蒼天紳士チャンピオン作品別感想

実は私は
第134話 〜 最新話


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第134話「心配しよう!!」  (2015年 48号)


お手洗いから戻ってきたら本人のいないうちからプロポーズをされていた。
これは確かにほへっ?となる案件でありますが、まあ嬉しいことでありましょう。うん。

とりあえず朝陽の覚悟は理解してくれた閃くん。
でも葉子さんのことは諦めるつもりはない様子。
カップル成立してからのライバル登場・・・といえるのかどうなのか。どこまで本気か分からないから何とも言えない。

そんな閃くんであるが、葉子さんのことと同じくらいに気になる言葉を残して去っていく。
閃くんにとってはクラスメイトであり朝陽の妹である鳴ちゃん。朝陽が鳴ちゃんの兄であることを知った閃くんは・・・

僕にとって貴方は「お兄さん」と呼ぶべき存在なのだろう・・・!!

とってもとんでもない捨てゼリフを残して立ち去る閃くん。
お嫁さんはまだだけど孫と義弟は出来ましたというアオリがとんでもなさを助長させている。改めて考えてもとんでもない。
いやしかし、それにしてもこの組み合わせは・・・いや・・・どうなんだ!?

・・・黒峰鳴は2つ下の妹で、まぁ昔はみかんやその弟たちと一緒に遊んだりもしたけれど。
鳴が小学校の高学年になったくらいからそういうこともなくなった。

別に仲が悪いワケでもなく、だからっていいワケでもない。所謂普通な感じの兄妹。
そんな妹に実は彼氏が?ふむ。これは面白いことになってきましたな・・・やっぱり心配になるか黒峰朝陽!!

というわけで鳴ちゃんのクラスメイトであり友人でもある桃地ちゃんや水奈川ちゃんに関係を尋ねる朝陽。
そんな風に妹を心配する兄の姿を見てホクホクしている2人。気持ちは分かるけど露骨だな!!
ああいや、でも確かにこういう朝陽の姿は珍しくて貴重だと思いますけどね。
嫉妬顔に続き、兄として心配する朝陽の姿。自身の恋がいい感じに落ち着いても苦労が絶えない感じでハッハッハ。

2人に言わせれば特に鳴ちゃんと閃くんの間に恋の香りはしないとのこと。
といいつつ、実は本日その鳴ちゃんと閃くんが一緒に出掛けているとのこと。何故それを早く言わないの!?
尾行するつもりだったという2人は友達思いなのかどうなのか。

鳴ちゃんから閃くんを誘ったという朝陽にとっては衝撃的な情報。
それもあってか冷静な目で2人の様子を見れない朝陽。この辺りは源二郎たちと変わらないなぁ。

てなわけで心配する朝陽の為にも2人の関係を明らかにしようと動き出す桃地ちゃんに水奈川ちゃん。
うむ、確かに忍者ならば諜報活動はお手の物でありましょう。それで何故その姿に変化したのか!!
割と女顔な朝陽であるから体そのものでも大きな違和感はないだろうが・・・本人と妹にしてみれば勘弁してという案件だ。
鷲の名前がらぶりんちゃんと判明したわけだが、まあそれは良しとしよう。

どう見ても罰ゲームとしか思えない諜報活動。これなら桃地ちゃんのまま聞きに行けばいいじゃない!!
しかし変態と色ボケと冷静じゃない朝陽とでは安心に繋がりそうな感じがしませんなぁ。

鳴ちゃんの好きな人は、いっつも涼しい顔しててちょっとひねくれてるメガネの人
分かる人には分かる例ではあるが、その例えだけだと隣の変態も該当部分が多くて・・・いや、水奈川ちゃんはかなり違うっしょ!!
少なくとも涼しい顔が出来ている水奈川ちゃんというのは覚えがありませんです。

ドMの変態とツッコミ人との相性はそれなりにいいかもしれない。そりゃ息もピッタリになる。
しかし今回の件の真相はもっとホクホクしたところにあった。

今回この変態を誘ったのは、兄ちゃんの誕生日プレゼント何がいいか、ちょっと相談してただけよっ!!
あっ、いや、べっ、別にブラコンってワケじゃないけど!?
まぁせっかくあげるんだし?男の人が何喜ぶのかわかんなくてさ・・・だから・・・

恥ずかしがって言い訳を始める鳴ちゃん。うむ。実に可愛らしい。
同じ男だからって閃くんに聞こうと思う判断はどうかと思いますが。

そんな妹の発言を聞いちゃった兄。聞かれちゃったことに気付いた妹。あらあらうふふ。
兄妹揃って照れながら誤魔化しに入っておりますが・・・分かってる分かってる。ハッハッハ。

実に良いツンデレを見られてホクホクした回でした。行き過ぎたブラコンでもなくいい感じですなぁ。
しかし結局閃くんは今後ライバルとして動くことになるのかどうなのか。
万一鳴ちゃんと結ばれれば孫の凛ちゃんが黄龍院になる理由ともなるが・・・それは、どう、なの、か?色々と楽しみです。



第135話「特売品を手に入れよう!」  (2015年 49号)


どうやら私、藍澤渚は無謀であるらしい
黒峰朝陽への想いを断てず慕い続けていることも、地球と我が母星の懸け橋になることを夢見ているのもきっとそうなのだろう。
そして私は今・・・またしても無謀な戦いに挑もうとしていた――

そんなモノローグから始まる今回。
挑むは激安スーパー悪鬼羅刹のタイムサービス!!まあそんなオチだろうと思ってましたよ。
オチというかまだ始まってもいないのだが。これがいわゆる出オチという奴か。

前よりも親しい友人となった獅穂さんを連れてタイムサービスに挑もうとする藍澤さん。
獅穂さんも秘密を知ったのでツッコミのレパートリーが増えた感じでありますなぁ。
いやしかし、前から疑問ではあったが藍澤さんは地球人並みの食事量が必要なのだろうか?

