蒼天紳士チャンピオン作品別感想

シュガーレス
Vol.121 〜


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Vol.121 理由  (2012年 33号)


体格差をものともせずマリモを押し込むシロ。ナイスファイトだね。
横向きに倒れこむマリモ。ゲボっと食べたものが口から漏れ出ます。
ああ、さすがに吐くか。やはり食事してすぐ戦うべきではなかったな。

・・・強い。鍛え抜かれた筋肉。決して退かない心。勝負を決めるまで手をゆるめない冷徹さ・・・
これがシロの力なのか・・・!!

倒れこんだマリモを見下ろし、シロは言う。

まだ闘る気ならさっさと立ってくれよ。隅でうずくまってる奴を見下ろしてるのはいい気がしないんだ。
昔の自分を見てるみたいでね。
僕はそこから抜け出すために今の力を身につけた。
君にそれだけの理由があるか?立ち上がって頂点を掴もうとするだけの理由が

理由。果たしてマリモに頂点を掴むための理由などあっただろうか。
シャケに勝ちたいという気持ちは本当だが、それだけの理由でしかない。それでシロに勝てるのだろうか・・・

悩むマリモは起き上がれずにいる。
そんなマリモにヤジを飛ばす九島の生徒。箸持ちながら。置けよ。
ゴチャゴチャうるせえなと思った岳。突然卜部さんの靴紐を解き始めます。何してんだ?

はい。マリモに投げつけるために靴を脱がしているのでありました。
いや、予想できるでしょうに、脱がされるままでいるんじゃないよ、卜部さん!仲いいな。
しかも顔面に当たったあと、ゲロの中に落ちちゃうし。卜部さんのガラスの靴がぁ・・・キリオ王子も空を仰ぎそうだ。

いつまで寝てんだマリモ!
テメーもだぜシロ。理由があるのがそんなに偉いのかよ。
俺にはそんなモン無えよ。あったかもしれねえけど忘れちまった。
昔の感情なんかアテになるかよ。今どうしたいか。それだけだろ

相変わらず岳は単純明快でありますね。悩みがちなマリモにとっては色々気づかせられる相手である。
これだけ自分の道を貫こうとする主人公ってのも昨今中々珍しい。
それに見合うだけの力もついてきていますしねぇ。岳もいつのまにやら押しも押されぬ強者となったものだ。

・・・今の俺の感情・・
・ ――そうだ。シロに勝ちたい。それ以外は無い。
俺の悪いクセだな。考えたまま立ち止まって動かないのは・・・!!

まさしく悪いクセでありますな。自称バカなんだから、もっとバカっぽく動こうぜって話ですよ。
吐いたばかりなのに食べ始めるのは確かにバカっぽいな。うん。

悪いなシロ。今の俺には答えは出せないが・・・探しても出ない答えなら求めない。本能のまま動くだけだ・・・!

本能のまま動く。ただ勝ちたいという気持ちに従って動く。
それが今現在の理由であるわけですな。
その思いを乗せて殴り合うマリモ。ようやくシロに圧せられることもなく、正面から打ち合えるようになりました。

――やっと、九島らしいケンカに・・・
あいつらしいバカなケンカになったじゃねえかよ・・・

退くな。折れるな。拳がきしむ。それが何だ。
今の俺の体は隅から抜け出すために限界まで鍛え上げたシロの体には及ばないかもしれない。
シロ程の理由も持たない。だからと言って恥じるな。
答えなど無くても、前に進むことをためらうな・・・!!

マリモの強烈な一撃がシロを捕らえる。
果たしてこの一撃で勝負が決まってしまうのでしょうか・・・?

もしこの一撃で決まるとしたら、さすがにそれは岳の贔屓が過ぎるのではないかと思える。
マリモが倒れたときに喝入れしてくれたのだし、シロにもやってあげないと平等ではない。
つまり、倒れたシロに向けて卜部さんのもう片方の靴を投げつける展開だ。
卜部さん、また靴が脱がされるまで大人しく待ってたりしたらどうしよう。そうなったらわざととしか思えないよ!

それか、シロの危機を嗅ぎつけて応援団が現れるという展開はどうでしょうか。
関係のある、大熊さんと典斗辺りがやってくるとか。
そして、いきなり腕立て伏せを始める2人。
「とりあえず腕立て100回!オオッシ!!」
「こんなことしたって強くなれるはずねえけどな」「あぁ」
そんなことを言いながら筋トレを始める2人。それを見てシロ。
「なれるさ・・・強くなれる。こんな風に!」
てな感じで反撃を開始する。という展開が来るとするならば、シロの勝機は十分あるわけですが、どんなもんでしょ?



Vol.122 混ざりモン  (2012年 34号)


マリモの反撃が入った。初めて退くシロ。これは決まったか!?

――まだだ。まだ僕の足は、前に出る・・・

ダンと強く前に出るシロ。
だが、マリモもまた強く足を踏み出す。どうでもいいが、どっちも靴が平べったいな。

――そんな。丸母タイジ。君は・・・僕よりも前に・・・!!

マリモの拳がクリーンヒット。シロの体が宙を舞う。
さすがにこれだけ派手なふっ飛び方をしてしまったのでは起き上がれない。
トーナメントの準決勝はマリモの勝ちと裁定されました。
うーむ、シロに対する喝入れはありませんでしたか。残念だ。

荒く息をつくマリモに話しかける岳。

やっと余計なこと考えずに拳振れるようになったかよ、マリモ。
どっちがこの街の1年で1番強ェか。ハッキリさせようじゃねえか。

まさか、さっそくこの場で!?
と思ったが、1週間の猶予を与えると言い出す岳。あら、お優しいことでありますね。
自分が挑まれる側だった場合は、今すぐやってやると噛み付いてきたでしょうに。
ともかく1週間後。元々の会場である廃工場で決勝戦を行う段取りとなりました。

岳「勝つのは俺だ。シャケへの挑戦権も俺がいただくぜ」
マリモ「そうはさせない。俺が勝つ」

上等だ!!

そう言い、マリモの拳に己の拳を打ち合わせる岳。

俺はテメーの堅苦しくて面倒くせえケンカが大ッ嫌いだ。気に入らねえ奴は正面から殴る。それだけなんだよ。
俺の拳にゴチャゴチャした混ざりモンは無え。テメーの拳みたいにヤワじゃねえから、覚悟しとけ。

・・・ああ。俺が本当に越えなければいけないのは、どうやらお前のようだからな・・・!

そう述べるマリモ。まさしくその通りでありますな。
もう何回も岳の言葉によって奮い起こされてきておりますからねぇ。
岳の助けを借りずに戦えるようになっていないと、シャケに挑むこともできないって話でしょうさ。

さて、敗れたシロに近づくキリオ。
預かったヘッドホンは返してあげない。丸ちゃんにリベンジ成功したら取りにおいでという。
ふむ、厳しくも優しい言葉でありますね。これでシロとキリオの繋がりが深まったと言えなくもない。

そして、同じように敗れた人間にリベンジを促す人がいた。
神楽工業高校。
トーナメントの決勝、最強の1年を決める場に神楽の人間がいないことを嘆く成瀬さん。
岳に連敗を喫した正門に落とし前のつけ方を尋ねる。

・・・勝つまで奴に挑みます。それ以外にありません

キレイな顔で言うようになりましたなぁ。正門。
実力は結構なものであるし、岳のライバルとして立てるように頑張っていって欲しいものである。

決勝の組み合わせは椎葉岳と丸母タイジ。
この勝者がシャケに挑むことになるわけだが、シャケはどちらの勝ちを望むのだろうか?
まあ、どっちが来ようとも、退屈だけはさせるなよって感じみたいですね。シャケらしい話だ。

さて、勢いで1週間後と言ってしまったが、特にそれまでやることがない岳。
街をブラついてみたところ、中学生がイジメを行っているところを目撃する。
取り囲んでボコボコにするとは、ハッキリしてはいるけど陰湿なヤツラでございますね。
岳がその様子を見ていると、中学生たち。何見てんだよ、九島のバカがと絡んでくる
おいおい。中学生が高校生に絡むなよ。しかもあの九島の生徒相手に・・・何考えてるんだ?

――チッ。どいつもこいつも気に入らねえ。
ガキが下らねーことに拳使ってイキがってんじゃねーよ。

そんなんじゃ拳も心も腐っちまうぜ。俺が全員まとめてブン殴ってやるよ

いじめられっ子の前に、ヒーロー椎葉岳登場!
という流れですが・・・まさか、中学生相手に気絶したりはしないよね、岳よ!
まあ、昔ならさておき、今や1年最強に手が届こうという強さの人間ですし、それはちょっと。
むしろ、いじめられっ子も含めて全員ブン殴るくらいのことはしてくれるんじゃないかと期待する。
全員と宣言したぜ!みたいな感じで。

この流れは、将来の話に繋がるんですかねぇ。
今回のいじめられっ子がシロのように一念発起し、強くなって九島に来るという。
シロにおけるシャケが、いじめられっ子における岳になるという対比か。
つまり、いじめられっ子は今こんな風に考えているはず。
「バカだなあのオレンジ・・・九島みたいなバカが勝てるはずない。バカが頭のいい奴に勝てるはずない」
てなことを考えているに違いない。
他の連中が中学生なのに高校生に絡むのも、頭の良し悪しが戦力の絶対的な差であると考えているからに相違あるまい。
だが、完勝する岳。これを見て考えを改めるいじめられっ子。
「・・・そうか。バカなんて言い訳は許されないんだな・・・競う前からあきらめるのは心が逃げているからだ・・・!」
「頭がいい方が強い。それはきっと変わらない。けど、少しずつでも。逃げないように」
てな感じで猛勉強を始めるいじめられっ子。
その甲斐あって、いじめていた子を見返せるぐらいに強くなる。そして未央のようないい高校に通うことに・・・
あれ?この流れじゃ九島に来る理由がないではないか!!しまった!!



Vol.123 やられっ放し  (2012年 35号)


中学生のイジメの現場に出くわし、やるなら1対1でやれよとと諭す岳。
岳が説教をする側に回るとはなぁ。

イジめられている少年の名は寿晴(スバル)。
そのスバルの代わりにテメーを殴ってやったっていいんだぜ!と殴りかかってくる少年。勇敢だな。
殴りかかってきた少年、百々ちゃんは岳にぶっとばされる。
おぉ、文字通り飛んでるぞ。スバルが座り込んでいるところよりも遠くまで飛ばされる百々ちゃん。

テメー!何してんだコラァ!!

目の前で友人がパンチ1発で飛んだというのに戦意が全くなえていない残りの2人。スゲェな。
まあ、そんな2人も岳のパンチ1発で吹き飛ぶわけですけどね。
うーむ、さすがにこの辺りの高校1年生で最強の座を争うだけのことはある。

この目の前のオレンジ頭が九島の椎葉岳であることを通りがかった不良の口から聞くスバル。

・・・九島っていえば、バカと不良で有名な高校だよな・・・
たしか屋上の風車の旗を取るために毎日ケンカばかりしてるっていう・・・
僕とは別の世界の人だな・・・

大人しそうですもんね、スバル。
そんなスバルに立てるかよ?と声をかける岳。おや、もしかして良い人やってる?

あんな奴らにやられっ放しで殴り返さねーお前が1番気に入らねえ

――え!?
・・・ええ!?何その理由!?何なんだこの人・・・!?

岳に殴られ空を舞いながら疑問に思うスバル。何なんでしょうね。それは分かる人の方が少ないと思う。
でもまあ、今回岳はちゃんと宣言してますしね。全員まとめてブン殴るって。
その全員にスバルも含まれていたというだけである。何もおかしいことはない!

どれだけ気絶していたのか、フラフラと下校しているスバル。
今まで殴られた中で1番痛いと述懐している。そりゃそうでしょう。
空を舞うほどの勢いで殴られた経験が過去にもあると言われたら驚くわ。

口の中が切れてしまったので水を求めてコンビニに入るスバル。
そこには、さっき自分を殴ったオレンジ頭がいた。エロ本コーナーの前に。
手にしている本は女医クラブ。縛られた本の隙間から食い入るように見つめている岳の真剣さはハンパない。

何見てんだコラ!!

サーセン。あんまり必死だったもんですから。
しかし、岳。やっぱり女医とかそういうのが好みだったんですね。卜部さんの言葉は的を射ていたわけだ。
昔は本を遠目に見るだけで照れていたのに、今では隙間から覗けるまでに至ったか・・・
岳も成長しているんですねとなんだか寂しい気分になったりならなかったり。なんだこの気持ちは・・・?

岳のそっち方面の成長はさておき。
スバルはさっきから気になっていた疑問を岳にぶつける。

・・・あの言葉、どういう意味ですか?僕のことが1番気に入らないって。

・・・・・・・・・
あああ。さっきイジメられてた奴か

うむ、すっかり忘れていたみたいですね岳。
まあ、岳にしてみれば人を殴るのなんて日常茶飯事ですしイチイチ覚えていることもないか。
とはいえ中学生とのケンカは珍しいし、覚えていてもいいんじゃないかね?
いや、今さっきまで別のことに集中してたからそれ以前の記憶が飛んでても仕方ないのかもしれないが。

相手が自分より強ェからってビビって縮こまってたって何にもならねえよ。
下ばっか見てるから前に進めねえのさ。

エロ本売り場の前で何かカッコヨサゲなことを喋り出す岳。やるねぇ。
この岳の意見に反論するスバル。
あなたは強いからそう言えるんです。と。

知るかバカ。泣きごと吐いてりゃ世界が変わると思ってんのか。だからお前は腐ってるってんだよ。
泣きごと吐いてりゃ高1の俺が堂々とエロ本買えるようになるなら、いくらでも吐き続けてやるぜ
けどなあ、ゲロ吐いて血ィ吐いて本音吐かねえと、何も変えられねえんだよ。

いいこと言ってらっしゃる。でもやっぱり、エロ本売り場の前で言われてもなあ、とスバル。
いやいや、今回のセリフはむしろその前で言うから価値があるんじゃないだろうか。
小さい子供が泣きじゃくって買って買ってとせがむのに近いものがある。
そんな求め方をするだけじゃ、親の気が動いたりはしないぜと言いたいわけなんですよ。たぶん。
でも、もしどこかの紳士がこう申し出たらどうだろうか?
「椎葉くん。今ここで泣き叫んだらこのエロ本を君に進呈しよう」と。
全力の魂の篭った泣き叫びが聞けそうな気がして怖い。

という話はさておき。

岳の行く道をなんとなくついていってしまうスバル。
この人・・・椎葉岳が他の不良と違う気がするのは何でなんだろう・・・?

他と違って突き抜けたバカだからじゃないですかね?
というのは事実なのだが、それ以外にも感じるものがあるようだ。
スバルは問う。椎葉さんは何でケンカをするんですか。何か理由があるんですか?と。

理由ね。少し前にも似たような問答をしていましたな。
そんなものはないと答えようとする岳。が、その前にさきほどの中学生たちがリベンジにやってきた。

オレンジ!見つけたぞコラァ!ブッ殺してやる!!

復讐を果たさんと、鉄パイプやバットを持ってやってきた中学生たち。
素手で叶うはずもないですし、中々に冷静な判断である。
いや、武器持ったくらいで敵うと思っているのは冷静ではないのかも。勇敢ではある。

いいのか?また俺がやっちまうぜ?
仕返しに来るあいつらの方がお前なんかよりよっぽどマシだ。
気がすむまでダンゴムシのように縮こまってな。

岳のこのアオリを受けたスバル。勇気を振り絞り、前に出る。

――僕は何のためにこの人についてきたんだ・・・椎葉さんの側にいれば世界が変わると思ったから・・・?
違う!自分自身を変えたいと思ったからだ!!
今よりもっと強く・・・!!
こいつらに殴られても椎葉さんの拳ほど痛くない。
あの人の拳は体じゃなくもっと内側の心を直接殴られてるみたいだったから・・・
心が腐らないように心のために拳を振るう。きっとそれがケンカをする理由なんだ。
そうでしょ。椎葉さん・・・!

俺のエモノ盗んじゃねー!!

割といい答えを導き出していたというのに、岳にブッ飛ばされるスバル。あらあら。

・・・やっぱり、何も考えてないのかな・・・!?

どうなんでしょうかねぇ。
まあ、岳は大人しく見守って教育するようなタイプではないってことですよ。
シャケとかだったらここは微笑ましく見守ってくれてたかもしれないけど、岳は違うってことだ。
人生を学ぶにしても色々と間違った相手だった気がしてなりませんな。

入学当初は挑む側だった岳たちも、1年最強と言われるぐらいにまで成長した。
そろそろ後発に影響を与える側の人間になってもよい時期なのかもしれない。
という段階で、次号注目の重大発表あり!とのこと。な・・・なんだ!?

重大発表。心躍る言葉である。が、いいことばかりとも限らない。
一番噂されているのは別冊への移籍。これも重大発表の1つとして扱われるものではありますからねぇ。
しかし、現在細川先生は週3〜4日でアシスタントを募集している。これは週刊ペースの作業のはず。
となると、別冊行きという可能性は薄いと思われる。
といいつつ、募集要項がいきなり変わるという可能性もあるのでなんともいえない。うーむ。

それ以外の可能性を考えよう。
アニメ化、ドラマ化、舞台化。いろいろとありますがこのタイミングで果たしてなるだろうか?
という疑問も覆すぐらいスケールのでかい夢を持ちたいと思う。少年らしく。
てなわけで、ハリウッドで映画化という説を・・・いや、やっぱ無しで。
グッズ化とかはあるかもしれませんね。鮭の文字入りの灰皿とか白の文字入りヘッドホンとかいい感じだ。
ゲーム板の4コマでシュガーレスネタが使われたこともあるし、ゲーム化もありかもしれない。
魅力的なキャラは揃っているし、中々楽しいものに仕上がるかもしれないぞ・・・?

ともかく、重大発表を楽しみにしています。さてはて何が来るか・・・!?



Vol.124 オッズ  (2012年 36+37号)


ランブル1トーナメント決勝戦。
この街の高校1年の中で1番強い人を決める闘いがついに行われようとしている。
会場の廃工場に足を運ぶスバル。ずいぶん岳に入れ込んじゃってるみたいですね。

さすがに周りは不良だらけでなかなか怖い状況。
とはいえ強者が集まる場所ですし、わざわざ弱いものイジメをするような奴はおるまい。
マジメな格好をしてるからって弱いかどうかなんてわからないしね。周防のようなのもいるし。

見てみたい。椎葉さんの本気のケンカを

そう考え廃工場に足を踏み入れるスバル。
中では相変わらず不良がドラム缶をガンガン叩いて場を盛り上げている。凄い熱気だ。

スバルがやってきたのと同時に卜部さんとシロが登場。
九島の人だし、もしかして応援に来たのかな?とか考えるスバル。
そんな風に考えられている卜部さんに話しかける未央の周防と矢坂典斗。お前ら、どっちが勝つと思う?

どっちでもかまわねえ。後で因縁つけて蹴りとばしてやる

うむ、素直に応援とかする人じゃないに決まってますわな。
卜部さんからしてみれば、靴を投げられた恨みとかもあるし、因縁はつけやすかろうて。
投げた岳と投げられる原因となったマリモ。どっちが勝っても因縁はつけられる。俺の靴に謝れ!!

続いて神楽の連中も登場。
参加者である正門だけではなく与崇さんや恩田といった2年の幹部も見にきている。
その正門に絡む井純。岳に負けたもの同士ではあるがそれで仲良くなったりはならないらしい。やれやれだ。
というか、正門以上に井純に絡まないといけない奴がいるんじゃないかね?
不意打ち喰らってトーナメントに参加すらできなくなった奴がさ・・・
生駒はこのままずっと背景になってしまうのか!?気になるところである。

決勝無視して勝手に暴れそうになる2人を怒鳴りつけるのは成瀬さん。

負け犬が2匹ギャンギャン吠えてんじゃねえ!
大人しく観戦できねえ奴はフルヌードにして叩き出すぞ!!

全く持って相変わらずでありますねぇ。
まあ、言動は変わらずだが、多少なりとも責任感はついたってことなのか?

さて、ここで今までとは違う大きなどよめきが発生する。
それもそのはず。この街のトップクラスの1人である兼光さんが現れたのだから!!
あの兼光一哉がわざわざ・・・それだけ価値のあるケンカってことかなのか!!

グッドアフタヌーン。兼光親分

こちらも相変わらずな様子の口ぶりで、九島のナンバー2、キリオ登場。
挨拶は英語なのに兼光さんは親分呼ばわりなのかい?でも親分という表現はやけに似合う気がするから困る。

兼光さんは登場したがシャケは来ないらしい。
何でも自分をトーナメントの優勝商品だって言ってたらしいから、勝者が来るのを九島の屋上で待っているとのこと。
前は逆に1人だけノコノコと会場に現れたというのにねぇ。
足並みを揃える気とかまるでなさそうなのがシャケらしい。横着者ですな。

スゴイ・・・!これだけの人たちの前でケンカするなんて、やっぱりスゴイ人だ・・・椎葉さん・・・!!

なるほど。そういう褒め方もありますな。
岳にもようやく信望する人が出てきてくれて喜ばしいことじゃありませんか。

トーメメント表を前にして笑みを浮かべる岳。やっとだな・・・!
そんな岳に勝てよ、俺はお前に賭けたぞ!と声が飛んでくる。応援されてる・・・!?
なんだか嬉しそうにしているスバル。可愛いですな。

オッズが100対1なんて、お前どんだけ期待されてねえんだよ!!
お前に賭けねえと儲けにならねえじゃねえか。絶対勝てよ!

どうやらそういう理由だったらしい。ヒデェ。
というか、賭けてる奴等も1円とか10円とか小額の賭けだったりするしなぁ。
思い切って100円を出すだけでも万札が手に入る可能性があるってのに・・・!!

フン。ゴチャゴチャうるせえ奴らだ。
俺は他人のためにケンカする気なんて無ェ。自分自身のためにやるんだよ。
テメーら全員マリモに賭けな。俺がひとり勝ちしてやるぜ・・・!!

カッコイイことを述べる岳。見事にヤジっていた不良を黙らせ、スバルも喜ぶ
。 しかし、自分賭けるぜとゴソゴソとポケットを探り、出てきたのは・・・ゴミのみ

・・・ゴミじゃねーか、ふざけんな!一文無し!スカンピン!負けちまえバカ犬野郎!

