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名探偵マーニー
file82 〜 最新話


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名探偵マーニー 10巻


file82「2人のメカニック」  (2014年 18号)


file29にて扱われた喫茶店での事件。
凶悪犯メカニックが保釈されたことを知った元特捜の佐賀瀬がメカニック殺害を計画した事件である。
警察は事前にその計画を察知し、阻止するべく私服警官を待機させていた。
これはその時起きていたもう一つの事件

ウエイターに扮しているメカニック。
確かにあの時の現場にメカニックはいた。が、どうやらメカニックも何者かにこの喫茶店に呼ばれていたようだ。
佐賀瀬さんが拳銃を持っていることは既に察している。どうやら佐賀瀬さんとは違う流れでの呼び出しのようだが・・・

メカニックにとっての驚きは喫茶店にマーニーが現れたこと。
ふむ。メカニック――鴻上にとっては命の恩人のお嬢ちゃんという認識がちゃんとありますのね。

マーニー・・・あんな事件に巻き込んでしまったが・・・大きくなって・・・

感慨深げでありますが、妙なことを言ってますな。巻き込んで・・・?
この言い方の謎はすぐに解けることとなります。

鴻上を呼び出したのは夜刀という男。
夜刀は鴻上に昔話を始める。そう、あれは2人の出会いの日。鴻上が夜刀を見つけた日のことである。

オレはあの時ヤク中のコソドロだった。放っておいても野垂れ死にしてただろう。
あの時――オレは人生で一番驚いたよ。オレにそっくりな男がオレを見下ろしていた
なんの感情もない物を見るような目でな。運命の出会いってやつさ。電流が走った。オレは自分の運命に出会ったと知ったよ。
それからお前はオレに食事と住む場所を与えた。
一流の治療。リハビリ。オレに様々な教育を与えた。すべては自分とそっくりの替え玉を作るためだ
楽しかったなあ。金持ちや権力者相手に手品のように相手を惑わせて・・・

そういって実際に2人いることを利用した逃走トリックを使って見せる。
ふーむ。確かにそっくりさんがいるのなら手品のような手法も使えますわな。
しかしこういったメカニックとしての2人の活動もずっと上手く続いていったわけではない。
できるようになってきた夜刀は現場の考えと称して色々と口を出すようになってきた様子。

オレ達はだんだんと意見の対立が増えていった

昔は圧倒的に立場の差があったのだが、自分の替え玉が務まるほどに教育したのが仇となったようですな。皮肉なことだ。
さて、昔話は切り上げて本題に入る夜刀。
出所したばかりの鴻上をこの警官だらけの店に連れてきた理由は一体何か。

早く出所したお前にクギをさそうと思ってね。俺を捕まえるのは不可能だとね・・・
お前は検察にも弁護人にも官僚にもパイプがあるだろう。弱みを握ったりしてな。
捕まった時オレの事を説明した。その証拠も揃えてあるハズだ。
そして上層部の人間での意志決定に二年・・・超法規的措置だ。
オレという狂犬を狩るためお前は解き放たれた。オレを殺しメカニックの名を捨てることでお前は自由になる
早い出所の理由はそんなところが条件なんじゃないか?

大きな事件を起こした凶悪犯なのに刑期が短かったのはそういう取引があったからなのか。本来ならば死刑でもおかしくはない。
メカニックは2人いる。そのことを打ち明け、もう一人の方を仕留めることを条件に早い出所となったと。ふむ・・・

それはそうと夜刀はこの店に五百キロ分の爆弾を仕掛けたという。
周りは警官だらけのこの状況。下手に正体は明かせない状況で爆弾の存在をほのめかされるのは厳しい。それにここには・・・

お前の恩人のあの娘。お前はあの娘を巻き添えにできるか?まだやっと高校に入ったところだろ。
お前の弱点はそこだよ鴻上。悪党を気取るわりには優しすぎるんだ。
だからお前はあの時オレに負けた。お前はあの時選んだんだ。
オレが本物になりお前が偽物になることを。

マーニーが巻き込まれることになったあの事件。
どうやら引き起こしたのは鴻上ではなくこの夜刀の方のメカニックであった様子。
なるほどねぇ。愉快犯とかいうレベルじゃないし、今まで出てきた鴻上とはイメージの違う犯行だとは確かに思っていた。
冒頭で鴻上が述べていたマーニーを巻き込んでという言葉はこれを示していたわけですな。
夜刀はマーニーが鴻上の命の恩人だと承知して巻き込んだわけか・・・

夜刀は店に仕込んだ爆弾の起爆装置について説明する。
音響センサーとなっていてある音階の音で即起爆するのだそうな。
その音とは火薬の破裂音。拳銃を発射すればこの一角はすべて吹き飛ぶとのことである。

オレはもう行くぜ。この店の中は一触即発だ。誰が銃を抜くかわかったもんじゃない。
オレを捕まえるなんて考えは捨てろ。オレの部下はこの場にもいる。
あの娘を殺すのはとても簡単なことだ。お前がオレを追えばすぐにでも殺す
この店のことは好きにしろ。逃げるもよし。爆死を避けたいならな・・・
現に周りの警察も俺に気がつかない・・・加えて肝心のオマエも身動きがとれない・・・
さっきも言ったが俺を捕まえるのは到底無理なことだ。

ふうむ。教育した結果、ずいぶん厄介な奴に育ってしまったようですなぁ。飼い犬に手を噛まれるとはこのことか。
ともかくこの場のことをどうにかしないといけない。
夜刀ならば爆弾はブラフ・・・と見せかけて本当に用意しているだろうと考える鴻上。
さて、どこに隠しているか。そんなことを考えている隙にマーニーに話しかけられてしまう鴻上。こりゃビックリ。

マーニーは鴻上の身のこなしから警察関係者の一人と判断して話しかける。変装してるしさすがに鴻上だとは思わないか。
その勘違いを利用して佐賀瀬さんが拳銃を握っていることを教える鴻上。
拳銃を発砲されれば店の中にいる者たちはただでは済まない。それを防ぐためにも佐賀瀬さんの暴挙を止めないといけない。

もう少ししたら陽動作戦があるんですが・・・メカニックの偽物が現れて佐賀瀬さんの出方を見るっていう・・・
私にちょっと考えがあるんですけど・・・手錠と・・・なにか重しになるような物があれば・・・

重しって・・・あああ、あのダンベル!!
一体どこから取り出したんだと当時思ったものだったが、メカニックが用意したものだったのか!!
元々この店はメカニックの隠れ家の一つであり、今の店長も知らない隠し部屋がいくつもあるのだそうな。
ダンベルはその隠し部屋にあった代物か。さすがに喫茶店にダンベルはないよな。普通。

サンドイッチを給仕しながら手錠に繋がったダンベルを渡す鴻上。マジックみたいなことをしやがる。
このようなサポートもあり、無事に佐賀瀬さんを押さえることに成功するマーニー。
その隙に鴻上は爆弾を見つけ出し解除する。いい働きしてますな。

たいしたもんだよマーニー。また、いつかどこかで――

そう言って去っていく鴻上。
そういえばこの後、店にはメカニックのシンボルマークが残っていたわけだが、あれは鴻上の仕業なんだろうか?給仕してたし。
爆弾でてんやわんやな割にそういうことしちゃう余裕と言うか悪癖みたいなのはあったということなのかどうなのか。

兎にも角にも、今回の話で随分とメカニックと鴻上という存在が大分見えてくるようになりました。
マーニーはあの爆弾事件のことはトラウマになっている。
メカニックといえばそっちのイメージが強いのだろうが、今情報を得ているメカニックは主に鴻上の方ばかりである。
果たしてマーニーは夜刀の方を追い詰めることができるのか・・・
こっちは本物の凶悪犯のようだし、あまり無茶はしない方がいいかもしれませんなぁ。鴻上の活躍に期待したいところだ。
それはそれで逆に人質としてマーニーが利用されることになりそうでアレですが。



file83「あるイベント」  (2014年 19号)


賑わう同人誌即売イベント
この日のために原稿を仕上げた人が、その原稿を買い求める人が駆けつける。
コスプレをしたり見て楽しむ人もいる。
そして元フラワーズなのにすっかり趣味がバレて・・・楽しそうにしている薬師さんの姿がある。生き生きしてるなぁ。

しかしその薬師さんも楽しむイベント会場に悲鳴が響き渡る。
何でもトイレで殺人事件が起きたらしい。ほうそれはまた大事でありますな・・・
だが、翌日もイベントは開催されたりする。
このイベントは企業が開いているのではなく、マンガ・アニメのファンによるファンのためのイベントである。
よって警備や整理のスタッフもファンによるボランディアで成り立っているのだ。
この体制で一日何万にも人が来るイベントを行っている。大変な話でありますなぁ。
まあ大変だからこそ、イベントの中止はなるべく避けたいわけでありますな。

今は表現の規制や何やらで色々と世の中ピリピリしている。
この時期に物騒な事件が続いたらどうなるか・・・関係者としては気が気じゃない話でありましょうなぁ。

というわけで、そのイベントの3日目に薬師さんと一緒に会場を訪れるマーニー。
薬師さんが仕事頼みたいからということでわざわざビッグハイプまでやってきたらしい。ご苦労なことであります。
まあ薬師さんがこのイベントを守るためにマーニーに力を借りたいというのは本当のことですしね。
これは一つマーニーにも頑張ってもらうしかありますまい。猫耳つけて

こうしたイベントでは女の子はこれをつけるのよ。出入り自由になるから

さりげなくとんでもないウソをついてマーニーに猫耳をつける薬師さん。いい仕事をするなぁ。
髪が膨らんでいるせいもあってかマーニーは猫耳が実に似合う。伊達に普段からにゃあにゃあ言ってないって話ですな!!

それはさておき、会場入り。
事件があったトイレはさすがに使用中止になっている。
そして相当な数の警官が警備に当たっており、まさに厳戒態勢と言った感じ。
その中には毛利さんの姿もあったりする。この人も忙しく色んなところに顔を出してますねぇ。
そのおかげでマーニーの隠れた趣味を知ってしまったわけでありますが・・・この猫耳はどうやって動いているんだ!?

毛利さんの話によるとトイレで刺された人は一応死なずに済んだ様子。それは良かった。
しかしこれだけの人がいるのに犯人は誰も目撃していないんですなぁ。ふうむ。

マーニーも警戒態勢を取りつつ薬師さんと色々見て回る。
3日目ということもあり、会場内にはアニメのエロい同人誌なんかが並んだりしている。
プロの絵師さんが注目を浴びてたり、行列が出来たりとにぎやかな会場。
プロも素人もごた混ぜでお金のやり取りをして、企業やらコスプレイヤーやらその写真を撮る連中やらで実にカオスでございます。
オタクな薬師さんに言わせればそれがいいんじゃなーいとのことであるが。ま、まあそういうものかな。うん。
薬師さんが嬉しそうで可愛いのでいいことにしましょう。

そろそろ本格的に調査に入るマーニー。
事件の現場に近い場所にいたディーラーさんに話を聞く。
ふうむ。近くにはいたけど叫び声がするまで気付かなかったのか。
ちなみにこういうイベントの女子便所は混雑するから空いてる男子便所に入る人もいるのだそうな。ほう。
何というか妙な知識が手に入る回でありますなぁ。知ってる人には常識なのかもしれないが。
売れっ子のディーラーは行列が作りやすいように壁際に卓が用意されるとかさ。知ってる人は普通に知ってる内容だ!!

とりあえず刺されたのは売れてる同人作家というのは分かった。にゃるほどね
その格好でそのセリフは受けがよさそうですにゃあ。

そんな風に聞き込みを行っている間に更なる事件が発生する。
今度は人ゴミの中で刺された人が出たようだ。こりゃ怖い。
幸い死んではいないようだが、これ以上イベントを継続するのは危険に思える。
が、真相に近づけそうなので少しだけ中止は待ってもらえるよう頼むマーニー。
今刺された人物と一昨日刺された人物の出展ジャンルを調べると・・・これが同じジャンルだったりする。ほうほう。

ジャンルは「ま・い・し・ば」最近の日常系アニメの最大ヒット作で二次創作が山程でてるらしい。
ふーむ、その手のはやはりエロイのも人気でありましょうなぁ。

まいしばで検索し作品を調べるマーニー。
その中で監督の存在を知る。娘さんを10歳で亡くしているという監督のことを。
ふうむ。「ま・い・し・ば」のヒロインと娘さんが似ていると。
そして被害者の書いていた同人誌はどちらもそのヒロインが鬼畜責めにあるR18ものであったと。
これはなんとなくつながりが見えてきましたね。犯人の予想も・・・

実際「ま・い・し・ば」の監督さんは作品の中でもう一度娘に会いたいと思った様子。
その想いがリアリティを生んだのか、アニメは大ヒット。深夜アニメとしては異例の関連商品や劇場版製作など盛り上がりを見せた。
まるで娘が成功しているようで嬉しかったという監督。だが・・・

わかってる。わかってるんだ。こうなることは。
成功すればこういうものは産まれるし、お前とはなんの関係もない・・・
だが・・・見てしまうと・・・どうしてもゆるせないこともある

気持ちは分からないでもないが・・・見ないのが一番なんでしょうが、見てしまうとやっぱりねぇ。
だからといって凶行に及ぶのを放置するわけにもいかない。
マーニーは監督の柴山さんが会場に来ているのを悟り、「ま・い・し・ば」の出展ブースに現れたところで周囲に呼びかける。
ここに監督の柴山さんが来てます。皆さん拍手を!!と。

会場の人が柴山監督に注目し、その動きを封じる。
その隙に抱えていたカバンを取り上げるマーニー。凶器が入っているのかと思ったら、聞こえてくるのは時計の音。
しかも今開けるなとの柴山監督の言葉。これって爆弾ってことですか・・・!?
そりゃ爆弾に触れるのは初めてじゃないマーニーであるが、さすがにこれは焦る。
毛利さんに柴山監督のことを任せて爆弾を捨てに外へと走るマーニー。そっちこそ警察に任せた方が良さそうだが・・・

実際自分で捨てようとしたのがアダとなる。
外の海に捨てようとしたのだがスタッフに止められてしまった。
表から出るには凄い人の行列の後ろに並ばなければいけない。爆弾抱えてそんな悠長なことしていられるか!!

だあ!(ドス)

スタッフを蹴り倒して外へと出ていくモジャ猫耳ことマーニー。
整理のスタッフも可哀想であるが、まあ爆発してたら可哀想どころの話じゃなかったわけでして。
実際結構危ないところだったみたいですしねぇ。どれだけの量の爆弾を入れていたんだ・・・恐ろしい。

結局柴山監督は警察に自供し、自主と言う形での逮捕となった。
理由を知ったファンは大いに同情。この事件以降は二次創作とはいえあまりヒドイ作風は控えようという動きが出たそうな・・・

うーむ。何というか、非常にあり得るんじゃないかと言う怖さがある話でしたなぁ。
キャラクターは自分の娘と発言してる人もいるわけですし、こういうことが実際に起こりえないとは限らない。
まあ、とはいえ二次創作の流れは柴山監督自身も言っているように生まれてしまうものですからねぇ。
あまりヒドイ作風は控えるぐらいの方向で行くしかないのでしょうか・・・
かなりリアルな問題なのでうまく言及しにくいのが厄介ですなぁ。

とりあえず二次創作系であまりキャラの性格が違いすぎるのはどうかなあと個人的な意見を述べさせていただくに留めておきます。



file84「ケンカの行方」  (2014年 20号)


小さい頃からの付き合いで仲のいいマーニーとゆりかちゃん。
しかし気の置けない仲である故か、時にはケンカすることもある。
まあ、ゆりかちゃんは高校に入ってからはダメ人間度がかなり上がったみたいですからねぇ。昔は本当にいい子っぽかったのに・・・

教室で周りが止められないほどの大ケンカを始める2人。このこのこのこの。
暴れているといえば暴れているのだが何だか可愛い。けど止めるのは大変そうな感じだ。
それにしても凄い髪の荒れ方だな。マーニーは普段あれでもセットしている方だったんだ。

2人のケンカを止めたのは双方共通の友人である波峰ちゃん。
周りの男子が怖がるほどの勢いであっという間に2人の首根っこ引っ掴んで持ち上げて引き離す。いや、これは確かに怖い
うーむ、伊達に誘いに乗った男たちを撃退してきたわけではないってことなのか・・・

ゆりかちゃんはマーニーに仕事を頼もうと思ったが、バカにされたのがケンカの原因だという。
その内容とは鶴間地区の家族構成を調べてほしいというもの。
なるほど。個人情報に関わる依頼ですな。確かにこれはデリケートな問題だ。マーニーが警告するのも分かる。
間違ったことに使わなかったとしても、そういう調査を行っただけで怪しまれる可能性はある。
ましてや鶴間地区は金持ちの町である。そこを調べるとなると・・・確かに気軽な話にはなりえませんな。
マーニーもこれは探偵の倫理の話であると語る。

探偵は依頼だからってなんでもやってはいけないって・・・情報を取得するのには相応の責任があるって・・・
でもゆりかちゃん聞いてくれなくて・・・いいじゃんいいじゃんって。どういうつもりなんだ・・・アイツ。

さすがにいいじゃんいいじゃんでは済まされない。
けれどもゆりかちゃんにだってそういう依頼をしようとした理由は存在する。
その理由とは1人の少女――るりちゃん。
るりちゃんのいる孤児院に手紙が届いたのだが、その中にるりちゃんを捨てた両親の情報が書かれていたという。
住所も氏名もなかったが、文章の中から鶴間地区という言葉があった。
なるほど。その少女のために両親の情報を集めようと思ったわけですな。

鶴間地区のこと調べればわかるだろうと思ったけど・・・マーニーの奴・・・
頭ごなしに私の依頼を疑ってきて・・・ホント腹立つ。

まあマーニーの態度が良くなかったというのもあるんでしょうが・・・そもそもゆりかちゃんは前科があるからなぁ。
普段の行いってのは大事ですよね。本当に。

まあ乗りかかった船だし。私がるりちゃんの親探してあげるから。
経験はないけど、ゆりかちゃんにおまかせよ

マーニーに近い場所で活躍を見てきたゆりかちゃん。決めポーズもバッチリだ。
しかしさすがに本当の探偵業まで真似るのは難しい。
特にマーニーは地味な聞き込み調査とか資料漁りとかを厳密にするタイプの探偵ですからねぇ。
聞き込みをしてもそれらしい情報には簡単に当たらないし、当たっても気づかないことが多い。大変だなぁ。

マーニーは白鳥さんからの依頼を断り、ゆりかちゃんの足跡を追って鶴間地区へとやってくる。
ケンカはお互い尾を引いているようですが、何だかんだで気になるようですなぁ。

ゆりかちゃんが聞き込みを行った人に更なる聞き込みを行う。
その結果、子供を捨てた親の情報を探しているのだと知るマーニー。ふむ。
そしてその聞き込み中に妙なことに気付く。やけに手紙を持って一人でウロウロする子供が多い町であるらしい。ここは。ほう・・・?

