蒼天紳士チャンピオン作品別感想

刃牙道
第1話 〜 第26話


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 各巻感想

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連載中分


刃牙道 1巻


第1話「欠伸」  (2014年 16号)


バキ復活!!
ついに始まったバキシリーズ最新作。その名も刃牙道。BAKI-DOUであります。
一体このタイトルは何を意味するのか。剣道や茶道のような道が刃牙にもあるというのか!?
謎はつきませんが、とりあえず開始と共に一挙4話総計102Pで開始する無茶っぽさはさすがと言わざるを得ない。

しかも注目の第1話はオールカラー。ただし袋とじでの提供だ!!
うーむ、かつて連載ものの1話目を袋とじで行う漫画が存在しただろうか。したのかもしれないが記憶にはない。
というわけで、早速袋とじを開けて新たなバキを読むとしましょう!!

駆け登るなんて珍しくも・・・面白くも何ともない。
駆け落ちるのだ。下まで一気に!!!

神社の急な階段。普通に昇り降りするだけでまいってしまいそうな階段だが、それでは物足りない様子の刃牙。
ならばと上段から身を投げ出すようにして駆け落ちる。
そう、腕や脚を激しく振ってまさしく駆けながら落ちるのだ!!

送り込めッッッ!脚を!手を!落下より速く!!!
転倒しない唯一の策は・・・更なる加速だ!!!

落ちるのではなく底へ向かって疾走る!!!
傍から見れば落下に慌てて手をバタつかせているように見えるがそうではない。的確に手や足を使って階段を駆けている。
重力落下に加速を加え、みるみる地上が近づいてくる。普通ならかなりの恐怖を伴う行為である。

嗚呼・・・なのに・・・こんなときにまで・・・
こんなときに・・・あり得ないでしょ・・・欠伸って・・・
予測はしていたこととはいえ・・・こうまで退屈だなんて・・・・・・

今の刃牙にしてみればこの程度は恐怖にも値しない様子。
まあ地上最強の親父との喧嘩に比べれば並大抵の出来事は恐怖の対象にはなり得ないでしょうなぁ。
戦うにもトレーニングにもモチベーションは必要なのであるが、その度に退屈を感じるようではこの先大変かもしれません。



第2話「王者」  (2014年 16号)


続いて第2話。

入墨をした巨漢が金網を張られたリングの上に立っている。
この男、どうやら飽きているようだ。
そう、パウンド・フォー・パウンド(全階級を一階級に見立てて最強)と呼ばれることに辟易しているのだ!!

玉座について7年・・・余りに多く勝ち過ぎた。
もう・・・十分だ。このスポーツはもう十分だ。

リングに上がりながらよそ見している王者と称される男。
しかし対戦相手が突っ込んでくる頃には正気を取り戻し、しっかりと迎撃を行う。
右の拳が相手の顎をかすめ意識を朦朧とさせ、倒れこんできたところを抱きかかえてのフロントスープレックス。
そして倒れた相手への追撃・・・を行おうとしたところでレフェリーに止められる。
正直最初の拳での一撃だけで十分だったように思えるが・・・考え事をしながらだから大変なことになっちゃったみたいですな。

最高ではなく・・・最強と呼ばれたいッ!

そのようなことを試合中にも考えている王者。
玉座に長年ありながらそのようなことを考えるこの男。強さに貪欲でありますな。
だからこそ、その最強の称号を得るために日本へ渡るという。そう――あの国こそ誰もが認める最強があるのだから・・・!!

武を志すものならば誰もが知る地下闘技場。
そのプロモーターである徳川光成のもとを訪れる王者。地上で栄華を誇っていながら何故ここで戦いたいのかと問われる。
その答えはシンプルなもの。そう、あの親子喧嘩を観たというものだ。

人間ノ身体ガ、アレホド美シク動クノヲ初メテ観タ

さすがに王者と呼ばれるだけあり中々面白い感想を述べてくれます。
そして徳川光成のことをショーグン徳川と呼んでみたりする。この男・・・半端に勉強している!?

ともあれ、地上では一試合4億円を稼ぐ王者が地上最強の名を得るために無報酬の地下の戦いに挑もうとしています。
相手がとてつもなく強いと分かっていながら、それでも確かめてみないと気が済まない。男らしい話である。
そして強えぞあのガキはと言われ、わたしもだと返すだけの度胸が備わっている。さすがの自負でありますな。
徳川のみっちゃんにコンディションはどうかと尋ねられ、お望みなら今夜すぐにでもと返す王者。
しかしその返答にあっさり乗ってくるみっちゃん。試合は今夜に決まりました。え!?
挑む本人は確かに今夜でいいといったが、挑まれる方については・・・了承も得ずに決めていいんですか!?
ハハァ、学生だし夜はヒマだろうということですか。
む、刃牙はまだ高校生のままなのか?さすがに大学進学とかはあり得ないだろうし・・・まさかの体育大学推薦入学!?

刃牙の現在の学歴は気になるが、とりあえず試合についてだ。
ヒマつぶしに試合ってと苦笑いを浮かべる王者――ミスターアトラス。そのアトラスにみっちゃんはこう述べる。

断らんよ刃牙は。何時でも何処でも誰とでも。断らんから最強なんじゃ

なるほど。格好いい話ですな。これで彼女とのデートがあるからと断ったりしたらアレですがどうなんだろうか?
自分の都合で突っぱねる。このワガママも最強っぽい気がするがどうなんだろうか!?
まあ、そういう話はなく無事に今夜の試合の了承を事後承諾ながら得ることができました。一安心です。
しかしみっちゃん、アメリカのナントカって格闘技って。興味薄いな。

というわけで地下闘技場に立つミスターアトラス。
地上では王者と呼ばれる男だが、この地下では逆に王者への挑戦者となる。
そしてその挑む王者が闘技場に静かに現れたとき・・・余りの小ささに驚愕する。こんなに小さいのか・・・!?

刃牙の現在の身長を5フィート半(167.74センチ)程。体重を154ポンド(70キロ)前後と目算するアトラス。
自身に比べるなら半分ほどでしかない相手。通常ならば無茶苦茶なマッチメークといえる比率であるが・・・

"地上の王者"サム・アトラスは後に語る。"そのときだった"・・・・・・と。
わたしの眼前に見たこともないようなあるような・・・謎の生物が立ち現われた

恐竜のような昆虫のような謎の生物。巨漢のアトラスが見上げるような生物がいきなり目の前に現れた。
これは確かに形容がしようがない。一言でいうならばそう、化け物。
刃牙の放つ威容はついに化け物の領域にまで行ってしまったというわけか・・・



第3話「退屈」  (2014年 16号)


驚愕を受けながらの第3話。

アトラスからしてみれば一見少女のようにすら見える刃牙。
確かに若さに似合わぬ歴戦の兵のような無数の古傷を体に纏っているが、まさか化け物の幻影を見せられるとは想像もつくまい。
しかもこの見たことがあるようなないようなモンスターという形容が何とも言えない。
既存の怪物の枠に収まらず、それでいてリアリティのある化け物ってことでしょうか。

刃牙の笑みを見て巨大な化け蜘蛛に相対したかのような幻影を見るアトラス。
ふむ。刃牙の笑みは蜘蛛のようなものであると。言い得て妙かもしれませんな。

さて、アトラスの戸惑いはさておき、試合は始まろうとしている。
この地下闘技場のルールはごくシンプル。武器の使用を禁じる。それ以外は目を潰そうが噛みつこうが何をしても許される。
正々堂々男らしく闘ってくださいと審判は付け加えているがこれはルールではないんでしょうな。
場合によっては偽物の母親を仕立てて注意を逸らすような真似も許されるってことでしょうし!!

ともかく試合が始まる。
その直前に沸き起こるのは挑戦者のアトラスコール。なんだ。刃牙はそんなに嫌われているのか!?
いやいや。さすがにそういう話ではない。
これは・・・頼りない挑戦者に観客が声援を送っていてあげているのだ!!おやおや。
さすがにこの扱いにはアトラスの表情も変わる。相手が化け物とはいえ・・・バキ・ハンマの体重はわたしの半分だぞ!

都合10階級を跨いだ"怪物"ボクサー。あのマニー・パッキアオでさえ・・・ヘヴィ級には挑まない・・・
伝説や神話が越えられぬウェイト差の壁。
バキ・ハンマよ。どんな魔法を使うのだい?このわたしをどうしてくれるのだい?
嗚呼・・・・・・なんて愉悦しいんだ!!!

嬉しそうなミスターアトラス。勝利に飽きた男が今一人の挑戦者として王者に挑む楽しみに震えている。
しかし、この勝負はほんの数秒。一瞬の出来事で完全な決着を迎えることになる。

一目で理解った・・・昂るわたしに対し、その表情・・・その歩み・・・
バキ・ハンマは・・・明らかに退屈していた

まさしく立場が裏返しになった感じですな。昂る挑戦者に対し勝利に飽いた王者。
その態度を覆させようと必死に挑むアトラス。足の甲への踏み付けに続く至近距離からのハイキック。ここまではフェイント。
それらに隠された"絶対"の右ストレート――はしかし躱される。
直後――両手で頭を掴まれるアトラス。握力130キロの力で引き剥がそうとするが・・・剥がれない!人類の力ではなかった。

そして・・・揺すられた・・・らしい・・・
わたしの記憶はそこまでだ。ナゼならわたしの脳は頭蓋の内壁に繰り返し・・・繰り返し・・・叩きつけられていたのだから。
「もしも――」の余地のない決着・・・重要なのはわたしが最後に見た光景だ。

地下から地上に戻り、日の光を浴びながらその最後の光景について思い返すアトラス。

彼はナイスガイだ・・・余りに弱者のわたしを気遣い、欠伸を・・・噛み殺していたんだ・・・

トレーニングどころか試合中にまで欠伸が出るようになってしまった刃牙。
うーむ、普段から退屈しすぎていろいろとこじらせてしまった感じのようですなぁ。
これは・・・父である範馬勇次郎に近い状態になっているのではないだろうか?
しばらくしたら自分に対抗するための存在を作り出すとか言い出したりするんじゃないかと不安になりますわ。



第4話「スカイツリー地下」  (2014年 16号)


一挙4話掲載、ラストの4話目。

舞台は高さ634メートルのスカイツリー。少し捻じれている。
それは古くからある神社仏閣の柱に見られる木造建築の技法を用いてデザインされているからだそうな。
しかし徳川のみっちゃんに言わせればそれはDNAだからだとのこと。ほう・・・?

謎の言葉はさておき、スカイツリーに現れるみっちゃん。
その前に現れたのは上下作業服を纏った・・・内閣総理大臣の姿。
うーむ、相変わらず登場するたびに総理が変わる漫画だ!!

重要機密ということで警備は置いてみっちゃんと阿部総理の2人だけでスカイツリー内部の施設に入る。
その途中、事態は既に動き出しとる。後戻りは出来んと語るみっちゃん。何のことだろうか?
少なくとも総理は本日の件は何一つ聞かされていないようであるが・・・ぞんざいな扱われようだ。

スカイツリーの地下へと向かう2人とその案内役であるチームリーダーと名乗る野々村仁。
向かうのは地下366メートル。なるほど。スカイツリーの634と合わせると1000メートルってことですか。
というかみっちゃん地下が好きですなぁ。巨大な塔の地下を掘って大丈夫なのだろうか・・・まあ、大丈夫なのだろう。きっと。

地下で出迎えてくれたのはミスタージョンという博士っぽい男。
親しげにジョンとハグをかわすみっちゃん。OHゴロ〜コォ〜。都合1ページ4コマに渡ってハグを続ける2人。なげーよ。
その間に周りを見回して驚愕を隠せずにいる総理。スカイツリーの地下にこんなものがあるとは総理も知らなかった様子。

聞いてねェよ!!!こんな秘密基地!!?

確かに秘密基地と呼べるほどの規模である。これをわざわざスカイツリーの地下に造るとは・・・さすがというかなんというか。
思わずみっちゃんに説明を求める総理。再会のハグを邪魔されて不機嫌そうな2人。何なんだアンタらは!?
まあ、それはさておき・・・みっちゃんから口からは奇妙な言葉が飛び出してきます。

許容せ。創作のためじゃ。
ツリー頂上から1000メートル地下。人類を一人な、創作るんじゃ

ヒトを作る。それはクローン技術とかそういう話でしょうか。
もしクローンならばそれは一体誰であるのか?その答えは・・・カプセルの中で眠る鎧の人物の前で教えてくれる。
日本の甲冑を纏ったその人物は大柄であるが既に木乃伊と化している。
この人物が誰であるか・・・それは総理も、いや日本人ならば誰でも知っているのではと思える人物である。

紹介してしんぜよう。遠く・・・熊本からお越し願った、宮本武蔵さん・・・という方じゃ。

宮本武蔵!!日本人どころか外国人であっても知っている人がいる名前だ!!
スカイツリーの地下であの剣豪を目覚めさせるプロジェクトが推進しているという・・・
このジョン・ホナー氏の手により化石化しつつある脊髄を摘出。軟組織の抽出にこぎつけたという。ほほう。
しかしヒトのクローン作製は国際情勢でも忌避の方向で一致している。バレたらタダでは済まない。しかし・・・

その言葉。生身の武蔵殿を前にして口にできるかね

目覚めさせるためのプロジェクトとか言っていたが、さすがに木乃伊が新鮮な体になるわけではないらしい。
クローンとして生身の武蔵が出来上がろうとしている。
実際のクローン技術と並べようとするとたぶん盛大にツッコミどころがでるのだろうが・・・そこはまあ勢いで流す方向で!!

