×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

蒼天紳士チャンピオン作品別感想

ANGEL VOICE
第331話 〜 第356話


ANGEL VOICE感想目次に戻る   作品別INDEXに戻る   週刊少年チャンピオン感想TOPに戻る

 各巻感想

15巻 16巻 17巻  18巻 19巻 20巻
21巻 22巻 23巻  24巻 25巻 26巻  27巻 28巻 29巻
30巻 31巻 32巻  33巻 34巻 35巻  36巻 37巻 38巻  39巻 40巻


ANGEL VOICE 39巻


第340話 交代  (2014年 25号)


広能はもう限界です。交代させてください

ついに久住先生が動いた。
ふむ、足の疲労よりも体全体の疲労を見ての判断でありましょうか。
確かにそっちで倒れる方が危ない気がしますものねぇ。

しかし後半開始早々、伊能に攻め込まれる市蘭。
広能はマークにつきながら走る。走る走る。

4対4――残り約10分。積極的にいくでござる

古川も推奨する個人プレー。
その期待に応えるためにやってみせる伊能。外に追い込みたい脇坂さんの後ろを取り、中に入り込む。
そしてシュートコースが開いているのを確認してシュート・・・したが、これを広能が飛び込んで防ぐ。おお!!

見事なブロックを見せた広能。よく頑張った!!
クリアもしたことですし、交代にはいいタイミングである。
またもやフラついて倒れそうになっておりますしねぇ・・・
だけど、交代を指示されると広能は泣きそうな顔でこう叫ぶ。代えないでください!!と。

オレは・・・下がるわけにはいかないんです。
頑張ることだけが・・・オレの取り柄なんです

それはマイちゃんの手紙にも記されていたことである。
マイちゃんとして部活後に行う乾と広能、3人でのコソ練が非常に楽しいものであった。
そんな広能に向けた手紙。そこには頑張れば何だってできる。そう思わせてくれたのも広能くんなんだから、とあった。

私がサッカー部に入った頃、広能くんは周りのみんなより少し出遅れてました。
でもその後、努力を重ねて追いついたでしょ?
いつの間にかフリーキックをゴールバーに当てられるくらい上手くなったじゃない。
あの願掛けのキック。嬉しかったよ。
広能くんは私にとって「やればできる」「頑張ればできる」のお手本です

このマイちゃんの手紙もあり、広能はとにかく頑張って走ろうとしている。
粘り強くゴールを守る。それを期待しているマイちゃんに応えてあげたい。だから・・・

だからっ・・・代えないでください!!

まだ走れます。走れるんですと涙ながらに訴える広能。
その迫力に押される黒木監督。だが・・・久住先生は折れない。
本当に危険な状態になった選手を手遅れになる前に交代させる。それが今自分に課せられた役目なのだと理解しているのだ。

その久住先生の意志を読み取り、黒木監督は広能に交代を促す。
そして乾も広能に駆け寄り、よくやった、先に休めと声をかける。
乾のその言葉か、抱きしめられたことで緊張感が切れたのか・・・膝から崩れ落ちる広能。
どうやら脱水症の症状が出ているようだ。こりゃ危ない。
歩いて出るのも危険な状態だ。なので担架で運び出される広能。
悔しくて涙が止まらないようだが・・・今はその涙はとっておいてもらいたいものである。

審判はここで試合を中断――給水のためインターバルを取る。
両チームにとって――かつてない過酷な試合となった

やはり休憩なしで延長後半突入というのは厳しいですねぇ。
そこで休憩を取れていれば広能ももう少し頑張れたかもしれないのに。
でも、広能が頑張ってくれたからこそ、今休憩の時間を取ることが出来るという考えもある。
わずかな休みかもしれないが、ここで少しでも回復を図りたいところです。



第341話 千葉代表  (2014年 26号)


広能が倒れたため、試合を中断しての給水タイム。
さすがに高校生が試合中にバタバタ倒れたとかになるとシャレにならないですしねぇ。これは止む無し。

天城が言うには、他のチームを圧倒する運動量が市蘭の売りとのこと。

だからあいつらは・・・オレが知る限りどんなチームより真剣に水分の取り方をトレーニングしてきた。
その市蘭の中から脱水症で倒れるやつが出るんだからな

キツイ試合であるということは否が応でも分かる。
だが、それでももう試合は延長後半。残り8分である。
この休憩により最後まで走るだけの力は取り戻せた・・・かな?

選手を送り出す黒木監督は思う。

オレは、お前たちは船学に勝るものを持っていると思っている。
それはお互いがお互いをよく知ってるということ
高畑がまとめてくれたこのチームは部員数が少ないこともあって常に同じ仲間と戦ってきた。
お互いの考え方や閃きを共有してきたんだ。
成田――お前は知っている。乾がどこにパスを出すか。
脇坂――お前は知っている。今この瞬間、所沢がどこにポジションを取っているかを。
そして百瀬――お前は知っている。チームの1人1人がどういう気持ちでピッチに立っているかを。
これだけ個性が強いやつらが集まったのに、チームワークでは間違いなく船学を上回っているんだ!!

それもまた市蘭の強みでありますな。
選手が少なく控えも少ない。しかしそれによって出来上がったチームワークは凄いものがある。
交代で入った丹羽もまた、広能の魂を受け継いでいると述べ、その分の頑張りを見せている。おぉ。

丹羽の言葉も良いが、伊能の「やるなぁコイツも」という言葉がいいですな。
もということは広能も認められているってことですな。
船学の未来のエースかもしれない男に認められるとは・・・広能も成長したものだ。

さあ、丹羽の活躍で船学の攻撃を防いだ。反撃の時間だ!!

所沢から二宮さん。そこから百瀬、乾と繋いでゴールに突進。
このまま成田に・・・と思わせて、左から入ってくる尾上へとパスが渡る。母親も見守っているぞテルヒサ!!
そして尾上はダイレクトで成田にパスを出す・・・が、ここは間に入られクリアされてしまいました。惜しい。

いいぞ市蘭!!クリアはされたがどんどんいい形が作れるようになってきてる!!

観客の中でそのような声を上げる者がいる。
本来は船学の応援に来たはずなのに、思わず市蘭の応援をしてしまっている。
いや・・・今の想いはまさにどっちもガンバレといった感じでありましょうか。

どっちが勝っても胸張って言えんだろ。「こいつらが千葉の代表なんだ」――って

ふむ。ようやく市蘭も観客たちに認められた感じがありますね。
そしてこの試合そのものが素晴らしいものであると認められたわけでありますね。嬉しいことである。

観客の応援に熱が入り、試合の方も攻防が目まぐるしく入れ替わる。
しかし両チームとも決定機が作れない。
いつしか時間は経過し・・・残りは2分。もういくらもチャンスを作れる時間はない。

どっちが取っても・・・次の1点が決勝点!!

