蒼天紳士チャンピオン作品別感想

シュガーレス
Vol.91 〜 Vol.120


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Vol.91 2回戦  (2011年 52号)


マリモの拳が三田さんを沈める。ついに親友対決は決着。
1回戦最後の試合の勝者は丸母タイジに決まりました。

お前も1人になってみろと戦い中は言っておきながら、起き上がるのに手を貸そうとするマリモ。
そうは言いながらも、お前のことを大事な連れだと思っているというマリモ。
ふむ。いい話ですな。
まあ、一人になることは大事だが、全て切り捨てて一人になることはないわけだ。独りじゃないわけですし。

ようやくランブル1トーナメントの1回戦が全て終了しました。
勝ち残ったのは7名。
さっそく2回戦の相手であるマリモに宮華が闘志を燃やしている。ウズウズ。
とはいえ、まずは岳と井純からである。
マリモは再び殴り倒された嘉上を担いで端にさがる。

井純ィ・・・!ようやくテメーを咬み殺せるな・・・!

どんどん犬になっていく岳。
だが、井純はそんな岳に背を向ける。向かう先は・・・シャケ!

椎葉の犬野郎よりアンタと闘る方がアガるんだよな・・・!

相変わらずのアガリ症の井純。シャケを前にするとアガっちゃう宣言をかます。
まあ、そんな舐めた態度を取られちゃ岳も黙ってはいられないわな。
後ろから蹴り飛ばそうと襲い掛かる。
が、とび蹴りをかまそうと跳んだ岳を、逆に蹴り堕とす井純。

どうやら岳は卜部にやられたダメージが残っているらしく、相当動きが鈍いらしい。
なにっ。ダメージ残るようなキャラだったのか?
いえ、井純。勘違いだ。実は既に回復してて、それが全力かもしれないぞ!余計ダメじゃん。

こんな奴じゃ相手にならないという井純。それに対しシャケ。
そんなに遊んでほしいなら、優勝した奴と闘ってやる。と宣言する。
シャケなら、九島の屋上なり道端なりどこでもケンカ売ったら相手してくれそうな気はしますけどね。
今日はトーナメントの最中なので控えておこうとか考えているのかもしれない。
なんだかんだで、シャケも気を使ってるのね。
だったらこんな途中で観戦にきたりしなければいいのに。まあ、ヒマだったのならしょうがないか。

ともかく、優勝すればシャケと戦える。
そうと決まればモタつく気はない。未だに倒れている岳を潰そうとする井純。
だが、そこでハプニングが発生。
倉庫の外から音がする。なんだ?これは・・・トラックだ!突っ込んでくるぞ・・・!!

何だあ・・・!?

いや、こっちが言いたい。何だあ!?ツッコミたい。
突然のトラックの乱入。
しかも、それが中に入ってくるのかと思いきや、入口でぶつかってしまっている。
目測を誤ったか。次回は一度バックしてからもう一度入ろうとする流れですな。

このトラックは一体なんなんでしょうね。
トーネメントが無事に最後まで進むとは思っていませんでした。
1回戦終了時に割り込まれるんじゃないかという予想もしていました。
まあ、わざわざ岳が倒されてから割り込みが来るとは思ってませんでしたけど。さすが岳。

中には脅威の存在がおり、暴れだす。
これはトーナメントどころじゃない、みんなで力を合わせるんだ!な展開になるか?
と思えなくもないが、シャケがいる時点でどうとでもなっちゃいそうな気がするのが厄い。
トラックの荷台からアナコンダが出てきても倒してしまいそうなシャケ。
むしろトラック自体が突っ込んできても、シャケならなんとかしてしまいそう。
あの大関も吹っ飛ばしたトラックを正面から受けてなんともないのか!とかいう流れで。化物め。



Vol.92 期待ハズレ  (2012年 1号)


トーナメントの真っ最中にトラックが突っ込んできた。なんだぁー!?
壁にぶつかって止まったかと思ったら突き抜けてきやがった。意外と薄い壁なんだな。

運転していたのは、なんだかチャライ格好の男。
結構生き残っているじゃんと意外そう。

もっと撲殺してるかと思ったよ、ムーちゃん

ムーちゃん?武藤か!!
突然暴れだす武藤。相変わらずブツブツ言ってて不気味である。
観客を手当たり次第に叩き伏せていく。
トーナメントどころの話じゃなくなっている。やべぇ。
ならば対戦相手である僕が止めると殴りかかるシロ。これ以上荒らされちゃたまらないんだよ。

格好よく宣言してみたが、後ろから近づいてきたトラック運転手にスタンガンを当てられるシロ。
さすがにスタンガンはキツイ。よっぽどの化物でなければこれは耐えられない。
シャケだと普通に耐えそうだから困るけどね。アノ人はよっぽどの化物ですから。
チャラ男は言う。

俺たちは、荒らすために来たんだから
学生だけのヌルイトーナメントを・・・!

その宣言と共に、トラックの荷台が開く。
中にはカジュアルな服装の連中がいた。何者だ?
言葉からして学生ではないようだが、社会人にも見えない。なんだ。プータローか!?
何人いるのかはよくわからないが、暴れだすカジュアル軍団。
どうでもいいが、荷台にいてよく無事だったな。壁にぶつかったとき衝撃があっただろうに。
荷台が開いたらほとんどぶっ倒れてたら面白かったでしょうにな。

井純に蹴り落とされた岳は起き上がろうとしたところで武藤に殴り倒される。
マリモは嘉上を降ろしているスキに蹴り倒される。
井純や宮華は普通にやられる。おい。
カジュアル軍団とシャケ以外は地に伏せてしまう。なんともあっけない。
他は1回戦のケガが残っていただろうからしょうがないだろうけど、井純はもっと頑張れよといいたい。
なんだか普通に殴り倒されてたぞ?

そして、ただひとり残っていたシャケ。手を出しもせずずっと立って見てるだけでした。
逆に誰も殴りかかろうとしない辺り、さすがというべきか。
参加者なら潰しとこうぜというカジュアル軍団にシャケ。

俺は、優勝商品だ

えーっと・・・うん、間違ってはいない。けど、その表現はどうなんだ!?
なんですか優勝商品って。トロフィーみたいなもんですか。まさか持ち帰れるのか?お持ち帰り〜♪
カジュアル軍団は、要らないねと放置していく。勿体無い。

もう少しやるかと思ったけど、期待ハズレでつまんなかったって伝えておいてよ。

シャケを置いて去っていくカジュアル軍団。賢明ですな。

いきなりの展開に驚いたが、これで一時共闘のフラグが立ったといえますな。
しかし、さすが武藤。題名のシュガーレスを背負うだけのことはある。無糖なだけに。
ただの危ないキャラではなく、今回のボス格になりそうな雰囲気ですよ。

ふがいない所を見せた井純はこの後、名誉を回復できるのだろうか?
そして、姿が見えない正門はどこにいったのか?
正門はやられている場面も、倒れている姿も見せていない。これはどういうことだろうか?
ひょっとしたらトラックの下にへばりついているかもしれない。
このままトラックにくっついて、カジュアル軍団のアジトを教えてくれるに違いあるまい。すげぇな正門。

次回からはこいつらとの戦いになるのか。
仮称カジュアル軍団は呼びづらいので、呼びやすい名前がついてくれるとよいのう。



Vol.93 アノニム  (2012年 2+3号)


乱入劇の翌日。さすがに同日にリベンジなんてマネは誰もできなかったか。
登校中?に岳に出会ったキリオが昨日の結果を尋ねてくる。チャンピオンは誰だい?
この問いに、うるせーなで返す岳。ご機嫌斜めですね。
同じくご機嫌斜めなマリモ。キリオを無視して去っていく。
なんだか無視されっぱなしのキリオが可哀想な気もするな・・・

ハングリーじゃなくてアングリーな丸ちゃんは珍しいね

うむ、どうやらこの男は無視しても平気なようだ。ハッピーな奴め。
というか、キリオも結果が気になるなら見物に来ればよかったのにね。
シャケほど暇人ではなかったということでしょうか?
来ていたらシャケの隣にならんで、俺は副賞だ!とか言ってくれたんでしょうか。

シロはシャケに昨日の乱入者について尋ねる。しかし、シャケにも心当たりは無い様子。
ただ、伝言だけは伝えてくれます。期待ハズレだってさ。いい挑発になったみたいですね。

トーナメントが行われた会場は廃墟と化していた。
さすがにあの状態では誰も片付けなんてしているはずもないですわな。
とはいえ、乱入者の手がかりになりそうなものもない。
ここにやってきたのは卜部さんと井純。
死闘だったわりに、1日たっただけでずいぶん回復してますな卜部さん。

井純曰く、武藤の学校である弘尾商業に行ってみたが、武藤はいなかったとのこと。
なのでここに手がかりを求めに来たわけか。

卜部「――で、ここで俺に潰されるわけか」
井純「おいおい。俺は椎葉に負けたお前のツラを踏み潰しただけだぜ!?」

同時に蹴りを放つ2人。その威力は互角か?

椎葉の犬野郎より、お前の方が闘り甲斐あったかもな
武藤たちを潰してトーナメントも片付いたら相手してやるよ。

言いたいことを言って去っていく井純。調子にのりやがって。

しかし、卜部さんは負けても格が落ちないませんなぁ。負けるたびにリベンジしたりでフォローが入っているイメージ。
どうせなら周防とかもフォローしてあげてください。

さて、武藤たちの方にカメラは向かう。
あのトラックはどうやら盗んだものらしい。
というか、ドライバーを半殺しにして奪ったらしい。どちらにしろ強盗じゃねぇか。

昨日の奴等はクソ並に弱かったというカジュアル軍団。
楽しんでたのはムーちゃんくらいだろ?という問いかけに笑顔を返す武藤。笑い方キモイキモイ!
仲間同士でもボソボソ喋りなんですなムーちゃん。
これで、仲間とだけは饒舌だったらどうしようかと思った。
でも、この笑顔の時に何を言っているんでしょうね?
闘った相手は弱かったけど、あの場に来たシャケとか言う奴マジヤベーよアレヤバイヨ(ニコッ)
とか言っているのかもしれない。どちらにしろ笑い方キモイけど。

アジトでお喋りを楽しんでいるところに乗り込んできた男がいた。
なに、典斗じゃないか!!まさかこいつが真っ先にリベンジに来るとは!?
お前1人じゃ無理だろ?と思ったら、連れてきましたよ凄いのを。矢坂兄の登場だぁ!!

お前たちが誰かは知らん。興味も無い。殺す。

矢坂兄の発言を受けた連中。ならばと自己紹介を行ってくれます。

ポニー太です!
たぁ君です!
ゴンタまんです!
オンドリです!
としきゅんです!
ムーちゃんラン坊です!

全員そろって”アノニム”で〜す!!

なんだこのノリ。そしてネーミング。適当すぎるだろう。特にたぁ君。
ポニー太とオンドリのセンスは認めなくもない。

興味ないと言っただろと殴りかかる兄。しかし、オンドリにそのパンチを止められる。なんとまぁ。

俺たちアノニムも、お前が誰だろうが、何ゴリラだろうが、何原人だろうが、興味は無い。
所詮お前らは、いや、この世の全てが俺たちのオモチャなんだ。
楽しく遊ばせてくれればそれでいい。
だからその価値が無いモノは――壊す!!

オンドリとポニー太の2人がかりで攻撃されて怯む兄。お兄!!

お兄!?どのツラで言ってんだ!ギャハハ!!

おっと言われちゃいましたね典斗。確かに思ってたことだけどさ。
やられちゃったので強い兄を連れてきたという流れは非常にカッコ悪かった典斗。そしてこのザマか。
結局兄弟まとめてやられてしまいました。未央の連中はいいところがないなぁ。
しかし、マリモと渡り合ったあの矢坂兄がこうもあっさりやられるとはねぇ・・・
原始の力が足りてないのかもしれないな。最新のスマホに変えたりして原始力が衰えていたとか。

ともかく、この連中。誰かを倒して名前をあげようとは思わないらしい。
名前バレしちゃったらハデに遊べなくなるから。

俺たちはアノニム(匿名)で〜す!!

なるほど。それでアノニムか。匿名希望さんなんですね。
今が楽しければいいやなノリの連中という感じか。そりゃ学校にも行かないわけだ。
そうなると、ムーちゃんの毛色が違いすぎるのが気になるな。
他の連中とはノリも違う感じだし。どういう立ち位置なんだろう?

というか、最後のアノニムで〜す。は誰に対して言っているんだろう?
読者に向かってというのは余りにもメタ視点の話である。
離れたところから観察していたヒラオリに名乗っている可能性とかはあるか?

そういえば、正門はどうなったんだ?
アジトを突き止めるとしたら正門かと思ったのだが、典斗に先を越されるとは。
実はトラックの中に潜んでいたりするのかもしれないけど。
今後はリベンジの展開になるんだろうけど、誰が活躍するのだろうか。
まあ相手は7人だし、勝ち残った6人と卜部さんの7人が活躍すると考えるべきでありましょう。
でも三田さんとかもいるしなぁ。あ、大熊さんもいたな!
ここで大熊さんがまさかのリベンジ成功してレギュラーキャラ入りという可能性もあるんじゃないかね?
第2の卜部さんを目指すのだルイさん!



Vol.94 過去の自分  (2012年 4+5号)


いつも通りの駅のホーム。周防は通学途中。電車通学だったのか。
典斗と連絡がつかないことを心配する周防。1人で武藤たちを潰そうとしてなきゃいいが・・・
その心配はバッチリ的中ですね。しっかり返り討ちにあってますとも。

それはさておき、駅の構内が騒がしい。
どうやら同じ未央の生徒が誰かに追われているらしい。朝から大変だな。
追ってきたのはアノニムのメンバーの2人。ゴンタまんとポニー太だ。
何か変なことを叫びながら追ってくる。

逃げるなよォ現実逃避は良くないぜえ?
青春の悩みがあるなら相談乗ってやるよォ!?

当面の悩みは変な奴らにからまれた、って部分だと思いますよ。
周防は未央の生徒を逃がし、代わりに相対する。
どうやら未央の生徒を狙ってタカろうとしていたらしい。
普通にカツアゲが目的ですか。フザケた奴らだよ。

未央を狙ったのも理由がある。先日、兄ゴリラと弟キツネの矢坂兄弟を倒したからだ。
その2人を倒したとあれば、未央の連中なら逆らったりしないだろうという考えがあるからだ。
なんだかセコイっすね。逆らっても叩きのめしなさいよ。
というか、弟キツネって評はいいな。なんだか似合ってる。
ゴリラの威を借るキツネと申したか

典斗が先走ってやられたことを知る周防。
――けど・・・

こんな奴らにトーナメントをブチ壊されたと思うと、確かに我慢ならないよな・・・!

怒る周防。だが、トーナメントのことなんて記憶にございませんというアノニム。

遊びで潰した奴らのことなんて、流したクソの量と同じくらい覚えてねえな

嫌な例えだ。でも、その答え方はトーナメントのことを覚えていると言ってるのと同じである。
つまり、流したクソの量を把握しているわけだ。すげえなゴンタまん。
汚ぇ!と思ったわけじゃないだろうけど、殴られるゴンタまん。ゴンタまーん!

ギャー殴ったー!!イキナリ殴りましたよこの人ー!!
信ジラレナーイ!ヒトゴロシー!!

いきなり騒ぎ出すアノニム。めんどくさい奴らですね。
そのくらいのことで怯む周防ではない。立場のあるお坊ちゃんだけど舐めるなよ。

ムカつくんだよ。お前らのその人を見下した態度が。
叩き潰さないと気がすまない・・・

昔の自分を。卜部と闘り合う前の腐った自分を見ているみたいな気分にさせられる周防。
そのころの周防も確かに似たようなことしてましたなぁ。
面白半分で不良を狩ってみたり、写メに撮ってみたり。
そういう意味では矢坂兄弟には因果が巡り回って来たといえるのかもしれない。

動揺する様子を見せない周防に苛立つアノニム。
2人揃って攻撃をしかけてくる。やはりタイマンとかしたりはしないのか。
戦うより勝つのが好きなんだよって感じの連中だし、正々堂々も何もないか。
勇んで挑みかかったが、やられそうになる周防。
最初に追われていた未央の生徒も不安そうに見守っている。

こんな奴らに・・・こんな奴らに・・・クソッ・・・!!

九島の連中とのトーナメント。それを汚した連中になすすべもなくやられてしまう。悔しい。
そんな風に悔しがっている周防を助けるためにナイトがやってきました。ううう卜部さんだーッ!!

死んどけクソ共。

いきなりの卜部さんの乱入により、九島と未央の異色のタッグが結成された。
これで1対1が形成されそうな様子。周防の復権の芽も出てきたってものです。よかったよかった。

しかし、卜部さんはシンデレラの次はナイト役でございますか。
ヒーローとヒロインが入れ替わったってわけですね。アラアラ。ってシンデレラ呼ばわりしたのはキリオか。

アノニムの2人はここで倒されてしまうのでしょうか?
7人しかいないアノニムだが、ここで倒されると残りのメンバーの復権には人数が足りない気がする。
まあ、別にいいか。井純辺りにスカを引いてもらうということで。
ゴンタまんはここでやられそうだけど、ポニー太はどうなるかな?
今回もゴンタまんしか殴られてないと言う理不尽な流れであるし。デカいから殴りやすいのかゴンタまん?
それともポニー太には特殊能力があるとか?能力:仲間に攻撃をなすりつける。やばいな、ポニー太。



Vol.95 ゲームオーバー  (2012年 6号)


駅の中で対峙するアノニムと卜部、周防。
騒然とする周囲をよそにケンカを始める。異色のタッグマッチが開戦だ!

周防がポニー太に殴りかかり、卜部さんはゴンタまんに蹴りかかる。
ポニー太は未だに笑顔だが、ゴンタまんは少し真面目な顔になってきている。さすが卜部さんだね。

卜部さんの蹴りを受けてふらつくゴンタまん。
ふらついて周防にぶつかったところで、周防がポニー太に殴られる。
そして、2人がかりで攻撃される卜部さん。
正々堂々1対1でやるつもりはアノニム側にはない。
隙あらば2人がかりで攻撃することに躊躇いはないのである。
まあ、タッグマッチとしてはその方が正解なので、卑怯ってこともないんですけどね。

周防にも、1人ずつ確実に仕留めるんだよバカ!と説教される。
とはいえ、そんなことを素直に聞けるようなバカさ加減ではない。
目の前のやつをブッ潰す。それが基本スタイルだ!
とはいえ、目の前で周防がかばったりしてくるんじゃあ、しょうがない。
というわけで、周防が攻撃して怯んだゴンタまんに追撃の蹴りを叩き込む。
前から崩れ落ちるゴンタまん。ゴンタまーん!!

