメガネもつけない頑固者だからか。
体重が年々増える一方だからか。
発泡酒を毎日飲んでるからか。
やはりもっと女性らしい愛嬌のよさとかがないとダメなのか。愛想が悪いからな。

確かに色々とダメな感じがしますね。まあ、愛想というのはやはり大事だと思いますよ。うん。
他の要素も色々とアレだが、最初に声をかけられない理由というほどではないと思える。

だったら別にもてなくていい。外面の一部しか見られない、男なんてバカばっかりだ

いやぁ・・・外面の一部しか見ないのであれば、亀村さんはモテモテになると思うけどなぁ・・・
具体的に言うと、そのおっぱいは注目の的になるはずでございます。
きちんと声をかければ嬉しがりながらついていきそうな雰囲気があるが・・・
でも、実際に声をかけたら先走って拒絶しちゃうのかもしれませんし、恋愛は難しいね。

ともかく、帰宅する亀村さん。
道中ハンカチを落とし、小学生に拾われる。おやおやこれはまたレトロなナンパ手法ですね。
いや、本当に落としただけだし、相手は小学生だし。
ハンカチを拾ってくれたのは南小学校のくん。どうやら亀村さんと会ったことがあるらしい。
まあ、地域交流会で同じグループだったというだけの関係ですけどね。

高校3年生の時、学校でムリヤリ参加させられた地域交流会のパートナーが慎くん。
現在は12歳なので、その頃は7歳ぐらいでしょうか。亀村さんとは11歳差である

屈託なく人なつっこい慎くんに、当時私は惚れられてしまって参ったものだった。
私の人生で1度だけされた愛の告白が慎くんだった

そのことを思い出して、ぬふふっと笑う亀村さん。可愛いがキモがられますぞ。

一緒に歩きながら学校のことなどについて尋ねる亀村さん。
顔見知りの小学生が相手だからかどうなのか、普通に喋れたりするのですな。

慎くん曰く、学校は楽しくない。
同じ班の吉永って奴がおっちょこちょいで、班長の自分が面倒をみないといけないから大変なんだという。
ふーむ。可愛い悩みでありますな。小学生らしい。
そんな慎くんに、班長なんてすごいね。女の子にもてそうだねと述べる亀村さん。
それに対し、女子って嫌いなんだと言ってくる慎くん。

僕、カメちゃんみたいに優しい人が好き!

おお!?
ナチュラルにたらし文句が飛び出してくるとは・・・慎くんの将来が思いやられる。
亀村さんもかなりドキッとしちゃったみたいですしねぇ。この時の表情が凄く可愛い。

というわけで、男子と遊んでばかりの様子の慎くん。ゲームとかして遊んでいるらしい。
が、来年に西学院を受験するので、それが終わるまではお母さんがゲームを買ってくれないことになってるらしい。
ふーむ。中学受験かぁ。最近の子供は大変だな。

新発売のモンスター育成ゲームが欲しいのに、おこづかいをせっかくためてきたのに。今すぐに絶対欲しいのに。

そのように述べる慎くんに対し、亀村さん。
勢いでおもちゃ屋に駆け込み、話題のモンスター育成ゲームを購入する。
そしてカメちゃんからのクリスマスプレゼントだ。お母さんには内緒だよ、と贈ってくれる。
悪いよ。今度代金返すからね!という慎くんに、子供なんだから素直にもらっときなという亀村さん。

カメちゃん大好き!

飛びつくように抱きついてくる慎くん。ぐぼぉっ!
満面の笑みで喜びを露にしてくれます。うーむ、お金を出した甲斐があったってもんですな!!

私を相手にこんなに朗らかに接してくれた人を初めて見た。
慎くん思ったより体ががっしりしてる。私ドキドキしている
いい子だし顔立ちもキレイで将来は美形になるんだろうな。
西学院中等部っていったらエリートだし、将来も安泰で、お嫁さんになる人はうらやましいな。

はっ!将来!?お嫁さん!?
いやいやいやいやないないないない。年の差が11歳もあるんだよ。
11歳差か・・・ってバカか私!いくらなんでも小学生相手に結婚とか考えるなんて終わってるでしょ。
慎くんが結婚できる年、18歳の時には私はもう29歳だっつうの!ん・・・?

まだ20代!全然いける!!
アリだな!いやむしろこれは運命だ!
慎くんはこんな私のありのままを見て大好きだって言ってくれている。
私もその気持ちを真剣に受け止めたい。
私自身、慎くんといると自然でいれる。素直でいれる。

惚れこんだ様子の亀村さん。にしてもやはり気が早いとは言わざるを得ない。
この年の差で結婚を前提にしたお付き合いとか重い、重いよ!!
まあ、最近は年の差婚とかも聞くしなぁ・・・でも片方が10代ってのはなぁ・・・
いや個人的にはアリだと思いますよ。うん。自分が年上の方であれば!!

そんな風に妄想している亀村さん。
だが、そのタイミングで先ほど話題にあがっていた吉永さんが登場。
あら、女の子だったんですね。ちゃんと挨拶のできる可愛い子である。
でも亀村さんはまだ慎くんのお母さんと言えるような年ではないですよさすがに。失敬な!

失礼だろ。吉永は失礼だな。ブスだし。

ん?なんか慎くんの態度悪いな。女子が嫌いって本当なんだ。
結婚する前にちゃんと直してあげないとね

もう結婚するってことは既定事項なんですな亀村さん。先走ってるぅ。
だが、その先走りが後悔のもとになる。

ついさっきプレゼントしたはずのゲーム。
それを、もじもじしながら誕生日プレゼントとして吉永さんに渡してしまう慎くん。亀村さんの目の前で。
ほう。これはこれは・・・すごいショックな光景だな!!
吉永さんが欲しがってたゲームを渡す慎くん。
もしかして私のこと好きなの?と問われたら、真っ赤になって嫌いに決まってるだろバーカ!と答える。
それでいて塾に一緒に行って算数を教えてあげたりするという。

これは――完全に好きすぎて素直になれない男の子じゃない!本当に大好きなの吉永さんじゃない!

どっからどう見てもそんな感じでありますな。
恋に破れた亀村さんはとぼとぼと帰宅。
慎くんの幸せに貢献できてよかったよ、などと申してはおりますが・・・心が篭ってませんな。完全に。
それを示すが如く、飲んだくれる亀村さん。
発泡酒だけでは足りないのか、ウィスキーのボトルやワンカップらしきものも見える。
酒が布団や畳に染みこんでおり、かなり酔った様子が見受けられます。

子供って残酷だなー私なんてどうでもよかったからなんだね。
男ってみんなバカだー。小学生のくせにいちゃってるんじゃないよ。オエエーっ。
・・・何やってるんだ私

ホントだよ!!
まあ、あれですよあれ。妄想で先走るのは危険ってお話ですよ。うん。
年の差婚だなんて綱渡りのことを考えるのなら、もっと慎重にいかないといけませんわな。
でも慎重にいったらいったで普通に逃しそうな気もする亀村さん。難しい話だね!!

飲んだくれてはいるが、まあ翌日には平常運転に戻れるんじゃないかと思える亀村さん。
そのうち理解してくれる人も現れますよきっと。たぶん。そのうち。

しかし、今回の話。男女を逆転させたら危なさはこの話の比ではなかったでしょうな。
まあ、妄想だけで済ますならそれほど問題はないかもしれないが・・・でもやっぱり危ないな。
幼女にドキドキしながら接し、欲しい物を買い与えて将来の結婚を夢見る。うん、やはり危ない!がり危ない!!

逆に慎くんの立場で考えるとどうなのだろうか。
気のない女性に対しては気がるに好きだのなんだのと述べ、抱きついて見せたりする。
本命に対してはもじもししながら気持ちと裏腹のことを言ってしまう。
素直な気持ちの表れなんだろうが、プレイボーイの行動と思えなくもない。振り回される方も大変だ!
と考えれば、男女逆転した場合、幼女に振り回される男の姿ということにならないだろうか。
欲しい物を買い与えて抱きつかれたりするけど、これは振り回されているだけなんですからね!ってことにならないか?
どこまでいったら危険なのか。その辺りの判断は中々に難しいところですね。
心の中で妄想するだけなら犯罪でもないですし!大丈夫大丈夫。夢破れたら飲んだくれればいいだけだしね!

妄想する自由があるってことを教えてくれた回でした。ん・・・なんか違う気もする・・・?



第52話 「私を許して」  (2013年 1号)


中学1年女子の物語。

今回の主人公は中学生になったばかりの女の子たち。
ちょっと抜けた感じの智子ちゃんと、しっかりしてて厳しい感じの来海ちゃんでございます。

中学入学してできた友達と初めての遊びに映画館に行こうとしている2人。
智子ちゃんは1人で電車に乗るんは初めてらしく、5分ほど遅刻してしまい、来海ちゃんに盛大に叱られる。まあまあ。
それはまあいいのだが、いやよくないのだが、いやまあ5分ぐらいならいいか。
というのはさておき、映画の前売り券をパソコンで予約していた2人。
智子ちゃんはやり方がわからないみたいだったので、来海ちゃんが智子ちゃんのPCを使って2人分予約。
なので智子ちゃんの家に届いているはずなのだが、2つとも忘れてきたという智子ちゃん。あらあら。

映画館に来たのに映画が観られない。これは困った。これは怒ってもよかろうものだ。
そしてお金を貸してあげるからという友人に、中学生同士でお金の貸し借りはダメだ!という来海ちゃん。マジメだなー。
しょうがないからショップでも周ろうかと提案する友人。
走って移動してきたからのどが渇いた智子ちゃん。炭酸飲料のペットボトルを開けるが・・・お約束。
噴出した飲み物が盛大に来海ちゃんにぶちまけられるのでありました。ボブ!

お前とは幼稚園の頃からの縁だが、今日という今日はもう許さねえ!智子とは絶好だ!

吠えて帰る来海ちゃんでありました。あらあら。
しかしそうか。今回の話の表紙は飲み物で濡れた来海ちゃんの胸のアップだったのか・・・!!
膨らみとかはまるでないから気づかなかったよ!!

それはさておき、その事件の翌日。
智子ちゃんは来海ちゃんに昨日はごめんねと謝ってくるが、来海ちゃんは許さない姿勢。
名も無き友人2人は許してあげたら?と取り成すが、そうやってすぐ許すからあいつは成長しないんだと来海ちゃん。
絶交してるのに智子ちゃんの成長を考えているんですね。
てなツッコミをしたら真っ赤になって怒鳴る来海ちゃんでありました。あら可愛い。

しかし、友人2人。今日の班掃は視聴覚室だからさぼって遊びに行こうよなどと言い出してしまう。
こいつはうかつですな。マジメな来海ちゃんがそんな話に乗ってくるはずもない。
サボリはダメ!寄り道ももちろん校則違反だからダメだ!!うーむ、お堅い。
そんな来海ちゃんにみんなやってるよ、と述べる友人たち。

みんながやってるから自分もやっていいというのは怠け者の考え方だ!
そういう考えが勉学にも及ぶんだ。だから2人とも成績が悪いんじゃないか?
そうだ、今度の日曜は映画はやめて勉強会にするってのはどうだ!?私が教えてやる!!

