蒼天紳士チャンピオン作品別感想

名探偵マーニー
file55 〜 file81


名探偵マーニー感想目次に戻る   作品別INDEXに戻る   週刊少年チャンピオン感想TOPに戻る

 各巻感想

1巻 2巻 3巻  4巻 5巻 6巻  7巻 8巻 9巻  10巻

連載中分


名探偵マーニー 7巻


file55「ナゾの村」  (2013年 41号)


森の中を逃げ惑うマーニーと天ちゃん。
追う男たちは銃を背負っていたりして何か物々しい雰囲気。一体何が起きているのだ!?

一体ここは・・・この村はなんなんだ!?

事の発端は三日前に遡る。
マーニーをツーリングに誘う天ちゃん。
確かにマーニーも自転車にはよく乗っているが、最年少チャンピオンの天ちゃんと並んで走るのは厳しそうだなぁ。
アイアンの友だちでもなければ本気で走れないのではなかろうか。
ふむ?つまりツーリングは方便で何かマーニーに調べて欲しいことがあるとかそういう話ですか。天ちゃんて考え読み易いよねー

まあいいよ。前、私が拉致された時も来てくれたし。マーニーにおまかせを。

軽い気持ちで引き受けるマーニー。これが後の騒動を引き起こす起点とは知る由もなく・・・
というのはさておき、ゆりかちゃんに言わせると天ちゃんは何を考えてるかわからない子ということになるらしい。
ふーむ。マーニーにだけ分かりやすい態度を取っているということだろうか。それはそれで良い話であるが。

土曜日。天ちゃんの誘いによりサイクリングに出かけるマーニー。
ロイドさんにはこう見えてもスポーツマンなんでと言い残す。ハッハッハ。

パパも運動した方がいいよ?お腹とかさ。フヘヘヘヘ

その笑い方が凄く気になる。まあ、ある程度の年となればお腹が出てくるのは自然でありますからなぁ。

さて、ちょっと遠くまで足を伸ばそうと思うという天ちゃんの誘導に従いサイクリング開始。
軽く流すつもりだからという天ちゃんの言葉であったが・・・距離が長ければ軽くても厳しいですわな。

何にしても誰も知っている人はいないんじゃないかと思えるぐらいのところまで来ることはできた。
ここでならば天ちゃんが言いにくそうにしている相談事も聞くことができそうである。
そろそろ理由を話してくれてもいいんじゃない?というマーニーに話し始める天ちゃん。

気になる人がいるの・・・マーニー。三年の立花さん・・・

ああ、フラワーズの立花さんですか。凄いイケメンですよね、あの人。
アイドルになってもおかしくないくらいの美形であるからして、さすがにムリじゃないかなーと返すマーニー。
正直な意見ではあるが微妙につれないというか何というか。
まあ希望を持たせてしまうには少し酷な相手でありますわな。最近フラれたりはしてるけど、まあアレは相手がなぁ。

ゴメンよ天ちゃーん。だから全力ダッシュはやめて。

思わず駆け去る天ちゃんを追いかけるマーニー。
そうしていつしか立入禁止区画へと踏み込むことになってしまった。

どこか見覚えのある村。しかし人の気配はない。
それどころかGPSナビにデータがなくスマホも圏外となっているという謎の村。
休憩所ではスマホも通じていたし、エリア的には問題ないハズ。となると・・・

この村は意図的に地図から消され、電波も届かないよう妨害されてる・・・!?

非常に怪しげな村。建物の中も放置されている割には掃除がされているし、奥には機材らしきものがある。
そうやって捜査を行っていると、村の入り口に黒ぬりのバンが止まっているのを目撃する。
そしてそこから降りてきた男たちにより柵が閉ざされる。閉じこめられた・・・!?
自転車を置いて行けば越えられないことはないが、男達は皆銃を背負ったりしている。なんだろうかねこれは・・・

何者なんだアイツら・・・それにこの村・・・
施設と言った方がいいのか・・・村を模した何らかの施設・・・
なにかのシミュレーション。こんな山奥で・・・人目を忍んで・・・

怪しげな村の様子に警戒心を示す2人。
どうやら監視カメラもあるらしく動き回るのは危ない。森の中に入ることとなった。
しかしどうやら既にその姿は捕捉されていたらしく・・・

家の壁には大量の血のあと。それに森の中にはトラバサミ。
歩いて森の中を抜けようとすれば金網が道を塞ぎ、しかも電流が流れているという。
なんだかだんだんと追い詰められていっている気分になっちゃいますね。
実際追手はかかっていたらしい。照明弾があがり、銃を背負った男たちが迫ってくる。

逃げる2人。追う男達。
逃亡劇は日が落ちるまで続いたがついに捕獲されてしまい・・・
マーニーと天ちゃんはイケメンたちの前にひったてられることとなった。

それで・・・君達が侵入者か・・・困った子猫ちゃん達だなあ

キラキラさせながらそう語るイケメンな方々。
他の面々を見るとカメラなどの撮影機材を用意していたりする。これは・・・TVスタッフか?

あ、ああ。なんか見覚えあると思ったら・・・TVで見たんだ!!
アイドルグループATTACKが色んな事に挑戦する「鉄腕アタック」
この番組の中でやってるコーナー「サバイバル・アタック」
アタックがミッションを受けてサバイバルゲームをクリアするゲーム。
場所は秘密にされてたけど・・・ここがそうだったんだ・・・!!

それで何だか見覚えのある村だったというわけですか。なるほどなぁ。
見返してみるとロイドさんが鉄腕ATTACKの番組見たりしているんですね。
うーむ。怪しい集団と思わせて実は、という流れだとは思っていたけどそういうネタで来るとは・・・
一人微妙に毛色の違うメガネさんがおられますが、あなたがリーダーか?

美形たちに囲まれてポケーっとなるマーニーと天ちゃん。
特に天ちゃんに至っては帰り道も呆けた感じですっかり立花さんのことも忘れてしまっている様子。
うーむ。マーニーが美形に弱いのは前からのことだったが天ちゃんも割にミーハーだったんですね。
まあ、美形が相手であれば仕方のないことではありますやね。うん。



file56「スティンガーNo.3」  (2013年 42号)


マーニーの友人であるゆりかちゃん、波峰ちゃん、前花さんの3人。
多かれ少なかれマーニーに助けられてきた友人たちがマーニーの危機を知る。
どうやら熊のような男にムリヤリ引きずっていかれたとのこと。なんだかヤバそうな雰囲気ですな。相手はスティンガーか・・・
それにしても冒頭のマーニーの絵はヤバイ。なんか色々とヤバイ。

さかのぼって三日前。
久しぶりに生徒会長である白鳥さんからの依頼。内容は不良グループことスティンガーについて。
スティンガーは素行の悪い連中が中心になって集まった集団で、旧クラブハウスを根城にして徒党を組んでいるとのこと。
この間の一件でそのスティンガーの一員である財津さんと知り合ったマーニー。
白鳥さんはその件を聞いたことでマーニーに依頼しようと考え付いた様子。

スティンガーは暴力事件も犯罪行為も多い。しかも最近その動きも活性化しているらしい。
どうやら影に二年の女子がいるらしいとのこと。ふーむ、スティンガーを操る黒幕みたいなのがいるんですかね?
マーニーが調査するのはその辺りの事象でありますか。なかなか大変そうだ。大雑把な依頼だしなぁ。

とりあえず唯一の伝手である財津さんの協力を得ようと考えるマーニー。
教室へと向かい財津さんを呼んでもらおうとするが、どうもケガで休んでいる様子。それは残念。
しかしここで財津さんのことを嗅ぎ回っているということで熊のような大男に絡まれる。
腕を掴まれ、ムリヤリ人気のないところへ連れて行かれるマーニー。そこで大男は名を名乗る。

スティンガーNo.3。姫神志士雄。財津はオレがシメたのさ

ほほう、それは凄い。スティンガーがどのぐらいの勢力なのかは知らないが、堂々とNo.3を名乗れるのは凄そうだ。
財津さんも結構強そうな感じでありましたが、位置付けとしてはどのあたりなんでしょうかねぇ。

用件があるならオレがかわりにと述べる姫神さん。
それに対し、ロッド状のスタンガンを取り出すマーニー。こういうタイプのものもあるのか。
一気に気絶させたりするのではなく、派手に火花を散らせて脅しに使えるタイプに見えますな。
しかもそれに煙球を被せることで煙幕とすることもできるという。段々と逃走が上手くなってきましたなマーニー。

あまり三年には目をつけられたくないのに恨まれてしまったかもしれない。不安になるマーニー。
気を取り直して財津さんとメールで連絡を取る。お見舞いでも行った方がいいかなと。
そう思ってメールを交わしたのだが、なんだか話が噛みあわない。
姫神さんとやりあったと聞いたのだが財津さんがいうには大したケガじゃないという。
しかもアイツとは仲がいいからそんなことねえよとのこと。ん?

二人は仲が良く、ケンカするような間柄ではない。では何故姫神さんはあんなことを言ったのか。
それに大したことはないとのことだが財津さんがケガで休んでいるのは確かである。ふむ・・・

ガリガリと思考世界に入りながら歩くマーニー。
そんなもんだからガラの悪い連中とぶつかることになってしまう。
さすがに歩きながら思考世界に入るのはやめておいた方がいいですな。相手が車だったらそれこそシャレにならない。
まあ、今も結構ヤバイ状態でありますけどね。複数の男に囲まれてどこかへ連れて行かれようとしている。

しかしそこに現れたのは熊のような大男。姫神さんでございます。
男3人を1人で苦も無く叩きのめしてしまう姫神さん。うーむ、強い。
今のうちに逃げるべきかとも思うが姫神さんはマーニーに用があるみたいだ。おやおや。

警察が来る前に場所を変える2人。
姫神さんは助けてやったのだから頼みを聞けと申し出てくる。確かにこれは断りづらい状態でありますな。

わかりました。秘密は絶対に守ります。マーニーにおまかせを。

そんなやりとりがあった翌日。
なんだかマーニーは全身アザだらけになっている。な、何があったんだ・・・?

さらに翌日。ケガだらけの財津さんが登校。
どうやら姫神さんの依頼の内容も知っている様子の財津さん。マーニーとお話。
話しかけようとした波峰ちゃんが会話を漏れ聞くが専門用語が多くて何だかわからない。ふむ・・・?

そして冒頭の出来事に繋がる。
姫神さんに押されながらどこかへと向かうマーニー。
なるほど。前花さんが見たのはこの光景だったわけですな。そりゃあビビルわ。

何とかしてマーニーを救おうと考える3人。
偶然財津さんを見かけ、あの人についていけば何か分かるかもしれないと考える。
コソコソと後をつけた結果、財津さんが足を運んだのは用具倉庫。不良との取り合わせはよさそうな場所だ。
そしてその用具倉庫の中から声が聞こえてくる。マーニーの声だ!!

――ん。もっと。腰が――もうちょっと。いや!

何だろうか。いかがわしいのか!?シチュエーション的にはバッチリいかがわしい。
こりゃあゆりかちゃんも先生を呼んで来ようとするってものである。
しかし行動派の波峰ちゃんはそれも待たずにいきなり扉を開き、飛び込んでいく。そこで3人が見たものは――

クイック。クイックターン。クイック。
はいショルダーロール。からのリフト。フィニッシュ!!

財津さんの手拍子に合わせて踊る男女。そこにあったのは姫神さんとマーニーがダンスをしている光景でありました

ははぁ。社交ダンスでございましたか。
なんでも姫神さんの社交ダンスのパートナーがケガをしてしまい、その代役で練習の相手をしていたとのこと。
元々は財津さんが代役をやっていたのだが姫神さんは荒っぽくケガが絶えなかったようだ。なるほどねー。
しかし高校生が社交ダンスとは・・・確かに上品な趣味だが・・・名前には合っているが・・・不良なのになぁ。

お前等このことバラしたらどうなるかわかってるな。

脅しをかける財津さん。
でも人の口には戸が立てられないからなぁ。いつか噂になるんでしょうね。ゆりかちゃんがいるのが致命的だ。
きっと財津さんと姫神さんのペアが代役ではなく固定であるかのように語られることとなるのでしょう。
その手の趣味の人にはたまらんか!?

ともかくマーニーもずいぶん上達したし、一度ホールに行ってみるか?と姫神さん。
ダンスホールには女王と呼ばれる人がおり、皆一度は彼女と踊ってみたいと思い通っているそうな。
ははぁ。そうですか。さすがは白鳥さんでございますなぁ・・・

まさか廻り廻って依頼主と顔を合わせることとなるとは。
まあ、今回の件でより深くスティンガーのことを知ることができたって話でありますやね。
財津さんにしろ姫神さんにしろ、不良なのに気のいい奴らである。強いからこそそういう面もあるってことなのだろうか?
それとも実はこの学校の不良は大半がそんな感じなのか?
根城がクラブハウスってことはつまりそこでは毎日のようにダンスが・・・そんなバカな!!

白鳥さんの依頼である影の二年の女子は今回出てきませんでしたな。
何となくこの女子はやり手な予感がある。しかしメカニック絡みな気がしないでもないのが不安である。
あまり学校の面子には絡んでほしくないところであるが・・・どうなりますか。



file57「カメレオン」  (2013年 43号)


嫌がる人に執拗に付きまとうスキンヘッドの男。
仕事のためだと言われてもこんな人にずっと付きまとわられては迷惑この上ないですわな。そりゃ思わず殴ってしまいますよ。
しかしそのパンチもまたスキンヘッドの男にしてみれば相手を知る重要な情報の一つでしかなかった様子。

もっと見せてくれ!アナタのすべてを。心の底まで・・・!!

なんか色々と危険な感じの人ですなぁ。
しかしどうやらこのスキンヘッドの人、役者さんであるらしい。
ロイドさんが見ている復讐もののドラマ「牙を折る」の準主演として活躍しているそうな。ほほう。

男臭い感じのドラマをパパァと並んで鑑賞するマーニー。相変わらず仲の良いことで。
そのマーニーの眼からしてもスキンヘッドの男の演技は本物にしか見えないぐらいに凄いとのこと。
男の名は連城三枝生。アダ名がカメレオン
彼はまるで憑依されてるかのうようになりきってしまうタイプの役者であるそうな。ほう、それでカメレオンでありますか。

さて、そんな会話をした後日。
ロイドさんが受けた依頼は夫が行方不明となったという夫人からの捜索依頼。
その捜査対象こそ連城三枝生。何でも一週間前から帰ってきていないとのことである。ほほう、それはまた・・・

それにしてもロイドさんがテレビを見ていると事件に関係する人がよく映っている気がする。
まあ毎回被害者が映るわけでもないし、何かに使えるって話もないだろうが・・・

連城さんの奥さんから詳しい話を聞くロイドさん。
一月前、新作映画の準主演のオファーがあり、やる気になっていた連城さん。
その役作りに入り、だんだん家族を遠ざけるようになる。
そして一週間前、取材に行くと言って外出したきり帰ってこないのだという。ふーむ。
ちなみに奥さんはどういう役だったかは伺っていないそうな。なんでも難しい役だと家族に止められてしまうからだそうな。ほう?

主人は以前、病人の役をやるために自分に病原菌を注射して入院したことがあるんです。その時は本当に死にかけて・・・

なんと・・・そこまでするのか!!
そりゃあ憑依されたかのように役割を演じることができますわなぁ・・・
取材と言って旅行に行く人はいそうだが、この人の場合は本当に徹底的なまでに取材を行ってきそうで怖い。
ああ、冒頭で誰かに迫っていたのもその取材の一環だったのか・・・やっぱり怖いよぉ。

ヘタなことがあれば連城さんの命にかかわる。急いで調査を開始するロイドさん。マーニーもお手伝いを開始する。
まずはどういう映画かを調べようとするが、新作映画は思ったよりも大量に作られている。こりゃあ大変だにゃあ。
というわけで蛇の道は蛇。芸能界の繋がりというわけで塁さんに質問をしてみる。
塁さん夜中も食事による接待ですか?大変ですねぇ。
それはさておき、連城三枝生の新作は今やってるドラマ「牙を折る」の劇場版じゃないかとのこと。ほほう。

その情報を聞き、「牙を折る」のホームページから物語の概要を調べるマーニー。
二人の主役・・・刑事と弁護士で、二人とも妻を殺されて・・・協力と反発を重ねながらお互いが敵を探し出し復讐することを誓う。
ふーむ。復讐ものねぇ。役に浸りきって本当にやってしまうなんてことがないといいが・・・

その後、塁さんについて行き撮影所の人から話を伺うマーニー。
女子高生相手だとやっぱり話す方の口も軽くなったりするんでしょうかね。今回も有力な話を聞くことが出来る。

以前ドラマ制作の途中で監督の交代があったんだよ。制作側と監督がぶつかって降板させられた。体のいいクビだよな。

ふむ。そりゃあ色々と怨恨が生まれそうな話ですな。
その監督の名前は丸山次雄。ベテランだがあまりパッとした作品はない人らしい。
ただ役者を見極めるのはうまい男であり、連城さんことカメレオンを連れてきたのもこの監督であるとのこと。
今でこそ連城さんは実力からどの政策会社も使いたがるが、その連城さんを見出したのは丸山監督の功績といえる。
ふーむ。連城さんにとっては恩義のある相手といえるのかもしれませんなぁ。

連城さんのことを詳しく調べてみるとカメレオンの異名は伊達じゃないことが分かる。
体重増減や容貌の変化。奇行は山程あるという
スキンヘッドなのも役割に合わせて髪型をすぐに変化するためなんですかねぇ。
役に合わせて太ったり痩せたり、果ては歯を抜いたりする役者もいるというが・・・連城さんもそういう人だったわけか。

5歳の子を亡くしてからその傾向はより加速する。
ドキュメント系などで、本人につきまとい相手を怒らせたりもしている。冒頭はその出来事だったんですな。
演技以外のことは大人しく、虫も殺せないような性格なのに・・・

連城さんのことを調べた結果、これから起こりうることについて想像を巡らすマーニー。
そしてある晩。覆面を被った男がナイフを片手に女性をつけ狙っている。
この覆面男はやはり連城さんでありましょうな・・・
今にも襲い掛からんとする覆面男。しかし張り巡らしたテグスに引っかかり、転倒する。相変わらずのマーニーのテグス芸だ!!

連城さんはすっかり復讐鬼のような目付きとなっている。
奥さんが心配しています。家に帰りましょうと説いても、オレの妻と子は殺されたんだと返してくる。
ふむ。すっかり役になりきってますな。それで仇として設定されているあの女性を狙おうとしたわけですが・・・

あの女の人がだれだかわかってるんですか?
アナタの出演しているTVドラマ、「牙を折る」のプロデューサーですよ。
「カリガリ博士」という映画があります。
ストーリーはカリガリ博士が薬を使ってある男の自我を失わせて、自分の思い通りの犯罪を行わせるというものですが・・・
アナタはまるでその男のようで・・・
役者として優秀で・・・優秀すぎたせいで、そこを丸山に利用されたんです。

丸山次雄は「牙を折る」の元監督だったが丸山が監督をしている間はドラマの視聴率も悪かった。
そこでプロデューサー直々の解雇。その後「牙を折る」は大ヒットを記録することとなったそうな。
丸山は自分の力だと叫んだが、だれも聞く耳はもたなかったという。
そして丸山はドラマの映画化の話を聞き、脚本を作り始めた。また「牙を折る」に関われると信じて・・・
しかしその内容はヒドイもので、あえなくボツとなったらしい。怒り狂った丸山が考えた復讐はカリガリ博士のそれと同じであった。

アナタという優秀な役者を使った遠隔犯罪。
方法は簡単で、丸山は正式に通ってもいない自分の劇場版脚本をアナタに信じ込ませ、アナタは彼を信用し役作りに入る。
その内容は妻と子を殺した犯人を見つけ復讐するという内容で・・・
その犯人は番組のプロデューサーにそっくりで・・・
丸山も殺人にまで至るとは考えてなかったと思います。とにかく番組が壊れてメチャクチャになればいいと・・・そう思ったんでしょうね。

真実を聞かされ、苦悩に頭を抱える連城さん。
慌てて救急車を呼ぶマーニーでありました。そしてそのまま連城さんは入院という形に・・・

役になりきることで現実までねじ曲げてしまう才能。連城さんもまた一種の天才と呼べる人なのかもしれない。
しかしその才能によって自身の世界が壊れそうになっている。皮肉な話だ。
こうなるとあまりシリアスな役はやらない方がいいのかもしれませんなぁ・・・

というわけで連城さんが受け持つこととなった今後の仕事は子供番組のお兄さん役。おやおや。
ドラマで活躍しネームバリューもあるし、子供たちにも好かれている。向いた人材であるようですな。
そしてその仕事の仲介に当たったのが如月アリアさん。何と・・・

マーニーは連城さんは報われるべき人であると述べている。
しかしよりにもよってアリアさんと関わらせてしまうとは・・・知らぬこととはいえ、面倒なことになりそうな予感。
というかアリアさんが制作に参加している子供番組って・・・メカニックの青田買いの場じゃあるまいな・・・!!
なんだか連城さんの今後が心配になる終わり方となってしまいました。うーむ。



file58「バスジャック」  (2013年 44号)


いきなりの幼稚園バスジャック。悪の秘密組織じゃあるまいし、なんでこんなことをするのか。
ひょっとしてこれからダムに毒でも撒きに行くとかいう流れなのだろうか。謎の男の目的は一体・・・
もしかして子供たちに歌わせているこの歌に何かヒントでもあるのだろうか。
ボートの中には友達が三人。友達のポッケにビスケットが三枚・・・ビスケットが足りないことから争いが起きるとかそういう!?

というのはさておき。
既にバスジャックした男の正体は割れている。
犯人の名前は木戸勇一。元大人気の子役だったが成長とともに人気を落とし、現在無職。せ、切ない。
子役時代如月アリアと仲が良く、そのツテを頼りなんとか芸能界に復帰しようとするが相手にされない。
マーニーとアリアさんが会っていた時に突然乱入。アリアさんを拉致して逃亡したという。
なるほどねぇ。幼稚園バスにアリアさんが居合わせたのではなく、アリアさんをさらうのに幼稚園バスをジャックした流れか。

木戸は銃を所持しており、幼稚園児を人質に取りながら厚乃木方面へと逃走中。
幼稚園バスをジャックした際に子供に歌わせたりするのは泣きわめかれるとうるさくて仕方ないからとかなんですかね?

毛利刑事の車でバスを追っているマーニー。しかし運悪く渋滞に捕まってしまう。
どうやら高速道路は現在トラックの横転事故があって各所で混乱が発生しているとのこと。
交通隊のヘリと白バイを駆りだしているのだが・・・どうやら見失った様子。おやおや、こりゃあ大失態だ。

十五人の子供と如月アリアを乗せたバスを見失ってしまった。
どちらに向かったかは分かるものの、そこから先の手がかりは全くないという状況。
ならばと必死に思考世界へと突入し、手がかりを探すマーニー。
木戸のこれまでの人生を調べ、物事をどう捉え、どう感じるかを知ろうとする。お、プロファイリングですな。

自伝が出てる!課金して即読みを・・・

こういったネットを駆使した調査は現代の探偵ものっぽいですなぁ。かっこいい。

木戸さんはほぼ自殺も同然のヤケクソ状態なんですよ。そんな人間が向かうとすれば・・・今までの人生の中にヒントが・・・

そのように考えるマーニー。
確かに木戸もそこまで大きな考えがあって行動をしているわけではないみたいですしね。
アリアさんに言われて行き先をハッキリとさせる。
向かうのはかつて子役時代にアリアさんと一緒に一日中遊んだ遊園地。

今思えばあの時が人生で一番幸せな時だった。あそこに行こう。帰るんだ。あの日に

そのような感傷めいた言葉を述べながら、遊園地へと向かう。
時刻は午後六時。そろそろ日が落ちようかという時間である。
遊園地の中を進むアリアさんと木戸、そして子供たち。その途中、アリアさんは木戸に警告を発する。

もうヤメた方がいいわ。木戸君・・・私、ある人に助けを求めちゃったから・・・
アナタにスマホを取り上げられる前にエマージェンシーコールを押した。彼はもう近くまで来ている・・・
彼が来たらアナタはタダではすまない。殺されるよりヒドイことになる・・・

もちろんその彼とはメカニックのこと。
アリアさんとメカニックの関係のことは当然木戸は知る由もない。
ただの脅しと捕えてしまうのが当たり前のところであるが・・・アリアさんの態度を見るとそう断言していいか迷いそうですなぁ。

ともかく暗くなってきたので電源室を探して来ようとする木戸。
バスのカギは自分が持っているし、町までは十キロ以上ある。
走ってもすぐに追いつくだろうということで、アリアさんを置いて単独で行動を開始。
しかしそこで何故かいきなり目前のメリーゴーランドの明りがつく。そこに居たのは・・・マーニー!!

コンバンワ。木戸勇一さん。ここはもう警察が包囲していますよ。子供達も今頃保護されているでしょう。

そのように告げるマーニー。しかしこれはハッタリ。
実はこの場に駆けつけたのは毛利刑事とマーニーの2人だけ。
プロファイリングで行き先を推測し、丁度着いたばかり。
電源を入れに来たところで木戸と鉢合わせになりそうだったので急いでココの電源だけ入れてごまかしたというわけだ。

ハッタリを効かせ、今ならまだ間に合う。いくらでもやり直せますと説得を開始するマーニー。
しかしどうやら遅かったようである。着けたはずの電気が消え、この場にあの男がやってくる。

やあ。マーニー。奇遇じゃないか。
どうやら目的は同じようだ。どうだ?その男を引き渡さないか・・・?悪いようにはしないよ・・・

宿敵であるメカニックがまさかこの場に現れるだなんて!!
読者としてはアリアさんが出てきた時から予感はしていたが、繋がりを知らないマーニーとしてはまさに青天の霹靂。
準備が全く足りない状況で出会ってしまったのは残念でありますなぁ。
向こうは暗視スコープを装備しているがこちらは全く向こうの姿が見えずにいる。
そんな圧倒的不利な状況で木戸の身柄について交渉を持ちかけられるマーニー。

あの男は自業自得だ・・・行動の責任は自分がとるべきだ。そうだろ?
選択してもらおうか・・・マーニー。君が大人しくしていれば君を腰ヌケの偽善者だと軽蔑するが、君には何もしない
君が彼を助けようとするなら、君を尊敬をもって敵だとみなす
さあ、どうする。君はどちらを選ぶんだい?マーニー・・・

これはまた挑発的な選択肢でございますなぁ。むしろ敵対しろと言っているようにしか聞こえないぞ。
そんな見え見えの挑発に乗っていいものかどうか・・・
マーニーもここは少し答えを引き延ばそうと考えるが、それに付き合うメカニックでもないか。
どうやら仲間を引き連れているらしく、大勢で木戸を襲うメカニック。
これに気付いてしまった以上、マーニーも意を決して行動するしかありますまい。

ヤメロメカニック!木戸さんに手を出すな!!

そう叫び、閃光弾のピンを外して叩き付けるマーニー
暗視スコープを使っている相手にこれは厳しい!!
と思いきや、閃光が発せられる前に暗視スコープを外していたメカニック。行動を読んでいたというのか・・・?