酷い言われようであります。
ゴミだろうが賭けは賭けだからな!勝ったら100倍のゴミが返ってくる計算になるんだぞ!いらねぇ!!
まあ、賭けたゴミの量もたいしたことないし、100倍になっても問題ないか。そういう問題じゃないな。

てな風に観客とバカな言い争いをしている岳。
そこにようやく対戦者が登場。
三田さんと嘉上を引きつれ、マリモがやってくる。
三田さん達は荷物持ちも兼ねているんですな。さすがにこの2人は確実にマリモ側であるか。
どちらにせよ闘うのは1対1。いつものように周りが手を出してくるようなこともない。
アウェーだろうがなんだろうが、それで戦いに影響が出る岳ではありませんわな。

テメーのせいで1週間ケンカお預けだったからな。溜まってんだ。思っきしブチまけさせてもらうぜ・・・!!

日時を決めたのはお前だろう。言い掛かりもそこまでくれば芸術的だな。勝つのは俺だ・・・!!

確かに決めたのは岳だが、それはマリモが負傷してたからですしね。
それを考えると決して言い掛かりとまでは言えない。
どうせ翌日にはほとんどダメージ抜けてただろうし、1週間も開けなくてもよかったかもしれないが。
そういえばマリモの拳は包帯も巻かれていないし完全に治っている様子でありますな。
それを考えるとやはり1週間の期間は必要であったか。スッキリしたケンカのためにはお互い完全な状態が望ましいしね。

というわけで、1年最強の座をかけた戦いが始まろうとしている・・・
そんな盛り上がりを見せるシュガーレスに重大発表!!
なんと・・・TVドラマ化が決定したのだ!!な、なにぃ!?

日本テレビにて10月から放送開始されるという。それはまた急な話ですな。
一応不良ものみたいなジャンルであるし、ドラマ化しやすい作品だとは思っていたが、そうかーなっちゃうのかー。
これはなんとも演じる役者さんが気になる話でありますなぁ。
ガタイのいいマリモを誰が演じるのか。卜部さんのタバコはそのままでいいのか。
キリオや兼光さんの髪型はちゃんと再現されるのか?気になることは色々とあります。

果たしてこの、女性キャラがさっぱりいない世界観は踏襲されるのか!?
カイジなどの例を見るように、キャラが女性に代わったりすることはドラマ化では稀によくある。
女性が多いクローバーでも、ドラマ化に当たってユイちゃんの出番を前倒しにされていた。
そう考えると、キャラの誰かが女性になっちゃう可能性はありえなくもないわけで・・・恐ろしい。
いっそ開き直って全員女性にしちゃったらどうだろうか。完全に別物で楽しめそう。
それでいてやっている内容は漫画と変わらないとか。面白そうな気がするぜ!!



Vol.125 この時  (2012年 38号)


いよいよこの街の1年最強が決まろうとしている。
果たして最強の座を手にするのは岳かマリモか。
1話目からメインとして登場しているこの2人。
殴ったり殴られたり気絶させたりさせられたりする間柄だが、本気で闘るのは初めてである。
殴ったりはお互いがやっているが、これまでのところ、気絶は岳が一方的にさせられている。
この戦いでマリモに気絶を与えることができるのか。注目である。

椎葉のバカ犬。4週間お預けくらってたせいで闘る気高まってんな

マリモとシロが闘ってから1週間。
ということは、正門とやってからシロとマリモが闘うまで3週間の間が合ったわけか。
その間お預けをくらっていたとなると、そりゃ滾ってしょうがなかったでしょうな。
中学生相手だろうがオレの獲物を取るんじゃねーと暴れたりする気持ちにもなるって話だ。

マリモの拳はどうやらすっかり完治した様子。
そして三田さん曰く、あれだけ気合の入っている丸母は初めて見るな、とのこと。いいですね。

先に攻撃を仕掛けるのは椎葉。その予想が多い。
が、実際に前に出たのは・・・同時!!
お互いの拳がお互いの顔面に突き刺さる。
どちらもまともに入り、同じようにたたらを踏む2人。
だが、先に体勢を立て直したのはマリモ。追撃の一撃が岳を襲う!!

ゴッ!と派手な音が響き、凄い勢いで吹き飛ばされる岳。
シャケや兼光さんのように高く飛ばしているわけではないが、水平に勢いよく飛ばしています。

観客からしてみれば、もう決まってしまったのか?と思えるほどの一撃。
だが、マリモはこれで決着だなんてカケラも思っていない。
三田さんからバナナを受け取りエネルギーの補給を開始する。
そうか、それで三田さんや嘉上は食糧を保持しているのですな。卑怯な・・・!!

まだだろ、岳。お前ほどあきらめが悪い奴を俺は知らない

そのマリモの言葉通り、起き上がってくる岳。まだまだ元気一杯な様子ですね。
マリモは岳の力をよく分かっている。
なぜなら、お前のせいで俺は今ここにいるんだからな、とマリモ。

俺だけじゃない。お前と戦った者、全員――
お前の拳や言葉、それを生むお前の心に揺さぶられて突き動かされて変化した奴らばかりだ
言ったはずだな。俺はお前を越えると。
全身全霊、全神経でお前を倒す

バナナ食いながらそんなことを述べるマリモ。
まあ、卜部さんの変化にはマリモの拳も影響を与えたりしてたみたいですけどね。

マリモのこの言葉というか、態度に嬉しそうにする岳。
今日のテメーはちゃんと目の前の俺に焦点合ってるみてえだな、とのこと。
岳は浮気されたりするのは気に入らない人ですからねぇ。ちゃんと自分のことを見てくれないと暴れてしまいますよ。

テメーはいつもゴチャゴチャ余計なこと考えてケンカしてたからよォ。
せっかく上等なエモノでも、中身が半端なままじゃ食い甲斐が無さそうだったんだ。

決勝前の1週間どころじゃねえ。入学以来ずっとこの時を待ってたんだぜ・・・!!

出会って早々にドロップキックで気絶させられて以来の縁ですからねぇ。
そりゃあ、ずっと闘り合いたくて仕方なかったでしょうよ。
今こそ、存分に拳を競い合わせることができる。
というわけで、殴り合いの再開・・・と思いきや、マリモの投げ捨てたバナナで滑ってしまう岳。ウソだろ・・・
兼光さんはともかく、正門や成瀬さんが凄い顔になっている。
まあ、ここまで緊張を高めておいてそりゃねーよと思う気持ちはよくわかります。
でもね、バナナを足元に置かれたなら仕方ないじゃないですか!引っかかるのが礼儀ってものですよ!

というか、そのおかげでマリモの攻撃を交わし、体勢を崩しながらの蹴りを決めれたわけなんですけどね。
岳はこういう不足の事態に非常に強い。
よそ見しながらの一撃とか、そういう攻撃が妙に強いという特徴がある。それは主人公としていいのか?
ともかく、その特徴を鑑みると、今回の一撃は結構なダメージになったのかもしれない。
さすがにこの蹴りだけで決着がつくことはないと思いますけどね。ついたらついたで勝ったのにブーイングが飛びそうだ。

さて。
実写ドラマ化が決定したシュガーレスでありますが、ここで緊急特報。
クソガキ共を演じるのは・・・EXILE軍団。エ・・・エグザイル・・・!?
なんでもろくでなしブルースなどの実写も務めていらっしゃったとか。ほう・・・ほう。
期待していいのかどうかについては、まあ、その、なんでしょうね。うん、よく知らないので何ともね。うん。
岳たちよりむしろアノニムを演じてもらったら面白いことになるんじゃないかとか思ったりもした。
あいつらの自己紹介の動きとかEXILEらしいと思えなくもなかったし。
ドラマシュガーレス〜アノニム編〜みたいなノリだったらそれはそれでアリかもしれんな!



Vol.126 正体  (2012年 39号)


真剣勝負の最中にバナナで滑る岳。
真面目にやっているからこそアクシデントが起きることもあるって話でございます。
まあ、こういうアクシデントがあった方が強いってのが岳って奴なんですけどね。

というわけで、無茶苦茶な体勢からのケリが炸裂。マリモがヒザをつく。
勢いづいて追撃を行う岳であるが、もちろんそれで倒されるマリモではない。
殴りかかってきた岳を抱えあげる。
そして、その勢いを利用して後ろに半回転。倒れこむようにして抱え上げた岳の背中を地面に叩きつける。
パッ・・・パワースラムだ!!

実に久しぶりにマリモのプロレス技が解禁されました。地味に嬉しい。
最近は拳についての語りに偏っており、プロレス技がほとんど見受けられませんでしたからねぇ。
あやうくキャラの持ち味が消えるところでありましたよ。
まあ、想いを乗せた拳合戦では岳に勝てるとは思えない。
であるならば、それ以外の戦い方で戦うのが得策であり、当たり前の考え方である。
ようするに、競うな!持ち味をイカせ!ってことですよ。

さて、マトモにパワースラムを受けた岳であるが、さすがにタフである。

・・・何を見下ろしてんだコラ・・・
早くトドメ刺さねえと、噛み殺しちまうぞ・・・!!

起き上がる岳。これには観客もマジかよとどよめいている。
うーん、この2人。普通にプロレスしても盛り上げてくれそうな気がしますね。
お互いタフだから技の掛け合いとかしても次々起き上がってきて見ていて楽しくなりそうだ。

実際に闘ってみないとアイツのしぶとさはわからねえだろうな

とは卜部さんのセリフ。
周りがタフだねぇとか言っているのに、実際に闘ってみないとわからないとはこれいかに?
ようするに、見えている部分よりももっとタフなんだぜといいたいんですかね?

それはさておき。
シロは考える。これだけしぶとい岳に、本当に闘う理由がないのだろうかと。
彼の姿、彼の目には・・・いつだってハッキリした意志がある・・・!!

シロの考えたことはマリモも同感だった様子。
改めてマリモは岳に問う。お前を支えているのものは何だ?お前が立ち上がる理由は何だ?と。

・・・悪いな。やはり俺はどうしても知りたい。
俺が越えたいと思うもの。手に入れたいと願う力の正体を。

すっかり岳に惹かれておりますねぇ。マリモも。
まあ、実際倒れたり迷うたびに現れて影響を与えてくれた男ですからね。知りたいと思っても無理はない。

岳は言う。答えなんてテメーで探しな、と。それはそれで正しい。
けれども、どうも岳としてみれば、そういう問答はしたくないというのが正解らしい。
ケンカの最中にゴチャゴチャ言われると頭が鈍って・・・

クソが・・・理由なんか聞くんじゃねえよ――・・・

薄れ行く意識の中で岳は何を思うのか。
これは・・・回想に入りそうな予感!?
次号から岳、幼年期編に入ります。連載期間は1年以上を想定!!
なんて話もなくはないけど、さすがにそれは・・・どうなんでしょうかね!

岳の取り得はがむしゃらに挑みかかるところである。
なのでゴチャゴチャ考えながらでは本領が発揮できない。
なので過去のことを考えてしまうのはよろしくないと思われる。
回想をするだけし、スッキリしてのケンカ再開という形にしていただきたいところですな。

で、ドラマ化について。
情報が次々と出てきていますが、やはり色々と厄そうなことになりそうな予感。
ドラマオリジナルの女性キャラが登場、だと・・・?
シュガーレス世界に名前つきの女子が出るとは一体どういうことなのか。今の僕には理解できない。
一体どうなってしまうのか・・・気になるけど、むしろ気にしない方がいいのかなぁ。



Vol.127 それでいい  (2012年 40号)


マリモとの激闘の最中に蘇る記憶。
今明かされる、椎葉岳の中学生時代!!

中1の頃の岳。力試しとしてか中3の不良に挑んでいる。
高校受験で忙しいとか、不良のくせにマジメっすね。というか、不良なのか?

このころは、まだまだ強さが足りていない様子の岳。
名もなき相手に打ちのめされていますが、しつこさは健在である。
殴っている方も汗をかき始めてしまうぐらいにしつこい。

岳はこの頃から九島の頂点にこだわっている。相手は問う。なんでそのトシでこだわるのかと。
どーせ大した理由も無ェんだろ。力も理由も無ェ奴が、どんだけ手ェ伸ばしたって届きゃしねえんだ。あきらめな。

――ハッ。理由なんて知るかよ・・・
俺より強い奴がいるのが気に入らねえ。それだけだ

うむ、言っていることは現在と全く変わっていませんね。
そんな岳の態度が気に入らない相手は完全に沈めてやるぜと殴りかかってくる。
そこに乱入してくる男が1人。
見事な蹴り一発で相手をKOしてしまう。こ、この男は・・・!!

名乗ろうとした乱入者にいきなり殴りかかる岳。ガン。ッてえ!!

俺のケンカの邪魔すんじゃねー!!

うーむ。本当、今と全く変わってないですね岳は。感心する。

俺はなあ、九島の頂点取るって決めてんだよ!
気晴らしでケンカするような奴らに負けてらんねーんだ!邪魔すんならテメーもブッとばすぞ!!

・・・へぇ。なら俺も負けられねえな。
俺は、九島高校1年。栗山景生だ。

栗山!?あいつが・・・九島の頂点。"モンブラン"!!

そう、モンブラン!
別冊で掲載されたシュガーレス外伝に登場した、シャケの前の九島の頂点に立っていた男である!!
しかしまあ、何度見ても特徴的な名前とあだ名と髪型であるなぁ

モンブランのパンチをくらって吹き飛ぶ岳。
これまでくらったことのない一撃に、岳の意識は簡単に吹き飛びそうになる。
ならばと、自分の腕に咬みついて意識を保つ岳。うーんクレイジー。狂犬だね。

モンブランは岳に名前を聞き、さらに九島の頂点を取りたがる理由を問う。
頂点取ったからってモテねえぞって、それは実体験による忠告ですか?

・・・テメーもその話すんのかよ。
俺にはそれしか無ェんだよ。頭悪ィし、運動なんて行儀良いことに熱くなれねえ。やりたいことなんて何も無ェ。
けど、この街で1番強い不良の証、九島の風車のハタは、そんな俺がやっと見つけた本気になれるモノなんだ・・・

与えられたモノじゃなくて、自分で選んだモノを簡単にあきらめてたまるかよ・・・!!
理由なんてそんだけだ。文句あるか。

なるほどねぇ。
とても純粋な理由でよいかと思います。
ウダウダとした理由がつくよりもよほど岳らしい話でございますわいな。
モンブランもそう思ったから、むしろ残念そうにする。

お前が九島に入る頃、俺は入れ違いで卒業だ。九島の中でお前と闘りたかったぜ。

嬉しいこと言ってくれるじゃないの。
挑みかかる岳。いい一撃をモンブランに入れてはいるようだが、結局気絶させられる。

理由なんか要らねえ。お前はそれでいい

これが、椎葉岳の中学生時代。
その後、モンブランはシャケによって九島の頂点の座を奪われてしまう。
ならば目標はそのシャケに変わるだけである。
シャケって奴の方が強ェんなら、そいつに咬みついてやる・・・!!

回想は終了。
どうやらマリモに殴られ気絶している間に見ていた回想だったらしい。
どのぐらいの間の気絶だったかはしらないが、たぶん短い間だったんでしょうね。
ガンガンとドラム缶が叩かれる中、覚醒し、身を起こす岳。

そうだ・・・やっぱ俺には大した理由なんて無ェんだった・・・
ただエモノを横取りされるのが気にくわねえだけだ。だからテメーもブッとばすぜ。マリモ・・・!!

岳の精神の強さというか、変わらぬ一途さは本当に凄いですね。
マリモが揺らぎやすい精神の割に肉体的に強く、岳は肉体的にはそれなりだが精神的には頑強である。
いつしかマリモも精神的に成長し、岳は肉体的にも強くなってきた。
うーん、それぞれ違った成長を見せて、今この場にいるってことなんですかねぇ。

そんな2人の対決もそろそろクライマックスを迎えようとしている。
果たして殴り合いを制するのはどちらか?どちらがシャケに挑むのか?
その後の展開はどうなるのか?モンブランは今後出てくることがあるのか!?

そういえば、他のキャラは大抵シャケに影響されている。シロやキリオ、マリモにしてもそうだ。
しかし、岳はシャケの姿を見たことがないのが初期にハッキリしてますからねぇ。
なのでその前のモンブランにお出まし願ったというわけですな。
本編でも姿が見れて嬉しかったよ・・・!!



Vol.128 新しい風  (2012年 41号)


岳がしていた皮バンドは手首の噛み跡を隠すためのものだったんですね。
手首の傷を隠している!というと別の意味にとれてしまうな。
そんな・・・椎葉岳がそんな繊細な奴だったなんて・・・!
とか誤解されちゃう。まあ、自傷には違いないんだけどさ。

悪ィなマリモ。俺にはやっぱ立ち上がるのに特別な理由なんて無ェ。
――ただ、気に入らねえ奴はブッ飛ばす。それだけだ・・・!!

派手な一撃を喰らって気絶したが、昔のことを思い出して帰ってきた岳。
回想はパワーアップに繋がる重要なイベントである。
でも、大して重要な理由が思い起こされるわけではないというのが岳の凄いところ。
もう昔から椎葉岳という個性は完成されていたんですなぁ・・・

というわけで、足を止めての殴り合いを開始する2人。
さすがにここまでくると観客も岳をなめきったりは出来ない様子ですな。いいことだ。

・・・岳。
お前が立ち上がる理由は、きっと"理由"などと特別な言葉で表すものじゃなく、
ごく自然にお前の一部になっているものなんだろう
だからお前の拳には、迷いやブレが一切無い。
余計なことにとらわれず、今、この瞬間に全てをぶつけることができるんだな・・・!

誰より単純なのが、お前の強さか・・・!!

マリモもようやく理解してくれたようですな。
バカも徹底してしまえばそれは尊敬できるバカだということである。
それが分かったから、マリモは笑う。岳もまた笑っており、2人は笑顔のまま殴り合う。

ガンガンと音を鳴らして囃し立てていた観客も、段々と闘いに魅入るようになってきた。
そして見ているうちに我慢できなくなってくる者もいる。

ドガッ。と、並んで立っていた卜部さんとシロが同時に隣に立っていたお互いを攻撃する。

卜部「――何すんだ、シロ」
シロ「君こそ、何笑ってる。卜部」

この2人もまた、笑顔でそう言い、ケンカを始める。ほっほ。

戦いを始めたのはこの2人だけではない。
遠くに立っていた成瀬さんを標的と定め、襲い掛かるのは・・・キリオだ!
交錯するキリオと成瀬さんの蹴り。この2人の戦いはなんというか、スタイリッシュだなぁ。

キリオ「いつまでも観客じゃいられないだろ。成ちゃん・・・!」
成瀬「・・・キリオ!!」

この様子を皮切りに、様々な所で戦いが勃発する。
正門と井純が殴りあった。
周防と典斗が、ヒラオリとジャージを殴り倒した
――まて。なんか最後違う!!
最初の3組は良い感じに争っているのに、なんで最後はそうなった!?
ほんと、ヒラオリはオチ担当やで・・・と思いきや、もっとえらいことになっている奴らがいた。

兼光!!

座り込んで見物を決め込んでいた兼光さんに挑みかかる3人。
もちろんその3人に兼光さんは答えてくれます。

見開きで空を舞う3人
他の連中が乱闘をしている最中、空を舞うというのはどんな気分なんだろうか。
ていうか、これ凄い絵面だ。シュールにもほどがある!
でも、もう兼光さんの攻撃で人が飛ぶなんて日常茶飯事になっているのか、誰も騒がない。
4、5メートルぐらい飛び上がっているように見えるんですがねぇ・・・ほんと、ハンパじゃねぇわ。
こうなると分かっているだろうに挑みかかる連中もハンパじゃねぇわ。熱狂的になりすぎ!!

皆、笑いながら殴り合っている。
その様子にスバルも影響されてしまう。
手近な、目の前にある標的を殴りつけるぜ!えい!

ガキが・・・俺が乃元高校の宮華亮だと知ってやってんのか。
がはッ!!

ああ、宮華もちゃんと来てたんですね。
そして、宮華がいるのなら、嘉上が向かっていかないはずもないと。
未だに首を固定しているらしき宮華に飛び蹴りをかます嘉上。さすがである。
この2人の因縁はまだまだ続きそうですなぁ。楽しそうで結構!

恩田さんや与崇さんによると、まるで兼光さんとシャケのタイマンの時のようだ、とのこと。
その時も皆昂って大暴れしてたってことなんですかねぇ。
そうなると、正門が我慢できずに挑みかかったのも無理はなかったというわけか。

・・・いい風が吹いてるな。心を空高くにまき上げる・・・新しい風だな・・・

世代交代を告げる風は吹いているということなのか?
風車に掲げる旗を代える風が吹いているということなのだろうか?
ともかく、嬉しそうにしている兼光さんとシャケでありました。

暴れまくったあげく、決勝戦中の岳とマリモより先に地に伏せていく観客たち。
さすがに兼光さんは平然としたものだが、他は誰も立っていないように見える。
スバルは宮華の体の下に埋もれている。
これは、宮華。最初の嘉上の飛び蹴りでKOされたということなのか・・・?

シャケへの挑戦権を得るタイマンもそろそろ決着がつきそうである。
果たして勝利するのはどちらか。
そして勝利したとして、シャケに勝つことができるのだろうか?
風は後押ししてくれるかもしれないが、果たして勝利とまで行くかどうか・・・怪しいですなぁ。

それにしても、本当にこの場は兼光さんしか立っていないのだろうか。
いや、兼光さんはずっと座っているんですが。というのはどうでもよく。
ようするに、三田さんはどうなったんだろうか、という話だ。
因縁を持っていそうな相手が他にいない三田さんである。実は一人だけ退避していたり・・・?
まあ、その辺りは明かされないかもしれないが・・・地味に気になるところだぜ!



Vol.129 お前の勝ちだ  (2012年 42号)


観客たちが真っ先に倒れ伏す中、戦いを続ける岳とマリモ。
そんな2人の対決も、ついに決着の時を迎えようとしていた。

お互いの顔面に強力な一撃が叩き込まれる。表情の変化からして、これは痛い。
しかし、マリモはこの一撃を受けてすぐに反撃に移ろうとする。
殴りつけてきた岳の右腕の裾を掴み、引き寄せる。

決める・・・!!

ラリアート
かつて岳を気絶させたことのある必殺の一撃である。
一話での戦いの再現なるか、という状況。
しかし成長した岳はあの時とは違う。
吠えながら、飛ぶ!掴まれた裾を引き散りながら飛び、マリモの眼前へ体を持ってくる。
そして・・・咬んだ!!
ヒジとヒザを用い、頭を対角線で挟むようにして砕く!!これは格好いい!!

上下から頭を咬み砕いたか。椎葉岳。まさに犬だな

兼光さんも認める一撃でありました。
この一撃で大きくぐらつくマリモ。
そして、そのマリモにとどめの一撃が放たれる。
魂の篭った一撃がマリモに突き刺さり・・・吹き飛ぶ。勝負――あった!!

これで、誰が1番強ェかハッキリしたろ!!