ゴンタまんは大きな過ちをしていた。ケンカするならフード降ろせよ。
フードをしている人にはわかるだろうが、この状態だと左右の視界が制限される。
道路を横切るときも、大きく左右に首を振らないと危ないのだ。
つまり、卜部さんの蹴りはほとんど見えていなかった可能性がある。
ゴンタまんには、死角から突然蹴られた!みたいな感覚になっているかもしれない。そりゃ倒れるわ。

というわけで、そんなマヌケなゴンタまんは放置して逃げるポニー太。
タイミングよく電車が着ていたので乗り込む。
逃げるのに成功したのでバカにしておくのも忘れない。フザけたヤツだ。
電車が走り出したところで一息つくポニー太。このスリルが病みつきになるとか言っている。

恨むなよゴンタまん。ヘタこいてゲームオーバーになったお前が悪いんだぜ

顔を上げてそんな発言をしたところで、電車の扉に顔面を打ち付けさせられるポニー太。
背後から近づいていたのは・・・井純だ!!
なんという偶然か。逃れたと思ったポニー太はさらなる地獄へと突っ込んでいったのでした。
うむ、なんだか童話にでも出来そうな話の流れですね。仲間を見捨てるとヒドイ目にあうよという教訓ものの。
タイトルは「ゴンタまん」とかどうだろう。そのまんまだな。

次の駅で降り、トイレに連れ込む井純。
トーナメントをぶち壊した連中は「アノニム」であることを知る。
遊びでぶち壊したのか。と言う井純に対し、ポニー太。

俺たちアノニムは地上を支配するために魔界の王に選ばれたんだ
まずはこの街から火の海にしてやる。フハハハハハ。

こんな状況でもフザけて見せるポニー太。なかなかの根性だ。
でも、容赦なく踏みつけられてしまう。怖い相手に捕らえられているというのに、よくやるよ。
尋問を続けて、仲間の居場所を吐かせようとする井純。
だが、ここでも偶然が発生した。
トイレの個室から、関係者が出てきたのだ。出てきたのは・・・岳!?

こんな所で、人をナメくさった野郎をブッとばせるんだからな・・・!

この場面で岳が出てくるとは。
でも、ポニー太は既に戦える状態ではない。ではどうするかというと。

勘違いしてんじゃねえ。
俺のエモノは最初ッからお前だぜ、井純・・・!!

何ィ!?
岳は神妙な顔していると思ったら、アノニムじゃなくて井純を狙っていたというのか!?
これは意外でした。でも、それならアノニムの人数が足りない理由もわかる。
アノニムは、2回戦の場所を街中に移すためのギミックだったのだよ!
というわけで、これからは街中でトーナメントの続きが行われるって寸法ですね。
アノニムは敗退者たちが潰してくれるので、勝者はトーナメントを継続すると。
こうすれば、トーナメントの勝者も敗者も見せ場ができるってわけだ。なるほどー。

しかし、トイレで戦うのは不利じゃないですかね、岳。
こんなところに何回も倒れたくはないでしょう。場所を移せ。
場所を移して、電話ボックスの中とかで戦ったらいいんじゃないでしょうか
狭い空間なら小さい岳の方が有利のはず!む、なんかこの流れは敗北フラグな気がするな?不思議。



Vol.96 お前にだけ  (2012年 7号)


「ランブル1トーナメント」2回戦、勝手に再開!!
岳の型にはまらない行動には感心せざるを得ないなぁ。

俺はまだトーナメントが終わったと思っちゃいねえ。
昨日テメーに蹴り飛ばされたままのアタマが疼いて仕方ねえんだよ、井純。

吠える岳。
だが、井純の優先順位は、トーナメントをブチ壊したアノニムの方にある。
しかし、そんなことは関係ないと殴りかかる岳。問答無用!
突然の喧嘩が始まる。
この隙に起き上がって逃げ出すポニー太。
なんだかんだで体力にはまだ余裕があったようだ。もっと痛めつけておくべきでしたね。

アディオスアミーゴ!
と宣言したのに、トイレから出ようとしたところで蹴り飛ばされるポニー太。ぶッ!!

サングラスしてる言語崩壊者見ると、蹴りとばしたくなるんだよなあ・・・

そう語るのは、神楽の副長、成瀬尚。
はて、成ちゃん。言語崩壊者ってのは誰のことだい?ホワイ?
しかし、この成瀬さん。初めて登場したときよりスリムになっている気がする。
まあ、それはともかく。

成瀬さんは岳と井純の闘いに立ち会ってやると宣言する。ほう。
乱入者は俺たち神楽が片付けるとのこと。
どうやらアノニムは神楽の奴にも手を出していたらしい。そりゃ狙われるわな。
傘下の学生がやられただけで幹部が動き出す神楽である。
神楽の人間がやられたとあっては、動き出さないわけがない。

まあ、ボコられる奴も情けねえから。そんな奴は後でフルヌードの刑だ

相変わらずのようですな成瀬さん。そんなに脱がすのが好きか!

成瀬さんの言葉を気に入らない井純。アノニム共は俺が皆殺しにするんだと吠える。
だが、そんなことは成瀬さんも知ったことじゃない。そこまで配慮するつもりはない。
それに、さっきからずっと後ろで岳がハウっている。ガルルル。

井純ィ・・・気の多い野郎だなテメーは
正門睨んで、シャケにケンカ売って、アノニムとかってのを狩って、
俺の相手をすんのかと思ったら、次はそいつかよ。

そんなにアチコチ目移りしてて俺に勝てんのか。俺の目玉はテメーしか見ちゃいねえぞ。
今の俺はお前にだけ”全力”だ。浮気されるのは気に入らねーな!!

なんとも情熱的なお言葉ですね。
井純も気持ち悪いことホザきやがってとか言ってしまう。
2度と俺の邪魔できねえように、徹底的に潰してやるよと井純。

やっと振り向いてくれたかよ、井純・・・!!

ほんと熱烈っすね、岳。
まあ、岳は狙い定めたら一直線ですから。
でも、闘い終わったらもう標的変えてその相手に同じことを言うんでしょうな。
それはそれで浮気性だと思うのだが、どうなんだろう。

一晩立ってダメージが抜けたのか、正面からの殴り合いで井純を押す岳。
ならばと血を噴き出し、岳の顔に浴びせる井純。
どうだこの血の目潰し!これで俺のツラ見ずにすむだろ!勝った死ねい!

勢いよく殴りかかる井純だったが、見事にカウンターをくらってしまう。格好悪いわぁ。

そんなんで目を逸らすかよ。見てんだよしっかりと。
今からブッとばす奴のことを忘れねえために・・・

今の俺は何一つ無駄にしねえために、目も耳も痛みも熱も全部お前にだけ向けてるんだぜ

これが犬の信念というやつでしょうか。怖いわぁ。
ただ気絶しやすくしつこいだけだと思われていた岳。
だが、そのしつこさはどうやら予想以上のものがあったらしい。相手したくねえなぁ。
この岳の信念に早くも汗を流す井純。これは早くも勝負あったか?
主人公なのだが、勝つかどうか怪しいのが岳である。
今のところ好調だが、この先どうなるかはまだわからない。素直に勝てるかどうか。見ものだ。



Vol.97 メイヘム  (2012年 8号)


椎葉岳。一度狙いを定めたエモノからは何があっても目を離さない厄介な犬。
井純も面倒な相手と絡んでしまったものである。

けどよォ・・・テメーのエサになる気はねえ!!

井純の蹴りがまともに決まる。
通常ならば、これでダウンを奪えたのかもしれないが、やはりお互いの意識に差がある。
目の前のエモノだけを見ている岳。
それに比べ、井純はこの後に及んでも先のことを考えている。
正門やシャケやアノニムと戦う。そういった先の方へと意識が飛んでしまっている。

見てやがる。まだ俺だけを・・・

岳の魂の篭った拳が井純を吹き飛ばす。
なんと、一度のダウンも許さずに勝ってしまうとは・・・!
そういえば、そんな宣言をしたような気もするな。
まあ、先日しっかりダウン奪われたりはしてるんですけどね。

井純もまた、トイレのフロアタイルより外で倒れている。
やはりトイレでぶっ倒れるのはカンベン願いたかったのか。

勝った岳だが、さすがに楽なケンカではない。息を荒げている。
ハッハッしてるとマジで犬だな。いやまったく。

成瀬さんは岳の勝ちを祝福する。
まあ、身内の正門の狙っている相手ですからね、ここで負けてもらっちゃ困るってわけだ。
トーネメント表のとおりなら、次の準決勝は岳と正門ってことになりますし。

その正門は現在アノニムを追っているところ。
岳に対してのリベンジとかもあるが、今はこちらが先決だ。
神楽の兵隊としても、アノニムは潰さねばならない存在となったのだから。

アノニムの1人、としきゅんが追われている。追っているのは神楽だ。
前に周りこんだ正門の一撃で吹き飛ぶ、としきゅん。
こっちは遊びでやってんだから、マジになられると面倒くせーんだよとほざくアノニム。
だったら遊びで済む範囲でやってもらわないとなぁ。

正門はアノニムの頭が誰か尋ねる。
としきゅん曰く、頭はオンドリなどではないとのこと。

俺たちのマスターは・・・

管理人と書いてマスターと読む。決してご主人様とかそういう意味合いじゃないんですからね!
それはともかく、としきゅんが口を割ろうというところで、ピリッとした空気が流れる。
このプレッシャー。兼光さんか?
振り向く正門。しかし、そこにいたのは兼光さんではない。
黒衣に身を包んだ大柄な男。
神楽の兵隊たちを、ほんの一瞬で声もなく沈めてしまっている。何者だ!?

この世界から暴力がなくならないのは何故かわかるか?
それは暴力が正しいからだ
進化の過程で正しくないモノは滅ぶ。動物も植物も。売れないスナック菓子もコンビニの棚から消える。
必要とされるモノが残る。存在し続けることが正しさを証明している。暴力も同じだ。

なんだかいきなり語り始めたぞ!?
しかし、これはなかなかに出来のよいポエムである。
壮大な話をしているようでいて、コンビニのスナック菓子の話が混ざる
壮大にして身近な感じ。なかなか味のある語り口である。こいつはできる・・・!

お前も残りたければ、アノニムに来い。
エモノは俺が与えてやる。神楽に属しているより好きに暴れられるぞ。

まさかの勧誘。正門がアノニムの一員に・・・?
あの一同に混ざってアノニムで〜すとかやるのか?イメージできねぇ!

というわけで断る正門。今の俺は与えられたエモノじゃ満足できないという。
まっとうな理由ですな。どこかの誰かみたいに名前がダサいからイヤだとか言い出したりはしないか。

イタイ理屈を並べやがって。脳ミソごと宇宙の果てまで飛んで行けよ・・・!

自分が宇宙人だからって、宇宙の果てまでとか言い出さなくても。
ともかく、ハッキリと拒絶の意志を告げる正門。

ならお前、消える運命だ・・・!

一撃。男の放った一撃で正門が吹き飛ばされ、倒れる。
うーむ、さすが兼光さんクラスのプレッシャーを放つ男である。正門では太刀打ちできないか。

これでわかっただろ。残った俺の方が正しいと。
この俺、”暴力”(メイヘム)だけが唯一正しい。従わないものは滅びるんだよ・・・!!

アノニムに続き現れた存在、メイヘム。
ふざけた連中のアノニムとは違い、なんともハードな感じの野郎である。
従わないものは滅びるとかぶっそうなことを言い出しているがどういうことであろうか。
まさか、ポニー太のいうとおり、街を火の海にするつもりなのか?
ということは、この男が魔王!?街が危ない!世界が危ない!というか世界観が危ない!!

実際のとこ、メイヘムって1年生たちで倒せるような相手かねぇ。
シャケや兼光さんに出張ってもらうしかないような気もするのだが。
各キャラを立てつつ、シャケをどのように盛り立てるか。気になるポイントですな。



Vol.98 こじつけ  (2012年 9号)


あるアパートの一室。かけられている表札は丸母。そう、丸母タイジの部屋である。
マリモはアパート暮らしなのか。不良ものでは割と珍しい気がするな。
いや、考えてみれば三田さんの仲間の播磨とかもそうだったか。

畳敷きの部屋には食料と、バーベルや鉄アレイなどのトレーニング器具。
ちゃんとこういうものを使ってトレーニングしてるんだな、マリモ。なんとなく意外。
そして、壁には血痕。け、血痕?
血痕は壁だけでなく、畳にまで飛び散っている。それを身ながら飯を食うマリモ。むう。

暴力を振るえば血が流れて、消せない痛みと恨みが残る。
そんなものなど、俺は認めない・・・

いつも通りに食料を大量にぶら下げて歩くマリモ。だが、その表情は硬い。
トーナメントに乱入した存在、アノニムについては嘉上から聞いている。

アノニム・・・あいつらの荒らしは暴力だ
相手と向き合った上でのケンカじゃない。あんなもの、強さじゃない。

いつになく強い調子で否定するマリモ。
そんなマリモの前に宮華が立ちふさがる。

宣言どおりテメーを消し炭にしてやるぜ・・・!!

宮華も岳と同じように、アノニムよりトーナメントの相手を優先しようというのか!?
まあ、宮華は元々マリモと闘うためにトーナメントに参加したようなものですしね。
そういう意味では、優先順位が高くても自然であるか。

だが、マリモはその宮華をスルーする。おいおい。
シカトしてんじゃねえよと歩き去ろうとするマリモに蹴りを見舞う。ドッ。
どうやら無視していたわでけはなく、本当に気付いていなかった様子のマリモ。
アノニムたちの存在に心を奪われていたようだ。
なので、宮華がケンカを売ってきても、相手しようとはしない。

悪いが、今はお前とのケンカに気持ちが向かない。アノニムを叩く方が先だ。
あいつらの暴力は放ってはおけない。

相変わらず気分屋というか、戦うためには理由を必要とする男である。面倒なやっちゃ。
気が向かないなら、力尽くで向かせてやるよと宮華。

わけわかんねえ理屈で逃げられると思ってんじゃねえ!!
テメーが今からアノニム潰しに行ったってなあ、あいつらが正面から1対1で闘り合うと思ってんのか!?

さすがに宮華。よくわかっていらっしゃる。
典斗はその辺りの意識が薄かった気がする。自分は大人数をけしかけたりしてたくせになぁ。
さらに宮華は言う。

それでもアノニムを潰すってんなら、それは暴力とどう違うんだよ!?
ケンカなんてのは所詮、理由こじつけた暴力なんだ。気に入らねーなら殴り返せよ。オラッ!!

宮華の言うことは逐一もっともである。マリモもそう思っている。
だけどわからない。今、宮華に気持ちが向いていないことは確かである。
このまま殴り返せばそれはただの暴力になってしまう。

やけに暴力を振るうことを恐れるマリモ
。 ケンカをするのにやけに理由を求めていると思ったら、そういう意識があったんですね。
逆に理由があっての戦いならば暴力じゃないのでのびのびと戦えると。
メシの邪魔されたり、ウンコの邪魔をされたりする相手には容赦しないわけだ。うむ、正当な理由だな。

なんにしても、今のマリモは宮華と闘り合う気持ちになれずにいる。
そんな相手を殴ってもちっとも燃えやしないと宮華。今のテメーは湿気ってやがる!

そう言われても言い返せずにいるマリモ。
今の俺は明確な答えを持たない・・・だが――
思い起こされるのはシャケの言葉。「九島に暴力は要らない」という言葉。

俺は、あの言葉を信じる・・・

暴力を否定したがっているマリモにとっては、九島にいる理由ともなる言葉だったのですかねぇ。
なんて思いながら顔を上げると――宮華が何者かにかっとばされていた
凄い勢いで吹き飛び、ガラスをやぶって倒れこむ宮華。これヤベェんじゃねぇの?

暴力を否定する必要などどこにある?丸母タイジ・・・
ケンカなんて中途半端な力では自分の身一つ守れない。忘れたのか?

言いながら現れたのは・・・メイヘム!?
手には土台つきの標識が握られている。その土台部分で宮華を殴り飛ばしたらしい。えげつない。
それにしても宮華。登場時は嘉上に予告ホームランとかしてたのに・・・まさか自分が飛ばされることになるとは。哀れな。

まだ息があるな・・・トドメを刺してこいよ
できないなら俺が代わりにやってやる。俺たちの父親を殴り殺した時のように

な・・・何を言い出すんだこの人は・・・!?

今回は色々と衝撃的な話でありました。
宮華が場外までかっとばされたのは、まあいいとして。いやよくはないけど。生きてるっぽいしとりあえず良しとする。
メイヘムさんとマリモが兄弟!?確かに顔は似ているなと思っていたが、まさかまさか。
そして、メイヘムさんが父親を殴り殺しているだと・・・?
さすがに殺し、しかも親殺しというのは暴力のスケールがでかすぎる。
不良のケンカという範疇では収まらないできごとになってしまっている。デンジャーデンジャー。

果たしてこの話は本当なのだろうか?本当だとするとちと重過ぎる。
これはあれだ。きっと2人の父親は既に亡くなっていて、幽霊になっていたんだよ。
幽霊になって脅かしてくるものだからメイヘムさんが、なんだこのバカ!と叫んで殴り倒したとかそういう話。

または、メイヘムさんの作り話だとか。いわゆる設定。
なんせアノニムの管理人なんてやっている人である。
あの軽い連中に合わせてハンドルネームっぽいものまで設定している人だ。キャラ設定とかもあるに違いない。
暴力の名を冠し、実の父親を殴り殺したことがある!という設定。
うん、いかにもアノニムの上に立つ人間っぽいですよね!ダメさかげんが!

マリモが暴力を疎んじるのはメイヘムさんが理由だったわけですな。
そりゃ、この男は危ない。父親の件はさておき、宮華の殴り飛ばし方が危険すぎる。
武丸さんがバス停を引きずってきたときのような恐怖を感じたぜ。
余談だが、バス停といえば、ペルソナ3での荒垣さんの武器。
あれのグラフィックにおもりがなくなっていてガッカリした覚えがあります。
その部分がないと鈍器として成立しないじゃないですかーと思ったものである。
そういう意味では、今回しっかり鈍器として使ってくれたメイヘムさんには感心せざるを得ない。
いや、やっぱり危険すぎるよこの絵面は。危険が危ない。



Vol.99 正しい暴力  (2012年 10号)


メイヘムさんはマリモの兄弟だった!
そしてやはり兄だったらしい。これで弟です。中学生です。とか言われたらどうしようかと思ったぜ!

暴力を振るうことをためらっているマリモをバカな弟だと言い捨てるメイヘム。
マリモの過去に一体何があったのだろうか?回想だ。

マリモが13歳のころの話。
テレビではプロレスの中継が流れている。
フォールをとられ、カウントが進むが、3カウントの直前で肩があがり返す。
まだ終わらない!まだ負けていない!
そのTVの中の選手と同じように拳を突き上げるマリモ。まだ負けていない・・・!
どうやら親父に殴られて倒れていたらしい。そんな自分を激励するために3カウントを跳ね除けたのか。

ここでメイヘムさんの本名が明らかになる。ヒュウゴ。ヒュウゴとな?
タイジの兄という感じはあまりしない名前だな。というか、カタカナ名ってどうなんだろう。今更だが。

お前も俺みたいに親父を殴り返したらどうだ、と言うヒュウゴ。
それに対しマリモ。兄キのように殴り返したら、また親父に殴られるだけで解決にはならないと答える。

中1のガキが小難しいこと言ってんじゃねえよ

全くその通りだ!
体型からして、中1だということを忘れてしまいそうになる。でかいんだよマリモ。

殴られるのを受け入れるってのは、暴力を認めてるのと一緒なんだ
雨に濡れるのがイヤなら傘をさすだろ。
俺は親父の暴力に抗う。それ以上の暴力ではね返してやる。

これはなかなかいいセリフ。
殴られているだけでは暴力を認めているのと同じか。いいですなぁ。
でもヒュウゴもこの時何歳なんだろうか?学生だとは思うけど。
中、高校生のガキが小難しいことをさらりと述べおる。全くこの兄弟はよ!

