蒼天紳士チャンピオン作品別感想

弱虫ペダル
RIDE.164 〜 RIDE.190


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 各巻感想

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連載中分 SPARE BIKE

弱虫ペダル 20巻


RIDE.164 迫る、集団  (2011年 30号)


最後尾の大集団が迫って来ています。エエ!
道中の選手を飲み込んで進む集団。全部取り入れてるんでしょうかね?
説得もせずに放置されてる選手もいたりするのでしょうか。

さて、総北&箱学の8人組のほう。
スプリンターが飛ばしているが、なかなか先頭集団に追いつけない。
すでに、先頭争いが始まっている。
ゴールを狙った優勝争い。下手したら6人揃うことなく、勝負が決まってしまうかもしれない争い。

今日は3日目、1日目や2日目のように全員を残す必要は無い
ロードレースが本来そうであるように、チャンスがあれば動く。

真面目な顔で述べる東堂さん。カッコイイっすね。
全員が残る必要は無い。これは先日の夜、金城さんが言っていたのと同じことである。

ちょっとした回想。
2日目の夜。総北メンバーの宿。
金城さんはメンバー全員に、よくここまで来てくれた。ありがとうと礼をする。

鳴子「きもちわるいスわ急に!」
今泉「何か悪いもんでも・・・」

お前ら金城さんを何だと思ってるんだ!
確かに色々秘密にしたり、過酷な練習を不意打ちで与えたりしてたけど、基本的には・・・えーっと、優しいよ?

基本マイペースな金城さんは、1年のツッコミを無視して話を進める。さすがです。
2日目は2位だった。だが悔いても時が戻らないのもロードレース。
チャンスはまだ3日目にある。過去は賞賛しろという金城さん。ポジティブですな。

金城さんの言葉を聞いて気合を入れる総北メンバー。
だが、金城さんは最後に付け加える。

明日は最後のレースだ。誰もが死ぬ気でしかけてくる。
箱根学園も”チャンスがあれば動く”という戦略で来るだろう。
今までと全く違った展開になる。過酷さも。おそらく明日3日目最終日は――全員が必ずゴール出来るわけではない

傷ついた者、限界になった者は置いていけ。たとえチームメイトでもだ。
明日は今日のような救出はしなくていい。

チャンスをつかんだ者は、置いていった者の心を積んで走ればいい。
絶対に、その覚悟だけは忘れるな。

置いていく覚悟が必要になる3日目。これまでとは違った過酷さがある。
そう言われても、坂道には置いていくことなど出来そうにはない。
6人揃わないとさみしいって感じになっている坂道。
その感情を察知して声をかける巻島さん。あらあら、なかなかの気遣いじゃありませんか。

全員の想いはバラバラでいい。そいつが1つんなって前に進むんだ。おめーがそう想うなら全力で想え。

まあ、6人揃わないというのも可能性の話ですからねぇ。
とにかく今は精一杯回して、先頭においつく。それがお仕事です。

そういえば、同じタイミングでスタートしていた京都伏見の2人の姿が無い。暗いのとパチエモンの2人の姿が無い。
そりゃ総北と箱学は協調して進んでいるのに、京伏は2人だけだもの。チギられますわ。
で、その2人のほうにカメラが向けられる。

辻さん。なんとかしてくださいよこの状況・・・
なんとかしてくださいよ辻さん!

水田君は本当にしょうがない子である。自分で何とかしようという発想にならないから、エースになれないのだ!
というわけで、なすすべなく巨大な集団に飲み込まれる京都伏見の2人。
この2人は集団の中に混じることができるのだろうか?混じれば追いつくこともできるが。
なんせ染まりやすい水田君のことである。待宮の毒気に一瞬で当てられる可能性は捨てられない。
パチエモンが別の宿主を見つけた!新たな心の拠り所ゲットだぜ!
こんな感じで待宮の横にべったり張り付く水田君の姿。想像は難くないな。エエ!

どうでもいいが、この大集団。先頭でトラブルがあったら大クラッシュですよね。
なるほど、こういうときに覚悟が試されるわけですね。
後方集団を抑える。チームを勝利に導く。両方やらなければいけないのが主将の辛いところだ。
とか言い出して、後方集団に突っ込んで全員なぎ倒す福富さんとか見れるかもしれない。
覚悟は出来ているか?オレは出来ている

次号は巻頭カラー!集団が追いついてきそうな気配ですなぁ。



RIDE.165 広島呉南  (2011年 31号)


巻頭カラーでございます。見開きで広島呉南の6人が勢ぞろいだ!
歯並びがいい奴とか、カチューシャとか、メガネとかいろいろいますな。
あれ、なんかこの特徴だけだと他にも見られるものばかりじゃないかね?
紫のヘアカラーの待宮がキモッてことで。

昨日1位の王者箱学と昨日2位の総北が協調している。
このドリーム感に観客も嬉しそうにしております。なによりですな。
そして、そのすぐあとに巨大な集団に膨れ上がった後続がやってきていた。
誰よりも先に後ろからのプレッシャーを感じていた山岳は真剣な表情。
坂道は、ピリピリした感じだけど、どうしたのか尋ねる。

坂道くん。
心を澄ませて・・・感じる?わかるだろ、キミなら。

接近して、坂道のわき腹に手を回し、甘く囁く山岳。
え!?近っ!何?真波くん!?
さすがの坂道も混乱している!でも、まあそういうことじゃないんだ。たぶん。

山岳が気にしているのは前ではなく、うしろ。
その言葉を聞き、後ろに注意を向ける坂道。確かに何かを感じる!
遅れて他のメンバーも異常に気付き始めた。

荒北さんの鼻が!泉田君の左大胸筋のフランクが!
相変わらずフランクは便利だな、おい。

そして、巻島さんが両手を広げたとき、やってきました後続の大集団。
まるで巻島さんが呼び寄せたかのようにも見えますね!カッコイイ!?
というか、なんで貴方達は横1列になっているんですかね?前も似たようなことあったな。
次のページは見開きだからみんな横にバラけるんだとか指示があったのでしょうか。
そこまでの気遣いが出来るとはハンパねぇな。

トップを除く、箱学と総北のメンバーに追いつき、威勢を上げる待宮。エエ!!
このままでは飲み込まれる。どうするんです、荒北さん。

福ちゃんのオーダーは――

オーダーはおそらく、全員で追いつくことだったのでしょう。
しかし、荒北さんは合流を断念する。
この集団をコントロールして遅らせるといいます。そんなことができるのですかね?

集団に飲み込まれる荒北さん。
さらに総北にも集団が迫る。よく考えたら、この大事なときに箱学と総北バラけてますやん。
やはり見開きだからって横一列になったのがまずかったか。目立とうとした結果がこれだよ!

総北の列からもはみ出ていた坂道は一人残され、集団に飲み込まれる。
おぉ、これまでのことが走馬灯のように・・・大げさだな。
相変わらず甘い鳴子は坂道が集団に追いつかれたことに動揺する。
田所さんは涙を流して、坂道を置いていくことを決意するのでした。
まあ、心配しなくても坂道なら追いついてきそうな気がしますしね。
前を走るより追いかけるほうが速い人ですし。

集団に残された坂道。
その肩を叩き、声をかけてきたのは・・・熊本台一の田浦さんだ!
しょぼくれた顔をしている坂道を元気付ける。

この集団の行き先は先頭やけん、安心してよかばい!
心ば1つにして皆で協力すれば追いつく追いつく!

おやおや、田浦さんってばいい人ですね。なんか男前になってきてないですか?

田浦さんが集団のリーダーを紹介してくれます。
一見チャラかばってん骨のある信用できる男。広島呉南の待宮だ!

広島の6人が勢ぞろいしている。いよいよだ。
その状況を見ても鈍い田浦さん。お出かけですかとか暢気なことを言っている。

ああ、お前等を捨てて先頭までのう

ご苦労じゃったのう。あとは各自リタイアでもしてくれ。

バーカ。
敵までつれてくバカがどこにおる

ついに待宮が本性をあらわにした!いや、読者からすれば分かってた話なんですけどね。
いつか切り離すときが来ると思ってましたが、ここで来ましたか。
まあ、ここまで追いつけば6人揃っている広島は普通に勝負できますしねぇ。
逆に人数が揃っていない他校は沈んでいくしかないわけだ。ひどい。

となれば、広島が抜けたあとの集団をコントロールする人が必要になるんじゃないでしょうか。
男前になった田浦さんならそれができるのではないか!無理か。
ならば、やはり坂道だ。坂道が、裏切られて萎えそうになっている集団の心を取り戻せばよい。
そして再び集団の力を結集して先頭に追いつくのである。
心を取り戻す方法?あれしかあるまい。そう、アニソンだ!!
1日目はひとりでヒメヒメして追いついた。
2日目は田所さんと2人でヒメヒメして追いついた。
3日目は集団全員でヒメヒメだ!これで追いつく!

待宮「敵までつれていくバカがどこにおる」
坂道「ここにいるぞ!」

本当に言い出しかねないから困る。
で、本当にまとまってしまい、先頭に追いつきそうになったら荒北さんの出番。
荒北さんが内部で激しい当たりをかませば連鎖して集団は倒れていくでしょう。
坂道によってまとまって、先頭においついたけど、荒北さんに壊滅させられる集団。
うん、この構図なら坂道は悪く言われることはないはずだし、主人公的にもいけるな。どうだ!?いや、どうなんだろう。

そういえば、荒北さんが飲み込まれる前から山岳の姿がない。
一足先に飲み込まれていたのだろうか?
集団の中で山岳が何かしでかす可能性もありますな。



RIDE.166 戦慄の待宮  (2011年 32号)


待宮が集団を切り離し、捨てていくと宣言しました。
これを聞いた田浦さんが取った行動は・・・!

田浦「ワッハッハッ聞き違うたばい!!

ゲーッ!現実逃避!?
なるほど、空耳ならしょうがないですね。
改めて確認する田浦さん。この集団は1つのチームたい。そうやろ待宮くん!

バーカ。
おまえ、顔だけじゃなくて耳も頭も悪いのう

か、顔のことは言うな!これでも初登場時よりは男前になってきてたんだぞ!
騙されてからはまた微妙な表情をしだすようになりましたけどね。

カオの悪いお前のためにもう1回言うてやるわ。エエ!

2回もカオ悪いって言った!大事なことだから2回言ったというのか!完全なトドメを刺しにきやがった!

言うだけ言って飛び出していく広島の6人。
スタートしたときに、黒髪の井尾谷と妙な会話をする待宮。
切るときはバッサリ切る。情けかけたらかえって傷が深うなるんじゃ。
来た、栄吉さんの独自の理論来た!それはレースの話すか、女の話すか!?
下世話な話であるな。
待宮いわく、モッとる男はモテるらしい。寒崎さんも自分のことをホレた目で見ていたらしい。
そうすか。来た、栄吉さんの独自の思い込み来た!
そんなんだから、広島のメガネ君にもエグい言われるんですよ。キャラ付けがエグい。

ようやく広島が始動しました。
どうやら、3日目が始まってから一度も全開で走っていないらしい。
それはまた、ずいぶんと有利な状態ですな。

広島の飛び出しに混乱する集団。田浦さんは未だに現実逃避中?
いや、とっくに騙されていることには気付いています。気付いているから逃避してたのか。駄目な人やのう!
集団のスプリンターは、今の総北と箱根学園を捕まえるまで全開で走って疲れ果てている。
もう1度チャンスがあると思ってハリキリすぎていたらしい。
ペースが上がりすぎだとは思っていたが、追いつくためにはとやっちゃったんでしょうな。
それはそれとしても、協調を言い出した広島は1度も引いていなかったらしい。え〜っ?
さすがにそこは引かせるように誰か言うべきでしょうに。
誰も言い出さないような集団だから、良いように扱われたわけであるか。

待宮がいなくなったことで、集団の意思疎通はとれなくなる。
裏切りもあったことですし、協調という姿勢ではなくなってますな。揉めてる揉めてる。

坂道いわく、待宮は雰囲気を悪くする人。
まあ、待宮からしてみれば、今の集団の雰囲気が悪くなっているのは狙い通りなんでしょうけどね。

待宮「”希望”を他人に預けたりするからそうなる。自業自得じゃよ。」

やっぱり栄吉先輩はエグいなぁ。でも、この点に関しては同意しなくもない。

さて、逃げる総北&箱学と追う広島。
フレッシュな足で有利な広島。しかも、総北&箱学が5人に対し、広島は6人。数の上でも優位だ。
泉田君が久しぶりにアブアブ言って逃げてるけど、まあ捕まるんでしょうな。
本当、アブさんは初日以降いいとこがない。山についたらもっと見せ場がないのだから、ここで意地を見せて欲しい。

坂道は思う。あの人は・・・皆を混乱させて、気持ちをゆらしてこわす人だ。
総北の皆に・・・ふれさせちゃダメだ。
あの人だけは、絶対に行かせちゃだめだ!!

言動で心を揺さぶって壊そうとするという点では御堂筋君とかぶりますな。
今泉君なんてまさにそれで壊されかけていた。アブさんも崩されていたな。
でも、坂道的には待宮の方がもっと危ないという認識らしい。確かに感じは凄く悪いですわな。

追いかけよう!
坂道は決心する。でもどうやって追いつくのか。
今置いて行かれたばかりである。向こうは人数も多い。どうすれば・・・そう、「協調」だ!
人数が増えれば速度があがるんだ。
周りの人に協調を呼びかける坂道。でも、さすがにこのタイミングではなぁ。
各チームのエースたち、これまでのレースに出た名前のある人たちに声をかけるが、すげなく断られる。
今さっき裏切りにあったばかりですし、簡単にまとまるわけはないですわな。
それでも諦めず呼びかけを続ける坂道。その際に声をかけてしまった相手は・・・荒北さんだー!

そういえば荒北さんは集団まで下がっていたんですよね。
確か、集団をコントロールして遅らせるとか言ってましたか・・・
遅らせなくても、もう遅れてしまっているじゃないですか!ナンテコッタイ。

荒北さんの見通しは甘いなぁ。でも、ここは挽回のチャンスかもしれません。
坂道とうまく協力して、前の連中に追いつく機会が生まれるかもしれない。
まあ、どうやるかは見当もつかないんですけどね。
荒北さんが先頭にたって死に物狂いで引くことで、集団に信頼してもらうようになるとか?
その間坂道は足を溜めておけるという流れになるとか。荒北さんだけが損してることになるな!なさそうだ。

ともかく、ここからの協調がなるか、注目です。
田浦さんが現実逃避から復帰できるかにも注目です。



RIDE.167 アラキタ  (2011年 33号)


集団に取り残された坂道は、抜け出した広島を追いかけるために協調してくれる相手を探す。
そこで見つけたのが荒北さんである!
今回のサブタイトルはアラキタ。RIDE.103で漢字の荒北は使っているのでカタカナになったというわけだな!

箱根の猛る狼、荒北靖友が、総北の細メガネ、小野田坂道と並び立つ!坂道のそれは異名か?

箱根学園の2番の人。坂道には苦手なタイプであります。
それでも、広島を追いかけるために、チームに追いつかせないために、頑張って声をかける。
が、すげなくあしらわれます。まあ、そうなりますわな。
荒北さんは集団の間を通り抜けて、単独で広島を追おうとする。

判断をミスったことを自覚している荒北さん。
集団内に荒北さんが入ったとき、待宮は笑っていた。「かかった」つう顔だった。

あいつらはオレたち”王者”を。
福ちゃんがつくったこの箱根学園つうチームをコケにしやがったんだ!

伝統ある高校の自転車部なのに、福富さんがつくったと言い切る荒北さん。さすが!
まあ、今年のチームをつくりあげたという意味ではそうなんでしょうけどね。

集団の狭い隙間を通り抜ける荒北さん。
さすが本能で走る人である。こういうところのほうが走りやすいのかもしれない。

荒北さんがアクロバティックな抜け方をしている一方、坂道は他の人に道をゆずってもらって走っていた。
そして荒北さんに追いつく坂道。やはり避けて走るほうがタイムロスは大きいのか!そりゃそうだ。

必死に追いつき、再び荒北さんに協調をお願いする坂道。

ボクは、前に出るためなら他の人を裏切ってもいいみたいなあの人のやり方が、嫌なんです!

箱学の人たちは強そうだけど、まっすぐである。
御堂筋君も、無口で口ベタだけど、たぶん間違ったやり方じゃないと思うんです。

坂道評だと、御堂筋君は無口で口ベタらしい。えええっ?
まあ、でも、薬局までのやりとりとかを考えると口数の少ない人だなと思ってもしょうがないのかもしれない。
御堂筋君は、仲間のスプリンターを切り捨てて前に出てたりしている。
でも、そのあたりは坂道は知らないのでとりあえずOKだ!いいのか?

坂道の発言に、甘いと返す荒北さん。
まあ、御堂筋君が口ベタとか言われても、何いってんのコイツ?としか思われないでしょうしね。
それでも、坂道は諦めない。

ボクは何でもしますから!

何でもと来ましたか。じゃあ、追いついたらアイツらを蹴散らせとか言われたりして。物理的に。
横合いから蹴りを入れれば、文字通り蹴散らすことができるよ!
それはともかく、坂道の必死さに、ちょっとだけ福富さんの影を見る荒北さん。
少し心が動いたので、質問をします。

荒北「おまえには福ちゃんのことどう映ってる?」
坂道「一見怖いですけど、皆さんに信頼されてる感じの・・・カッコイイと思います!」

なかなかいい答えだ。そこに鉄仮面の腹話術師と加えれば完璧でしたな。

じゃあ、オレは?

