蒼天紳士チャンピオン作品別感想

名探偵マーニー
file28 〜 file54


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 各巻感想

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連載中分


名探偵マーニー 4巻


file28「母猫」  (2013年 12号)


マーニーの愛猫エリオットが彼女を連れてきた。何、お前オスだったのか!!
というか、今回のエリオットはやけに怖い顔してるな。

美人の猫を家に居れたら途端に苦しそうな声を上げだす。フギャアアアア。
何事かと思ったら・・・なんか出てる!!
どうやら妊娠をしていた様子。え?何?ここで産むってこと?どうすればいいの。パパは今日張り込みだし。
さすがのマーニーもキョロキョロしながら右往左往。
こんな時は友人を頼るしかありますまい。一人でお産に立ち会うのは何かと不安ですものね。

マーニー「ゆりかちゃん、あの・・・」
ゆりか「あ、ゴメン。今デート中なんだ。またね」

た、頼りにならない・・・!!
仕方ない。ダメもとで他の友人に当たるとしましょう。
というわけで、連絡を取ったのは舞城天ちゃん。おや、まさかの連続登場とは。嬉しい。

マーニーの救援要請を受けてスグにそっちに行くと言ってくれる天ちゃん。有難いねぇ。
しかし山二つをほんのと言ってのけるとか・・・さすがに最少年チャンピオンである!!
今日はマウンテンバイクなんですかね?最短距離を進むために思いっきり荒れ地を駆け抜けておるようですが。ガガガガ。

天ちゃんのおかげで無事にお産終了。子猫が3匹ほど生まれております。ミイミイ。
あとは暖かくして親猫に水分を多めに与えておけばいい。子猫の面倒は親猫が見てくれるから、とのこと。ほうほう。
ゆりかちゃんと違って非常に頼りになる天ちゃん。
前回のゴーストを追った時のお金を出してくれたりもします。何と!?
遠慮するマーニーに対し、そうはいかない。もらってと譲らない天ちゃん。しょうがないので経費だけ頂くこととなりました。
うーむ、やはり友人間であっても金銭関係はしっかりしておくべきですよね。ね、ゆりかちゃん?

夜。ロイドさんが張り込みから帰ってくると、家が猫屋敷になっていた。ニーニーニー。
しかし結局この猫はエリオットの子ということになるんでしょうか?
単に行きずりの妊婦に母屋を貸しただけなのかどうなのか・・・気になるにゃあ。

さて、この親猫と子猫たちはすっかりマーニーの家に居ついてしまっている。
さすがにこれだけの猫を飼うのはどうなんだろうか。慣れれば不可能ではないでしょうが・・・
しかし、仕事中に膝や腕の上で寝られるのは困りますな。猫好きとしては仕事にならないでしょう。別の意味で。

掲示板に書き込みをして飼い主の募集をかける。一か月ほどしたら渡すという内容で。
その一か月が経過したが、何故かそのタイミングで子猫を連れて出ていく親猫。おや?
子供が引き取られるのを予感して去って行ったというのだろうか・・・なんとも勘のいい猫であるなぁ。

夜。ロイドさんが帰ってくると子猫たちはいなくなっていた。パパガックリ。
どうやら子猫が来たことをかなり喜んでいた様子。ああ、パパもやっぱり猫好きだったんですな・・・ヨチヨチ。

それから幾日か経過。
気付くと、マーニーの家の玄関に小銭が置かれるようになってきた。
連日のように置かれる小銭。小銭とはいえこう何度も置かれると結構な額となる。
悪意があるとは思えないけど、気になるので監視カメラを仕掛けて調査するマーニー。
その結果、お金を持ってきていたのは先の母猫であることが判明。おやおや。

どっからお金とってきてるんだ?お産の時のお礼のつもり?だったらそんなのいいからさ。

確かに母猫は天ちゃんがマーニーにお金を渡すのを見ていた。あれを学習したというのか!?
でもお産に関してはマーニーは場所を提供したぐらいで何も出来てないし、報酬をもらうのは心苦しいところでありますな。
ん・・・?母猫がグイグイとマーニーの袖を引っ張っているぞ?
どうやら報酬を持ってきただけという話ではない様子。ついて来いと言っているみたいだ。

母猫の先導で道なき道をかき分けて進むと、神社へとたどり着きます。
なるほど。ここが今のネドコというわけですか。ん、じゃあお金はここの賽銭をパクったのか?う、受け取りづらい・・・!!

母猫は神社から少し離れたところに向かって歩き出す。
よくみると、下水道のマンホールのフタが開いている。
これは・・・もしかして・・・ここに子猫が落ちちゃったということか?
つまりそれって、救出を依頼しているということか?あのお金は依頼料だったと!?
うーむ。これは確かに正当な依頼だ。しかしまさか猫が依頼料持って頼んでくるとは・・・なんとまぁ。
暗くてせまいところは苦手なマーニーだが、これはそうも言ってられませんよね。

わかったよ。子猫救出の依頼、マーニーにおまかせを。まったく、たいした猫だよアンタ。

というわけでマンホールを降るマーニー。結構深いなここ。
風の音が叫び声のように聞こえてなんだか不安になってくる。気のせい気のせい。怖がると妄想が図に乗るんだ。

ハシゴを下りきると、ハシゴのすぐそばに子猫3匹全員固まっておりました。無事でよかったね。
とはいえ依頼料が何日にもわけて届けられているってことは長いことここに居たことになる。衰弱してそうですなぁ子猫。
早い所脱出させてあげたいところであるが・・・ここで下水道の先から何か妙な声が聞こえる。マアアニイイヒイイイイイイアアアアア。
マーニーヒア?呼ばれてる?な、なんだろうか。
そういえば猫の鳴き声を工夫すればマーとニーの組み合わせでマーニーマーニーと名前を呼んでくれるんじゃないだろうか。
いや、今そんな発見をしても仕方がないな。

子猫を服の中に入れて下水道の先へと視線を向ける。
すると、いきなり下水道が盛り上がり、怪物が現れる。なんだこりゃ。

お前は・・・バカな・・・幻覚だ!!

驚愕のマーニー。怪物は幻覚であることは肯定するが、そのまま話しかけて来る。

オレはいつもお前の側にいる・・・マーニー、オレはお前のカゲであり本性だ。愛しているぞ。マーニー

本当に、な、なんだこれは・・・?
不気味な幻影に威嚇の声をあげる子猫。猫にも見えているのか・・・?
結局、子猫が暴れてくれたことで幻覚から解放されるマーニー。
これは暗くて狭いところに入ったことでトラウマを刺激されたということなのだろうか?
そういえば、前に事故物件の調査をしたときもそんな感じの過去のイメージ図が出ていましたな。ふむ・・・
ともかく、子猫の救出作戦は完遂されました。その件についてはよかったね。

しかし。あいつの幻を見るなんて・・・

深刻な様子のマーニー。うーむ、どんな過去を抱えているのだろうか・・・
それはそれとして、友人のゆりかちゃんは気楽な様子。
片岡さんが浮気しているかもしれないので友達としてタダで調べてほしいとかしれっと言ってくる。
ゆりかちゃん・・・猫でさえお金を払うというのに・・・

マーニーにおまかせを〜〜なんてだれが言うもんか。

あっかんべーしてみせるマーニーでありました。おやおや。
うーむ、ゆりかちゃんもそろそろきちんとしてくれないと、マーニーの友人ポジションを天ちゃんに取られちゃいますぞ。
まあ、読んでいる方としてはそれはそれでアリかなと思ったりはしますが。
なんだったら猫もエリオットから母猫にチェンジしてもらって構わん!!

それはさておき、次回は巻頭カラーでマーニーの過去が明らかになるという。
うむむ・・・これは気になる。ついに明らかになるようだが・・・暗い話になりそうで怖い!!
というか、この幻の正体は一体何者なんだろうか?
トラウマの元はこれまでの話から母親に関することかと推測していたが・・・わからなくなってきたなぁ。
ともかく楽しみに待つとしましょう。なるべく酷いことにはなっていないことを祈りながら。



file29「メカニック」  (2013年 13号)


単行本1巻が重版出来。順調に売れてきているようで何よりですね。
その効果もあり、巻頭カラー。
大縄跳びでもしているかのようにレギュラーの皆で飛び上がっている見開きがいい感じ。
む、レギュラーとは言ったがまだ1回しか登場していない子もいるぞ。
左端の子はマジシャンの真希田さんことマキちゃんか。
マジシャンなだけに今後の出番を見越しての登場なのか。ふむ、活躍に期待したいところですな。姉妹揃って。
ニャアニャア言ってたからマーニーとの親和性は高いはず!!
しかし、複数回依頼人として登場した前花さんはいませんのね。やはり依頼者は仲間からは遠いのか。あ、自宅警備員・・・

さて、本編。
燃え盛る炎の中、幼いマーニーが泣きじゃくっている。
そこに近づく謎の男。その名はメカニック。むむ、一体何者か・・・!?

と思ったが、今回は回想の話というわけではない。カラーが終了すればいつも通りの大きさのマーニーが現れる。

浪漫喫茶という喫茶店で年配の男性と待ち合わせをするマーニー。
男性は携帯でメカニックという人物の噂について調べている。
何者かと思えば、ロイドさんの昔の知り合い。元特捜の方でありました。名前は佐賀瀬清さん。今は定年退職した身の様子。
マーニーは父の調査の協力として話を伺いたいと連絡を取ったらしい。

お待たせしちゃったんでここは出します。なんにします?

何!マーニーが奢るというのか!?まあ、お金は大事に思ってるけど守銭奴というわけではないからなぁ、マーニー。
でも指定されたのがゴールデンサンド(1200円)だったので思わず涙がでちゃう。グス。

それはさておき、この喫茶店。怪しい奴がいる。・・・2・・・4人か・・・。
緊張した様子の佐賀瀬さん。マーニーも他の客筋がおかしいですよねと話している。カタギに見えないのが混じっているそうな。

君も解るのか?ロイド君に仕込まれてるようだね。

パパはその辺りの刑事時代の技術とか仕込んだりしているのだろうか。
マーニーが見て独自に学んだりはしてそうであるが。そもそもロイドさんはいつからマーニーが探偵業を手伝うのを許容しだしたのか。
結構ピンチに巻き込まれているわけだし、年頃の娘にやらせるには微妙な職業と思うが。

ともかく、今この喫茶店には怪しげな連中が集まっている
それというのも、先日釈放された男の行きつけの店がここだったという情報が流れているからだ。

その男はメカニックと呼ばれ、史上最大の愉快犯と呼ばれた。この男から私を守るためパパは警察を追われた

そのマーニーの言葉と共に冒頭のカラー回想の続き。
燃え盛る建物の中で泣いているマーニー。その横にいるのはメカニックと呼ばれる男。
ロイドさんは娘のもとへ向かおうとするが警察官に押しとどめられている。
その理由は、メカニックがマーニーの他にも多数抱えているという人質。よく見ればマーニーの服には爆弾が取り付けられている。

あの子の爆弾を解除すれば他の多数の人質の爆弾が起動する!
あの子一人の命かあと大勢の命か選択ができるのか!お前は警察官だろう!

そのように説得されるロイドさんであるが・・・
ふうむ、警察を追われたということはマーニーを選んだということなんでしょうなぁ。すると他の人質はどうなったのか・・・
まあ愉快犯と呼ばれるぐらいなら、爆弾はただの脅しでしたよという可能性もあって・・・欲しいなぁ。

史上最大の愉快犯と呼ばれるメカニックには皆が手を焼かされていた。
用意周到、大胆な犯行、必ず自分はアリバイを持つ気配り。
綿密な計画を仕掛け人をあざ笑うように自分のマークを残す。
次々と顔を変え身振りやクセも変えまるで正体が掴めなかった。付いたアダ名がメカニック(イカサマ師)

先ほど釈放されたと言った通り、メカニックは一度捕まっている。
しかし裁判で一部の罪を認め司法取引。懲役二年という奴にとって軽すぎる刑期に収まる。
入所後は明るくマジメに服役し、模範囚として評判も良く罪の後悔も見られるため、一か月前に仮釈放。
そして現在、監視から逃走して行方不明。今や野放し状態になっているという。むう、ゆゆしきことですな。

アイツと会った時のことは忘れない。奴の目、なんの感情もないあの目、人をゲームのコマとしか思っていない目・・・
奴は自分の計画のためなら平気で人を犠牲にする。そのことをなんとも思っていない。
保護観察が付いていたのに振り切って逃走してしまったらしいし、このままじゃまたアイツは何かしでかす・・・

珍しく取り乱した様子のマーニー。まあ幼い頃にあんな目に遭ったのではなぁ。

ゴールデンなサンドイッチが来たので手に取る佐賀瀬さん。おや、左利きなのですかな?
マーニーの友人にも左利きの人がいるが、なにか苦労が多いらしい。左利きの人が文字を書くときには絶対出るクセがあるそうだが・・・
と、なんだか話がそれつつあるマーニーに対し、本題に入ろうと促す佐賀瀬さん。
ふむ、確かになんだか落ち着きがない様子ですなマーニー。ガリガリ。

メカニックに恨みをもつ者は多い。家族を殺された人間もいたりするわけだし、それは当然だ。
だからそういった人たちはメカニックの刑の軽さに納得がいかない。さらに釈放のニュースまで聞かされては思う所もありましょう。
その直後、ネットには「メカニックを殺す!」というあまりに具体的な殺害予告があがることとなる。
ふーむ。これはよくある愉快犯的な予告とはまた違った深刻さがあると捉えるべきか。

元々メカニックは有名人である。皆、奴の情報を欲しがった。
メカニックのプライバシー、学歴、前住所、経歴、地元、親族、友人・・・
ウソか本当か解らない情報が膨大に流され、ネットコミュニティは目的に応じて分散していく。
その中でも過激な一団は殺害予告に便乗し活発化する。
そこで警察のサイバー対策本部も動き出してメカニックを巡る騒動は拡大した。
そんな中、メカニックは保護観察の目から逃亡した。

なるほど。つまりこの店、メカニックの行きつけとして以前情報が流出していたこの店。
奴が近い内にここに来る可能性はかなり高いと皆が考えるわけか。
それを待ち構えて、奴を殺そうとする人間がこの中にいる

殺害予告を行った人間がここにいるとマーニーは宣言する。ほう。
佐賀瀬さんが警察を退職した今でもこの店にいるのは彼もまたメカニックを追っているから。どうやら因縁がある様子。

奴とは色々あった。放っておけない種類の人間というのもいるんだ。人としてね。
長年務めた刑事稼業。その最後に捕えたのが奴だ

ほう。佐賀瀬さんが逮捕した刑事さんだったんですか。
しかし、その刑期があれほど短くなるとは想定外だったんでしょうな。
だから再度捕まえたいという思いは強いわけか。わかる話である。

そんな話をしたタイミングで店の扉が開く。中に入ってきた男の風貌は・・・メカニック・・・!?
慌てて立ち上がる佐賀瀬さん。そしてコートのポケットに突っこんだままだった右手を抜こうとする。
が、それを制して佐賀瀬さんに手錠をかけるマーニー。反対方向にはダンベルをつけて重さで動かせないようにしたりする。

メカニックへの殺害予告。あれはアナタですよね。佐賀瀬清さん。ポケットからゆっくり手を出してください。

ああ、やはりそういう話でありましたか。
マーニーの態度からして佐賀瀬さんは疑わしいなと思ってましたが。やはり。

マーニーが言うには、ネット上での発言。偽装はされていたが、佐賀瀬さんは容疑者として最後までリストに残っていた。
さらにはこの店に最近ずっと通い詰めていたというらしい。それは疑われても仕方がないですなぁ。

この状況はすべてアナタを試すために整えられたものなんですよ。佐賀瀬さん

マーニーの言葉通り、メカニックらしき人物は似た顔の警察官がメイクした別人である。
さらに、店内にいたカタギじゃない人物というのも警察官。ロイドさんや毛利刑事といった面々である。

この店にいたのは・・・全員警官だったのか・・・

え!?全員なの!?警察官も含まれていたとかじゃなくて!?
となると、怪し雰囲気を放ってた4人は未熟者だったとかそういう話なんでしょうか?他の人たちは気取られなかったのに。
あ、その4人の中にロイドさんが入っている気が・・・ロイドさん、身を潜めないといけない探偵業やってるのに・・・!!

それはさておき。
佐賀瀬さんが犯行に及びそうというのは話しているときに確信できた。
というのも、その右手。犯行に使うための銃が握られているその右手はずっとポケットに収められているままであった。
そう、サンドイッチを食べる時も、タバコを吸う時も、字を書いてと頼んだ時も。
さらに言うなら、左利きの人間は左手に腕時計はしない。ここまで条件が揃えば、右手で何かをしようと考えているのは丸わかりである。

ここまで推理されては観念するしかない。ポケットに入っていた銃をテーブルに置く佐賀瀬さん。

オレの家族はアイツに殺されたようなもんだ
それなのに・・・捜査に不備があっただの、人権がどうだだの・・・オレの刑事時代唯一で最大の汚点だ。

なるほど、そういう経緯もあって刑期の短縮に繋がったわけですか。
でも手ごわい相手だし、そういう強硬な手段を使わないと一時的に捕まえることもできなかったんでしょうなぁ。

最初はね・・・はげまそうと思ったんだ・・・
メカニックのせいで親しい人間を失った人達。自暴自棄になる家族。
刑事として、安易な復讐で人生を捨てないようケアに務めた。
だが彼らの怒りも絶望も深い・・・彼等に私がしてあげられることはないかと考えていたら・・・私の右手には拳銃が握られていた。
警察は定年退職。家族はもういない。この先何もない余生を引きかえにしても惜しくもない・・・

そのように語る佐賀瀬さん。だが、そういった覚悟を決めてもそうはうまくはいかないものである。
気持ちは十分にわかるが、ともかく殺害予告と銃刀法違反の現行犯である佐賀瀬さん。大人しく引き立てられようとする。
が、立ち上がる際にグラスを持ち上げた時、信じられないものが目に入る。
グラスの置かれていたコースター。それは店のものではない。描かれたマークは・・・メカニックのサイン!!

奴はこの店にいたのか!?そして我々の作戦をずっと見ていた!?きっと・・・笑いをこらえながら・・・

なんとも大胆不敵な男であるメカニック。
悔しがり、きっと捕まえてやるという誓いを新たにする警察官たちであるが・・・厳しそうな相手ですなぁ。

というわけで、ついにマーニーの宿敵らしき人物が現れました。
ふむ、やはり探偵ものには宿敵が必要ですよね!あ、そういえばこの漫画は探偵ものなんだったけか!!
一般の探偵漫画とは違った雰囲気があるからうっかり忘れそうになるなぁ。いや、本当に違うのかもしれないけど。

メカニックという人物はかなり不気味で手ごわい相手に見える。
しかし、前回の下水道で見た幻はメカニックを指しているのだろうか?
あの時のセリフ。お前のカゲであり本性だ、というあの言葉とは繋がらないように思えるが・・・?
幼い頃だけでなく、それ以外でも邂逅していた可能性はあるのでなんともいえませんが。

それにしても、マーニー。あのダンベルはどこから取り出したのだろうか。いきなり出てきたように見えたが。
ハッ。これはもしやマジックか!?
巻頭の真希田さんはこのマジックの仕込みを行ったということを示唆するために出ていたのだよ!!なるほどなー。
しかしそうすると、どこに隠してたんでしょうね、このダンベル。こんな重そうな物を。
少なくとも胸は膨らんでいないのでそこには仕込んでないと思える。うーん、マジック凄いですね!!



file30「迷子」  (2013年 14号)


いきなりオバアサンに話しかけられるマーニー。何でも迷子になった息子を探しているそうな。
ふうむ。マーニーは道を聞かれるタイプの人間であるか。
まあ、よく頼みごとをされる人間だし、聞きやすい雰囲気があるのかもしれない。
いや、正直そういう雰囲気ってアテにならないですけどね。自分もよく尋ねられる方だから間違いなくそう言える。

ともかく、子供の迷子とあっては放置するわけにもいかない。特徴を聞いて探すのを手伝うことにする。
子供は小学三年生。太目でオカッパ。空手をやっていて道着を持っているそうな。
ふうむ。それだけの特徴で見つかるものかどうか。
とりあえず30分後に合流する約束をして探し始めるマーニー。しかし見つからない。
仕方なく合流予定地に向かったのだが何故か現れないオバアサン。おや?

長いこと待ってはみたが、結局その日オバアサンが現れることはありませんでした。
寒い日に待ちぼうけさせられたので翌日大変そうなマーニー。まあ、授業中寝てるのはいつものことだけど。

放課後の帰り道。また同じところでウロウロしているオバアサンに出会う。
昨日と同じ人だが、どうやら子供は見つかったらしい。それはよかったですね。

もしかして私を探してたんですか?お礼なんて別に・・・

なんとなく期待してそうな水の向け方ですねマーニー。
でも残念ながらそういう話ではない。どうやら子供がまたいなくなってしまったらしい。あらあら。
なんというか奔放な子でありますなぁ。まあ、その年頃はいろんな所に出歩きたくなるものだしね。

というわけで、今日もオバアサンに付き合ったらしきマーニー。翌日はまた眠そう。おかげで授業中先生に怒られてしまう。ガミガミ。

まったく!変な副業をやっているからこうなるんだ。こんなことが続くようだったらやめてもらうぞ!

そのように怒るのは副校長の万田先生
まあ、学生の本分は勉強ですしね。先生という立場からすれば間違いない発言ではありますな。

マーニーはオバアサンの息子探しがどうにも気になっている様子。
今日はゆりかちゃんを連れて帰宅。試しにゆりかちゃんに声を掛けてもらうこととする。刺激しないでね。

オーイオバサンー。ちょっと挙動不審じゃーん?

刺激するなと言っておろうに。ゆりかちゃんからすればフレンドリーに話しかけたつもりなのかもしれんが。
ともかく、今日も子供とはぐれた様子のオバアサン。大変じゃんと特徴を尋ねるゆりかちゃん。どんな見た目?

今、中学二年生で剣道部に入って、学生服で背は中くらい・・・

ほう。数日でずいぶんと成長したものですな。子供の成長は早いなぁ。ってそうじゃねーよ。
どうやら昨日マーニーが尋ねた時も一昨日より成長した姿をあげられていたらしい。
ふむ、まるっきり出鱈目な息子像を述べているわけではなく、成長した姿を述べて行っているのか・・・?

早くもガリガリと思考世界に行ってしまうマーニー。こうなっては話しかけても簡単には帰ってこない。
路上に放置しておくわけにもいかないのでネットカフェに運ぶゆりかちゃんでありました。

マーニー、依頼人もいないのに・・・こだわることないんじゃない?お金出ないよ?

そのように述べるゆりかちゃん。ごもっともな意見でありますな。
でも依頼しておきながらお金を払うつもりのない人に言われても困る。まさしくお前が言うな!だ。

お金の件はさておき、マーニーはあのオバアサンが誰かに似ていて気になっている様子。ほう、誰のことだ・・・?

さて、翌日も息子を探しているオバアサン。
本日の息子は高校三年生で進路のことでケンカになって家を出ていったそうな。
ふうむ。それは迷子ではないのでここを探してもどうにもならないのではなかろうか。
ってそんな真面目な答え方してもしょうがないですわな。

オバアサンは息子の将来を考えて私立の大学を勧めたが、息子は私立だとお金がかかると家計の心配をしたらしい。立派なことだ。

さらに翌日。
オバアサンの息子は大学を卒業したが内緒で結婚をしていた。
引っ越し先もわからなくて、もうどうすればいいのか・・・という状況らしい。
ふむう。複雑な家庭ですな。その息子は高校の教師をやっていると?ほう・・・それは・・・
オバアサンはどうか探してくださいと頼んでくる。

わかりました。マーニーにおまかせを。

話がまとまってきた様子なので、本格的な調査に乗り出すマーニー。
高校の先生が対象と言うのは分かった。のでプロフィールを纏めて宮島先生に心当たりはないか尋ねる。
現在40代後半の男性高校教諭。というとそれなりに候補はいそうで絞り込むのは難しそうですなぁ。
と思いきや、宮島先生はすぐに誰のことか思い当たったらしい。灯台下暗しって言葉の意味知ってるか?

はい、近くの学校どころか自分の学校に該当する人がいました。副校長の万田先生であります。
先生は昔太ってて空手をやっていた。進学した高校では剣道部。高校の時進路のことで両親とケンカをして家を出た。
というプロフィールを本人に述べてみたところ反応アリ。どうやら確定ですな。
というわけで、万田先生を連れていつもオバアサンがうろついている所にやってくるマーニー。

万田先生にオバアサンの特徴を語ってみるマーニー。
年齢は60代前半位、髪の毛はブラウン。軽くパーマで今時ですが着物を着ている。
中肉中背で少し首を前につき出して歩く。声はハスキーで言葉づかいは・・・

マーニー。私の母親なら少し前に死んだよ

え!?驚きの発言。どういうことですか!?
万田先生の言葉によると、ニ・三年前に母と仲直りしようと同居の話を進めていた矢先に交通事故で亡くなったそうな。
その現場がちょうどこのあたりだったというらしいが・・・そ、それは・・・!?

母親の容姿はマーニーが述べた通りだという。これはもしや、本当にそういう話なのか?ついにそういう話が・・・?

驚愕しているマーニー。気が付けば、万田先生が硬直している。
何事かと思えば、亡くなったはずの母親の姿をしたオバアサンがウロウロしているではないか。そりゃ固まる。

息子を知りませんか?今高校の教師をやっていて今度副教頭になったのですが・・・

副教頭?副校長ではなく?いや、まだ成長途中の話なのかもしれないな。
ともかく、万田先生。茫然としながらお母さんと呟く。
こうして感動の親子対面が実現したのでありました・・・と思いきや?

万田先生のお母さんに双子の妹がいた!?

後日、万田先生から詳しい事情を説明してもらうマーニー。ははぁ、そういう話でありましたか。
幽霊とかそういうハッキリしたオカルト話じゃないのね。安心したやら何なのやら。

若い頃は二人小町とか言われて有名だったらしい。
十代の頃離されるが、その後ずっと文通を続けていたらしい。
万田先生の母は早い内に結婚。子育てに忙しく過ごした。しかしその妹は生涯独り身。
双子とはいえ人生は真逆の道をたどっているらしい。そして老境をむかえて・・・

母をうらやましく思っていたのかもしれないな。自分も明るく家族に囲まれていればって・・・
そして年をとり姉も亡くなって彼女になにもなくなった時、彼女は彼女の中で姉になったんだ。
そして・・・姉の部品である私を探したというわけだ・・・

ふうむ。それは・・・なんだか地味に怖い話な気がしますが・・・ある意味オカルト的な発想だ。

結局、オバアサンは万田先生の家で面倒を見ることとなりました。
一応親戚になるし、母親になりきってしまっている。それに遺伝子的には母でもあるのは間違いないとのこと。
ふうむ、一卵性双生児であるならば遺伝子が同じというのはまあそうなるかな。
しかし出会いや環境によって同じ遺伝子の持ち主でも送る人生はこうも違ったりするのだなぁ・・・

なんともしんみりするお話でありました。
万田先生としてみれば仲直りしきれなかった母親に恩返しできる機会がやってきたと考えれもするが・・・うーむ。
色々と食い違いとかあったりして大変そうですが、トラブルなく過ごしてくれると良いですな。



file31「秘密のゆりかちゃん」  (2013年 15号)


ハンモックで寝っ転がりながらゆりかちゃんとお電話中のマーニー。
あら行儀の悪い。読者に足の裏を見せているじゃありませんか!!いや、喜ぶ人はいるみたいだから問題ないか。
しかしマーニー、推理力、分析力は高いけど数学で赤点取りそうだったりするんですな。
まあ、資料等がない状態で計算とかするのは苦手なんでしょう。分かる気はする。

ゆりかちゃんと電話しているのだが、電話の向こうの様子が何だかおかしい。
なんというか艶めかしいというか、嬌声というか、そのようなものが漏れ聞こえて来る・・・!?
そしてちょっと用事がと切れる電話。真っ赤になるマーニー。こ・・・これは一体・・・?

まあ、ゆりかちゃんも恋人持ちだしな〜そういうこともするか・・・ハハ・・・

なんだか微妙な気分になっているマーニー。確かにどう接したらいいのかわからなくなりますよね。
まともにゆりかちゃんの顔を見ることができずよそよそしい態度をとってしまう。
そんなマーニーにこれまでの依頼の借り分を支払おうとするゆりかちゃん。

マーニー「え?いいの?もう半分諦めてたのに
ゆりか「私は鬼か」

どちらかというと小悪魔的だとは思いますね。というか小鬼か。お調子者的な意味で。
しかし、急にお金を払ってくれるようになるとは・・・何かあったのかね?

