蒼天紳士チャンピオン作品別感想

弱虫ペダル
RIDE.347 〜 RIDE.355


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 各巻感想

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連載中分 SPARE BIKE

弱虫ペダル 41巻


RIDE.347 変態  (2015年 19号)


増えすぎた飛蝗は新天地に向けて羽根を変態させ、飛ぶ!!

コーナーリングの最中に背中や腕をゴキゴキ言わせながら変形――変態を開始する御堂筋君。
公式の場ではおそらく初のお目見えとなるであろう、御堂筋君の真のとっておきが繰り出される。

これがボクゥの変態や!!

言葉の意味的には間違ってないが、堂々と変態宣言されてもな。うん。
全くどうでもいいが鳴子のコーナーリングの構えがイカしてる。いいアングルだ。

壁スレスレを曲がるキレッキレのコーナーリングを見せる鳴子。
むしろ軽く当てて袖をピラピラにすることを忘れない。拘りですなぁ。

コーナーでは内側を譲り、差をつけられた御堂筋君。
しかしその間に変態を完了させたことにより加速の体勢に移ることができるようになっている。
一直線に線を引いたみたいな異様なフォームに観客たちは虫みたいな羽根を見、羽音を聞く。ブブブブブ
って羽音は御堂筋君の口から発されていたものかいな。しかしブブゥ!!とか泉田君とちょっとかぶりそうですぞ?

来た!!"トブライド"!!御堂筋のコレは速いんや!!速い!!知っとる!!鼻血出るくらいに!!

勝手に御堂筋君の走法に名前をつける鳴子。
鳴子にしてはマシな方なネーミングですな。受け入れられるかは分からないけど。

ともかく一度この走法を見て負けている鳴子。
同じシチュエーション同じ相手、しかもインハイのゴール前。
ここで負けたら男がすたるってものですわ。負けられない!!

ここで鳴子も必殺技を出す――ようなことはなかった。
いや、それに等しい走りが鳴子にはある。
この日のために磨きに磨いた体から繰り出されるスプリントは・・・のびる。
ゴール前、特に後半。ジェットコースターみたいにのびるで!!

具体的な名前こそつけていないものの、それこそ必殺技ではなかろうかと思える。
御堂筋君も見たことない表情でアルやないノ!!と述べている。
この顔・・・どういう感情が籠ってるのか分からない!!割と称賛も混じってそうな気はするのだが・・・分からないな。

ともかく最終コーナー。これを曲がればもうすぐそこが1日目のゴールラインである。
2人だけで突入するコーナー。後ろの3人は遅れてコーナーに突入する。
しかしここで黒田さん。肩をこすって削ってヤケドするような曲がり方で前との差を0.5秒縮める。
こすれる分、抵抗でむしろ遅くなりそうな気がしないでもないが・・・まあ、結果縮んだのなら納得するしかあるまい。

身を削った分、差を削っていこうと考える黒田さん。
その熱意に泣きそうになる葦木場。だけど泣いている場合ではない。

オレは!!"1番"を背負っているから!!

最終コーナーを出たところで葦木場に出るよう指示する黒田さん。
そこまでに2秒削り、更に背中を押すことでもう1秒削るとのこと。それはかなり削れますなぁ。

あたぁたのむ。そこまでが・・・届け屋の仕事だ・・・ふり向くなよ拓斗ォ

色々と覚悟を決めた感じの走りを見せる黒田さん。
本人の言の通り、かなり差を削ることはできたみたいですが・・・間に合うのか?
背中を押されない今泉君は追随するのは難しそうですなぁ。
追いつけさえすれば逆に今泉君が鳴子の背を押すことも出来るのでしょうが・・・厳しいか。



RIDE.348 削る3秒  (2015年 20号)


削る・・・!!削んだ。先頭追いつくのに3秒削んだよ!!オレが!!

2回目のコーナーも反対側の肩を当ててガリガリ言わせながら曲がる黒田さん。
相変わらず身を削ってタイムも削る走法である。
ヘルメットも壁に当てて色々と削りながらも目標通り2秒削る。づああ!!
そして、右手で葦木場の背中を押すことで1秒。合計3秒を削り切る!!