荒北さんの追撃の質問。これは厳しい問いだ!
こわくて・・・怖い人!正直な答えだけど、これはダメだ!もう少し言い方を考えて・・・

こわくてこわくて、今にも食べられそうな人です!

とても素直な感想ですね。これはこれでよい。
でも、食べられそうな人っていうと、荒北さんが食べられてしまいそうに聞こえる。危ないな!

怖くても、チームのために走りたいという坂道。
やりたいことがある時は、全力で出来ることで突破しろと先輩に言われている。それを守る。
そんなバカ正直で不器用な坂道
戦略や駆け引きが必要なロードレースには向いていない。
しかし、そんなところが誰かに似ている。荒北さんはそう思った。本当にこの人、福富さんのこと好きなのね。

というわけで、荒北さんが協調に応じてくれました!やった!
でも、引くのは坂道です。まあ、持ちかけたほうですし、しょうがないね。後で交代してくれるさ。たぶん。
2人で広島を追おうとする!
かと思いきや、後ろを気にしている荒北さん。もう1人つれていくヤツがいるという。
そのもう1人とは・・・真波山岳!
やっぱり集団にいやがった!

誰よりも早く集団の存在に気付いていたのに、真っ先に集団に呑まれた山岳。
クライマーですし、追いつかれるのは仕方ない気はしないでもないですが・・・何を考えているのやら。
後方についたほうがいいと判断したのか。それとも何も考えていないのか。
山岳の考えは読めない。この不気味さがライバルキャラとしての強みなのか!?

ようやく存在感が出せそうな山岳でありました。
でも、しばらくは荒北さんに頑張ってもらいたいなぁ。狙うは単行本の表紙だ!

そういえば、熊本の田浦さんはどうなったんだろう。まだ泣いているのかなぁ。



RIDE.168 3人の追走!!  (2011年 34号)


集団から飛び出した、坂道、荒北、山岳の3人。
集団はもう追いつけないようだ。あとはリタイアするなりしかないってことなんですかね。寂しい。
坂道たちが広島を追い落としたあたりでまた出番ないかなぁ。
敗れた広島がペースを落として集団の残りに喰われるとか。
そして、何故か待宮を慰める田浦さんとか。田浦さんの再登場に期待だ!ないだろうけど。

2人を引いて走る坂道。
坂道の走りを、なかなかやるじゃナァイと内心で褒める荒北。
そういえば、今泉君とアシスト勝負してたときもこんな喋り方してたな。
妙に違和感あった喋りだったのでちゃんと覚えていたじゃナァイ。

さっきまではビクビクしていたが、走り出したら結構回す坂道。でも、これで全開ではない。
凄い勢いで回転数を上げる坂道。
それと同調してニオイが変わる!クンクン。

こいつのニオイは、獲物を追うニオイ!
いや、もっと違う何かだ!

そういえば、荒北さんも獲物を追いかけるのが大好きという特性がありましたね。
でも、坂道はそういった同類とは違うニオイがある。

追いかける、ただ追いつきたい。敵をかっ喰ってやろうって欲がなぇ!純粋なニオイだ!

ニオイだけでそこまで分かるとは・・・荒北さんのキャラも特徴が増してきた感じがします。
空気を感じる山岳や、ニオイで判別できる荒北、筋肉で察知する泉田。箱学は感知系が多いな!

坂道はとにかく早く追いつくことしか考えていない。
コースどりはメチャクチャで効率は悪い。ド下手な走りだ。けど――

お前期待以上だ!小野田チャン!

(゚д゚ )
いきなり、荒北さんにチャンづけで呼ばれて、まさしく上のような顔をする坂道。
なんでいきなりチャンづけなんですか、荒北さん。何いきなりデレてんすか荒北さん。わけがわからないよ。
これで坂道が、荒北さんのことを未だに箱学の2番の人呼ばわりだったら面白かったのだが――
ちゃんと名前覚えちゃってたな。残念。

坂道に代わり、山岳が先頭を走る。
山岳の後ろにつく坂道。おお、まるで風が・・・何かに包まれてるような感じに変化したぞ。
真波くんを風がよけているみたいだ。そう坂道は感じる。
やはり山岳には風を読み取る力があるというのか。ゴルフとか得意そうな力ですね。

風の影響を最小限に出来るのだから、そりゃ速い。
まあ、この力もいつでも使えるわけではないようだ。オンオフが激しすぎる言われてますしね。

今、オレ――生きてる!

楽しそうに笑顔を浮かべて走る山岳。登りじゃないのに早くも嬉しそうにしないでください。早いよ!
山岳も追いかけて走るのが楽しい方なんでしょうかねぇ。

ここで荒北さんの回想。2日目の夜、福富さんから指示を受ける。
もしレース中に山岳が落ちたら、引っ張って連れ戻して欲しい。
その指示に不思議がる荒北さん。あのフシギちゃんをオレがか!?
フシギちゃんか・・・まあ、わかる表現ですな。いきなり電波なことを言い出したりしそうだし。

福富さんは、山岳にはまだ覚醒してない部分があるという。
だから、荒北さんの運び屋としての力に期待しているのだ。

回想終了。ここで、ついに荒北さんが先頭に出てきた。2人を引いて走るつもりだ!

見せてヤンよ。
王者箱根学園のエースを、過去何度もゴールまで運んだ、箱根学園2番の引きってヤツを!

荒ぶる闘争本能。荒北さんの野獣モードが解禁される!
やっぱり荒北さんは全体のコントロールだとか難しいことを考えるより、こっちの方が合っている!
頭を使うのは福富さんに任せて、野獣のように突っ走るのだ、荒北!
しかし、考えてみると箱学ってあんまり頭使うのが得意そうな人がいない印象が・・・でも強いからいいか!



RIDE.169 ジェットコースターライド  (2011年 35号)


過去何度も王者、箱根学園のエースをゴールまで運んだ、箱根学園ゼッケン2番の引きが見られる。

荒北さんが前に出てくることで空気の感じが変わった。
風に包まれるようだった山岳の後ろとはまた違う。
まるで風圧が・・・空気が後ろに引っ張られる感じになる。

体勢をふせてないともっていかれそうだ!

下ハンドルに持ち替えて身を低くする坂道。
ん?よく見ると坂道ずっと下ハン使ってないのか!それでよく引いていたな。
しかも、その状態でそこそこのスピード出していたとか・・・さすが平坦が苦手な坂道さんっスね!

荒北さんのコーナーリングは本当に野生的である。
障害物があるならそれをカスめるように進む。
ギリギリを攻めるのが得意なのだ!
普段やる気がないとか言われているのは、自分をギリギリまで追い込もうとしているからなのでしょう。
夏休みの宿題もギリギリまで放置するタイプと見た
ていうか、宿題とか誰もやっていそうなイメージがないな。

坂道は回すので、ついていくのでやっとの状態。
まわりの景色を見る余裕なんてない。前しかみえない。
これが本物の・・・ゴール前の、闘ってゴール獲る人の走りなんだ・・・!!

坂道は1日、2日と大活躍はしたけど、ゴールに絡んだ勝負はしていない。
ガムシャラに追い越し、勝利をもぎ取ろうとする走りはまだまだ経験が浅い坂道でありました。

さて、荒北さんの加速により、前方に影が見えてきました。広島ですか!?

いや、そいつァ残念賞だァ!小野田チャン!

まだチャンづけで呼びますか。というかなんでチャンがカタカナなんだろう。
福ちゃんとは同じじゃない。明確な差があるんだからねと言いたいんでしょうか。聞いてるだけじゃわからねーよ。

ともかく、先攻していた総北と箱学のメンバーに追いつきました。
この5人固まって走っているけど、ちゃんと協力してたのかね?
微妙にバラけて走っているように見えなくもない。
5人組みでスプリンターが3人もいるのに荒北さんたち3人に追いつかれたりしてるし・・・協調してなさげだな。
そりゃ泉田君も荒北さんに怒られます。バァカ!

なんとか合流できたことを喜ぶ坂道。だが、再び差がつく。通り越していった!?
5人とは合流せず、勢いに乗って加速する荒北さん。

インターハイの最終ステージで、1分1秒を争っている時に、合流している暇はない・・・
そんな冷静な分析じゃぁありません。
荒北さんは嗅ぎ取っていたのだ。クサイニオイを!

止めらんねーんだよこんなところで!
近えんだよ、燃えるんだよ、うずうずすんだろ!!
敵かっ喰らってやろうってな!

野獣モード全開でカーブを曲がる。そこにいたのは・・・広島呉南!
突然並ばれて驚きの表情を見せる広島の5名。
あれ、待宮は?
と思ったらちゃんと驚いてくれていました。エエッ!?

そうだ、オレが見たかったのはそんな顔だァ!!

荒北さん大喜び。
待宮の作戦に見事に嵌められてましたからなぁ。
満足してズルズル失速していったらどうしましょう。さすがにそれはないか。
待宮の口癖も今回はピッタリはまったな。えぇっ!?って感じになっておる。

集団に置いてきたはずの奴が合流すらせずに追いついてきた。
頭脳派としては考えられない行動でしょうな。待宮の驚きはその辺にありそうだ。
でも、まあ、6人いる広島が有利なのに変わりはない状況。
ここから広島との闘いが始まる・・・
とかいいつつ来週、頭からいきなりチギってて、対広島戦終了!
なんてことになっていたとしても、私は一向にかまわん!



RIDE.170 ペテン師  (2011年 36+37号)


広島に追いついた荒北さん。調子ノリノリでございます。

くせぇ、くせぇよおめェら!ドブだ!小細工してチョロチョロ逃げ回るドブネズミのニオイだ!

猫科系っぽい荒北さんとしては、弱い相手をネズミにたとえるのがよいんでしょうね。
これが捕食者の気迫か。待宮もなんでここにおるんじゃ!?と動揺。
確かに、真っ先に落ちたはずの人間がなんで真っ先に追いついてくる?
しかも、ちょっと前に抜いた連中は置いてきている?理解不能な行動だ。

そうだ、オレが見たかったのはそういうカオだよマチミヤァァ!

吠える荒北さん。
カタカナで伸ばすものだからまたチャン付けで呼んだのかと思って驚いた。違ってよかった。
ところで、マチミヤをアナグラムするとマミチヤになりますよね。
ちょっと間違えるとマミチャンになる。見たかったのはそういうカオだよマミチャァァン!だれだよ、マミちゃん。

プレッシャーを受ける待宮。加速して振り切ろうとする。
広島の里崎、塩野の2人がめいいっぱい引っ張る。
追う側ってのは追いついた瞬間が一番油断する。脚が止まるんじゃ!
そう、それを危惧していた。しかし、荒北さんはそれで止まることはなかった。

おまえら、大したことないじゃなァイ!

じゃなァイがでたじゃなァイ!
荒北さんが相当調子に乗っております。待宮はまたエエ!?言っております。もう、そういう意味でしかないな、エエ。

逃げんなよ、やろうぜ。オレァ腹ペコなんだ・・・オレたちを出し抜こうとした――
おめェらを喰ってやりたくて、ゾクゾクしてんだ!!

これが野獣荒北である。
激を飛ばしてさらに加速し逃げようとする待宮。ブヒッ。豚のような悲鳴をあげておる。

逃げらんねーんだよ!ドブ!マチミヤァァ!
オレに喰われて、てめェはここでオワリだァァ!

追い込まれるマミチャン。いや、待宮。
しかし、広島には冷静な男がいた。ゼッケン32番、井尾谷だ。
こいつの顔はデッサンが狂っているというか、なんか見ていると不安になる。
目の湾曲とかそういうところに不安を感じるのか?厄いわね。
ともかく、そんな井尾谷が拍手を送ってくれます。ありがとう。いや、そうじゃない。

ペテンと見せかけの脚だけでは引き離せないという井尾谷。
待宮と肩を組み、何事か呟く。アレやんねーと、こいつは引き離せんぞ。

先頭つくまで・・・とっておきたかったんじゃが、コレは・・・

待宮の空気が変わる。ブタのような悲鳴をあげたりしてたのに、なんだか厄い雰囲気になった。うわ。
勝負したいならノッてやるという井尾谷。1つルールを決めようとか言い出す。
20m、お互い”20m以上離されたら追わない”というルールだ。
20m引き離しレース。相手を20m離したら勝ちじゃ!
そんなに連発しなくても、わかるシンプルなルールだ。

んなルールなくても引き離してヤンよ!

メッタメタにしてヤンよと宣言する荒北さん。
広島はフェアに行こうということで、こちらも3人で闘うとか言い出す。
先頭を走っていた塩野、里崎の2人は下げる。
他の4人のうち3人で闘うのか。

聞いたことあるじゃろ、広島にはスプリンターが3人おるって。

なに、3人もいるのか!?
これを聞いて驚く坂道。

前を引いていた人はスプリンターじゃなかったのか!!

え?そういうことになるの?
2人のスプリンターは引いてて疲れてるから、フレッシュなスプリンター1人と他2人でやるとかじゃなくて?
まあ、坂道がいうならそうなんでしょう。
でも、そうなると広島は今までずっとスプリンター温存して平坦道走ってたのか・・・なんで?
3日目の最後は長い山である。この時点でスプリンター3人なんて不利でしかない。
その上スプリンターを平坦で温存する。わけがわからないよ。
これで、塩野、里崎の2人がクライマーだったら、もっとわけがわからないよ。潰す気か!
まあ、まだ平坦は半ばで、今のうちに引いておき、平坦の後半は休ませようということならわか・・・る?
実はスプリンター3人は登りもできますよということなのかもしれないけどね。

塩野、里崎の2人は下げて、候補にあがるのは東村。メガネ!メガネスプリンターだ!
そして、井尾谷も加わる。そして、最後の1人は・・・ゼッケン31、エースナンバー待宮栄吉!

悪運だけでここまで来たと思うなよ!?ハコガクゥ!!

なにっ?こいつスプリンターだったのか!?
それはそれで意外すぎる。うわ。っていうか、山岳。さっきから、うわ。しか言ってないぞ。うわ。

闘ろうや!20m引き離しバトル!
勝ったほうが先頭行きじゃい!
てめエの方がドブネズミじゃ、アラキタァ!

性格がガラッと変わってしまっている待宮。いや、こっちが本質か!

こいつ、自分にまでペテンかけてやがったのか!!

さんざん焦ってたのも、自分にペテンをかけていたが故だったのか。催眠術レベルのペテンだな、おい。
自分でセーブをかけてないと、どうしようもなくなるという待宮。
ちいと気性が荒くてのう!
舌と歯をむき出しにして走る待宮。うわ。

ついに待宮の真の姿が明らかになった!でも、これが本当の姿なのかなぁ?
実はもう1段階ペテンにかけておったんじゃ、ぐらいは普通に言いそう。
雰囲気が変わってから、脚の筋肉がぐぐっと盛り上がっていた。
つまり、こいつは性格が変わると脚の質も変わる人間なんだよ!うわ。
ということは、登りになったら、登り用の脚に変わる可能性がある。ってどんだけチートな脚だ。

まあ、それはともかく。
広島の3人。追いつかれても冷静だった井尾谷と東村。そして、切り札のあった待宮。
この3人が強いのはわかるが、残りの3人は明確に焦ってましたよね。
残りの3人がこの先活躍することはあるのだろうか!
20m引き離しレース中に、置いていかれてリタイアしたりして。

というか、この20m引き離しレースに負けたからってどうということはない気がする。
引き離されても気にせずに走ればよい。
追いかけてなんていませんよ。先頭に一刻も早く追いつきたいだけですぅー。ルール破ってませんですしぃーとか言って。
まあ、こんな屁理屈を荒北さんたちが出来るとは思えませんけどね。



RIDE.171 呉の闘犬  (2011年 38号)


待宮が本性を露にしました。ハッ。ハッ。ハッ。
本性を解放した待宮は仲間であっても止められない。
目の前の敵に噛みつき、息絶えるまで執拗に追う!生粋のバトルスプリンター!
ついたあだ名は、呉の闘犬!

ハンドルに胸がつきそうな異様なクラウチングスタイルをとる待宮。
筋肉がもりもりと盛り上がる。
どう見ても、さっきまでの痩せ型とは違う上半身と化している!どういうことだ!?

ドラアアア!エエエエエエ!

ドラえ・・・?
まあ、叫びはおいておいて、だ。
舌をだらりと伸ばして走る待宮。そのダンシングの姿は正に異様。
異常に発達した肩甲骨から引っ張られた上腕は、バイクを振るたびハンドルを胸に打ち当てる!
当たったハンドルはヤツの胸にアザを作った。そいつが闘犬。
ヤツが闘犬とよばれるもうひとつの理由じゃ!

