蒼天紳士チャンピオン作品別感想

実は私は
第53話 〜 第79話


実は私は感想目次に戻る   作品別INDEXに戻る   週刊少年チャンピオン感想TOPに戻る

 各巻感想

1巻 2巻 3巻  4巻 5巻 6巻  7巻 8巻 9巻 10巻
11巻 12巻  13巻 14巻 15巻 

連載中分


実は私は 7巻


第53話「憧れの人に会いに行こう!」  (2014年 13号)


獅穂さんに突然屋上に呼び出される朝陽。ふむ、屋上で異性と2人きり。気になるシチュエーションでありますな。
実際の所、獅穂さんが相手というわけではないが、朝陽に想いを伝えたいという人がいてねと切り出される。

アタシと同郷で、黒峰クンもよく知ってる人だよ

なんだかやたらと可愛い顔でそう述べる獅穂さん。ほう、それは・・・

その話を聞いてドキドキする朝陽。想いを伝えられるなんて聞いたらそりゃ意識しちゃいますわな。
しかも獅穂さんの同郷のと言われれば自然と幼馴染である葉子さんのことを思い浮かべるわけで・・・
いやまあ、読者としては真っ先に別の人物を思い浮かべちゃうんですけどね。
その期待通り、朝陽が後ろを向いているうちにその人物が光と共に現れました。
いかつい顔と体に女性用の下着を纏わせた男。これぞ・・・光の変態・・・!!

獅狼「ちとびっくりするかもしれんが、実は己は――」
朝陽「ちょっと待って獅狼君!!その続き聞く勇気なんて俺には無いよっ!?

いいシチュエーションのはずが一気にヤバイシチュエーションの場となってしまいましたな。ハッハッハ。
わざわざ月の写真を見て変身する前に下着姿に着替えている獅穂さんがまた何というか。

獅狼の下着姿は直視に耐えがたいので目を逸らしつつ話す朝陽。
それによると、どうやら獅狼は紅本先生を紹介してほしいとのこと。ほほう、そういう組み合わせで来ましたか。
想いを伝えたいとのことであるが、それはラブい話であるのかどうか。

獅狼「・・・一目でわかった。あの人は伝説のヤンキー「百度参りの亞華里」やと・・・!!
朝陽「よし。まずはその格好で頬赤くするのはやめよっか」

女性下着を身につけた状態で頬を赤らめもじもじする獅狼。これはキツイ。
そ、それはさておき。紅本先生はどうやら思った以上に凄いヤンキーであったようだ。
というか何故百度参りなのだろうか。ヤンキーセンス的な異名なのだろうか。
異名も凄いがどうやら武勇伝も数多く持っているらしい。

獅狼「味方逃がすために武器持った男100人をたった一人で殲滅させたって噂じゃ・・・!!」
朝陽「よし。ブラ外しながらはにかむのはやめてもらおうか」

とりあえず着替え終わってから話をしたら良かったですな。獅狼も何というか脱ぎ慣れているというか何というか。

それにしても紅本先生の伝説は色々と危うい。
戦い終わった後、その服を染めてた紅は全て返り血だったとか。紅本の紅は返り血の紅よってか?
どうやら100の亞華里伝説の1つということで、このレベルのエピソードが100もあるらしい。ハンパねぇ。

その強さ、その根性。凄いかどうかでいえば確かに凄い。なんならひくくらいに凄い。
一般人的には反応に困るエピソードであるが、どうやら獅狼にしてみればどれも感銘を受けるものである様子。

あの人はどんな男より漢らしいんじゃ!!
何度同じ世代で生まれたかったと思たか。そしたらその生き様・・・その亞華里伝説を体感出来たかもっての。
あー、本人から聞いてみたいわい。数々の武勇伝!!その裏側!!

ふむ、憧れという方面ではありますが、確かにその想いは本物のようですな。
いつもは仏頂面の獅狼が本当に嬉しそうにしている。よい笑顔だ。
紅本先生ならば狼男のことも知っているだろうし、紹介することに問題はなさそうですな。

・・・は?「亞華里伝説」?「百度参りの亞華里」?なんだそりゃ。人違いじゃないのか?
考えてもみろ。そんなヤンチャしてたなら、こんな普通に高校教師出来てないと思うぞ?

むう。せっかく紹介されたのにいきなりの否定。
まあ言われてみればそんな気もしますな。紅本先生の場合縁故採用という可能性も考えられはしますが・・・
ヤンキーなのは間違いないが、そこまで派手に暴れたりはしてなかったってことでしょうか。

黒峰。人違い・・・だからな?

電話が入って職員室に呼び出された紅本先生が、部屋から立ち去る直前に朝陽に耳打ちする。お、脅しじゃないですか・・・!!
これは間違いなく本人でありますな。
それを証明するかのように、何故か校長室の窓の外から茜ちゃんが証言してくれます。

くくく・・・「百度参り」の噂なら私も聞いたことがあるの。
「百度参り」は学生時代、毎週単身不良校に乗り込んでいってのう。週一のペースで100週・・・100校潰して回っておった。

ほう、これが100の亞華里伝説その7、100校制覇でありますか。100ばかりだな。
派手なエピソードでありますが、実はこれには隠された事実がある。

そしてそれらは、惚れる相手が毎度不良校の頭で告白のために乗り込んだ結果であり
「彼氏がほしい」そのたった一つの願いのため、100の不良校が犠牲になった話だ
いやー「百度参り」とはよく言ったものよ。まぁ結局願いは叶わなんだがの。

そういう意味でありましたか。確かに願いが籠った乗り込みでありますわね。
それにしても紅本先生は何で不良校の頭とかそういうのばかりに惚れこむのか。やはりヤンキーの血というものなのか。
というか近隣に不良校が100校もあったりするのだろうか?もしや全国行脚でもしたのか?全国制覇したのか?
というか週に1回のペースで恋をしていたのだろうか。それはさすがにどうなのか!?

色々とツッコミどころは多いが、何にせよ無かったことにしたい歴史であるのは間違いない。そりゃ人違いも主張する。
そして、獅狼が嬉々として話していた伝説が実は只の失恋エピソードだった
これでは「百度参り」にケンカ売ってるだけということになる!!

・・・はて。気のせいかな?今校長の声が聞こえた気がしたんだが・・・

電話から戻ってきた様子の紅本先生。こ、怖い・・・ていうか、なんで鍵をかける!?

紫々戸・・・さっき興味深い話をしていたなぁ。「亞華里伝説」だったか・・・?
さて、どこまで知っている?

す、すごいプレッシャーだ!!というか獅狼が絶妙なまでの絶望顔を晒してくれている。
茜ちゃんのおかげで人違いということにしてこの場を済ませるって流れにはならなさそうであります。困ったね!!

とりあえず一旦は再度の電話で難を逃れる。が、逃げるなよ?と釘を刺されてしまったのではどうにもならない。
今は逃げることができても後でどうなるか・・・考えるだに恐ろしい!!

というわけで、どうにか危機から逃れる方法を考えようとする2人。
100本もあるうち一つがたまたま失恋エピソードだっただけで、他の話に持っていけば問題ないのではと考える。だが――

いや?「亞華里伝説」は全て紅本明里がフラれたエピソードだが?

全部かよ!!しかももうしっかり名前とかフラれたとか言っちゃってるし!!
そしてどうやら現在もお見合い100連敗中である様子。紅本先生・・・・・・

楽しそうに話していた茜ちゃんでありましたが、下に回り込んでいた紅本先生に捕まった様子。
その後一体どうなったのかは分かりませんが・・・とりあえず紅本先生の持つ木刀は紅に染まっていたそうな。

率直に言って「殺される」――!!

血濡れの木刀を持って窓の向こうから厄い笑顔で話しかけてくる紅本先生。こりゃ新たな七不思議になるわ。いやただの怪談か!?

凄く恐ろしい目に合いましたが、さすがに紅本先生も生徒に手を出したりはしません。
バレてしまったのなら仕方がない。全ての元凶はもうシバいたことだし。とのこと。

・・・まぁあれだよ。実は私は、確かに伝説のヤンキー「百度参りの亞華里」とか呼ばれてたこともあった。
まぁ実際は失恋する度に少し暴れてたってだけだ。
だからそういう意味じゃ紫々戸よ。やっぱ人違いだよ。
私はおまえが思ってるような伝説のヤンキーじゃなかった。ただの情けねぇ駄々っ子だったよ。

ふむ。何のかの言ってもやっぱり紅本先生は大人ですなぁ。
過去のことは過去のこととしてちゃんと反省している様子。
この話を聞き、怯えた様子だった獅狼もようやく自分を取り戻す。

亞華里さん・・・いや!!アネゴ!!
すいやせん。伝説の真相を知った時は正直少し引きやしたが――
しかしそれでも何度男にフラれても立ち上がるその強さ、その根性。やはりアネゴは己の憧れの人です
やはり己は人違いなぞしとりません。

なるほど。見方を変えればそういう風にも思えるか。
一途ながら割とヘタレで気持ちを伝えられずにいる獅狼としては見習うべき強さでありますわな。
それはさておき、獅狼のこの発言はどうやら紅本先生に大きな衝撃を与えた様子。

な、な、何言ってんだ紫々戸・・・
アホかっ何を告白っ・・・私は教師でおまえは生徒だぞ・・・い、いや生徒は紫々戸獅穂の方か・・・?
えと・・・あれだ。歳もそれなりに離れてるんだぞ・・・!?

ん?んっ!?と赤面し、嬉しさを隠しきれずにいる実に可愛らしい紅本先生。
チョロいとか思わなくはないが、これは獅狼のいかつさが功を奏しているということなのだろうか。
何にせよこれは面白い。この組み合わせは予想していなかったが、これはこれで・・・

・・・告白?あ、いえ。恋愛感情とかは別に。歳もそれなりに離れとりますし!!純粋な憧れです。

ああ・・・せっかく紅本先生が幸せになれる可能性が見えたというのに・・・
確かに紅本先生が言ったことの反芻であるのだが、女性の照れ隠しの歳発言をそのまま返すバカがあるか!!
こりゃ後ろの扉が破壊されるほどの突きを受けても仕方がありますまい。バカな・・・体を突き抜けて後ろの扉が大破だと!?

亞華里伝説は終わらない・・・!!

100の不良にフラれ、100のお見合いに失敗した紅本先生。
こうなれば生徒100人に断られる方向に行くしかないのだろうか!?泣かないで先生・・・!!

魅力的な紅本先生であるのですが、考えてみるとなかなかマイナスポイントも多い!!
元ヤンで料理苦手でそして何より悪魔がついてくるという・・・!!
見方を変えると最後のは特典なのかもしれないが、うーむ。
いやでも魅力的ではあると思うのですよ。うん。間違いなくね。嫁とするかどうかは一晩考えさせてくれと言いますが!!



第54話「雪合戦をしよう!」  (2014年 14号)


突然ですが、白神たちとスキー場で一泊二日の旅行へ行くことになりました!!

まさしく突然。だけどこういうイベントは楽しいものですし歓迎したいところ。
大人数ということもあり、移動はバスで行われる。今回は紅本先生の車がどうこうなったりはしないので安心ですな。
車酔いした凛ちゃんを介抱しているみかんがいい感じである。

・・・あれから、学園祭から白神とはどこか気まずいけど・・・
このスキー旅行で白神との距離をつめるんだ!!二人きりになる機会はあるだろうし。
焦らず少しずつでもゆっくりと・・・

そんなノンビリしたことを考えていた朝陽でしたが、気づけば雪山を全力疾走するハメになっておりました。
いや、朝陽だけではない。葉子さんや藍澤さんも一緒になって走っている。
あれ、藍澤さんいつの間に迷彩服に着替えたんですか?1ページ目は違うように見えるのに・・・

というツッコミはさておき、どうやら追われている様子の三人。
追っ手の気配に気づき、閃光弾で目くらましを仕掛ける藍澤さん。
光るたびに閃光弾を警戒していた藍澤さんだったが、なるほど自分で所持していたのであれば納得ですな。
それはそうと、どうやら襲ってきているのは茜ちゃん。しかも500人に分裂した茜ちゃんであります!!

・・・しかし・・・雪合戦がここまでハードなものだったとは・・・!!

必死な形相の藍澤さん。相手が相手ということもあるが、相変わらず無暗に必死になる子であります。

それにしても一体何故こんなことになったのか。
元々は岡がスキー場のタダ券を結構な枚数手に入れたことから端を発する。
岡ももちろん朝陽が後夜祭のあとからちょっと葉子さんと気まずくなっていることは知っている。
他の人といる時はそうでもないんだけど、結局フラれたのかフラれていないのかよく分からない微妙な状態。
そんな状態の解消になるかもしれないと岡が珍しく直接的な応援に動いてくれた様子。珍しい。

・・・それが・・・こんなことになっちまって・・・

朝陽の手の中にあるのは変わり果てた岡の姿。ってメガネやん。いつもの岡の扱いやん!!
メガネ持ってきてしまってるけど、外部ユニット――じゃない、岡自身は大丈夫なんでしょうか。

それはさておき、どうやら茜ちゃんは自分だけ誘われなかったことを根に持っている様子。
確かにいつもの面子だが岡は茜ちゃんとは面識なかったわけだし、仕方がないことなんですけどねぇ。
まあ仕方がないで済ませてくれる茜ちゃんではないでしょうけども。まさに悪魔!!

既にこの雪合戦で朝陽以外の男たちは倒れている様子。
さくらさんは朝陽たちを守るために盾となって散った。おぉ・・・なんと雄々しい。
嶋は獅穂さんのスカートをのぞこうとしていたら雪球を喰らって散った。おぉ・・・なんと嶋公らしい。

他の面々は一体どうなったのか。それはわからないが、葉子さんの携帯の電池が切れたことで通信は断絶した様子。
朝陽は携帯をホテルに置いてきちゃったようだが、藍澤さんは携帯は持っていないのかしら。

少し休憩を取り、食事をとっておこうと提案する藍澤さん。
ホテルの夕食はバイキングだというのに、何故か雪山でサバイバルするハメになっている一行。どうしてこうなったのやら・・・
しかしそんなことを嘆いている場合ではない。油断した隙を突かれ、藍澤さんが狙撃されたのだ!!
うーむ、ラブコメとは思えない衝撃的な絵面。このコマだけ取り出せばまさに緊迫のシーンである。

茜ちゃんはハンデであるのか千里眼は使わないと言っている。
にも関わらず、逃走した3人を正確に追いかけてきている。これは一体どういうことなのか!?
雪球の直撃を受けて倒れ伏しながら疑問に思う藍澤さん。
しかしその疑問はすぐに氷解する。葉子さんが食べようとしていたアメに茜ちゃんが群がってきたからだ。
アメの匂いを追いかけてきたというのか・・・そんな匂いするものだったっけ!?これが悪魔の力・・・

ちなみに1つのアメを放り出したら朝陽たちが手を下すまでもなく同士討ちを始める茜ちゃんたち。
アメ1つでそこまで正気を失うとはさすがというか何というか。すぐ消える分身なのに我が強い!!

この争いで多数の茜ちゃんを葬ることに成功したが、まだまだ分身は数多くいる。
葉子さんのアメはもうなく、残るは朝陽が持っているもの1つのみ。
藍澤さんは言う。そのアメが最後の希望だ・・・!そのアメで校長を誘い込み、一網打尽にするのだ・・・!!と。
傍から聞く分には間の抜けた作戦であるが、茜ちゃんにはこの上なく有効だと思えてしまうから困る。
しかしどうやら朝陽、アメを使うことに躊躇いを見せている様子。何か大切なものなのか?
その躊躇いを見て取った藍澤さんは、何故か持ち歩いていたスコップを朝陽に渡してこう述べる。

ならば黒峰朝陽・・・命令だ。そのアメと葉子君を守れ・・・!!
君がその手で校長の魔の手からそのアメと葉子君を・・・!!

ふむ。朝陽も男の子でありますしね。守れと言われたのならば守らなければなりますまい。了解だ委員長!!

というわけで、アメをおとりにして茜ちゃんを集める朝陽。ここにアメがあるぞー!!
群がる茜ちゃん相手に必死になってアメを守る朝陽。くっ、黒峰のくせにじらしおって!!
たかがアメひとつなのに何故か必死になって守ろうとしている朝陽。これには理由があった。
そう、このアメは行きの道中で葉子さんから貰ったアメなのだ!!今日は一緒に楽しもな?という言葉と照れ顔と共に!!
なるほどねぇ。これは一生懸命になるのも分からなくはないか。

てか委員長・・・全然スコップ役に立たないんだけど!?むしろジャマ!!

確かにアメを守るだけならばスコップはジャマかもしれませんな。何やってるんだか。
さすがに分身とはいえこれで茜ちゃんを殴打するってのもアレですし。
そもそも取りつかれている状態では振り回すこともできませんわなぁ。

というわけで、色々嫌がらせとかされたけど、何とかアメを守りきることに成功した朝陽。
茜ちゃんは葉子さんには目もくれていないので葉子さんに類が及ぶことはなかったそうな。
うーむ、結局ほとんど茜ちゃんたちで同士討ちしていたようですしなぁ。何をやっているのだか。
木の枝をポケットに突っ込んでくる辺りはまるでブラックサンタのようでありますな茜ちゃん。

とにもかくにも大事なアメを守り切った朝陽。そんな朝陽に葉子さんからこんな言葉が贈られる。

べ、別にそんな必死ならんでも、朝陽君にならなんぼでもアメあげるよ・・・?

またもや照れ顔をフードで隠しつつ述べる葉子さん。小さく飛び出た羽がまた可愛い。
そしてまたも思わず下の名前で呼んだりしている。おやおや相変わらず微笑ましいですねぇ。ハッハッハ。

てな風にいい感じになった2人でありましたが、ここで大変なことに気付く。
皆が待っているホテルに戻ろうと思ったのだが、方向を見失ってしまったらしい。
携帯は電源が切れており、通信途絶。既に日は落ちており、さらに吹雪いてきたこの状況。
これはまさか・・・もしかして・・・そう・・・なん・・・?

なんなん!?そうなん!?遭難なん!?
韻を踏んでノリ良く言っても大変な状況であることは変わりありません。おやおや。
スキーを楽しむ間もなく大変なこととなったこの旅行。これは一体どうなってしまうのか・・・
というか他の子たちはちゃんとホテルに戻れているのだろうか?藍澤さんは雪の中倒れていたりはしないのだろうか。
まあ、外部ユニットとのリンクが切れるのであれば本体は内部にいるので寒さも平気なのかもしれないが。

遭難したとして、2人はどうすればいいのか。正直サバイバルするだけの能力がこの2人あるかは疑わしい。
幸いスコップはあるのでかまくらを作るなりして吹雪をしのげるようにすれば一晩は持つかもしれない。
まあかまくら作るにしても温まる装置が必要なのであるが。
む、雪山遭難で温まるといえばアレじゃないか?人肌で温めあうというのが定番中の定番ではないか!?
まさか次回はそういう流れになるのか?そうなん?サービスなん?どうなんなん?



第55話「遭難した!」  (2014年 15号)


雪山で遭難する朝陽と葉子さん。
どうやら藍澤さんは無事に帰還できているらしく、葉子さんの実家に緊急連絡を行う。さすがの気配りだ。
まあ電話を受け取った桐子さんはのんびりした様子ですけどね。茜ちゃんを信頼しているということか。
しかし、娘が雪山で遭難していると聞かされて父である白神源二郎は慌てている。
いや、どうやら慌てている原因は別にあるようだ。何でも高2の頃に白神夫妻も遭難した経験があるらしく・・・
そして、その時と同じように葉子さんも男子である朝陽と一緒に遭難しているわけでして・・・

野郎共っ!出入りじゃあぁああ!!

冬眠してたはずのコウモリたちを叩き起こしておっとり刀で出撃。というか本当に刀かついでるッッ!!
源二郎、行きますとばかりに飛び立つ。頼りになるというか邪魔というか。相変わらず心配性な親父ですなぁ。
母親の方は逆に呑気。茜ちゃんに頼んで私ものぞかせてもらおうかしらとか言っているが、それはそれでどうかと・・・
2人合わせると丁度いいバランスなのかもしれませんな。

さて、遭難した朝陽たちは山小屋を発見する。
さすがに吹雪いた状態からかまくらを作成するのは無理があるし、ここに避難するのは正解ですな。
だが、ここでちょっとした問題がある。そう、吸血鬼は招待されないと家に入れないのだ!!
朝陽が中に入ってから招けばいいのでは?とかそもそも山小屋は出入り自由では?と思うところではあるが・・・

うん・・・ハーフの私は・・・ものすごいうしろめたいねん。招待されてへんのに勝手に入ったら

うむ、どうやらすごくちょっとした問題だったらしい。
いやまあうしろめたい気分はなるべく回避したいというのは分からないでもないが・・・緊急事態だ!!

それはさておき、葉子さんは遭難したと知ったとき激しく狼狽えていたらしい。まあそうでしょうな。
その様子を見て俺がしっかりしなきゃと頑張り、視界が悪い中で山小屋を発見した朝陽。頼りになる男の子だ。
しかしそうやって気を張ったのがよくなかったのか、安心した途端に熱が出てきた様子である。おやおや。
これは温かくして安静にさせなくてはいけませんが・・・どのような展開となるか!?

一方、ホテルに戻っている残りの一同は必死の捜索を繰り返している。
ドラゴンや宇宙船まで用いての捜索であるが、さすがに吹雪の中で見つけ出すのは難しい様子。
緊急で呼び出された藍澤兄まで真面目な顔になるこの状況。
うーむ、普段はアホなことしかやっていないが、さすがにこういう時は真剣になるんですなぁ。
まあ、千里眼を持つ茜ちゃんに尋ねれば簡単に状況を掴むことができるわけですが・・・早く教えろよクソババァ!!

朝陽がアメをくれなかったから意地悪をしたらしい茜ちゃん。まったく人騒がせな悪魔である。
でも一応安全に関してだけは保証してくれる様子。悪魔だけど一応先生ですからねぇ。一応。
とはいえ遭難に関しての安全は保障してくれるが、もう一つは保証しかねるとのこと。

遭難なんぞより遥かにおっかない、金棒を持った鬼の方はのぅ

何だかやけにいい表情でそう語る茜ちゃん。
金棒というにはよく切れそうな代物でございますな。怒れるお義父さんは鬼より怖いで・・・!!

さて、熱で倒れた朝陽。葉子さんは山小屋にあった毛布をかけて寝かせてくれている。
しかしこの山小屋、暖炉とかそういうものはないのか?かなり狭いように見えるのだが。あまり長居できる場所ではないな。

それはさておき、葉子さんは朝陽を寝かして外に出ていた様子。
雪まみれになっているがどうしたのかと思ったら空を飛んでいたらしい

空飛んで上のほうからな?ホテルとか探そ思て!!コウモリさんに頼も思てもこの時期冬眠しとるし・・・
か、風強いから何回か流されそうになってもたけど・・・

それはまた危険なことをしておりますなぁ。
というか葉子さんの羽は飾りではなかったんですな。
最近は、いや最初から飛び出して正体を知らせるギミックにしかなってなかった羽がついに活用される日が・・・!!

もう少し風が弱くなったらひとっ飛びして誰か呼んでくるという葉子さん。
しかしそんなことしたら葉子さんの秘密がバレてしまうかもしれない。
いや、それ以前に風に流されたりしたら山小屋にもホテルにも戻れなくなってしまうかもしれない。
ふむ。葉子さんは急いで朝陽をお医者さんに診せたいと思っている様子ですな。
しかし朝陽は葉子さんの身を案じる。俺のことなんてどうでもいいよと述べて。
そんな朝陽に葉子さんの一撃が頭に振り下ろされる。ポカッっと。

・・・もん・・・どうでもよくないもん・・・
俺のことなんかとか・・・言わんといてよ・・・朝陽君のこと・・・私、全然どうでもよくないもんっ・・・!!

ちょっとは自分の心配してよと怒りながら泣き出してしまう葉子さん。うーむ、愛らしい。
自分のことを想って涙を流してくれる子がいる。申し訳なくもあり、嬉しくもある。なんともいえない気持ちになる場面だ。
朝陽にしてみてもそれは同じであるようで――

・・・なんだろ。これ。あぁ・・・すげぇ抱きしめたいな

ごめん。葉子さん
そう口にしながら思った通りに体が動いてしまっている朝陽。
下の名前で呼びつつ、葉子さんを正面から抱きしめる朝陽。ほうほう、これはこれは・・・!!
いやでも朝陽の行動は正しいですよ。こんなシチュエーションじゃ抱きしめたくなって当然ですよ。ええ、当然ですとも!!

ドキドキしながらの接触。葉子さんもまだ眠くなってないだろうし、これはチャンスであるかもしれない。
が、このタイミングで鬼がやってきてしまいました。
でも2人が抱き合っているところを見たのかどうなのか、凄い絶望顔になっております。ドンマイ源二郎!!

一瞬朝陽が親父さんかどうかも分からなくなるほどの絶望顔。
これを見せるのにも一応理由はある。どうやらこの山小屋は昔桐子さんと遭難した山小屋であったとそうな。ほう。

まさか葉子・・・儂と桐子さんの時みたいに、この小僧の血吸ったりしてへんやろな・・・?
まさか小僧。儂と桐子さんの時みたいに・・・葉子と人肌で互いに温め合ったりしてへんやろな・・・!?
まさか二人とも、儂と桐子さんの時みたいに愛を語り合ったり、将来子供は何人欲しいとか話してへんやろなっ!?

混乱のあまり、何だか話しちゃいけないことまで口走っている白神父。
そうかー。白神夫妻の時はそこまで進んじゃってましたかー。そりゃ慌てて出陣してくるわけですわなぁ。
まあ急いでやってきたおかげで同じ道を辿るのは回避できてしまったようですが。チッ。

貴方?さっきから一体何を子供に話してるのかしら・・・?ペラペラと・・・

心臓にでも打ち込めそうな杭を持って桐子さん登場。い、いつの間にここに!?
まあ茜ちゃんに電話していたようですし、連れてきてもらったんでしょうな。
その茜ちゃんも山小屋の上にいるし、白神父が乱入しなければそのままニヤニヤと覗・・・見守っていたんでしょうなぁ。

じれったい二人であるが、少しずつ進展はしている様子。
葉子さんだけではなく、朝陽の方も気分が高まったら下の名前で呼ぶようになってきている。ふむ、いい傾向だ。
それに遊園地やプールに続いて両親の恋路ルートを順調に辿っている様子。このまま発展すればよいのでありますが・・・

それはさておき、ここで驚きの事実が明かされる。
何でも白神父は高3の時に身長が2m伸びたらしい
ほうほう。だから小さい山小屋にも入れたんですな。いや、それはもう伸びたとかいうレベルじゃないよ!!
まさかずっと謎だった白神父のデカさの理由がたったの1コマでさらりと語られようとは・・・!!
というか高校の間にデカくなったって、そのまま在学していたんだろうか?それでバレなかったのか・・・!?謎だ。

さて、そうなると次の疑問は吸血鬼は皆デカくなるのかということである。
葉子さんも将来デカくなるのだろうか。ハーフだから1m伸びるだけで済むとか。いやそれでも結構なもんだな。
いつ大きくなるかという部分も気になるところだ。親父さんのように高校で大きくなるのかどうか。
それとも親父さんはアレかね。桐子さんと愛を語ったりしたのがきっかけで大きくなったのかね?
人間として一回りも二回りも大きくなったとか。物理的な意味で。そういうことならデカくなるのも納得ですわな!!



第56話「看病しよう!」  (2014年 16号)


武器庫を見ながら何か深刻そうな表情を見せている藍澤さん。
女子高生が住む普通のアパートにマシンガンやナイフやスコップが潜んでいるとは誰も思うまい。
いやスコップは同じカテゴリーにいれていいのか・・・?あ、睡眠導入装置でしたね。ハイ。
それはさておき――

・・・っ・・・私に出来るのだろうか・・・友を、葉子君を裏切ることになるかもしれぬというのに・・・
・・・っ・・・否っ!!一体何を迷っている!?こうしている間にも黒峰朝陽は危険にさらされているというのに。
そう!!たとえ咎人になろうとも・・・それが私の負うべき罪ならばなおのことっ!私はこの作戦をやりとげねばなるまい!!
本日ヒトロクマルマル・・・これより黒峰朝陽お見舞い作戦を強行するっ!!

武器庫からお見舞いのフルーツを取り出しながらそんなことを述べる藍澤さん。何故そこに入れていた!?
しかしお見舞い作戦ねぇ。いやまあ、いいんじゃないですかね。病人を気遣うのは普通のことですし。
なんだったら葉子さんも誘ったらいいのではないかと思わないではないが・・・
というか何故藍澤さんの本体まで一緒にフルーツ持っているのか。
本体が持っている分は後で藍澤さん本人が美味しく頂いたらしいからいいんだけどさ。いや、いいのか?