兄の理論に、それは解決策の放棄だといいたげなマリモ。
しかし、無抵抗を貫くのも解決策の放棄に他ならない気はするわけで。難しい。
議論しても解決はしないが、腹は減る。マリモの腹がぐるるると鳴る。ハッハッ。
笑いながら、金を取り出すヒュウゴ。

俺にケンカ売ってきた奴から奪った金だ。これで何か食え。
暴力がお前の空腹を救う。胃袋みたいにお前も素直になるんだな

ヒュウゴさんは本当に、息をするようにポエムを吐けるお方。ちょくちょく混ぜて来るから困る。
暴力ポエムはなかなか使い勝手がよさそうですなぁ。
しかし、このヒュウゴが持つ野口英世の顔がやけに凶悪な笑みを浮かべているように見えて怖い。
これが暴力によって得た金の魔力ということなのか?お札が笑った!!

さて、ヒュウゴのおかげで食事が出来たマリモ。ここでもコンビニ弁当かよ。
食べた後はちゃんとゴミ袋に入れている。しかし、それが親父に見つかったようだ。
殴られるマリモ。テメーにモノ買う金があんのか!?

小遣いも貰っているわけでもないだろうし、バイトしている様子もない。確かに金があるとは思えませんわな。
俺のサイフから盗んだんだろ!と言い出す親父。
でも、様子からしてそんな金があるようには思えないな。それにマリモが盗むとは思ってはいない気がする。
ようするに、息子をカツアゲしようとしているわけである。酷い親父だな本当に。
誰に養ってもらってると思ってんだ!とか言ってるが、本当に養っているんだろうか?
これでもこの親父は働いているのだろうか?収入を得ているのだろうか?気になる。
そういう意味では、親父がいなくなったマリモはどうやって食事代を得ているのだろうか?
その辺りもかなりミステリーである。

・・・ここから抜け出すには、殴り返すしかないのか・・・?
兄キの・・・ヒュウゴの言う通り、暴力をはね返すには暴力で・・・
いや・・・違う。違うはずだ・・・!

肩をあげ、拳を突き上げるマリモ。まだ自分は倒れてはいない。
起き上がり、父親に対して説教を始めるマリモ。

人を暴力で押さえつけようとするのは、人を見下した高慢な行為だ
人と心を向かい合わせることのできない臆病者のすることだ。そんなものなど俺は認めない。

何を・・・わけわかんねーこと言ってんだ。ええ!タイジ!!

いつも殴って見下してた相手から、いきなりの説教!早くもブチ切れる親父。
まあ、13歳の子供がいきなりこんな口を叩いたら驚くのはわからなくもない。
だからって殴ったりはしませんけどね。マリモ早熟すぎ。

テメーら兄弟の価値なんてなァ、サンドバッグと同じだ。俺に殴られてりゃいいんだよ。
誰に住まわせてもらってる!?誰に学校通わせてもらってる!?
誰に生かしてもらってると思ってんだ!!元々は俺の精子だろう!ティッシュにくるまって死ぬか!?

まあ、お下品。ゲスな登場人物でしか言わせれないセリフですな。
普通に殴るだけでは飽き足らず、傘で突き刺そうとする親父。
傘とはいえ、当たり所が悪いと死ぬ可能性は十分にある。本気で殺す気か!?

そんな親父を、突然現れたヒュウゴが横合いから殴り倒す。
ヒュウゴは忘れ物を取りに来たという。
この口ぶりからして、ヒュウゴはアパートから飛び出しているのだろうか?
まあ、一緒にいたら本当に親父と殺し合いになりそうでしょうしね。
だが今、ヒュウゴは言う。忘れ物とは――親父の命だ・・・!!

親父が肯定してる暴力だ!
殴り返す資格はあっても、許しを請う権利はねえぞ!!

まったくもってヒュウゴの言うことは正しい。
殴っていいのは殴り返されてもかまわないという意志を持つ者だけだって話ですな。
世の中には、自分から殴りかかかっておきながら殴り返されて、暴力はいけないとかのたまうニュータイプがいたりしますしね。

この展開にマリモは愕然とする。俺は・・・兄キの暴力に救われたのか・・・?
俺が否定していた暴力は、本当は正しかったのか・・・?

違う・・・救われたのは俺だけだ・・・「正しい暴力」なんて無い

親父を殴り殺したヒュウゴは泣いていた。
暴力を正しいと信じ、明確な意思を持って殴り殺したヒュウゴ。だけど、やはり実の父親を殺す悲しみはあったか。
恐らく、この事件でヒュウゴは警察に捕まったのでしょうね。
殺しで少年院に入って3年で出れるのかどうかはわからないけど、そういう経過と思われる。
しかし、この世界もちゃんと警察あったんだなと不思議な感覚に捕らわれてしまったぜ。

正しい暴力なんて無い。そういった想いがマリモには根強く残っている。

なのに何故、俺の前で暴力を見せつける・・・!?
暴力が正しいと言うなら、何故泣いてたんだ・・・!?

タイジ「アンタだって、心の底では暴力が正しいとは思ってないはずだ・・・!!」
ヒュウゴ「なら試してみるか。俺の拳に迷いがあるかどうか」

殴りあう両者。立っていたのはメイヘム。

バカのくせに、相変わらず小難しいことばかり吠える。
暴力の正しさが理解できないお前は、やはり滅ぶ運命だ。タイジ。

メイヘムの拳に迷いはなく、逆にマリモの拳に迷いがあったということなのだろうか。
正しい暴力なんて無い。そう思っていたのに、兄はその暴力を大いに振るっている。
さてはて、これはどういう展開になるかわからなくなってきましたよ。
すっかり影の薄くなったアノニムはどうなるのか?
もっと影の薄いシロは今どうしているのだろうか?
次回は連載100回なのだが、カラーはもらえないのだろうか?
色々気になる状態になってきましたぜ!!



Vol.100 無駄遣い  (2012年 11号)


兄の迷いなき拳の前に敗れたマリモ。
倒れ伏しているところにやってきたのは、岳。
寝起きにはやっぱ牛乳だろ、という理屈で牛乳を顔にかけて起こしてくれます。幕を張って死ぬぞ!?
ついでに、人の牛乳を一息に飲み干してしまう岳。結構量あるのにな。腹下すぞ。

で?どっちが勝ったんだ?
トーナメントの続き。宮華と闘ってたんだろ?何で2人ともノビてんだ。

なるほど。岳の目からはそう見えましたか。わからなくはない。
というか、そろそろ宮華は誰か起こしてあげた方がいいんじゃないでしょうか?本気で死ぬぞ。
でもマリモは宮華をスルーし、岳に今抱えている疑問を投げつける。まあ、マリモも大変なんすよね。

・・・岳。お前にとってケンカと暴力はどう違う?
ケンカは理由をこじつけた暴力にすぎないのか・・・?

マリモの問いに対し、岳は答える。

知るか。俺にアタマ使わせんじゃねー!
今答えが出せねーなら、前に進みながら見つけりゃいいんだよ。
グダグダ考えて立ち止まるなんてなァ、自分の無駄遣いだぜ

俺は正門をブッとばしに行く。テメーもちゃんと先に進んどけよ。

全く持って答えにはなっていない。が、とても岳らしい答えである。
悩んでいるのがバカらしくなりそうなよい答えに、笑みを見せるマリモ。
やはりマリモにとって、岳は影響を与えてくれる人物なんですかねぇ。
シャケの影響も受けているし、九島イズムはマリモに与える影響がでかいらしい。
マリモも九島イズムを身につけることとで、兄の暴力に対抗することができるようになるのでしょうか?

さて、所変わってアノニムのアジト。

ピッチャーラン坊!第1球投げました!
バッターとしきゅん!ぐわきーん!!

縛った正門を突き飛ばし、金属バットで打つ。
倒れ方が悪かったのでファール扱いになる。1ストライク!
こいつは斬新な野球っすね。野球ってほんと怖いスポーツなんすね。
というか、なんで正門はアノニムに捕まっているんだろう?としきゅんが運んで来たのか?

顔面を打たれて座り込む正門。
その正門に対し、あの兄弟はもっと遊ばせてくれたぜ?と煽るアノニム。
矢坂兄弟も球にされていたのか。なんともはや怖いねぇ。

そんな状況でも正門の戦意は萎えていない。殺してやると宣言するが、殴り倒される。

怖ェーよ!喋る魔球だ!
何だその球種!ギャハハ!

相変わらず軽いノリのアノニムである。
殴り倒した後で、もう1回何か言ってみろと煽るとしきゅん。ホラホラ。
その耳たぶを食いちぎる正門。ブチッ。

テメーの悲鳴がよく聞こえただろ・・・!

さすがに正門。意地を見せますねぇ。
この行動に対し、としきゅん。

ごちそうさまでしたくらい言えねーのか。クソヤローが・・・!!

その反応はどうなのよ。
ポニー太といい、微妙に返し方がおかしいアノニム。余裕があるということなのかどうなのか。
あっさりやられたけど、ゴンタまんも実は面白い返しが出来る人だった可能性がある。
いや、今頃卜部さんの尋問を受けて面白いこと言ってるかもしれない。さすがゴンタまんやで!

怒ったとしきゅんに乱打される正門。
しかし、叫んだせいで外まで丸聞こえ。アジトを突き止められてしまう。
やってきたのは・・・岳!もう辿り着いたのか!?
としきゅんを殴り倒してしまう。としきゅん、今回やたらと目立ってるな。

ダセーな正門。こんな奴らに遊ばれやがって。そんなんで俺とトーナメントの準決勝、闘れんのかよ

言外に、井純は俺が倒したと言ってますね。正門もそれは感じ取ったようだ。
でもテメーに助けてもらおうとは思わねーよとか言っちゃう。やっぱ正門は意地っぱりっすね。

ああ!?どの体勢で言ってんだバッテン!!

バッテンと来たか。確かにそんな髪型だが、そこを突いてくるとは思わなかった。
耳とか目立つし、宇宙人とか呼びそうなものだが、あえて外してくる岳。
身体的な特徴より、髪型とかであだ名を決めるタイプなのかもしれない。マリモなんかもそうだな。

しかし、勢い込んでやってきた岳であるが、さすがに今の状況は不利じゃないか?
としきゅんはぶっ倒れたとしても、まだ元気なアノニムは3人いる。
おや、ムーちゃんの姿が見えないな?どこに行ったのだろう。
どこかでシロとやり合っているのでしょうか?

俺らの遊びを邪魔すんじゃねーよというアノニム。それに対し岳は言う。

テメーらの都合なんか俺は知らねーよ。
けどな、これ以上くだらねーマネして俺のケンカの邪魔すんなら、全員ブッとばしてやるよ

最近調子がいいからか、なんとも強気な発言の岳。いや、こいつはいつもこうか。
しかし、この場にはアノニムだけではなくメイヘムの姿もある。
アノニム3人でも厳しいのに、メイヘムさんが相手ではいかんともしがたい。
ここは援軍が欲しいところだが、果たして誰か来るだろうか。
トーナメントで、残った戦力・・・やはり奴らの出番か?ヒラオリ!ジャージ!本庄!
このズッコケ3人組みが援軍として、アノニムに当たってくれれば・・・3ストライクで1アウトは取れるはず!ダメだ!

シロに並ぶ強さと目される大熊さんは、おそらくシロと共闘という形になると思われる。
武藤対シロ。そして、武藤の側には逃げてきたゴンタまんが!
2対1になりそうなところを、颯爽と現れた大熊さんが共闘を持ちかけるという流れ。美しい!
まあ、そんなことになる可能性は低いとおもいますけどね。

今回は100話目
1話目では、岳の熱さにマリモが動かされた話が描かれていました。
100話目でも、岳によって動けるようになるマリモ。
この作品はこの2人がキーなんだなと思わされたりします。

そして、次回は100回突破記念のセンターカラーだ!
100回丁度ではもらえなかったが、無事もらえたようで安心。盛り上げていきましょうぜ!



Vol.101 必要な力  (2012年 12号)


連載100回突破記念、爆裂センターカラー!
丸母兄弟と岳が描かれている。
この兄弟に挟まれると、さすがに岳が小さく見えてしまうなぁ。

アノニムの本拠地に単身で乗り込んでくる岳。
これ以上トーナメントの邪魔をするなら全員ブッとばしてやると宣言する。
が、いきなり階段の上からメイヘムさんが降ってきた!お前が来るのかよ!
メイヘムキックをくらい、吹き飛ぶ岳。

岳に蹴りをくらわしたメイヘムはハンドポケット状態で直立する。
そして、その後ろでアノニムたちが跪いている。ノリのよい奴らだ。

起き上がろうとするが、ふらつき、再び倒れこむ岳。
オンドリ曰く、管理人の蹴りくらって立てるわきゃねーだろ。とのこと。
いやあ、でも一撃で気絶しないだけ凄いっすよ。
昔の岳ならあっさり気絶してた。少し前の岳なら気絶してすぐ復活してた。今は気絶しない。成長したもんだ。

とはいえ、起き上がれないことには変わりがない。回復までは時間がかかりそうだ。
それもあり、正門は俺がやるから縄をほどけと言い出す。

テメーの相手は俺だろーが。俺とケンカすることだけ考えてりゃいいんだよ・・・!

相変わらず、標的を定めると一途な岳であった。
用事が終わると標的がコロコロ代わるんですけどね。フッ。情熱的なヤロウだぜ。

岳と正門のやりとりを聞いていたメイヘム。
縛られた正門の頭を踏みつけ、身動きができないようにする。

お前の相手なんだろう。今のうちだ。さっさとやれよ。

何を言い出すんだこの人は。当然ながら断る岳。
手出しできねー奴に何しろってんだ。ゴメンだぜ!
てなこと言ってみたら、メイヘムにやられてしまう正門。
ゴシャと頭を踏みつけられ、顔面から血を流す。
本当、メイヘムさんの暴力は派手な描写が多いですね。これも下手したら死ぬぞい。

何しやがるのかと咬みつこうとする岳。その胸倉を掴みあげ、メイヘムは語る。

俺に刃向かう者。障害になるものを排除するために力を振るっただけだ。
それを暴力と呼ぶなら、自分を守り生きるために暴力は必要な力なんだよ
そのことを理解できず暴力を振るえないのは、お前がヌルイケンカばかりしているからだ。

正論になりえなくもないけど、そもそもこのケンカはそっちからふっかけてきたものじゃないですか。
自分を守るための力が必要というのはわからないでもない話ですけどね。
そんなメイヘムの言葉に、はき違えんじゃねーぜと返す岳。

俺は他人にエモノを恵んでもらおうと思わねーだけだ。
正門がピンピンしてたらテメーを押しのけてでも闘ってるよ・・・!
俺のやり方で、真正面からキッチリ勝ってやる・・・!

さすがに、自分の信念を強固に持っている岳である。メイヘムの言葉で揺らいだりはしない。
まあ、この一連の流れで、暴力は正しいんだなーとか思う奴はいないと思うけど。

岳の反論に、弟のタイジの姿を見るメイヘム。九島の人間は皆愚かだと吐き捨てる。

魚は頭から腐る。ならば俺が・・・九島の頭を切り落としてやる

シャケが狙われる!?
しかし、シャケ。腐ったブタの頭の次は腐った魚の頭っすか。
まあ、シャケだしメイヘムの表現の方が正しいかもしれませんね。腐ってはおらんよ。

去って行くメイヘムを追おうとする岳。
しかし、その前にオンドリたちアノニムが立ちふさがる。
こいつらは暴力を肯定している。手出しできない奴をボコるのを楽しめる奴らだ。
こっちは遊びでやってるんだから、マジになられると困るというセリフからもわかりますわなぁ。

なんにしても、メイヘムの態度が気に入らない岳。

あの黒コート。俺のエモノを喰いちらかした上に、俺にトドメ刺さずに行っちまうなんてよォ・・・
ナメンのもいい加減にしろよ。噛み殺してやる・・・!!

力の差を見せられようとも、折れることがないのが岳の強みですね。
メイヘムを追うために、立ちふさがるオンドリを殴りつける岳。
3人もいるアノニムを叩き伏せ、メイヘムを追うことができるのだろうか?

最近の岳は強い。けど、さすがに3人相手にするのは厳しいんじゃないでしょうか。
というか、ここで倒してしまうと、アノニムのほとんどは岳が倒してしまうことになる。それはそれでどうよ。
なので、ここいらで援軍が欲しいところ。
誰が来るのがよいか。来てくれて、戦力的に期待できそうなのは三田さん。
キリオとかでもよいのだが、2年が参戦するよりは、因縁のある1年で処理していただきたい。
そういう意味で考えると、い、生駒の出番もあ、あるんじゃないかな?
正門のロープをほどくぐらいの活躍は生駒だってしてくれるかもしれないですし。

シャケのもとに向かったメイヘム。
さすがにシャケが負けるとは思えないが、素直に戦いになるとも思えない。
任せてしまえば簡単だけど、やはりこの戦いは1年が仕上げて欲しい。
このままシャケが倒してしまうと、マリモのわだかまりが中途半端になりそうですしねぇ。



Vol.102 存在証明  (2012年 13号)


ハッハッと犬のように息を荒げる岳。
その足下にはオンドリを始めとするアノニムの3人が横たわっていた。
って岳が全員倒してしまっているだとーッ!?

ザコは寝てろってんだよ

いやあ、まさかまさか。他の2人はともかく、オンドリまで含めて倒してしまうとは思わなかった。
前から岳は複数人相手には強かったけど、いやあ、まさかまさか。
でも、そこまでが限界。白目むいて、ぶっ倒れる岳。
倒し終わってから気絶とは・・・今までとは違うパターンで来ましたね。
しかし、確実に勝ってからの出来事ですし、なんの問題もない。強くなったものだ。

さて、岳を放ってシャケの首を狙うメイヘムさん。
そんなことしてるから、アノニムがほぼ壊滅状態じゃあありませんか。どうでもいいのかもしれないけど。

――この街の不良どもは・・・どいつもこいつもヌルい顔をしているな。見ていて吐き気がする。
皆殺しにしてやりたいくらいだ・・・

ほんと、危ないですなこの人は。
不良達も、こいつマジヤベーよと関わらずに逃げ出す。賢い。

クズどもが。ケンカ如きで何か得られると思っているんだ。
暴力は俺の存在証明そのものなんだ

メイヘムことヒュウゴさんの回想シーン。
親父にいつも殴られていることを知られているヒュウゴ。
チンピラのような不良にからまれ、殴り倒される。虐めれる相手と思われたのですかね。

小さい頃から親父に殴られていた俺にとって、殴られるのは呼吸や歯みがきと同じ日常だった

それだからか、不良達に殴られても別にどうとも思っていなさそうなヒュウゴ。
坊主の不良は言う。俺らが貧乏人で母親もいねえおまえを殴る理由を教えてやるよ、と。

濡れた雑巾をよォ。水一滴残さず限界までしぼりきり達成感と同じだ
何も持たねえお前が唯一持ってる、プライドだとか自尊心とかそういうもんをカラッカラにしてやるのが楽しいんだよ。
だから少しは悔しがれよ!!

歪んだ楽しみ方でありますなぁ。
しかし、一介の不良でありながら、なかなかのポエム力の持ち主である。
この世界はこんなモブでも流暢な話し方をするのか・・・!!

・・・殴る理由なんて、考えたこともなかったな。
何かを手に入れるために殴るのか・・・

教えられたという感じのヒュウゴ。ボウズの不良を殴り倒す。
しかし、その手には何かを得られた感じはない。

まだ、殴りたりないのか・・・?

ヒュウゴは殴り続ける。この場だけではなく、色んな相手とケンカし、殴り続ける。
だが、どれだけケンカをしても、どれだけ殴っても、何も手に入らない。この手の中には何も・・・

ある時、油断したヒュウゴが後ろから角材で殴り倒される。
倒れたところにさらに乱打してくる相手。その相手の首に手を伸ばすヒュウゴ。

――ああ・・・ある。 俺は、初めて手に入れた。人の命を握っているという確かな感触
今、この場に俺が存在するという確かな証明を、俺は手に入れた・・・!!