頭で考える前に体が反応したという今泉君。この隊列のまま進んだら危険だと。
その選択は間違いではない。何故ならば・・・葦木場を押した後、そのまま体勢を崩して落車する黒田さん
顎から落ちてる感じのなかなか危険な落ち方だ!!うわぁ。
意識ははっきりしているようだが、怪我とかは大丈夫なのだろうか?
まだインターハイ初日だというのに無茶をする・・・
まあ、そのぐらい無茶をしないと削れなかったってことなんでしょうけどね。

派手な転び方をした黒田さん。今泉君もそのまま突っ込んでたら落車に巻き込まれていたかもしれない。
しかし、その後今泉君の姿が映っていないのが気になる。まさか本当に巻き込まれていたりして・・・いやいや。

ともかく、黒田さんの言う通り、ふり返ることなく猛進する葦木場。
背中押して送りだして貰った以上、ふり返ることなど許されるはずもない。

オレが何をしなくちゃならないかわかってるから!!

この黒田さんの献身により、箱根学園土壇場、ゴールまで残り100mという時点で追いつくことに成功した。
いや、まだその差は3mはある。残り距離を考えると追いついたというにはまだ遠い。

前を走る御堂筋君と鳴子にも追いつかれたという焦燥感はない。勝つのは自分だと考えている。
まずは鳴子が本人の言の通り、ゴール前で一気にのびる。

見える!!ゴール!!いくで!!あえて名付けるなら鳴子必殺ジェットコースタースプリント!!絶対ワイが勝つ!!

必殺技はないとか言っておきながらあっさり必殺技としてしまう鳴子。
御堂筋君と話しているうちに、これ名前付けられるなとか思っちゃったんだろうか。
どちらかというとその場の思い付きよりも前もって準備するタイプの鳴子だが、命名はその時の思い付きで決めてそうな感じである。

自信を持って走る先頭2人。しかし自信ならば葦木場も負けていない。

オレはこの位置からのスプリントで負けたことないよ!!

いよいよ1日目のゴールまであと僅か。
今年も総北、箱学、京伏の3校の争いとなったわけですが、結果はどうなるか。
去年のように同着という結果はないと思いますが・・・はてさて。



RIDE.349 ゴールライン!!!  (2015年 21+22号)


目前に迫ったゴールライン。勝つのは3者のうち誰か。
ここまで来たら各校の声援も必死である。昨年の優勝校なのに応援する人が少ない総北。
しかし定時の声のデカさなら10人分ぐらいの力がありましょう。きっと。
それにしても相変わらず箱学は踏んで踏んで言いまくりなんですな。

ともかく、京伏、総北、箱学横並びの全開スプリント。
ゴールゲートは目の前であり、そこに一番にゼッケンを届けるために各人必死でペダルを回す。
御堂筋君もさすがに話術を仕掛けている場合ではない。ブリンブリン言わせながら走る。モルアア。

ボクが欲しいのは勝利。それだけや!!他には何も要らない!!

勝利の為に人間性すらかなぐり捨ててそうな御堂筋君。
このフォーム、横から見ると面白い感じだったが、正面から見るとちゃんと走れるのかどうか怪しく見えてきたぞ!!

何にせよ結果として頭一つ出る御堂筋君。
とはいえそのまま抜け出したままにはさせない鳴子。
スプリンターとしての誇りを捨ててまでここに来ている。負けるわけにはいかない。

見とけ観客。小野田くん。ついでにスカシ!!
これが派手男の生き様じゃい!!

去年の3人横並びでゴールしたい発言の時もそうだったが、ちゃんと今泉君を入れるのを忘れない鳴子。
今泉君もコマの小ささを気にすることもありますまい。ちゃんと見ておきましょう。

鳴子「言うたやろ。後半のびんねん!!」
御堂筋「ジェットモラ!!

追いついた鳴子に対しての御堂筋君のリアクション・・・何だそれは。
勝利以外何も要らなくなったので対話力も削りましたって感じだろうか。
まあ、ここまで来て対話にエネルギー使うこともないし、そこに力を裂かないのは正解か。

のこり30m。
前に出た2人より少し出遅れたのは葦木場。
ヤバイ状況であるが、今の葦木場には力がみなぎっている。全身に。

オレたちにもう失うものは何もない!!
オレは強い。オレは強い。オレは強い。オレは強い。オレは強いよ!!

気迫によって追いついて見せる葦木場。
ううむ、福富さんもなかなかいい言葉を残していってくれたものでありますな。
でかい物体が猛烈に加速して先頭に追い付く。
そして3者横並びのまま、いよいよゴール。
落車した黒田さんをちゃんと回避した今泉君も見守るゴールの瞬間だ!!獲れ鳴子!!