――というワケで。黒峰朝陽。君のお見舞いに来たのだ。

何がというワケなのやら。
しかし藍澤さんは料理にしてもフルーツにしても山盛りですなぁ。購入資金は小遣いか何かなのだろうか。

結局あの雪山の遭難で崩した体調は休みの間だけでは治らず学校を一日休むこととなったらしい。
しかし一日安静にすることで既に治りかけている様子の朝陽。よかったよかった。
だがその治りかけが一番危険なのだと主張する藍澤さん。まあその意見は正しいですな。

・・・しかし、初めて入ったが・・・ここが黒峰朝陽の部屋・・・か・・・

そわそわしている藍澤さんは実に乙女な感じでよろしいですなぁ。
それにしても相変わらず葉子さんに気兼ねしている様子の藍澤さん。
朝陽から手を引き、朝陽と葉子さんの2人を応援すると今度こそ心に誓おうとしているようです。
まあ、そんな簡単に誓えるのであればあんなドタバタ騒ぎは起こしちゃいないでしょうけどね・・・

というわけで、見舞いも済んだし早々に退散しようとする藍澤さん。
しかしどうやら朝陽の家は今誰もいない様子。両親は共働き出し妹は友達のところでパジャマパーティに出かけているそうな。ほう。
それを聞き、途端に不安になる藍澤さん。病人が放置されているのでは回復は望めないという認識のようだ。

・・・っ・・・否!!回復を諦めるのはまだ早い!!
誰もがやらぬというならば・・・私が看病するまでだ!!

そう考え、朝陽の部屋の中でいきなりキャンプ用具を取り出し、飯盒で究極のおかゆを作ろうとする藍澤さん。何故ここで!?
相変わらず思い込んだら一直線というか何というか。台所があるんだからそっちでやればいいのに・・・
この辺りが非常に藍澤さんらしいといえば藍澤さんらしいところでありますが。みかんとは色々な意味で違うな。

全く・・・なんてことだ。偶然私が居合わせたから良かったものを。負傷兵一人残して・・・・・・む?
た・・・他の者が不在・・・?つ、つまり・・・黒峰朝陽と二人きりー!?

そのことに思い至り盛大に動揺する藍澤さん。
手際の良さは抜群なのだが、少し動揺すると大惨事を起こすのもこの藍澤さんである。おかゆって燃え上がる料理だっけ!?
事前に雑誌をどけておいた朝陽の慧眼は見事と言っておこう。

焦がしたおかゆを見てしょんぼりする藍澤さん。私そっくりの不出来なおかゆと自嘲しております。
だが、そんな焦げたおかゆを食べて見せる朝陽。
うーむ、さすがに気の遣い方は見事なものですなぁ。だから好かれるというか忘れることができないようになるというか。
藍澤さんのドキドキが大変なことになっておりますわい。

急いでこの場は撤退するべきと判断する藍澤さん。
しかしここで朝陽の両親から連絡が入る。どうやら2人とも忙しくて帰れそうにないらしい。
ふむ、妹も今晩は不在でしょうし、このままでは朝陽が――負傷兵が一晩放置されることになってしまう!!

なんてことだ・・・負傷兵もまた戦っている!!それなのに援軍なく孤独に一人一夜を戦い抜けというのか・・・!?
はっ!?何を言っている!?愚か者は私だっ!!援軍ならいるではないか!!
そう!!一夜に及ぶ君の孤独な戦い・・・この私が添い遂げよう!!

調理器具に続いて今度はテントを朝陽の部屋に建てる藍澤さん。凄い手際だ・・・!!
朝陽の両親が帰ってくるまでここを拠点として看病するとのこと。わ、わざわざ屋内でテント建てなくても・・・
というかそれは男子の部屋に泊まるということを意味するのだがそれでいいんですかね?
ああ、いいわけはないですよね。指摘されて真っ赤になる藍澤さんは本当に可愛らしい。
というか藍澤さん。泊まるとかどうこうの前に添い遂げるという言葉を男女間で用いるのはいかがなものでしょう。

ともかく泊まることなど言語道断。今すぐ撤退しようと考える藍澤さん。
しかしこういうときに限って電池不足になるのがこの外部ユニットである。もっと警告するの早くしようぜ!!
おかげで電池切れで倒れ掛かり、朝陽に抱き付くような感じになってしまいました。
いやただの電池切れですよ。なんかすげぇ抱きしめたいなとか思ったわけじゃないですよ。
うむ・・・前回葉子さんに抱き付いた朝陽と同じ構図――セルフパロじゃないですかこれー!!やってくれる。

まあ屋内での電池切れなのですぐに電力を供給することはできる。
急いで外に出てケーブルを伸ばし、コンセントを刺した後にそのケーブルを伝ってコクピットに戻る藍澤さん。よいしょっ。
これによりシステムは再起動し、外部ユニットは動作可能となる。
その結果、抱き付いた直後の至近距離で朝陽の顔を目撃するような状況を認識してしまうわけでして・・・
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

鉄の意志を持って朝陽の恋心を抑えようとする藍澤さんであるが・・・もはやアイアンレディの欠片も残っていない様子ですな。
感情豊かで膝抱えて落ち込んでいる姿もまた可愛らしくて困りますわ。

藍澤さんとしては泊まるのは問題だが朝陽を一人にして帰るワケにはいかないという想いもあったりする。
でもまあ、やっぱり男の家に泊まるってのはどうかと思いますよ。危ないですし。
そのように述べる朝陽であったが、藍澤さんに言わせればそれは問題無いだろうとのこと。

私は君のことを信じているからな。君の葉子君を思う気持ちを。だから決して君が私に手を出すなんてことは無いだろうと

何だか今まで以上に可愛い顔してこんなことを述べる藍澤さん。
一途さを認められているとも思えるしヘタレと認識されているとも思える評価であるなぁ。
まあ実際朝陽は一途だと思いますよ。今も葉子さんがさみしがっていたと聞いて嬉しそうな顔しておりますし。
この、こうと決めた相手に一途なのが朝陽の特徴でありますやね。
ヘタレではあるが、他の女の子との関係をなあなあにしない部分は好感が持てます。
かつて一度惚れていた相手に接近してほとんど反応しないというのもどうかとは思わなくはないが・・・外部ユニットはノーカンか!?

私は君のその一途さを知っている。だから私はその一途さを信じているし、私は君を諦めることが出来ると思うのだ。
これが私なりの前への進み方。そうとも。君が過ちを犯すことなどないのだから。たとえ一夜を共に過ごそうとも!!

そんなことを考えている藍澤さんですが・・・
実際はテントの周りに鉄条網を敷き、銃器を構えた完全な臨戦態勢で夜を過ごそうとしたりしています。
これって全然信用してないってことじゃないですかー!!おやおや。

諦めたはずといいながらドキドキが止まらずにいる藍澤さん。
うーむ、藍澤さんはどこまでも頭で考えて行動しようとしてしまうのが問題でありますなぁ。
基本的に衝動的に動くタイプなのに頭と衝動が一致しないから色々とチグハグなことになってしまう。
まあ傍から見ていたらそのチグハグな部分が面白く可愛らしいからよいのですが・・・本人の悩みは深そうだ。
まあ、トイレに行けない朝陽の苦悩も相当なものだったとは思いますけどね!!



第57話「鼻血を出させよう!」  (2014年 17号)


今日も元気に地球の風紀を守るために痴女と戦う凛ちゃん。
その凛ちゃんと楽しそうにバトルをしている獅穂さん。
なんというか、凛ちゃんが取り締まろうとするから獅穂さんが対抗して暴れて朝陽の鼻血に繋がってる気がしないでもない。
今回もしっかり鼻血を出して倒れているエロ峰くんでありました。

さて、凛ちゃんは谷間を隠すためにボタン留めを行っている。
そして凛ちゃんに言わせれば獅穂さんの他にそんな外してる人はいないとのこと。

貴女さえどうにかすれば他にせくしーな人なんていない・・・そしたら朝陽も鼻血出さないで済む!!

何だか聞き捨てならないことを言われている感じですな。
同じように胸元を開け、谷間を主張している葉子さんの目の前でその発言とは・・・
仕方がないので私もせくしーやでと主張を開始する葉子さん。どうしたの?頭痛いの!?
1つ目の頭を押さえている方はあれだが、頭の後ろに腕を持っていく方はまだ悪くはないと思われる。
それはさておき、葉子さんが主張を始めてからしばらくして、ようやく凛ちゃんはすごいと言ってくれる。

あんなにボタン開けてるのに何の痴女力も感じないなんて・・・!!

普通はボタン閉めてても少しは感じる痴女力が全く感じられないという葉子さん。こ、これが無駄谷間という奴か!?
世の中に無駄谷間なんて言葉があるとは思いもよりませんでしたよ。
何の色気も感じなかったから気付かなかった・・・これには茜ちゃんも大爆笑。何の色気も感じなかったから気付かなかった!!

さっすがはくーるびゅーてぃー(笑)だのう!!ギャハハ!!

笑いすぎておなかが痛くなっている茜ちゃん。嬉しそうだなぁ。
言われてみれば確かに葉子さんは前からずいぶんとボタンを開けるようになってましたよね。
それが何故かと言うと、獅穂さんのアドバイスによるものだったらしい。
ははぁ。クールビューティーを目指すなら大人の色気の一つも必要であるからと。間違いではないかな。
まあ正直それ以外の部分が問題すぎて名乗ることが出来ないと思うが。
ともかく、落ち込む葉子さんを凛ちゃんが励ます。

よ、葉子元気出して!!葉子はすごい!!
痴女力は世の中を乱すし誰でもきっかけ一つで痴女になっちゃう・・・
だけど、葉子は絶対大丈夫!!痴女になんてならない!!どんな格好してもきっと誰も鼻血なんて出さずに済む!!

痴女になりたいわけではなかろうが、どんな格好しても色気が出ないと言われるのはさすがに屈辱的すぎる。
凛ちゃんにしてみれば痴女にならないというのは褒め言葉なのかもしれないが・・・その辺で勘弁してあげて!!

ひとしきり騒いだところで紅本先生が助け舟を出してくれる。
そんなことは気にしなくていい。無理して大人っぽくなんてならなくてもいい。
いつかお前たちは正真正銘大人になるんだから、大人の色気なんざ心配せんでも歳を重ねりゃ自然と出てくるもんだよ。と。

独身に何を言われてものう。色気もなければ色気のある話も無いク・セ・に

おっと。いいこと言ったはずなのに横合いから茜ちゃんにバッサリ斬られたぞ!!
まあ、大人の色気が何もせずに身につくかというとそれは疑問ですわなぁ。
子供くささは抜けるかもしれないが、色気がつくかどうかはまた別の話である。
それを示すために、セクシーポーズ対決を行う2人の紅本であるが・・・葉子さんといい勝負である。
凛ちゃんがこんな所にも2人・・・と目を輝かせるぐらいいい勝負である。痴女にはなれそうもないよ。

そっか・・・茜ちゃんの言う通り歳重ねても色気出ぇへんのかも。
だって何千年も生きとるはずの茜ちゃん。これっぽっちも色気ないもんな!!

いやまったく。年月という意味では一番茜ちゃんが重ねているはずなのにねぇ。
色気のある話があったのかは知らないが、子孫まで残しているのに色気が備わってないとはどういうことなのか。

三者三様によく分からないセクシーポーズを取って見せる。
うーむ、表情はさておきポーズだけ見るなら茜ちゃんのはなくはないかな。何故その顔なのかという疑問はあるが。
紅本先生はさておき・・・葉子さんの構えは一体何なんだ・・・一体何の構えなんだ!?形容しがたい。
この揃って酷い有様には獅穂さんも手で顔を覆うしかない。のだが――

茜「フン・・・三者の痴女力は高い次元で拮抗しておるようだ。このままではらちがあかん。ついて来い!!」
紅本先生「上等です」
葉子「負けへんよ・・・!!」

どうやら三人の中では同格として認め合う空気が出来上がったらしい。
グレートはグレートを知るというが、残念もまた残念を知るということか・・・!!
凛ちゃんも、こんな安心して見てられる痴女力対決はじめて!!と嬉しそう。

というわけで体育館に移動する三人。凛ちゃんと獅穂さんも一緒に移動。
そしてその体育館の中央に椅子を置き、そこに縛られた状態で座らされているのが黒峰朝陽。
どうやら茜ちゃんが言うには痴女力という曖昧なものではなく、明確に色気を数値化しようというのだそうな。

・・・そう、我々の色気にあてられたエロ峰から吹き出す鼻血。その鼻血の飛距離が長い方が勝者だ!!

確かに明確な数値は出るかもしれないが、それはまた何とも。
こんな判断基準の装置として使われたのでは未来の朝陽が鼻血の出し過ぎで死にかけても不思議はない。

凛ちゃんは邪魔しないように縛られた状態での観戦。
まあこの痴女力なら鼻血がでることもないだろうと思っているのかのんびりとした様子の凛ちゃんであります。可愛い。

とりあえず一番手は茜ちゃん。変身は無しで素の状態で勝負する様子。まああの変身後の姿はアレでしたしなぁ。それはさておき――

これが幾千年を生きる、人を惑わせる悪魔の痴女力よ!!

ポーズはまあいいとして、その表情は茜ちゃんにとってのセクシーポイントなのだろうか。
スタイルは悪くないのだが、ルックス的な部分で茜ちゃんはセクシー系より確実にキュート系だろうし不利は否めないか。
まあそれを言ってしまうとこの面子、セクシー系に分類される人がいないことになるのだが。

凛ちゃんが始まったかどうかもわからず、朝陽も反応に困っている状態。別に遠慮しているわけではないし調子が悪いわけでもない。
鼻血の調子については獅穂さんが体を使って点検してくれる。
さすがにその接触はアカン。鼻血吹き出しても仕方がない。にしても三人とも驚愕し過ぎである。あれが本物・・・

15m32cmという見事な飛距離を出した獅穂さん。体育館がえらいことになってるな。
というのはさておき、紅本先生は今の獅穂さんの例を見てコツをつかんだ様子。

校長は色気のあるポーズだけで十分と判断したんでしょうが、ずばり肉体的接触!!
そう・・・カラクリがわかってしまえば簡単なことだ。
視覚だけでなく触覚・・・そして嗅覚・・・いや!耳元でささやくことで聴覚に至るまで訴えかける!!
それこそが痴女の力の秘密!!

真面目に分析するのもどうかと思う内容であるが・・・いや、紅本先生はむしろ真面目に分析した方がいいか。
何せ恋人が出来ず早××年。スタイルは実際悪くないし、恋人を作りたいという意識は大きい。のに出来ない。
まあ・・・セクシーさだけが原因ではないとは思いますけどね・・・ないよりはあった方がよいか。

この気付き・・・感謝するぞ紫々戸!!今日は私が生まれ変わる日だ!!
そのために悪いが黒峰・・・その実験台になってもらうぞ!!

朝陽の膝に跨った紅本先生は、くい・・・と朝陽の顎を手で持ち上げ・・・

出せ。出すんだ黒峰。さっさと鼻血を・・・!!

どう聞いても脅し文句を口にする紅本先生。何故そうなる。
声を出すまでの入りはなかなかのものであったというのに・・・これが百戦百敗の実力・・・!!
鼻血が噴き出るどころかむしろ血の気が引いて青くなっておりますわ。

というわけで紅本先生も轟沈し、残るは葉子さん。
ここで葉子さんが取った方法は・・・獅穂さんの丸パクリであった。その手があったか!!
まあ下手に独自性を出すよりはこっちの方がいい気はする。
朝陽としても葉子さんに膝に乗られ、迫られたとあってはドキドキが止まらないことでありましょう。
心拍数は上がるだろうが、鼻血を吹き出すことには繋がるのかな?
どうでもいいが、特等席である朝陽の膝の上を取られて寂しそうにしている凛ちゃんが可愛い。

しっ獅穂にも出来たんや!!私にも出来る!!それにこれは朝陽君やないっ。エロ峰君やもん!!
証明したる!!私にかて色気くらいあること!!そんで・・・あ、朝陽君を振り向かせて――

朝陽とエロ峰は別区分だったのか!?
という驚きもさることながら、せっかくのチャンスをお腹の音で台無しにしてしまうのは実に葉子さんらしいというか何というか。
相変わらず食欲と睡眠欲の旺盛な子である。三大欲求の残り一つが吸い取られているのではないかというぐらいに旺盛だ。

正直葉子さんであれば接触までいかなくてもよかったのではなかろうか。
いつぞやの日焼け対策の回のようにもう少し胸元を手で開けるなりしてみればエロ峰君なら十分いけたでありましょうに・・・

実際わざわざくっつかなくても鼻血なら出せると思うよと獅穂さん。
電話で呼び出すのは母親であるカリスマ痴女。
そのカリスマ痴女の力であれば電話越しの声だけで朝陽に鼻血を吹かせることが可能であるという・・・こ、これがカリスマ!!

色々とランクの違いを感じさせられるカリスマの力でありました。恐るべし・・・!!
そして今回の一件で紅本先生は葉子さんの中で同列の扱いとなった様子。明里ちゃんて。
アホの世界へようこそ・・・!!
とか言われているが、そうかー紅本先生はまだ踏みとどまっていた方だったんだ。あれで。
まあこれで単行本表紙に登場する権利が手に入ったということなのかもしれないが・・・む、そういう基準とかあったっけか。



第58話「白神家で過ごそう!」  (2014年 18号)


ハッピーニューイヤー
12月辺りのイベントは飛ばしていきなり正月を迎えております。
それもまあ仕方がない。ラブコメ定番のクリスマスイベントが使えなかったのだから仕方がない。
本当は葉子さんも誘って皆でどこかに出かけようとしていたのだが・・・クリスマス中は十字架が多くて吸血鬼には大変ですわなぁ。
道を歩くたびにイライラしていたのではたまったものではない。
いや、十字架にイラッときてるねんで。道行くカップルにイラついてるわけやないで!?

てなわけで、それらのイベントは飛ばして新年であります。明けましておめでとうございます。
電話で新年の挨拶をする朝陽と葉子さん。って二人とも普通に名前で呼び合っているだと・・・!?
どうやら雪山の一件で一気に距離が縮まった感じでありますな。ゆっくりではあるが確実に進んでいていい傾向だ。
決して前回の痴女対決で仲が進んだわけではない。はずである。

それにしてもついにこの2人が名前呼びかぁ。これで藍澤さんと葉子さんの仲に近づけましたね朝陽!
果たして朝陽と藍澤さんが名前で呼び合う日は来るのであろうか・・・

それはさておき、朝陽は何故か獅狼と一緒に歩いている。
電話での会話によると、どうやら葉子さんは実家に帰ることはないそうな。
しかし獅穂さんは実家に帰るという。その獅穂=獅狼と一緒に歩いている朝陽。てことは・・・?

・・・あのさ獅狼君?なんで俺ら正月早々葉子さんも帰らない葉子さんの実家に来てるんだろうね・・・

これは確かに不思議な状態でありますな。一体何故!?
とりあえず家の前までは来たことだし、約束も果たしたので帰ろうとする2人。いやさすがにそれはいかんだろう。
さっそく桐子さんに見つかって歓迎。逃げられないことになってしまいましたわ。

今日はごめんねー。うちのお父さんが。もー私じゃ手つけられなくて。

何と、あの桐子さんが手が付けられなくなるとは・・・一体どんなことになっているのだ親父さん!!
一体どんな荒れ方をしているというのだ!?と警戒して家の中に入ると・・・そこにはポヘーとした白神源二郎の姿が・・・
い、いやこれが真のポヘーや!!とか言われましても。吸血鬼ってのは皆こうなのか!?

どうやら雪山での出来事がかなりショックであった様子。帰ってからずっとこの有り様なのだそうな。おやおや。
別に余計なことを喋って桐子さんにお仕置きされた結果ってわけじゃないですよね?

ともかく久しぶりにオジキに会う獅狼。命令について忘れていたワケではないと報告するが・・・

べつにエエヨー

とてもダメな感じである。こりゃ重症だ!!
この状態なら多少無茶なことを言っても別にええよで済ませてくれるのではなかろうか。
と思いきや、朝陽が声をかけた瞬間に気を取り戻す親父さん。やっぱりずっと雪山でのことを気にかけていたのか。
正気に戻ったらやっぱり獅狼のことも許してくれたりはしないんですな。
慌てて月の写真を見て逃げる獅狼。ちょっと逃げ癖がついてないか獅狼。男としてそれでいいのか!?

とはいえ、今回2人が白神家に招かれたのは別に雪山のことを問い詰められるためではない。
何でも葉子さんの友人である2人をもてなすために呼ばれたのであるそうな。
なるほど。娘のことが大事な親父さんらしい提案でありますな。
大事な友達の2人をもてなしたいと。そ、そこまで友達の部分を強調せんでも・・・この親バカさんはよ。

それで葉子が世話になっとる二人をもてなそゆうことになっての。
そう・・・白神家流の正月の過ごし方。この・・・人生すごろくでの!!

凄く一般的だな吸血鬼のお正月!!
いや今どきの一般的な家庭は正月に人生ゲームをやったりするのだろうか?しかもアナログの。
でも畳の部屋にはやはりこういうものが似合いますね。

というわけで、朝陽と獅穂さん。白神父の3名で人生すごろくを行うことにする。
ちなみに獅穂さんは桐子さんのことをアネゴと呼んでいる。白神父はオジキで母はアネゴであるか。
これって年齢的な意味ではなく、姐さん的な意味のアネゴ。姐御であるのか?
人生すごろくで公務員に就職した朝陽に対し堅実なのはええことやと父親視点での感想を述べる白神父。
そういえばこの親父さんは仕事とかしているのだろうか?
白神家は結構裕福そうに見えるのだが・・・や、やっぱりそっちの筋の方なんですか・・・!?
あんまり気にはされてないけど、将来的にその筋の方と親類関係になるとしたら黒峰両親は何というか。
いやまあそれ以前に相手は人間ではないのだが・・・そっちは別にいいかなと思えてしまう不思議。

ともかく、人生すごろくを楽しんでいる朝陽。
きっと葉子さんも小さい頃からこうして正月過ごしてきたんだろうなと微笑ましい気持ちになっている。
そう、この辺りまでは。白神父が娘を嫁に送り出すコマに止まるまでは・・・

娘のいる人はお祝いに500万を支払うことになる。高いなオイ。いやまあゲームだしね。親父さんも気にしないように。ね。
そう、例えその直後朝陽が結婚してお祝い金500万をもらう流れになったとしても気にしてはいけません。
これはゲーム。そう、ただの遊びなんですから!いや、葉子さんとの関係が遊びとかそういうんじゃないから!!

エキサイティングし始めた人生すごろく。楽しそうですな。
ちなみに獅穂さんは水商売ルート一直線。出世して店のナンバー1になっている。さすがというか何というか。

そして次の白神父の止まったコマは・・・娘の夫が借金を作りマイナス5000万という内容のものであったという。

公務員で堅実に働いとったんちゃうんかぁぁああ!!

一体何をしたら5000万もの借金を作ることになるのか。
ちょっとでいいんでと嫁の親元にお金を借りに来る朝陽の未来図。ああ、これは見事なゲス峰君ですね。
ペコペコと頭を下げている葉子さんを見るとこういう未来もありえなくはないかと・・・いやいや。

続いての朝陽の番で借金の原因も判明する。
どうやら店のナンバー1に惚れ込んで通い詰め、5000万使ってしまったらしい。
白神父から借りた金を獅穂さんに貢いだと。そういう流れでありますか。全ては繋がった!!いかん繋がり方だ。
ちなみに嶋も獅穂さんに貢いでいる様子。こっちは本当に将来身を持ち崩しそうで危うい。

そんなこんなですっかり暴れん坊モードに入ってしまった白神父。
ゲームをしていたはずなのに突然朝陽と葉子さんの関係を聞き出す流れとなってしまいました。

小僧・・・おまえと葉子はもしかして・・・
儂と桐子さんと同じように、おまえが葉子の秘密に気付いてその秘密を守っとる。そういう関係なんちゃうか・・・?
もしそうやとしたらはっきり言うとくぞ小僧。
これ以上深入りするな・・・やないといつか必ず辛い思いすることになるぞ。小僧も葉子もそして何より・・・
おまえみたいによその女に入れ込んで5000万借金つくるような男に・・・葉子はやれるかぁぁああぁあああああ!!

最終的にゲームの話と混同しちゃってるじゃないか!!
何だか気になることを言っていたのにそこで締められても困る。いやまあ父親としては大事なことでありましょうが。

結局その後何回も人生すごろくを行う朝陽たち。
人生やり直すたびに親父さんから説教を受けることになるとは大変だなぁ。
でも孫が出来たマスに止まって嬉しそうにするあたりこの人は本当にもうねぇ。

とりあえず無事に帰途につくことができるようになった朝陽。
その途中で考えるのは白神夫妻のこと。
葉子さんから度々聞いてた吸血鬼と人間の恋物語。
自分たちと同じように学校に通い、秘密を共有した物語。
果たしてその物語はどんな結末を迎えたのだろうか。結婚したことは確実であるが、学校生活は満喫して無事に終わったのだろうか?
高校3年目で2mも身長伸ばしてバレずに済んだのだろうか?確かに気になる!!

というのはさておき、ここで白神父が何やら妙な動きを始めている。
どうやら今回は本当に葉子さんを連れ戻す気でいるようだ。
秘密が誰かにバレているようなら容赦なく連れ戻せと謎の女性に依頼している。
銀と呼ばれたその女性。悪魔である茜ちゃんに対抗出来ると言われるその女性の正体は――

私・・・銀華恋は悪魔だもの。悪魔らしく貴方の望まない方法で、悪魔らしく貴方の願いを叶えてあげる。
せいぜい後悔しないことね。願いが叶ってしまったと。

新しい悪魔が・・・新しい角が現れたぞ!!
そろそろ新キャラが現れるかと思ったら、よもやの2体目の悪魔。
しかしこちらは茜ちゃんとは違って確かに悪魔らしい物言いをしている。
けれどもなぁ・・・凛ちゃんとかもそうだったが、最初だけ決まっていても本当にその後も貫けるかは分からないわけでしてなぁ。
果たしてこのアホな空間を切り開ける存在であるのかどうか。楽しみであります。
まあ、自己紹介に実は私はが入ってないのでまだ本当の正体ってのがありそうな気はしますけどね。

白神父がここに来てまだ葉子さんを連れ戻す気であるのは驚きでした。
というのもどうやらこれ以上深入りしたら後悔するという言葉にかかっているようでありますが・・・
一体どういう意味の言葉なんでしょうねぇ。
やっぱり葉子さんも18歳になったら大きくなってしまうのだろうか?
ハーフだから1mぐらいの増加でどうにかなるまいか。それでも朝陽とだと随分な差になるけど。
それか胸だけ大きくなるとか。過剰な増加でなければそれはそれでよしなのだが!?気になるところですなぁ。



第59話「願いを叶えよう!」  (2014年 19号)


最近みかんはメガネをかけていないことが多い。
元々朝陽と恋仲にならないため、外道を演じるためにかけていたメガネですしねぇ。
憚ることなく朝陽にアタックできるようになった今、外道のためのメガネは日常以外は必要ない。日常ではいるんかい。
まあ、大事な思い出のメガネなので捨てることはできないのだが・・・
疫病神が宿ったのでは大事な時には置いていくしかないんですよねぇ。フクちゃんの出番が少なくなるのも仕方がないさ!!
未来のみかんを見る限りは何だかんだでずっと一緒にやってきてるみたいですけどね。

フクちゃんを置いて朝陽とその他大勢とで初詣に出かけるみかん。
福の神がここにいるというのに他の神様のところに今年一年の福を願いに行くというのだ。これは良い外道っぷり。
フクちゃんも屈辱のあまりギリっと歯を噛み鳴らす。歯・・・?

フッ。そんなシケた面してるからハッピーが逃げてくんだぜ?

何だかスカポンタンなセリフを吐きながら窓を開けて何者かがやってくる。
やってきたのは鳩・・・いや、その鳩がかけている・・・かけている?メガネだ!!

貴方は!?幸福請負人フクの介先輩!?

福の神は先輩もメガネであったという。何でやねん。
たまたまメガネに宿ったのではなく、メガネだからこそ福の神になったとでも言うつもりなのか!?

それはさておき、初詣に向かったみかんたち。すごい人だかりに圧倒されている。
この辺りで一番賑わうと噂の神社なだけに大盛況のようですなぁ。こりゃお参りするのも一苦労だ。
うむ、一苦労だなぁ。大変だなぁ。とは思うのだが・・・それよりも・・・藍澤さんが晴れ着を・・・!!!?
さらりと描かれているが何気なく衝撃的である。もっとアップで見たいなぁ!!

藍澤さんの晴れ着姿は素晴らしいが、それはさておき。素晴らしいがそれはさておき。

参拝客がざわついていると思ったら鳩がメガネくわえて並んで木に止まっております。
確かに置いてきたはずのよく見知ったメガネがいることに気付いて顔を覆うみかん。大変だねこの子も。
まあフクちゃんも一生懸命役に立とうとはしてるんですよ。色々と噛み合わないだけでさ。
今回もフクちゃんは福の神のプライドにかけてこの場にやってきている。

みかんさん・・・福の神を甘く見た罰です!!貴女は土地神なんかに幸せにはさせない・・・
貴女は福の神の手によって幸せになるのです!!

