蒼天紳士チャンピオン作品別感想

バーサスアース
第52話 〜 最終話


バーサスアース感想目次に戻る   作品別INDEXに戻る   週刊少年チャンピオン感想TOPに戻る

 各巻感想

1巻 2巻 3巻  4巻 5巻 6巻  7巻 8巻 9巻

連載中分


バーサスアース 7巻


第52話「ラストシューティング」  (2013年 36+37号)


活動限界まで残り18秒。それを越えたらいつ死んでもおかしくない状態。
まさしく絶体絶命といって差し支えありますまい。

だが落ち着け。よく考えろ!まだ見落としてることがあるかもしれない・・・!!

絶望の淵にありながらも友の別れ際の言葉を思い出し、冷静さを取り戻した林くん。
この状況を突破するためにその頭脳を働かせる。

思い出せ・・・突入から・・・無人車で柱に接近・・・
ライツさんが守った・・・その瞬間・・・閃光・・・目をあけると周りは白く輝く壁に囲まれていた。
元あった深柱はどこにいってしまったのだろう?
あの球体に髄幹の反応があるということは・・・普通に考えればあの球体になった・・・
では・・・この光の壁をつくりだしたのは?あの球体にそこまでの力があるのか?

力があるかというよりも、球体と光の壁が分離しているのは確かに気になりますな。
滝のように継続的に放射されている様子の光の壁。
だというのに髄幹反応のある球体は地面に転がっている。これが意味することは・・・

ぼくの考えが正しければ深柱は・・・!!

重力針を接続し、髄幹反応を検知する。
どうやら何かに気付いた様子だが、その身体は限界が近づき崩れそうになる。
倒れそうになった林くんを支えてくれたのはいつの間にか意識を取り戻していたライツ。おぉ。
しかも林くんの背負っていた銃を持ってきてくれている。これはありがたい。
そして重力針は林くんの想定通りの反応を示す。ほぼ直上に髄幹反応あり!!

単純なことだから見落としていた!
深柱は2体いた!!熱球になった"柱"と"壁"を作っている柱

なるほど。タイミングよく球体が現れたのでそいつが元凶だと疑わず信じてしまっていましたなぁ。
あの球体は熱球の罠だけではなく、そう勘違いさせるために出現していたということか・・・
このトラップ、どこまでも意地が悪く、知恵の試されるものであったのですな。

熱球の直上の髄幹反応に向けて銃を構える林くん。
その体をライツに支えてもらっているが、震えてしまって狙いが定まらない。
と、そこに起き上がって来たケイランが寄って来て銃と腕を支えてくれる。
おぉ・・・これぞH小隊3人が見せた完全な協力体勢!!
絶体絶命の危機にあって、この体勢を生み出すことができるとは・・・

対甲徹甲弾3発・・・あくまで支援用・・・
でも、これだけの熱を作り出している以上・・・その力の大部分を発熱に利用して防御力はさほど高くないはず。
もう僕らには、これしかない!!

まさにラストシューティング。活動限界も残り5秒ですしこれにかける他ありませんわな。

強い反動のある対甲徹甲弾を支えてもらいながら打ち込む林くん。
1射目は効果があったように見えない。しかし続けての2射目。
直撃した際にパキッとひび割れる音がする。
光が部分的に消えて深柱の外甲が露出。しかも銃撃の威力で亀裂が入っている。爆震に成功したのだ!!

光の壁が部分的に消えたことで通信も回復する。
また内側だけでなく自衛隊のいる外側からも亀裂が入ったのが観測されている。割と薄い形状なのかもしれませんな。

光の壁を生み出している深柱。空高くにいるその存在の目が開く。マントル熱線か!?
いや、撃てるのであればもっと早くに撃ってきたはずである。
それにどのみち今のH小隊に逃げる力は残っていない。今できるのは、最後のこの1発にかけるのみ!!

開いた目に狙いを定め、最後の1射を行うH小隊。
狙いは過たず打ち込まれた対甲徹甲弾によって大きな亀裂が発生する。やったか!!
いや・・・残念ながら力が足りていない。3発では髄幹を破壊するには至らなかったようだ。
亀裂の広がりは止まり、光の壁がまた元に戻っていく。
そして迎える活動限界。万策は尽き果てた。もはやこれまでと崩れ落ちるH小隊。しかし――

効いた!よし!光で覆われてない部分を狙え!!

声が聞こえる。破壊の音が聞こえる。
元に戻ろうとしていた光の壁。その動きが止まり、逆に深柱の亀裂が大きくなっていっている。

まさか。自衛隊!!

そう。自衛隊。中からの攻撃は有限の火力しかなかったが、外の自衛隊には大きな攻撃力がある!!
どうやら光の壁を生み出していた深柱はドームのようにお椀を伏せたような状態で広がっていた様子。
やはりその外甲自体は薄く、光の壁さえなければ自衛隊の現有装備でも十分破壊できるものである。

突入した戦車隊。崩壊する光の壁を生み出していた深柱。
髄幹が破壊されたかどうかは分からないが、この状態ではすぐに光の壁を再形成することなどできますまい。

自衛隊の戦車に乗って本田のおやっさんも駆けつけてくれている。
うむ。よかった。どうやら助かったみたいですな、H小隊・・・!!

H小隊は全員帰還。I小隊は現在撤退中。
その報告を撤退しながら受けるG小隊のコマンダー、ゲトレー少佐。
しかし他の2人は他の小隊について何も教えずにいる様子。おやおや。
少佐を信頼しているシェリカはさておき、玲央さんや林くんのことを気にかけているハルトとしては不満が溜まる一方の状態ですな。

もうすぐ敵領土内を出ようとしているG小隊。
しかし先程の壁のような深柱が追いかけてきている。
得体が知れぬということもあり、撤退を優先させるゲトレー。
だがハルトはこう考える。威力偵察っていうのだから攻撃しなきゃ意味ないんじゃないのか?と。

オレは・・・逃げ回るためにここに来たんじゃない!!
オレは・・・兵真兄のぶんまで戦うために来たんだ!!

いらだつハルトが命令に背き攻撃を仕掛ける。
ふーむ。まあこれは仕方がない部分もありますな。
H小隊とは違い信頼感も生まれていない中で情報も与えずに放置する少佐。不満が爆発してもおかしくはない。
だがしかし、さすがにこれは少佐の思惑通りの部分があるんじゃないかと思わさせられる。
ハルトを苛立たせ、攻撃的にさせることによってその資質を見極めようとしているとか。
そういう話だったらいいのですけど、はてさてどうなるか。

H小隊は今回の闘いで深い絆が手に入ったように思われます。
林くんが決めるかと思いきや、3人で協力してのラストシューティング。痺れます。
そして自衛隊の活躍もまた素晴らしい。地災研と自衛隊の連携も上手く取れているようで素晴らしい状況ですわなぁ・・・

I小隊やG小隊がH小隊のように絆を深める可能性は今後あるのだろうか?
今のところ確執ばかりな感じでありますが・・・
まずはハルトがその資質を見せつけてシェリカに認められるような状況になるのが一番か。なって欲しいところでありますな。



第53話「指揮官と少年」  (2013年 38号)


撤退の命令を無視して単身でモノリスのような板壁深柱に挑みかかるハルト。
逃げ回るために来たんじゃない!!と勇ましいが、相手の能力は未知数。怖い存在である。

ツルギを生成し、貫こうとするがいきなり無数のブロックに分割する板壁深柱
なんだろうか。この無数のブロックがそれぞれ攻撃を仕掛けてくるのだろうか?
下手するとそれぞれからマントル熱線を放ってくるなんて可能性も有り得る。
なので少佐、シェリカに全方位防御体制を取るよう指示を出す。

カシオペアディフェンサー!拠点防御・・・

どうやらカシオペアディフェンサーにも拠点防御形態があるらしい。
が、今回はそれをお披露目する必要はなかった様子。

こんなの・・・全部うちぬけばいいんだ!!

そう言いながらツルギを細かな外甲片とし、一気に打ち出すハルト。
ショットガンのように射出されたそれはブロックを次々に破壊。
どうやらブロックの1つに髄幹があったらしく、深柱の反応が消える。深柱塔解だ。

うーむ、まさか倒してしまうとは・・・!!単身特攻で危険になるという流れかと思いきや、いやはや驚き。
爆震もなしで直接外甲を貫く融合者の力に侮れないものを感じるシェリカ。
しかしゲトレー少佐はというと移動型を倒した功労者であるハルトの顔面をいきなり殴りつける。オウフ。

深柱を倒したのになんで殴られなきゃいけないのかと憤るハルト。まあ当然ですわな。
少佐としてみれば上官の命令に違反している以上、戦果を挙げたとしても罰しないといけないということなのでしょうが・・・
でもハルトの暴走を招いたのは少佐の態度が不信を生み出したからであり原因は自身にあるのではないのかと・・・
わざと暴走させたのかとも思ったが反応を見る限りそういうわけでもなさそうですからなぁ。うーむ。

憤るハルトを止めるシェリカ。
今は敵の領土内である。これまで熱線を食い止めるための盾として体を焼きながら頑張って来たシェリカ。
その姿を見てしまうとここでゴタゴタを起こすのはと思わさせられてしまう。
だけど、せめて少しくらいは説明してほしいと願うハルト。
知らない者同士で組まされるチーム分け。そこからの消極的な威力偵察。疑問はつきない。しかし――

坊主。質問があるなら要点をまとめて意見書という形で提出しろ

てな感じでにべもない。
こりゃあハルトにくそジジぃ呼ばわりされても仕方がありませんわな。

さてG小隊は無事に安全圏に離脱成功。I小隊も帰還している。
H小隊は治療中だが生命の危険はないとのこと。よかったよかった。
そして例の熱球は深柱ドーム塔解後10分ほどかけて燃焼。完全に消失したとのこと。
その場所にあった柱型の反応も消えているしやはりこの熱球は柱型が変形したものと予想される。
つまり今回の作戦で柱型1体を除去。特殊型2体を撃破し全員が生還したということになるわけだ。おお!これは大きな前進だ!

大きな前進に沸き立つ地災研。一芽ちゃんも喜んでおられます。それはいいがやけに幼くなってないか一芽ちゃん。
というのはさておき、ヒミコさんはこの結果に喜びきれてはいない様子。前進。本当に?

偵察中心の作戦とはいえ彼らは本気で戦ったはず・・・
それなのに倒せた『柱』はわずか1本。あくまで我々の目的は敵陣中央部サンファイン60への道。
そのためには特殊型、つまり敵の迎撃部隊を倒してもあまり意味がない。
領土内を守る柱を倒し、マントル熱線の及ぶ範囲を減らさないと・・・
今回の柱型除去で侵略可能になったエリア・・・たったのこれだけ。

確かに円のほんの少しが欠けただけの状態でありますな。
この1歩が重要だというのも分かるがその1歩を成し遂げたH小隊は一歩間違えば全滅していた。
全戦力を投入し、敵陣に与えたダメージはわずか0.1%
中央部に辿り着くために全ての柱を倒す必要は無いといってもさすがにこれは・・・

危機感を抱いたヒミコさんは三輪先生を連れてどこかへと出向く。さてはて何を企むのか・・・

帰還したハルトは急いで林くんのもとへ向かう。
生命の危機はなかったとはいえさすがに衰弱した様子の林くん。メガネまで外してしまっている。やつれたな・・・

弱っている林くんを見て、やはりこんなチームはやだよと語るハルト。
自分がいれば林くんを守るために動くことができたのにとか考えていそうですな。まあ気持ちはわかる。

こんな変な作戦のせいで林さんが危険な目にあったんだ。あのクソオヤジが決めた作戦のせいで・・・!!

憤るハルト。でもくそジジぃからクソオヤジにランクダウンしているのは多少の配慮によるものなのか。
その辺りはさておき、林くんはハルトの発言を否定する。
自分がこうなったのはコマンダーとして未熟なせいであり、ゲトレー少佐のチーム編成は何も関係ないとのこと。
結果だけ見れば深柱を3体も倒したわけで一応成功と見ることはできるわけですしねぇ。

とはいえチーム分けに関しては林くんも疑問を感じる部分はある様子。
でもあの少佐が考えた編成である以上、きっと大きな意味があるはずだとも述べている。
ふーむ、さすがに玲央さんが師事しているだけありひとかどの人物という評価は得られているというわけなのか。
今の所読者からはクソジジィとしか思われてなさそうなんですがねぇ。

そのクソジジィ。もといクソオヤジ。もといゲトレー少佐。
療養中のケイランとライツを除いたスレイヤー6の面々で集まって会話。話題は融合者であるハルトについて。

ギャンギャン吠える・・・まるで子犬だ。だが・・・特別な牙を持っている・・・

その牙を鍛え、極上の猟犬とすると宣言する少佐。
うーむ、何だか悪そうな表情だ。うっかりゲストレー少佐とか書きそうになってしまいそうになる。
まあ、個人の思惑というわけではなく、最終的に深柱を倒すためという考えには基づいているのでしょうが・・・
結局ハルトの意に沿わない鍛え方をしようとしているのはなぁ・・・よろしくない。

しかしマーベルのように少佐に心酔している様子の人もいる。
これはやはりマーベルも似たような鍛え方をされたのであろうか?ならばハルトも心酔することになる可能性があったりする?
今後の行動に期待でありますな。クソとなるかゲスとなるか。楽しみです。

さて、ヒミコさんが向かった先。それはミス・ピラー。ユミちゃんが眠る場所。
敵の情報を少しでも引き出すために危険を承知で動くヒミコさん。
さてはて今回は多少なりとでも情報を得ることができるのだろうか。
それとも何か大きな動きを起こしてしまうのだろうか。ユミちゃんを逃がしてしまうとか・・・気になりますなぁ。

気になるといえばカナちゃんである。
ユミちゃんが再登場となったのにカナちゃんは出れそうな感じが全くしない。これはどうすればいいのか。
これはあれか。少佐がハルトを育てるエサとするためにカナちゃんを利用するとかそういう展開か?
もしそれをやるようなら本当にゲスな少佐ということになってしまうがはてさて。
いやでも、カナちゃんの出番を得るためにはやむを得ない犠牲であるのかもしれない。済まないな少佐!!



第54話「鳥籠の中で」  (2013年 39号)


全戦力を投入しての威力偵察の結果に焦りを見せるヒミコさん。
接触するはミス・ピラーことユミちゃん。果たして今回の接触は吉と出るか凶と出るか。

玲央さんが切除した新宿の深柱髄幹を再び接合。
神経回路のような管が伸び、ユミちゃんの脳に直結。植物状態から回復して意識を取り戻したとのこと。
しかしその記憶の大部分は失われており、情報を得られるかはわからない。
現在は完全隔離したモニタールームで深柱や池袋領土内の画像を見せて反応を観察している段階であるそうな。

とはいえ今の所目立った収穫はない。深柱を見せても怯えるような反応を見せるだけである。
そんなユミちゃんにもう5時間以上昨日の威力偵察で得た画像を見せているヒミコさん。どういう考えなのだろうか・・・

ヒミコさんはここでとっておきの画像を見せる。
やはりユミちゃんに効果がありそうなのはハルトの画像か。
怯えたような反応しか見せなかったユミちゃんが涙を流している。

あ・・・あ、ああ・・・つき。うそつき。ああ、あ!うそつき!!
ハルトくんに会わせてくれるって言ったのに・・・うそつき!!

感情を激しく揺さぶられた様子のユミちゃん。これはいけませんな。また暴走する可能性があるかもしれない。
なのでヒミコさんは穏やかに状況を説明する。ハルトは今会うことができないのだ、と。

ハルトくんはね、あなたと同じ。柱に体を食われたのよ

そういって深柱の力を使って戦うハルトの映像を見せる。
ユミちゃんと同じように柱と一体化してしまったハルト。しかし今はその力を使って東京の町を守るために柱と戦っている。

彼は柱の力を人間を守るため使うと決めた。今もボロボロになりながらも戦ってくれてるわ。
力になりたいと思わない?思うでしょう!!

なかなか良い説得の仕方をしますね。つけこんでいるとも言えるけど。
事実、どうやらユミちゃんは前からハルトに特別な想いを抱いていた様子ですし。ほほう・・・
カナちゃんの手前もあるし秘めた恋というやつだったんですかね?うーむ。気になる関係だなぁ。しかしそうなるとシンタは・・・

まあ、シンタのことはさておき、ユミちゃんはハルトくんの力になりたい、何かしたいと口にする。
そんなユミちゃんにヒミコさん。会わせてあげてもいいわよと言い出す。ほう!?

でもいきなり会いに行くことはやっぱりムリ。ユミちゃんにはリハビリが必要なの。
そうね。まずは一緒にお外に行きましょうか

まあ確かにいきなりこの姿で再開しちゃうのもなぁ。ハルトの方の心の準備が出来ていないでしょうさ。
少なくとも下半身はどうにかしないといけない。これじゃ散歩も出来ない。
深柱の力を使いこなせば失われた部位の補完も出来るのかもしれないが・・・リハビリでそこまでいけるのかな?

三輪先生は危険であると反対するがヒミコさんは押し通す。

もう遅いわ。彼女・・・期待しちゃってるもの・・・もし裏切ったらまた暴れてしまうわ。

久しぶりに悪そうな顔で語るヒミコさん。しかし期待しているユミちゃんは朴訥な感じで可愛いですなぁ。

ヒミコさんの悪そうな顔が出たが、前のようなマッドな感じは薄れている。
今回のような危険な賭けに出たのも全ては深柱を攻略するためである。
このままのやり方では勝てない――その想いが強くなっている。
うーむ。やはり守護神である兵真くんを失っての撤退戦は色々と心に影響を及ぼしたのですかねぇ。

全ての隔壁を解放し、ユミちゃんを外に出す手筈を整える。ふむ。
ところで新宿のヘビ型深柱さんの意志は今どうなっているのだろうか。
今はユミちゃんの意識が表に出ているが、何かあれば意識を乗っ取り暴走したりするのだろうか?さてはて・・・

さて、所変わってサンファイン60。
先の威力偵察で光壁の戦士と異盾の戦士、そして塔の兵を1体倒された深柱側。そいつらそんな異名がついてるのか。
そこそこの痛手ではないかなと思ったが戦士ならば造ればよいとの銀眼王のお言葉。

こうして銀眼王の魂を分け与えてな。おい。起きろ。

銀眼王の右肩に昆虫のサナギのようなものが生えている。
それがゴボッと音を立てて飛び出してくる。余りの勢いに生み出している銀眼王も怯む。か・・・加減せよ。

どうやら戦士は銀眼王によって生み出される存在であるらしい
これが銀眼王にしか成し得ないことだそうな。ふーむ、これが王と呼ばれる所以でありますか。

王の体に負担がかかるとはいえ、戦士は新たに生み出すことができる。
しかし御珠と一体化した塔の兵は再生することができない。
なるほどねぇ。深柱側としてはむしろ戦士よりも兵である柱の方を倒されたのが痛いという話か。

今回の威力偵察で柱の一体が倒されたことで人間への警戒心を強めた様子。
念のため戦士を増やして領土内の戦力を強化した方がいいと考えている。
が、そこで理性を失い暴れているアーカスが登場。何だ!?昂り過ぎて抑えが効かないのか!?下がれ!銀眼王の御前である!!

銀眼王に寄り添い、アーカスへ警告の声を上げるビゼリア。
流石に暴走気味のアーカスとはいえ銀眼王に害を加えるようなことはあるまい。
と思いきや、生み出されたばかりの戦士に狙いを定めるアーカス。
もはや誰が敵であるかの区別もついていないみたいですな。戦士ならば戦うという意識に囚われてしまっている。

拳を振り上げ、生まれたばかりの戦士を打ち砕こうとするアーカス。
しかしそこに割り込んで拳を止める者が現れた。
アーカスと互角の力を持ち、仮面を被ったドレッドヘアーの男。その全身はマッスルコートのようなものに包まれてって・・・おぃ!?

やめろフェルゼル。もうよい。アーカスも引け。

突如現れた謎の戦士、フェルゼル。
銀眼王もなかなかの出来と褒めるこの戦士。い・・・一体何者なんだ・・・!!

まあどう見ても兵真くんにしか見えないわけですが、本当にそうなのだろうか。
だとしても色々なパターンが考えられますな。
単に外見を似せただけで中身は柱。または兵真くんの魂を銀眼王が吸収しており、柱の体を得て洗脳されながらの復活。
別の見方をするなら、新たに生み出された戦士の外部ユニットという説も有り得る。
よく見るとフェルゼルが出てきた時も産みたての戦士は鳴き声を上げておりますからなぁ。可能性はある。
いずれにせよこの姿を目撃したハルトたちは冷静ではいられなくなるでしょうなぁ・・・うーむ。

しかし兵真くんが銀眼王に高く評価されているのは嬉しくもある。
あの戦士と認めようという言葉はまさにこの展開を予言していたと言えますわな。
それにしても兵真くんはどのような異名を得るのだろうか?名前がついていると異名はなし?
ソーセージの戦士とかそんな呼び名は有りだろうか?
む、ソーセージ・・・双生児・・・まさか生まれたての戦士との双子戦士という可能性が!?いやさすがにそれは・・・

しかしこの仮面でドレッドだとプレデターみたいに見えますな。
こりゃあ死ぬ間際に自爆したりとかしてきそう。ていうかしてるじゃん!!やっぱりプレデターだ!!



第55話「でも、わかった」  (2013年 40号)


ユミちゃんに会うという用件を済ませて戻って来たヒミコさん。
ん?散歩はどうしたんですか?まさか今ここに来ていたりする・・・?