先輩達も見守るゴールの瞬間。
レース中でゴールの瞬間が見えない選手たちもそろそろかと想いを馳せている。
中には我関せずに肉の感触に浸っている子もいるが・・・まあ、置いておこう。

ともかくゴール!!そこに少しでも早く到達するよう、ハンドル投げを行う御堂筋君。長い手が伸びる!!
だがその手法は他の2人も分かっており・・・3人揃ってのハンドル投げ!!
その結果、勝負を制したのは・・・一番に通過したのは・・・

勝者、箱根学園葦木場選手!!

インターハイ1日目のトップゴールは箱根学園となりました。おやおや。
これは色々と波乱を呼びそうな結果となりましたなぁ。

結果を見るならば、1日目のリザルトは全て箱根学園が獲得したこととなる。これは泉田君が慢心しそうな感じだ。
とはいえ黒田さんの様子を見たらそうも喜んではいられませんかな?落車の影響はどんなもんなのだろうか。

腕の長い御堂筋君であったが、何もかもデカイ葦木場には及ばなかった感じでありますな。
そういう意味では鳴子は不利である。しかしそんな不利な状況でも食らいついているのがまず凄い。
2位がどちらであるかも気になるところ。鳴子が制してそうな気はするが・・・どうだろうか。
その場合、今泉君が箱根学園と協調しなければ総北のトップゴールとなったかもしれないんですよねぇ・・・こりゃ気まずい!!

葦木場がいきなり制してしまった感じはあるが、ギリギリまで引いてもらい、体力を温存できてたのは大きいと思われる。
更に黒田さんが倒れたことで想いを背負ったのも最後の伸びに繋がったのではないでしょうか。
去年の鳴子のように分かりやすく生霊となって背中押してくれたらよかったのにね黒田さん。
それか猫の霊になって他の2人の前を横切って悪運を招くとかさ。黒猫なだけに。黒猫なだけに。

ともあれ、次回は連載350回記念。第5回の人気投票結果も発表されます。どうなっていることか・・・楽しみだ。



RIDE.350 栄光のウイング  (2015年 23号)


祝!連載350回!!
巻頭の見開きカラーを飾るのは、ファーストリザルトを制した葦木場拓斗!!
見開きを使っても収まり切らない長い腕を広げて空を抱いています。

出た!!両手を広げる葦木場さんのウイングポーズ!!両翼2m!!
箱根学園最強を示す史上最大の翼!!勝利のポーズだァ!!

きっちり解説しながら駆け寄る箱学の控え選手たち。心得たものでありますなぁ。

さて、注目の2位争い。
敗れた2人にしてみれば1位でなければ意味はないって感じですが、読者としては興味がある。
が、結果はまさかの同着。去年の3者同着ほどではないが、これも珍しいというか何というか・・・そう来ちゃったかー。

本当に後一歩というところで届かず悔しがる鳴子。
悔しさという部分では御堂筋君も同様であろうが、今年は去年のように帰ろうとしたりはしないかな?
1時間ぐらいは家具の隙間に挟まるかもしれないが、まあ投げ出したりはしないでしょう。たぶん。
それはそうと結局何がモラなんですか。京伏の選手も困惑してるじゃないか。

黒田さんは転倒したけどしっかりゴールの瞬間を見、結果を知っている様子。
ふうむ、意識はしっかりしているようだし、リタイアすることはないか・・・?

後続集団である総北、箱学の両チームが続々とゴール。
手嶋さんは支えられながらもどうにか初日を走り切ったという感じでありますな。

初日を走り切った後に待っているのは今年もこれ。表彰式であります。
表彰台の一番高い所に大会史上最も長身の選手が立つ。これは見栄えがありますな。
写真に収めようとすると途端に難しくなるのがアレですけどね。大きな子の悩みどころだ。

それにしても京都伏見。御堂筋君の代理はいいのだが・・・誰だキミは!?

総北のマメツブと並べると身長差が更に際立つ葦木場。
段差を入れ替わっても結局葦木場がデカイという。コントか!!
だがこれにより、結果として総北が表彰台のトップに立つという状態となったわけで・・・いや、さすがに反映されないかそれは。

ともあれ初日のリザルトが改めて発表される。
最速スプリンターの証であるグリーンゼッケンを獲得したのは銅橋正清。
山岳リザルトを制しレッドゼッケンを獲得したのは真波山岳。
そして最初に初日のゴールに到達し、チームにイエローゼッケンをもたらした葦木場拓斗。
見事に壇上に箱根学園3名が並ぶ形となりました。うーむ、これは王座復権と言っても過言ではないかもしれませんな。
この成果に主将である泉田君も満足そう。よくやった三人とも!!