しかし宮本武蔵とは・・・これは刃牙のために過去の偉人をどんどんと作り上げるという方向であろうか?
確かに武蔵は強いと思うが、太古より蘇ったピクルほどのインパクトと強さはあるのだろうか?
もちろん素手ではなく剣を持たせて戦うことになると思うのだが・・・
というかクローンの場合記憶はどうなるのだろうか。脳の記憶はないが、身体が・・・細胞が剣の振り方を覚えている!!とか?
脳の方の記憶もあるのであれば刃牙と拳ではなく言葉で道を語り合うという展開もあったのかもしれないが・・・うーむ。

いっそのことみっちゃんはクローン技術を研究するよりタイムマシンを作った方がよかったのではなかろうか。
それなら一つ完成すれば何回も色んな時代にいって刃牙を戦わせることができたでしょうに。

みっちゃんの献身は刃牙のためなのか、それとも自分のためなのか。
アトラスへの態度とか見ているともう少しばかり強いぐらいの男は眼中にないって感じになっている様子。
刃牙クラスの男たちの戦いを常に見ていたい。そういう欲望がこの武蔵のクローン作製という暴挙につながっている気がします。
はたしてこのプロジェクトは上手くいくのか。物語はどのような展開を迎えるのか・・・注目であります!!



第5話「ジョン・ホナー」  (2014年 17号)


2XXX年 春。ここ熊本県竜田町に建立される墓標、通称「武蔵塚」
この貴重なる文化遺産から亡骸が消えた。あろうことか・・・正保二年(1645年)に土葬された宮本武蔵本人の遺体である。

ふむ、年号が大分ぼかされるようになりましたな。
これで連載が数百年ほど続いても問題はなくなるかもしれないわけだ!!

というのはさておき、その亡骸がなくなる日より時は遡り、1986年の夏。
1人の男が興奮を露わにしている。どうやら悲願だったティラノサウルスの背骨をついに手に入れたかららしい。

それまで全ての研究室、博物館がにべもなく拒絶した実験。背骨を割る・・・・・・
わたしにはとうてい理解できなかった。
何故多くの古生物学者たちは標本を飾ってしまうのだ?何故"外側"から眺めているのだ?何故割ってしまわないのだ?
脊髄をッ。頭蓋骨をッ。卵をッ。何故割って開けて見ないのだ!?
「卵」の最重要部分とは!?殻は単なる器だ。最も重要なのはそうッ中身だろッッ!

熱く語る男。
そういった情熱を持ち続け、ついに自由にできる背骨が手に入って嬉しかったわけでありますな。
そして果たして――割ってみた結果は自身の推理すら上まわるものであったという。

それまでに常識とされた骨や歯――卵などの硬い部分だけが化石化すると盲信されていた。
その常識が覆る日が来た。軟組織の発見だ。背骨の化石の内部に血管が発見されたのだ。
しかもその約7000万年前の痕跡はなんと引っぱれば延びるほどの柔軟性を有していたのだ。

さらには骨に付着する繊維からタンパク質を解析し、アミノ酸を発見。
そしてその配列が鳥類に酷似していることも発見したらしい。ふうむ、恐竜が鳥類に近いというのは聞いたことありますな。

ここまでくれば遺伝子――DNAの採取までさほど時間は掛からない。
そう、恐竜のクローン作製が夢物語ではなくなったのです

それはまた勇次郎が大喜びしそうな話でありますな。戦ってみたくて何度も標本見に来るような人ですし。
実現するにはまだ結構な時間と費用がかかりそうな気はしますけどね。

それらの論文を発表したのが2005年。反響はすさまじいものだった。
論文発表4日後のこと、トーキョーから一人の訪問者が現れた。

トランクいっぱいにキャッシュを詰め、さらにそれを手付金と説明する訪問者。
男とその持つ技術を買おうというのだ。誇りを挫くには十分すぎるほどの金をもって。

東京でわたしを待っていたのは"サムライムービー"そのままの目付きの鋭い小柄な老人だった。
彼のコードネームはゴローコー

御老公はコードネームだったのか!!いやまあそうか。
意味はわからずにゴローコー言ってましたのね。

さて、そのゴローコーことみっちゃんはこう述べる。人類を作製りたい。と。
国際世論で禁忌とされているヒトのクローンの提案。さすがに金を積まれてもこれは尻込みする話である。
しかし常識を説く男に耳を疑うような一言が放たれた。

ムサシ・ミヤモトの遺体を押さえてある

飛び出ましたこのビッグネーム、宮本武蔵!日本人ならずともその名は鳴り響いている様子。
そう、歴史上最も有名な侍として。議論の余地もなく最強の象徴として!!

恐竜の化石に比べれば珍しくない人間のミイラであるが、それが有名な人物のものとなれば話は違う。興奮する男。
ふうむ。段々とみっちゃんのペースに乗せられていっている感じがありますな。
どうでもいいが、冒頭で2XXX年とぼかしていたのに2005年には既に確保してるとバラしちゃっていいのか?

それはさておき、男は地下366メートルに用意された巨大施設に案内される。
これまで見たいかなる実験施設と比べても規模、水準、その何もかもが桁外れ。
その施設の幾重もの扉に閉ざされた奥に、彼は永い眠りに就いていた。

ここでみっちゃんは割と衝撃的な発言をする。遺体に目を奪われている男には大したことないようだが、割と衝撃的だ。
何でもスカイツリーはこの地下施設のカムフラージュとして建てられたらしい。E〜ッ。
そしてそのスカイツリーが634メートルなのはムサシ・ミヤモトの名に由来しているとのこと。
そしてそして、足元から見上げた際に感じられる緩やかな螺旋はDNA――遺伝子の捻れを暗示しているそうな。ほう・・・
凄い発言であるが、実際に地下に施設があるのであれば納得しないわけにはいきますまい。迫力で納得すべし!!

それらの重大な機密事項はさておき、男は宮本武蔵という存在に魅入られた様子。

報酬は問わない。ムサシ・ミヤモトを・・・この地にッ。現世に立たせたいッッ!!

こうして神に背を向ける反道徳の道を選択した男――ジョン・ホナー。
宮本武蔵を作製するために動き始め、そしてその試みがついに完成しつつある様子。

ふーむ。思ったより昔からこの計画は動き出していたんですなぁ。
刃牙の為に過去の偉人を蘇らそうとしているのかと思ったが、どうやらその偉人そのものの方が目的であったらしい。
さてさて、宮本武蔵がその期待に応えられるぐらいに――範馬に匹敵するほどの力があればよいのですが・・・



第6話「予感」  (2014年 17号)


センターカラーでいきなり相対しているのは天才・愚地克巳と達人・渋川剛気。
隻腕の残った左腕で渋川先生の襟を掴む克巳。
視線を外した状態から繰り出すのは右の上段回し蹴り。この窮屈な体勢でよくやる。
が、そこで掴んでいた克巳の腕を打つことで体勢を崩させる渋川先生はさらにさすがである。

ズルッと軸足を滑らせ体が回転する克巳。襟を取っていた手も放れる。
が、空中で自ら回転し、右の足刀を繰り出す克巳。この鋭い蹴りは渋川先生の頬を掠める。これはなかなか・・・

一先ずの立ち合いは終了の様子。
渋川先生は克巳に隻腕という個性は完成の域に達しつつある。のォ2代目と語りかける。
それに対し、一触れしか許さなかったくせにからかってらっしゃると穏やかに返す克巳。
ふうむ、渋川先生の強さもさることながら、克巳が2代目として認められ、本人もその風格を漂わせてきておりますなぁ。
登場時の傲慢な感じではなく、トーナメントで敗れて以降の焦った様子でもない、落ち着いた雰囲気となっている。いいことだ。

克巳が言うにはあの範馬親子の"親子喧嘩"以降胸騒ぎが収まらず、肉体を酷使していないといけない衝動に駆られていたという。
しかしどうやらこれは克巳に限った話ではない。渋川先生が言うには皆そうであるとのこと。例えば――
愚地独歩が「滝浴び」を始める。いい歳して。
本部以蔵が山籠もりを始める。まだその闘志は萎えていなかったのか!!
鎬昴昇は来る日も来る日もサンドバッグを切り裂いている。修復しなくて済むものを切ればいいのに。
鎬紅葉は本業そっちのけでトレーニング。ようやく真面目に本業に戻りつつあったのになぁ。
ジャックは薬の量が増える一方であるそうな。これだけ聞くと不安定になって薬に走ってるように聞こえて困る。
烈海王は米国でボクシングに挑み中。おぉ・・・ちゃんと続きが描かれる気配が!?
オリバは刑務所でイチバンの重労働を行っているとのこと。それなら生産に寄与してもらってもよさそうでは・・・!?
花山薫はさすがに変わらず。変わらずにいることこそがこの漢の矜持であるということだ。

以上のようにそうそうたるメンバーが皆動き始めている。そう、本部を含めてそうそうたるメンバーが、だ!!

ちなみに渋川先生はさすがに護身を完成させているだけに予知能力に長けている。
その予知能力で何かを予感しているという渋川先生。克巳も納得するその何かとは一体何なのか。宮本武蔵なのか、それとも・・・?

そして、その予感を感じているのはここにもいる。
壁、地面にまで及ぶ膨大な落書きのされた家に住む男――範馬刃牙である。

事件は・・・日常のトレーニングを終了たときだった。
力尽き・・・身動きも出来ぬまま、耳に伝わり来る鼓動を・・・楽しんでいた。
少年の耳に響いた・・・自身の鼓動とは明らかに異なる巨大なる鼓動

全ての戦士が何かを予感し、刃牙の脳内に響くこの鼓動の正体とは何か!?
武蔵の前哨戦として本物の恐竜をクローンで用意しましたとかそういう話だろうか?
武蔵がもし現世に立ったとしたら、試し切りする相手としては最適かもしれませんな。

この巨大な鼓動の主はどういう存在でどういう扱いをされるのか・・・気になります。



第7話「鼓動」  (2014年 18号)


地下のトレーニング場は激しい動きで飛び散った汗でびしょ濡れになっている。
汗以外の体液も混ざっているのではないかと危惧するがどうなんだろうか。まあ知りたくはないな。
ちゃんと水分補給するためにペットボトルを置いているのは感心である。
しかしちゃんと乾燥するのかね、コレ。

それはさておき、刃牙は己の物ではない何者かの鼓動を聞いている。
誰の者であるか考えを巡らせるが、自身の知る誰の者とも違う。果たして誰の者であるのか・・・
範馬勇次郎をはじめとした強者の顔が浮かぶが・・・その中に本部が入っているのがまた何とも。
いや、本部だって武器と地形効果があれば十分強者のはずだよ?きっと。

ともかかく、刃牙が何か予感にとらわれている中、宮本武蔵クローン作製は進んでいる。
20XX年4月。細心の注意の下で剣豪宮本武蔵の脊髄部分が摘出される。
それは人類と云うより猫科・・・それも大型の猫科を彷彿させる形状を有していたという。
まるで人類的ではない太すぎる脊髄。これには教授たちも驚きを隠せない様子。

骨格とは雄弁なものだ。持ち主の日常がそっくりそのまま形状になって現れている

なるほど。サムライとしての鍛錬を積んできた結果、骨格にまで影響を及ぼしていると。
皮膚でもなく筋肉でもなく骨格にまで影響を与える鍛錬。それが宮本武蔵の日常だったのでありましょう。
果たして現代に蘇る武蔵はどのような風貌をしているのか・・・強そうな顔してそうだなぁ。

さて、相変わらずトレーニングを繰り返している刃牙。
今日も当り前のように40キロ以上走っている様子。
オーバーワーク。であるにも関わらず、肉体を動かすことでしか癒されないという刃牙。厄介な状態に陥ってますね。
しかしそんな肉体を酷使している最中にも拘わらず、フルマラソンの最中にも拘わらず欠伸が出てくる。はム・・・

謎の鼓動音・・・止まない欠伸・・・俺は・・・何を予感している・・・??

