蒼天紳士チャンピオン作品別感想

囚人リク
第1房 〜 第25房


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 各巻感想

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連載中分

囚人リク 1巻


第1房 極楽  (2011年 11号)


新連載大攻勢の第3弾!瀬口忍先生による、囚人リクの登場です。
隕石直撃 東京壊滅
目を背けるな!生きるって闘いだ!!

いきなりの展開でございます。
轟音と共にやってきた隕石が東京タワーを破壊しながら落下。
東京は壊滅しました。そして10年後。

極楽10年7月8日

さすがに傷跡は深いらしく10年たっても復興できてはいない。
日本でスラム街ができる状況っていうのはなかなかないですわな。

さて、そんなスラム街に済んでいるのが、主人公の栗田陸
10年前の隕石の衝突で両親を亡くし、ひとりで暮らしている。

そんなリクでありますが、なんとも人が良いといいますか。
腹を空かしている少年達のために、食べ物を盗ってこようとしております。
スラムは完全隔離されているため外に食べ物を求めることはできない。

スラム地区の秩序を守るために警視庁内に特別設置された特急機動隊。
通称”特機”この特機は、迅速な治安回復のため、裁判を経ずに刑務所に送る権限が与えられているという。

リクはその特機に捕まりそうになるが、スラム内に済む警官のおじさんに助けられる。
なんとも人の良さそうなおじさんである。しかし、行動は大胆だな。
かく乱のためとはいえ、手榴弾を用いるとは。

おじさんは両親を亡くしたリクに対して、ずっとよくしてくれている。
まあ、リクはいい子ですからねぇ。問答無用で刑務所に送られる状態で相手を庇えるのは凄い。
そんなリクが13歳の誕生日を迎えた翌日。
おじさんは言う。じきにこの街はひっくり返る。もうすぐよくなる、と。
だからリクに、これからも明日を信じて生きていくんだぞと説く。
ハハハ、おじさん。そんな死亡フラグなこと言わないでおくれよ。

リクが交番から離れたところで、黒塗りの車に乗った怪しげな男が登場。
どうやら、おじさんが告発しようとした相手らしい。
この男を失脚させれば、この街は変わる。おじさんはそう考えたのだろう・・・本当に大胆な人だ。

しかし、おじさん。リークするなら新聞社はまずかったな。
どこがどう繋がっているかわからない状態ですからねぇ。

おじさんが集めた情報によると、スラムでは銃の密売が行われている。
最初にリクに向けられた少年達の銃って、もしかして本物だったのかなぁ。危ない街だ。
さらに、麻薬の生産や密売、臓器密売まで行っているという。
こんな情報が流れたら、そりゃ立場ある人間は失脚間違いないでしょうな。

悪人の名前は鬼道院。警視総監である
他にもこの情報を得た人間がいないか、おじさんに喋らせるためにやってきたらしい。
が、情報は得られないと判断したのか、おじさんを撃つ鬼道院。それを目撃してしまうリク。

おじさんを救うために鬼道院にむけて銃を撃つリク。
その銃弾は相手の顔と腹をかすめる程度にしかならなかった。
しかし、鬼道院はカンカン。特別な絶望をリクに与えると言う。ここで投獄に繋がるわけですな。

おじさんの最後を看取ったリク。
しかし、新聞にはこう書かれている。13歳少年、警官殺害と。
警官殺しの罪を着せて、刑務所送りにしようという流れなわけですね。
リクを知る人物は、こんなのデタラメだと言っている。普段の行いのよさゆえか。

だが、刑務所送りは覆ることはない。懲役30年の刑が科せられている。
刑務所に送られる途中で、おじさんの遺言を思い出すリク。

明日を信じ、弱きをたすけ、ふまれてもふまれても立ち上がる心を忘れないでください

その言葉を胸に、機動隊員の折檻にも耐え続けるリク。
機動隊員はそんなリクに言う。貴様の未来はもはや選ぶ余地なき絶望の果てであると。

超絶望 極楽島特級刑務所

絶対に逃げられない無間地獄と呼ばれる場所である。
そんな場所に放り込まれるリク。今、最凶刑務所からの脱獄ストーリーが幕を上げる。

というわけで、囚人リクの始まりでございます。
いきなりの大ページで始まるだけに期待されているのがわかりますな。
カラーでの一枚絵で受けた印象よりかなり読みやすい絵柄です。
描き込み量は結構なものなのに、読みやすいのは凄いですな。

まずは刑務所に送られる理由を丁寧に説明。リクのキャラクターも掴める立ち上がりですな。
最終的に警視総監の悪事を暴くところまで行くのでしょうが、どんな展開になるか。
まずは、脱獄をするところからでしょうが、まあ、簡単ではないでしょうな。
無間地獄とまで言われる刑務所がどんなところであるか。
かなり今後が気になる作品であります。



第2房 下獄  (2011年 12号)


リクは護送船から刑務所に。さすがに刑務所らしく囚人達のガラは悪い。

極楽島特級刑務所。その所長は叶という男。
警官殺しをしたリクは簡単に殺さず、過酷な報復を行わねばならないという。
言っていることは鬼道院と同じですな。この所長も完全に悪人だったりするのかどうかはまだ様子見。

さて、刑務所ものらしく、身体検査であります。
入所時に着ていた服は出所時に着ることになるというが、30年後じゃ着れないっショ。
全裸になり、手の中口の中、果ては尻の奥まで検査される。屈辱的な話ですな。
こういうところで心を折っておくというのも慣例なのでしょうな。
でも、胃の中とかは調べませんのかね。ドリアン方式で手榴弾出てくるかもしれませんぜ。

検査官にクソをひっかけたリクはボコボコにされ独房に叩き込まれる。わざとじゃないんですよ?
この時点でリクの心はもう折れかけております。なんだかんだでまだ子供ですしね。
反逆者なので何にでも反抗するぜ!って性格なわけでもないですしねぇ。朝食を頂くだけの元気もありません。

で、朝礼。
特級刑務所でも仮釈放とかの恩典はあるらしい。意外とぬるいように聞こえるな。
すっかり心が折れているリク。おじさんの仇のことも忘れようと勤めております。
どうでもいい話を一生懸命聞けば眠くなってきて考えなくてすむようになるぜ!その考えはどうなのか。

モニターに映し出されたのは、その仇の鬼道院!イター!
こんなところにいては仇を探すこともできないと諦めていたところで目標を発見しました!
折れていた心が急速に復帰しましたよ。モチベーションはやっぱり大事だよね!

というわけで、リク復活。食欲も戻りました。まずは補給して力をつけねば!
ちゃんと食ってちゃんと寝て体を造るんだ!おかわり!でるわけないだろ!出たら本気で驚く。

しかし、リクは独房なんですね。割といい待遇のような気がしないでもない。
大統領誘拐した刃牙さんでも相部屋だったのに。



第3房 雑居  (2011年 13号)


下獄から一週間。リクもずいぶん慣れたようでございます。
看守から怒られずに済むように気を配る術も身につけつつある。

さて、独居房での生活はここまで。今日から雑居房への転房であります。
さすがにずっと1人でいさせてくれるわけはないか。
監獄物では定番の、同居の囚人とのイザコザの話でございますな。

リクと同居する囚人は6名。多いな。

ところで、リクの囚人番号はN802番。
同居する囚人は、400番台が2人。600番台、700番台、200、100番台が1人ずついる。
番号が若いほどえらくて強い!なんてルールがあるわけじゃないだろうけど、先行序列はありそう。

それにしても、いきなりリクを殴りつけた囚人番号N407のリーゼント。
こやつは、監獄でリーゼントをどうやって保っているんだ?天然の髪型なのか?
生まれたときからこの髪型で、地球人のように不気味に変化したりしないとかそういうことなのか?

この部屋のボスは100番台の男。見た目からしてデカクて強そうだ。
俺の決めたルールを守れない奴には徹底的な制裁を下す。
ボスはそういうと、700番台の囚人に徹底的な制裁を下そうとする。
が、リクは思わず助けに割り込んでしまう。助けを求められちゃしょうがない。

相変わらずお人よしでございますなぁ・・・キライではない。
この男気を受けて、ボスはどうでるか。
とりあえずは刑務所の厳しさを教えてやるぜってな姿勢のようですが。
脱獄のためには同居の囚人と手を組むというのも定番ですしね。頑張って仲良くなってもらいたい。
あと、番号で呼ぶのも辛いので、この囚人達の名前バレを早くしてほしい!



第4房 転房  (2011年 14号)


助けたはずの囚人から反撃されるリク。
しかし、武器のスパナをあっさり手放してしまうイガグリの囚人。ダメな子だ。
手放したスパナをいち早く押さえたのはリク。
そのリクにボスは言う。逆に叩きのめすことができたら、お前への制裁は見逃してやると。
そんなことを簡単にできるなら、そもそも助けに入ったりしませんわな。

さて、ボスの名前が反応。佐々木麗乃真でございます。なんというか、なんというか、な名前だ。
そんな麗乃真さんですが、9年前からこの刑務所にいる。
その間に、目障りな囚人を全て従わせてきている。
つまり、この324房を含む、全7房49人が舎弟。第27木工場は彼のシマでございます。
細かく分類されているから、従えれる人数もこのくらいになっちゃいますのかね。

さて、麗乃真さんがリクをいたぶっておるところに、谷村看守部長が現れる。
騒ぎを起こしたものは、その大小に関わり無く懲罰房送り。
だが、一部の例外は存在する。麗乃真のような存在は看守達にも貴重だ。
まとめあげるリーダー格に便宜を図って手なずけておけば、おかしな反乱も置きにくいわけですな。

谷村看守部長は、去り際にさりげない主張。時計が止まってるなー(チラッ)
そろそろ新しい時計に変えたいんだがなー(チラッチラッ)
アピールうざいよ、クソ野郎。思いっきりワイロを請求してますな。

その日の夜。リクは月の動きを見て、看守の見回りの周期時間を計測している。
細かいけど、脱獄を目指すなら重要な情報ですな。15分周期の見回りは短い。

そして、布団にいるときに、例のイガグリの囚人、野木田卓に話しかけられる。
用件は今日のこと。助けてくれてありがとう。それなのに殴りかかってごめん。
それを伝えて、友達になりたいと言い出す。ほう。
刑務所内でのいじめられっ子と友達か。脱獄するためにも、これ以上睨まれたくないリクには厳しい。
が、卓君は言う。ボスがいるこの房から一緒に転房しようと。
この話にはさすがにリクも飛びつく。一緒にやってくれると知って感激する卓君。む、なんかいい話。

さて、転房計画
ケンカをするフリをして騒ぎを起こし、懲罰房に移される。
懲罰期間が終わっても、トラブル回避のために、他の房に移されるはずである。
それが卓君の転房計画だ。それって片方は元のところに戻る可能性があるんじゃないかね?
とはいえ、今は麗乃真さんと同じ房から離れたいリク。計画に乗ることを決める。
明日、工場で決行だ!工場なら看守がすぐ止めてくれるしな。
いい判断ですが、この計画を練っている段階ですでに聞かれてました。
黙って聞いている麗乃真さん怖ェ!いや、ひょっとしたら目を開けたまま寝てるのかも!やっぱり怖ェ!