マーニーとは違うけど、私にも色々と手はあるのよ

ふむ・・・まあ、そういうなら受け取るのはやぶさかではないが・・・気になるなぁ。
マーニーとしてもなんだか心配になっている様子。

ゆりかちゃんは自分勝手でノリ重視で差別主義者で人情味薄くて功利主義で・・・だけど恩を受けてもすぐ忘れて・・・
オベッカうまくて、すぐ人の責任にしてウソばっかりで・・・あれ?なんで私友達やってるんだ?

ボコボコに評されるゆりかちゃんでありました。これは酷い。
まあ、腐れ縁って奴なんですかねぇ。なんだかんだで長い付き合いらしいし。
一応お爺ちゃんが倒れたと聞いて急いで駆け付けようとするぐらいの人情味はあったりするのよ・・・?

ふとマーニーが片岡さんのツイッターを確認すると、このようなことが書かれている。
「信州なう。学会準備疲れた。明日帰れそう」
なう言うな。というのはさておき、どうやら一週間くらい学会の為に向こうに行っていた様子。
となると、電話の時のあの声は何だったんだ?相手は恋人の片岡さんではなかったと・・・?それにあの金払いのよさ・・・!!

なにやってんだアイツ・・・!?まさか・・・!?

マーニーの脳内では金を得るためにオッサンと交流し、そして・・・な展開が繰り広げられる。
いやあさすがにそこまでは・・・でもゆりかちゃんのことだし、似たようなことをやってる可能性が・・・イヤな予感。

というわけでこっそりゆりかちゃんの後をつけるマーニー。
とくに変なとこに出入りはしていない様子。学校の裏掲示板にもいかがわしいウワサはなし。
非常手段ということでゆりかちゃんの携帯のデータをコピーする。
これはなかなかにギリギリな行為ですな。悪用はしないとはいえ。

しかしそこまでやっても怪しい情報は出てこない。
ゆりかちゃんは人づきあいがいいのか友達が多い様子。
なるほど。マーニーとばかり遊んでいるってわけでもないんですな。
まあ、マーニーも依頼者というか友達はそれなりにいそうな感じですしねぇ。
ともかく、これらゆりかちゃんの友達を一人一人調べるよりは自宅のPCを見せてもらった方が早いかなと考えるマーニー。う〜ん・・・

考え事をしていたらつい眠ってしまうマーニー。
夢の中ではゆりかちゃんがサービスショットを決めていたりする
まあマーニー曰くなんかキモい夢とのことであるが・・・酷い!!

それはさておき、ケータイのデータに気になるものを発見。
メモの項目にパスワードの文字列が並んでいる。忘れないようにメモしてあるわけか。なんのパスだ?
ってこの文字列なんだか見覚えがあるぞ。最初の頃の話で似たような文字列があったような・・・

重要な手がかりを得たマーニー。ゆりかちゃんが出かけている時間を見計らって家にお邪魔する。
ゆりかちゃんのお母さんとも普通に交流があるらしく、部屋にあげてもらうことに成功。
ゆりか母からは可愛げがあっていい子という評価を得ている様子。うむ、その意見には同感だ。
それはさておき、ゆりかちゃんのPCを立ち上げて何をしているのかの確認を行うマーニー。うん・・・なるほどね・・・

その夜。
ゆりかちゃんは自室に戻りPCを立ち上げる。
そして今日も稼ぎますかと言いながら始めたのはネットゲーム。
ああ、やはりあのパスワードはネットゲームにログインする際のパスワードだったんですな。

最初は冗談で始めたつもりだったけど・・・まさかこんなにうまくいくとはね〜
それじゃ行こうか。パトリオット。

ゲーム内のゆりかちゃんはイケメンの男キャラ。
そのキャラ――パトリオットを用いて他のプレイヤーキャラに話しかけて回る。

「やあ、ちょっと面白いとこ行かない?」
「お兄さんアブナイ人?」
「それってウワサ聞いたことあるアレってやつ?」
「あ〜お兄さん中身はお姉さんなわけね」

そんな会話をしつつ、ゾロゾロととある場所へとプレイヤーキャラを連れていく。
やってきたのは酒場。そこには多数のイケメンキャラがハハハ、ウフフとバラ色の空間を作り出していた・・・モアアアアア。

しかし当たったなあ。ゲーム内でのBLオンリー秘密クラブの経営

そう、これがゆりかちゃんの抱えていた秘密の金稼ぎの手段であった。
元々は金稼ぎではなくただの遊びだった。
ゆりかちゃんのキャラであるパトリオットはカッコイイからなんだかやたらとナンパされたという。
話もしてみたらナンパしてきた相手の方も男キャラなのに中身は女だったりするらしく。
それでちょっとサービスしていいムードを作ってあげたりしたら、なんだか知らないけど換金可能なアイテムをくれたりして・・・
それから味をしめてナンパ、ナンパの日々。いつの間にやら秘密クラブを作るまでになったという。

うーむ。ネット内でホストみたいなことをやっていたわけですか。
するとマーニーが聞いたあの嬌声は・・・よく見るとゆりかちゃんインカムしてますな。
ん?ということはチャHどころかテレフォンH的なところにまで踏み込んでいたということなのだろうか?
相手も女性とはいえそれはどうなのだ・・・?
というか、あの時の嬌声は女性的な喋り方な感じだったのだが・・・パトリオットそんな声出していいのかパトリオット。

今じゃ会員から上枚をはねるだけでウハウハ。いやーやめられませんな〜

なるほど。経営者側になったので自ら接待する必要はなくなってきたわけか。
勧誘はするけどお楽しみは各人でお願いしますってことですね。いやあ、いい商売ですなぁ。ゲヘヘ。

そんな退廃的なところに入会希望者として新たなプレイヤーがやってくる。
いらっしゃいませ〜と応対に出てみると、これはまた・・・ボサボサ髪のゴッツイ戦士体系の男がそこにいたりする。
このクラブは基本キレイ系なのだが・・・まあ、趣味は人それぞれだし、好みの合う子もいるかもしれませんねぇ。

マーニーに・・・おまかせを

ゴッツイ男がいきなりそんなことを口にする。マ、マーニー!?これマーニーなのか!?
お馴染みのセリフを口にした後、いきなり切りかかってくるマーニー。ズバ。
ちゃんと攻撃すると肉体へのダメージログや装備へのダメージログが表示されている。

マーニー「ゆりかちゃん、どれだけ心配したと・・・なにやってんだこれ。バカじゃないの??」
ゆりか「ウルサイ!!金になるんだよ!なにが悪い!?」
マーニー「アホか!いくらゲームでも18禁だボケ!!
ゆりか「マーニーだって金稼いでんじゃん!」
マーニー「ちゃんと働いてんだよ!片岡さんに言えるのかこんなの」
ゆりか「言ったら殺す!!

斧や剣で切り合いをしながら、女性らしい言い合いをしだす2人。
中にいた秘密クラブの会員もなんだなんだと様子を見にやってくる。

クラブマスターが恋人とケンカだ!!」「修羅場だ修羅場だ

そういう解釈になりましたか。
そういうドロドロした感じの展開もスパイスとして楽しめそうでありますよね!!

で、結局。
その後イカガワシイクラブがゲーム内で問題になって退会させられることとなったゆりかちゃん。
まあ、こういう金稼ぎってのもなかなかうまく行かないものですわな。
犯罪とまではいえないまでも、ゲーム内のモラルには反するだろうし、罰金支払いなんてことにも繋がりかねない。
ちなみに換金アイテムのほとんどは換金前に没収されてしまった様子。

ゆりか「だからマーニー、あのお金返して!!なけなしの現金だったんだから!!」
マーニー「アホか!!こっちが今回の調査料欲しいくらいだっての!!」
ゆりか「ケチ!!」

てな感じで、ケンカするほど仲がいい・・・?と思える2人でありました。
いやあ、ゆりかちゃんはいいキャラでありますなぁ。
実際に友達づきあいするとなると疲れそうな気はしますが、見ている分には面白い。
人生を豊かに彩るという意味では付き合ってみるのも面白いかもしれないが・・・片岡さんは本当、苦労してそうだな。

逆にマーニーは可愛らしいが多少堅い感じがしますね。
真面目なお付き合いをするのであれば問題ないが、間違っても浮気はできない感じ。
まあ、たいていの場合男の浮気は女性にバレるものだというが、マーニーは証拠を完全に突き止めて追い込んできそうである。
ようするに真面目に相手するのが一番ということですよ。うん。
付きあってもらえるかどうかという根本的な話はこの際置いておいてさ!!妄想妄想。



file32「少年探偵」  (2013年 16号)


ゆりかちゃんによると、今少年探偵が流行っているらしい。なんだそれは。

どうやら番組内で仕立て上げた探偵のようですな。
大家族ものとかのドキュメンタリーで物探しが得意な小学生がいるらしい。
番組が実際に事件を受け付けてその子が解決するというものなのだが、これが大当たり。
少年探偵がカワイイこともあって、その筋の人にも人気だそうな。そうか、ゆりかちゃんそういう趣味もありか。

ゆりか「マーニーそういうのないの?
マーニー「どういうのだって?」

どういうのでしょうね。まあ、少年趣味に走るにはまだ若いと思いますが・・・!!
どうでもいいが、この少年探偵は髪が長くて少年なのか男装した少女なのか判断が付きかねるな。
む、ゆりかちゃんの言うカワイイとはそういう意味・・・?ああ、そういうのアリなのか。そうか・・・!!

という想像はさておき。
その少年探偵の小学校が近所なので放課後見に行くことになりました。
さすがに人気なのかファンがぞろぞろと集まってきている。ミーハーな人が多いもんだ。ねぇ、ゆりかちゃん?

あれ・・・君は・・・

ファンの群れに立ち尽くすマーニーに声をかけてきたのは過去に登場したことのある人物。
8話のモンスター騒動で登場したTV局プロデューサー雨畑重之さんである。ほう、そんな名前だったのか。
というかさすがに説明文が入ってないとその時の人だとはわからなかったぞ。

雨畑さん曰く、この少年探偵ものはマーニーをモデルに始めた企画だという。
ははぁ。まあ、学生探偵とか流行りそうですものね。少年にしたのはなかなかいい目の付け所だとは思う。

というわけで、関係者待遇として少年探偵と会う機会を作ってもらえる2人。
小学生探偵の名前は久儀良太郎君。会えて非常に嬉しそうなゆりかちゃん。ああ、やっぱりそういう趣味が・・・
まあ、ゆりかちゃんは置いておいて。
雨畑さんによると近い内にマーニーと合わせたいと思っていたそうな。

非公式だけど彼は事務所つきの子役みたいなもんだ。事件解決といっても我々チームで当てているようなもんだからな。

まあ、さすがに番組で子供に全部推理、調査を任せるってわけにはいかないわな。大人の都合的にも。
それはそうと、良太郎君。マーニーに個人的に一度相談したいことがあると言う。ほう?先達に何か尋ねたいことでもあるのかな?

というわけで、良太郎君の番組をチェックするマーニー。
少年探偵、久儀良太郎シリーズと銘打たれたコーナー。
いなくなったペットのイグアナを見事に見つけてあげたりしているそうな。へぇ、まあ探偵らしい仕事ですな。
ついでに名探偵ものっぽい内容のクイズコーナーも用意されているのがこの番組の特徴。今回の出題はコチラ。

ある体の不自由な大富豪が食事に毒を盛られるという事件が起き、
それから彼女は猫を飼い、自分が口に入れるものはまず猫に毒見させるようになりました。
猫はどんどん増え常時十数匹が彼女の周りに居ました。
しかし彼女は毒を仕込まれ亡くなってしまいました。はたして犯人はどうやって猫の毒見をすり抜けたのでしょう。

ふむ・・・色々な手段は考えられそうだが・・・?
答えはもくじの著者コメントに載っているのか。じゃあこちらも感想の最後でコメントしよう!!

いや〜〜・・・探偵ってスゴイねえ

番組を見てのマーニーのコメント。
本職からしてみるとこういういかにもな名探偵的探偵はどう思えるのだろうか。やはり微妙なのだろうか。
マーニーも推理力自体は凄いけど、こういうクイズ系のは苦手っぽいな。前情報から論理的に組み立てれる内容じゃないし。

さて、約束通り良太郎君の相談を個人的に受けるマーニー。
さすがに有名人。高そうな喫茶店に招き、お代を持つと言ってくれている。むう、小学生のくせに妙に手慣れた・・・!!
というのはさておき、相談内容を聞くマーニー。

学校で自分がのけもの扱いを受けている?まあ・・・有名人だしさあ・・・

子役とかも普通の学校に通うんですよね。色々と注目の的になりそうだわなぁ。大変そうである。
しかし良太郎君は結構うまくやっている様子。
友人もいっぱいいるし彼女もいる。不当な扱いを受けているわけじゃないそうな。
ハア・・・その年で公言できるほどの付きあいのある彼女がいるのか・・・ハア・・・まあ、それはともかく・・・ともかく・・・

なにか隠し事をしているようなんです。僕には秘密で僕のいない所でなにかしているようで・・・
それがなにか問い質しても皆はぐらかしてしまう。僕にはどうしようもない。なんとかしてその隠し事を暴き出したい・・・

隠し事があれば暴かずにいられないって話ですかね?素直に尋ねればいいじゃないですか。

そんなわけにはいきませんよ。僕は少年探偵。それが答えを相手から聞くなんて・・・
容疑者の隠したい罪を暴くから探偵なんじゃないですか

うーむ。ぶってるなぁ。
仕立て上げられた探偵ではあるが、まあ成りきるのは悪いことでは無いと思う。
ファンの目ってのもあるし、普段から探偵らしく振る舞うのも重要なことではあるな。
本物の探偵がそういう意識を持っているかどうかは・・・
マーニーは割とそういう意識ありそうな気がするな。前回のゆりかちゃんの件とか見ると。

というわけで、良太郎君との共同捜査を行うことになったマーニー。
お金もちゃんと払ってくれると言うのであればまあ、問題はない。マーニーにおまかせを。

本物の探偵の仕事と言うものを体験できる機会を得た良太郎君。
やはり捜査の基本は情報収集である。
というわけで、ケータイの音声回線を開けっ放しにして噂話を録音する。
トレードマークの帽子の中に集音装置とカメラを仕込み、休み時間動き回ることで情報を集めようという話だ。
ふうむ、学校内で帽子を被っていても咎められないのか・・・さすが有名人であるな。

動き回るのは良太郎君。情報の収集と分析を行うのはマーニー。
学校のトイレに籠って情報の分析を行うマーニーだが、聞く限り良太郎君が嫌われている感じはしない。
それどころか学校内でもちょっとしたヒーロー的な扱いである。
まあ、性格に裏表があるような子でもなさそうだしね。明るく行動的というだけでも子供の頃は人気が出るってもんだ。
しかし人気が出れば妬む一派も出てくるわけだが、そういう連中の仕業はあるか・・・?

音声を分類し、ノイズを落として背景の会話を拾う。と、子供たちの妙な会話を聞きつけた。
「マジでヤバイよ?」「女神?」「ホラ、見ろよコレ」「スゲー本物か」「見たいか?」
「じゃあプレミアカード三枚で。だれにも言うなよ。学校終わったら北町のスーパー裏で」「うん」

ふむ・・・?なんだこれは・・・?確かに何か隠し事があるみたいですな。
パッと相談を聞いた時には誕生日のサプライズでもしてるんじゃないかと思ったが、どうもそういう雰囲気ではない感じですな。

情報を分析し、答えを導き出したマーニー。さっそく良太郎君を連れて子供たちの隠し事の現場に向かうことにする。
一体何を隠しているというのだろうか・・・?

まあ子供の頃は一回は生で見てみたいと思うかな。私は見たくないけど・・・あと探偵に見つかってはマズイもの・・・

ふむ。そのヒントから得られるものは・・・エロイ関係ですね!!わかります!!
これは、お姉さんが子供たちの秘密のエロイ空間に少年を連れていくという流れですね。ええ、わかりますとも!!

まあ具体的な場所まではわかっていないので、子供たちの後を追けることになるんですけども。
ちなみに良太郎君は尾行の経験はないらしい。え?探偵の基本なのに?
ま、これも経験ですよ。後ろを気にしない子供たちの尾行なんていい練習って話ですわな。楽勝楽勝。

というわけで、山の中の洞窟までやってきた子供たち。
中に入った子供たちが出ていくまで待機することにする。うーむ、探偵っぽい動きだ。
何やら興奮した様子で出て来る子供たちと入れ替わりに洞窟の中に入るマーニーと良太郎君。
洞窟特有の冷えた感じに晒されて散策してみると・・・中には花に囲まれて座り込む女性の姿があった。

これは・・・死んでるの・・・!?

何!?し・・・死体なのか!?
エロ関係の話かと思ったので、また精巧なラブドールか何かかと思ったら違ったらしい。
しかし死体となるとちょっとマニアのランクが跳ね上がる気が・・・いや、そろそろエロ話は脇に置いておこう。

死亡してから時間が経過している感じではあるが、キレイなままで腐っていない。
どうやら環境が良かったのか死蝋化が進んだ結果らしい。ほほう。こんな風に原形を留めることあるんですなぁ。

良太郎君のクラスメイトは遊んでいる時に偶然この死体を発見した。
ビックリはしたけど、この死体があまりにもキレイだった。
なので彼等は友達に見せた。自慢もあっただろうね。それが一人増え、二人増え・・・
良太郎君を除く皆が巡礼するような「名所」になってしまったという話である。

なるほどね。花に囲まれているのはそういうことであったか。
しかし確かにキレイだけど死体を女神とかなんとか言ってたのかあの子供たちは・・・
巡礼している子の中には女子の姿もあるし、エロイことはされていないかな?男子だけの時はわからないけども・・・

良太郎君が仲間ハズレになったのは探偵だからという理由。
探偵に死体を見つけられたら事件が解決してしまうという考えによるものだそうな。
ふうむ、まあそうだわなぁ。秘密にしていることの後ろめたさは子供たちにも無くはないんでしょうな。
というわけで、早速警察に連絡するマーニー。良太郎君としてはなんだか勿体ないようなという感想を抱いている。

その人を探してたり悲しんでる人がいるかもしれないんだよ・・・探偵ならさ、そこらへんも気を配らないとね

いや全くでありますな。
色々と考えることができ、色々な人と関わる探偵なのだからこそ、そういう点には気を使えるようになって欲しい。
マーニーの言葉は先達としてなかなかに聞かせるものがる。少年探偵としてはいい経験になったでしょうな。
今後の良太郎君の出番に期待したいところである。

さて、話の途中にあったクイズの答えについて。
答え:猫に耐性のある毒(マムシの毒など)を少量ずつ食事に仕込んでいた
ふーむ。なるほど、さすがにテレビのクイズなだけあり常識的な答えではあるかな・・・
イカとか貝とか猫に与えたらダメなものに仕込んだらいいのかと思ったが、そういう話ではなかったか。
やはり毒見役は人間に限るという話でありますね!!それはアレだが、猫にさせるのもアレだと思う。



file33「30年目の女盗賊」  (2013年 17号)


仕事の依頼か電話応対中のロイドさん。
そんなパパに気を使ってテレビを消音にするマーニー。さすがに気が利いている。

マーニーは何を見ているのかと思ったら、宇宙の戦士ブリット劇場版
この前やった最新作の映画ということらしい。ほう、昔のブリットじゃないのか。CGも使って派手になっておるわ。

光輪さん役者に復帰したんだなあ・・・体も大分良くなったみたいだ。
色々あったけどやっと受け入れて。丸々映画、安崎さんとも和解したみたいだし・・・

へぇ。ちゃんと和解して復帰できたんですね。光輪さん。
11話での様子を見ると和解も役者への復帰も難しいと思えたものであるが・・・
安崎さんも何だかんだで年月が経過して丸くなっていたということなのであろうか。
正面切って殴り合って分かり合ったのかもしれない。この年でそれはさすがにないか。

それはさておき、先ほどの電話は町会長さんからのものだったらしい。ふむ、あのケチな町会長さんの仕事か・・・
最近空き巣事件が増えているから調べてほしいとのこと。それは警察の領分じゃないのかね?
とにかく翌日話を伺いにいくことになりました。

町会長さんはトルコ帽を被りトルコみやげの茶請けを出して歓待してくれる。
最近トルコ旅行にでも行ったんですか?金に余裕がある?もしや例のラクガキで利益を出したとかいう話なのか・・・?
まあ、それなら依頼料を渋られる心配は薄いかな。マーニーもそれが心配なのかついてきちゃってるよ。学校休みだからいいけど。

怪盗?

空き巣の調査ということだが、どうやらその空き巣は何回も犯行を行っているらしい。ほほう。
大胆不敵な奴らしく、警察の巡回も増やしているがいまだ犯行を続けているそうな。
ふーむ、そうなると被害総額は結構なものになっていそうな気がしますね。

今のところ30万くらいか・・・

え?総額でそれだけ?何件も空き巣を行っているのに?
どうやらその怪盗、盗むのは衣類や自転車、置物や食品など持ち去りやすいものばかり狙っているらしい。
なるほど。家電など処理がしにくいものは持っていかないということか。
空き巣にはもちろん入られたくはないが、PCを持っていかれないならまだマシかもしれないなぁ。
パソコンを持っていかれると日常生活が不便になりすぎるのでこれだけはホント勘弁していただきたい。

その割に被害件数は60件に達している

ふーむ。それはさすがに多いですな。額が少ないとはいえ家に上がり込まれること自体が問題に思えますわな。
どうやら再開発地区に指定されている昔ながらの古い町で被害が集中しているらしい。
セキュリティがしっかりしたビルなんかは手が出せない様子。
そして被害総額が少ないので警察は本腰を入れて動いていないのが現状であるわけか。ふむ。

被害額が少ないとはいえ、これだけ犯行を重ねられてはたまったものではない。町会長が気にするのは当たり前の話だ。
警察が本腰を入れてくれないなら探偵に依頼するという流れも分かる話である。
というわけで依頼を受けるマーニーたち。旅行土産も大量にもらった様子。もしやこれは依頼料の代わり・・・!?

それはともかく、早速再開発地区を訪れる2人。
ここも昔は先端の町だったのかもしれないが、今では高齢化が進み住む人もまばらになってしまった様子。寂しいねぇ。

犯行箇所はこの再開発地区だけで三十二箇所に及ぶ。それほど離れているわけでもない。
近所の人の犯行を疑ってみるが、それ以外の可能性も高いしまだ何とも言えませんな。
とりあえず聞き込みを行うことにする2人。それぞれ別々に行動する。
娘が心配なロイドさん。常時連絡を入れ、なにかわかっても踏み込まないように注意する

危険なことはしませんて。マーニーにおまかせを

そうは言ってもなぁ。これまでも結構危険なことに巻き込まれているからなあ、マーニーは。心配にもなるさね。
ちなみにこの辺りは光輪さんの家の近所らしい。ほう・・・?

聞き込みによると、背の低い猫背の男がウロウロしていたらしい。
また犯人を目撃した人によると男か女かはちょっとわからなかった。オバサンっぽいかなとのこと。
ふーむ。オバサンみたいなオッサンもいるだろうし、それではなんとも言えませんなぁ。

ちょっとやっかいかなと思いだしたところ、犯人とハチ合わせたという人物を発見。
部屋の中でボーっとしているところにハチ合わせたらしい。

その犯人が居た部屋、見せてもらえます?

注意されたはずなのに思いっきり踏み込んでいくマーニー。
証言者とはいえ男の部屋に単身で踏み込むとか・・・警戒が足りないんじゃないかね!?
しかし、女性を簡単に部屋にあげる男の方も男の方であるな。普段から綺麗にしてる人なんだろうなぁ・・・

というのはさておき。ハチ合わせた時の説明を行う証言者。
被害はなく、犯人は部屋の一角を見てボーゼンとしていたらしい。そこを住人に見つかってあわてて逃げたわけか。
その一角とやらには何があるのかと思ったら・・・宇宙の戦士ブリット、超復活劇場版のポスターが・・・

思わぬ証言に行きあたったマーニー。急いで光輪さんの家を訪れる。
どうやら空き巣と光輪さんに関係があるらしい。これを聞いて驚く光輪さん。そりゃ驚くわな。
マーニーがロイドさんを呼び出している間に部屋の片づけを行おうとする光輪さん。
うむ、男の一人暮らしなのだからやはりこういう態度が正しいですわな。片づけるよね、普通!!

てな風に部屋に戻って片づけをしようとした光輪さん。だが目の前には見知らぬ人影があり・・・あ、空き巣だーッ!!

逃亡するために襲い掛かってくる空き巣。
しかしさすがはアクション俳優。タックルを決めてダウンを奪い、相手の腕をギリギリと締め上げる。

あ・・・危なかった・・・トレーニングを再開しといて助かった。

まあ光輪さんも年ですしね。逃亡生活が長かったし、痩せてたし、トレーニングしてなかったら危なかったわけか。
考えてみるとあの痩せた状態からよくここまで復帰できたものであるなぁ。さすがに宇宙の戦士は違う!!
しかし、よく見たら捕えた空き巣は女性であった。おや、そこまで怖がることはなかったかもしれませんな。
いや、それよりもその空き巣の顔に見覚えがあるぞ?君は・・・宇宙盗賊ゼルディア

宇宙の戦士マイティ・ブリットが捕えたのは宇宙盗賊ゼルディアであった。
ふうむ、こんな辺鄙なところで人知れず宇宙的な接触が起きていようとはなぁ。
となると、ここもそのうち宇宙開発地区として生まれ変わったりするんだろうか?

というのはともかく。この女性はブリットの元共演者だったらしい。
彼女の名は赤名日登美。光輪さんよりベテランの女優だったとのこと。
役名はゼルディア。七色の顔を持ち宇宙を駆ける女盗賊・・・

そんな女優の赤名さんであるが、どうやら盗みに関しては何十年も前からやっているらしい。
三十年前。当初のブリットが撮影されていた頃のこと。その当時から盗みを行っていた赤名さん。

いくら働いてもスズメの涙で・・・生きてくだけで精一杯。
演技より物を盗む腕の方がうまくなった。それでもなるべく余ってる物、金を持っている人間を選んでやった。
男に身を預けることもあったし、キタナイこともいっぱいやった。

その後、ブリットの悪役の出演が決まった。
台本の読み合わせで役者が顔合わせする機会があり、そこで初めて光輪さんに会ったという赤名さん。
まったく曇りのない笑顔で、その場が明るくなるような人だったと述べる。

その時思ったわ。主役とはこういう人がやるべきなんだって・・・私ではムリなんだ。薄汚れた私ではって・・・
そんなアナタも番組の終了と同時に消えてしまった・・・
上がゴタゴタしてたのか、私は放っぽりっぱなしで他の仕事はこなくて・・・

ふむう。ブリットはコアな人気はあったようだし、光輪さんが逃亡を謀らなければシリーズ化して赤名さんが救われた可能性も・・・
まあ、光輪さんには光輪さんとしての事情もあったし、うまくいったかもわからないことなのでその想像は詮無きことである。
赤名さんはその後も役者を続けたがとうとう芽はでなかった。
皮肉にも身に着いたのは宇宙盗賊ゼルディアの盗みの腕だけだったという・・・

もう疲れた・・・ブリット、三十年振りね。アナタに捕まるなら私も本望だわ。

大人しく自首しようとする赤名さん。駆けつけて話を聞いていたロイドさんは黙って頷き、意志を尊重させようとする。
それを見た光和さんは赤名さんにこう告げる。そうだな・・・

宇宙盗賊ゼルディア。宇宙刑事ブリットの名において君を逮捕する。罪を償ったら、その時また会おう

ほう。暖かい裁きではないですか。
これには赤名さんもありがとうとお礼を言うしかない。
罪を償って出てきた時、赤名さんはどうするのであろうか・・・気になる所でありますな。
マーニーもそれは感じている。赤名さんは光輪さんのことが好きだったのだろうか?と。

さあな・・・なにもかも、遠い過去の話さ

さすがに大人の意見でありますなロイドさん。
しかし老いらくの恋という言葉もありますし、罪を償ったあとは・・・という可能性もある。
光輪さんはそうなった場合どのように答えるのか。気になる所ではありますなぁ。

しかし、前も思ったのだが宇宙の戦士なんだか宇宙刑事なんだか、ただのブリットなのかマイティ・ブリットなのか。
微妙に表現が一致していなくて困るのである。全て作品内で登場する描写なのかもしれないけどさ!!
こりゃゼルディアも宇宙怪盗とか宇宙海賊とかキャプテン・ゼルディアとかそんな別名があった可能性あるで!!どうでもいいけど。



file34「小さな依頼人」  (2013年 18号)


ちょっと、オバサン。アンタよアンタ。

街中でいきなりマーニーに浴びせかけられる言葉の凶弾。
そ、そりゃあ小学生からしてみれば高校生などオバサンみたいなものと言えるのかもしれないが・・・!!口の悪い子だ。
いきなり街中で口の悪い小学生女子に絡まれたマーニー。
オバサン忙しくってさーと言って立ち去ろうとする。ふむ、大人の反応ですな。しかし簡単には帰してくれそうにない様子。

アンタ探偵なんですってね。
ウワサは聞いてるのよ。アンタ久儀君の探偵師匠だって

おや、少年探偵久儀良太郎くんの関係者でありましたか。というかすっかり師匠にされているんですなマーニー。

私は町名葉香。久儀君とは4年生の時から付き合ってる。元々久儀君からアプローチがあったの。

ああ、良太郎くんが言っていた彼女とはこの子のことだったのか。よもやこんなに早く登場するとは。
しかしなんというか、良太郎くんの方が可愛い感じに思えるのは気のせいだろうか・・・?