その辺りはまだ不明だが、今回はゲトレー少佐のチーム分けについての説明がされることとなります。
謎だったチーム編成の狙い。その意図とはどのようなものであったのか・・・

ハルトくんとあなたが一緒なのはわかるわ。融合者の能力をその目で確かめたかったんでしょう?
でもそれ以外。特にI小隊・・・玲央ちゃんがシールドマン。どう考えてもおかしいわ。
ハルトくんは盾もできるんだから私だったらシェリカと玲央ちゃんを替えるわ。それをしないのは何故?

確かに玲央さんもハルトを守るのであれば・・・とか考えてましたな。
いや、ハルトと組むなら玲央さんはストライカー側になるという話か。
ヒミコさんの質問にどうやらきちんと答えてくれる様子のゲトレー少佐。

今回のチーム編成は能力特化型の小隊造りを目的としている

そう前置きをし、順番に小隊ごとの特化部門について説明してくれる少佐。
まずH小隊。ここは防御と外甲破壊に優れる小隊である

説明開始と共にH小隊の現在がクローズアップされる。
光壁の戦士たちと闘い、傷つき倒れていた林くん。ハルトにお見舞いされているが大分元気になったみたいですね。
マッスルコートのおかげで火傷もそれほどひどくはなかったし、次の作戦参加に支障はなさそうである。
とはいえ人手が不足している今、無茶はできないですしね。検査はしっかり受けないといけない。
そうハルトに告げ、三輪先生の所に向かう林くん。扉を開いた向こうに見えた光景は・・・

あ。いやん

ケ、ケイランが半裸・・・いや、パンイチ姿で立っていました。
いやそのなんというか・・・逞しい御姿でありますね。ハハハ・・・男の体やー!!!
頭を撫でられている様子の三輪先生の嫌そうなこと!!こりゃ目撃した林くんのメガネも思わずひび割れる。ピシ。

女性用の装備を着てるわりには・・・体格がいいとは思ってたけど・・・

失礼しました!!と脱兎のごとく逃げ出す林くん。何でちょっと赤面してるんだ?
というか、簡単に逃がしてくれるケイラン姐さんじゃあございませんぜ。
後ろから見事な胴タックルを決めてきてくれます。

ケイラン「生命の恩人にお礼を言わなきゃ。ありがとうミスターハヤシ。あなたは素敵なコマンダーよ。そうよねライツ!!」
ライツ「うん。ライツたちの隊長、ハヤシさんで決まり」
ケイラン「というわけでよろしく。シンノスケ隊長!」

ハートを振りまきながら林くんに抱き付くケイラン。
うむ。あの死闘をくぐり抜けたのだし絆は生まれるだろうなぁとは思っていたよ。確かに。
でもなんというか絆以上のものが生まれてしまっているというかなんというか・・・
これも少佐の狙い通りということなのか・・・!?

とりあえずチーム分けに納得していないハルトは2人の間に割って入る。
林さんはブレイカー1だ。渡さないぞ!!と宣言。この言葉にうれし涙を浮かべる林くん。よかったね。

ぼうや・・・ナマイキだけどカワイイわ。2人まとめて食べちゃおうかしら・・・

な、なんて威圧感だ・・・マッスルコート着てない方がはるかに強そうに見える!!いろんな意味で。

林さん。ごめんね!!

銀眼王を前にし、林くんに逃げてくれと口にしたハルトですら率先して逃げ出すケイランの圧力。半端じゃないぜ!!
うん、まあ・・・死ぬことはないしね。このハルトの判断を責めることは誰にもできはしまいて・・・
というかハルト、事前にそんなかんじはしてたんだ・・・いいカンしてる。

てな感じで絆が深まりつつドタバタしているH小隊。
彼らは柱型除去に特化した小隊であるという。
ライツは2枚の盾で熱線包囲の激しいエリアへも進入できる。
ケイランは外甲破壊精度が高く"柱型"を倒す力は部隊随一。さすがシェルブレイクマイスター。
林くんは密集した日本の市街地での深柱処理に慣れているからとのこと。なるほどねぇ。
もし格闘能力に秀でた敵に会ったらケイランもシールドを持ち退去に徹すればいいとのこと。フォーメーションイージスですな。

説明を聞くとさすがに納得しやすくなりますな。
最初からそういう説明をしておいてくれればハルトたちも苛立たずに済んだでしょうに・・・

さて、ケイランから逃げ出したハルトの前に現れる玲央さん。
ちょっと付き合えといい、建物の屋上へと連れて行く。

お前・・・西崎カナとは連絡とってるのか?

そう尋ねる玲央さん。しかし作戦エリア内は機密保持のためにケータイは取り上げられている連絡の取りようは・・・
と口にしたハルトの胸に叩き付けられる紙の束。
どうやらこれは全てカナちゃんから送られてきたメールの内容をテキストに起こしたものであるらしい。ほう・・・
結構な量だがこれでもまだ検閲の済んだ最初の2週間分であるとのこと。な、なんと・・・
これはチェックしている事務官も大変ですなぁ・・・って一芽ちゃん楽しんでいるじゃないか!!やーん

機密保持のためケータイはダメだがちゃんと申請すればメールも電話もできるとのこと。
しかしどうもハルト自身にそのつもりが無い様子。
うーむ当然のことながら兵真くんの死を引きずっているみたいですな。
兵真兄の分まで戦うと決めた。兵真兄のことを思えばカナに会えないことくらいどうってことないよ!!とのこと。
うーむ危うい感じですなぁ。玲央さんも何だか壊れてしまうんじゃないかと危ぶんでいる。

それでもいいよ!
壊れたっていい。兵真兄は爆弾でふっとんだ。シンタは頭を、ユミは体を焼かれて死んだ。
みんなはもっと苦しかったんだ!オレはみんなの・・・仇を討てるなら。
みんなの仇を討てるなら壊れたっていい!!

涙を流し叫ぶハルト。しかしそんな決意を静に否定する者がいる。

だめだよ、そんなの

そう言いながら現れたのは・・・カナちゃん!!
なんと、まさか本人が直接現れるとは思いませんでした。さすがに居ても立っても居られなくなりましたか。

会えるなら会えるときにそうしておくべきだ。
伝えたいことがあるなら伝えられるときに言うべきだ。
それとも会ってしまったらお前の決意は揺らぐのか?
それならいいぞ。一緒に行け。あたしは責めない。林くんも・・・兵真だってそう言うさ。

ハルトとしてみれば戦う決意を鈍らせないためにカナちゃんと距離を置いていたということなんでしょうかね。
池袋以外にいればカナちゃんはとりあえず安心である。そう考えての行動だ。
だけど待たされるだけの身となったカナちゃんとしては不安で不安でしょうがなかったでしょうなぁ。
なんにも言わないのが一番困るの!というのはよく分かる発言だ。

ハルト・・・お前は兵真の分まで戦うと言った。でもそれだけじゃないはずだ。
よく考えろハルト。お前はなんのために戦う。

そう、ハルトが最初に練馬で戦いを決意した時のこと。それを思い出すべきである。
兵真兄の分まで戦う。その想いと同じくらい守りたいものがあったはずである。

そうだ。守りたいものがあるということは、そこに帰りたい場所があるということだ

そのことに気付いたハルトはカナちゃんに黙っていたことを謝罪する。だが――

でもオレやらなきゃいけないんだ。だから・・・勝手なこと言うけど・・・必ず戻るから。待っててくれ

男らしい決意を込めた表情で述べるハルト。
カナちゃんとしてはもちろんハルトには戦ってほしくはない。危険な目には遭わせたくない。
しかしようやく聞くことができたハルトの気持ち。それを尊重したい気持ちもある。だからぐっと堪える。

私ハルトには戦ってほしくない。本当はいやだ・・・いやだけど。わかった

なんとも寂しいねぇ。若い男女が戦いで引き裂かれる光景というのはやはり寂しいよ。
男は待ってくれる人がいるから強く戦える。しかし待たされる女は強く耐えなければいけない。うーむ、辛い状況だ。
まあ、待つだけではなく玲央さんのように自ら戦いに乗り出す女性もおられますがね。

その玲央さんを含むI小隊は攻撃力と機動力に特化したチームである
移動型深柱・・・とりわけ最強クラスの人間型との戦いを想定しているとのこと。
なるほど。玲央さんのシールドは最低限熱線を防ぐくらいの想定であるわけか。
実質ストライカー2枚組。実際にアーカス相手に戦ったようなスタイルが理想というわけですかな。

いやそうじゃない。玲央にシールドマンを命じたのは、あいつに攻防一体の万能型ユニットになってもらいたいからだ。

ふむ?確かに万能型になれば単独行動とかも容易になりそうな気はしますが・・・
柱の除去は求めていないが防御行動だけはこなせるようになっておけということなのだろうか。うーむ。

それはさておき、ゲトレー少佐は気になるものがあるらしく、柱の布陣をヒミコさんに見せる。
映されたのは敵領土の比較的外側。護国寺の周辺である。
確かにこの辺りはやけに柱が密集している気がしますが・・・

オレの分析が正しければ、そこに敵の重要な拠点がある
そこを攻略すれば今後の作戦を有利に運ぶことが出来る!!

ほう。少佐も起死回生の策をちゃんと練っていたのですな。
威力偵察の結果がそれほど上がっていないときはヒミコさんと同様にどうしたものかと思ったが、これは見直した。
チーム分けもなかなか面白い考えに沿っている。
しかしそう聞くと先の威力偵察はバッチリの相手とそれぞれ当たっていたわけでありますな。

さてさて護国寺には一体何があるのか。
なんとなくフェルゼルが出てきそうな気がしないでもないが・・・
ともかく人類側がそろそろ優位に立てるようなものが発見されて欲しいものであります。



第56話「包囲網の境界」  (2013年 41号)


ゲトレー少佐が語る護国寺にある戦局を大きく動かすもの。それは一体何か。

ずばり敵の航空戦力!空中生成型の基地だ!

ビッと火のついたタバコを突き付け宣言する少佐。この勢いに若干引き気味の様子に見えるヒミコさん。
気持ちはわからなくはないが、少佐の言うことは確かにそれだけの勢いをつけるだけの内容である。

今のところ鎧の戦士を除いて敵の迎撃部隊は2体とも空中生成型だ。
その出現を防ぐことができれば柱の除去・・・敵領土の攻略は一気に楽になる!
まず移動力に優れた敵航空戦力を叩くのは戦いの基本だからな。

確かに仰る通りであります。しかし何故そこに空中生成型の基地があると分かったのかね?

それは私がお答えします

そう言いながら作戦本部にやってきたのはイヨちゃん。
なんだか今までにないほどの笑顔を見せている。してやったりといった感じの顔ですな。

イヨちゃんが見せてくれる画面。
これは今回の威力偵察において、突入開始すぐの重力大針の髄幹サーチのデータであるという、
その反応を見ると確かに護国寺からふたつの反応が発生している。
それが二手に分かれてG小隊とH小隊の方向へと飛んでいく。
空中生成型がどうやって生まれるかは分からないが、推測は出来る。
おそらく護国寺で発生した髄幹が飛行して目的地上空に到着。そこで外甲を形成して落ちてくるのではないかとのこと。
ふうむ、その流れなら新宿のヘビ型深柱が空からやってきたのにも頷けますな。

ただ気になるのはこの動き・・・最短距離である直線を通らず外周部に沿って進んでいる・・・
この点に関しては論理的な分析ができてません。引き続き調査します。

何か意味のある動き、なんでしょうなぁ。おそらく。
他の柱と接触するようなことがないように動いている?だとしたらそれは何故?現時点では推測もできませんな。

このイヨちゃんの発表を聞き、我々の解析ではそんなのはまだ・・・と慄く三輪先生。
領土内は999本の柱の反応であふれかえっており、空中発生型の発生は一瞬のことである。
普通ならば見逃して当然。詳細に解析を行っても1か月はかかるであろう。

だけど・・・それはあくまで普通の人の場合・・・
私ならば999ある反応の隙間に生まれた一瞬のノイズを拾い上げることができる。その砂粒のようなノイズを

なるほど。この解析能力。これこそがイヨちゃんの優れた素質であるわけか。
優れた素質ではあるが、玲央さんやマーベルを押さえるだけの威厳と説得力はまだないということか。
ふむ。それならばスーツの下にパジャマだけという妙な出で立ちにもなろうというものでありますわな。わざとか!?

嬉しそうにドヤ顔を決めたりあわわわとしたり、今回のイヨちゃんは忙しいですなぁ。
しかしヒミコさんのさすがねと述べたときの表情がやけに優しげでよいですなぁ。

イヨちゃんは解析時に大量にアイスを食べている。名前がHa-ge-Bozeなのはさておき、大量に食べている。
やはり脳の疲労回復には甘いものが必要ということなのだろうか。
こりゃあ戦いに赴く時も大量にアイスなり背負って行くしかないですな。そして指示も出すと。
分析による(ペロペロ)私の判断は(ペロペロ)・・・撤退!(ゴクン)
うむ、ますます言うことを聞いてくれなくなりそうですな!!

さて、場面は変わり、シェリカが母へ向けて電話をしている場面。
許可さえもらえば指定の場所で連絡を取ることができるのは前回話されていた通り。
どうやらシェリカの母は体を悪くしているらしく、入院中。
シェリカは母親のために稼ぎを入院費に当てている様子。ほう・・・何やらバックボーンが見えてきましたね。

電話から戻って来たところでハルトと玲央さんに遭遇。
その手にある紙袋。ハンバーガーが入っていると思われる紙袋に注目する。何それー!?
ふむ。物資調達の人たちに頼んで買ってきてもらったわけでありますな。
玲央さんお気に入りのベーコンレタスクリームチーズわさび味もちゃんとある。オージャパニーズアレンジ!!

ハルトとしては玲央さんと林くんとで食事をしたかったんでしょうな。
しかしそこにシェリカがついてくる。さらに林くんがいくところにはケイランが、さらにライツがついてくる。
というわけで日米混成の6名で食事であります。
まあ、いきなり戦闘に入るよりはこういう交流が先にあった方が良かったですわな。間違いなく。

ポテトを食べさせてあげようとしたり何くれと林くんの世話を焼くケイラン。
戸惑っている林くんが何やら可愛いことになっておりますな。

意外に・・・その。手が早いのね・・・林くん・・・

ふーんという反応を見せる玲央さん。ほう、割と面白い反応に見えますな。嫉妬心も僅かに見られるか?
しかしケイランがオトコであると聞きまた違った反応を見せる玲央さん。

ケイラン「渡さねぇぞ!」
玲央「いや大丈夫。いらないし」
林「玲央さん誤解です!!」

やたらと赤面しておりますが何か想像しちゃってるんですかね玲央さん。どうなのかね?ん?

この場にいないスレイヤー6の面子についてが話題に上る。
イヨちゃんと少佐は作戦会議。マーベルはいつものアレとのこと。
そのアレというのはどうやら精神集中。体育館で刀を前にして精神を整え・・・そして抜刀!!
やはりマーベルの技法は居合であるか。思ったよりも日本文化に精通してそうだな。

まだだ・・・奴を倒すには・・・もっと・・・オレ自身が・・・刃に・・・

アーカスはマーベルと邂逅して抑えきれないぐらいに荒ぶっていた。
マーベルもまたアーカスのことを考え、その存在を斬るために切磋琢磨を続けている。
うーむ、思った以上にライバル関係が構築されている様子ですな。

剣はオレ。オレは剣。マーベルが述べるこの言葉はゲトレー少佐の教えにある言葉でもある。
剣に生命を吹き込め・・・死を恐れず相手の懐に飛び込む・・・そうしなければ勝てないということだ。

そこまでの覚悟を持たなければ渡り合えない人型の深柱。
人型ならではの素早さと大型深柱の攻撃力と装甲を有している。
普通に考えれば小さくなればパワーダウンするはずなのにむしろ強力になっている。これはどういうことなのか。
林くんの言うように人間の形になることで何か特殊な力を得ているのだろうか
そういえばヘビ型深柱の髄幹は人の顔を象ったことがありましたな。
やはり元は人であるので人型になるのが一番調子がよくなるとかそういう話なのだろうか?
では何故皆人型にならないのか。その辺りはまだまだ考察の余地がありそうである。

計算によればアーカスの戦闘力は新宿型の5体分に相当するとのこと。ほう・・・

ヘビ型深柱はスレイヤー6も戦ったことがあるらしい。
どうやら日本に飛ぶ直前アラスカに現れたヘビ型深柱の対応に向かうこととなったらしい。
ははぁ。それで来日が1か月もずれ込んだわけですか。日本でのんびり観光してたわけじゃなかったんですね!!
まあそれはそれとして、そんな強力な深柱5体分の力を持つ敵とは・・・まさに脅威。しかしここでハルトが口を開く。

倒すよ・・・5体分だろうがなんだろうが・・・倒さなきゃ。
新本部ビルを襲ったあいつはたぶん鎧の人型より強かった。
兵真兄はそんな奴に1人で挑んでいったんだ。それに比べれば・・・玲央姉も、林さんもいる・・・怖くないよ。
オレは深柱を倒す。そして帰ってくる!みんなで生きて帰ろう

ほう。頼もしい発言である。
少し前までのハルトならばもっと危うい発言をしていた可能性がある。己の危険を顧みない行動に出ていた可能性もある。
しかしカナちゃんに会い、約束し、守りたいもの、帰るべき場所を確認した今は違う。
ハルトのその強い言葉にシェリカもまた帰るべき場所を思い浮かべて微笑む。

シェリカ「ねー深柱少年。そのみんなってシェリカたちも入ってんの?」
ハルト「・・・あ・・・一応。入れてやってもいいけど。ヒゲオヤジとキザ野郎はムカつくからイヤだけど・・・仕方ない・・・」

素直な意見でございますな。好ましい。
このやりとりでずいぶんとシェリカとの距離が縮まった感じがある様子。
シェリカが守ってあげるから心配しなくていーよとか言われちゃいます。

ちょっと見直したぞ。深柱少年

ずいぶんと愛くるしい笑顔を見せてくれますねシェリカ。
登場時は唇が厚めな感じだったのだが、今は妙に幼い感じになっている。いやこちらの方が好きですけどね。
愛らしい感じの笑顔を浮かべてハルトに組み付くシェリカ。これはハルトも思わず赤くなる。
そこに割り込んでくる玲央さん。おやおや、ハルトってば随分と羨ましい立ち位置になっておりますなぁ。
向かいの席の林くんは放置されているというのに・・・!!
どうでもいいがライツ黙々とハンバーガー食いすぎ。気付けば凄いゴミの山が!!なんか可愛いからいいけど。

さて、楽しい交流会は終わり、実動部隊全員が一堂に会することとなる。
ゲトレー少佐が青筋立てて作戦概要について吠える。空中生成型深柱の発信源となる場所が特定された!!と。

よって今回の作戦はこれを叩く!!この作戦が成功すれば敵迎撃戦力を大きく減らすことが期待できる!!
場所は護国寺敷地内のこのポイント。激戦が予想される。よって今回はすべての戦力を一点に集中させる!!
小隊編成は前回と同じ。3小隊を敵の反応を見つつ3回に分け投入する!
作戦名は"楔"!3本の楔(ザ・スリーウェッジ)!!

特攻系のI小隊が1番手。全局面対応型のG小隊が2番手となり、柱除去に優れたH小隊は3番手となる。
さてさてこの作戦はどのような結果を見せることとなるのでしょうか。
どのチームの誰が一番活躍するのか。その辺りも見逃せない点であります。
ハルトが活躍し、シェリカとの仲が深まってしまうのか。
林くんが活躍し、ケイランとの仲が深まってしまうのか。これはまあ既定路線か・・・
ゲトレー少佐はヒゲオヤジという評価から前進するのだろうか。楽しみな話でございます。

しかしケイランは何故突然スカーフを巻き始めたのだろうか。
たなびく感じがヒーローっぽくってカッコイイのだが何故ケイランだけが・・・解せぬ。



第57話「突撃!3本の楔」  (2013年 42号)


3つの小隊を一点に集中。空中生成型深柱の発信基地があると予測される護国寺敷地内を目指す。
衛星や望遠カメラではそれらしき施設は確認できなかった。
地下もしくは建物の陰などに設置されている可能性がある。
となれば現地に直接赴いて確認するしかない。施設発見後は現有装備で破壊できるなら攻撃。そうでなければ即時退却とする。

例の3班に分かれて車両に分乗して向かう実行部隊。
すっかり林くんにべったりなケイランが微笑ましいというべきなのかどうなのか。

護国寺の目の前まで来たところで停車。まずは第一の楔であるI小隊が突入を開始する。
ああ、やっぱりイヨちゃんの名字は萩原なんだ。ヒミコさんとは親戚ということでいいのだろうか。

過去2回の突入ではいずれも鎧の人型――アーカスが最初に出てきている。
そのことから最初に突入するのはI小隊となった様子。
しかし残念ながら今回は出てきませんでした。アーカス以外の移動型も出てこない。柱型2体の熱線を受ける形となるI小隊。
アスラを用いながら必死に熱線の防御をする玲央さんでありました。慣れないシールドマンの仕事なのによくやる。

イヨちゃんが支援を要請する中、支援なんかいらないと吠える玲央さん。
さすがにこの状況ではそうも言ってはいられますまい。人型が出ているわけでもないし、意地を張るのはどうかと思う。

人型も出ないし玲央さんのシールドも限界が近い。
というわけで一気にG・H小隊まとめて突入することとなる。
玲央姉の危機に焦りの表情を見せるハルト。そのハルトに自分の役割を忘れないで!と声をかけるシェリカ。

ハルト「わかってるよ!!シェリカ!!
シェリカ「オッケーハルト!

