蒼天紳士チャンピオン作品別感想

バーサスアース
第1話 〜 第24話


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 各巻感想

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連載中分


バーサスアース 1巻


第1話「星の咆哮」  (2012年 34号)


大地は憤怒を突き上げた
天を衝く、怒りの柱!永き眠りから覚めたこの星が今、人類に反撃す――人類の敵は地球

巨凶来襲!!
原作:一智和智先生、漫画:渡辺義彦先生が送る対地球ハードファイト、ここに開幕!!

まずは異常が発生する前の日常が語られることとなる。
主人公の寺鐘ハルトは高校2年生。進路のことで先生から絞られている。
部活は帰宅部、将来の夢はとくになし。でも希望は進学。
なるほど。とりあえず大学いっときますかって感じの子ですね。よくいるよくいる。
しかし、マジメに考えて、数学24点英語18点で行けるような大学なんてあるのだろうか?
うーむ。問題にもよるが、確かに酷い点数である。

先生曰く、一流大学に入ってもいい職につけるかどうかもわからないのが今の世の中だ、とのこと。
だから今のうちにしっかり努力をしないといけないんだぞ、といいたいらしい。
が、その説教中に地震が発生。おぉ、揺れとる揺れとる。
最近は小規模な地震が頻発しているらしい。ふーむ。怖い話ですねぇ。

さて、説教されてたらすっかり遅くなってしまいました。
夜の道を歩いて帰るハルト。その途中の道にはホームレスの姿がある。
こういう人が増えるのを見て、諦観に囚われているハルト。うーむ、無気力な高校生っすなぁ。
いい若い者が青春していなくてどうするのかと思うのだが・・・
まあ、こういう諦観を大人になるまで引きずる方が面倒なので、今のうちに卒業しておくのも悪くないか。

歩いている途中、左手の方の倉庫らしきところのシャッターが音を立てて開いて行く。
丁度そこを通りかかったおかげで、中にある人や物が目に入る。
シャッターの中にいた男は、ハルトに気づいて慌ててシャッターを閉める。なんだー!?

倉庫の中に居た男たちは慌てて反対側から車に乗って出て行く。
車中にいるのは男女合わせて3人。
メガネでスーツなくん。紅一点で巨乳な玲央さん。ドレッドで筋肉質な男の3名。
この3人、何か怪しげな話をしている。この辺りにアレが出る、とのこと。アレ?

はい。このところたて続けに発生する地震、電磁波・・・
何より重力針の反応が過去のカナダの深柱出現と同じ数値を示しています。

まちがいなく"深柱"は数日以内に都内に出現します!
そしてそれが新宿や池袋のような人の多い場所だった場合・・・推定される死傷者は数百人あるいは千人を越えるでしょう!

なんだか分からないが、大ゴトのようですね。
それだけは何とか防がないといけないと考える。
そのための私たち"大地の牙を倒す者(ピラーブレイカー)"だもの、とのこと。

何者かはわからないけど、死傷者を出さないように活動していることはわかりました。

翌日の夜。
ハルトは友人のシンタ、ユミ、カナの4人で修学旅行の打ち合わせを行おうとしている。ファミレスで。
そのファミレスで、友人達に昨日見たことを口にするハルト。
質感とかえらいリアルなでっかいカナヅチを持った女。しかも巨乳を見たとのこと。
ほう。ハルトくん。あの瞬間でちゃんと見てたんですな。胸しか見てないのかと思いました。
というか、あの見開きだとまずそこに目が行きますよね。それはしょうがない。ハンマー見れただけで大したものだ!!

まあ、でかいハンマーは確かに一目につくけど、大騒ぎするほどのものではない。
通りをそれ持って歩いていたらさすがに問題だけど、倉庫内で持ってただけですしね。
大刀とか重火器だったら問題だったかもしれないけど、それくらいならちょっとした話題のネタくらいにしかならんわけですわな。

それより、進路について気にしているカナちゃん。
特にハルトとシンタの男2人は進路指導に呼ばれるくらいですからねぇ。不安にも思われるわさ。

オレはあきらめたぜ!卒業したらバイトする!幸いウチは持ち家だ。バイトだけでなんとかなる!

いきなりの自宅警備員宣言!?まあ、バイトする気があるだけマシという考えも・・・駄目な子だ!
進路のことよりも、修学旅行の自由行動計画!舞妓さんの生態をレポートしたいと吠え出すシンタ。駄目な子だ。
まあ、高校生活を無気力に過ごすよりは、そういう趣味に走るのも悪くはないですけどね。

シンタと違い、無気力側の人間であるハルト。
いい大学行ってもいい会社入れなきゃ意味ないってのは同意だし、自宅警備員でよくね?とのこと。これまた駄目な子だ。
というわけで、カナちゃんによる説教。

ハルトはやればできるんだから、なげやりになっちゃダメ!!

お母さんみたいな説教でありますね。
まあ、子供の頃からの付き合いみたいですしねぇ。子供のころはハルトも無気力じゃなかったというのに・・・
というか、こんな無気力な子でもうまくすれば、高校生になっても可愛い子と交流を持てたりするんですな・・・
持つべきは可愛い幼なじみってことである。おのれ、恵まれた環境にいやがって!!

てな感じで、傍から見るとそれなりにうらやましい環境のハルト。
本人も、毎日学校とかウザイけど、みんなとこうしてるのは楽しいと感じている。

進路とか大学とかめんどくさい。ずっとこのままがいい。
なんとなく生きてるって言われるかもしれないけど・・・ずっと遊んでられたらいいのに。ずっと――

そんな願いをしたところで、異変が発生する。大きな揺れ――地震だ。
最近頻発してるし、すぐに収まるだろうと考える。が、今回のは大きい!!
慌ててテーブルの下に入るハルトたち。だが、揺れは短い時間で収まった。ふーやれやれ。
しかし、本当の異変はこれから発生する。床を突き破り――何かが現れる。

二〇××年×月○日。東京都練馬区○○。
ファミリーレストランチェーングッドウッド○○店店内。
日本で初めての深柱出突
大地が人類に対し牙を剥いた

でかくてつるりとした表面の柱が地面から突き出してきている。なんだろう、これは。
興味を持ったシンタ。写メでも撮ろうかと近づく。ウカツな。
鏡みたいな表面を眺めていると・・・いきなりそこに目玉が現れた!うわ!こえぇ!!
怖すぎて思わず殴ってしまったらどうなったのだろう。目玉怖い!グチャ!今回はそうならなかったけどね。

目の前にいきなり現れた目玉に驚き戸惑うシンタ。早く戻れといわれるが、その前に攻撃が開始される。
目玉から発生した熱がシンタの頭部をブスブスと焼く。
そしてシンタの頭部は破壊された。飛び散る血と肉片。耳は鉄板の上に落ち、肉の焼けるにおいを漂わせる。
友達の焼ける音がした

目の前で友達が無惨な死を遂げたことで錯乱するユミちゃん。
ここから逃げ出そうと駆け出す、が、その背中を無情に貫かれ、倒れる。なんともはや。
この現象を受け、店内の客はパニックを起こす。そりゃあそうですよね。
我先にと外に出ようとするが・・・深柱に現れた無数の目はそれを許さない。
全方位に対し、熱戦のようなものを噴出す深柱。次々とその熱戦にやられていく人々。

それは・・・人間を憎んでいるように見えた

一瞬にして店内は惨憺たる有様に。
なんだよこれ、と怯えていたハルトであったが、もっと混乱しているカナちゃんを見て少し落ち着く。
救急車や警察を呼ぼうとするが、携帯は圏外となっている。電磁波が出て妨害されているのか?

ハルトはうかつに深柱を見ようとして撃たれる。これは遮蔽物のおかげで助かった。
が、遮蔽のないところに放り出されるハルト。それを追って出てきてしまうカナちゃん。
分散されていた眼がまたひとつに戻ろうとしている。
遮蔽で攻撃が遮られたのが気に入らなかったのか、火力を高めようって魂胆ですね。
このままでは、ハルトとカナちゃんが焼き殺される。
なんとかカナちゃんだけでも救おうと動くハルト。突き飛ばすが、自身の体は焼かれそうになる。
ちくしょう・・・死にたくねえ!!

その想いが通じたわけでもなかろうが、助けがやってくる。
ドレッドで筋肉質な男が、大きな盾を持って深柱の熱戦を防いだのだ!!

防いだ!!
一〇式対熱多層防護盾(ヤタノカガミ)はマントル熱戦に対して有効と確認!!

こ・・・これはまた大仰な名前でありますな。
しかし、このヤタノカガミを持ってしても、深柱の攻撃は長くは持たないらしい。
盾で防いでいても人工強化鎧(マッスルコート)が溶け出す熱量である。

人様の庭でご立派なモノおったてやがって!!ニンゲン様なめんじゃねえぞ!!

吠える男。
そして、男は巨大なハンマーを構えた女――玲央を呼ぶ。あと15秒しか持たんぞ!!

15秒?ジューブン。どのみちこんな重いモノそんなに長く持ってたくないっつーの。

そう言いながら、巨大なハンマーを掲げ、横薙ぎに振り下ろす。

打ち砕く、この一一式装甲破壊槌(ヤサカノマガタマ)で――!!

振り下ろされた鉄槌が――母なる大地との戦いの鐘をならす
それは、なんとなく生きてきた日常の終わり。

というわけで、始まりました対地球との戦い!
一話目から対抗勢力が出てきたことは喜ばしいことでありますな。
パニックホラーと銘打たれていましたが、この流れはまさしく人類の敵に対する戦闘モノとなりそうな予感。
印象的にはロボットアニメのような立ち上がりといった感じでありますな。
人類の敵である謎の存在。その存在を事前に察知し、対抗するために結成されたチーム、みたいな。

実際、ピラーブレイカーの3人の会話を見ると、日本以外では既に深柱の発生が確認されているという。
ならば、その深柱に対抗するための組織が生まれているのは何の不思議もない。
というか、国家がそういう組織を運営していてしかるべきなくらいである。
まあ、ひょっとしたらこの3人のバックに国があるのかもしれませんけどね。

それにしても、武具のネーミングセンスが凄い。
分かりやすい武装名に、三種の神器をコードネームとして付加するとは・・・そのセンス、嫌いじゃない。
いきなり三種の神器である八咫鏡と八尺瓊勾玉は出てきました。後は天叢雲剣であるか。
ヤサカノマガタマは装甲破壊槌であるとのこと。
であるならば、装甲を破壊し、むき出しになったコアを天叢雲剣で破壊するとかそんな流れになるのだろうか。
プロセスとしては美しい。八咫鏡で防ぎ、八尺瓊勾玉で装甲を破壊し、天叢雲剣でトドメをさす。
ロボットアニメならバンクシーンとして多用されそうな流れである。

そうなると、誰が天叢雲剣を使うのかって話になる。林くんが剣持って突っ込んできたら笑いますよね。
まあ、色々あって、ハルトがその剣を使ってとどめをさす流れになれば、今後の展開もしやすいだろうが果たして?

にしても、深柱さん。地球の怒りによる攻撃にしては規模がそれほどでもない。
地震が起こせるなら、もっと派手にやってみてもよいのでは?
マグマが扱えるなら、火山の噴火とか、考えられるのは色々とありそうな気がする。
けど、地球としては、人間への憎しみがあるだけなので、なるべく大きな災害は起こしたくないのかもしれない。
エネルギー使うし、人間以外への生態系への影響もでかいですからねぇ。
なので、柱を立てて人間を視認して攻撃するという手段を用いているわけだ。つじつまは合う。
つまり、人間だけを殺す機械かよ!?ってわけだ。さすがに地球。エコロジカルですな。

でもそうすると、人間を視認しないと攻撃できないってわけなんですよね?
危惧されていたのは、大通りの交差点の真ん中に現れたりしたらどうしようってことだったのでしょう。
その場合、特に昼間だった場合、死者は本気で千人を越えたかもしれない。
今回は人が少ない店内だったからまだマシだったということになる。シンタたち被害者には災難なことであるが。
逆に言うと、人が誰もいない廃倉庫とかに現れる可能性もあったわけだ。
日本初めての深柱出突!
と派手に現れたはいいが、周りを見渡しても人間の姿が見えず寂しいことになる深柱さん。
やっと人間が来たと思ったら、でかいハンマーで打ち倒される深柱さん。
なんて切ないことになる可能性もあったわけで・・・それはそれで面白かったかも!!



第2話「決意のハンマー」  (2012年 35号)


対地球ハードファイトの第2回。
突如として現れた謎の柱、"深柱"。それを砕かんとする謎の3人組。
3人組の1人、玲央さんが振るう巨大なハンマーが深柱にぶち当たる!!

着甲!!爆震!

単にハンマーをぶち当てただけではない。
このハンマー、ギミックが搭載されている。
おそらくパイルバンカーのように杭を打ち込んでいるのではないかと思われる。
ハンマーの後部に延びている棒状のものが、先端へと伸び、柱に打ち込まれている。

着甲爆震(ブラストストライク)!!

初撃の後の震動が深柱外甲に最も効果的なダメージを与えます、とのこと。
外甲に亀裂が入ったことでしばらくはマントル熱線を打つことはできなくなった。
ならば一気に止めを刺す。髄幹にツルギを打ち込むのだ!

了解!深柱髄幹裂断刀(クサナギノツルギ)抜刀!!

出た!最後の神器出た!!
まさか玲央さんが2種類持っているとは思いませんでした。しかも足から飛び出してくるとは。
左足を深柱の亀裂に当て、クサナギノツルギを射出する。
なるほど。色々と考えられたギミックですなぁ。
打ち込みは確認された。あとはこのツルギを髄幹まで押し込むだけである。
それで深柱は完全に停止するハズであるとのこと。

これで、おしまいよおオォオ!!

ハンマーことマガタマを用い、ツルギを打ち込もうとする玲央さん。
マントル熱線が使えないなら単なる電信柱のできそこないみたいなもんですよね。
と油断したのがいけなかった。
外甲がビキビキと尖り、いきなり勢いよく射出してくる!
異変をいち早く察知したドレッドの兄さん――兵真くんが盾で防いでくれたので玲央さんは事なきを得た。
しかし、その一撃でヤタノカガミは大破。次の射出は防げない状態となっている。

こんなに目の前に倒れてるのに撃ってこない!あの角を何度も飛ばすのには時間がかかるのかもしれない・・・!!

そう林くんは分析する。正しい分析でしょうな。
ならば次を撃ってくるまでにツルギを打ち込めばいい。
ツルギが深柱中央の"髄幹"に達すれば深柱は死ぬ。次の攻撃が来るまでに勝負をつけないといけない!

兵真くんは角のかけらが背中に突き刺さっている。
ヤタノカガミで大半は防いだが、大破した際に防ぎきれなかった分をもらってしまったようだ。
後は玲央さんが頑張るしかないって状況ですね。

さて、3人組が楽勝ムードから一転して苦境に陥っているころ、少し置いてけぼりな感じのハルトとカナちゃん。
しかし、今なら深柱の攻撃は止まっているし、走って外に出られるのではと考える。正しい判断だ。
だが、カナちゃんは一連の攻撃を受けて足を負傷してしまっている。これでは走れない。

・・・でも、オレだけなら・・・ダッシュで行けんじゃね・・・?
に・・・逃げるとかじゃねえ・・・カナが動けない以上、助けを呼ばないと・・・

抱いて走ればいいんじゃないですかね?と思わないでもないがハルトの力では難しいのかな。
ハルトが逡巡していると、カナちゃん。握っていた手を離し、言う。

ごめん。私立てない。ハルトだけでも逃げて。ハルトなら足速いからきっと助かるよ。

これはまた・・・可愛いことを言ってくれる。健気ですねぇ。
そんなことを面と向かって言われたら一人だけ逃げるなんてこと出来ようはずもない。
お前だけ置いて行けるわけないだろ!と吠えるハルト。しかし――

カナを置いていこうとした・・・一瞬だけど本気でそう思った。
助けを呼ばないとなんて大ウソだ。オレは自分だけ助かりたいと思った!
こいつはオレだけでも逃がそうとしてくれたのに・・・!!
最低だ・・・オレは・・・最低だ・・・

苦悩するハルト。うーむ、青春してますねぇ。
それでも本当に逃げ出すとこまでは行かなかった。
カナちゃんに声をかけてもらったおかげとはいえ、反省も出来る。最低とは言えないさ。

とかやっている間に玲央さんが復帰。どうやら気を失っていたらしい。
ともかく、気付いたのなら早くマガタマでツルギを打ち込まないといけない。
しかし、ふりあげたとこで角が射出されたため、スッポ抜けて遠くまで飛んでいってしまっている。
重さは50kgもあるので取りに行くのは大変。だけどそんなことは言ってられませんわな。

取りに行くために立ち上がろうとする玲央さん。
しかしここで深刻な事態に気付く。左腕が・・・折れた!?

だめだ。これじゃあ持てないっ!!あと一撃でトドメをさせるのに!!
この1日のために一体どれだけの訓練を重ねてきたのか・・・!!
ちくしょオオオオオオ!!

悔しさに涙する玲央さん。そうか、やはり一朝一夕の技術ではないのですね。
ギミック満載の攻撃だし、一連の手順をスムーズに行えるよう訓練を積んで来たんでしょうなぁ。
だが、現状は超ピンチ。深柱には角のようなものが形成されてきている。またあの攻撃が来るぞ!

そんな中、玲央さんはようやくハルトの存在に気付く。
どうやらちゃんと昨日の高校生だと認識しているようだ。物覚えいいっすね。
そしてハルト。林くんが騒いでいるおかげで状況を認識しつつある。そう、あと一撃で深柱を倒せるのだ。

倒せる・・・?こいつを・・・
守れる・・・オレが・・・カナを守れる!?

決意の表情を見せるハルト。その意志を受け、玲央さんは頷く。

カナ・・・ごめんな・・・
オレはさっきお前のこと置いて・・・1人で逃げようとした。
お前はいつもオレのこと信じてくれたのに。
許してくれ。お前だけは守るから。最低のままで終わりたくないから――

決意を篭めてハンマーを握るハルト。
一気にツルギ目がけて振り下ろそうとする。が、持ち上がらない。
そりゃあそうですわな。50kgですよ。
抱えて持ち上げるならともかく、柄の先の方に重みがある形状だ。振り回すのにはかなりの力がいる。
基本もやしっ子のハルト。死ぬ気で頑張ったとしても無理なものは無理である。
肩から血を噴出し、全身の筋がブチブチと悲鳴を上げても持ち上がらない。ダメか・・・!!

そのまま"せーの"でふりかぶる!

そうか、一人で無理なら玲央さんが力を貸せばよいのだ。
左腕は使いものにならないが、まだ右腕が残っている。
ハルトの両腕と合わせ、3本の腕でハンマーを振るう。せーのっ!!

そして・・・目の下に刺さってる杭をめがけて・・・振りぬけえええ!!

振りぬかれるマガタマ。その圧力でツルギは深く突き刺さる。

深柱髄幹裂断刀 圧入!
深柱中枢部"髄幹"へ到達。
深柱塔解!!