天を仰ぎ吠える岳。うむ、格好良かったですよ!!
でも、その宣言の後、いつものごとく気絶する岳でありました。
うーむ、こういうところのお約束は外さないか。いい主人公であるな。

――いいケンカだった。お前の勝ちだ。椎葉岳。

兼光さんが見届けてくれたことですし、トーナメントの優勝は決まりのようですな。
しかし、気絶から先に覚めたのはマリモの方だった様子。
岳が気絶から覚めたとき、岳はマリモの肩に担がれていた。
そんな状態ではあるが、マリモは素直に岳の勝ちを認める。
まあ、岳に言わせれば、素直に自分の負けを認める態度も気に入らないことになるらしいが。

お前といると大型犬と散歩している気分だ。振り回されて引きずらされて、それでもそれを楽しむように――・・・
置いていかれまいと、離されまいと、自分を奮い立たせて前進する

引きずられたくなきゃ、次はテメーが前に出ろよ。追いかけてケツ咬んでやるぜ。

ケンカした後の爽やかな空気っていうところでしょうか。
なんだか分かり合ったような会話をしております。
初めての本気のケンカを行うことで、色々と絆が深まったりしましたかねぇ。
ところで、マリモはどこに岳を運んでいるのかね?

九島の屋上だ。勝った方がシャケと闘るという話だっただろ。

マリモのこの話を聞き、早速覚えたての咬み技を使用する岳。
なるほど、肩に担がれた状態なら飛び上がらなくても頭を挟みこめますな!バコッ。

自分の足で屋上行かずに挑戦だなんて言えるかよ。余計なことすんじゃねー!!

マリモとしてみれば、純粋な好意であったろうが、岳の意見もわかる。
挑戦するときは自分の足で向かいたいですよね。
でも、気絶したまま放っておいたらシャケがいつまでも待ちぼうけになりそうでしたし。

九島の屋上まであと少し。
というところでいきなりケンカを始めてしまう2人。何やってんだか。
そのもつれ合った状態のまま屋上までやってくるのだから、まあ大変。

2人そろって、出直して来い

ですよねー。
シャケの一撃で2人まとめてふっ飛ばされるのでありました。

トーナメントの決着から、九島の頂点取りの決戦まで一気に行くのかと思いましたが・・・
どうやら、頂点取りは一旦お預けという形になるようです。よかったよかった。
まあ、岳もさすがに完全に体力戻してから挑戦した方がいいですよね。
マリモ相手にするときは完全に回復してから闘り合ったわけですし。

次号は新章突入とのこと。
街の1年の頂点に立った岳である。今後は挑まれる立場となるんじゃないだろうか。
名前も広まるだろうし、スバルも嬉しいでしょうな。
その辺りを絡めた展開になりそうであるが、はてさて。
まあ、岳は不意打ちに弱い印象があるので、あっさり敗北して街1番の称号を剥奪される可能性もあるのが怖い。
そうなったとしても、すぐに取り戻すでしょうけどね。
ともかく、どんな展開になるか楽しみだ。



Vol.130 修学旅行  (2012年 43号)


新章開幕!!
シャケに殴られて絶賛気絶中の岳。
気づくと、そこは新幹線の中。名古屋を通過しようという所でした。名古屋!?

名古屋を知らないのか、岳。
エビフライきしめんひつまぶしういろう味噌カツ味噌煮込みうどんの名古屋だ。

何という過不足のない説明か!さすがはマリモである。
いや、たぶん岳が聞きたいのはそういうことじゃないと思うよ。

どうやら修学旅行に向かっているらしい九島の一向。目的地は大阪

タコ焼きお好み焼き串カツうどんの大阪だ。

これまた見事な説明をしてみせるマリモ。駅弁食いながらよくもまあ食べ物の話ばかりできるものだ。

それにしても、九島の一年4人はやはり実力者ということで敬意を払われているのだろうか?
というのは、この4人。それぞれ間を空けて座ることができている。広々とした空間だ!
単に横に誰も座ってくれる人がいないだけじゃね?などというのは言ってはならないことである。
というか、何で岳に一番近い席にいるのがヒラオリなんだよ!?

大変だったんだぞ。あの後2日間眠りっぱなしで。
君も修学旅行に参加できるようにと無理矢理ひっぱってきたクラス委員の僕に感謝するんだな。

ヒ・・・ヒラオリ、クラス委員だったのか!!
まあメガネですしね。適任と言えなくはない。
それよりも、九島にクラス委員なんて定める制度があったことに驚く。
修学旅行なのに教師の姿も見えない。なのにクラス委員は定まっている。
授業をしている光景はないがHRはあって、委員決めとかはしたということなのだろうか。
もしかして、九島にも生徒会とかあったりするんだろうか?うーむ、想像できない!

ふざけんなメガネ!

よかれと思って岳を連れてきたのに、殴られるヒラオリ。哀れ!ぎゃふん!!
今すぐシャケとタイマンを張りたい岳。大阪なんて行ってられないんだよって感じだ。
まあ、挑もうとしたのに気絶から覚めたら大阪に強制移動中ですからねぇ。
敗北し、2日間は普通に過ごしていたマリモたちとは違う。
そういえば岳は私服のまま参加なんですな。喧嘩中も制服でいることが多かっただけに目新しい。

岳のクラスは、岳のせいで1クラスだけ出発が遅れている。
にも関わらず、我儘をいう岳に卜部さんの怒りの蹴りが飛んだ!!
いや、怒っている理由は単にタバコを我慢してのイライラによるものなんですけどね。
禁煙車輌ですもの。そりゃあ真面目な卜部さんは我慢しますよね。ストレスも溜まるさー。
席で吸わずにデッキに移動すればいいんじゃないですかね・・・?

というわけで、喧嘩しながら新大阪駅に到着。
ようやくタバコが吸えると安心した様子な卜部さん。
ヒラオリは修学旅行のしおりを片手に、他のクラスとの合流を考える。真面目ですなぁ。
岳は帰ってシャケとの決着を、と考えるが切符買える金があるとは思えない。
そういえば九島はどこにあるんだろうか。名古屋より東なのは間違いないが、ハッキリしませんな。

言い争いをしている岳に向けて、いきなり何物かが奇襲を仕掛けてくる。
とび蹴り!!が、それをかわす岳。おぉ、岳が不意打ちをかわしただと・・・?成長しているってことなのか?

大阪到着早々に九島に喧嘩を売る高校生の集団。
周りの反応からこいつらは御辻高校の連中だということがわかる。
どうやらこいつら、岳たちのクラスだけでなく、先行していた他の九島のクラスの生徒も的にかけていたようだ。
駅のトイレは惨憺たる有様となっている。係員は大変だな。

なぜこいつらは九島を狙うのか。その理由はすぐに明らかになる。

2年前。シャケ言う奴に荒らされた借り、返させてもらうで・・・!!

そうかーシャケが原因だったのかー。じゃあ、しょうがないですね。
シャケだったら1人で大阪中の喧嘩自慢を、それこそ修学旅行中に倒してしまいそうだからなぁ。

というわけで、新章の修学旅行、大阪編が始まりました!
1年最強の座についたのにまるで扱いが変わっていない岳の姿に安心。
それはいいけど、逆に九島という高校に謎が深まることとなった。
1年目から修学旅行があるのか?とか、そもそも積立金とかあるのか?とか。
教師の不在やらはもう言い飽きたぐらいである。
クラス委員の制度もあるのかどうか怪しいくらいだ。
ひょっとするとヒラオリが勝手に言い出し、勝手に立候補し、勝手に当選したのかもしれない。
まあ、他に任せれる相手も、やってくれる相手もいないだろうし問題ないか。
にしても、偏ったクラスだな、ここ。

さて、シュガーレスのドラマは10/3の25:29〜放送開始
九島1年4人組のキャストが発表されておりますが、白黒だとよくわかりませんな。
顔だけ見るとそれなりによさそうですが、全体の体型を見ると・・・
まあ、それほど期待はせずに見守ることにしましょう。



Vol.131 御辻高校  (2012年 44号)


TVドラマ化記念ということで3号連続カラーが企画されています。これは嬉しい。

さて、新大阪駅のトイレは犠牲となった九島の生徒で埋め尽くされている。
勇敢なのは多いが、いまひとつ実力に欠ける気がしますね、このモブ生徒たち。
そんなモブたちとは違う、主役級の4人を要した九島の一行が御辻高校と対峙しています。

御辻高校の中で目立っているキャラは3人。
その中でも先輩格っぽい強面の男と戦う岳。
他の2人はそれぞれ卜部さんとシロとタイマンを開始する。
バンダナ君は蹴りが主体っぽいので卜部さんと気が合いそう。
もう1人の男は制服の前をきっちり閉めているところがシロとの共通点か。強引に考えて。
ちなみに余ったマリモは雑魚退治。図体からして一番目だってそうだけど、喋らないから後回しにされたのかなぁ。

また御辻高の奴ら暴れとんぞ!
邪魔くさい奴らやな!止めへんからサッサと終わらせてまえ!!

駅という公共の場所で大暴れしているのに警察を呼ぶどころかサッサと終わらせろと来たか。
アノニムが駅で暴れてたときはちゃんと警察が来ていたのに・・・
大阪というのは怖いところなんですなー。

御辻の強面と殴り合う岳。微妙に苦戦しています。
そんなだから、お前ホンマに九島なんか?とか言われちゃう。

2年前、俺らの頭の榊を負かしたあの金髪。シャケ言うのに比べたら、全然大したことないな!!

おいおい。よりにもよってシャケと比較するのかよ。
人外をものさしに使っちゃいけないよ。そりゃ大したことなくなるわ。

御辻高校の榊。
高校1年の時には既に無敵だったという。
そのくせ力を見せびらかすような安いケンカはしなかったので他校のモノにも一目置かれていた。
その強さと人格にホレて慕う仲間も大勢いたそうな。
で、その中のアホの1人が2年前、大阪に来ていたシャケにカラんで潰された。
そのため、仲間の仇討ちにやってきた榊。シャケとのタイマンを開始する。

詳しい勝負の内容は省略されているが、あのシャケにそれなりのダメージを与えている榊。
正面から殴り合ってここまで戦えるとは、なかなかの強さじゃないですかね。
ケンカ中、アクシデントで左目の上を切ってしまう榊。
それがどれほど敗因に関わったのかはわからないが、ともかくシャケに敗れることとなった。

負けた榊からは仲間が離れていった。
それだけではなく、負けた噂が広がると、それまで大人しくしてた他の高校の奴等に一気に狙われた。
左目が腫れて見えないからなりふりかまっていられない榊。
相手の目を潰すような一撃を叩き込んでくる。グチュ。

それまでのマトモなケンカやない。手段選ばんようになってから更に強うなった。
今の榊はシャケが作ったバケモンや

強い奴がなりふりかまわなくなったから更に強くなった。
当たり前といえば当たり前の話である。
しかし、シュガーレス世界的にはどうなんでしょうかね?拳の覚悟が鈍るとかそんな理由で弱くなりそうな気もする。
でも、ヒュウゴは手段選ばないけど強かったしなぁ。
やっぱりバケモノはどう転んでもバケモノってことなのか・・・

閑話休題。
岳と戦っていた強面の名前は宍戸
その宍戸に後からやってきて声をかける御辻の1年生がいた。名前はコウタ
九島潰しをしょうもないことと言い捨てるこの男。何物であろうか。
どうやら中学の時から榊に目をかけられていたようであるが。
今後はこの男が大阪編のキーマンになりそうな気がしますな。

水を差されたということで引き上げる宍戸。
卜部さんやシロと戦っていた妹尾津野の2人にも引き上げの指示を出す。
とりあえずはどこのタイマンも決着がつかずに水入りって感じですかね。

さて、最後に話題の榊が登場。
シャケにやられてからというもの金髪がすっかりキライになってしまった様子。榊の髪色は何なんだろね。
すれ違っただけの金髪の男をぶちのめし、その連れ2人をまとめて車道に蹴りとばす榊
威力は大したものだが、それ以上にその行動が危険すぎる。
車の回避が間に合ったからいいものの、惨事になるところでしたよ全く。
まあ、この大阪なら人がいきなり飛んで来るぐらい日常的だろうし、ドライバーも心得ているのかもしれませんがね。

傷と共に恨みを背負った男、榊。
どうやら九島を潰すために精力的に仕掛けてきそうな様子。

蹴りで2人まとめて吹き飛ばす。凄いけど、なんとなく普通に見えてくるから困る。
やはりシャケと争っていたというからにはもっと凄いパフォーマンスを見せてくれないとなぁ。
手前の車道じゃなくて奥の対向車線の方まですっ飛ばして見るとかさ。
まあ、1年時のシャケはともかく、今のシャケに比べるとやはり劣るって感じなのでしょうか。
岳がシャケに挑む前のステップアップにはいい相手かもしれませんな。
岳が負けて、他の九島の1年が勝った場合、シャケへの挑戦権はどうなっちゃうのだろうか。それは気になるところだ。



Vol.132 皆殺し  (2012年 45号)


九島の連中を駅で襲った御辻高校。
頭の榊もちゃんと登校はしている。この学校も教師とかいなさそうだけどな!

駅で九島の1年のほとんどを倒した宍戸たちが榊に報告を行う。
軽く闘ってきたけど、今年のは大したことない。何人かオモロそうなのがおるとのこと。

軽く、て何やねん。九島は皆殺し言うたやろ

宍戸の報告に不満気な榊。
コウタが邪魔をしたという話にも耳を貸す気はないらしい。うーむ。

軽い皆殺しなんて聞いたことないわ。何事も中途半端はアカンで。もっぺんちゃんと行ってこい。

どうにか致命傷で済んだに近い響きがありますね、軽い皆殺し。
それはさておき、榊。恨みを晴らしたい割に自分は動かないのか?
自分がやらずに全部手下がやっちゃって、それで満足するのだろうか?
それとも、手下が全部やれるはずないと思っているのだろうか?実は九島信頼してる?

まあ、実際。シャケは別格にしても、九島の中でのトップクラスが揃っている今年の1年。
1年4強の4人とヒラオリとジャージが歩いている。
どうやらケンカを止めたコウタが道案内をかって出たらしい。
ちなみにヒラオリはケンカに出向く4人を止めようとして岳に殴られている。ぎゃふん!!

それにしても、コウタ。何のために岳たちを案内しているのだろうか?

俺は御辻高校1年、富坂コウタ
お前らには榊さんを止めるために手ェかしてほしい。
俺らの頭の榊さんは2年前シャケに負けてから変わった。
それまでは仲間動かしてケンカするようなことも、
九島やからゆうだけの理由でお前らに手ェ出すようなこともせんかった。
今の榊さんは本当の榊さんやない

しかし、大阪中の誰も敵わないくらい強いという。
だから九島の連中の力を借りたいというコウタ。借りたいと言われてもどうすればいいのよ?
シャケと反対方向の顔を殴れば性格が元に戻るとでもいうんですかね?

頼むわ。デカイ兄ちゃん

歩きながらさっそくタコ焼きをパクついているマリモに声をかけるコウタ。
どうやらこの中で1番強いのはマリモであると思ったらしい。
うん、まあ、仕方ないかな。
1番強いことになったはずの岳が一番不様な姿晒してたからなぁ。岳は本当最強になっても扱い変わらんな。

たしかに岳のほうが向いてるかもな。
榊という奴がシャケに負けて変わってしまったのなら、ただ勝つだけでは止められないだろう
負けた後の立ち上がり方なら岳の方がよく知っている

さすがにマリモ鋭い指摘である。
しかし、1番強い男が1番よく負けて起き上がっている感じがあるってのはどうなんだろうか。
まあ、負けた後の立ち上がりということなら卜部さんもよく知ってそうですけどねぇ。

コウタは岳と拳を交わし、強さを確かめる。
強さに関してはボチボチと認められた岳でありました。
が、岳は言う。そんなに止めてーなら自分でやれよ、と。

アホか。それがでけへんから頼んでんねやろ。
俺は榊さんに借りがあんねん。デッカイ借りがな。

軽い回想開始。
コウタが中学生の頃。
複数人にケンカで負けた腹イセに角材持って仕返ししようとイキって道を歩いている。
かなり危ない空気を纏っているのだが、通行人は気にした様子も見せていない。
さすが大阪。駅の様子もそうだったが、実にケンカ慣れしている感じですな!!日常茶飯事、日常茶飯事。

そんなコウタに声をかけて呼び止める榊。
角材をちゃんと持ってろよと声をかけ、一蹴りで蹴り砕いてしまう。バキッ。

ケンカする時大事なんはな、その手に何を選ぶかやない。選んだ道をどう進むかや
ホンマに勝ちたいんやったら、身ィひとつで進め。

ふむ。さすがに悪堕ちする前の榊である。いいこと言う。
ついでにフルネームも判明。榊了司でございます。

榊の説教を聞き入れたコウタ。エモノになんかに頼らず、素手で6人を相手にリベンジを行ったという。
なるほどね。その時のことを今でも恩に感じているわけだ。
榊が止めてくれたから間違えずに進めた、と。

俺はあの頃の榊さんに戻ってほしい。せやからお前らに頼ってでも今の榊さんを止めたい。

そう述べるコウタ。しかし岳。だったら尚更テメーが止めろよと返してくる。

お前にとってそいつは殴る価値も無えような奴なのか。違うだろ。
ヒト試すために拳使う前に、殴らなきゃいけねー奴がいるんじゃねーのかよ。
お前にとって本当に大切な奴なら、殴れ。他の誰にも手ェ出させんじゃねーよ

うーむ・・・実にいいセリフだ!!
岳の岳らしさが実にあふれ出している。
そして全くもってごもっともな話でもある。人使って殴って解決する話じゃないわな。
説得力のある言葉を聞けてマリモもなんだか嬉しそうだ。

榊の件はまあそれとして、九島としては襲ってきた御辻の奴らとの決着をつけないといけない。
というわけで、コウタの道案内は続行してもらう構え。

待ちたまえ君たち!
ケンカと修学旅行、一体どっちが大切だと・・・

うるせーメガネ!!
そんなモン、ケンカに決まってんだろ。行こうぜ・・・!!

この漫画を象徴するような問いかけでありますな。
ケンカと学内行事のどっちが大切なのか?ケンカに決まっている!!
きっと後者の問いかけに何を入れてもケンカに決まっていると言い出すに違いない。
金よりも女よりも進学よりもケンカを選ぶ!!いや、最後のはちょっとどうなのかなぁ。

さて、シュガーレスのドラマが放送開始されました。
開始された日はシュガーレスのページの閲覧数や検索数がはねあがって驚きました。
なんだかんだでドラマ化による周知効果は高かったりするのかなぁ。
内容については・・・・・・・・・ノーコメント!!
いや、見れる地域じゃなかったから見てないだけなんですけどね。たぶん見れないはず。
まあ、漏れ聞く話からしてかなりの別物に仕上がってるみたいですからねぇ。
というわけで、あまりドラマの方には触れない方針で行きたいと考えています。ウーム。



Vol.133 言いなり  (2012年 46号)


揉め事上等な九島1年4強。
さすがに修学旅行よりもケンカの方が大事と言い切るだけのことはある。

御辻高校の宍戸という男。
随分と榊を持ち上げていたので、かなりのシンパなのかと思ったらどうやらそうでもない様子。
前回殴られたこともしっかり怨みに思っているようだ。

・・・榊。いつまでも大人しく従ってる思うなよ。お前も必ず潰したるからな。
どっちが頭に相応しいかわからせたるわ
九島潰しも、こいつら手なずけるんにちょうど良え舞台や・・・!

そういうキャラでしたか。分かりやすいですね。
まあ、ギラギラしているのはいいんじゃないですかね。
手なずけるとか考えている辺りがアレですけど。この作品では、正面から挑めよと殴り飛ばされるタイプだ。

コウタに案内され、御辻高校へと向かう九島4強+ヒラオリとジャージ。
なんだかんだで付き合いがいいですな、ヒラオリ。さすがクラス委員である。
そんなヒラオリが真っ先に蹴り飛ばされるのは不運ということなのかどういうことなのか。
意外と一番オーラを発していたので狙われていたのかもしれませんな。
発していたのは一番蹴りやすいというオーラだった。てなオチになるかもだが。

御辻高校に到着する前に、宍戸たちに遭遇する。
お互い探していた相手と出会えたわけで、これは僥倖と言えるのではなかろうか。
しかし、コウタとしては難しい状況である。
榊の目を覚まさせるために岳達の案内を買って出た。
しかし、岳の言葉により自分の拳で榊の目を覚まさせることにすると決めた。
ならばこのケンカはどっちにつけばよいのか。
今の榊の命令に従う御辻の奴らと行動を共にするのはおかしい。だからといって九島の味方に回るというのも・・・

悩むコウタ。そんなコウタにマリモ、岳のケンカを見ていろとアドバイスをくれます。
その岳は狙い通り宍戸とタイマン。
シロと卜部さんも駅でやりあった相手とそれぞれタイマンを開始。
余ったマリモは雑魚を相当する役目となりました。あ、ジャージも何人かと対峙してるな。

見に回ったコウタ。しかし御辻の連中はそんなコウタに手を貸せと言う。九島つぶしは榊さんの命令やぞ!わかってんのか!

お前らこそ、いつまで今の榊さんに従う気ィや!何のためにケンカしてんねん!!

吠えるコウタ。想いが揺さぶられて声に出たって感じですね。
そしてそれだけではない。手も出てしまう。
岳がやられそうになったのを見て、宍戸を殴りつけるコウタ!え!?

俺はもう誰の指図も受けへん。榊さんも御辻もこの拳で力尽くにでも変えたる・・・!!

力強く宣言するコウタ。しかし、宍戸の反撃一発で沈んでしまいます。
うーむ。これでは榊の目を覚まさせるのは厳しいんじゃないですかね?
まあ、宍戸に殴られなかったらケンカの邪魔したということで岳に殴られていたでしょうけど。

さて、反逆の意図のある宍戸。コウタの行動を使って周りの連中に榊への不信を吹き込む。
榊の逆恨みに付き合わされたムダなケンカかもしれん。
俺だけやなく榊も殴る気ィとは、あいつも信頼されてへんな。てな風に。

――オイコラ。散々言いなりになってる野郎が、今更吠えんじゃねえ。
何のために拳振るうか。自分で選べもしねえ奴がよォ・・・!!

フラフラになりながらも立ち上がる岳。
そして宍戸へ強烈な一撃を与える。
そう、これが椎葉岳である。フラフラになった方がむしろ勢いを増すという厄介な男だ。
この男を倒すには、すぐには起き上がって来れない強烈な一撃を叩き込むしかない。
正直、かませ犬にするには面倒くさい相手である。

誰がかませだ。そんな都合の良い犬じゃねえよ・・・!!