おや、ようやく深柱少年から名前で呼び合う関係に。というか急接近て奴じゃありませんかね!?
こりゃゲトレー少佐も内心驚きでありましょう。若い者はいい・・・

それはさておき、目標地点到達までに叩いておかないといけない柱は2本。
玲央さんが熱線を引き付けているうちにその2本を除去したい。
しかしここで空中生成型の反応が現れる。目標地点の上空で生成が開始されている。予想通りか!!

Bプランに沿って迎撃する。坊主!!

ゲトレーの指示で編成の分割、再編成が開始される。
一時的に編成を2×3に変更。2人1組になって柱に接近する。
少佐とライツ。林くんとケイランは柱除去。ハルトとシェリカは空中生成型を叩く役割となるわけだ。

迫ってくる別部隊に目移りする深柱。
熱線放てる目がひとつしかないのは致命的でありましたな。

林「ケイランさん!」
ケイラン「大丈夫よォ、シンちゃあぁん!!もっとぶっといの相手にしたことあるんだからああぁ!!

凄い形相で何を口走っているんだこの人は。
いや、確かにここの柱は細いし練馬とかに出た深柱よりは細めだから言っていることは合っているのかもしれないが・・・グムー。
というかさりげなく呼び名が深まりまくっているのであるが。ハッスルしすぎでしょケイランさん。

ともかく一気に懐に飛び込むことには成功。
ストライクアーンドブラスト。そしてバイルランス圧入。深柱塔解まで一気に進めてしまう。
細いからなのか、中身が反対側から噴出してしまって妙にグロイ。
というかケイラン、片腕でハンマーを自在に振るうとは・・・さすがはシェルブレイクマイスターと言ったところでしょうか。
あの鍛え上げられた体を見たら納得せざるを得ない。

さて、柱の方は無事に除去完了。あとは空中生成型である。
どのような敵が現れるのか未知数だしできれば生成前に倒したい。だが――

あの状態でマン熱を放てるのか!?

まだ外甲も形成されていないうちからマントル熱線を放ってくる空中生成型。
しかしこちらにもシールドマンはやってきている。展開するカシオペアディフェンサーが熱線を防ぐ。
その間にツルギを生成するハルト。遠くにいようが、投げつけて届く距離であれば関係ない!!

深柱・・・倒す!!カナ・・・お前のところへ戻るんだ!!

見事に深柱の目玉を刺し貫き髄幹を破壊するハルト。
うーむ、なんというか凄い命中精度でありますなぁ。やっぱりそういう訓練もしてたりするのかな?
元は無気力な性格だっただけに投げ槍は得意だってか?HAHAHA。

ともかくとりあえずの脅威は去ったので警戒しつつ護国寺の敷地内へと向かうこととなります。
敷地内に踏み込むが見た感じでは何もない。林くんはこれから調査を開始しようという構え。

シェリカ「メガネ君大丈夫なのォ。頼りないなァ」
ケイラン「ちょっとクソビッチ。私のシンちゃんになんてこと言うの!」
シェリカ「うるさいクソオカマ!

本当に仲いいなお前等。そういえば初登場時も彼氏のことについてからかったりしてましたしなぁ。
あの頃の、いやH小隊が組まれるまでのケイランは諍いに割って入ったりする常識人のような感じだったのに・・・どうしてこうなった。

見た感じでは何もないが、確かに目的の座標上空に空中生成型は出現した。
しかし重力針の反応は全くない。深柱そのものがあるわけではない様子。
警戒しながら調査を進める一行。そこでシェリカが目撃したのは地面から天へと伸びる1本のワイヤーらしきもの
一体これは何だろうか?この伸びた先で空中生成型が出現するという流れなのか?
詳しく調査してみなければなるまい。と思いきや、いきなり髄幹の反応が現れる。

いかんシェリカ。防御!後方、建物の上だ!!

慌てて振り向くシェリカ。その首筋か肩か、具体的な場所はわからないが何かが通り過ぎる。
その結果、勢いよく血を噴き出して倒れるシェリカ。おぉう。
見た感じの傷はそれほど酷くはないが表情が危険そうに思える。これは・・・どうなんだ!?
なんせ少し前に戦う背景やらみんなで帰ろう発言やらでフラグを立てまくっているからなぁ・・・危なすぎる!!

倒れるシェリカ。駆け寄ったハルト以外は防御体制を整える。
そして護国寺の屋根の上に現れたのは人型の深柱――ビゼリア!!

お前たちか。銀眼王の庭を荒らす愚か者どもは。その罪、万死に値する

まさかここでビゼリアが出てくるとは思いませんでした。
空中生成型の出現管理とかしていそうな感じはあったが、まさか自ら防衛に出向いてくるとはなぁ。

銀眼王もそうだったが人型の深柱は力を使うまでは髄幹反応が出ないのが困りものである。
今回の様に不意を打たれると一瞬でやられてしまうこととなる。果たしてシェリカは無事に生還できるのか・・・して欲しいなぁ。
怒りのハルトが新たな力に目覚めるというのなら、それはそれでよいことだと思いますが。

それにしてもあのワイヤーのようなものは一体何なんだろうか。ビゼリアと関係しているのか?
実はワイヤーと繋がっていたりするのだろうか。上空にいたのが屋根に降りてきてワイヤーが傾きシェリカを貫いたとか。
そうなるとビゼリアは地上とワイヤーで繋がっていることとなる。凧・・・?
次回は屋根の端から端を助走して空を舞い、ワイヤー攻撃をしかけるビゼリアの姿が見られる流れとなるのかもしれない!!
でもワイヤー切られたら落下することになるし、さすがにないか。それで撃墜出来たりしたら笑うしかないものな!!



第58話「穿て円環、3本の楔!」  (2013年 43号)


仲間がやられた怒りに駆られ、攻撃態勢に入るハルト。しかしビゼリアは余裕の表情。
ゲトレー少佐もハルトを止めに入るが、遅い。
生成した剣を投げつける。ハルト。ビゼリアは何やら直前でバチバチと放電していたようですが・・・?
ハルトの剣とその放電がぶつかったのか、閃光が少佐たちの視界を遮る。くっ!

しかしハルトはビゼリアの生死を確認するよりも先に倒れたシェリカのもとへと駆け寄る。
血は流れ出ているし目も虚ろなシェリカ。それでも何とか喋るだけの意識は保っている様子。急げば治療も間に合うか・・・?

誰にも死んで欲しくない。もう二度とあんな思いはしたくない。
そのように考えるハルト。シェリカを抱きかかえて本部へ戻ろうとする。
が、他の面々はそれぞれに敵への対処に追われている模様。
全方位防御ということで盾を持つ玲央さん、ケイラン、ライツの3名がシェリカやコマンダーたちを中心に円の構えをとる。

くそ。煙で屋根の上が見えない。全方位に気を配れ!!

重力針スキャンは行っているものの、敵の姿は目視出来ていない。どこから攻撃が来るか分からない状況だ。
うーむ、やはり銀眼王と同様、人間形態の時は重力針も反応しないみたいですな。
ビゼリアならば背中の羽のようなものを出さない限りは反応しないといったところか。

反応ありました!!左35度、玲央さんの正面です!!

林くんの指示を聞き、そちらに防御を集めようと動くケイラン&ライツ。
しかし少佐の指示は全方位防御の維持。拠点防衛形態であった。が――遅い!!

飛来する複数の刃が実行部隊たちを切り裂いていく
見る限り致命傷を負った者はいないようにも見えるが、シールドマン3名が負傷。倒れる結果となってしまった。

愚かな・・・怒りに任せ攻撃し・・・自軍を混乱にさらす・・・なんという思慮の浅さ・・・
とても我々と同じ力を持つとは思えない・・・哀れ・・・

いきなりハルトに対し挑発を行うビゼリア。
その羽にはぶら下がるかのように多数の刃が設置されている。ふーむ、羽に見えますが飛行用のものではないんですな。
というか、なんだか甲殻類っぽいデザインに見える。カニ、いやエビ系か?
それはさておき、ビゼリアの言葉に激しく動揺するハルト。

・・・オレのせい?オレが・・・不用意に攻撃したせいで、敵の位置がわからなくなって・・・やられた?
違う。オレ・・・オレは・・・オレはただ・・・守りたかっただけ・・・

気持ちは非常によく分かる。確かにうかつな攻撃ではあったかもしれないが気持ちは分かりますとも。
しかし結果として今仲間は窮地に陥っている。ここは思考を切り替えて動いてほしいところ。
実のところ、少佐の指示が逐一遅かったのも現状の問題となっているのではと思わないではないですしなぁ。

林くんを庇ったケイランの傷はシェリカと同様に重いらしく、この戦いでは立ち上がれそうになさそう。
他の面々はまだ動けそうな様子であるが・・・このままでは危うい。
林くんの盾を作ってくださいという指示に従い外甲盾を形成するハルト。しかし間に合いそうにない!!

マーベル!!

少佐の指示で動いたわけではないだろうが、ビゼリアの放つ刃に対抗するのはマーベル。
飛来する刃をスカルペルで切り払い、防ぐ。だが――

舞え御剣!!

どうやらビゼリアは意のままに外甲剣を操ることが出来る様子。
複数の御剣が舞い、マーベルに襲い掛かる。しかし、奇襲ならばまだしも目に見えている刃に対抗できないマーベルではない。

斬道捕捉!!五点迎撃(フラッシュ・ファイブ)!!

弧を描き、不規則な動きをする御剣。しかし的が大きく出所も知れている。
マーベルの剣線が打ち漏らすことなく、飛来する御剣を打ち払っていく。ほほう、カッコイイじゃあないですか。
この活躍っぷりを目の前で見せられちゃあ、さすがのハルトも見る目が少し変わっちゃう感じでありますね。
しかし迎撃されたビゼリアはまだまだ余裕の表情である。

クククク。愚かだ・・・
戦力差すら判らぬほどに、それとも判った上で刃向うか。
いずれにせよ、実に愚か!切り裂くだけが私の御剣ではない!!御雷!!
御雷剣(ミカヅチノツルギ)

ハルトの剣を防いだ時のように放電を行うビゼリア。
御雷という表現は確か新宿のヘビ型深柱もしていましたな。この雷は本当に放電したもののようであるが・・・
とにかく、雷を纏った剣がマーベルのもとに降りそそぐ。
これは、さすがに切り払うことはできそうにないか・・・?触れただけで感電してしまいそうだ。
となれば今度こそハルトの盾で防ぎたいところであるが、どうも盾作らずに崩しちゃってるみたいなんですよねぇ。

思った以上に難敵のビゼリア。この状況を打破するのは誰か。
少佐の見せ場となるのか、ハルトが意地を見せるのか、はたまた第三者の介入があるか・・・
とりあえずハルトはシェリカを林くんなりイヨちゃんなりに預けた方がいいと思います。



第59話「黒衣纏いし稲妻の射手」  (2013年 44号)


電気を纏い、エネルギーを帯びた外甲剣。
迎撃するために触れればタダでは済まないのは明白。
しかしそれでも迎撃しなければ仲間共々倒れることとなる。
シールドマンがほとんど倒れている現状、マーベルが防衛をしないことにはどうにもならない!!8本すべては無理でも・・・

6点迎撃(フラッシュシックス)!!

恐れることなく、迎撃を行うマーベル。しかしその結果吹き飛ばされ行動不能となってしまう。
残りの2本はライツが帯電防衛形態で防ごうという構え。
しかし迎撃ではなくシールドで防ぐだけでは剣は遊泳を続けてしまう。厄介な話だ。

駄目だ。ライツさん1人じゃ・・・8本の外甲剣を防ぎきれない!!

ケイランが倒れ防御に隙間が出来てしまっているのが痛い。
というか玲央さんシールドはどうしたのだ・・・?完全に防御放棄の構え!?

まあ、それはともかくとしてもビゼリアのこの戦法はかなり厄介である。
遠くからの攻撃を得意とする人間型。最も相性の悪い相手といえる。

本来僕らは動かない柱に近付いて倒すために結成された部隊・・・
人間型や移動型の登場で戦力強化されたといっても、それはあくまで向こうが接近してくる前提の装備!
この距離では・・・絶対に勝てない!!

遠距離戦ならば林くんの狙撃銃もある。が、正面から相対している状態ではなかなか当たらない。
どうにかして隙を見つけたいところではあるが・・・
それを作ることが出来そうな頼みの綱であるハルトは凄く動揺している。
自分のせいでみんながピンチになったという事実による衝撃は大きいみたいですねぇ。
こういう時こそ誰かが元気づけるような言葉をかけてあげて欲しいものであるのだが・・・

これが・・・人間の戦士か。そこまでのものでは無いな。

再び多数の外甲剣を舞わせるビゼリア。ハルト危ない!!
と思いきや、その剣をシールドで弾くゲトレー少佐。
少佐はハルトに見ていろと声をかけ、そのまま盾を構えた状態で突っ込んでいく。

一度盾で全身を隠し、そこからフィジカルブースト起動しての急加速。相手からは一瞬消えたように見えるはず!!
実際動きを見失い、少佐の抜き打ちの一撃を受けることとなるビゼリア。
少佐の腰から抜き放たれる刃。これこそ対甲一文字(アンチ・ピラー・ストレイト)!!

確かに胴体を捕らえたのだが、その体の中に堅い感触を感じる。
どうやら人間型の髄幹は外甲のようなもので守られている様子。一度破砕しないと貫くことも難しいわけか・・・

貴様。人間の分際で!よくも私を傷付けたなあ!!

激昂のビゼリア。こんなところで冷静さを欠くとはまだまだでありますな。
そこに付け入るように照明弾を叩き付ける少佐。
その隙に接近し、足に仕込んだ外甲剣をビゼリアの顔面へと叩き込む。おーう、えぐいえぐい。
体どころか顔まで傷つけられてしまい、面目丸潰れでありますなぁ。HAHAHA。そしてそこに更なる挑発を加える少佐。

そう怒るな深柱。人間みたいだぞ

いい皮肉でありますなぁ。人間を見下した様子の相手にはこの上なく効きそうな挑発だ。
こうやって冷静さを無くさせ有利な展開に持ち込む。老獪な戦術である。
しかし逆に言うとそういう戦術を取らなければ渡り合えない相手であるともいえる。
シェリカやライツたちもさすがに互角であるとは思っていないようだ。
視界をおぼろげにしながらも立ち上がり、少佐を守ろうとするシェリカ。ふむ。これは死ぬ心配はなさそうですな。
ケイランも同様に立ち上がろうとしている。少佐の頑張りがスレイヤー6に火をつけたという流れでしょうか。
何だかんだで慕われているんですなぁ、ゲトレー少佐。

ハルトはあの人間型を相手に互角に戦えている少佐を少し見直したかのような様子を見せている。
しかし実の所互角と言うわけでもない。なんとか戦える間合いで凌いでいるだけである。

少佐の剣では奴を倒せない。それでも相手に喰らいついているのは、この間合いを捨てたらやられるからです。
ハルトくん。この中で敵に対し有効な遠距離攻撃が出来るのは君だけです

まさに現状を突破する頼りの綱はハルトのみといえる。
林くんからそれを聞かされ、自らのやることを見失っていたことを恥じるハルト。
そうこうしているうちに、ビゼリアは段々と冷静さを取り戻しつつある。少佐の時間稼ぎも長くは持たないか。だが――

何やってんだオレは・・・オレは・・・
オレが、やる!!

意を決したハルトの生成は迷いが無い故か速い。
立派に造り上げた外甲剣。これならばビゼリアが髄幹を外甲で守っていたとしても関係なく貫くことが出来る。
さすがのビゼリアもこれには警戒したような表情を見せている。
それにしてもビゼリアもアゼルという名で呼ぶんですな。
アゼル・・・銀眼王が兄弟と呼ぶような深柱。一体どのような存在であったのだろうか。何となくビゼリアとは相性悪そうな気がする。

少佐は何とかビゼリアに隙を生じさせ、そこをハルトが狙えるようにしたいと考える。
しかし脅威を前にして完全に冷静さを取り戻したビゼリア。
少佐の攻撃は致命傷にはならないと分かっているので、牽制を振るだけとし、全力はハルト――アゼルへと向けようとしている。

ビゼリア「御雷剣(ミカヅチノツルギ)!!
ハルト「深柱髄幹裂断刀(クサナギノツルギ)!!

互いの必殺の剣が交錯する。力と力のぶつかり合いにより激しい爆風が生じる。これは・・・どうなったのか!?
その様子を離れたところから見守るのは仮面の戦士――フェルゼル
まさかここで介入してくることとなるのか・・・!?

フェルゼルの存在はハルトを初めとしたブレイカーズに大きな衝撃を与えることは間違いない。
だが、もしもその身に生前の意思が宿っているのであれば、助けとなってくれる可能性も僅かにあるかもしれない・・・
林くんの窮地にその存在を浮かび上がらせたようなことが今回も起きるかもしれない。
ハルトの危機に、その心の中に現れ、そして時を同じく現実世界でも――てなことになると予想するが・・・はてさてどうなるか。
というか何やらハルトの体に異変が生じると予告がされているみたいですが・・・怖い話ですなぁ。
融合者殺しの設定を思い出せられるような展開は勘弁願いたいところであるが・・・うーむ。怖い怖い。



第60話「こぼれる生命」  (2013年 45号)


ハルトとビゼリア。お互いの必殺剣がぶつかり合い、衝撃波が発生する。
ビゼリアの放った電撃がショートするかのように爆ぜている様子。しかしそんな解説はどうでもいいと玲央さん。
確かに今気にすべきことはハルトの無事と敵の様子でありますわな。

視界が開いた時、まず目に映るのはハルトの剣を受け止めたビゼリアの姿。
確かに剣の太さはハルトの方が上回っている。
しかし1本の剣ではなく、電撃を纏った3本の剣を一点に集中することで受けとめた様子のビゼリア。
なるほど。1本の剣ならば容易く折れるが、3本合わされば受け止めることも可能という話でありますな。
さすがのビゼリアも焦りの表情が見て取れる。

そしてハルトの方はどうなったか。どうやらこちらは無事ではなかった様子。
剣を投げた右手。その中指と薬指の間が裂け・・・腕の一部ごと切り離されている
うーむ、なかなか珍しい切り口なだけに文章では説明し辛いですなぁ。とにかく止血とか面倒そうな切れ方をしている。
これはハルトも悲鳴をあげてうずくまるしかありますまい。

見事な御剣だ。御雷を纏った私の御剣でなければ防げなかっただろう。
だが、ここまでだ。人間に力を奪われた己の不運を呪え

この語り様。ハルトではなくあくまでもアゼルに語り掛けている感じでありますな。
やはり何か因縁でもあったりするのでしょうか。共に銀眼王に近しい立ち位置のようだし、色々とありそうだ。

ともかく、ハルトをむざむざ殺させるわけには行かない。
玲央さんとライツが急ぎ駆けつける。林くんもライフルで援護を行う。
玲央さんのアスラならばビゼリアの剣を迎撃することも不可能ではない。
が、物理攻撃ではない雷撃だけを放たれてはどうにもならない。空中で迎撃される玲央さん。
また、隙をついての少佐の攻撃も見切られ、屋根から叩き落されることとなる。

絶体絶命の状況。強烈な雷撃をシールドで防いだライツだが、その一撃でシールドは破損し、ライツ本人も倒れてしまう。
そんな地災研の面々を見下ろし、こんなことを口走るビゼリア。

見えるか。御雷の羽根が・・・さながら神々が人類を滅ぼすためにつかわせた裁きの天使の翼のようだろう

電撃を放出し、光の羽根を演出してみせるビゼリア。でもこんなの出しても飛べはしないんですよね・・・
いやまあ、威圧するという目的としては十分でありましょうが。
そして傷つきながらも立ち上がろうとするハルトに対してこんなことを言いだす。

アゼル・・・我々と同じ力を持ちながら人間の仲間へと堕ちたお前は、さながら堕天使と言ったところか

天使とか堕天使とか。ビゼリアさんちょっとその方面へ向かうのはどうなんでしょうか。
勝ちが確定しそうなのでずいぶんと余裕な感じに戻っちゃってますなぁ。

しかしハルトはよくその体で立ち上がれているものである。体の一部を失う衝撃はかなり大きなものでしょうに。
まあ、ビゼリアの言葉は色々とハルトにとっては否定したくなるものでありましょうしね。
アゼルではない。自分は最初から人間である。人間を守るために戦う・・・地災研のブレ・・・カ・・・

ブレイカー4!!寺鐘ハルト!!!

諦めることなく、再度剣の生成を行おうとするハルト。その体に雷を纏ったビゼリアの剣が突き刺さる。
吹き飛ぶハルトは、その衝撃の最中に思い起こす。兵真くんと交わしたあの言葉。
戦うのは怖くなのかと尋ねた時に帰ってきたあの言葉。
それを思い出したことで、どうにか倒れそうになる体を踏みしめ、支える。

戦うの怖くないよ。仲間を失うほうが怖いから!!

林くんや玲央さんのことを想い、致命的とも思えるほどの攻撃を受けてもなお立ちふさがるハルト。
その身に二本の剣が突き刺さり、背中まで突き抜けていようとも、それでもその闘志は衰えを見せていない。
この諦めない姿を見せられてしまっては林くんもハルトの勝利を信じ、声をかけるしかない。
奴の――ビゼリアの防御を破るために、力を!もっと一点に力を!!