その認識が両チームの脳裏をかすめる。
さてさて、本当に決勝点となるのか・・・それは試合終了まで分かりませんなぁ。
それにどちらも点を入れることが出来ずPKという可能性も捨てきれない。
けれどもここはPKではなくしっかり時間内で決めてほしい所でありますが・・・どうなりますかなぁ。



第342話 最後の壁  (2014年 27号)


延長戦終了まで残り2分。
次の一点が決勝点となる可能性は高く、攻撃の仕方に決断が迫られる。
負けないことを重視し、守りを固めてPK戦に賭けるか、それとも・・・

決断を迫られる古川。しかしこのタイミングで応援席に掲げられるのは巨大なPRIDE ONEの幕。
船学の持つ王者の誇り。それは応援する者たちも常に胸に抱き続けているものである。となれば――

我らは船和学院。相手を踏み潰して勝利を掴み取ってきたでござる。
これまでも・・・そしてこれからも

やはりこの2分で点を取ることに決めた様子の船学。
PKのことは考えず、攻めの姿勢でやってくる。
取られたら終わりのこの場面。ディフェンスはいくら集中してもし足りることはない。
いや、集中力もそうだが・・・やはり体力が厳しいか。
乾が振り切られ、二宮さんも走る船学の選手に追いつけない。

延長から入ったフレッシュなやつらとの差が、はっきり出てきたのぉ。

いくらスタミナがとびぬけている市蘭とはいえ、全力で走り続けることができるわけではない。
逆に言うならば、その全力で走り続けることをしたからこそ今こうして船学と互角に戦えているわけだ。
もう1、2人控えの選手がいればと思わなくはないが・・・もはや詮無きことですな。

こうなってしまってはもう作戦も何もない。頑張るしかない。とにかく頑張るしかない。
見守る応援団もガンバレと声を掛けるしかない。OBである間宮先生であってもそれは同じである。

キミたちは今まで不可能と思われる試練を乗り越えてきたんじゃないか。
これが最後の壁だ!!力を合わせて巨大な壁を乗り越えろ!!

試練を課した本人とツッコミを受けておりますが、まあだからこそ分かるものもあるってことなんでしょう。一応フォロー。

ガンバレっ!!・・・自慢の後輩たちよ!!ガンバレー!!

声の限りに叫ぶ間宮先生。
その間にも市蘭はピンチの状態。左サイドを持ってあがられ、中に入ってくるのはユゥエル。
セットプレーじゃないから成田はいない。DF陣だけでユゥエルの高さに対抗しないといけないのだが・・・
ここで万代さんがユゥエルの上を行って見せる!!おぉ・・・
もちろん脇坂さんが目一杯寄せて跳ぶのを邪魔したというのもありますが・・・見事なものだ!!

限界が来ているのは市蘭だけではござらぬな

うむ。万代さんも見事だが、やはりユゥエルの疲労も相当なものがあるか。
走るだけでも辛いのに、ユゥエルは何回も跳んでおりますからねぇ。足への疲労は相当大きいでしょう。

どうにか船学の攻撃を凌いだ市蘭。
と思いきや、クリアボールを拾われ再度の攻撃に晒される。守り抜けぇー!!

伊能→ユゥエル→古川→伊能とパスが通り、ゴール前まで寄せてくる伊能。
もはや船学のベンチでも伊能が決めることに不服を述べる人はおりますまい。何としても決めろ!!と願っている。
角度的に危ういが、打たせるわけにはいかないと足を出す脇坂さん。
脚に引っかけたらPKもあるか・・・と思いきや、伊能はここで横に出す。走り込んできたのは・・・古川!!

やはり最後の最後で出てくるのはこの男か。
古川のこのシュートは果たして決まるのか・・・!?
うーむ、どちらとも考えられるヒキだ。なんとか所沢に防いでもらいたいところでありますが・・・うーむ。



第343話 地力の差!?  (2014年 28号)


終了間際。攻め込まれた市蘭。
そして・・・決定的な失点を許してしまう。ああ・・・!!
うーむ、ここで確実に決めてくるあたりがさすがの古川と言ったところか。

プライド・ワンの旗の下、王者の意地。王者の誇りを見せつけた船学。
選手たちもいつになく盛大な喜び方をしています。
伊能もしっかり歓喜の輪の中に入ってますし、いい雰囲気になってますなぁ。
それだけこの勝ち越しは嬉しかったということなんでしょう。
あの船学がそこまで追い込まれた。それは凄いことではあるのだが・・・ここで終わってしまうのか市蘭。

市蘭も健闘したけど、最後は地力の差が出たなぁ

健闘した。けれでも届かなかった。
何度も挑み、果たせなかった打倒船学。八津野にいた天城にはよく分かる感覚である。
ここで終わってしまうのならまさしく八津野と同じになってしまうわけだが・・・

残り時間は何と23秒
延長戦という事もありロスタイムはほとんどない。
広能が倒れて水分補給の時間はあったが、あの間はさすがに時計を止めてたでしょうしねぇ。

この残り時間ではもうほとんど何もできない。
市蘭の最後の攻撃が途切れた時が終了となるだろう。
当然船学はガッツリ引いて守ってくる。その守りをこじ開けて同点にすることができるのかどうか・・・
普通なら諦めてもおかしくない場面。しかしここでヒロナオさんはこう述べる。

百瀬が引っ張ってるチームだぞ。百瀬は・・・諦め方を知らない

さすが、ヒロナオさんは百瀬の凄さをよく知っている。
その決して諦めない姿勢が市蘭サッカー部を守り、ここまで引っ張ってこられる原動力となったわけだ。
だからこの場面も決して諦めることはない。残り20秒で引いて守る船学から1点取る!!

上等!!

百瀬に限らず、市蘭イレブンは誰一人として諦めてはいない。
リスタートしたと同時に全員が攻撃に参加する。
キーパーである所沢すらもゴールマウスを空けて最前線へと飛び出していく!!まさに全員攻撃だ!!
このすさまじい勢いの攻撃。これを目の当たりにした古川は試合前の会話を思い出す。
うちにはうちの旗がある。そう百瀬は言っていた。そう、その旗に書かれていた言葉は・・・疾風怒濤!!

皆が見守る中、最後の攻めを行う市蘭。ここで疾風怒濤の回収が来るとは・・・!!
その勢いに乗って何とか追いついていただきたいものでありますが・・・どうなりますか。



第344話 20秒の死闘  (2014年 29号)


正真正銘、最後の攻防!!!
延長後半残り20秒を切り、市蘭は最後の反撃に出る。

市立蘭山の陣地には――誰一人残っていません!!