二人で色んな冒険をした。彼の探偵仕事を手伝って・・・それが今は・・・私よりこんなオバサンを優先するなんて・・・

おやおや。恋の鞘当てって奴ですか?マーニーも隅に置けませんなー。
勝手に盛り上がられて迷惑する流れと言った感じっぽいけどもね。

私は仕事の依頼に来たのよ、名探偵マーニー。お金ならちゃんとホラ。まさか断らないでしょうね?

小学生なのに1万は用意してきている様子の葉香ちゃん。
マーニーとしても今月は厳しいので話は聞こうかなという姿勢。小学生からお金受け取るんですかい!?
まあ、良太郎くんの絡みはさておき、依頼は依頼である。

葉香ちゃんの話によると、二か月前くらいから不審な手紙が家に来るようになったとのこと。
ラブレターとかストーカーとかそういう話ですかね?

今時、手紙なんか使う小学生いないわ。昭和か

そっスね〜。マーニーも平成生まれのはずなのだが・・・まあ、確かに今時の小学生が手書きとかありえないか。
教室内で内緒話を回すのにも携帯を使ったりするとかいう話があったりしますしなぁ・・・
手書きの味が失われるのは寂しいものがある。
何て言いながら、自分ももう長いこと文字なんて手書きでちゃんと書いてないしなぁ。そういう時代であるわいな。

週に一、二通。宛先も名前もなし。字はキレイなペン字の手書き。
ポストの中身の回収は私の担当だから、家族には見せてない。イタズラの類だと思ったし・・・

ふむ。その中身が不思議なものなわけか。
葉香ちゃんとしては恋人の良太郎くんに相談しようとしたのだが、忙しいからとなかなか相手にしてくれない様子。
まあTVタレントだし、最近は特に売れ出してきている様子だから忙しいのは仕方ないですわな。
ひょっとしたら倦怠期なのかもしれませんがね。フフフ・・・

ともかく手紙の内容を語る葉香ちゃん。

中身は小説。ある少年と少女が出会って、お互いを意識しあい、二人で色んな冒険をする。
どこか・・・私と久儀君のことみたいな・・・そんな話

・・・ふむ?なんだか気にかかる内容ですな。
もしかして本当に2人をモデルにして書かれた小説だったりするのか・・・?ちょっと興味が出て来るマーニー。
ポストに入れるところは目撃していないという葉香ちゃん。
待ち構えてみはしたが、中学受験なんかもあり忙しいという様子。うーむ、最近の子は最近の子で大変だにゃあ。
まあ、ともかく。少し面白そうな依頼でありますな。

日当五千円。経費は別で。マーニーにおまかせを。

お決まりのセリフも入り依頼を受けることと相成りました。
早速葉香ちゃんの家に向かうマーニー。家の中に入るとお婆ちゃんがお出迎え。
と思いきやボケてしまっているのか、だれを見ても葉香ちゃんのお母さんだと思えてしまうようになっているらしい。むう、不憫な。

とりあえず手紙の内容を改めるマーニー。さすがに結構な量が貯まってますな。

出会いは小学校で、彼女は転校してきたお嬢様で彼氏はガキ大将。お嬢様が気に食わなかった。
イジメようとしたが逆に軽くあしらわれてしまう。それから彼と彼女はお互いを意識し始める。
夏休み二人でお化けの森を探検し、最終日宿題を徹夜でやり、
冬はスキーをするために隣の県まで山越えをし、運動会では二人の連携プレーで優勝。
中学でも同じクラスでビックリ。学内の盗難事件を二人で解決。初めてのキス。文化祭でのロックバンド結成。
高校での別離。東京と地方での距離の差。それをものともしない二人の絆。
突然の彼氏のイギリス留学。イギリスへ追う彼女。彼の地での再会とロマンス・・・

ふーむ。ドラマチックな生涯でありますなぁ。小説らしい。
マーニーと葉香ちゃんは赤面しているが、恋愛話に赤面しているのか?それともその後のロマンスの内容が・・・とか?気になる。
というか、葉香ちゃん。自分と良太郎くんのことみたいな内容と言ってたけど、そういう内容なのかねコレ?
良太郎くんが襲い掛かってきたのを軽くあしらったりしたんですか?しそうだな、この子の場合。

まあともかく、誰が何の目的でこんなものを送ってくるのか、ですな。
葉香ちゃんのお父さんは飲み屋をやっているとのこと。となると作品の売込みとかでもなさそうですな。ふむ・・・

カメラを仕掛けて様子をみることにするマーニー。
仕掛けて三日目。投函した男を発見。葉香ちゃんの部屋に潜んでいたマーニーは尾行を開始するのであった。
ふむ、今回は推理とかすることもなく解決しそうな流れですな。

男を尾行してやってきたのは病院。どうやら入院患者だった様子。
面会時間まで間があるので病院内で男について聞き込みを行うマーニー。
そして情報を集めたところで男に会い、投函した手紙に着いて話を聞かせてもらうこととなったのでした。

というわけで、背景を理解したマーニー。葉香ちゃんに報告。をする前に良太郎くんに呼び出しをかける。
忙しいと言っていた割に師匠であるマーニーの呼び出しにはすぐやってくる良太郎くん。ふむ、これは葉香ちゃんも膨れるわな。ツーン。

まあまあ。今日は二人にも仲良くなってもらおうって来てもらったんだから

そう言ってこれまでの経緯を良太郎くんに説明するマーニー。
尾行した結果病院に行きついたところまで語り終える。さすが師匠すばやい!!師匠はやめなさいってのに。

手紙を出していたのは本泉耕作さん、68歳。肝臓の機能低下による長期入院中。あまり見通しは良くない様子とのこと。
ちなみに68歳というのは葉香のお婆ちゃんと同じ年齢である。ふむ・・・?

あれは全部実話だったんだよ。
あの話にはまだ先がある。二人は結婚を誓い合っていたけど、家柄の違いでとうとう結婚は許されなかった。
彼女は有力者のもとに嫁ぎ、彼も別に家庭を持った。そして数十年がすぎ彼は妻に先立たれ――
彼は妻を愛していたが、思い出すのは彼女のことばかり。

そして数か月前。偶然二人は再開した。病院で。
しかし彼女はボケてきていて彼のことがわからなかった。彼も自分の死期が見えてきている。
そんな状況だったから、あの手紙を書いて自分で届けていたという。何かを残したかったということだろうか。
二人のキズナの形を。思い出の記録として・・・

だからさ、二人とも今の瞬間がどれだけ大事か、考えてみたらどうかと思ってね。何十年も先に後悔したりしないようにさ。

ふうむ。若い内の恋なんて若い内にしかできないわけですからなぁ。マーニーのいう事はごもっともだ。
そのマーニー自身は相手がいないので説教できる立場じゃないんですけどね。
いやいや、そういう経験がないからこそ言えるものってのもありますよ。自分のようにはなるなという意味でね!!
マーニーもそれなりに人気はあるだろうし、相手を見つけようと思えば見つかると思うんだけどなぁ。
まあ、マトモな男が少ないと言えば少ない気もするが、全くいないわけではないですし・・・ねぇ。
どういう人がマーニーの好みなのかは気になる所である。やはりロイドさんみたいな人がいいのか・・・!?気になる。

葉香ちゃんも離れかけていた感のある良太郎くんとの仲を取り成してもらえてよかったですな。
これでオバサン呼ばわりすることをやめてくれるといいのであるが・・・
まあ、マーニーはどこかオバサン臭い雰囲気がなくもなかったりはするので、それは諦めるしかないのかもですが・・・



file35「殺し屋」  (2013年 19号)


喫茶店にてロイドさんが仕事の依頼を受けている所から始まる今回。
依頼人は瀬田育恵さん。どうやら依頼内容は人捜しの様子。

瀬田さんの旦那さんは体調がおもわしくなく、医者も手の施しようがないとのこと。
既にいい歳ではあるが、今までは活発で風邪ひとつひかなかったという旦那さん。
それが前妻の娘が結婚してからガクッと弱ってしまったらしい。
ふーむ。下手に健康だと一度弱った時の反動が大きいということでしょうか。
で、その弱った旦那さんが古い友人に会いたがっているから探して来て欲しいという話なわけですな。

ロイドさんとしても身につまされる話である。
自身にも年頃の娘が一人いる。結婚して家を出て行ってしまったりしたら、自分は元気なままでいられるだろうか。
そんな心配をしてしまうのは自然なことでありましょう。
でも今は別の心配をした方がいいかもしれない。
その娘であるマーニーが窓の外からこちらを見ていたりするという事実を気にするべきかと!!

うん。確かに気になる光景ですよね。
父親が見知らぬ婦人と仲良くお茶しているという場面に遭遇したわけですもの。そりゃあ凝視もするさ。誤解ですけど。

というわけで、お仕事の話と理解したので会話に加わるマーニー。

御主人の御友人は我々二人で探し出しますので。マーニーにおまかせを

恒例の宣言が出たところで、探して欲しい人の情報を出してもらう。
旦那さんの友人の名前は郷里忠義さん。二十年程前から交流があったそうだが、奥さんの育恵さんは面識がないらしい。
なるほど。旦那の古い友人だが最近は交流がなかったので再婚した育恵さんとしてはよく知らない相手ってわけなんですな。
出会いはなにか御不幸があって、その席でとのこと。ふむ。

主人は日に日に衰弱していきます。
内臓機能全般の低下で医者も原因がわからないとか。最近は郷里に会いたいってばかり・・・

なるほどねぇ。まあ、聞く限りは怪しい所のない依頼でありますな。
というわけでその郷里さんを探すために動き出す2人。
頂いた資料はあまり役に立たないので片っ端から探すしかない。まあ、珍しい名字だしなんとかなるかもしれませんな。
五十代後半だし、若い者と違って名前を隠したりはしてないだろうし、探しやすかろうという判断。

瀬田さんの旦那さんも郷里さんと同じく五十代くらいの年齢と思われる。
それに対し、奥さんの育恵さんは三十代後半くらいに見えた。ふーむ、年齢差カップルというやつですか?
再婚で二十近く若い女性と結婚できるとは・・・旦那さんはどれだけ活発だったんだ・・・?

ロイドさんは警察に向かい、マーニーは自宅で調査を行うこととなりました。
マーニーとしては2人の出会い、御不幸があった席というのが気になる様子。だれか亡くなったか、犯罪があったか・・・
九十年度版の死亡届け内訳、犯罪白書を前後三年片っ端から調べるマーニー。
古い資料なので検索も難しく、手作業で確認していくしかないという。面倒くさそうな作業だ・・・

ロイドさんは朝方ようやく警察から自宅に戻ってきた。
一方のマーニーは夜通し確認作業を行っていたらしくグッタリしている。グダー。だが、その成果はあったみたいだ。

瀬田さん・・・二十年前に人を殺してるね・・・

なんだか思いもよらぬ情報が飛び出てきましたな。
二十年前、瀬田さんはある中古車ディーラーを訪れる。そこから帰る時、急発進。前方不注意で女性を轢き殺してしまう。
その女性の名前が郷里利絵子。ほう、郷里・・・!?
どうやら郷里さんは瀬田さんに奥さんを轢き殺されたらしい。それはまた・・・なんか一気にキナ臭い話になってきましたな。

ロイドさんはこの情報をもとに警察の資料を当たるべく再び警察署に。
マーニーは事件が起きたという中古車ディーラーを訪れることとなった。
郷里モータース。郷里さんはここの社長らしい。
訪れてはみたが、今出かけていて不在とのこと。あらら。
しかしスマホのGPSで位置情報が割り出せるので現在の居場所はすぐに特定できるとのこと。ほうほう。
って顔見知りでもなんでもない女子高生に簡単に居場所教えちゃっていいんですかね?いくら探偵を名乗っているとはいえ。
と思ったらオープンにされているから誰が見てもいいのか。ふむ。

郷里さんが今いるのは瀬田さんの病院の近く。む、これは・・・?
マーニーはロイドさんにそのことを伝える。そしてこれからちょっと行ってみると伝えるが、ロイドさんは緊迫した様子で止めて来る。

いいか。そこから動くな。家に帰りなさい。郷里忠義は元殺し屋だ

こ、殺し屋・・・!?
探偵ものにしては殺しが少ないこの世界にもそんな職業の人がいるんだ・・・!!
しかし警察の資料でそれがわかるとはどういうことなのだろうか?元なので今は捕まる恐れがないとかそういう・・・?
ともかく、そんな元殺し屋が病室で動けずにいる瀬田さんのもとへと迫る。

瀬田・・・借りを返しに来たぞ

非常に危険な雰囲気。こりゃロイドさんも動くなよと娘に告げるわけだ。
でもなんだかんだで危険な場所に首を突っ込みたがるのがマーニーである。
誰かが殺されそうと聞いてはなおさら放ってはおけないという話でありますわな。まさか病院の中で荒事はないだろう・・・

そう思って病室に来てみたら郷里さんと思わしき男が既に病室内にいるのを発見。
入り口の壁から半身だすという警戒態勢で話をすることとなりました。
話というか説得ですな。瀬田さんにも言い分はあるでしょうし、二十年前のことを今っていうのもなんですし、穏便にいきませんか?と。

しかし郷里さんの様子は穏やかである。瀬田さんを害しようという気配は見受けられない。
妻を殺された恨みで殺しに来たわけではないのか・・・?

たしかに妻は瀬田に殺されたよ。最愛の妻だった・・・今でも忘れたことはない。
その妻は不治の病だったんだよ
非常に珍しい病気だった。死ぬまで苦痛が続き・・・麻酔もだんだん効かなくなる。
彼女は残りの人生、苦痛との戦いしかなかったんだ。何度も私に殺してくれと頼んだ・・・
でも私にはできなかったよ・・・愛していたからな・・・

郷里さんと同じような体系のふくよかな感じの奥さん。
元殺し屋であってもさすがに愛した女性を殺すようなことはできないわけか・・・
愛する女性が苦しんでいるのを見ているしかできない。辛い話だ。だが、そこで二十年前のあの事故が起きた。

複雑な感情だったが、妻の死に顔を見た時、彼女の顔は安らかだった。ここ何年も見たことない程・・・
私は彼に感謝したんだ。私にできないことをしてくれた。彼女を救ってくれたんだ
だから私はいつかきっとこの借りを返すと誓った。瀬田は信じてなかったかもしれないが・・・

なるほどねぇ。確かになんだか複雑な話でありますな。
瀬田さんとしては大いに戸惑ったでしょうな。事故で人を轢き殺したらその旦那さんに涙を流して感謝されたわけだから。
その後は友人として接していたということなのでしょうか?
しかし最近は交流が無かったのに、何故今になって?しかも借りを返すとか言い出しているのは・・・?

ここでマーニーはある結論を導き出す。丁度見舞いにやってきていた瀬田育恵さんを庇うように前に立つ。
ほう。郷里さんの狙いは育恵さんでありましたか。

瀬田・・・せっかくだからな・・・お前の目の前で借りを返そうと思ったが・・・余計なジャマが入ったな・・・

病院の中で荒事は起こさないだろうとか思っていたら、いきなり拳銃取り出されちゃいましたよ!!
修羅場もいくつか経験しているマーニーだが、さすがに拳銃の経験は薄い。

標的はアナタですよ奥さん。アナタは何らかの手段で瀬田さんを殺そうとしていて・・・
郷里さんはそれを何かで知り、瀬田さんからの借りを返しに来た。

なるほど。そういう動機でありますか。
どうやら育恵さん、郷里さんの店に愛人と一緒に来て瀬田さんを殺す計画を話していたらしい。
聞かれていることに気付かなかったのかもしれないが、外でそんな話するなよ。
まあ、いくらなんでも旦那の古い友人の元殺し屋に聞きつけられるとは夢にも思わないでしょうけどさ。

オレは神に感謝したね。長年の借りをやっと返せるんだ。

そのように述べる郷里さんであったが、マーニーとしてはこの辺りの話を聞ければ充分だったりする。
時間さえ稼げればすぐに警察がやってこれるよう準備はしていたのだ。携帯をずっと通話モードにして。

てなわけで、駆けつけた警察に包囲され投降する郷里さん。
今の話の内容から育恵さんも旦那さんの殺害計画について警察から詰問される流れとなりそうでありますな。

アナタの考えは気高いと思いますよ。ただもうちょっと方法を考えてもらえると・・・
もうちょっと違うハッピーエンドが迎えられたんじゃないかと思うんですよ。

いやまったく。元殺し屋だからって殺すという方法以外で解決することはできたんじゃないですかね?
恩を長い間忘れず、返す機会が来たことを嬉しく思うというその精神は気高いと思いますが・・・
しかし育恵さんは何でロイドさんに人捜しを依頼したのだろうか?
やはり遺産が目当てだったとかそういう話だろうか。愛人と暮らすための遺産が目的。再婚もそれが目当てだったと・・・
瀬田さんが弱ったので相続の話をしたいのに、瀬田さんは郷里さんに会いたいしか言わない。
となれば、とりあえず会わせてしまって心置きなくしてやろうと考えるのは自然なこと。
それが命取り・・・いや、今回に関していえば殺されずには済んだから命拾いとなったわけか。うーむ、複雑な話だな今回は。

ともかく年齢差カップルの場合、本当の愛が続いているのかちゃんと確かめるのが大事だという話ですね。結論としては!!



file36「アリア」  (2013年 20号)


セレブグループでモデルの坂本累さんが依頼人を連れてきてくれました。
芸能界の大先輩にあたる女性、如月アリアさんでございます。

どうもー。そんなに固くならないで。気楽に気楽に。

ものスゴイ有名人オーラを放ちながら現れるアリアさん。これにはマーニーもたじたじだ。
まあ、マーニーはこれまでもセレブに気圧されたりイケメンオーラにあてられたりしてるからなぁ。
結構庶民派というか貧乏くさいというかなだけに有名人オーラは厳しいものがある。まあ、すぐに慣れちゃう感じもあるけど。

で、そのアリアさんの依頼は初恋の人を探して欲しいというもの。思ったよりもオーソドックスな依頼だ。
アリアさんの両親は離婚しており、母はバリバリのキャリアウーマン。
それゆえ子供の頃は一人で過ごしていることが多かったという。そんな時、やってきていたのがベビーシッター。

女所帯でベビーシッターってのも珍しいかも。でも彼を見ればわかる。
彼には信用できる安心感があった。決して人を裏切らない信頼が・・・
彼とは色んなことを話し合ったわ。この世界のこと、科学と歴史、宇宙のこと。
星を見ながら語り合ったあの一瞬一瞬。私にとっては永遠でかけがえのない思い出なのよ

ロマンチックなお話でありますね。
話しているアリアさん、聞いているマーニーや累さん3人揃って赤くなりつつ憧れの溜息。ホオ〜〜
うーむ。これがいわゆる女子会というものの雰囲気なのであろうか。本物はもっとアレなのかもしれないが、いい感じなのでそう思おう。

アリアさんが中学生になる頃、そのベビーシッターは外国に行くとかでいなくなったそうな。
それが最近になってアリアさんのブログに書き込みがあったという。本人たちしか知らない暗号で。

その書き込みした地域が日本だったと・・・日当五千円、経費は別で。マーニーにおまかせを。

早くも恒例の宣言が飛び出す。
が、詳しい情報はこれからもらうという流れになります。まあ、初恋の人捜しなんて疑ってかかる依頼でもないですわな。

累さんによると、如月アリアはただのタレントではないとのこと。
マネージメントや事業運営もし、才色兼備の見本。独立する女性の目標みたいな存在だという。
ほう、そんな女性を作り上げた男だとなると・・・マスコミが騒ぎ立てそうですな〜

そのベビーシッターの名前は鴻上有。十六年前の住所はわかっているが、手がかりはそれだけである。
気安く引き受けはしたものの、正直情報は少ない。果たして見つけ出せるかどうか。

とりあえず住んでいた住所へと向かう。
近所の人に聞き込みを行うと、引越し先を知っているという人物に出会うことができた。ラッキー。
というわけでその引っ越し先に移動。ここでも聞き込みを行う。
すると鴻上さんを知っているという人物に出会える。ふむ、人付き合いのいい人だから覚えている人も多いって話ですか。

続いての引っ越し先。そこはちょうど取り壊しの最中。
取り壊しているってことは当然住人はいないのだろうが、家の中に手がかりの品などがある可能性も高い。というわけで――

スイマセン。ここに昔恋人が住んでて。十分!十分だけ中に。想い出の品だけでも・・・

工事現場のおっちゃんにそう申し出てみるマーニー。
しかし結果はすげない拒否。帰れ!!シッシッとあしらわれてしまう。
まあ、そのやり方はよろしくないですよね。リア充がいつまでも想い出引きずってんじゃねーぞ。帰れ!などと思われても仕方ない。

諦めて離れようかとも思ったが、今の話を聞きつけた別のおっちゃんが中に入れてくれる。
だれだって恋しい人は居るもんだからな・・・とのこと。
なるほど。ここで恩を売ってあわよくば自分に関心を向けさせようという作戦ですね。やるなぁおっちゃん!!

それはさておき、首尾よく中に入りこんだマーニー。
中には多数の本棚と本。経済や歴史、科学。何でもあるかのように思える。
ふーむ。これだけの資料があるまま取り壊しが行われてしまうのか・・・なんだか勿体ない話ですね。
荷物を置いて住人がいなくなったということは、ここを最後に海外に渡ったのだろうか。足取りが途絶えちゃいましたね。

なにか本人の書きつけがあればと調査開始するマーニー。
と、日記のようなノートを見つける。おぉ、探偵物などのミステリーにおいては最重要アイテムな日記ですね。
しかし、ぱっと見ただけでは難しくて何だかわからない。哲学なんだか暗号なんだか。
量もいっぱいあるし、単なる日記というわけでもなさそうだ。が、その中には気になる記述があった。
どうやら鴻上さんがアリアさんの相手をしてきた日々を綴ったものらしい。ほう・・・

小学校時代のアリアさんはなかなかに聡明な子だったらしい。
一人で過ごさせることを母が不憫に思ってベビーシッターを充てたのかもしれないが、当の本人は別に不満もなさそうな様子。
しかし、賢そうな大人に興味がないわけでもないらしく、話しかけてくれるアリアさん。
難しそうな文学の専門書を読んでいる鴻上さんに、ゲームのほうがよっぽど面白いわと述べる。

アリアちゃん。面白さにも色々と種類があるんだよ。それは人それぞれだし、それぞれが楽しめばいい

まあその通りですな。人の趣味は千差万別。少年チャンピオンを楽しむ読者がいたっていいって話だ。間違いなくね。
含蓄のある話だが、ここからいきなり妙な話に持っていき出す鴻上さん。

我々人間はこの地球を征服したことでこの星を好きにする権利を持っている。地球を破壊していい権利があるんだよ
それほど人間の力とは強力なものだ。だから人間は面白いんだ。
僕が見たいのは・・・その人間がする選択だ

これも人間賛歌の一種なのかもしれないが・・・子供には刺激が強すぎる話ですな。勘違いを起こさせそうな言葉である。
しかし、地球規模の話は大きすぎるのでスルーする様子のアリアちゃん。賢い。なので最後の選択の部分についてのみ問い返す。
よくわからないわ。例えば?という問いに、鴻上さんは室内で飼われている小鳥を用いて説明を開始する。

そうだなあ・・・このカワイイ小鳥と自分の親指。どちらかを失うとすればどちらを選ぶ?

妙な選択でありますね。
例えばということであろうが、こんな選択をする日が果たしてくるのだろうか?
とか思ったら、自分はとてもこの小鳥を殺せそうもないと言って親指を切り落とす鴻上さん。ジョリ。
うーむ、子供に何をいきなりショッキングな光景を見せているのか。まあ、手品だったので実際に切り落としてはいない様子だけども。
注目を集めて話を聞かせるという意味ではいい手法だったかもしれませんね。
手品師というかイカサマ師だと友達によく言われるという鴻上さんは続けてこう述べだす。

いいかい?世の中正しい選択をした人間が勝つんだ。君はどちらがいい?勝つか・・・それとも・・・

重要な場面で選択を強いられることがあるってのは感覚ではわかる。でも幼い身にはピンとこないでしょう。
まだ得心がいかない様子のアリアちゃんにひとつの選択をさせようとする鴻上さん。
母のカタミで五百万はするというダイヤのイヤリングをアリアちゃんに見せる。欲しければあげるけど、条件があるとのこと。

僕には殺せなかったその小鳥を殺してくれ。そうすればこのダイヤは君のものだ

な、何を教育しているんだこの男は・・・!?
小鳥なんてちょっと目を離せば死んでしまうものだし、お母さんにはどうとでも言える。
同じような鳥を飼っても千円もしない。選択するのは君だと迫る鴻上。

リスクと対価を考えろ。君は何を失い何を得るのか。どちらを選択しても僕は責めない

鴻上の微妙に誘導がかかっているかのように聞こえる選択を聴き、小鳥に手をかけるアリアちゃん・・・

いい子だ

思わぬ妙な展開を見せる日記の記述。
しかし、たったひとつのマークにより納得させられる。
日記の隅に描かれたマーク。これはあのメカニックを示すマーク・・・!!

それに気付いたマーニーだったが、そのタイミングで家が激しく音を立てて崩れ出す。取り壊しが始まったのか!?
慌てて飛び出すマーニー。だが、メカニックが関わっているとなっては放ってはおけない。
なんとか物証を確保するために取り壊しを待ってもらおうとするマーニー。
しかし工事現場の人々はフザケンナ!二度と近づくなと必死に取りすがるマーニーを追い払ってしまう。あらあら。

メカニック・・・メカニックの手がかりが・・・

残念なことに、手元に残ったのは咄嗟に持ち出したそのノートのみだった。
鴻上がメカニックである以上、アリアさんに会わせることなどできない。むしろ見つけたらさっさと逮捕したい。
というわけで、手に入れたノートだけを見せるマーニーでありました。
アリアさんの人生にかかわることだし、あの犯罪者と関わりがあるなんて知らせない方がいいとの判断でしょうな。

報告は終えたが、メカニックに対して有効な情報はアリアさんから得ることはできなかった。
しょげた様子で帰るマーニー。まあ、ノートのコピーは取ってあるしここから少しでもメカニックのヒントが掴めればって話だ。
だがそのマーニーを高所から見下ろしながら電話をしているアリアさん。相手はおそらくメカニック。

あい変わらず遊びが好きよねアナタは。今度はあの子になにをさせるつもりかしら。

そう述べるアリアさんの耳には例のダイヤのイヤリングが。
これは・・・やはり、選択によって得たものであるということなのか・・・?

彼女のことは少し妬けるし少し気の毒だわ。マーニーは何を選択し何を失うのか・・・これからが楽しみね。

なんともはや。途中から今までとは雲行きが違う流れになっていると思ったら、やはりメカニックの絡みでありましたか・・・
メカニックはかなりの遊び好き、かつマーニーを弄ぼうとしている様子なのが見て取れる今回。
重要なのは選択か。そういえばロイドさんも娘の命かその他の多数の命かの選択をさせられてましたな。
いや、あの時点で選択をさせられていたのは実は幼い頃のマーニーだったのかもしれない。
あの事件がどのような解決を見たかはわからないから想像でしか語れないが・・・
でも多分メカニックは少女好きだと思うのですよね。間違いなく。
少女に選択を迫るのが大好きな男だと思うのですよ。間違いなく!!
だからロイドさんに選択を迫るより幼いマーニーに迫ったと考える方が自然だと思われる。うむ、まったくもって自然だ!変態的には。

鴻上という名前が出てきたが、これがメカニックの本名とは思えない。
一度逮捕されているのだし、本名ならマーニーが知らないはずはないですしね。
昔から偽名などを用いて色々とやらかしてきていたんでしょうなぁ・・・
変装等もうまそうだし、今回の話にもチラホラ出てきている可能性がある。
少なくとも工事現場で中に入れてくれたおっちゃんはメカニックの変装ですよね?
中に入れておきながら出てくるの確認せずに取り壊し開始するはずもないですし。正体バレさせるための誘導と思われる。
しかしそう考えると、最初の聞き込みで引っ越し先を教えてくれたオバチャンも怪しく思えてきて、むむむ・・・

変装できる相手ってのは何かと厄介ですよねぇ。いつ誰に化けているかわかったものじゃない。
戯れにゆりかちゃんを殴り倒してみたらメカニックの変装でした。無事逮捕!!なんて展開も今後ありえるかもしれない。
ふむ、一度殴ってみるのも手かもしれませんな。ゆりかちゃんなら今後も色々やらかすだろうし、一度くらい殴っても問題ないよね!!