それはそうと、そんなタイムサービスに同じく参戦しようとやってきたみかん。
相変わらず獅穂さんとの呼び名が安定しないが仲は良さそうでよいことです。

秘密を共有し分かり合えたと思ったが、その分からかわれやすくもなった藍澤さん。
まあはっきりアホだとバレちゃいましたしねぇ。相応の扱いになっても仕方ありますまい。
しかしそんなみかん方から藍澤さんに共闘を申し出る。
あんたとあたしが手を組めば出来ないことなんてないって思わない・・・?と。
ふーむ。普段いがみ合っている相手からこのようなことを言われたらさぁ。嬉しくなってきたりしますよね。うん。
微笑む藍澤さんは実に嬉しそうで良かった良かった。結局雑な扱いされることになるのがオチでしたがまあ、やっぱりね。うん。

マジで修羅のような主婦ばかりが集う悪鬼羅刹。どういうスーパーなんだここは。
そんな場所でいきなりのタイムセール。こりゃ確かに激しい戦場になりそうです。

ここは成長したアタシが一肌脱いだげるよと文字通り脱ぎ出すシホーヌこと獅穂さん。
しかし主婦に痴女力が通じるものでもなく、厚着させられて転がされる獅穂さん。タイムセール中に余裕だな主婦たち。
そして獅穂さんの仇を取ろうとした獅狼くんもまた主婦の波に飲み込まれる。
いい体してると言われてもお姉さんたちには敵いませんですよ。ホンマ。

屈強な主婦に対抗するには屈強な独身ぐらいしかいないのかもしれない。いや主婦とか独身とか関係ないじゃん!!
いやあ、イキイキと戦ってますなぁ紅本先生・・・悪鬼羅刹に挑むのは悪魔の力か。

てなわけで獅穂さんと獅狼くんという犠牲を払いつつも手にした卵1パック。
藍澤さんとみかんとの共同作業も上手く行きましたし良かった良かった。
さりげなくみかんも藍澤さんを下の名前で呼んだりしてるし、関係も近付いたと言えなくはないかなぁ。
それでも親友となるにはまだまだな感じではありますけどね。ハッハッハ。

いやそれにしても今回は随所で華恋ちゃんの可愛さが目立ってましたなぁ。
全く押し勝てる見込みもないのに挑み続ける華恋ちゃん。さすがです!!



第136話「約束を守ろう!」  (2015年 50号)


時は少々遡り、まだ源二郎や桐子さんが学生だった時代のこと。
この頃は茜ちゃんも校長ではなく1クラスの担任でありました。
校長の時より生徒に姿を見せる時間は長いのだが、変わらずの角女だったんでしょうなぁ。

変わらないのはそういった辺りだけではない。生徒である桐子さんにアイスをたかったりしている。何をしているのか。
とはいえ親身なところも変わらない。吸血鬼である源二郎と桐子さんの恋のサポートもしっかりやっている様子。

・・・私はあんなアホ早々に秘密がバレ学校を去ると思っていたが、ここまで来たら秘密を守りきり卒業する所も見たくなった。
あのいけ好かん校長の吠え面も見たいしのぅ。残すは2学期3学期のみ。せいぜい頑張って白神の秘密を守り抜くがいい。

若き日の1コマ。うーむ、さすがにスーツ姿は似合わないな茜ちゃん。
しかし考えてみると茜ちゃんの時期の校長って何者だったんだろうか?
その頃から普通の人間の校長ではなかったのかどうなのか。気になるところです。
それにしても、結局秘密を守りきることができなかったと分かった状態でのこの会話は辛いものがありますなぁ・・・

さて、朝陽の血を吸った葉子さん。
吸血鬼の純度が上がったという話であるが、今のところ大した変化はない様子。
日焼けはしやすくなった感じであるが、それ以外はそんなに変わりないとのこと。まだそんなに回数重ねてないからかな?
とはいえ吸血衝動自体は納まったわけではないらしくムラムラしたりする様子。アラアラ若い若い。

吸血鬼の純度は上がったはずなのにますますコウモリに舐められている様子の葉子さん。おやおや。
お腹の音もくーからぐーにレベルアップしている。変わったところそこか!?

というのはさておき、茜ちゃん曰く血は定期的に吸わないといかんとのこと。
純度は上がってしまうが吸血衝動を抑えるには吸わなければならない。
ふうむ、確かに人前で抑えきれずに吸血し、その時の様子や表情を見られては問題ですわなぁ。
しかしそれは要するに定期的に性行為を行って発散するという意味でありまして・・・いやぁ青春青春!!
やはりその際は僕の方からお誘いした方がいいんでしょうかとか尋ね出すエロ峰君が初々しい。

華恋ちゃんが言うには太古の吸血鬼は吸血によって子を成すことがあったそうな。
しかし現代ではそういうこともなく、純粋な愛情表現の一つであるとのこと。
ふむ、言い方によっては源二郎が表現したように愛を誓うキスのような行為になるわけですか。
だが茜ちゃんの言う通り、衝動を伴うようなものが果たしてそれほど清いものであるのかどうか・・・!!

というわけでエロ峰原告による無理矢理行われたものであるかどうかの裁判が始まります。酷い!!
張りきって弁護士を務める華恋ちゃんであるが、やはりお人好しな天使には向かなかったかー!!
過酷な法廷バトルに善性は無用。厳しい世界である・・・
どうでもいいが性犯罪者と書いてしまだと読むのは・・・まあ、特に問題は無いか。

友人の結婚式帰りという色々とフラストレーションが溜まってそうな紅本先生の活躍により法廷バトルは終了。
最後はやはり腕力がものを言うってことですかね。いやいや。
ともかく血を吸う意味というものは当人たちが決めればいいことである。
定期的に血を吸う必要はあるが、悲観的にならず、エロいことにもならずにおこうと思えば思えるはず。
思えるはずであるのだが・・・首筋を見せて誘う朝陽の姿は微妙にエロいので何というかその。困る。

ようやく吸血鬼と人間らしいカップルになった2人。
こうなればいよいよ秘密を守りきったまま卒業させてあげたい。
茜ちゃんもその思いは強いのでありましょう。桐子さんたちの時は果たしきれなかったわけですしね。
心残りを子の世代でどうにかする。これは悲願と言ってもいいかもしれない。
素直じゃない茜ちゃんとしては色々と理由を述べてはいるみたいですが・・・微笑ましいことでありますな。うん。