キーパーの所沢すら攻撃に参加している状態。
どの道、船学にボールが渡ったらそれで終わりですからねぇ。
ゴールを狙うまでもなく、外に大きく蹴り出すだけでも終了とされる可能性は高い。
見守る天城たちとしてもこの最後の攻撃は息詰まるものがありましょうな。

時間がねえ!!チマチマ組み立てる余裕はねえぞ。
どんどん打っていけ。コースを狙いすぎるなよ。ボールを外に出したらキープされて終わるぞ。
強めに蹴れ!!弾いたルーズボールを誰かが押し込めばいいんだ。

全員攻撃であるだけに、こぼれ球を市蘭が拾える可能性は高い。
何にしてもシュートを打たなければ得点のチャンスは絶対にないわけですし、どんどん打っていくしかない!!

まずは乾のシュート。もう少し右にずれていればであるが、惜しくもキーパーに弾かれる。
そこを詰める成田。さすがに速い!!
が、シュートコースに船学DFが入り、体に当たってこぼれ球となる。
それを拾うのは二宮さん。シュートには行けず、百瀬へと渡す。むむむ・・・

最後の攻防を、ようやく泣き止んだルカさんが鼻の赤いまま見守っている。

頑張りましたなんて報告はいらねえからな――結果だけ持って来い。
男だろうが!!!最高の結果をマイのところに持って来い!!!

ルカさんの激を受けながら百瀬のシュート。しかし、これも密集しているディフェンダーに阻まれる。むう・・・
ならばと今度は街の不良たちが。マイちゃんを慕うこととなった彼らが激を飛ばす。

ガンバレ・・・万代!!ガンバレ二宮!!ガンバレ脇坂!!
おめえらは、おれたち半端物の星なんだ。
いつも好き勝手にオレたちをボコって来たんだろーが!!たまにはこっちの期待に応えろ!!

いい声援だ。しかしそれでもゴールは割れず、伊能がクリアをする。当然ながら船学も全員守備になってますな。
だがクリアボールは外に向けて蹴れず、インフィールドで所沢が拾う。
慣れないフィールドでのプレイだが、しっかりと山守に繋ぎ、山守がロングボールを放り込む。
高く上がったボールだが、成田には合わず、船学DFのヘッドで落とされる。
しかし、そのボールは水内さんの正面に。そして水内さんが頭で直接尾上の前へと落とす!!

審判が今にも笛を吹こうと構えたそのタイミング。
尾上の前には敵がキーパーを含めて5人。横にも1人ついている。
この密集地帯を抜くことができるのか!?強く蹴ればひょっとしたら間を抜けるかもしれないが・・・
いやもうここは抜くしかありますまい。伊能のように横に流しているだけの時間もない。

決めろテルヒサー!!

ミドルシュートの使い手であり、強いキック力を持っていそうな尾上。
期待は持てる・・・いや、ここはもう期待するしかない!!決めろ!!



第345話 1年前と今  (2014年 30号)


最後の最後。ゴール前の混戦でこぼれたボールは尾上の前に。

決めろー!!!

相手は多い。横から妨害してくる船学の選手もいる。
しかし尾上はしっかりその隙間を縫うようにして強烈なシュートを放つ。
さすがにミドルシュートを得意とするだけあり、正確さには定評があるようですな。

しかし、そのシュートは船学のキーパー牧瀬の左腕を直撃し、方向が逸れる。
逸れたボールはゴールバーを直撃。ゴール前へと落下。
そしてそのボールの前にいたのは成田、百瀬、二宮の三名。
三名は譲り合いをするようなこともなく・・・全員一斉に頭から飛び込み・・・自分の体ごとボールを押し込む!!

見守る人々が――声もなく、そのゴールを見届けている。
間違いなく・・・この土壇場で同点のゴールが決まったのだ。
そしてそのゴールシーンは昔の船学戦を思い起こさせる。

1年前――古川のループシュートを追いかけてゴールに突っ込んだ時。観客は皆お前たちを笑った。
今っ――あの頃と何ら変わらないお前たちのひたむきなプレーに2万人が震えているぞ!

この過去の試合との対比の上手さが凄い。
確かにあの時のひたむきな姿勢を思い起こさせられます。
例え見た目が悪かろうと、その姿勢こそが胸を打つのだと思い至らせてくれる。そりゃ天城も涙するさ。

ゴール前の混戦。捨て身の勢いで見事に追いついて見せた市蘭。
ギリギリで延長にもつれ込まれた時とは逆になりましたな。
勝ちを決めきれなかった船学。これは悔しさが残る結果となりましょう。すぐに切り替えられるかどうか・・・

というわけで、延長後半も終了!!
全国高校サッカー選手権千葉県予選決勝。船和学院対市立蘭山は――延長戦を終えて5対5の同点。
勝負の行方はPK戦にもつれ込みましたぁ!!

ついにPK戦にまでなってしまいました。
運の部分も大きく、敗れるとスッキリしない感じが残ると言われるPK戦ですがどうなりますか・・・
PK恐怖症になりつつある成田。5人目の百瀬はもとより、それぞれにドラマがありそうな感じはします。
上手く描写されることを期待したい。



第346話 決断  (2014年 31号)


延長の前後半を終えても決着はつかず、勝負はPK戦に。
PK戦は運の要素も大きいと前に書いたが、さっそくそれは天城に否定されてしまいました。

運なんかじゃねぇ!!PK戦は気合と根性!!
気合がプレッシャーを吹き飛ばし、根性が集中力を高める。
だから・・・だからあいつらが勝つんだよ!

なるほど。何だか説得力を感じますな。
そして天城の市蘭への想いが痛いほど感じられますなぁ。

さて、最後まで走りぬいた市蘭イレブン。
もう走る必要はない。が、まだPKのためにその脚を用いる必要はある。
何とか最後まで持たせた二宮さんであるが、いよいよ痙攣が酷くなってきた様子。おやおや。
そのことを知ってか知らずか、黒木監督はPKを蹴る順番を若干変更する。
ふむ。このタイミングでの変更が有りならば、順番を頭の5人から外してもらった方が良さそうですな。

でもっ・・・ここでPKを決めることが最後に高畑にしてやれることなんだ

悩む二宮さん。ふむ・・・難しい所ですな。
順番に若干の変更はあると言ったが、頭の3人は変わらない。
1番目に乾、2番目に尾上と来て3番目は二宮さん。
悩みながらも3番手を承諾する二宮さん。それを受けての4番目は・・・百瀬!ほう?

今まで5人目を任されていた百瀬を4人目に・・・?

