蒼天紳士チャンピオン作品別感想

実は私は
第26話 〜 第52話


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 各巻感想

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連載中分


実は私は 4巻


第26話「いい加減認めよう!」  (2013年 35号)


福の神が告白を盛大に誤爆してドキドキだった前回。
今回はその直後、ではなく少し時間が経過してからの話となります。

夏のお祭り。
藍澤さんは葉子さんと獅穂さんに誘われてやって来た。
朝陽はその2人プラス岡たちがいると聞いてやって来た。
しかし現地にいたのは朝陽と藍澤さんの2人だけ。
なるほど。遊園地で失敗したどきどき二人っきり大作戦を今度こそ成功させたわけですな。
木の影から様子を伺っている葉子さんと獅穂さん。獅穂さんも大変だねぇ。

これはいたしかたない・・・帰るか。

まあ、そういう声があがるのも当然でありましょう。
しかし気配りの出来る男である朝陽。藍澤さんが祭りを楽しみにしていたのではないかと考え落ち着かせる。
確かに浴衣とかしっかり着込んでおりますしねぇ。実によく似合っている。

てか白神、この神社に絶対来てると思うんだよね・・・
それでさ、白神のことだから絶対「たこ焼き!!」「とうもろこし!!」「カステラ!!」って食べ歩きしてるって。

俺らのことを忘れてそうなっているはずだと断言する朝陽。
今日の朝陽はなかなか鋭いが、さすがに現在様子を伺っていられるとは思っていないか。
残念ながら今の葉子さんは(他人の)色気より食い気!というわけではない!精々五分五分である。く、この腹ペコ吸血鬼が!!

というわけで、葉子さんを探しに二人で行動することになりました。
動き出したのを見てホッとする葉子さん。その葉子さんを心配する獅穂さん。ふむ、どうなりますやら。

さすがに先の誤爆告白の直後ということもあり、二人きりで歩くのは気まずい様子。
一応ちゃんとすぐ後に否定はしていたらしいが・・・
だとしてもドキドキした気持ちは双方なかなか消えてくれそうにはありませんわな。

朱美みかんからは福の神など全ての事情を話してもいいと言われはしたが。しかし・・・どうしたものか・・・

まあ、今の朝陽はちょっとした異変も簡単に信じちゃうだろうし、福の神もすんなり受け入れるでしょうな。
みかんが恋心を抱いていた点だけ伏せておけばそれ以外は明かしても問題はないと思える。
とはいえそれは最終手段。このまま時が経ってどうにかなるのであれば、わざわざ明かす必要はあるまい。

屋台の間を歩く中、無造作に銃が置かれているのを発見する藍澤さん。ははぁ、射的ですな。
朝陽がお金を出し、1度やってみようと勧める。
撃ち落とした景品を貰えるということで、藍澤さんとしても興味深そうな遊び。
見事に招き猫の額を撃ち、任務完遂!!
と思いきや倒しただけではダメ。下に落とさないといけないとのこと。

なっ!そっ・・・そこまで痛めつける必要があるのかっ!!

もう勝敗は決しただろうという藍澤さん。いや、そういう話じゃありませんから。
しかし前から当ててどうやって下に落とすんだろうと思ったら奥に落とせばいいって話だったんですね。
一度倒れてしまったものを押して落とすのは難しそうでありますが。

まあ、何にせよ楽しそうな藍澤さん。
銃の威力が弱いことも早々に見抜き、身を乗り出す撃ち方をちゃんと試している。さすがの慧眼!!

そんな風にええ感じになっている二人を見守る葉子さん。なんだか胸がズキリと痛むようで・・・

・・・獅穂・・・私、神社もあかんっぽい。なんか胸がキューってなる

全くこのにぶちん腹ペコ吸血鬼は・・・!!これでもまだ自覚しないか!!
まあ、本当にただ食べ過ぎて胸焼けになっているだけという可能性もありますけどね!!

射的以外にも色々な屋台をのぞく二人。
輪投げは途中で引っかからず、全部くぐらないとNGなんだっけか。これも理不尽ですよねぇ。
金魚すくいは定番だけど、早い段階でやると持って帰ったりするのが大変である。

藍澤さんの母星には祭りの習慣はないらしく、やはり来ることを楽しみにしていた様子。そりゃ帰らせず引き留めてよかった。
話を聞いているとパチンコがあったり猫がいたりと微妙に似ている部分が多い藍澤さんの母星。
それでもやはり文化としては色々と違いがあるらしい。

しかしそれでも私はそれ程違いは無いように思うよ?
そこには大地があり生物がいて、皆今日を懸命に生きている。そこに星の違いなど無い・・・とな。
君たちが私たちを宇宙人と呼ぶように、私たちにとっては君たちが宇宙人であり地球は未知の星だが、
コミュニケーションが可能なら後は個人の問題と私は考える

ふむ。なんだか理知的な会話をしておりますな。
こういう平和的な宇宙人ならば歓迎したくありますがねぇ。藍澤さんであるならば猶更歓迎したいところ。

祭りを楽しんでいただけているようで何より。朝陽も引き留めた甲斐がある。
が、藍澤さんを楽しませることに夢中で葉子さんを探していたことを忘れている朝陽。おやおや。
そんな一生懸命な朝陽のことを好ましく思い・・・再びドキドキしてしまう藍澤さん。おやおや。

熱くなった顔を冷ますためにアイスを買う藍澤さん。射的の礼に朝陽にもおごろうと2つ頼む。
が、アイス屋の主人にデートかい?などと煽られてしまってより熱が増してしまった様子。
まあ、これまでの行動を振り返ればなぁ。男女が二人っきりで夜の祭りの屋台。デートでしょう

・・・お。おのれ・・・おのれ白神葉子、一体どこにっ・・・って、いたぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?

私もアイスを買おうと近づいていたお蔭でしっかり見つかる葉子さん。
いや、それ以前にもちゃんと周囲を伺っていたならもっと早く見つかったでありましょうがねぇ。
しかし葉子さん、どれだけ買いためているんだ。両手塞がってますがな。

ようやく発見した葉子さん。言いたいことは山ほどあるので追いかけようとする藍澤さん。
浴衣だということを忘れて激しく動こうとして躓いてしまう。
目の前で倒れそうになる藍澤さんを慌てて支える朝陽。その結果、両目を藍澤さんの持っていたアイスで塞がれることになる。べちょ。

くっ・・・黒峰君からアイスが生えとる・・・!!

なかなか酷い光景である。写真に撮られたらそのまま校内新聞に掲載されそうな酷い姿だ。
まあ、そんな朝陽はともかく。倒れそうなところを支えられた藍澤さんは別の意味で大変な状況。
朝陽としては目が塞がっているので藍澤さんの状況が分からない。手を離していいのかの判断もつかない。
そのおかげで肩を抱かれているような姿勢で硬直してしまう藍澤さん。

・・・あぁ。駄目だ。もう駄目だ。
駄目だもう。認めるしかない。本当はあの時、はっきり気付いてしまった。
・・・いい加減認めよう。
・・・実は私は。
実は私は、藍澤渚は、黒峰朝陽が好きなんだな、と

真っ赤になって胸に顔をうずめている藍澤さん。
この様子を見る限り、ただの葉子さんの思い込みではないなと感づく獅穂さん。いやあ、厄介なことになってきましたね。
いや、本当に厄介なことになるのはこれからであるか。

・・・あーあ。言わんこっちゃない。

二人の様子を見て胸を押さえる葉子さん
うーむ、これは・・・少しどころではなく胸がキューっとなっている様子でありますな。
これには読んでいる読者の胸もキューっとさせられる。ちょっとこれは・・・可愛すぎるでしょう!!

まるで王道ラブコメであるかのような展開。
この2週続けて恋の行方でドキドキする引きを見せてくれている。
3週連続カラーということもあり、見事に盛り上げてきてくれておりますなぁ。
しかしこれはどのような形で収拾するのだろうか?
藍澤さんも自分の心に気付きはしたが、そこからどうするかはまだ分からない。
愛情を取るか友情を取るか。宇宙人としての種の違いという壁もあるし、まだまだ予断は許さない。楽しみな流れであります。

そういえば今回も前作のキャラクターがちらほらと登場しておりましたな。
髪型等からして最終回後の様子。
本編に名前付きで姿を現すことはないでしょうが、昔からのファンとしては見ていて嬉しい要素でありますな。
透明人間なお姉さんとか出てきてくれてもええんやで・・・?



第27話「ちゃうもん!」  (2013年 36+37号)


朝陽と藍澤さんが抱き合ったのを見て衝撃を受けた葉子さん。
どうなるのかと思ったらぽへーっとなっちゃってました。ぽへー
上の空なのにちゃんとキバは隠そうとしているのが律儀というか何というか。

見かねて校長室に連れてこられている葉子さん。茜ちゃんの煽りにも反応しない重症っぷり。
しかし確かに吸血鬼が蚊に血を吸われるのって凄く無様な気がする。

あれだけの反応を見せたのだし藍澤さんと同様に自覚するようになったのだろうか。
と思ったがやはりそんなんちゃうしと言い張る葉子さんである。なかなかに強情だなぉ。
まあ、そうと来るならここは茜ちゃん。精一杯全力でからかってやろうという体勢。
確かに朝陽といつも一緒にいるが、黒峰君は誰にでも優しいと思うしそういうんやないよ?とのこと。

ギャハハハハハ何言っとるんだこいつは!下心なく女に優しくする男なんぞ無い!!無い!!

く、さすがに長い時を生きてきた悪魔は言うことが違う。
言われた葉子さんの表情がなんとも味のある顔になっているがどんな気持ちなんだこれは!!

まあ、とりあえず朝陽は基本的に紳士とフォローを入れてくれる葉子さん。時折エロ峰君になりますけどね。うん。
というかあれですよ。紳士的だからって下心がないとは限らないのですよ。
むしろ表面が紳士だからこそそういう部分は下に隠す。まさに下心となるわけだ!!
でもまあ、恋は心を下に置く下心と言いますし、その方面ぐらいは大目に見てあげましょうよ。

・・・まぁこの際黒峰のことはいい。貴様自身はどうなのだ?
自身が応援すると宣言した黒峰と宇宙人が抱き合っている様を見て放心するほど動揺していたわけだが?

なかなかの追い込みを見せる茜ちゃん。これには葉子さんも顔を真っ赤にするしかない。ちゃうことあらしませんな。
しかし楽しそうでありますな茜ちゃん。若者の恋を見守るお婆ちゃんのようであるぞ。ニヤニヤしおって!!

実際葉子さんと朝陽はよく一緒に行動している。
特に最近は普通に隣に並んで歩いている場面が多いし、傍から見たらそう思われて当然と言えますでしょうな。
それでもなかなか認めようとしない強情なにぶちん腹ペコ吸血鬼。
そんな葉子さんの前に朝陽が現れる。角付けて。いや、さすがにこれは・・・

どうやら夏祭りは昨日の出来事だったらしい。平日に行われていたのかね夏祭り。
まあそれはどうでもいいが、茜ちゃん雑な変身だな・・・
さすがの葉子さんも茜ちゃんと朝陽の見分けくらいつくよ!とのこと。いやつかない方がどうかしてると思う。さすがに。
まあ、行動を見る限りバレてもそれは別にどうと言うことはないって感じみたいですけどね。
茜ちゃんとしてはこの姿で発言することに意味がある。例えばこんな発言。

だから!俺が言いたいのは・・・俺が好きなのは、その・・・委員長じゃなくて白神なんだって!!

さすがに別人の成りすましと分かっていてもドキッとしてしまいますよね。
だが何とか必死に否定する。ありえないから、と。
はてさてそれは本当にありえないことと言えますかね?

葉子「ほ、ほら!私くらいの恋愛マスターになれば?」
茜「れんあいますたぁ(笑)

クールビューティーに続いて笑いものにされそうな自称が飛び出してしまいましたな。
まあこれは誰が聞いても否定する流れになるとは思うから仕方がない。

というわけでいつもの睨み合い開始。
茜ちゃん、朝陽の顔でその表情をするのは・・・まず見られない朝陽の表情が見られるという楽しみ方はありますけどね。

葉子「ええ加減にせんと、紅本先生に言いつけるよ・・・?
茜「ほう面白い。やってみろ・・・・・・!!」

雰囲気だしながらその会話の内容は如何なものか。
そもそも紅本先生は縛られて廊下に転がされておりますからなぁ。何て事を。
まあ、ともかくそんなわけで安心して茜ちゃんは再びからかいモードに入るわけでございます。

お、俺の気持ちは伝えたわけだけど・・・その・・・しっ白神はどうなのかなー・・・って。

妙なポーズで身構えていた葉子さんだがこのセリフで再びドギマギモードに。
うーむ、違うと頭で分かっていても動揺しちゃうみたいですなぁ。
ならばと調子に乗ってキスを迫ってみたりする茜ちゃんこと角朝陽。
葉子さんも真っ赤になってあかんあかん言いながら嬉しそうな表情じゃありまんか。ニヤニヤ。

くくく・・・愉快愉快。これほどクソ生意気な吸血鬼を圧倒出来るとは・・・!!
今日は明里に邪魔されることもない。これで私の完全勝利・・・

などと思ったのが茜ちゃんの運の尽き。
通りがかった藍澤さんに蹴り飛ばされてしまうのでありました。へぶっ!?
うむ、どうやら紅本先生を縛り上げているところから藍澤さんに見られていたようですな。
そしてやはり茜ちゃんは朝陽の姿をしたまま縛り上げていたのか・・・見られたのがみかんや嶋じゃなくて良かったというべきか。

見かけてからここに来るまでに時間がかかったのはもちろん紅本先生の縄をほどいていたからである。
というわけで茜ちゃんは紅本先生に担ぎ上げられて連行。シバかれる流れでありますな。懲りない人ですよ全く。

とまあ、ドタバタした騒動はさておき、藍澤さんは葉子さんに向き直る。
改めて先日の祭りで無理矢理朝陽と二人きりにしてくれたことについて物申したかった様子。ははぁ。

しかし結局昨夜はあの抱き合った状態からどうなったんでしょうかね?
藍澤さんが自覚して真っ赤になっている間に葉子さんは獅穂さんが連れ帰ったのだろうか。
少なくとも日をまたぐまでは物申すタイミングはなかったようだし、その辺りの流れですかね。

ともかく藍澤さんは葉子さんに説明する。度々言うように私達はそういう関係ではない、と。

それに、もし仮に君の思う通りであったとしても。それはやはり私自身でどうにかすべき問題だと思うよ。

あら。可愛い表情でいいことを言うじゃありませんか藍澤さん。
自覚することで改めてスタート位置に立とうという考え方なんでしょうかね。
そして自身の恋心を自覚しながらも藍澤さんは友人である葉子さんに言葉を贈る。

もしいつか君が何かを自覚するときが来たら、そのときは私に気兼ねなど不要だぞ?

ふむ。ラブコメっぽくなってきましたね。いい言葉だ。
恋心と友人関係。この辺りの線引きが恋愛ものには重要と言える要素でありますからして。

一気に葉子さんも自覚するような感じにはならず、大体元通りの関係になった感じですかね。
藍澤さんも自覚はするようになったもののどういう行動をこれからするのか読めませんな。

しかし茜ちゃんは藍澤さんに正体を告げる気はないのだろうか。
まあ、存在等が筒抜けになっているのは作戦任務的にどうかって話にもなりかねませんしなぁ。
皆が秘密を共有しているという状態より部分的に知っているという状態の方が楽しいというのも本当の所。

3連続カラーで盛り上がりを見せつつ、劇的な変化まではいかずに収まった感じ。
まあ、まだ物語も始まったばかりですし、このぐらいの変化でよかったのかもしれませんな。うん。



第28話「限定品を手に入れよう!」  (2013年 38号)


1日50個限定、究極のベーコンレタストマトバーガー
お値段は880円と結構なもの。まあ、限定品なだけあるって感じですかね。

その限定品の響きに釣られてか兄に買ってきてよと頼む朝陽の妹。
前回よりは大きく描かれているがまだどんな顔かはよくわからないなぁ。次回の出番を楽しみにしておきます。

いつの間にか作品内は夏休みに突入していた様子。
考えてみるとプールや肝試し、夏祭りといったイベントを夏休みより前に終わらせていたのか・・・
あと夏といえばこれってイベントは何かあったかな。皆で甲子園でも目指すか?

それはさておき、電車で限定バーガーを売っている店まで移動する朝陽。
家に帰る頃にはすっかり冷めているんじゃないかと思うがまあいいか。
それよりも僥倖なのはガラガラの車中に偶然葉子さんが乗り合わせていたこと。
特に予定のなかった夏休みが一気に華やいだ感じになりますね。羨ましいことだ。
葉子さんは葉子さんで朝陽を見つけて嬉しそうに隣の席に寄ってきておりますし・・・羨ましいことだな本当に。

しかし朝陽の目的が限定バーガーと知り戦も辞さぬ体勢となる葉子さん。
うーむ、やはりこの腹ペコ吸血鬼。色気より食い気であるか。

究極のBLT探究の旅はここに完結
「カリカリのベーコン。シャキシャキのレタス。弾力のあるパン」
「にぎやかな触感が貴方を迎えに来たあと誘う」
「こだわり抜いた黒毛和牛バーグの溢れる肉汁・・・」

なかなかの美辞麗句が並んでおりますな。聞いた限りは確かに美味しそうに思える。しかしトマトはどこに行った。

というのはさておき、車中には朝陽と葉子さん以外にもう1人いた。
向こうは朝陽達に気づいていたようだが声をかけるつもりはなかった。
が、メガネが勝手に話しかけてしまい気づかれてしまう。はい。みかんとフクちゃんです。
しかしこのメガネが勝手に話しかけてしまうって凄いフレーズだな。理解してないと何がなんだか分からない文章だ。

みかんも朝陽と同じように弟に頼まれて買い出しに来た様子。いいお姉ちゃんですなぁ。
それをフクちゃんに暴かれて赤くなってるみかんは実に可愛らしい。

限定品だというのに昼過ぎに買い求めようとする3人。
まあ朝陽やみかんは頼まれてから動いたから仕方がない。葉子さんは寝坊したから仕方がない。仕方がない?
というのはともかく、限定バーガーを求めてやってきてそして帰っていく男子たちとすれ違う3人。

いやーホント並んだ甲斐あったな!!もう少し行くの遅かったら無くなってたかもなー。
やっぱ限定品は朝に行かなきゃダメだな!!

なんだか決定的な情報を聞いてしまった気がする。
慌てて駆け出す葉子さんとみかん。果たして今から急いで間に合うのだろうか?
残り少ないとなれば友達同士といえども早い者勝ちになるのであろうか。これが限定品の宿命か。けれど・・・!!

葉子「甘いかもしれんけど・・・皆で笑える未来・・・そんなんあったらええね・・・!!」
みかん「・・・ふふ・・・確かに甘ったるい・・・けど、夢見るのは自由よね・・・!!」

ハンバーガー買いに行くだけなのに何を大仰なことを。
背中に哀愁まで背負いおって。これが限定品を求めるということなのか!?

ふん・・・甘いな少年少女。そんなことじゃ限定品は手に入らんぞ。

そう言いながら現れたのは藍澤兄。
さすがに戦場を知っているかのような口を普段から叩いているだけの人は言うことが違う!!
いや、こういう戦場は意外と経験豊富なのかもしれない。開店待ちで並んだりしてそうだ。

事情を知らないみかんからしてみれば兄と呼ばれるのはどう見ても違和感がある。
ので人前では藍澤さんのお姉さんと呼ばれることとなる兄。ほんと、何でその外部ユニットにしたのか。
というか兄は母星に帰ったんじゃないのか?何で地球にいるんだ?藍澤さんの部屋に住み込んでいるのか!?気になる。

ともかく限定バーガー争奪戦に藍澤涼参戦。
目的は大人気商品を多めに購入しての転売でございます。いい顔していってもすぐ分かる転売だわな。
しかし生ものの転売とかうまく行くものなのだろうか。店の前で売りさばくとかするしかないのではなかろうか。

そんな風に困った藍澤兄。これはもう藍澤さんに報せた方がいいのではなかろうか。
そう考える葉子さん。しかしその必要はない。なぜなら既に藍澤さんが兄を追いかけてやってきているわけですからして!!HAHAHA。
さすがに争奪戦には参加せず兄を追いかけに来ただけの藍澤さん。まあ旅の道連れは多い方がよいですわな。HAHAHA。

というわけで獅穂さんまで参戦してくるこのレース。
獅穂さんが現れた時のみかんの「うわ、痴女だ」という反応が地味に気になりますな。外道も痴女は苦手か。
しかし獅穂さんがこんな争いに参戦するとは珍しい。と思いきや――

究極のTバック追及の旅ここに完結
「大人の色気を追求しつつかわいらしさを忘れない・・・」

限定10着の下着。なるほど確かに限定品であるが・・・目的全然違うやん!!人騒がせな。

次々と限定品に群がる主要メンバー達。
こうなれば次にやって来るのは当然の如く茜ちゃん。それも大量にやってきていた。何で分身してるんだ!?
ああ・・・限定50食を全部いただくために50体になったんだ。なるほどなー。
ってわざわざこの時点で分身してなくてもいいじゃないですか。ついてからでもさ。と思ったが・・・

紅本先生「ハンバーガーなら私が買ってくるっつってんだろが!!」
茜「明里は1個しか買ってこんだろ!?それだと優越感が無い」

紅本先生までやってきてしまったー!!まあ、こちらは藍澤さんと同じく茜ちゃんを追ってきた感じでありますが。
そして次々と茜ちゃんを投げ捨てて数を減らしていく紅本先生。
なるほどなー。紅本先生対策のための分身でありましたかー。凄い勢いで減らされてるぞ。ポイッ。ポイッ。

兎にも角にも茜ちゃんの参戦で異様に競争率が高くなった限定バーガー争奪戦
体力があるわけではない葉子さんは走り続けるのも辛そうである。今日はヒールじゃないけどさすがに日中だしなぁ。
私のハンバーガーやのにと泣き出す葉子さんに向かって朝陽は叫ぶ。

白神の分も絶対俺が買ってくるから!!だから安心して!?

ふむ。さすがに朝陽。こういうことをさらりと言える辺りはよいですなぁ。
茜ちゃんも走りながら多人数でニヤニヤしていやがる。ニヤニヤニヤニヤニヤニヤ。

朝陽に並走するみかん。朝陽は妹と葉子さんの分の2つ。みかんは弟の分の2つを最低でも必要としている。
どうにか4個だけでも確保したいところであるが・・・

んー健気だねぇ黒峰クン。けど譲るワケにはいかないよ?
さすがに私もこのままノーパンってワケにもいかないしねぇ・・・

目的が違う上に何をさらりと爆弾発言しているんだこの痴女は!!
そりゃ朝陽も鼻血を吹き出すし藍澤兄も激しく反応するわいな。みかんも突っ込み役に回らざるを得ない。恐るべき痴女!!
茜ちゃんが顔を伏せているのは走るのに懸命だからなのか反応に困っているからなのか。はてさて。

エロ峰君の気配はさておき、混迷の限定バーガー戦線。
ここはひとつ神頼みということで福の神にハンバーガー4つくらい何とかしなさいよと注文するみかん。
その結果、福の神(見習い)のパワーが全開となり、光る。カッ!!閃光弾!?いやちゃいます。獅穂さんが変身したわけでもない。

福の神見習いパワーにより藍澤兄は五千円を発見してリタイア。
より正確に言えば五千円に釣られて足を止めたところで妹に捕まりリタイアである。何やってるんだか。

一応効果を見せた福の神パワー。しかし本人たちはそのことに気付いていない様子。
なので再度パワーを発揮するフクちゃん。しかしその方向性は・・・

みかんさん――これが・・・「おいしい」ってことっスよねー!?

そりゃ芸人的にはおいしいかもしれないが、この場面でこけさせられて喜ぶヤツはいないですよフクちゃん。
というか確かにバナナの皮は滑るけど、また派手にひっくり返ったものだなみかん。これも福の神パワーによるものか?
空中で一回転するぐらいの勢いだったため、足首を痛めてしまうみかん。可哀想に。
慌てて駆けつける葉子さんに紅本先生、そして朝陽。
そんな朝陽に自分たちの目的、限定バーガーを託すみかん。うむ、ブツはさておき盛り上がる流れでありますな。ブツはさておき。

朝陽は葉子さんと共に先行した茜ちゃんを追って走り出す。
今から走って間に合うか。それはわからない。だが走るしかない。託されたのだから!!

と盛り上げてはみたが、結局茜ちゃんは獅穂さんにつられて道を間違える。
獅穂さんは限定下着ゲットできてよかったですね。本当に場を騒がせただけだったなこの人。

朝陽達も無事に限定バーガーを人数分ゲット。ちゃんと茜ちゃんの分も1つだけだが確保してくれている。葉子さんは大人だなぁ。

というわけで、バカバカしいながらも主要キャラがどっさり出てきた回でありました。
皆で走っている疾走感はいいですな。増田先生の作風にあっているというか何というか。
しかしこの手の流れで普通に買えるオチとなるとはなかなか珍しい。朝から並ぶ必要などなかったわけか・・・!!

それにしても茜ちゃんの分身は分身なだけにやはり脆いのだろうか。
ポイッと投げ捨てられただけで数を減らしているように見える。
ハッ。もしや段差に弱いのかもしれない。少し持ち上げて落とせば残機が減るとかそういう・・・どこのスペランカーだよ!!



第29話「新車に乗ろう!」  (2013年 39号)


夏の定番行事は一通り済んだかなと思いましたが、まだこれがありましたな。キャンプ
そのキャンプに向かうために紅本先生の運転する車で移動中の6人。
何?朝陽以外は全員女子だと・・・!?凄い状態だなオイ。

葉子「やっぱりキャンプゆーたらカレーやんな!!よーし、今度こそ!!」
獅穂「いやいや川のほとりなんでしょ?なら釣りだって。さーてどんな男が釣れるかな」
茜「ふん。キャンプといえばキャンプファイヤー。全てを燃やし尽くしてやるわ」
藍澤「サバイバル・・・か」

なんという濃い面子
そりゃあ紅本先生も保護者役として朝陽を連れてきたくもなるというものである。
いやまあ、紅本先生が提案して誘ったわけではなかろうが、来てくれて少し安心したのは事実でありましょうな。
・・・初期のアナザルはアホ呼ばわりされてたのに、周りのアホレベルが上がったせいですっかり常識人側になってしまったなぁ。

いきなり皆で家に押しかけてきてキャンプに誘われたらしい朝陽。
驚きはしたものの、元々予定があるわけでもない。
女の人ばかりの中、男一人で嬉しくないわけないし、何より白神とキャンプに行けるなんて・・・!!
という感じに内心ドキドキの朝陽である。相変わらず初々しいことでありますな。

ちなみに今乗っているのは紅本先生が先日購入して納車されたばかりの新車。ピカピカである。
この車を買うために相当な苦労をしたのだと紅本先生は語る。

メシの後のビール我慢したり寝る前のビール、休日のビール我慢したり。
あらゆるビールを我慢してようやく手にした新車なんだ・・・!!

たいへんよくがんばりました。
というか、そんな我慢をしている紅本先生を尻目に買い物かごにお菓子を入れる茜ちゃんの姿が・・・素晴らしい。

普段から茜ちゃんのフォローやら抑制やらしている紅本先生。
そりゃあ酒のひとつも飲んでいないとやっていられないって話ですわな。
しかしこの発言で大体先生の私生活が見えてしまいそうでアレであるな。

この運転が終わったら、私は新車を眺めながら一杯やるんだ!!

力強く宣言する紅本先生。いかん。それは何かフラグを立てているようにしか聞こえない!!

それはさておき、後部座席。
気の早い葉子さんは早くもビーチボールに空気を入れて膨らませたりしている。
川のほとりとはいえ海じゃないのだし、そういうもので遊んだりしますのかね?
まあ、茜ちゃんに至っては水着――スクール水着に着替え、浮き輪まで装着してたりしますが。車中じゃ邪魔だろうに。

それはさておき、ようやく茜ちゃんは獅穂さんと藍澤さんに正体を明かした様子。
校長であり悪魔であり紅本先生の高祖母である。
悪魔というのはかろうじて理解できるがそれ以外は姿を見るたびに信じられない気持ちとなってしまうのが茜ちゃんクオリティ。
紅本先生の苦悩が忍ばれますなぁ。本当に。

さて、目的地につくまでのトイレ休憩でコンビニに立ち寄る一行。
外に出ていい車だなぁと1人頷いている紅本先生を見ると、購入までの苦労が忍ばれます。

周りの景色を見渡し、何か気になる様子の獅穂さん。
ちなみに藍澤さんはキャンプのあとに帰省をするつもりであるらしい。ほう?任務中は帰れないとかそういう話はないんだ。
兄貴も居ついているのではなく、頻繁に母星と行ったり来たりしているのかもしれませんな。金とかかからないのか?

この6人は大体の秘密を共有しているメンバーだが、獅穂さんと藍澤さんはお互いの秘密を知らない。
うっかりするとその辺りのことを忘れそうになるので気をつけないといけませんな。特に藍澤さんは。
しかし秘密にしておく必要があるのですかね?
獅穂さんの方は秘密を守らないといけない明確な理由はないし、人間以外ならOKとしてしまった藍澤さんも問題はなかろう。
まあ、お互い相手が人間じゃないと分かってからでないと明かせはしないでしょうけどね。

コンビニ周りでは昼間っからビールを飲んで気持ちよさそうにしている大人がいる。
それを見て我慢中の紅本先生は怒りに震えている。何をしているのやら。
そんな紅本先生に、お前も飲んだらどうだ?ビールと勧める茜ちゃん。いやいやこの後もしばらくは運転しないといけないんですよ?

私は幾千の時を生きる悪魔。車の免許くらい持っとるわ。
残された道のりもわずかなようだしの。残りの運転、この私が代わってやらんこともない。キサマには世話になっとるしの。
まぁ上に立つ者は時に下々の者をねぎらう必要がある。そんなところだ。

ほほう。珍しく年長者らしい言葉を述べてくれるではないですか。その格好で言われてもアレでありますが。

本当に大丈夫なんですか?と問い質す紅本先生だが、目の前にビールを差し出されるともう気もそぞろになってしまっている。

必ず目的地に辿り着いてやる。約束しよう。悪魔は約束を守る。代償は要求するがの。おかし千円分だ。
ならば約束しよう!!もし何かあったら私の命より大事なおかしをくれてやると!!

魂よりもおかしが大事なんですなこの悪魔は。
どれだけの量のおかしがあれば個人的な契約を果たすことができるのか・・・気になる所だ!!

というわけで、ビール10本ほど飲みまくり、幸せそうな顔で眠りにつく紅本先生
うーむ。何というか・・・凄く可愛いですな。こんな幸せそうな表情の紅本先生初めて見たよ!!茜ちゃんもたまにはいいことするなぁ。

最近おしおきがきつくなってきてたのでな。定期的にポイントを稼がんといつか殺されかねん

そういう話でありましたか。上に立つ者うんぬんという話はどこに行ったのやら。
まあそれはいいや。とにかく残りは茜ちゃんの運転で目的地まで向かうという流れでありますね。

・・・・・・あれ?アクセルは・・・これかの・・・?
100年前はもっとこう・・・む?いや待てなんだこれは。そもそも足が届か・・・

茜ちゃんの独白に一斉に表情が凍り付く面々。予想はしていたがこれは酷い。
というわけで朝陽から提案。悪魔的な不思議な力で運転とか出来ないの!?とのこと。
そうですよね!運転なんて誰でも出来ますものね!悪魔なら悪魔らしい運び方をすればいいだけだ!!