外甲が髄幹からはがれ落ちていく。これは決まった。勝った!そう、僕らの・・・人類の勝利だ!!

勝利に涙する林くん。玲央さんも無邪気にやった!と喜んでおります。
さらにその勝利に多大な貢献をしてくれたハルトにもお礼を述べる。

きみ、やるじゃん。かっこよかったよ・・・?

おやおや玲央さん。もっとキツイ性格なのかと思ったら、可愛いこと言ってくれるじゃないですか。
割と乙女だったりするのかもしれませんな。こんなこと言われたらドキドキしてしまうやろ。なぁ、ハルト?

それどころではありませんでした。
最後にマガタマを深柱にぶちこんだ際、深柱から角が射出されていた。
その角は狙い違わず、ハルトの眉間を貫いているのでありました
最初見たときは、そんなに深く刺さってないはず!とか思ったが、よく見ると突き抜けてるじゃねーか!!
ハルトおぉ!!

前のめりに倒れるハルト。表情もうつろだし、これは相当にヤバイ。というか普通は死んでいる。

大地は憤怒を突きあげた。
人類の敵は・・・地球

深柱は撃退した。だが、最後に謎の男が現れている。
人類の敵は地球だと知るこの男は敵か味方か、何者なのだろうか。

という感じで衝撃的な展開を迎えたバーサスアース第2話。
逃げようとした弱い心をヒロインの健気さで振り切り、脅威に正面から立ち向かったハルト。かっこよかったよ。
しかし、そのヒーロー的行動がこのような結果を招くとは。予想外でありました。
この後ハルトはどうなってしまうのでしょうか。
まあ、今後主人公的な位置づけで戦っていくとしたら、今のままのハルトでは力不足もいいところである。
そう考えると今回の頭貫通は何かのパワーアップイベントに繋がるのではないだろうか。
肉体は死んだけどサイボーグとして蘇るとか。いや、肉体どころか思いっきり脳にいってますがな。
逆に深柱の角が脳に刺さることで超上的なパゥアーを身につける展開かもしれない。
なんだか面白くなってきやがったぜ!

しかし、この戦いだけでヤタノカガミは大破し、神器を扱う2人が負傷している。
初っ端からこれだけの被害を出しているのだが、今後戦えるのだろうか?
そういえば、玲央さんの右足にもクサナギノツルギらしき柄があるのが見える。
実はクサナギノツルギは2本あったりするのか?
そう考えると、実は本拠地には呼びのヤタノカガミがずらりと並んでいたりするのかもしれない。
兵真くんの傷はそこまででないと仮定するなら、盾役は問題なさそうですね。
問題は玲央さんの腕か。どうするのか、注目です。



第3話「夜を駆ける」  (2012年 36+37号)


人類を襲う深柱をかっこよく撃退した。
が、その最後の攻撃で頭を貫かれたハルト。
即死かとも思われたが、どうやらまだ脈はあるらしい。ほほう。
というわけで、3人組はハルトを車に乗せ、青梅のラボに向けて車を走らせている。

病院とかではなく、ラボ。
どうやら深柱の破片が手に入る可能性があるので、研究所に運びたいらしい。
これは3人の考えではなく、本部の考えだと林くんは言う。
その本部の考えに歯噛みする兵真くん。あのガキの生命より深柱の破片の方が大事ってか。くそっ!!

本部の決定には逆らえない。それでもなんとか一刻も早く向かわんとスピードを出す兵真くん。
林くんの言によれば、深柱は髄幹を破壊すると砂になって崩れる
それゆえ、奴らと戦う上で深柱の一部を回収・分析するのは最優先なのだという。

ぼくらの武器、ツルギやマガタマもそうやって造られてきたんです
そうすることで結果的に深柱災害を防ぎ、多くの人々を救えます。

ほう。三種の神器はただの武器ではないってことなんですね。
ちゃんと対深柱用に作られた武器であるということがわかる。漢字の名称が専門化されているのは伊達ではないわけだ。

それに・・・政府や警察の中でもぼくらの活動を理解してくれるのは一部です。
消防や医療機関に根回しできてない以上、うかつに病院に重要なサンプルを運べませ・・・

やはりピラーブレイカー達には後ろ盾があるんですな。ただ、それはそんなに大きな組織ではないと。
深柱の存在なんて目の当たりにしないと夢物語のようにしか思われないのでしょうな。
1話目で言ってたように、表舞台に立つことになるのはこれからであるか。
とはいえ、兵真くん。林くんの説明を大声で遮る。

サンプルとかそういう言い方はやめろ!あいつはまだ生きてる!!
上の連中は頭に刺さった深柱のカケラの方が大事かもしれねえが・・・あのガキは体をはって戦ってくれた!
生きたままラボに届ける!そして助ける!!
大事なトコで気を失ってたこのオレが・・・そのくらいしないでどうすんだ!!

なかなかに情の熱い人でありますな兵真くん。イイヨイイヨ。
率先して危険な所に飛び込み盾になるような立ち位置の人間だし、これぐらいの熱さがないとねぇ。

さて、車の後部には簡易ベッドや酸素呼吸器などが用意されている。
救急車ほどではないかもしれないが、ある程度の準備はされていたって感じですね。
その簡易ベッドに身を横たえるハルト。側にはカナちゃんがついている。

涙目になり、ハルトの容態を気づかうカナちゃん。
本当にハルトは助かるんですか?と側に同乗している玲央さんに尋ねるカナちゃん。
それに対し、私は医者じゃないからわからないと答える玲央さん。まあ、その通りでしょうけどねぇ。

彼の生命だ。生きるか死ぬかは彼が決める瀬戸際ってのはそういうもんよ

戦士らしい意見でありますな。ドライな用にも思えるが、それもまた真理である。
まあ、カナちゃんが焦っているのを見て、自分が落ち着かないとと思ってこういう言動になっているのかもだが。

深柱のカケラが脳に刺さったハルト。今は夢を見ている。

なんなんだこいつは!?
なんで殺すんだ?シンタを。ユミを。なんの罪もない人々を!俺の・・・

というところで、回想。
ハルトはあまり家族愛に恵まれた環境ではなかった様子。
親は仕事が忙しいのか、よく家をあけている用に見える。とはいえ、このレトルトなご飯は酷い。

親が残したメッセージを微妙な表情で見つめるハルト。
そのハルトの携帯にシンタから呼び出しのメッセージが入る。
めんどくせーなと言いつつ、嬉しそうなハルト。

毎日毎日、呼び出してんじゃねーよ。バカ

口ではそんなこと言ってますが、表情はなんとも嬉しさを隠しきれていない様子。
いい友人たちだったんですねぇ。
ハルトが寂しそうにしているのをわかって誘ってくれていた可能性は高い。
そんな友人たちが目の前で殺された。ハルトの悲しみはいかばかりであるか・・・

玲央さん曰く。生きるか死ぬかはハルトが決める。
それは"生きたい"という意志によるもの。
"生きたい"と強く願う生命は簡単には死なない。生きる目的があるならなおさら

分かる話でありますが、ハルトはその生きる目的が特にない子なんですよね。
そういう話をされちゃうと、助かる見込みが薄れてしまいそうで困る。カナちゃんも納得できない。
というか、シンタたちの死を目の当たりにしたカナちゃんからして見れば納得できようはずもないか。

みんな突然殺されたんですよ。ファミレスにいた人・・・友達も・・・お客さんも、店員さんも。
生きる理由があれば死なないなんて言われても説得力ない・・・
私はただ・・・ハルトに・・・生きてほしいだけ・・・ハルトぉおおおっ!!

感極まって叫ぶカナちゃん。
そのタイミングで急ブレーキがかかり、車内が大きく揺れる。うおっ!!

ヘタクソぉ!このソーセージ頭。もっと優しく運転しろっ!!

運転席に向けて怒鳴る玲央さん。ソーセージ頭?というのはさておき――
車が止まった理由は、いきなりバイクが前に飛び出して停止したからである。
車は130km以上の速度で飛ばしていたというのに、よく追い抜いて前に出れましたね。
というか、急ブレーキが間に合わずに轢かれたらどうするつもりだったんでしょ。

バイクに乗っているのはフルフェイスに学生服の男。バイクから降り、男は車に向かって歩み寄ってくる。

下品で粗暴。無知で情弱。
だから、ガイアの化身たる深柱(みはしら)を折るなどという愚行を完遂できるのか・・・
制裁せねばならない。抹殺せねばならない。

男の言葉と共に、側のマンホールが内側から吹き飛ぶ。
蓋を吹き飛ばし、地面から現れたのは・・・深柱!?微妙にファミレスに出たのとは違うデザインの深柱だ!!
大きさはそれほどではないが、先が尖り、表面がデコボコしている。ア、アスパラ・・・?

君たちのような存在が、大地にとってもっとも害悪だ

深柱を呼び出したこの男。一体何物なのであろうか。
深柱の存在をよく知るものである感じだが・・・
それよりも、この窮地。
盾は大破し、玲央さんは片腕が使えない。新たに現れた深柱に抗する術はあるのだろうか?
兵真くんがマガタマ持って突っ込み、撃退されてまた気絶する流れですかね?

対抗するとしたらやはりハルトの覚醒待ちとかでしょうか。
生きる目的があれば死なないと言われたハルト。しかし特に生きる目的とか持っていなかったハルト。
となると、その生きる目的が復讐になる可能性は十分にある。
復讐鬼と化したハルトの活躍を期待したいところでありますな。



第4話「黒い炎と紅い剣」  (2012年 38号)


謎のヘルメットマンが深柱を呼び出した!
深柱のことを研究しているピラーブレイカーたちもこんなケースは初めてなのか激しく驚いている。

やれ!スルト!

ヘルメットマンの合図と共に、深柱から熱戦が放たれる。
前に現れた深柱に比べると熱戦は細い。やはり山の上まで熱を運ぶのは大変なのかな?
それもあってか、一撃で吹き飛ぶことのない車。
アクセルを全開にし、体当たりを仕掛けようとする。
が、これは交わされた。しかも熱戦の影響で前輪のタイヤが溶け、車は横転。炎上する。

ああ・・・熱い・・・また・・・死ぬ・・・人が・・・
わかるぞ・・・これは・・お前が・・・お前たちがやっているんだな。
なんでこんなひどいことを。あんなに殺してまだ足りないっていうのか。
一体何なんだお前は。答えろよ。

夢の中で深柱と対峙しているハルト。
と、いきなりその光景はどこぞの石油施設。
そして、その側には重油にまみれて飛べなくなっていると思しき鳥の姿が。
またこれは懐かしい構図ですね。
深柱さんとしては、人間が環境を破壊し、動物などを苦しめているという認識なのでしょうか?
それとも夢は所詮夢なので、ハルトが人間に対して持っているマイナスイメージが表現されているのだろうか?

まぁ・・・どうでもいいか・・・柱1本ブッ壊したし・・・オレにしてはよくやったよ・・・

どうでもいいとか言っちゃダメ!

すぐに後ろ向きになりそうになるハルト。
そこに見開き使って現れるカナちゃん。うーん。可憐だ。これが溢れるヒロイン力ってやつなんですかね。
その影響ゆえかハルトが目を覚ます。頭を貫かれた状態なのに他の車内の人らより元気っぽい。
カナちゃんだけでなく玲央さんまで気絶しているというのが現状。玲央さん前回から見せ場ないっすね。

炎上している車から声が聞こえた気がする。
確かめにいくのも気味が悪いから最大火力で葬ってしまおうとか言い出すヘルメットマン。

きみの名前の由来を知っているか。
スルトと言うのは北欧神話に出てくる世界を焼き尽くす炎の巨人のことだ!
スルトという言葉には"黒"という意味がある。
そしてスルトが持つ炎の剣の名はレーバテイン。世界を焼き尽くすぼくらにふさわしい名だ。

そんな風に語るヘルメットマンでありますが、このスルトという名は誰が名づけたのでしょうか?
深柱がコードネームとして名乗ったのを聞いたのか、ヘルメットマンが勝手につけたのか。
深柱さんが人間が作った神話に乗っ取る必要性はあまりないしなぁ。
やはりヘルメットマンが勝手に名前をつけたと考えるのが自然でしょうか。
となると、たいした中二っぷりですね。
まあ、相手は三種の神器なんて用いる者たちですし、神話級の存在でないとって話はわからなくもない。
これが同じレベルでの争いってことなのか・・・!?

ついでに、その構えはなんなんだヘルメットマン。
気合が入っているのはわかるけど微妙にダサイっすよ。
というか、頭の上を熱戦が通る形になるけど怖くないのかな?
最初は細い熱戦だったが最大火力で撃ったら太くなって巻き込まれましたなんてことがないといいね!

しかし、真に気にすべきはそこではない。
炎を背に影絵のような状態になりながら、兵真くんがヘルメットマンに襲い掛かろうとしている!
その手にはクサナギノツルギがある。
兵真くんと林の2人は横転した時点で素早く車から脱出していた。
そして、林はヘルメットマンが柱に命令を出しているのを見抜いていた。
ヤサカノマガタマが使えない今、深柱を破壊する方法はない。
ならば、ヘルメットマンを仕留める以外にこの場を制する道はない。

兵真くん。殺せますか?人を!!

いきなり問われる覚悟。
人を守るためにバケモノ柱をブッ倒す訓練を積んできたであろう兵真くん。
それがいきなり人を殺す覚悟を問われることになるとはねぇ。皮肉なものだ。
狙いは悪くないし、クサナギノツルギがちゃんと剣として扱われている。
なにより兵真くんがちゃんと活躍しそうな流れが嬉しい。
が、結局仕留め切れずに吹き飛ばされる結果になる可能性が高いのが寂しい。
ハルトの覚醒も含め、今後の展開が気になるところでありますなぁ。



第5話「圧倒的な夜」  (2012年 39号)


液状化しなかった深柱外甲の破片を採集し作られた裂断刀の切れ味は地球上で唯一無二。人間など一撃です
すげぇ!人間さえも一撃ってか!!
とはいえ、人を斬ることができるのか。殺すことができるのか。
今、兵真くんの覚悟が問われる。
まあでも、殺さなければみんなやられちゃうって状況ですし、躊躇っていられる場面じゃないですわな。

というわけで、勢い込んでクサナギノツルギを振り下ろす兵真くん。
だが、カウンター一閃。唯一無二のはずのツルギがあっさりとへし折られてしまいました
あらあら。あらあら。兵真くん・・・神器壊されすぎでしょ。貴重な品でしょうに・・・
いやまあ、別に兵真くんが悪いわけじゃないですけどね。

ヘルメットマンが持っているのは、生きた深柱の外甲を剥離させて作った刀である。
死骸を寄せ集めて作ったツルギとはやはり格が違ったらしい。

そんななまくらで挑んでくる勇気・・・わずかな勝機にかける執念・・・
ぼくは人間のそういうとこが大嫌い。勝てない相手に挑むのはただのバカ!バカは死ねばいいよ。

えー。私は人間のそういうところが大好きなんだけどなぁ。ヘルメットマンとは趣味が合わない。
というか、このヘルメットマンは人間じゃないのだろうか。
元人間だけど人間を止めたのか。それとも人型なだけで最初から人間じゃないのか。
はたまた人間じゃなくなったかのように振る舞っているだけの人間なのか。最後が一番ありそうだ。

さて、転倒した車は炎上している。
後部座席に乗っていた3人。玲央さんとカナちゃんは気絶中。
そんな中で、逆にハルトが目を覚ます。熱い・・・燃えてる・・・

目を覚ましたはいいが、頭に破片がグッサリ刺さっている状況で横転したものだから出血が酷い。
意識こそあるものの体を動かすことができないハルト。このままじゃ死ぬ・・・

そう思ったときハルトは気付いた。カナちゃんが握っているのはハルトのケータイである。
ハルトのマネをしてケータイを変えてみたりするカナちゃん。なんとも可愛らしい。
こんな健気な姿を見せられたら無理してでも動きたくなるってものである。

戻ろう。あの日常。
オレは・・・生まれ変わりたい
日本は終わりとかもう思わない。オレにしてはよくやった。もダメ。
お前がくれた言葉を何度も何度もくりかえす。

どうでもいいとか言っちゃダメ。ハルトはやればできるコなんだから。

その言葉に力をもらい、あきらめずに手を伸ばすハルト。
カナ・・・お前といっしょに生きるんだ!!

その思いによるものか、あきらめずに手を伸ばしたことで、ハルトの手はカナちゃんに届いた。
だが、そこで安心してしまったためか・・・ハルトの心臓は大きく音を打ち、そして停止する。
瞳孔が開いた様子のハルト。
しかし、停止したはずなのに脈打つ箇所があった。
柱に貫かれ、融合しつつある額の部分だ。
柱の破片と融合した血管がピクピクと蠢く。中の赤血球は動いている。ドクンドクンと。そして目が・・・ギョロ
なんだかえらいことになっているみたいですな。

ヘルメットマンはハルトの異変には気付いていない。
が、林くんが後部座席の3人を救い出そうとしているのには気付いた様子。
というわけで、スルトを用いてとどめをさそうとするヘルメットマン。
通常出力のマントル熱線が横転した車に突き刺さる。
ハルトたちの命運は・・・!?と一応言っておきますか。

ようやくハルトの覚醒が始まりそうな雰囲気。
多少到達するまでに時間がかかった気もしますが、ここから盛り返していただきたいところ。
そのためには覚醒したハルトのデザインがどうなっているかにかかっていそうな気もする。
赤血球に目玉が浮かぶぐらいだし、全身が目玉の人間になる可能性は捨てきれない。
深柱さんも目玉増殖とかやってましたからねぇ。どこかの邪眼使いっぽくなりそうだ。
まあ、ともかく。ハルトの活躍には期待。さっくりとこの場面を切り抜けていただきたいものです。

そういえば、深柱と書いてみはしらと呼ぶのはちょっといい感じですね。やるじゃんヘルメット。



第6話「孵化」  (2012年 40号)


ハルトは死亡した。と思ったが、再び目を開いた。
よくは分からないが、生きているならまだやるべきことがある。ハルトはそう考える。

守らなきゃ・・・生きているならまだ・・・守りたいものがある!

ガソリンは全部燃えてしまったため、車を覆う炎の勢いは弱まっている。
これならば林くんでも玲央さんたちを救出できるかもしれない。
が、その隙を与えてくれるヘルメットマンではありませんでした。
マントル熱線の直撃を受ける車。ボヒュっと吹き飛び、大炎上でございます。

憐れ・・・これが大地に背いた人間たちの無惨な末路・・・

相変わらずシチュエーションに酔ったような喋り方をする奴である。
そんなヘルメットマンに押さえつけられていた兵真くんだが、この状況にキレる。
切られた肩から血が噴出すのも構わずに飛び起き、殴りかかろうとする。

なんだその顔は!?
仲間を殺されそんなに悔しいか!?人の生命を何だと思っている。とでも言いたいのか!
人の生命などゴミ同然!!