た、確かに殴るよりもわかりやすく得られるものだけど・・・よりによってそれが存在証明になるとは。
こりゃ、自らを暴力だなんて名乗ってしまうわけだ。危ねぇ。

――そうだ。俺はケンカなど認めはしない。
ケンカではこの手に何も掴むことはできなかった。

そのことが理解できない九島は・・・滅ぶべきだ・・・!

自分の考えを証明するために暴れるヒュウゴ。
九島の制服を着た生徒を一方的に仕留めてしまう。やっぱ怖いっすね暴力は。
果たしてこのヒュウゴを止めるのは誰になるのだろうか?
シャケがすぐに出てきてナックルカウンセリングを行ってくれるのだろうか?
それとも、キリオや兼光さんが現れるのか。はたまたマリモが立ちふさがるのか?ヒラオリーィはまあ、いいや。

それにしても、アノニムで唯一残った武藤は今どうしているのか。シロと闘っているのか?
実はここにきて最終ボスは武藤だったりするのだろうか。
オンドリが意外にもふがいなかったので、ムーちゃんには期待がかかる。
いや、ひょっとしたらオンドリは既に矢坂兄との戦いでボロボロだったのかもしれない。
お兄ほどの男がむざむざやられるとでも思ったか!と岳が言った瞬間に、オンドリの頭が割れて倒れたかもしれない。
さすがアルデバラ・・・お兄!ただじゃ死なない!てな流れだったりするといいな!



Vol.103 抜け殻  (2012年 14号)


アノニムのアジトにやってくる卜部さんと周防。
どうやってこの場所を知ったのだろうか。ゴンタまんを拷問でもしたのか?
それか、典斗が隙を見て連絡したか、か。
ボールにされながらも連絡をとれたのだとしたら、なかなか典斗もやるものである。

だが、一足遅かった様子。ついたときには全員ぶっ倒れています。どーなってんだ、こりゃ。

椎葉のバカ犬はいつものことだが、正門やアノニムどもまで倒れている。
まさか、岳が全員倒したあと、気絶したとは思うまいて。ハハハ。

面白い顔してぶっ倒れている岳を蹴りつける卜部さん。簡単には起きてこない様子。
しょうがない。気付けにヤキ入れてやるかとタバコを近づける。
が、その卜部さんの後ろに人影が近づいてくる。鉄パイプ振りかぶった武藤だ!

しかし、武藤は鼻血を噴出しており、前のめりにぶっ倒れる。
その後ろにはシロが立っていた。どうやら、武藤を倒してここまで運んできたらしい。
アノニムの最後の希望だった武藤もやられてしまったかぁ。
それは仕方がないが、まさか戦闘シーンまで省略されてしまうとは・・・!!
結局、ゴンタまんやポニー太が一番活躍してたって流れになってしまって、なんともはやなアノニムである。
初登場ボーナス補正がなければ、こんなもんってことなんですかねぇ。

倒れた武藤の下敷きになった岳は目を覚ます。
黒コート、メイヘムがシャケを狙っていることを典斗から聞く卜部さんとシロ。
こうしちゃいられない。ヨソ者に勝手なマネさせるかよ!と九島へ向かおうとする。
しかし、岳はそっちよりも先に済ませたい用事があった。トーナメントの続き。正門との準決勝だ。
とにかく、今はトーナメントが最優先らしい岳。ブレないやっちゃ。
とはいえ、肝心の正門はメイヘムにやられて動けない状態。さすがにこれではケンカはできない。しばらくお預けだ。
ならばその間に黒コートをぶっとばしてやるかと考える岳。
優勝賞品を横取りさせるわけにゃいかねえしな・・・!とのこと。
やはりシャケは優勝賞品なんですね。お持ち帰りできるんですかね?

アジトから出てきた岳たちの前に姿を現したのは、マリモ。
ちょうどいい。シロも準決勝にコマを進めたことだし、さっさとやっちまえよと促す岳。
だが、シロの方は全くノリ気ではない。マリモを指し、あんな抜け殻みたいなのとは闘えないなと言う。

マリモが悩んでいるのは一目瞭然らしい。
ならばと岳が歩みでる。ゴチャゴチャ悩んでいるマリモのボディに拳を叩き込む!

いつまでも情けねえツラしてんじゃねえ。
他人に小突かれたくらいで、揺れるようなモンしか持ってねえのかよ。
それがあの黒コートのせいだってんなら、逃げんじゃねえ。答えが出るまで何度でも向かってけよ。
いつまでもグズってると、俺が先にいただいちまうぜ・・・!

相変わらずまっすぐな説教である。
バカ犬に説教されちゃおしまいだぜとか言われちゃうけど、まあ、これはこれでよい。
実際のところ、マリモの心は震わされたようだ。
いいパンチをもらった礼をしてくれる。お礼のドロップキックだ!

顔面にもらってふらつく岳。だが、倒れない。なんと!?
1話目の再現ということであれば、ここで倒されるのが岳のはずなのに!?
岳の成長っぷりがこういうところからも見て取れますなぁ。
1話時点では岳とマリモは大きな開きがあったはずなのに、いつのまにか互角のように見えている。なんてことだ。

2人の力関係はともかく、今はメイヘムのことである。
マリモはシロにトーネマントは一時中断だと宣言する。

今の俺のエモノはヒュウゴだ

マリモもようやくふっきれた様子ですな。よいことだ。
しかし、やっぱり最後に火をつけるのは岳なんですなぁ。

さて、メイヘムさんが九島に到着。
そして、校門には早速シャケの姿があった。
いきなりの開戦?
周防のときのように、戦わずにスルーという流れにはならないと思うが、どうなるのか。
戦うとみせて、マリモたちが一足飛びにやってくるのかもしれない。
いくらなんでも、シャケが弱らせておいて、そこをマリモが頂くという流れにはなるまい。たぶん。
しかし、どうなるかは正直想像がつかない。
シャケの拳で浄化されて、キレイなヒュウゴになってからマリモと戦うのかもしれないですし。
なんにしても、この戦いもそろそろ佳境でありますな。



Vol.104 キスシーン  (2012年 15号)


マリモの兄、ヒュウゴがシャケと対峙する。
ケンカなどという遊びより、暴力のほうが正しいということを教えてやるというヒュウゴ。シャケに殴りかかる。
強烈な一撃だが、シャケは少し後ろに飛んだぐらいである。
兼光さんならばもっとダメージを与えていただろうし、やはりそこまでではないのか。

・・・それは難しいな。九島には、人に教わるのが苦手な奴ばかりいるからな

教える側に回ることが多いシャケの言葉は実感が伴ってますな。

ヒュウゴの拳ではシャケのタバコを飛ばすこともできずにいる。
ならば、暴力の真髄を見せてやろうという感じのヒュウゴ。
窓を破壊し、ガラス片を首につきつける。
そんな状況においても、シャケはハンドポケットのままで手を出そうとしない。

ならばこのまま――なぶり殺してやる!!

ガラス片は使わなかったヒュウゴ。だが、今度のパンチはなかなかの威力。シャケが大きく吹き飛ぶ。
それでも、タバコは口から離れないんですけどね。判断基準がわかりやすくてよいな。
それにしても、ここでヒュウゴがガラス片を使っていたらどうなっていたのだろうか?
さすがのシャケも刃物には敵わないのだろうか?
と思わせて、切れない!?なんて展開があったかもしれない。
鉄パイプで殴って無傷なんだし、ガラスくらいじゃ皮膚もきれないよってわけだ。化物め。

そんな化物のシャケだが、手をださずにいればさすがにボコられる。
首を片手で釣り上げられて状態。壁を背にしているので、そんなに苦しくはないのだろうか?
いや、普通に考えたら相当苦しい体勢である。
にもかかわらず、相変わらずタバコは咥えたまま、ハンドポケットのシャケ。うーむ、化物め。

・・・成程な。貴様が九島の頂点のシャケか。本当に腐った頭だ。
あくまでも暴力の相手をする気はないようだが、くだらないこだわりだ。だから貴様ら九島は弱い。

どうやら、ヒュウゴはシャケの顔を知らなかったらしい。
シャケは目立つ外観してるのに何故か顔が売れてないんですな。不思議不思議。

貴様が俺に勝つこともできず、1対1の勝負が終わるまで手出しできない奴らは、貴様の命を救うこともできない。
相手が誰だろうと何人いようと目的のためにはかまわず力を振るう。暴力のほうが正しい。
正しくないものは滅べ・・・!

俺は・・・高い高いされて喜ぶトシじゃないんでな。降ろしてもらう。

首にかけたヒュウゴの手を引き剥がそうとするシャケ。この力は・・・
さすがにヒュウゴ。それだけでシャケの力を感じ取ったようだ。
シャケは引き剥がす前に、ヒュウゴに尋ねる。お前は何がしたい?

お前の言いたいことはわかった。納得はできないがな。
何でそこまで暴力にこだわる?何のために正しさを証明したい?
お前は暴力で何を手に入れて、何を守ろうとしたんだ?

元々ヒュウゴが暴力に走ったのは、弟を守ろうとしたためであったか。
その暴力は正しかったはず。現に弟は無事だった。でも、それが本当に正しかったのか?
ヒュウゴも完全にそうとは思い切れていないのかもしれない。
だから、証明しようとしているのですかね。暴力こそが正しい。あの行為は正しかったのだと。

そんな事情を言うわけにもいかないので、黙って睨みつけるヒュウゴ。そして黙って返答を待つシャケ。
ふむ。手と手をとりあって見つめ合っているわけですな。
てな状況に割り込んでくる男が一人。キスシーンにエスカレートするんじゃないだろうね?

そんなシーンはカットさせてもらうよ。刺激が強すぎるんでね

全くですな。チャンピオンは健全な少年誌ですし、キスシーンなんて刺激が強すぎる!
というわけで、キリオの蹴りがシャケとヒュウゴを引き離したのでありました。
それにしても、今回のサブタイトルは『キスシーン』何かと思ったらこういうことかよ。
フルヌードに続いて扇情的なタイトルでありましたなぁ。
ヌードになってキスをして、次はどこに行ってしまうのだろうか?怖い怖い。
というか、どっちもキリオ絡みのタイトルなんだよね。本当、このカニ頭が出るとハッピーになりすぎて面白い。

シャケのケンカに割って入ったキリオ。シャケにぶっとばされるぞ?と心配される。
だけど、まあイエローカードで勘弁して欲しい。なんせ主役をここまでエスコートしてきたんだから。
その主役とは、もちろん丸母タイジ!挨拶代わりにと拳を叩き込む。

ヒュウゴ「暴力に救われた命など、要らないということか・・・!」
タイジ「迷いはまだある。だが、もう逃げないと決めた」

兄弟が対峙し、因縁の対決が始まろうとしている。やはり勝負を決めるのはマリモでありますわな。

しかし、ヒュウゴ。こうしてみるとやっぱり弟に自分の行為を認めて欲しかったように思える。
暴力の正しさを弟に理解して欲しいために、証明しようと暴れていたように見える。
うむ、ずいぶん弟好きな兄ちゃんなんですね、ヒュウゴは。
叩き伏せて、改心させればいい兄弟関係にまた戻れるかもしれない。
ケンカが終わった後は二人で鍋にしましょう。家族なんだからとか言い出すかもしれない。
この鍋小さいな。せっかくだからもっと大きな鍋にしようとか言い出すかもしれない。仲良しさんだねぇ。
そんな展開になるかどうかはわからないが、ともかくマリモに頑張ってもらいましょう。



Vol.105 心が在るまま  (2012年 16号)


シャケとヒュウゴの間に割って入るマリモ。
普段ならこういう行為は御法度のはずなのだが、シャケは快く譲ってくれる。
理由はケンカをしていたわけじゃないからだそうな。
では何をしていたのでしょう?お悩み相談?カウンセリング?ありえそうだな。

ともかく、因縁の兄弟ゲンカが開幕だ!
いきなりの蹴りを放つヒュウゴ。顔面にくらい吹き飛ぶマリモ。
あのカラダを中庭まで蹴り飛ばした!?さすがの威力である。
起き上がろうとしたところにさらに蹴りを放つヒュウゴ。そして語りかける。

思い出せタイジ。親父に打ちのめされていた頃を。
親父の暴力からお前を救ったのは俺の暴力だ
今度は待っても助けは来ない。お前に手段を選ぶ余裕は無いぞ。

マウントポジションをとって殴り始めるヒュウゴ。この体制は親父を殴り殺したときのものだ!
そして、逆の立場からすると、その手に暴力の味を覚えたときの体勢となる。
弟に自分と同じように暴力をその手に掴ませようとしているのですな。

その手は飾りか!タイジ!!

マリモの両手はヒュウゴには向かわず地面を支える。
そして腰を上に突き出す。ブリッジでマウントポジションを跳ね返したのだ。
そして距離が開いたところにドロップキックを叩き込むマリモ。いかにもプロレスチックな戦い方だ!

――これが、俺を救ってくれた拳か・・・
過ぎた力だ。俺の手には余る

俺はこの手に九島の頂点を掴みたい。だがシャケを屋上から突き落として手に入れても満足しないだろう

満足しないというか、それで手に入るとは思えないのだけど?
シャケが高いところから落ちたぐらいでどうにかなるわけないじゃないですかー。
落として、やったかと下を見たらもうおらず、気づいたら後ろにいるぐらいのことはしてくれますよ。
落ちた後、瞬間で跳ね起き、階段をダッシュで駆け上がり屋上にやってくるシャケとか考えたらシュールなことになった。

シャケがそれで倒せるかどうかはさておき。
ヒュウゴに言わせれば、それでも頂点を取ることに変わりはないではないかとのこと。
しかし、マリモはきっぱりと違うと否定する。

暴力は、振るうたびに心が欠けていくものだ。手に入れるのではなく失うものだ

あの時、お前が泣いていたように、振るえば振るうほど心が無くなっていく。そんなものを自分とは呼べない。
俺は心が在るままで手に入れたいんだ。だから俺はケンカにこだわる

なるほど。これはなかなかいい発言ですな。
暴力とケンカの違いは心が篭っているかどうかということなわけですか。
だが、暴力を否定するということは、暴力に救われた自身も否定することになる。マリモもそれはわかっている。

だからこそ、ケンカでお前で勝つことが俺の新しい存在証明になる

心を篭めたケンカは暴力に勝る。それをヒュウゴに勝つことで証明しようとマリモはいうわけですな。
この試みを、シャケは屋上で見守ってくれる。いつもの体勢で。
心意気はよくわかった。迷いも消えつつあるようだ。
だが、ヒュウゴは強い。ボディブロー1発でマリモの巨体が浮く。
横殴りで吹き飛ぶことは多いけど、上空に浮かすのは重力の関係で難しい。それをやってのけるとは・・・!
シャケは2話の時点でやってましたけどね。まあ、あの人は規格外ですし。

ボディのダメージに気を取られた隙に後ろに回りこまれてしまうマリモ。
そして、ヒュウゴが使ってきた技はスリーパーホールド!!

負ければ俺の存在が無くなってしまう。だから負けるわけにはいかない。
お前には九島の頂点はおろか、何も掴ませない。堕ちろ・・・!!

暴力を否定されることは自らの存在意義そのものも否定されてしまうと考えているんですかねぇ。
そんなものなくてもいい兄貴としてやっていけそうな気はするんですけど。
最初に見つけてしまった拠り所が暴力だったのだから色々と難しいのかもしれない。

さて、プロレス技の応酬となった兄弟対決。
マリモは打撃や投げ技はあるが、締め技とかないなと思ったら兄が先にやってきましたか。
果たしてこのスリーパーから逃れる方法はあるのだろうか。
急所を突くという手はあるが、どちらかというと暴力寄りの脱出方法でオススメしかねる。
投げて脱出というのは一般的だが、それは普通すぎる気がしますな。
というわけで、オススメの脱出方法を考えてみた。屋上で見物しているシャケがヒントだ。
そう、ヒュウゴを引きずって一緒に屋上まであがり、そのまま飛び降りる!
位置エネルギーを破壊力に変換した必殺技を叩き込むわけですよ!
見よ、黒衣の男が2人落ちて行く。これはまるで暗黒流れ星・・・!!
ただ落ちるだけなのでタフな方が勝つ!あれ、ヒュウゴもタフじゃね?ま、まあスリーパーからは逃れれるよ、たぶん。



Vol.106 俺のやり方  (2012年 17号)


ヒュウゴの締め技の前に窮地に追い込まれるマリモ。
ヒザが落ちた。このままでは絞め殺されてしまう・・・!
さすがに死にそうになる状況はヤバイ。
見守るキリオやシャケの表情からも笑顔が消えている。死者が出るのは色々と責任問題になりそうですものね。

どうにか体を動かし、ヒュウゴの腕を振りほどこうとするが動かない。
これがヒュウゴの本気の力なのか・・・!どうする・・・?

こんな時、岳ならどうする・・・?
卜部なら。シロなら。シャケなら、どう切り抜ける・・・!?

どう切り抜けるんでしょうね。
岳はとりあえず気絶しておいて、後から復活すればいいとして、他の人はどうしただろうか。
シャケなら普通に力ずくで抜けれそうな気がする。
シロも、やるとするなら力での脱出を図るだろう。卜部さんは本当にわからん。
気合を入れることで、髪形が昔のトンガリに戻り、背後の敵に突き刺さるとかしないと無理かな。

締めている腕を殴りつけるが、それでもヒュウゴの拘束は外れない。
他の人ならばどうするかを考えたマリモだが、それでは駄目だと考え直す。

・・・打ちのめされたまま他人に答えを求めていてはあの時の繰り返しだ。
ヒュウゴの言う通り、俺は何一つ成長していない・・・
迷うな。俺のやり方で・・・俺の力で――ヒュウゴに勝つ!!

足に力を入れ立ち上がるマリモ。
そして、無理やりヒュウゴをバックドロップのような体勢で投げる!
背負い投げではなく、後ろに投げるだと!?なんて無理矢理な。
一度ヒザが折れて体が下がっていたので、ヒュウゴの足をつかみやすかったというのはあるかもしれないが、無理矢理だ。
とはいえ、見事なブリッジ。弧を描いてヒュウゴの後頭部が地面に叩きつけられる。
と思いきや、腕で後頭部をブロックしていたヒュウゴ。
スリーパーなんて仕掛けてくるだけあって、バックドロップの対処方法も心得てやがる。
まあ、なんにしてもどうにかスリーパーからは脱出できた様子ですな。

お前は暴力を過ぎた力だと言ったが、俺に勝てないお前に理想を語る資格はない

倒れた状態のマリモを見下ろし、ヒュウゴは言う。
たしかに言っていることは理想かもしれない。だが、マリモは立ち上がり言う。

それでも俺は、この手に何かを掴む時には・・・笑っていたい。九島でなら、ケンカでならそれができる

暴力に屈することなく、笑顔でいたい。
そのための手段がケンカであるとマリモは言うわけだ。
とはいえ、ここでヒュウゴにやられてしまうようではその主張は通らない。
マリモの魂を篭めた一撃がヒュウゴをグラつかせる。

何を言われようと、もう退く気はない。

追撃の一撃。と繰り出したマリモのパンチはヒュウゴに止められる。

忘れたわけじゃないだろう?タイジ。
俺は自分の存在を手に入れるために奪ってきたということを・・・!