神様の中でも色々と譲れないものがあったりするんでしょうなぁ。この時期はシンパの取り合いで大変そうだ。

さて、ここでフクの介先輩がその力を見せてくれます。
女性を幸せにエスコートする時はいつだって悟らせずクールにやってのけるのさ、とのこと。何かダメな感じのセリフだ。
実際さりげないハッピーとして与えられたのがおみくじの小吉ではなぁ・・・さりげなさすぎる。
毎年凶を引くと評判の葉子さんにしてみればこの地味な結果は残念すぎるものだったようだしなぁ。
幸福は人それぞれか・・・せっかくの葉子さんの特技が!!

ともかく、盛り上がりを見せつつある福の神たち。
そこにやってくるのはさらなる福の神。幸福百科事典フク太郎先輩である!!どぉんっ。

この僕にわからない幸福はない・・・!!

さすがグリグリメガネだけあり賢そうな発言である。メガネの中でも特に賢いメガネだからなぁ!!
そんな賢いフク太郎先輩いわく、露骨でなければ幸せなど感じることは出来ないとのこと。
さりげないハッピーより露骨な幸せでありますか。まあそれも真理かな。
しかしその結果生み出されるのがこれですか。ラッキースケベでありますか・・・
つまずいて女子のスカートの中に突っ込むとかまさに王道的なラッキースケベですね。別にみかんさんそっちの気無いっスよ!?
よりにもよって痴女にラッキースケベを仕掛けることになるとはもう色々と何といえばいいのか。大変ですねみかんさん。

岡君?メガネ割ってもいい?なんとなくね。

かなりキレかけているみかん。こりゃ大変だ。
そこに加えられる更なるラッキースケベ。
今度は朝陽の股間をめがけて突っ込むみかん。うーむ、まあこれならまだありと言えばありかもしれないなぁ。
と思ったらやっぱり無しだったらしい。人前でなければ・・・直前に獅穂さんに突っ込んだ後でなければ・・・いや、どうなのかな。

フク太郎先輩は変態であったことが判明した。そんなこと判明しましても。
しかもこのタイミングで新手が来ちゃいますし。
幸福大先生のフク蔵さんは立派な鼻とヒゲが特徴的である。鳩もこんなん運ばなければならないとは大変だな!!

どうやらこれでこの地域の福の神が全員集まったことになるらしい。やっぱり全員メガネなのか・・・
ただ、フク蔵さんが言うには目的があってここに来た様子である。
そう、この場所に強い願いと想いを持った「彼女」がやってくるのだ・・・

毎年他の誰よりも強く願い、誰よりも長く祈りを捧げていく・・・
そんな「彼女」の願いを去年まで我々は叶えることが出来なかったのです。
・・・だが、今年こそ叶えてみせる!!人呼んで・・・「百度参りの亞華里」!!貴女の願いを!!

もはや神頼みしかなくなっている様子の紅本先生。
新年の願掛けも百度続けるつもりであろうか。いやさすがにその年齢になる前に諦めてもらった方が・・・あ、いやいや・・・

ともかく、福の神3体では無理であったが、そこにフクちゃんが加われば紅本先生の「独身力」を打ち破れるとのことらしい。
そうか・・・独身力なんてものがこの世には存在するのか・・・それはお祓いできる類のものなのかね・・・?
なんにせよ幸福力で対抗できるようなものではあるらしいが・・・本当にこの面々の司るのは幸福なのだろうか。
少なくとも持ち主の一人であるみかんにはそうは思えないようであって・・・噛み合わないのはどうにもなりませんなぁ。

・・・先輩方。私たちは思い上がりをしていたのかもしれませんね。
願いをそのまま無遠慮に叶える。それでは悪魔となんら変わりない。人は・・・自らの真の心すらわからないというのに。
本当の願いとは自らの力でしか叶えられないもの・・・「百度参りの亞華里」さん。
私たちは貴女の幸せを遠ぉーくの方から祈ってますよ・・・!!

結局紅本先生の願いはそう簡単には叶いそうにないってことですなぁ。
その無遠慮に叶えるはずの悪魔もこればかりは叶えてくれそうにありませんし!!

新年早々どっと疲れた感じになっているみかん。
でも去年から朝陽に遠慮なくアタックできるようになったこともあり、今年はいい調子でいけそうな気はしますね。
今年のみかんの活躍に期待したいところであります。

さて、弟たちと合流するために去っていくみかん。
残されたのは朝陽と葉子さん。さりげなく2人きりの時間が出来ましたな。
そこで朝陽は尋ねる。結構長い間祈ってたけど、何を願ったのかと。

えと・・・そのな?去年のお礼と今年もよろしくお願いしますって。
去年は結局学校辞めずに済んだし。話に聞いてたおとんとおかんの物語の中にホンマにおるみたいで楽しくて幸せで。
だから今年も去年みたいに皆で色んなこと出来たらええなって
今年はまず修学旅行やろ?それからお花見とか海とか・・もっかい体育祭とか学祭もあるしさ。
今年3年生になるから皆で受験勉強したいなーって。

ふむ。いいお願いでありますなぁ。こういう日々がこれからも続く。こんなうれしいことはありますまいて。
しかし葉子さん受験勉強するのか?大学行くつもりなのか?いけるのか?吸血鬼うんぬんより主に学力的な方面で。

将来のことはさておき、いい感じに意識を持つようになってくれたのは嬉しいことである。
これからもこの時間が続いていけばいい。
そのように思えるのだが・・・ここで現れるのは1人の悪魔。茜ちゃんとは別の角の悪魔。

私は悪魔・・・銀華恋。
白神葉子さん。貴女の大好きな学校生活に幕を下ろしに来た者よ

かなり悪そうな登場を果たした華恋さん。
はてさて、その悪魔っぷりは一体どれほどのものであるのか・・・
アホしかいない世界にシリアスの一滴がもたらされることとなるのか。注目であります。



第60話「悪魔にもてあそばれよう!」  (2014年 20号)


私は銀華恋。悪魔よ。貴女のお父さんの願いを叶えるためここに来たわ。
白神葉子さん。貴女の秘密が誰かにバレているようなら容赦なくつれもどせってね・・・!!

前回の最後から引き続き自己紹介。悪魔であると名乗り、白神父の要望でやってきたことも告げる。
これはなかなかショッキングでありますな。
未だに白神父は葉子さんが学校に通うことを良しとしていないとハッキリしたわけですし。
まあ、この間の新年の訪問の時に聞かされた、いつか必ず後悔するという言葉にかかっているのでしょうけども・・・

ともかく、今は現状の危機についてである。
どうやら華恋さんにはすっかり朝陽が葉子さんの秘密を知っていることはバレている様子。
まあ普通は気付く。気付かないわけはない。というか白神夫妻もさすがにそれは承知の上じゃなかろうか。
いやまさか親父さんは気付いてないとかそんなことは。いやまさか。

とりあえずこれ以上追及されてはたまらないので逃げ出そうとする2人。
しかし華恋さんが放ったカラスの羽が朝陽の左足に突き刺さる。
それだけで左足は弛緩し、全く動かなくなってしまう。これが悪魔の技か・・・!!

貴方の左足には休んでもらったわ。さっさと認めた方が身のためよ。その子の秘密知ってるって。
じゃないと、取り返しつかないことするわよ。私。悪魔らしくね

見下した調子でそのように述べる華恋さん。
これが悪魔・・・!!校長も時々おっかないけど・・・そうじゃない。これが本物の・・・!!
てな風に考える朝陽。いや一応茜ちゃんも本物の悪魔なんですけどね。いや、これが本物の恐怖とかそう言いたかったのか?

しかしびびりやすくはあるが、そこから強いのが朝陽である。最後までシラを切ろうとする。
が、朝陽がそうするであろうことはもう理解している葉子さん。
これ以上朝陽が傷つくことのないよう、震えながらも身を挺して朝陽を庇う。
なんでも言うこと聞くから朝陽君にひどいことせんといて・・・と。

・・・そう。やっぱり・・・
やっぱり源二郎と桐子みだいに秘密を共有じでお互いを守っで・・・ずっど頑張っでぎだのね・・・!!

ずびっと涙で鼻声になりながらそんなことを言い出す華恋さん。あ、あれ?

お互い思いやっで幾多の困難を乗り越えで・・・それを私は・・・なんて・・・なんて最低な!!まさに悪魔だわ!!
い・・・いやダメよ銀華恋!!情に流されては。私は悪魔・・・そう!!私は情を忘れた悪魔よ!

情に流されてはダメとか言っちゃってる時点で非情になれないと暴露している。
ああ・・・やっぱりか。やっぱりこの子もダメな子なのか・・・
でも優しい部分はある。無理に足に刺さった羽を引き抜こうとした朝陽を制して正しい外し方を教えてくれる。
確かに吸盤みたいだな。引っぱると取れないが、横に倒せばすんなり取れるとは。
無理に引き抜こうとしたら痛いことになっていたんでしょうな。そうならないように教えてくれるとは華恋さんはお優しい!!

というわけで、その優しい華恋さんにティッシュを進呈する葉子さん。
鼻をかんだ後のティッシュもポイ捨てせず仕舞って後で捨てようとする華恋さんは実にお優しい。
どうやら一通り落ち着いてくれたようなので、気を取り直して再度悪魔のような顔で脅し出す華恋さん。

あれ?どうしよう。びっくりするくらい怖くなくなったんだけど

まったくもって朝陽の言うとおりである。たったの2Pでもう取り返しのつかないことになってしまいましたよ!!
カラスの羽――怠惰の羽根とやらも効果は凄いけど、本人に外し方を教えてもらったしあんまり怖くはない。
まあ外すための腕とか狙われたら危ないのかもしれないが、そもそも性格的に怖くなくなっちゃったのが致命的すぎる。

一度仮面が外れれば後は加速的に転がり落ちるのみ。
使い魔のカラスにもご飯をねだられ、命令も聞かずにたかられる始末。やっぱりダメな子じゃないか!!

えと・・・葉子さん?ふと思ったんだけど、あの人本当に悪魔なのかな?
いや・・・その。校長は悪魔なワケだけど、校長だったらもっと容赦ないっていうか・・・
校長はもっと根っから悪魔っぽいっていうか。えと・・・その・・・うまく言えないけど。校長ってもっとひどいでしょ?

ああ、うん。もっとひどいね。
世に言う悪魔らしいといえるかどうかはさておき、一言で表現するなら確かにひどいとなる。色々な意味を込めて。
あとなんかやたらと悪魔をアピールしてくるのも怪しいと主張する朝陽。それは確かにそうですな。
胡散臭さでは追従を許さない藍澤兄も幽霊アピールしてましたし。

なら確かめてみる?銀さん悪魔かどうか。

突然そのようなことを言い出す葉子さん。何でもええ考えがあるねんとのこと。ほ、ほう。
もし銀さんが悪魔やったら反応せずにはおれんはず・・・!!とのことだが、それはもしや・・・

葉子「銀さん。アメ・・・いる?
華恋「え?いや特には。気持ちだけありがたくいただくわ」

反応しなかった。悪魔のはずなのにお菓子に反応しなかった!!
いや、別に茜ちゃんが反応するのは悪魔だからじゃないでしょ!世の中の悪魔が皆同じ特性だったら嫌だよ。
別にアメは悪魔を召喚するためのキーアイテムってわけでもない。

悪魔召喚しちゃったよ!!アメで!!

ある意味期待を裏切らないというか。アメにつられて茜ちゃん登場。何で茂みから・・・
というか後ろに出たとはいえ華恋さん気付いてないし!!
こりゃもう疑わしいどころの話じゃないな。直接聞いてしまえ。貴女は本当に悪魔なのかなーと。

めちゃくちゃショック受けてるー!?

どうやら本人としては一番突かれたくなかった部分の様子。
とはいえここまでやらかしておいて尋ねられないと思う辺りが既にダメな子である。
カラスの使役も週休二日10自入り8時上がり2食つきとバラしちゃってるし。それ使役じゃなくて雇用じゃないか。逆らわれてるし。

それにほら、見てみなさい。悪魔の証!!
この悪魔の角っ・・・これこそが私が悪魔である証明だわ!!

そう主張している傍から茜ちゃんの手で角を外されてしまう華恋さん。これがホンマの悪魔の所業・・・!!
というか茜ちゃんの時のように幻覚とかではなく、本当に取り外しできるものなのか華恋さんの角は。

やはり茜ちゃんとは顔見知りだった華恋さん。
でも若造呼ばわりされてしまっているし、扱いからしてもアレな感じである。
本人は数百年に及ぶ死闘を演じ、殺し合った仲ということだが・・・

・・・えと・・・こやつは誰だ?なんかケンカ売られとるのだが。

必死にシリアスに持っていこうとしてももはや手遅れなのか。
茜ちゃんにこういう態度を取られるとすぐに崩れてしまう華恋さん。どこまでもダメな子だ。力はありそうなのになぁ。

ここからの華恋さんと茜ちゃんのやり取りで色々な情報が出てくる。
ほう。華恋さんは源二郎と桐子さんと同級生だったと。しかも現在学校で生徒会長をやっていると。
いつも茜ちゃんの仕事を手伝っているというのはこの生徒会長業のことも指しているのだろうか。
というか白神夫妻の同級生だったのに再度学生をやり直しているのか?さすがにその時からずっと生徒会長ってことはなかろうが。
しかし校長だけではなく生徒会長まで悪魔とはこの学校は・・・と思いきや。

フ。フフ!!なら仕方無いわね!!思い出させてあげる。よーく目に焼き付けなさい!!
実は私は、かつて貴方と死闘をくりひろげた・・・天使だった女、銀華恋よ!!

て・・・天使かぁー!!
一応今は堕天使なので悪魔を名乗っているって流れのようであるが・・・
まあ容姿的な面でいうと確かに天使の方が似合っている気はする。白い羽根も似合っている。
というか角は取り外しができるどころか単につけていただけだったんですな・・・

もしかするとアホの世界を穿つ存在になるのではと期待された華恋さん。ああ、やっぱりダメだったよ・・・
白神父は何を思って茜ちゃんに対抗できる存在として送り出したのだろうか。
確かに本人が言う通り死闘を繰り広げたのかもしれないが、結果は聞くまでもなさそうなのがなぁ。
これはもう、白神父は新しい友人を紹介するために送り出したんじゃなかろうかと思えて仕方がない。
校長だけじゃなく生徒会長まで味方についてくれるとあれば学校生活は順風満帆間違いなしだろうしね!!
茜ちゃんが味方かどうかは色々と疑わしくはあるが・・・うんまあ、悪いことはしないはずですよ。ひどいことはさておきね。



第61話「昔話をしよう!」  (2014年 21+22号)


悪魔という触れ込みで登場した銀華恋は地に堕ちた天使(アホになったエンジェル)でした。酷い前回のあらすじだ。

どうりで全然悪魔っぽくないわけだと納得されてしまう華恋ちゃん。
予想していたこととはいえ、悪魔としての活躍はほとんど出来ませんでしたなぁ。
正体バレした今でも堕天使だからと言い張っておりますが・・・

へっくち

寒い日に屋外で立ち話をしているためか体が冷えた様子の葉子さん。
これはいけないと屋内――学校が近いのでせっかくだから生徒会室へと移動する。おじゃましまーす。
茜ちゃんが持ち込んだというコタツに入り、体のぬくもるお茶を華恋ちゃんに淹れてもらう。ありがたいですねぇ。やはり天使!!

もはや怖くないどころかいい人なのがすっかりバレてしまったため、ぞんざいな扱いを受ける華恋ちゃん。
まあこの期に及んでそのキャラに付き合えと言われても困りますわな。

ここで出た朝陽の話から前回の疑問が1つ解消される。
ははぁ。ここ20年近く華恋ちゃんが生徒会長を務めており、選挙もないので変わることはなかったと
ああ、やっぱりずっと学校にいたんだ。在籍してたんだ。それはつまり・・・

朝陽「そっか・・・俺も次3年だし・・・ちゃんと卒業出来るように頑張らないと・・・」
葉子「か、華恋ちゃん!!私に教えられるとこやったら教えるけど・・・」
華恋「別に留年してるワケじゃないわよ!?

さすがに葉子さんに勉強を教えられるほどに成績が悪くは・・・ないと思うが分からないのがこの世界だしなぁ。
まあ基本的に真面目な子であるし、勉強しないってことはないか。
そもそも学校に残ったのもその人の好さにつけこまれ、茜ちゃんに学生として学生の視点から学校を支えて欲しいと言われたからである。
ようするに学生相手なら給料を出さなくても済むからって話である。この悪魔が!!どうやって生活してるんだ華恋ちゃん。

い・・・いやでも茜もたまにご飯ごちそうしてくれるのよ!?

たまに貰った恩を10倍にして返してそうな華恋ちゃんでありました。天使だ・・・!!

しかし貴方たちは運がいいわね。学生なら聞いたことくらいあるでしょう?「学園七不思議」。
その中の一つ、「幻の生徒会長」とは私のことよ。見かけたら幸せになれるとか。
全く変な話よね。堕天使を見かけたら幸せになれるなんて。

いいつつ何だか嬉しそうな華恋ちゃん。
だけど残念ながら現在の七不思議にその項目は入ってないんですよ・・・これが。
何故か茜ちゃんが二枠取っている七不思議。昔はちゃんと華恋ちゃんの項目もあったようだが・・・
これって茜ちゃんが作って広めていたりするんだろうか?何となくそんな気もしてきたぞ。
どうでもいいが、吸血鬼も天使も驚いたら羽や翼が出るものなんですな。正体隠すのも大変な子らだ。

さて、話題は葉子さんの両親と同級生だったという昔のことについて。
担任の茜ちゃんと共に4人で過ごした日々。この過去の日々もなかなか楽しそうですなぁ。白神源二郎、鼻高いな。

当時の両親の話を聞きたいとわくわくしながら尋ねる葉子さん。
桐子さんは色々と教えてくれてはいるが、やっぱり隠している部分もあるんじゃないかと娘は考えている。
子供に聞かせるには恥ずかしい話とかあるでしょうしねぇ。ニヤニヤ。
そういう話が出るかはともかく、華恋ちゃんは悪魔として人の願いを無下には出来ないと述べる。

ただし、わかっているわよね。悪魔は願いを叶える代わりに代償を求める・・・
・・・そう。心からの「ありがとう」の言葉をね・・・!!

わざわざ悪い顔して何を言っているんだこの子は。ええ子や・・・やっぱりお礼は大事ですよね!!
まあともかくも、天使が語る吸血鬼と人間の恋物語。一体どんな話が出てくるか・・・

聞いて驚きなさい。忘れもしないあれは高2の春。放課後の教室だったわ・・・
なんと!!普通の人間だと思ってた源二郎が羽のばして壁に張りついてたのよね!!
それ見て悪魔と勘違いした私が対抗するために翼出しちゃって。それでお互い吸血鬼と天使ってバレちゃったのよね。

凄く身に覚えのある話だった!!このアホ親子は本当やってること変わらないな!!
しかし桐子さんでも隠しきれないとは。さすが純潔な吸血鬼はより奇行の度合いが激しいということか。アホは同程度だろうが。
それにしても華恋ちゃんは藍澤さんポジションなんですな。
果たして恋愛に絡んだりしたのかどうか・・・ちょっと気になりますな。

正体バレはしたものの、2人と仲良くなったのはもう少し後。天使の輪がきっかけだったという。
ある日、天使の輪をどこかに落としたという華恋ちゃん。それ落ちるものなんだ。まあ落ちたものは落ちたのだろう。で――

二人が一緒に探してくれたの。毎日毎日日が暮れるまで本当に一生懸命に。
私の天使の輪は私が天使と知ってる人にしか見えない。だから自分たちが探すんだって。
結局天使の輪は見つからなかったけど、私は気付いたの。もっと大切なもの・・・親友を手に入れたんだって
まぁでもやっぱり当時はほんの少し、天使の輪が見つからなかったのは残念だったけどね。

いい話をしている華恋ちゃん。
にも関わらずその後ろで台無しな行動を取る茜ちゃん。そ、その蛍光灯は・・・光る輪は・・・
天使の輪っていうぐらいだから常時光ってるんですよね。輪っかの形なんですよね。
んで蛍光灯って取り外しても光らないですよね。ということはつまり・・・

とてもいいにくそうに天使の輪について言及しようとする朝陽。しかし天使の輪の話はもういいのと制する華恋ちゃん。

確かに私は天使の輪を失い堕天使になった
でも今では私は私が堕天使・・・悪魔であることに誇りを持ってる。
それは桐子と源二郎が一生懸命探してくれた結果だから。だから私に天使の輪なんて必要ないのよ・・・!!

そう述べて、文字通り天使の微笑みを見せてくれる華恋ちゃん。いかん、これは可愛すぎる!!
エンジェルなスマイルは素晴らしいが、だからこそそのアホさが楽しくも残念というか。
さりげなく蛍光灯のカバーの中とか誘導してみる朝陽だが、スルーされてしまう。くっ。
なんというかこう、話に夢中になって大事なことを見落とすのは藍澤さんと同じポジションって感じがしますな。

・・・フフ。それにしても私が悪魔になってから桐子と源二郎も大変だったでしょうね。
何せ悪魔である私。銀華恋に目をつけられたのだから・・・
そう。望みもしない遊園地などのタダ券を一方的に渡され、無理矢理代価である「ありがとう」を言わされていたのだから・・・!!

色々と面倒くさいけど天使だ!!
でも考えてみると岡も似たようなことしてますよね。あっちは天使にならないのはやはり性格の差であるか。
それにしても蛍光灯代わりに設置されている天使の輪だが、消すときはどうなっているのだろうか。消えるのか?
常時光っているなら点けたり消したりは出来ないはずだが・・・まあ何かいろいろあって気付かなかったのだろう!!
軽く思考放棄をしてみた。まあ、それはさておいて。

それにしても懐かしいわね。桐子に源二郎と過ごした日々・・・
秘密を守りながらではあったけど、それでもただ無邪気で懸命で不器用で。
楽しくて慌ただしくて気付けば一瞬で過ぎ去ってしまった学校生活。
・・・本当に懐かしいわね・・・本当に、最後まで誰一人欠けることなくちゃんと皆で卒業したかったわ

おっと、何だか大事な話になってきましたよ?
これは別に華恋ちゃんが卒業せずに20年以上過ごしていることに関してではない。
それはおそらく、前に白神父が朝陽に向けて言ったこと。いつか必ず辛い思いをすることになるという言葉に繋がる内容・・・

何。つまらん話だ。白神源二郎は秘密を守り通せず学校を去った
そりゃどう考えても3m越えでニンニクで号泣。十字架を見る度ブチ切れるetc。そんな高校生おらんからの。

おっしゃる通りであります。いや他はどうにか言い逃れできるが、さすがに3m越えは致命傷だわな。
と思ったが大勢の前で羽を広げるまでは言い逃れ出来ていたらしい。どうなってるんだこの学校は!?
いやまあ、3m越えの覆面をした父兄が参加しても大きな騒ぎにならない学校だしなぁ。考えてみれば問題はない・・・のか?
逆に羽ぐらいで驚くなよと言いたくならなくもない。茜ちゃんのように常時出しっぱなしにしていれば誰も気にしなくなるかも。

何にせよ白神父は高校生活を最後まで送ることはできなかった。
当人はもちろん、桐子さんにしても華恋さんにしても悲しかったでありましょう。

・・・だから。だからきっと貴方たちは最後まで秘密を守りぬいてちゃんと卒業してね?私たちの分まで

この華恋ちゃんの想いの籠った言葉に、真剣な顔ではいと答える朝陽。
まあそれはまさに朝陽の目指すところでありますからねぇ。万難を排してでも果たそうとするでしょう。
これは葉子さんも改めて赤面しちゃいますわ。ほほ。

華恋ちゃんも秘密を守るために影ながら応援してくれることになりました。心強いですねぇ。
しかしどうやら華恋ちゃん、元々葉子さんたちの前に姿を現した理由をすっかり忘れているようで・・・

なんで連絡一つよこさんのや・・・いつもいつも。銀といい獅狼といい儂が葉子連れ戻せて頼んだモンは・・・

己の人望の無さに嘆く白神源二郎。ドンマイ!!
そりゃ天使に娘連れ去ってこいなんて頼むのがバカって話ですわな。桐子さんの言う通りである。
本人は悪魔だと言い張ってるが、天使の輪を失ったと思い込んでるだけの自称堕天使だからなぁ。
結局、華恋ちゃんに頼んだのも葉子さんが正月帰ってこなかったからすねてただけだというし・・・源二郎・・・

こうして葉子さんの周りにはまた一人、陽気(アホ)な仲間が集まることになりました。
両親の学校生活の結末は悲しいですが、傾向と対策を考えることが出来たのは大きいですな。
つまり・・・キバは余り問題なく、身長が伸びようが問題なく、羽さえ出さないようにすれば隠し通せるということだ!!
かなりハードル下がってる気はするが、葉子さんだと普通にやらかしかねないからなぁ。怖い怖い。
守ってくれる人も大勢いるからたぶん大丈夫だとは思うけど・・・アホだらけだからなぁ。まあ何とかなるさ。きっと。



実は私は 8巻


第62話「天使の羽で遊ぼう!」  (2014年 23号)


天使の思い出話と書いてエンジェルボイスと読む。ほ、ほう。
相変わらず遊び心いっぱいのあらすじであるが単行本に載らないのが残念だ。

さて、実は学校の生徒会長であることが判明した華恋ちゃん。
その生徒会室に新学期早々詰めかけている人たちがいる。
朝陽に葉子さん、藍澤さん。秘密を共有した者たちがこたつに入ってのんびりと弁当をいただいている。
なるほど。ここならば葉子さんもキバを隠したりせずに堂々と食べることができるわけですな。
しかしいつも以上に朝陽は羨ましいシチュエーションになっていますな。おい。

すっかり源二郎からの依頼のことは忘れていた華恋ちゃん。
だけど一応実家に連れ戻すという話は思い出した上に丁度いい落としどころを見つけた様子。

私は悪魔。貴女を実家に連れ戻す女。
春休み、GW、夏休み・・・そして冬休みにね!!

単に帰省を促してるだけじゃないですか!!
まあ実際のところ、源二郎はそれで満足してくれそうな気がするから困る。
満足するというか、帰ってこないと気を悪くしてまた面白いアホな子を送り込んでくるかもしれません。ん、別に問題ないな?

天使な華恋ちゃんは校長とは違い働き者である。仕事の時にかけるメガネ姿も似合っている。
ひょっとして本来は茜ちゃんが処理する仕事も請け負っているのではなかろうか。天使だなぁ。

そして藍澤さんの電力供給の件も気軽にOKを出してくれる。
なるほど。ここをたまり場にしているのは藍澤さんが安心して充電できるようにという朝陽の気遣いだったわけですな。
バッテリーが大事な時に限って切れるのが弱点の藍澤さん。
昼に確実に充電するようにしておけば動けなくなる確率は大分減るって話だ。外部ユニットも昼食が取れるって話ですやね。

ありがとう会長殿!!心からお礼申し上げる!!
話を通してくれた校長にもよろしくお伝えくだされば幸いだ。

本体を晒してペコッと頭を下げる藍澤さん。礼儀正しいですなぁ。だが・・・

藍澤さん貴女ロボットだったの!?

驚愕のあまり翼が飛び出してしまう華恋ちゃん。ってロボットちゃうねん。宇宙人やねん。
というか茜ちゃんから藍澤さんのこと聞いてたんじゃないのか!?
まあ華恋ちゃんは天使だから。人間じゃないから知られてもノーカウントのはずである。きっと。

それはさておき、部屋の中には驚いた時の衝撃で飛び出た華恋ちゃんの翼から抜けた羽根がいくつも舞っている。
それに気づいた華恋ちゃんは慌てて回収しようとする。

私の羽根はただの羽根じゃないの!!実際に打ち込まれた黒峰君ならわかるでしょう?
私の羽根はね、人を罪に導くとされる七つの欲や感情を操ることが出来るの
暴食。色欲。強欲。憤怒。怠惰。傲慢。嫉妬・・・
黒峰君に使ったのは怠惰の羽根。あれは左足が怠けて動かなかったのよ。

それはまた面白い効果ですなぁ。使い手はさておき、能力としては結構なものと思える。
ちなみにこの羽根は華恋ちゃんしか制御できないので、他の人が使ってはいけない。
という注意事項を述べている最中に、舞っていた羽根をこっそり手に入れていた茜ちゃんが登場。
いきなり手にした羽根を葉子さんの頭に突き刺す。プスッ。

一枚でも危険とされる天使の羽根。刺されると人を罪に導く欲や感情が暴走する恐れがある。
その羽根を刺された葉子さんはある欲が暴走し・・・お腹を鳴らす。\ くー /

良かった・・・いつも通りだ・・・!!

ほっと汗をぬぐう朝陽。これは酷い。
いやでも確かにいつも通りとしかいいようがない。
腹ペコ吸血鬼が暴食の感情を拗らせて腹ペコ吸血鬼になってしまった!!うむ、全く変わりがない。
本人はいっつもおなか減っとるワケちゃうもんと言ってはいるが・・・やはりイメージがね。うん。

とりあえず大事にはならなそうで良かった。
と思いきや、さらに別の羽根を藍澤さんに刺している茜ちゃん。
華恋ちゃんは華恋ちゃんで毎度驚いて危険な羽根をばらまいているし、何だこのエンドレスなデンジャーは。

ともかくどの羽根が刺さったのかが重要であるが・・・
驚いたことに刺さったのはラブコメらしい色欲の羽根。ほう。ほほう。そして頬を赤らめた藍澤さんは・・・

君が好きだ・・・付き合ってほしい!!