おぉ、まるで胸に目があるかのようにアザができておるではないか。
闘犬の目のようだといわれると・・・そうかな?と思わなくもないが、まあそれはそれ。

しかし、やはり異様に筋肉が盛り上がってますよね。
これはなんだろう。アレか。多重人格者は、人格が変わると体格が変わることもあるというアレか?
本性を表したことにより、スプリンターとしての体格になったのだ。
これは、別の人格がまだあるというフラグですね。
終盤、山に近くなるとクライマーの性格になって体つきもそれに合わせたタイプになる!
そしてあだ名も変わる。闘犬改め、闘鳥とかそんな感じで。
漫画的にはありそうなネタだが、どんだけチートな性能だよってことになるな。

バイクを左右に振りながら加速。ダーンシング、ダーンシング。
一気に荒北さんたちとの距離を開け、旗1本分の差をつける。
このままでは一気に決められる!
危機を感じた坂道。自分に出来ることがあれば何でも言ってください、何でもやりますと言ってのける。
それに対し荒北さん。足がチギれる程ブン回すから絶対オレから離れんなとクライマー2人に言う。
なんだかんだで気遣いの出来る人でありますな。さすが運び屋さんやで。

オレの場合、そうやって目の前チラチラ走られる方が燃えるんだよ!

見事に横に並ぶ荒北さん。しかし、どっちも追いかけるのが好きなのか・・・
これは、最初に先を譲るバトルになるな!お先にどうぞ。まずはどうぞ。どーぞどーぞ。なに、この闘い。

待宮曰く。今の加速は単なる小手調べであるとのこと。
闘犬はいきなり首に噛みついたりせん。急所外して相手の実力を見てから、そこからが命の取り合いじゃい!

タマの取り合いと来ましたか。広島らしい発言ですね。と偏見の混じったことを言ってみる。

待宮は、荒北さんの走りが平凡だという。

ハコガクもエース以外はフツウじゃのう。エエ!?

ほとんど知らないクセに何をおっしゃる。ハコガクには、舌を放り出して加速するスプリンターだっているんだぞ!
あれ、なんか似たもの同士じゃねぇっすか。それじゃ待宮の走りも平凡ってことになってしまいますね。エエ。

待宮は言う。そろそろ先頭にたどりつかないといけないと。約束があるから、と。

御堂筋との約束がな!

御堂筋君との約束だと?
あれは1日目。箱根の登りのこと。
京伏は、御堂筋君の指示のもと、集団のコントロールを行っていた。
待宮たち広島もその集団にいた。そのときに御堂筋君と約束を交わしていたという待宮。

もし、3日目の最終日、京伏と広島が同じく優勝争いしてるとしたら、手を組まんか?エエ!

京伏と広島が”協調”することで、王者箱根学園をブッ潰す
それがお互いの共通の目的だと待宮はいう。
確かに、御堂筋君は開会式で、ブッ潰しまーす宣言をしている。
しかし、それは自分が一番になるためのものであって、潰すことそのものが目的ではないはずですけどね。
その辺りを考え違いしていると、齟齬が発生するかもしれませんな。
それにしても、話しかけられてもほとんど無視している御堂筋君の図がなんだか笑える。

御堂筋君がモッてるオーラを出していると見抜く待宮はさすがである。
でも、その集団にいたってことは、1日目で坂道に100人抜きされたうちの1人ってことなんだよな・・・
抜かれたことにも気付いていなかったということなんだろうか。待宮・・・いや、まあ、この時は本性出してませんでしたし!

さて、先頭集団。
広島がすぐ後ろまで来ているのを知り、やばいと感じる。
ついでに、何故か箱学と総北がバラバラに協調して走ってたりもするから、何が何だかわからないでしょうな。ヤッバイな!

先頭を走る、新開さん、福富さん。金城さんに今泉君。
そして、その4人のすぐ後ろにつけているのが・・・石垣さんと御堂筋君だ!
今までどこにいたんだ、石垣さん!いつのまにか追いついている!?
新開さんが加速してゴールを狙うような姿勢を見せたのに、普通に追いついたというのか?石垣さんの根性はさすがやで。

そして、また悪そうな顔に戻っている御堂筋君。
坊主になったからといって、簡単にキレイになったりはせんよ?ヘルメットしてたらほとんどわからないですしね。
待宮との協調。これは一体どのようなものになるのか。期待です。
それにしても、御堂筋君。相変わらず歯を打ち鳴らしているが、よく見たら前と違う部分を鳴らしてますな。
前歯は危険なのでちょっとずらしてみたってことでしょうか。意外と気を使ってる!?

御堂筋君と待宮。悪巧みができる2人の協調はどんな形になるのか。
どちらも、最終的に相手を蹴落とすことを考えているんでしょうけどね。
数が少ない京伏にとっては、平坦を引いてくれそうな広島との協調はありがたい。
逆に、クライマーを使い潰していそうな広島は、登れる2人がいる京伏との協調はありがたい。
こうしてみると、いい関係には見える。
でも、結局3日目の最後は登りですからねぇ・・・スプリンターの待宮が切り捨てられる未来しか見えないよ!
ワシはお前が言うとる「ザク」とは違うとかフラグ立ててやがったからなぁ。それはかえってザクフラグや!



RIDE.172 闘犬、吠える!  (2011年 39号)


動く黒幕、御堂筋!
なんですかね、このアオリは。広島を動かしていたのは御堂筋君だと言うのですか。
これは既に、協調後広島が棄てられるフラグが立っていると見ていいですか?
しかしまあ、威圧感はさすがでございますな。

ちなみに19巻の表紙は坂道と、マスクド御堂筋。そのペアで来たか!

ぶるるるるああ!!

待宮が吠えたー。
そんな叫びをしてみせても若本ボイスは設定されないと思いますよ。

広島が全員合流した場合、京都伏見の2人と合わせて8人。主導権を握ることになる。
さすがにこの情報には動揺してしまう荒北さん。
荒北さんは獰猛なのに、チーム全体のことを考えて動いたりもするから頭も使わないといけない。大変だなぁ。

こいや・・・!さっさと決着をつけようや・・・ワシが噛みころしてやるワ。
なァハコガクのォー!!

頭を働かせていた荒北さんが、待宮に頭突きされる!頭には頭ってことか!本当に待宮は賢いお方。いやいや。
この行為に坂道驚愕。山岳も珍しく驚いた顔になっている。
大きくぐらついたが、なんとか体勢を立て直す荒北さん。

待宮はハコガクジャージを見ただけで吐き気がして気分が最悪になるらしい。ふうむ。

流血している荒北さん。
しかし、頭突きは反則にはなったりしないのですかね?
去年の福富さんとは違い、ギャラリーがいる場所での行為である。大会本部にタレこみされたら失格にならんか?
それとも、道の上でなら何をやっても許されるというルールなのだろうか。か。
肩をぶつけあうぐらいは普通にあることですし、その流れで頭がぶつかることもあるよねってことか。
待宮も、やり返して来いよと挑発してますしなぁ。

ゴング代わりじゃ。ハコガクを地におとす!
勝負のォォォー!!ドラアアア!!

勝負の銅鑼っすか。ボワーン。

お前も頭突きしろよといいながら加速を開始する待宮はずっこい。追いついてやれってことかもしれないけど。
ペースを握られている荒北さん。加速に対応できず、旗1本半差をつけられる。
荒北さんはハコガクの”狼”と呼ばれている。
だが、今の状況では”飼われたペットの狼”である。ペット狼と闘犬。どっちが強いかなぁ。

必死で回す荒北さん。その様子を見て嬉しそうな待宮。
どうやら、待宮は去年のインターハイでの遺恨を晴らそうと考えていたようだ。

前回、広島大会。
第2ステージ52km地点。
箱根学園の福富さんと広島呉南の待宮がそれぞれ単独で併走している。
広島大会の2日目は過酷な暑さだった。
なのに、待宮の持っているボトルは2本とも割れて中身がなくなっている
この暑さで水分がなくてはこの先体がもたないのは確実。やぁ、ついてないなぁ。

そういえば、広島と言えば地元である。期待は大きい。
その中で2年生にしてエースを張っているのだから、結果を求められるのは確かですな。
なので、恥をしのんで福富さんに声をかける。
ボトルを1本分けて欲しい。
先行する総北に追いつくためにも水分が欲しい。
福富さんのボトルは2本ともほぼ満タンである。さすが福富さん余裕がある。

ワシはエースなんじゃ!地元開催で期待も背負っとる。わかるじゃろ!ワシも必死なんじゃ。頼む!

必死なのはわかりますが、無理なお願いでもある。
坂道クラスのお人よしでないと聞いてくれない話ですわな。
もちろん福富さんも断ります。
福富さんにしても、2日目は抜け出してゴールすることを考えている。ここでボトルを失うわけにはいかない。
待宮を置き、走る福富さん。
脚はまだまだあるのに、体力が続かない待宮。
結果、2日目は箱根学園のワンツースリーフィニッシュでございます。

たった・・・あのたった1本のボトルが、あればー・・・

悔し涙を流す待宮。って思いっきり逆恨みじゃないですかァー!
先を行った福富さんは、金城さん相手にやらかしちゃって、この1年苦しんだというのに。

それにしても、この日の待宮は妙にモッていない。
これで3日目にはラッキーマンになって3位に入るというのだからよくわからない。
2日目で福富さんの運を吸い取ったということか?なんという厄病神。
そういえば、今年の3日目スタート時に、福富さんと待宮は会話している。
しかし、福富さんは全く覚えていない様子だった。まあ、これじゃ記憶に残ることもないですわな。

一気に20m引き離して勝負を決めましょう!
広島の3人のスプリンターの1人、メガネスプリンターが動き出す。
待宮の代わりに前に出て引き、一度に勝負を決めるつもりだ。
確かに相手はクライマー2人を背負っており、状況は3対1。メガネの判断は正しい。

チェックメイトです!

でもね、メガネ。こういうときにそういう行動を取るのはね。

余計なことすんじゃねー!ボケェ!!

待宮に頭突きをかまされるメガネスプリンター。メガネー!!
広島の中でも雰囲気を持ったキャラっぽく思えたのに、まさかこんな扱いのキャラだったとは。
待宮の過去で微妙な空気になりそうだったが、このメガネの騒動のおかげで楽しくなってきたぜ!ナイスメガネ!

ここにいるハコガクは2匹とも、ワシがキッチリ倒すんじゃ!!

待宮の箱学に対する逆恨みは根が深い。基本的に逆恨みは根が深いものである。
逆恨みなだけに、解決する方法もないしなぁ。厄介な話やで。
ここは、箱学じゃない坂道が先頭に出てみてはどうでしょう。待宮のやる気が萎むかもしれないぞ。
または、後ろのメガネを散々煽ってみるとか。
前に出ようとするメガネ→待宮頭突き→メガネを煽る→前に出ようとするメガネ→頭突き。
このループを形勢できれば、相手のスピードはガタ落ちじゃ!もうメガネはすっかりそういうキャラという認識でいます。はい。



弱虫ペダル 21巻


RIDE.173 恨みという爆薬  (2011年 40号)


待宮の頭突きで、仲間のメガネ、東村撃沈!
なんてことはなかった。一応手加減はしてくれたのか、普通に体勢を立て直す東村でありました。チッ。

ああなったらもう待宮は手がつけられない。ただついていくだけでいいと井尾谷は言う。
箱根学園への恨みだけで走っとる今のヤツは――絶対に負けん!

井尾谷曰く、待宮はA級スプリンターである。ワシらとは比較にならん!
って、お前ら自分はA級じゃないと認めてしまうんですか?それってどうなのよ。
本当にこの2人は解説するためについてきたのでしょうか。
そう考えると、クライマー2人を連れている荒北さんと条件は互角に思えてきた。

これが呉の闘犬、待宮の本当の走りじゃ!

うしろを引き離す待宮その走りは、観客から見てもキレてるものだった。
そのキレてるってのはどういう意味ですかね?まあ、顔を見ればキレてるのはわかりますものね!

旗2本分まであと少しというところまで離される。
叫ぶ坂道。必死で漕ぐ荒北さん。

ドブ王者ハコガク!これで終わりじゃ!

後ろを振り返る待宮。その視線に荒北さんたちの姿はない。
同じ方向を見ていた東村は勝利を確信する。やった!
バカめ、そのセリフはフラグだ!
さすがに待宮はその辺りをわかっているのか、逆を見る。なんとそこには並んで走る荒北さんたちの姿があった。
えぇ?あれだけ離されていたのに一瞬で追いついたのですか?
そういえば、合宿のときの手嶋さんも後ろを振り向いたら追い抜かれていた。
後ろを振り向くことで速度が一気に落ちたので追いつかれたのだ!
ということにしておきます。

肩をぶつけあいながら走る待宮と荒北さん。
カーブを曲がるときまでその肩はぶつけたままである。
外側の待宮は曲がる方向だから、そっちに体重をかければよい。
逆に圧力を受けながら曲がらないといけない荒北さんはかなり不利。
追いつめられている・・・!まあ、このカーブはどうにか切り抜けたみたいですけどね。

いつもは荒っぽく言葉でまくしたてる人なのに、さっきから言葉が少ない。
坂道も悲痛な表情で叫ぶしかない。
とはいえ、荒北さんに言わせれば、後ろの2人に出来ることは、黙ってついてくることしかない。
なぜなら、運べといわれたから。
この3日目。山岳を運んで連れてきてくれと言われたのだ。福ちゃんに・・・!

出た!フクチャン!!
ペットじゃこの狼!完全に飼われとる!

福富さんに飼われている荒北さんですってー!?
試合中なのに何を言い出すのだ待宮。まったく。マジメにやれ!はい、マジメに感想書きます。ゴメンナサイ。

ひっくり返してやるんじゃ。去年のあの日をォ!第2ステージを!あの痛みを!今ここで!

盛り上がる待宮。その待宮に笑顔を見せる荒北さん
エ!?なんで笑った!!
福富さんに飼われているとか言われて嬉しかったのか!?いやいや。

ここでの笑顔はさすがに想定外だったらしく、待宮の演説が止まる。広島の2人驚く。
そして、後方にいて笑顔が見えなかったはずなのに一緒に驚く坂道と山岳。
とくに坂道の驚き方が酷い。何をそんなに驚愕しているんでしょう?やはり飼われている発言に――それはもういい。

わかるぜ・・・その気持ち。

待宮の肩に手を置く荒北さん。
なんだか知らないがいきなり同情してきた!
待宮は根性がある。ただのペテン師ではない。さしちがえてでも目的果たしてやろうって気概がある。

オレは、おめぇみたいなタイプ。嫌いじゃねェ・・・

ほう。そうきたか。まあ、確かに荒北さんは言いそうな感じであるか。
敵じゃなければ、チャンづけで呼んでいたかもしれませんな。マミチャァァン!

おまえみたいなハコガクのエリートに何がわかるんじゃという待宮。

ソックリなんだよ、昔のオレに

荒北さんは語る。
がっついて、イライラしてて、目につくもんにとびついて、昔のことにこだわって。
終っちまったもん引きずり出して蒸しかえしちゃあ他人に当たんだ。なァ!

お、この流れは回想ですね。定番の回想シーンがここで来たか。ペラ(ページをめくる)

ソックリだ。昔のオレと

誰だお前はッ!!
いや、顔は荒北さんだ。うん、間違いない。
誰だお前はッ!!

まったく、たった1ページで笑いをとってくるとは。荒北さんは本当さすがやで。
まかりまちがって、このリーゼント頭で表紙を飾っちゃったらどうするんですか。

というわけで、次回は荒北さんの過去の話だ!
このリーゼント荒北はいつのころなんでしょうね。中学のころか、高校に入りたてのころか。
やはりここで福富さんとの出会いが描かれるのでしょうな。
荒北さんはスクーターに乗っているが、自転車でぶち抜かれるという展開でしょうか?
そういえば福富さんって金髪なんだよね。
名門の箱学のエースであり主将が金髪か・・・でも何故か違和感とか感じないのが福富さんの凄いところ。
次回は金髪とリーゼントの男がスピードの向こう側を目指すぜ!絶対やってやんよォ!ビキビキ。なんの漫画だ、コレ。



RIDE.174 昔のオレに  (2011年 41号)


2012年2月。弱虫ペダル、舞台化決定!!
なん・・・だと・・・?
ちょっと何を言い出したのかわかりませんね。よりにもよって、最初のメディア進出が舞台ですか!
まあ、そこを足がかりにメジャーになっていってくれれば・・・ううむ、どうなんだ!?メジャーになるのか!?

それはさておいて、本編に行きましょう。

荒北さんの過去回想が始まります。どうやら、リーゼント頭は高校のころだったようだ。
中学生時代は野球部だった荒北さん。中2の夏、大事な試合の前にヒジを壊し・・・グレた。
高校は野球部の無い箱根学園を選んだという。
なるほどねぇ。
ところで、荒北さん。中2からグレたのですか?高校に入ってからなんですか?
後者の場合はもれなく高校デビューという言葉がついてきますが。面白いからそういうことにしましょう。
高校デビューを果たしたが、イライラが止まらない荒北さん。学校も辞めるかと考える。
そんな時、猫と出会う。おまえは自由だな。来いよ。

脱兎のごとく逃げ出す猫。不良が猫を可愛がるという絶好のシチュエーションが潰された!
これを目撃した可愛いあの子と青春を送るという荒北さんの目論見がパァだ!猫畜生がァ!!

スクーターに乗って走り出す荒北さん。
信じられるのはこいつだけだ。こいつだけはオレを裏切らない

軽く人間不信になっている荒北さん。
舎弟をとってみたが、誰も残らなかったという。不良のくせにペプシ派とかナメられたんじゃねーすかね。
なので、スクーターに思いを馳せる荒北さん。

手首をひねればどこにだって連れてってくれる。
思いのまま!意のままだ!
このころから危険なコーナーリングをしていたんですな。

運んでくれオレを、もっと先へ。誰もいない、いやなことのない世界へ。運べオレを!