私の・・・御剣の・・・御雷の力を・・・?

今度は本当に焦りの表情を色濃く見せるビゼリア。
それもそのはず。ハルトの剣の生成は、ビゼリアの剣をも砕き、力へと変えていっている。

力を!!力を!!力を!!!

外甲だけではなく、ビゼリアの雷の力までも上乗せし、大きく力強い剣が形成されようとしている。
これならばビゼリアも防御することはできないか・・・!!
まあ、避けることならできると思うし、そういう選択をしてきた場合、どうやって当てるかが問題となりそうですな。

割と致命的なダメージを受けているように思えるハルト。
まあ、脳に破片が刺さっても生きていたわけですし、融合が多少進めば無事だということなのかもしれませんが・・・
それはそれでまた融合者としてヤバイことになりそうで不安である。
仲間を失わないために戦うハルト。その姿を見れば、ハルトを害そうと考える人はそんなにはいないと思うが・・・
うーむ、不安要素はまだまだ大きいですなぁ。まあ、とりあえず今はハルトの凄い力を見守るとしましょう。



バーサスアース 8巻


第61話「その名は雷光」  (2013年 46号)


力を・・・力を・・・深柱を倒す力を・・・仲間を守る力を!!

重傷を負いながらも皆を守るために力を渇望するハルト。
その想いが新たな扉を開く。ビゼリアの力をも取り込み、生み出されるのは雷を纏った新たな剣!!

玲央姉を。林さんを。シェリカを。みんなを傷つけたな!!

その怒りをぶつけるために剣を操作するハルト。
雷を纏う剣は中空に浮かんでおり、ハルトは触れてはいない。その状態で動かせる様子。
刀身を傾かせ、投擲が来る。そう考え身構えるビゼリア。しかし・・・違う!!

バカな!!

真っ直ぐ投げてきたのではない。真っ直ぐに振り下ろしたのだ!!
刀身が伸びたのか振り下ろした時の衝撃によるものなのか。
護国寺ごとビゼリアの体が裂かれることとなる。この強力な一撃は防ぐことなどできようはずもなし!!
威力を遠くから見ていた本部の一芽ちゃんやヒミコさんも慄いている。

雷光・・・深柱髄幹裂断刀雷光(クサナギノツルギ・ライコウ)

何だか嬉しそうな顔でさっそく名前をつけているヒミコさん。
なるほどなー。こういうノリで装備の名前をつけていらっしゃるのか。嬉しそうで何よりです。
って三輪先生が言うように、ハルトがヤバイ状態なのは変わらないのだし、不謹慎な顔をされていても困りますわいな。

急いで救急班を入れる様に進言する林くん。
ビゼリアの力を取り込んだ際、右胸の外甲剣は完全に消失した様子。
しかし左胸に刺さっていた外甲剣は微妙に消えずに残っている。出血も激しいままだし、このままでは危うい。

だが、まだ戦いは完全に終わってはいなかった。
ビゼリアの髄幹はまだ反応を示している。掠めはしたが直撃はしなかったということでしょうか。
しかしビゼリア曰く「魂の器」が損傷したことで人間の体が保てなくなっている様子。
ふーむ。人間体でいるのは思ったよりも難しいことであるのですかね?
ちなみに「魂の器」を修復できるのは銀眼王だけとのこと。王の立場がどんどん強化されていきますなぁ。よいことだ。

逃げようとするビゼリアに迫るハルト。
弱った体でありながら、静かにその疑問をビゼリアへと叩き付ける。

なんで・・・なんで・・・殺すんだ・・・
なんで深柱は、虫ケラのように殺すんだ!?

静かに問いかけるハルト。それに対し、おまえら人類が虫ケラ以下だからだと答えるビゼリア。
うーむ、ここはもう少し気の利いた返答が欲しい所でありましたな。
自分の冥土の土産に教えておいてやるとかそういう言い回しぐらいして欲しかった!!

苦し紛れに髪の毛を外甲剣に変えて攻撃。
しかし至近距離からのその攻撃を雷光を纏った剣で迎撃するハルト。
この冷静にして瞬足の反応に驚く少佐。坊主・・・人間を超えたか!?

ノ・・・ノート・・・申し訳御座いません。

死を覚悟するビゼリア。
そのビゼリアに剣が叩き込まれようとする。が、そこに割り込んでくる存在があった!!
あの強烈なハルトの一撃をシールドで受けとめる巨大な存在。
まるでヤタノカガミのような巨大な盾を操るドレッドヘアーの巨漢の存在
仮面で顔こそわからないものの、この存在感は誰かを想起させずにはいられない。
至近距離で邂逅することとなったハルト、玲央さん、林くん。一様に同じ存在を思い浮かべたことでありましょう・・・

割り込んできた存在、フェルゼルはビゼリアの髪をひっつかみ、逃亡する。
掴みやすい所ではあったのだろうが、何とも雑な扱いだ。まあ助けられたのだし強く文句も言えまいて。

さてさて、ついにハルトたちに姿を見せてしまったフェルゼル。
当然の如く兵真くんと認識するハルト。
命が危うそうな状態で心がかき乱されることとなったわけだが、一体どうなってしまうのか・・・

ハルトの容態は当然気にかかるが、確保したこの拠点。護国寺の秘密も気にかかる。
空中生成型の発進基地となっているようだが、どのような秘密があるのか。
深柱側は以後この場所を取り戻すために動いたりするのだろうか。気になる所である。

ついでにビゼリアの切断された下半身の行方も気になる所。崩壊する前に確保できれば新たな重力大針になるかも!?
それかユミちゃんの失われた下半身の代わりに・・・いや、さすがにそれはちょっと。それはちょっと。



第62話「皆の剣とキミの盾」  (2013年 47号)


力を使い果たし、倒れる前にハルトが目にした姿。
もちろんそれは兵真くんを思い起こさせる姿でございました。
であるならば、こんな夢を見てしまうのも無理はないってことでございましょう。
仮面をつけるんなら髪まで隠れるタイプにしてくれればよいものを!!

悪夢を見たハルト。叫びと共に目を覚ます。
目を覚ましたその場所は、メディカルセンターのベッドの上。
作戦は終了し、治療のために回収された様子でございます。
ベッドの側には一芽ちゃんと三輪先生の姿がありました。
ちなみにハルトだけではなくシェリカや他のみんなも無事であるとのこと。よかったよかった。

皆の無事を聞き安堵するハルト。
しかしそこで、ようやく自身の体の異変に気付く。
三輪先生は落ち着いて聞きたまえと言っているが、その内容は口にするよりも見た方が早い。
恐る恐る右腕を掛布団から出すハルト。その指はやはり3本であり、痛々しい。
しかし、驚かさせられるのはこれからである。
その右腕で布団をまくり上げる。するとそこには本来あるべきはずの――あって当然のはずの左腕が、つけ根から無くなっていた

一芽ちゃんも思わず目を背ける光景。
驚愕に目を見開くハルトの心境はいかばかりであったろうか・・・

メディカルセンターで治療を受けているハルトたち以外の、動ける余裕のある実行部隊の者たち。
少佐やイヨちゃんといった面々は護国寺にて空中生成型の発生について調査を行っている。
もちろん注目はシェリカが発見したワイヤーのようなもの。
直径わずか2mm。高さ約8m。深柱外甲でできたストロー状の塔であるとのこと。
管自体に攻撃力はなく、天辺から髄幹を生み出し、空中生成型の素となると考えられるそうな。ほほう。

基本的に地中から出突するはずの深柱が何故突然空中に現れたのか。
なるほど、答えは地面から細い管で髄幹を上空へと運んでいたからだったわけですな。なるほどなー。
しかし空を飛べるタイプはさておき、新宿のヘビ型は何でわざわざ空中で生成させたのだろうか。

ともかく詳しい調査はこれから進めていく様子。
管を切断すれば機能を停止させられるのか。まだそれすらも判明していないのが現状ですからねぇ。

この場にはコマンダーの2人以外にライツとマーベルの2人が残っている。
マーベルはそこそこ重症だったような気もするが休んでなくて大丈夫なんですかね?
まあまだアーカスは健在であるし、ストライカー1人は前線に残っていないといけないか。

シェリカやケイラン、シンノスケ隊長を気遣うライツ。林くんもすっかり人気者ですなぁ。

それはさておき72時間前。黒衣の人型ことビゼリアが撤退した直後の回想が入ります。
ハルトは丸3日眠り続けていたことになるのか。まあそれぐらいのダメージだったんでしょうな。

フェルゼルに運ばれビゼリアが撤退したあと気を失うハルト。
体の外甲化は解けており、かなり危険な状態となっている。
そして担架に乗せようと持ち上げたタイミングで根元が崩壊する左腕
先の方はまだ原型を保っているようだが、根元が崩壊しちゃったのではなぁ・・・

三輪先生の推測。それはハルトの中の深柱が母体の生命を守るために左腕を犠牲にしてでも他の部位の回復に努めたのではというもの。
ふーむ、アゼルがどういう考えでハルトの中に巣食っているのか分かりませんが、母体を守る意思はあるってことなのかねぇ。
何にしてもどういう理由があるにせよ、左腕が失われたという事実は重い。
静まり返る病室。だが、そこで真っ先に口を開いたのはハルトであった。

三輪先生・・・それより・・・聞きたいことあるんだけど・・・

自身の欠損よりも気になることがある。
それは最後に出てきた人間型のこと。そりゃあ気になるでしょうさ。うむ、当然である。
が、このタイミングで現れた来訪者を目にし、その質問も途中で止まる。
やってきたのは車椅子に乗ったシェリカとケイラン。玲央さんと林くんに運ばれて登場だ。

シェリカ!!

傷口を治療し、包帯まみれとなっているシェリカ。
その様子を見てベッドから飛び出すハルト。
しかし片腕を失っているためバランスを崩し、床へと倒れ込んでしまう。
3日ぶりに目覚め、片腕損失という精神的打撃を受けているというのにすぐに動き回れるとは・・・三輪先生も驚きますわなぁ。

実行部隊全員が無事であることを改めて確認し、安堵の息をつくハルト。そして述べる。

シェリカ。生きててよかった

おネエさんもとしっかり付け加えるハルトはなかなか如才ない。
どういう扱いをすれば正解なのかちゃんと心得ている様子ですな。やりおる。
しかしそれよりも、シェリカである。
片腕を失った者がそのような言葉をかけてくれている。これは涙が出てきてしまっても仕方がありますまい。
だからハルトは慰めるためにもどうってことないよと言ってみせる。

深柱少年だから

少し前までシェリカが口にしていた言葉。
ハルトはどういう想いでその単語を口にしているのだろうか。
自分は深柱ではない、人間だと常々主張しているし、直前のビゼリア戦でもその発言は見られた。
にも関わらず、シェリカを慰めるためとはいえ、自らそのようなことを言い出すとは・・・なんだか表情にも哀愁を感じてしまう。
うーむ、自身の欠損をそれよりで流してしまったりしてるし、どこか人間離れした感じが漂ってきましたぞ・・・危うい。

何にせよ、この哀愁漂う言葉に慰められるどころか感極まってしまうシェリカ。
盛大に泣きだし、ひとつの決意を固める。

守る。決めた。今度こそ守る。キミの本当の盾になる!

護国寺突入の前日から段々と仲良くなってきていた2人でしたが、ここにきて一気に距離が縮まりそうな感じでありますな。
もちろん今は戦友というか、チームとしての意味合い。
盾として、もうこれ以上傷つけさせないということなのでしょうが・・・若い男女のことだし、この先どうなりますかね。HAHAHA。

兎にも角にもボロボロのハルト。
シェリカも結構な傷を負っている様子だし、戦線復帰には時間がかかりそうである。
というかハルトは両腕ともダメージが酷く、日常生活が困難なように思える。
となれば休養中は誰かがサポートしなければいけないわけだが・・・誰がやるのかなぁ。
何となく兄として頼られたがっている林くんが一番親身になって世話を焼きそうな気がして困る。

さて、激戦を終え、どうにか誰も死者は出さずに済んだ地災研。
しかしこのタイミングで動き出す者の姿があった。
自衛隊の隊員の格好をしながら、恐れることもなく根立する柱の熱線射程内に入り込む一人の男。この男は・・・!!

時は来た!!行こう。スルト!!

フルフェイスではないがメットを被ったこの男。
ようやく本格的に参戦の意を示すこととなるのか・・・!?

前にマントル教団の一員みたいな感じで姿を現して以来の登場となるヘルメット男。
さてさてどのような立ち位置なのでありましょうか。
銀眼王に連なる存在であるのか、それとも別の思想を持っているのか。
色々と気になるが、とにかくまず第一に名前を明らかにしていただきたい!!ヘルメット男という呼び方は面倒で仕方がないんだよ!!



第63話「侵入者、ルイ」  (2013年 48号)


突然"敵領土"に向けて歩を進める謎の自衛隊員。
勿論実際に自衛隊に所属しているわけではない。佐藤一佐も戸惑うばかりである。

時は来た。千本の柱が集まっている今こそ・・・始めよう。神々との戦い(ラグナロク)を

相変わらず北欧神話にかぶれている様子ですな。なんだか安心します。

それはさておき佐藤一佐。命令違反で敵領土に近付こうとする隊員に対し、苦渋の決断を下す。
同じ制服を着た人間を撃たねばならんとは・・・辛い話でしょうな。
脚を狙って動きを止めるというのが妥協案でありますか。しかしその決断は遅く、もう領土に達するのは秒読みとなっております。
この動きは自衛隊のみならずヒミコさんやイヨちゃんたちの元にも届けられる。おぉ、注目の的ですな。

領土内に入った途端に柱から発射されるマントル熱線。
しかしその熱線を防ぐのは・・・同じ深柱。今回もマンホールから登場のスルトだ!!
だが、その姿は前回と少し違っている。
マンホールから出突した。と思いきや、地面とは繋がっておらず浮遊している。通常の柱型とは違う感じとなっている。

スルトを盾として歩みを続ける謎の男。
じりじりと間合いを詰め、その異様な感じに染まった左目を熱線を放つ深柱へと向ける。

僕に従え!!

その目を見、その言葉を受けた深柱。まるで首を垂れるが如く・・・折れる!!ぐにょん。
これには当然驚きの表情を見せる一同。し・・・深柱って折れるものなの?
余りにも謎の現象が発生し、戸惑いの色を隠せない面々に向かい、男は声高に名乗りを上げる。

聞こえるか地災研!!薄汚い盗人萩原一族!!
僕の名は真宮寺ルイ!深柱研究は本来真宮寺のもの!
お前たちに深柱の力は渡せない。領土の中枢。サンファインに辿り着くのはこの僕だ!指をくわえてみてるがいい!!

ようやく、ようやくヘルメット男の名前が明らかとなりました。いやあ初登場から長かったですなぁ。
しかしどうやらこのルイ君、ヒミコさんたち萩原一族と関係がある様子。
ヒミコさんによると、父の萩原大和と共に地災研の設立に関わった男の名が真宮寺誠伍教授であるとのこと。
ふうむ、設立後何かがあって萩原家と真宮寺家が対立するようなことになったのでしょうか?
でもそれをヒミコさんが知らないのはどういうことなのか・・・うーむ、色々と根が深そうですな。

そういえばヒミコさんは支部長代理という立場のはずである。
となると実際の支部長は父の大和氏であるのだろうか?その辺りもまだ謎がありますなぁ、地災研。

さて、折れて大人しくなった深柱。
しかしその異変を解決するべく、近くの深柱が・・・いや、その中から別の深柱が姿を現す。
アーカスの時と同じような現れ方ですな。20mはありそうな巨体をうねらせてルイ君に襲い掛かる深柱。
これに対しても目を見せて動きを止めようとするルイ君であったが、止まらない。

目の力が効かない・・・「戦士」か!!

どうやらルイ君の目は兵士である柱にしか効果が無い様子。
まあそれだけでも十分に凄いことなのだが・・・気になるのはルイ君は「戦士」という分類を知っているという部分なんですな。
銀眼王たちが定義している言葉を知っている。柱側の情報にかなり詳しいということだ。
真宮寺家・・・研究の進み具合は萩原家の比ではないということか・・・?

巨大な深柱の攻撃をかわし、一気に建物の上にまでジャンプするルイ君。
通常の人間ではありえない跳躍力である。しかしその謎はすぐに判明する。
そう、自衛隊の服の下に纏っていたそれは・・・人工筋強化服――マッスルコート!!

うーむ、地災研設立に関わった真宮寺家のものであるし、マッスルコートの独自開発位は出来ていてもおかしくはないということか。
だがそれよりも驚きなのはやはり側に漂うスルトの存在でありましょう。
20m級の深柱に対し、スルトは新たな形態で応戦する。

スルト!解き放て!!柱獣形態(フェンリル)!!

炎の巨人スルトが終末の狼フェンリルに変わった!?
北欧神話のそれっぽい名前なら何でもよいってことなのか!?いやまあそれはいい。
ともかく、獣のように牙をむく形態へと変化するスルト。その牙は容易く相手の外甲を砕き、髄幹を食いちぎる。

髄幹捕食(スパイラルバイト)!!

深柱に対しては熱線を放つよりも遙かに効果的な一撃。
一瞬のうちにspinal――脊髄を破壊する。これが真宮寺家の深柱研究の成果ということでしょうか。

ふ・・・はは・・・弱・・・あはははは!戦士級弱!!弱すぎ!!
もらうぞ柱の王!全ての深柱の力!!

どうやら狙いは銀眼王の持つ王の力である様子。
ふうむ、やはり深柱に対する知識量は地災研とは比べ物にならないようですなぁ。
これは融合したスルトから得た情報なのか、それとも先に情報を得てからスルトと融合したのか。
うーむ、色々と気になる流れになってきましたな。
第三勢力。独立した勢力といえる真宮寺の存在。これが戦局にどう変化を生じさせるのか。
ハルトたちが重傷でしばらく動けない今は大人しく見守っているしかないのかもしれませんな。



第64話「衝動の5戦士」  (2013年 49号)


ハルトに切断され、フェルゼルに回収されることとなったビゼリア。
どうやら無事に命永らえた様子。サンファイン内の水槽に浸かり、銀眼王とお話をしている。
しかしここで銀眼王から問いかけ。自分が何者か考えたことはあるか・・・?と。

私は・・・銀眼王に忠誠を尽くす者・・・銀眼王の手足となり人類を滅ぼす・・・そのために生まれし者・・・

実にビゼリアらしい返答である。だが、銀眼王はその答えにこう返す。
もしその感情が他ならぬこの銀眼王の手によって与えられたものだとしたら?と。

ばかな・・・何を・・・そんなことが真実ならば、このビゼリア・・・歓喜!!
銀眼王を想うこの感情すらも御身自ら・・・なんという贈り物でございましょうか
不肖ビゼリア!!無上の幸せに打ち震えております!!

ガボボっと水槽の中で気泡を零しながら喜ぶビゼリア。
心酔する王からの賜りものですからねぇ。そりゃあ嬉しいさ。普段から抱いているその想いも賜りもの。いくらでも反芻できるわけだ!!
凄く何というかビゼリアさんらしいものの考え方でありますが、まあそれはいい。
それはいいとして何で水槽の中で裸で浮かんでいるのだお前はと。
かろうじて気を利かせたお魚さんがフォローしてくれたからよかったものを・・・!!
切断面の修復具合がイソギンチャクっぽかったから銀眼王に入るように言われたとかそんな流れだったり?

というのはさておき、銀眼王はビゼリアの答えを聞き、完璧だと評する。

衝動は存在を強固にする。戦士としての格を上げる。それこそがお前たちを人に似せて作った理由でもある。
ビゼリアは忠義。アーカスは闘争。フェルゼルお前は・・・

興味深い話を聞かせてもらっているところでありましたが、ここで今までにない新たな声が割り込みを入れる。
むう、せめてフェルゼルの衝動の内容は教えて欲しかったのだが・・・それはそれとして。この新たな姿は・・・!!

ラランには何を。何の衝動を付与したの?

あら可愛い。好奇心に目を輝かせたリボンの少女がそこにいたではありませんか。
その後ろにパーカーのフードを被った状態の少年。髪で目を隠し、気難しそうな表情をしている。
うむ?この子たちも人型の深柱でありますのか?
馴れ馴れしく銀眼王に縋り付いて質問したりしてますが。無礼者ォォォ!!

ラランの質問はなかなか興味深い。
ビゼリアやアーカスが人型で作られた理由はわかった。では銀眼王は何故大嫌いな人間の姿をしているのか。
銀眼王もまた何者かから創造されたものであるのか?気になる所だ。
あとビゼリアの愛称がビゼビゼなのも気になる所だ。なんで水槽に浮かんでいるのかも・・・知りたい知りたい♪

いろいろと知りたがりのララン。
しかし銀眼王はタブレットに映し出されたハルトの新たな力――クサナギノツルギ・雷光の姿に目を奪われている。
なんですか?兄弟であるアゼルの活躍に思う所があるんですか?内心嬉しかったりするんですか?ねえねえ?

銀眼王嫌い!!

知りたいことの答えを知れず癇癪を起すララン。
その叫びが衝撃波を起こしたのか、銀眼王の胸を抉る。心理的な表現ではなく物理的に円形に抉られております。
ついでにビゼリアの入っている水槽にも穴が開き、水が勢いよく噴き出してくる。
おっとこれでは外の連中が流される。と思いきや、その噴き出ようとしたタイミングで一気に凍りつく水槽の水。
どうやらフードの少年――サークェの力である様子。

やりすぎ。お仕置するぞ。

静かにそう語るサークェ。しかしラランの好奇心は今度はサークェへと向かう。どうやったの?教えて教えて?