そして翌日。木工場で作業開始。
試験中のような状態ですな。看視の目が常に光っている。
落としたエンピツも看守に願い出てから拾わなければならない。
そんな状況で麗乃真さんが動く。ワイロの腕時計を渡し、自由に騒ぎを起こす空間を作り上げる。
麗乃真さん、調達屋とか言われてるけど、どんなルート使ってるんだろう?
外との交流手段がないと調達屋なんてできませんよね。やはり脱獄のキーマンになりそうだ。

で、工場では状況一変。卓君こと、ノギが屈強な囚人達に押さえ込まれる。
手に彫刻刀を持っているのが厄い。目隠しってまさか、まさか。

脱獄のキーマンは現れたかもしれないが、状況は最悪である。リクとノギの運命やいかに?



第5房 過去  (2011年 15号)


リクとノギが囚人達に取り押さえられた。
周りのゾロゾロしてるやつらは何をしているのかと思ったら、ついたてを持ってきてるのか。
なるほど、目隠しをしておけとはこういうことか。って意味あるのかこれ?

制裁の時間は1分間だけです。そう長い拷問はできない。
なので、視覚的に効果がある手法が取られました。
指をヤスリがけ。ぐぁぁっ。
脅しの意味が強い制裁ですから、効果的ですわな。見てて痛い。

休憩時間。ノギから、ボスの麗乃真は調達屋であるという情報を聞く。
脱獄するためにも、看守には目をつけられたくないリク。
しかし、看守と繋がりのある男に既に目をつけられてしまった。
とはいえ、しばらくおとなしくしてれば、そう問題はないんじゃないかな、たぶん。

ノギの刑期は5年。決して短くはない。
他の囚人に比べると短いのだからということでイジメられていたそうだ。そういう理由もあるか。
罪状はニワトリ泥棒。決して軽い罪ってわけじゃないだろうけど、他がもろもろついても5年は長い。
やはりスラム出身だといろいろ罪が重くなるのかねぇ。

スラムに比べれば、刑務所は服も着れるしメシも食えるし屋根だってある。
でも、やっぱりシャバがいいよ
切ない話でありますな。ずっとひとりでイジメられてたというのもあるでしょうし、辛いわな。
短い時間の付き合いだけど、ノギはリクが警官殺しなんてするはずないと言う。ふむ人望だな。
リクは、お前の刑期なんかよりずっと早く出てしまう予定だよと言う。
刑期は30年。でも、脱獄するならそんなの関係ないってわけですね。

さて、ボスの麗乃真さん。隣の工場の連中ともめています。
刑務所の娯楽で球技はつきものですかね。麗乃真さんはスポーツでも勝利第一主義だ。
もめた先の相手は麗乃真さんよりデカイ。なんらな拳で決着つけたろか、あーっ!?
って挑発している最中に蹴り倒す麗乃真さん。話聞く気がねぇ!

麗乃真さんの罪状は殺人。
もう2度と泣きたくはないと麗乃真さんは言う。誰かに裏切られて殺人を犯したのか?
そのことが忘れられないから、誰も信じない。誰の信用もいらないと言う。愛などいらぬ!ってことか。
ここはリクの愛で包んであげるという展開になるわけですね!想像できねぇ!



第6房 苦渋  (2011年 16号)


午後も刑務作業があります。削られた指の痛みを堪えて作業するリクとノギ。
リクはノギを見ている。心配ゆえの事だろう。
しかし、ボスの麗乃真さんは、そんなリクを見て笑っている。
リクをよく知らない人にしてみれば、恨んで見ている様にみえなくはないですからな。

作業終了後は、検身場で裸になり、身体検査。
おかしなものを持ち出したりしないように調べるわけですな。
でも、麗乃真さん、レンチとか持ってましたよね・・・調達屋の力ってことか?

こんなもんじゃへこたれないというリクと、これから続くイジメに潰されそうなノギ。
1人でいるよりは心強いとはいえ、不安は押し隠しようもない。
リクとて、強かったおじさんに憧れているだけで、なんにも強くはない。
というけど、人の代わりに捕まろうとする強さはリクにはあったりしますからねぇ。自覚はないみたいだけど。

配食ということで、机の準備。やるのは下っ端2人だ。
こんなときでもノギはどんくさい。こういうところでもイジめられやすかったりするんだろうなぁ。

で、配食ですが、ご飯とバーガーがセットになっている。栄養士のセンス、ハンパねぇ!
スラムではバーガーなんてものは食えなかった。リクも嬉しそうにしている。
しかし、食べれない。
リクとノギの食事は取り上げられてしまうのであった。バーガー以外も全部かよ。
クッチャクッチャと見せびらかして食べるリーゼントの顔が凄いうざい。

ノギはもう耐え切れない。麗乃真さんに、転房しようとしてごめんなさいと謝ってしまう。
お前の気持ちは伝わったという麗乃真さん。だが、それで済ますはずもない。
転房計画を持ちかけたのはどちらかと問いただしてくる。
もちろん、話をずっと聞いていた麗乃真さんは真実を知っている。
これは、ノギを完全に堕とすための誘導尋問だ!

このシマを仕切る俺から逃げようかって企む奴は――俺の敵と見なす。
そういう奴ぁ・・・第27木工場ルールでキッチリ地獄に送ってやる

麗乃真さんが大嫌いなのは、歯向かう奴と、ムショに同情を持ち込む奴。
だから、新入りをかばったりしないで、さっさと言えと追い込んでくる。
これにはノギも堪らない。罪悪感を感じつつも、リクの名を口にしようとする・・・
が、それよりも早くリクが動いた。

第27木工場のルールとやらは、全部俺が受ける!

かばった上にこのセリフ。かっこいいな、リクは。
しかし、このセリフ。麗乃真さんはもの凄いイラついています。
というわけで、ニーナナルール発動!
国語辞典を取り出す。なんですか?標語でも聞かせてくれるんですか?
ではなく、ページの番号によって競技を決めているらしい。ヒマだからいろいろルール考えてるのね。

明日の昼休み。運動場で、ニーナナルールNo.6・・・「ラグビー」それで決着をつける。

なんとラグビーです。決着をつけるとはどういうことなのか?
リクにも勝ち目があるような競技内容なのか?単に耐えれればいいとかそういう話なのか?
開始前に毒を飲んで、解毒薬を相手ゴールから奪えるかを競う競技だったりするのだろうか!?どこの男塾名物だ。
そのうち油風呂とか出てきそうですね!



第7房 闘球  (2011年 17号)


ノギを守るためとはいえ、大変なことを言ってしまったリク。
さすがに夜中は不安で震えております。
とにかく・・・今は生きるんだ!生きてこそ・・・だ!

翌日。あいにくの雨です。でも、さすがに雨天中止はありえませんな。
すでに他のニーナナの連中はグラウンドでリクを待っている。
よし、ならばここで行かずにおいてはどうだろうか?待機だ!
待っているだけで、連中の体力を削いで風邪も引かせれるかもしれないぜ!後で殺されるな。

さすがに足が鈍るリク。そこにノギが声をかけて来る。
自分をかばったせいでラグビーなんかする羽目になったことを謝罪する。
また、昨日、裏切りかけたことについても謝罪する。
リクはそのノギの謝罪を受け入れる。
そして、一歩を踏み出した。

逃げて今日を後悔するやつにっ・・・信じられる明日が来るもんかっっ!
俺は明日を信じてる!明日を信じたいんだ!!

看守によるラグビーの説明。ルールは普通のラグビーらしい。
ニーナナの連中以外にも、観客が多数いる。
試合時間は10分。この公開処刑に耐え切れるかの勝負だ。
耐え切れれば、もうノギをいじめたりはしないと、麗乃真さんに約束させる。
そのノギは麗乃真さんのチームに入る。リクのメンバーはランダムで選ばれたニーナナの連中だ。
つまり味方はなしの状態である。

周りでは観客が賭けを行っている。新入りのリクがどのぐらいで潰されるのかの賭けだ。
80円切手を使う辺りが刑務所らしいですな。

さて、ついに公開処刑ラグビー開始。
麗乃真さんのキック。ボールを正面で受け止めるリク。そこにニーナナの連中が殺到する。
次々とタックルが襲い来る。どの一撃も厳しいが、ただ黙って耐えているわけにはいかない。
凶器攻撃なんて混ぜてくることもあるのだから、致命的なのは交わさないといけない。厄いぜ。

ラグビーのルール的に、ボールを捕っていなければタックルはされない。
逆を返せば、ボールを持ってさえいれば、誰にぶつかりにいっても反則ではない。
ボールを持っていなくて安心しているところに、トドメを刺すのが麗乃真さんの考え。
しかし、リクは逃げない。自らボールを捕りに行った。
そして、麗乃真さんに向かっていく。

俺ぁ絶対っ負けねえぞォ!