鼓動音の方はさておき、欠伸は予感と関係しているのだろうか?
強者の予感があるのに欠伸が止まらない。これはどういうことなのか。
強者が待っているから今のうちに寝ておけということなのだろうか。果報は寝て待てと?
というか昔の刃牙は走っている最中も強負荷を勝手にイメージしたものであるが、あれはどうなったのだろうか。
欠伸が出てしまうのも力が抜けるのである意味大変なのかもしれませんが。実はこれも負荷をかけるトレーニングの一環だったのか!?

刃牙の欠伸に関してはさておき、武蔵のクローン計画は順調に推移している。
脊髄を割れば顕微鏡を使うまでもなく肉眼で動脈が確認できる。見た目で弾力が見て取れる。何という太さだ。

ミスタートクガワの言葉は本当だった。これはミイラではないッッ。生身だ!!!
見ろ!!この常人離れした血管のブッ太さを!!!
我々はミスタームサシの親になれるのだ!!!

ノミを振り回して喜ぶホナー教授。嬉しそうですなぁ。
伝説のサムライの復活・・・実は日本人以上に外国人の方が喜ぶ人は多いのかもしれませんな。



第8話「受精」  (2014年 18号)


現在の時間から11か月以前。スカイツリー地下366メートルで宮本武蔵復活の研究が進められている。
色気の欠片もない巨大な装置。そこに向かってホナー教授が作業を行っている。
何をしているのかといえば・・・そう、生殖。無機質な性行為である。
しかし、それは偉大な、とてつもなく偉大な性行為とも言えた。

受精していない健康な卵子。この卵子から核を取り除き、そこにドナーの核を移植する。これがクローンの手順である。
もちろんドナーとなるのは宮本武蔵その人。
そしてこの移植作業が成功したならば、28日後には宮本武蔵本人の胎児が拝めることとなるらしい。ほう。
さすがに地上の施設の8倍を超える総工費に世界のトップの技術者が集まっているだけはありますなぁ。

そして詳しい作業の状況が描かれる。
直径100マイクロメーターの特殊なガラス管を用いて卵子から核を吸い込む。繊細な作業だ。
にも拘わらず、手早く行うホナー教授。さすが世界一の技術の持ち主だ。こりゃ頭も薄くなる作業だわい。
そして除核が完了した後にニードルピペットといわれる器具で新たな核を注入する。
太さは髪の毛の100分の一程度。その極細の器具が卵子にインサートされる。
そして・・・ついに現れるのがクローン胚。核。宮本武蔵の赤血球から採取した宮本武蔵の核である!!

受精完了・・・・・・

ついに行われる宮本武蔵作製。ここから1年近くの時をかけて育てるわけでありますな。
人間が生まれる十月十日に比べ、成人までの成長に1年である。これはさすがに凄い速度と言わざるを得まい。
しかし地上最強を受け継いだ刃牙はその1年近くを退屈しながら過ごさねばならないわけでありますな。

まただ・・・違うんだよなァ・・・こいつじゃない。
こんなありきたりな鼓動じゃない・・・

地下闘技場で戦っている最中もあの鼓動は気になっている刃牙。
しかしまあ、やっぱり強くなりすぎたってのは厄介なものでありますな。
ほとんど楽しむこともできず、対戦相手を一蹴りで仕留めてしまう刃牙。さらに・・・

ヒデェよ!!!今・・・ッ今たしかに・・・ッッ!アクビ噛み殺しやがったッッ!!

まあ、ひどいと言えばひどいですわな。
さすがにミスターアトラスのように欠伸をされても噛み殺してたから紳士と思えとはいえないわ。

もう暫くじゃ刃牙・・・あと・・・十月もすればオマエの欠伸は止まる。

そのように述べるみっちゃん。
ふうむ。時系列がよく分からなくなってきましたが、結局クローン武蔵はいつから作り始めたのだろうか。
親子喧嘩をする前なのか後なのか・・・今回の話を見る限りでは後のようではありますが。
そうなると親子喧嘩から1年近く経過しているのに刃牙がまだ学生というのは・・・まだ18歳のギリギリなら有り得るか?
普通に留年して学生を続けているとかそういう可能性もありますけどね!!まあ、それはさておき・・・

生物誕生より人類誕生までのおよそ20億年・・・・・・
そのスピード感をそのまま残しつつ・・・武蔵11か月と10日・・・

いよいよ目覚めようとしている武蔵。
さてさて、蘇ってすぐに刃牙と戦うことになるのか。それとも誰かと戦って強さを示すのか。
そもそも蘇った武蔵はどのような人物となっているのか。
生前の知識や記憶が受け継がれているとは思えないが・・・まずは教育から始まるのだろうか。気になるところです。



刃牙道 2巻


第9話「出産」  (2014年 19号)


クローン武蔵の受精は完了し11か月の時が経った。
となれば次に来るのはそう、出産。ついに現代に武蔵が生まれ出でる日が来るのだ。
それを予感してなのか、各所ではグラップラーたちが同じ奇妙な現象に苛まれている

全力疾走にも勝る・・・エネルギー消耗度・・・十字懸垂。なのに・・・

その最中であるにも関わらず欠伸が出てしまう鎬紅葉。自分自身でもどうかしてると思えるようだ。
そしてそれはこの日だけでのことではない。

昨日は「ベンチプレス」の最大値で・・・その前は100メートルの全力疾走で・・・
挙上寸前で・・・ゴール寸前で・・・こみ上げた欠伸・・・・・・
あり得ないよ。医学的に。何故退屈してる・・・?何に退屈してるんだ・・・・・・?

天才医師が医学的にあり得ないと述べている。まあそりゃそうでしょうわな。
ダッシュにしてもそうだが、ベンチプレス中に欠伸で力が抜けたら大変なことになってしまいますわ。
退屈してるなら本業に戻れと言う声も聞こえそうですが、手術中に欠伸されたら大変なことになると思うのでそのままで良いな。

もちろん刃牙と同じようなこの欠伸現象が起きているのは紅葉だけではない。所は変わってある山奥。

これは・・・いいことなのか・・・悪いことなのか・・・
極寒・・・滝浴び――の最中の欠伸・・・・・・

普通に耐えるだけよりも厳しそうな気がするのでいいことなのかもしれませんね独歩。
そして所は変わって○○大学医学部付属病院。

現在の身長へ・・・さらなる上乗せ。より高く・・・より遠く・・・
俺の上半身の長さから算出した運動能力を損なわぬ限界値・・・
骨延長30センチ・・・!身長目標値2メートル43センチ!!!
見下ろせる・・・全ての敵を見下ろせる。

薬の量が増えたと思ったら、今度はまたもやの骨延長。ジャックは一度上手くいったら被せてくるタイプでありましたか。
痛みを感じつつ強くなれるこの方法はジャック向けかもしれませんなぁ。その間寝てないといけないのが難点ですが。
しかし巨漢はあまり活躍できていない刃牙世界でこれはどうなのか。
いやまあ同じように心配された1度目の骨延長後の戦いは制しているので大丈夫なのかもしれませんが。

2度目の"骨延長手術"・・・"圧痛"による激痛には耐えられる。
なのにどうだ・・・この激痛のなか・・・繰り返し寄せてくる・・・この・・・欠伸にだけは・・・

何なんでしょうねこの欠伸は。
耐えなければいけない時に限って出てきているように見える。
これは武蔵出現を予感してのことなのだろうか?
刃牙だけならば王者となった退屈さによるものと納得もできたが、他の面々もこうだとなるとそうはいかない。
もしかするとこの欠伸が武蔵の強さに繋がるのか!?
武蔵と相対すると戦いの最中でも欠伸が止まらなくなる。筋肉は弛緩し、致命的な隙を生じることになる!!
いや逆か。弛緩するということは直後に鋭く動けるということ。
つまり武蔵復活後に即座に戦えるよう常に弛緩しておかなければいけないと肉体がサインを示しているのだよッッ!!
さすが武蔵。極限の弛緩を身に着けた男でありますな。

さて、受精11か月と10日め。9時間41分。ついにその時が訪れる。
該当年齢32歳6か月。宮本武蔵、現代に誕生である!!

ついに出てきました。出てきてしまいました。
が、本当にこの武蔵が強者であるかどうかはまだ分からない。
いくらなんでもここまで引っ張ってクローン作製に失敗ってオチはなかろうが・・・
でも何か問題が起きないとは限らない。
生まれたばかりの武蔵君はホナー氏を親と認識し、剣術とかいいから科学者になりたいとか将来の夢を違えてしまうかもしれない。
32歳の状態なのに将来の夢を語る武蔵君。大変な状況だ!!いや、さすがにそれは。
色々とトラブルがありそうな気はするが、どうにか早急に乗り越えていただきたいものであります。



第10話「最強という言葉」  (2014年 20号)


強者を襲う止まらぬ欠伸。
他の面々とは違い、体を動かさずにいた花山薫であっても欠伸の影響は免れなかった様子。
柴千春と一緒に飲んでいる時でも欠伸が止まらない。ほわ・・・

大将・・・何回だと思います?ここに座ってからのアクビの数ッスよ。多すぎてワカンないッスわ自分も。
自分が退屈させてんなら消えちまいましょうかッッ!

確かに同席している人間が欠伸をしまくっていたらたまりませんわな。
憧れの相手にこれをされる。怒りとも恥ずかしさともつかない感情に囚われていそうな千春。こりゃ飲まずにゃいられないわ。
にしても千春には欠伸はこないんですな。強さが一定の基準に達していないとか何だろうか?
その場合、本部さんが欠伸をしているのかどうかが凄く気になるのですが・・・山籠もりは単に趣味なのかもしれないですし。

それはさておき、千春に対してこう述べる花山。

一昨日のことなんだが、拳銃で狙われたんだ。何か早口で能書き叫んどったわ・・・

千春にしてみても拳銃はさすがにヤバイ。
根性で大抵の攻撃は避けずに耐える千春だが、目突きの件を見る通り、無理なものは無理と判断する時はちゃんとある。
撃たれたら死んじゃうじゃないですか。ぐらい言ってくれそうだ。非常に普通な意見ですな。
その辺りは生半可な拳銃じゃ倒れない花山とは違う。
まあ、さすがの花山薫も額とかに受けたらヤバイんでしょうけども。それでも引かないのはやはり場数の違いか。さすがだ。

歩み寄りながら――話しかけた――そん時だ。
悪いとは・・・思ったんだが・・・止められなかった・・・

拳銃で狙われるという緊張度MAXの場面で欠伸が出てしまう花山薫。
花山ほどの男でも止められないのだから欠伸という奴は厄介なものだぜ。

退屈はオメェのせいじゃねェ。わるかったな。

そう千春に述べる花山さん。うーむ、さすがの大将でありますなぁ。憧れの存在はやはりデカイぜ!!
すんませんッッと涙する千春。すんませんッッ!
しかし花山は別のことを考えていた。

この退屈・・・あの人の前だと・・・どうなるんだ・・・

思い描くのはオーガこと範馬勇次郎の姿。
花山って勇次郎のことをあの人とか呼ぶようになってたのか?
昔酷い状態にされた恨みとかはもうないってことなんだろうか。
純粋な強者としての敬意か、友人である刃牙の父親としての敬意か。考えてみるとなかなか面白い。

さて、ついに現世に誕生した宮本武蔵。ちゃんと伸び切った爪は裁断してくれます。
うむ、これは気になっていたので切ってくれてよかった。
産まれた時にどこかに引っかかって剥がれたりしないかと心配したぐらいだ。
それで泣き声を上げて、誕生の第一声になったりするのはさすがにアレでしたからなぁ。

百戦錬磨。天下無双。実物の宮本武蔵。
戦いにおいては素人のホナー教授でも一目で戦力の高さが理解できる存在である。

あたり前じゃ。最強という言葉はこの男から始まったんじゃ

万感の思いを口にするみっちゃん。
ふうむ、思った以上に宮本武蔵という存在に思い入れがあったんですな。さてさて、現世でもその実力は通用するのか・・・

武蔵の今後は気になるが、ここで更に気になる話が飛び出してきた。
何と花山薫がオーガと試合いたいと申し出てきたのだ
あの人の前だとどうなるのか。思うだけではなく、即座に実行に移す花山薫。この即断即決っぷりは見事である。

単純に強いということであれば刃牙でも良かった。そっちなら居場所も知れてるし、会おうと思えばすぐ会える。
けれども、退屈さを感じないぐらいヤバイ相手という意味ならやはり勇次郎の方が適任である。
果たして勇次郎を前にしても欠伸は止まないのか。勇次郎本人に欠伸の影響は出ているのか。
マッチメークしたら双方欠伸だらけの困った試合になったりしないか。とても気になる!!