そうだ。それでいいんだ。さすがマーニー。

嬉しそうに呟くメカニック。楽しそうだなぁ、おい。
そこでようやく駆けつけてくる後続のパトカー。
木戸を追い詰めるのは諦め、去っていくメカニックでありました。

また会いに来るよ。それじゃあね。マーニー。

メカニックとしてみればアリアさんが無事ならば取りあえずの目的は達成しているし、木戸への制裁はついででしかないわけだ。
まあ、この短い時間のうちにヒドイ目には合っていたようですけど、それぐらいで済んで良かったということで。

マーニーが使用した閃光弾は痴漢対策グッズであったという。
ふーむ、スタンガンだけではなく色々と用意するようになっているんですなぁ。
最近の女子高生は過激な装備を持っていて怖いわぁ。

毛利刑事は報告書を書く必要があるので起きたことを全部話してくれという。
しかしマーニーはメカニックのことは伏せる。何故かそんな気がしている様子。うーむ、何だかずいぶん疲弊してますな。

帰ろう家に。こんなところにいちゃいけない。
帰って借りてきたDVD見なくちゃ・・・そして明日学校に行って皆と遊ぶんだ

疲れた体と心を癒すために日常へと回帰しようとするマーニー。
いいことではありますが、何だか今後その日常が破壊されたりするんじゃないかと不安になる締め方でありますなぁ。

何故メカニックはこの場に現れたのか。
疲弊したマーニーはそのことについて考える余裕はない。
しかし落ち着いたら考えるようになるのではないだろうか。
そしてそうなれば、アリアさんとメカニックの繋がりについても気付くのではなかろうか・・・
そうなった場合どうなるのか。一気にメカニックとの距離を縮めることとなるのか。うーむ、気になる所でありますな。



file59「宇宙へ」  (2013年 45号)


冒頭にて少女のひき逃げ事件発生。
なんだか前も似たような感じに冒頭でひき逃げがあった気がしますな。
そのことはさておき、偶然事件現場の側にいたのはマーニーの同級生3人組。
急いで救急車を呼ぶこととする。

入院した少女。命に別状はないようだが、どうやら足の方が危ない様子。
神経を傷つけられており、動かなくなる可能性もあるようだ。年齢からして快方に向かう可能性もないわけではないようだが・・・
何にしても気の重い話でありますな。こんな幼い少女が辛い目に合うってのはねぇ。

病院にまで付き添った3人組。なんとかしてやりたいという想いは強い。
それでマーニーにひき逃げ犯の捜索について依頼する流れとなりました。
お金は払うというが、善意からの依頼であるし、それはさすがに受け取れないと語るマーニー。ボランティアボランティア。

ひき逃げ犯を探すにしても、3人は誰も車を目撃したというわけではない。
現場の状況と少女の証言から突破口を見つけ出すしかないようだ。さてはてどうなりますか。

放課後、さっそく3人と共に事故現場へ向かうマーニー。
当然警察がやってきており、現場の検証を行っている。
今朝救急車を呼んだものということで、軽く調査状況を教えてくれる警察の人。
まあ、調査が余り進んでいないからこそ逆に現状を聴けたのかもしれませんがね。
この場所は人通りが少なく、監視カメラもない。近所に目撃者でもいればいいが・・・と難しそうな口ぶりだ。ふーむ。

お見舞いに行こうかと話し合う3人に、それならばこれを返しておいてくれないかと言い出す警察の人。
どうやら事故が起きた際に少女の持ち物が植木の中に飛び込んいたらしい。ふむ、スタンプラリー帳ねぇ。
被害にあった少女の名前がスタンプラリー帳に記載されている。神戸雪奈ちゃんであります。ふむ。

病院にお見舞いへと行く3人とマーニー。
スタンプラリー帳を雪奈ちゃんに返そうとするが、雪奈ちゃんはもういいのとの返事。
うーむ、足が動かなくなったショックを引きずっていそうな感じでありますな・・・

病室には両親の姿はない。
どうも話を聞くところによると、現在両親は離婚協議中。
母方祖母の家に引き取られているが、そこでもあまり大事にされているわけではないらしい。酷い話だ。

スタンプラリーねえ。こういうのって本当は親と一緒にやったりするもんだよな

そう口にしながらスタンプラリー帳をめくる。
すると、目に入ったのはこの一文。
「スタンプを全部集めた方は〇〇〇〇までお送りください。抽選で種子島ロケットセンターへ御招待
ほう。単に集めて回るだけではなく、そういう応募特典もありましたのか。
そういえば雪奈ちゃんの病室には宇宙関係の本がいっぱい並んでいた。
スタンプラリーもこの特典が目的だったのかもしれないわけでありますな。

そのことを聞いた3人組。ならば自分たちがと思い至り、スタンプラリーをするために走り出す。タタタタ。
引き逃げ事件についてはマーニーに一任し、自分たちは出来ることをやろうという話のようだ。いいことですなぁ。

スタンプポイントは街の各所にある。
本来は時間をかけて行うものでありましょうから、一気にやろうとするとなかなかの重労働。
ところで、この応募が当たるかどうかは抽選の結果ということになる。
ならば多く送った方が当たる可能性は高い。そう考え、スタンプ帳をもっと買って来ようと考える3人。
しかしさすがに抽選の件もあるためスタンプ帳は一人一冊しか買えない様子。むう、なんてまっとうな企画だ!!
だがそんな企画にも抜け道はある。人手が多ければそれだけスタンプ帳も手元に集まるという話である。
というわけで、通りすがりの少年少女にお金を与え、スタンプ帳を買ってもらうこととしました。もはや意地でありますな。

さて、マーニーは現場検証。
目撃者もいないか独自に調査しているが、そんな人がいれば警察に申し出ているでしょうしなぁ。
それよりもひき逃げしたであろう車の動きで思いついたことがある様子。
さりげなく現場へと向かい、捜査中の警察の人から捜査状況を聞き出す。なかなかギリギリの行動だな。

塗料片が見つかったが車種の特定は難しいとのこと。
逆に言うと、車が特定できればそれがぶつけた証拠になるということでもある。

ここから50メートルほど北に、商店街があるんですよ。
18時40分頃、夕食の買い物で商店街は混みあう。駅方面から来た車は抜け道を使おうとします。
商店街は防犯の目的で監視カメラがあります。時間と曲がってこの道に入った車種を当たれば・・・
ついでに、抜け道を出たところに大きめのスーツ量販店が・・・
そこも多分カメラがありますので、運が良ければ事故直後の車輛が・・・

ふむ。さすがに監視カメラの扱いに長けたマーニーでありますな。
民間人の意見ではありますが、この有用性は警察の人たちも無死はできない。
急ぎ、監視カメラに情報がないか確認を行うこととなりました。よい誘導術でございますなぁ。

そして一週間後。
抜け道にやってくる何かにぶつけたような跡のある車。
警察は検問を張り、その車を停止させる。運転手はこの道を久しぶりに通ったと言っているが・・・

正確には八日ぶりですよね。前川真治さん。
もうほとぼりが冷めたと思ったんでしょうが、ひき逃げ事件の日、あなたの車の映像と塗料片が見つかっています。
お話を聞かせてもらいましょうか。

という感じで、あえなくひき逃げ犯は御用となった様子であります。
警察の人の話によれば、どうやら慰謝料も出るようですし、事件については一応の解決を見たと言ってもいいでしょう。
しかしどうやら3人組のスタンプラリーの方は抽選に落ちた様子。あらあら。まあこればかりは運ですわな。
なんとなくこういう人海戦術を取ると、むしろ抽選側で撥ねられたりするんじゃないかとも思うが・・・どうなのかね。

事件は解決。しかし雪奈ちゃんを喜ばせる企画はハズレ。これはなんだか悔しい。
というわけで、抽選とは別の方向で喜ばせる企画を考える3人組。
まずは雪奈ちゃんの病室へスペースシャトル風の車椅子を持っていく。こりゃ面白い。しかし本番はここからだ。

雪奈ちゃんに目をつぶってもらい、スペースシャトルは発射する。
車椅子を押し、向かうは準備を済ませたある部屋。
大気圏を脱出したぞと告げ、目を開けさせた。そこにあるのは・・・満天の星

どうやら病院に頼み込んでこの部屋を作ったらしい3人。
NASAの宇宙写真をダウンロードして蛍光ペンで塗ったりと努力したそうな。ほほう。
彗星の軌道も手作業であるし、安上がりだが、その分努力のあとが見えて微笑ましいですなぁ。

まあ、あの顔が見れたから、苦労したかいはあったってもんだよな

よい笑顔でありますなぁ、雪奈ちゃん。ええ話や。
しかし雪奈ちゃんの境遇やこれからのことを考えると多少気が重くならないこともない。
なんとか足が快方に向かってくれるとよいのだが・・・両親の仲直りは難しいかねぇ・・・
何となく宇宙への興味というのが現実からの逃避のように思えてしまい、悲しくはなる。
いや、でも今見せている笑顔はそういうものとも違うと思えるし、純粋に宇宙が好きなのかもしれませんなぁ。
そう思いたいところです。



file60「女の敵」  (2013年 46号)


夜道を独りで歩く女性が襲われ、茂みの暗がりへと押しやられる。
被害者の名前は吉波志摩さん24歳。スタンガンで気絶させられ、暴行および金品を強奪されることとなったそうな。
うーむ、これは許しがたい事件でありますなぁ。
マーニーの学校も緊急の朝礼で生徒たちを集めて校長先生から注意喚起をされております。
女生徒は特に気をつけて、下校時は一人にならないようお互い声をかけあってくださいとのことだ。

どうやらこの婦女暴行は一週間ほど連続で続いている様子。
犯人の手口が上手く、警備を増やしているにもかかわらず犯行が続いているのだとか。うーむ、怖い怖い。

この女の敵を何とかしてほしい。ゆりかちゃんならずとも思うことでありましょうな。
正義の味方じゃないんだからムチャ言うなとマーニーは言っているが・・・
でも、気になったら解決に向けて動いちゃうんでしょ?そういう子だ。

そんなマーニーが気になったのは街で見かけた女装の男。
女装しているのはいいが・・・ん?いいのか?いやまあ、よしとしよう。
それよりも何か気にはなる様子。変質者かと思ったが、そういう気になり方とはどうやら違う。
同じところを行ったり来たりしており、定期的に誰かと連絡をとっている。身のこなし方から運動神経の高さがうかがえる。
これらの情報から、どうやら警察のオトリ捜査であると判断するマーニー。
毛利刑事の潜伏している車まで当ててしまうし、警察も立つ瀬がありませんなぁ。

とはいえ、このオトリ捜査はいろいろと無理があるのではなかろうか。
そりゃ確かに襲われる可能性の高いこの案件に志願する女性職員はほぼいないでしょうね。
ドラマであればもっと凄い女装を行える男子職員がいたりするのでしょうが・・・上手くいかないものだ!!

一連の女性暴行事件だが、発表してないものも含めて同一犯による犯行の可能性が高い。なんとかしないと警察の沽券がかかわる。
君がやるなんて言うなよ?ロイドさんに殺される

まあ、そこは危惧しますわな。
ロイドさんの件についてもそうだが、警察が民間人にオトリ捜査を頼んで事故があったりしたら沽券どころの話じゃなくなりますわな。

さすがにまだそこまでする気は無いマーニー。
探偵でありますし、確信を持つまでは時間を浪費しそうなオトリ捜査はしたくないところでしょうな。
なのでまずは被害者の詳細なデータの洗い出しを行うマーニー。
ロイドさんは娘が女性暴行事件という危ない案件を調べているとは気付かずに飲みに向かう。イソイソ♪可愛い擬音たておって。

調査を行っているうちに朝となってしまう。チュンチュン。
非常に眠そうな顔になっているが、どうやら情報は纏まった様子のマーニー。

被害者は全員金品を奪われて暴行されたようなあとがある。
しかし衣服を脱がされてはいるが体液などは検出されなかったとのこと。ふむ?
財布を取られてはいるが、カードなどは使われることもなく、近くに捨てられていたこともあるそうな。
こうなると体目的というわけでも金品強奪が狙いというわけでもなさそうな感じですな。
むしろ気絶させること事態が目的なのではなかろうか。だとしたらそれに一体何の意味が・・・

考えているうちに次の被害者が発生する。
いや、正確には被害者ではない。襲われそうになったがどうにか回避した様子。
その襲われた女性というのが、なんと波峰ちゃん。
襲われて危ないところであったが巻野お兄ちゃんが出てきて助けてくれたそうな。ほう。
そのお兄ちゃんって既に亡くなっており、波峰ちゃんが彼になりきって自身を救うとかいうアレですよね。
さすがに一人美人局みたいなことはやらなくなったようだが、巻野お兄ちゃんのことはまだ引きずっていたのか。波峰ちゃん・・・

それはさておき、波峰ちゃんは襲われた際、新しく買った私服に着替えていたらしい。
その私服の画像を送ってもらうマーニー。ふむ、何か関係があるのですかな・・・?
どうやらその画像を見たことで推理は固まった様子でありますが。

推理が纏まったのならば次は実際に行動に移るターン。
毛利刑事に頼んで自身がオトリ捜査をやると申し出る。
当然それはやらせられないと渋る毛利刑事。でも放っといたら警察が見てない間に独自でやりそうですからねぇ。
そうされるぐらいならば警察と連携してオトリ捜査をやる方がまだ安心できるってものである。

私も友達が襲われてひけないもので。どうか、マーニーにおまかせを

結局折れることとなった毛利刑事。大変ですねぇ。
それにしても色々と捜査に介入しまくっているマーニーだが警察内の評価は上々の様子ですな。
まあそれも無理はありますまい。頭が回り度胸があり可愛い。そりゃあ評価も高くなるに決まっている。
将来警察に来てくれれば助かること間違いなしでありますな。毛利刑事も早い内から啓蒙しておかないと。

さて、マーニーは途中の自販機で炭酸水を購入。
これはどうやらスタンガン対策だったようですな。
後ろから襲いかかる仮面の暴行犯に対し、炭酸水を浴びせかける。
メントスを入れて一気に噴出させることでノーモーションで浴びせることができるという小技。なかなか面白い。

スタンガンは強力だが、使ってくると分かっているのなら対処のしようもあるって話ですやね。
感電し、自爆することとなった暴行犯。仮面を取ってみると、中から出てきたのは・・・女!!
ふうむ。体液が発見されなかったということだし、犯人が女である可能性は確かに考えられましたな。

そもそも、今回の事件の被害者はある共通点があった様子。
それは服装。事件当時、被害者のコーディネイトだと下はスカートになり、しかもみんな同じスカートをはいていたという
波峰ちゃんが言うにはそのスカートはあるブランドのセールで買ったものだそうな。
そのスカートは十本限定でセールに出されたものであり、犯人はそのスカートの購入者に狙いを付けていた様子。ふーむ。
もちろんさすがにスカートそのものが目的というわけではない。

このスカートですが・・・隠しポケットがあるんですよ。ホラ、Gパンなんかに付いてる、何も入らないような小さいポケット。
そのセールの前日、同じビルの中で騒動があったんですよ。大量の顧客データが抜き取られて持ち出される事件があった。
そのため関係者は全員厳重な検査を受けることに・・・データを入れたメモリーカードが見つかるのは時間の問題。
焦った彼女は同じ階でセールの準備をしているところを見かける。彼女は興味あるフリをして近づき、コッソリと隠しポケットに・・・
セールの日、彼女はそのスカートの中のものを回収にし来ましたが、すでに売れてしまっていた。
だから彼女は慌てたんですよ。データが洗濯されて消えてしまう前に、なんとか取りもどそうと。

なるほどねぇ。それで短い期間に事件が連発していたわけでありますか。
しかし何とも傍迷惑な・・・襲われる方も心当たりがないに決まってるでしょうし、散々な事件でしたな。
それにしても洗濯での破壊よりスタンガンでのデータ破壊の方を気にした方が良かったのではあるまいか・・・
まあ、襲う時はちゃんと上半身に押し付けているみたいだし、大丈夫・・・なのかな?その辺りはよく分かりませんな。



file61「天へのプレゼント」  (2013年 47号)


世界でも数少ない貴重なお宝を追い求めて天ちゃんの伯父さんの暗号を解き明かそうとするマーニー。
事の発端は数日前に遡る。

え?天ちゃんお誕生日だったの?言ってくれればいいのに・・・オメデトウ〜〜〜

めでたい誕生日。なんだったらパーティーでもして招いてくれれば良かったですのにねぇ。
さすがにマーニーはそんなことは言わないか。
まあ、天ちゃんは例の大伯父の件もあるし、祝い事に関しては複雑な様子でありますかな。
行方不明にはなっているが、本当に捕まってしまったのかどうか・・・

それはさておき、天ちゃんが浮かない様子なのにはまた別の理由が存在する。
ドイツにいる伯父から連絡があり、ドイツ語の手紙が届いたそうな。
ふむ、さすがに親戚にドイツ人がいるといっても天ちゃんもドイツ語は読めないのか。
ん?いや、機械翻訳にかけてもうまく翻訳できなかったと?
ふーむ、確かにドイツ語は欧州キーボードとかないと打ち込めない文字とかありますからねぇ。厄介だ。

伯父さんも大伯父に似て風来坊気質でありこちらからは連絡が取れないという。
人を驚かすのが好きなイタズラ者でソフト開発とかが仕事だそうな。ふむ。

というわけで、天ちゃんからの依頼。
数少ない親戚である伯父さんの手紙の解読が今回の内容となるわけですな。マーニーにおまかせを。

自信はないものの、とりあえず受けたからにはやらねばと考えるマーニー。
推理とかはともかく、こういうのはまず学がないと手がつけられなくて困りますよね。
いや、自分に学が足りないのならば、足りている人の力を借りればいいじゃあないか。

というわけで、枯野さんの出番であります。
やはりこういう学術的なことはこの人に頼るのが一番ですよね。
時間取らせちゃダメよと白鳥さんに怒られそうではあるが、こっそりお願いするってことで。

枯野さんが言うにはこの手紙スペルに間違いがあるとのこと。
ドイツの人が書いたのにスペルミス。そんなはずは・・・と答えるマーニー。
うーん、でも日本人でも日本語の文章を書き間違えることはよくありますしねぇ。ドイツ人だってやる時はやるっしょ?
そう思わないでもないが、枯野さんは詳しく調べてくれる様子。ならばお願いした方がよさそうですな。

後日、枯野さんから翻訳結果を頂く。
誤字は書きだしてあり、誤字を抜かした対訳もしていただけた様子。有難い有難い。
さて、さっそく手紙を読んでみるマーニー。
そこに書かれていた内容が、冒頭にもあった世界でも珍しい物。それを天ちゃんにプレゼントしようという話らしい。

なるほど。スペルミス――誤字を抜きだせばそれが暗号になっているという仕組みでありましたか。
その暗号に従い謎を解けば世界でも珍しい物が手に入るって寸法ですね。
イタズラ好きな伯父らしい話である。子供心には楽しくていい話ですけどね。
で、暗号の内容は以下の通り。

FOR TEN 188-15-2224-1AR

最初のFOR TENは普通に天ちゃんへという意味ですな。
続く数字とARという文字。このARとはAugmented Reality。拡張現実ソフトという奴である。
GPSとマップを対応させて現実のある地点に仮想的な情報を組み込めるようにするというもの。
実際は何もないけど、機器を通すとあたかもその座標にキャラクターがいるかのように見えるというアレですな。

数字の座標が示すのは天ちゃんの家。ここでスマホを起動し、AR機能開始。
映し出されるのは伯父のメッセージ。どうやらここからオリエンテーションが開始される様子。

天ちゃんの伯父さんは子供みたいな天真爛漫な人だったらしい。
いつも楽しそうで、パーティーやらイベントやら色々と企画する人だったそうな。なるほどねぇ。
そんな人が用意する珍しい物。一体何なのか・・・
あるコンテナの前にまでたどり着く2人。いよいよその品物とご対面である。

キーナンバーを入力し、コンテナを開く。中にあったのは一台の自転車。やけに古臭い感じの自転車。これは・・・

スーパーカーサイクルだ!!

さすが天ちゃん。自転車にはとても詳しい様子でありますな。
スーパーカー自転車。70年代に流行した伝説の自転車。
スーパーカーを意識してデザインされていて、ライトがポップアップしたりギアが車みたいなデザインになっているという。
今じゃありえない実験性の高いシリーズだったそうな。へぇ。

あっという間にすたれてしまったのと元々が子供用だったのもあって現存しているものはほとんどない。
乗れるものとなると本当に数える程しか・・・

マーニー「え?これ貴重なの。数少ないから?」
天「カッコイイ・・・

意識の差が顕著に表れている2人。そうか、天ちゃんにはカッコよく見えるのか・・・
どうやら伯父さんはこのスーパーカー自転車の復活を目指して活動しているらしいが・・・

この直線とゴテゴテしたライン・・・ムダな機能。なんて美しい。
チューブにシューに・・・ゴム部分はさすがに死んでる・・・レストアが必要・・・

なんだかすっかりやる気になっている天ちゃん。
こうなってしまうとマーニーにはもうさっぱりな世界である。
いや自転車好きな人でもスーパーカー自転車は賛否両論になるんじゃあるまいかと。

ともかく、見事にレストアを完了させる天ちゃん。
さっそくそのスーパーカー自転車に乗って路上に繰り出す。
ロードレーサーにパッシングをかまして挑発したりと大胆な行動。なにしてるんだ天ちゃん。
しかしよくもまあこんな子供向けっぽいチャリで凄いスピードが出せるものであるなぁ。
最年少チャンピオンの名は伊達ではないと言うことか。

伯父さんは天ちゃんにプレゼントすると同時に宣伝として利用しようとしたわけでありますな。
ふむ、天ちゃんの性格が分かっていれば大胆に乗り回すことも簡単に予想できるでしょうしね。
いい広告塔であったわけだ。やりますなぁ伯父さん。
可愛くてクールな子が子供のような自転車に乗って意外な速度を出す。こりゃあ話題性もあるに決まってるってものでございます。
まあ、あまり無茶な走りはしないでくださいねとだけ言っておきますかな。
せめてヘルメットは被るようにしましょうよ天ちゃん。



file62「殺人依頼」  (2013年 48号)


今日もなんだか疲れた様子のマーニー。早く帰って寝ようと考えている様子。
しかしその帰り道。身投げしようとしているオジサンを発見してしまう。慌てて止めるマーニー。何も死ぬことはないでしょう。

止めるな・・・こうでもしないと・・・オレは人を殺さなくちゃならないんだ!

なんだか大変なことになっているみたいですな。
探偵事務所をやっているのでよかったら説明をしてくださいと持ち掛けるマーニー。
どうやらこのオジサン、小さいが会社の社長をやっているらしい。
不景気の煽りで銀行側から急な取引の停止を受けた。それでどうしても金が必要となり、闇金に手を出したそうな。あらあら。

どうにもならないことはわかっていたさ。それでもそうせざるを得なかった。私の肩には従業員の家族の生活がかかっているから

ふーむ。責任感でありますか。
これがあるが故に退路を断たれた感じになってしまい、闇金にも手を出すことになってしまうわけであるか・・・
そういう連中が未だにのさばっていられる理由がわかってしまう話でありますな。

で、その闇金の社長から提案があったらしい。ある人間を殺してくれれば貸した金は棒引きにしてやると。
うーむ、さすがに闇金の社長とはいえ殺人依頼とは・・・狂気の沙汰でありますぞな。
もちろん一般人であるオジサンにそんなことが出来る筈もなく、それくらいならば自分の生命保険をと思い詰めることになったわけだ。
とはいえ自殺じゃ生命保険もあんまり出ないでしょうしなぁ。うーむ。

場所を変えて詳しい話を継続して聞くマーニー。
殺そうとしている対象のことまで聞き出すことに成功する。対象は女性。函館優美。元大女優でございます。

元大女優。その肩書だけでも尻込みしてしまいそうな相手である。
やはり私には無理だ。死ぬしかないと思い詰めるオジサン。
そこをどうにか思いとどまっていただくよう説得するマーニー。私がなんとかしますので・・・

その女優さんをなんとかしますので。マーニーにおまかせを

女優をなんとかするという方向でいいのだろうか?まあ、とりあえずその場はそういう言い方しかできなくても仕方がないか。
しかし今回の件はどう考えてもタダ働きにしかならなさそうでありますな。
探偵らしく厄介ごとに巻き込まれやすいマーニーであるが毎回稼げるわけでもないのが困りどころだ。

さて、兎にも角にも闇金やら殺人依頼やらでキナ臭い事件。
ここはイザという時のために毛利さんに前フリをしておくのが大事でありましょう。
と思いきや海外研修で外国はロスアンジェルスに行ってしまっている毛利さん。何でこんな時に・・・!!憤りのマーニー。
いやまあ、毛利さんも仕事でありますし。勘弁してあげてくださいな。
というかそろそろ毛利さん以外の警察の窓口も開拓しておいた方がいいのではなかろうか。
毛利さんとばかり交友を深めて行くのもバランス悪いですしねぇ。む、なんか恋愛ゲームみたいな考え方だなコレ。

とりあえず調査は進めておくマーニー。
殺人依頼を行っている闇金社長の名前は野崎竜児。いかにもおっかなそうな感じの男である。
一方の自殺未遂のオジサンの会社は松田製作所。本業は部品製作で従業員15人程度の小さな会社の社長さん。
ふむ、一応オジサンの話に裏はなさそうでありますな。それはそれで厄介なわけでありますが。

殺害の対象である元大女優の函館さん。
今は一線から退いているこの人を殺す理由とは一体何なのか。
そのことも含め、函館さんに会ってワケを話して協力してもらうのがいいかと考えるマーニーでありました。
函館さんは鎌倉に店を出していてよくそこに現れるらしいのでそこに向かうことに。函館なのに鎌倉とはこれいかに。

それはさておき、鎌倉に到着。店の前で張り込むこと3時間。ようやく函館さんが現れる。
しかしマーニーが発見すると同時、茂みに潜んでいたオジサンも函館さんを発見する。その手には刃物が握られている・・・!!
どうやら殺す方の覚悟を決めてしまっていた様子。おやおや。
そうはさせじと割り込むマーニー。相変わらず人の窮地を見逃すことができない性質のようですな。
帽子をクッションにして刃物を握り止めるマーニー。あ、危ねぇ・・・
珍しい帽子姿で似合っているなとか思っていたら、こんな使い道もあるのか。

何はともあれオジサン――松田さんの凶行を防ぐことには成功した。
ビックリしながらも大丈夫ですかと言葉をかけてくれる函館さん。いい人だ。
命を狙われたというのにマーニーたちの話を聞いてくれる様子。
まあ、自分より危ない目に合ってる人の話ですしね。耳を貸すのも不思議ではないか。

ご存知だと思いますが私と野崎は結婚していました。五年前離婚しましたが・・・
私は彼と結婚したことで女優業を退いたんです
野崎は嫉妬深い男でした。仕事はおろか男と話すこともゆるさない。監禁されているような生活。
弁護士を立てて三年かかって離婚することができました。

なんとも酷い話であるが、どうしてまたそんな男と結婚したりしたんでしょうかね?
相手が相手であるし、結婚するために色々と工作を仕掛けられたりしたのかもしれませんが・・・
それはそれとして、何故離婚して五年も経つのに野崎は函館さんを殺そうとしているのか。その理由は分かりやすいものであった。

野崎は私が再婚するまで月150万を支払う義務があります
私の女優としての最盛期を棒に振った慰謝料として。

そ、そりゃあ苦しい。いつ再婚するかもわからない相手のためにずっと慰謝料を払い続けねばならないわけか・・・
自業自得な部分は大きいのだろうが、なるほど。殺そうとするのも分からなくはないなぁ。
でもそれならば函館さんの再婚作戦でも練った方が平和的解決だった気がするのだが・・・うーむ。
まあ、そういうことを考えるような平和的な人間じゃなかったってことなんでしょうな。