勢いはあるが、リクの体で麗乃真さんに向かっていっても勝ち目はないはずである。
一矢報いることができるかどうかだ。
交わして走り抜けて、トライできればそれはそれで快挙かもしれませんけどね。
この勝負で、麗乃真さんの心をどこまで揺さぶれるかですな。



囚人リク 2巻


第8房 雨中  (2011年 18号)


タックルという名の暴力を恐れず、自らボールを捕ったリク。
そして、麗乃真さんに突進していく。観客も無謀だと叫んでいるぞ!
これには麗乃真さんもビキビキ。俺が直接仕留めてやると力を溜め出す。
が、その横を華麗にスルー

リクの目的は反撃ではなかった。では・・・トライか!
前回の感想で、トライに行ったら快挙だと言ったが、本当に狙ってくるとはね。
これは流石に誰も想像していなかった。追いかけるしかない。
でも、走って逃げ切れるなら、ある意味暴力も避けれて有効な手段じゃないですかね?
まあ、麗乃真さんにとっては最高にイラつく流れなわけですが。

リクの背後に迫るハゲ。その手が離れていく。リクの速さがまさったか?
いえ、ハゲが何者かに引き倒されたからです。それは、もちろん麗乃真さん。
邪魔だとばかりにハゲを押しのけ、リクに襲い掛かる。
トライ直前のリクの顔面をつかみ、地面に叩きつける。
この一撃でマトモに立てなくなるリク。しかし、それでもトライは狙おうとする。
が、それも阻まれる。

今までにない初めてのケースに麗乃真さんは戸惑っている。
それを見て楽しそうにしているリーゼント。このあいだ蹴り倒されたのに何故か大物ぶっているリーゼント。

麗乃真さんはリクに問う。点を取ったってリンチは終わらない。
なのに、何しにトライをとろうとしているんだ?

そんなもんっ俺にもわかんねえよ!

とにかく、負けたくない。リクの思いはそれだけである。
暴力には屈しないという意味で正々堂々とスポーツしている。と取れなくもない。
けど、まあリクはそこまで考えてないんでしょうな。ただ意地で動き回っている感じ。
そんなリクに、ついに麗乃真さんは我慢の限界。取り出したのは、小さなナイフ!これはヤバイ!
腰溜めに構えて突進する麗乃真。
しかし、ここで電子手錠が施錠。ニーナナの50人全ての手枷が閉められる。

さすがに、スポーツでの不慮の事故なら報告書にも書けるけど、刺殺は困る。
なので、谷村看守部長は止めに入ったわけですな。
これは、逆に麗乃真さんが処罰される流れでしょうか?
それに対してリクはどう行動するのか。リクのことだし、麗乃真さんをかばったりするのだろうか。
それを受けて、仲直りな展開があるのか、ないのか。話が動き出しそうですな。



第9房 抑圧  (2011年 19号)


リクを殺ろうとしたレノマさんだったが、遠隔システムで施錠され果たせなかった。そして制裁。
谷村看守部長は言う。
このムショには、お前ら囚人があずかり知らぬ、もうひとつの顔がある

もうひとつの顔?それは一体?
勝手に囚人の数を減らされたら困るというのと何か関係があるのだろうか。
囚人を使って何か実験でもしたりしてるんだろうか。怖い部分が見えてきた気がするぞ。

刃物を使おうとしたレノマさんに谷村の警棒が振るわれる。さらに電流。
頑丈なレノマさんでも悲鳴をあげるぐらいの強烈なものだ。

人をイジめる奴がいる。そいつをイジめる奴がいる。
平気な顔をしてクソみたいなことをしている!
ここはそんなクソッタレな奴らばかりの世界である。

しかし、レノマさん。簡単に屈したりはしません。歯を食いしばって立ち上がる。
殴られても殴られても、媚びるような真似はしません。それが谷村をイラつかせる。
この構図は、リクとレノマさんの構図にそっくりですな。
抵抗はできないけど、屈することはしない。それが攻撃する側をイラだたせる。

谷村の執拗な攻撃に、さすがのレノマさんも衰弱している。
トドメの攻撃が顔面に振り下ろされる、が、そこに割り込むリク!
かばわれたと怒るレノマさん。
しかし、リクは言う。か、勘違いしないでよね!いや、違う。

俺はな、こういう痛てことをっ、テメェはノギにやってきたんだぞって言ってんだよ!

自分もリンチされている最中だというのに、ノギのことを持ち出すあたりがリクですなぁ。
さらに、リクの口撃は谷村にも向く。

弱い者イジメをするなっ!

いきなりの言葉に驚く谷村。刑務所で囚人からこんなこと言われるとは思いもよらないでしょうな。
正気に返り、リクに警棒を振るおうとするが、これはレノマさんに止められる。
ここで手枷は開錠。谷村の仕置きタイムは終了しました。
この仕置きタイムでレノマさんのリクに対する評価は大きく変わっている。

お前・・・面白ェよ。
お前がどんだけの男か・・・
この手で確かめてェ。確かめねェと気がすまねェんだよ。

全力で、ぶっ潰してやる!

ボロボロになった囚人服を脱ぎ捨て、もろ肌をさらすレノマさん。いい肉体してるのう。
そして、試合再開!ただのリンチではない。ラグビーを行う。

俺をぶっ倒してトライをとってみろ。

ようやくレノマさんに認められようとしているリク。
ここで一気に仲間につけるのだ。頑張れリク!
さて、ようやく刑務所の裏の面がちらりとでてきました。
レノマさんが仲間になったあとは、そちらの面がクローズアップされていくのかもしれません。
最凶の刑務所というからには、それだけのものがあることを期待しています。



第10房 手紙  (2011年 20号)


ムショでは弱い奴に発言権などない。それでもキレイごとを通そうとするリク。
通したい意地があるなら、力で通せというレノマさん。
俺を倒して、あのラインの向こうに、テメェの信じているモンをボールごとおっ立ててみろや。

なんやかんやでタイマンに持ち込むことができたリク。
とはいえ、このレノマさんの体格。まともに勝負して勝てる気はしません。
周りの観客も勝てるわけ無いから、どういう潰れ方をするかを楽しみにしている。
だた、リーゼントの兄貴は何か期待しているようだ。この兄貴もそろそろ名前欲しいとこだな。

ボールを持って突進するリク。それを迎え撃つレノマさん。
がっちり四つに組み合った!全力で押そうとするリク。しかし、びくともしません。
ただでさえ体格差が圧倒的なのに、レノマさんの方が腰を低くして当たってるんだもの。動くはずなし。
片手で投げられ、叩きつけられるリク。一撃でグロッキー状態だ。

地面に体を横たえるリク。そこにノギが駆け寄る。
大人しく生きていたほうが傷つかずにすむ。もう頑張らないでくれというノギ。
そのノギに、リクは言う。

俺さ・・・脱獄を考えてる

リクは語る。大好きだったおじさんが、警視総監の鬼道院に殺されたことを。
絶対脱獄してみせる。そして、おじさんの仇を取るんだ。

だから俺は、ここから逃げ出すために、今を逃げられない

トライしたって、何かが変わるわけじゃない。
でも俺は認めたくない。運命だとか周りが悪いとか人のせいにして・・・このクソったれの世界に押しつぶされることを!

そういいながら立ち上がるリク。
そしてノギに礼を言う。初めて、おじさんのことを話せた。
自分の無力を悟り、思わず逃げ出しそうになっていたリク。
おじさんのことを話すことで、大事なことを取り戻せたようだ。

再度レノマさんに挑むリク。しかし、何度当たっても跳ね飛ばされるだけです。
このリクの状態に、レノマさんの表情が険しくなる。

やっぱりか。こいつも・・・他の奴らと同じ、吠えるだけの負け犬か
テメェの意地ってのはそんなもんか。吐き気がするぜ。

根性見せるだけでは納得してくれないレノマさんです。厳しい。
倒れたリクはおじさんのことを思い出す。おじさんの言葉を思い出す。

これからもつらいことがたくさんあるだろうが・・・
明日を信じ・・・踏まれても踏まれても立ちあがる心を・・・忘れないでください。

観客も、もうダメだと思った状態から立ちあがるリク。
この立ちあがるリクはカッコイイな。何か凄い拳法でも使うんじゃないかという迫力がある。

おじさんが遺してくれた希望だけが、リクを揺り動かしている。
さて、それでもレノマさんには簡単に通じる気はしないのだが・・・果たしてどうなるのか。
少なくとも、押し相撲では勝ち目が無い。
ここは、投げを狙うべきですな。今のボロボロの状態なら無心で組んで、いいポイントを取れるはず。
そして、起死回生の下手投げを決めれば、レノマさんも認めてくれるはずですよ。
リクも頭で考えるタイプじゃないし、きっとうまくいくさ!



第11房 晴朗  (2011年 21号)


ふまれてもふまれても立ちあがる心を忘れないでください。
リクの中におじさんの言葉は生きつづけている。だから立ちあがる!

あいつを越えて、その先の!あのラインの向こう側へ・・・行くことが大事!
それが・・・おじさんとの約束!それが、明日!

おじさんと叫びながら、這い蹲り前進するリク。
レノマさんはそんなリクを潰しにかかる。
レノマさんは何やらシャバにいたころに裏切られているっぽい回想がありましたな。
だからか、信頼関係というものに憎しみすら抱いているように見える。

レノマ「んなもん、なんの役にも立たねぇんだよ!」
リク「そんなことねぇー!」
レノマ「だったら!今すぐにこの状況から救われてみろやぁ!」

レノマさんの苛烈な攻撃により、リクが沈められる!?
というところで、割り込んできたのは・・・ノギ!
体をピンと張った状態で、頭から突っ込んでくるノギ。その勢いはレノマさんを吹き飛ばすほどだ。
硬そうな頭だなとは思っていたけど、ここまでの威力があるとは!
なんと、レノマさんのアバラにダメージを与えているぞ!

