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蒼天紳士チャンピオン作品別感想

範馬刃牙
第284話 〜 最終話


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 各巻感想

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範馬刃牙 35巻


第284話/父、そして・・・  (2012年 8号)


ピラミッド内に描かれた壁画。
解剖学的見地からも、実に正確だと評される。
腕・・・肩・・・腰から脚。実に正しい。
だけど、なんだか力が入ってなさそうな体勢に見えるのが気になる。
ダイビングしている様子にも見えちゃうな。

何故背中だけが悪魔の貌に・・・

考える教授たち。これは宗教画の一種ではと分析する。ある意味正しそうだな。
隣には同じようなものが描かれている。
人物は同じ。だが、その背景には数多の武器が描かれている。
大小さまざまな先端が、中央に描かれた人物に向けられている。

種類、規模から察するに兵器・・・武力を表現しているらしい。

これほど大量の兵器を準備せざるを得なかった、この悪魔の戦力は凄まじいと分析する教授。
さすが教授の名を冠するだけのことはある。たいした分析力だ。
果たしてこの壁画の意味するものは一体・・・
答えは先伸ばしとなります。E〜ッ!?
ひょっとしたら明らかにすらならない可能性もあるので注意だ!

再び親子喧嘩に場面は戻る。
勇次郎の拳を受け、刃牙が倒れる。
と思いきや、さらに追撃を重ねる勇次郎。容赦ない!?
だが、刃牙はその攻撃をブロックしている。
前回、表情が虚ろだったのでもうダウンかと思ったが、まだ動けたのか。

しかし、ブロックなんて関係ないと攻撃を続ける勇次郎。
背負っていた車が、勇次郎の攻撃のたびにグシャグシャになっている。派手な光景だ。
このままでは息子が死んでしまうんじゃないかと心配する観衆。

御老公ッッ!死んでしまいます!

同じように心配して声をかける首相。ん?この首相は?

誰・・・?オマエ

イヤ・・・ちょっと交替を・・・

まさかの親子喧嘩中に首相交替ッッ!!
いや、確かにリアルタイムで交替しているけどさ。
漫画とリアルでは時の進みは等しくない。連載中に、もう何人首相が変わったことか。
でも、一晩のできごとの間に変わったのは珍しい。
その描写がされるのはもっと珍しい。普通はやらない。さすがは不自然主義者だ!

それはともかく、刃牙。
勇次郎の攻撃を受けて、また小便が漏れている。ほんと、すぐ漏らすな。
そんな相手に素手で触りたくないのか、蹴りを叩き込む勇次郎。
大型ワゴン車が刃牙もろとも横転する。

刃牙は今更ながら気付かされていた。
そう・・・俺が今、闘っているのは国家も畏怖れる超暴力。
俺の全てを出し切ったって・・・勝てるワケはない

刃牙の心が折れた!?
ようやく服が破れ、鬼になろうかという背中が露出したというのに、諦めてしまうのか?

そこに、ユラリと現れる人影らしきもの。これは一体・・・なんだ!?
烈先生!?いや、髪形が違う。
まあ、烈先生も、諦めかけたときに自分の幻影を出したりしてたけど。

果たして、この幻影は誰なのか。
若い頃の勇次郎はこんな髪型をしてたような気もする。
勇次郎はともかく、範馬の関係者というのはありえそうだなぁ。巨凶の先祖とか。
そうなると、勇次郎の父親はどんな人間だったのかも気になってくる。
範馬の血筋の流れが明らかになるのか!?どうなんでしょうね。



第285話/息子、父、そして・・・  (2012年 9号)


車と共にぶっ飛んで倒れた刃牙。
痛みはない。むしろ甘い痺れを感じている。脳内麻薬が分泌しているのだ。
そして背中がムズ痒い。

背中・・・出現るんだろな・・・小っちゃい鬼・・・

自ら小さい鬼と言ってしまうか。

そう・・・全部やった。
出せるものはすべて出た・・・小便まで
持てるすべてを吐き出した。
もういいや・・・もう十分だ。

やはりかなわないと悟ってしまった様子の刃牙。
勇次郎の続けるかという言葉に対し、笑みを浮かべる。

ホント・・・誇らしいほど強い父親・・・

この言葉は負けを認めるという言葉なのだろうか。
独歩ちゃんは顔を伏せ、みっちゃんは仕方ないという表情を見せる。
だが、ピクルは何かに怯えたような様子を見せる。

刃牙の後ろに何かが現れている。透き通った何か。これはなんだ!?
しゃがみんこんで、続けるかどうかについて語っている刃牙を尻目に、勇次郎もその何かに目を奪われている。
あの勇次郎がビックリしている!?凄い驚きようだ。

その勇次郎の向けた視線を追う刃牙。そこにいたのは・・・誰?

今まで見たことのない男がそこにいた。
凄い肉厚の体に、涼やかな笑みを浮かべている。この男が誰かは、勇次郎のセリフで判明する。

迷ったか!範馬勇一郎!!

ゆ・・・勇一郎だとぉ!?
どうやら、勇次郎の父親。刃牙にとってはお爺ちゃんに当たる人物らしい。
凄い肩幅の広さであるが、老人なのだろうか?老いを感じさせなくて困る。

範馬勇次郎。
名前からして、兄がいるんじゃないかという噂は前からありました。
しかし、まさか父が勇一郎であったとは・・・
いや、ひょっとしたら兄に勇太郎がいる可能性も否定は出来ない。
お爺ちゃん世代は勇一郎、勇二郎、勇三郎と続き、父親世代は勇太郎、勇次郎、なのかもしれない。
そして息子世代は、ジャックに刃牙。あれ?受け継がれてないぞ!?
ひょっとしたら、勇○郎の名を継いだ子供が他にいるかもしれない。
勇一郎もなんとなく世界中に種をばらまいていそうな雰囲気があるしな。

勇一郎の霊は語る。

変わらん・・・我が子相手に・・・手こずる我が子。
刃牙ちゃんや・・・勝てるぜ、お前・・・

宣言するお爺ちゃん。ど、どういうことだ!
? まさか、勇次郎も勇一郎と戦い、似たような状況になっていたというのだろうか?
突然の幽霊乱入に驚くしかない状況。
みっちゃんも目を見開いて驚いている。ってみっちゃんも見えているのか!?

隣の野多総理は見えていない様子。
となると、一般の観客には見えていないのだろうか?見えるほうがおかしい気はするけど。
とにかく、みっちゃんには見えたらしい。

勇次郎の前に、米国に勝った男じゃ・・・ッッ

なんとアメリカは勇次郎より前に範馬に敗北していた!!
まあ、刃牙世界じゃアメリカの軍事力なんて、ってな扱いですしなんとも。
しかし、ここに来て強い祖父の登場とは一体どうしたことか。
壁画の辺りから、範馬の血は古代から連綿と受け継がれてきたことになっているのはわかった。
とはいえ、先祖返りではなく、直近で強い範馬がいるとは思わなかった。
勇次郎が生まれた日は、世界中の生物の強さのランキングが1位下ったと言われている。
では、勇一郎は生まれた日には死んでいたのだろうか?
その辺りの疑問が凄く残ってしまう。どう解決するのか!?
無茶振りすぎて注目せざるをえなくなってしまった感じだぜ。



第286話/勇一郎  (2012年 10号)


アメリカに勝ったという勇一郎。
徳川の御老公は、野多首相にそのエピソードを語ろうとする。

範馬勇一郎。勇次郎の実父じゃ。

・・・いたんですか・・・

いや、そりゃいるだろう。何言っているんだこの首相は?
勇次郎が突然木の股から生まれたとでも思っていたのか?
まあ、非現実的な存在だから、そう思いたくなるのもわからなくはない。
突然勇次郎が刃牙に、聞けい!わしは地球人ではない!とか言い出しても、やっぱり。で済ませられそうだ。

太平洋戦争、沖縄戦・・・

1945年4月1日。米軍による沖縄常緑開始から9月7日嘉手納での降伏文書の調印まで。
この地獄のおよそ半年間沖縄戦と呼ぶ。が、事実はそうではない。
あの調印9月7日以後も継続いていたのだ。

沖縄本島北東約12キロメートルに位置する、周囲1キロメートルにも満たない、地図にも載らないようなちっぽけな孤島。
そんな小さな空間に、延べにして実に1000トンを超える弾薬を使用している
その対象は、帝国陸軍ではない。地元民でもない。

範馬勇一郎、ただ一人に対してじゃ!!

艦上からの艦砲射撃。
上空からの空爆。
島の形状が変わるほどの攻撃を加え、上陸・・・

タインに与えられた任務は遺体の確認のみ。
ピクニック気分も束の間。そこに立っていたのは、遺体として運ぶハズだった日本人。

寸鉄を帯びていないどころか、上半身は裸。
右手には、首をあらぬ方向に曲げた米兵。なんともいえぬ威圧感を勇一郎は放っている。FUUUCK!!

カービンが振り向くより速く、味方の肉弾を叩きつけられたという。
その”投げ”の威力は凄まじく、一投げで最低3人以上は死傷したという
統制の取れぬまま、投げられ、落とされ、踏まれ、瞬く間に一個小隊が壊滅したという。
幾度繰り返そうが、結果は同じ。
当作戦の指揮官、ジェームス少将の言葉。

あの戦艦大和でさえ、撃沈までに要した犠牲者は12名だぞ!
たった1匹のモンキーに何てザマだッッ!!

そこで大和を例えに出すのもどうかと思いますけどね。
この辺りからして、あんまり実戦を分かっていない指揮官だったのかもしれない。
勇一郎のことを少しでも知っている、若い将校達は”あの男はモンキーなどではない”と言いたさげにしている。
まあ、野生の猿は人間では考えられないほどの動きをするらしいですけどね。
サルの俊敏性、ゴリラのパワー、人間の知恵が組み合わさったらどうなるか?
普通に合わせても勇一郎に勝てそうにない。範馬ってのはそういう存在だ。怖いねぇ。

効率の問題ではない。これは我が誇り高き海兵隊の威信の問題なのだ!!

あろうことか、ジェームスは最高指揮官マッカーサー元帥に「原子力爆弾」の使用許可を申請したという。

なんと、そこまでして!?バカなッッ!
! ちょっと手こずると原爆を使おうとする。アメリカ映画が宇宙人などに対するときによくある展開だ。
範馬を相手にするのも宇宙人を相手にするのもあまり変わりはない。ジェームスの判断は正しい。
でも、映画でも大抵通じないんですけどね。

なんにせよ、その要請の38日前。『玉音放送』により終戦が決定。原爆の使用は許可されるはずもなかった。

作戦中止が命じられたその夜。事件は起こった。
衝撃音を耳にした隊員達が眼にしたものは、甲板に深々と突き刺さったジェームス少将の亡骸だったという。
不幸中の幸いだったのは、この出来事をたった1人だけ目撃していた隊員がいたということ。

甲板でくつろいでいたところ、凄まじい衝撃に襲われたという。
振り返った隊員は、ハッキリと目撃したという。
今まさに悠々と立ち去ろうとする、凶悪極まる「ONI」の姿を・・・ッッ

オーガではなく、ONIと来ましたか。
これが過去、アメリカに勝ったとされる勇一郎の戦績。
海兵隊を退けるのはさすがといえるが、割と大人しいようにも思える。
攻めてくるのを待って遊んでいたのじゃないかと思えますなぁ。
中止になって帰るときに、ようやく攻めに転じたくらいですし。
逆にいうと、勇一郎が攻める気になっていれば、すぐに海兵隊は殲滅できたってことなのだろうか?なりそうだ。

しかし、勇一郎は投げを好んで使うスタイルなのだろうか?それは面白い。
とはいえ、力ずくで投げている感じだから、柔術ってわけでもないんでしょうな。
そう考えるとオリバに似ている気がする。体系的にも近いし。実はオリバの家系にも影響が!?