第137話「見返そう!」  (2015年 51号)


恋する痴女は美しい
痴女でありながら恥じらいを、恥女力を併せ持つに至った獅穂さん。
痴女界でもかなり知名度が上がっている様子で・・・本当にどこの界隈で賑わってるんだよこの競技は!!
というかしれっとセコンドに付いている凜ちゃん。
まあ、これに付き合ってくれる相手と言えば消去法的に言えばそうなるのかもしれないが・・・まあ、仲の良いことで。うん。

それはそうと痴女をコケにした嶋公が獅穂さんに狙われるそうです。そっかー。
悪いことは言わないからやめておきなさい。藍澤さんもそう言っている。
まあ確かに女なら誰でもいいとか口走ってる男にフラれるのは屈辱でありましょうが・・・
未来のことを考えると不安になるしかないですわなぁ。

というわけで藍澤さんと共に嶋を後悔させるべく動き出す獅穂さん。
休日であろうと嶋は安定の嶋公。確かに正気でこのような行動は出来ませんわなぁ・・・
女性限定とのことでありますがお婆ちゃんとかでも問題なかったりするんでしょうか?

ともかく、世界ランカーの痴女となった獅穂さんが動く。
東洋太平洋を制した高等技術、ラッキースケベ!!
福の神の変態も認める見事な技術。これは変態である閃くんも反応せざるを得ない。
というかこの応援団は本当にどこから現れたのか。痴女界隈とは本当にどこに存在するものであるのか・・・

しかし獅穂さんよりも高い次元にいるHENTAIである嶋公には通じなかった様子。
女性に蹴られる嶋公。その様子を見て反応している閃くんもまた次元の高そうなHENTAIであるがどうなのだろうか。

続いての手段は清楚系痴女。なるほど、言葉の響きからして威力は高そうである。
しかしそれよりも自然そのものの色気を堪能してしまう嶋公。
これはHENTAIのレベルが高いというか何というか。中学生か!!

色々と酷い目にあっているけど金蔓とは別れきれない様子の藍澤兄。
学ばないというか何というか・・・
衝撃の事実を聞かされてへちゃっと倒れる獅穂さんはむしろ何だか可愛い。
まあ確かに女なら誰もいいって男を金目当ての男と取り合って負けたというのは屈辱なんてものじゃありますまい。ハハハ。
とはいえその言い回しで嶋に迫るのはいかがなものだろうか。誤解を招くなんてもんじゃないぞ!!
まあこういう感情や言い回しが出来るようになったのも恋を知り成長した証拠と言うことなのだろう。か?

ともあれ獅穂さんの何が不満なのさ!!の言葉に対しての嶋の返答。別に不満なんてないとのこと。

ただ、朝陽にフラれた直後で自暴自棄になってる紫々戸さんに
さすがに空気読むっつーか・・・さすがにがっつく程見境なくねぇ・・・つーか・・・

やはりあの時の朝陽とのやりとりを知っていたのですね。
うむう、いい風に考え過ぎかなぁとか思ったのだが、まさか本当にそういう考えであったとはなぁ・・・!!
冗談半分であったことも理解していたとは。いやはやこれはこれは。
見境ない男だと思っていたものであるが・・・いや、見境は本当にないとは思うが・・・
何だかんだで朝陽の友人の一人ということでありましょうか。今まさに逮捕されている最中の男であるが少し見直したぞ。

嶋の点数は上がりつつも仲の進展はとりあえず無し。
しかし未来へのフラグは着々と積み上がっているように思える。
ある意味楽しそうな組み合わせと言えなくはないが・・・でもやっぱり結ばれたら後悔しそうな気もするし。うーむ!
まあ桃地ちゃんが積極的に邪魔しにこないのだから意外と言うほどには悪い未来ではないのかもしれない。たぶん。




第138話 〜 第156話は後日更新予定



第157話「藍澤渚と藍澤渚B」  (2016年 21号)


・・・私の名前は藍澤渚。調査のために地球に潜伏している宇宙人である!!

本日もベランダで堂々と本体を晒して朝日を拝む藍澤さん
10年経ってもその習慣が変わってないのはさすがというか何というか。
まあ、10年後には正体を隠す必要もなくなっているのかもしれませんが・・・さすがにそこまで急激には変わってないか?

というわけで朝食。テーブルの上にちゃぶ台を用意しての食事とはこれまた。
というかやっぱり本体が食事するんですな。
それなら食べる量はかなり抑えられそうな気がしますが、兄はどうしていつもあんなに困窮しているのか・・・

それはさておき、前回示された大きな選択肢。
この先母星に帰り地球交流部隊の指揮をとるか、それともこのまま地球に残るのか。
目の前の未来委員長はどちらの選択を経てやってきた存在なのか。これは確かに気になる。
しかしもしその選択と異なる選択を藍澤さんがした場合、未来委員長の存在は一体どうなるのだろうか。

そういった色々と気になるところはあるのだが、まず尋ねるのが10年後に恋人がいるかどうかですか藍澤さん。
いやまあ、確かにそれは気になるでしょうけどもさ・・・もう少しさりげなく聞きなさい。

毎日毎日朝陽の唇の感触を思い返していたらしい藍澤さん。うん、そう言われると何というか。生々しい。表現も生々しい。

てなことはさておき、藍澤さんが本当に尋ねたいのは、「私は黒峰朝陽のことを無事忘れられたのか」である。
うむ、それを考えるとちゃんとカモフラージュした質問だったといえなくはないか。ないな。

未来委員長の朝陽との接し方を見ると随分とフランクな感じとなっている。
確かに今の藍澤さんがこのように接することができればという感じはありますよね。
それこそ獅穂さんのような感じでいられれば今でもいい友人として接することが出来たでありましょうに・・・

とここでその獅穂さん登場。
髪の長さでバレるかもしれないからと藍澤さんの外部ユニットに乗る未来委員長。
10年経過しても髪の長さくらいしか外見に大きな変化がないってのも凄いですな。
藍澤さんの星の民は若い時間が長かったりするのだろうか。