それよりも、あのビビリのノギが直接反旗を翻して向かってきた。この事実が大きい。
ノギはさらに、リクに走ってくれと促す。
それを受けて前進を開始するリク。レノマさんもアバラを痛めているため、動きが鈍い。
あと5メートルまで近づくリク。しかし、そこでレノマさんに捕まる。
が、ここでもノギ!リクからパスを受け取ろうと近づいてきた。

レノマ「テメェは俺のチームだろうが!」

あらやだ、レノマさん。追いつめられてきたからって、ここでその正論はナシっすよ。
ノギもそんなことはわかっている。

ノギ「でも俺はっ・・・俺だってもう逃げねぇんだぁ!」

リクがノギにパスを出す。
そのパスをカットしようとレノマさんがリクから手を放す。
しかし、足を滑らせ、そのカットはならず。そして、ノギからリクにリターンパス。

リクの体がラインを越える。それと同時に、振り続けていた雨が止み、光が射し込む。
光に照らされるリクの姿。それを見て感動の涙を流すノギ。沸く観客。

おじさん、明日がつながった!

明日のために、ふまれても立ち上がる。おじさんとの約束をラインの向こうに打ち立てたリクでした。
いやぁ、震えるね。
トライを決めて、光が射し、最終ページの吠えるリクまでの流れは本当に秀逸である。
さて、これでラグビーは決着。レノマさんは今後どのような態度を取ることになるのか・・・
そして、刑務所の裏の顔とやらが出てくることになるのか。次の展開に期待です。



第12房 呼吸  (2011年 22+23号)


27ラグビー終戦。光に包まれ、リクの表情も穏やかなものになっていきます。
ノギに礼を言い、眠りにつくリク。その様子を見ているレノマさん。
ボスを裏切ったことを思い出して戦慄するノギ。
しかし、レノマさんは、そんなノギに、クソ度胸出しやがってと言うだけだった。
リクの意地が通ったわけですな。

トライを許してしまったレノマは思う。
まさか、1人対2人になっちまうとはな・・・いや・・・
1対3だったな・・・

そりゃ勝てるわけねえや・・・

リクが信じて背負うおじさんの言葉。その力をレノマさんも感じ取ったのだろうか。
人を信じるなんてことに否定的だったレノマさん。これは大きな変化の前兆になるかもしれない。
どうでもいいが、レノマさんのずりおちそうなズボンが気になる。

レノマさんは納得したけど、ボスであるレノマさんが敗れたとあっては27の秩序が問題になる。
谷村看守部長はその落とし前として、さらにレノマさんを痛めつけようとする。
しかし、そこに待ったの声が入る。誰だ!?

お・・・おんなァー!?

割り込んだのは、極楽島特級刑務所N棟医務課に配属された、虎沢愛さんでございます。
いきなりの女性登場に割れんばかりの歓声が囚人から沸き起こる。
谷村看守も引き下がるを得ないようだ。
硬派なレノマさんは女性の登場に揺らいだ様子はない。
同じ房のリーゼント君、天野渉は凄い揺らいでいる。中学生かよ!

なんてやってたら、寝ていたリクの容態が急変。
限界を超えて戦った反動か、衰弱していっているようだ。
慌てて虎沢さんが駆けつける。呼吸が弱っている。これは、アレしかない。

チュウ!チュゥゥゥ!

いえ、人工呼吸です。ただの救助活動ですよ。反応しすぎだ天野渉!
反応してたのは天野君だけではない。虎沢さんが振り返ったら、レノマさん以外の全員が倒れていた
何だこの光景!
刑務所のリンチという展開だったはずなのに、一瞬で男子校の不良漫画みたいなノリになったぞ!
27は女性慣れしていない連中が集められたのであろうか・・・少年漫画的には、このノリはありだけど!

虎沢さんの看護により息を吹き返すリク。
その意識はまだ朦朧としている。声をかけてきているのがおじさんだと思ってしまっている。
意識が覚醒していくと、そこにいたのはおじさんではない。女だ。
なるほど。おじさんではなく、女。ならば・・・おばさん!

まだ25歳のおねえさんです!

微妙なとこだが・・・おねえさんでよいことにしましょう!
息を吹き返したが、ケガが酷いリクを、検査のために医務室に連れて行こうとする虎沢先生。

検査!
もう尻の穴をほじくられるのはイヤだ!

そんなことしないわよ!

13歳の少年の尻の穴を検査する25歳のおねえさんか。犯罪臭がしてきたぞ!これが最凶監獄ってことか!?

ワーワーと争っているリク達。レノマさんは、同じ房の連中に、リクを医務室に運ぶのを手伝うように指示する。
なんだか27もいい感じにまとまってきましたね。
1人で立つレノマさんのもとに近づいてきたのは、リーゼントの兄貴、史郎さんでございます。
凄い大物風を吹かして、面白い試合だったぜと言ってきてくれます。
この間レノマさんに一蹴りで倒されたのなんてなかったことのように!史郎さんは大きいな!

さて、ラグビーは終了し、レノマさんは負傷しました。
この様子を見ていたのは別のグループ。傷ついたレノマさんの居ぬうちに、第27木工場をシメようとたくらんでいる群狼達。
なんだこの集団!?
なんでお前らみんな髪型揃えてきてるんだよ!?
特に真ん中のハゲ集団のポイントが高い。なんなの?入獄時に髪型でグループわけとかされるの!?
でも、27は割とバラバラなんだよね・・・監獄島特級刑務所。謎の多い刑務所やで!



第13房 病棟  (2011年 24号)


ラグビーは終わり日常に戻りました。監獄の生活を日常と言っていいものやら。

リク達の雑居房。リクとレノマさんは医務室にいるので、ここにはノギ達5人しかいない。
リクが勝負に勝ったものの、もうイジめられなくなるかはわからない。当のレノマさんはいませんしね。
でもまあ、レノマさんが決めたことですし、天野君たちが逆らうこともないか。
自分の鯖の竜田揚げをノギに渡し、これまでのことを謝罪する天野君でした。
なんだかいい雰囲気の雑居房。
しかし、5人の中でも目立った動きのないメガネの人が気になりますな。
この人200番台なんだから、結構な古株なんだよね。何か後々動きを見せそうな予感。

虎沢先生はレノマさんとリクの罪状について調べている。気になりますかね、その2人が。
2人の検診に行く虎沢先生。医務室は緊張感に包まれていた。というか、リクが一方的に緊張している。
語ることもなかった2人だが、検診によってきっかけが生まれた。
まさしく子供なリクの行動に笑うレノマさん。

こんなガキにしてやられるなんてよ・・・

なんとも落ち着いたというか、むしろ燃え尽きた感じのレノマさんの表情であります。
髪も力ないように見えますしねぇ。サナトリウムってやつですか。病弱なガチムチレノマさん物語。なにがなんだか。
笑った後、レノマさんはリクの方を向き、言う。

オメェの勝ちだ。

そして、リクの言うとおり、ノギをイジメないこと約束する。
それを聞いて安心したリク。2対1で戦ったことを気にするが、そんなことは気にすることじゃない。

お前は力で意志を通した。
仲間の心を動かすほどの信じる力でな。


なるほど。それもまた力というわけですな。
2人の間に穏やかなものが生まれつつあります。
医務室の外から光が射して2人を映すシーンとか、なかなかに感動的ですやね。
ボロボロになるまでケンカして分かりあう。正統派の不良漫画ですね!ん?

レノマさんは、初めてリクの名前を呼ぶ。
そして、聞く。お前の信じるというおじさんは、どんな人だったかを。
リクは答える。

あんなスラムでも、生まれてきてよかったって・・・俺にずっと思わせてくれる人だった。
命がけで人を守る姿が・・・めちゃくちゃかっこいい・・・おじさんだった。

信じてくれていた。裏切れない。
そういう俺をまたさらに信じてくれていた。
俺もそういうおじさんをまたさらに裏切れない。

お互いを信じている。その信頼を裏切れない。それがリクの立ちあがる力ということですわね。
リクの答えを聞いたレノマさんの表情はなんだろう。何かを懐かしんでいるのだろうか。

俺にもな・・・いたんだ、そういう人が。
でも、その人は・・・俺が殺したんだ

幼い頃のレノマさん。おじさんらしき人と笑顔でいたころのこと。次回は回想ですかね?
3人を殺し、レノマさんが人を信じられなくなった話が明かされます。



第14房 貧困  (2011年 25号)


レノマさんの過去が明らかになる。

時は隕石衝突前。場所は東京
。 激烈な格差社会の敗北者達が集う巨大貧困層団地、GRAND SLUM
貧困層なのに並のビルよりよほどでかい団地が出来ている。数はパワーだよ!

生まれてすぐに捨てられたレノマさんは団地の中にある養護施設で育てられていた。
団地の人間ということで子供達からいわれの無い迫害を受けるレノマさん。可哀想に。
その養護施設の園長先生は何くれと良くしてくれる人だった。

子供だけではなく、大人も団地の子供とは関わらないように言っているらしい。
そんな迫害に嫌気が差し、団地を出て行きたいと願うレノマさん。
その夜。養護施設に借金取りが押し寄せてきた。
借金取りから暴力を受けても、子供たちの食費は守り通そうとする園長先生。

貧しくとも・・・我々にも!平等に生きる権利はある!
好き勝手に差別されるいわれはない!

このお金は・・・子供たちの明日のため・・・絶対に渡せんっっ!