突然の告白。ほう、これは・・・と思うところであるが、わずか1ページで泥沼展開は回避される。

えぇい邪魔だどいてろ黒峰朝陽っ!!
葉子君付き合ってくれ!!私と共に夜の特訓としゃれこもう!!案ずるな!!私は寝技も得意だぞ!!

委員長ー!!何だか兄っぽくなってるぞ藍澤さん。
呼び方が呼び方だけに何だか男らしく感じますなぁ。男前や!!

かなり酷いことになる色欲の羽根。抜いた後もしっかり記憶が残っているのが厄介ですな。ドンマイ!!
個人差はあるが、刺さった直後に見た相手にベタ惚れするのだそうな。
なるほどね。キューピッドのハートの矢の効果というわけでありますか。そう聞くとやはり天使だなぁ。
でもその天使の羽根も悪魔が用いると大変なことになる。奪って逃げる茜ちゃん、ものごっつワクワクしとる!!

逃亡する茜ちゃん。その前に偶然通りかかるのは獅穂さんにみかん、そして凛ちゃんという3人組。
未来関係ということでこの3人も何か繋がりが出来ているようでいい感じですな。
いや、今はその感慨にふけっている場合ではない。通り抜け様にみかんの頭に色欲の羽根を刺していく茜ちゃん。その結果・・・

みかん「・・・朝陽。どう!?」
葉子「え・・・エロ峰くぅーんっ!!」
凛「おばぁちゃんが痴女にっ!?

いきなり朝陽の手を取って自分の胸へと押し当てるみかん。むに。こりゃ大変な痴女っぷりだ!!
これは負けていられないと対抗しだす獅穂さん。さすが本物の痴女は違うな!!下着まで取ってやがる。

珍しくしっかりとラッキースケベに遭遇している朝陽。凄い鼻血量だ。
こりゃ確かにカリスマ痴女2世の支配する未来では死にかけるわな。

色々なパターンを楽しむためか、すぐにみかんから羽根を回収する茜ちゃん。
当然正気になったみかんは赤面しながら逃亡。
なのだが、学校で何してんのよあたし!!という言葉がらしい感じですなぁ。
家で2人きりとかなら普通にやるってことですよね。さすがみかんさんです。

かなりの騒動を引き起こす色欲の羽根。しかもそれが一番刺さってはいけなさそうな人に刺さってしまった。し、獅穂さん!!

途端に獅穂さんから放たれる痴女力。
その威力にあてられてせくしーぽーずを取る葉子さん。ん?せくしー・・・いや、ひらがなだし合ってるのか。
お腹も鳴ったままだし・・・というか暴食の羽根刺さったままじゃないですか。いくら普段と変わらないからって放置か!?
いやそれはさておき、凛ちゃんが言うには未来が痴女色に染められたあの時と同じであるとのこと。

まさか・・・色欲の羽根をきっかけに降臨するのか!?あの伝説の・・・カリスマ痴女2世が

なるほど。その流れは納得のいくものだ。
そのように思ったのであるが、予想外のことが起きてしまいました。
自分ではだけておきながら、いきなり赤面して前を隠しだす獅穂さん。キャッとか言ったか!?
膨れ上がったのかと思ったらいきなり消失する痴女力。これが色欲の羽根の個人差ということなのか・・・!?
定量をオーバーフローして0になったとかそういう話だろうか。

ご・・・ごめん。あ・・・あんまこっち見ないでくれるかな?
あんまジロジロ見られるとその・・・はっ、恥ずかしくって。

獅穂さん!?
何だろうか・・・何だろうねこれは。いつもとはまるで様子が違う。だがそれがいい。
いわゆるこれがギャップ萌えというやつなのだろうか。痴女力の振り幅が萌え力の増大を促しているとかそういう。
おぉ。見よ。あの獅穂さんが己の恥ずかしい姿に赤面し、見られたくないと月の写真を取り出して変身を・・・
変身を・・・・・・・・・・・・

おい黒峰!!なんで己から逃げる!?
待てっ!!いや待ってくれ!!大事な話が!!

色欲の羽根が刺さったままだし、まあそうなりますわな。本当、安定の大惨事ですよ獅狼くんはさ!!

噂に名高い色欲の羽根、恋の矢で遊べるとはとご満悦な茜ちゃん。
このまま悪用を続ければ色々なことができそうである。藍澤作のおかし食べ放題!?
無限の可能性のある色欲の羽根。遠慮のない悪魔が手に入れていいものではないですな。というわけで・・・紅本先生の出番です。

素晴らしいですこの憤怒の羽根。次から次へと怒りが沸いてくる・・・おかげで手心を加える心配をしなくて済みそうだ・・・!!

おしまい。
画面暗転という文字通りにブラックなオチ。とても見せられないよ!!
ううむ。一体どのような処罰が加えられたものか。
というか紅本先生の怒りは憤怒の羽根によるものなのか、直前に独身力が色欲の羽根を上回ると言われたことなのか。
まあどっちもか。後者の怒りだけで十分沸点に達しそうな気はするがオーバーフローしなくてよかったですな!!

使い勝手がいいわけではないが、使い所は多そうな華恋ちゃんの羽根。
しかし色々と気になりますな。怠惰の羽根は足に刺したら足だけが怠惰になったが、部分的に効果があるのか?
手に刺したら手だけが色欲に支配されるとか?トラブルの度合いが高まりそうだな。
フクちゃんにも効果があったのだろうか。みかんじゃなくてフクちゃんに刺さったらどうなっていたことか。
何にせよ酷いことになる未来しかみえないってのもある意味凄い。



第63話「誕生日を祝おう!」  (2014年 24号)


午前零時の鐘が鳴る。
時の流れを止める術はなく、無情にも訪れるその日。茜ちゃんがほくそ笑み、それに対して紅本先生が荒ぶる日。それは――

華恋ちゃんありがとうな!明里ちゃんの誕生日教えてくれて!!

うむ、やはり誕生日でありましたか。
子供の頃ならば無邪気に楽しめたものでありますが、年齢を気にするぐらいになってきますと、ねえ。
学生の葉子さんたちにはまだ分からない感覚でありましょう。不老っぽい華恋ちゃんにも分からなかったか。

と思いきや、一応朝陽は紅本先生が年齢を気にしていることは理解している様子。
喜んでくれるかは分からない。けれども日頃からお世話になっているのでそのお礼はしたいと言うわけですな。
ふうむ。まあ好意で行うことですしね。悪い話ではありますまい。いい誕生日に出来るといいですなぁ。

早速玄関を開けたタイミングでクラッカーを鳴らしてのお出迎え。
華恋ちゃん曰く、悪魔である私に目をつけられた以上、貴女は幸せな誕生日を過ごすしかないのだとのこと。お、おう。

あ・・・いや華恋さん。誕生日って何のことです?

今日じゃなかったのか!?
いきなり根本的な部分でダメ出しされて驚愕。
どのくらい驚愕かというと天使の翼が飛び出て、ついでに暴食の羽根が葉子さんに刺さるぐらい驚愕である。くー。
もう葉子さんには暴食の羽根以外刺さることはないのだろうか・・・まあこれなら普段と変わらないからいいんだけども。

それにしても去年のスケジュール帳を見る限りだと、確かにこの日付が紅本先生の誕生日の筈である。
実際、紅本先生もこう述べる。去年までは今日で合ってましたよと。

華恋さんも知っての通り、今まで私は荒んだ気持ちで歳を重ねるこの日を過ごしてきました。
でも私は気付いたんです。誕生日さえなければ私は歳をとらないのだと・・・!!

い、いかん。ダメな方に悟っている!!
でも実はわりと誰もが陥る逃避なのではないかと思わないでもない。
時の流れとは残酷なものでしてなぁ・・・何も悪いことしてないのに年齢は上がっていくのだよ、これが!!
まあ歳を取るだけならまだしも、紅本先生の場合は独身のままってのが気を重くしている最大の要因なんでしょうねぇ。

取りあえず少しは現実を見てもらえるようになり、中に招き入れてはもらえました。
誕生日であることは認めてもらったが、年増で独身の負け犬という認識までされてしまったらしい。ひ、卑屈だ!!
うーむ、普段はもっと毅然としている感じなのに、何故この日に限ってこんなに疲れ切っているのか。
それは勿論、日付が変わると同時にからかってくる悪魔がいるから・・・
それどころか、1時間ごとに時報と共に紅本明里が歳をとってから何時間経過したか教えてくれたりしている。あ・・・悪魔!!
世間は私と貴様どちらをクソババァと思うかというのも酷い言葉である。これだから不老ってのは!羨ましい!!

これが紅本先生の日常である。そりゃ酔わなければやっておれますまい。
あまりに悲しくなったので、紅本先生には絶対にいい誕生日を過ごさせてあげたいと考える一同でありましたとさ。

これより紅本先生お祝い作戦を開始する!!勝負は次に校長が現れると予想される14時までだ!!
障害となるワードは「年齢」「独身」!!この二つをクリアすれば作戦成功は確実だ!!頼んだぞ二人とも!!

藍澤さんの指揮のもと、作戦が開始される。
まず声を掛けるのは朝陽と葉子さんのコンビ。
確かに誠意はこの上なくある二人だが・・・誤魔化して話をするのには最も向いていない二人である。
そんなに気にする歳じゃないと言ってはみるが、もしかしたら気にする年齢なのかもという不安が駄々漏れになっている。
というか、その部分に踏み込んでちゃいかんでしょ。

てなわけで、お祝いモードを高めてそちらから意識を逸らさせようとする藍澤さん。
プレゼントとして手ずから作ったケーキを披露する。紅本先生よりも茜ちゃんが激しく反応する逸品だ。
これには紅本先生も肩を震わせる。

ごめんなぁ藍澤・・・このケーキの大きさじゃ・・・
年増の私の年齢分のロウソクを立てるにはスペースが足りないかもしれない・・・

何という卑屈っぷり!!
いや、太めのロウソクは1本で10年分とカウントできますから!!いや、この慰めではダメか!?
というかさすがにこの大きさでもロウソクが立たないことはないと思うのだが・・・何歳なのか知らないけどさ。
そんなに朝陽たちが引くほどの年齢だというのだろうか。気になる。

ここで紅本先生のことを昔からよく知っている華恋ちゃんが登場。
自称悪魔として、人の願いを叶えようとする。贈り物は高級ワイン。紅本先生が素直に笑顔する品である。おお!!
さすが華恋ちゃん。生まれた時から紅本先生のことを知っていると言うだけのことはある。
そして毎年紅本先生を喜ばせるプレゼントを見繕ってくれているわけでありますな。天使だわぁ。

高級ワインなだけあり、グラスまでセットになっている。
グラス二つのセットもあったのだが、茜ちゃんはお酒を飲まないし、一つだけのものを選んだのだが・・・これは失言だ。

いえ・・・気にしないでください合ってますから。私には一つで十分ですから。

一緒に飲みあういい人などいないと言われたかのような形になってしまった!!
これは落ち込む。直前で気持ちが上がった分、落ちた時のダメージが激しい。図らずも悪魔のような所業となってしまった!!
実際そういう結果になるとオロオロしちゃうのが華恋ちゃんですなぁ。天使だわぁ。

完全に心が折れている紅本先生。年齢のことはもうどうにもならなさそうだ。
ならばもう一つの悩みである「独身」の方をアタシが何とかしてみるよと獅穂さん。
そうか、確かに獅穂さんならば。獅穂さんの痴女力なら、紅本先生の独身力を打ち破れるかもしれない!!
うむ、何気なく酷い表現をしている気はするが気にしないでおこう。

獅穂さんのプレゼントは胸の谷間や肩など露出を多めにした服であります。
確かに紅本先生はスタイルもいいし、ドレスとしてこういう服を着てしかるべき場所に出るのもいいかもしれない。

獅穂「アタシで良かったら痴女になる手助けするけど?」
紅本先生「わ、私が痴女に!?

すげぇ食いついた!!やはり男を集める存在に興味津々なのか!?

色気が出るようになれば男の一人や二人作ることは不可能ではない。そう希望を持つ紅本先生。
ふむ。でも実際紅本先生は可愛いというか、いいですよね。
思いを寄せている人だっているんじゃないかと思われる。むしろなんで独身なのかわからないぐらいだ。そう思った、のだが――

そうか・・・これを着れば私にも・・・
私にも白馬に乗った王子が現れるんだな・・・
私より身長高くて、私より収入多くて、私より強い・・・!!

白馬の王子な上に3高・・・いや、なんか最後が違う。学歴よりも強さが大事なのか!?高身長、高収入、高戦力!?
というか紅本先生より強いってそれはどんな存在なのだろうか。それはこの世界に存在するのですか?
希望を述べるにしても思わぬところで高望みしすぎている。だから・・・
おっと、これ以上は言ってはいけない。誰もが口にしそうな言葉が思いついたが言ってはいけない。
せっかく紅本先生が立ち直りそうになっているのだし、ここは何とかこらえるしかない・・・!!辛い。

何だか妙な緊張感に包まれる誕生日会。
しかしそこで鳴り響くのは馬の蹄の音。
これは・・・まさか・・・白馬の・・・白馬の・・・悪魔!!

だからキサマは独身なのだ
いい歳こいて何言っとるのだ?

ですよねー!!
まさに誰もが思い浮かべ、言いたくなったセリフである。
その言いにくいセリフをさらりと述べる茜ちゃん。助かる!!
祝うはずだった朝陽たちも思わずすっきりしてしまうこの一言。はーすっきりしたー

まあ、実際のところ紅本先生もそこまで高望みしているわけではないのでしょう。きっと。
好みというのは勿論あるだろうが、獅狼の発言を受けた時の反応を見る限りはそこまで拘りはないはずである。
夢を見る時間ばかりが長くなってしまったので多少願望が行き過ぎているってことではないかと・・・分かる気はします。

すっかり再起不能になった感じの紅本先生。
朝陽たちは懸命に立ち直ってもらおうと奔走する。ロシアンシューは止めておきなさい。
そんな様子を指し示し、茜ちゃんは言う。キサマは幸せ者だと。

教師であるキサマの誕生日をこれだけの生徒が懸命に祝おうとしておる。教師としてこれ以上の贅沢はあるまい

ふむ。女としてはさておき、確かにこれは教師冥利に尽きるといっても過言ではありますまい。
茜ちゃんもそういう大事なことに気付かせてくれるあたりはさすがに年長者と言うか校長と言うか。
まあ・・・結局は藍澤さんのケーキを巡って暴言吐くことになってしまうんですが。
既に子孫を残しているのに独身がうつるも何もないでしょう!?再婚の可能性はひょっとしてあるの・・・か?

何にしても紅本先生は魅力的だとは思うのですよ。色気があるかと言われると・・・うん、まあ、うん。
でもスタイルは良いし、可愛いし、性格もいい。料理はアレなようだが一生懸命さは伺える。
・・・やっぱり悪魔が一緒にいるというのが最大の問題点なのではなかろうか。
それを特典と考えれる男性ならばあるいは何とかなるかもしれないが・・・紅本先生の苦労は続きそうだ!!



第64話「スランプを抜け出そう!」  (2014年 25号)


久しぶりにみかんの新聞部としての活動風景。
取材とか外道行為をするわけではないのでメガネは着用していない様子。
というかメガネそのものが見当たらないが、また家に放置されているのだろうか。フクちゃん・・・

それはさておき、今回のネタは痴女グラビア
いや、それは校内新聞のネタにしていいものなのか?
しかもみかんは校内新聞を売り物にしているという。さすがに学生的にどうなのかと思わされる。

あら、大丈夫よ。うちの生徒会長ちょろいから

なるほど。華恋ちゃんなら少し苦労話をしてみせればあっさり許可してくれるはずですわな。天使ですもの。
さすがに校長とは違い、生徒会長である華恋ちゃんのことは前から知ってる人多いんですな。正体はさておき。

というわけで、校内新聞の売り上げのため獅穂さんが一肌脱ごうとしています。痴女らしい表現だ!!
この企画は、みかんの家のすき焼きが鶏肉になるか牛肉になるかがかかった大事な企画。
こけるわけにはいかないが、痴女グラビアという名前と獅穂さんのネームバリューがあれば売れるのは間違いありますまい。
嶋も嬉しそうに撮影の手伝いをしております。欲望に忠実な奴め。まあ、ともかく獅穂さんお願いしますよ!!

んー仕方ないねえ。大サービスだよ

サービス【service】とは:人のために力を尽くすこと。奉仕。
ふむ・・・いや、そんな言葉の解説よりも、獅穂さんのことである。誰が面白いポーズを取れと言ったのか!?
いや、それよりも・・・獅穂さんの露出が減っている!!
谷間を完全に閉じきっているだけではなく、スカートの下にジャージという、痴女力よりも女子力が問われる格好となっている!!

何だこりゃって感じであるが、どうも獅穂さんによるとこのところスランプであるらしい。
うーむ、痴女にもスランプなんてものがあるのか。
確かにこの間の色欲の羽根が刺さった時の、恥ずかしがる獅穂さんは可愛かった。
本人にとっては恥ずかしがって胸を隠すなんて醜態であるとのことであるが・・・価値観には多少の影響は出たのではなかろうか。
しかし、そんなことはもう一つの高い壁の影響に比べれば些細なことでありました。

こないだの誕生日から紅本先生を痴女にしようと頑張ってるんだけど、どーにもなんないんだよねー・・・

なるほど。こりゃ高い壁だ。独身力という立ちはだかる高い壁だ!!
しかしそうか。冒頭の愉快なポーズは紅本先生風のせくしーぽーずでありましたか。
影響するつもりが逆に影響されてしまうとは・・・恐るべし!!

おまけに全然ダメっぽいのに、葉子さんが全力で持ち上げるものだから余計にわけがわからなくなる獅穂さん。
葉子さんにしてみればおだてているわけではなく、本気で言っているものだからよりタチが悪い。
こりゃ痴女ってなんだろうかと獅穂さんがなってしまうのも無理はない。痴女という概念がゲシュタルト崩壊している!!

おふくろなら・・・カリスマ痴女なら紅本先生なんとか出来るんだろうけど。

紅本先生ぐらい年季の入った独身力の持ち主には同じくらい年季の入ったカリスマ痴女でないと無理ということか。
獅穂さんもまだまだ若い。いや、若い方が基本的に有利な気がするんだが・・・あれ、痴女ってどういうものだっけ・・・
考えるとよくわからなくなってくる。
何にせよ、紅本先生に続いて獅穂さんまで落ち込んでしまっている現状はよろしくない。
皆で励ませればいいんですけどね。痴女だよって。

・・・いや別に痴女じゃなくても何も問題ないんじゃない?

まったく正論ですよ、さくらさん!!
でもこれはキャラクター性というか、アイデンティティの問題ですからねぇ。
それでキャラ立てを行ってきた人には死活問題となるのではなかろうか。いや、それはさすがにメタ過ぎる観点か。
獅穂さんという一人の女の子の一大事ということで考えなければいけない。
なので、正論を述べるさくらさんを二階の窓から突き落とし、みかんは語る。突き落とし芸が身に付いてきましたな。

しっかりしなさい痴女!!貴女は痴女でしょう!?
貴女に痴女特集の新聞の売り上げが・・・あたしんちの牛肉がかかってるんだから!!

思いっきり私利私欲での心配の仕方!!正直ですなぁ。
しかし正直ということならこの男たちも負けてはいない。

岡「そうだぜ。俺も楽しみにしてたんだ。鼻血吹き出した朝陽を腹抱えて指さして笑うのを・・・!!」
嶋「紫々戸さんは俺たちの希望なんだ・・・俺みたいなモテない男だって見たいんだよ・・・谷間や生足がっ!!」

見事なまでに私欲にまみれた応援。
だが、正直な言葉というのは飾りたてた虚言よりも胸を打つことがある。たぶん。
少なくとも今回はうまくいったらしく、獅穂さんはもう見失ったりしない、胸を張って生きると宣言してくれます。

アタシは・・・紫々戸獅穂は痴女だってね!!

宣言したのはいいけど、スランプ脱却にはまだまだな気がしますな。
というか、何か誰かの生き霊が背後に見えるんですけど!!紅本先生の影響力はどれだけだっていうのか・・・

朱に染まれば赤くなるという言葉がある。
痴女ならば朱っぽいし、他の人を染めることもあるかと思ったが・・・よもや独身力の方に染められようとは・・・!!
名前が赤っぽいから紅本先生の方が強いのだろうか。それならみかんが外道力で中和を。いやそれ混ぜても仕方がないか。

とにかく、何とかして獅穂さんの痴女力を取り戻さないといけない。
朝陽を実験台に差し出して取り戻させようとするみかん。何てことを。
そして嶋のとにかく脱いでという言葉。言葉だけ聞くと確かにやばいのだが、正解には近づきそうな感じでアレですな。
まあ、脱いだのはスカートの方だけでしたけどね。
これで上下ジャージと間違いなく紅本先生スタイルになりました。
んーまあ、こっちの方がバランス的にはいいか・・・嶋公は悲しんでいるようですが。

朝陽に鼻血を出させようと頑張る獅穂さん。
しかしあの方こと紅本先生に影響されている状態では、行為もそっくりそのままとなってしまっている。怖いよ。

みかん「何が・・・何が足りないのかしら?お酒・・・?お酒かしら?」
岡「いや、案外木刀とか?」
朝陽「おまえら、もうわざとあの方に寄せようとしてない!!

凄い速さで目的が変わっている2人。いや、岡にしてみればどっちでも面白いから問題ないのか。

あーもう!!胸もませなさい!!その無駄にでかい胸を!!
朝陽なんてそれで一発で鼻血出すわよ!!あとはこっちでうまいこと記事書くわよ!!

好きな男使わせて何て事を言い出すのか!?
いやでも、これは公認ということでいいのだろうか。
懐の深いみかんさんというアピールに繋がる可能性は無きにしも非ず・・・?

とにかく、何としても痴女力を取り戻したい獅穂さんはアドバイス通りの行動をしようと朝陽の手を取る。
が、胸をもませようとしたところで割って入る者がいた。凛ちゃんだ!!
ふむ。痴女力が感知できなくて来るのが遅れたわけでありますか。
やっぱり今の獅穂さんは痴女力0なんだな・・・紅本先生の影響で。痴女力0・・・

いや、この凛ちゃんの登場で何だか流れが変わった様子。
ジャージの前を開け、谷間を塞いでいたシャツのボタンが独りでに弾け飛ぶ。
これは・・・痴女が、痴女神様が帰ってきたということなのか・・・!?
と思ったら、帰ってこなかったー!!?

独身の支配が終わったらくーるびゅーてぃーの支配だぁぁぁあ!!

生き霊がしっかり見えるからって結構酷いことを叫んでいる朝陽。
谷間まではどうにかなったが後が続かなかったかぁ。そして安定の腹ペコですし。こりゃどうにもならん。
そりゃ凛ちゃんにも調子悪い?と心配されてしまいますわ。いい子だな凛ちゃん。

まあ、実のところ同じ直立ポーズでも葉子さんに比べると色気があるように感じなくはなかったんですけどね。何故だろう。

てなわけで、痴女グラビアの企画は流れた様子。牛すき焼きは残念でしたね。
一応、獅穂さんも独身支配から抜けるところまでは回復している。スカートも履けるようになっている。
ここでもう少し何かきっかけがあれば復活できそうな感じである。
というわけで、朝陽は尋ねる。獅穂さんはどうして痴女にこだわるの?と。

んー?そりゃあれだよー。
アタシのおふくろはカリスマ痴女じゃない。
まぁ自慢のおふくろではあるんだけど、ちょっとコンプレックスでもあるんだよねー・・・
例えばの話だけど、気になる男の子が家にきても、おふくろ見て鼻血吹くワケだよ。

何だか生々しい話だ!!それは確かにコンプレックスにもなりそうな話である。
うーむ。しかしそれにしても、獅穂さんも昔は気になる男の子とか色恋沙汰に絡んでいた頃があったのか・・・!!

まぁアタシがおふくろ超える痴女になればいいやって思ってるんだけど。なかなか厳しい道のりなんだよねぇ。
相手は自称「全ての男に恋する女」だからねぇ。
「惚れた男の前では女は誰でも痴女になれる」ってのが持論でさ――

持論は分からないでもないが、自称と組み合わせると純然たる痴女となる。
なるほど・・・痴女に必要な要素とは愛であるのか!!これが愛・・・?
疑問に思わなくもないが、獅穂さんとしても似たような結論に辿り着く。

んー・・・やっぱ・・・やっぱ本気で恋したことないから、アタシは未熟なのかな・・・?
・・・その・・・黒峰クン?手伝ってくれないかな・・・?
スランプから抜け出すため・・・カリスマ痴女に勝つために。

そう言って朝陽を押し倒す獅穂さん。おやおや。
普段と違った、潤んだ感じの表情の獅穂さん。ほう、これは・・・前の照れ顔に続いて美味しい表情である。
そんな普段と違う、真摯に迫る態度に朝陽もドキドキせざるを得ない。
そして獅穂さんもドキドキしているのが朝陽には分かる。直接胸を触っているんだから分かる。

やっぱもう十分痴女だぁー!!

予想通り、キレイに鼻血を噴き上げる朝陽。
これで獅穂さんは無事にスランプから脱出できたみたいで、良かった良かった・・・?

男の鼻血は痴女の力の源。自信を取り戻す活力源ということでしょうか。
こりゃ確かに未来の朝陽は鼻血の出し過ぎで死ぬことになりそうですわ!!

というわけで、獅穂さん回でありましたが・・・んー、結局のところ朝陽に関してはどういう想いでいるんでしょうね。
少なくとも憎からずは思っているし、肉体的接触を許している相手ではあるんですよねぇ。
痴女ではあるが、嶋には触れないようにしている獅穂さん。いや比較相手が嶋ではなぁ・・・
今後の関係は気になるところであるが、上手い立ち位置をキープしていてほしい所であります。



第65話「勘違いしよう!」  (2014年 26号)


今回は藍澤さんのお兄さんこと、藍澤涼のお仕事タイムから始まります。
まあようするに学校の調理室に忍び込んで食材を盗んでいるだけなんですが。
本人が言うにはこの学校のセキュリティの甘さを教えるためのボランティア活動であるとのこと。
そんな言い訳が出てくるあたりがやっぱりダメ人間でありますな。

角女――茜ちゃんや藍澤さんがいないことを確認して立ち去ろうとする藍澤兄。
が、そこで現れたのは別の角女――新しい角が仕上がったので装着している華恋ちゃんである。
そういえば茜ちゃんに外されてからずっとつけてませんでしたな。一度外すとダメになるものなのか?

何にせよ、別の角女に見つかったということで驚愕の藍澤兄。
本当は天使であるし、性格もこの上なく天使なのだが、悪魔になってしまっていると思い込んでる厄介な天使の華恋ちゃん。
「調理室の幽霊」という噂を作り上げている藍澤兄にも容赦なく厳しい言葉を浴びせかける。
そう、貴女という存在はもう終わりなのよ・・・と。

これが・・・「調理室の幽霊」・・・
ずっと成仏出来ず、この学校をさまよっていたのねー!!
大丈夫よ。きっと私が成仏させてあげるから!!

元天使・・・現悪魔として頑張ろうとする華恋ちゃん。うん、それはたぶん悪魔の仕事ではないと思う。
というか相変わらず華恋ちゃんは情報に疎いというか何というか。
茜ちゃんは千里眼でほとんどのことを把握しているというのに、この情報格差は一体どうしたことか。

というわけで、危機を感じた藍澤兄はいつものように妹の藍澤さんに救難信号を出す。
藍澤さんは藍澤さんで電池切れ寸前だったみたいだが・・・相変わらず燃費が悪いようですな。

どうやら兄は妹から生活費を支給されているらしい。うむ、ダメな兄貴だ。
そして普通にそれで足りなくて調理室に忍び込んだり、更なる無心をしているらしい。とことんダメな兄貴だ。
そんなダメな兄から、悪魔を名乗る角女に捕まったという報せが入る。

いつものことではないか

バッサリ切り捨てる藍澤さん。まったくもってその通りだから困る。
さらりと見捨てようとした藍澤さんであるが、兄からのいつもの角女とは違うという言葉が気にかかる。
ふむ。そういえば藍澤さんは角をつけた状態の華恋ちゃんは知らないのかな?
でも生徒会長のことは事前に知ってたらしいが・・・華恋ちゃんがいつから悪魔の角をつけてたのかが問題ですな。
それはさておき、いつもと違う角女と聞いて藍澤さんが想像したのは・・・

まさか・・・空腹時の校長!?

なるほど。確かにいつもよりも遥かに禍々しかったですものね。
しかしあれは空腹というよりは甘いものに満たされていないという感じでまた何か違うような。
追及すると薬物患者みたいな表現になりそうなのであまり言わないでおきますが。

調理室に藍澤兄を連れ込んだ華恋ちゃんは料理を行っている。お、唐揚げですか。いいですな。
きっと生前おなかいっぱい食べられなかったのだろうと考えている華恋ちゃん。
成仏させるために頑張っているようですな。
その裏では華恋ちゃんと茜ちゃんを間違え、茜ちゃんが料理している!?と驚いている藍澤さんの姿があったりするのだが。
何にせよ、お昼がまだでお腹を鳴らせちゃう華恋ちゃん。
それにより、角女は空腹であるという情報が藍澤さんに入ってしまう。やはりかぁぁあ!!