その辺りは気になるが、そもそも地球人であっても痴女ならば分身できるような世界観であるしなぁ。深く考えるのは無駄か!?
というか10年後の藍澤さんはすっかり痴女となってしまわれた様子で・・・おいたわしい!!
朝から玄関先で痴女対決が始まるのは人生の一大事。
しかしにぎやかねーで済まされる辺り、世界の痴女化は思ったよりも進んでいるのかもしれない・・・?
ていうか凜ちゃん。すっかりトレーナーの顔になって・・・

痴女のせいで盛大に話が逸れたが、今回も最後に爆弾投下。
未来委員長が朝陽に残した手紙。そこに書かれた内容は藍澤さんと関わるのはやめてくれというもの。
朝陽と葉子さん藍澤さんの三人で笑える未来のためにはそれが必要とのことであるが、それは一体どういうことなのか。
確かに今のギクシャクした感じは早く解消したいところであるが・・・
思いを完全に断ち切るにはもっとハッキリ距離を取る必要があるということだろうか。
そうなると藍澤さんは母星に帰るのが正解と言うことになるのだろうか・・・?

朝陽もまた難しい選択を迫られそうな雰囲気。さてさてどのような話となりますか・・・



第158話「藍澤渚と藍澤渚C」  (2016年 22+23号)


2年前。まだ全力でアイアンレディだったころの藍澤さん。
まだ友達と過ごす楽しさを知らなかった頃。任務の遂行が第一だった頃の藍澤さん。
必要以上に真面目で堅物。この頃はポンコツな感じはあまり見受けられなかったんですなぁ・・・

友達がいないことについても特に気にした様子はない。
が、そんな藍澤さんを誘ってみたりする朝陽。
岡の言うように人によっては余計なお世話になる行動でありますが・・・
ふむ。この辺りで朝陽からの好意が発生したわけでありますか。なるほどなるほど。

そんな恋の芽生えもあったアイスクリーム屋も今はなくなっている。時の流れの無常を感じますなぁ。
それと同じくアイアンレディという存在ももういない。それは良いことだったかどうだったのか。
少し前ならば確実に良かったと言えるのだろうが、このような手紙を頂いた今となっては・・・

さて、しれっと登校している未来委員長。
年齢的にいかがなものかと思うが、まあ外見的に違和感は薄いし問題はない。もっと年上の天使だって登校してるわけですし。
とはいえ藍澤さんと同じ顔はやはり問題があるし箱は被っておいてもらわないといけませんわな。いや、何で箱やねん。

箱については未だ謎であるが、それよりも未来委員長である。
笑顔の葉子さんを見て涙する。これは一体何を意味するのだろうか?
朝陽には色々な想いがありながらも親しげに接することができていた。表面上は。
しかし葉子さんに対してはそれをつくろうことも出来ていない様子。
これは未来で朝陽が葉子さんと一緒になれていないことにも繋がるのだろうか。聞きたくない未来がありそうで怖い。

藍澤さんと朝陽の関係は他の子とはまた違って複雑。
最初は朝陽が好きになって一方的にフラれた。
それから葉子さんと出会い共に秘密を知り、守る仲に。
そして藍澤さんは朝陽を好きになり、告白し、フラれ・・・うーむ。何とも奇妙な関係である。

俺・・・心に決めたんだ。俺は委員長がキッパリフってくれたから委員長のこと諦めることが出来たから、
絶対にその気にさせるようなことしちゃいけない・・・ハッキリと一線を引かなきゃって
それくらいしか俺には出来ないって。だからさこんな風に手紙で言われるまでもなく――

確かに朝陽は恋人ができる前から、これと決めた意中の相手がいるという時点からずっと誠実でありました。
葉子さん以外の相手と半端に通じ合うようなことのないよう徹底している。
そんな黒峰朝陽の誠実さは存分に見てきたはずでありますが・・・どうも今回は難しいことになっているようですな。
藍澤さんの手を払う朝陽の姿は何というか・・・見てはいけないものを見てしまったような感じが・・・
藍澤さんの反応のおかげでいつものかで済ませられて良かったというか何というか。いつもので済ませられるのもどうかと思う。

といってもそれで済むのはやはりつき合いの浅い周りの反応。
葉子さんは心配そうに見ているし、もちろんみかんだっていつものこととは思わない。
みかん曰く、朝陽にとって藍澤さんはどこか特別な存在であるらしい。

けどもう少し一線引くか引かないかはっきりしてあげたら?

そのように忠告するみかん。
どうやらみかんに言わせると朝陽は藍澤さんに対する拒否反応だけ過剰であるとのこと。ほほう。
確かに告白の件があってからどうも警戒している感じはあった気がします。
毎度藍澤さんがその警戒に足るだけの行動をしているから目立たなかったかもしれませんが・・・
それでいて皆で遊ぶとなると藍澤さんがいてもフラフラと顔を出す朝陽。ふうむ・・・

・・・あたしに言わせりゃ藍澤さんはとっくにあんたのこと諦めてる。
さっきみたいにしょうもないことで赤くなるくらい好きなクセにね。
それを押し殺してでもあんたと友達に戻りたいだなんて・・・
よっぽどあんたと白神さんと三人で過ごした時間が大切だったんでしょうね

大切な時間。藍澤さんが切望する大事な時間。
しかし朝陽は気付く。この先俺たちはもう一緒にいることは出来ない、と。
涙しながら何かに気付いてしまった朝陽でありますが、これはどういうことでありましょうか?
誠実さが故に招く悲劇と言うことなのだろうか?
その辺りをもう少し抑えてどうにかできないものなのだろうか。
できれば皆で笑いあえる未来を夢見たいものであるのですが・・・これは何とも怖い流れになってきましたな。



第159話「藍澤渚と藍澤渚D」  (2016年 24号)


少し前の回想。この間の1年生の時の話でもなく、更にその前。藍澤さんが母星にいた頃の話。
藍澤さんの母星は資源がつきかけており、地球に目をつけた。
可能ならば侵略者として奪うのではなくもっと友好的な手段で手にしたい、とのこと。
ふーむ。小さな体してるけど宇宙開発が進むぐらいだし、色々と発掘しまくっているんですかねぇ。星自体小さいのかもしれない。

