蒼天紳士チャンピオン作品別感想

弱虫ペダルSPARE BIKE
SPARE.1 〜


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41巻

連載中分



SPARE.1 巻島祐介 1  (2012年 38号)


衝撃の新連載。
本編を描きながらの、外伝開始といったところでしょうか。もうひとつの弱虫ペダルが始まります。

これは自転車に全てをかけた男たちの記憶の物語である

そのようなアオリと共にカラーで描かれているのは各校の3年生たち
総北、箱学の7名はもちろん、京伏の石垣さん。さらには呉南の待宮たちまで描かれている。
ここに出ている全員の話が描かれるということなのでしょうか?
しかも1話で終わるわけではないらしく、1人につき2・3話続きそうな気配。最終的に2〜30話ぐらい続くのかな?
しかし、待宮はともかく井尾谷まで描かれているとは以外だ・・・
まあ、さすがにこの2人はセットで描かれることになると思うけど。
まさか井尾谷で4話使う、井尾谷月間とかは作られたりはしないでしょうさ。たぶん。

ともかく、記念すべき外伝の第1話は巻島さんのお話です。

部室の壁に開いた大きな穴。これを開けたのは巻島さんだという。
一体何があったのでしょうか?それを語るために回想が始まります。

それはまだ、巻島がクライマーとしての才能を開花させる前の物語

総北高校に入学する日の巻島さん。
思わず自転車に乗りながら鼻歌を歌ってしまうぐらいご機嫌である。
ずっと1人で走ってきた巻島さんであるが、ついに自転車部のある学校に入ることとなった。
これで誰かと一緒に仲良く走れる。と、ガラにもなくつい笑顔を振りまいてしまう巻島さん。
まあ、たまにはいいでしょ。春だし!まわりを楽しい気分にさせてもな!!
てな風に考えている巻島さんだが、相変わらず笑顔は得意じゃないみたいです。こわーっ!アタマ緑だし。

言われてみれば。もうすっかり慣れた頭だが、なんで緑なんでしょうね巻島さん。
いくらなんでもこれが地毛ってことはないですよね。先生にも指摘されている。
まあ、総北はその辺りの校則とか割と緩いのかもしれないな。鳴子の赤頭もスルーされてるし。
注意はされたが、直すようには言われないらしい。不思議な感覚だ。

巻島さんは頭の他にも色々と注意される。
まっすぐ立て!ノートは横にして書け!よたよた歩くな!
なんでしょうね。巻島さんが斜に構えた風なのはまっすぐ立てないのが原因だったりするんですかね?
本人はまっすぐなつもりだけどそうじゃない。なんだか身に覚えがある話で親近感が沸くな!

入学1日目から指摘されまくりで疲れた様子の巻島さん。
だけどまあいい。オレには自転車がある。
自転車は自由だ・・・こいつに乗れば、オレは認められる。全てをかえられるショ!!

というわけで、放課後。
勢い込んで自転車部に入部する巻島さん。
総北は強豪である。在籍し、いつか全国言って活躍すればオレも皆に認められる!そんなことを考えている。
とりあえず、得意の登りを先輩たちの前で披露することとなった。

見てろ。この小さな坂で、変えてやる。世界を。オレをとりまく世界の全てを!!

独特のスタイルで駆け登る巻島さん。先輩方大爆笑。ハハハ!なんだその変なダンシング!!

ずっと1人で走ってきた。
ただ単純に自転車乗んのが楽しくて、山登りがおもしろくて。

誰かにフォームとか習ったわけでもない。独自に速く走れるよう作り上げたのがこの走法である。
それを笑われ、否定され、矯正されそうになる巻島さん。これはショックでしょうな。

自転車は自由だ。ちがうのかよ――

思わず絶望し、部に入るのを辞めようかと考える巻島さんでありました。アラアラ。

さて、同じタイミングで金城さんも入部。
さすがに金城さん。中学時代から活躍していたらしく、入部時期から注目されている。
ついでに田所さんの姿も見えますな。田所さんが伸びるのはこれからという話になる。

未来の総北を背負う3人が登場したところで、現在の総北のキャプテンが登場。
この時の主将は寒咲さんである
おやおや。田所さんに影響を与えた人なのは知っていたけど、巻島さんとも絡みがあったんですかね。
まあ、主将なんだし部員それぞれと絡みがあっても何もおかしくはないか。