子供の一人にその持っている手紙を見せてもらう。
するとその内容はかなり気になる文章。
あなたが今両親と思っている方とは別に本当の両親がいる。赤ん坊の時に病院から盗まれたと書いてあるのだ!!
なんと。では町の中をウロついてる複数の子供達はみんなこんな手紙をもらってたという可能性があるのか・・・?

詳しい話を子供から聞くマーニー。
子供本人以外には誰にも見せないでという注意書きがあり、中は手描き。
見かけてどうしても会いたくなったが会えない。こうした方法を使うしかなかったと書かれていたそうな。
キレイな字で丁寧に書いてあったから子供の方もひょっとしたら本当なのかと思ってしまったようですな。うーむ。

同じような子供達を集めて手紙の内容を確認するマーニー。
呼び出された所は鶴間の病院近く。この手紙ではある図書館とあるが、病院に近いところに建っている様子。
どうやら鶴間地区の一定のエリアに誘われているようですな。

食虫植物のようだ。匂いにつられて近づいた虫はパックリと食べられてしまうのか?

と、ここまで調べたところで気になることがあるマーニー。
子供あてに手紙が届いたとのことだが、親は不審に思わなかったのだろうか。

ああ。塾のダイレクトメールの中に親用と僕宛て用があって、僕宛ての中に入ってたんだ。

なるほど。塾のダイレクトメールで直接子供だけに読めるようにしていたわけか。
まあ秘密だと言っておいても今回のマーニー相手のように漏らす子供はいるわけですがね。
いつかはバレる内容だっただろうが、今回はマーニーがいち早く気付いた様子。さっそく毛利さんに連絡して確認してもらうことに。

さて、手紙の内容から送り主の詳しい位置を割り出そうとするマーニー。
ひとつだけなら分からなくても、複数の情報があれば話は違う。
子供が呼び出された場所。その全てが見渡せる場所となれば特定は容易い。
が、どうやら同じタイミングでゆりかちゃんもこの家を訪れようとしていた様子。
これは単に聞き込みに来ただけなのか、それともこの家の人が両親と確信したのか。るりちゃん連れてるから確信したのかな?

その判断は正しかったのか、呼び鈴を押してでてきた女性はるりちゃんのことを抱きしめる。
本当の名前はゆら。何でもこの女性はひとり身であったのだが、出産した後、赤ん坊のゆらちゃんが消えてしまったのだという。
ううむ、手紙にあった赤ん坊の頃に盗まれたというのは本当の話だったのか。
特徴は目の上のホクロ。生まれた時からあったものだそうな。なるほど、それで女性はこの子が娘であると確信したと。

とりあえず毛利さんが連絡してやってきた警察の人たちに2人のDNA検査を依頼する。
その結果、親子関係は証明されることとなった。
ふうむ。別の親の所で暮らしていたなら面倒なことになったかもしれないが、孤児院にいたのならスムーズに引き取れそうですね。

ゆりかちゃんは公園で知り合った子の話を聞いて、親を探してやろう思ったらしい。
それでマーニーに調べてもらおうとしたのだが、子供のタメとかハズカシイと理由を明確にしなかったばかりにああなったわけですな。
うーむ、最初からそう言ってくれればマーニーも引き受けてくれたでしょうに。お金も請求してこなかったでしょうに。
何にせよゆりかちゃんの普段の行いに問題があるって話ですわな。やっぱり普段の行いは大事だよ!!

それはさておき、残った謎の整理。
何でもあの女性は学習塾のデータ管理とチラシ配送の仕事をしているらしい。ああ、それで。
以前この町に来て、想像上の成長した娘にそっくりな子を見て忘れられなくなり、移り住んでずっと探していた。
疑わしい家に手紙入りのダイレクトメールを送り付けたりとしたそうだ。
うーむ、気持ちはわかるが違っていた家の子にしてみれば衝撃的な内容ですよねぇ。
自分はこの家の子ではないって情報は物語の主人公にありがちですし、拗らせた子が本気にしたら危なかったかもしれない・・・

子供を病院から盗んだ者はわかっていない。衝動的に盗んだが育てきれないと思い孤児院に捨てたようだ。
個人情報を私的利用した罪はまぬがれないが、親子は今ではいっしょに暮らしている。
私とゆりかちゃんのケンカはゆりかちゃんの勝ちだろう。偶然とはいえ彼女は一つの親子を救ったのだ

終わりよければ全てよし。
何だかんだで救われた親子がいたってのは良いことである。他の家庭で問題が起きていないことを祈るとしましょう。
ゆりかちゃんは親から謝礼をとれたかもしれないと考えているようだが・・・いやまあ確かに払ってくれそうではあるが・・・
このぐらいの物欲ならまあ普通ですし、問題は・・・ない。かな?うん。



file85「大人の世界」  (2014年 21+22号)


公園で殺人事件が発生。
被害者は松木茂夫48歳。揉みあった末に刺された様子。一応死んではいないが意識不明の重体だそうな。
警察が駆けつけ調査を行っている。働き者の毛利刑事の姿も当然あります。
しかし集まってきた野次馬の中に、梨花という毛利刑事の知り合いがいたらしく・・・?

その出来事をロイドさんに報告する毛利刑事。
どうやら梨花という女性は三年前に事故で亡くなっているらしい。
なるほど。よく似た女性を勘違いしたのではないかという話ですか。

今でも梨花の顔が浮かぶ。あの時僕がもう少し注意していれば・・・

何やら訳ありの様子ですな。
一方その頃、マーニーとゆりかちゃん、波峰ちゃんの仲良し3人組はその毛利さんのことを話題に盛り上がっている。
毛利さんは休みの日でもスーツ着て、葉巻くわえながらマティーニとか飲んでそうなイメージだそうな。渋いねぇ。

というわけでさマーニー。興が乗ってきたところで。
毛利さんの調査してよ。探偵としての基本の。身辺調査ってやつ。

ふうむ。情報を集めるのはデリケートな話であると前回述べたばかりであるが・・・
まあ、あまりプライベートなところまで踏み込まなければいいのかな。マーニーも興味があるみたいですしねぇ。

というわけでロイドさんに毛利刑事について聞いてみるマーニー。
ふうむ。どうやら毛利刑事には婚約者がいたらしい。名前は今泉梨花。幼馴染だったそうな。
その彼女が事故で行方不明。未だに見つかっていないため、既に亡くなっていると見られているそうな。

アイツはまだ引きずってるみたいだったよ。彼女の幻なんて見たようだからな。
事件があったんだが、その現場で彼女を見たって言うんだ。野次馬の中にまぎれ込んでたって。
すぐに野次馬の中を探したらしいが見つからなかったとか・・・

ふうむ。それは何とも気になる話ですな。本当に幻であったのかどうか。
そんな大きな事件だったのなら記録が残ってるハズと調べ出すマーニー。
三年前にあったのは武器密輸組織と銃撃戦になった事件。こわー。
この時、警察側が組織を一網打尽に。その際手柄が大きかった毛利さんが表彰されている。
それをよく思っていない人間がいたのか、または組織の生き残りがいたのか・・・
その後すぐ梨花さんは行方不明に。崖下から梨花さんの車が発見される。
死体は発見されてないが遺留品は見つかっているそうな。ふうむ、死体は発見されていないねぇ・・・

事件を調べて段々と気になっていくマーニー。
直接毛利刑事に婚約者のことについて聞いたと話、力になりたいと申し出る。

梨花とは幼馴染だったんだが・・・小学校低学年の時、彼女は引っ越した。
再会したのは私が刑事になってからだった。偶然町で会って、見違えるほど美人になっていてね・・・

幼馴染といってもずっと一緒にいたってわけじゃないんですな。
さて、それで殺されたという松木さんについては。

この近所在住の建設会社員だ。この公園をジョギングコースにしていた。
いつものようにジョギングに出て・・・事件に巻き込まれたか・・・
ただ・・・聞き込みした結果、目撃証言が出てきた。
事件当日、松木と思われる男性と30代女性が言い争っているのを見た人間がいる
その目撃された女性の特徴が・・・どうも私が現場近くでみた梨花とよく似ているようでな・・・

おやおや。これは単に毛利刑事が見た幻とかそういう話では収まらなくなってきましたぞ。
その女性が松木さんを襲った犯人だとしたら・・・ふうむ、これはきっちり調査しないとですな。

松木さんは建設会社の人らしく、自分の会社で売っている物件を新築で買ったらしい。
広い敷地であるが、どうやら前は学校だった場所だそうな。この立地だと一億くらいいきそうですなぁ・・・
それだけではなく、一枚数千万はくだらないという武波魁児の作品なんかを所持している様子。
ふーむ、やけに金回りがよかったんですなぁ。そんなに給料良かったのか?このご時勢に・・・

何となく怪しく思えてきた松木さん。
ジョギングコースを調べてみると大した距離を走っているわけではなく、公園の中をウロウロしているだけと分かる。
これはつまり、ジョギングが目的ではなく、公園で誰かと接触していたということかね?

というわけで、それを実証するために松木に変装した人間を作って接触してくる人間を監視する作戦が開始されます。
40代後半でガッチリした体型の人物が変装するには相応しいわけであるが・・・

あ、ちょどいい人いる。パ・・・父だ

人の前なのでパパァとは言わない。毛利刑事が相手なら言ってもよさそうですけどね。

というわけでロイドさんに変装してもらい、怪しい人物と接触してもらう。
ロイドさんも刑事時代に何回も変装した経験はあるだろうし、こういうのはお手の物のはずである。少なくとも女装じゃないしな。

松木さんを襲った動機がわからなかったんですが・・・誰かと会ってたんじゃないかと思ったんですよ。
会うのは危険な相手。大金が動く取り引き・・・

マーニーのその考えの通り、怪しげな人物が接触してきました。
その人物が松木さんに扮したロイドさんに語るのは取り引きのブツについて。
そのブツとは組織特製の高性能爆薬。ここでいう組織とは、どうやら三年前に毛利さんが壊滅させた組織のことであるらしい。

毛利さんが言うには、組織は壊滅させたが扱っていた武器は色々な場所に分散していて完全には押収できなかったらしい。
それを聞いたマーニー。ひとつの可能性に思い至る。隠し場所の一つに学校の裏庭があったとしたら・・・と。

そう考えると話がつながる。
学校に埋めておいた・・・組織がつぶれた後もそれは残っていた・・・
そしてある建設会社の社員がそれを偶然発見する。
それが金になる物だと気づいた社員は・・・届け出ずに隠し持ち、それを金に換えようと模索する・・・

なるほどねぇ。そりゃ金回りもよくなるってものである。
ではそうなると松木が襲われたのは・・・もしかすると武器密輸の組織の連中の仕業ということか?

その疑問を解消するために、今度は毛利刑事が松木に扮してジョギングを行う。
そこで接触してきたのは・・・予想通り武器密輸組織の人間。
そしてそれは毛利刑事にとって忘れられない相手――梨花さんでありました。

さすがに婚約者らしく、男女としての時間を過ごしてきた様子の毛利刑事と梨花さん。皮肉な再会でありますな。
いや、どうやら梨花さんが毛利刑事とそういう仲になったのには思惑があった様子。

君と再会した時期と組織の活発化してきた時期の一致
警察の先手を取った活動。まさかあるまいと思ってたが念のため情報を整理してみた・・・本当に君が情報をリークしていたのか。
組織の壊滅に成功した後すぐ君も消えてしまった。組織の復讐も疑ったが擬装わけか・・・

何とも悲しい話である。
しかし梨花さんが本当に毛利刑事のことを何とも思っていなかったかというとそうではないようで・・・
まあ、だからこそより悲しい話になるわけですがね。

梨花さんを取り押さえる毛利刑事。これで本当のさよならとなったわけですな。
死なせてしまったのではと思い悩むことはなくなっただろうが、これはこれで悲恋ですなぁ。

大人の世界はほろ苦い。マーニーたちにはまだ早いということでありますな。
しかしまさか毛利刑事がそのような経験をしていたとはなぁ・・・
何だかちょっと微妙な気持ちだ。安心してマーニーを任せられなくなったようなよく分からない微妙な気持ちだ!!



file86「不思議の国のアリア」  (2014年 23号)


暗い暗い森の奥に迷い込んだ少女に迫る怪物の影。
うさぎの後でも追って迷い込んでしまいましたかねアリアさん。
それは単なる夢であるようだが、どうにも胸の奥のざわめいた感じは取れないようで・・・ふうむ。

さて、マーニーはこれまでのメカニックの情報を整理し始めている。
メカニックのマークがあった鴻上の日記。
アリアさんから依頼され、鴻上という男を探している過程で手に入れた日記。そして内容からメカニックは二人いるとわかった。
鴻上有とその影武者。二人はとても良く似ており、影武者は邪悪な人間であるらしい。

どちらかはわからないけど・・・アリアさんもメカニックとつながりがあるのか?

ようやくそこに思い至るマーニー。
アリアさんは女優であり実業家。モデルから成り上がり、事業展開、番組制作、プロデューサーも兼ねる。
この成功の裏にメカニックがいたとしたら。そう考えるのも無理はない話か。

メカニックを探るためにはアリアさんを張るのが一番と気付いたマーニー。
とはいえ芸能人でもあるセレブなアリアさんを張るといっても簡単ではない。そこらをウロついてるわけでもないしね。ハハーン。
急ぐことはないし、じっくり調べようかと考えるマーニー。
しかし、逆に向こうからマーニーを発見して声をかけてきたりする。気さくなセレブですなアリアさん。

セレブの通うカフェはやはり値段も違う。
初めてではないとはいえ、やはり気圧されますなぁ。目に見える値段で示されるとやはり違う世界の人だと思わせられますよ。

お茶をしながらアリアさんはマーニーに忠告をする。人の日記を覗くようなことすると思わぬケガをするかもしれない、と。ギク。

闇はどこにでもある。一度目を付けられたらもう逃げることはできない。
アナタは見張るのは得意でも、見張られるのは慣れていないでしょう

ふむ。これは有用な警告でありますな。実際邪悪な方のメカニックは鴻上に対する備えとして目を付けているようですし・・・
この警告を聞いて少し警戒をしだすマーニー。
まさかこのウエイターがメカニックとかないよなとか考える。惜しいな。それは別の事件での話だ!!

それはそうと、アリアさんはいきなり夢の話を始める。
10歳の頃から良く同じ悪夢を見ており、しばらくは見なかったのだがまた最近見るようになったとのこと。

夢の中で私はいつも10歳のままで、奇妙な森の中に居るの。
私は森が怖くてなんとか出ようと歩き回るんだけど、出口がわからないの。
とうとう疲れて座り込んでしまう。そこに・・・一匹の怪物が現れるのよ

怪物は森の外に出たいと述べる幼いアリアさんにこう述べる。この森に出口はない。この森は「世界」なんだよ、と。

この森はウソと暴力と幻であふれている。しかし生き残り方を学べばこの森も悪い所じゃないとわかるよ。

裏社会を駆けまわっている男らしいセリフですかな。
その怪物はアリアさんに色々と教えてあげようと近づく。
が、落ち着いた感じの怪物が突然ケモノ臭い様子へと変じる。ほう・・・

その森には怪物が二匹いるのよ。その二匹の怪物はそっくりで見分けがつかない。
一匹は思慮深くやさしい叡智のケモノ。もう一匹は凶悪で頭も良い邪悪の化身
そのケモノの手をとればもう逃げることはできない。私にはそれがわかる。

それを理解しているアリアさん。警戒はしているし、手を取るつもりはない。
のだが、いつの間にか怪物たちと一緒に遊ぶことになっているアリアさん。飛ぶように自由に森を駆けまわって・・・

そして私は迷子の子を見つける
今度は私の番なのだ。迷える少女に手をさしのべる・・・

ふうむ。この夢は10歳の頃からずっと見ていた内容なのだろうか。
それとも最近見るようになった内容なのか、マーニーへの警告を込めて付け足しただけなのか・・・
何にしてもマーニーにこのことを語るのは意味があるようですな。
選択一つでアナタはすべての苦労から解き放たれ、強い存在になれる。アリアさんはそう語る。しかし――

私は・・・怪物の力を借りてまで強くなりたくはないです・・・

ハッキリとメカニックの手を取ることに対して拒絶の意思を示すマーニー。
ふーむ。アリアさんとしては複雑な心境でありましょうな。
自分は今でも怪物から逃げる10歳の子供のままであった。
いつの間にか怪物の手をとり、怪物と一緒に駆け回る強さを手に入れた。けれどもそれはやはり怪物の手の中のことであり・・・

そのような想いを抱いたのかどうか。
突然アリアさんが血を吐く。な、何だ!?
何だかは分からないが、とにかく急いで救急車を呼び、病院へと搬送される。大変なことになりましたなか。
急ぎ手術に入る。病院まで付き添いに来ていたマーニーだが、やがて待ち疲れて眠りにつくと・・・夢を見ることとなった。

アリアさんが話していたような森の中を彷徨うマーニー。
そこで話しかけてくるのは一匹の怪物。その怪物は優しそうな様子で謝罪を口にする。

大丈夫だ。あれは死ぬほどの毒じゃない。
君にはすまないことをしてしまった。アリアには君のことを見守ってくれと頼んだだけだが、奴はそれを逆に利用してきた。
アリアは君を助けたんだ・・・君のと自分の紅茶をコッソリすり替えたのに気付かなかったか?
アリアは選択を迫られていた。
「奴」は私への牽制をこめて君に毒を飲ませろと命令した。実行しなければ裏切ったとみなし、殺すとアリアを脅していた。
アリアは私の側につくか「奴」の側につくか悩んだ末・・・ギリギリで「奴」を裏切る選択をした・・・
殺されたり私の足手まといになるくらいならと、自ら毒を入れた紅茶を飲んだんだ

うーむ。アリアさんもまたメカニックに翻弄される人生を歩んでおりますなぁ。大変だ。
そして怪物はマーニーにこう告げる。

もう戦争は始まっているんだ。君を巻き込みたくなかったが引き返せないところまで来ている。
君の周りの人間をキズつけてしまうかもしれない。そうならないためにも、君にも戦ってほしい
強くなるんだマーニー。自分を守れるほどに。奴の目は君のすぐそばにもある。気を抜いてはいけない。
それじゃあまた。また会いにくるよ。きっと・・・

そう言って怪物は消えていく。そして目覚めるマーニー。
夢の中の出来事だったのだが、目覚めても会話の内容はしっかり覚えているようだ。ふむ・・・

アリアさんの手術は成功。
まだ予断は許さないものの、徐々に回復する見込みとのことである。良かった良かった。

ちなみに手術が終わったときに、眠っているマーニーの傍で何か語り掛けている看護士の姿があったらしい。
なるほど。鴻上が話しかけることであんな夢を見たわけでありますか。
その事実に気付いたマーニー。夢の話について考える。自分が死んだり仲間になったりになんの意味があるのか・・・

私は人質なんだ。鴻上はもう一人のメカニックを倒そうとしている。
もう一方はそれをさせまいと私の命を人質にとっているのか・・・

ついにその事実に気付いてしまったマーニー。
メカニックを追うつもりが、逆にメカニックに常に見張られる形となっていたとは。
複雑な3者の関係性。邪悪なメカニックさえいなくなれば良好な関係は築けるかもしれませんが・・・

どうもメカニックとの対決も佳境に入ってきた感じでありますな。
鴻上はマーニーに戦ってほしいと言っている。
さてさて、どのような戦いが出来るというのだろうか。
人脈はかなりのものになってきているが・・・それでもメカニックの持つ強大な人脈と対抗できるかどうかは分からない。
厄介な戦いとなりそうですなぁ。



file87「あの日」  (2014年 24号)


今回もメカニック絡みのお話。
前回アリアさんと話をしたことでメカニックが2人いることは確信できた。
更にその2人が争っていることもハッキリした。
となると、昔マーニーがメカニックに誘拐され、人質として大規模な爆弾事件に巻き込まれた意味も違ってくる。
あれは警察に対する見せしめではなく、鴻上に対しての、もう1人の邪悪なメカニックが仕組んだ行動だったと推測できるわけだ。

喫茶店で考え事をしているマーニー。
店員が運んできたコーヒーを飲むと、そのコーヒーが置かれていた皿にはメカニックのマークが。
うーむ、相変わらず神出鬼没でありますなぁ。熱反応によるものなのか、自動で消えるようになっているのがらしい感じだ。

メッセージの内容は店を出て木谷町のネットカフェに行けというもの。
ふむ。ここは誘いに乗るのもいいかもしれませんな。

指定のネットカフェの指定の席へと向かうマーニー。マッサージチェアだー。嬉しいのか?
というのはさておき、個室に入ると隣からマーニーに話しかけてくる人物がいる。これは・・・鴻上か?