松田さんは会社が傾いたことによるものか妻には離婚され、子供を連れて出て行かれたと言っている。
そんな独り身となった者同士、感じるものがあるのかいい雰囲気になる松田さんと函館さん。おやおや。いい歳こいておやおや。

そんな空気を切り裂き、この件を終わらせるための提案を松田さんに行うマーニー。
その内容は一週間後に明らかとなる。

松田さんは野崎に電話。
全ての事情を知りました。私が彼女と再婚します。それならアナタは慰謝料を払わずに済むと宣言する松田さん。ほほう。
それを聞いた野崎は怒り、叫ぶ。オレは殺せと言ったんだ。函館を殺せ!!さもないとお前の会社は・・・と。
しかしその言葉を引き出すことこそがマーニーの仕掛けた罠。
今の発言はしっかり録音されている。それを証拠として即座に警察が乗り込み野崎を逮捕。
容疑は強迫殺人教唆。言い逃れはしようがありませんな。うむ。
って結局毛利さんが出てきているんですな。研修から戻ってきたところを捕まった形か。ご苦労様であります。

そんな感じで事件は無事に解決。野崎は捕まり函館さんは死なずに済み、松田さんの会社は・・・たぶん持ち直したと思われる。
そして二月後――

裁判も問題なく進んで財産没収と懲役八年か。まあそんなとこか・・・
しかし・・・松田さんと函館さん。本当に結婚しちゃうとはね〜〜〜〜

フリではなく本当に再婚する流れとなるとは・・・男女の出会いって奇妙なものですよね。
殺人依頼をしたことでその被害者と加害者がくっつくこととなった。
まあ、そのことにより野崎の望み通り慰謝料支払いの義務は消滅したこととなるわけだが・・・財産没収されちゃどうにもアレですな。

マーニー「人生ってままならないもんだよ。ねえ、ゆりかちゃん」
ゆりか「あれ?マーニーなんでいるの?」

関係者ですから。むしろそれはこっちのセリフだといいたいところだが、ゆりかちゃんなら当然いるに決まってますわな。ハハハ。

しかしやはりマーニーは男女のイチャつきに当てられることが多い気がする。
それを行ってくる最大の相手がこのゆりかちゃんであるのだが・・・友情がよく長続きしているものだと感心しますわ。本当。
まあ、マーニーにも春が来る可能性がないとは思わないが・・・
危ない橋ばかり渡っているようではまだまだ先のこととなりそうですなぁ。うむ。



file63「立花さんのバカ!」  (2013年 49号)


フラワーズナンバー1、校内一のイケメンである立花さんが彼女と別れた!!
このニュースは衝撃を持って迎えられる。まあ彼女の薬師さんが二次元オンリーの人でしたし、時間の問題でありましたわな。
対談記事があったということだがさすがにプライベートな理由は伏せられているんでしょうね。

それはさておき、フリーとなった立花さん。その寂しい心を埋めるため――
といえば聞こえはいいが、とにかく落とすために動き出す女子たち。逞しいことでございますな。

学校の女子の大半が薬師さんの後釜を狙っているんじゃないかと思える状況。やっぱり立花さんの存在感は凄いですね。
波峰ちゃんや前花さん、それにゆりかちゃんのような彼氏持ちまで何故かそわそわしている。
いや、ゆりかちゃん。さすがにそれはそれこれはこれで済まされる話じゃないでしょう。慰謝料請求されますぞ。

そんな浮ついた環境の中。元凶というには酷ではあるが、フェロモン撒き散らしている元凶の立花さんに呼び出されるマーニー。
どうやら探偵としてマーニーに追っかけ対策をして欲しいという依頼のようだ。
ふーむ、フリーになったことで色々と大変みたいですなぁ。
どこから突き止めたのか日に数百件メールやら配達やらで問い合わせが来るらしい
通学中も見張られてるみたいで落ち着かず、正直まいっているとのこと。うーむ、まさにアイドルですなぁ・・・

ため息つく姿すら絵になる立花さん。マーニーもドキドキするそのルックスはなかなかに厄介な代物でございますな。
まあ、ストーカー被害らしきものも出ているなら確かに放ってはおけませんか。
それこそ本物のアイドルなら事務所の方が対策してくれそうですが、一個人である立花さんは誰かに頼るしかないって話だ。
美男美女軍団であるフラワーズが守ってくれればいいんだろうけど、そのフラワーズからも狙われそうだしなぁ・・・
ひょっとして男からも狙われたりする流れもあったりするんですか?いや、ちょっとその方向は・・・
まあ、それはさておき。

しばらくの間、立花さんの周囲の追っかけ対策を。日当5千円経費は別で。マーニーにおまかせを。

そう宣言し、追っかけ対策のために動き出すマーニー。
送られたメールを解析し、関連したBBSを調べる。
すると立花さんを拉致する会とか見るからに不穏な名前のスレッドがあったりする。もう少しこう、歯に衣着せましょうや・・・
しかも書きこんでいるのがアイアンの二年。
体育会系の連中が拉致とか想像するといろいろとシャレになりませんよ。本当に。

というわけでアイアンの関係と言うことで那智さんを通して話をしてもらうこととなりました。
猿頭さん、フラワーズだけど中身はアイアンだから那智さんとも交流あるんすね。

柔道部の女子に話を通しにいく那智さん。うーむ、頼もしい。
その女子たち曰く、別に悪意があったわけではなく戯言のつもりだったとのこと。
ははぁ。仲良くなりたいとは思うけど手が届くはずがないからそういうところで発散していたと?
実際にやったら嫌われちゃうのは分かっているからやるはずないという。
うーむ、それが分かっているならもう少し目につかないところでひっそりやるなりして欲しかったですなぁ。

こんな事案は1件だけではない。
立花さんの周りは浮ついているせいか色々とトラブルが発生しそうになっている。
贈り物も何か怪しげなものがあったりしますし。何これ?
自分の髪の毛入れて送ってきたってこと?そりゃホラーと思われるわ。オカルト好きの三井さんもそういうホラーは勘弁でしょうさ。

てな感じで次々と対策を行うマーニー。
なんだか専属のSPみたいな状況になってますな。というかマネージャーか?プレゼント受け渡しの交渉までしてるようだし。
まあそんな仕事をしていると当然のように恨みを買うこととなるわけでして・・・
立花さんを独占しているという見方もできるわけですし、周りの不興は買いまくりでしょうなぁ。うーむ、面倒くさい。

とはいえマーニー自身は立花さんのために働く時間も満更ではないと思っていそうな様子である。
うーむ、ゆりかちゃんの言うように仕事で一緒にいるうちに始まる恋もあるって奴なのかね?
いや立場さんのイケメンフェロモンをずっと浴びていたら動悸息切れが発生しても仕方のないことでありますか。

マーニーのおかげで大分周りも落ち着いてきたという立花さん。
まあ実際のところ悪質なストーカーはいなかったんですけどね。
皆ニュースサイトの記事を見てちょっと話してみたい、もしかしたら自分でも手が届くんじゃないか・・・
そういう距離感。それが全てであったという。

色々な人と話してみましたが・・・皆現実が見えてるんです。それはもう悲しくなるくらい・・・
皆小ギレイでそれなりにカワイイ子でした。でも自分になんか起こるとはまったく思ってない・・・
立花さんとどうにかなるなんて考えてはいないんです。
自分達にドラマは起きないのを知っている。王子様はいない。自分はお姫様になれない。
自分の手の届く範囲にろくな男はいない。それさえ怪しいかもしれない・・・
だから皆はしゃぐんです。叶わない夢が叶うと思い込むんです。現実に打ちひしがれないために・・・

祭りの狂乱ってやつですかねぇ。
ある意味二次元に対して俺の嫁とかいったりしてはしゃぐのに近いものがあるのかもしれません。
言っている人も大半は本気ではなく、はしゃぐためにやっているわけですからねぇ。
二次元が三次元にやってくるはずがない。そんな現実は皆見えているんですよ!!大半の人はね!!ええ!!

閑話休題。

皆の意見はわかったけど、君はどうなんだいマーニーと問うてくる立花さん。

今回のことで君と話して君のことが少しわかった気がするよ。
君の心の底にはある「悲しみ」がある。それがなにかはわからないがそのせいで君は人に優しいんだ。
君が探偵として仕事してるのも金のためだけじゃない。人を助けることができるから・・・
・・・だから、僕はそんな君が大好きだよ。マーニー

極上のスマイルでそんなことをさらりと述べる立花さん。おやおや、おやおや。だがしかし――

サプラーイズ!!

ドッキリの看板抱えてゆりかちゃん登場。
波峰ちゃんやニュースサイトの面々もしっかり現場に駆けつけております。
ってカメラはともかく集音マイクまでスタンバイされていただと!?気付けよマーニー。

どうやらマーニーが立花さんの剣で女子達から恨まれるのを危惧して立ち上げた企画であるらしい。
立花さんがマーニーに全然その気がないってことをアピールしてもらう。
それをニュースサイトに配信すれば恨まれることもなくなるという考えだそうな。
マーニーが思いっきり恥をかく流れになる企画を発案する辺りゆりかちゃんらしいというか何というか。

大体立花さんとマーニーがくっつくなんて私が許すわけないじゃん。どうせなら私と立花さんが・・・

本当ゆりかちゃんは自由なお人である。
愉快犯的にそう考えているのか割と本気なのか。性質の悪さという意味ではメカニックより厄介なのではなかろうか。
も、もしやマーニー。日常的にゆりかちゃんと付き合うことでメカニックへの耐性をつけようとしている!?
確かにこれならばゆりかちゃんと友達付き合いをしている理由にもなる。合う!ツジツマが!!

まあそれはさておき。
きっちりとフォローのメールを入れる辺り立花さんはやっぱりイケメンですなぁ。
この先発展する可能性がないとはいえないだろうが・・・はてさてどうなりますか。

マーニーとどうこうなるかはさておき、立花さんは誰かとくっついてないと色々と厄介なことになりそうですね。
ある意味薬師さんと恋人関係でいたのは周りの影響を考えると一番いい状況だったのではないのだろうか。
いやまあ本人たちの意志ってのがあるからそこは尊重しないといけないわけですが・・・難しいものですね。

しかし立花さんがいうマーニーの心の底にある「悲しみ」。
メカニックとの絡みもありますし、結構的を射た指摘であるかもしれませんなぁ。
自身の危険を顧みずに人を救おうとするマーニーの姿からはそういう面が見受けられる。
この先そういう部分がクローズアップされていくこととなるのか・・・気になりますな。

それにしても今回のサブタイトルはどういう意味なんだろうか・・・?これも地味に気になるぜ。



名探偵マーニー 5巻


file64「殺戮劇」  (2013年 50号)


水着グラビアセンターカラー!!
なんだかやけに大人びた表情をしているマーニーでありますが・・・どういうシチュエーションなのか気になりますなぁ。

そんな雰囲気のある感じのカラーに続いての本編はいきなりの血なまぐさい展開。
家を多数の大人たちに焼かれ命からがら赤ん坊を抱えて逃げ出す1人の女性。凄絶な表情で復讐を誓う。

死ぬものか・・・死んでたまるか・・・復讐してやる。私をこんな目にあわせた・・・アイツらに。

という回想からいきなり現在に。そしていきなり依頼の話となります。
今回の依頼人は中神麻理さん。セレブグループTOP3の一人で白鳥さんのご友人。
その白鳥さんから信用できると聞き、マーニーに探偵として帰省に付き合って欲しいとのこと。ほう。
いきなり明日泊まり込みでってのも突然な話でございますなぁ。
まあ、タダで旅行行けると思えば断る理由もないか。しかしイヤな予感がしないでもないですな・・・
とか言っているマーニーの後ろに、そのイヤな予感の元凶になりそうな影が忍び寄っているわけでありますが・・・後ろ、後ろー!!

どういう交渉をしたのかちゃっかり中神さんの帰省についてきているゆりかちゃん。
思わずマーニーもゆかりちゃんと名前を呼び間違ってしまう。あまりに呆れてのことか!?
まあ、単行本では修正がかかる類の誤字でしょうけどね。

セレブグループの帰省。とはいえ着いた先はずいぶんな田舎である。
本家は東京に移しているし、ここは出身地ではあるが既に別荘扱いとなっているそうな。なるほどねぇ。
ここには帰省というよりもお婆さんの誕生会のためにやってきたらしい。へー。

田舎なれば土地は大きく使える。さすがに屋敷は結構な大きさのものの様子。
しかしガケと山に囲まれ、吊り橋を渡らなければいけないとは・・・この吊り橋が落ちたらまさに陸の孤島ですな。

中神さんが到着した時、中神祖母の誕生会を祝う面々は既に揃っていた様子。
ずらりと並んだ顔ぶれは以下の通り。
京田四五郎。町長。
宮田信悟。京田の参謀。
車屋姉妹。女性会会長。
功島業造。旧資産家。
村山之信。書道家。
密田秋成ナゾの男
功島ゆり。功島の妻。
木屋島和也。地元新聞編集長。
町田憲明町田木理香。地元有力者子息。

主賓である中神祖母とマーニー、ゆりかちゃん、中神さんを合わせて総勢15名。あ、お手伝いさんっぽい人もいるのか。
怪しい気配を感じたマーニーはパーティーに参加しながら場に居合わせた人々の姿を記録していく。
うーむ、実に探偵らしい行動でありますな。素直に楽しんでいる様子のゆりかちゃんとは大違いだ。職業病って奴ですかね。

酒を飲んで潰れた様子のゆりかちゃんを部屋まで運ぶマーニー。
途中、案内してくれる中神さんの指から血が出ているのを発見する。
なのでチュウと舐めとってみせるマーニー。むう、優しいというか大胆というかな行動ですな。

ん・・・?この味・・・

何やら中神さんの血の味が気になる様子のマーニー。さらさらだったりしたんでしょうか。まったりとしてしつこくなく・・・
それはさておき、ゆりかちゃんを背負い、ズルズルと歩くマーニー。
その途中で中神さんに質問する。なんで私をこのパーティーに連れて来たのか・・・

アナタの・・・力が必要になることが起きるかもしれないの

ふむ?陸の孤島。登場人物がズラリ。探偵の力が必要となるかもしれない。これはまさか・・・
と思っていたら案の定殺人事件が発生した様子。
犠牲者は町田木理香さん。密室と思われる自室で首を切られて死亡したようだ。ほう。

慌てて警察を呼ぼうとするが何故か携帯は圏外。
別荘の電話を使用しようとするがケーブルを切られたのか通じない。
さらには屋敷の前の橋が落ちていて車で警察を呼びに行くこともムリとのこと。おお・・・定番の流れだ!!

予想通りに密閉空間での殺人事件といういかにも探偵ものらしい流れができあがりました。
そしてこうなった場合、事件は1件では終わらない。連続殺人となるのがまさに定番中の定番であります。さてさて・・・

マーニーは町田さんのことをもう少し調べたいと申し出るのだが、ここから動くと危険だとナゾの男に止められる。
うーむ、このナゾの男はさっきもマーニーが被害者に近寄るのを遮ってましたよね。怪しいな。なんせナゾの男だものな!!
それはさておき、被害者に接触した町田兄の血の付いた服を回収するマーニー。
洗濯に出しますといいつつ匂いを嗅ぐ。クンクン。いや怪しい意味ではなく、被害者の血の匂いを嗅いでいるのだ。
どうやら被害者の部屋で感じた甘い匂いが気になってるみたいですな。クンクン。

そんなことをしている間に中神祖母に話し掛けられるマーニー。

アナタは探偵なんですってね。なんとかしなさい。こういう時のため麻理はアナタを呼んだんでしょう

ふむ、警察が来れない状況の探偵。確かに場にピッタリな存在でありますわな。
というわけで、調査を開始するマーニー。
誕生会の出席者はマーニーたちと中神さんの家族を抜いて十二人。この地域での実力者が大半である。
顔写真をリストアップし、死亡者の部分は暗くする。おぉ、これもまた定番・・・!!

出席者同士はどういう関係なんだ?使用人やら料理人もいるハズだから可能性はいくらでもあるけど・・・

ネットがダメだと調べ物がほとんど出来ないと零すマーニー。うーむ、現代的な探偵だ。
まあこんなこともあろうかとパーティーでの会話を録音したりしているわけですが。抜け目ないなぁ。

しかしそうこうしているうちに第2の殺人事件が発生する。
殺されたのは宮田信悟さん。トイレで腹を刺された様子。
そして窓の外で怪しげな人影の姿が発見される。ふむ。

生存者は慌てて大広間に集まる。そういえばゆりかちゃんの姿がないがずっと部屋で酔いつぶれているのだろうか。
いや、姿がないのはゆりかちゃんだけではない。中神さんの姿もないのだ。
そこでマーニー、私・・・探してきますと言い出す。私は探偵ですからとナゾの男の制止も振り切って外に出るマーニー。
怪しげな人影の姿が発見されたらしきところに向かい、声を張り上げる。

中神さん!居るんでしょ!?次はなにをするつもりなんですか!?わかってるんですよ!!

そう口にするマーニー。おやおや、もうわかってしまいましたのか。
中神さんもその言葉に興味を示したのかすぐに姿を現してくれます。

このバカげた殺戮劇。仕込んだのはアナタですよね。中神麻理さん。
中神さんの血は甘かったんですよ。それにあの殺人現場の甘い臭い。
聞いたことあるんです。演劇用の血ノリは口に入ったりも多いから甘く味付けされている
それに粘りを出すのにガムシロップを足したりするって。中神さんはあの時血ノリを作ってたんですよね。殺人現場作りのために。
これはなんなんですか?アトラクションかなにかのつもりですか?

殺人事件に見せて実は全て偽装であった様子。
いやまあ、この作品でそんな定番の流れになるとは全く思ってませんでしたけどね。うん。
というわけで、中神さんは事情を全て話してくれます。
しかし、その最初の言葉はいきなり重い。中神さんの祖母は一家皆殺しにされたというのだ。

この村の連中に。当時は事故扱いで・・・もう五十年前だし、時効だけどね・・・
恨みつらみか呪われた家系。血の怨念。詳しいことはもう判らないけど・・・
その時お婆様と息子だけが生き残った。
お婆様は東京に逃げた。そして血のにじむような思いで働いた。それを支えたのは村の人間に対する恨みだった。
息子には復讐を徹底的に教え込んだ。恨みつらみ。復讐の方法、人の苦しめ方、殺し方。
その子が私のお父さん。その血は私にもつながっている・・・

と、何やら重い話が出てきましたが・・・ここからは珍しい展開となる。

でもお父さん不真面目な人でね。シラケ世代っていうのか。
お婆様の恨み言を一切聞かなかった。全部聞き流して勝手に家を出て事業を成功させちゃったの。恨みなんか一つもなく。

あ、新しいな!!
まあ親の復讐劇に子供が付き合わないといけない理由はあるとは思えませんものね。
不真面目とか言われているが、結構立派な親父さんじゃあないですか。うん。
赤ん坊の頃から恨みつらみを聞かされているのによく聞き流せたものだなと関心はするが。
というか聞き流してる息子を見てお婆様もよく我慢していられたものでありますなぁ。

そして事業に成功した息子のおかげでお婆さんは金と権力を持って地元に凱旋したらしい。
そりゃもう地元の人は平身低頭で迎えたそうであるが・・・お婆さんはとくに地元の人間に復讐はしなかったらしい。
ニコニコと笑い、地元を盛り立てていこうと金銭的な協力も約束した。

そのかわり一年に一度だけこの虐殺パーティーが執り行われる
本当にだれかが死ぬということはないけど、お婆さんが脚本家に作らせた脚本通りに一人一人殺されていく。

ははぁ。それでその事件を解決するための探偵役が必要なのでマーニーが呼ばれたと。
回数が増すごとに内容もエスカレートし、脚本もどんどん複雑になっていったらしい。
ふむ、なんだかそう聞くと毎年の楽しい行事のように思えてきましたぞ。

まあ、ともかくお婆さんはこの一連の殺戮劇を見て自分自身の恨みつらみを晴らすと同時に復讐してはいけないと自らを戒めるらしい。
一種のセラピーというか心理療法っぽい効果が見込めるわけでありますな。ふーむ。

中神さんは今年の仕込み役に選ばれたので噂となっているマーニーの実力を試したかったらしい。ハハァ。
まあ、その試みは見事に成功した感じでありますね。中神さんもマーニーのことは名探偵と認めた様子。
白鳥さんや塁さんに続き、セレブグループの新たなパトロンが生まれた流れとなりますか・・・!!

復讐の形もそれぞれ。ひょっとしたら子供が大成して見返すことができるかもしれない。
そういう風に思い直してくれる人が増えるとこの先不幸になる子供が減るのかもしれませんなぁ。
いやまて、だからといって恨みつらみを子供に吹き込んだら大成してくれるって話じゃありませんからね?
子供の成長の仕方も人それぞれなんですから。あまりそっちの方に期待しすぎるのもよくないですよ!!



file65「環境テロ」  (2013年 51号)


港町に鳴り響く爆音。船に爆弾が仕掛けられたらしく、炎上しております。一体誰がこんなことを・・・

といった事件から始まる今回。
舞台は前回の続き、中神さんの帰省先でのお話となります。ほほう。
お婆さんの誕生パーティを終えた後、ちょっとしたバカンスを楽しむマーニーたち。
水着姿になってキャアキャアと楽しんでおります。夏の終わりの微妙な時期にご苦労様でありますなぁ。

シーサイドカフェで古いマンガを読みながら食事。
いろいろとおおらかな時代の作品だとエロかったりグロかったり下品な作風のものもありますやね。

さて、冒頭の爆破事件について耳にするマーニーたち。
どうやら爆弾によって漁船が三艘もやられたらしい。可哀想に。
食事後になんか楽しそうだからというゆりかちゃんの提案でその現場を見に行くこととなりました。楽しそうってアナタ。

さすがに昨日の今日なので爆破された船の残骸も残ったままとなっている。これはスゴイ。
しかし一体誰がこんなことをしているのだろうか。どっかの抗議活動か個人的な恨みか・・・
探偵らしく動機とかを気にしてしまうマーニー。
と、そこで中神さんが知った顔を発見する。無精ひげのおとこは倉岩大悟さん。中神さんのイトコで昔から知る人物とのこと。ほう。
中神さんのイトコということはこの人もセレブなんだろうなぁ。ヒゲだけど。
どうやら留学していたらしいが一時的に帰郷しているらしい。ふむ・・・

夜。ゆりかちゃんは昼間の定食屋さんから例のマンガを貸してもらった様子。
下品がどうとか言ってたくせに楽しんでるじゃないか。ハハハ。

それはさておき、船の爆破事件について。
犯人はテロリストであるとニュースで報道されている。
環境テロリスト団体「フリープラネット」から犯行声明が発信されている。
ふーむ、イルカ・サメ漁に対する抗議を込めた行動でテロ活動でありますか・・・
結果として環境を破壊してもそれは正義の行いであるとか主張しそうな連中でございますなぁ。厄い厄い。

バスローブ姿の中神さんはマーニーにこの事件の犯人を捜してくれないか依頼する。
一応地元の人間であるし、ヨソモノが爆弾持ってウロウロしているのは見逃せない様子。まあそれはそうですかな。
しかし爆弾テロ犯が相手とはずいぶんと大きな話でありますなぁ。

フリープラネットの本拠地は海外。こんな村で外人さんがウロウロしてたら不審に思われること間違いない。
となると犯人は外人さんとは限らないことになり――
などと考えながら散策するマーニー。思考世界に入っているので途中倉岩さんに話し掛けられても気付かない。
歩きながら思考世界に入るものだからまるで時間が飛んだかのように感じるマーニー。厄介な癖でありますなぁ。

倉岩さんはマーニーが何かと通信しているみたいだから声はかけなかったという。いや、そういうワケじゃないんスけどね。
でも放って帰るのもなんだから待たせてもらったという。気の長い人だ。
しかしずっとすぐ近くでマーニーの姿を堪能できるのであれば待つ甲斐もなくはないか。ふむ。

とりあえず倉岩さんの協力を得て船と持ち主とその位置関係。港の人間関係から調べて表にするマーニー。
調査のためとはいえ毎度大変な作業でありますなぁ。日当五千円かかるのも頷ける労力だ。

マーニーは調査を終える際に倉岩さんに問う。環境テロリストについてどう思うか。
人を傷付けても殺してしまってもなんとも思わない。自分のイデオロギーのためなら。異常者ですかね、と。

どうかな・・・優しい男なんじゃないかな。自然が好きで・・・

やけに背景をキラキラさせて擁護する倉岩さん。怪しいことこの上ないですな、オイ。

というわけで、中神さんに倉岩さんについて聞くことにするマーニー。
キビシイ家に生まれ、TVとかマンガとか全部禁止。野蛮なことは一切教えられず育ったそうな。
そのオカゲか本人も健康優良児。親孝行に育って皆に好かれる好青年となっているらしい。フーン。

それはさておき、爆破犯の件について。
壊された船の持ち主についてだが、どうも持ち主のうちの一人の家はこの港でも一番古くボロかったという。
また、他の沈んだ船の持ち主も不幸があったり子供が事故を起こしてたりでお金が必要な人たちだったという。
これはつまりあれですか。保険金サギというやつですか。
建造十年以上の漁船なんて下取りしても数十万がいいところである。
しかしテロによる被害となれば保険金の額はケタ違いとなる。なるほどなぁ。

だが実際にテロ団体の犯行声明は出ている。自作自演にしてもタイミングが良すぎはしないか。
もちろんその部分についても調査した様子のマーニー。ふむ、やはりあの人がそうでありますかね・・・

倉岩さんの人となりを知るために話し掛けてみるマーニー。
例のマンガを見せて反応を伺ったところ、下品なので捨てられてしまいました。
借り物だからいけませんよと言っているのに、この別荘に持ち込むのが悪いとのこと。うーむ、独善的なセリフだ。
そんな倉岩さんの将来の夢は弱くて力のない者を助ける人間になることだそうな。フーン。

さて、時間は経過し、夜。
ひとつの漁船の上を怪しく動き回る男の影。どうやら爆弾を仕掛けているらしい。
その男にライトを浴びせるマーニー。地元の警察を引き連れ現行犯で御用とする。

アナタは容疑者であり被害者でもある。調べさせてもらいました・・・前島さん。

どうやら本当に保険金サギを行おうとしていた様子の前島清吉さん。
お金に困っており、保険会社が一連のテロ騒動で保険金負担の方針を変更しないうちにお金を受け取りたかったらしい。
それで焦って行動し、張っていたマーニーに察知されたというわけですな。

前島さんは語る。環境テロを逆に利用すればいいと話を持ち掛けてくる男がいたと。
船には保険がかかっている。退職金だと考えれば悪くない。だれもキズつかない。
爆弾と犯行声明はこちらが出すからアナタはこれを仕掛けてくれればいいと迫ったそうな。

自分の手は汚さず目的は果たす。本当に頭がいい。
倉岩大悟さん。アナタが黒幕ですよね
フリープラネットのメンバーの写真は大量にネットにありました。
その中にアナタらしいものも見つけましたよ。時間をかければもっと出てくるでしょう。
それにアナタを港で始めて見かけた時、私クセで写真撮ってたんですよ。いっしょに居たのは前島さんですよね。

クセで写真を撮るのはどうかと思うが、まあ探偵らしいクセでありますわな。
というかテロリストの癖にメンバーの写真をネット公開しているのか?
テロリストの自覚がないというか、自分たちはそういうことしても問題ない存在と思い込んでいるのか・・・何にせよ呆れた連中である。
そんな呆れた環境テロリストであるが、とりあえず説得を行うマーニー。
自首してください。アナタは優しい人じゃないですか。ちょっと方向が間違っていただけで・・・

ありがとうマーニー。僕は子供の頃から自然と親しみ動物と仲良くしみんな笑顔で・・・暴力もエロスも拒否して生きてきた・・・
だから・・・こうするんだ。

そう述べて自爆を敢行する倉岩さん。まあ海に落ちたことで死ぬことはなかったみたいですが・・・何を考えているのやら。

暴力もエロスも死も恐怖も悪感情も持たず、幼児のように純粋に生きてきた結果、彼は環境テロリストになったのか
・・・世の中って皮肉なもんだよね。

何がどうすればそのようなことになるのか。分からない。
でも実際環境テロリストに走るような連中ってのはそういうのが含まれているのかもしれませんなぁ。
大抵はお題目を掲げて金を無心するためにテロ行為をしているような連中でありましょうが・・・

純粋培養は育ち切ると抵抗力がさっぱりなくなってしまう。
おかしな方向に向かうと是正も出来ず、こういう結果に繋がることが大いにあり得るという話だ。
やはり子供のうちに適度なエロスにならしておくのも必要ってことでございますな。
漫画なりチャンピオンなりアニメなりチャンピオンなりを見て情操教育をするのも必要ってことでありますよ。
抵抗力をつけるためにも幼いころからチャンピオンを読ませて教育を!!
その結果どのような子に育ってしまうかは・・・えっと、責任はとれませんので・・・あしからず。



file66「五年前」  (2013年 52号)


マーニーの家に遊びに来ているゆりかちゃんと波峰ちゃん。
女三人寄れば姦しいとはいうが、キャアキャアワイワイと賑やかな様子であります。
しかし屋内とはいえはしたない格好をするのはいかがなものであるかと。
ロイドさん、生活はだらしないかもしれないけど元警察官なんだからね。

それはさておき、今回は五年前のお話。
ロイドさんが妻と別居することになり、今の家にマーニーと住むことになった時期の話であります。
タダ同然と聞いて譲り受けた家であるが、当然かなりボロイ。
ここに手を入れて現状の状態にした2人。努力の跡が伺えますなぁ。

これまでは警察の官舎で過ごしていたようだが、警察を辞めたことで外に出なければいけなくなった様子。
それによりマーニーの周りの環境も変わってしまった。
うーむ、多感な時期にメカニックに酷い目に合わされ、そして今この状況はなぁ。休まる間もないといった感じか。

私、イヤ!あそこには友達もいたし・・・ママだって・・・!!