犬であることはもう自他共に認めちゃってるんですよね。面白い。

宍戸が押され、マリモによって雑魚が蹴散らされていく。
4、5人が相手なのに戦況が不利になっていく御辻高校。情けのない話でございます。
中には仲間を見捨てて逃げ出そうとする奴まで出てくる。
が、そいつは真っ先にぶっ飛ばされた。
殴ったのは九島の連中ではない。渦中の人――榊である。

退がって手に入るんは恥だけやぞ。
お前ら、いつまで遊んでんねん。九島は皆殺しにせえ言うたやろ・・・!

御辻の頭、榊降臨。これはまた思ったよりも早い展開ですな。
主要なキャラは勢ぞろいしていますし、この邂逅で一気に決着まで行ってしまいそうな雰囲気。

しかし、肝心のコウタが倒れてしまっている状態だけど、どうするんでしょうか?
まずは岳が戦ってみたりするのか?
その岳のケンカを見て、俺もと起き上がるコウタとかそういう展開だろうか。
でも正直、岳のスタイルは早々マネができるものではないと思う。
マネできたらコウタは西の椎葉岳とか呼ばれるようになるかもしれない。それはそれでどうなのかなぁ。

ともかく、コウタには強烈な一撃と改心させるための見事なポエムを期待したい。期待してる!



Vol.134 仲間割れ  (2012年 47号)


九島と御辻の乱闘中に姿を現す榊。いきなり大阪編クライマックスの予感!!

現れた榊は手始めに近くにいたジャージこと新呉に蹴りかかる。
その一撃でほぼ片付いていただろうに、さらに追撃を加える榊。容赦ない。

よりにもよってジャージを狙うとは・・・よくない行動だ。
何がよくないって、あっさり潰して見せてもあんまり強そうに見えないということだ!!
新呉も何だかんだで御辻の複数人を相手にしているので、そこまで弱くはない。
けど、シロや正門に一撃で吹っ飛ばされている姿を見ちゃってるからなぁ・・・
それこそマリモに同じことをやれたのなら驚きに値するのだけれども。

榊の容赦の無さを目の当たりにし、ケンカの手が止まっている御辻の兵隊たち。
コウタや宍戸の言葉の影響も残っている様子。
ならばと力尽くで言う事を聞かせようとする榊。えげつない。
さすがにこの行為はマズイ。余計に拒絶を招くハメに陥っている。
これこそコウタが恐れていた事態なのかもしれませんな。このままでは完全に榊は孤立する。

というわけで、いい機会と見た宍戸がここぞとばかりに対立をアピールする。
榊から離れた兵隊たちを手なずけて戦力に組み込もうって算段ですね。だが――

仲間割れなら後にしな。
テメーの相手は俺だろーが!!

相手がゴタゴタしてよーが、仲間割れの最中だろーが、岳には関係ない。
定めた獲物とのケンカを邪魔することは許されない!!
本当、宍戸も面倒な相手につっかかってしまったものですよ。

そんな岳に対し、横合いからいきなり蹴りを叩き込む榊。
おやおや。これで榊も岳の獲物リストに加わってしまいましたね。
宍戸を倒した後はお前もやってやるって勢いでございます。

さて、榊。フリーになっているマリモに狙いを定める。これはいい狙いだ。
しかし、マリモは榊を相手するのは自分ではないと理解している。
そう、戦うべきなのは、止めるべきなのは昔の榊を信望するコウタである。

シャケに負けた後、榊さんは変わった・・・
地ベタからはい上がるために自分を見限った奴も刃向かった奴も力でねじふせた。
たしかにシャケに負けた時より強なったかもしれん。けど。
うっとうしいくらい自分のエモノにこだわるアイツみたいに、榊さんが拳を向けなアカン相手は・・・

榊さん!!九島つぶしなんてしょうもないこと、もうやめてください!
こいつら潰すんはスジが違います。榊さんが拳向ける相手はシャケ1人のはずです・・・!!

力があっても意味のないことに拳使てたら、すり減ってそのうち芯まで無くなってしまいます。
昔、俺に拳の使い方教えてくれたんは、榊さん。アンタでしょ・・・
俺の拳は、榊さん止めるために使います

語りながら立ち上がるコウタ。うむ、立派である。
だが、榊は半端なことでは止まらない。本人も半端なことが嫌いだと言っている。
コウタもその辺りのことはよく理解しています。

今度は俺が、今の榊さんをヘシ折ってでも止めなアカンことも・・・!!

――アホが。よっぽど死にたいらしいな・・・!

対立するコウタと榊。
そしてコウタの振るった拳が榊の顔面を捕らえる。
おお、いきなり命中するとは・・・!?
もしや榊、わざと喰らったりしたのか・・・?

コウタの想いは榊に通じるのか。そして戦いはどのような結末を迎えるのか。
1日で戦いを終えてしまったら、残りの日は修学旅行で平穏に過ごせてしまうことになるのだろうか?
まあ、岳はまた修学旅行が終わるまで気絶してるんじゃないかと思えますけどね!!



Vol.135 赤ン坊  (2012年 48号)


コウタの決意の拳が榊の顔面を捕らえる。
が、さすがにその一撃で止まるほど簡単な話ではありませんでした。
ならばもう一撃!と拳を叩きつけるコウタ。しかし変化はない。

・・・お前の拳はキレイすぎんな。
まるで何にもまみれてへん。赤ン坊の手ェや・・・

そう述べながら、振り下ろすような榊の一撃。
その一撃でコウタは地面に這うことになる。うーむ、やはり地力が違いすぎるか。

・・・重い。初めてくらった榊さんの拳。こないに重いモンなんか・・・

コウタ。手に入れたことも失ったこともないお前にはわからんやろなァ・・・

榊の回想。
それはシャケにやられたときのこと。
仲間の仇を討つために挑んだが返り討ちとなった榊。
その際、仲間たちは手こそはださないが一緒にやってきていたらしい。
しかし、榊がやられたのを見て去っていく仲間たち。
ってこの時点で宍戸が暗躍しているじゃあないですか。こいつはこの頃から謀反気を出してたのか?

誰もおらんようになってしもたか・・・

翌日。さっそく榊が負けたことをクサしている宍戸。
ついたり離れたりクサしたり忙しい奴っちゃな。

まあええわ。勝ちも負けも俺1人のモンなら、1人でケンカしてた頃に戻るだけや・・・

そんな風に考えていた榊。
ふむ。仲間が離れるようになったからモンスターになったってわけでもない様子ですかな?

榊の精神状態はさておき、負けた事実は大阪の各校に知れ渡っている。
その結果、御辻の連中は他校の連中にマトにされることとなる。
それを偶然見かけて助けに入る榊。
仲間を助けに入ったというよりは、自身も大したことないじゃないか?と言われたので飛び出してきたように見える。
だが、助けた仲間は助かりましたと礼を言ってくる。ふむ、これは・・・

そうや・・・勝たなアカン。負けたら、ただ失うだけや。
勝たんと拳を振るう意味すら無い。どんな方法でも勝ちにこだわりきらなアカン。
勝ってこそ、手に入れられるモンがある・・・!!

ふーむ。なんだかんだで榊。仲間を求めているってことなんですかね?
負けたことによって仲間は離れた。だが、力を振るうことで再び仲間は戻ってきた。
つまり、負けたらそこで終わってしまう。どんな手を使ってでも勝たないといけない。
そういう風に考えるようになってしまったということなんでしょうか。
シャケに負けたのはきっかけであり、その後の扱われ方が榊のモンスター化に繋がったといえる。
つまり、誰に負けても似たような状況になっていたんでしょうなぁ・・・

勝つための拳と止めるための拳。同じ重さなわけないやろが

ふうむ。それもまた意志の差というやつなのだろうか。
コウタが自ら拳を振るうと決めたのもついさっきのことですしねぇ。まだまだ弱い。

わからんのか。勝たんと意味が無い。
せやのに何で九島のアホ共は、この人数相手にバカ正直にド突き合うことしかせえへんねん・・・

そりゃあ、勝つつもりでいるからじゃないですかね?
確かに人数差はあるが、雑魚はいくらいても雑魚ですし。マリモ1人で蹴散らせる。
それこそ榊がマリモを倒したのなら話は別なんでしょうが。
まあ、それでも退くような連中じゃないでしょうけどね。バカ正直というかバカなのだよ。バカ舐めるなよ!!

――たしかに榊さんの拳は重い・・・
けど、ケンカの手段選ばんようになってから強うなったんは、外側だけなんちゃいますか・・・?
肝心の中身。シャケに負けた場所に置き去りにしたままで。

そう言いながら起き上がるコウタ。
よいですね。拳が、言葉が、それだけでは通じないというのなら、重ねていくしかない。
何度やられようが、立ち上がり、止めるために拳を振るうしかない。
だが、非常な榊はさすがにヤバイ。
コウタの顔面を掴み、硬い地面に後頭部から叩きつける!!

地ベタの味。体によう刻んどけ・・・!!

なかなかにヤバイ攻撃をしかけてくる榊。普通なら死んでもおかしくはない一撃だ。
岳に精神を叩きなおされたコウタであるが、さすがにこれは起き上がれるかどうかわからない。
そうなると榊を誰が止める事になるのか・・・それもよくわからない。
割と出口が見えない大阪編。どのような結末を迎えるのだろうか?



Vol.136 伝染  (2012年 49号)


血塗れ姿が派手な文字通りの熱血センターカラー!!
それはいいけど、誰が主人公だかわからない並びですな。

コウタの拳は榊の心には届かず。
地面に叩きつけられて沈黙するコウタでありました。
そして仲間たちを脅す榊。こりゃあ御辻の連中も必死になるしかないですわな。

というわけで、タイマン中の岳、卜部さん、シロに多数で襲い抱える御辻。
マリモには凶器攻撃をお見舞いでございます。これはキツイ。
さすがの九島の4人組もこれにはたまらず沈められてしまう。
やはり多勢に無勢な上に手段も選ばないとなると厳しいか。

倒れた九島の連中を見渡す榊。
恨みのある九島の連中を叩き潰すことができました。しかし――

何で傷の疼きが消えへんねん・・・

消えるどころか、ますます疼きだす。
そしてここに来てコウタの言葉が思い起こされるようになる。
榊さんが拳向ける相手はシャケ1人のはずです・・・!!

まだだ・・・!まだ終わりじゃねーぞ!!

煩悶している榊。そうしている間にも岳は立ち上がってくる。
さすがに失神慣れしている男だ。この辺りのしつこさは折り紙つきでございますな。
御辻の皆さんもビックリしていますわい。
だけど、やはり限界はある様子で立ち上がって即再ダウン。
驚かすだけに留まりました。それが出来るだけでも大したものですけどね。

榊がハッパをかけたことによってどうにか勝利を収めた御辻。
とはいえ、仲間を省みない榊の態度にはやはり不満が出てきている。
宍戸も煽り続けてきているし、どうなってしまうことやら。
ちなみに気絶した岳たちは放置される。
何ぼアホでも、もう向かって来おへんやろ、との判断だ。甘すぎるな。

公園で目を覚ます4人。
マリモは早々にタコ焼き食ってエネルギーを補給している。卜部さんもタバコで補給中ですかね。
シロも何かそういう外部からのエネルギー摂取方法を身につけたほうがいいかもしれませんな。キャラ立てとして。
てなことはさておき、目を覚ました岳は早速リベンジに向かおうとする。
数的不利による戦局の劣勢はいかんともしがたいというヒラオリの言も一発で退けられる。ぎゃふん!!

ヒトに命令されるままケンカしやがって。あいつら全員気に入らねーぜ!
ブッとばしてやる・・・!!

相変わらず岳はケンカに純粋でありますなぁ。
まあ、何にしても4人ともこのまま黙って終わる気はないんでしょうけどね。
ヒラオリとしては次は必勝を期したいところだろうが、学習能力のない岳に有利不利を説いてもムダってものよ!!

全く諦める様子のない岳と違い、自分の拳では止められなかったと消沈しているコウタ。
そのコウタに岳のケンカ、ちゃんと見ていたか?と声をかけるマリモ。
この絶対に諦めないという姿勢だけは見習う部分もありますわなぁ。

復讐に逸る岳。そこにやってきた者たちがいた。これは・・・他の九島の1年たち!?

やられっ放しで終わらせる気なんて無えからよ。御辻に乗り込むけどお前らも行くか

さすがは九島の生徒である。どいつもこいつも諦めが悪い。
岳はとびっきりであるが、他の連中がしつこいのもこれまで描かれたとおりである。
そんな1年達の先頭に立つのはデカヒュドラと・・・鹿嵐。か、鹿嵐!?あの鹿嵐貴か!?
2話目に登場し、シャケに挑みかかって1撃で返り討ちにあったあの鹿嵐だというのか!!?
まさかの再登場に驚きの色を隠せない。マサカー。

勘違いすんなよ。手ェ貸すわけじゃねぇ。
誰に殴られたか1人1人覚えてんだ。俺たちは自分の相手ブッとばしに行くだけだ。

全く、九島の連中に手を出すってのは厄介なことになるフラグにしかなりませんわなぁ。
まさしく、とことんアホしかおらへんなって感じだ。
そんなやり取りを聞いていたコウタ。つい笑みが浮かんでしまう。そしてお前も行くだろと問われこう答える。

ああ・・・俺かてエモノゆずる気ィは無い。
ホンマに。どっかのアホが伝染ってしもたみたいやからな・・・

というわけで、九島の反撃が開始されます。
数的不利は解消されたし、今度こそ決戦となりそうな雰囲気ですな。
復活した鹿嵐の活躍に期待だ!!岳を怯ませた重いパンチとかがまた見れるのかな!?



Vol.137 くたばり損ない  (2012年 50号)


御辻の生徒がたむろするゲームセンター。
どうやらもう九島との戦いは終わったものと思い込んで気を抜いている様子の御辻。
いやいや。これからが本番って話ですよ。
というわけで、九島の生徒たちが登場。逆襲開始であります。

どうやら鹿嵐を襲った奴がこの中にいた様子。
だが、そいつが襲った九島の生徒は鹿嵐だけではなくもう1人いた。
なるほど。であるなら2人で・・・

どっちが闘るか決めよーぜ!!

いきなり九島の生徒同士で殴り合いを始める。
これには御辻の生徒もビックリだ。そりゃ普通は驚く。何してんだと思うわな。

よし。これでお前は俺のエモノだ。

タイマンに勝利した鹿嵐はそう告げる。
相手よりも大勢引き連れているが、闘う時はわざわざ1人でやろうとしている。
なんとも考えにくい行為であるが、これこそ九島イズムという気もする。
鹿嵐もすっかり九島の気風に染まった感じなんですなぁ。頼もしい。

他の九島の生徒もそれぞれのエモノを狙って大阪の街を徘徊する。
デカヒュドラも見事にリベンジを果たすことができました。
ビール瓶で殴られたぐらいで怯んだりしないし、武器を用いるようなこともしない。格好いい。

鹿嵐といいデカヒュドラといい、モブになったと思った人物の復権って楽しいですよね。
まさかこの2人の活躍が見れるとは・・・
この話だけ見たら主用キャラの1人と思われるんじゃなかろうか!?

というわけで、本当の主用キャラの1人であるシロの活躍の番が回ってきました。
シロはここらで目だっておかないといけませんな。ただでさえ4人の中では影が薄いほうのキャラなんですから!
相手は御辻のネームドキャラである津野
しっかり名前を名乗り相対しようとするが、津野の方はまともに戦うつもりはない様子。
榊の教えに共感するところでもあったんですかね?

通行人をぶつけられてからの攻撃に倒れるシロ。
そのシロを見下ろし、大阪出て行く日まで大人しくしとけと述べる津野。
芝居でも何でも負けて死んだフリしとけば、それ以上痛い思いせんで済むって話だ。
しかし、もちろんそんな言葉を聞くつもりはない。立ち上がるシロ。

耳障りなんだよ。君の言葉には何ひとつ納得できない・・・!

・・・せやから幼稚園児以下や言うてんねん。雨の日の天パなみに言うこときかん奴っちゃな!

わかるようなわからんような例えだな。
津野のその頭のウェーブは天パだったのか?

九島にはバカしかいないから。自分をだますなんて器用なマネはできないんだよ。
自分を貫く以外のケンカのやり方は知らないんだ

強く踏み込み、力強く一撃を叩き込む。
シロ得意の一撃が津野を粉砕。かなりの勢いで顔面を歪ませることに成功した。これは立てまい。

ヒトの命令に従ってる奴には、わからないだろうけどね。

見事にリベンジを果たしたシロ。通りがかったコウタも賞賛する。
が、まだまだであります。
前の乱闘中に押さえつけてきた2人を探しだして殴らないといけませんので。

――ホンマに、九島にはアホしかおらへんねんな・・・!

全く。相手するのにこれほど面倒くさい連中は他にいないでしょうなぁ。相手したくねぇ!!

津野がやられた話を聞いた宍戸。
榊では九島は倒しきれない。あいつには御辻の頭を下りてもらうと言い出す。
このタイミングで動き出すのか宍戸・・・
岳がやってしまう前に榊にやられてしまう未来が見えてしまいそうなのですが・・・
エモノを失った岳の拳の行き場所はどこに!?
まあ、榊にも蹴られてたし、普通に考えればそっちに向かうか。

九島の九島らしさってのがよくわかる回でありました。
主用キャラじゃなくても九島イズムは身に染み渡っているんだぜ!!相手したくない連中だよ、本当!!



Vol.138 首輪  (2012年 51号)


九島の反撃は続き、各地で倒されていく御辻の兵隊たち。
マリモは相手した数が多いので倒す人数も多いですなぁ。

信念の無い奴は弱い
脅されて戦っている御辻の連中には信念は感じられない。だから簡単に狩られる。当たり前の話か。

さて、岳たちを一度は潰した榊。
しかし、やられても立ち上がってくる岳の姿を見て傷の疼きがさらに激しくなってしまっている。

俺はどうやった・・・?
あの時、この場所でシャケと闘り合うた時――1ミリも動かれへんくらい、全てを出し切って負けたか・・・?
あのアホみたいに、胸はって倒れてたか・・・?

いや、別に岳は胸はって倒れたってわけじゃないと思いますよ。
実際倒されたことに納得いってないので暴れているわけですし。
とはいえ、相手にもそういった感傷を抱かせてしまう岳ってやっぱりすごい人なのかも知れませんな。
コウタだけでなく、直接榊にまで影響与えてるよ。

てな風に感傷に耽っていた榊。その後頭部に鉄パイプが叩き込まれる。
やったのは御辻の生徒。
一発ではさすがに倒れない榊。それを見て何度も鉄パイプを打ち込むが、結局殴り倒される。
しかし、さすがにこの不意打ちは効いたのか、ふらついた様子を見せる榊。
うーん、この辺りはやはりシャケに劣る感じが見受けられますね。
シャケなら鉄パイプぐらい顔面で受け止めても平然としてるよ。実際してたよ!!化物め。

さて。不意打ちをしかけたの生徒の後は宍戸の登場。
九島にやり返された生徒たちを連れて榊に反乱をしようと企んでいる様子。

お前は自分がケンカ引き起こして自分で傷口えぐってんのに気付かんドアホや。
御辻をまとめあげたことは認めたるけど、もう用済みじゃ。

上等や。そう言うだけの力がお前にあんねやろな・・・!

対立を明らかにする2人。
御辻の兵隊たちも完全に宍戸についた様子。榊に襲い掛かる。
さすがに榊。多人数相手でも怯まずに闘う。が、やはり多勢に無勢の様子ですな。

これ以上、アンタの首輪につながれんのはウンザリなんじゃ!!

鉄パイプの一撃を受けて怯んだところに殺到される榊。

首輪、キツく締めすぎたな。皆息しとうて喘いでどるわ

・・・俺は、負けて、失うて。せやから力をつけて失うたものを取り戻して・・・せやのに。
また離れていく・・・

力があるせいで、手に入れたもんを強ぅ握り込みすぎたんちゃうか。拳開いてよぉ見てみィ。
とっくに粉々に砕けとるわ!!

なかなか良い言い回しをしますね宍戸。伊達に岳と打ち合えるだけの強者ではないということか。
宍戸のとどめの一撃を受けて倒れ伏す榊。
攻撃以上に言葉がクリーンヒットしたって感じがありますね。シュガーレスらしいわぁ。

わかったか!俺が新しい御辻の頭や!!
散々ド突かれて古傷の疼きもかすんだやろ!グズらんと寝とけ!!

呵呵大笑する宍戸。しかしその天下は長続きしそうにない。
この現場に九島登場。岳と卜部さん、それに幾人かの九島生徒がやってきました。
って卜部さん、相手の妹尾くんがいませんね。残念!!

俺のエモノはまだ生きてんな。食ったら腹壊すくらい腐ってそうだけどよ・・・!!

榊の力じゃ、お前ら倒せても心までは折られへんかったからな。俺の力見せたるわ・・・!!

榊は内乱で倒れた。ここで岳が宍戸を倒せば解決にはかなり近づく。
ボロボロになった榊相手ならコウタでも殴り倒せる可能性はありそうですしなぁ。
危険なのは卜部さん。妹尾と決着をつけることが出来るかどうかわからない。
結局見つからずにタイムアウト!残念!!なんてことにならないか心配です。
そう考えると前回のうちにちゃんと倒し終えることができたシロは珍しくファインプレーだったんですな。
いつもなら戦いの場面を飛ばされるのはシロの役目だったのに・・・成長したということか!?



Vol.139 悪あがき  (2012年 52号)


榊を沈め、新たな御辻の頭を名乗る宍戸。
しかし、誰が頭だろうと関係ないという岳。そりゃそうだ。
というわけで、真っ向乱闘の開始です。頭になって早々壊滅の危機だな、宍戸。

自分のエモノを狙うのが九島流。
だが、エモノがいない上に向こうから突っかかってくるなら相手もする。
というわけで、卜部さんは雑魚を相手することとなった。
岳はもちろんエモノである宍戸とタイマン。
と思いきや、その途中で雑魚が攻撃を仕掛けてくる。面倒な話ですね。

榊のアホは1つだけええこと言いよったな。勝ってこそ、拳を振う意味がある!!

こういった形振り構わぬ戦法は宍戸も望むところといった様子。
手下と協力して岳を追い詰めようとする。
が、こういう乱闘に強いのが岳だったりするんですよね。

1人で榊に噛みつく度胸も無え野郎共が、そろいもそろって吠えてんじゃねえ!!

手下の雑魚を一発で仕留め、宍戸にも強烈な一撃を叩き込む岳。
一方、それらの乱闘とは離れた場所で1人御辻の連中と戦っていたマリモ。
5人を相手にして1人で倒してしまう辺りはさすがである。
が、食糧が切れているので力が入らなくなってきている様子。燃費の悪い奴だ。
そんなマリモに警告を行う御辻の生徒。

ヨソ者がヘタに首突っ込みすぎると、抜けられへんようになるで・・・!!