名探偵マーニー 5巻


file37「キャンプフィーバー」  (2013年 21+22号)


何故か小学生と一緒にキャンプ場にやってくるマーニー
小学生の知り合いと言えば久儀良太郎くん。
彼と彼女である町名葉香ちゃん。そして友人たち数名の保護者としてこの場にいる様子。
相変わらず良太郎くんはマーニーにベッタリなんですな。

保護者がいないと僕達の年では動きにくいし、ウルサイ大人は連れて行きたくない。そこで・・・

マーニーが日当五千円で小学生に雇われる形となったわけですね
頂く金にキレイも汚いもないが、やはり子供から貰う形になるのは・・・
今回が初めてではないとはいえ、やはり何となくたそがれる心持ちとなってしまうマーニーでありました。湖がキレイだ。

今回のメンツは良太郎くんと葉香ちゃんを含めた男子4人女子3人の7名。今回登場の5名の名前は以下の通り。
・紫崎みどり
・近衛舞美
・近衛新一郎
・河原崎太志
・前川広大

ふむ。探偵ものであるならばキャラが一杯出たなら誰かが死んだりするのを考えるべきだが・・・
この漫画ではそれは気にしなくてもいいでしょうな。小学生同士で殺人事件もさすがにアレだし。

彼等がキャンプ場にやってきたのは冒険する為である。
というわけで、キャンプ場から見える廃病院に今夜探検をしにくいと言い出す良太郎くん。
奥三ツ谷病院は過去惨殺事件があったため廃墟と化しているそうな。ほほう。廃墟探索・・・子供らしい冒険だな!!

肝試しみたいな感じではあるが危険がないとはいえない。
保護者であるマーニーとしては自身の責任になることはなんとか止めたいところ。
口を挟んでみるが好奇心旺盛な小学生としてはそういう態度は好ましくない様子。
探偵だからってノリノリで何でも許してくれるってわけじゃねーぞ子供たち。

前川「だから言ってんじゃん。久儀だってTVタレントなんだし。葉香ちゃんだってよくアイツと付き合ってるよ」
葉香「他人にとやかく言われる筋合いはないわね

マーニーへの不興は彼女を師匠と慕う良太郎くんにも響く。
とはいえさすがに葉香ちゃんはしっかりしたものである。この年で強さが見られる。うーむ。

ギャアギャアとした言い合いの後、病院の入り口まで許可するということで手を打つマーニーでありました。ガックリ。
せっかくパパから釣りセット借りたのにノンビリするヒマがなさそうで残念でありますな。
マーニーと釣りは結構相性がいいかもしれない。考えにふける時間の手慰みになりますわな。

というわけで、日が落ちようという所でマーニーの引率で廃病院に向かう子供たち。
その途中、目的地での惨殺事件の内容について知っているという前川くんの説明を聞くこととなる。

正体は解らないんだけど生き残った人の証言だと、牛の仮面を付けた大男が現れて次々と患者を襲っていったんだって。
正体は患者とも患者の親族とも破滅した医者とも言われている。奴はさんざん医者と患者を殺傷した後、湖へ向かった。
湖のほとりに血まみれの牛の首を残し、奴はそのままどこかに消えてしまった・・・自殺したって形で決着した。

ふうむ。となると実はその牛男はまだ生きてどこかに居る可能性もあるって話ですな。怖い怖い。
しかし何で牛の頭なんだ?その病院は迷宮だったとでも言うのだろうか。謎だ。

さて、無事に病院の門まで到着。
記念画像を撮らせてここで引き返させようとするマーニー。だけど当然いう事を聞くはずもない子供たち。
良太郎くんはさすがに働いているせいか、マーニーに迷惑をかけたくないためか一緒に止めようとしてくれはするが・・・
その制止も通じず、こんなところで引き返せるかーと中に乗り込んで行ってしまう子供たち。やれやれだ。
しょうがないのでちゃっちゃと見て回って帰ることとします。何事も起きないといいんだけどね・・・

廃病院の探索。夜中ということもあり、確かにちょっとした冒険だ。
そこでしばらく探索していると、入口の方からボオオオオオという奇妙な声が響いてくる。
何事かとマーニーが様子を見に行くと・・・そこにいたのは斧を持った牛頭の男が・・・おぉっと!!

怪物?いやさすがにありえない。ただの変質者?だとしても危険であることには変わりない。
なんとか子供たちを逃がさないとと考えるマーニーでありました。保護者は大変だ。
緊張した様子のマーニーを見て牛男が現れたことを察したのは寺の息子である前川くん。

・・・僕がなんとかします。
家は代々住職の家系で、こういう時の対処法は心得ています。まかせてください!

数珠を取り出しそんなことを言いだす前川くん。ほう。さすがは寺の息子。怪物退治は生業ということか!

アホか!!ダマって逃げるの!!
いいか!私の命令を聞け!!一切口応えはゆるさない!わかったな!

さすがにここまで流されていた様子のマーニーもこれだけは譲らない。当たり前ですわな。
血相を変えて怒鳴るマーニーに気圧された様子の子供たちでありました。どうだ、これが大人の本気だ!大人しいからってナメるな!!

というわけで、先ほどの探索で建物の構造を理解しているマーニーは牛男をやり過ごすルートも理解している。
非常口か窓から外に出てキャンプ場に行き、他の客に助けを求めようと言う。
その導きに従い無事に脱出する良太郎くんたち。マーニーは子供たちを先に行かせて残った様子。
脱出した子供は6人。む・・・前川くんの姿がないな。
自信ありそうだったから中に残っているのか?もしや本当に怪物退治をしようというのか寺の息子!?

まあ、結局前川くんの出番はなかったんですけどね。
子供たちを逃した廃病院。そこには策を弄して牛男を行動不能にしてしまうマーニーの姿があった。
なるほど釣り用のテグスをそこらに張り巡らせて動きを妨害したんですね。
オノを振り回したくらいじゃ簡単には切れないし、暗闇でそんなもの被ってたら細い糸なんて見えない。
なんとかしようと暴れまわった結果、テグスを絡めた棚などが自身に降りそそぐことになり・・・自滅。行動不能となったわけだ。

で・・・この黒幕は・・・前川君。君か
狂言怪物、狂言殺人鬼・・・とにかくこの中の人は、前川君のご家族の方ですか?

言いながらテグスを外すマーニー。
その言葉の通り、出てきたのは前川くんのお爺ちゃん。
孫の為と思いつい怪物の役とかやってしまった様子。勘弁してくださいよ住職。牛頭とかどこで手に入れたんだよ。
まあともかく、この場は狂言でよかった。というわけで、前川くんの動機が明かされます。

アイツが悪いんだ。久儀良太郎。
TVに出てチヤホヤされて、クラスでもリーダー気取り。それに葉香ちゃんまで手出しやがって。元々オレがリーダーだったんだ。
アイツが探偵なら!オレは霊能小学生でキャラづけしてもう一度リーダーの座を・・・!!

そ、その発想はいかがなものだろうか・・・
売り込むならTVにそのキャラで売った方がよかったかもしれないね。この世界ならひょっとしたら当たる可能性はあるかもしれない。
何にしても狂言でリーダーになろうなんて考えではいけない。
リーダーだったらもっとみんなのためになることを考えないとさ、とマーニー。
子供らしい虚栄心だなあとほのぼのできなくはないが、ここでちゃんと諭しておかないといけない話でありますわね。
でないと大きくなってからも霊能者とか名乗ったままになりかねませんからなぁ・・・!!それはそれで面白いけど。

しかしこうなると前川くんの立ち回りも見てみたかったものでありますな。
霊能小学生の腕前、どのようなものだったのか興味あります。ビームとか出せたりするのかね?
今時そのぐらいやらないと他の小学生も騙せないぞ!!



file38「呪われた団地」  (2013年 23号)


被害者の視点で事件を見つめ直そうとするマーニーの姿が描かれたセンターカラー。
白線の上に横たわりなんだか物問いたげな様子でこちらを見つめるマーニーの姿は何というか・・・誘ってるのか?

ちょっと気になるけど、気を取り直して本編の感想。

今回の依頼人は久しぶりに波峰ちゃんからのもの。
まあ、まずは依頼という形ではなく呪われていると噂のウチの団地に遊びに来ないかという誘いでありますが。

最近変なウワサがたってて。変な声や叫び声が聞こえたり、首のない女が窓の外に立ってたりとか。黒い人影がのぞき込んでいたとか。
昔、工事で神社を壊したからそのタタリじゃないかって。どうにもフンイキが暗くってさあ・・・

ふーむ。タタリねぇ。非科学的な話。つまりオカルトでありますな。
となると興味を示す子がこのクラスには存在する。そう、前花さんだ。
というわけで放課後、マーニーと前花さんは波峰ちゃんの住む団地へと足を運ぶこととなったのでありました。

ここでマーニーの住む探偵事務所についての設立秘話。
昔、峠茶屋だった建物をタダ同然でもらい受け、そこからロイドさんと血のにじむようなDIYなリフォーム工事を行ったそうな。
ふうむ。器用というかなんというか。なんで業者に頼まなかったのだろうか。やはり料金の問題なのか?
それはともかく、パパと言いそうになって親と言い直すマーニーが可愛らしい。

前花さんはネットで購入した幽霊センサーなるものを持参してきている。
ハハァ。タタリの話とかありますものね。必要ですね。そりゃあ。
だが早々バカにしたものでもないかもしれないこのセンサー。
反応があるということで足を運べば、そこにあるのは取り壊された神社。お稲荷さんのあとである。
うーむ。工事で壊すのは仕方ないにしてもそれが野ざらしにされているというのは・・・なんともはや。

まあ、オカルトのことは前花さんに任せることにしましょう。
マーニーは探偵らしく証言を集めてなにが、どこで、どんな風におこったかデータを集めようとする。
その行動を地味と評する波峰ちゃん。探偵ってのは地味なもんなんですよ。本来はね。

ともかく、3人で団地内の色々な人から話を聞いて回る。老若男女いろんな人が団地に住んでいるようだ。
しかし屋上に上がってなにやってるんだろうこの3人。

情報を集めた結果、怪現象が起きている範囲はそんなに広くない。
新しい居住者が多い団地の南区画に絞られるそうな。ちなみに波峰ちゃんが住んでいるのも南区画であるとのこと。ふむ。
髪の長い女の影が見えたり、変な音が聞こえたり、体調がおかしくなる人などが増えているとのこと。
ふーむ。体を壊す人まで出てきているとなると放っておくわけにもいけませんなぁ。

というところで波峰ちゃんとマーニーの携帯に着信。
それと同時にゴーストセンサーに反応がある。これひょっとして電波に反応しているのか?
それはつまり幽霊は電波を纏っているとかそういう関連性が・・・ぐらいに話を繋げてみてもいいんじゃないかね前花さん。

情報収集を終えたマーニーたちは波峰ちゃんの家にお邪魔することに。
波峰家は4人家族。波峰りあちゃんには波峰愛理さんというお姉さんがいる様子。
美人で人に好かれる団地のアイドルな愛理さん。
しかしここ最近急に体調を崩し、大学も休んでいるとのこと。今日もベッドの上からマーニーたちに挨拶をしております。

私の女としての目標だったっていうか・・・いつか追いつければって思っててさ・・・
二か月位前から体調崩して、朝気持ち悪くて起きれないって・・・

ちなみに幽霊騒動が起きたのは三か月位前からであるとのこと。ふむ、時期としては合っていますな。ふむ・・・

どうやら波峰ちゃん。幽霊騒ぎがどうこうということで連れてきたが、本命は姉のことが心配だったからというものだったらしい。
そんな面倒なことしなくても正式に依頼としてマーニーに調べて貰えばよいですのにのう。
マーニーもおかしな話じゃないなら友人からお金を取ったりしないですし。おかしな話じゃなければ、ね。
前花さんは霊感のあるという知り合いに当たってみるとのことだが、まあそれはそれとしましょう。うん。

別方面から調査するというマーニー。
ちょうど波峰家にやってきた同じ団地に住む丸山さんという男の人に話を聞くこととする。
愛理さんのお見舞いに来たりしているし、どうやら丸山さんは昔から波峰姉妹のことをよく知っている様子ですな。

外は寒いということで丸山さんの部屋にお邪魔するマーニー。
また一人暮らしの男の部屋にホイホイと上がり込む・・・色々と誤解を招いても知りませんよ!!
というのはさておき、丸山さんの部屋にはロボリンピック入賞のトロフィーなどが飾られている。
ああ、TVで時折やっているアレですな。なかなか大仰な動きをするのもあって面白い。

丸山さんは工学系らしく幽霊騒ぎは眉唾と思っている様子。しかし愛理さんの体のことは心配だそうな。そりゃそうでしょうな。
で、本題。マーニーは波峰姉妹の仲について尋ねる。傍から見て関係はどうなのか?
丸山さんは幼馴染なのでその辺りを詳しく聞きたいという話でありますな。

その話がどういうものだったのかは分からないが、本格的に調査を開始しだすマーニー。
何か案があるのか前花さんからゴーストセンサーを借りる。電波でも調べるんですかね?

夜。一度帰って準備を整えたマーニーは再び団地の調査に乗り出す。
なるほど。夜は冷えるし上着は必須ですね。ネコミミ付きのフードをつけるのも大事ってことだにゃあ。

前花さんから借りたゴーストセンサーの分布地図を作成する。
反応の強い場所を特定していくと、そこはB-2棟。波峰ちゃんと同じ棟であることが分かる。
それが分かったのなら入居者をリストアップ。なるほど、容疑者の特定でありますな。
そして建物の構造の調査。さすがに普通に調べるのは難しいので毛利刑事の力を借りることとする。
うーむ、やはり探偵が刑事のコネを持っているのは大きいなぁ。
毛利さんも便利に使われている感じもあるが・・・まあ、検挙に繋がることも多いし、本人も満更ではあるまいし問題ないか。

そしてマーニーは波峰ちゃんの部屋に戻る。

ちょーっと試したいことがあって・・・泊めてもらえるかにゃあ?

そんな頭でにゃあとか言われたらなぁ・・・泊めるしかないじゃないですか。
ときおりさりげなくこういう語尾を使ってきたりするからマーニーは侮れない。

で、マーニーが泊まり込んだ理由は愛理さんの様子を見張るため。
予想が的中したということか、眠っている愛理さんの顔に何か液体のようなものが降りそそごうとしていた
容器でその液体をキャッチするマーニー。
これが波峰ちゃんのお姉ちゃんが体調を崩した原因で、ここ最近の幽霊騒ぎの目的であるそうな。
ふむ。この揮発性の液体は・・・体調を壊すための毒か?
そしてこの毒を送り込んだのは・・・やはりこの人、丸山さんであるか。

事前に突入準備を進めていた毛利刑事と警察官たち。
管理人にマスターキーを借り受け、丸山さんの部屋に乗り込む。
すると何かの装置を操作している場面にでくわす。うむ、これは間違いないですな。現行犯逮捕だ!!

犯人は丸山将揮。星山工科大学二年。
彼は自分の特技を最大限に活用してこの犯罪を実行した。
ロボリンピックでは色々な障害や課題をロボットに課し、それを競わせる。
この場合の課題は同じ棟に居る波峰愛理の部屋へ天井裏や通気口をルートにどうやって毒薬を届けるか。
彼は全身全霊をかたむけてこの課題をクリアさせたんです。

な、なんとまあ無駄な努力というかなんというか・・・
いやでも、こういうことにかける情熱ってバカにできないものがあるからなぁ。
というか、よく正確に顔に落とせたりしたものですな。カメラとかでもついているのだろうか?
つ、つまり盗撮の容疑も加わると?うむ、そりゃ努力も惜しまなくなるはずであるな。

丸山さんが犯人であると知り衝撃を受ける波峰ちゃん。
小学校も愛理さんと同じであり、すごくいい人だったと思っていただけにショックは大きいようですな。
しかし、その昔からの知り合いという間柄が原因のひとつだった様子。
別の大学に行き楽しそうにしている愛理さんを見てなんとかしたいと思った丸山さん。
愛理さんの体調を崩し、自分は親切な隣人の役で再び親密な関係を取り戻そうと計画したそうな。
そして自分が疑われないようにこの幽霊騒動を捏造した。パニックが広がれば疑われずに愛理さんに近づけると考えたわけだ。
そのために高周波発生装置に重低音スピーカーなども用意したそうな。
愛理さん以外の体調を崩した人はこれにやられたわけですね。うーむ、なんと迷惑な・・・

その高周波を拾ったのは前花さんのゴーストセンサー。
なるほど。お稲荷さんに反応したのも近くに高周波の反応があったからなわけか。
さすがに呪いなんて簡単に発生するもんじゃあありませんよね。

・・・まあある意味これも呪いかも・・・
一人の女性を振り向かせるためにこれだけの・・・知識と技術を駆使してなんも得られず、そして最後は捕まってしまった。
お姉さんへの想い・・・彼にはまるで呪いのようだよ

恋愛というのは人を狂わせる要素が多分に含まれているって話ですかね。
それが純粋な想いであろうが、ひとつ間違えばおかしな方向へと突き進む原動力になるのが愛情というものである。
そう、それはまるで呪いのように・・・
つまり、前花さんは恋愛脳になるのがオカルトと出会う近道である。そういう話でありますね!!
探偵ものとオカルトは相性がいいやら悪いやらなので前花さんがガッカリする流れが多くなりますなぁ。不憫。

とりあえず今回の犯人が波峰ちゃんじゃなくてよかった。
前の登場回でも割ととんでもないことをやらかしてた子だけに、ここで姉妹不仲説とか出されても困る所であった。
結構可愛いデザインしてるだけに、今後はまともな活躍をしていってほしいものであります。



file39「墓場女」  (2013年 24号)


墓地で片岡さんを見張るマーニーとゆりかちゃん。
何でまた恋人の見張りなんてしてるんだゆりかちゃん。仲良くやってたじゃん。
というか片岡さんは何で墓地にいるんだ?葬式から墓地めぐりに趣味が変わったのか?
そういうマーニーの疑問にゆりかちゃんは静かに答える。

片岡さんのケータイに知らない女の画像があってさ・・・

ふむ。ケータイを勝手に覗いたのか。まあ、恋人らしい行為ではありますね。
恋人ではないマーニーもゆりかちゃんのケータイの中身を持ちだしたりしてたけど。

それはさておき、どうやらゆりかちゃん。片岡さんの最近の態度に不信を覚えていたらしい。
最近はデートも断られており、なんだか一人でコソコソ出かけているとのこと。
ケータイばかりみてうわの空だったり、クローズドのチャットで何をしているかも教えてくれない。
怪しいと思いPCを見たら墓場をバックにした女の画像がいっぱいだったという。

もう80%黒でしょコレ。現場突き止めてやんないと。慰謝料請求してやんよ

慰謝料って。逞しいというかなんというか。強がりなのかもしれないが、ゆりかちゃんなら本当にしそうだ。

というわけで後をつける2人。
すると片岡さんは墓地にて女性と会っている。む、この女性は確かに画像の・・・

片岡ー!!
こんなとこでコソコソデートか!この浮気者!!

さすがに我慢ができないのか飛び出していくゆりかちゃん。
そしてそのゆりかちゃんの命令で逃げ出した女性を追うこととなったマーニー。
その間に片岡さんの弁明タイム。いや、弁明というか別に浮気というわけではなかったんですけどね。

片岡さんの見せたケータイに表示されているのは墓地愛好家の情報交換クラスター
墓地マニアが各地の墓地を回って報告しあってるコミュニティらしい。そ、そんなのあるのか・・・
そこでここのところ話題になっているのが通称「墓場の君」という女性。
ある人が画像の中に美人がいると言いだし、その後別の墓地に彼女がいる画像が見つかる。
そのミステリアスさと美しさにひかれて皆墓地の画像データを調べ直した。
その結果、地域を問わず色々な墓地に出没する女性の姿が見受けられたという。
だが彼女はネット上には姿を現さない。果たして彼女は何者なのか。なぜ彼女は各地の墓地に現れるのか・・・

同じ墓場愛好家ならコミュニティに招待しようって話になって、皆休日は彼女を探すようになって、それでさっきとうとう見つけたんだ。

ハハァ。そういう話でしたか。
やっぱり片岡さん、葬式だけではなく墓地にも趣味を抱くようになっていたんですな
いやそれも気になるが、そこが本題ではない。
女性にまかれたマーニーも戻ってきたわけですし、詳しい話を聞く。

「アナタを探していた」って言ったら、すごいビックリして。そのあと若島津が現れて・・・彼女は逃げてしまった。
まあ・・・でも墓地愛好家って感じじゃない。
墓地愛好家は静かな雰囲気に幸せを感じたり、落ち着いたり、思索にふけったりするんだ。
彼女は音もれするほど大音量でメタルを聞いてたこともあるし。

ふーむ。こともあるってことは、他にも接触、ないしは側にまで近づいた人がいるってことですかね?
しかし墓地愛好家ねぇ。廃墟好きのコミュニティもあるらしいし、似たようなものなんですかねぇ。うーむ。

片岡「本当なんだ。信じてくれよ」
ゆりか「その話が本当だったら考える。マーニー!!」

ふむ、結局マーニーがその墓場女を調査する流れとなってしまうわけですね。
まあ素人が調べるよりは専門家がやった方が発見する可能性は高いでしょうな。
というわけでマーニーにおまかせをのポーズ。
敬礼バージョンではなくちゃんとマニー請求のポーズとなっているのは相手がゆりかちゃんだからなのかどうなのか。
まあ今回の調査料を頂くとしたら片岡さんからになりそうですけどね。

というわけで霊園愛好クラスターを調べるマーニー。うーむ新世界。しかしハカハカnetって。
名前はともかく、参加している人数は多いのか色々な霊園の写真や感想があげられている。
そして「墓場の君」の情報もけっこうな数であがっている。
ふうむ。美人だしなぁ。ミステリアスさもあいまってファンクラブ的なものもできだしているわけか。
しかし写真をみるといつも一人というわけではなく他の人と接触している場面もあるらしい。

んん・・・?あれ・・・これたしかサッカーの水原選手・・・
この人って確か今度結婚するって・・・ニュースに・・・相手の画像はたしか・・・
まてよ・・・?彼女と接触してる男達。リストアップして・・・

何かの可能性に思い至ったマーニー。毛利刑事に電話して写真の照会をお願いする。
そしてゆりかちゃんと片岡さんに明日付き合ってもらうこととする。ふむ、早くも真実を暴こうという流れですな。

「墓場の君」と呼ばれた女性。本名は宗谷美樹奈さん。
その宗谷さんの結婚式の会場に踏み込む毛利刑事。
どうやら宗谷さんはサッカー選手の水原さんと再婚をしようとしているらしい。ほう。未亡人だったのかこの人。

お墓ですよね?出会いは・・・
水原さんは以前奥様を亡くしている。その墓参りに来てる時アナタ達は出会った。
お互い伴侶を失っている親近感から打ち解け、その後も外で会うようになる。そして交際は進んで・・・
アナタにとっては得意技ですよね?宗谷美樹奈さん。

手口を明かそうとするマーニー。だが、これには惚けた様子で返す宗谷さん。まあそうでしょうな。しかし――

アナタ自分が有名人だって知っていました?足が付かないよう墓場で獲物を漁るようになった・・・
アナタは結婚サギの常習犯です。何度も結婚と離婚を繰り返し、金をだまし取っている。
墓場はアナタの狩猟場です。妻を失って墓参りに来ている孤独な男を狙って・・・
アナタ自身夫を亡くした傷心の妻というキャラで近づく。

マーニーの推理。これにはもちろん証拠が存在する。
宗谷さんも自身が墓場愛好家の間で有名になっているなど思いもよらなかったでしょうなぁ。
隠れファンに何度も画像を撮られており、その写真の中にはダマされた被害者達に近づいていく宗谷さんの画像がある。
色々な霊園を訪れてエモノを探す姿が・・・
うむ。さすがにこれは言い逃れできませんわな。写真の画像の男性と結婚と離婚を繰り返しているなんて調べればすぐに分かりますから。

というわけで、結婚サギの罪で逮捕される宗谷さん。
警察に連行される前に一言声をかける片岡さん。
結婚サギをしていたというが、墓地を訪れていたのは本当にそれだけなのだろうかと気にしている様子。
あの悲しそうで決意を持ったような表情・・・皆あの顔に憧れていたのだという。サギのためとは思えない・・・
そう述べる片岡さんに宗谷さんはこう返す。

私の最初のダンナは七年前に死んだのよ。事故でね。
先日は報告に行ったのよ。もうサギなんてヤメテ、水原と結婚して幸せになるって
それが捕まるキッカケになったなんて。死んだ彼が妬いたのかもね。あの世でさ。

ふーむ。完全に再婚をして落ち着かなかったのは亡くしたダンナさんを偲んでいたという部分もあるわけですかね?
でも、この言葉が本心かどうかはまさに本人のみぞ知るって話ですからねぇ・・・
それにしても、結婚の直前でご破算となった水原選手の気持ちは如何ばかりであろうか。
有名人なだけに大々的に報道されるんでしょうな。あの水原が結婚サギにあったぞ!と。うーむ。可哀想に!!

それはさておき、誤解が解けた様子のゆりかちゃん。
いきなり片岡さんとイチャイチャしだす
まあ、元鞘に戻ったということだしいいんですけどね。いや、いいんですけどね・・・
春だというのに風は冷たいなあと感じるマーニーでありましたとさ。

うーむ、やはりマーニーもそろそろ相手を見つけ出す頃合いなのではなかろうか。
でも寂しくは思えども、実際に誰かと付き合うとなると逡巡しちゃうものなんですよね。わかります。
まずはパパを越えるほどに一緒にいたいと思える相手を見つけることでありましょうが・・・これはなかなか難関だ。
果たしてこの先マーニーにお相手は現れるのか!?まあ、その部分には期待せずに見守っていくとしましょう。
別に天ちゃんとイチャイチャする流れになったとしても・・・それはそれで一向に構わん!!



file40「スーパースター」  (2013年 25号)


殺人事件の発生から始まる今回。おっ、探偵ものらしいスタートですね!!

事件現場の検証を行う毛利刑事。
被害者は胸部を複数か所刺されて死亡した様子。
犯人の遺留品を探そうとしたが、時間をかけるまでもなくすぐに見つかる。
どうやら刺される時に揉み合って犯人の頭を掴んで引き抜いていたらしく、傷を抑えた手には髪の毛が絡まっている。
ふむ、これをDNA鑑定すればかなり犯人の特定は楽に行えそうですな。

そういった犯行現場からは離れてマーニーの家。
TVに映るのは漆黒のバックダンサーを従えて華麗に舞い踊る男。
そう、それはマイルス・ダヴィッド。スーパースターである。
90年代のポップアイコンと言えばマイルスだったと言われるお人である。
2008年に世界ツアー前に急逝したとのこと。ふむ。まあ、細かいところは違うがモデルは間違いなくあの人でしょうな。

そんなスーパースターも時間が経てば知らない子が出てくるものである。
世代の差というのは寂しいものでありますなぁ。
というかマーニーは音楽とか流行りものとかそういうのに詳しいのかどうなのか。
何が流行ってるかくらいはネット等で調査してはいるだろうけど、自分では聞いてなさそう。
ロイドさんに聞かれてAKBとか?ボーカロイド?と答えてはいるが、よく知らない風の回答の仕方ですものね。

それはさておきマイルス。
死亡したはずだが死因がハッキリしておらず、彼の資産が消えたこともあり生存説も根強いという
日本で目撃されたという話もあり、ファンは世界中に居るのだそうな。うーむ、さすがスーパースター。
もし本当に生きてたなんてことになったら大ニュースでありますやね。ハハハ。

そんな風に笑った後、打ち合わせのために出かける2人。
そこで通りがかったのは冒頭の犯行現場。毛利刑事の姿が見えたので声をかける。
毛利刑事が言うには刺殺されたのは音楽会社社長の和久部清貴さん。
殺人事件であるが、犯人のものと思われる毛髪があったのでそれが照合できれば問題ないとのこと。

毛利「ロイドさん。探偵だからナゾを解くとか言ってこないでしょうね〜
ロイド「あっはっは。まさか
マーニー「ねえ〜殺人事件になんで民間が。ないない

笑って殺人事件に首を突っ込む探偵の姿を否定する親子。ですよね〜普通考えたらそうですよね〜ハハハハハ。
当然のことなのに新鮮に思えてしまうのは一体何故だろうか。

というわけで、特に現場に踏み込んだりすることもなく別れる。
別れ際に一度遊びに行きますよと言っていた毛利刑事。その言葉通り後日ロイド・インベスディゲーションを訪れる。
長い交流がありそうだけど、ここに足を運んだのは初めてなんですな。ふむ。
どうでもいいがマーニーの寝言が気になる。エビ・・・好きなのか・・・?