今のマーニーとはまた違い、感情を爆発させている様子の幼いマーニー。まあまだ小学生の頃の話ですものねぇ。

第一四九二メカニック事件。特捜の腕キキが三人死んだという
一般の人の被害者は最小ですんだが、ロイドさんは責任を取るという形で辞任したそうな。うーむ、人死にがでちゃったのか・・・
そりゃマーニーもすっかり笑顔を失ってしまおうものである。可哀想に。

傷心の娘をどうにかしたいという想いはあるでしょうが、まずそれよりも先に考えねばいけないことがあるロイドさん。
責任を取って職を辞したはいいが、将来のために新しい職を見つけなければいけない。
家も早く住めるようにしなければいけないし、落ち込んでいる暇はなさそうである。大人は大人で大変であるなぁ。

不景気ということもあるし、年齢も年齢なので再就職はなかなか難しい。
警備員のような仕事は警察経験者は優遇されそうだが夜にマーニーを1人にするわけにもいかない。
そういった制約もあり、ますます就職活動は難航しているロイドさん。身につまされるわぁ。

マーニーはマーニーで小学校に転校して通うこととなる。
自己紹介でさっそく真音ではなくマーニーと名乗る辺りは如才がないというかなんというか。

とにかくバイトやら何やら、何でもいいから職を捜し歩くロイドさん。
一方のマーニーは転校生特有のちやほやイベントもなく、どことなく孤立した感じとなっている。うーむ、よろしくない。
まあどうにかロイドさんの方は旧知の間柄である助川元警部の案内で探偵業を始めることができたみたいですが。
なるほど、ここからロイド・インベスティゲーションに独立するまでの下積みが始まるわけでありますな。

ロイドさんに光明が見えたころ、マーニーは意地悪な男子たちにイジメられていた。うーむ。
これだけ可愛い子だというのに何を考えてイジメなどしているのだろうか、この男子たちは。
いやまあ、小学校のころとかはとくに容姿よりも性格によってそういう対応されるかどうかは決まるものだと思いますが・・・
とはいえマーニーがふさぎ込みがちなのは理由があることですし、それでこの扱いをされたのではなぁ。そりゃあマーニーも荒むさ。

みんな死ねばいい・・・死ねばいいんだ・・・

暗い感情に囚われるマーニー。これはいけない。
いけないのだがこのコマのマーニーはやけに可愛い感じがして困る。うーむ、これはこれで。いやいや。
しかしその後、母親に連絡しようとして電話が繋がらずにふさぎ込むマーニーの姿は本当に痛々しい。これは勘弁してほしい。

夕日を見ながらまるで血の色のようだという感想を持つ小学生マーニー。むう、暗い。
この時に出会った猫がエリオットなんでしょうかね?

このままではどんどん悪いほうへと転がっていきそうな様子のマーニー。
子供のころのくだらないイジメも、やられている方にしてみれば将来もずっと引きずる結果になるかもしれないわけですからなぁ。
しかしそんなマーニーの前に救いの手が差し伸べられる。
意地悪をする男子共を追い払い、話しかけてくれる人物。誰であろう、この救いの主こそ若島津ゆりか――ゆりかちゃんだ!!

昔からキッパリした性格のゆりかちゃん。
そのゆりかちゃんと友達になったことでマーニーも段々と周りに打ち解けていくことができてきた様子。おぉ。
少なくとも半年後には強がりの笑顔を見せるぐらいには回復しております。
まあ、その強がりの笑顔というのは母親参観日のお知らせを見てのものというのがまた切ない話なのでありますが・・・

母親とは別居している。当然参観日に来てくれるはずもない。
諦めた様子で、ロイドさんにも参観日のことは知らせずにいたマーニー。
しかし参観日のことを知ったロイドさんは仕事中に立ち寄ってくれました。
警察の合同調査ということで、オトリの女性役・・・つまり女装をしたまま立ち寄ってくれました。おぉう。
こんなオバサンもいそうだなと思わなくはないが、周りからはしっかり男だとバレている様子。あらあら。
でもマーニーが、私のお父さんになにか文句ある!?と怒鳴れば一発で静かになったりします。お、いい感じですねぇ。

ありがとう。パパ。大好きだよ

忙しい仕事の合間に駆けつけてくれた。その心遣いが何とも嬉しい。
その気持ちをはっきりと笑顔で表すマーニー。強がりでもなく、本当の満面の笑顔である。おぉ・・・良かった良かった・・・

娘を悲しませないために変装したままで授業参観に来る。確かに普通の親ができることではない。
初めての変装だったので拙かったようであるが、まあこれではそもそもオトリ役はこなせなかったんじゃないかぁと。
ともかくマーニーには喜んでもらえたようで何よりである。うむうむ。

あの頃のゆりかちゃんはまっすぐだったなぁとしみじみ語られている。
マーニーが昔暗かったのはメカニックの事件があってのことだろうが、ゆりかちゃんは一体何があって今のようになったのか。
いやまあ、昔からキッパリした性格なのは変わってないわけで、残念な方に突き進んだら今の状態になっちゃったんでしょう。きっと。
とはいえゆりかちゃんの存在が幼いマーニーにはまさに救世主であったのは間違いない。
あの出会いがあったからこそ、今の元気なマーニーがある。ありがたい話であります。
今もマーニーがゆりかちゃんと友人でいるのはそういう思い出補正も手伝っているのかもしれない・・・

しかし逆にマーニーがあのまま世を恨むような感じに思考が向かって行ったらどうなっていたのだろうか。
それこそメカニックのような存在になってしまったのではないだろうか。
もしかするとそれこそがメカニックの狙いだったのかもしれない。
そしてその思惑がゆりかちゃんの存在によって打ち破られたのだとしたら、それはそれで愉快な話となる。
うーむ、やはりメカニックを打ち破る最終決戦存在はゆりかちゃんなのだろうか。期待したい所ですなぁ。



file67「占い騒動」  (2014年 1号)


平和な学内で何やら怪しい姿の連中がコソコソとやりとりをしている。
まあ、この学校は派閥の勢いが強いせいか、平和といってもどこかおかしな感じだったりするんですけどね。

というわけで、今回の話は占い関係でございます。
マーニーはやぎ座という情報が入りました。ふむ、それっぽい髪型・・・ってわけでもないか。

占いなんてウソばっかで信じないとマーニー。
探偵業はそういうのとは縁遠そうな気がしますからねぇ。探偵が占いに頼ったりしたらそれこそお仕舞って話ですわな。そりゃ。
しかしゆりかちゃん、血液型や姓名判断はさておきイケメン相性占いってなんだよ。
新しい教育実習の先生と試して相性GODとか出しているゆりかちゃん。相変わらずというか何というか。

ゆりかちゃんはさておき、白鳥さんに呼び出しを受けるマーニー。しかしそこでも占いの話をされてしまう。なんだなんだ。
いやさすがに白鳥さんが占いに興味津々とかそういう話ではない。
何でも学校内で占いで商売している生徒がいるらしいとのこと。ああ、そういう。

紹介制で秘密サークルになってるらしいけど、最近拡大してきて。
被害額が数十万単位になってきてて、親の貯金に手を出した生徒が出て発覚した。

ふーむ。何とも大事でありますな。こりゃ確かに学校の面子に関わりそうな事件である。
生徒会としては何とかしたいが占いをしている張本人がつかめないとのこと。
なるほど。その学校内占い師を見つけ出すのが今回の依頼ですね。探偵業らしくてやりがいのありそうな仕事だ。マーニーにおまかせを。

というわけで、蛇の道は蛇。
オカルト関係は専門の人に限るというわけで、三井センパイからお話を伺う。
こういった交友関係を地道に広げているのがマーニーの強みでありますね。
話を聞いてみたところ、オカルトファンの面子に占いマニアの子がいると教えてもらえる。ほう。

2年B組土方亜有美。成績も良かったハズ。ちょっとしたスピリチュアルカウンセラーね。

スピリチュアルねぇ。占いにはつきものの単語ですな。よくわからないけども。
マーニーはそういった話を着て何だか体が痒くなっている様子。カリカリ。
探偵は論理と証拠が大事なのでそれらが通用しにくいオカルト系とは相性が悪いらしい。そうでしょうなぁ。
えてしてそういうオカルトを論理と証拠で否定する側に回る立場の人間ですものね。

さて、三井センパイの協力を得て占い師への紹介をもらうマーニー。
正体を掴むどころか占いを行っている現場にまで行きつくことができるわけですな。
その占いの現場には例の教育実習の先生の姿もあったりする。ほう、イケメンも占いとかするのかね。

中には順番待ちの人が待合室のような所で座っている。盛況ですなぁ。
その中にマーニーと同じクラスの男子である町坂君の姿がありました。参考に話を聞くマーニー。
ふむ、家は美容院をやっているが経営がヤバくなっていると。
さらに姉が自殺未遂を起こしたりして何か悪いものでもついているのではと悩んでいるそうな。
それで占い・・・同じオカルト関係なら神社とかでお祓いでもしてもらった方がいいんじゃないですかね?

町坂君の話を聞き、待合室の様子を伺うマーニー。
秘密の占い屋という雰囲気のためもあるのだろうが、その紙袋みたいな覆面はどうなのかねスタッフの人。
というのはさておき、町坂君から逆になにか相談が?と聞かれたマーニーはこう答える。

実はハズカしいんだけどね、恋愛相談なの〜
スティンガーの姫神さん・・・たくましいヒゲにもうメロメロで・・・でもあの人ホモで・・・

おい、さりげなく何を言い出すんだマーニー。
いや確かにそれっぽ風貌だし、財津さんとのダンスの話を聞いていると疑わしいと思わなくはなかったけどさ。

ともかく、そんな話をしているうちに町坂君が占われる順番となる。
その町坂君についていくマーニー。一人だと不安なんで、とのこと。わざとらしい演技ですなぁ。別にいいけども。
占い師に会う前に三井センパイにメールを送るマーニー。ふむ、大体のことはもう分かってそうな感じですな。

さて、フクロウのような覆面で顔の上半分を覆った占い師が姿を現す。
水晶玉やタロットのようなものは用いず、話をしながら段々と確信に近付いて行こうとする占い師。
ふむ、典型的なコールドリーディングでありますな。
知ってるように話を振っては情報を引き出している。町坂君は素直な子っぽいので嘘とか交えられないんでしょうなぁ。苦労しそうだ。

アナタのお姉さん・・・自殺未遂・・・ですが、助かってよかった。

おっと、話から引き出したわけじゃない情報がいきなり飛び出してきましたよ?
ふむ、こういう確信めいた話がいきなり出てくる。これは確かに信憑性の増す演出でありますな。
まあ、もちろんこれにもトリックがあるわけでありますが・・・

続いて相談を受ける番となるマーニー。
占い師はこう話を始める。家に問題、両親が離婚しており父性に対して強いコンプレックスがあるとのこと。
ふむ、実際まだ籍は抜いていないらしいが、家に問題があるのは確かですな。
で、父性にコンプレックスがあるので恋愛対象にも父性を求めてしまうのではないか?と占い師。
なるほど。面白い理論展開ですな。ある意味正解かもしれない。マーニーはやけにパパァパパァと仲良さげですしなぁ・・・フム。
とはいえ、恋愛相談に来たという偽情報に引っかかっている時点でネタは割れたようなものでありますね。

隠してましたが実は私、霊能力者なんですよ。そのことで相談しようと思って・・・

いきなりの告白。実はマーニーは霊能力女子高生探偵だった!!新しいかというとそうでもないフレーズですな。
ともかく、浮遊霊が私に囁く。私は土方亜有美に殺されたんだって、とズバリ名前を出すマーニー。
同様を誘い、挑発をしたりしている。中々に今回のマーニーは性格が悪いですな。
やはりオカルトが相手だと挑戦的になってしまうのだろうか。

アナタのコールドリーディングも含めてすべてマヤカシだ。
もったいつけたこの舞台装置。待合室なんて必要なのか?すべてが単純なイカサマの寄せ集めだ。
並んでた相談者達は何人がサクラです?目的は世間話で相談事を聞き出すために居る
待合室には3Dマイクがしかけてあった。立体的に音が採取できるから、だれがなにを話したか確認できる。
あなたがもったいつけて被ってるマスク。イヤホンを隠すための飾りでしょ。

なるほど。伊達や酔狂でこんな被り物をしているわけではないと。
ちなみにマーニーの家庭事情を当てたところにも仕掛けがある。
ようするに個人情報を占い師――土方さんに教えた人物が存在するのだ。
それは生徒の個人情報、家庭環境を短時間で調べることができる人物。多分彼女に入れ知恵をして金儲けをしようとした人物である。

とっくにアタリはついていたらしく、三井センパイにメールで生徒会に協力を仰ぐよう指示を出していたマーニー。
香坂さん経由で宮島先生に動いてもらう。
そう、その個人情報を流していた犯人は教育実習生である松竹
やれやれ。金儲けのために生徒の個人情報を流出ですか。こりゃあ警察に突き出されて当然でありますな。全く笑えないよ。

結局、松竹と土方さんは恋愛関係にあったらしい。ハァー、それはまた。
占い好きだった土方さんは近々ステキな男性に出会うって占いを真に受けて松竹が実習生で来た時にこの人だと確信したらしい。
ふーむ。思い込みが力になるってのはあり得ることでありますが、それで恋人になろうとか考えるものなんですかねぇ。
まあ松竹はゆりかちゃんも認めるぐらいのイケメンであるらしいしなぁ・・・どうしようもない男だったみたいだけども。

とりあえず一件落着となったこの事件。
しかし、その陰でとんでもない被害を受けている人物が存在した。

スティンガーの姫神君がホモだってウワサが流れてて、言い出した奴を殺すって騒いでるけど・・・これはまあ関係ないかな。

ハハハ。これはヤバイですね。咄嗟に口にしたこととはいえ、これが広まってしまうとなると・・・ヤバイですわなぁ。
なんせ微妙に信憑性の高そうな嘘である。姫神さんもムキになっちゃってますし、広まるのも早そうだ。
前から思っていたことなのかもしれないが、うっかり口にしちゃったマーニーのミスでありますね。
まあ、どのように言い訳をしたのかは・・・語られることはありますまい。姫神さんには耐え忍んでもらいましょう!!



file68「禁断の愛」  (2014年 2+3号)


立場と年齢が阻む恋。何やらドラマのような始まり方でありますが・・・?
別にマーニーがメロドラマの本を被って居眠りしたからそんな夢を見たというオチではない。ちょっと疑いましたけどね!!

三日前。ここのところ仕事もなく平和な日々を満喫しているマーニー。
平和だからウトウトしていると言うが忙しい時も授業中はウトウトしてるじゃないですか。
それはさておき、生徒会から呼び出しを受けるマーニー。
平和の時ってのは長続きしないものですなぁ。まあ、お得意さんの依頼は簡単には断れませんし、仕方がない。

さて、今回の白鳥さんの依頼は個人的な頼み事とのこと。ほう。
白鳥さんと同じセレブグループの小巻かえでさん。大地主の娘で都内に高級マンションをいくつも持っている家らしい。ふむ。
で、このかえでさんが最近学校に来ていないらしい。
本来社交的なタイプでパーティーやら旅行やら楽しむのが好きで急に外国に行ってしまうような子であるとのこと。
ふむ?それは単にどこかに遊びに行っているということなんじゃないですかね?まあ、それも含めて調べて欲しいってことでしょうか。

かえでさんは親とは別居中。
親はそれぞれ恋人もいて子供には十分な金だけ与えて放ったままの状態らしい。
放任主義と言えば聞こえはいいが何とも無責任な話ですなぁ。
まあ、人によってはお金さえ十分あるならそれでもいいと思ったりするのでしょうが・・・

現在は実家の持ってるマンションの1つに一人暮らしをしているとのこと。
そんなかえでさんだが、最近は白鳥さんのケータイにも出ないし書き込みも止まっている。
なので少し心配になった白鳥さんが小巻かえでさんの様子を調べて欲しいというのが今回の依頼となる様子。
まあ、素行調査みたいなものですし、探偵の仕事っぽいですわな。

というわけで依頼を受けたマーニーは調査を開始する。
まずセレブ用のアカウントを用意してもらい、掲示板の書き込みから情報を探る。
このアカウント後々の事件でも有効活用できそうですな。

掲示板はどの子もハンドルネームで書きこんでいるからまずは当人の特定をしなければいけない。なかなか手間のかかる作業だ。
でもこのラッキーバードってハンドルネームは間違いなく白鳥さんでしょうな。ラッキーは結局見つかったのだろうか・・・

かえでさんの書きこみを追ってみた結果、最近のものに男の影が見えると白鳥さんに報告するマーニー。
パーティーで知り合ったセレブに場違いなワイルドな男。連絡先を交換して交流を始める。
ふむ、珍しいタイプの男性と遊び歩いているってところでしょうか。
そういうことなら楽しくって連絡が滞るってこともありえるんでしょうな。経験がないのでその辺りはよく分かりませんが・・・

白鳥さんとしては不安が解消できたようであるが、マーニーの方は何か引っかかっるものがある様子。
かえでさんの両親の連絡先を教えてもらい、父母それぞれに話を聞いてみる。
ふむ、白鳥さんの言うとおりそれぞれ完全に別居してる感じですな。そして完璧に放任状態と。うーむ。

かえでさんには小さい頃から面倒をみている執事が存在しているとのこと。名前は石動さん。お、冒頭の人ですな。
一応完全に放置ってわけではなく人はつけているわけですな。
まあいくつの時から放置してたのかは知らないが、子供1人をずっと放置して万が一があったら社会的な立場的にもアレですしな。
その結果、娘と執事さんが恋仲になっていそうな感じなのが・・・ある意味必然かな。

石動さんに連絡を取ってみるマーニー。
かえでさんのことを聞いてみると、現在ハワイの方に旅行していて連絡がとりづらい状態であるとのこと。
ふむ。特に疑う余地はなさそうな言葉であるが・・・どうもマーニーは納得しきれていない様子。
これは俗に言う探偵の勘って奴なんですかねぇ。名探偵には大事な要素でありますわな。

依頼を受けてから二日経過。
マーニーは直接石動さんを呼び出して相談する。
かえでさんに貸した父の結婚指輪がすぐ必要になって返してもらえないかとなどと言いだす。ウ、ウソから入ってきたー!!

両親を仲直りさせたいんですけど、指輪がないなんてことになったらまたモメ事に・・・
明日会うことになってるんで、それまでに返してもらわないと・・・

困ったフリに泣いたフリ。うーむ、マーニーも女の武器の使い所が上手いというか何というか。
感心しませんなぁ。ロイドさん視点に立ってみると色々と感心しませんなぁ。
まあともかく、石動さんを泣き落としてかえでさんの部屋を調べさせてもらえることとなったマーニー。
女子高生探偵はこういうことも出来るから得ですよね。もちろん相手は限定されるでしょうが。

さて、折よく部屋に入ることが出来たマーニー。まず目についたのはかえでさんと石動さんのツーショット写真。
そこから2人は付き合っているのではないかと推測する。
またスマホの充電器が置きっ放しになっていたり荷造りした様子もないことを指摘してみる。

私は小巻さんのことを心配してるんです。話してもらえませんか・・・?

マーニーの追及に観念し、語り出す石動さん。
どうも石動さんとかえでさんは長いつきあいであるらしい。高校生になり彼女は大人の女性に・・・大人?
まあ、その辺りの言い回しはさておき、恋人のように色々と連れ回されたらしい。
石動さん自身は仕事と割り切るようにしていたが、かえでさんはどんどん魅力的になっていく。
ついには愛の告白まで受けるようになったという。ハア。

でも私にはどうしようもない。年齢も立場も許されないことです。
そして彼女はとうとう家を捨ててもいいから駆け落ちしようと・・・

そいつはまた情熱的でありますね。大人な石動さんに言わせれば一時の熱病みたいなものであとで絶対後悔するとのことですが。
何にしても今は家出中の様子。石動さんが受け入れなければ家に帰らないと一日おきに電話がかかってくる。
しかし石動さんもお金を動かすわけにはいかないしと苦悩しています。ん?

お金の辺りのことを詳しく尋ねるマーニー。
どうやらかえでさんの父からかえでさんの信託財産を動かす権利を預かっているらしい。
額にして五千万ほど。ほう、それなりの金額でありますなぁ。それを持って駆け落ちをしようという話でありますか。

もちろんこんな話、誰にも相談できない。ずっと悩んでいた様子の石動さん。
ハハァ、それでついマーニーに促されてベラベラと喋ってしまったわけですな。ちょっと人を信じすぎな気がしないでもない。
石動さんよりも人の悪意に慣れてしまった様子のマーニーは別のことに考え至る。
急いで考えを纏めて毛利さんに連絡を取るマーニー。
かえでさんが行方不明になる前に知り合った男。もしこの男がかえでさんに入れ知恵をしたとしたら・・・そう懸念しているのだ。

というわけでかえでさんが知り合った男のことを調べるためにパーティーが行われたクラブへと足を運ぶマーニー。
かえでさんのことを知らないか客に聞き回ったところ、何だか危ない人に呼び止められそうになる。
まあ誰もが好意的に返事してくれるわけではありませんが・・・というか、この人の髪型が怖いよ。何だよこのおさげのオッサンは。

ともかく、かえでさんと接触した男のことは分かった。
中島茂という名前の男と一緒に居たという証言を得ることが出来た。
が、その情報を得た帰り道、自転車を走らせているところで轢き逃げされそうになるマーニー。
直前で気づいて回避したから当てられただけで済んだが、なかなか危ないですなぁ。
まあそれだけで済ませる辺り犯人の手落ちも相当なものであるが。考えなしっぽい犯人だなぁ。

毛利さんに来てもらい、護送してもらいながら事件について説明するマーニー。

ある男が小巻さんの駆け落ちに協力するといい、でも本当は駆け落ちをそそのかした男による誘拐
中島は小巻さんの信託金に目を付け、それを引き出すことを考える。そして小巻さんに駆け落ちを持ちかけ協力を約束する。
小巻さんは禁断の恋に溺れ周りが見えなくなっているのか実行してしまう。
店に協力者がいるんでしょう。中島は小巻さんを調べてる私を殺そうとした。金を持ってきたら二人を殺して逃げる気かも・・・

もちろん企みがここまで読まれているのでは上手くいくはずもない。
石動さんがお金を持ったふりをして現地に登場。
中島が現れたところで潜んでいた警察も姿を現し、あっさりと御用となる。
恐喝誘拐と殺人未遂。なかなか凶悪な犯人でありましたねぇ。考えは色々と足りないみたいでしたが・・・

別の方の件も解決しちゃってるみたいで・・・皮肉にも中島の作戦は大成功だったみたいですね。

窮地を越えたことによって愛情はより深まってしまったかもしれませんね。
石動さんも立場は確かにありましょうが、放任している両親がどうこう言えた義理はないし、付き合うことを考えてもいいのでは?
まあ駆け落ちは止めておいた方がいいでしょうけどね。五千万やそこらでの逃亡生活はさすがにちょっと。

ところで年齢と立場という点だとマーニーと毛利さんも近い感じがないですかね?
目の前で抱き合う2人に当てられるとかそういうことはないのだろうか。気になる所です。



file69「献花」  (2014年 4+5号)


車と接触するバイク。転倒し、ライダーは出血。
例えヘルメットをしっかり被っていてもやはり事故によるダメージは大きい。怖い話ですなぁ。

そして冒頭の扉絵では電信柱の側に花が供えられている。
事故などがあったときに供えられる献花という奴ですな。なんとも切なくなってくる。

波峰ちゃんによると学校の三年生の誰かが事故ったらしい。
ふーむ、冒頭のバイク事故は学校内の生徒であったわけですか。
スティンガーの人らしいが知人だったら嫌な話でございますなぁ。

というわけで財津さん、姫神さんに連絡を取るマーニー。
返信によると3−Cの尾藤という人が転んで入院しているらしい。おや、亡くなられたわけではないんですな。

放課後、白鳥さんがその尾藤さんを見舞うために病院に行こうとしている。ついて行くマーニー。
ふーむ、この生徒会はマメというか何というか。学校の生徒が入院したからってわざわざ生徒会長がお見舞いしなくてもいいのになぁ。
逆に考えると入院すれば白鳥さんがお見舞いに来てくれるかもしれないわけか。ふむ。

病院では特にこともなし。
しかし帰り道で違和感に気付く。よく見ると道路におかれている献花がやけに多いのだ。
さすがにこれだけ頻繁に事故があったとは思えないし、質の悪いイタズラなんでしょうか?
警察に言っても犯罪扱いにはならないだろうし、路上清掃車が定期的に片付けてくれるだろうということでこの場は放置する。
しかし一度片付けられても再度花は供えられている。むう、何だか気になる話ですなぁ。
どんどん増えて行っていることもあり、さすがにゆりかちゃんも気になってきた様子。

マーニー。二人で調査してみない。私も手伝うからさ。たまにはコンビってことでさ

暇なんですかね、ゆりかちゃん?
まあマーニーも気にはなっているだろうし断る理由は無いか。
それでもマーニーにおまかせを?と疑問形になっちゃうのはゆりかちゃんへの信頼感の表れか。悪い意味での。

ともかく調査開始。まず花の配置を調べることにする。
マップにタグを置いて行けば犯人の活動範囲がわかるしデータとして他の情報と照合できるとのこと。なるほどねー。

その頭を勉強に回せばいいのに

おっと言われちゃいましたねマーニー。うー・・・
まあ勉強とは頭の使う所が違うってことなんでしょうなぁ。勉強できる人が賢いとは限らないし逆もまたしかりってことさね。

素直で協力的なゆりかちゃんをなんとなく疑わしげに思いながらコンビで調査を進めるマーニー。
一応ちゃんと働いてくれているらしく、献花の場所の情報を送ってきてくれている。
集まった情報をもとに色々と調べてみるマーニー。
うーむ、やはり死亡事故とは関係ないみたいですが・・・?