というわけで魔力を放出して車体を浮かす茜ちゃん。でも力加減が難しいらしくミシミシいっている。怖いなぁ。

浮かべた後、車を飛行させる茜ちゃん。さすがに大した魔力でございますな。
しかしやはり力加減が難しいらしく、紅本先生のカーナビが破損。ピキピキ。
まあ、道順は頭に入ってますし問題は無いか。付属品ではあるし車自体には影響はない・・・
それよりも思いのほか集中力を要する様子なので他の面々は静かにしていないといけない様子。

であったのだが、そのように言われると次から次へと問題を起こすのがこの面子である。
流れる川の上を超えただけでぶるっと来て妙な声をあげる葉子さん。うぉうっ。これでサイドミラー消失。
兄からのどうでもいい救難信号を流してしまう藍澤さん。ニャーニャー。これで天井消失。
しかしわざわざ外部に救難信号を漏らすようなシステムにしてなくてもいいと思うのだが。
そして大人しく景色を見ていたら変身してしまう獅穂さん。こりゃ大騒ぎだ!!藍澤さんの目も塞がないといけないしなぁ。
扉やらタイヤやら吹き飛ぶ中、何も気づかず幸せそうな顔で眠り続ける紅本先生。不憫なことこの上ない・・・!!

というわけで、中の人は無事に目的地までたどり着きました
車はまあ、フレームは残っているといった感じですかね。ハハハ。
そんな元車の前で正座している5人に質問する紅本先生。

はっはっは。どうした?何故謝る。私はただ一つ質問しているだけなんだ。「私の新車はどこですか?」と・・・

怒りを通り越したような笑顔を見せる紅本先生。はっはっは。こりゃ怖い。
そんな相手に言い訳をしてもどうにもなるまい。というわけで煽りに入る茜ちゃん。何故!?
まあ一応茜ちゃんも頑張ってはいたし、目的地につくというのは達成しているが・・・いや、やはりこの結果はないわ。先生不憫。

紅本先生にバックブリーカーをかけられている茜ちゃんはさておき、葉子さんは今いる場所に心当たりがある。
というか、すぐ側にある建物が・・・

あれ・・・私んちやねんけど・・・?

ははぁ。コンビニで獅穂さんが気になっていたというのはそれでしたか。
どうやらここでキャンプ道具一式借りようという茜ちゃんの案によるものであったらしい。なんとまあ。

というわけで、まさかの白神家ご訪問。もしかしてご両親登場の流れですか!?
思わぬところでお父さんにご挨拶をの流れになってしまいましたねぇ。
連絡もせずにずっと放置していた獅狼くんとしても困った展開でありましょう。
というか人間の朝陽を連れてきてしまって良かったのだろうか。秘密バレてないはずなかろうと指摘されそうだが・・・
まあ、茜ちゃんがいるから何とかしてくれるでしょう。たぶん。



第30話「親父さんを知ろう!」  (2013年 40号)


キャンプでワイワイするだけかと思いきや、よもやの白神家到着。
当然両親も家にいるらしく姿を現す。
葉子さんの親父さんは迫力があり一周りでかく・・・いや、実際でかい!!というか一周りどころじゃないでかさだ!!

なぜ大きい?おとんだからさ・・・!!
というアオリで始まる今回。なるほどー。おとんなら仕方ないな。

いやいやずいぶんイメージと違うっていうか。
え!?あの巨体で遊園地行ってたの!?夜のプールに忍び込んで練習してたの!?

想像すると凄いシュールな光景ですね。
いやいやいや。このガタイじゃ遊園地の乗り物のれないっしょ。プールに向かうにもフェンスの穴使えないし!!
そもそも回想で出てきた時は普通サイズだったしなぁ。つまり卒業後に育った?うーむ、謎だ。

サイズはさておきやけに怖い顔をしている親父さん。耳尖ってるし。
そんな親父さんが葉子さんに詰問。家出同然に出て行った娘がいきなり戻って来たのでは厳しい態度も仕方がないか。
本人も知らない間に連れてこられたわけであるし、葉子さんとしても何を言えばいいのやらという状況。しかし――

白神父「まずは話聞かせてもらうぞ・・・!!」
白神母「話は聞いてるわよー。キャンプの道具用意しておいたから・・・」

威圧してみたのに横合いから台無しにされてしまう白神父。
どうやら話を聞いていたのは母親の方だけらしい。おやおや。
母としては娘を近くに迎え、それでいて父との約束通り家には帰って来てない状態にしたかったわけか。
なかなかのやり手な感じですなお母さん。笑顔の絶えない感じがまたやり手そうだ。

このやり取りに微妙そうな顔を見せる父。やはり娘に帰ってきてほしかったんでしょうな。
口では突き放したことを言っている。おまえの顔なんぞ見たくも・・・と。
しかし割り込んできた茜ちゃんのバーベキュー発言のせいで親父さんの発言は無視される。あ、哀れな・・・

というわけで白神家の前の河原でキャンプ開始
車が潰れてここからどうするのかと思ったら、キャンプ道具を借りるだけではなくここが目的地だったんですな。
白神母から肉や野菜の差し入れをしてもらったりとなかなかに有難い状況。
しかし白神父が思いっきり側で見張りにきているという微妙な状況でもあったりする。ほっといてええんですか葉子さん!?

釣竿を垂らしながらこちらをじっとにらんでいる白神父。怖い怖い。
やはり目的は娘の様子を見に来たということでありましょう。
ただ気になるのはあの約束の確認。秘密がバレていないかの確認に来ているのではないかという心配がある。
藍澤さんもさすがに鋭くその点を危惧する。さすがである。
しかし気をつけないといけないと口にしたおかげで獅穂さんに秘密を知っていることを知られてしまう。うかつな!!
慎重なようでどこか抜けているのがなんとも藍澤さんらしいわぁ。

そういえば藍澤さんは獅穂さんが葉子さんと幼馴染なのは知らないのだろうか。
それを知っていれば獅穂さんが実は人外であるというのも連想できそうなものであるが。

一応獅穂さんの口から葉子さんに親父さんが秘密バレの確認に来ているのではないかと忠告をしてもらう。
その推測を聞いて、驚きのあまり羽が飛び出してしまう葉子さん。ダメだこりゃ!!
思いっきり目を逸らす朝陽と藍澤さん。
白神父はというと・・・やっぱりこっちものすごい見てるー!!ものすごい竿ひいてるのにこっち見てるー!!ひいてますよー?

やっ・・・やっぱりそうだ!!バレてるかどうか確認に来たんだ・・・!!

これは危ういですなぁ。改めてスキだらけな葉子さんを前にしてどこまで気づいていないフリをできるものか・・・

さて、テントを張り終えた後はバーベキューのための準備。野菜を切り、火をおこす。
葉子さんの見た目は完全にお袋さん似でありますね。これで父の方に似ていると大変でしたな。髪色はどちらも同じか?

せやねん。ホンマなー。昔よう言われたよー。おとんに似んでよかったなーて。

パタパタとうちわで火をあおぎながら羽をパタパタさせる葉子さん。この子は本当スキだらけすぎる・・・!!
というわけで誤魔化すために獅穂さんが葉子さんに抱き付き、さらに藍澤さんが陽動する。

藍澤「黒峰朝陽!!あそこを見ろ。UFOだ!!
朝陽「え?どこで・・・ってマジで!?えっ!?どこどこっ!?」

他の人が言うならともかく宇宙人の藍澤さんがUFOとか言い出すと信憑性が半端ない。
まあ確かに藍澤さんが機密を簡単に指差すはずはないんですけどね。実は別の星のUFOだったなら話は違うかもしれないが。

今のはまずかったかなと白神父の様子を見る朝陽。チラッ。

も・・・ものすごい・・・UFO探してるー!?

お前が陽動に引っかかるんかい!!さすがに葉子さんの父親というべきところであろうか。予想通り抜けている。
しかしそれにしても葉子さんは最近羽が飛び出し過ぎである。
本人が言うには最近羽がゆるくて、とのこと。涙腺とかじゃあるまいしそういうものなのか?親父さんもゆるかったらどうしよう。

ともかくバーベキューの準備は順調に進む。
火もおきたし焼き始める一行。一切手伝わなかった茜ちゃんも寄ってきました。草でも食ってろババア
働かない茜ちゃんは紅本先生の手で隔離。
その間にバーベキューを楽しむ生徒たち。肉の上手さに満面の笑みを浮かべる葉子さん。うまー。キバ丸出しや。
さすがにこれは獅穂さんからも手痛いツッコミが入る。チョップチョップ。
必死になってブリッジで回避する朝陽と藍澤さん。努力がなんとも涙ぐましい。

一方白神父はというと・・・美味しそうにバーベキューを始めているのを見てお腹を鳴らしていた。そっちに反応かい!!

朝陽「・・・ごめん白神。似てないって言ったけど、やっぱり親父さん白神に似てる気がするかも
葉子「なっ、なんで今のタイミングでそれ言うんよ!?」

いやー。何ででしょうかね。しかし吸血鬼は皆ハラペコなのか・・・?血を吸わない分食欲が増すのであろうか。謎だ。

とにもかくにもスキだらけな葉子さん。まあ、それにもワケがあったりする。
やはり皆と一緒にいられる。こうして楽しい時間を過ごすことができているというのは嬉しいことなわけでして。
それゆえにどうしても気が抜けてしまうのだという葉子さん。
ふーむ。そんな可愛いことを言われてしまったらこの男がまた張り切ってしまうではないですか。

朝陽は勇気を振り絞り、強面の白神父に話しかける。
好きな人の父親というだけで凄く怖いのに、さらに怒ってそうな強面ですものな。こりゃ怖い。
というのはさておき、白神父にずっとこっちを見てらっしゃるみたいですけど、何の用ですかと尋ねる朝陽。

・・・何の用かやと・・・?小僧・・・!!

釣竿を軋ませ、威圧感を出しながら立ち上がる白神父。オオオオオオオ。

小僧・・・なら儂も言わせてもらおか。どうするつもりや・・・?
こんな女だらけの中・・・男一人で、同じテントに泊まる気か!?儂の娘と同じテントでっ!!

ああそうか・・・それをずっと気にしていたのか!!
言われてみればテントはひとつしか用意していないし、父親の立場としては気になりますよね。

あーその点はご安心を。この男のため寝袋と虫よけスプレーを用意しましたから

なんなら縛りましょうか?とまで言い出す紅本先生。ひどい!!
いや確かに同じテントで寝るのは問題あるかもしれないけど外とは・・・
でもさすがに一緒に寝ましょうとは葉子さんも藍澤さんも言えませんしな。目を逸らすしかない。獅穂さんは言いそうであるが。

あらあらそれなら君。うちに泊まればいいじゃない。それなら全部解決よね!!

そう来ちゃいますかお母さん。
まあ確かに広そうな家ですし泊まる場所はありそうだが・・・
しかしこの父と一晩一緒になるというのは・・・ただでさえ質問されると隠すことが難しいアナザルだというのに!!

というわけで、ドキドキのお泊り回となりそうな雰囲気。
お泊り回といっても意中の相手の家なのに意中の相手は不在というよく分からない状況でありますが。
果たして両親の追及をかわしきることができるのかアナザル!!
父親の方はともかく母親の追及は厳しそうですな。主に恋愛系の追及をされそうで怖いぜ!!

考えてみると朝陽は本来紅本先生の車の中で寝る予定だったのかもしれませんな。
あの大きさの車ならフラットスペースを使えば眠る空間も確保できそうですし。
まあ、結局その機能を使うこともなく大破したわけですが・・・
よくすぐに立ち直れたものだよ紅本先生。単に慣れてるだけかもしれないのがまた不憫だ!!



第31話「白神家に泊まろう!」  (2013年 41号)


白神たちとキャンプへ行く!!俺も健全な男子高校生だから、少しは期待しちゃってたワケで。

冒頭からそんなことを語り出す朝陽。
テントの中、寝袋に入って背中合わせで語る場面とか妄想しちゃったわけですな。うーむ、青春っぽい。
しかし前回一緒に寝れるとは思ってなかったとか言ってなかったっけ?期待だけはしていたと?
それとも寝袋無しで寝るとまでは思ってなかったとかそういう意味の発言なのか?どうなんエロ峰君!?

まあ、それはさておき。今の状況も言葉にすれば妄想と一致している。白神と背中合わせで床に・・・

白神父「・・・なぁ。黒峰君よ。まだ起きとるか・・・?」
朝陽「はっ・・・はい!!起きてます!!」

い・・・いや!!確かに!?確かにいま隣で寝てるのは白神だけど!?
とんだ白神違いっつーか・・・なんでいま俺白神の親父さんの隣で寝てんの!?

広い畳敷きの部屋に布団を並べて眠る2人。何で並べてんだよ。
というか親父さんの布団デカイ!!なのに収まりきってなくて足はみ出てる!!
というかその格好のまま寝るつもりなのか親父さんよ!?ツッコミどころ満点だ!!
その状況で葉子さんとどういう関係なのか尋ねてくるから朝陽も気が休まらない。そりゃあ寝れる気がしませんやね。

とりあえずただの友達ですよ!?と返す朝陽。
自分が葉子さんに言われたときは傷つきまくっていた言葉なのになー。まあこの場は仕方がないんですけど。

そうかそうかただの友達か。そら良かった。儂も血が見たいワケやないからのぅ・・・

え!?何!?寝れるかどうか以前に生きて帰れるかどうか心配しなきゃダメな流れなの!?
何というかこの親父さん、傍から見たらちゃんと娘心配しまくってるのバレバレなのに素直ではない。
あんなアホな娘なんぞどうでもええんやがと前置きをしながら学校ではうまいことやっとんか?と尋ねてくる。

ちょっと前まではともかく、今は普通に学校生活を楽しんでいる葉子さん。
普通にどころか、かなり楽しそうですよね。うっかり正体をバラしそうになる回数が爆発的に増えるほどに楽しそうである。
親父さんは当然葉子さんが秘密を抱えたまま普通に学校生活を送れるとは思っていない。自身の経験からしてもそうなんでしょうな。
というわけで改めて朝陽に問う。葉子に何か変なところは無かったか・・・?例えば何か人と違うようなところは、と。

うーむ。葉子さんはなぁ。人よりかなりアホな子ですよね。
そんな返し方をしてみたらどんな反応されたであろうか。納得はしながらも激怒しそうであるからダメか!!

いくら葉子がアホゆうても自分から危険に・・・いや、人に近づくようなことはせんはずや・・・
・・・つまり、つまり小僧・・・おまえが葉子に言い寄ったってことちゃうんかっ!?

秘密がバレてるかどうかよりもやっぱりそれが気になって仕方がないんですね親父さん。
まあ、確かに言い寄ったというか、近づいたのは朝陽からなわけですけどね。
結局友達という形になってしまったが、最初は告白しようとしていたわけですからねぇ。間違いではない。
色目を使ったかと言われるとそこまでではないと弁明はできるが・・・単にヘタレなだけとも言えるが・・・

ともかくトイレにエスケープする朝陽。
白神家のトイレは一般人用のサイズと親父さん向けのサイズ両方が用意されている。何だか凄い威圧感を感じるな・・・
これはまた何というか掃除が大変そうというか・・・当人がやれと言われるのは間違いなさそうだ。

藍澤さんの中の人の気持ちがわかったような気になる朝陽。
そんな朝陽のもとに、テントで楽しくしているはずの葉子さんが現れる。おお。
どうやら朝陽の様子を見に来てくれたみたいですな。有難い。気にかけててくれたんだと朝陽も感激しておる。じーん。

えーとな。黒峰君おとんにしつこく話しかけられて寝られんのちゃうかな思て。
おかんにおとん大人しくさせるもん借りてきたから!!
ちょっと待ってな?こんなかに・・・

紙袋をゴソゴソとし、取り出しましたのは――

にんにくに十字架に銀のフォークとかナイフとか・・・あと心臓刺す杭!!

うむ、確かに大人しくさせられそうな装備でありますな。いやいや、それは退治ですがな!!
冗談半分とはいえそんなものを渡そうとする母親も怖いよ。
それはともかく、大人しくさせる本命のアイテムはお酒。その名も七対子。何でやねん。
名前はさておき、酔ったら記憶なくすし割とはやく寝るらしい。へぇ。

とりあえずやばかったら試してみるよと答える朝陽。
その朝陽にもしおとんに黒峰君が私の秘密知っとるってバレても黒峰君のせいとか絶対ちゃうからね?と言い出す葉子さん。
うーむ、葉子さんならばそういう気遣いを口にしてしまうでしょうな。前もそうでしたし。
黒峰君はそんな頑張らんでもいい。何度でもゆうよー?と語る葉子さん。ハハハ、そりゃーダメだ。逆効果だ。

白神っ。ありがと!!気合入ったよ!!その・・・俺、頑張るから!!

葉子さんの言っていることとは真逆の反応。
であるにも関わらず思わずドキッとしてしまう葉子さん。うーむ、いい雰囲気だ。

そんな雰囲気の中、2人の周りに霧が発生する。家の中というのに霧・・・?
そして響くのは親父さんの声。ハッ!?いい雰囲気のところを目撃された!?

そ・・・そうか!!しまった・・・そういえば聞いたことがある。吸血鬼は霧に変身出来るって・・・!!

ほほう。親父さんの方は吸血鬼らしい技がちゃんと使えるみたいですな。
ってこの霧ずいぶんと酒くさいんだが・・・完全に出来上がっていらっしゃるー!?
飲ませるまでもなく既に自分から飲みまくっていたわけですな。まあ、布団にも持ち込んでいたしなぁ。
というか布団で持っていた酒とは名前が違うぞ。何本目だよ。そして愛娘って凄い名前だなオイ。愛飲してそうだ!!

まあ何にしても既に酔っているなら秘密バレしていることがバレる恐れは少ない。記憶なくなるはずですし。
しかし今は別のことを恐れねばならない。

おまえやっぱり・・・やっぱり葉子と付き合っとったんかぁぁああああああっ!?
あんな仲良さそうに話しおって・・・お父さん許さんぞっ!?

酔っているせいか親バカを隠しもしなくなっちゃってるよ!!可愛いなオイ。
しかし葉子さん、話しただけでアウトなん?とか言ってるけどあの雰囲気はなぁ。そりゃあお父さんも怒るに決まっているさ。

そや、黒峰君!!えーと・・・にんにく!!おとんににんにく投げてっ!?

吸血鬼ににんにく。葉子さんだと目がシパシパするだけの効果であった。
しかしどうやらハーフの葉子さんとは違い純粋な吸血鬼である親父さんには効果覿面
正直ちょっと引くほどの勢いで泣き出してしまう。ある意味怖い。

泣き出した親父さんを置いて逃げ出す2人。
葉子さんの先導で走り出すが、今度は姿をコウモリに変えて追いかけてくる。
この辺りになると完全に正体隠す気ありませんな。いや元々デカイ姿晒している時点で隠す気はないのかもしれないが・・・
というか対吸血鬼グッズを渡している母親は完全に秘密バレしていること知ってますよね。

ともかくニンニク以外に効きそうなものを試す朝陽。しかし十字架はいけない!!
葉子さんならイラッとするだけの十字架だが、純粋な吸血鬼である親父さんだと・・・

ワレなんぞ・・・ケンカ売っとんかぃ・・・?

マジギレですよ!!額に巻いたネクタイ引き千切るぐらいのマジギレだ!!
ていうか酔っぱらってるからって何でネクタイ巻いてるんだ?どう見てもネクタイ使う服装じゃねーだろ!!
この親父さんは本当ツッコミどころが多くて困る。

ともかく十字架は挑発にしか使えないのは分かった。
ならば定番である銀の武器。フォークやナイフはどうなのるのか?ふむ、刺さると普通に痛いわけか。そりゃそうだ!!

朝陽「杭はっ!?」
葉子「い・・・いや試したことないけど・・・そんなん心臓刺したらあかんやろ・・・?

ですよねー。凄く当然の反応でありますな。
というか心臓以外なら刺しても復活できるかもしれないが、それだと完全にトドメ刺しちゃう!!

くっ。くおおおおお。葉子ぉおおおおおおおっ!!
儂は認めんぞ!?そんな男っ!!

ついに号泣しながら定番のセリフを吐くようになった親父さん。いじらしいねぇ。
それに対する娘の葉子さんの反応が微妙に冷めた感じなのがまた何とも・・・どこの親子もこんな感じか!!

もう容赦せんぞと襲い来る親父さん。
それに対し葉子さん。思いっきり左に飛んでと指示を出す。それを受けて右に飛ぶ朝陽。何故!?
親指のない右に飛んだ方が避けやすいという判断・・・ではないな。ちゃんとそこが目的地だったみたいだし。
まあ誤植な気はするがこれはこれで考察してみると楽しそうだ。父親を欺くフェイントか!?

ある一室に逃げ込んだ朝陽と葉子さん。どうやら親父さんは部屋に入ってこれない様子。
サイズ的に入ると大変なことになりそうだが、それだけが理由ではない。
吸血鬼は招待されないと家とかに入れない特徴がある。ここは葉子さんの部屋なので許可なしでは入れないそうだ。なるほどねぇ。
って娘の許可なく部屋に立ち入り禁止って普通の家庭じゃないですか。親父さんマジ普通におとん。

ハーフの葉子さんは普通に立ち入りすることできるんだろうか?
他の人より申し訳なく思ってしまうとかそのぐらいのペナルティで済みそうだなぁ。
というか親父さんはその弱点があるのにちゃんと学校に通えていたのか?公共施設はノーカンなのか?謎だ。

何はともあれ無事に逃げおおせた2人。

おとんもそのうち寝るやろし、最悪おとんが寝んくても私ら二人は別に朝までこの部屋でぐっすり寝れ・・・

と言ったところでようやく今の状況に気付く。
おやおや、状況が一変しちゃいましたね。ヒヤヒヤ展開から一転してドキドキ展開だ!!
恐怖で眠れそうにないと思ったら今度はドキドキが止まらなくて眠れそうにないって流れですか?うーむ、何とも・・・羨ましいなオイ。

まあさすがに何かコトを起こすような2人でもあるまい。
しかし朝まで同じ部屋で過ごしたという事実。その事実があるだけで騒ぐには十分なこととなる。
いやあ、次回の2人の様子もさることながら、その後の他の面々の反応が凄く気になりますなぁ。
茜ちゃんなら普通に今の状況把握してそうな気がしますし。厄介な地獄耳だ!!



第32話「白神家に泊まろう!!」  (2013年 42号)


思わぬ流れで葉子さんと一室に2人きりとなる朝陽。
まったく、おとんはいい仕事しますなぁ。絶対に望んでいない流れだったでしょうけども。

若く健全な男女が女子の部屋で2人きりで一番を過ごす。
何事があろうとなかろうと色々と噂になりそうなシチュエーションであります。
まあ、基本的に純情な2人。朝までにおとんが寝れば大丈夫だと結論付ける。あんな酔ってたし絶対寝る!!

その言葉のとおり外から聞こえてくる大きないびき。ぐぉぉおおおおお。なんだか悲鳴にも聞こえるな。
ともかくこれでドキドキの状況は終了。
かと思いきや、おとんが扉に寄りかかって寝ているものだから扉を開けて外に出ることができなかったりする。
閉じこめられた。ということは、親父さんが朝になって起きるまで結局2人きりという流れに・・・
うーむ。本当、このおとんはいい仕事しおる!!グッジョブ!

この部屋は吸血鬼らしく日光対策がされており窓は無い。
出入り口は扉1つしかないのにそれが塞がれている。こりゃあ大人しく過ごすしかありませんなぁ。ニヤニヤ。

自分のおとんが迷惑かけたと朝陽に謝る葉子さん。

そのおわびといったらなんやけど、黒峰君寝るときベッド使って?

私どこでも寝れるしと付け加えてそんなことを言いだす葉子さん。いやいやそういう問題では・・・!!
さすがにそれはドキドキが凄すぎて眠れなくなってしまいますよ。さっきまでの親父さんの横とは別のドキドキだ。
なので自分が床で寝るから。そんなの申し訳ないしと断る朝陽。
そんな気ぃつかわんでもと思った葉子さん。ならばと思いついたことをそのまま口にする。

・・・あ。それなら一緒にベッドで寝れ・・・

言葉の途中で気付き、赤面する葉子さん。さすがにその発言は言う前に気付こうぜ。
考えなしに言葉が先んじてしまうのはアホの子と呼ばれる所以か。さすがにアナザルと同レベルの分かりやすさ!!

お互いドキドキしながらあたふたと雰囲気を変えようと動き出す2人。
そんな様子を何故か屋根の上で一杯ひっかけながら千里眼で眺めている茜ちゃん。
隣には白神母の姿もある。母も茜ちゃんと呼ぶんですな。気安い感じでよろしい。
そんな白神母に向けて茜ちゃんは言う。さっきからキサマの娘が部屋に閉じこめられとる。黒峰と一緒にの、と。
それを聞いて慌てる白神母。そっ・・・そんな・・・

白神母「そんな面白そうなことどうしてすぐ教えてくれないの!?独り占めっ!?」
茜「・・・キサマもいい性格しとるのぅ

なんとなくわかってはいたけどやっぱりこんな性格でありましたか。
まあ父親が堅い感じだし母親が開放的というか、応援側に回るのはバランス的によい話ですわな。
応援側というより面白がる側、茜ちゃん側っぽいのがアレですが。

学生時代の頃から成長していないと言われる白神母。どんな学生だったのか興味ありますなぁ。

角を掴むことで茜ちゃんの千里眼を共有できるようになるらしい。便利な力だ。
そうやって見えたのは、部屋の中で2人並んでアルバムを見る男女の光景。
ふーむ、アルバム閲覧とは恋人が来た時の定番イベントじゃありませんか。
昔っから獅穂さんにイタズラというかセクハラされている葉子さんが可愛らしい。
しかし吸血鬼って鏡や写真に写らないという話はありますが普通に写っておりますな。

うん。なんか写真写り悪いけど・・・

ハーフなら写りが悪いぐらいですむのか・・・まあ学校生活を送るならそれぐらいでないと不便ですわなぁ。
ますます純粋な吸血鬼である白神父がどうやって学校のイベントをこなしてきたのか気になってしまうぞ!!
まあ、大抵のことなら茜ちゃんが何とかしてくれそうではあるが。

並んで座る朝陽と葉子さん。
葉子さんは何だか口数が少なく、なんだかいつもと違う感じ。
ときどき当たる肩とかを思いっきり意識してしまう朝陽。やあ、やっぱりドキドキなシチュエーションですねぇ。
そしてついに葉子さんが頭を朝陽の肩にもたれかけるようにしてきました。
これは・・・!!きたのか!?きおったわ!!これじゃ、これを待っとったんじゃ!!茜ちゃんテンション上がりまくり。
でも残念ながらそういう話ではなさそうだ。さすがに母は感づいている。そう、単に眠ってしまっただけだった!!

なんであの状況で寝られるのだあのアホはっ!!

朝陽と同じくらいにドキドキしていたはずなのに・・・場馴れしてしまう体質なのだろうか。

茜「キサマの娘はどれだけ無防備なのだ!?アホか!?アホなのか!?」
白神母「アホなのよ・・・


両親公認のアホっぷり。こりゃあ手が付けられないですな。
母曰く、誰かさんが過保護すぎて免疫ないとのこと。
母や獅穂さんのような人が周りにいるならもう少しなんとかなっててもいい気はするんですがね。

茜「・・・全く、仕方あるまい。教育者として私が少々手を貸してやろう」
白神母「のぞき見する教育者はアウトでしょ」

いやまったく。しかしこの2人、お互いにやれやれと呟き、それぞれの発言をツッコミんでいる。なんだか面白いコンビだ。

半分寝てしまっている状態の葉子さん。朝陽としてはもう寝たら?と勧める。
それに対しまだまだ飛び跳ねるほど元気やしと答える葉子さん。鼻ちょうちん膨らませながら言われましてもな。
そしてその言葉を受けるように、何故か畳の一部がバネ仕掛けとなって葉子さんの体を跳ね上げる。ビョン。

茜「ふん。スマートだろう?」
白神母「茜ちゃん・・・スマートって意味はね・・・」
茜「わかっとるわっ!!」

仕掛けの見た目はさておき、それで生じた効果はバツグンである。
飛び跳ねた葉子さんが朝陽に圧し掛かり、押し倒したような状態となっている。
何か色々当たって白神の感触が、白神の体温がっ!と混乱の朝陽。むにー。

くくく・・・文字通り急接近だ。どうする?鈍感吸血鬼よ。

どうするも何も全く気付かずに眠っております。本当、大したものですよアホの子というのはなぁ!!
一人だけドキドキMAX状態になっている朝陽がむしろ不憫に感じられてくる。
せっかく酒の肴にしようとか考えていたのに、茜ちゃんの思惑も外れまくりだ。
ちなみに酒かと思ったら茜ちゃんが飲んでいるのはかき氷のシロップだとのこと。そんなのそのまま飲んで大丈夫なのか!?

もちろん状況に気づけば葉子さんも赤面、ドキドキの状況になる。
にもかかわらずすぐに眠くなってしまう葉子さん。本当、危機感がないというか何というか。
過保護すぎた結果かもしれないが、現状はむしろ周りが保護しないと危ないんじゃないかとすら思える。

くくく・・・こうなれば私も意地だ・・・見ておれ!!

保護するどころか教育という名目で接近させようとする茜ちゃん。
その力を使い、白神家を傾かせる。文字通りの意味で。ていうか浮いてるよ!!
後で全て戻してやると言っているが土台から切り離されているのにちゃんと戻せるものなのか・・・!?
まあ魔法みたいなものなら完全復元もできなくはないか。いやそれができるなら紅本先生の車をだな・・・

それはさておき、だ。
傾きに流されて今度は逆に朝陽が葉子さんを押し倒しているかのような状況となっている。
どうにか腕で支えているものの、その顔と顔は息がかかりそうなほどに近づいている。
さすがに葉子さんも真面目な顔で赤面。

何これ・・・?どうなっとん・・・?夢・・・?夢かなぁ?なんか傾いとるし・・・

ドキドキのシチュエーションは最高潮。
このまま朝陽の理性に限界が来るか、それとも傾きに負けて朝陽の腕が限界となるか。

あるいは私たちの腕の限界が先かだの・・・!!

建物を傾けたので屋根の上にいる2人は落ちそうになっている。当然だ。
なので腕の力で落下に耐えている2人。こりゃあすぐに限界は来ちゃいますよね!!何してるんだか!!
というか白神母はともかく茜ちゃんは空ぐらい飛べないのだろうか。前浮いてたりしてたような。
まあ、建物浮かしている最中だし別の力を行使するのは難しいのでしょう。たぶん。

というわけで傾きを戻す茜ちゃん。腕の限界の問題はなくなったようですな。
しかし傾きが直ったとしても以前接近したまま。夢のようなシチュエーションはそのままであるぞ!!

なーんや・・・やっぱり夢かぁ――・・・

寝なおしちゃったよ!!やっぱりかよ!!
これは最早どんなシチュエーションを用意しようが無駄なのではなかろうか。茜ちゃん涙目。

茜「もう襲え!!襲ってしまえ黒峰朝陽!!
白神母「そうよ!!もう何されても起きないわよその子!!

母まで同調してきた!?どうかとは思うが気持ちはわからなくもない。
そんなもんだから朝早くから2人にこのヘタレっ!!と叫ばれる朝陽。不憫なことでございます。

吸血鬼すぐ寝る!!
お腹がすぐ空くだけじゃなくて眠くなったらすぐ寝ちゃうんですなぁ。欲望に忠実というか何というか。
そういえばお弁当を前にした時もあの行動だったし、我慢が効かない子なんじゃなかろうか。
人間の三大欲求と言えば残るひとつはアレですがどうなのだろうか?他の2つに侵食されてしまってる気がしないでもないな。

そういえば家が傾いた時おとんはどうなったのだろうか。
逆側に滑っていればそのまま部屋から脱出できたのかもしれない。まあ試さなければ分からないことか。
そして葉子さんはそのまま壁にもたれかかったまま眠ったのだろうか?朝陽はベッドに運んだりしなかったのだろうか?気になる。
まあヘタレで何も間違いは起こさなかったのは間違いないようですがね。
むう、間違いなく間違いを犯さないとはこれいかにな言葉でありますな。
少年誌だしこの流れは仕方がないが・・・ヒロイン側がここまで外してくるというのも珍しい気がする。
こうなると朝陽の方で何とかするしかないのだが、やはりヘタレだしなぁ・・・うーむ、この関係は長引きそうである。喜ばしい。



第33話「いってきます!」  (2013年 43号)


でっかいおとんに追われたり好きな子の部屋で好きな子と2人きりになりながらも無事に朝を迎えられた朝陽。
そこで無事に迎えてしまうからヘタレだと言われるのだが・・・まあ、過ぎたことはいいとしよう。
ともかく今日こそはちゃんとキャンプを楽しもうという葉子さんと並んで河原へと向かう2人。
その途中ですれ違う謎の少女。
妙にこちらを見ていた感じがするというその少女の正体は・・・というか、何か帯刀しているんですけど・・・?
朝陽の側からは見えなかったのか、見えてもどうとも思わないぐらいに朝陽の感覚が麻痺しているのか。
まあ、藍澤さんに至っては銃を所持してたりするわけですし剣ぐらい問題ないって話ですよね!!