気になる存在の勇一郎。
勇次郎は、迷ったかと言っているが、死んでいるのは間違いないんでしょうか?
死んだとしたらどうやって死んだのか?やはり勇次郎に殺されたのか?
いろいろと疑問はつきませんな。



第287話/戦艦内  (2012年 11号)


前回、勇一郎の活躍が描かれた。
あれで終わりと思ったか?オレのターンはまだ終わっちゃいないぜ!!
まさかの続き。作戦指揮官が甲板に突き刺さったところから開始だ!

甲板の厚さは233ミリを誇る旗艦アイオワ。
乗員達は心底恐怖したという。木製の部分とはいえ、弾薬から守るために造られた甲板・・・
いったいどんなパワーで叩きつけられたのか!?
いったいどんな技術で・・・!?

確かに気になる。
ただ突き刺しただけではない。見事に直立するように刺さっている。
少し傾けたら膝ががくりとまがりそうなものなのに、この直立加減は凄い。芸術点が高そうだ。

ONI・・・!?いったいどんな怪物なんだ!?

堂々と甲板から立ち去ったという。
しかし、それは違う。この後に起こった事態を鑑みるに、別な事実が見えてくる。
去ったのではない。
2000名を超える全乗員。彼等が甲板に集まるまで身を隠していたのだと

異常な肩幅と、極太の――腕ッ、脚ッ、首ッ。
この男こそが”ONI”乗員達は一目見て理解したことだろう。

そのときの乗員の一人、ジョン・ヘイズ氏86歳は語る。
我がアメリカを代表する戦艦アイオワではあるが、戦艦はあくまで戦艦だ。外部に向けられて造られたもの。
VS船舶。VS航空機。或いはVS潜水艦。
それ等の戦闘ならば、当時の水準からしても我が”アイオワ”はAクラスを満たしていると言える。
しかし、いかなる戦力を備えてようが、戦艦には意外な弱点がある。
それは、船である以上――内側からの攻撃には極めて脆いという事実だ!

仮に船内への潜入が成功したならば、戦力は戦車一台で十分だろう。
ところが奴・・・ONIときたら・・・
戦車どころじゃねェ・・・
譬えるなら、幼児の集団へ暴れこむ一流ファイター

わかりやすい例ではありますが、なんとも凄い絵面でありますな。
範馬が暴れるというのはこういうことなのか!

その船上で勇一郎はある不思議な技を使用ったらしい

半世紀以上も前のことなのに、そのことを語るヘイズ氏は震えが止まらない。
あれを目撃まったため、もう終いだと語る。
あれを目撃まったため、好きな格闘技が見られなくなった。
あれを目撃まったため、J・ルイスもR・テーズも、俺の目からはマラソンや球技。一流スポーツ選手にしか見えなくなっちまった。

一体何を目撃したというのだろうか?
話によれば、ものの数分で、アイオワの2000名を超える乗員が雪崩を打って海へ避難したという。
それを聞いただけでも凄さがわかろうというものだ。
”アメリカに勝った”と言われたところでいたしかたあるまい。

その不思議な技を、乗員達はこう呼んだという。”ドレス”と。

徳川のみっちゃんの話は終わった。そして勇一郎の霊も消える。
本当に何をしに現れたのでしょうね、あの幽霊。
刃牙に勝てるぜと言いはしたが、本当なのだろうか?
勇次郎は、懐かしい面を見て、親父の得意技術を思い出しちまったと言い出す。
まさか、使うのか?アメリカを恐れさせた、あの”ドレス”を!!

ここにきて、新たな技術が飛び出した。
ドレス・・・果たしてどんな技なのであろうか。
もしや、某ゲームのドレスフィアのようにキラキラと光って変身するとか言い出すのではあるまいか!?

筋骨隆々の男が、光って変身し、ヒラヒラとしたドレスを纏う。
それも1種類ではない、複数のドレスが用意されており、何回も変身しなおすのだッ!!
これは逃げ出す。海兵隊だって海へと避難したくなる。
勇次郎もその技術を身につけているとしたら・・・恐ろしいことになる。
親子喧嘩を見に来た観客が騒然となり、我先に逃げ出す姿が想像できるぜ!怖い!



第288話/地上最強の孫  (2012年 12号)


勇次郎は静かに語る。
俺と・・・父、勇一郎はまったくの別人であると。

互いが対極に位置する
人生観。生き方。そして使用う技術も。

何をもって対極というのだろうか。
一般人からしてみれば、勇次郎も勇一郎も化物という括りで括られる。
範馬の中では対極に位置すると言いたいのだろうか?
やっていることだけ見ると似た者親子にしか見えないんですけどねぇ。
それこそ使う技術ぐらいしか違いがない気がする。
勇一郎が実は平和的な菜食主義者だった!とか言うなら話は違うが。

幽霊に向かって怒号を放った後、静かに語る勇次郎。
観客は、親子喧嘩は終わったのかな?と囁きだす。仲なおり?

安心しな、皆の衆。終わりなんかじゃない。範馬勇次郎はそんなタマじゃない。
もっ我が儘で、もっと徹底的で、そして――教育熱心なんだ

さすがに刃牙。よくわかっていらっしゃる。
テーブルマナーの件とか、勇次郎は普通に教育すると含蓄のある言葉で学ばせてくれる。
しかし、肉体言語の教育となると、より一層力が入りすぎてしまう傾向があるらしい。
教育熱心っすねぇ。ってそんな言葉で片付けていいのか!?

勇次郎は語る。そんな親父だが、たった一つだけ、渋々ながらも俺が誇りたくなる技術がある。
米国が誇る巨大戦艦「アイオワ」を、たった一人で”シージャック”した技術。
あの夜、乗員達が一目見て、迷うことなく”脱出”を決断した、あの技術。
言うなれば、米国に勝った技術だ。

ここまで言われてようやく気付く野多首相。

アレですッッ!アレのことですッッ!!

だまっとれいッッ!!

とっくに気付いて固唾を呑んで見守っているみっちゃん。そりゃ黙ってろと言いたくなりますわな。

動き出す勇次郎。
座り込んだ刃牙の足を払い、浮かせる。そしてその片足を空中でキャッチする。

この技術を海兵隊どもはこう呼んだと云う。ドレス

掴まれていない足で、蹴りを放つ刃牙。アキャッ!
だが、その視界が急激にブレる。
片足を掴んだ状態で、腕を振り回す勇次郎。刃牙の体が激しく振り回される。
その軌道はまるで双節棍。ヌンチャクのようだ

縦、横にブン回し、肩にかけて片方の節を脇の下に挟む。
なるほど。確かにヌンチャクの軌道っすね。これを人間でやるとこうなるのか〜〜ッ!!

ふしゅる・・・・・・

勇次郎が不気味な息の吐き方をする。どっかのロシア人もこんな吐き方してたな。
それはさておき。勇次郎は語る。
ドレス。直訳するならさしずめ――”装い”とでもしておこうか

皆の衆。俺の教育は・・・やりすぎかい・・・!?

コンクリートに叩きつけたり、コウモリの巣穴に放り込んだりするのは普通にやりすぎだったと思います。
まあ、そういう教育を経て刃牙も今の強さを手に入れたわけですからねぇ。
そういう意味では夜叉猿の犠牲も・・・いや、やっぱりアレは酷い。

ドレスとは装いの意味だと勇次郎は言う。
盛大に噴出した鼻血を見るに、返り血を浴びたりして装う姿を言うのだろうか?
と思ったが、アイオワの艦上に立つ勇一郎は別に血塗れていなかった。
ヌンチャクとしてボロ雑巾のようになった相手を纏うことを刺しているのだろうか?
そういえば、若い頃の勇次郎。ベトナム戦争で、米国の指揮官だったかの皮をかぶって陣地に潜入したことがあった。
あれもドレスの一種だったということなのだろうか!?
このままでは刃牙の生皮剥がされちゃう!!



第289話/双節棍  (2012年 13号)


刃牙の足を掴み、繰り出すは人間ヌンチャク。ビュババババ。
なんだか神妙な顔して振り回す勇次郎がおかしい。
だからといって満面な笑みになってもらっても怖いから困る。ムンムンムンムン

される側にはいったい何が見えているのか・・・
見る――ではなく、見た。
超高速で入れ替わる映像は、一瞬で”過去”になり――”記憶”へと追いやられた。
未体験な遠心力は頭部へと血液を振り集め。
鼻、口、耳、目。それらの”穴”は血液の脱出口として機能した。

地面が・・・天空が・・・見物人が・・・景色が・・・赤い・・・
親父が・・・赤い・・・・・・

加えて、眼球へと大量に流れ込んだ血液は、航空業界で云う所謂・・・”レッドアウト”夜空をも赤く演出した。

やられている刃牙は大変だが、見ている方も大変。
なんせ突如眼前に巨大なエネルギーが発生したのだ。
一目見て実感する手に負えなさ。その危険度はまるで――密室のハンマー投げ
父と子の半径100メートルは、ほぼ無人と化した。

なるほど。そりゃあ逃げる。なんともわかりやすい絵面でありますな。
残ったのは、ピクルと独歩。それに徳川のみっちゃんだけである。
特等席で見れていたというのに逃げ出す野多。フン。
オリバは遠くから見ているので逃げ出す必要はなかった。いい機会だし近くで見ればいいのに。

見ているだけでも恐るべしな人間ヌンチャク。
だが、人間双節棍の双節棍たる所以はまだ見せていない・・・とのこと。

双節棍の本当の姿とは一体なんであるか!?
双節棍はその名の通り、2つの棍棒をつないだものである。
ならば、刃牙の体は2つに分かれ、その間を脊髄がつなぐとかそういう状態になるというのだろうか!?
その状態になって初めて人間双節棍は完成を見るのだ!
いや、さすがに刃牙でもそれは死ぬ。たぶん。
でもそれ以外に何かあるんですかねぇ。それと、ドレスの所以はどこに行ってしまったんだろうか。



第290話/ドレス  (2012年 14号)


鼻から耳から噴出した血が糸を引き弧を描く。
振り回されるだけでもうグロッキー状態になってしまう刃牙。
それにしても、なんという技術であろうか。
人体とはここまで掴みやすくできていたというのだろうか!?

みっちゃんは得心したように呟く。なるほど、と。

前後、左右、上下。
勇次郎を覆い隠す半透明な・・・”刃牙”という名のドレスというワケかい・・・

ははぁ、そういう意味だったんですね。
もっと血なまぐさいものかと思ったのですが、それなら少し安心だ。
技術としては凄いし、絶対喰らいたくはないけど、死ぬ恐れは少し下がった。
肉片を纏ってドレスとか言い出さなくてよかったわい。

勇次郎のこの技術を見てオリバ。
かつて、バキをバサッとやったことを思い出す。

腕力の差を思い知らせるため・・・こう・・・まるでバスタオルのように――バサ・・・ッと
フフ・・・とてもじゃないが出来っこねェ。
タオルのように軽々と扱えても、道具のように巧みに扱うことはできない・・・

なるほど。オリバならできそうじゃないかと思ったが、技術が足りなかったか。
腕力だけではなく、ヌンチャクにはそれ相応の技術が必要になりますわな。

扱いなれた武器のようには・・・武器・・・?
そうだよ。ヌンチャクはただの道具ではない。武器・・・!
――だとするなら・・・この後は・・・!!