そんな風に調べ事をして疲れて眠ってしまったマーニー。
そこにかかってくるゆりかちゃんからの電話。何と犯人を見つけたという。ほほう?
確かに花を運んでいる画像が送られてきておりますな。
写真は撮ったけど別に跡を尾けたりはしていないゆりかちゃん。
危ない人っぽかったしかかわりたくないよ。マーニーみたいな物好きじゃないんだからとのこと。こりゃ反論できませんわな。

とりあえず移動ルートを逆算してみるマーニー。
古い花から枯れるわけだし移動順がわかれば犯人の本拠地も想定できるようになるわけだ。
歩き疲れて息の上がっているゆりかちゃんは置いて聞き込み調査を開始するマーニー。
慣れているからかどうなのか、何だかんだで体力ありますなぁ。

さて、家を特定したマーニーはさっそく花を運んでいたオバサンに話を聞くことにする。
ゆりかちゃんの言葉じゃないが、本当に物好きというか、危ないっぽい人相手でも物おじしないなぁ。
ともかく、オバサンに話を聞いたところ意外な事実が判明することとなりました。

あれをやってるのは私の孫でして。私は止めようと・・・花を片付けていたんです。

ああ、逆に回収して回っていた方でありましたか。言われてみれば枯れた花を運んでおりますな。
そしてお孫さんが花を供えるようになった理由。それは孫の父親、オバサンの息子が死んだからだという。

息子はアスファルトプラントの整備をやっていました。
その会社は杜撰な管理と違法な過剰労働で業界でも嫌われていて・・・そんな中、息子は行方不明になった・・・
一月後、液体アスファルトのタンクの底から変なものが見つかったんです。
ほんのひとにぎりの骨と息子が身につけていた貴金属類・・・
疲労した息子は作業中アスファルトタンクに落下した。そして誰もそのことに気づかず、きっと・・・そのまま!!

そ、そのまま舗装材として使われることになったというのですか・・・うわぁ。
そしてしばらくしてお孫さんは奇妙なことを言い出したそうな。
何でもお父さんを見かけた。だから花をあげたいというらしい。
なるほど、今まで花があった場所はどれも舗装が新しいところ・・・アスファルトが塗り替えられたところであるわけか。

孫はお父さんにお花をあげると言って・・・毎日出ていくんです。
私にはとても止めることはできない。だから、せめて枯れた花を片付けようと・・・

なんとも哀しい話でありますなぁ。
そういうことならば警察の方としても情状酌量の余地はあるでしょう。罪に問われるようなことはありますまい。
というかそのブラック企業の方は裁かれたんだろうか?ニュースになったぐらいだし一応裁かれたと信じたいところである。

それはそうと、この事件。最後に大きなものを残して行ってくれます。
お孫さんがお父さんの姿が見えると言って花を供えて行った箇所。それを上空から繋げてみると・・・

顔・・・?バカな・・・偶然だこんな・・・

確かに偶然であるかもしれないが・・・うーむ、人の持つ未練や悲哀がもたらす何かがひょっとしたらあるのかもしれないなぁ。
久しぶりにゾクリとする後味の残る終わり方でありました。
こういう話が入るのも木々津先生の特徴でありますやね。怖し怖し。



file70「二人の名探偵」  (2014年 6号)


TV名探偵キング選手権。
全国の子供たちが推理力を競い合うこの大会。
見事優勝し、小学生探偵キングの栄冠を手にしたのは横浜の探偵少年、比嘉大介君。
その彼が成長し、今マーニーと同じ学校に通っているのは何かの因縁なのでありましょうか。

推理力は昔より今の方が上だと豪語する比嘉君。
推理小説も五百冊は読んでいるし、犯人当てなら任せろとのこと。その中にマーニーのようなタイプの推理ものはあるのだろうか。

比嘉君の友人であるメガネの村山は俺たちも探偵をやって金をとろうぜと持ち掛ける。
趣味と実益を兼ねられる話であるし、どうやら比嘉君も乗り気な様子。
生徒会にかけあって同好会申請して空き部屋に事務所を開くつもりらしい。だが――

却下

当然の如く生徒会長である白鳥さんにはすげない扱いをされてしまう。
マーニーは色々と解決してきた実績もあるし、免許を持った父親の手伝いもしている。プロと言われるだけのものがある。
さすがに昔のTV番組でキングだったと言われても、それで実業務を任せるのはねぇ。
お金も取るとなると生徒会としてはちゃんとした見極めをしないといけなくなるし、仕方がないですわな。

一旦はしょうがないと諦めかけた比嘉君であるが、村山の説得により奮起。
マーニーが仕事を引き受けようとしている場面に割り込んでくる。ちょっと待った!!

その依頼オレにも受けさせてくれ。金はいい。オレと勝負しろマーニー!!

うーむ、何やら熱い感じになっておりますなぁ。
まあ依頼者としてみれば無事に事件が解決すればいいんでしょうけども。
これで姫神さんのようにダンスの相手をという依頼だったらどうするつもりだったんだろうか比嘉君。

とりあえず依頼者である功円さんから話を聞く。
何でも大好きな白丸君がバラバラにされたらしい。バラバラ殺人だと!?いやどう考えても警察に持ち込むべき話だろ、それなら。

アニメの主人公で、等身大の立て看板。本屋さんにムリ言ってゆずってもらった物なんだけど。大事にしてたの。
ちょっと貸し出すことがあって、しばらくクラブハウスに置いておいたの。
鍵は私しか持ってないし、他に出入り口もないのに、ある日見に行ったら・・・バラバラに壊されてて。

ふむ、いわゆる密室殺人というやつですな。
人じゃなくて看板ではあるけども・・・悲しんでる人はおりますねんで!!

わかった!このナゾ比嘉大介の名にかけてきっと解決してみせる!

背景をキラキラさせて断言する比嘉君。鼻の絆創膏は伊達じゃないって感じの熱血漢でありますな。
まあ、こう言い切ってもらえるのは依頼者としては心強いものなのかもしれない。
マーニーもあれくらい熱意があった方がいいのかなとか思っちゃうぐらいですし。

このナゾはマーニーの名にかけて・・・

さりげなくマーニーの恥ずかしい場面を動画撮影するゆりかちゃん。抜け目のない子でありますなぁ。ハハハ。

それはさておいて、早速その事件のあったクラブハウスに移動する。
窓は格子がハマッていて人の出入りは出来ない。通用口や天井など抜け道になりそうな所も見当たらない。
タイムテーブルは功円さんが教えてくれます。
アニメ研に貸し出すことになって、しばらくこの部屋に置いてあった。
事件前は六時に存在を確認。鍵を閉める。そして翌朝、バラバラになっていたのを本人と友人が発見。
しかもバラバラになった看板の辺りには血ノリまで撒かれていたという。えぐい話ですな。
それで一人に見てもらっているうちに残りで先生を呼びに行ったということらしい。ふうむ。

一体何だってこんな犯罪が起きたのか。恨みによるものなのかどうか。ムシャクシャしてやるにしても手が込んでるしなぁ。

依頼者から話を聞き終えたところでそれぞれに動き出す二人の探偵。
比嘉君はここまでの情報をもとに推理を開始している様子。
マーニーはここから独自の調査を開始。色んな人に話を聞いて回る。その中で興味深い話が聞けた。
どうもあのクラブハウスは昔倉庫だったらしい。そしてその昔、中の資材が盗まれる事件が何回かあったという。
結局犯人はわからなかったが、貴重品を置くのはやめになったそうな。ほほう。

聞き込みを終えた後は人間関係の調査。
犯行の動機や色々なものが見えてきますからね。こういった調査も大事である。

さて、時間が経過し、おそらく放課後と思われる時間。比嘉君は事件の関係者を招集する。
マーニーと比嘉君に村山、依頼者の功円さんとその友人3名。計7名が一堂に会することとなった。

功円さんの立て看板がバラバラにされる事件ですが、犯人はこの中に居ます

ザワザワザワ。この入り方・・・まさしく探偵もの!!そして比嘉君の推理ショーが始まる。

犯人は単純なミスをしました。
功円さんの立て看板は裏面がベニヤで補強されており、短時間で破壊は難しい。
バラバラにされた破片も見せてもらいましたが、なぜか血ノリは背面にも付いていた。これは何を意味するか。
バラバラにされた看板はもう一つあったのです。
最初に見つけたバラバラの看板はニセモノ!写真をとり、拡大コピーを貼り付けたハンドメイドの粗悪品です!!
僕はこれを見つけました。絵が一部残っています。これは血ノリのついた厚紙の破片。ニセモノの背面を補強したものでしょう。

最初に見つけたのはニセモノ。であるならば、今実際に看板はバラバラになっているということだろうか。
どうやって本物の看板とすり替えることができたのか。
それは簡単である。皆が先生を呼びに行っている間に現場を見張っていた人物。その人ならば自由に部屋に入ることが出来たわけだ。
比嘉君はその人物を指差し、宣言する。

現場を見張っていた人間、立て看板バラバラ殺人犯人・・・今西良香!!

功円さんの友人の一人であるこの子が犯人と。ふむ。
夜の間に学校に侵入し、自作のバラバラの看板を窓から放り込んだわけですな。
格子があるから不用心にも窓に鍵はかかっていなかった。十分にニセの看板を放り込むことはできたわけですな。

勿体ぶりながら、比嘉君の推理ショーは佳境へと入っていく。

アナタはまず棒で押して看板を倒す。バラバラにしたニセモノなら格子の間を通せる。
それを裏面にした看板の上にまく。それだけだとまだバレバレだが、アナタは血ノリをまくことにより目くらましに成功した。
そして翌日。薄暗いクラブハウス。だれもそのことに気付かなかった。
本当の事件はこの後起こった。
今西さんは自分は現場を見ていると言い先生を呼びに行かせ、ニセモノの看板を回収。
そして彼女は隠し持っていた強力な金バサミを取り出し、無傷の看板をバリバリと!!

最初見た時無傷の看板が無実の看板に見えて、何て酷いことを!とか思ったりしました。いや実際無実なんだろうけども。

バラバラの破片ならばあまり嵩張らないし、その辺の小さい棚の裏にでも隠すことができる。
探せばニセモノの看板が出てくることでありましょう。そう脅しつけることで今西さんから自供を引き出す比嘉君。
ふむ、今西さんがやったという証拠にはならない気はするが、推理の裏付けにはなる証拠でしょうしね。
何にしても犯人が罪を認めたのであればそれ以上追及する話ではありませんやね。おお、比嘉君がチヤホヤされとる。

なんか反論でもあるか?とマーニーに問いかける村山。
それについては解決したなら良かったじゃないですかと笑顔で返す。穏健ですなぁ。
しかし、マーニーに払う予定だった依頼料を持っていこうとしたとなると話が違ってくる。お金取るんですか!?

だまっているつもりでしたが、金を取るって言うなら犯罪になりかねませんからね。言わせてもらいますよ。
大体ですね、比嘉さんのワトソン役のつもりなのかもしれませんが、アナタがすべての黒幕ですよ。村山さん
アナタと今西さん、付きあいあるでしょ。
クローズドで会話しててもだれとだれが利用してるかくらい、コミュニティの人の出入りでわかるんですよ。
村山さんが事件を作ったんですよ。パズルのようにヒントを残して。
今西さんは犯人役を引き受けた。お金をもらったのか本当に恨みがあったかは解りませんが、シナリオと仕込みは完成した。
だけど功円さんは先に私に依頼してしまったためこんな事態に・・・

依頼を受けているマーニーの顔がやたらと腑抜けた感じだが・・・まあ、それはいいや。
それよりも、ここでマーニー。衝撃の事実を発表する。

大体密室でもなんでないんですよ。ここは昔から何度も盗みが起きてるんです。
ドアにはまってる摺りガラス。元々開閉式なんですよ。
下側に隠しネジがあって、ゆるめれば開くんです。ここから手を入れれば内側からカギを開けられるんですよ。

普通ミステリーであれば怒られるような展開である。密室と思わせておいて実は開けられるドアだった。
ないだろうと思われる前提を覆させられる。推理ものとしてはよろしくない手法である。

だから限られた情報で推理をして答えを出すなんて一番やっちゃいけないことなんです
探偵なら出来る限りの情報を集め、証拠を積み上げる。それがすべてなんですよ

よいセリフでありますな。まさしくそれが大事であります。
勿論シチュエーション的に情報が限られてしまうこともあるし、推理で補わなければならない場面もある。
けれども、今回の比嘉君は確かに限られた情報だけで考えようとしていたように見える。
与えられた情報だけを元に推理して犯人を当てる。これはまさに推理小説を読む読者側のやり方であり、探偵のやり方ではない。
動き回って証拠を積み重ね、真実にたどり着こうとする。この努力が何よりも大事なんでしょうな。
実際他の推理ものでも読者は何のことか分からないが探偵は何かに気づき〜という展開はよくありますものねぇ。

というわけで、金儲けのために比嘉君を利用しようとした村山は宮島先生に厳重注意を受けることとなりました。
当初はマーニーも、彼らは遊んでいるだけなんだなと思ったらしい。
自分たちで事件を作り上げて、比嘉君に解決させて楽しんでるんだなって・・・と。
しかしそれがまさか金を取ろうとし出すとはなぁ・・・それだと自作自演の狂言になっちゃいますわなぁ。
踊らされることになった比嘉君も何だか悔しそうでありますよ。

あんなに本気で推理したのは久しぶりだったんだ。昔に戻ったように熱中して。
次は絶対に負けない!!勝負はこれからだぞ名探偵マーニー!!

タイトルコール入りましたー。
うーむ、凹んでいるかと思ったら一瞬で立ち直ってきちゃいましたねぇ。暑苦しい。
まあ推理力そのものは本物みたいですし、今後の活躍も少しは期待できるかもしれない・・・か?
少年探偵である久儀君との絡みとか期待したい所ですな。



file71「汝は人狼なりや?」  (2014年 7号)


人気のない夜の公園に響く人の悲鳴。
それを聞きつけて茂みの奥へと足を踏み入れる男性。勇気ありますな。
しかしその男性が目撃したのは気絶した女性と、その前に佇む狼男の姿であったという・・・!!

そのような事件があった翌日。当然公園は立ち入り禁止となっている。
前花さんと一緒に歩いていたマーニーは毛利さんの姿を発見して声をかける。
相変わらず気軽と言うか何というか。毛利さん以外の警官もすっかり慣れっこになっているんじゃなかろうか。

毛利さんが言うには通り魔が出たとのこと。
目撃者がいたのでモンタージュを作成しているのだが・・・出来上がったのは化物の姿
よくモンタージュでこんな姿が作成できましたな。色んなパターン用意しているんですね。
というか完成する前に突っ込み入れましょうよ警察も。

狼男のような姿の犯人。
それを見て何かに気付く前花さん。どうやらRPGに出てくるウォアハーフという狼人間キャラにそっくりであるらしい。
ふーむ、仮装――コスプレの類でありますかね。
さすがにこの世界観でいきなり前触れもなく化物に出てこられては困りますしなぁ。
というわけでマーニーは警察に協力する形で調査に乗り出すこととなりました。

ウォアハーフを探すわけですね。なんか刑事ドラマの情報屋みたいですが、マーニーにおまかせを。

おまかせをはいいけど、これって報酬出るんですかね。
情報提供者としての謝礼が出そうなそうでもないような・・・うーむ?
コネ作りで採算度外視で動くことも時には必要だが、毛利さんとのコネクションはもう充分すぎる程な気がするしなぁ。
まあ、調査で知り合った人とのコネも出来ると考えることができるか。人との出会いは大切だ。

コスプレイヤーアーカイブを探してみるマーニー。
けっこう出来のいいヌイグルミ系のコスプレがある様子。最近は本当色んなのがありますよね。
コスプレイベント自体は定期的にやってるけどそれは今旬じゃないと前花さん。
まあ好きな人は旬じゃないキャラのコスプレもやったりしますがねぇ。
というか前花さんレイヤー属性もあったのですか。どんなのやっているのだろうか。気になるな〜。
オカルトだけではなく属性を増やして出番の増加を狙うとはあざといな前花さん!!

それはさておき、前花さんにコスプレイヤー関係に当たってもらっているうちにマーニーは別口を調べる。さてさてどうなりますか。

コスプレ関係は警察や前花さんが調べているがどうも結果は芳しくない様子。
目撃者の男性はゲームとかしないのでこのキャラは初めて見たとのこと。ふむ、思い違いでその姿を見たわけではないと。
そしてコスプレかそうでないかくらいは区別がつきますとのこと。
ふーむ。暗いとはいえ月明かりや街灯もあったし、ヌイグルミかどうかぐらいは判断できたということか。

それらの前置きを経て、マーニーが目を付けたのはデザイン専門学校。
その特殊メイク学科が体験入学をやっているらしく見学を申し出るマーニーと前花さん。
なるほど。特殊メイクであるならばコスプレよりも本格度はかなり高くなりますわな。
ちなみに特殊メイクはなかなか大変である。特殊な接着剤を使って時間をかけてメイクをし、はがすのにも専用のリムーバーがいるという。
そんな話を聞いている中で例のウォアハーフのマークを発見する。
どうやら既存の映画やアニメの世界からオリジナルキャラをデザインしてモデルを使って特殊メイクを完成させる課題があるらしい。
ふむ、なかなか興味深い。というか好きな人は本当に熱中してやりそうな卒業課題でありますな。

ちょっと・・・これを作ってる人を紹介してほしいんですが・・・

何故かやたらと可愛い笑顔でお願いするマーニー。これも女子高生探偵の技なのか!?
その技の効果が高いのか、見事に紹介してもらえたマーニー。
どうやらそのメイクの作成者は公園で女性が襲われた事件について心当たりがある様子。だが、どうやら犯人ではないみたいだ。ほう。

別にアナタを責めてるわけじゃないんです。なにがあったか知りたくて・・・
アナタはウォアハーフが好きで、卒業制作のテーマに選んで・・・膨大な時間をかけて製作している。
なのにそれを使ってわざわざ女性を襲わないでしょう。

おかしな人だとリアルに近付けるためとか言って襲ったりする可能性もあるんじゃないですかね?
まあ今回はどうやらそういう人ではなかったみたいですけども。

その日、専門学校の学生さんは複数人でウォアハーフの製作に夜遅くまで取り組んでいたらしい。
せっかく出来上がってテストメイクしたはいいが、誰にも見せないうちに剥がさないといけない。
それはちょっと勿体ないと言うことで近くの公園で撮影会をしようという話になったそうな。
PVのような短編ムービーを作ろうとしたわけですな。面白そうな話である。
しかしそのムービーを取るために茂みの奥に入っていったら、そこで女性が襲われているところに出くわしてしまったらしい。

それで襲った男が逃げて、そこに女の人が倒れてたけど、別の人が来たから女の人はその人にまかせて逃げたんだ。

なるほど。最初の悲鳴は襲っていた犯人のものだったのか。
それで「女性の悲鳴」ではなく「人の悲鳴」というアオリ文だったわけですな。なるほど。

なんで逃げたんですかと問うマーニー。いや、逃げるでしょうそれは。
目撃者の男性にその姿のまま説明しようとしてもややこしいことにしかならない。下手すりゃその男性にも逃げられる。
襲われた女の人が意識不明の重体でなければここまで大事にはならなかったかもしれなかったですしねぇ。
いや、狼男が目撃されただけである意味大騒ぎになることは確定していたか。やっぱり素直に話してた方が良かったかもですな。

学生さんが目撃した班員は若い男。小型犬を連れており、犬の散歩中だったとのこと。
なるほど、犬の散歩と思わせて油断させて襲ったわけですな。狡猾な奴である。
その犯人はどうやらこういった行為を常習的に行っているらしい。
ある日の夜。冒頭の事件と同様に女性を襲い、茂みへと連れ込む犯人。
しかしその現場に響くのは獣の遠吠え。荒い息遣いと共に現れたのは狼男――ウォアハーフだ!!

暴行魔!地獄で恥じろ!このケダモノめ!!

獣にケダモノ呼ばわりされるとは!!いや、正直されて当然の存在だしそこは問題ないですな。しかしこれは怖い。
しかもオトリ捜査で被害者に扮していたマーニーがいつの間にかテグスで犯人を縛り上げたりしている。
うーむ、マーニーのテグス芸もいよいよ本格的なものになってきましたなぁ。
それにしても犯人の目撃者と言うことで確認のために学生さんに来てもらっただけなのに、何故メイクまでしてくるのか・・・
まあ、うまくいったから咎められるようなことはないとは思うが・・・ノリのいい奴である。警察官の評判は良さそうな感じかな。

犯人は近所に住んでいる浪人生で、夜に犬の散歩だと家を出てこの公園で痴漢行為を繰り返していたらしい。
小型犬を連れていたり、見た目は気の弱そうな感じなのだが、人は見た目によらないものですなぁ。
皆心の中に怪物を飼っているんだよと刑事らしい意見を述べる毛利さん。
ふーむ、マーニーの中にもそういった怪物が潜んでいたりするってことでしょうかねぇ。
ゆりかちゃんは潜めてもいなそうな気がするが・・・まあ、ひょっとしたらもっと凄いの潜めている可能性はあるか。うん。



file72「カジノ」  (2014年 8号)


センターカラー。カラオケ屋で熱唱するマーニー
思考世界ではなく自分世界へと浸るマーニー。やあ、拳が効いてますねぇ。何歌ってるんだろう。
というかどういう面子でカラオケしてるんだこれ。特に立花さんと白鳥さんが並んでいるのが凄い。学園カーストとは一体。

さて、本編。
制服に目元を隠した仮面。どうやら学園内でカジノのような賭け事が行われている様子。
二十万の大負けをしてカジノ側らしい連中に引きずられていく少女。おやおや。
冷徹に淡々とそれを見送る黒髪短髪の少女。
彼女こそスティンガーNo.2、犬飼悠里さんでございます。
おぉ、白鳥さんが言っていた例のNo.2女子がついに登場でありますか。

丁度その頃、マーニーの教室でもポーカーが行われていた。
久しぶりの登場となるマジシャンの真希田マキちゃん。
ゆりかちゃんと波峰ちゃんにポーカーのやり方を教えていたという。その中で2人の性格が見えたと言うので教えてもらえた。

波峰は危険なカケに出たがるし、顔にも出る
若島津は表情に出なくてブラフがうまい。深入りはしなくて大負けはしないタイプ

なるほど。面白い話でありますな。賭け事はやっぱり各々の性格が出ますよねぇ。
ちなみにレートはケータイのポイントらしいが、これはOKなのかね?どうなのかね?

マーニーも含めてポーカー開始。その中でマキちゃんが見たマーニーの性格。

マーニーは他のプレイヤーのことばかり推理してて自分のこと考えてないでしょ。その分よく周りを観察してるけどね・・・

観察しちゃうのは探偵としての習性ですかねぇ。
しかし自身の危険を顧みることがないことも多いし、確かにマキちゃんの言うとおりであるかもしれない。

そんな話があった後日。今日も白鳥さんから仕事の依頼を受けるマーニー。どうやら緊急事態らしい。
何でも学校の生徒が1人自殺未遂を起こしたらしい。幸い命は助かり今は入院中とのことであるが、そりゃ確かに緊急事態ですな。
どうもその自殺未遂の生徒は冒頭の賭け事で大負けした生徒であるらしい。
セレブグループではないけどそれなりの裕福な家の子で、家の金を持ち出して使ってしまったらしい。
それが結構な額で、本人はパニックになったと。ふーむ。
二十万は確かに結構な額だけど、それで娘が死なれたら色々とやり切れませんわな。助かってよかった。

白鳥さんが言うにはどうやらスティンガーがゲリラでカジノを開いているらしいとのこと。
場所はコロコロ変えているらしく、本当にスティンガーが行っているかの確証は得られていない。
主催している人間がわかれば対処できるとのこと。

白鳥「そこでマーニー。アナタにはそのカジノの正体を掴んで欲しい。できれば、現場に入り込んで証拠を」
マーニー「マ・・・マーニーにおまかせを・・・」

リアルな犯罪者相手にも食って掛かるマーニーであるが、それでも恐れるスティンガー。
カジノを開くぐらいだとかなりの数がいそうですし、危ない橋を渡ることになりそうですわなぁ。怖い怖い。

さて、カジノを調べると言ってもどうやって開催場所などを知ればいいのか。
ネットにそれらしい話はないし、そもそも人の噂としても聞いたことがない。
となると一部の人間の間にだけ秘密の暗号で連絡が行われているのだろうか。会員は口コミで広げる流れですな。

というわけで、その自殺未遂者にカジノについて話を聞くために病院を訪れるマーニー。
自殺未遂を起こしたのは鈴原今日乃さん。マーニーとは特に顔見知りと言うわけではない様子。
それを利用してセレブグループからの公式のお見舞いと述べるマーニー。白鳥さんの依頼を受けているし大きく外れてはいない、のか?
しかし鈴原さんはセレブグループという言葉に反応した様子。アナタ、セレブグループなの?