激しいな来海ちゃん。まるで生徒会や風紀委員の人間のようだ。そういう活動は合いそうですな。
でも得てしてそういう人たちは普通の生徒からは疎んじられるものでありまして・・・

翌日。智子ちゃんは微妙な距離で来海ちゃんを見ている。許されたがっていそうな感じですなー。
そんな智子ちゃんに駆け寄る、友人の1人である松尾さん。ふむ。
来海ちゃんとしては、絶交中で距離を取ってる相手に友人の1人が駆け寄る姿は面白くないでしょうな。
もう1人の友人はもう許してあげたらと取り成すが、来海ちゃんは頑なである。

あんたは知らないから言えるんだよ。私は智子とずっと一緒だったんだ。
幼稚園の頃、貸した人形をなくされた!!
一緒の塾に行くために入塾テストの勉強を教えてやったのにあっさり落ちやがった!!
小学校1年生のとき、一緒に宿題をしよって約束をしたのに寝て家を出てこなかった!!
小学校の卒業式で1番最初に一緒に写真を撮ろうと思ってたのにおばちゃんと先に撮っていた!
それでもあいつは未だに平気でこの前のようなミスをする!

ふむ。まあ、これは性格的なものでしょうし、なかなか治らないんでしょうな。
いや、無くし物したり寝坊されたりするのは治してもらわないと困りますが。
その辺りの話を聞くと懲りずに遅刻したり忘れ物したりする姿には憤慨するのもわかるというものである。
まあ、さすがに来海ちゃんもマジメすぎるかなと思うところはありますが。塾に落ちたのはしょうがあるまいてー。

ところで・・・自分から約束しといて言いにくいんだけど。
今度の日曜の約束また今度にしてもらっていい?特別な人と会えるようになったから。

友人は申し訳なさそうに手を合わせて来海ちゃんにそう述べる。
が、約束事を重視する来海ちゃん。ダメに決まってるだろと一蹴。
私は約束を守れない奴は許さない。とのこと。

そう・・・じゃあ、許さなくてもいいよ

そう告げて去っていく友人。うわぁ、これはキツイ。
短い言葉であるが、確実に決別の意志が篭められているのを感じる。

というわけで、いつのまにか智子ちゃんの側には友人が2人おり、来海ちゃんは1人という状態に。
松尾さんたちは結構無気力というか、少なくともマジメと言われるような子ではない。普通といえば普通の子。
なので堅い来海ちゃんとは最初から合わなかったのでしょうなぁ。
入学して最初の友人は手探り状態で作られるものだから、合う合わないは後から分かることが多い。
こうして付いて離れて気の合う友人を見つけるのも学園生活の在り方と言えましょう。
とはいえ、今は1人である。体育の時間でグループからはみ出るくらいに1人である。さ、淋しい!!
智子ちゃんはそんな来海ちゃんを誘おうとするが、やはり頑なな姿勢を崩せない来海ちゃん。面倒な子だ。

「いいよ智子、ほっときな。自業自得じゃない」
「私なんか久しぶりにおばあちゃんが来てくれるからその日の約束をまた今度にしてって言ったらダメって言われたよ」
「えー、ひどい!」

聞こえよがしにそのようなことを述べる2人。
そんな声に対し、最初からそう言えば私だって許している。大体悪いのはみんなそっちなんだぞ、逆恨みじゃねえか
と内心で考えてしまう来海ちゃん。

私が自業自得?私は間違ったことを言ってない。智子なら素直に私の話を聞いてるのに

素直に話を聞いてくれる相手。それはそれで貴重なものだと思える。
来海ちゃんもそこに思い至ったのか、すぐに行動を開始。
体育の授業中にすばやく携帯でメールを打つ。智子ちゃんを放課後校舎裏に呼び出しました。
うーむ、果断即決ですなあ来海ちゃん。
でも、あのマジメな来海ちゃんが校則違反をしてでも今すぐ行動をしたかった。その気持ちは感じられる。

呼び出された智子ちゃん。この前はごめんね、もう私遅刻しないから。しっかりする!と述べる。
その智子ちゃんに対し来海ちゃん。まあ、反省してるみたいだし、今回だけは許してやってもいいかなと返します。
それを聞いた智子ちゃんは満面の笑顔。

嬉しい!許してくれてありがとう!私、来海ちゃんがいないと何もできないから!

そう言いながら抱きついてくる智子ちゃん。
抱きつかれながら、来海ちゃんは思う。何も怒らないのかよ、と。

許されているのはずっと、私の方じゃないか

そんなことに気付いて泣き出してしまう来海ちゃんでありました。うーむ切なくも微笑ましい。
許すとか許されるとか知る涙。来海ちゃんはいい友達を持ったということでありますな。

人の防衛本能がなせる業なのか、怒られたときに逆恨みをして気を晴らそうとするのはよくあることである。
それが正論であったとしても、正論だけにムカついてみたりとかよくある話だ。
それでも逆恨みすることなく、相手の怒りを容れる心。
智子ちゃんにはそれがあり、来海ちゃんはそれに許されていたと感じたんでしょうなぁ。よい話だ。考えさせられる。

逆恨みは逆恨みでストレスの元になるので、俯瞰して反省をするのもまたよかったりします。
まあ、智子ちゃんは別に逆恨みもせず、ただ来海ちゃんと一緒にいたがっているだけのように見えますけどね。
反省はしているのでしょうが、効果の程はまあ、ボチボチといった感じになるのでしょうが・・・まあ、それはそれ。
ゆっくりと友情を育てていけばよいと思われます。若いのだしね。二人の未来が幸福でありますように。



第53話 「負けず嫌い」  (2013年 2+3号)


高1女子の物語。

今回の主人公は高校1年生の紺田さん。
朝、弟の分も含めてお弁当の準備をしたりする真面目な子だ。ギザっ歯だけど。

フタを開けて熱を冷ましている間に時間の有効利用も考えて、ハンドソープの詰め替えを行う。
それはいいのだが、弁当の上でやるものだから、どうなるかはお察し。
液体がまるで調味料がごとく弁当にかかっている!!思わず弟くんからツッコミが入る。

なんで弁当の上で詰め替えするんだよ!もったいない!考えたらわかるでしょ。もう高校1年なのに、もー。

お母さんみたいなツッコミだな、弟くん。
それに対して紺田だん。いや、これ食べられるよと抗弁。うそつけ!!

姉「あっそう。じゃあ私隠し味アリの方持って行くから!ラッキーだわ」
弟「何をムキになってんの!?」
姉「死ね!
弟「えっ!?」

ムキになりまくりの紺田さんであるが、食べたらヤバイというのはもちろん承知している。
というわけで昼休み。立入禁止の屋上に踏み込む。
食べたフリして鳥のエサにしようという魂胆らしい。
だが、そこには先客がいた。ビクゥ。

クラスでも真面目な方だと思ってたけど、意外に不良だなー。ここ立入禁止だぞ。

そう述べるのはクラスの男子の城川原くん。
そうかー紺田さんはやはり真面目な子だったんだー。ギザっ歯でムキになる子だけど。
ついでに口も相当に悪い紺田さん。
紺田さんの手作り弁当を食ってみたいのでくれよという城川原くんにつれない対応。お前にはムリだ!

城川原「なんでムリなんだよ」
紺田「お前如きじゃ私の弁当に耐えられず死ぬ
城川原「死ぬ!?

いきなりハードな発言だ。いや、確かにヤバイものが含まれてはいるけどもさ。
しかし城川原くんも簡単には退かない。意外にタフだから大丈夫と言ってくる。

紺田「お前弁当なめてんだろ。こりゃあお遊びじゃねーんだよ」
城川原「弁当なめるってなんだよ!?むしろ咀嚼してーって話だよ!

いやまったく。食わせるわけにはいかないのはわかるが、そのセリフはいかながなものか。
おかげで負けず嫌いな城川原くんのハートに火が付いちまったみたいだぜ。
味とか気にしないからとぐいぐい引っ張るが、紺田さんは離さない。
お前だけには食われたくない。触るな殺すぞ味とかじゃねえんだよ殺すぞお前殺すぞと叫ぶ。
殺すいいすぎっしょ紺田さん。こえーよ。

食うなって言われたら、絶対食ってやりたくなるね!

押してだめなら引いてみろといいますが、これは逆の発想か。
ぐいぐい引いて引き合っているところ、逆に紺田さんの方に飛ぶことで力を利用し、弁当箱を奪うことに成功する城川原くん。
手元にまで持ってくればこちらのもの。すぐに頂いてやるまでさ!!

紺田「今すぐやめろ!お前はまだ若い!未来がある!命を粗末にするな!」
城川原「なんだよ。誤って変なものでも混入させたのかー?」
紺田「ちっ違うわい!私が怨念を丹念に込めた呪いの弁当だからだ!
城川原「なんのためにだよ」

正しいツッコミだな。自分で食べるためのものじゃないのかよ。
まあ、自分で食べるものに誤ってハンドソープ混入したとは言い辛かろうが。

紺田の怨念か。なら・・・オレが、オレの胃が受け止めきってやるよ!
この弁当に込められた紺田のすべてをなあっー!!

なかなかに激しいお言葉でありますね。男らしい。
しかし、そんな紺田くんの動きが止まる。どうした?当たったのか!?
すぐに吐き出せ!お前にはムリだ!

・・・カニクリームコロッケ初めて食ったけどうめーな。オレ、甲殻類アレルギーなもんでよ。

まて、それはハンドソープがどうとかいう問題ですらないぞ。
下手したら本当に死ぬ可能性もあるじゃないか!ジンマシンでてきてるし!!

紺田「アレルギーってわかってて食うなよ!しかもしれにはハンドソープの原液が入ってる!自殺行為だ!」
城川原「なめるな!オレはアレルギーや異物なんかに負けねえ!

そう言い放ち、左手の包帯を取り去る城川原くん
バカな!?ウソだろ!?ケガしてる方の手で!?
わざわざ左手にハシを持ち帰る城川原くん。なんだ、封印していた力を解放する的なアレなのか!?

本当はオレは左利きなんだよ。メシ食うときに使うのは10年ぶりだけどなあっー!!
オレを本気にさせたな紺田!お前の手作り弁当、この体がどうなろうと食いきってやらああ!うおがああああああ!!