というわけで始まりましたSPARE BIKE。
巻島さんが登りを矯正されそうになったという話は本編の回想でも語られた通り。
それに対し、自分の信念を貫いたといのが語られた内容でしたが、今回はそれ以上の何かがありそうな予感。
壁に開いた穴がどのように繋がるのか注目ですな。

しかし、この頃の巻島さんは妙に可愛げがある顔をしている。
見比べてみると、顔が短くなっているんですな。
髪が短いのに合わせて顔も短くなっていると。なるほどなー。
まあ、成長したら面長になったってことなんでしょうけどね。リーゼントが短髪になった荒北さんの逆か!
福富さんも1年の頃は妙に若々しかったし、金城さんも髪型と合わせて若い感じがする。
高校の2年間はこうも人を老けさせるのかと考えさせられる変遷でありますね。
他のキャラの1年生時の姿が楽しみである。



SPARE.2 巻島祐介 2  (2012年 39号)


部活はやめた。
て思ったケド、辞めるのも何かくやしかったから出た。

苦悩はしてたが、さすがにすぐに挫折とまではいかなかったか!
まあ、巻島さんが本当に苦悩することになるのはこれからでしょうしね。

寒咲主将!オレあいつよりやりますんで。ガンガンしごいてください!
オレ迅です!田所迅です!!

物凄いアピールを行う田所さん。落ち着け。
金城さんにライバル意識を抱いているのか何なのか。
まあ、勝負ごとではあるし、そういう意識を持つのは大切なのかもしれないけどね。でも落ち着け。

田所さんとは違い、どうにも気力が振るわない巻島さん。
入部当日で理想との違いを見せ付けられたショックが尾を引いているみたいですな。

やはり巻島さんは平地ではかなり遅い。
今日はのぼりメインの練習とのことなので、田所さんも厳しかったりするんでしょうな。
まあ、そちらの話はさておき。

得意の登り。得意のスタイルで登ろうとするのだが、両脇にピッタリつかれて制せられる。
フォームがきれいな2年の先輩方が矯正してあげようって話のようである。
うーむ、これは色々とストレスが溜まる状態でありますな。
おかげで休憩中もかなり元気のない様子の巻島さんであります。

寒咲主将はそんな巻島さんに気軽に声をかける。
こういった部員の心のケアも主将の務めでありますわな。立派な人である。
部活は楽しいか?という主将からの問いに関しては、巻島さん、生返事。
しかし、自転車は好きか?という問いに関しては、ハッキリとした声での答えが返ってくる。

今のが、おまえの本音だ。おまえ自身だ。

自転車てのはよ、気持ちがのっかる乗りもんなんだ。
だから、そういう自分の心の底から出るモン大事にしろ。

ふむ、さすがにいいことを言いますな。「本音」か。
巻島さんの心の底から出る「本音」とは一体何だろうか。

金城みたいに誰もがうらやむ速さがほしい――?
田所ってヤツみたいにみんなと仲良くしたい――?
ちがう。オレは――オレは、このスタイルで登りたいんショ!!

部活に入って1か月。1年生レースで金城さんが圧勝してから一週間。
この日から巻島さんは練習の後、1人練習を始めた。

己のスタイルを貫き通すのもまた大事なことなんでしょうね。
速くなるためにそれを直すこともあろうが、貫くことだって大事と。
気持ちがのっかる乗り物なんだから、やりたいスタイルを貫くのは大事なことですわなぁ。

というわけで、1人練習を始める巻島さん。
それが実って今の状況にいるわけですが、この流れでどうやって壁に穴が開くのだろうか。
そろそろ壁の穴の方に話がいきそうでありますが、さてはて。



SPARE.3 巻島祐介 3  (2012年 40号)


練習が終わった後、1人でコソ練をする!
そう決めた巻島さんであったが・・・サボっちまった・・・!!意志弱すぎっショ祐介。

「毎日」やるはずがここんとこ1日おきに、2日おきになっている。
部活の練習がキツくて間を空けないと厳しいという理由はある。
けど決めたんだろ!
けど家帰って学校の課題もやんなきゃいけねーし・・・

悩める巻島さんでありました。
割と意志が弱かったりする部分があったんですねぇ。

というわけで、巻島さん。
朝に自主練を行っているという金城さんに相談――らしきものを行う。
続ける秘訣的なものは何かなって話だ。
まあ、そんなことを聞いたら、一緒にやる?と尋ねられるのは当然の流れである。
走りを矯正されそうな巻島さんとしては1人でやりたい。慌ててその申し出は断る。

オレなら。オレなら一緒にやってもいいぞ!金城!!