ということは、自然と・・・5番目は成田ということになる。
PK戦は1人目と5人目に大きなポプレッシャーがかかると言うが、大役を成田に回してきましたか。
確かにあの関東大会予選の習実戦でPKを止められて以来、他の誰よりも真剣にPK練習に打ち込んできたわけですからねぇ。
今この大舞台でこそ、その練習の成果を見せる時でありましょう。

そのように話が進んだところで、ようやく意を決する二宮さん。
自分は足がダメなので後に回してくれと頼む。ほほう。

最後に高畑にしてやれることは・・・一番いい選択肢を選ぶこと・・・だよな

確かにシュートを決めることができれば一番いいのかもしれないが、これで外したりしたら目も当てられない。
勝つために仲間を信じ、最適の選択を行う。これも大事なことであります。
二宮さんらしい、我慢をしての決断。マイちゃんも納得してくれることでありましょう。

というわけで、二宮さんの代わりに脇坂さんが2人目として蹴ることとなりました。さてさてどうなりますか。

船学の選手がピッチに出てきた。いよいよPK戦の始まりです。
その前に、黒木監督は最後の激を飛ばす。

止められても所沢が止め返してくれる!!
外しても後に控えた者が取り返してくれる!!
仲間を信じ、勇気を持って蹴ってこい!!

よい激でありますな。
大切なのは気合と根性。それに勇気と信頼も合わせれば・・・怖くはない筈だ!!
その意識で持って、まずは運命の順番決め。
先攻が圧倒的に有利と言われるPK戦。大事な順番決めである。
が・・・百瀬はどうやらこの手の運は持ち合わせていなかった様子。うーん、百瀬らしいっちゃ百瀬らしい。

先攻は船学。しかも最初に蹴るのは古川。
先攻が有利であるが、先に止められた場合、その有利は一瞬にして吹き飛ぶ。
逆に後攻の市蘭有利となるわけであるが・・・古川が出てきたのではさすがに難しいかなぁ。
当然船学も一人目が大事だと分かっているということか。
古川は仕方がないにしても、伊能やユゥエル以外の誰かのタイミングで所沢に止めていただきたいものであります。



第347話 プレッシャー  (2014年 32号)


勝負を決するPK戦。
それが始まる前にこの男がピッチに現れる。
担架で運ばれたはずの広能が戻って来たぞー!!

メディカルルームでも観戦は出来る。
だけど、間近で応援することで仲間たちに力を与えることが出来る。これこそが大事である。
無茶をしてでもパワーを与えるためにやってきてくれた広能。まさに一丸となってPKに挑むことが出来そうですな。

さて、最初のシュートは古川。
先攻有利とはいえ、その最初の自分が外したらというプレッシャーは確実にあるはずである。
が、あの終了間際のフリーキックも決めて見せた古川である。
こういう緊張を抑え込むだけの精神力は備わっておりますわなぁ・・・

こっちに有利な材料があるとすれば、うちは前の大会でPK戦を経験しているということ
それに対し船学は、過去1年以上公式戦でPK戦をやっていない。
船学は試合時間内に勝利を確定するという強さゆえに、PK戦の経験がほとんどないということ。

なるほど。決定力があるための隙ってわけですな。
PK戦は1人1人が大事になりますし、プレッシャーに負ける人が船学にもいるかもしれない。
今はどうか分からないが、少し前の伊能とかプレッシャーに潰れそうでしたしねぇ。
とはいえ、市蘭にもPKで蹴った経験のない者もいる。脇坂さんだ。

クッソ・・・もう心臓がバクついてやがる

二宮さんの代わりならば3番目のはずなのだが2番目となった脇坂さん。
それは2番目の方がまだプレッシャーが小さいからである。であるにも関わらずこの緊張。
もしも1番目の乾が決められなかったとしたら・・・どうなってしまうのやら。
所沢も、脇坂さんの前に蹴る2人のうちどちらか1人を止めて楽にさせてあげたいと考える。ふむ・・・

ところでこんなことを考えている百瀬も前の大会では蹴っていないんですよね。
まあ百瀬なら大丈夫でしょうと誰もが思っているってことかなぁ。

さあ、船和学院。最初のキックは古川。
このシュートは・・・見事にゴールに吸い込まれる。
うーむ、所沢も跳んだ方向はあっていたんだがなぁ・・・勘はいいのだがあと一歩が足りない。
まあ、古川は仕方がない。次に期待しましょう。

さて、市蘭の最初のキッカーはもちろんこの人、乾清春。
乾の動きを見て、お前でもやっぱり緊張するのか?と考える脇坂さん。しないはずはないですわな。
けど、その緊張を・・・プレッシャーを跳ね除けるのが凄い所であります。

どうやってそのプレッシャーに勝ってんだよ?教えてくれよ

脇坂さんは成長著しいけど、やっぱりメンタル面では弱さ・・・というか、普通さが見えるんですな。
でもそこから吹っ切っての強さがあるのも脇坂さんである。ここは頑張っていただきたい。

さて、乾には相手の動きを見てとっさに蹴るコースを変える技術がある。
となればキーパーはうかつに動けない。先に動いたら負ける!!
そう考え、ギリギリまで動かずにいるキーパー。
さてさて絶対に外せないこのキックはどのような結果を出すのか・・・怖いですなぁ。実に怖い。



第348話 役割と責任  (2014年 33号)


PK戦、後攻の市蘭。1番手は乾。プレッシャーが大きい中で放つシュートは・・・?

クソ・・・古川も乾も・・・自分に自信があるからプレッシャーなんか関係ねえってことか。
やっぱ・・・すげえなあ

乾が見事にゴールを決めたのを見てそう考える脇坂さん。
うーむ、やっぱり乾はさすがである。
キーパーも動くのをギリギリまで我慢したのに、それでも動きを見て逆に蹴ったという。
そんなに直前になっても蹴る方向をコントロールでき、しかも枠に入れられる。こりゃどうにもなりませんわなぁ。

・・・だがこの後、市蘭のキッカーは乾に比べて数段落ちる。絶対・・・止める!!

お互い2人目以降が勝負といった感じでありますな。
というわけで、続いて船学の2人目。蹴るのはボランチの加藤。
この後は脇坂さんが蹴ることになる。その脇坂さんに声をかけるのは二宮さん。

脇坂。プレッシャーをかける気はねえ・・・ねえけど・・・決めてくれ

どうにも言わずにはいられなかった様子の二宮さんであります。
さすがにこの責任重大なPKを進んで蹴りたいと思ったわけではない。
だけど、本来ならば最初に蹴る5人の中に入っていた二宮さん。

入ってたからには自分の役割と責任を全部果たしてから試合を終えたかった
それができなかったのが・・・悔しいんだ。

悔しいとは思う。でもチームの勝利のために、下がる決断をした二宮さん。
正しい判断だとは思いますが・・・やっぱり悔しく思うのは止められないようですなぁ・・・

さて、船学の2人目であるが・・・これも決まってしまいます。
今回も所沢の跳ぶ方向は合っていた。
その辺りの判断力に関しては八津野の皆川よりも上ではないかと述べる天城。
あの乾のPKをも止めた皆川より上ならば、それは相当なものである。この後に期待したい。

さあ、いよいよ緊張の脇坂さんの出番である。

二宮。おめえの分も合わせて決めてくるからよ。ぜってぇ決めてくるからよ

緊張は消えないが、やる気は漲った様子の脇坂さん。
役割と責任を果たす。これは今までも脇坂さんが行ってきたことであります。
今回もそれを果たす。それだけを意識すれば・・・やれないことはない!!
思い切って・・・蹴る!!