意地を見せる兵真くんであったが、再び切り伏せられてしまう。
根性は認めるのだけど、活躍できないですねぇ。兵真くん。タフではあるんだけども。
これは今後の活躍の方向性も見えちゃったかもしれないな・・・タフを活かした盾役という方向性が。
いやまあ、ヤタノカガミ持ってた時からその役回りは確定してたか。

兵真くんにとどめをさそうとするヘルメットマン。
だが、そこで異変が発生する。
ヘルメットの後ろにでかい目が・・・ってこれは・・・ファミレスに現れた深柱!?
そうかぁ、あの深柱、円柱形だったんですね。
先の尖ったスルトとは違う、ツルツルとした丸さのある深柱。茶筒のようとでもいいますか。

その茶筒形深柱に攻撃的な眼差しを向けるスルト。
震えている・・・あの深柱を"敵"とみなしているのか!?

ヘルメットマンは深柱同士で戦うことを諌めようとしている。
が、スルトは構わずに茶筒深柱にマントル熱線を叩き込んでしまいました。
砕け散る深柱。だがそれは外殻が吹き飛んだにすぎない。
中には誰かがいる。
そう、少女を抱えて立つ少年の姿が・・・

まさか。まさかこれは・・・ぼく以外にもこの日本に深柱との融合を果たした人間がいるというのか!?

驚愕するヘルメットマン。
中から現れたのは、もちろんハルト。カナちゃんを抱えての登場とはニクイ真似をする。
そしてその額。貫かれたはずの額には目が・・・
うーむ。なるほど。こうなるとなかなか良いところを貫かれたものだと感心しますな。
額に目が浮かび上がるなんて、デザイン的にも格好のいいところで最適解じゃあないですか。
これが脳天だったらどうしようって話になる。
つむじに目が浮かび上がったぞ!とかカメラアングルが頭上に移行して説明されてもしまらない。
そんなことにはならなくってよかったとはいえる。

それにしても、いきなり茶筒形深柱を纏って登場とはねぇ。これがサナギだったとでもいうのだろうか?
このサナギの中には、ハルトとカナちゃん。それに玲央さんの姿がある。
3人は深柱に包まれることで難を逃れた様子。
では林くんはどうなったのだろうか・・・気になるけど、まあ別にいいかなと思わなくもない。
林くんの生存確認にページを裂くよりは、覚醒したハルトの活躍を早く見たいところでありますからねぇ!



バーサスアース 2巻


第7話「鉄の掌」  (2012年 41号)


深柱の中から現れたハルト。
予想もしない出来事に驚くヘルメットマン。
と思いきや、ハルトも驚き戸惑っていました。なんだこれは!!

どう見てもただの高校生。ドレッド頭の仲間には見えない。おそらくファミレスの生き残り・・・
ただの一般人が、このぼくと同じように深柱の力を手に入れたと・・・

なんですか、それは。
まるで自分は一般人じゃなかったとでもいいたげですね。
深柱の力を手に入れる前から一角の人物だったとでもいいたいのだろうか?

殺すより他ない

あっさりと敵対することを決めるヘルメットマン。
深柱を攻撃するのはダメだけど、自分以外に深柱と融合した人間がいるのは嫌なので殺すって話か。ワガママな。
ともかく、スルトのレーバテインが最大火力で発射される。逃げる間も与えない即断っぷりだ。
ハルトはカナちゃんをかばうように、左手を前方に突き出す。
すると、額に浮かび上がっていた目が閉じ・・・代わりに左手の掌に目玉が浮かび上がる!にゅろ。

な・・・!深柱の破片を盾に!?

前回、熱線を浴びて粉々になったはずの茶筒型深柱の破片が集まり、盾となる。
よく見ると、ハルトの手から目玉が飛び出し、盾の中央部に存在しているんですな。体から離れれるのか、この目玉。

はね返した!?

最大火力のレーバテインがはね返ってきました。これは痛い。
支えている部分が破壊され、眼球が垂れ下がる。人間でいうところの眼窩底骨折という状況だ。
この状態では正面を向けないので熱線を放つことができない。ほぼ無力化しちゃったようですな。

熱線を防いだ盾は再びバラバラと破片に戻る。
そして、手から飛び出していた目玉も再びハルトの額に戻ってきていた。
なかなか面白いスタイルでございますな。
強靭な深柱の破片を自在に形を変えて使うわけか。使いこなせるようになると強力ですな。

"盾"を構成していた破片が消えた・・・
こいつ・・・粉塵レベルまで分解された深柱を自由に操ることができるのか?
だとしたら認めたくないが、こいつ・・・ぼくより上位の融合者だ

融合にも上位とか下位とかあるんですね。
より深く根付いたのがハルトの方だったということか。
まあ、脳を貫き、血液にまで混じっちゃいましたしね。そりゃ融合レベルも高いさ。

しかし、肝心のハルトは未だ状況が飲み込めていない。
そもそもヘルメットマンが敵だという認識すらしていなかった。ので早く逃げろとかヘルメットマンに言っちゃう。
まあ、今外の様子に気付いたばかりですし、無理もないのかもしれませんな。
だが、そんなハルトの様子を見て、ヘルメットマンは許せない気持ちになる。

はは・・・これは傑作だ!
ぼくが求めてやまない人と深柱の完全融合に限りなく近づきながら・・・何が起きているかもわかっていない・・・
それどころか自分を殺そうとした相手の心配とは・・・なんて愚かな。
偶然とはいえ、こんな奴に・・・こ・・・んな・・・こんな奴に・・・深柱の力が宿るなんて・・・

どうやら、ハルトの甘い態度がえらく癇に障ったらしい。
状況把握できてなかったんだから仕方ないじゃないですかぁ。
ほんと、このヘルメットマンは狭量で困る。
というか、そろそろ名前の1つくらい名乗ったらどうなんですかね。感想が書きにくいぜ。

動揺を押し殺し、強がって見せるヘルメットマン。
想定外のことに少し驚いたが、切るべきカードはいくらでもあると宣言。
人類と地球の戦いに、一石を投じる身としては当然の準備だ。

そういいながら、手にした深柱の剣をスルトに突き刺す。ドッ。
そして、めきめきめき、とスルトから力を吸い上げていく。な、何をするんだー!?

マントル熱線を放ったり、破片を飛ばしたりするだけが、深柱の使い方ではないのだよ。
見せてやろう。レーバテインの真の姿を!

深柱の力はぼくだけのものだ!!
君にはふさわしくない。

スルトから力を吸い取り、剣は長大となった。これが真の姿か!!
それはいいけど、力を吸われたスルトがしんなりとしちゃっててなんだか可哀想な気がしてきて困る。
このままヘルメットマンがやられ、抵抗も出来ず折られたら本当に可哀想なことになるで!!

ヘルメットマンとの本格的な対峙は次号となる。
果たしてハルトは自身の力を認識し、使いこなすことができるのだろうか?
一発、大技のひとつでも颯爽と打ち出して、サクッと撃退していただきたいところでありますな。



第8話「ビコーズ・アイ・ラブ・ユー」  (2012年 42号)


スルトから力を吸収し、より強大になった炎の剣を構えるヘルメットマン。

そいつは柱を操る・・・人間の敵だあああ!!

兵真くんの叫びが木霊する。
そう、敵。人間なのに、柱を操る、柱の仲間である。

なんで。なんで、なんで、そんなことができるんだよォ!!

なんででしょうね。ヘルメットマンにも色々と思うところとかあるんでしょうさ。
しかし、今はそれを語るような場面でもない。
炎の剣が迫っている。防がねば殺されるという状況だ。

ハルトは再び左手を前方にかざす。
掌から飛び出した目玉に柱の破片が集まり、盾になっていく。
今回はハルトも現象を目の当たりにしておりますね。
だが、今度の一撃は――マントル熱線なんて目じゃない一撃である。

終末の炎を受けよ!!

レーバテインから噴出す炎が空高くまで伸び上がり、空を割る。
振り下ろす。
その威力は紙切れのように深柱の破片の盾を切り裂く
大きく作った分、狙いがそれたのか、後ろのハルトやカナちゃんは無事だった。
しかし、その威力。
狙いがそれ、地面に叩きつけられたレーバテインの威力は想像以上のものでありました。
山が割れる。それも1つの山の頂の向こうに至るまでという長さで、だ。

あ・・・圧倒的だ・・・!!
坊主が何かの力を使ったときはなんとかなるとも思ったが・・・
もはや別次元。こいつの力は柱そのものだ――

正直、柱がこれまで見せた攻撃と比べても別次元に見えますですよ。
侮っていた。ただの痛いことばかり述べる奴という認識しかなかったんだが、本当に凄かったんだな、コイツ。

あまりの圧倒的な力を前にし、へたり込むハルト。
少しずつ状況は飲み込めているようだが、それが悪い方に作用している様子。

オ・・・オレ・・・今度こそ、死・・・

そう認識した時、腕に抱いていたカナちゃんの様子が気にかかる。が、腕の中にカナちゃんの姿はない。
どうやら一連のやり取りの中で意識を取り戻していた様子。
ハルトとヘルメットマンの間に立ち塞がるカナちゃんでありました。勇敢ですねぇ。
いろいろと、この一晩で大変な目にあったカナちゃん。
だからこそか、己の一番大事なものがなんであるかを認識している様子。

私・・・ハルトのいない世界なんてイミないよ・・・
好きだよ
おかしいよね、こんなときに。でも、やっと言えた。

甘酸っぱい告白でありますね。
まあ、この状況。言えずに死んでしまう可能性が高い状況だ。ならば言わずにはおれませんわな・・・

カナちゃんの告白を受け、ハルトは動き出す。
守る。オレが。カナはオレが守る!!

男らしい行動に出るハルト。
能動的に左手を突き出し、柱の破片を集める。おぉ、ついに能動的発動をうながすようになったか!
だが、相手のレーバテインは強力。盾を形成しても防げないのは先の一撃でもわかっている通りだ。
このままではまっぷたつになる・・・
と思いきや、レーバテインの纏っていた炎――マントル帯炎が消えた!
威力を失ったレーバテインの一撃ならば、十分ハルトのたてで防げます。
この状況に、まさかと驚き振り返るヘルメットマン。
そこには想像したとおりの光景があった。

お・・・お・・・おのれえええっ!!

後方に控えていたはずのスルトにクサナギノツルギが突き刺さっている!
刺したのは・・・気絶していたはずの玲央さん!!玲央さんじゃないですか!!

ついに復活した玲央さん。そしてナイスな活躍を見せてくれる。
玲央さんの後ろにはなんだか偉そうなキメ顔をしている林くんの姿もあったりする。むう。
いやまあ、林くんが玲央さんを起こし、作戦を決めてくれた可能性はありますけどね。

そういえば玲央さんはマガタマを持っているが、折れた腕で振れたのだろうか。
まあ、林くんがハルトの代わりになったのかもしれないが。
それか、スルトがしおれていたので、足のギミックで打ち込んだらそのまま髄幹まで到達したのかもしれない。
だとしたらそれはそれで憐れな話である。
山奥にマンホール経由で呼び出され、自慢のマントル熱線は跳ね返されて眼窩底骨折。
さらに力を吸い取られ、しおれているために抵抗もできずにツルギを打ち込まれて崩壊。
スルトさんの不憫さは中々に極まるものがありますなぁ・・・
考えてみると、呼び出されてから人間誰も殺せてないですよスルトさん。

しかし、なかなかいい展開になってきましたな。
覚醒したハルトの1人舞台になるのではなく、今後も他の3人にも見せ場が期待できる展開。期待が持てる。
さて、あとはヘルメットマンを確保する流れになるだろうが、どうなることか。
知識はかなり持っている奴のようですし、なんとか捕らえて情報を聞き出したいところだが・・・?
押さえ込めそうな人員がいない。というか、軒並み負傷している。
この場は取り逃がすこともやむなしという展開になりますかなぁ。はてさて。



第9話「ラスト・グラップル」  (2012年 43号)


融合者のハルトに気を取られたヘルメットマン。
その影から迫っていた玲央さんの姿に気づかなかった。
スルトにはクサナギノツルギが打ち込まれている。
ただ、塔解現象が起きていないということはまだ髄幹までは破壊されていない様子。
マントル帯炎が消えたから、完全に破壊されたのかと思ったのだが、まだなのね。
だが、それも時間の問題である。後は玲央さんがマガタマで打ち込めば破壊できる。

スルト!帰還しろ!!

おっと。その手がありましたな。
素早く地中に退避するスルトでありました。
途中でクサナギノツルギがひっかかって止まったとかいうことにならなくてよかった。
というか、持ち逃げされちゃいましたね。
1本は折られて、1本は持ち逃げか・・・損失激しいな。

スルトは無事逃げれたみたいだが、ヘルメットマンの怒りは治まらない。
その激昂しているヘルメットマンにいきなり素手で襲い掛かる玲央さん。素早い!

丸腰であろうと。片腕が折れてようと。
焼け跡から回収した新品のバッテリーを入れてある!
5分間だけは人工筋強化服の動力補助、全開で戦える!!

というわけで、剣を持ったヘルメットマンと白兵戦を行おうとする玲央さん。
鋭い水面蹴り。これを飛んでかわすヘルメットマン。
この安全靴キックが決まっていれば、足首を粉砕できた。惜しいところだ。

全開でも一発も届かなかった。ならば、肉を斬らせて骨を断つ位の覚悟でもっと踏み込むしかない!

覚悟を決める玲央さん。
どうやらヘルメットマン、生身でもとんでもない反射神経を有しているらしい。
これが融合を果たした人間の力ってことなんですかね。
つまり、兵真くんがあっさり返り討ちにあったのも不思議ではないという結論になる。
うん、クサナギノルツギとか折られても別に無理のない話しだったのだよ、兵真くん・・・

自分が負けたらこっちは終わりだと理解している玲央さん。
ならばと、フィジカルブーストを開始する。
アドレナリン注入及び、痛覚遮断。その言葉と共にモルヒネを使用する。
かなりのドーピングですが、これでは確かに長くは持ちませんな。
なので兵真くん。ハルトにさっきの力で助けてやってくれと頼んでくる。
が、ハルトもやはり力を使いこなせているわけではない。まだ緊急時以外の発動はできない様子。

であるならば、やはりここは玲央さんの独壇場。
折れた左腕を犠牲にするかのごとく、振り回す!もってけ!!

この一撃はかわされるが、それは囮。本命は右での一撃!!
だったのだが、これもさらりとかわされる。あらら。
まあ、ヘルメットマンはもう戦闘を継続する気はなかったみたいですからねぇ。
ここで玲央さんたちを仕留めるより、スルトの安否が気にかかっている様子。
バイクに飛び乗り、急ぎ撤退を開始する。

結局最後まで名乗ることもしないままだったヘルメットマンでありました。
うーむ、せめて名前ぐらいは知っておきたかったですねぇ。感想書き的にはさ。

脅威が去り、力が抜けたのか倒れこむハルト。
そのハルトに膝枕をしてあげるカナちゃん。おやおや見せ付けてくれますねぇ。
兵真くんが、俺にもああいうのやってくれとダメ元で言ってみるが・・・

玲央「林くん、兵真がひざまくらしてほしいって」
林「ぼ・・・ぼくでよければ

よいわけねーだろ。すっこんでいてくれやがりなさい。
見事にオチを持っていく林くんでありました。

長い一夜であったが、どうにか脅威を乗り越えることができた様子。
次回はいよいよ玲央さんたちの組織の本部に到着することになりましょう。
そこで、融合を果たしたハルトはどのような扱いを受けることになるのか。
実験材料として解剖されるようなことがなければいいんですけどね。
新たな局面での展開になりそうで期待大であります。次はスケールの大きな話がくるかな?



第10話「岩戸への道」  (2012年 44号)


壮絶な戦いは終わり、ようやく目的地へ向かうことができるようになりました。
横転した車輌の代わりの車が手配された様子。連絡手段が生きててよかったね。
ハルトは新しい車でも横になっているが、融合を果たしたゆえか命に別状はない。
そういえば額の目が見えなくなっていますね。
普段は体内に引っ込んでいるのでしょうか。隠さなくていいので便利だ。

ハルトたちを乗せた車輌はごみの処分場のような施設に入っていく。
地上部分はそんな印象の場所であるが、どうやら本拠地は地下らしい。
どんどんと天井が高くなっていく施設。
しばらく走ったところで目的地に到着した模様。

PILAR BREAKER。その略なのか「Pb」という文字が壁に打ち込まれている。
林くん曰く、ここが"地質災害研究機構"の奥多摩支部になるらしい。ほほう。ちゃんとした組織っぽい名前だ。

日本神話になぞらえて"天岩戸"と名付けられていますが、ぼくらは研究所(ラボ)と呼ぶことが多いです。

またその系統のネーミングなんですね。
ていうかラボじゃそのまんまじゃないですか。そういったネーミングセンスが恥ずかしいのかい?

元気な林くんはハルトとカナちゃんの案内。
ケガ人である兵真くんと玲央さんは急ぎ治療室に運ばれる流れとなります。
いや、玲央さんの場合は治療室に運ぶ前に簡易診断。
纏っているマッスルコートはボタン1つで部位ごとに自動解放できるらしい。
というわけで、折れた左腕部位のマッスルコートを解放。
折れた尺骨が露出して内側からマッスルコートを損傷。循環液が血液と混ざり内側まで浸潤しているらしい。
うむ、よくはわからんが痛々しいことになっているのはわかった。

ついでに呼吸を楽にするためにか胸元を開けている。
おかげで立派なおっぱいの形がよくわかるようになっております。そりゃあハルトも見るさ。怒られるさ。
怒る玲央さんと、半目で見てるカナちゃん。うむ、いい感じだ。

一方治療室に運ばれる途中の兵真くん。
クサナギノツルギを紛失、及び折られたことについて本田主任に責め立てられている様子。
まあ、滅多に手に入らない深柱の残骸を用いた武器だし、高価なんでしょうなぁ。
それを言ったらヤタノカガミも大破してますが?