白鳥さんとはツーカーですし。まあ上位ランクかなと・・・

うわあ・・・。
鈴原さんとは違う意味で呻いてしまいそうになりました。マーニーがセレブ上位ランク・・・!!?
ゆりかちゃんがいつの間にか聞いてたらまた色々とからかわれそうなセリフでありますなぁ。
いやまあ、白鳥さんとツーカーなのはそれほど間違いじゃないんですが。

セレブの片とお近づきになれてと恐縮する鈴原さん。いやいや。ハハハ。
一気に優位な立場となったことでゲリラカジノについての情報を得やすくなれましたな。
少しガラの悪い感じのマーニーというのもなんだか新鮮である。

鈴原さんが言うにはゲリラカジノは月一開催。場所は暗号で掲示される。入場するのには割り札が必要とのこと。
なかなか凝った仕掛けであるが、ともかくこれで現場を抑えられそうでありますな。
情報を聞いた後、鈴原さんは行くのならポーカー台には気をつけてくださいと述べる。

私はそれなりにうまくやってたんです。運も良かった。それがポーカー台に座ってからあっという間に巻き上げられて・・・
他のディーラーの時はまだしも、ショートカットの女子が来たら逃げてください。アイツは危険です

警告どうも。とはいえ、話の流れからして対決は免れないのでしょうなぁ。

というわけで、事前にギャンブルについての知識を得ようとマキちゃんに相談するマーニー。
マキちゃんに言わせればちゃんと説明してもらわないと軽々と教えられないとのこと。正論だ。
友人がギャンブルのやり方聞いて来たりしたらそりゃ不安になりますわなぁ。マーニーお金に困ってそうだし。もしかしたらと・・・

とはいえ、詳しい話を聞いたマキちゃんは一転して興味を持った様子。可愛い。
私も連れていってくれるならギャンブルのこと教えてあげるよ。安心して。金儲けしたいとかじゃないから、とのこと。
まあゆりかちゃんと違って金稼ぎに熱中したりはしないと思いますが・・・これもマジシャンの性なんですかね。

さて、掲示板の暗号で開催日と開催場所を確認するマーニー。
身元を隠すマスクをつけてマキちゃんと共にいざ出陣であります。
割り札は1人が持っていれば連れの人は紹介者として入れるシステムなんですな。こうやって人を増やしているわけか。
当然ケータイとスマホは入り口で回収される。うーむ、これがないとマーニーの力は大分制限されてしまうが・・・仕方ない。

中はいかにも怪しげなカジノといった様子。
ポーカー台だけじゃなくルーレットまで用意されている。さすがにスロットとかないか。バ、バニーまでいるぞ・・・

それはさておき、ちょっとやっていくわとかいきなり言い出すマキちゃん。
ポーカー台についていきなり荒稼ぎをし出す。イカサマ満点のやり口はどうかと思うが・・・これもマジシャンの性か・・・
まあ、今回は首謀者を釣り出すという目的がありますからね。一応。
その目的通り、話に聞く黒髪短髪の少女、犬飼さんが現れる。

新しくディーラー席についた犬飼さん。まずはカードを新品に交換。
背が緑色という珍しいカード。マキちゃんは20種類ぐらいのカードを仕込んですり替えをしていたが、さすがにこう珍しい柄のはない。
まあ、さすがに単純なすり替えだけがマジックってわけではないでしょうが。
それでも犬飼さんのカードの切り方や手際を見る感じ只者は無い様子。さてさてどうなりますか・・・

勝負は進むが、どうにも分が悪いマキちゃん。出来る範囲で色々やっているようだが、負けが込んでいる。
傷が大きくならないうちに引きあげたいところであるが、どうも簡単には帰らせてもらえない様子。
怖いお兄さんたちとしては大勝ちしそうな相手には容赦なく負けてもらうって感じであるようだ。怖いねぇ、カジノ。

マーニー一人なら帰れると思うから。先に帰ってて?それで先生なり警察なりに密告すればいい

それではマキちゃんはどうなるのか。いや、何となくマキちゃんなら一人でも脱出できそうな気はするけども。
というかマーニーもあらかじめ白鳥さんに踏み込めるように待機しておいてもらうべきじゃなかったんですかね?

マキちゃんが言うには相手はイカサマをしているとのこと。しかしそれがマジシャンの目から見てもわからない。
となればそれは誰でも出来る手技のイカサマではないとマーニー。ふむ。
しかしマキちゃんも中々熱くなる性格のようでありますなぁ。ギギギ

マキちゃんに代わり、最後の一勝負を申し出るマーニー。
金目のものはないが、マーニーは私を使っていいよと言い出す。一日五千円+経費。半年分。ほほう、これは面白い申し出だ。
相手もこれを受けてくれる。マーニーの価値を理解しているということだろうか。何だかんだで有名人だろうしなぁ。マーニー。
マスクしてても髪型ですぐばれそうだしなマーニー。というかマキちゃんマーニーの名前叫びすぎ。隠せないだろうけど隠そうよ!

さて、カードが配られるわけであるが、そこでいきなりイカサマをしようと思うんですよと言い出すマーニー。ザワザワザワ。
そしてイカサマとは関係のでスマホを返してほしいと言い出す。何か確認する必要があるそうな。
ふーむ、いきなりおかしなことを言いだしてる気がするが、十五万という高額の勝負だし相手も呑まざるを得ないか。
だが、その大物感が命取りであります。二年F組の犬飼さん。

私の目はちょっと特殊でしてね。人より見える色が多いんですよ。
普通の人は三種類の色覚細胞を持っていて、その三色の合成で色を見ている。
ただまれに四種類の色覚細胞を持った人がいる。その人の世界では緑色は分解されて別の色に見えるとか・・・
例えばこんなトランプの背中。その人にだけは違うものが見えるかもしれませんね。

なるほど。特殊体質を利用したイカサマでありましたか。カードを用意できるディーラー側だから出来る技ですな。
スマホで撮影して色域補正をちょっとかければ四色色覚は再現できるとのこと。ほほう。

このマーニーの話を聞いて周りのギャラリーが騒ぎ出す。イカサマだー!!
ふむ、カジノ側の人間しかいないならば暴いても無駄だったかもしれないが、ギャラリーがこういう空気を作ってくれるのはいいですな。
そして精神的に追い込んだところで、いつの間にか入り口側に移動していたマキちゃんが叫ぶ。

先生が来たぞ!手入れだ!早く窓から逃げろ!!

さすがにマキちゃん。手慣れているというか何というか。見事な扇動でありますな。
相手が弱ったところにすかさず最善の手を入れる。
カジノ側の人間は皆この勝負に気を取られていたようだし、確認する術もない。慌てて逃げ出す。

また会いましょう。マーニー

そう告げて去っていく犬飼さん。おやおや、これは厄介そうな相手との因縁が出来ちゃいましたね。
財津さんや姫神さんのようにいい人ばかりというわけでもないスティンガー。そのNo.2を敵に回し、今後どうなるのか・・・怖いねぇ。

マーニーはどうやらマキちゃんが勝負している間にスマホ連動の腕時計型端末を使ってずっと調べていたらしい。
体育祭の写真から名前を割出し、そこで名前を言い当てての推理披露という流れであったわけですな。
しかしよくもまあ、確認する前に四色色覚によりイカサマだと分かったものである。

実はあれブラフなんだよね
四色色覚のことは聞いたことがあったし、あの人が犬飼さんだってわかったから。ちょっとカマをかけてみたんだけど・・・
うまくいったからいいんだけど・・・今になって震えが出てきた。

何とも大胆なマーニー。真実を探求する探偵であるが、時にはカマをかけるのも必要ということですな。
普段はヘタレな感じも見せているのに、ここ一番の度胸は本当凄いものがありますなぁ・・・
銃を向けられたりと修羅場の数はそこらのスティンガー顔負けであるし、ある意味当然なのかもしれませんが。

さてさて、これで謎だったスティンガーNo.2との因縁も出来上がりました。
学園内の争いはこれからも盛り上がっていくこととなりそうですなぁ。
敵が強大であるならば、味方との繋がりも強化しなければいけない。自明の理である。
そんな理屈で最初のカラオケ屋の集まりという流れになったのかもしれない。やはり交流会は大事ですよね!!



名探偵マーニー 9巻


file73「マーニーの思い出」  (2014年 9号)


今回はマーニーの幼い頃の話となります。
まだパパとママと3人一緒に暮らしていた頃のお話。
しかし一緒に暮らしていたからといって今より幸福だったかというとどうやらそういうわけではない様子。悲しいことに。

刑事の父と弁護士の母。どちらも仕事に追われ忙しい日々を過ごしている。
それぞれ大事な仕事を抱えている。だけど一人娘であるマーニーを放っておいていいとは思っていない。
その気遣いはあるのだけど、娘を誰が面倒見るのかで口論になってしまっている様子の父母。その様子を見る娘のマーニー。
うーん・・・絵にかいたような悲しい家庭でありますなぁ・・・

自らの居場所を探し、1人街を彷徨うマーニー。
足を運んだのは廃屋の一室。
畳が敷かれたそのスペースにはポットやちゃぶ台、寝袋などが置かれている。

今日はもう帰らない。ここに泊まるんだ

子供は子供なりに考えることがある。自分が原因で両親が言い争っているのならば、自分がいなければ。そう考えることもある。
ここはどうやらマーニーの秘密基地であるらしい。
秘密基地とはまた子供らしい発想ですなぁ。微笑ましい。ちゃんと住めそうな感じなのがマーニーらしいといえますか。

そんな秘密基地に足を踏み込んだ者がいる様子。
震えながら、その侵入者の確認に向かうマーニー。浮浪者とかだったら嫌ですなぁ。
子供の秘密基地は完成度が高いと見知らぬ浮浪者に奪われる可能性があるといいますし。いや、本当かは知らないけど。

警戒して様子を見に行くマーニー。しかしそこにいたのは身なりのしっかりした男。
どうやら脇腹を撃たれているらしく、出血して動けずにいる様子。
だれか大人を呼ばれたら逃げようがないと警戒する男。しかしマーニーは別に通報しようという意図はない。
水や包帯を用意し、自分の基地に匿ってくれる。さらに抗生物質なども買ってきてくれるという。ほう。
物怖じしないというか何というか。相手が怪我人で動けそうにないからこそ見知らぬ大人でも優しく接するようにしたってことかな。

今日はもう帰らないと言ったが、寝袋も譲ってしまったし留まることはできない。家に帰るマーニー。
母親は食事を用意して待ってくれていたが、すぐに仕事の会合で出て行ってしまう。
結局一人で過ごすこととなるマーニー。うーむ。

翌日。マーニーは約束通り基地へと向かい、薬と食料を男に渡す。
マーニーは両親からケータイを禁止されているらしい。知らない人と話さないようにとも言われている様子。
ふむ、マーニーがケータイを持てないとは何だか勿体ないというか何というか。
いやまだ幼い頃だから仕方がないとは思いますけどね。知らない人と話しちゃいけません!は子供に教える常套句ではありますし。
男は過保護なんだな、とか言っているがさすがにそこは当然のことだと思いますよ?
実際今、怪しげな男とこうして話すことになってしまっているわけですし・・・

男は何故こんな大ケガをしたのかについて説明してくれる。
人生色々とゴタゴタしていて生きるのも大変。今回もある連中と仕事で組んだが、終わったとたん裏切られてこのザマとのこと。ふむ。

マーニーが怪しげな男と交流している頃、ロイドさんは警察官として働いている。
今追っている事件は丸沢宝石展大王ルビー窃盗事件
宝石屋に展示されていた大王ルビーが監視カメラもセンサーもあったのに、客がいる前で突然消えたらしい。ほほう。
まるで物語の怪盗でも現れたかのようなこの事件。警察としては威信にかけて犯人を見つけ出したい様子。大変ですなぁ。
こういう時に名探偵でもいれば犯人はさておき、犯行の手口ぐらいは見抜いてくれたでしょうにねぇ。

さて、男はしばらくマーニーの基地に厄介になっている様子。
弾は貫通しているし、薬さえあれば後は安静にしていればある程度は回復するようだ。
ずいぶん長居したし、もう少ししたら出ていくという男。その言葉に寂しそうな様子を見せるマーニー。おやおや。
それを見た男は笑顔でマーニーにお礼と称してあるものを渡す。それは大きな赤い宝石。

ある金持ちの御夫人がね、この宝石を担保に多額の金を借りて相当の額を遊んで使っちまったのさ。
夫にバレるとマズイし宝石も手放したくない。
それで我々に頼んだわけさ。衆人環視の中、宝石を消してくれ。盗賊に盗まれたよう擬装してくれと。
それで我々は色々と細工をした。ドライアイスをルビーそっくりに加工したり、
展示容器を二重構造にして中に冷気を封入して溶けないよう工夫したり、
客が途切れたタイミングを狙って冷気を排出して、まるでルビーが消えたかのように演出したり・・・
まあ、そのついでに御夫人の持つ本物もニセモノにすりかえて、本物はもらっておいたわけさ。

なるほど。どうやって盗んだか、ではなく展示したルビーそのものがもう偽物だったわけですな。
持ち主の関係者と犯人が繋がっていた。ここを見抜けないと手口の推測はつかない。警察が捜査に手間取るのも当然であるか。

一連の話を聞き、マーニーは尋ねる。オジサン・・・悪人なの・・・?と。

そうだよ。友人はイカサマ師と呼ぶけどね

この風貌とイカサマ師と言う呼ばれ方。そして手を組んだという連中の口から出た鴻上という名前。
ああ、やっぱりメカニックでありましたか・・・やっぱりあの事件の前に面識あったんですな・・・

ルビーを貰ったマーニーは早速ロイドさんに報告しようとする。
しかし宝石窃盗事件が難航して苛立っている様子のロイドさん。娘の言葉に耳を貸さず、怒鳴りつけて出て行ってしまう。
うーむ、その事件の解決の糸口を娘が持ってきてくれたというのになあ・・・
昔のロイドさんは仕事人間で結構ダメなパパだったんですな。今からは想像もつかない事実である。
そしてママの方も忙しいらしく家にはいない。部屋の隅で膝を抱えるマーニーが何とも可哀想であります。

そして今日も基地を訪れるマーニー。
しかしそこにいたのは鴻上だけではなく、大王ルビーを盗んだ時に手を組んだという連中がいた。
ふむ、どうやら居場所が突き止められてしまったようですな。大王ルビーを奪いに来たわけでありますか。
マーニーを人質にして脅す窃盗犯たち。
ルビーはマーニーが持っているというのでそれを取り上げられることになる。
が、ここで鴻上は新たなルビーを窃盗犯に放り渡す。そっくりに見える2つのルビー。
これは片方はニセモノということか・・・?どっちが本物なんだ?

そこはお前が選べよ。一つは本物だが、もう一つは小型爆弾が仕込んであるぜ?

いきなり何を言うのかこの男は。
2つのルビーはどちらが本物か見分けがつかない。
が、紳士ぶったこのクソ野郎のこと。子供に爆弾仕掛けるなんてマネできるわけないと判断する。
しかし・・・残念ながらマーニーが持っていた方がニセモノでした。小型爆弾が爆発し、倒れる窃盗犯たち。おやおや。

危険物をマーニーに持たせていた鴻上。
本人はコイツ等が嗅ぎ回っていたから君が危険に合う可能性が高かった。イザという時のための保険だったと説明する。
まあ、子供心にもそれは完全に納得させる言葉ではなかったみたいですけどね。マーニーにも口がうまいと称されてますわ。

だから言ったろ?イカサマ師だって。

そう言って立ち去ろうとする鴻上。それを見送りながらマーニーはまた会える?と問う。

ああマーニー。きっと近いうち。近いうちに会えるさ

爽やかな笑顔を見せる鴻上。うーむ、しかしその近いうちの再会ってあの事件に繋がるんですよねぇ。
一体メカニックは何を考えているのだろうか?この流れでは単なる恩知らずなようにも思える。
いや、確かに結果だけ見るとマーニーは無事だし、父親との仲は驚くほど良くなった。
母親とは別居している状態ではあるが別に険悪とかそういうわけでもないし、子供の頃に比べるといい関係かもしれない。
でもそれは全て結果論なんですよね。特にマーニーが明るくなれたのはあの時ゆりかちゃんがいてくれたからでありますし・・・

そもそも鴻上が今回渡したルビー。あれがマーニーからロイドさんの手に渡っていたらどうなったのか。
ロイドさんの手から鑑識に渡り、そこで爆発。被害者が出る。
もしこうなったらロイドさんは責任取って警察を辞め、マーニーは自分のせいでと傷つき・・・
ん?後日の事件の流れとあまり変わらない気がしますな。

因縁があったのは分かりましたが、やはりメカニックがどういう考えを持った人物なのか今一つ測れない。
単なる愉快犯みたいな登場でありましたが、もう少し考えや美学的なものがありそうな気もするし・・・うーむ。
メカニックがいなければ名探偵としてのマーニーは生まれなかった。
そう考えるとメカニックの行為は未来への貢献となった・・・被害者さえ出てなければそういう言い方も出来たんですがねぇ。
被害者出ちゃってる時点でメカニックの擁護はしようがありませんな。しっかり決着をつけるしかありますまいて。



file74「あいぼう」  (2014年 10号)


拳銃を所持した脱獄犯がとある夫婦から子供を奪い逃走を図る。
思いっきり発砲したというのに、それほどの音はしなかったのか?
拳銃片手にバーバー村上から子供を連れて出てきた男。その前を何も気づかぬ様子で通り過ぎるマーニー。
何も気づかない様子に見えたのに、子供を車に乗せて逃走する時に、気になったかのように振り返るマーニー。
これが探偵の勘って奴なのだろうか?事件に関する嗅覚はさすがと言わざるを得ない。

車が去ったところでドタドタと表に現れる村上夫妻。
誘拐された子供の名前は新一
脱獄犯は警察に言ったらこの子がどうなっても知らないぞと脅している。
それ故警察には連絡せず、新一くんのクツにつけたGPS機能で追跡をしようと考えている様子。うーむ、アグレッシブですな。

盗み聞きするつもりはなかったが、誘拐っぽい話を聞いてしまったマーニー。
一応毛利さんに連絡しておこうかと考える。
どうやら村上夫妻は車で後を追おうとしている様子。急がないといけなさそうですね。
マーニーもタクシーを捕まえてGPS追跡を行う村上夫妻の後を追う構えでございます。経費は警察に出してもらえるのかな?

マーニーの経費についてはさておき、誘拐を行った脱獄犯は特に子供――新一くんに乱暴なことをしたりはしていない。
拘束して車に詰め込んだりすることもなく、助手席でシートベルトをつけて座らせている。
その状態で買い物に行き、誘拐した子供にソフトクリームを与える脱獄犯。おやおや、優しいことで。

新一くんが言うにはこんなオイシイもの食べたことないとのこと。ほう・・・どんな暮らしをしていたんだ?
何でも家からあまり出たことがなかったらしいが・・・

暗くて・・・寒かった。
高い所に窓が一つだけあって、一日二時間だけ日が入るんだ。その日が温かかった

何だそれは。どこの監獄だよ。
家から出たことがないというより出させてもらえなかったというのが実際の所でしょうか。
これって村上夫妻に監禁されていたってことなのでは・・・?

理髪店夫妻の反応が強気なのはマーニーも気になっている様子。
詳しいことは分からないが、警察に知らせずに自力で取り戻そうとしている。頼もしくはあるが、不信感は確かにありますな。
連絡を受けた毛利さんがデータベースを当たると、その理髪店は注意項目があげられるような店であった様子。

そこではもう子供が二人死んでる
孤児の引き取りをやってるらしいが・・・子供の世話に問題があるという項目が・・・

なんとまあ。前科持ちでありましたか。
新一くんが言う所によると、外に出ると死ぬ。悪いものがいっぱいあって体中にイボができて死ぬと言われてきたらしい。
確かに外には怖いものがいっぱいある。それは間違いない。
だけどそうやって脅して一箇所に留め置くなんてそれこそ不健康と思うのだが・・・あまり環境のよくない部屋みたいだし。
脱獄犯も本当に怖いのはあの夫婦だろうぜと見破っている様子。

オレも気持ちわかるぜ・・・DVって奴なら身に染みてる。だれも助けちゃくれない。地獄だったからな・・・
だからオレはありったけの復讐をした。そして・・・違うオリに入っちまった。
お前はそんなバカなことするなよ。

なるほどねぇ。どうやって拳銃を所持するまでに至ったかは知りませんが、この脱獄犯も色々抱えているようですなぁ。
ちなみに脱獄犯の名前は折井さん。
折井さんは新一くんに見晴らしのいい景色を見せてあげるために倉衛山に登る。
せっかく外に出たのだから、気持ちのいい風や美しい景色を見せてあげようという配慮でありましょうか。優しいね。

倉衛山のゴミ箱に拳銃を捨てる折井さん。そんな所にそんなもの捨てないでください。
まあ、それはさておき、折井さんは新一くんにこう語る。

国内じゃ逃げ回るのも限度があるからな。国外に行くんだが、オレと一緒に来るか?
二人で世界中を廻るんだ。アジア、ヨーロッパ、アメリカ・・・世界を見て廻るんだ。金なら心配するな。捕まる前に隠した金がある。

面白い話でありますな。誘拐した子供に共に国外に行かないかと持ち掛ける脱獄犯でありますか。
しかし新一くんもその話に乗り気な様子だったりする。まあ、あのまま暗くて寒い部屋に押し込められているよりはねぇ。
話もまとまり、よろしく頼むぜあいぼうと握手する二人。
良い話だったのだが・・・ここで折井さんの背中に銃弾が叩き込まれる。
何!?村上夫妻がここで登場するのはさておき、ライフルぶっ放してきただと!?
まるでアメリカの出来事のようだ。ここは一応日本のはずなのだが・・・何者なんだこの夫妻は。

突然銃を撃ってくる夫妻。その夫妻に対し、新一くんは先程折井さんが捨てた拳銃を拾い銃口を向ける。
折井さんが言うにはその銃にはまだ弾が一発入っているらしい。ますますそんなものをこんな所に捨てないでくださいよ!!

折井さんの危険な行為はさておき、とにかくこの危険な状況を止めないといけない。
下手したら新一くんが銃を放ち、折井さんと同じように別のオリに行くハメになってしまうかもしれない。
それを食い止めるべく、あの人たちを止めないとと叫ぶマーニー。

まかせな姉ちゃん!!

なんだか知らないがやけにノリノリなタクシーの運ちゃん。
きっと前の車を追跡してくださいとかそういうシチュエーションに憧れてたりしたんでしょうな。
この場面でも見事なドリフトで両者の間に車を割り込ませてくれます。カッコイイ!!
しかし銃を向け合っていることに今頃気づき、焦る運ちゃん。なんだか可愛い。え!?じゃねーよ。

銃を持った村上夫妻の前に恐れることなく身を晒し、説得を開始するマーニー。
まあ警察がすぐそこまで来ているのは事実ですし、ヘタに動くと取り返しがつかなくなるってのは確かなことですわな。

村上さん。あなた達のデータベースを見せてもらいましたが、
限りなくグレーとは言え過剰な干渉と監禁に近い生活。二人が死んだのは病気のせいになっていますが――
放任もつらいですが、過保護もそれはそれでつらいんですよ

放任の辛さはよく知っているマーニー。過保護の方はどうなんだろう。今のロイドさんも別に過保護というほどではないですし。
むしろマーニーは無茶しすぎるのでもう少し過保護にしておいてもいいぐらいである。

さて、警察も到着し、村上夫妻も大人しくせざるを得ない状況となる。
背中を撃たれた折井さん。弱った体を横たえながら毛利さんにその子を頼むと告げる。いい施設に戻してやってくれ・・・と。

脱獄した折井さんは当座の金が必要だった。
捕まる前に隠していた金はあったが、それを取り出すために当座の金がいったわけですな。
それで個人経営の理髪店に侵入。金目の物を物色。
その時、子供を虐待している現場に居合わせた。折井さんはそれを放っておくことができず連れ去ったわけであります。なるほどね。
何にしても折井さんも一命をとりとめたようで良かった良かった。

お互い同じような境遇から仲間という意識が生まれた。
そして遠くへ飛ぼうとしたんだ。自分たちを閉じ込める者がいない所へ――

何とも切ない話でありますなぁ。
折井さんも根っからの悪人ってわけではない。DVさえ受けていなければ犯罪者になることもなかったかもしれない。
でもその身の上であるからこそ新一くんを救うために動こうとしてくれたわけであります。うーむ。
何というかまあ・・・折井さんが何の犯罪をやっていたかは知らないけど、村上夫妻がとにかくヤバすぎますよね。
子供を二人も死なせ、それでも方針を改めようとせず、子供を奪う相手には銃を撃つことも躊躇わない。ヤバすぎる。
さすがに今回の件で刑事処罰を受ける事とはなるでしょうが・・・うーむ、世の中には怖い人がいるものである。



file75「霊能者」  (2014年 11号)


コンニチワー。霊能力者のマーニーです。よろしく

朗らかな笑顔と共に冒頭からそんなことを言い出すマーニー。ついにその道に・・・いやまあ演技なんでしょうけども。

マーニーが現れたのはテレビ局の控室。そこには出番を待つ5名の男女がいた。
郷田、松園、介屋、妃、糸田
この5名はいずれも有名な霊能者でありTVや本で知られた存在であるらしい。
霊能者を騙るマーニーは5人に対し、みなさんどれ位見えます?私はボンヤリとしか見えないんですがと早速質問。
しかしそれに対して、そういう話はヤメましょうとやんわり留める松園さん。
他の面々のうち郷田さんを除く3人は見えてはいるがなるべく見えていないフリをするとのこと。そして残る郷田さんは・・・

あんまり笑わせんなよ。お前らも同じ穴のムジナだろ?
幽霊だの前世だのあんなもんただの商売道具だろ?金儲けのためにはいいが、信じる奴はただのバカだぜ

ふむ、なかなかハッキリと物を言う人ですなぁ。
もちろんマーニーも霊の存在。というより霊能者の存在については否定的である。
そんなマーニーが霊能者を名乗っているのにはわけがある。
そう、それは五日前のこと、三井センパイが大ケガをして病院に運ばれたという話を前花さんから聞いたのだ。
前花さんの話によるとこういう流れらしい。

最近本物の霊能者と知り合ったって喜んでたの。
三井センパイの怪談を読んだらしくて、そのつながりで。
一昨日その人に会うってメールがあって、次の日大ケガをして入院したって連絡が・・・

なるほど。その襲った霊能者を探してここまで潜り込んできたわけでありますな。
後頭部を強く殴られており、そのまま人通りの多い所まで走って逃げたがそこで倒れて病院へ運ばれたということらしい。
脳に異常はないので意識がもどれば問題はないらしいが・・・心配ですなぁ。

さて、控室の方であるが、どうやら郷田先生以外にも霊について信じていない人がいる様子。
松園さんの本職は占い。オカルトといっても分野が違うのでそっちは否定しても問題ないってスタイルのようだ。なるほどね。

いやあ。霊はいますよ。それに皆さん仲良くしましょうよ

不協和音を煽るような話題を振っておいてよくいう。
更にそこから話を広げようとするマーニー。有名な先生五人のうち二人も霊を疑っているなんてショックだと。

霊に否定的な郷田さんは証拠でもあれば見せてくれよと言い出す。
それを受けてマーニー。郷田さんの個人情報について語り出す。
家族の死因や現在の状況などかなり詳しい情報。郷田さんの反応を見る限りしっかり当たっているようですな。
なんでそんなことまで知ってる!オレの個人情報を調べたのかと郷田さん。鋭いですな。ああ、いやいや。

後ろの方が教えてくれたから・・・調べるなんて。探偵じゃあるまいしムリですよ。女子高生なんですから

どこまでも今回のマーニーは白々しいキャラでいくつもりの様子。
女子高生探偵もそこそこ有名になってそうな気はするが、いやまあ知らない人の方が多いに決まってはいるか。

マーニーは前花さんの依頼を受け、三井センパイを襲った犯人の特定に乗り出している。
相変わらず思考世界に入ると周りが見えないマーニー。厄介な話である。
前花さんもマーニーとの付き合い方が大分わかってきたんじゃないでしょうか。

さて、介屋さんもどうやら霊の存在は実は信じていないことが判明した。
マーニーの先程の郷田さんへの話についてもTV局のドッキリだろうと考えているようだ。ふむ。

どうやらマーニーは霊能者でありながら霊の存在を信じていない人を見つけ出している様子。
そしてマーニーがここに現れたのは三井センパイのスマホのやりとりから今日収録の番組に襲った犯人が出ると分かったからである。
霊能者対決番組。なので複数の霊能者が番組に出演し、誰が三井センパイを襲った犯人かはわからない。
それを特定するために霊能者を名乗って控室に入り込むこととなったマーニー。こういう流れなわけですな。

勿論何の伝手もなくテレビ局の控室に入ることはできない。
少年探偵である久儀君の関係で知り合った雨畑さんにお願いして入れてもらえることになったのだ。久しぶりですなこの人も。

オジサン悪は許さんからね。協力しちゃうぜ

いい笑顔を見せる雨畑さん。しかしマーニーに番組に出たいのか?とか聞いてますが、実は出て欲しかったりしたんですかね?
マーニーは最近演技をする回数が増えてますしねぇ。いい役者になれる可能性はありますよ。

それはさておき、霊を信じている霊能者は妃さんと糸田さんに絞られた。
しかしスキンヘッドのオカマ風で妃という名前はなかなかシャレてますな。ヒゲマッチョの姫神さん並にシャレている。

というのは置いておいて、マーニーはここで不穏なことを口にし出す。さっきからこの部屋の中オカシイと思いません?と。
その言葉を合図にし、部屋の外で異音と発光現象が起きる。
ドアを開けて外に出ようとするが何故か開かないドア。そして停電でも起きたかのように真っ暗になる控室。ホラーな流れですな。

霊を信じない方は騒ぐことないでしょ。でも、これは霊現象です。
しかもかなり質が悪く凶悪な、ある「呪法」です。
私には見えます。ある少女。片目を隠した少女が殺され怨念となり復讐しようとしている。
この怨念はもう人の形をしていない。巨大な歯を持ったヘビ。もう見境いがついていない。

その言葉が示すような化物が控室内には存在している。
響きわたる郷田さんの悲鳴。飛び散る血。電気が復旧した時、その凶悪な姿が露わになる。
身に覚えのある方は謝ってください!このままじゃ手遅れになる!!
マーニーのこの言葉と、凶悪な化物の姿を目にした糸田さんはついに罪を告白する。

ごめんなさい。あれは事故だったの!アナタが盗作だって暴露するって言うからカッとなって・・・!!