割り込んでくる田所さん。強引な人ですなぁ。
というわけで、田所さんも朝練を始めることとなりました。やはり伸びる人は練習量も違うのかなぁ。
しかし、金城さん。何だこのシャツ。HEBIってお前。これが後の異名となる所以か!?
というのはさておき。
金城さんは毎日練習の日誌をつけているという。それが続ける秘訣であると?

励みってことか。データってのもあるだろうが。
タイムはいつもつけてるけど。励み・・・あんま細かいのは苦手だからなァ。励み・・・

悩んだ巻島さんがとった励みとなる記録の方法とは・・・部室のカベに記すというもの。
皆帰って誰もいない部室のカベに"正の字"。見つかったら・・・ブッとばされる恐怖。
こいつはギリギリっショ・・・
このスリルたまんないショ!グッドアイディア、オレ!!

何やってんだか。いやまあ、モチベーションを高めるのは非常に重要だと思いますよ。
見られたとき、コソ練をしてたのに数が少ないとより恥ずかしいですしね。増やす励みにもなるさ。
しかし、文字を見られただけで誰が書いたかとかわかったりしますのかね?

オレはこの登り方で、オレ自身の世界をかえてみせるショ!!

というわけで、どんどんとカベに正の字を加えて行く巻島さん。
そんな折、峰ヶ山ヒルクライムレースに巻島さんがエントリーされるという事態が発生する
毎年秋のこのレースは各校3人ずつ出してヒルクライムで各校の威信をかけて争うという。
そうか、もう秋なんですな。練習を始めて結構経っているんだなぁ。

指導している2年の方々に言わせれば、頭の緑は目立つがタイムは伸びず平凡だというのが巻島さんの評価。
頼むから最下位にはならないでくれよとか言われちゃう。ナメられてますなぁ。

寒咲さんに、例のグローブがさらにボロボロになっているのを発見される。
練習したか?と問われ、少しだけ。と笑顔で返す巻島さん。
実際に練習しましたからねぇ。今度は自信を持って答えることができるってわけだ。

さて。全行程16km。最大斜度18%。標高1206m。のヒルクライムレースが始まります。

いいんだヨな。ここはオレの走り方で走って・・・!!

けどなんで寒咲さんはオレを選んでくれたんだ?
わかんねェ・・・あ、わかった!部活の態度がマジメだったからっショ!!

さすがにそんなに甘い理由で選んだりはしないっショ。
寒咲さんが選んだのは、部室の正の字を発見したからである。
その数。相当な自主練習をしたのが見て取れる。であれば、賭けてみたくなるのも無理はない。
そして、右下がりの字であったので、巻島さんの字だというのはすぐにバレてしまう
な、なるほど・・・そういうところでバレてしまうのか!
字も斜めってしまうとは、どこまでも傾いたお人である。この傾奇者めが!衣装が独特なのも傾奇者だったからなのね!!

なんにしても、積み上げてきた「走り」の数を見せるときが来ました。頑張れ!!

しかし・・・正の字の数、多すぎませんかね?
横9、縦9なので81。5をかけて405。最後が書きかけなので3引いて402。
あれ?毎日やってても1年を軽く超えているじゃないですか!?
これは一体どういうことなのだろうか。
朝も練習するようにしたということだろうか?それとも、部活もカウントするようにしたとか?
1日に複数カウント入れるようにしたとすれば秋までには間に合いそうだが・・・はてさて。



SPARE.4 巻島祐介 4  (2012年 41号)


巻島さんの初陣となるレースがいよいよスタート。
1年の巻島さんはまだ総北ジャージを与えられていない。期待されてませんなぁ。
寒咲さんは言いと言ってくれていたようであるが。

初レースということで、巻島さんに助言する先輩たち。
なるべくオレたちのどちらかについて、できる限り離されないように走れとのこと。
その言葉を受けて、巻島さん。

え・・・と。それ終わったら・・・抜いていいんすか?

おっと、いきなりの衝撃発言!やる気ですね巻島さん。
この言葉に思わず爆笑する先輩方、アハハハ。そして勢いでOKを出してくれる。あざます。

いよいよ練習の成果を出すときが来た。
独特のスタイルのダンシング。
直されるのを拒否し、コソ練で磨き上げてきたスタイルを見せるときが来た!