園長先生の献身を目の当たりにしたレノマさん。
もう団地を出て行きたいなんて言わないと誓う。ふむ、いい話ですな。

俺はこの先生が大好きだった
先生がいつも側にいてくれて、どんな辛いことにも耐えられた。
幸せだった。
でも、別れなきゃならない日がやってきた・・・

レノマさんを養子として受け入れてくれる所が決まったらしい。ほう。
新しいお父さんとお母さんの所に向かうレノマさん。
しかし、先生との思い出は断ち切りがたく、車から飛び出すレノマさん。
戻って養護施設で見たものは・・・

園長「レノマ1人の臓器でまた稼ぎすぎちまったなぁオイ。これだからこの売はやめられねえ」

ゲーッ!園長!
これまでの人の良さそうな表情は消えうせ、下衆な男の面が表に出ている!
このあいだの借金取りは園長の仲間でございました。
レノマさんが家出しそうな気配を感じて一芝居打ったわけですな。やってくれるぜ。騙されたよ。

この擁護施設で子供を育てて、臓器売買を行っていたという。
レノマさんもあのままなら闇医者のところで解体されるところだったという。恐ろしい。
しかし、育てていて情とかわかないもんなんでしょうかね。湧かないから出来るのか、こういうことが。
怒りのレノマさんにより3人はやられます。
信じていたのにー!レノマさんの叫びは悲痛ですなぁ。

時は流れ、少し大きくなったレノマさん。チームを組んでおられます。
隕石が衝突した後の東京ですが、隕石衝突前の事件も裁かれている模様。
ファミリーを守る為に、おとなしく捕まるレノマさん。
極楽島特級刑務所にて懲役28年の刑に処されることになりました。

このファミリーとは今も繋がりがあるんでしょうか?
調達屋として名を馳せているレノマさんですが、外部とのやりとりに絡んでいるかもしれませんな。

人を信じて生きるのは弱いやつのすることだと・・・
弱ぇから人に期待する・・・
弱ぇから裏切られる・・・
だから俺は力を信じた。
誰にも裏切らせないファミリーを力で作った。スラムでも、ムショでも。

これがレノマさんの半生であります。
ルールを定めて力を誇示してみせたのも、誰にも裏切らせない組織を作るためだったわけですな。

話を聞いたリク。震えて涙を流す。
我がことのように悔しがっているリク。その姿を見て礼を言うレノマさん。
その背中には、十字架が背負われていた。自らそういう意識を込めて、十字架の刺青を入れたのでしょうかねぇ。
レノマさんもいろいろ複雑ですなぁ。

で、最後に谷村看守部長が登場。
落とし前の話に来たと言うが、何をするつもりなんでしょうか。
刑務所の裏の面が見れたりするんでしょうか?レノマさんには無事でいてほしいものですが・・・
刑務所の過酷な面が見れるのには期待したいが、レノマさんが犠牲になるのは勘弁願いたい。
これまた複雑だ。頑張って耐えて、レノマさん!



第15房 月光  (2011年 26号)


谷村看守部長がやってきて、医務室でのんびりしていたリクは再び雑居房に。まあ、元気だしな。
324房は平和な様子。ノギと天野君が仲良く将棋している。
イジメは本当に終わったんだなとリクも一安心だ。

逆に天野君たちはレノマさんのことが心配な様子。
レノマさんは懲罰房に送られていた。
送られる途中、挑発に答えて口を開くレノマさん。
その瞬間、抗弁したものと見なされて特別懲罰房行きになってしまう。計ったな!

特別懲罰房は水責めの部屋である。
最初見たときは、ふとんかぶって横になっているところに水が流し込まれてるのかと思った。
よく見たらちゃんと直立してましたな。

鎖で首と地面がつながれているので水に浮かぶことは無い。
水位が上昇し、頭の高さを越えようとしている。このままでは窒息だ。
なので、放り込まれるのはバケツ。
これを使って水を掻き出せという。

これほど・・・生きるための努力の大切さと、生かされていることの有難みがわかる所もなかろう

谷村に言われなくても、生きるための努力の大事さは身にしみてわかってる人なんですけどねぇ。
ともかく、今は生きないといけない。バケツを手にするレノマさん。

そのころ、324房。リクはレノマさんのことを心配していた。
月がキレイな夜である。雑居房には月明かりが差し込んでいる。
全員がそれに注目し、そしてボスのレノマさんを心配している・・・どんだけレノマさんは慕われているんだ!

レノマさんのいる特別懲罰房からも月は見える。
肋骨が折れた状態で、腰辺りまで水を掻きだしたレノマさん。
そこまでしなくてもよかったはずだけど、勢いあまってやってしまったのでしょう。さすがレノマさん。

翌日。昼休みあたりでしょうか。天野君とハゲ君が仲良く歩いている。
その横を通り過ぎようとしているのは・・・ラグビーの最後に現れたグループの1つ。ロン毛組!
笑顔で大口あけて語る天野君のアゴが曲がった!
っていうか、下手したら下アゴが吹っ飛ぶところでしたぞ。エグイんだかギャグなんだかギリギリの線だ。

ロン毛軍団による第27木工場の侵略が開始される
レノマさん不在の状態で27に勝ち目はあるのか。暢気しているリクの男気がまた試されるな。
レノマさんの帰る場所を守るんだ!
どうでもいいけど、ロン毛のボスっぽい人、前の1コマの登場の時より男臭くなってるな。

さて、6月8日に単行本の1巻が発売されます
鉄格子にかじりついているリクの絵は迫力あるなぁ。と思ったらこれカバー表紙じゃないんですな。
カバーの方も気合は入っているけど、こっちの絵のほうがよかった気はしないでもないです。



第16房 黒髪  (2011年 27号)


天野がやられた!が、早くも復帰してきました。
アゴが外れただけで済んだんですかね?

天野君は誰にやられたかもわからない。
隣にいた顔面凶器も、蝶々に気を取られてわかりませんでした。てふてふだー
わずかに黒髪の余韻を感じているのみ・・・そこがわかるなら特定できそうな気もするけどな。

思い悩む顔面凶器を慰めるリク。いい子ですね。

で、誰が顔面凶器だこのヤロウ

名前も知らないからそういうあだ名で覚えてしまうのですよ。ピッタリですしね顔面凶器。
今まで自己紹介もしていなかったとは驚きである。
いい機会なので自己紹介。ようやく、324房全員の名前が判明しました。軽くリストアップ。

佐々木麗乃真 囚人番号152 第27木工場のボス。
天野渉 囚人番号407 お調子者のリーゼント。ギャグ担当になりつつある。
松尾智広 囚人番号424 顔面凶器。スタンバーイ。
須藤直也 囚人番号684 頭が尖って額にほくろがある少年。栗っぽいな。
菅利道 囚人番号288 入墨職人らしきメガネ。レノマさんの絵も描いたらしい。
野木田卓 囚人番号759 ノギ。
栗田陸 囚人番号802 リク。主人公である。

しかし、288番の菅利道はいくつなんでしょう?番号はレノマさんに次ぐ若さだから入獄したのは早いはず。
それでいて、ノギにくんづけで呼ばれているという。なんだか謎な人である。

それにしても、レノマさんはここで入墨彫ってたんですね。
職人呼べたりするのか?入る前に彫ってたのか?とか疑問でしたが、とりあえず納得。

さて、天野君が324房のみんなに警戒を呼びかけます。
ボスがいないこのタイミングでしかけられた。これは勢力拡大のための宣戦布告かもしれない。
もしそうなら、ターゲットは第27木工場全員だ

この話を聞いて震えるノギ。励ますが、さすがに自分も震えが抑えられないリク。
そんなムードの中、天野君の医務室体験。憧れの先生には会えたのかい?
愛ちゃん先生に会えるどころか、ヒゲ面に怒鳴られて追い出されました。
包帯巻いときゃ治る!甘えるな!
本当に治ってるから凄いよ。アゴはめ直すだけなら包帯もいらないんじゃないかね。

天野君はムードメーカーらしい。
いつも一緒にいるらしき顔面凶器、いやさ松尾はかなり仲が良いようだ。
この辛気臭いムショでも、その筋金入りのバカさに救われているという。

なのに、俺ぁ側にいながら、何もできなかった・・・

悔しそうな表情の松尾君でありました。

さて、翌日。第27木工場のメンバーに昨日の出来事を伝える。
とりあえず今日の昼休みは工場から出ないことにする。室内で遊んでいれば大丈夫だよね。なんでだ?
室内にいても襲われることはある。松尾君はそう考えるから、ひとり立ちふさがろうとしている。

天野の敵討ち・・・俺がやってやる!

友情ですねえ。
決意したときに襲い掛かってくる影。
小柄な影が2つ襲い掛かってくる。飛び蹴りを受けるものの、そんな軽い打撃は通じません。
振り落とすと逃亡を始める2人。追いかける松尾。まて、松尾どう見てもそれは罠だ!

誘い込まれた先にいたのは、ロン毛のボス。
思いがけず、天野君をやった敵に巡り合えた松尾。ギギギ。
ぶっ潰してやると力任せに殴りかかる。が、ロン毛は素早い。やはりボクサーか。
松尾の突進を交わし、逆にカウンターを顔面に決めていくロン毛。
そして、右ストレートを決められて吹き飛ばされる松尾。

無念の敗北。そして、明日は免業日。刑務作業の無い日である。
この日は工場に引きこもることもできず、強制的に運動場に放り出されるらしい。
土、日、祝日は業務なしなのか。割と待遇よいのね。
襲われる恐れがある時には厄介なんでしょうけど。

さて、レノマさんのいない状態でどう戦うのか。第27木工場の意地の見せ所である。



囚人リク 3巻


第17房 免業  (2011年 28号)


単行本1巻刊行記念。巻頭カラー&増ページでございます。

松尾を倒したロン毛の名前が判明。第16木工場椿陽平
お前を弄んだ男だ

弄んだ。なんか淫猥な響きっすね。柱のアオリでも、この拳、不埒!とか書かれてるし。ひわい!