友好的な手段を取るためには交流可能な惑星か判断しなければいけない。
それ故に地球潜伏作戦が行われるわけでありますな。
ふーむ。それは分からないでもないが藍澤さんの父上こと藍澤少将殿。ご自身の経験で交流可能と思っていいのではありませんか?
まあ、その学園生活は微妙な結末を迎えてしこりを残す結果となってしまったのかもしれませんが・・・

実は昔もいた宇宙人。源二郎たちはさておき茜ちゃんはその存在知ってましたよね?おそらく。
しかしそうか。みかんが言っていた通り、七不思議になるには昔からそういう存在がいないとということでしたが・・・
そうかー。御父上もやっぱり人に目撃されちゃう感じの人だったんですなー・・・

それはさておき、送り出される藍澤さん。
見送る者は父と母のただ二人。たった一人の友人の姿もない。寂しい話だ。ちゃんと見送れ兄上。
その頃の藍澤さんは普通に兄のことを尊敬していたというのに・・・なんでずっと騙され続けていたのやら・・・

ともあれ、友人の一人もいなかった藍澤さん。友と過ごす日々の楽しさを知りました。
うーむ。過去に経験がなかったからこそ、想いは強く断ち切り難い、か。
初恋だけではなく初友達。何とも大変なことである。
しかし藍澤さん、過去兄上を救うために演説した時は多くの同胞を動かしていたし、人徳がないわけではないんでしょうがなぁ。
人徳と友達作りはまた別の話か。そうですな。

さて、葉子さんの家で演劇の練習をする藍澤さん。
演劇なので実は私は宇宙人なのですと告白しても問題はない。そりゃあ誰も本気にはしますまい。本体見せたりしなければね。

懐かしいですな、日焼け対策回。葉子さんは片付けの出来ない子でありました。
まあ、今でもその辺りは変わらないんでしょうな。羽いっぱい広げて隠す葉子さんが何とも可愛い。

朝陽の行動についてフォローしようとする葉子さん。恋人として、ということもあるがまず何より友の藍澤さんのための気遣いか。
いい話ではありますが、この部分は下手に言及しない方がいいかもしれませんな。
受験勉強についても明らかに大丈夫じゃなさそうな様子の葉子さんなので言及しない方がいいかもしれませんな。

最後の学校行事なのだから絶対に成功させたい
それは葉子さんのみならず、同じ想いを抱いている人は多いでありましょう。
もちろん藍澤さんとしても皆との思い出になる行事。疎かにしたいなどとは思えますまい・・・!!

さて、練習の後はお泊りの準備。この2人は揃えると余分な味付けを始めようとするから困る。
そしてお風呂。ほほう、普通のラブコメ作品らしい流れになっているではないですか。
そして枕を並べての就寝。それらを行う間に語り合う2人。将来の夢のことについてなどを・・・

藍澤さんは述べる。自分の星の頑固な者たちに、かつて父が私に勧めてくれたように違う文化や価値観に触れて気付いて欲しい、と。
任務や規則を守ることが大事なのではなく、大事な人を守るため任務や規則があるのだ・・・と。
ふむ。確かにそれは大事な話でありますな・・・でも痴女という価値観に触れて気付いてしまうのは色々とアレですな。アレ。
いや、それはさておき、藍澤さんの想いは述べるとしたらもっとシンプルなものである。

自慢したいだけなのかもしれないな・・・この第二の故郷・・・地球を
種の違いなど関係なく笑い合える「友達」というものを。それが私の夢だ

うむ。よい夢であります。そういう意味では多種多様な種が通うこの学校に来て本当に良かったと言えましょう。
それも茜ちゃんの意図するところであるのかどうか。茜ちゃんの望みもそういう場所を作ることなのでありましょうか・・・

・・・私は一人だった。それでいいと思っていた。迷いなんてなかった。
でも出会った。キミに。キミたちに。初めての友達に

母に友達ができたと報告したら泣いて喜んでくれたとのこと。やっぱり親としても心配だったんでしょうね。
故郷は、遠くにありて思うもの。一人異郷の地で暮らすことで見える物が多くあったようですな。いいことです。
そして成長した藍澤さんはその功績を認められ、本格的に地球と母星の交流を試みる作戦の指揮を任されることに・・・

夢を叶えるためにはそれは喜ばしい話である。
しかしそれには母星に帰らねばならず、友と過ごせる地球での時間が無くなることを意味する。悩ましいですな。

悩みを打ち明けた藍澤さん。その藍澤さんを抱きしめる葉子さん。
この選択は葉子さんとしても迷う。だけどもし夢を叶えることを選択したのならば精一杯応援するよと述べる。

ずっとずっと待っとるよ。第二の故郷ってゆってくれたこの地球で。渚ちゃんが帰ってくるのを・・・!!

涙の約束。うむう。切ない話である。
友人同士が付き合い始めた時、残った者は微妙な立ち位置になる。それは仕方のないことだ。
しかし彼ら彼女らは皆互いのことを気遣い、いい友人でありたいと思い続けていた。ううむ、切ない・・・

大切な友人に悩みを打ち明けた藍澤さん。
かつて茜ちゃんに言われた言葉、己を知り己を認め、その上で実現できる理想を目指せという言葉を思い出す。
その言葉の通り、どうしようもなく迷ってしまう弱さも、朝陽への想いも、葉子さんへの想いも全て認めた上で決断を下す。

私は私の理想を目指す!!

そう決めた藍澤さん。ならば直ぐにでも動く!!
今夜、朝陽に伝えたいことがあると連絡する藍澤さん。さてさて、いよいよ正念場な感じでありますが・・・?