しかし、遠くに行ったとしても気分は晴れない。
止まって1人でいれば、いやなことを思い出してしまう。

たそがれる荒北さんの後ろを自転車の集団が走り抜ける。いや、そのうちの1人が近づいてきた。
まあ、荒北さんの側の自販機に向かってきたわけですが。
もちろん、ここで出てくる人といえば1人しかない。若い頃の福富さんだ!え、誰だコレ!?
なんだか、妙にスッキリしているというか・・・穏やかな感じの福富さんである
自分が知っている福ちゃんはもっと、こう・・・眉毛が吊りあがっていた!なんだ、この平行眉毛は!

これはそういう眉毛だ。平行に描くことで若さを強調している。

解説してんじゃねーよ!

なんて話はともかく。
イラついていた荒北さんは福富さんに絡む。よぉよぉニーチャン。ピッチピチだなオイ。ヒャハハ。
気合の入ったリーゼントを見ても揺るがない福富さんはさすがである。平然としている。
そんな福富さんの様子が気に入らなかったのか、荒北さんが暴れだす。
福富さんのバイクを横倒しにする荒北さん。何をするだぁー!

荒北「汗だくんなって乗るんだろ。ダセェ!そいつが何生むってんだよ!」
福富「進む・・・前に。確実に

荒北さんの乱暴な問いに、力強く答える福富さん。その眉毛が吊りあがる。あ、福富さんだ!本当に福富さんだった!!

自転車は確実に前に進める。日々重ねた努力は必ずカタチになる。昨日より今日、今日より明日へ。

オレはオレ自身前に進みたくて自転車に乗っている
おそらく、おまえとは違う。

福富さんの言葉に激昂する荒北さん。
荒北さんは、中学で野球部だったこと、中1で県の新人投手賞を取っていた。へぇ。凄かったんだ。
中2の夏、華々しく県大会でデビューするはずだった。ケガさえなければ!オレは悪くねぇ!絶対悪くねぇ!

ふむ。荒れた原因にはケガの原因を他所に求めようとした意識があったのかもしれませんな。
なんだかんだで繋がりを欲していそうな荒北さんである。
自分のケガが原因で部が荒れたのが心に残っているのかもしれない。だからこその、オレは悪くない発言かね?

原因を他者に求めても前には進まない。おまえはそういう目をしている。

福富さんの洞察力は凄いな。さすが主将の器である。
うるせぇと叫び、福富さんを突き飛ばす荒北さん。なかなかのフォームだ。
イライラが募った荒北さんから、あの単語が飛び出しました。誰が強ぇか教えてやろうか!

オレは強い!!

さすが福富さん。強さという言葉を聴いたら、言わずにはおられないんですね!
というわけで、勝負する流れになりました。道の上で。
ここから学校までおおよそ5km。そいつを走って正門をくぐるまで、どちらが先にたどりつくのかの勝負だ。
原付と自転車によるスピードバトルの始まりだ!

この展開は予想通りでしたが、今週で勝負が始まらなかったのは驚きですな。
次回は荒北さんの回想クライマックス!
1週プラス1ページしかまだ経過してないのに、クライマックスも何もあったもんじゃないですけどね。

ところで、福富さんの自転車ですが、このときはビアンキ(Bianchi)に乗っているんですな。
たしか現在の福富さんの自転車はGIANTだったはず。
むしろ、ビアンキは荒北さんが乗っているはずだ。これはひょっとして・・・譲り受けたのか?
そういった流れが次回に描かれそうですなぁ。



RIDE.175 前に  (2011年 42号)


荒北VS福富!原チャVS自転車がスタートです。

学校までの5km、どちらが先に正門をくぐるか。
この勝負を受けた荒北さん。ブッチギッてヤンよと気合を入れる。
わかりきっている。ガキでも知ってる。

バイクは自転車より速え!!

それに加え、危険なコーナーリングを果敢に行う荒北さんである。速い。

これが、現実だァ!!

カーブで福富さんを突き放す荒北さん。
しかし、ここで福富さんが下ハンドルを握った!
荒北さんは、その辺りの動きは気付かず、勝利を確信している。

ピッチピチのチャリ野郎、てめェに会うことはもうねェだろうよ!
この”現実”ってのはいつだってくつがえらねェんだよ!

相変わらず、福富さんの肉体がピチピチだという荒北さん。過去の話しだし、若さに溢れていると言いたいのかね?

それはさておき。
現実はくつがえらない。あの日オレがヒジをケガしたのも、何も変わらない。
荒北さんの悩みは深い。だが、現実とは時に奇なるものであった。
次のコーナーでブッチギルはずが、何故か並ばれる荒北さん。うぇえあッ!?てめぇなんだ?自転車だろ!?

知らないのか・・・自転車競技の下り勝負では、70km/h、80km/hはあたり前だ

人力で80km/hだと・・・!!
スクーターはメーターが60km/hまでしかない。というか、リミッターがかかっているのでそれ以上は出ない。
リミッター外せばそれ以上はでるらしいんですけどね。
福富さんもその辺りのことは知っていて勝負を挑んだのでしょう。速度制限されてるなら間違いなく勝てる!さすがの頭脳だ。

必死で追いつこうとする荒北さん。叩いても速くは走りませんよ。

てめェはオレに負けるんだ。かわらねえんだ、何も!
オレは、おまえになんか負けねェんだ、鉄仮面!!

現実が変わらないことにイラだちながら、変わることも簡単には認められないようですな。
しかし、これが現実。前を行く福富さんに追いつくことはなく、正門まで辿り着かれてしまう。

ゴルァてめェ!何だよ、何で勝ってんだよ、てめェが!

勝負がついたあとに詰め寄る荒北さん。それに対し、冷静に返す福富さん。

下りで差をつけた。登りで追いつかれないように、めいいっぱい踏んだ。それだけだ。
オレはお前がバカにした自転車の力を見せることができて満足している

やはり、勝つとわかっていて勝負をしかけたんだ!さすが福富さんやで。
説明になっていないという荒北さんに、ここから先は乗らなければわからないという福富さん。

あ!?だったら乗ってやんよ!なめんなよ!

あんじゃこりゃア!くそっ!
首痛えっ!ケツいってえ!前につんのめりそうだ!くそっ、ギアどこでかえんだよ!

いかにも初心者がなりそうな状態になっている荒北さん。
ロードをいきなり乗りこなした坂道とは違う。初々しい感じがしてよいわァ。

ぶったおれる荒北さん。これで5回目の転倒だ。
傍から見たら、自転車に乗れないヤンキーが自転車の練習をしているように見える。いや、そのままなんだが。
自転車は自転車でもロードですからね、普通の自転車には乗れるんだからね!
乗れなかったらどうしよう。いやいや、荒北さんに限ってそんなことは・・・

どうでもいい。
笑われんのなんかどうでもいい。
今はこのクソみれえな乗りもんのんなきゃ気がすまねぇんだ。

そうですか。まあ、なんていうか一途ですな。
とはいえ、不良なので練習なんてやってられません。自転車を横倒しにして帰ってしまいます。酷い。
でも、やっぱり夜寝ようとしたときに思い出し、ムカついて学校に行ったりする。
置いてあった自転車をまたも勝手に持ち出し練習。

くそ!進め、進め!!
なんでオレに乗れない、なんで進まねェ!くそ!なんでだよ!!

前を向いていないからだ

汗を流し練習する荒北さんに、声をかける福富さん。

荒北「見てやがったのかよ!」
福富「オレの自転車だからな」
荒北「な・・・借りてるだけだ、バァカ!」

勝手に持ち出しておいて酷い言い草である。
でも、福富さんもこれを狙っていたようにしか見えない。
夜中まで鍵もかけず、持ち出せるように放置するなんて普通は考えられないことですからねぇ。
しかし、なぜ荒北さんをロードの世界に引き込もうと思ったのか。
まあ、自転車に興味もつ人が増えるのっていいよね!ぐらいの考えなのかもしれない。
なんだかんだで、福富さんは純粋ですからなぁー

福富さんは荒北さんにアドバイスをする。
全てを忘れろ、過去もしがらみも、と。

前だけを見ろ。全てをつかって進もうとしなければ自転車は速くならない!

その言葉を受け、前を見据える荒北さん。全てを使って進み、速さを手にいれ、現在に至る。
高校でロードを始め、見事王者箱根学園の2番をゲットしている。大したものだ。

回想は終わり、現在。荒北さんは待宮に語る。

オレァは、全部の力を使って前に進んでんだ
おめぇが前見て全力で走ってりゃあ今頃、箱根学園をおびやかすくれぇの存在になってたかもな!!

純粋に前だけを見ていた荒北さんと、過去の恨みに囚われた待宮の差というわけですか。
お互いに回想を出したわけだが、その内容は大きく違う。
過去の恨みを語る待宮と、過去からつながり現在に至る、前を見据えるという回想を語った荒北さん。
その差により、両者の間には大きな差ができ・・・対・待宮戦、圧勝!!

え!?
ちょっと待って欲しい。いきなり待宮戦終わりですか?
回想が終わったと思ったら勝負がついていた。な、何を言っているのかわからねえだろうが、オレもわからない。
待宮が言い負かされた!と心で感じてしまって失速したのかもしれない。
そう考えるとちょっと納得できる気がしてきた。

しかし、広島はここで終わりなのだろうか?御堂筋君に合流する前に終わってしまうのか?
待宮が新たな変身をするかもしれない。井尾谷あたりが本領発揮するかもしれない。東村くんは・・・まあ、うん。
ともかく、まだ何かあるんじゃないかとは思っておきます。



RIDE.176 その先の領域  (2011年 43号)


「あんときこうしてりゃあ」って呪文はさ、時々出てきちゃ心をからめとって動けなくするんだ。
重てぇ荷物引っぱり出して想いをニゴらせちまうんだ。
こっから先はニゴってちゃあ行けない領域。

”速くなりたい””あいつに勝ちたい””おもしれぇ”
”前に進みたい”

そういう純粋な気持ちだけになんねーと、行けない領域なんだよマチミヤァ!!

いきなり語りだした荒北さん。回想も挟んだだけあり絶好調ですな。
そのあまりのポエム力に、一瞬見とれる待宮
なるほど、それなら差をつけられてもしょうがないですね。う、美しい・・・ハッ!?

ワシとは違うあいつの走りに見とれた――!?
その考えを打ち払う待宮。ブルルルルル。さすが闘犬。犬っぽい払い方だ。

必死に追いつこうとする待宮。勝つんじゃ、ワシがハコガクに・・・ワシがあァァ!!

去年必死になってやっと獲ったチーム3位。
一日目。落車の後、励まし合いながらやっとたどりついた3日目。
それをムダにするわけにはいかない。

ふむ。この辺りのことを聞いている限り、待宮は当初の自己申告とは違って自分をラッキーマンとは思ってないようだな。
まあ、幸運持ちの男はそもそも落車したりはしませんわな。
でも、励まし合いながら6人で来たという表現はなんだか妙に感心した。
意外と仲間思いなんですかね。仲間に頭突きかますような闘犬さんのくせに。

走っている途中で荒北さんが振り返る。何か言うつもりだ。何だ?

レース終わったら一緒に飲もうぜ。ベプシおごってやるよ、オレが

飲みの誘いだー!!しかもペプシですかい。
いろいろと想定外のセリフが飛び出しましたなぁ。
振り向いて速度は落ちるが、この言葉は投げかけられた方の速度も鈍る。
む、ようするに殺し文句ってことですか?ペプシおごってあげる。新しい殺し文句生まれた!?

強ぇよ!!おまえ

殺し文句にかぶせるように、相手の強さを認める荒北さん。うーむ、貫禄ですな。
その貫禄ゆえか、差は大きく広がり旗2本分・・・いや、3本分以上になったのでした。
ここで、ルールを提案した井尾谷。

おいかけよう待宮!ルールなんてどうでもええんじゃ。ワシらの目標は表彰台じゃ!!

言っちゃいましたか。
実は本当のボスという密かな噂もあった井尾谷でしたが、このセリフでそれもなさそうな感じですな。

追いかけようとする井尾谷を止める待宮。
ワシらはここでふるい落とされた。これ以上ついていっても、この先の領域では戦えんということじゃ。
知力、体力、闘争心。
今持ってる力全部出して――負けたんじゃよ、ワシらは

なんだかキレイな表情になった待宮。
シャッポをぬぐといった感じか、ヘルメットを外す待宮。危ないですな。

悔しいが、荒北さんの言うことは正しいと認めざるを得ない待宮。
確かに。過去に囚われ続けてきたのが待宮でしたからねぇ。それでは前に進むことはできなかったか。
涙を流す待宮。それは悔しさによるものだけなのだろうか。

アラキタァ・・・
悪いのう。オゴってくれや、ベプシ

やはりペプシおごってあげるは殺し文句として通じるようだ。
とここまで書いておいて、今、PEPSIじゃなくて、BEPSIだと気付いた
殺し文句はベプシおごってあげるだったのか!
やっぱりペプシじゃダメなのか。ベプシじゃないと。リアルでは使えないな。クソァ!

泣いている待宮につられるように涙を流す井尾谷。

知っとるぜ待宮。佳奈ちゃんと別れたんは、インハイに集中するためだったんじゃろ
待宮・・・チームまとめて練習して・・・誰よりもくやしいのおまえじゃろ!!

なんだか妙な過去がついた!
自分で語るのは憚られる内容だから、井尾谷が語ってくれたという内容ですな。
なるほど・・・チャラっぽく見えて、結構ストイックなところがあったんですなぁ。
というか、弱虫ペダルで彼女持ちってなかなか珍しいんだよな。それはそれでどうなのかとも思うが。
でも、持たざるものから見てみれば、元彼女持ちというだけで、リア充めがと思ってしまうから困る。
そういえば、スタート前の寒咲さんへのパイタッチはなんだったんだ?
あれはチャラ男アピールすることで、別れた彼女のことを仲間に気にかけさせないようにしていたのだろうか。
そう考えると、待宮の仲間への気遣いは凄い。でもリア充は許さないよ。

さて、広島を突き放した荒北さん。
さすがに限界を迎えていたようで、倒れそうになる。
が、その体を両方で支える坂道と山岳。
今回の荒北さんは凄かった。山岳は素直に賞賛し、坂道もまた賞賛する。すごかったです。感想一緒じゃねーかよ!

頑張ってついてきたクライマー2人を、荒北さんもまた賞賛する。いいチームですな。アレ?

こいつら――ついてきやがったオレに。すっとんきょうな顔してな・・・
2人とも不思議ちゃんだな。
福ちゃん――オレはひょっとしてトンでもねーもん運んできたんじゃねーのか。なァ・・・福ちゃん。

ようやく、見えた先頭。
運び屋荒北の任務完了でございます!福富さんと合流できてよかったですな、荒北さん。
しかし、オーダーは確かに山岳を運んでくることだけど、他の2人を置いてくるのはどうなんだろう。

荒北「運んできたぜ、福ちゃん!」
福富「よくやった・・・アレ?」

何故かチームメイトじゃなくて、競っている相手の一員を連れてくるという不思議!

坂道「追いつきました、金城さん!今泉君!」
金城「よくやった!」
今泉「巻島さんや鳴子はどうした?」
坂道「追い抜いて、置いてきました!」
今泉「アレ?」

合流された方はどっちのチームも疑問だらけになっているだろうなぁ。
果たして、後方に取り残された総北、箱学の5人は今後合流できるのでしょうか!?

そして、広島はこれで終わりなのでしょうか。待宮はさすがにいいエピソードも入ったし終わりっぽいですな。
しかし、まだ今回破れた3人以外が残っている!3日目の終盤は登りだし、残りの3人の活躍はあるで!
でないと、スタートでツキを吸い取ったとか、御堂筋君との協調とかそういう話がどこかに飛んでいってしまう。
広島の微妙な活躍にまだ期待しておきます!エエ。
きっと、田浦さんだってもう一花咲かせるターンが来るはず・・・きっと。



RIDE.177 チーム集結  (2011年 44号)


運び屋荒北、任務完了!不思議ちゃん2人キッチリ運んだぜ!

全員ではないが、ともかくチームが合流したのは嬉しい。どちらのチームも温かく迎え入れる。
京都の2人も追いつきさえすれば温かく迎えてくれるかもしれない。追いつければ、だけど。

合流までにやけにかかった。途中で広島を相手にしていたのだから、仕方がない。
広島を相手にするために、わざわざ他の連中を置いてきたんだぜ!
うむ、やはりなんでおいていく必要があったのかはわからないな。ものの勢いだろうけど。

ここまで運んでくれた荒北さんに礼を言う坂道。
しかし、荒北さん。それを遮る。協調してるんだから当たり前なのだ。

ケドそいつはここで終了だ。
こっからは――敵同士だぜ。あんま馴れんなヨ。小野田チャン

馴れんなよといいつつ、チャン付けはやめない荒北さんでありました。
山岳以外の人は、いきなりなんでチャン付けになっているのだろうかと訝しがっておるに違いあるまい。
この短い時間でそんな間柄になるとは・・・やっぱり坂道は凄い。

坂道の礼を受けた後。荒北さんの前には手を広げ待つ福富さんの姿があった。
言葉で褒めてもらうより、こういった無言の行動こそ、何かくるものがあるのでしょうな。
憎まれ口を叩きながらもなんだか嬉しそうに福富さんと手を打ち鳴らす荒北さん。

おまえならやれると思ってたからな、荒北!