君と会うのは危険だからこういう形をとった・・・奴に気付かれないよう動くのは大変なんだ。
君にもう一人のメカニックの情報をね。彼の名は夜刀。今、メカニックと呼ばれるのは奴だ

鴻上が捕まっている間はメカニックの名前は使えなかったはず。
と思いきや、表に出なくなっただけで夜刀は活動していたらしい。
より陰湿に、用心深く。組織も鴻上の時より拡大しているとのこと。

それに頭を悩ましていた警察上層部はオレを出所させる決定をしたんだ。
元々はオレが身替りが必要なことが多くてね。ある男を拾い、身替りとして教育することにしたことから始まったんだ。
奴は優秀で、オレが教えたことをスポンジのように吸収した。
そのうち奴は役に入れ込み、メカニックという名に異常な誇りを持つようになっていった。
だんだんとアイツの目には何の感情も見えなくなった。

昔は浮浪者のようだった夜刀。
鴻上に拾われ、メカニックとしての生き方を身につけるうち、過去のことを忘れ去ってしまったのだという。

自分を捨ててしまったんだ。
自分の過去の捨てた部分をメカニックで満たした。奴にとってのメカニックとはオレより強大で凶悪な怪物だ

鴻上にしてみればそれは世間を騒がす際の隠れ蓑的な名前に過ぎない。
しかし夜刀にしてみれば、まさにメカニックと言う存在そのものが自身であると考えられる。
うーむ、対立する未来は決まっていたようなものですか。
鴻上もそれには気付いていたので、いずれ金を渡してクビにし、世間にもどすつもりだったそうな。

だが、間庭家での宝探しの依頼で、宝を見つけた鴻上は襲われて山に埋められてしまった。
その時、夜刀は怒り狂ったらしい。

奴の中で絶対だったメカニックの名が穢された。奴は許せなかったんだ。そして殺戮へ・・・

なるほど。それならば鴻上が入院してても手を下す人がいるはずですわな。
その時一緒に鴻上と埋められていたはずの女性はどうなったんだろうか・・・

ともかく、その一件以来、2人の衝突は頻度を増してきている様子。
夜刀を危険視した鴻上は2人のメカニックという関係を終わらせるべく、夜刀を警察に引き渡そうとする。
警察で全てをバラしたとしてもそれは仕方がない。抵抗するならば自らの手でと覚悟を決めて・・・

そんな覚悟を決めた鴻上だったが、機先を制して動いたのは夜刀の方。
夜刀は鴻上の振りをしてマーニーに接近する。なるほど、あの爆弾事件の話でありますな・・・

マーニーだけではなく、夜刀は多数の児童を誘拐している。
マーニー以外の狙われた子供は皆金持ちの家の子供なかり。
普通に考えれば身代金目当てであるが、そこは史上最悪の愉快犯と呼ばれるメカニック。
子供の両親に突きつける要求は、家に火をつけろというもの。全焼を確認したら子供は解放するそうな。何ともはや・・・

警察は被害者家庭の関連を調べる。
が、鴻上にはそうするまでもなく関連が分かった様子。
そう、浚われたのは鴻上が仕事を請け負った依頼主の家の子たちである。
なるほどね。こういう形で鴻上への宣戦布告を行ってきたわけでありますか。
次々とメカニックの要求を呑んで家に火をつける者が現れる。それを高所から見物している夜刀。いい趣味してやがるな。

夜刀は傍らにマーニーを置いている。のだが、縛ったテープを食い切って逃亡するマーニー。幼いころから逞しい。
さらに、マーニーの髪飾りには非金属発信機がついているらしい。
信号を出したのですぐにロイドさんたちが迎えに来てくれる。
そのように考えたのだが・・・逃げ切ることは出来ず、炎に囲まれるような場所で夜刀に捕まるマーニー。

そして私はあの時、人生最大の間違いを犯した

夜刀は追い詰めたマーニーにある選択を迫ったという。
今のマーニーという性格が形成されるようになるような選択。それは・・・

メカニックは私が助かりたければ替わりに20人の子供が死ぬ。
20人の子供を助けるなら私を殺すと選択を迫った。
私は選んだんだ。自分が助かりたいって・・・

うーむ。それは・・・仕方がない選択だったんじゃないかなぁ。
幼い少女が命の危機に瀕し、知り合いでもない子らの命と自分の命を天秤になんて話をされてもねぇ。
しかしマーニー自身はその事件がトラウマになっている様子である。
そうか。それで少しでも人を助けられるように探偵をやっているわけでありますな。
誰かの命が危険に晒された時、マーニーは自分の身も顧みずに助けに行くことがある。
危ないなぁと思っていたけれど、これはマーニーの贖罪の念が引き起こす行動であったわけか。
ううむ、そうなるとなかなか止められそうにはありませんなぁ・・・
それにしても子供たちはどうなったんだろうか?
捜査官が三人死に、一般の被害者は最小限と言うことは助かったのだろうか。そうであってほしいところですが。

自分の選択を悔やみ、嘆くマーニー。
鴻上はそのマーニーを元気づけ、これはオレの贖罪でもあると述べる。
あの怪物を作ってしまったのはオレだ。君が苦しむ必要はないんだよ、と。

マーニーはここで隣の個室をのぞき込む。
予想通り、そこに鴻上の姿はなく、ネット越しで会話をしていた様子。
面と向かって話が出来ないのは残念だが、会話であるならばマーニーの方も意志を示すことが出来る。
鴻上は夜刀との決着は近い。君は自分の身を守るだけでいいと言う。
しかし相手が相手だ。鴻上といえども出し抜かれる可能性はある。

アナタだけでは夜刀を追い詰められない。だから、奴を捕まえるためにも第三者の能力がいる。
夜刀を捕まえるため私も協力します。マーニーにおまかせを

自分の身をただ守るのではなく、先に進むためにも決着をつける必要がある。
過去を乗り越えて未来へ進むには大事なことでありましょう。
そして過去に押しつぶされないために、何事も前向きに考えないといけない。
立派な考えを持つようになりましたなぁ。マーニーも。いい子に成長してくれて嬉しいですよ。
事件後はかなりやさぐれていた感じだったのにねぇ・・・
そう考えると立ち直るきっかけを作ったゆりかちゃんの存在はやはり大きいんだよなぁ。昔は・・・昔は良かった!!



file88「ゆうかいの牧場」  (2014年 25号)


牛の鳴き声が響くのどかな牧場。
しかし、この牧場に入った一本の電話により緊張が走ることとなる。
どうやら牧場主の息子である陽士君が誘拐されたらしいのだ。ほう。

その電話が入る2時間前のこと。
誘拐された牧場ではないが、その近所の牧場にマーニーとゆりかちゃん、波峰ちゃんの仲良し3人娘がやってきている。
どうも波峰ちゃんの親戚に牧場をやっている人がいるらしく、訪れたらしい。
呑気な牧場見学・・・というわけではなく、しっかり労働者として頑張っている3人。
あ、ゆりかちゃんは適当にサボッてたか。この子は社会に出てものらりくらりとやっていけそうだなぁ。要領がいいのは得だ。

休憩中に近所で誘拐があった話を聞かされる。
誘拐されたのは矢作陽士君。両親には誘拐犯から要求が来ており、身代金の話もされたとのこと。ほほう。
そしてお決まりの警察には届けるなと言う要求もあったそうだが、そもそも父親である矢作さんは警察嫌いで有名な人らしい。

警察なんてなあ、税金で食ってるだけの役立たずなんだよ!!

税金で食ってるのはその通りですが、そう言われてしまうとなぁ。
まあそういう考えを持つ人もいることでしょう。でも有事の際ぐらいは頼ってもいいと思うんですがねぇ。
仕方がないから、警察の代わりに犯罪に詳しい子ということでマーニーが連れてこられる。え?私っスか?

マーニー「あのー警察には・・・」
矢作「行かん!」
マーニー「そうスか・・・」

矢作さんが元気のいいオッサンだからか、微妙に体育会系の口調になってるマーニー。普通に喋ればいいっスよ。

犯人の要求額は一千万。だったのだが、矢作さんがそんな金はないと言ったら五百万になったそうな。
うーむ、犯人と値段交渉をするとは正直と言うか度胸があるというか。
にしても幼児誘拐というリスクを冒すにしては微妙な値段でありますな。
身代金の要求額は犯人の生活レベルに直結するとはいうが・・・
そんな推理をしている最中、いきなり驚きの発言をしだす矢作さん。

オレには犯人の見当はついてる!!
これからそいつのとこに行ってブン殴って陽士連れてくる!!安心しろ!
姉ちゃん達、わざわざ悪かったな!これ持ってけ!ウマイぞ!!

と、ザルいっぱいの野菜や果物を渡してくれる矢作さんでありました。
うーむ、きっぷがいいというか何というか。田舎のおっちゃんらしくてこのノリは嫌いではない。わーい・・・

で、その矢作さんが犯人だと見当つけている人については奥さんが説明してくれます。
疑われているのは隣の牧場主である神谷さん。
都会から来て牧場のIT化などと言っているため、昔かたぎの矢作さんとは犬猿の仲なのだそうな。

去年の品評会でウチの牛が金賞とって、神谷さんものすごい悔しがってたから、その仕返しだと思ってんじゃないかねえ。

動機はある・・・いや、さすがに仕返しで誘拐はちょっとなぁ。イヤガラセって域ではない。

神谷さんのところに向かう前に、自分の牛舎へと向かう矢作さん。
と、そこであることに気付く。どうやら品評会で金賞をとった牛のサンディがいなくなっているそうな。
買い手がついて出荷間近だったというのにこれは・・・立て続けに大変なことが起きてますな。

とりあえず神谷さんのところへと向かう矢作さん。アイツの根性、叩き直してやる!!
その意気込みで向かったのであるが・・・残念ながら空振りでありました。
神谷さんは重度のヘルニアで先週から入院しているのだという。ああ。それは辛いですなぁ。とても誘拐とかできる状態ではない。

当てが外れてパニックになる矢作さん。おやおや。
こうなってくるとやはり頼りになるのはマーニー。
とはいえマーニーも自身がアマチュアであるとは自覚しているので警察を呼んだ方がいいと述べる。謙虚ですな。

ただ警察が来るまでの間、私も捜査しますので。
陽士君を安全に取り戻すため、協力させていただきます。マーニーにおまかせを。

いつもの宣言が飛び出し、捜査開始。
陽士君だけではなく、牛のサンディもいなくなっている。
どういう繋がりがあるのかは分からないが、そこも絡んでいる可能性があるものとして詳しい話を矢作さんから聞き出す。
ふむ。朝、牛の様子を見に行こうとしたがその途中で奥さんに呼び出されたので確認はしていないと。
となると朝――いや、その前の日の夜からいなくなっていた可能性があるわけだ。

誘拐犯の声は機械を使ったような声で、年齢や性別が分からないものだった様子。
内容は、"陽士君は預かっている。無事に返して欲しくば一千万用意しろ"とのこと。
ふうむ。言われた直後は値段交渉するぐらい元気があったみたいだが、今は随分と消沈してるみたいですね矢作さん。
そんな矢作さん、ハイテクは全然だめで、携帯のメールとかも扱えない様子。
でも一応携帯電話で会話するぐらいは出来るんですね。もう少しだけ頑張ってみましょうよ。

マーニーは東京の毛利さんに頼んで、昨日電話した犯人の番号を電話会社に照会してもらうことにした。
相変わらず毛利さんは便利と言うか何というか。出張時に困ってたこともあるし、警察の窓口増やした方がいいかもしれませんね。

タイミングからいって誘拐と牛ドロボウは何か関係があると考えるマーニー。
現場の厩舎になにかヒントが残ってるかもしれないと確認に向かう3人娘。
一応厩舎には監視カメラがある。奥さんの方はまだ機械の操作に心得があるようですね。
しかしどうやら牛は裏の出口から出て行ったらしい。こっちには監視カメラがついていないようだ。ふむ・・・
にしても、ゆりかちゃんは目ざといですなぁ。抜け目がないというか、人と違った行動をするのでこういう発見が早い。

牛の足跡は確かにくっきりと残っている。
が、それをひいた人間の足跡がない。これだけぬかるんだ地面で足跡をつけずに歩くことができるのか?
となると牛が一人で出て行ったのか?向かった先は原生林。深い森となっており、追跡は難しい。ふうむ。

何か思いついたのか、マーニーは陽士君のクラスメイトに当たっている。
陽士君のオバを騙り、プレゼントをあげたいので彼のことを教えて欲しいという名目だ。オバと来ましたか。
年齢の件はさておき、その質問の返事は気になる物であった。"あげられればいいけど"?
これは事件のことを知っていそうな口ぶりですな。ふむ・・・

そうこうしているうちに犯人から電話がかかってくる。
どうやら身代金の受け渡しの話になった様子。
だいぶまいっている様子の矢作さん。早く陽士君を取り戻すために慌ててお金を渡しに行こうとする。
警察にも頼っている様子でありますが、残念ながら連絡が遅くなった分だけ到着も遅い。
うーむ、これでは警察の印象がさらに悪くなりそうですなぁ。悪循環悪循環。

犯人に指定された駅へと向かう矢作さん。
マーニーたちもそこへ向かうが、付近の地形を調べたマーニーは犯人の考えを先読みして移動する。
果たして、その推測は大当たり。
矢作さんは犯人の指示通り電車に乗って移動し、鉄橋が見えたところで身代金入りのバッグを川の流れる渓谷へと投げ捨てる。
なるほど。こういう受け渡し方法でありますか。

渓谷へと先回りしていたマーニー。
ちょうど毛利さんから連絡があり、犯人が使っていたのは陽士君のケータイであったことが判明する。
ふむ。犯人の連絡手段、さらに監視カメラの位置や警察嫌いと言った父親に関する家の事情の詳しさ。
さらに、陽士君のクラスメイトの反応。この誘拐のことを既に知っているような反応。これらを組み合わせると・・・

こんばんわ。陽士君。牛と一緒に家出するより、もうちょっと家族と話し合った方がいいんじゃない?

やはり狂言誘拐でありましたか。
まあ、警察に届けさえしなければちょっとした家出ぐらいで済む話だったかもしれませんわな。

陽士君はずっと牛のサンディの面倒をしており、そのかいあって金賞を取ることができた。
が、そのために買い手が決まってしまい、サンディと別れることになってしまった。
なるほど。そうさせないためにこの家出を実行したわけか。
牛に乗っていたから厩舎から出た時も牛の足跡しかなかったわけですな。なるほど。

生活のかかった商売でのことだからね。割り切れる人もいれば、割り切れない人もいる
どうしても割り切れなかった陽士君は牛と逃げるしかなかったんだよ。

こういう商売は難しいですよね。情が移ると厳しい。子供に関わらせるべきではなかったのかもしれませんな。
しかし陽士君はちゃんと五百万回収できたのだろうか?
回収してその五百万で生きていくつもりだったのだろうか。それとも・・・?
この後の計画はよくわからないが、まあ家出なんてそんなもんですよね。
これをきっかけに両親とじっくり話し合える機会があればよいですな。どういう結果になるかは分かりませんが。



file89「死人の家」  (2014年 26号)


人が寝静まる真夜中。とある洋館でも夫婦が眠りについておりました。
しかしそこでいきなり響き渡る恐ろしげな声。
物音だけならドロボウかとも思うが、これはまさかの怪奇現象?
オカルトには否定的であるが故か、オカルト関係の事件に関わることも多いマーニー。さてさて、今回は。

え?引っ越し?

ついにこの人里離れた場所から引っ越すこととなったのか!?
まだ決まったわけではないが、いい物件があると勧められたのだとロイドさんは言う。
ふうむ。町中の一軒家か。そりゃ買い物とかも便利になるし、探偵事務所を訪れる人にとっても有難いですな。
要塞みたいにして立て籠もることができるかどうかは分かりませんが。

飲み屋で不動産屋の人と仲良くなって、ウチが不便な所にあるって言ったら色々と教えてくれてね。
ちょっと事件があって物件としてはキズモノだけど、そういうこと気にしなければかなりの掘り出し物だって。

なるほどね。物件としてはいいけど過去にその家で不幸があったりすると途端に買い手がつかなくなったりするものだ。
そういう曰くつきのものであるならば、その点以外はいい物件と勧められるのも分かるかな。

というわけで、ロイドさんから鍵を預かったマーニーが様子を見に行くことになる。
途中、面白そうだからということで合流してくるゆりかちゃん。
訪れた洋館を見た時のゆりかちゃんは何だか面白そうな顔をしております。クク。何か知ってるなこれは。

「死人の家」って呼ばれるお化け屋敷
お化け屋敷って言っても外観がそれっぽいってだけだったんだけど、二年前位に家主が消えちゃって。
それ以降物好きが何組か入居したんだけど、皆早々に逃げ出しちゃったみたいで・・・

普通ならばそういうイワクつきの建物は壊してしまうのだが、ここは有名な建築家が作ったので壊すのに反対の人がいるらしい。
ふうむ、扱いに困った物件というわけですか。こりゃロイドさん押し付けられた感もあるかな?

