蒼天紳士チャンピオン作品別感想

実は私は
第1話 〜 第25話


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 各巻感想

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連載中分


実は私は 1巻


第1話「告白しよう!」  (2013年 9号)


さくらDISCORDの増田英二先生が帰還!!
楽しく不器用でスリリングなラブコメ新連載が始動だ!!

・・・秘密のない人なんているのだろうか?
恥ずかしくて言えなくて。何かが壊れるのが怖くて言えなくて。
でもやっぱ。ホントは知ってほしくて。

てな感じで冒頭からラブコメ要素いっぱい。
主人公の男の子の名前は黒峰朝陽くん。
嘘のつけない、隠し事の出来ない男ということで『穴の開いたザル』通称『アナザル』なんて呼ばれている。
その特性からやたらと意見を求められ、「ここだけの話」には参加できない。
ふむ。結構重宝されてたりするんじゃないですかね?有効活用されているというかなんというか。
もう少し信用してくれてもと朝陽くんは嘆くが、信用自体はされてるって話ですわな。別の意味で。

・・・朝陽は不本意かもしんねぇけど、隠し事が出来ないってのは悪いことじゃねぇと思うぜ?

そんな友人の言葉が染み渡る朝陽くんでありました。いい子ですねぇ。だがしかし。

・・・すまん友よ。おまえらの気持ちは本当はものすごく嬉しい。けど俺にだって、秘密の一つくらいあるのだ!!
1年の秋頃から2年の4月まで守り通してきた秘密が!!

本当は、も何も嬉しがってることぐらいバレバレでしたけどね。
どうやら自分の隠し事のできなさについてはまだ自覚が足りていない様子。だから見ていて面白いのかもしれないな。

・・・実は私、黒峰朝陽はこの娘のことが、白神葉子のことが好きなんです。

白神葉子。一言でいうならミステリアスな女だ
いつも無表情で、休み時間もいつも一人。話す時も必要最低限な言葉を敬語で。
かといって学校が嫌いなワケでもないようで、誰よりも早く学校へ来て、何をするワケでもなく誰よりも遅く学校から帰る。
だから誰一人白神の登下校を見たことが無い。
外で体育の時はいつも見学だし、肌が弱いのかとも思ったが、一回真っ黒に日焼けして学校に来たこともあったりする。

・・・考えてみれば、隠し事の出来ない俺が、正反対の彼女に惹かれるのは当然なのかもしれない。

そんなことを考えている朝陽くん。ふと葉子さんと目が合ったりしたものだからこりゃ大変。
自分の心を抑えることができるはずもないので挙動不審になる朝陽くん。落ち着き給え。
まあ、なんとか秘密は守りたいみたいだから頑張って落ち着こうとはしてますな。
心を落ち着けるのに精いっぱいで先生の声が聞こえなかったせいで盛大に怒られているけど。先生も落ち着き給え。

――でさ。朝陽は白神さんに告白とかしねぇの?

あ、言っちゃうのねそれ。
どうやら守り通せていると思っていた秘密はすっかりバレバレだったらしい。穴の開いたザルだしなぁ・・・
しかし考えてみれば、ザルは穴が開いているものではなかろうか。
ザルにさらに穴が開いているということなのだろうか。友人の岡の指摘も最もである。ザルだって穴の開いてないところは使えるんだ!

朝陽くんの友人である男子3人。ラブコメものでこれだけ男子の友人が最初から多いのも珍しい。
3人の中でもメガネのくんは結構激しいというか、攻め気というか、S気がありそうな性格をしている。
別に告白とかする気も無かったしと密かな恋でいようとしていた朝陽くんにそれは無理だと決めてかかる。

忘れちまったのか!?朝陽!!委員長に受けた辱め・・・去年の夏の悲劇を!!
まだ告白してもないのにフラれる恐怖を!!

そう。去年の夏。委員長に呼び出された朝陽くんはこう通告された。

・・・悪いが私のことをジロジロ見るのはやめてほしい。私にその気は全く無いのだから。

告白も何もしていないのにフラれるところから入る!これは怖い。
まあ、これは相手が悪かったということもあるのかもしれませんが。誰か早くタオルを!!タオルを投げ入れるんだ!!
隠し事ができないことが生む悲劇ってのもあるんですなぁ・・・
まあ、誤解が生まれない子なだけに、惚れられてるかどうかもすぐにわかっていいですね。断る方も勘違いと思わずに断れる!!

こんな見事な闇討ちを受けていた朝陽くんだが、どうやらその悲劇は既に忘れかけていたらしい。
ふうむ。こういう性格で生きていくには多少の悲劇は忘却する強さがないといけないのかもしれませんな。
だが、ただ忘れていていい話ではない。経験としておかねばならない。
つまり、あんな闇討ちを経験したおまえなら普通の告白なんざ屁でもない!!ノーモア闇討ちだ!!

殺(フ)られる前に殺(コク)れ!!

フラれる前に告白する!!そうか、それなら闇討ちを受けることもない!!こぼれる前にこぼしてやれって話ですな!!
友人たち皆で笑顔でそう勧めてくれます。ちゃんと俺らが責任持って慰めてやっから、とも。
要するに、全員フラれると思ってるってことですよね。いい友情ダナー。
でも何だか元気をもらったのは事実らしく、挑む気になった朝陽くんでありました。

それにしても朝陽くんは理想が高いというか、難しい子が好みなのだろうか。
去年闇討ちを受けた委員長も堅物ゆえかアイアンレディと呼ばれているらしいし。ふーむ。
しかしここで岡から意外な発言。

なんか白神さんって時々朝陽のこと見てんだよ。だから脈なくはねぇと思うけど。

ほう・・・それは意外な話でありますな。ほう。
それを聞いて大いに驚く他の2人。慰める用意はできていたが、果たして祝福する準備はできているのやら!?

それは置いておいて、朝陽くん。勇気をもらったのだから早速今から挑もうとしています。
噂通り葉子さんが誰よりも遅く下校するのなら、まだ学校にいるはずだと推測する。
急いで書いたラブレターを渡したら、全力で逃げようとか考える朝陽くん。うーむ、岡が危惧した通りのヘタレっぷりだ!!
まあ、それでも少年にしてみれば精一杯ということなのかもしれませんが。純情だのう。

――きっと秘密なんて誰にでもある。それはとても当たり前のことで。それはとてもありふれていることで。
例えば少し人と違う・・・そんな秘密。だから『これ』はそんなに珍しいことでは無いのかもしれない――

教室の扉を開け、そんなモノローグと共に朝陽くんが見た者は――

あーやっぱ、誰もおらん教室で羽のばすのはたまらんね〜

文字通り背中から生やした羽を思いっきり伸ばしている葉子さんの姿がそこにはあった。あ・・・あれ?

ギャーッ!?

思わぬ場面を目撃した&目撃されたおかげで同時に悲鳴をあげる2人。何してるんだか。
慌てて羽をしまう葉子さん。しかし隠そうとした手の隙間から見えるキバは未だ健在。
そういえば羽を伸ばしていた時、コウモリも飛んでいたようだが、それってまさか・・・!!

・・・見た?

口に手を当て、そう尋ねて来る葉子さん。その姿にズキューンと来ちゃった朝陽くん。ズキューン。

・・・俺はもうダメかもしれない。
さっき見た光景なんてぶっ飛んで、普段のミステリアスで綺麗な白神もいいけど、
今目の前にいる顔を真っ赤にして涙目になってる白神の方がずっとずっと可愛いだなんて――

いやぁ。その感想は別にダメじゃないと思いますよ。ギャップ萌えな部分も確かにあるが、やはり今の葉子さんは可愛いと思うぜ。

――実は私・・・吸血鬼やねん・・・
・・・私のアホ・・・なんで家帰るまで羽のばすん我慢出来んかってん・・・

実は素で喋ると関西弁な葉子さん
素で喋ると調子に乗ってキバが見えてしまうから普段敬語で喋るようにしてあんまり人と話さないようにしていたらしい。ははぁ。
吸血鬼と言えば日光が弱点。下手すれば灰になったりする。
が、葉子さんはそこまで苦手というわけではない。ものすごい勢いで日焼けするぐらいですむらしい。
なるほど。一度日焼けして登校してきたのはそれか・・・!!
まあ、体育は休んでいるし日が出ている間は登下校しないってことは、灰にはならなくても苦手ではあるんでしょうな。
いや、凄い勢いで日焼けしたらさすがに怪しまれるか。だからって常に日焼けしてようぜってわけにもいかんだろうし。うーむ。

さらりとミステリアスの真相が明かされました。
吸血鬼ということさえ分かってしまえばなんということのない秘密ばかりでしたね!いや、吸血鬼という時点でアレですが。

しかし、普通に話している朝陽くんだが吸血鬼とか言われて怖くないのだろうか?

あ。いえ。むしろめちゃくちゃ可愛いです

キリッとそんなことを述べる朝陽くん。うむ、さすがはアナザル。思ったことがダダ漏れだ!!
まあ、正直な気持ちをさらりと述べれるのは告白時には強みかもしれない。
が、残念なことに。はたまた幸いなことに。葉子さんはものすごくにぶかった!!
なんと。朝陽くんのこのダダ漏れな思考が伝わらない相手がいようとは・・・!!これこそミステリアスですね。

その・・・なんやろ。最後にお話しする相手が黒峰君でホンマに良かった思う。
・・・その・・・吸血鬼やてバレた以上、私はもうこの学校とはお別れせなあかんから

安心したのも束の間、いきなりそんなことを言い出す葉子さん。もしかして、やっちまった!?

それがオトンの出した条件やってん。もーうちのオトンえらい頑固で、「吸血鬼が人間の学校通うなんて非常識やっ!!」とか・・・

それはまあ、非常識といえばそんな気もしますな。
でもそうすると普通の吸血鬼は学校をどうしているのだろうか。専門の学校とかあるのか?
それとも試験も何にもない生活が普通なのか?むう。

・・・正直これでもいつかは誰かに気付かれるかもって覚悟しとったつもり。
――ただきっと、気付いた人にはもっとすごい怖がらせてまうと思てたし、きっともっときつい終わり方やと思っとったから。
だからその・・・黒峰君、ホンマにありがとうね!!

そんな風に笑顔を見せる葉子さん。その笑顔を受けて何とも居たたまれない様子となる朝陽くん。
その表情を見て葉子さん。別に黒峰君のせいでとかそういうのとちゃうから!と弁明をしだす。チャウヨー。ソレチャウヨー。

・・・嫌だ。このまま白神が学校やめるなんて、それはダメだ。
俺のせいだから?好きな娘がいなくなるから?それはある。大いにある!!・・・けど、それ以上に。
さっきから俺と話してる白神は、関西弁でまくしたてるように話して、表情もコロコロ変わって、俺もそれがなんだか嬉しくて。
きっと本当はすごく人と話すのが好きなんだろうなって
・・・そうだよ。それが、そんな娘が。たった一つの秘密を守るために。

確かにね。気さくな感じのする子なのに、秘密を守るために大人しくしてなければいけなかったんだもんなぁ。
なんだか寂しい感じがしてならない。そりゃあ誰もいなくなった教室で羽も伸ばしたくなるってものである。
私なら学園生活を十分満喫しましたから!と述べる葉子さんだが・・・それは本当かね?
とてもそうは思えない。だから朝陽くんは叫ぶ。

やっぱ絶対ダメだ!!このまま白神が学校辞めんのはなんか嫌だ!!
そうだ・・・秘密がバレたことを秘密にすればいい!!
そうだ・・・そうだよ!!そうすりゃ白神辞めなくていいよ!!
そのっ俺、なんかすげぇわかりやすいらしくて、嘘つけないだの隠しごと出来ないだの言われてっけどさ!
これだけはっ!この秘密だけは絶対!!そりゃあもう何が何でも、絶対に隠し通すから!!
だから!白神葉子さん!!俺とっ!俺と、友達になってください!!

勢いに乗っての一世一代の告・・・白?あれ、「友達」・・・?
凄く肝心なところで何をやっているのでしょうかねこの子は。そりゃあ頭も抱えたくなる。が――

・・・黒峰君。その・・・私なんかでええんなら。よろこんで!!

よい笑顔でそう答えてくれる葉子さん。
ふーむ、友達という言葉が功を奏した結果といえるのかもしれませんな。いきなり恋人とかいって同じ結果になったかは分からないし。
同じ結果が得られるというなら、一足飛びに跳んで結婚してくれでもよろこんでという返事が・・・ないな。さすがに。

・・・こうして俺、嘘のつけない隠し事の出来ない穴の開いたザルこと黒峰朝陽は、絶対に誰にも言えない秘密を持ってしまったのだった!!
・・・大丈夫か?大丈夫なのか?俺・・・

さっそく不安になっている朝陽くんなのでありました。うーむ、見ている方も不安だ!

ちなみに葉子さん、朝陽くんがよく自分の方を見ているのには気づいていたらしい。
吸血鬼と気づかれたのかもしれないと警戒はしていた様子。ああ、授業中に見せた表情はそういう意味のものでしたのね。
自意識過剰やったかな?とか言ってますが、別にそんなことはないですよ。普通普通。
朝陽くんから高嶺の花と言われてるし、他の男子からの視線もある程度はあったんじゃないのかねぇ。どうなんだろうか。

あぁ。そっか。もう一つ秘密があったっけ
この秘密は絶対に守り抜こう。白神を守るため。そして、いつかきちんと自分の口で伝えられるように。

青春っぽい誓い方でありますな。よい感じだ。
しかし、そんなよい雰囲気をいきなり破ってくれそうな危険なオレンジが朝陽くんに迫ろうとしている。
新聞部の部長、朱美みかんさん。
モットーは『ダメと言われたらやれ!』『逃げられたら追いかけろ!』『秘密だと言われたら暴け!!』である。
うむ、見事なゲス具合ですな。正直色々と迷惑な感じの子だ!!

そんなみかんさんと朝陽くんは幼馴染。
学校新聞をゴシップで埋めようという話になっているし、これは朝陽くんと葉子さんの仲がどうなったか問いただされそうな予感。
吸血鬼うんぬんの方は簡単には気づかれないと思うが、もうひとつの秘密の方はどうだろうか。
なんせもうひとつの秘密の方は当人以外にはバレバレだろうからして、いつ知られるかはわかったものではない。
果たしてどこまで隠し通すことができるものか・・・バレるまえにコクれ!とは思いますがね。

しかし、吸血鬼であるか。驚きなことは驚きであるが、実は巻頭のカラー部分で地味に心の準備は出来てしまっているんですな。
他の面子はともかく、思いっきりツノが生えた娘がいるんですもの・・・そりゃ、そういう世界観だと心の準備しちゃうよ!!
ツノは見切れさしておくぐらいでよかったかもしれませんな。
どうでもいいが、誰もいない教室で羽を伸ばすってのはどれぐらいの解放感なのだろうか。
誰もいない教室で服を脱ぐのと似たようなものなのだろうか。そっちを目撃出来たらそれはそれでよかったのにね!!

ところで、巻頭カラーに頭にネジ刺した子がいるが、なんなんでしょうね。ロボか。ロボなのか?フランケンかもしれんが。
そういえば、このネジ子さんは朝陽がフラれた委員長に似ている気がする。微妙にネジらしきものも見えるし。
なるほど、アイアンレディとは文字通りメカだからとかそういう話なのか!どうなのだろうか。

ともかく、色々とかっ飛ばしてきた感じの新連載。
この先の展開が楽しみである。いろんなキャラが大暴れしてくれそうな感じがあるぜ!!



第2話「追いかけっこしよう!」  (2013年 10号)


秘匿系ラブコメの第2回。
いきなり強引に探ってきそうな相手がやってきそうだが、大丈夫か朝陽?

男なら当然抱く夢がある!!
可愛い女の子と一緒に登下校!!そしてその相手が憧れの女子だったりすると、それはなお素晴らしい!!

まあ、その意見に反対する余地はありませんわな。
自分としても葉子さんと一緒に帰れるとか想像したら幸せそうだなと思えますもの。
だからといって、いきなり桃源郷に辿り着いたとか叫んだりはしないと思いますがね。恥ずかしいなこのアナザル。

どうやら2人とも電車通勤なんですな。
葉子さんは朝の暗いうちから電車に乗って通ってきているのか。大変だなぁ。駅員さんは不思議に思っていそうだ。

近所であることは喜ばしいことである。仲が進展すれば、遊びに行くにも行きやすいわけですから。
葉子さんの父親の姿が出るのは意外と早いことなのかもしれませんな。
まあ、そのためには朝陽がちゃんと秘密を守りきらないといけないのだが・・・アナザルだからなぁ。
ザルなうえに穴が開いているわけだからなぁ。あ、そこはちゃんと作中でもツッコミますのね。

頑張って秘密を守るという朝陽に、頑張らんでもいいよと告げる葉子さん。
本来朝陽にバレた時点で学校生活は終わることになっていた。
それが終わるどころか友達になってくれて、一緒に秘密を守るとまで言ってくれている。嬉しい話でありますわな。

だからえっと・・・なんやろ。うまいこと言えんけど、私はそういう黒峰君、信じとるってこと
だから無理に頑張らんでもええし、どんな結果なっても受け入れるよ!!

満面の笑みを浮かべる葉子さん。可愛いなぁ。
でもキバ見えてますよ。見えとる見えとる。
というか、そんな可愛い顔で言われたら逆に頑張ろうと思うに決まってるじゃないですか。朝陽じゃなくてもそう思うわ!!

・・・あくまで結果的にだけど。あの時告白できなくて良かったのかもしれないな。
何というか告白してたら、「秘密黙っててやるから付き合えよ」みたいになってたというか・・・
だから今はまだ、友達でいい。
いつかきっと自分の口でもう一つの秘密を白神に「白神が好きです」ってちゃんと伝えるから。

なるほど。言われてみればそんな風に受け取れないこともないですわな。
偶然とはいえ最適な選択をしたと言えるわけか。
友達から恋人になる過程が一番楽しいと言えるかもしれませんしな。見てる方にも微笑ましくてよい時期である。

・・・だからどうか・・・どうかアイツにバレませんように――!!

そのように心で吠える朝陽。もちろんそれはあの子のことなんでしょうが・・・
残念ながら思いっきりバレてる様子です。葉子さんの秘密ではなく、もう一つの方がね。
電柱に登って張り付きながら写真を撮る女子高生。ちょっとした怪奇であるな。この姿もある意味記事になるぞ。

翌日。思いっきり2人で下校している姿を撮影されていた朝陽。その写真をみかんさんに突き付けられています。

「熱愛発覚!!実録、夜の街に消えた二人」。あとは背景にホテル街を合成すりゃ完璧ね!!

並んで歩くところはともかく、その合成はマズイ。色々とよろしくない。
まあ、朝陽がそこまで出来る人間じゃないのは知っている人ならみんな知っているだろうから問題は薄いかもしれないが・・・
バレバレの自覚が薄い朝陽としては大焦りだ。

さて、ここで朝陽の友人からみかんさんのプロフィールが紹介されます。

校内外道ランキング堂々1位、朱美みかん!!
だれも興味を示さなかった校内新聞をゴシップで埋めつくし、購読率70%にまで引き上げた女。
その動機は「皆が欲しい情報を提供する」とか「真実を追求する」とかじゃなく・・・
人の嫌がる姿が至高という外道クイーン!!

解説ご苦労様です。
そうかーそういう子かー。でも真実の追及とかお為ごかしをいうのよりはいいかもしれないなぁ。
見る方としてもそういう目で見ることができますし。
そして人の嫌がる姿が至高ということは、逆に応援されたりするとやる気がなくなるということである。
嫌がる姿は糧!!喜びや応援はやる気を削ぐ要素!!す、筋金入りのゲスや!!

それはそうと、みかんさん。例の写真を友人たちに見せる。
やるじゃないと褒めたり、うらやましくなんかないぞと褒めたり、反応はそれぞれですね。

いやそういうのではなく、白神とは友達になったんだよと述べる朝陽。まあこれはウソでもなんでもないですからバレはすまい。
しかし下心がないかという質問をされると困りますね。一緒に帰っただけで桃源郷がどうとか叫んじゃうくらいですし。
見出しは「桃源郷に辿り着いた男」か。人目を引きそうな見出しですな。
でも内容的には期待したのより薄くてガッカリされそうな気がするがどうなんでしょうか。
ねつ造でもう少し深い内容にしちゃうのかもしれませんが。

『黒峰朝陽氏独占インタビュー』『白神葉子の全てを語る』
そのようなキャプションをつけようと述べるみかんさん。それに対し朝陽は必死に抵抗する。

マジでたのむ!!その写真、記事にするのだけは勘弁してくれ!!
それ載せられるのは・・・その・・・とにかくそのっ・・・ダメなんだ!!見逃してくれるなら何だって言うこと聞くから!!

珍しくやけに必死になっている朝陽。
幼馴染で長いこと一緒にいるみかんさんが珍しいというくらいだし、本当に珍しいんでしょうね。
なら珍しくみかんさんが言うことを聞いてくれる可能性も。あるわけないですよねー。
嫌がることが大好きな人なんだし、今の状況の方がこの上なく望ましいと思ってるに決まってますわな。

データを奪い取ろうとする朝陽と逃げるみかんさん。
廊下を全力で走る2人だが、足の速さではみかんさんの方が上である。さすがに記者なだけに鍛えているようだな。
曲がり角にて、出てきた女子――葉子さんとぶつかりそうになる朝陽。
危ない所で衝突せずに止まることが出来ました。ん、いや接触しきれていないわけではないぞ?むにー
これはなんですか?葉子さんのクッションが朝陽の慣性を殺してくれたとかそういう話ですか?そうなのか?どうなんだ!?

あーもー黒峰君。危ないやん!!ローカ走ったらあか・・・ダメですよ?

ほんと、ちょっと油断するとキバが見えてしまうのですな。
なるほど、こりゃ敬語にして口数を少なくしてないといけませんわ。ていうか、もうキバについては多数にバレてたりして。

それはさておき。注意はされたものの、今だけは廊下を走ってでもやらなければいけないことがある。
葉子さんに今だけは走らせてくれと頼み込む朝陽。
それを見て、なんかあったん?と尋ねて来る朝陽さん。

〜〜っ・・・いや、なんでもないっ!!だから白神は心配しなくても大丈夫!!

おっと、頑張って喋らないようにはしましたな。まあ、嘘だというのはさすがの葉子さんにもバレバレだったみたいですが。
走り去る朝陽と見送る葉子さん。そんな葉子さんに近づいてくるのは・・・朝陽の友人の岡。
彼の本名は岡田といった。何!?岡で本名じゃないのか!?わざわざ略す必要があるのかソレは!?
それはともかく。岡は葉子さんに質問する。

なんかさ、朝陽が必死になることに心当たりある?

その質問をし、反応を見てある程度理解する岡。うーむ、なかなかにやり手っぽいですな、このメガネ。
そして葉子さんも今の質問で朝陽が自分のことで必死になっているのを理解してしまう。

・・・黒峰君、なんや頑張りすぎそうな人やと思たから「頑張らんでええ」ってゆったのに・・・
やっぱ全然人の話聞いてへん。・・・アホっ

いやいや。聞いた結果頑張ることになってしまったわけですからして。これが。
可愛いというのは時に罪になるということでありますな。これが。

・・・そんな記事書かれたらきっと白神と気まずくなる。
せっかく白神と友達になれたのに・・・それに、もしそんなことになったら、白神は学校を辞めちまうかもしれないし、
もし辞めなかったとしても・・・また、また白神は一人になっちまう。秘密を守るために、また教室でたった一人で。

そういった最悪の状況を回避するために朝陽は走る。走る。その結果、体育館の屋根の上までやってくる。どこに来てるんだよ!!
どうやらみかんさん、朝陽がいやがっていることでパワーがみなぎっている様子。くっ!厄介な!!
この相手と小学校や中学校通して一緒にいる朝陽は我慢強いというか何というか。
そうかーこれなら委員長に闇討ちされた過去もすぐに忘れるはずであるわ。悲しい過去が多すぎるのね・・・

それはさておき。ここで心強い援軍。岡登場。
空さえ飛べる気がするというほど漲った様子のみかんさんを倒す秘策を持ってきてくれました。
これでみかんちゃんは一発KOだ!!
その言葉に半信半疑な朝陽。でもこの提案に乗るより他はありませんわな。何よりも葉子さんのために。

――俺も信じてみよう。あの娘は・・・白神は言ったんだ。俺のこと信じてるって。
嘘もつけない。隠しごとも出来ない。秘密だだ漏れの穴だらけのザルを、信じてるって。
そんなこと言われたらそりゃあ頑張るよ。だってさ、本当にすげぇ嬉しかったんだから。
穴だらけのザルだけど、俺は精一杯頑張るよ。

みかん!!その写真載せていいぞ!!おまえの好きにしろ!!
記事も好きに書いてくれ!!おまえの新聞に載れて嬉しいよ!!

なるほど。嫌がるのが好きならば積極的に肯定してやればいいって話ですな。
ってこんな単純な手が通用するわけが・・・効いとるー!!
泣きながら去っていくみかんさんでありましたとさ。
そうかー。この娘はただのゲスではなく、アホの子だったんだ。
さすがに朝陽の幼馴染だったというだけのことはあるな!!

厄介な相手かと思えば、意外と御しやすそうなみかんさんでした。
まあ、朝陽じゃ岡が側についてないと気持ちと裏腹の嘘なんてほとんどつけないでしょうけどね。
何にしてもとりあえずの危機は去ったみたいでよかったんじゃないですかね。
岡には早い段階で葉子さんの秘密も気づかれそうだが・・・まあ、何とでもなるでしょ。岡なら。
むしろ早めに知ってもらった方が色々と助かることになりそうである。バレちまいなよ、ユー。



第3話「弁当を食べよう!」  (2013年 11号)


放課後の教室で2人っきりというシチュエーションを迎える朝陽と葉子さん。
なんだかいい雰囲気。葉子さんも嬉しそうにしている。思いっきり羽根も伸ばせそうですかね?
と思いきや、嬉しそうな理由は別にありました。

・・・これでもう誰に見られる心配もない。誰に邪魔されることもない。
やっとやね。やっと・・・やっと・・・やっとお弁当食べれる!!

パアアアアと花が咲くような笑顔を浮かべる葉子さんでありました。至福!!

キバを見られたらいけないわけだし、昼食を人前で取ることはできない。となれば人がいなくなる放課後まで待たないといけない。
なるほど。自然な流れでありますな・・・?
思ったよりも秘密を守るために苦労してるんですね葉子さん。そりゃあお腹も鳴りますわ。くー

というか、教室では食べれないなら一人になれる場所を見つけて食べればいいですのに。
よく使われるのはやはりトイレの個室であろうか。いわゆる便所飯って奴だ。
でもそれをしているのがバレたらミステリアスな雰囲気とか一気に吹っ飛びそうな気がするなぁ。
いや別にミステリアスなキャラを狙っているわけではないからいいのかもしれないが。

吸血鬼の葉子さんだが、お弁当は普通の女の子と変わらない感じである。
血を吸ったりとかそういうことはありませんのね。

・・・黒峰君。・・・それ、セクハラやで・・・・?

なんかショックやわと言い出す葉子さん。え!?吸血鬼に血を吸うかどうか聞いただけなのに!?

血ぃ吸うかて・・・しかも食事感覚とか・・・私そんな尻軽ちゃうもん!!

ムキーとなる葉子さん。なんだ!?何か知らんが可愛いぞ!!
どうやら知らないうちにセクハラをかましていたらしい。ふむ、不可抗力とはいえ嬉しいことを、いやすまないことをしたようだな。

えーと・・・その、血ぃ吸うってのは・・・
吸う相手に愛を誓うと言うか・・・キス・・・みたいなもんやねん
結婚式とかでキスの代わりに・・・血ぃ吸う・・・みたいな?

ほう。吸血鬼という割に吸血行為は生きるために必須な行為というわけではないのか。
むしろ性的な要素が強い行為に分類される様子。ふーむ。なんだかわからないが、とにかく血を吸われたいと強く思えますな!!

はい!!この話おしまい!!私はお弁当食べます!!

男の子と性的なお話をするのは気恥ずかしいでしょうな。さくっと切り上げる葉子さんでありました。
お腹も鳴っていることですし、そろそろ頂かないとね。くー。

お弁当のメニューはエビ、肉だんご、ポテトサラダ、卵焼き、たき込みご飯。簡潔にまとまった内容でございます。
さーてどれから行ったろかと楽しそうな葉子さん。嬉しそうですなぁ。
しかし、さっさと頂いてしまわないから不幸が舞い込んでくることとなる。
教室の扉がいきなり開き、乱入者出現。何者だ?と思ったら・・・ゲー!朱美みかん!!

朝陽の幼馴染で新聞部の部長で人に嫌がらせをするのが生きがいの最低の人間である。
そのように紹介されて戸惑う葉子さん。
さらに、そんなに褒めないでよと酷いこと言われた相手が照れだすものだからさらに戸惑う葉子さん。えっ!?

変人の乱入ではあるが、気のいい葉子さんは別に嫌がったりはしない。
別に逢瀬の最中というわけでもないし、後ろめたいことはないですもんね。朝陽の心を知らぬ葉子さんとしてみれば。
まあ、そういう嫌がらない態度のおかげでがっかりするみかんだったりするわけであるが。うむ、本当に変人だなぁこの人。

やましいことはない。それはないが、お弁当を食べようとしているところだったのが問題である。
キバを見せる訳にはいかない以上、みかんがいる前では食事ができない。 我慢できますかね葉子さん?\ くー / あ、すげえ不安だ。

みかんがやってきたのは単なるヒマ潰し。
本人曰く、放課後男女の話し声が聞こえる教室見つけたらとりあえず乱入してることにしてんのよ、とのこと。
おまえヒマと一緒に何つぶす気だよ!?最低だ!!おっと、これだと褒めてることになるんだったな。

・・・いやーでもホント。神様っているのね。こーんなに早く、こないだの復讐の機会作ってくれるんだから・・・!!