そのヤタノカガミの破損状態をチェックしている職員たち。
損耗率は80%以上。
スペースシャトルの耐熱タイルの技術を転用しているのにこのザマである。
そこから考えるとマントル熱線は摂氏10000度以上の火力を有しているということになる。恐ろしい。

ただ、最も重要な、いちばん下の底面装甲板は無事だった。
これならば上のパネルをはりかえるだけでいけるとのこと。

たりめえだろ、おやっさん。あんたらが整備してるたてに守られてんだ。心強いったらなかったぜ。

親指を立てて微笑む兵真くんに涙ぐむ本田主任ことおやっさん。
いい光景なんだけど微妙にハルトたちには冷めた目で見られてしまっています。
なんですか、暑苦しいとでもいいたいのですか?まあ、それはその通りだけども。

ヤタノカガミの底面装甲は唯一深柱残留物を使用している場所である。
深柱塔解時にわずかに回収できた"灰"をサンドブラストで吹きつけてあるそうな。
なるほどね。逆に言うとそこが無事なら他は既存の材料で流用が効くから安く済むわけだ。おやっさん安心。
だが、予算面はさておき、危惧しなければいけないことは他にある。

結局私たちは敵の力を利用しないと倒すべき敵に傷をつけることも身を守ることもできない

そう言いながら現れたのは、この奥多摩支部の支部長である、萩原火魅子さんであります。
林くん曰く、この研究所の責任者であり優秀な科学者。三種の神器などの装備を開発したのもこの人らしい。
そしてネーミングもこの人が考えたそうな
な・・・なるほど。本人がヒミコだから日本神話系の名前になっているんですね。納得した。
そして他の面々は特にそのネーミングが気に入っているわけではないことも分かった。それは少し淋しい。

林くんの送ってくれたデータは全部見たわ。
その上で判断すると、ハルトくんはかなり高位の深柱との融合者・・・ということになるわ

え。融合者について何か知っているんですかヒミコさん。
ヘルメットマンが融合がどうたら言ってたのを林くんが聞いて報告しただけなのかもしれんけども。
ともかく、融合を果たしたハルトの体がどうなっているのか検査をすることになった。
まあハルト自身も知っておきたいところでしょうね。
その検査を受けている最中にヒミコさんから深柱についての説明がされます。やあ、ありがたい。

基本的に読者には既知の情報が多い。ハルトとの情報共有の面が多い説明だ。
"装甲"と呼ばれる強硬な表面組織を持ち、中央にある眼のような器官から"マントル熱線"という光学兵器を発射する。
マントル熱線はどういうわけか人間のみに反応し、その射程は柱のサイズに比例すると思われる。
射程内にいる人間は皆死ぬ

最後のは新しい情報ですな。
そうか、やはり人間しか撃たないようになっているんですな。
どうやって人間と判断しているのかは不明であるが。
でっかいクサナギノツルギを熱線の射程外から発射したら迎撃もされずに刺さるのかな?
それにしても、射程内にいる人間は皆死ぬって凄いな。言葉面が。大味なゲームのような表現だ。

ちなみに海外においては深柱の出突は何度か確認されているが、今回のような大都市圏の出突は初めてとのこと。
なるほどね。それであまり深柱が脅威とみなされてないので政府から本格的な協力が得られていないわけだ。
研究者はともかく実働部隊が3人しかいないのもその辺の予算繰りとかにかかってるんですかね。
いや、林くんでもいないよりはマシだったんだし、もう1、2人いてもよかったんじゃない?

これまでの経緯からして、海外に現れた深柱は既に塔解しているはず。
どうやって壊したんでしょうかね?まあ、特注武器がなくても重火器そろえれば大きくない柱なら壊せるか。
犠牲と手間がかかりそうな作業になりそうですけども。
というわけで、専門家としての地質災害研究機構、ピラーブレイカーが出来上がったわけなんですね。ふーむ。

さて、検査は終了。結果はおって通知するといった流れ。
とりあえず着替えてカナちゃんのところに向かうこととなったハルト。
途中、林くんからファミレスで回収したという荷物を渡される。ほう、気の利く人ですな。

カナちゃんが待っているという部屋に移動。そしてサービスシーン。
なるほど。着替えのタイミングですし挟むならここになりますわな。実に自然な流れだ!!
盛大に照れる2人。なんとも初々しいですね。良き哉良き哉。

着替えが済み、荷物を確認するカナちゃん。
しかし、その荷物はカナちゃんのものではなかった。持ち主は友達のユミちゃん。
そう、ほんの少し前に死亡したユミちゃんのものであった。

危機から逃れ、ほっと一息。サービスシーンも交えてドキドキの展開。
かと思いきや、災厄の渦中にいたことを思い出させられてしまった2人。ムードも何もなくなりましたなぁ。
大切な友人を失った2人はこれからの生活をどう過ごすのだろうか。
この施設のことは口外無用にはなるだろうが、2人はどう動くのか。
特に融合者であるハルトは協力を頼まれたりする流れになりそうであるが・・・

組織の姿も見えたし、想像する余地がかなり出てきたのが嬉しい。
天井が高いことが強調されていたが、なんですかね?ロボでもでるのか?ロボ。
その辺りのことも含め、今後の展開が楽しみな作品であります。
相手側のことも徐々に判明していくといいですな!



第11話「追跡者玲央」  (2012年 45号)


センターカラー!!
このカラーは非常に味わいのある絵でよい。けど、物悲しい。
二度と戻らぬかけがえのない日常。いい友人たちであったんですねぇ・・・

ファミレスに現れた深柱の情報は当然ながら規制されている。
店内32名の内30名が死亡。
つまりハルトとカナちゃん以外は全員死亡していたことになるわけだ。ううむ。

世間ではガス爆発という扱いになっているが、その爆発を見た人は誰もいない。
そんな疑惑のファミレス事故の生還者であるハルトたちは今日、学校に復帰。
どうやら事故の結果、入院していましたってことになっているようだ。

当然のごとく、クラス中に2人への興味がうずまいている。
謎のファミレス事故のこと、何故無事だったのかということ。興味はつきない。
でも、親友を失った2人でもある。さすがに軽々しく聞けない雰囲気ですわなぁ。
しかし、授業中にケータイでヒソヒソ話かぁ。最近はそんな時代なんですな。

現在はファミレスでの深柱出現から一週間ほど経過しています。
ハルトたちはその間地質災害対策機構――通称"ピラーブレイカー"の奥多摩研究所にいた。
健康診断の結果は異常なし
レントゲン、CTスキャン、血液検査すべてにおいて身体に変化は見られなかったという。
しかし念のため今後も定期的に検査を受けるようにと言われたそうな。

ちなみにハルトは結局母親と会っていないらしい。
無事だとわかったのですぐに仕事を再開したそうだ。うーむ。
そして、1週間研究所にいたこともあり、シンタとユミの告別式に出られなかった2人。
これはちょっと心残りでありますな。
そういえば、ガス爆発にしてはおかしな死に方している気がするのだが、遺族は気付かなかったのだろうか。
ショックの方が大きいだろうし、それを気にすることもできないかな。

そしてあれ以来・・・オレのおかしな能力も発動することはなかった・・・

危機にならなければ早々発動はしないって感じですかね。
まあ、日常生活でいきなり発動されても困りますし、いいんじゃないですかね。

さて、この一週間でピラーブレイカーの実働部隊3人もある程度回復した様子。
兵真くんは車の運転が出来るくらいまで回復しているみたいですな。
その隣に座る林くん。PCで深柱の探知を行っている。
重力針の仕組みは、貴重な深柱の破片を電極に繋いだだけの単純なもの。
しかしそこに電流を流すことにより微弱な電気信号の変化で、地下に深柱が潜んでいる可能性があるかわかるそうな。

ふーむ。深柱の探査にも深柱の破片が役立てられているんですなぁ。
本当、相手の身体を借りてようやく闘えているって状態だ。

ファミレスの深柱を倒したわけだが、重力針は相変わらず反応を見せている。どうやらまだ深柱は存在するようだ。
その現れる候補は東京23区北西部を中心とした広範囲。
やや強い反応も含めると、山手線内側すべてが深柱出突警戒区域といっても過言ではないらしい。

過去にこういった例は殆どありません。
まるで・・・柱たちが人間の多い場所を見つけて集まってきたかのようにも思えます。

ふーむ。深柱たちも本格的に人間を大量に始末することを考えるようになってきたのですかねぇ。
それはさておき、話題は融合を果たしたハルトについてに移行する。
上のやつらがあっさり帰したのは意外だという兵真くん。
だが、もちろんただで帰しているわけではない。

実のところ、ハルトには別のレントゲン写真でごまかしていたが、頭の中には小さな深柱の破片が残っている
とはいえピラーブレイカーはまだ政府に完全に指示された組織というわけではない。
警察や消防と十分な連携は取れておらず、1人の人間を拘束するのにも限度がある。
というわけで、ここは一度日常生活に戻ってもらい、それを常に監視しておくのが最上の策となる。
ハルトには常時3〜4名の人間が見張りにつくこととなった

人手不足の中、監視に人数を裂くとはご苦労なことだと兵真くん。
その発言を受けて林くん。補充人員が集まるまで我々も協力することにしましたと言い出す。
え?それはつまり・・・?

そう!監視員No.4。玲央さん、高校の制服姿で登場だぁっ!!!

折れた左腕はピアノ線で吊っている。
そのカモフラージュに荷物を持たせているわけですな。

監視員をやるにしても、2人に顔がわれている玲央さん。
というわけで、変装用の衣装として支給されたのがこの制服らしい。
更に髪をみつあみにし、メガネをかけることで変装完了!!
どこから見ても可愛らしい女子高生である!うん。可愛らしいですよ玲央さん。実年齢が気になるけどね!

放課後。ハルトとカナちゃんは2人であちこちをフラフラしている。
監視している玲央さんは大変だ。学校終わったらとっとと帰れコラ!
といいつつ、ファーストフードに目を輝かせる玲央さん。
クリームチーズベーコンバーガーわざび味。なんだか知らないが凄くカオスっぽい商品だ。

バーガー食いながら追跡を続ける玲央さん。
追われているとは知らない2人、ホテル街にて消息を絶つ。ま、まさか・・・!!
若い身空でなんとハレンチな!顔を赤らめふらつく玲央さんでありました。純情ですなぁ。
言い寄ってきた男も醜男爆震(ブサイクストライク)で撃退。
なんとも可愛らしいですよ玲央さん。

玲央さんの可愛さはさておき。
ハルトたちはホテルではなく、行きつけのゲーセンの側にしゃがみこんでいた。
何をしているのかと思えば、友人のシンタたちの追悼を行っていた様子。
いつもこの街で遊んでいた4人。思い出の場所を回っていたんですな。切ない。

誰もが深柱災害に遭えば大切なものを失う・・・
あの子たちも失くした日常を埋めようと必死なのかもな。
私と同じように――

何か陰のある表情を見せる玲央さん。
玲央さんも何か深柱絡みで過去がありそうでございますね。これは興味深い。

さて、池袋駅に到着。電車を待っている2人。
だが、突然響く異音。なんだ?事故でも起きたのか!?
と思ったら、はい。とんでもない事故が起きていました。
ガガガガガと電車に押されて駅のホームまで姿を現した物体・・・新たな深柱!!
なんとまあ、こんな所に深柱が出てしまうとは!!これは大変だ!!

新たな深柱の出現。
玲央さんは側にいるが、まだ片腕だしコートもないしで活躍は期待しづらい。
となるとハルトの活躍の番ということになるのだろうか?期待したい。

しかし、今回の深柱さんも大変ですね。
現れたと同時にいきなりの電車アタック。わけもわからぬうちに横合いから衝撃を受けてビックリだ!!
まあ、そのおかげで電車とその乗客にも被害を与えてるだろうから結果オーライか。
ついでに、ホームまで来れて人間が視認できるようになったのも大きい。
場合によってはトンネル内に出突して、誰も回りにいませんでしたって話になりかねないとこだったわけですし。

深柱は押されてきたわけですが、根っこの部分は繋がったままなんですよね?
これで、電車アタックで押されて髄幹が断たれてましたとか言われたらどうしようか。
新たな深柱出現!!と思いきや即塔解!!てな話になっちゃう。新しい!!



第12話「虐殺の円錐」  (2012年 46号)


真面目に働く運転手。
とはいえ、いきなりこんなデカイ異物が地面から生えてきてるなんて想定外もいいところである。
線路上に出突した深柱さんを見て慌ててブレーキをかける。が、電車は急に止まれないのでした。

深柱の出突はすぐに林くんの重力針によって探知される。
急いで向かうが、それでもすぐに駆けつけれるとまではいかない。
現場付近に玲央さんはいるものの、偵察任務故に装備は持ち歩いていない。そもそもケガ人だし。
というわけで、非常に危険な状態です。

電車は中が焼けているそうな。
ぶつかられて押されながらもマントル熱線を放っていたんですかね。

目玉はしっかりとホームの方を見据えている。これはマズイ・・・!!
そんなタイミングで向かい側の電車がやってきて扉が開く。
玲央さんは慌てて、出るな!というが、静止も間に合わず・・・うーむ。むごい。

この深柱の熱線はやけに細い。
けど、それを横薙ぎに払うようにして打つものだから、射線上にいた人間は斬られるようにして倒れていく。
レーザーによる切断系の深柱なのでしょうか。

どれだけその光景が続いたのか。
気がつくとそこは・・・この前のファミレス以上の血の海だった・・・

さすがに人数が違いますものね。惨事の規模は桁違いになる。
その分、目撃者も生存者も多そうだし、パニックは免れないかもですなぁ。

柱の影に隠れて深柱の目につかないようにするハルトとカナちゃん。さすがに経験者ですな。
なんとかやりすごして階段まで逃げれないか考える。
が、血の海の中に小さな少女が取り残されているのを発見する。
小さいから深柱の目にも留まっていなかったのか!!
だが、立ち上がって母親を探し出してしまう少女。これはまずい。深柱に・・・見つかった!!

少女を助けるために動くべきかどうか。逡巡するハルト。
そのハルトよりも早く、迷いのない動きで飛び出して少女を救った人物がいる。玲央さんだ。
玲央さんは正体がバレるのも構わずに少女をハルトたちの方に放り投げる。

!あんた、巨乳ハンマー!?

その覚え方はどうなんだろうか。まあ、インパクトのあるところを並べたらそうなっても仕方ないか!

少女は救えたが、代わりに玲央さんが深柱の視界に飛び込むハメになった。
血でスベって倒れこみ、折れた腕は痛む。素早く動ける状態ではない。
このままでは玲央さんが焼き殺される・・・!!
というところで、ついに動き出すハルト。
昔からよく知っているカナちゃんを守るために発動させた力。
その力を、この間知ったばかりの玲央さんを守るために発動させようとしている。

オレは・・・ヒーローとかじゃないから。自分を犠牲にして他人を助けようなんて思わない・・・
そんな勇気、オレにあるはずない。
あるはずないのに!!

思いとは裏腹に異形の盾を構えて飛び出すハルト。
おやおや、ヒーローらしくなってきたじゃないですか。
見知らぬ少女を救うために飛び出すことはまだ出来ない。
だが、少しでも見知った相手はさすがに見殺しにはできなかったか。
この意識を少しずつでも広げていってくれれば立派なヒーローになりそうな気もする。

今回も盾を生み出したハルト。まあ、まずは防御からですよね。
しかし、最初に深柱を出突させなくても、いきなり盾を生み出したりできるんですなぁ。
その辺りがヘルメットマンよりも上位の融合者の力ってとこなんでしょうか。

ハルトのヒーローらしい活躍に期待であります。



第13話「突入」  (2012年 47号)


自らを省みずに飛び出した玲央さんに感化されたハルト。
異形の盾を生み出し、見事に攻撃を防ぐことに成功する。

どうにか起き上がった玲央さん。子供を抱え、カナちゃんを連れて深柱の死角となる階段まで後退。
ああ、カナちゃんまだこの制服姿の女子が玲央さんだと気付いてなかったんですね。
ついでに西崎カナというフルネームが出ています。

これで玲央さんたちは助かった。
と思いきや、射角がだんだんとずれていく。
どうやら逃げている玲央さんたちを追いかけようとしている様子。
視線が負えば熱線も自然に追いかけるって話ですね。
だが、そうはさせじ。
ハルトの手元の深柱の欠片は形を変え、玲央さんたちを追うようにして熱線を防ぎ続ける。

こいつら・・・オレの思うように動いてくれる・・・
やったぞ・・・これで・・・助けられた!!

階段まで深柱シールドを伸ばすことによって救出に成功するハルト。
これはいいですね。盾だけではなく、自在に形作れるとことに気付いた様子ですよ。
しかし、まだまだコントロールするには十分ではない。
咄嗟の想いで生み出すことは出来た。
だが、一度落ち着いてしまうとどうやればいいのかわからなくなる。焦ったらもっとだ。
この辺りの力の制御については今後の課題となりますな。

救出には成功したものの、自身は無防備な状態に晒されたハルト。
しかし、時間を稼げたのは何より大きかった。
カナちゃんの背後から大きな影が躍り出る。
そう、ヤタノカガミを抱えた兵真くんでございます!!間に合ったか。

危ういタイミングであったが、ブロックに成功。
しかもヤタノカガミ、パワーアップしているのか前の時よりも耐熱パネルの減りが遅い。
多少は余裕が見込める状況です。
だが、ヤタノカガミだけでは何ともならない。防げても攻撃には移れない・・・
と、思いきや――

林くん!?

そこにはヤサカノマガタマを抱えたムキムキマッチョのメガネがいた
おぉ、そうか。マッスルコートさえ着ていれば林くんでもマガタマ操れるんだ!!
それはいいけど。それはいいけど・・・なんか林くんに偉ぶった顔されると困るな!なんだか知らないけども。

ともかく。
兵真くんが攻撃を引き付けているうちに横合いから攻撃を仕掛ける林くん。
着甲!!爆震!!ブラストストライ・・・うわっ!?

爆震の反動で吹き飛ばされる林くん。
やはりパワーが足りていない様子ですね。
だが、外甲にダメージを与えたことで数秒はマントル熱線が撃てなくなったハズ。
というわけで、今度は兵真くんが攻撃に移行する。
ああ、兵真くんの足にもクサナギノツルギが仕込まれているんですな。

ア●ロチョコみてーな形しやがって・・・これでもくらえ!!

アポ●チョコと来ましたか。正式名称として頂きました!
というのはさておき、飛び蹴りでクサナギノツルギを突き刺そうとする兵真くん。
が、ツルギといえど、外甲をそのまま貫けるわけではない。
滑って弾けて空を舞う。くるくる。そして玲央さんの側に落ちてくる。危ねぇ。

ヘタクソぉ!!ちゃんと割れ目狙え!!
頭のソーセージはかざりかあボケ!!

ブラストストライクは熱線を止めるだけではなく、外甲を破壊する意味もある。
なので、ツルギを打ち込む時はちゃんと割れ目を狙わないといけないって話だ。
パワーはある兵真くんだが、防御担当ゆえにテクニックが足りない様子。困ったね。

こうして見ると、実行部隊の3人はそれぞれに特色を持っているのが分かる。
防御担当の兵真くんに、攻撃担当の玲央さん。そして情報分析担当の林くん。
パワー、テクニック、メガネ。という分類だ。
この役割分担が崩れると、どうにもグダグダになるって話でございますね。

とりあえず、ハルトを連れて階段まで退避する兵真くんたちでありました。

全員無事だったのはよかった。
が、どうやら林くんはもう活動限界の様子。
マッスルコートはやはり訓練した身でも辛い。全身がしめつけられるので慣れてないと歩くのも大変だそうな。
そんなものを長時間着ていられる兵真くんと玲央さんは、なんだかんだで凄いんですな。

現状、駅の入口は封鎖されている。上が各省庁と連絡を取って警察を動かしてくれたのだ。
民間人が入ってきて犠牲が増えるということはなくなった。
が、このまま解決しない場合、機動隊が投入される可能性がある。
兵真くんたちはあくまで"特殊災害の先行調査"として様子を見に来ているという扱いなのだ。
もし、深柱の処理に手間取っている間に警察や救急が入ってきたとしたら。間違いなく全滅ですな。
普通の装備ではマントル熱線は防げない。いたずらに被害が増えるのみだ。
だから――自分たちがやるしかない。

林くん。具足を持てい!!