メキッ!!
なんと。受け止めたままマリモの拳を握って破壊してしまうヒュウゴ!
ど・・・どんな握力だよおい。
ゴリラなんかだと普通に人間の手を握って破壊してしまうというが・・・恐ろしい。

拳を破壊されてしまったマリモ。果たして勝ち目はあるのだろうか?
まあ、プロレス技で決着するのなら、拳が砕けていてもなんとかなるとは思う。
そろそろ決着時の技の予想でもしておきましょうか。
締め技を先に使われた以上、マリモが決着に使うとしたら、関節技がいいんじゃないかと思われる。
右手を使わずに効果のある関節技・・・そう、卍固めだ!
決着はスタンドでの卍固め。余った右手でアピールすると九島が沸き返るとかそういう展開。
なんだったら、キリオがレフェリーとして出てくるのもありだな。

ミスターメイヘム!ギブアップ!?ギブアーップ!?

ノリノリでこんなことを聞いてくるキリオの姿とか容易に想像できて困るぜ。



Vol.107 対等  (2012年 18号)


ヒュウゴに拳を潰されてしまったマリモ。これでは右手は使いものにならない。
右手の指がそれぞれあらぬ方向に曲がってしまっている。一体どうするのか?

ぐきっ

無理矢理握りこんで拳を形取り、潰された拳で殴るマリモ。おお!!

まさかこう来るとは。
無理矢理に拳を作るというのは分かる。しかし、まさか左手も使わずに右手だけでやるとは思わなかった。
どうやって折れた指先に力を入れたのだろうか?
そこはもうあれですね。迫力があるから説得力があるという理論。これを用いたということにしましょう。
または、普段から拳を握ることを続けてきたから、肉体がその動きを覚えていたとかそんな感じで。

ともかく、折れた拳で殴りかかるマリモ。しかし、ヒュウゴには効いていない。
まだまだと殴りかかるが、見苦しいぞと迎撃される。
マリモの右拳に己の右拳をぶつけるヒュウゴ。青ざめるマリモ。
でも力づくで押し込んでしまう。おやおや?マリモがパワーで勝った?

・・・スパルタンだねぇ

キリオが一言呟く。言葉の意味はわからんがとにかくすごく意味がありそうな一言だ。スパルタンX?
最後は跳び蹴りで締めるだろうという暗喩でしょうか?

・・・見苦しいのはお前のほうだ。ヒュウゴ。
お前は暴力だけを信じて、それ以外の何も認めていない。認めようとしない。

ヒュウゴの行為の否定を始めるマリモ。
ヒュウゴに言わせれば、自分より劣るものを認める必要など無い。
ケンカは暴力より劣るのだから認めることなどないのだと言う。

違う。お前はそう言って暴力にすがっているだけだ
酸素や水を補給するのと同じように暴力を振るい続けなければ自分の存在を保てなくなってしまっている。

お前は暴力を振るっているんじゃない。暴力に振り回されているだけだ。
今のお前の行動は本当の意志によるものじゃない。
・・・俺を守ってくれた時にはまだあったはずだ。

マリモの言葉により、否が応でも思い出させられる。先ほどのシャケの言葉。
「――で、お前は何がしたい?」「お前は暴力で何を守ろうとしたんだ?」

・・・俺が守りたかったもの・・・
親父に打ちのめされていたタイジか・・・?
それとも――暴力を振るい続けることでしか自分の存在を見い出せない、俺自身か・・・?

ヒュウゴが揺らいでいる。
暴力こそが自分の存在証明だと言ってのけたはずだったのに、それでしか示せないのはどうなのかと考えてしまう。
なんとも矛盾した話でありますね。戦闘用に生み出されたロボットが抱えたジレンマのような話だ。

――タイジ。お前は何故ケンカを選んだ?

迷いを見せ、弟に尋ねる兄。弟は答える。平等だからだ、と。

親父は俺を一方的に打ちのめした。
お前は他人から奪った金を与えてくれ、親父から守ってくれたが、俺にとって暴力は対等に扱われるものじゃなかった。
だが、1対1のケンカをしている時はお互いを1人の人間として認められる。
自分の存在をハッキリ感じられる。俺の居場所だ

ケンカによって自分の存在を証明することができる。マリモはそう言っている。成程な。

俺が暴力で手に入れたものを、お前はケンカで手に入れていたのか

マリモに暴力に手を染めさせ、自分と同じように存在を証明できるようになって欲しかった。
ヒュウゴとしてはそういった想いがあったんでしょうな。
しかし、既にマリモは自分の存在を証明する手段を手に入れていた。余計なお世話だったとも言えるわけだ。

・・・ヒュウゴ。俺はもう迷わない。
お前を止める。それが命を救ってくれたことへの礼だ。

・・・大人しく受け取る気は無い。力尽くで渡してみせろ。

余計なお世話であったと気づいたとしても、それで大人しく引き下がるほど大人ではないってことですかね。
お兄ちゃんにもプライドがあるってわけですな。
交錯する拳。
お互いの顔面を捕らえるが、打ち勝ったのはマリモ。
壊れたはずの右拳であったが、今や精神的な勢いはマリモにある。見事にヒュウゴを吹き飛ばして見せた。

兄弟対決も決着のときが来たのでしょうか?
自らの暴力に疑問を抱き、弟がすでに己の存在を証明する手段を持っていたと知ってしまったヒュウゴ。
もはや闘う理由はなさそうだが・・・はてさて。
どんな形で戦いの決着がつくのか気になります。
それ以上にどんな形でオチがつくのか気になります。またキリオが〆てくれるのか!?ガッデム!!



Vol.108 卒業  (2012年 19号)


マリモの迷いなき拳がヒュウゴを捕らえる。おおおお・・・!!
壊れた拳を強く握り、渾身の力で暴力を吹き飛ばす。
これにはシャケもキリオも思わずマジメな顔になる。
いや、このケンカ中は割とマジメな顔が多かったですけどね。不思議と。

吹き飛び、地に伏せるヒュウゴ。決まったのか・・・?
いや、気絶したわけではない。横になったまま喋りだすヒュウゴ。

――甘いな。俺ならトドメを刺すぞ。完全な勝利を掴むために。

それをしてしまうと、勝っても心から笑えなくなってしまう

なるほど。いい答えでありますな。
己が納得するような振舞う。我を貫く道がケンカであると定めたのだから、トドメまでは必要ない。
心から笑うためには、そういったやりたくないことをやらずに置くというのも大事なことのわけだ。
マリモの言葉を受け、無理矢理自分の口を曲げて笑みを作ろうとするヒュウゴ。

・・・俺の表情筋はすっかり硬直しているようだ。口角がうまく上がらない

そいつは悲しいですな。いや、今でも十分笑えている気がしますけど。
とりあえずは、そのくらいの笑みでいいんじゃないですかね。
ヒュウゴが腹を抱えて大爆笑!とかされてもなんだか困りますし。

そういった会話を交わした後、普通に起き上がるヒュウゴ。まだ闘る気か!?

タイジ。俺はまだ、お前を認めてはいない。
頂点を取ってみせろ。その時はお前の力を認めてやる

屋上にいるシャケを見上げて言うヒュウゴ。その言葉に、言われなくてもそのつもりだと返すマリモ。

・・・フッ。楽しみだな・・・

おや、いい笑顔ができるじゃないですか。
こころなしか、目元も綻んでいるように見えなくもない。次は眉毛を生やすところからだな。

散々好き勝手暴れていたヒュウゴ。
マリモとのケンカが終わったということで、帰ろうとする。
納得はしていないと口では言っているが、その生き方を否定する気は無くなっているのでしょうな。
マリモが頂点を取ることができたら、この2人がまた一緒に暮らすこともあるのだろうか?
あんまり一緒に暮らすという光景が思いつかない2人ですけどね。

帰ろうとするヒュウゴに襲い掛かる九島の生徒。しかし、それはキリオが制する。
まあ、ちょっと弱っているからって一般生徒が敵う相手ではないですわな。
どちらにせよ、帰る相手を襲うのはあまり格好がよろしくない。九島の流儀ってやつだ。

勝負が終わったということで、屋上から校庭まで降りてくるシャケ。
壊れた拳に表情を歪めるマリモに、それ早く治せよと言う。

グズグズしてると、俺は卒業してしまうぞ
俺が頂点にいる間にちゃんと上がってこい。

・・・留年する気はないのか?

なんて質問をするんだマリモ!あんたちょっとセコイよ!
今年中に間に合いそうにないなら、シャケに留年してもらえばええねんって話だ。む、理に適ってる。
まあ、シャケは留年するつもりはないみたいですけどね。
そうかーシャケ卒業するつもりあったんだー。あのまま屋上で生活するのかとも思ったんだけどなぁ。

――そう言えばお前はトーナメントの優勝商品だったな・・・

そのことに気づいたマリモは岳たちの所に向かう。
岳たち九島にいないと思ったら、帰ってくるのを待ってたんですね。
待たせてすまなかったなと謝罪するマリモ。早速シロに準決勝を闘ろうかと言い出す。
しかし、拳が壊れたような相手とは闘やれないよと断るシロ。

それを断る。グズグズしているヒマは無いんだ。

そうですか。まあ、卒業するまでに闘えるようになっていないといけないですからねぇ。
とはいえ、別にトーナメントを制さなくても、シャケは挑めば答えてくれると思いますけどね。

結局、九島の1年生4人で乱闘が始まってしまう。なんだかんだでケンカっ早い奴等である。嘉上も満足。
その現場にオンドリ登場。岳にぶっ飛ばされたことを音に持っているようだ。
バット持って後ろからいきなり襲い掛かってやるぜ。これが暴力だ!おおお!!

ケンカの邪魔をすんじゃねー!!

卑怯だ・・・4対1は卑怯だよ・・・多人数で1人をヤルなんてさあ・・・

オ・・・オンドリーッ!?
まさかのオチ要員に使われるオンドリ。
アノニムの中でも強そうに見えたのにどうしてこうなったのか・・・?
まあ、元々全員が弱っているところに現れて武器持って暴れただけのキャラでしたし、こんなものであるか。
考えてみるとオンドリも常に多人数で相手を制しようとしていた男だからなぁ。タイマンの強さは不明。
だからこそ、最後の言葉が、何を言ってるのやらってことになるんでしょうけど。
オンドリはさておき、武藤は一体何だったのでしょうかねぇ。
なんだか曰くありげなキャラだったのに、いきなりのフェードアウト。残念なキャラであった。
いや?あれは本当に本物の武藤か?武藤の皮を被った別人ということも考えられないだろうか?てな望みを抱いたりしてみる。

残念といえば、宮華も残念でしたね。
井純はさておいて、宮華は割といいキャラしていただけに惜しい。
というか、アイツちゃんと助かったんだろうか?下手するとまだ窓にひっかかってる可能性があるんだが。
そういう意味では正門もですね。ちゃんと助けられてますよーに。

次回はマリモの拳の治療のために病院に行くというお話。
マリモも、今の状態では拳を握った状態で固まってしまいそうですしねぇ。
む。握れる方で固定されるなら、殴れるし構わないか?いや、飯を食うのに困る。それは死活問題だ!!



Vol.109 認めてやる  (2012年 20号)


ヒュウゴに壊された拳の治療のため入院するマリモ。
そのお見舞いに三田さんと嘉上がやってきました。

ガラ悪いなこの病室・・・

三田さんがそう言うのも無理は無い。
マリモの見舞いに岳達、九島の残りの1年3人が来ている。
さらに、同じ部屋に正門が入っているため、神楽の兵隊達が複数詰め掛けていた。こりゃガラ悪い。
さらに謎のミイラマン。顔面に包帯をぐるぐる巻きにした男もいる。こいつはまさか・・・?

見舞いということで差し入れをもってきた三田さん。
マリモへの差し入れと言ったら食料と決まっています。
果物とかお菓子なんかじゃない。普段どおりの食料だ。いや、お菓子はあるか。
点滴では胃が満たされないとありがたがるマリモ。
健康そうな体であるが、食生活は不健康そうなマリモである。
意外と健康診断したら悪い数値が出るかもしれませんな。

さっそく食べ始めようとするマリモ。そのうちのひとつを手に取り、勝手に食べようとする岳。

岳「見舞いに来てやったんだぜ。少しくらいもてなせよ」
マリモ「手ブラで来た奴の言うセリフか。返せ」

相変わらず食料に関しては妥協しないマリモである。さすがに牛乳飲まれたのはスルーしてたけど。

お前はどーせ女医かナース目当てで来たんだろ

あらあら岳さんってば。そういうのがお好みでしたか。
そういえば、エロ本もそういう系統に手を伸ばそうとしていたような気が。

ここはお前の癖を満たす場所じゃない。帰れ。

なかなか恥ずかしい趣味を暴露されちゃったみたいな雰囲気がありますね。広められたら危険だ!

うるせーんだよ!!用が無ェなら出てけ!!

同室のミイラに怒られてしまいました。そりゃ怒られる。
しかも卜部さんは病室でタバコふかしてるし。普通に迷惑な集団だ!
ミイラの正体を尋ねる嘉上。もちろん、嘉上とは因縁浅からぬあの人ですよ。

・・・忘れたのかよ嘉上。テメーをブチのめした宮華亮だ・・・!!

腕の入墨を見せ付ける宮華。
そんな宮華に遠慮のない蹴りをかます嘉上。怪我人だからって容赦するようなやつじゃなかったー!!
頭部を鈍器でぶちのめされた奴の頭を蹴り飛ばすとか・・・鬼か!

なんだかゴチャゴチャしてきたので帰ろうとする岳。
その岳を呼び止める正門。ベッドから起き上がり相対する。
そして、俺とのトーナメント準決勝忘れるなよと宣言――だけではなく、拳を交える。
強者達が見守る中で交わされる拳と拳。
だが、ここでケンカが始まるわけではない様子。
さすがに入院するだけあって正門の怪我は大きいらしい。岳にまだまだみてーだなとか言われちゃう。チッ!!

去って行く岳。それに続きシロも病室を去る。
去り際にマリモに同じように忘れないでくれよと言うシロ。
こちらの準決勝もいずれ行われることになるんですかねぇ。

トーナメントの話が出たことでマリモは先日のことを思い出す。
兄に頂点を取ってみせろと言われたこと。その時はお前を認めてやると言われた。
そしてシャケも言う。グズグズしてると俺は卒業してしまうぞ、と。

やってやるさ。シャケ・・・!!

誓いを新たにするマリモでありました。

さて、他の2人も退散したことだし、自分も帰ろうとする卜部さん。
よく見ると、カーテンの向こう側にはさらに2人同室の人間がいたらしい。大部屋ですなぁ。
バカどもが騒いで悪かったなと声をかける卜部さん。
しかし、カーテンの向こうからは返事がない。
そりゃあ、こんなガラの悪い人たちに話しかけられても怖くて返事できませんよ。
入っている子は佐藤てるお鈴木ヨシオといった普通そうな名前の子らなんですから。

鈴木「やべーぞオンドリ。何でよりによって同じ部屋なんだ」
佐藤「慌てんなゴンタまん。こいつらバカだから気付きやしねえよ」

お前らかーい!!
本当、なんでよりによって同じ病室になってんだよ。
というかゴンタまん。入院するほどの怪我を負わされていたのか?

そう言えばあいつらどうなった?トーナメントに乱入してきたアノニムって奴ら。

さっそくその話題が出てきました。
しかし、どこの誰かもわからないし、今さら探し出してどうこうする気もないだろうとマリモ。
その話をカーテンの向こう側で聞いてほくそ笑むオンドリ&ゴンタまん。

俺はまだハラワタが煮えくり返ったままだ。見つけたら八つ裂きにしてやる・・・!

ボール扱いにされた正門はさすがに許す気はない様子。
結局やられたままになっちゃいましたし、反撃する機会もなかったですからねぇ。
でも、その目的の相手はすぐそばにいたいするわけで。
寝込み襲ってボコボコにしてやるゼ!トンガリ耳!とか息巻いていたりします。

よオ!オンドリ!ゴンタまん!ナースとベッドインできたか!?

隠れて機を伺おうとしていた2人の前にサングラスをつけた言語崩壊者が現れた。
キリオじゃなくてポニー太だ!
いきなり話題のアノニム登場に病室の一同目が点になっています。

――アレ?ここだよな。佐藤てるお(オンドリ)、鈴木ヨシオ(ゴンタまん)。

あっさり居場所を見つけられた上に本名まで知られ、成敗されてしまう2人でありましたっと。

いやぁ。まさかオンドリが2週続けてオチ担当になってくれるとは!!
前回でオチたと思ったかい?まさかの二段オチだよ!!

今回は色々と楽しい回でありました。
お前らちゃんと病院とかに行ったりするんだなぁ、とか。アノニムの乱入があった翌日には皆元気に動き回ってたのに。
そしてアノニム側はむしろなんで入院してるんだと。
というか、井純にやられ、神楽に掴まったポニー太の方がよほど怪我酷くないのかと。
つっこみたいことは山ほどあるが、アノニムがオチ要員に優秀とわかっただけでもよしとしましょう。
こいつらのアダ名は本当に本名とは何の関係も無いのな!
というか、ちゃんと本名も把握していることに逆に驚いた。意外とつながり深いのね。



Vol.110 バーニング  (2012年 21号)


未だ遠い頂点の背中――
キリオはシャケの後ろに、成瀬さんが兼光さんの後ろにいるというカラー絵。よい対比ですな。

本日は雨。こんな日は風車の旗もなびかない。
さすがのシャケも屋上にはいない様子。雨ですしねぇ。

シャケは、今日はサボリかな?

どうやら雨の日でも屋上にいるのがシャケらしい。
雨の日にあのポーズをしているのはかなり辛い気がしますけどね。頂点ってのも大変だ!

シャケがいないと退屈な1日になりそうだと考えるキリオ。

――とも限らないか

校舎に入ったらいきなりそこは戦場となっていた。九島の生徒が皆あらぶっている。
キリオにも早速突っかかる生徒がいるが、文字通り一蹴するキリオ。
近くにいたトオルに状況を確認する。グッドモーニング。

どうやら、シャケがマリモに対し放った卒業宣言。それを聞いた奴がいたらしい。
なるほど。それで皆火がついてしまったというわけか。
シャケに挑戦するのはオレだっていう話ですね。
名もなきモブキャラであっても挑戦心をまったく失っていない。これが九島の凄いところですね。

・・・ヤレヤレ。火を付けるのはタバコだけにしていただきたいね。
オフコース。ミートゥ。バーニングだね・・・!

なんだかんだいいながら、キリオも燃え上がろうとしているようだ。楽しみな話ですねぇ。

一方、神楽工業高校。
シャケが卒業をチラつかせて九島が荒れていることは神楽でも評判になっている。
ってなんで今更それで荒れるんでしょうね?
3年生なんだし、いずれ卒業するのは目に見えていたでしょうに。
シャケは敗北するまであそこに立ち続けてくれると思われていたんでしょうか。
そういえば、今って何月くらいなんでしょうか?
シュガーレスは割と季節感がないから卒業までどのぐらいの猶予があるかわからない。
岳は腕まくりし、マリモは半袖。と思いきや卜部さんは長袖ジャージでシロはきっちり着込んでいる。
上着着込んでいる連中が多いから、今は秋ごろだろうか、と考えれなくはない。
が、ひょっとしたらまだ5月の頭くらいという可能性も無きにしも非ず。
実は入学してから1か月くらいしか経ってないぜって話だ!!