おやおや。しっかり引っかかってしまったようですな。
この化物は霊ではなく実際の物体。特殊メイク科の講師さんに用意してもらった昔映画で使ったセットの1つらしい。
うーむ、マーニーの人脈もいよいよ深まってきましたなぁ。良いことだ。

さて、犯人も特定できたことですし、マーニーによる説明が霊能者の先生方になされます。
友人が大ケガを負わされ、その犯人がこの番組に出る霊能者だというのが分かった。
友人とその霊能者の会話を読んだが妙なところがあった。それでワナをしかけてみたのだという。

普通の霊能者風の物言いってあるじゃないですか。思わせぶりだったり先祖がどうのその土地がどうのって・・・上から目線の発言。
犯人はそれがないだけでなく、三井さんの怪談は作り話なんですが、それを信じているんです。
オカシイでしょ。霊能者ならそれが本当かウソか位わからなくちゃ。しかもその話を使わせてくれと交渉までしてる。
そこから考えられることは、犯人は「霊能力なんかないのに幽霊を信じてる霊能者」ということになるんですよ

なるほど。それで霊を信じていない人たちは候補から外れていったわけでありますな。
でも結局あのセットを使うのなら候補を絞る必要もなかったのではないだろうか・・・
まあせっかく用意したのだから使ってみたかったという話なら分かる気はしますが。

三井センパイは無事に意識を取り戻した様子。良かった良かった。
しかし憧れの本物の霊能者に知り合えたと思ったらとんだ災難でありましたなぁ。
世俗から離れた人たちに思えるけど、やっぱり俗っぽい。
まあそういう意味では郷田さんの言葉がそのまま当てはまることになるんですよねぇ。
テレビや本を出して顔の売れている霊能者。俗っぽいことこの上ない。
まあ俗っぽいと霊能力が失われるという話でもないだろうし、その辺りはなんともいえないんですけどねぇ。

探偵もの的には霊の存在うんぬんを言い出すと色々と物語が破綻しそうなのでよろしくない。
そういった部分を除いて考えれば、マーニーも多少霊現象みたいなのに関わったりしているようですが・・・
まあ、簡単に認めてしまうわけにはいかないですわな。信じるも信じないも人それぞれということで。



file76「シンキングワールド」  (2014年 12号)


冒頭から思考世界に入り込んでいるマーニー。
ロイドさんでもこの状態のマーニーはお手上げなんですよね。いつから入り込むようになってしまったのやら。

さて、今回のマーニーの思考はメカニックについて。
史上最悪の愉快犯メカニック。五年前マーニーはメカニックの手に落ち、死か殺人の選択を迫られた。
この時の悪夢をいまだに見るというマーニー。辛い話であるが随分と強い子に育ったものだなぁ。
昔は家庭環境のせいもありどちらかというと暗い子だったというのに・・・やはりゆりかちゃんのおかげということか?

それはさておき、メカニックの分析掘り下げが開始されます。
用いるのは如月アリアさんに渡した鴻上有の日記
彼の日記にはメカニックのマークがあった。しかしどうやらこれまでは怖がって深く調べずにいられなかったらしい。ほう。
メカニックに固執して追いかけているようでやはり恐怖している部分は確実に存在していたわけですな。当然と言えば当然だが。

警察に残っているメカニックの犯罪記録によると直接的ではないがかなりの人が死んでいる。
file49での浮井君の事件のようにメカニックにそそのかされて復讐殺人を行った人もいる。
つまり人に法の一線を越えさせるのがメカニックの好むやり口であるそうな。面倒くさい奴だなぁ。

日記にある奴の初期の行動。彼は海外を転々としたあと、日本で職につくでもなくブラブラする。
すべてが高級な場所。高級なクラブ。パーティー。会員制のホテル。
口八丁手八丁っていうのかな。機転と人懐こい笑顔、行動力のたまものか。
その中で友人を増やしていく。セレブリティ、政治家、芸能人、その妻達・・・
日記だけど実名は伏せられてる・・・だれかに見られることも想定していたのかな・・・
天才的な会話力。それが奴の最大の武器でもあるのか

やはり人材や繋がりは宝でありますわな。そういう方面が強いってのは厄介である。
でもこれってマーニーにも同様のことが言えるんですよね。マーニーもこれまで随分と人とのつながりを深めているわけで。
まあ、口八丁手八丁の部分も同じようにあった気がしないでもなかったりしますが。

セレブにはセレブで悩みが多い。
親しくなったメカニックは相手から相談を持ち掛けられることも多かった様子。
例えば旦那のDVに悩む島田夫人。
島田はカブキ役者で体裁上仲の良い夫婦になっているがちょっと異常なカンシャク持ちだという。
立場的な問題もあり、離婚も簡単には出来ない。辛い立場な夫人。
ならばその島田よりも夫人の方が立場が上になるよう取り量ろうとするメカニック。ようは島田の面子を潰せばいいわけだ。

日当五万と経費別でどうです?成功報酬は別途で・・・まあ別に儲けようとは思ってませんよ。

何だかどっかで聞いたようなセリフである。
結構な額に聞こえるが、セレブな人たちには特に問題ない額なのかねぇ。
何はともあれ、メカニックの勧めに従い島田に罰をと頼んでしまう夫人。

O・K。メカニックにお任せください

ポーズこそ決めてはいないがこれまた聞いたことのあるようなセリフ。思わず吹き出すマーニー。
これは偶然の一致なのかどうなのか・・・似た者同士な部分があるということなのかどうなのか。

さて、依頼を受けたメカニックは早速人を使って島田の面子を潰すように動く。
酒の席で挑発して手を出させるように誘い、そこから全裸で謝罪してしまうまで追い込む。
うーむ、これは確かに面子も丸潰れでありますわな。ううう。
これで少しは自分がやってきたことを考え直して態度が改まればいいんでしょうが・・・どうなりますか。
メカニックに言わせればこれ位で二人はやっと対等ってとこだろとのこと。

俺が提供するのは「カード」みたいなものさ。そのカードどう使うかは本人の選択に任せればいい

気取った感じでありますなぁ。
まあ、全部解決するよう立ち回るのは難しいですし、本人がどうにか出来そうな所まで動くってのが賢い立ち回りか。
これもまた人に選択をさせるメカニックのやり口ってことなんですかねぇ。

それから鴻上はそのなんでも屋を生業にしだす。主に上流階級をクライアントにして。
まるで手品のような計画。突然消えてしまったり、また違うところに現れたり。
そして名刺としてあの歯車のマークを使うようになった

この辺りの話だけ見ると善人ではないが完全な悪人とまでは言いきれない。少なくとも凶悪という感じではない。
マーニーが最初に会った時もそういう印象であったが、それは重傷で弱っていたからだと思われる。

再会した時のあの狂気・・・あれが奴の本質だ
私は上弦の月が嫌いだ。まるであの男の笑顔のようで怖いから。

少しポエミィな感じで呟くマーニー。当然のことではあるが、幼少期のトラウマは根強いですなぁ。

さて、ここで年代別にメカニックの犯罪を整理しだすマーニー。
メカニックが日記に書いた事件とそれに関連してると思われる被害届を並べていく。
犯罪白書からメカニックの初の殺人と思われるものは2002年10月5日から始まる資産家一族の消滅
消滅・・・どうやら一族皆殺しとなったらしい。ほう。

その間の日記側には妙な空白がある。どうやらその時期何かあったようだ。
年末に後日談として書かれた部分があるのでそこから何があったのか読み解くことができそうである。

間庭という旧家の一族。
その一族の娘さんから遺産の捜索をお願いされるメカニック。
どうやら二代目が酔狂な人らしく、子供のため宝石を家に隠すと書き置きしていたらしい。
親族としては家を壊すことは出来ず、何とかその隠された宝石を探し出して欲しいとのこと。面白い依頼ですな。まさに宝探し。

メカニックは見事に宝を見つけ出す。
この宝石の山があればウチの借金も返すことができると喜ぶ間庭一族。
依頼した娘さんは純粋に喜んでおり、アナタに依頼して本当によかったと述べている。
が、報酬金額の話になった際に突然メカニックを殴り倒す親族。
どうやらメカニックが提示した報酬額は発見した宝石の三分の一であったらしい。
発見の功労者なのだし、多少割高かもしれないが正当な報酬。
しかしどうやらその宝石の多さに目がくらんだのか、メカニックを亡き者にして総取りをしようと暴れ出したようだ。おやおや。
依頼した娘さんはメカニックを庇おうとするが親族の暴走は収まらず、庇うならお前もと・・・

警察の資料だとこの人もメカニックに殺されたことになってる・・・
でも日記だと身内に殺され鴻上といっしょに山の墓に埋められたんだ。その山が水雲山

警察の資料によると行方不明になっている間庭葉子という名前がある。これが依頼した娘さんの名前でしょうか?
それについてはさておき、宝石を手に入れて喜んだ間庭一族。しかしその後彼らに恐怖が襲い掛かる。
鴻上のカゲが邸内をウロつくようになったからである。

いくら探しても実体が掴めず幽霊のように捕まらなかった。
オバの友子は家を出て逃走した。しかし翌日交差点で引き逃げされ死亡。現場には歯車の落書きが・・・
二番目に宝石の一部を持って逃走したオジは三日後ホテルで自殺していたのが発見された。
シャツの胸に歯車のマークが残されていた。
間庭家内はパニックにおちいる。この間、一族の人間が警察に助けを求めたため資料が残っている。
しかし死の連鎖は止まらず、わずか二か月で間庭家一族は地上から消滅した。この時から歯車のマークは恐怖の象徴になった。

これがメカニックの狂気の始まりでありますか。
しかしどうやって埋められた状態から助かったのだろうか。助けがいたのだろうか?
気になったマーニーは水雲山について調べてみる。
山での事故情報を調べるために警察の資料を毛利さんの名前を出して調べさせてもらう。
うーむ、便利に使われてますなぁ毛利さん。ちゃんとフォローしているし、悪用しているわけではないとはいえ・・・

それはさておき、気になる事件の記録が転送されてきた。
10月13日。二合目にて遭難者発見。誰かに長時間監禁されていたらしく低酸素症で重体。しばらく入院したとのこと。
この記録から入院記録を当たってみると、確かに運ばれたのは鴻上有。
ハイカーに発見され二か月入院しているらしい。入院初期は言葉もしゃべれないほど憔悴していたそうな。
何というか、鴻上はここのところよく重体になっている気がしますなぁ。いずれも回想ではありますが。

それはともかく、この入院記録が本当だとするとおかしなことがある。
間庭家の最初の死亡が10月5日だから時間が合わない
やっと退院したころには間庭一族はほとんど死亡した後である。

この時期まだ部下を持たずメカニックは一人で動いていた。手口もギリギリ事故に見せていて奴が好みそうな手口。
・・・ということは、メカニックは二人いるのか・・・

おやおや、ここに来てメカニック複数人説が飛び出しましたよ!!
まあ、確かに鴻上は色々とイカれている感じで人に選択を迫る男であったが凶悪な感じは薄かった。
小さなマーニーに爆発物持たせる時点で凶悪と言えば凶悪な気もするが、まあその時は爆発しなかったからってことで・・・

なんにせよ、愉快犯な面のメカニックと凶悪犯の面のメカニック。
見ている限りそれぞれ別の顔があるように思われる。
なるほど、二人いるのであればそれは説明がつきそうであるが・・・となるとこの凶悪なメカニックは何者なのか。
一番怪しいのは鴻上と一緒に埋められたはずの間庭家の娘さん。
入院記録の時に名前が出ていないし、先に脱出してメカニックとなった可能性は十分にある。

さてさて、何やら妙なことになってきました。
この衝撃の事実に辿り着いたマーニーは何を思うのか。そしてマーニーに日記が渡るようにしたメカニックの考えは如何なるものか。
対決の時が近づいている気がしますが・・・うーむ、どのような展開となるのか。気になりますなぁ。



file77「美人コンテスト騒動」  (2014年 13号)


初っ端から登場の坂本塁さん。
手芸部お手製の衣装を纏いご機嫌な様子。
しかし見せびらかしに外を歩いたところ、とんでもない事態となる。おやおやこれは。

塁さんの悲劇。どうやらこれはこの学校名物の美人コンテスト開催によるものらしい。
美人コンテスト・・・華やかな行事でありますが、その陰では色々と後ろ暗いことが起きていそうですなぁ。

波峰ちゃんは楽しそうに、出よっかな私と述べている。
ふーむ、確かに波峰ちゃんなら結構いいところまで行くんじゃないかと思えますなぁ。
ゆりかちゃんは勝ち目ないから興味はないとのこと。まあ体育祭の写真もマーニーより安かったぐらいだし仕方がないか。

ニュースサイトを見ると既にコンテストのエントリーが始まっている様子。
優勝候補は塁さん。さすがにセレブにして現役の芸能人。この辺りはさすがでありますな。

それはさておき、美人コンテストの優勝賞品にとんでもないものが含まれている様子。
そう、それは立花さんとのデート権!!
お祭りだからということで許可を頂いたらしいが・・・こりゃとんでもないことになりますぞ。
立花さんはフリーだからいいのかもしれないが、もう少し影響力という物を考えてくださいよー。

そのせいか、白鳥さんから仕事を依頼したいので至急生徒会室へ出頭せよとの指示が出る。出頭って。
まあ実際緊急事態ではあるみたいですけどねぇ。
冒頭の塁さんの悲劇も美人コンテストに絡んだものであるらしい。
手芸部の作った衣装に仕掛けがされており、歩くとバラバラになるように切れ目が入れられていたそうな。ふうむ。
何というか塁さんは一話から微妙にサービス要員というか何というか、そういう目に合っている気がしますなぁ。

平等を期すために衣装は手作り。確かにセレブが金に飽かして準備したら公平性もへったくれもありませんわな。
その平等性を保つために酷い目にあった塁さんは本当に可哀想である。

というわけで、今後のイヤガラセ行為を防ぐために運営側は対策を取るつもりの様子。
マーニーにはコンテストにエントリーしてもらい内部から調査する役目が与えられたようだ。潜入捜査とは探偵らしいですね。
そろそろ探偵業やってることは全校に知れ渡りそうなものであるが、どうなんだろうか。

それはさておき、コンテストの出場資格はけっこう厳しかったりする。
補導歴、犯罪歴持ちはNG。成績平均以上、学校行事への積極的参加、ネットでの不適切な言動の過去・・・
ふーむ、コンテストに優勝するには人格面も問われるってことですかねぇ。マーニー成績の部分は大丈夫なのか・・・?
ああ、生徒会の推薦枠とかあるんですな。それなら平気か。

ちなみに天ちゃんは自転車による暴走行為が問題でコンテスト出場は認められないとのこと。
立花さんのデート権に目がくらんだみたいですが・・・本当この子は欲望に弱い子である。

さて、とりあえず現在のエントリーは以下の8名となっています。
No1 坂本塁 No2 高倉則子 No3 猿頭晶子 No4 薬師沙織
No5 魚住希伊奈 No6 真知夜千草 No7 神家真澄 No8 マーニー

半分ぐらいは知った顔ですな。薬師さんはともかく猿頭さんも出るんだ。まあ一応フラワーズではありますしなぁ。一応。

出場者は決まった。嫌がらせをする目的や理由などを調べていくのだが、一人ずつ当たるとなると手が足りない。
自分や既に被害にあっている塁さんなどは除外してもいいだろうし、猿頭さんや薬師さんが妨害行為は考えにくい。
けれどもそれでもまだ残りは4人もいますしねぇ。手は欲しいところ。
というわけで、ゆりかちゃんや波峰ちゃんの協力を仰ぐ。
報酬は分配。マーニーが優勝したら立花さんとのデート権も分けるとのこと。ほう。

マーニーが優勝までいくかはさすがに怪しい。が、今回はそこが主眼ではない。
調査を行うマーニーだがどうも妙な視線を感じる。見張られているような気配・・・
ちょっとワナをはってみるかと屋上に向かって走るフリをしてみるマーニー。
するとそのマーニーを追って見張っていた人物が姿を現した。おや、比嘉君じゃないですか。

どうやら比嘉君もコンテストの他の出場者の調査を頼まれたらしい。
依頼者はエントリーNo7神家さん。マーニーが怪しい動きをしているから調べてくれと頼まれたらしい。
それは敵の弱味を調べて有利な立場を取ろうとしてるってことでは・・・いや探偵の動かし方としては正解なのかもしれませんが。

ただの美人コンテストのはずが情報戦になりつつある。怖い話だ。
どうでもいいが比嘉君、探偵なら守秘義務とかそういうのがあると思うのだがあっさりバラしていいのか・・・?
まあマーニーが可愛いオーラ出しながら尋ねてきたなら喋っても仕方がないですよね。うん。

それはさておき、情報戦が次の段階に入った様子。
エントリーNo5魚住さんのスキャンダルがネットにアップされる。
どうやら以前教育実習生と付き合ってた過去があり、我が校のミスを飾るには品格が欠けるとのことだ。
うーむ、今後はこういうスキャンダルや中傷が飛びかうようになるのかぁ。ドロドロしてていやですねぇ。

ニュースサイトは美人コンテストの投稿フォームを用意し、だれでも自由に投稿できるようにしている。
そういう場所があるってことは見る人も多く、スキャンダルを公開するには絶好の場ということになる。
事実、塁さんは深夜男といるところが発覚し出場辞退に追い込まれている。おやおや。

その点で言えばマーニーはスキャンダルになりようもないし有利でありましょうとゆりかちゃん。酷いことを言う。
まあ探偵業なんてやってますし、人の秘密をコソコソ嗅ぎ回るドブネズミなんて中傷はでたりしているようですが。

他にもこの情報戦で被害を受けている人たちはいる。
真っ先にスキャンダルが発覚したのは真知夜さん。中年の男性と手をつないで仲睦まじくしているところを激写される。
次は薬師さん。オタクショップ内の様子を隠し撮り。ディープなオタクがバレてフラワーズの立場が微妙に。
三人目、猿頭さん。パパラッチに対して暴行したことが・・・
四人目、高倉さん。校舎裏にて喫煙。スティンガーとのつながりも懸念されている。

ふーむ、どうやらみんな一通りやられているみたいですなぁ。総攻撃だ。
華やかな美人コンテストを期待していた人たちも何だかガッカリしちゃいそうな状態じゃなかろうか。
しかし高倉さんは明確にイカンと思うけど、他はスキャンダルというほどかなぁ。いや猿頭さんのもやっぱりイカンか。

無傷の人がいるならその人が怪しいとなるが、今のところそういう人はいない様子。
ただ動機があるとするならこの真知夜が怪しいかなとゆりかちゃん。どうやら真知夜さんも芸能人であるらしい。ほう。

でも坂本先輩みたいに売れっ子じゃなくって、地味な端役とかその他大勢とか。
ちっちゃい事務所で力もないみたいで、たまにTV出る時とか応援よろしくって個人のブログで宣伝してる。
コンテストで坂本先輩に勝って優勝したら大金星でしょ

なるほどねぇ。さすがゆりかちゃん。情報網と目の付け所が鋭い。意外と探偵向き・・・?

というわけでその真知夜さんに接触を図るマーニー。
同じ美人コンテストに出る仲間として話しかける。が、ここでいきなり悪そうな演技を開始しだす。

実は漁夫の利っていうか、私も優勝狙ってみようかと。
有力候補が潰し合ったオカゲで勝ち目が出てきたんですよ。こりゃいっちょやるしかないなって!!
こう見えて私四大勢力の弱み知ってますんでね。ちょっとオドシをかければある程度の票を操作する位わけないんですよ
真知夜さんも辞退したらどうですか?今の内に。
それじゃ。他に人にも辞退を勧めに行きますんで。ハァッハッハッ

高笑いをあげて立ち去るマーニー。なんだろう、地味に板についているというか何というか。
まあ四大勢力の弱みを知っているといえば知っているかもしれませんわな。姫神さんはホモとか。ん、これは既に知れ渡ってるか?

というわけで、マーニーが実力者の弱みを利用して組織票要請しているというスキャンダルがアップされる。
その情報を流したのはもちろん真知夜さん。

これであの一年も終わりだ!!もう私の敵はいない!!美人コンテストの優勝は私のものだ!

誰もいないと思ったにしても思いっきりのいい犯行宣言でありますな。
案の定、動くと思って張っていたマーニーたちと生徒会の面々に聞かれるハメになりました。おやおや。

マーニーが組織票を使うと話したのは真知夜さんしかいない。
であればこの情報をスキャンダルとして流すのも真知夜さんしかいないという単純な理屈。
そしてその記事のIDで検索をかけると他のスキャンダルの記事も引っかかる。もう言い逃れはできない状態だ。
しかし真知夜さんもスキャンダルを上げられていたりする。その点は引っかかるが、そこはマーニーが説明してくれます。

これは選挙などで使われる「フォックストラップ」という作戦です。
わざと早い内に自分のスキャンダルを相手側にリークする。相手にとっては絶好の攻撃材料。大々的に叩く口実ができる。
しかしそれはワナなんだ。真実を公表するとすべてひっくり返り、攻撃した側が恥をかき大打撃を受けることになる。
この真知夜さんのスキャンダル。相手はサングラスをかけてますが、真知夜さんの親族を調べると盲目のオジがいますよね。
真知夜さんは体の不自由なオジを助けていたんです。写真はそう見えないよう撮られていますが。
皆がスキャンダルで地に落ちた後、この事実を発表すると一躍アナタは悲劇のヒロインとして注目される。
そして投票が行われればアナタはまんまと優勝する。そういうスジガキだったんでしょう?

何とも恐ろしい。というかこの手法は確かによく見る気はしますなぁ。
仕掛けたものかどうかは知らないけど、真偽も分からない物を大々的に騒ぎ立て、真実が知れた時に相手に利するだけになるとか・・・
ドロドロしたことは社会に出れば多くあるのだし、せめて学生のうちぐらいは気軽なコンテストにして欲しいものですよ。本当。

結局、被害を受けた人間が多いので美人コンテストはしばらく延期ということになるらしい。塁さん可哀想に・・・
真知夜さんは自業自得として、オタクばれした薬師さんは・・・意外と幸せになる可能性あるんじゃないか?
フラワーズの立場は微妙になるかもしれないが、今後は大手を振ってオタク活動ができるようになるかもしれないわけですし。ね。

それはそうと、今回の報酬はお金じゃない物を用意されたという。
その内容が立花さんのデート権ことデート券
事前の約束通りそれはゆりかちゃんのものとなるわけであるが・・・え、報酬独占!?

ゆりかちゃんが勝者となるのはまあいいとして、報酬独占はどうなのだろうか。
いや実はデート券は使用回数があってそれを三分割できるとかそういうシステムなのかもしれない。どうなのか!?
というかマーニーは立花さんとのデートを望んでいるのかどうなのか。ここは気になる所だ。どっちだ!?

それにしても美人コンテストが実際に行われた場合どうなったのか。
やはり本命は塁さんで揺るがないかなぁ。
マーニーは確かに組織票を募ろうと思えばできるだろうけど、四大勢力はそういうの好まない人多いからなぁ。
白鳥さんや那智さんはまずNGだろうし、財津さんもどうか分からない。立花さんは・・・あの人鷹揚すぎるからなぁ・・・
皆個人的な投票ぐらいならしてくれるでしょうけど、まあそこまで有利にはならなかったかもしれませんな。



file78「狼少年」  (2014年 14号)


人気のなくなった夜の街で立小便をする男。軽犯罪でございますな。
しかしその軽犯罪をしている最中に後ろから首を絞められ殺されそうになる。おやおや。
手で絞めるのではなく、ワイヤーのようなもので絞めている辺りプロの殺し屋っぽいですなぁ。
だが殺し屋はすぐに殺すことなく人が来たということで男を放す。

オレはまた必ず来るからな。楽しみに待っていろ

というような被害にあった男が今回の依頼者。身に覚えがないのに命を狙われているとのこと。
ロイドさんのところに来る前に警察や興信所にも相談をしているのだが、なぜかどこも信用してくれなかったらしい。ほう?

この相談を受けたロイドさんは毛利刑事に連絡をして依頼人の裏を取る。これは実に探偵らしい行動で良いですな。
依頼人の名前は幸田俊雄。警察に保護を求めているのは確かだが・・・どうやら信用されなかったのは理由があるようだ。

この男、学生の頃からよく警察に厄介になってる。
身分を偽っての言動、人騒がせなウソを繰り返し周りも迷惑してる。
ただ悪質ではないとして実刑はまぬがれています。信用されるわけない。これじゃ狼少年だ

なるほどねぇ。今まで嘘をついてきたせいで実際に被害にあっても警察から信用されないと。まさしく狼少年ですな。
ただ口が回るのか世渡りは上手く依頼料を出せるだけの金はある様子。そこは信用してもいいわけですな。ふむ。
今月ちょっと苦しいと切ない悩みを見せているロイドさんはどうやらこの依頼を受ける様子。実に切ない。

一週間ほど護衛して規定料金をもらったら終わりにするとロイドさん。
しかし毛利さんと電話している間に話をしていたマーニーが護衛を買って出てしまっている。おや?
なんでも話したら意気投合しちゃったとのことであるが?ハハハハハじゃないよ。
依頼料はロイドさんの方の料金で行われるのだろうか?そこは結構額に差があるから重要であるのだが。
でも身辺警護をロイドさんとマーニーのどちらに頼むかという話ならやっぱりマーニーがいい気がするのよね。
腕前的な部分とかよりもおじさんと女子高生だとやはり、ねぇ。むしろ女子高生の身辺警護ということで料金割増でもいいのでは?

それはさておき、マーニーはさすがに幸田さんがけっこうなウソつきであることに気付いている様子。
しばらく話しているだけで性格の把握をしちゃったみたいですね。
自意識過剰というか、うまく相槌うってると際限なくしゃべる人。話を膨らませるためにだんだんと大ゲサな誇張やウソが混じる。
ふうむ。酒の席とかでは楽しませてくれる人なんでしょうが・・・そういうところで気に入られて世渡り上手と言われるわけか?
だけどそのウソを通すためにまたウソ重ねて自分とは別の人間みたいになってしまっているらしい。ふうむ。

マーニーがすぐに気付けたのは友達に似たような子がいたからとのこと。ああ、あっちゃんですか。
まああの子の嘘は悪意があるわけではないし、好かれていた部分も大きいから別物でしょうが。
何にしても狼少年というのはいい喩えである様子。
現代の狼少年は果たしてどんな目に合うのか・・・さすがに食べられてしまうのを見過ごすのは可哀想ですわなぁ。

というわけで幸田さんの襲われたという発言をもとに調査を行うマーニー。
殺し屋に狙われるとしたらそれだけの理由があるのではないかと考える。
幸田さんにしてみれば狙われるだけの理由に心当たりはないとのこと。泣かした女なら山程だけど皆いい子だったとのこと。ウソつき。

ならば半年分くらいの交際関係、行動を調べさせてくださいと述べるマーニー。
探偵に調査されるとそのあたりのことも調べられるのが怖いですなぁ。幸田さんも躊躇しております。

大丈夫です!私絶対幸田さんのこと好きになったりしませんから!!