さて、キャンプ場では藍澤さんと紅本先生が朝食の準備。
文字通りの意味でモンスターペアレントである親父さんに追われてた朝陽はやはり眠たそうである。
部屋に閉じこめられたとは述べているが、さすがに葉子さんと同じ部屋に〜とは言わないか。さすがに。

獅穂さんは実家に顔を出してくるとのこと。葉子さんの家の側なら当然実家も側にありますわな。

ここで藍澤さんの里帰りの話について。
このキャンプから帰ったあと兄の運転で一週間ほど里帰りする予定だそうな。
ほほう。ということはやっぱりUFOで里帰りするわけでありますか?
てなことをキラキラした目で尋ねる朝陽と葉子さん。まあ興味があるのは分かるが・・・さすがに最高機密ですわなぁ。
地球人としては里帰りでUFOというのも気安い感覚だが、異星人には海外に飛行機で移動するぐらいのものなんでしょうな。

そんな話をしていたら、オウンオウンと猫型の未確認飛行物体が飛来してきました。
バ・・・バカな・・・最高機密があんなに堂々と!!

おーい渚。実家帰るの今日であってたっけか?あ、どっかUFO停めておくとこない?

めっちゃUFO言ってる!!最早機密もへったくれもございませんなぁ。
まあこの兄自身、茜ちゃんに脅されたときに機密とかどーでもいいんでとか言っちゃってますし。
でも今回は単に光学迷彩の機能がオフになっていたからだけだそうな。うむ、だけではすまないミスですな!!
こりゃ藍澤さんがキレそうになっても仕方がないというものである。
必死に何も見ていないよと口裏を合わせる朝陽達も健気ではあるが、まあ教育してあげた方が兄のためではないかと・・・

しかし凄い形のUFOでございますなぁ。
何というかモビルスーツというかモビルアーマーというか。具体的な名称は避けますが。

制裁に向かった藍澤さんはさておき、戻って来た獅穂さんとビーチボールを始める葉子さん。
ここで話題は獅穂さんの両親についてに。ハッスルしてたってどういう表現なんだ・・・?
それはさておき、両親はどちらが狼男なの?と尋ねる朝陽。

んー親父が狼男でおふくろがカリスマ痴女だねぇ

カリスマ痴女!?なんだその響きは!!
この単語はエロ峰君ならずとも食いつきたくはなる。というかツッコミを入れたくなる。
獅狼はおふくろさんの痴女っぷりに嫌気がさして家出して葉子さんの家に世話になったりしていたらしい。
まあ身内に痴女がいるってのはたまらないものがありますでしょうわなぁ。でもそれがカリスマなら・・・い、いやいや・・・

ガチモンスターペアレントにうっかり兄上、そしてカリスマ痴女。
普通の狼男では話題にならないぐらいに濃い家族たちである。
朝陽の家族も凄く普通ということだが果たしてどうなのだろうか。
確かめるためにも葉子さんは一度黒峰家を訪れるべきではなかろうか。寝ている間に部屋に入るとかしてもいいぞ!!

それはさておき、紅本先生は葉子さんや獅穂さんにせっかくなんだしもっとしっかり帰省したらどうなんだ?と勧める。
まあ年頃の娘さんが一人暮らししているってのは親御さんも心配でしょうしねぇ。
どちらの家もおふくろさんはあまり心配していなさそうな感じではありますが。

くくく・・・あの明里がそんなこと言う日がこようとはのぅ。

笑いながら茜ちゃん登場。そして何かの写真を見せてくる。
そこに映っていたのは・・・ほう、これは見事な族スタイルでございますな。
亜華里と自分の名前を袖に仕込んでいる辺りがなんというか・・・ハハハ。
まああれですな。昔親御さんに迷惑をかけた人間ほど帰って親に対する思い入れが深くなるってやつですな。
でも今は親どころか高祖母に迷惑をかけられている状態なわけで・・・むしろそれが原因でグレてたんじゃないか?
今現在迫力があるのはそういう経緯もあってのことかと納得する。

さて、何やら色々とトラブルだらけだったキャンプも終わり、帰宅しようとする一行。
車は行きでダメになったので公共交通機関を用いるしかない。
と思いきや、何故かボロクズとなったはずの紅本先生の新車が目の前にある。感激の紅本先生。良かったね。
まあ、単に中古車センターを巡って手に入れた中古車だったりするわけですが。悪魔の力とかはどうしたー!?

というか普通に考えたら中古車かどうかぐらいすぐにバレそうな気はしますな。
修復したので前と色々異なる部分があるとか言えば帰るまでぐらいは気付かれないか・・・?

娘が行ってしまうというのに背を向けたままの父親。
昨晩はあんなに娘思いのところを見せておりましたのにねぇ。いや、酔ってたから覚えてないんだろうけど。

まったくもって素直じゃない父娘。仕方がないので焚き付ける言葉を口にする母。
それを聞いた親父さんは車を走って追いかけだし・・・

待てぇぇ小僧っ!!おまえ昨日葉子の部屋泊まったてどういうことやっ!?

おぉう。思いっきりバラされとる!!
実際何事もなかったわけだし、できれば秘密にしておきたかったことでありましょうに・・・
真っ赤になってる藍澤さんの反応が実によろしいですなぁ。

全力走って追いかけてくる親父さんを見た朝陽。そこでもしかしてと考える。

・・・あ、あのさ白神。
俺昨日親父さんにつれられて白神の家泊まったろ?親父さん何度も何度も白神のこと質問してきてさ。
その・・・うまいこと言えないんだけど、父親なんだな――って。
だからさ、もしかして。もしかしてあれ、白神に手振ってるんじゃないかな・・・?

ふむ。言われてみれば追いかけるにしては妙なポーズでありますな。これは確かに手を振っていますわ。間違いなく。
なんともはや素直じゃないけど、娘のことを想っているってのがわかる光景でありますなぁ。
葉子さんもそれに応え、車から身を乗り出して手を振り返す。いってきますっ!!
その一声を聞き、足を止めて戻っていく親父さん。うーむ、父親でありますなぁ。そんな姿を見て朝陽も思う。

もしいつか、俺にも子供が出来たら親父さんみたいになったりするのかなー・・・なんて

てなことを考えている朝陽だが、ここで奇妙なことを言い出す茜ちゃん。
何やら妙なもんに見られているのだそうな。ほう?

吸血鬼や悪魔のような魔族でもない。福の神のような神物でもない。宇宙人とも違う。
私も初めて感じる気配だのぅ

長い時を生きる茜ちゃんですら感じたことのない気配。それは一体どういうものなのか。
その気配の主は雨の降る中、鉄塔の上に立っていた。
そして紅本先生の車を見送りながら呟く。

・・・見つけた。この疼き・・・間違いない。あの車の中にいた。
歴史の歪み。そして、この私・・・黄龍院凛の眷属が・・・!!

雷が鳴れば、その背後には竜のようなシルエットが・・・こ、これは・・・出る作品間違っていないか!?
この謎めいたキャラの登場に茜ちゃんも思わず呟く。こいつ何言っとるんだ?と。

とりあえず中二病っぽいとまで言われてしまう凛ちゃん。
色としては黄色枠ですしねぇ。まともな位置づけのキャラとなるのはやはり難しいか・・・!?
まあ、この作品に登場した以上、最初がどれだけシリアスでもすぐに残念なことになるのは目に見えておりますからなぁ。
それ自体はもう仕方のないことだと割り切ってもらうしかありますまい。

とはいえ色々と気になる子ではある。
茜ちゃんが感じたことのない気配。となると過去に類を見ない――つまり未来からやってきた娘という可能性があるわけか。
朝陽が親父さんみたいになったりするのかなー発言の後に出てきたのも気になる所。
はてさてその正体は一体どのようなものであるのか・・・!!
実は私はただの中二病なんてオチはさすがにないと思う。鉄塔に登るのはさすがに中二ランクが高すぎる!!



第34話「誤解を解こう!!」  (2013年 44号)


夏休みの進展具合を男友達に報告する朝陽。
周りが気になっているから答えているという流れなんでしょうが、その進展具合の早さはむしろ惚気に聞こえる程である。
キャンプに行ったと思ったら白神の実家だった。確かにこれだけではよくわからない。
噛み砕いていえば、女だらけのキャンプに男一人誘われ、好きな人の実家にてご両親と顔合わせ。
その後その好きな人の部屋で一晩一緒に過ごしたという話でございますな。うむ、朝陽は遠くに行ってしまったと思われて仕方がない!!

そんな話をしていると、目前には可愛い女の子の姿がある。
って早速朝陽の前に現れましたよ凛ちゃん!!やはり目標は朝陽でありましたか。

いや、それよかあの子。なんか剣持ってんだけど。まさか本物じゃねぇよな・・・?

さすがは岡。ようやくそのツッコミをしてくれましたか。
凄い金属っぽいし抜き身の状態でさしてある剣である。これは怖い。
そしてズンズン迫ってくる凛ちゃん。一応逃げたほうがいいんじゃないの!?

そんな風に警戒もしたりしたのですが、凛ちゃんに攻撃の意志などはない。いや、ある意味凄い攻撃を仕掛けてきた。

やっと。やっと巡り会えた・・・!!

そう言いながら朝陽の胴体に向けてC・P・D(ちっぱいダイブ)
うーむ、こいつは凄い攻撃でございますな!!キュ。
これはさすがにエテ・・・嶋公も黙ってはいない。そりゃあそうよ。

私の名は黄龍院凛。朝陽の記憶には無いかもしれない・・・けど。
朝陽は私に、愛していると言ってくれた

突然の爆弾発言。葉子さんというものがありながら・・・!!
てな感じで物凄く白い目で見てくる男友達3名。そりゃあそうだ。もっと蔑んでやれ!!
まあ、朝陽としては身に覚えがないことだし、突然のことで混乱状態になるのも仕方がないか。
もしかして幼稚園とか小学校とか一緒だった?と尋ねる。なるほど、それなら子供の言葉ということで納得はできるか。
このヘタレが愛しているなんて言葉を容易く口に出来るとは思えませんしねぇ。で、いつ言われたのかな、凛ちゃん?

一か月前。朝陽照れ屋。だから時間かかった

ほう。一か月前。
そりゃあずいぶんと楽しい夏休みだったみたいですなぁ。
葉子さんの実家に行ったりしたかと思えば他の少女に愛の告白をしていたとは・・・!!えらいこっちゃ。

一連の話をしている間、ずっと朝陽に抱き付きっ放しの凛ちゃん。
ぷにーと柔らかい感触を押し当てていながら本人はそれに無頓着な感じである。朝陽はよくこういう目に合いますなぁ。羨ましい。
とはいえ、ここからはさすがに不幸のターンとなりそうな感じ。
男友達には既に見られているが、これ以上この姿を誰かに見られるようなことがあったら・・・

てな心配は的中するものである。よりにもよってみかんでありますか。
朝陽が見知らぬ女子に抱き付かれている。その光景を目撃したみかんは無言でシャッターを切る。
無言で確認。そして無言で去っていく。とぼとぼ。なんとか言ってくれよ!!

派手なリアクションがないのがかえって怖い。
男共のチクチクした攻撃もそれはそれで厳しかったりしますけどね。いや、まだみかんのターンは終わっちゃいないぜ!!

みかん「ほら、あれ」
葉子「そんな、まさか」

白神つれてきたーっ!?
最悪の行動であるが、まあやって当然の行動ではありますな。
笑顔のまま固まり、ひきつったような感じになっている葉子さんが実に可愛らしい。
そして2人揃ってとぼとぼと去っていく葉子さんとみかん。基本無言なのが恐ろしい。
まあ、他の女の子に愛しているとまで言ってうつつを抜かしていた男に対してはこんな扱いもやむを得なかろう。
と思いきや戻ってきた様子の葉子さん。おや?と思いきや・・・

今度は委員長つれてっ!?

無言で3人になっておりました。どんどんえらいこといなっている!!
しかし藍澤さんは一応話しかけはしてくれます。
1人1人では受け切れない衝撃も、3人揃えば何かの間違いではないか?というところまで和らげることはできたようだ。
まあ朝陽の普段の行いが良かったというか、普段のヘタレさが効いてたというか。
基本的に本命に一途なのはみんなの知る所でありますしなぁ。それが過去形になりそうな事件が今の状態でありますが。

朝陽「そっ・・・そうだ!!黄龍院さん!!人違いってことは・・・」
凛「それは無い。これは朝陽の匂い。一か月前一緒に寝た時と同じ

大勢揃ったところで更なる爆薬を投下してくる凛ちゃん。大した子である。
こりゃあ皆の見る目が一斉に冷たくなっても仕方がない。いや、葉子さんはむしろ盛大に照れ顔になっているな。
自分も一緒の部屋で朝陽と寝たり抱き付いたりした経験がある分余裕があるということなのか!?いやまさか。

まぁまぁみんな落ち着きなさいよ。とりあえず朝陽の言い分を聞きましょ?
そしてそれを私が校内新聞に載せるから。「愛してる」と言って一緒に寝ておいて、朝陽は覚えていない違うんだと言ってると・・・!!

それはもはや公開処刑でありますがな。
まあ、状況を見ただけで有罪判決が下されても仕方がないわけですしね。
誤解であろうとどうであろうと、可愛い子に抱き付かれているというその状況がまずイカン。処刑もやむなし。
証拠写真もカメラに収められているし、新聞にされたなら言い逃れはできますまい。

なので、そのカメラを奪い取って逃げ出す朝陽。その動きの最中も抱き付いたまま離さない凛ちゃん。

みかん「容疑者が証拠奪って逃げた!!
藍澤「人一人引きずってあの速度・・・よっぽど後ろめたいことが!?」
朝陽「自分の命守りたいだけです!!」

一体何でありましょうかね、この状況は。
まあ冷静に考えてみればあのアナザルと称されるほどに分かりやすい朝陽が浮気・・・いや二股なんてできようはずもない。
それは葉子さんもみかんも解っているし、藍澤さんもそう思いたいと言っている。
しかしそれならばあの少女は一体何者なのか。疑問はそこに行きつくこととなる。

なんにせよ、黒峰朝陽とあの少女を捕らえれば明らかになる!!

その考えのもと、逃げる朝陽を追う女子3人。
カーブを曲がったところで3人の先頭に立っていたみかんが出くわしたのは、痴女――獅穂さんだ。
3人は獅穂さんに朝陽が逃げた方向を聞き、その通りに追いかける。
しかし朝陽はどうやら獅穂さんに匿われていた様子。そう、スカートの中に・・・どこに入れてるのっ!?

さすがにこの痴女っぷりにはマイペースな感じの凛ちゃんも驚きを隠せない様子。
しかし3人は何で気付かなかったんだろうか・・・少し視点を広げれば絶対に気付きそうなものであるが・・・
まあ、痴女の下半身なんてなるべく見たくないという共通した思考があるのかもしれない。
それを逆手に取った獅穂さんの匿い方なのだとしたら・・・合う!!ツジツマが!!

それはさておき。ようやく落ち着いて凛ちゃんと向きあえるようになった朝陽。
やはり「愛してる」とか一緒に寝た記憶とか思い当たらないと述べる。
しかしそれは当然のことでありました。

だって50年先。未来の話だもの

未来の話をし出す凛ちゃん。それはつまり、そういうことですか。未来人ってことですか、やはり。

――そう。実は私は。私、黄龍院凛は、未来から来た黒峰朝陽の孫
よろしくね。朝陽おじいちゃん。

孫と来ましたか!!
眷属発言もあったし子供であるかなとは思ったが、そうかーもう少し先の孫であったかー。
まあ孫であるならば名字が変わることもありえますしね。すぐに気づかれないためにはいい設定かもしれません。
と思わせておいて黄龍院はソウルネームであり本当の名前は別にあるのかもしれないが、まあそれはそれだ。

未来人の到来。やはり気になるのは朝陽と誰の間に生まれた子の子であるかということ。
未来のことは知りたくないと思いつつも気になってしまうのが人のサガ。
色々とトラブルを起こしそうな存在でありますが、一体どうなりますことか・・・
今の所恋愛対象ではない獅穂さんや茜ちゃんだけが事実を知っているのならば、そういうトラブルは回避できるかもしれないが・・・
その場合は朝陽がどう凛ちゃんのことを誤魔化すかという話になりますな。
みかんや男友達には未来人という話も出来ないし・・・どうにか頑張って誤魔化せ朝陽!!気合いだ!!



実は私は 5巻


第35話「未来の話をしよう!」  (2013年 45号)


私、黄龍院凛は50年先の未来から来た黒峰朝陽の孫。
黄龍院はパパの名字。朝陽の娘が私のママ

なるほど、そこまで解説してくれますか。やはり朝陽は娘が産まれるみたいですね。
前に白神父の姿を見送った際に、自分も娘を持ったらあんな風になるのかなとか考えてましたしなぁ。

それはそうと朝陽としては気になることがある。いや、朝陽ならずとも気になることでありましょう。
自身は結婚し、娘を授かっている。ならばその結婚相手とは一体誰なのか・・・
ドキドキしながら嫁候補を思い浮かべる朝陽。まあ葉子さんは筆頭ですわな。間違いなく。
続いて藍澤さんがいるのはいいとして、みかんも候補に入っているのか朝陽よ・・・?
ちょっと離れて小さくなっているのがらしいといえばらしいのか。ふーむ。

だ・・・誰なんだろ。俺の結婚相手。
見た感じ特に白神に似てるとかは・・・いっ、いや孫ってそもそも似るのかな?すげぇ気になる!!

凄く気にはなっている。でもその結果、実は葉子さんが相手ではなかったと知ったら、それはそれでどんな気持ちになるのか・・・
思わず躊躇ってしまう朝陽。無理もない話ですわな。
しかし凛ちゃんはわざわざ朝陽に会うために未来からやってきたのであろうか?
確かに同じ年頃の朝陽に会ってみたいという気持ちはあった様子。
しかしどうやらそれ以外にも目的はある。そう、それは――未来を救うため

私の時代・・・世界はめちゃくちゃになってしまった。だからそれをどうにかするため、私はレジスタンスとして戦っている。

ほう。それは何だか深刻な話でありますやね。
レジスタンスが一縷の望みをかけてタイムスリップを試みる。まるで映画のような展開である。
そして凛ちゃんは語る。未来がどれほど恐ろしいことになったのか。そしてその世界を生み出した存在について・・・

・・・必ずいる。この時代に。
コンビニのエッチ本と普通の本の割合を逆転させて、ミニスカノーパンを主流にした元凶が・・・!!

え・・・?
いや、確かに恐ろしい感じの世界ではあるが、予想したのより全然違うというか・・・
そんなツッコミを入れる間もなく、衝撃の話はまだ続く。

――そう。全てはカリスマ痴女2世のせい・・・!!
このスパッツはレジスタンスの証。捕まった仲間は皆ミニスカノーパンにされてしまった。
政府はカリスマ痴女の傀儡。許さない。カリスマ痴女2世・・・!!

そんな深刻な顔してその単語を口にされましても・・・どんな顔をすればいいのかわからない。
獅穂さんの母親はカリスマ痴女。その娘の獅穂さんもまた痴女である。
となれば、やはり獅穂さんが未来をめちゃくちゃにした元凶であるということなのだろうか!?

アタシの痴女っぷりんなんてお袋に比べたら全然・・・と述べる獅穂さん。お袋さんどれだけのものだったのか・・・
というか未来の獅穂さんは67歳になっているはずだが、まだ痴女でいられるのであろうか・・・
何にしても前回凛ちゃんが痴女に反応したのはそういう経緯があったからなんですね。
ここで改めて獅穂さんに向き直る凛ちゃん。どうやら警戒している様子。

カリスマ痴女2世には遠くおよばない。けど、その潜在的な痴女力は危険・・・!!

女子力みたいな言い方されても困るのですが!!
というか潜在的な痴女力とかどうやって測ってるんだ!?
いやそれよりもいきなり抜刀し始めましたけど、その剣で一体何をするつもりなのか!!

決まってる。粛清

ザンッと切り裂く音を立てながら獅穂さんの横を通り抜ける凛ちゃん。切った・・・!!

危なかったよ・・・谷間にエロ本はさんでなかったらどうなってたか・・・

何でそんなところにそんなものを挟んでいたのか!!
というかそれならば胸の方が先に切り裂かれるのではなかろうか。いや、凛ちゃんの狙いはそもそも切ることでは無い。

凛「貴女の谷間はすでに封じた」
獅穂「ま、まさか私がエロ本取り出した直後に・・・!?」
朝陽「ボタン閉めただけ!?

一体どのタイミングで締めたというのか。
切って取り出す前に通り抜けているはずなのに、取り出した後目にも留まらぬ速度で締めたというのだろうか。
うむ、ぶっちゃけそんなところを深く考えるような流れじゃないとは私も思いますけどね!!

とりあえず命に関わる感じじゃなさそうだと安心した様子の朝陽。
未来の世界のことやら何やらで焦っていたが、少し落ち着いた。そのことで逆に意を決しそうになっている朝陽。
聞いてみようかな・・・俺の結婚相手・・・

お・・・俺の結婚相手の・・・凛ちゃんのお婆ちゃんの名前ってわかる・・・?

ついにその質問を口にする朝陽。
しかしそれに返答しようとした凛ちゃんの横で先に動き出すのは獅穂さん。
せっかくボタン止めてくれたのに、全部外れちったーと痴女丸出しの宣言をしている。
確かにボタンは全部外れているが、それだけじゃなくブラまで外しているじゃねーか!!こりゃ危ない。

獅穂「んー。やられっぱなしは痴女がすたるってねぇ」
凛「この痴女力の高まり・・・貴女は危険っ!!」
朝陽「出たっ!!スタイリッシュボタン止めっ!!

いつの間にやら妙な名前がついていたらしい。
何度やってもムダ。貴女は私が止めると勇ましいセリフを吐く凛ちゃんだが、要はボタン止めるってことでしょ。
だが、そんなスタイリッシュなボタン止めも一見で簡単に攻略されてしまう。

んー。残念。先に全てのボタンちぎらせてもらったよ・・・?

なるほど。これならばボタンを止めることはできない!!やるな!!
獅穂さんの迷いのない行動と高まる痴女力に気圧される凛ちゃん。
まさか貴女がカリスマ・・・と気づきつつある様子。
ふーむ、どうやら獅穂さんは状況により痴女力が上下するタイプの痴女のようですな。常に全開ってわけじゃなかったんだ!!

これが未来的戦闘・・・!!未来って一体何だっけ!?

痴女とレジスタンスがスタイリッシュな戦闘を繰り広げ、敗れたレジスタンスは痴女へと変えられる。
一体何のゲームの設定なのかと思えるほど無茶苦茶な未来である。楽しそうだなオイ!!

ボタンの件は置いておいて、自分の結婚相手について教えてもらいたい朝陽。
しかし凛ちゃんは述べる。これは未来の朝陽の命がかかった戦いであると。

カリスマ痴女の支配が続けば、朝陽はいずれ鼻血の出し過ぎで死んでしまう・・・!!

60過ぎにもなって、娘どころか孫までいるというのに、まだ鼻血を出し続けているというのか朝陽!!
成長していないというか何というか・・・
いや、ひょっとしたら吸血鬼の婿となることで若さを保つようになったとかそういう話か?
白神母もやけに若く見えたし、何かそういう不思議なアレによって若さを保っているのかもしれない!!
そうなると若い姿のままで孫と同衾したという話になるので色々と言い逃れ不可な話となるわけですが。

ともかくエッチな本を凛ちゃんに投げつけ、その隙をついて朝陽に後ろから組み付く獅穂さん。
いや、組み付いただけではない。ぬぎたてのTバックを朝陽の頭に被せたりしているぞ!!
ブラ外した状態の胸も押し当てたりしているし、こりゃあ朝陽も盛大に鼻血を吹きだすより他ありますまい。

卑怯者っ!人質なんてっ!!

これは人質にとられている状態といえるのだろうか。
まあ放っておいたら確かに鼻血の出し過ぎで死んでしまうんじゃないかと思えなくはない。
これまでは落ち着いた様子だった凛ちゃんが朝陽のこととなるとオロオロしだすのがまた可愛い。

そんな感じでよく分からない未来的な対決は獅穂さんの勝利に終わりそう。
と思いきや、油断していた獅穂さん。エロ本に載っている月を見て変身してしまう。おやおや。
というかよりにもよってよりにもよってな格好の時に変身してしまったものですなぁ。
まあ獅穂さんの場合は大抵半裸でいそうな気もするし、変身されてよかったって思えるタイミングはあんまりなさそうですけどね。

ともかく朝陽と組み付いていた状態なので慌てて離れる獅狼。
短いスカートで大股開いてそんな激しい動きをするもんだから風でまくれ上がってしまい・・・

容赦なく斬ったー!?

獅穂さんの時に魅せたスタイリッシュな技とはちがう。本当に血が噴き出す勢いの斬撃だ!!
まあ、いきなり年頃の乙女がそのようなものを見せられたのならば斬撃するのも止む無しといえなくはないわけでして。
思いっきり無実なのに普通に痴漢のような状況になってる獅狼。哀れ。

手強い相手だった・・・変身する変態なんて。

うまいことを言いおる。黒峰君がその剣、峰ある?とか言うよりよほどうまいぜ。HAHAHA。

それはさておき。
倒れている獅狼のことはスルーしながら、朝陽の質問に答えようとする凛ちゃん。
自分のお婆ちゃん。つまり朝陽の結婚相手だが、そのことについては答えることができないらしい。

未来のルール。過去の人に未来の話はタブー。破ると反省するまで未来に帰れない
だから朝陽も私が未来人だと秘密にしてほしい。

ははぁ。やはりそういうルールは課せられているものなんですね。
しかし破った時のペナルティがまた軽いな、おい。お尻ペンペンされるより軽いんじゃないのか、これ。

というか、タブーの割には色々と未来のこととか話していたような気がしますが。
親族ならば大丈夫とかそういう話なのでしょうか。でも獅穂さんにも普通に話していたし・・・
・・・ああ。やっぱり駄目だったんだ。未来に帰れなくなっちゃったんだ。
うむ、これにて凛ちゃんも立派なアホの子であることが証明されたわけでありますな!!
思わず手で顔を覆ってしまうのはさすがに朝陽の孫であるということか。そんな部分だけ似てしまっても!!

しかし凹みつつも問題ないと言ってのける凛ちゃん。そして翌日。

帰れないから転校してきた。私、朝陽の後輩。これで解決。

なるほど、解決ですな。何も問題はない。そんなバカな!!
まあ・・・学校内のことだし、全てのやりとりは茜ちゃんが見ていたと思われる。
であれば転向の手続きに関しては問題なかったのだろうなと予想できる。
しかし凛ちゃんはこれからどこに住むつもりでいるのだろうか?
朝陽の孫なのだから当然朝陽の家に住むとか言い出したりすると・・・面白いことになりますなぁ。

そもそも未来人ということを秘密にするのならば、葉子さんたちへの言い訳はどうすればいいのか。
凛ちゃんはこれからも朝陽にべったりになりそうな予感がするし、言い訳無しでは辛そうな気もするが・・・
新たなアホの子を迎えての新たな展開。期待であります。



第36話「対抗しよう!」  (2013年 46号)


何やってんだよ委員長!凛ちゃん!どうして二人が戦わなきゃいけないんだよ!?

叫ぶ朝陽。見上げた空を彩るのは怪光線を放つ猫型UFOと炎を吐くドラゴン
な、何でいきなりこんなことに・・・!?
凛ちゃんはそれは運命と語る。ほう。

私、藍澤渚はまだ知らない。この戦いの果てに私は何を失うのか

藍澤「黒峰朝陽をつれていくのは私だ!!」
凛「朝陽をつれていくのは私」

よく分からないことを叫ぶ両者。そもそもこの戦いの始まりは、二日前にさかのぼる――

2日前。
転校してきて部外者ではなくなった凛ちゃん。今日も朝陽に抱き付いております。甘えん坊ですねぇ。
もちろんお爺ちゃんが大好きなだけであって、男なら誰でも抱き付きたいとかそういう話ではない。特に嶋田はいや。名指しっ!?

凛ちゃんのことは秘密にしなければいけないので葉子さんや藍澤さんには説明できていない朝陽。
おかげで離れたところから白い目で見られてしまっております。ハハハ。
しかし男友達は普通のつき合いに戻っている感じだが、どういう風に納得したんだろうか。

藍澤さんおるのに・・・!!と険しい顔をしている葉子さん。ぬぬぬ。そんな葉子さんに落ちついた雰囲気で声をかける藍澤さん。

白神葉子。先日話した通りあの男のことだ。何か事情があるのだろう。
ならば案ずることは何一つない。黒峰朝陽を信じてやればいい

なるほど。男友達もそんな感じで朝陽のことを信じてくれたと解釈すればよいのだろうか。
隠し事ができない体質なだけに、何かあるんだろうなとは思うが、それがやましいことではないんだろうなとも分かるわけだ。
とはいえ、本人にやましい気持ちがあろうとなかろうと、目の前で繰り広げられている光景は恋する乙女には複雑なものなわけで。

・・・全く。全くなんなのだあの男はっ!!
白神葉子というものがありながら・・・他の女とデレデレとっ!!

さっきまでは冷静になるように葉子さんに言っておきながら、一人になると藍澤さんもこの調子である。
保健室で外部ユニットの充電を行う間、本体は一人憤慨中。
まあ確かにおじいちゃんの威厳を持って軽々しく抱き付かない様に言うことだってできるはずなのだが・・・
今の朝陽にそれができるだけの威厳はないか。いや未来の朝陽にもないのかもしれない。

全くどうして・・・どうして・・・どうして私は・・・あんな男のことを好きになってしまったのだろう・・・

あのような情けない男と思うのに、あの男のことを考えるだけで体温の上昇を感じる。
事情があるとわかっているのにイラだちが止められない。うーむ、やはり恋する乙女の心は複雑だぁ。
赤面しまくりの藍澤さんは実に可愛らしいが、外に出たままそのようなことを呟くのはいかがなものだろうか。
なんせこの充電している場所は保健室。そう、獅穂さんのテリトリーなのだ!!

ボソボソと声が聞こえるということでやってきた獅穂さん。かろうじて本体は見られずに済んだ様子の藍澤さん。
でもそっちよりある意味大事な秘密がバレてしまっている。

やっぱ藍澤サン、黒峰クンのこと好きだったんだねぇ
夏祭りあたりからひょっとしてとは思ってたけど。そっかそっかー。

まあ、あの夏祭りで抱き合ってた場面を見れば感づいてしまっても仕方がありませんわな。
しかしこのところの獅穂さんは色々と秘密を知ることができる立ち位置にありますなぁ。

朝陽が好きであるということを指摘され、オロオロする藍澤さん。
そんな藍澤さんに対し、葉子に遠慮する必要はないと思うよと述べる獅穂さん。
藍澤さんにしてみれば葉子さんは大切な友人であるし、朝陽当人の想いというのもある。複雑なことでありましょう。
しかしそんな藍澤さんに獅穂さんはこう語る。

葉子がどう思ってるとか、黒峰クンがどう思ってるとかじゃない。
藍澤サンがどう思ってるか。どうしたいか。藍澤サンが納得出来る選択をしなきゃ

それぞれが納得出来る状態になる。確かにそれは大事な落としどころでございますな。
とはいえそう簡単にはいかないのが恋心ってものでありましょうが・・・はてさてどうなるのか。
とりあえず藍澤さんにしてみれば相談できるかもしれない相手が見つかったというのは心強いことである。
秘めた恋心ってのはそれはそれで辛いものでありましょうしね。
しかし獅穂さんに恋愛相談をしてもあまり役に立たないのはこれまでのことからも分かるとおりである。
凛ちゃんに負けないように全裸で朝陽に抱き付く!!面白い発案だが、それだと朝陽が鼻血の吹きすぎで死ぬだけかと!!