アブ!!(これが我が箱根学園の)アッブだ!!(あるべき姿だ!!)

この短い単語の中にこれだけの意味を込める。泉田君の言葉は難解で奥が深い。いや、わかんねーよ。
御堂筋君といい、ちゃんとした言葉で喋るようになってください。

さて、どれも僅差で敗れ全て2位で終わった総北は無念無念。
若さあふれる鏑木はその悔しさで猛っている。イキっている。さすがのイキリですな。
去年も2日目で2位になった時、鳴子が似たような悔しさを見せておりましたな。

悔しくないんですかと吠える鏑木に説明してみせるのは今泉君。
真後ろで見ていた今泉君としてはあの時の勝負の様子はよく分かる。
完璧なタイミングでバイクを前に投げた。見ていた今泉君も勝ったと思った。しかし――葦木場の投げたバイクの方が先に通過した。

鳴子が悔しくないかだって?一番悔しいのはあいつだよ。
あいつは身長の差で負けたんだからな
どうしようもない体格の差――それをわかって、悔しさを噛み殺してステージに立ってんだよ。
あいつは、強い男だ

うむ。確かに鳴子は強い。
誰よりも悔しく、泣き叫ぶほどに悔しい思いを抱えている鳴子。
それでも1人になる時まではそれをぐっとこらえる。実に男の子でありますなぁ・・・ううむ。

惜しくはあっても結果として1位が取れなかったのには変わりはない。
なんとも慰めようのない状況でありますが、それでも立ち直って2日目、3日目と戦わなければならない。
手嶋さんがヘトヘトなこともあり、2日目以降は更に厳しい戦いになりそうであります。どうなることか・・・

って、そういえば黒田さんの姿が見えなくなっているのですがどうしたのだろうか?
後続が並んでゴールした時に運ばれた様子もないし、まさかのリタイアの可能性がある?
実は表彰式の最中もまだコースで倒れてるとか。いや、それはさすがに助けろよチーム。

鏑木に対して説教してみせた今泉君。
しかしその今泉君が葦木場たちと協調しなければ初日は同着ながらも1位で終われたのかもしれないんですよね・・・
まあだからといって、ただでさえ暗い雰囲気の中で俺のせいとか言われても困るわけですし、これでいいのかもしれませんな。

さて、今号では第5回の人気投票結果が発表されました!!
結果は以下の通り。名前の後ろのカッコは投票数となります。

第5回の結果

1位:巻島祐介(4146)  2位:手嶋純太(3932)  3位:東堂尽八(2738)
4位:荒北靖友(2495)   5位:御堂筋翔(2273)   6位:小野田坂道(2025)
7位:鳴子章吉(1662)   8位:新開隼人(1479)   9位:青八木一(1240)
10位:渡辺航先生(1122) 11位:真波山岳(1037)   12位:泉田塔一郎(929)
13位:今泉俊輔(878)   14位:黒田雪成(812)  15位:葦木場拓斗(728)
16位:金城真護(672)   17位:石垣光太郎(570)  18位:福富寿一(498)
19位:新開悠人(469)   20位:田所迅(388)  21位:鏑木一差(321)
22位:杉元照文(307)   23位:岸神小鞠(302)  24位:古賀公貴(286)  25位:銅橋正清(268)
26位:待宮栄吉 27位:井尾谷諒 28位:段竹竜包 29位:委員長 宮原 30位:寒咲通司
31位:山口紀之 32位:ウサ吉 33位:寒咲幹 34位:水田信行 35位:橘綾
36位:東戸 37位:御堂筋の母 38位:巻島レン 39位:辻明久 40位:川原群平

第4回の結果はRIDE.300感想の下の方に記載してあります。

全体の投票数はぐっと伸びた第5回。
しかしやはりアニメの影響が大きいのか、連載中に活躍していない選手が上位にいる感じとなってますなぁ。
そういう意味ではアニメの放映が一段落した次の人気投票での変動が早くも気になるといった感じでしょうか。
それにしても巻島さんは強い。兄のレンさんに至っては顔も少ししか出てないのにいるし。漢字じゃなくカタカナ名なのか!?