ゲスな笑みを浮かべるみかん。むう、やはり大人しく帰ってくれたりはしないか!!
朝陽が嫌がること・・・葉子さんに朝陽との仲について聞き出そうとみかんが動き出す。やっぱそうくるか!!

・・・はい?

朝陽とみかんが話しているうちに弁当を食べていた様子の葉子さん。口許にご飯粒ついてるで。かっ込み過ぎだ。
まあ朝から何も食べてないわけだし、少しでも食べておきたいという気持ちはわかります。
ご飯を少し、いや半分以上口にしたようだし、当座はしのげそうな感じかね。\ くー / あ、ダメそうだ。

てか白神・・・今までよく秘密バレずにやってこれたよな・・・

全くであります。まあ、こんなうかつな吸血鬼なんていないよという先入観がカモフラージュとなっていたのかもしれませんが。
でも、こんな可愛い振る舞いされたら、朝陽以外にもつきまといそうな人がでそうなものでしょうにねぇ!!

それはさておき、みかんから葉子さんへ質問。

みかん「朝陽ともうヤったの?
葉子「はい?」
朝陽「おいコラみかんてめぇーっ!!」

いきなりそういう質問かよ!本当にゲスというかなんというか。朝陽の嫌がることを心得ているお人だ。
でも尻軽じゃない葉子さんとしてみれば言葉の意味がよく分からない様子。
やるって何を?殺る?戦る?ナニを意味する言葉なのかハッキリ言ってくれないと。ハッキリ言ってセクハラ仕掛けてくれませんと。
いやいや、葉子さんがセクハラ仕掛けられて狼狽える姿を見るのは楽しいが、朝陽としては気が気じゃないわな。
というわけで、直球の質問はやめたげるというみかん。

みかん「白神さーん。朝陽のことどう思ってんの?
葉子「ん?」
朝陽「さっきより直球じゃねーかっ!!」

確かに直球だ。これは葉子さんも答えやすい質問でありましょう。葉子さんには後ろめたいことはないわけですし。
と思いきや、このやりとりの間にまた弁当食ってやがった。今回はまたガッツリいったなオイ。もう開き直ってないか!?

ちなみに葉子さんの回答は、抜けている所もあるけどすごくいい友達だと思っている。優しいしなんか面白いですし、とのこと。
ふむ。素直な回答でありますな。残念なような気もするが朝陽としては現状にツッコミ所が多すぎて回答内容まで気が回らない。
とにかく今気になるのは、葉子さんは人心地ついたのかどうかということであるが・・・\ くー / まだかー。

さすがに葉子さんのこそこそともりもり食べている姿は怪しい。何か隠してない?と付け込まれてしまう。そりゃそうだ。
こりゃみかんじゃなくても怪しいと思うし尋ねられますわな。
と思いきや、アホなみかんさんは核心には突っ込んでこずに話を元に戻すのでありました。アホでよかった!!
まあ、弁当のことよりもゴシップな話の方が朝陽が嫌がるだろうと考えたのでしょうな。ふ、確かに嫌がるだろうが浅はかな!!

みかん「・・・さて、白神さん。男女の友情なんて成り立つと思う?
葉子「ふへ?」
朝陽「やっぱアホでよくなかった!!」

追い込みとしてはいい質問である。何としても葉子さんから朝陽との仲を聞き出したいという感じが見て取れる。
しかし、今のハラペコ葉子さんの行動はちょっと常軌を逸していますぜ。え、エビーっ!?
口の端から殻付きのエビをはみ出させてパキペキと頂いてしまっている葉子さん。
キバ隠さないといけないってのに何をやっているのだろうかこの子は!!そんな自分見失うレベルで腹減ってたの?
あ、悲しい顔してる。やっぱり判断ミスだったんだ!!

さすがにアホのみかんでも頻繁に葉子さんが口許を隠してるのを見て怪しく思いだした様子。
朝陽に質問をし、何か理由があるなと確信したみかんは朝陽を蹴り倒し、葉子さんへと飛びかかる。ズムリって、凄い音の金的だ!!

白神葉子覚悟ぉっ!!

吸血鬼にガバァっと飛びかかる人間。最近の人間はアグレッシブで困りますね。
でも奪われたのは秘密ではなく、残ったエビ。は?

甘いわねぇ白神さん!!気付かれないとでも思った!?あたしに奪われる前にこそこそと弁当食べ切ろうだなんてね!!
残念だったわねぇ。あたしはそこらのアホとは違うのよ!!

机の上に立ち、そんなことを宣言するアホ。いやみかん。アホで良かったー!!
そして嫌がらせに成功したみかんはホクホク顔で教室を出ていくのでありました。あたしはいつでもあんたの弁当を狙ってると言い残し!

犠牲はあったものの、まあなんとか秘密は守り通せたようですし、よかったですな葉子さん・・・葉子さん?

わ・・・私のエビぃーっ!!私のエビやのにっ!!

最後までとっといたのに!!と盛大に涙する葉子さん。キバ丸見えですよ!!

というわけで、秘密は守ったものの、色々と失態を演じた葉子さんでありました。
今日のことは全部忘れてくれんかな?と言ってますが、簡単には忘れれそうもありませんなぁ・・・吸血鬼もエビは好きなのか。

ちょっと抜けた感じのする子かなと思われた葉子さん。
とんでもない。思った以上に抜けている子でありました。本当、よく今まで秘密を守ってこれたな!!
これは朝陽という友達を得たことでタガが緩んだということなのだろうか?
普段の葉子さんはもう少ししっかりしている・・・んじゃないかな・・・きっと・・・おそらく。
どうでもいいが、エビ以外はほとんど平らげたのにお腹が鳴っているのはどういうことなのか。\ くー /。
単純にお弁当の量が足りないのではなかろうか。立派なむ・・・体格してますし、もう少し増やしても良いのでは?ドカベンだ!!

次回は葉子さんの自宅で何かが起きるようだが・・・何が起きるのだろうか。
話題の父親が登場するのだろうか?まあ、葉子さんがまた可愛いことをやらかしてくれるのは疑いようもありませんがね!!



第4話「お見舞いに行こう!」  (2013年 12号)


最近ずっと嬉しそうにニヤニヤしているアナザル朝陽。相変わらず正直な奴である。
友達関係という状態とはいえ、好いた女子と一緒の時間を過ごせるわけだし、幸せな気分になるのも当然ですわな。
そんな朝陽の様子を見て羨ましそうにしているモップ頭の友人、嶋公。し、嶋公だと・・・!?
岡に続いて嶋公とは・・・前作のネーミングが受け継がれている!!これがスターシステムか・・・

・・・まぁ思い返してみろよ。朝陽のニヤケ面が一度でも長続きしたことがあったか?

不吉なことを口にする岡。
まあ、葉子さんは今までの相手とは色々と違う人ですし、きっと大丈夫・・・だと思う。葉子さんより外的要因の方が厄介か。

てな風に思ってたら、教室につくなりさっそく笑顔が消えている朝陽。
何かと思ったら席に葉子さんの姿がないのだ。ほう、これは・・・
焦って先生に駆け寄る朝陽。ズカズカズカズカ。白神はどうしていないんですか!?

・・・いいか黒峰。心して聞け。
ただの風邪だよ!!おまえ以外はバカじゃないから風邪ひくんだよっ!!

なるほど。単に病欠でありましたか。
しかし先生も面と向かってバカとか言いますなよ。クラス一同納得してるからいいものの。いや、よくはないな。
それにしても始まりのアオリが実に秀逸。吸血鬼病欠、バカ元気
なんとなくこの作品のおかしさを端的に表している言葉ですな。

それにしてもさすがに朝陽である。この態度だと葉子さんにただならぬ感情を抱いているのがクラス中にバレバレではないか。
いやまあ、たぶん葉子さん以外はもうみんなとっくに気付いていると思われますがね。

バカ呼ばわりされて落ち込む朝陽にネチネチと追い込みをかける嶋公。
確かに葉子さんのメアドとか連絡先とかは知らないんですな。そもそも葉子さんは携帯とか持っているのだろうか?

それはともかく、朝陽の友人の残る1人、オネエ言葉のオジサマ顔の方の名前はさくら。さ・・・さくら!?
やはり前作の魂は色々と受け継がれているのか・・・
まあ、それはさておき。さくらさんは朝陽にこう告げる。

先生から白神さんの住所聞いてきてあげたから、お見舞い行ってらっしゃい!!

ほほう。やるなぁさくらさん。こういう形でお宅訪問という形になったか!
しかしよく住所教えてもらえましたね。何々?あいつはヘタレだから変なことにはならんだろ?って。
うーむ。まあ、そりゃそうですわな。信用されてるみたいですね朝陽!!
先生は俺のこと罵倒しすぎじゃねぇ!?とは言うが、まあ大半事実を指しているからなぁ・・・よく理解してるってことさ。

住所を教えてもらいはしたものの道に迷っている様子の朝陽。
同じ地元とはいえ、あまり来たことのない方面では迷うのも仕方ないことか。単に方向オンチなだけかもしれんが。
迷っている途中で学校の岡から電話。
何かと思えば、みかんはまだ学校にいるから安心しろという話でございました。おっとそれは確かに安心だ!!
嶋公がおもちゃになっている間にさっくりとお見舞いに行きませんとな。
しかし、道に迷っている途中なのは事実なわけで、このまま辿り着けないなんてオチになったらどうしようか・・・

あ・・・大丈夫だ・・・たぶん見つけた・・・

昼間なのにめちゃくちゃコウモリが飛んでるアパートを発見した朝陽。なるほど、こりゃ確実だ!!
相変わらず葉子さんはよく今まで吸血鬼と気づかれずにいたものだと思える。
自宅なんかだとバレそうな要素がさらに高そうだなぁ。こりゃみかんがやってこずに本当によかった。

てなことを考えて、今更に気づく朝陽。
葉子さんは一人暮らし。つまり他には誰もいない自宅へ自分一人で向かうこととなる。好きな女子の部屋で二人っきりだと・・・!?
いいのだろうか。いやいやただのお見舞いだし?そんな・・・ねえ?・・・あれ?何か胃が痛くなってきたよ?
アパートの前でウロウロと30分ほど逡巡を見せる朝陽。これは怪しすぎる。通報もされようってものだわい。

そんなことしている間に、窓から顔を出した葉子さんに声をかけられる。あ、見つかっちゃった。
朝陽の逡巡を他所に玄関を開けて、上がってきてと言い出す葉子さん。
まだ覚悟が決まっていないとか言っている朝陽は本当にヘタレである。覚悟決めんかい!!

欠席したのでプリントを届ける人が必要になるのは学校ではよくあること。
なるほど。お見舞いだけではなくそういう名目で家にやってきたわけなんですな。
最寄り駅が一緒の朝陽が家にやってくるのは自然なことと葉子さんも受け入れている様子。だから朝陽の想いにも気づかない、と。ふむ。

可愛いパジャマ姿の可愛い葉子さん。可愛い。
これだけでも来たかいがあったよと眼福状態の朝陽。安い奴だ。気持ちはわかるが。

立ち話もなんだし上がって上がってと招き入れようとする葉子さん。
しかしヘタレな朝陽。プリント渡したらすぐ帰るってと断ろうとする。30分かけて出した結論がそれかい。
ちなみに葉子さんの風邪は昼過ぎにはもうよくなっていた様子。ふむ。
ん、ところでその手に持っているのはハタキですよね?もしかして今までずっと掃除をしていたのか?

いっいや別に私、普段から部屋キレイにしとるし!?急に人来るとかなっても全然大丈夫やし!?

なるほど。先生から朝陽が来ると連絡を受けて慌てて掃除をしていたんですな。ま、丸わかりだ・・・
そしてきちんとできたからそれを披露したいと考えていると。うーむ、可愛い話でありますなぁ。
前から思ってはいたが、葉子さんは朝陽とアナザル度がそれほど変わらない感じがする・・・気を許し過ぎっショ。

一人暮らしを始めてから友達が家に来るのは初めてなのでちょっとワクワクしている葉子さん。
家の中に入ると背中から羽を出してパタパタとさせていたりする。
そりゃ室内は誰にも見られないだろうけど、そんなすぐに出してていいものなんですかね?

え?あっごめん。出てた?

軽いな!!まあ、やはり家だと気が抜けるんでしょうな。楽な服装になっちゃうのと似たような感覚なんでしょう。
しかしこの羽、服を透過するんですな。服を破りながら出してくれても個人的には構わなかったのだがなぁ!!
そういえば教室で見た時より羽が小さい気がする。なるほど、あの時は本当に文字通りに羽を伸ばしていたということか。

しかしまあ、羽は一発アウトであるが、部屋の中はあまり吸血鬼らしくはない。普通の部屋に見える。
だからといって女の子の部屋をジロジロと見るものではないですぞ朝陽。葉子さん恥ずかしがってるじゃないですか。もっとやれ。
本当にもっと見回しながら吸血鬼らしいものってないんだなと口にする朝陽。棺桶とかそういうのないのね。

あーいやいや、そんな高級品買えんよー

こ、高級品なんだ。必需品じゃなくて。ミステリアスな雰囲気はもはや欠片もなくなっておるなぁ。

見回すのはまあいいけど、さすがにそこらを開けたりするのはやめてなという葉子さん。
いやいや、さすがに朝陽もそこまでデリカシーがないわけではなかろう。勝手にクローゼットを開けたりなんかはしないさ。
葉子さんとしてはそこを開けられるのが一番嫌な様子ですが。

ほら世の中不思議なことってあるやん?
私は普段からちゃんと片付けしとるからありえへんけど・・・
ほら、何か不思議なことがあってさ、崩れ落ちて来るかもしれへんからね・・・?

大丈夫・・・なはずと目を逸らしながら語る葉子さん。本当、この子はわかりやすい!クローゼットに押し込んだんですね・・・

こういうちょっと抜けている所も葉子さんの魅力である。朝陽もそれをしみじみと感じている。
おかげでようやく好きな子の部屋にいるという実感が沸いてきた朝陽。おやおや、青春ですなぁ。妬ましい。
しかし、そのタイミングで岡から電話。
何事かと思えば凶報でありました。みかんがこちらに向かってきているそうな。ゲー!!
な、なんでいきなりそんなことに!?

まァあれだ。答えはシンプルだ。あのモップ頭がみかんちゃんにおまえを売ったからだよ

あのモップ頭のせいかー!!嶋公は本当に頼りにならないなぁ。ちゃんと連絡くれる岡は頼りになる。
と思ったらどうやら岡と嶋公、見舞いがうまくいくかどうかで賭けをしていたようだ。岡は上手くいく方に賭けていた様子。
むう、それならよく嶋公は今まで話さずにいてくれたものだと逆に感謝したくなってしまうな!!

てな話をしていると、葉子さんの部屋から悲鳴が響き渡る。
な、なんだ!?まさかもうみかんがやってきたというのか?
自宅で隙だらけの葉子さん。羽なんて見られたら一発アウトである。いや、みかんはアホだしなんとかなるかもしれんが・・・
ともかく、白神の秘密は俺が守ると決めている朝陽。急ぎ部屋に取って返す。
が、そこで見たのは・・・あふれ出たクローゼットの中身に押しつぶされているみかんの姿でありました

崩落に巻き込まれてグッタリしているみかん。オロオロしている葉子さん。
とりあえず朝陽。白神が元気そうで何よりと述べるしかないのでありました。何をやっているのやら!!
ヌイグルミや掃除機ぐらいは外に出しておいてもよかったんじゃないですかね、葉子さん。
ギターは・・・どうなんだろう。弾けるのか?弾けないから押し込んでたんだろうなぁ・・・

結局お見舞いは成功だったのかどうなのか。まあ、可愛い姿が見れたから朝陽としては満足なんでしょうがね。
しかし葉子さんは一人暮らしだったのかぁ。お父さんの姿が見られるかと思ったのだが残念だ。
吸血鬼が住むアパートであるが、他の住民は普通の人なんだろうか?
これからどんどん異界の住人が引っ越してくるようになったら面白そうではあるが。
そろそろ初回の表紙にあったように、他の妖怪ヒロインの出番もあるんじゃないかと期待しています。



第5話「真面目に授業を受けよう!」  (2013年 13号)


頭にネジつけた新キャラがいきなり喋り出す。先生へのあえての苦言に教室もザワつくぜ。

先生。貴女は作戦開始時刻に1分34秒もの遅れをもって参上した。これは作戦失敗を招きかねない重大なミスであると私は考える。

いきなり何を言い出すのだろうかこの委員長は。
授業をきちんとこなすことも作戦の一環という風に捕えればよいのだろうか。
でもその説教のお蔭で余計に授業開始が遅れたりしている。それに気づいてどんな処罰も受けようとか言っちゃったりする委員長。
朝陽によるとこれは相変わらずな行動であるらしい。ふうむ・・・このクラスの委員長らしいというべきか、ですなぁ。

私の名前は藍澤渚。周囲の人間は私を「アイアンレディ」と呼ぶが、それは誤解である。
私を構成する物質に鉄はそれ程多く使われてはいない。

いや、ボディ部分のことを指しているわけではないと思いますよ藍澤さん。
というのはさておき、エネルギー残量が心もとなくなってきたので保健室で補給を受けようとする。
補給とはどうやら電気。300秒ほどの充電で事足りるとのこと。
というわけで、後頭部からコンセント付のコードを伸ばして補給を開始する。おっとこれは・・・やはりこの子は・・・

私には秘密がある。そう、実は私は、藍澤渚は宇宙人なのである

頭のネジの頭がカパッと開いて小さい娘が出てきました。って、えええぇええ!?
う、うむ。確かに中の子は宇宙人ぽいのが頭の先からぴょろんとでておるけど・・・ええええ!?

頭のネジ。そしてアイアンレディ。これらは1話の時点で出ていた情報である。
そこからフランケンシュタインやらロボットやらとの想像はしていたが・・・中に人がいる宇宙人とは想定外もいいところだ!!
だがまあ、これも有りかな。珍しいという意味で有りだ。
しかし可愛いコクピットだな、コレ。

アイアンレディの話と言えば1話でありました朝陽の件。
それは昨年の夏のこと。まだ告白とかしてないのにきっぱりとその気はないと断ち切ったことがあった。

・・・黒峰朝陽。私に想いを寄せてくれた男の名である。
好意を抱いてくれたことは嬉しく思う。しかし私は地球に潜入調査・・・任務中の身。
地球人との必要以上の接触は避けねばならない。ならばこそせめて言葉を贈ろう。

・・・黒峰朝陽よ、成功の可能性が全く望めない作戦行動を続けるのは合理的でない。故に私は速やかに決断を下した。
なに、無謀な作戦の失敗は良い作戦につながる道だ。君も速やかに新たな道を模索したまえ

なるほど。見事なアドバイスでありますな。
ただフッた当人がやるのはただの追い打ちでしかないですよ!!委員長その辺で!!その辺で許してやって!?

藍澤「む、そうだ。君は少々感情が表に出過ぎる嫌いがある。情報漏洩を招けばいつどんな惨劇がおこるかわからん」
朝陽「・・・ははっ。ですよねー」
嶋公「委員長!!今あんたが惨劇おこしてんだよっ!!」

てな感じで見事に惨劇を味わうこととなった朝陽。
まあ、当人にしてみればよくあることなので1年もすれば忘れかけることもできるぐらいのものだったようだが。
しかし、藍澤さんとしては気を利かせてのお節介のつもりだったのですな。余り効果があったとは思えませんが。

そして・・・幾ばくかの時が流れて。彼・・・黒峰朝陽は新たな道を発見したようだった

ぼーっとクールな葉子さんを見つめる朝陽。やっぱり感情が丸わかりですなこのアナザルは。
しかし、なんだか久しぶりにクールな葉子さんを見た気がする。こっちはこっちでよいなぁ。

昨年の助言通り、朝陽は新たな道を見つけた。それはいい。私も嬉しく思うと藍澤さん。

うむ。それはいい。それはいいのだが、なにか非常に釈然としない

授業中もぼーっと葉子さんの後ろ姿に見とれている朝陽。それを見てなんだかムカムカしている藍澤さん。ほう、これは・・・

自分が何故こんなにもイラッと来ているのか。理由が分からず戸惑う藍澤さん。
なんだそのゆるみきった面構えは。ここが戦場なら貴様は・・・はっ!!もしや・・・あのことなのか!?
彼は私の助言など聞いてはいなかった!!それが残念でならない・・・そういうことなのか!?

そう解釈しちゃいましたか。まあ、確かに聞いちゃいない感じではありましたが。
正確には傷つきすぎて心に留めておく余裕もなかったのではないかと。
まあ、このバレバレな性格は幼少の頃からずっとらしいから簡単には治るまい。三つ子の魂百までって奴だ。

そうに・・・そうだ、私は思い違いをしていた。
学生にとっての本分は学業・・・いわば学校とは戦場のはず!!それをあんなゆるみきった顔で・・・!!
誰か油断するなと教えてくれる者はいなかったのか!?私が訓練生だった頃ならば・・・

というわけで、本星に居た頃の回想。
戦場らしい風景のところで光線銃を手に訓練をしている藍澤さん。
でも周りは猫がいっぱいニャーニャーしていたりする。危険な場所なのか全然そうでないのかどっちだ!?たぶん後者だな。
ちなみに藍澤さんには兄がいる。妹に光線銃を放って試したりする兄である。
戦場では一瞬の油断が命取りになる。って地球の漫画に描いてあったから言ってみたりするような兄である。ざ、残念な人だ・・・!!

兄「だが躊躇なく引き金を引けたのは、おまえなら避けると信じていたからさ」
妹「あ・・・兄上!!」
兄「あ、別におまえが毎日真位置にくどくどうるさいからじゃないぞ?」

うむ、やはり残念な人のようだ。まあそれはいい。
ともかく藍澤さん。誰も油断するなと教える者がいないならば私が教えるまでだ!!とか考えてしまう。

周囲の目は・・・問題無し。先生の目も黒板に向いている・・・よし!!
私の正体をさらすことなく遂行するには今しかあるまい!!

ネジを開いて本体が光線銃を持って外に出て来る。大胆な行為だな。一番後ろの席で横の連中が皆寝ているとはいえさ。

黒峰朝陽よ、多少痛むだろうが死にはすまい。これを教訓として君が学業に励むことを期待する!!
願わくば君がこの一撃を油断なく避けることを・・・

期待したりもしましたが、全く避けることなく頭に命中する。
が、ぺちっと水鉄砲でも当たったかのような威力しかなかったりする。これは・・・避けるまでもない!!
藍澤さんの体なら致命傷になるかもしれないが、地球人サイズではほとんど痛痒も感じない様子です。おやおや。

そうこうしているうちに横の席の岡が起き出してくるものだから、藍澤さん本体は慌てて引っ込むしかない。
岡はどうやら気づいていないようだが・・・いや、本当に気づいていないのか?
この男は色々と気づいていてもあえて何も言わずに置いている可能性があるから困る。

くそっ。どうにも今の私は冷静さに欠けるようだ。
私の正体などだというのに。それを危険にさらすとは何たる失態っ!!
おのれっ。それもこれも全て、全てあの男のっ!黒峰朝陽!!おまえのせいだ!!

藍澤さんの怒りのオーラが伝わったのか、取り乱しだす朝陽。まあ、授業に集中してなさいってことですよ。うん。
それはそれとして、改めて朝陽の態度に納得いかないものを感じている藍澤さん。

確かに新たな一歩を踏み出すように助言したのは私だが、こうもさっぱり切り替えられるとは・・・
いや・・・あれは昨年の夏。それだけ時間が流れたということなのか?
・・・わかっている黒峰朝陽。君に非はない。だが、小言くらい言いたくはなるぞ?
君は本当に私のことを好いてくれていたのだろうかとな・・・
・・・ん?「本当」に・・・?

ここであることに思い至る藍澤さん。おや、これは!?と思ったら別の可能性に思い当たった様子。

そういえば、私は彼が想いを告げる前に断ち切った。早ければ早い程傷は浅くて済むと考えたからだ。
だがもし私に好意を抱いていたということ自体、私の勘違いだったら!?
いっ・・・いや、彼の視線をよく感じていたのは紛れもなく事実だっ。
では仮に好意ではなかったとして何故見ていた!?何を見ていた!?まさか!!いやそんなまさかっ!?

私の正体・・・私の秘密に気付いて・・・!?

妙な可能性に思い至っちゃいましたね藍澤さん。
まあ、その頭のネジは誰かに見られてもおかしくない代物だとは思いますけども。
その部分はローテクなのでうっかり触られたらカパッと開いちゃうんじゃないかと心配になる。

それはともかく、正体が知られたのではないかと不安になっている藍澤さん。さっそく授業後朝陽に詰め寄る。

あの時の真相を聞かせろ!!昨年の夏の話だっ!!

歯切れよく話せ!!と朝陽に迫る藍澤さん。しかし肝心なところを尋ねようとしたところで自分の歯切れが悪くなる。
が、ここはしっかり確認しておかなければならない。なんせ機密事項がかかってますからね。ちゃんと確認しないといけない。つまり――

藍澤「あの時ほっ本当に、私のことが好きだったのかと聞いてるんだっ!!
朝陽「・・・え?あ・・・はい」

いきなり何をと驚く朝陽。そりゃ本当に今更な話でありますわな。
こんな今更なことを廊下で大声で言い出すものだから、周りの生徒がざわついているじゃないか。
しかし朝陽が藍澤さんにフラれたのは既に余人の知る所となっているんですな。有名人ですなぁアナザル。

それはさておき、自分が大声で恥ずかしい質問をしてしまったことに今更ながらに気付く藍澤さん。可愛いことで。
慌ててこれには事情があるんだと顔を真っ赤にして騒ぎ出す。あのアイアンレディが取り乱してるぞ!!やんややんや。

違うっ!断じて違うんだ!!
わっ私はこんな男大っ嫌いだ!!フラれたからといって、あっさり他の女になびくような男など誰っ・・・って、あ。
ちっ違う!!そうじゃない!!そうじゃないんだ!!

もうどうにもならないぐらいに自爆を繰り返す藍澤さんでありました。
うーむ。アイアンレディの異名も形無しでありますなぁ。

秘密を持つ子というのは行動が大人しくなりがちになる。
だからミステリアスに見えたり堅そうに見えたりすることとなる。
だが中身は結構ヘッポコだったりアホな子だったりするんですよ。こいつがな。
というわけで、葉子さんに続き、実は私は秘密を持ってますよという女の子であります。いやぁ、宇宙人は想定外だわぁ。

藍澤さんもこの先誰かに秘密を気づかれたりするのだろうか?
それが朝陽になるのか他の誰かになるのか・・・気にはなるところでありますな。
今の所は朝陽を中心としてラブコメが出来そうな気配となっているが、この先どうなるか・・・!?
まだまだ秘密持ちの子は登場しそうな気配がありますし、新キャラの出番に期待が持てます。
特に1話の表紙に出てきた角の子。出番を心待ちにしておりますぜ!次回の葉子さんの激辛攻めも気になるけど。



第6話「背くらべしよう!」  (2013年 14号)


前回人前で修羅場ってみせて赤面したアイアンレディこと藍澤渚さん。
本日も朝陽にお説教。再三忠告してきたが君はわかりやす過ぎる。とのこと。

・・・授業中ずっと白神葉子を見てデレデレしおって。いや私は一向に構わないのだが・・・

ブツブツとそんなことを呟く藍澤さん。おやおや藍澤さんってば。これじゃまたいつ赤面することになるやら。

ともかく、わかりやす過ぎることは短所であり欠点であると怒られる朝陽。
そんなにわかりやすいかなぁ・・・と落ち込んだりしている。え!?自覚ないの!?
わかりやすく落ち込んでいるなと葉子さんに突っ込まれるぐらいだというのに・・・!!

今日も放課後は一緒の時間を過ごす葉子さんと朝陽。うーむ、なんというか・・・羨ましいな、おい。
そして葉子さんはやはりこの時間がお弁当タイム。\ くー /
そんな食いしん坊な葉子さんの食べる手が思わず止まるぐらいの暴言が朝陽の口から洩れる。

朝陽「そういやさ白神」
葉子「ん?なにー?」
朝陽「白神も結構わかりやすよなー
葉子「・・・えっ?」

余りといえば余りな朝陽の発言に思わず箸を置く葉子さん。

・・・黒峰君・・・・・・・・・心外です・・・

めちゃくちゃ落ち込んでるー!!
まあ、よりにもよってその道のプロである朝陽からお墨付きをもらっちゃあなぁ。落ち込みもするってものである。
慌ててフォローする朝陽だがそれもわかりやすいから困る。フォローしきれてないし!!

そんなわかりやすいかなぁと悩む葉子さん。フォローしきれずに本音を漏らす朝陽にちょっとむっと来てみる。
なので黒峰君には負けるんちゃうかな?と返してみる。
その反撃にむっとなって白神も結構なもんだと思うと思わず漏らす朝陽。うーむ、本当ウソのつけない男だ・・・

というわけで、うらみっこなしの勝負が始まることとなってしまいました。

黒峰君・・・これで・・・ババ抜きで決めよ!どっちがホンマにわかりやすいか!!

満面の笑顔でそう述べる葉子さん。なんでこんなことになってるのやら。
しかし2人でババ抜きとはなんとも盛り上がりに欠けますな。
葉子さんは手加減はあかんよ、そういうのは逆にあかんと釘を刺す。が、そんな必要はなさそうな様子。

・・・・・・げっ。
あっ。いやいや!?俺、別にババ持ってねぇよ!?

2人でやってるんだからどっちがババ持ってるかなんて丸わかりじゃないですか。落ち着け朝陽。
まあ、ともにかく。葉子さんが先行。ババを持ち朝陽の手持ちカードから選ぶこととする。
ババらしきカードに手をかけると笑顔になる朝陽。そこから手を動かすと表情を曇らせる朝陽。わかりやすっ!!

くっ・・・黒峰君!?ひどっ!!いくらなんでもそらひどいよ!?