マリモの背後に迫る複数の影。これは一体何者なのか・・・!?
御辻との戦いでさらりと終わるかと思った大阪編だが、実はこれからが本番だったりするのか?
なんとなく大阪版アノニムとかが現れるんじゃないかとドキドキしている。

さて、乱闘の方に話は戻る。
数にそれほどの開きはなく、幹部クラスは宍戸しかいない御辻。
徐々に数が減らされていき、目に見えて劣勢となっている。
そして宍戸もまた岳に殴り倒され、不利な状況でございます。

立てよ!寝てる奴殴る趣味は無ェんだ!!

吠える岳。だが、劣勢と見た宍戸は背に腹は変えられないと、思い切った行動に出てきた。
その行動とは――謝罪。地面に両手と両膝をつけ、頭を深く垂れる。そう、土下座の構えだ!!

お前らの力はようわかった!この通りや!!
俺らかて好きでやってたわけやない。そもそも榊に命令されてたからや!
俺には頭としての責任がある。これ以上、ケガ人増やすわけにはいかん!
金輪際、九島には手ェ出さへん!!せやから勘弁してくれ!!

途中で投げ出すケンカなら、最初からやんじゃねえよ。

さすがに寝てる奴を殴る趣味はないというだけのことはある。
闘う気を失った奴を殴ってもしょうがないってことなんでしょうな。
というわけで、土下座している宍戸に背を向けて去ろうとする岳。しかし――

俺もお前ら見習うて・・・悪あがきさせてもらうで・・・!!

地面に転がっていた鉄パイプを広いながら土下座から飛び起き、岳の後頭部に不意打ちの一閃を叩き込む宍戸。
これは・・・!!果たして岳は無事なのか・・・!?
まあ、正直あんまり心配はしてないですけどね。
多少ダメージはあるだろうが、それでどうこうなるような奴ではあるまい。
頭を殴られたショックで少し賢くなる恐れがあるくらいだ。逆にな!!

しかし、寝ている奴を殴らないというのはある意味弱点になりうる。
というわけで、宍戸が勝つシミュレーションをしてみた。
今回の不意打ちで岳にダメージ自体はあったはず。
なので、倒れなかったのなら即座にもう一度土下座を敢行するのだ!!
そうすれば、殴れない岳はまた背中を見せるので再び不意打ちを行うと。これを繰り返せば勝てる!!
まあ、さすがに3回目くらいで不意打ちにカウンター喰らってやられちゃうだろうけどね!!



Vol.140 出る幕  (2012年 53号)


シロ&コウタは榊を探して走り回っている。
榊がいるとしたなら、かつてシャケに負けたあの場所しか思い当たらないというコウタ。
確かに榊はそこにいる。が、傷つき地面に倒れ伏した状態でございます。味方にボコボコにされて・・・

その榊をボコった主犯である宍戸。
土下座からの不意打ちアタックを岳に喰らわせる。
強烈な一撃だが、即座に反撃を行う岳。さすが。
と思ったが、やはりダメージはあるようで、くらっとした所に追撃を受けて倒れてしまう。
うーむ、まだまだですな。
鉄パイプでダメージを受けているようではまだまだシャケには遠く及ばない
うん、改めて書くとどんだけシャケは化物なんだよって話だな。

岳を倒し勢いづく宍戸。御辻の兵隊たちに九島潰すぞと呼びかける。
が、さすがに宍戸の戦い方がみっともなさすぎたのか、シラけてしまった様子の御辻。何や情けないッスわ。

榊さんはエゲツなかったけど、宍戸さんみたいに土下座してまで相手油断出せて不意打ちするなんてマネせえへんかった。

勝つために手段は選ばない。とはいえ、選ばないにも程があるって話ですわな。
後ろめたさを全く感じさせないってところはある意味凄いですけどね、宍戸も。

ゴタゴタしている中で合流したシロとコウタ。コウタは倒れた榊に駆け寄る。
シロは卜部さんと状況の確認。
御辻の話になって来ましたし、もう俺たちの出る幕じゃねーかもなと考えている卜部さん。

シロ「あのバカ犬は?」
卜部「いつものことだ。放っとけ

酷い扱いだ。でも確かにいつものことなんだよな。
どうせしばらくしたら元気良く起き上がって暴れ出すだろうし、近くにいると面倒なことになるだけですわな。

さて、榊をやったのが宍戸と知ったコウタ。睨みつけています。
そのコウタに対し宍戸。榊を止めてやったんだから感謝されてもええぐらいやぞと述べだす。

・・・何言うてんねん。
今の榊さんは倒れとるだけや。中身が変わったわけやない。そんなもん止まったとは言わんわ。
昔、俺を止めてくれた榊さんには心があった。せやから俺は止まれたんや。
それくらいの違いもわからんアホが勝ち誇んのもええ加減にしとけよ。
俺はアンタを止めようとも思わん。叩き潰す・・・!!

やっぱりというか、当然というか、人望のない宍戸。
榊にとって変わるために色々と手を尽くしていたのかと思ったが、人心掌握できてるわけでもない様子。
計画性があるんだかないんだか。

さて、ヒラオリもまた九島の生徒らしく御辻の生徒を探して放浪しているが誰も見つからない。
さては眠れる獅子たる僕を起こしたことを恐れて・・・とか言い出す始末。んなわきゃーない。

そんなヒラオリとジャージが発見したのは、大の字に倒れたマリモ。
空腹で倒れたわけじゃなさそうだぞ、と言っているが果たしてそうかな?
複数に襲われたのは間違いないだろうが、その直前は確かに空腹になっていた。
今も傷ついて動けないのではなく、腹が減って起きたくないだけなのかも知れない。牛乳でも撒いてやれ!!

それはさておき、宍戸とコウタのタイマン。
って宍戸、コウタ相手にも鉄パイプ用いて戦ってるんですか?本当になりふり構ってませんな。
なりふり構わないので、タイマンすら放棄しようとする宍戸。
うん、そんなだから兵隊がついてこないんですってばよ。

だが、そこにようやく名前有りの男が登場する。バンダナくんこと妹尾の登場だ。

悪く思うなよ。コウタ。コイツは俺が潰す!!

突然現れ、突然宍戸を蹴り倒す妹尾。
卜部さん、エモノが来たのだし突っかかるのかと思ったが、すっかり静観モードに入っていた様子。それでいいのか?

宍戸を蹴り倒した妹尾。だがもちろんコウタを助けたわけではない。
妹尾の後ろからは複数の男たちがやってくる。そいつらは御辻ではなく、他校の連中などで構成されている様子。

御辻は仲良う地獄行きやからな
榊さんが九島潰すみたいに、俺も御辻潰さんと――だれかさんにつけられた傷が疼いてしゃあないねん・・・!!

ずらしたバンダナの下の額には傷を縫った後があった。
うーむ。妹尾。バンダナをしている時は幼い感じの顔つきだったのに、いきなり割るそうに!!
ファイトスタイルといい、容姿といい目立っていた妹尾でしたが、ここに来て頭角を現しだしたか。

果たしてこの妹尾を誰が下すのだろうか?
エモノとして認識している卜部さんか?復活した榊か?コウタか?
裏切りに次ぐ裏切りで混迷の様相を見せてきた大阪編。どのように収拾をつけるのだろうか?
岳はもう一回ぐらい起き上がって気絶してくれそうな気配はあるが・・・
まあ、最終的には気絶したまま帰ることになるんじゃないかと予想してますけどね!!



Vol.141 チャンス  (2013年 1号)


シャケに敗れて腐っていた榊。
とはいえさすがに中学生にまで見下されて黙っているはずもなし。
襲ってきた中学生たちを返り討ちにする。
その中学生の頭らしき男が鉄パイプで殴りかかるが、榊はそれを受け止めて反撃。
鉄パイプの角が当たったのか、頭の男の額が横に切り裂かれる。
ははぁ、これが妹尾の額の傷になっているんですね。めっちゃ自業自得やん。

まあ、戦いに敗れて逆恨みで傷を疼かせているという点では榊と同様である。
他にも同様な点がある。妹尾が敗れたのを見ると、仲間たちは一目散に逃げ出してしまった。見放されたということだ。

仲間集めて、ええ気になったとことで、お前には頭に立つ力は無いっちゅうことや。

・・・クソが。そんなら俺も奪ったるわ。お前が手に入れたモンを、得意気に積み上げたモンを崩したる・・・!!

その執念を満たすため御辻に入り、ずっと復讐の機会を伺っていたわけか・・・暗いやっちゃな。
まあ、その間に同じような目的の面々を集めていたみたいですけども。
妹尾が連れてきた連中は、全員同じように榊を恨んでいる奴らである。
連れやプライド、立ち場。それぞれ大事にしてたモンを榊のせいで失った連中。
そういう奴は御辻の外だけではなく中にもいる。

お前も今の榊が気に入らんうちの1人なんやしな。コウタ。

ふーむ。痛いところではありますね。
やはり精神性を失ってただ勝つために暴れる今の榊では恨みを買うことにしかなってなかったということなのか。
散々復讐を待たされた連中は嬉しそうに暴れて御辻の生徒たちを殴り倒していく。

軽く小突いただけで初恋なみに簡単に砕け散っとるわ!!

な、なんだその表現は・・・!!モブのセリフとは思えないぐらいに秀逸な表現だ。
この世界のモブはたまにこういった表現を用い出すから困る。

シャケに負けた恨みで九島潰す榊さんなら、俺らの気持ちもよおわかってくれるはずや。

まさしくやっていることは同じですわな。
違う点があるとすれば、中から食い破ろうとしている点であろうか。
とはいえ、タイミングが少し悪かったですね。少なくとも九島の連中が立ち去るまで待った方がよかった。
てなわけで、卜部さんが参戦。
もちろん狙い定めているエモノは妹尾である。

妹尾「散々暴れてボロボロやんけ。マブタ落ちてきてんぞ。眠いんちゃうか」
卜部「寝んのはテメーだ」

こうして再び始まる足技使い同士の対決。
妹尾も眠そうな目してるなと思ったら、単にタレ目なだけか。

蹴り技勝負はどうなるのか。と思ったら意外な形であっさりと終了。
気絶した岳に躓き転倒した卜部さん。その顔面に妹尾のヒザが叩き込まれる。
これでKOされたのかどうかはわからないが、すぐには立ち上がれない様子であります。あらあら。

――で。何で殴ってきよらへんねん。コウタ。ナンボでもチャンスあるやろ。

アンタや宍戸さんみたいにスキうかがうんはゴメンやからな。
御辻がボロボロになんのを影で笑いながら待ってたんやろ。気に入らんわ。
ブッとばしたるからサッサとこっち向け。

威勢のいいコウタ。だが、榊にやられ宍戸とやり合いと既にボロボロの状態である。
妹尾の一蹴りでダウンする。その目の前には鉄パイプが・・・
拾ってもいいぞ、どうせ俺が勝つと妹尾。その言葉に従い鉄パイプに手を伸ばすコウタ。

お前は良え時の榊に会うたかもしれんけどな、俺はそんなん知らん。胸クソ悪いだけや。

良い時の榊。
その言葉のおかげで、その時の榊の言葉が蘇る。
「ケンカする時に大事なんはな、その手に何かを選ぶかやない」
ホンマに勝ちたいんやったら身ィ1つで進め

おおきに妹尾さん。また間違えるとこでしたわ・・・俺は、榊さんの言葉を信じる・・・!!

榊の言葉に従い、身1つで立ち上がるコウタ。
そんなコウタに容赦なく襲い掛かる妹尾。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎い。榊に関わるものは全て潰すと宣言している以上、コウタを見逃すはずもない。
が、トドメの蹴りはコウタに届く前に遮られる。

やかましいて寝てられへんわ

起き上がった榊が蹴りを弾いた様子である。
妹尾にしてみれば、まさしく完全に恨みを晴らすチャンスである。
今の弱った榊なら倒せるかもしれない。いや、ひょっとしたら榊が精神性を取り戻して逆にやられる可能性も?
どうなるか分からない対決でありますな。

それにしても、宍戸は妹尾に誘われなかったんですかね?
どう見てもアンチ榊派の人間でありましたのに。
妹尾としても宍戸は仲間にしたくないなーとか思ったりしたんでしょうか。いつか蹴っちゃる、とか。
その思いがあったので、わざわざ宍戸にトドメをさせるタイミングで現れたのかもしれない。
嫌われすぎですね宍戸!!まあ、しょうがないけど。



Vol.142 邪魔  (2013年 2+3号)


コウタと妹尾のタイマン中に、やられていたはずの榊が立ち上がる。
ボロボロになったその身体。もはや残っているのは気力のみである。

恨みの張本人を前にした妹尾。もちろん榊がボロボロだろうが容赦するはずもない。
この機会を狙って動き出したわけなんですからして。

他の榊に恨みを持つ連中が榊へと群がろうとする。が、これを止める妹尾。

こいつは俺のエモノや。お前らと違て胸クソ悪い御辻の中でずっとこの時を待っとったんやからな

なるほど。少なくとも妹尾が負けるまではタイマンの形が取れそうな感じでありますね。
他の連中はまだ立っている御辻の連中を潰そうと動き出す。
ちなみにシロを初めとした九島の連中は傍観。暇そうだな!!

皆アンタを恨んどる。立ったところで火に油ですわ。アチコチ傷つけ回ったケジメ。アンタがくたばらんととれませんよ。
アンタがどんだけボロボロでもなあ・・・俺には関係あれへん!!

立ち上がった榊を蹴り、再び地面に這いつくばらせる妹尾。
榊は拳を振るうだけの力も残っていない。が、そんな状態でも気丈さは失われていない。

恨みか・・・すぐ目の前に殺したい奴がおんのに、こらえ続けるんはどんな気分やった・・・?
それともビビッて、俺が弱るまで正面立たれへんかったんか?
今、望み通りになって満足か・・・!?

挑発する榊。それに乗せられる妹尾。
まあ、情けないといえば情けない話でありますからねぇ。ある意味、宍戸と同類の不意打ちっぷりだ。
だが妹尾。シャケに負けたことから逃げているアンタには言われたくないと反論。

コウタも言うとったやろ。シャケ倒さな意味無いって。
そないに現実見たないんやったら、2度と目ェ開けへんようにしたるわ・・・!!

鉄パイプを持って振りかぶる妹尾。本当に榊の顔面を、目を潰すつもりのようだ。
だが、その一撃に割って入ったのはコウタ。代わりに頭でその一撃を受け止める。何故頭で!!
まあ、ガードしながら割り込む余裕はなかったのだろう。
吹き飛ばされ、倒れる。が、妹尾が追撃を榊に入れようとしたところで跳ね起き、榊に覆いかぶさる。

榊は仲間を何とも思っていない。庇うだけムダと妹尾は言う。
だがコウタ。アンタが何を言おうと自分が選んだ通りに動くだけやと抗弁。
ならばと妹尾。覆いかぶさったコウタの体を鉄パイプで滅多打ちにしだす。うーむ、酷い。

このアホが。何で逃げへんねん。俺がお前を散々突き放したこと忘れたわけやないやろが。
せやのに何で俺を庇う。どないしたって目ェ逸らされへんやないか・・・
俺は・・・こいつからだけは、目ェ背けたらアカン。
こいつの心からは、逃げたらアカン・・・!!

グラつくコウタの体。2人まとめてとどめを刺そうとする妹尾。
そこに、復活した榊の頭突きが決まる。おぅ。気力が戻ってきたのか!?

ジャマやコウタ。男に乗られるシュミは無いわ

あられても困りますからなぁ。

俺はもう逃げへん。ブザマでも何でもええ。この体だけでお前を倒す

ついに榊が逃げない宣言をした。
こうなってくると、シャケが大阪に現れる可能性もでてきたかもしれない。
いや、むしろ榊が九島にやってくる可能性も・・・?
どちらを果たすにしても、ここでキッチリと勝利をしておかないといけない。
妹尾の恨みも晴れるぐらいに見事な完勝を期待したいところであるが、果たしてどうなることか。



Vol.143 黒い感情  (2013年 4+5号)


榊を庇って倒れたコウタ。
これまでの榊であればその姿に何かを感じることはなかったのかもしれない。
が、今は昔の心を取り戻しつつある。この男から目を逸らしてはいけないと感じている。

妹尾。俺はもう何からも逃げへん。お前を倒す・・・!

最後まで信じてくれたただ1人の仲間のために榊は拳を振るう。
だがさすがに体が重く、妹尾を打ち倒すには心もとない。
そんな榊が倒れこんだのは岳と卜部さんが積み重なって倒れている場所。
そこに倒れこんだためか、ようやく岳が気絶から回復する。
同時に卜部さんも気絶から回復したのでケンカ開始。意識はないけど確かに邪魔ではあったものね。

気絶から覚めたばかりなのに元気な2人。
さらに卜部さん。自分を負かしたはずの妹尾に、勝った気になってんじゃねーぞと挑発を入れるのも忘れない。
これには榊も思わず笑みがこぼれる。

・・・どこまで単純な奴らやねん・・・
こいつらは負けても復讐やら黒い感情に動かされてへん。倒さなアカン奴に勝つ。それだけのために何度でも起きよる・・・
そうや・・・まだ体は動く・・・立て・・・1ミリでも体が動くなら。立て・・・!!

九島連中を見習い立ち上がる榊。妹尾に対してこう述べる。

負けて後悔するより立たんかったせいで後悔する方が痛むんを、よお知っとるからな

まさしくそれでありましょうな。その燻ったものがずっと後悔として己を苛むこととなったのでしょう。
だから今度は全ての力を出し切る。それまでは何度でも立ち上がるという意識を持つ榊。
その気迫が拳に乗ったのか、妹尾に強力な一撃を見舞うことに成功。
それを見ていた反榊同盟の連中。どうやら御辻の連中はあらかた倒し終わったらしく、手が空いている状態。
こいつらも榊に恨みを持っている以上、このまま大人しく見ているだけということはありますまい。

そんな連中のもとに現れたのは、えらく焦った様子で抗議しているヒラオリ。
ヒラオリが抗議しているのは、自分を持ち上げているマリモに対してである。ああ、それは抗議もしますわな。

何をする気だ。いや、君の意図がわかっているからこそ降ろしたまえ!!

バタバタと足をバタつかせるヒラオリ。
まあ、この体制でやることは決まってますわな。ヒラオリミサイルの発射だ!!ぎゃふん!!

他人のケンカに割り込む前に、俺の相手をちゃんとするんだな・・・!

マリモにわざわざ手を出したのが運のつきでありましたな。
大人しく榊に復讐することに専念していればよかったのに・・・おかげで九島全員を敵に回すこととなった。
うかつに潰したるわとか言うから・・・
見物に回って暇していたシロたちにしてみれば暴れる相手が見つかって願ったり叶ったりだろうけども。

九島のアホ共にはコウタの世話焼きが伝染ったんかもしれんな

いや、こいつらは単にケンカ売られたので暴れているだけです。甘く見るなよ!!

まあそれはともかく。榊と妹尾のタイマンを邪魔するものはいなくなった。
妹尾の榊に対する恨みはかなり根深い様子。だが榊はそんな妹尾に対し言う。

妹尾・・・九島もコウタも自分が思った瞬間、思った通りに拳を振るっとる。
散々自分の心をだましてた俺も、隠してたお前も、間違うてんねん。
上手いこと進まれへんのはな、勝てへんからと諦めて心が負けたことに気ィついてても目隠ししたまま歩き続けた罰や
1度死なんと治らんアホなら、仲良お心中するか。

願い下げじゃ!お前1人で逝っとけや!!

榊に強烈な前蹴りを叩き込む妹尾。
しかし、榊。どうやらこれはわざと受けた様子。
そう、先ほども言った通り。もう逃げないと決めたのだ。

誰の心からも目ェ逸らさへんために立つ。九島のアホ共に教えられたことや・・・!!

己の間違いを認め、新たなる1歩を踏み出すために拳を振るう榊。
その覚悟の拳が妹尾を吹き飛ばす。これは、完全に勝負あったか!!

榊の言葉はなかなかいい感じでありますね。
心が負けたことに気づいても目隠ししたままだから上手く進めなくなる。よくわかるお話だ。
では、もう逃げないと決めた榊は再度シャケに挑むこととなるのだろうか?
敵うかどうかはさておき、全力でもう一度挑んでみればスッキリするかもしれませんな。
いい機会だし九島の連中と一緒に新幹線に乗っていったらどうかね。しばらく現地に居ついててもいいですし。
そうこうしているうちにすっかり九島イズムが馴染んだ性格になっていくことでしょうよ。きっとね。



Vol.144 単細胞  (2013年 6号)


九島イズムが伝染した榊の拳が妹尾を捉える。
さすがに魂の乗った攻撃は強い。
その一撃で妹尾は前のめりに倒れ、動かなくなった。

・・・悪かったな妹尾。恨み足りひんのやったら、気ィ済むまで俺を恨め・・・
今度は俺が、お前が立ち上がれるまで付き合うたるわ

気を失った妹尾にその声は届くのだろうか。
それはわからないが、まあ今の榊ならば今後の態度で示してくれることでしょう。

さて、九島の連中も妹尾以外の反乱軍を倒し終わった様子。
再びこの場に立っているのは九島と御辻の生徒のみとなった。
だが、御辻の生徒は去っていく。榊を置いて。

――また離れてったか。まあ、自業自得やな・・・

思いっきり方法を誤ってしまいましたからねぇ。自業自得と考えるより他はありますまい。
因縁はほぼ解消された。岳が榊に蹴られた分についての清算については――
榊が素直に殴られることで終わらせようとしたためチャラとなった。
殴り返す気が無ぇ奴に手ェ出せるかよって話だ。

テメーのために散々体張ったコウタのバカにメンじて許してやるよ。あのバカに感謝しとけ

ふむ。岳もなかなか言うようになりましたな。
そのおかげで土下座からの不意打ちアタックなんて喰らってしまったわけではあるが・・・まあ、それはそれだ。
立ち去ろうとする岳。だがその前に、最後に一言榊に告げておく。

シャケは俺のエモノだからな。勝手に手ェ出したらブッとばすぞ

――それは、わからんなあ・・・

岳の言葉に笑顔でそう返す榊。なんだかいい感じではありますな。
トーナメントに優勝したとはいえ、出直して来いと言われたこともあり、シャケは岳だけのエモノではない。
頂点を狙っているのは他の連中も同じである。
九島のアホ共に仲間意識などないはずなのに、そう見えるのは全員が同じように前を向いているからだ

身内同士で正面からぶつかり合うことで手に入るモンもあるんやな・・・
俺にはそれができひんかったから、皆離れてった。
・・・まあ、何度でも俺の前に立ったこのアホ1人がおれば、俺には十分やな・・・

気絶しているコウタを肩に担ぎ起こす榊。いい感じにまとまりましたな。
そんな大団円の空気の中、諦めの悪い男がいた。宍戸だ。
せめてあのオレンジ頭だけでもブチ殺したると角材を拾って襲い掛かる。何度も何度も俺の邪魔しくさって!!