倒された松尾は医務室送り。ボコボコにされたけど、後に残る怪我ではないらしい。
虎沢先生は、何があったのか松尾に聞く。が、松尾はごまかすだけです。

頼むぜ先生・・・
男の口から返り討ちにあいましたって言わせる気かよ。

なんだか、カッコイイこと言っちゃってるなぁ。
ともすれば犯罪者ってことを忘れてしまう。何の罪で捕まったんでしょうねぇ。
顔が怖いから脅迫したと思われて捕まったとか、ありそうな気がします。

虎沢先生は谷村看守部長に問いただす。連続の怪我人はあまりに不自然である。
そのとおりだけど、囚人同士のいざこざでありますから、刑務官は積極的に関与しない。
囚人の数に対して、刑務官の数は5分の1だと言う
ふうむ、5倍か。うまくすれば反乱もありえますかねぇ。まずは手錠をどうにかしないといけないだろうけど。

囚人同士が揉めてる間は不満のベクトルが官の方に向かうことはない。
だから、大きな抗争があっても黙認される。それが極楽島の現状でございます。
つまり、襲われても助けてはくれませんよってことですな。

さて、夜。松尾が324房に帰ってきます。
顔を腫らして帰ってきた松尾を笑い飛ばす天野。はずれたアゴがガコンガコンいっている。
笑い飛ばそうとするが、だんだんと表情が崩れていく天野君。

バカだよオメーはよ。返り討ちにされて・・・どんだけブザイクになりゃ、気がすむんだよ・・・

2人の友情を感じたリク。いてもたってもいられなくなって叫ぶ。

リク「俺が仇をとってやる!」
天野「とれるわけねえだろ!オメエ弱ぇじゃねえか!」

まったくです。根性はあるけど、それでどうにかなるとは思えないですしねぇ。
第16木工場の奴らは、レノマさんがいない間に勢力の拡大を図っている。
数こそ最大の力。ムショの掟だ

ここで菅くんによるイチロクの椿の情報。
菅くんは他の工場の奴らにも入墨を入れています。椿の体にもいれたことがあるそうな。

あんな美しい女を彫るのにはさすがに骨が折れた。

椿の背中には女の入墨か。どんなものになってますのかねぇ。
それはさておき、椿の体は相当鍛えこまれている。かなりの強者。ボクサーの体型らしい。

この情報に震えるノギ。天野君も焦る。
明日は免業日。運動時間になれば、有無をいわさず全員運動場に放り出される。
逃げ場もない。隠れることもできない状態で一気に襲い来るはずである。こりゃ怖い。
震えるノギに手を伸ばし、大丈夫と唱えるリク。男前やのう。

さて、免業日の運動開始。いよいよである。
第16木工場VS第27木工場。
ロン毛軍団のイチロクに比べ、こちらは短髪が多目だが統一感のないニーナナ。
団結力の点で遅れを取っている気がします。
軍団で髪型が違う利点としては、同士討ちを避けることができるという点がありますな。見分けがつきやすい。

第16木工場の人員の手により、遠くの警報装置が鳴らされる。
看守達はそちらに行ってしまい、運動場から消える。全員いなくなるのもどうなのよ。
ともかく、それが合図だ。戦闘開始!

ボスのいる第16木工場と、いない第27木工場。士気の差は歴然である。
見開きの1ページで圧倒的な差を伝えてくれます。
ネームキャラである天野君や松尾もボコられる有様。
ノギも追われてトイレに逃げ込む。そのノギを救うために飛び出したのは、リク!
ロン毛雑魚の蹴りをアゴで受け止めたぞ!自ら当たりに行きおるとは。
レノマさんの攻撃を受け続けたリクにしてみれば、こんな攻撃大したことないってことかも。

ついに戦闘が開始されました。ハッキリいって、レノマさんのいない第27木工場に勝ち目はない。
ボスがいないというだけで、気力が目に見えて減衰してますからねぇ。
レノマさんが怪我復帰すれば、勝ち目は見えてくるけど、出してくれるかどうかわからない。

なので、勝つためには助っ人の介入がいるのではないかと予想する。
まずは1案。ラグビー編最後に出てきた勢力の1つ、ハゲ軍団が介入してくる
ハゲ仲間の松尾を取り込む為に、ハゲ軍団が手を貸しに来てくれたんだ!とかそんな展開。
突然すぎてさすがにないか。

続いての案は、リーゼントの兄貴、史郎さんが介入してくること。
最初の登場時はレノマさんの不意打ちを受け、一蹴りで倒された史郎さん。
でも、口ぶりからしてレノマさんに対抗できるぐらいの力はあるんじゃないかと思われる。
その史郎さんが助太刀にきて、椿と戦ってくれるなら、勝ちの目もでてくるかもしれない。
史郎さんなら、レノマの帰る場所は俺が守ってやるぐらいのことは言ってくれますよね!



第18房 抗争  (2011年 29号)


ニーナナVSイチロクの全面戦争勃発。
序盤からイチロクの圧勝という状況。ボスの有無が士気に絶大な差を生んでいる。
いや、それともニーナナが弱すぎるのか。どっちだ?

栗頭の須藤君が逃げ回っている。
追っているのは、イチロクのボス椿。
その椿を止めようとする菅君。
いい絵を入れてあげたよしみで、やめてくれないかと頼む。
椿も、あの絵には満足している。ありがとうと言ってくる。

でも、それはそれ

ですよねぇ。殴り倒される菅君。須藤君も泣きながらボコボコにされる。
看守が戻ってくる前に壊滅状態のニーナナ。
血も涙もない悪魔のような椿を見て、震えてしまう天野君。
だが、自分を殴り気力を奮い起こす。ここでやらねえで、いつやるっつーんだよ!

椿を追う天野君。松尾も気づいて追おうとするが、それは止める。

俺ぁ、こんな最果てのクソみてえな所でよ、お前みてえな男に会えるとは思ってなかった。
・・・タメ張れる友達でいてえんだよ。だから・・・

包帯とリーゼントを解き、一人で挑もうとする天野君。

俺にもカッコつけさせろよ
みんなの敵、とらせてもらうぞ。

あらやだ。天野君カッコイイ!?
マジ顔しているからか、リーゼント解いた天野君がカッコよく見えます。
今こそ意地を見せていただきたいが・・・勝てる気がしねぇ!

さて、天野君とは逆の方向。トイレでノギを庇い、リクが戦っていた。
とはいえ、リクは基本強くない。しかも向こうは人数を増やしてきた。
モップを取り出し、リクにとどめを刺そうとするロン毛。誰も助けに来ないというが、果たしてどうかな!

ドオゴォォン!!

見開きで巨大な腕が、ロン毛の顔面をぶっ飛ばした!!
トイレの個室から出てきたのは・・・レノマさんの悪友、史郎さんだーッ!
キタキタキター待ってた史郎さーん!
この登場には読んでて大興奮でありました。
史郎さん自信はクソが止まってしまってフン激しておられるみたいですけどね。
とても悲しそうな顔だ。そんなに久方ぶりのクソだったのか!?

しかし、今回の史郎さんは凄いデカイ。怒れる監獄の巨人なんてアオリまでついている。
まあ、あのレノマさんが見上げるほどですし、そりゃでかいですわなぁ。
登場したときは、不意打ちだけどレノマさんに文字通り一蹴されました。
その後のラグビーでは大物風を吹かして語っておりました。
そして今、ついに史郎さんの実力が明らかになる!めいいっぱい暴れてください、史郎さん!



第19房 巨人  (2011年 30号)


小便器に突っ込んだロン毛がなんか怖いことになっている。
それはそれとして、史郎さんの登場である。全裸で。

服ぐらい着させろや

そうですね。早いところ着てください。いきなりの展開に笑わさせられたよ!
史郎さんは全裸でトイレ派か。と思ったが、服の構造上、脱がないとできないのか。そりゃしょうがない。

ここで史郎さんのフルネームが判明。
第26木工場のボス、江田史郎。人呼んで「極楽島の巨人」!

隣の工場のボスというのは登場時に出てましたが、ようやくフルネームも判明しましたな。安心安心。
しかし、ノギは史郎さんも、くん付けで呼ぶのですな。
考えてみると、この刑務所。呼び捨てか、くん付けしか見た覚えがないな。
さんを付けない文化でもあるのだろうか。気付いてないだけでさんづけしてる人もいたかもしれないけど。

関係ない工場のやつがしゃしゃりでてくるなと言うロン毛。
確かにケンカ上等。横やりを入れる気はない史郎さん。
でも、レノマさんがいないときに襲撃をかけたりするのは気に入らない。
というわけで、トイレにいたロン毛4人を全員小便器に叩き込んでしまう史郎さんでありました。
ダブルブレーンバスターとか豪快ですなぁ。

野郎ども。男らしく喧嘩せよ

兄貴はかっこいいなぁ。でも、このセリフのときの史郎さんの表情がなんか切ない感じで笑える。

4人並んで小便器に叩き込まれている光景はシュールだ。
そのうちのひとりに仕返しをするノギ。あらカッコワルイ。
それを止めるリク。それはよくない・・・
さらっときれいごとを言えるリクはさすがだと思う。

ロン毛4人は史郎さんが倒してくれた。しかし、まだまだいっぱいいるロン毛。
どうするリク。確かにこいつらは卑怯者だ。しかし、ムショでそんな言い訳は通用しない。
ここは弱肉強食の極楽島プリズンである。弱みを見せた方が悪いことになるのだ。

なんなら、助っ人になったろか?

どや?と問う史郎さん。願ってもない申し出である。
でも、これを断るリク。リクとしては、よくわからないことを受け入れることはできないらしい。
なんというか、頑固なんですよね。回らない頭で必死に考えるけど、わからないから意地を張ってしまう。

なんで弱みを見せたら襲われるんだ?
強い奴が弱い奴をとっちめるのが、なんで当たり前なんだ?
弱肉強食とか、数の力とか、抗争とか・・・全然意味わかんねえよ!