やっぱり箱学の3年は仲がいいっすね。
福富さんを起点にし、新開さんや荒北さんと仲が良く・・・あれ、東堂さん微妙に浮いてなくない?
東堂さんはもちろん味方とも仲が良いが、巻島さんに意識を裂きすぎているからなぁ。浮いてもしょうがないのか。

ともかく、荒北さんたちが合流し、これで箱学4人に総北3人。箱学有利だな。
とか思っていたら・・・他のメンバー全員追いついてきただとぉーッ!?

あいかわらず協調して一列になっていたはずなのに、見開きポイントになると横にばらける連中である。
ここがカメラポイントだというのを熟知しているのでしょう。ワイ、真ん中ポジもらいますわとか言ってるに違いない。

双方6人揃った!途中にいたはずの広島はどこにいったのでしょうね。まあ、いいか。

おいていったな、荒北!

東堂さんの鋭い指摘。うん、それは追求すべきことがらですよね。
その件について説明する荒北さん。広島ヤロウ追うのに・・・その、アレだったんだヨ!!

アレとは何だ!
んーアレだ。ようするに足手まと
まあ、いいじゃないか合流できたんだっ。食うか?

やっぱり箱学の3年は仲がいいっすね。こういった掛け合いができるのはよいことである。

さて、給水所で補給物資を受け取る。
ここから後半戦である!前半戦はずっと平地だったのか。そろそろ坂が来ますかな。

命がけの戦いになるぜ!ついてこい1年!!

いや、田所さん。これから坂ですから、頑張ってついてくるのはアナタの方ですよ。
坂に入るまではオレの見せ場だからここで力を出し尽くすぜといってるのかもしれない。ありえるな。

3日目後半。箱学と総北は6人揃い、戦いの体勢は整った。
その段階で、京伏は未だ御堂筋君と石垣さんの2人のみである。
たのみの広島も追いついてこないのだが・・・どうするのだろうか?

いいんやないの?
追いつかんかったということは、ソレマデのヤツらやったいうことやろ

御堂筋君から正式な足きり宣言が出ました。やはり広島はここまでのようだ。グ、グムー。

純粋に勝利求めてないヤツらやったいうことやろ。
そんなのはたとえ追いついても戦力にはならん。だったらいらん。

さすがに御堂筋君は純粋ですなぁ。
しかし、ここまで石垣さんはずっと1人で風除けなしで走っているんですよね。
この状態で2人のままだと、ずっと石垣さんは前を走らないといけないのだが・・・
いや、石垣さんならやりとげてくれる!なんせ石垣さんですから!その根性は半端やないで!ある意味MVPだよね。

御堂筋君曰く、ここからは本当の意味でのサバイバルである。
ゴールまでチームメイト全員を運ぶ必要なんてない。
チームは身を削りながら走る。どれ程メンバー揃っていても1人。1人。また1人って減っていく。
ゴール前まで生き残るのはほんの一握りである。

ここから先は数なんてさ程問題じゃあないよ。石垣くぅん。”個の力”や。
見とけ・・・今イチバン活きのいいヤツ程落ちてくよ!!

御堂筋君の予言が入りました。
視線の先にいるのは荒北さんでしょうか。確かに活躍したばかりですからねぇ。
勝負で体力と足を大幅に使ってしまったでしょうし、落ちる第一候補でしょうなぁ。
そして、次に落ちるのはスプリンター勢か。
せっかく追いついたのだから、坂にたどりつく前にもう一花咲かせてみて欲しいものである。



RIDE.178 本当のサバイバル  (2011年 45号)


インターハイ3日目。最終日。
優勝者の候補は絞られた。総勢14名。この中から確実にインターハイ総合優勝者が出る!!
最も早くゴールにジャージを届けたチームが総合優勝チームだ!

ここで意外な伏兵が登場!なんて展開はないのかなーどうなのかなー?

3日目のスプリントラインまで残り2kmです。ああ、まだスプリントエリア残っていたのか。
この辺りで、各チーム、ボソボソと何事か相談しています。
内緒話ですか?気になるじゃないですか。

これまで割と緊張しながらも口数が多く和気藹々としていた総北や箱学。
しかし、今までとは緊張感がまるで違う。触れたら一気に爆発しそうな緊張感だ!
その緊張を破り飛び出した者たちがいる。
新開さんと福富さんだ!

ハコガク、エーススプリンター新開さん出ましたァ!
3日目スプリントリザルトを狙って・・・!?
・・・いやちゃう。エースを連れとる。
そのままゴールを狙う気だ!ここからァ!?うそだろォ!!

総北の1年3人が驚き&解説役になっているー!!やっぱり仲いいな。

それがどうした

その言葉と共に総北も、田所さんと金城さんが飛び出す。
お互いスプリンターとエースを連れて飛び出した。これはどういう考えなんだ?
箱学はもちろん。総北も事前に金城さんが田所さんに耳打ちしてたし、予定通りの行動のようだ。
もちろんこのままゴール。なんてことはないんだろうけど・・・一体何を考えているのだろうか。

田所「今更スプリントゼッケンが欲しくなったか」
新開「額に入れるのにはちょうどいいからな

そういうものですか。やはり喰っている時の新開さんは余裕があるな!

お互い一歩も譲らないという気迫。この張り詰めた空気に押しつぶされそうな坂道。
その坂道の背中を叩き、声をかける人がいた。巻島さんだ。
巻島さんは言う。今はこの緊張感を楽しめと。
本当、巻島さんはなんだかんだで気配りが出来る良い先輩ですなぁ。

何度も何度もくじかれて、ようやくこの絞られた中にオレたちは居んだ。
こんな緊張感を味わうなんてそう出来ることじゃないショ。
オレたちは――3年間この状況を夢見てきたんショ

さすが巻島さん。
このセリフを言っている間に、飛び出そうとしていた東堂さんの前に飛び出し妨害をする。
今いいセリフ言っているんだから、ちゃんと最後まで聞けってことですな。
これは飛び出そうとした東堂さんが悪い!エエ。

・・・そう、楽しむんショ

最後に独白が混じる。これは何だか危ういセリフに聞こえる。
これから何が起きようと楽しめといっているように聞こえる。
例え、脱落者が出ようと楽しむのだ。3日目はそういうものなのだから。

3年間。短いようで長かった。

そろそろ・・・オレの仕事もオワリだな・・・

荒北さんが呟いている。
運び屋としての自分の仕事は終わったということなんでしょうか。あ、荒北さんー!
広島戦で力を使い果たしてしまったのはやはり厳しかったですかねぇ。

次回は荒北さんが沈みそうな気配。
それもまた楽しめと巻島さんはいうのだろうか!どう楽しむ坂道!
アハハ荒北さん落ちてますよ。楽しいですねぇ。とか言ってくれたりするのだろうか!いやな坂道だ。

どうでもいいが、最終ページ。箱学がまた6人揃って走っているのだが?
飛び出した2人は何だったんだ?また戻ってきたのか?本当に牽制だったのか?
見開き使って飛び出したのはなんだったんだよ!?
顔見せしたかったのか?新開さんや福富さんは出番が多いから別にいいでしょうに。
まあ、田所さんは見せ場がもらえて嬉しかったかもしれないな。なら泉田君にも機会をあげてください!アブゥ。



RIDE.179 ラストステージ  (2011年 46号)


ふるえるぜ!ビンビンくる!全身の毛が逆立つような興奮だ!!

スプリントリザルト手前。
リンターの見せ場かと思いきや、ここで飛び出してくる荒北さん。
オレが引くぜ!と新開さんと入れ替わる。

前回、エーススプリンターとエースのペアが飛び出したのはなんだったんでしょうかね?
やはりフェイクだったのだろうか。
新開さんと福富さんの場合、追ってこなければ最後まで行く気だったのかもしれない。
すばやく田所さんと金城さんが抑えたので、その作戦は止めたと。ふむ、つじつまは合うな。

先頭に出た荒北さんは田所さんと競う。
さっきまで広島とバトって仕事してたっつのにキバんじゃねーかという田所さん。
なんですか、見せ場もらったのに連続で出てくるなよといいたいのですか?
1日目以降、いい見せ場があまりなかった田所さんは必死ですな!

ハ!!悪ィな!!調子いいんだヨ!!今日は!!昨日たっぷり休んだからな!
最高潮ナンだ!アドレナリン出まくりだヨ!
このままエース積んで。ゴールまでだって行ってヤンよ!!

カタカナが大量に混じったしゃべりになるのもアドレナリンのせいなんでしょうか?書きにくいぜ!

荒北さんの走りを見て、何かに気付く福富さん。
さすがに福富さんはよくわかっているみたいですなぁ。

オレが箱根学園を勝たすんだよ!!

引き離す箱根学園。
さすが運び屋の荒北さんである。
スプリンターだと1人で走っていってしまうところ、後ろを引っ張りながら加速している。
しかし、まるでゴール前のような加速でありますなぁ。力を振り絞っているかのようですよ。

その荒北さんの走りを見て一人感動している男がいた。坂道である。
広島と1人で闘って、坂道と山岳を引っ張り、さらにチームを引っ張る。

「ほめんな」って怒られそうだけど、やっぱりすごいです。荒北さん――!!

ラストステージのスプリントリザルトまで残り500m!
最後のグリーンゼッケンは箱根学園に確定しそうである。
この状態でさらに加速する荒北さん。それと共に語りだす。

なァ福ちゃん――のぼってきたぜ。
福ちゃん。インターハイのこの大舞台まで――

高校に入って自転車を始めた荒北さんがインターハイに出れるまでになるには相当の練習が必要でしょう。
福富さんは言った。人の3倍練習しろと。それを1人でやれ、と
そうすれば、2年後には出られる、と。ハァ!?
それだとムカつく3年をギャフンと言わせられないじゃないかー!!
とか思いながらもきっちり練習してきた荒北さんは凄いな。

そういえば、昔東堂さんは荒北さんの紹介をするとき、練習時は気が入ってない口だけの男と言っていた。
それはひょっとしたら、陰で1人でいるときは人の3倍練習しているということを表しているのかもしれない。
福富さんも、荒北さんは1人の方が頑張れる人間だとわかっていてそう言ったのかもしれない。

それはそうと。荒北さん、やっぱり髪切ったんですね
ちょっとリーゼント時代の跡は残っているけど。あのままじゃヘルメットかぶれないしな。

観客。照らす陽ざし。
登ってきた、1人で・・・
1人で走って、わかったぜ福ちゃん。
たしかにインハイ、最終日の先頭は、ハンパなくキモチイイ
――マジで。

ここで、福富さん以外の箱学メンバー全員がようやく気付く。
慌てて先頭を入れ替わる新開さん。
荒北さんに向けて手を伸ばすが・・・その手に掴むことはできなかった。
集団から離れ、後退する荒北さん。

なァ福ちゃん。オレは十分やったろ。
あんな折れ曲がってたオレが、自転車はじめて毎日乗って3年間。
1人でっつったのは、オレのこのひねくれた正確がわかってたからだろ。

走った・・・走りまくった、前に。濃密な3年間だったぜ、福ちゃん。
だよな・・・だったよな。
オレは、おまえにだけは、ほめてほしいんだ。福ちゃん

ああ、靖友。おまえは最高の走りだった!!

振り返ることなく、前を見据え、荒北さんの走りを褒める福富さん。
荒北さんとしては、全てを出し切って走った。といったところでしょうか。うーむ。

残りの力はあとわずかなので、ここで一気に出し切ったという感じの荒北さん。
しかし、エースアシストをここで失ったのは箱学には痛手ですなぁ。
この先は山でしょうし、スプリンターは戦えない。
2日目みたいに新開さんがアシストになることはできない。
いや、逆に考えるとクライマーがアシストになればいいのか。

御堂筋君の予言どおり、一番目だった活躍をしていた荒北さんが落ちました。
そうなると、次は誰が落ちることになるのか。
前に飛び出していたスプリンター2人、田所さんと新開さんは危ないな。
逆に、飛び出していない鳴子と泉田君は安心かもしれない。目立たないから安心とは、キャラ的にどうなんだ!!

そういえば、さりげなく最後のグリーンゼッケンは新開さんが獲得してますな
最終日なんでゼッケンつけることはないし、あんまり意味はない気がするけど。
でも、表彰台には立てるわけか。
最後に勝ったとなれば、最速の称号を得たという風に考えることができるんじゃないでしょうか。
新開さんはともかく、泉田君は強くそう主張してきそうだ。最後に獲得した新開さんこそ最速ですよ!とか。言いそう。



RIDE.180 1枚のジャージを  (2011年 47号)


舞台、弱虫ペダルの総北メンバーキャスト大集合!!
いやぁ・・・正直ここまで気合が入っているとは思っていなかった。
ネット上で初めて姿を見たときは笑ったものだが、キャラと並べてみると意外と似てる!?

しかし、やはり鳴子の髪は再現が厳しかったようですな。これはしょうがない。
巻島さんの髪も現実にやられると当然ながら厳しい。
金城さんは面妖な迫力がある。田所さんは体格が足りない分は眉間の皺でカバーしているように見える。
そして坂道。うむ。なんだか、映画のハリーポッターが育ちすぎて1作目から大きく変わっちゃったときの印象を受けた!
いやぁ。なんとも気合の入った舞台になりそうっスね。何やるかわからないけど。
あ、今泉君もいましたね。かなり普通にイケてるので困る。あえていうと、強そうに見えるのが難点かな!

本編!

あばよ――ハコガク・・・
あとは――たのんだぜ箱根・・・

ついに荒北さんが脱落する。
高速で走っている以上、ひとたび緩めれば一瞬にして視界の彼方に置き去りにされてしまう。
その様子を振り返り眺める総北の1年3人。逆に3年の3人は見ようとしない。

ハコガク2番の人落ちましたー!!

いや、坂道。番号で言わなくても、荒北さんの名前ぐらいはちゃんとみんな知っているさ。たぶん。

荒北さんが落ちたことで激しく動揺する坂道。
6人で一丸となって闘うはずなのに、何でハコガクの人は誰も助けに行かないのか?
それに対しては今泉君が答えてくれます。

あの人は力尽きた。それだけだ。
精一杯チームのために仕事をして、仕事を終えた――それだけだ。

オレたちはロードレースをしているんだ
たった1枚のジャージを届ける。どこよりも早く!そういう闘いをしている。
そのためには他の5枚は必ず犠牲になるんだ。必ずだ。どこのチームもそれは同じだ。

たった1枚のために身を削り、ある者は散り、ある者はリタイアする。
それがロードレースというものだ。

まあ、そういうことですね。
2日目の巻島さんはそれがわかっているから、田所さんを置いていくという決断ができた。
まあ、結局は奇跡的に回復して今も闘っているわけですが。
あの時と同じことがまた起こるなんてことは、さすがにないでしょうしなぁ。

3年の先輩は、それがわかってるから振り向きもしないんだ

なるほど。勝負の世界は厳しいですな。
総北1年の3人はやはりまだ経験が浅いゆえか、思わず振り返ってしまったということなんでしょうかね。
あ、石垣さんも振り返ってたような気がするんだけど・・・
逆に御堂筋君は一瞥もしていなかったな・・・ま、まあ石垣さんですし!周りを気にする余裕があるんだよ!エエ!

石垣さんのことは置いておいて、今泉君は坂道に覚悟を迫る。
今日は3日目。あとはゴールするだけの最終日にジャージが6枚揃ってるってことは意味をなさない。

”その時”はオレたち総北にも必ずおとずれる。必ずバラバラになる。

だから思っていろと言う今泉君。

このチーム6人で走ってるのは、今が最後の瞬間だ!!

ロードレースの過酷さを今頃になって思い知る坂道。
そして、5人になった箱学はますます加速する。
荒北さんの仕事を無駄にしないために、新開さんがこの上なく張り切っている!
いつも食いながら走っていたのに、今は必死に走っているぜ!
でも、新開さんは食べながらの方が速いイメージがあって困る。

過去でも、レース中でも、荒北さんに運んでもらっていた新開さん。荒北さんに感謝している。

オレが今ここで走ってられるのも、おまえのおかげだよ靖友

東堂さんは色々と荒北さんとぶつかっていた。まあ、目立つ2人だしなぁ。

初心者で口が悪くて入部当初はすぐ辞めるかと思っていたが、それがまさかインターハイまで一緒に走るとはな。
大したものだよ荒北靖友!おまえの意思はこのオレが受け継ごう!!

最後まで己の仕事を果たした荒北さんを見て、泉田君も感じるものがあったのでしょう。

荒北さん、ボクはあなたからいろいろなことを学びました

そして、山岳。

荒北さん・・・スゴイ人だったな

山岳・・・感想がないならムリに喋らなくてもいいんだヨ?
まあ、広島との勝負のときは驚いていた様子だったし、本当にそう思っているのかもしれないけど・・・
なんというか、この男は淡白なんだよね。平坦道だとテンションが上がらないかね?

山岳はともかく、福富さん。

靖友!!
おまえなしではこのチームは成立しなかった。最高の走りだった
おまえが支えたこのチームのこのジャージは、誰よりも早くゴールに到達する!
決して振り返ることなどしない!!

やはり箱学の3年は仲が良いですねぇ。そりゃ石垣さんも羨ましがるわ。

さて、その箱学の加速についていけていない総北。
その中で、ようやく坂道はもうこの瞬間が皆で走る最後なのだと認識する。

だったら・・・だったらボクは――
何でもします!!勝利のために!!