藍澤さんとしても、そんなことでどうにかなるとは思っていない。
その手の肉体的接触は獅穂さんが既に何回も行っているし、葉子さんも何回か行っている。むにー。
結果として鼻血は出せども攻略されるようなことはない。ヘタレと言われればそうなのかもしれないが、理性的ではあるということだ。
つまり凛ちゃんが抱き付いているからといって同様の作戦をとることはない。
――しかし、お弁当を持ってくるという流れとなったらどうか!!

体による誘惑が困難と悟るや否や、すぐさま胃袋に対する攻めに転じるとは・・・あの一年生・・・できる!!

ちなみに凛ちゃんが持ってきた朝陽用の弁当の中身はおかゆである。
なるほどー。入れ歯でも大丈夫なように心掛けてくれたわけですね。まだ自前の歯があるよ!!

弁当の中身はさておき、藍澤さんは考える。抱き付くのはありえなくとも、弁当ぐらいならば・・・と。
料理ならば自分も少々腕に覚えがある。焦って余計なことをしたりしなければ大変なことにはならないはずである。
いやだがしかし、いきなり異性にお弁当を作ってあげるというのはどうなのだろうか。
身内でもなければ告白の一種と思われても仕方のない事象であると思えるのだが。
藍澤さんもふと我に帰り、ドキドキしながら呟く。作らん・・・決して私は弁当なぞ作らんぞ!!

翌日。

つ・・・作ってしまったー!!
なんだこの超大作はっ!?こんなもの渡せるか!!仮に恋人だとしてもこれは戦慄するぞ!?

確かに何段重ねかというような重箱である。
弁当を包んでいる風呂敷が母星のデザインじゃないかというツッコミも遅れてしまうぐらいの存在感がある。
作ってから昼になるまでにタイムラグがあってよかったというべきなのかどうなのか。
少し冷静になり、後悔しまくりの藍澤さんでありました。可愛いねぇ。
しかし獅穂さんの言うとおり、ハートマークとか描いちゃったりしたのだろうか?それはもはやラブレターみたいなものですよ。

というわけで、重箱弁当は全て自分でたいらげることとなった藍澤さん。
外部ユニットのお腹に詰め込んだのでありましょうか。でも苦しそうだし本体もしっかり食べてそうだな。
そして朝陽の今日の昼食はしけたせんべい。やっぱり凛ちゃんにしてみればどこまでもお爺ちゃん扱いなのか!!

そんな凛ちゃんと昼休みの間に話をしたという葉子さん。
その結果、なんか時々何ゆーてるかわからんけど、フツーにええ子やったよと評価するに至っている。
ふむ。確かに対立するより先に相手のことを知るというのは重要なことでありますな。
何より凛ちゃんは小さくてかわいい。葉子さんの好きなタイプであるといえましょう。

茜ちゃんとちごて素直やし、何よりしけたせんべいとかくれたし

こっ・・・攻略されているー!?
まさかあの葉子さんがあっさりと餌付けされてしまうとは・・・!!いや、まさかも何もないけどもさ。
しかし藍澤さんの目から見ても葉子さんの弱点は胃袋であるという判断になるのですな。そりゃそうか。

さて、腰の悪い朝陽を送ろうとする凛ちゃん。いやいや、まだこの頃の朝陽は若いから。腰は悪くないから。
というのも聞かず、ひとっ飛びだからとあるものを呼び出す。
差し出した手を追って空を見上げれば、そこはにわかに曇り雨が降り出す空。そして大きな翼を広げたドラゴンの姿。ええっ!?
た、確かに凛ちゃん登場時にドラゴンらしいものが浮かんではいたけど、ここで出て来るのか!?

タイムマシン。選ばれし者にしか見えない

これタイムマシンなのか!!その発想は正直ありませんでした。
未来人は何を考えてこのような派手なスタイルのタイムマシンを作ったのか。

ともかく選ばれし存在にしか見えないと言うことで一般生徒には見えない様子。
藍澤さんや葉子さんは一般生徒ととはほど遠いせいか見える様子。
そしてドラゴンの登場に目を輝かせる葉子さん。UFOの件といい好きだねぇ。キラキラ。

そ・・・そうか。これはっ!!体による誘惑、弁当による餌付け・・・
白神葉子の攻略だけではとどまらず、好奇心という名の甘い罠っ!!
これ程多方面からの攻め・・・やはりあの一年生、只者ではない!!

凛ちゃんが一般人ではないことには気付いたようだが、やはり意識は対抗する方へと飛んでしまっている藍澤さん。
相手がドラゴンによる送り迎え。そうくるならば・・・!!

そうだ・・・私にはUFOが・・・いっ。いや待て!最高機密だぞ!?それを送り迎えに使うなど・・・
ありえん!!それだけは絶対にありえない!!

という前振りをすればするほど深みにはまっていくのが藍澤さんという子である。
結局翌朝、朝陽の家へとUFOを乗りつける藍澤さん。やってしまったぁぁぁぁ!!
ふむ、藍澤さんのUFOはリボンがついていて兄のUFOとはまた違う感じなんですな。

一応、黒峰朝陽以外の一般人には見えないように設定したから大丈夫・・・じゃなくて!!
どうした私!?そこまでして黒峰朝陽の気が引きたいのか!?恋とはここまで人を惑わせるものなのか!?

確かに惑いまくりでありますな。
藍澤さんはもともとブレーキの効きにくい性格だとは思っていたが、よもやここまで暴走しだすとは!!
ある意味あの兄にしてこの妹ありなのかと思えるようになってきた感があります。
反面教師という名のストッパーとして兄の存在は必要なのかもしれませんなぁ。

それはさておき、昨日の言葉通り、凛ちゃんが朝やってくる。
というわけで、黒峰家の家の前で朝っぱらから繰り広げられる怪獣決戦。
なるほど。これで冒頭の連れて行くのは私だという言葉に繋がるわけですな。なるほどなー。
勝った方が未来か宇宙へお持ち帰りできるわけだ。
いやそこに連れて行くわけではない。単に学校に連れて行くだけだ。大げさにもほどがある!!

という、誰も得しそうにない戦いの結果――

藍澤「UFOを没収された・・・
凛「未来に帰れない帰還延長・・・
朝陽「いや・・・流れはよくわかんないけど、二人とも秘密隠す気あります!?

まったくもって朝陽の言うとおりである。
藍澤さんは暴走した結果であるが、凛ちゃんは特に秘密を守る気があるのかどうか怪しすぎる。
朝陽もいるし、帰れないなら帰れないでもいいかとか思っていそうな気がするぞ!!
どう見ても反省しているようには見えませんものね。

藍澤さんは凛ちゃんが只者ではないことに気付いた様子。そりゃドラゴン呼べば普通は気付くか。
ならば同じようにドラゴン見ているし、葉子さんと藍澤さんには未来人であることを教えてもいいのではなかろうか。
朝陽の孫であるという部分は嫁関係でややこしくなりそうだから伏せるにしても、そのぐらいは良さそうに思える。
どうせ秘密にしておいても混乱が増すだけなのは、自重しない凛ちゃんを見ていて明らかなわけですしね!!



第37話「体育祭に参加しよう!」  (2013年 47号)


校長室にて何か悪そうな後姿を見せている茜ちゃん。悪魔ですもの、悪そうな姿ぐらい見せるさ。

くくく・・・今年もようやくこの日を迎えたか。
役者は十分すぎるほど揃っておる。見せてもらおうか、愚民どもが醜く争う様を。
そして見せてやろう。この世の頂点とはこの私であると。そう、この体育祭での!!

やってきました、学校イベントの目玉のひとつ、体育祭。
茜ちゃんの示す役者の中に凛ちゃんが含まれているが、やはり千里眼で凛ちゃんの存在も理解している様子ですな。
いや、さくらさん達のような普通の人間も入ってるし、別に常人でも問題はないのか。

体育祭当日。何やら嬉しそうな葉子さん。
そういえば去年は日焼けの関係で参加はできなかったんですよね。そりゃ嬉しいか。
と思いきや、運動は苦手なのでこれだけは日光ダメでよかったと思っていたそうな。そうか、運動ダメなんだ葉子さん・・・
でもその割に今年は嬉しそうでありますな。全然嫌そうには見えませんが?

うん!!それがな?なんかこの学校パン食い競争あるって聞いて。それなら話は別です!!

みんな大好きパン食い競争。運動が苦手な子はこういうところに希望を見出すのだろうか!?
というか葉子さん、キバ丸出しでかぶりつく気ですかね?
ちゃんと口元隠して飛びつくと言っているが、葉子さんのことだしむしろ羽の方まで出してしまわないかと不安である。

葉子「問題はパンはパンでも何パンが採用されとるかってことやねん!!」
獅穂「パンツ食い競争ならアタシも参加するけどねぇ」

さすがの朝陽もこの獅穂さんの発言はスルー。
ツッコミが我慢できない体質のようだが、他のことを考えることで触れずに済ませたぞ!
まあ、楽しそうな葉子さんの姿を見ていたらオッサン臭いボケぐらいはスルーできるってものですよね。うん。

葉子さんはおかんにええとこ見せんとやし!とやる気満々。へぇ、お袋さん見に来るんですか。
親父さんはそんなもん行くかとか言ってるらしいけど・・・あの素直じゃないだけの親バカが来ないはずがないでしょうに!!
いや、とはいえさすがに3m越えの巨体がやってきたら嫌でも人目につく。来るとは限らないか。
てかあれで学生のとき一体どうやって秘密を守っていたのか不思議に思う朝陽。全く不思議ですね。
まあ、たぶんアレですよ。この学校の生徒も全員どこか抜けているんじゃないかと思いますよ。
昼間にでっかいコウモリがビデオカメラさげてやってきているのに大した問題にもしてないし!!

はー。おっきいいコウモリさんやなぁ。

肝心の葉子さんでこの反応であるしなぁ。いやまあ葉子さんは元からアホの子か。
わざわざ教えてあげても緊張するだけだし、これはこれで良いか。
にしても親父さん、もっと細かいコウモリになることもできるでしょうに・・・
ん?それだとビデオカメラをさげることができない?なるほどなー。

まあ、ともかく。体育祭ともなればそれぞれの家族が見にやってくるものである。
葉子さんの家族がやってきた。となれば、他の家族も姿を見せる。そう、例えば男子がやたらと群がっているその場所には・・・

朝陽がそちらに目を向けると同時、剣を構えて凄く緊張した様子の凛ちゃんが現れる。
どうやら圧倒的なまでの痴女力に震えているようだ。未来人は姿が見えなくても痴女力が感じられるのか。
というか、やってきてしまったのか!!獅穂さんのお袋さん・・・つまり、カリスマ痴女が!!
ちょっとサービスしただけで群がった男子が鼻血を吹いてぶっ倒れるというカリスマ痴女。現代でも危険な存在だ・・・!!

そして、何故か売店でぼったくりをしている藍澤兄の姿も見えたりする。
こちらは関係者の家族としてというより祭りの稼ぎに乗じているだけでございますな。間違いなく。
そんな兄の姿を眺めている藍澤さんの表情がなんともいえない。

だっ・・・大丈夫かこの体育祭ー!?

今更ながら戦慄する朝陽。本当に今更だなぁ。
そもそもこの学校の体育祭は去年からして普通では無かったわけでして。なんせあの茜ちゃんがやる気になってるイベントだぞ・・・
いつもは生徒の前に姿を現さず、教頭が行事挨拶をするに留めている。
が、体育祭の時だけはプロジェクターごしに挨拶をする校長。これは確かに学園七不思議の一つに数えられてもおかしくはない。
というかこの学校、謎の発生という意味ではもう7つどころじゃないんじゃなかろうかと。

ともあれ、校長である茜ちゃんの挨拶。
挨拶というか、どうやら何かの宣言を行う様子。みかんも楽しみにしている企画の宣言。
そう、この学校の体育祭の特殊なルールの説明である。

例年通り我が校は紅白のチーム分けなどはせん。
全て個人戦。どの競技に出るかは己で決めよ。大会の最後に成績と同時にMVPを発表する。
そしてこの校長の持てる全ての力を使い、MVPの願いを一つ何でも叶えてやろう!

なんとまあ・・・そう来たか!!こりゃあ盛り上がる宣言だ。実際みかんもかなりやる気になっている。
確かに茜ちゃんであれば大抵のことは叶うんじゃないかなとは思う。
増えたり飛んだり紅本先生の大破した新車を直したりしてますものねぇ。ん?最後のは何か違うぞ?
いや、コネを使って中古車を回してもらったのも校長としての力ということなのかもしれないが・・・やはり何か違う。

ともあれ、朝陽の願いはそういった悪魔の力でどうこうという類のものではない。
というか、本人がその気になって押していけばすぐに叶うんじゃないかと思う願いだったりする。ヘタレめ。
まあ、恋人になれるかどうかでドキドキしている期間こそが楽しいって考え方もありますしね。若い若い。

それにしても随分と太っ腹な企画でありますなぁ。
続きのルール説明によると一般参加も受け付けており、家族の誰かがMVPを取るのもありらしい。ほう。
事実去年のMVPは一般参加者であったそうな。

茜「これが去年のMVPの写真だ。願いはおかし一年分であった
朝陽「そういうカラクリかぁーっ!!」

なんというマッチポンプ。自分で企画し、自分で優勝して特典を掻っ攫うとは・・・悪魔め!!
なるほど。それで冒頭にて、やけに体育祭を前にして悪い顔で気合を入れていたわけである。
ちなみにこの企画は紅本先生も一応賛成している様子。生徒のやる気の活性化に繋がるのは間違いないですしねぇ。
しかし今年はその紅本先生の様子が違う。なんと、自身も参加しようというのだ!!

い・・・いやキサマが参加すれば勝つ自信がびみょうに・・・否っ!!なぜ教師が体育祭に参加する必要がっ・・・

校長が参加しているのに一般教師の参加が不可という理由はありますまい。
このルールならば他にも参加したいと思う人はいるでしょうしねぇ。
それにしても紅本先生。この貼りついたような笑顔は・・・怒っている感じがする!!

なんだ!!まさか・・・あの私が大破させた後直したと言った新車は全くの別物・・・中古だとバレたのか!?
それとも・・・冷蔵庫の缶ビール全てに穴を開けたことか!?
あるいは明里の特服姿を回覧板で回したことか!?

なんだか色々と細かいイタズラをしているみたいですな茜ちゃん。
というか、回覧板はともかく缶ビールの件は絶対にバレるだろう!!
にしても、車を直してもらったと思った時の紅本先生がまた可愛くていいですなぁ。

紅本先生は茜ちゃんの肩に手を置き、こう告げる。

・・・私がMVPだった時の願いはですね?校長。私の新車を新車で弁償してもらうことです。中古ではなくてね
この際ビールと回覧板のことは見逃してやりますから。

予想通り全部バレてたー!!いや、そりゃバレるさ。
ナンバープレートすら元の番号に合わせていないのではバレて当然と言える。
まあ、あの茜ちゃんがそこまで気が回るかというと・・・うん、難しい話ですわな。
こうなったら最後の手段と震えながら考える茜ちゃん。しかしそこに先回りする紅本先生。

弁償代を学校の経費でおとそうとしたら、ぶっ殺す。

木刀担いでそんなことを言い出す紅本先生。なんだか昔に戻ったみたいでありますな!ハハハ・・・

まあ、本人の言うとおり、MVP取ったらというだけでもかなり紅本先生は譲歩してますよね。
自身が勝てそうにないと悟ったら、茜ちゃんの妨害に回りそうではありますが。

というわけで、一般参加もOKとなり、色々と厄介な身内が参加することとなった体育祭。
親父さん、結局人前にデカイ姿を表すのかよ!?
こ、こんなカオスな体育祭が普通に行われてよいものなのか・・・?
茜ちゃんだけブルマであったりするわけだが、そんな特異性など周りに比べれば些細なことに思えてしまうから怖い。
一体どうなってしまうのか・・・いやまあ、どうともならずに普通にいつもの様に進行するんじゃないかとは思いますけどね。
とりあえずカリスマ痴女がどこまで姿をチラ見させてくれるかに期待であります。
全身は出ない方が想像とか楽しめてよいかも。



第38話「MVPを目指そう!」  (2013年 48号)


個性的な面々が勢ぞろい。第66回体育祭開催!!
しかし正ヒロインである葉子さんや藍澤さんは特にMVPは狙うつもりはない様子。
葉子さんは最初からMVPは無理だと思ってるし、藍澤さんはそんなものとは関係なくベストを尽くすだけとのこと。大人の意見だ!!

それにMVPなどちょっとした校長の遊び心だろう。我々生徒がより体育祭を楽しめるよう計らったちょっとしたスパイスだ

確かに普通に考えればそういうものだと思います。
しかし何といっても提案している校長が普通じゃないわけでして、そしてそれに乗っかる連中も普通じゃないわけでして。

あたしたち女子高生はいくら金があっても足りない。そんな皆に朗報よ!!
あたしの願いは校長のあり金全部!!MVPとったらその80%を協力者に山分けすると約束するわ!!

さすがは外道クイーンさん。お金が目的だが10万とか100万とかケチなことはいわない。全部寄越せと言い出すとは。
1年で妥協している茜ちゃんの方がマシに思えてしまう。
まあ茜ちゃんの場合は妥協を入れないと紅本先生の許可がもらえなかったからだろうけど。
いや、単に毎年優勝するつもりだから問題ないと考えていたのか?

アタシが勝ったら女子のスカート丈ひざ上20センチ。どうだい?

みかんが女子を味方につけるなら、男子を味方につけるのは獅穂さん。
おぉ。まるで未来のカリスマ痴女2世の行為を見ているかのようだ。さすがにそこまで酷くはないが。
そして真っ先にその誘いに乗る嶋公・・・ブレない男よ。

凛ちゃんの願いはこの時代のカリスマ痴女に厚着をさせること
学校のこととは全く関係ないが未来を変える大きな一石を投じる結果にはなるかもしれないですな!

てな感じで各々それぞれの願いをかけてヒートアップしております。
ちょっとしたスパイスも素材がよければ劇的な変化を引き起こしてしまうって話でありますな。
まあ、盛り上がるのは間違いないし、それはそれでいいんじゃないかと。みんな頑張ってなー!!

さて、まずは50m走。
第1走者はMPVは狙わない大人しい連中。
葉子さんに藍澤さん。朝陽に岡、さくらさん。そして一般参加の大人が1名。
ってこのおっさんやけにでかい上に覆面をしているんだが・・・何してるんスか親父さんー!?

どうやら娘を近くで撮りたいので競技にまで参加してしまった様子。
覆面をしているのは一応娘にバレないための配慮ということだろうか。まさに頭隠して尻隠さず。その巨体をまずどうにかしなさい!!

あれ?おとん・・・は来るワケないか!でもおとん以外におるもんやなーあんなおっきい人!!

そうか、他にもいるという考えをすれば問題ないわけだな!!いやいや。
まあ、葉子さんはおとんが来るはずがないという考えに固まってますからねぇ。
その正解を除外したらこういう考えに至るのは仕方がないでしょう。一応無駄とは知りつつフォローはしておく。

白神父も含めてクラウチングスタートの体勢を取っている中、一人それが出来なさそうな様子の葉子さん。可愛らしい。

さすがに巨体の白神父。一歩もでかいゆえに速い速い。
というか小石がめっちゃ飛んでくるし隣を走るのが凄く怖かったりする。
こんなとき盾・・・いや嶋公がいれば防御も可能でありましたでしょうに・・・!!
これでは親父さんがゴールするまでは走れないのではないか。と思いきや、突然立ち止まる親父さん。
どうしたのかと思えば・・・前から白神を撮りたかっただけかー!!

動きの不自然さをまるで隠しきれていないあたり、さすがに葉子さんの親父さんというべきか。アホ子の親はアホというか。

藍澤さんは藍澤さんで、ベストを尽くすと言っておきながら競技中に葉子さんの指導を行ってしまう。
根っからの指導者体質ということなのだろうか。教育者には向いているが本番は凄く弱そうだ!!

・・・ふん。ええ友達を見つけたようやの・・・!!

まあ、とりあえず親父さんには好感触だったようなのでよしとしましょう。

さて、親父さんの乱入でドタバタはしたものの、何とか平穏に終わった第1走者。
しかし次の第2走者はガチメンバーである。
真剣勝負であるからには武器の使用も辞さないような連中である。って本当に持ち込んできやがった!!
なんで基本皆武器を携帯しているのか!?獅穂さんのチェーンは首輪の鎖と同様のものなのか?
ともかく紅本先生まで普通に混じっている以上この出場スタイルも認めないわけにはいかないのだろう。きっと。

藍澤兄の目的は酒、ばくち、女。見事な飲む打つ買うの三拍子ですな。
清々しいほどに欲望丸出しの兄であるが、実力が伴っていないのでいい塩梅となっている。
今回も一人だけ飛び道具という有利な状況なのに、茜ちゃんに盾にされて早々に脱落。
当然ではあるが開始早々攻撃の交錯する激しい争いでございますな!!
しかし藍澤兄を盾にするときの茜ちゃんの表情の可愛いこと・・・

みかん「女子障壁展開!!」
獅穂「男子障壁展開!!」

合図と共に男子と女子がそれぞれ群れを成して乱入。紅本先生と凛ちゃんの走塁を妨害する。アリなのかコレ!?
まあ、武器持ってる時点で何でもアリなのは間違いないし問題はないか。
この人垣に妨害されたのであれば、さすがに対処のしようはあるはずもなく・・・

どけ

ひと睨みで人垣が崩壊した!?
紅本先生が段々と現役時代の姿を取り戻しつつあるようで悲しいやら嬉しいやら。木刀があまりに似合いすぎて困ります。

先行したのはみかんと獅穂さん、そして茜ちゃんの3名。
しかしそこで茜ちゃんの悪魔の力が炸裂。即席の落とし穴を作成する。ベリッ。
うーむ、フクちゃんが察知できるとはいえ、やはり茜ちゃんの力は強力ですなぁ。抜きんでてる。
まあ、茜ちゃんは茜ちゃんで弱点も多いわけでありますが・・・
その最大の弱点がお菓子。コース外で白神母――白神桐子さんの差し出す雨に飛びつく茜ちゃん。よいダイビングだ。
その結果、紅本先生が1着でゴールインすることになるのでありました。おやおや。

さらりと判明した白神母の名前。
それはさておき、どうやら桐子さんは紅本先生と協力して茜ちゃんを落とすつもりの様子。
学生時代に色々苦労させられたのは想像に難くないからなぁ・・・まあ、自業自得ですな!!うん。
というかちゃんと傾けた家は元に戻したのだろうか。地味に心配だったりする。

100m走でも相変わらずの様子を見せる面々。
いや第1走者では親父さんがより大胆に撮影しだしている。
そして第2走者はそれぞれ武器が強化されている。あれ、藍澤兄は・・・?脱落したか。やむなし!!

団体競技で後からカウントすることが多い玉入れもこの体育祭では個人競技となる。
鳥とか数える人が一人一人ついて数えてくれるそうな。ご苦労様であります。

運動が苦手な葉子さんは遠投も苦手。というか玉入れの籠まで届かないとはかなり非力というか筋が悪い。
しかし届かないならば別の手段で入れてしまえばいい。
親切なおっきいコウモリが葉子さんの玉を入れてくれます。反則も辞さないとは健気な親父さんだな!!
まあ、それでも葉子さんは気付かないわけだが・・・いや、気づかない方がいいのか?親父さんも気付かれるとは思ってなさそうだし。

みかんと獅穂さんは相変わらずの人海戦術。
玉を拾い集めることで他の連中が投げる玉をなくそうという作戦だ。シンプルにセコイ!!
しかし獅穂さんのサポートをする男子生徒の数が少ない。どうやらカリスマ痴女に吸い込まれていってしまったようだ。
さすがに未来のカリスマ痴女(候補)では現在のカリスマ痴女には敵わないということなのか・・・!!
凛ちゃんもすっかり体育祭そのものを放棄しているような構えでありますね。

自分の玉以外を全てモチへと変化させた茜ちゃん。どうしてそういう発想になったのか。
おかげで自分の角に紅白モチをたくさん連ねられる結果となってしまいましたがな。あらおめでたい。
そしてそのまま茜ちゃんごと籠へと投擲する紅本先生。入ればポイント大量だ!!入らず籠に刺さりましたがポイントにはならんよね?

それはそれとして分身まで出しちゃった茜ちゃん。うむ、実にカオスな状況だ。
モチまみれになって慌てる生徒。空を舞うコウモリと大人たち。大人を投げる角の生えた8つ子。楽しそうな地獄絵図だのう。

しかし紅本先生はともかく桐子さんまで同じ目にあうとは。
立ち位置としては被害に合いにくいキャラであると思ったが・・・誰でも油断はならないのがこの世界というわけだな!!面白い。

大玉転がしや二人三脚などの競技を経てようやく午前のスケジュール終了。
朝陽は午前中ずっとツッコミ入れっぱなしだったんだなと思うとご苦労様ですと言いたくなる。労力凄そうだ。
なので藍澤さんのお弁当も嬉しいエネルギー補給となります。
いっぱい作ったけれども皆で食べてくれという言い回しならば問題ない。
こういう行事であればそこまで特別な行為とも思われないでしょうし、よいタイミングですな。味を褒められて喜ぶ藍澤さんが大変良い。

予想はできていたことではあるが、大変な盛り上がりを見せている体育祭。
去年は茜ちゃんが圧倒したのであろうが、今年は対抗勢力が多くて大変なこととなってますなぁ。
そんな午前の部の集計結果が出た様子。現在の個人成績が発表されます。

現在単独トップは・・・2年1組、白神葉子さん。2年1組、白神葉子さんです!!

本人も知り合いも皆ビックリの結果。
マイペースに楽しんでいただけのはずが何故!?
いやまあ、ガチ勢が足を引っ張り合ったり親父さんがサポートしたりしてたらこうなるのも分からなくはないか。
藍澤さんも意図せずにサポートしているような形になってますしなぁ。
せっかくだからMVPを狙うんだと一層協力的になってしまうかもしれない。

風雲急を告げる展開。果たして葉子さんはMVPを獲得してしまうのか!?
もしそうなった場合、一体何を願うのであろうか?
茜ちゃんに自分をくーるびゅーてぃーだと認めさせるとかそういう・・・いや、さすがにそんな今更な願いは・・・ないよね?
まあ、何は無くともパン食い競争だけは無事に味あわせてあげたいものですな。



第39話「MVPを目指そう!!」  (2013年 49号)


MVPの願いを何でも一つ叶える。その言葉が引き起こしたアホ共の宴。
健全に欲まみれな連中と違い、パン食い競争でれたら別にそれでいいと思っていた葉子さん。
それなのに何故か現在単独トップとなっている葉子さん。これぞ無欲の勝利というやつか!!
まあ他の面々がそれぞれ脚を引っぱったり、親父さんが手伝ったりしてるんだからこれもあり得る話ですわな。
しかし親父さん、普通にそこに座ってたら関係者だとバレちゃうでしょ。もう色んな人にはバレてるけどもさ。

単独トップの葉子さん。現在のポイントは492ポイント。
その葉子さんをまくってMVPを狙うみかんと獅穂さん、それに凛ちゃん。
次の最終競技である障害物競走の1位のポイントは300ポイントもある。
この3人はトップさえとれば十分に逆転が可能な位置にいるわけですな。2位以下はポイントなしなのか?

朝陽としてみれば勝ちたいからって葉子さんを攻撃するような真似は看過できない。
しかし3人にその意図はない様子。だって・・・

・・・白神さん相手なら小細工なしでもたぶん勝てるもの

うむ、やはり見切られておりましたか。まったくもってその通りだな!!
まあ、親父さんの援護さえなければ怖くないのは間違いないと思う。
しかし直接の妨害はなくても巻き込まれる可能性は十分あるわけで、やはり障害物競争は出ない方がいいのではと考える藍澤さん。
だが葉子さん自身は出るつもりでいる様子。

皆、真剣にやっとんやし。ようわからんけど私もMVP候補なんやから私も真剣に。
ちゃんと頑張ってちゃんと勝ったり負けたりするよ!!そうやないと真剣な人らに申し訳ないもん!!

ふむ。いいこといいますな葉子さん。これぞスポーツマンシップの精神というやつである。藍澤さんも満足そうだ。

何よりな?たぶんパン食い競争て障害物競争の中の一つやったと思うねん!!だから絶対参加する!!

それが一番の理由かい。
まあ実に葉子さんらしいというか何というか。
ある意味葉子さんも純粋な欲にまみれているといえなくはないのかもしれない。

さて、いよいよ最終競技。
皆とちゃんと勝負・・・と思いきや、なんだかメンバーが怪しい!!
藍澤さん、朝陽、葉子さん。ここまではいい。
残りのメンバーがみかん、凛ちゃん、獅穂さん、紅本先生。ただし全員角つき。おい。
飴玉取り出せば全員一斉に反応するし、どうみても全員茜ちゃんやん!!
そうか、直前で分身がみかんたちをどこかに運んでると思ったらこういう展開となりましたか・・・

・・・私のポイントは191ポイント。これで勝ったとしても491ポイント・・・白神には1ポイント届かん!!
いいだろう・・・MVPは他の誰かにくれてやる。だが景品は私のものだ!!
私が変身したこやつらは一人一人MVPの資格を持っとる!!
そして本人の代わりに私がMVPを取り、お願いを一つ・・・おかし一年分をいただくのだ!!

茜ちゃん、脚を引っぱられ過ぎて誰よりもポイント稼げてなかったんですね・・・
しかし力を使ってポイント操作しないとかマジメですなぁ。
いやマジメなヤツは競技者を縛って押し込めて分身を代理にしたりはしないか。
当然非難される茜ちゃん。しかし茜ちゃんにも言い分はある。

このメガネ娘の願いを知っとるか・・・?私のあり金全てだっ!!自分の身を自分で守って何が悪いっ!!
痴女なんぞ女子のスカート丈ひざ上20センチだ!!いいのか!?むしろ感謝しろっキサマら!!