じりじり順位を下げる今泉君や、インパクトは強烈だが意外と票の伸びない小鞠など気になるところではありますな。
ここからの巻き返しがあるのかどうか。新開悠人はまだ見せ場がこれからだろうけど、銅橋はこの先見せ場があるのか。
次の人気投票までに各人の見せ場があるといいですなぁ。山口くんもカゲじゃなくなるかもしれませんよね。ひょっとしたら。



RIDE.351 揺らぐ総北  (2015年 24号)


奮戦するも惜しくも届かなかった総北。
その様子はもちろんOBである3人の目にも映っていた。
表彰式を遠くから見守る先輩達の胸中はどのようなものでありましょうか。

表彰式が行われている最中、総北のテントでは明日に備えて選手たちが休養を行っている。
あわやリタイアかと思われた手嶋さんは特に一刻も早い回復が必要となりますでしょうな。
体力だけではなく、筋肉とかもかなり酷使してしまっている様子。うーむ、辛そうだ。

背筋ほぐしますオホ!!

マッサージなど選手のケアを行うのも控えメンバーの役目。
ゴリ蔵も慣れない仕事を頑張っている。それはいいのだけど、なにがオホだ。

さて、初日は各校にマークされて活躍できなかった坂道。
本来は山の勝負には自分が出るはずで、手嶋さんはここまで消耗することはなかったはずである。
そのことを悔やむ坂道。まあ、マークされる存在であることに慣れてなかったわけだし、仕方ない部分はありますわな。
なので下手なダジャレで空気を凍らせるようなことはやめておきなさい。

坂道のおかげで6人全員で初日はゴールできた。
しかし手嶋さん、こんな調子で明日以降も走りきれるのだろうか。アヤちゃんならずとも心配になる。
だがここでその心配を塗りつぶさんとばかりに動き出す男が1人。

あれ?何だ。地面が近づいて?何でだ?近づく?
ハハッ。まさかオレ様が倒れる?そんなことあるわけないだろう。インターハイ1日目ごときで

すみません、動き出したのではなく倒れ込んだの間違いでした。
まあ心配が手嶋さんの方から鏑木の方に向かったのは間違いないですよね。何の解決にもなってねぇ。

さっきまで鳴子のことをイキってまくしたててたじゃないか鏑木!!

今泉君もツッコム。
まあ、そうやってイキっている間は元気でいられるってことなんでしょうな。
そういうものが無くなり、アドレナリンが切れたとき、一気に蓄積していた疲労が襲いかかって来る。それに鏑木はやられたようだ。

ムリにでもクールダウンさせなきゃならなかったか・・・
オレも自分で手一杯だったからな・・・これ程ダメージをうけてるとは・・・くそ・・・
おまえも6人の内の大事な1人のメンバーなんだぞ、鏑木一差!!

この辺りの指示の不足とかはやはり去年と比べて不安要素でありますわな。
手嶋さんは自身の回復を最優先にしないといけないし、そうなると青八木さんか今泉君が指示しなければいけなかったはずですわな。
まあ、一番その手のことを指示して選手の体調を気遣うのは監督の役目であるはずなのですが・・・
どこで何をやっているのだろうかピエール。

ともあれ坂道。手嶋さんの指示により鳴子を呼びに行く。
宿に向かう前に手嶋さんからメンバー6人に話しておかなければいけないことがあるとのこと。ほほう。
それはさておき、坂道はやっぱりタフですなぁ。足の筋肉は痛んでるようだが、明日には回復して力に変えてそうな気がする。

過酷なレースであるが控え選手とのメンバー交代は許されていない。
それこそ最悪、明日は4人で走らなければいけないかもしれない。
まあ去年の田所さんのように走っているうちに回復するってこともあるかもしれませんが・・・今度こそ皆で歌うか!?
歌うのはさておき一人一人が支え合って走るのが大事でしょうな。金城さんも去年そう言っていました。

てなこと考えてたら、本当に坂道の前に出現する金城さん
考えてたところにタイミングよく現れるものだから、妄想の産物かと坂道が思ってしまっても仕方がありますまい。ホンモノですよ。
まあ、巻島さんのように人違いかもしれないと一歩引いてみたりしないだけ良かったと考えるべきか。

それはともかく。
チームが大変なので来てくださいと金城さんの手を引こうとする坂道。
しかしその坂道に対し、行けないと返す金城さん。
総北は支えあうチームなんですよねという言葉に対しても、支え合うのはおまえたちだと返す。

もしもの時、手をさしのべられる場所にいるのはおまえたちだけだ。
オレたちはすでに卒業してしまっている。もう、おまえたちを支えることはできない

厳しい言葉をかける金城さん。しかし道を託したOBとしては真っ当といえるかもしれない。
精神的な支えには確かになるでしょうが、もしもの時に物理的に手を差し伸べられるのは同じレースを走る選手しかいない。
現役でいる間は教えることができなかった精神。
OBになることでその精神を伝えきることができるかどうか。坂道は受けきることができるかどうか。
初日で学び、2日目以降に活かして欲しい所であります。



RIDE.352 金城の言葉  (2015年 25号)


よかったです、金城さんが来てくれて!
不思議です。金城さんに会うとあの・・・もうボク2年生なのに、一瞬で1年生に戻ってしまうような気持ちになります!!