はっ!ここに!!

なんだかノリノリな2人。はっ!じゃねーよ全く。このノリは嫌いじゃないなー。大好き。
というわけで、玲央さんのマッスルコートを持って来ていた林くん。
ケガも治りきらないまま実戦に復帰でございますか。玲央さんも大変だ。

というわけで、マッスルコートを着るために生着替え開始。
下着の上から直接マッスルコートを着用しようという話でございます。
見られたりしないよう、兵真くんは林くんがマンツーマンディフェンス。
え、それって林くんが裏切ったら終わりじゃないですかね!?そんな度胸はないと見抜かれているのか。

一方のハルトの方は言わずともカナちゃんがブロックしてくれています。いい感じだ。
ガン見している子供がさらにいい感じだ。

着替えをしながら玲央さんは、ハルトとカナちゃんに子供を連れて退避するよう告げる。

何があっても生きのびるんだ。亡くなった友達のぶんまで

優しい顔でそう告げる玲央さん。あら魅力的。
追跡をすることで、ハルトたちの心境がより理解できているみたいですな。
うん、なんだかどんどんといい感じの関係になっているんじゃないですかね?
ハルトも、自らの危険を顧みずに脅威に挑む玲央さんの姿勢に感嘆している。
まあ、自分にはとてもマネできそうにない、というような表情っぽいのが気になるところですが。

さて、玲央さんが作戦に参加するとはいえ、折れた左腕は使えない。
マガタマは1人で持てないので林くんのサポートが必要となる。
ツルギの打ち込みに関しては基本的に足で行うので問題ないわけだ。

着替えは完了。深柱の様子をどうなったか?
深柱は無機物には反応しないので、デジカメを置いて逐一様子をスマホで確認している。
と、その画面に信じられない光景が映し出されている。

・・・・・・・・・手・・・?

手、ですね。うん。
深柱に手が生えただとー!!?
これはなんだか驚きの光景である。
でもなんか、こう。なんだろう。妙に可愛いじゃないですかね、この深柱さん。

次回、手を生やした深柱さんはどのような動きに出るのだろうか。
鈍重そうに見えて実は凄い手技を操ってくる可能性もあるな。
玲央さんの必殺の一撃を回し受けで受ける深柱さんとか。格好いい!!
そのうち足を生やして移動してきたりもするのだろうか?

深柱の進化が見れたのは僥倖である。今後を空想する予知が大きく広がりましたからな!!
続きが楽しみだぜ。



第14話「悪魔の孵化」  (2012年 48号)


今までにない深柱の変化に面食らう3人。
そりゃあ、いきなり柱から腕が生えてきたら誰だって驚きますわな。
まあ、目がついてる柱という時点で普通の人は面食らうだろうけども。

しかし、変化はそれだけに留まらない。
腕が出てきてどうするのか?と思ったら・・・目玉の部分が本体から分離してきた!!
目玉を象る球体状の深柱。その球体に腕が生えた状態。
これは・・・もはや柱じゃねぇ!!進化しすぎている!!そりゃ林くんも、そんなでたらめなと呟くさ。

視界に誰もいなくなった場合、深柱はどうするのだろうという疑念は初期からあった。
だが、まさか分離して移動してくるとは想像の外でございますよ。
球体深柱は移動を行い、死角に隠れていた3人を発見。攻撃を開始する。
素早くヤタノカガミで防御を行う兵真くんであったが、林くんが盾に隠れるのが遅れた!!
その左腕が熱線に巻き込まれる。マッスルコートが瞬間で蒸発し、中の腕に深刻なダメージを与える。

そしてそれだけではない。
盾で熱線は防いだものの、段々威力があがってきている。
それもそのはず、球体深柱が腕で這ってどんどんと近づいて来ているからな!!こりゃ怖い。
でももっと怖いことをしてきました。
その腕を用いて、そっと盾をずらして覗き込んでくる球体深柱さん
むう・・・腕の存在を最大限に利用している・・・!!微妙に可愛い気がしないでもないな。

などと悠長なことを言っている場合ではない。かなりの大ピンチだ。
至近距離の熱線はどうにか身を翻して回避する。
そして玲央さんがクサナギノツルギを打ち込むことでどうにか距離を取ることに成功。
とはいえ、着甲爆震して外甲に亀裂が入ってない状態ではツルギも深くは刺さらない。
ゴロゴロ転がって刺さったツルギを抜こうと試みる球体深柱さん。こういうところは地味に可愛いな、おい。

だが、ここでさらに驚きの技を見せてくれます。
熱線を地面に放射することで、その勢いを利用して飛んだ!!
そして一旦退避しようとした3人の前の階段上に先回りする球体深柱。なんなの・・・!?お前・・・
そりゃあ玲央さんも叫ぶしかないな。なんなのよォォ!!

装備も新調したし、なんとかやれるだろうという玲央さんの考えは脆くも崩されてしまっている。
対深柱の実戦はまだ1、2戦という段階なのに、いきなりこうも進化されては対処のし様もないわな。

玲央さんたちが苦戦している中、先に逃げろと諭されたハルトたち。
ここを上がればもう安全という所まで逃げて、ようやくハルトの決心が固まる。

カナ・・・お前はいつも言ってくれるよな。オレはやればできるやつだって。
やれるなら、やらなきゃいけない気がするんだ。オレ
よくわかんないけど、やれるような気がするんだ。

それだけ述べると、少女をカナちゃんに預けてホームへと引き返すハルト。
中々決心は固まらなかったようですが、ようやくヒーローらしい精神が芽生えてきたようですな。

ハルトが来るまで耐えることができるのかわからない3人。
特に最初の熱線に巻き込まれた林くんは重症だ。左腕がえらいことになっている
やけどによるものなのか、皮膚は完全にただれ、筋肉などの筋が剥きだしになっている。うーむ、キツイ。

仲間がやられたことに憤りを感じる玲央さんと兵真くん。
しかし、球体深柱の攻めは容赦なく続く。
今回は高い位置にいるので熱線を使って飛ぶ必要はない。
腕の力で跳ね上がり、階段を派手な音を立てて転がってくる。く、外甲があって痛くないからって無茶苦茶しやがる!!

だが、柱に突っ込んで球体深柱の動きは止まった。しかも目の前であり、目玉はこちらを向いていない。チャンスだ!
この好機は逃さないとばかりにマガタマを兵真くんの補助つきで振るう玲央さん。
しかし、球体深柱さん、左腕を上げてマガタマを見事にキャッチしてみせる
く・・・腕は防御に使われるんじゃないかという読みは見事に当たってしまいましたか・・・
それ以外の用途にもたっぷり使われているのが想定外でありましたが。

腕でマガタマを受け止め、そしてお返しにマントル熱線を放とうとする球体深柱。
これはマズイ。絶体絶命だ・・・!!
というタイミングで現れるのがヒーローの役目。
そう、融合した深柱の力を発揮しながらハルトの登場である。
これまでのように盾を作るのではなく、破片を尖らせた状態で球体深柱めがけて投げつけている。
イメージが上手くいってないのか、それはひとつに綺麗に纏まった武器というわけではない。
それでも、深柱の素材が使われた武器である。球体深柱にも結構なダメージを与えてくれそうな感じはします。
というか、思いっきり目玉に刺さってますね。これは痛そうだ。
実はクサナギノツルギも目玉になら普通に刺さるのもかもしれないが・・・どうなのだろうか?
まあ、目玉の箇所には髄幹がないから刺してもトドメはさせないとかそういう話はありうると思う。

思わぬ深柱の進化具合に驚きを隠せない今回。
よもや、地面と繋がってなくても熱線を放てたとはねぇ・・・まさに想定外。
しかし、玲央さんたちが苦戦しながらも立ち回る姿はなんとなく応援したいものがあって、たまりませんなぁ。
今後も地味に武装強化しながら強敵に相対していってもらいたい。
林くんは負傷した左腕に何か仕込む流れになるのかな?いつしか全身凶器の林くんになるのかな?
その辺りの今後も楽しみでございます。戦えピラーブレイカー!!



第15話「魔眼貫く裂断刀」  (2012年 49号)


絶体絶命のピンチに現れたハルト。
深柱の破片を武器にして球体深柱に叩きつける。これは反撃のチャンスだ!!

目玉に刺さってるいちばんでかい破片をツルギの代わりに打ち込もうとする玲央さんたち。
マガタマを振り上げ、叩きつける!
が、球体深柱は腕を使って回転。
硬い外甲部でマガタマを受けるのでありました。
球体というのも面倒くさい。支えがないところで打ち付けてもゴロゴロ転がるだけである。

そして、転がり終えたところで手で地面を支え、熱線を放とうとしてくる球体深柱。
急いで防御しようとするが、射線上に倒れた林くんの姿があった。これはマズイ!!

というわけで、ハルト。今度はいつものように盾を形成する。
林くんと深柱の間に走りこみながら盾を作り出し、割り込む。おぉ、攻守に渡って活躍してますなぁ。
林くんを連れて兵真くんのカガミの裏にまで移動するハルト。どうにか救出成功だ。

球体深柱は壁際に詰めている。
今ならば叩いてもゴロゴロ転がることはない。
このまま近づいて着甲爆震からツルギ圧入の定番コースだ!!
と、張り切った兵真くんであるが、球体深柱は移動能力を失ったわけではない。
玲央さんのコンディションも考えるとそのやり方は危険です、と林くん。
ならばどうするのか。
林くんはハルトが自由に深柱の破片を出現させ、なおかつ操ることができる点に着目する。

君に攻撃を任せます
できるだけ大きく鋭利な破片で奴の目を狙ってください。
そう・・・ぼくらの使ってるクサナギノツルギのように・・・

奴は今までの深柱と違い、本体に占める目玉の面積が圧倒的に大きい。
しかも今、断続的にマントル熱線を撃ち続けている。
目玉から髄幹を貫けば着甲爆震なしで深柱を倒せます。無論・・・僕らの装備では無理ですが・・・

やはり目玉部分は外甲に比べればモロイんですかね。
髄幹って深柱と地球を繋ぐ部分かと思ったのだが、どうもそういう話ではない様子。
単に急所というか、深柱を形成する大事な箇所って感じの部位なんですかね?

ハルトがやってみると決断をする。
その間にも球体深柱はさらなる変化を遂げようとしている。
いや、変化というよりは全力。すべての力を吐き出そうと力を溜めている様子である。
両脇の柱に手を添えて本体の支えにし、最大出力の熱線を放とうとする球体深柱。
ならば、こちらも余力は全て使い切る。攻撃はハルトに任せた!!

吸熱ジェル全散布!電磁防護幕出力全開!!
ヤタノカガミ拠点防衛形態!!!

まさしく全力の防御。とはいえいくらも持たないというのは感じられる。
球体深柱の放つ熱線は人の亡骸を、電車を、自らの抜け殻すらも吹き飛ばす。
すさまじいまでの破壊力。これぞまさに決戦という状態。

俺たちが死ぬか、柱が滅ぶかどちらかひとつだ!!

もはや逃げ場はない。ここで決めなければ終わる。
そう。ハルトはできるからここに来た。やれると思ったから戻ってきたのだ。
この人たちのように・・・!そうだろ、カナ。

もっと・・・大きく鋭利な、力を!!

深柱髄幹裂断刀(クサナギノツルギ)!!

目玉を中心に深柱の破片が集まり、形作られたそれは立派な武器となっている。
これまでに形成した不出来な盾や攻撃時の破片とは違う。
まさしく意志を込めて作り上げると決めたからこそ出来た形状といえる。カッコイイ。

見事ですハルトくん。その矛をもって貫けぬ盾などあるはずがない・・・

いいセリフですな林くん。
その言葉を証明するために、クサナギルノツルギを球体深柱目がけて投げつけるハルト。いっけえええ!!
投げたツルギは狙い過たず目玉に突き刺さる。やったか!?
と思いきや、刺さったのは先端のみ。
腕を使ってツルギを白刃取りしやがった!!
腕があるならそりゃ防御もできますが、この球体深柱、反射神経がよすぎる!!だが――

そのくらいにしときな。おイタがすぎるんだよ

白刃取りで抑えたツルギを、マガタマで圧入する玲央さん。
ツルギが深柱中枢部「髄幹」に到達。強敵であった球体深柱は塔解するのでありました。

片手じゃ振り上げることはできない。が、打点が低ければ体を回して振りぬくことはできる。
というわけで、見事にとどめを刺した玲央さんでありました。
ハルトの作ったツルギはちゃんと圧入がしやすいように柄の部分が膨らんでいて気が利いてるね!!

それにしても、いい戦いだった。
兵真くんが防御し、林くんが作戦を立案。ハルトが攻撃を仕掛けて玲央さんがとどめ。
見事なチームワークの勝利でありました。うーむ面白い展開だ!!
だが、そのチームワークの一環である頭脳担当の林くんが意識を失っている。
やはり左手におったダメージは大きかったか!
果たして林くんは無事なのだろうか?気になるところであります。

今後のハルトの去就も気になるところですな。
自分が力を扱えることを自覚した以上、組織の一員になる可能性は高いが、はてさて。

そして世間もさすがに深柱の存在に気づき始める様子であるが・・・気になる流れですなぁ。楽しみだ!!



バーサスアース 3巻


第16話「変わりゆく東京 変わりゆく自分」  (2012年 50号)


池袋地下での深柱出突事件は死傷者百人に及ぶ惨事となったらしい。
さすがにこれだけの被害となると政府も何が起きたのか説明しなくてはならない。
だが、さすがに地下から目玉のバケモノが現れてビーム撃ってきましたとは言えまい。
言っただけではまず信じてもらえない。
映像付きで言ったら今度は逆にパニックになる。難しい話だ。

というわけで、官房長官の説明。
地面から岩石のようなもの・・・『溶岩噴出体』が出現し列車に激突。
その後・・・マグマというか、溶岩のようなものを噴出させ、多数の死傷者を出した。とのこと。

言い回しを変えてはいるが、まんざらデタラメってわけでもないな。
能動的に噴出したという部分を伝えていないだけとも言う。

そしてこの『溶岩噴出体』は今後東京23区北西部を中心に再び出現する可能性が否定できない。
なので、もしそういう事態が起こった場合はすみやかに政府の指示に従い避難をお願いするとのこと。
ふーむ、官房長官も大変ですねぇ。
さすがにこの説明は自身でも苦しいと感じているのか、言い回しが回りくどい。政治家っぽいけど。

一応、地質災害研究機構は深柱の詳細報告を政府に送っている。
が、まだまだ上の方はそれを信用していない様子。
もうそんなことを言っている場合ではなくなりつつあるんですがねぇ。

荒れるヒミコさんの側にいるのは、研究機構の医師である三輪さん。
おやおや、なんというか・・・悪そうな顔だな、三輪さん!!

三輪さんとしてみては、今回の発表がまあ落としどころとしては妥当だろうとの見解。
迫る危険と対策案を示す。今はそれだけで充分ですって話だ。
深柱のことは伏せたままだが、世間は今回の大災害を知ることとなった。

世界は・・・どう変わっていくのか・・・

ただでは済まないでしょうね。
官房長官はデマや憶測に惑わされてパニックを起こしたりしないようお願いしますと言う。
が、それでもパニックを起こすのが人間ってものである。
空などの交通機関は予約がいっぱい。チケットを取れなかった人が大挙してきている。
東京都内の店や会社では休みを取って田舎に逃げ出した人もいる様子。新幹線もいっぱいだ。
テレビでは報道管制をしかれている様子だが、ネットには深柱の画像が出回っている
なるほど。この画像を見ちゃったら危険が危ないと思っても仕方ないか。

あの事件から一体何日経過したのだろうか?
林くんはあの後、救急車に乗せられて運ばれていったがそれっきりである。ハルトも心配している。
そしてそんなハルトをカナちゃんは心配している。

ハルト曰く、あれからあの"力"は使ってないし、使おうと思ってもやり方がわからないとのこと。
それに、これからは自衛隊や警察も本格的にのり出して来るから対策は取りやすくなったと聞いたそうな。
であるならば、ハルトが危険に飛び込むことはもうないのだろうか?
カナちゃんにしてみればそれが一番の心配事である。
ハルトは危険な場所に向かうような気はもうない。そう聞いて安心するカナちゃん。安心したらお腹すきましたね。
というわけで、だるま亭につけめんを食べにいくことになりました。

しかし、だるま亭は臨時休業。どうやら店主は田舎に避難した様子。
隣の酒屋のおばちゃんが愚痴っていることから判明しました。ふうむ。
確かにインターネットは不安を煽る側面もある。
まあ、それを言ったらテレビだって似たようなものなんですけどね。
情報を受け取る側に落ち着いた態度が要求されるべきなんでしょうが、難しい話である。

実際のところ、深柱は人の多いところを選んで出突しようとしているのではと言われている。
ならば、都内が危ないというのは間違いないし、田舎に避難するのは間違いないとも言える。
避難した人の判断が吉と出るか凶と出るか。それはまだわからない。

カナちゃんが言うには、地方紙のニュースでこういう話があったらしい。

大阪府知事と名古屋の知事さんが今後の災害の拡大に備えて首都機能を早急に移転したほうがいいって提案してるって。

首都移転。
これはまた大きな話が出てきましたね。
それに掛かる費用とか莫大なものになりそうですが・・・
というか、移転してそっちが大人数になったら、今度はそっちが狙われることになる可能性が高いのだが・・・
やはりヒミコさんたちの研究資料とかはあんまり読まれていないんでしょうか。
というか、カナちゃん。名古屋の知事さんって。大阪府知事はちゃんと言えてるのに!!
まあ、高校生らしい表現かもしれませんな。名古屋は愛知県やで!!名古屋県じゃないで!!

怖くなってきて取り乱すカナちゃん。
確かに、このまま深柱の出突が繰り返されるのなら、カナちゃんの家も疎開を考えるでしょう。
そうしたら、ハルトと離れ離れになってしまう。って結局それが一番不安な要素なんですな。可愛いことだ。
なので、ハルトはカナちゃんを元気付ける。
出突する場所はある程度予測できるし、ここ数日は出突はないと聞いているとのこと。
だから落ち着いて今日はバイトに行け!と告げる。

ハルト。すごいねなんか。ハルトなんだか、あの人たちみたい。
私の知らない所へ行っちゃって・・・戻ってこなくなっちゃいそう・・・

やはり、先の池袋での際にハルトが戦いの場へ向かったことが尾を引いている様子。
こんなことが続いたら、ハルトがいなくなってしまいそうですごく怖い。
そういった不安な心持を告げるカナちゃんを見て、ハルトは抱き締めるより他になかった。えっ!?