なるほど。左利きだったのが矯正されていたのですね。でもやはり左手にする意味はあまりない。
いや。たぶんある。あえて捻挫している左手で食べてみせる。その心意気が自身の魂を揺さぶるのだ!!
しかし、限界は誰にでも訪れる。
最後の1口を迎えたところで城川原くんの手が止まる。ビリッ。

捻挫くらいで動け左手。アレルギー如き屈するな体質。食堂のカツ丼大盛りがどうした胃袋
あとたった1口。1口なのに・・・

事前にカツ丼食べてたのかよ。
まあ、お腹が空いてるからってのが方便なのは分かりきってたことですけどね。
動きの止まった城川原くん。その背後に近寄り、ハシを取る紺田さん。

・・・ありがとう城川原。私の間違いを気づかせてくれて。
私は嘘をついてしまった。ハンドソープの原液を誤って混入してしまったのは私だ。でも意地でミスを認められなくて・・・
自分の都合でせっかくの食べ物をムダにするところだった。本当にバカだ私。

・・・そして私の弁当に負けないでくれてありがとう。かっこいいよあんた、城川原。
私が城川原の手になる。すべてを終わらそう

そう述べて、最後の一口を城川原くんの口へと運ぶ紺田さんでありました。
これにて見事完食であります。やったな城川原くん。

うおおおおおお好きだ紺田あああ!!結婚してくれえええええええ!!

突然の告白。いや、行動見ていればそういう子なんだとはわかっていたが、本当に突然が突然だ。
ついでに付き合うとかいう話じゃなくて一足飛びに結婚まで行ってしまっている。突然に突撃しすぎだ。

紺田「・・・嫌だね!私をなめんな。弁当を食べきった程度じゃ私の恋人にはまだ認められないな
城川原「うそだろー!!せっかく弁当に勝ったのにいいい」

顔を真っ赤にしながらも返事はNOである。
いやまあ、この程度では認められないというだけで、まだまだチャンスはあるってことですよね。
これからも城川原くんは紺田さんが不慮の事故で重ねたトラブルを解決していってくれるのでしょう。身を挺して。
紺田さんは割かしドジっ子の気質も見て取れるのでアピールポイントは多そうだ!!

なかなか珍しい回でした。
引っ込み思案なキャラが多い中、素直に恋愛感情を迸らせる城川原くんは空灰には珍しい。
テンションもやたらとアゲアゲな感じでしたしね。
表情の歪み具合というか、その辺りがいい感じになってきているように見受けられます。

アレルギーはさておき、ハンドソープの原液について。
さすがに染み込んだ部分意外は拭き取ったものと思われる。ならばそこまで毒にはならない量なのかもしれない。
また、事前に食べたカツ丼で胃に油がコーティングされて助かった可能性もある。
食べると胃がもたれるだけではないってことだ。やったねカツ丼!!
彼女の手作り弁当をいただく前は大盛りのカツ丼で決まりだ!!ちゃんと完食しろよ!!



第54話 「さいこうのプレゼント」  (2013年 4+5号)


高3男女の物語。

いきなりの怒声で開幕。
今回の主人公の一人である咲村くん。どうやら掃除当番なのにさぼって委員長を怒らせているようだ。
また、とか言われているし常習犯のようですな。全く。今日、聖子が休みだってのに。

絶対に見つけ出すと息巻く委員長。
その様子を窓越しに伺いながら幼馴染の秋奈ちゃんの影に隠れる咲村くん。どこを掴んでいるんだ。
そんな咲村くんを見かけて大声で呼びかけるのは日焼けしたスポーツ少女っぽい優美ちゃん。
どうやら咲村くんは陸上部に在籍していたようだが、最近は部に出ていないらしく、優美ちゃんは連れ戻そうと考えているようだ。

ふーむ。なんだか知らないが咲村くん、女性に縁がある子のようですね。まるでギャルゲーのごとく。
それでいて当人は女ってめんどくせーし彼女とかいらねーわとか言い出す。うーんリア充め。

まあ、実際のところ恋人はできたことがないという咲村くん。
秋奈ちゃんと並んで帰ろうかというところ。そこに声をかけてくる女の子が1人。
どうやら後輩の子らしいが、1人だけ冬服を着た黒い髪の女の子がモジモジとした様子でいる。
そして咲村先輩に手作りのお守りを渡してくれる。

えええええええ。おまも・・・えええええええお守りかコレ!?

そりゃあ叫びたくもなる。LOVEと書かれた文字の上には大きな眼球。
それを藁のようなもので巾着のように覆っているという代物。ブブブブブとコバエがたかっていたりして、なんじゃこりゃ!!

虫湧いてるぞ。何が入ってるんだよ。この攻撃的なお守りからオレを守ってくれるお守りもセットでくれたら尚よかったな

なかなか面白い返しをする咲村くん。
お守りをくれた女の子によれば、魔除けにも使えます。変なものが寄ってこないように、という意味で。
そうかーそれは今の咲村くんにはタイムリーなアイテムですな。
って咲村くんの考える変なものとは何のことだろうか。お守り自体が攻撃的なのに持っていないと祓えないとはこれいかに。

私2年4組の影村黒絵っていいます!
受け取ってくれてありがとうございます!それではまた〜

嬉しそうに去っていく黒絵ちゃんでありました。可愛い子だが、そのペラペラな感じの後ろ髪はどうしたことか。

翌日。
本日も変わらず陸上部への再起を呼びかける優美ちゃん。
その呼びかけに対し、はい。今日はいい天気ですととぼけて見せる咲村くん。どこぞの首相じゃあるまいしその返し方はないだろ。
優美ちゃんはそれで何とかなるかもしれないが、委員長はそういうわけにはいかなかった。
肩を掴まれ、強制的に体育館裏の掃除に連行される咲村くん。とってもブルーな様子。めんどくせー。

黒絵「と思って先に掃除しておきました。先輩っ!」
咲村「わあああああああああ!預言者かお前は!

確かに。どうして体育館裏を任されると予想できたのか。なんだか魔術でも扱いそうな雰囲気があるだけに怖い子である。
でも咲村くん。驚きはしたもののまあいいかで済ませる。
さすがである。伊達に昨日もらった怖いお守りを律儀につけているだけのことはある。ブブブブ。よくつけてられるな、本当に。

うれしいーうふふ。ウフグフフゲヘゲヘゴボボビビビ

笑い声の後半が溺死してるみたいになってるけど大丈夫か!?
いやまあ、きっと大丈夫なんでしょう。普通普通。
それよりも、今日も黒絵ちゃんから咲村くんにプレゼントがある様子。今回はシンプルにお手紙だ。
さすがに昨日の今日ではそこまで凝ったものは作れないか?
ってなんで赤いインクで書くんだよ!ダイイングメッセージか。内容は・・・

せんぱいへ
すきすきすきすき。ころしていえにかざりたいほどだいすき

内容こわすぎ!こわすぎこわすぎこわすぎ!ただただシンプルにこわすぎ!

色んな意味で危ない子である。うーむ、怖い。

そして翌日。
今日もまた優美ちゃんが陸上部への復帰の誘いを行っている。
3年最後の大会に出よう。お前の足なら全国行けるって。とのこと。ほう、有望な選手だったんですな。
それに対し、オレはもう走るのは飽きたという咲村くん。
走って逃げだし、オレを捕まえることができたら考えてやるぜと言い出す。
それに対し優美ちゃん。ムリに決まってるだろ。女だぞ私、との回答。
ふーむ。なまじ咲村くんの速さを知っているだけに挑もうという気にはなってくれませんでしたか。

優美も追ってこないか・・・

なんだか寂しそうな様子の咲村くんである。ふむ。
しかし、そんな咲村くんをえらいカッコイイ走りで追いかけてくる人物がいた。黒絵ちゃんである。
暴れ牛が如く土煙をおこしておるわ!!

女の子に走りで追いつかれたのは初めてだという咲村くん。
黒絵ちゃんに言わせれば先輩のためならどこまでも追いかけますよ、とのことだが咲村くんはやっぱりダメだなオレと内心で卑下する。
なにやらいろいろとありそうですな。
それはともかく、本日の黒絵ちゃんのプレゼント。手作りクッキーでございます。きゃっ。

ぎゃあああああこりゃもうダメだ!どういう経緯でここまで毛髪が混入しちゃうんだよ!ストレス過剰かなんかじゃねえの!?

わさっと音がなるくらいに毛髪が飛び出ているクッキー。
混入したというかむしろクッキーに植え込んだんじゃないかと思えるぐらいの飛び出し方だ。
これで良しとしてラッピングできた判断力にひれ伏すわ!そういえば、この箱もドクロマークがついていたりと色々厄い。
でも味の方は普通にうまくてリアクションに困るらしい。
髪が口の中に入った!は当たり前の話ですしねぇ。って勧められたからって本当に食べるのかよ咲村くん。
お守りのことといい、物を粗末にしないいい子である。といえばいいのか・・・?

さらにさらに翌日。
今日もまた掃除をばっくれる咲村くん。聖子ちゃんはまだ休んでいるっていうのにね。
その話題の聖子ちゃんは咲村くんにコブラツイストを完璧にキメるほど元気な子らしい。ほう。

捜索する女子から隠れている咲村くん。そこに黒絵ちゃん登場。
咲村くんに今日、私の家に来てもらえませんか?と言い出す。

先輩のために体の負担を軽減させる特性チェアーをついに完成させたので!材料を集めるのに苦労しちゃって。

またもや手作りか!しかも特性チェアーとは。手間のかかりそうなものを。実はすごく有能だったりするのか!?
とはいえ、出来上がったものはどうせまたグロいものでしょうし、行かないと言い出す咲村くん。
その返事に泣き出す黒絵ちゃん。メキメキブバババグジョジョ。え!?本当に泣いてる音!?それ!!
悪い子じゃないのかもしれないが、色々と厄介な子である。ツッコミ体質な咲村くんも大変だ。

先輩の走ってる姿に一目惚れしました
1年前、体育祭で誰よりも速く走っている先輩を見た時から。でもケガしちゃったんですよね。それをきっかけに陸上部を退部した。

なるほどねぇ。それであの態度であったわけか。
追ってこない優美ちゃんにガッカリしつつ、黒絵ちゃんに追いつかれたことでケガした自分の足に失望していたと。
いやまあ、黒絵ちゃんが規格外に速いだけかもしれないので卑下する必要はないですよ。
誰にも言っていないことなのに知っていたりするくらい凄い子なんですし。というか、どうしてケガのことを知ったのだろうか?

そんなの好きだからに決まってるじゃないですか

ふむ。そのように面と向かって言われたらその・・・照れる。カーッ。

でもいいんです。私、つきあうとかそんな。ただ先輩に声をかけられただけで。気持ちが伝えられただけで。
少しでも力になれるように魔除けのお守りや体を丈夫にとカルシウム入りのクッキーとか作ってみたんだけど不器用で私・・・

そうだったのか!!いや、不器用とかそういう問題のものじゃないように見えましたが・・・

ただ先輩にもう1度走ってほしくて

・・・ふむ。色々と言いたいことはあるが、涙目でそんなことを言われると弱い。
こいつ本当はただ純粋なだけなんじゃ・・・とか思ってしまう。

私、先輩の汗光る美しいボディを見てると興奮しちゃって興奮しちゃって仕方ないんですぅっ!