驚き慌てて援軍を呼ぶと告げる藍澤さん。更に温かい言葉まで兄に投げかける。
ダメ兄貴バレしてからずっと冷たい態度を取られていた妹からもらう久々の温かい言葉。
これは相当にヤバイ状況なのではないかとさすがの藍澤兄も認識したようだ。
いや、実際は全然なんですけどね。勘違いは怖いワァ。

色々とややこしい子が集まって、自分の考えのままにコトを進めるから暴走が止まらない。
やはりこういう時はツッコミ役がいないとまとまらない。
ボケに対してツッコミが少ない現状でありますが、朝陽には頑張ってもらいたいものですな。

というわけで、藍澤さんが援軍として朝陽たちに声をかける。
ふむ。まず声を掛けたのは朝陽、葉子さん、紅本先生の3名か。
朝陽と葉子さんでは正直本当の荒事には頼りないが、逆に紅本先生ならば1人で何とでもしてしまいそうである。
そしてボケ空間の納まりがつかない時は朝陽のツッコミで何とかオチまで行くことができる。うむ、この2人は重要だな!!
葉子さんは・・・うん、可愛いな。うん。

ともあれ、角女が料理しているという情報を聞いた葉子さんたち。即座にないないと返してくる。そりゃそうだ。
紅本先生が言うには、あのババァはどんな状況でも自分で作らず他人から奪うぞ?とのこと。そりゃそうか。

紅本先生でさえ未体験の出来ごと・・・なるほど。それほどの異常事態ということか・・・!!

安定の藍澤さん。危機管理が万全すぎて危うい子である。
一応、念のため母親に聞いてみるという葉子さん。
しかしここで母から返ってきた言葉は驚きの事実でありました。白神父こと源二郎の額のキズが疼くその事実とは・・・!!

・・・忘れもしない。あれは1999年7の月・・・
茜ちゃんがわざわざ海外から取り寄せたマカロンを源二郎さんが食べちゃった時よ・・・
怒りに我を忘れた茜ちゃんが急に料理を作り出して・・・その料理を真ん中に置いたの・・・
そして空から、何かとんでもないものを召喚しようとしていたわ・・・!!魔法陣の周り踊りながら。

まさかマカロンの仕返しに恐怖の大王を召喚しようとしていたというのか!?
こりゃノストラダムスもビックリである。
一応、白神母こと桐子さんが隠し持っていたマカロンを出したことで召喚は止まったらしいが・・・
さりげなく桐子さんもマカロンとってたんですな。無事に済んでいてよかった。源二郎のようにキズを残されずによかった。
というか源二郎。結構前の話だろうに、その時から今のような姿なんですな。
結構前ってのがどれくらいかというと、もう恐怖の大王を知らない世代が高校生になるぐらい結構前である
ああ・・・こういうジェネレーションギャップは何だかショック受けるなぁ。紅本先生ならずとも。

とにかく・・・茜ちゃんが料理してたってことは、あとは・・・
踊り始めた時・・・それが全ての終わる時よ

無暗に緊張が走っている。
まあ、隕石で地球を滅ぼそうとしたことが最近あったばかりだし、茜ちゃんならば何をしてもおかしくはない。緊張もするさ。
実際は本当に何でもないことなんですがなぁ。やっぱり誤解は怖い。

調理室では華恋ちゃんが成仏させるために頑張っている。
食事がダメならば他の手段で成仏してもらおうとのこと。
藍澤兄の要求は金・・・よりも女。ふむ、そちらの欲求の方が上でありましたか。
そうでもなければ外部ユニットを女性型にするなんて変態的なことはそうそう出来ますまい。
そして外部ユニットが女性型なので華恋ちゃんはすっかり相手を女性だと思っている。
自分も女の子なのに?と思いながらも趣味嗜好は人それぞれよね!で納得する華恋ちゃん。天使だ。

フフフ・・・貴女のその願い・・・私自ら叶えてあげるわ!!

そう宣言してせくしーぽーずを取ろうとして・・・恥ずかしがってやめたりを繰り返す華恋ちゃん。
おぉ、その動き。まるで踊っているかのような姿である。
これを伝え聞いて、世界滅亡の危機と驚嘆する葉子さんたち。えらいこっちゃ。

当然のことなのかどうか、華恋ちゃんも色気無い組の様子ですな。
まあでも色気はさておき、恥ずかしがる姿はとても可愛らしいと思いましたのでこれはこれでOKですけどね!!

しかし藍澤兄を納得させることは出来なかった様子。
俺の命とるならせめて痴女を連れてきてくれとのこと。そうか。
まあ痴女はさておき、そういう要求をはっきり述べるのは大事なことである。
おかげで調理室内での誤解は解決の方に向かおうとしている。
藍澤兄は実は命の危機には晒されていなかった。それに藍澤兄自身が気付いたことにより・・・

安心したためか、藍澤さんとの通信を切る藍澤兄。
突然の通信途絶に狼狽える藍澤さん。そして、覚悟を決めたかのように動き出す紅本先生。ど、どちらへ!?

決まってんだろ。聞いてりゃあのババァは今、おかし切れの時より・・・ヘタすりゃ隕石の時よりやばい状態。
私じゃ歯が立たんかもしれねェけどな。
でもな、藍澤の兄は生徒の家族。
・・・それに、あのババァは私の身内だ。なら身内の私が止めてやらなきゃならんだろ

ふむ。やはり紅本先生はいいことを言う。
先生として人として非常に尊敬の出来るお方である。
そして、この身内という言葉が藍澤さんを奮い立たせる。

全ての同胞に告げる!!
私は地球潜伏作戦第08小隊所属、藍澤渚だ!!私ごとで大変恐縮なのだがどうか聞いてほしい!!
地球の悪魔なる種族に私の兄が捕まり、命の危機を迎えている!!
私の兄・・・藍澤涼は人格者とは言いがたいし、諸君にも多大な迷惑をかけてきたことだと思う!!
私とて一兵卒として出過ぎた願いとはわかっている・・・
だがもし・・・もし諸君が私を・・・私の兄を同胞と・・・家族の一員であると思ってくれるのならばっ・・・
どうか兄上の救出に力を貸してほしい!!私のたった一人の兄上の救出にっ!!

これは良い演説である。
兄のことはさておき、藍澤さんの頼みであるならば動かない理由はない!!そう思わせてくれる。
ううむ、これもまた日頃の行いの良さってことなのかもしれませんがね。
そしてこの叫びは藍澤さんの同胞だけではなく、葉子さんたち友人たちも動かす。
しかし宇宙人と言う事情を知っている人が聞いてるのならいいけど、いきなり虚空に向かって叫び出すのはどうなのだろうか。
知らない人が偶然見ていたらとても怪しい光景に思えたでしょうな。

ともあれ、更なる援軍を率い、武装も整えて調理室へ赴こうとする一向。
藍澤さんはスコップを構え、紅本先生は特攻服姿となっている。やっぱりそれが万全の装備なのか!?
さらに獅狼、みかん、凛ちゃんといったメンバーを加えて意気軒昂。
ドラゴンも含めてみんな気合を入れた顔をしています。スコップで隠されている朝陽と葉子さんは除いて。
いやまあ、葉子さんも気合は入れているようなのだが・・・うむ、まあ可愛い。うむ。
でも木刀などの武器よりも葉子さんが用意したアメの方が実際に茜ちゃんに対する時は有効そうだから困りますね。

兄上・・・どうか見てほしい。
校長という強大な力から今まさにこの瞬間。兄上の命を救おうとこれだけの人々が動いてくれている。
通信は途絶え、状況は絶望的・・・だが、何としても助けてみせる!!
だからどうか、無事でいてくれっ!!

悲壮な願いをこめて調理室へと赴く藍澤さん。
残念ながら・・・そこにあったのは思い描いていたのとは全く違う光景でありまして・・・
酷い目に合うどころか、華恋ちゃんをいいように使ってくつろいでいる兄の姿があったわけでありまして・・・
うむ。無事でいない方が良かったという話でありましたな。
これだけ多くの人を騒がせてこの結果。身内としては頭を下げるしかない!!本当に大変ですなぁ藍澤さんも。

それはそれとして決戦としての気分が盛り上がっているので茜ちゃんを狙う紅本先生にみかん。
そっちはそっちで楽しそうだが、珍しく茜ちゃんがとばっちりを受ける形となりましたな。ハハハ。

さすがに朝陽は途中で勘違いじゃないかとは気付いていたようであるが、止めることができずにいた。
うーむ、急な出来事に対するツッコミは強いけど、もしかしてという気付きではいかんかったか。
ツッコミは場の呼吸が命ですからねぇ。何か急変するような流れでなければさすがの朝陽も指摘のタイミングがなかった様子。
ふうむ・・・朝陽にはもっと精進してもらいたいものですな。ツッコミの。



第66話「ごまかそう!」  (2014年 27号)


兄とは違い、真面目と評判の藍澤さん。
その藍澤さんが授業に顔を出さない時間があった。
サボるとは考えられないし、またどこかで電池切れになっているのでしょうか。
真面目だけど迂闊。そういう部分でも評判の藍澤さんだ。

朝陽と葉子さん。2人で藍澤さんを捜索。
途中、みかんを見かけて、委員長見なかった?と尋ねる。みかんはその問いに、藍澤さんは見ていないと答える。

異様にリアルな藍澤さんのフィギュアなら拾ったけど・・・

みかんの手の上にあるのは敬礼のポーズで固まった小さな藍澤さん。それ、本体や!!
どうやら・・・やっぱり電池が切れて助けを呼ぼうとしたのだが、よりにもよってな相手に見つかった様子である。
相変わらずというか何というか・・・もう少し見つかる可能性を考慮して動けないものか。
でも、フィギュアのふりというのは苦肉の策ながら上手い。
常識で考えれば藍澤さんの本体がこのサイズだなんて普通は考えないでしょうからねぇ。
敬礼しているのはあれが一番動かずにいられるポーズってことらしい。さすがに鍛えている人は違うな!!

何とか誤魔化せているうちに回収したい。
けれども、さすがに超常現象に慣れつつあるみかん。疑いの視線がそそがれております。
前にも一度小さい姿をチラリと見られているし、学園七不思議の一つ、「廊下の小人」だったと怪しまれても仕方がない。

みかんの疑問に必死でごまかす朝陽と葉子さん。そして藍澤さん。何一緒になって動いてんの!?
これは幾らも誤魔化せそうにない。早いところ回収しないと・・・

そんなことを考えている間に、藍澤さんを手のひらから取りこぼすみかん。ポロッ。
あわや廊下へ叩きつけられる。かというところで、ワイヤーアクション開始。
銃からワイヤーつきの重りを発射。みかんのベルトに絡めて体勢を立て直す。そして・・・見事に足から着地を決める藍澤さん。

決まったぁー!!なんて誇らしい敬礼だ!!
あの満足げな表情・・・委員長的にも決まったんだ!!それがあの敬礼にも表れてる!!

惜しみない称賛を送る朝陽。うむ、確かにこれは凄い。こういった一つ一つのアクションの精度はさすがと言える。
みかんの目の前と言う状況を考えない行動だったということを考慮しなければね!!決まったかどうかが論点じゃなかったよ!!

致命的なまでに動いちゃってる藍澤さん。
しかし、みかんによると現役の学生である藍澤さんが七不思議の正体なんてことはありえないらしい。ほう?

これは調べてみてわかったというか・・・まぁ考えてみれば当然のことなんだけどさ。
七不思議ってのは伝承の類。だからこの1年や2年で出来た話じゃないみたいなのよ
だから現役の生徒はありえないってワケ。

ほう。これは気になる話でありますな。
だとすると昔からいる校長に関する2つはさておき、残りの不思議に関してはどういうことなのか。
かつてこの学校に他の該当する人がいたってことになるわけだが・・・

いや、半分以上心当たりあるな・・・!!

確かに茜ちゃんの2つはもとより、放課後の吸血鬼は葉子さんよりも源二郎がやらかして噂になってた可能性が高い。
保健室の痴女は・・・かつてカリスマ痴女が学校に通っていたかどうかですな。
残る「廊下の小人」「光の変態」「調理室の幽霊」は・・・どうなんだろうか?
まあ、藍澤さんよりも前に学校に潜伏してた宇宙人がいないとは限らないが・・・変態は・・・光る変態はいたのか・・・!?
凛ちゃんがこの面子連れて過去にタイムスリップでもしたのだろうか。その展開は何となくありえそうだ。

現役の生徒ではありえない。そう述べながらもそれっぽいのは見ているので釈然としていないみかん。
とはいえ、さすがに常識人の観点は見失っていない様子なのは見て取れる。
これならば勢いで、この藍澤さんは本物ではないと言い切れるかもしれない。勢いで押せ!!

しっかし良く出来たフィギュアねー・・・

フィギュアということで納得しつつあるみかん。
それ故に扱いもそれ相応のものとなり・・・出来を確認するためにスカートをめくって中を確認したりする
ふむ。細部に拘ったフィギュアであるかを確かめる為にとりあえずパンツを見てみるというのは聞く話であるが・・・
このタイミングでこれは。よりにもよって朝陽が見ている前でこれは。
藍澤さんもよく耐えたもんですよ。にらんでるのがやたらと可愛い。葉子さんの態度も可愛い。

ラッキースケベと喜んでいる余裕もない。藍澤さんのことを気にかけてハラハラしている朝陽。
どちらかというと葉子さんの方が気にかけている様子。見られてる。見られてるよエロ峰君。
てな風に大変な現場に更に大変な人が乱入。

んーなにしてんの三人とも。なんかエロ峰クンの気配がしたから来てみたけど

一体どんな気配がしたというのだろうか!?痴女センサーで感知できるものなのか!?
適当に言ってるだけな気はするが、言われた方は気が気じゃないな。

藍澤さんのフィギュア拾ったからスカートをめくっていると答えるみかん。
それを聞いて表情を輝かせる獅穂さん。一体何をするつもりなのか!?この参戦には藍澤さんも絶望する。

なんて悲しい敬礼だ・・・まるで死地に赴く戦士のような・・・!!

痴女の手にかかったらどのような目に合わされることか。表情が暗くなるのも止む無しである。
服も全て脱げる作りであるとバラされちゃってますしねぇ。
確かにこんなの作る人がいたら変態と言われても仕方があるまい。行為的な意味と技術的な意味で。

早く何とかして藍澤さんを救出しないといけない。
というわけで、朝陽は意を決して叫ぶ。ちょっと俺にも見せてくれない!?そのフィギュア!!と。
それを聞いたみかんや獅穂さん・・・それに葉子さんの反応は・・・ドン引き

みかん「服脱げるって聞いたとたんいきなり何を・・・
葉子「エっエロ峰君・・・?」

事情がわかっているはずの葉子さんまでドン引き。これは厳しい。
いや、葉子さんどころか当事者の藍澤さんまでドン引きしてるぞ。えぇっ!?いや待って。それは待って!?気付いて!?

必死に藍澤さんを回収しようとする朝陽。
しかしその必死さが余計に危なさを際立たせている感じになっている。エロ峰君!?

え・・・えと、そうだ!俺っ!俺が作ったんだそのフィギュア!!だから脱がすとか関係ないから返して!?

獅穂「そんな見えすいたウソまでついて・・・?」
みかん「皆であの変態から藍澤さんのフィギュアを守るのよ!!」

思いっきり逆効果となっている朝陽のセリフ。
痴女である獅穂さんもそういう変態はアウトなんですね。
まあ作ろうと思ったら、日頃から舐め回すように観察して妄想していないと細部まで拘ったフィギュアはできないでしょうしねぇ。
売り言葉に買い言葉というか、どんどんドツボにハマっていくエロ峰君でありました。

すっかり味方もいなくなり、やけになった朝陽。
無理矢理みかんから藍澤さんを奪い取り、そして脱兎のごとく走り出す。

獅穂「エロ峰クン!?痴女がここにいるのに!?
みかん「別にあんたの趣味をとやかく言うつもりはないけど・・・クラスメイトのフィギュアってどうなのよ!?」
葉子「エロ峰君っ!?」

なんともボコボコな朝陽。やけになりながらも既に涙目であります。おやおや。
私はちゃんとわかっとるからエロ峰君!!と叫ぶ葉子さんでありますが、一体何をわかってくれていると言うのか!?

藍澤「わわわわ私に何をするつもりだ!?エロ峰朝陽!!」
朝陽「もう助けるのやめよっか!?

信用がないのかどうなのか。
さすがに窮地に陥っている相手にまでこの言われようではさすがの朝陽も怒るしかあるまいて。
せっかくエロ峰朝陽という汚名まで被ったというのに・・・いやまあ、それは昔からの汚名であるが。

何にしても藍澤さんには理解してもらえたようでほっとしました。どれ程孤独な戦いであったことか・・・
そう振り返る朝陽。そんな朝陽に、本当にすまないと謝罪する藍澤さん。

怖かった・・・もうダメだと思った・・・それをまた君にっ。本当にありがとう・・・!!

涙目になりながら感謝の言葉を述べる藍澤さん。ほう、これは良いですな。
自分の手の中でそんな姿をしているところを見せられたのでは・・・さすがに朝陽もドキっとするしかない。おやおや。

藍澤さんは救出できた・・・かというとまだそう決まったわけではない。
3人に追い回されている朝陽。もう小人がどうとか関係なく、エロ峰君の蛮行を止めるために追われちゃってるよ!!
いや、葉子さんやみかんはさておき、獅穂さんは痴女としてのプライドの問題もありましょうか。
目の前に痴女がいるのに、フィギュアを優先されるとは・・・!?
これは涙目にもなろうというもの!!ここにいるよ!?痴女がいるよ!?
まあ、フィギュアも三次元ではありますし、二次元に負けたわけではないですし・・・慰めにはならんな!!

大変な状態となっている朝陽。
まあそれでも秘密がバレて藍澤さんがいなくなってしまうよりはいいって話ですよね。
そういう朝陽の献身的な態度にドキドキし出す藍澤さん。

・・・こうして黒峰朝陽に直接触れるのは二度目・・・
一度目も同じように私の外部ユニットが電池切れした所を助けてもらった。
自分が情けなくて恥ずかしくてでも温かくて鼓動が早くなって・・・あぁ。
もし私が黒峰朝陽と同じサイズだったのなら。こんな迷惑をかけることもなくなり・・・
そして、もっとこんな風に直接彼の手に触れることも出来るのだろうか・・・?

真っ赤になりながらそのようなことを考える藍澤さん。うむ、実に可愛いですなぁ。
自身は朝陽のことを諦めた身であるし、それ以上は考えてはいけない。そうは思うのだが・・・難しいものは難しい。
さらに、何故か心の声を聴き、それを叶えようとする悪魔が現れたりする。茜ちゃん、心も読めたのか!?

よかろう藍澤。その願い叶えてやる。代償のケーキ一か月分よろしくの!!

相変わらずの神出鬼没っぷり。
華恋ちゃんとは違ってちゃんと物理的な代償を求めるあたり、さすがは悪魔!!
まあ、おかげで朝陽は3人から逃げ切ることができそうでありますが・・・
茜ちゃんによって押し込められた部屋の中。
気づけばそこにいたのは、朝陽と同じサイズにまで大きくなった藍澤さん。こ・・・これは・・・!!

なるほどなー。藍澤さんの肉体サイズはハンデとしてよく上げられていましたが、茜ちゃんがいれば何も問題ないわけかー。
大きくなる効果は永続するのか一時的なものなのか。
まあ永続するなら代償をもっと要求してきそうな気がしますしなぁ。
一時の出来事なのかもしれない。そうなると、だからこそその一時のチャンスをものにするために藍澤さんは動くかもしれない。
この展開は藍澤さんの恋心にどのような影響を及ぼすこととなるか・・・注目ですな。



第67話「求愛しよう!」  (2014年 28号)


ちっ・・・小さい委員長が大きい委員長にー!?

前回の引きがよく分かるいい驚き方ですね。さすがは黒峰朝陽。
しかしアオリの生身だ!!の追加は威力が高いな。

手の平サイズだった藍澤さんが同じくらいにまで大きくなった。これは当人としてみればビックリである。しかし・・・

なんか流れで驚いちゃったけど、いつもと何がそんなに違うんだっけ?

外から見ている分には外部ユニットとほとんど見分けがつきませんものねぇ。
冷静に考えてみればネジが触覚(?)に変わったぐらいで他はあまり変わりがない。
というか、今更ながらあの触覚のようなものは何なんだろうか・・・?

ななな何をそんなに見ておるのだエロ峰朝陽!!

エロ峰呼ばわりされるようなものだったのか!?
え?何。見られると恥ずかしいような器官なの?それ丸出しにしてるの!?
いやまて落ち着け。別に普段隠さねばいけない場所とは限らない。
顔だって普通は隠さないが異性に凝視されたら気になるだろうし、そういうことなのだろう。たぶん。でなければ痴女になってしまう。

そうか・・・今までサイズ的に触覚を凝視される機会がなかったのか・・・
しっ・・・しかし・・・言えるワケがないっ!!
この触覚が、求愛行動の時のみ光るものだなど!!

ほう。チョウチンアンコウのような触覚だと思ったら光るんですかソレ。
しかし求愛行動を示すための器官があるとは便利と言うか不便と言うか・・・
藍澤さんのような性格の子には不便で仕方がなさそうである。兄の方はともかく。

そ・・・そうだ!!私は兄上とは違う!!相手が黒峰朝陽といえど、そう易々光る私の触覚ではないはずだ。
そう!!これが光るということは、愛の告白も同然なのだからー!!

言っている側から触覚を光らせてしまう藍澤さん。
相変わらずこの子はせっせと墓穴を掘るタイプである。伊達にメイン武器がスコップではないということか。

バ・・・バカなっ!?求愛っ!?求愛しているのか!?私はっ。否!!断じて否!!
うす暗い部屋ゆえに少しの光が主張して見えるだけだ!!
そう!!うす暗い部屋に二人きりで!!・・・・・・・・・・・・うす暗い部屋で二人きりー!?

ペカ。とぼんやりどころじゃなく光り輝く藍澤さんの触覚。
求愛行動ってやっぱりそういう興奮状態を指すものなんですかね。おやおや藍澤さんってば。

はっ・・・はぁーっ!?
そっそんなわけなかろう!?私が痴女っ!?私が紫々戸獅穂だというのか!?

やっぱり痴女的な器官だったのか!?
いやいや落ち着きましょう藍澤さん。好きな人のことを意識してしまったらそうなるのもやむを得ないわけですしさ。
まあ、その好きな人という風に意識しちゃいかんと思ってるのが藍澤さんなわけですけど。
そういえば今まではそんなに光ることはなかったはずであるが・・・
対象のサイズが違いすぎるので反応しなかったとかそういうことがあるのだろうか。

そうだ。そうだとも藍澤渚よ。落ち着くのだ。思い出せ!!そもそも私は・・・
私は決めたんだ。私は黒峰朝陽を諦め葉子君との仲を応援すると!!
それだけが3人で過ごし続ける方法・・・そう!!その私が求愛などするはずがない。

決心したはずのことを思い出し、冷静さを取り戻す藍澤さん。
友を裏切り傷つけてまで叶わぬ恋を守る。そこまで卑しい女ではない。
そう思おうとしたのに、頭の上では強い光が放たれ続けている。って茜ちゃん、それ天使の輪じゃないか!!
相変わらず華恋ちゃんは自分の天使の輪の所在に気付いていないようですあん。
これもう、本人に気付かせるんじゃなく、普通に教えてあげればいいんじゃなかろうか。

それはさておき、藍澤さん。大きくしてくれた元凶である茜ちゃんに感謝しながらも元に戻してくれとお願いする。

それだと「元に戻る」という別の願いを叶えたことになり、別途代償のクッキーを要求するがの

悪徳業者みたいな要求が来た!!ええい、この悪魔め!!
まさに悪魔との交渉は代償がつきものということか・・・勝手に叶えておきながら好き放題だな!!
追加サービスを勝手にしておきながら代償を要求してくるとは!!

茜ちゃんが悪魔なのは昔っからというか最初っからなのでまあいいや。
ともかく藍澤さんとしてはこれ以上こうしていると何が起こるか分からないので、いち早く元に戻りたい。
が、せっかくの状況だし楽しめと介入してくる茜ちゃん。
その結果、外部ユニット越しでもなく、モニター越しでもない、生身の状態で朝陽と身体を触れ合わせることとなった藍澤さん。
ほほう・・・これはこれは・・・

茜「ほれ藍澤。アイスだ」
藍澤「はああああああああああああああああっ!!」
朝陽「えっ、何この身に馴染んだ冷たい感触っ!?

なるほど。朝陽と藍澤さんがハグをしたのならば、朝陽の目からはアイスが生えていなければいけないはずである。
ならば茜ちゃんからアイスを受け取った藍澤さんが朝陽の目に突き立てるのも自然の流れというもの!!
いやあ、久々に見ましたな冷峰朝陽。冷峰!?

ともかく、アイスで目を塞がれた朝陽は放置して、元に戻るために外部ユニットへと向かう藍澤さん。しかしその心の中は・・・

今のは本当にまずかった・・・
あの時とは違う・・・あの時とも・・・あの時とも・・・あれが、生身の感触・・・・・・!!

かなりドキドキが止まらなくなっている藍澤さん。触覚も盛大に光っておりましたなぁ。
そんな触覚を丸出しのまま廊下を駆けていいものかどうか。
心配した集団冷峰朝陽が追いかけてきてくれましたよ。わー。怖ッ!!
一体だけでも地味に怖いのに、この姿が集団になるのはなかなかのホラー感だ。

まあ、茜ちゃんもからかいは半分ぐらいあってこういうことをしているんでしょうが・・・実はそれだけでもなかったりする。
葉子さんの時のように、藍澤さんにも忠告を始める。

どのみちこれは誰かが言わねばならんからのぅ。
貴様の願い・・・「このままいつまでも三人で」それは絶対に叶わんぞ?

おっと。さすがに大人な茜ちゃんである。
事情を理解しており、憎まれ役も進んでこなせる茜ちゃんの役割は実のところ大きい。
先にも言っている通り、確かにこれは誰かが言わねばならないことですわな。
このままならば、やがて二人の仲が進展するのは明らかである。
藍澤さんはその二人を祝福するというが・・・その後の関係は果たして変わらずにいられるものだろうか。
頑なな藍澤さんは、すでに黒峰朝陽を諦めた身であり、もう何があろうと迷わないと述べる。
が、茜ちゃんが朝陽に化け、さらに藍澤さんと同じような触覚を生やして光らせてきたとしたらどうなるかというと・・・

きゅ。求愛されている!?

偽朝陽の求愛行動に対し、反応して輝かせてしまう藍澤さん。
うむ、実に可愛らしい。驚きと喜びの入り混じった実によい表情である!!ピカァァ!!
しかしやっぱり藍澤さん。諦めたといいつつも吹っ切れてはいないみたいですなぁ。

・・・藍澤よ。キサマは学祭で一体何を学んだのだ?
いい加減気付け。キサマは諦めることなど出来ん。実現できん理想なんぞに意味は無い。
だから己を知れ。己を知り己を認めろ。その上で実現できる理想を目指せ
・・・もしかすればその先に「三人で過ごす」そんな未来があるかもしれんのう。

と、何だかいい感じに藍澤さんを説得する茜ちゃん。あら、いい話。
藍澤さんの恩返しを期待した下心満点の言葉ではあるが、それでも感銘を与えることはできたのだからやっぱりいい話である。
しかしそこまで頭を下げて頼むのが嫌でありますか・・・
頭を下げるのは嫌だが、藍澤さんのおかしは食べたい。茜ちゃんの作戦は見事に実ったという話ですな。
まあ、日頃の行いがアレだったおかげでうまいオチには運べなかったようですが。
いや、茜ちゃんとしてはともかく物語的には十分にオチガついているからこれで良かったのかもしれない。
めでたしめでたし。どっとはらい。

しかし今後藍澤さんが目指す三人で過ごす方法とはどのようなものとなるのだろうか。
やはり将来カリスマ痴女の支配を手伝い、重婚を可能にしたりするのだろうか。
未来の有り様によっては藍澤さんの行動も変わりそうであるが・・・果たしてどうなるのか!?



第68話「友達の恋愛事情を知ろう!」  (2014年 29号)


好きな人が出来ました
そんな普通なら衝撃的な告白で始まるわけだが、言った人が嶋なのでアオリですら、そっかーで済まされる。そっかー。
岡のようにスルーするのが正しい対応なのかもしれないが、ちゃんと喜んであげるさくらさんは大人だなぁ。

この先でその人と待ち合わせをしているという嶋。ほう?
まあ普段からがっついている男だし、巡り合わせさえ良ければそういう相手が見つからないことはないか。
朝陽としては自分以外の恋愛話は何だか新鮮に感じる様子。
いつも応援してもらってるし素直に幸せになって欲しいなとも思っている。いい子だ。だが・・・

・・・悪いなお前ら。大人の階段は俺が先に登らせてもらうぜ!!
これからは俺のことを「嶋様」って呼ぶこった!!