いくらなんでもウソやろ!?と思わず言いたくなるほどのアナザルっぷり。ポーカーフェイスなんて言葉とは無縁である。
必死でもう一回だけと頼む朝陽。この様を見れば、手加減ではなく本気でやってこれだったと窺い知れようというもの。なんか泣ける。
というわけでもう一回勝負。
葉子さんは何回やっても一緒や思うよ?私あそこまでひどないと言うが・・・

・・・うわっ。
あっ。いやいや!?私、別にババ持ってへんよ!?

ちょっと前に朝陽に何て言ってツッコミましたか葉子さん。さすがというかなんというか。
というわけで、次は朝陽が引く番。
葉子さんの手持ちのババに手をかけると葉子さんは笑顔になり、そこから手を動かすと表情が曇る・・・おい。

やった・・・勝った・・・?やった!!勝ったぞ!?生まれて初めてババ抜きで勝ったぞ!!

凄く嬉しそうにしている朝陽。そうか、生まれて初めてなのか・・・
これはやはり葉子さんは同じレベルだということなのだろうか。
今度は葉子さんがもう一回だけと頼み込む。

フンッ。私のこと甘くみたらあかんで・・・
吸血鬼って誰か一人でもバレたら退学・・・そんな中、秘密守り続けてきた私やで・・・!?

そんなわかりやすいわけないわと主張する葉子さん。
でもあっさり朝陽にバレちゃいましたよね。まあ、あれはどちらかというと迂闊な行動の結果だからなぁ。
実際葉子さんはよく今まで過ごせてきたものだと思いますよ。感心する。
まあ、朝陽だって葉子さんのことが好きだという秘密だけは当人には隠せているようだしなぁ。
でもこれも単に葉子さんが鈍いだけだからな気がするし・・・うーむ。

ともかく、ムキになっている2人。そんなにわかりやすくはないということを証明しようとする。
が、数回ババ抜きをしてわかったのは、ババ抜きとは最初にババを持った方が負けるゲームだったということ
え?そういうゲームだったっけ!?なんかもう怖いんやけど。

・・・そ・・・そや!!私、今おもろいもん持っとるんやった!!

すみやかにババ抜きのことは忘れようと別の話題を切り出す葉子さん。
取り出したのは一口サイズのシュークリーム。
何かと思えば、みかんからこの間罠にはめたお礼としてもらったものだそうな。
もちろん一つだけたっぷりからしが入っていると渡される時に言われたらしい。そんな堂々とからし入り渡す奴初めて見るよ!!

そんでこれ私らで交互に食べてな、リアクション少ない方の勝ち!!それでどうやろ?

えっ?白神さん?白神葉子さんっ!?
そんな、なんで誰も居ない放課後の教室で男女が2人っきりというシチュエーションでTV芸人みたいなことをしないといけないのか!!
というか、あのゲスなみかんのことだし、絶対に全部からし入りとかそういう話に決まっている!!地獄絵図になるぞ!!

大丈夫、大丈夫。顔色一つ変えへんから!!私がわかりやすないって証明してみせます!!

ダメだ・・・前フリにしか聞こえない・・・!!
ある意味流れは完璧と言えなくはないな。これが芸人魂という奴なのか・・・!?
というわけで、さっそくシュークリームのうちの1つを口にする葉子さん。一口でパクリと口にし・・・面白い顔になった・・・

慌てて教室から飛び出し、水でも飲んできたのか、ヨロヨロになって帰ってきた葉子さん。
それでも今のは変な所に入ってむせただけやでと強がって見せる。まだ続ける気か!?

とっ・・・当然や!!私にはゆずれへん理由があるんや!!
私の密かな野望・・・クールビューティな女になるためにもっ!!
何事にも動じん女って証明せなあかんねん!!

今年の目標はクールビューティと部屋の壁に掲げている葉子さん。そ、そうか・・・
まあ確かにね。うん。黙っているときの葉子さんはミステリアスでクールでビューティフルでしたよ。
でも一旦口を開いちゃうともう、なんというかね・・・いいじゃないこのままで。ムリしないでもさ!!

もうすでにクールさのかけらもないのに頑張ろうとする葉子さん。
からしくらい乗り越えてみせると手を伸ばすが・・・何故か異様に重くて持ち上がらないシュークリームがある。
それは中身はからしではないのでは。というか、動いてるヤツがあるってどういうことだよ!?
まさかこれ、からし入りは確かに一つだけだが、他はもっと酷いってことなのか!?
最悪からし以外は食べられないものなのかもしれない。

葉子「でっ・・・でもクールビューティー・・・それに朱美さん、全部食べれるもんやって!!」
朝陽「あいつの言葉は詐欺師の次に信じちゃダメだって!!」

葉子さんは分かりやすい上に人を疑うことを知らない子だからなぁ。色々と大変だ。
こうなったら葉子さんが食べる前に全部平らげてしまおうかと考える朝陽。
しかしその前に意を決してひとつ口に運ぶ葉子さん。またいきなり一口で!!

だが、今回は面白い顔にはならず、笑顔を見せる葉子さん。おっ?
と思いきや、真っ青になって背中から羽をでっかく飛び出させてしまう葉子さん。おぉーお・・・

タバスコっ!!ハバネロっ!!鷹の爪っ!!

あまりの激辛攻めに、羽を生やして蝉のように黒板に取りつき、頭を打ちつけて苦しむ葉子さん。
なるほど。これが次回予告にあった激辛攻めか・・・!!こんな展開誰も予想できねぇよ!!

それはさておき、羽を出しっぱなしなのは危ない。誰かに見られる可能性がある。
まあ、この時間なら皆帰ってるだろうし、一番怖いみかんは校内新聞の締切で忙しいはず。
でも一応鍵をかけておくかと動き出す朝陽。しかし一歩遅かった。

全く・・・課された命題・・・もとい課題を取りに戻ってみれば、君か黒峰朝陽。
このような時刻まで教室に残り、一体何を騒がしく・・・・・・・・・

葉子・藍澤「えっ?」

しっかり秘密がバレてしまった葉子さん。こ、こんなくだらないことで・・・!!
さてはて、これは一体どうなってしまうのだろうか。
同じく秘密持ちの藍澤さんなだけに良いように計らってくれる可能性はあるが・・・

というか、結構焦りまくる藍澤さんなので、ここで何かやらかす可能性があると思える。
いきなりの吸血鬼に驚き慌てて本体の小さい体を晒してしまうとか。シュポーンと。
そうして秘密を共有する仲となれば、色々とやりやすくなる。相互に秘密を守り合う間柄となることができるわけだ。
まあ、わかりやすい奴らばかりが秘密を抱えるようになるってのはどうかと思いますが・・・!!

クールな感じの子と思えたキャラたちがどんどんアホな子になっていく。
果たしてこれでよいのだろうか?とも思うが、可愛いからいいんじゃないかなとも思えるのでこれでよいと思います。ハイ。

そういえば主要キャラは黒、白、朱、藍、と色で揃えてきてるんですな
となると次に来るのは緑か桃か群青か。気になる所でありますな!!



第7話「全部忘れよう!!」  (2013年 15号)


葉子さんの羽全開姿をガン見する藍澤さん。
さてさて、これはどう考えても言い逃れできる状況ではありませんな。飛び上がってるし。

さすがにこの状況にガックリ来ている葉子さん。
激辛の辛さも忘れてへたり込んでおります。ハシャギすぎた結果がこれだよ!!
しかし、そんな風に呆然とした葉子さんの姿を見たら朝陽も動かないわけにはいかない。
これは違う。とにかく違うんだよと言い訳を開始する。いや、言い訳にも何もなってないな。必死なことは伝わるけど。

今見たことは全部忘れてと頼む朝陽。
藍澤さんはしばし呆然としていたが、ようやく気を取り直す。

・・・白神葉子。貴様っ、どこの星の者だっ・・・!?
この区域は我々の作戦区域であるっ!!貴様の出身の星と所属・・・目的を話せっ。返答次第では容赦せんぞっ!!

宇宙的早とちりを行った藍澤さん。思いっきり小さい本体を露出させてしまいます。
まあ、武器である銃を構えるためには本体が出ないといけませんものね。仕方ないよね。
でもその武器人間大の生き物には無力だよね。そして何よりも勘違いだったりするわけでして・・・
そうなるんじゃないかとは思ったけど、ほんと期待を裏切らない子である。

な・・・なんか小さい委員長出てきたー!?

驚く朝陽。そして可愛い藍澤さんを見て目を輝かせる葉子さん。銃は威嚇にすらなってないな。
どうやら藍澤さんの話によると異星人の間には協定があり、他星の作戦区域に踏み込むのはご法度らしい。しかし・・・

葉子「え?いや私吸血鬼やけど・・・?
朝陽「しっ・・・白神っ!?自分で言っちゃダメだろ!?」

全くである。自発的に正体をばらす藍澤さんといい葉子さんといいこの子らは・・・!!

というわけで、いきなり秘密をバラしあった吸血鬼と宇宙人。
共に仲良く教室の隅で落ち込んでおります。うむ、実にシュールな光景だ。
朝陽はすっかり葉子さんの件で慣れてしまったのか、藍澤さんが宇宙人であったことに対する驚きは小さい様子。
かつて気になった相手なんだからもう少しビックリしてあげてもいいんじゃない?
まあ、現役で吸血鬼に恋をしている最中なんだから何を今更って話かもしれないが。

とりあえず藍澤さん。私は人の秘密を口外する程愚かではない。安心したまえと言ってくれる。

ついさっき自分の秘密に関すること矢継ぎ早に話してたけどね

うむ、朝陽は前回もそうだったが意外とツッコミが鋭いな。思ったことを口にするということはツッコミの鋭さにもなるのか!!
それはさておき。藍澤さんも秘密を持つ見だし、人の秘密を守ってくれるという言葉に偽りはあるまい。
しかし、藍澤さんの方は身バレしちゃって大丈夫なのかね?規則とか厳しそうだけど。

その点は案ずるな。私は人間に正体を明かすなと厳命を受けているが・・・うむ、吸血鬼に明かすなとは言われていない

見事な屁理屈でありますな。
というか、気づかれるなではなく明かすなと言われているんですな。
それはやはり藍澤さんがうっかり自分からバラしちゃいそうな子だと理解されていたからであろうか・・・!?
って、葉子さんはその屁理屈でいいとして、朝陽はれっきとした人間ですが、どうするんだ?

・・・あぁ。その点で黒峰朝陽、君にお願いがある。すまないが少々記憶を消させてもらわなければならない

なんと。記憶消去とは!!さすが星を渡る宇宙人の科学である。そんなこともできるのか。
まあ朝陽は秘密を託すには色々と不安のある子だし、消せるものなら消しておきたいですわな。
というわけで、記憶消去装置という名の金づちを取り出す藍澤さん。金づちっ!?

藍澤「なぁに、だっ大丈夫だ。すぐ終わるさ。すぐにきれいさっぱり消してやるとも・・・」
朝陽「何か記憶より大切なもの消そうとしてませんかっ!?」

大丈夫大丈夫だ。大丈夫だ藍澤渚よ。と金づちを握り締めて何故か自分自身に言い聞かせる藍澤さん。し、信用できない!!
もちろん朝陽も信用しかねるのか、金づちを回避する。まあどう見ても危険だものなぁ。

藍澤「安心したまえ、これは我が星最新鋭の金づ・・・記憶消去装置だ」
朝陽「今の言い間違いは聞き流せねぇよ!?

いや全く。思わず逃げ出してしまっても誰も朝陽を責めることはできまいて。

朝陽を追いかける前に藍澤さんは葉子さんに声をかける。
もし君が望むならば、君の秘密に関することも黒峰朝陽の記憶から消去できるのだが、と。

ふむ・・・本当にこの金づちで記憶消去ができるのかは凄く疑わしいが、もしできたとしたらどうするのか。
これは少し気になる話ですな。
ともかく、まずは逃げる朝陽を捕まえないといけない。追いかけだす藍澤さん。
藍澤さんはみかんほど足が速いわけではなさそうですな。

良いから信用したまえ!!「強い衝撃を与えると記憶を消せる」と。この星の漫画でも裏付けしていた!!

漫画が元なのかよ!!
本当、聞けば聞く程信用できなくなっていくから困る。
しかし、藍澤さんとしてみれば何としても秘密は守らないといけない。
正体が知られれば星に強制送還させられる上にキツイ罰が待っている。そう――

はっ母上にお尻ペンペンされてしまう・・・

思いの外軽かった・・・いや、確かに高2――17歳にもなってお尻ペンペンは恥ずかしいとは思うけども。
強制送還はさておき、尻を叩かれないために頭を金づちで打たれるというのでは割が合わない!!
交換条件とするならば、こちらが藍澤さんを尻叩き出来るとかそういう話でないと・・・ねぇ?

まあ、それはさておき。
私のことはいい。君から秘密が漏れたならば甘んじて尻叩きを受けようと言い出す藍澤さん。涙目で。

だがっ、白神葉子の話がまだだ!!
この記憶消去装置ならば君の中の彼女の秘密を消すことが出来るんだ!!

藍澤さんのこの話を聞いて足を止める朝陽。ふむ、やはり心が揺らぎましたか。

・・・やはり君は分かりやすいな。
・・・君は本当に白神葉子のことが好きなんだな。
そしてそれ以上に、白神葉子の秘密を守りたいと思っているのだな。

・・・なぁ。黒峰朝陽。もし君が先に秘密を知った相手が私だったなら、同じように秘密を守ってくれただろうか

そんなことを考える藍澤さん。
この記憶消去装置で消えるのは秘密の部分のみ。これまでの葉子さんに関する記憶や想いは消えない・・・はずである。
ならば・・・なるべく痛くないようたのみますっ!!と不安がりながら述べる朝陽。

あ・・・あと一発で一緒にいけるなら委員長の秘密も消してくれ・・・一発でいけるなら!!一発でいいならだぞ!?

ふむ。この回答を見れば、朝陽は藍澤さんの秘密もちゃんと守りたいと思っているのだというのがわかりますわな。いい感じだ。
なのでその朝陽の気持ちに応えるためにも思いっきり振りかぶってみる藍澤さん。振りかぶり過ぎっ・・・!!

だが、それが功を奏した。
金づちが振り下ろされる前に、葉子さんが朝陽に向かって飛びつき、記憶消去を妨害する。

まさかと思て来てみれば・・・黒峰君のアホっ!!
私言ったやん!!黒峰君から私の秘密バレてもかまへんって!!
黒峰君にバレた時点でホンマは私、学校辞めなあかんのに、それを一緒に秘密守ってくれてっ!!
頑張らんでええって言ってるのに頑張って!!
その上痛い思いしてまで私の秘密忘れようとか、私そこまでして秘密守りたいとか思わんし!!
どんだけ感謝しとるかわかれアホっ!!

激情をぶつける葉子さんでありました。
ふーむ。葉子さんとしては秘密を守るのは大事だけど、そのために朝陽との秘密の共有がなくなるのも微妙なんでしょうなぁ。
初めてできた素のままで喋れる友達であるのだし、失いたくない気持ちは大きいのだと思う。
まあ、そういった面は置いておいて、感謝しているというのもホントの気持ちでありましょうがね。
そんな葉子さんの姿を見た藍澤さん。完敗だなと認めざるを得ない。

・・・黒峰朝陽。記憶の件は無かったことにしてくれ。
私も少し、君を信じてみよう

そういって笑顔で立ち去ろうとする藍澤さん。
しかし自分で思わず呟いた「完敗」という言葉に自分で引っかかる。何にだ?

白神葉子の・・・器・・・そう!!器の大きさにだ!!
断じて浮ついた感情ではない!!ましてや胸囲でもない!!
そもそも黒峰朝陽は白神葉子のことがだなっ!そしておそらく白神葉子も黒峰朝陽のことを・・・

そんなことを考えている藍澤さんの背後で葉子さんが朝陽に耳打ち。

いやー良かったな黒峰君。信じてみるって。
私知っとるねんでー?黒峰君、藍澤さんのこと好きやったんやろ?応援するよ!!私は脈アリやと思う。
私こう見えて恋愛ごとには敏感っていうかさ

鼻息荒くそんなことを述べだす葉子さんであるが・・・

朝陽「どこがどう敏感なんだよ白神っ!!つーかアホはどっちだよ!?このアホ!!」
葉子「・・・え?なんで!?それに私別にアホやない・・・」
藍澤「いや君はアホだ!ひどいアホゥだ!!」
葉子「えっ!?藍澤さん聞こえ・・・ってえぇ!?私アホっ!?

誰がどう見てもアホな子だと思います。ハイ。
確かに藍澤さんに脈があるのは合っているが、これで恋愛ごとに敏感と言われても困りますわいなぁ。
しかし、両想いというわけではないのかと考える藍澤さんが可愛らしいですなぁ。

というわけで、新たな秘密を抱えることとなった朝陽。
恋愛関係もちょっと複雑な感じになってきて結構なことでありますな。
しかし、見事にアホな子ばかりになってきたのだが・・・これでいいのか!?
こりゃ今後のキャラもアホだらけになる可能性が高いんじゃなかろうか。それはそれでいいけどさ!!

胸のことを気にする藍澤さんもいい感じでありますな。
外のボディを豊胸したりしないのは何か規則でもあったりするのだろうか・・・地味に気になる所ですな!!



実は私は 2巻


第8話「日焼け対策しよう!」  (2013年 16号)


前回のあらすじ→アナザルを庇い、白神さんおっぱいダイブ
な・・・なるほど。そこがピックアップされたか・・・!!
この毎回適当なあらすじは楽しいのだが、だからこそ単行本で消されると思えるのが勿体ない!!

さて、その前回ダイブをかました葉子さん。
朝登校中に朝陽と偶然出会う。お、好きな子と一緒に登校とか嬉しいシチュエーションじゃないですか。
憂鬱な雨の日でもこういうイベントがあると楽しくなるものである。
いつもは日が昇る前に投稿している葉子さん。吸血鬼なだけに日光は避けたいですからねぇ。
しかし朝陽が登校している時間ということはもう太陽は昇っているはずなのだが・・・?

今日は一日中雨っ!!途中で晴れる心配もないよ!!だから全っ然大丈夫!!

ああ、なるほど。雨雲で太陽が隠れているから問題ないって話なんですな。納得した。

あ、寝坊とかちゃうからね?

ふむ。寝坊したのですかな。そう断りを入れられると怪しいとしか思えない!!
まあ、前に一度日焼けして登校してきた時は寝坊したんだろうなと容易に想像できる。

というわけで、天気予報を信じてゆっくり登校した葉子さん。
しかし天気予報がアテにならないのはこういう場合のお約束というわけで・・・途中で晴れた。
すっかり学校に着くころには黒焦げになっている葉子さん。・・・天気予報のアホ・・・何をやっているのやら。
というか、傘があるんだから日傘にすればいいのに。
普通の傘を日傘にするのは見た目的にアレかもしれないけど。

真っ黒になって登校してきた葉子さん。何故か人目のつきにくい屋上の手前で藍澤さんにお説教をされる。せ・・・正座だ!!

そもそも日焼けの原因となる紫外線は雲が出ていても通過する。これは一般教養の範囲であると私は考える

むう。言われてみれば雨雲が出ていようが昼間は夜ほど暗くはないわけで。
雨が降っているから大丈夫とかお気楽すぎる考えでありましたな。晴れなくても実は真っ黒だったわけだ。
ところで、なんで朝陽まで並んで正座しているんだ?

む?私は説教している覚えもなければ正座を指示した覚えもない。それは君の体質なのではないか?

体質!?そうか・・・朝陽は女子に叱られたがる体質だったのか・・・!!
やけに人の話を聞かずにいたりすることが多いと思ったらそういうことだったのね。先生にもわざと叱られていたと・・・なるほど!!

まあ、朝陽のそれはどうでもいい。
葉子さんがいつも屋外での体育を欠席していたのにはそういった体質の理由がある。
さすがに人前で見る見る日焼けしていくわけにはいかない。怪しまれるってレベルじゃない。

まぁ、寝たら元に戻るねんけどね

そういうものなのか・・・?肌は弱いけど新陳代謝は凄いということなのだろうか。
だったら毎日朝焼けたままにしておけば普通に体育も参加できるのではなかろうか。日焼けで痛かったりするのか?

吸血鬼と理解はしているが、この日焼け体質はにわかには信じがたい藍澤さん。海に行ったわけではないのだなと確認する。

あーうん。ほら、制服の形に焼けとるやろ?

ペロと胸元をめくるとたしかに肩から胸にかけて白と黒に焼け跡がくっきりと分けて残っている。うへー。
いや、それはどうでも・・・いや、どうでもいいことはあらへん。胸元の日焼けのラインとかそういう注目ポイントがペロっとだな。
これには朝陽も思わず凝視せざるを得ない。そして藍澤さんに殴られざるを得ない。やはりこういう流れか。
まあ、凝視するなという方が無理というものですよ藍澤さん。これはさすがにね。
というか朝陽、これでも普段から結構耐えているとはどういう意味の発言だ?
葉子さんは今回のように隙だらけな場面が多いとかそういう話なのか・・・!?けしからん。

・・・しかし理解したぞ白神葉子。君にとって日光とは降りそそぐ弾丸なのだな

いきなり何を言い出すのだ藍澤さん。
そういえば母星では何やら訓練に明け暮れて過ごしていたんでしたっけ?
後ろに思い描く回想は猫にごはんを取られたりカラスに襲われたりとヘッポコな様子ばかりであるが。

藍澤「いいだろう。今からこの私が君に生き残る術を教えてやる!!」
葉子「は・・・はい!!お願いします藍澤さん!!」
藍澤「否!!教官と呼べっ!!

何だかやたらとワクワクしている葉子さん。というか、登校したばかりだからこれから授業あるんじゃないのか?いいのか委員長。

運動をするということで体操服に着替える葉子さん。そして髪型もポニーテールに変更。朝陽も読んでいる私も大喜び。
というのはともかく、藍澤教官による凶弾の対処法を教わる流れとなりました。

凶弾を避けつつ目的地・・・学校に登校する・・・そのために必要なのは防護壁。つまり影から影へのスムーズな移動と私は考える。

というわけで、銃撃が止む隙を見極め、影から影へと移動する訓練を行う。その隙は必ずある!
って藍澤さん。相手は日光ですよ。銃撃が止む気配あるはずもなかろう!!日食とかでも起きない限りさ。

バカな・・・無尽蔵だというのか・・・!?

冒頭で一般教養がどうとか言っていた人の発言とは思えない。藍澤さんが加速的にアホの子になっていく・・・!!
ともあれ隙がないわけなのだがどうすればいいのか。藍澤さんの出した答えは多少の被弾は恐れずに突っ込む。雑な訓練だな!!

そんなやりとりをしている所にいつも朝陽を叱っている女教師登場。名前が紅本先生であると判明する。何、色付き名だと!?
紅本先生がやってきた理由は言わずもがな。3人を怒りに来たのである。

おまえら授業中に何堂々と運動場で遊んでんだ!?言っとくが全校生おまえら見てるからなっ!?

まあ、そりゃあそうですわな。というか朝陽、訓練の前に自分で授業は?と突っ込んでたのにもう忘れてるのかよ・・・
このアホの子のトライアングル状態では先生も色々と大変ですな。
いや朝陽は先生に叱られたかったから授業のことを本能的に忘れたという可能性も・・・叱られ体質故致し方なし。

教官長殿。いや紅本先生に怒られたうえに訓練でさらに黒く焼けている葉子さん。何をやってますのやら。

放課後。葉子さんと藍澤さんは特訓を続けていた様子。
翌日の朝、朝陽はその特訓の成果を目撃することとなる。

ふふふ・・・黒峰君。ふっふっふ・・・ここまでは無傷で辿り着いたで・・・!!

朝から体操服姿の葉子さん。
今日は特訓の成果を見せようとわざと日の出ている時間に登校してきたらしい。
一晩寝て白くなってますから被弾したかどうかすぐわかる状態ですね。
ちなみに側には藍澤さんの姿もある。どうやら昨晩は葉子さんの家に泊まり込みで訓練を行っていた様子。
ふうむ、葉子さんと藍澤さんがどのように一晩を明かしたのかは興味なくはないが・・・どうせアホなことしかしてなかったろうが・・・

藍澤「訓練は完遂した!もう私が教えることは何も無い!!」
葉子「ありがとうございます教官!!」
朝陽(それはまさか、元々そんなに教えられることが無かったとかじゃないよな?)

そういうことなんだと思います。やはりこのアホトリオの中でも朝陽はまだツッコミ側なんですなぁ。

陰から陰へ・・・時に慎重に時に大胆に、最短距離を駆け抜ける

ハチマキを巻いてやる気十分の葉子さん。運動会にでも参加しているかのような光景だ。朝から元気だねぇ。
まあ、走り抜けるぐらいならいいが、陰から陰へ渡り歩く姿は不審者そのものである。
傍から見たら何かの組織(笑)とでも戦っているつもりなののかと思われても仕方がない。

というわけで、すっかり精神的にやられてしまった葉子さん。世間様は冷たいです・・・と。うん、冷静になると恥ずかしいよね。

ふむ・・・ならば、私も同じように日光と戦おう!!それならばどうだ!?

どうだと言われましても。せっかく冷静になったのにまた焚き付けるというのか!?
しかしこの藍澤さんの提案に朝陽も乗っかってしまう。
3人なら恥ずかしさも3分の1になるという話だ!!まあ、多数なら笑われるより目を背けられる可能性の方が高くなるわな。

我ら3人は運命共同体だっ!!共に凶弾をかわしきってやろうではないか!!

勇んで挑もうとする3人。しかし目の前に広がるのは長い橋。日陰無し
意気込みは一瞬で霧散し、今日はもうええ・・・と諦める3人でありました。とぼとぼ。

橋を歩いているうちにもう黒くなってきている葉子さん。本当早いな。リアルタイムで焼けるのを見ていたくなる。じっと。正面から。
そんな黒くなりつつある葉子さんは、いい笑顔を2人に向ける。
こんな色々としてもろて私は幸せもんやと思うとお礼。ふむ、関係的が進んだのはいいがこれで作戦終了というのは寂しいな。
藍澤さんのような極端な発案じゃなく何かないかなと考える朝陽。(藍澤「なっ!?」)

なんかいい日傘探すとか、よく効く日焼け止め探すとか・・・ってそんなのもう試してるよな

ハッハッハ。何を言っているのだ黒峰朝陽。日焼け防止に日焼け止めなんて定番中の定番じゃないですか。ねえ?

・・・日焼け・・・止め・・・?

ものすごく盲点を突かれたかのような表情を見せる葉子さん。うむ、この子もやはり分かりやすい。

で、後日。
屋外の体育を白い肌で嬉しそうにこなす葉子さんの姿があった。
さらに日が出ている時間にも普通に下校したりしている。白い肌のままで。後ろめたそうな顔してる葉子さん可愛いです。

・・・黒峰君。藍澤さん。バツが悪くて言い出せんかったけど。
実は私は・・・今までずっと日焼け止め使ったことなくて

いや、もうとっくに気付いてますから。
というか秘匿系の代名詞であるタイトルコールをこんな話で使っていいのか!?
しかもやたらと雰囲気を持たせて可愛く言いおって。セリフの中身が違えばクライマックスかと思えるようなシーンなのに!!

だって、だって、こんなんで大丈夫とか今までの苦労なんなんって・・・なんなん・・・なんなんよーっ!?

なんなんでしょうな、本当に。
まあ、吸血鬼が日傘ならともかく、日焼け止めで日光防ぐなんて話、今まで聞いたこともないし試す気も起きないのはわかる。
普通の吸血鬼は日光浴びて日焼けだけではすまないからそもそも前提が違うんだけども・・・

ちなみに吸血鬼の弱点の1つである流れる水についても軽い様子の葉子さん。
なんか越えてる時にぶるってくる。「うおっ」てなる。というぐらいですむらしい。
うーむ。吸血鬼の血が実は凄く薄いのではなかろうか・・・?
それで雨の日も平気で出歩けたという話なのか・・・辻褄は合うが・・・うーむ。
この勢いならニンニクもうおっと言いながら普通に食べてしまいそうですな。そういう点でバレないのはいいことだ!!

黒い葉子さんを見る機会が今後減りそうなのは残念だが、体操服姿での活躍が見れそうなのはいいですな。
葉子さんのことだし、日焼け止め塗ってるから大丈夫と水泳の授業に参加して流れ落ちて黒くなるぐらいはやってくれるさ!
高校の授業で水泳があるのかどうかはともかく。う、海でもいいのよ?

それにしても先生も色付きの名前とはなぁ。実は攻略対象なのか?む、なんだ攻略対象とは。思わず言ったがどういう意味だ!?



第9話「幼馴染について考えてみよう!」  (2013年 17号)


今日も葉子さんを追いかけるみかん。
いつの間にか関西弁という事実に気づかれてしまっているんですな。
割と大きな事実だとは思うのだが、弱いかー。
だからといって本当の事実の方は秘密の度合いが強すぎるからなぁ。
実はアホの子でしたぐらいの真実ぐあいがいい感じではないかね?読者はもうとっくに知っている話だけども!!

葉子さんを追いかけて走るみかん。そして守ろうと走る朝陽。
廊下に岡がバナナを撒けば、見事に2人揃ってすっころぶ。まさか二人とも踏むとは・・・芸人魂が燃えてしまったのか!?
バケツかぶってる朝陽はさておき、窓の外まで投げ出されて気に引っかかってるみかんの勢いは色々とおかしい。
でもバナナって結構滑りますよね。漫画じゃあるまいしと思ったら意外と滑って驚く。

葉子さんが秘密を抱えていることに気づいている様子のみかん。
まあ、みかんも基本アホの子なので簡単に真実には近づけないと思いますけどね。
しかし秘密か・・・みかんって何か秘密あんのかな?