第11話「仏作って魂入れず」  (2014年 21+22号)


範馬勇次郎との戦いを望む花山薫。
少し前ならいざ知らず、今となっては勇次郎に挑もうとするものはほとんどいない。
その強さ、デタラメさは親子喧嘩の時に広く伝わったでしょうしねぇ。
元よりその強さを知ってて挑むものもまた少なかろう。

範馬勇次郎に挑むということ。
もはやそれは試合とは呼べぬ。あんな化物と勝負する奴ァおらん
ならばなぜ挑む。退屈しとるんじゃのォ・・・

どうやら見抜かれている様子。
まあみっちゃんの元には様々な格闘家が退屈しているという情報は入ってるでしょうしね。
しかしそれにしても勇次郎に挑もうとする花山の心意気は凄い。

遡ること5年。都内ゲームセンターで期せずして立ち上がった範馬勇次郎VS花山薫。
伝え聞くその内容は凄惨の一語。生涯に渡りトラウマとなるほどの圧倒的決着
再び相まみえる必然などない。あろうハズもない結末。

幼い頃とはいえ、あの花山薫が涙ながらに勝てないと思わされたぐらいですからねぇ。まさに凄惨。
しかしそのようなトラウマをも跳ね除けて戦い続けているのが花山薫である。
身も凍る苦痛と屈辱。それをも乗り越える強さは備わっていることでありましょう。
いや。だが、やはり勇次郎との戦いを決意した最大の理由は――"退屈"という激痛である。
止まない欠伸。勇次郎であるならば癒してくれるかもしれない。確かにそう思える。

礼を言うぞ花山くん。実はワシもオーガを東京へ呼びたかった。
花山薫の名なら、あの男も動く

一体何のようで勇次郎を呼び出そうとしているのか。やはり宮本武蔵の件だろうか。
現世に再誕した宮本武蔵。さすがの勇次郎も驚くニュースでありましょう。
が、どうやら武蔵は出産から81時間が経過しながらも未だに目覚めていないという。産声を上げなかったのはそういうことか。

脈拍。体温。血圧。各項目24時間体勢にて監視。いずれの項目も良好なるもただ一つ。
脳波には何の反応も現れません

データ上では完璧ながら、脳の目覚めには至っていない。
うーむ、脳はやはり人体でも未解明な部分が大きい箇所ですからねぇ。こういうことも有りえるか。
しかし有ったからといって失敗でしたで済ませるわけにはいかない。
自身を無力な古生物学者と称し、同席する科学者たちに救っていただきたいと頭を下げるホナー教授。
その言葉を皮切りに科学者たちの間で議論が飛び交う。喧々囂々。議論は白熱を極め、やがて・・・意見も出尽くしたかのその時。

仏作って魂入れず
ほぼ成し終えていながら、肝心要が抜けている。専門家の皆の前で恐縮じゃが、ここは一つ素人の意見に耳を傾けられたい。
最新のデータ。過去のデータ。積み上げたデータ。データ。データ。データ。
数字や科学では辿り着かない領域がある
わたくし事で恐縮じゃが、ワシには一人姉がおる。
職業霊媒師。胡散臭い・・・とことんビミョーな姉君じゃ・・・

何と光成に姉がいたとは!!しかも見るからに胡散臭い。
姉の存在も驚きであるが、職業が霊媒師。これは・・・もしかしてオカルトな話になるのか!?
魂が入ってないなら宮本武蔵本人の魂を呼び寄せて入れてしまおうという話か!?
なるほど。これならばクローン武蔵に記憶は受け継がれていないのでは?という疑問も解消する。
クローンで健康な肉体を造り、魂は霊媒で呼び寄せてその肉体に容れる。完璧じゃないか!!う・・・胡散臭い!!

果たしてこのような流れが本当に成立するのだろうか。いや、いくらなんでも・・・
いくらなんでもと思うからこそ起きそうな気がするから怖い。
起きてしまった場合はもう受け入れるしかないですな。人体も凄いがオカルトも凄いってことですよ。魂は不滅だ!!とかいって。



第12話「霊媒師」  (2014年 23号)


「退屈で・・・退屈で・・・」なんて日々がどれほど贅沢だったかもう間もなくわかるだろう――

大きなアオリから入るが宮本武蔵の復活はそこまでの恐怖を含んでいるのでしょうか。
数多の強者たちが何故か襲われる謎の欠伸。
それが贅沢だったなどと思える日が・・・果たして来るのだろうか?
どんなに酷い目にあっても退屈よりはマシだとか言いそうな奴等ばかりだからなぁ。

さて、本編。
宮本武蔵を目覚めさせるために議論を交わす科学者たちに自分の姉について述べだすみっちゃん。
職業霊媒師。つまり霊能者であるというみっちゃんの姉。これはまた胡散臭いですな。
でも巫女とかイタコとか言われると少し社会的地位がありそうで柔らかな表現になる。科学者たちの気遣いが見て取れる。

霊能者を名乗る以上、無論胡散臭い
君らの疑る通りだがしかし――君らの想像はまるで甘い!
姉はそれの100倍胡散臭い!!!

力強く断言するみっちゃん。いやそんなこと断言されましても。

さて、そのとてつもなく胡散臭いと称される光成姉。
昼日中に屋外で霊媒を行っている様子。
テントの中とかそういう話ではなく、並んでいるギャラリーからも霊媒の様子を見て取ることが出来る。
ってずいぶん並んでる人多いな。実は結構評判の霊能者なのか?面白がってる人が大半だとは思うけども。

誰でも降ろすことができると豪語する光成姉。
日本人である織田信長は勿論のこと、J・F・ケネディであろうが呼ぶことができるらしい。ほう。
ちなみに降りてきたケネディは日本語が堪能である様子。ほ、ほう。
ツッコミ所はたっぷりある。だがしかしこの堂々とした態度は立派と言える。自信に満ち溢れていてとても胡散臭い。

とはいえこれだけ胡散臭いとどうしてもツッコミを入れたくなる人は出てくる様子。無粋だねぇ。
モノマネ上手いッスねとか言われているが、これはモノマネなんだろうか・・・?
日本語で喋るケネディのモノマネとか見た覚えはないぞ!!

それはさておき、光成姉はママと呼ばれている様子。
そんなママにタカシという若者が一昨年死んだ自分の親父を降ろせるか尋ねる。
ふむ、これは定番の依頼でありますな。嘘であるかどうか探るには一番簡単な方法だ。
しかしママは恐れの色も見せず、霊を降ろす体勢に入る。こんなのは慣れっこって感じか。そして――

あのさ・・・ホントに死んでる?
だって見つかんないもの。ってゆーかそもそも気配がない。

ふむ。これはあれですかね。死んでいないのに死んでると虚偽の申告をしたってことですかね。
真っ赤になってカンベンしてくださいよと述べるタカシ。これは恥ずかしい。
けれどママは降霊を行い・・・しっかりとタカシの親父を降ろしてきたらしい。こらアッッ!タカシッ!!

当日の様子を本人である大学生、安本隆(21歳)は後に語る。

いきなり名乗っていない名前を呼ばれたのには正直驚いたが、よくある名前だから当てずっぽうだろうと思った様子。
そしてママはいかにもどこの父親でも言いそうな息子の勉強不足を叱りつけ、してやったりの表情でそり返る。
そんなママに対し、タカシは静かに言い放った。

俺の親父・・・実は生きてるんですよね

タカシ曰く、この言葉に周りはどん引きだとのこと。
それはそうでしょう。一度見破られているというのに実はも何もあったものではない。タカシの脇の甘さにはどん引きだよ。
当のママはしれっとしているのだからやはり役者が違うと言うべきか。
いや・・・どうやら驚くべきなのはそういうことではないようだ。

問題はその後なんです。夜、自宅で親父に昼間のハナシをしたんです。
すると・・・妙なことを訊くんです。それは何時ごろの事だ、と。
より詳しく説明すると黙り込んでしまったんです。

難しい顔をするタカシ父。
何でもその時刻、タカシ父は会社で倒れたらしい
ものの2〜3分の事だったが、その間に夢を見ていたのだそうな。
日頃思う息子への不満を、だらしない生活態度を怒鳴りつけたと。
説教の一言一句、周辺の景色、状況。完全に一致していたそうな。

そう・・・そういうことです。
あのママは・・・徳川寒子さんは生きた人の霊すらも降ろすんです!!!

死んでない、霊になってないなら生霊にして降ろせばいいって話ですね。おい、とんでもないなそれ!!
了解も何もなく勝手に生霊にされたのではたまったものではない。車の運転中とかじゃなくて良かったよ。

胡散臭さは相当なものであるが、その力も確かなものと思われる寒子さん。
降霊などというオカルトを認めて話を進めて良いものか・・・
そういう戸惑いがないわけではないが、実際に武蔵本人が憑依して喋り出したのだとしたら認めざるを得なくなる。
どうせ将来的に認めなければいけないのなら今の内に認めてしまおう!!凄いねオカルト!!!

何にしてもこれで武蔵再誕のラストピースが揃ったことになるわけだ。
赤子のような武蔵が出来上がる懸念はなくなって有難い。
次の課題は現代に馴染めずホームシックになる武蔵とかそういう状況にならないかだが・・・なって欲しくはないなぁ!!



第13話「A君とB君」  (2014年 24号)


圧倒的・・・そんな表現しか見当たらない巨躯の持ち主だった。
『ガタイ』がいい・・・という領域はとうに超えている。
道行く通行人がつい振り返ってしまう・・・
頸が太い・・・胸がブ厚い・・・手が巨い。
よく見ると大小の古傷が無数に刻まれている。夥しい実戦の痕跡・・・
面に疵がある。深く・・・大きな切創だ。
フツウではない経歴・・・フツウではない日常を思わせる。

やはり花山薫は見た目からして尋常ではない。
普通に歩いているだけでも相当目立つ存在である。
学生時代とかも間違いなく目立っていたことでありましょう。

さて、この花山薫だが、本日は目的があって歩いている。
それはこの間の徳川光成へのオーガとの試合を申し出た時の話に繋がる。

これは試合というより生の喧嘩じゃ。のォ花山・・・人前でヤルもんじゃないじゃろ。

通常ならば地下闘技場で戦う。が、喧嘩師である花山薫ならばそれよりも相応しい場所での戦いがある。
街中をぶらつき・・・出会ったその場が戦いの場所となる。そんな喧嘩が相応しい。
というわけで、街の逆の方からはこの男が歩いてくる。

獰猛・・・凶悪・・・高圧的・・・その男を表現するなら、そんな言葉ばかりが羅列される。
サングラスに隠されて尚・・・その眼光は見る者を射すくめる。
漆黒のシャツからハミ出た腕はエッジが立ち・・・尋常ならざる男の新陳代謝を物語っている。
190センチは超えるであろう身長から体重は楽々100キロは超えよう・・・
しかし男の足どりは猫科の猛獣のように軽やかだ。

花山薫に続き、範馬勇次郎の外見的特徴が羅列される。
って何でいきなりサングラスなんてかけてるんですか?
やはりあの親子対決が報道されたことで、一般人にも知られる有名人になってしまったということだろうか。
でも正直言ってあまり意味ないですよね。目以外のところで特徴がありすぎる!!
むしろ目以外の全てを布か何かで覆うぐらいしないといけないレベルだ。

おや・・・?男の輪郭が揺れている・・・
異常に高い基礎体温・・・?オーラ・・・?或いは闘気・・・?
いずれにしろ・・・いずれにしろだ・・・
その油断の無さは――突如の落雷にも対応するだろう

落雷!!確かに印象だけならばその通りだが・・・突如の落雷に直撃した経験がある男にその形容を用いるのはどうかと。
いや、あの時は花火大会の帰りだったし、少し緩んでいたのかもしれない・・・
いやいや。そうではない。花火大会の帰りという人混みの中。
自分が避けたら他の通行人が危ないと一瞬で判断したのかもしれない。そんな優しさがあるのかどうかは知らない。
まあ、そんなことはさておいて、だ。

そんな・・・スゴいA君とスゴいB君が
まるで意図したかのように出逢ったのだから・・・意図したのだろう。悲鳴があがるのも無理はない。

一人だけでも規格外なのにその二人が出遭う。
居合わせた人にしてみれば確かに悲鳴をあげるしかないって状況だ。
しかしA君とかB君とか。数学の問題じゃないんだからさ。誰だこのナレーションは。

Aこと花山薫。勇次郎に対し、わざわざのお出向き、恐縮ですと礼儀正しい態度を見せる。大人になりましたなぁ。
Bこと範馬勇次郎。花山薫の言葉には応えないが、ワックスで塗り固められた頭髪がやにわに立ち上がり始めた。
更には、いやに発達した犬歯が・・・