藍澤さんの決断。朝陽に何をどのように伝えるのか。未来委員長はその決断があったことを知っているのか。
一体どのような纏まり方をするのか・・・注目であります。



第160話「藍澤渚と藍澤渚E」  (2016年 25号)


意を決し、満を持し。朝陽のもとへと向かう藍澤さん。
そのお膳立てを行ってくれる茜ちゃん。何人にも邪魔されない朝陽と向き合うにふさわしい場所を用意してくれたとのこと。
気の利く話でありますなぁ。もちろん報酬は報酬で有難く頂くつもりだろうが、やはり茜ちゃんはいい教育者だ。

――この地球で過ごした3年間。それは・・・キミと過ごした日々でもある。
初めて私に恋をしてくれた人。初めて友達になってくれた人。そして初めて恋をした人。
初めて知った迷い。キミの胸の温かさ、キミが離れていく切なさ。どうしても答えが出せない己の弱さ。もがき続けた3年間。
・・・今、私が進もうとしている道。それが正しいかはわからない。
だがそれでも私は・・・私の理想を目指す!!

今も迷いが完全になくなったわけではないのだろうが、それでも一歩を踏み出そうとする藍澤さん。いい覚悟だ。
そしてこの場面。このシチュエーション。藍澤さん本体が大きくなり、南の島のような海岸。
ふうむ、藍澤さんが勇気を出した場所を再現したわけでありますか。茜ちゃんも粋なことをする。

が、そんな場所に登場するのは未来委員長。
おや茜ちゃんってば何人にも邪魔させないと言っておきながら・・・!!
いやでもこうも言ってたか。己に向き合えと。そういう意味では藍澤さん自身である未来委員長が来るのも当然であるか。

さて、藍澤さんは地球交流作戦の指揮をとるために母星に帰ることを決めたらしい。
その話自体は未来委員長に言われてしまったが、それを決めたことについては朝陽に話すことが出来る。
地球と母星の架け橋となり、いつか必ずこの第2の故郷・・・地球に帰ってくる!!と。
そしてもう一度何のわだかまりもなく三人笑える日を迎える。それが私の夢だ!!と。
うむ・・・いい笑顔で言えてますな。葉子さんと泣いたことでわだかまりは大分なくなっているみたいですな。

そんな風に朝陽に決意を告げている藍澤さんであったが、ここで未来委員長からの横やり。
ドッペルゲンガー。もう一人の自分が目の前に現れる怪奇現象。本人がそれを見た場合近日中に死亡すると言われている存在。

私がそのドッペルゲンガーだと言っているのだよ。マヌケな未熟者め

えらく怖い顔を見せてそう言いだす未来委員長。
ははぁ。確かにドッペルゲンガーの条件は満たしていそうな気がしますな。
少し先の未来の自分が過去の自分を殺してすり変わり過去をやり直そうとしている・・・か。なるほど。
つまりこの未来委員長にはやり直したいことがあると。それはこの先に起こる出来事。地球交流作戦の失敗

母星に帰り架け橋となるべく尽力したが、所詮私一人の力など微々たるもの。過ぎた夢だったのだ。
やがて我が母星は地球への侵略を開始した

し、侵略!?いや確かにできれば交流でとか言ってたし、場合によってはそういうことも有り得ると思わなくはなかったけど。
しかしいくら優れた科学技術を持っていそうな藍澤さんの母星とはいえ、いやまさか・・・あんなアホな集団に・・・!!

ともあれ未来委員長の語る未来は凄惨なものである。
その渦中に出会う三人。そりゃあ溝は決定的なものとなっているでありましょう。当然だ。

そんな中でも朝陽の想いを捨てられなかったという未来委員長。
だが自力で捨てることができないのならば別の方法がある。記憶消去装置。なるほどこの金槌を使えば・・・えぇっ!?
起きた出来事だけ記録として残し、その想い自体は記憶から消す。なるほど理屈は通る。よう、な?
いやいや。え?本当にその装置正常に作動するものなの?え?
いやさすがに本当に作動するはずのない装置を普段から藍澤さんが振り回していたというのもどうかとは思いますが・・・

衝撃の展開の中、2人の藍澤渚の闘いが始まる
大事な思い出を辛い記憶ごと消してやり直そうとする未来委員長。
迷いも弱さも全て抱えて進もうとする藍澤さん。
同じ藍澤渚であってもまるで違う2人の闘い。さてどういう結果となりますか・・・

色々と驚きの展開でありますが、さてこの未来委員長の話はどこまで信用していいものか。
今の藍澤さんを殺してすり変わったとして、それで朝陽と葉子さんと友達でいられるものであろうか。
そもそも未来の話が納得し辛い。確かにUFOは飛んでいたが、それは交流に成功した場合でも同じ状況になるはずである。
というか未来はそれよりもカリスマ痴女の存在が大きすぎてなぁ・・・
地球を侵略できるほどの科学力があっても痴女には敵わないのかとかそんなことを考えてしまうと・・・辛いじゃないか!!

ともあれ藍澤渚の物語は佳境に達しようとしている様子。見守るしかありますまいて。



第161話「藍澤渚と藍澤渚F」  (2016年 26号)


衝突する相容れぬ想い。
この作品としては珍しいバトル展開だ!!
ああ、UFOは何で呼んだのかと思ったら武器を投下させるためだったんですね。

さて、ここで茜ちゃん登場。やっぱり未来委員長はわざと通したみたいですな。
己が己であるためには己が最も認めたくない己の姿を屈服させるしかない、か。
それは精神世界ではよくある戦いなのかもしれない。ただそれが今回は物理を伴うようになったというだけで。
確かにそう考えれば激突は必然のものであると思える。
それよりも茜ちゃんは朝陽にこう述べる。これはキサマの甘さが招いた結果でもある。
どんな結末を迎えても、一瞬たりとも目をそらすことは許さん、と。厳しいお言葉だ。だが必要なことでもある。

見届けてやれ。キサマにホレた女のその生き様。それがキサマのすべきことだ。
ただ見届けろ。それ以上のことはするな。目に焼きつけろ。心に刻み込め。決して忘れるな

うむう。やはり茜ちゃんはここぞという時に道を示してくれますなぁ。
誠実に責任を取るということはこういうことだと教えてくれる。
朝陽のこれまでの行動も決して悪かったと言えるほどではないと思うが・・・
それでも自身の責任を感じ、見届ける覚悟をする朝陽。いい男でありますよ、本当に。

さて、2人の闘いは今のところ未来委員長が優勢。
藍澤さんにしてみれば未来委員長を否定してはいるものの、そうなってしまう可能性も捨てきれないということだろうか。
そんな藍澤さんに語ってみせる未来委員長。夢を叶えるために戦わなければならない現実について。

いずれキサマも思い知るだろう。理想の前に立ちはだかる現実という壁。その高さ大きさ。
魂を・・・命を削りながら挑む日々。やつれていく心。悲鳴をあげる体。それでも変わることのない現実。
心の拠り所だった思い出は容赦なく流れる時間の前に色褪せて、ただの記録となり果てるだろう。
そしてただ一人立ち尽くすのだ。すがるように、顔も声も思い出せない黒峰朝陽の名をつぶやきながら。
それが迷いも弱さも捨てられないキサマの理想の・・・夢の結末だ・・・!!