まあ、その2人の願いはな。叶えさせるわけにはいかないのはよくわかります。
しかしひざ上20センチってどんな状況になるのだろうか。エロ峰君はしっかり反応しているみたいだが。気になりますな。

まあともかく、レース開始であります。
本物のみかんたちは葉子さん相手に小細工はしないと言っていた。
しかし茜ちゃんは違う。本物たちほど甘くはないと宣言し、開始直後から攻撃をしかけてくる。悪魔め・・・!!
まあおかげで本人たちはまずやらない悪そうな顔を偽物で見ることが出来るので読者的には楽しかったりするのですが。

偽物凛ちゃんの開幕攻撃。
葉子さんを狙った一撃。朝陽は前に出て庇い、藍澤さんも守ろうと動く。
しかしそれらよりも先に攻撃を防いだのは後ろで見切れていたおっきい覆面の人!!
しっかり最終レースも娘の援護をしようとしていたのですな。白神父こと白神源二郎!!
いきなりの下の名前判明であるが、さらに新たな事実が明かされることとなる。

白神父「ええ機会やからついでに、貴方につけられた額のキズの礼もさせてもらいますよ・・・!!」
茜「私とて、とっておきのマカロンを食われた礼・・・それで済んだとは思っとらんよ・・・?」

吸血鬼と悪魔のバトルが始まった。いや、昼日中の学校の体育祭で何やっとるんだ!!
しかしそうか、あの額のキズは茜ちゃんがつけたものだったのか・・・しかも実にくだらない理由で!!
長いこと生きているだけあって色んなトラブルに関わってますな茜ちゃん。

さて、白神父と偽物の凛ちゃんはさておいて障害物に向かう残りの面々。
第1関門は網くぐり。角のある茜ちゃんとしては引っかかって通りにくい障害だ。
しかし分身はまだ残り3人いる。そのうちの2人を朝陽と藍澤さんにぶつければ勝てるという算段の茜ちゃん。
ああ、やっぱり茜ちゃんも葉子さんには普通に勝てるだろうと踏んでいるんだ。どれだけ運動苦手なんだ葉子さん。

まず朝陽に対して攻撃を仕掛ける茜ちゃん。
偽物獅穂さんを使って匍匐前進中の朝陽の下に身体を潜り込ませる。白昼堂々人前で密着体勢!?
まあ、自他共に認める痴女の獅穂さんだからなぁ。偽物がやっても今後風評被害がでることもあるまい。
なんにせよ朝陽に悩殺はこの上なく有用と言わざるを得ない。ヘタレではあるけど健全な色欲は備えてますし。

葉子「エ、エロ峰君っ!?
藍澤「くっ・・・捨て置け!!残念だが・・・エロ峰朝陽はもはや助からん!!」

ヒロイン2人にえらい言われようの朝陽である。

さて、第2関門はスプーン。スプーンの上にピンポン玉を乗せて運ぶ競技だ。
そこで藍澤さんに仕掛けて来る偽物みかん。ピンポン玉は魔力で浮かせているので安心。ズルイな!!
しかしさすがに普段から鍛えている藍澤さん。単純な肉体攻撃は通用しない様子。
ならばと本物のみかんのように搦め手を用いることとなる。
そう、偽物みかんが手にしていたのは、先の夏祭りの日、朝陽と抱き合った藍澤さんの姿を激写した一枚の写真・・・!!

いいいいつ!?いつ撮った!?いつ撮られた!?

赤面して大焦りの藍澤さん。可愛いですなぁ。
しかし実際いつ撮ったのだろうか。面白そうなことが起きそうだったのでこっそりあの場にいたとか?有り得そうだ。
まあその場にいなくても念写の一つぐらいはできそうな人ですけどね。

というわけで、藍澤さんは偽物みかんから写真を奪うのに忙しくなり戦線離脱。
残るは葉子さんと偽物紅本先生の2人を残すのみとなった。
第3関門は三輪車。大人の紅本先生の身体で漕ぐのは難儀しそうな代物である。というか本物だったら恥ずかしがりそうだな。
その競技に入る寸前、偽物紅本先生は葉子さんにこう伝える。

覆面には痛み。黒峰には色気。藍澤には恥じらいを与えてやった。
そして白神。キサマには絶望を与えてやろう。
・・・そう。この障害物競争に・・・パン食い競争は無い!!

去年はあったようだが今年はなくなっていたパン食い競争。
この土壇場でそれを明かされ絶望に浸され、膝をつくこととなる葉子さん。そこまで楽しみにしてたんだ!?
そんな葉子さんを必死に励ます藍澤さん。
相変わらずツッコミ所しかないくだらない流れでもこのヒロインたちは皆一生懸命だったりするから困る。

追え!!追うんだ早く!!君はMVPを目指した本物たちの分まで頑張ると決めたのだろう・・・?
MVPを・・・皆の夢を偽物に奪われていいのか!?
残酷なようだが・・・立て!!そして勝て!!君はMVPになるんだ!!

ある意味奪われた方が平和に済む夢もありそうだが、まあそれはそれ。
藍澤さんの言葉を受けて立ち上がる葉子さんでありました。
しかし朝陽。偽物獅穂さんの誘惑を振り切ってわざわざツッコミに来てくれるとは・・・律儀な男よ。

走り出した葉子さん。
しかし偽物紅本先生は第4関門のアメ探しを一瞬でクリアしている。さすが、おかしへの嗅覚は凄まじいものがある!!
そして最後の障害物である第5関門の平均台もクリアし、ゴールは目前。そう、勝利は目前!!
・・・というところで立ちはだかる最終関門がありました。
般若面に抜き身の刀を担いだ紅本先生(本物)。こりゃ関門とかいうレベルの存在じゃねーぞ!!

なるほど。白神母が探し当ててロープを解いてくれたわけですな。こりゃ茜ちゃんの失策である。
そして本物の紅本先生に偽物が気をとらえているうちに追い越してゴールを決める葉子さん。
今年のMVPは2年1組の白神葉子さんに確定しました!!

参加できなかった皆の夢の分まで頑張った葉子さん。よく頑張った。
そしてMVPの権利である賞品の願いをさっそく叶えてもらうこととする。
そう、葉子さんの願いは一つ。既に決まっているその願い・・・パン食い競争がしたいというその願いを!!

実にいい笑顔でパンへと飛びつく葉子さん。ボロボロになってた白神父もその姿を収めております。ハハハ。

色々と欲にまみれた体育祭ではありましたがこれにて閉幕!!
まあ、茜ちゃんとしてもあり金奪われたりしなかっただけマシだったと考えるべきなんでしょうなぁ。斬られてるけども。

しかし最終ページ。日の光が差し照らす中、パンに飛びつく吸血鬼とか・・・色々と有り得ない光景ですよね!!
もうそんなツッコミをするのもむなしく思えてしまうから困る。



第40話「七不思議を探ろう!!」  (2013年 50号)


学食で昼食をとっている朝陽達。
いつも凛ちゃんがお弁当を用意してくれるってわけではないんですな。
その凛ちゃんは朝陽の隣でパンをモフモフしていて可愛い。
それはさておき、ここでみかんがいきなりの爆弾発言。

ねぇ朝陽。前々から思ってたんだけど。白神さんずっと口元隠してるのって、あの長い八重歯隠してるの?

バ、バレバレだった!!
いやまあ、近くにいること多いしあの隠し方だけでは無理がありますわなぁ。
というか最近の葉子さんは本当に隙だらけだし、バレてない方がどうかというレベルである。
とはいえさすがに吸血鬼が現存するなんて考えは普通は抱かないですし、正体までにはいきつかないか。
逆に朝陽の態度によって気付かれてしまう可能性があるのが怖い所である。落ち着けアナザル。

あたしは朱美みかん。ちょっぴり外道な普通の高校2年生女子。
高2ともなれば色々なことがわかってくる。それは例えばありえることと、ありえないことの判別とか

なんとなく寂しげなカットを交えながら語るみかん。
まあ、自分と朝陽がってのは随分早い段階でありえないことと割り切ってしまったみたいですからねぇ・・・うーむ。
そういう内心はさておき、みかんは語る。いま新聞部で学園七不思議を調べているとのこと。
例の「謎の校長」の他にも「放課後の吸血鬼」という噂があるらしい。
それって間違いなく葉子さんのことではないですか・・・
正体はバレなくてもなんとなく噂にはなったりするものなんですなぁ。まあみかんはそういうオカルト的な物は否定的な様子ですがね。

当然吸血鬼なんて実在しないことも魔法だの何だのみたいな本当に不思議なことなんて起こらない。
・・・そう。たとえ急に自分のメガネがしゃべり出したとしても!!

昔はあんなに魔法少女になれるって信じてたみかん。
逆に魔法に対する憧れが強かったので反動で否定的になっているのかもしれませんな。
やっと起きた超常現象が疫病神ではそりゃあ否定もしたくなるか。あれ?福の神でしたっけ?

食後、学園七不思議を調査しようとするみかん。心配でついていく朝陽。むしろついて行く方が心配な気もするがまあいいか。
それよりも何故かナチュラルに肩車状態となっている凛ちゃんが可愛い。甘えん坊ですなぁ。

朝陽の反応からもしかして本当に葉子さんが吸血鬼とか?と疑い始めてしまった様子のみかん。言わんこっちゃない。
でも正直白神さんのイメージからは程遠いという結論が下されそうになっている。クールビューディーじゃなくてよかった!!
まあ、それ以外にも基本現実的なみかんとしてはそういう不思議な存在は否定したいところの様子ですな。
割とあっさり受け入れた朝陽とは違うということだ。

吸血鬼って実際いるのよ。あとあたしのメガネしゃべるの!!

キラキラしながらそんなことを口走るみかんの図。確かにこれじゃ外道クイーンどころか不思議ちゃんでございますな。

あたしは認めない!!メガネがしゃべるのは気のせいで吸血鬼なんていない。
・・・だから、だからさっきから見える気がするドラゴンも気のせいなのよ!!
少なくとも岡君には見えてなかったみたいだし、あの子がドラゴンと会話してるのも気のせい!!

どうやらみかんにも凛ちゃんのドラゴンが見えている様子。どういう人が見える設定にしているんだ、コレ。
ムダに思い悩むみかん。それとはまた違い、秘密を守るためにドキドキしている朝陽。七不思議について質問する。

なんか明らかにありえないのと事実が交ざってるみたいなのよ。
三つ目の不思議「保健室の痴女」。こんなの内容確認しなくてもわかるでしょ。

うん、確かに聞くまでもなさそうな内容だ。というか凄く最近生まれたっぽい不思議ですな。不思議でもなんでもねぇ!!
そして四つ目が「光の変態」。光と共に女子の制服着た男子が出て来るそうな。獅狼のことか・・・
まあ、学校に来るのは大体獅穂さんだろうし、うっかり変身することがあるなら目撃される機会は多そうである。

五つ目は「廊下の小人」。ファンタジーっぽい内容ですな。小人。普通に考えればありえない側の内容である。
が、それを口にしたタイミングで小人・・・藍澤さんの本体の姿を見つけてしまうみかん。
慌てて柱の陰に隠れたようだが、何してるの藍澤さん!!
同じく発見した朝陽が慌ててみかんの顔を掴んで自分の方へと逸らさせる。大変だな朝陽も。

とりあえず小さい藍澤さんのことはみかんの気のせいということにしてもらうこととなった。
まあ普通に考えて藍澤さんの中に小さい藍澤さんがいるとか思わないですよね。読者もその姿を見るまで想像つかなかったぐらいだし。
それに丁度いいタイミングで藍澤さんの外装が登場。紅本先生に抱っこされて運ばれています。また電池が切れたのか?

藍澤さんの姿を見てやっぱりさっきのは気のせいだったのだと安心するみかん。
朝陽に対し、さっきは取り乱して悪かったわね。廊下の小人なんているわけないのにと水を向ける。

朝陽「え?あ・・・あぁ!!うん!!もちろんいるワケない!!全っ然!!いないよ。いない!!」
みかん(あ、コレ嘘ね)

見事なアナザルっぷりを披露してくれる朝陽。さすがのわかりやすさだなー。
いままで秘密を守ってこれたのはひとえに他の人が人外がいるという意識がなかったおかげですからねぇ。
隠し事のできない朝陽だが、自分から能動的に話すことはさすがにしなくても済む。
が、ピンポイントで尋ねられれば今回の様にあっさりボロが出てしまう様子。危ういですなぁ。ごまかせたかな・・・?じゃねーよ。

朝陽の反応のせいで気のせいだと思いたかったのに思い悩む羽目になるみかん。大変だなぁ。
それはそれとして、他にも大変なことがある様子。
紅本先生曰く、校長見かけたら逃げろ。相当気が立ってるとのこと。

こないだの体育祭でおかし一年分確保出来なかったからな・・・おかしに飢えてるから見境なく襲ってくるぞ

そういう理由ですか。そしてどうやら藍澤さんも被害にあったらしい。
おかしがあると期待させ、手持ちがなかったと落胆させた罰で電力を奪われたらしい。何て理不尽な!!

おかし切れの校長は私にも押さえ切れん。私が大量のおかしを持ってくるまで校長には関わるな!!
まぁ埋蔵おかしを奪いでもせん限り命には関わらんと思うが・・・

茜ちゃんと紅本先生のパワーバランスもよく分からないところでありますな。
まあ、とにかく今の茜ちゃんが危険なのはわかった。というところで調理室から何者かが現れる。まさか・・・!?

・・・ちっ。たるんどるな。おかしだけとは・・・調理室に具材を常備しないなんて全く・・・

これは・・・六つ目の不思議「調理室の幽霊」!!
っていやいや、どう見ても藍澤兄じゃないですか。なに堂々と盗み働いているんだ!?不思議でも何でもねぇ!!

実在したの・・・?抜き打ちチェックと称して具材持ってくただの盗っ人!!

あ、やっぱり不思議じゃなくそういう認識なんだ。
幽霊設定なんだからせめて夜に忍び込むなりなんなりしてくださいよ!!
というか、そのおかしはきっと・・・なんせ名前が書いてあるぐらいだし間違いなく・・・

私の埋蔵おかしに手を出すとは。貴様は勇敢だのぅ?

えらい凶悪そうな表情で茜ちゃん登場。こいつは厄すぎるぜ。
これぞ最後の七不思議「神出鬼没の角女」!!最初の「謎の校長」と正体は被っているがみかんは知る由もないか。

みかん「他の七不思議なんてついで・・・あたしはあんたを調べてたのよ!!」
茜「ほう?メガネに黒峰に未来人か」

みかんの常識を狂わせる存在である茜ちゃん。まあ散々分身とか不思議なものを見せられてきましたからねぇ。
どうやら茜ちゃんのトリックを暴くことで魔法みたいな力なんてこの世にはないと自身を納得させたかったらしい。
が、あっさりと魔法のような力で藍澤兄を吹き飛ばす茜ちゃん。こ・・・こいつもトリックだ!!トリック・・・?

さてメガネ、黒峰、未来人。私もキサマらに質問がある。
トリックオアトリート(死かおかしか)

確かにトリックだがそういう意味じゃない!!というかいたずらじゃないんですか!?
いつもならば本当にいたずらで済ませてくれるのかもしれないが、今日は茜ちゃんも切羽詰ってるみたいですなぁ。厄い厄い。

今日のはなんかマジでヤバそうということでみかんを連れて逃げる朝陽。
逃げながら茜ちゃんと朝陽が知り合いっぽいこととか、茜ちゃんの発した「未来人」というワードに思いを馳せるみかん。
茜ちゃんは自分のことも他人のことも開けっ広げな部分があって困りますやね。

茜ちゃんから逃げる3人。そこで凛ちゃんは朝陽に問う。遠くならどこでもいい?と。
その問いに肯定をしてしまう朝陽。その結果・・・目の前で巨大化したドラゴンにパクリと飲みこまれることとなった。え!?

謎の角女に追われることとなったと思ったら巨大化したドラゴンに飲みこまれる。
気のせいで済ますにはさすがにどうにもならないレベルの出来事である。
まあ、幸い茜ちゃんの追撃は振り切ることができた様子ですがね。
そしてそんな不思議な出来事以上に気になるのが現在の状況。
飲みこまれたことで朝陽と狭い場所で密着状態となっております。むにー。色々当たってる当たっちゃってる!!

メガネも外れているし、外道スイッチも入らない状態でこの密着感。色々と危ないですねみかんさん。
しかしいつもは慌てる側である朝陽が逆に密着で女子を慌てさせたりするとは・・・
本当にみかんのことは女子としては意識してないんだなと思えてなんだか寂しい。みかんの意図通りといえばそうなんですがね。

とりあえずヤバイことになるまえにドラゴンから吐き出してもらえた朝陽たち。
丸飲みされてからそれほど経ってはいない。が、時間という意味では物凄く遠くまで来ていた様子。
壁のポスターに書かれたのはカリスマ痴女2世と2063年の文字。こ、これはもしや・・・凛ちゃんが連れて来たのは・・・

・・・私の時代だから。未来?

七不思議の調査という学園ものの定番かと思いきやまさかの未来編突入。何でやねん!!
増田先生の攻め気は留まるところを知りませんなぁ。
しかし主要キャラでは一番各人の秘密に遠い所にいたはずのみかんが率先して未来に来てしまうとはねぇ。
こりゃあ一気に他の人の秘密も知る流れとなってしまうのだろうか?気のせいじゃ済みませんよ、ホント。

50年後の未来。空には藍澤さんの母星の宇宙船が普通に飛び交っている。
ふーむ、この50年のうちに星間交流とかあったりしたのだろうか。なかなか興味深いですな。
そしてカリスマ痴女2世による施政はどこまで進んでいるのか。
通学している他の女学生はレジスタンスの証であるスパッツを穿いてはいないようだが・・・!?

というか凛ちゃん。普通に未来に戻れるようになってたんですか?
確か反省しないと帰れないという話だったのでは・・・?表面上反省してみせればいいってことか。なるほどー。
過去の人間を未来に連れて来た時点で反省してるも何もあったもんじゃないと思うんですけど!!

色々とツッコミが追いつかない状態ではありますが朝陽には頑張ってツッコミを入れて回って欲しいところであります。
みかんもどちらかというとツッコミ側の人間なので今後は負担が軽減できる可能性はありますな。良かったね!!



第41話「未来かどうか考えてみよう!」  (2013年 51号)


ひょんなことから未来にやってくることとなった朝陽とみかん。どうしてこうなったのか。
とりあえず一度冷静になって何が起きたのか考えてみるとしましょう。

メガネがしゃべって、小さい藍澤さんを見かけて、角女に追いかけられて、ドラゴンに食べられて吐き出されたら――
そこは50年後の未来でした!!

荒唐無稽にも程がある流れでございますよね。
夢の話をするときでももう少し筋道立てて説明するわってもんだ。

もう疲れて休みたいという様子のみかん。それに比べ、事前知識もあれば耐性も備わってる朝陽の立ち直りは早い。
むしろ早すぎるぐらいだ。朝陽にその点のつっこみを入れることでみかんも多少立ち直った様子。
凛ちゃんに対し、あんた何者なのと質問を投げかける。

私、黄龍院凛は未来人で、朝陽の孫

またあっさりと暴露しおって・・・!!
どっからどう考えても反省している様子はないのに何故未来に戻ってこれたのか不思議でならない。
ん?禁止はされているが緊急時の一時的な措置ということならOKってことなのか。なるほどなー。
でもだからといって過去の人間である朝陽達を未来に連れてくるのは・・・あ、やっぱり駄目なんだ!!そりゃそうだわな!!

とりあえず凛ちゃんもアホの子であるということがみかんに認識されました。まあ、それはよい。
それよりも未来の世界がどうなってしまっているのか。
それを端的に表す事象が発生する。そう、痴女の群れに囲まれたのだ!!

そんな上までボタンを閉めて・・・貴女の谷間が泣いていますわ。開放されたいと・・・!!

みかんはさておき、谷間が無い人はどうなるんですかねぇ。いや、まあそのツッコミは問題があるか。
しかし確かにこの世界では朝陽は鼻血の出し過ぎで死にかけてもおかしくはありませんわなぁ。能動的に鼻血出させようとするとは!!
だが、この場にはその朝陽を守るために活動している人物がいる。

貴女は!!まさかレジスタンスの、閃光のボタン留め、黄龍院凛っ!!

微妙に格好悪い通り名ではあるが、一応名の知れた存在であるらしい。格好悪い通り名ではありますが。
というか対峙の緊張感を味わう場面なのに内容がボタン留める留めないって。未来の戦闘は高度だなぁ。
だが、やり取りの内容は実にマヌケであるが、その腕前は凄まじい。
凛ちゃんが静かに剣を収めたその時、10人近くいた痴女たちのボタンが全て留まっているのだ!!鮮やか!!

思わず朝陽が乗った様子の発言をし、みかんが現実的な方のツッコミをする。
む、これは新しいパターンでありますな。いつもは朝陽のツッコミが締めであるというのに。
これはこれで芸の幅が広がってよろしいですな。

こんな下級痴女いくらいても私の敵じゃない。

痴女にはランクがあり、痴女らしい格好でないと痴女力が下がるらしい。何がなんだか。
そしてさらに痴女力を下げて一般人にするべくドラゴンが吐いたスパッツを穿かせる凛ちゃん。何吐いてんだよ!!
そのことも色々とツッコミたい部分であったが、直後に痴女の1人が口にした言葉を聞くとそんなことはどうでもよく思えてくる。

もうすぐカリスマ痴女2世様の手によってこの地球は「痴球」へと名を変えるのですから・・・!!

まさか・・・カリスマ痴女2世の痴女力は惑星にまで及ぶというのか・・・!?
いや単に呼称を変えるだけなのだろうが、何にせよとんでもない話には変わりない。なんてことを!!
世界地図が世界痴図へと姿を変えるという・・・思った以上に恐ろしいことになっているようだぜ、こいつはよぉ・・・!!

こうしちゃいられないと本部へと急ぐ凛ちゃん。
朝陽とみかんはドラゴンに襟首掴まれて輸送。首締まるぜ。
それはさておき、凛ちゃんによって未来世界の現状が説明される。

・・・カリスマ痴女2世は日本から始まって、世界の90%の男性、70%の女性を手中に収めた

それもうほとんど逆転は無理な状態じゃないですか!!
いや、本尊であるカリスマ痴女2世をどうにかすればあるいは・・・いや、何でそんなこと真面目に考えにゃならんのだ?
感想書きながら自分にツッコミを入れてしまったりするからこの作品は恐ろしい。
ちなみに抵抗している男性はSな人か相当な奥手の人かだけであるとのこと。未来の男性は90%がMなのか!?恐ろしい。

痴女に支配されて90%の男がMの未来。
50年の間に一体何があったというのか。いや潜在的に男はみんなMっ気があるということなのかもしれないが・・・
まあ、それは考えないでおきましょう。うん。

ドラゴンは飛翔し、朝陽とみかんの思い出のある公園を通り過ぎ――ついたのはレジスタンスの本部こと朝陽の家。
ふむ、凛ちゃんは名高いだけあり一般的なレジスタンスの構成員ではなく幹部クラスであったということなのだろうか。
ちなみに家の中には未来の朝陽はいない様子。ぎっくり腰で入院中だそうな。そうか・・・
タイムパラドックスとか考えると色々とややこしそうですしね。会わないのが賢明ですわな。

ずっと超常現象を否定しようと頑張っていたみかんであるが、段々と認めざるを得ない様子になってきている。
しかしそうなると、凛ちゃんが朝陽の孫であるということも認めることとなる。
朝陽が結婚し、孫まで作っている。その事実に揺れるみかん。
とりあえず朝陽に対しては結婚相手が白神さんだといいわねと述べる。が、その直後にこんなことも言ってしまう。

あーあ。もし余ってたらかわいそうだし、あたしがもらってやろっかなって思ってたんだけどね

ほう。思わずとはいえ、みかん自身の口からそのような言葉が飛び出してしまうとは。
今まで意識した様子のなかった朝陽も少しドキッとしておりますぞ。ハハハ。

それはさておき、朝陽の家の中は酷い有様となっている。

俺んちどうなってるんだろうとは思ったけど・・・改めて俺んちどうなっちゃってんの!?

部屋の中には胸元はだけて磔状態の女子が複数。こりゃ確かに色んな意味でどうなっちゃってんのと言いたくもなる。
一応磔にはなっていない人もいるらしく、その子から事情を尋ねる凛ちゃん。
本文精鋭なら痴団長クラスが相手でもと述べる凛ちゃん。そうか。
それについては置いておくとして、助け起こされた子はテレビを指さし語る。

あのカリスマ痴女2世の全世界同時中継を・・・ヤツの痴女力に当てられて皆自ら・・・!!

まさか中継を見ただけでここまでの影響を及ぼしてしまうとは・・・カリスマ痴女の影響力・・・恐るべし!!
というかどこまで深刻なのか分からないから色々と困る。スパッツ穿かせ直せばどうにかなるものなのか?
まあ、やらないよりはよいのでしょう。なので凛ちゃんはみかんにも手伝いを求める。

みかんおばぁちゃん手伝って!!早く皆のボタンとスパッツを!!

おっと・・・・・・これは、何という爆弾発言でありましょうか。
もちろんみかんも聞きなおす。今あたしのこと「おばぁちゃん」って呼んだ・・・?と。

・・・やっぱり今日のあたしはどうかしてる。ひょっとしたらここが本当に未来かもなんて。
そのうえもしそうなら、朝陽の嫁があたしだったらいいのにだなんて

盛大に赤面するみかんでありました。おやおや。
うーむ、ここにきて一気にみかんがヒロインレースに乗り出してきた感じがありますね。
しかし孫にとっての祖母は父方と母方の2つありますし、どちらを指すかはまだわからないわけでして。
いや単に近所のおばぁちゃんという可能性も十分にあるとは思いますけどね。
凛ちゃんのベルトは実はみかんのものだったというのもあるとは思うが、それで血縁かどうかはまだ分からないわけで・・・

まあ、今回の未来編ではその辺りの結論はボカされるんじゃないかと思います。
それにしてもみかんは色々と知ってしまったようであるが、今後はどうなるんですかねぇ。
一つの秘密を知ったのならば後は芋づる式にってことになるのではあるまいか。
超常現象の存在を否定しないのなら葉子さんが吸血鬼という疑いもそのまま持つことになるでしょうし。
その質問を朝陽にぶつければそうでないかどうかなんて一発で分かるでしょうし・・・うーむ。

まあ、体育祭の白神父の様子を見る限りもう秘密を守る約束なんてどうでもよさそうな雰囲気はありますがね。
人のことどうこう言えるような振る舞いじゃなかったのは間違いないですし!!
なんにせよ、解決の流れを楽しみに待っておくとします。



第42話「ちゃんと向き合おう!!」  (2013年 52号)


うっかり未来の情報を漏らしてしまい、涙目でオロオロする凛ちゃん。可愛い。
しかし怒られる・・・と呟いているようだが、ちゃんと怒ってくれる人がいるんですなぁ。
このうっかりものはもっとしっかり教育しておかないといけないと思う。色々と。

それはそうと、爆弾発言を受け止めることとなった2人。
みかんは盛大に赤面しているし、その直前に何か諦めのような言葉を聞いたこともあるしで、さすがに朝陽も気付く。

何故だか俺には泣きそうに見えたあの表情。
きっと秘密なんて誰にでもある・・・俺の自意識過剰かもしれないけど、みかん・・・おまえの秘密って

じっとみかんを見つめ、考える朝陽。
その視線の恥ずかしさに耐えきれなくなったみかん、ナイスなフォームで朝陽の股間を蹴り上げる。な、何をするのか!!
孫の目の前で子孫繁栄の道が閉ざされそうになるとか凄く残念な話である。
いや、凛ちゃんの言うように女の子になるのならまあ子孫は残せるのか・・・いやそれじゃおじいちゃんにはならないし・・・
というのはどうでもよく、朝陽はヨロヨロになりながらも逃げだしたみかんを追う。

・・・俺の思い過ごしっつーか・・・自意識過剰なら別にいいんだ。
けど・・・もしそうじゃないのなら・・・俺はみかんにちゃんと伝えなきゃいけないことがある気がするんだ。
未来でどうなるとか関係なく、今の俺が今のみかんにさ

ふむ。やはり朝陽は真面目な奴でありますな。ちゃんと向き合うべきことが分かっているようだ。
一方のみかん、未だに素直になることはできずにいる様子。
公園の遊具の中に隠れてドキドキしている。
そこに、みかんみっけと言いながら現れる朝陽。
それは子供の頃から一緒に遊んでいた朝陽の姿そのもの――思い出の姿である。

みかん何かあったらここにこもってたろ?親父さんのこととか家のこととか色々さ。

さすがに幼馴染なだけありよく分かってるみたいですね。
というかみかんの家は微妙に複雑そうですな。弟たちの面倒を甲斐甲斐しく見ているのにも何か理由があるのか・・・?

それはさておき、公園にて思い出話を開始する2人。
未来の世界で色々と様変わりしてしまっている光景。公園そのものは残っているが遊具は色々と様変わりしている。
朝陽と朝陽の妹、みかんとみかんの弟たち。5人でよく遊んだ思い出。
まあ、主に朝陽が酷い目にあっていた思い出が思い起こされる。シーソーで吹っ飛んだり回転遊具で飛ばされそうになったり。
本気で危険なので絶対マネはしないようにしましょう。こういうことがあるから撤去されちゃうのよね・・・

公園そのものは残っているものの色々と変わっている。
小学校の前の駄菓子屋はなくなっているし、一面田んぼだった辺りにはビルが並んでいる。
50年。そこまで先の未来というわけではないが、やはり色々と変わるには十分な年月と言えましょう。

みかん「そりゃそうよ。変わんないものなんてないわよ
朝陽「・・・だよな」

切ない話でありますな。
みかんが外道として振る舞っているのは朝陽との距離感を保つためと言っていた。
幼馴染として一緒に遊んだ楽しい気持ち。それを変わらず持ち続けたいと思ったのでしょうな。
恋心に変わってしまい、関係が変わることを恐れてのことと考えるとなんとも切ない。

そういった事情もあり、とにかく素直になることができずにいたみかん。
しかしこの未来の世界で、ひょっとしたら朝陽と結婚することになるかもしれないという話が出てきた。
未来の世界で思い出話もいいが、本当にしなければいけないのは未来の話、いや今の話である。

・・・もしかしたら俺の勘違いかもしれない。ただの自意識過剰っつーか、うぬぼれっつーか。
でも・・・もし勘違いじゃないなら、俺はみかんに言わなきゃいけないことがある。

正直、将来あなたはこの人と結婚しますと言われてもあまりピンと来た感じはないという朝陽。
だがみかんは違う。完全に意識しまくってしまい、秘密にしていたこともバレてしまっている。
だから、意を決してちゃんとその秘密を口にする。
自分から言わなければ朝陽も返事はし辛いだろう。そう気遣って。

・・・何も出来ないとことか、そのくせいつも真剣なとことか。紳士なんだかヘタレなんだかわかんないとことか。
ほっとけないとことかほっといてくれないとことか。なんだかんだであたしに甘いとことか。
まぁ要するにね。実は私は、好きなのよ。朝陽。結構前からあんたのことが

仮面であるメガネを外し、本当の気持ちをようやく口にすることができたみかん。可愛いですなぁ・・・
恒例のタイトルコールもでましたし、みかんもこれで名実ともにヒロインの1人になった気がします。
しかし、その告白を受けた朝陽は何かをこらえるかのような表情になっている。

・・・それは、どれほど勇気のいる行為だったのだろう。いつまでも白神に告白出来ないでいる俺なんかには計り知れない。
ただわかるのは、真剣に考えてちゃんと返事しなきゃってこと

本気の気持ちによる告白である。受ける側も真剣でなくてはならない。当たり前の話ですな。
まあ、みかんは一度本心を明かしてしまったことで少し強気になっているようですがね。
どうせ上手くいくとは思ってないし、さっさと返事して未来とやらを変えなさいよと言い放つ。
ふーむ、そのように言われると朝陽としてもフォローしたくなっちゃいますよね。

そ・・・その。未来の俺がみかんと結婚してるならその俺は幸せ者だと思うよ?
めちゃくちゃなフリして結構常識人だし、弟とかの面倒見いいし、みかんの作る普通のシュークリームは絶品だし。
金のことはものすごくちゃんとしてるし、ファッションとか興味無いですみたいな顔して古着屋巡り・・・ってこれは関係ないか。
え・・・えーと、変なことしなきゃ普通にかわいいとも思うし。
今だって・・・みかんの気持ちは素直に嬉しいし、だからその・・・うん。みかんがどうとか未来がどうとかじゃないんだ。
その・・・今の俺が伝えなきゃいけないのは、もっと単純に・・・
ごめん。みかん。俺、白神が好きなんだ

勿論それはみかんも分かっていたこと。
だけどそれをちゃんと朝陽の口からみかんに伝える。それが大事なことでありますわな。
真剣に告白に向き合うとはそういうことだ。それが出来る朝陽はカッコイイ。だがしかし――

・・・へ、へ、へ、変なことしなきゃ普通にかわいい・・・?

何故か告白を断ったはずなのに今まで見た中で最大の赤面顔を見せるみかん。この反応は予想外だ!!
まあ、朝陽が白神さんのことが好きだってのは白神さん本人以外は誰もが知ってる事実だし、今更な気はするか。
それよりもみかんとしてはすっかり諦めていた部分が覆されたのが大きい様子。
ちゃんと女として認識されているし、告白されて嬉しいとか言われている。それが嬉しかった様子。何ともはや。

と・・・隣で着替えようが寝ようが何もしてこないし・・・あたしはてっきり・・・

どうやら何だかんだいいながら中学時代からさりげなくアピールしていた様子のみかん。
朝陽がヘタレだったからそういう関係にならなかっただけで、チャンスはありまくりだったってことじゃないか!!