勇次郎は早くも辛抱たまらんって感じですかね。
共にヤリたいAとB。示し合わせて出逢った以上、心ゆくまでヤルことが出来る!!
そしてそのマッチメークしたみっちゃんは動きやすい恰好、かつ少し離れて安全なところで観戦。
親子対決の時みたいに住民避難とかは考えてくれないのですな・・・

さて、一方の宮本武蔵の方。
スカイツリーの地下研究所にやってきた徳川寒子さん。
まずは研究成果を確認する。ほう、分かるのですか?門外漢っぽい科学分野の話だというのに。
出来ればインシュリンとアミノ酸、ビタミンPZを各20パーセントずつ調整すれば完璧だったとのこと。
ふうむ、それが正しいのかはよく分からないが、科学者たちの反応からすると間違いではないのかねぇ。

仏造って魂入れず。
無教養な光成の言葉じゃが・・・これなら5分で目覚めよう

サングラスを外し、笑顔を見せる寒子。何という自信!!
うーむ、肉体面はほぼ完璧なので、後は魂を入れれば完成ということでしょうか。
胡散臭さは相変わらずだが、やってみせるのではないかという期待感もまたデカイ。
花山薫と範馬勇次郎の戦い。それと並行しての武蔵の復活。
うーむ、ビッグイベントが重なってますな。
みっちゃんは戦いの方を見に来ているみたいだが・・・武蔵の目覚めには立ち会わなくていいのかな?
時間指定せずに寒子さんに声かけただけで、今目覚めさせようとしていることは知らなかったとかだったりして。
自分が知らないうちに武蔵が目覚めてたとかいう話になったらどんな気分になるのか。気になるところですな。



第14話「疑念」  (2014年 25号)


この器なら、ものの5分もあれば降りてくれる。そう語る寒子さん。
さっそく降霊開始・・・かと思いきや、このタイミングで異を唱える者が一人いた。
脳生理学者の田中欣一氏である。田中氏はホナー教授に問いかける。

念のため伺っておきたい。まさか受け入れるつもりではないでしょうな。この、おまじないを。
いかにオーナーである徳川氏の提案とはいえ、我々は科学に身を置く者の集まりです。
科学への冒涜というならこれ以上のことはないでしょうな。
お答えください。わたしをこのプロジェクトから除名するか、この無関係な女性を今すぐここから排除するか。
今この場でご決断いただきたい。

言いたいことは分からないでもない。
科学者とオカルト関係者。まさにこれは水と油といっていい関係である。
しかも脳生理学者ということは、今現在一番武蔵の覚醒で上手くいっていない部分の責任者である。
自分が成功させられていない部分でこのような怪しげな・・・と憤るのも無理はあるまい。

しかしここで先に動き出したのは寒子さん。
論より証拠。降霊が本物であることを示そうとしている様子。

悪いクセだな欣一・・・"先入観を捨てて事に臨め"。幾度言い聞かせても身に付かぬ。

田中氏の下の名前を呼ぶ。どうやらよく知った相手が降りてきた様子でありますな。
もちろん疑ってかかっている田中氏は安易に降りてきたのが誰かは口にしない。相手に言わせようとする。常套手段ですな。

"空腹時に勉学め"。"空腹時に眠れ"。"数学に必要なのは数覚"。"大切なのは理解ではない、実感だ"

これらは全て田中氏の祖父の口癖であったらしい。
ふうむ、何というか面白いことを語るおじいちゃんだったんですね。数学者か何かだったのかな。

この口癖を披露してみせても疑いを捨てない田中氏。
ならばと祖父と2人だけの秘密についても言及し出す。水虫は茶ガラをクツ下に入れて履くのがよいと。ほう。
そしてさらにプライベートな話まで披露されそうになり、赤面する田中氏。おやおや。オッサンに赤面されてもなぁ。おやおや。

欣ッッ!!先入観を捨てよッッ!!
なァ・・・欣よ・・・

再度の叫び。その声を聴いた直後、田中氏は確かに見た。寒子さんの体から抜け出ていく祖父の姿を・・・!!

うーむ。このようなものを見せられたのではもう異論を挟む余地はなさそうですなぁ。
ものは試しと言うことで、反対派の田中氏も折れるしかないのでありました。やれやれ、余計な邪魔が入ってしまいましたね。

これでいよいよ降霊が行えるわけであるが・・・先入観を捨てよという言葉は考えさせられるものがありますな。
自分も既に降霊は成功するものだと思ってしまっている。これはある意味先入観に囚われているのではないだろうか?
逆に考えるならば・・・降霊は成功しない!寒子さんの降霊はやはりインチキだったということにはなるまいか!?
ほら、催眠術とかで相手しか知らない情報を言って見せたように思わせるとかさ。
それならば田中氏が茫然とした後に、ホナー氏が気遣わしげに呼びかけていたこともよくわかる。
それに他の降霊は一瞬で終わるのに、武蔵の霊は5分はかかるというのも気になる。
昔の人だからかかるのかもしれないが、それなら信長の時も時間はかかったのだろうか。うーむ、やはり怪しく思えてきたぞ。

さて、カメラは遭遇したA君とB君の方へ。

出逢ってすぐに喧嘩が始まるのかと思ったが、ここでいきなりというのもなってことで歩き始めることになる2人。
何だかんだで範馬勇次郎。気の回る男でありますな。
サングラスをしているのもやはり世界中に面が割れてしまっているからだったようだ。
前も言ったけど、サングラス程度で隠せる風体かッッ!!

勇次郎「先日・・・ガキにサインをせがまれた」
花山「書いたンすか」
勇次郎「聞くなッッ

聞いてほしくないなら何故ふったのか。
というかその返事が雄弁に答えを語っている。やだ、勇次郎いい人・・・?
まあ、勇次郎は割ときちんと頼みごとをすれば断らずにやってくれる人ですからねぇ。
と思ったが洗い物頼んだりした時は強弁で逃げられていたか。

何だか妙にいい雰囲気で歩いている2人。これから喧嘩しようという感じには見えない。
そのまま飲みにでも行きそうな感じである。そして飲んでいる最中に暴れそうである。結果的には問題なしか!?

さすがです。欠伸が出ない

花山薫はさすがに勇次郎を呼び出した目的を忘れてはいない。
慢性的に起こる欠伸。それも範馬勇次郎の前とあっては収まるらしい。
子供にサインをしてあげるなんて・・・という驚愕が退屈を忘れさせたわけであろうか。いやいや。

どのタイミングで殴り合いを始めるのか分からなくなってきました。
焦れたみっちゃんが飛び出してきて2人に吹き飛ばされる辺りが開始の合図とかでもいいかもしれませんな。



第15話「本来の顔」  (2014年 26号)


欠伸が止まらなかった。そのように勇次郎に告白する花山薫。

退屈してました。もう一年にもなろうかと

その一年前の出来事とは、あの範馬親子の喧嘩。
それを見ちまいましたと述べる花山薫。
偶然見ちゃったみたいな言い方してるけど、アナタ最前列まで足運んでたじゃないですか。

お二人の親子喧嘩を見終わって以来でした。
見聞きするどれもが・・・無価値というか・・・

ふむ。欠伸の原因は武蔵よりもあの親子喧嘩にあったということですかね?
それならば当人である刃牙が欠伸しているのは・・・もう一人の当人である勇次郎が欠伸をしていないのは・・・
勇次郎は長いこと強者がいない状態に飽いているし、欠伸への耐性が出来てるってことですかね?

ともかく、花山薫が評する親子喧嘩を、どこの家でもある内輪モメだと切り捨てる勇次郎。

あれを・・・平凡な家庭問題だと・・・?ご謙遜にもほどがある。

普通の親子喧嘩で報道はまだしも国が動くようなことはありませんわな。
日本だけではなく、アメリカなども動く大喧嘩。平凡と言われては困る。
・・・が、まあ勇次郎の言うことも分からなくはない。
何はともあれ親子喧嘩であることには違いないのだ。決着の仕方は前代未聞でありましたが親子喧嘩なら仕方がない。

二人の力がデカ過ぎた。故にあの日、まわりが勝手にオモシロがり、勝手に共有しちまった。
ところで花山の・・・そんな退屈してるオマエさんに――
この俺にどうしろと・・・・・・?

正体を隠していた――そのつもりでいた――サングラスを握り潰し、顔を歪めて見せる勇次郎。
なんですか?退屈しのぎに呼ばれたと知って怒っちゃったんですか?
自分は似たようなことするけどされるのは嫌なんですかね?それはそうか。

まあ、勇次郎は意外と気遣いの人ですからねぇ。
このまま話をしていて花山が退屈し始めてはイカンと思ったのかもしれない。
なので理由を作って早いところ喧嘩に持ち込もうとしているのかもしれない。さすが勇次郎!!気遣い痛み入りやす!!

さて、場所は変わってスカイツリー地下。
寒子さんは横たわる宮本武蔵を見て、くだらん風貌じゃと言い捨てる。ほう・・・

修羅場をくぐらぬ甘い風貌じゃ
幼名新免武蔵とか・・・なるほど。タケゾウがつつがなく、一人も斬らずに生きたとしたらこの風貌か・・・

なるほど。肉体はクローンで再生できてもその生きた人生観まではやはり再現できないってことですかな。
科学者たちも以外に普通な感じと述べていましたしなぁ。

勿論宮本武蔵は日本でも人気であり、寒子さんは幾度も降霊をお願いされる機会があったとのこと。

凄いものじゃぞ。武蔵の面魂は

それは楽しみでありますな。
ともあれ、ついに宮本武蔵の魂を降ろす時間となった様子。
靴を脱いで座り込み、手を合わせて何ごとかを唱え始める寒子さん。
ややあって・・・座った状態から高く跳躍する寒子さん。
地に降り立ったその姿。脱力したその立ち姿はまさに宮本武蔵のものでありました・・・!!

ついに武蔵の魂が此処に。
さあ、ここから器である肉体にどう移し替えるのか!?
ああ、五分ほどかかるというのはこの移し替え作業にかかる時間も含めてのことだったんですな。なるほど。
自分に降ろす経験は数知れぬほどだろうが、果たして移し替えは経験あるのだろうか・・・?
どのような方法を取るのか。注目であります。



第16話「変貌」  (2014年 27号)


宮本武蔵の魂、現世に降臨!?
だが本当の驚愕はまだまだこれからであります。

か・・・ッッかぶってる・・・!?
眉間に意識を集中させた鋭利い眼光は――あの眼光に!!
いかなる事態にも対応し得る脱力しきった持ち手は――あの手に!!

立ち姿を見ただけでも宮本武蔵の姿を思い浮かべてしまうホナー教授たち。
この1年近く武蔵のことを思い続けていただけに連想も容易いということか。

とはいえさすがに科学者。冷静な観点も忘れてはいない。
実は単に巧妙な物真似に過ぎないのではないか。そう疑う心はまだ持っている。
それはゴローコーこと徳川光成も認めることである。アンタがインチキかもしれんとか言い出すんかい。

よォ〜〜〜〜く瞳目っとけ

光成の言葉を受けて振り返ると、何事かを呟きながら歩き始めている寒子さん。
この状態の時は意識はどちらが握っているのだろうか?
ともかく、科学者が見守る中、武蔵の肉体へと近づいていく。
そんな最中、何故か一人だけ目を背けている光成。見張っておけとかいいながらどうした?

いや・・・わしゃ何度も見てるんで・・・

自分は見たくないが、何が起きるか分からないから他の人には見ていろと。スポンサーは我儘であるな!!

ともかく、寒子さんは武蔵へと近づく。現状は脳波等のデータに変化はない。
が・・・・・・ここでいきなり行われるのは・・・武蔵へのディープなキス。おいッッ!!

文化遺産だぞッッ!!なんてこと・・・ッッ!!

突然のベロチューに取り乱す田中氏。
でもそのツッコミはどうなんだろうか。文化遺産といってもクローン体じゃないですか。
この先、光成の預かりとなったとしたらベロチューなんて目じゃない扱いを受けるかもしれないんですよ?
もっと貴重に思える太古の原人に金的蹴りかました男だっているわけですし、ここで慌てていては身が持たない。

というわけで、慌てだした科学者を一喝する光成。全てが終わるまで止めることは許さんとのこと。
そう言われてしまってはこの光景を見届けるしかないですなぁ。
うーむ、魂を入れるという話になった時、こういう展開もあり得るかなとは思ったが・・・
絵面的にどうかなぁと思って考えずにおいたらこれだよもう!!

ともあれ、この行為によりクローン武蔵の脳波に変化が生じる。
まさか本当に魂が宿ったというのか・・・!?
データが示す以上は何かが宿ったのは間違いありますまい。そして・・・その変化は脳波には留まらない!!