普通の人なら当たり前のこととして受け止めてしまう事柄。
それでもリクには納得できないことらしい。少年らしいですなぁ。
もちろん、このムショで誰かに甘えたりしたら前に進めなくなるという意地の部分もあったりしまう。

リク「とにかく俺ぁ怒ってるんだ!助っ人はいれねー!」
ノギ「リクがわかんねー!」

まあ、普通にはわからない話ですわな。子供の意地ってやつでしょうし。
それでも貫き通そうとすれば、それは立派な姿勢となる。
助っ人はいらないと言った手前、自分をおとりにしてノギを逃がそうとするリク。

自分の身は自分で守る。それはムショの掟・・・
史郎さんもそれはよくわかっている。だが。

あんなちっこいくせに大口叩きやがって・・・

意地を張るリクに何か惹かれるものを感じてしまったのでしょうかね。
木っ端のごとく、ロン毛集団を蹴散らす史郎さん。

男やったらタイマン張ったらんかい!

さすがは史郎さん。ちゃんと口実つけて介入してきた!
これならリクも納得できますよね。かっこいいな、兄貴!
レノマさんともよくタイマン張ってたんですかね、史郎さん。タイマン張ったらダチじゃあ!

というところで響く顔面凶器の声。天野君が危ない。
でも、天野君も椿とタイマン中なんですよね。上手くしたらダチになって帰ってくるかも。
いや、顔面凶器と椿もタイマン張っててこれだから、無理か。



第20房 開扉  (2011年 31号)


史郎さんの活躍で16軍団は一掃されたそうだ。その辺に何人か立っているのは気のせいだ。
顔面凶器こと松尾君の叫びを聞いて駆けつけようとするリク。
そのリクが見たのは燦々たるありさまの27の連中の姿だった。

読書!眼鏡!

自己紹介されたのに、結局呼び名はそれかよ。
仲間のもとに駆けつけようとしたが、倒れているうちの1人につまづいてしまう。
こいつは・・・数日前にリクの指を削ったやつじゃないですか。
そんな相手に気遣いの言葉をかけるリク。

オメェの顔は忘れようったって忘れられねえよ。
でも・・・今はもうただ、それだけさ・・・

リクは大きいなぁ。
その言葉を口にして気付く。
いつの間にか放っとけないことだらけになっちまって・・・
そう、いつの間にか・・・俺ももう。第27木工場の1人なんだ

リクが何かを自覚したようです。こりゃ集団脱走の可能性もあるか?

眼鏡の眼鏡が金網の向こうに飛ばされている。
金網の向こうに手を出すと電流が流れる仕組みになっている。
でも、眼鏡してる人には、眼鏡ってすっげぇ大切なんだ。
だから手を伸ばす。おじさんの言葉は偉大だなぁ。

ともかく、27は惨敗である。レノマさんがいないことで統率も何もありませんでしたしね。
史郎さんはリクに説く。

倒さなければ倒される。看守や他の囚人から倒されへんためには強くなるしかないんや。
強くなって誰にも倒されず、釈放のその日まで生き残るのがここの奴らの本能。
そのための数。絶滅をしないための数。自然の摂理。
数は――力なんや

力を持った者が強い。強い奴が弱いものを喰らう。
それが摂理だと史郎さんは言う。だがリクは納得しない。

強い奴ってのは、真っ先に弱い奴に手を差しのべる奴だろう!
殴りつけたり蹴っ飛ばしたりすることが強い奴のすることか!!

スラム育ちのくせに、他人のことを考えて生きてきたリクだけはあります。
この極楽寺までも真っ直ぐに正義を信じている。弱っちいナリをしながらねぇ。これからも苦労しそうだ。

さて、顔面凶器のほう。
リクは天野君のことはあだ名で呼ばないのかね?
リクがたどりつくころ、倉庫の中は静かになっている。終わったのか?
なんとか倉庫の扉を開けようとするリク。そこに声をかける史郎さん。

行けば必ず闘いになる。

中に居る椿は、リクの主張とは真逆の、力の信奉者である。
そんな相手と出会うことになるのがわかっていながらも、開けるのを手伝ってもらう。
本当、リクは苦労する性分だねぇ。
史郎さんの一撃で倉庫の扉が破壊される。本当にハンパないパワーだな。
中で見たのは・・・ボロボロの状態の天野。うわ、こりゃヒデェ。

何してくれてんだよォ!

仲間を傷つけられたリクの怒りはどのように発揮されるのか。
正直、リクでは勝ち目が無い。ノギと松尾君が加わっても勝てるとは思えない。
でもここで史郎さんを頼るわけにもいきますまい。どうするんだ?
レノマさんが復帰してくれれば一番なんでしょうけどねぇ。どうなることやら。



第21房 包帯  (2011年 32号)


血だらけの状態の天野君。これは本当に声もでねぇ。
どうにか気を取り戻したリクは、そっと降ろす事を要求。
まあ、守ってくれるはずもないですわな。放り投げられる天野。
リクが下敷きになることで、地面に叩きつけられることはなかった。
滑り込んで容態を確かめる松尾。どうやら、死んではいなかったようで一安心。

天野君の無事を確認している間、椿は史郎さんと対面。
出しゃばるようなら、オメエ――第26木工場もやっちまうぞという椿。おやおや、ケンカ売ってる?
史郎さんはこれを受けて一言。

やるならボス同士タイマンで決める。

なんだかお互いやる気になっていますかね?
このままでは第27木工場は脇に置いておかれてしまう。慌てて松尾が乱入。
第27木工場はまだ終わっちゃいねぇ。

ボスがいねえニーナナは、俺が守る。
天野からつながったこのタスキは、まだつながってんだ!

天野君の包帯を拳に巻き、握り締める松尾。本当に仲のいいヤツラだぜ。
顔面凶器、松尾の再戦。しかし、普通にやって勝てる相手ではない。
相手はボクサーである。ただ殴りかかっても交わされ、殴り返されるだけである。
だが、ダッセェ奴にもダッセェ奴なりの泥臭えやり方ってもんがある。

強烈な一撃をアゴに受け、吹き飛び松尾。しかし、それは狙い通り。
倒される前に、包帯を椿の背中にかかるように通しておいた。
松尾が倒れることで、椿も巻き添えにすることができるわけだ。
バランスが崩れた状態なら足は使えない。千載一遇のチャンスだ!くらえああああ!

最後のチャンスと振るわれた拳。しかし、これも交わされる。
頬を少し掠めて出血させた程度である。
でも、掠められたというだけで椿にとっては屈辱ものらしい。激昂しておられる。

あぶなーい!
あいたー!!

リクがすべりこんで、松尾を窮地から救ったぞ!
でも、松尾のあいたーはなんか笑える。いや、そりゃ痛かったんでしょうけど。

吹き飛ばされた松尾の代わりに拳を受けたリク・・・と思いきや歯で受け止めた!?
どんだけリクの歯は頑丈なんだよ!
椿が空振ったと思って寸止めしたところで噛んだのかもしれない。それだと効果音の説明がつかないな。

リクはとにかく打たれ強い。よく死に掛けるけど。
ともかく、死に掛けるほど殴られても折れない根性がある。
リクが椿に勝てる目があるとすれば、その点でしょうか。
相手はボクサーだ。3分しか全力は出せない可能性がある。つまり3分耐えれば、足は止まるはず。
動きが止まったところに、レノマさんも負傷させたノギロケットを叩き込む。
この、リクが疲れさせる→ノギロケットというコンビネーションを完全なものにすれば、刑務所内に敵はいなくなるぞ。
どうですか、コレ!
まあ、タイマンじゃないだろとか言われて、史郎さんに殴られる可能性があるのが弱点だけどな!



第22房 弱者  (2011年 33号)


椿の拳を口で受け止めたリク。だが、椿はその拳を口の中に押し込んできた!
その状態で、空いた側の拳でリクを殴りつける。こりゃ厳しい。
何度も殴りつけようとしているところを、松尾が救出。
スライディングでリクを吹き飛ばして助ける。
そんな余裕があるなら、椿を蹴り倒しでもすればよかったのにのう。

まあ、松尾くん自身、もはや戦闘意欲が薄れているようだ。
リクを救出したものの、椿の姿を見て逃げ出し、天野君たちのところにダイブする。

なぜ初めからそうやって逃げなかった?
弱いのに・・・なぜ闘おうとした?
とっとと降伏しておけば・・・そんなに傷つかずにすんだものを

闘わずに逃げ回っていた読書や眼鏡を容赦なく叩き潰した人とは思えないセリフですな。
まあ、ツッコミいれても、それはそれ。で済まされそうだ。

弱いってみじめだな。
弱ぇから自分も守れねぇ・・・ましてや、人も守れねぇ。
恨めよ、憎しめよ。テメェの弱さにな

第27木工場、制圧完了

椿が両手を広げ宣言する。そこに声をかける史郎さん。
レノマさんはいずれ出てくる。その時どうするのか。
いつでもやってやると答える椿。
あいつの全てを奪ってやる。メンツもファミリーも・・・楽しみでしょうがねぇ。

史郎「まだ、あん時のことを恨んでんのか・・・

何?何か椿とレノマさんの間に確執があったといいますのか?
単純にレノマさんがいなくなったから、ニーナナを潰しにきたとかそういう話じゃないみたいだ。

さて、倒されたリクたち。己の弱さを噛み締めている。
弱ぇやつがよ・・・がんばってなんとかしようとするのは・・・いけねえことなのか・・・
天野君の呟きは悲痛だ。
松尾君も悲しそうである。
この包帯を、天野君のタスキだと決めて、無念を晴らすつもりが、ただ無念を重ねてしまった。

天野君はそれを仕方ないという。だが、リクは――

弱ぇのは・・・自分も守れねぇ・・・人も守れねぇ・・・
けど、バカにされる道理はねえよ

天野と松尾、2人が両端を持つ包帯を拳に巻いていくリク。

今度は俺が・・・タスキをつなぐ
椿、俺と勝負しろ。

無念のタスキはつながった。リクが弱者の意地を見せるか!
こういうときのリクは妙にカッコイイんですよね。
普段も口をあまり開けずに、キリッとした感じで居てくれればなぁ。
次号はリクと椿のタイマン勝負・・・相変わらず勝てる気がしない。
どんな戦いを見せてくれるかに期待しましょう。



第23房 男顔  (2011年 34号)


天野と松尾の無念がこもるタスキを手に、リクは静かに昂る!
というカッコイイアオリを受けていますが、昂るというより緊張しているように見える。
まあ、圧倒的に実力差がある相手ですしね。容赦ないし。

勝負しろというリクの言葉も鼻で笑われてしまう。
ノギにしても、ムリムリ!ムリだってと決め付けてしまう。まあ、客観的に見てもムリっしょ。

だがムリと言われても引き下がれないのがリクである。
弱いから殴られても当たりまえとか、そんなの認められない。
甘い考えでも、ここが刑務所だとしても、それでみょっ。それでもリクは椿がやっていることが正しいとは思えない。

力比べにもならねぇ、弱っちい奴らが・・・追われて殴られて泣かされて・・・
どんだけ怖ぇか・・・悲しいか・・・痛ぇか・・・悔しいか・・・

それがオメェにはわかんねえのかよ!!