うーむ、みかんの失敗は諦めが早すぎたってことでありますかねぇ。
昔好き放題やりすぎたのでもう女とは見られなくなったのではないかと思い込んだのがダメだったわけであるか。
なので色々と吹っ切れた様子のみかん。
フォローでかえって恥ずかしい目に合ったので責任とってあたしと結婚しなさいとか言い出す。えぇ!?
おやおや、なんだか面白い関係になったのじゃなかろうか。

そんなやり取りをしている最中に通りがかる人物。その首からは喋るメガネが下げられている。おやおや、これは・・・

ってことは今日だったのね。50年前、あたしが朝陽にフラレたのは

通りがかったのは未来のみかん。隣には説教、というか折檻された様子の凛ちゃんの姿もある。
なるほどなー。凛ちゃんを怒ってくれる存在はみかんおばあちゃんだったって話でありますか。
面倒見のいいみかんであるならば朝陽の孫の面倒も甲斐甲斐しく見てくれる気はしますわな。
いやでも、実際のところ未来はまだ未定である。
50年前、というか50年後というか、ともかく一度フラレたみかん。
しかしその後何やかやあって朝陽が葉子さんと結ばれなければチャンスがないわけでもない。
自身が朝陽に女と見られていないわけではないと知った以上、意外とここからの巻き返しを考える可能性も出てくる。
逆にさっぱりして外道ルートまっしぐらになる可能性もあるが・・・はてさてどうなりますか。

このところコメディ色満点でありましたが、時折こういう恋愛の話を真面目に突っ込んでくるところがこの作品の面白さでありますな。
ラブとコメの緩急の大きさが破壊力に繋がっているというわけです。
みかんも可愛くなったものだよ、本当に・・・これで単行本の表紙も安心して飾れるようになるな・・・
実際朝陽の言うとおり、めちゃくちゃフリして結構常識人なみかん。
他の人外連中がめちゃくちゃすぎるので余計にそう思えてしまうんでしょうな・・・

そして今回は朝陽も本当にカッコ良かった。
ヘタレではあるが、相手の気持ちをちゃんと考えることができる朝陽。だからこそ真剣に向き合い、答えを口に出来る。
自分と相手を傷つけたくないからと優柔不断に振る舞うようなことがなく、安心して見ていられる。カッコ良い男でありますよ。本当に。

そういえば未来世界は痴女で溢れているのだが、公園周りに痴女の姿はなかったのだろうか。
いやまあ、痴女とはいえ空気は読めるだろうし、この空間に割って入るのは難しいでしょう。
むしろ初々しさに痴女力も奪われ浄化されるのではなかろうか・・・!?
そう、痴女に溢れた未来を救うのは朝陽の愛の力である。
きっと全世界に響くような告白をしたりしてその恥ずかしさにカリスマ痴女の影響力が打ち破られるとかそういう展開があるはずである。
いやまあなくても別に困りはしないんですけどね。本当の未来がこうだったらそりゃ嫌だけどさ!!



第43話「決意しよう!」  (2014年 1号)


突然大変なことになっている未来へと連れていかれ、思い切って告白してフラれたりしたみかん。
なんとも激動の一日でありましたが、ようやく元の時代に戻ることができる様子。
凛ちゃんが言うにはみかんおばぁちゃんに物凄く怒られ、反省するまでこの時代に帰ってくるなと言われたらしい。
なるほど、反省するまで帰れなくなるとはこのことを指していたのか。やはり軽いなぁタイムトラベル。

タイプスリップの方法はドラゴンに丸飲みされること。
凛ちゃん曰く、それが一番かっこいい方法であるらしい。そ、そうか。
ともかくこれで戻ることができる――そう思っていたところで声をかけてくる人物がいる。

50年前の朝陽。人生の先輩として一つアドバイスを贈るわ。
伝えたいことはちゃんと言葉にして伝えなさい。黙ってても伝わるなんて大間違いなんだから

深みのある言葉ですねぇ。
まさかほんの少しだけとはいえ朝陽達の前に顔を出すとは思いませんでしたよ50年後のみかんおばぁちゃん。
どうやら、同一人物が出会うことによるタイムパラドクスとかは気にしなくてもいい世界のようですな。

何はともあれ無事に元の時代に戻ってくることができました。
時間も経過しているらしく、昼食後に未来に行ったはずだが、今は放課後となっているらしい。

色々あったので頭の整理をしたいから帰るというみかん。確かにこの数時間で本当に色んな事がありましたわなぁ。
朝陽ですら順を経て順応していったのに、それらが一気に襲いかかってきたかのようでありましたし。混乱もするわな。
しかしみかんの口ぶりからすると完全に超常現象を信じ切っているわけではないんですな。
信じないわけにはいかないって感じだが、未だにもしホントに〜がついている辺りやはり常識人なんだなと思わされる。

一連のタイムスリップが未来に対してどのような影響を及ぼすのかはわからない。
とはいえ、みかんとしては最後のセリフについて朝陽に言っておくことがある。

「黙ってても伝わると思ったら大間違い」ってことは・・・あんた、結局白神さんに告白出来なかったんじゃないかしら。
あの子にぶいんだからはっきり言わないと伝わらないわよ?友達以上恋人未満なのが甘ったるくて心地いいのか知らないけどさ。
まぁ、さっさと告ってフラレなさいな。そしたらあたしがなぐさめてあげるから

ふむ、みかんは本当、いい表情をするようになりましたなぁ。
確かに朝陽がフラレたのであればみかんにもまだまだチャンスがあることになるが、はてさてどうなりますか。
しかし、それでみかんになぐさめられたら俺とんでもないロクでなしだよなと語る朝陽。
相変わらずこの手の作品の主人公なのにまともな感性を持っていて好感が持てます。
まあ、みかんとのいい雰囲気もとりあえずここまでなわけですが。そう、メガネをかけて外道スイッチが入れば――こうなる。

また改めて学園七不思議とか角女のことでたっぷり聞きたいことあるから覚悟しといてね

そりゃあそうなりますよねー。
小さい藍澤さんの時の反応や角女こと茜ちゃんとのやりとりを見れば色々知っていることは丸わかりである。
これはいけませんな。基本的に隠し事のできないアナザルが秘密を守りきれるはずがない!!
果たしてどうなってしまうのか・・・まあ、みかんは基本いい子なので本当の秘密を触れ回るようなことはしないだろうが。

放課後の吸血鬼の話について想いをめぐらす朝陽。

そういえば白神が吸血鬼だって知ったあの日も、こんな風に夕焼けがキレイな放課後だったよな。
あの日から始まったちょっと(いやかなり)抜けてる吸血鬼の秘密を守る日々。
そこにひょっこり宇宙人が顔を出して、狼男にからまれて、悪魔にからかわれて未来人に振り回されるそんな日々。
それも全てあの日の放課後、教室の扉を開いた時から――

そんなモノローグをいれたせいなのかなんなのか、教室の扉を開けたらいつかの時のように羽を全開にした葉子さんがいた。
本当、またこのうかつな吸血鬼は・・・そりゃあ七不思議になっても当たり前って話ですわよ。
そういえばみかんは朝陽のように荷物を取りに来たりはしなかったのだろうか?
まあ、みかんなら遅かれ早かれという気はするが、これだけうかつだと本当に他の誰かに見つかるのではなかろうか。

いっ、いや!!ちゃうねん!!いっ、今のは確かに不覚とったけど!!
わっ、私かて普段からこんな油断してるワケちゃうよ?最近はビックリしても羽出んよう心掛けとるし!!
ほら・・・体育祭の時とか途中で1位って聞いても出んかったし!!

まあ確かにあの時は出ませんでしたな。あれはあれで日中だったからとかそういう別要因があったからな気がしてなりませんが・・・
ともかく、絶対に羽出さないから試しに驚かしてみてという葉子さん。
事前に驚かすとわかってたらびっくりもしないでしょうよ。
いや、思ってもみないことならそれでも驚くか。例えばみかんにキバのことバレてたとかそういう話なら――
って、かつてない勢いで羽出ちゃってるけど!?

まあ、秘密に直結することであるし、驚いてしまうのも当然ですわな。仕方がない。
とりあえず事前にこの話を聞くことでいざみかんにその話を振られても羽を出さずにすむというものだ。
さすがにみかんの前でこの勢いで飛び出させていたらバレるもバレないもないって話ですわなぁ。

それはそれとして、このタイミングで朝陽はあることに気付く。
ドキッと赤面してしまうような事実。それは、葉子さんが座っている席が朝陽の席であるということ
これを指摘された葉子さん。同じように赤面しながら羽を出す。うむ、本当収まりの悪い羽であるな。

いっ、いやそのな?深い意味はなくて・・・黒峰君、昼からの授業おらんかったけどカバンはあるし戻ってくるかなー思て。
ほ・・・ほら、そのっ・・・教室戻ってきたとき誰もおらんかったらさみしいやろ?

ふむ、つまり朝陽を待っていたわけでありますな。
別に自分の席で待てばいいのにわざわざ朝陽の席に座ったりしてさ・・・そりゃドキドキするよね。若者はさぁ。
まあ、確かに葉子さんがいたおかげでさみしい気持ちにはなりませんでしたね。むしろ驚きが大きかったですよ。羽のせいで。
というのはさておき、朝陽はなんだか心地いい気持ちを味わっている。

・・・あぁ、やっぱりだ。
一緒にいるとふと頬がゆるんで、なんか温かくて、ああやっぱり。やっぱり好きなんだなって・・・

青春ですなぁ。こういう想い、本当に恋してるんだなって感じがしてよろしいですなぁ。
確かにある意味この時間が一番楽しい時間なんじゃないかと思える。
が、それに浸っているだけでいいかは分からない。
黙ってても伝わるなんて大間違い。将来後悔することのないよう、はっきりと想いを口にすることも大事である。
そういったアドバイスを思い出し、朝陽はドキドキしながら声を絞り出す。

白神?もっ・・・もう少ししたら学際あるだろ?
そっ・・・その後、後夜祭あるよな・・・?
後夜祭のとき、ちょっと時間作ってもらえるかな?
白神に伝えたいことがあるんだ。ずっと隠してた俺の秘密の話

ついに朝陽が自らの秘密を口にするときが来た!?
おそらく葉子さん以外の誰もが知っていそうな秘密をついに!!うーむ、なんという秘匿性の低さ。
それにしても、ワンクッション置いたとはいえ、なかなかドキドキの展開である。
下手すれば今までの関係ではいられなくなる。そんな想いを抑え、約束をする朝陽。
その後押しになったのが少し前のみかんの告白だったってのがまたなんとも・・・
本当、今日の朝陽は色々な経験を積んでおりますなぁ。女の子をフルだけでも大変な経験でありましょうに・・・

次号は巻頭カラー!!
これは一気に告白関連の話になるか!?
と思いきや、次回予告によると紅本先生の花嫁修業の話となるらしい。何故!?
まあ、学園祭まで時間があるんでしょうな。というかせっかくの学園祭なんだし、後夜祭以外も楽しみたいところである。
学園祭の出し物の関連で紅本先生が独身であることをつつかれる展開となるのか?
まあ、過去のこともあるし、何よりも曾祖母が悪魔で今も側にいるっていう難点がありますからなぁ・・・
幸せになって欲しい人ではありますがしばらくは無理そうな気がします。可哀想に!!



実は私は 6巻


第44話「料理教室へ行こう!」  (2014年 2+3号)


学園祭が終わった後の後夜祭。そこで秘密を打ち明ける決意をした朝陽。
それはそれとして、まずは文化祭を楽しむこととなります。
紅本先生のクラスの出し物はケーキ屋。なかなか難しいことをやろうとしていますなぁ。

職員室にいる紅本先生のもとに相談にやってくる生徒たち。
なんでも学園祭の出し物が小料理屋になったらしい。何品も作ったりしてこれまた面倒な内容である。
そこで、紅本先生にオススメの一品料理がないか聞きに来たらしい。ふむ、手間がかからず美味しい物ねぇ。確かに知りたいところだ。
だが、紅本先生はこう述べる。

そういう試行錯誤含めての学園祭だ。おまえら自身がちゃんと考えたなら失敗してもいいんだよ。
クラスメイトと一緒に失敗した成功したって一喜一憂したことが全部いい思い出になるんだから。
まぁおまえらの歳だとまだわからんだろうけどさ。

ふむ、さすがに紅本先生。いいことをおっしゃる。含蓄があるなぁ。
まあ実際のところ聞かれても答えようが無かったって部分はあるんですけどね。
茜ちゃん曰くカレーとチャーハンしか作れないという紅本先生。何故その2つ。

それはさておき、先ほど紅本先生に質問に来た女生徒たちが聞こえているとは思わず、こんなことを廊下で口走っている。

んー紅本先生なら色々一品料理知ってるかなーと思ったんだけどなー。お酒好きみたいだし。
独身だし一人暮らし長いみたいだし料理出来るかなーって
んー・・・あ!出来ないから独身なんじゃないの!?

ど、独身独身と連呼しないで頂きたい!!いやまあ、独身なんでしょうけども。
反応を見る限り気にしていないわけではなかったみたいですな。可哀想に・・・今いくつなんだろうか、紅本先生。

というわけで、バカにされた様子の紅本先生。休日にお料理教室に通うことになりました。思い立ったら即行動でありますな。
とりあえず茜ちゃんがついてきていないか確認をしながら手崎料理教室へと足を踏み入れる紅本先生。
別に独身がどうとか気にしているワケじゃないと自分に言いきかせる辺りが言い訳がましく可愛らしい。
まあ、入った瞬間審査員の名目で茜ちゃんが待ち構えていたわけですけども。やはりこういう流れか!!

料理教室の講師は茜ちゃんの元教え子だとのこと。
なるほど。それで遠慮なく悪魔の力を振るって分身しているわけですな。本当、茜ちゃんは隠す気が少ないフリーダムなお方だ。

自分で調べたはずなのにいつの間にか先回りされている。紅本先生の受難は果てしないですなぁ。
こんなところで学べるかと帰ろうとする紅本先生だったが、何故かそこにいたのは藍澤さん。
紅本先生と同じように料理を学びに来たという。
さらにこのような場所は初めてで少々心細かったなどと言いだす。か・・・帰りづれぇ!!
茜ちゃんも明里が不安に震える教え子を見捨てて逃げるような薄情な教師なワケがないと後追いしてきてくれますし・・・
こりゃあ逃げることは無理な様子ですな。腹くくるしかあるまい・・・!!

というわけで紅本先生の花嫁修業イベントが開始されます。まずは講師から作るものの指定がされます。
二人は初心者コースでの受講ということなので基本的なところから・・・そう、ケーキを作ってもらうこととなります。え?

すみません。質問ですが。「基本的」という言葉の意味を理解されてますか?

そりゃあ紅本先生もそう言わざるを得ないだろう。初心者がいきなり作る品ではない!!
というか完全に茜ちゃんの好みで決められた品目じゃないですか。わくわくしてるし!!わくわく。

講師の態度にイラだち、藍澤さんを連れて他の料理教室に行こうと考える紅本先生。
だが、藍澤さんはさっそくテキパキと指導を受けることもなくケーキ作りを開始していたりする。
そしてページをめくった瞬間には三段重ねの大型ケーキが出来上がっていた。どーん。いや、早すぎるだろう!!
というか初心者コースで申し込む人間の手際とは思えない。初心者って言葉の意味知ってる!?

藍澤「いや・・・私など料理道という果てなき道を歩み始めたばかりのひよっこだ・・・
紅本先生「おまえでひよこだったら大半の人生まれ落ちてこれねぇんだよ!!

仲間だと思ったらまさかのランク違い。本当、何が心細いなんだか。大真面目でそう返しているのが藍澤さんの怖いところである。
うーむ、これも全て茜ちゃんの策ということでしょうか・・・恐ろしいわぁ。

味方が一人もいないということを認識し、とにかくもケーキ作りを開始する紅本先生。
ノロマがノロノロ作ってるとか言われながらも健気に取り掛かる姿は好感が持てますなぁ。
地味に喧嘩を売りまくる講師の存在が妙なスパイスとなっておりますわ。

さて、紅本先生が作っている間に茜ちゃんは分身と共に複数で藍澤さんのケーキを試食。こ・・・これはっ!!

そのダイナミックな見た目とは裏腹になんと緻密に計算され尽くした甘み。
飽きを予感させない生クリームの口溶け。スポンジのハーモニー。
そしてそれらはあくまで主役のイチゴを引き立てるに過ぎない憎い構成・・・!!
藍澤。嫁に来い!!毎朝私にケーキを作ってくれ!!

茜ちゃんがプロポーズする程のケーキだと!?
いやまあ、茜ちゃんだからこその行動と言えなくはないが・・・とにかく凄い品であるようだ。
ケーキも極めれば婚活に役立つ可能性はあるんですなぁ。いやまあ、ここまで見事に釣れる人は多くはなかろうが。

3体で藍澤さんのケーキに群がる茜ちゃん。
高評価を得たわけであるが藍澤さんは銅やら満足していない様子。

藍澤「食感に遊びが無い・・・これでは飽きは避けられまい。まだまだ中級者への道のりは・・・」
紅本先生「これ以上ハードル上げんな藍澤っ!!」

いやまったく。中級者以上は一体どんな達人だというのか。
自称初心者でありながらページをまたぐ間に1つ作品を完成させてしまう藍澤さん。本当にどんな魔法を使っているのか!?
まあそれはさておき、2作目はミルフィーユ。
食感を気にしていたようですし、安易ではあるがよい選択ですな。さて、この品の評価は・・・

なんだ!?このサクサク感は・・・言うなればそう・・・サクサク!!
そして後からやってくるサクサクがサクサク・・・これはもうなんと言うか・・・そう!!サクサクだ!!

何というボキャ貧。
いや最初のケーキはまともに評してましたしなぁ。つまりそれだけ虜になってしまうサクサク感だったということか。
茜ちゃんも思わず跪きながら、毎朝私にサクサクを作ってくださいというレベルである。敬語!?

サクサクを極めれば茜ちゃんですら言うことを聞かせることができる。
しかしその道に達するまでにどれほどの努力が必要となることか。それでいて未だ満足していない様子の藍澤さん。

藍澤「校長の指摘通り安易だった・・・これではとても・・・予想を裏切り期待に応えられない限りは初心者だな・・・」
紅本先生「おまえもう全国の初心者に謝れ!!」

自他共に厳しい藍澤さんを満足させるのは並大抵のことではないらしい。
例え1コマで作品を完成させ、茜ちゃんにペットにしてくれと懇願させたとしても満足はしない様子。どうなってんねん。

藍澤さんの魔法のような腕前はさておき、日も暮れそうな時間になってようやく完成させる紅本先生。ノロノロしてますな。
まあ、逐一藍澤さんの行動にツッコミを入れながらでは料理も進まないでしょう。律儀な。
見てくれは良くないが、とりあえずケーキであると分かるぐらいの品にはなっている。
茜ちゃんに提出し、不安そうに唇を震わせて批評を待つ紅本先生。可愛いですなぁ。その様子を見て茜ちゃんも笑顔でこう述べる。

もうおなかいっぱい

まあ、最低でも3つ。おそらくもっと一杯藍澤さんのケーキを頂いたわけでしょうからねぇ。そりゃあお腹もいっぱいになるさ。
むしろ胸焼けでもしそうなものであるが、普段からお菓子で生きてそうな茜ちゃんには何ほどのこともないか。

紅本先生の生クリーム。さすがに技術が不足しているのか、泡立てすぎて分離してしまっている。
が、この甘過ぎる味付け。これはおそらく茜ちゃんの好みを考えてのものである。
それゆえか、何だかんだで茜ちゃんからの評価も可もなく不可もなくというところに落ち着いている。おやおや。

そうか・・・料理は愛情ということか。学園祭のクラスでの出し物のケーキ・・・答えは見つかった気がする。
・・・食べて欲しい人のことを思いながら・・・か。
・・・あとは、もう一つの答えも見つけなければな・・・

夕暮れを見ながら朝陽と葉子さんの顔を思い浮かべる藍澤さん。あら、いい表情。

黒峰朝陽。白神葉子。どちらも私にとっては大切な存在だ。
しかし・・・いやだからこそ、私は答えを出さねばなるまい。この恋心に!!

校門前で気合を入れる藍澤さん。そんな目立つ所で本体出してちゃいかんでしょうに。
まあ何にしても表情からして気合が入っているのは間違いない。
うーむ、しかしここで藍澤さんも動き出すかぁ・・・
朝陽が後夜祭で葉子さんに想いを告げようとしているのを知っているわけではないのだろうが・・・何というタイミング。
いやまあ、このタイミングを逸するともう機会はないかもしれないし、最適と言えば最適なわけですが。

かつての思い人であったとはいえ、今は葉子さんに一途な朝陽。
さすがの藍澤さんでも覆すのは厳しいと思われるが、果たしてどうなりますか。
藍澤さんは藍澤さんで恋心に対する決着をつけながらも葉子さんとの関係について悩んでいるようですしなぁ。
うーむ。こうなれば視点を変えて葉子さんに告白する流れで行ってみてはどうだろうか。
朝陽がハーレム思考でないのなら葉子さんがハーレム思考となればいい。
みかんも葉子さんとは親しいわけですし、朝陽中心ではなく葉子さんを中心に据えたハーレム展開。これが幸せの結論!どうか!!
新しい気はするが色々といかん気はしますな。

それにしても、巻頭カラーで紅本先生の花嫁修業なんて話が入ったし、学園祭まではまだまだかかるのかと思ったら・・・
この怒涛の展開には毎度圧倒されますなぁ。淀みなく物語が展開する。これは言うなればサクサク・・・そう、サクサクだ!!
毎週サクサク進むさまを見られるのは幸せなことでございますなぁ。



第45話「応援しよう!」  (2014年 4+5号)


学園祭当日。
葉子さんのクラスはケーキ屋をやるということで調理を担当しない人は呼び込みを手伝うことにする様子。
狼男らしく獣耳とグローブに尻尾。そして痴女らしく露出の高い格好の獅穂さん。
そして吸血鬼らしくコウモリの着ぐるみの葉子さん。何でやねん。
かわいいしこれなあキバとかも隠せるとか言うがそれなら吸血鬼のコスプレにすればよかったのではなかろうか。
自前の羽を出していてもコスプレですからと言い訳が出来たでしょうに。羽を伸ばす機会を逸したな!!

ヒロインらしからぬ露出全くなしの格好になる葉子さん。いやまあ確かに可愛いですけども。
藍澤さんは料理教室で練習したことからも分かるように調理担当。
正直教室に通う必要のない腕前でありましたが、まあそれはよしとしよう。
それよりも藍澤さんはそろそろ心を決めねばならぬ事項があったりする。

・・・白神葉子。それに黒峰朝陽。私・・・藍澤渚にとって二人は大切な存在だ。故に私はこの恋心に答えを出さねばならない
もちろんあの二人が惹かれ合ってることを理解しているし応援したいとも思っている。
しかし・・・どうにも私はこの件となると冷静さを欠いてしまうのだ。
もしかすると私に必要なのは答えではなく決意なのかもしれない。何があっても二人を応援するというゆるぎない決意が!!
そうだ!答えなど出ているではないか!!私は二人を応援する!!何があっても。

ふむ。恋心への決着というのは何も告白を絡めなければいけないというものではない。
本人がそれで納得するのであればそういう決着もありなのではなかろうか。納得できれば、ね。

藍澤さんが内心で決意を固めている時、岡田達男共の噂話が耳に入ってくる。内容は朝陽のこと。

学園祭終わってからの後夜祭。そこで朝陽、白神さんに告白するんだとよ

岡田、衝撃の"告白"告白。
まあ誰が聞いているともしれない廊下で話す内容じゃありませんよね。
せっかく心を定めつつあった藍澤さんが物凄く取り乱すことになってしまったじゃありませんか。

ともあれ学園祭開始。
ケーキ屋はなかなか繁盛しているらしくお客さんが押し寄せている。
慌てて皆がケーキ作りに翻弄する中、最高のケーキを目指してウェディングケーキを作成する藍澤さん
うん、確かに高さは申し分ないと思うけどもさ。いやあ、混乱してる混乱してる。

桜田「うわっ、何これ。藍澤さん・・・なんでウェディングケーキ!?」
藍澤「ウェディング!?二人はもはやそこまでの仲なのか!?」

仲なのかも何もそう考えて作ってしまったのは藍澤さん自身でしょうに。
そして今度は紅白まんじゅうを作りはじめる藍澤さん。器用ですなぁ。このままでは披露宴の料理一式作りかねない。
どうでもいいがさくらさんは調理担当なんですな。やはり乙女の貫録という奴なのか?

ともかく落ち着かせるために藍澤さんを外へと連れ出す獅穂さん。
ついでに何故か着替えさせていたりする。
自分が犬だから藍澤さんはネコということで猫耳&グローブ&尻尾の装備を着用であります。
スカートは着用しているものの上下は水着となっている。獅穂さんいつの間に藍澤さんの水着を持ち逃げしていたのか・・・!!

でもまあ良かったよ。着替えたことに気が付くくらいには落ち着いてきたんだねぇ。

しこたま殴られながらも藍澤さんに対する気遣いを口にする獅穂さん。
まあ着替えさせられている最中に気付かなかったわけだから相当重症だったといえます。落ち着いてくれて良かった。
盛大に動揺していた藍澤さんであるが朝陽の告白については想定内だと語り出す。

私は決意したのだ。白神葉子、黒峰朝陽、両名の仲を全身全霊をもって応援すると!!

確かにそのように決意はしたが、それで簡単に切り替えが出来るほど恋心とは単純なものでは無い。
丁度今いる場所は一年の夏、藍澤さんが朝陽をフッた場所である。
あの時は確かに全くその気はなかった藍澤さん。それが変われば変わるもので・・・人生とはわからないものである。

・・・もしあの時黒峰朝陽の想いに応じていればまた違う現在があったのだろうか

思っても仕方のないことであるが思わずにはいられないことでありましょうな。
しかしやっぱり決意したと口では言いながらも容易く苦悩しちゃうみたいですなぁ。
獅穂さんも応援で済むならとっくにそうしているだろうにという感想。ですよね。

そんな獅穂さんの前を腕組みしながら通り過ぎる朝陽。
何やら考え事をしていて周りが見えておらず、獅穂さんの声も耳に入っていない様子。
朝陽と藍澤さん。周りが見えないぐらいに考え事をしている2人。恋の悩みは深いですなぁ。
朝陽としても後夜祭は勝負の時間でありますし、どのような告白をすればいいのか悩むのも止む無しであるか。
てな感じで思い悩む若者たちに獅穂さんは一つの提案を投げかける。

二人で学祭回ってくれば?

何かしら悩んでいるもの同士気分転換にもなる。一人で悩んでも答えが出ないこともあると述べる獅穂さん。
まあそうでしょうね。特に藍澤さんは思考のループに陥りそうな状態ですし。何か切っ掛けは必要となるでしょう。

というわけで獅穂さんの勧めに従って二人で学祭を回ることとなりました。
さすがに水着姿は恥ずかしいので朝陽の上着を着る藍澤さん。ほう、よいシチュエーションだ。
しかし何故か猫耳と尻尾はつけたままだったりする。それは恥ずかしくないのか!?

相変わらず考えと行動が一致しない藍澤さん。
二人を応援すると決めた。任務と決意は必ず遂行する女なのだ!!とか言っておきながらしっかり楽しんでいる。
どこまでも不器用というか感情の整理が下手というか。可愛らしいことであります。

学園祭でデートのような行動を取っている。そう思い至り激しく赤面する藍澤さん。
冷やすためにアイスを買ってくることにしました。アイスだと・・・?何か嫌な予感がするぜ。

アイスを買って戻ってきた藍澤さん。そこに現れたのはみかん・・・みかん?角の生えたみかん・・・茜ちゃんやないかい!!
二人がデートしているのを聞きつけて写真を撮るためだけにみかんに化けたというのか!?
まあ、その結果藍澤さんが大慌てとなり夏祭りの時と同様、朝陽の両目にアイスを喰らわせることとなったわけでありますが。べちょ。

全くもって夏祭りの再現。倒れそうになった藍澤さんを助けようとして文字通り何も見えなくなる朝陽。
そして抱きかかえられたまま動きを止めてしまう藍澤さん。ドキドキが止まらなくなっている様子。

そういえば夏祭りの時は久々に母星の話が人と出来てうれしかったな・・・
・・・あぁ。そうか。私がこの男を好きになったのは私の秘密を、本当の私を知っているからなのかもしれないな
黒峰朝陽の前ではありのままの私でいい。だから・・・

自身の想いを認識してしまう藍澤さん。
確かに決意はしていた。朝陽と葉子さんの二人の仲を応援すると。
私が応援すれば全て丸く収まると。私が、応援すれば――

・・・すまない白神葉子・・・私は・・・私は二人を応援・・・できない・・・!!

やはりこうなってしまいますよねぇ。
恋心なんて厄介なものが頭で考えたぐらいでどうにかなるものとも思えない。
本気で好きになったのであれば、それを解消するのも並大抵のことではないということだ。
ともあれこのタイミングで想いを再認識してしまった藍澤さん。どのような行動に出るのか。
後夜祭では朝陽が葉子さんに告白する心づもりでいる。
となるとそれまでに、またはそこで行動しないといけないわけであるが・・・うーむ。

どうでもいいが廊下の真ん中で抱き合っている2人を驚きの顔で見ている女の子が可愛い。
これはラブシーンを見かけた驚きなのか、朝陽がアイスを生やしていることへの驚きなのか。気になるところですな!!



第46話「告白を阻止しよう!」  (2014年 6号)


後夜祭。酒を飲んで暴れる紅本先生。
独身であることを気にかけるようになってしまっており、何とも不憫である。
色々と残念な人ではあるが、美人だし気の利くいい先生なんですがねぇ・・・
まあ、茜ちゃんの存在がやはりなぁ。この菓子ウマ悪魔が身内になるのが負担と考えるか特典と考えるか。人それぞれでしょうな。

さて、祭りの定番である顔面アイスの洗礼を浴びた朝陽。嫌な定番だ。
ともかく、意を決して葉子さんのもとへと足を運んでいる。ついに告白するのか・・・!?

白神は屋上で待ってくれてる。そこでちゃんと伝えるんだ。白神のことが好きですって。
・・・正直すっげぇ逃げ出したいけど!!

涙が出るほど怖がっている朝陽。
わざわざこんな日じゃなくても、今日は普通に皆と後夜祭を楽しんだらいいんじゃないか。その方がきっと白神だって・・・
そのような考えがよぎるが、それをねじ伏せて顔を上げる朝陽。

今日!!今日ちゃんと告白するんだ!!すっげぇ怖いけど・・・すっげぇ逃げ出したいけど・・・
今日言えなきゃ俺はきっと、この先も逃げ続けることになる気がするから・・・!!

覚悟を決めて屋上へと向かおうとする朝陽。
しかしそこにはまた違う覚悟を決めた人が待ち構えていた。

・・・すまんが黒峰朝陽。ここを通すワケにはいかん・・・!!
学園祭中から今の今まで様々なことを考え抜いた結果、この結論に辿り着いた。もはや君を行動不能にするしかないと・・・!!

スコップ握りしめてそんなことを口走る藍澤さん。何言ってんの!?
さっきまでとは違う意味で凄く逃げ出したくなる朝陽。主に命の危機的な意味でありますな。
恋愛とは戦争なのだよとアオリで言われてますが、これはまた意味が違うのではありませんか!?

やたらといい構えでスコップを振り回す藍澤さん。マジで危険だ。へたすりゃ金づちよりアウトな感じである。
しかし藍澤さんは自信を持ってこう述べる。これはスコップではない。案ずるなと。

これは我が母星最新鋭の睡眠導入装置だ
先端部分に勢いよく触れれば触れる程、長時間の眠りを強いることが出来る・・・!!