ピピ・・・と身体に傷跡が刻まれていく
これは刀傷でありましょうか。魂がその記憶を覚えており、肉体に再び刻んだというのか!?
いや、そう考えるしかないんでしょうな。
眉毛も整えっていたものが薄くなり、その表情を凶暴なものに変えようとしている。
そして・・・寒子さんの唇が離れた時・・・ついに武蔵の目が開く!!

こ・・・!!?この風貌!!?

見るからに危なそうな風貌の武蔵。
はてさて、現代に蘇ってまずどのような第一声を述べてくれるのか。

ようやく目覚めた宮本武蔵。でもまあ、思ったよりは早かったといえるかもしれない。
しかしこのタイミングで目覚めたとなると、花山薫と範馬勇次郎の戦いはどうなるのだろうか?
光成がこっちに来ちゃってる時点で水入りの可能性が高そうだが・・・勿体ない。
実はもう決着がついてるとか。それはそれで勿体ない。

ところで光成は何度も寒子さんの行為を見ているようなことを言っている。
それはこれまでにも魂を他の器に入れる行為をしてきたってことなんでしょうか?
割と気になる情報なんだが・・・この先明らかになることはあるのか!?気になりますなぁ。



第17話「覚醒」  (2014年 28号)


吉川栄治先生・・・あの武蔵たぶん違います!!!

いきなり謝罪文から始まる今回。今更言われるまでもない!!
まあ、そろそろ動き出しそうでありますし、言うならこのタイミングしかないですわな。

さて、徳川光成が移動してどうなったのかと思われた範馬勇次郎対花山薫。
どうやらお流れになったわけでもなく、話は続いている様子。
サングラスを握り潰し、その有名人の顔を露わにした勇次郎。
周りの通行人も騒ぎ出す。今頃正体に気付いたのか!?と思ったが、いきなりサングラス握りつぶしたらどよめきも起きるか。

花山薫もメガネを外し、いつでもなぐり合える体勢を整える。
そう、本来花山が勇次郎を読んだのは"お話し"をするためではないのだ。
しかし勇次郎の方はもう少しお話を楽しむのもいいかなといった感じ。
激してみたり穏やかになってみたり、忙しい人だ。

そんな勇次郎の前にサイン色紙を手にした若者が現れる。
オーガセンセイにサインをお願いしたい様子。ほう。
範馬勇次郎のサイン。どのようなものか・・・と思いきや、いきなり色紙の中央を指で貫いて見せる。

見てワカらんかッ。取り込み中だ・・・下がれ

指を左右上下に動かすことで色紙を四つに切り裂いて見せる勇次郎
ほう。これは嬉しいものを目の当たりにしましたなぁ。
若者も感謝して頭を下げるしかない。あざァすッッ!!あざァすッッ!!

実際取り込み中だし、一喝して追い返すだけでも良かったのに見事なサービスをしてみせる範馬勇次郎。お優しい。
意外と気遣いの人じゃないかとか言ってはみたのだが、よもやここまでの人だったとは・・・!!
あれはサインより嬉しい。花山もそう認めている。

ホントにお優しい

花山の褒め殺し攻勢に汗を浮かべる勇次郎。
罵声ならさておき、こういうのには慣れてない様子ですな。おやおや天下の範馬勇次郎が照れてますのか?おやおや。

喧嘩を仕掛けるのであれば、このまま褒めまくってイラ立たせるのもアリであるが・・・
まあ、わざわざそうしなければいけない理由はない。
殴りさえすれば相手は殴り返してきてくれる。それで喧嘩になる。
勇次郎は花山に対し、キサマからこい。それで五分だと述べる。
五分と書いてフェアと読むわけだが、別に花山が先制攻撃したからって五分になるかどうかはわかりませんなぁ。

遠慮なく・・・と、いつもの全力打撃の体勢をとる花山薫。
勇次郎はこの一撃をどう受け止めるのか。それによるダメージはあるのかどうか。

ようやく始まりそうな2人の喧嘩。
しかしカメラはここでスカイツリー地下へと移る。
目を覚ました武蔵が、側にいた寒子さんの顔面を鷲掴みにし・・・科学者たちの方へ向けて放り投げる。
顔から突っ込んで突っ伏す寒子さん。大丈夫か?
まあ、だがそんなことを気にしている場合ではない。あの宮本武蔵が蘇り、動き出し、喋り出したのだ!!

その方ら・・・命までは取らん。正直に解答えられよ・・・

肉体・・・構えと・・・鼓動・・・ここに重なる。
てな感じでようやく動き出した武蔵。
ふむ、見た目はさておき思ったよりはまともに喋っておられますな。
しかし刀を下げてないのにその構えはいかがなものなのだろうか。裸でやるポーズじゃないぞ!!
たまたま鼓動が隠してくれたから良かったものの・・・いや、むしろ良くない気もするが。

ともかく、蘇った武蔵。一体何を問うつもりなのだろうか。
寒子さんに降ろされて、対話とかしていないのだろうか。
やはりあの口づけは武蔵の意思によるものではなかったのだろうか。うーむ。疑問はつきませんな。
あと光成は喧嘩がなかなか始まらないからこっちに来たってことでいいのだろうか。気になります。



刃牙道 3巻


第18話「開始」  (2014年 29号)


始まる。お流れになるのではと危惧したこの対決がようやく始まる。
まずは花山薫の全力攻撃が開戦の合図となる。
いつも通り、小細工など一切なし。全力で全体重を乗せるような構えからの一撃。

思いを・・・握る・・・思いを・・・乗せる・・・思いを・・・打ち込む!!!

花山の巨大な拳が眼前へと迫ってくる。
その最中に範馬勇次郎が思うのは相手の花山のこと。

花山薫・・・俺と同類。「強者」として産まれ落ちた
「強者」として己は天才・・・・・・との自覚に満ちる。
鍛えない・・・「強者」が尚も鍛える行為は不正と断じる。
「強者」の天賦に恵まれる自分が人知れず鍛える・・・これはもはや不意打ちに劣る行為。
卑怯と断じる。故に鍛えない。
強さに向けて務めぬよう・・・弱者に向けて出し抜かぬよう・・・注意深く・・・生きる・・・

産まれ落ちた部分は同じかもしれないが、その後の考え方はやはり違ったようですな。
さすがに気遣いの人である勇次郎もそこまで律儀な考えには至れまい。

さて、ここで恒例の目撃者談が挟まる。
八部公一(34歳)。しかし今回はそれほど目新しいことを述べてくれるわけでもない。
まるで遠投のように、全体重を乗せての一撃を放つ花山薫。
それを避けることなく、ハンドポケットの状態で顔面にもらう範馬勇次郎。
だがやはり倒れない勇次郎。が・・・その鼻からは血が流れている。勇次郎に出血させた!?

うーむ。花山薫はやはり強くなっているようですなぁ。
勇次郎にボコボコにされていた時とはもはや別人と言ってよさそうだ。
まあ、この一発はボーナスのようなものですし、ここからどうなるかですけどね。
勇次郎の反撃がすぐに始まるのか、続けて花山が攻勢をかけるのか。さてさて。

場面は変わってスカイツリー地下。
武蔵の質問に光成や科学者たちが答えている。さすがに座ったのね武蔵。
質疑応答はおよそ2時間に及んだ。いまが何時代で、ここが何処で、君達は何者で。
そして何より・・・何故自分を呼んだのか・・・

確かに気になるところでありましょうな。
というか寒子さんに降りていた時にはその辺りのことは認識できていなかったのかな?

それにしても思った以上に理知的な宮本武蔵。これならばもっと技術論とかも聞けそうな雰囲気である。
しかし徳川光成が武蔵に求めているのはただひとつ。
宮本武蔵の――"貴方ならでは"以外を期待しない。

闘争っていただきたい

武蔵に合わせた衣服を用意し、そう述べる光成。
ちゃんとナリを意識する武蔵はやはりピクルとは違いますな。まあそれは当然か。
でも質疑応答する前に服を所望しても良かったのではあるまいか。光成も先に出しましょうよ。

ともあれ、服を着て人心地ついた様子の武蔵。
しかしまだその腰に刀は無い。本当の武蔵が見られるのは刀を手にした時となるだろうが・・・さてどうなるか。
そして武蔵がまず死合う相手は誰となるのか。花山たちの戦いに乱入する可能性もありそうだが・・・うーむ。どうなりますか。



第19話「近いな・・・」  (2014年 30号)


宮本武蔵の復活。範馬勇次郎と花山薫の喧嘩。
2つの大きなイベントですっかり忘れ去られていた感じのある主人公。
まあ、喧嘩に割って入られても困るし、自分の出番が来るまで待っててもらってもいいんですけどね。
しかし、何か動きを察知したらしく、これだけは言いたいといった感じで範馬刃牙登場。

止まっちまったよ・・・・・・欠伸。
あんなに止まらなかったアクビが・・・けっこうアッサリ。
かわりに・・・?――というか・・・
俺のじゃない例の――謎の鼓動は何故か――ピッチが早まってる。
動き出したんだ・・・「彼」が。鼓動の主が動いた。
近いな・・・「鼓動の君」と逢える日が近い
死刑囚か・・・原始人か・・・誰が来たって驚いてやらねェ

さすがに原始人を経験してしまえば多少のことでは驚かなくなるでしょうねぇ。
宮本武蔵というビッグネーム相手に平然を装えるのか範馬刃牙。内心は凄いビックリとかやりそうな気がする。

さて、ようやく始まったオーガ対花山薫。
ゴングもない、ホイッスルもない。開始の合図を必要としない。

くう〜〜〜ッッ。阿吽じゃのォ〜〜・・・

嬉しそうに感極まったように首を振るのは徳川光成。あれ?スカイツリー地下に行ったんじゃなかったのか!?
というか肉眼で見えるぐらいの距離だし、双眼鏡いらんでしょうに。

ともかく、喧嘩は始まっている。
取り巻く観客のところにまで風圧がやってくる花山薫の攻撃。
しかし2度も立て続けに空振りをしてしまうとはどういうことなのか。

フフ・・・本人の頭脳はおそまつでも、肉体はもう気付いちまってる。細胞が怖けてる

何!?それはつまりあの花山が本能的に攻撃を当てないようにしてしまっているというのか?
幾ら力の差があろうと、そういうレベルで引いてしまうとは・・・何だか残念な気がする。
勇次郎が刹那の見切りで避けていてブラフを放ったとも考えられるが・・・それはそれで勇次郎らしくないし、困った感じだ。

勇次郎の反撃の一撃も決まったし、ここで終わってしまうのか花山薫・・・?
本気のスタイルになって一矢報いて頂きたいものである。早く邪魔な服を脱ぎ捨てるのだ!!

さて、質疑応答を終えた宮本武蔵は地上に出て移動を開始。
20km少々というノロノロ運転。しかし武蔵は椅子にすがりつき、もそっとゆっくりとと述べる。
何ですか?速いのが怖いんですか!?
いや、どうやら車の窓から見える東京の姿に目を奪われているようである。ああ、なるほどね。

説明は聞いた。ここは日本国。今は400年後。
"それにしても"。"それにしても"な変化り様・・・宮本武蔵は雪崩のような「それにしても」に耐えていた

自身が復活した時は元気に動き回り、冷静に質疑応答していた宮本武蔵。
何ごとにも動じないのかと思いきや、こういうところではらしい反応を見せたりする。なかなか読めない人だ。
まあ、しばらくすれば慣れるんじゃないですかねぇ。
車の横に黄色いジャージ姿のメガネの少年がいる違和感もしばらくすれば慣れるはず・・・げぇ!?小野田坂道!?

まさかの弱虫ペダルからの出張。これは驚かざるを得ない。
こんな夜中にジャージ着て何をしているんだ!?いや、驚くのはそこじゃないか。

驚きと言うか、よく分からない話としては今の展開の時系列。
光成が違う格好で2箇所に出現している。これはやはり場面によって時間が違うということなんでしょうな。
同時展開しているようで実は時間に差があった。そう考えるのが自然である。
自然じゃない考え方をするのであれば、徳川光成は2人いたということになる。
まさか光成のクローンも作成されていたのか!?その場合魂はどうなったのか。寒子さんに吹き込まれたのかとか色々気になる。
それか、実は姉に続いて兄弟がいたとかいう展開もあり得るか。胡散臭い姉に続いて胡散臭い兄の登場だ!!とか。
その展開はその展開で面白そうだが・・・さすがにないかな。どうなのかな。



第20話「現代」  (2014年 31号)


現代に蘇った宮本武蔵。
質疑応答により、未来にて蘇ったことは理解した。
自身に起きたことは不可思議なれど理解せざるを得ない。
が、この日本に起きた膨大な変化は・・・さすがに受け入れるのに時間がかかる様子。

車の窓から見るだけでも驚きの景色。
解説をするよりも見た方が早いという光成の言葉により、車を降りて歩くこととなりました。

アスファルトはまあ石畳と解釈できなくはない。
が、あの巨大なビル。比肩するものすら思い浮かばない。
とくに電気がもたらす輝きは驚きを増加させている。まるで大火・・・
そして道行く人々の代わり様。

人・・・人か・・・・・・!?