リクの激昂。椿は笑うだけかと思ったが、意外な返事を返す。そういうの、すっげえよくわかる
だったらなんで・・・オメェは何がしたいんだよ。

椿の目的は1つ。レノマさんのみじめな姿が見たいだけ
あいつの・・・ファミリーもメンツも全て奪い、レノマに恥をかかせてやるのさ。
工場に戻ってきても奴は1人。孤独のうちに後悔と失望にまみれたまま、俺の拳の前に沈むのよ。
それで俺の復讐は完成する

レノマさんのいないニーナナを潰してどれほどの意味があるかと思ったが、そういうことか。
史郎さんも得心がいった様子である。

史郎「そこまでまだ恨んでんのか・・・」
椿「外野のテメェごときが知ったふうな口を利いてんじゃねえよ」

なんだか過去にいろいろあったらしい。何があったんでしょうなぁ。
しかし、レノマさんとのいきさつはどうあれ、それで関係ない奴らまで巻き込まれるのはたまらない。

くだらねえ

リクの力強い言葉。発すると共に、流れていた汗が全て落ちる。
まるで中国拳法の達人のような汗のコントロールである。あれあれリク凄くない?

ともかく、この言葉に激昂する椿。あきらかに表情を固くしている。
ヤバイと感じたノギは史郎さんに助けを頼む。
史郎さんも手を貸したいとは思っている。でもそれはできない。
これはリクの闘い・・・リクの選んだタイマンなんや

史郎さんは天野と松尾の2人もよくやったと内心で褒める。
レノマさんはいい奴等に囲まれているという史郎さん。
そうですね。史郎さんのような悪友もいますし、レノマさんは恵まれているなぁ。

対峙して震えているリクの肩に手を置く史郎さん。
とにかくガードを固めていけとアドバイスをくれます。これくらいは手を貸したうちには入らないか。
耐えれば、そのうちチャンスがくるかもしれない。うむ、ここでの予想通りのアドバイスですな。

あごの前でガードを固めるリク。みんなの悔しい気持ちを受け取り、覚悟を決めていく。
リクが男の顔になった。
その顔に期待してしまう史郎さん。

見せてくれもう一度、あのラグビーの奇跡を!

笑いと共に、リクの頭をわしづかみにする史郎さん。何をするんだ!投げるのか!?
と思ったら前に置いただけでした。何をするんですか史郎さん。

こいつがこの顔になったら、結構強いで。

そう言ってくれるのは嬉しいが、叩きつけられてリクの足が痺れてるじゃないっすか。
ハッ。これが作戦か?
足が痺れていれば、下手に逃げ回ることは無い。とにかくガードを固めようという考えになる。
そうして相手の疲れをまとうという腹積もりか。いやぁ、史郎さんは意外と策士ですなぁ。絶対違うだろうけど。



第24房 1分  (2011年 35号)


リク対椿。ようやく開戦であります。
こいつの顔面に、この包帯を巻いたゲンコツを絶対にぶち込んでやる。
みんなの痛みをぶつけてやる。たとえ1発でも!

けなげに闘志を奮い立たせて立ち向かうリク。
しかし、頭を掠めるようにして放たれたパンチ一発で膝が砕けてしまう。
なんだかんだで、まだ13歳のリクである。怖いのは仕方がないか。

もう見ていられないというノギ。それに対し、まずは1分耐えるんやと言う史郎さん。
1分頑張ったら勝てる見込みあるのっ!?

わからへん

まあ、そうですわな。
1分。そんなんも耐えられへん奴に可能性なんかあるわけないやろ。

まあ、それもそうですな。
耐え抜いたからゆうて、可能性が出てくるものではない。
しかし、耐え抜くことすらできないなら、全然手にはいるようなものではない。
ならばとにかく耐える!耐えて欲しい!

リクよ!1分・・・1分耐えてくれ!
俺はそこにお前の可能性を見たいんや!

相変わらず切ない表情をする史郎さんである。
ともかく、1分が目安になる。リクもガードを固めることを決めたわけですし、どこまで耐えれるかがまず勝負だ。

5秒で終わらせると宣言する椿
。 その拳をガードの上から叩きつける。防いでいた自分の手で顔面を強打するリク。
さらに、ガードしている上から攻撃を重ねていく椿。
こらえきれず、ガードしたまま倒れるリク。
その上にかぶさり、さらに拳を重ねる椿。
そしてさらに、左手でリクの鼻と口を塞ぐ。そう来たか。

手をのけろ!手を!手を・・・

苦しさに目を充血させ涙を流すリク。
それを見届けてから手を放す椿。

懇願・・・お前は今、そういう顔をしたぞ

リクをただ倒すだけではなく、心を折りに来た椿。
仲間を半殺しにし、また自分を殴りつけてくる相手に、助けてくださいという目をした。
これはリクとしても悔しい話でありますな。

ぎー

無力さに顔を歪めるリク。それでも、言っておかねばならないことはある。クソ野郎・・・

椿の拳がリクの顔面に叩きつけられる。
そして、地面に横たわるリク。
この時点で、時計の針はようやく1分を経過したところである。
5秒では済まなかったものの、目標の1分を耐えることもできなかった。
このままリクは沈んでしまうのか?
さすがにそんなことはない、と思いたいが・・・どうなんだろうなぁ。やはり勝ち目が見えない。
期待する要素があるとしたら、次号から2連続カラーという部分
このカラーの間に希望が見えてくる可能性はあるで!
なかったとしたら、もう絶望しかないかもしれないけどな!



第25房 可動  (2011年 36+37号)


逆転の継起となるか?灼熱のセンターカラーだ!

1分持ちこたえることもできず、倒れるリク。
動けない。もう、1ミリも・・・
そう思っていても、体は起き上がろうとしている。
史郎さんは、あかんかったかと諦めかけていたが、リクの体はまだ抵抗を続けていた。

ノギは、もう立たなくてもいいと言う。
そのノギに対して、俺の拳がどれだけ痛いか教えてやるかと言う椿。
それは・・・!反応するリク。
だが、面倒くさいからいいやと去っていこうとする椿。あらら。

史郎さんに対し、次はテメェのところだと言い残す椿。

リクの体はまだ限界ではない。手も足も動く。
だけど、痛かったから・・・怖かったから・・・それだけで、俺はこのタスキを・・・情けねぇ・・・

勇気を震えなかったことを悔やむリク。13歳のくせして、えらい根性であるな。
ノギはちょっとくらい何かのせいにしてもバチは当たんないよと言う。
ただでさえ、無実の罪でこんな所に入れられているんだからと。
でも、それで自分を納得させれないのがリクという男なんでしょうな。

だから、立つ。
プルプルと震えながらではありますが、なんとか立ち上がり、ファイティングポーズも取った。
まだ終わっていない。そう宣言する。

史郎「立ったー!!」
ノギ「立っちゃったー!!」
リク「立ったー!

お前も言うのか!
前2人の勢いに押されて声高に宣言するリク。立ったどー!
それにイラだったのか、ノーガードの大振りを放つ椿。

来ったぁー!奇跡の流れ!今がチャンスだー!
これだけの大振りなら避けられる。いったれ!カウンターぶち込んだれ!

史郎さんの声援を受け、拳を振るおうとするリク。
しかし、避けれもせずまともにくらいます。なんでやねん・・・
まあ、そもそも技術がないわけでして。そういう要求は無理ってもんですよ、史郎さん。
ノドを殴られ、盛大に血を噴出すリク。それが偶然、椿の顔にかかる。

いいぞ!まぐれの目くらましだ!

ちゃんとまぐれだとわかってるノギはえらい。
しかし、この目潰しも片目だけ。これでは・・・と思ったが、追撃を大外しする椿。
なんだ、この外し方は一体・・・?
この状況を見て、史郎さんがバンと腕を組む。なんだ?余裕の構えってことですか、史郎さん。

マジかよ、おい・・・
リクめ。椿の最大の弱点に辿り着きよった!

椿の弱点とは一体!?
ボクサーですし、片目が塞がれれば遠近感がなくなり、外すこともある。
でも、こんなに大外しはしない気がします。
となると、右目が見えないという話がでてきそうな気がしますな。
つまり、今は何も見えていない状態ってわけだ。こりゃ奇跡の一撃が望めるかもしれませんよ!

とにかく、一撃。それを決めればタスキはつながるし、リクの勝ちである。
今の状態なら決めることも夢ではなくなった。いけ、リク!次回は巻頭カラーだ。ここで決めるんだ!
なんなら、その後のトドメは史郎さんにやってもらえばいい。
見えてないなら、誰がやったかもわからないよね!いや、絶対にわかるだろうけど。



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