しり・・・たい・・・な?

言っている最中に両肩から袈裟懸けに斬られるララン。
胴体を三枚におろされたことにより、頭部が落下する。が、それを自身の両腕でキャッチしたりしている。
うーむ、人外の行為でありますな。

サークェが用いたのは氷の刃。水を凍らせて作ったらしきその刃がサークェの御剣の力でありましょうか。
その御剣をさらにラランへと叩き込んで行きます。
ふむ、人類なら即死でありましょうが深柱相手では逆にほとんどお仕置きとしての効果がなかったということですかね。
実際肉体を少々傷つけられたところで痛痒を感じている様子は見えないララン。
しかし刃が魂の器にあたりそうになっている。これは、塔解の危機でありますぞ・・・!!

あ。魂・・・器・・・こわれる・・・こぼれる・・・
でも・・・でも。魂・・・こぼれたらどうなるか。しりたいかも

危機的状態なのに嬉しそうな笑みを浮かべるララン。うーむ危うい。
サークェの方もおもしろそうだで済ませて本当にやりかねない勢いであるし、何してるんだこの新キャラたちは。
そりゃフェルゼルも腕組んで成り行き見守っちゃいますよ。

まあ、この場は一番良識のありそうな人が収めることとしましょう。
いつの間にか水槽から飛び出し、衣服を纏ったビゼリアが2人の間に割り込んでくる。
己の御剣の雷でサークェの御剣の刃を溶かしてラランを救う。ラランは落下する。ドサッ。

全ての戦士は銀眼王のものだ。勝手は許さん!

色々とリアクション過多で銀眼王への忠義が溢れすぎているビゼリアだが、この2人に比べるとやはり大人な態度に思える。
なんとなく苦労性ポジションについてしまった感がありますが、まあ頑張ってください。
それはさておき、銀眼王は何事もなかったかのように衝動の話の続きを行う。

サークェは残虐。ラランは好奇。それぞれの衝動につき動かされ強い力を得る。

そんなそれぞれの衝動を持った5体の戦士たち。
揃ったところでビゼリアが演説を開始します。もう完全に修復は完了したのかな?

この地に人類殲滅のため御珠の陣をしいてひと月!!九つの月を数えれば滅火の塔は完成する!!

一月の間に護国寺――外装の砦のひとつを奪われる結果となった。
しかし砦は他にあるので問題ないと返すビゼリア。倒された塔の兵士も10体に満たず御珠の成長にさほど影響はないとのこと。ふむ。

このまま放置してもいずれ滅火の塔は完成するだろう。
だが!!銀眼王の戦士たちよ!!貴様らはそれでよいか!?猛っているな!?
アーカス。ラランライリ。サークェ。フェルゼル
もうすぐ奴らは外層を越え領土中層へ辿り着くだろう。そこで檻に閉じこめ我ら5柱の手で殲滅する。

来い人間共!!戦闘の監獄へ!!!

銀眼王の戦士たち。脅威の5柱の見開き。これはなかなかカッコイイ。
ラランが扇情的な格好になっていたりアーカスが猛っていたりと見ごたえのある見開きであります。
銀眼王の胸に穴が開いたままで塞がってないのがあれですが・・・まあ、それも愛嬌よ!!
24個ある髄幹はちゃんと1つも傷つかずに済んだんですかね。

ともあれ、銀眼王の戦士たちは待ちの体勢に入った様子。
地災研が護国寺を奪還してから6日が経つが向こうから仕掛けて来る気配はない。
ライツの5.0の視力を以てしても動きが見えないのだから間違いありますまい。

さらにこちらが攻める・・・という選択肢も有りかとは思います

そう具申するイヨちゃん。それはまさに虎口に飛び込む判断となるのだが、ゲトレー少佐はどう考えるのか。
少なくともハルトは6日ほどで戦線復帰できる状態ではありますまい。
シェリカとケイランのキズの具合もどの程度かは分からない。
3人を欠いた状態でさらに攻め込むことを考えるのかどうか。難しいところですなぁ。

しかしヘルメット男ことルイ君はどうなったんでしょうか?
兵士を屈服させ戦士を蹴散らし衝撃の名乗りをあげたのにどの勢力からもスルーされているように思える。
誰も反応を見せてくれないから今日はこのくらいにしておこうとか独り言いいながら帰ったのだろうか。寂しいな。

地災研の次なる一手はどのようなものとなるか。
ここで一月ほど待機という選択をした場合どうなるか。
たぶん待ちきれなくなったラランたちが暴れてビゼリアの心労が増すことになるでありましょう。
地災研の連中はそんなこと知るまいがしばらくは待てば待つほど有利でありますぞ。休養も必要であるし休もう!!うん。
ついでに日常を満喫してチームの絆を強める時間を得たらいいんじゃないですかね。バカンスとまでは言わないからさ。



第65話「それは、いちばん悲しむことだと思うんだ」  (2013年 50号)


左腕を失い、右手も半ば近くから縦に裂かれていたハルト。
しかしこの1週間ほどで驚異的な回復を見せている様子。
なんと、あの右手がしっかり再生してしまうとは・・・これも深柱の力と言うことなんでしょうか。
まあ何はともあれ良かった良かった。左腕の方はさすがに再生しない様子ですが・・・

傷口がかたまって再生の兆しが見受けられない左腕。
その部分はさておき、全体的には回復傾向に見られるハルト。シャワーを浴びられるほどにまでなった様子。
そういえばハルトも部位欠損となった以上、林くんと同じように義手を用意してもらえるのだろうか?
何だかんだで便利な義手ですし、あるのとないのとでは普段の便利さが違いますわな。それに・・・何よりカッコイイものな!!

無邪気に林くんの義手を見せてもらっているハルト。
そういえば今の林くんの義手は機械部分が剥き出しになっているが、普段は皮膚を乗せたりしているんだろうか?
何となくターミネーターの技術みたいですな。外からは判別できない義手とかそれだけでも凄い。
ロケットパンチみたいには飛ばないようだがワイヤーがついていようだしアンカーパンチなら・・・!?

それはさておき、ハルトのこれからについて思い悩む林くん。
ハルトは今の所明るく振る舞っているがショックを受けていないはずはないと思える。
深柱の影響によるものなのか、自身のダメージはあまり気にしないようになっている感じではあるが・・・

僕はハルトくんが戦うのに肯定的だった・・・その結果君は左腕を・・・
いや・・僕が揺らいでどうする!ハルトくんが覚悟を決めた以上、今できることは・・・共に全力で戦うことだけ・・・!!

そのように心を定めた林くん。その背後に、さっそく全力で立ち向かわなければならなさそうな相手が迫っております。

全力で・・・お背中流しちゃう。シンちゃん。護国寺警護の任おつかれさまああ。

不意をつかれまくって別人のような形相を見せる林くん。
狭いシャワールーム。逃げようとしても早々逃げられるものでは無い。絶体絶命だ!!
やたらとテカテカしたお尻を見せつけながら林くんのシャワールームに乗り込むケイラン。
これにはハルトも涙目になって目を逸らすしかないのであった・・・無念!!

相変わらずフリーダムなケイラン。
守ると誓って行動しているはずのハルトが助けを求める声を無視してしまう程の威容を備えております。
まあどう考えても命に別状がある行為ではありませんし・・・いや、心へのダメージは色々あるかもしれませんが。
とりあえず今回はケイランの傷口が開いたことで窮地は脱せられた様子。良かったね林くん。

シャワー室からシェリカの病室に移る3人。
相変わらず包帯はグルグル巻きであるが、シェリカもずいぶんと元気になってきておりますな。復帰も早そうだ。

本部から届いたという動画を見せてもらおうとするハルト。
身を乗り出して接近され、しおらしく赤面した顔を見せるシェリカ。あらあら。気付いた様子のケイランがおネエさんっぽくてよいな。

それはさておき、動画はこの間のルイ君が登場した時のものでありました。
名乗っているのに未だにヘルメット呼ばわりされるルイ君。まあヘルメットの時間が長かったし仕方があるまい。
しかしルイ君の活躍を鑑賞しているハルトとシェリカ、林くんとケイランだが、どちらの組も接触しまくりですな。
せっかくの活躍場面なんだからもう少し真面目に見てあげましょうよ。

さて、そのルイ君はどこに行ってしまったのか。
どうやら深柱の領土内――池袋駅に陣取っているらしい。ほう。
一気に攻め込むかと思ったが大きな反応がなかったのでのんびり行くことにしたのかね?
それでも領土内でティータイムとはさすがの余裕と言えなくはないが・・・後ろの執事みたいなのは誰なんだ・・・!?

単独行動と思われたルイ君に仲間が!?
真宮寺家はそれなりの家柄なので執事くらいはいるということなのか!?
と思わせておいてスルトの人型形態だとかそういう話なのか!?柱獣形態があるなら柱人形態があってもよかろうって話だ。

まあ、それはさておき。
地災研側はハルトたちの回復を待ってから領土攻略を再開する予定。
さすがに戦力を欠いたまま攻め込むような愚はおかしませんでしたか。賢明ですな。
だが、今後攻め込むとなった場合、立ちふさがると予測される気になる相手がいる。
そう新しく現れた仮面の人間型――フェルゼルのことだ。

兵真兄にそっくりの姿をした人間型。
重力針で見るとこの人間型には髄幹が存在しており、はっきり深柱だと言い切ることができる
ハルトのような融合者には髄幹はなく、脊椎を髄幹のようなものとして認識して力を振るっているそうな。ほほう。

髄幹があるということはやはりあれは姿が同じなだけの深柱。
そう結論付けたいところではあるが、もしかしたら生き返って的に利用されているのではないか。そんなことも考えてしまうハルト。
うーむ。ハルトは知る由もないが、死んでいたと思われて融合して生きていたユミちゃんの例もありますしねぇ。
髄幹の件がなければその可能性もなくはないかなと思いましたが・・・

ともかく、ハルトの攻撃から黒衣の人型を守ったことで、林くんはその可能性を切り捨てようとしている。
あの兵真くんが深柱を守るはずがない。そういう考えである。しかしハルトの考えはまた違う。

オレはそうは思わない。どんな攻撃がくるかもわからないのに盾を構えて味方の前に立つあの姿・・・
兵真兄そのものだ。林さんならわかってるはずだ。

やはりハルトの中では兵真くんの存在はかなり大きなものとなっている様子ですな。
いや、実際兵真くんの盾としての行動は勇気に溢れているし、ハルトの言うとおりだとは思いますけどね。
だが、もしハルトの言うとおりあの人間型が兵真くんそのものだったらどうするのか?
とても話が通じる状態じゃないし、十中八九戦闘になるであろう。

戦えるんですか、兵真くんと!?

その林くんの質問に、ハルトはこう答える。

オレは兵真兄が身も心も深柱になって、もう元に戻らなくて。
玲央姉と林さんを傷つけるっていうんなら、それは兵真兄がいちばん悲しむことだと思うんだ。
だから、そうなるくらいならオレが戦う!兵真兄を倒す!!

おぉ・・・きっぱりと言ってのけた!!
確かに兵真くんであればそんなことになるくらいならば自分を倒せと言ってくれること間違いないですもんね。
しかしその結論を自身で出すことができたハルトの覚悟は称賛したい。立派になったものだ・・・うむ。

そんな立派に成長しつつあるハルトに対し、落ち込んだ様子を見せているのが玲央さん。

あたしは・・・これ以上あのコに辛い思いをさせたくない・・・
「逃げてもいい」なんて言っといて・・・あのコが・・・あたしたちを置いて出ていくわけないって知ってるくせに・・・
そのあげく・・・あのコは左腕を・・・そのうえ・・・
だめだそれだけは!!兵真と同じ姿をした敵とハルトを戦わせるわけには・・・あれは、あたしが倒す!!

玲央さんとしては兵真くんのためにというよりもハルトのために自分が倒さねばという想いが強い様子。
うーむ、この辺りの感情は複雑でしょうなぁ。
どちらに対しての想いが強いかという話もあるが、生きているハルトが優先されるのも当然のことではありますし。
下着姿というサービスカットの場面でありますのに考えている内容が深刻なのでサービスになりづらいですな。
そこかしこに見える傷痕が生々しいのも気にかかる。ケイランのシーンはあのノリだったのに・・・!!

兎にも角にも、自分があの人間型をと考える玲央さん。
しかし今のままの玲央ちゃんが人型深柱に勝てるとは思えないわと水を差すヒミコさん。
おや、何やら企んでいそうな雰囲気ですよ?

そう怖い顔しないで。手ぶらで女の子の部屋に来るほど無粋じゃないわ。
ついてらっしゃい。強く――なりたいのなら

玲央さんに更なる強化を施そうとするヒミコさん。
マッスルコートを携えているようだが、それに着替えさせて何かさせようということなのだろうか?
やはりユミちゃんが絡んだ何かなんですかね?
とっておきのアスラも大きな戦果を挙げられていない以上、もっと別の何かで強化をしないといけないわけでしょうが・・・
どのようなこととなるか、楽しみです。



第66話「深淵のASURA」  (2013年 51号)


やけに男前な玲央さんが描かれたセンターカラー!!

仲間を守るため、より強い力を求めてヒミコさんの誘いに乗る玲央さん。
池袋を離れて奥多摩へと向かった様子。その目的はASURAの強化実験
地下3階は対甲装備実験室として広い空間が用意されている。交通の便はさておき、施設としてはやはり凄い所ですなぁ。

ユミちゃんは今も地下13階で眠っているというヒミコさん。
前に散歩がどうこうと行っていたが、出歩いた後また眠ったのだろうか。それとも・・・?

それはさておき、ASURAの話。
現在のASURAは最大出力で180秒・・・つまり3分しか戦えない
その理由は電池などのバッテリー的な問題ではない。

この子は、3分しか言うこと聞いてくれない。それ以上使ってると機嫌が悪くなって暴れるの
だから3分で停止するようにしてあるだけ。

なんだそれは。まるで中に生き物でも入ってるような言い方ではないか。ってまさか・・・

その目で確かめてご覧なさい。これがASURAの動力炉よ。

ASURAの中央部が開く。そこにあるものはASURA・CORE
見えるのは生き物の顔・・・目と鼻と口。いや、皮膚は焼けただれたかのようになっており、歯は剥き出しの状態である。
何と形容すればいいのか・・・とにかく不気味な存在がASURAの中には組み込まれていた様子。
今までこんなの背負って戦っていたというのか・・・!!

それが何なのか・・・今は詳しくは言えない。ただ・・・人工的に作った深柱髄幹のようなもの。と言っておくわ。

人工的に深柱の髄幹を作り出す。そのようなことが可能なのだろうか。
まあそもそも髄幹やら深柱やらがどのように生まれるかなんてわかってないですからなぁ。
ひょっとしたら深柱そのものが最初は人工的に生み出された存在であるかもしれないのですし・・・
真宮寺家と萩原家、スルトの件に関しても謎の部分は多い。
この辺りは段々と明かされていく話となるのだろうか・・・?

それはさておきヒミコさん、動揺する玲央さんに面白いことを言い出す。

玲央ちゃん。マントル熱線、撃ってみたいと思わない?
熱線だけじゃないわ。高熱のバリアーみたいなやつも身に纏ってみたくない?
3分間の起動ではASURA・COREは5%の出力しか発揮できない。
COREの出力が上がっていけば今言ったことの他にも様々なことが可能になる。

そう言いながら壁の奥に安置されていた長大な刀を示すヒミコさん。これはでかい・・・5m以上はあるか!?

十三式三連震動破断刀(ナナツサヤノタチ)
この大剣は50%まで出力を上げれば使える。切断力はカムドノツルギの10倍!!
練馬型深柱を爆震無しで分断。一撃で塔解させられる。

ほほう。こいつはまたとんでもないシロモノでありますな。
これが振れるのであれば人型の深柱であろうが確かに断ち切ることができるかもしれない。
やはり深柱と闘う際にネックなのは相手の硬さでありますからねぇ。
相手の防御を上回る火力があるかどうかは重要な要素となる。力こそパワーだ!!

しかしこんな凄い武器、一朝一夕で出来る筈もない。
ASURAと並行して開発していたはずだが、今に至るまでその存在は秘密にされていた。
もしこれがもっと早い段階で投入されていたなら、兵真くんが死ぬことも、ハルトが腕を失うこともなかったかもしれない・・・

言ったでしょう。暴れちゃうって。
今のままではCOREを制御できるのは3分間。それで引き出せる力は約5%。それが私たちの現実なの

暴れるというのは具体的にどういうことなのか。
それはヒミコさんが実験時の映像で示してくれる。そう、文字通りの意味で暴れ出すのだ。
実験中勝手に動き出し、コントロール不能となったASURA。
その起動実験で3名の職員が撲殺・絞殺され7名が負傷したという。
うーむ、こんなものが戦っている最中に背中で暴走し出したら大変なこととなりますわなぁ・・・
しかし何で3分なのだろうか?何か理由でもあるのかな?
そんな重要な制限があるのならカラータイマーの1つでもつけておいてくださいよ!!

まあそれはさておき、玲央さんはヒミコさんに結論を問う。
ASURAの現状は分かった。起動時間の短さによる出力の限界。
となれば、ここにわざわざ呼んだと言うことはそれを解消する方法が見つかったということに他ならないわけだ。

どうせアンタの考えることだ。ロクなもんじゃないだろうけど。さっさと言いなさいよォ。

酷い言われようだが、言われても仕方がないのがヒミコさんである。
安全な起動時間を設定しているとはいえ、暴走の危険があるASURAをずっと背負わせていたわけですからなぁ・・・
そして実際、ロクでもないことを言い出すヒミコさん。
最近のセキュリティは指紋などの生体認証が採用されているものが多い。
それはあらかじめ生体情報を登録しているから開くことができるようになるわけだ。

それに似てるわ。つまり、玲央ちゃんの生体データをASURAに入力し、装着者自身がASURAの一部だと認識させる!!
自らをシステムに組み込めば3分を越え制御できない状態になってもASURAに襲われることはない!

確かに自身をASURAの一部だと思わせれば襲われることはないのかもしれない。
理屈としては分からないではないが・・・何だかとんでもないことを言っている気がする。
いや実際にヒミコさんはここからとんでもないことを言い出す。

あるじゃない。目の前に入力装置が。
利き手じゃないほうを入れて!!彼に教えてあげるの。パートナーであるあなたのことを!!

何を言っているんだこの人は・・・!!
確かに生体情報を与えて認識させる必要はあるのだろうが、手を入れる?わざわざ利き手じゃない方をと言うのが厄すぎる。
これは一体どうなってしまうんでしょうか。喰われるの?喰われちゃうの?
いや別に喰わせなくても登録ぐらいは出来るのではなかろうか。
というか別に手でなくてはいけない理由はなかろうに・・・COREの彼は手フェチなんですか?なら仕方がないけど。いやいや。

玲央さんのパワーアップイベントは嬉しいのだが、これでまた左手を失ったりするのはよろしくない。
そんなことしたらブレイカーズ全員が左手を失うという奇妙な経験を共にすることとなってしまう。
それはそれで連帯感が生まれる気がしないでもないが、そんなことしなくても生まれてますし!!

暴れて面倒くさい子が相手なら、殴りつけて言うことを聞かせるのも大事なんじゃないですかね?
利き手じゃない方というハンデ付きでCOREの彼を殴り倒せば主従関係も構築できるという話で。
ああ、パートナーであるあなたのことを教えてあげるとはそういう・・・という話だったらいいなぁ。

それにしても今回の玲央さんはよォとかょオとか言いすぎである。連続で言われたりすると流石に気になりますよォ。



第67話「焦熱の脈動」  (2013年 52号)


謎の仮面の深柱戦士フェルゼル。
その名はもちろん玲央さんたちは知らない。だがその外見はよく知った人と酷似している。

あれが兵真なのか確かめる術はないけど。ハルトの雷光を止めた。次、あのふたりが戦ったら・・・
だめだ!!そうなるくらいならあたしが・・・

脳裏に浮かぶのは最悪の光景。
そうならないためにも、自分の手でケリをつけなければならない。
そのためには人型の深柱とも戦える力が必要となる。
ヒミコさんの勧めるASURAとの接触。これが上手く行きさえすれば確かに戦力は格段に上がるのでしょうが・・・うーむ。怖い。

ところで地災研の職員はある契約を結んでいるらしい。
それは殉職した際はその遺体を対甲装備及び政策、実験等に使用することを望みます。というもの。
ドナーカードのようなものですかね。死亡時に臓器移植用に提供するための約束事。
それが対甲装備に置き換わっているってわけですな。ん、ということは・・・

ASURA COREは深柱の組織と仲間の骸を組み合わせて使った・・・
我々の血も!肉も!骨も!!柱を倒すためにある!!
仲間の屍を積み上げてできたASURAよ。信じなさい。

なんとまあ。この顔は誰かと思ったら今まで亡くなった地災研関係者のものでありましたか。
兵真くんも爆発で体が吹き飛ばなかったらこの一部となっていたのだろうか。うーむ。

見た目はどうあれ、そういう話をされたのであれば信じないわけにもいかない。
ともかく手を入れた後のプロセスについて説明を受けることとします。

まずちょっぴり左手の指先を傷つけます。
口から手を入れるとすぐの場所にゴルフボール大のかたまりがある。それが人工髄幹
触れる。傷口から融合がはじまります。
しかし玲央ちゃんが髄幹に支配されては困る。融合が脳髄に届く前に引き抜いて。
そうすれば融合の途中だった左腕からほんの少しだけ体組織がCORE側へ移動するだけですみます。

何故妙にですます調なのかはわからないが、噛まれたりするわけではないのは分かった。
しかし人工髄幹とか出来上がるようになっていたんですなぁ。さりげなく凄い進歩を見せている気がしますぞ。
それはさておき、ほんの少しってどのくらい持って行かれるんですかね?