幽霊を信じないマーニー。とりあえず中に入ってみる。
物好きな人は一昨日まで住んでいたらしいが、今は逃げて行った様子。
ふむ、冒頭の夫婦がその物好きな人でありましたか。
不動産屋によると怖がりや細かいこと気になる人だと神経もたないのだそうな。
うーむ、ゆったりと出来る家で細かいことを気にしたくはありませんわなぁ。

ザッと見て回ったが怪しい所はないとマーニー。まあ本番は夜でしょう。
というわけで今晩はここで泊まるマーニー。ゆりかちゃんは、まあがんばってと一言残して帰る。冷たい!!
そのせいというわけでもないが、夜に怪音を聞くこととなるマーニーでありました。ふむ。

翌日、そのことをゆりかちゃんに話し、再度訪れてもらうこととする。
そして物凄く興味深そうに聞いていた前花さんにも声をかけ、来てもらうこととする。やっぱりオカルトといえばこの子ですね。

さて、洋館に向かう前に管理している不動産を訪れるマーニー。
下調べをするために情報を引き出そうとするのだが、こういう怪しい物件はヤバイ情報を隠匿されがち。
なので事前に父親は元警察であり、警察官も出入りすることがあると発言するマーニー。
まあ、全然嘘ではないから普段よりマシな交渉かもしれませんな。強調の仕方がさすがというかなんというかだが。

慌てて賃貸歴などの情報を出してくれる不動産会社の人。ご苦労様です。
その情報によると、この洋館は元々80年前に外国人が建てたものらしい。
その後、地主の若林家が買いとり自宅として居住。その後一家は高齢化と共に人も減り、甥の息子が管理居住する。それが1996年。
そして今から二年前に事件が起きる。

嵐の晩。甥の息子、若林幹高氏謎の失踪。
部屋の中は荒らされ、だれかと争ったあとがあり、血痕も発見された。
なにか事件に巻き込まれたと思われるが、現在行方不明。
その後、不穏なウワサが立つ。人がいないハズなのに電気が点いていたり怪しい声が聞こえたり。
管理会社が人に貸そうとするが、物好き以外借りたがらない状態で・・・

ふうむ。管理会社も頭を悩ましているようですな。
持ち主の死亡はハッキリしていないし、文化財の価値もあるので壊すのは難しいわけか。ふうむ。

さて、情報を得た後は洋館へと向かうマーニー。
とはいえまだ夕方。この時間では何かが起きるわけではなさそうなので夜まで待つこととするマーニーたち。
それまでの間に幽霊を呼び出すセットを使おうと言い出す前花さん。
ふむ。ウィジャボードですか。西洋のこっくりさんでありますな。まあそれはいいからまずは夕メシにしようぜ。

洋館にやってきてからも情報収集を行っているマーニー。
毛利さんにこの家であった事件を調べてもらい、詳しい話を聞くことが出来る。
当時この家には若林幹高さんが一人で住んでいた。
二年前。嵐の夜、この家に雷が落ちて停電。電話、ネットで連絡がとれなくなる。
心配した友人が様子を確認に来たが反応なし。門のカギが開いていたため直に入り、窓から家の中の様子を見る。
そこで荒らされた部屋と飛びちった血痕を見つけて警察に通報する。
その後警察の調査で、家はすべて内側からカギがかけられており完全な密室。
周りの地面には外から侵入した泥棒と思われる足跡が発見。しかし外へ出ていった形跡は見つからなかったとのこと。

この家に家主の若林さんと泥棒と思われる人物がいたようだが、二人とも出て行った様子はない。
ふうむ、忽然と二人の人間が姿を消してしまったということか・・・

下調べをしつつ、夕食。お弁当でありますか。
3人で頂くのだが何となく空気が重い。ゆりかちゃんと前花さん。水と油の2人
マーニーを挟んでの知り合いであるが、だからといって打ち解けるとかいう話ではありませんわな。

さて、夜の8時近く。そろそろ何かが起きる時間。
そのマーニーの言葉通り、いきなり電気が消える。さらに急に気温が下がり、ギギギと怪しい音が鳴り響く。
うーむ、まさに霊現象と思っても仕方がない流れでありますな。
前花さんも初めてお目にかかる光景らしい。そうか。
それはそうと、水と油で交わらないはずの前花さんとゆりかちゃんが抱きあっている。
共通の恐怖が2人の距離を縮めたのか!?まあ、これが尾を引くことは・・・ないか。

前花さんによると、昔NYのハイスビルというところでフォックス姉妹が霊の交信に成功したらしい。
ポルターガイストと音で会話。YESなら一回、NOなら二回音を出してもらったのだそうな。ほう。

というわけで、怪音を発生させている相手との交信を行うマーニー。
どうやら話は通じる相手らしく、マーニーたちの質問に提案通り音の回数で受け答えしてくれる。

ふうむ。どうやら音の主は殺されたわけではない。いや、むしろ死んでいるわけでもないらしい。
ではこの音の主は家主であった若林幹高さんなのか・・・?
その質問に即答しないという事は・・・

何か隠したいことがあるのではと判断するマーニー。
よく見たら監視カメラが作動しているのも発見。
それを踏まえて調査してみると、どうやらこの家は監視カメラだらけだったらしい。ほう。
カメラがあるということはそれを制御する部屋があるハズである。それを調べ出す3人。
さっきまで怯えて霊と交信とかやっていたはずなのに、もうすっかり自由に行動しておりますな。

足跡アプリを起動してもらい、部屋の中で3人が動き回った形跡を調べるマーニー。
ふむ、これならばゆりかちゃんがサボっていないかどうかハッキリわかるわけですな。いや、それが目的じゃないか。
本当の目的は隠し部屋の割り出し。
昨日も一通り部屋を見てまわったのだし、制御室があるならそれで分かったはず。
それが分からないという事は、その制御室は普通では入口が分からない場所にあると考えられる。

そこまで推測ができたところで警察が到着。毛利刑事から協力するよう言われたとのこと。
ふうむ。どうやらマーニーが手配していたようですな。
警察の人たちは道具を用いて制御室があると思われる怪しい場所を道具を使ってこじ開ける。バキバキ。
その間にマーニーに事情を尋ねるゆりかちゃんたち。

これはパニックルームなんだよ。強盗なんかが来た時逃げ込むシェルター。
二年前、若林さんは強盗に襲われここに逃げ込んだ。しかし強盗も一緒に中に入ってしまったんだよ。

どうやら不動産屋さんも知らないうちに家主の若林さんが秘密で作った部屋らしい。
ここで生活できるくらいなんでも揃っている。
しかし逃げ込んだ先にも入り込まれ、ここで殺害されることになってしまった若林さん。おやおや。
だが、嵐のせいか落雷のせいか、システムがショートして強盗も出られなくなったそうな。

焦ったんだろうね。中から操作できるのは照明やエアコンやほんの一部の機械だけ。
その機能を使ってなんとか外と連絡をとろうとがんばった。

ははぁ、それで心霊現象のようなことを・・・ネットは繋がってなかったんですな。
食料もあるしトイレもある。三年は暮らせるという場所だが、ここにはビニールに梱包された若林さんの死体がある。
死体と同じ部屋で二年もの間過ごしてきた強盗。どのような精神状態であったのでしょうか。
助けてほしいけれども下手すれば殺人の犯行もバレてしまう。
しかし助けがこなければずっとここに閉じ込められたまま・・・うーん。まあ、出れて良かったんじゃないですかね。

オカルトにも大抵は原因があったりする。
今回も霊現象ではなかったわけだが・・・さすがに借りた家に閉じ込められた人間がいるなんて思わないよなぁ。
この事実は事実で怖い。今までの借主は強盗殺人者に監視される生活をしていたのだと考えると実に怖い。
霊はいなくても怖い屋敷だったというわけでありますな。やれやれだ。



file90「三頭会談」  (2014年 27号)


何だか生徒同士での確執があり、荒れている様子の学校。
生徒会は頑張ってるし、教師も頼れる人がいるはずなのに何故こうも荒れるのか。やはり個性が強いキャラが多すぎるのか?
ともかく、この事態をどうにかするために巨大派閥のトップクラスが会談することとなりました。

セレブグループ代表:白鳥文那
フラワーズ兼アイアン代表:猿頭晶子
スティンガー代表:犬飼悠里

白鳥さんの下の名前がついに明らかに!?
今まで出てこなかった方が不思議でありますが、これは良いサプライズですね。
その勢いでそろそろ学校名の方もさらりと出していただきたいものである。

学内には四大派閥があったはずだが、フラワーズとアイアンは猿頭さんが代表兼任ということですか。
薬師さんが降格してなかったら四頭会談になったのだろうか?

ともかく、生徒会副会長である桃井の進行で三頭会談が始まる。まずは今回の事件のおさらいだ。

問題は一か月前。ある暴力事件から始まった。
スティンガーの下っぱ数人がセレブグループの一人を襲撃した
その後、そのセレブは復讐のためアイアンに協力を頼む。言い方を悪く言えば金で用心棒を雇ったって所ね。
雇われたアイアンによるスティンガーへの襲撃。乱闘事件として大事になってしまう。
その事件以降三派の緊張が高まっており、一般生徒にも緊張が伝わっている。
それからこぜりあいや衝突が増えている。いつまた大きい事件が起きるか・・・

なるほど。これが今学校内が荒れている原因でありますか。
大事を避けるためにもお互いの意思を確認しておいた方がいいと事件に関係する派閥の会合を設けたわけでありますな。

まず口火を切るのは猿頭さん。アイアン側から見ればセレブに問題があるとのこと。
金を持ってることで人を見下してる印象があり、今回の事件はセレブが責任を取るべきと主張。
発端であったスティンガーの代表である犬飼さん。
バカばかりだが統率はとれている。一般生徒に迷惑をかけないようしつけているとのこと。
前に茶室を狙って暴れていたのは・・・しつけからはみ出した連中だから主張としては問題ない・・・のかな?

責任を問われる白鳥さんだが、ここは冷静に返す。
議題はどうやって今のカテゴリー間の緊張を解いて昔のように平和な学校に戻すかであり、責任の所在ではないというわけだ。
セレブが責任を取る形では収束しないってことですかね?
まあ、ただ折れるだけではセレブ内に鬱屈した感情は残るだろうし、今後に響くことになるかな。

というわけでどのように解決するか激論となるが、話は平行線でまとまる気配がない。
煮詰まってきているのは会談を行っている本人たちにも分かるのか、犬飼さんの攻撃は外へと向く。
何故かこの場に出席させられているマーニーへと向けられたのだ。

派閥に属さないアウトローであるマーニーなら公平な目で見れるはずという白鳥さんの判断。
依頼を受けた数はかなり多いので、白鳥さんの手下と見られることもありますが、一応そういうわけではないんですな。
それぞれの派閥に知り合いがおり、公平に仲良くやっていっているのがマーニーである。
そういう特殊な立ち位置を考えるとこの会談に顔を出しているのはむしろ自然なことに思えてきますな。

今の話を聞いて公平な意見を求められるマーニー。
政治的な判断を下すのは得意ではない・・・が、探偵的な意見なら述べられる。
どうやらキッカケとなった事件に違和感がある様子。火種として条件が揃いすぎてるというか・・・良く出来てるっていうか・・・

じゃあ、抗争のキカッケの暴力事件。調査頼むわね

まあ、そうなりますわな。
マーニーの主張は正しい。都合よく巨大な三つの派閥が争うようになっているし、何か作為的なものを感じるのは確かである。
なのでここは事件の全貌を明らかにし、そこから解決策を考えるのが正しい筋道でありましょう。
このまま話し合ってても平行線を辿るだけですしね。三者の考えはマーニーに任せることで一致した様子。

まさか断らないわよね。我々三人の依頼を

一人相手でも厳しいのに、この三人相手の依頼をどうして断ることができようか。
大人しく引き受けますのであまり威圧しないでください。何かオーラ出てるぞ!?
名前の通り、猿に犬に鳥。何?鬼退治にでも行くの!?
マーニーはきびだんごでも用意しておくべきでしたな。いや、髪型的には鬼扱いされる方か・・・

しかしこれで代表としてこの三人が集まった理由がわかりましたな。そういう共通点かー。
まあ、他にも女性で揃えたかったという理由もあるんでしょうけどね。
立花さんは今回フラワーズ関係ないからともかく、那智さんやスティンガーのNo.1が来ないのはそういうことかと。

ともかく、事件の調査に乗り出すマーニー。
まずはウワサの大元であるセレブの灯台さんから話を聞く。
ちょっと話があるからと屋上へと誘いをかけるマーニー。
教室を訪れた女子に屋上へと呼び出される。普通の学園物なら恋愛関係の話で盛り上がれそうなネタであるのだが・・・
マーニーが探偵として有名になりつつあるし、今は学内がギスギスしているしでそういうことにはなりそうもありませんな。

それはさておき、灯台さんから話を聞く。
事件が本当であればこの人が復讐のためにアイアンを雇ったってことになるが・・・否定する灯台さん。

スティンガーに小学生の頃からの友達がいて、言い合いやケンカまがいのことはある。でも昔からしょっちゅうやってることだよ。

ふうむ?これはどういうことか。
灯台さんは学内が荒れている原因も知らないようだし、ウソは言ってない感じですなぁ。
しかしその灯台さんから、アイアンにお金を渡してスポーツ大会などで勝たせてもらっている人はいるという話が聞ける。
ふむ・・・セレブからアイアンへの繋がりの部分は否定しきれないわけか。

大元となった事件がデマであるならば、カテゴリー別の対立なんてそもそも無意味なものとなる。
ここは解決のために事件を洗うべきでありましょうな。
そのためにとったマーニーの手段は・・・各カテゴリー構成員へのアンケート
どういう話を知って、どのカテゴリーにどういう感情を持つようになったかを調べるわけだ。

学内には四大派閥の他にもブレインズやブックス、オタクにオカルト、カーディガンズといった派閥が存在している。
カーディガンズは今何をやっているんだろうか・・・

ともかく、ゆりかちゃんや波峰ちゃんなど友達の手を借りてアンケート調査を開始。
実際その事件を見たわけではなく、ウワサで知ったという人たち。
SNSなどのネットから情報を得た人もいれば、中には自分で気付いたと言いはる人もいるそうな。ふむ。

データを集計した結果、ウワサの大元はニュースサイト・・・学校の新聞部が作ったWEBサイトと判明。
というわけで、久しぶりに新聞部の部長、露島さんのところを訪れることになったマーニー。
いやあ、まさかお取込みの最中だとは思いませんでしたね。こりゃ恥ずかしい。2人の仲を取り持った間柄とはいえ恥ずかしい。
よろしくやっているようで何よりですな。

それはさておき、ニュースサイトの過去記事を見せてもらおうと頼むマーニー。
カテゴリー間の対立がヒドくなった原因の記事を探すのだが・・・何故か見つからない。
ふむ、過去の記事は書いた部員が自由に編集できるから削除することも可能なわけか。
火種が燃え広がったのなら、発火装置は処分する。正しい処置ですな。
まあ、さすがに露島さんはその辺りのログを残しているようですし、調べれば誰が編集したか分かっちゃうわけですが。

というわけで、事件の全貌を解明したマーニー。会談を行った三名を呼び出す。
マーニーがまず三人に紹介するのはニュースサイトの面々。彼らには一部責任があり、一部はないと前置きする。

こういうことなんです。ある一人の記者が騒動の種をまく。
ただそれは直接的なものではなく、匂わせるもの。
ある人間がスティンガーに袋叩きにあった。あるセレブがアイアンに金を渡している。
セレブとスティンガーがケンカばかりしているといった風に・・・
その記事を読んだ生徒は断片的な情報を持つ。セレブとスティンガーだの、金の受け渡しだの。
その後、その点をつなぐストーリーがSNSにアップされる。それは記事としてではなく口コミ情報としてアップされた。
それを読んだ人間にとって点と線がつながり、隠された事実としてストーリー化される
都市伝説なんかと同じ手法ですね。自分が発見したと思った真実は強烈に印象づけられる。たとえそう誘導されたとしても・・・

なるほど。直接そういう事件があったという記事ではなく、断片的な情報が合わさったものでありますか。
その断片的な情報を自分で繋げてしまうことで自分の中では真実となり、ウワサとして他所にバラまいてしまう。
こうして曖昧な事件が事実の様に広まってしまったと・・・うーむ、現実でもありそうな話ですな。

皆どこか対立を望んでいるところがあるんですよ。セレブやアイアンやスティンガーも。
その敵対関係が進んだ方がドラマチックだ。日常を盛り上げるスパイスになる
その中でこの作戦は当たった。ウワサがウワサを呼び、小さい対立心が本物の対立を産んでいく・・・
そしてフィクションはいつか現実になってしまうわけです。

派閥があれば対立はある。学内のこの状況はストーリーを生み出すのに最適だったわけだ。
もちろんウワサを広めるために他にも工作をしている。
こぜりあいが起こるよう、影口やウソをついたり匿名のイヤガラセをしたり。
そうやって細かい火種をバラまいておき、やがて本物の火となるようにしていった・・・

犯人を罪に問うことはできません。記事を書き、ただ消去しただけですから。
その記事を書いたのは彼です。ニュースサイト記者、鬼塚太一さん。
そして彼は学力集団ブレインズの所属でもある。ただ三大勢力が争いおとしめあってもブレインズが得をするというわけじゃない。

ふむ。学力集団なんてものもいましたか。
ただ学校一の天才である枯野さんに相手にされていないのでいまひとつ存在感の薄いグループらしい。おやおや。

ブレインズが対立を煽っても、それこそ日常のスパイスを得るぐらいの旨みしかない。
なので裏で糸をひいている人物がいると考えるマーニー。
鬼塚さんと交流があり動機がある人物・・・

生徒会副会長桃井さん。アナタと鬼塚さんの書き込みをみつけました。生徒会への不満や記事を指示するものなど・・・

おやおや。ようやく出てきたと思った副会長が黒幕でありましたか。
まあ、いかにもな立ち位置と言えなくはないですが・・・
マーニーの推理を聞き、素早く桃井を取り押さえるのは犬飼さん。思いっきり刃物を用いているのがさすがというか何というか。

桃井のスマホを見れば鬼塚とのやり取りが明確に残っている。
小競り合いを指示する内容もあるし、言い逃れはできませんな。

生徒会の転覆。問題がこれだけ大きくなれば白鳥さんの管理能力が疑問視され、生徒会長は解任となるでしょう。
そして副会長の桃井さんが跡をつぐ。その暁にはブレインズを優遇するとでも鬼塚さんに言ったんでしょう。

なるほどねぇ。いかにも副会長らしい立ち位置のやり口というか何というか・・・
こりゃ猿頭さんに制裁を喰らっても仕方がない。アイアンだけに鉄拳制裁ですか。ハハハ。
殴る左の手首を痛めないように、右手で支えながら殴る猿頭さん。殴り慣れている感じがしますなぁ。さすがだ。

残る鬼塚は、記事を書いたのは自分だけどそれだけだし、こうなったのは自分のせいではないと主張する。
確かに黒幕の桃井とは違い、罪には問い辛い立ち位置かもしれない。
が、その辺りを判断するのは騒動に巻き込まれることとなった学校内の人々である。
マーニーはこの憶測を実名を伏せてニュースサイトに投稿したらしい。対立を煽って喜んでいる人間がいると。

ついでに「点を繋ぐ線」をSNSに書き込んだリプライを紹介しておいたんです。
私には難しいですが、パソコンに詳しい人はもう書き込んだ本人のアドレスを割り出しているかもしれませんね。

マーニーの言葉通り、対立を煽った人間として身元がバレた鬼塚。
こうなると早い。すぐに顔やら個人情報やらが特定され、責められることとなるでしょう。
やったことがやったことだけに、これからの学校生活は大変なことになるでしょうが・・・まあ、仕方がないね。
鬼塚の口から桃井のことも言い訳として出てくるでしょうし、2人とも大変なことになりそうですな。
生徒会としてもブラックリスト入りするらしいので、スティンガー預かりにはしなくても大丈夫です。ハイ。何をするつもりだ!?