散々振り回したあと、脇に抱える基本姿勢に戻る勇次郎。
そして、ヌンチャクと化した刃牙に語りかける。

刃牙よ。聞こえてるか。
聞こえててもいい。聞こえてなくともいい。
護身れ・・・我が身を護身れッッ。
「範馬」を名乗るなら、護身り切れッッ!

死ぬなよ

ヌンチャクの正しい扱い。それは武器として叩きつけること!
刃牙の身体が振り回され、車に叩きつけられる。
死ぬなよと言われてもこれは死ぬ。
果たして刃牙は生き残ることができるのだろうか?
勇一郎は、勝てるぜとか言ったけど、実際は今にも死にそうじゃないですかー!
お爺ちゃんの妄言に付き合わされる格好になった刃牙は災難ですな。



第291話/力の形状  (2012年 15号)


ゴシャン。
車に叩きつけられ、金属音を鳴らす刃牙。交通事故かと思うほどらしい。
その音を聞き、観客達が戻ってくる。
焦って逃げ出したのに、気になってしょうがないのか。仕方のない人たちだ。
まあ、怖いもの見たさって言葉もありますしね。

父に叩かれし車輌――半回転す。
使用せし凶器の名は我が子・・・・・・

この車も随分と災難ですわなぁ。こんな親子喧嘩に巻き込まれちゃってさ。

ワゴン車の向きが変わるほどの勢いでブッ叩く!息子で。
さすがにこの行為には怖いもの見たさで集まってきた観客もどよめく。あり得ない・・・鬼・・・非道いッ!
へっ。親子の喧嘩を見物しようなんてヤツラが何を言ってやがんでい。
そういった気分になったわけでもないだろうが、勇次郎は再び息子という名の凶器を手にする。

皆の衆・・・嘗めてはいけない。
我が子を・・・この子を。範馬刃牙を嘗めてはいけない。
範馬刃牙という"力"の形状を

嘗めませんよそんなの。

嘗めてはいけない

嘗めませんってばよ。そんなの。

一般の観客はどん引きし、言葉のわからないピクルは汗を流す。
しかし、オリバと独歩の2人だけは違う感想を抱いていた。ビューティフル・・・うらやましいや・・・

なんという信頼関係だ・・・

いえ、うらやましくはないと思いますよ。さすがに。
克巳も独歩に同じように扱われたいとは思わないでしょう。たぶん。
そんな信頼関係によって、揺り起こされる鬼の形状の脳。
範馬の力とは脳に由来する力だったというのだろうか?はてさて。
もう少し詳しく盛り込んで話をしていただきたいものですな。



第292話/信頼の礎  (2012年 16号)


範馬を名乗るのならば、護身り切れ!

我が子を用いて盛大に車を破壊する勇次郎。これは何てボーナスステージ?
凄いもの見たさで集まってきていた観客もドン引きの光景である。
親子喧嘩がただ見たかったのか、凄い戦いが見たかったのか。
少なくとも、公開殺人が見たかったわけではないらしい。それはそうだ。

だが、その殺されようとしている刃牙は意外と余裕があった。

うん・・・やっぱりそう・・・間違いない。
持ってる・・・俺は・・・与えられている・・・
こいつらを相手に・・・俺は対応している。護身りきっている

今まさに激突かろうとする角に、ガラスに、タイヤに、機関部に。
その・・・どれもこなしている。
事前にハジき・・・事前にスカし・・・外し・・・或いは破壊し・・・
こんな目にあいながら、こんな目にあいながら、俺は回復しつつある。

なるほど。確かに致命傷になりそうなものとぶつかりそうなら交わしている。
護身れというのはそういう意味合いがあったのですな。

あの日々があったからだ

こんな目にあいながら生きているのは、父の教育があったから。
子供のころの刃牙は文字通り崖っぷちに立たされていた。
勇次郎は言う。跳べ。と。
これが我が子を千尋の谷に突き落とすというやつか!そのまんまやないかい。

持って生まれたのか、或いは置いて来ちまったか。
五体に流れる熱き液体。それが如何なるものなのか・・・見つけてこい

言葉と共にデコピンを放ち、刃牙を谷に突き落とす勇次郎。
どうでもいいが、道着姿の勇次郎は新鮮だ。ちゃんと帯とかしたりするんだ〜〜

護身れ!!

谷に突き落とされた刃牙。突き出た岩場に当たりそうになるが、これを弾く。
次々と危険なものを交わし、破壊し、落下する。
どうにかこうにか川に落下し、助かった刃牙。
なるほど。こうして死に際の集中力を物にしたわけですね・・・アレェ!?
朦朧として、微妙に記憶がごっちゃになっているのかもしれない。
夜叉猿と戦う前から落ちる経験はしてましたよと言われても、今更困るよ!

それはさておき。
回復して自分の足で地面に立つ刃牙。
だが、それでも仲良く手を繋いでいる。親子だもの、手ぐらい繋ぐさ。
散歩にでも出掛けるか・・・?という勇次郎。微妙に凄い顔だ。
それに対し刃牙は言う。

お礼と言っちゃなんだけど、親父にプレゼントを

握られた手の中でチャラと音がする。なんだ?
まさか金を握らせたというわけではあるまいな!不正だ!
その場合、もちろん買収が目的ではない。賄賂のやりとりがあったと観客に見せるのが目的だ。
そうすれば観客が勝手に八百長だと騒ぎ立ててくれるはず。
気まずくなった勇次郎が逃亡し、刃牙勝利という流れがあるかもしれない。
まあ、気まずくなっても吠えて黙らせてしまいそうですけどね、勇次郎の場合。



範馬刃牙 36巻


第293話/父への贈り物  (2012年 17号)


振り回され、叩きつけられた息子から父への贈り物。どうか、受け取ってよ。
チャラと音を立てて渡されたものは一体何か。
受け取った勇次郎の目が驚きに見開かれる。

もらってばっかじゃさ・・・悪いから・・・

手にあるのは出来の悪い人形。オサムライ・・・?
ネジやワイヤー、コードなどをつなぎ合わせて即席で作った人形である。
これをいつ・・・

叩きつけられながらね、ひつとずつ、ひとつずつ。
繋ぎ、ハメ込み、ホントはも少しカッコよくなるハズだったんだけどね。手足がどーも雑で・・・

語る刃牙に対し、勇次郎。それは違うと返す。

叩きつけながら気付いた。
くるハズのこの掌に伝わるハズの衝撃が僅かずつだが足りない。
こいつは仕掛けてる。硬く鋭利な着地点に対し、ハジき、スカし、破壊し、我が身を護りきったということだ。
オマエは俺をして叩きつけられていない

何が違うのかと思ったら、その部分ですか。
叩きつけられていない、だからこそこういった小物作りなんてこともできるというわけだ。

それはそうと、この流れのポイントはちゃっかりプレゼントをポケットにしまう勇次郎ですよね。
内心息子からの贈り物が嬉しかったりするのでしょうか?この親父は本当に。

というところで、あることに気付く勇次郎。
さっき刃牙は何か言っていた。そう、”もらってばかりじゃ”と。・・・・・・!!

いきなり攻撃を仕掛ける勇次郎。それに対し、余裕をもって応える刃牙。

その通りだよ父さん。俺はもう受け取っている。
父からの勝利・・・!

何かまた大きなことを言い出したぞ!?
でも、今回はどうやら重いあがりとかそういう話ではなさそうだ。
勇次郎が腰を落とし、突っ込もうとしてくる。
それに対し、蹴りでカウンターを食らわせる刃牙。
それだけなら驚きではないが、刃牙の蹴りで勇次郎が鼻血を出している!?
さらに、勇次郎の顔面に刃牙の拳が突き刺さる。
まさか・・・効いているのか!?どういうことだ!?
範馬の血が本格的に覚醒した結果だというのだろうか?勇一郎はこれを知っていたというのか!?

それはそうと、この喧嘩、会話長くね?
教育だから。あれは教育だからッッ!

そ・・・そうですか。
長いこと親子喧嘩しているけど、教育を交えているのだから仕方ないってわけですね。
歪んでいそうな息子だし、親の教育にも時間がかかるのは仕方ない。ああ、仕方ない。
歪む原因になったのも親のせいの気がしますけどね!



第294話/ある男の憂鬱  (2012年 18号)


ようやく刃牙の反撃が始まった。
顔面に突き刺さった拳により、あの勇次郎が鼻血を噴出す。
オオオッ。息子強ええッ!!

そりゃもう・・・退屈で・・・退屈で・・・
辟易していたんだ・・・人生ってやつに・・・・・・

いつだったか・・・あっちからもこっちからも集まっちまった。
死刑囚5名・・・いい風貌構えの5名だった
合言葉は。フフ・・・敗北を知りたい・・・?

フフ・・・一人は・・・俺が葬ったっけ・・・

まさかここでいきなり死刑囚たちが出てくるとは思いませんでした。
今更風貌構えがいいとか褒められましても。
登場した頃は、すわ範馬に並ぶ強敵かと騒がれた5人だったのになぁ。どうしてこうなったのやら。
しかし全員微妙に顔が変わって見える。
勇次郎が思い出して語っているから誤差があるってことかな。
下手するといい風貌に見えたのも勇次郎の思い違いだったという可能性がある。それはさすがに酷いか。

ああいうのって理解るよ・・・痛いほど実感る

死刑囚たちの敗北を知りたいという言葉を理解するという勇次郎。
この男こそ誰よりも敗北を認めたがらないような気がする人なんですがねぇ。

いつしか・・・立っていることに気づいたんだ・・・
頂上へ・・・
目指すべきものが何一つない場所だ・・・
踏み出せる道がない・・・
だからといって・・・歩かねェって訳にゃいかねえわな。
歩み出したさ"道"を探しに・・・・・・

理解んねェだろオマエたち。
"手こずる"――ってことがないのは悲劇なんだ。
理解んねェだろオマエたち。
"強さ"も度を越すとよ夢を奪い去っちまうんだ。
強さも度を越すとよ、人生から光を奪っちまうんだ。
富・・・名声・・・地位・・・この強すぎる腕っぷしが全てに手が届いちまう。
理解んねェだろオマエたち。
強過ぎちまって、俺は手こずれねェんだぞ!!?

強すぎるという悩みを抱えた勇次郎。
その悩みは前も吐露していた気がしますね。
しかし、手こずれないんだぞ!と言いながら金的を蹴られる図はいとおかし。

強すぎて光を、夢を奪われたという勇次郎。
ああ、それで恐竜を眺めて闘ってみたいなーとか子供みたいな夢を抱いていたわけなのか。
現実に存在する動物とでは闘えるし、勝ててしまうので夢がないですからねぇ。

しかし、結局のところ刃牙の攻撃は勇次郎に効いているのだろうか?
なんだか殴っているうちに鼻血も止まっているように見えるし、どんなもんなんだろう。
手こずれて嬉しいのか、やっぱり手こずれないよと悲しいのか。
この段階ではどちらともとれそうな気がするので何とも言えませんな。
まあ、勇一郎のフラグもあるので、刃牙は強くなってるだろうし、手こずってはいるのだろうが・・・
やっぱり理解んねェや!



第295話/栄えある光  (2012年 19号)


父の憂鬱を包み込み、途切れぬ刃牙の猛攻、猛攻、猛攻!!