指の・・・2・3本ってとこ?

ほんの少しというには多くない!?
確かに腕がなくなるよりは大分ましだが、指が落ちるだけでも戦闘力にはかなり影響があると思うのだが・・・
いや、それも上手くいった場合の話だしなぁ。もし上手く引き抜けず、脳が融合されたりしたらどうなるのか。
やはり人ではなくなってしまうのでしょうか?それはまさに最悪の事態でありますな。

そうなる前に腕ごと・・・

そういって大きな刃物を取り出すヒミコさん。こりゃ玲央さんも青くなりますわ。地味に可愛い顔してさ。
それにしてもヒミコさん、この刃物――マチェットのようなものをどこに隠していたのだろうか。気になるな。

さすがに腕を失うことも覚悟しなければいけないと聞き、揺らぐ玲央さん。当然ですわな。
しかし思うのはハルトのこと。彼は実際に戦いで左腕を失っている。

皆のために戦って・・・左腕まで失って・・・そのうえ・・・

やはりハルトのことを思えば勇気が湧いてくる様子。
下手したとしてもハルトと同じ状況になれる。そういう想いもあるのかもしれない。
ちなみに林くんとも同じ状況になるわけでありますが・・・覚えててくれてます?

まあ、ともかく上手く行きさえすればいいのである。
意を決し、左手の指を傷つけた玲央さん。さあ、いよいよ接触の時間だ。

ASURA・・・あたしを知ってみろ

高熱を発しているASURA CORE。近付けた指が火傷しそうになっている。
それに怯みそうになる玲央さんであるが、再び仲間のことを思い起こし、心を奮い立たせる。

そうだよ・・・あたしだけ・・・無傷なんて・・・そんなのムシがよすぎる話だよな。

覚悟を決め、一気に左手を入れて人工髄幹を掴む玲央さん。融合が開始される。
と同時にASURAのアームが展開。不安定な様子を見せる。下手すれば暴走して玲央さんに襲い掛かるかもしれない・・・!!
しかも長く振れていると融合が進み、脳まで侵食されてしまう。
早く引き抜いてと指示するヒミコさん。しかし融合が始まっているせいか左手が人工髄幹から離れない。取れない!!

上がってくる!!

上腕部が融合され、なおも上昇してくる。
このままでは本当に脳まで侵食されてしまう・・・これは強制分離、つまり腕を切り落とすしかない!!
さすがにそれはヒミコさんにしても躊躇われることであるようだが、だが手遅れになる前にやるしかないことでもある。
覚悟を決めて刃物を振りかぶるヒミコさん。だが――

こいつに・・・すべてはやらない。
あたしにはまだやることがある。あいつらが待ってんのよォ!!

足も使い、強引に左腕を引き抜くヒミコさん。
どうにか脳や脊髄に侵入される事態は免れたようだ。これでASURAへの生体入力は完了したのか・・・!?

引き抜いた玲央さんの左手は指も全てあるように思える。
高熱の髄幹を掴んだので火傷はしているようだがそれ以上のダメージはなさそうだ。
ふーむ、何だかんだで最良の結果といえるのではないでしょうか。
これで劇的なパワーアップが見込めると考えてよいのだろうか・・・実際に扱う場面にならないとその辺りはわかりませんな。
玲央さんの見事な活躍ができる場面が回ってくることに期待します。



第68話「光と闇を抱きしめたまま」  (2014年 1号)


敵陣の本拠地であるサンファイン。
そこのエネルギー反応は常に注視しているのだが、その反応がどんどんと増していっている。
エネルギーが強大すぎて周りの柱の反応を飲み込んでしまい、レーダーが真っ白になってしまっている。
うーむ、外側からのスキャンではもうこれが限界みたいですなぁ。

こうなってくるとやはり内部への突入は避けられない。
シェリカも傷が癒えて明日からは最前線に出ることが出来るようになったし、いよいよ再突入か・・・?

というわけで、回復、退院祝いを身内で行うこととなりました。
すっかり仲良くなったハルトとシェリカ。さらにケイランを交えてお祝い。まあお茶会みたいな規模のものですけどね。
ちなみにシェリカはまだ19才なのでお酒は飲まない様子。ふむ、やはりそのくらいでありましたか。

いい感じにデフォルメされて可愛い3人。そこに姿を現す林くん。
ケガ人の3人と違い警備に出ている林さんであったが、今はローテーションで交代し、休みの時間である様子。ふむ。
やってきた林くんにさっそく積極的に絡むケイラン。
おフロにする?お食事にする?それとも〜の言い回しはアメリカにもあるのか・・・?

祝いの席ということでお酒も用意されている。
林進ノ助23才、大人の男の飲みっぷりを見せてあげよう!と一気にあおる林くん。
そして一気に倒れる林くん。弱!!相変わらずハルトにお兄さんと呼ばれるためなら手段を選ばない人であるなぁ。

というわけで、倒れた林くんを解放しながら添い寝をするケイラン。
それを見てすっかり林さんをおネエさんにとられちゃったと考えるハルト。うむ、まあ、うん。そうね。

机にうつぶせて眠るシェリカ。そのシェリカに上着をかけてあげるハルト。
部屋まで抱いて運ぶとかそういう流れにはなりませんかそうですか。いやまあ片腕では難しいのかもしれないが。
おやすみなさいと声をかけ、自室へと戻るハルト。
目を覚まし、そのハルトを追うシェリカ。おやおや、何だかとっても青春してないかボーイたち。

しかし自室でハルトが目を通しているのはカナちゃんからの手紙。
珍しい自撮りの写真を同封しての手紙。どうやら新しくバイトを始め、そこの制服姿を見せたかった様子。
うーむ、これは一体何のバイトでありますかね。文中のロールケーキがヒントになるのだろうか。はてさて。
そんな手紙を見ながら、柱を倒してみんなを守り、いつもの生活に戻ることを夢見るハルト。戻る!?

戻れるのか!?こんな身体になって人間のまま生きて帰ろうだなんて、ちょっと都合良すぎなんじゃないか!?

発作。失った左腕から異形が姿を現す。
うーむ、やはりまだまだ融合した弊害は続いているみたいですなぁ。
融合が進み、力を得た代わりにこういう発作も断続的に続いているように思える。
しかしこれ、逆に力を使い切りさえすれば発作も起きないのではなかろうか?
ハルトの中の深柱の力が余っているから暴走して今のような状態になっている。
そう考えるならば、頻繁に戦って力を消耗すれば発作に悩まされることは少なくなるのではないだろうか・・・
いや、この発想だといつまでたっても日常に戻れないってことになっちゃいますな。うーむ、悩ましい。

カナが待ってる!!

今は黙って薬を飲み、発作に耐えるハルト。
うーむ、なんというか強くなりましたなぁ・・・本当に。涙ぐましい。
肩から流れる血が扉の外まで溢れだしたりしている。
それを見て青ざめるシェリカ。その場にいたゲトレー少佐はそんなシェリカを慰める。おや、シブイ役回り。いいですね。

深柱少年と揶揄し、その力ぐらいしか興味を持っていなかった。
最初はそんな風にハルトに接していたシェリカ。今となっては後悔することしきりでありましょうなぁ・・・

さて、護国寺に集結する地災研の面々。
玲央さんは専用装備の調整中で後ほど合流するとのこと。
シェリカも前線復帰し、いよいよ再突入って雰囲気ですね。しかしハルトの姿がない。おや?どうしましたかな?

あのダメージだ。無理して足を引っ張られても困る・・・

などといつものような憎まれ口を叩こうとしたマーベル。
その股間にシェリカの蹴りが叩き込まれる。こっ!

お・・・オレ・・・は・・・剣。

あまりのことにいつものフレーズで必死に正気を取り戻そうとするマーベル。
なんということだ、カッコイイ系のキャラで通してきたはずなのにここにきていきなりギャグ顔を晒される羽目になるなんて!!
その上ムッツリ侍呼ばわりされちゃってますし、色々と災難ですなぁ。

まあ、マーベルも口が悪いだけで別にハルトのことを悪くいいたいわけではない。
片腕を失うほどのダメージを受けたのは確かだし、戦えるのか?と尋ねるのも無理はないことでありますわな。

戦えるよ。右手があれば十分だ

はっきりと戦闘の意志を示すハルト。頼もしい。そりゃあシェリカも可愛い顔で出迎えてくれるってものである。
しかし駆けつける速度は何故かケイランが一番速かったりする。ぼうや〜〜。ケイランさん!?
ハルトに抱き付くケイラン。動揺する林くん。林くんのその動揺は一体どのような心境を意味しているのか・・・
なんだか複雑な人間模様が繰り広げられておりますな。ハハハ。

ハルトの意志も硬いようですし、もはや攻撃を躊躇う余地はありませんな。
というわけで、これより第二次敵領土進攻を開始することとなる。
元の生活に戻るために、覚悟を決めて進軍を開始するハルトたち。
一方、池袋駅ではその様子を確認しているルイ君の姿があった。いい所で参入しようと考えていそうですなぁ・・・
というか、後ろの執事らしき人、ずっと同じポーズで立ってますな。やはりマネキンだったりするのか・・・?

玲央さんは後から合流ということだが、今回の進攻作戦でどこまで行くつもりなのだろうか?
護国寺の時のように全員で固まっての進軍となるのだろうか?
それでいて威力偵察の時のように行ける所まで行くという形ですかな?ふーむ、仕方がないとはいえ行き当たりばったりな感じですな。
まあ、進攻したら柱の五戦士が待ち構えるフィールドに案内されることになるんでしょうけどね・・・
どんな戦いが繰り広げられることになるのか。楽しみです。



第69話「挟撃!!第二次進攻作戦」  (2014年 2+3号)


第二次進攻作戦開始!!
G小隊のストライカーとしてハルトのツルギが深柱を打ち砕く。
力を振るうハルトが思い起こすのはビゼリアとの会話。
人を虫ケラ以下と罵る言葉が思い起こされ、怒りに燃え上がるハルト。
ただの兵士級である柱がそんな怒りをぶつけられてはたまったものじゃございませんなぁ。電信柱のでき損ないが!!

見事に柱を塔解させシェルカとハイタッチを交わすハルト。あらいい感じ。
イヨちゃんによるとこれでもう3体目を除去したことになるらしい。
第一次の威力偵察時は柱1本潰すだけで被害大だったのにねぇ・・・戦士タイプが出なければこんなものか。

地災研は部隊を2つに分けている様子。G小隊+イヨちゃんの左舷攻略部隊は護国寺方面から進攻。
そしてH小隊+マーベルの右舷攻略部隊。こちらは前にH小隊が突っ込んで戦果を挙げたルートから進攻している様子。

はぁぁ〜い。レッツ圧入(インサート)〜。爆甲職人完全復活よォ〜〜!!

傷の癒えたケイランがノリノリで柱の除去を行っております。楽しそうだなぁ。
マーベルが活躍することもなく4本もの柱を除去している左舷攻撃部隊。凄い順調だ。
オレは動くやつ専門だと言い訳しているマーベル。まあ出なくても除去できてるならそれにこしたことはないですよね。

ここまでは非常に順調に進んでいる第二次進攻作戦。
空中生成型が出ることもなく、ルイ君も池袋駅から動きを見せていない。
とはいえ当然ながら楽観視はできない。人型は地災研が確認しただけでも3体はいる。ヒミコさん曰く――

鎧の人型(アーマー・ナイト)
黒衣の人型(ヴァンパイア)
仮面の人型(マスクマン)

日本語の描写はそのままなんだが、何だその英語表記。いや他2人はいいんだがヴァ、ヴァンパイア・・・?
ビゼリア本人は天使とか何とかのたまっていたといいますのに・・・
誰がこの名前を決めたのだろうか。やはりヒミコさんが第一印象で即決しているのだろうか。うーむ。

それはさておき、人型を警戒して支援体制を万全にしてから進軍しようと考えるヒミコさん。
熱線の及ばなくなったエリアに自衛隊を入れる。今回は連携も万全にしようという構えですね。
佐藤一佐曰く、我々とて全くの役立たずではないとのこと。期待はしていますが強気な発言はフラグになりかねなくて怖い。

さて、順調に進む人類側であるが、当然柱側も手をこまねいて静観というつもりはない様子。
ビゼリアの号令の下、動き出す戦士たち。
と思いきや、何故か猫をかまっているアーカス。器用に猫缶の蓋を開けて提供し立ち去る。ほう。

不思議なやつだ。お前の『闘争』は相手を選ぶものなのか?

マーベルに対して見せたのがまさにアーカスに与えられた闘争の感情の発露でありました。
しかしそれは誰に対しても見せるものでは無い様子。まあ、ビゼリアの『忠義』だって誰に対してもってわけじゃないしねぇ。当然か。
いきなり猫に対して猛然と襲い掛かられても困りますし。
猫と戯れるのにも全力なアーカス。ふむ、描き方によってはそれはそれで美味しい姿になりそうですな。
というか新宿の蛇型深柱といい、深柱さんは猫好きが多いですなぁ。やはり可愛いのは正義なのか?

さて、右舷攻略部隊。
護国寺にいた柱2本に加えここまで5本を除去。目的のサンファインまで直線距離で200m近付いた状態となっている。
このまま戦士が現れなければ楽に目的地までたどり着けるのではないか。
そのようにも思えるが、ゲトレー曰くこの先は住宅エリア。中は逃げ遅れた住人の死体の山、地獄絵図だとのこと。嫌ですなぁ。

そこをこえたら首都高速・・・高層柱型密集地!トーテムポールの巣!!

細く長い柱が屹立している。
目玉が多い分熱線の数とかも多そうで厄介ですな。斜め上から降ってくる熱線も脅威となりそうだ。
しかしまあ、それらも結局は目に見える脅威に過ぎないので対策は練りやすい。

我々が最も恐れるのは強さと移動力を兼ね備えた人間型の奇襲だ。
そのためにはあえて見はらしのよい大通りを進まねばならん。
結局のところ最後にものをいうのは目視だ!林たちのチームも同様に大通りを突破するルートを進んでいる!

今回はしっかりと作戦概要を説明してくれるゲトレー少佐。
ハルトもそのように言っている。やはりあの時の態度はよろしくなかったですものねぇ。
猟犬として育てるとか考えるよりはもっと別の意味での仲間としてやっていった方がいいと判断してくれたのでしょうか。はてさて。

ASURAの準備に手間取っているのか玲央さんは未だ合流していない。
そのことを気にかけつつ休憩するハルト。
その前に現れたのは・・・この戦場に似つかわしくない可憐な少女の姿。うぉ、いきなり!?

あれれ。どっち?お兄ちゃんは柱?それとも人?お兄ちゃんのこと知りたい!!

可愛い顔してそんなことを言い出すララン。なかなかの殺し文句だ。
いや、ハルトよ。柱呼ばわりされているんだから少しは反応見せましょうや。
外見に惑わされて柱かもしれないという意識がないのか、話も碌に聞いてないってところでしょうか。
重力針反応もないのでイヨちゃんやシェリカも警戒はしていない。
が、そんな中で真っ先に反応する少佐。おや。
老練な戦士の勘で人型の柱と気づいたのでしょうか?それとも可愛い子が出てきたので単に興奮しただけとか・・・いやそれはちょっと。
それはさておき、ラランはハルト以外の連中を指し、こう述べる。

邪魔なやつがいっぱいいる。
自衛隊のことはもう興味がないのです。インターネットで調べました
フェルフェルゼルゼル。お願いしまーす。

ラランがインターネットを!?そりゃ知識とか一杯溜めこんでそうですねぇ。間違った知識も一杯仕入れていそうだ。
自衛隊のどの部分まで知って満足したのか。ちょっと気になる所であるが、今はそれどころではない。
ラランが指差す方向にあるトーテムポール。その頂上部に仮面の戦士の姿がある。
150mは離れていたその距離を、物凄い跳躍で一気に詰めてくるマスクマンことフェルゼル。何だかカッコイイなおい。

ハルトの前に現れたのはフェルゼルとララン。
うーむ、こっちに来てしまいましたかフェルゼル。となると林くんとの邂逅はひょっとしたらないのかもしれないなぁ・・・

一応今回の主眼はハルトとラランの戦いになりそうな様子。
シェリカはハルトのサポートに入るだろうが、そうなるとフェルゼルは少佐がほぼ1人で抑えないといけないことになる。
うーむ、なんとも手が足りない感じですなぁ。玲央さんが来てくれれば話は違うのでしょうが。
しかしそうなると左舷側。アーカスが向かっているであろう林くんたちの方が危うくなる。
まあマーベルが1人でアーカスと戦い、H小隊でサークェと戦うなら丁度いい戦力分けとはなるかな?
ビゼリア、ルイといった戦力の動向も気にかかりますし、ここからどのような展開を見せるものか。期待が高まります。



バーサスアース 9巻


第70話「墓守ララン」  (2014年 4+5号)


上空から突如飛来してきた仮面の人型。
震えながらも銃撃を浴びせる自衛隊員。しかしそれが通じた様子はなく、哀れ凶手によって頭を砕かれてしまう。うわぁ。

どう見ても兵真兄にしか見えない。
そんな存在が目の前で人間を手にかけた。ハルトの憤りはかなりのものでありましょう。

何・・・やってんだよ。そうじゃないだろ・・・
逆じゃないかこれじゃ・・・あんたはそうじゃないだろ!!藤堂兵真ああ!!

叫び、御剣を作り出すハルト。激情のままにフェルゼルに挑もうというのだろうか。
しかしそこに付きまとってくるのがララン。
人の身でありながら御剣を生み出したりしているハルトに興味津々な様子。
どうやって出したの?と尋ねているが、ハルトは明確に答えることできるんですかね、これ。
なんとなくグッと力を込めたらバーッと出来上がるんだよとしか返せそうにない気がする。

まあなんにせよ今はラランに構っている暇はない。振り払い、フェルゼルに向かおうとする。
そんなハルトに向かって、きらい!!と叫ぶララン。これは銀眼王の胸に穴を開けた一撃か・・・!?
危ういところであったがシェリカが割り込んでその攻撃は防いでくれました。
さすがに盾になると誓っただけあり、素早い防御でありますな。
だが、ラランの攻撃は予想を上回る突飛なものであった。

んー。んー。おええ。
うええ・・・やっぱラランのお口、小さすぎい・・・

ラランの小さなお口から長大な深柱が飛び出してきた!?
シェリカのカシオペアディフェンサーを欠けさせるほどの勢いで飛び出してきた深柱。
銀眼王の胸もこれが貫いていたのだろうか。

紹介しまーす。このコはライリー。ラランとライリでラランライリ!!みんなで遊ぼ!

無邪気に笑いながらそう述べるララン。
可愛いけど、なんというか芸人コンビの名乗りっぽいのはどうにかならんのだろうか。
というかどうやってこの長大なライリがラランの中に入っていたのだろうか。
実は中は空洞だったりするのか?端っこからラランが空気を入れたら膨らんだとか?それなら合うな。ツジツマが!!

それはさておき、ラランはカシオペアディフェンサーに興味を持った様子。飛びついてよく見ようとしている。
これはシェリカが危ない。しかし兵真兄のことも放っておけない。
どうすればと悩むハルト。そこに声をかけるのはゲトレー。こっちは任せろとフェルゼルに挑みかかる。

マガタマの一撃をまともに喰らわせ、ブラストも行っているが果たしてどこまでの痛痒を与えたものか。
少なくとも攻撃した少佐はこれで倒せたとは思っておらず警戒している様子。
イヨちゃんに自衛隊を撤退させ、ハルトと自分は目の前の相手に集中することとする。

ハルトにしてみればさすがに少女を敵と見なして攻撃するのは少し躊躇いがあるのではないかと思われる。
しかしそのような躊躇いを見せている場合でもない。
髪の毛を硬質化させ、シェリカの両手の平を貫き、地面に縫い止めるララン。
大人しくさせてじっくりカシオペアディフェンサーを調べようという考えだ。痛そうだなこりゃ。

止めるために割り込もうとしたハルトを吹き飛ばすライリ。
そうか、少女の相手が躊躇われるならライリを主に相手すればいいのか。
ハルトでも遠慮なく戦える相手として用意されたとしたら、これは好都合と言っていい。
というかライリには髄幹があるんだろうか?サークェとのやりとりもあるしラランには確実に髄幹があるようだが。

瞳を輝かせて調べ事をするララン。実に楽しそうである。
銀眼王に与えられた好奇の感情は活発に発露しているみたいでありますなぁ。
シェリカがクサナギノツルギを使って反撃を試みてもほとんど意に介した様子もない。
そりゃあ3枚に下ろされて平然としているぐらいだもの、これぐらいじゃあなあ・・・

何とも厄介な相手であるララン。まあ、ビゼリアとは違いまともに闘う気はあまりないみたいなのが救いではあるか。
好奇心を満たすために遊んでいるうちに打開策を練りたい所である。
時間を稼ぐだけならイヨちゃんが話し相手にでもなれば時間稼ぎは出来そうだがどうなんだろうか。
出された質問に丁寧に答えていればその間は大人しくしていそうな気がしないでもない。

そういえばカシオペアディフェンサーには柱の器官が組み込まれているのだそうな。
確かに普通の科学力を越えたような代物でしたし、そういう可能性は考えて然るべきでありましたね。
ASURAのコアほどとんでもないものではなかろうが、似たようなものではあったわけだ。
将来的にシェリカもカシオペアディフェンサー内のコアに生体情報を組み入れる流れとかあったりするかもしれませんなぁ。
そのためにもこの場の戦いをどうにかして生き延びて頂きたいものである。



第71話「双極の五芒」  (2014年 6号)


人々が瓦礫の山の中で倒れ伏している。
その中に同じように倒れ伏している少女。その側には小さな熊のヌイグルミ――ライリが横たわっている。

ライリと言うのか。その人形は。記憶が残っている?珍しいことだ。自分の名はわかるか?