おぉっと。ここに来てまさかの体目当て発言!!ふんふん。
まあ、正直で大変よろしいといえなくもないか。
そういった素直な言葉を受けたことにより、咲村くんもケガを治してもう1度走ってみる気になった様子。
そのためにも特性チェアーを頂くために家に向かうこととなりました。

オレ、ここまで走ってもらいたいって人に追っかけられたこと初めてで嬉しいよ。ありがとな。

咲村くんの感謝の言葉。色んな女子の知り合いはいたようだが、本気になってくれる子は今までいなかったってことなんですかねぇ。
嬉しい様子が伝わってくる。なので黒絵ちゃんもうれしいと微笑む。ニタア・・・えっ、何その不敵な笑み!!

今日、私の家誰もいないですから!グウエヘヘヘ

やはり体が目当てなんでしょうか。見方を変えるとおっさんくさい笑い方を披露する黒絵ちゃんでありました。グウエヘヘヘ。

いやあ、なんだかいい恋愛話でありますね。
色々とおかしな子ではあるが、心の広い咲村くんとならうまくやっていけるのではなかろうか。
というのはさておき、ここから別の見方での今回のお話の考察。

冒頭から女子がいっぱい出てきたのに、終わり際には名前付きの女子は黒絵ちゃんしか残っていない
はて、これは一体どういうことだろうか?
具体的にいうと、日をまたぐ度に1人ずつ出なくなってきている。
血染めのラブレターをもらった日から秋奈ちゃんが出ていない。
毛髪入りクッキーのときからは委員長が出ていない。
そして最後の特性チェアーの話のときからは優美ちゃんが出ていない。
ついでに、最初の目玉のお守りのときは名前だけ登場の聖子ちゃんが場面に出てこなくなっている。
果たしてこれは偶然なのだろうか・・・?

という視点で見てみると、上記の女の子たちはみんな咲村くんと親しげにしたり、体に触れたりしている。コブラツイストとか。
そういうスキンシップをした子がいなくなっているというのは一体どういうことなのか・・・
いやまあ。あれだね。考えすぎですよね。
そういう考え方もできたりするのかなってだけでさ。黒絵ちゃんはちょっとアレだけど純粋なだけな子なんですよね。
まあ、純粋ってのは危なさも秘めた言葉だったりするわけですが・・・

そういう視点をもって最初のタイトルが書かれたページを見てみるとしましょう。
「さいこうのプレゼント」というタイトルの下には虫が湧いたプレゼントの箱がありまして・・・
ハハハ。中には何が入っているんでしょうかね。特性チェアーってどんなものなんでしょうかね。ハハハハハハ。
気のせいきっと気のせい。
ラブレターの文言が殺して家に飾りたい、で家に招かれたりしてたりするけどきっと気のせいだから大丈夫・・・きっと。

そういえば冒頭で高3男女の物語と書いてるけど、黒絵ちゃんは2年生だよね?
となると、今回の主役は咲村くんと他の行方の知れない3年の女子たちという見方が正しいということに・・・?
いやいやいや嫌。気のせい気のせいただただ気のせい!!



第55話 「お兄ちゃんが」  (2013年 6号)


高1女子の物語。

今回の主人公は子供のころからよく日に焼けた風吹ちゃん。
母親に頼まれておばさんの所に届け物をするところから始まります。
おばさんの家はバスで移動するぐらいの距離で、届けるのを嫌がる風吹ちゃん。
いや、別に面倒くさいから嫌というわけではない。理由は他に存在する。

お兄ちゃんはもうあの日のことを忘れただろうか。私はまだ謝れずにいる
私が小学生くらいまではよく遊んでもらっていたおばさんの息子、直樹兄ちゃんに会うのが気まずいのだ。

小さい頃に遊んでた異性と大きくなってから再会するというのは気まずいですよね。
風吹ちゃんの場合は謝れずにいるという言葉があるからそういうのとはまた違うみたいですが。

直樹くんは高校3年生。風吹ちゃんの2つ上。
おばさんの家に届け物をしたが、直樹くんはまだ学校から戻ってきていないという。
そういえば風吹ちゃんは制服で届け物しにきてますな。
学校から帰宅して直に届け物をしにきたのだろうか。そう考えると確かに面倒臭い気はする。

直樹くんを家で待ってく?とのおばさんの誘いを断り帰ろうとする風吹ちゃん。
会えなくてほっとしたような、ちょっと残念なような複雑な気持ちでいると、誰かにお尻をバーンと触られる。なんだこの擬音。
擬音はさておき、痴漢行為には違いない。警察呼びますよ!

お前誰だよ。オレん家から出てきて。泥棒か?

泥棒ならタッチしても懲らしめる意味で問題ないということですね。なるほどなー。
いや、それは気が早い。泥棒であることが確定してからじっくりとだな、いやそうじゃない。そういう話じゃない。
ここで重要なのは、オレの家から出てきて、とこの男子が述べたことである。

風吹「えっ。もしかして直樹兄ちゃん?私だよ。風吹!よく小学校の時一緒に遊んだ。覚えてないの?」
直樹「あ〜フブキね。覚えてるぞ。お前いくつだっけ?
風吹「・・・16だけど・・・なんかずいぶん変わったねお兄ちゃん」

微妙に怖い風貌になっている直樹くん。風吹ちゃんと遊んでた頃は違ってたんでしょうな。
左右の目の色が違うのは何故だ?眼鏡からコンタクトに変えたの?という質問があるが、カラーコンタクトでも入れてるのだろうか?

オレはメテオパワーの力を手に入れたんだ。だから千里眼でなんでも見れるんだぞ!
見えるぞ、見えるぞ!今日のお前の下着の色は真っ黒だ!

いきなり何を言い出すのだろうかこの子は。違ってるし。
しかもその後突然今から秘密基地に行くぞとか言い出すし。
でも秘密基地という言葉にどきりとする風吹ちゃん。
昔2人でよく遊んだ山中の遊び場所だ。やっぱりお兄ちゃん、あの日のこと覚えて・・・

2人が移動したのは山中なのか鬱蒼と茂る森の中にある小さな建物。公衆便所のような小ささの建物だ。
それでも電気が通っていたりするようだし、誰もいないのであればかなり立派な秘密基地ですね。
ただ、風吹ちゃんが知っている秘密基地ではないようですが。

直樹「よくこの秘密基地で遊んだよな」
風吹「遊んでないよ」
直樹「お前いくつだっけ?あっこれさっきも聞いたな。ババ抜きするか?」
風吹「しないよ」
直樹「じゃあ、2人でいいことしよう

そう述べて、風吹ちゃんを壁際に追いやる直樹くん。いいこととは一体・・・!?

直樹「アルプス一万尺をしよう
風吹「しないよ」

なんだその流れは。健全な少年誌ではあるが、展開的には少しドキリとしたというのに。
いや、自分が知らないだけでアルプス一万尺には隠語的なものが含まれているのかもしれない。
まあしないよと言われちゃったのでそれを窺い知ることはできなくなったわけだが。
これだから女はどうせ年収なんだろ!いや、そこに飛ぶのもどうなのか直樹くん。違うよ。うん。

ずいぶんと経つけど、私が知ってた頃の直樹兄ちゃんと全然違う
最後に会ったのは私が小学5年生で、お兄ちゃんが中学1年生のとき。
メガネしてて体格も良く、勉強もできて秘密基地を作るとか子供っぽい所もあったんだけど、私にすごく優しかった。
それに突拍子もない冗談を言ったりはしない。真面目な感じの人だった。

なるほど。確かに全然違いますな。
6年近い歳月があれば、高校デビューなども含めて人が変わるには十分ではあるが、これは随分違いすぎる。
体格がよかったはずなのに、今の直樹くんはガリガリのペタペタボディである。
本人が言うにはメテオパワーでパンプアップされた造形美でゴリゴリのカチカチらしいが。違うよ。全然違うよ。

あれ?お前っていくつだっけ?あっこれさっき聞いたな

何故何度も聞き直すのだろうか。
というか、この人直樹お兄ちゃんではないんじゃ・・・?別人なんじゃあ。
その可能性に思い至り、青くなる風吹ちゃん。
考えてみると直樹兄ちゃん?と尋ねた時に相手は肯定も否定もしていないんですな。
そんな怪しい相手に誘われるままにホイホイ寂しい所にやってくるとは、風吹ちゃんも隙が多いですなぁ。

あっところでよ。お前っていくつだっけ?
あっさっき聞いたっけ。あっこれもさっき聞いたっけ。あっこれもさっき聞いたっけ。
お前さっきからブツブツうるせえぞ!

え!?いや、そんな結論をつけられても。
なんだかおかしそうな人ではあったが、ここにきて本格的におかしくなってきました。

オレにはメテオパワーがあるんだぞ!なめるな小娘!
隕石にうたれた時に宇宙のパワーを手に入れたのだ私は!
くらえ!メテオパーンチ!(ゴキィ)いでえ!!

壁を殴って手首がぐっきり言ってる直樹くん。おかしいと思ったら可笑しいことになってきましたよ。
まあ、それはともかく危ない。逃げなきゃとようやく考えるようになった風吹ちゃん。
秘密基地から飛び出して走って逃げだす。
しかしその風吹ちゃんを追う直樹くんと思われた男子。相変わらずお前いくつだっけ?と叫びながら。

もっとオレと、もっといいことしよう!アルプス一億尺!

やはりアルプス一万尺には何か秘められた意味があるのだろうか。
メテオパワー的な感じの何かが。よく見るとオーガニック的な何かを感じる単語である。いや、嘘です。

それはさておいて、逃げ出した風吹ちゃんだが、途中で段差に足を引っ掛けて体を前方に投げ出してしまう。あ。
このままでは倒れこんで、下手をすればケガをする。
だが、そこで追いついた直樹くんが空中で風吹ちゃんを抱き留め、ケガをしないように庇ってくれます。おぉ。
この光景はいつかみた光景。あの日と同じだ。

幼いころ。最後に直樹兄ちゃんと遊んだ日のことを思い起こす風吹ちゃん。
狭い塀の上を平均台のように歩いてみせる風吹ちゃん。直樹くんは危ないからそんな所に登るんじゃないと注意する。
その注意の通り、バランスを崩して落下しそうになる風吹ちゃん。その体を空中で受け止めて代わりに地面に叩き付けられる直樹くん。

わああああああ。お兄ちゃん!
お兄ちゃん!私のせいで!!