たいしたもんだよマーニー。アンタのこと見直しちゃった

そのように言ってくれるのは猿頭さん。まだそんなにマーニーへの評価は高くなかったんですな。
これで気に入られてコネが出来るようになったのは有難いことである。
まあ、犬飼さんの方の確執は簡単には解消しそうにないようですが・・・怖い怖い。

個性の強い生徒が多いので色々と厄介事が起きるこの学校。
生徒会が力を持ち、精力的に動いているのもこういう学校だからってことなんでしょうかねぇ。
マーニーが探偵力を磨き、特殊な技能を持つ人たちとのコネを持つにはいい環境かもしれませんけどね。
一度校長先生に学校の特徴と教育方針について尋ねてみたいものであります。




file91「納屋さんの災難」  (2014年 28号)


私営宮林線。通勤通学する人でごった返す車内。その中にいるのはマーニー。おや電車利用とは珍しい。
その珍しい光景の中で事件が発生。満員電車らしく痴漢だ。おやこれはいけませんな。
しかもその相手は女子小学生の様子。うーむ、時代かねぇ。何ともはや。

自転車が壊れて久しぶりに電車に乗ったらそのような事件に遭遇するマーニー。
やはり探偵には事件を引き寄せる何かがあったりするのだろうか。

とはいえその場でマーニーに何かできたわけではない。
痴漢と思しき会社員っぽい人は駅員に連れて行かれたわけだし、以降は法的に裁かれることとなるでしょう。
これがマーニーと面識のない人であったのならば・・・

熊耳法律事務所。マーニーの母である熊耳静さんが所長を務める事務所。
ここの調査員が小学生を痴漢して捕まったという。
その調査員とは前にマーニーが出会ったことのある納屋慎一郎さん。おやおや。
本人は痴漢したことは否定しているようですが・・・ふむ。

マーニーの携帯にはその納屋さんから音声付きのメールが届いている。
開いてみると、聞こえるのは鈴の音。
これは前にマーニーが鳴らした鈴の音ではないですか。
母親に、子供の頃もらった鈴。鳴らせばいつでも助けに行くと言われたあの鈴の音・・・

納屋さんがそのことを母から聞いたとしたら・・・
これは・・・納屋さんが私に助けを求めてるってこと・・・?

メッセージを理解したマーニーが動き出す。
まずは熊耳法律事務所へ。受付へと向かうが、やはり母は会ってはくれない様子。ふむ。
それは寂しいがまずは納屋さんのことである。
詳しい経緯は知らないが、何か切羽詰っている様子なのは理解しているので、どうにか助けようと情報を引き出すマーニー。
なるほど、弁護士事務所は身内の弁護は基本出来なかったか。それで外部のマーニーに助けを求めることにしたわけだ。

詳しい話を聞くマーニー。宮林線で小学生を痴漢して拘束されたのが納屋さんだったと知る。
今、他の弁護士事務所に弁護を依頼しているが、痴漢は被告が勝つのが難しいとのこと。それはそうでしょうな。
触ったかどうかなんて当人たちにしか分からない。証拠がでる類のものじゃないし、弁護も大変そうだ。
それに今回は相手が小学生ですからねぇ・・・裁判官の心証は最悪でありましょう。

だから私に助けを求めたんでしょう。小学生が相手でも大っぴらに動ける、立場なので・・・
マーニーにおまかせください。

正式に依頼を受けるマーニー。
まずは毛利さんに連絡。ロイドさんの奥さんの部下という説明をすれば毛利さんも放ってはおけないでしょう。
部署は違うが、留置所まで足を運び、納屋さんに話を聞いてくれることとなりました。

その間にマーニーは痴漢被害者であると主張する女子小学生を探す。
朝、宮林線を使って通学している小学生ならばある程度は絞れるわけだ。なるほどね。

大人に比べれば歳は近い。けれどもさすがに小学生を相手にするのは色々と厄介事が多い。
というわけで、久しぶりに久儀くんに連絡を取ることとなりました。
詳しい話を聞きますのでカフェ・ノーブルで落ち合いましょうとのこと。
ほう。ノーブル。貴族か。コーヒー1杯700円の店だと・・・!?これだから貴族は!!

貴族はさておき、久しぶりに登場の久儀くん。
小学生同士の横のつながりで今朝の痴漢事件もちゃんと把握しているらしい。
なので調べればどこの学校の生徒であるかはすぐに分かるそうな。それは有難いですなぁ。
ついでに聞き込みするのも手伝ってもらうことにする。

該当の小学校に移動し、聞き込み開始。痴漢にあった子は伊豆鳴奈ちゃんであると判明する。
が、小学生探偵である久儀くんは有名人であり、すぐに人が集まってしまい聞き込みは難航してしまう。
うーむ、有名すぎるのも逆に困りものですな。

しかし、有名な小学生探偵が現れたという事で不審な行動を取り出すものが炙り出される。
校門前に久儀くんがいるため、塀を乗り越えて裏から逃げようとする少女。これは怪しい。
後をつけるマーニー。この子が例の伊豆鳴奈ちゃんで間違いなさそうですな。
家に辿り着いたのを確認。どうやら鳴奈ちゃんは伊豆総合病院という病院長の子供らしい。ふむ・・・

納屋さんはどうやらこの伊豆病院について調査を行っていた様子。
伊豆病院は長年製薬会社とズブズブであり、投薬量が一般の病院の五倍はあるのだそうな。
患者を投薬の実験に使っている可能性が高いと目されている

体調悪化の患者から告訴の相談が来て・・・所長からオレに内部調査の命令が出たのさ。

毛利「その調査中に小学生の女子を触ってしまったのか?
納屋「・・・やってないよ」

おう、疑われてる疑われてる。
一度痴漢の容疑をかけられたら事あるごとにそういう疑いの目で見られるようになるんでしょうな。怖い話だ。

というわけで、毛利さんの聞き込みにより伊豆病院の悪事について知るマーニー。
ふむ。納屋さんは伊豆病院を調査しており、その病院の娘から痴漢の罪を着せられる・・・どう考えても怪しい話ですわな。
人物関係を洗い出せば間違いなく怪しい。痴漢冤罪の可能性は高い。
が、そういう風に思われることを利用して痴漢行為に及んだと言われると難しくなりそうだし・・・うーむ、無実の証明は難しいな。
鳴奈ちゃん本人から証言してもらえればいいのだが、強制ではなく自発的な行動だとそれも望み薄か。

どうしてもね・・・解決できない問題ってあるのよ

悩むマーニーの後ろから話しかけてくる女性。おっと・・・ついに母が娘の前に姿を現したのか!?

事情を把握している静さんはマーニーと同じ推論に辿り着いた様子。ふむ。

効果の怪しい薬を大量に使っていればいずれは大きな薬害につながる。
早い内に告訴をされて痛い目にあった方がこの病院のためでもあるのよ。
被害者団体の告発を受けて調査を進めていたけど・・・子供の悪知恵にひっかかるとは・・・

状況証拠は揃っているし、関係性を考えれば鳴奈ちゃんの動機は明白であると語る静さん。
そして、それにより病院を告訴する準備もあるとのこと。
ふむ、あらぬ罪を被せられたのだと逆に告訴する流れか。痴漢弁護よりもそちらの方が確かにやりやすそうな気はしますな。
卑劣な攻撃には戦わなければならないと語る静さん。さすがに法律事務所を構えるだけあり、強い意志を感じます。

そんな話を家の前でされている鳴奈ちゃん。
もちろん気を張っている最中だったので、この会話はこっそりと聞いている。
そして、自分の行為によってむしろ訴えられることになるのではと知り・・・泣きながら飛び出してくる。

私が悪かったんです。変な人が家のこと調べにきてからお父さんとお母さんが怒鳴りあってるし、私なんとかしなきゃって・・・
病院のことは良くわからないけど・・・あの人が来れなくなればって・・・そう思って・・・

ふうむ、やはり自発的な行為でありましたか。
子供の世界としてみれば、自分の家を守るのが第一ということなんでしょうな。
鳴奈ちゃんにしてみれば、家のことをひっかきまわされている被害者という気持ちなのでしょうが・・・

・・・鳴奈ちゃん。これは危険なことだし、私達は敵意があるわけじゃないの。
今苦しんでる人もいるし、これからさらに悲劇が起きかねない。
だから私達は働いてるの。それはアナタ達家族を救うためでもある。

まだ警察が薬害被害で動き出している段階ではない。
しかしこのままでいれば近いうちに薬害被害が発生し、大問題となるだろう。
それに比べれば、今の内に被害団体との折衝で済ませらるのならば、その方がまだ救いはあるかもしれませんなぁ。

マーニー。アナタならわかるわよね。
この子は家族を守るためとはいえ人を落とし入れてしまった。納屋は無実の罪で捕まってしまった・・・
人が困った時・・・手を差し伸べるのは時には「悪」なのよ
私も以前悪の手を借りたことがあるの。当時私は事務所独立に際してトラブルを抱えていた。
それを解決してくれたのは歯車の名刺の男・・・

おや、静さんはメカニック――鴻上と面識があったのですか。
しかしメカニックが2人いるとは知らない静さん。ああ、なるほど・・・そう繋がるのか・・・

今でも悔やんでいる。アナタが誘拐されて殺されそうになったあの事件。あれは・・・私のせいだと思う。
アナタ達と幸せに暮らす資格は・・・私にはないのよ。
マーニー。私は今、真っ当に働き恥じることはしていないわ。
でも、私は自分をまだ許せない。今はまだ顔向けできるとは思えないのよ

なるほどねぇ。未だに家族のよりを戻せないのはそういう思い込みがあったからなのか。
実際メカニック――夜刀がマーニーを狙ったのはマーニー自身が小さい頃に鴻上と出会っていたからなんですけどね。
そういった繋がりを知らずにいることで自責の念にかられてしまっていたとは何とも皮肉な話である。

本当は鴻上と夜刀の抗争であったあの事件。
落ち着いてその話が出来れば家族の仲も解決に向かいそうですが・・・その話をするというのが難しい状態か。
家族で話をするためにもまずはメカニックを――夜刀をどうにかしないといけない。
宿敵との戦いに勝利すれば家族の愛も取り戻せるはず・・・そうあって欲しいものであります。

鳴奈ちゃんは反省しており、納屋さんも釈放された様子。
こちらの事件はどうにかなりそうな雰囲気ですな。
しかしメカニックとの戦いはまだまだこれからという感じ。
いつ、どのような戦いとなるのか・・・それはまだ分からないが、今はとにかく日常を楽しんでおいて欲しいものです。



file92「消えた老人たち」  (2014年 29号)


路地で一人の老人がバンに連れ込まれる。事件発生か!?
というか、連れ去られた老人――前花範一さん。その苗字には聞き覚えがありますが・・・

マーニーが休み時間に教室で見ているのは古いアニメ
無料配信しているのでせっかくだから見ようという感じの様子。無料とかセールとかに弱そうなタイプだ。

昔の作品らしく、絵は話ごとに変わるしザックリした作り。だけど勢いはかなりあったりするらしい。
好きな人は好きなんでしょうが、今の若い子が見るには厳しいものがあるかもしれませんね。

さて、そんなマーニーに相談を持ち掛けるのは前花さん。どうやらオジイサンが行方不明になったらしい。
ああ、やっぱり冒頭の老人は前花さんのオジイサンでありましたか。
怪しげな男たちに連れ去られたようだが・・・ケータイが繋がったらしい。ほう?
オジイサンは今、古い友達と会っており、帰るのは少し遅くなりそうだと言っていた。
だがその電話があってから三日間帰ってこないらしい。ほう・・・

三日も帰ってこないとなると不安にもなる。
前花さんの両親はあまり干渉するつもりはないようで、連絡があったなら大丈夫と考えているようだが・・・うーむ。

気になる話を聞いたマーニー。
さらに夜にはロイドさんからも気になる話が聞ける。何でも老人が何人も行方不明になっているらしい。
ふーむ、それは気になるお話ですね。
その件について助川さんの所で会合を行うらしい。探偵仲間の会合ですか。そっちはそっちで興味深いですな。

助川探偵事務所には色々な探偵が集まっている。双子の女性探偵とか絵になりますなぁ。
ジェット・エージェンシーの探偵さんも姿を見せている。前回の納屋さんに続いて懐かしい顔だ。

たまにこうやって情報交換をしているという探偵たち。横のつながりも大事ですよね。
そして最近の仕事の話題で出てきたのが、老人の行方不明があいついでいるということ。
マーニーが話す前花さんのオジイサンの件を入れると六人目。結構な人数となってますなぁ。これは大事かもしれませんぞ。

一応毛利刑事に情報を回しておくが、失踪届けが出ていないので警察は動きにくい。
いや、一人分は出ているらしいのでそこから手繰れる可能性はありそうだ。
しかし一体何が目的で老人を浚っているのだろうか。
普通は身代金とかそういう目的を疑うのだが、浚われた人たちは別に裕福でもなさそうである。ふむ・・・?

事件かどうかは分からないが何だか気になるこの話。
さらに不可解なことに、失踪届けが出されていた老人が元気に帰ってきたと言う。
本人は旅行に誘われたと言ってお土産まで持っており、楽しくてつい連絡が遅れたと述べているそうな。
うーむ。それが本当ならいいのですが・・・でも1人だけのことならともかく、複数人となると怪しいよなぁ。
前花さんのオジイサンもお土産持って楽しそうに帰ってきたみたいだが・・・うーむ。

竜宮城に行ってきたと楽しそうにしている前花さんのオジイサン。
高いケーキとかを買ってきており、お金を持っている様子。い、一体何をしてきたのだ・・・?

前花さんの家を訪れるマーニー。
オジイサンは前はもっと老け込んでいたはずなのだが、戻ってきてからは元気になっているらしい。
ふーむ。竜宮城でよっぽど楽しい思いをしてきたってことですかね?
それが何かは分からないが、マーニーはオジイサンの鼻歌に何やら聞き覚えがあるらしい。この曲って・・・

何となく推測が出来そうなマーニー。
助川さんに他の行方不明だった老人のプロフィールを教えてもらう。
そして前花さんにはオジイサンの持ち物にこれをつけておいてとキーホルダーを渡す。
ふむ、発信機か何かついてるんですかね?というかこれゆるキャラか?マーニーもそういうもの持ってるんですなぁ。

しばらくすると、マーニーが危惧した通りにいなくなる前花さんのオジイサン。
一応心配するなと書いた置き手紙は残されていたらしいが・・・事情を聞いてないのでは心配しますわなぁ。

マーニーはロイドさんに車を出してもらい、事前につけておいてもらったキーホルダーの発信機を辿る。
おそらく他のオジイサン達も同じ場所にいるはずだと推測している。

行方不明になったオジイサン達のグループで検索してみたんだけどさ、ちょっと面白いページがひっかかって。
今はもうない古いアニメスタジオのファンサイトのスタッフリスト。
70年代に外国の児童文学なんかをアニメ化してた会社で、今でも根強いファンがいる。
なんかの理由でそのスタッフがまた集まってるんじゃないかって

なるほどねぇ。そりゃ老人たちも生き生きとしているわけだ。
同窓会でありつつ、かつての自分たちの仕事を――夢をもう一度追えるわけですからなぁ。
これは若返った気分にもなろうというもの。竜宮城とは面白い表現でしたな。

老人たちは家族にはこのことを秘密にしている。
ケータイを持ってくると居場所がバレるし、かといって家に置いてくると捜索願いを出されるしと抜け出すのも大変な様子。
この仕事が終わるまではボケもしないだろうし、確かに心配はいらないのかもしれませんがなぁ。

というわけで、発信機を辿るマーニー。やってきたのは広域暴力団貞安会の総本部、貞安巽の家である。
これはこれは・・・何とも怖い相手に辿り着いたものですなぁ。
しかし物おじせずに、老人たちがいる証拠を突きつけるマーニー。本当に度胸があると言うか何というか。
前にも裏社会の大物と対面したことありますし、この手のことは父親よりも慣れてるかもしれませんな。

親分である貞安巽さんと面会。どうやら随分と体の調子はよくないみたいですな。主に歳のせいのようだが。
その貞安さんに老人たちを集めた理由を尋ねる。

・・・私はね、若い頃金さえあればどんなものでも手に入ると思った。そのために色々とキタないこともやった。
しかし体が悪くなってみると逆に手に入らないものばかりだとわかるんだよ。
例えば子供の時好きで今でも鮮明に覚えているけど途中で打ち切りになったアニメ・・・それの真の最終回を見ることなんかね。

や、やはりそれが目的だったんですか。その為にわざわざスタッフを浚って!!
金はあっても叶わない夢も、金と力があれば無理矢理叶えられるってことなんでしょうか。グ、グムー。

貞安さんが見たいのは「緑のエレンディラ」の真の最終回。
立場上極秘で進めたかったとのこと。そりゃそうでしょうわな。
しかし終わり方が気になるなら話を聞くなり原作を読むなりすればいいだけでは・・・

それじゃあダメだ。私はアニメが見たいのだ
あの時のママ、同じ監督同じスタッフが作った「緑のエレンディラ」の続きが。

拘りを見せる貞安さん。
まあ正直その気持ちは分かります。週刊誌の、特にチャンピオン読者なら分かってくれる人も多そうな気がします。
あの作品の続きが・・・その後の展開のまとめとかではなく、きちんとした形で楽しめる。
そんな夢が叶うとしたら・・・それは一体どんな気持ちなのであろうか。
有り余る金と権力があるからこそできる話でありますが・・・夢のある話ですやねぇ。これが正しい権力の使い方というやつか!!
こういった物好きな権力者が増えてくれることを願いたいものです。



file93「スティンガーNo.1」  (2014年 30号)


半年前のこと。
犬飼さんや姫神さんといったスティンガーの面々に心配され、病院へ搬送される男が一人。
あの犬飼さんと何となくいい雰囲気を醸し出しているこの圭一と呼ばれる人物は・・・?