毛利刑事がやってきたのは先日の殺人事件について相談したいことがあったから。
話によると検証の結果ESNEが出てきたそうな。
ESNE――The evidence which should not be existの略で、つまり現場にあってはならないもののことである。

犯人の毛髪と思われたものからとんでもないものが出てきて戸惑っている様子の毛利刑事。
何事かと尋ねたところ、DNA鑑定して毛髪のデータ照合を行ったところ・・・
一致したのはなんと世紀のカリスマ、マイルス・ダヴィッドだったそうな。

なんともこれは・・・確かに難しい話でありますな。事件現場にスーパースターの遺留品とか。
ヘタに発表しようものなら大ニュースとなってしまう。こりゃ確かに毛利刑事も困りますわな。
ロイドさんとしても洗い直せとアドバイスするしかない。
和久部さんは潔癖症で一日三回ハウスクリーニングを行っているし、そんなものが紛れ込む理由はない。
別にマイルスのファンというわけでもないし、毛髪を持っている理由もない。

監視カメラに映っている怪しい男はその気になってみればマイルスに見えないこともない。
このままではマイルス・ダヴィッドが社長室に現れて揉み合った後、社長を刺したということになる。
うーむ。物証を見る限りそういう結論になってしまうが、さすがにそれは荒唐無稽というか何というか・・・
死者が蘇って犯行を行った。探偵ものであることを差し引いても疑ってかかるべき話でありますわな。

うやむやにするのも大人の知恵だが、納得がいかないなら・・・自分で出来ることをするんだ

ロイドさんのその言葉に後押しされ、事件について調べ出すマーニーでありました。
民間が首を突っ込むことではないと言っておきながら結局調べてしまうんですね。
まあ、担当刑事から相談されている状態ですし、謎が発生している状態なのだから問題のない流れだとは思いますけど。

まずはマイルスについて調べるマーニー。
しかしさすがにスーパースター。ファンクラブがガッツリと存在する。
そしてどうやらアニメとかが好きでお忍びで来日している姿が目撃されているそうな。
ふむ。これが日本在住生存説の由来か。海外でもある程度は見れるでしょうになぁ。どれだけ好きなんだ・・・!?

とりあえずマイルスのファンクラブ日本支部長の日下香さんと会う約束を取り付けるマーニー。
この行動の早さと社交性は見事なものと毎回思わされますな。

野外のカフェで日下さんと対話。2時間ほどもマイルスのことについて語り尽くす日下さん。
うーむ、さすが熱狂的なファン。よくもまあこれだけ話すことがあるものだ。
いやまあ、人間好きなことなら色々と語ることができるものではありますからねぇ。
なんだったらチャンピオンのことについて熱く語る場を設けてくれるのでしたら自分が飛んで行って・・・

それはさておき。
会話の合間にマイルス生存説について尋ねるマーニー。
日下さんとしてはそう信じている様子。だけど日本には居ないとも思っている様子。ふむ。
ちなみに日下さんのしているネックレスは液体の入った小瓶。
この中身はマイルスのバーボンの飲み残しを真空密封したものだとのこと。
2005年10月15日ビバリーヒルズのバーで同席した関係者から買ったそうな。ハハァ。
ファンってのはそういうものも有難がったりするんですよね。うーむ、まあキャラグッズのようなものと考えればよいのか・・・

ここでようやく本題。日下さんにお願いしたいことがあるというマーニー。
取り出した名簿の中にファンクラブの会員がいるかどうかを知りたいとのこと。
ふむ、日本支部長であるからにはファンクラブのメンバーのことは抑えているでしょうな。
とはいえ結構な数でしょうし暗記しているわけではない。だがデータベースに納められているので検索すればすぐに出てくる。
ちなみにマーニーが出したのは毛利刑事から提供された捜査に関わっている人たちの名簿。ほう・・・?

というわけで、ひとつの結論を導き出したマーニー。毛利刑事を呼び、犯行現場で説明を行う。

ここで人が亡くなったんですね・・・だれかに憎まれて、なにもかも失ってしまった。
だれにも気づかれず、助けもなく、家族もおいて・・・

しんみりと語った後に本題へと入るマーニー。
結局、ありえないと思えても、あらゆる間違った可能性を排除し最後に残ったもの。それが真実なんですよ

マーニーの意味深な発言に戸惑うロイドさんと毛利刑事。
ありえない話?まさか本当にマイルスが・・・?

いえ・・・そっちじゃなくて・・・
科学捜査の根底がすべて間違っていたんですよ。髪の毛の鑑定を頼んだ科警研。そこの職員に熱狂的なマイルスマニアがいます。
真海陽一。彼は熱狂的でマイルスを神とあがめています。
五年前神は死んだ。彼は絶対それを認めたくなかった。でも現実に目をつむるほど彼も幼くない・・・
そこで一つ計画を立てた。
彼は理系で専攻も分析化学だったことから、それを最大限に利用し科警研に入所する。
一部のオークションで取引される有名人の記念品。ホテルの排水口の毛髪を入手。
犯罪はなんでも良かった。証拠の捏造。「マイルスは生きているという証拠を作ること」これが彼の計画です。

なんという・・・これは、まさに盲点というか、根本を覆す話でありますな。
刑事である毛利さんとしてみればまさしく思いもよらない落とし穴であったでしょう。
証拠の捏造は言うまでもなく犯罪。そんなことをするはずがないという考えもあったと思える。
が、熱狂的なファンというのは行き過ぎると狂信へと繋がるものですからねぇ。何をしてもおかしくはないということか。

まったくの公私混同ですが、マイルスの優先順位は友人や仕事や恋人よりも高い。
本人にとっては人生を賭ける程の切実なことだったんでしょうね

うーむ。怖い話だ。
それだけ深く信じられるものがあるというのは面白いことであるが・・・やはり怖い話だなぁ。
現実に接し、そこから外れることなく好きなものを好きと言う。それが健全な姿勢であると思うのですがねぇ。
好き過ぎて道を踏み外す。ありえない話でないところがこの話の怖いところである。
自分も行き過ぎた行為をしないように多少は振り返るようにしないといけないのかもしれませんな。
いや、だからこそ人目につくように感想を書くのである。そう、この感想は現実と繋がり続けるためのアプローチ・・・!!
うん。まあ、そんな大層なもんじゃないですね。ハイ。



file41「勉強ブルース」  (2013年 26号)


探偵の仕事は絶好調でも学業との両立は出来ていないマーニー。
このままじゃ落第だぞと先生に注意を受けている。あう〜。
そんなマーニーと同じように職員室で怒られている生徒がいた。あれは・・・枯野さん?

珍しく今回は2P目で1枚絵のタイトルコール。
そこで大きく描かれながら現れ、説教の終わったマーニーに話しかけているのは白鳥さん。お、久しぶり!!

ちょっと相談があるとのことで生徒会室にマーニーを連れて行く。
相談とはマーニー目撃した枯野さんのことについてである。

枯野忠明。天才高校生。成績は全国トップレベル。現役で東大合格も楽勝なほど
そんな枯野さんであるが極度に神経質なところがあり、他校の入試会場でパニックを起こしたことがあるらしい。
何でも人が大勢いるとこだと集中ができないんだそうな。め、面倒な欠点ですな。
しかし天才であるのは間違いない。
マーニーの在籍する高校としてはそこに目をつけて個室環境で受験できるように計らい、来てもらうこととしたらしい。
ふーむ。完全に特別待遇で招いていたんですなぁ。イジメとかしたらいけない人だったわけだ・・・

彼が一人いれば百人バカがいても学力平均が上げられるレベルだっていうから

ううむ、まさに特別な存在。
まあ、天才はそれなりに遇されて然るべきだとは思わないでもないですけどね。
だったらイジメにあってるのを見過ごさずに学校側でもう少し注意しておいて欲しいものであるが。

それで・・・本題。その枯野君が最近学力を落としてるらしいの。

おやおや?特別待遇・・・というほどのことを受験以外でされているわけではなさそうだが、ともかく特別な存在の枯野さんがねぇ。
なんでも深夜のさかり場で遊んでいる姿が目撃されたという
ふうむ。遊んでいて学力を落としたのでは色々と問題でしょうな。学校側としては頭の痛い話である。
しかしマーニー、説教されている最中なのにしっかりと枯野さんの叱られている内容を聞き取っていたんですな。

マーニー。依頼するわ。枯野君は何をしてるのか。どういうつもりなのか。

生徒会の方でもフォローするように先生たちから言われている白鳥さん。
特別待遇は色々とどうかとも思うが・・・まあ、気にならないことはないですしね。マーニーにおまかせを。

依頼を受けたマーニーは枯野さんの後をつける。
直接聞いてもいいけど断られたらあとが動きにくいですからねぇ。
すると、さっそく遊び歩く原因となっていそうな場面を目撃することとなるマーニー。
あれは、枯野さんが登場した回で枯野さんをイジメていた探偵団希望の三人組・・・!!
改心した後は逆にすっかりと仲良くなったらしく、放課後カラオケ屋に通ったりしている。ほほう。う、歌えるのか・・・?

悪友が出来たことにより遊びが過ぎて学力低下。よくあることだよなあ。
まあそれもいいんじゃないですかねえ。勉強がスベテじゃないんだしさ

まるで大人の側のような意見を述べるマーニー。
まあ、勉強をせず二時間以上張り込みをしてる状態で学生の本分は勉強だ!なんて言えるわけないですものね。うん。

三人組と別れた枯野さん。しかしどうやらまだ帰るつもりはないらしい。
一人で足を運んだ先は高級ホテル。イチャイチャしてる男女も居るし、なんだかいかがわしい雰囲気の場所である。
そんなホテルで枯野さんが逢引。お相手は精悍な感じの青年。
青年は親しげに枯野さんと肩を組んで部屋へと去っていく・・・

ええ・・・枯野さんて・・・そっちの趣味が・・・!?

なんとまぁ。そんなことが・・・!!
まあ、天才と呼ばれる種類の人間はどこか常人とは違う部分があったりするものですからねぇ。
そういう趣味であったとしても他人がとやかく言うことではありますまい。
なのでどうしたもんかにゃあと机の下に入り込んで考え込むマーニー。猫か。

報告したら問題になりそうだし・・・
別に二人がカップルでも私はそれでいいと思うし、ヘタすると二人を引き裂くことになりかねない・・・

恋する男たちの仲を学校側の都合で引き裂いてもいいものなのかどうか。これは難しい問題である。
いやまあ、そもそもまず本当に恋仲なのかどうかを調べる方が先決ではなかろうか?
実は恋愛感情はなく肉体を求めるだけの仲かもしれないわけですし。いや、何かそれはそれで色々と色々とウゲー。

とりあえず枯野さんのお相手について調べることとしたマーニー。
最近仲良くしている三人組に撮影した画像を見せるとTVで見たことあるようなと口にする。ほう?
TVとなると業界人の知り合いに聞くのが一番である。
モデルもしている坂本さんに尋ねることとしたマーニー。
どうでもいいが坂本さんの下の名前は累なのか塁なのか。登場時は累だが単行本の人物紹介では塁なんだよなぁ・・・

それはさておき、坂本さんによると写真の人物の名前は両儀征彦さん。役者の大前新太郎の息子であるという。
ほほう。完全な芸能人でありましたか!!これはスクープですな。
役者、大前新太郎さんの息子が男と密会!!こいつは売れますぜ。ゲヘヘ。下世話な探偵なら本当に売り込みをかけそうな流れだ。

ともかく相手の裏は取れた。さっそく二人に話を聞きに行こうとするマーニー。
今日も枯野さんは両儀さんと会おうとしている様子。そして出会った二人の会話がコレ。

両儀「やあ枯野君。ゴメン。どうしてもオレ、ガマンできなくて・・・
枯野「両儀君。君の気持ちは自分のことのように良くわかるんだよ

ふむ。なんというか・・・盛り上がっていますな!!
こんなところに割り込むのも悪い気はするが、ともかく話しかけるマーニー。両儀さんかなりビックリ。まあ芸能人ですしね。
しかし枯野さんの知り合いということもあってか素直に喫茶店にて素性を明かしてくれるのでありました。

両儀さんによると二人は小学生の時の同級生でよく遊んだものだという。
そして成績も枯野さんと並び立っており、全国模試でもライバル関係だったという二人。へぇ頭いいんですな両儀さん。

「良かった」さ・・・今は見るカゲもなくひどい。頭にモヤがかかっているようだ。

この話になるといきなり沈んだ様子を見せる両儀さん。
何でも役者の息子である両儀さんは親の都合により芸能人の道を進むことを強要されている様子。
そのために根回しされ、アイサツやらパーティーやらで連日引き回されているとのこと。

オレの人生は成功が約束されている。芸能人として・・・親のコネでヘラヘラペコペコしていればいい・・・親もそう進めている。
勉強などジャマだ。余計な知性はイヤミになる。もっと遊べと・・・!!

なんとまぁ・・・歪んだ話でありますなぁ。
別に勉強が出来る方の芸能人でもいいと思うんですがなぁ。それはそれで個性というものでありましょうに。
そして、ああなるほど。二人がホテルに入っていたのは中で勉強をしていたんですな。
遊んでいるフリをしながら禁止されている勉強をしていたと。

オレは勉強がしたいんだ!!どんなに遊んでもむなしいだけで・・・満たされなくて・・・
その時、枯野に再会した。枯野は好きなように勉強していて輝いていた。知性の輝きだ!!
少し見た目が良かったからって・・・いい服を着てモデルをやり女に囲まれていい物も食べて・・・つまらない人生だ!!
オレは遅れたものを取り返したかった!だから頼んだんだ!!枯野!!オレに勉強を教えてくれって・・・

なんともはや。人の欲望ってのは本当人それぞれなんですなぁ。
世の一般的な人間からしてみればまさに羨望の人生なのに、適していなければそれも悩みとなるわけだ。
うーむ。なまじ頭が良かったりすると勉強できない悩みなんてものが産まれたりするんですねぇ。
義務教育のなかったころなんかは同じような悩みを抱えている人は多かったでしょうが、現代でもこのような人がいようとは。

何でもカラオケに行った三人組も中で勉強を教わっていたらしい。ハハァ。よかった枯野さんは歌ってなかったんだ・・・
てな感じで、人に教えてばかりの枯野さんは結果として自分の勉強が遅れることとなったらしい。
まあ、両儀さんも元々頭のいい人ですからねぇ。もう大分勉強も捗るようになったらしい。
これで枯野さんも自分の勉強に戻れるし、問題は解決していくことでありましょう。そう白鳥さんに報告するマーニー。

マーニー「いや〜私も枯野さんに勉強見てもらいたいんですよ。そうすれば成績も・・・」
白鳥「絶対ダメよ」

要望をバッサリ切られるマーニーでありました。可哀想に。
まあ、せっかく自分の勉強に戻れそうなのにまた出来の悪い子の指導に戻られてはねぇ。
枯野さんも男が相手ならともかく、女の子相手に個人指導とか色々と困ることになるでしょうし。別の意味で学力落ちるかもしれない。
いやまて?今回は普通に勉強を教えていただけだが、枯野さんにそっちの趣味がないとは決まっていないのでは・・・?
いやそれはそれでまた別の話でありますか、うん。

生徒会としてもマーニーの学力を上げるより、枯野さんに元に戻ってもらう方が重要に決まっている。分かる判断である。
それに万一落第になったとしても白鳥さんならマーニーを個人用の探偵として囲う方向に持っていくかもしれないですしね。
つまりある意味マーニーも将来が約束されているというわけだ!!
どうでもいいが囲うとか書くと色々と誤解されそうですね。ええ・・・白鳥さんて・・・そっちの趣味が・・・!?
それはそれで一向に構わん!!



file42「うそつき」  (2013年 27号)


マーニーの学校も衣替えの時期でしょうか、今までと違った制服姿となって登校する一同。ワイワイ。
平和そうな朝であるが、突然相談したいことがあるとマーニーに耳打ちしてくるゆりかちゃん。
人に聞かれたくないというその内容は・・・

あっ・・・赤ちゃんができたかもしれない!?

何という衝撃的な発言。そりゃマーニーならずとも赤面してしまいますわ。
相手は片岡さん、でいいんだろうか?学校通いながら産むのだろうか?まだ高一だというのに・・・
色々とモンモンとしながら授業時間を過ごすマーニー。こりゃ勉強どころじゃないですわな。
解決の糸口は見つからず思い悩む。おいそれと誰かに相談できるような話じゃないしなぁ・・・

というわけでグッタリしてるマーニーに話しかける波峰ちゃん。
ゆりかちゃんは波峰ちゃんに何も聞いてないの?と尋ね、そしてマーニーになんだ、約束守ってんの。とか言い出す。

波峰「なんのこと?」
ゆりか「私が子供出来たって言ったらマーニーどれくらい言いふらすかなって思って

ハハァ。つまり人を試すためにウソをついたというわけですね。
よかった。赤ん坊問題なんてなかったんだ・・・と流すにはさすがにシャレにならん内容であるわ!!

探偵の守秘義務がどうとかエラそうなこと言ってるから。
(ギリギリ)
マーニー。首はやめて首は

思わず首を絞めてしまっても仕方ないですよね。うん。ゆりかちゃんは本当にゲスいなぁ!!

まあ、ゆりかちゃんが突然ウソをつき始めたのにも理由がある。
それは中学時代の友人である金城あつ子さんのことを思い出したからだ。
波峰ちゃんとは面識がないようだが、マーニーとゆりかちゃんの友人であるあつ子さん。通称ウソつきあっちゃん

地味にカワイイ子だったんだけど、ウソつきでね。とにかく毎日毎日ウソをつく子だった

ふむ。確かにカワイイですな。陰のある感じのカワイさだ。
そんなあっちゃんがつくウソは荒唐無稽なものが多い。
「スーパーの裏の公園で麻薬の取引現場を見て命を狙われているかもしれない」
「私どうもモナコの王族の血が入ってるらしくて・・・」
「私白血病で先が短いって・・・」
「昨日UFOが降りて待ってるとこ偶然見つけて、中から頭の大きい宇宙人が出てきて」

なるほど。色々とウソの内容は多岐に渡っているようですな。
あっちゃんはウソつきであるがそれで嫌われるようなことはなかったという。
まあ、罪がないというか何というか。相手を傷付けたり悩ませたりするようなウソはつかないってことなんでしょうな。
ウソであることを前提として聞いてくれという感じだろうか。
うーむ、それができるのはまさにあっちゃんの持ついやし系というキャラ性あってのことでしょうか。
マネしてみたというゆりかちゃんの内容はシャレにならんものでしたし。

ゆりかちゃんは心が腐ってるからムリだよ

ざっくりと突き刺さるマーニーのお言葉。
まあ、ウソをつくならもっと分かりやすい言葉にしてくれませんとねぇ。
ゆりかちゃんなら有り得る話だ!とか思われるようじゃダメってことである。
どうせならマーニーとの間に子供が出来たとか言っておけばよかったのに。さすがにこれならすぐウソとわかるはず。
何故か思い当たる節がある!とかマーニーが言い出したら色んな意味で衝撃だが。

それにしてもゆりかちゃんは中学生時代は髪の色違ったんですな。高校になってから染めたのか?

さて、そんなあっちゃんですが、中二で引っ越してしまったため現在は音信不通。
家の事情でかちょいちょい引っ越しており、ケータイの番号も変わってるらしく繋がらない。

ゆりか「マーニー。連絡とってみてくれない?お仕事とは別でさ」
マーニー「う〜ん・・・・・・ニーにおまかせを・・・」

ゆりかちゃんの頼みとあっちゃしょうがない。マニーを要求したくなるのもしょうがない。
マネーポーズ&マを強調した言葉で引き受けるマーニー。
いやまあ、共通の友人でもあるし、友達と連絡を取るのにお金を請求するのはさすがにどうかとは思いますわな。
ゆりかちゃんもそれを分かっているから仕事とは別でと言い出しているのだろう。さすがというかなんというか。

ともかく調査を開始するマーニー。
ネットに本名で出没したりはしていない。
中学の時の恩師、道倉先生にあっちゃんの住所を尋ねるマーニー。
引っ越した後ではあるが、足取りを追うことはできるんじゃないかと考えているわけですな。
そういえば中学時代何回かあっちゃんの家に行こうとしたけど何かと理由をつけて断られてたなと思い出すマーニー。

ウチの近く最近トラが出るから。危ないから落ちついたら来てよ。

虎がでているんじゃあしょうがないですな。
さすがに虎なんて私が一撃で屠ってやると言い出すわけにはいかんでしょうし。
何か都合があるんだろうなと判断してそれ以上追及しないマーニーたち。
しかし、数年の時間を経た今。現地に向かうと・・・あっちゃんの言っていたことの意味を知ることになる。ト・・・トラだー!!

本当にトラと直面するマーニー。ガア!!
いや、ゲームセンターの客寄せとして配置されているトラ型のロボットなんですけどね。
ふむ。あっちゃんの言っていたことはウソのようである意味ウソではなかったと?
ん?そうなるともしや・・・
あることを思いついてキョロキョロしだすマーニー。
なるほど。家の側にはUFOを象った施設があるし、スナックモナコという店もあったりする。

ただのウソじゃなかったんだ・・・全部あっちゃんの身近な元ネタがある。
ウソはウソでも「誇張」するウソ・・・ものごとを大きくドラマチックにするために・・・

ほほう。なるほど。そりゃネタは尽きにくいって話ですな。
となると麻薬の取引の末の銃撃戦も元ネタがあるということであるが、一体何を見たというのだろうか・・・!?

マーニーの中学校には学生が書き込む掲示板が存在する。
二年前の過去ログを遡り読んでみると、あっちゃんに関わることが色々と書いてある。
ふむ。地味にカワイイ子なだけに結構モテている様子のあっちゃん。告白もよくされていたらしい。
でも断っている。男子もそれに怒っているというか呆れた感じの書き込み。
真剣な告白してるのに変なウソついてヘラヘラしながらごまかされちゃねぇ。

信じられねぇ。あの女こっちは一大決心したのに生まれた星に帰るからムリって

ふーむ。かぐや姫みたいなものですな。
そこは貴女の望むものを手に入れますから難題を授けてくださいと返すところであろう。
そういった意地も見せずに掲示板に経過を書き込んだりするようではなぁ。
直後のレスが嫌われてんじゃん?になってしまうのも無理はないって話だ。

それはさておき。マーニーはこの回答を見てもしかしてと考える。
そして調べていった結果、なんとか今いる所をつきとめるマーニー。
あっちゃんの現在の居場所。それは、病院。それも重病患者の病棟にいる。

うそつきあっちゃん・・・うそつきなのに裏表がなくて、いつも笑ってたね。
でも一つだけ本当のことを言ってたんだ
その一つの現実が重すぎて。重すぎたため、あっちゃんはすべてをウソで固めようとした。
数百数千のウソをつけば死期が迫るという現実をウソの一つにできるとでもいうかのように・・・

そうか・・・白血病で先が短いという言葉。あれだけは本当のことだったのか。
元から陰のある感じの子ではあったが、今はさらに弱弱しく見える。
しかしそれでも、かつての友人が訪れたということで笑顔を見せてくれるあっちゃん。なんとも健気な。
これにはマーニーもゆりかちゃんも涙目となってしまう。

変なの二人共ー。なんで泣いてるの?
私ね――昨日妖精見たよ。病院のトイレでさ。妖精もトイレ来るんだねー。

まあ人の体によく似てますしトイレだって使うでしょうさ。そりゃあね。
ふむ。やはりあっちゃんのウソは健在であるということか。それはそれで逃避を続けているという哀しさがあるのだが・・・
いや、さすがに自身の死は誤魔化しようがないとも思っている様子。

悲しまないで二人とも。私はたいしたことないの。
私より可哀想な人は沢山いる。入院してそのことがすごくわかった。私は恵まれてるわ。
暗黒に閉ざされて誰も助けに来てくれない。そんな人がここには居て・・・仲良くなったわ。
私が死んだら彼女と仲良くしてあげて。彼女ね、超能力が使えるのよ?

笑顔でそう述べるあっちゃん。
暗黒に閉ざされ、超能力が使える・・・?そ、それは・・・!?
と思っていたら、邪魔にならないよう病室の外で様子を伺っていた波峰ちゃんの前に一人の少女が通りかかる。
目の見えない様子のその少女。
いや、この少女は目が見えないだけではない。耳も聞こえなければ話すこともできない三重苦。
感覚を失い、超能力を手に入れた少女。その名はヘレン。ま、まさかヘレンさんが登場するとは・・・!!

色々と驚きの回でありました。いやまさかヘレンさんの姿を見ることができようとは・・・
しかしまあ、本当にあのヘレンさんかどうかは分かりませんけどね。
目が見えないのかもしれないが、他の感覚はある別人かもしれない。超能力もあっちゃんのウソという可能性もある。
という話でないと、本当にマーニーがあっちゃんの死後にヘレンさんと仲良くなったりした場合、探偵漫画としては大変なこととなる。
まあ事件に関わることなくゲストとしていてくれるというなら問題ないんですけどね。

今後のヘレンさんの登場に否が応でも注目が集まりますな。
いや、ヘレンさんだけではなく他の木々津のキャラが出る可能性もあったりするわけか・・・それはそれは・・・怖い話だ!!



file43「怪談朗読」  (2013年 28号)


夜の静寂を破り耳を劈く悲鳴!!
それは不思議で不気味なミルフェの怪談朗読という朗読サイトから・・・

マーニー「それで・・・これ読んでるのが前花さんなの?」
前花「は・・・はずかしながら」

ニコニコ動画らしき投稿サイトに投稿している前花さん。
うーむ見かけによらず大胆なことをしておられるなぁ。
結構数を上げているしコメントもついている。ふむ、既に固定客が出来ている状態ですな。
しかしこのタイトル絵も前花さんが描いたのであろうか?なんとも不思議な感覚に落とされそうなサイトだな。

しかしついているコメントの中で妙に不穏なものがある。
「だれかわかったぞ」「早く消せ」「図書室」などといったキーワード。
これは、前花さんが特定されているということだろうか。
まあ、変声器も使ってないだろうし、知人の声なら気付く人は気付くかもしれませんなぁ。

だけど特定されたというだけならまだ困るわけでもない。恥ずかしくはあるだろうけど。
自分もこういった感想サイトを運営していると知人に知られたら恥ずかしく思わなく・・・もないなぁ。特に。
というのはさておき。
最近ネットにあった「目とり人形」っていう怪談を読んでから身の回りで色々起き出したという前花さん。
窓の外に首つり人形が見えたり、上履きに毛がびっしり詰められていたり、ラップ音が聞こえたりと。フム・・・

気になる感じではあるがオカルトマニアの前花さんとしては怖いと言うより対処法を知りたいという感じの様子。

怪談の中にね、読むと呪われる怪談っていうのがあるんだよ・・・
自己責任系っていって。読んだ人、聞いた人にも影響が出るっていう・・・
古くは四谷怪談のお岩さんが有名で、映画や芝居にする度にケガ人や死人まで出る。
今では「かしまさん」や「猿夢」「おかむろ」なんか・・・
私の読んだ人形の話もそれらと同じように影響力の強い話なのかも・・・

ふーむ。なんだか怖い話でありますなぁ。
実際その手の映画を撮る場合はお祓いとかが欠かせないと言いますしなぁ。
チャンピオン作品にも自己責任系の作品とかあったりするのかしら?感想書くと酷い目に遭うとかそういうもの。
書いていると徹夜になるから翌日辛くなるとか。いや、これは別の意味の自己責任だ。

ちなみにマーニーは幽霊は信じないタイプらしい。理由は見たことがないから、だそうな。
まあ探偵がオカルト的なことを言いだしたら終わりな気はしますな。
でも見たものは信じざるを得ないという信条だろうし、見えるなら居ると普通に認めそうな気もしますな。
しかしどうでもいいが、ゆりかちゃんと一緒にひとつのカップアイスをペロペロしているのは・・・なんかいいな。

ゆりかちゃん曰く、オカルトファンとオタクは立場的に距離があるらしい
流行っているときはいいけど、そうでないときは別にオカルト的な話題は興味なくなるとのこと。
うーむ。らしい話でありますなぁ。というか、ゆりかちゃんは自身も認めるオタク枠なんだ。

そのオカルトファンってどんな面子がいるの?