尊敬の気持ちによるものか、素直な感想なのだろうがそんなことを口にする坂道。
なるほど。これでは金城さんがテントへはいけないと言いたくなるの分かる気がします。
先輩の影響力が大きいとそれはそれで後輩たちは悩むものなんですなぁ。

さて、坂道がテントに戻る頃には鳴子も自分で戻ってきている。
というわけで、レギュラー6人揃ってのメンバーミーティング開始であります。
床には倒れた状態の鏑木。医者に診て貰ったりしなくて平気なのだろうか。

ともかく手嶋さんはレギュラー全員に言葉を届けたい様子。
1日目の結果、平坦、山、最後のゴール全て僅差の2位で敗れたことを受けて導き出した答えは・・・

オレたちはまだ挑戦者だってことだ!!
やっぱり箱根学園は強い。観客もそれを期待してる。京伏動きもあなどれない。だったらできるこたひとつだ。
去年と同じだ。しつこく食い下がってボロボロになって、何度も試して失敗して、小さな小さなチャンスを見つけてつかむ!!
魂をあずけて積んでめいっぱいで走る。助けあって支えあってあきらめない。オレたちの走りをやるしかねェ!!

初心に帰るのが重要ということでありますな。
しかしこういってはなんだけど、去年インターハイを制したとはいえ、あまり王者らしい感じがしなかったですよね総北。
心のどこかで去年勝てたのだから今年もという部分があったのかもしれない。
そういうのを捨て去り、挑戦者の気概で走る。
それが出来るようになるのであれば、初日僅差で敗れたことも逆にバネとすることができるかもしれない。
何にしても総北らしい走りをするしかないわけでありますわな。去年と同じくギリギリな状態でありますし。

手嶋さんの話が終わったところで坂道からご報告。挙手が自転車のハンドサインみたいになってるぞ坂道。左折?

さき程、会場内で金城さんにお会いしました

坂道のその言葉にどよめきだすレギュラーの面々。ほう!!
田所さんも来てくれてるのかなとドキドキした様子の青八木さん。可愛らしいことで。
しかしその期待には答えず、会いには来ないとのことである。
その理由について金城さんは語り出す。

はじめはオレたちもテントに行ってねぎらうつもりだった。
だが、総北は今日一日目ギリギリのところで機を逃した。危機だと感じた
危機的状況を回避あるいは逆転させ勝機に変える力は個の中かチームの中にしかない!!
オレたちが行けばたちまち緊張の糸が切れ、課題を見失いチームはバラバラになるだろう。
今が一番脆い。わかるな小野田。

そのように説明する金城さん。うむ、そうやって言ってくれるのはとても大切なことでありますな。
本当は行きたいけれども、自分達のために行くことができない。
それを感じられるからこそ坂道も無理を言うことはできない。
それにしても今が一番脆いの時の金城さんの表情は妙に色気ありますなぁ。

それはさておき、金城さんの言葉で2年の顔を取り戻した坂道。
やはりこういうのを見るとまだまだ危なっかしいというのが分かる。
そして金城さんの口にした3人という言葉に敏感に反応する坂道。

・・・ああ。巻島も来ている。遠くイギリスからな。おまえたちのゴールも見ていた。

巻島さんが日本に、この会場に来ている。その言葉に衝撃を受ける坂道。
金城さんを見かけた時とは比較にならないほどの衝撃の受け方だ。
まあ尊敬の度合いの高さに加え、遠くイギリスにいる以上、来れない可能性も高い人でしたからなぁ。

巻島さんに会えないことを残念がるかと思われた坂道。
金城さんもそれを危惧したようであるが、坂道はレースを見ててくれているだけでもうれしい様子。ぱかーっ。
プレッシャーを放出しながらもいい笑顔を見せる坂道でありました。

手嶋さんの言葉に加え、新しいボクたちの総北を先輩方にお見せしましょうとの坂道の言葉に盛り上がる総北レギュラー陣。
何だかんだでやはり坂道。この男がやる気になってチームを動かせば総北は奮い立つ。

明日も行きましょう!!総北!!