昔の直樹くんはこの時結構な負傷をした様子ですな。頭から血を流している。眼鏡もこの時に壊れたのかな。
だが、今回の直樹くんは子供の頃とは違い大きな負傷はない様子。
すぐにムクリと起き上がる。おや、よかった。風吹ちゃんも安心した涙を零す。

無事でよかった。また身をていして私を助けてくれたんだね。
疑ってごめんね。やっぱり直樹お兄ちゃんなんだ。あの時私のせいで大ケガ負わせて会うのがずっと怖くて避けちゃって・・・

あれ。お前っていくつだっけ?あっ。これさっき聞いたっけ

直樹お兄ちゃんだと確信できてしまった。
だが、そうなると、お兄ちゃんが変わってしまったのは、あの時の大ケガが原因なのではないだろうか。
同じことを何度も繰り返す直樹くんの姿を見て、自身に原因があるのではと思い至ったのか、手で顔を覆う風吹ちゃん。
今度の涙には深い絶望が見えるような気がするぜ・・・アルプス一万尺やる?今こそ。

というわけで、何ともうわぁな感じの回でありました。
しかし、この回も疑問を呈しようと思えばいくらでも呈せそうな内容である。
まず、直樹くんは本当に直樹くんなのだろうか。哲学的な意味じゃなく。
オレの家から出てきたという言葉が元になっているだけで、風吹ちゃんを庇ったのも単に偶然の一致かもだし、証明はされていない。
そうなれば、自分のせいでおかしくなってしまったのだという風吹ちゃんの罪悪感は免れることになるかもしれないが・・・

本当に直樹くんがおかしくなってた場合、母親が進んで合わせようとするだろうかという疑問もある。
学校にも普通に通っているみたいだし、考えてみるとやはり別人という可能性もあるのではないかと・・・
いや、悪い考え方をするならば、直樹くんが復讐の意味でおかしい振りをしているという可能性もある。
庇って大ケガしたのにその後は素知らぬ感じで疎遠になったというのはなぁ。
風吹ちゃんは思い悩んでいたようですが、直樹くんの方はそんなこと分からないわけですし。
直樹くんの母親もそのことを恨み、今の直樹くんの姿を見せようとしたのではないかという推測も・・・うーん、いやな話だ。

ここはあれですね。直樹くんは本人という想定で、なるべく悲しくない方向で想像しましょう。
たぶん直樹くんは小さい頃に庇ったケガはそんなに大したことなかったのですよ。
その後、道を歩いていたら隕石のカケラが頭に直撃してITEってなったらメテオパワーが身についてしまったと。
しかしその反動により体はガリガリ、目はオッドアイに、年齢が異常に気になるような子になってしまったと。
つまり、隕石のせいなので風吹ちゃんは何も悪くはなかったのだという結論になる!これでどうだ。
この結論で個人的に納得しておくことにします。ふーよかった。
体内の隕石を除去すれば直樹くんもきっと元に戻るでしょうしね。よかったよかった。アルプス一万尺やる?



第56話 「マルラマルシーマルー」  (2013年 7号)


高1女子の物語。

今回の主人公は大鬼怒さんとさん。大怒鬼と書いておおぎぬと読むようだ。これは珍しい名前ですな。

筒さんは高校に入ってから授業についていけないとお悩みの様子。
逆に大怒鬼さんは1年生の中でトップテンに入っているという。そんな2人のお喋りが展開されます。
大怒鬼さんは筒さんの勉強のやり方に問題があるんんじゃないかな?と疑問を呈す。

筒「勉強のやり方か・・・じゃあ今度してもらいたいな。ジェスチャー
大怒鬼「それを言うならレクチャー。ジェスチャーで勉強方法教えられたら人気塾講師になれちゃうよ」

よくレクチャーと言おうとしたとすぐに気づきましたね。
その後につづけた言葉もいかしている。やりますな、大怒鬼さん。

勉強のことから話は変わり、筒さんからの質問。下世話な話になるけど大怒鬼さんってお嬢様なの?とのこと。
すごい有名な高級メーカーのバッグや財布とか持っているからだそうな。つまり、えーと、ど忘れした。ほれ、なんだ。

筒「ブレンドもの」
大怒鬼「ブランドもの。ブレンドしたらむしろ粗悪な印象になっちゃうよ」

いや全く。これもナイスな返しでございますな。
ちなみにそれらの商品は高校の合格祝いで買ってもらったものだという。ほうほう。

それはそうと、大怒鬼さんは凄く可愛い。お肌もプルプルしているとのこと。
どういった美容品を使っているの?と問うと、お母さんがモデル兼美容系会社やってるからいろんな物をもらってくるんだ、とのこと。
この前、高級そうな化粧品をもらって、やっぱ肌のハリが違うわーって思ってたら没になった試作品だったということもあったらしい。
ああ、そういうことってありますよね。思い込みの力ってやつですよね。ほら、なんとか効果ってやつ。

筒「プラシーボ効果
大怒鬼「トランシーバー効果!

それにつけても、同い年の子が勉強もできて美人でお金持ちだとか、すごいなー。

筒「パースペクティブだね」
大怒鬼「パーフェクト!逆によくそんな単語が先に出てきたね」

いや全く。いいにくい言葉でしょうに。
筒さんは横文字が苦手なんですな。こんがらがってしまう様子。
確かにシュミレーションとかシミュレーションとかは紛らわしい。よく話題になるから逆に間違えにくくなってるぐらいに紛らわしい。
こういった横文字はどんどん増えるから、覚えていく方も大変である。
大怒鬼さんのお父さんは大学教授なので難しい言葉ばかり発していて大変なそうな。ふむ。

あのっ。さっきの、プラシーボ効果であってるよね?

あ、ツッコミが入った。
さらっと流したので、読んでいるこっちがもしかして間違えていたのかと思ってしまったが、やっぱりそうですよね。
思い込みの力で現れる効果はトランシーバー効果じゃなくて、プラシーボ効果ですよね。
一体だれとトランシーバーでやりとりをするというのだろうかって話ですよ。

トランシーバー効果だよ

目を見開き、背景を真っ黒にして断言する大怒鬼さん。・・・あはっ。
そ、そうだよね。言われてみればトランシーバー効果だった気がしますよ。うんうん。

てなやりとりをしている2人のところに話しかけてくるのは眼鏡の女子、まーちゃん
ツッツとしゃべってるとアホすぎて疲れない?と大怒鬼に尋ねていたりする。筒さんとは前から友達って感じの子ですな。
ちょうどいいので、思い込みの力で現れる効果が何て言ったか尋ねてみることにする。

大怒鬼「トランシーバー効果」
まーちゃん「プラシーボ効果」

主張を曲げる気はない様子の大怒鬼さん。顔が固まってますよ大怒鬼さん。
学年成績9位の私が間違うわけないと言われましても・・・ほら、ネット辞書にもプラシーボ効果って載ってますし。

トランシーバー効果だよ!!

ついに絶叫しだす大怒鬼さん。廊下なので関係ない人も様子を伺いだすような大声だ。

トランシーバー効果だよ。私のお父さん大学教授だよ。
私のお母さんモデルで社長だよ!?美容系のぉ!トランシーバー効果だよ!!

大学教授はともかく、お母さんの方はあまり関係ないんじゃないでしょうか。
というまともなつっこみも取り合ってはもらえない。大怒鬼さんの怒りはさらにエスカレート。窓だって叩いちゃう。バァン。

ケータイがおかしいんでしょ!そんな安物、猿用とかのアレでしょ!トランシーバー効果だよ!
私のお父さん、ノーベル賞取った学者と友達なんだよ!?
お母さんはハリウッド女優と会食したこともあるんだよ!?トランシーバー効果だよ!

そこまで譲れない何かがトランシーバー効果にはあるのだろうか。大怒鬼さんが鬼のように大怒りだ!!

土下座だ。今すぐ土下座しろよ。早くしろよ。
私を誰だと思ってんだよ!私のバックなめてんじゃねえぞ。親族もろとも消してやるぞ。トランシーバー効果だよ!
殺してやる・・・今すぐ死んでやる!お前たちのせいだ!

殺すからいきなり死んでやるにシフトする大怒鬼さん。まあ、力いっぱい叩いても窓ガラス1枚割れなさそうですしねぇ。
しかし、窓から飛び降りようとしたところ、足を窓の桟にぶつけて、廊下側に落下する。
ふむ、本当に飛び降りようとしていたなら体重は窓の外にかかっていたはずだし、足をぶつけたなら外に落ちるはず。
なのに中に落ちたということは、足をぶつけてビックリして、中に転げ込んだということですよね、大怒鬼さん。どてーっ。

まあ、何にしても1回落ち着きましょうや。誰にだって間違いはあるんだからさ。
そう取り成すまーちゃん。大怒鬼さんも倒れこんだ状態で少し落ち着いたのか、体の色も真っ黒から戻ってきている。うっううー。

大怒鬼「プランシーバー効果
まーちゃん「ちょっと心傾いてるじゃねえか」

その方向はいいかもしれませんね。
叫びながら少しづつ訂正していって、あたかも最初からプラシーボ効果だよと叫んでいたかのように見せる手法!!
うまくいけば逆転の目もでてくる。いや、さすがにないか。
というわけで、トランシーバー効果の主張を再開。

やだやだやだやだやだやだやだやだ。トランシーバー効果!トランシーバー効果!トランシーバー効果!
トラントラントラントラントラントラン、シーバシーバシーバシーバシーバシーバ!!

全力で駄々を捏ねだす大怒鬼さん。まさしく手の付けられない子供の如しである。これが鬼の霍乱って奴なのか!?
しかし、無駄に騒ぐことでかえって大怒鬼さんの立場は悪くなっていく。
ここから怒涛のように、築き上げていた地位から落下していく大怒鬼さん。
まずは先生の登場。この間の校内試験のことで話があるから、放課後職員室に来るように言われる。
どうやらテスト中、ケータイを開いて思いっきりカンニングをしていたらしい。おやおや、それで取った学年9位の座でありましたか。
それについては、あれですが。優しい筒さんは落としたブレンドものの財布を拾ってあげる。

あっこれ、コピー商品だ。

ははぁ。ブランドではなく、本当にブレンドものだったわけですね。
いや、混ぜ込んではいないかもしれないが。少なくとも純正品ではなかったわけだ。

さらにそこに追い打ちをかけるように、お母さん登場。
大怒鬼さんの下の名前である豊心(とよこ)という名を呼び、忘れていたお弁当を届けに来てくれています。
ふむ、モデルという割にはお年を召しておられますな。可愛らしいお婆ちゃんでありますが。
高校生の親にしては高齢な気もしますが、遅くに出来た子だったりするんですかね。
それはさておき、パート勤めであることを自ら明かしてしまうお母さん。おっとこれはいけませんな。大怒鬼さんの嘘がモロバレに。
というわけで、母親を突き飛ばす大怒鬼さん。

うす汚い格好して学校で話しかけてんじゃねえよ!恥なんだよ!ババアアアアア!!