要するにスコップでぶん殴って気絶させるってことですね。
というか先端部分は確かに速度が乗るかもしれんが、ヘタすりゃ斬れますぜ!!

何故か藍澤さんに命を狙われるかのような状況となっている朝陽。いやさすがに命までは・・・
とも思ったが、待てぇぇぇ!!とスコップ持って追いかけてこられりゃ確かにそうも考えるか。

一度下の階に降りて回り込めば屋上に行けるのではないかと考える朝陽。
しかしそのタイミングで正面から現れるのは藍澤兄。
今日は幽霊らしく夜中に登場でありますね。相変わらず食材を漁った帰りのようであるが。
本体の大きさからしたらそんなに食べなくてもいい気がするのだが・・・外部ユニットも食事をエネルギーにしてるのだろうか。

とりあえず藍澤さんから借りた生活費をチャラにするために朝陽の足止めを行う藍澤兄。
やっぱり一緒に生活はしていないんですな。今もあの廃屋に住んでいるのだろうか。

人魂に模した遠隔操作型砲台は全て銃としての機能を備えているという。
凄いのかもしれないが、当たっても少し痛いくらいの銃なんでしょ?いや、数があると少し痛いも凄く痛いに変わってしまうか。
まあ、そんなのを警戒しても結局は妹の仕掛けたトラップに勝手に自爆して倒れてくれたりするわけですが。兄上ええええええっ!!

後頭部をスコップで殴打されて引く程痙攣している藍澤兄。
外部ユニットのみの活動を眠らせるなんてことがあるのかどうか・・・
まあ、中の人が同じようにビクッビクッしててもどうでもいいといえばいいのであるが。

遠隔操作砲台は藍澤さんにも扱えるらしい。
不甲斐ない兄に変わり操作する藍澤さん。コクピットに多数の映像。複数砲台による一斉射撃。
うーむ、まるでロボット物のような演出でありますな。カッ!!
横から校舎を切った感じの絵は往年の2Dアクションゲームっぽいですけど。
この床や天井に埋まっているのは茜ちゃんの秘蔵のお菓子だろうか・・・飴でか!!。

というのはさておき、藍澤さんの一斉射撃は不発。
どうやら遠隔操作砲台は砲台を外し、のぞき様にカメラを仕込んであったらしい
ああ、無数の映像とからしい演出だと思ったら・・・本当に色々と残念な兄でございますなぁ・・・外部ユニットは可愛いのによぉ。

藍澤さんが人魂を壊しているうちに葉子さんのもとへと急ごうとする朝陽。
そうはさせじと追いかける藍澤さん。
朝陽は何故自分を追いかけるのか、事情言ってくれなきゃわかんないってと言い出すが、これは説明し辛いですわなぁ。

――わかっている・・・これは。私は今、最低なことをしている。君の告白を阻止しようなどと。
君が彼女に告白すればきっと君たちは結ばれるだろう。何度考えてみてもそれは間違いないように思う。
そして、何度考えてみてもきっと私は二人を応援出来ない。きっと私は二人を祝福できない。きっと私は受け入れることが出来ない。
・・・きっと、きっと私はもう一緒にはいられない
・・・私は黒峰朝陽が好きだ。私が宇宙人だと知っても受け入れてくれた君が好きだ。
・・・そして、同じように私を受け入れてくれて友達になってくれた白神葉子も同じくらい大好きで大切だから困るのだろう。
三人で過ごす時間がとても好きだった。紫々戸獅穂が加わって四人の時間も悪くなかった。朱美みかんや黒峰朝陽の友人たちが加わっても。
そしてそれは、君が白神葉子に告白しても、私が君に告白してもきっと終わってしまう
それは嫌だ・・・絶対に嫌だ!!

虫のいい話だとしても・・・自分勝手な話だとしてもっ・・・
それでもっ・・・それでも私は君に告白させるワケにはいかんのだっ!!

必死な表情でそう叫ぶ藍澤さん。うーむ、何とも切ない話ですのう。
朝陽への想いもさることながら、一番大事に想ってしまうのは3人で、皆でいる時間。それが崩れてしまうのが怖い。
割り切ることができれば随分と楽なのだろうが、そう簡単にはいかないのが恋心。
うーむ、それこそ時間が解決するしかないってものであるが、その間は確かに一緒にはいられなくなるだろうし・・・うーん。
いっそのこと藍澤さんは朝陽と葉子さん両方に同時に告白とかしたらいいんじゃなかろうか。
上手く行けば自分を中心に皆で幸せな感じに纏まることになりますぞ。
藍澤さんの母星はひょっとしたら重婚OKな世界かもしれないわけですし。まあ、違うんでしょうけど。

そういった複雑な想いを告げるわけにはいかず、とにかく葉子さんへの告白だけは止めようとする藍澤さん。
大きくスコップを振りかぶり、目標目がけて跳躍。そのタイミングで現れたのは――

あれ?黒峰君?なんや遅い思たらこんなと・・・ごっ。

ボコッと鈍い音を立ててスコップが葉子さんの脳天に炸裂しました
パターンと軽い音を立てて仰向けに倒れる葉子さん。
おぉ、立派なコブが出来てしまっている・・・って睡眠導入装置なのに眠ってないじゃないですか藍澤さん!!

それはさておき、このままでは葉子さんがますますアホになってしまう!!
いや、それは多分もう手遅れだから仕方がないとして・・・
朝陽はこのドタバタな状態でどうやって告白にまで持ち込むのだろうか。
言ってしまいさえすればそういう空気に持ち込むことは可能かもしれないが・・・さてはて。
藍澤さんはこの場をどのようにしてかき乱し、収束させようとするのか。注目の展開であります。



第47話「告白しよう!」  (2014年 7号)


俺は今日、白神に告白する!!

その意気ごみでいた朝陽。少し尻込みしそうにはなったものの、やる気は十分と言って良かった。
そのまま想定通り葉子さんが待つ屋上へと足を運べていればよかったのだが・・・

なんか思い描いてた状況とだいぶ違うんですけど!?

あー、もうめちゃくちゃだ・・・とアオリにまで言われてしまう始末。
いきなり友人の頭をスコップで叩いてしまい、土下座で謝罪する藍澤さん。
同じく友人である朝陽にも同じようなことをしようとしていたわけだが・・・まあ、殴り倒した後で謝罪はしてくれただろうし同じか。

体は丈夫だから特に何ともないという葉子さん。派手なコブつくっておいてそんなこと言われましても。
む、そういえば葉子さんは普通に病院に行ったりして大丈夫なのだろうか?
血液とか内臓とかその辺りは人と違ったりしないのだろうか。少し気になりますな。

朝陽「い・・・委員長・・・白神眠ってないし、やっぱりそれただのスコップ・・・」
藍澤「スコっ・・・睡眠導入装置だ!!オフになっていただけだ!!
朝陽「今「スコ」まで言ったよね!?」

なるほど。オンオフの切り替えが出来るなら効果が無くても仕方がないですよね。ホンマかいな。

それはそうと、葉子さんは朝陽に伝えたいことがあるって言ってたけどなんやったん?と尋ねてくる。
うーむ、この流れでその話題が来るとはなかなか困りますな。
さすがに雰囲気とかそういうものすっ飛ばして実は私はと行くわけにはいかないだろう。何より朝陽の覚悟が雲散霧消している。

そうですよ。白神さん!!今日、俺はあなたに告白するつもりでした!!
でしたが、さっきの一件で頭の中が一回真っ白になっちゃったっていうか・・・
カムバック!!ここ数日で少しずつ固めてた考えとか覚悟とか!!

混乱中の朝陽。となれば逆に藍澤さんの存在が救いとなる。
告白を阻止しようとしていた藍澤さんならばこの話題も遮ってくれるはず。それで一度考えをまとめよう・・・

そ・・・それでは私はこの辺で失礼する。

踵を返してさらば!!と立ち去る藍澤さん。何しに来たの!?
いい感じに引っ掻き回してはいるものの、何故ここで諦めてしまうのか!?
とんでもないことをしてしまい、考えのベクトルが大幅に揺れて冷静になったということなのだろうか。うーむ。

とりあえず気を取り直してということで、葉子さんが購入していたたこ焼きを差し出してくれます。
祭りの時のたこ焼き。なかなか味わい深いものがありますなぁ。
ってそんな風に和んでていいのかね、朝陽。話題が逸れているうちに覚悟を決め直さないとさ!!ホレホレ。

なんとか流れを変えないととオロオロする朝陽。
それに対し藍澤さん。いきなり考えを変えて協力する方向へと動き出す。

・・・罪ほろぼしをさせてはくれまいか・・・?

後悔することしきりな様子ですな。まあ、最低なことをしていると実行時も分かってはいたようだが、思い返せば返すほど・・・ね。
これは確かにフォローの言葉が見つかりません。可愛らしいと言うしかない。
何にせよもう済んだことであるし、人がいい朝陽は気にしなくていいと言ってくれる。相変わらずいい奴だ。
そしてその上で委員長が協力してくれれば心強いよとか述べてくれる。相変わらず鈍感な奴だ。よろしくな藍澤教官。

・・・よかろう。だが私の訓練は厳しいぞ!!黒峰訓練生っ!!

うかつな教官呼びで藍澤さんの変なスイッチが入ってしまった様子。
さすがに恋愛ごとに関しては藍澤さんも教官と言えるほどではありますまいに。まあ、この3人じゃ誰も似たり寄ったりか。

とりあえず流れを引き込むために会話のジャブを行うこととする。そこから自分の間合いを掴むのだ。
会話のジャブ。定番の入りと言えば天気のこと。
というわけでいい天気だなと切り出してみるが、実際は曇っててひと雨来そうな感じだったりするという。おやおや。

きょっ、教官っ!!ジャブ外した時って一体どうすれば!?

ここまでジャブが苦手な人も珍しい。天気から入るにしても外を見るか、せめて相手の言葉に合わせていけばいいものを。
何にしてもこれでは会話から徐々に流れを掴んでという手は使いづらい。
時に強引に引き寄せねば変わらないのも流れと言うものである。ここは藍澤教官が見本を見せてくれることとなりました。

藍澤「白神葉子!!私は君のことが好きだ!!
葉子「・・・?うん。私も藍澤さんのこと好きやで?」
藍澤「そうか。ありがとう!!」

言いたいことだけ言って戻ってくる藍澤さん。何が「・・・な?」だ!!
確かに強引に話をブチ込んだけど、会話の流れもへったくれもあったものではない!!
予想通りこういうことには疎いというかなんというか・・・
藍澤さんは細かく作戦を練るけど、煮詰まったらなりふり構わず突撃を仕掛けるタイプでありますな。分かります。

目の前でおかしなことをしている2人。
葉子さんもさすがに疑問を感じている。
そもそもあの日、後夜祭で自分の秘密の話を伝えたいと述べた朝陽の様子も変だったと葉子さんは感じている。
どうやら葉子さんもその呼び出しの日から結構日数があったので色々考えてしまっていたようである。ほほう。

なんか・・・ものすごい真剣やったっていうか・・・
・・・なんやろ?黒峰君の秘密て。
・・・朝陽君が私のこと・・・・・・とかやったらなぁ・・・

肝心なところはごく小さな呟きになってしまったのか聞き取れない感じになっている。
けれども、赤面しながらわざわざ下の名前で呟いてしまっている事柄である。何が入るかは自ずとわかろうというもの。
その後、さらに真っ赤になって否定したりしちゃってますしねぇ。無い無い!!そんなありえへん!!

私いっつも黒峰君に迷惑ばっかかけとるし、黒峰君が優しいのは誰にでもそうやし!!
そもそも私と黒峰君は友達!!友達やし・・・

唇を震わせている葉子さんは非常に可愛い。
しかしこの子も何とも強情と言うか、思い込みの激しい子ではある。もう少し自分に自信を持ってもいいのですよ?

さて、朝陽と藍澤さんの相談は続いている。
さすがにいきなり告白から入るのは色々と間違っていると思える。臆病とかそういう話でもなく。
ならばと今度は有用なアドバイスをくれる藍澤さん。思い出すというのはどうだ?と。

何かあるんじゃないのか?臆病な君に一度は告白を決意させた何かきっかけが

確かに。未来でのみかんとの出来事が無ければ、ここで勇気を振り絞ろうという感じにはならなかったはずである。
待っているだけではなく、未来で後悔することのないように動く。そう決めたはずである。
そのことを思い出した朝陽。さらに送り出そうとする藍澤さんが激励をくれる。

・・・私が保証する。私は二人のことをよく見てきた。本当に・・・よく見てきたからわかるよ。君はただ自信を持って告白すればいい。

傍から見ている人にしてみれば、どう考えても好き合っている者同士にしか見えないですものねぇ。
友達や年配の人たちからもそのように思われているでしょう。この告白が上手くいかないはずはないと。
さあ、今こそその時である。朝陽の覚悟は固まり、盛大にドキドキした状態で葉子さんと相対する。
その真剣なドキドキ顔により、葉子さんにもドキドキが映った感じである。二人してドキドキ。初々しい青春のシーンの出来上がりだ。

な、な、なんでこんなドキドキしてんねん私。黒峰君が私のこと・・・とかありえんし!!
そんなんただの私の妄想っていうか、もしそうやったらその・・・ちょっとええかもってだけで・・・
・・・「もしそうやったら」・・・?
もしそうやったら、私はどうするんやろ?

妄想の中でもしもと考えたことはある。だけど、本当にそうだったとしたらどうするのか。
その考えに思い至る葉子さん。その口から飛び出した言葉は朝陽の告白よりも早く――

黒峰君!!わ、私も黒峰君のこと好きやで・・・?

先んじられた!?いやでも、これはこれで・・・と思いきや・・・

あ、藍澤さんのことも大好きやし、獅穂も朱美さんも凛ちゃんも好き!!茜ちゃんはちょっと好き!!
岡君も嶋君もさくらさんも紅本先生も友達やと思っとるし、そう!!友達はみんな好きやで!?うん!!
もーそんなんわざわざ改めて言うことちゃうのに!!じゃ・・・じゃあ!!

一息にまくしたてて走り去る葉子さん。
惜しかった。朝陽も実は俺はさ、白神のこと――まで言いかけていたというのに。あと一歩だったというのに。
言う方の朝陽の覚悟ではなく、言われる方の葉子さんの覚悟が固まっていなかったのがよもや敗因となるとは。

ななな何言おうとしてたん!?黒峰君。え?え?違う・・・違うやんな!?
そんなんあるワケないのに、私なんで・・・もしかして私も朝陽君のこと・・・い・・・いや・・・!!
ちゃう・・・ちゃうもん!!ちゃうやんな!?わあああああああああああああああああっ!!

全くもって大混乱の葉子さん。
相手の気持ちどころか自分の気持ちにすら鈍い子でありますからねぇ。
朝陽の覚悟を決めるよりも、周囲は葉子さんの覚悟を決めさせる方が先決だったように思われます。
獅穂さんもこの結果を伝え聞いたらそのように考えるのではなかろうか。

も、もしかして俺・・・フラれた・・・?

葉子さんの心のうちが見える読者はさておき、結果だけ見るならば友達の一人にしか思えないと言われたようなものである。
告白をする前にフラれる。藍澤さんに続いて2回目の撃沈を経験した朝陽。これはキツイ!!
いやまあ、誤解と言うかすれ違いと言うか・・・
ラブコメにはそういうのは付き物であるが、何故こんなことになったし。
どちらも鈍くてヘタレだと惨事にしかならないってことでありますな。いや、朝陽は勇気出して頑張ってたよ。本当に・・・

しかし藍澤さん。邪魔しようとしたら上手くいかず、協力しようとしたらまた上手くいかないとは色々と酷い。
葉子さんの気持ちも藍澤さんに近いものがあったのでしょうな。
告白を受けそうになった時に目に入ったのは藍澤さんの姿である。
もしそうやったら・・・友達である藍澤さんとの関係はどうなるのか。その考えがよぎった可能性も考えられる。
男女の仲とは色々と上手くいかないものでありますなぁ。友情と恋愛。難しいテーマだ。青春っぽい!!

それにしても友人の中に獅狼くんの名前が出てきませんでしたな。嶋ですら出てきたのに。
獅穂さんが主人格であるし、ひとまとめにされたのかもしれないが・・・うーむ。可哀想に!!



第48話「口説こう!」  (2014年 8号)


高校の間に先手を打たれて2度フラれるバカがいるか!!
そんな感じの朝陽。いや、今回の葉子さんの件は前の藍澤さんとは違い、別にフラれたわけではないのだが・・・
とにかくこの日の告白に失敗したのは事実なのであります。合掌。

というわけで、すっかり落ち込んでしまった朝陽。ぽへー。
その朝陽を励ますために家を訪れるみかん。お、幼馴染イベントって奴ですね。
もちろん朝陽の妹とも顔見知り。お互いちゃん付けで呼ぶ仲であります。小さい頃一緒に遊んでたみたいですしねぇ。
ふむ、ここで妹の名前が明らかになりましたか。黒峰鳴ちゃん。いや、みかんが略して呼んでる可能性もあるので確定ではないか?
なかなか可愛い子であるのだが、今日は早めに退場。そのうち目立つ出番が欲しいところでありますな。

鳴ちゃんが出かけることで黒峰家は朝陽だけが残ることとなる。
父母は買い物で少し遅くなるとのこと。ふむ。この情報を聞いて何やら考え込むみかん。
一度自分の団地へと引き返し、オシャレを開始する。おやおや?
化粧を行い、スカート姿になって再度黒峰家を訪れるみかん。朝陽励ますわよーとか言ってるが、本当に励ますつもりあります?

あはは何言ってんのよ。そんなの。
励ますつもりなんて無いに決まってるじゃない・・・!!
朝陽以外留守で朝陽がフラれた直後なんて千載一遇・・・朝陽口説くならここしか無いでしょ・・・!?
朝陽があたしのこと女として見てるってわかった以上簡単よ。
女の武器使って一瞬でもその気にさせて、やることやっちゃえば後はどうとでもなるわ

さすがは外道クイーン。ここで攻め気を出すのもそうだが、えげつない話をしている!!
未来で告白を経験したこともあり、素直な気持ちになっているみかん。
それはいいことなのだが、今度は極端な攻めをするようになってしまったようだ。流石というか何というか。
応援しようと思っていたフクちゃんもこれは邪魔せざるを得ない。何だか楽しそうなコンビになってますなぁ、オイ。

そういえば朝陽の告白イベントがあるということで先に延ばしていた感じはありますが、みかんは超常現象は肯定するようになったのかね?
フクちゃんの存在はもう受け入れるしかないという感じでいるようですが。
でも往来で大声で話すのは如何なものかと思いますよ。子供が見てますよ。見ちゃいけません!!

さて、いよいよ傷心の朝陽を攻めるべく部屋を訪れるみかん。
気軽に部屋を訪れる性別の違う幼馴染がいる朝陽。やはり昔から持っていると言わざるを得ませんなぁ。

まだみかんとは未来の告白の件で少し気まずい朝陽。
その朝陽に迫るみかん。このままでは危ない。朝陽の貞操を守るために力を振るうフクちゃん。朝陽君に幸あれ!!
しかしフクちゃんの力もすぐに発揮されるわけではない。間に合うかどうかはわからない。
さあ、朝陽の頭に手を置いたみかんはそこからどう動くのか・・・・・・ドキドキしたまま動かない!?

朝陽「あ・・・もしかしてなぐさめてくれてんの・・・?」
みかん「そ・・・そうじゃなくて!!何か感想ないの!?あたしの手温かいとか柔らかいとか・・・っ!!」

まさか・・・すでに誘惑してるつもりだったんスか!?
外道なフリしておきながら心根の優しいけれどもやっぱり外道な子だとは思っていたが、奥手でもありましたか。
まあ、あの告白時の赤面っぷりを見ればそれも想定してしかるべきだったかもしれませんがね。
初期は葉子さん相手にとんでもない質問投げかけてたような気もするが、それはさておこう。

フクちゃんの力でケータイを忘れた鳴ちゃんが乱入。
朝陽を助けるというよりも、ドキドキして硬直してたみかんを助ける結果となりましたね。なんだコレ。
口では既成事実の一つでも作ってやるぜってノリだったのに、この攻め方では如何ともし難いですなぁ。

朝陽としても前に述べた通り、自身がフラれたからって直前にフッた相手に慰められるのはろくでなしな感じがする。
だから気持ちは嬉しいけど・・・そんな風に語る朝陽の言葉を置いておき、この部屋暑くない?と言い出すみかん。え、もう冬近いけど?

い・・・いやー・・・あ、暑いわよ?この部屋・・・

そういって上着を脱いで肌を晒すみかん。危なーい!!
危ういところをまるでアニメの演出効果のようにブロックするフクちゃん。余計な・・・いや、いい仕事してますな。
というか、煽られたからって何いきなり極端な攻めに出ているんですか!?
フクちゃんもみかんの極端な振れ幅に翻弄されっ放しでありますなぁ。

ど・・・どうよ疫病神っ!!これであたしが奥手なんかじゃないってわかったでしょ!!
あたし朱美みかんは常に攻撃!常に加害者!!服なんて・・・自分を守る鎧なんて必要ないのよ!!

てなこと言ってたら今度は嶋が乱入してきました。慌てて服を着だすみかん。
さすがに痴女ではありませんしね。こんな所見られるわけにはいきますまいて。いきなり脱ぎだすけど痴女じゃないわけですし。

嶋はやけに嬉しそう。どうやら朝陽がフラれてこちら側に帰って来てくれたのが喜ばしいようだ。
そんな嶋を2回の窓から外へ放り捨てるみかん。し、嶋ぁー!!
哀れであるが、まあ嶋だしいいか。ちゃんと生きてるみたいですしね。

邪魔者を物理的に排除。そんなみかんに言葉をかける朝陽。
もう少し自分が女の子って自覚した方がいいんじゃないかな?とのこと。
うーむ、少し前に告白まで受けておいて誘惑されていることにも気づかないのはどうなのだろうかね、朝陽クン。
意識してあまりそういう方に考えないようにしているのかもしれませんが。
だからそういうことを言われたみかんは積極的に動き、想いを伝えようとする。

・・・そんなの自覚してるわよ。
朝陽の方こそ・・・あたしのこと。女の子として見てよ。もっともっとちゃんと

正面から迫るみかん。そうそう、そういう雰囲気っすよ。
極端な攻めではなく、大事なのはムードってことであります。これなら鈍い朝陽が相手でも・・・

岡「よー朝陽。落ち込んでる顔笑いに来てやったぞ。感謝しろ」
さくら「大丈夫!!きっとまだチャンスはあるわよ」

いい雰囲気に持ち込めたのに三度目の乱入者に邪魔されるみかん。
フクちゃんの疫病神スキルはこうしてみるとなかなか優秀でありますなぁ。反射的に邪魔しちゃうのもどうかと思うが。

嶋とは違い、みかんの気持ちもちゃんと理解している両人。
笑顔でごゆっくりと言い残して去っていこうとする。いい友人でありますな。
まあさくらさんはともかく、岡は楽しんでいる感じでありますがね。

じゃ、せいぜい頑張ってな。外道ちゃん(笑)

はい、発言にキレたみかんにより2人とも嶋のように窓から投げ捨てられました。岡ぁー!!さくらさぁーんっ!!
ハンドポケットのまま真っ逆さまに落ちる岡は潔いというか何というか。さくらさんは相変わらず巻き込まれまくりですな。

さて、邪魔者が今度こそいなくなったところで・・・さっきの続きをするとしますか。この雰囲気で再開するのか!?
まあ確かに嶋を投げ捨てた後にこの雰囲気になったわけですし。2人を投げてから再開してもおかしくは・・・いや、おかしい。
みかんは奥手ではあるが、何だかんだで気持ちを伝えるメンタルでは一歩前に出ている気がしますなぁ。
勇気を出し、やると決めたら退かない。強い子である。
だから朝陽も正面から向き合い、ちゃんと声に出して気持ちを伝えないといけない。

ごっ、ごめんっみかんっ!!やっぱ・・・やっぱり俺っ・・・
女々しいって思われるかもしれないけど、やっぱりまだ俺っ白神のことがっ・・・

確かに未練がましいという意味では女々しいのかもしれないけど、忘れられない想い人がいるので慰めを拒否する。
その考えは非常に男らしいものがあるのではなかろうか。
だからなのかどうなのか。迫っていたみかんは朝陽のおでこにキスをするだけで離れてくれる。おっ。

あんたもう一度思い返してみたら?本当に白神さんにフラれたの?どうせ告白前に逃げられたとかじゃないの?
まぁあれよ。あんたは白神さんのこと諦めずに頑張りなさいな。
・・・あたしも、あたしも朝陽のこと諦めないから。それでいつかあんたの方からキスさせてやるんだから!!

おやおや、なんだか一周回ってちゃんと慰める流れになってるじゃないですか。
慰め、追いかけさせ、それでいて自身も諦めないことをアピールするみかん。
うーむ、なんとも魅力的な子となったものである。本当、初期の頃は見た目も含めて何だったのか・・・
決めたと思いきや、外から思いっきり岡とさくらさんに目撃されてて辱められるみかんが何とも可愛らしい。あらあら。おうおう。
2人のクッションになったらしき嶋のことは・・・いいや。嶋だし。

というわけで濃厚なみかん回でありました。
未来で告白の流れになった時は恋愛レースからの脱落を危惧されましたが、むしろそこからがスタートだった感じになってますな。
むしろ想いを既に伝えているという意味では葉子さんや藍澤さんより一歩リードしているのではないかと思える。
何事かあって朝陽が葉子さんを諦められるようなことがあればひょっとしたら・・・
うーむ、これは葉子さんもうかうかしてはいられませんなぁ。
メインヒロインだからって鷹揚に構えてお腹空かせてればいいって場合じゃなくなってきましたぞ!!
葉子さん、それと藍澤さんの今後の動向に期待したい所であります。

どうでもいいのだが、鳴ちゃんと嶋は字面が似ていてとても困る
嶋はどうでもよくても鳴ちゃんはどうでもよくはないし・・・文章流し読みすると空目しそうになって困るのだよ!!



第49話「ちゃんと悩もう!」  (2014年 9号)


冒頭からいきなりクールビューティーな娘が現れました。
キリッとした感じのこの娘は一体誰なんですか!?えっ、葉子さん?ハハハ。また御冗談を。
ちょっと前までは「ぽへー」と上の空だったのだが、校長室に連れていかれた途端にこうなったらしい。
なるほど。茜ちゃんを警戒してこうなっているわけですな。
気さえ抜かなければクールビューティーに今でもなれるわけだ。気さえ抜かなければ・・・

茜ちゃんにくーるびゅーてぃー(笑)と煽られても動じずキリッとしている葉子さん。
全てのコマでキリッとしているぐらいのキリッぷりだ。キリッ。
まあようするに秘密を隠すために表情を隠しているわけですな。朝陽に秘密がバレる前の状態というわけだ。ふむ。
となればその秘密を暴けばよい。当然千里眼を持つ茜ちゃんは何が起きたかなんて全て把握しているわけで・・・

朝陽がやってきたと騙され、一瞬にしてクールビューティー状態が崩れてしまう葉子さん。ちょろいなあ。
告白されそうになったのかとからかわれ、ちゃうもん!!と逃亡。
そうは言われましてもなぁ。告白は本当に受ける寸前まで行ったわけでしてなぁ・・・ちゃわないもん!!

からかわれたくないからおすまししていた葉子さん。
まあ茜ちゃんのからかいは年季が違いますからねぇ。防ぐのは難しいでしょうて。
それにしても葉子さんはやはりその時のことが頭から離れない様子でありますな。
さすがに自分に自信が無さすぎるんじゃないかと思える。
が、仮に朝陽が自分に好意を持っていたとして、藍澤さんはどうなるのか。そこを考えてしまうと悩まざるを得ない様子。うーむ。

そんな悩む葉子さんの前に朝陽が登場。その後ろには藍澤さんも控えている。
そして実は俺はさ、白神のこと――とあの日の再現をする。角つけて

朝陽(角)「あれ?このセリフの続きなんだったかのう。委員長」
藍澤(角)「そんなもの「好きなんです」に決まって・・・」

完全にやりとりの一部始終を覗いていたという感じですな茜ちゃん。
まあ、見られていること間違いないだろうに学校内で告白しようとした朝陽に問題があるといえばあるか。

それはさておき、茜ちゃんは言う。私はただ告白ごっこをしとるだけだと。
告白ごっことは、ここを通ったものに片っ端から告白する遊びであるらしい。朝陽の格好で。
それによる被害を受けたのが1名ほどいる。盛大にダメージを受けている様子のみかんがまた可愛いですなぁ。ハハハ。

朝陽の告白を勝手に再現しようとする茜ちゃん。
それを聞きながらも、別に告白されそうになったのとは違うしと言い出す葉子さん。何とも強情な子である。
仕方ないので配役変更。葉子さん(角)の登場であります。
角つきの自分が角つきの朝陽に告白しようとしている。これは恥ずかしい。告白ごっこ恐るべし!!
だがこれも茜ちゃんに言わせれば葉子さんの本音の代弁に過ぎないとのこと。

白神。キサマ素の時は黒峰のことを「朝陽君」と呼んでおるのう
・・・さて。そのことはどう言い逃れるつもりかの?

おやおや、ついにその部分を指摘されてしまいましたね。
いやプールの時に既に当の朝陽に指摘されてはいましたが。
何にしてもこれは全く誤魔化せない。赤面するしかないですな。
とはいえ、それでも強情な葉子さんはまだ私らは友達だと言い張っている。ならば、と藍澤さん(角)が前に進み出る。

・・・すまないが再度確認させてもらおう。
白神葉子・・・君にとって黒峰朝陽は友達以上でも以下でもないのだな?

これは悩む問いかけであるな。
今回は聞いてきたのが茜ちゃんだから誤魔化すのもよかろうが、実際に藍澤さんにその問いかけをされた時にどうするのか。
さらにもし、茜ちゃんの言うような配役変更。
藍澤さんが朝陽に告白し、自分がそれを聞くような立場となったらどうするのか・・・
考えないといけないシチュエーションでしょうな。それを想像して胸が痛むこともちゃんと考えないと、ね。

まあ、告白ごっこに飽きた茜ちゃんはバカップルごっこに変更したみたいですが。
角生やした朝陽と藍澤さんが人前でイチャイチャしている・・・!!本物ならばまずありえない光景だ!!
いや、本物たちの場合は人前じゃなくてもやらなさそうな行為でありますな。貴重な光景といえる。

ちなみに紅本先生はたらふくビールを飲まされてダウンしているのでここに来ることはないらしい。
大分対策されるようになったというか何というか・・・紅本先生。

てなわけで、2人のイチャイチャ劇を見せつけられる葉子さん。
たまらず、ちょっと待ってと叫ぶ。
その叫びに答え、待ってくれる茜ちゃん。そして悪魔のように選択肢を突き付ける。

藍澤と黒峰との恋を望むのか。自らと黒峰との恋を望むのか
さぁ望みを言え・・・叶えてやる。当然代償は求めるがのぅ?