坂道の言葉で気合を入れる一同。
盛り下がる可能性のあった初日の結果でありましたが、どうにか明日に繋げられそうで良かった良かった。
鏑木が一人置いて行かれている感じはあるが、坂道が盛り上がっていればつられて盛り上がるんじゃないかと思われる。
心配なのは体力的に明日走れるかどうかだが・・・盛り上がった精神力でどうにかしてもらうとしましょう!!

それにしても金城さんたちは栃木から千葉まで毎日往復するつもりなのだろうか。
まあ、さすがに2日目以降は余裕を持って出発することになるだろうから道中は無茶な走りはしないだろうけど・・・ハードだなぁ。



RIDE.353 希望の足音  (2015年 26号)


初日が終われば今年もやってくるくる坂道母。でん。
相変わらずレースに対する認識が薄すぎるなぁ。

目一杯走り、疲れた体をお風呂で温めてのオフトンダイブ。これが最高でなくてなんであろうか。
そのままお布団さんと一体になって眠りにつきたくなる。はずなのだが起き出す坂道と鳴子。タフだのう。

鳴子曰く、悔しい時はメッチャ悔しがる。メッチャ全力で後悔して泣いて・・・寝る。
そうすれば次の日はだいたい忘れてサッパリしているとのこと。
これが鳴子式デーハーサッパリ術。ネーミングはさておき、それなりに理に適っているように思われます。
まあ、そういいつつも人前では泣いたりするところを見せない鳴子でありましたがね。
いや、御堂筋君に負けた時は全力で泣いてたか。

さて、小野田くんの台風オカン来襲。
コテコテの関西系っぽい家で育ってる鳴子からして台風のようだと評するのだから、坂道母の凄さが分かろうというもの。
日光は観光名所が多いだけに、主婦会でも回るところには困らないでしょうなぁ。
しかし総北のホテルは別館だったのか。頑張って1位になっても学校が出せる額はそうそう増えないってことなのだろうか・・・?

それはさておき、古賀さんと青八木さん登場。坂道母にご挨拶。
その2人を見て、今年の先輩は老けてないわねと言いだす坂道母。
うん、老けてない。古賀さんは随分と顔付きが鋭くなったけど老けてはいない!!
いやでも、金城さんだってそこまで老けてるって、わけでは、ない、です、よ?

かさばるだろうにママチャリ用の空気入れや帽子などを持ってきた坂道母。
ベストボーイは確かに気になるが、シャツにも書かれているので今更ツッコむこともありますまい。
それにしても立派なホテルの方には箱学が泊まってたりする感じなのだろうか。
やはり使える金の桁が違うということなのだろうか。何となくわびしい。

色々と大暴れな坂道母ですが、最期にはまともなことを言ってくれる。
去年頑張りすぎるぐらいに頑張った坂道。それを知った母、気がぬけて辞めてしまうのではないかとドキドキしていたそうな。

皆の期待を叶えなさい
母さんね、東照宮いったの。お参りしておねがいしてきたわ。
あなたが3日間、無事にゴールまでたどりつけますようにって。

うむ、よい感じですなぁ。最初がドタバタしてても締めがしっかりしてると凄い人だったのかなーという気になりますな。
まあ、本当の最後の発言は青八木さんに対し、あなたもアニソン歌うの?大声でって内容でしたが。ハハハ面白いことを言う!!
去年の田所さんをリスペクトするのなら2日目は青八木さんも歌う必要があるんじゃなかろうか。どうかね!?

それはそうと、坂道母に別館のことを教えたのは山岳。彼もまたベストボーイなのデース。
住所から分かったようですが、山岳はちゃんと住所とか把握できるんだなぁとか思ってしまった・・・
まあ、山の上のホテルでありますし、何だか勘が冴えたりしてたんでしょう。山で困ってる人を助けるのに必要な才って奴だ!!

ともかく、その時が来たら坂道と全開で走ろうと述べている山岳。
1日目はマークされた結果果たせなかったわけでありますが、まだまだチャンスはある。
ライバルでありますし、最終的には3日目最終のゴールでの戦いが再びってことになりそうでありますが・・・さてさて。
2日目での坂の対決はあるのかどうか。楽しみです。



RIDE.354 京都伏見の焦燥  (2015年 27号)


ざわつく京都伏見の選手たち。何事かと思ったら御堂筋君がいなくなったらしい。またか!!
いやまあ、去年のことを考えたらやっぱりという気はしないでもないですがね。

どうにも繊細な所がある御堂筋君。
石垣さんはそういう所を気にしておりましたな。
戦略を練り、完璧な勝利を志すからこそ、果たせなかった時の衝撃は大きいということだろうか。
1位を狙う気質じゃない山口くんとしてはその辺りは理解しきれないものでありましょう。しかし――