大混乱な感じの大怒鬼さん。その頬を激しく張り飛ばしたのは・・・筒さんだ!!

お母さんになんていうことを言うんだバカ!

大人しく、場を取り持とうとしていた筒さんがまさか真っ先に手を上げるとは!!許せないことだったんでしょうねぇ。
これにはまーちゃんも驚愕。真っ黒になっていた大怒鬼さんも元に戻ってへたりこむ。ぺたん。
でもトランシーバー効果の主張だけは頑として譲らない大怒鬼さん。困った子である。
ついには泣きながら母親に尋ね出す。思い込みの力で現れる効果ってトランシーバー効果だよね、と。
その質問を受けた母親は一瞬沈黙し・・・

お母さんわからないけど、頭のいい豊心が言うなら、きっとトランシーバー効果なんだろうねえ
お父さんもヒマだし、今日は家族3人でファミレスでご馳走でも食べようか豊心。

優しい母の愛に包まれ、先ほどまでとは違う涙に泣きぬれる大怒鬼さん。
これには思わず筒さんも涙。感動の涙だ!うるーっ。そして思わず叫んでしまう。トランシーバー効果かも!と。

もうトランシーバー効果でいいよ!
これだけトランシーバー効果って刷り込まれたら思い込みで本当にそう感じてきた!
まさにプラ・・・いや、トランシーバー効果だよ!!

いや、それは思い込みというより、刷り込み。洗脳の類だと思いますですよ。
でもなんとなく場がいい感じに収まったので、それはそれでいいのかなと思うのでありました。きっとまーちゃんもそう思ってる。

というわけで、トランシーバー効果の解説の回でありました。いや、違う。
終わってみてから今回のタイトルの意味に気づきました。
マルラマルシーマルー」パッと見ではさっぱりだが、○ラ○シー○ーとすると一目瞭然。
ああ、プランシーバーですな!!いやいや。
そう考えてみると、扉絵もちゃんとトランシーバーの影絵となっている。
うーむ、最初から最後までトランシーバーづくしの回だったというわけか・・・!!

それにしても、なかなか珍しい回でしたな。大暴れする子の回なのに、意外な軟着陸を見せてくれるとは。
母の愛は偉大ということなのでしょうか。それを大きく感じ入る筒さんの存在も貴重でありましたな。
まあ、母親が甘やかしすぎたので大怒鬼さんもこうなってしまったのではという疑問はなくなはいが・・・
それでも、追い詰められて困っているときに優しくしてくれるというのはありがたいものである。
これで大怒鬼さんも少しは落ち着いた感じになってくれるといいんですが・・・どうなることやら。

そういえば、今回ページ数が多いんですな。16ページもある。
おかげで大怒鬼さんの大暴れのシーンが大量に見れました。む、それは嬉しいことなのか・・・?
ときおりのページ数の変化はオチがさらに読みづらくなっていいかもしれませんな。



第57話 「私のルール」  (2013年 8号)


中3女子の物語。

今回の主人公は中3になったばかりの古積さん。
学校が終わり、女子たちだけで帰宅している最中、野良猫を発見する。
人慣れした感じの猫であるし、他の女子たちは嬉しそうに撫でまわしだす。が、古積さんは立ち尽くしています。

あっ。私、子供の頃から肌が弱くてアレルギー出ちゃうから・・・

猫アレルギーって奴ですかね。そういう人もいますわな。
というわけで、強くは勧めない女子たち。その代りに猫をたいそう可愛がる。ちゅーしたいとか言い出します。
おいおい。ペットとキスとか。寄生虫が感染するとかいいますし、危ないですよ?

その舌で毛づくろいしているってことは野良猫全身が寄生虫だらけってこと?

想像してゾクゾクと身を震わせる古積さん。
そしてビッと猫と書かれた項目の横のチェックボックスにチェックがつけられる
猫は寄生虫がいる、特に野良は虫や小動物をエサにしたり、溝に潜んだり極めて不衛生。
ふうむ。まあそう言われるとそうかもしれませんな。あんまり気にはしていないが不衛生っちゃ不衛生か。

猫を可愛がった後の女子。野良猫を触ったその手でペットボトルの蓋を開ける。
さらにその飲み物を回し飲みしだす。その飲み物が古積さんにも回ってこようとしています。

私はいいよ。悪いし。

てな風に遠慮した風を装って断ろうとするが、フレンドリーに接されて困る古積さん。
寄生虫の居る野良猫に触れた手で肩を掴まれ苦しそう。むむう。気にする子でありますな。
ケガレがついたと思えるのか、肩が泡立ったような描写がされている。古積さんとしてはこんな風に感じるということか・・・

そんな風に苦しんでいるのをよそに、女子たちはピアスの話題を始める。
ピアスの穴を開けようかなとかいうのだが、ピアッサーなど用いずに安全ピンでやろうかなとか言い出す。危ねぇ。
錆とかが体に入ったらなんか大変らしいですよ。痛そうだしさ。
てな話を聞き、古積ちゃん。猫に続いて錆にもチェックが入る。体内や血液に混入すると、なんか大変なことになるという内容で。

なんだかアバウトな内容だが、まあ錆は危ないものだしそんな認識で特に問題はないか。
消毒するから大丈夫だよとかそういう認識でいてはいけない。素直に病院で空けてもらいましょう。ていうか空けるなって。

そしてこのタイミングで購買のパンを買うのに立て替えていたお金を返してもらうことになる古積さん。
野良猫に触れた手で硬貨を返してくると?と思ったが、どうやら硬貨自体が古積さんにとってはNGだった様子。
通貨ゆえにいろんな人間が触れている。トイレで手を洗わないような人間が触れているかもしれない。そう考えると・・・確かに不衛生!
肩に続いて、効果に触れた手が泡立って苦しそうな古積さんでありました。

一緒に帰っていた女子とは用事があるからといって離れる古積さん。
一人になったところで、カバンから除菌用のアルコールティッシュを取り出し手や肩を消毒する。

また触れないものが増えていく

古積さんの脳内には既にチェックマークがついた物が多数ある。
今回の野良猫や錆、硬貨だけでなく便座や吊革、壁。共用石鹸やドアノブなど。
ドアノブもダメか。そりゃまあ誰が触ったかわからないものだしそりゃそうか。でもかなり不便ですなそれは。

昨日まで気にしてなかったことでも、ある日ふと急に気になり出す。そうなると不安はもうずっと止まらない。
家に帰ってシャワーをくまなく浴びたい。無菌の着替えに着替えたい。
アルコールティッシュと水は私の命
過剰なのはわかってる。中学1年2年まで、この学校生活で大きなアレルギーや感染症になったことないんだから、害なんてないはず。
しかし不清潔な汚い輩が汚い使い方をしたかもしれないものなんて怖すぎる。そういうものが世の中には多すぎる。
世の中には汗をふかない奴、風呂に入らない奴、用をたしても手を洗わない奴、汚いものに平気で触れる奴がごろごろいるんだ。
生きていくうちに気になるものがどんどん増えてブラックリスト入りする。
リスト入りしたものを触れた場合、即座に触れた場所を洗浄しないと落ち着かず、何も手につかない。
わかっている。このままじゃマトモな生活が送れなくなる。だからこの苦手意識を克服するしかない。
ただ、今の私には救いの光がある

潔癖症というやつであるか。そんな意識に苛まれている古積さんだが、そんな意識を変えてくれそうな人がいる。男だ!!男か!!
友達が最近付き合い悪いとか言い出した時は彼氏ができたのかね?とか思ったが、本当にそうだったとは。若いとはよいものだな。

どうやら公園で待ち合わせしていた様子。用事があるってのは嘘じゃなかったんですな。お相手の名前は黒木くん。
隣に並んで立つだけで真っ赤になるピュアな感じの子だ。初々しいカップルですな。チッ。

片思いしていた黒木くんの方からまさか告白してくれたのが3週間前。
こうやって下校中公園でひっそりと会ってお互い何を話していいかわからないまま、遅くまでもじもじしているだけ。
いいんだそれでも。幸せだから。
でも、手をつないでくれたっていいんじゃないかなとは思うよ。
大丈夫なの私。好きな人になら汚されたっていい。黒木くんのなら、その移された黴菌だって幸せに感じられるから。

むう。なんだかエロイ言葉を聞いた気がする。
口に出して伝えたら盛大なところにまで勘違いされそうな言葉ですよ古積さん。まあ、それでもいいということなのかもしれないが。

まだリストに入ってないものは結構不潔なものでも触れるんだから、自分でもいいかげんな自分ルールだとは思う。

自分ルールなんてそんなもんですよね。
他人の使ったバスタオルはダメだが、自分が3日使って洗ってないのはOK。しかしフローリングに落としたらNG。
他人の握ったおにぎりはダメだけど、市販のおにぎりはOK。むう、どういう基準だ?まあ、自分ルールですしねぇ。

黒木くんとしても手を握ったりしたいとかは思わないでもない様子。
だがそれを切り出す勇気がないのか、話題を探っている段階。初々しいが弱気だな。
話題の一環として、ずっと肩に担ぎっ放しだったカバンに目を付ける黒木くん。地面に置いたら?と勧めてきます。

地面。黴菌の甲子園。重力により人、動物、植物、あらゆる物の発する黴菌が集中。
古積さんにとっては最も触れるのがありえない場所の様子ですな。
家や部屋に持ち帰るものを土につけるのはちょっと・・・てな話ですよ。
そう言って遠慮しようとする古積さんであったが、話の糸口を見つけたという感じに食いついてくる黒木くん。
うーむ、これは仕方ないですな。というかいい機会かもしれない。なので古積さんは告白する。みんなには内緒だよ。

私、ほんのちょっとだけ潔癖グセなんだ

嫌いにならないでね、と前置きしてそう告げる古積さん。ほんのちょっと、なのか・・・?
まあ、重度の潔癖症に比べればそうなのかもしれないが。いや重度の人がどれほどのものなのかは知らないけど。
でもその言い方はよくなかった。そんなに大したものではないと黒木くんに思われてしまった可能性がある。
嫌われたくないという思いが告白をセーブしてしまったのでしょうが、これはよくないですな。
黒木くんも自分は潔癖だとアピールをしだす。買った古本に食べかす入ってたら萎えるよね。

違―――う!!これだよ、きれい好きのノリで潔癖を潔癖を名乗られるっていう世間の理解の無さ
まず、見ず知らずの人間たちの手垢でついてる古本なんて絶対買えないし。やっぱり誰も私の悩みを理解してくれないんだな。

嫌われはしなかったものの、逆の意味で絶望的な感じになっちゃいましたね。むう。
黒木くんはよかれと思い、古積さんの荷物を地面に置く。そして気にしないのが1番という。それはそうなんでしょうが・・・