まあ、その疑問は現代人でも分からなくはない。
時折凄い恰好をしている人はおりますしなぁ。
武蔵にしてみれば現代人の格好は奇異に映って当然か。未来人が触覚のついたスーツを着ていたみたいなイメージですわな。

なんという・・・なんという差だ!!!
上下移動する部屋!自動開閉する扉!溶けない氷!早馬より速い箱!!天にも届く輝く塔!!

見る物全てに圧倒されている武蔵。
溶けない氷ってガラスのことかね?
子供であればいざ知らず、この年齢で蘇った武蔵である。順応するのには時間がかかりそうだ。
武蔵も大きな進化を実感していると述べている。その脅威を感じている。

・・・で。"居場所が"欲しい

ふむ。やはりこの現代では自分に居場所がないと感じてしまいましたか。
戦乱期とは違う現代。進化についていけるかどうかも分からない。
そりゃ落ち着く居場所が欲しいと感じて当然でありましょう。
素直な感情を吐露する宮本武蔵。車中で目を閉じる姿と合わせて何だか可愛らしく思えますわ。

というわけで、光成は武蔵を東京ドームの地下闘技場へと連れていく。
改装を繰り返してはいるが、寛永期から代々継続く決闘場。
電気による灯りはともかく、この殺伐とした空気は武蔵に落ち着きを与えてくれた様子。それは良かった。

そんな武蔵に、光成が合わせたいという人物がいる。
現れた人物は剣を持参していた。ほう・・・やはりこうなるか。

佐部京一郎。今現在の日本では、並ぶ者なき剣法家です

宮本武蔵の力を測るのであれば、やはり剣の使い手が一番に上がるわけでありますな。
これはようやく武蔵の力を目にする機会がやってきたということか。
ここまでお膳立てしておいて、現代では武蔵の力は通じないなんてオチには・・・たぶんならないと思うが・・・どうだろうか。
注目したいところであります。



第21話「七対0」  (2014年 32号)


地下闘技場に現れた剣豪、佐部京一郎九段。
またの名を人斬りサブ。裏で噂されている数だけでも20名以上は人を斬ったと言われる男である。
なるほど。現代であるならば凄い経歴と言えましょう。

ちなみにこの佐部さん、チャンピオンRED連載のバキ外伝、若き独歩主人公の拳刃で既に登場している様子
独歩と同じように若い頃の佐部さんの姿が描かれていますが、その時点で既に10人以上斬っていたらしい。
噂されているのが20名ぐらいなだけで本当はその数倍に至るのかもしれませんな。

剣に対して素手であるとはいえ、若き頃の独歩が冷や汗をかくほどの剣技を有している佐部さん。
しかしこの宮本武蔵と向き合い・・・近づいただけで余裕を失うこととなる。
ふむ、さすがに剣豪。紹介などされなくても相手の強さは感じてしまうということか。

いったい誰なのですか、この方はッッ

焦りを露わにする佐部さん。
本来ならば武蔵と立ち合うために来たのだが、受けることができませんと頭を下げる。
歳を重ねた身とはいえ、命を捨てる無駄は受け入れ難いとのこと。ふむ、それもまた護身か。

そのように言われた光成は問う。何を感じられました、と。

先ほどから・・・既に六度・・・!そして今も・・・
都合七度・・・この方に斬られてます

直立した状態の筈なのに眼鏡が吹き飛ぶような衝撃を感じている佐部さん。
どうやらイメージの中で何度も斬られているようである。おやおや。

一の太刀は八文字。頭から胴体にかけて唐竹割り。逆八文字、左右に分かれることからそう呼ばれる斬り方だそうな。ほう。
二の太刀は。がら空きだったので突き通したらしい。
三の太刀は大袈裟。左の肩から右の胴へと抜ける。手応えがなく刀が通り抜けるように感じる「通り抜け」だったそうな。
四の太刀は面割り面頬。胴体諸とも頭頂部から横側から斬りおとしている。これは剣が駄目になりそうな感じですな。
五の太刀は本胴。胴体を横薙。上下真っ二つにする斬撃。
六の太刀は敷き袈裟。これは正直良く分からない。袈裟の通り肩口から抜けているが、足も斬り落としているということか?
七の太刀は太々。胸を横薙。両腕諸とも落としたとのこと。ついでに眼鏡も落ちましたね。

色々な斬られ方をした様子の佐部さん。
武蔵が言うに無抵抗をいいことに・・・つい。とのこと。
だが、もちろん佐部さんだってただ斬られていたわけではない。
意識上のこととはいえ、やれる限りのことを全てやり・・・その結果がこれであった。
蹴りでも放とうとして敷き袈裟もらっちゃったんですかね?

剣による立ち合いを期待した光成。
しかし、実際には向かい合っただけで、2人の意識上で勝負は決まってしまったらしい。

決着はついています。七対0で

意識上の対決でなければこのような点はつきようもないですわな。
もちろん斬れない刀を用いればそういう点の付き方にもなろうが、それはまた違う話と思われる。

刀を握れば怖いと思っていた武蔵。
だが、その手に剣が無くても武蔵は斬ることができるという。

剣とはそんな不便なものか

語り出す宮本武蔵。さすがにこうなってくると生き生きしていますね。前回までの驚きキャラっぷりが嘘のようだ。
たった1週で強キャラ感を出す辺りはさすがといえましょう。
しかしそろそろ光成も佐部さんにこの人が誰なのか教えてあげてもいいんじゃなかろうか。誰なんですか、宮本さんてッッ!!

意識上でも相手を斬ることができる武蔵。
しかしこれは相手がそれに応えることができる剣豪だったからではなかろうか。
一般人相手にも同じことができるのかどうか。その辺りの話は詳しく伺いたいところです。
ひょっとしたら蘇った直後の剣もないのに構えを取っていたあの時も科学者たちを斬っていたのかもしれない。
まあ、命までは取らないとかいいつつ斬っていたらそれはさすがに困り者でしかないわけですが。

剣が無くても強い武蔵。となれば無手の格闘家たちとも戦いやすそうだが・・・どうなりますか。
今後もずっと意識上の対決が続くとなると困ったことになりそうだ。
イメージが強すぎて実際に肉体に影響を及ぼす刃牙なんて、無造作に近付いた結果いきなり真っ二つになってしまうかもしれない。
せめて斬るところを目撃していれば納得もできようが、主人公がそんな死に方をしたら斬新にも程がある!!
さすがにあり得ない展開とは思いますがね。たぶんだけども。



第22話「刀」  (2014年 33号)


現代化の波に戸惑うだけの人ではなかった。
やはり剣技に置いては類するものなき強さを持っている様子の宮本武蔵。
その武蔵が剣を手にしたいという。ふむ。まあ元よりそのつもりではいたのでしょうが・・・

見たい・・・ッッ。宮本武蔵が剣を握る姿。ぜひ見たい!!!

その強さが本物であると分かり、昂っている様子の光成。
一方、イメージの上でとはいえ斬られまくっている佐部さんはおっかなビックリという感じで剣を手渡す。大変ですなぁ。

手慣れた様子で剣を抜く武蔵。雰囲気ありますな。
しかし剣を手にして懐かしいとはどういうことだろうか。
平成の現代に至るも知らぬ者のない「剣豪」宮本武蔵が刃剣が懐かしいなどということが・・・??

本来は佐部さんが使うはずだったろうもう一振りの剣も受け取る武蔵。
手にするのは二刀。大小ではなく左右に太刀を持つ構えとなりました。
嬉しそうにする武蔵。その武蔵に対し、技術を見せてもらえないだろうかと頼む光成。

見たい!!!

佐部さんとしてもこの提案は是非とも推奨したい内容である。しかしそう乞われた武蔵はこう返す。

見せろと言われるが、ここにはアンタら二人しかいないではないか。どちらを斬れと?

人斬りの技術を見せるのならば人を斬らねばならない。道理でありますな。
とはいえさすがにそれは勘弁願いたい。揃って高速で首を振る2人。ブンブンブンブン。はえー。

冗談だ

ピクルとは違い、こういった冗談も口にする武蔵。
落ち着ける場所に来て、落ち着ける獲物を手にしたことで余裕が出来たのでしょうかね。
どうやら快く技術を見せてくれる様子です。

・・・果たして・・・持つか・・・?
美しく・・・仕上がってはいるものの・・・これは・・・鍛錬の甘い鉄の延べ板・・・人を斬る代物ではない

そう思いながら、左右の太刀を同時に盛大に振り下ろす。
その衝撃の凄まじさで・・・剣がバラバラになった!!何ッッ!?

柄の内部、茎の部分から切断されている一体どのような衝撃を与えたらこのようなこととなるのか。
刀身の茎と柄を固定するための目釘が折れることはある。それで刀身が飛び出してバラバラになることはあるでしょう。
けれども、刀の方が折れるだなんて一体どういうことなのか・・・

刀ではない。
一見刀だが・・・斬ることはおろか・・・素振りにすら耐えられぬ。

そのように語る武蔵。うーむ、色々ととんでもないなぁ。
しかし、ようやく佐部さんもこの目の前の人物が誰であるか教えて貰えたようですな。
当人の口から正体が聞かされます。宮本武蔵と申します、と。
けれど人斬りのくせに常識人の佐部さんはさすがに現代に宮本武蔵が蘇って目の前にいるなんて発想には至らない様子。
なワケねーだろとブツブツいいながら、壊れた剣を回収して立ち去るのでありました。
ううむ、人斬りのくせに・・・なんかやけに可愛いキャラになってしまいましたなぁ!!

せっかく足を運んだのに好きなように斬られ、持参した剣を壊され、バカにされたような扱いを受ける。
実際は本当に宮本武蔵であるのだが、まあ信じられない人にはバカにされたとしか思えますまい。厄日ですなぁサブちゃん。
でも宮本武蔵という名前をつけられた現在の剣豪だとでも納得すれば良かったんじゃないかね?

それはさておき、武蔵は光成に述べる。

強き者を。剣でも。槍でも。弓でも。或いは丸腰(素手)でも。
この国随一の実力者をッッ

もはや段階を踏む必要は無い。一足飛びに最強と対峙したいと述べる武蔵。ほほう・・・

本来ならば光成は刃牙と合わせたかったのでしょうが、求められているのが最強となるとやはり勇次郎になるだろうか。
まあ勇次郎はもう日本に留まっている感じでもないし、この国随一とは表現が違うと回避できなくはないだろうが・・・
何にしても今勇次郎がどうなっているかでしょうな。
花山との喧嘩がどうなったかもようやく分かりそうです。



第23話「衝撃映像」  (2014年 34号)


武蔵が復活し、人斬りのサブちゃんがボヤく夜が明けました。
そして徳川光成邸を訪れた刃牙は驚愕を露わにしている。
武蔵・・・のことではなく、どうやら勇次郎と花山の喧嘩の話を聞いたらしい。なるほど、そっちか。

地上最強の生物VS日本一の喧嘩師。
正真正銘。よくぞ実現したもの・・・文句のつけようもない白金カードじゃ

確かに豪華なカードではあるが、どちらも挑んだのであれば断るはずもない2人である。
しかし普通は挑むことは無い。
特に範馬勇次郎という常識外れの強さを持った男に挑むものなど最早そうはおるまい。
だからこそ、刃牙は称える。やっぱスゲェや花山さん、と。

きっと・・・範馬勇次郎ならきっと救えると・・・
退屈で退屈でやりきれない日常を打ち消してくれると。

そこまで考えつきはしても、本当に勇次郎と立ち合う。これがなかなか出来ないことである。
刃牙自身も欠伸を消すためにはその方法を考えないでもなかったんでしょうなぁ。

さて、その男過ぎる花山。
しかしいざ戦いとなるとその拳は勇次郎に当たらない。
それは細胞が怖気ているからだと述べる勇次郎。発言聞こえたんですか?