問いかけるのは銀眼王。
自分の名は覚えていない様子の少女にラランという名前を与える。
うむむ、このシーンは何だろうか・・・人型深柱誕生の場面でありましょうが、これは・・・
戦士のように銀眼王の体から生まれたわけではなく、手近な死体がベースになっているのだろうか?
いやでもフェルゼルの肉体が兵真くんのものだとしたら爆発で吹っ飛んでいるはずだし・・・
色々なパターンがあるのかどうなのか。なかなか謎の深まる場面でありますなぁ。

ともかく、銀眼王はさっそく好奇心を発揮しだしているラランにこう告げる。

知りたいのなら自分で探せばいい。探究することを許そう

自分は答えるつもりはないって言ってますね銀眼王。まあ正しい判断であるかもしれませんな。
教えてもらうよりも探究するという流れの方が色々と面白いことになるでしょうし。

私はだあれ?あなたはだあれ?

好奇心、探究心の塊となったラランは色々なことを知りたがる。
シェリカのカシオペアディフェンサーのことも解明しようとする。
真ん中に小さな御雷を作る所があり、そのまわりにちょっとだけ柱の器官の一部を使っているのだそうな。ほうほう。

カシオペアディフェンサーのことは読者的にも興味深いが、このままではシェリカが危ない。
急いで駆け付けようとするハルト。しかしその前に立ちふさがるライリ。
細長い柱・・・と思いきや、いきなり身体を振るわせて膨張し・・・熊になる。おぉう、これがライリの戦闘形態か・・・!?

熊となったライリのパワーは凄まじい。鎧の人型アーカスよりも上なんじゃないかと思わさせられるほどである。
これはまともに闘ったらただでは済まないかもしれない。
そうだ、あの力。雷光。あれを使えばこんな奴・・・
そう考えるハルトであったが、どうやらあの雷光はあの場で咄嗟にできたものらしく、再現はすぐには出来ないようだ。
雷光おぉおぉ!!叫べばどうにかなるってもんじゃないよね。やはり感覚だけで使ってちゃ駄目ってことですよ。原理も知らないとさ。

ハルトが苦戦している。しかしラランがよそ見をしているスキにシェリカは脱出に成功。
両手に穴が開いて痛そうであるが闘志は衰えていない。

シェリカのストライカーを傷つけるやつは、ガキだからって容赦しない!!

ふむ、なかなかお熱い発言でありますな。いや、そんなことを気にかけている場合ではない。
シェリカの目の前にはにわかには信じがたい光景が展開されている。
5つの円盤。色こそ違うものの、シェリカの持つそれと類似したものがラランの髪から生み出されているのだ。

しくみがわかったから真似しただけだよ
うまくできたかな。知りたい知りたい。比べてみーましょ。

無邪気にそう述べ、円盤をぶつけてくるララン。盾なのに攻撃的な使い方ですなぁ。
ならばと本来の盾らしい使い方をするシェリカ。電磁防護幕全開!!

カシオペアディフェンサー拠点防衛形態!!ペンタゴンフィールド!!

円盤を広げ、前後左右をカバーする。
深柱の器官を使って電磁防護幕を生み出し、フィールドとしているようだ。
これならばラランの生み出した通常の円盤も押し返すことが出来る。いや、通常であるならば、だが。

でも、おんなじにつくったから〜〜ラランのもできまーす。

なんとも厄介な話である。あの短時間で原理を完全に究明してそっくりなものを作り上げたというのだろうか。
深柱の器官を使っているから真似しやすかったのかもしれないが・・・うーむ、厄介な。
雷光の生み出し方も分からずにいるハルトは少し見習った方がいいのかもしれない。

押されているシェリカ。
柱としての能力、それに外甲もラランのものの方が上でしょうからねぇ。同じ機能であればそりゃ押される。
このままでは押し切られ、潰されてしまう。
どうにか逃げないといけない。だが、脱出路である上も円盤に遮られ逃れられない。こ、これは・・・

ラランの勝ちー

可愛く勝利宣言をするララン。うーむ、これは油断でも何でもないですな。
確かにシェリカに逃れる術はないように思える。ハルトの救けも間に合いそうにないか・・・

ハルト・・・ごめんね。君のこと何も知らないのに。ひどいこと言ってごめんね。
君の盾になれなくて、ごめんね

砕ける盾。このままシールドマンとしてだけでなく、その身も散ってしまうのだろうか・・・!?
勿論そんなことにはなって欲しくはない。だが、ここから助かる方法があるのかどうか。
一番期待したいのは玲央さんが駆けつけてくれることであるが・・・どうなんでしょうかねぇ。
円盤の回転が全部同じ方向だったのでシェリカも高速で回転することで助かるとかそういう方向でひとつお願いしたい。
凄く可愛くなってきたことですし、まだまだ活躍を見ていたいですよ。

それにしてもラランはかなり強い。
色々な知識を吸収したら次々と技を繰り出したりしてくるのでありましょうか。
ハルトの雷光やビゼリア、サークェの御剣も原理さえわかれば真似てしまいそうである。怖いなぁ・・・



第72話「繭」  (2014年 7号)


砕ける盾。ハルトに謝りながら崩れ落ちるシェリカ。
これは・・・とも思うが、血こそ吐いているもののそれほどダメージを受けた感じには見えない。
護国寺の時の方が酷いやられ方だった気がしますし、大丈夫な気はする。そうであって欲しい。
ラランも盾を壊したことで満足してる感じがありますしね。ラランの勝ちー。よくできましたー。

シェリカが倒れたことで激情するハルト。
その激情こそが力を呼ぶのか、失われた左腕から外甲が突起となって飛び出、目玉も現れる。
そして生み出される力は雷光
御雷を纏ったハルトのツルギはライリの体をいともたやすく切り裂く。
うーむ、不安定ではあるがやはり強いですなぁ、この雷光は。

たったひとりのともだちであるライリを真っ二つにされたララン。
自身が傷つけられても動じた様子はなかったのに、この時ばかりはラランも激昂している。
しかしハルトからしてみれば先に仲間を傷つけられたわけだし、怒られるいわれはありませんわな。
この辺りの身勝手な感じは子供らしいといえるか。いや前からずっと子供らしい動きしかしてないですけども。

お前もあの女みたいにつぶしてやるううう!!と円盤を放つララン。
しかし雷光を発動させたハルトの力は人型深柱であっても容易く止められるものではない。
全ての円盤を切り捨ててしまうハルト。
そしてその刃は子供の姿をしたラランへと向かう。

子供・・・深柱。シェリカを傷つけた。柱は倒す!!!

ともすれば容姿のせいで戸惑いを見せてしまいそうな相手。
しかしそれ以上に仲間を傷つけた深柱を見逃すようなことはできない。
その想いで、ラランをライリ同様横薙ぎに真っ二つにするハルト。うーむ、精神的にも強くなったものだ。
とはいえその一撃は髄幹を外している。
弱った状態のラランへのトドメを躊躇うハルト。こういう姿を見せられるとさすがに揺らいでしまうか・・・

柱は敵!!と心を決めようとするハルト。
しかしそれよりも早くラランは倒れたライリのもとへと這い寄る。
どうやらライリにも髄幹があるらしく、その髄幹も壊れてはいなかったようだ。

ふたりで力を合わせれば、まだ遊べる。ラランやっぱりお兄ちゃんのこと知りたい。

ライリが死んでいないと分かって途端に機嫌を直すララン。子供は奔放だのう。
そしてラランはライリに飲み込まれるように一体化し・・・肉団子のような塊となる。なんだこりゃ。
得体の知れない状態なので、雷光でそーっとつつこうとするハルト。アラレちゃんじゃないんだからさ。なんか可愛いぞ。
その雷光ツンツンを受けて肉団子に巨大な目が現れる。ライリの目と同じ星を宿した目だ。可愛い・・・といえるかは人次第だな。うん。

うわああぁ!!!

ビックリしたのでぶった切ろうとするハルト。
まあ、柱が目を開いたなら熱線が来るのかもしれないですし、攻撃するのは間違いではありませんわな。
しかしその攻撃と共に走り寄ってくるのは仮面の人型――フェルゼル。
雷光の攻撃力は凄まじいが、フェルゼルの盾はその雷光の一撃をも防ぐのは既に護国寺で証明されている。
盾で一撃を受け止め、開いた右手でハルトの顔面を掴み、アゴを砕くフェルゼル。これは痛い。

アゴを割られたとなると相当な苦痛があるはずだが、思ったよりも平気そうなハルト。
これも深柱との融合が進んでいる結果なのだろうか。痛み止めのモルヒネとかは使ってないと思うが、どうなんだろうか。
何にしてもハルトの心は痛みよりも対峙している男に向けられている。兵真兄は本当に柱になってしまったのか・・・

なら・・・倒すしかないだろ!!
あんたの形見のツルギだ!!

足に仕込み直していた兵真の形見のツルギ。それを叩き込む。
ツルギはフェルゼルの仮面を掠め、そのままその仮面を吹き飛ばす。その下に現れた素顔は――

うーむ、ここで引きますか。さてさて一体仮面の下の顔はどのようなものであるのか!?
これで兵真くん以外の顔が出てきたら驚きではあるが、それもどうなのだろうか。
兵真くんに憧れたら肉体が同じようになったけど顔は違ったので仮面をつけた。一応筋は通るが・・・うーむ。
醜くなっているのか。逆にイケメンになっているのか。憤怒の形相なのか。何か悟ったような顔なのか。
色々な想像が出来てしまいますなぁ。果たして答えは・・・!?

それにしてもフェルゼルがハルトの方に来たってことは少佐はどうなっちゃったんでしょうか。
流石に殺されたってことはないとは思うが・・・
任せろといっておきながら足止めも出来ないのでは、せっかく見直されつつあったハルトの評価がまた下がることになりかねませんぞ!!
ハルト以外の面々にももう少し踏ん張って頂きたいところである。



第73話「右の弦に羅刹、左の弦の修羅」  (2014年 8号)


兵真の形見のツルギの一撃により吹き飛ぶフェルゼルのマスク。
戦火に斃れたかつての仲間に酷似した男。その仮面の下にある顔は確かに兵真くんのものであった
ただし、かつての頼りがいのあった温和な表情はなく、無表情でハルトを見つめていたりする。
うーむ、こう来ましたか・・・面影がなくなってるような変化よりもこれは相手する方としてはキツイなぁ・・・

マスクが外れてもフェルゼルの動きはとまらない。
ハルトの顔面を掴んだまま地面へと押し倒す。
衝撃で雷光が崩れてしまうハルト。空いている右腕もフェルゼルに押さえられ、大ピンチの状態。
このままさっきの自衛隊員のように顔面を砕くつもりか!?

兵真くんの顔を見てしまったため、過去のことを思い出すハルト。
ブレイカーズとして共に戦うと決めたハルトは兵真くんに鍛えられていた時期があった様子。
軽くあしらわれているハルトであるが、なんだかいい光景でありますな。

オレは・・・あんたみたいな・・・強くて、優しい男に・・・それがなんでだよ。バカ野郎!!

呼べと言われたから兵真くんを兄と呼ぶようになったわけではない。
兄と呼びたくなるほどに慕うこととなったから呼ぶようになったのだ。
サッカーの場面もありましたが、兵真くんも生前はハルトとこういう交流を何回も行っていたのでしょうな。
だからこそ、その存在が・・・姿だけかもしれないが、敵に回っているのが許せない様子のハルト。
いや、許せないというのか認めたくないというのか・・・やりきれない思いというのが一番強いのかな?

兵真兄・・・オレを・・・殺しても・・・いい・・・けど
玲央姉と林さんには手を出すな・・・!手を出さないって約束しろよ!!

玲央さんがハルトと兵真くんが戦うことを危惧したように、ハルトもまた兵真くんと2人が戦うことを危惧している。
自身がどうなろうともそれだけは避けたいと考えるハルトの覚悟は凄まじい。
数々の戦いを経て、戦士らしい心持ちになっている気がします。悲しい話ではありますがね。
このハルトの覚悟はフェルゼルの目にどのように映ったのか・・・仮面のような無表情からは窺い知ることができませんなぁ。

絶体絶命のハルトであったが、そこに乱入してきたゲトレー少佐がフェルゼルを吹き飛ばしたことで助かる。
ゲトレーも頭から出血している。どうやら普通にフェルゼルを抑えきれずにいただけのようですな。むう。
肉団子ラランに対してもなんだ、あれは!?と言っているし、戦場の把握をしている余裕もなさそうである。
いや、変化したのを目の当たりにしてもこの肉団子はなにアレ扱いされるか。

イヨ。シェリカと小僧を連れて逃げろ!2人とも危険な状態だ。

アゴを砕かれたと言っていたときはまだ元気そうだったハルト。
しかしその後に力を加えられたのが厳しかったのか、雷光によって力を使いすぎたのがいけなかったのかグッタリしている。
これはもう戦える状態ではありませんな。シェリカの容態も気になるし、撤退するしかありますまい。
少佐も3人が撤退すれば退く構えでありますが、果たして耐えきることができるのか・・・

大変な目に合っている右弦。
そして左弦にも人型の深柱――アーカスが現れる。
うーむ、やはり部隊は分けない方がよかったのでは・・・まあ、人型深柱がこんなにいるとは思わなかったんでしょうけども。

自衛隊による火力支援。ありったけの火器でアーカスに攻撃をしかける。やったか・・・?
勿論やってません。というかフラグをたてるなそこの隊員。
ただでさえダメージ入る可能性は低いのに、そのセリフは確実に聞いていない結果に繋がるセリフじゃないですかー!!
そりゃ林くんも僕の見立てではダメージ0ですと言っちゃうよ。

砲撃を受けたアーカスは一気に相手を薙ぎ払おうと、バスを掴んで放り投げてくる。
受け止めようとするライツ。しかしそれを制し前に出たのはマーベル。オレがやる!!

着甲裂震(ディバイン・ストライク)!!

マーベルの刀がバスを空中で真っ二つに切り裂く。おぉ、派手な攻防でありますなぁ。実にアメリカン。

待ってたぜアーマーナイト。果たし合おう

アメリカンな派手さでありながら侍のようなことを口にするマーベル。これがサムライ・・・
というのはさておき、いよいよ激突することとなる2人。
それぞれ強く意識している相手でありますしねぇ。ここはマーベルの言うとおり果し合いを行ってもらうこととしましょう。
林くんたたちH小隊には他に戦う相手がいるようですし・・・

アーカスはオレたちの中では一番頭が悪いと述べながら現れるサークェ。
うーむ、ここはサボったりしてくれたら有難かったのだが、そうはいかないかぁ。
右弦に続き、左弦もヤバイ戦いとなりそうな雰囲気であります。
果たして玲央さんは間に合うのか・・・出番なしで撤退するという流れも見えてきて何だか怖いですぞ。

それにしてもフェルゼルはマスクがとれてからずいぶんとキレイな表情になってますな。
マスクをつけてる時は顎の辺りとか血管浮き出まくりだったのに。
もしかして動くと仮面がずれ落ちそうになるから必死に顔に力こめて支えたりしてたのだろうか?
内側にでっぱりがあり、それを噛んで支える仕組み。うむ、これならば普段喋らない――喋れない理由にもなりますな。証明完了だ!!



第74話「苦痛の樹脈」  (2014年 9号)


因縁の相手アーカスと切り結ぶマーベル。
自衛隊の兵器ではアーカスにダメージが与えられないのは確認されている。
我々はどうすればと考える自衛隊員たちに対し、下がるよう言うライツ。

大丈夫・・・ライツたち任せる。補給ルート守って。

まあそれがいいでしょうな。少なくとも現状のアーカスに対して自衛隊で出来ることはないでしょう。
マーベルとしてもこの戦いは果たし合い。一対一での勝負を期待している感じがある。

拳と剣の戦い。
マーベルの剣技は見事なものがある。
スカルペルMKUは薄刃であり、激しく打ち合えば容易く折れてしまうはずなのだが、上手くアーカスの攻撃を受け流している様子。
そして相手の攻撃のスキをつき、その鎧の隙間・・・首の付け根へと刃を振り下ろす。

鬼首(ギロチン)落とし!!

強烈な一撃。しかしそれでもアーカスの首が落ちることはなく、ダメージもない。
まあ仮に首が落ちたとしてもそこに髄幹があるとは思えませんしねぇ。
何にせよ、鎧の下の深柱外甲をスカルペルの単純な一撃では破れないというのが判明したのは大きい。
やはりここはマガタマで爆震させて外甲に亀裂を生じさせ、そこをスカルペルで切る作戦を取るしかない。
となればここはシェルブレイクの使い手であるケイランの出番でありますな。

林「出来ますか?あの剣戟の嵐の中を・・・」
ケイラン「シンちゃんがやれって言えば、なんだって出来ちゃうわ

あら何だかいい感じでありますな。
ライツもケイランを守るために前に出る。うーむ、やはりH小隊の纏まり、繋がりはいい感じですなぁ。
他の小隊もこのぐらいのチームワークが取れるようになるといいんだけど・・・G小隊はまだしもI小隊はまず無理だな。

アーカスの外甲を破壊するために行動開始しようとするH小隊。
しかしそのタイミングで後方から銃撃の音が聞こえてくる。
さらにマンホールから水が噴き出し、重力針に反応がある。深柱だ!!
前後からの挟撃を受けた様子。どちらを優先するべきか・・・
まあ、現状マーベルは足止めするぐらいのことは出来ているわけですし、後方に当たるのが正解でしょうなぁ。

というわけで後方に意識を向ける林くん。
マンホールから噴き出した水は凍りつき、氷の壁のように立ち塞がっている。
剣山のように尖った氷の山。その尖った氷の先には・・・自衛隊員たちの姿があった。これは惨い・・・!!

しかしどうやら息絶えているわけではない様子。
この氷の山を生み出した人型深柱のサークェ。そのサークェへ向けて貫かれた状態で銃口を向ける自衛隊員。
怯えた感じに見えるのだが、なかなかに勇猛と言うか職業意識が高いというか。ちゃんと当ててますしなぁ。
サークェはアーカスと違い固くはない様子。
通常の人間ならば致命傷となる頭部への射撃であったが、あいにく深柱には致命傷足りえない・・・
まあ、ビゼリアと同じで髄幹は固く外甲でコーティングしてるんでしょうけどね。

殺されることはなかったものの、反撃してきた自衛隊意をいたぶりだすサークェ。さすがに残虐である。

痛い?楽にしてあげないよ。
串刺しの刑っていうの?こういうの。人間も昔やってただろ。
心臓とか脳とか太い血管とか・・・大事なとこ外すとおまえらけっこう死なないよな

嬉しそうに拷問にかけている様子のサークェ。うーむ、ビゼリアとは違う意味で性格が悪い!!
これにはライツ。涙を流して激昂しております。自衛隊・・・仲間・・・

林くんとしては急いで髄幹サーチを行い、対策を立てたいところ。
しかしサークェの非道はライツとしてはとても看過できるようなものではなかった。

お前ダメ!!!

作戦を待つことが出来ず、怒りのタックルを敢行するライツ。
この勢いであるならば、氷の山を崩し、串刺しにされた隊員たちを救えるかもしれないが・・・どうなんだろうか。
息があるのであれば、どうにかして自衛隊の皆さんを助けて欲しい所であります。
しかしサークェがそれを見逃すはずもないだろうし・・・どうなるのか。
幾らなんでも今のライツのプレスを防ぎきれずに潰れてしまったってことはないでしょうしなぁ。

アーカスに比べると攻撃特化な印象のあるサークェ。
氷によるガードもあるんでしょうが、やはり防御力は劣るのではないかと思われる。
どうにか髄幹を捕えて攻撃を叩き込むことが出来ればあるいは・・・
そうなると、いかにサークェの攻撃をシールドマンであるライツが防げるかにかかっていそうでありますな。
不利な戦いになるとは思うけど、頑張って凌いでいただきたいものです。



第75話「殿」  (2014年 10号)


ライツの怒りのプレス炸裂!!
ビルを半壊させるほどの威力を持ったこの一撃。
なるほど、これならば相手の髄幹がどこにあろうと関係ない。まとめて押しつぶすことも可能である!!
とても計算していたとは思えないが、有効と思われる攻撃。しかしその結果として・・・仕留めきれていない!!

塔解することなく、盾からはみ出していた手を動かし、水鉄砲を放つサークェ。
その水は氷の槍となりライツに迫ろうとしている。直撃すればかなり危険だが、どうなるのか!?