気にするなって言ったって、害がないってわかっていたって。
例えば伝染病も持ってない安全な羽虫群が周りをずっとブンブン飛んでいても気にせず平常心でいられるかって話なんだよ。
なんか気持ち悪いがずっと続く。ルールに則し平常心を保つために、この羽虫群の幻を一掃したいってのが心理ってもんでしょ。

触れたところが泡立っているように見えたが、それ泡じゃなくて羽虫の群れだったのか。凄いイメージですな。
絶望的な気分に浸った故か、先ほど洗浄したはずの左手や右肩にも再び羽虫がたかっているかのように感じられる古積さん。
さらに雨ざらしで虫もよくいる植物に触れてしまい、脚にも羽虫が群れだす。
そして、そのイメージは部分だけではなく侵食を開始し、やがて全身を覆いつくさんとしている。もうダメ。家に帰りたい。

そんな絶望に包まれそうな古積さんであったが、突然羽虫群の幻が一掃される。
もちろんアルコールや水で洗浄をしたとかいうわけではない。
黒木くんが手を握ってくれた。ただそれだけのことで心が沸き立ち、気持ち悪がっていた心が平常心を取り戻す。
平常心どころかドキドキにすり替わったって話ですわな。おぉ、良い話だ。
しかし黒木くん。手つないでいい?と聞く前に握っているじゃないですか。この子もこの子でいっぱいいっぱいなんだな。微笑ましい。

全部飛んで行った。
嬉しい。やっぱり黒木くんは私のこの悪い癖を治してくれる光だ
黒木くんだって決してそこまで清潔じゃないと思う。でも黒木くんの触ったものならきっと平気。

愛ですねぇ。古積さん自身の言う通り、黒木くんを通して気にしないようになっていければよいですなぁ。
なんていう風に希望を持っていたら・・・
黒木くんとつないだ手に蕁麻疹が発生しております・・・

・・・なんかごめんね。本当は嫌だったんだオレのこと。
気づかなくてごめんね。勝手に舞い上がっちゃってさ。オレみたいな地味な人間と古積さんが釣り合うわけないもんね。

そう言って去っていく黒木くん。ああ・・・救いの光が・・・
絶望を与えるには一度希望を見せるのがいいというのを思い出させられるお話である。酷い。
最後には古積ちゃんのチェックシートに黒木くんの項目も入ってしまっている。
大好きだけど、肌と肌を強く触れ合うと蕁麻疹が出る
大好きだけど触れあえない。うーむ・・・なんて切ない・・・

黒木くんが勇気を出して羽虫が全部飛んでったときはなんだか嬉しい感じでいい話だったのに、たった1ページでここまで落とされるとは。
潔癖症というのは理解もされ難いし、厄介な病でありますなぁ。
本人もそれが異常だとわかっているが、それでも気になるものは気になるのだから仕方ないって話である。
どうすれば正解だったのか。本当に分からない話ですなぁ。
口では好きとか言ってるけど体は正直だなとかそういう風に受け取られちゃう状況ですものねぇ。ん、なんかエロイ表現だなコレ。
もう改めて古積さんが告白し直し、体に触れないように付き合うしかないのかもしれない。それはそれで大変か。うーん・・・
新しい恋をするのが早道かもしれませんね!うん。
色んな人と恋をしていればいつかは触れても平気な人とか見つかるようになるよ!!
でもそれはそれでなんだか不潔な気がしますな。別の意味で。不埒だわ!!



最終話 「歩み」  (2013年 9号)


中3女子の物語。

今回の主人公の一人である唐井さん。
朝っぱらからだるそうにしている友人の川江、鈴田の2人にオリジナルの一発ギャグを求められます。
いきなりオリジナルの一発ギャグって、難易度の高い要求を・・・

金閣寺ッ金閣寺ッ

しゅっしゅっと頭の横で手を振ってみせる唐井さん。
ふむこれは・・・一発ギャグっぽい!!なんだか知らんがそれっぽい感じはする。やるなぁ。
まあ、求めてきた2人にはさらりと無視されちゃったりするんですが。

ギャグを無視した2人は窓際の席で1人でいる生徒について話している。
3年生になって3か月ほど経過しているのに誰とも話さず、ずっと1人でいる子である。
名前は水戸さん。メガネをかけた大人しそうな子であります。

そうだ、唐井。つまんなかったから罰ゲームね

え?ちゃんとギャグ見てたんだ。つまらなかったからスルーしてたということだったのか。むう。
というわけで、つまらないもの同士ちょっと彼女の友達になってあげなよとか言い出す2人。酷いことをいう。
挨拶する時はさっきの一発ギャグもするようにとのこと。さらに酷いことをいう。要求しすぎっしょ。

しかし、ノリが悪いとか言われちゃうとやってやろうじゃんと思ってしまうのもこの年頃。
仕方がないのでかなり恥ずかしがりながら今日一緒に帰ってくれない?と水戸さんに話しかける唐井さん。金閣寺ッ金閣寺ッ。

あ。っはははははははははははは!!
何それー!!金閣寺ッ金閣寺ッてだから何!?金閣寺ッ金閣寺ッ!!ひっひっひ!!

大人しそうな子だと思っていたらまさかのハイテンションな大爆笑。
自信のあった一発ギャグならともかく、恥ずかしがりながら放ったギャグでそう笑われても・・・何だか困りますよね。

思ってたよりなんていうか、イタイなこいつ

困り顔の唐井さんでありました。
それはそれとしても、約束はちゃんと守らないといけない。放課後は一緒に帰る唐井さん。
でもいきなり一緒に帰るって話になっても共通の話題があるわけではないので、とりあえず沈黙の時間ができる。
が、それを破るのは水戸さん。金閣寺ッ金閣寺ッ。しゅっしゅ。

唐井さん。なんで急に話しかけてくれたの?

その質問に唐井さん。私がつまらなくて川江と鈴田のグループから抜けさせられたから、と答える。
あの2人とはグループの一員という間柄なのか。なんだか派閥っぽい響きのする言葉だな。

ああーわかる!唐井さんってあのグループだと浮いてるっていうか、なんか無理してる感じだもんね!地味だから!

グサッ。結構おかまいなしで失礼なことを言うな水戸さん。
いつも1人でいるからって大人しい子だとは限らないということであるか。
本人が言うには私はよく天然って言われるとのことだが・・・あまり自分で言うのはよくない言葉ですぞ、それ。

でも唐井さんすごいね!お笑い通の私が爆笑しちゃったよ!私お笑いのDVDたくさん持ってるんだから!
まだテレビにもそんなに出てない無名の若手のだっていっぱいあるよ。今度貸したげる!

そういうのを見ているから一発ギャグというものに対する認識度が上がっていて笑いにまで持って行けたのかもしれませんな。
しかし、本当よく喋る子でありますな。何故学校では黙っているのかと思えるほどだ。
まあ、仲良くなるきっかけとかがないと話し出せない子ではあるんだろうな。

ここで唐井さんに質問。趣味は何かある?

・・・将棋
っていっても対戦する相手がいないんだけどな。
たまに会うおじいちゃんに教えてもらってネットとかでも稀にやるけど、相手強いし。なんか味気ないし。
学校に将棋部でもあればよかったんだが。

グループ内ではそんな趣味バカにされるだろうから言ったこともないという唐井さん。
ふーむ。趣味を伝えることもできないとは寂しいグループでありますねぇ。
自分はちゃんとチャンピオン好きを仲間に伝えたりしてますよ。好きなものは頑張って声に出さないとね。理解されるかはさておき!
というのはともかく。水戸さんは唐井さんにこう述べる。

じゃあ私、将棋を覚えてみるよ!よかったら教えてね。今度対戦しようよ!

ほう。これはなんだか嬉しい言葉でありますな。趣味を理解しようとしてくれる人がいる。嬉しい話である。わかる。
これまで軽く目を逸らしながら話していた唐井さんだったが、嬉しさか少し赤くなったりしているぜ。

ケータイアドレスと番号の交換を行う2人。
水戸さんのケータイには初めての友達の番号として登録されることとなりました。
お母さん、自宅、学校に続くナンバー3の登録順位であります。嬉しそうですなぁ水戸さん。
その反応に対し、ビデオ屋とかデリバリーとかかかりつけの病院とか適当に番号水増しすればいいのにと考える唐井さん。
そ、その考えはむしろなんだか寂しくなるんじゃありませんか?
自設したHPに相互リンク先がないから適当に企業リンクを並べるみたいな発想だ。グッ。何故か言ってて昔の自分にダメージが!!

それはさておき。
制服姿で友達と寄り道するのが夢だったという水戸さん。不良みたいでドキドキしております。
本屋に寄って何を買うのかと思えば、なんと将棋の本であります。
これで私も将棋覚えて唐井さんと対戦だーなどと、可愛いことを言ってくれるじゃないですか。

水戸「あっ、でも1980円もする・・・今お金1000円しかないのに」
唐井「私も半分払うわ。その本欲しかったし、2人の共用ってことでいいだろ?」
水戸「ありがとう唐井さん!唐井さんイズ天使!

というわけで、天使な唐井さんのおかげで将棋の本をゲットした水戸さん。頑張って将棋のことについて勉強します。金閣寺ッ金閣寺ッ。

完全に初心者なのでまずは駒の名称から覚えないといけない。
歩はわかる。なんせ自分の名前がと書いてあゆみと呼ぶのだから。すぐに覚えられる。
しかし、例えば桂馬とかこういった言葉はなんとも覚えづらい。
そう述べる水戸さんに唐井さんはこう述べる。

私の名前も桂っていうから、それで覚えられるだろ

ほほう。唐井さんの名前にも将棋に関係する言葉が含まれていたんですな。この偶然に興奮する水戸さん。

すごい!将棋でつながった2人の名前がどっちとも駒の名称だなんて!私たちの出会いは運命だね!