ボールは枠に入っている様子。だが・・・キーパーに弾かれる!!
と思いきや、そのボールの勢いは止められず・・・ず・・・ど・・・どうなった!?

そのままゴールに吸い込まれたのか?軌道が変わって枠から出てしまったのか?どっちだ!?
ううむ・・・もうこれは祈るしかありませんなぁ。決まってくれ・・・!!



ANGEL VOICE 40巻


第349話 願い!!  (2014年 34号)


脇坂さんのシュートが弾かれた。
この角度は・・・外れ・・・るのかと思ったが・・・ギリギリ入ったぁー!!
危ない危ない・・・息が詰まるかと思うような緊張の2人目でしたわ。

喜び勇んで戻ってくる脇坂さん。
であるが、仲間からは真っ直ぐ戻ってくるんじゃねえと怒られる。

なるほど。運良く決まったのであるし、そのラッキーをキーパーの所沢に分けてやれという話でありますか。
決めるのも大事であるが、勝つためにはどこかで止めてもらわなければいけない。
それか相手が外すのに期待するか。どちらにしろラッキーは少しでも欲しい所だ。

というわけで、所沢にラッキーを渡して戻ってくる脇坂さん。勢いよく二宮さんと抱きあう。りゃあぁっ!!

サンキュー。少し気持ちが楽になった・・・マジで・・・サンキュー。

お礼を述べる二宮さん。いやあ良かった良かった。
さあ、この勢いに乗ってどうにか止めたい所沢。船学3人目、伊能の登場である。ここで伊能か・・・

あの人に追いつくにはよ、こんなところじゃ止まれねえんだ

すっかり謙虚になった伊能。
それ故か、緊張に潰されることもなく素直な気持ちで放たれたシュートは・・・所沢の手を擦りぬけてゴールへと吸い込まれる。
うーむ、後一歩なのだがなぁ・・・なかなか。

さあ、市蘭の3人目は尾上。
前のPK戦では大きく外してしまったが・・・母親も見ていることだし、ここはきっちり決めて欲しい。
という想いを抱いていたら次のページでいきなり決める尾上。おぉ・・・さすがだけどこの流れはちょっと驚いたぜ!!

両校一歩も譲らない。船学が決めれば市蘭がすぐに追いつく。
まるで試合の再現を見ているかのようである。
さあ、これで残るは2人。いや、5人で決まると限ったわけではないが・・・

船学4人目はJリーグ入りが決まっている柏原。
となると5人目に蹴るのはユゥエルでありましょう。
ユゥエルを止めるのが難しいとなれば、ここは止めておきたい所沢。
正念場でありますが、さてはてどうなるか・・・
見ている方も緊張するこのPK戦。ページをめくるだけでも息を呑んでしまいますわ。



第350話 キャプテンマーク  (2014年 35号)


緊迫のPK戦は両校とも3人目まで全員決め、今は4人目に突入しようとしている。
船学のキッカーは柏原。
5人目はユゥエルが来るだろうし、ここで何とか止めたい所沢である。
古川も所沢の勘の良さは警戒している様子だが・・・さてどうなりますか。

両校の観客も祈るしかないこの場面。
柏原のシュートに、これまた方向を合わせて跳ぶ所沢。
その指がボールに触れる・・・が・・・弾くことまではできませんでした。
惜しい所でしたがゴールを許してしまう所沢。うーむ、なかなかあと一歩が届かない。

いい方に考えよう。当たっている・・・今日のオレは・・・当たっている

あと一歩が届かない。落ち込みそうな状況だが、ここはポジティブに考えようとする所沢。
まだまだリードを許しているわけでもないですしね。気持ちは負けずにいないとですな。

さあ、市蘭の4人目はキャプテンである百瀬。
いかな百瀬であろうと、この場面で緊張しないはずはないと思うが・・・?
見守る仲間はもとより、離れたところでテレビ越しに観戦している者たちですら緊張する場面である。
もっと言うなら読者ですら緊張を覚える場面である。だけど。だというのに・・・

不思議だろ?高畑。
もっと緊張したりプレッシャーがかかるのかと思ってたけど・・・案外そうでもないんだ
・・・このキャプテンマークのおかげかな。
合宿の前、みんなで名前を書き込んだこのキャプテンマークはいつもオレに力と勇気をくれた。
力強く、心強い仲間が支えてくれているんだから。お前はひたすら全力でプレーしろ――って。

そう思いながら、危なげなくシュートを決める百瀬。おぉう・・・

みんなに・・・ありがとうって言わなきゃね

爽やかにやってくれる百瀬。
うーむ、やっぱりこの男は一味違う。
仲間の信頼は力となるが、時にはプレッシャーとなり重荷となることもあり得る。
しかし百瀬はその想いを全て力と変えてしまっているかのように思える。
この大きさ・・・やはり市蘭のキャプテンは違うなぁ・・・さすがにヒロナオさんが認めた男。

こうして勝負は5人目にまでもつれ込みました。
さて、この5人目で勝負はつくのか?そのままサドンデスにもつれ込むのか?
もつれ込んだ場合、二宮さんや広能が蹴る可能性はあるのか?気になるところです。



第351話 5人目・・・!!  (2014年 36+37号)


百瀬が落ち着いて決めてくれた。これで両校失敗なしのまま5人目突入。
船学の5人目はやはりこの人、ユゥエル・カールソン。
絶対王者が誇るストライカー。そのシュートの鋭さは所沢ですら反応できない時があったほどだ。
さてさて、どうなりますか・・・

ここから・・・事実上のサドンデス!!