突然気になった様子の朝陽。ふうむ、みかんの秘密ねぇ・・・
というわけで、今日は朱美みかんメイン回でございます。ふむ、これまでより少し可愛い感じで描かれているのはそういうわけか。

最近、実は吸血鬼とか、実は宇宙人とか続いたからなぁ。まさか、みかんも・・・なんてことねぇか。

くっくっく・・・あたしに秘密・・・?残念だったわねぇ!!
あたしは外道クイーン朱美みかん!!そのあたしがそんな弱み持つワケないじゃないの!!
幼馴染のくせにそんなこともわからないの!?アナザル朝陽!!

常に攻め!常に加害者をモットーとしているみかん。いやだからって秘密がないとは限らないと思うんですけどね。
逆に秘密があるからこそ攻める側に回るって人もいるでしょうし。
しかし、そういう点とは別の所でのつっこみがさくらさんから入る。

え?いや別に、実は朱美さん、そんなに外道でもなくない?

さくらさんの何気ない言葉に時が止まる。そしてみんなでよってたかってその意見は否定される。なんなの!?このかつてない一体感!!
なんせフォローしたはずのみかんに一番否定されちゃうぐらいだしなぁ。侮辱する気っ!?とか言われましても。

ところでさくらさんは桜田だからさくらなんですな。桜田さくらなのかもしれないけど。
というか、朝陽の友人は岡田、嶋田、桜田と揃っているのか。
なるほど全員最後まで呼ぶと紛らわしくなるから省略形で呼ぶようにしてるとかそういう話なわけですな!!
それはいいが、柱の紹介が3人まとめて【あいつら】で済まされているのが酷い。

まあ、それはさておき。みかんはさくらさんのフォローに激しく憤る。
今まで一体何人が校内新聞に写真載せるって脅されてきたことか。
朝陽もこないだ葉子さんとの下校中の写真を載せると言われたばかりである。

そっ。それよそれ。わざわざ許可もらいに来てたんでしょ?ちゃんと。

なるほど。そういう受け取り方もできますかな。
まあ、載せるよりも派手なリアクションが期待できるからやっているようには見えましたけども。

それにっ・・・甘いわねぇ桜田っ!!
許可なんてくだらないものなく載せたことなんていくらでもあるわよ!!
そして人々はあたしを誉め称えるのよ。外道クイーンと!!

そのように誇らしげにするみかんだが、そういう許可なしの場合はネタレベルの捏造100%の記事しかなかったりする。
ほほう・・・それは何というか意外な話でありますな・・・
これは意外とさくらさんの言っていることは当たっているのかもしれないぞ・・・
岡もさくらさんの意見に同調しだす。しかし、それでもこの男はみかんの――外道様の味方であった。し、嶋?

この外道様はなぁ・・・!!
距離を測りかねてる初々しい男女にはその恋心を公表して気まずくし、熱々のバカップルには浮気を捏造して別れさせる・・・
そんな全てのモテねぇヤツの味方なんだよ!!そんな外道なんだ!!

いやそんな熱く語られましても。
大体モテないからって人の不幸まで祈ろうとは思わないですし。リア充は爆発しとけとは思うけど。

みかんの新聞のファンだったりする嶋。そのみかんには1人だけ名前を忘れられている様子であるが。嶋・・・

あ、そういやその・・・毎回毎回、「この新聞はフィクションです」って書かなくても・・・

さすがに新聞のファンだけありよく読んでいるな嶋。
でも望みの外道支持の話でなかったのでみかんの不況を買う嶋。何をしているのやら。
ちなみにフィクションという文言がないと学校側から発行の許可が下りないので仕方なくやっているらしい。
へぇー。許可とか取ってるんだ。わざわざ。うーんこいつはやはり・・・そういうことなんですかね・・・外道(笑)。ププッ。

思わず笑いものにしてしまう岡。
その結果、ホースで吊り下げられることとなってしまう。
しかも縛ったホースの垂らす箇所を調節して蛇口をひねれば見事な小便小僧ができあがるという。む・・・むごい・・・!!
ってさりげなく殴り倒されていた嶋までついでに吊るされている!!

というような光景を見せられても、そんなに外道ぶらなくてもいいじゃないと言ってのけるさくらさん。
うーむ、見た目に通りに大人な人ですなぁ。
実の所みかんの行動は迷惑行為ばかりというわけでもない。
みかんが新聞の購読率を上げたおかげで新聞部は廃部にならずにすんだという話もある。
「あの人の行動はいつもどうかと思いますが、その一点だけは本当に皆、感謝してるんです」と新聞部の部員たち。
ふうむ、あのメガネ軍団もそういう気持ちを持っていたんですなぁ・・・モブメガネの集団なのに・・・

てな話をしていたらさくらさんまで吊るされてしまいました。む、むごい・・・

いや、でもみかん。確かにそんな外道ぶらなくても・・・
おまえんち家族多くて家計苦しいから校内新聞一部100円で・・・
あ、いや。俺が言いたいのはそうじゃなくて・・・なんでそんなに、外道にこだわるんだよって・・・

まあ、進んで外道と呼ばれたがる心境なんて普通はわからない。わかるはずもない。

・・・そっか。ならいいのよ。バカ朝陽。

おや、なんだかいつもと違う感じの笑顔でありますね。
ふむ・・・これはやはり・・・朝陽か?こだわる理由って

吊るされた状態でマジトーンの岡。小便小僧状態ではまるで締まりませんなぁ。写真録っちゃえ。カシャッ。酷い。

・・・まぁ否定しないわよ。
あたしはねぇ、今の朝陽との関係が気に入ってんの
友達でもなけりゃましてや恋人でもない。いわゆるただの幼馴染で、あたしが加害者、朝陽が被害者!!そのバランスがいいわけ。
・・・だってさ、いくら朝陽がバカでもこんな最っ低なヤツなら・・・女として見るワケないし・・・
ただの幼馴染でいられそう!!・・・とか思わない?

眼鏡を外しそのように語るみかん。おや・・・やけに可愛いぞ・・・!?
結構人間関係に臆病な子だったりするのだろうか?
まあ、あれだけ酷い目に合わせているのに変わらず幼馴染の間柄でいる朝陽との関係は良いものには思えますけどね。
ということはだ、みかんが外道であり続けるのは朝陽との関係を維持する為だったというわけなんですな。

いやそれはほら。人の嫌がることするのって、めちゃくちゃ楽しくない?

あぁうん。実益も兼ねていたわけなんですね。しっかり外道だわあんた!!

なかなか意外なみかんの素顔が垣間見えた回ではありましたな。
健気というか意固地というか。そういう微妙な関係が楽しいというのも分かる話ではありますがねぇ。
あまり深い中にはならない感じの距離感が楽しい。青春しているって感じはしますなぁ。

みかん「あー朝陽。こないだあんたのベッドの下で見つけたエロ本、白神さんとあんたの母さんどっちに渡せばいい?
岡「・・・鬼だ」
嶋「・・・悪魔だ」
さくら「・・・いや」
朝陽「やっぱ外道だっ!!

慄く男たち。みかんは幼馴染とはいえ、朝陽の部屋に普通に出入りしているのか・・・!?
いや、葉子さんの部屋にだって乗り込んで行っていたし、不法侵入ぐらいはお手の物か!!
あ、エロ本は葉子さんに見せるのがいいと思います。むしろ見せてみて欲しい!!その反応を楽しみたい!!是非、是非に!!

それにしても外道って人の道を外れた者のことを言うんですよね。つまり人外・・・!!
朝陽の人外スキーという特性から考えると外道に拘るのはあまりよくないのではなかろうか?
まあそれでこそヒロインの1人ということになるのかもしれないが・・・
叱られ体質という朝陽の性質面からしても、かなり似合いの存在なのかもしれないなぁ。実は。



第10話「遊園地に行こう!」  (2013年 18号)


・・・いきなりですが、どういうことかわかんないけど、なんか、白神に遊園地に誘われました!!

休日にドキドキと想い人を待つアナザルin遊園地。
これってデート!?いやいや、白神のことだからきっと単純に遊園地に行きたいだけでと思い悩む。
いやあ、何はともあれ異性が仲良く遊園地で遊ぶとなればそれは、ねえ。

というわけで私服姿の葉子さん登場。おぉ・・・。
微妙に気の抜けたような立ち方は気にならなくもないが、可愛さが半端ないので何も問題はない。

ごめんなー待たせてもた?と気に掛ける葉子さんに今来たとこ!!と返す朝陽。うむ、定番のセリフですね。
空き缶大量に並べてたら説得力も何もないけど。でも一度は言っておかないといけない定番セリフですからして。

あともひとつごめんなんやけど・・・藍澤さん急用入ったから来れんって・・・
うー・・・私の「黒峰君、藍澤さんどきどき二人っきり大作戦」失敗や・・・

そういう企みでありましたか。相変わらず鈍い子でありますなぁ。
まあでも、今回はかなりのチャンスである。結果的に葉子さんと二人きりという状況になったわけで・・・!!
朝陽としても是非行きたいとは思っている。せっかくだし。

せやんな!?せっかくやもんな!!

パンフレットにめちゃくちゃふせんしている葉子さん。やっぱり楽しみにしてたんじゃないですか!!
作戦は確かに遂行するつもりだったのだろうが、自身が楽しむ気も満点だったらしい。
それでちゃんと作戦遂行できると思っているのか・・・!!
と藍澤さんなら怒って指導を開始しそうだ。そして話がズレていくと。ふむ、今回は急用が入ってよかったかもですな。
遊園地で楽しそうにする藍澤さんの姿もまたいつか見たいところではありますがね。

よっぽど楽しみにしてきたんだな。でもそれなら・・・それなら俺も負けないくらい楽しみにしてきたと思うんだ白神。
だって、どんな理由でも、好きな人と遊園地に行けるんだから

いやはやまったくうらやましい限りである。
というわけで、目一杯遊園地を楽しもうとする二人。さっそく絶叫マシンに乗り込みます。
ビビリまくって開始早々に叫びまくる二人。こわいこわいこわい。そして絶叫。ひゃー。

・・・わからへん・・・なんで皆さ、お金払てさ・・・わざわざ怖い思いするん・・・?

膝に顔をうずめてプルプルと恐怖に震える葉子さん。なんだかいきなり雲行きが怪しくなってきた・・・!!
と思いきや、泣きながら次にループコースター、フリーフォールなどを指定する葉子さん。しっかりハマってませんか!?
恐怖のあまり羽が出たりしているが、なんだかんだで楽しんでいる様子。うーむ、不思議ですなぁ人間心理。
個人的にコースターはともかくフリーフォールは駄目だ。あの落下感。体の内部からせり上がる何かという感覚が耐え難い。
というか、葉子さん飛べるんだからコースター系のような楽しみは自前で出来るのでは・・・?

それはさておき、葉子さんは一人でもこの遊園地に来たいと思っていたらしい。
というのも昔葉子さんのおとんとおかんがここでデートしたと聞いたことがあったからだそうな。
葉子さんの父親は吸血鬼だが母親は人間である。つまり葉子さんは人間と吸血鬼のハーフということになる。
ふうむ。やはり血が薄まっているから色々と弱点も薄まっているのだろうか。
でも父親も学校に通って遊園地に来たりしているんですな。ふむ。

なんかさ、なんかドラマみたいでさ。人間と吸血鬼の恋
吸血鬼って正体隠しながらいろんな常識とか困難とか一緒に乗り越えてさ、恋に落ちて・・・
あの学校選んだんもおとんとおかんの学校やから。まるでドラマのロケ地行くみたいな気持ちでさ。
アホみたいやろ?そんなんで高校決めるなんて。

いやいや。まあ、そういう理由も素敵じゃありませんかね。
将来の進学とかどうするつもりというか、実際どういう風に暮らしていくのかは気になるけど、高校まではまあ、ねぇ。

それはともかく、親父さんと葉子さん。同じように秘密を隠して人間の学校に通っている。
なんだかかぶりますね。葉子さんのおとんとおかんは一緒に秘密を守り、そんで恋に落ちて・・・

そんな話をしてたら思いっきり赤面してしまう葉子さん。あらあら。
うーむ、これは確かに赤くなる流れでありますわな。朝陽も真っ赤になってしまっている。
照れ隠しに近くの建物に入る二人。そこはホラーハウス・・・
基本ビビリの二人が入っていいような場所ではないですわな。ビクビク。
手を前に中腰でビクつきながら歩く二人。非常に情けない姿勢だ!!というか怖がるなよ人外。

演出の騒音にビビッて急接近する二人。顔近い!!そして再びのむにー
うむ、これぞホラーハウスの醍醐味でありますね。恐怖心も忘れるほどに美味しい思いである。これが男冥利に尽きるということか!!

そんなタイミングで廊下の棺桶からドラキュラ登場。血を吸わせろおおおぉ!と迫りくる。
あんたそれセクハラですよ。葉子さん真っ赤になっちゃってますがな。

貴方!!初対面の人に血吸わせろって失礼ちゃいます!?いや!!初対面やなくても失礼です!!

血を吸うのってキスみたいなものだと言ってましたものね。
そりゃいきなり面と向かって言われたら赤くもなりますわなぁ。ムキー。
本物相手ではまさしく相手が悪かったというしかありませんわなぁ。トボトボと棺桶に戻るドラキュラ伯爵。元気出して!!

葉子「・・・おとんとおかん・・・元気にしとるかなぁ・・・」
朝陽「ホラーハウス来て地元が懐かしくなった人って初めてだろうな」

偽物ではあるが、吸血鬼を見て同族が懐かしくなった様子ですな。ぽへー。
ふうむ。今回の遊園地はなかなか色々な話が聞けておりますな。両親の話やらも詳しく出てきたし、いい感じ。
そしてまた騒音で接近してしまう二人。むにー。むう・・・本気でうらやましくなってくる。

それはともかく、今度の騒音で現れたのはフランケンシュタイン。
頭にネジがついているけど藍澤さんの親戚の方ではありません。
というか葉子さん、冷静に対処されても相手が困りますので・・・怖がってくださいよ!!
実際ビビリなので騒音とか目に見えないものなら十分怖がってくれるのだろうが、本物の人外相手に人外ぶつけてもなぁ。

葉子さんの地元は吸血鬼以外の人外はいたりするのだろうか?気にかかる朝陽。
例えば透明人間とか狼男とか。

あー懐かしいなぁ・・・狼男かぁ。
私とその狼男が黒峰君と朱美さんみたいな感じかな。

何!?加害者と被害者の関係ですか!?まあ、吸血鬼と狼男だと主従関係が定まっていることってありますが・・・
幼少期は馬におなりなさいとかやってたんですか葉子さん!?いやいやそうやなくて。

うーんせやなぁ・・・幼馴染ってこと!私の幼馴染が狼男やねん

そんな話をしている時、葉子さんの実家である白神家。
そこでは葉子さんの父親が狼男を呼び出して何事かを命じようとしている最中であった。
どうやら葉子さんに関することで使命を帯びることになる様子。

儂はどうしてもあのアホが正体隠せとるとは思えんでなぁ
ちょっと様子見てきてくれへんか?儂の娘・・・白神葉子の様子を・・・

実の娘に対して酷い言いぐさである。いや、実の娘だからよく理解しているということか・・・!?
で、でも最近まではちゃんと隠し通せていたんですよ?アホの子だけど!!
本当に隠せていたのか、実は怪しいと最近は思えて仕方ないですけども!!
どうでもいいが、親父さんでかいなオイ。日本酒のビンがヤクルトのようだ。

もし約束を守れていないようなら・・・わかるな?と親父さん。幼馴染のおまえには気が重いか?と狼男に語り掛ける。

・・・いえ、オジキ。この己を私情を挟むような漢とお思いで?
もし葉子が秘密を守れていないようなら、一切の情け容赦なく葉子の学園生活、終止符を打たせていただきやす。
・・・そん時はオジキ。娘さんを・・・葉子を己にください!!この紫々戸獅狼にっ!!

滅茶苦茶私情入りまくりやないかい。
なんだか登場した時点で残念感が漂っている狼男の獅狼。
む?獅狼?昔、増田先生の読み切りに獅狼ラビットという作品があったような・・・!?
見た目は違うし狼男ではなかったから名前だけ流用したといった感じですかね。

ともかく、ようやく連載開始時のカラーページにいた狼男が登場。きっちり色付きの名前である。
だが例に漏れずアホっぽい感じを早くも漂わせておりますからなぁ・・・馴染みそうだ。色々と。
少なくとも秘密を守れてないと知っても葉子さんの学園生活に終止符を打たせるだけの甲斐性はないと見た!!
まあ、朝陽としてみれば葉子さんに男の幼馴染がいるというだけで何だか気が気ではないでしょうけどねぇ。
ううむ、なんとなくラブコメらしくなってきおったで・・・!!

しかし、これでドラキュラとフランケンのような子と狼男が揃ったわけか。つまりアニメ化すればアレができるわけだな・・・!!

葉子「さあ、はじまるザマスよ」
獅狼「いくでガンス」
藍澤「ふんがー」

その後に何を繋げることになるか。ううむ、早くもアニメ化に期待が持てるようになりましたな!!
実際になるかどうかはさておき、こういうことを考えるのは楽しいものでありやす。



第11話「狼男がやってくる!」  (2013年 19号)


葉子さんと1日遊園地で遊べるという羨ましい状況。
しかし朝陽は後半ずっと上の空となっていた。勿体ない。
男の幼馴染がいたという情報が出たくらいでそんなに取り乱すこともありますまいに。

てな風に思ってたら、いきなりその幼馴染が目の前に現れてしまいました。
学校じゃなくて直接ここにやって来るとは!!

・・・家、留守やったから散々捜したぞ。久しぶりやのぅ。葉子!!
たまにゃ俺の方にも連絡してこんかい。この紫々戸獅狼に!!

いかつい顔の男が現れて慄く朝陽。
でもそれよりも葉子さんを下の名前で呼んでいるのが気になる様子。
歯を見たらすっげぇギザギザしてるし、この男が例の狼男なのだろうかと容易に想像がつく。
それはそれとして、葉子さんが電話で連絡を取るといつも獅穂が出ると述べている。
なんですか?姉とか妹とかそういう存在がいるのですか?気になるな。

朝陽としてはこの男が狼男なのか、葉子さんの幼馴染なのか気になっている。
どう見てもそれっぽいが、それが逆に怪しい。
葉子さんも藍澤さんも見てる分には吸血鬼や宇宙人とは思えなかった。それなのにこんな分かりやすい外見・・・首輪とかしてるし。

こんな狼男っぽい人が狼男なわけがない!!

説得力があるのやら何なのやら。
ともかく確かめようとする朝陽。適当な枝を拾う。
コマの手前で葉子さんと獅狼が秘密に関して真面目な話を開始しているのに、いきなり枝を放り出す朝陽。てい。
そして見事にそれにつられて口で空中キャッチする獅狼。狼というか犬じゃねーか。
やるとは思ったけど、期待を裏切らない男である。

ここでようやく朝陽が葉子さんのツレであると認識した獅狼。
ついでにさっきまで一緒に遊園地にいたことも理解し激しく動揺。

・・・帰るわ

帰るんかい!!ホンマ何しに来たんやお前は!!

・・・おい小僧。葉子と・・・幸せにな。応援しとるぞ

ええっ!?いきなり応援モード!?引き際が良すぎるでしょう!!しかも半ベソだし!!
思ったよりもいい奴で驚くわ、ホンマ。
しかしいい奴という意味合いでは朝陽も負けてはいない。
そのまま見送ればいいのに、わざわざ獅狼を呼び止めてそんなんじゃありませんからとか言ってしまう。
おかげで葉子さんに自身のその発言、ただの友達という言葉をキャッチされて返球される有様に。

黒峰君とそういうのんとか?そのえとっ・・・ありえへん!!ありえへんしっ!!

これはキツイ。照れながらのセリフとはいえ、なかなかボディに突き刺さる言葉だ。
まあそのおかげで獅狼の方は多少気を取り戻せた様子ですが。

葉子さんとの会話から獅狼が例の幼馴染であることをようやく確信した朝陽。
そして朝陽は自分自身がバカだとちゃんと認識していることも判明した。そうか・・・

この人が白神の幼馴染で・・・狼男なんだ・・・!!
狼なんかに変身したら今以上にいかつくなるんだろうな・・・んー悪い人ではなさそうだけど・・・
・・・それよりついさっきのやりとり。たぶんこの人も白神のこと・・・

なかなかいいカンをしている朝陽。一方安定して自分への想いに鈍い葉子さん。
これだけ分かりやすく好意を示している幼馴染が長いこと側にいるのに、想いに気づけないとは・・・想像以上の鈍さだ。
まあ、獅狼は獅狼で「漢」は背中で語るモノ。自分の想いベラベラ語るモンやないとか言い出しちゃってるしなぁ。進展は望めなそう。
そんな獅狼を見てなんとなく親近感を感じる朝陽でありましたとさ。
ちょっと前までは男の幼馴染の存在にショックを受けていたのにねぇ。
ライバル出現の流れのはずが同病相憐れむような状態になっており・・・どうしてこうなったのか!!

まあ、それはさておき、ようやく本題。
獅狼は葉子さんに朝陽はただの人間であるか確認する。
そしてそうと知れたら今度は朝陽に確認を行う。通さなアカン筋として聞かねばならん質問。

なんで貴様、己のキバ見て驚かん?
葉子、さっきも言ったが己はのっ、オジキに頼みごとされてきたんじゃ。
葉子。おまえがオジキとの約束・・・「誰かにおまえの秘密がバレたら学校辞めてオジキの元へ帰る」。
それを守れとんのか確かめてこいてな。
・・・黒峰が驚かんのはおまえの秘密知っとるから。そういうのが実際おるってわかっとるから違うんか?

おっと、意外にも鋭い指摘を行う獅狼。うーむ、実に意外だ。
分かりやすい姿をしているのにも意外な利点があるものですな。
確かに獅狼の言う通り、朝陽は事前に狼男の幼馴染がいると聞いていたし、そうじゃないかと推測できてしまっていた。
だからそこまで驚きはしない・・・だからといって枝放り投げて確かめようとするのはどうかと思うが。
ともかく、このままではピンチである。秘密がバレているという秘密がバレてしまう!!

ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ。何やってんだ俺っ。俺のせいで白神がっ!!
何をのん気に枝放り投げたりしてんだよバカ!!

いや全く。
でも今はそんなことを言っている場合じゃない。どうにか誤魔化さないといけない。
というわけで、勇気を振り絞る朝陽。獅狼の胸ぐらを掴んで震えながら何のことだかさっぱりだと言い張る。
ウソをつくのは何よりも苦手であろうが、とにかく秘密を守るためには必死で何とかしようとするのが朝陽でありますからなぁ。
とりあえず獅狼のキバについてはちゃんと驚きましたよとウソをついてみる。斬新なファッションだなって。

獅狼「キ、サ、マァ・・・これは自前じゃ!!己の外見で唯一狼男な所にケチつける気かいっ!!
朝陽「えぇっ!?自分で狼男って言っちゃったよこの人っ!!?」
葉子「てかそんなん気にしてたん!?」

半泣きになりながら抗弁する獅狼。何やってるんだか。
朝陽としては何とかして誤魔化したい。狼男だなんてホラなんじゃないのかと言って有耶無耶にしてしまいたい。
のだが、折り悪く月が出てしまっている。月さえ出とりゃな・・・と空を見上げる獅狼。あ。

・・・「しまった」と思った。「俺は何やってんだ。こいつはマジに狼男なのに」
「狼男になんてさせたら最悪もっと・・・」って。けど――
「しまった」と口にしたのは、あいつの方だったんだ。

獅狼が月見たゆうことは・・・元に・・・?

葉子さんの呟き。そ、それはつまり?
なんですか?さっきまでの獅狼の姿こそが狼男に変身していた姿だったということなんですか?
そういえばキバこそが唯一狼男らしい外見とか言ってましたものなぁ。ははぁ。
でも、だからって元に戻った姿が・・・これとは・・・!?
性別も含めて狼「男」に変身していただなんて・・・「狼」の方がついでじゃねえか。

初めまして黒峰クン。アタシの名前は紫々戸獅穂。「狼男」です。今はフツーの女だけどね。

なんとまあ、これは・・・そう来たかー・・・
獅穂という名前は冒頭でも出てきていたが、まさか本人だったとはなぁ・・・まったく驚かされる。
しかし、月を見て変身するんじゃなくて月を見て元に戻るとはどういうことなのだろうか?
スイッチのON/OFFが月によってされるということなのだろうか?二度見したらどうなるんだ?一定間隔は空けないと変わらないとか?

なんというか、色々と規格外で衝撃的な存在である。
登場時からアホな子という印象が漂っていた獅狼とは違い、獅穂さんはなんとなくやり手そうな印象。
フツーの女だとは言ってますが、よほど手ごわい印象がありますぜ!!
葉子さんの約束の件についてどのような意見を持っているか気になる所であります。



第12話「狼女がやってきた!」  (2013年 20号)


狼男がやってくるかと思ったら狼女がやってきた。
驚きのあまりセンターカラーだってもらえて当たり前というものである。いい勢いだ!!

ともかくイカつい♂が女子に大変身して呆然とする朝陽。そらそうよ。
それを見た獅穂さんはいきなりの告白を開始。

そう。実は私は・・・今ノーブラなんだよねー。葉子貸してくんない?

モゾモゾと葉子さんの胸元に肩口から手を突っ込んでそうのたまう獅穂さん。何コレえらくエロイ。
そりゃあ朝陽が鼻血を噴出してのけぞるのも仕方ないって話でありますよ。全く。

ひと悶着はありましたが、夜遅くに立ち話もなんだしということで葉子さんの家に移動。
朝陽と、セクハラして葉子さんに叩かれた獅穂さんの3人で一つの部屋に。ほほう・・・

いやー悪い悪い。獅狼のバカにはいつもブラしとけって言ってんだけどさ。
いつ月見て元に戻るかもわかんないんだし

ってそれはいつ月を見て男になるかもわからないってことじゃないですか。なんと恐ろしいことを・・・!!
でも服を着る時間に獅穂さんの状態だったら間違いなく着けてくるだろうなぁ・・・おぞましい!!

今日も葉子さんの部屋は片付いている。またクローゼットに押し込んでいるんでしょうな。
って何ですかそれは?遊園地で遊んだあと朝陽を家に招くつもりだったというのですか?まさか・・・!?
いや、藍澤さんも一緒の予定だったから共に招くつもりだったのかもしれませんがね。

獅狼と獅穂さんは完全に別人格であると葉子さん。あと痴女だから気ぃつけてなと助言。
ふむ、気をつけろと言われても痴女相手にどう気をつけたらいいものか・・・否定しないハッキリした痴女ですし。
セクシーなポーズで女かどうか確かめて来るとか言い出してくるし。
・・・何なのこのエロイ人は!?そりゃ葉子さんもスリッパでツッコムさ。スパァン。

獅穂さんに迫られて思わず背筋が伸びる朝陽。若い若い。
それを見てぐぬぬぬとなる葉子さん。思わず獅穂さんとは逆側の朝陽の横へちょこんと座り込む
・・・な、何なのこのカワイイ行動は!?そりゃ朝陽も思わず白神さんとさん付けでツッコンでしまうわさ。

な・・・何なんだこの状況は・・・さっきから何が起こってるんだ!?
わかんないけど嬉しいような胃がキリキリ痛むような・・・

ぬぬぬぬぬぬと怒りのオーラを放つ葉子さんがとてつもなく可愛らしい。ヤバイっすなぁ。
男としては嬉しくはあるが辛くもある厳しい状況。どう耐えるのか朝陽!?とりあえず話題を変えるのが最適ですかね。

獅穂さんはどうやら狼男になっている間も意識があるらしい。
だけど逆に獅狼の方は獅穂さんの姿の時の記憶はないらしい。
まあ、自分の身体が痴女として動き回ってる記憶なんて無い方がいいかもしれませんがね。
今だと朝陽に迫っている場面を見て悶えることになるわけですし。
でもその前だと葉子さんの胸元をさぐっている場面を感じることになるんだよなぁ・・・メリットもデメリットもでかいな!!

どうやら主人格は獅穂さんの方にあるらしい
多重人格の場合、主人格と呼ばれる者は他の人格の時も意識があるというが、そういうことなのか。
それで元に戻ったという表現が使われるわけですね。
なので獅狼が活動していた時も獅穂さんの意識はあった。朝陽が強引に顔を掴んで振り向かせたことも感じていたわけだ。

・・・ねぇ。もっかいやってみせてくれない・・・?

顔を近づけ、左手で頬に触れ、右手の指先で朝陽の下唇をつつきながらそうささやく獅穂さん。
この人、狼男の時なんかよりよっぽど狼なんじゃ・・・!?

朝陽がそう思うのも無理はないですやね。獅狼ももっと狼らしい行動に出るべきですよね!!漢らしくさ。

朝陽が獅穂さんに遊ばれているその反対側。背中の方ではスススと葉子さんが近づいてきている。ぬう、逐一カワイイことをする。
が、その後の行動はなかなかに酷い。
どうやら獅穂さんは写真の月を見ても変身してしまうらしい。用意のいいことに月の映った写真を獅穂さんに見せる葉子さん。
ってこの場面で変身するってことは、朝陽と獅狼が目の前で見つめ合うということになるわけで・・・

獅狼「なっなんじゃこりゃあああ!?」
朝陽「ひっひぁあああああああ!!?」

そりゃ悲鳴もあげますわな。双方。何が起きたのか考えたくないという獅狼の気持ちもよくわかる。
ともかく、自分の身体に戻った以上、獅狼としては葉子さんを連れ戻さなければいけない。
迫り出す獅狼。葉子さんすっかりそのことは忘れていたみたいですなぁ。

仕方ないので獅狼にも写真の月を見せて元に戻す朝陽。
組み付かれて危ない所であったが、どうにか間に合ったみたいですな。ん?組み付かれて・・・

んー黒峰クンったらダ・イ・タ・ン。鷲掴みなんて・・・!!