まだ集団で走っている序盤のタイミングで抜け出す巻島さん。
その異様に左右に傾いたダンシングは各校の強豪を驚かせる。速い!!

なんだメチャクチャだ。なんでオレが。優勝候補のオレが追いつかない!たかが1年に!!

沈んでいく鴨川高校の本田さん。まあ、相手が悪かったってことっスよ。

独走。1人で飛び出しての独走。
そのクモのような走りは速く、コースレコードまで叩きだそうとしている。

巻島ぁ。それがおめーの登りか。大胆に曲がってやがる。
イイじゃねぇか。最高だ!!
それでいいんだよ。貫け巻島!!

斜めっていても、傾いていても、それを貫く姿勢が大事ってことですね。信念ってやつだ。
それを貫きさえすれば、脚はガチガチかもしれないが気持ちよくなる。クハ・・・!!

やっぱ・・・やっぱそうだ。オレの思った通りだったっショ。
自転車は自由だ

クライマーらしく、空を仰いでゴールする巻島さん。堂々の1位であります。
いやぁ、総北ジャージを着せていなくて残念でしたね!

というわけで、初のレースでトップをとり、表彰台に立つ巻島さん。
相変わらず笑顔がギコチない人である。
こういう点だけは髪が伸びた現在でもあまり変わっていませんね。
東堂さんが矯正しようとしてくれたおかげか、3年時は笑っている時間が増えたように思えますが。

つうわけだ。

巻島さんの過去の話は終わった。
って。いやいやいやいや、なんで穴あいたかいう話、肝心なとこ聞いてませんけど!?

まァ・・・
当時の3年に川端って豪腕の超コワイ先輩がいてな・・・
その先輩がカベのラクガキ見つけたっつうウワサが流れてな・・・
その日の夜、部室にしのびこんで、ちょっとなかったことにしたのさ!!

ノコギリでギコギコと壁を切り取ってしまう巻島さんでありました。
なるほどーそういう破壊の仕方でありましたかー!!
いやいやいやいや。ラクガキどころじゃない、器物損壊でありますよ!!
さわやかに部室を破壊したことを述べる巻島さん。カッコイイです!ある意味。

巻島さんの過去話を聞いて憧れの色を見せる坂道。
よし、わかった。坂道もマネしよう。どっか部室壊そう!一歩先輩に近づけることになるぜ!!

しかし、川端先輩は気になる存在ですね。この先出番はあるのだろうか?
1年生時の田所さんが軽く転がされるぐらい豪腕だったりするのかしら。気になるわぁ。

というところで、SPARE BIKE 巻島編終了
次回掲載は決定し次第紙面で発表、とのこと。
ああ、さすがにこのままずっと同時連載を続けていくわけではないんですな。
10人分を4回ずつやっていたら、ほぼ1年近く同時連載を続けることになっちゃいますからね。
さすがの渡部航先生であっても厳しかろうて。
というわけで、次回の掲載に期待しています。次は誰の話が来ますかねぇ。



SPARE.5 新開隼人 1  (2013年 4+5号)


新たなSPARE BIKEの物語が始まる。
大好評を博した巻島編の次は・・・この2人!!福富さんと新開さんの2人の話だ!!
でも、タイトルにあげられる名前は新開さんのみである。これはどういうことなのか?
福富さんの話はまた別に用意されているのか、それともタイトルに名前があがることはないという話なのか。どっちだ!?

ともかく、新開さんのお話です。
物語は新開さんの昔語りで始まる。泉田君が荒北さんのような昔話はないんですかと尋ねたからだ。
荒北程面白い話はないと前置きして話し出す新開さん。
まあそりゃあね。昔はリーゼントでしたなんて言われたらそれだけで吹き出す話ですし。あれを超える面白さは難しかろう。
それは置いておいて。新開さんの中学生時代の話が始まります。

新開隼人。秦野第一中、3年6組。自転車部所属、副キャプテン。愛車はサーベロ。
福富寿一。秦野第一中、3年5組。自転車部所属、キャプテン。愛車はビアンキ。

そんな2人の物語。いやあ、やっぱり昔の福富さんはやけに若いというか、大人しい顔つきでございますね。
新開さんも目が大きく描かれているせいか幼く見える。

神奈川県西部の秦野市。そこに存在するのは秦野第一中学校。
新開さんは顧問の中村先生が呼んでいると福富さんを呼びにやってきた。
福富さんはビアンキの洗車中。愛車の手入れとは感心ですな。

時期的にはもう高校の進学を考えないといけないころ。もちろん2人は箱根学園に入るつもりである。
新開さんは一般入試だが、福富さんは自転車の推薦枠で入れるらしい。うーむ、実績の差であるか。

神奈川で自転車やってるヤツは必ずあこがれる箱根学園・・・!!
一冬越して春になるのが楽しみだな!!