それはさておき、神楽の話。
シャケが卒業という話なら、神楽では兼光さんの卒業を考えねばならないでしょう。
兼光さんが頭退いたなら、次の頭はやっぱ副長の成瀬さんだよな・・・?
そんな噂話が神楽には流れる。まあ、当然そういう話も出てきますわな。

いつも通り、体育館に集まる兼光さんと幹部達。
正門は今日退院ということでまだこの場にはいない。
そんな状況だが、シャケの卒業宣言を聞いた兼光さん。いい機会だから自分の後のことを幹部に話そうとする。
さすがに兼光さんですね。もう、どうするかはあらかた決まっている様子だ。

兼光「・・・成瀬がいないな」
与崇「――そういえば」
生駒「いつものことなんでつい・・・

成瀬さん、いつもサボってるのか。
神楽の幹部連中初登場時も姿が見えなかったが、そうか、いつものことだったのか。
そんなNo.2に対しイラだちを見せる恩田。ふむ。

その話題の成瀬は雨の中を登校しようかどうしようか考えながら歩いていた。
その目の前に現れた人物は・・・シャケ!

神楽の成瀬尚か・・・オキラクそうだな

確かに。九島も神楽も頂点の卒業のことでピリピリしているのに、オキラクな感じの成瀬さん。
でも、面と向かって言われるのはさすがに気に入らなかった様子。
オキラクだとか――アンタにゃ言われたくねえな!
それは確かにそうだ!
フッかけてんならノリますよ・・・!と成瀬さん。戦闘意識が低いってわけではない。
対峙する2人。だが、シャケはノリ気ではない感じ。
ポケットからいつもの鮭の文字入り灰皿を取り出してタバコを処理する。
この灰皿ポケットに入れるにはでかくないか?ズボンが膨らんじゃいますよ?

次の頭がコレじゃあ、兼光も苦労が多そうだ。

さすがにシャケ。他校の生徒のことを心配する余裕がある。
九島の連中はあらかた燃え上がらせたので、他校にも火をつけて回ろうと考えているのだろうか?

・・・アンタに神楽のことクチ出しして欲しくないね。
神楽は九島とは違う。サル山みたいに強い奴が頭ってわけじゃないんだ

だから、だよ

そういうことなんでしょうね。
成瀬さんは強い。兼光さんを除けば、おそらく神楽では1番強いんじゃないでしょうか。
だけど、正直頭には向いていないと思われる。
規律は守れないし、後先考えずケンカするような奴である。それなのに本人にその自覚は無い。
もし、成瀬を頭にするというなら、俺は反対ですと述べる恩田。
与崇さんもまた、似たような意見を述べる。
兼光さんの決定なら従う。ただ――納得しない者が現れるのは当然だと思います、とのこと。

組織として成り立っている神楽では、奔放すぎる成瀬さんは浮いている感じがあるんですかね。
兼光さんという強大な頭がいるときはそれでもよかったんでしょうが・・・

シャケと別れた成瀬さん。
歩いているところ、路地裏で神楽の兵隊達が倒れているのを見つける。
お前ら、捨て犬のマネか?と近づく成瀬さん。捨て犬と不良か・・・いい話フラグですね!

誰にやられた?しょっぱい相手だったらフルヌードの刑・・・

雨の日の捨て犬をフルヌードにしようとする不良。うん、いい話にはならんな。
というか、さした指を払われてしまう成瀬さん。おや、これはなんとも。
すみませんと謝り、逃げて行く兵隊。なんとも不穏な空気でありますねぇ。

神楽の跡目争い。これはなかなかに興味深い題材でありますな。
九島とは違い、強いだけではなく貫目も必要になるのが神楽という組織の頂点だ。
その跡目争いに名乗りを上げる男が現れるということだが、一体誰でしょうか?
与崇さんなら頑張って後継ぎになってくれそうな気はしますが・・・はてさて。
正門辺りも名乗りは上げそうな気もするし、まさかの新キャラの可能性もある。
新キャラだった場合、また生駒が瞬殺される可能性が出てくる。
3戦3敗3瞬殺という記録を打ち立てる生駒!という流れだったら色々と印象的になれるよ。やったね生駒!!



Vol.111 覚悟  (2012年 22+23号)


結局サボることもなく学校にまでやってきた成瀬さん。
神楽の副長ということで、兵隊からは挨拶される立場であるが、生返事で返す。成瀬さんらしい話であるな。ウース。

校舎をぶらついていると、前から恩田が現れた。話があるとのこと。
もちろん兼光さんの後継についての話でしょう。
でも、成瀬さんはそういった真面目な話はいなしてしまう性格。まともに取り合わず去ろうとする。
だが、殴りかかってくるというのであれば話は別となる。
後ろから殴りかかろうとした恩田を振り向きながらの後ろ蹴りで返り討つ成瀬さん。

雨の日は調子が悪いみたいだな。髪形も腕もよォ・・・!

そういえば、恩田は髪型が決まらないと力が出ないとかいう設定がありましたな。
前の感想の時も、水で髪塗らしてやれば弱体化できるんじゃね、とか書いた覚えがある。
雨の日は髪が濡れて力が出ない〜とか言い出しそうなキャラだ。困った幹部だね!

それはさておき、幹部同士が廊下で激突するのは色々とまずい。兵隊達も騒いでいる。
なので、突然現れた与崇さんが見事に仲裁してくれます。
成瀬さんを問答無用で担いで運ぶという方法で。み、見事だ・・・!

しかし、足持って抱えあげるというのもなかなかに不自然な体勢ですな。成瀬さん辛そうだ。
でも、これができる与崇さんのパワーも相当なものである。成長してるな、与崇さん。

成瀬さんを連れて体育館へ向かう。そこには兼光さんが待っていた。
兼光さんが何か言う前に、恩田が口を開く。

成瀬!神楽の副長って自覚が無ェのかよ!兼光さんはテメーを次の頭にしようとしてるんだぞ!?

やはり兼光さんはそういう考えでいたんですね。
しかし、成瀬さん自身はどうにも乗り気ではない様子。
カタ苦しいのは嫌だし、ガラではない。他にやりたい奴がいるならそいつでいいんじゃないスか、とのこと。

2人で話をする。他の者は出ろ。

成瀬さんの言葉で騒然としそうになった幹部だが、兼光さんの一言で静まる。
強さということならばやはり成瀬さん。
恩田自身も、あれだけの強さの差を見せておきながら・・・と強さは認めざるを得ない様子。
ただ、それなのにやる気がないってのがどうにも気に入らないって様子ですな。
他の幹部も今の成瀬さんについていくのは・・・という雰囲気。うーむ。

2人きりになったところで、改めて成瀬さんは兼光さんに頭の辞退を申し出る。
俺は兼光さんが頭だからついていってるんです。

兼光さんが抜けた神楽に興味は持てません。頭に立ちたいだけなら九島に行きますよ

この言葉が、何だかんだで神楽という組織に属する人間であるということを示してますね。
ただ強い奴が上に立つという九島のシステムを否定している。
そんな成瀬さんのことを兼光さんはちゃんと理解している様子。

正門は今日退院らしいな。
毎日見舞いに行っているお前は知っているか。言い訳しないのは損な性格だな。

見えないところでちゃんと組織のための行動をしているんですね、成瀬さん。
そういう話を聞くと好感度が上がりますわ。

お前は今でも十分に、俺に頼らず神楽のために動いている
それが大人しく命令に従う他の幹部との違いだ。
俺に頼らないお前だからこそ、次の頭に相応しい。後は――

という言葉を聞いた後、物凄い勢いで吹きとばされる成瀬さん。
勢いが凄すぎて体育館の鉄扉が2枚まとめて外に吹き飛ぶという。ど・・・どんなスピードだよ。
さすがの成瀬さんもこの一撃を受けて気絶してしまっています。いや、並の奴なら死ぬぜ。ほんと。

後は、覚悟を決めろ

兼光さんからの激励と気合の一撃ってわけですか。なるほどね。
でも、幹部達はそうは受け取らなかった様子。
あの兼光さんが身内を殴った。ということは、成瀬は次の頭失格ってことか?と判断してしまう。
逆に、自分の力を頼らず動く成瀬さんだからこそ殴ってもらえたってことなんでしょうけどねぇ。
その辺りの話を勘違いしてしまうのは無理もない話しであるか。

兼光さんの後継については神楽内部でもどうなるのか不安半分に囁かれている状態。
中には野心をはっきり示すものも現れだしてくる。

――まだわかんねえのか。成瀬如きヘナチンに次の頭任せてたら――神楽は潰れちまうってよォ!!

神楽の兵隊相手に暴れまわる十字傷の男。
こいつは乃元高校2年、屋狩イサキ。神楽の次の頭を狙う男である。

これはまた・・・体格的には強そうだが、かまされそうな雰囲気を漂わせた男ですねぇ。

乃元高校といえば、宮華がいた高校である。
またこの高校かぁ・・・今度は活躍してくれるのだろうか?途中退場する気配がしてしょうがないのだが。
まあ、あれさ。生駒を殴り倒すぐらいの活躍はしてくれると信じよう。
不意打ちワンパンでの生駒のダウン。この伝統芸能を見ないと神楽の戦いは始まらないぜ!いやな伝統だ。

前回までは成瀬さんが頭だと神楽っぽくないなぁとか思ったものですが、評価が変わりました。
兼光さんの言葉を聞いた感じだと、立派に努めてくれるんじゃないかという気がしてくる。
後は幹部や兵隊たちにそういう奴なのだと知れ渡らせることが大事ですね。

それにしても、成瀬さんたちも3年生になったら兼光さんのような力が手に入るのだろうか・・・?
いくらなんでもあれだけ吹き飛ばすパワーは学年があがっても身につかない気がするが。
兼光、シャケのいる位置までは果てしなく遠そうだ。



Vol.112 俺なりに  (2012年 24号)


兼光さんの拳を受けて盛大にすっ飛んだ成瀬。無事目を覚ましたようです。

神楽の次の頭には、お前が相応しい
こんなセリフの次にいきなりぶん殴ってくる兼光さん。
ここだけ切り取って見ると何が起こっているんだ!?と混乱しますね。

・・・ったく。あの人の拳は何でできてんだ。首から上が消しとんだかと思ったぜ。

よく生きてたもんですよね。さすが成瀬さんと言うべきなのか。
その成瀬さんが起きるのを待っていたのは与崇さん。
兼光さんは相手がお前だから殴ったんだと言い出す。ほう、分かっているじゃないですか。
恩田のような勘違いはしていない。与崇さんは兼光さんの考えをよく汲み取っている様子です。

・・・わかってるよ。
今の俺じゃ神楽を背負えないかもしれない。
――けど、兼光さんから本気をぶつけられたなら、俺も本気で応えるしかねえな・・・!

見事にやる気が注入されたようですね。よいことだ。
そんな成瀬さんに与崇さんは言う。

お前のことを認めてるのは兼光さんだけじゃない。そういう奴らはちゃんとお前についていく。
外野の言葉に惑わされることはない。

いいこと言ってはる。与崇さんも頼れる人みたいなポジションを確立しているようで、何だか妙に嬉しい。
しかし、裏を返すと認めていない人はついてこないって言ってるようにも聞こえる。
ある意味当然と言えば当然ですな。だから、そういう奴らも認めさせないといけない。

俺なりに、覚悟ってヤツを見せるのさ

だからこそ成瀬さんも動こうとする。兼光さんの本気に応えるために。

というわけで、生駒を使って情報収集を行う成瀬さん。
生駒は成瀬さんの側につく構えなんですかね。ふむ、これは楽しみですな。
何が楽しみかって、新しい敵に倒される生贄になってくれそうなポジションにいるのが楽しみである。
生駒には期待しているので本気で応えていただきたい!

それはさておき。生駒が調べていたのは神楽の兵隊を襲った奴の情報。
乃元高校の屋狩が最近怪しい動きをしているとの話。
乃元高というと恩田がシメてる高校である。
む、そう言われてみると乃元の「乃」の字が恩田の髪型を現しているように見えなくもない。
いや、冷静に考えると見えないのだが、頭をぼやかしながら見るとそう見えなくもない。なくもない。

情報を手に入れた成瀬さん。しかしその情報は誰にも言うなよと言い出す。
まさか1人で向かう気ですか?

兼光さんだったら1人で何とかしちまうさ。だったら俺だって、な

手をヒラヒラさせてそんなことを言う成瀬さん。
うーん、そりゃ兼光さんなら1人でどうとでもしちゃうだろうけど、だからといって1人で行くだろうか?
兼光さんだったら皆の先頭に立ち、意を示しながら動きそうな気もしますけど。
1人でどこにでもブラリと現れるシャケとは違うところですな。
この成瀬さんの行動に冷や汗を流す生駒。
このままでは自分の汚名挽回のチャンスがやってこないと心配しているのでしょう。せっかくの見せ場が・・・!!

生駒の件は心配だが、それはさておき。
成瀬さんが兼光さんにブン殴られたことは既に校外にも噂として流れている。
神楽の校内でも、もちろん広まっているので、成瀬さんをジロジロ見ている兵隊が多かったわけだ。
この情報を聞き、野心を燃やす屋狩イサキは嬉しそうにしている。
兼光さんも煮え切らねー成瀬にとうとうキレたかと解釈する。

成瀬の野郎には野心ってモンが足らねえのよ。なあ真淵。

そう呼びかけた相手は浦居高校2年の真淵奨
黒縁メガネで髪をキッチリとなびかせた男である。どことなく恩田の髪型にかぶる部分がありますな。
屋狩は真淵に続けて言う。成瀬さんは頭に向いていないということを。

何が何でも頭になってやるっている、ハッキリとした強烈な意志が無え。
そんな奴が頭になったって行き先が示せねえナビみたいに役立たずのお飾りだ。
俺が頭になったら九島も呑み込んで神楽を今以上にデカくしてやる。
この街だけじゃねえ。どこまでも突き進んでやる。

そいつはまたわかりやすいマニフェストでございますな。お前に1票と真淵。
神楽なんてそういう奴らの集まりだからな、と言い出す。そうだったのか?
2人とも別の高校なのに神楽の人間であるかのように振舞っている。
もはや神楽は高校名というよりは組織名となっていると見るべきなんでしょうか。
でも、意を示すなら幹部に高校をシメられているという事実をまずどうにかすべきじゃないでしょうか?
というわけで調べてみたが、浦居高校をシメている幹部は結城弘大でありました。誰だっけ?
シロとやりあってた、その他幹部の1人ですな。まさか結城の実力がこのシリーズで明らかになる・・・!?

そうなるかどうかは不明だが、成瀬さんは1人でどうにかしてしまおうと雨の中乃元高校に向かう。
その途中にある男と出くわす。

グッドアフタヌーン。成ちゃん

後ろ向きでもこの言葉遣いだけで誰だかわかるというのが凄い。もちろんカニ頭。キリオだ。
なんだか知らないがボロボロになっているキリオ。
今の俺はバーニングなのさ、とか言っている。それじゃ説明になってねーよ。

キリオは神楽が跡目争いでモメてることを知っている。
成瀬さんがクラシックスタイルのカチ込みでもかけようとしているのにも気づいているらしい。
この辺の目端が利くところがキリオの特徴ですな。

成瀬さんは言う。俺のせいで起きた騒ぎなら、俺1人で片付けなきゃならない、と。

神楽を背負うために、兼光さんに少しでも近付くために、1人で治めてみせる。

成瀬さんもバーニングしておるようですな。ユートゥ。

――けど。

いきなり蹴りつけてくるキリオ。何しやがるカニ頭!

少しアタマ冷やした方がいいよ。
誰も君に兼光の代わりなんて期待してないと思うな
自分捨ててまで頂点に立つなんて、俺ならゴメンだね。
シャケのマネがしたいわけじゃないし、卑怯な手を使ってひきずり下ろしたいわけじゃない。
俺は俺のままで九島の頂点に立ちたいのさ。そのためにはボロボロになったって構いやしない。
何せ今の俺のハートはバーニングだからね。けど、アタマはクールだよ

さすがにキリオは良いことを言う。言い方はともかくとして。カニ頭が冷凍されてるってか。
1人で乗り込んでなんとかしてしまおうとするってのもなんだか成瀬さんらしくない。
兼光さんに近付こうと思って無理をするというのも、兼光さんが期待する新しい頭の姿とは何か違うと思っていました。
キリオのこの忠告を受けて成瀬さんは何を思うのだろうか。

今度会ったら蹴り倒してフルヌードにしてやるよ

・・・グッドラック

なんだかいい感じに別れる2人。仲がよろしいですなぁ。
さてさて、成瀬さんはそのまま乃元高校に向かうのであろうか?それとも?
展開が読めないところなので微妙に予想がし辛い。
下手すると乃元高校にトラックが突っ込んできて、暴れようとしていたやつらが既に倒されていた!とかもありえる。
通りすがりのメイヘムさんの暴力に巻き込まれて壊滅してるってこともありえる。
なんというか、長く戦えるような感じに見えないのが屋狩なんですよね。途中退場する気がしてならないぜ。



Vol.113 大仕事  (2012年 25号)


兼光さんにブン殴られた後、成瀬さんの姿が見えない。
恩田も気にはしている様子。
与崇さんは知っている。成瀬は――あいつなりの覚悟を示しに行ったと。

結局本当に単身で敵陣に乗り込むことになった成瀬さん。
前には多数の敵。さらに後ろにも周りこまれている。ザッ!

テメーに見切りつけてる奴はなァ、神楽の中にも大勢いるんだぜ。
ブチのめして次の頭の座からひきずり下ろしてやるよ・・・!

威勢のいい様子を見せる屋狩イサキ。

てっきり日本語の達者な山猿かと思ってたぜ

その屋狩に対し、軽い口調でケンカを売る成瀬さん。
わざわざ乗り込んできたのは、お話をするためではない。さっさとやろうぜってなもんだ。
相手もそれがわかっているので、いきなり大将自ら殴りかかってくる。

強がってんじゃねえよ!!
兼光さんにブン殴られたんだろォ!?立ってんのだってやっとだろうが!!

どうやら兼光さんの一撃は気絶から醒めてもダメージが芯に響いて残るものらしい。厄介ですな。
これはシャケの一撃にも同じことが言えるようである。
昔、キリオがシャケに殴られて帰る途中、周防にあっさりとやられたことがあった。
あのときもキリオは立っているのがやっとな様子だったのでしょう。
つまり、今の成瀬さんも似たような状況ということになる。これはピンチだ!!

兼光さんが見込んでくれたってのに、こんなサル共にひざまずいてたまるかよ・・・!!

集団でボコられながらも、意識は萎えていない。
気力を振り絞り、反撃を開始する成瀬さん。おあ!!

俺は、多少のハネッ返りは笑って許してやるなんて、兼光さん程人間できちゃいねえぜ・・・!?

まあ、兼光さんはさすがにスケールがでかすぎますからねぇ。
そこまでにはなれないと認めてしまうのもいいことかもしれません。
む、もしやこれはキリオに言われたことを受けての発言ということになるのか?

ともかく、段々とリズムに乗ってきた感じの成瀬さん。
コンディションは最悪であるが、その状態でも負ける気はしない。10人以上で来られても負ける気がしない。
この世界、あんまり数の暴力って言葉がないですからねぇ。強い奴は単身でも勝つものである。凄ぇ。

これが神楽の副長、成瀬尚の力なのか・・・!!

俺が本気出せばザッとこんなもんよ。
頭に興味なんか無かったけど、兼光さんにブン殴られて気合入っちまったからな・・・!