文字通りの悪魔の誘惑。でも代償はお菓子とかそういうものなんでしょう?
ともかく葉子さんは戸惑いつつこう答える。ホンマは私自身よくわからんねん、と。

黒峰君のことどう思っとるとか、どうなりたいのかとか。
これが恋なんかどうかとか。黒峰君と藍澤さんどっちが大切とか・・・

自身の恋心そのものがよく理解しきれていないからこそ悩んでいるみたいですな。
他人に言われても経験したことのない恋心という奴は理解し難い物なのかもしれない。
まあ、胸が痛むほどまで来ているのに自覚できないはずはないと思いますがねぇ。
とはいえそこに友人が絡むとやはり悩ましくはなるわけでして・・・いや、悩むのもまた青春か。茜ちゃんもこう言ってくれる。

それでいい。悩むのがキサマらクソガキの仕事だからの。焦らずじっくり仕事に取り組め

あらあら?あの茜ちゃんが何だか年長者らしい含蓄めいたことを言ってますよ!?
まあ、茜ちゃんも長く生きて色々な経験をしてきたでしょうしねぇ。
子孫を残すぐらいですし、色恋沙汰なんかも経験してきたのでありましょう。ちょっと想像はつかないけど。
それに葉子さんの父母の恋を見守ったりしてますしねぇ。
今と同じくからかったりとかしてたみたいですが・・・まあ、破綻させたりはしなかったということで。

葉子さんも茜ちゃんの言葉を受け、じっくり考えてみると述べる。
が、そんな葉子さんの前で朝陽の角を外す茜ちゃん。パコ。
ほう。どうやらこの朝陽だけは本物で、角をつけて操られていたらしい。おやおや。おやおや。

今までの、聞かれたらあかんこといっぱい朝陽本人に聞かれたのではと大混乱の葉子さん。
じっくり考えさせてくれるみたいなことを言っていたのに、いきなりなんてことをするのか!?
と思いきや、やはり角をつけられている間は記憶が無くなる様子。
わかっていてからかった茜ちゃん。うーむ、今回は見事に一枚上手な感じを見せてくれましたねぇ。
他の競争ごととかならともかく恋愛ごとが絡んでは葉子さんに勝ち目はないってことですね。ハハハ。

さて、次回は連載50回記念のセンターカラー
割と展開が濃いせいでまだ50回だったのかと驚かされますが、50回なのです。
このセンターカラーでどのような展開が待っているのか。
よもやの新キャラ導入はあるのか?期待でありますな。



第50話「今度こそ応援しよう!」  (2014年 10号)


連載50回記念センターカラー!!
というわけで、茜ちゃんが50人に分裂してくれました。わー。
白黒だと気にならなかったが、これだけいるとさすがに赤々しいなぁ。

さて、本編。
あの告白から何とも微妙な空気の朝陽と葉子さん。
いや悪い空気と言うわけではなく、お互いより強く意識し合うようになっている感じである。
朝陽もみかんに元気づけられたことでまた正面から向き合えるようになってるようですな。良いことだ。

そんな2人が藍澤さんに呼び出されて教室にやってきている。
呼び出した藍澤さんの姿はなく2人きりの状態となりドキドキする2人。
当の藍澤さんはどこに行ったのかというと・・・掃除用具の入ったロッカーの中にいた。何故!?

・・・・・・黒峰朝陽、白神葉子両名の接触を確認・・・
これより黒峰朝陽、白神葉子恋愛成就作戦を開始する!!

口をへの字にして最高に可愛い顔をしながらそんなことを考えている藍澤さん。
ああ・・・タイトルからしてそんなことになるだろうとは思っていましたが・・・
正直、藍澤さんが頑張ると碌なことにならない気がしないでもない。とはいえやらねば本人の気が済まないでしょうしねぇ。
先の藍澤さんの行動もあり、2人が微妙な距離感にあるってのも事実でありますし。

あの日・・・私が奪い去ってしまった彼の告白。この作戦は私のせめてもの償いなのである
恋愛感情を抜きにしても私にとって黒峰朝陽は大切な存在だ。
そして同様に白神葉子も大切な友人・・・二人に幸せになってほしいのは嘘偽りない私の本心である!!
・・・この教室に至る廊下のトラップを起動させた。もはやアリ一匹通すまい・・・
これでもうこの教室は黒峰朝陽、白神葉子二人の空間となったのだ!!
さぁ黒峰朝陽よ。心置きなく白神葉子に告白するがいい!!

学校の廊下に何をしているのだろうか。
しかしバナナの皮やらおたまやら危険の薄いものからスコップに金槌など威力の高いものまで様々で・・・
地味に手榴弾のようなものがまざっているのだが、これはどのぐらいの威力のものなんですかね?

気にはなるが、それ以前にそれらの罠がなかったかのように教室にやってくる者がいた。

白神さん!!ついに完成したわよ!!新たなロシアンシュー。「逆襲のシュー」が!!

そいつはまた地球そのものが大変なことになりそうな名前でありますな!!
このままロシアンシューVictoryとか発展していくのだろうか。

それはさておき、あのトラップをかいくぐっただとー!?と驚愕の藍澤さん。
この作戦の重要性を考え仕掛けたレベルAのトラップがと大層驚いております。
だがあいにくとそれは勘違い。罠を解除した者は他にいる。
その人物は藍澤さんの外部ユニットを乗っ取り・・・ロシアンシューを頂こうと名乗り出る!!
ああ、やっぱり別の人物が外部ユニットを操縦することできるんですな。
微妙に顔が藍澤兄のものになっているのが細かいというか何というか。朝陽にはしっかり気付かれたりしてるし。

藍澤兄曰く、日課の食材漁りのついでに女子高生の生態を調査していたらしい。
外部ユニットが女性型とはいえ、色々とアウトな感じですよ兄上。まあそれはさておき――

卑劣な罠にかかり外部ユニットに多大なダメージを受けたのでとりあえずおまえの外部ユニットを借りることにしたのだ・・・!!

堂々と言ってますが、ようするに藍澤さんのトラップにかかりまくって結果的に解除してしまったわけですな。
それでみかんが何事もなく教室までやってこれることになったと。
そして凶悪な、悪名高いロシアンシューに手を伸ばす藍澤兄。
女子高生のお茶会ぐらいにタカを括っているようだが・・・もちろんそんな甘いものではありませんでした。

藍澤さんが兄の外部ユニットを修復して戻ってくる頃、藍澤さんの外部ユニットはいつもの衝撃顔となっていた。あーあー。
しょうがないので外に連れ出し、ユニット交換。
中の人の顔をトレースしているのか、兄の外部ユニットは例の顔になる。
では藍澤さんのユニットは元に戻るかというとそうではない様子。
食べて影響を受けたのはこっちのユニットですしねぇ。その顔のままで学校を走るのは厳しい。どんな罰ゲームだよ!!

いや、どうやらそんなことを言っている場合ではない様子。
急いで戻ってきた藍澤さんが教室に辿り着いた時、もう残りの面子はロシアンシューに手をつけていた。
そしてその結果、衝撃顔で怪しい踊りを踊り出す朝陽。ヒョコヒョコ。
一体シュークリームに何を入れたらこんなことになるのか!?いや、そんな疑問も吹き飛ぶような光景がすぐ側にあるわけですがね。
朝陽と同じようにロシアンシューを口にしたみかんは・・・魔法少女と化していた
お困りの様子の藍澤さんにポーズを決めてこのように述べる。

そんな時は信じる心☆
それさえあればあたし・・・まじかるみかんちゃんが魔法のメガネで解決しちゃうぞ
あたし気付いたの!世界がこんなに美しいこと!!
もー藍澤さん。顔はスマイル。ハートはラブ。

眩しい程に星をまき散らすみかん。フクちゃんも引き気味ながら付き合ってくれたりしている。
よかったっスねみかんさん。魔法少女になるって夢が叶って・・・・・・

藍澤さんが恐怖を感じるみかんの魔法少女姿。失敬な。気持ちは分かるけども。
ちなみに葉子さんが食べたのは普通のシュークリーム。中にハズレという紙が入っているだけの代物であった。
うむ、さすがにロシアンですしね。普通のも入ってないといけないでしょう。というかそっちがハズレなのか?
何故かハズレを引いて残念そうにしている葉子さん。
しかしシュークリームはまだまだ残っている。このままこの場にいたら次はどんな惨劇が起きるのか・・・
いや、この窮状において藍澤さんは一つの方法に思い至る。
みかんを退場させ、朝陽と葉子さんを2人きりにする方法。それは・・・

あ〜朱美みかん。君に恨みはないが・・・決闘を申し込む。ロシアンシュー早食い対決を!!

何て生き急いだ結論を・・・!!
ロシアンシューは上級者でも危ない代物だ。それの早食いなんて・・・ロシアンシューの上級者って何だよ!!
当初から関わっている葉子さんや開発者のみかんでもこの有様だというのに。
それにしても今回のは破壊力だけではなくパターンを増やしたというが、どういう方向のものを入れたら魔法少女になるのか・・・

結局、元には戻ったが気持ち悪くなって吐きに行ってしまう朝陽とみかん。
みかんと共に退場するはずが先に朝陽がいなくなってしまったのでは作戦の完遂もしようがありませんわな。おやおや。

というわけで、作戦失敗に落ち込む藍澤さん。顔は戻ったけどさすがに気落ちはしてますな。

・・・ダメだな私は・・・迷ってばかりで一つ決めたつもりになってもそれを突き通すことが出来ない・・・

同じところを堂々巡りして空回り。
藍澤さんも自身がそういうことをしてしまう子だというのは自覚している様子。
まあ自覚しているからってどうにもならないものはどうにもなりませんしねぇ。
恋愛なんて特にそうなりやすいものですし。こればかりはしょうがない。藍澤さんは恋愛ごと以外でもそうなりやすいけどもさ。

そんな風に愚痴っぽくなりそうだった藍澤さんに葉子さんはこう述べる。私は藍澤さんのことすごいと思うよ?と。

私・・・ホンマは悩まなあかんこといっぱいあるのに、いっつも逃げてばっかりやし。
だからいつもちゃんと悩んどる藍澤さんはえらい思うよ

これは前回茜ちゃんから言われた話でもありますな。
悩むのは若者の仕事である。ちゃんと自分で悩み、行動している藍澤さんは確かにえらいと言えましょう。

さて、それはさておき、葉子さんは一つ藍澤さんに物申すことがある。
それは今日、無理矢理朝陽と葉子さんを二人きりにしようとしていたこと。さすがに強引過ぎて葉子さんにも気づかれている。
まあ葉子さん自身、逆に朝陽と藍澤さんを近付けさせようとしたことありますし、それは気づきますわなぁ。

その・・・夏祭りの後くらいに藍澤さん言ってくれたやん?
いつか私が何か自覚する時が来たら、その時は気兼ねせんでええよって。
だから。だからそのな?な。渚ちゃんも私に気兼ねとかする必要ないと思うよ?

おやおや。逆に葉子さんからこういう発言が出てきましたか。
相変わらず自分の気持ちを自覚したワケちゃうし?とか言っていますが・・・いや、本当に完全には理解してはいないのか。
兎にも角にも、お互いがお互い、相手に気兼ねしないようにと告げている。対等な感じとなったわけであります。
それを聞き、本当に敵わないなとほほ笑む藍澤さん。

ありがとう。葉子君

・・・全く、本当に私はダメだな・・・
まだもう少しこのまま三人でと。どうしようもなく思ってしまうのだから。

色々ごたごたしましたが、とりあえずしばらくは元の通りという感じになりそうでありますね。
いや、一応進展した部分はあるかな?葉子さんと藍澤さんが名前で呼び合うようになったという・・・!!
特に藍澤さんは初めてのフルネーム呼び以外の呼び方である。これは大きい。
恋愛相手を差し置いてヒロイン2人の仲が真っ先に深まるとは・・・いい話と言えばいい話なのか!?うーむ。

恋愛方面でも一応葉子さんの自覚を促したりはしてますし、全く進展がないこともないかな。
まあ、ともかくまだしばらくはこの流れで楽しめそうであります。良かった良かった。
しかしみかんのロシアンシューは一体何が入っているのか・・・気になるわぁ。



第51話「地球を守ろう!」  (2014年 11号)


いつになく緊迫した様子を見せている紅本先生。
マンション住まいのようですが、戦闘の結果ボロボロになっているじゃないですか。あらあら。
当然の如く争っている相手は茜ちゃん。どうやら頼みがあるけど紅本先生が聞いてくれない様子。

明里よ・・・私は悲しい。なぜだ?なぜ頑として・・・なぜ藍澤にチョコを作ってくれと頼んでくれん!?それくらいいいだろう!?

そんなもの自分で頼めよ!!
部屋を消し炭にするほどに暴れる内容がこれとは・・・さすがというかなんというか。
茜ちゃんとしてはプライドが邪魔してお願いが出来ないとのことである。
でも料理教室の時に思いっきり跪いてましたよね。あまりの衝撃による事故とか言われましても、もう色々と今更である。

たまには市販以外のチョコが食いたい。そのひたすらな想いで暴れまわる茜ちゃん。性質の悪い子供か!!
さすがにこれは承服されるはずもない。受け入れる様子のない相手に落ち込む茜ちゃん。

そうか・・・ならば仕方ない・・・もはやこの星を滅ぼすしか・・・!!

どういう思考の流れでいきなりそんな結論に達したものか。
ともかく、地球の未来は藍澤さん達のチョコに託されることとなりました。
達。そう、何故かチョコ作りのために呼び出されたのは4名。葉子さん、藍澤さん、凛ちゃん、獅穂さんの四名である。
茜ちゃんの力をよく知る4名ということなのだろうが、獅穂さん料理とかはまるでダメだったのでは・・・
というか、早速ボタン留め合戦を凛ちゃんと繰り広げているようなのですが。何か可愛い構図ですね。

それはさておき、紅本先生はこう告げる。
市販のチョコに飽きたこのババァが手作りチョコをくれなければ地球を滅ぼすと駄々をこねていると。
そして、今地球に巨大隕石が一直線に向かっているそうな。それはもうありえないスピードで。

角の生えた巨大な隕石が地球に接近中。いやいや、確かにこれなら地球を滅ぼすことも可能かもしれませんが!!
目的のためなら手段は選ばない。スマートさの欠片もない茜ちゃんらしい力技だ!!
ちなみにこの隕石の情報は藍澤母からの通信で本当のものであると分かってしまう。
さすがに宇宙人。宇宙のことは把握が早いですな。
急げ藍澤さん。隕石衝突まで残された時間はあと3時間24分。あと3時間24分しかないのだ

というわけで、手作りチョコ作成開始。
まあ正直藍澤さんなら3時間どころか3分もあれば余裕で作れるんじゃないかと思われる。
というか他の3名は何故呼ばれたのか。これはどうやら紅本先生に考えがある様子
さすがに隕石をコントロールしている間は茜ちゃんも集中せねばいけないらしく、無防備になるようですが・・・?

それはさておき、相変わらずどういうことかというスピードでチョコを完成させる藍澤さん。いつ冷やしたん!?
そして素晴らしい出来栄えなのに勝手にこの程度ではと落ち込む藍澤さん。
茜ちゃんはそのトリュフのフォルムを遠くから見ただけで少女漫画のように胸きゅんしているというのに!!
やたらと可愛いことになってるから困ったものですね、この悪魔はさ。

あぁ弄びたい!!私の口内で弄びたいぞ!!

すっかり虜となっている様子の茜ちゃん。これならば隕石もすぐに止めてしまいそうである。
が、身を乗り出そうとした茜ちゃんの角を掴んで制する紅本先生。しかも椅子に縛り付けだす。

さて・・・隕石衝突まで残り3時間といったところですか?
耐え切れるといいなぁクソババァ。藍澤以外の作る数々の創作チョコを相手に3時間

は・・・はめられたー!!
なるほど。藍澤さんはオトリ。最初から紅本先生の本命は残りの3名。茜ちゃんへの復讐が目的だったのだ!!
この3名ならば必死にやればやるほど大変なものが出来上がること請け合い。
それが示すかのように、トップバッターの獅穂さん。大変なものを一生懸命作ってくれました。

チョコバナナ改め・・・痴女子バナナだよ

割り箸にバナナを刺し、チョコをコーティングするシンプルな食べ物。
そしてバナナは腐りかけになると甘みを増すという。
その痴女子バナナからは男を誘う腐りかけの果実のような・・・否!!完全に腐った果実の匂いがしていた!!
いやいや。腐りかけどころか痛み過ぎてるじゃないか!!別のまずいものに見えるぞ!!ビジュアル的によろしくない!!
そんなものを食わされた茜ちゃんの感想は――

口いっぱいに広がる異臭。何の歯ごたえもなくつぶれるその実。
そしてその後からやってくる甘酸っぱ・・・いや酸っぱいな、これ。
これはもうなんというか・・・うむ!腐ってるな!!

ポーズと演出こそは藍澤さんのケーキを評した時と同じなのに内容と表情は全くの大違いでございます。
それにしても獅穂さんは一体どこから腐ったバナナなんて入手してきたのか。
そしてその谷間に挟んでいる新鮮なバナナは何故使わなかったのか。挟むのは新鮮な方がよいとかそういうことなのか。どうなのか。

どうにか痴女子バナナに耐えた茜ちゃん。まだ隕石はコントロール下の様子。
しかしまだまだこのデスレースは始まったばかりであります。
続いて登場するのは葉子さん。茜ちゃんはもう色々なチョコを食べているだろうと考え、目新しいものを用意したようだ。

きっとこれなら今まで食べたことないと思う・・・!!

ダース単位に区分けされた長方形のチョコ。
その匂いはチョコのものではない。安心感のあるスパイシーなこの香り。これは・・・

茜「ってただのカレーのルーではないか!!」
葉子「ちゃうよ?カレー寄りのチョコやって!!」
茜「チョコ側の歩み寄りが全く感じられんのだが!?

一応チョコも含めているのかどうなのか。さすがにカレールーそのまま出したってことはないと思うけど・・・どうなんだろう。

そして続けての登場は凛ちゃん。
地球の未来のために一生懸命作ったという凛ちゃん。自分でもかっこよく出来たと思うとのこと。

よく味わってほしい。悪魔殺しの秘薬・・・!!

!?
角の生えた髑髏。確かに見た目はかっこいい。というか職人芸と言える。
匂いは意外にも普通のチョコ。だがそれが逆に不安を煽る。しかしこの名称と形。
これはどう考えても茜ちゃんに対する殺害予告ではあるまいか!?

紅本先生「さ・・・さて校長。ありがたくいただきましょうかね」
茜「まっ待て!!これは本当にダメなヤツだろ!?私だって生きている・・・生きているのだ!!」
紅本先生「う・・・うるせェ!!こちとら地球の運命かかってんだ!!世界のためにくたばれ!!

色々とグダグダな流れになってきております。
しかしまあ、この秘薬がどのような効果を持つかはわかりませんが、ここを耐えれば次は藍澤さんの番となりそうである。
他の者には隕石が落ちるまでに2個目を作る手際の良さは無い。つまりここさえ乗り切れば・・・!!
そのように考える茜ちゃんの前に姿を現したのは・・・朱美みかん!!

みかん「・・・ん?何?あの角女に食わすチョコ作ってんの?」
藍澤「あぁ・・・そうだ!!君も手を貸してはくれまいか?彼女との過去のいざこざは忘れ協力してほしい!!」
みかん「過去のいざこざねぇ・・・・・・んふ

そりゃあもう、みかんにしてみれば色々な目に合わさせられた相手でありますからねぇ。
外道クイーンがこの機を見逃すはずもなし!!茜ちゃん大ピンチ!!思いっきり自業自得であるがね!!

そうえいばみかんはまだ茜ちゃんの正体とか知らないのですかね?
葉子さんや藍澤さんの秘密は明かすわけにはいかないにしても、茜ちゃんについては本人も隠す気ないしそろそろいい気もするが。

それはさておき、今は眼前の地球の危機についてである。茜ちゃんは更に差し迫った命の危機についてであるな。
紅本先生に話し合いを申し出る茜ちゃん。世界の半分をキサマにやる!!とのこと。悪魔らしいが小者感丸出しのセリフだ。

ちっ・・・黙れこの独身が!!

あ。踏んではいけないところを踏んでしまった感じ。
どうやら和解の線はなくなったようです。隕石衝突まであと2時間40分・・・

紅本先生「ならチキンレースといくかっ!!隕石様が堕ちるのが先かてめぇがくたばるのが先か!!」
茜「くははははは愚か者めぇ!!キサマは地球を救う最後のチャンスを逃したのだ・・・あの世で後悔するがいい!!

掛けるのは地球の未来。余りにも激し過ぎるチキンレースであります。
紅本先生も昔は大の得意だったんでしょうなぁ。チキンレース。単車でやるならともかく、さすがにこれは迷惑すぎます。

というわけで早速ロシアンシューの被害にあう茜ちゃん。悪魔でも仕留める威力があります。
分身出して暴れながら藍澤さんのチョコを求める茜ちゃん。撃退する一同。ハズレを引く葉子さん。
そうこうしているうちに巨大隕石は地球に迫る。祈る人々。
猫型の宇宙船は必死に追跡を行い、隕石の衝突を食い止めようとしている。
しかしすんでの所で奇跡は起きた。直撃コースを進んでいたはずの隕石が徐々に地球から逸れていくのだ!!

こうしてチョコの力により地球は救われた。
しかしその陰で死屍累々となった空間のことを我々は忘れてはならない。
茜ちゃんはともかく、何故葉子さん以外の全員が例の顔で倒れているのか。皆で付き合って食べたのかと凄く疑問はあるが、まあいい。
というか葉子さんはクジ運がいいのか悪いのか・・・残念そうな顔してるけど、そんなに大当たりしたかったのか!?

てなわけで色々と惨事な回でありました。
ちなみにこの号が発売されたのは2月13日。つまりこの回はバレンタイン回ということになる!?
恋愛要素が全くもって絡んでいないので後から見たらそうなのかどうかもわからないでしょうからここに一応記しておく!!
作中でのバレンタインはまともな形で行われますように。南無南無。



第52話「凛の家に行こう!」  (2014年 12号)


家族揃っての温泉旅行。
しかし試験前の高校生ということで一人でお留守番となる朝陽。辛い立場だ。
でもラブコメものの主人公ならここで女の子が集まってくる流れなのが定番。
まあ、この漫画でそういう流れを期待していいものかどうか。とりあえず真っ先に孫である凛ちゃんは来てくれました。

物語は既に冬休みに入っているのだろうか?
せっかくの休みなのだから友達とどこかに出かけたらいいのにと凛ちゃんに述べる朝陽。
確かに思い返してみると凛ちゃんの交友関係は気になりますね。
学年が下なわけだし、同年代の友達とか出来てたりはしないのだろうか?
やはり未来人という立場では友達とかは作り難いのだろうか?
朝陽としては一人で寂しそうにしていた葉子さんの姿が思い起こされてしまうわけで・・・

とりあえず凛ちゃんさえよければいくらでもゆっくりしていきなよと声をかける。甘いお爺ちゃんですなぁ。
そう言われて赤面している様子の凛ちゃんが可愛い。
そういえば凛ちゃんは普段何処に住んでいるのだろうか。さすがに朝陽の家に上がり込むことはなかったみたいだが。
学生寮はあるのかどうかは知らないが、そこではなく別の所で一人暮らしをしているとのこと。

月6万7千円のタイムマシン暮らし

あのドラゴン賃貸物件だったのか!?
な、なるほどあのサイズなら確かに一部屋分ぐらいはありますわな。その発想は・・・普通はないわ!!
しかも間取りがいかにも普通のアパートみたいだし。ロフト付きだし。ユニットバスだし。
ドラゴンの名前が黄龍丸なのは黄龍院にかかっているのかどうなのか。

それはともかく、朝陽の家の前に路駐してあるドラゴンの前に移動する朝陽と凛ちゃん。
どうやら凛ちゃんの部屋に案内してもらえる様子。ほう。
ちなみに普段所持している剣は家の鍵らしく、ドラゴンの首に突き刺せば玄関が開く仕掛け。エグイ!!
側面がパカッと開く。それはいいが、黄龍丸舌出してグッタリしているが・・・大丈夫なのか・・・!?

未来人の発想は色々と驚きである。
ちなみに前回みかんと一緒に口から飲まれたのはお客様用入口だったらしい。未来人は客を何だと思っているのか!!

まあ、ともかく部屋の中へと招かれる朝陽。
孫の部屋とはいえ、年頃の女の子の部屋に招かれるのはなかなかそわそわするものがありますよね。
中央にこたつが敷かれた7.5畳の部屋。ロフトのおかげでベッドもないし、なかなか広くていい部屋じゃないですか。
ちゃんと綺麗にしているようで関心である。そういえば布団とか洗濯物はどうするんだろうか。干すところあるのか?

気にはなるけど、それ以前にどうやら機密保持に引っかかっているらしい。やっぱり。
いつも通り指摘されるまで気づかない迂闊な凛ちゃん。
朝陽だけなら大丈夫。たぶんきっとと言ってみせるが、そのタイミングで現れるみかん。おやおや。
まあ、みかんもお客様用入口で入ったことあるんだし、今更じゃないですかね。

というわけで、みかんも一緒に部屋に入る。
未来のことをペラペラ話すと未来に帰れない帰還が延びるという約束事がある。
まあ、前に普通に帰ったりしているし、その辺りの規則は割とゆるゆるな気もするが・・・
だからといって破っていいってものでもないわな。
みかんとしてみても凛ちゃんはしばらく一人暮らしして社会勉強した方がいいという見方をされている。

や、やっぱり若くてもおばぁちゃんはおばぁちゃん・・・

ああ、送り出した未来のみかんも同じことを考えたわけですか。
確かに凛ちゃんはうかつだしなぁ・・・アナザルとは別の意味でダメな子である。
一人暮らしだけど自炊とかは全然やっていない様子。どういう食生活をしているのか興味ありますな。
というかみかんに説教される凛ちゃんの図がなんとも可愛らしい。

コマぶち抜きでエプロン装備のみかん
どうやら家族旅行で黒峰家に朝陽しかいないと聞き、朝陽のポイントを稼ぐためにご飯を作りに来たらしい。
うーむ、こういうことを堂々と言える立ち位置になったってのは凄いですなぁ。
昔は好かれるはずがないと思って友達でいるために外道なことをしていたみかん。
告白後は女であることを認識されていたことを知り、ポイントを稼ぐために積極的なみかん。魅力的になったものだ。実に。

凛ちゃんとしてはそんなみかんを応援する様子。
まぁ凛ちゃんは色々と未来のみかんと関わりが深いみたいですからねぇ。
他の面々。特に葉子さんとは繋がりがあるのかどうなのか・・・気になるところですなぁ。

それはさておき、みかんとしては気になることがある様子。
冒頭で朝陽が思ったのと同じこと――凛ちゃんの交友関係についてだ。
うーむやはり一人でフラフラしていて友達といる様子は見られないのか。それは寂しい話ですなぁ。おばぁちゃんも心配になるわいな。

みかん「いや、あたしの思い過ごしならいんんだけどさ。誰かといるとこっつったらだいたい朝陽か痴女・・・」
獅穂「んー?呼んだ?」

いつの間にか部屋にあがりこみ、こたつに入り込み、みかんの作った鍋に手を伸ばしている痴女の姿がそこにあった。
いや、確かにその前のページで玄関が開いた音はしているが・・・何というそつのない動きだ!!
というか得体の知れないドラゴンの体に扉がついているからってノコノコ入ってくる獅穂さんも獅穂さんであるな。

獅穂さんが――というより痴女が現れたことで驚き慌てる凛ちゃん。
どうやらこのタイムマシンには痴女が侵入した場合の備えがあるらしい。
体内に痴女力が感知された場合、痴女排除モードへと移行するという・・・!!
レジスタンスが開発したという痴女を強制的に活動できなくする。その機能が動き出し、寒気を覚える朝陽。そう、それはつまり――

厚着しなきゃダメな室温にまで冷やすシステム・・・!!

単に冷房を動かすだけか!!
いや、確かにこたつを出す季節に冷房効かされてはたまったものじゃないかもしれませんが!!
お互いに被害が及ぶ厄介な機能である。まあ、獅穂さんが厚着をすればそれで済むわけでありますが・・・

んー?痴女に「服着ろ」なんてそんなの「脱げ」と同じ意味だよ

何が何だかわからない。この発想が逆転してしまっているのが痴女ということなのか。
逆転しているからって脱げと言われて服着るわけでもないし、うーむ。かくも痴女とは厄介なものであることか。

それはさておき、獅穂さんは言う。痴女の歴史は寒さとの戦いでもあったと。
しかしこの寒さでありながら平然と脱ぎはじめる獅穂さん。これは・・・!!

痴女はすでに寒さを克服している・・・カイロという発明によってね・・・!!

なるほど。この量のカイロならば薄着であっても十分に温まることができる!!いや、痴女でなくてもやるからソレ。
それはさておき、胸元前回はさすがに朝陽へのダメージが大きい。
急いで獅穂さんの胸元を閉じようとする凛ちゃん。

朝陽「出たっ!!スタイリッシュボタン留・・・」
みかん「朝陽。あんたもコタツ入ったら?」
朝陽「あ、うん

朝陽のいつもの無駄にノリのいいツッコミが封じられた!?
思ったことはついツッコミとして口にしてしまい、無駄に疲れ切るのが朝陽のアナザル型ツッコミスタイルである。
しかしみかんがフォローに入ってくれることでその負担も和らいでいる様子。こ、これが内助の功・・・!?

その慄きはさておき、痴女との未来バトルはタイムマシンを応用してまでのものに発展する。
黄龍丸が放つアクアブレスが獅穂さんに炸裂した!!
消化シャワーも完備されているとは優秀な物件でありますなぁ。だがこの室温で水浸しはなかなかエグイ。
が、その程度でへこたれる獅穂さんではありません。

んー?甘い甘い甘いねぇ。もしかして気付いてないのかぃ?
なら教えてあげる「鬼に金棒」「痴女に水」ってね・・・!!

濡れてスケスケになった状態を晒す獅穂さん。カイロは一体どこにいったのか!!
表情と相まってエロイこととなっている。これは朝陽も再び鼻血を吹きだす他ない。
というかみかんは朝陽がこの対決普通に見てることについては何も言及しないのか?痴女の裸は色々とノーカンなのか?
色々と気になるところではあるが、とにかく戦いはここで終了。
まああんまりやらかして二人とも風邪ひいてもしょうがないですものね。本当にしょうがないというかしょうもないというか。

結局厚着して鍋をつつくことにした獅穂さん。厚着してる姿もこれはこれで可愛らしい。

獅穂さんは凛ちゃんと絡むと割と子供っぽくなるという。うーむ、確かにそんな面はありますな。
普段の獅穂さんは周りのせいもあってか比較的常識人よりでツッコミに回ることもある。
が、やはり痴女という一線は譲れないらしく、そのキャラ性を守るためには激しく立ち回っている感じがあります。
色々と濃いキャラクターが増えたことですし、独自性を保つのも大変だというのが伺えますなぁ。
そのおかげで出番等の割を食っているキャラもいそうでありますが。獅狼・・・

というのはさておき、一連のやりとりを見て、ツッコミと説教を終えたみかん。
凛ちゃんに対し、さっきは余計なこと言っちゃったみたいで悪かったわねと謝る。

あんたちゃんといるじゃない。友達

そう言って獅穂さんを指差すみかん。
ふむ、確かに普段からじゃれあっているように見えなくはないですしなぁ。
前回のボタン留めの場面とかもシーンだけ切り取ってみると微笑ましい光景に見えましたものねぇ。
凛ちゃんにしてみても、どうやらその意見は思いがけないものではあったが満更では無かった様子。
真っ赤になって、スパッツ穿いてくれるなら・・・?と述べる。脱痴女の証!!形だけでもっ・・・と。

んー。アタシがスパッツ穿く代わりに凛ちゃんがTバック穿いてくれるなら喜んで!!

交渉決裂
うーむ、やはりこうなるかというか何というか。
藍澤さんの時もそうだったが、痴女の親交の温め方は色々と危うくて困る。
まあ、スパッツはスパッツで愛好家もいるし、それが脱痴女の証になるかどうかは・・・
いやまあそこはレジスタンスのアイデンティティに関わる部分だし指摘しない方がいいのか。

凛ちゃんの交友関係などの部分は気になっていたので、掘り下げはいい感じでありますな。
次回は更にレアな組み合わせの話が展開されるという。
レアな組み合わせ・・・誰と誰だろうか?獅狼が出てくるなら誰と絡んでも割とレアなことになりそうだが。
珍しい組み合わせの話はいいのだが、最近は葉子さんのヒロイン力の陰りが気になる所である。
みかんが一気に伸びた分、葉子さんにはそろそろ頑張ってもらわないといけないところであるのだが・・・?
あまり朝陽との仲が進展しすぎても物語的にはアレなので読者に可愛さをアピールして頂きたいところであります。
マスコット的な可愛さじゃなく、ヒロイン的な可愛さをね!!



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