先行の船学が外せば市蘭は圧倒的有利。
逆に船学が決めた状態で市蘭が外せばそこで試合終了となる。
プレッシャー的なことを考えればやはり先行有利なことは変わりませんな。

5人目のユゥエルと成田。この2人はどちらも決めておかしくない。
けれども、6人目以降となると目に見えてキックの精度が落ちることとなる市蘭。
それに対し、6人目以降も安定している船学。サドンデスはなるべく避けたいところだ。

全員が所沢に止めてくれと願う。
そんな中、後輩からマイちゃんへの願い。所沢先輩に力を貸してあげてくださいとの願いが飛び出す。
思わずといった感じでありましょうがそれを止める広能。これ以上高畑さんを働かせるんじゃねぇ!!と。
うーむ。さすがに広能でありますな。マイちゃんとしては応援したいところでありましょうが・・・ふむむ。

この流れで所沢への手紙。
が来るかと思いきや、集中するために省略される。
これは広能の叫びに共感した部分もあるということでしょうかね。後でもいいので内容を知りたいところだ。

さて、ボールをセットするユゥエル。
そして後ろに下がるのだが・・・ボールの真後ろに位置する。ほほう・・・

ボールを蹴り出す方向の真っ直ぐ後ろから入るのはインサイドキックの助走のし方じゃが、
ここまでに蹴った4本のキック・・・すべて同じ方向に跳んでいるヒサシにそんな緩いキックをしてくるとは思えん。

そのように分析する関根さん。
もちろん所沢もそれには気付いている。おそらくユゥエルのシュートはインステップキック
足の甲で蹴る、最も強い威力の出るシュートである。
普通の選手は蹴り出す方向のやや斜め後ろからボールに入るが、ユゥエルはインステップの際、真後ろから入るのだそうな。ほう。

同じ方向に跳ばれたなら・・・ボールに触られたなら・・・
その触った手を弾き飛ばせばいい

方向が合うのであれば、それを越えるパワーで貫けばいいと。
技術もあるが、そこにパワーを乗せてくるユゥエル。これは恐ろしい。
とはいえ、所沢も技術とパワー両方を持ち合わせた選手である。どうなるかは分からない。

世界中で探してもほとんどいないというこの蹴り方。
PKでやられるとなかなか大変でありますな。
しかしそれに気付く所沢も大したものである。その観察力の高さがこの場面で活かせるか・・・!!

強いキックの場合、動き出しが遅れたキーパーに当たる可能性があるから真ん中はない!!
右左・・・どっちだ!?
普通に考えたら巻き込むように蹴るのが一番蹴りやすい。その場合おれの右に来る。
だがあの人はアウトにかけて蹴るのが上手い。右左・・・どっちだ!?

ここで思い出すのが去年初めて船学と対戦した時のこと。
1点目を決められた時のユゥエルのシュートはインステップ。アウトにかけていた。
そのことを思い出し・・・意を決して左に跳ぶ所沢。
まずそれは正解!!2択には勝利した!!
そしてボールに追いつくことも出来た。バチッと盛大な音を立てて防ごうとする。
後は・・・威力を殺すことが出来るかどうかだ!!

ユゥエルのパワーと所沢のパワー。
両手できっちり触れているし、押さえることはできそうであるが・・・果たして!?



第352話 掴み取れ!!  (2014年 38号)


ユゥエルの渾身のキックに飛びつく所沢。
追いつくことは出来た。後はこのボールを押し込まれないように出来るかどうか。どうか・・・!!

止めたー!!!

両手でしっかりとブロックした結果、ユゥエルのパワーであっても破れない壁となることが出来たようだ。
おぉ・・・ここで止めてくれたのは非常に、非常に大きい!!
思わず黒木監督も強く拳を握りしめてしまうほどである。というか目を見開き過ぎだ。

観客も選手も大歓声の市蘭。
対照的に静まり返るのは船学。
常勝の船学だけに予選敗退が決まりそうでショックなのは分かるが、未だに市蘭なんかとか言われるのは納得いきませんなぁ。

とはいえ、まだ勝負が終わったわけではない。
気落ちはすれども、まだ可能性はある。それを示すために古川はみんなと肩を組み、キーパーへと激励の気持ちを送ろうとする。

止めてくれっ!!牧瀬!!

船学としてももう後は祈るしかない状態。
しかしここで市蘭の5人目は後ろに回った成田である。
成田が決めればその瞬間、市蘭の勝利。3年連続選手権制覇を果たした船学が消えることとなる。
これは全国的にも注目が集まりそうな場面ですなぁ。

成田。習実戦でPKを止められて以来、お前は誰よりも真剣に、誰よりも時間をかけてPKの練習を続けてきた。
すべては積み重ねなんだ
・・・そう――PKの練習に限らず、すべては積み重ね。
それに相応しい準備をしてきた者が勝利を掴み取る!!
船学が怠ったのではない。お前たちが船学を上回ったんだ
決めろっ!!成田!!

さすがに黒木監督はいいことを言う。こういった積み重ねこそが何よりも大切でありますわなぁ。
今までの市蘭の頑張りを見てきたからこそ、この言葉が染み渡る。

さて、成田。所沢と抱きあい、運をもらい・・・ボールをセットする。
いよいよ勝負がつく瞬間がやってくるのか・・・!?
さすがにここで成田が決められないってことはない・・・と思いたいが・・・どうなるか。決めて欲しい!



第353話 願いを・・・  (2014年 39号)


船和学院は5人目のユゥエルが止められて苦しくなった。
逆に市蘭は5人目の成田が決めれば勝利が決まる。
ここで止められるとキックの精度がどんどん下がる市蘭は厳しいこととなる。何とか決めてもらいたい。

船学は観客も選手たちも最早GKの牧瀬に対して祈るほかない。頼むっ!!止めてくれ!!
だが市蘭にしてみれば止められるわけにはいかない。
天城たちも必死になって叫ぶ。絶対決めろー!!

緊張が高まっていく会場。
その中で早くも涙を流しているのは広能。

シンゴが決めるから・・・高畑さん・・・今・・・シンゴが決めるから

そのように思う広能。
いや、今選手たちは皆マイちゃんのことを考えている。
ここまで来ることが出来たのはマイちゃんがいてくれたから。皆そのように思っているようである。

ありがとう

頭を下げる脇坂さん。どこか勝利を確信している部分がありそうですなぁ。
そういう気持ちが出来たからこそ、その次の段階、感謝のステップに来てしまっているわけですわな。
さて、そういった期待を一身に背負うことになった成田でありますが・・・

なーんもねえよ。
プレッシャーもねえし、ビビッてもねぇ。
心の中が静かっつーか・・・歌・・・聴いてる時みてえだな

何とも頼もしい状態といえる。
そして、その成田の後ろで見守る市蘭イレブンは乾の行動をきっかけに、それぞれ手を繋いでいく。
船学が肩を組んで牧瀬を応援するのであれば、こちらも揃って応援するべきでしょうわな。