結局、屋狩以外のザコ共は全員地に伏せることになる。残った屋狩もボロボロだ。
その屋狩に対し、成瀬さんは言う。

俺を倒して神楽乗っ取ろうなんて考えてるお前にゃ、次の頭は無理だ。
兼光さんが造った今の神楽を壊す覚悟が、お前にあるか?
俺は兼光さんの遺産をそっくり譲り受ける気なんてねぇ。俺なりの神楽ってヤツをイチから造る

ハネッ返り共も1人1人ブッ潰して、力尽くで俺にホレさせてやる
そのためには、身内だろうが容赦なく蹴りとばすし、フルヌードになって本音さらけ出す覚悟だってあるぜ・・・!

やはりフルヌードにはなるんだ!
やっぱりこうでないとな。これが神楽の副長、成瀬尚のキャラなのだ・・・!!
フルヌードになって本音をさらけ出すのか、フルヌードになりたい本音をさらけ出すのか。
これは難しい話である。なんとなく哲学っぽい気がする。いや、気のせいだな。

・・・クソッ見誤ったぜ。成瀬尚。こいつはヘナチンなんかじゃねえ・・・
イキり立ってやがる・・・!!

またえらい表現をしおって。
このままエスカレートされても困る、ってわけじゃないでしょうけど、蹴り倒してしまう成瀬さん。
こうしてみると、成瀬さんが言っていた、1人1人力尽くでホレさせるというのは間違いではないとわかる。
さっそく屋狩を見返すことに成功したようですからなぁ。有言実行、さすがです。

けど、力だけじゃ頭は務まんねえぜ。

そう言いながら現れたのは、浦居高校2年、真淵奨。おぉ、いたなこんなの!
ボロボロになって、最後に成瀬さんのみが立っている。この状況を待っていたという様子の真淵。
なるほどな。こいつが屋狩という山猿を動かしたサル回しであったか。つまり元凶・・・!!

わかったところでもう遅え!!

襲い掛かる真淵。だが、成瀬さんの前蹴りひとつでメガネ割られて倒れるのでありました。
なんなんだ、コイツ。さしずめ神楽のヒラオリといったところでしょうか。初期の。
成瀬さんに弱すぎると言われてしまった真淵。この男の明日はどっちだ。
思わせぶりに出てきてあっさりやられおって・・・そんな気はしていたよ!!
この敗戦をバネにして、今のヒラオリのように成長してくれることを望みます。

思ったより手こずっちまったな・・・まだ大仕事が残ってるのによォ・・・

そう述べる成瀬さん。その大仕事とは一体何か。それはすぐにわかる。
神楽に戻り、体育館で兼光さんを出迎える成瀬さん。お待ちしてました。

成瀬「俺と、イッパツやってください・・・!
兼光「・・・高くつくぞ!!」

危ないことを述べる屋狩を倒して、やれ一安心と思ったら、成瀬さんがやらかしてきやがりました。
こいつは高くつきますね。来週は怪しい言葉を口にする成瀬さんが教育的指導を受けることになるのだろうか!?
挑むのはいい話だし、燃える展開なのに、なんでそんな言葉が飛び出しちゃったのやら!!
でもまあ、しょうがない。これが成瀬さんがさらけ出した本音であるならばしょうがない。
俺と、フルヌードでイッパツやってください・・・!と言わなかっただけマシと考えましょう。
もし、そこまで言ったとしたら、来週を待たずに今週の残り半ページで吹き飛ばされていたかもしれない。仕方ないね。



Vol.114 地球外生命体  (2012年 26号)


兼光さんに立ち向かうことで覚悟を示そうとする成瀬さん。

今日ここで兼光さんを負かして、フルヌードにしてやりますよ・・・!

その言葉と共に、裏回し蹴りを放つ成瀬さん。
後頭部を兼光さんの首に叩き込む。・・・どうだ!!

どうにもなっていません。微動だにしない兼光さん。化物め。
これだけ太い首じゃあ、攻撃が効かないのはしょうがない気がします。化物め。

かなわないのは最初からわかってる。けどそれは、俺があきらめる理由にはならない・・・!!

今度は回転をしての後ろ回し蹴りを叩き込む。
人体の急所であるコメカミ。屋狩を倒したときも、このコメカミ蹴りであった。
が、やっぱり全く効いていない。弱い箇所を狙おうが何をしようが、通じないものは通じないのだ。化物め。

こんなものか?お前の覚悟は。

叩きつけた足を握られ、片手で投げ飛ばされる成瀬さん。
うーむ、膂力からして圧倒的でございますなぁ。

さて、成瀬さんが兼光さんに挑んでいることが、生駒経由で与崇さんや恩田に伝えられる。
かなうわけねえから放っとけという恩田。
そりゃそうだけど、今の成瀬さんはまともにケンカできる状態じゃないと言う生駒。
1人で乃元高校をシメてきたことを明かしてしまう。
なるほど。そんな戦いの後じゃ、まともに戦えるはずないですわな・・・
と思ったが、今成瀬さんがボロボロなのは、そもそも兼光さんに殴られたからでは?
むしろその一撃が未だに尾を引いていて、まともにケンカできる状態じゃないんじゃないかという気もする。

――だが、兼光さんのことだ。何故、成瀬が挑んでくるか事情を察して・・・
・・・察したところで、ケンカの最中に手加減するような人じゃないな、兼光さんは・・・

全くその通りですね。
というわけで、急いで体育館に向かう幹部達。成瀬が粉々にされるぞ!!
粉々って貴方。兼光さんを何だと思っているんだ!
いくらなんでも、動けないようにしてしまうようなことはないでしょう。
でも、兼光さんなら、粉々にした成瀬さんを超握力で握って元の形につなぎ合わせて復活させることも可能かもしれない。
少しだけ前より縮んでいたそうじゃ、とかそういう。そういうってどういうよ。

体育館に向かった幹部達。中からは激しい戦闘音がする。どうやらまだ生きてはいるようだ。ギシッギシッ
しかし、成瀬さんは地に伏し、戦いは終わろうとしている。

強ェ・・・体力の差なんて言い訳にできねぇくらい・・・
これが神楽を背負う者、兼光一哉の力なのか・・・!!

力尽きようとしている成瀬さん。そこに扉の向こうから声がかかる。

恩田「おい成瀬!やられっ放しじゃねえだろうな!そんなんじゃ誰もついていかねえぞ!!」
与崇「成瀬!誰が相手でも強がってみせるのがお前だろう!」
生駒「負けたらフルヌードですよ!!

なんだかんだで恩田も成瀬さんを認めてはいるような感じでありますなぁ。
与崇さんは言うに及ばず。そして生駒・・・成瀬さんを理解した激ということなの、か・・・!?

・・・チ。どいつもこいつも好き勝手言いやがって。
地球外生命体に1人で立ち向かう俺の身にもなれってんだよ・・・

なんと!兼光さんは地球外生命体・・・宇宙人だったのか!!
衝撃の事実が明らかになりました。いや、むしろ納得の事実であるか。
シャケもそうだが、余りにも人類とは懸け離れていると思ったが・・・やっぱりねぇ!!
それなら、急所に蹴りを叩き込んでも全く通じないに決まってますよ。化物め。

まあ、そんな化物が相手であろうと、ここで終わってしまうわけにはいかない。

次の頭になるなら、兼光さんを倒してからですよ・・・
負けたまま、言われるまま、神楽を背負うなんて納得できません。
俺に次の頭になってほしけりゃ、大人しく負けてください。

てなことを言い出す成瀬さん。もちろん、わざわざ負けてやるなんて気はない兼光さん。
だからこそ、成瀬さんは何度でも兼光さんに挑むという。

かなわなくても、届かなくても、壁を越えることをあきらめない。
フルヌードの自分の心から目を逸らさないのが、俺の覚悟です

よい覚悟である。
普通は裸の心とか言うところであるが、わざわざフルヌードになっているのは、成瀬さんゆえしょうがないこと。
なるほど。生駒には負けたらフルヌードですよ!と脅されたが、心はフルヌードなので問題ないと言えるわけだ。
これからも、心は常にフルヌードだぜ、とか言えるわけだ。
言動だけ見てると本当に変態でありますな。今更だけど。

ドゴッと派手な音を立て、ギシギシと揺れる体育館。
思わず扉を開けて中に入る恩田。
扉のすぐ側にいたのは・・・兼光さん!?
成瀬さんは立っている。となると、今の派手な音を立て、兼光さんを扉にたたきつけたのは成瀬さんだったのか!?

・・・俺とこれだけ闘り合えた奴は、シャケ以来だな・・・

・・・魚と比べられても嬉しくはないスね。俺は、神楽を背負うんですから・・・

――ああ。お前には神楽の羽根がよく似合っている。成瀬

体育館の垂れ幕に描かれた大きなコウモリの羽根。
その神楽の羽根を背負って立っているように見える成瀬さん。うむ、これはよく似合う。カッコイイ!!
体格的に見合っているというのもあるんでしょうかね。
これには、幹部連中も思わず息を呑んでしまう。

とりあえず、この場のケンカはここで終了。
勝つことはできなかったが、覚悟を示すことはできたようだ。
卒業までならいつでも受けて立つ、と兼光さん。ヌードになる気はないがな、とのこと。

・・・チッ。いつか絶対剥いてやる・・・!!

グラつく成瀬さん。
その成瀬さんに幹部達が駆け寄り支える。

俺のように後ろにつき従わせるのではなく、肩を並べる。これが成瀬の造る新しい神楽の形か・・・

兼光さんはあまりに強すぎて、肩を並べれる仲間がいませんでしたからねぇ。
これはもう後ろにつき従えるスタイルになってしまったのはしょうがない。
しかし、それを踏襲するわけではないというのが、成瀬さんの奔放なところってことでしょうか。
立派な後継ぎになれそうで、神楽も安泰のような気がしないでもないですな。
足りない部分は他の幹部達が補ってくれることでしょう。

さて、成瀬さんが兼光さんに挑んだことは他の学校でも話題になっている。
もちろん、九島でも。

・・・やるねえ成ちゃん。
俺もいつまでもルックアップしたままじゃいられないね・・・!!

覚悟を示した神楽のNo.2、成瀬さん。ならば、九島のNo.2であるキリオも示さねばならない。
本格的にシャケに挑もうという気配が見受けられます。これは・・・!!
もちろん勝てるとは思えないけど、今のキリオがシャケにどこまで通じるのか。楽しみな気はします。
なんせシャケも地球外生命体でしょうしねぇ。果たして人類でどこまで対峙できるものか。
魚に対してカニが立ち向かうと考えれば、こっちだって人外だぜ!て話には持っていけるが・・・
持っていってもあんまり有利になる気がしませんな。



Vol.115 ケンカ日和  (2012年 27号)


舞台は神楽から再び九島へ。
マリモは無事拳を治して退院した様子。どのぐらい時間が経過したんでしょうかねぇ。
そして相変わらずギラギラしている岳や卜部さん。
しかし、今現在最もバーニングしているのは、この男。キリオでございます。

とうとうシャケに挑む気か・・・!!

敏感にその気配を感じ取ったシロ。まあ、九島の人間は他人のケンカに割り込んだりしませんからねぇ。
挑むと決めたのなら、さっさと挑んできなさいと見送るしかない。

そのキリオ3年生達を大量に沈めている。
キリオ曰く、3年の君たちを倒さないと、シャケにチャレンジできないからさ・・・!とのこと。
そういうものなのだろうか?まあ、大したダメージは受けてないようだし、準備運動のようなものか。

頂点取るためにこの階段昇るのは3度目か・・・
1度目はソーヤングだった1年の頃。
2度目はシロちゃんたちに触発されて、ナンバー2のポジションに満足できなくなって・・・
その度に返り討ちにされてるけど、今の俺は過去最高にバーニングだからね
今までと同じようにはいかないよ。シャケ・・・!!

屋上の扉を開けば、いつものように見上げている体勢のシャケの姿。
挑むべき頂点の姿がある。

・・・ヒマそうだね。人の気も知らずに。
せっかく今日は、昨日までの雨もあがって、絶好のケンカ日和だってのにさ・・・!

その宣言と共に、シャケの顔面に蹴りを叩き込むキリオ。
その一撃で柵から体を放すこととなったシャケ。おぉ?

俺は優しい男だけどね、君のヒマ潰しに付き合いに来たわけじゃない。
本気のシャケを倒して、俺自身を満たすために来たんだ。
君に闘る気がないなら・・・その気にさせてみせる!!

再びの蹴り。今度は空へと突き上げるような前蹴りがシャケの顎を捉える。ガコオ。
まともに入った蹴り。
だが、シャケはそこから反撃をしてくる。拳がキリオの顔面に突き刺さる。
いやそれより、シャケが笑っている。いつも笑っているけど、これは本当に楽しそうな笑い方だ!!

笑うという行為は本来攻撃的なものであり 獣が牙をむく行為が原点である。
シグルイ風に言えばそんな感じの笑みでありましょう。

シャケの攻撃で吹き飛ばされるキリオ。
屋上の入口にぶつかって止まったからいいものの、柵の方に飛んでたらそのままフェードアウトしそうな勢いだ。

よかった・・・どうやら、手加減なしで闘ってくれる気になったみたいだね、シャケ。

俺はお前を手加減して倒せる奴だとは思ってないさ、キリオ

うーん、なんともカッコイイ会話じゃないですか。
シャケに認められ嬉しいキリオ。おかげで膝まで笑ってるよ。ガクガク。

けど・・・!!
バーニングな俺のハートは、そう簡単に吹き消されるモンじゃないよ。

君のケンカはいつも正々堂々で嘘がない。だから皆、君を越えたいと思うんだろうね。

君を頂点から引きずり下ろそうとしてるのに、
胸の中に手を突っ込まれて逆に自分の心ごと釣り上げられるような、不思議な気分だよ
心も体もフライハイだ。頂点以外の着地点は見当たらないね・・・!

たしかに今日は、ケンカ日和だな。

上着を脱ぎ、サングラスを外し、本気で打ち合える体勢となったキリオ。
完全な状態で頂点を目指し挑む!なんとも燃える展開である。

現状を見る限り、兼光さんに挑んだ成瀬さんよりは可能性があるように見える。
2発で出血まで持っていっているわけですからねぇ。
急所を蹴り抜かれてまるで効いた様子のない兼光さんとは大違いだ。
だが、シャケのタバコは未だ健在。
やはりこのタバコを飛ばすぐらいにまでいかないと兼光さんの戦果には並べないか。

キリオが勝つのは無理にしても、どこまでやることができるのか。楽しみなところでありますな。



Vol.116 ハイライト  (2012年 28号)


屋上でやりあうシャケとキリオ。その衝突音は下の階にまで響いてくる。
スゲーことになってるみたいだな・・・

シャケの拳とキリオの蹴り。お互いの攻撃が交差し、突き刺さる。アウチ!効くねえシャケ!

それならッ。ワンモア!!

追撃の蹴りを放つキリオ。
楽しそうにはしているが、内心いい加減に倒れろよという焦りが見える。
何度も何度も俺の前に立ち塞がって・・・これでもダメか・・・

反撃のシャケパンチで屋上の芝生の上を転がらせられるキリオ。

それならもっとだ。さっきよりも1秒前よりも、もっと力を振り絞れ!

さらなる力を引き出し、攻撃を仕掛ける。だが――

ガッデム・・・!!
それでもまだ足りないっていうのか・・・!?

再びシャケのパンチにより凄い距離を飛ばされるキリオ。
さすがにまだまだその差は歴然といったところでありましょうか。
だが、キリオはここに来て悟る。
シャケは・・・自分や頂点の座を守ることなんて考えていないんだな・・・
いつだって純粋に、今のこの瞬間のことだけを考えて・・・

――そうだ。バーニングだけじゃ足りないんだ・・・
俺の全てを、この一瞬にエクスプロージョンさせないと勝てるわけがない・・・!!

笑顔で立ち上がるキリオ。これまで以上に出し尽くす。燃やし尽くす。爆発させる。そういった意志が見て取れる。

と、階下が何やら騒がしい。
どうやら岳たち1年生たちがキリオが挑んだことに気づいて駆けつけてきたらしい。
どうせ屋上についたところで、他人のケンカは邪魔できないでしょうに。
それでも、いてもたってもいられなかったんでしょうなぁ。
そんな1年たちの気持ちもわかるので、苦笑するキリオ。

けど、この場所は誰にも譲る気はないよ。
頂点を取った次の瞬間に、誰かに蹴り落とされてもかまわない。
1秒前のことも1秒先のこともどうでもいい。
今のこの瞬間がハイライトなんだ
粉々に砕けて何も残らなくても、君を倒す・・・!!

渾身の一撃が交差する。
キリオの放った一撃は・・・シャケのくわえたタバコをへし折った!!
これは・・・兼光さんがシャケに与えた一撃に匹敵する威力ということではないだろうか!?

だが、それではシャケを倒しきるには至らない。
渾身の一撃の交差の結果、倒れ伏したのはキリオ。さすがに起き上がることはできない様子。
仰向けに倒れた空には、風車とそこに掲げられたハタ。シャケの文字が翻っている。

・・・負けた身にはトゥーブライト。眩しすぎるね・・・

そう述べるキリオに、上着とサングラスを投げかけてあげるシャケ。いい話ですなぁ。

楽しかった。また来い。

・・・俺は優しい男だからね。
君が屋上で1人寂しそうにしてたら、何度でも来てあげるよ・・・!

よい喧嘩でありました。
敵わぬながらも挑み、ついには兼光さんと同じくらいのダメージを与えるに至ったかのように見えるキリオ。
見事でありました。お疲れ様であります。

そして、キリオと同じように九島の頂点を狙う1年たち。
様子からして、3年を蹴散らすことはできてるが、少々ダメージをもらっている風に見える。
岳に至っては一人だけ殴り倒されてたりする。さすが岳・・・!さりげないところで魅せてくれる・・・!!
というのはさておき。その結果からしても、今のキリオと1年の間には結構な差があるように思える。
シャケに挑む前に、今のキリオに追いつくことができるのか。それが問題でしょうな。
次回からの新展開での活躍に期待したいところです。



Vol.117 惨めな気持ち  (2012年 29号)


退院したマリモ。風車の旗を見上げています。
しかし拳の方はまだリハビリが必要らしい。
シロとのトーナメント準決勝の決着はまだ先のことになりそうですね。

同時期に正門も退院した様子。
となれば、岳の方は先に準決勝を行えますね。
もっかい病院送りにしてやるぜ、あのバッテン野郎!!

シロ「・・・むしろ君が入院すべきだろ」
マリモ「賛成だなシロ」
岳「ああ!?どういう意味だ!!」

騒がしいからって意味じゃないですかね。
いや、ひょっとしたら女医好きな岳のために入院を勧めているという可能性も・・・ないな。
それはさておき、1年4強の中で、一人トーナメント敗退した卜部さん。

イライラするぜ。俺だけ取り残されたみたいでよォ・・・

確かにそんな感じがありますね。
輪に入ることもできない雰囲気ですし、寂しいですなぁ。

俺の目標は変わってねぇ。シャケを倒して九島の頂点を取る。
なのに、先に進めねぇ
キリオみたいに九島の生徒全員ブッ倒して屋上登ろうにも、トーナメントのカタがついてねえままじゃ、
椎葉に負けた俺があの3人無視して進むわけにはいかねえ。
昨日のシャケとキリオのタイマンのせいで気持ちが昂りっぱなしなのに、
それをどこにぶつけりゃいいかわかんねえ・・・!
どうすりゃいいんだ。どうすりゃ・・・クソが!!