刃牙の金的は一応効いている様子。さすがの勇次郎も腰が引けている。
でも、やっぱり範馬の一族。タマが潰されるようなことはないらしい。
相手のタマは潰しても、自分のは潰れない。これが範馬だ!ズリィ。

強ければ強いほど手に入らないものってなァ〜んだ

いきなりクイズコーナーでありますか。というか、なんだそのノリは。なァ〜んだじゃねぇよ。

答え:栄光

そしてその答えはなんだ。一瞬、それが答えだとはわからなかったじゃないか。

何・・・?違う・・・?
強くなければ栄光は手にできない?
ウム・・・なるほど。一理ある。

一体誰に話しかけているのでしょうか。勇次郎の自我が暴走でもしているのかと思える状態だ。
そんな勇次郎相手に、こいよと挑発してみせる刃牙。
相変わらず刃牙は有利になるといきなり調子に乗り出すから困りますな。
その挑発を笑顔で返し、襲い掛かる勇次郎。

確かに、栄光をものにするためには強さは欠かせぬ要素だ。
だが皆の衆。もしその栄光とやらが端っから手の内にあるとしたら。
皆の衆ならどうなさるんだい・・・・・・?

たとえばまるで・・・缶ジュースでも買いに出掛けるように、その栄光の場所まで歩いて行き、
自販機で缶ジュースを入手するように栄光を手にする。
そこには、挫折、障害の一切が存在しない
皆の衆・・・・・・手にした缶ジュースに達成感はあるかい・・・?
皆の衆・・・・・・そのジュースを栄光と呼べるかい・・・!!?

勇次郎のジャブより速いと言われる踵落とし。
それを掻い潜って軸足を払い、逆に勇次郎の顔面に踵落としを決める刃牙。
勢いよく吹っ飛ぶ勇次郎。観客はその姿を携帯に収める。
この画像が出回ったとしたら、色々とセンセーショナルでしょうなぁ。

そして、刃牙の脳が光輝く。なんだぁー!?脳だけではなく、全身が輝いている。
そして、歪んだ風景の中、勇次郎がうつ伏せに倒れている姿が描かれる。
これは一体どういう意味なのか・・・?
刃牙は何かに覚醒したと思われる。
その力によって勇次郎を圧倒した・・・ように見えるが、まだ安心ができない。
余りにもいきなりのパワアーップにさすがについていけずにいる自分がいる。
下手したら、催眠術にでもかけられているんじゃないかという不安までよぎってしまう。
いつから親子喧嘩が始まっていたと勘違いしていた?とか言われかねない不安がある。そ・・・そこから・・・だと・・・!?

親子喧嘩の決着は近いのか遠いのか。まったくわからない状態だぜ。五里霧中!



第296話/努力しても・・・  (2012年 20号)


息子、刃牙の猛攻に倒れる父、勇次郎。
しかし、やはりと言うか何というか。普通に起き上がってくる。
いや違った。普通じゃない起き上がり方をしてくる

なァ刃牙よ・・・いいもんだなァ・・・・・・

腕の力で、下半身を持ち上げ、途中でポージング。
芸術点を稼ぎながら、そのまま倒立。審査員へのアピールをかかさない。誰だよ審査員って!!

親子ってのはいいものだ。こうして、親子水入らず
親であり・・・子であることを堪能する・・・
いいものだな・・・親子ってのは。

公衆の面前で水入らずとかよく言ったものである。
まあ、この親子喧嘩は大抵の人間には介入できないし、水入らずといっても差し支えないのかもしれない。
入り込もうとしたピクルは殴られて下がらされちゃいましたしね。

なァ

いや、いきなりなァ、とだけ言われましても。
その前のモノローグは思っているだけで口にはしてないわけですし。

なにが"なァ"だが知らんけど。
思ったとおり――否・・・思った以上に俺たちは繋がっている。

混じりっ気なしの範馬だ

父のこの言葉に、頭をかき、ため息をつく息子。しかし、言う。
嫌じゃないさ。範馬を生きることは、と。

範馬とは何・・・・・・??
質問するまでもなく、その実感は。
そう俺は、正真正銘範馬の子

努力しても、努力しても、努力以上が手に入っちまう

だからもう・・・諦めたんだ・・・
親父の面倒は、俺が見る!!!

親子だからな・・・・・・

立ち上がった勇次郎に強烈な一撃を叩き込む刃牙。
そして、息子は親父の介護を宣言するのであった。うーん、いい話ですねぇ。

しかし、努力したら努力以上が手に入ってしまう。
少年漫画では確かにそういう描写が多いが、それを口にする主人公はそうそうおるまい。
他の人間がいうならまだしも、仮にも主人公が口にするセリフなのだろうか!?
まあ、範馬だからしょうがないってことですよね。あの親父の子だししょうがない。
だからこそ、この一族の面倒を見れるのは一族の人間だけってわけですね。
刃牙も将来は息子のお世話になったりすることになるのでしょう。
いやまあ、親が将来的に息子の世話になるってのはそんなにおかしな話じゃない。
つまり、この親子風景も一般的な話ということに・・・ならんわな、やっぱり。



第297話/雄々しき2人  (2012年 21号)


地上最強の父の腹を貫く拳。
捻りこむ様子が詳細に描かれます。おお・・・お・・・

いい・・・い〜〜〜いパンチだァ・・・
何時以来か・・・腹筋を貫かれるのは・・・・・・

嬉しそうな笑みを浮かべる勇次郎。
そして、その勇次郎と似たような形に口を歪める刃牙。
すっかり勇次郎のスマイル形態として定着した笑い方だが、刃牙も強くなるとこんな風になるのだろうか。
それとも、単に真似してみただけなのか。前にも親父のモノマネとかしてたな。

親父・・・退屈してはいないかい

オーラを纏いながらそう口にする息子に対し、勇次郎は静かに語りだす。

退屈を嫌い・・・国内・・・国外・・・地球の裏側、果ては北極にまで。
遊び相手は、武術家、アスリート、猛獣、大型獣、武器、闇社会、国家権力、軍事力。
それ等に見つからなかった心満たす玩具が、こんな近くに・・・

感慨深そうな勇次郎。
このアスリートってひょっとしてアイアン・マイケル?似ているだけのハゲかもしれないけど。
しかし、元々勇次郎は自分のエサとして刃牙を育ててたわけですよね。
狙い通りだったのに、意外そうにするというのもどうなんでしょうか。

近くどころか・・・

勇次郎の言葉に追従する刃牙。そう、近くどころの話ではない。

放浪い、探求し続けた「青い鳥」は、辿り着いた我が家どころか、俺の一部だった

まあ確かにね。元は親父の遺伝子から生まれたわけではありますが。
血を分けた息子でありますし、その表現は間違っちゃいないけど、うーむ。

我が子刃牙・・・その両の拳は過去のいかなる刃より鋭利で、いかなる弾丸より迅く、
いかなる巨漢より重く、いかなる殺意より凶悪で、いかなる狙撃より予測不能だ。

そして――天使のように優しく、恋のように甘い

何言ってるんだ、この息子は?
確かに予測不能な言動である。でも、それをちゃんと動かし難い事実だなと肯定する父親。
なんというかな親子ですね。

親父・・・幼児が玩具を手に入れたとき、どうなると思う。
夢中んなって遊び、遊び、遊び、最後は破壊しちまうんだ

確かに。夢中になりすぎるが故の悲劇ってやつなのでしょうか。
しかし、これはどういう意味を持っての発言なのだろうか?
そういえば勇次郎はやりすぎて独歩を殺してしまったことがあった。蘇生には成功したからよかったものの。
そのときの勇次郎はどことなく寂しげにも見えた。あれこそ玩具を壊してしまった幼児の姿ということなのだろうか。

そーだよ。

あ、やっぱりそうなのか。いや、その返事じゃないな。
なんの返事なのかよくわからないが、肯定しながら現れた一人の女性。

男同士イチャイチャと・・・見てらんないよ

こ・・・梢江だー!!
まさか親子喧嘩に恋人が乱入してくるとは!!何をしにきたのだ?
破壊してしまうという話の流れから、てっきり江珠さんの霊が出たのかと思ってしまった。
勇一郎の霊が出るなら、江珠さんの霊が出ても不思議はないものと。
しかし、現れたのは別の巨凶、梢江。
花山さんのスネを蹴り飛ばした経験もある梢江だ。勇次郎相手でもやらかしてくる可能性はある。
最愛に比べれば最強なんてが持論なだけに、突っかかってきそうだが・・・果たしてどうなるのか。
邪魔をするのでは、とも思えるが、逆にハッパをかけに来た可能性もなきにしもあらず。
愛を加えることで刃牙にさらなるパワーアップを促す流れかもしれない。
戦いが終わったら勝利のメイクラブだ!とか言い出せば刃牙も奮起するかもしれないですしね。実行されても困るが。



第298話/範馬たるもの・・・  (2012年 22+23号)


親子喧嘩の最中に息子の恋人が乱入!
よくあるとは言わないけど、ないとはいえない光景だ。
ただ、それが範馬家の話だと色々事情が異なる。

地上最強の親子喧嘩。この出来事はテレビでもネットでも大騒ぎになっている。
戦いの始まりのころは、政府により防衛ラインが引かれていた。
しかし、首相も逃げ出した今ではその辺りどうなっているんでしょうかね?
梢江さんが警備を蹴り倒して乱入した可能性もなくはないけど。

ともかく、テレビで喧嘩のことを知って駆けつけたという梢江。
止めに来たのかと思ったが、そうでもないらしい。

いいよもう・・・やるならやる、止めるなら止める
一つ叩いてはペラペラ。二つ蹴ってはイチャイチャ。
見てらんないよッまどろっこしくてッッ!

せ・・・正論だ!
戦っている時間と同じくらい喋っている時間が長いような気はする。
観客にも似たようなことを突っ込まれていたが、あれは教育だからと納得されていた。
勝負じゃないよ、こんなのと梢江は言う。そりゃあ、教育っすから。勝負ではない。
そもそも親子喧嘩と銘打たれているのだし、まともに勝負をしなければいけないわけでもない。
喧嘩なんだから、口でやりこめるのもありって話だ!
その辺りについて刃牙も説明をする。

おっしゃる通り、よく喋る。その通り。
試合ではない。ただしこれは、勝負ではある。
親子だからね。そりゃ喋るさ。いちゃいちゃもするさ。親子だからね

同じポーズを決めて並んで立ってみせる2人。いちゃつきすぎだろ。

しかも嬉しいことに、親子だからこそ出来る"遊び"がある。
今夜俺が使った技術、そのほとんどは親父だから使用した。
他人にはとうてい使用えない、死んじゃう技術だ
親父に至っては、繰り出す技術そのどれもが兵器並だ。

信頼できる身内だからこそ使ったと刃牙は言う。
かつて鎬昂昇は、身内には使えぬ技だと致命傷を与える攻撃を放つときに言ったことがある。
刃牙の場合はまるで逆のことを言っているが、まあ死ぬことはないという信頼がなせる話なのでしょうね。

梢江。だからこそ君は止めたのだろう。
"会話する余地があるのなら"
"イチャつく愛しさがあるのなら"
"戦闘うなんて・・・ッッ"
"止めたらいい"
"死んじゃうくらいなら・・・"
"殺しちゃうくらいなら・・・"
"「敗北」なんて受け入れちゃえばいい"

梢江・・・女性の君には、或いは理解し難いだろう・・・
備え続けた技術を・・・積み上げ続けた苦痛を・・・
存分に発揮できる幸せを・・・ッッ
思うさまに解き放つ喜びをッッ
俺にとっての親父は、親父にとっての俺は――
そんな我儘が許される、唯一無二の存在なんだ!!

梢江への説明を心の中で行いながら、高度な闘いを繰り広げる2人。
刃牙に至っては、これまで身につけてきた技術、使われた技術を発揮しようとしている。
合気。さらには烈先生が行った、足の指での髪掴み。
このままいけば、更なる秘儀の応酬が繰り広げられることになりそうだ。
消力を使ってみたり、完成された音速拳を使ってみたり、オリバのパックマンまでやりだすかもしれない。
なんなら、ゲバルでは不発に終わった地球拳を使ってみてもいい。
何が飛び出すかわからなくなってきたぜ。グルグルパンチも来るか!?