ごめん。いつも前向きなお前がそんな風に思うなんて。よっぽど不安にさせたんだな。ごめん。
でも大丈夫。オレはいなくなったりしないし、東京もあの人たちが守ってくれる。
だからそんな顔するな。お前にそういうのは似合わないぞ。

不意打ちの抱きつき攻撃にすっかりドキドキさせられてしまったカナちゃん。
不安とかそういう気分も吹っ飛び、むしろ浮ついた感じになっている。
そういえば、あの夜カナちゃん告白してたんですよね。
有耶無耶になってしまったようですが、ハルトは返事をしなくてもいいんでしょうか?
まあ、今のままくらいが甘酸っぱくて楽しい距離なのかもしれませんがね。

浮ついた様子のカナちゃんであったが、ハルトと別れてからちょっと態度がおかしかったことに気付く。
確かに。優柔不断そうなキャラに似合わず大胆なことをしてきましたものねぇ。変に思っても仕方ない。

そのハルト。1人になったところで路地裏に移動する。
何事かと思えば、どうやら体内の深柱さんが暴れている様子。
額に現れた目が、体の表面を通りながら右手に出現し、睨みつけてくる。
そして生み出された無数の破片が、ハルトの右腕を貫いていく。うわぁ。

ちくしょう!こんな姿・・・見せられるわけねーだろ!!

どうやら、カナちゃんにこの姿を見せるわけにはいかないので、なんとか離れる口実を作りたかったらしい。
ははぁ。それで大胆な行動にも出られたと。つけめん食ってる場合じゃなかったってことだな!

いつから?
今初めてってわけでもないだろ。いつからだい?"能力"の反作用

苦しむハルトの前に現れたのは玲央さんである。
まだ尾行を続けていたんですかね?さすがに制服姿は止めにしたみたいですが。
にしても、意外と能力の反作用って激しいものなんですなぁ。
というか、今ひとつハルトと融合している深柱さんの考えが読めない。
緊急時には力を貸してくれるが、今のように暴れたりもするし、何を考えているのだろうか?

というわけで、仮説を立ててみた。
深柱が融合する際にハルトが大きく生み出したイメージはカナちゃんの姿である。
その可憐さに深柱さんが惚れ込んでしまったと考えるとどうだろうか。
であるならば、カナちゃんを守るためにハルトに力を貸すようになったと考えることもできるようになる。
では、何故今暴れているのか?
多分、側にカナちゃんいるんだしこの目で見させろよと暴れていたに相違あるまい。
なのにハルトは目玉の出現を封じ込め、あまつさえカナちゃんに抱きついたりしていた。
となれば、嫉妬に駆られた深柱さんがハルトの腕を攻撃したりしても不思議はなく・・・合う!ツジツマが!!

というわけで、深柱さんの嫉妬を抑えるためにもカナちゃんが側にいる必要がある。
てなオチであるならば色々と安心なのであるが・・・どうなることやら。心配ですナァ。



第17話「涙の二乗」  (2012年 51号)


その身に宿した力の暴走に一人苦しむハルト。
そこに現れた玲央さん。何か訳知り顔ですな。いつのまにかハルトと名前だけで呼ぶようになっているし。

ハルト。お前の中の深柱が制御を失って暴れている。
だが・・・大丈夫だ。私といっしょに来い。元に戻してやる。

右手でハルトの肩を抱き、左手で、ハルトの右腕に刺さる深柱のトゲを握る玲央さん。
血が流れてもおかまいなしのその姿勢は頼もしく感じられる。いや、目の前で出血されたら怖い気もするか。
というか玲央さん、骨折した左腕治ってるんですな
地下鉄での戦いからそれなりに時間が経過したということか?

ともかく、意識が朦朧としてきているハルトを連れて行く玲央さん。
ハルトの様子がおかしいと気付いたカナちゃんがやってきたころには路地裏から連れ出されている。
うむ、苦しむ姿を見せずにすんでよかったですな。血塗れの路地裏見たせいで普通に心配しているようだが・・・

地質災害研究機構、東京新本部
ハルトはここに搬送されている。前に向かったのは奥多摩支部の研究所だったか。本部は東京にあるんですね。
そこには奥多摩支部長であるヒミコさんの姿があった。
そういえばこの人、本部長とかそういう立場でもなかったのか。もっと偉い人はどんな人なのだろうか・・・

ヒミコさんの手にあるのは注射器。中に収められているのはワクチンとのこと。

貴重な貴重な深柱髄幹液から作られたのよ。これを打てばあなたの中の深柱の暴走を抑えることができる。

ほう。そのようなものが。
仮にそれを打たずにおいた場合、どうなるのでしょうか?
ハルトの疑問に、あくまでひとつのケースとしてと前置きして答えるヒミコさん。

文字通りの融合・・・深柱にとりこまれて生きているのか死んでいるのか、人なのか柱なのかも分からない状態になる

それはまた恐ろしい話ですね。単純に死ぬよりもよくわからないことになりそうな恐怖がある。
その話を聞いたハルトはワクチンの投与を受け入れる。

あ・・・あんたたちのことは・・・信用しきれないけど・・・
ハンマーのお姉さんが・・・言うんだったら・・・あなたがそれで治るっていうなら・・・信じます・・・

何度か共に闘い死線をくぐった間柄ゆえか。玲央さんのことを信頼に足る人だと思っている様子のハルト。
呼び方も巨乳ハンマーからハンマーのお姉さんに格上げだ。格上げなのか?
要素が一つ削れているのはいただけないですわな。やはり巨乳ハンマーのお姉さんとでも言ってくれないと。
死にそうな状態で口にするセリフではないか。巨乳ハンマーも緊急事態に咄嗟に口にするセリフじゃない気もするが。

ともかく了承するハルト。が、本格的な交渉はこれからである。
ヒミコさん曰く、このワクチンは貴重なものである。
この貴重なお薬を使った先進医療を施してあげるかわりにハルトくんにも協力をして欲しいと言い出す。
研究データを取らせてもらうのはもちろん、それよりもさらに具体的な協力。

レオちゃんたちといっしょに深柱と戦ってほしいの

正式な依頼が飛び込んできました。まあ、そうなるでしょうな。
正直な所、深柱は手強い。
最初の茶筒型深柱のような相手ばかりだったら玲央さんたちだけで充分立ち回れていただろう。
が、深柱は急激な進化を見せている。この間の地下鉄でもハルトが戻ってこなければ全滅していた。
ヒミコさんが融合者であるハルトの協力を得たいと考えるのは自然な話ですわな。
だからといってワクチンという取引材料で脅すというのもいかがなものかと。
悪そうな顔が似合うから困りますなヒミコさん。どこまで演技なのか窺い知れない。

オレの戦力をアテにしてるのか。それは自分やカナを守るためで・・・そりゃ今までなりゆきで戦ったけど・・・
あの"柱"とこのまま戦い続けたら。戦い続けたら。オレも・・・林さんみたいに・・・
いや・・・あのくらいで済めばまだマシ・・・シンタ・・・ユミ・・・

いやだ・・・カナの前では何度もカッコつけたけど・・・やっぱ・・・怖ェ・・・
いやだ。いやだ。オレは・・・まだ死にたくない。

なんだかんだ言っても一介の高校生であるハルト。
命を失いかねない戦いに身を投じる覚悟なんてすぐにできようはずもない。
心の動揺に反応したのか、右腕の破片が活発になっていく。マズイ状況だ。
これからは自衛隊や大人の人たちがやってくれる。そう考えて安心しようとしてた部分もあったみたいですな。
しかし、残念ながら自衛隊ではおそらく深柱は倒せない。

ミサイルとか・・・戦車とか・・・あるじゃないですか・・・だ・・・ダメなの?

ダメなのでしょうね。可愛く言ってもダメ。
通常弾頭では外甲に傷をつけることはできない。戦車の装甲でもマントル熱線を一瞬しか防げない。
硬い上に高火力という厄介な存在が深柱である。
やはり硬いのは面倒ですよね。スーパーロボットを相手にする一般兵みたいな気分にさせられる。落ちないんだよコイツは!!

深柱を倒すには我々の装備が必要だ。もちろんこれは自衛隊より我々が強いといってるわけじゃない。
私たちが自衛隊と戦ったらすぐに制圧されてしまうだろう。
ただ私たちが深柱と戦うのに特化してるというだけのこと。
そしてさらにその私たち以上にハルト、お前の力は深柱と戦うのに有効なんだ

仰るとおりでございますなぁ。
しかし、融合者であるハルトの力はさておき、玲央さんたちの装備を自衛隊も使ったらどうなのだろうか?
まあ、マッスルコートやハンマーを扱う訓練をしているとは思えないし、数も足りないか。
でも、深柱との戦いに有効と分かったら接収しにこられたりしてね。
クサナギノツルギだけでもあれば対抗兵器の作りようはありそうな気はするし。
深柱が反応しないようにしながらマガタマを打ち込む機械とか作ってくれるかもしれない。
ん。それってスーパーロボットの出番ということか・・・?

それはさておき。
玲央さんの腕は治ったようだが、林くんは未だにベッドで静養中。
少なくとも死んではいないみたいで少し安心。
腕の火傷以上にマッスルコートの締め付けがきつくて消耗したんだったりして。
そんな林くんの携帯に女の名前で電話がかかってくる。林のくせに!驚く兵真くん。
いやいや、かけてきたのはカナちゃんですから。そういう関係とかじゃないから。たぶん。

さて、話を聞き終えたハルトはワクチンを投与される。
効果は覿面。活発化していた深柱が静まっていく。目玉が閉じ、破片も消えていく。
見た感じは元通り、何事もない右腕に戻っているが・・・なかなか怖い現象でしたなぁ。こんなの人間の体じゃねえよ・・・

今回のワクチンはサービスとのこと。
だが定期的に摂取をしないと意味がない。なので色よい返事を聞かせて欲しいとヒミコさん。
確かにこれはギブ&テイク。
最悪の事態にならないためにお互い協力できそうな話ではある。後はハルトの覚悟の問題だ。
玲央さんも、どうしてもハルトの力が必要なとき以外は戦わせないと約束してくれます。

いきなり身体こんなになっちゃって。ワクチンだとか。戦えとか・・
まあ自分の身に起こったことだからなんとかしなきゃってのはわかるけど。
ちょっと色々ありすぎてパニクってるから今・・・

自身に降りかかった出来事に心の整理が追いつかず涙を流すハルト。それを見て嬉しそうな様子のヒミコさん。
男の子の涙を見てキュンキュンきてるんですか?いい趣味してるなこの人!!
伊達に妙に若作りした格好をしているわけではないってことか・・・いくつなんだろう。

とりあえず今日は玲央さんに送られて帰ることになったハルト。
その途中、兵真くんに連れられてやって来るカナちゃん。
バイトは休んで、ハルトのために駆けつけてくれたのだ。いい子ですなぁ。

ドレッドさんからきいたよ。手のこと・・・でもよかった、いつものハルトだぁ。

安心して泣き出すカナちゃん。それを見てハルトも同じく泣き出してしまう。うーむ、物悲しい。

それにしても、カナちゃんも兵真くんのことをドレッドさん呼びなのですな。
林くんはちゃんと名前で覚えてくれているというのに・・・
このままではずっとドレッド扱いだが、それでいいのか兵真くん!?
ハンマーのお姉さんに比べるとインパクトがないしな。頑張ってドレッドのお兄さんと呼ばれるようにならないと。
む、なんだか体操のお兄さんみたいな表現だなコレ。

ハルトたちを送った後、ヒミコさんと話す玲央さん。
ここで読者としても疑問に思ったことを口にしてくれます。
曰く、髄幹破壊したら塔解するはずの深柱から髄幹液なんて採れるものなのか?という疑問。

本当のことを言うとワクチンは深柱から採れた物じゃないの

ヒミコさんは説明する。
先ほどハルトに語った融合者の末路。あのときひとつのケースとしてと話をしていた。
つまり、実際に柱と融合して死んだ人間が既にいるのだ。
アメリカの施設でホルマリン漬けになっている人物。
そこでは「彼」のことを深柱の囚人(ミスターピラー)と呼んでいた。

ワクチンや武装の外甲片などはこのミスターピラーから採取され作られたとヒミコさんは言う。
採取された外甲片を深柱塔解の際に採取される灰砂を埋め込んだ研磨機により整形。
整形され並べられた外甲片の隙間に溶けた合金を流し込み、もう一度整合する。
このようにしてマガタマやツルギなどの兵器は作られているとのことである。
ふーむ。ミスターピラーも色々と大変ですなぁ。
というか、本当に死んでいるのかねミスター?実は意識があるけどコンタクトは取れないとか。
それで採取するためにギリギリと抉り取られる感覚も味わっていたりするとか・・・やだやだエグイ。

深柱と戦うため人類は叡智を結集させツルギやマガタマを生み出した。
だがそんな我々を嘲笑うかのごとく・・・地球、天に怨嗟の渦を巻く

そ・・・空だと・・・!?
地球さんが何故空から攻撃をしかけてくるというのか!?
これは余りにも想定外の流れである。
どう考えても地上用武装しかないと思えるピラーブレイカーに打つ手はあるのか?
まあ、相手が勝手に落ちてきてくれて地上戦になるのかもしれないが・・・
なんだか人類の打つ手がまるで間に合っていないように思える。
地球さん日本に出突してから進化のペース早いですよ。もう少し抑えてくださいよ!!
これからも苦戦の連続が続きそうな気配ですなぁ。



第18話「天獄の螺旋」  (2012年 52号)


不穏に渦巻く雲。その奥からニュルっと謎の物体が姿を見せる。
人々が空を見上げる中、その物体は長く尾を引いて落下してくる。
それは――天より飛来せし凶兆

細く長い物体が空から地面へと降り立つ。
かなりの高度があったが、さすがの外甲の硬さか、傷一つ負った様子はない。
そして、長い物体の先端が上下に割れ・・・歯と舌が現れる。く、口だーッ!!

よもやの口。深柱なのだから目が出てくるのかと思ったら、まさかまさかだよ。
その口で落下に驚き倒れこんでいた人間の上半身を喰らう謎の物体。これが今回の敵か・・・!!

この物体が落下してきた件については早速ニュースで流れている。
付近の住民を襲っており、現在警察機動隊が対応に追われているとのこと。
当然政府も動いている様子で、西新宿を中心に立ち入りの制限が行われているみたいだ。
落下地点にいた人々は不幸としかいいようがないが、とりあえずすぐに被害が広まることはなさそうな感じですな。

さて、家でそのニュースを聞いたハルト。
深柱が来たのだと考える。これまでとタイプが違うが、あいつらなんでもアリだから間違いないとのことだ。まあ、そうね。
ハルトの命名に従い、今回の深柱はヘビ型深柱とでも呼称しましょうか。
目が開いてないからミミズの方が近い気もしますけどね。

今回は・・・警察や自衛隊もいるしな・・・
オレやカナの家からも遠いし・・・オレが行く必要なんてないんだ!

リビングのソファーで横になっていたハヤト。掛け布団に包まり、戦いを拒否する。
まあ、自分が出て行かなくても解決するならそれにこしたことはないわけですしね。
どうでもいいが、何もない部屋ですなぁ。
リビングということで応接室用に広々と空間を使っているのだろうか?
何部屋あるのか知らないが、結構いいマンションだったりするのか?
母親は仕事で忙しいようだし、割と稼いでいるのかもしれませんな。

その母親から電話が掛かってくる。慌てて携帯に出て無事を確認するハルト。
母は今後の会社の対応を協議しないといけないからしばらく帰れないそうな。
うーむ、それどころじゃないような気もするが・・・やはり仕事第一ということなのだろうか?
責任のある地位についている人なのかもしれませんし、難しいところですな。
どういう仕事をしているのか、ちょっと興味あります。

そんな風に母親と連絡を取った後、自身の右腕がビクビクと震えていることに気付く。
これは・・・また暴走!?ワクチン打ってもらったばっかじゃねーか!!

あの人たちに協力すればワクチンがもらえる。でも・・・深柱と戦わなきゃならない・・・
ワクチンを打たなきゃ、柱と融合していずれは・・・
くっそおおお。オレにどうしろっていうんだよおぉ。

悩めるハルト。覚悟も決まらないうちに次から次へと追い込んで来てくれますなぁ。辛い。

さて、地表に降り立ったヘビ型深柱は明治通りを池袋方面に北上。
警察機動隊も報告しているが、ヘビ型深柱は途中で通行人を食べながら進行している。
なかなかに悪夢と呼べる光景だが、何より池袋地下に現れた溶岩噴出体とは何もかもが違う。
聞いてた情報と違いすぎると戸惑いを見せる機動隊員たち。

だが戸惑ってばかりもいられない。
相手はこちらに気付いた様子。なので盾で防衛線を気付きつつ、小火器による一斉射を開始。撃てェー!!
だが、もちろん通常兵器が深柱に通用するはずもない。
もっと強力な武器ならわからないが、小火器程度ではどれだけ打ち込んでもムダでしょうなぁ。
先頭に立っていた橋本隊員は食われ、さらに踊り狂う尻尾で複数の隊員がなぎ払われていく。

絶望的な空気となりながらも、避難区域から出すわけにはいかないので抵抗を続ける機動隊員。
口の中を狙ったりしているが、それでも効果がない様子。うーむ。
そんな所に助っ人登場。市ヶ谷から陸上自衛隊が来てくれたぞ!!わーい。

装甲車とバズーカを装備した陸上自衛隊。
さすがに装備は機動隊員よりも上である。が、この装備でもおそらく通用しないでしょうなぁ・・・
それでも、マントル熱線を撃ってこないのなら正面から充分な火力を叩き込むことができるはず。
そのように考えていた佐藤三佐。だが、ヘビ型深柱の様子が変化する。
口の中から・・・目玉が現れた!!こ、これは・・・退避〜〜!!

移動力と単体攻撃力がこれまでとは段違いなヘビ型深柱。
その上、キッチリとマントル熱線を放つこともできる様子。これは厳しい相手だ・・・
さすがに空は飛んでこなかったものの、これまで以上に苦戦する様子が目に見える。

機動隊員や自衛隊は初めての深柱との交戦になる。
これで深柱のヤバさというのが認識してもらえるとよいのだが・・・
できればこういった組織の人たちと協力して人類の脅威と立ち向かうって話になっていって欲しいものですからね。

さて、ヘビ型深柱が猛威をふるっている最中、ハルトの家の呼び鈴が鳴る。
これは一体誰が来たのか?次号、大人気御礼の巻頭カラーでその正体が明らかになる?

やってきたのは、カナちゃんか迎えに来た玲央さんか。
はたまたこのタイミングでの新キャラ投入か。もしやのヘルメットマン再来か・・・?
ここは裏をかいて、池袋地下で生き残ったあの幼女がやってきたと推測するぜ!
幼女に改めて感謝の言葉を頂き、ハルトが何か感じ入るものがあるって展開になるわけですな。
今後も人助けを続ければ色んな幼女に感謝されるようになるかもと・・・む、その方向はいかんぞハルト!!