ちょうど獅狼の胸を押さえながら元に戻したものだから、そりゃあこういうことになりますわな。
不可抗力とはいえ思わぬ状況に本日2回目の鼻血となる朝陽。

くっ黒峰君のスケベ!!エッチ、変態!!このっ・・・このエロ峰君!!

事故であろうが何であろうがいい思いをしていることに変わりはありませんし、葉子さんに責められるのもやむを得ない。
しかし慌てたせいで写真の月を再び獅穂さんに見せてしまう朝陽。何やっとんエロ峰君!!

獅狼が気を取り戻すと、目の前には鼻血を噴出した朝陽の姿がある。これは一体・・・

キ・・・キサマァ!!
しっ獅穂に何しおった!?獅穂の体はのぅ、己の体でもあるんやぞ!?やっぱり何かしよったんか!?己の体にっ!!

泣いて暴れる獅狼。気持ちはわかるがそんなだからキバ以外は狼らしくないと言われてしまうのですよ。
まあ、自分の体が知らないうちに男に触れられているというのは想像したくない話であるのは確かですが・・・
上に跨って胸ぐら掴んで詰問する獅狼。そんな状態で舞い降りる月の写真を見てまたもや元に戻る。
はい、この状況で獅穂さんに戻るということは――

んー?これはこれは・・・据え膳食わぬは女の恥。いっただきまーす。

そのまま覆いかぶさって来る獅穂さんでありましたとさ。もう、色々と厄介ですなこの痴女はよぅ!!
というか、やはり月を見ることで変身のOFF/ONになるんですなぁ。
そこは予想通りだったが、おかげで簡単にカオスな状況が生まれることとなってしまいましたよ。面白い!!

ともかく、今は痴女を止めないといけない。あかん、あかんよ!?と葉子さん。
そんな葉子さんに対し、獅穂さんはこう述べる。

何がどう「あかん」なの?

おっと、これはいい質問でありますね。葉子さんも何で自分がそんなに必死になって止めているのかは分かっていない様子。
朝陽には藍澤さんというええ人もいるしという理由づけをしていますが、本当にそれだけかな?
獅穂さんは胸を押し当てて(!?)朝陽を黙らせて話を続ける。朝陽はこれで鼻血3回目か・・・キュー。

・・・葉子、あのさ。ホントにそれだけ?「あかん」の理由って。

重ねて尋ねてみるが葉子さんは戸惑うばかりでありました。
ふーむ。やっぱりこの子はとことん鈍い様子であしますなぁ。

えっ!?鈍ないよ!?むしろ鋭いし!!

どの口でそんなことを言うのかこの子は。やれやれ。

・・・鈍いよ。昔っからね。他人の気持ちにも。自分の気持ちにもね

さすがに幼馴染。いいことを言いますなぁ。
同じ年齢のはずだけどなんとなくお姉さんのような印象を与えてくれる獅穂さんでありました。
落ちついた様子で見せる笑顔とかは非常にいい感じでありますのになー・・・痴女なばかりに色々と残念なことに。

というところで帰ると言い出す獅穂さん。
このまま泊まっていて獅狼に変身するとまた面倒くさいことにはなるだろうし、その判断は間違いではないでしょうな。
それに、土産も手に入れているみたいですし。
手に持った葉子さんの下着を振り回しながらご満悦な様子の獅穂さんでありました。何をしとんねん、このエロ狼!!
というか、葉子さんのこの柄は・・・ク、クマさん・・・?増田ヒロインらしいということなのか、これが・・・!?

てな感じで翌日はボロボロな感じとなった葉子さんと朝陽。
楽しく過ごした遊園地の思い出も吹き飛ぶくらいの台風でありましたな。
幼馴染が迷惑をかけたと申し訳なさそうな葉子さん。まあ、朝陽の幼馴染も迷惑かけてるしそれはお互い様だ。
まあ、何はともあれ帰りはしたことですし、当分の間は平和なはず。
そんな風に考えていたときが2人にもありました。

この度、転校してきました。紫々戸獅穂でーす。痴女なんでヨロシクー

あっさり転校してきやがったー!!
しかもこの自己紹介。うーむ、なんという強者であろうか。岡ですら引いているわ。

というわけで、ヒロイン(痴女)が追加となりました。えらい文言だなコレ。
いやでもしかし、楽しいことには違いないですけどね。
獅狼はアホの子だが、獅穂さんは痴女なだけでそんなにアホではない様子。痴女なだけで。
うーむ。獅狼が漢というのに拘るのは主人格が痴女ということの裏返しだったりするのかなぁ。大変だねカレもさ。

葉子さんの父から依頼を受けたのは獅狼の方なので獅穂さんとしては関係ないという様子。
では何故転校までしてきたのだろうか?面白そうだからか。まさかそんな単純な・・・あり得るな!!
とにもかくにも楽しいことになりそうなキャラの追加であります。みかんや藍澤さんとの絡みも楽しそうだ。
しかし、当然の如くスカート着用とはな・・・おぞましいことになりそうやで!!



第13話「冷静になろう!」  (2013年 21+22号)


私、藍澤渚は常に冷静である

いきなりもはや誰にも信じてもらえないようなモノローグを語り出す藍澤さん。
その藍澤さんが目にしているのは痴女の獅穂さんに迫られて気絶する朝陽。
獅穂さんは痴女だけどちゃんと相手は選ぶんですね。がっつく嶋には美味しい目は見せない流れか。正しいな。

なっ・・・なんなのだあの転校生はっ!?

目を三角に、というか口を三角にしていらだつ藍澤さん。
しかし自身は任を受けて地球に潜入中である身。常に冷静でいなくてはならない。冷静さの欠如は致命的なミスを招く。
それを理解していながらも朝陽が女の子に迫られている姿に苛立ちを隠せない様子の藍澤さん。
それゆえに発声したのは・・・電池切れ。ゲェー!!行動不能だとー!?充電してください。充電してください。

しつこいようだが。私は常に冷静なのである!!

何度言おうとももはや誰も信じてくれませんってばさ。
藍澤さんが本当に冷静っぽかったのは1話時点の朝陽の回想時期ぐらいしかなかったじゃないですかー。

それはさておき、ピンチな状態の藍澤さん。行動不能になってしまって一体どうするのか。
まあ、秘密を知っている人を頼るしかありませんわな。
というわけで、忘れ物をして一人教室に取りに戻っていた朝陽に助けを求める藍澤さん。おーい!!
何とか気付いてもらえたので、外部ユニットを人目につかずエネルギー補給できる場所まで運んでもらうこととなりました。

外部ユニットこと大きい委員長は電池が完全に切れる前にどこかに隠している。
その隠し場所とは・・・女子トイレ。な、なるほど。確かに身を隠すには一番いい場所かもしれませんな・・・
年頃の男子が踏み込むには非常に勇気がいる場所ですよ、ココ。いや年頃じゃなくても躊躇う場所だ。

というわけで、左右をよく確認してそろーっと入り込む朝陽。ゲスな幼馴染に見つかったら最悪なことこの上ないですものね。

一番奥の個室の扉を開けると確かに大きい委員長の姿がある。
目を閉じて一見すると眠っているだけに見える姿。む・・・なんだかやけに美人に見えるな!?
まつ毛によるものか口元の感じによるものか・・・藍澤さんも普段から大人しい感じでいれば化けるということなのか・・・
いや、感情豊かに焦りまくる藍澤さんも好きですけどね。もう少し冷静になって欲しいとは思うが!!

大きい委員長を運ぶためにお姫様抱っこをする朝陽。
触れてみてわかることだがちゃんと体温もあるし柔らかさもしっかりと再現されている。うーむ、宇宙人の技術は凄いですね。
こうなると本物の女の子を抱きかかえているようで意識せざるを得ない朝陽。

たっ・・・頼んでる身で非常に恐縮なのだがっ!そっ、そんなジロジロ見ないでくれないか!?

そうは言われましてもねぇ。これは仕方がないっしょ。男の子だもの。
というか藍澤さん、すっかり銃で撃つのに躊躇いがなくなってますな。人型サイズには通用しないとわかっているとはいえ。
本星に帰ってからついクセでツッコミに銃を用いたりしないか不安である。本星でも通用しない銃だったりして。

さて、授業中なので廊下に人の姿はない。
なので藍澤さん本体は堂々と廊下を歩く。朝陽に乗ったりポケットに隠れたりするのは恥ずかしすぎるからだ。そ、そうか・・・
というか、朝陽のポケットに入るのが恥ずかしいなら大きい委員長の中に戻ってたらいいのに。
もはや人に見られてはいけないという冷静な視点も失っている様子である。さすがだ。

授業中なので生徒はまず出てこない。が、先生が歩いてくることはある。
というわけで移送中に紅本先生にバッタリ出会う朝陽。藍澤さんは咄嗟に柱の陰に隠れる。サッ。
どうやら貧血か何かで倒れたのを運んでいる最中だと認識してくれた様子。
まあ、常識的な人間の観点ではバッテリー切れの外部ユニットを運んでいるとは思いませんわな。助かる。
なので先生公認で保健室まで移送することとなりました。授業の担当の先生には出席扱いにしてもらえるようだし有難い話である。

はっはっは朝陽。藍澤寝てるからって変なことすんなよー

おいおい先生。軽い気持ちでそんなからかいを口にしてはいけない。
朝陽はさておき、藍澤さんが我慢できずに飛び出しそうになったではありませんか。冷静さに欠ける子なんだからもっと配慮して!!
というか本格的にヤバイですな藍澤さんの冷静さの欠如は。
まあ恋心はコントロールしがたいものであるということなのだろうが・・・多感な頃は特にそんなものであるのだろうが・・・

この調子では私の秘密・・・私の正体が・・・そうなれば強制送還の上、お尻ベンペンだ!!
冷静になれ・・・冷静になるんだ!!忘れたのか!?兄上のあの教えを・・・!!

というわけで兄の教えを思い出す藍澤さん。
兄は戦場で冷静さを失ったことで全てを失った経験を妹に語る
まあ、その戦場ってのはパチンコのことだったわけであるが。やっぱりギャンブルは冷静さが命ですよね。アホか!!
相変わらずこの兄妹はシチュエーションを用意してもシリアスな展開になりようがないから困る。

まあ、紅本先生に出会った以外は何ごともなく保健室に到着する朝陽たち。
朝陽の腕の力も限界に来てたし、無事についてよかったよかった。線は細いと思っていたがやはり非力なんだな朝陽。プルプル。

足で扉を開けて保健室に入る。どうやら保険の先生はいない様子。
これは好都合。ベッドに寝かしてあとはコードを伸ばして充電すれば完了でございます。

教訓とせねばなるまい。今後二度と冷静さを失わぬようにと・・・

てなことを考える藍澤さんであるが、一番冷静になれなくなりそうな存在が保健室にいた。

やっほー。やるねぇ、授業中保健室に女の子連れ込むなんて

し、獅穂さんだー!!そうか、サボって寝てたんですね獅穂さん。そういう行動をする人もいると考えるべきであったか!!
思わぬところで厄介な人に出会ったものである。
それはそうと確かにこのシチュエーションは色々と憶測を招きそうだ。
授業中に委員長と保健室にしけこむアナザル。ふむ・・・スクープだな!!

ともかく、獅穂さんには貧血で倒れただけですよと説明する朝陽。
ならばと下着の色を確認しようとする獅穂さん。なっ、何をやっとるかぁー!!
うむ、これは藍澤さんが思わずツッコミを入れてしまっても仕方がありませんな。本当、冷静さの大敵であるな。痴女は。

宇宙の技術とはいえ、電池切れの体は時間が経つとどんどんただの容れ物へと変わっていく。
呼吸もしていないしあんまり側に寄られると怪しまれてしまいそうで怖い。
なので何とかして獅穂さんの注意を逸らそうと考える朝陽。月の写真・・・持ってないし、獅狼になられてもむしろ困る!!

痴女・・・エロい人・・・?エロ・・・エロ・・・
くっ。獅穂さんっ!!エロ本がっ、あっちに落ちてたよっ!?

朝陽が思いつくエロいことだとそれが限界でありますか。
もっとこう・・・何かあるだろう!色々出来るだろう!藍澤さんが冷静さを失いそうなことが色々とさ。
うん、それらをやろうとすると正体バレの可能性が果てしなく高まるだけだからやはり辞めておいた方がいいか。
まあ、吸血鬼にバレてもノーカンなんだから狼男にバレても問題ないのかもしれませんがね。

さて黒峰クン。アタシは急用が出来たから。じゃあ!!

つ・・・通じるのか!?
キリッ。じゃねーよ。獅穂さん・・・この人も別の意味でアホな子だったというのか・・・!?自由すぎる。

ともかく獅穂さんの目を逸らすことには成功した。これであとは充電すれば任務完了だ。

いやー黒峰クンあんがとね!!あったよー。ほいじゃ一緒に見よっか!!

ホクホクしながら戻って来る獅穂さん。何でマジで落ちてるんだよ!?
というか戻って来るのかよ!!い、一緒に見ようって・・・痴女の行動は本当にヤバイっすね。

突然の獅穂さんの帰還に驚き、思わず手近な朝陽の胸ポケットに隠れる藍澤さん。
そのため体温や鼓動を感じてしまい真っ赤になる藍澤さん。ドキドキ。
なるほど。小さい体によってそういう楽しみ方もできるというわけですね。おやおやニヤニヤ。

保健室に委員長を連れ込みベッドに寝かせ、その隣で転校生の痴女と一緒にエロ本を見ようとするアナザル
紅本先生がやってきて目撃したのはそんな光景でありましたとさ。そっ、そこに座れ!!

てなわけで痴女を非常に苦手としそうな藍澤さんでありました。苦手そうだなーとは思ったがここまでとは・・・!!
ある意味藍澤さんが一番秘密を守りきれそうにない子である様子。朝陽も大変だなぁ。

しかしこの外部ユニット、補助電源とかそういうシロモノはないのだろうか。
電池で動いているということ自体驚きであるが。いや、その方が効率はいいのか?
というか稼働時間はどんなもんなんだ?毎朝充電しても足りない稼働時間だったりするのか実は。意外と不便だ!!
どうせなら電源補充用の別ユニットとかあればいいのに。妹型ユニットとかさ、妹型妹とかさ、妹とか。うん、ユニットでなくていいな!



第14話「カレーを作ろう!」  (2013年 23号)


前回電池切れの藍澤さんを保健室まで運んだ朝陽。
紅本先生のおかげで出席扱いとはなったが、調理実習はさすがに結果が残らないといけないらしい。
というわけで補習を受けることとなった朝陽。
まあ、もちろんそういう流れとなれば1人で補習というわけではありません。
朝陽のやる気が出るような面々と一緒に行うこととなります。その面子とは――宇宙人!狼男(女)!吸血鬼!!

藍澤「ふん。給仕担当か・・・よかろう。腕がなる」
獅穂「んーアタシ食べるの担当なんだけどなぁ。あらゆる方面で」
葉子「今度こそ・・・今度こそ・・・!!」

ダ、ダメ臭がプンプンと漂ってくる顔ぶれだ・・・!!
確かにこの3人に囲まれて実習とか嬉しくないはずはない。
だが無事に終わる気が全くしないのもまた事実・・・!!まあ、ともかくガンバレ朝陽・・・!!

紅本先生が言うには実習の品目はカレー。具材とレシピは黒板の前に用意してあるとのこと。
そして校長の気まぐれで教師陣が出来上がったカレーを頂くこととなったらしい。

我々は多くを望まない。ぶっちゃけまずくてもいい。それがカレーと呼べる代物であるなら

な、なんですか先生、その不吉な言葉は・・・
そういえば補習なのに担当の先生がいないのはどういうことなのだろうか?
もしや朝陽がいない間の調理実習でダウンするような何かがあったとでも・・・!?

じゃあな黒峰っ!あとは託したっ!!

疑問を呈する朝陽に凄くいい笑顔を見せた後、脱兎のごとく去っていく紅本先生。何!?ハメられたのか朝陽!?

一体何があったというのだろうか。
朝陽や藍澤さん、獅穂さんは保健室にいた。ならば調理実習で何が起きたかは知るまい。
となると残るは・・・葉子さん・・・?
そういえばと朝陽は思い返す。藍澤さんを保健室に運んだあと、葉子さんの手料理食べられるチャンスだったのにと嘆いた時のこと。
友人たちは一様に明後日の方向を見て目を合わせないようにしていた。あ、あれはもしや・・・

にっにんにく・・・私・・・近くににんにくあると目がしぱしぱすんねん・・・

たまねぎみたいな効果を受けるんですな。相変わらず弱点の効果が可愛らしい。
とはいえ正体を秘密にしているので実習時はにんにくを遠ざけることもできなかった葉子さん。

だから・・・だからな?あんなえらいもん作ってもたのはにんにくのせいで、私の実力ちゃうねんよ・・・?

い、一体何を作ったというのだ・・・?
というか葉子さん確か自分で弁当作ってきてましたよね?自炊できるんですよね?
なるほど、冒頭で今度こそとにんにくを手に涙していたのはそれが原因だったわけであるか・・・
今回はにんにくもどけておいたし大丈夫。大丈夫・・・?

ふむ・・・なるほど白神葉子。君はこの補習にて名誉挽回をはかりたいのだな。
よかろう。ならば私も微力ながら力を貸そう!!

そう力強く述べる藍澤さん。うむ、ますますまずいことになる気がするのはきっと朝陽だけではありますまい。読者もそうさ!!

とりあえず獅穂さんに葉子さんの腕前の程を尋ねる朝陽。
獅穂さんが言うには下手ではないとのこと。

・・・ただ・・・テンパったり、変なチャレンジ精神を出さなければ・・・ね

あぁ。そういうところありますよね葉子さん。
最初期のクールな感じなんてもう片鱗も見えないぐらいにテンパりやすい子でありますからして。
だが、逆を言えば落ち着いてことにあたれば問題なく終わらせるだけの腕はあるということだ。
仮に何事もなく終われば可愛い女の子二人の手料理を食べられることとなるわけで。これは文字通り美味しい思いができるって話だ。
って二人とこの時点で言うってことは、獅穂さんは全く手伝う気がないってことですな。

んーやっぱり名誉挽回って普通にレシピ通りカレー作っただけやとあかんかな?

いきなり変なチャレンジ精神を出そうとしている葉子さん。げっ!?
始まる前からドキドキハラハラすることになってしまう朝陽と獅穂さんでありました。
実際の所、マイナススタートなのだから普通の作品が出来れば十分名誉挽回にはなると思うのですけどね。
藍澤さんも葉子さんを諭そうとする。

レシピとはいわば指令書だ。一人が作戦を無視すれば皆に迷惑をかける。
・・・背伸びすることはない。自分のペースで自分に出来ることをしっかりやればいいのだ。

そのように述べる藍澤さんは心強くも美しい。葉子さんも素直にうなずき、ほっとする朝陽たち。よかったね。
このまま藍澤さんに任せておけばレシピ通りにしっかりとしたものが出来上がることでありましょう。
と思いきや、宙を舞い飛んで行っている指令書ことカレーのレシピ。
そういえばさっきいいこと言ってる時に風で飛ばされていたぞ!!

っ!!?てっ敵は風っ・・・!?大自然だというのかっ・・・!?

いえ、ただのうっかりが最大の敵だと思います。
ともあれこのレシピは寄る辺なき戦場の道しるべ。ロストすれば隊は路頭に迷うこととなる。
急ぎ回収に向かおうとするが、窓から出たレシピは風に乗りはるか遠くへと去って行ってしまい・・・指令書・・・ロスト・・・

ズーンと落ち込みリタイアする藍澤さん。なんだかやたらと可愛い。
仕方がなく朝陽と獅穂さんに葉子さん。あたふたあたふた。
まあ、リタイアしちゃったものはしょうがないですし、残る3人でやるしかないですわなぁ。
獅穂さんは料理したことがないためか、今まで見たことないような焦りの表情を浮かべておりますけども。

人参を谷間に何本はさめるかはアタシに任せて!?

料理過程にそんな作業はねーよ!!アピールにはなるかもしれないが、過程を見ている審査員はいないしなぁ・・・
というか言っている本人も語尾が疑問形になってるし、変なテンパり方してますな獅穂さん。
ちなみに獅狼の方は無駄に料理がうまいらしい。ほう。
いや料理がうまいのは無駄じゃないけど・・・見た目的に無駄だなぁ・・・このタイミングで変わられても色々と困るし。スカートだし。

ともかく、かろうじて覚えているレシピの記憶をもとに作業を開始する3人。
まあ、ちまちまとした作業は苦手という獅穂さんは早々にリタイアしちゃったみたいですけどね。
なので仕方がなく残った2人で作業をする。おや、なんだかいい感じ。
楽しそうに料理を続ける2人はまるで新婚さんのようである。初々しいのう。そして結構いい感じに仕上がっている様子。

その2人を他所に、集中力の限界で倒れ込む獅穂さんと指令書ロストのショックが抜けきらない藍澤さん。
特に藍澤さんは戦友が戦っているのに落ち込んでいる自分の姿が情けなく思えてさらに落ち込んでいる様子。
そんな時に思い起こされるのは兄の言葉。また兄の言葉か!?
というのはさておき、兄は言う。寄り道したのを怒られながら、指令に、計画にこだわりすぎるのは良くないと。
新たな可能性・・・あくなき向上心すらも否定するのか!?と。

わ・・・私はなんて愚かな・・・ことを・・・友の新たな可能性を・・・

なんだか無駄によくないことを悟ってしまった様子の藍澤さん。
弱った体を無理やり引き起こし、葉子さんへと向けて叫ぶ。

共に追い求めよう・・・新たな可能性を・・・新たな可能性・・・カレーを越えるカレーをっ!!
取り戻すのだ・・・君の名誉をっ!!見せつけてやるのだ・・・君のあくなき向上心をっ!!

こ、ここに来て何を言い出すのだこの人は!!
後は市販のルーを入れて煮込めば完成だというのに。
そこに可能性の扉があるとか言われましても、それきっと開けたらダメな扉ですから!!余計なことはしない方が・・・

てな風に抵抗する朝陽であったが、藍澤さんの言葉を受けて眩しいほどの笑顔を見せる葉子さん

葉子「よーし!いっちょカレー超えたろか!!藍澤さん」
藍澤「あぁ!!そうなると「カレー」ではない新たな名称を考えなくてはな!!」

あぁ・・・これはもうダメですな・・・
途中まではうまく行きそうだったというのにどうしたこうなったのやら・・・
葉子さんも藍澤さんも一人ならなんとかなる暴走度なのかもしれないが、二人そろうともうどうにもならなくなりますなぁ。
ツッコミが2人に増えたくらいではどうにもならないか!!

そろそろ出来上がったころから重い足を引きずりながらやってくる紅本先生。
まあ、カレーなんてそうそう失敗するものではないですしね。市販のルーさえ使ってればそれなりのものになる。
そう、市販のルーさえ使っていれば!!
逆にいうと無駄にチャレンジ精神を使ったらどうなるか・・・
それは椅子に座ったまま燃え尽きた様子の朝陽と机をまたぐように倒れ伏した獅穂さんの姿が物語っている。
そして寸胴を抱えて私が責任を持って平らげると叫ぶ藍澤さん。
その藍澤さんにすがりつき、あれ足してとどめさしたん私やしと押しとどめようとする葉子さん。な、何を入れたんだ・・・!?

恐るべきカレー・ハザードの勃発。
紅本先生は全てを悟ったかのような表情で出前を頼みにいくのであったという・・・

料理というのはよほど難しいものでない限り、レシピに従っていればそれなりのものになるものだ。
まずくするのに必要なのは余計なチャレンジ精神!!アレンジしようと手を加えるのが失敗のもとなのである!!
独自の味付けが必要かと基本が出来ていないのにいろいろやらかして破滅的な味になる。
漫画における料理下手ヒロインの何割かはこの性質を持っている様子。無難が一番なんですよ無難がさ・・・結局のところ。
まあ、この無駄にやる気に満ち溢れているところが葉子さんの可愛さではあるのだが。

どうでもいいが、最後のページの藍澤さんはどこに登っているのだろうか。土足で上がっちゃいけませんよ!!
まあ、その分組み付かれているときのふとももがいい感じに映えていたわけであるが・・・
そういえば見上げる紅本先生もやたらと大きな胸をしておりますな。ふむ・・・

それはさておき。次回は新キャラが出るとのこと
おっ。これは1話のカラーで存在していた角の子が出る流れか?
これは非常に期待が持てますね。朝陽は気苦労が更に増えることになるのは間違いないでしょうが、まあそれも仕方ないことさね!!
可愛い子に囲まれている状態なのですし、我慢してください。



第15話「検証しよう!」  (2013年 24号)


前回カレー・ハザードを引き起こした葉子さん。そのため今回は真っ黒な状態で登場。
というわけではなく、単に日焼け止めを忘れただけな様子。言い訳をしてもバレバレですよ葉子さん。

・・・まぁ実際は日焼けだったら大丈夫なんだよなぁ。白神の秘密って
キバとか羽だったら一目でバレるというか何かおかしいとわかるというか・・・

そのように考える朝陽だが、ちょっと待ってほしい。
日焼けそのものはおかしくないが、見る見るうちに黒くなり、一晩で元に戻るのは明らかにおかしいぞ。朝陽の感覚が狂ってきている!?
だがまあ、そんな状態の朝陽でも一目でおかしいと思える存在がやってきたりするわけですが。

なんか一目でおかしいとわかる人いたー!?

朝陽と葉子さん、並んで驚愕。
そりゃあ学校の廊下を立派な角生やした女の子が歩いていたら驚きますわな。
悪魔のような2本の角を頭の両側から生やし、腕には大量のおかしを抱え込み、食べながら歩く女の子。
確かに一目でおかしいとは思える。1話目のカラーを見る限りピンク髪だしなぁ。目立つ目立つ。

朝陽「しっ・・・白神あの子・・・」
葉子「う、うん・・・めっちゃ可愛いやんな・・・!!ちっこくて

いや、うん。その通りだけどそうじゃない!!ナデナデしたいというのも分かるがそうじゃないでしょ!!

わかっとる。わかっとる。あの角やろ?何なんやろ・・・はー。私のツボかも・・・

そうか、葉子さんは小さくて可愛い子好きでありますのか。いい趣味だ。
朝陽は人外の存在が気になる様子だが、葉子さんはナデナデさせてもらいたいと思って尾行を開始する。何してんの葉子さん。
まあ、この反応を見る限り今回は葉子さんの知り合いというわけではない様子。
それにしてもあんなに隠す気もなく堂々と角を出しているのはどういうことなのか。
まあ、本物とは限りませんけどね。つけ角とか。ファッションの可能性もなくはない。普通はそう考える。だが・・・

あ、あぶなーいっ!!

警告の声と共に飛来する野球のボール。
それがスコッと女の子の角に突き刺さる。
うむ、確かに危なかったな。よかったよかった。もう少しで頭に当たる所だった。
って、あの勢いで飛んできたボールが刺さったのに頭部が揺るぎもしないだと!?
偽物だとしても、頭との接着面は一体どういうこととなっているのか・・・!!
というか、さっきから女の子の周りにカラスが集まってきているんですけども。葉子さんの家の周りにコウモリが集まるかの如く。

非常に・・・非常に疑わしい。
が、狼男の時にうかつに試して痛い目を見たばかりである。ここは慎重に正体を探っていくようにしたい・・・って。

あの・・・頭なでてもええですか?

よ、葉子さん・・・!!何を正面きってお願いしに行っているんだ!?我慢の効かない子であるな、本当に。
まあ、尾行や調査がうまいとも思えない2人だし、正面切って尋ねるのも一つの手かもしれませんね。
いや葉子さんは本当に頭撫でたかっただけなのかもしれないけど。ホクホクしてやがる!!

私?私は紅本茜っていいます。

何、紅本?まさかあの紅本先生の身内だと言いますのか。
先生に角の生えた親族がいるとは・・・もしや先生も人外だったりするというのか・・・?
確かに色付きの名前だし怪しいなとは思っていましたが・・・!!

正直ものすごく本物っぽい角であるが、秘密に関わる部分かもしれないし触れない方がいいかなと考える朝陽。
だがそんなに角ばかり見ていては口に出さずとも触れているようなものではないだろうか。
案の定、茜ちゃんは言い出す。私、黒峰さんが今考えていることわかります。だって・・・みんな私に会ったら聞いてくるんだもの。と。

みんな私に・・・本当に高校生なのかって・・・

ハハァ。確かに幼い感じに見えますものねぇ。
でもまあ、そういう子もいますしさ。読者も葉子さんもそういう子は嫌いじゃないよ。問題ない!!
というか問題はそこじゃねーだろ。見た目で気になるならもっと気になる部分があるでしょ!!

なんでそんなにおかし食べて太らないんだって・・・

いきなりのプチ自慢が始まった!!
こ、これは伝説のいくら食べても太らないタイプ・・・!?
確かに小柄だしなぁ。うん。でもそういう子もいますよね。読者も葉子さんもそういう子は嫌いじゃないはず。問題ない!!
ではなくて!!他にもっと気になることあるでしょ!!葉子さんも何か自然に角のことスルーしてる感じになってるけど!!

葉子「んー・・・あっ。茜ちゃんって牛さん?
茜「えーっと。私寅年ですね」
葉子「そっか!えっと私が丑年やから、茜ちゃん一つ下なんやね」

牛みたいな角しやがってとかそういう話じゃないんかい!!
というか茜ちゃんも牛さん?なんて聞かれ方でよく干支の話だとわかったな!!
学年を聞きたいのは分かるけど、何でそんな遠まわしな聞き方を!!でも、やっぱり年下キャラなんですね。よしよし!!

てな感じで角のことを触れないようにしたいが思わずツッコミを入れてしまう朝陽。
ただでさえアナザルな男なのに、葉子さんがボケまくるおかげで色々と大変だ。
しかし、これまでの会話を見ている感じだと葉子さんは天然だが、茜ちゃんは意識的に角のことを避けて話している感じがする。
と思いきや――

あ。ひょっとして黒峰さん。この角ですか?