どうでもいが、今回の梢江さんは眉毛がやたらと太くて驚く。



第299話/見物人  (2012年 24号)


父と子が・・・繰り広げる人ならぬ人ならぬ領域の戦闘い。
神々しいまでの超人技。
今や取り締まる側は、いつしか見物人と同じ方向へ向き直り、特殊警棒と共に、手に汗を握っていた。

あ、ちゃんと残っていたんだ警備の人!
観客と一緒に逃げて、そして戻ってきていたんですね。職務熱心な。
総理は逃げ出して戻ってきてないというのにね

見過ごそうではないか・・・
"最強の警察官であろう"と胸を焦がす彼等なのだ。
"最強の兵士であろう"と昼夜戦う彼等なのだ。

今、彼等が目の当たりにしているのは、頂・・・・・・"強さ"の結晶体
高純度に濃縮された"強さ"そのものなのだ。
興味を引かれて当然・・・・・・憧れて当然ではないか。
見過ごそう。

取り締まるはずが、最前線のいい席を確保できちゃったって状態ですね。
まあ、お金払っているわけでもないですしいいんですけども。
勇気があるなら、もっとこの親子の側まで近づいて見る事だってできるわけですし。
ん、そういえば梢江はどうやって入ってきたんだ?警備に止められなかったのか?
蹴り倒して入ってきたとかそういう話なのだろうか?パネェな。

勇次郎の蹴り足を掴んだが、振りぬいた衝撃で遠くに飛ばされる刃牙。着地は成功。
その間、勇次郎は梢江とお話。

喰らっても喰らっても喰らっても尚・・・喰らい尽くせぬオンナであれ

前に梢江に送った勇次郎のセリフでありますね。
その言いつけを守れなかったと?
尋ねる梢江。それに対し、何ととったらいいのかわからない笑みを返す勇次郎。

倅がおまえを喰らい尽くしたのか尽くせぬのか。それはいい・・・
確かなことは、刃牙は強くなった。無関係ではあるまい。礼を言う

相変わらず勇次郎は息子の恋愛を祝福してくれる父親でありますなぁ。
とはいえ、最愛に比べれば最強なんてが持論の梢江としては、そんなことで礼を言われても困る。
それに最近あんまり会っているわけでもないし、微妙に冷えていたようにも見えるし――

時間だ。オンナがいつまでも居る場所じゃない

礼を言い終えたということで、さっさと御退場願おうという感じの勇次郎。
その勇次郎の言葉に追従する刃牙。
ハリ倒されないうちに、隠れてねェと怪我するぞ、とのこと。
そいつは怖い。でもそんな言葉に屈するわけにはいかない梢江。何か言いたいことがある様子。
だが、その言葉を待つ気もなく、再び親子の間で攻撃が交わされる。
さてはて、今度こそ親子対決は佳境となるのでしょうか?
梢江は親子対決に巻き込まれてハリ倒されてしまうのでしょうか?
親子対決がいつまで続くのか。もはや予想することも儘ならない状況である。一体どうなるっていうんだぁ!!



第300話/血肉を争う  (2012年 25号)


恋人の存在を外に、父子の闘争いは燃え上がる!
お互いの拳はお互いの顔面に突き刺さっている。
なんだかんだで刃牙は対等に闘えるところにまでやってきている。突然でしたけどね。

少年も・・・父親も・・・恋人も・・・気づき始めていた。
近い・・・・・・
終了りが近い・・・

ようやく終了と言う言葉が出てきました。
長く続いた親子喧嘩もついに終焉を感じさせてくれたようである。
まあ、もうっちょとだけ続くんじゃよと言ってから長かったという例もあるので油断ならないが。

いったい・・・幾万いるのだろう・・・
高層ビル街を埋め尽くす、人・・・人・・・人・・・
一目でいい・・・この目で見てみたい。

そういった人々がまた大勢集まっている。
どうやらビルから見ている人も多数いた模様。
特等席を確保していたオリバだが、周りに人が来れない様にしているのだろうか。
ともかく、人々は思う。

自己の肉体から、自己の人生からいつしか去っていった・・・野性を目の当たりにしたい。
学歴を手に入れた。地位も・・・そこそこの収入も・・・結果――
一体何を失ったのか・・・
そしてもう一つ・・・もはや数時間にも及ぶこの肉の削り合い

何ッ!?
この親子喧嘩、もう数時間もやっていやがったのかッ!?
見ている方も疲れてしまいそうな状況である。
そりゃ、闘っている時間より語っている時間の方が長そうな戦いだもの。ダレるさ。
にもかかわらず、再燃するって言うんだから困る。いつ目を放せばいいのかわからないじゃないか!!

それはさておき。もう一つの思うことについて。

地上最強の親子喧嘩。家庭内不和
子を持つ親。親を持つ子。
多くの親子達が気付き始めていた。
この親子喧嘩は不和ではない。

これって融和だろ!
世の全ての親子達が・・・見本とすべき親子関係だろ!!!

いやーいやいや・・・いや。
だろ!と言われましてもね。いやいやいや。
仲の良い親子だとは思いますよ確かに。だからといってこのお手本はないですよ。ほんと。
父の側にも子の側にも立ちたいとは思わない。
でも、この関係は多少羨ましく思わなくもない。不思議な話だ。
あ、でも恋人との契りを交わす際に乱入してくる父親はいらないと思います。あれは手本にしちゃいけねぇ!
でも逆に父親の立場ならどうだろうか。息子のそういう現場に足を踏み入れる・・・やっぱイヤだ!

それにしても、転蓮華を決めようとした刃牙だが、それを止め歩き出す勇次郎。
その姿はまるで肩車をする父親のようであった、という流れでしょうか。
これは少年時代に行った親子喧嘩の別バージョンであろうか。
あの時は、まるで子をおんぶする親のようと言われていたものだが、今度は肩車ですか。
ならば次の親子喧嘩があったら高い高いが始まるわけですね。どんどん高度を増していっている!!

ともかく、終了が近いと言われた親子喧嘩だが、どのような決着を見るのでありましょうか。
なんだったらこのまま2人で飯でも食いにいくかと帰って行く、という流れでもいい。
数時間たってるし、腹もまた減っていることでしょうしね。



第301話/肩車  (2012年 26号)


2人は闘争いの最中、仲睦まじい親子の姿を見せる。これが家庭内融和・・・!!
肩車をしたまま歩き出す勇次郎。何してるの?

うわァ・・・親父の頭・・・範馬勇次郎の頭蓋骨・・・
こんなふうに・・・触れるのは・・・初めてだ。温けぇや・・・

普通に考えたならば、人体の急所である後頭部を無防備にさらしている体勢である。
戦いの最中、これはありえない。でも、親子の仲睦まじい様子を描いているのなら何の問題もない。
グルグルと肩車しながら廻っても何の問題もないのである。

・・・なんて夜だ・・・・・・

培われた全部を使用わせてもらった・・・
この親父が・・・全てを受け止めてくれた・・・
おまけにこんな・・・特典まで・・・

まさしくサプライズ。そっかーこの肩車は特典だったんだー。
どんだけ親父好きなんだよテメーは!!
まあ、幼年期があれでしたし、その分を取り戻しているって感じなんでしょうけどもさ。

刃牙よ・・・なァ!

なにさ、なァ!って。
どうやら範馬勇次郎をして言いにくいことってのがあるらしい。

それぞれは、それぞれに宴の終了を予感し・・・覚悟していた

どうやら、本当に戦いの終了が近いらしい。
勇次郎も、楽しいときが終わることを言い出しづらいと考えていたようだ。
それはそれとして、さりげなく首相が戻ってきている。ほんと、さりげないな。
ただ、黒目が描かれていないのが気になる。もしや気を失っている?
その状態でみっちゃんの横に運ばれたというのだろうか。運んだ人は結構な鬼畜だな。

足を止める勇次郎。そろそろだと言う。
思い残すことはないかと問う勇次郎に、うんと返事をする刃牙。
その答えを聞き、ゆっくりと刃牙を肩から下ろす勇次郎。
地面に降り立った刃牙は早くも戦闘態勢に移行する――

はは・・・

思わず笑ってしまうような戦闘態勢への移行の速さである。
繰り出したのは、ジャーマンスープレックス!!
見事なブリッジを描いて高速で勇次郎の後頭部が地面に叩きつけられる。
なるほど。頭蓋骨の形を確かめたので、叩きつけてみたくなったのですな!鬼畜だな、この息子。

こらこら・・・イカンな・・・

コンクリートの地面に後頭部を叩きつけられる勇次郎。
しかし、全く怯んだ様子がない。受身すら取ってないのに、むしろコンクリートの方が割れている!!
だが、今更それで怯む刃牙でもない。
起き上がった勇次郎に拳を、蹴りを浴びせて行く。だが、これも効いた様子がありません。

俺とて辛い。継続たいのだ。
何にだって終わりがある・・・

その言葉と共に放たれたのは、勇次郎の得意技、鼓膜破り!
この攻撃だけでも致命的な一撃になりうるのだが、勇次郎の場合、ここで怯んだときに追撃を行うことが多い。
繰り出されるのは、これまでの例からして、鬼の背中が哭き出す必殺の一撃でありましょうか。

この決着を迎えようかという場面で、また刃牙の攻撃が勇次郎に通じなくなってきた。
その状態で、フィニッシュホールドを放とうとする勇次郎。
果たして刃牙はその攻撃に対抗することができるのだろうか?
鬼の一撃を受けて再び虎王を決めたらあるいは。二番煎じになりそうだし、それでの決着はないか。
どちらが勝つかはわからないが、決着の時は間近に迫っている!!・・・はずだ!!



第302話/壁画が表すもの・・・  (2012年 27号)


勇次郎の鼓膜破りが決まった!!
思い返せば、刃牙の母である朱沢江珠もまたこの技を受けていた。
刃牙がそのシーンを回想するのも当然といえましょう。

森羅万象。諸行無常。全てに終了りがある

鼓膜破りを行ったのち、ふたたび両手で刃牙の顔面を挟みこむ勇次郎。ぐにー。

そんな風に、親子喧嘩が終末へと向かっている中、ギザのピラミッド。
ちょっと話が出ただけで放置されていたピラミッドの壁画の話がまたも出てきた。

見たまえ君たち。絵物語だ。壮大な一代絵巻なのだよ、これは

壁画には、何度も描かれた悪魔と、それに向き合っている小さな悪魔の姿があった。
教授はこれを見て、おそらくは・・・親子・・・父親と息子だろうと推測する。
なかなか鋭い教授でありますな。

それにしても、この父親の背後に描かれた夥しい人の群れはなんであろうか。
よく見ると実にバリエーションに富んでいる。
人種も、性別も、年齢も。
一見、部下に見えるこれらの群れだが・・・或いは彼、父親悪魔を讃える存在なのではないだろうか。

カリスマだと・・・

うむ・・・多分だけど・・・

推測で語っているのだが、凄い正解していそうな気がするのは何故でしょうか。不思議だなぁ。
そう考えると、この壁画はひょっとすると、古代人の漫画という可能性が出てくる。
きっとハンマーパッキーとかいうタイトルが刻まれていたりするんじゃないでしょうか。
ということは、何千年かの未来、この漫画が古代人の歴史として研究されることがあったりするかもしれないわけだ。
古代には、このようにビルから飛び降りてもクッションがあれば平気なほど頑丈だったとか言われるようになるわけだ。
うーむ。怖いね、未来。