色々とスクールカーストに詳しそうなゆりかちゃんに面子を尋ねるマーニー。
まあ、学校内に前花さんを脅している人物がいるならそういう所から調べるのがいいですわな。

そして前花さんから「目とり人形」の内容について詳しく尋ねるマーニー。どんな話なのか。
大雑把にいうと、ある人形がある人に渡されることから始まり、その関係者に次々と不審な現象が発生する。
人形の目がにごっていて、関係者は目を隠した人影を目撃する。そして本人たちも目が悪くなったり・・・
実際人形は原因にすぎなくて、今ではその目を隠した人影が恐れられているそうな。フーム。

話を色々と聞いた後のある日。
前花さんがトイレに籠っているところに外からノック。
ビックリしたがノックをし返せば反応はなくなる。だがホッとしたのも束の間。恐怖はここから始まる。
トイレの上から手が見える。これは、上から超えてこようとしているのか!?
変質者!?それも目の濁った・・・

うむ、目がにごっているのが重要なんだろうが、場所が女子トイレなだけに別の意味で怖いことになってますな。
それはさておき、その変質者、もとい怪人物は手と顔しかない作り物。
それをトイレの前にかがんで頑張って演出しているのが一連の怪奇現象の正体さん。
これ、前花さんが扉を勢いよく開けて飛び出して来たら大変なことになっていたのでは?

まあ、それはさておき。
一連の騒動を起こした人物は二年C組の三井勇紀さん。
髪で右目を隠したなかなか可愛い子である。さて、その三井さんの言い分は・・・

お前が悪いんだ!!私の怪談を勝手に読んで・・・!!
私が必死に考えて作った怪談をあんな下手くそに読むなんて!!このネットアイドル気取りのメスブタ!!

おっとメスブタ発言が飛び出ました。
どうやら三井さんは怪談創作が好きでネットなどに頻繁に投稿しているらしい。
彼女の目標は自分の創作が都市伝説にまでなること。
トイレの花子さんや小さいオッサンやらメジャーな怪談の仲間入りすることらしい。ほう。

ある日、自分の怪談が朗読されている動画を見つけた。彼女は喜びいさんで動画を見る。
それがあまり上手くなくて・・・
動画では怪談の中身は言及されず、前花さんの声ばかり話題にされて・・・そして気付いた。
偶然にもその声は、図書室でたまに声をかわすオカルト好きの図書委員で・・・彼女は逆にそれを利用することを考えた。
実際に前花さんが目とり人形に呪われたと思うほど怪奇現象に遭わせる。
そのうち前花さんはこのことを動画サイトで告白する。そうすれば自分の怪談は本物だと認識される。
いわゆるバイラルマーケティングというやつを・・・やろうとしてたみたいよ?

口コミを利用し効果的に宣伝することをバイラルマーケティングというらしい。へぇ。
まあ、なんというか地道な努力というかなんというか・・・
これは逆に前花さんのネットアイドル性に注目をした結果ということなのか!?

その前花さん。三井センパイの怪談はすごく良かった。本当のことだとばかりと褒めだす。

前花「人形の話のバイラルマーケティングには協力できませんが・・・今後はセンパイの怪談を怖く伝えられるようがんばります!」
三井「前花さん・・・私もがんばって怪談を作るから。もっと読んでね」

何だかんだで同好の士である。わかり合うのは一瞬だったという話ですね。
事件を解決したのに何だか置いてきぼりな感じのマーニー。
片岡さんとゆりかちゃんの時もそうだったが、関係者間で盛り上がられると何とも言えない気分になりますよね。

こうしてまたマーニーの周りには厄介そうな人が増えたというわけでして・・・
意外と前花さんも出番が多い子になりましたな。よいことである。



file44「フラワーズ」  (2013年 29号)


夜。人気のない場所で男女が密会。
女性はセレブグループの1人、薬師沙織さん。
いい雰囲気であるが、どうやら会っている相手は恋人とはまた違う男の人らしい。ほほう、それは・・・
しかもその様子を通りがかった学校の人間に撮影されてしまう。おやおや、波乱の予感がしますね。

撮影された写真はニュースサイトに売られたのか、すぐに記事となった様子。
それを見てにわかに騒がしくなる校内。

イケメン・スポーツ万能・頭脳明晰。学園最高のできる男――立花薫流が彼女にふられたって!?

薬師さんの本来のお相手がこの立花さん。
なるほど。騒ぎになっているの薬師さんが立花さん以外の男と密会していたからか。
ん?立花って名前聞き覚えがありますな・・・
ああ、スポーツ大会の写真で高額がついた男子生徒の名前ですな。あの時は誰かわからなかったが、ここで出てきましたか。

マーニーの学校には学内4大勢力と呼ばれるグループが存在する。
1つは白鳥さんのいるセレブグループ
そしてもうひとつが立花さんのいるフラワーズ
美男美女。成績・運動優秀の人生勝ち組。
立花さんを中心に集まった青春ドラマの主役のような連中。それがフラワーズ。
学校内でだれもが入りたいと思うすべてに恵まれたグループであるらしい。ほう・・・

そんなフラワーズの一員である二年の道場さんが今回の依頼人。
道場さんが言うには今フラワーズの危機であるという。ふむ。例の密会騒ぎのせいですかな。

フラワーズの中心でグループを象徴していたのは立花さんと薬師さんのカップルだったの。
その二人が今、疎遠になりつつあるのよ。
それで昨日他の男と密会してるところが目撃されて・・・言い方悪いけど立花さんは彼女を強奪された形に・・・

ふむ。密会騒ぎがある前から疎遠になりつつあったんですな。
しかし立花さんは学園人気No.1の男子である。それがフラれるとは・・・
道場さんとしてはそういう風評が立つのはなんとしても避けたいと思っている様子。
立花さんが女を寝取られたなんて・・・薬師さんはセレブの一員でもあるから、フラワーズは一方的にバカにされた形になるとのこと。

許されるような相手といったら・・・アイアンズの那智君ぐらい・・・

アイアンズ。体育会系のグループでありますか。
これも人数的には4大勢力に含まれていそうでありますね。
そして那智さん、スポーツ大会の時でも人気だったが、そこまで凄い人気の持ち主だったんだ・・・
いや、この学校の生徒にしては真面目な好青年でありますしね。わかる話ではありますが。

薬師さん本人は密会疑惑を否定している。
しかし間違いないと語る道場さん。はぁ、だから探偵を使って調べようという話になったわけでありますか。
依頼内容は薬師沙織の秘密の彼を見つけるというもの。期待に沿えるかどうかはわかりませんが、マーニーにお任せを。

ドロドロした話であるが、依頼は依頼。受けた以上は調べ始めるマーニー。
まずは話題に上がった那智さんに確認。

マーニー「那智先輩って彼女いるんですか?
那智「ん?いや・・・今はいないが・・・」
マーニー「そっスか。どうも〜」

軽いなマーニー。まあ、仕事を手伝ってもらったりするぐらいの関係ですし、フランクな関係と言えるのかもしれない。
しかし女子が男子に彼女いるんですか?とか聞くのは・・・いろいろと意識させちゃうんじゃないかね!?

続いてマーニーは立花さんに接触する。
ニュースサイトのマーニーですと言っているが、いつのまにニュースサイトの一員になったんだ?身分偽造!?
まあ、部長とは知り合っているし、名前を貸すぐらいのことは許可してくれそうですけども。
というか、人当たりのいい立花さんならニュースサイトの名前借りなくても質問に答えてくれそうですけどね。
なんとなく女性の頼みは断らない紳士的な様子が見える方でありますし。何?紳士!?
それはさておき、マーニーもたまらなく思う程にキュートな笑顔を見せる立花さん。ふむ、フラれるのは不思議に思えますわな。

薬師さんとは最近あまり時間が合わないという立花さん。
そして薬師さんも家庭で今色々とあるらしい。
詳しいことはプライベートに関わることなので秘密と述べる立花さん。
うむ、さすがに性格もイケメンである。わきまえているなぁ。

何にしても薬師さんに家庭の事情があるという話は聞けた。そこに絞って調査を進めるマーニー。
住所は同じ学校なので簡単に調べられる。
しかしセレブグループの一員なので高級住宅地。そうはウロウロできない。
のだが、薬師さんの家に近づくといきなり家の中から言い争う声が聞こえてくる。おやおや。

近所のオバチャンによるとここ最近ケンカばかりしているとのこと。
昔は仲のいい家族だったのに、今は娘の交際相手のことで親が猛反対してケンカになっているとか。ホウ・・・

ケンカした結果、泣きながら家を飛び出す薬師さん。お母さんのバカ!!ダッ。
ふーむ。こうまで親が反対する交際相手とは何者なのか。
立花さんのような性格もイケメンな人なら反対されることはないだろうし、やはり密会の相手なのか?
相手はスティンガー(不良)あたりかと推測するマーニー。
昔からお嬢様が不良に惹かれるってのは定番でありますし。

あまり自暴自棄になるようだったら・・・フォローしなきゃいけない気がするし。立場上・・・

そう言いながら薬師さんを追いかけるマーニー。
夜も遅い時間に街を駆ける薬師さん。不良のたまり場にでも行かれたら確かに大変なことになりそうですな。
しかし向かった先は普通のマンション。
呼び鈴を押されて出てきたのは小太りの男子、甲賀君

あれは・・・確かゆりかちゃんが毛嫌いしてた・・・オタクグループの一年C組の甲賀君。彼が薬師さんのお相手!?

驚きのマーニー。というか、ゆりかちゃん。自分もオタク側のくせに甲賀君は嫌っているのか?
まあ、オタクグループと一括りにしても中には細かい派閥があったりするでしょうし、仕方ないか。
チャンピオンは読まないとか言い出すオタクグループならば私も好きにはなれないでしょうしな!!
それはさておき、薬師さんは甲賀君に向けてこう叫ぶ。

ゴメンナサイ甲賀君!!アナタに借りた美男子ゲーム、ママに捨てられちゃったの!!

い、家の前で何を叫んでいるんだこの子は・・・
というか甲賀君は何でそんなゲーム持ってるんだ?もうやらないしってことはプレイしてたのか!?

色々と気になるが、ともかく薬師さんは甲賀君から無理言って美男子ゲームを借りていたらしい。
ほう。すると冒頭の私の気持ちがどうこう言ってたのはそのことであったと・・・?
しっかりやり込んでいたのに母親にゲームを捨てられ泣きながら家を出てきたという薬師さん。
ドラマチックだねー。いや、そんなことはないな。
しかし美男子ゲームということだが、主人公は女子なのかな?
BL系ではなく、ギャルゲーのガールズサイドみたいなものであろうか。ますます何で甲賀君がやっていたのかが気になる。

まあ、そんな話はともかく。2人の前に姿を現すマーニー。
一連の詳しい話を聞く形となります。

要するに、薬師さんはもともとオタクであったとのこと。こっそりコミケにも参戦するぐらいの子だそうな。ハア〜。
でも薬師さんの親はセレブでもあるしそういうのが大嫌いらしい。
旅行に行こうスポーツに行こうと煩わしく接してくる。
まあ薬師さんも親は悲しませたくないし、オシャレしてスポーツをやって男の子と付き合ってと今まではしていたらしい。
ふうむ、隠れオタクというやつでありますな。人生勝ち組のフラワーズにもオタクは潜んでいるわけか。
グループわけなんてしても潜んでいるものは括り切れないわけでありますな。怖い怖い。

しかしセレブグループでフラワーズで隠れオタクとは、薬師さんの所属も幅が広い。
それで人気No.1の立花さんと付き合っているのでは色々と言われそうな感じである。
というか、親の体面上で付き合っているのが立花さんとは・・・なかなかに贅沢な話である。あんなカッコイイ・・・

・・・でも、ゆるせないこともあるの!!
彼の鼻から鼻毛が出てて・・・その先に鼻クソの玉がついてて・・・ダメ!!私には耐えられない!!

ま、まあリアルな人間ですからね。そういうこともありますよ。
立花さん。せっかくの登場でこれまでイケメンに描かれていたというのに、最後の最後でこの扱いとは・・・!!

二次元がいい・・・二次元じゃないとダメなの・・・!!

思いつめて泣き出す薬師さん。な、なんて正直な子なんだ・・・
勝ち組グループに所属し、イケメンの彼氏まで持っておきながらこう言い切る薬師さん。
この想いを崩すのは並大抵のことではない気がしますな・・・

というわけで、依頼人である道場さんには隠れオタクであることは伏せて報告するマーニー。
まあ、確かに男と密会していたわけではありませんでしたな。
いや、一応二次元の男に浮気していたことにはなるのか?
しかし報告を聞く道場さんの態度はやけにそっけない。
その理由は通りがかったゆりかちゃんから聞かされることとなる。

アンタ那智さんと立花さん同時にアプローチしてるらいいじゃん。ウワサになってんよ。
学園カースト自体にケンカ売る気とはね。さすがアウトローは違うね。

ああ、やはり那智さんへの発言はそういう風に受け取られてしまいましたか!!
その後で立花さんに話しかけているのであればそう受け取られても仕方ない話であるか・・・何ともはや!!

まあ、マーニーはグループからのはぐれ者でありながら学内の有名人物と色々関わりを持っておりますからなぁ。
セレブグループの白鳥さんや坂本さん。アイアンズの那智さん。フラワーズとはまだ関わりは薄いが・・・どうなるか。
下手したら学園カーストそのものを揺るがす存在になるかも!!宮島先生とも親しいしね。

しかし4大勢力の残り1つは何なんだろうか。
不良たちもそれなりの勢力はありそうだが。
カーディガンズは望月が逮捕されてからはさすがに大勢力とは呼べない状態でしょうしねぇ。ふーむ、気になる。
まあ、いずれにしても隠れオタクはどこにでもいるということが分かった話であります。
どのグループに属していようとオタクはいるものでありますよ。
そう、貴方の隣の誰かも・・・隠れチャンピオン読者かもしれない!!だったらいいなぁ。



file45「チアリーディング」  (2013年 30号)


今回の新たな登場人物&依頼人はフラワーズの猿頭晶子さん。
上の階からゴミ箱を落とされるなど何やら陰湿なイヤガラセを受けている様子ですな。
プラスチックのゴミ箱で、当たってもケガはしないだろうが・・・とにかく嫌な気分にはなりますなぁ。

青春謳歌集団のフラワーズ。
そのフラワーズの管轄であるチアリーディング部(チアズ)が新入団員を募集しているらしい。
抜け目のないゆりかちゃんはフラワーズとコネを作るために入ってみようかと考えている様子。
どうもポンポン持って踊るだけの軽い部だと思っているようですが・・・

カワイイ子が応援してるんだからそれで十分だって

自分でそれを言いますか。
まあ、応援される側からしてみれば確かにそういう部分はあるかもしれませんがねぇ。
絶対ヌルイ。パーティーパーティーだよと述べるゆりかちゃん。対して懐疑的なマーニー。
入ったら感想聞かせてよHAHAHAHAと静観の構え。
と思ったら何故かゆりかちゃんと一緒にチアの格好をしているマーニー。何してるのやら。

一人で入団テストを受けるのはハズカシやんというゆりかちゃん。それでマーニーも巻き添えという話でございますか?
まあ、マーニーも色んな意味で似合うと言われてまんざらではなさそうでありますがね。
その色んなという部分がどういう意味を含んでいるのかもう少し考えるべきですな。

あの頭がポンポンみたいな子はなに?」「入団希望じゃないスか?」

うむ。これが色んな意味の1つでありましょうな。確かに合せて揺れそうな頭でありますわ。

そんな目立つマーニーに話しかけてくる女子が1人。
頭の両横にポンポンを下げた・・・いや、そんなような髪型を作った女子。
チアリーディング部部長、猿頭晶子さんでございます。ほう、部長さんでありましたか。

猿頭さんはマーニーが探偵をやっていることを知っている様子。
なのでチア部で最近不穏な動きがあるのだと相談をしてくる。
ふむ。セレブグループの白鳥さんが贔屓してるぐらいの探偵ですし、依頼してみるのも悪くないと考えたわけですな。

猿頭さんが言うには、最近備品やユニフォームがなくなったり部費がなくなったりとおかしな事が起きているらしい。
そのこともあり、部員たちは集中力を欠き、練習中のケガが増えてきているのだそうな。
ふーむ。そりゃ不穏というか、一刻も早く解決したい事案でありますな。
さらにいうと、猿頭さん個人への攻撃ではないかという懸念もされているらしい。
それは信頼問題にも関わることでしょうな。どうにかしたいという話なのはよく分かります。

仕事を依頼するわマーニー。チアズにイヤガラセをしてるムカつく奴を見つけ出して!

なかなかに激しいことを仰る人である。
それもそのはず、その後チア部に仮入部したマーニーとゆりかちゃんはその日に思い知ることとなるが・・・
チア部はフラワーズであるにも関わらず、ガチ体育会系だったりする。
素早いフォーメーションや組体操のような陣形など、息の合った動きをしなければならないみたいで・・・厳しそうだなぁ。

練習後のマーニーはグッタリと横たわり、痛む筋肉に悩まされている様子。
探偵業で色々と動き回ったりするマーニーだが、さすがにガチの体育会系の動きは厳しいか。

とりあえず中の人間関係は把握できた。
その人間関係を元に聞き込み調査を行い、犯人の絞り込みを行うマーニー。
どうやら部内でも猿頭さんへの責任問題が追及されだしてきている様子。
猿頭さんが部長になってから指導の仕方とか色々と変わったそうな。ふむ。

「猿頭はずし」を周りに吹き込んでる人間がいて、それが人づてに広まって行っていると。
ならば逆にたどれば芋づる式に犯人のもとへたどり着けるというわけですな。

そうして行きついたのは、チアズの中でも最弱派閥の中心人物である仲居さんとその一派。
ふむ。クラブハウスの外側に仕掛けたカメラで出入りの照合などを行った限り、間違いはなさそうでありますな。

早速仲居さんに話を伺うことにするマーニー。
追及された仲居さんは取り乱しながら言う。私は猿頭晶子から本来のチアズを取り戻そうと思ったのだと。
ほう?本来のチアズとな?
仲居さんが言うには、2年ほど前はフラワーズの管轄らしく、チアズはもっと楽しく華やかな部であったという。
運動部の応援をするだけで楽しく、キャアキャアとかしましい感じの部であったらしい。

次の年アイツが現れた!猿頭晶子!!
アイツはフラワーズの皮を被っているけど、中身はアイアンズなのよ!!

ふむ。可愛いからって体育会系ではないと油断したのが命取りというわけですな。
しかしまあ、学内派閥というのは面倒なものでありますね。
フラワーだのアイアンだのと。アウトローのマーニーとしてみれば仲良くすればいいじゃないかと思える問題である。
しかし猿頭さんはいう。価値観の違いは埋めようがない、と。

チアは美が必要だ。アイアンだけでは足りない。フラワーズの華やかさがいる。
その華やかさに誘われた女を鍛えて鍛えて・・・

美と体力を備えた存在にしようという話でありますか?
言いたいことはわからないでもないが、本来フラワーズとしては仲良く楽しく過ごすのがコンセプトとなるのではないかと・・・

違う!チアはそんな甘いものではない!!
フラワーズの華やかさとアイアンの厳しさが合わさり初めて完成する、至高の芸術なのだ!!

げ、芸術と来ましたか。
確かに猿頭さんのおかげでチアのレベルは全国レベルまであがったらしいが、さすがに至高とまで言い切るのは・・・

チアズ、集合!!

こちらの言い分を聞く気は全くないらしく、部員を招集する猿頭さん。

芸術であり、宗教でもある。神の世界をかいま見る。開放と恍惚。恐怖と愛。全てがあるのだ

な、何を言っているんだこの人は・・・!?
戸惑っているうちに組み上がるチアズ部員たちのタワー。
猿頭さんはその三段タワーの一番上に登れと命ずる。
そして神の世界を自分の目で見てみるんだと言い出す。な、何を言っているんだこの人は・・・!?

登らなければ・・・アナタ達を無事には帰さない

アナタ・・・達?
ゲー!マーニーがしっかり巻き込まれているー!!
タワーの4段目ともなると5m以上の高さになりそうである。ちょっとした巨人の視点が味わえますな。
おっかなびっくり登るマーニーと仲居さん。
登りきったところでドロップ。タワーが崩れ、頂点から文字通りドロップするマーニーたち。
まあ、もちろん叩き付けるようなことはせず、受け止めるまでが一連の流れとなります。

依頼を受けて調査しただけだというのに何故か災難に巻き込まれているマーニー。
白目むいちゃってるじゃないですか。可哀想に。
しかしもっと酷い話が後で判明する。
ゆりかちゃんが言うには猿頭さんの頼みでマーニーの動きは見張られていたらしい
ほう。道理でタイミングよく猿頭さんが現れたと思ったら、そういうことだったのか・・・
って猿頭さん、最初からマーニーを巻き込むつもりだったということなのか?一体何故・・・

大変な目にあったマーニー。
だがそれ以上に驚きの事実に凹まされている様子。

本当に見えたんだよ・・・
空中に放り出された瞬間、世界をつつむ「愛」が見えた
恐ろしいことに猿頭晶子の言うことは間違ってはいないんだ・・・

落下のショックで脳内麻薬でも分泌されたのかどうなのか。マーニーも妙なことを言いだしました。
まあ、マーニーは有り得ないことでもそれが本当にあるのなら認めようとする人間だとは思いますけどね。
だから、世界をつつむ「愛」があるというのを認めてしまった場合・・・ど、どうなるんだ!?

これはもしかすると猿頭さん、マーニーにはそういうものが見える素質があると見抜いていたのかもしれない。
それで、依頼にかこつけてタワーから落とそうと目論んだと・・・ん?あまりかこつけれてないぞ!?
というか、悩みも解決できて一石二鳥の作戦だったということなのではなかろうか。
うーむ。なかなかに強かなお人でありますなぁ。

美は追及すると神秘に通じ、宗教ともなり得るわけだ。
那智さんの肉体美も見る者によっては崇拝の対象になったりするとかそういうことなんですかねぇ。
分かるような気もしないでもないのがアレですな。



名探偵マーニー 6巻


file46「目羅」  (2013年 31号)


風の吹きすさぶビルの屋上。
そんな誰にも話を聞かれそうにない場所で密談をする2人の人物。
選挙が近いということで資金が必要なんだと切り出す目羅という男。

わかるだろ?メカニック。助けて欲しいんだ。私の恩を忘れたわけではあるまい?

おっと。メカニック回でありますか。今回は一体どうなるのか。
とりあえず今メカニックと会っている男の名前は目羅邦夫
メカニックの弁護を受け持ち、罪を極限まで軽くしているそうな
ふーむ。かなり酷いことをしてたと思うのだが、一体どんな弁護をしたのやら。
これが目羅のいう所のメカニックへの恩ということなんですかね?果たしてメカニックがそんなこと感じているのかどうか。
そして元弁護士が今は政界へ進出しようとしていると。ふむ・・・

この目羅という男。メカニックへの手がかりとなるのではと考えるマーニー。
しかしもし本当にメカニックと取引をする関係としたらどうするのか。
うかつに尋ねたりしたらかなり危険なこととなる。
リスクの高いことは・・・割と好きそうなマーニーだが、避けられるなら避けておいてくださいね。お願いだから。

悩んでいるところにボランティア募集のお知らせ。
ふむ、関係者に目羅邦夫の名前がありますな。近づくチャンスか・・・

マーニーがボランティア募集のチラシを見ているのを見て近づくゆりかちゃん。お金出ないよ?と。

お金より大事なものだってあるもんだよ。マーニーにおまかせを

名前はあれだし、決めゼリフもあれだけど、別にマーニーは守銭奴ってわけではないですからなぁ。
友達のために無料で一肌脱ぐってこともよくある。内容がアレな場合は友達からも貰いますがね。当然。

さて、ボランティア当日。目的の人物である目羅を確認するマーニー。
一見すると穏やかそうな人だが・・・弁護士とか政治家とかになると外面はよくしようとするものだからなぁ。

清掃活動をしながら接触する機会を伺うマーニー。
周りの人が多くて近寄れない。と思いきや、人目を忍んで単独行動を開始する目羅。お、これは好都合。
どうやら冒頭の選挙資金の受け取りのためにメカニックと接触しようとしているようだ。

事前に毛利刑事に目羅のことについて教えてもらっているマーニー。
どうやら警察としても目羅の政治資金の出所に怪しい部分があると睨んでいるそうな。
ふむ。内偵も進んでいるし、余罪があれば呼び出したいと。これは動きやすくなりそうですな。

目羅はサングラスをかけて廃アパートに向かって何かブツブツと話をしている。メカニックの姿は無い。
ふーむ?何か通信装置を使ってやり取りをしているのだろうか?
となると電波を介している可能性は高い。
ここらで飛んでいる電波を調べ、傍受するマーニー。
それによると、目羅の政治資金の出所に繋がりそうな情報が出てきた。
現金は動かせなかったので宝石。それが目羅の右に見える信号の中にあるとのこと。

そんな情報を傍受したマーニー。思わず体が動き出す。
ローラースケートであればゆっくり動いている目羅の先を取ることもできる。
というか、目羅としてみれば誰かに聞かれているとは思ってないだろうし、まさに不意打ちな感じ。

傍受した通り、信号の中には宝石の詰まった袋があった。うわ、見ちゃいけないものを見たって感じだな。

目羅「なんだキサマ・・・」
マーニー「しまった・・・つい反射的に・・・通りすがりの者だ!!

いや、幾らなんでもそれは通用しないでしょう。
たまたまこのタイミングで通りがかり、たまたま信号を開けて中から宝石袋を発見するとか。さすがに無い。
しかしお互い顔を見られないように腕で隠そうとしているのはマヌケな光景である。

いつものことだが反射的に危地に飛び込んでいくマーニー。
しかし今回はさすがにヤバイ。相手は立場のある人間だ。
そんな人間がメカニックというヤバイ存在に会うのに丸腰のはずがない。当然のように銃ぐらい携帯してきている。

動くな!!私は射撃がウマイぞ!!

空いた腕で顔を隠しながら銃口をマーニーに向ける目羅。
しかし何というかマヌケなセリフですな。さすがに人に銃を向けるのには慣れていないか。そりゃメカニックも笑う。

さすがに銃を突きつけられていてはうかつに動けないマーニー。手を上げる。
一応ネコミミフードを被っているおかげで顔は完全には見られていない。
特徴的であるボサボサ髪もある程度は誤魔化せている。が、そのフードを剥ぎ取られそうな勢い。
少なくとも女子高生であるんはバレているし、このまま逃がすとマズイことになりそうですなぁ・・・

というわけで、マーニー。命懸けのアクション開始
ローラーでズルッと滑り、上半身を倒して銃口から逃れる。
そして倒れながら足を蹴りあげ、銃を吹き飛ばす。
同時にテグスを地面に突き刺し、目羅のまわりを回り出すマーニー。
ほほう。パパの釣り用具が今回も役立ったみたいですな!!
結果、目羅は柱にテグスで括りつけられ身動きがとれない状態となるのでありました。
どうでもいいが、やけに内股で色気があるような縛られ方していて困る。おっさんのくせに・・・!!

し・・・死ぬかと思った・・・危なかった・・・

これまでの中でもかなりヤバイ部類に入る出来事でありましたな。
まあ、タワーから落とされるほどの衝撃はなかったみたいだけど。あれに比べればこのぐらいのアクションはね!!