時は現在に戻り、マーニーはあっちゃんこと金城あつ子ちゃんのお見舞いのため病院を訪れている。
側には親しくなったヘレンさんの姿もあります。この頃のヘレンさんは表情硬いですなぁ。

何やら廊下の方が気になる様子のヘレンさん。
目も見えず、耳も聞こえないのに・・・いや、だからこそ感じる物があるのか。
その反応が気になり廊下に出てみると、そこにいたのは犬飼さん。何やら病院の人と揉めているようですが・・・?

後でその件について姫神さんたちに尋ねてみるマーニー。
財津さんが言うにはそれは東堂さんの件だろうとのこと。

スティンガーNo.1。東堂圭一

おう、ついにスティンガーのNo.1が明らかになりましたか。
そして財津さんはNo.5でありましたか。まだNo.4の座はあるようだが今後出てくるのかどうか。

一見して優男風の東堂さん。
しかし狂犬と呼ばれた財津さんをケンカで捻じ伏せ、カリスマとまで呼ばせる魅力の持ち主だったらしい。
うーむ、このスティンガーたちのトップだしなぁ。やはりそれぐらいの力はあるのか。

屈託のない笑顔で言いたいことをズバズバ言う東堂さん。
人を集める魅力に富んだ人だったんですな。
そういう人柄に惹かれて集まって出来上がったのが今のスティンガーであるらしい。ほう。

それが半年前、他の県の連中がウチにチョッカイ出してきて、抗争になった。
その時、東堂さんは手製の拳銃で腹を撃たれてそのまま入院しちまったんだ

高校生の抗争で拳銃持ち出してくるとはまた何とも・・・
ナイフやそこらでは傷もつかない人だったのかもしれませんがねぇ。
しかしまあ、半年前の件と入院している人のことについては分かりました。
そしてその入院していると思われる病院で騒いでいた犬飼さん。何かしらあったのでしょうな・・・

というわけで、犬飼さんから頼みがあると呼び出しを受けるマーニー。
どうやら東堂さんが病院からいなくなったらしい。ほほう。そりゃ問い詰めもしますわな。
犬飼さんから東堂さんについて詳しい話を聞く。
どうやら実家は由緒ある家であるらしいが勘当されて一人暮らしだったらしい。
生活費も自分で稼ぎつつ高校に通っていたようだ。えらい話であります。

そんな彼は抗争の時のゲカで入院。
入院して精密検査をした結果、ケガとは別に二百万に一人っていう奇病に侵されているという結果が出たの

うーむ、生活費もどうにか稼いでいるって感じなのにそれまた厄介な。
先端医療で保険もきかない治療が多く、お金は相当かかるらしい。
犬飼さんはできる限り協力しようと裏カジノを開くなどして資金集めに精を出していた様子。なるほどねー。

先日お見舞いに行ったらベッドが空で。看護師に問いつめたら急に両親が来て連れて帰ったって・・・

ふむ。その話が本当であればよいのですが・・・その後の連絡が取れないのは不安ですわなぁ。
なのでマーニーに東堂さんを探して欲しいという依頼なわけですな。探偵らしい仕事だ。
しかしその依頼を受ける前に確認を行うマーニー。
犬飼さんは東堂さんと付き合っているんですか?と。

いや・・・私は気持ちを伝えていない
私・・・昔、車に連れ込まれそうになったことがあるのよ。
通りがかった圭一が助けてくれたの。五人相手に一人で・・・圭一がいなかったら私はどうなっていたか・・・
その時は動揺しててありがとうも言えなかった。
それから私もスティンガーに入って圭一の近くにいたけど・・・いまだに私は気持ちを言えないでいた。

ふむ。思わぬ犬飼さんの乙女話でありますな。
しかし本当、女の子の独り歩きが危険な町でありますことよ。
まあ何にせよ、このような話を聞かされたのでは断るわけにもいきますまい。
このまま会えなくなってしまうというのでは犬飼さん可哀想ですものねぇ。

というわけで、調査を開始するマーニー。
まあ学校に聞けば実家の連絡先ぐらい分かるよねと気楽な構え。
と思いきや、最近は個人情報の流出に気を使っているので簡単には教えてもらえない。
いつものように事件性があるならともかく、緊急性の薄そうな案件では渋られても仕方がない。むう。
まあ宮島先生によると登録されているのは現住所だけで実家の住所はそもそも伏せられていたようですが。ふうむ・・・

続いて東堂さんが住んでいたアパートを訪ねるマーニー。
近隣の人から話を伺おうとしたが、何故かそのアパートは誰も住んでいない空っぽの状態。
詳しく調べてみると、なんでも半年前に住人が一度に抜けて行ったらしい
ほう。半年前・・・それも東堂さんがいなくなってからたて続けに出て行ったと・・・ほう。

何やら怪しげな感じになってきました。
これは簡単な依頼ではなさそうですな。まあ簡単な捜索位なら犬飼さんでも出来るし、マーニーを頼ることもないか。

仕方がないので最後に所在の知れている病院で聞き込みを行うマーニー。
半年も入院していれば仲の良い人も出来るハズという読みだ。
その考えで他の入院患者の話を聞くと、東堂さんには言葉に変な訛りがあったらしい。
ふむ?実家は東京ではなく遠くの方なのだろうか。そうなると一気に捜索が難しくなりそうだが・・・

ちなみにあっちゃんにも話を伺ってみると、知ってる。星の王子様でしょ?との答え。あ、相変わらずファンシーな。
その他にも変な人達が来てたのを見たとか、海外のニュースなどを見ていたという話を聞ける。ふむ。

錯綜してる感じではあるが、ある程度の情報が集まったので一度帰って整理しようとするマーニー。
毛利さんにも事前に連絡を取っておく。
これは東堂さんの捜索のためだけではなく・・・何者かに尾行されていることに気付いたからだった。

病院の帰り道。複数の男に連行されそうになるマーニー。
しかし気づいていれば罠の張りようもある。得意のテグスで男たちを身動きできないようにするマーニー。さすが。
と思ったらゾロゾロと沸いてくる男たち。多いな!!
私を捕まえられますかねとか余裕ぶっていたマーニーも、そのセリフを言ってる次のコマで追い詰められている。おやおや。

危うい所であったが、事前に連絡しておいた毛利さんが警官を連れて到着。いいタイミングだ。
逃げ出そうにもテグスが邪魔でほとんど逃げられない。逃げた一人もGPSを付けられて本拠地を調べる囮にされる。
うーむ、これだけの大人数を繰り出しておきながら女子高生一人にこの有り様とはなぁ!!
まあマーニーのテグス芸はかなりのものになってますからねぇ。仕方がない部分はあるか。警官まで絡まってるよ。

というわけで、GPSの信号を追うマーニー。
行き着いた先は・・・H国の大使館。ああ・・・さすがにここは出入りできませんわ。
裏社会の人の事務所とかならまだ出入りの経験もあるが、さすがにここは厳しい。
でもこのことが東堂さんの正体を知るきっかけとなるのでありました。

犬飼さんを屋上に呼び出し、説明を開始するマーニー。
H国は十年前にクーデターがあったらしい。
当時の王族は国外へ逃亡。その後国は軍事独裁政権になったそうな。
それがひどいもので、死人もいっぱいでており、最近では王政の復権を望む声も大きいとのこと。

王族の一部は日本に極秘亡命したんです。日本の大使館は旧王政派が占めていたかららしく。
日本政府の協力もあって日本人として生活を始めた。当時七歳の第一王子○○○○○は日本名東堂圭一として。

ほう・・・いや、それは・・・ほう。本当に王子様だとは・・・星の王子様だからH国の王子様なのか!?
あっちゃんは真実を混ぜてファンシーな表現にしてくるから後で驚かされる。いや、あっちゃんも知ってたわけじゃないだろうけど。

軍事政権打倒の気運も高まり、王子の帰国が望まれていた。
そんな中、抗争のケガで入院。側近に説得され帰国する決意をした。
それで難病ということにして皆の前から消えることにしたんです。
理由を話すわけにもいかないし、苦渋の選択だったんでしょうね・・・

そういうことでありましたか。まあ奇病の件は本当じゃなかったので良かったと思うべきですかなぁ。
そして犬飼さんへは東堂さんからの手紙。
どうやらマーニーは大使館の人に接触したらしく、そこで預かってきた様子。相変わらずの交渉力だなマーニー。

東堂さんの手紙にはこれから戦わなければいけないという王族としての悲痛な決意が書かれている。
そして戦いが終わったらきっとまた犬飼さんに会いにくる。愛してるとも書かれている。ほう・・・

犬飼さんの思わぬ話でありました。
人にはそれぞれ抱えているものがあるわけですが・・・うーむ、切ない話ですなぁ。
東堂さんには無事に戦いを終え、民衆を救えるよい国を、未来を作り上げていただきたいものであります。



file94「第一回ミーティング」  (2014年 31号)


マーニーがトラウマを植えつけられ、今のマーニーの性格の基礎を形作ることとなったあの事件。
逃げようとしたマーニーは捕まり、屋上では2人のメカニックが対峙する。
その際にどのような話があったのか・・・
鴻上の視点からマーニーに向けて語られることとなります。

その時のマーニーは金庫に押し込められていてメカニックが2人いたことに気付かなかった。
そこに気付けていれば遠回りすることもなかったんでしょうが・・・
まあ、早い段階で気付いてしまうと身に危険があったかもしれませんがね。

機密性の高い金庫に入れられ、息苦しさに喘ぐマーニー。
ただでさえ人質にとられ、精神的にまいっているのにこれは厳しい。
マーニーをそういった危険な状況に追い込んでおいてから夜刀は鴻上に提案する。賭けをしないか?と。

お前は人の善性を信じている。この子の中にそれを見たって言ってたな。
人の本性はそんなものではない。安全と金がなくなれば皆、人はケダモノへとまっしぐらさ。
そこでこの子を試そう。自分の命か人質二十人の命か・・・

とことんマーニーは2人のメカニックの争いに用いられてしまったようですな。
事件に巻き込まれただけでも大変なのに、そんな選択までさせられようとは・・・
鴻上は、その子は自分が助かるために人を見殺しにできる子じゃないと言うが・・・ロマンチストですなぁ。

夜刀によれば鴻上は人を殺したことがないらしい。
やはり本物のメカニックは怪盗寄りの存在だったようですな。アルセーヌ・ルパンのような。

さて、夜刀はマーニーだけではなく、その父親であるロイドさんを試すようなこともしている。
マーニーと人質の子供達を天秤にかけさせる。
この問いかけに、刑事として子供達を危険な目にあわせるわけにはいかないとの選択をするロイドさん。
当然苦悩の色が見えます。うーむ、これも人の善性を試すことになるのかもしれないが・・・
正直、どちらを選んでも正解に思えないのが辛いですなぁ。

刑事だから・・・マーニーを助けることは・・・できない・・・

苦悩の呟きを漏らすロイドさん。辞職は責任を取っただけではなく、この選択をせざるを得なかった点も理由としてあるわけですな。

さて、人質のことを考慮するとメカニック逮捕のために踏み込むことができない。
なのでまずは人質の解放を考える担当刑事の佐賀瀬さん。
人質は奴の切り札。この建物にはいなくとも制御できる近場に確保していると考える。さすがですな。

警察が人質解放のために動いているころ、マーニーは選択を迫られる。
助かるために二十人の子供の命を捧げるか、その見知らぬ二十人の子供のために自分の命を差し出すか。
どっちがいい?と尋ねられたって、そりゃ即断できるはずはない問いかけですわな。
とはいえ決めなければ全員死ぬこととなると告げる夜刀。この男なら間違いなくそうするだろう。

助かりたければ・・・なにも言わなくていい。うなずいてくれるだけでいいんだ。助かりたいのか?

その問いに、思わずうなずいてしまうマーニー。
うーむ。これはやっぱり仕方のないことでしょうな。
親しい人やせめて知人ならまだしも見知らぬ子供が対象では重みが違ってくる。
それに、この選択を強いられる直前まで命の危機を感じていたわけですしねぇ。
積極的な返事はできなくても、そのように誘導されたのでは思わず肯定してしまっても無理はないと思われる。
人の善性を測るにしては少々傾き過ぎた試験ですわなぁ。

さて、佐賀瀬さんは見事に人質の子供達を解放する
しかしこの時の銃撃戦で捜査員が殉職した様子。ああ・・・

捜査員のことは悼むべきであるが、少なくとも子供が解放されたのは救いである。
本来ならばマーニーの選択を聞いた夜刀が子供達を爆弾で吹き飛ばしていたところでしたからねぇ。
自分の選択でそうなっていたとしたら、さすがにマーニーも再起不能であったかもしれませんですし・・・

子供達は殺せなかったのでマーニーだけでも殺していくかとか言い出す夜刀は本当にゲスである。
結果はさておき、それでは選択をさせた意味がないではないか。
鴻上も止めるのであればその点をついておいて良かったんじゃないかね。
いやまあ、これから賭けに従って夜刀の罪を被って逮捕されないといけませんしねぇ。
わざわざ煽って自分が自由にならない間にマーニーの身に危険が及ぶような状況にしちゃいかんか。

アバヨロリコン。お前はメカニックの名にふさわしくない腰ヌケだったぜ!!

ああ、やっぱり鴻上はロリコ・・・いやいや。そうではない。
擁護させてもらうと紳士的な対応を取るのであれば女性――それも小さな子には丁寧になるものですよ。
つまり紳士な態度はロリコンっぽく思えるだけで紳士=ロリコンではないってわけだ!!
我ながら何を必死に擁護しているのだろうか。でも違いますからね!そこは個人の趣向の差です。
なので鴻上が実際にロリコンの可能性は・・・うむ、否定できないな!!

それはさておき、鴻上の口から現在のマーニーに事件のあらましが伝えられました。
夜刀に気付かれないように、雑踏に紛れて通信でのミーティング。大変ですなぁ。
でもそのおかげで夜刀の人となりが分かってきた様子。

コンプレックスが人並み以上に強い
権威に対してこだわりがあるみたいですが、おそらくは今まで痛い目にあってきたことに対する裏返しのようですね。
メカニックという権威が突然目の前に現れ、力を手に入れた。だから彼はそれに依存した。それが全てってくらい・・・
その権威のためにアナタが邪魔だったんでしょうね。

その名を作り上げた鴻上という存在よりも、既に作り上げられたメカニックという権威に惹かれたわけですか。
コンプレックスというのは厄介ですなぁ。
夜刀も才能はあったのだし、幼少の頃から見出されていれば道を違えずに済んだのかもしれないが・・・うーむ。

彼の中にとってメカニックの権威というのは絶対なんですよ。
てことは・・・その権威を穢す存在が現れたら彼はどうするのか・・・

何やら企んでいる様子のマーニー。それが夜刀攻略の糸口になればよいですな。
奴は意図的に暗闇を演出している。
なにもわからない暗闇は恐ろしいが、そこになにがあるかわかっていれば対処のしようもある。
メカニックという名に怯えを抱いていたようにも見えるマーニー。
しかし今ではそれに対抗するために強くあろうとしている。成長しましたなぁ。
いつまでも夢見る少女じゃいられないってことか。ふむ。ロリコンの鴻上的にはこの発言はどうなんですかね?かね?

こうして第一回ミーディングは終了。
こうやって徐々に反撃の体勢を整えて行こうとするのでしょうが・・・はてさて、上手くいくかどうか。
少なくとも次回予告には危険な内容が書かれている。
マーニーの身近に夜刀が送ったスパイがいるだと・・・?

まあ、あの男ならそれぐらいはやりかねないでしょうな。
マーニーの安否は鴻上に対する切り札となりうるわけだし、監視をつけているのは当然だ。
さてそうなると誰が怪しいのか・・・
ゆりかちゃんは・・・正直そういうのであって欲しくはないな。メカニックとは関わりなく自由な子でいて欲しい!!
他の誰であっても微妙な気分になりそうですがどうなりますか。注目です。



file95「犯罪の館」  (2014年 32号)


ちょくちょく鴻上と現メカニック夜刀との対決のためにミーティングを行っているマーニー。
気付かれないために定期的にはやっていないのでしょうが、それなりの回数やってそうですなぁ。

さて、今回のミーティングでは鴻上から驚きの情報がもたらされる。
何でもマーニーの身近に夜刀のスパイがいるというのだ。ほう・・・

鴻上が夜刀の側に送り込んだスパイにより、夜刀が持つマーニーの情報が手に入った。
画像も何枚かあったが、その中に授業中のものもあったらしい。
このことからスパイはマーニーの学校の生徒。いや、もっと身近な・・・クラスメイトの可能性が高いと推測されるわけだ。むむむ。

クラスメイトの中に夜刀のスパイがいる。これは難しい問題である。疑えばキリがないほどだ。
ゆりかちゃんも怪しいと言えば怪しい。
けど、スパイの画像を見るとゆりかちゃんも写っているし、除外しても良さそうな感じですね。
実はスパイが複数いましたとかいうオチじゃない限りは。

それはさておき、そろそろ文化祭が近いらしい。
マーニーのクラスも出し物を決めないといけない。ふむ、大変ですな。
平凡なのはアレだけど、奇を衒うだけだと後々苦労することになる文化祭の出し物。
ゆりかちゃん発案のデート喫茶ならばアドリブで何とかなりそうだが・・・いや、普通に許可は下りないだろうなさすがに。

というわけで、出し物の定番、お化け屋敷に決定する。
お化け屋敷となればオカルト。前花さんの出番である。
テーマやデザインの提案で積極的に発言する前花さん。何だか髪にウェーブがかかってる気がするな。オシャレ始めたか?