それはさておき。ケンカの方に戻る。
鼓膜を破られ、音を聞くことができずにいる刃牙。

聴覚のないまま、聴こえぬまま聞け。

顔面を挟み込んだまま何事か話しかけている勇次郎。なかなか酷い話である。
そんな親子喧嘩の最中、花山薫と柴千春の2人が現場にやってきていた
結局見に来ちゃったんですね。
しかし、もはや人だかりで近づけずにいる様子。だが、オーラが感じられるぐらいのこの距離でいいと花山さんはいう。
まあ、勇次郎が万一暴れても安全と思われる位置ですしね。
幼年期編での親子喧嘩後、暴れ出した勇次郎の攻撃に巻き込まれた経験のある花山さん。学習してるな!!
オリバが離れたところから見ているのもそういう理由なのかもしれない。

さて、勇次郎は刃牙の顔に自分の顔を近づける。
って、刃牙の体が地面から離れてるじゃないですか。こりゃ辛い体勢だ。

勇次郎と刃牙。今から成すこと。これまでの継続ではない。
ましてや、開始まりでもない。

これを以って〆とする。これを以って終了りとする

そう言って、勇次郎は刃牙の手をとる。
そして、小指から順番に折りたたみ、拳を形作らせる。

これは一体なんであろうか?最後は拳の打ち合いで決着としようというのだろうか?
鼓膜破りを決めて、とどめの一撃が来るかと思ったら、まさかの一幕。
果たして本当に勇次郎の言うとおりに、この攻防で終わりとなるのだろうか?
果てしなく疑問だが、もはや見守るより他ありますまい。



範馬刃牙 37巻


第303話/拳に込めるモノ  (2012年 28号)


道着を身に纏い、我が子と相対する勇次郎。
己の手を広げて見せ、こう述べる。

この世で一番優れた道具だ
日常のあらゆる道具の役割を果たす。そして、言わずもがな武器になる。
ハンマーとなり、刃となり、槍となる。

そう言ったあと、刃牙の手をとり、拳の作り方を指導する。
小指から・・・こう。各指の根元へ順に。薬指から中指へと。
ここからは先ほどと逆だ。人差し指から順に折りたたみ、仕上げは親指で締める。

実際に自分でも拳を作りながら指導する勇次郎。なんと優しい指導であることか・・・!!
まあ、これは本当に大事なことでありますからね。
何が大事であるかというと、それはこの後のセリフでハッキリさせられる。

何を握った・・・力だ。力を掴むのだ
掴んだ力を打ち込むのだ。
掴んだ力を刺し込むのだ。
人類最古にして最良の武器。それが拳だ

なるほど。拳を握るという行為は、力を掴む行為であると。
そして、その掴んだ力を打ち込むことで武器となると言いたい訳だ。いい教えですな。

折りたたんだ指は力を抜き、親指でそっと抑えておく。
構えには拘るな。拳の配置は肉体に訊け。

最初の最初・・・初めて親父がくれた知識・・・

なんだかいい話でありますね。親子の融和は原点へと至ったわけだ。
決着をつけるために原点に帰る。なるほど、これは本当に決着が近いんじゃないかと思わせてくれる。
だがちょっと待ってほしい。
前に刃牙はこう言っていた。「ボクの格闘技修行は、父にコンクリートに叩きつけられるところから始まりました・・・」と。
刃牙の最初というとここではないかと思えるのだがどうだろうか。
いや、今回の刃牙はこう言っている。最初の最初、と。
始まるまえの最初に知識としてもらったと考えれば問題ないことになる。なるほどなー。
つまり、この回想のあとコンクリートに叩きつけられたわけだ。鬼親め!!
アレ。あの時の回想では、刃牙は出生直後の姿だった気もするが・・・衝撃で走馬灯が走って若返っていたのでしょう。きっと。

さて、前回結局親子喧嘩の観戦に駆けつけていた花山さん。
この場所でいいと言ってたのに、どうやら少し近づいている様子。あと10列くらい、とのこと。
今回もここでいいと言ってるが、前回そう言っておきながら近づいてますからねぇ。
次週は最前列まであと5列ぐらいのところまで近づいてくるかもしれない。最前列に来たところがリミットだ!とか。

防御の一切を忘れろ。重心を前足、拇指球へと集めろ。
打ち込むことだけに集中しろ・・・その他一切を濁りとしろ。
己の全存在を乗せた"拳"は全てに勝る
通用するもしないもない。思う必要すらない。
"強さ比べ"ってな、そういうもんだぜッッ。

力を掴んだその拳に己の全存在を乗せて打ち込む!!
その拳はお互いの顔面を捕らえた。
このまま殴り合いが始まるのだろうか。それともこの一撃を持って決着ということにするのだろうか。
決着の時は迫る。果たして勇一郎の予言は当たるのだろうか?
親子喧嘩の決着後の展開はどうなるのだろうか。気になるところであります。



第304話/比較べっこ  (2012年 29号)


地上最強の親子喧嘩も終幕が近づいている。
その最後を締めくくるのはやはり単純な強さ比べということでしょうか。

拳骨が顔面を打つその音は――今宵、2人が放った、一番大きな音だったろう。

お互いの攻撃がお互いの顔面を捕らえる。
たたらを踏んで後退した。
と思ったら再び強く踏み込み、再びお互いの顔面に突きを見舞う。

刃牙の攻撃もしっかりダメージを出しているのか、顎を打たれて崩れそうになる勇次郎。
刃牙の奴・・・ここにきて、まるでこれまでも互角だったかのような戦いを見せやがる。

この力比べを見て、ため息をつく独歩。

我が身を危険から遠ざけつつ敵を制す。
それが武。それが格闘技。
急所が集中する人体前面を――防御をかなぐり捨て刃に晒す。
最早それは、武術ではなく、格闘技ですらなく。
強さ比較べ。男雄漢比較べ

「男雄漢」と書いて「おとこ」と読む。
一体どれほどのオトコが詰まってやがるのかわからない言葉であるなぁ。

今度はお互いの顎をアッパーで捕らえる。気の会う2人だ。
と思ったが、その直前。自分の顎をお互い差し合っているんですな。ここを打とうぜ、と。
さすがにそういうジェスチャーは必要になるんですな。

そんな風に比較べっこをしている中、観客という人混みを掻き分けて最前列にやってくる男がいた。
細身でメガネをかけた黒人。これは・・・・・・・・・・・・誰だ?
メガネの黒人は、勇次郎の姿を見て涙を流す。

アレガ・・・アレガオーガ

そして祈りを捧げるように手を組み、頭を垂れて地に伏せる。
一体この人物は何者なのか!?このタイミングで出てくるような人物なのか?
知られざるオーガの謎が今明らかに!とか言ってるが、まだ謎があったのか?
新しい謎より、世界中にバラまいた種とやらについて明らかにして欲しいところであるのだが。



第305話/闘いが停止るとき  (2012年 30号)


最前列に歩み出てきた謎の男。オーガに対し祈りを捧げている。なんだ!?
さらに、気づけばいつのまにか観客に外国人の姿が増えてきている。

メガネの男性と同様に最前列に出てきてオーガに祈りを捧げる女性が現れた。
この人たちは一体何者なんでしょうか。
オーガに偶然救われて神のごとく崇めているとかそういう話なんでしょうか?

当のオーガこと勇次郎は息子と殴り合いの最中。
見開き4連発!!地上最強のブン殴り合いが行われ、観客の興奮も最高潮に達する。
感想を書いている方としては、書くことが少なくなってありがたいやら泣けるやら、だ!!

オーガと正面からブン殴り合う。この世にそんな奴がいたのか・・・

汗を流し語るオリバ。
貴方もバキとは正面から殴り合っていたじゃないですか。その結果負けたけど。
登場時は勇次郎とも正面から殴りあえそうなキャラだったのになぁ・・・オリバサン・・・

あの範馬勇次郎とブン殴り合っている。
根性では誰にも負けないと言われる柴千春をして信じられない光景と言わせてしまう。
花山さんも、この光景を見て思わず妬けてしまうらしい。あらあら。
それでしたらどうでしょう、もっと前へ・・・

花山「いや・・・ここでいい・・・」
千春「・・・へい」

観客「最前列じゃん・・・

いいツッコミが入った。
前に感想で、段々近づいている。最前列まで来たら決着かなとか書いた。
が、まさか本当に寄ってくるとは思いませんでした。それもかなりの速度で寄って来やがった!
ヤロウ・・・俺の予想を覆しやがったぜ!!
ここでいいとは言ってるけど、また近づきだすかもしれない。
そのまま2人の間に割り込むぐらいまで近づけたら逆に凄いって話になるが、さすがに無理か。

さて、独歩ちゃんがこの親子喧嘩の決着について語ってくれます。
この・・・無呼吸連打が停止るとき・・・そのときこそがこの親子喧嘩の決着!!!

ついに決着の時が来たようです。いやぁ長かった。
この決着を受けてのことになるのかどうか、板垣先生は別冊少年チャンピオンのセレモニーである言葉を発した。
曰く「バキはあと10回くらいで終わる!」というもの。
衝撃的な発言であるが、本当に終わるのだろうか。
巻末コメントでもひとまずのピリオドと言っている。
しばし休んで再開するという可能性は十分ありそうだ。
再開したときにはバキというタイトルじゃなくなっているかもしれない。そういう意味での終わりなのか?
気にはなりますが、ともかく残りの回を見守ることにしましょう。



第306話/対峙する相手  (2012年 31号)


何やら切ない顔をしている表紙の勇次郎。
一瞬、勇一郎かと思ったが、若い頃の勇次郎ですわな。

弱き民・・・弱き民・・・弱き民・・・弱き民・・・
弱き民の前に立つ・・・鬼がいた

鬼の背後には――弱き民・・・いつの時も弱者の群れがいた・・・

弱き者の味方・・・?
否・・・ッ
正義の味方・・・?
さらさら否・・・ッッ

彼等、弱き者の正面には必ず・・・そう・・・強き兵士達がいた。

男は決意ていた。
己の立ち位置は、常に強者の正面!!

正義もない・・・悪もない・・・そこに存在のは"力"のみ。

男の肉体は飢餓ていた・・・・・・裡なる"戦力"の解放に!
国家を問わず・・・時刻を問わず・・・
解放ち・・・解放ち・・・解放ち・・・解放ち続けた。

やがて・・・巨大国家は、指導者の眼前へ難なく辿り着くこの男を・・・「鬼神」と呼び心底戦慄き、
"神"の陰に身を隠し・・・莫大な"金銭"で取り入った。

迫害つめられる"弱き民達"は、強大国家にとっての最大の"脅威"を、
"神"と崇め・・・・・・・・・
"天使"のように愛した・・・・・・

なるほどねぇ。
勇次郎の思惑はさておき、強大な国家に対する脅威であるオーガは弱き民にとっては羨望の対象。
ひいては信仰の対象といってもいいぐらいになっていたわけだ。
正義の味方を気取るつもりはさらさらない。ノンノン。
ってとこだが、結果としては守ることになっていたりするわけでしょうからなぁ。

暴れる兵士に襲われた民。そこに通りがかり、兵士を倒す勇次郎。
民の感謝の言葉に対し、偉そうにするわけでもなく、去って行く勇次郎。
あらやだ、こう考えるとまるでヒーローのようではないですか。そりゃあ信仰もされるさ。

というわけで、祈りを捧げる人たちの存在については理解しました。
ただ、その人たちの存在はこの親子対決に関わりがでてくるものなのだろうかという疑念はある。
信仰の結果、勇次郎に力が流れ込んで有利になるって話でもないでしょうしねぇ。



第307話/拳から伝わるモノ  (2012年 32号)


文字通り・・・ビルの谷間を埋め尽くす、幾万余の群集・・・群集・・・群集・・・
一夜限りの狂想曲・・・

上空から見ると本当に人で埋め尽くされているのがわかりますね。
後ろのひとたちは全く見えていないでしょう。
でも、音とか迫力だけは伝わっているのかもしれない。それでもいいって話なのか?
いや、花山さんも最初はそれでいいとか言ってたけど、結局最前列に来てたし、それでいいって話にはならんか。

父と子を囲むその"輪"は、少しずつ大きさを縮小めていた
終了の近づいた、この父とこのエネルギー体を、至近距離で、眼の前で感じ取りたい。
脳裏に刻み込みたい!!!