てなことを、ものを食べながら語る新開さんでありました。食いしん坊ぶりは昔からか・・・!!

春になったら高校――か。早いもんだ。
入学式で会った時は「オレは速い」を連発してたっけな。
箱根学園は確かブレザーだな。寿一似合うかな
また寿一と走るために。ヤベ、オレ受験がんばんねーとな。

なんだかやたらと福富さんのことを気にかけている新開さん。ブレザーのことは気にしないであげて!!
というか、中学生のころの福富さんは強いじゃなくて速いが口癖だったんですね。
総合的な速さはともかく、平坦の速さでは新開さんの方が上である。
その辺りを鑑みて、言い方を変えるようになったのかもしれませんな。
ちなみに新開さんは寒いのが苦手らしい。まあ、自転車は走ってれば熱くなれますからね。寒がりにも安心。

顧問の中村先生に呼ばれて職員室に赴く福富さん。
そこで聞かされたのは衝撃の話。なんと箱根学園への推薦を取り消すという話だった!!
その理由は・・・素行不良!?
学校としてはそういう生徒を推薦するわけにはいかないとのことである。

素行不良ねぇ。福富さんが一体何をしたというのだろうか。
見た目からして、真面目そうな顔してるじゃないですか。思いっきり金髪なだけで!!
いや、やはりその頭は言い訳がし辛いな・・・眉毛は黒いしやはり金髪は染めているとしか思えないのだが・・・
後輩や先生含めて誰からもその部分を言及されないのは福富さんの人徳。ということにしておこう。

走ってる時のゴミのポイ捨て。道路にペットボトルや食べたあとをすてる。
他のサイクリストに勝負をふっかけてはケンカをする。

そういった苦情が近所の住民の方から届けられているらしい。後輩は福富先輩はそんなことをしないと庇ってくれる。
が、どうやらこんな報告が入っているらしい。
外国製の"ビアンキ"に乗った男が、"オレは秦野第一の福富寿一だ"って言って走り去るって

ふうむ。これはあれですな。偽物ですな。
福富さんは優勝経験が1回や2回ではない。となれば否が応でも注目を浴びるようになる。偽物も出て来ようってものだ。
それ自体は仕方ないかもしれないが、それで推薦が取り消されるなど悔しい話である。
後輩たちは語る。
箱根学園に入った山の福富さん。直線の新開さん。2人で絶対インターハイで活躍するだろうって。想像したら超コーフンするって。
・・・けど、推薦取り消しになった生徒は一般入試でも入れないんでしょ。箱根学園って。

ほう。そんな話がありましたのか。それは悔しがっている場合ではありませんな。
沢田、石本という2人の後輩に礼を言って立ち上がる福富さん。新開さんもそれに続く。
まだ願書締め切りには2日ある。となればやることはひとつ。その偽物を捕まえる!!それだけだ!!

というわけで。偽物捕獲に路上に乗り出す福富さんと新開さん。
新開さんはあんぱんくわえてのサイクリング。これはまた水分が欲しくなりそうなものを。

それはさておき、福富さんは偽物について予想する。おそらくかつてレースでオレに敗北したヤツだ、と。
ただ心当たりは複数いるので絞れるものではなかったりする。まあ、しょうがないか。
ともかく相手が誰であれ、とっつかまえて謝罪させる。そうしないと寿一との高校生活が台無しになってしまう
張り切る新開さん。福富さんもそれにつられるようにして加速するのでありました。

さて、その福富さんの偽物だが・・・
確かに食べ物をポイ捨てしている。外国製のビアンキに乗っている。
そしてこう叫んでサイクリストにケンカを売っている。オレは秦野第一中の最速推薦男、フクトミジュイチだ!!と。
し・・・しかし、この顔はない。ないない。
もう少しどうにかならなかったものなのか。いや、もとの顔だからどうにかなるものでもなかろうが。
とはいえ、眉毛はそっくりである。
特徴をあげるなら、金髪で眉毛が太い男ということになるし、これなら確かに福富さんそのものとなる。アカン!!