無駄に瞳を輝かせてイラつくことを言いだす嶋。
そりゃすかさず岡が殴りつけたとしても仕方がない。ああ、仕方がない。

くっ・・・くそったれ!!お前ら精々悔しがれ!!ほらっ、あそこ見ろ!!
あの人が俺の・・・俺の女だ!!

好きな出来た発言から俺の女まで一気に飛んだもんだな。
いやそれよりも、そこで自販機の釣り銭を漁っているのは・・・藍澤さんのお兄さんじゃないですか・・・女・・・?
ある意味嶋とはお似合いの組み合わせなのかもしれないが・・・これは・・・

あの人のどういう所に惹かれたかというと、ずばり中身であると答える嶋。
いいこと言ったつもりなのだろうが、中身がアレだと分かってる人にとってその答えは・・・泣ける!!
まあ見た目は完璧に女の人だし、嶋が勘違いするのは分かる。
しかし藍澤兄の方はどうして待ち合わせとかしたりしてるのか。ああ、そうか。単に嶋をカモにしてるだけか!!

男である君を立てる為という名目でおごらせている藍澤兄。
さすがというか何というか。下手したらお金のためにもっと酷いことをしださないかと危惧してしまう!!

実は男とか宇宙人だとか以前にその中身たぶんアウトだよ!?

そんなことを考える朝陽。失礼・・・でも何でもないな。しっかりアウトである。
でも岡もさくらさんも笑顔で嶋を応援するだけで立ち去ってしまう。鮮やかに見捨てたぁー!!
まあ、2人にしてみれば性格はアレだけど一応美人のお姉さんという風に見えただけでしょうしねぇ。性格はアレだけども。
本当の中身を知っているのは朝陽だけだし、そうなるとどうしても止めないとって気にはならないか。

何とかして俺が嶋を止めないと・・・!!
その意識で2人のデートについていく朝陽。大変ですなぁ。
藍澤兄はちゃんと本名の涼を名乗ってるんですな。まあ女性名としても通じなくはないか。

カフェに立ち寄り、一番いい値段の物を注文させる藍澤兄。露骨ですなぁ。
私は高級焼肉店が好きだ!!とハッキリ宣言してみせる様も露骨である。中の人にはそんなに食事量必要なのか?

さてカモ・・・ではなくて嶋田少年が席を外した所で少年よ。
・・・君には言っておかねばならないことがある。このことは絶対妹の渚には言わないでください!!

潔い土下座で頼み込む藍澤兄。
まあ普通に藍澤さんに報告すれば済むんじゃないかなとは思いましたしねぇ。それが一番嫌だろうってのは分かっていることだし。
いくらいい風に言って誤魔化そうとしても既に本性が知れているのではそらぞらしくしか聞こえないってものだ。
本当、外部ユニットの外観だけは最高なんですがなぁ・・・どうして中身がこうなっているのか・・・

朝陽としてもまあ、最悪この2人が酷いことになっても、うんまあって感じでありましょうが・・・
一応忠告だけはしておこうかなという様子。あんまり嶋を甘く見てるとミイラ取りがミイラになりますよ、と。
確かに嶋も自重しないところがあるし、普通に女性として接することができるかどうか怪しいですわなぁ。
実際、はやくもカップルドリンク何て用意してくる嶋。
ほう、ひとつの飲み物に2つのストローをさして一緒に飲む飲み物をカップルドリンクというのか。調べて初めて知った!!

さすがにドン引きしている藍澤兄。
しかしせっかくの食い扶持をここで失うわけにはいかない。覚悟を決めて飲んでみせる!!

想定以上の気持ち悪さ・・・!!

見ていると非常に泣けてくる光景である。というか実際はその通りなんだろうが、わざわざ中身の姿で描写しなくとも!!
しかも自重しない嶋田少年はそのまま手を握るなどの接触を図ってくる。確かな気持ち悪さ・・・!!

やっと手にした女と付き合えるかもしれないチャンスを逃すまいと、当たって砕けろの勢いで突き進む嶋。
それはチャンスを逃すまいというか、逃す前に行けるところまで行こうって考えじゃないのか!?
手を繋ぐどころかハグまで行っちゃいましたよこの男。そ、そしてさらにその先に・・・!?

あ、あれとは違う・・・これとも違う・・・そうか・・・これがこれが本当の恐怖か・・・!!

ついにキスにまで至ろうとする嶋。さすがにそれ以上はいけない!!
藍澤兄も茜ちゃんや藍澤さん以上の恐怖を味わい、撤退することとなりました。えらい顔になってましたなぁ。

ち、違う!!俺の方がフったんだ!!

いや、そんな言い訳をされましても。というか別に付き合ってもいなかったでしょうに何を言っているのかこの男は。
そして更にはこんなことをぬかしだす。

・・・朝陽。俺、気付いたんだ・・・
大切なのは外見じゃない・・・ましてや中身でもない。
・・・そう。大切なのは女性という事実さ・・・!!俺は女性とデートした・・・それで十分さ・・・!!

正直もう女なら誰でもいいんだと述べる嶋。
一体この若さでどれほどの挫折を味わってきたというのか・・・!!
それでいて果たしたはずのデートやらハグが実は中身男だったとか・・・泣ける感じしかしねぇ!!
まあ、感触は確かに女性のものでありましたでしょうし、事実さえ知らなければこの先も生きていけるかな。強くね。強く。

というわけで、結果を岡に報告する朝陽。
クズっぷりがお似合いだったのに残念だなと返す岡。なんてことを言うんだ!!わかりますけども。

ついでに友達の恋愛事情ということで、さくらさんや岡の好きな人を尋ねる朝陽。
だけどその質問には答えられることは無く、電話を切られてしまう。
ふむ、確かに岡としてはその質問には答えられないでしょうなぁ。
岡が用事があると言って向かった先はみかんがバイトしているケーキバイキングの店。そして目の前にいるのはみかん。

あーそうそう岡君。これはただの世間話なんだけど。あたし朝陽にホレてるから。

今更言わずもがなのことをあえて告げるみかん。
もちろん岡もそれは知っている。けれどもこの雰囲気は・・・雰囲気は!!
ふううむ。いや、そういうこともあり得るんじゃないかなとは思ってましたけどね。思ってましたけどね。
思ってはいましたけど・・・いやあ形として出てくると何ともドキドキしてきますな!!
これは恋愛模様に一石を投じることになりそうですよ・・・フフフフフ。

ところで嶋にすらアホと言われている葉子さん
朝陽に言わせればそこが可愛いんじゃないかとのこと。同意するけどアホは否定しないのね。まあ否定はできないか。
口を開かなかったとはいえ、よくもまあしばらくの間クールビューディーとして通っていたものであるよ。
まあ今の状態の方が可愛らしくていいとは思うんですけどね。ありのままが一番ってことですよ。きっとね。



第69話「デートプロデュースしよう!」  (2014年 30号)


・・・いきなりですが。どういうことかわかんないけど、なんかまた、葉子さんに遊園地に誘われました!!

ドキドキしながら待ち合わせ場所で座っている朝陽。
2回目ではありますが、好きな子と2人きりで遊園地だなんてドキドキしないはずもないですわな。
普通に考えればデートと思ってよいのだが、鈍い葉子さんのことだし前回のように純粋に遊園地を楽しもうとしているのかもしれない。
そのようにも考えたのだが・・・現れた葉子さんの雰囲気は前回とかなり違う。

よ・・・葉子さん。なんかいつもと服とか髪型・・・

なんだか可愛らしい感じに纏めてきた葉子さん。
束ねて編んでリボンで纏めたり、服にもリボンがついている。ほほうこれは・・・
今回は小さなカバンも持参しているし、何というかデートをしにきたって感じの服装ですなぁ。ほほう・・・
まあ、それ以上にその表情が。赤くなりつつ朝陽と目を合わせずにいるその表情が一番雰囲気を醸し出しているんですけどね。

え・・・えと。そのっ、今日はな?
華恋ちゃんが教えてくれてん。昔おとんとおかんがこの遊園地で実際まわってたコース
だからそこまわりたいなーって。

なるほど。そういう目的がありましたか。
しかし必死に目を逸らしながらそう述べる葉子さん。他にも思うところはあるみたいですねぇ。フフフ。

というわけで、今回は華恋ちゃんプロデュースのデートコースを巡ることとなる2人。
勿論プロデュースした華恋ちゃんはこっそりと2人の後をつけて遊園地の中を回る。もっと隠れて!!

変装どころかいつものいつもの制服でやってくる華恋ちゃん。
茜ちゃんの様な千里眼はないのだろうけど、もう少しどうにかならないものか。

ともかく、華恋ちゃんは朝陽と葉子さんがまだ付き合っていないことを知ったらしい。
なので悪魔として二人の幸せのために一肌脱いてあげないとと考えたらしい。やぁ、相変わらず天使ですなぁー。

そんな天使の華恋ちゃんから受け取ったのは「悪魔の書」
そこに描かれているのは遊園地のすごい細かい情報!!げぇっ!人気の乗り物の混む時間まで書いてある!!
それはそれで凄く助かるが、この悪魔の書のポイントはそこではない。
何と葉子さんの親父さんたちのデートコースと当時のエピソードまで細かく書かれているのだった。ほほう・・・!!

葉子ちゃん・・・貴女が当時の二人に興味があることはわかっていたわ。
そう・・・貴女はその情報を見逃せない・・・けどね・・・それが甘い甘い悪魔の罠なのよ!!
葉子ちゃん。貴女は両親の恋物語に興味をもつあまり・・・自分でも気付かないうちにデートしてしまっているのよ!!

それはまた甘い甘い。スゥイートなトラップでありますな。
いや、幾らなんでもこれで気付かないうちにってわけにはいかんでしょ!!
全く意識してない相手とであるならまだしも、今の葉子さんではデートという単語だけでも同様しそうである。
まあ裏を返せばそれを理解しながら――口では否定してるものの――来たわけですからねぇ。これは面白いことになりそうだ。

華恋ちゃんの考えたデートコースは、かつて源二郎と桐子さんを幸せにした実績のあるものだという。
そう考えてみるとこの遊園地はずっと変わらずここにあるってことで、感慨深いものがありますなぁ。

まずはいきなり腹ごしらえ。
この遊園地の影の主役とも言われる絶品レストラン!!
あの源二郎がかつて美味しさのあまり号泣したという逸話があるらしい。ほう。何となくオチは見えたが、ほう。
それよりもサングラスに帽子にマスクと定番の変装をしながら動きが不審者満点の華恋ちゃんの方が気になってくるぜ。

予想通り、号泣の原因は店で使われたニンニクが原因であるらしい。
葉子さんは目がシパシパするぐらいですむが、それでも涙は出ちゃいます。早くも別れ話してるみたいになっちゃった!!

そうなるんじゃないかとは思ったけど、早くも躓きを見せる銀華恋プロデュース。
まあ、まだ始まったばかりですし、2人の関係を考えれば立て直しは可能なはず・・・

というわけで、次に向かったのはホラーハウス。本物の吸血鬼なのに怖がりな葉子さんにはいい場所かもしれない。
まあ、ここには前回と同様、吸血鬼役の人がいたりするんですけどね・・・
正座させられ、ひどいセクハラや!!と説教される吸血鬼役の人。ご苦労様であります。
出てくる前に誰が来たか確認するようにしないといけなくなりそうですなぁ。可哀想に。

さて、次は華恋ちゃん曰く本命。
にぎわう遊園地から一転して、恋人たちを二人だけの空間へ誘うボート
なるほど。非常に定番でありますな。このシチュエーションを前にするだけでドキドキしている2人。いい感じだ。
まあ、ここも既に話のオチは見えた感じはありますけどね・・・

源二郎も解放感のあまり歌って踊り出したほどの場所。WOW WOW WOW WOW♪
案の定、吸血鬼は流れる水が苦手何で痙攣してただけってオチでした。うぉううぉううぉううぉう。
本当、吸血鬼は設定されている弱点が多くて大変ですわ。

というわけで、本命も失敗に終わったと悟って姿を現し、謝罪する華恋ちゃん。
後で源二郎と桐子にも謝らないとと言っている。ふむ・・・それは少し違うかもしれませんな?
確かに吸血鬼の弱点を突くようなコースであったが、源二郎もそれを分かった上で楽しもうとしていたのでしょう。
いや葉子さんのように理解せずに突っ込んだ可能性はありますが・・・まあ、それはそれ。
いずれにせよ、デート後に2人が華恋ちゃんにかけた言葉は「ありがとう」の一言だった。そこから察することは出来る。

せやんな。華恋ちゃんが一生懸命考えてくれたってわかるし。だから私もありがとうな!!

いい笑顔を見せる葉子さん。
その笑顔はかつての桐子さんの笑顔を思い返させる。
ふーむ、親子2代に渡ってこの笑顔と「ありがとう」を受けるとは。天使冥利に尽きますなぁ。

というわけで、悪魔の書を用いてのデートを継続する2人。
次に向かうのは観覧車。お?観覧車と聞いて葉子さんの動揺が大きくなったぞ?凄く可愛い。
まあそれもそのはず。事前にそこでのエピソードの内容は確認していたでしょうからねぇ。
朝陽も観覧車に乗り込んでからようやくそのエピソードについて目を通し――ドキドキしだす。

この観覧車は源二郎が初めて相手の血を吸った場所らしいわよ!

華恋ちゃんのここだけの話として書かれたエピソード。
ほう・・・これはこれは・・・
吸血鬼にとっての吸血はキスのようなものであるという。
その初めての行為を果たした両親の思い出の場所に気になる男の子とやってきた葉子さん。これは・・・どうなるのか!?

葉子さんが全体的に可愛さを上げてきている今回。
話の展開もぐっとラブに寄せる引きとなりました。いいぞいいぞ。
しかし告白も上手くいっていない状態でそこまでのステップアップを敢行できるものかどうか。
幸い狭い観覧車である。ここならば朝陽が告白を開始しても葉子さんは逃げることができない。さすがに飛ぶわけにはいくまい。
このまま一気に告白。そして吸血行為。その流れに持ち込める可能性は十分あるが・・・どうなりますか。注目です。



第70話「答えを出そう!」  (2014年 31号)


吸血鬼への弱点攻めかのようなデートコース。
華恋ちゃんとしては全く意識していなかったのだろうが、過酷なコースでした。
しかしさすがに観覧車に弱点となる要素は無い。
となれば今までの分を取り戻すべくムードが高まるのも不思議ではないって話である。そう、吸血行為に及ぶ程に高まっても・・・!!

というわけで、ちょっとだけ回想。
華恋ちゃんから遊園地のタダ券を譲られた時に既に朝陽とのデートを意識していた葉子さん。そりゃするわな。
いつもの光の巨人のような戦闘ポーズで恥ずかしがっておりますが・・・
茜ちゃんの一言で行くことを決意する。

いい機会とは思わんか?いつぞやの私の課題の答えを見つけるには。
結果、答えが見つからんでもいい。別に両親の思い出の地を観光気分でまわろうと構わん。ただ2つ覚えておけ。
決して時は止まらん。そして勘違いするな。
いくら両親の物語をなぞろうとも、それは白神源二郎と白神桐子の物語ではない。
紛れもなくキサマ自身の。白神葉子と黒峰朝陽の物語なのだ

普段は好き放題やっているのに時折年長者らしい含蓄のある言葉を送ってくれるのでこの人は困る。
興味本位な部分も多かろうが、大事なことをちゃんと言ってるわけですからねぇ。

というわけで、意を決して朝陽をデートコース巡りに誘い、そして今ドキドキの観覧車。
もちろん華恋ちゃんの悪魔の書は事前に読んでいた葉子さん。
普段と違う服や髪型、それに赤面しながらの逸らし目などは間違いなくこのことを意識していたと思われる。ほほほ。

こ・・・これは期待しちゃっても・・・いっ、いや!!期待とか待っててどうするんだ!!
これはきっとチャンス・・・なら自分から動くんだ!!

ヘタレな部分は確かにあるが、こういう時に前に出ようとすることが出来る朝陽は凄いと思う。
まあ、切り出し方が――会話のジャブが下手なのは分かっていたことではありますがね・・・
葉子さんは葉子さんでドキドキすると思わず逃げ出しちゃう子だし、会話の誘導など出来ようはずもない。うーむ!

葉子さんが今何を考えているのか、何のつもりで今日ここに誘ってくれたのか知りたい朝陽。
確かにそれが分かりさえすればもっと自信を持ってアタックもできましょう。
でも残念ながら葉子さん曰く何の考えもなしに来てしまったらしい。
ふーむ。そのようにこの場では言っていますが、そこまでおめかしして何の考えもなかったは・・・通じないんじゃなくて?

まあ、葉子さんは葉子さんで朝陽がどういう想いでいるのか計れずにいるようですしねぇ。
周りは・・・親ですら朝陽の想いを理解しているというのに、当人である葉子さんは理解せずにいる。
自分への自信のなさがそうさせているのだろうか・・・
大丈夫!くーるびゅーてぃーでもアホな子でも好きな人は好きなんだからさ!!自信持とうぜ!!

そんな慰めは届かないし、今この場で言っても仕方がないか。
似たもの夫婦と言うか、色々と残念な部分が被る2人は会話のジャブが苦手なところも共通している様子。
こういう時こそ藍澤さんが間に入ることで・・・いや、やっぱりややこしくなるからそれはいかんか。

さて、ここで茜ちゃんのことを思い出す葉子さん。
あの茜ちゃんがのぞき見してないはずがないと考える。どうせ隣のゴンドラから・・・と視線を外に向ける・・・が。

うぁっ、うぉおっ!?思いっきりキスしてる!?

やはり世のカップルとしてみればムードを盛り上げる絶好の場所なんでしょうなぁ。
いきなりのキスシーン目撃に動揺して盛大に羽を飛び出させる葉子さん。
狭い観覧車内で飛び出させたおかげでぶつかって体勢が崩れ、朝陽の方へと倒れ込む。
急速に接近する顔と顔。これは・・・・・・

あかん。あかんよ!こんなんでキスしたら!!キスする時はもっとちゃんとっ・・・!

ラブコメなんだからこういう流れも・・・と思ったが、葉子さんの緊急回避でそれは避けられた。チッ。
しかも盛大な照れ台詞も頭突きがキレイに入ったことで朝陽の耳には入っていない様子。痙攣してるぞ朝陽!!ビクンッ。

盛大に鼻血を吹き出す朝陽。おやおや。
さらに葉子さんも逆のゴンドラに茜ちゃんを見つけようとしてそこでもキスシーンが展開されているのを目撃して・・・
驚いた結果の壁反動からの朝陽への衝突で自身も鼻血を流す羽目になる。アホよのう。

・・・おとんが初めておかんの血を吸った場所で、血を吸うどころかなんで二人して私らは鼻血出しとるんやろ・・・

重い空気に包まれる観覧車内。何をやっているんだか。
そもそも茜ちゃんには千里眼があるのだからわざわざ隣のゴンドラから見えづらい肉眼で見なければいけない理由は無い。
まあ、でもかぶりつきで見たいらしく、朝陽たちのゴンドラの上に張り付いていたりはするんですがね。こりゃ見つからんわ!

結局ドタバタしてしまう2人。
だけど実際には好き合っている2人ですからねぇ。ちょっとしたことですぐにドキドキムードに展開することは出来る。
葉子さんのおとんとおかんみたいにうまくいかないという呟き。
それを聞き、やはり親父さんとおふくろさんのように、ここで・・・と改めて意識し出す朝陽。
ふむ。葉子さんも自分が口にした内容に気付いて慌ててしまっているようですな。
が、慌てると思わず逃げに入ってしまうのが葉子さんの悪癖である。肉体での逃亡が出来ないのなら、誤魔化しによる逃亡
ここに来たのはただおとんとおかんが昔行ってたところに興味があるだけ。
今日だって別に朝陽がこなければ一人でも来るつもりだった、などと言い出してしまう。おやおや・・・

素直というか、こちらも自分への自身が足りないのか、その葉子さんの誤魔化しを真に受ける朝陽。
女の人のそういう拒絶の言葉は本気にしてはいけないなどとは言われますが・・・慣れていない朝陽にはまだ分かりませんかなぁ。
いや私も詳しく知っているわけじゃないんですけどね。伝聞伝聞。

つい言ってしまったその場を誤魔化す発言。
そのおかげで何やらしょんぼりというか、気落ちした感じの朝陽の表情。
それを見て葉子さんもまた傷ついた様子を見せる。
ふーむ。やっぱりこういうことは真剣に向き合わないと痛い目にあうのですなぁ。
観覧車も丁度一周してしまおうとしている。
この気まずい空気のまま終わってしまうのだろうか・・・両親の思い出の場所で、娘は失敗の思い出を作ってしまうのだろうか。
いや・・・茜ちゃんも言っていたように、今は両親は関係ない。
整理はついていないが、このまま終わるわけにはいかない葉子さんは朝陽を引き留め・・・そのまま不意に・・・

思わぬ不意打ち
この流れで葉子さんからのキスが飛び出そうとは・・・!!
あの茜ちゃんが思わずお菓子を零すほどの衝撃でありますよ。き、キタァー!!

嬉しそうに走り出す茜ちゃん。
勧めはしたものの、ここで一歩踏み出すとは悪魔の目を持ってしても見抜けなかったようですな。
いやあ読者としてもまさかここでこう来るとは・・・茜ちゃんの感想に同意せざるを得ないな。きおったわぁーっ!!

吸血行為ではないが、それ以上にハッキリ意識することになる行為に及んでしまった葉子さん。
事故でのキスではないし、これは誤魔化しも効かないだろうが・・・さてどうなるのか。

しかしこれで増田先生は連載3作品続けてのキスシーン。
しかも女性の方からの不意打ちキス連続でありますな。
男の方に意気地がないとかそういうわけでもないのにこれは一体どういうことなのか。
くっ、嶋がこの間キスまで決めていれば連続を止めることも出来ただろうに。いや、ごめん。やっぱそれは無しで。

それはさておき、次号は表紙&巻頭カラー。ついにチャンピオンの表紙を飾ることとなりましたか。感慨深い。
さらに人気投票が開幕であります!!おぉ・・・
気になるキャラが多いこの作品。結果が実に気になるところでありますが・・・うーむ、予測がつきにくいな!!



実は私は 9巻


第71話「答えを出そう!!」  (2014年 32号)


久しぶりに続き物タイトル。
前回のあらすじを一言で述べるならば、キスした。となる。しちゃった!!
茜ちゃんもキタキタキタキタと駆け回る驚きの展開。
しかしやらかした葉子さんはそこでまたもや逃走。翌日となるのであった。

校長室では赤面してプルプルふるえる葉子さん
それを見ながら楽しそうにニヤニヤしている茜ちゃん。
おやおや。藍澤さんではなく葉子さんの方がプルプルしちゃってましたか。ハハハ。

茜ちゃんとしては思わぬ収穫があって非常に嬉しそうである。
焚き付けはしたものの、また無駄足になるかと覚悟していたんでしょうな。
それがまさかのちゅーですからねぇ。んちゅー。
若者の恋に癒され、生き返る。長生きしているだけあり感想が年寄り臭いですなー。
まあ紅本先生の、私もこんな学生時代送りたかったなぁ・・・も年齢を感じさせるものでありますが。とっても分かります。

さて、あれだけのことをしたわけでありますが、葉子さんの気持ちに整理はついたのだろうか。
茜ちゃんから出された問題の答えは出たのだろうか。
激しく動揺している様子を見るとまだ難しそう・・・とも思ったのだが・・・

も、もし仮にその答えってのが出てても、私が最初に話さなあかんのって茜ちゃんやないと思うし

ふむ。それはその通りでありますな。
いや、その答えが聞けただけでも進歩は感じられますよ。
少なくともその答えを出すために動き出したってことですからねぇ。ほほー。

茜ちゃんとしては葉子さんが自分から動き出すことには期待していなかった様子。
恋愛面でも結構なポンコツですからねぇ。それが予想を覆してくるのだから・・・天然は怖いというかアホは怖いというか。

・・・さて、キサマはどうするのかの?藍澤よ

茜ちゃんの傍、葉子さんには死角になる位置で座り込んでいたのは藍澤さん。おやおや。
知った時にどのような反応をするかとは思ったが、そこまでは取り乱していないですな。
まあ願った展開であるわけだし、気落ちはすれども・・・といったところか。

自分がその事実を知ってもまだ諦められないことは分かっている。
だけど、それを理解していてもどうすればいいのか分からないという藍澤さん。切ない話だ。
そんな藍澤さんに対し、茜ちゃんはよく言われることを語る。
そう、恋は戦いだの戦争などという常套句だ。

恋は戦い・・・戦争・・・だと・・・!?
な・・・なるほど・・・ちゃんと戦わねばちゃんと負けることも出来ない・・・
校長の言う通りだ・・・私は葉子君を気遣うあまり自らの行動を限定していた・・・なんと愚かなっ!!
相手がどんな強者であろうと弱者であろうと、全力を尽くすのが礼節だというのに・・・!!

何だかキーワードが見事に藍澤さんのツボに入っちゃったみたいですね。
これは茜ちゃんも想定外。焚き付けるつもりはあったのだろうが、さすがにこの火の付き方は想定外の様子。
やあ、若者は色々と想像を超える動きをしてくれるものですねぇ。ハッハッハ。

さて、葉子さんとしてみれば自身の想いについてはもう目を背けるわけにはいけない。
しかし・・・やはり気にかかっているのはひとつ。
藍澤さんが葉子さんを気にするように、葉子さんもまた藍澤さんを気に掛ける。
恋愛と友情。まことに難しい問題であります。

それはさておき、葉子さんが教室の扉を開くと藍澤さんが窓の向こうで宇宙船を横付けにして待っておりました。何でっ!?
いやまあ、この扉を開ける場面で次のページに引くのだから、何かがあるとは思ってましたけどさ・・・
若者は色々と想像を超える動きをしてくれるものですねぇ・・・ハハハ。
まあ、それはさておき宇宙船から顔を出した藍澤さんは葉子さんに言うべきことがある。

葉子君、今から話すのは君に対する宣戦布告である!!
葉子君!!以前君は私に言ってくれたな。気兼ねする必要は無いと!!
だから・・・君にはちゃんと伝えようと思う!!どうか聞いてくれ・・・
君はすでに知っているかもしれないが、実は・・・
実は私は、藍澤渚はっ・・・黒峰朝陽が好きなんだ!!どうしようもなく好きなんだ!!
そして・・・以前私は君に言ったはずだ!!もしいつか君が何かを自覚する時が来たらその時は私に気兼ねなど不要だと!
だから気兼ねなく聞かせてほしい!!君の気持ちを!!

盛大な藍澤さんの叫びに、赤面して目を逸らす葉子さん。
思わず誤魔化してしまいそうになるが・・・これまでのことを思い出してしまえば・・・もうそれはできない。
もう自分の想いを誤魔化すことが出来る段階ではない。思い出を遡ってみれば、それで分かってしまうことがある。

・・・そんなん。そんなんホンマはずっと前から・・・!!
・・・渚ちゃん。黙っててごめん。
実は・・・実は私は、ずっと前から私、朝陽君のことが好きでした!!

とうとう、葉子さんの口からその想いが発せられることになりました。
やあ、教室の窓を挟んで女子二人が盛大な告白を行うとは。青春ですねぇ。
当の朝陽本人を置いておいての盛大な告白劇ってのもアレですが。

ついに白神葉子と藍澤渚の両名が並び立ったという感じですね。
良くも悪くも恋愛レースは本番に突入したというところでしょうか。

しかし後半の暑さはいかにも増田先生らしい感じでありますな。
これは朝陽としても本気の告白で迎え打たねばならないでしょうが、どうなるか。
いや、朝陽の既に想いは定まっているのだし、普通に考えれば藍澤さんに勝機は無い。
それでも全力で挑むのが藍澤さんの礼節ということだろうか。
でもそこに第三勢力。既に告白済みのあの人が絡んで来たらどうなるか・・・ううむ、分からなくなりそうですな。
どの部分に落ち着くのか。表向きには何も変わらないのか。それとも・・・今後が気になります。

という盛り上がりの展開の中で、やってきました第1回の人気投票開催!!
好きなキャラクターを3人選んでの投票制。
好きな順番に並べる必要はあるが、3人選べるのは嬉しい所であります。
さてさて人気ナンバーワンは誰になるのか。
結構順位は予想しづらいんですよね。人気そうな人は想像がつくのだが・・・うーむ、結果が楽しみだ!!