第19話「灼熱の防衛線」  (2012年 53号)


我々は・・・悪夢でも見ているのか!?

巻頭カラーでパニック状態の自衛隊員の姿が描かれています。
確かにこれは悪夢のような光景ですわな。
自衛隊はちゃんと深柱の存在を聞かされて、対策を練ってこの場にやってきている様子。
なのに、練馬の柱や池袋の円錐とは全然違うタイプのものが現れた。
これは余りにも想定外すぎるってもんですわな。

マントル熱線に対する防御陣形として水積カーゴを前に出したりしている。
が、減衰効果は不明な様子。ふうむ。手探り状態ですなぁ。

混乱をしながらも反撃に転じようとする自衛隊員。
目標を『深柱』と特定し、攻撃を開始。練馬の柱よりは華奢に見える。希望はあるとの判断か。

熱線発射直後の目玉を対戦車用の熱感知機能でロック!発射!!

島田2曹の放つ対戦車ミサイルは見事に目玉に命中。
だが、全く堪えた様子はない。
目玉だからといって脆いわけではないから、この深柱ってやつは困る。
攻撃が通用しなかったことで軽く混乱を見せる島田2曹。棒立ちとなったところにマントル熱線が襲い来る。
が、その熱線を巨大な影が防いでくれました。
そう、兵真くんが駆けつけてくれたのだ!!

「何だあの大男は!?」「あれが地災研とかいう民間の・・・!

え。民間の研究所だったんですか!?もっと公務員的な研究部署なのかと思っていたのに!?
なるほど。こりゃなかなか政府たちから信用を得ることができないわけだ。

兵真くんが防いでいるうちに退避を試みる自衛隊員。
しかし、その退こうとしたところに追撃がかかる。先を読んで防御を行う兵真くん。学習してるねぇ。

田中2曹は足を痛めたメガネの森1曹を担いでいるので素早く動けない。
面倒な状況だが、林くんに似ている森1曹を見捨てるわけにもいかない兵真くん。
マッスルコートの左腕を最大駆動し、森1曹を遠くに投げ捨てる。
その動きの際、熱線が肩をかすめ、マッスルコートを蒸発させる。おお怖い。

どうやら兵真くん。1人残らずこの場の自衛隊員を救う心積もりの様子。
前線には装甲車に乗ったままの隊員がまだいる。どうやらハッチが壊れて出れないみたいだ。これはまずい。
なまじ高さがあるので高度差の関係上、道路に立った状態の兵真くんでは防げない。
なので盾の方を大きくするしかない。早くも拠点防衛形態の出番だ!!

大活躍の兵真くん。その働きにより、無事装甲車から救い出され退避する自衛隊員たち。
まあ、その間にも耐熱パネルは凄い勢いで減っていってるんですけどね。それでもどうにか持ってくれている。

さすがはオレの相棒。地上最硬の盾・・・!!

と、誉めそやしたのがフラグとなったのか、最悪の事態が発生する。
底面装甲。深柱の部品が使われた箇所が損傷した様子。
その部分があるからこそ、地上最硬の盾を名乗ることができた。
が、それが損傷したことで、盾としての機能は全て喪失したことになる。次は、もう防げねぇ!?

こんなとこで終わる・・・!?オレは。
玲央・・・すまん!オレは・・・お前の盾なのに・・・

兵真くんはとことん盾役としての誇りを抱いて前線に立っているんですなぁ。カッコイイ。
玲央さんに対しての想いもひょっとしたらあるのかもしれませんが。
まあ、それ以上に誰かを守るという想いが強いのでしょうな。
だからこそ、自衛隊員を救おうとして今ピンチになっている。
そして、そんな熱い男だからこそ、見捨てることができない者たちがいる。

対熱線用に装甲を強化した装甲車が複数横付けになり、マントル熱線の射線を遮ろうとする。
兵真くんの体を張った勇気ある行動に、自衛隊員もまた答えようとしている様子。
うーむ。さすがに自衛隊として活動するだけのことはある。この人もまた何かを守るために戦う男なのですなぁ。
感動的だが、深柱の破片が用いられたわけでもない装甲車では熱線は防げない。このままでは・・・!!

兵真くんが孤軍奮闘している中、玲央さんと研究所のおやっさんの2人はトラックを飛ばして現地に向かっている。

何が1人でも多く助けたいだよ。マン熱防ぐことしかできねーくせに

どうやら兵真くんは他の面々を置いて独走していた様子。
それはさておき、マン熱という略し方はどうかと。特に玲央さんが口にするのはどうかと。

トラックにはアメリカ本部で研究された深柱攻略のための様々な試作装備が積まれている
柔軟性のありそうなヘビ型深柱にマガタマは通用するかわからない。
なので、それらの装備を使って対抗したいと考えているが・・・通用するかは正直わからん、とおやっさん。うーむ。

そんなこんなで現地が大変なことになっているころ、主人公であるハルトはどうしているのか。
家にやってきた訪問者はカナちゃんだったみたいです。まあ、これは想定内。
平日だったので、学校を経由してからハルトの家に来た様子のカナちゃん。
まだハルトが家にいたことに安心した様子。
だが、アウトドア用の動きやすそうな服に着替えようとしているのを見て不安が的中したかのような表情を見せる。
中に踏み込みチェーンをかけ、ドアの前に立ち塞がるカナちゃんでありました。

その角度からだと着替えは見えないんじゃないかな?という疑問はさておき。
カナちゃんの心配はわかる。が、正直ハルトが駆けつけないとどうにもならないような状況ではある。
果たしてハルトはどう動くのだろうか?心配するカナちゃんを振り払えるのか?
それに、自身もまた戦う意思を決めかねているのではなかったのか?非常に悩みどころである。

さて、場面は再び現場。絶体絶命の状況に追い込まれた兵真くんの方に移る。
とどめのマントル熱線が放たれる!かと思いきや、なんだか不発の様子。おや。
口に現れた目玉がヌルゥと飛び出し、地面に落ちる。目玉を吐き出した!?
まさか、球切れ・・・?打ち止めだとでもいうのか?
兵真くんのこの疑問に答える声があった。そう、左腕を大ケガして伏せっているはずの林くんだ!!

"奴"は今までの深柱と異なり完全に独立して動いています。
過去の深柱が地中からエネルギー供給を受けていた可能性があると考えるとあるいは・・・

ものすごい速さでデータ入力を行う林くん。自衛隊員もビックリ。
よく見ると、ノートPCと包帯にに隠れた左腕が接続されている様子が見て取れる。
これは・・・もしや、何か高性能な義手を手に入れた可能性が・・・?

ともかく、熱線の脅威は無くなった。
盾が壊れた以上、今の兵真くんが前線に立っていても意味はない。一旦退いて装備を整えようとする。
その際に、装甲車で庇おうとしてくれた自衛隊員と敬礼をかわす兵真くん。
うーん、いいシーンでありますな。熱い男たちだ。
が、そんな場面で襲ってくるのが絶望の担い手って奴なんでしょうな・・・
敬礼した自衛隊員が、ヘビ型深柱に襲われ、喰われてしまう。
マントル熱線が撃てないとはいえ、全く脅威ではなくなったわけではないのだ。

なんだ・・・一体お前は・・・なんなんだ。なんなんだよおおお!!

吠える兵真くん。ううむ、なんなんでしょうねえ、ホント。

自衛隊員との心の交流はよいものがありました。
今後は装備の提供も含め、肩を並べて戦える存在となってくれると嬉しいですなぁ。
しかし、ともかく。今はこのヘビ型深柱に打ち勝つことが先決である。

目玉を吐き出し、マントル熱線は打ち止めとなった様子。だが果たしてもう完全に撃てないのだろうか?
もしかすると、人間を食べることでエネルギーをチャージしているのかもしれない。
そうすると、ひとしきり暴れた後はまた目玉を生み出してくる可能性がある。厄介な奴だ。
それまでに玲央さんは来るだろうが、ハルトはやってこれるかはわからない。
そうなるとアメリカ本部から届いた新装備の性能しだいということになりそうだが・・・?
絶望は深いが希望も全く無いわけではない。新装備の性能と玲央さんの活躍にまずは期待だ!!

しかし、あれだけのケガを負ったのに、林くんは後方支援とはいえ現場に立つのに躊躇いはない様子。
犠牲を最小限にしたいと身を張る兵真くんもだが、それぞれ何か過去があったりするんですかねぇ。
玲央さんは確実に何かあるみたいですが・・・その辺りの話も気になりますな。



第20話「ヒドラ」  (2013年 1号)


兵真くんと魂の交流を交わした自衛官、村田3尉が喰われてしまった。惜しい人でした・・・
さすがにこれは自衛隊の中でもショックが大きい出来事だったらしい。
車輌の中では他所者のドレッドを助けに行くなんて反対だったと叫んでいる者もいる。
うーむ、混乱していますなぁ。無理もないが。

ヘビ型深柱は兵真くんに狙いを定めて襲い掛かる。
そこに五十口径の銃撃を連続で叩き込む自衛官。
どんな化け物であっても、この距離で喰らえばとか考えているが・・・アカン。その考えは効いてないフラグや。

予想通り、まるで堪えた様子のないヘビ型深柱。
やはり自衛隊の通常装備では深柱の外甲には対抗しようもないのだろうか。
と思いきやそうでもない様子。
練馬や池袋に現れた深柱であれば現有装備でも攻略可能だと地災研の資料には書いてあったらしい
ほう。ちゃんと地災研と連携を取ってはいたんですな。
上の方は甘く見ているのかもしれないが、現場はさすがに慎重である。

ここで対象に近づき観測を行っている自衛隊の観測班から報告が入る。
その報告によると、攻撃は深柱の表面に届いていない。手前数cmのところで爆発・・・いや、溶かされているとのこと。
サーモグラフィで見ると、ヘビ型深柱は赤く染まっており、まるで小さな太陽のように見えるそうな。

その様子は林くんの方でもモニターされている。
どうやら攻撃を受けた瞬間だけ体温が上昇しているらしい
のだが、これは体温なんてレベルではない。爆発による熱でもない。これは・・・
やはりマントル熱線の熱を防御に使っているということなんでしょうか?
そうするとマグマ並の熱量を有しているのは間違いないでしょうな。うーむ、とことん厄介な敵だ。

その牙は強力で、装甲車の装甲も易々と噛み千切る。
そして中にいる自衛官が犠牲に・・・ううむ。

喰うんじゃねぇええ!!

撤退を指示する林くんの言葉を振り切り、クサナギノツルギを装備して立ち向かう兵真くん。
相変わらずその闘志には敬意を払いたいところであるが・・・相手が悪いんですよね。

そんな風に兵真くんが危機に陥っている頃、ハルト。
カナちゃんに扉の前に立ち塞がれ先に進むことができずにいる。
まあ、外に出るつもりがあったのかどうかは分かりませんが。

立ち塞がりはしたものの、携帯の情報で警戒エリアが広がっているのを知るカナちゃん。
どうやらあのヘビ型深柱、こっちに向かってきているみたいですな。
やはりハルトに引き寄せられている部分は多少あったりするのだろうか・・・?

それはさておき。危険が迫っていることに気付いたカナちゃんはハルトの手を引いて外に出る。
少しでも早く、少しでも遠く深柱から離れないと、ハルトはまた行ってしまうから。

なかなかに行動的なカナちゃん。
マンション出たらタクシーを拾って移動しようと提案する。
この行動力の前には、基本引っ込み思案なハルト、タジタジでございます。
だが、マンションを出たところに待ち受けていたのはヒミコさん。どうやら待ち伏せしていたようだ。

大人のすることですか!?

ヒミコさんの意図に気付き、激昂するカナちゃん。
いやあ、この小ずるい動きはいかにも大人のやりそうなことですよ、カナちゃん。大人って汚い!!
というか、もっと直接的に酷い行為に出るヒミコさん。
ハルトを屈強な男2人で縛り上げて強引に車に乗せようとする。うーむ、手段を選ぶつもりはないみたいですな。
微妙に不信感を煽りそうな行為であるが、確かに状況はそうも行ってられない部分もあったりしますからねぇ。

ところで、やはりハルトの家は結構いいマンションだったらしい。母親はデザイナーだったのか。

ハルトがヒミコさんの車に乗せられている頃、現場の兵真くん。
ヘビ型深柱に立ち向かったが、尾の一撃に吹き飛ばされ軽く気を失っていた様子。
林くんの呼びかけにどうにか回復して応答をする。

奴は装甲車に首を突っ込んだまま暴れてます!そこから離脱するなら今です。早く!

首が抜けなくて暴れているヘビ型深柱が地味に可愛い。
手の無いタイプを選択したらこの有様だよ!!何をやってるんだか。

それはさておき、気絶から回復しても兵真くんの離脱は難しい。
まず、足の上に大破した車輌が圧し掛かっている。
これはマッスルコートを最大駆動することでどかす。めきめき。
だが、どかした車輌の下から出てきた足は明後日の方向に折れ曲がっている。ううむ。
この足では離脱はムリ。そう考えた兵真くん。もう勝負に出るしかない。
林くんによれば、髄幹は背骨にあるんじゃないか?とのこと。
背骨だと長すぎてどこにあるかわからない。なので口の中から直接髄幹らしきところを狙うしかない。
つまり、喰われそうになりながら闘うしかないということだ。

玲央・・・力を・・・

勝負の一瞬を迎える前に、戦友の名を呼び祈る兵真くん。そしてその言葉に応える玲央さん。

あいよ
おまえの・・・死体でつくった鉛玉だ・・・こんだけ大口あけてりゃあ・・・
対甲一粒弾(アンチピーラーシェルスラッグショット)!!

これがアメリカから送られたという新装備か!!
抜群のタイミングで救いに現れた玲央さん。見事である。
そして見事に口の中に銃弾を叩き込むことに成功する。
果たしてこの一撃で髄幹を破壊することが出来るのであろうか・・・?難しいだろうなぁ・・・
そういえば玲央さん、背中に大剣を背負ってますな。
柄が2本あったりするのがなんだか気になる武器である。
スラッグショットが通用しなかったなら、こちらの武器を使用することになるのだろうか。
どんな武器が飛び出すのか楽しみである!!

ハルトが着く前に倒してしまう。なんてのはやはり難しい話でしょうかねぇ。
新兵器には頑張って欲しいところであるが・・・ネーミングが普通では活躍もし辛いか?
やはりヒミコさんのように武器に派手な名前をつけるぐらいのハッタリは欲しいところでありましたな。
アメリカの研究所にはそういうレポートを書いて送るしかありますまいて!



第21話「ハーモニック・スカルペル」  (2013年 2+3号)


玲央さんの放った弾丸は確実にヘビ型深柱を捕らえた。
しかし、その一撃で髄幹を破壊ってわけにはいかなかった様子。
だが、深柱には異変が見られるようになった。ビキビキと表情を引きつらせている。怒っているだと・・・?ビキビキ。

どうやらまだまだ戦いは続く様子。
玲央さんは負傷した兵真くんに下がるよう言う。
しかし、あたしらが死んだらかわりがいないんだぞ!とはどういう意味なのでしょうか?
地災研には代わりとなる実行部隊はいないということなのだろうか。
負傷する可能性の高いチームなんだから、予備員がいてもよさそうなものですがねぇ・・・
まあ、実力を兼ね備えた希望者がそんなにいるとは思えないので仕方がないのかもしれないが。

バカな単独行動に出てしまった兵真くん。しかし玲央さん、そーゆーバカなトコはキライじゃない、とのこと。ほうほう。

兵真「玲央・・・後は任せたぜ」
玲央「任せな」

選手交代。アタッカーである玲央さんの出番である。さあ、狩るか狩られるかになってきましたな。

主電源起動!セーフティーガードリリース!抜刀!!

背中に担いでいた巨大な刀を抜き放つ玲央さん。これが今回の主軸武器だ。
アメリカ地災研から届いたばかりの試作品。
形式番号APS-SSVBアンチピラーシェル・・・
超音波振動対甲裂砕太刀(スーパーソニックバイブロブレード)、スカルペル!!

スカルペルとは手術などに用いる医療用のメスのことらしい。
なるほど。肉を切り裂くにはいい名称なのかもしれませんな。
というか、超音波メスってのも実際に存在しているんですな。もちろんこのサイズではないぞ!!

玲央さんに続き、おやっさんこと本田主任も現場に駆けつける。林くんと並び立ってバックアップの体勢。
2人の話によると、我々の対甲装備は奴の防衛能力の適用範囲外だと思われるとのこと。
あとは奴の外甲がどのくらいの強度であるか。
元々スカルペルは髄幹を外甲ごと切断する目的で開発された
しかし練馬での柱のような直径の太いものには効果が低いため、正式採用は見送られたという。

太さだったらあいつはファミレスの半分も無いわい!
しかもあれだけクネクネしとるんじゃ!ゴムみたいにスパっと切れるはずじゃ!

興奮気味の本田主任。落ち着いてください。
まあ、なんにしても効くと信じて闘うしかないわけではありますがね・・・

ヘビ型深柱は痛い目にあったためか、直に飛び掛ってはこずに様子をうかがっている。
顔をビキビキさせながら冷静な奴だ。
一方、玲央さんの方は待っているだけというわけにはいかない。
待機モードであってもバッテリーは凄い勢いで減っていく。燃費の悪い武器なスカルペル。

こっちから行くしかない!超音波振動・・・発震!!

トリガーを引くと物凄い勢いで震動が開始される。
慌てて柄を握る手に力を込める玲央さん。
しかしそれでも震動音は大きく響き渡る。離れていた林くんたちの所にまで響いているそうな。
この際の騒音に関してはインカムのノイズキャンセリングを最大にすることで対処する。
さて、これで攻撃の準備は整った。
ヘビ型深柱もこの武器がヤバイものであると気付いたのか、攻撃を開始しだす。

受けてみろ!超震動の極薄刃!!

勢いよく振り上げ、下ろす。
が、その一刀はブレてしまい、ヘビ型深柱を切り裂くことはできなかった。
代わりに96式装輪装甲車を真っぷたつにしてしまう。おぉう。なんて威力だ!!

すさまじい威力。これならば深柱の外甲も切り裂けるかもしれない。
だが、やはり燃費の悪さは相当なものである。
今の一刀を振り切った時点でバッテリー残量は0となる。あっという間じゃん!
まあ、言っていても仕方ない。
脚力強化を行って深注の突進を馬跳びで交わし、バッテリーパックの入れ替えを行う。
これを見て興奮気味の自衛官。すげぇええええ!!
しょうがないこととはいえ、すっかり観戦者モードでありますな。

距離が少し開いたところで林くんの指示。
外甲に対して90度に近い角度で着甲してくださいとのこと。それはそうだが簡単ではないぞ。
そして、手首に負担はかかりますが、インパクトの瞬間だけ両手の筋力強化を最大駆動にしてください、とのこと。

林くん。ごめんそれもうずっと120%でやってんだ

最大駆動は100%である。その限界を超えた120%をインパクトの瞬間ではなく常時行っているという玲央さん。
なんという無茶な真似を・・・このままではハシも持てなくなってしまうぞ!!
そんな林くんの注意も無視し、さらに無茶を始める玲央さん。
手甲をパージすることで腕部人工筋肉のリミッターを解除する。そして腕部の出力を200%にまで上げる。
うーむ、スカルペルは凄い武器だが、ここまでしないと扱えないとなると・・・やはり試作品の域は出ないか。

準備を整え、ヘビ型深柱に再度相対する玲央さん。
今度は命中したが、浅い。口の一部を切り取っただけである。が、これで外甲をも切り裂けることがはっきりした。
ならば、今度こそいただく・・・正中線!!