前花さんの提案は、ただのオバケではなく、犯罪をテーマにしたオバケ屋敷
今はオカルトや心霊より脱出ゲームや人狼ゲームなどサスペンス的なものの方が流行している。
だから現実的な犯罪者をモチーフにした方がうけると思うとのこと。
ふむ・・・オカルトが劣るとは前花さんらしくない発言ですな。
いや流行で劣っていても好きだから問題ないと考えればむしろらしい発言なのか?

何にせよ、この提案の原案はマーニーである。
自分の発案とバレるとクラスメイトの中にいるだろうスパイに気取られそうだから、前花さんに提案するようお願いしたわけですな。
まあ、わざわざ回避したけど、どうもその流れを気取られてしまっているようなのですが・・・

やることは決まったので動き出す。
出し物の名前は犯罪の館。各人が忙しそうに立ち回っている中、特に何もしていなさそうなゆりかちゃん。さすがである。
そしてその出し物に対し、鴻上にも協力を依頼するマーニー。
そうして・・・文化祭の当日がやってきました。

ネコミミつけてチラシを配るマーニー。何でネコミミ。出し物と関係ないのに。まあ似合ってるから別にいいけどさ。
それはさておきて、鴻上には犯罪の館に対して協力をしてもらうこととなります。
犯罪の館には入場は一人ずつ。異常犯罪者に捕まった被害者という設定で手枷をハメて入ることになるそうな。ほほう。
実際に異常犯罪者に捕まった経験のあるマーニー監修ということを考えると何とも怖いものがあるなぁ。

中では異常犯罪の光景やその事件の記事などが見られるようになっている。
ふーむ、普通のお化け屋敷とは確かにまた違った怖さがありそうですなぁ。ちょっと面白そうだ。

その犯罪の館の最後の方にはイスに腰掛けた長髪の男がいる。
何もせず座っているだけだが、その異様な雰囲気には気圧される者がある。
知っている者であればその姿はメカニック――夜刀に似ていると分かるのであろうが・・・

鴻上の協力もあり、有用なデータを手に入れられたかもしれないマーニー。
クラスの人間は必ず一回は入ることになっている。
その際に例の手枷、血圧や心拍数を測るバイタルブレスでデータを集積している。
このバイタルブレスは改造して感度を過敏にしているのでちょっとした動揺や驚きのデータも拾えるのだそうな。
ふーむ、それはいいが手枷のモデルに天ちゃんを選ぶのは分かっているというか何というか・・・ふむ!

犯罪の館内を歩いている時、感情の動きは全てデータに取られている。
本人は何に反応し、何を怖がったのか。
前花さんには犯罪の館の評判を調べるって言ってありますが、このアトラクション自体が一つの心理試験になっているわけなんですよ。

なるほど。突然その館の中に雇い主である夜刀が現れたとしたらどう反応するか。
スパイであるならばそれらしい反応を見せるのではないかという話ですな。
宮侍君はビビっているが、まあこれはスパイ云々じゃなくて性格的なビビり方でしょうな。仕方ない。

クラスメイトを一通り調べてみたが、これといって際立った人間はいない様子。むむむ?
大掛かりな仕掛けであったが、事前に察知されていた感じはありましたし、空振りになってしまいましたかな・・・?

そうこうしているうちに、文化祭はつつがなく進行している。
まあ、本当につつがなかったのかどうかはわかりませんけどね。
しかし各キャラたちの出し物の様子とか面白そうですなぁ。これはこれで別の話として見てみたかった。
薬師さんのコスプレやら、宮島先生の弾き語り。色々と気になりますわぁ。

文化祭の内容は気になるが、今はスパイの方をどうにかしないといけない。
結局これといった人物は見つからなかったマーニー。
しかし、鴻上の一言で見方が変わる。
夜刀のスパイならばある程度マーニーの動きに気付いているのかもしれない、と。

そうか・・・逆だ!逆ですよ。スパイが気付いていたとしたら!
クラスメイトで犯罪の館に入らないと逆に怪しまれる。だから中に入った・・・
でも罠にはまらないよう心の動揺を悟られまいとする
バイタルブレスのことまで気付いていれば・・・心理試験に引っかからないよう・・・逆に不自然な結果が出ているはず。

その観点から調べてみると、確かに不自然なまでに低い反応が見つかる。
夜刀の姿をした鴻上を見かけても何もなかったかのように振る舞った。この人の名前は・・・来岩頼子!!

正直、誰だ!?という感じでしたが、昔の話を見返してみると確かにいる来岩さん。
入学した初めのころ、一時期マーニーと仲が良く、頼ちゃんと呼んでいた女の子である。
ふむ。確かに1話にも姿が出てますな。7話だと扉で大きく出てるし分かりやすい。そういえばこんな子もいましたな・・・

動き易いように距離を測ったんだろうな。あまり近すぎるとマーニーに気づかれると思ったのか。

ふうむ。逆に近すぎない子の方が怪しかったという話でしたか。
マーニーにしてみれば、来岩さんは気のいい感じの子だったとのこと。ショックは隠せない見たいですね・・・

ショックはあるが、兎にも角にもスパイを特定できたのは大きい。
情報源を押さえればそこから夜刀への情報を操作することが出来る。

夜刀への道筋は出来た。あとは夜刀を欺き、追い込みをかける

ふむ。ようやく反撃の糸口をつかんだ感じでありますな。
上手くすれば一気に追い込むこともできるのでしょうがどうなりますか・・・

そういえば鴻上はサラリと今回マーニーと普通に素顔で顔合わせしておりますな。
夜刀に気付かれる恐れはないとの判断なのか、ミーティングしているうちに顔見せしてもいいと判断したためなのか。
何にしても、随分とマーニーと鴻上の距離が近くなってきている気がする。
よもやマーニー争奪戦の最右翼は鴻上となるのか・・・?ロリコンだし可能性ありそうで怖いですわぁ。



file96「作戦」  (2014年 33号)


マーニーが戦おうとしている現メカニック夜刀。
旧メカニック鴻上との協力によりそのスパイを特定することに成功した。
となれば次は更なるステップアップを望みたいところである。

奴の攻撃に対して守ってばかりいても逃げきれはしない。
自分の身を守るためには攻撃しなければならないのだ。
一つ作戦を思いつく。あまりに荒唐無稽で実現が難しいと思えるが・・・

どうやらマーニーの反撃が始まる様子。
その手段の一つとして連絡を取ったのが村枝さん。おっと、これは懐かしい顔でありますね。
暴力と権力で一時政界のフィクサーとまで呼ばれた昭和の怪物。
今は現役を引退し、穏やかな生活を送っているらしい。
マーニーとはfile8でペンフレンドの捜索を解決して以来の顔合わせとなりました。

御前はメカニックをご存知ですか?

もちろんマーニーが問うのはメカニック関係。
やはり大物らしくメカニックについては知っているし会ってもいる様子。
だがどうやらメカニックが2人いることは知らなかったようですな。おやおや。

ワシの知っている奴は面白い男だった。野心家で聡明で・・・気に入っていたが・・・

ふむ。どうやら鴻上の方しか知らなかったみたいですね。
マーニーがメカニックを捕まえたいと言った時、ガンバリたまえ。できるものならと述べている。
これはあまり協力する気はないという感じの回答だった。
けど、その鴻上が使っていたメカニックの名前をジャックして色々な人間を不幸にした男がいると知らされる。
となれば、鴻上を気に入っていた村枝さんとしては協力を断りづらいところでありましょう。
更にマーニーに村枝さんはいい人ですからとか言われたら笑ってみるしかない。ハッハッハッ。

というわけで、村枝さんの協力を取り付けたマーニー。
引退しているため昔ほどの影響力はないだろうけど、心強いのは確かですなぁ。

さて、具体的に村枝さんにどう協力してもらうのか。
どうやらコネクションを使いたいらしい。
ある程度信用できる人間に架空被害を出してもらう。盗難やサギやあまり表に出したくない被害が出たと。
そしてその盗難の現場にはメカニックの名刺が残されていたと・・・

私が第三のメカニックをやるんです
奴はメカニックの名に異様な程プライドを持っている。放ってはおけないハズです。

なるほど。こりゃ確かに荒唐無稽な作戦でありますな。
だけど夜刀を刺激するには確かによさそうな作戦ともいえる。相当危険ではありますが・・・
動揺させて表に出てこざるを得なくするための作戦。果たして上手くいきますかどうか。
一応、夜刀には第三のメカニックの情報は入っているようですが・・・

マーニーのクラスメイトである来岩さんは夜刀のスパイ。
学校にてマーニーの動きを探る任務を帯びている。
どうやら来岩さんにはまだスパイを特定したことは気付かれていないようですな。
まだスパイを探っていると見せかけて時間稼ぎをするマーニー。
いつまで持つか分からないし、早い段階で勝負をつけたいところでありますなぁ。

夜刀はまだ第三のメカニックの存在を疑っているハズ。
ここらで一度姿を見せておかないとキビシイと考えるマーニー。
鴻上と相談し、一度協力者の一人と直接会う機会を作ることとなった。それをカメラに撮られるようにしてワザと証拠を作ると。

男装していきます。以前したときはなぜかバレなかったので・・・本当に不思議なんですが・・・

どうやら前の男装の件がトラウマになっているようですな。
マーニー部の子らにも男っぽいとか思われてるようだしなぁ。
うーむ。可愛いのになか。うーむ。まあ可愛い男もいるから問題ないってことか。いやいや。

というわけで、協力者の一人と取引の振りをするマーニー。
男装しているのはいいけど、その特徴的なモジャモジャ頭は特定されやすいんじゃなかろうか。

その心配もあったが、今はそれ以上の危険が迫っている。
マーニーの予想以上に動きの早かった夜刀。
メカニックの名に対する執着は相当のものらしく、自ら現場に姿を現す。おぉ・・・
今回は確保ではなく、お芝居のつもりだったから人員配置とかはしていない。何とかやり過ごして逃げないといけない。
鴻上が貸してくれた緊急スイッチを作動させ、近場の街頭をショート。暗闇にして逃亡を図るマーニー。だが・・・

動きがあったぞ。突入しろ!

逃げようとした先に現れたのは警官隊。その中には毛利さんの姿が見える。
どうやら独自の捜査で第三のメカニックの動きを突き止めていたようですな。
うーむ、マーニーに助けられてばかりでもなかったんですねぇ、毛利さん。見直したけど今は余計な働きだ!!

前方からは警察。後方にはメカニックが仲間を連れて迫ってきている。
これぞまさに前門の虎後門の狼。絶体絶命でございます。
しかしここは歩道橋。前後に逃げ場がないなら横から逃げればいい。
走って来たトラックの荷台に飛び乗るマーニー。
どうやら鴻上が気を利かせて助けに来てくれたみたいですね。やれ助かった。

まさかの夜刀登場で大変なことになったマーニー。
しかもどうやら信用できると思った協力者にも利用されてしまった様子。
今回の取引はただの紙を用いてのやり取りだった。
が、その金を騙し取られたことにして資金隠しをしようとしたらしい協力者。
なるほどねぇ。盗まれたことにして資金隠しをしようという企みか。なんともはや。
知らぬこととはいえ、これはマーニーの働きも犯罪幇助ということになってしまうのではないだろうか。

その辺りは夜刀を捕まえさえすればどうにかなる・・・といいのだが、どうなのだろうか。
何にせよ、目的であった姿のお披露目には成功した。
これで夜刀にとって第三のメカニックは現実の脅威として存在することとなったわけだ。

奴は敵と戦わなければならない。実体のない影と。オレ達はその戦いの火に油をそそぐ。奴のシリに火がつくまでだ

ふむ。決戦の日は近そうでありますな。ドキドキ。
と思ったら、次回予告に夜刀との戦いに決着が・・・!?とあるのだが、これはどういうことだろうか。
まさか本当に次回で決着がついてしまうのか!?それはさすがにいきなりな気もするが・・・さてはて。
色々と今後の展開が気になるところであります。



file97「決着」  (2014年 34号)


マーニーが成り済ました第三のメカニックは一部の人間に多大なインパクトを与えた様子。
協力者の裏切りにあい、本物の犯罪者扱いにされてしまったのは困ったが、夜刀に対しては上手くダマせたようだ。
こうなれば夜刀は動き出す。メカニックの名を汚されることは奴にとって最大の侮辱だからだ。
しかし三人目のメカニックはマーニーの狂言であり、戦う相手を見つけることはできない。

という状況に持ち込んだところで、作戦の第二段階に移行する。
夜刀が第三のメカニックを探す間にこちらからも攻撃を仕掛ける様子。お、これは楽しみな段階ですな。
謎の第三のメカニックを探して時間をかけているうちに、夜刀のアジトを襲う。
そして金品を奪い。名刺を残す。存在しないはずの第三のメカニックに襲撃される夜刀。これはプライドが揺らぎそうですなぁ。

鴻上の右腕に当たる存在とされる右京冴島
夜刀の台頭と共に組織から身を引き地下に潜っていた所を鴻上が呼び戻した様子。
ふむ、やはり鴻上にもそういう存在がいたんですな。
依頼者に好かれることが多い鴻上ですし、そういう仲間がいてもおかしくはない。

さて、その2人に動いてもらい、夜刀のアジトを襲撃する。
メカニックのアジトの位置は鴻上が大体把握している。
鴻上と第三のメカニックの関係を知らない夜刀にしてみれば、これは驚きでしょうな。
三人目のメカニックは自分より上手かもしれない。そう思わせられれば成功だ。

奴はだまっていられなくなる。元々仲間など一切信用していない男だ。部下を疑うだろう。
不審な人間を切り捨てる。トカゲの尻尾を切るようだが、それではすまない。
不安が疑いを呼び、疑いは疑いを育てる。そうなればトカゲは死の寸前まで自分の身を削り取らなければならないのだ

夜刀はメカニックの名を乗っ取り、組織を大きくした。
けれども自分の人望によって作り出したものではありませんからねぇ。
こういう力の削がれ方は苦手でありましょう。
実際この作戦は当たり、二か月が経過する頃には半数の手足を失っているという組織。おやおや。

年の暮れも近い・・・奴はいつまで持つかな・・・

いい感じに追い込んでいるマーニー。鴻上にもえげつない作戦と評されるだけのことはある。
スパイの来岩さんにも気付かれずに済んでいるようだし、これはいい感じですな。

実際、組織の崩壊は始まっている。
夜刀の恐怖と力によって維持していたと思われる組織。
その力が削られている以上、信頼関係の薄い部下たちは我先にと逃げ出す。
組織の金を自分たちで奪い、その責任を敵に被せればいいのだ。うーむ、こうなると自壊は凄い速さで進みそうですねぇ。

追い出されたネズミに逃げ出したネズミ。彼等は危険な状況だ。ヘタすればメカニックに殺されてしまう。
そういう人物は情報を警察に流す。悪党と警察は折り合いが悪いだろうが、自分の命が危険となれば話は別だ。
こうして警察は保護という名目でメカニックの一派大量検挙となった。
取り調べが行われ、自分の罪をできるだけ減らしたい者は容易に情報をもらす。囚人のジレンマというやつだ。

こうして組織はほぼ崩壊。夜刀は本拠地の場所まで暴かれることとなる。
うーむ、恐怖による支配ってのは解かれればモロいものであるなぁ。
やはり最終的には信頼関係がものを言うってことですかね。それを築くのはかなり大変なことでありましょうけども。

というわけで、警察とマーニーたちはメカニックの本拠地へと向かう。
もはや夜刀に以前の組織力は無い。決着をつけるならば今ってことですな。

本拠地に先にたどり着いたのは警察。マーニーにしてみれば警察に捕まりさえすればいいわけだし、それは問題ない。
と思いきや、入口にはトラップがあり、警察はそれを知らない様子。おやおや。
これは大変とそのことを知らせに飛び出すマーニー。
どういう経緯でその情報を得たのかは説明できないが、だからといって見過ごせるはずもない。
まあ、説明できなくても毛利さんならばマーニーのことを信じてくれるでしょう。
夜刀とは違い、きちんとした信頼関係を築いているわけですからねぇ。

入口の扉は無事に開いた。
さて、後は追い込むだけ・・・と思いきや、夜刀はマーニー1人で自分のところに来いと要求し出す。
もし1人で来なければ生物兵器を使用すると添えて。うーむ、追い詰められた夜刀ならばそれもやりかねないか。

というわけで、警察を置いて1人で進むマーニー。
幼き頃からの因縁。決着は自分の手でつけないとって話ですな。
まあ夜刀にしてみれば1対1で相対する必要はないので部下を配置してたりするようですが。

夜刀はいつの間にかマーニーが第三のメカニックであることに気付いていた様子。
まあ、気付いたころには組織の力が削がれてどうにもならなくなったんでしょうね。
アジトの位置がこうも筒抜けならば鴻上の関与を考えるし、そうなればマーニーの作戦も想像はつくか。

まったく大したもんだよマーニー。鴻上に対しての人質のつもりだったが、お前が一番の敵だったんだな

遅まきながらその認識に至る夜刀。
そして旧メカニックこと鴻上もその意見に賛成する。
うーむ、さすがに神出鬼没。既に中に入り込み、夜刀の部下に成り済ましてこの場にやってきていたとは・・・

力関係は鴻上の登場で完全に逆転した。夜刀に勝ち目はありますまい。
鴻上は夜刀に判断を迫る。メカニックとして捕まり法律の裁きを受けるか、ここで死ぬかを。
結構危ない撃たれ方してるように見えるが、致命傷じゃないんですね。

この選択に対し、お前の最初の殺人の相手が自分なのは光栄かもしれないと述べる夜刀。
ふむ、最後の時を前にして少しは丸くなったというか、鴻上の力を再認識したようでありますかな。
自分を殺させることで不殺を貫いてきた鴻上の経歴に泥を塗りたいという想いもあったりして。

そういった思惑が読めていたかはわからないが、鴻上を止めるマーニー。
一時の感情に流されて人を殺してはいけない。生死の選択を迫るなんてまるで夜刀と同じじゃないですか、と。

夜刀さん。アナタにはもう生死を選ぶ権利は無い。そして私たちが選ばせるわけでもありません。
アナタの被害にあった善良な人達が守る法だけです!!アナタはそれに従うしかないんです。