なかなか恥ずかしいことを大きな声で述べる子でありますな。
まあ、仲を進展させる要素としてはこの上ないものではありますが。
その偶然を知った水戸さん、この時から唐井さんのことを桂ちゃんと呼ぶこととなりました。

それから一週間が経過。放課後だけではなく休み時間や昼食なども水戸さんと一緒にしてたりする唐井さん。
その様子を腹を抱えてみている川江&鈴田。
案外お似合いなんじゃないの、とか言いつつ酷いことをさらりと言い放ってきます。

じゃあゲーム終了しようか
罰ゲーム終了だから。今日は水戸さんにドッキリのタネ明かしをしてあげるんだよ。
何その顔。まさか水戸さんに本気で友情感じてるわけじゃないよね?
あの子、暗くてダサいじゃない。一緒にいるとイタくてこっちが恥ずかしいでしょ。
まぁ別に水戸さんと仲良くしたいならそれでもいいけどさ。
私たちとは絶交だから。あの子とつるんでたら私たちまでそういう風に見られるもん。

えらく悪い顔でそんなことを述べる2人。うわー。やな感じだ。
というか、水戸さんそんなに暗いかね?
1人でいる時は静かにしてたからそう見えたかも知れないが、唐井さんといる時の姿を見ていればそうは思えないはずだが・・・
まあ、ダサいとかイタいとか言われると反論は難しいわけであるが。

桂ちゃーん、おはよう。金閣寺ッ金閣寺ッ。ねぇ日曜日家に来ない?すごいもの買ったんだ

こんな話をしている最中に折り悪くやってくる水戸さん。
さてどうするのか唐井さん。2人は意地の悪そうな目で見てきているが・・・

あのさ、今日からもう友達じゃないから
急に話しかけたのはみんなとの罰ゲームだったんだよな。悪い。だから・・・だから・・・

目を逸らしながらそう告げる唐井さん。それでも最後あたりは言葉に詰まっている様子。
うまい言葉がでずに視線を水戸さんに向ける唐井さん。すると水戸さんは涙を流し・・・

うん。わかってた
友達になってくれてありがとう。じゃあね。唐井さん

言ってしまいましたか。別れてしまいましたか。
桂ちゃんと呼んで嬉しそうにしていた水戸さんが、しっかり理解して唐井さんと呼び方を戻しているのが物悲しい。
この子はグループとかよく観察していたし、実際自分に話しかけてきたのはそういうことなんだと本当にわかっていたんでしょうな。
それでも、本当にそのまま友達になってくれるのではと期待していたのかもしれない。ううむ・・・

私は、歩いて行く。
これからも前に歩いて行く。みんな死ぬまでずっと前に歩いて行く。
新しい友ができる。信頼を置ける仲間ができる。一生を共にする恋人ができる。愛を惜しまない我が子ができる。
イジメみたいな真似をしてしまった私が、
新しい友と出会った時、信頼を置ける仲間と出会った時、恋い焦がれる人と出会った時、愛する子供と出会った時、
胸を張って対等に付き合いをする資格なんてあるんだろうか。明るい未来を歩む資格なんてあるのだろうか。

誰かこんな情けない私をどうか――許さないでくれ
これからの未来に一切の喜びや幸せを与えず、こんな卑怯者で弱い私に一生罰を与えてくれ。
ずっと将棋の相手ができる友達が欲しかったくせに

1人、窓際の自分の席で一緒に買った将棋の本をまだ読みながら涙する水戸さん。
その水戸さんとは離れ、後悔しながら自身の弱さを責め続け涙する唐井さん。なんという切ない話か・・・

そこまで後悔するのであればやり直しをすればいいのではないだろうか。
短絡的に考えればそれでいいような気はする。
どう考えても合わないグループ内で、面白半分な扱いを受けるよりはよほど良いように思える。
が、中学生の頃のグループってのは中々難しいものでしょうからねぇ。
大人になれば1人でいてもまあ、とも思えるだろうが、学生の。それも女子となるとなぁ。
よくは知らないけど、グループの勢力によって色々と争いとかあったりするんでしょ?女性は怖いワァ。

しかし、友情の壊れる様を見て心底嬉しそうにしている2人がまた腹立たしい。
嘘の告白をして純情な男の子をからかう連中のような禍々しさを感じる!
いや、そういうことをされた経験があるわけではないぞ!念のために言っておきますけど!!

そういえば水戸さんが最後に言っていたすごいものを買ったというのは、将棋盤のことなんだろうか?
となると最後に挟まった映像はありえたかもしれない2人の姿ということか。ううむ、寂しい・・・

と、いうわけで。
空が灰色だからはこの回で最終回となりました
うーむ、突然なお話でありますな。
いや、もしかすると予定されていたことだったりするのか?5巻という区切りのいい巻数ではありますし。
売り上げも好調でしたし、ここで終わるのは惜しい。
が、そのタイミングで幕を閉じるのが美味しいという話もよく聞くところ。
寂しくはありますが、ここは手を振って見送り、また会える時を心待ちにするのが良いのかもしれない。
また新たな作品でお目見えする時を楽しみにしています!!
阿部共実先生の次回作に大期待だ!!



大好きが虫はタダシくんの 阿部共実作品集


第17話 「灰色」  (2012年 14号)


単行本1巻発売記念、一挙2話掲載。
その1話目はオールカラーでございます。
カラーだけどタイトルも情景も灰色。カラーだからできる技っすね。

空は灰色。私の心は曇り。3月だというのに昨晩、雪が降ったらしい。

なるほど。灰色に見えるのは曇っているからなんですな。
今回の主人公は名前が出てこない。寂しい。
ともかく、主人公がバイトの面接に行こうとしているところ、無邪気に走り回る小学生たちがいた。
近所の小学生の間ではリボンが流行っているらしい。
似合い不似合いも知らずに無邪気である。

主人公は思う。私も子供の頃なんかはブスのくせに勘違いしてリボンなんかをしていたな。
今思えば身の程も知らず恥ずかしい思い出だ。

ここで見開き。光の差す場所に出たのか、リボンが色鮮やかに映えている
なんとも味があるような、それでいて不安になるような、灰色な感じがする光景だ。
のっぺりとした感じなんだけど、背景の草の描きこみは相変わらずである。ううむ。

空は灰色。私の顔は曇り。雪は解けていく。

バイトの面接終えた。きっと今回もダメだろう。
こんな天候でもはしゃげる子供。
私はいつの日から、白くないものを美しくないと感じるようになったのだろう。
酔った勢いで子供時分愛用したリボンを急につけてみたくなって、タンスを漁ってみればすぐ見つかった。

色々と灰色だった

まあ・・・まあ、年を取ってのリボンとかは、まあ、色々と・・・まあ、ね!
でもさらりとつけこなす人もいるんだろうなぁ。
考えてみると、リアルでリボンをつけている人はあまり見かけない気がする。
少女でも最近の子はつけているのだろうか?
注意して観察してみるのもいいかもしれない。通報はしないでください。そ、そういうつもりじゃないので!



第35話 「乙女心」  (2012年 32号)


単行本2巻発売記念。一挙2話掲載の第1話はオールカラーでの登場だ!おぉ灰色い灰色い。

灰色な風景や人物たちの中で唯一部分的に色気づいているのが今回の主人公の色部ちゃん。
色気づいているからってそういう意味のアレではない。たぶん。

色部ちゃんは今年から高校生。
中学までは恋人はいなかった。男が惹かれる女になるために、変わることを決めたという。
そう、決して心を見せないミステリアスなクールビューティーになる!と。
どのくらいクールかというと、友達の挨拶をさらりと短く返すぐらいにクール。でも内心はホット。

決まったぁァァァ。今の私、エグいほどにクール!

こんなこと考えながらも表情は変わらないのだからクールといえなくもないですね。
ともあれ、うまくいったようすなので瑞々しい新鮮な気分になる色部ちゃん。

新しいローファーあああ!
新しい友達いいい!
新しい生活ううう!
新しいクールな己えええ!
新しい通学路おおお!

私の人生は今まさに蛹から羽化しようとしている!あとは恋人さえできれば!!

あ行を用いての嬉しさ表現。見事なものでありますね。
新しく生まれ変わった色部ちゃんはフレッシュで若葉のようである。
それを示すかのように、髪やリボンも緑に変化している。ハハァ。1ページ前はクールだから水色だったんですな。
では、憧れの相手である山科くんと会ったらどうなるのかなっと。

かっかっかっかかかかかかかくわあああああこぃいいいい。
山科きゅううううん。
もう大好き一目惚れじゃあ。朝から幸せだあウホウホホー!!

向日葵のように眩しい黄色へと変色して行く色部ちゃん。
クールをよそおいつつ内心ウホウホ言っているとはな!
まあ、いくら表情で隠そうとしても、すぐにわかっちゃうのが色部ちゃんである。

山科くんのことが好きなんでしょ。バレバレだよ。

友人の高畠さんに指摘され紅葉のように真っ赤になる色部ちゃん。文字通りの意味で赤い。
色部ちゃんが色づけば背景も部分的に色づいて行く。不思議な話である。
なんにしても色部ちゃんは裏表のない可愛い子であるというお話でした。よいね!



破壊症候群  (2010年 43号)


期待の新人、第74回新人まんが賞を受賞した、阿部共実先生の破壊症候群がついに読みきり掲載だ!
小さな身体に大きなパワー。怪力少女による学園物?と思いきや、虫人間だと?
ええ。この漫画のタイトルは破壊症候群。主人公は破壊するのが大好きな子でございました。
趣味の項が破壊の女子高生・・アリだ・・な?乙女の表情でいうなら、まあアリだ!
パワー=破壊力ではない。ええ、その通りですね。
体重×スピード×握力=破壊力だ!
ということではなく、物質の急所をつくことこそが破壊だという。聖闘士でいうなら、原子を砕けってことっすか?
町で1番高いタワーを肉体ひとつで破壊したい。おぉ・・乙女の夢ッスね。イヤイヤ。確かに道徳的にダメっしょ。
道徳的に破壊がダメなら、破壊する理由があればよい。そのための虫人間です。可哀想に。
というわけで、ゾクソクしながらの思いっきりのいい破壊タイムの始まりだー!
飛びまくる虫人間。飛び散る血液。これまでセリフの多い漫画だったが、破壊中は静寂が支配しているぜ!
ところで、殴った指なんだが、それは皮が裂けているのかね?それとも返り血かね?
最初見たときは裂けているのかと思ったけど、よく見ると位置的にそんなとこで殴らないよナァ。
というわけで、町1番のタワーを合法的に破壊してご満悦な様子でありましたとさっと。

いやぁ、面白かったですよ。
最初のセリフの多さから、大ゴマを使っての破壊描写はメリハリが利いていて印象が強い。
少々詰め込みすぎな感じはなくもないけど、まあ、新人の読みきりなら詰め込みすぎぐらいがいいのかも?
連載になれば、いろいろとシェイプアップしていって読みやすくなっていくかもしれないですしねぇ。
というわけで、期待の新人の今後の作品に期待したいところです。



あつい冬  (2012年 51号)


空灰には載せられなかったという読みきり。
なるほど。分かるような分からないような。
ともかく、確かにどうすんねんと言いたくなる話でありました。

春恵ちゃんにちゃん。
梓ちゃんは可愛い感じだったのになんでまたこんなことに。
春恵ちゃんは何℃やねんのコマが可愛く感じる。不思議と。

最初はかずとひばしてがよく分かりませんでしたね。
飛ばしては分かったけど、一人とかずとが何故か繋がらなかった。
春恵ちゃんもその辺りのツッコミを上手くしてくれないとー。

溶けた後のツッコミ倒しは見事なものでありましたが・・・本当にどうすんねんって話になっている。
この面妖な読後感は何とも言えないな。ヤバス。

さて、次号はようやく空灰が連載再開であります。
そして単行本4巻と阿部共実作品集は1月8日にW発売予定であります。楽しみだ!!



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