左弦攻撃部隊も2体の人間型深柱と交戦。危険な状態となっている。
特に自衛隊の被害が甚大であり、焦りを見せる佐藤一佐。
しかし右弦の方もまた大変な状況。
ハルトとシェリカの両名の血圧が低下中。すぐに治療が必要な状態となっている模様。

切り札のハルトくんが倒れた以上・・・状況的にやばいのは・・・右!!
玲央ちゃんとおやっさんに連絡。右弦に。少佐たちの援護に・・・

そのような指示を出すヒミコさんであったが、それを止める少佐。

レオの投入は待て!!まだヴァンパイアが現れてない!
もう1体人型が現れたらパワーバランスが一気に崩れる。待つんだ!

絶体絶命の窮地にありながら冷静な少佐。
確かにどちらもヤバイ状況であるが、ここでビゼリア登場となった場合、現れた左右のどちらかは相当危険な状態となはずである。
うーむ。玲央さんは移動中とかなのかと思ったら既に待機状態だったんですね。
こうなってくるとそもそも最初から二手に分かれて攻撃を仕掛けたのが間違いだったように思えてきます。
威力偵察の意味もあったから、ヤバクなればすぐに退却するつもりだったのでしょうが・・・被害甚大ですなぁ。

敵に挟まれた左弦とは異なり右弦は退路を断たれていない。
ハルトがラランを半ば無力化したような状況のため、撤退はしやすくなっている様子。
なのでイヨちゃんはヒミコさんに告げる。まずは撤退を試みます!まだ極限の判断をするときではありません!と。

GストライカーとGシールドマンが倒れて戦力は半減・・・それなのに極限でないというの。
だけどたしかに・・・そこに玲央ちゃんを投入したとして、左弦にヴァンパイアが現れたら向こうは絶対に保たない。
まずは右弦の撤退を優先させるべき・・・そこまで考えてるというの?我が姪ながら末恐ろしいわ・・・

冷静になって考えてみると割と当然の判断なのかもしれない。
けれどこの窮地でその冷静な判断を下せるというのは凄いことである。
割とヒミコさんも身内褒めみたいなことをする傾向はあるようですが・・・まあ、今回は素直にイヨちゃんが凄いと考えましょう。
それにしてもハルトとシェリカを抱え上げたイヨちゃんの姿は可愛いというか何というか・・・注目しちゃいますなぁ。

それはさておき、イヨちゃんは負傷者を救出し撤退すると告げる。
不安そうな表情を見せるイヨちゃんに対し、そんな顔するな。オレなら大丈夫だと言ってみせる少佐。
そこからイヨちゃんの表情なんて見える訳ないのに、付き合いの長さで理解して気遣っている様子。
こちらはこちらで極限の状態にありながら見事な気遣いでありますなぁ・・・

それでいい。シェリカと小僧を頼んだぞ!!

イヨちゃんの撤退を見届け、フェルゼルの足止めのために攻撃を仕掛ける少佐。
さっきの爆震は肉の感触があった。表面は外甲に守られていない。まずは肉を裂き、髄幹を露出させるとの考え。
うーむ?マガタマの一撃が通用していないのは逆に外甲に守られていなかったからなんですかね?
固い外甲ではなく、肉で受け止めたおかげで爆震をされてもひび割れることなく吹き飛ぶだけですんだと。有り得る話ですな。
その割に出血等もなく元気な様子のフェルゼル。通常の人間の肉体よりは頑丈と考えるべきか。

ともかく、肉の身体が相手ならば対甲一文字で切り裂けるはずである。
髄幹を守る外甲は破れないかもしれないが、まずは露出させることが大事。
そう考えて斬りかかったわけだが・・・なんと手甲を外甲化させて受け止めるフェルゼル。器用なことをする。
あの大きなシールドこそ手放しているものの、小型の盾ならば瞬時に生み出せるわけでありますか。
どこまでも防御に特化した感じの能力でありますね。フェルゼル。さすがに元シールドマンといったところか・・・

フェルゼルの格闘能力はアーマーナイトことアーカスに匹敵する。
でもあれがブレイカー2・・・藤堂兵真本人なのだとしたら――少佐ならば何とかできるのではと考えるヒミコさん。

藤堂兵真にも戦いの手ほどきをした少佐なら・・・

ほう。玲央さんだけではなく兵真くんもまた少佐から手ほどきを受けていたのか!!
ここで少佐の回想。ヒョーマ。お前なのだな。こんな形で再会することになるとは!!

その想いと共に浮かぶのはまだ肉体が出来上がっていなかった頃の兵真くん。
アメリカで深柱が出突した直後のころでしょうか。
玲央さんが家族を失い、兵真くんも柱と戦う決意をした様子。

身長は東洋人としては規格外だがやや線が細い。持久力にも不安がある。
腕力と瞬発力を生かせるブラストストライカーが適任だろうと判定された兵真くん。
しかし当人はシールドがいいと述べる。開発している防護盾はその時の兵真くんには持て余す程の巨大なものであった。
だがどれだけ大きかろうと振り回して見せる!!と宣言する兵真くん。

玲央が戦うことを決めた以上、オレはシールドマンをやる・・・!
玲央はオレが守る!!!

当初から玲央さんを守るという意識が強かった兵真くん。
贖罪や庇護、恋慕。色々な感情がこの時からあったのが窺い知れますなぁ。
玲央さんが戦うことを止めるのではなく、戦うことを認めたうえで守ろうとする。いい考え方であります。
しかし確かにこの頃は線が細かったのによくもまあここまでムキムキになれたものである。
身長こそ元からあったものの、その肉体は努力の積み重ねで生み出したものであるわけだ。魅力的ですなぁ。

それ故か、外見は巨躯でありながら俊敏さも損なっていない見事な体格を手に入れた兵真くん。
しかし今、皮肉にもその俊敏さで少佐を追いつめようとしている。

フェルゼルにはビゼリアやサークェのような御剣による攻撃は存在しないのだろうか?
何にせよ、ただのパンチでも地面を砕き、車両を吹き飛ばすだけの威力はある。
が、そのフェルゼルの攻撃した腕に装着した手甲が音を立てて砕ける。
何事かと思えばこれは少佐の仕業。土煙が晴れた時に少佐が手にしていたのは・・・スカルペル!!
なるほど。対甲一文字では通じなくても、これならばフェルゼルの外甲にも対抗できるのか!!

ヒョーマ・・・忘れたのか・・・レオのことさえも・・・
守るべきものを失ったシールドマン。お前には負けん!!

強き意志を見せる少佐。カッコイイですなぁ。
ちなみにこのスカルペルはイヨちゃんが撤退時に補給車から装備を出して周囲に配置していたもの。
その細かな気配りが見事に生きたわけでありますね。
言葉も交わさずにこの配慮を受け取る少佐。イヨちゃんとの信頼関係がしっかり出来上がっているのがよく分かる。

これがスレイヤー6の戦い方。これがゲトレー少佐の信頼のかたち

ここに来て年長者の、指導者としてのカッコよさを見せてくれる少佐。
しかし何にしても危機的状態であるのは変わりがない。
攻撃の手段こそ手にしたものの、果たしてこれだけでフェルゼルの足止めは可能なのであろうか?
不気味なのは肉団子となったラランの存在。
あの状態となったラランに攻撃手段はないのだろうか?いきなり熱線放ってきたりしないかと怖い部分はある。
というか、ハルトのことを知りたいと言っていたし、転がってイヨちゃんの後を追ったりしてないか不安である。

左右どちらも危機的な状況。
ここは少佐も含めて右を完全撤退させ、左側に戦力を集中したいところでありますが・・・どうなりますか。
この攻防でせめてサークェかアーカスのどちらかは倒しておきたいところでありますなぁ。



第76話「復帰」  (2014年 11号)


兵真兄・・・オレを殺してもいいから玲央姉と林さんに手を出すな。
・・・本当に?本当にそれでいいのか?

アゴを砕かれダウンし、イヨちゃんに運ばれるハルト。
朦朧とした意識の中で想うのはやはり兵真くんのこと。本当に2人手を出さなければそれでいいのか・・・!?

ハルトが割り切れない心でいる中、少佐は足止めをするために必死に戦っている。
フェルゼルはどうやらハルトと同じように外甲片を集めて盾を形成できるらしい。
所持していた盾はどこにいったのかと思ったら、自在に作れるのか・・・これは厄介だ。

雷光をも防ぐ盾。
しかしその生成までには時間がかかる。
老練な、ムダのない動きでフェルゼルに迫る少佐。
外甲の完全形成に要する5秒の間に叩こうという考えだ!!

ヒョーマ。お前の防御技術はマントル熱線を防ぐためのもの。対人戦闘への対応はまだまだのはず・・・

藤堂兵真に戦い方を仕込んだゲトレー少佐。
さすがによく理解している。しかし理解しているのはやはり生前の兵真くんの戦い方であった様子。
深柱となった今は攻撃の手段が増えているわけでして・・・
いや、それでも生成を行っている最中にマントル熱線を撃ってくるのは想定外であるか。今までになかったことですしね。

攻撃を仕掛けたところでカウンター気味に放たれた熱線。果たして避けることはできたのかどうか。
それは分からないが、イヨちゃんは不吉な予感を感じで涙を流す。
そして、ようやくハルトが意識を取り戻し、動き始める。

降ろ・・・せ。ツインテ・・・おばさんの・・・姪

相変わらずハルトはまともに名前を呼ぼうとしない。というかなんとも回りくどい表現である。
巨乳ハンマーやらツインテおばさんやらクソジジイやらハルトの仇名は色々と酷い。
その点、仇名もなく早い段階で名前を憶えて呼ばれたのは林くん。
であるが、だからこそ兄と呼ばれることはなくなったかのように思える。それは当人にとっては不幸なことだったのかもしれない。

というのはさておき、イヨちゃんの肩から降りるハルト。
アゴが砕けていたはずなのに何故か喋ることができているようだが、凄い速さで再生しているのか?
それはともかくハルトは言う。おっさん1人じゃダメだ。どんなに強くても兵真兄には勝てないと。
うーむ、これはある意味ハルトの身びいきな気がしないでもない。兵真くんに対する憧れの強さによる発言か?
いや、それだけではない。このように考えているともとれる。もし止められると者がいるとするならばそれは――

オレが行く。
誰かが・・・誰かがやらなきゃいけないだろ。オレなら兵真兄を止められるかもしれない
助けたいんだろ。おっさんを。

そのように述べるハルトの下顎はマスクのような外甲に覆われていた
なるほど。喋れるようになったのはこういうことでありましたか・・・
ヒーローらしい格好よさはあるのだが、これはどうなるのか?
カサブタみたいなもので、傷が治れば勝手に消えるのか、それとも左腕のように崩壊してしまうのか・・・
いやさすがに腕と違ってアゴが崩壊するのは見た目的なダメージが大きいしなぁ・・・

そんなことを考えていると、今度はシェリカが意識を取り戻す。
相変わらずこの子はタフというか何というか。危険な状況になってもそこから長持ちする様子。寝ると回復する体質なのか?

シェリカ「・・・ハルト。また・・・かっこよくなっちゃったね・・・
ハルト「深柱少年だからな

なんとも哀しいやりとりである。
相手を気遣い、かっこよくなったと述べるシェリカ。
相手を気遣い、深柱少年だから何てことはないと言ってみせるハルト。
いい雰囲気であるのはよいが、やはり哀しいことこの上ないやりとりだ。

シェリカはハルトならばきっと少佐も救ってくれると信じている。
そう勧められるイヨちゃんであるが、少佐からは融合者は我々人類の切り札。万一の際はその生還を最優先すると言い含められている。

でも、寺鐘くん・・・少佐を。少佐を助けて!
がんこで無口で怖そうに見えるけど。本当は・・・優しいの。私のお父さんみたいな人なの!

ふむ。このようなことを言われたのならば救わないわけにはいきませんわな。
元々兵真くんが誰かを、仲間を、人間を害することを良しとはしないハルトである。
必ずおっさんを連れて帰ると約束し、雷光を生み出して歩み始めるハルト。

ここは撤退するしかない。そのように思ったのですが、よもやのリベンジマッチ。
オレがやらなきゃ誰がやる。まさにハルトこそが人類の切り札といった状態でありますからなぁ。期待せざるを得ない!!
どうかビジュアル的にも無事な状態で帰ってきてほしいものであります。



第77話「死闘」  (2014年 12号)


フェルゼルと応戦するゲトレー少佐。
かつての弟子とはいえ、さすがに柱の戦士と化した兵真くん相手に一人で立ち向かうのは無謀と言えましょう。
だからこそ、ハルトが向かう。
傷ついた体を無理矢理修復し、イヨちゃんの少佐を救ってほしいという涙を背に受けて向かうのだ。
これだけの短時間でダメージの回復を行う。これは深柱との融合が相当高まっているということではなかろうか・・・心配だ。

シェリカはハルトを信じようと述べて再び気を失う。
イヨちゃんも不安な気持ちは十分わかりますが、今は急いでシェリカを運んで行ってあげて欲しいところです。

マントル熱線の熱で遮断されていた通信が回復。
それによると少佐はどうやら無事だったらしい。
あの一瞬でシールド――十二式耐熱複合防護盾(type12)を構えて熱線を防いだらしい。
これもイヨちゃんが立ち去る前に出しておいてくれた装備でありますか。危ういところでしたなぁ。

遠距離攻撃してくれるなら幸い。このまま盾を構えつつ脱出すると考える少佐。
しかしその遠距離攻撃が通じないと分かるや否や近距離攻撃を仕掛けてくるフェルゼル。
うーむ、喋らないから分かりにくいけどやはり知能は高いようですな。それとも体に染みついた戦闘訓練によるものか。

ヒョーマ。最も大切なのは相手との距離だ
常にこちらの優位な距離を保つことが重要だ。それはシールドマンのお前でも例外ではない。
調査では柱型以外の敵もいる可能性があるらしいからな。様々な事態に対し臨機応変に対応しろ。

どうやら師の教えをしっかり守っている様子。これはいい師弟対決ですなぁ。

深柱の力を駆使するフェルゼルは人間の時とは比べ物にならないパワーとスピードを有している。
が、それでも少佐からしてみればまだ隙は多い。
攻撃を空振りして出来た隙を見逃さず、フェルゼルの左肩にスカルペルを振り下ろす!!当たった!!

切断される左腕。また左腕か!!
その際に露出した胴体内部。どうやら肋が外甲になっているらしい。こりゃタフそうだ。
そして腕を切られたぐらいでは痛痒は感じないのか、反撃を行うフェルゼル。
残った右腕で少佐を吹き飛ばす。万全の状態で殴られていたら少佐の上半身が千切れ飛んでいたところだったぜ・・・

倒れながら髄幹の位置のサーチを行う少佐。どうやら背骨中央にある様子。
肋骨の隙間に水平の角度でスカルペルを叩き込めば倒せるかもしれない。

合討ちならいける!!

圧倒的に不利かと思われたが、ついにその段階まで持って行った少佐。やりますなぁ。
覚悟も決まっているようですし、このまま他の面々の礎となろうとしている少佐。

マーベル。シェリカ。ケイラン。ライツ。イヨ。後は頼んだぞ!!

攻撃を仕掛けてくるフェルゼルに合せて捨て身の攻撃を仕掛けようとする少佐。
しかし、そのタイミングで駆けつけた人物が・・・残るフェルゼルの右腕を切り落とす!!

空を滑るように駆けたハルトの一撃。この見開きは素晴らしくカッコイイ。
これでフェルゼルは両腕を失い、ほぼ戦闘不能の状態になったといえる。
そしてハルトは少佐に下がってと述べる。

そいつはオレの相手だ

意を決したハルトは実にカッコイイ。少し思考も柱寄りになっていっていないかが心配でありますが・・・
何にしてもやはり兵真くんとの決着をつけるのであればハルトの手によるものでないといけませんかねぇ。
かつて兄と慕った相手なだけに、辛くとも自分の手で・・・と。

しかし考えてみると兵真くんは色んなキャラと絡みがありますなぁ。
ブレイカーズの3人に加えて少佐とも絡みがあった。師弟対決での決着も十分あり得る話でした。
そして少佐の弟子だったということはマーベルたちにしてみれば兄弟子にあたる可能性もある!!どっちが先かは不明ですが。
その絡みもあり、ひょっとしたら同じシールドマンのライツなどは兵真くんのことを知っていたかもしれませんな。
やはり超弩級複合式耐熱対甲防御盾の弩は兵真くんのドレッドのことだったのか・・・!?

盛り上がりを見せる最中、ここで信じられない情報。
予告に次回最終回の文字が書かれているのだ・・・こ、これは一体・・・!?
正直この流れでいきなり終わるというのは考えにくい。
右弦左弦両方とも戦いは広がっている状態だし、伏線となっている部分も数多くある。
終わる気配も漂わせていないのにいきなりのこれは・・・どういうことなのか!?

序章終了と同じように一端の区切りという意味での最終回なのかもしれない。つまりは掲載紙の移籍とかそういう方向での。
そういう風に考えるとフェルゼルとの決着はその区切りとしては相応しいのかもしれない。
兵真くんが自爆して序章が終わったのなら、次の区切りも兵真くんとの戦いでつけるべしと。こういう流れなわけだ。
こりゃここで倒された兵真くんが更に復活してくる流れありますぜ!!



最終話「そして、新たな戦いへ」  (2014年 13号)


ゲトレー少佐の窮地に駆けつけたハルト。
当然、このことに驚きの色を見せる少佐。最優先でその命を確保せねばならない人類の切り札である融合者。
自分の命に代えてでも無事に撤退させるつもりであったのでしょうが・・・

・・・おっさん。あんただってシェリカたちにとっては唯一の隊長だ
ここで死ぬわけにはいかないだろ。

その存在は誰かにとって唯一足りえる。
守ることができる相手を守れずに終わらせるようなことはしたくない。
自分の身こそ段々と顧みなくなってきているハルトだが、人と人との繋がりに関してはどんどん強い想いを持つようになってきている。
それが最終的な柱との融合の食い止めになればよいのですが・・・

それはさておき、今はフェルゼル――兵真くんとの決戦である。
両腕を失い戦闘力がなくなったかと思えば外甲を変形させることで両腕を作り出す。
なるほど、腕から外甲の盾が作れるのなら、その派生で腕そのものも形成できるわけか。

盾からマントル熱線を放つフェルゼル。
それに対し、ハルトも外甲盾を形成して防ぐ。
そしてその盾を一瞬にして雷光纏う剣へと変えるハルト。5秒の壁も関係なくなっているというのか!?

兵真兄・・・兵真兄!!
オレはあのときあんたにだったら殺されてもいいかって思った。
でも、ダメだ!オレがそう思ったってことは――
オレが兵真兄に殺されてもいいと思うってことは、玲央姉と林さんもきっとそう思うってことだ!!
だから・・・あんたはオレが倒す!!オレが!!

雷光の一撃を盾で受け止め、空いた右手で殴りつけてくるフェルゼル。
その右手首に咬みつき、睨みつけるハルト。何という気合。何という意志か。
そんなハルトの姿を見たフェルゼルの表情になんとなく笑みのようなものが浮かんでいるように見える。
なんだろうかこれは。偶然そのような表情になっただけなのか、それとも・・・

何にせよ、こんな表情を見せられては兵真くんとの日々を思い起こさずにはいられない。
短い時間ではあったが兄として慕った存在。
4人でのブレイカーズの日常。それはかけがえのないものである。
そして兵真くんが残した言葉は今でもハルトの胸に宿り続けている。
どうするか自分で決める。その教えを守るためにハルトは涙を流しながらも剣を振り下ろす――

人型深柱との戦いは両弦どちらも熾烈を極めている。
玲央さんはいつでも出られるように体勢を整えている。
H小隊はライツが傷つきながらも戦闘態勢をとっている。マーベルは傷つきながらもその眼から光は失われていない。
そしてシェリカは無事に救護された様子。
意識を取り戻すシェリカ。その眼に映るのは・・・無事に少佐を救出して戻るハルトの姿。
口元を覆っていたマスクは分解されている。
その下から出てきたハルトの姿は今までよりも少し大人びた感じに見えます
自分で考え、自分で決めた兵真兄との対決。それを乗り越えてまた一歩大人に近づいたということでしょうか。

よい話でありますが・・・ここで最終回であります。
実に残念というか、未だに信じられないと言いますか・・・
まだまだ読みたかった。玲央さんやルイ君の活躍を見てみたかった。ユミちゃんがどうなったのか知りたかった。
心残りは多いですが・・・ともかくお疲れ様でありました。
一智和智先生、渡辺義彦先生の次回作に期待しています!!

さて、次回作は次回作で心待ちにしておりますが、バーサスアースにはまた別の動きがあります。
なんと原作の一智先生が今回の78話以降のストーリーをIF展開、アナザー展開として公開してくれるというのだ!!
元々自分で作品を描いていた一智先生であります。きっちりとした漫画の形で今後の展開が読める・・・
それこそ上で書いたように、玲央さんやルイ君の活躍が見れるということなのだ!!これほど嬉しいことがあろうか・・・
渡辺先生の絵で見ることが出来なくなったのは残念でありますが・・・今は続きが読めるというだけでも感謝をしたい。

そんなバーサスアースアフターは下記サイトとpixivにて公開されています。

http://earth.versus.jp/index.html
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=41904135

「ウォーハンマー」として正式稼働するのはバーサスアース最終巻がでてからしばらく――6〜7月頃とのこと。
それまで心待ちにすることにします。ええ、心待ちにしますとも!!
そして、稼働後のウォーハンマーの感想も行っていきたいと考えています。頑張りますぜ!!



  バーサスアース感想目次に戻る

  バーサスアース78アフター ウォーハンマー感想に移動

  作品別INDEXに戻る

  週刊少年チャンピオン感想TOPに戻る



HPのTOPに戻る