このチームのために、ボクが出来ることがあるなら何でもやります!!

顔をあげ、ハッキリと断言する坂道。
坂道のシャッキリした顔は久しぶりな気がする。
このところずっと瞳孔開きっぱなしのアワアワ顔だったからなぁ。

それにしても、やはり総北は坂道がムードメーカーなんですね。
他の人たちがあまり喋らないせいもあるが、ともかく坂道のセリフで今泉君や鳴子も表情が引き締まる。

ここで金城さんから6人揃った最初のオーダーが出る。
先行しているハコガクを追う。おまえらの全力をオレにあずけろ!

金城さんの言葉に、一丸となって走り出す1年3人。
たとえレースが途中で終わっても、オレたちに出来ること――3年生のために。

さすがにこうなると、鳴子が夢見た1年3人で肩を組んでゴールはありえないって話ですかねぇ。
まあ、それを言い出した鳴子が一番最初に落ちて、という流れになりそうだなぁ。
部に入ったときのウェルカムレースでもそんな流れだったが、今回も踏襲することになるのだろうか。

そろそろ山に入りそうな雰囲気がある。
スプリンター勢はこの辺りで仕事をしておかないといけないのだが・・・どうなることやら。
新開さんは今現在も頑張っているのが見えるが他の3人は見せ場が取れていない。
今年が最後の田所さんはここが最後の見せ場なのだから、張り切って欲しいものである。
久々に大量酸素吸引走法が見れるのだろうか。
それともそれらが無しでいきなり平坦が終わっちゃうのだろうか。
見所です。田所さんの見せ場なだけに、見所です。いや、上手いこと言ったつもりはないですよ!?



RIDE.181 追いつく!!!  (2011年 48号)


IH最終日。これがこの6人で走る最後の瞬間だと認識を深める1年3人。

この先のゴールにジャージを届ける闘い。
だったらワイは。
オレは。
ボクたちは。
限界まで走る。
エースのために――3年生のために――勝つために!!

勝つために走るのはある意味当然のことじゃないかと思いますが、ここで認識を深めるのも重要か。
1年生3人は、自分たちが勝つというよりは、3年生を勝たせようという意識になってきたようだ。
最終的にはエースである金城さんひとりを送り込めればいいわけですしね。

田所さんが先頭に立って引いているが、箱学との距離は広がる一方。
200mは離される。さすがに新開さんは速い。荒北さんの活躍に応えようとはりきっているようだな。

上等や速攻、追いついたる!
すぐに追いついてやるよ!

自分が引いて!と田所さんの前に飛び出す今泉君と鳴子。
目的意識が高まりすぎたようだ。オレが引くオレが引くと譲らない。

おまえは小さい。田所さんの風除けには不向きだ

常々そうじゃないと思っていたことですが、やっぱり小さいと不向きなんだ!
でも、逆に小さいほうが風の影響を受けずに速く走れるわけで、難しいですねぇ。ちっさい、ちっさい。
お互い譲るつもりはない2人。言い争っている場合でもない。しょうがないですね。

一緒に引くぞ!!おおお!!

わざわざ2人で引くだと!?どう考えても、ローテーションした方がいい気はするが・・・
金城さん曰く、2人で引くことで体の大きな田所さんの風除けになっているとのこと。
それはわからないでもないが・・・やはりどうなんだろう、巻島さん?

ムチャクチャだ。けど・・・闘う意志は全開ショ!!

なるほど。それが一番大事な気はしますね。

巻島「こいつらバカか?」
田所「いや、大バカだ!

まあ、疲労を忘れるぐらいバカになったほうが良い時もあるってことなんですかね!好意的に解釈する。

相変わらず今泉君と鳴子のライバル意識は強い。
並んで走るとその辺りが否が応でも刺激されるようだ。そういう効果もあったか。
お互いまだ全力ではないとか言い出す。

70%だよ!50%や!30%だな!10%や!
だったらもっと回せ!

全くその通りですな。
強い意志の上に意地まで加算されて、じりじりと箱学を追い上げる総北。
そして、坂道もまた、飛び出そうとする。

あのっ、あのっ、3年生の皆さんっ!!
ここまで連れてきてもらって、ありがとうございました

例を言う坂道。これを聞き、2日目の体調不良により、3日目まで坂道に運んでもらった田所さんは何を思うだろうか。
下手な受け取り方をすると、イヤミか貴様!とならなくもない。
まあ、坂道のキャラでそれはないとわかっているでしょうけどね。

限界まで頑張るから、このインターハイ、絶対勝ってくださいと坂道は言う。
そして先頭に飛び出し、引くのを変わろうとする。

まて小野田!出るな!この先左側の路肩が荒れてる!
大丈夫です!!

荒れた道を平気で突っ切る坂道。
本当、坂道はこういう通りにくい道を走るのが好きですねぇ。
悪路が得意という属性も加算されそうな雰囲気だ。
いざとなれば大雨を降らし、コースの状態を悪くして有利に立つという戦略も立てれますな!

たった1枚のジャージを届けるために無茶をする1年生に、3年生たちも心を奮わされる。

「大バカ」か。そうかもな。
こいつら、こんなところに来てなお、まだ成長してやがる!!

1年生3人の活躍により、箱学に追いつこうとしている。
いい話ではあるが、やはり戦略的にどうなんでしょうね?
スプリンターの鳴子はともかく、アシストやクライマーの2人がここで消耗するというのもなぁ。
作戦よりも、大事なのはそのときの意志だということなのでしょうか?

しかし、何より問題は、田所さんである。
スプリンターは山に辿り着く前に活躍しないといけない。
なのに、この状況では得意なステージで活躍できないじゃないですか!!た、田所さーん!!
このまま山に辿り着いて、ズルズル落ちていく田所さんなんて光景になったら目も当てられませんやね。
まあ、2日目では山なのに引っ張ったりしてたし、ある程度はいけるか・・・?
スプリントリザルトも抜けたことだし、山は近い。
スプリンターの最後の見せ場なのだから頑張って欲しい!泉田君もね。



弱虫ペダル 22巻


RIDE.182 セレクション  (2011年 49号)


IH最終日。ゴールまでは残り30kmを切りました。
この先程なく山に入る。平坦区間はあと数Km。
道は牙をむき、登れない者を次々とふるい落としていく。

セレクションがかかる

そこへは6人では行けない!!決して!!
次々とはぎおとされていく。

なぜなら今大会中、最大の山。ゴールはその山の向こうだからだ!!

ようやく最終日のコースの紹介がされました。
登っている最中でゴールかと思ったが、そうではないんですな。
登ってからも微妙に長いトップ争いとか始まりそうな気がしないでもない。

ともかく、山はふるい落しにかけるにはもってこいの場所である。
そんな所に入ろうという状況だが、どうするのか総北。どうするのか金城さん。
限界になってボロボロになって、チームが一丸となって今、ようやく箱学を追っている状況。

おまえに”手”はあるのか?
勝負はついたか金城。
6人が6人でなくなった時――総北は総北でなくなるんじゃないのか?

痛いところをついてきましたね。
全員で支えて走るのが総北のスタイルだとこれまで散々言って来た。
だが、ここからは1人1人落ちていく。
まあ、エースを生かすために走るというのは1日目も2日目もやってきたことだし、変わりない気はしますがね。

総北はこのジャージ6枚が全部揃って、完成形だ

金城さんのその考えは揺らがないらしい。
でも実際どうするつもりなんでしょうね。平坦はよくても、山はかなり大きな差がつきそうだ。

今泉、鳴子、小野田、巻島、田所。
全員の力でここまで来た。1人欠けてもおそらくここまで到達しなかっただろう。
全員の意志、想い1つ1つがこのジャージを連れてきたんだ。
ケガも落車も乗り越えて。
悲願まであと30Kmのところまで!!

その言葉で、そういえば金城さんはヒザを痛めているんだっけと思い出した。
荒北さんが広島で削ってしまった分の体力は、金城さんのケガの分で相殺されそうですなぁ。

1年3人は必死の走りで箱学に喰らいつく。
今泉君と鳴子も坂道が相手だと素直に前を譲ってくれるらしい。さすがの人徳だな。
そしてついに、広がっていた差を埋め、追いつくことに成功した。こりゃ凄い。

金・・・オー・・・ゼッ!
オーダー通り、ハコガクに追いつきましたよ!金城さん!!

よくやった!けど、ゼ、は何が言いたかったんだ?フォーゼ?

これで五分だなと嬉しそうに宣言する田所さん。ゴールまではあと25km。
その看板を見て、福富さんは指令を下す。加速だ。泉田・・・

追いついたはずなのに、泉田君が先頭に出て加速することでまた引き離される総北。
こういうところを見ると、やはり新開さんはまだ全力を出していないんですな。
全力を出していたら総北に追いつかれることもないでしょうし。
逆に全力を出し尽くしていたら、もう落ちていたでしょうし。

福富さん曰く、この最終局面ではセレクションをして数を減らしたほうが有利とのこと。
極限まで身を削り、絞ったほうが勝つ!!
チーム6人全員では――闘う場面じゃないんだよ、金城!!

先頭に出たアブさん。
その両胸のアンディとフランクが悲鳴を上げている。

だけど、引く。ボクはシングルゼッケンだ。
誇り高い箱根学園の6人の内の1人だから!!アアアブゥゥゥウアア!!

もの凄い加速を見せ、追いついたはずの総北と500m以上の差をつける。
そして、落ちる泉田。

悔いはない・・・あとは、たのみます

切り離され、下っていく泉田君。
その姿に、一度闘った鳴子も衝撃を受ける。マ・・・マツ毛・・・くん!!
どうやら名前も禄に覚えていなかったらしい。鳴子・・・

セレクション。
いつまでも仲良しでは走っていられない。時間はもう残されていない。
チームのために、身を削り、力を使い果たして散っていく箱学。
チーム一丸となり、6人で走ることを大事にする総北。
さすがに、最終日では切り捨てることも重要だと言っていたが、そのタイミングはいつになるのか。
道の構成からいって、最初に落ちるとしたら田所さんか鳴子になるのが常道。
金城さんがどのような判断を下すのか、注目です。

ちなみに、その2種類とは他の選択肢を取っているチームもいる。
チームのために、1人でずっと最後まで引っ張ろうとする京伏。というか石垣さん。
カメラに映ってないけど、すぐ後ろにピッタリつけているのは間違いない。
本当、石垣さんのど根性はハンパないで!!

それにしても、アブさんはあっさりと落ちましたな。
荒北さんは回想を挟み、各人からコメントを頂いたというのに。
まあ、まだ2年で来年もあるわけですしね。
レースの最後まで自分の役目を果たし、全力を出して落ちたのだから、本人の言の通り悔いはなかったでしょう。
惜しむらくは、キャラが弱くなったというところでしょうか。名前も覚えてもらってないとは!
いや、あのキャラでキャラが弱いというのもどうかと思うけどね。
本名よりアブさんの方が通りがよくなってしまっているという問題もあるか。
ともかく来年頑張れアブさん!君が主将だとメンタル的に一抹の不安があるけどさ!!



RIDE.183 泉田の誇り  (2011年 50号)


軋む。筋肉が。
限界を超えた筋肉は、鉄のように固くなって軋むんだ。
何度か経験がある。こうなるともう、痛みは感じない。
音が消え、臭いが消え、体の感覚もなくなって――
意志だけが路面をすごい速度で走っているような――
肉体はそれに1mmの誤差もなくつき従い、走ろうというイメージを100%具現化する。

完璧に研ぎ澄まされた一本の槍になれる
これは速いんだ。

けど、それはもう。
終焉が近いことと同義なんだ

命の灯を燃やし尽くそうとするかのような激走を見せる泉田君。
前回、あっさりと落ちた!!と見せて、まさかの逆回し。落ちる前のシーンが描かれただと!?
相変わらず槍が大好きな泉田君である。
1日目のスプリントもこの意識で挑めたら取れてたのかもしれませんなぁ。

総北を完全に引き離したところで限界を迎える泉田君。あとは・・・たのみます。

まかせとけよ!泉田!

新開さんが背中に触れ、託した想いを受け取ってくれる。
ふむ。前回では見られなかった光景ですが、これこそ泉田君が欲しかった言葉でしょうな。

新開さん。
インターハイの最高の舞台で、インターハイメンバーの6人に選ばれて。
その上ボクは、あなたと走れた。

昔の泉田君はそれほど結果が出せていたわけではない。
今でこそ、2年でインターハイメンバーに選ばれる実力者だが、思い悩むこともあった。
そんな時、鍛え、アドバイスをくれたのが新開さんである。
力を出し切り、見事にカテゴリー別1位を勝ち取る泉田君。
新開さんのアドバイスのおかげだというが、新開さんは、それはおまえが実力で獲ったんだと言う。

もっとほめてやれ。自分を

照れくさいですけど、ボクはあの一言で変われた気がしてるんです。

なるほど。
そのせいで自分の肉体を褒めちぎる癖がついたわけですね
このころはそこまでマッチョじゃなさそうだし、自分の筋肉を褒めすぎてああなってしまったわけか。
ボディビルをする際も、自分の理想の姿をイメージするのがよいと言われている。
つまり、自分を褒めるのは筋肉をつけるのに理想的なのだ!こうやってアブさんが生まれたんだなぁ。

出しきりましたよ・・・
触れられた背中は今も温かい

悔いはない――!
心から言います。ボクはあなたと走れて今、とても誇らしい!!

泉田君の想いも受けて加速する箱学の4人。
勢いがついたせいか、人数が減っているのに速い速い。

荷物を1つ1つ降ろして軽くしてってる感じだ・・・!!

その表現はどうなんだろう。観客よ。お荷物と申したか?

山に入るまで残るは数Km。
その数Kmの間に箱根学園に追いつかなければ、総北に勝利はない。そう断言する福富さん。

総北にも決断の時が迫っている。
箱学5番の泉田君が切り離されるのを見送る総北3年生の3人。ふむ。
1年の3人は、離されたのなら追いつくだけだと気合を入れる。
ショートローテーション。20秒ごとに先頭を交代する走りだ。
我々の最後の役目だと、全力を出そうとする3人。
運ぶぞ、俺たちのジャージを。
山の手前までに、箱根学園に追いつく!!

福富さんが言っていた山の手前。今泉君たちもそこがポイントだと思っているようだ。
自分達を切り捨て、先輩を運ぼうと務める1年3人組。しかし――

下がれ1年
よくやった。

1年3人を下げて、3年生たちが前に出てくる。
そして、金城さんが最後のオーダーを下す。

ペースを上げて箱根学園との差を詰める。
山に入る手前で、チームを切り離す!!

ようやく、金城さんも決断したみたいですね。
山の手前で切り離されるのは誰なのか!?
まあ、順当に考えたら田所さんですわな。スプリンターの最後の見せ場でありますし。
金城さんも、2日目にケガをしていることもあり、少々危ない。
最後のオーダーとか言い出したので、落ちる可能性がなくもない。
巻島さんは今のところ安泰ですな。
東堂さんと3日目も争ってくれることになりそうだ。

田所さんはほぼ確定として、同じくスプリンターの鳴子がどうなるかですな。
肩を並べて3人でゴールしたいという願いはありましたが、流石にそれが果たせるとは思えない。
ならば3人仲良く力尽きようとした。それが、坂道たちが無意識にあみ出した策であったのでしょう。
が、それも制せられます。当たり前だな。

切り離しの人数によっては、年内に山につくかどうか、といった感じになりそうですなぁ。

続々と切り離されるトップ集団。それを見ながら黙々と追う京都伏見ってな展開か。
ほんと、1人でずっと引き続けている石垣さんの根性は筋金入りやで。



RIDE.184 3年の決意  (2011年 51号)


チームを切り離す。金城さんの発言に揺れる1年。
そして、3年の3人が前に出る。このまま自分達は切り離されるのかと考える1年。

待ってください金城さん。ワイはまだ走れます!ワイはまだ全力出して――

全力出してなかったんかい。
まあ、それについてはとりあえず置いておきましょう。今はそこが問題じゃない。

問題なのはたった2つ。敵に追いつくか、そうじゃないか!だ。

ロードレースは一瞬の判断ミスで勝負にならない程の差がひらくことがある。
一見なんでもない坂。よくある平坦。それがしばしば勝負を分ける。
山の手前の何とはないこの平坦で、箱根学園はオレたちに決定的な差をつけようとしているんだ!!

金城さんの読みは正しい。
新開さんを先頭に、平坦な道を突っ走る箱根学園。
新開さんとしては、山に入る前に力尽きるぐらいのペースで走っているんでしょうな。

来ないなやっこさん!
途中でお土産でも買ってるのか

追いかけてこない総北に、余裕の新開さん。
福富さんは、山の手前で1km以上の差をつけて、ヤツらをレースからふりおとす!と宣言する。

確かにそれだけの差がつけば決定的な気はする。
でも逆に、それで追いついてきたら驚きはハンパないでしょうな。
しかもお土産も本当に買ってきてたら、想像もつかないレベルでの驚きになる。
遅くなってすまないな、ホラ、お土産だ。とか金城さんが言い出したらどうしよう!ねーよ。

ともかく、巻島さんは1年たちに語る。
勝負を決めるのはゴール前とは限らない、と。

総北は今、負けるかどうかの危機的状況なのである。そう、首の皮1枚という状況なのだ!
ロードレースでは、ゴール前にからめるかどうかでさえ、いくつもハードルがある。
運、実力、メンツ。
人生と同じだ。常に不平等だ!!