それはさておき、この挑発に黙っているはずもない花山。その日イチバンの踏み込みを行う。
怖気ているなどと言われて黙っていては男がすたる。
となれば、その日イチバンの一パツをお見舞いするしかない。
全力で踏み込んでの一撃。しかしそれは勇次郎の誘いであった様子。

巨拳が顔面30センチに迫る。
刹那、勇次郎は自身の左拳をポケット内で加速。そして抜拳・・・
花山薫渾身の一撃。加えることの勇次郎珠玉の居合拳
そんなシロモノが花山の顔面を打ち抜いた・・・

その結果、花山の巨体が宙を舞う。
凄まじい勢いで吹き飛ぶ、コンビニへと突入する。こりゃ客も驚くわ。

昨日と変わらぬ日常に166キロの花山が突如飛び込む。
陳列棚を4本なぎ倒し――奥の弁当のタナまで達していたそうな。

どうやらこれにて勝負アリであった様子。
い〜〜〜い風貌で笑っていたという花山。ううむ・・・退屈は解消できたでしょうが、これは幸せとしてしまっていいのかね?
少年時代のトラウマはある程度塗りつぶせたかもしれないが、敗北を笑顔で受け入れてしまうというのもどんなものか。

勇次郎が懐かしの居合拳を見せたのはどういう意図によるものなのか。
思ったよりも花山の拳に威力があったため、誘い出してのカウンターを狙ったのだろうか。
そういう話があれば花山の成長も認識できるようになるのだが・・・気になりますなぁ。

さて、面白い話を聞いた刃牙。
しかしどうやら気になることは別にある様子。
というか、光成が刃牙を呼んだ本題もおそらくそっちでありましょう。
隣の部屋にいる誰か。敏感にその存在を感じ取っている刃牙。それを知ってやたらと嬉しそうな光成。
ようやく対面する瞬間がやってきたようでありますな。どのようなファーストコンタクトとなるか・・・
勝手にリアルシャドーで真っ二つになったりするのだけはやめてくださいね!!



第24話「印象」  (2014年 35号)


光成と会話している最中も隣の部屋にいる人物のことが気になって仕方がない様子の刃牙。
その存在を示唆されたわけでもないのに何者かがいるのを感じる。
それもまあ当然ですかな。もっと離れていても、その鼓動を感じてしまう程であったのですから。

俺は範馬勇次郎の子だぜ
隣に潜む相手。ヒトかヒトならぬ者か。一人か複数か。男か女か。
実力の程は・・・強いのか弱いのか。敵意の程は・・・殺す気か脅す気か。
壁一枚隔てた向こうから雄弁に放たれてくる

そのように静かに語る刃牙。
しかし具体的にどのように感じるのかと訊かれると感じるワケないじゃんと返してくる。ハッタリかい!

ただ・・・そんなボンクラでも感じ取れる気配もあるんだなって・・・

言っている最中からその背後に何者かが迫っている気配を感じる刃牙。
即座に立ち上がりつつ、後方へと攻撃を仕掛ける。
しかしその膝が直撃した時、屋敷中に響き渡る悲鳴を上げたのは刃牙の方であった。ひィああああ!!!

真っ二つにこそなりはしなかったものの、やはりイメージで一人相撲を始める刃牙。これは滑稽!
と思いきや、いつの間にかその壁の向こうから武蔵が姿を見せていた。
一目その姿を見ただけで、気配の主がこいつであると気付く刃牙。
ついに二人の対面がなったわけであるが、刹那二人が垣間見たものは・・・

片や巨大なキノコ雲・・・・・・に対し、
片や地平線まで続くごちそうだったという。

やあ、何だか随分とめでたい感じの背景までついた懐石料理ですな。
ううむ、このイメージの差はどういうことでありましょうか。
強者を絶えず求め続けていた刃牙以上に武蔵は強者に餓えていたということなのか!?
ああ、まあ刃牙は地下闘技場王者になってからしばらくはそういう強い者を求める感情は薄れてた感じはありましたけども。

五体が効くな。大した少年だ。「忍者」か・・・?

確かにその身軽さは忍者並と言えなくはない。
忍であるならば徒手空拳の戦いもあるだろうし、武蔵としてはそういう解釈で挑んで問題はないのでしょうな。

それはさておき、光成は武蔵と対面した刃牙に問う。この人に何を感じ、何を思う・・・?と。

めちゃくちゃヘンなこと言うぜ・・・じっちゃん。
宮本武蔵さん・・・・・・?

まさかの一発正解。刃牙は一体何を感じ取ったのだろうか?
斬られたり戦国のイメージを見たとかならまだ話は分かるが、対面した時のイメージはキノコ雲であった。
そこから一体どのようにして宮本武蔵にたどり着いたのか・・・
人斬りのサブちゃんが聞いてたら、そんなわけーねだろとツッコミを入れてしまう流れだ。

兎にも角にも対面を果たしたわけであるが、ここから戦う流れになるのかどうか。
まずは話し合いから始まりそうな気もしますが・・・さてさて。



第25話「対面」  (2014年 36+37号)


ムリでしょこの風貌。相互理解・・・
そんなアオリつきで、でっかく武蔵の笑顔巻頭カラー。
うーむ、割と武蔵は話せる相手ですし、理解することはできなくもないんじゃないかなあ?
話してる間に相手を何度も好きなように斬りつける人ではありますが。あれ、そう考えると凄くアブないな。

さて、その武蔵と対面した刃牙。
勉強とかろくにしてなさそうな刃牙だが、さすがに一般教養ぐらいはある。
宮本武蔵がどういう存在であり、何百年も昔の人だということは当然承知している。
それでも尚・・・ッッツ!それでも他に言いようがない・・・

宮本武蔵さん・・・?

まさかの正解を口にする刃牙。
冷静に考えてあり得ないのだが、理性よりも直感が明確に告げてくる感じでありますな。

時代は平成・・・こんなことクイズにすらなりゃしない。
戦国時代の侍が現代に蘇る。SF作家さえ躊躇らう安易な設定だ

まあ、使い古された設定だろうし、確かに躊躇しそうなものでしょうな。自虐かッッ!?
クローンに降霊を合わせたりと色々と面白い試みは加えられてますけどね。刃牙はそこまでは知らぬでしょうが。

何がどうなってるか見当もつかない。手掛かりの一切がない。でも・・・

そこまで話したところで、目線を切ったためか武蔵が切りかかってくる。イメージの中で。
なので刃牙は宙に跳び、激しく回転して躱す。リアルで。ほう。
イメージの刃に対して全力の生身での回避を行う刃牙。これでちゃんとやりとりできてるのだから何ともはや。
武蔵の刃を避けることができた分、サブちゃんよりは上と認識することができますね。いやそうでないと困るのだが。

エラいぞ。ボン

少年と書いてボンと読む。
やはり刃牙はまだ若い。円熟した武蔵からしてみれば少年のように扱われるのも仕方のないことか。
また、そういう扱いをするだけの実力が確かにこの武蔵にはある様子。うーむ。
これにより、刃牙は目の前の男が宮本武蔵であると確信する。
根拠も理屈も一切説明できないが、それはもう断言できることのようだ。

あのね・・回答言うのはワシだから。ね?もう少し・・・ね?れーせーに・・・

当てられるはずはないと思って言わせてたらまさかの一発正解。
答えを言って驚かせるつもりのはずが逆に驚かされることとなった光成。挙動不審だなぁ。ハッハッハ。
刃牙を驚かせるという楽しみの一つが潰えて残念でしたね!!いやまあ、十二分に驚いてはいるか。

さて、狭い室内ではなく外で対峙する2人。
さっそく立ち合おうかという構え。いきなり始まるのか・・・?
と思いきや、武蔵は刃牙に尋ねる。丸腰でいいのか、と。いやアナタも素手でしょ・・・?

ふむ・・・そう見えるか。

イヤ・・・さすがにどう見ても素手でしょう。それは間違いない。
が、ここから見せる武蔵の姿は・・・地下で語ったあの言葉の意味を示してくれる。
剣が無くては人が斬れぬ?剣とはそんなに不便なものか。
その言葉の答えとして・・・両の手を腹の前で組み合わせる。
人差し指を立てたその構えにより・・・まるで剣を持って正眼に構えているかのような姿がハッキリと見えるのでありました。

うーむ・・・この構え!!智拳印からさらに上の手の人差し指を伸ばしたようなこの構え。
刃牙道連載開始時に大きく取り上げられていた構えでありますな。ここで出てきたかー。

その架空の刃で刃牙を袈裟がけに斬りつける武蔵。
今回は驚きが強くて避けられなかったのでしょうか。本当の剣ならば確実な致命傷である。

はは・・・おワカリか・・・我は天下一・・・br> 俺ほどになるとな、姿がそのまま刃。帯刀の必要もない

これを言いきってしまうその精神がやはり天下一であるということなのでしょうか。
こういう強さもあったのか・・・ッッと何やら感銘を受けている刃牙。
一瞬怖気たかのように身を引いていたが・・・気を取り直して構えを取る。
ふむ、やはり強い奴に挑みたいという心はまだまだ根強いようですな!!そうではなくては。

思ったよりも早く対峙することとなった刃牙と武蔵。
さてさて、このまま戦いとなるのでありましょうか?
精神的に圧されているというのもあるが、このままでは刃牙にとっては不利な気もするが、どうするのだろうか?
まあ一度負けた後、ちゃんと正装になってリベンジを果たすという手法があったりしますからねぇ。
ここは前哨戦としてとりあえず戦ってみるというのもいいんじゃないでしょうか。



第26話「少年」  (2014年 38号)


その強さの形に圧倒されそうになりながらも、構えを取る刃牙。
思った以上に早く直接対決実現か!?
光成に言わせればこんな場所で、こんな形で行うのは勿体なさすぎじゃろとのことであるが・・・
当の本人たちはもうかなりやる気な感じである。
割と落ち着いた感じに見えるけど、やっぱりこの武蔵も戦闘狂ですわなぁ。

さて、光成は武蔵に「この国随一の実力者」と引き合わせる約束をしていた。
武蔵の見立てでは刃牙はその実力者足りえるのか・・・?

なるほど。有馬や秋山あたりじゃ勝負にもならんだろうな。
んン〜〜・・・・・・さしずめ。

続く言葉は気になるところでしたが、刃牙が攻撃を仕掛けたため中断される。
誰に比肩しうると言いかけたんでしょうかね。宍戸梅軒くらいの評価は得られただろうか。

ともかく、刃牙の蹴りから戦いは始まる。
が、いきなりの左のハイキックを見事に躱す。
いや、それどころか蹴りを出した後の、残った軸足である右足を掴んできたりする。
そしてそのまま・・・刃牙の体を左腕だけで持ち上げてしまう。ひょいっと。

琉球か、ぼん。
まだ立ち合ったことはないが、琉球に足蹴りを技とする「術」があると聞く

立ち合ったこともないのに突然の蹴りに冷静に対処する武蔵。
まあ実戦であればどのような奇襲があるか分かりませんしねぇ。
どのような攻撃であろうが冷静に対処できる。これもまた数々の戦いを生き延びてきた武蔵の強さでありましょう。

捕まれたままの状態で武蔵の顔面めがけて蹴りを放つ刃牙。
しかし武蔵は掴んだ左手を捻ることでその蹴りの軌道を変える。
そういった力の流れの操作もお手の物といったところでしょうか。
足首掴まれた状態で姿勢を上に保っている刃牙もさすがであるが、この体勢はあまりにまずい。

変わったことをする・・・立ち合いの最中というのに、自ら好んで安定の欠く片足に・・・

確かに言われてみればその通りである。
とはいえ刃牙の蹴りを躱すどころか軸足を掴んでくるような相手がどれ程いるというのか。
それが出来る相手と分かっていれば刃牙もいきなり蹴りから仕掛けるような不用意なマネはしなかったでしょうな。
いや、それほどの相手だと認識できていなかった刃牙が悪いというしかないか。

いずれにしろだ。子供とはいえどうやらこれは勝負。

そう呟いた後、武蔵は刃牙を持ったまま左腕を大きく振りかぶる。
この体勢は・・・地下で見せた素振りをするつもりか!?
あの時、獲物であった剣は茎から切断されてしまっていた。
人体で試した場合、果たしてどうなってしまうのか・・・!!

ぬんッ!!

容赦なく振り下ろされる刃牙。
どうにか後頭部は守るべく腕でクッションを作るものの、その威力は凄まじい。
さすがに鍛え上げた体なだけに、折れるようなことはなかったようだが、地面に叩きつけられた刃牙は気を失っている様子。
うーむ、見事な惨敗でありますな。よもやここまで差があろうとは・・・!!

でもまあ、刃牙は序盤では新たな強敵に押されまくるのが常ですしね。
スペックやオリバ、ピクルといった面々にも最初はいい様にされていた。
そこから立ち直ってくるのが刃牙の特徴であるが・・・さて、その挑戦はいつのことになるか。
今後の展開が気にかかるところであります。

それにしても刃牙はドレスの時といい、よく振り回される。
丁度持ちやすい大きさなのかね?バランスも勝手に取ってくれるし、振り回される人体としてはいい存在なのかもしれない。



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