おやおや、これはしてやられましたな。
最後はメカニックの矜持と共に死ぬことも考えていたんでしょうが、それを選ぶ権利もないと来ました。
あれだけ追い詰めてきた小さな女の子にしてやられる夜刀。
昔のことを知り、その成長を大したものだと評価する鴻上。
マーニーは2人のメカニックに認められる存在になったわけでありますな。よい話であります。
夜刀の、表情の見えない描写も解け、目に色が戻ってきました。これで完全に決着か・・・

その後、突入した警察によりアジト内が捜索される。
大量の犯罪、殺人、傷害を含む証拠が発見され、夜刀はメカニックとして再逮捕される。
鴻上有は警察の突入直前に消えた。その際に夜刀の資金を奪っていった様子。この辺りはさすがというか何というか・・・
鴻上がメカニックの名を使うかはさておき、再び活動を再開するのは近い話になりそうですな。
まあ、危険性はない怪盗でしょうからそれはそれでよしとしますか。
ひょっとしたら名探偵と怪盗という形で今後対決するなんて話もあるかもしれませんね。

こうして二〇××年のクリスマス。メカニックと関係組織は全滅。
そして、この戦いの中、私は十六歳の誕生日を迎えた

年齢を言われると改めて若さを感じますな。
この若さでこれだけのことをやってみせるマーニー。幼少期からの経験がものを言ったということでしょうか。
まさにいい成長を遂げたといっていい。
歪むことなく成長できたのは、いい父親やいい友人たちに囲まれたおかげでありましょうか。
そう考えるとやっぱりゆりかちゃんの存在は大きかったのかなと思えなくはない。
夜刀との対決にはほとんど関わることのなかったマーニーの友人たち。
それは少し残念でしたが、まあ高校生が犯罪組織に表だって立ち向かうのもアレですしねぇ。
直接の力添えはさておき、マーニーの成長を促してくれた。それもまた絆であったと考えることにしましょう。



file98「母との対峙」  (2014年 35号)


夜の山道。車を急がせながら携帯で連絡を取っている男。
危険な行為ではありますが、どうやらそうも言っていられないほど焦っている様子。
出かけている間に子供の世話を弟に任せていたが、どうやら行方知れずになった感じですな。ふむ。
それで焦っているようですが・・・その結果事故を起こすこととなってしまいました。おやおや。
まあ電話してた弟の表情には何か違和感がある感じですがね・・・

事故が起きたのはマーニーの家の裏山。
そういえば結局マーニーは引っ越ししなかったんですかね?
まあ死体が何年も放置されてた家に引っ越すのもアレですしねぇ。

それはさておき、毛利さんに呼び出されるマーニー。
おごってもらえるということで1200円のスペシャルスパゲティーを頼む。
セレブに接している機会が多いのに、むしろどんどん貧乏臭くなっていくのは何故なのだろうか。

ともかく、毛利さんが呼び出すのだからもちろん用件は事件についてである。
マーニーの家の裏で起きた事故について。
死亡したのは医者で資産家の乾家の長男、乾太郎とその妻のさん。
ただの事故と思われたが刑事事件に発展したそうな。ほう。

乾家は家長が乾ふさえ。その長男で実家の医院を継いだ太郎と咲。その一人息子優也。ふさえの次男の次郎がいる。
現場から事故はスピードの出しすぎによる単独事故と思われた。
ふさえはそれに異を唱え、次男による遺産目当ての犯行だと騒ぎ出した。

なるほど。それで刑事事件に発展したわけですか。
確かに事件当日次男は怪しい行動をしている。が、決定的な証拠は見つかっていないとのこと。
乾ふさえは独自に探偵を雇い事件の捜査を始め、次男はそれに対して弁護士を雇ったらしい。

それが熊耳法律事務所らしいんだ

ほう。これはマーニーとも繋がりが出てきてしまいましたね。
熊耳法律事務所は毛利さんも認める強力な事務所。
ちゃんとした証拠が出なければ次男は無罪になる可能性が高いと目されている。
なるほどね。これはまあマーニーが頑張るしかないってところでありますか。

というわけで現場検証。
隣の町から山を越えて急いで帰ってくる途中、急カーブを曲がり切れず谷底に転落したと思われる。
しかしそれにしてはブレーキ痕がない。急カーブで急ブレーキもかけずに落ちたと?
しかもガードレールの隙間は2m弱しかない。その隙間を巧く抜けることなんてあるだろうか。
調べれば調べるほど疑問の沸きそうな事故現場であります。

事故当日乾太郎は隣町の病院交流会に出席していた。
九時過ぎに次郎から連絡が入り、乾太郎の息子が行方不明になったと知る。
太郎夫婦は急いで車で帰路に着く。近道としてこの裏山を使った。
乾太郎はケータイで連絡を取りながら運転していた。そのため前方不注意により運転ミスしたのではないのかと・・・

ふうむ。それが当初事故とされた理由でありますか。
そう判断してしまうと怪しい部分があっても余り調べないものなのかもしれませんな。
現場には道路に怪しげな傷があり、ガードレールの上部には何かがぶつかった跡もあるというのに・・・

マーニーは独自に調査しているが、乾ふさえ側の方の調査の進展ははかばかしくない。
確かに不自然な車の落下や次男の怪しい行動はあるが、決定的といえる証拠はない。
これでは追い詰めるのは難しい。弁護士としては喜ばしい状況のはずだが・・・そうでもなさそうな熊耳先生。
ちゃんと次男の怪しい行動も調査している。
当日行方不明とされていた乾太郎の息子は戌に追い立てられ倉庫に逃げ込んで出られなくなっていたとのこと。
しかしその犬は乾次郎の飼い犬であったらしく・・・怪しいですわなぁ。

まあそこは可愛いシャーロックホームズが動いているようだし、公判まで少し様子を見ましょう。木田さん。

おや、さすがに熊耳先生。マーニーの動きも把握しておりましたか。
当初はもっとイタズラ者っぽい雰囲気でしたが、メカニックの件を自白した辺りからずいぶんと丸くなった感じですなぁ。

そんな熊耳先生――ママについてパパであるロイドさんに尋ねるマーニー。
色々あったと思うけど、ママに何かあったらどうする?と。

色々あったし・・・今も納得いってないけど・・・
感じたのは彼女とは決定的に道が違ってしまったってこと
お互い自分の信じる道を進んでいて・・・気がついたらもう一緒にはいられなくなっていたんだ。
でも彼女になにかあったら僕は彼女を助けに行くつもりだよ。マーニー

ふむ。大人らしい意見でありますな。
それぞれの考えを持った独立した大人だからこそ、違えた道は交わり辛いか・・・
でも一緒に暮らすのと何かあった時に動くのとでは違う話ってわけですな。
複雑ながらもとにかくその答えが聞ければ満足ではありましょうか。マーニーもやたらと可愛い顔でそうだよねと返す。

というわけで、マーニーは母親の前に現れる。
母のことを思えば事件の調査は進めるべきではない。
けれどもロイドさんが言っていたように、それは自分の進む道とは違う。
母にとって不利益になることであってもそれはちゃんとやらなければいけない。
そうやって調査を進めた結果・・・乾次郎が兄を遺産目的で計画的に殺そうとしたことがハッキリする。

ママ・・・裁判、負けるよ
この裁判・・・おりた方がいいよ。

どうやら警察は今事件を多く抱えていて本格的に調べきれていないらしい。
どうにも杜撰な調査だなと思ったらそういう理由もあるのか。

マーニーからそのようなことを言われても、事務所のメンツもあるしすぐには承諾できない熊耳先生。
なのでマーニーが事件について説明してくれます。
ガードレールの切れ目から少し離れた場所、上の方に何かがブツかってへこんだ箇所があった。
そこには車の塗料が残っており、調べればそれが乾太郎の運転していたベンツであるのは間違いないとのこと。

車はジャンプしたんだよ。ガードレールを飛び越え、かすりながら谷側に落下。
そう仮定してジャンプ地点を探してみたら、ある道路に線状の跡が見つかった。
その跡にあった残りカスも採取して証拠として保存。
そして乾次郎のことを調べたら、仕事場は工事現場だった。
そこで面白いものを見つけたんだ。ジャンプ台にちょうどいいような車止めの板。

その板の塗料も証拠として採取したというマーニー。
状況証拠ではなくここまで物的証拠が揃っては裁判に勝ち目があるはずもないですわなぁ。
さて、ここで熊耳先生は問う。その証拠はもう警察に提出したの?提出されれば私達は裁判で負けるわ、と。

ママは裁判に勝つのと真実とどっちが大事?

これが弁護士という道を歩み熊耳先生と、探偵としての道を歩むロイドさんやマーニーとの違いなのだろうか。
いや・・・この問いかけに対しては、マーニーが思ったのとは違う答えが返ってきました。
事務所のメンツやそういったものは思ったほど気にしていない様子の熊耳先生。
元々この依頼は部下に乾次郎の友人がおり、その武かが相談を勝手に受けて後々話を上げてきたものだったそうな。

興味があったのは、アナタがこの事件を捜査しだしたから・・・
アナタがどういう調査をするか見たかったからね

ふうむ。やっぱりイタズラ者であるのに変わりはありませんでしたか。
まあ、メンツに拘って娘との信頼関係を失くすような人じゃなくて良かったですよ、ホント。
こういう考えの人であるならばロイドさんとの関係改善もあり得るのではないだろうか・・・

というわけで、乾次郎の弁護は取りやめる熊耳先生。経歴にキズがつくことにはなったが後悔はなさそうだ。
昔は正論を述べるロイドさんと色々やりあったみたいですが・・・丸くなったということですかねぇ。

パパのことって今でも好き?と尋ねる娘に対し、大好きよと答える母。ふむ。いい感じだ。
ならばよりを戻すことも・・・と言いかけるマーニーだが、機先を制する熊耳先生。
マーニーに対し、私を試したわねと問いかける。おう、やはり気付いてましたか。
証拠は警察に提出していないと言ったが、警察の立ち合いでもなければ証拠能力は疑われることになる。
実際、証拠は提出していないが、その採取する様子はちゃんとストリーミングで見て貰っていたそうな。なるほど。嘘ではないな。

・・・なるほどね。私はアナタの調査力を。アナタは私の人格をためした。なんだかんだ言って私の娘ね

確かにこの強かさはよく似ておりますなぁ。
昔はあんなにか弱かった女の子が・・・これがいつまでも夢見る少女じゃいられないということなのか・・・!!
まあ、この成長は微笑ましく受け入れられたようですけどね。良かった良かった。

その後、乾次郎は裁判に負け一級殺人として懲役25年を言い渡される。
乾優也はふさえの養子に入り、次期当主として大切に育てられることになったそうな。
上手くいく家族も有れば、こういった家族もあるってことですかねぇ。世の中は複雑だ。

メカニックの件が片付き、母とも良好な関係を作れそうなマーニー。
ロイドさんには男関係で誤解を招きそうな感じでありますが・・・
まあ、ね。マーニーもお年頃ですしね。そろそろ覚悟だけはしといた方がいいんじゃないですかねパパァ。

穏やかな生活に戻っているマーニーでありますが・・・次回ついに最終回
うーむ、駆け足で周りの状況が進んでいると思ってましたが、やはりそうなりますか・・・
非常に寂しいですが・・・とにかく最終回を心して迎えたいと思います。



file99「短いお別れ」  (2014年 36+37号)


高校生活の一年が終わろうとしている。
三学期を終え、明日から春休み。春休みが終わればマーニーたちも二年生となる。
また同じクラスになれればいいけどと述べる波峰ちゃん。可愛いですな。
それはさておき、春休みの予定を確認しようとしたマーニー。異変に気付く。

私のスマホ・・・スマホがない・・!

おっと、これは一大事。取り乱すマーニーであります。ヤバイ。
まあスマホはマーニーにとっての必携アイテムですからねぇ。
ここから得られる情報や、人とのやり取りで数多くの事件を解決してきた。
なので、慌てて探すために学校へと戻ることとなりました。
そのスマホをゆりかちゃんが持っていることにも気付かず・・・何か悪い顔してるように見えるなゆりかちゃん!

まずは職員室。落とし物としての届け出はないと宮島先生。
とりあえず知ってそうな人を回ってみるしかないとのことで、歩き回ることとなる。
まずは生徒会室。白鳥さんに何か聞いたりしてないか尋ねる。
ふむ。スマホには仕事のデータも入ってるし、勝手にイジラれたらまずいという理由もあったか。

そういえば犬飼が怪しい動きをしてるってきいたわ。何か関係があるかもしれないわよ?

ふうむ。少し前の犬飼さんならともかく、今の犬飼さんがマーニーに不利益なことをするかどうか。
マーニーもそんなことはないとは思うけどと言いつつ、とりあえず向かう。

スティンガーの支配エリアに向かうと何か賑やかな様子。どうやら送別会をやっているそうな。
No.3の姫神さんとNo.5の財津さんが卒業するから色々と名残惜しいらしい。
ここは実力主義の縦社会っぽいですからねぇ。姫神さんは特に面倒見が良さそうだし、こういうことにもなるわけか。

そういや猿頭がアンタのこと興味持ってたよ。
アイツああ見えて有能な人間を手下にしたがるから弱みを握るくらいするかもしれない。

えらいことを言いだす犬飼さん。
でもまあ、雇うふりしてマーニーを利用するくらいだし、そのぐらいはやりかねない気はするかな?

てなわけで、今度はアイアンの所に向かうマーニー。
アイアンには優秀な三年が多かったらしいが、マーニーと親交のある那智さんと猿頭さんは二年生だったりする。
ふむ。こことの伝手は来年も変わりなしに行えそうですな。
それはさておき、スマホについて知らないか問うわけですが・・・

知ってる。フラワーズの立花さん。フラワーズのメンバーが拾って立花さんに渡したらしいよ。

何故マーニーの持ち物を立花さんに?
その問いの答えは、立花さんがマーニーを気に入ってるからだとのこと。
そして立花さんはああ見えてストーカー気質だから気に入った子の持ち物をコレクションしているとのこと。ええ!?
何かえらい発言が飛び出した気がしますが・・・いやまあ、ウソなわけですが。うーむ。
確かに猿頭さんの言う通り中途半端なウソよりは大ウソの方がマーニーも戸惑うかもしれませんが。うーむ。

次々と知り合いのところを回り、とうとう四大勢力の最後フラワーズのところに。
フラワーズは立花さんが卒業してしまうので女子たちの阿鼻叫喚に支配されている。おやおや。
その様子を理解できないとさらっと述べる薬師さん。さすがというか何というか。

立花さんはスマホのことは知らない様子。簡易のウソ発見器で調べたりするがウソは言ってない様子。
疑いつつもストーカー気質かどうか探っているんでしょうか。とんでもない疑惑を抱かれちゃいましたね立花さん。ハハハ。

立花さんの情報によりオカルト系を調べるマーニー。さすがにたらい回しにされてる感じがしてきたようだ。
まあ、どうやらもう少しでゴールのようですし、何とかなるかな・・・?

オカルトファン研究会。やはりというかここでもスマホは見つからない。そりゃそうだ。
さすがに聞きまわるのにも疲れてきたマーニー。
しかしここで前花さんから朗報。マキちゃんがスマホを拾ったとのこと。
今は市民ホールで何かのイベントに出ているらしい。ふむ、そっちに向かうことになるか。

前花さんにパーマ似合うよと述べて市民ホールに向かうマーニー。ようやくパーマについて言及された!!気のせいじゃなかった!!

それはさておき、学校を出たところで天ちゃんに出くわすマーニー。
市民ホールへの近道を知っているから先導してくれるとのこと。
それは有難いが相変わらず走りに容赦がない。一応手加減はしてるのだろうけど・・・厳しいなぁ!!

イベントを行っている第一ホールにやってきたマーニー。
マーニーが扉の前に立ったタイミングで勢いよく扉を開く天ちゃん。すると・・・

サプラーイズ!!ちょっと遅れたけど誕生日オメデトウ名探偵マーニー!!

ホール中に集まった大勢の人間を代表し、ゆりかちゃんと波峰ちゃんがそのようにコールをする。
おやおや、会場に集まって何をするかと思ったら誕生日パーティでありましたか。
年末に終わってしまったと思ったら、まさかの思い出しパーティーとはね。これはさすがにマーニーも気づきにくいわ。

とはいえスマホを持たしておくと勝手に真相を突き止めかねないからと没収した様子のゆりかちゃん。正しい判断ですな。
まあともかくサプライズは成功した様子で驚きの表情を見せているマーニー。
ここには学校内だけではなく、学校以外からもマーニーと関わった人たちが集まっている。
ほほう・・・懐かしい顔が揃ってますなぁ。
亜羽さんを始めとして小学生たちや芸能人関係者、警察関係者、シスターズにマーニー部。
人生のゴールを迎えて高い所で引きこもってるはずの人までいるぞ・・・
というかラッキー!ラッキーじゃないか!あの後無事に回収されてたのか。良かったですな白鳥さん。
そして浮気が発覚しているためゆりかちゃんに蹴られる片岡さん。おやおや。ハッハッハ。

どうやら毛利さんに協力してもらい。色々と声をかけてもらったのだそうな。なるほどね。
学校内では枯野さんや比嘉君、自宅警備員といった姿が見える。相変わらず目立つな自宅警備員・・・!!
印象深いキャラでしたが、登場以来出番がなかったですな。まあ扱い辛いか。さすがに。

それはそうと、この誕生パーティーの本当の仕掛け人は別にいるらしい。
左右に人垣ができ、拍手に送られながらその間を歩くと・・・その先にいたのは両親。
パパとママが並んで一緒にいる。おぉ・・・これは本当にサプライズでありますな・・・!!

パパ。ママ。ありがとう。大好き

涙しながらも笑顔でそう述べるマーニー。良かった良かった。
流れが綺麗な上に背景にコマが転換しているので、すわ夢オチ!?かと思ったらそうでもなかったようで良かった良かった。

てなわけで、誕生パーティーも終わり、マーニーたちは進級。白鳥さんたち3年生は卒業。
マーニーの高校生活2年目はどのようなものとなるか。
いやまあ、進級しても変わりはしなさそうですな。
早速新しく生徒会長になった香坂さんに力を貸して欲しいと頼まれている。
うーむ、やっぱりこの学校には問題児が集まる傾向があるのだろうか。

いいですよ。日当五千円、経費は別で。マーニーにおまかせを

これからもマーニーの活躍は続きそう。
しかして物語はこれにて完結となるのでありました・・・お疲れ様でした!!

1話完結の形式で約100話もの間描き切ったこの作品。感嘆するほかありますまい。
ネタとしては出尽くした感がありますし、ここで終了するのは区切りとしては正しいのかもしれない。寂しいですけどね。
けれども、木々津先生は次回作を鋭意製作中であり、今秋には連載開始予定とのこと。おぉ・・・!!
その日が来ることを、木々津先生の次回作を楽しみにしておきます!!



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