というわけで所沢と成田、広能を除いた9名が手を繋ぐ。
いや・・・中央で隣り合っていた2人――脇坂さんと百瀬が繋いでいない。
百瀬が伸ばした手を振り払う脇坂さん。おぉっと!?
しかし、その振り払った手が何かを掴もうとしているのを見て即座に百瀬は脇坂さんの考えを理解する。
そして自分も何かを掴むかのように力を入れる。まるでそこにいる誰かの手を取ったかのように・・・

審判の笛がなり、いよいよ運命のキック。
一度成田は後ろを振り返り・・・脇坂さんと百瀬の間の空間を見て驚きの顔となる。
それはそうでしょうな。成田には見えたのでしょう。2人の間で手を繋ぐマイちゃんの姿が・・・!!
おぉ、何と嬉しそうで頼もしそうな表情か・・・!!これは成田も力を与えられるさ!!
そのおかげであるのかどうか・・・成田のシュートは見事にゴールを捕らえることとなる・・・

過去例がないほどのジャイアントキリング――歴史的な試合だった

ついに、ついに決着!!
間を空けることなく最終ページでしっかり決着をつけてくれた!!
ここまでのマイちゃんの流れといい、これは唸らざるを得ない。おぉお・・・!!

どうなることかと思いましたが、ついに打倒船学を果たして見せた市蘭。
マイちゃんのことは今考えても無念でありますが・・・ともかくお疲れ様でした。
物語としてはこの試合で幕となりそうな気配。
後は後日談的な話をやって締めとなりましょうか。
どのような締めくくりとなるか。見守っていきたいと思います。



第354話 悲願達成  (2014年 40号)


決まった!成田が決めてくれた!!
ついに果たした打倒船学。これには校長も間宮先生も涙するしかない。そして天城もまた。

やりやがった・・・マジで・・・やりやがった

涙しながら何ともいい笑顔を見せる天城でありました。
八津野が敗れてからもずっと出っ放しでしたね天城。
応援し続けてきた甲斐があったというものでしょうな・・・感慨深い。

見ている者たちの、関わって来た人たちの多くが涙している。
そして、当の悲願を果たした市蘭のイレブンもグラウンドに伏し、声を上げて泣いている。
敗者ではなく、勝者である市蘭がこれほど泣くこととなるとは・・・

泣きたいのはこっちだろーがよ
オレは多分一生・・・お前がPKを止められたから連覇も止まったって・・・言われ続けるんだぞ。

そう考えるとユゥエルも大変ですな。
しかしユゥエルもこの試合で随分親しみやすいキャラになったというか何というか。
もう性格的には普通の日本人と変わりがありませんな!!
まあ、それはさておき、市蘭の涙は勝敗に関するものだけではなかった。

入院していたマネージャーさんが試合中に亡くなったらしい

仲間にそう伝える古川。さすがにこれはござる言葉もでないか。
しかしそうか。市蘭の面々は試合が終わったことでようやく思いっきり泣くことができたわけなんですな。
勿論訃報を聞いた時も、ピッチに出てきたときも涙していた。
しかし今は誰はばかることなく思いっきり泣いている。
緊張の試合が挟まったことである程度気持ちの整理もつくかと思ったが・・・そうはいかないわな・・・やっぱり。

涙する成田を助け起こす古川。

早く報告に行ってあげるでござるよ

うむ、いいことを言うなぁ古川。そう、悲しみは拭い去れないけど、それもまた大事なことであります。
こうして、涙する勝者を敗者が支えて退場するという奇妙な光景が展開されることとなりました。
拍手で見送られる市蘭。しかし笑顔で応えられるような状況ではない。

病院につき、マイちゃんの前に姿を見せる市蘭イレブン。
マイちゃんは最後に母から市蘭が優勝したと聞かされ、笑顔で逝くことができた。
そしてその母の言葉は嘘ではなくなった。この笑顔が本当のものとなったのだ。
悲しいが、それだけは救いだったと思うしかない。

勝ったぜ

成田からの勝利の報告。
そして百瀬は自分がつけていたキャプテンマークをマイちゃんに付けさせる。
みんなの名前が書かれたキャプテンマークを付けたマイちゃん。その姿に、深々と頭を下げる百瀬。

今までっ・・・ありがとう。お疲れ様でした

悲願は果たした。小さな奇跡を起こすことはできた。
しかしもっと望んだ大きな奇跡は叶うことはなかった。
悲しみつつも、今までのことを想い、感謝を込めて頭を下げるしかない市蘭イレブン。ううむ・・・悲しい。

試合は終わり、マイちゃんへの報告も済ませた。
となれば物語ももう語ることは後わずかといった感じでしょうか。
エピローグ的な流れとなるのかどうか・・・注目です。



第355話 YNWA  (2014年 41号)


サッカーを始めて1年半――あっという間に過ぎた気もするが・・・
それは間違いなくオレたちにとって高校3年間で最も充実した時間だった

そのようなモノローグと共に始められるのはマイちゃんの告別式。そうか、それがありましたな。
勿論市蘭サッカー部は先生やじっちゃんも含めて全員出席。
ルカさんやヒロナオさんといった面々も勿論姿を見せている。そして・・・松田も来てくれた。
直接会ったことはなくても縁は会ったし、できれば一度会いたいとも思ったでしょうしねぇ・・・

そして船学からは古川がやってくる。
船学の制服ではなく、ヒロナオさんたちのようにちゃんとした喪服を纏って現れる古川。大人じゃん

戦って敗れた者として、試合を最後まで観ることができなかったマネージャーさんに話してくるでござるよ。
貴殿らがいかに凄かったかを。船和学院サッカー部のキャプテンとしての最後の務めでござる。

ほう。松田に続き、古川もカッコイイですなぁ。
マイちゃんも喜んで聞いてくれるでありましょう・・・

それと・・・うちに勝ったことで燃え尽きないで欲しい。貴殿らにはまだ選手権本番が残っているのでござるから

ふむ、それは大事なことでありますな。
マイちゃんのこともあり、市蘭のモチベーションが下がる可能性は確かにあった。
しかし日本一の船学を破り千葉代表になったのだから、情けない試合は出来ない。
天城たちのように自分が負けても応援してくれた人たちのためにも、頑張って欲しい所であります。

さて、マイちゃんの告別式ともなれば慕う街の不良達も詰めかけることとなる。
不良達にしてみれば、自分たちみたいなモンは場を汚すからと中に入るの控えたい。
けれどもマイちゃんのお母さんは彼らを招き入れる。最後だからと。顔を見ていってあげてと涙を流しながら・・・

涙無くして進むはずもない告別式。
誰もが悲しみの涙を流し、ついに出棺。
市蘭サッカー部はユニフォーム姿に着替え、整列して送り出すこととなる。
そして百瀬の歌いだしと共に、全員で歌うのはユールネヴァーウォークアローン
もう一度マイちゃんがこの歌を歌うところを見たかった。
君は決して一人じゃない。その言葉で送り出すことになるとは・・・なんとも泣けるというしか・・・ない。