やはりみんなそう考えているらしい。
こりゃ後ろの人がどんどん押し込んできたりするんじゃないだろうか?
もはや自衛隊や機動隊など押し留めるはずの人の姿も見えなくなっている。危ない状況だ。

息子の拳を父は感じていた。
父の拳は何を思う・・・

お互い、結構な有効打を与えているように見える。
って勇次郎にそれなりにダメージ与えていて、凄いなと思ったら、刃牙はえらい顔になっていた。
まるでピカソのキュピズムにしてやるぜって感じである。

両雄の拳は、可能な限り有効な角度を探り求め・・・
両の足は・・・可能な限り有効な着地点を踏み求めた。
この家庭問題は、TVカメラを通じ、携帯電話を通じ、全国のお茶の間へ。パソコンの画面へと流れ出た。

見てるかい・・・親父・・・俺は・・・この試し合い。
この立ち合い。どっちの勝ちを・・・望む・・・?

愚地克巳が。渋川剛気がTVを観てどちらの勝利を望むのか考えあぐねている。
いずれが勝利しようとも、いつかはその勝者に挑む気ではいるんでしょうけどねぇ。
そして、ここにも1人。TVを観て震えている戦士がいた。

親父ヨ・・・・・・俺ダッテ出来ルンダ!!!

吠えるジャック・ハンマー。うーむ、切ない。
範馬の家系は親子の仲が悪いように見えて、やたらと愛情に溢れているように思えるから困る。
ジャックもまた父に認めてもらいたがっているということだったのでしょうか。
あ、逆に勇次郎からジャックへの愛情はかなり薄かったな、そういえば。
やはり血が薄いと愛情も薄くなるということらしい。ほんと、鬼父さんですよ勇次郎は。

己の耐久力ほ誇示る為・・・?
全力疾走する愛息を抱き締める為・・・?
開手したその掌を、父は静かに広げた・・・

決着が近づいている親子喧嘩。その中で見せた勇次郎のこの行動は何を意味するのか。
母である朱沢江珠のように、抱き締めて仕留めるつもりなのだろうか?
それとも殴られながら体を捻り、鬼の一撃を叩き込むつもりなのだろうか?
ともかく、次の動きがクライマックスになりそうな予感はある。
ただ、その動きが1回の話で収まるかどうかはわかりかねますけどね!!



第308話/父からの抱擁  (2012年 33号)


息子の打撃に胸をそびやかし、受け止める父。
刃牙は1人殴る殴る。微妙に地団駄踏みながら殴っているように見えて困る。

見えているのか・・・聴こえているのか・・・
父の肉体を打つ拳・・・拳打つ、父親の確かな感触・・・
痺れ続ける拳のみが父と我が身を繋ぐ唯一の絆。

打ってるのか・・・?俺は・・・
打ち返されてるのか・・・?俺は・・・
せっかくの触れ合いじゃないか。
"打つ"ように打ったんじゃ勿体ねェよ・・・
そう・・・抱擁しめるようにね。打つんだ・・・

その言葉の通り、全身を殴打している刃牙。
抱擁しめるように打つ刃牙に対し、勇次郎はどう答えるのか。
本物の抱擁で答えてきました。ガキッ。

親子の対決は夜中に行われている。
それは日本時間での夜中ということ。米国では朝ということになる。
米国合衆国ホワイトハウス。
大統領が大画面のTVの前で椅子の上に正座をしている
相変わらず大統領。オーガを信仰しているというか、神妙な態度でございますねぇ。

夫のこの観戦の様子を見て、ワールドカップ?などとトンチンカンなことを口にする妻。
それに対し、大統領。状態をそらし、妻を見据えて一言。

TAWAKE・・・

誰の真似?

大統領渾身のオーガの物真似・・・不発!
やはり真似だけでは迫力は伝わってこないってことなんですかね。
しかし、迷惑を被る相手であるはずなのに、大統領は勇次郎に憧れているように見える。
やはり男にとって、その存在は憧れの対象になりうる部分があるのでしょうな。

さて。息子を抱きかかえた勇次郎。激しく抱擁する。
刃牙にとっては、母と同じ行為をされているわけだ。
果たして刃牙はこの激しい抱擁を受け止めきることができるのだろうか。

というわけで、親子喧嘩の決着まで残り4回となりました
明確なカウントダウンが始まりましたね。
その後もなんだかんだで継続するとは思いますので、一応の決着を楽しみにするとしましょう。



第309話/母と同じ  (2012年 34号)


勇次郎の激しい抱擁。その結果は・・・

折!!!

イッたな・・・肋骨・・・2本・・・3本・・・もっと・・・
さすが・・・さすが、親父・・・

何度め・・・?今宵・・・何度めの・・・"さすが"・・・?

勇次郎が腕を放すと、刃牙はそのまま地面にその身を横たえる。
その目は虚ろであり、起き上がることはできなさそうに見える。
そして、その刃牙を神妙な表情で見つめる勇次郎。

同じだ・・・5年前のあの時と・・・

やはり花山さんもその時のことを回想していたようだ。そりゃしますわな。

勇次郎は倒れた刃牙のダメージの状態を確認する。

下顎骨・・・骨折。オトガイ結節・・・骨折・・・下顎枝・・・骨折。他・・・亀裂多数。
左眼窩底・・・骨折。鼻骨・・・陥没。上顎骨・・・骨折。他・・・亀裂多数。
前歯、奥歯共に磨滅・・・欠損・・・損傷多数。
両鼓膜・・・破損・・・
頚椎・・・左右捻挫・・・30度以上。
肋骨・・・骨折6か所。
両手骨及び手首・・・共に軽度の炎症。
両足骨・・・軽度の捻挫・・・共に軽度の炎症。
全身余す所なく皮下出血・・・
脳・・・内臓・・・数か所の・・・・・・・・・・・・

数か所の、何でございましょうか?まさか、結構重症?
外から見た感じではまだ致命傷を受けた感じはなかったが、こうして並べられると凄いダメージだのう。

いいだろもう

頭をかき、そう述べる勇次郎。一体誰に述べているのか。
ともかく、それでいいッッ。

続行は・・・・・・これ以上の加撃は・・・格闘ではない・・・
巨凶ではない・・・

ザッと踵を返す勇次郎。おや、本当に加撃したりしないんですね。
昔の勇次郎のイメージだと、いいだろもう。と述べた後、とどめの一撃でもしてきそうな感じがあったのだが。
若い頃の刃牙と花山戦の後のダメージを見てもまだ始まったばかりとか言う人ですし。
いや、倒れている相手に攻撃を加えることはあまりしないか。
弱ってる相手へのとどめは何回もしてますけどね。

勇次郎が去ろうとしているということで、大きく道が開く。
歩き去る勇次郎に、あざーすッッ!ありがとうございます!オスッ!と口々に賞賛が述べられる。
一時の夢をありがとうって感じですかね。
勇次郎もまた思う。佳き時間を過ごした、と。

が、その歩みがいきなり止まる。
何かを感じたのか後ろを振り向くと、刃牙がもぞもぞしている。

蹴ったな・・・

蹴ったな?な、何を言っているのだろうか・・・?
実によい笑顔を見せているが、どういう感情が潜んでいるのか全く想像できない。

果たして蹴ったというのはどういう意味なのか。
刃牙が気合を飛ばして蹴ったように感じたのか。
はたまた、せっかく勝負がついたことにしたのに、その申し出を蹴りやがって。てな意味なのか。
実は倒れた刃牙を誰かが蹴ったとかいう話だったりして。そりゃ鬼父さんも怒る。怒りすぎて観客全滅しそうだ。
それか、勇一郎が場を繋ぐために蹴ってきたという可能性もなくはない。いや、さすがにそれは・・・!!

ともかく、親子喧嘩の決着はもうすぐそこまで来ているぜ!



第310話/巨凶からの贈り物  (2012年 35号)


父からの抱擁で倒れた刃牙。
しかし、その倒れた状態でありながら意識だけで勇次郎に蹴りを見舞ったという。
もちろん意識だけの話なので観客には見えません。
立ち去ろうとしてたはずなのに急に戻ってインネンつけてるようにしか見えないっすよ。

刃牙がズズ・・・っと顔を上げる。
起き上がることはできず、そこまでが精一杯の様子。
その代わり、イメージだけが浮かび上がる。
刃牙が作り上げた刃牙のイメージが勇次郎に打ちかかる!

ふ・・・ふむ・・・ふむ・・・ン・・・なるほど・・・フム・・・ホウ・・・

倒れた息子を前に、一人でなにやら頷いている勇次郎。何してんの、アレ?
もの知らぬ観客としてはさすがにざわつかざるを得ない。

闘志・・・なお衰えず。見るに堪えん。

さすがに独歩ちゃんは理解している様子。理解できるのもすげぇな。

イメージの猛攻を受け、ゆっくりとポケットから手を引き出す勇次郎。
その勇次郎のもういいという言葉にイメージの刃牙の手が止まる。戸惑ってる戸惑ってる。
だが、真に戸惑うのはこれからだ。主に読者が戸惑うことになるのはこれからだッッ!!

ス・・・ス・・・

勇次郎が何かジェスチャーを始めた。これは・・・もしや・・・と!!!豆腐!!?

ウソでしょ・・・

いや全く。ウソでしょと言いたくもなる。なんでいきなり豆腐を手の上で切り始めた!?