第72話「励まそう!」  (2014年 33号)


葉子さんと藍澤さんが開戦宣言を行っているころ、その対象である朝陽は・・・プルプルしていた。こっちもか!
された方の反応はどうなんだろうかと思ったらした方と同じとか。どこまで似た者同士なんだか。

からかい半分以上の茜ちゃんに連れて行かれた葉子さんとは違い、祝福してくれる友人たちに囲まれる朝陽。
あ、祝福できるだけの余裕がない人もいますね。夢じゃないから静まれ嶋。

しかし親友たちとはいえよくこんな報告が出来たものだ。
と思ったけどアナザルだからなぁ。様子がおかしいから何かあったのか尋ねればすぐに口にしてしまうか。
赤面してるのは思わずそのことを公開してしまったこともあるのかもですな。

で、廊下でそんなことを言っているわけだから誰に聞かれているとも知れない。
自分に好意を持っている人に聞かれているかもしれない。ふむ・・・辛いですな、みかん。

わかってたわよそんなの。いつかこんな日が来ることくらい
だって下の名前で呼び合ったり、二人の距離が近付いてるのはわかってたから。

傍から見ても2人が想い合っているのは丸わかりですものねぇ。
朝陽は一途であるし、相手との仲も良好。これは割って入る隙はないように思える。
心配する凛ちゃんにはこっから大逆転してやるんだからと笑顔で応えるが・・・うーむ。

落ち込むみかん。その視界に入ってくるのは・・・ハトとメガネ。とサングラス。ま、また新たな福の神だと!?
既に福の神には碌なのはいないのは分かっていたが、今回の幸福請負人フクの介先輩もまたダメそうな感じだ。

少々小言を言わせてもらうが、傷ついたレディをなぐさめるのは福の神の仕事じゃないぜ。

それはそうかもしれないが、数々の女性と浮き名を流すのも福の神としてどうなのか。
自覚しているかのような口ぶりであるが反省は全くしていなさそうなのが困りものだ。

そんなフクの介先輩に優しく抱きしめられるみかん。スコッ。
見ず知らずのサングラスにいきなり抱きしめられても気持ち悪いだけだと思うんですがその辺りはどうなんでしょうか。
実際みかんには気持ち悪がられて捨てられてますし。ペッ。
フクちゃんも先輩の一体何が・・・じゃないよ。

続いての登場は幸福百科事典改め変態のフク太郎先輩。
変態らしく相変わらず基本はラッキースケベである様子。いやまて。どう見てもラッキーじゃなくて能動的だろうそれは
事故でも何でもなく自ら胸元に飛び込んでいくのは感心しませんな。叩きつけられても文句は・・・いや、喜びもするな!!

なんであれで福の神なの!?と今更な疑問を口にするフクちゃん。
うむ、まあそもそもフクちゃんからして福の神であるかどうかという疑問がありますからねぇ。
いや他の先輩に比べればかなりマシではあるのだが・・・
性格と能力は関係ない・・・いや、そんなレベルの話じゃないな。そっとしてあげてくれ!!

そういう意味ではさすがに真打の幸福大先生フク蔵さんは分かっているといえるのかもしれない。
危険を感じてスルーしただけかもしれないが、まあそれが結局のところ正解でありましょう。
自分の未来は自分で切り開いていくもの。それしか幸せへの道は無いものである。最後にいいことだけ言っていきおった。

福の神たちが役に立たないのはいつもの通りであるが、最後の言葉だけは聞くべきところがある。
自分の未来は自分で切り開く。みかんの未来を切り拓くのはみかん自身である。いや、自身とは限らないようだ。

ならせっかくだしあたしの未来はあたしが切り開かせてもらおうかしらね

そう言いながら電柱の陰に隠れるようにして背を向けているのは・・・未来のみかん!?
うーむ、現在のみかんが未来にいけるのなら逆に過去に遡ることもあるという話か。それはそうだ。
しかしまさか直接話したりできるとは・・・タイムパラドックスとかは考えなくてもよさそうですな。

自分も50年くらい前、朝陽と葉子さんがキスしたと聞いてショックだったと述べる未来のみかん。

たとえ本当は自分が朝陽を振り向かせるなんて無理だと思っていたとしても。
本当は無駄って思ってるから駄目元で思いきりアタックできただけ。
凛のことだって本当に自分の孫だとしても、「おばぁちゃん」は父方母方二人いるし、
もしかしたら「近所のおばぁちゃん」かもしれないって――
実際、あたしと朝陽は結婚してないしね

おぉっと、ここで明らかにしますかそれを。
父方母方のそれや近所のおばぁちゃん説は確かに出ていましたが、結婚していないことを明確にするとは・・・
さすがにそれを聞かされると現在のみかんも冷静ではいられない。
あんたがどうだったかなんて知らないけど、あたしは朝陽のこと諦めたりしない!と叫ぶ。
例えここから大逆転して朝陽と付き合うなんて未来がないとしても・・・

いいじゃない。朝陽が誰と付き合おうとも。
最終的にあたしが嫁になっちゃえばいいんだからさ

ニヤリ・・・と笑みを見せてそんなことを言いだす未来のみかん。は?
な、なるほど。付き合う未来がないのならばそれを飛び越えて嫁になればいいという発想か!
終わり良ければ総て良し。そのポジションに最終的に収まれば勝ちと!!

未来みかん「ほれ考えてもみなさいよ。家事全般とか白神さんに負ける気する?
現在みかん(全く負ける気がしない!?)

なるほど・・・確かにその手の勝負ならば負ける要素がない気がしますなぁ。
ってえらい言われようだなメインヒロイン!!
葉子さんだって焦ったり余計なことをしようとしなければ人並みぐらいには家事をこなせる可能性もなくはないと思われるのだぞ!?

それにしても未来みかんは自分は結婚していないのに、過去のみかんに嫁を狙えという。
ふうむ。過去に干渉して時の分岐点が生じるパラレルワールドの設定が入っているわけですな。
それならば凛ちゃんの未来があったとしても、これからの未来がどのようになるかは分からないわけだ。
タイムトラベル関係はこの辺を考察するとややこしいことになるのだが・・・まあ、深く考えずに楽しみましょう。

要するにあんたの選択次第じゃあたしとは違う未来に進むってこと。だから全然可能性あるってことよ

なるほどねぇ。諦めさせるどころかむしろ勇気づけに来たって感じでありましたか。
未来みかんは今でも頑張っているというが、その結果が凛ちゃんからおばぁちゃんと慕われるようになったってことだろうか。
まあ、結婚してないけど朝陽の子を産んで孫も出来たという可能性もあるが、いやいやそれは・・・

てな感じで、みかんも何だか吹っ切れた様子であります。
どうせ駄目だとどこか諦めた様子でのアタックではない。ここからは本当に最終的な勝利を目指してのアタックとなるわけだ。

虎視眈々と狙ってやろうじゃないの。一発逆転、朝陽の嫁の座!!

みかんもまた、戦闘意欲を燃やすこととなりました。
けれども、動き出しているのはみかんだけではない。
未来がどうなるかわからない、可能性は他の子にもある。となれば・・・

校長室。そこを訪れた藍澤さんは茜ちゃんに頼み事をする。

2週間後に控えた修学旅行
そこで私と黒峰朝陽が二人きりとなった時、もう一度私の本体を大きくしてほしい
もう一度生身で彼と向き合いたいのだ・・・!!

おやおや、これは大きな勝負に出てきましたね藍澤さん。
生身で剥き合うとか大胆な・・・いや、そうじゃないでしょっと。

修学旅行は男女関係を進める大きなイベント。
一つ屋根の下に泊まることになるし、二人きりになる機会も確かにあるかもしれない。
さてさて戦う覚悟を決めた藍澤さんはどのような行動に出るのか。
今はまだ冷静でもいざとなった時に動転せずにいられるのかどうか・・・
キスまでいければ葉子さんと横並びになれる可能性もありますが・・・さてさて。どうなりますかな。



第73話「メイド喫茶に行こう!」  (2014年 34号)


女性陣が次々と戦いの意志を見せていく中、男どもはメイド喫茶を発見していた。おやおや。
ある意味女性陣に負けないぐらいに積極的ともいえるのは嶋。元気だなー。

メイド喫茶で修学旅行の自由行動を決めることにする様子。
朝陽が白神さんに告るで決まりだろとか岡は言うが、他の3人はそれを見学しているつもりなのか!?

気にはなるけど、とりあえずメイド喫茶である。
実際はどういうものかはよく知らないが、入口で並んで待機して出迎えてくれるとはご苦労様なことであります。
まあ、ご主人様の帰りを出迎えるという流れなのだからこれが普通であるか・・・

お帰りなさいませご主人共・・・!!

何か・・・何かいた・・・
入口を通り抜けただけなのに4人の表情から生気が消えるような何かがいた!!
さすがにこれは気のせいだったということにしておきたい。
注文を受け取りにきたメイドさんは普通だったし、うん。気のせいということにしておきましょう。
ここは落ち着いてサービスを受けるべし。おいしくなーれ。おいしくなーれ。

お、おいしくなりやがぁれ・・・!!

プルプルと引きつった笑顔を見せてくれるメイドさん。
あー誰かに似てますねー・・・っていやいや。何で高校教師がメイド喫茶で働いてるんだよ!!
家計で困っているってことは、あまりない、はずだけど、にしても副業でもこれはあるまい。
ああ・・・茜ちゃんが絡んでいるなら何でもアリか・・・

とにかく、紅本先生のことはなるべく考えないようにする4人でありました。それが正解だな。

修学旅行での予定を話し合う。
気になるのはやはり朝陽の恋模様ですな。この修学旅行で何とか葉子さんとの仲をハッキリさせたいところ。
キスまでした仲とはいえ、葉子さんのことだから最悪なかったことになってるかもしれない。そんな危惧をする朝陽。
うむ、今までのことを思えばさもありなん。
まあ、藍澤さんのおかげで葉子さんも一皮むけた感じでありますし、そういうとぼけ方はしない・・・といいなぁ。

話し合っている最中に特製メイドオムライスが届く。
メイドさんによる萌え萌えメッセージ入り。皿にも随分な勢いでケチャップ入りますのね。
そして安定の紅本メイド先生のメッセージ。立ち去れって。ケチャップなのか血文字なのか分からんよ!!

さすがに紅本先生も生徒たちには早く立ち去って欲しい様子。
これは朝陽たちも早く平らげて逃げなければ。

じゃねえと俺・・・もう限界だわ。さっきから笑いこらえるのに必死でよ・・・

プルプル震える岡。恐怖とかではなく、そっちで震える辺りはさすがに岡というべきか!

頑張って早く食べて出たいのだが、追加注文が来てしまう。
自分たちで頼まなくてもあちらのお嬢様が余計な気を利かせてくれたりするのだ!!何やってくれてるの茜ちゃん!!
そういえばさくらさん達はまだ茜ちゃんが校長とも知らないんでしたっけかね。

さて、その追加注文。特製メイドビビンバを「あかりん」がまぜまぜしてくれます。あかりんって!!
まあ、明里ですものね。そりゃあ、あかりんにもなりますよ。うん。く・・・くく・・・

それにしても、いやまさか。
罰ゲームか何かぐらいにしか思ってなかったが、自分の意志で勤めていらっしゃったとは。
なるほど。可愛いお嫁さんになるための花嫁修業であったわけですな・・・なるほど。

なんでいい歳してメイド喫茶で花嫁修業してんだよ・・・?

うむ、岡のいいたいことは凄く良く分かる。良く分かるけどこの場で言ってはダメだ岡!!

色々と大変なことになっている店内。
しかし朝陽も怯えすぎではありますまいか。暴れっぷりを良く知っているとはいえ。
紅本先生も何だかんだで可愛らしいところあるわけですし、そんなに怯えなくてもいいのではなかろうか。
まあ、今の姿が似合っているかどうかは・・・うん、コメントを控えざるを得ないわけであるが。
せめてその引きつった表情さえなくなればよいのだが。
開き直ってしっかりとした笑顔を見せてくれればひょっとしたら・・・あ。

ご。ご主人様。う、うれしいにゃん。ありがとにゃん☆

ひ、開き直られた。が・・・こ・・・これは・・・!!
うむ、紅本先生がこのように正面きって挑んでくれた以上は・・・岡も顔を伏せているわけにはいかんな。
茜ちゃんと並んで指さして大爆笑だ!!はははははははははははははははははははははははははははは!!

すっごく外道面で爆笑する岡。茜ちゃんと並ぶと凄く映えるなぁー。
分かってはいたけど、岡も結構外道な面がありますよね。
なんだろう。みかんに気があるのはそういった面での親近感からだったりするのか・・・!?

何はともあれ、成敗完了。
メイド喫茶ならぬ冥土喫茶だったというオチがつきました。おやおや。
怖いのはあのメイドだけとのことであるが、全く動じない他の先輩たちも凄い。
鍛えられているというか何というか・・・先のお料理教室のように茜ちゃんの関係者の店だったりしないか!?

次回はあの人がついに真の姿を見せるとのことであるが・・・だ、誰だろう。
何となくさくらさんにスポットがあたりそうな気がしないでもない。さくらさんの真の姿は・・・気になる!!



第74話「勝負しよう!」  (2014年 35号)


私、藍澤渚は修学旅行で黒峰朝陽に告白しようと思う

冒頭からいきなりの爆弾発言。
これには葉子さんもおかしを広げながらおぉう・・・!!と返すしかない。おいメインヒロイン。
まあ、確かに電話でいきなりこんなこと言われたらビックリするでしょうけどねぇ。

しかしさすがに藍澤さん。やると決めたら随分と積極的になっている。
断られることを恐れ、今の関係が崩れることを恐れて消極的になっている葉子さんとは違う。
葉子さんもその臆病は自覚しているので、藍澤さんに問う。怖ないん?と。

・・・そうだよ。怖くないと言えば嘘になる。
だが、不思議と清々しい気持ちだよ。今まで視界を妨げていた霧が晴れたように・・・!!

ふむ。随分と爽やかな気持ちになっているようですな。
藍澤さんの場合は恋の悩みと同じだけ友人との関係を保つための苦しみに苛まれていたわけですからねぇ。
その友人である葉子さんに宣戦布告をし、勝ち負けは二の次と考えたことで随分と楽になれた様子。

そう。きっと大事なのは私の心・・・私が納得出来るか否か。全力を尽くしたか否かなのだろう。
己との戦い。もしかするとそれこそが勝負の本質なのかもしれないな

茜ちゃんの言葉が――本人は意図したものではなかったが――藍澤さんにはピタリと嵌ったようでありますな。
まあ、自分が納得できるかどうかってのは恋愛の本質な気がしますしね。
未練を残すようなことだけはないようにしたいものです。

てなわけで、他の者は関係ない!!私の道を進むのみ!!と前を見据える藍澤さん。
しかしその見据えた前に映ったのは、朝陽に結婚を申し込むみかんの姿であった。

プロポーズだとぉぉぉぉぉおおおっ!?

さすがにこれは関係ないとか言っている場合ではないですわな。驚いても当然である。
言われた朝陽の方も驚いている状態ですしねぇ。
ゆるふわ唐突プロポーズで彼のハートをつかんじゃえ♪とかアオリにあるが、実際やられたらビックリしすぎて困りそうだ。
まあそれはさておき、藍澤さんに立ち聞きされたと気付いたみかんは・・・

・・・あたしが白昼堂々プロポーズしてた高校2年女子ですが、何か?

赤面してプルプル震えながらそう述べるみかん。うむ、さすがに恥ずかしいか!
嫁になるために精力的に活動・・・というかダイレクトアタックを仕掛けていたみかん。
うむう、さすがに付き合ってもいないのに相手にプロポーズは・・・人に知られたら恥ずかしいわな!!

それはそうと、この出来事でみかんが朝陽のことを好きなのがわかった藍澤さん。
福の神の時からもしやとは思っていたらしいが、ここで確信に変わったようですな。
そしてその態度からみかんの方に藍澤さんの恋心が感づかれる結果となってしまいました。おやおや。

わ、私はまたしてもなんとうかつなことを・・・それをこのような危険な相手に・・・

いやまったく危険な相手である。
確かにライバルといえる存在であり、そう宣言されるのであれば受けたという気になる。
けれどからかわれるとすぐに熱くなるのが藍澤さんの悪い癖である。相変わらず司令官に向かない子だ。

付き合ってはいないはずだが非常に積極的な攻勢をかけているみかん。
藍澤さんは知らないことではあるが、これが一度フラれたものの強みということでありましょう。
これまでの藍澤さんはみかんのことをひねくれ者で素直さなど皆無だったと思っている。
まあそれは確かに事実だったのだけど、何だかんだでフクちゃんの登場で色々変わりましたよ。これが。

どう?藍澤さん。プライドの高いあんたにはこんな真似出来ないでしょ?

そのように考えるみかん。
うむ、確かに藍澤さんはちょっと煽れば乗ってくるほどにプライドが高い。
けれども根は素直なので自分でも思わぬうちに素直な行動に出てしまう。
だからみかんが朝陽の腕を取れば、藍澤さんも同じようにしてみたりする。ほほう・・・!!

正直このシーンの藍澤さんが可愛らしすぎて朝陽が羨ましくなったと語っておきましょう。

とはいえ、2人の攻勢に晒されて相変わらずの苦労を見せている朝陽。
藍澤さんに至っては宇宙船を使って朝陽を連れ去ろうとしたりしている。な、何を!?

両親が留守の自宅に招待するみかんに対し、私なら両親に紹介するがな!!と述べる藍澤さん。
うむ、藍澤さんらしい律儀な話でありますが、この後先考えない行動・・・やっぱり実に藍澤さんらしい!!
というか、両親関係でいうと葉子さんは既に紹介も済んでいるって状態なんですよね。
今でこそ出番が少ないが、やはりメインヒロイン。しっかりリードは保っているということか。

さて、両親のことはさておき、みかんの攻勢はさすがに激しい。
口封じと称してキスを迫ってみたりと、大胆さに磨きはかかる一方。
まあ、結局のところみかんも奥手な感じなので、言うほどには押しきれない感じですがね。ハハハ。
とりあえずこの場は藍澤さんに対して優位性を見せつければいいという感じ。
なのだが・・・この行為は藍澤さんに火をつける結果になってしまったようですな。

私・・・だって・・・私だって・・・

葉子さんが既にキスを済ませたことは知っている。
直接目撃したわけではないが、そのことを思い出せば胸が締め付けられるような状態になっても仕方がありますまい。
そして煽られた藍澤さんは真っ直ぐ朝陽のもとへと向かい、その顔を固定して顔を近づけ・・・

ってそんなこと出来るかぁぁぁぁああああっ!!

思いっきり頭突きをかます藍澤さんでありました。またこの流れか!!
この後で葉子さんはキスまで至るわけでありますが、さすがに藍澤さんの頭突きは威力があるのかダウンする朝陽。ナイスヘッド。
でもこの行為により、次は本番に至れるというフラグが立ったと見ることは出来る!!
朝陽はキスする度に頭突きされないといかんのかという話になるが・・・まあ、そのぐらいは我慢してもらおう!!

ともあれ、藍澤さんとみかんの対立は確定的なものとなりました。
朝陽もダウンしたことですし、大きな声で相手を煽れます。

黒峰朝陽と幼馴染なのだろう?今までいくらでもチャンスがあったものをどうせ外道ぶって見逃してきたのだろう!?
それを今更。無様だな!!

まさに図星の指摘。しかし藍澤さんがそう来るのならばみかんはこう返す。

あんたこそ一回朝陽のことフっておいて、何!?後悔とかしちゃってんの!?みっともないったらありゃしないわねぇ!!

双方笑顔ながらなかなか激しいことを述べておられます。
うーむ、やはり女の戦いは怖いですなぁ。

てなわけで、この決着は修学旅行でつけるとのこと。
まさに竜虎相搏つ。激しい女の戦いの勝者はどちらか!!
アレ?藍澤さんは冒頭にも誰かに宣戦布告していたような・・・
オロオロと小さなコマで彷徨う葉子さん。これがメインヒロインの姿であるか!!何ともはや。

まあ、葉子さんのハッキリしない態度はさておき、その立ち位置はやはり有利な位置にいる。
何よりも大きいのは現在朝陽に想われていることであるが、藍澤さんとみかんの双方に友人と思われているんですよね。
その藍澤さんとみかんは反りが合わないようであるが、その両者とも上手くやっている葉子さん。これが人徳か・・・?
まあ、恋の話になるとそれはまた違うのが普通でありますが・・・さてさてどうなりますか。
修学旅行編・・・楽しみにするとしましょう!!



第75話「修学旅行へ行こう!」  (2014年 36+37号)


ついにやってきました修学旅行当日!!こいつはワクワクが止まらんでー!!
女同士の戦いの開戦日であるはずだが、それはそれとして楽しみで仕方がない様子の葉子さん。
バスの中でゴーグルにシュノーケル装備と早くも気分は南国だ。
獅穂さんに至っては既にビキニ姿でございます。電車での移動じゃなくて良かった!!

どうやら修学旅行先は南国らしい。ほほう。豪勢なことですな。
というわけで南国の正装として移動の前からアロハシャツを着ている藍澤さんに岡。何故この2人が!!
はしゃいでいるためなのかツッコミ待ちということなのか。両側にツッコミ入れることになる朝陽は相変わらず大変だ。
しかし藍澤さん、朝陽の隣といういい席もらってるなとか思ったが補助席なんですな。
というか後ろの子もその後ろも女子が補助席に座っている感じであるが・・・女子が多いクラスだったりするのか?

それはさておき、朝陽もツッコミつつ内心では思いっきりはしゃいでいる。
なんせ学生にとっての一大イベント修学旅行!!それも南国!常夏!!青い海!!!
まだ3月頭であるが、旅行先では真夏の解放感を味わうことができるわけです。こりゃはしゃがない手はない。

予想通りっていうかなんていうか、あれ以来葉子さんとはまともに話せてないけど、うやむやになる前になんとかするんだ。
高校2年生最後のイベント、この修学旅行で!!

そのように意気込んでみましたが・・・空港で一同を待ち受けていたのは激しい雨。雨天欠航!?
これには浮かれていた面々も思わず整列して唖然呆然愕然。
一応欠航が決まったわけではなく、運航見合わせという状況でありますが・・・おお、沈んでる沈んでる。
これには普段元気な獅穂さんですら落ち込む。肌を晒している余裕もないのか上着を羽織ってしまっている!!まあまだ寒いしね。

クラス全員が沈み込んでいる。そしてそれはこの人、紅本先生も例外ではなかった。あなたもアロハ組か!!
いやそれはさておき、この雨は自分か茜ちゃんが原因かもしれないと述べている。これは一体どういうことだろうか。
一応校長は修学旅行に付いて来れないことになっているらしいが、いや茜ちゃんなら自力で勝手にこれそうであるが、ともかく――

黒峰は覚えているか?こないだ私が校長の角へし折っただろ。それ以来な・・・?
あぁなんておそろしい・・・一点の曇りもなく私の体調とか気遣ってくるんだ・・・!!

まるで登場時の猫を被っていた時のような可愛い顔で紅本先生を気遣う茜ちゃん。まさかまたこの姿を拝めようとは・・・!!
それにしても気遣いをすると聞いただけで気味が悪いと思われる茜ちゃん。普段の行い故とはいえこれは酷い。
雨でも降るんじゃないかとか言われているが・・・
そうか、あのババァがいつもと違っていいヤツだから、だからこんな大雨が降っているんだよ!!ってことか!!な、なんだってー!!

何気にものすごい酷いことを言っているが何だか納得している面々。
茜ちゃんがええ子になったのにこれぐらいで済んでいるのは奇跡という意見も出ている。
うーむ、下手すれば茜ちゃんがええ子になったから人類は滅亡する!まで言いかねない流れだ。
それはさておき、ここで獅穂さんの冷静な意見。校長だけが原因なわけないよとのこと。

いつもと違う藍澤さんと紅本先生のアロハシャツ。これも大雨の原因なんじゃないかな?

冷静な意見でこれか!?いやまあ、獅穂さんらしい着眼点といえるかもしれませんが。
らしくないことをして雨が降るならば、いつも通りに戻れば晴れとなる。なるほど・・・道理であるな!!
既にとっとと普段着に着替えている岡はそれを悟っていた・・・!?わけはないな。さすがに。

いつも通りに葉子さんがお腹を鳴らせば雨も弱まってくれる。
なるほど。これは確かに希望が持てる流れであります。文字通り天気が空気を読んだということか!!
てなわけで、修学旅行のために葉子さんもいつも通りに振る舞うこととする。

見せたろ。私の「いつも通り」・・・クールビューティーを!!

くーるびゅーてぃーではなく、ちゃんとしたキリッとした表情を久しぶりに作り出す葉子さん。
そんなもう過去の遺物と言ってもいい表情を持ち出されても困りますよ!!雨も勢いを増すよ!!
でもゴーグル付きなおかげでクールビューティー成分は下がっている感じはしますな。それがなければ致命傷だったかもしれない。

茜ちゃんに続いて葉子さんまでかつての姿を見せてくれるとは。まあそのおかげで雨足が強まっているわけですが。
しかしいつものように朝陽をポカポカしている姿はカウントに入らないのだろうか。
これは2人の間の空気はともかく、眼前でイチャつかれることによる湿った空気がクラスに生まれている結果なのかもしれない・・・

というわけで、続いて獅穂さんがいつも通り朝陽に鼻血を出させてあげようと近づく。
けれどもまさかの天候悪化。というか吹雪である。え!?これはまさか・・・

アタシ痴女!!エブリデイ痴女!!
無理してないよ!!ナチュラル痴女だよ!!

なんでまたこんなことになったのか。
それは多分この流れの方が面白かったからに違いない。空港の天気。実に空気を読む奴である。
だから続いての藍澤さんに対しても厳しい裁定が下されます。

「いつも通り」とは何か?それはありのままということ!
とりつくろわず心に従い己を認めることだ。「こんな私も私なのだ」と・・・そう!!
背伸びしたいと・・・大きく見せたいという心さえも――

胸を盛るのに盛大な言い訳を持ち出してきましたな。
いやでも、それがいつも通りの想いであるのならば、普段からやってみてもらっても良いのですよ?
そして毎度のようにバレて辱められて頂いてもいいのですよ?背伸びしたい心は大事さ!!可愛いなぁ、本当に。

いつも通りにするどころか暴走が始まっている一同。
ある意味この大混乱状態がいつも通りと言えなくはない。
なればこういう時にやってくるのはいつもの人。そう、茜ちゃんの登場だ!!

案ずるな生徒諸君!!皆の修学旅行・・・この私が守ってみせようぞ!!

悪魔らしくフォークのような槍を構えて悪天候と立ち向かう茜ちゃん。何と勇ましい。誰だアナタは!!
この別人と化した茜ちゃんのおかげで天候の悪化は留まるところを知らない。もはや魔界のイメージだ。
どうにかして茜ちゃんを止めなければいけない。必死でもういいと叫ぶ朝陽。であるが・・・

違う・・・違うのだ黒峰よ。頼られたから守るのではない。私がおまえたちを守りたいから守るのだ・・・!!

実に男前なセリフであります。
まあそのおかげで隕石が雨の様に地球に向かって降り注ごうとしているわけなんですけどね。
人類の滅亡どころか地球滅亡の危機にまで発展しちゃったよ!!
あまりのことに恐怖の大王まで降ってくる勢いであります。これでまだ欠航が発表されないとは空港側も凄いな。

この混乱状態ではいつも通りに振る舞えるはずがないと考える朝陽。
いつも通り頑張ってツッコミ入れている身としては寂しい話ですな。
しかしこれだけのことになっておきながら、解決が紅本先生のお姿とはどういうことなのか・・・!!

あぁ・・・これが。このジャージこそが究極の「いつも通り」だったんだ・・・!!

恐怖の大王も隕石も雨すらも振り払う紅本先生のジャージ姿。か、輝いているよあかりん・・・!!
紅本先生にはアロハを着るぐらいのオシャレすら許されないと言うのか・・・!!

なんだか泣ける話でありましたが、とにかく雨は上がった!飛行機は飛んだ!!
いざ、修学旅行へ!!
BON VOYAGE!!(良い旅を)と綺麗に見送る茜ちゃんで締め。
うーむ、最後のページだけ見れば何と綺麗な締め方でありましょうか・・・!!
というか茜ちゃんが最後の最後まで綺麗なままでいるとは何という僥倖か。角が折れたのは相当堪えたんですなぁ・・・

果たして今後茜ちゃんが元に戻ることはあるのだろうか。
華恋ちゃん辺りが気を利かせて修復したりしたら修学旅行中にでも復活しそうでありますが、さてはて。
でもまあ、茜ちゃんの邪魔が入らないうちにコトを進めるのも良いのではないだろうか。
と思ったらそういえば藍澤さんは茜ちゃんに大きくしてもらうよう要請していたんだった!!胸だけじゃなくて全体的にね。
となるとやはり修学旅行中に茜ちゃんの復帰もありそうですが・・・さてさてどうなるか。楽しみだ。



第76話「修学旅行を楽しもう!」  (2014年 38号)


空港で大雨で足止めくらったり。
委員長が金属探知機に何度もひっかかったり。
飛行機で月見て獅穂さんが獅狼君に変身しちゃったり。
海越える間ずっと葉子さんがうぉう、うぉう言ってたりしたけど。ついに、ついに!!

ついに修学旅行や――――うぉうっ!!

トラブルから始まりながらもどうにか始まった修学旅行。
開始1ページでさらりと流されているが、それだけで1話費やせそうな濃い経験をしていらっしゃる。
うーむ、やっぱり藍澤さんの外部ユニットは金属探知機にひっかかるか。ネジあるしね。
どうやって潜り抜けたのだろうか。気になるところだ。

プールと違って海は流れているので、浸かりながらうぉううぉう言ってる葉子さん。
ぶるぶるしてはいるが、修学旅行にやってきたという楽しさが優っているのか気にならない様子。
やはり海の広大さは人に多大な解放感を与えるということなのだろうか・・・!!