いきなり観点がでかくなりましたね。ロードは人生!

だったらどうする。
きまってる!そいつをどうやってひっくり返すかを考えんだヨ!!

不平等な人生を覆してやるぜ!ってな話ですね。
努力して強くなった巻島さんらしいセリフだ。
でも、巻島さんの家って金持ちっスよね。いや、その辺は考えないことにしておきます!

首の皮1枚という状況を3年の力で詰めようとしている。
張り切って回す田所さん。その首、オレがつなげてやるよ!!

いや・・・オレもだ!!

田所さんだけではなく、エースの金城さんまで前に出て引っ張る。
速い!これが総北3年の実力なのか!!

その速さ。その圧力。
すごい速度や。すごい気迫や・・・ワイらと比べものにならん

3年の実力を目の当たりにして萎縮する鳴子。オイ。
まあ、3年は後がないわけですし、必死さに関してはこの上ないですわな。
なので、鳴子は言う。覚悟が出来ましたと。

今すぐワイらを切り離してください!!
ハコガク追いつくのにワイらは荷物です。ワイらを今ここで切り離して先行ってください!!

冒頭ではまだ全力出してないと言ってたのに、もうそれか!
鳴子のメンタルは割と今泉君並だから困る。そう考えるといいライバルだよね!そうか?
というか、連結しているわけでもないし、緩めたら勝手に切り離されるんでないかね?
まあ、どちらにせよ、巻島さんは切り離すつもりがない。
ここで金城さんからの伝言を伝える巻島さん。

おまえたちにはまだ”役割”がある。
”オレたちの背中を見届けろ”
”山の手前まででいい”

この言葉は一体・・・!?

アオリも含めて、どういう意図で言っているのか掴みかねる。
アオリでは、切り離しが決定した1年は!?とある。
でもこれ、誰が切り離されるのか、とは書いてないんですよね。
巻島さんのセリフもどっちとも読める内容だから困る。

これまでは、1年たちが最後までレースに絡んでくると思っていました。
だけど、ひょっとしたら、今年はゴールに絡まないという可能性もあるのかと思うようになった。
つまり、本当に山の手前で離脱する1年3人という展開!
この展開の場合、坂道たちの活躍は来年に持ち越されることになる。
つまり、進学しての2年目という新たな展開が待っているということになる!ありえそうだ。

その場合、山の手前まで行って1年3人の脱落劇を見た後、一気に時間経過する可能性もある。
ダイジェスト的にゴール前まで進み、一気にインターハイ終了とか。
まあ、総北と箱根学園の2校だけだったら、その展開もありと思えたが、まだ京都伏見がいるのよね。
1km以上つけてレースから振り落とされるのなら、京伏はもう落ちていることになる。さすがにそれはどうだろうか。
御堂筋君はまだ来年があるが、石垣さんは今年で最後だし、まだまだ見せ場が欲しい。

というわけで、色々と考えてはみたが、やはり1年は落ちないのかなぁとか考えたり。
たとえ切り離されても、ついていきそうな気がしないでもないですし。特に坂道は。

そういえば、20巻が来月でますが、なんと表紙は待宮!?マチミヤァァァ!!
荒北さんが来るかと思ったが、その次になりそうだ。
まあ、待宮が表紙を飾るタイミングはここしかないし、これはしょうがない。
それにしても、この表紙の待宮はキリッとしててオーラがあるな。
でも、なんとなく負けた後の表情にも見える。オーラがあるのかないのかわからなくなってきた!



RIDE.185 背中  (2011年 52号)


山の手前まで残り数Km。
箱根学園は、ここで決定的な差をつけて勝負を決めようとしている。
そうはさせじと追いつかないといけない総北。
だが、その状況で1年生3人は後ろに下げられてしまった。

オレたちが出来る役割は――ただ、見守ることだけ・・・

無力感に打ちひしがれる1年たち。
やることがないなら、応援とかしたらどうですかね?歌うとか。
つまり、後ろ3人でヒメヒメだ!そんな余裕は今の今泉君や鳴子にはないか。

金城さんと田所さんが先頭を入れ替えながら加速する。背中の筋肉モリモリ。
その先輩達を見ながら、自分の走りを振り返る今泉君。

1つも・・・1つも成果を出していない
レース前半で金城さん引いただけで。
今こうして総北が箱根学園に離されてるのは・・・オレの力がなかったからじゃねーか!

「よくやった」だと!?
やってなんかない。チームのために何も。オレは。

なのになぜ山の手前まで――って・・・
いっそここで切り離してくれた方が――

もの凄い弱気になっている今泉君。
今日の成果はともかく、1日目2日目はキッチリ仕事してますのにねぇ。
2日目ほとんど仕事できてなかった田所さんにも見せ場を分けてあげましょうよ。
弱気を振り切り、前に集中しようとする今泉君。そこで鳴子と目が合った。

同じや・・・ワイも今のおまえの気持ちと。
こないなところでレース終わって・・・しかも背中見て走れやなんて・・・生ゴロシや。
終了や・・・インターハイ
終わってもうた・・・ワイが力がないせいや

今泉君が心で抱えていたことを口にする鳴子。
ううむ、似た者同士でございますなぁ。やはりこの2人はコンビ扱いされてしかるべきであったか。
不完全燃焼だとうじうじする2人。荒れてますな。

くそ!!

ハンドルに握った右手を打ちつける2人。そんな、タイミングと箇所まで一緒だ何て!仲良すぎだろ。

オレたちは・・・終わりや

目を伏せる2人。
しかし、坂道は違った。言われたとおり、じっと前を見据え、先輩たちの背中を見続けている。
なんとも純粋でございますな。悩むことよりも、言われたことを実行しようとしているのか。

見て、すごい。
こんなに全力で走る3年生を。すごいよ・・・こんなに近くで見るのは、初めてだよ。

前に練習で巻島さんと走ったときに言われたことを思い出す坂道。
”自転車で会話する”巻島さんはそう言っていた。
今、その会話をしている気がする。3年生はボクらに・・・強くなれって言ってる気がするんだ!!

坂道の言葉に目を見開く2人。強く――・・・

こいつを伝えるためにオレたちを残したってのか――オレたちにオレたちのこれからのために――!!
この人たちは見とるのか・・・総北を――オッサン・・・巻島さん・・・金城さん・・・

オレたちが担う未来を!!

動揺しているのかどうなのか、2人とも微妙に言い回しがおかしい。混乱しているな。
なので、2人で頭を打ちつけて目を覚まさせようとする。おるあ!
なんというか、本当この2人は以心伝心できるんですなぁ。似た者同士ゆえか。

総北は割とコミニュケーションが足りていない気がする。特に学年間の。
巻島さんは自ら苦手と言っているし、金城さんも積極的に話しかけたりはしていない様子。
田所さんは2年の2人との関係を見る限り、コミニュケーション取ってそうではあるか。
意図が伝わりきっていないので、後からこうして気付いて補完するしかない。
無闇に悩んでしまうことになりますわな。

ハッ。逆に、悩んだ分だけ成長するとかそういうアレを狙ったアレでしょうか!?
自分で考えて気付くほうが、成長できると考えてわざと曖昧な指示を出しているのか!?
そういえば、金城さんは今泉君に、このインターハイで成長しろと言っていた。
確かに2日目終盤では御堂筋君も認めざるを得ないほどに成長していた今泉君。
でもやっぱりメンタル面はまだまだな弱泉君。
しっかり先輩の背中を見て、精神的な強さを学び取って欲しいですな。鳴子ともども。

これが実を結ぶのは1分後かもしれねぇ。それこそ1年後かもしれねぇ。
――けど、背中見ろつんなら見てやるよ!その背中に穴あくまでトコトン!!

今泉「役目終わったつったの誰だ!」
鳴子「おまえやろ!」
今泉「ああ、オレだ!」
鳴子「ワイもや!」

コントできるだけの余裕はでてきたらしい。
そのコントを聞いたのかどうか、空気が変わったのを感じる金城さん。

小野田か!!

さすが坂道。ムードメーカーとしての信頼感はバツグンですね。
今泉君と鳴子が精神面で信用されていないと見ることもできますけどね。まあ、その評価は仕方ないか。

空気もよくなったことだし、さらに加速する金城さん。
山の手前のこの平坦で何としても追いつこうとする。6人の意志で!!

その意志が通じたのか、箱根学園を視界に捉える総北。一気に並ぶぞ!

一方の箱根学園。総北が追いついてきたことに気付き、振り切ろうとする。
新開さんが顔を手で覆った。ズ・・・

出るか、箱根の直線鬼。というところで続きます。
ようやく新開さんの最終日での本領発揮の時間のようですな。
しかし、直線鬼は荒っぽくなるが、追いかけるのでないとその迫力も無駄になりそうな気がする。
というわけで、追撃の鬼モードとは別の、逃げきりの仏モードとか現れてみてはどうだろう。突然。
満面の笑顔でフホホホホとか言いながら逃げる新開さん。
新たな境地が開けそうだ。いや、本当にやられても困りますが。



RIDE.186 6人、並ぶ!!  (2012年 1号)


田所さんと金城さんが交代で引いて、ようやくハコガクを視界に捉える。
これで首の皮1cmくらいはつながったかと尋ねる田所さん。
1cmの皮とか分厚すぎるでしょ。いや、そういうことじゃないのはわかってるけど。

ふりきれ新開!!
オーケー寿一!!

追いつこうとした総北。だが、エースの新開さんは加速を開始する。
アレ?新開さん。前回のラストで顔に手をやっていたのはなんだったんだ?
ズッ・・・とかいってたような。
エナジーバーを咥えるための動きでしたってことか?ならしょうがないな。

加速したハコガク。それに並ぼうとする総北。
並ぶ!!6人の意志で!!

新開さんの加速よりも、金城さんや田所さんの意地の方が勝ったか。
じりじりと距離を縮める総北。ここで並ばないと闘えないといった感じでしょうか。

「この平坦で決定的な差をつける」
オレたちのそのシナリオを読んだか金城!さすがだ。

どんな犠牲を払っても、絶対に追いつくという意志!!それが総北か。金城!!

相変わらず総北、というか金城さんに対しての想いが強い福富さんである。
まあ、今のところ総北は犠牲を払っている様子はない気がしますけどね。6人揃ってるし。
あえていうなら、エースの足を消耗しながら進んでいるという部分でしょうか。

山の入口まで残り3.2km。ここで離されたら一気に終わりだ。
実力者を揃え、王者として君臨する箱根学園とオレたちが闘う方法は、意志!!
6人全員が同じ思いを持って、同じ前に進もうとする力だ!!

1人では折れそうな心も、もう1人がひろい支えすくいあげれば、あきらめない気持ちにかわる。
意志はバイクに伝わり確実に歩みを進める。
後ろがついてきているという事実。それが背中を押す。
前に出れなくとも信じた心がオレたちをアシストする。

全員全力。それがオレたちのロードレース!!総北の走りだ!!

これが金城さんの考え方でありますか。
そのために、セレクション。切り離しをせずに、6人で走っていると。
言いたいことはわかる。なので、それを口に出して説明していただきたかった
説明されずに後ろに下げられたもんだから、今泉君や鳴子が無駄に動揺しちゃったじゃないですか。
下手したら、勝手に脱落しちゃったかもしれないのに。
この辺りの言葉足らずなところが金城さんの弱点でありますな。

ともかく、6人の意志の力で横に並ぶことに成功した総北。
ならんだァァ!!
総北1年トリオはすっかり驚き役となっている。これがオレたちの今の役割だといわんばかりだ。

一歩一歩は積み重なり、積もる!!

その重なりが今こうして並んだ結果だということでしょうか。
金城さんは語る。強豪と思う相手と闘う時、最も大切なこと。
それは揺れないこと。自分が信じた方法を惑うことなく貫徹すること。

このジャージは6枚で完成形だ
だからオレは、6人で追いついた。

やはり金城さんは切り離すつもりはなかったということだろうか?
では、山の手前で切り離す宣言はなんだったのだろうか?
その言葉の答えはまだ先の話になりそうだ。

ともかく、福富さんの”セレクション”の問いかけについては6人でという応えを返す。
それを受け、福富さん。おまえらしいチームだと称える。
だが・・・とんだ仲良しクラブだ

全力で引け新開

福富さんの後押しを受けて、箱根の直線鬼が現れる!ゴギャア!
山の入口まで残り2km。
最終日のスプリント勝負もようやく佳境といったところでしょうか。まだ続きそうだけど。

山につくまでは総北も箱学も誰かを切り離したりはしないでしょう。
しかし、新開さんは何故追いつかれるまで直線鬼を発動させなかったのか。
これには理由があると考察する。
直線鬼モードは、舌を突き出し、口を大きく開ける。つまり、モノが食べられない!!
総北の姿が見えて、振り切れといわれたとき、新開さんはまだ食事中だった。
食べ物が残っているのに直線鬼モードになんて入れないよという事情があったのだと推察する。
食べつくした今だからこそ、発動できたのだ!なるほど、これは納得のいく話だ!レース舐めんな。

まあ、残り2kmと区切りがよかったから、ここで発動させると決めてたんでしょうね。たぶん。



RIDE.187 激走、山中湖  (2012年 2+3号)


今回のインターハイレースで象徴的に使われていたのが富士五湖。
その富士五湖最後の湖、山中湖が見えてきました。山の入口まで残り2km!

というところで、また引き離されだす総北。さすがに箱根の直線鬼ですね。
金城さん曰く、ここからは湖沿いの完全な平坦道。新開さんの最も得意とするステージだとのこと。
なるほど。やはり2kmが直線鬼発動の合図であったか。
そして、相変わらず驚き役の総北1年トリオ。役目ご苦労!
一瞬にして山まで残り1.5kmとなる。

新開さんは速い。だが、なんとしても追いつき並ぶと必死な金城さん。
さすがに田所さん一人では追いつけないと判断してか、2人で交代して追い込む。

最後は山の勝負。オレと巻島で飛び出す。
巻島かオレか。およそ20km先にあるゴール、インターハイのラストゴール。
そこに、想い託されたこのジャージを真っ先に届けるんだ。
絶対に!そのためにはここで差を分けるわけにはいかない。

どうやら金城さんは本当に3年生だけで闘うつもりの様子。
自分の足を温存しようとかいうつもりはないようだ。
交代して回すのなら、鳴子を使ってもよかったと思いますのにー。
そんなに後ろから見ていて欲しかったのでしょうか。

再び田所さんが前に出てきて走り出す。
そして宣言。ここからはオレ1人の力で追いつくとのこと

先・・・言っとくぜ。ありがとよ、3年間。

こいつが総北名物、肉弾列車だ!!
どけオラ、ハコガク!!

オラオラ叫びながら差を詰めていく田所さん。スゲェ。
しかし、泉田君のときに使った酸素吸引走法は使わないのですか?
省略されているだけで使っているのかもしれない。きっと。
そして、叫び方もさーんそーからオラオラに変わっている。なぜなら、こっちの方が言いやすいから。
言いやすい掛け声に変えたことで田所さんのスプリントは速度を増したのだ!!
いや、地味に掛け声の言い安さは重要ですよ。なんせペダリングのノリが違いますもの。
試してみたところ、アブアブのノリのよさは最上級クラスだった。やっぱりアブさんは凄い。

2日目の夜。3年生3人が話しているとき、田所さんは言っていた。
明日もし、山中湖まで行ってそれでも箱根学園に競っていたら。

オレが――最高のポジションまで引いて、おめーら2人を切り離してやるよ!!
だからつべこべ言わずに全力であずけろよ。
山中湖の湖畔の最後の平坦がスプリンターの、オレにとってのゴールだ

田所さんはちゃんとスプリンターの役割を理解しているようだ。山の手前まで頑張る。
しかし、前日に既に最後は3年生で走ると決めてしまっている様子がありますなぁ。
ともかく、田所さんの加速は新開さんにも負けていない。オっラァァ。うっラァァ。

田所、おまえはいつもオレや巻島の前にいた!!道を切り拓いてくれた!!

ここでさらりと田所さんの回想。短めな回想なので大きく新しい情報はない。
しいていえば金城さんが若いというところか。
昨年のレースの時にはもう金城さんになっていたのに、1年時のこの若者っぽさは何事か!?

一時期は部を辞めることも考えたが、スプリンターとして頭角を現してきた田所さん。
後輩を鍛え上げたり、福富さんを殴ったり、今の1年にハッパをかけたり、福富さんを殴ったりしたことが思い出される。

心配するなよ金城。安心して後ろについてこい。オレは、根性じゃ誰にも負けねえ!!

力強く言い放ち、そしてその言葉の通りにハコガクに喰らいついている田所さん。

田所!!ありがとうと言うのはこっちだ!!
オレはおまえと走れた3年間に感謝している。最高の仲間や先輩、そして後輩に恵まれたことを。
田所、巻島!!総北は最高のチームだった!!

何故にいきなり過去形!?
気持ちが先走りすぎている気がしますな金城さん。そういったセリフは最後にとっておきましょうや。

そのセリフがフラグになったのかもしれない。ドクン。
ここで金城さんの左膝が痛み出す。2日目に痛めた部分がこのタイミングで出てきたか!