時間の流れとは、現実とは、社会とは。
残酷なものであると分かっているだけに、そういうこともあるかと思えてしまう未来委員長の言葉。
しかしそんなものは全て言い訳であると切り捨てる藍澤さん。

・・・なるほど。確かにキサマの言う通り、私は全てを求めて全てを失うのかもしれん・・・だが、だからなんだ?
「私は頑張りました」「でも夢は叶いませんでした」「だから後悔しています」「人生をやり直したいと思います」
・・・現実逃避しているのはどちらだ・・・?

確かに辛い現実を語れば語るほどそこから逃げ出してきたのはどちらかというのが明らかになってしまいますわな。
これは未来委員長も一本取られた。動けず殴られても当然の流れだ。

そんな藍澤さんであるが、未来がそのように記憶を消してまでやり直そうと後悔するほどのものであるということに恐怖している。
だが、それでも大切な記憶を、夢を消し去るようなことはできない。

いつか私もキサマのようにどうしようもなく追いつめられるかもしれない・・・
だが・・・それでも・・・!!それでも私は私のままこの道を進む!!
キサマのように失敗して何もかも失ったとしても、それでも私は強がってみせる!!
私は恋をして良かったと!!夢見て良かったと!!
辛くとも報われなくとも意味はあったと。どんな結末で精一杯やったのなら皆に誇れる私なんだと!!

現実を前にしても後悔しない強さ。
その決心を語る藍澤さんの言葉に未来委員長は笑みを浮かべ・・・斬られる。
そうか。やはり無理のある入れ替わりなどではなく、過去の自分を強くするためにこんなことを仕掛けていたわけでありますか・・・
本当の願いは叶えられなかった自分の夢を叶えて欲しいということ。見られなかった景色を見て欲しいということ。

葉子君との約束はキミが守れ。地球と母星の架け橋となり、もう一度何のわだかまりもなく三人で笑い合ってみせろ。
頼んだぞ藍澤渚(わたし)よ

いい笑顔。とてもいい笑顔を見せて消えていく未来委員長。
そのやり方は多少強引でありましたが、藍澤さんの胸には大きく響いたようでありますな。

未来の自分から夢を託された藍澤さん。これは負けるわけにはいきますまい。
未来を知ることでどれほどの変化があるかはわからない。だからといって同じ道を歩むのは悲しすぎる。
さてさて、この先の未来がどういうものとなりますか・・・期待して待つしかありますまい。



第162話「また会おう!」  (2016年 27号)


――これは葉子さんから聞いた話になる。
あの後、委員長は母星に地球との交流を指揮することを承諾する旨を伝えたらしい。
そのための準備やら研修やらで大変らしく、すぐにでも地球を離れることになったそうだ。

未来の自分の意志をしっかりと受け止め、夢に向かってまっすぐ走り始めた彼女を、何より彼女らしいと思った

その選択は早期の別れを意味していた。
藍澤さんの意志は、選択は尊いものでありますが、卒業を待たずの別れは何とも寂しい。
この学園祭が終わればお別れか・・・
それをわかっていて未来委員長はかぐや姫の台本を用意したわけでありますか。
かぐや姫である藍澤さんを竹取の翁夫妻――朝陽と葉子さんが見送る、と。

――今朝、夢を見た。
委員長と葉子さん、俺がただ並んで登校する・・・そんな夢。あの夢を俺は決して忘れない

将来、ぎくしゃくした関係が解消されることはあったとしてもこの3人で再び登校する日はもう訪れない。
忘れるわけにはいきませんわな・・・うむ。

それはそうと、演劇開始であります。
娘の晴れ姿を見るために源二郎や桐子さんの姿もある。他にも前作のキャラたちの姿も・・・
それはいいのだが、藍澤さんの演技が演技というかそのままというかな動きで・・・ハッハッハ。
まあそれはそうか。この演劇はかぐや姫がベースであるが、その内容は藍澤さんの実体験を元にしたコメディである
これもまた別れの前の最後の演出というものでありましょうか。いやはや何とも・・・

いつまでも続けばいいと思っていた、終わりになんてしたくなかったあの楽しかった日々。でも・・・

・・・わかってる。終わりにしなきゃいけないことは。
いや本当はもっと前。葉子さんを選んだあの時には終わりにしなきゃダメだったんだ。
なのに・・・ダメだとわかっていたはずなのに俺はずっとどこかで、委員長の「もう諦めた」って言葉に甘えて――

恋人と友達。告白を断った相手との友達関係を続けるのは簡単なことではありますまい。
朝陽はそれでも誠実であった方であるとは思いますが・・・難しいものですな。誠実であるということは・・・

演劇の最中であるが、藍澤さんとの別れにいてもたってもいられなくなる獅穂さんとみかん。
その2人と葉子さんに別れの言葉を告げる藍澤さん。寂しいことだ。
朝陽としてはその別れを惜しみながらも黙って見送ることしかできない。ただ見送る。それもまた男の在り方でありましょうか・・・

・・・この人が好きだった
生真面目で融通がきかなくて、でも優しくて。どこかちょっと抜けてて。
いつもどんな時でも、何かに一生懸命だった女の子。

さよなら委員長。どうか・・・どうか元気で・・・!!