夥しい数の見物人が確かに目撃した。
地上最強の手が慣れた手つきでかき回す"鍋"・・・刻むネギ・・・漂う匂いまでもが・・・
それほどまでに・・・父親の動きは完璧だった。

おい。出来たぞ。起きろ

父親のみそ汁の匂いに誘われて息子が起き上がる。やあ、家庭内の風景ですね。って何じゃこりゃ!?
この展開にはさすがにアオリも動揺を隠せずにいる。

「シャドークッキング」で息子へのみそ汁完成ッッ!!?
先生!!打ち合わせと全ッ然違うじゃないですか!!?(担)

どうやら全然違ったらしい。前にもこんなことありましたな。
しかし、全然違うというならどう違ったのか、それを教えてくれないと困るわけですよ。
ひょっとしたら打ち合わせとはみそ汁の方向性が違うという可能性だってある。
「やっぱりみそ汁は昆布だしですよね」「ネギとか入れるのは邪道ですよね」
担当はそう主張したのだが、出来上がったのはこれだった。カツオだしだと!?全ッ然違うじゃないですか!!?とか。

というのはさておき。
残すところあと2話になったのですが、ここからどういった展開を見せるのだろうか?
刃牙は起き上がって何をするつもりなのか。ちょっと予想を立ててみましょう。

まず起き上がり、親父のみそ汁を飲む。そしてしょっぱくね?と文句をつける。昔イメージした発言通りだ。
そして口論。結果刃牙がみそ汁を作る流れになる。本物のみそ汁って奴をごちそうしてあげますよ。
というわけで始まるシャドークッキング対決。
解説に徳川のみっちゃんも加えての勝負が始まる流れ。

ごそりと秘伝の味噌を取り出す刃牙。動きだけでそれが凄いものだと伝えるイメージ力!すげぇ!
述べる刃牙。「こんなこともあろうかと、みそだけはずっと持ち歩いていたんだ」と。

そして見事な手付きでみそ汁完成。
それを飲んだ勇次郎。これは・・・湯気の向こうに・・・作った人の顔が見える・・・!!?
あまりの美味さに観客にも見えるぐらいに花を咲かせる勇次郎。ついでに虹の幻覚も見える。

てな具合でシャドークッキングにより己の敗北を感じ入る勇次郎。
親子対決は息子刃牙の勝利で幕となった。という展開が来るのではないかと予想がされる。
ついでに、勝利時にコックの格好をした勇一郎がサムズアップして刃牙の横に立つとこまで予想しておくか。

果たしてこの予想はどれぐらい当たっているのか。気になるところであります。



第311話/親父の味  (2012年 36+37号)


何もない空間に"見えない壁"を見せてしまう技術がある。
重量0の空間に"高重量の荷物"を見せてしまう技術がある。

同様に――見物人はハッキリと見た。
掌の上で切れ目を入れられる豆腐を。
まな板の上で刻まれるネギを。
巨凶範馬勇次郎会心の作
豆腐のお味噌汁を

見事な技術だと納得してしまうしかないのであろうか・・・
TV越しであろうがハッキリと見えてしまうのですかね?
ひょっとしたらTVを越えた向こう側にすらカツオの匂いが漂ったりしているのかもしれない。
米国大統領とかにはちゃんと伝わっているのか心配ですけど。

ああ・・・そんな時間か・・・

やはり朝食の時間のような扱いで味噌汁が使われているらしい。
のそっと、力尽きていたはずの刃牙が身を起こす。

前代未聞・・・空前絶後のエア夜食!!!

夜食かい!
まあ、時間的なことを考えればそりゃ夜食になるわけですが。
せっかくだし、毎朝俺のために味噌汁を作ってくれる親父の図とかそういうのに浸ってみたい。
刃牙はそう思ったかもしれないですのにねぇ。

まあ、それはさておき。
正座する刃牙と、その対面にあぐらをかいて座る勇次郎。
その間にはエア卓袱台があり、エア味噌汁が湯気をたてて置かれている。

勇次郎(こんなものしかねェ・・・)
刃牙(充分すぎるほどです。"お父さん")
勇次郎(よしやがれバカ。"親父"でいい)

何故か会話もエアで行われる。それで意思疎通がちゃんとなされているのだから、なんなんだコイツラは。

こ・・・これは・・・ッッ。団欒じゃねェかッッ!!

まさしく団欒でございますね。なるほど。喧嘩の後は親子団欒というわけですか。仲のよろしいことで。

勇次郎の言葉に従い膝を崩し、あぐらをかく刃牙。
そして、いよいよ会心のお味噌汁をいただくことにします。

違う

え?
何かと思ったら、箸の持ち方が成ってないと説教をしだす勇次郎。
以前から思っていたことらしいが、それならもっと早く言ってくださいよ。
というか、この年まで矯正されずに育ったのならもう修復はできないでしょうね。
刃牙としても、料亭じゃあるまいしとすぐに直すつもりはないらしい。

味噌汁を一口すすり、ああ・・・美味い・・・と天を仰ぐ刃牙。勇次郎も満足そう。しかし――

刃牙(ちょっとしょっぱいけど・・・)
勇次郎(フフ・・・味噌汁の味ひとつわからんか・・・・・・)

思わぬ感想に汗を流す勇次郎。戸惑ってる!巨凶が戸惑っているぞ!!

じゃあ、食してみたらいいじゃん。ほら・・・

味噌汁を差し出し、飲んでみなよと言う刃牙。
それに対し勇次郎。エア会話ではなく声に出して否定。

くだらん。真似事はしょせん真似事。"水"ほどの味もない。

会心の作を否定されたのでごまかしに入っているように見えますね。
そりゃ真似事には違いないし、思ったよりしょっぱいとか言われても仕方ないですけど。

あ・・・そう。

差し出した味噌汁を卓袱台の上に置く刃牙。
そして、続けて行われたその行動は・・・「ちゃぶ台返し」!!

ああ〜〜〜〜ッッ!!

鬼と見まがうばかりの物凄く立派な背中を震わせ勇次郎が叫ぶ。
いやいやいやいやいや。

水ほどの価値もないとか言ってたけど、やはり会心の作だったんですね・・・
範馬勇次郎が丹精篭めて作製したお味噌汁。それがエアちゃぶ台返しで台無しになる。これは怒るさ!

昔刃牙が空想した親子喧嘩では、勇次郎がちゃぶ台返しを行っていた。
まさかそれに先んじて刃牙が敢行することになるとは・・・見事な反撃である。
精神的には大きく傷ついたと思われる勇次郎。果たして闘えるのか!?

という流れで次回最終回。さ、最終回直前でエアちゃぶ台返しだったというのか・・・?
ほんとこの漫画は色々と飛び抜けている。
とにもかくにも決着の時が来たわけであります。とにもかくにも。

最終ページ横には最終回に向けたアオリページが用意されている。
父の用意した味噌汁をちゃぶ台返しで突っ返す刃牙・・・
そのちゃぶ台返しに怒り心頭に達する父・勇次郎・・・
そしてこの闘いを目の当たりにした戦士達・・・
それぞれの戦士達の思い渦巻く、最終回!!

エアちゃぶ台返しを見て戦士達は何を思うというのだろうか・・・?
ジャック・ハンマー辺りなら「オレだってできるんだ!」とか思うかもしれない。
次に邂逅した時、同様にエアちゃぶ台返しを敢行しようとするジャックの図とか出てくるかもしれない。
と思ったが、そもそもジャックには味噌汁作ってくれる気がしないんだよね・・・悲しいな!



最終話/さようなら  (2012年 38号)


闘いに明け暮れ、闘いに埋め尽くされたこの親子の物語もついに最終回。
地上最強のさようならが行われる日が来ました。
「強さ」とは・・・「強い」とは・・・
「最強」を求め、描き尽くした親子の物語・・・ここに完結!!

とカラーでアオリまくっておいて、ページをめくったら空を舞うエア味噌汁とそれを見て叫ぶ親父の姿という。
このアンバランスさがいかにも刃牙の最終回って感じですよね。いいのかそれで!?

息子のちゃぶ台返しを受け、叫び、猛然と突進する勇次郎。怒ったか!?
と思いきや、空中でちゃぶ台や箸、お椀をキャッチする勇次郎。
所詮空想の産物だとか言っておきながら、未練たっぷりじゃないですか。よほど会心の出来だったのか?

勇次郎が手にした。と思ったとき、それらがいきなり消失する。
そして声に出して会話を始める刃牙。どうやらイメージを止めて消したらしい。便利な話だ。

親父・・・救われたなァ・・・

刃牙のよくわからないセリフ。しかし、これに応じてしまう勇次郎。

その通りだ・・・思い当たるフシがある。あの味噌汁は少ししょっぱい

認めた!?
そうか、しょっぱかったんだ・・・
思い当たるフシがあるとか言ってるが、料理過程で味噌を入れすぎたりしてたんでしょうか?

認めるのが嫌で・・・誤魔化しちまった。嘘をついちまった
俺の動揺を察したオマエがちゃぶ台で・・・俺を救った・・・

これはちょっとよくわからない理論ですね。
誤魔化したりするのはよくないぜってことを気付かされたよって話なんでしょうか。
それはまた物分りのいい父親なことで。

強さの最小単位とは"我が儘を通す力""意志を通す力"。
貴様はこの俺を、地上最強を炊事場へ立たせた。
我が儘というならこれ以上はあるまい。
ここに・・・・・・地上最強を名乗れ

なんと!?オーガが、範馬勇次郎が地上最強を刃牙に譲ろうとしているだと・・・!?
確かに、勇次郎を炊事場に立たせたのは凄いことである。
凄いけど、無理矢理立たせたというか、勝手に勇次郎が立ったんじゃないかという気がしてならない!
範馬勇次郎の淹れたコーヒーが飲みたければ力づくで淹れさせろとか前に言っていた。
それを受けて、炊事場に立たせたことを褒めているのでしょうが・・・うーむ。
むしろ、地上最強の名を息子に譲り渡すためのお膳立てをしてあげただけな気がする。エア夜食で。お膳立てなだけに。
見る人によっては仲のいい親子の称号の継承儀式にしか見えないかもしれない。まさに茶番ね。エア夜食なだけに。

とはいえ、流れに押されて観客は沸きかえっている。
範馬刃牙が地上最強だッッ!!
と盛り上がっているが、よく考えたら刃牙。鼓膜を破られていて耳が聞こえないのでありました。
なので、親父の地上最強の名の継承という話も聞こえてはいない。よってこんなことを言い出す。

決着の際・・・どちらが高見に立っているのか。
頭の位置、頭部の標高が上にある者。見下ろしている者こそが勝利者。
親父の言葉だ。
親父は確かに俺を見下ろし去っている・・・
あの時、俺は殺されていた。争えない事実。俺の、敗北です

聴覚を失ったまま、己の地上最強を知らぬまま、確かに放った"地上最強の息子"からの決着の言葉。
今宵限りの気紛れか、最強を手放した父。勝利を手放した息子
各々が共に自己にとっての最大を差し出した

これを受けて"勝負あり"の採決が下る。
下したのは徳川のみっちゃん。ここぞとばかりに2人の間に入り褒め称える。
いやあ、いい笑顔してますね御老公。実に嬉しそうだ。
嬉しさのあまりか転位しまくっていた腫瘍がキレイさっぱり消えている。凄いね人体。

とにもかくにも。
各々が自己の持つ最大のものを差し出すという形で、地上最強の親子喧嘩・・・ここに終了・・・!!!

まあ、親子喧嘩ですからねぇ。
どっちが強いのかを争う場というわけではなかった。
和解しあうために、それぞれが大事に思うものを差し出したのだと考えると納得いく結論なのかもしれない。
戦いという面では確実に勇次郎の勝ちである。だから刃牙は勝利を差し出した。
一方、料理においては刃牙に一日の長があった様子。
会心の出来と思われた味噌汁の欠点を指摘することで、勇次郎を激しく動揺させることに成功した。
なればこそ、勇次郎が地上最強を差し出した。これは自然な流・・・自然な・・・自然な・・・しぜ・・・ん?
まあ、結局仲のいい親子だったなという話ですよ!!

というわけで。範馬刃牙完結であります。
次号はバキシリーズを振り返ってというテーマで板垣先生のロングインタビューが掲載される。
今後の執筆活動などが語られるということであるが、はてさて。
とりあえず既に決まっていることは予定はある。
今後の週刊少年チャンピオンでの第一弾予定はこれだッッ!!

漫画家、板垣恵介、魂の自伝的作品!!
我が青春の陸上自衛隊習志野第一空挺団シリーズ!!

漫画家としてデビューする前の、陸上自衛隊勤務時代の事実を事実のままにコミカライズした自伝作品!!
前に2話ほど掲載されているのを読みましたが、これは面白かった!
語れそうなネタはたっぷりあるでしょうし、単行本が出るくらいに続けてみて欲しい!!

てな感じで、一応の決着を見た範馬刃牙ですが、まあ、今後も別の形で続くんじゃないかと思っております。
なので、ここでは別れの言葉を述べるのは止めておきましょう。

なんだかんだで楽しむことができました。お疲れ様でした!!!



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