後頭部に一撃!を叩き込もうと思ったのだが、そこに割り込んできたバールが角材を受け止める。
このバールは・・・ヒラオリ!!左手のバールで角材を止め、右の拳で宍戸を粉砕してみせたぞ!!

フン。下衆な輩め

セリフも決まっている。殴った拳を胸のハンカチで拭くなど、仕草も素晴らしい。これには岳も――

俺のエモノを盗んじゃねー!!

ですよねー。予想通り助けたはずの岳にぶんなぐられるヒラオリでありました。ぎゃふん!!

こういったアホなやりとりをしているものだから、気づいたコウタにもアイツらホンマアホですねと笑われることになる。
まあ、誰にも毒されないアホさってことなんでしょうけどね。単細胞の強みということでもあるか。
ちなみにコウタとしてみれば、岳にだけはアホ呼ばわりされたくないとのこと。そりゃそうですわな。誰でもそう思う。

ケンカ尽くしの一日が終了しようとしている。修学旅行に来たはずなのに、本当にケンカしかしてませんでしたな・・・
まあ、とりあえず皆での宿泊を楽しむことにしようじゃありませんか。
というわけで、全員で入浴タイム。アチコチ傷だらけで染みるぜ。
髪を下ろした卜部さんとか見れたりと、楽しい時間を過ごす。いや、思いっきり中でケンカしてるけどもさ。
どうでもいいが、卜部さん。その格好で蹴りを放つのはいかがなものかと。

そして、入浴場にいないと思ったマリモは一人で全員分の夕食をもくもくと平らげていた。
これにはヒラオリも目と口が3になってしまう。いや、単にメガネを外したからこうなっているだけだが。なんでやねん!!
というか、さすがにこれは酷いんじゃないですかね、丸母さん。

エモノから目を離したお前たちが悪い

開き直りやがった!!くそう!!
でもなんだかやっぱり仲が良いような感じがしないでもなくもないなぁ。
こんな九島の連中が、翌日からは修学旅行らしいことをするという。
い、一体どんなことをするというのだ・・・?
年がら年中ケンカしかしてない連中だし、行事で何かするというシーンが想像つかないのだが・・・

修学旅行があるのなら、九島にもひょっとしたら体育祭や文化祭が存在するのかもしれない。
体育祭は単なる乱闘大会になりそうな気がするが、文化祭は気になるところだな。
ケンカは基本としても、出し物とかがあったりするのか、凄い気になる!あるのか!?



Vol.145 天守閣  (2013年 7号)


1日中ケンカ三昧だった修学旅行の初日。
さすがに暴れすぎたのか、翌朝目覚めた岳は体が動かずに困っている。
まあ、頭への直撃とかいろいろ受けてましたしねぇ。岳じゃなければ病院を勧めるところだ。
食事による回復もマリモのおかげでできなかったわけですし。
そして、今回の朝の体の不調もマリモが原因であった。滅茶苦茶上に圧し掛かってやがる!!

でかい体して寝相が悪いとか、いろいろと最悪ですなマリモ。
というわけで、翌日も朝っぱらからケンカ開始。ただ旅館内なので修学旅行らしく枕投げを行う。
おぉ、ようやく修学旅行っぽい感じがでてきましたな!

枕投げは朝に行うものではない!!

む、言われてみればその通り。さすがはヒラオリ。言うことが違う。というかそのツッコミでいいのか!?

それはさておき、今日こそは普通に修学旅行を行うこととなる。
まずは城。大阪城を目指すこととなりました。

行くぜ!大阪城!!

城と聞いて何故かテンションが高まっている岳。先頭をきって歩いている。
他の連中はあまり興味がない様子のようですが、岳とヒラオリだけは張り切っている。
ヒラオリとしては、学級委員としての責務を果たすのに必死という面もあるんでしょうが。
まあ、城が漢のロマンというのは否定しません。

大阪城はさすがにデカイ。土台を含めると50m以上はあるという。天守閣からの眺めもよさそうだ。
遠目からも見ることができるので、早々と帰ろうとする卜部さん。早いよ!!

岳「お前は城見に行くだろ、シロ。なんつってなウハハハハ!!」
シロ「あああ。もう絶対行かない」

くだらないことを楽しそうに述べる岳。うーむ?いつもとテンションが違う感じがしますな。ハイになってるというかなんというか。
引き返そうとしたシロはガラの悪そうな兄ちゃんとぶつかる。
お、肩がぶつかったということはケンカか?ケンカですね?

おいシロ。何やってんだ。ケンカすることしか頭にねーのかよ。テメーは

なん・・・だと・・・!?
このセリフが、よりによって岳の口から発せられるとは・・・!!なんという驚愕。
あまりのことにマリモが口から食べ物を零し、卜部さんが煙草を落とす。それほどに驚愕。
城じゃなくて病院に行った方がいいんじゃないかと本気で心配になる。

さて、大阪城に到着。高ェ!デケェ!!ってそれしか感想無いのか岳よ。
そんな岳に卜部さん。お前の記念碑があるぞと「残念石」を紹介する。
建材として運ばれたが結局使われなかった石のことである。ふむ。
バカにされた岳。普段ならここでケンカが始まるところなのだが・・・かまわずに入口に向かって走っていく岳。
な、なんだこれは・・・さすがに周りの連中も大丈夫かよと心配になってきましたよ。

さて、天守閣エリア付近は全館禁煙。さらに飲食物の持ち込みは禁止となっている。
というわけで、卜部さんとマリモはリタイア。

卜部「俺は自分のスタイル曲げてまで頂点登ろうとは思わねえよ
丸母「同感だな」
ヒラオリ「君たちのそれはただのワガママだ!!」

まあ、ワガママを突き通すのも強さではありますしね。
というか、卜部さんは相変わらず真面目ですね。年齢のことはさておき、喫煙箇所のルールはちゃんと順守しようとしている。

そんな2人と違い、前向きに取り組む岳。ヒラオリが椎葉岳を見習ったらどうだなんて言い出す日が来るなんて・・・!!
言われた岳は先走って大砲を見てはしゃいだりしてますけどね。子供か!!

スゲーなあ。撃てんのかなあコレ。カッケーなあ・・・

目を輝かせすぎですよ岳。そんな風に騒いでいるものだから、先ほどシロと揉めた男たちが絡んできたりする。
今度は岳に絡んでくるつもりか。血気盛んな奴らですなぁ。
しかし岳の目にはこんな奴らは映らない。今の岳の目にあるのは城の頂点への道だけである。
ちなみに左にいけばエレベーター。右にいけば階段で登るように道が分岐しています。

登るなら階段だな俺は!!

眼中になさすぎるので、目の前にたっていた絡んできた男を無意識に殴り倒して進む岳。
いまのこいつには他の何も映っちゃいねぇ・・・何だかあきらめに似たような感じで岳を見るマリモたち3人が可笑しい。

殴り倒された男のツレが岳の肩を掴む。ここでようやく岳が歩みを止めて振り返る。

テメー・・・俺が頂点登んの邪魔する気か・・・!?

な、何を言っているのだ?ダメだ、もはや理屈とか話の順序が通じる相手ではない!!
というわけで、肩を掴んだ男も殴り倒されるのでありました。

うーむ、結局天守閣に1番先に登りたかっただけなんですな、岳。
ケンカを忘れてしまったわけではないし、相変わらずバカなのは変わってないみたいで安心するマリモたち。それでいいのか?
で、結局無事に天守閣までたどり着いたのに、ただ登るだけだと味気ないからとケンカを吹っかける岳。
うむ、やっぱりバカはバカなんだなと確信できるお話でありました!!

いやあ、なかなか凄い回でしたなぁ。
あの岳がケンカよりも優先するようなことがあったとは・・・!!
頂点に登るのはケンカよりも優先されるのだろうか。それともこれが城のもつロマンという魅力なのか・・・!!
終始瞳孔開きっぱなしになっていますし、凄いテンションの岳。
まあ、でも日常的な気はしないでもないか。
多少は修学旅行のような感じになっていて良かったといえなくはない。城以外で通用するのかどうかは怪しいものであるが!!

しかし、やはり岳には皆を引っ張る力がありますのかね。
なんだかんだで岳が先頭を切ったので皆ついてきている感じはある。
他の場所だったら岳が率先して道を外れていたんじゃないかという気がしますしねぇ。
最初が大阪城でよかったという話ですよ。うん。



Vol.146 ナルシスト  (2013年 8号)


岳たち1年生が不在な九島は静かな感じである。
シャケに挑むのはトーナメントの優勝者である岳が1番と決まっている。
なので残ったキリオとしても抜け駆けはできず、退屈しているしかない。
学校にいてもすることはないので帰ろうとするキリオ。今更言うのもあれだが授業はどうなっているんだよ。

そんなことはさておき。
街を歩くキリオの前によく知った顔が現れる。
九島のナンバー2、桐生陽一郎。そのライバルともいえる男は神楽のナンバー2、成瀬尚。
偶然道で出会ったので挨拶代りのヘッドバッドをかます2人。
お互い道を譲る気が無いのでぶつかったという感じでありますな。

キリオ「コウモリさんが昼間からお外で何してるのかな。巣に帰ったら?成ちゃん」
成瀬「横歩きしかできねえカニ頭が直進してんじゃねえ。道譲ゆずれキリオ」

一歩も譲らない両者。おかげで路上でデコピンVSデコつつきの対決が始まったりしている。ビシビシ。ドスドス。何してんだか。

1人で出歩いている成瀬さん。もしかしてまた1人で何かしようとしているのではないだろうか。
そんな風にカマをかけてみたら、なんとも分かりやすく動揺する成瀬さん。ごまかせてねーよ。
ウソつくの下手だねえ、成ちゃん。

今回もまた1人で大勢を相手しようとしている成瀬さん。
しかし、その相手は前の時とはまた違った感じ。
相手する連中の狙いはシャケ。各校の3年生が卒業前の思い出作りのために集団で九島に乗り込みシャケに挑むつもりのようだ。
思い出作りと言われると微妙に微笑ましいような気がしないでもないな。
どうせ人数揃えたって勝てないだろうし、記念に空を飛んでみるのもいいかもしれませんよね。

勝てはしないだろうが、それでも余分な奴らが挑むのは良しとしない成瀬さん。
まあ、シャケ挑戦の優先権は今は岳にあるわけですからねぇ。その辺りは守ってもらわないとって話か。
挑むなら完全な状態のシャケに挑んでもらわないとってわけですな。

というわけで、集団を相手にする成瀬さん。
しかしさすがの成瀬さんでも1人で3年生を多数相手取るのは厳しかった様子。
倒れ伏す成瀬さん。そこに後をつけてきていたらしいキリオが登場。フガイ無いねえ成ちゃん。

成瀬「・・・つけてきやがったのか。見た目も喋りも行動も、趣味の悪ィ野郎だ・・・テメーに心配されたかねえ。失せろ」
キリオ「ハッ。俺がいつ君の心配した?これだからナルシストはイヤなんだ」

ふむ。やはり成瀬さんはナルシストだったのか。やたらと脱ぎたがるのはそういう話なのか・・・

それはさておき。
キリオは成瀬さんを倒して九島に向かう3年生たちを追いかける。そして襲い掛かる。

君たち、マナー違反もいい加減にしろよ。
成ちゃんもシャケも俺が倒すんだからさあ・・・ショートケーキの苺に横からフォーク突き刺すような勝手なことはしないでいただきたいね。

またもでましたショートケーキ。
九島の不良はケーキといえばショートケーキなのだろうか。
ケーキ持ってるキリオの図とか・・・似合うじゃねえか。やたらと。

暴れまわるキリオ。さらにそこに復活した成瀬さんも参戦。
ナンバー2による夢の共闘が・・・かないはするけど、その前にジャレあったりもする。ビシビシ。ドスドス。
本当、仲が良いなこいつら。
締めは2人で背中合わせに跳び蹴りを叩き込んだりしてるし・・・息合いすぎだろ!!
まあ、似た者同士ってことなんでしょうな。結局。

3年生の集団を全て倒し終えた2人は笑みを交し合い・・・ビシッ。ドスッ。

キリオ「・・・蹴りより効くんじゃない?成ちゃん・・・」
成瀬「何から何まで気に入らねえぜカニ頭・・・今度キッチリケリつけてやらあ・・・」
キリオ「ミートゥ。望むところだね・・・」

てな感じで同時に倒れ込むのでありましたとさ。
うーむ。どこまでも互角というか似た者というか同レベルというか。
まあ、次代の九島と神楽もこの2人のおかげで仲良く喧嘩しなって感じになるんじゃないかと思えます。楽しそうだなぁ。

さて、次回は岳たちが修学旅行から帰ってくる様子。城以外はちゃんと見てきたのか!?
というのはともかく、新展開は楽しみであります。どんな話が飛び出しますことか。



Vol.147 学校見学  (2013年 9号)


中学を卒業する生徒たちによる学校見学の時期がやってきました。
九島を見て回ろうとするような奴はもちろん野心に燃えた不良である。
見学ついでにブッとばして力見せつけてやろうぜ、とやる気満々。

この間だって俺はカラんできた乃元高の奴潰してやったんだ。中3の俺たちだって九島の奴らに勝てるさ。

乃元高校。宮華や屋狩イサキがいた学校ですな。な、なんかやられ役の代表校みたいになってきてないか・・・?
ともかく、高校生相手にでも勝てると思わせてしまったということですな。罪なことだ。
それで調子に乗って九島でも通用すると思ってしまっているわけでして。
よりにもよって通りがかったシャケに力試しをしようなんてしてしまうわけで・・・

殴ってくる相手には遠慮なく殴り返す。とはいえさすがに中学生なので手加減するシャケ。
加減したパンチなのだが、それでも人間を回転つきで勢いよく飛ばし、集団をストライクでまとめてなぎ倒す
手加減してなければ一体どれほど飛んだことやら。恐ろしい話ですなぁ。

ここで天気が少し崩れてきました。
シャケは荒れそうなので帰るかと踵を返す。自由な奴だ。
まあ、基本的に居場所は屋上だし、雨が降るのでは学校に行く気にはなれませんわな。仕方がない。

シャケが帰ってしまったことを知らずに修学旅行から戻ってきた岳は頂点取りに動き出す。
大阪城を登ったときぐらいのウキウキ加減で走る岳。
おかげで久しぶりに登場の岡田素晴、スバルにも気づかず走りながら殴り倒してしまう。酷い扱いだ!!
まあ、岳としては意識して殴っているわけではないんでしょうが・・・どちらにしろ酷い扱いには変わりないな。

そもそも岳はスバルのことを覚えているのだろうか?
まあ、鹿嵐のことも覚えていたくらいだし、意外ときっちり覚えているかもしれない。
しかしスバルは九島に入るつもりなのか?どうなんでしょうかね、それも。

九島には野望を持った各中の頭など粋のいい奴らが集まってワサワサしている。
これはヒラオリも先輩らしいところを見せないといけませんね。フフフ。

今や九島はこの街で頂点取るための最短ルートを通ることができる学校として知られている様子。
シャケが兼光さんに勝ち、岳がランブル1で優勝し有名犬になった。こりゃあもう首を狙う奴がソーメニーになっても仕方なしである。
って有名犬って凄い表現をするなキリオ。岳が雑種じゃなくなったっていいたいのかよ!?

中学生の群れの中には嘉上の姿もあったりする。
そういえば嘉上はエクレア時代からマリモ達に敬語だったが、年下なんだっけ?
でも1年が参加するランブル1には出てたし・・・どうなんだろうか?
まあ、九島に入るつもりはないけど面白そうなので見に来たってとこですかね。

九島の内部では見学に来た中学生同士が争っている。
と思いきやどうもそれだけではない。九島の1年生を激しく蹴り倒している男もいる。
そいつがまたよりにもよってマリモにケンカを売り出した。果たしてこいつは次代の九島を担う力を持っているものか・・・?

そしてそして、シャケに挑むために学校にやってきた岳。
しかし逆に中学生たちに勝負しろと言われるようになっている。
うーむ、岳も本当に有名犬になったんですなぁ。首を狙われるような立場となったか。
もうそこらの名も無き相手にはさすがに負けないでしょう。たぶんきっと。まあ、気絶の1回ぐらいは覚悟しておきますか。



Vol.148 気に入ってるから  (2013年 10号)


九島の学校見学に来ていた中学生たちが一斉に岳に襲い掛かる。
岳は中学生と気づきもせずにこれを迎え撃つ。うむ、さすがですな。
まあ年下と知っていようがいまいが、頂点取る邪魔をする奴に容赦するはずもないですわな。

複数人に襲われるがまるでひるむ様子もない。
うーむ、昔から多人数には強かったが、やはり今の岳は安定して強く思えますな。
数々の強敵との戦いによる気絶経験が実を結んだか。

そんな岳の暴れっぷりを見物している卜部さんたち。
ヒラオリに言わせれば、椎葉岳も狙われる立場になったということだろう、とのこと。
決して見た目がバカ丸出しなのでナメられているというわけではない。ちゃうねんで!?

九島の4強と言われるシロや卜部さんもそのうち襲われることになるんでしょうなぁ。
ヒラオリはまあ・・・なんとなく襲われたりするんじゃないかな。流れとかで。

襲い掛かってきた中学生を軒並み倒してしまう岳。さすがだ。
しかし、全て倒し終えたタイミングで襲い掛かってくる奴もいた。
北中3年、郡司直真。他の奴らとは少し毛色の違った子である。

ランブル1トーナメントの決勝。見てましたよ。
バナナの皮でスベる人初めて見ました。

そこをほじくり返すのかよ!!
やってみると分かるけど意外とスベるものなんですよ、アレ。真剣勝負でやらかす岳は見事というより他ないけど。
まあそれはともかく、郡司くんが言いたかったのはそこではない。

・・・くそッ。そう簡単にはいかねえか・・・
俺の拳でアンタを笑わせてやろうと思ってたのに

息を荒げながらそんなことを言い出す郡司くん。

――ランブル1の決勝・・・あんなに楽しそうにケンカする人、初めて見たんスよ。
気付いたら俺も周りの皆と同じように、つられて拳を振り回してた。
俺は、ケンカの相手が誰でもいいだなんて思わない。俺の心を揺さぶったアンタだから倒したいんだ。
気に入らないからだとか1年最強だからとか、そんな理由じゃない。気に入ってるから倒したいんだよ
椎葉岳、アンタをな!!

ふうむ、コレは・・・なんだか可愛いことを言う奴じゃないですか。
スバルに続き、岳のことを信奉する男がここに・・・
微妙に犬っぽい感じがするのもらしい感じがしますな。狂犬の岳とは違った感じの犬っぽさだけど。

岳が北中の郡司くんと戦り合っている頃。
校舎内ではマリモが西中の橘カヅキに絡まれていた。

九島に暴力は要らないとかヌルイこと言う気かよと挑発する橘。
それを聞いたためなのかどうなのか、珍しく普通に相手をしてくれそうな様子のマリモ。嘉上に食料を預ける。
と思いきや、預かった食料で橘に殴り掛かる嘉上。

丸母さんが相手する必要ないでしょ。俺が闘りますよ。

まあ、三田さんならともかく嘉上が大人しくしているはずはないですわな。
マリモの食料で殴り掛かるのはどうかと思うが、まあ潰れているわけでもないようだし問題ないか。多分。

北中、西中と出てきた中学3年生のキャラたち。
このまま東中、南中の新キャラが出てきて卜部さんやシロに挑んだりするのだろうか?
それで新世代の4強と呼ばれるようなことになれば、とも思うがどうだろうか。
そもそも橘が嘉上に負けてしまう可能性も高いわけですしなんとも。まあ、負けても問題ないっちゃないんですけどね。
4人に加えて外中のヒラオリ信奉者とか現れる展開は果たしてありえるのか!!うむ、ないだろうな。



Vol.149 おかしな日本語  (2013年 11号)


マリモを狙う橘カヅキ。その前に立ちふさがったのは嘉上深征。なかなか面白そうな対決だ。
ケンカは徹底的にやらないと気が済まない性質だと橘は言う。それに対し嘉上。

そこまでブチのめさないと、力の差が理解できないもんスかね・・・?
エグイ手を使って勝ち続けたら、体は九島の頂点に近づくかもしれませんけど、
心は反対に真っ暗闇の地中に向かって沈み込んで行くもんだと思いますけどね。

嘉上もなかなかに九島イズムというのが染みついてきている様子ですな。
九島のことをよく知り、そのケンカをしたいからこそここにいるってわけだ。

真正面からぶつかり合う2人。
橘は浴びせ蹴りのような大技を使うが、それは防御されると体勢が崩れて危険な技ですよ。
実際防がれてしまい、床に座り込んだところを狙われピンチになる橘。
しかし嘉上の踏み付けは外れる。素早く起き上がり殴り掛かる橘。しかし、嘉上の反撃のパンチで再び床へと逆戻り。がッ。

咳き込んでいるところに追撃の拳が振り下ろされる・・・と思いきや、今回もその攻撃は外れました。
これは間違いないですな・・・2回の追撃、これは両方ともわざと外している!!

気付いたんなら甘えてないでサッサと立ってくださいよ。九島はそういうルールらしいんでね。

てなことを蹴りを当てながら述べる嘉上。
まあ、本気の蹴りではなかったのだろうが、いい性格である。

九島ルールなら自分の方が上だとでも言う気か。そんなんで俺は納得しねえ!本気で潰しに来いよ!!

吠える橘。しかしそのケンカは今の嘉上の趣味ではない。昔ならいざ知らずね。
相手が立てなくなるまでブッ潰して頂点を取る。それだけの戦いに興味があるわけではない。
勝っても、相手に認められなきゃ勝ちとは呼べない。九島でならそんなケンカができると思ったから嘉上はここにいる。

ハッ。下らねえ!!
それで負けて納得できねー奴は、また立ちゃあいいだけの話だ
本気で潰し合って勝ち負けキッチリつけねーと、自分の強さも弱さもわかんねー。じゃなきゃ次に進みようがねーだろうが。
クソしたらケツ拭いてキレーにすんのと同じだ。残りカスがこびりついたままじゃ気持ち悪ィんだよ。
勝つなら徹底的に勝つ。負けるなら徹底的に負ける。それが俺のケンカだ
他人のルールに縛られてケンカするなんて趣味じゃねえ。俺が頂点取って九島を変えてやる・・・!!