ふむ・・・どうなるんでしょうな?
本来溜めておかなければいけなかったところを無理したものだから、痛み出すことになる。
さすがにケガを抱えたままでは、最後の段階までいっても福富さんに勝てるとは思えない。
福富さんも同様にケガを抱えているならあるいはと思えるのだが。
というところで、ひょっとしたらもう忘れられてそうな、3日目スタート時の待宮の呪いが発動するかもしれない。
金城さんの膝が痛み出したのもその関係だと考えればよいわけだ。
トラブルがもしあるとすればなんだろうか?福富さんのボトルも割れるのか?
ちょっと捻って、食べ物の方かもしれない。
新開さんに全部譲っちゃって、自分の分がなくなっている!いや、これはトラブルじゃねぇな。

金城さんにトラブルが出たということは、やはり1年が頑張らないといけないという展開になりそうだ。
山で鳴子がどれだけ頑張れるかに注目ですな。



RIDE.188 田所、ラストスプリント  (2012年 4+5号)


田所さんが必死の走りを見せる。
内心で呼びかけるのは赤頭。鳴子である。

見てるか赤頭。後ろから。
刻めよ赤頭。オレは金城と巻島と3人でこの総北を強くした。
おまえはこれからおまえの仲間と総北をもっと強くするんだ!!

やはり同じスプリンターの後輩としてか、真っ先に呼びかけるのは鳴子なんですね。
他の2人はそれぞれの分野の先輩が呼びかけるだろうということでしょうか。

田所さんの超絶スプリント。足がもげるんじゃないかというほどの加速だ。もげる!!

酸素足んねえ。いくら吸っても足んねえ!!

あれだけの肺活量があっても足りないらしい。
田所さんが通った後の酸素量は激減していそうだ。ハッ!?観客がバタバタと倒れている!?
低酸素による意識の混濁が発生しているんだ!てなことになったらどうしよう。流石にないか。

分解しそうだ、足。もげそうだ。
けどハンドルにしがみつけ。チーム引っぱる最後の「ゴール」だ。ペダルを踏め。

オレは田所迅。暴走の肉弾頭。根性だけは誰にも負けねえ!!

一度はくじけて、辞めることも考えた田所さん。
だけど、寒咲さんの兄から教えを受け、それからは誰にも負けない根性を見せてきた田所さん。
その根性に鳴子も滂沱の涙を流す。オッサンー!!

どうでもいいけど、この2人はこの状況でもお互いを名前で呼ばないんですな。
実は親愛を込めてお互いそういう呼び方をしているのかもしれない。かもしれない。

山まで残り500mというところで箱根学園に追いつく総北。
この加速には観客も驚く。すげぇ田所!メガ引き!メガ盛り引き!なんで盛りをいれたし。

クソカッコエエっス!!

田所さんの勇姿を、涙を流しつつも、しっかりと目を開き見届ける鳴子。
ムリだと思った差を、土壇場でなくした!
山の手前で完全に並ぶ両校。この勝負、どっちが取るかわからない!
その山の手前で――ついに総北からも脱落者が出る。

金城。巻島。
約束果たしたぜ。最高のポジションまで、ジャージ運んだぜ。

オッサァァン!!

オッサン、いや田所さんが落ちた!だが仕事は十分果たした。
そして、いよいよ山に差し掛かろうとしている。どちらも山のエースが飛び出すぞ。
ハコガクにはクライマーが2人いる。そのどちらもが飛び出す。

エ−スクライマー東堂尽八!!
1年生クライマー真波山岳!!
昨日の覇者、エースゼッケン福富寿一!!

スキのない最強の布陣で山を制そうとする箱根学園。
それに対し、総北は・・・誰も出ない!!

ロードレースとは・・・これほどに残酷なのか

金城さんの左ヒザの痛みは強烈になっている。飛び出せない。
3年生だけの力で今年の残りは闘うと言っていたが、どうもそれは果たせない様子。
こうなるとやはり1年生の出番でしょうかね?

間延びした感はありましたが、ようやく山に辿り着きました。
総北は、なんというか、今年よりもさらに先を見据えていそうなオーダーをとっていますなぁ。
1年達に自分たちの姿を見せ、今後の総北のために強くなれと伝えるとは。
将来のことを考えるのも大事だけど、この大会ぐらいは自分たちのために走ってもいいのよ?

そして、その後輩たちに託すためにも必死の走りを見せてくれた田所さんですが・・・
むしろあっさりと追いつかれた新開さんの方が気にならなくもない。
田所さんと違い、新開さんは落ちていないんですよね
他の3人が飛び出していっただけで、新開さんは脱落した様子はない。これはどういうことか?
まだ新開さんには役割があるということなんでしょうか?なんだろう。想像がつかない。

ここ最近ずっと箱学と総北の2校の争いになっている。
京伏はどうなったのだろうか?ここから追いつくことが果たしてできるのだろうか?
まあ、御堂筋君は登れる人であるし、少しぐらいの差がついても詰めれる・・・のか?
ここはあれだ。御堂筋君には秘策があったことにしよう。
実はコースにはUターンするぐらいのカーブがあり、コースがすぐ近くに並列になっている部分があると仮定する。
そのコースに差し掛かったところで、石垣さんの自転車とぶつけて隣のコースに飛ぶ!
こうやってショートカットすることで差を詰めることに成功したのだ!という頭脳プレー。
どうでしょうか!絶対にやらないとわかってるけど、どうでしょうか!



RIDE.189 エースの終わり  (2012年 6号)


今が勝負の時だ!
IH最終日、最後の坂を前にして、箱根学園はエースとクライマー2人が飛び出した。
総北もそれに続くかと思いきや、ここでトラブル発生。
金城さんのヒザのケガがここで出てきましたか。
2日目で伏線張ってあったし、その状態で直線を引いたりと酷使してましたからねぇ。

だが、それでも勝負を投げ出すわけにはいかない。
左足が動かないなどと言ってる場ではない!!

「激痛」「困難」「試練」
それが運命なら――抗え!!金城真護!!

オレは絶対にあき――絶対にあきらめない男だ!!

途中で噛んだわけではない。気合を入れながらも痛みで思考が中断されたのだ。
気合を入れる言葉が中断されてしまうほどの痛みではなんともしがたいなぁ。

残りたったの20kmだ!動けよ左足!

気合を入れようとするがどうにも空回る。
2日目の田所さんもそうだったが、気合だけではどうにもならないことがあるようだ。

なぜ、なぜ「今」なんだ。
最も大事な最終局面を目の前にして――なぜ・・・動かない。

苦悩する金城さん。手で顔を覆う。

レースは終わった。
オレが全て台無しにした。
積んできた3年間――手に届きそうだった1年前の第2ステージ。
切れそうな糸を紡ぎながら6人で闘ってきた3日間――・・・
肉体、意志、運、全てを使っても箱根学園には勝てなかった
残り・・・20km・・・

諦めてしまった金城さん。レースは残酷である。
しかし、肉体や意志は振り絞ってたけど、正直運には恵まれてないですよね。
落車する者が出たり、体調不良&ケガ人がでたり。
箱根学園はそんなトラブルとは無縁でほぼ計画通りに走っている。
2日目のスプリントを逃したときに少しバラつきが見えたぐらいで順風満帆。
それに比べ、総北はいろんなところでエースである金城さんが前に出て引っぱっていた。
そういった負債が積み重なった結果のヒザの故障といえなくもない。無情。

箱学の3人も、総北がついてこないのに気付いている。
金城さんがケガしていることについて福富さんや東堂さんは気付いていた様子。
総北はここまでかとしんみりする東堂さん。それに対し福富さん。

全速力でゴールまでいけ。それがせめてものやつへの手向けだ

福富さんはどこまでもスポーツマンであり王者ですのう。
その言葉を受け加速する3人。速っええ。

諦めてしまった金城さんは相変わらず顔を覆っている。
加速すると痛むが、普通に走る分には平気なので止まってしまったりはしない。ヘンなの。
その金城さんの背後に大きなプレッシャーが迫る。
そのプレッシャーは思い起こさせてくれる。「のぞみをすてるな」ということを。

大丈夫ですか!?金城さん!!頭いたいんですか!?

プレッシャーをかけながら近づいてきたのは坂道たち1年生。
なかなか飛び出さず、頭を抱えだしたので心配になったようだ。そりゃそうだ。
坂道は言う。前に、倒れたら支えろって言ってたので・・・と。
そう、おまえが倒れたらオレが支える。他のヤツが倒れたらおまえが支えろ。確かに金城さんは言っていた。
相変わらず、坂道は言われたことを護ろうとする子である。
勝て!とオーダーすれば、それを護ろうと走り出しそうな気もしてくる。
どこぞのジャイアントロボ並の信頼感だ。

そうだ・・・オレさえも忘れていた・・・
このジャージは、6人全員のジャージなんだ。

あれだけ連呼していたのに忘れていたといいますか!?
なんだかんだといいながらも、主将の責任を果たせないと言う重圧に動揺してたんですかなぁ。
声をかけられるまで1年生の存在も忘れていたように思える。

金城さんは1年生たちに声をかける。
残りゴールまで20km。オレたち総北は勝てると思うか!!

鳴子「当然でしょ!!」
坂道「はい!」
今泉「絶対に!!」

どこまでも勝利を信じている1年生たち。無邪気とすら言える。
3人とも、金城さんがケガしていることについては知っているはずなのだが・・・
悪いほうには想像しないようにしてますのかねぇ。ポジティブポジティブ。
まあ、だからこそ金城さんも元気付けられたわけで。ポジティブシンキング最強だな。

というわけで、オーダーの変更が入ります
なるかな、とは思っていたが、ここで金城さんも脱落でありますか。
残りは巻島さんと1年生に託すという流れでしょうか。
ここまで来て驚きのオーダーってことはないでしょうし、予想が外れることはあるまい。
まさか諦めきってしまい、全員流せ!とか言い出したりはしないでしょうしね。まさかまさか。
それとは別にサプライズが欲しい気はしないでもないですけどね。
予想できないようなサプライズな展開が欲しい!ヒメヒメ歌ったらケガが治るとか、いやこれはダメだ止めて。
サプライズな展開に期待したい。



RIDE.190 最後の作戦  (2012年 7号)


作戦変更!
金城さんの発言に慌てる1年。
しかもこのオーダーは、絶対に完遂しろと強調する金城さん。
否が応でも1年生に緊張が走る。

その時、1年3人は気づいた。
金城さんが左ヒザに触れていることに。
そして、ようやくケガについて思い至ったらしい。遅いよ。
まあ、信じすぎて忘れていたのでしょう。

作戦だ1年!!
巻島と共に山を登れ!!
そして誰でもいい!!このジャージをゴールに誰よりも早くたたきこめ!!

チャンスは1度だ。絶対に逃すな。
探せ、つかめ、引きよせろ。
敵は箱根学園最強の布陣だ。だがやれるはずだ。
想いを繋げ。オレと田所の想いももっていけ。

そう言って自分の胸を叩いたあと、今泉君を叩く金城さん。

成長しろ。まだやれるはずだ。今泉俊輔!!


いて鳴子を叩く。
鳴子章吉。まだ目立ち方が足りないんじゃないのか。あと20kmある。派手に目立ってこい!!

そして、坂道。

小野田坂道!
まだ走れ!役割はある。ゴールまでだ。
心配することはない。おまえが今までやってきたことをそのままやればいい。
オレたちの3年間を――巻島をたのんだぞ。

ひとりひとりに声をかけた後、ヒザの限界が来たのか苦悶の声をあげる。金城ォ・・・!!

行け。絶対に諦めない!!それがチーム総北だ!!

金城さんの激を受けて飛び出す4人。
坂道を先頭に、鳴子、今泉君、そして巻島さんが続く。

金城ォ!やってみせるショ。
オレはイレギュラーが得意なんだ!!

1年生たちが飛び出し、エースである金城さんが置いていかれたことに驚く観客。
だが、金城さんがバイクを降りたことでケガかと納得する。
痛み出してからも普通に走れているじゃないですか?とか思ったが、やはり限界だったらしい。
速度を落としたりとかではなく、完全に降りてしまう。
左ヒザに負担をかけないよう、自転車に乗せて動かしているのが痛々しい。ヒョコヒョコ。

「なぜこんなところで」と天を恨んでみたが――
山の手前のこんなところだったからこそ、まだ想いが繋がったのかもしれんな・・・
1年・・・巻島!!
想いを繋げろ。オレたちの勝負はまだ終わっていない!!
届け!!総北!!

確かに金城さんの言うとおりである。
直前の作戦では、1年を山の手前で切り捨てる予定だった。
そうしておいて山の途中でケガが疼きだしたら目も当てられない。
今のタイミングだったのは不幸中の幸いということでしょう。

というか、金城さんは不幸中の幸いとか不幸とかそういうのが多いような。
基本的に薄幸なんじゃないかと思われる
待宮が残り少ない運を吸い取った結果こうなったのか?
いや、福富さんはなんともない以上、そういうことは考えれない。
むしろ待宮は2人に運気を与えてしまったのではないかと考えられる。
それによって、金城さんは不幸中の幸いという幸いを得たのだ!やはり金城さんは薄幸だな。

その金城さんに想いを託された四人。
振り返ることはない。想いを託された。それを知って前に進めばそれでいい!!

前を行く箱根学園を追う総北。
箱学もまた、追ってくる総北を見ていた。山はつづら折りになっているので、差がついてても見やすくてよい。
しかし、これはずいぶん差がついているように見えますな。
金城さんがトラブルを抱え、1年生に想いを託している間に先に行かれていたようだ。

果たして追いつくことができるのだろうか?
箱学は東堂さんを先頭にして一気に逃げ切ろうという構え。
総北は坂道を先頭に走っている。
追いつくまでは坂道が走り、追いついたところで再びの巻島、東堂のクライマー対決となるのか?
坂道、山岳の2人の対決はその後になるのだろうか。
そして、さらに後に福富さんと今泉、鳴子2人がかりでの対決となるのでしょうか。
予想はつきそうな流れだが、トラブルが起きないとも限らないのでなんともいえない。
山なので突然落石があって箱学の速度が落ちるとか。トラブルにもほどがあるな。



特別編  (2012年 15号)


本編は1回お休み。
特別編の内容は、舞台の激アツSPレポートである。

2月1日〜2月6日まで計9公演を激アツな演技で駆け抜けた、舞台『弱虫ペダル』をレポート。
さらにその様子を渡辺航先生がレポートマンガにしたぞ!

まずは舞台の写真が掲載。うむ、怖い!
圧巻といえば圧巻だが、やはり切り取って見ると怖いものがありますなぁ。
制服を着た坂道はやけに体格がよく見える。
だけど、今泉君と鳴子と並んだ写真では小さく見えていい感じになっている。ほう。
鳴子の髪も、紹介写真では違和感バリバリだったが、舞台では意外とキレイに見える。
暗い舞台上だからこそより映えるってことなんですかね。

さて、レポートマンガで情景が描かれます。
舞台は2段になっており、舞台装置として坂道が用意されている。人名じゃなく、坂の道の方ね。
舞台装置なので左右に動き回転もするそうな。ほう。

入口にはすごいたくさんの花が届けられている。
今回は人気のキャストを揃えたので、キャストあての花も多いそうな。へぇ。
逆にキャスト目的で来ているって人も多そうな気がしますなぁ。舞台のファンは固定層がいそうだし。

舞台でロードレースなんて世界初!歴史的な瞬間の幕あけです!!

まあ、そりゃ初めてだろうさ。舞台で自転車だなんて考えもしなかったよ!
その答えがハンドルのみのエアロードとはまたビックリだ!

舞台の幕開けと共に一斉に横並びで走る。ような演技をするキャストさんたち。
写真で総北ジャージが7マイあるのが気になってたが、寒咲兄も走っているのか?なんで!?
あと、写真ではわかりにくかったが、後ろの黒いのはモブなんですな。
モブを現すため黒タイツ着て走っているわけか。なるほど。

モモあげダッシュのような姿勢で足ふみしながら声をだすので、キャストの人たちはマジで汗だく。
客席からも光る汗が見えるらしい。スゲー。
写真だけで見ると違和感あるエアロードだが、実際に見ると走ってるように見えるんでしょうな。
パントマイムはその場で見ないとってわけか。

内容は原作でいうと1巻〜4巻。坂道が今泉や鳴子と出会い、1年生レースで山を制するまでのストーリである。
その内容なのに、巻島さんと東堂さんの対決が入ったりする。
昨年のIHの試合の内容とかもやったということですかな?
原作にはない野獣VS田所のパワー対決もあったそうな。荒北さんはパワーキャラだったのか!?
そして、金城VS福富のライバル対決も・・・
それはあれか?ジャージか?引っぱったのか?金城さんハデに転倒したのか!?どうなの!?

ミュージカルの舞台なのでもちろん歌もある。
恋のヒメヒメペッたんこもちゃんと舞台で流れたそうな。ヒーメヒメヒメ。

最後の挨拶ではキャストの皆さんのペダル愛が炸裂。
つづきやるなら、オレ新開やりたいですと言ってのける金城さん。オイ!
逆に今泉役はオレしかできないので次回あったらオレがやりますとキッパリいってのける人もいる。カッコイイ。

どのくらい成功したのかはわからないけど、キャストのみなさんお疲れさまでした。
しかし、舞台に男性はどのくらいいたのでしょうかね?
マンガだとちょっといるように描かれているが、果たして?
そして、メディアミックスは今後も続いて行くのでしょうか?アニメ化とかありえるのか?気になります。



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