きれいな上段の構えから振り下ろされる刃。着甲裂震(ディバインストライク)!!

それは見事にヘビ型深柱を真っぷたつに一刀でありました。
左右に綺麗に裂ける深柱。しかし、よく見れば髄幹は切れていない。片側に入った状態となっている。
刃も深柱の途中まで切り裂いた段階で振り下ろしきってしまっています。
つまり玲央さんは2つに切り裂いた深柱の体の間に位置していることとなる。

斬った部分が再生していく!?玲央ー!!

吼えて警戒を促す兵真くん。
しかし再生のスピードが物凄い。気付いて逃げ出すまもなく、再生した深柱に挟み込まれ、飲み込まれる玲央さん!!

足だけが飛び出しているという状態がまたなんとも凄絶な感じとなっています。
果たして玲央さんは無事なのだろうか!?
漫画的な見た目としては実に正しいが、マッスルコートは頭部を守っていないですし、この状態はかなりヤバイ。
いや、元々マッスルコートは筋肉を増強するのが目的だから頭部は覆って無くても筋は通っているのか・・・
というのはさておいても、ピンチであることに変わりはない。
スカルペルも一緒に取り込まれたのであれば、中で裂震して切り裂いて脱出もあるかもしれないが・・・

これはやはりハルトの到着に期待するしかないのだろうか。
ハンマーのお姉さんが危機に陥っているのを見れば、ハルトとて動かないわけにはいくまいて。
ヘビ型深柱との戦いも佳境を迎えた感じでありますが、どうなるのか。楽しみなような不安なような。



第22話「奈落の蓋」  (2013年 4+5号)


ハルトを無理矢理連行するヒミコさん。
手錠まではめてるし、こりゃ立派な拉致でありますわな。
まあ、ワクチンと引き換えに取引をしているのだから、正当な権利とヒミコさんは主張するんでしょうけどね。
結構緊急事態な状態ではあるし、のんびりと説得していられないのもわからないでもない。
ワクチンも貴重なものであるし、アメリカ本部から取り寄せるにはそれなりの理由がいる。

例えば、人類を救う力を持ったヒーローに戦ってもらうために必要・・・とか・・・

なるほど。それは真っ当な理由でありますな。
と言われても、ハルトにはヒーロー願望などはない。
その気になったらこの力で脅して力ずくでワクチンを手に入れることも・・・

やーん。ハルトきゅんこわーい

きゅん言うな。本当にこの人は・・・いい年して困る。
まあ、ハルトがそういうことができる子だとは思えませんしね。
カナちゃんが害されるようなことになれば分からないが。

さて、そんな風に言い争っているところに林くんから通信が入る。
内容は玲央さんが食われたというものだ。どういうこと!?いや、確かにそう聞き返したくなるのはわかるが事実ではある。
ただし口から食われたわけではないので、なんというか・・・表現しづらいな。

深柱に挟まれて一瞬意識を失った玲央さんだが、すぐに気を取り戻す。

ここは・・・深柱の胎内!?
息ができない・・・動けない・・・のみこまれる!!

ヘビ型深柱が動き回っているせいか、内部は伸縮が行われており、下手したら潰されてしまう。その前に窒息するか。
そうはさせじと外に出ていた脚部のフィジカルブーストを全開にし、脱出を図る玲央さん。
見事に表面に飛び出し呼吸の確保に成功。
だが、表面の再生はかなり早い。飛び出す間もなく、今度は深柱の表面に取り込まれたような形になる玲央さんでありました。

玲央さんが出てきたのを確認したヘビ型深柱。
食らおうとするが、近すぎて口が届かない様子。これは不幸中の幸い。
しかし、目の前に食べたい相手がいるのに食べれないのはストレスがたまるのか、深柱は怒りに震えだす。

まるで駄々っ子じゃねえか・・・

その表現は的を射ているかもしれませんな。この深柱の知能は低い。
けど、情操教育を施せば節度を知ってくれるって感じではなさそうだ。うーむ、面倒な。

兵真くんはどうにかして玲央さんを助け出そうとするが、近づけば深柱が標的をこちらに定めてくる。
玲央さんは兵真くんが食べられるのは見たくないので逃げろと叫ぶ。
その勧めに従ったというわけではないが、今はとにかく逃げるしかない。
狭い路地裏を、痛めた足を引きずりながら逃げる兵真くん。
どうにか逃げ切ることには成功した様子。だが、それはヘビ型深柱が他の人間を標的としたことに他ならない。
自衛官たちを襲いだすヘビ型深柱。それを見て兵真くん。自身の無力さを嘆くのでありました。

取り込まれている玲央さんもなんとかしないとと考える。
クサナギノツルギで境目を狙えばと刀を振るうが切れない。境目で傷ついているのは自分の肉体だけだ。
そうやって脱出に戸惑っているうちに、深柱は自衛官を追い詰めていく。
逃げ切れないと悟った自衛官は振り向いて反撃をしようとするが、取り込まれた玲央さんの姿に目を奪われたりしている。
さすがにそこは狙えない。深柱の顔を打ちまくる自衛官。しかし当然通用するはずもなく、食べられてしまうことに。嗚呼・・・

・・・くしょう。ちくしょう。ちくしょオオオオオオ!!

悔しさに叫び涙を流す玲央さん。切ない。
が、取り込まれた姿がちょっと内股気味になっていたりしてそこはかとないエロスを感じたりするのも事実。厄介な!!
それはさておき、打たれた深柱は発熱していたみたいだが、玲央さんは無事なのかね?
部分的な発熱もできるってことなのだろうか。

犠牲となる自衛官は1人では済まない。次々と逃げ遅れた者たちが襲われていく。
それを取り込まれた状態で見ているしかできない玲央さん。自身を責める。
切り裂いたあのとき、自分が逃げ遅れさえしなければ、再生途中の深柱を狙えたのに・・・と。ならば・・・

あたしを。あたしを撃てェエエエ!!
あたしのトコは外甲に守られてない。そこから髄幹を狙える!!撃てええええ!!

残された可能性に賭けた玲央さんの悲痛な叫び。
確かに外甲には守られていないし、発熱もしないかもしれない。
だが、玲央さんの体を貫いて髄幹を破壊できるほどの威力が自衛隊の小火器にあるのだろうか・・・?

あまりにも悲痛な覚悟。こういうときにこそヒーローが駆けつけてくれるのを期待するわけでありますが・・・
まあ、ハルトも他ならぬ巨乳ハンマーのピンチとあっては動かないわけにはいきますまい。
無事に玲央さんを救い出し、ヘビ型深柱を倒すことができるのか。注目でありますな。



第23話「ハルト強襲」  (2013年 6号)


深柱に取り込まれて動くこともかなわぬ玲央さん。
残された唯一の手段は自分の体を貫いて敵を倒せと叫ぶことのみであった。撃てえええ!!

玲央さんの悲壮な決意を受けて発砲する自衛官。
しかし迷いがあったためか、行動が遅かった。
銃弾は外れ、自衛官はヘビ型深柱に喰われる。ううむ。

撃てよ!頼む!撃ってよォオオ!!

玲央さんの位置はかなり辛いですわな。
何もできない上に喰われる姿を目の当たりにすることが多いという。辛い。

ちなみに観測班によると現在の深柱は高熱の膜には包まれていないらしい。
そもそも高熱の膜が発生していれば取り込まれた人間も焼け死ぬはずとのこと。それはそうですね。
前回、取り込まれている最中に顔を撃ったらなんだか蒸発してたような描写があったような気もしたが気にしない。
とにかく、今ならば攻撃が通用する可能性は高い。
元々今回の深柱は装甲が厚いわけではない。自衛隊の現在の装備でも十分いけるはずである。
だが、銃弾をかなり浴びせなければいけないだろうし、そうなると取り込まれた玲央さんの命の保証はない・・・

上の指示を仰ぐかどうか迷う佐藤3佐。
しかし、迷っているうちに部下の命が失われていく可能性はかなり高い。
このまま被害を拡大させるわけにはいかない。すまん・・・と詫びながら火力集中の指示を出す。
後で非難を受けるのは覚悟の上といった感じでありますな。こういう立場の人も大変だ。

重火器を取り出し、ヘビ型深柱に向けて構える自衛隊。
玲央さんは落ち着いた表情でその銃撃を受けようとしている。
ためらうな。しっかり狙って。もうこれ以上目の前で人間が喰われるのは見たくない。

パパ・・・ママ・・・ユウト・・・ごめんね。
でも、おねぇちゃんがんばったよ。深柱2体も倒したよ。こいつも入れたら3体だ。今から・・・行くね

ふむ、玲央さんはお姉ちゃんでありましたか。なんとなく予想通りでありますな。そんな雰囲気はあった。
海外で深柱の被害にあって家族を亡くしたりしたんでしょうか。
その辺りの過去の話は気になりますなぁ。
主に玲央さんが弟にどれだけ甘々だったのかが気になるところである。

自衛隊が集中砲火を浴びせようとしている。
そのタイミングで飛び込んできたのは一台の車。
ハルトを乗せたヒミコさんの車がようやく到着。ブレーキをかけてドリフトしている最中に助手席からハルトを放り出す。
これはまた乱暴でありますな。まあ、緊急事態ではありますし。
でも、目の前に喰いかけの死体があったりするのはキツイ。これはビビるわ。
あ、手錠はちゃんと解除されているんですな。当たり前だけど。

ヘビ型深柱は融合者であるハルトを見て歯を噛み鳴らしている。なんだ?何かを感じているのか?
ともかく動きが止まっている今がチャンスである。
能力を発動させるハルト。車中で林くんから受けた指示の通り、地下鉄で作ったあの剣で口の中を狙えば・・・
と思っていたら、いきなり変形を開始するヘビ型深柱
鼻に当たる部分が尖り、突き刺せるような形になる。まるでハルトくんを強敵と認識したかのように!?

変形を終えた後、凄い勢いで突っ込んでくる深柱。
ハルトは盾を形成してどうにかこれを防ぐ。攻撃よりも先に防御を本能的に選んだか。仕方ないですな。
だが、巨大な深柱の突進を止めることはできず、盾ごと後方に吹き飛ばされる、自衛隊の車両に激突する。
さすがに変形しただけあり、この突進は強力。ハルトの盾をも貫く一撃であった。体には当たらなかったのが不幸中の幸いか。
しかし、盾をかじって押し込んでくる深柱。自分の歯が折れているのもおかまいなしである。うーむ、怖い。
というか、このままでは圧力に押しつぶされてしまう。

やばい。やばい。今度こそ死ぬ。やっぱ来るんじゃなかっ・・・

そんな風に早くも後悔を始めているハルトに呼びかけるのは取り込まれている状態の玲央さん。
横に跳んで逃げられないの!?と心配してくれています。
ハルトの反応を見ると玲央さんが取り込まれているのは理解していなかったように見えるがどうなんでしょう。
話は聞いていたけど、話だけでは状況がよくわかってなかったのかもしれないな。
玲央さんの話からして、このまま自衛隊に任せれば玲央さんの身がどうなるかわからないというのが推測できてしまう。
それなのに玲央さんは、前線には極力出さないって約束したのにと謝ってくれている。これは・・・

ふざけんな!ムリヤリ連れてきといて・・・ダメそうだからはい、中止とか。ふざけんなよコラ!
あんた地下鉄で子供助けたろ!いつも誰かを守るために戦ってただろ!
他人の命を大事にする人が自分の命を簡単にあきらめてどうすんだよォ!
そんな状態で人の心配してんじゃねぇよ!!

吠えるハルト。熱いねぇ。

ツインテールおばさんが言うような・・・オレはヒーローじゃない。
ヒーローなんかじゃないけど・・・オレやっぱ、あんたを助けたいっ!!
ヒーローでも何でもない・・・1人の人間として!!

なかなかいい思想でありますな。ヒーローであるよりも、1人の人間として見知った相手を救いたい。
今風な考え方ではあるが、それはそれでよいものである。
その強き意志が更なる可能性を引き出すのか、盾を形成した状態でさらなる変化を引き起こそうとしている。
手刀の形に整えたハルトの手に合わせ、盾が変形し刃が深柱の口の中へと吸い込まれていく!!

形成した装備の自在な変形。これを身に着けることができるようになるのだろうか?
この力ならば玲央さんを無事に救い出すことも不可能ではないと思われる。
強敵だったヘビ型深柱との戦いも決着となるか?次回に注目である。
しかし、ヒミコさんはツインテールおばさんか・・・まあ、そう言われても仕方ないっすよね。うん。



第24話「踊る髄幹」  (2013年 7号)


玲央さんを助けたい。その一心がハルトの更なる力を引き出す。
一度形成した盾を剣の形へと変化させ、ヘビ型深柱の口中に突き刺すことに成功した!!

喉笛を貫くハルトの列断刀。
だが、髄幹を仕留めない限り深柱が止まることはない。
向こう側に突き出すぐらいに深く刺さってはいるが、髄幹は無事だったということか。
再度の深柱の突進に巻き込まれるハルト。
自衛隊の車両に尖った鼻先を深く深く突き入れる深柱。動きを止めた時、ハルトの姿は車両と深柱の間にはない。喰われたのか!?

そして、一度動きを止めたが再度動き出す深柱。髄幹への攻撃は確実ではなかったということか。
しかしハルトがいなくなってしまったのでは、もはや打つ手立てはない。絶望的な気分になる林くん。
だがハルトは生きていた。直立して天を仰ぐヘビ型深柱。その下顎が切り裂かれていく。
そう、口中に入り込んだハルトが深柱を切り裂いているのだ!!
その剣で切り裂き、玲央さんを救おうとしているのだ!!

届け!あそこまで!あの人のところまで!!

剣は確かに玲央さんのところにまで届いた。だが、伸びた舌にからめとられるハルト。
強く締め付けられて意識が遠のいたのか、剣が消えていく。
この高さから叩き落された場合、マッスルコートを着ていないハルトの命の保証はない。
しかし、玲央さんはハルトが切り裂いてくれたおかげで脱出に成功。今度は逆にハルトの救出に向かう。

自らが突き刺した装甲車の重さに負けて、裂けた半身が崩れていく深柱。マヌケな話だ。
考えてみれば、スカルペルの時は瞬時に再生をしていた。
それが車両の重みで裂けていくものだから再生もままならず、玲央さんの脱出の機会を与えてしまうこととなるとは。面白い。

クサナギノツルギを抜刀し、ハルトを捕えていた舌を切り捨てて救出する玲央さん。
そのままハルトを抱き、高所から落下する。

人工筋肉に循環液を最大注入。強制的に膨張させる!

肥大化させることで衝撃を吸収することに成功したらしい。
ってヒミコさん、知ってて知らない振りをするんじゃありませんよ。
林くんの解説キャラへの手伝いをしているのかもしれないが、ぶりっ子ポーズと共にやられると色々と困る。

ハルトのクッションがわりとして下敷きになる玲央さん。
このポーズはなかなかいい感じでありますな。うん。

それはさておき、深柱。半分に切り裂かれて髄幹が剥き出しになっている。攻撃するなら今だ。
と思ったところで、信じられないものを目の当たりにするハルトと玲央さん。
髄幹の先端。口に一番近い所に何やら卵のようなものがある。
白くて丸い形のもの。そこには目があり、鼻があり、口があった。つまりは人の顔をしたものがあった。なんだこれは!!
目を見開いたその顔はハルトを見てこのようなことを言い出す。

ナカマ・・・ヒト・・・ナカマ・・・チガウ・・・ヒト・・・カ

やはりハルトの中の深柱の存在を感じ、仲間かと思ったりしたのだろうか。
だとしても、一体これはなんなのだろうか・・・?不気味な存在だ。

顔の右目が大きく膨張する。これは、マントル熱戦を放つ構えか!?
これはいかん。盾を作って防御をしないと!!
と思いきやハルト。深柱に仲間呼ばわりされたのが大層気に障った様子。まだそんな姿にはなりたくないものね。
オレは人間だ!決まってんだろ!!

人間様ナメんじゃねぇぇぇぇ!!

という叫びと共に、マントル熱戦を放とうとした深柱に攻撃を仕掛けるものがいた。
戦車に乗った兵真である。おぉ!!
足をケガして動けないなら、こいつを足にすればいいって話ですな。豪華な足だぜ。
というか、兵真くんがでかいおかげで搭乗口にピッタリはまっており、まるで融合しているかのように見える。お似合いだ。

森1曹、田中2曹。銃身が焼けるまで撃て〜!

民間人の命令を受けて自衛官たちも攻撃を開始する。
考えてみれば共闘体制とはいえ、民間人が戦車に乗って銃を撃つとかしていいのだろうか。まあ、緊急事態ですしね。
佐藤3佐も火力を総動員しての飽和攻撃を指示してくれます。少年と女戦士を救出する!!

攻撃!!溶岩噴出体中枢部に命中ー!!

とどめは自衛隊の一斉射撃。見事に深柱の塔解はなったのでありました。
うーむ、いい片付き方ですなぁ。
兵真くんが、玲央さんが、ハルトが。そして自衛隊の皆さんが頑張って強敵を撃破する。
誰が欠けてもならなかった美しい勝利である。犠牲は出たものの、この勝利はなかなかいい感じである。
この主人公だけが活躍せず、皆で頑張って闘うという作品のスタイルは本当、好きですわぁ。

さて、強敵のヘビ型深柱は倒すことに成功した。
だが、謎の髄幹の顔といい、深柱については謎が多すぎる。ハルトの容体の変化も気になるところだ。
そして何より気になるのがカナちゃんの存在。
皆で闘うのがいいのだが、カナちゃんだけはハルトが闘うのに否定的なため、浮いた感じになってしまっている。
この辺りをどうにかしないとカナちゃんの存在が危ういことになる。玲央さんにヒロインを完全に取られることになりかねない!!
ただでさえ、今回の話でハルトと玲央さんの距離がさらに縮まった感じがあるといいますのに。

こうなればあれですな、カナちゃんにはアイドルになってもらってはどうだろうか。
深柱に歌を聴かせることで文化を教えるとかそういう話。
文化的な存在に触れて深柱も戦いを止めたりするようになるかもしれない。これならカナちゃんも大活躍の気配!!
ただそれをやると恋の戦いには負ける可能性があったりするという。難しいところですな!!



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