力強く宣言するマーニー。これは言われても嬉しくない宣言だ!!
まあとっくに幸田さんの本質を見抜いているマーニーにしてみれば当然の宣言であるか。

実際幸田さんの行動は酷いものである。
住宅展示場の冷やかしやデモへの飛び入り、カップルに嫌がらせなどとにかくセコイことを繰り返している。
うーむ、まさしくびっくりするほどろくなことをしていない!!
小金はあるハズなのになんでこんなにひねくれているのだろうか・・・不思議だ。

恨まれはするだろうけどプロの殺し屋を雇って殺そうとするほどの人物とは思えない。
仕方がないので幸田さんの行動日時と重なって起きた事件を照会するマーニー。こりゃ大変な作業だなぁ・・・
集中しなければ見逃しそうな作業なのに楽しいわけでもない。あまりやりたくない作業である。

さて、マーニーが調べ物をしていて護衛がいない状態なのに夜に出歩く幸田さん。
案の定狙われそうになる。が、どうやら警戒はしていたらしく緊急用のサイレンを鳴らして人を呼ぶ。ホワンホワンホワン。
これに驚き逃げていく殺し屋。あっけない。と思いきや別働隊に殴り倒されて運ばれる幸田さん。おやおや。
オレは用心深いからなとか言ってるけど、実際に用心深い人は狙われてるとわかって一人で夜に出歩いたりしませんよ。

幸田さんが連れ去られた夜、マーニーは徹夜で調査をしていた様子。その結果、気になる事件が見つかった。
江戸建設会社の江戸社長が心臓マヒにより死亡。場所は××公園。
この事件で死体が見つかった場所の近くに幸田さんが飲みに行っている。
そしてそこでホームレス同士のケンカが目撃されているそうな。ふむ、怪しいといえば怪しいか?

現場の飲み屋で話を聞いてみるマーニー。もちろん朝なので開店前。外で掃除している店主らしい人に話を聞くことになる。

覚えてるわ。イヤな奴だよ。本人は貧乏なフリしてたが本当はかなり儲けてる奴ってのはわかってた。
たまにいるんだよ。金持ってる奴が優越感にひたるためこういう場末に来るんだ。底辺のフリしてな
質の悪い奴は隣に貧乏自慢なんか始める。生きてるのがツライ〜なんつってるが腹の底で笑ってるんだ。

なんともはや、どこまでもひねくれた性格でありますなぁ。人に知られたら恥ずかしい趣味としか言えない。
ちなみに死亡した江戸社長もみすぼらしい格好で何度か場末の飲み屋に来ていたらしい。
そして幸田さんと二人で盛り上がっているのも見たらしい。ほう。

なかなか面白い情報が聞けました。が、幸田さんは既にさらわれた後だったりする。
それに気づいたマーニー。ロイドさん経由で警察に江戸建設会社関連の施設を当たってみるようお願いする。
そして事件のあらましについて解説してくれます。

幸田さんは自分より明らかに下の者を見下すのが趣味なんだよ
だから幸せな人間、セレブな人たちの行く所にはあまり行かない。
自分よりクズだと思ってる連中が滞まる所に行く。自分を偽ってダメな人間ぶって優越感にひたる。

何ともひねくれた趣味である。カップルにいやがらせしてたのも幸せそうなのが純粋に妬ましかったのか!?

で、○月×日。ある場末の飲み屋に入った。彼はいつも通りウソの貧乏自慢をはじめる。
その日はそれに乗ってくれる人がいた。お互い不幸を語り合い、社会が悪いだの政治が悪いだの。二人は意気投合して店を出る。
ここからは推測だけど二人は公園で飲み直してたんだと思う。
そこで偶然二人共正体がバレてしまった。同じ趣味の人間だって。
しかも江戸社長は幸田さんより数段上の人間で。同族嫌悪からか二人はケンカになって・・・
ケンカ中かケンカ後か、江戸社長は死んでしまった。

直接の死因は心臓マヒだし幸田が殺したということにはならないかもしれないが、原因の一端にはなってそうですなぁ。
つまり幸田を襲った人物というのは江戸興業の人間。動機は復讐ということになる。
江戸建設会社は江戸興業の社長でもあるとのこと。ふむ。つまり結構大きな会社の社長だったんですな。
それなのに人を見下すような趣味とか・・・この社長のひねくれ具合もアレですなぁ。

とにもかくにも警察の調査により幸田は発見される。
江戸社長の三男の雪信さんがどうしても仇を討つと述べて犯行に走ったらしい。
しかし身内が怖くなり通報して無事幸田は保護される流れとなったと。まあ、大分痛めつけられはしたみたいですがね。

ウソをつき続けた代償としてはいい薬だったのかもしれない。
狼少年がウソをつき続けて本当に狼を呼んでしまう。世の中にはそういうこともある。
今回はマーニーに相談していたこともあり命までは取られずに済んだようですが・・・やれやれな事件でしたな。
ウソをつくというよりも何というかひねくれた性格の部分が問題だったように思えるこの事件。
多少のウソや悪意のない発言くらいならここまで信用されなくなることもなかったでしょうにねぇ。
日頃の行いは大事ということでありますよ。結局ね。



file79「ニセマーニー」  (2014年 15号)


今回も見事な活躍で引ったくり犯を捕まえて見せるマーニー。やっぱりマーニーはさすがですな!!
と冒頭でいきなりの事件解決でありますが・・・この子、どうみてもマーニーではないぞ。まさか・・・ニセモノか!?

波峰ちゃんからいきなり心当たりのない引ったくり犯逮捕について聞かされるマーニー。
なんでも違う学校の友達がお礼を言ってほしいと言ってきたらしい。
もちろんマーニーの知らない話なので勘違いじゃ何かじゃないかと返すしかないわけであるが・・・気になりますなぁ。

なんとなく気になるのでエゴサーチをかけてみるマーニー。
全然関係ないけど映画の名前が出てきたりする。ははぁ。そいつは不思議ですなぁ。ははぁ。それネタにしますか。
というのはさておいて、掲示板系に限定して情報を集めるマーニー。
ふーむ何やら身に覚えのない事件解決の話が並んでいるみたいですなぁ。何だこりゃ?

戸惑っているうちに今度は校長室に呼び出されるマーニー。
法に触れることはしてないはずだけどと警戒するマーニーだが、呼ばれた理由は感謝状が来ているというものだった。おやおや。
何でもご婦人が駅でサイフをなくして困ってた所、探すのを手伝ってあげたらしい。
移動した道を辿り、ご婦人の立ち寄ったカフェのソファーの下でサイフを見つけたのだそうな。ほほう。

立派ですけど・・・それ、私じゃありませんよ?

正直にそう述べるマーニー。まあ実際マーニーが困っている人を見つけたとしたら同じことをしたかもしれませんけどね。

というわけで、さすがに気になってニセモノについて調べたいと考えるマーニー。
ゆりかちゃんがそのニセマーニーに依頼をするので直接会ってみることになりました。
その結果現れたのはモジャ毛でもない普通に可愛い女の子であります。ほほう・・・

依頼の話を切り出す前にもう1人マーニーって言う人がいるんですがと述べるマーニー。
マーニーがニセマーニーにもう1人マーニーがいると語るこの光景。文章にすると何が何だか。
それはさておき、ニセマーニーは私のニセモノが出没しているなどと言い出し、さらにこんなことを言い出す。

なげかわしいことです。しかもニセモノはお金までとるらしくて・・・学生の分際で。
人助けしたいならボランティアでやるべきです。学生の本分を忘れて金儲けまでしようなんて・・・

これはなかなか辛辣ですな。そうはいっても生活がかかっているわけですしねぇ。
いくらかのお金で依頼した人も幸せになれるなら双方ハッピーってことじゃないかね?
なかなか理想に燃える若い子には納得してもらえなさそうな言葉にしかならないけどもさ。

ゆりかちゃんが片岡さんの浮気の調査を依頼している間にニセマーニーの観察を行うマーニー。
ニセマーニーの制服はマルス女子学園のもの。どうやらミッション系のお嬢様学校らしい。
ふうむ。お嬢様であるならば依頼料なんて貰わずにボランティアでできるって話でありますか。うーむ。

わかりました。じゃあその彼氏をしばらく監視しますので。
お代はこのコーヒー代ってことで。マーニーにおまかせを

おやおや、ポーズまでしっかり決めてきましたよ。やりますな。点描背景まで真似てくるとは・・・!!
スマホをいじって連絡したりしてるところも含めて中々堂に入ったニセモノっぷりでありますなぁ。

というわけでマルス女子学園に潜入するために制服を調達しようとするマーニー。
前花さんがコスプレの関係で用意してくれたわけでありますが、女子高の制服のコスプレって意味が違う方のコスプレでは・・・
まあ、とりあえず前花さんの趣味については目をつむることにしましょう。言及すると面倒なことになりそうだ。

それにしてもこのニセモノは一体何が目的なのか。
お金をとっているわけでもないし、マーニーを陥れるためにやっているわけでもなさそうである。直接貶められはしましたが。
あとあと犯罪を犯す時のためにマーニーの名前を使っているとか、誰かをダマすためとか、探偵ごっこをしているとか・・・
いろいろと考えてはみるがどれもピンとは来ない様子。気になるなら詳しく調べてみるしかないって話でありますわな。

てなわけで、マルス女子学園に潜入調査を行うマーニー。
お嬢様学園なのでもちろん挨拶はごきげんようである。
ごきげんようなんてアイサツあるかい?至極もっともなマーニーのツッコミ。本当に実在するのだろうか・・・?

学校に潜伏し、授業中は適当な倉庫に隠れることにする。
どうやらマルスは中高一貫の学校であるらしい。ふむニセマーニーも少し小さい感じでしたし中等部の子でありますかねぇ。

放課後になるまで掲示板をあさって情報収集。その後行動を開始する。
なんとなく見られている気がするが気のせいということにしてニセモノを探すマーニー。
しっかり発見したマーニーはニセマーニーの跡をつける。
ニセマーニーが向かうのはどうやら部室。その部室に書かれた部名は何とマーニー部というものであり・・・え?なぬ?

それを発見したと同時、部室の扉が開き、複数の手がマーニーを掴んで部室内へと引き入れる。ちょっとホラーな感じだ。
しかし、中で待っていたのは歓迎ムードの女子たち。

いらっしゃいマーニーお姉様!お待ちしていました!!

キャアキャアと騒ぎながら嬉しそうにしている女子中学生たち。な、なんだこれは・・・
どうやらマーニーの顔は既に知られていたらしく、昨日直接会った時に正体はバレていたらしい。
そしてマーニーならばきっと調査に来るだろうと思って皆で待っていたとのこと。ほう。

私達ネットでお姉様の活躍見たんですよ。女子高生なのに一人の探偵として活躍してるって。
ニュースサイトの人に頼んで色々教えてもらって。最初はただのファンクラブだったんですけど我慢できなくて。
一人お姉様役を立てて皆でやってみようって・・・
それが私達マーニー部です!!
私達一人一人はか弱い中学生ですが皆で協力しカバーしあう。そしてハイテク機器を用いて集合知を駆使する!!
我々全員で一人のマーニーなのです!!私達は皆お姉さまのものです!お姉様の名声を上げるため一団となってがんばります!!

これはまた何というか・・・そりゃマーニーもついていけずにクラクラと眩暈がするようになるわ。
さらにどうやらマーニーは男っぽいということで宝塚的な人気もあったりするらしい。
抜けがけ禁止と言われてはいるが、部内にもソッチの目で見ている子はいるらしく、追われて大変そうなマーニー。
うーむ・・・名声が高まると思わぬ存在が現れるものなんですなぁ。
しかしこれ、体育祭の写真の値段ってひょっとしてそっちの買い手の分もあったってことなのだろうか・・・?

ところで若島津先輩の彼、片岡さんは浮気してましたよ。同じ学部の女性とお泊りデートを

さらりと酷いオチがつけられた!!ゆりかちゃん・・・
うーむ、でもこの情報は本当に正しいのだろうか?片岡さんならもっとややこしい事情を抱えているのではなかろうか。
一見お泊りデートに見えるが何らかの理由があったのかもしれない。
そういうことでないと片岡さん、ゆりかちゃんから派手に賠償金をふんだくられることになってしまいますよ!!大変だ。

てなわけでまさかのマーニー部。
7人以上はいる感じでありますが、総勢どのくらいなのだろうか。この人数の集合知なら結構なものになりそうですねぇ。
しかし名声を高めるために行動しているというがボランティアなのはどうなんだろうか。
いや、素人集団が金を取るのは問題があるが、逆にボランティアというのは今後のマーニーの活動の邪魔になるのではないだろうか?
ニセマーニーの評判を聞いて依頼し、本物のマーニーからボランティアではなく依頼料を取られる。
この差異が無駄な軋轢を生んだりしないか・・・心配ですなぁ。
まあそうなった場合はマーニー部は普通のファンクラブとして活動してもらえばいいわけでありますけどね。
たまに顔を出すようにすれば彼女たちも満足でありましょうさ!!学校の部として存続できるのかは怪しいですけど。



file80「グローリーチャイルド」  (2014年 16号)


息を切らし夜を駆ける子供の姿がひとつ。
それを追う複数の大人の影。子供は目だし帽を被り両手は包帯に覆われておりと奇妙な出で立ち。何やら訳ありっぽいですなぁ。

マーニーが学校から家に戻ってくるとガレージが開きっぱなしになっている。不用心だにゃあ。
まあこんなところに人は来ないだろう。そんな風に考えていたら誰かがいる気配がして慌てるマーニー。
しかし出てきたのは目だし帽を被った子供。ふうむ、こんな辺鄙なところまでよく来たものだ。

どうやらこの子は日本語が喋れない様子。意思疎通が難しい様子。
けれどもお腹が鳴れば空腹なのはすぐに分かる。家に上げて料理を振る舞うこととしました。ほう、エプロンマーニーですか。

食事中もマスクを取る気はない様子。
それは仕方がないのでとりあえずどこの国の子か調べることにするマーニー。
会話を録音し、枯野さんに翻訳してもらうよう依頼する。便利ですなぁ枯野さん。

メールを送るときに何かの懸賞に当たっていることに気付くマーニー。オメデトウゴザイマス。珍しいこともあるものだ。

さて、この子供を追っている大人たちは徐々に行先を特定しつつある。
これはマーニーの家にまでやってくるのは時間の問題っぽいですな。

子供を家に上げたマーニーの元に届くのは二通のメール。
一つはロイドさんからのもの。どうやら急な仕事が入ったらしい。
何でも海外の富豪が滞在しているホテルから子供が行方不明になったらしく、町の探偵が一斉に招集されたそうな。ほう・・・
二つ目は枯野さんからのもの。早速翻訳してくれたようですな。頼りになる。
どうやら言語はポルトガル語だったらしい。
断片的な翻訳だが「助けてくれ」「私は追われている」「顔を見たら不幸になる」と言っているそうな。
怖い人にさらわれて逃げてきた」と聴きとれるところもあるらしく・・・大事なのは間違いなさそうですなぁ。

そのようなメールが届いた後、マーニーの家のセキュリティセンサーが反応する。誰かがこの家に向かってきているのだ。
犬を連れた男たち。匂いを覚えさせてここまで探索してきたわけでありますな。
うーむ、このままではたどり着かれるのは時間の問題であるが・・・とりあえず正確なことがわかるまでは引き渡しはできませんわな。

パパがメカニック対策にと作った防犯設備。籠城ならおまかせを

シャッターを下ろし、閂のような施錠を行ったりと人の出入りができないように固めるマーニー。
これってロイドさんの手作りだったりするのだろうか?DIYの結果か!?地味に技術が身についていますなぁ。

守りを固めた後、警備会社や警察に連絡しようとするマーニー。
しかしどうやら電話線を切られたらしく繋がらない。面倒なことをしてくれる。
妨害電波でも出されているのか、無線での連絡も通じない様子。ふーむ、外部と連絡が取れないと籠城も危ういですなぁ。

とはいえこの家の籠城はさすがに対メカニック用だけあり普通ではない。
ドアの向こうには鉄板が張られ簡単には破れない。
シャッターの向こうも壁があるかのようで人の力ではビクともしない。
外階段の手スリには電流が流れており、簡単に上には上がれそうにもない。なかなか面白い設備だ。
しかしここは人気のない山の奥。連中は仲間を呼んで何か手荒な手段で突破しようと考える様子。おやおや。
それをしっかり盗聴しているマーニーもマーニーだな。

手荒な手段。それはブルドーザーで設備を破壊して乗り込もうというものであった。ああ、これは間違いなく手荒だ。
人の力では簡単には破れないが、さすがにここまでされると厳しいですわなぁ。
相手側は重機という威力を示し、子供を引き渡すよう交渉をしてくる。
それを受けて窓のシャッターを開けるマーニー。
が、顔を出したり交渉をしたりはしない。行うのは電気の点滅。なるほど、モールス信号で外と連絡を取るつもりか!!

これに気付いた連中は強硬手段に出る。ブルドーザーでシャッターを破り乗り込もうというのだ。
が、そのために動き出したところでパトカーが到着する。バカな・・・早すぎる!!

異様な早さで駆けつける警官たち。その中にはロイドさんや毛利さんの姿もあった。
ロイドさんが言うには子供の捜索で近所まで戻っており、家の方を見たらちょうどS・O・Sのモールスが見えたそうな。
そして毛利さんや他の警官も偶然別件や何かで近くまで来ており、モールスを見かけて駆けつけたのだそうな。
まさかここに集まった人たち全て偶然それぞれに駆けつけたと・・・!?

何やら妙な話でありますが、とりあえず押し込もうとしてきた連中のリーダーに話を聞く。
リーダーもさすがに立てこもっていたのが女子高生だとは思っていなかったでしょうな。
それはさておき、マーニーは何故あの子を捕まえようとしたのか尋ねる。
こちらとしては自衛のつもりで立てこもったわけで、詳しい事情はさっぱりでしたからねぇ。
というわけで、リーダーの口からこの子の素性について教えてもらえます。

あの子はグローリーチャイルド。百年に一度生まれるとされる神に愛された子供
彼の故郷のインドでは生き神とされ信仰の対象とされる。それに関わった者は皆幸運が訪れる。

ほう・・・それはまたオカルトな話でありますな。
ただ、確かに心当たりがないわけではない。懸賞が当たっていたのもこの子の力によるものだと考えられる。
それに警官たちがこれほど早くやってきたのも幸運によるものだと考えれば説明がついてしまうわけで・・・うーむ。

オレ達のボスは彼の力でかなりの資産を稼いだ。その子は裏の世界で有名なんだ。おそろしい金額で貸し借りも行われているくらいだ。

何とも荒んだ話でありますなぁ。
しかもこの子が不幸であればあるほど関わる者の幸運は大きくなるらしい。
だから皆でこの子をよってたかって不幸にした。目だし帽を取らないのはそういうことらしい。そ、それはまた・・・

大丈夫。大丈夫だよ。これから君は幸福になるんだ。そしてきっとそいつらを見返してやるんだ

子供を優しく抱きしめるマーニー。
どれほど酷い目に会ってきたのかは想像もできないが、マーニーと出会えたのはこの子にとっても幸運でありましたなぁ。

一か月後。どうやら子供は大使館を通じてインドの両親のもとに帰されているらしい。
実際、テレビには笑顔でマーニーに向けてありがとうとお礼を述べている少年の姿が映っていたりする。
ふむ。元気でやっているようで良かったです。本当に良かった・・・

マーニーの優しさが溢れていた今回のお話。
しかし神に愛された子供を不幸にすれば関わる者はより幸福になれるってどういう話なんだ?神はそういうのが望みなのか!?
深く考えると色々と歪な考えになってしまいそうでいけませんな。子供は幸せになった。それで良しと考えましょう。



file81「西から来た男」  (2014年 17号)


夜の街を学生服でうろつく男子が1人。やけに気合の入った頭をして怖そうな感じだ。
どうやらこの男子が着ている制服は関西の凶悪校である関西征波学園のものであるらしい。ほほう。
なるほど。今回は凶悪校からやってきた転校生のお話でありますな。不良ものっぽい話になりそうだ。

転校生の話題に沸くゆりかちゃん。
波峰ちゃんとしては女だったらいいけどねーとのこと。
その理由は今のクラスは男子が多く、なにかと男子の意見が通りやすいかららしい。ほう。
ゆりかちゃんがいるのにそんな雑用とかが回ることになるのか・・・?
と思ったらゆりかちゃんはいつも一人でうまく逃げているそうな。な、なるほど。

というわけでやってきた転校生は強面系。名前は宮待統君。
関西征波の制服はマーニーの学校でも何故か有名らしい。
何でも西のマフィアと呼ばれている高校で暴力的な人間が多いだけではなく知能犯や組織的犯罪を起こす連中までいるらしい。
警察も手におえないのだとか・・・ふーむ。それは何だかすごそうですなぁ。
まあこの学校の不良たちもNo.2の犬飼さん周りは似たようなことやってそうですが。

放課後。転校してきた学校を散策する宮待君。
さすがにセレブが多数入る学校だけあって茶室があったりする。優雅ですなぁ。茶室のある茶道部かぁ。
しかしその茶道部は部員数が不足しており、このままでは廃部しそうな様子。
それを聞き、足を運ぶ宮待君。おやおや、いい子じゃありませんか。

茶道部が廃部の危機にあるのはどうも人気とかそういう理由だけではないらしい。
どうやら学校の端にあるこの茶室を狙ってスティンガーが嫌がらせをしているようだ。それは困りましたな。
しかしそのスティンガーが現れた時に丁度居合わせたのが宮待君。
刃物までチラつかせ、スティンガーたちを追い払うことに成功する。そんなもの持って転校してきたのか!?

この行いはさておき、さすがに刃物をチラつかせるのはマズイ。
生徒会長である白鳥さんもこの宮待君について頭を悩ませている様子。
なんでこう問題つづきなのかしらと愚痴られても・・・何でなんでしょうねぇ。

結局宮待君は茶道部に入部したらしい。
白鳥さんが言うには茶道部の茶室は学校のはずれ、旧クラブハウスの境界にあるらしい。
そこはスティンガーの領地のすぐ外。そのせいで部員も集まらなかったという。
協定で他の領地の侵略はしないと取り決めてあったが、最近スティンガーの一部が嫌がらせをして地上げを始めているそうな。
その領土争いの火中に悪名高い元関西征波の転校生が居ついた。ふうむ、これは頭を悩ませる問題になりそうですわなぁ。

というわけで、白鳥さんからの依頼。宮待君素性と何を考えているのかを調査することとなりました。

まずは所属することになった茶道部を調べるマーニー。
部員は神楽さん、三芝さん、葉根さんの三人。宮待君は用心棒状態であるらしい。
何というか頼りにされてる感じですね。いい雰囲気っスね。

そしてスティンガー絡みということで姫神さんにメールで話を伺う。トントンクリクリ。
ふむ。スティンガーが茶室を狙ってるとのことだったが、どうやら下っ端の連中が勝手にやっているらしい。
何でもNo.2が最近下っ端切りをしたらしく、ハンパな奴がスティンガーの領地に入れなくなったそうな。
それで居場所を作るために茶室を占領しようと考えるようになったと・・・なんともはや。
やっぱりマーニーの学校も関西征波のことをとやかく言えないのでは。

続いて宮待君の素性を調べるマーニー。
関西征波の内部コミュニティは閉鎖されてて入り込めそうもない。
なので同窓会の幹事の振りをして学校側に問い合わせてみたりするが・・・何と宮待君は関西征波には入学していないとのこと。
ふむ・・・これは根本から違う話になりそうですな。
極悪な不良のはずなのにマジメな感じで茶道部の子らからも慕われている様子の宮待君。やはりこれは・・・
マーニーも宮待君の中学時代の友人に話を聞くことで核心に至ったようだ。

アイツただのワナビーだぜ?ヤンキーマンガばっかり読んでその気になって。ケンカとかしたことないハズだけど。
大阪征波って似た学校あるから勘違いじゃないか?アイツ小学生の時イジメられてたし、反動じゃないかなあ。

そういう話でありますか。転校を気にデビューって話でありますな。
しかしその事実にマーニーの他にも気付き始めた人がいるらしく・・・雲行きが怪しくなってきたぞ。

宮待君がショボ男であることがスティンガーの下っ端たちにバレてしまった。これはいかん。
しかし宮待君が強い男になりたいと願っていたのは事実である。確かに虚勢だったのかもしれないが、その想いは本物だ。

自分を誇れるよう、弱い者を助け強い悪に負けない、いい人間になりたいんだ!!

その意識は留まるところを知らず・・・ついに独りでスティンガーに殴り込みをかける気にさせてしまった様子。
さすがにそれは自暴自棄すぎますな。下っ端の2人ならともかく、本拠地に乗り込もうだなんて・・・
これはさすがに見逃せず止めに入るマーニー。しかし男には戦わなきゃいけない時があると述べて走り出す宮待君。
まったく。男はこれだから・・・

男らしく正面から乗り込む宮待君。しかしそこにいたのはスティンガーNo.3である姫神さん。
バットを持って暴れまわっていたのだが、そのパワーで抑え込めば宮待君は簡単に動けなくなってしまう。
そして抑え込んだ状態で交渉を行う姫神さん。元々下っ端がやったことでスティンガーには益のない喧嘩ですからねぇ。

お前の顔を立ててやる。それで手を引け
簡単なことだろ・・・オレを叩きのめしたフリをすればいい。
話が大きくなるとめんどくせえからな。オレは他にやりたいことがあるし、あのマーニーには一応借りがあるんだ。

やりたいことって社交ダンスのことですかね?
というか姫神さんマーニーに借りありましたっけ?練習相手はむしろ貸しを作ってからの話だったはずだし・・・
あの後、白鳥さんを紹介してもらったとかそういう話だろうか。

ともかく、姫神さんの作戦通りタイマンで互角の戦いを演じて見せる宮待君。
叩きのめしたフリを〜とか言ってたのに互角で済ませちゃうのね。まあそれでも十分すごく見えるからいいか。
茶室を狙っていた下っ端たちも諦めたようだし、良かった良かった。

・・・宮待君がエセヤンキーだってバレない方が平和なんだろうな・・・
成り行き上これからフォローするハメになりそうだけど・・・やれやれだぜ

やれやれ系になっているマーニー。白鳥さんとは別の意味で疲れる立ち位置でありますなぁ。

それにしても今回の姫神さんは男前である。これがNo.3の風格という奴であろうか。
こういう器の大きなところがモテるんでしょうなぁ。男に。
姫神さんホモ疑惑は果たして払拭される日がくるのだろうか。それは誰にもわからない。



  名探偵マーニー感想目次に戻る

  名探偵マーニー連載中分に移動

  作品別INDEXに戻る

  週刊少年チャンピオン感想TOPに戻る



HPのTOPに戻る