苛立ちをぶつけるように素振った拳を受け止めるものがいた。バッテン野郎こと神楽の正門夕志だ!
どうでもいいが、バッテン野郎だとなまってる人みたいだよね。

正門「空気しか殴る相手がいないのか、卜部治」
卜部「テメーにゃ俺の気持ちはわかんねーだろうよ」
正門「八つ当たりの次は泣き言か」

まさしく泣き言でありますな。これはそう言われても仕方ない。
トーナメントは勝者と敗者をハッキリと浮き彫りにしてしまう。後々の関係にも色々と響きますなぁ。
だけど、岳の場合はどうなんだろう。例えトーナメントで負けていても変わっていないかもしれない。
変わらず、狙った相手に噛み付こうとしているかもしれない。そういう奴である。

バッテエエン!!

その岳が登場。
飛びつくように正門に殴りかかる。ようやく闘えるなって感じで嬉しそう。
その岳の攻撃に合わせ、正門も攻撃を合わせる。こちらもなんだか嬉しそう。
あらやだ。この2人、なんだかまるでライバル関係のようになっているじゃないですか。

岳「今のは退院祝いだ。こっからは・・・全力でブッ倒す!!」
正門「やってみせろ!!」

出会って早々にトーナメント準決勝再開。話の早い奴等だ。
派手に打ち合う2人。それを見て、卜部さんのイライラは更に強くなる。

――クソッ。これ見よがしに殴り合いやがって。そんなモン俺に見せびらかすんじゃねえ
お前ら、怖くねえのか。勝ってその先に進むことしか頭にねえんだろ。
負けてこんな惨めな気持ちになるなんて考えてもいねえんだろ・・・

そりゃあ、そうですよ。
考えているわけがない。なんせこいつらバカですもの。
殴り合って嬉しそうに笑みを浮かべているようなバカたちである。
まさに、勝ってその先に進むことしか考えていないように見える。幸せそうだなぁ。

――そうだよな。何下らねーこと考えてたんだ俺は・・・

なんだか吹っ切れた様子の卜部さん。
岳と正門のケンカを見物していた九島の生徒をいきなり蹴り倒す。何してんだ!?

今の俺じゃシャケに挑めねえなら、シャケが俺に挑みたくなるくらい強くなってやる・・・!!

逆転の発想でございますね。
先に進めないなら向こうから来てもらえばいいじゃないって話だ。
しかし、これだと八つ当たりが酷くなったように傍からは見えなくも無い。
まあ、爽やかな顔してるからそうは見られないかな。

はいずり回ってでも、今の俺にしか進めない道を。
シャケやあのバカどもや誰より俺自身を納得させるために突き進むだけだ・・・!!

神楽にも手を出す卜部。手というか足というか。
どうせ不意打ちかますなら、位置関係無視して生駒を蹴り倒して欲しかったですね。
そうすれば、生駒は3戦3敗3不意打ちという栄光を打ち立てることができたかもしれないのに・・・!!

ともかく、派手に暴れる卜部さん。
思わず岳が余所見をする。殴られる。ヨソ見してんじゃねえ!全くですな。

――ハッ。何やってんだバカ犬。さっさと先進まねえと追いついちまうぞ。

るせー!!

卜部さんの言葉に発奮して、ヨソ見からのアッパーが炸裂。
アオリ曰く。バカに刺激されたバカの強烈な一撃、とのこと。バカはやっぱり強いなぁ。バカバカ。

トオルに勝った辺りから、岳は一旦ヨソ見してからの攻撃を得意としている感がなくもない。
図らずも誘い込んでのカウンターになっているということでしょうか。
もちろん、バカなのでその辺りを考えてやっているわけじゃないでしょうけどね。
多人数に強いのは、複数相手にすると常時ヨソ見カウンターみたいになるから、と説明がつく。
アノニムの連中も、1人ずつかかっていれば勝てたかもしれないのに・・・!!さすがにそれはおかしい。

トーナメント自体は中止になったけど、岳たちはまだまだ続ける気満点なんですな。
シロの出番もできそうだし、悪くない。
まあ、マリモに勝てる気があまりしないのと、場合によっては省略されるんじゃないかという危惧があるのがアレですが・・・
と、とにかく活躍に期待しておりますぜ。



Vol.118 過保護  (2012年 30号)


余所見からの一撃が正門に炸裂!
どうやらこの一撃で勝負あったらしい。

――椎葉の野郎・・・ボロボロにならねえと勝てねえのかよ・・・!

勝てないんじゃないですかね。
むしろボロボロになることで強くなるのが岳の性質ですから。
ボロボロ+余所見カウンターという必殺技コンボを受けたのだ。正門もひとたまりもなかったってことですよ。

これでトーナメント準決勝の片方は岳が制したことになる。
あとはもう片方の準決勝。マリモとシロの戦い。この決着がつけば、いよいよ決勝となる。
勝った方が俺と・・・と勇ましく宣言しようとするが、戦いが終わったということで気絶する岳
うーむ、やはり気絶はするんですな。
まあ、勝負がついてから気絶するようになっただけずいぶんマシといえますか。

倒れそうになる岳を支えようとするマリモ。
だけど、伸ばした手は怪我した手だったので、やっぱり辞める。
倒れそうになった花瓶に対しては思わず手を伸ばしちゃうマリモだが、岳は花瓶にしては頑丈というイメージ。
支えなくても大丈夫だろと判断されたってわけですね。うん、しょうがない。

犬1匹支えられないようじゃ完治には程遠そうだねと判断するシロ。
今日この場で、もう片方の準決勝という話にはならないようだ。

・・・骨をつくるためにカルシウムとマグネシウム。ビタミンDの摂取量を増やすか・・・

相変わらず妙なところの知識が深いマリモ。
頭は悪いと本人は述べているが、化学的な雑学はやたらと豊富な様子である。

というわけで、ファミレスで栄養補給を行うマリモ。
お前、単純にハラが減ってるだけじゃないのか?
そう突っ込みを入れる三田さん。確かにそのように見えますな。
一応カルシウムのサプリとかも食べてるので、気を使っていることにはなっているらしい。ふむ。

しかし、三田さんは本当に足しげくこっちの町に来ておりますな。別にいいんですけど。

大量の食事を終えたマリモ。さて、次はどこで何を食うか。ってやっぱハラ減ってるだけじゃないのか?
前から思ってはいたが、マリモの食事代はどこから捻出されているのだろうか。
親は亡くなっているわけだが、どうやって暮らしていけているのか不明。
ヒュウゴが定期的に仕送りをしてくれているということなんでしょうか。いいお兄ちゃんだな!!

さて、町を歩くマリモと三田さん。その背後から鉄パイプ持って襲い掛かる男。

・・・鉄分なら足りている

鉄パイプを歯で受け止めるマリモ。化物め・・・!!
不意打ちは免れたが、いつのまにか複数人に囲まれている。
どうやらこいつら、トーナメント参加者のマリモを潰し、シャケと戦う権利が欲しいらしい。
なんだか回りくどいことしてますなぁ。
シャケに挑みたいなら普通に挑めば受けてくれるでしょうにねぇ。
九島の屋上まで辿り着くのは大変だけど、登校中に狙うって手はないわけではないですし。

拳を怪我しているマリモに代わり、三田さんがこいつらの相手を勝ってでる。
まあ、名も無きモブたちが束になってかかっても三田さんに勝てるとは思えませんわな。
だが、横合いからいきなり殴りつけようとする相手を見て、マリモが動く。
壊れたはずの拳を、鉄パイプ持った男の顔面に叩きつけた!!

凄い勢いで吹き飛ぶ男。最近のシュガーレス世界は人がよく飛びますなぁ。
拳をイワしていたはずなのに、なんだあのパンチはと慄く襲撃者たち。

過保護にしすぎていたようだな・・・

どうやら懸命なリハビリの甲斐があり、ほとんど問題ないようになっていたらしい。
痛覚がないだけだろってツッコミに、俺は甲殻類じゃないと返すマリモ。
ですよね。植物ですよね。マリモなだけに。
そういえば、魚には痛覚がないと聞く。つまりシャケも痛みを感じていない可能性がある。
別にだからといって強いって話にはならないでしょうけどね。

拳が治り、これならシロと戦えると考えるマリモ。
しかし、拳が治ったのなら俺との決着をつけるのが先だろと現れる男がいた。宮華亮だ!!

ドッ。ゴキゴキ。

格好良く宣言して現れたのに、マリモの一撃で首をゴキゴキならして倒れる宮華。
マリモの拳より、お前のケガの方を治すのが先だったんじゃないかね!?
宮華はすっかりこういう役回りが板についてしまった感じがある。
でも出番があるだけ井純とかよりはましなのかもしれない・・・こともないか。

というわけで、襲撃者は全員返り討ちになりました。合掌。
さて、次回はマリモとシロの初タイマンになりそうな様子。
マリモの拳は本当に完治しているのか。本人曰く、殴れればそれでいいとのことであるが。

元々、無理をせずに取れるような頂点でも、無理をせずに勝てるような相手でもないんだからな・・・!

そうかもしれませんね。
まあ、過保護にしすぎずに無茶をすることで逆に治癒を促進するって手がないわけでもないですし。凄いね人体。

マリモとシロの初タイマン。この勝負の行方はいかに。
シロが勝つ姿が思い浮かばないのが辛いところではあるが、頑張って強さを見せて欲しいところではある。
いまいち薄くなっているキャラの補強をお願いしますよ、シロさんよぉー!!



Vol.119 窒息  (2012年 31号)


マリモの拳が治ったのは既に噂になっている。
あのケガ普通2、3か月かかるだろ?やっぱ化物だぜと言われるマリモ。
実際のとこ、あれからどのぐらいの月日が経ったんでしょうかね?
実は1週間も経過してないとかだったりしたら、本気で化物といわざるを得ないわけだが。

あいつとは闘りたくねえな。とか言っている九島の生徒。九島らしくないな。
こんなこといいつつも、気分が高じたらシャケに挑むみたいにマリモに襲い掛かったりするんでしょ?

まあ、モブのことはさておき。
体育館で今日も1人トレーニングに励むシロ。努力家さんですなぁ。
最初の頃に見せた、高所での懸垂ではなく、倒立しての片手腕立て伏せである。
地味だけど、派手なトレーニング。派手なはずなのに地味に見えるトレーニングである。不思議!!

そんな風にトレーニングで汗を流しているシロ。実は内心不安を感じている。

・・・丸母タイジ。拳が完治しているはずがない。それでも闘る気なんだな。
体がデカいだけじゃなく、意思も強い。勝てるだろうか、僕が・・・

そんな風に悩んでいたところに現れるキリオ。
相変わらず神出鬼没な人である。まあ、シロとは一度ならず戦った間柄でありますしね。

シロはこれまで競い合いは避けてきていたという。それは何故か。

僕はずっと見上げることが嫌いだった。自分の小ささを思い知らされるみたいで・・・

というわけで回想!!
おそらく中学時代のシロのお話。
この頃のシロはなんとイジめられっ子だったらしい
ツリ目が気に入らないというのが主な理由。確かに目つき悪いと思えなくはないですわな。
そんな理由でイジめようとするのもいかがなものかと思いますが。

――だったら、目をふせていよう・・・

体の大きい奴には何をしたってかないやしない。そう思って競う前から逃げていた。
目障りだ。耳障りだ。僕より大きいもの、僕より強いもの全て――あの旗も・・・

この街で一番強い不良の証。九島の風車の旗・・・
あんなものは体格に恵まれた人しか掴めやしない・・・

そんな風にひねくれていたシロ。イヤホンで耳を塞ぐようになったのもそれが原因でしたか。
ある日、シロは九島の生徒がケンカをしている場面を目撃する。
金髪の細身の男に絡んでいるのは、でかい男。
きっとああいうケタ外れに大きな奴が九島の頂点にいるんだ。

バカだなあの金髪。目立つから絡まれるのに・・・
ほら見ろ。あの体格差で勝てるわけがない。

デカい奴に殴られているのを見てそう考えるシロ。
しかし、殴られた男こそが、九島の頂点であるシャケでありました。
反撃の一発で吹き飛ぶデカイ男。うーむ、さすがはシャケ。

あれが・・・九島の頂点。シャケ・・・!?

・・・そうか。体のせいなんて言い訳は許されないんだな・・・
競う前からあきらめるのは、心が逃げているからだ・・・!

大きい方が強い。それはきっと変わらない。けど、少しずつでも強く、少しずつでも逃げないように。

貧弱な体を鍛えようとするシロ。地道に地道にトレーニングを重ねる。
そして、逃げない。イジメっ子に柔道を挑まれたとしても、それに逃げずに相対しようとする。

・・・目を、逸らさないように・・・!

意志はあり、体を鍛えていても、柔道では相手に一日の長がある感じ。
とはいえ、一生隅でうぞくまらせてやるとか言われて踏みつけられたのなら話は違う。もはやケンカだ。

ドン!

柔道着を着ている状態で拳を相手の腹にめり込ませるシロ
ケンカに移行したのだから間違ってはいない。間違ってはいないのだが、この絵の持つ違和感は妙に面白い。
結局、イジメていた連中を全員殴り倒してしまうシロ。
貧弱だったはずの体は、もはやムキムキに鍛え上げられていました。

・・・いつまでもうつむいて息をひそめていると、心が窒息しそうになるんだよ・・・!

何も求めなければ失望もしない。けど僕は求めたんだ。
顔を上げて、手を伸ばして、九島の頂点を掴むって・・・
そして、上を目指すためにはまず、目の前にいるあのバカたちを倒さなきゃいけない。
いや・・・倒したいんだ

勝てるのだろうかと弱気にはなったが、己の過去を振り返ることで意志は固まった様子。
マリモとの戦いに赴こうとするシロ。
すれ違い様にキリオにチャームポイントであるヘッドホンを渡す。いいの?

彼と。丸母タイジとケンカする時は、自分を閉じ込めたくないんだよ・・・!

戦う理由を再認識したシロ。いざマリモとのタイマンへ!
という感じで、シロのキャラがいい具合に深まった回でありました。いやあ、よかった。
九島の1年生4人の中でもイマイチ目立てなかったシロである。
ここで回想を挟むことができたのは大きい。マリモとの戦いにおける大きな要素となりうる。
ひょっとしたらもしかして、マリモを倒す可能性もありうるんじゃないだろうか。
相手はケタ外れに大きな男である。シロとしては何としても倒したい相手だ。

2人の戦いは派手なものになりそうだが、果たしてどうなるのでしょうか。
プロレス技を仕掛けるマリモ。その流れでベアハッグをしかけようとする。
そのタイミングで大熊ルイさんが登場し、アレはオレの技だ!とか言ってくれることに期待。
と見せかけてフロントスープレックスに移行して、発言したルイさんの立場がないとかそういう展開に期待。
ようするに、ルイさんの出番に期待してるってことなんだぁ!!



VVol.120 退かない心  (2012年 32号)


ガヤガヤと騒がしい食堂にやってくるシロ。
ヘッドホンはキリオに預け、心を閉ざすことなく全開で戦える態勢。
そんなシロが声をかけるのはもちろんマリモである。

食べ終わったなら闘ろうか。トーナメントの準決勝をさ。丸母タイジ。

マリモVSシロ。初顔合わせの両者。その舞台は学生食堂ということになりそうです。おいおい、こんな所でかよ。
というか、学食あったんですね、この学校。
マリモはいつもコンビニ飯だったのに、何で今日に限って学食利用しているんだか。

ああ。闘ろうか。

シロの前に立つマリモ。その身長差は30cm以上!凄い差であるなぁ。

・・・やっぱりデカいな。イヤになるくらい。
けど身長差なんて言い訳にできない。そのために鍛えてきたんだ。

シロ「この体でも・・・いや、この体だからこそ得られたものがあるってことを見せてあげるよ・・・!!」
マリモ「望むところだ。こっちはエネルギー満タンだからな・・・!」

やべえぞ!避難しろ!!

開戦の気配を察して避難を開始する九島の生徒。
もちろん食事は手放さない。自分たちのメシを守れー!!

ドッ!と殴りあう両者。飛び散る料理。誰のだこれは?
マリモのは食べ終えていた様子だったので、本人のではありますまい。
おのれマリモ。自分の食事は邪魔されると怒るのに、他人の食事は邪魔してもいいっていうのか!?
これはトーナメント中であろうが復讐が許されるレベルの出来事。
粗末にされた食事の仇を討つためにヒラオリが乱入するとかしたりするのかな!?ないな。
なんだったら厨房で料理していた大熊ルイさんが包丁持って・・・ないな。

ともかく、2人の対決は始まった。初弾は相撃ち。
先に2発目を叩き込むのは――どっちだ・・・!?

シロだ!
さすがに素早く小回りが効くということなのか、鋭い打撃がマリモの腹に打ち込まれる。
満タンになった腹を殴られるのは厳しかろうて。

マリモの拳は治っていないのか?と観客。いや、あのパンチ。シロだって効いてないはずがないと解説。

そうだよ。たしかに効いた。
けど体の小さい僕は君と同じ場所に立って同じものに手を伸ばしたって届きはしないんだ。
だから、他の誰よりも前に進む

ダンと強く踏み込み前に出るシロ。
マリモの拳を頭で受け止め、さらに前に出る。

・・・僕がこの体で得たのは、勝つために退かない心だ・・・!

さらにボディへの一打!ぐふッと息とともに何やら液体を口から漏らすマリモ。危ういな。
何が危ういって食べたものの逆流がありうるってのが危うい。食堂で何してくれるの!?

体格差をものともせず闘うシロ。
その奮闘中にやってきた岳に卜部さん。そしてキリオ。役者が揃ってきたって感じですね。
キリオ曰く、体がデカくても後ろに退がりながら打ってたんじゃ、いくら丸ちゃんのパンチでも効かないだろうね、とのこと。

ナイスガッツだよ。シロちゃん・・・!

よく見たらシロのヘッドホンを首にひっかけているキリオ。似合いすぎて見逃すところでした。

まだだ。これくらいで倒れる相手じゃない。
大腿四頭筋。縫工筋。内転筋
腸腰筋。大殿筋。後背筋。大胸筋
上肢帯筋。上腕筋。前腕筋――
体中の力をかき集めて振り絞って、叩き込め・・・!!

全身の筋肉を意識した一撃がマリモの胸に叩き込まれる。
その一撃でマリモの巨体は後ろに飛び、壁際まで押し込まれる。
この壁を背にした状態では腕を満足に振ることが出来ない。
追撃を行うシロ。ボディ!崩れそうになるマリモ。だが、すぐに倒してあげたりはしない。
岳曰く。シロの野郎はもっと性格悪いぜ・・・!?とのこと。

逃げ場も。ダウンするチャンスも与えない。
2度と立ち上がれなくなるまで・・・一気に潰す!!

壁に追い込んでの連打開始!!連打連打!!
シロの持つ圧力はマリモの想像を超えるものがあったらしい。
押しつぶされてしまいそうなくらい、シロが大きく見えるとのこと。
ボディに連打をくらい、マリモのヒザが落ちる。そこにアゴに向けての一撃!!

体格差をはねのけて、シロが見事に序盤優勢の形を取ることに成功しました。
しかし、どう考えてもこれで終わるとは思えない。
次回はマリモの反撃が行われそうな雰囲気。
とはいえこの状況をどう抜ければいいのだろうか?後ろがロープなら色々と手段はあったんでしょうけど。
無理矢理壁を破壊しながら腕を振るとか?どんな破壊力だよ。
それとも壁を蹴っての三角飛びでシロの頭上を越して後ろに回るとか。あの巨体で跳んだ!?
まあ、ヒュウゴも高いところから飛び降りての蹴りとかやってたし、マリモができなくもないはず。
派手な戦いになることを期待しています。


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