というわけで、とっつかまえるしか手はない様子。
福富さんの偽物を語るくらいだし、それなりには走りそうであるが、どうなんでしょうかね。



SPARE.6 新開隼人 2  (2013年 6号)


調子に乗って息を巻く福富さんの偽物。ゴミ捨てすぎ。
今日も福富さんの評判を貶めるために道行く見知らぬ人に勝負を吹っかけている。
が、そこに現れたのは2人の男。秦野第一中の最強コンビ。福富寿一と新開隼人!!

一瞬にして偽物の両側に並ぶ2人。
若いころの福富さんとはいえ、真面目な顔されるとやはり怖いですな。強面ですな。

偽物の正体は寒川西中の今井。心当たりがあるというだけあって、ちゃんと選手の名前とか把握してるんですな福富さん。偉い。
それを言い当てられ、追及している今井はちがうんだよォと弁明開始。よ・・・弱い!!

最初は友達に言われたんだ。秦一の福富に似てるって。
なんかフォームも似ててさ、遠征先でフクトミですって言ったら、チヤホヤすんだよ。皆
意外に気さくな人ねつって女の子に手にぎられたりしてよォ!たまんなくってよ!!

なんだか色んな所で偽物騒ぎをしていたみたいですな。
チヤホヤされたいのだったらその行動に徹していればよかったのになぁ。わざわざ悪名を広めたりせずにさ。
いや、女性問題を起こしてやはり推薦取り消しという話になっていた可能性もあるか・・・
地方では意外に軟派な福富寿一という知られ方してたりして。

偽物として浮かれたりしていた今井であるが、複雑な想いも抱えていた様子。
ああ、ようするにうらやましかったのですな。
中学の大会で何度も優勝し、高校は名門の箱根学園に推薦入学。おいしいもん全部手に入れたように人には見える様子。

オレだってソコソコ練習してんだよ!がんばってんだよ、くそ!!
オレだって少しくらいおいしい思いしたっていいだろ別に!!

そう叫んで赤の信号を突っ切り走っていく今井。
ふーむ。気持ちはわからなくはないけど、迷惑してるヤツがいる以上、そういうのはダメですよね。やっぱり。
というわけで、追いかけます。ちゃんと交通ルールは守り、信号待ちをして。
それでも簡単に追いついてしまう2人。2人というか、実際新開さん1人で追いついたようなものである。
それも飄々とした普段通りの表情で、だ。

この新開という男、もう一段――鬼の形相となった時、信じられない程速くなる!!

試してみる?

顔に手を当て、表情を変えようとする新開さん。
その様子を見せただけで空気が変わるのか、大いにビビる今井。あらあら。

というわけで、戦意喪失した今井は顧問の先生と一緒に謝りに来るのでありました。
まあ、口の達者な子だったみたいだし、そんなに厳しい処分は下らなそうですね。
福富さんの推薦の話も復活したみたいで何よりである。

さすがです!!新開さん!!
褒め称える泉田君。相変わらずな子であるなぁ。
でも喋りながらも余裕の走りをしているところはさすがにレギュラーなんですなぁ。
後ろについて走っている他の部員は息も絶え絶えだというのに。名門とはいえ、レギュラーと控えの差は大きいってことか。

それにしても、まさかそんな過去があるとは知らなかったですよ。今井先輩に

先輩?って、今井クン箱根学園に入ってるー!!
このオチはなかなか意外でした。
しかも持ち前の性格と達者な口で取材陣の取り仕切りをしていたりする様子。
脚より口が回る子だったみたいですな。まあ、福富さんの言う通り才能を発揮しているとは言えるわけだが。
こういう方面で活躍する子も部には必要なのかもしれませんな・・・
総北も杉元君にそういう仕事を任せてみてはどうだろうか。
今のところはあんまり口が達者という感じでもないが、磨けば光るかもしれないぞ!!

というわけで、SPARE BIKEの新開編は終了。意外とさらりと終わりましたな。
次回掲載は未定。次はどのキャラの話になるのか。楽しみに待つとしましょう。




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