そう口にした時の茜ちゃんの様子は何か禍々しいものが垣間見えたように感じられる。
これは、やはり人外のオーラという奴なのか・・・!?
ゆっくりと右手を頭の右の角へと運ぶ茜ちゃん。そして・・・パコっと角を外した

!? !? !? !? !? !?

満面の笑顔でただのファッションですよと語る茜ちゃん。そ、そうだったのか?斬新なファッションですね。
まあ、すっかり慣れきってしまったせいもあるが、そうそう学校に人外が現れることなんてないですよね。白昼堂々と。
やはり慣れ過ぎて感覚がおかしくなっているのだろうか。そう考える朝陽だったが・・・

しっぽがっ・・・!!

立ち去ろうとする茜ちゃんのスカートの下から先の尖ったしっぽがフリフリと出てきている。
しかし一度葉子さんの方を見て振り返った時にはもうなくなっていたりする。

朝陽「しっぽが無いっ!?しっぽが無いんだって白神!!」
葉子「えっ!?いやそら普通ないやろ!?」
朝陽「いやいやそうじゃなくてっ!?」

大混乱な朝陽。そりゃ普通はないですよね。
うーむ。これは仕方がないな。幻覚だったのかどうか、スカートの中を確認するしかないのではなかろうか。
朝陽がやると問題あるなら獅穂さん連れて来よう。あの人なら能動的に確認してくれるはずだ!!

というのはさておき、騒ぐ2人を小悪魔な表情で笑い、立ち去ろうとする茜ちゃん。
やはりからかっておられたんですね。うん、この2人がからかいがいがあるというのは非常に同意できる。

楽しみが増えたと嬉しそうにしている茜ちゃん。が、その目の前に現れたのは身内である紅本先生。

何をこんな所でフラフラされているんですか・・・?

満面の笑顔の紅本先生。む、しかしこの口調は・・・?何かおかしい感じが・・・
なんだかめっちゃしかられている茜ちゃん。角を持って持ち上げられたりしている。とれたらどうするっ!?

紅本先生「はっはっは。しょっちゅうご自分で取り外していらっしゃるではありませんか?」
茜「だから!!あれは幻覚っ!!そう見せてるだけだっつーに!!だいたい人間たぶらかすのは悪魔の本業だろうが!!
紅本先生「うるせぇっ!こっちの身にもなれっ!!ひぃひぃ婆さんにそんな格好されてる身になぁ!!

幻覚。悪魔。そしてひぃひぃ婆さん。
予想通り、この子は悪魔っ子であった。思ったよりも幼い感じであったが、まあそれはいい。
だが一体誰が紅本先生のひぃひぃ婆さんであるなどと思うだろうか・・・!!
まさによもやよもやのロリババァ枠。
悪魔らしく狡猾な感じで楽しそうではあるが・・・これは一体どういう話になるのか・・・!!
というか、こうなると気になるのが紅本先生。先生も人外の血を引いているということなのか?
実は葉子さんのことにもとっくに気付いていたとか?
まあ、葉子さんも人間以外になら正体を知られても問題はないという流れにはなっているわけであるが・・・

とにもかくにもキャラが出そろった感じがありますね。
今後はこの濃い面子で回していくことになるんでしょうが・・・アナザルのツッコミが大変なことになりそうだ。
まあ、倒れないぐらいに元気にやっていってくださいな。もうそれしか言えねぇ!!



第16話「大人になろう!」  (2013年 25号)


婆さんがロリプレイをしていたのが判明した前回
ってまた凄いあらすじだなおい。間違っちゃいないが、もう少し表現が・・・まあいいか。
そういうわけで、場所を移して茜ちゃんの激白。

バレてしまっては仕方ない。そうとも。実は私は、紅本茜は悪魔であり、こやつ・・・紅本明里の高祖母であり、
幾千の時を生きる・・・おまえらクソガキどもの校長先生様なのだぁーっ!!

と、校長室で吠える茜ちゃん。なんと・・・ここで紅本先生の下の名前が判明するとは!!
いや、驚くのはそこじゃないな。校長の椅子に座る茜ちゃんは意外と胸があるとかそういうところに注目すべきですよね。ん?違う?

葉子「・・・茜ちゃん。校長ごっこならよそでやろか!ホンマの校長先生が帰ってきたら怒られるし?」
茜「いやだから私が校長だっつーに!!

まあ、いきなり何千年も生きているうえに校長先生だとか言われてもね。
もう少し見た目に説得力があれば違ったのであろうが・・・!!
だが、見た目はどうあれ長い時を生きた悪魔であるのは変わりない。その力は結構なものがあるのではと予想される。

年配者への言葉には気をつけろ。ガキ臭い吸血鬼風情がっ・・・!!

と凄んで見せる茜ちゃん。迫力はあるし、何かオーラのようなものもでてる。が、それでは鈍い子には通じない。

葉子「コラ!!茜ちゃん。そんな汚い言葉つこてたらおかしあげんよ?それに・・・ほら、私そんな子供っぽくないやろ・・・?」
茜「こっ・・・こら、いじわるするでない!!どうせあとでくれるんだろ!?なっ!?なっ!?」

おかしを取り上げられ高く掲げられ、取り戻そうとぴょんぴょん跳ねる年長の悪魔。
やっている方の葉子さんも大人の行動には見えないので子供が二人いるようにしか見えないぜ!!

というわけで、子供は置いておいて紅本先生に質問する朝陽。
さっき茜ちゃんは吸血鬼と言っていたし、ひょっとして紅本先生も白神の秘密を?

あぁ・・・まぁな。書類だのなんだの手続きもあるしな。まぁこんな事態にならなきゃ黙ってるつもりだったが。
ちなみに私はただの人間だからな?末裔ってだけで悪魔の血は相当薄いそうだ

ふーむ。人間に知られたら家に帰る約束だったとのことだが・・・入る前から少なくとも1人は知られていたということなのか。
しかしこれはさすがに葉子さんに問題があるわけではないし、ノーカウントですよね。
茜ちゃんの話によると藍澤さんや獅穂さんの正体も知っているが、それを承知の上で学校にねじ込んでくれたらしい。
なるほど、やけに人外が同じクラスに集中すると思ったら、一応正体を知る紅本先生のクラスに集めようという配慮があったからか。
これまでも紅本先生は多少のフォローとかしててくれたんでしょうな。よい配慮ですよ茜ちゃん。

なんたって私は大人・・・それも偉大な校長様だからな!!

取り戻したおかしをパクつきながらそう述べる茜ちゃん。
葉子さんがペロペロキャンディーを取り出して見せればそれに食いついてしまう茜ちゃん。
うん。わかったわかった。大人大人。だからお外で遊ぼな?

茜「いっ・・・いや絶対わかっとらんだろ!?あっ・・・明里。おまえも何とか言ってやれ!!」
明里「いや仕方ないでしょう。いきなりこんなちんちくりんに何千歳とか校長だとか言われても

正論を述べる紅本先生。バッサリだなぁ。
そもそも制服を着ている時点で説得力の低下を招いておりますわな。いや、この上なく似合っているとは思うけど。

・・・良かろう。教えてやろうクソガキ。私の偉大さを。まさに赤子の手をひねるようなものだ。

茜ちゃんの魔力によるものなのか震えだす校長室。
ビキビキと壁が軋み、ガラスが割れる。まさか、ここで力を見せるつもりなのか。そんなことしたら――

修理代は校長の給与から天引きさせていただきますので

紅本先生の釘さしを受けて、単に校長室を損壊させただけに終わった茜ちゃん。沈んでる沈んでる。
大した力を持っているのは間違いないのだろうが・・・なんというか・・・精神的な部分がその・・・
さっきのも子供がかんしゃく起こしたとしか思えないとのアナザル評。
沈んでた気分もおかしを与えればよくなるみたいですしね。
きのことたけのこ。漫画内でもこの戦いは発生するのか・・・いや、茜ちゃんの言うようにどちらも捨てがたいということで結論か!?

・・・茜ちゃん。これはな?藍澤さん・・・私の友達が言ってたことやねんけど・・・
「背伸びすることはない」「自分のペースで自分に出来ることをしっかりやればいいのだ」って・・・

ふむ。よいセリフですね。背景の効果もいいので茜ちゃんも思わず乗りかける。
が、突然そんなこと言われましてもどういう意味か分かりません。何だ背伸びって。

えと・・・あんな?茜ちゃん悪魔であんなようわからん力が使えて、それだけで十分すごいんやから。
何千歳とか、そんな嘘つかんでもええと思う

嘘じゃねぇっつってんだろうがっ!!

なんだかどこまで行っても話は平行線な気がしますね。
朝陽の順応性というか認める早さも早いが、葉子さんの認識の遅さはまたこれで遅い。両極端な!!
いや、葉子さんはこの鈍さがあるから朝陽の恋心にも気づかずにいられるわけで、秘匿できているわけで、鈍さは大事大事。
まあ、こういう時は色々と困りますけどね。朝陽も紅本先生もすっかり2人のやりとりを静観する構えに移っている。
貴様のような乳くさいガキには私の気品は理解できまいと茜ちゃんが言えば、葉子さんはそれに対抗しようとする。

葉子「私これでもほら、クールビューディー目指しとるから?」
茜「ぶっ。くーるびゅーてぃー(笑)

おっと笑われてしまった。まあ、登場初期の葉子さんならいざ知らず、今の葉子さんが口にしたってなぁ・・・
まあ、目指す分にはいいかなと思いますよ。目指す分にはね・・・もう少し頑張ってください。

というわけで、どちらが大人っぽいかの対決を即興ですることとなった2人。
大人であることを示すために大人の色気を見せる勝負をすることとなりました。
その内容は、セクシーポーズ!!ポーズとってよりセクシーな方が勝利という内容だ!!
これにはさすがにドキッとする朝陽。それを見て若いっていいなぁと紅本先生。いや、その反応はさすがに枯れすぎじゃないっすか?

よ・・・予期せず白神のセクシーなポーズをっ!?校長先生っ!!ありがとうございま・・・

・・・あれ?こ、これが葉子さんのセクシーポーズでありますか・・・?
実に葉子さんらしいというかなんというか・・・残念さが際立ったポーズだ!!
しかし、真似しようとすると額に当てた左手の構えとかが細かくて難しかったりするという。
こっ、これがクールビューティー・・・!!茜ちゃんも怯んでいます。それでいいんかい。

しかし私とて小娘に負けるワケにもいくまいて。本気を出させてもらおう!!

本気を出してのセクシーポーズ。うむ、ポーズはまあよい。
が、なんだかケバケバしくなりましたよ!?というか、めっちゃ姿変わってますやん!!
というわけで、幻覚使用という明らかな不正があったので葉子さんの勝ちとなりました。やれやれ。
というか、本気でこんな対決を行う時点で大人気ないですよ茜ちゃん。

なっ・・・ならば大人たるもの教養を身につけていてしかるべき。学力で勝負だ!!
私は大人だからな。ハンデで高2の問題にしてやろう!!

しれっと再戦を申し込む大人の茜ちゃん。
というかそれはハンデなのか?葉子さんの問題も高2の内容でしょうし、変わりがないと思うが。
いやまあ、どちらにしろ2人ともノックアウトという結果には変わりないのでどうでもいいんですが。おい校長っ!?
試合申し込んで撃沈する辺り、本当葉子さんといい勝負だよ。
まあ、大人が今から高校の問題を解けと言われても大抵は躓くとは思うが。

というわけで、学力は互角。低い方で。
なので次は大人は簡単に動じないものということで平常心の対決。

例えばえらいもん入っとるシュークリーム食べても顔色一つ変えんもんやと思う・・・!!
朱美さんと秘密裏に共同開発したロシアンシューマークVを食べて平気な顔しとる方の勝ちでどうや!?

水面下で何をしているんだこの人は。
追われているだけではなく普通にみかんと仲良くしてるんですな葉子さん。
というか、それ前に酷い目にあったものでしょうに、何で改良した上に持ち歩いているんだよ!!
あれから修行してたとか言ってるけど何の修行!?それよりもクールビューティーの修行をしていた方が・・・

ともかく、ロシアンシューという単語に怖気づく茜ちゃん。しかし葉子さんの挑発にあっさり乗ったりする茜ちゃん。

茜「良かろう!!命知らずの若造に付き合ってやるのも大人の務めだからのう!!」
葉子「はっはっは・・・現実優しく教えてあげるんも大人の務めやからねぇ〜」

どちらも子供のように意地を張っている。そして同時に愉快な表情になる。なんだこの似た者同士は!!

そんな子供な2人は置いておいて、紅本先生に質問する朝陽。
実際の所茜ちゃんは紅本先生が子供の頃からずっと今の見た目であるという。
ふーむ。何千歳かどうかはともかく、結構な年を経ているのは間違いないようですな。

それよか黒峰。おまえ白神の秘密守ってやってるんだって?おまえみたいなわかりやすいヤツがねぇ・・・

おっと、他の面々の秘密だけでなく、朝陽の秘密も知られてしまっていますか。
ついでに恋心の部分も知られている様子。まあ、これは見ていれば誰でも分かりますよね。葉子さん当人以外には。
それ以外にも茜ちゃんには千里眼が備わっており、校内のことはだいたい把握しているという。
ふむ、本気で凄い能力ではあるが、テストで使おうという発想にはならなかった様子ですな。
いや、大人らしく正々堂々とやろうとした結果なのかもしれないぞ!!大人は汚くないってことだ。うん、やっぱり大人じゃないな!!

・・・まぁなんだ黒峰。白神の秘密守ってやってくれ。下心100%でもいいから。私も自分の生徒が学校辞めるのは嫌だからな。

そのように言ってくれる紅本先生。
うむ、これこそ大人らしい意見でありますな。穏やかな表情も魅力に見えていい感じである。
ある意味苦労者コンビということで仲良くなれたりするのではなかろうか・・・

明里「・・・お互い子守には苦労すると思うが・・・頑張ろうな黒峰・・・」
朝陽「・・・はい・・・ものすごく大変だと思いますが、頑張りましょうね・・・」

ロシアンシューの結果、天井に突き刺さったり壁に張り付いて震えている2人を見て涙が止まらない朝陽たちでしたとさ。

うーむ。前回は茜ちゃんはやり手な方なのかとも思ったのだが・・・葉子さんと同レベルのアホだったとは・・・!!
しかし立ち位置としてはなかなか便利な校長先生である。
そういえば全校集会とかは幻覚の姿で出ていたりするんだろうか?さすがにこの姿で生徒の前には出てくるまい。
そういう公式の場では問題なく過ごせているようだが・・・何故スポットが当たるとこんなにアホになるのか。
もしや朝陽にはアホを加速させる何かがあるのではなかろうか。迷惑な異能だ。

ともあれこれで1話の扉絵で登場したキャラクターは出揃った感じとなりました。
ここからしばらくはこの面子で回していくことになりそうですな。
茜ちゃんのセリフからして校内の人外はとりあえず打ち止めの様子ですし。また転校してこないとも限りませんが。
しかし、黒峰、白神、藍澤、紫々戸、朱美、紅本×2と色が出ているが赤系が有力な感じですなぁ。
個人的にはもう少し青系の名前があってもいいんではないかと思うのだが。
いや別に誰もイメージカラーに従っていたりするわけでもないからどうでもいいといえばどうでもいいんですが。
む、紅本・・・?紅・・・スカーレットデビル・・・?
なるほど。そういうことか。



実は私は 3巻


第17話「お近づきになろう!!」  (2013年 26号)


私の名前は藍澤渚。宇宙人である。

風呂上がりの解放的な気分でベランダに出てくる藍澤さん。
どうやら地球ではアパートを借りて暮らしている様子。高地にありベランダからの夜景が綺麗な場所だ。
入浴後ということもあり、涼しい風が心地よい。
そして葉子さんに教えてもらった地球の文化としてコーヒー牛乳を飲む。もちろんビン&腰に手を当てて、だ。
うむ、素晴らしい文化ですよね。しかし何故中の人だけじゃなく外部ユニットまで同時に飲んでいるのか・・・?

昼食とかどうしているのだろうかと思ったが、ちゃんと中の人と同期して外部ユニットも取っているということか?
意外と電気以外の動力として栄養の摂取が必要とかそういう話があるのかもしれない。
摂取があるのなら排泄もあるとかそういう話になりそうですが・・・どうなのかね藍澤さん!!?

まあ、その話はまた後日としましょう。
藍澤さんも今はそれどころではない。何故なら――

・・・あれ藍澤サン?やっほー。

ふと見れば・・・隣のベランダに獅穂さんの姿があるではないか。ゲー!!隣人は痴女!?
一日の終わりということで中の人が解放感に浸っている時にまさかの知り合い登場。
慌てて中に飛び込んで隠れる中の人でありました。いやあ、完全に油断してましたね。

それにしても藍澤さんと獅穂さん。合わせたら面白そうな2人と思ったがまさかお隣さんになるとは。
まあお互い秘密があって一人で暮らしているわけだし、似たような所に住むようになるのは必然であるか。
それはいいが、何故獅穂さんは半裸でベランダにいるのか。はしたないぞ!!
靴下とパンツははいてるから大丈夫というが、風呂上がりっぽいのに何故靴下をはく・・・?

いやまあ、痴女の行動をいちいちつっこんでいてもキリがない。
誰かに見せているわけでもないのにはしたないことをするから痴女なのだ。恐ろしい。
そういう方面では真面目な藍澤さんとしては動揺しまくりである。
しかし前も獅穂さんの行動で動揺しまくって行動不能になった藍澤さん。ここは冷静に電池残量の確認をしないといけない!!
うむ、予想通り電池切れ間近でした。このままではまた動けなくなる。
というわけで、獅穂さんの部屋にこない?という誘いを拒否して充電を始める藍澤さんでありました。ドタバタ。

まさかの完全拒否に残念そうな顔をする獅穂さん。んー。ひょっとして嫌われてるのかねぇ。と。
ふーむ、気にはしているようですな。まあ、痴女なのは性格なので今更治せないでしょうしね。
それでも仲良くはしたいと考えているようですが・・・どうなりますか。
取りあえず空でも見上げて見ましょう。雲で隠れていたキレイな月が姿を見せておりますわ。・・・しまった。

久しぶりに閃光と共に変身する獅穂さん。
その輝きを見て閃光弾っ!?と勘違いする藍澤さん。らしいといえばらしいが。

し・・・紫々戸獅穂っ・・・まさか何者かに襲われたのか!?
くっ・・・外部ユニットが使えぬこんな時にっ・・・!!
しっ・・・しかし彼女はクラスメイト。いわば戦友を見捨てるワケにはいくまい・・・!!
待っていろ!!今助けに行くぞ・・・紫々戸獅穂っ!!

外部ユニットは充電したまま放置し、中の人だけで隣に乗り込んでいく藍澤さん。
しかしそこで見たのは――変身を終えベランダで靴下と女物の下着をつけて吠える狼男の姿があったわけで・・・

どっ・・・ど変態だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

思わず藍澤さんも濃い顔になって驚愕する。これは仕方がない。
獅狼め。スカート姿になるぐらいはあるかと思ったがまさかいきなりの下着姿披露とは・・・!!
一応人前じゃなくてよかったというべきか。いや、思いっきり1人には見られているわけではあるが。

それはさておき藍澤さん。ど変態がベランダにいるということは獅穂さんが危ないのではと考える。
が、この変態。獅穂さんの名前を口にしているし知人なのかもしれないと考える。
そうすると半裸の女と半裸の男が1つ屋根の下にいるということとなる。それはつまり・・・

ちっ・・・地球の高校生はなんと進んで・・・というよりあの愚か者っ!!そんな部屋に私を招き入れようと・・・!?
バカな!!何を考えているのだあの痴女はっ!!

まあ、そう連想したとしても考え過ぎとは言えませんわなぁ。まさか同一人物とは想像できないでしょうし。
それにそういう相手が本当にいたとしても獅穂さんなら本当に呼びそうであるしなぁ。痴女は怖い!!

ぺちぺちと頭を打ち付けている藍澤さんはさておき、久しぶりに体の主導権を手にした獅狼。
服も着込んで人心地はついた。となれば果たすのはオジキの依頼。
葉子さんが秘密を守れているかを調べて報告するという依頼を果たすために動くこととなる。

・・・これでようやく、これでようやくじっくりと掃除出来るわいっ!!

それよりも散らかり果てた部屋の様子が我慢できなかったらしい獅狼。何しとるねん。
本当に獅穂さんとは違って家事はしっかりとしているんですね獅狼。オカンみたいだ。
葉子さんの親父さんもせっかく人を送り込んだのに全然連絡も入ってこず大変ですなぁ・・・
ってアホを1人送り込んだぐらいではこうなることぐらい予想しておいてくれませんと。
早く第2第3のアホを送り込むのだ!早く!!

それはさておき、藍澤さん。掃除を始めようとする獅狼を見て下着ドロボウであったかと勘違いをする。
部屋の中に入り込み犯行を食い止めようとするが、さすがに動いていると目に留まりますな。虫と思われているようですが。

・・・くっ・・・敵もそう甘くはないか・・・!!
・・・本当にこの判断でいいのか!?自らの秘密を危険にさらして。
兄上も言っていたではないか。時には残酷だが戦友を見捨てなければいけないこともあると・・・!!

相変わらずクズなのにいい言葉を残す兄である。いや藍澤さんがいい風に捉えすぎということか。
だがしかし。葉子さんも朝陽が秘密を守ろうとして傷つく姿を見逃せずにはいた。秘密よりも大切なことは存在する!!

私は戦友の下着を見捨ててまで秘密を守りたいとは思わない!!

うーむ。痴女の下着くらいなら別にいいんじゃないだろうか・・・と思わないでもないのがなんともかんとも。
まあこういう妙なところで一生懸命なのが藍澤さんの魅力でありますしね。もっとやれ!!

死角にまわって銃撃を行うがやはりこれでは威力が足りない。
こうなれば外部ユニットが必要かと一時撤退を行う藍澤さん。充電は不十分だが短時間なら動けるはずである。

サッとベランダから出て自室へと引き返す藍澤さん。
その動きに気づいて視線で追いかける獅狼。
それはつまりベランダの方を向くという事であり、外を見るという事であり、月が出ているわけであり――

しっしまったぁぁぁぁぁぁっ!!

せっかく主導権を手にしたのにろくに動けずに戻ってしまう獅狼でありましたとさ。何してるんだか。

一方の藍澤さん。急いで外部ユニットを起動し、フライパンを持って隣のベランダから移動。
息せき切ってやってきたが、女性下着を身につけた変質者の姿は既になくなっておりました。
その変質者と同じ服着た獅穂さんは部屋にいるけど、さすがに連想はできないかな。
とりあえずその男は私の知り合いだから大丈夫と誤魔化す獅穂さんでありました。

・・・もし何か困ったことがあったならばすぐ私に知らせたまえ。
なにせ隣の部屋だ。友の窮地とあらば、私はいつでも駆けつけるぞ!?

真顔でそのようなことを述べる藍澤さん。これにはむしろ獅穂さんの方が照れてしまう様子。あらあらいい感じ。
そういえば獅穂さんも人間の学校とかは初めてなんじゃないのだろうか。
そう考えれば同性の人間の友達が初めてできたということで、こういう戸惑いに似た嬉しそうな反応も頷けるというものであるかと。
いや、実のところは人間ではなく宇宙人なんですけど、まあそれはそれだ。

なるほど・・・やはり先入観というものは良くないらしい。
正直私はこの紫々戸獅穂に苦手意識を持っていた。だがなんてことはない。こうして話をしてみれば友に・・・

藍澤さんの方もなんだかほっこりした想いを抱いている。
のだが、獅穂さんが友情の証にユニフォーム交換をしようとか言い出すものだから大変である。

獅穂「・・・パンツ交換しよっか!!
藍澤「何を言っとるんだキサマは

くっ。やはり痴女の発想は常人には思いつかないものがある。何でよりによってそれの交換なのか!!
というか本当に好意で言いだしてそうな気がしないでもないのが怖いところである。痴女は怖い!!

というわけで、秘匿系らしくお互いの秘密を守りながらドタバタする2人の様子が描かれた回。意外と珍しい話ですな。
秘密を全部知ってしまっている朝陽が絡んではできないタイプの話ですな。これはこれで面白い。

獅穂さんとしては葉子さんと違って隠さないといけない理由はない。
が、獅穂さんが妖怪であると知れたら葉子さんにも疑いの目がいくのは自然な流れとなるでしょうしねぇ。
まあ藍澤さんは既に葉子さんの秘密を知っているうえに本人も人外だが、獅穂さんはそれを知らないわけで・・・
うむ。ややこしい関係ですね。面白い。ややこしいのに深刻な感じが全くしないのも凄いぜ!!



第18話「泳げるようになろう!」  (2013年 27号)


すっかり季節は夏。
葉子さんの秘密を朝陽が知ったころはまだ春だった。
よく季節が移り変わるまでの間、秘密を守り続けることができたものだと感心する。
それ自体はどうにか上手く行っているが、未だに告白できずにいることは気にかかっている朝陽。
夏なんだしプールに誘ってみたらどうだ?という岡の提案を受けてみることとします。

憧れていたミステリアスな白神とはちょっと(いやかなり)違ったけど。
あの日よりきっと俺は白神のことが好きになっていた

微妙に失礼なモノローグを出しながら葉子さんに声をかける朝陽。
いやまあ、何も間違ってはいませんけどね。単行本を読み返してもミステリアスな場面は本当に少なかったし!!
というか1話の時点でさらばとか言っちゃってるものな。

ともかく、廊下で見かけた葉子さんを堂々と誘う朝陽。
岡の勧めがあったとはいえ、藍澤さんや獅穂さんもいるというのに堂々とした誘いをかけるものだ。微笑ましい。
まあ、2人きりで遊園地に行ったりしているぐらいだし今更プールに誘っても断られることは・・・

ぷ・・・ぷぅる・・・?

思いっきり汗を流しながら首を傾げる葉子さん。なんだ・・・今まで以上に可愛く見えるぞこの場面!!
いや可愛いのはどうでも・・・よくはないが、とりあえずさておこう。今は芳しくない反応の方が重要だ。

んー黒峰クン。葉子は泳げないんだよ。

ああ、なるほどそういう理由でありましたか。
昔から日に当たると灰になるとか水に入れないとか言って水泳から逃げてきたらしい葉子さん。
実際の所は日焼けするだけだし、ちょっとぶるっとくるだけだものなぁ。理由にはなるまい。ぶるっとの度合いにもよるが。

朝陽「だ・・・大丈夫だって白神!!ぶっちゃけ俺もそんな泳げないしっ!!」
葉子「え?そうなん?ならなんでプールなんか・・・あ!!そっか!!練習しにプールってことっ!?」
朝陽「あっ・・・う、ウン・・・ソウダヨ・・・?」
藍澤(にぶいな・・・)
獅穂(ヘタレだなぁ・・・)

応援する側に回っている2人も呆れるしかないやり取り。
まあ何にしても葉子さんはプール行きを承諾してくれました。一安心でありますな。しかし――

せや!!藍澤さん。もし都合が良かったら私と黒峰君に泳ぎ方教えてくれへんかな・・・?
あっ。獅穂も来るやんな?黒峰君ええかな?二人も一緒に。

ナ、ナチュラルに友達同伴という形にされてしまった!!
普通なら二人きりは怖いとかそういう理由での友達同伴なのだが、葉子さんはそういう意識があるわけでもなく・・・
これで本人は恋愛ごとには敏感だとか思っているのだから困る。

ま・・・まぁ二人きりとはいかないか・・・
でもまぁ。白神が楽しそうだから別にいいよな。それにこれで白神とプールに行けるんだから!!

前向きな朝陽である。そもそも考えてみたら可愛い子3人と一緒という流れなわけで、より羨ましい状況になったのではなかろうか?
しかし他の子たちも一緒という話を聞きつけてやってくる親友たち。

おまえばっかしおいしい思いさせてたまるかよ!!

そう吠える嶋。うん、まあ気持ちは分かる。
岡とさくらさんは付き合いとフォローに来てるんだと思うが、嶋は普通に楽しみに来ていそうな感じ。
いやまあ、葉子さんや藍澤さん、獅穂さんの水着姿が見られるとなればそりゃ来ないはずもないわけでして・・・

ありがとうございます!!

さくらさんを除いて過敏な反応を示す男子たち。やー若いっすねー。
しかし藍澤さんは制服の時よりも胸があるような感じに見えるが・・・着やせするタイプなのか?

それはさておき、早速開始される紫々戸獅穂の水泳講座。補佐官は藍澤さん。あれ?今回は指揮官じゃないんだ。
ふむ。獅穂さんに名案があるらしいから任せることにしたと?そ、それは大丈夫なのか・・・?

コツは一つ。簡単さ。とびきり可愛い娘を見つけることだよ。
その娘が泳ぎ出したらその娘のお尻を追いかける!!あとは心が導いてくれるさ

いい顔して何言ってるんだこの人は。今回はそんな勧めに本気で乗っちゃう嶋がいるんだぞ!!
ああ、さっそく警備員に連れて行かれる嶋の姿が!!どんだけ露骨に追いかけたんだよ!!

桜田「・・・貴女痴女っていうより、ただのエロオヤジじゃない?
獅穂「痴女でもありエロオヤジでもあるんだよ

そうですか。そう開き直られてしまってはもう何も言えませんな。
ともかく今のは冗談だからと流して次の講座に行こうとする獅穂さん。冗談で捕まった嶋は・・・まあ、どうでもいいか。嶋だし。

今回は藍澤さんに補佐を頼もうと一緒にプールの中に入る獅穂さん。そして藍澤さんの背後に回り・・・

このように水に入ります。そして水着を脱ぎます。あとは裸を見られないよう必死で泳・・・

脱がしきる前に当然殴り倒される獅穂さん。そりゃそうだ。
無言で殴り続けられて水辺に打ち上げられる獅穂さん。本当この人はフリーダムだなぁ。
ちなみに朝陽の目は葉子さんが隠し、岡の目はさくらさんが隠してくれているので安心である。さくらさんは頼もしいなぁ!!