告別式が終われば、本当に永遠の別れということとなる。
思い出や心に残ることはあっても、本人の姿を見ることはもうなくなるわけですからねぇ・・・
分かっていたことであるとはいえ、やっぱり辛いことであります。

さて・・・ここで市蘭の選手のその後が少々語られます。
成田は高校を卒業後プロに進み、圧倒的なスピードを活かしてどんな局面でも得点を狙えるプレイヤーに育っていく。
選手としての晩年は40を過ぎても引退せず若手に疎ましがられるとのこと。うーむ、らしいといえばらしいなぁー。ハハハ。
結局日本代表のユニフォームを着られたのだろか・・・

乾は成田と同じくプロに進んだ後、そのパフォーマンスを高く評価されプレーの場を海外に移す。
日本代表では中盤の一角として一つの時代を築くという。この辺りはさすがと言ったところか。

所沢は同世代のプレーヤーの中で最も成功したと言われるようになる。
GKという経験が重要なポジションにかかわらずプロに進んだ後「日本の守護神」と呼ばれるようになるまで時間はかからなかった。
強力なGKのライバルもいたでしょうに、さすがの所沢ですなぁ・・・坊主になってますのね。

尾上は他の3人とは大きく異なり警察官になったらしい。
ケンカ三昧の狂犬と呼ばれた男が何でまた・・・まあ、なってしまったものは仕方がないですわなぁ。うん。

そして脇坂さんは――

大事な仲間を失って考えたんだ。生きてるオレはこれから何をやればいいんだろう?――って

果たして脇坂さんはどのような未来を目指すのでありましょうか。
何となく教育関係とか行きそうな雰囲気がありますな。
黒木監督のように全国を回って悪ガキにサッカーを教えるとか。似合いそうな気はしますな。

そして他の面々は一体どのような道を歩むこととなるのか・・・
次回はついに最終回。心を落ち着けて迎えることとしたいと思います。



第356話 5年後  (2014年 42号)


高畑麻衣が他界し、船和学院を破った市立嵐山が選手権で全国制覇を果たしてから5年の歳月が過ぎた

いよいよの最終話。いきなりの5年経過。
とりあえず市蘭はキッチリと全国制覇を果たしたようで良かった良かった。
敗れた古川たちもこれで多少は面目が立つというものでしょう。
とはいえかつて乾が言った通り、これだけの才能が同じチームで揃うことはまずありえない。
看板裏のサッカー部の歩みを見る限り、やはり厳しい戦いを強いられているようですなぁ。
乾の言うロクな結果とやらが凄く気になりますわ。

さて、5年後の市立嵐山。
黒木監督は5年前の選手権終了時に監督を辞職することを申し出た。
しかし校長の湯島、部長の久住、そしてなにより部員たちに強く慰留され・・・5年後の今もサッカー部の監督を続けていた。
そんな黒木監督の前に現れたのは・・・成長して髪を切った脇坂さん。なんと・・・!!
いやさすがに髪を切られてしまうと誰だか分からなくなりますな!!

まあ、それはさておき。
脇坂さんは来春大学を卒業し、社会人となる。
その就職先はというと・・・何と小学校の教師!!
おぉ。教育者になるんじゃないかなとは思っていたけど、まさか小学校とは。
繊細で思い悩むことの多い脇坂さん。いい先生にはなるだろうけど・・・気苦労背負い込みそうだなぁ。

教師になりたいと思っている脇坂さん。
しかしその前に黒木監督に聞きたいことがあって、ここまで足を運ぶこととなった。

オレは過去にたくさんの人に迷惑をかけ、たくさんの人を傷つけてきた。
そんなオレに教師になる資格があると思うか?

やっぱり繊細な脇坂さん。
そんな脇坂さんの質問に対し――資格はないなと答える黒木監督。

お前の考え方だと・・・過ちを犯した生徒に絶望しか与えない
これから先もずっと背負っていかなきゃいけないものもあるだろう。
だがそれは・・・これから先にやるべきこととは違うぞ。

ほう。これは見事な回答ですな。
確かに範を示す教育者がそういう人物だった場合、過ちを犯してしまった生徒は困りますわなぁ。
自分自身で罪を背負うのはいいが、背負い込んで倒れてしまっては元も子もない。
そういう背負い込んでしまう人の支えになる。そんな教師に・・・脇坂さんならなれるかもしれない。期待したいですな。

教師になりたいんだったら、なれっ!!やりたいんだったら誰に何を言われようがとことんやり抜け。
そう述べる黒木監督に、勢いよく返事する脇坂さん。
うむ、さすがの恩師でありますなぁ。ここでも道を示してくれましたか。有難い。

脇坂さんは途中で回り道をしたが、高校でサッカーを始めて充実した時間を過ごすことが出来た。
教師としての赴任先に小学校を選んだのは、自分の経験から大事なことはできるだけ早く知っておいてもらいたいと考えたからである。

高畑に教えてもらった命の重さを、高畑の分まで生きて伝えていくよ

マイちゃんの死は悲しく重い。
しかしそれによって学んだことも大きい。
次はその学んだことを若い者に伝える番というわけですな。いい話だ。

命の重さは脇坂さんが伝えていく。
そして市蘭サッカー部のあの奇跡は伝説として今後も語られて行くことでありましょう。
5年が経ち、今では総勢62名にも膨れ上がったサッカー部。かつての荒廃して不良の巣窟になっていた時期が嘘のようである。
しかし関根のじっちゃんは5年後もまだまだ現役で指導してるのかよ・・・さすがだ。ハッハッハ。

というわけで、ANGEL VOICE完結であります
単行本にして全40巻に及ぶ本格サッカー巨編。楽しませていただきました。
先のことを知らせておきながら、それを違えずに楽しませる構成力に毎度脱帽させられました。
大きな奇跡こそ起こせなかったものの、打倒船学を果たしたサッカー部。
古谷野先生と共に市蘭サッカー部の面々も見事に走り終えたのだと思います。
しかし、最後を締めるのがこの2人となろうとは・・・いやまあ、脇坂さんは確かにキーパーソンの1人ではあったと思いますが・・・
百瀬を始めとした残りの部員の将来とか気になるんですが、語られることはないのでしょうか?
単行本に追加エピソードとして収録されたら嬉しいのですが・・・どうですかな?

ともあれ、長期の連載お疲れさまでした。
古谷野孝雄先生の次回作、期待して待っております!!



  ANGEL VOICE感想目次に戻る


  作品別INDEXに戻る


  週刊少年チャンピオン感想TOPに戻る



HPのTOPに戻る