ともかく、せっかく辿り着いたのだから心ゆくまで楽しみたい。
様々な危険からは藍澤さんが守ってくれるとのことですし・・・いや危険物持ち込み過ぎだよ藍澤さん!!
背中に背負ったそれは実銃なのだろうか。現地の人たちもドン引きだよ。

いつも通りというかいつも以上に激しいというか。
ひょっとしたら浮かれているのかもしれない藍澤さん。
楽しみたいと思ってしまったとか言ってますが、十分楽しんでもいいんですよ。

さて、前回は姿を見せていなかったみかんが登場。藍澤さんは先の宣戦布告のこともあり警戒しているが・・・

あーそうそう。藍澤さんこないだはごめんね?修学旅行で決着がどうとかあたしどうかしてたわ。
せっかくの修学旅行なんだからさ、そういうの全部忘れて楽しみましょ?高2最後のイベントを。

機先を制してそのように述べるみかん。
そういった態度を取られるとすぐにほだされてしまう辺り藍澤さんはやっぱりええ子やなぁと。
そしてすぐに朱美みかんのクサレ外道っぷりに取り乱す辺りやっぱり学ばない子やなぁと。
口約束が停戦協定にまで飛んでしまうのはさすがにうかつと言わざるを得ないぞ!!

てなわけで、みかんとの戦いを始める事となった藍澤さん。
この修学旅行でこの外道・・・朱美みかんとの決着をつける!!

勝負の方法は船釣り。1ミリでも大きな魚を釣った方が勝ちとなる。
敗者は修学旅行中朝陽に手を出さないようにするとのこと。ふむ。
ちなみに船には朝陽や葉子さんなどいつもの面々が揃って乗船している。賑やかな対決でありますな。

疑似餌を使い、見事に小魚の動きを模してみせる藍澤さん。
やはりこういうことにかける集中力はさすがなものがありますな。なんだかノリノリだ。
しかし先にヒットしたのはみかんの方。この短時間で疑似餌の極意をつかんだというのか!?

いや?あたしは最初から本物の小魚餌にしてるけど?

さらりと述べるみかん。うむ、これは勝負の前から既に差がつけられていたようですな。戦略面で負けている!!
まあスポーツでもなく、負けられない戦いなわけですし、これぐらいのことは卑怯にもなりますまい。
船長に言ったら普通にもらえるぐらいですしね。
なので藍澤さんも普通に取り替えてもらえばよいわけであるが・・・

な・・・泣いている・・・!!自分は本物の小魚にも負けはしないと・・・!!
くっ・・・私が相棒を信じてやらなくてどうする!!こやつは小魚を超える器だと・・・!!

何だか知らないが世界に入り込んでしまった藍澤さん。
みかんの考えでは安っぽいプライドが邪魔して小魚には変えられまいとのことであったが、これは違う。
安っぽいというか何というか。何といえばいいのか。お金には変えられない何かのプライドだ!!
その健気とさえ思えてくる一途なプライドが実を結ぶ時もある・・・!!

朱美みかん。確かに君の選択は合理的なのだろう。
君から見れば私と相棒は不要な回り道をしているように見えるかもしれん。
だが確かに進んでいる。少しずつ少しずつ互いに励ましながら進んでいるのだ・・・!!
そうしてようやく辿り着いた我々の頂上。その景色!その喜び!!
君には決してわからんだろうがな!!

両手で掲げ上げるほどに巨大な魚を釣り上げる藍澤さん。これには葉子さんも大喜びだ。
しかしサイズを計る前に海に帰したせいでノーカンとなる。はうぁっ!?
まあ、みかんも今まで計ってなかったので無効なわけでありますが。何してるんだか。

朝陽に迫る為に戦いをしている2人。
であるからこそ、当人である朝陽にも止めることはできない。理解していないのなら尚更のことだ!!
これは不用意に首を突っ込もうとした朝陽が悪い。獅穂さんもそう断じております。ハッハッハ。

ともかく釣りは置いておいて他のことで勝負をする2人。
朝陽にしなだれかかって藍澤さんの気を逸らすのはいいが、葉子さんもビックリした様子を見せている。
これはそのうち気付くのではなかろうか・・・いや、浮かれてるしなぁ。葉子さんだしなぁ。

様々な激戦を繰り広げながらも決着がついていない様子の2人。
傍から見たら随分と仲良く満喫しているように見える。というか何故同じ格好に!?
まあ、妙なところでムキになる2人ですからねぇ。似た者同士になるのも仕方のないことか。

何だかんだと楽しそうに過ごしている修学旅行。
初日の昼は引き分け・・・というか、何となく葉子さんの1人勝ちになっているのではなかろうか。
船の上でも朝陽と並んでおりましたしなぁ。無欲の勝利というやつか!?
でもまあ、修学旅行の色恋沙汰といえば本番は夜である!!
この初日の夜で何か動きがあるか?男たちの方も動く可能性はありそうだが・・・さてさて?



第77話「カリスマを超えよう!」  (2014年 39号)


修学旅行の夜のイベントといえば入浴シーン!!
そのお約束に従い、キッチリとお風呂会が挟まれるわけでして感謝感激。
水着の日焼け跡がまた何ともいえない感じでありますなぁ。ハッハッハ。かぽーん。露天風呂でこの音鳴るのかな?

最近藍澤さんはしきりに胸の大きさを気にし出すようになったようだが、比較の対象が葉子さんではねぇ。
水着の感じではそこまでないわけではないと思うのだが・・・やはり比べる相手が悪いさね。

さて、修学旅行で入力となればのぞきを企むのも定番であるが、その対策はどうやら完璧な様子。
女湯は断崖絶壁の上にあり、さすがにこれはどうにも出来ない。双眼鏡があっても位置的に無理なものは無理だ。
しかも壁の前には紅本先生が配置されており、強硬策を取るのも難しい。
というかこっちは双眼鏡で見ているのに向こうはこっちに気付いている感じなんですが!!さすがだなぁー。

のぞくのはまずいとは思うが、壁越しに声聞くぐらいはしてみたかったと述べるエロ峰君。
ちょうどみかんが葉子さんの胸を揉んだりと楽しそうなことをしてたとこですしねぇ。その声が聞けたらどれほど良かったか。
まあ、そんなことを言ってたら目の前にて痴女が男湯でくつろいでいたわけですが。恐るべし痴女!!
いやさすがに痴女とはいえ男子がいっぱいいる所に堂々と入り込むのはどうなんだ!?何、訳があると・・・?

女湯入ってさ、万が一月見て変身しちゃったらさすがに獅狼に悪いなーって。
そこでアタシはひらめいたのさ。だったら男湯に入ればいいんだって!!名案でしょ!!

さすがの発想。やっぱり痴女の発想は違う!!いやいやいやいや。
というか月はホテルの裏側だから結局獅狼くんに気遣ったわけでも無かったりする辺りが何とも・・・
カリスマ痴女も若い頃はよく男湯で痴女力を鍛えたそうだが・・・何ともはや。

さすがに風呂場なだけに身に纏うものはなく、破壊力は半端ではない。これは朝陽が失血死するのも止むを得ない。
いや、そうならないようにわざわざ未来からやってきてくれた子がいる。
痴女がある所に凛ちゃんあり。高所からの落下。すれ違いざまにバスタオルを獅穂さんに纏わせる凛ちゃん。さすがの早業よ!!

獅穂を止められるのは私だけ。それに男湯は男の人のためのもの・・・女の人は入っちゃダメっ!!

思いっきり男湯にいながらそんなこと述べられましても!!
まあ水着は着用しているし問題ない・・・のか?というか浮き輪はいらないだろう!!
南国にやってきたのだから装備も南国用にしたということだろうか。なら仕方ないですな。

騒いでいるものだから周りに気付かれてしまう。よりによって嶋に。
ここは文字通りの出血大サービスで場を収めようとする獅穂さん。それは収まるのか!?さすがにシャレにならない感じだが!?

んー大丈夫、大丈夫。真の痴女はタオルじゃなく湯気で体を隠すものさ・・・!!

これは・・・入浴シーン名物、不自然な湯気!!
大事なところを不自然に漂う湯気が隠してくれるこの手法。
まさかこれを意図的にやっているというのか!?
理想の女体はそれぞれの中にあるので、あえて見せないことでそれを頭の中に作り出そうとしていると。おぉ・・・なるほど・・・

ま・・・まさかあの伝承に会った古の・・・!?
「痴の極みに辿り着きし者、彼の者に衣服の必要なし」
「森羅万象を身にまとい、その露出度も自在也」と・・・!!

もはや痴女がどうこうという次元ではない!!
それだけの力がありながらこういった行為に費やすとは・・・
森羅万象を操る力があれば世界を塗り替えることだって可能だろうに!!あ、だから未来はああなのか。納得した。

てなことを言っている場合ではない。未来のカリスマ痴女2世に想いを馳せるより、今ここに緊急事態が訪れようとしている。

んんー。ずいぶん厚着してるわねぇ、獅穂。

その声だけで男子皆が一斉に鼻血を吹き出す。
凛ちゃんも震えるこの圧倒的な痴女力・・・これは・・・まさかのカリスマ降臨ー!?
いやまさか、修学旅行の男湯に姿を現すだなんて誰が思うのかと!!

ふふ。男湯は全ての殿方と痴女のためにあるのよボウヤ

むう、地味に名台詞と言えなくもないことを述べおって・・・
しかし湯気しか纏ってない獅穂さんが厚着とはどういうことなのだろうか。
な、なるほど。カリスマ痴女の湯気は隙間だらけで更なる期待感を煽り立てている!!
これがカリスマ痴女のチラリズム。相当な痴女力と細やかな風のコントロールの賜物ということか!!
ああ・・・なるほどね。意図的なパンチラ演出は痴女が風を操って行っていたものだったのか!!
なんだか世界の真実が色々と明らかにされた気がしますなぁ。たぶんじゃなく気のせいだと思うけど。

圧倒的な痴女力を前に朝陽も目が離せなくなってしまっている様子。
ならばとバスタオルを巻きにいく凛ちゃん。
しかし風呂場でのタオル。使い方さえ理解していればえっちさを際立たせるアイテムになったりするものである!!
く、さすがにカリスマ。簡単にどうこうできる相手ではないということか・・・!!

かっ勝てない・・・!!この男湯はすでにカリスマ痴女に支配されている・・・!!
やっぱりアタシじゃおふくろには・・・

偉大な母親に気圧される獅穂さん。あの獅穂さんが弱気になるとは・・・
そんな姿を見たせいか、奮起する凛ちゃん。諦めずに戦いを挑む。ほほう。

私は諦めない!!全ての痴女を制す!!カリスマ痴女も!!獅穂も!!
だから!獅穂も諦めないで!!
獅穂を倒すのは私・・・それまで絶対誰にも負けちゃダメ!!

ほう。なんだか少年誌のライバルのような言葉が飛び出しましたね。
やっていることはアレなのに何だか熱い展開だ!やっていることはアレなのに!!

何にしても凛ちゃんの言葉で気を取り直した獅穂さん。反撃の開始だ!!
って反撃のために使われるのが朝陽でありますか。さすがというか何というか・・・

獅穂さんが風のコントロールを止め、大事なところを隠していた湯気を晴らしていく。
このままモロに見せたのでは妄想の魔法が解けてしまうわけだがどうするのか!?
いやまあ、別に妄想でなくても十分通用する気はしますが。
しかしこれは獅穂さんの作戦。凛ちゃんならば絶対全部出そうとすると考える。
そして獅穂さんは凛ちゃんならば絶対にその行動を止めに来るはずと考える。

――そう、これは互いへの敵としての信頼が生んだ、筋書きのない究極のチラリズム!!

湯気は完全に晴れた。が、その代わりに大事なところを凛ちゃんが隠す!!
おぉ。全面的に隠すのではなく、わざわざ際どい隠し方をするとは・・・これがコンビプレー!!
しかも互いに少しでも動けば見えてしまう、まさにギリギリのライン。これが信頼の力ということなのか!?
これには朝陽もカリスマ痴女の時と同様に目が離せなくなっている。おぉ・・・カリスマに並んだ!?

一人ならば越えられない。
けれどもいいライバルと切磋琢磨すればいずれ超えることも出来るかもしれない。
娘のことをよろしくねとお願いされる凛ちゃん。ほほう。良かったですね、何だか認められたみたいですよ。痴女に。

結局エロ峰君が酷い目という名の羨ましい目にあった感じでございました。
しかし藍澤さんはのぞき対策でスコップを持ち込んでいたのでしょうか?どう使うつもりだったのだ!?

それはさておき、今回はセンターカラーで、カラーページでは獅穂さんと凛ちゃんが描かれていました。
なるほど。この時に既にコンビプレーの構図が出来上がっていたわけでありますか・・・
でもこれだと下の方が微妙にズレている気がするが・・・まあ、この時は服着てるしね!うん!!

さて、今号で第1回の人気投票の結果が発表されました!!
上位7位までに与えられる"アホ7"入りするのは一体誰なのか・・・え!?そういう投票だったのか!?
まあ、ともかく・・・結果は以下の通りだ!!名前の後ろのカッコは投票数となります。

1位:藍澤渚(792)  2位:白神葉子(726)  3位:紅本茜(684)
4位:銀華恋(541)   5位:紫々戸獅穂(364)   6位:朱美みかん(305)
7位:紅本明里(221)   8位:黄龍院凛(192)   9位:白神桐子(148)
10位:黒峰鳴(96) 11位:黒峰朝陽(88)   12位:岡田(56)
13位:桜田(45)   14位:フクちゃん(32)  15位:白神源二郎(25)

以下、カリスマ痴女、紫々戸獅狼、モブ子たち、嶋田、ロシアンシューシリーズ。
手崎、UFO、増田英二先生、藍澤涼、福の神たち、黄龍丸、カリスマ痴女2世、コウモリたちと続きます。

うーむ、なかなかの僅差で藍澤さんが制しましたか。おめでとうございます!!
キスした後で投票開始とタイミングの良かった葉子さん。ヒロインの面目躍如といった感じで良かった良かった。
茜ちゃんは恋愛には直接絡まないもののいいアドバイスはするし、ギャグパートでは常連。納得の位置でしょう。
驚きだったのが4位の華恋ちゃん。私も好きだけれどここまで高いとは!!やはりタイミングも良かったのかな。

アホ7ということは8位の凛ちゃんはアホでは・・・いやいや、それはまた違う話ですよね。うん。
というか朝陽はトップ10にも入れなかったか。というか出番の少ない妹よりも下とは!!
まあ増田先生が言うにはこれでも思ったより健闘した方だとのこと。
こういう漫画の男性陣にしては票が集まった方ってことですかねー。さくらさんの今後の活躍に期待したい。
しかしモブ子より低い嶋もあれだが、ロシアンシューより低い藍澤兄は・・・うん、まあ仕方がないよね!!

次回の人気投票開催に期待したいところです。



第78話「南国へ行こう!」  (2014年 40号)


恋のライバル?関係ない!楽しいこととは別問題!!
そう述べて潔く楽しんでいる女子たちの見開き巻頭カラー!!仲良きことは美しきかな。

そういう風に娘が楽しんでいる一方、葉子さんの父である白神源二郎はやけにそわそわしていた。そわそわ。
ああ、やっぱり修学旅行中の葉子さんのことが気にかかってるんですな。
とはいえさすがに海外には出られない源二郎。
飛行機にはサイズ的に乗れないし、自分で飛んでいこうとしても海でぶるっときて墜落してしまうのだという。
となるともう心配していることしかできない。
桐子さんがお出かけして一人になると余計に心配するばかりになってしまう様子。

ただでさえ開放的になる修学旅行で、その上さらに解放的になる南国やと・・・!?
解放感×解放感・・・そんなもん丸出しやないか!!(?)
学校側は一体どんな考えの元この修学旅行を・・・こ・・・これは抗議しに行くべきなんちゃうやろか。直接!!

ほんと、居ても立っても居られない状態の源二郎。
しかしそこに現れたのは生徒会長である華恋ちゃん。
どうやら桐子さんにお願いされて源二郎が修学旅行に駆けつけないよう見張りに来たらしい。ご苦労様なことです。
別に修学旅行に置いて行かれたわけではないですぞ!!学年違いますし!!

だがやってきたのは華恋ちゃんだけではなかった。
同じく居残り組である茜ちゃんが白神家の庭で南国気分を満喫したりしている。アロハ!!
うむ、完全に源二郎を挑発して遊ぼうとしてますな。

どうやら角が折れたこの数日の記憶がないらしい茜ちゃん。
どうなるのかと思ったら時間でちゃんと伸びてくるんですな。不揃いな長さになっとる。

置き去りにされた茜ちゃんであるが、どうやら今回は同行するつもりはなかったらしい。
まあ行こうと思えば独力でいけそうですしね。

あやつらとていつまでもガキではない。今回は傍観者に徹することにした。藍澤の願いも事前に叶えておいたしの

相変わらず便利な力ですな。
藍澤さんの願いがあるから同行するはずだと思ったらそう来ましたか。

それはそうと、暇だから源二郎をからかいに来たという茜ちゃん。
かなりの年月を生きてきたというのに、落ち着きのないことである。いや案外、歳を取ると逆に子供に戻るものなのかもしれませんな。
それはさておき、悪魔と吸血鬼の修学旅行に駆けつけさせるかどうかの戦いが始まろうとしている。

よく聞くがいい吸血鬼よ。キサマの娘、白神葉子は南国の修学旅行、その班分けで黒峰朝陽と同じ班だ・・・!!

あんな娘どうでもいいですしーみたいなことを言っていた源二郎。
それが茜ちゃんのジャブのつもりで放ったこの一言により・・・早くも愕然。いや、早い早い!!

南国の修学旅行。解放感×解放感の・・・丸出しの状態であの小僧と!?

だから一体何が丸出しになるのかと。そりゃ茜ちゃんも冷静にツッコミ入れたくなりますわ。
というかやっぱり茜ちゃん、同行はしないものの動向は千里眼で伺っている様子ですな。
二人一緒にイルカと泳いだとかクジラも見たとか、南国での楽しそうな話を聞かせられる。
となれば口ほどにもなく堪え性のない源二郎は、流水を超えられないにも関わらず海を超えようとする。

あかん・・・あかんぞ葉子・・・!!一時の感情に身を任せたら!!
南国には人を惑わせる魔物が住んどる・・・住んどるんや!!(行ったこと無いけど)
待っとれ葉子。いま父さんが・・・お前を南国から守ったるからな・・・!!

色々と何を言っているのかという感じの源二郎。
そしてこれだけ気合を入れておきながら、結局流水を超えられずに墜落。うぉう。源二郎ー!!

さすがの源二郎もこの現実は堪えたか、戻ってくる。
とはいえこのまま茜ちゃんの挑発を受け続けたらまた飛んでいきかねない。
なので華恋ちゃんが源二郎を護る為に立ちはだかる!!何とかして修学旅行から源二郎の意識を逸らそうとする。

あ!!そうそう!!この間葉子ちゃん黒峰君と遊園地に・・・

南国からは確かに意識は逸れるかもしれないが、その話題は駄目でしょう華恋ちゃん。
というか一番気を揉んでいるのは朝陽との関係がどうなるかという部分でありますのに。
こりゃ源二郎も懲りずにまた飛び立ってしまうという物ですよ。うん。うぉう
さすがの茜ちゃんもキスしたことを教えたら朝陽の命にかかわると思って触れてない様子。助かります。

しかしまあ、源二郎がどれだけ心配しても吸血鬼である以上は海を越えて南国には行けない。
どうにか輸送機でも手配しない限りはどうにもなりますまい。
けれど、源二郎を見かねてどうにかしてあげたいと思ってしまう華恋ちゃん。そして――

そうだ私が源二郎の翼になればいいのよ!!

なんだか妙なことを考える華恋ちゃん。
源二郎を自分の翼で運ぼうというのだ!!いや、さすがにこの体格差では無理があるのではないか?
ああ、なるほど。ぶるってきた瞬間だけ支えてその間に体勢を立て直してもらえばという考えか。それならば・・・!!

源二郎「うぉう
華恋「ごめんなさい源二郎ぉー!!」

うん。分かってた。
予想通りといえば予想通りのこの展開。だけどまあ繰り返しはギャグ基本ですしねぇ。
さすが源二郎。見事な天丼でありました!!

すっかり消沈してしまった源二郎。そこにヒマだからと勝手に庭を南国にして追い打ちをかける茜ちゃん。おやおや。
何とも非情な追い打ちであるが、華恋ちゃんはここで逆転の発想を閃く。これかもしれないわ・・・!!

南国に行く必要なんて無い・・・ここに南国を作るのよ。
そして、この家が本物の南国を越えたその時が葉子ちゃんが南国から帰ってくる時よ!!

ほう。これは・・・このアイディアは・・・うん、何を言っとるのだ、だな。まさしく。
茜ちゃんもぽかーんとなってしまう突飛なアイディア。
どうやらいつの間にか葉子さんを南国から取り戻すのが大事という考えになってしまった様子。
いや修学旅行ですし。時間が経てば普通に帰ってきますし。
そのようなマトモなツッコミを入れる人はこの場にはいませんでした。
その結果、見事に白神家は南国仕様へと生まれ変わり・・・いいのかそれで!?いや、いいはずないですわな。うん。

南国に帰って来たのは母でしたというオチ。
如才なく2人のせいにして難を逃れようとする茜ちゃん。
まあ提案したのはこの2人だし問題はないか。ハッハッハ。

恋愛で緊張の展開を迎えそうな修学旅行。
その修学旅行中の巻頭カラーだというのに家族の話で費やすこととなろうとは!!
ある意味愉快なキャラが一杯いることの強みと言えなくはないですが・・・いやはや。
それにしても茜ちゃんがいない生活を満喫している紅本先生が幸せそうで良かった良かった。



第79話「告白する!」  (2014年 41号)


実家で南国が発生しているとは露知らず、修学旅行を満喫している葉子さん。
早いもので、修学旅行も明日を残すのみだそうな。
ふうむ、それなのに葉子さんは我慢できずにお土産を食べてしまったわけですな。うまー。まあ可愛いからいいか!
15個も入ってれば十分だと思うのだが、葉子さんは本当に食いしん坊。

そんなコントはさておき、藍澤さんは神妙な様子で葉子さんと獅穂さんに告げる。

今夜私、藍澤渚は黒峰朝陽への告白を決行する!!

ベッドの上で居住まいを正し、そう述べる藍澤さん。
その真剣な様子に思わず葉子さんも正座するしかない。神妙神妙。
まあさすがにここはボケ倒す場面でもないですしね、ちゃんとその発言を受け止めないといけませんわさ。
だから葉子さんもすまないと謝る藍澤さんに気にせんといてと答える。

ゆったやん?私に気兼ねせんでもええって。だから渚ちゃんのやりたいようにやって?
それでどないなったとしても、そっからは私の問題やと思うし

ほほう。いいことを言いますなぁ葉子さん。随分成長した感じがします。獅穂さんも驚いてますわ。
こういう気持ちになれたのも藍澤さんのおかげと思えるし、そう考えるとこのように答えるのは自然な流れですかな。

藍澤さんももう自分の気持ちをごまかすのはやめにした様子。
ハッキリと朝陽を好きだと認め、その気持ちを伝えようとしている。
うむ、何はともあれ気持ちをハッキリさせるのはいいことですわな。
ハッキリしない状態を楽しむ青春もあるとは思うが・・・いつまでもそれではいけないですよね。

というわけで、約束の時間より早く出撃しようと立ち上がる藍澤さん。
その藍澤さんに対し、頑張って渚ちゃん!!と声をかける葉子さん。
本人も言う通り、恋のライバルにかける言葉ではないが・・・素直にそう言っているのだと思えるのが葉子さんの人徳ですなぁ。
獅穂さんも、気負い過ぎないように落ち着いてと声を掛けてくれます。うん、大事ですね。

ありがとう二人とも。それではいざ!!黒峰朝陽との決戦へ!!

薙刀を携え袴姿となった藍澤さん。ほう・・・これは・・・嬉しい。いやいや、そうじゃない。
獅穂さんもツッコミ入れているが、果し合いに行くわけじゃないんだからその格好はないでしょう。さすがに。
まあ凄く似合ってるし可愛いとは思うけど・・・長物はいかんよね。うん。
いくら恋とは戦いだと悟ったとはいえ、これは目指す方向が違っている。

す、すまない・・・しょ・・・正直私も・・・どんな格好が正しいのか全くわからないのだ。
告白など生まれて初めてで・・・

うーむ、可愛いことを言ってくれますなぁ。
喜ばしいことでありますが、やっぱりその格好は殺気を前面に押し出しすぎであります。
いやだからといって前面ではなく距離を開けて殺気を出す格好に代わってどうする!!
いつものミリタリースタイルになってしまった藍澤さん。
殺気を感じさせず想いを伝えるには長距離からケリをつけるのがよかろうとのこと。なるほどなー。アホかい。

必死に思いとどまらせようとする獅穂さん。ご苦労様なことです。
痴女が絡む流れでないと獅穂さんはツッコミに回ることがあるんですよね。
まあ、一番身近な2人がボケ倒してくるから自分がやらないとという気分になるんでしょうけども・・・

ともかく、藍澤さんに尋ねる獅穂さん。怖いと思われたいのか、可愛いと思われたいのかと。
うむ。可愛いと思われたいのですな?ならば可愛い恰好をすればいい。まさに自明の理。当然の答えであります。のだが・・・

藍澤「紫々戸獅穂・・・君は天才か・・・?」
獅穂「藍澤サンがアホなんだよ!?

その発想はなかったと驚愕してみせる藍澤さん。
うん、さすがにこれはアホだと言ってあげるほかありますまい。

葉子「ちょっと獅穂!!アホって言う方がアホなんやで!?」
獅穂「アホは黙ってて!?

アホの説得をしようとしている時にアホが同意したり突っかかってこられても困りますよね。うん。
しかし何だか妙に笑えるやりとりである。アホは黙ってて!!

ともあれ、ようやく可愛い恰好という地点に辿り着いた藍澤さん。
しかしそれで出てきたのが着ぐるみとは・・・これはさすがの葉子さんも違うと言っているぞ!!
もう少し着ぐるみっぽいふっくらした感じならまだしも・・・いや、やっぱり夜のビーチで歩いてきたら怖いことに変わりはないか。
というかこれ宇宙服なんだ。確かに気密性は高いような。そうでもないような。

決戦の前だというのにどうにもこうにもドタバタしてしまう藍澤さん。色々と先が思いやられる。
そもそも告白する時は大きくなった本体の方でするから外部ユニットが何を着ていても関係なかったという。何ともはや。

無駄に時間を費やし、約束の時間に遅れそうになっている藍澤さん。
結局制服で向かうこととなりました。
しかしロビーから出ようとしたところで出くわしたのは何とみかん。

ま・・・まずい。ここ数日黒峰朝陽のことで敵対してきた朱美みかん。
彼女に今、私が告白へ向かっていると知られたら一体どんな・・・

警戒する藍澤さんでありましたが・・・どうやらみかんは妨害するような意図はない様子。
メガネも外したし、外道ぶるつもりもなさそうですな。ほほう?いいのかね?

わざわざ邪魔しなくてもあんた一人で空回りしそうだし。
それになんかさ、よくわかった気がするし。あんたが本気で朝陽のこと好きなんだって

ほう。その部分を認めて逆に送り出すこととなったわけですか。
うーむ、真剣だからこそ通じ合える女心って奴なんですかねぇ。さすがにこの辺りの気持ちは分かりません。
元より嫁狙いであるみかんにしてみれば、今付き合う相手が誰であってもあまり変わらないってことはあるかもですが。

みかん「だからね藍澤さん。まぁ精々頑張んなさい
藍澤「あぁ。ありがとう朱美みかん

直前でドタバタしてすっかり慌てていた藍澤さん。
それがまさかみかんとのやり取りで立ち直ることとなるとはなぁ・・・何だかいい流れだ。

さて、告白は本体で行うこととなる藍澤さん。
そのために茜ちゃんから小さい茜ちゃんを渡されている。ほ、ほう。
この小さな茜ちゃんに極上のアメを食べさせれば一度だけ願いを叶えてくれるのだそうな。ほ、ほう。
手法はともかく、このシーンは雰囲気があってよいですなぁ。

私は・・・幸せ者だ。
複雑な心境であったであろう葉子君が。
いつも茶々を入れながらも紫々戸獅穂が。
敵対していたはずの朱美みかんが。
そして校長が。皆が私の背中を押してくれた。
・・・あとは、あとは私が想いを伝えるだけだ。たった一言「好きだ」と――

既に言葉にするより先に触覚は求愛のシグナルを発している様子。
ふうむ、今までならば気持ちを誤魔化してしまうところでありましたが・・・今の藍澤さんは覚悟を決めてきている。
果たしてどのような結果となるでしょうか。
みかんの告白のことを考えると朝陽の方も曖昧な返事はしてこないと思うが・・・ううむ、気になる。



  実は私は感想目次に戻る

  実は私は連載中分に移動

  作品別INDEXに戻る

  週刊少年チャンピオン感想TOPに戻る



HPのTOPに戻る