・・・さて。この度、紫々戸教官は不慮の事故で任を降りられた。私は教官の任を引き継いだ藍澤渚である。よろしく。

ようやく藍澤さんが教える番となりました。
藍澤さんは藍澤さんで不安だが、面白いこと以外考えていない獅穂さんの後だとかなり安心できるから不思議だ。

藍澤「よしっ。では水に慣れる所から。ダルマ浮きから初めようか」
朝陽「あれ?ホントにまともだ・・・
藍澤「君は私をなんだと思っているのだ!?」

そうは言っても前の日光除けの特訓場面とか見ていますとなぁ。
さすがに水泳の訓練ではそこまで突飛なことも出来ないか。溺れると危険ですしね。
と思わせておいて、葉子さんに朝陽とええ感じやねと言われたら真っ赤になって否定しつつ朝陽を沈めたりするわけでして。ゴボ。
そして落ち込む藍澤さん。毎回この子はよく落ち込む!!

次は二人一組で一方が今やったバタ足・・・一方がその手を引いてやればいいと思う・・・

落ち込みながらも指示だけは出してくれる藍澤さん。さすがは教官でありますなぁ。
こういうところで慰めてあげると新しい恋の芽生えもあると思うのだが・・・皆そっとしておいてあげてるのね。

まあともかく、いい感じのムードとなった朝陽と葉子さん。
一緒に頑張ろな・・・?と声をかけられ、初々しくドキドキしている朝陽。

たぶん・・・俺、初めて・・・だよな?こんな風に女の子の手握るのも、あんな風に一緒に頑張ろうなんて言われたのも。

普通にいい感じとなっている2人。微笑ましい。
そんな場面に偶然通りかかったのは、みかん。
おやそのよく似た感じの頭の小さな子たちは・・・弟か!!
なるほどー。外道さんも家では面倒見のいいお姉さんってわけなんですなー。ニヤニヤ。
油断しての偶然の邂逅だったらしく、素でドッキリしたみかんがやけに可愛い。
うーむ、やはりゲスな顔さえしていなければなかなかイケてる子ではあったのか。

そんなみかんが幼馴染の朝陽と葉子さんが仲良くしている姿を見ながら述べる。
ホント、白神さんって朝陽にしちゃ珍しいわよね、と。

んー岡君は中学からの付き合いだしわかると思うけど、朝陽って自分に無いもの持ってる女好きになるじゃない?

ハハァ確かに。アイアンレディやらミステリアス白神やら難しそうな所を攻めたりしてますよね。
実態はどちらもアホの子であったわけだが、まあそれはそれ。

そんな朝陽が・・・ねぇ。
もしかしたらあいつ、初めて憧れとかじゃなくて、恋しちゃってんのかもね

憧れと恋はまた違うということか。深いですな。
恋に憧れる年頃何て言葉もあるが、朝陽も乙女のような純情さを持っていそうだし、そういう面は無きにしもあらずか。
しかしみかんはいい感じの幼馴染ポジションになりつつありますな。いい感じだ。
そんなみかんをからかってみたりする岡。それに対し全裸にして流れるプールに流してやろうかしらと返すみかん。おぉう怖い怖い。

結局閉館間際まで練習していた朝陽と葉子さん。しかしさすがに一日で泳げるようにはなっていない。
ってそれはいいのだが、この発言しているコマで見覚えのあるメガネが浮かんでいるのだが・・・お、岡ーッ!!

まあ、沈んだ岡はさておき。藍澤さんに気絶させらててお尻だけ日焼けしたという獅穂さんもさておき。
葉子さんはこっそりと朝陽に耳打ちをする。

・・・「黒峰君」「今日の夜一人で」「みんなには秘密で」「学校まで来てくれへんかな?」

赤くなりながらそう告げる葉子さん。こ・・・これは一体!?
『Y・G・F』(夜に学校で二人きり)。この誘いは一体どういう罠のアレなのか!?
普通に考えたら期待するなという方が無理な流れであるが・・・
いやまあ、でも学校だしなぁ。そういうことをするなら自宅とかが普通だろうし、む?そういうこととは何だ!?

学校のプールを使って人前では出来ない泳法を披露しようという魂胆だろうか。
いやエロイ意味で人前では出来ないとかいう話ではなく、吸血鬼的な意味でね。
夜のプールなんて普通は利用できないだろうが、校長先生に賄賂(お菓子)でも送れば何とでもなる気がする。
となれば茜ちゃんや紅本先生も水着姿で参戦の水着回後編という流れがあるかもしれないわけか・・・期待したいとこだな!!



第19話「泳げるようになろう!!」  (2013年 28号)


みんなとの楽しいプールの時間を終えた朝陽達。
揃って帰宅、とはならず、急用が出来たからみんな先に帰っておいてくれるかなと言い出す朝陽。

あっ、いや・・・その・・・べべべ別に大した用じゃないんだけど!!あはは!!

怪しさ満点な様子の朝陽。まあ、アナザルに隠し事が出来るはずもないよね。
そしてそれと同レベルに隠し事ができないのが葉子さん。
同じように急用が出来たと5分前に言い出しているおかげでバレバレである。
なんともこの分かりやすさが微笑ましいというか何というか。

というわけで、一人夜の学校に呼び出された朝陽。これはドキドキしますね。
見慣れたはずの通学路も夜というだけでなんだか違って見える。

夜の学校はなんだか少し怖くて。けれど、夜の白神はなんだかいつもよりキレイで、なんだかいつもよりドキドキした

いい雰囲気でありますね。
やはり夜の吸血鬼は幻想的に見えるとかそういう話なんでしょうか。どちらかというとシチュエーション的なトキメキっぽいけど。
なんせ夜の学校で二人で秘密の特訓でありますからねぇ。これはドキドキする。
アオリにも男子妄想の特訓タイム!!とか書かれちゃうわけだ。

夜の学校にどう忍び込むのか。
それには方法がある。葉子さんの母親から聞いていた方法。
ふむ、フェンスに破れ目があってそこを通って行けばいい流れでありますか。
パッと見は狭そうで、葉子さんだと胸が邪魔でつっかえたりしないかと思ったが、意外と広くてそういうイベントはなかった。チッ。

それにしても学校のプールで秘密の特訓とは。
そんなに泳げるようになりたかったのだろうか?
てな風に聞いてみると、葉子さん。
やっぱりちゃんと泳げるようになった方が黒峰君にも藍澤さんにもみんなにもちゃんとありがとうって言えるかなーてと返す。
なるほど。練習を協力してくれたみんなのためにも頑張りたいと思ったわけでありますか。いい子だねぇ、ホント。

というわけで夜の学校のプールに到着。
さっそく服を脱いで水着姿になろうとする葉子さん。よっと。
あ、外で脱ごうとしているけど、ちゃんと下に水着は着てますからね!!
うん。まあ、それは当然なんだろうけど・・・目の前でいきなり脱ぎだされたらねぇ。そりゃ色々とねぇ。うん。
ドキドキする朝陽。でもガン見するというのはどうなんだろうか。
相変わらず自分にウソがつけないというか、正直な男である。

というか、脱ぐ分にはここでいいのかもしれないが、特訓を終えた場合のことはちゃんと考えているのだろうか?
水着の上に服を着るつもりなのか、野外で水着から着替えるつもりなのか・・・気になるな!!

とにもかくにも特訓開始。
息継ぎでキバが見えてしまう葉子さん。人前で泳ぐときはかなり注意しないといけませんな。
って昼間のプールの時は大丈夫だったのだろうか・・・?
まあ、羽は出していなかったし大丈夫か。たぶん。

学校に忍び込む金網の穴は母親から聞いたという葉子さん。
どうやら当時、葉子さんの父親も母親も泳げなかったらしく、こうやって忍び込んで練習していたというそうな。
ふーむ。遊園地の時と同じく、父と母の恋愛コースを辿っているというわけですか。それはそれは。

・・・不思議な感じだ。なんか話を聞けば聞く程、見えてくるみたいで。でもやっぱりどこかおとぎ話みたいで。
かつてこの学校で出会った白神の両親。人間と吸血鬼の秘密の恋物語。

なんとも青春だねぇ。まるで青春ラブコメ物語の設定みたいな感じだ。

一息ついた2人はプールサイドに座り込み、葉子さんは朝陽に感謝の言葉を述べだす。
それは今回の件だけではなく、もっと大きな意味での感謝。

・・・私な?黒峰君に会うまでずっと1人やってん。
秘密バレたら学校辞めなあかんからって。秘密守らなあかんからって。
けどやっぱりさみしかった。「なんでやろ?」「おかんから聞いてたこの学校での生活ってもっと楽しそうやったのに」って。
なんか聞いてた話と違うなーって。だからどっかで私、いつ学校辞めてもええって思ってた
けど、黒峰君と出逢って、藍澤さんや朱美さんとも出逢って、獅穂も転校してきて黒峰君の友達とも会えて。
初めて、秘密守るんも大事やけど、もっと大事なこともあるんかなって

ふむ、意識が変わり始めたわけでありますな。
皆で一緒の空間にいるこの感じもまた青春してる感じでよいですなぁ。
楽しそう。仲良さそう。羨ましいと思えるほどである。

秘密守るだけやと・・・学校辞めんだけやと意味なくて。
ちゃんとみんなと楽しんで、苦手なことも・・・そ・・・その・・・水泳とかも頑張って・・・だからな?その・・・
ホンマにありがとうな。朝陽君
おかげで私、白神葉子は学校が大好きになりました!!

嬉しいことを言ってくれますね。
さらに、初めての下の名前呼び。思わずの発言なのかもしれないが、指摘されて真っ赤になる葉子さん。あらあらニヤニヤ。
今のは言い間違えただけです!!と必死になって叫びだす。
ならばと朝陽も赤くなりながら葉子・・・さん?と下の名前で呼んでみたりなんかしちゃったりして・・・
うむ、お互い真っ赤だ。うわー、なんだこの恥ずかしく甘酸っぱい空間は!!まるで青春ラブコメみたいじゃねーか!!

てな風に2人がプールでよろしくやっているのを覗いている人がいます。
まあ千里眼の持ち主ですし、校内なら茜ちゃんが見ていても何も不思議なことはないですわな。

茜ちゃんはなんだか懐かしいと言う。
まだ校長ではなくこの学校で学級担任をしていた頃のこと。
同じように夜のプールに忍び込み、練習している人間と吸血鬼がいたそうな。
ほほう。茜ちゃんは葉子さんの両親の担任でありましたのか。
2人の仲を見守ってきた人でもあったりするわけですね。それは何とも感慨深いものがありそうだ。
というか、校長になったのは結構最近何ですな。かなり長生きしているというのに・・・

茜ちゃんの学級担任時代というのも気になるが、それはまた別の話。で見たいなぁ。
というのはさておき。
特訓を続ける2人。葉子さんはついに自力で15mを泳ぎきることに成功している。
やあ、どんな目標であれ、達成できた時の嬉しさはかけがえのないものがありますな。
思わず朝陽に飛びついてしまうほどに・・・むう、朝陽め。またむにーとされておるぞ!!
ちょっといい目を見すぎじゃありませんかね?
まあ、それはともかく。茜ちゃんの一言で今回の話は締めとなる。

さて白神・・・今度は一体どんな物語を見せてくれる?
一体どんな、人間と吸血鬼の恋物語を

見ている方としては色々と楽しいですよね。幾千年を生きる悪魔としてもこういう話はやはり飽きないものなのか。

夜の学校に二人きり。
話を持ち掛けられた時はもっとアホっぽいというか、朝陽がガックリするような流れになるかと思った。
しかし蓋を開けてみればアナザル爆発しろってなぐらいにいい雰囲気となった今回。
でも葉子さんが学校を楽しめるようになっているとハッキリわかったのはよかったですなぁ。
これからも仲間に囲まれて楽しく過ごして行ってほしいものであります。

まあ、葉子さんの父親が連れ戻しに来ようとしても、元担任の茜ちゃんがなんとかしてくれそうな気はしますな。
どうせ父親もアホだろうし、なんとでもなる気がしてならないぜ!!



第20話「肝試しに行こう!」  (2013年 29号)


いきなりホラー漫画のような始まり方をする今回。
廃屋で亡くなった女の子の幽霊の噂
ふむ。悪魔や吸血鬼がいるんだし、幽霊ぐらいいてもおかしくはありませんな。楽しみな話である。

というわけで、そんな噂を聞いた葉子さん。校長室で茜ちゃんといつも通りの意地の張り合い。
どうやら幽霊とか怖くないしという話をしているらしい。
お前ら人間からしてみれば同じ化物カテゴリーでしょうに・・・

この偉大なる校長、紅本茜に恐怖などといった感情は無い。キサマと違い夜中一人でトイレに行くなど造作もないこと

なんでそう疑われるようなことを言うかな。
つまり茜ちゃんは夜中一人でトイレに行けないんですね。何千年も生きておいて!!

というわけで、肝試しを行うこととなりました。
幽霊が出るという噂のあるうってつけの廃屋に早速出向く2人と保護者の朝陽&紅本先生の合計4人。
雰囲気のある廃屋についたところで早くも震えだしている2人。
手を合わせて・・・どうする?とか言われても・・・素直にやめておけばいいでしょうに。
そういえば葉子さんはホラーハウスでも怯えまくっていたな。妖怪とオバケは別物なのかー。

茜「だっ黙っておれ小僧ども!!キサマらはどちらがおびえておるか白黒判定すれば良いのだ!!」
朝陽&先生「二人とも真っ黒でしょ

いや全く。入るまでもなく結論付けられてしまう。
だからな、茜ちゃん。悪魔のくせに巫女さんの格好をしだしたりしてもね・・・俺が凄く喜ぶだろうが!!
悪魔のくせに割と似合っている感じだから困る。
そして葉子さんは吸血鬼のくせに十字架を握りしめている。
ハハァ、十字架はイラっとする効果なんだ。相変わらず微妙に効きはするんですね。
しかし今はその効果が恐怖を紛らわせてくれるとかそういう話であるんでしょうな。

てな風に廃屋に入る前から騒がしくしている一行。そんなんだから中の住人に怒られてしまう。

えーと・・・さっきから騒がしいんだけどー?
もう少し時間を考えるべきだと思うんだが。

三角巾をつけて火の玉携えた女の子が出てきました。何ノコノコ出てきてるわけ!?
あまりのことに葉子さんがまた朝陽に抱き付いてむにーとしちゃってるじゃないですか。おのれ。

茜「こっ・・・殺すしかない・・・!!」
朝陽「いやっ!!たぶんもうあの人死んでるから!!」
紅本先生「逃げてください幽霊の人っ!!」
幽霊の人「ひっ・・・ひぃ!?こっ殺されるっ!!

なんだこの大混乱の空間は。幽霊が殺される!とか言っちゃダメでしょ。
何にしてもこんなバカバカしいことで暴れられても困る。
先生がおやつを与えてしずめているうちに廃屋へと逃げ出す朝陽と葉子さん。そして幽霊の人。

肝試しに来たはずなのに幽霊と一緒に悪魔から逃げ出す
ある意味確かに肝は試されるかもしれませんが・・・なんなんだこの状況は!!

まあ、そんな大混乱はあったものの、ひとまず落ち着いたので自己紹介。
幽霊の人の名前は涼さん。幽霊の涼だ、とのこと。
ふむ。やけにはっきりと見える幽霊でありますな。まあ、幽霊も色んなのがいるでしょうしなぁ。
少なくとも日本の幽霊に十字架が効くとは思えませんが、葉子さんはいつまで握りしめているのか。

・・・幽霊って十字架ダメなもんなの・・・?

いや聞かれても。そして思い出したように苦しまれても。
そして効いたからって一気に成仏させにいく葉子さんもなかなか酷い。ポコポコ。

果たして幽霊に普通に触れたりするものなのだろうか。
その疑問から、この人本当に幽霊なのだろうかという考えに至る2人。
まあ火の玉がなければ三角巾して死装束纏ってるだけの女の子でしかないですものね。

疑いの視線を感じたのか、火の玉――人魂を大量に増やして見せる涼さん。
しかし心の中ではこれは遠隔操作型砲台であり、人間には人智を超えた人魂にしか見えないはずとか考えている。
ああ、やはり幽霊ではないんですね。
しかし、それならこっちはさらに人智を超えた連中である。
吸血鬼やら悪魔やら。本来は幽霊を恐れるはずもないような連中でありますからなぁ。
それがエセ幽霊であるならばなおさらである。

どうにか正気に返ったらしい茜ちゃんに制圧させるエセ幽霊。
そして茜ちゃんが言うには涼さんは幽霊ではないがただの人間でもないという。ほう?では一体・・・?
と思ったら、いきなり割れる三角巾。その下に見えるのは・・・ネジ!!ゲェーこ、このネジは・・・

遺憾ながらこの拠点を放棄すると脱出しようとした宇宙人が茜ちゃんに捕まり、摘まみあげられる。
ま、まさかそんな流れだとは・・・しかし驚きはまだ続く。

ぜ・・・全部話します!!機密とかどうでもいいし!!だから放してください!!
えと・・・じっ実は私は・・・いや、実は俺は。
俺、藍澤涼は宇宙人であり、妹、藍澤渚の様子を見に来ただけです!!それだけ!!ホントそれだけ!!だから殺さないで!?

なんとまあ・・・あのよく藍澤さんが口にしている兄貴でありましたか・・・!!
それはなんというか・・・なんというか・・・ガッカリだよ!!
ウェーブのかかったボブカットの幽霊とかどこかで見た気もするが、好きなキャラであったわけで、期待したというのに・・・
文字通り蓋を開けてみたらご覧の有様だよ!!なんてこったい。

しかし、藍澤さんが頑張って守ろうとしている機密も何のそのなんだなぁ。この兄貴。
いや今までの行動からクズな方であるというのは十分承知しておりましたが。
そんなクズな兄でも藍澤さんは尊敬しているんでしょうなぁ・・・騙されやすいがために。

秘匿系の物語で口が軽そうなこの兄の存在は色々と危ない気配がする。
というか、今後も兄は地球に住むのだろうか?
本当に妹の様子を見に来ただけなのかどうかが気になる。地球にギャンブルしに来たとかいう話じゃあるまいな・・・?
それよりも、外見と一致しない外部ユニットでも問題ないということが判明したのが驚きであるな。
藍澤さんも少しは外目をいじることができそうですよ。胸とか。

今後の涼さんの活躍に期待・・・していいのか・・・?



第21話「心配しよう!」  (2013年 30号)


俺の名前は藍澤涼。誇り高き戦士であり、そして宇宙人である

いきなり誰にも信用してもらえそうにない自己紹介を行う藍澤兄。
宇宙人の部分はさておき、誇り高き戦士とかその口で言われましても。

つい先日、母から1年半前より潜入調査を行っている妹、藍澤渚の様子を見に行くよう任を受け、はるばる地球までやってきたのである。
全く・・・出来の悪い妹を持つと兄は苦労するもんだ。地球人に捕まったりしてないか心配だぜ・・・!!

人間相手ではないが、今現在捕まっている人に言われましても。
本当、色々と残念な兄貴である。

まあ要するにてっとり早い潜伏期間として廃屋を選び、人が寄り付かぬよう幽霊に化けていたわけだ。
そして妹の普段の姿を見るため、兄とバレないように外部ユニットを女性型にしたと。

いやーその・・・もちろんそれもありますけど。
これなら堂々と女湯に入っていけると思ったのが一番っスね

確かになんでも喋りますとは言ってたが、そんなどうでもいい情報を語られてもな・・・
いや、女性陣からしてみればどうでもいい情報ではないか。視線が痛いことになっている!!
ていうか、朝陽に話を振るな!!気持ちわかんだろ!?とか言われたら朝陽だと思わず応じてしまうかもしれんじゃないか!!
そうならないためにわざわざ顔を背けていたというのに・・・
しかし、葉子さんに追及される場面はラブい感じがして羨ましくも思えたり。

くくく・・・愚かな地球人どもめ!!
今の俺の失言はそう、いわば時間かせぎだ。あ、決して口がすべったとかじゃなくてね?
すでに妹への救難信号は発信しておいたのだ!!これでじきに妹・・・渚が助けに来てくれるはず・・・!!

まあ、口をすべらしたのはともかく、藍澤さん呼んじゃっていいのかね?
どうやったのか、救難信号をキャッチした茜ちゃんも言っているが、そんな正体晒した姿のままではまずかろうに。
言われてからそれに気付く兄貴は相当にマヌケである。いや知ってたけど。

同胞の救難信号をキャッチして廃屋へと急ぎ駆けつける藍澤さん。
モニターにはSOSの文字が表示され、ニャ〜ニャ〜と警報が鳴り響く。緊張感がないな!!

急いでやってきた藍澤さん。
しかし廃屋に残っていたのは無残な姿を晒す同胞の姿があるのみ。思わず目を逸らす藍澤さん。
いやまあ、顔に落書きをされているだけなんですけどね。
というか、校長参上!!とか書いてあるけど大丈夫なんですかね?
まあ、茜ちゃんは藍澤さんに正体知られても気にはしないでしょうが。

何故か持ち歩いていたアルコールで油性ペンの落書きを消す藍澤さん。何でそんなものを持ち歩いているんだろうか。

それはさておき、藍澤さんによると作戦区域は同胞であっても立ち寄ることはできない規則になっているらしい。
ふーむ。何だか知らないが色々と規則があるんですなぁ。その割に罰則がお尻ぺんぺんだったりとよく分からんが。
実は家族間の取決めを規則と呼んでいるのではなかろうか。いやまさかそんな。

・・・1年半ぶりに会ったが、相変わらずだ。
相変わらず堅物で生意気な俺の妹だ

藍澤さんと同じ猫型のコクピット(柄違い)でため息をつきながらそんなことを言う兄貴。
再会を祝してここは一つ兄として助言をくれてやるかと考えたりする。ふむ。負け惜しみですな。

・・・救難信号に応えてくれたことは感謝する。だが、罠の可能性は考えたか?
そう・・・俺はおまえを試したのだ。あえて窮地に追いやられてな・・・!!

ふむ。見事な負け惜しみである。
しかしその言いようはまさに兄を思い起こさせるものであり、懐かしむような表情を見せる藍澤さん。
うーむ。藍澤さんは何だかんだで兄の助言を事細かく覚えてたりしますからねぇ。
崇拝はさておき、尊敬はしてるんじゃないかとは思える。だが――

助言はありがたくいただこう。しかしだ、先輩に対してその口の利き方はいただけない。以後、気をつけたまえ。

おぉっと!!全く気付いていないようですよ!!
まあ藍澤さんだしなぁ・・・いや、尊敬する兄が女性型ユニットで現れるとはそうそう思いはしないか。
それにしても何と冷たい目!!これがかつてアイアンレディと呼ばれた藍澤さんの真骨頂か!!

少し威圧的に感じたのならばすまない。しかし私も心苦しいが上下関係は明確にせねば組織は機能しないのだ・・・

おっと、これは母星で兄が藍澤さんに述べた言葉ではありませんか。
なるほど。教えを受け継ごうという話ですな。兄から受けた教えを新人である兄に教えてやろうと!!何がなんだか。
いや、適当に教えたことが正当な教えとなって身に降りかかるのだから問題はないのかもしれない。
これぞ全くもっての因果応報である。

翌日。母星での姿であるのか、迷彩ズボンに黒いシャツという出で立ちで並ぶ兄妹。
幽霊の格好じゃないので兄は三角巾ではなくベレー帽となっています。
ふーむ。和服ではわからなかったが、この外部ユニット・・・思ったよりも胸があるな。

ふふ・・・心地よい朝だ。ではさっそく10キロのジョギングから始めようか。

さっそく地球潜伏とは関係ない教えが始まりました!!
いや、これも元を正せば兄の言った言葉が元凶なんですけどね。
毎朝早くに起こされたくない兄は妹に地球への潜入任務のために毎朝10キロ走るように言っていたのだった。
その教えを愚直に守っている藍澤さん。何と素直な・・・

ちなみに外部ユニットと中の人は感覚を共有しているのでちゃんと疲れるらしい。
まあそうでないと色々と不便ですわな。肩を叩かれても気付かないなんて潜入任務では不向きなことこの上ないですし。
しかしそうなると性別の違うユニットに乗った場合、どういう感覚を覚えたりするのだろうか?
いやどの部分がどうとかそういうことが気になるアレなわけじゃないんですけどね?

ともかく、中の人も疲れるので10キロも走ってはいられない。なのでそれっぽいことを言って誤魔化そうとする兄。

・・・先輩。前ばかり見ていては見逃してしまうものもあるのではないでしょうか。
立ち止まってみれば隣に、こんなにも素晴らしい朝焼けがあるというのに・・・!!

我ながらうまいことを言ったと自画自賛する兄。しかし――

ああ・・・この景色が毎朝の辛い鍛錬を支えてくれるのだ・・・!!

そっかー。いいコースですねぇ。ってうまいことかわされてるー!!
まあ、このモードに入った藍澤さんを丸め込むのはなかなか難しいんじゃないかと思えますしね。
しかし全く気付く気配がない妹に、本当に俺のこと尊敬してるのか?と疑問を抱く兄。実はされてなかったんじゃないですかね。

ジョギングの途中でパチンコ屋を発見。
休憩がてら立ち寄ろうとするが当然のように止められる。そりゃそうだ。
なので、もうこの際気付くかどうか試してやろうと以前と全く同じセリフを口にする兄。

涼「パチンコ!それは勝負所、引き際・・・いわば戦局を読む目を養う、この上ない大人の訓練の場なのである!!」
渚「――で?

おっと、冷たい目が再び!!
まあ、そんな言い訳されましてもね。どう考えても引き際をわきまえてない大人でしょうし、この兄は。

しかし、兄かどうかで態度が違うことに何やら責任を感じている様子の涼。
いやまあ、藍澤さんだって別に兄の言う言葉を盲目的に受け入れているわけではないんですよ。
兄上と知り合いならば伝えてくれと前置きをして語り始める藍澤さん。

私も時には兄上の言動をごまかしだと強く感じることはある。
だが一理あると思ったから、私の意志で実行しているつもりだ
それにごまかしだとしても、なんだかんだで自らの発言に責任を持てる。私の兄上はそういう人間だと信じている・・・と。

ははぁ。さすがに藍澤さんも兄のごまかしを全て真に受けていたわけではないんですな。
そんなごまかしの言葉の中でも聞くべき部分を見つける藍澤さん。えらい子である。
大成する人間ってのはこういうことが出来る人なのでありましょうな。藍澤さんもアホの子でさえなければ・・・
まあともかく、藍澤さんの言葉になんだか観念したような様子を見せる兄。

・・・全く。相変わらず堅物で生意気で、可愛い妹だよお前は

小憎らしいと思うこともあるけど、1年半ぶりに会った妹と少しくらい兄として話してもいいだろうと考える涼。
今こそ正体を明かすべきと、実は俺はと語り始める。
が、それを聞かずに昨晩友人から面白い電話があったと言い始める藍澤さん。
その友人――葉子さんは言っていたそうな。

私の兄が女湯に堂々と入るため、わざわざ女性の外部ユニットを――

藍澤さんが言い終える前に反転ダッシュで逃げようとする兄。
なるほどー。気付かないのではなく、気付いた上で走らせていたわけでありますな。
そういえば朝焼けの話をした後の藍澤さんの表情も何かを知っているようなものでありましたな。そういうことかー。

出来の悪い兄を持つと妹は苦労するというお話。
母に連絡して兄に毎朝10キロ走らせるよう言っているが、それで発散できるとは限らないと思いますよ・・・
というか、普通の電話で母星と交信できるのか・・・!?
潜入調査とか言ってるし、侵略的な部分があるのかとも思ったが・・・
これは既に藍澤さんの星の存在は知られているのではなかろうか。ホットラインがあるぐらいには。
まあ、その辺りは深く考えてもしょうがありませんやね。



第22話「男同士の話をしよう!」  (2013年 31号)


いきなり舞台は黒峰家。
父母は健在で、妹がいることが判明する。何、朝陽に妹が!?
ちらりと出てくるだけであるが、今後しっかりと姿を見せることとなるのか・・・気になります。

それはさておき、その妹さんが兄のことを気にかけております。
あんないかつい人と同じ部屋にいて大丈夫かな、と。
もちろんそのいかつい人とは獅狼のこと。ほほう、黒峰家にやってくるとは。葉子さんより先にやってくるとは。むむむ。
しかし菓子折り持参してくる辺りはマメというか何というか。
家族にキバを見せないよう配慮してマスクしたりしてるしなぁ・・・気の回る男だ。

しかし何とも気まずい雰囲気を感じている朝陽。
まあ、獅狼の使命が使命ですからねぇ。
秘密がバレていることが分かったら強制的に連れ戻されることとなる。
それがある以上、あまり親しく接してボロを出してはいけない。アナザルとしては常に緊張が強いられるわけだ。

そろそろはっきりさせとこうやないか。黒峰。キサマが葉子の秘密を知っとるかどうか。
・・・己は嘘は好かん。漢なら正直に答えぃ!!

追い込まれる朝陽。漢らしぃとかに関係なく漏らしてしまうのがアナザルという奴である。
このままでは確信を持たれるのは時間の問題・・・
と思いきや、聞きなれた軽い調子の声が聞こえてくる。

まぁまぁ黒峰クン。こんなバカ狼なんてほっといてさ、アタシとお話しよーよ黒峰クン。

ゲー!!いかつい男の右手から痴女の声が!?
なんだこの奇妙な感じは。というか、一体どこから声を出しているんだ獅穂さん。

獅狼によると、2人は互いにその気になれば脳内で会話出来たりするらしい。
だが2人は互いに違う部分を担当しているというか、何もかも真逆。話した所で噛み合うことはない。
中でも昨日はえらい口論となり、体の主導権をよこせ渡さんと朝まで言い争い。
・・・その結果、現在のように右腕だけが獅穂さんになるという怪現象が発生したそうな。ほほう・・・

まあ、なんというかアレですね。強い意志があれば不思議なことも起きるということだ。凄いね人体。人体?