ほほう・・・これはこれは。どうやら橘カヅキという男を見誤っていたようだ。
なかなか九島らしい奴じゃないですか。岳に近い考えをしている感じはある。
非常に九島らしい・・・いや、おかしな日本語だかららしいとかそういう話ではないよ、一応。マリモが言うかそれを!!

・・・やっぱり九島にはバカが集まるんスかね。
ここは退屈しないなと思いましてね・・・来た甲斐ありましたよ。

嬉しそうな嘉上。まあ、実際バカでも入れる学校ではありますし、バカが集まるのは仕方があるまい。
勉強できるかどうかとは違う意味でのバカが多いのも確かな話ですがね。

互いの主張を唱え終えての殴り合い。制したのは嘉上深征。
おぉ。かなり初期から登場しているのにようやくの勝利か嘉上!!よかったよかった。
しかし、そこで調子に乗ったわけでもないだろうが、嘉上は続いてマリモに挑もうとする。

せっかく可愛い後輩が見学に来たんですから、先輩らしいところを見せてほしいですね・・・!

そういって上着を脱ぎ捨てる嘉上。ほほう。これは面白い。
マリモとしても食料をぶちまけられたお礼ができるし、願ったり叶ったりだ!思ったよりもばら撒かれてて驚いたぜ。

しかし嘉上は本当に誰に対しても丁寧語なんだな
三田さんやマリモは目上だからと思ったが、宮華や橘にもそうしてるし・・・
でもさすがに播磨には丁寧語は使っていなかった。部下に対しては示しがあるってことで丁寧語はやめているのかもしれない。
つまり丁寧語がスタンダード。タメ口は無理して使っているという感じの子っぽい。ふむむ。

にしても嘉上。相手に認められたくてケンカしているんですね。
やはりかまってちゃんと評されても仕方がない感じがしますなぁ・・・まあ、それもまたよしか。

通り抜けざまに岳に殴られて気絶していたスバルがようやく九島に到着。
どうでもいいが、九島の校名、最初の部分の○立の部分がないのだが?ま、まさか国立だという話では・・・!?

それはさておき、スバルが九島に来て目にしたのは、郡司くんに殴られる岳の姿であった。
ふむ。岳の信奉者が勢ぞろいしたか。これは面白い主張合戦が繰り広げられる気配がありますな。
未来の九島を背負いそうな奴らが集結し、どのような展開を見せてくれるのか。ソー楽しみだね。



Vol.150 歓声  (2013年 12号)


郡司くんの拳をまともに受けた岳。一撃だけではなく、連打を浴びたりしている。
この姿を見て俄然勢いづく他の中3達。
いいぞ!やっちまえ!!中3でも勝てるってところ見せてやれ!!

ヒラオリ「情けない。九島の恥だ」
卜部「バカ犬が・・・」
シロ「シャケの真似でもしてるつもりか

観戦している人の意見はそれぞれである。さすがに卜部さんとシロは気づいている様子ですな。
そう、岳はわざと抵抗せずに攻撃を受けているのである。
もちろんわかってたさと言うヒラオリだが、もちろんわかっていなかったのはわかっているさ。ハハハッ。

・・・どんな気分なのかと思ってよォ。下の奴に狙われて殴られるってのは・・・

屋上の旗を見上げながらそう述べる岳。
やはりシャケを意識しているのだろうか。
まあ、万一あの風車をとったのなら、岳もその立場になるわけですし、経験しておくのは悪い話ではないですわな。

よく、わかんねえな

経験した結果がそれかいな。
そりゃ郡司くんもはあ?とか言っちゃいますよ。そして殴り返されて吹っ飛んだりしますよ。
連打を浴びておきながら1発でひっくり返す。ふうむ、まるでシャケみたいなケンカをしてますな。あの岳が・・・!!

倒れた郡司くんを見下ろし、岳は言う。気に入らないツラだと。

俺はなあ、シャケの前に立つ。あいつに拳をブチ込む。それを想像しただけでニヤやちまうんだ
自分の拳で俺を笑わせてやるとか言ってたけどよォ。その前にテメーが笑えてなきゃ、ケンカしててもテメー自身つまんねーだろ。

なるほど。これは非常に大事な話でありますな。
相手を楽しませたいと考えるなら自分が楽しんでいないといけない。基本的な話である。
感想を書く場合にも通じるものがあるな。楽しませるにはまず自分が楽しんでないといけない!!分かる分かる。

(そうだ。俺は・・・ランブル1の決勝見て以来、この人とのケンカを楽しみにしてたんだよな・・・)
たしかに。笑っちゃいますね。ブン殴られて体中があげてる悲鳴が歓声に聞こえてきましたよ

ようやく笑顔を浮かべだす郡司くん。なかなか面白い表現をする子だ。

想像しただけでニヤけちまう・・・か。きっと俺と同じ理由だろうな。
俺が椎葉岳を目標にして倒したいと思うのと同じように、気に入らないからじゃなくて、相手が・・・頂点がシャケだから。
自分の全力をぶつけて倒したいと思ってるんだ・・・

郡司「けど今は俺とのケンカに集中してくださいよ」
岳「何笑ってんだこのヤロー・・・!!

テメーが笑えてなきゃとか言っておきながらそれを言うか!!
まあ、岳も笑っているから問題はないか。うむ、やはり笑顔を与えるにはこちらも笑顔でないとって話ですわな。

最後の殴り合い。制したのはもちろん岳である。
だが、倒された郡司くんは満足したような笑みを浮かべて倒れている。
目的だった岳を笑わせるという目標は達成した。そして自身がなぜその思いを抱いたかの理由も確認できた。そりゃ満足でしょうさ。
うーん、グッドスマイルだね。

ハッ。気持ち悪ィ野郎だ。

笑顔でそんなことを述べる岳でありました。まあ、言われても仕方ない部分はありますよね。

結局群れ寄る中3を全員倒した岳。シャケと戦うために屋上へと向かう。
って雨だしシャケがいるわけないでしょ。
一度屋上見上げた時に見下ろす顔がなかった時点で気がつきなさいな、岳よ。まあそんな頭が回る男じゃないのは知ってるけど。

屋上が定位置のシャケは雨(レイニー)だとサボりが定説。
だけど岳はヒトの言うことを聞かないワンちゃんだから止めても無駄である。困った奴だ。
しかし、その歩みは屋上にまでたどり着く前に止まることとなる。
いきなり飛んできた嘉上に激突する岳。
どうやら嘉上、マリモに吹っ飛ばされていたみたいですな。さすがに実力差があるか、この対決は。
そして岳は今の衝撃で気絶。このタイミングでかー。

マリモ「見学に来た甲斐があっただろう嘉上。これが九島の名物だ
嘉上「・・・ありがたみゼロですけどね」

全くである。
しかし、もはや岳の気絶は九島の名物となっているのか・・・!!
1年最強の称号を得ている人間がこれとは・・・なんというか、色々とアレですなぁ。
強いのにいまいち尊敬されない最たる理由だと思われる。
でもその人間性に惹かれる男たちはそれなりにいたりもする。うーむ、面白い奴だなぁ。

安定の気絶芸を見せつけてオチをつけてくれた岳。
それはさておいて、次回からは新展開。どんな展開になりますのやら・・・!!



Vol.151 寝ても覚めても  (2013年 13号)


連載150回突破記念センターカラー!!

ついに岳とシャケが屋上でタイマンをする時が来た。
成長した岳の強さを見せることができるのか!?
開幕からいきなり全力の拳を叩きつけ合う2人。らしいなぁ。
岳の拳がなかなかの威力でヒット。ハッ!吹き飛びやがれ・・・

吹き飛んでいるのは岳の方でした。しかも勢いがよすぎて屋上の柵を越えてしまっている。
哀れ真っ逆さまに落ちて額から地面に激突する岳。

というところで夢から覚めました。やっぱりそんなオチか。
でもあり得ない話じゃないですよね。
シャケのパンチなら空高く飛ばすことも可能だろうし、あんな柵簡単にホームランできるっしょ。
まあ、さすがに手加減すれば飛ばす方向も変えれるのだろうが・・・その辺りちゃんとやっているのかは謎だ。

岳の家ということで、久しぶりに爺ちゃんが登場。
窓際の廊下で一人碁を並べている。優雅ですな。
庭があったりするし、結構いい家なのかもしれませんな、ココ。両親とかの姿は見えないけどいるのかいないのか。

1人で碁なんて打って楽しいのかよという岳の問いに爺ちゃんはこう返す。

自分の攻めだけではなくそこから生まれる相手の受けや攻めを考える
何も考えずに拳を振り回すケンカしかできんバカのお前には理解できんだろう。

まあ、こういう頭を使った遊戯なんて岳にとっては理解できようはずもありませんわな。
碁盤ひっくり返してさっさと外へ出ていく岳でありました。

まったく・・・まあ、寝ても覚めても見られる夢があるのは幸せなことか。

それはそうかもしれませんね。夢見る若者か。美しい響きだ。実態はともかく、言葉の響きは美しい。

土曜日なので学校はお休み。それ故にシャケと戦う機会は月曜日までお預けとなる。
家まで押しかけるとかそういうことは考えないんですな。やはりやるなら屋上の風車の前でってことか。
家を調べるとかそういう頭が働かないだけだなとかそういうことは言っちゃダメ!!

夢の中では負けてしまったが、実際はああはさせないと考える岳。
そんなことを考えると、爺ちゃんの言っていた相手の攻めや受けを考えるという言葉が脳裏に浮かぶ。
ふむ、岳も少しは相手との戦いをシミュレートするようになりますかな。
というわけで、コンビニの前にあるシャケ弁当(298円)と書かれたノボリを相手にシャドーを始める岳。何やってんだ!?

道行く人に見るな見るなと避けられる岳。どう見ても危ない人ですものね。シャケに餓えすぎだろ。
そんな岳にも声をかけてくれる人はいる。おや、誰かと思えば郡司くんではないか。
ノボリ殴るくらいヒマなら俺とのケンカ相手してくださいよとか言っている。ようするに自分が構ってほしいんですな。ふむ。

岳「テメーたしか・・・ナオマグンジ」
郡司「郡司直真ッス」

逆にしただけだから間違ってないっちゃ間違ってないな。
キリオみたいに英語風に言っただけかもしれないですし。まあ、この岳の顔を見たらそうじゃないのは丸わかりだけど。
グンマナオジぐらいにトリグラムしてくれてもよかったのですよ。

別にヒマじゃない。シャケと闘ること考えてんだよと岳。そうは見えないスけどね。
てな話をしていたら郡司くんにお客さん。
蔵下と名乗るこの妙な髪型の男は浦居高校の人間。
どうやら郡司くんが自分の高校に入るものだと思って目をかけていたが、九島に見学に行ったと知って面白くない様子。ふむ。
ちなみに浦居高校とはあの大熊ルイさんがいる高校である。何!?あの大熊ルイさんが居る所なのかッ!?あの・・・

まあそれはどうでもよく。
岳は置いておいて、郡司くんと蔵下のケンカが始まる。
いつまでも世話焼かれるペットじゃいられないって話ですよ。自分の目指すものくらい自分で決める!!

そう述べてケンカを始めるが、やはり中学生と高校生では力の差がある様子。押される郡司くん。
倒れ伏すが、岳は特に助けたりはしない。九島のケンカってのはそういうもんではないですからなぁ。郡司くんもそれは理解している。

はじめから手助けなんて期待してないスよ。あの人を倒したくて俺は九島に行くんだから・・・
アンタには倒したいくらい憧れないってことですよ

分かりやすい理由でありますな。ハッキリ決別の言葉を叩き付けられてイラつく蔵下。岳に向かっても絡んだりしてくる。

椎葉岳。テメーも薄情だよなあ。犬のテメーは飼い主には向かねえようだな

蔵下は何年生なのか知らないが、ずいぶんと岳のことを知っているみたいですね。
さすがにランブル1トーナメントを制した男の知名度は抜群ということか。悪名の方が広まっていそうな感じだけど。犬とか。
しかし、そんな蔵下の言葉に岳は無反応。何やらブツブツ言っている。ってどこ見てんだ。

何だ?立ったまま気絶してんのかよ

岳の気絶癖もそこまで行ったか・・・いや、そうじゃない。
シャケとの戦いをイメージしているのだ。慣れない頭を急に使ったりするから固まっちゃうんですよ。

シャケがこう来たら、こう。で、こう・・・

本気で蔵下を無視してイメージトレーニングを始める岳。こりゃあムカつきますわな。
なのでナメんじゃねーぞ!!と殴り掛かる蔵下。
しかしそんなことをするから邪魔すんなと殴り返される。哀れ、一撃で吹き飛ばされる蔵下でありました。うーむ。

俺はなあ、朝からムシャクシャしてんだよ!!

いや、そんなこと言われましても。分かりやすいと言えば分かりやすいけれどもさ。

結局頭の中でどんだけやっても勝てはしないという岳。都合のいい考え方とかは出来ない体質なんですかね。
というか、それほどシャケのイメージは強烈ということか。
試しに自分も脳内でシャケに挑んでみたが・・・いかん、勝てるイメージがまるで浮かばない!!納得だ!!

考えてるだけじゃダメってことか。やっぱ体も動かさねーと先に進めねーな。

何やら悟ったみたいなことを言いだす岳。
なるほど。浦居高校の連中をシャケに見立ててトレーニングしようって腹ですね。

シャケならまずは・・・俺のパンチをよけねえ!!
そんで、右の拳で反撃してくる・・・

そのイメージは正解である。
が、そもそもシャケのようなタフな奴がそうそういるはずもなく、パンチの一発で倒れてしまっていたりする。倒れてんじゃねー!!

最初っからやりなおしだ。

そう宣言して拳を振り回す岳。しかし相手は避ける。むう、イメージ通りにならないじゃないか。テメーらちゃんとやれ!!
凄く勝手なことを言ってますな、岳。
「さっきから何言ってんだコイツは」「バカに付き合うな。囲んじまえ!」
いや全くその通り。相手してられませんよね。
想定通りに相手の拳がやってくる。と思いきや3発来ました。ドカカッ。うむ、イメージ通りにはなかなかいかないものだ。
というわけで、考えるのメンドクセー!!と吠えて暴れ出す岳でありましたとさ。

・・・元気だな

肝心のシャケはその様子を眺めて通り過ぎる。
月曜日を待つこともなく邂逅できるチャンスだったのに・・・上手くいかないものですよね!!全く。

岳の休日風景は本当岳らしい過ごし方で安心したやら残念な気持ちになったやら。
まあ、正直ケンカしている以外の過ごし方とか思いつかないんですよね、岳の場合。
漫画とか読んでいたりするようだが、内容をどこまで理解して読んでいるか怪しい。4コマとかオチまで理解しているのか怪しい。
いやさすがにそこまでは・・・と言いたいところだが、あの受験の様子を見ているとなぁ・・・危うい奴だ。



Vol.152 ガチョウ  (2013年 14号)


丸母家の墓参りにやってきたマリモ。
お供え物として購入した豆大福を取り出し、口に運ぶ。ぱく。っておい。

供える前に食べるな、タイジ

とツッコミながら現れたのは兄のヒュウゴさん。
いいタイミングで現れましたな。父か母かの命日なのかね?

久しぶりだな。相変わらず食欲だけは旺盛な弟だ

その口ぶりだとヒュウゴはマリモほど食いまくるわけではないのだろうか。
自分は食欲以外も旺盛だよと言いたいのかもしれない。確かに振りまく暴力は旺盛といっていい感じでしたがね。

見えを切ってヒュウゴを撃退した割には九島の頂点を取っていない弟に苦言を呈するヒュウゴ。
それに対しマリモ。シャケに挑みたい気持ちはあるが、岳が先に挑戦することになったと告げる。

だが、それでも構わない。
カレーライスとラーメンに優劣がつけられないのと同じように、シャケと岳。
どちらが九島の頂点に立っても俺には等しく倒す価値がある。
岳が頂点を取るのなら、それを見てみたいとすら思う。

柔らかい表情でそう述べるマリモ。
マリモは九島に来てかなり岳の影響を受けたりしてますからねぇ。こういう態度になるのもわからないではない。
しかし兄としては弟のそういう態度は不満。

拳の振り方を忘れたのなら思い出させてやるぞ・・・!!

そう述べて拳を振るうヒュウゴ。合わせて拳をくりだすマリモ。
お互い口から血を流すぐらいに強烈な一撃を喰らわせ合う。それを確認し、ヒュウゴは述べる。

他人に夢を託すのは敗北と同義だ。
お前も九島の頂点を目指しているなら、他人が頂点を取るところを見てみたいなどとは思わないことだ。
お前自身が目標を持ち進み続けなければ、負けを認めたのと同じだ。
カレーとラーメンくらいお前なら1度で平らげるだろう。エモノを限定する必要など無い。
勝てないと諦めたわけではないんだろう?

確かにマリモなら簡単に平らげそうですね。
いやでも、シャケはどう考えても1人分の量のカレーではないと思うのですけど。
通常の店では収まらないぐらいのカレー鍋が必要になりそうだぜ。

マリモの墓参りにはサンタさんがついてきていた。
墓場にはさすがに入らず、入り口で待機していた様子。相変わらず頻繁に会っているんですなぁ。

目の前を歩き去るヒュウゴを見てマリモの身内かと考える。
何故そう思うのかと問えば何となくと返ってくる。それに、同じように血が流れているとも返ってくる。
ふむ、確かに同じように口から血を流してますな。
まあ、これはそれ以外の意味にも受け取れるし、マリモはそう受け取った様子ですが。兄弟の血の絆ってのは強そうですものね。

マリモ「もっと食えよと言われたよ
サンタ「・・・今以上には無理だろ。フォアグラつくるために食いモン詰め込まれるガチョウみたいになるぞ・・・?」

要約しすぎだろマリモ。
まあ、もっと暴れることになるだろうから、エネルギー消費してもっと食うことにはなるだろうけどもさ。
そういう意味では間違った話ではないのか・・・?

日曜の夜。シロは土手を走り汗を流している。相変わらず努力家ですなぁ。

明日は月曜・・・天気も良さそうだ・・・
椎葉岳が、シャケに挑む・・・
――まあ、勝てないだろうけど・・・それでも椎葉岳なら――いや、やっぱり無理か。

どうやらシロも気になって仕方がない様子ですな。そしてそれは卜部さんも同様であった。
よくわからないけど悔しいような羨ましいような、それだけじゃないような。落ち着かない気持ちにさせられている様子。
顔に似合わず素直な感情を口にする人ですね。

まあ、けど僕も似たようなモンだよ。
でもだからってダラダラ歩いてるわけにはいかない。
僕は丸母タイジに勝ってヘッドホンを取り返さなくちゃいけない。
椎葉岳にもキリオにもシャケにも勝つために、進まなきゃいけないんだ。

そのように熱く語るシロ。しかしその中には卜部さんの名前は入っていない。
まあマトモに戦ったこともないわけだし、倒さなければいけない候補に入らなくても仕方ないと言えば仕方ないか。

というわけで、ケンカを始める2人。
この2人の勝負も結構気になる所ではあるが・・・どちらが勝つのか?
それは明かされないままに夜は明けて月曜日が訪れる。
ついに岳がシャケに挑むことになるが、どのような結末になるのか・・・?

なんとなく最終決戦のような雰囲気を漂わせている。
岳が勝てばまさしく最後になりそうであるが、今のところ勝てそうな感じはしない。
まあ、上手いポエムを立て続けに詠みながら攻めまくれば可能性はあるかもしれないが・・・!!
どうなるのか楽しみであります。マリモの行動も気になる所だ。



Vol.153 肩ならし  (2013年 15号)


月曜日の朝。手首の傷を一心に見つめる岳。
ようやくこの日が来たということにさすがの岳も感慨に近いものを抱いている様子。

やっと、ここまで来たな・・・俺自身が選んだこの手に掴みたいもの・・・
今日――シャケをブッとばして九島の頂点を取ってやる・・・!!

椎葉岳が本日シャケに挑む。そのウワサは神楽工業高校にも届いている。
ランブル1の決勝を見届けた兼光さんにどうなると思います?と尋ねる恩田。
しかしシャケといえば兼光さんが勝てなかった相手である。犬ッコロが勝てるわけないだろと成瀬さん。

パーがチョキに勝てねえのと同じくらい勝てねえよ。なあ、正門。

そのように振られるが、正門は即答しかねるという雰囲気。
まあ、岳がパーなのは分かるがシャケもチョキって感じじゃないからなぁ。いつでもグーパンチな感じの男ですし。
ん?そういう話ではないのか?

まあ、何をしでかすかわからない奴だ。シャケも退屈しないだろう。

そのように語る兼光さんでありました。

さて、頂点に挑むためにやってきた岳。
その屋上までの花道をずらりと九島の生徒たちが固めている。いや、いるのは九島の生徒だけではないな。
サンタさんや嘉上。周防、スバルや郡司といった面々の顔もある。
その先頭にいた卜部さんとシロは一発ずつド突きながら声をかけてくれる。

さっさと負けてこい。バカ犬。テメーが勝ったら1週間禁煙してやる

それは卜部さんにしてみれば相当の我慢を強いられる話でありましょうな。後悔するぜ!!
続いてシロの言葉。

今まで散々好き勝手吠えて他人をかき回してきたんだ。勝って、それが正しかったと証明してみせろよ
シャケを倒すより君を倒す方がラクだからね。頂点を取りやすくなる。

そりゃ確かに取りやすくなるでしょうな。でもラクをして頂点を取るような性格じゃありますまいに。
ウソつけってんだ。全く、素直じゃないですなぁ。
さて、スバルの頂点取ってくださいという声援はさておき、おまけにヒラオリの言葉もあったりします。

くれぐれも武器を使うなどと下劣なマネをするなよ

え!?誰がどの面で言っているのだ!?
いや、そうやって頂点を取ろうとして挫折した男だから言えるセリフなのかもしれない。重みがある・・・ねーよ。

まあ、ともかく。そうやって見送られて校舎に入る岳。
その前に、風車の旗に向けて手を伸ばしてみせるのは忘れない。入学前からずっとそうやってきた行為ですからなぁ。

待ってろよ。シャケ・・・!!

校内の廊下でも九島の生徒が見送りに立ち並んでいる。
が、屋上へと続く階段になるとその人の列も途絶える。ここから先は見送りなしか。

それにしてもそろいもそろって朝から何やってんだ。
突っ立って見てるくらいなら、俺のことブッとばして挑戦権奪ってみろってんだ。

そうは言うが岳よ。そうやろうとしたらしたで怒るでしょアナタ。
実際、踊り場にいたキリオは岳の意見に賛意を示したりする。

シャケならもう屋上にいるよ。
けど、栗山景生―モンブラン荒巻至―シャケときて、椎葉岳だとハタに書くアダ名に困るんじゃないかな・・・?