早速毛利さんを呼ぶマーニー。
とはいえ相手は元弁護士。証拠もなく逮捕するには厳しい相手である。
銃を向けられたのは事実だが、目撃している人はいないし証拠となるかはわからない。
指紋は思いっきりついてそうだが、相手に握らされたのだと言えば通らなくはないかもしれない。
弁護士相手だと色々と言い逃れしてきそうで厄介ですなぁ。

だが、一級の犯罪者であるメカニックと関わりがあると分かれば話は別となる。
目羅のかけていたメガネを取り上げかけてみるマーニー。
その状態で廃アパートの壁面を見れば・・・浮かび上がるのは巨大なメカニックのシンボル
なるほど。こりゃ決定的な証拠だ。

特殊な偏光レンズで、ルミノール反応に対応して血痕のあとが光って見えるのだそうな。
ほう?するとこの4階建てのアパートの壁面いっぱいに描かれたシンボルは血で描かれていると・・・?
人間の血を使って描かれているとしたら、なかなかにサイコな話になりそうですな。
描いて、わざわざ消し、隠れたサインとして使う。大掛かりすぎて笑うしかない話だ。
メカニックという奴がどれだけ演出好きなのかわかろうというものである。

というわけで、署で詳しい話を聞くため連行されることとなった目羅。
その去り際、マーニーに言葉を残す。

また近い内会おうじゃないか。その時が楽しみだよ。女子高生め

むう。ある意味メカニックよりヤバイ相手に目をつけられたのではないだろうか。
愉快犯的なメカニックよりも目羅の方が直接的な復讐に動いてきそうで怖い。
どうにか警察の方で動きを縛るようにしてほしいところであるが・・・

そろそろマーニーも反射的に危地に飛び込む癖を直さないといけないかもしれませんな。
パパも心配しているし、このままでは何が起こるかわからない。
しかしひょっとしたらマーニーは気付かぬうちにその危険の虜になっているのかもしれない。
自分から危ない場面に飛び込む。狂気の沙汰ほど面白い・・・てなことを言いだしたら末期でありますな。
タワーからの落下でおかしな物が見えたりしているし、脳内の快楽物質の分泌にハマりつつあるのかも・・・ヤバイ話だ!!



file47「入院中」  (2013年 32号)


病院にて身動きの出来ぬ患者の生命を維持する装置の電源が落とされていく。
その電源を落としていった人物は横たわり苦しそうにしている老患者に向けてこう呟く。

思いしれ・・・この人殺しめ

ふむ。今回の話は復讐ものでしょうか。重いテーマでありますな。

一方、マーニーはローラーブレードで転んで右手首を骨折していた。おやおやお転婆ですねぇ。
って、前回の銃を蹴り落とす際のアクションで負傷したのか!!
その時は命の危機で痛みを感じている暇はなかったんでしょうな。
ロイドさんの様子だと事件に巻き込まれた――というか自分で飛び出していったのは秘密な様子。そりゃ言えないわな。
でも毛利さんから連絡行ってたりしないのかしら。

骨折してしばらく入院することとなったマーニー。
どうやらあっちゃん――金城あつ子ちゃんと同じ病院であるらしい。
この病院は私の第二の家みたいなものだし色々教えてあげるよとあっちゃん。
ふむ。妖精の居場所とか異世界への入り口というのは何かの暗喩なのだろうか。ウソに見せて元ネタがある類の。
まあ何にしても再び出番があって嬉しい限りですな。

ベッドの上でゴロゴロして過ごすマーニー。
入院中はやれることも少なくてヒマですよね。若い子ならなおさらである。
そんなマーニーのお見舞いにやってくるゆりかちゃんと波峰ちゃん。
いやその2人だけではない。那智さんや白鳥さんもやってきてくれる。
ふむ。探偵業を通じて色々と親しい人が出来たって感じですね。嬉しい話です。
しかしこれでまた那智さんとの仲が学校で噂になるか?二股じゃなければ問題ないか?

廊下に出てみると毛利さんの姿を発見。
毛利さんも来てくれたんですか?とサボって女子高生の見舞いになんか来ていいんですかと言いつつ嬉しそうなマーニー。
ところがこれが勘違い。偶然仕事で調査に来ているだけだったという。
おやおや。これにはマーニーも赤面せざるを得ない。自意識過剰だったのかしらって話だ。

あまり部外者には話してはいけないんだが。君ならいいか。実は、殺人でね

これまでの実績と信頼があるとはいえさすがに口が軽い気はしますな。
まあ毛利さんも事件の調査がうまくいかずにイラだっているみたいですし仕方ないのか。

事件の内容は冒頭の通り、老人が生命維持装置の異常で亡くなったというもの。
故障なのか意図的なものなのかハッキリはしていないが警察は殺人として調査している様子。
聞き込みをしているみたいだがどうにも芳しくない。
ふうむ。入院患者は入院患者同士村社会というか結託する部分があったりするんでしょうなぁ。となると――

・・・私の立場なら疑われずに色々調べられますよ

人差し指をアゴに当てて微妙に可愛さアピールしている感じに見えるマーニー。
なんですか?毛利さんが見舞いに来てくれたわけじゃなかったのが気になってるんですか?どうなのさ。

ともかく、危険なことには近寄りませんからとお馴染みのポーズをとるマーニー。
しかし骨折した右手でポーズをとるから痛がったりしている。イテ。
そんな状態で危険には近寄らないと言われましてもなぁ・・・さすがにその点においては信用がおけない。

被害者の老人の名は功坂さん。96歳。
決して香坂さんではない。それは笑い屋の息子の生徒会役員殿だ。

というのはさておき、犯人はわざわざ老い先の短い老人を殺している。ふむ。
この功坂さんと仲がいいのは丸神昭二さんと高寺さんの2人。同年代で3人でよく昔話をしていたそうな。

丸神さんの指には変わった意匠の指輪が嵌められている。
それと同じデザインの指輪は功坂さんの遺品からも発見される。ふむ。

色々と聞き込んでみた結果、昨日幽霊騒ぎがあったらしい。空のベッドからのナースコール。
それと非常ベルが押されて騒ぎになった。その隙をついて被害者の生命維持装置が外される。
なるほどね。ナースセンターが空になっているときに維持装置がおかしくなったと。
これはどう考えても計画殺人としか思えませんわな。偶然とは考えにくい。

功坂さんは誰かから殺されるような恨みとかかっていたのだろうか?
あっちゃんの話によるとあまり家族が来ていた様子はない。病院関係者や患者と揉めていた様子もないとのこと。
資産があるわけでもないし、遺産分配の揉め事とは思えない。ふむ。
そして功坂さんの居た集中治療室は終末医療患者の部屋が大半で一般病棟からは遠い。
つまりそれだけ見とがめられやすいし、監視カメラに映る可能性は高いわけだ。ふむ、そうなると・・・

ガリガリと頭をかいて思考世界に入り込むマーニー。
話をしていたあっちゃん。マーニーが動かなくなったのでヘレンちゃんのとこでも行こうと言い出す。
おっと。まあ、あっちゃんが出てきたならまあヘレンさんの出番もありますか。
大事故に遭って視力・聴力・声を失って長期入院しているヘレンさん。
マーニーは超能力者という話は信じていないようですが・・・まあ、それは別の話。

それよりもあっちゃんが表現する戦友という言葉の方が気になる。
闘病生活が長いとそういう例えになるものですかね。
読んで字の如く、闘病とは病との闘いですからねぇ。

さて、後日。
丸神昭二さんの容体が急変。集中治療室に運ばれる。
それを知り、動き出す犯人。非常ベルを鳴らし、ナースセンターを空にして生命維持装置を切ろうとする。

・・・楽に逝けると思ったか・・・?丸神

憎しみを吐露する犯人。
しかしベッドに眠っているのは老人ではなく、生命維持の必要のない若者。
そしてベッドの傍らに立つのはマーニーと毛利刑事。
灯りがついたところで犯人は殺人未遂の現行犯で確保されることとなりました。

犯人の正体は被害者の功坂さんと親しくしていた同年代の老人、高寺さん。
功坂さんと丸神さんがしていた指輪は戦時勲章の略章を指輪にしたもの。
つまり3人はまさに同じ戦争を戦った戦友だったのである。

高寺さんの話によると3人はニューギニアの工兵部隊だったらしい。
高寺さんが部隊を離れている間に米軍の急襲を受けて十五人の戦友は全滅した。
その時は敵軍の情報収集が優秀なのだと思っていた。
ところがその後も同じようなことが何度も起きた。敵はピンポイントで急襲を仕掛けてくる。
その理由は簡単。身内に情報漏洩者がいたのだ
身内の戦友たちを少しの金で売った男たち。それが功坂と丸亀であった・・・
なるほど。高寺さんは戦後数十年の時間をかけてその事実を知ったわけだ。

私は数多の急襲も、いつも間一髪で生きのびた。
今でも無駄死にしていった戦友達の声が聞こえる・・・やっと一人殺せたが・・・惜しかった・・・
最後の一人・・・丸神を殺すことが出来れば、私の戦争は終わったんだ

なんとも辛い話である。
戦争は終結したが高寺さんの戦いは終わっていなかったと。
こういう保身を図る輩は堂々と戦った敵兵以上に憎い存在でありますわなぁ。間違いない。
現代の法で考えるのならば報復は間違っている。逮捕したマーニーは間違っていない。
しかし高寺さんの気持ちも分かってしまう。
老い先短い相手であっても楽には死なせず、自分の手を汚してでも鉄槌を喰らわせたかったわけだ。
冒頭で功坂を人殺しと呼んでいた時の心境を思うと色々と複雑な気分になりますなぁ・・・



file48「勇者」  (2013年 33号)


闇夜の路地裏。女性に迫る危機を救う勇敢な男。
しかし男は悪者たちに殴り倒されてしまう。一体どうなってしまうのか・・・!!
というのはさておいて――

ゆりか「マーニーなにやってんの?」
マーニー「ちょっと前のRPG。今勇者が悪の心に囚われて仲間と敵に・・・
ゆりか「へー。このニュース見た?」

質問しておきながらさらりと別の話題に移行するゆりかちゃん。
マイペースというか失礼というか。
まあマーニーもそんなゆりかちゃんには慣れっこなのか普通に会話を継続。
どうでもいいがマーニー、歩きながらのゲームは危ないぞ。車とか危険が多い。経験的に危ないと分かる。

それはさておき、ゆりかちゃんが見せるニュースの内容について。
どうやら冒頭の話らしい。
へぇ。襲われていた女性は市長の娘さんだったのか。
まさか誘拐事件だったとは・・・思ったよりも大事だったんですなぁ。

突然現れた男は殴られて大ケガ。とはいえ命は助かっている様子。よかったよかった。
と思いきやロイドさんによるとどうやら記憶喪失となっているらしい。
むう。かの長期連載につきものの病と言われる記憶喪失がここで出てくるとは・・・!!

入院期間中も記憶は戻らず、自分が誰なのかもわからない青年。
幸い市長さんが娘の恩人ということもありしばらく面倒を見てくれるという。ふむ。
病院の先生たちからも好印象を持たれている青年。
礼儀正しく勇気も行動力もある、ハンデに打ち勝つ強さを持ったけっこうイケメンな青年
ヒゲの生やし方はどうかと思うがこれだけ聞くとかなりのスペックでありますなぁ。

市長さんのところにお世話になりながらも好青年っぷりを発揮する。
進んで人のために喜んで働き、礼さえも求めない。一体どういう男なんだ・・・?

市長の娘さん以外にも困っている人がいれば身の危険を顧みずに飛び込む。
ある意味この危険に身を晒したがる感じはマーニーに似ている気がしないでもない。
まあ、それ以外にも流されている子犬を助けたりしてますしね。
ここで犬が救助の対象となるあたり猫派のマーニーとは違うということですね!!キャンキャン。

そんな青年の姿を見守る市長の娘さん。
ふむ。危機を救ってくれた好青年の姿に思う所があるのですかね?青春かね?
マーニーは興味を持って話しかける。
と、ゆりかちゃんが客引きと思って手伝ってくれる。は、話は早いかもしれないが・・・即物的な。

市長さんも青年の記憶を戻すために既に何人か探偵を雇っているらしい。
が、マーニーならば別の視点から青年の正体を発見できるかもしれない。
青年自身の頼みもあり、青年がどういう人間だったのか調べる依頼を受けるマーニーでありました。

青年は見た感じ20代後半。身長175cm、体重65kgくらいかなとのこと。
マーニーは見ただけでおおよその体重を測ることができるのか・・・!?

記憶喪失になってからの行動を調べてみる。
青年は人を助け、他人に迷惑をかけてる人に毅然とした態度を取っている。
人のしたがらないことを進んでやり、弱きを助け決してへこたれない。
うーむ・・・これはいわゆるあれですか。勇者って奴ですか!?まさに正義の味方

それがヒントとなったらしく、ついに青年の素性をつきとめるマーニー。
他の探偵が何人もかかってわからなかったというのに・・・!!

他の方はですね――彼の現在の姿に惑わされたんだと思います。品行方正で正義の味方のような「彼」。
それになぜ彼に対し捜索願などが出ていないのか・・・

そこに着目したマーニーは現在の彼からは思いもつかない場所を捜索。
引きこもりや自殺関連のコミュニティーを当たったそうな。ほう・・・

青年の名前は松田孝雄さん。
両親に言わせれば人間のクズであるとのこと。

アイツは学校にも行かず、働きもせず、くだらない物を買い漁り、母さんや妹を殴る蹴る・・・!!

うーむ、確かに見事なまでのクズ行動ですな。
それを言われて頭を抱える孝雄さん。記憶が戻りつつあるようですな。
記憶の中のクズな孝雄さんは本当にムカつく顔をしていらっしゃる。行いが悪いとここまで醜くなるのか!!

さんざんひき込もったあげく、自殺するという書き置きを残し消えたという。
なるほど。そりゃ両親としても捜索願を出すかどうか躊躇いますわな。
万一戻ってこられてまたあの地獄のような生活に戻ると思うと・・・
マーニーも会ってもらえないかと交渉はしたが、ついに両親には来てはもらえずにいる様子。

逆だったんですよ・・・一見他人のための行為ですが、ムチャなことばかりで・・・自殺行為でもあったわけで・・・
そう。彼は今までの人生が本当にイヤになって、自殺するつもりで彼女を助けに入ったんですよ。
勇気ではなく自暴自棄から・・・

結果彼は記憶を失うこととなった。
しかし自暴自棄な「無謀さ」「大胆さ」だけは消えずに残ってしまったらしい。
それ故、人が躊躇うような危険にも飛び込んでいくヒーローと称されるようになってしまったわけだ。
「無謀さ」「大胆さ」が「勇敢」としてとらえられたわけですな。
真っ白だった彼の頭にはそれが条件としてすり込まれていく。
まるで鳥が始めて見た物を親だと無条件に信じるように・・・

なんとも厳しい過去を思い出してしまった孝雄さん。
そんな孝雄さんを迎えに来てくれる両親。
おやおや。逡巡はしていたみたいですがやっぱり親子の絆は断ち難いものがあるんですね。
マーニーが安堵したような表情になっているのは自身に関して思う部分もあるからなのか・・・?

しかし全てを思い出してしまった孝雄さんとしては困惑。
自分がこれまで何をしていたのかを思い出してしまった以上、まさしく合わせる顔がない状態だ。
悩む孝雄さんにマーニーはこう告げる。

そこは・・・衝動にまかせてみたらどうです?今までの行動と同じように・・・
いつまでもヒーローじゃいられないんだし。いずれ勇者は自分の中の闇や過去と対決する運命で・・・
松田さんには自分と向きあってほしいってことです
それこそがヒーローにとっての最大の戦いだと思うんですよ。

自分の抱える闇と戦う。
まさにヒーローの苦悩というやつでございますね。
これまでの行動が行動だっただけに勇者と呼ぶのは色々と躊躇われてしまいそうであるが・・・
人間死ぬ気になれば無茶な善行も出来るって話と捕えればよいのでしょうか。
まあ、自暴自棄になって犯罪に走る奴よりは遙かにマシですわな。
似たような気分になった人は是非孝雄さんのような行動に向かってほしいものである。
うまくすれば闇を振り払い、勇者となれる可能性もあるって話ですよ。未来は変えられる!!



file49「ひきこもり」  (2013年 34号)


芸術の名のもとに脱衣を強要される少年。
ハゲの芸術家はやましいことはないと言っているが誰がどう見てもその言葉は信用できない。

いいから!早く脱ぐんだ!!

何やら大変な目にあっている少年。
そのためか現在引きこもり状態になっているという。

少年の名前は浮井和雄くん。地味で目立たないカワイイ系の少年である。
けど三年A組ってことはマーニーより年上だったのか。脱ぐのを強要されたのは過去の話のようですが今もカワイイ系の顔だな。

さて。学校が立てた新方針として生徒会が不登校児に対して声かけをしていくこととなった。
というわけで、白鳥さんに付き添いを命じられるマーニー。
依頼とはまた違った話のようだけど・・・強力なホストだし無下にはできませんわな。マーニーにおまかせを。

学校のキレイ所が家にまで来て学校に来るように呼びかけてくれる。
ふむ。先生が来たりするよりは興味が持てるようになるかもしれませんな。
毎朝白鳥さんが起こしに来てくれるなら通ってもいいよ!とか言い出す子がいたりしないだろうか。

それはさておき、浮井くんのひきこもりは本格的なものらしい。
食事には手をつけているが出てくる気配は全くない。
先週は親族の者がムリヤリ開けようとしたのだが死ぬと叫び出して手がつけられなかったという。ふーむ。

ちなみに浮井家の裏には武波というデカイ家がある。
壁だけで物凄い圧迫感を感じる家。この圧迫感がひきこもりの元凶か!?いやむしろ圧迫されるところにはひきこもりたくないな。

とりあえず呼びかけはしたので帰る2人。
学校も色々あるし来たくなくなる気持ちもわかるんですけどねとマーニー。

問題は本人の積極性なのよね。どんな天国でも楽園でも本人にその気がなければ苦痛にしかならない

それがその人に適合した場所かどうかにもよりますわな。
キレイ所に囲まれた生活も、女性と接するのが苦手な男の子だと苦痛になりかねないケースは多々ありますし。分かる話だ。

一週間後。
ロイドさんのところに毛利さんから悩みの相談事。
どうやら武波さんの家で密室殺人が発生したらしい。
現代的セキュリティの粋を集めたような家で、主に家の外部や庭に対しレーザー・赤外線・音響・カメラ・センサーを設置。
外から侵入するには幽霊でも難しいだろうと呼ばれるようなところに住んでいたそうな。
なるほどねぇ。こりゃ頭を悩ませそうな事件だ。探偵に相談したくなるのも分かる。

被害者は武波魁児。著名な洋画家で絵は一枚一千万、二千万は当たり前だという。
おやこの人。冒頭で少年に脱げやオラとか言ってた人じゃないですか。

何億というレベルでアトリエの絵もゴッソリ盗まれている。
ふーむ、それだと物取りの犯行という線が濃いが、わざわざ密室殺人にする理由は見当たりませんなぁ。

というわけで興味を持ったマーニー。ロイドさんと共に毛利さんから詳しい話を伺う。
武波さんの作品を確認するマーニー。5年前の作品群を見るとカワイイ系の少年の絵が並んでいるのが分かる
ふーむ、冒頭の少年の話は5年前のことだったのか。となると小学生の男子相手に脱げといっていたと・・・ヤバいなオイ!!
絵は浮井くんの特徴である目の下のキズも再現していたりするし・・・入れ込んでいたのがよくわかりますな。

浮井家を訪れるマーニー。
浮井くんの部屋は1階。外出するとしたらここを通ると思われる道にちょこちょこと土が落ちている。
土を追っていくと土手に出る。見ればすぐ側には防空壕跡が存在している。
散歩に来ていた老人曰く、ここらは昔空襲がひどくてそこら中、防空壕だらけということらしい。

未だに工事すると未確認のトンネルが山程出てくる。地下基地でも作ってたのかもなあ。当時は。

ふーむ。興味深い話ですな。
その話を伺った3日後、再び白鳥さんと浮井家を訪れるマーニー。
母親によると最近は食事にも手をつけなくなったという。
それを聞いて警察に連絡してムリヤリ開けましょうと言い出すマーニー。
警察の特殊部隊が道具を使って強引に部屋に押し込む。
どうやら扉にバリケードが設置されていたようだ。こりゃ道具も使わないと開きませんわな。
中に浮井くんの姿はない。どうやらマーニーが懸念していたのはこのことだったようだ。

裏の武波魁児を殺したのは多分浮井君だと思うんですよ

床を調べてトンネルを見つけ出すマーニー。
どうやらこのトンネルは防空壕跡に繋がっている様子。

彼は引きこもりという生活態度を隠れ蓑に恐ろしい時間と行動力でトンネルを目的地につなげた
掘った土は深夜近くの河まで捨てに行ったようで・・・
そして、彼はありえない計画を成功させてしまったんです。

なるほど。防空壕跡を利用し、トンネルを繋げて地下から武波魁児を襲ったのが真相というわけか。
しかし警察は事件現場の床とか調べなかったのだろうか?トンネルぐらい調べれば分かりそうなものだが・・・
いや、別にに現場にトンネルの出口があったとは限らないか。外のセキュリティは万全と言っているだけだったし。
殺害現場とは別の目立たない部屋にトンネルの出口があったのかもしれない。そう思うことにしよう。

母親によれば和雄は勉強も体育も並でおとなしく口答えもしない子であり、そんなだいそれたことの出来る子ではなかったとのこと。
まあ動機はおそらく小学生の時にモデルで通ってた武波魁児の性的な虐待。
しかし5年もの間それを恨み続け、大胆な犯行にまで至るというのはなかなか狂気な気がする。
そんな犯行に至るキッカケが何かあったのではないかと考えるマーニー。
部屋のPCを調べてみたところ・・・浮かび上がるのはメカニックのシンボル。なるほど、これがそのキッカケか・・・!!

・・・思ったよりずっと恐ろしい少年だったのかもしれない・・・
そして彼は・・・今頃奴のもとへ・・・

メカニックも手広く仲間を集めている感じでありますなぁ。
仲間というか手駒というか。どういうルートでか素養のある子を見つけて魔の手を伸ばしている様子。
しかし美少女だけではあきたらず、美少年への啓蒙も怠らないとは・・・メカニック。恐ろしい奴!!

白鳥さんの言っていた天国や楽園。
浮井くんにとってはメカニックのもとがそれにあたる場所となるのかもしれない。
ふーむ。本人の気持ちの持ちようということなのでしょうが・・・歪められてる感じがしますなぁ。怖い怖い。



file50「ゆうかい」  (2013年 35号)


白昼堂々事件発生。
通りすがりの大型のバンから降りてきた連中に袋を被せられ、連れ込まれてしまう。
どうでもいいがマーニーの自転車はパンクしすぎである。酷使しすぎじゃないかね。

なんだ・・・誘拐!?ヤバイ。どうすりゃいいんだ。こんなところで・・・

危険に首を突っ込みたがるマーニーもさすがに危険が舞い込んでくるのは勘弁願いたい様子。
とはいえすぐに冷静さを取り戻し、助けを呼ぶ。
連れ去る手際はなかなかのものでしたが持ち物を取り上げてないのはミスでしたな。
スマホを用いて毛利さん・・・いや、一斉メールで皆に助けを呼ぶ。

マーニー:今、車に押し込められ誘拐された。だれか助けて
ゆりか:何言ってんの?今デート中

ですよねー。
素早い上に凄くらしい回答、ありがとうございます。
まあ、親しい友人であるならば逆にこういった冗談もあるかと思えてしまうものでありましょう。
決してゆりかちゃんがクズいからとかそういう話ではない。はず。

信憑性を持たせる意味も込めて、自分の位置を相手に教えるアプリ「恋人マップ」を起動するマーニー。
これなら今どこにいるのか一目瞭然ですな。最近は誘拐する方も大変でしょうな、これじゃ。

ゆりかちゃんはさておき、他の面々はさすがに血相を変えている。
まずはロイドさん。冗談じゃないぞと慌てて飛び出す。銃の携帯も忘れない
え?刑事は退職しているのに何で拳銃を所持しているんですかロイドさん・・・!?
まあ、メカニックの件もあるし、娘の誘拐というこの事件にはナーバスになっても仕方がないが・・・いやしかし・・・

ゆりかちゃんはともかくデートの相手である片岡さんは比較的常識人である。
本当だとしたら大事だしとりあえず後を追おうと提案。
まあ、この2人でどうにか出来るとは思えませんけどね。

そして舞城天ちゃんは今日も元気に走っている。
スマホのナビを自転車に取り付け、自らの足でバンに追いつこうとしている様子。頼りになるなぁ・・・!!

毛利刑事も誘拐事件としてすぐにパトカーで出動。
さすがにマーニーの周りは頼りになる人が多い!!ゆりかちゃんはまあ、日常担当ということで。

国道沿いの道の駅で止まる大型バン。
どうやらトイレに行くために止まった様子。
ここで誘拐犯たちの素性が明らかになるわけですが・・・どうやらマーニーの知り合いだった様子。

恵利沙オバサンにめぐオバサン、映美オバサンの3名。
くわえ煙草で逞しそうに見えるがオバサンなんですなぁ。
そんな3名が今日は何の日か覚えているかとマーニーに問う。マーニーはしばし考え、気づく。あ!!

そう。私達の姉妹にしてお前の母親。静の誕生日だ

なんとまあ、ついに母親の話が出てきましたか!!
連載50回記念として気になる話が飛び出してきましたな。

どうやらオバサンたちは誕生日プレゼントとして親子を引き合わせようとしている様子。
って、だからって何でこんな誘拐まがいなことを・・・
まあ、マーニーにしてみれば捨てられた身であるし、素直に会うためについて来いと言われても行く気にはなれなかったでしょうな。

アンタの意志は関係ない。これは我々シスターズの考えだから

なんとも強引な話である。
しかしもう警察にも連絡とっちゃってるんですけどねぇ。
下手したら、というか普通に考えると警察沙汰なわけであるが・・・やたらと堂々としてるから困るな、このオバサンたち。

スマホの電源はOFFにされ、通信は切れる。
追って来たロイドさんたちは駅の監視カメラを確認。犯人がシスターズであると知る。
うーむ。これはさすがにロイドさんも苦笑い。
拳銃まで持ち出してきたのに、妻の身内の仕業であったとは・・・警察には謝って帰ってもらうしかありませんな。

マーニーの母親である静さんはロイドさんが警察を辞めさせられた時に家を出ていったそうな。
メカニック絡みのこともあるし、苦渋の決断をした様子のロイドさん。疲弊していたでしょうなぁ・・・
そんな大変な時期のロイドさんとマーニーを見捨てるようなマネをした。これは確かに許しがたい。

わかってないね。アンタは静のことがわかっちゃないんだよ。
私達は小学生の時から一緒に居たんだ。年季が違うね

ふむ。姉妹とか言っていたが本当の姉妹ってわけじゃないんですな、シスターズ。
出身が不幸だった4人が姉妹の契りを行い、お互い助け合うことを約束したんだそうな
血の繋がりよりも強いシスターズの絆・・・うーむ。男ならば義兄弟の盃を交わしたみたいなものであるか?
なんとなくスール制度という単語が思い起こされたが、さてはて・・・

しかしわかってないねとか言ってるが、本当にシスターズたちにはわかっているというのだろうか?
わかっているのなら何か言葉にして欲しいものでありますが・・・
そんな態度だけ取られてもむしろ反感しかわかないと思うのですが。
おかげで本当に会いたがっているのやらと半信半疑な様子のマーニー。

車はやがて僻地の丘の上までやってくる。
マーニーはひとり約束の場所へと向かう。
すると空に飛行機で描かれるHELLO MYDEARの文字。おぉ・・・なんて派手な・・・いったいいくらかかってんだ・・・?

丘の上の大きな木の下にはオルゴールが1つ。
空けてみると中には大きなブラジャー。Fカップはあろうかというものである。
そしてメッセージカード。どうやら静さん本人は来れず、物だけ置いて行ったらしい。
そこにはきっと今頃これくらいに大きくなっているでしょうという文言が記されており・・・イ、イヤミか!!

しかもオルゴールには隠しカメラが仕込んであるらしく、メッセージを見て恥ずかしそうにするマーニーの表情を目撃されている。
うーむ。この母親・・・なかなかイイ性格をしている・・・!!