獅狼と獅穂。確かに性格的に色々とぶつかりそうな2人である。
が、朝まで口論となった一番の焦点は葉子さんのこと。
ふむ。獅穂さんとしては無理に連れて帰るようなことはしたくないでしょうしねぇ。そりゃ揉めるか。

・・・己は間違えとらんぞ。
秘密がバレたら学校やめる。そうオジキと約束したんは葉子じゃ。
約束は守るもんじゃ。その筋を私利私欲で曲げたらアカン
・・・黒峰よ。己は何かおかしなこと言うとるか?

確かに正論ではあるな。約束を守るのは大事なことである。
とはいえ、せっかく学校が大好きになった葉子さんを今このタイミングで連れ戻すというのは・・・悩む朝陽。

んー・・・そんな真剣に考えなくていーよ。黒峰クン。
こいつだってオジキに「葉子連れ帰ったらヨメにくれ」とか、思いっきり私利私欲で動いてるんだから

うぉっと。思いっきりバラされた!!
なるほど。2人が同時に喋ることによってこんな場面が発生することも有り得るんですなぁ。
思い悩んでいたいた朝陽。一気に冷たい目に移行。逆に目を逸らして気まずい様子になる獅狼。
そして月の写真を見て逃げ出す獅狼。お、漢らしくない!!

主導権の入れ替わった2人。
しかし現在の状態だと右手と他の部位との主導権が入れ替わっただけ。
つまり、本来なら眠りにつく獅狼の人格が右手にしっかり残っている。逃げきれていない!!

追い詰めるチャンス。なのだが、体の大半が獅穂さんになったものだから、痴女らしい行動を取り出す獅穂さん。
相変わらず朝陽には積極的なスキンシップを取ってくる人である。
己の体でもあるということで動かせる右手で必死に抵抗する獅狼。

しかし強く思えば体の主導権は色々と入れ替わる。
獅穂さんが獅狼を拳だけに追いやった!!
と思いきや、獅狼。強い意志で股間の主導権を奪取。やらせはせん・・・やらせはせんぞぉぉぉぉぉぉっ!!

なんとも必死ですね。いや当然だとは思うけど。しかしえらいところから声を出しているものである。
それにしても朝陽は獅狼のことをくん付けで呼ぶんですな。ふむ。

とはいえ女の武器は下半身だけでもない。ならばと上で迫ろうとする獅穂さん。葉子には黙っておくからと言いながら。
その言葉を聞いて、鼻血を吹き出し真っ赤になっていた朝陽も言わねばならんことがある様子。

し・・・獅穂さん。
ごっ・・・ごめん。その・・・実は。実は俺っ白神が好きなんですっ!!
だからっだから獅穂さん。そのっ。いやこんな鼻血出しながら言ってもだけど、とっとにかくごめんっ!!

マジメだねぇ朝陽は。
しかし実は俺はと言われてもなぁ。そんなの会った当初からバレバレでありましたっての。
だからこそ獅穂さんの葉子には黙っておくから発言に繋がるわけでありましょうし。
まあでも、獅穂さんが分かっていたとしても、他の確信を持っていなかった人に聞かせる意味はありましたか。

獅狼「・・・おい獅穂。今のを俺に聞かすため、黒峰にせまったんか・・・?」
獅穂「・・・・・・さぁ?」

とぼけた表情ではあるがそういうことなんでしょうね。
お互い葉子さんのことが好きでいることが分かった。ある意味対等な関係になることができたわけだ。
となれば獅狼はどのような態度を取ることになるのか。
男同士話したいことがあるということで再び体の主導権を得る獅狼。

・・・黒峰。すまんが言い訳を聞いてもらえるか・・・?
己はオジキに恩がある。約束のこともオジキに理があると思っとる。
・・・やがの。己は獅穂から葉子が学校楽しんどることを聞いとる。そして何より、己はキサマと同じように葉子にホレとる。
・・・葉子を連れ戻すなんざ憎まれ役。ヨメにもらうくらいの見返りないと割に合わんぞと
・・・まぁ全部言い訳やがの。

なるほどね。私欲満点な発言に見えたが、憎まれることになるのを分かった上での覚悟の発言でありましたか。
獅狼は結構、この作品内でも常識的というか良識的なキャラでありますからなぁ。
そういう気配りもできる男である。いいヤツだ。
だからこそ、今回のこと。朝陽がほぼ確実に葉子さんの秘密を知っていることも見逃そうとする。

・・・黒峰よ。見逃すのはこれきりじゃ。
己は己のやるべきことをやる。だからキサマは嘘をつくならつき通せ

ふむ。やるならトコトンという話ですな。貫き通すのもまた男の道である。

俺は白神が帰らなくていいよう秘密を守って・・・
獅狼くんは秘密がバレたら白神を連れ帰る・・・か。
白神を好きな者同士・・・

憎まれ役を勝って出る獅狼の方がつらい立場となりそうな感じでありますなぁ。
いや、獅狼としても葉子さんの学校生活は簡単に終わらせたくはないと思っているようだからなぁ。
つまり今後は朝陽と一緒になって秘密がバレないように立ち回ってくれるわけか?それはそれは頼もしい。
たぶん朝陽とは別の意味で酷い目にあってくれるんだろうなという意味で頼もしい。
そう、今回のような酷い目に・・・

己らは敵同士。これ以上交わす言葉なんぞないわ。宿敵・・・黒峰よ。また会おう

てな格好のいいことを言っているのにケツ丸出しになっている獅狼。
むしろ格好いいことを言っているので朝陽としても指摘するタイミングが見当たらない。
左腕の主導権を奪った獅穂さんの仕業であるが、なんと酷い・・・!!酷い絵面とオチだ!!

その後、獅狼くんと獅穂さんの間で、部分的に入れ代るのは禁止となったそうな。そりゃーそうだ。

オチはさておき、これで獅狼も動かしやすいキャラとなったのではないでしょうか。
葉子さんを積極的に連れ戻すキャラな感じだったのが、むしろ秘密を守るために協力してくれそうなキャラとなった感じ。
朝陽としても恋敵ではあるが獅狼の筋の通った性格は嫌いではないでしょうしねぇ。
いい関係が築けることに期待したい。
あ、いい関係ってそういう意味じゃないですよ?いくら下半身丸出しで部屋から出ていく男が相手だからってそういう話では・・・

まあ、獅狼も誰にも見られてなくてよかったですよね。見られていたらヤバイことになっていた。
いやまて。ひょっとしたら朝陽の家族。特に妹に見られていたという可能性はなかろうか。
兄の部屋からいかつい男が下半身露出しながら出てきた!しかもピースしとる!!
うん。これは色々と勘違いできるシチュエーションでありますね。
その流れで妹を絡めれば楽しそうなドタバタが起きそうだが・・・果たしてどうなるのか!!

ともかく、獅狼はこれからも今回同様の酷い目が回ってくるのだと思うが・・・強く生きろよ。



第23話「ケーキバイキングに行こう!」  (2013年 32号)


ケーキバイキング!!
その甘美な響きにガタッと音を立てて振り向き、息を荒げる葉子さん。
クールビューティーの欠片も見当たらない行動だが食い気には勝てないということである。
普段からもう欠片も見当たらなくなってるでしょってのは言ってはいけない。

駅前に新しく出来たので良かったらどうかと桜さんが友人たちに声をかけて回っている。
葉子さんも朝陽経由で誘いが来て、そしてこの有様である。
キバのことがあるので人前の食事は躊躇われるのだが・・・躊躇われるのだが・・・!!ブンブン。

ごめんやけど・・・(くー)

フッ。体は正直な反応を示しているみたいですな。
いつも守ってもらってるのだし自分から危ない橋渡るのもどうかと思うという気持ちはある。
あるが、それでも食い気には勝てないという話でもある。
いやしかし、ケーキはお腹を満たすのとは別な嗜好品という印象なのだが・・・別腹が鳴っているのか!?

まあともかく。半泣きになりながら参加表明する葉子さんでありました。ちゃうことあらしません。
そんでもって、ついたらさっそく目を輝かせている葉子さん。ここは天国っ!?まあこうなるのは分かっていた。

秘密のこと考えるとヤバイかなと思ったけど、声かけて良かったな。
秘密守るのも大事だけど、こんな風に少しずつ秘密を知らない相手とでも一緒に笑える白神が増えてけばいいな。

そんな風に考える朝陽。まあ、交友関係が増えていくのはいいことですよね。
特に朝陽の友人たちは気がいい連中が多いし、関わった方が楽しい気はする。
てなわけで今更ながらに自己紹介。
おせっかいの桜田ひねくれ者の岡田二枚目の嶋田。全員自称ではあるが、嶋公・・・

まあ、嶋は放っておいて楽しくお話ししながら一口。
見た感じ普通に手で隠しながら話すことができています。
なるほど。食べながら話すことでいつもより口を隠しているのが自然に思えるって話ですな。
これならバレる心配も・・・他のところであったわ。は、羽が!小さい羽が出てる!!

幸い一番端の席だし向かい側に座る3人には見えていないようだがこれはマズイ。
そういえば葉子さんの家に行ったとき、出してると楽だし意識せず出ちゃうことあるとか言ってたなぁ。
いや、ほんと。よく今まで秘密が維持できたものであるよ・・・

目の前の嶋からメール。何か口では言えない重要な話でもあるのか!?
と思ったら内容は「ここの店員さんのスカート、めっちゃ短くね?」というもの。
うむ。まあ女子のいる前で平然と口にするよりはいいかもしれませんが・・・わざわざメールされてもな。
まあ、これがヒントとなり、ケータイの文字で葉子さんにこっそり羽について知らせる方法を思いつく朝陽。
おかしなメールを葉子さんに見られたと落ち込む嶋には悪いが、ナイスプレーではあったよ嶋公。

羽はどうにかひっこめた。
いつの間にか寄ってきていたコウモリモブラインドを締めることで誤魔化した。いや、誤魔化せているのか?
考えてみるとアパートには思いっきりコウモリが集っているわけだが、周辺住民はどう思っているのだろうか。

それはともかく、受難はまだ続く。
イメージ回復を果たすために十字架型のアクセサリーを葉子さんに送ろうとする嶋。
残念ながら十字架を見るとイラッとするんですよね。葉子さん。イラッ
派手に落ち込む嶋。間が悪いというか運が悪いというか。でもイラッとした葉子さんも可愛いじゃないですか。

続いては岡が何の気なしに取ってきたペペロンチーノ。含まれているのはにんにく。
おっと目がシパシパするぜ。吸血鬼は本当、弱点が多くて大変ですなぁ。まあ、葉子さんにとっては致命的じゃないのばかりだが。
というか、にんにくに関しては特殊なアレルギーであると説明しておいてもいいんじゃなかろうか。

そして最大級の受難はみかんの登場。
どうやらこの店でバイトをしているらしい。おやおや。
ふむ。眼鏡を外しているし、プールで出会った時と同様に可愛い感じであるな。よいよよいよ。

しかしわざわざメガネをかけるみかん。まあそれはいいが、葉子さんを発見したみかんはある報告を行う。

ついさっき完成したのよ・・・ロシアンシューZ(ゼータ)がっ!!

バイト中に何作ってるんだこの子は。
というかそれはさすがにヤバイ。毎回盛大に羽を出しているシロモノじゃないですか。
藍澤さんにバレたのもこれで羽を出しているときだったからなぁ。
これはさすがに放置しておけるものではない。葉子さんが目を輝かせているのが特に危ない。なので・・・

そのシュークリーム、俺が全部食べるっ!!

なんと悲壮な決意を見せる朝陽であることか。
他の2人のやめておいた方がという反応がなんともいえない。
そしてロシアンシューのことを知らずに俺もくれよーと述べる嶋の哀れさが・・・おいしいやつだ。
結局3人揃って例の顔になっちゃうわけでありますが・・・恐ろしい食べ物だなオイ。

そんな3人は放っておき、岡は葉子さんに朝陽に言っておいてよと前置きして告げる。

岡田「もし何か面倒なことになったら、おれらも多少は力貸すって」
桜田「白神さんのためなんでしょ?さっきから朝陽が挙動不審なのって」

わかりやすい朝陽の行動はお見通しな様子。
まあ、さすがにその秘密の部分までは想像が及ばないみたいですけどね。
何かあるってのは丸わかりだろうが、気のいい連中なのでその辺りは追及しないでおいてくれている様子。有難い。

友達だし応援するという2人。
葉子さんもそれを受けて朝陽のことについて思うことを述べる。

頑張らんでええって言っても頑張る困ったさんやけど・・・
そんな困ったさんな黒峰君が・・・その、嫌いやない・・・です

おやおや。そのまま好きですと言ってしまうんじゃないかと思える口ぶりでございますよ。
一応応援しようかと思っていた岡もこれなら付き合うのも時間の問題じゃないかと脱力。しかし――

だから、黒峰君にはちゃんと藍澤さんと幸せになってほしいんです!!

相変わらずフンスと鼻息の荒い葉子さん。
この鈍さと朝陽のヘタレっぷりで絶妙なバランスが成り立っているんですなー。
時間の問題どころか、いつまでたっても決定的なところまでは行きつかない気がするぜ!!

お二人が協力してくれたらそんな長い道のりやないと思うんです!!

いや、凄く長い道のりになる気がします。
桜さんも涙するしかないって話でありますやね。
しかし二人が伝えれば済む話ではあるんですよね。もう朝陽は藍澤さんのことを好いているわけではない、と。
いや好いていないというわけではないから表現には困るな。恋はしていないといえばいいのか?
言ってもきっちり納得してもらえる気がさっぱりしないのはアレですが。

まあ、道のりが長いということはそれだけ長く続くって話なので悪いことでは無い。
曲がりくねった道をつまづきながらゆっくりと歩くといいよ!!
絆ってのはそういうことの積み重ねで深まるものさ。何ていい話風で締めてみたりする。



第24話「メガネを探そう!」  (2013年 33号)


メガネだらけの新聞部の部室に駆け込んでくるみかん。
何やら息切らして探し物をしているようですが・・・?

誰にだって秘密はある。そりゃあまぁあたし、朱美みかんも例外じゃない。
そしてきっと誰だって秘密を守るため、嘘をつくし嘘の表情で仮面をかぶる。
あたしの場合本音を隠すというか、表情を作るスイッチが・・・そのスイッチがメガネだったわけだけど。
メガネが無い――!?

だからって腕で隠してもどうにもなりませんでしょう、みかんさん。
まあ、みかんのメガネは伊達メガネなのでないと見えなくなるということはない。
ただしそのメガネがないと調子が狂うというみかん。

あれが無いと外道スイッチが入らないというか・・・

ふむ・・・何か暗示でもかかっているのですかね?または変身道具か。デュワッ。
そもそも外道にならないのなら見つからなくてもいいんじゃないかなと朝陽。そりゃそうですよねー。

いや、まぁ・・・確かに外道スイッチもあるんだけど・・・その。あのメガネは・・・

何か言いにくそうにするみかん。
ちらりと朝陽を伺ったりしているがこの表情がなんだかむやみやたらと可愛い。猫のような構えも似合っている。
そして突然踵を返し、1人でこれくらい探すと言い出す。

・・・言えるわけないでしょ!?昔あんたにもらったメガネだからとか!!

なるほど。そりゃあ恥ずかしいですわな。
というかそれはそれはまた乙女な話ですな・・・しかしそれが外道スイッチになっているというのはどういうことなのか。

ともかく、部室や教室。果ては部室の真下の草むらを漁るみかん。
そこに姿を現すのは藍澤さん。お、この絡みは珍しいですな。

藍澤渚。告白される前に朝陽をフったいけ好かない自意識過剰女!!
いや実際あの時期朝陽もホレてたみたいだし、自意識過剰ってワケでもないんだけど。

としてもねーと微妙な感情を藍澤さんに抱いているみかん。なるほど。
しかして藍澤さんからみかんへの感情は――

朱美みかん。あの説は世話になったな。
私が黒峰朝陽をフった時、そのことを校内新聞の一面記事にしてくれただろう?

それはそれはなんというか・・・感情が暴走でもしたのかみかん!!
告白される前にフラれたあげくに全校のさらし者にされる朝陽。
よくもまあそんな出来事を短い期間で忘れて次の恋に挑めるものだと無駄に感心する。

ともあれ、悪かったわねぇあの節はと素直に謝罪するみかん。
ふーむ。外道スイッチが入っていないとこうも素直になるものなのか!?
内心でもいけ好かないといいつつ同時にフォローを行ったりといい面が浮かんできちゃってますよ!!

それはさておき、藍澤さんがやってきたのはメガネ探しの手伝いをするためである。
朝陽と葉子さんから事情を聞いたためらしい。ふむ、なんとも人の良い奴らである。
朝陽のこともあり藍澤さんには複雑な気持ちを抱いているが、悪いヤツじゃないとも理解しているみかん。
さてはて今後の2人の関係はどうなりますか・・・
などといっている場合ではない。さらに珍しい絡みとなる人が現れました。紅本茜ちゃん。みかんのメガネをつけて登場だ!!

この3人の組み合わせと言うのはなかなか珍しい。
茜ちゃんは藍澤さんの秘密を知っているが、みかんは知らない。藍澤さんも茜ちゃんの秘密は知らず、知られていることも知らない。
この状況で角付きの少女が現れたらどうなるのか!!
さらりと正体を曝け出しそうになって慌てて戻る藍澤さん。少しは学習したか!いや出来てないからちょっと出てきちゃうのか。

メガネをかけたまま校舎内へと入って行く茜ちゃん。急いで追いかける2人。
茜ちゃんとしては外道クイーンにアイアンレディというからかいがいのある相手を見つけて嬉しそうな様子。
メガネを奪って色々と楽しもうという魂胆ですな。
みかんが大事な贈り物であるメガネを見間違えることはない。確かに茜ちゃんがかけているのは本物だ。しかし――

これでもどれが本物かわかるかの!?

魔力で大量のメガネを生成し、中に放り投げる茜ちゃん。メガネ投げんなよというみかんの地味に冷静なツッコミがよい。
1つ1つデザインの違うメガネ。この中から無事自分のメガネを見つけることができるのだろうか!?

・・・ってあいつ、あたしのメガネかけたままじゃない!!
良かった!!あの角バカっぽいわよ!?

相変わらず魔力は凄いがアホの子である茜ちゃん。
負け惜しみも思いっきり見抜かれている。
だが、これならどうかのと更なる力を披露する。
言葉と共に、教室の中からゾロゾロと同じ姿をした茜ちゃんが登場。そして逃げ去る。わー。

藍澤「!?!?!?同じ顔の人間が大量にっ!?どういうカラクリなのだ!?」
みかん「あっコラ!!ゾロゾロ逃げるな!!」

ゾロゾロ逃げるというのも酷い表現である。
というか分身をいっぱい増やしてもメガネをしているのは1人だけではないか。そんな人数いても意味ないじゃないのっ!!

茜「くくく・・・この私がこの程度のこと思いつかんと・・・(スチャ)」
藍澤「今度は全て同じデザインだとっ・・・!?」
みかん「いや!!絶対あたしに言われて気付いたでしょ!?余計なこと言わなきゃ良かった!!」

アホではあるのだがやはり力は凄い茜ちゃん。アホだけど。
さすがにこの状態だと特定は簡単ではない?全員取り押さえるのはなかなか大変でありますなぁ。
1体ぐらいなら紛れて運び出してもバレないかもしれない。きっと。

くくく・・・外道クイーンだか何だか知らんが、どうやらこの私の方が一枚も二枚も上手のようだなっ。
そう!!この私は全ての道の頂きに立つ者!!外道でさえ・・・

外れた道の頂きに立ってどうするのだろうか。
そんな疑問を抱く前に、今走っている道に大きな障害が現れる。
紅本先生が教室の扉越しに頭を掴んできているー!!あらあら・・・怖い。

上から見てましたが校長。ずいぶんお楽しみのようで・・・!!
一人残らずこの教室に入ってこい。一人残らずすみやかにだ

ズルズルと引きずり込まれる茜ちゃん。
他の茜ちゃんもとぼとぼと肩を落としながら教室へと入って行く。何という寂しい光景か!!
そして紅本先生の手で教室の外に差し出されるみかんのメガネ。
何やら茜ちゃんの最後のセリフが気になるが、ともかく無事に手元に戻ってよかったですね。

どうやら縁日の日に朝陽からもらったおもちゃのメガネであるらしい。
なるほど。このくらいのことなら朝陽が覚えてないのも仕方がないですな。
それぐらいのものであるというのに、無事戻ってきたことに安堵するみかん。えらく可愛くて困る。・・・良かった。

まあ、これで外道スイッチの入るメガネも戻ったことだし、いつもの調子に戻れるんじゃないかと思われる。
が、どこからともなく響く声が述べる。これを機に改心しないと、と。
・・・ん?今の声はどこからしたんだ・・・?
今廊下にはみかんと藍澤さんしかいない。そのどちらの声でもない。
というか、この声、みかんの手の上にあるものから聞こえてきているような・・・

そうですそうです!!実は私は、この度は朱美みかん。あなたを改心させに来ました!!
福の神見習いのフクちゃんです!!

メガネが・・・メガネが喋ったー!!
やる気だけは一人前なんでと自分で述べるフクちゃん。その時点でダメな子な気はするが・・・ともかく驚きの新キャラだよ!!

なるほどなー。茜ちゃんが教室に引きずり込まれる前にこのメガネは!と叫んでたのはこういうことでしたか。
妙なメガネを回収するついでに外道クイーンとアイアンレディにちょっかいかけたくなってしまったと。
藍澤さんはともかく普通の人間であるみかん相手に魔力使い放題なのはどうかと思うが・・・
いや、これでみかんも晴れて秘密持ちの人間となったのかもしれませんがね。

大事な思い出の詰まった大切なメガネが福の神(見習い)となってしまった。
これぞT・Mレボリューション。トーキング・メガネレボリューションだ!!過激で最高。
次回はフクちゃんが厄い暴走をするということだが・・・一体どうなるのか楽しみです。
次回からの3号連続カラー、厄い状態で発進だ!!



第25話「素直になろう!」  (2013年 34号)


大反響!3号連続カラーの第1弾!!
そのアオリと共に描かれる巻頭カラー。
最初のページには懐かしい2人の姿も見えたりしている。おぉ・・・

さて、本編。

何かの気まぐれで朝陽にもらった何の変哲もないおもちゃみたいなメガネ。
だったはずなのだが、いきなり喋り出すメガネ。なんだー!いきなりー!!

ハハァ。どうやらこのメガネ――フクちゃんは付喪神であるらしい。
長い間大事にされた物に神が宿るというアレですな。
確かにおもちゃのメガネが子供の頃からずっとかけられつづけてるわけだし、大事にされてきたのは想像に難くない。
とはいえいきなりこんなこと言われてもねぇ。不気味すぎる。お払いでもしておきたくなる気持ちもわかるさね。

悪霊じゃないっス!!福の神っ福の神っスよ!

見習いじゃないですか。付喪神だからって福を呼べるという道理はございますまいに。
藍澤さんもにわかには信じられない。何か証明する術はないものか?と尋ねる。
その言葉に応え、四つ葉のクローバーや鳩を見せたりするフクちゃん。
ふむ。四つ葉のクローバーは確かに珍しいが・・・ね?とか言われてもな。幸せに浸るには厳しい。特に若者には。

この幸せを理解できないとは・・・みかんさん!!やっぱり心が汚れてるっス!!

酷いことをいうフクちゃん。同じように理解できてない藍澤さんの心も汚れてることになっちゃうじゃないかー。
というのはさておき、昔の心がキレイだった頃を持ち出して改心させようとするフクちゃん。
昔は魔法少女に変身できると信じていたり、サンタさんが困らないように小さい煙突を窓にはさんだりしていたらしい。
ほほう。小さいころのこととはいえ微笑ましい行動でありますなぁ。
フクちゃんに神が宿ったのは最近のことだがメガネの記憶も引き継いでいるので昔のみかんのことも良く知っている。
なのでどういう想いでみかんが朝陽からメガネを受け取ったかも知っているわけで・・・赤面。
うーむ、この赤面するみかんの可愛さはヤバイですな。ヤバイヤバイ。

みかん「捨てる!!余計なこと言われる前に捨てるっ!!」
フクちゃん「しょ・・・正気っスか。一時の感情で思い出のメガネを捨てようなんて!!」

思い出のメガネもここまで変質してしまうとなぁ。
やたらと口が軽かったりするし、放置はしておけますまい。
朝陽のこともバラされそうになったので全力で握って口止めし、藍澤さんに言い訳。してる途中で暴露されたりする。

いやいや昔は言ってたじゃないスか!!朝陽くんのお嫁さんになるんだーって

おやおや、本当に決定的なところまで踏み込んできますな、この福の神は。
恥ずかしすぎて頭打ち付けるところまで来ているのに容赦する様子がない!!
そして何より一向に福をもたらず気配がない!!恐るべし福の神。

しかし・・・そうか。朱美みかん。君も・・・君も黒峰朝陽のことが・・・

てなことを思い、「君も」とはどういうことだと思い直す藍澤さん。複雑な乙女心ですねぇ。

あ、藍澤さん。信じてもらえるかはわかんないけど、ホント違うのよ・・・その・・・
・・・認める・・・朝陽が好きだった時期があったのは認める!!
けど・・・何かあったってワケでもないけど、今は違うのよ。今はもう・・・ただの幼馴染で

そこはよくわからない所ですな。何で身を引き、外道となったのであろうか。
何かあったわけでもないと言っておられますが、本当に何もなかったのかね?
長いこと一緒にいることで、朝陽の好みと自分が一致しないことに思い至ったとかあるのかもしれませんな。

フクちゃん「まだ素直になりませんか!?まだあの頃のあなたに戻ってはくれませんか!?」
みかん「あんたは黙ってなさい!この疫病神!!

ついに疫病神呼ばわりされるようになったフクちゃん。おぉ厄い厄い。
それでも改心させるために全力を出そうとするフクちゃん。愛の力で改心させるといい、朝陽をこの場に呼び寄せる。

このタイミングで朝陽来るとか、あんたマジに疫病神でしょっ!?

そりゃみかんも放り投げたくなるものである。一番本心を知られたくない相手が近づいてくるぞー!!
こうなればもう・・・外道スイッチを入れるしかない!!

解説しよう!!朱美みかんはメガネをかけることによって・・・

プロセス紹介がされそうなモノローグが入るが、それはフクちゃんに妨害される。
もし朝陽くんの前でメガネをかけたら、私が代わりに告白しちゃいますからね!とのこと。何て余計なメガネだ!!
別に今はもう何でもないと言っているのだし放っておいてあげてもいいじゃないですか。

だ・・・だって!!・・・だって本当に好きでもなんでもないなら、メガネなんてなくても向き合えるはずじゃないっスか・・・!!

うーむ。さすがに良く理解しているというべきか。厄介なメガネである。
それはそれとしても、勝手に告白をするとかいうのはどうなのだろうか。
ともかく朝陽には全力で誤魔化す方向でいこうとするみかん。
こんなのどう説明すんのよ!?とのことだが、そのまま説明すれば今の朝陽はすんなり信じると思う。
まあ、ここ最近人外と接しまくりってことをみかんは知らないですし、誤魔化す判断になるのも無理はないか。

さっきまで変な話をしていたから妙に意識しちゃってまともに朝陽の顔を見ることもできないみかん。
限界を感じ、メガネを装着しようとするとフクちゃんが勝手に告白しようとする。ヤバイ。
戦っている・・・!!朱美みかんは懸命に戦っている・・・!!

事情を知る藍澤さん。なんとか援護してやりたいと考える。
相変わらず人がいいというか、戦友は見逃せない子というか。
何とかして二人の気を引こうと考える藍澤さん。小さい本体を出して呼びかける。おーい。
おぉ・・・これは確かに気が引ける。葉子さんい至っては気をとられすぎて羽がでておりますわ!!最近ゆるくない!?

藍澤「なんとか二人の気を朱美みかんからそらさねば
葉子「なんとか朱美さんの気を藍澤さんからそらさんと!!
朝陽「なんとかみかんの気を白神と委員長からそらさないと

各人色々な考えを元に行動する。が、全員一致して変なポーズを決めるというのはどういうことなのか。
気が合っているというか・・・怖いしキモいんだけど!!
藍澤さんの気をそらさせはしたが、気があらぬ方向にという言葉が何ともいえない味がある。

えっ、えっ!?何がどうなってるの藍澤さん。

気を引くどころかキモくて目を逸らされる結果となってしまいました。何してるのやら。
しょうがないので身を呈してみかんと藍澤さんの間に飛び込む葉子さん。口全開でキバを見せながら。
そんな葉子さんのさらに前に飛び込む朝陽。何ともご苦労なことである。

飛び込む朝陽の顔が近く、恥ずかしさの限界に達するみかん。
フクちゃんは相変わらずかけたら告白しちゃいますよと言っている。
ならばとメガネを奪い取る藍澤さん。これでもう大丈夫だ!と一安心。いや、藍澤さん。貴方がメガネをかけると・・・

朝陽くん。実は私は・・・貴方が好きです!!

・・・て。あれっ!?と、誰がかけたかも認識せずに告白を行うフクちゃん。
何という誤爆。しかも朝陽はちょうど正面向き合ってる状態だったりするわけで・・・
こりゃ藍澤さんも全力で赤面するしかない。文字通り耳まで真っ赤になってしまっている!!
ドキドキな流れにつられて葉子さんも赤面してしまっています。ほほう・・・これは・・・

3連続カラーの初回からいきなりぶっこんで来ました。
みかんがヒロインとして注目を浴びる回かと思いきや、まさかの藍澤さん誤爆告白。
応援しているはずの葉子さんもこの展開は自身の気持ちの整理に役立つこととなるかもしれませんな。
うーむ。実に見事にラブコメをしている。楽しみな展開だ!!



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