なるほど。キリオであればキリオ―カニで・・・じゃなくて桐生陽一郎―キリオで上手くいくと言いたいわけか。
そういえばキリオは岳と闘ったことないですものねぇ。気になる勝負ではあるが・・・
気になる勝負といえば結局卜部さんとシロの戦いはどういう結果になったのだろうか。気になる。

キリオの蹴りを拳で受けて、今はテメーにかまってらんねぇと渋くきめる岳。
だがキリオのデコピンを受けて怯まされたりする。相変わらず威力デカイなこのデコピン。

君が勝ったら屋上に犬小屋建ててあげるよ。次の日には俺が蹴り壊すけどね。グッドラック。

そう言い残し去っていくキリオ。らしい激励であるなぁ。
さて、これで屋上のシャケに至るまで待っているのは・・・あと1人しかいない。そう、マリモだ。

テメーも負けろって言いに来たのか?と問う岳にマリモ。
俺はどちらの応援もしない。結果に関わらずシャケもお前もいずれ俺が倒すと返す。
兄の教えをちゃんと受け入れているのですなぁ。相変わらず食い意地の張ったいい回答である。

お前も変わらない。中庭からシャケに向かって頂点を取ると吠えた時から、いつだって真っ直ぐに拳を振るってきた。
今の俺が迷いなく九島の頂点を目指せるのは、お前のおかげだ。

俺が変わらねえだと。気に入らねえぜ・・・!!

マリモの言葉を受けて、いきなりその胸に拳を叩き付ける岳。
この描写は1話で行われた内容でありますな。あの時のマリモは岳の拳に熱いものを感じた。
では、今はあの時と変わっているのかというと・・・?

前にも増して熱いな

なるほどね。まあ、精神的な部分はほとんど変わっていないが、より前のめりに成長したという感じだろうか。
肉体の方もそれに合わせて相当成長しているのが見て取れる。
初期の頃に比べて肩幅とかずいぶん広くなってガッシリしたもんなぁ・・・
気絶するたびに肩幅が1mmアップするとかそういう成長法を持っているのかもしれない。

マリモの横を通り屋上へと向かおうとする岳。
その岳に対しマリモ。今までお前に背中を押されたその礼だ、と強く背中を叩いて送り出してくれる。
バシィと勢いよく叩かれたその衝撃。昔の岳ならそれだけで気絶していたかもしれない感じである。

お前の拳で俺やシロや卜部が変わったように、九島の頂点も変えられるかもしれない。
頂点を取るためのお前の拳を、死ぬまで振るってこい。

言われるまでもねえよ。この瞬間を誰より楽しみにしてたのは、俺なんだからな・・・!

これまで関わってきた様々な男たちの声を受けて椎葉岳、ついに九島の頂点取りに挑む!!

さてさて、肩ならしというか、激戦の前準備が終わったという感じ。
次回は本当にシャケと岳との戦いが見られることになりそうだ。
果たして今の岳ならばシャケに通用するのであろうか・・・
正直シャケが強すぎて岳が勝てるかビジョンは見えない。しかし、何かやらかしてくれるんじゃないかという期待は確かにある。
とっておきの生き様を言葉と拳で叩き付けてくれることを期待するぜ!!



Vol.154 笑わせたまま  (2013年 16号)


猛者たちが視線を注ぐ九島の屋上。
注いでも戦いの様子は見えないのではなかろうか。
まあ、キリオは確実に見えないけど屋上の方を向いているし、そういう儀式的なものだと考えよう。
いや、外の連中はうまくしたら空を舞う岳とか見られるかもしれないな。
シャケに殴られて空を舞う岳。普通にあるだろうという光景だから困るぜ。

いつまでもふんぞり返ってんじゃねえ。シャケ・・・!!

屋上にやってきて早速そのように声をかける岳。
上を見つめていなくてもちゃんと同じ高さにやってきてやったぜと言いたいわけですかね。

椎葉岳・・・俺を退屈させるなよ・・・!!

笑みを浮かべてそう述べるシャケ。うーむ、ビリビリくる笑みであるなぁ。
今、この場に立って昔のことを思い出す岳。

シャケ・・・中庭で初めて向かい合った時は足がすくんで動けなかった・・・
けど今は笑いが止まらねえ。近づきたい。触れたい。
そのツラに全力で拳をブチ込みたくて、気持ちが先走る。それに追いつこうと俺が必死に動く
初めてエロ本見た時以上に目が釘づけで、テメーのツラ以外は何も見えねえ

いきなり何を言い出すのかこの男は。
まあ、夢中になっているというのはよくわかる例えであるが・・・でもこの場面でその例えはねーよ。
まあ、それはさておき。まだ拳を振り上げた岳の綴る想いは続く。

入学して3日で頂点取ったんだってな。モンブラン倒したんだろ。
兼光にだって勝ったんだよな。
榊はテメーのこと忘れてなかったぞ。
皆、テメーを倒したがってる。
けどなあ、テメーをブッとばして九島の頂点を取りたいって思う気持ちは、俺が1番だ。
テメーをブン殴るためだけに足を踏み出す。腕を振るう。俺の全てをぶつけるこの瞬間をずっと待ってたんだ・・・
最高に笑わせたままブッ倒してやる。だから――受け取れシャケェ!!

長い想いを綴りながら、声に出したのは短い一言。
全力を乗せた岳の一撃を受けるシャケ。どうだ・・・!?

――――!!
何だよ。そのクソつまらなそうなツラは――!?

殴られたシャケからは笑みが消えている。
つまらなさそうというか、凄く怒っているように見える。ぶっちゃけかなり怖い。

相手が俺じゃ不満だってのか。そんなツラで拳を・・・振りやがって・・・!!

いつものような笑みではなく、歯を食いしばるような表情で殴りつけるシャケ。
威力は相変わらずで、岳は吹き飛ばされて屋上の入り口である扉に叩き付けられる。
目の前の扉がギシギシと軋むのを見て岳の身を案じるマリモ。
一応今の一撃で気絶したりすることはなかったみたいですな。うむ、タフになったものだ岳も。しかし――

お前の拳はそんなものか?椎葉岳

実力差が圧倒的なのはわかっていたが、楽しませることもできないとは・・・!?
熱のこもったはずの岳の一撃で不満とは、シャケも随分舌が肥えてしまっているようですな。
岳と同じように楽しみにしていたから思ったほどじゃなかった時の失望が大きかったんでしょうかねぇ。
むしろ楽しみにしすぎて勢いで素の防御力が高まってしまっていたのかもしれない。
シャケぐらいになればワクワクしただけで防御力が高まるなど造作もないこと・・・!!

しかし、本当に勝てる感じがしませんな。
ここはトラックでも突っ込んできてもらって一度お流れにしてもらうしかないのではないだろうか。
いや、屋上にトラックはないな。しょうがない、UFOに落ちてきてもらおう。それでノータイムだ!!
まあシャケだと落ちてきたUFOを殴り飛ばして済ませそうな気がするのが怖い所であるが・・・!!

とりあえず、最初の一撃は気持ちが先走り過ぎて心に体が追いついてなかったのが悪かったと解釈しましょう。
岳は弱ってからの方が強いのは今までを見ていてもわかることだしね。次の一撃、そのまた次の一撃に期待しましょう。
一番の原因は例えが悪かったということかもしれませんがね。この大一番でエロ本はねーだろ。ポエム力が足りない!!



Vol.155 本当に  (2013年 17号)


念願のシャケとのタイマン。
しかし楽しませることすらできずに沈みそうになっている岳。むう、これは思いもよらぬ展開・・・

・・・ふざけんなよシャケ。やっと屋上まで来たってのに、たった1発で終わらせてたまるか・・・
そんな退屈そうなツラで見下ろしやがって・・・

まだだ・・・負けねえ限り、負けじゃねえ!!

扉に手をつきながらではあるがどうにか立ち上がる岳。
まあ、この男の場合気絶にまでいかなければどれだけ瀕死であろうと起き上がろうとするだろうからなぁ。

いつものように劣勢に追い込まれながらも意地で戦い続ける岳。
しかしその拳を2度3度と当ててもシャケの表情は変わらず退屈そう。

まだ・・・そんなツラで!!

叫びながら殴るが、シャケの反撃を一度もらえば吹き飛ばされてまたもや扉に叩き付けられて沈むこととなる。
うーむ、ここまでの差があるとは・・・マリモとしても思ってはみなかったのか、扉越しに焦りの表情。

まだ・・・まだだ・・・俺はまだ負けを認めねえ・・・負けを認めねえ限り・・・

そう吠える岳ではあるが、シャケの方は咥えていたタバコを灰皿に捨てようとしている。むう、終いなのか・・・?
と思ったら新しいタバコを咥えだしました。うむ、まだ猶予はあるみたいですな!!
それを受けてというわけでもないが、扉越しにマリモの激励。
ドンドンと扉を叩き喝を入れようとしている。便所じゃねーんだから何度も叩くなよ。

何考えてたのか忘れちまったじゃねえかよ・・・

ふむ。それはむしろいい傾向じゃないですかね?考えて戦うなんてガラじゃありますまいに。
考えるのはどうやって戦うかとか、負けないためにはどうするかとか、そんなことではない。

そうだ俺は・・・コイツをブッとばしに来たんだ。負けないためじゃねえ。勝つために来たんだ・・・
それなのに・・・クソッタレ、気に入らねえぜ。
負けねえ限り負けじゃねえなんて言葉に甘えて心を停めやがって・・・気に入らねー俺だ!!

後ろ向きな気持ちを抱いた自身を戒めるかのごとく、屋上に頭を何度も打ちつける岳。えらい音を響かせておる。

勝たない限り勝ちじゃねえ・・・!!
立て。立て。何度でも。何度だって。俺をふりしぼって、シャケに咬みつくんだ!!

四つん這いの体勢から吠えて立ち上がろうとする岳。それを見たシャケはひと言こう漏らす。

本当に・・・犬だな。椎葉岳

笑顔で。ようやく見せる笑顔でそのように述べるシャケ。おっと、岳の心境の変化が見えたのかいい反応ですな。
これに気を良くしたのか岳もしてやったりの笑顔を見せる。やっと笑いやがったな・・・

笑顔の2人が笑顔のままに殴り合いを始める。ようやく戦いは本格的な状態になったという感じのようですな!!

しかし、今回の岳のセリフはなかなか考えさせられますな。勝たない限り勝ちじゃない。
負けない限り負けじゃないは分からなくもない言葉だが、やはり少し後ろ向きな部分がある勝利への渇望が足りていない。
負けを嫌がる気持ちではなく、勝つために立ち上がり拳を振るう気持ち。それが大事なんでしょうな。
岳はいつだってそういう気持ちで立ち上がって勝利を掴んできたわけなのですから。

というわけで・・・最終回まであと2話となりました!!
むう・・・ついにカウントダウンが始まってしまったか。
まあ、話としては主人公と当初から設定されたラスボスとの決戦という流れなのだから終わるのは自然な話である。
大団円を迎えるといってもいいだろう。いやでも、岳がシャケに勝てるとはやはり考えにくいのであるが・・・?
ともかく、どのような完結を迎えるのか、楽しみにしながら読んでいきたいと思います。



Vol.156 マーキング  (2013年 18号)


全校生徒が注目する中シャケと岳の戦いは続く。
あのシャケに一撃でやられない。それだけでも岳の成長ぶりは見て取れる。
校庭にいる生徒たちもそのしぶとさに改めて驚愕している様子。

あいつからしつこさ取ったらバカとスケベしか残らねえからな

そ、そんなことは・・・そんなことは・・・ないよ?
そんなに言われるほどスケベではないと思いますしね。9割方はバカよりでございましょう。
まあ、卜部さんの感想はさておき、屋上のケンカはヒートアップ。
立ったまま面と向かっての殴り合い。性根を入れ替えた岳はシャケの拳を受けても吹き飛ばなくなっている。おぉ。
逆にくわえたタバコの先を吹き飛ばすほどに強力な一撃を見舞っている。これにはシャケも笑顔になろうってものだ。

まだだ。まだ倒れるわけにはいかねえ。
終わらせねえ。終わらせたくねえ・・・
やっと、本気のシャケと闘れてるってのに――――!!

満面の笑顔で渾身の一撃を叩き込んでくるシャケ。こらえきれず吹き飛ぶ岳。

クソッ。クソッ!!
もっともっと・・・伝えたりねえ。届けたりねえ。もっともっと殴り合いてえ・・・

そう強く願うが、それでも意識を繋ぎとめておくことは出来なかった。
屋上に倒れ伏し気絶する岳。うーむ、ここまでか・・・
倒れた岳の横を通り過ぎようとするシャケ。しかしその目の前を岳の振り上げた拳が行き過ぎる。
うーむ。強い思いが気絶してまでも攻撃を続けさせたのか。
油断していたタイミングだろうし、決まっていたらひょっとしたらいいダメージにはなっていたかもしれない。
まあ、それでも倒せたかというと無理だった気はしますが。

また、な

気絶した岳にそう告げ屋上の扉を開くシャケ。
扉の向こうにいたのはもちろんマリモである。
次はお前が俺に挑むか?とシャケは問うが、俺はまだまだだと返すマリモ。
ようやく1人でここまで来れたが、それでも岳やヒュウゴの言葉にいちいち揺り動かされているとのこと。
確かにね。なかなか確固たる信念を持てずにいる様子では頂点に立つのも厳しいものがあるでしょうさ。

――マリモは流されたりもまれたりしているうちに形が整えられるものだろう。
だったら揺り動かされた分、お前は成長しているはずだ

おっと。これはまたさらに揺り動かされそうな言葉が来ましたね。
なるほど。それが丸母タイジの成長の仕方ということでありましたか・・・
さすが同じ北海道の名産だけあってよくマリモのことを理解しているんですねシャケ。
そして屋上を降り、次なる名産のカニと話をすることとなる。

キリオ「その顔見ると、椎葉のワンちゃん。ナイスファイトだったみたいだね」
シャケ「・・・ああ。今は屋上で寝てる」
キリオ「犬はね、階段の途中で止まるのが苦手な生き物らしいよ。屋上に住みつかなきゃいいけどね

確かにそれは困りますな。
でもあそこで気絶したまま放っておかれた場合、下手したら数日そこで寝ている可能性もあるわけで・・・根付いてる!?

まあ、それはともかく。シャケは今日はこのまま帰る様子。廊下を歩き凱旋。
それを目撃した校舎内の九島の生徒たち、急ぎ教室に入り教科書を取り出す。
何?自分で書いてて信じられない文言が出てきたぞ。九島の生徒の机に教科書だと・・・!!?
しかも数学Iだ。算数じゃない。数学だ!!こ、このようなオーパーツが・・・!?

校舎内で激動の品が取り出されているのはともかく、シャケはそのまま歩いて校庭にやってくる。
まあ、そうなるか・・・と卜部さん。なんとも複雑な想いでありましょうな。勝っても負けても複雑だったでしょうが。
シャケが2つに分かれた人垣の間を歩き去る際、校舎からは紙吹雪が舞い降りて来る。
ほほう、これはやけに文字がいっぱい書かれた紙吹雪ですな。
や、野郎・・・教科書をちぎって紙吹雪にしやがった!!これが九島風教科書の使い方か!!
まあ、腐らせるよりは有効利用しているんじゃないかと思えなくもない。
うーむ、正直この発想はなかったな。教科書取り出した→紙吹雪にしましたなんて普通は考えつかねーよ!!

卜部「バカ犬。負けやがったか」
シロ「――いや。シャケが勝ったんだよ

ケンカはどちらが勝つかの戦いであるということかね。前回の岳の叫びにも似た考え方でありますな。
でも岳に感情移入しちゃうとそっち側の視点で語っちゃうのも仕方ないことかと。

紙吹雪を背に立ち去る勝者のシャケ。
一方敗れた岳は屋上で目を覚ます。お、思ったよりも早い目覚めですな。これなら住みつかれなくても済むか?
まあ、気絶したままならさすがにマリモが運び出すか。

――ここまで来たのに・・・まだまだ届かねえな・・・

倒れた状態でハタに手を伸ばす岳。すぐ側だがなかなか届かない。近くて遠い目標。目指し甲斐はあるといえなくはないが・・・
シャケという九島の歴史の中でもハンパじゃない障壁が立ちふさがってしまったのは幸か不幸か。

マリモ「・・・泣いているのか。岳」
岳「・・・ああ!?腕がダルくなっただけだ。バカ野郎」
マリモ「・・・そうか。屋上は自分の縄張りだとマーキングをしているのかと思った

涙でマーキングとは斬新でありますな。それでは匂いがつかないでしょうに。
だからといって本格的な方法でされても・・・その・・・困る。

ともかく、敗れ去った岳。なんとか楽しませることはできたけど、うーむやはりシャケという壁は高く厚い。
そんな状況で次回は激動の最終回であるという。
うーむ、どのような終わり方を見せてくれるのか・・・ちょっと予測がつきませんな。
激動というくらいだから、卒業記念にシャケが九島の校舎をパンチで動かすとかそういう話だろうか。まさに激動!!いやいや。
ま、何はともあれと、楽しみに待つこといたします。



Vol.157 もう1度  (2013年 19号)


岳が挑むも九島の頂点の座はなかなかに遠かった。
やがて時は進みシャケが卒業をしてしまった頃のこと。
当然のごとく岳たちは2年生となり、新入生を迎え入れる立場の人間となる。
ヒラオリは入学式を行うためにクラスまでやってくる。今年もクラス委員みたいな位置についているのだろうか。

何とお!?

教室に入ったら入学式の日だというのにいきなりの大乱闘。
鹿嵐が、デカヒュドラが、九島の連中が寄ってたかって暴れまわっている。
シャケがいなくなり超えるべき目標を失ったことで無法地帯と化している様子である。おやおや。

かくなる上はこの僕が九島の頂点に立って新たなシンボルとなり、
シャケ弁当からシャケが抜け落ちたかの如き空虚さを埋めてみせよう!!
チェストォオオオ!!

相変わらずの愛用バールを握りしめながら上手いことだかなんなのだかなセリフを言い放つヒラオリ。
まあ、卜部さんに蹴られて一撃で沈むわけでありますが。ぎゃふん!!

卜部さんによると岳はシャケが卒業してから学校に来ていないらしい。
そしてマリモもまた岳と同じく学校に来ていない。
シロとしてみればマリモに敗れた借りが残ったままだし、姿を見せなくなってしまったのは腹立たしいものがある。
というわけで、残った2人で争いを始めたりする。前に争った時は結局どっちが勝ったのですかね?

順番で行けばキリオが次の頂点に立つはずなのだが、キリオはそれを辞退。
「自分の力で勝ち取りもしないで頂点だなんてナンセンスだね」とのこと。まあ、らしいセリフだわな。
現在の神楽の頭である成瀬さんというライバルもいることだし、九島の頂点にはもう興味がないという感じでしょうか。

おかげで・・・

九島にやってきた新入生たちが見上げる屋上の風車。
そこにはまるで物干しざおのごとくいくつものハタが風を受けてはためいていた
頂点の定まらない乱世の状態を示している。といえば聞こえはいいが、さすがにこの状態は格好が悪い。
町外れからも見えるぐらいの存在感のある風車がこれでは何とも締まらないって話ですわな・・・

そういえばスバルは本当に九島に入ってきちゃったんですね。
色々と苦労することになりそうな気がするが・・・まあ、ガンバレ。

さて、学校に来なくなった2人のうちの1人、マリモ。
同じく学校に行ってないんじゃないのかと思える三田さんと行動を共にしている。三田さんホント普段何してんだろ。

お前はもう九島の頂点を目指さないのか?

三田さんのその問いに、シャケがもういないしなと返すマリモ。
その上もう1人の倒したい相手である岳も学校に来ない。エモノが両方ともいなくなってしまった今では拳の振りようもないという話だ。

1度はシャケに挑みたかった。逃がした魚は大きいとはよく言ったものだ

シャケだけに逃がした魚って話ですか。
そもそも挑もうともしてなかったのに逃がしたも何もないですわな。まるでシャケが逃げ去ったかのような言い方はよろしくない。
そりゃシャケとしても反論したくなりますわな。

というわけで、マリモの前にシャケ登場。何やら妙に困ったような顔をしているシャケであります。
どうしたのかと思ったら卒業後もずっと犬につきまとわれて迷惑しているらしい。

シャケェ!!勝ち逃げなんて許さねえぞ!勝負しろコラァ!!

どうやら岳は学校をサボってシャケを追い回しているらしい。
うーむ、本当にエモノと定めた相手に対してはとことんなまでのしつこさを見せてくれますなぁ、この狂犬。
マリモみたいに目標を見失ったとたそがれるような柄ではないということだろうが・・・
卒業したらもうケンカの世界から解放されるってのがこういう世界の定番だと思っていたのだが・・・
本当、岳は規格外だな。既知の外での行動をしやがる。

このままだと一生追い回されそうだ。何とかしろ。

さすがのシャケとしてもこの行為は想定外だったのか、普通に困っているように見える。マイッタネ。
なのでマリモは何とかする方法というのを考えてみる。

マリモ「俺がお前を倒してより上等なエモノだと証明する以外に方法が思いつかないが、それでも良いか?
シャケ「・・・いいだろう」

ようやく笑顔を見せるシャケ。
シャケとしてもあれだけ煽り立てたのにマリモと戦うことなく卒業したのは心残りだったのかもしれませんな。
まあ、その戦いは後のことになるかもしれない。今は暴れまわる犬を抑えるのが先決である。
笑顔のまま殴り合いを始める岳とマリモ。

岳「・・・どっちが上かもう1度ハッキリさせてやるぜ!!
マリモ「空腹だからな。俺もゆずれない

笑顔で見守るシャケの前で再び戦いを始める2人。
その結果がどうなったのかはわからない。
だが、その後の九島の風車にはマリモ(仮)というハタと椎バ岳という2枚のハタのみがはためいている状態となっている。
他のハタが外れているということは、この2人が2強として甲乙つけがたい状態で君臨しているということだろうか。
マリモの方が高いところにつけているし、(仮)という表記になっているのも気になる。
うーむ、なんだか余韻の残る最後のカットでありますな・・・

というわけで、3年以上に渡る連載となったシュガーレスも今回で最終回であります。
細川先生、お疲れ様でした。開始当初から読んできて感想を最後まで書き続けられたことは喜ばしく思います。
シャケや兼光さんがその後どんな人生を歩むのかなど気になる点は多いけど、それは想像で楽しむこととしましょう。
残った連中はまあ今まで通り騒がしく殴り合いしながら生きていくのは間違いないでしょうしね!!

細川先生は既に次回作を鋭意構想中とのこと。
色んなジャンルを描かれているだけに、楽しみであります。
細川雅巳先生の次回作に期待しております!!


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