しかし静さんは何の仕事をしているんでしょうね?
秘書らしき人に熊耳静先生と呼ばれている静さん。熊耳と言うのは旧姓なのだろうか?
飛行機のメッセージを依頼できるほどだし結構稼いでそうなイメージ。そして先生と呼ばれる身の上。
弁護士か何かでしょうかね?気になる所であります。

さて。本人が来ていなかったことに大焦りのシスターズ。
おやおや。わかっているとは言っておきながら静さんの大人気なさは理解しきれてなかったようですな。
仕事を言い訳にしてはいるが、顔を合わせづらいとは思っているんでしょうな。
でも大事に想っているんじゃないかというのはまあ伝わって来た。
うーむ。当初はもっと冷めた関係なのかと思っていただけに少し救いがありそうな感じがしてよかったです。

ずっと追ってきていた天ちゃんと一緒に帰るマーニー。
ちょっとあの人らしいなと思って笑うマーニーの姿が微笑ましい。
冷えていた親子関係にも改善の兆しが見えてきたかもしれませんな。よいことです。

それにしても何で静さんはそのタイミングでいなくなったのだろうか。
何か考えがあったのかもしれない。その考えが分かったら親子の関係は更に改善されるかもしれないが、はてさて。



file51「カード」  (2013年 36+37号)


冒頭からいきなりの交通事故。少年の安否はいかに。

その交通事故が起きる三日前。
子供たちがカード屋に群がっている。
未だにカードゲームは根強い人気。特に小学生男子からの支持を得ている様子。
そしてその群がる子供たちの中に見知った顔。久儀君の姿があった。イエーイ。

子供ではあるが芸能人。金にあかせて強いカードを買いまくることができる。体は子供。資金力は大人って奴ですな。

いいんじゃないのー?芸能人が金にあかせて大人買いっていうのも

微妙に冷めた目で語るマーニー。おやおや。
それはそれとして、何やら揉めている様子の子供たちがいる。
どうやら久儀君の知り合いであるようだが・・・おや、この子は冒頭で事故にあってた子じゃないか。
三日後交通事故にあうことになっている少年の名前は成宮孝夫君。
成宮君は声をかけてきた久儀君にいきなりお金を貸してくれと迫り出す。ええ・・・!?
なんだかワケありっぽいので詳しい話を聞くマーニーでありました。

成宮君の家は両親が離婚して母子家庭であるらしい。
父はイラストレーターであったがあまり売れていなかった。
しかし父の絵は小さい時よく見ていたし描いてもらってたから癖も色使いも覚えている。父さんの描いた絵なら見れば分かるとのこと。
ふむ。つまり販売されているカードの中に父の描いたイラストが使われたカードがあると。

母さんと父さんは仲が悪くて全然会わせてもらえないから・・・あの絵が・・・どうしても欲しくて・・・

ふむ。なかなかのワケありですな。
そういうことなら喜んでお金貸すよと久儀君。しかしすれっからしのゆりかちゃんが忠告を行う。
そのカードは強くて高いわけだし、そのカードを手に入れるためのウソってことない?と。

マーニー「さすがゆりかちゃん。するどい指摘」
ゆりか「私ならそうするからー

そうですか。確かにしそうですな。褒めていいやら何なのやら。

お金は貸してもいいけど父親の絵だと言う確かな証拠が欲しい。
というわけで、今回の依頼は本当に成宮君のお父さんがカードの絵を描いているか調べるというものとなりました。
お金マーク式の敬礼でマーニーにおまかせをが飛び出したが、報酬は貰う流れ何ですかね?
まあ、久儀君に師匠の力を見せる教育費と考えれば出してもらえないこともないか・・・

とにかく調査開始。
まずカード会社のホームページでイラストレーターの名前を調べる。
が、ペンネームばかりで特定は難しい。
父親の名字は久米沢。ペンネームと合わせて画像検索をかけると・・・エロマンガの画像がズラリ。うーん・・・
さすがにこれがお父さんの描いた絵なのか?と成宮君に直接聞くわけにはいきませんな。
エロマンガをズラリと並べて君のお父さんが描いたものなのかね?ん?と小学生男子に迫る女子高生とか色々とアレですし。

というわけでもっと婉曲的に全体的に、成宮君にはお父さんの絵の特徴を教えてもらうこととなった。
幾つか箇条書きにしてみるが、これといって特徴的という感じではない。
仕方がないのでカードゲームを販売しているユーレカ社に取材という形で足を運ぶこととなりました。
さすがに詳しくないジャンルは手間取っている様子ですな。

そうやって調査を続けて三日が経過。
風に飛ばされたカードを何気なく拾う成宮君。そこに描かれていたのは死神の姿
そしてそれを手にしたと同時に暴走して突っ込んでくる車。何とも奇妙な光景ですなぁ。

さて、ユーレカ社を訪れたマーニーはインタビューを行う。
専属のイラストレーターはごく少数で、あとは担当さんごとの外注で賄っている。
メールでのやりとりも多く、面識のない人も多いそうな。
なので画風くらいじゃ特定は難しいとのこと。うーむ。

というわけで凄い量のカードを閲覧して自力で探そうとするマーニー。
しかし本人の絵も知らないマーニーが特定できるはずもない。
と思いきや、成宮君に似た少年の描かれた絵を発見。白の騎士(少年時代)というカードである。
ふむ。これはもしかするともしかしますな。
絵さえ見つかればそれを検索してイラストレーターの名前を知ることもできる。
そして会社の人から連絡先を教えてもらうことも出来るわけだ。

そんなタイミングで久儀君から成宮君が事故に遭ったという報告を受ける。
マーニーは急ぎ、父親の連絡先を聞き、また事情を話してイラストを少し貸して欲しいと頼み込む。さてどうなるか・・・

事故に遭った成宮君は夢を見ていた。
直前に拾ったカードの死神に襲われる夢である。こりゃ怖い。
しかしその襲い来る鎌を受け止める存在も夢の中に現れた。
鎧を纏い、自分の名前を呼ぶその騎士。それは成宮くんのお父さんである。

そんな夢を見た後、病院のベッドで目を覚ます成宮君。どうやら命は助かった様子ですな。
そしてベッドから見える天井には騎士の親子が並んだ大きなイラストが貼り付けられていた・・・!!

どうやらお父さんは確かにカードのイラストをやっており、仕事が認められて今度大きな仕事を任されるようになったらしい。
それが「光の騎士」シリーズ。その中に成宮君そっくりのイラストがあったらしい。
理由を話したら会社が喜んで絵を貸してくれて、元気になればと思ってベッドの天井に拡大コピーして貼ったそうな。
ふーむ。なかなか理解のある会社でよかったですなぁ。

お父さんも病院に駆けつけたみたいだし、家庭のことは色々とあるだろうけど・・・なんとかうまくいくんじゃないかな。

事故は怖いけど、命に別状はない様子で良かったですな。
お父さんも仕事が認められたようですし、少しづつ家庭の問題も解消していくといいのですが・・・難しいものかねぇ。
とりあえず、成宮君がゆりかちゃんのようなウソを言う子じゃなくってよかったよかった。



file52「通り魔その後」  (2013年 38号)


白昼の惨劇。刃物を振り回す危ない男と遭遇するマーニーとゆりかちゃん。
急いで逃げないとと促すマーニーだが、ゆりかちゃんは足が竦んで動かなくなってしまった様子。

伏せてゆりかちゃん!!

そう叫び、所持していたテグスを張り巡らせるマーニー。
見事に通り魔の動きを押さえ、ナイフを取り落とさせることに成功する。
こうなれば通り魔も怖くはない。男たちが数人がかりで押さえつけ、御用となる。よかったよかった。

しかしマーニーたちは助かったものの、既に何人かが刺されており危険な状態であるらしい。
結果亡くなった人も出たそうな。うーむ、ショックングな出来事ですなぁ・・・
ちなみにゆりかちゃんは自分を助けてくれたマーニーの行動にいたく感激した様子。
命の恩人だよ。私、マーニーのためならなんでもするから言って。ずっと友達だよとメールを送ってくる。
ふーむ。なんだか殊勝な言葉でありますなぁ。本当に何でもしてくれるのだろうか・・・?

マーニーは通り魔が犯行を行う直前にすれ違っていた。
その時、人間を物色してる風の違和感を感じていたという。しかしそれを感じながらも何もしなかったマーニー。
自分が気になった時に動いていれば悲劇は起きずに済んだかもしれない。そんなことを考えるマーニー。うーむ。
一介の高校生がそこまで気にすることでは無いと言いたいが・・・気にはしちゃいますよねぇ。やっぱり。
ロイドさんも罪の意識を持つことはない。むしろ被害が広まるのを止めたのだし誇っていいんだと言ってくれる。有難い。

という出来事が半年前にあったそうな。
そうかーやけにゆりかちゃんが殊勝な感じだなと思ったら半年前のことだったのかー。
その頃からゆりかちゃんも成長したというか大人になったというか困った子になったというか・・・
今半年前のメールをゆりかちゃんに見せたらどんな反応をするだろうか。地味に気になりますな。

ともかくその半年前の事件の犯人。裁判の結果、心身喪失のため責任能力なしという判決が出たらしい。
うーむ。凶悪犯罪で捕まった場合この判決が出やすいのも困りものですなぁ。
ゆりかちゃんに言わせれば弁護士にコネがあった。コネがあるもの勝ちだよとのこと。金かコネ
むう。襲われて危なかったというのにのど元過ぎればなんとやらなのか、あっけらかんと語りますなぁゆりかちゃん。
しかも内容は反論のしようがないものだったりするから困る。

ゆりかちゃんはさておき、マーニーはどうにももやもやしてしまっている。
弁護団のリストを調べ、そのリーダーである乃木坂康栄という男について調査する。
毛利刑事によるとこの乃木坂というじいさん、バックには政界進出した元弁護士の目羅がいるとのこと。
元々二人で立ち上げた弁護士事務所で、目羅が出馬して乃木坂のものとなった経緯があるそうな。へぇ。

目羅といえば前にメカニックと絡んでいた弁護士でありますな。
逮捕されたと思ったが普通に出て来た上にしっかり政界に進出しているのか・・・
これだとマーニーが目をつけられただけということになるのだが・・・怖いなぁ。

目羅とメカニックは結局今でも繋がりがある様子。
メカニックは目羅の元弁護士としての人脈を。目羅はメカニックから選挙資金の融通を。お互いに利用できる間柄というわけだ。
そしてメカニックは例の通り魔の少年を無罪にするよう依頼する。
どうやらメカニックも何者かから頼まれているようであるが・・・?

通り魔の少年こと衣谷君。心身喪失ということで無罪放免となる。
弁護団の他に「衣谷君を助ける会」なるものが結成されているようであるが・・・なんだこの胡散臭さは・・・

衣谷君は受験に失敗し、親の離婚という不幸が相次ぎ自暴自棄になっていた様子。
ふむ、境遇は同情しないでもないがだからといってやって許されるような行為ではありませんわな。
まあ本人もそれは理解し、後悔もしている様子でありますが・・・

マーニーは目羅を尾行している。が、目立つ頭であるがためかその尾行に気付かれてしまうマーニー。はみ出してる!!
特徴的なだけに顔バレしているとさすがに不利ですなぁ。
まあそれはさておき、集音装置を利用してマーニーに話しかける目羅。
逮捕されたことを恨んでいるかと思いきやそうでもない。今時珍しく正義感を持ち、行動力のあるマーニーを評価している様子。
ふーむ。小物かと思いきや意外に鷹揚なところがあるみたいですな。厄介な。

オレの役目は終わったしな。面白い奴だ。その行動力に免じて一つヒントをやろう。
これからある集団による拉致事件が起きる。多分被害者は殺されるだろう
通報して止めるか放っておくか。お前の選択にまかせるよ。女子高生。

それだけ言い残して去っていく目羅。ほう、これは・・・

拉致される可能性。一番高いのは通り魔の衣谷君。
どうするかは任せると言われたマーニー。ここは迷うことなく通報を選択する。
拉致される場面も目撃しているし、車種とナンバーを毛利刑事に教えて自身も同行する。

工場跡地らしき所に連れ込まれた衣谷君。連れ込んだのは通り魔事件で衣谷君に家族や友人、恋人を殺された遺族の方々である。
どうやら衣谷君を無罪放免にするようメカニックに依頼したのはこの遺族の方々であるらしい。
それというのも、本来衣谷君は未成年ということもあり、7年の実刑で決着するところであったという。
しかしそんな軽い刑では納得できないし7年待つのも耐えられない遺族。
ならば無罪となって外に出てきたところを復讐しようと考えたわけである。なるほどな・・・

涙を流し謝り、許しを請う衣谷君。
しかしやったことを鑑みればそんな要求が通る筈はありませんわな・・・
死んで報いを受けろと襲い掛かられる。が、そのタイミングで警察が到着。遺族の方々は凶器準備集合罪で連行される結果に。

マーニーの通報のおかげで私刑という結果は免れた。しかしどうにも沈んだ気持ちのマーニー。

わかんないんですよ。なにが良かったのか。なにが悪かったのか。私はどうするのが正しかったんでしょうね

これは難しい問題ですな。
衣谷君がしたことは絶対に許されないことである。遺族がそのような行為に出るのは当然ともいえる。
しかし私刑は禁じられている行為であり、それを防ぐのもまた正しい行いである。
うーむ。難しい。法がきちんと正当な裁きをくだす形になっていればいいのだろうが・・・さすがに万人が納得する裁きは難しいか。

考えさせられる内容でありました。
それにしてもマーニーはやたらと危険な場所に飛び込んでいくクセがあるが、それは半年前の事件に由来するのでしょうかね?
あの時犯人を見逃し犠牲者を出してしまったことがトラウマになっている。
だから危ないと分かっていても誰かが危機に陥るのであれば自身が体を張ってでも止めようと動いてしまうという・・・
なかなか難儀な性格でありますなぁ。探偵稼業も楽ではないですな。本当に。



file53「三つ巴」  (2013年 39号)


パパとママが一緒だった頃の幼いマーニー。
今からは考えられないぐらいに内気だったようで、あまり打ち解けれてはいない様子。
両親は二人とも忙しく、祖父や祖母に任せっきりになってしまっていたらしいですからねぇ。この態度も仕方がないか。
なのでママはマーニーにプレゼントを贈る。

これはインドで買った幸運の鈴よ。しゃべらなくてもいい。これを鳴らしてくれればママはいつでもアナタの元に来るから――

そのように言われて手渡された贈り物。
現在もそれを持ち続けているマーニーは何を思うのか。いつもとは違う思考世界に入り込んじゃってる様子ですなぁ。

さて、今回の依頼人は有名なレストランのオーナー。
ロイドさんが受けた依頼であるが、食事が出るということもありついていくマーニー。
移動中の車中で何やら気遣わしげな様子のロイドさん。
なるほど。この間の妻の友人たちの誘拐騒ぎのことが気にかかっているんですな。
あれで母親のことを強く思い出してしまっただろうし、ロイドさんが心配になるのは当然というものか。

パパァ?私ママのこと気にしてるんじゃなくてさー。どうも最近太っちゃったみたいで。ダイエットに悩んでてね。

え?そういう話でしたのか?
これは心配をかけさせまいとして出た言葉なのか本心なのか。確かに少し手足が太くなったように見えなくはないが・・・

それはさておき、依頼人のビュッフェオーナーである倉田甲士郎さん登場。
昔はオチコボレであったが必死に料理修行をして経営の勉強をして立派な店のオーナーにまでなったという。
そんな倉田さんだが最近やっと余裕も出来たので近々結婚を考えているとのこと。ホウ。

その相手の彼女のことなんですが・・・最近なにかとふさぎ込んでいるようで・・・
どうもストーカーに付きまとわれているらしくて・・・これだけ聞き出すのも大変でもう・・・

ふうむ。まあ心配になるのは当然な内容でありますな。
ロイドさんは二つ返事でこの依頼を承諾する。まあ、身辺調査は探偵の基本ですものね。
しかしマーニー、料理が届いてから料理にしか目が行ってないみたいなんだが・・・よだれよだれ!!
しかも一口食べただけで美味しさに涙するマーニー。本当にダイエットで弱っていたのか・・・!?

まあ、マーニーのダイエットはさておき。思考世界にずっと入ってれば痩せるんじゃないかとも思うがそれはさておき。
ストーカー被害にあっていると思われるのは矢田育恵さん27歳。
依頼人はストーカー被害と言ってはいるがその実は遠まわしな彼女の事情調査ではないかと考える2人。
結婚を考えていると言っているし、その可能性はあるでしょうな。
逆に結婚後にそんな調査をしていたことがバレたら大変なことになるでしょうし、依頼人が素直に話を持ち出せないのも仕方がないか。

マーニーは矢田さんに張り付き。ロイドさんは警察の方にストーカー関連の話が本当にないか調査する形となりました。

さて、さっそく矢田さんを見張るマーニー。メガネをかけているのはどういう意図だろうか?
やはりアレかね。前回目羅に尾行を見破られたので変装の必要があると感じたということだろうか?
そんなことしても頭が目立っているのだから大きな意味はないような・・・!!

それはともかく。矢田さんは結構いいマンションに住んでいる。
矢田さんと依頼人の倉田さんの出会いは半年前に店で客と店主という立場で知り合う。
女性の知人と来店。それから店の外で会うようになり・・・という流れ。ふーむ、そんな出会いもあるんですなぁ。

ふとマーニーは怪しげな男がこちらを見ていたことに気付く。
なんだろう?噂のストーカーか?
念のためにスタンガンを準備し、顔だけでも見ておこうと近づく。
が、路地の向こう行ったはずの怪しげな男の姿は既にない。あれ?何だったんだろう・・・?
というか、その行動を高い所から別の男が観察したりしているのだが、これは一体・・・

翌日も矢田さんに張り付いているマーニー。
周りを観察すると張り込み中に何度か姿を見かけた気がする男の人の姿がある。
ストーカー?でも昨日見た人とは別人に思える。
怪しく思いながら観察すると、持っている新聞にカメラが仕込まれているのが分かる。こ、これは怪しい!!
いや、さらにもう1人怪しげな男がいる。この人物は昨日マーニーの様子を伺っていたらしき男性・・・こ、これは・・・?

ちょっと待てよと考え付いたことを行動に移すマーニー。
物陰に移動することで昨日からこちらの様子を伺っていたらしき男を招き寄せる。
なるほど。やはりこの人物、矢田さんではなくこちらの動向を探っていたみたいですな。

アナタプロですね。身のこなしが素人じゃない。もしかしたらあの人も・・・

そう言って、もう1人の怪しかった男性とも合流するマーニー。
なるほどねぇ。探偵がそれぞれ別途に調査しているところに出くわしたという流れか。
しかしマーニー。自身もプロであるかのような口ぶりでありますな。まあ、仕事のこなし方は十分プロと言えましょうが。

カメラを持っていた帽子の男はジェット・エージェンシーの調査員であると名乗る。
どうやら大手の総合探偵社のメンバーであるようだ。へぇ。
そしてもう一人の短髪の男性は探偵ではなく熊耳弁護士事務所の調査職員、納屋慎一郎ですと名乗る。ほほう・・・む、熊耳・・・?

やはりマーニーのママのところの調査職員である様子ですな。やっぱり弁護士であったか。

探偵が二社に弁護士事務所まで出てきている不思議な案件。これは狂言が絡んでいるのではないかとマーニー。
ふむ。こうなってしまうと守秘義務を守ってもしかたがないですな。お互いに依頼内容を明かそうという流れとなる。

マーニーが語るのは飲食店経営者が矢田さんとは結婚を前提に交際している。
彼女がストーカーに悩まされているので、その対策で依頼されたというもの。

一方ジェット・エージェントの調査員が語るのは似て非なるもの。
30代の開業医がやはり矢田さんと結婚を前提に付き合っていたが、ストーカーの相談を受けたので内偵を頼まれたというもの。

ハハハ。なるほどね。お互いをストーカーと見たてられたわけだ

ふむ。つまり矢田さんはそれぞれの依頼人をそれぞれストーカーとして扱っていたわけだ。二股がバレないように。
と思いきや、さらに事態は深刻な話となる。
納屋さんの依頼人は矢田育恵の夫。彼から離婚裁判の弁護依頼を受けて矢田の現在の素行調査をしていたのだという。

矢田の国籍は現在日本にはない。カナダに移住し結婚。永住権を取っている。しかし長続きせず逃げるように日本に帰国。
AにはBというストーカーがいると言い、BにはAというストーカーがいると言い。しかしそれ以前に離婚が成立していなかった。
夫は現在多額の慰謝料をかけて訴訟準備。矢田の行動は色々と幼すぎたようですな。

うーむ。なんともはや・・・あちゃーって感じの事件でしたなぁ。
別に複雑でも何でもなく、1人の女性のはた迷惑な行動がなしたバッティングであったというわけか。
まあ、とりあえず同業の人と知り合えたのは面白い経験だったんじゃないですかね。

そしてマーニーは熊耳弁護士の職員である納屋さんにお願いをする。熊耳先生に伝言をお願いしたい、と。
その伝言の内容は冒頭の鈴の音。録音してもらい、それを聞いてもらうように告げる。

それで解るようだったら私のことを教えてあげてください。それじゃあ。

そう言って去っていくマーニー。
偶然から生まれた母との接点。少しはこれで近づけるようになるか・・・今後が気になりますねぇ。



file54「トイレの友」  (2013年 40号)


不良(スティンガー)グループ登場。
果たしてこの勢力は学内4大勢力の一角なのだろうか?

それはともかく、不良グループの一員である財津さんがマーニーの教室に押しかけてくる。
うーむさすがにクラス内も騒然となっておりますなぁ。ヤバイヤバイ。
マーニーもここ最近アクションとかこなしてるしロイドさんから護身術を習ったりはしているが、100%勝てそうにないとのこと。
面と向かった状況じゃあ難しいでしょうね。テグス仕込んだ空間に連れ込むとかしないと厳しい。
いやまあ、別に財津さんと戦う話になるわけではないのですが。

財津さんは探偵としてのマーニーに人探しの依頼をするために呼び出したのであった。
普段の行いが原因とはいえ怖い人はそういう扱いをされて大変ですねぇ。

どこから話しゃあいいかな〜
オレもちょっと暴れてた時期があってさあ。ナマイキな奴とか。エラそうに説教してくる教師とかにも手が出ちゃってな・・・

そんな昔はオレも悪だったなぁみたいな言い方されましても。
その手の話は針小棒大なのが多いが、財津さんは現実に教師を半殺しにして狂犬と恐れられているではありませんか。怖ェよ。
怒らせなくても恐ろしい男という評価がまた恐ろしい。
ただまあ、お爺ちゃんが死んだり精神的にキツかったのが原因でもあるらしい。
ふーむ。なら今は落ち着ているということでいい・・・んですよね?

まあ、ともかく。精神的に厳しかった時期の財津さん。
暴れたりしても急に無性に寂しくなったりして、つい涙が出たりしたらしい。
トイレに籠っていた時にそれを聞かれたのか、隣から大丈夫ですかと話しかけてくる声があった。
良ければ話し相手でもと述べる隣の人物。これも何かの縁だと会話する財津さん。
声が小さくてよく解らなかったが、まあ悪い奴じゃなさそうだったなとのこと。へえ〜。

オレも色々と事情を話してたんだ。相手がだれか知らないのに。
でも、我に返るとはずかしくてなあ。お互い別々に出ようってことになったんだ。
顔も知らず名前も知らず。これっきりの知らないもの同士ってことで・・・

ふむ。なんだかいい話ですね。それで財津さんの心の負担が軽くなったのなら何よりである。
しかしその話し相手との件はその日のことだけだったわけではない。
トイレに行く時間帯が同じだったのか何度か一緒になり、色々と話し合ったそうな。お互い名前も顔も知らないまま・・・

それが一か月前くらいからパタッと現れなくなった。まあ時間帯がズレたのかもしれない。
いないとなると気になってなあ・・・なんかあったんじゃないかとかさあ・・・

なるほどね。それで人探しを依頼したいという話に繋がるわけですか。
まあ、麻薬の取引とか違法な話じゃないし、正式な探偵への依頼でありますわな。
これならばお金の話をしても怒られることはあるまい。たぶん。きっと。

そのナゾの男を探しだせと。日当五千円。経費は込みにしますので。マーニーにおまかせを

経費込みにしちゃってる辺りが微妙に腰の引けているところでありますな。
まあ怖い相手だし仕方ない。後ろ盾がないと探偵業も大変だなぁ。
ん?マーニーなら那智さんとか白鳥さんとか宮島先生とか後ろ盾が普通に存在していそうな気もするが・・・まあいいか。

話の流れにまかせて引き受けてしまったが、結果を出せなかったらどうなってしまうんだろう。
思い悩むマーニーにゆりかちゃんはこう語る。

うわーそれ失敗したらさ、ガバーだよガバー

ガバーでございますか。まあ、それが一体何を意味するかは深く追求しないでおきましょう。ガバー。

とりあえず調査を行うマーニー。
なんせ話題の場所が男子トイレなものだから色々と面倒くさそうでありますな。
ただ体育館近くのトイレを使う人はそんなに多くないらしくカメラを仕掛ければ大体つかめそうだなとのこと。
ト、トイレにカメラを仕込む・・・?いや入口に仕込んで人の出入りを見張るってことなんだろうが・・・言葉が怪しすぎる。

調査を行っている所に話しかけてくるのは宮島先生。
念のために宮島先生に尋ねるマーニー。

マーニー「先生、男子便所に入ったりしませんよね?
宮島先生「またお前はなにを・・・」

男のように強く鍛えあげた宮島先生であるが心は乙女のはずですからね。さすがにそれはなかろうさ。たぶん。

まあともかく宮島先生に依頼についての説明をする。
そういう事情ならばカメラの設置を許可すると言ってくれる宮島先生。有難い。
そして面白い情報も聞ける。どうやら似たような話を前に聞いたことがあるそうな。ほう。

トイレの個室で隣の人と話して心が軽くなったとか、相談を聞いてもらったとか、話題になったことがある。

ふむ・・・確かに似たような話ですな。
しかしその話題が発生したのはマーニーが入学するより昔のことであるという。ほう・・・

学校の掲示板をチェックするがそれらしい話は見当たらない。
一応掲示板にトイレで話を聞いてもらって超スッキリしたという話を書き込み、反応を探ってみる。
それと並行して聞き込み。マーニー入学前となると対象は三年生辺りとなる。
世話焼きの三年生の心当たりといえば・・・白鳥さん。ま、まさか白鳥さんが男子トイレに・・・いやいや。

それにしても久しぶりな気がしますな白鳥さん。
その白鳥さん、トイレの相談者について一応噂に聞いたことはある様子。
便所メシとか話題になってた頃で、そういう人の相談を聞いてたという話もあるそうな。ふむ。

キリスト教関係の人じゃないの?あっちは牧師が信者の告解を聞くって習慣があるから

まあ確かにそれは連想しました。
お互い顔も見えないからこそ話すことができるシステムってのに共通点がありますよね。

宗教関係かー。それはそれで調べるのが手間だにゃあ・・・

悩むマーニー。
掲示板の方にもこれといった情報はない。
しかし宮島先生も白鳥さんも知ってた。ひょっとするともっと昔からあった話なのかもしれない。
それに思い当たったマーニーは在籍の長い紅丸先生に話を伺う。
紅丸先生が言うには、最初は十年位前だったと思うよ、とのこと。ほう、そりゃあ確かに古いわ。

ああ、そうか・・・これって・・・
長く学校にいて・・・たまにトイレで隣から話しかけて・・・カメラの録画を調べると・・・
これ・・・万田副校長・・・万田先生がセラピスト・・・?いやだれか人を探しに来てるみたいな・・・
副校長がワザワザ探しに来る人といえば・・・そういえば今日エライ人が学校に視察に来るって・・・

ここまでのヒントが出揃えば大体わかりますわな。
翌日、財津さんに相手がわかったと報告するマーニー。
そして財津さんに問う。その相談相手に会ってどうするつもりですか?と。

・・・いや。無事ならいいんだよ。ただちょっと心配だったからさ。
なにか問題があったら今度はオレが聞いてやらなくちゃってさ。友達みたいなもんだからな・・・

なるほど。かなり親近感を抱いていたんですね。
ところがその相手が自分よりずっと年上の相手とは思いもよらなかったでしょうな。

財津さん。こちらがアナタの相談相手です

マーニーに呼ばれてやってきたのはこの学校の校長先生。
そう、この恰幅のいい校長こそがトイレで相談を聞いてくれた相手なのだ。

轟校長は昔、神学校に通ってた時期があって牧師を目指していた。
その経験もあり、昔から定期的にやっていたという。トイレ相談室を。

ふーむ。なるほど。ここ最近姿を見せなくなったのは仕事の方が忙しくなったからというのが理由でしたか。

校長の立場にもなるとね。警戒してだれも相談になんかきやしない。
だから素性を隠してね・・・それにこれは私のためでもあるんだ。
人と接し心の内を吐き出し合い、明日に希望が持てるようにね

なるほどねぇ。相談を聞く方もそういう考えを持つことができるわけですか。いい話だ。

何にせよ今回の依頼も無事に完了。さすがに疲れた様子のマーニー。
スティンガーに睨まれでもしたらヤバイですしな。無事に済んでよかったとトイレでほっと一息つくマーニー。
そんなマーニーに隣の個室から話しかけてくる声。おやこれは・・・

おとなりさん悩み事?
相談があるなら乗りますよー。知り合いに探偵がいますんでねー。日給一万でなんでもさせますから・・・

おい、ゆりかちゃん。
なるほど。マーニーの掲示板の書き込みをみていい商売になるかと思ったわけか。
探偵への仲介業か。確かにいい商売になるだろうが・・・中抜き多いな!!
バレても全く悪びれる様子のない辺りがさすがにゆりかちゃんと言ったところでありますやね。ほんと。
しかしなんでもさせますってのはどういう意味の発言なんだ?どこまで許容されるんだ・・・?気になる。



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