笑って見送って欲しいという藍澤さんの言葉に従い、どうにか笑顔を見せる朝陽。
まあ、涙を流さずにおくのが無理というものでありましょう。この場面。
だから藍澤さんも涙は出てくる。が、同じように笑顔を見せ・・・

藍澤渚、これより帰還する!!

・・・私の名前は藍澤渚。
周囲の人間はかつて私を「アイアンレディ」と呼んだが、それは誤解である。
私を構成する物質に鉄はそれ程多く使われてはいない。
今の私を形作ってるもの。それは――

このモノローグ。ずっと昔に使われたものでありますな。
その異名を受けていたころはもちろん成分ではなく性格的な部分での揶揄であった。
しかして今藍澤さんが述べる、自身を構成するものとは・・・ああ、やはりアイアンレディはもういないのですな。良かった。

夢のために旅立つ少女。それを見送る人々。
別れとはどんな時も寂しいものである。卒業式だけでも帰ってきたりはしないのだろうか?
今後の出番があるのかどうか・・・期待したいところであります。



第163話「種明かししよう!」  (2016年 28号)


学園祭から1週間が経過。
慌ただしい空気はなくなりいつも通りの学校。しかしそこにはもういない人がいる。
その人のことを考え、ふと気付けば空を見上げてしまう朝陽。
いつも何かに一生懸命だった彼女は、今もきっとあの空の果てで頑張っているんだろうな・・・
夢を叶えられなかった未来の自分の分まで。

どうか、どうか神様。彼女の進む道にたくさんの幸せが待っていますように
どうか俺のことなんて振り返らず、あの人の分まで幸せな未来を迎えてくれますように。
この先、決して俺は忘れない。確かにここにいた・・・学園七不思議の一つ・・・
『廊下の小人』といわれたその人のことを――

感動的なエピローグ。
を詠んでいたはずの朝陽の目に入るのは、その七不思議に伝えられる廊下の小人・・・
だから立ち止まってごまかせるものではないと言っているでしょうに!!ほらごまかせてない!!

1週間前に去った藍澤さんではなく未来委員長の方でありました。
その未来委員長から驚きの事実が語られる。
実はあれは分身の術で増えた私で、消えたのは湯気で構成されていたからなのだ、と。
ドッペルゲンガーがどうのこうのというのは口からでまかせであった、と。

ハッハッハ。さすがにこれには朝陽も怒るより他にないようで、ハッハッハ。
いやでもこれは納得だ。未来人だからって斬られて消えるとはどういうことかと思ってたが、いやはやなるほど・・・なるほど。

しかしまあ、ドッペルゲンガーの時の顔といい、ずいぶんな名演技でありましたなぁ。
これには茜ちゃんもすっかり騙されてしまった様子。
いやぁ、まさかあの茜ちゃんを二度もコロンさせるとは。未来委員長、恐るべし!!
確かに思いのほかマジモードでありましたからねぇ。種明かしもしづらいというものか。ハッハッハ。

10年たっても相変わらず電池切れで校内を彷徨っていたらしい藍澤さん。
いやまあ、保健室までたどり着けず電池切れになってた頃よりは成長してると言えるか。

茜ちゃんから逃げながら朝陽は問う。藍澤さんが未来委員長になるまでの10年は一体どんなものだったのか。
ちゃんと夢は叶えられたのか。それとも・・・?

・・・反対派の人々、保身しか考えぬ高官。地球を知らぬ子供たち、宇宙人を知らぬ地球の人々。
――それは途方もない夢。人々の意識を変える戦いの日々だった。

少数ならともかく、多数の人間の意識を変えるのは難しい。
様々な失望や苦悩に叩きのめされてきたことでありましょう。
しかしそんな中でも分かってくれる人はいる。認めてくれる人はいる。結実する夢も・・・ある。

・・・何故だろう。その光景が目に浮かぶ気がするのは。
あぁ・・・そうか。ずっと・・・願ってたからだ。願わずになんていられなかった
いつでも一生懸命だった彼女が、彼女が報われるそんな未来を――

もちろん課題はまだまだ山積みであるが、それでも交流の夢は着実に結果を見せつつある様子。
そうしてもっと先のあの未来へと繋がっていくわけでありますな・・・

この10年、朝陽たちとの想い出があったからこそ頑張り続け、強がり続けて夢を叶えることができたのだという未来委員長。
うむ、やはり記憶を消したりはしていなかったのですな。
もしいつかあの未熟者が夢を叶えてこの地球に帰ってきたその時は、もう一度友達になってやって欲しい。
そう告げる未来委員長の言葉。今度こそ偽りなどあろうはずはない。
ああ、そうやって本当にまた3人で笑い合える未来が来るのであれば・・・嬉しいですな。とても嬉しい・・・

・・・以前未来の委員長に、用があるのは俺だと言われたことがある。
この人はたったこれだけ伝えるために未来からやってきたんだ。安心してくれって。自分は大丈夫だからって

なるほど。自分とのことで落ち込んでいるだろう朝陽。
自身の夢を叶え、安心させるためにわざわざ過去にやってきてくれたという話でありましたか。いい話だ・・・
振り回された茜ちゃんとしてはご苦労様でしたという感じですが、いい話でした。ハッハッハ。

朝陽が抱くようになった『秘密を持った人の力になりたい』という夢。
今も夢のために頑張っている藍澤さんに負けないためにも自身の夢を叶えなければいけない。
いつかみんなで笑い合うその日のために・・・

藍澤渚同士の対決から涙の別れ。そこからのどんでん返しと色々あった藍澤渚編。いい決着がついたのではないでしょうか。
しかしとはいえまだ気になることがないわけではない。
藍澤さん自身のこと。朝陽のことはまあ納得がいった。しかし話に出てこないのは葉子さんのことである。
過去の葉子さんを見て涙したのは一体何だったのか。未来委員長は夢を叶えても友達に戻ることはできなかったというのだろうか?
考えてしまうとやはり未来の葉子さんのことが気がかりでならない。
もともと未来委員長はみかんに朝陽の嫁は葉子さんではないと告げてたりしますしねぇ。
さて、その辺りの解決はどうなるのか・・・気になるところです。



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