御堂筋――今走っとるんか・・・!!どこにおる・・・!!どんな気持ちで走っとるんや

理解は出来ないが、だからこそ気にかかる。
居ても立っても居られずに自分も自転車を出して走り出す山口くんでありました。ほほう。

さて、その御堂筋君。ヘルメットも被らずに夜の道を疾走中。
枕草子を口ずさむかと思いきや早々に暴れ出す。カスカッスキャスキャスキャアアス!!
そしてヂュウヂュウと音を立てて腕を吸う御堂筋君
あー、こんなに高い箇所じゃないけど、腕を吸ったりすることありますねぇ。
何でそうするのかとか詳しいことは分からないけど、何となくやってしまうものであります。あるのよ、これが。

その行為が功を奏したのかどうなのか。きっちりと笑顔を取り戻す御堂筋君でありました。
まあ、去年みたいに狭い所に引きこもったりしてないし歯も無事だし。折れるにはまだまだ早いってことさね。

一人で勝手に立ち直っている御堂筋君のことは露知らずに右往左往する京都伏見の面々。
そんな中、山口くんは去年のことを思い返している。
走り去る御堂筋君を見て石垣さんが何とかするだろうと思ったこと。
あまりの事の大きさに自分には責任がないと思い込むことで心を鎮めようとしたこと。

3年になって初めてわかった・・・
御堂筋って怪物がおってそれ中心にこのチームはできとる。それゆえに怪物がいなくなれば一瞬で崩壊する。
石垣さんは去年それを必死で支えてたんや。1人で!!

責任のかかる3年になってようやく理解できる先輩の偉大さ。
もちろん石垣さんのことは尊敬していたのでしょうが、その凄さを理解しきっていなかったという感じでしょうか。
そしてだからこそ、託された言葉。御堂筋の良心になってやれという言葉が思い起こされる。

ムチャぶりやし、石垣さんみたいにでかいことオレができるか自信もないけど。
御堂筋はオレがさがす。きっとさがして、きっと言う!!

レースにもどってこい。一緒に走るぞ御堂筋!!明日も!!
そう言おうと考えている山口くん。
しかしその決意は実らず、道で出会うことなくすれ違ってしまう2人。
うーん、これぞ想いのすれ違いという奴でありましょうか・・・
まあ、御堂筋君ももう立ち直ってるわけですし、言われてもあまり響かなかったでしょうしね。これはこれでいいのか。

さて、山口くんとは違い、小者らしい野心を見せる水田君。やっぱり水田君はこうでなくちゃ!!
御堂筋君がいなくなったら一瞬で崩壊すると理解している山口くん。
御堂筋なき今、エースとしてのしあがるとか考えている水田君。しょうがない子であるが、この子はもうこれでいい気がする。

残る京都伏見の面子である木利屋船津。この片方が御堂筋君の代理で表彰台に立った子でありますかな。
ミーティング中とはいえ、御堂筋君のことをさん付けで呼んでいるようだが、君付けでなくてもいいのだろうか?
小鞠のことは呼び捨てになっているし、その辺りは微妙になあなあになってそうだ。

そういえば結局この混乱の中、小鞠は一体何をしていたのだろうか。もみっじゃねぇよ。
隠れて他の学校の選手――同じ宿にいる山形最上の選手の肉を揉みに行ってましたとかそういう話だろうか。
冗談ではなく普通にありえそうだからこの男は困る。

兎にも角にも立ち直った御堂筋君を中心に2日目も走る京都伏見。
山口くんの意識も変わってきてそうな感じでありますが、果たして良心になることは出来るのだろうか。

そして箱根学園。表彰式の間は全く触れられておらず安否不明だった黒田さんが登場。
全身包帯だらけでありますが、明日も走るさと元気いっぱいの様子。
強がりではありましょうが、肉体の痛みも忘れるぐらいに気分が高揚しているのは確かでありましょう。
とはいえ長丁場のレースでそれがどこまで持つのかどうか。
各校、傷つきながら走った初日は終了。傷を抱えての2日目に臨むこととなります。注目だ。



RIDE.355 2日目の朝  (2015年 28号)


インターハイ2日目の朝。裏方の仕事はレース前から始まっている。
アヤちゃんも文句言いながらもよく働いてくれておりますなぁ。感謝感謝。
それにしても、願い叶えて欲しいねの時のアヤちゃんは構えも含めてやけに男前に見えますなぁ。

ともかく始まるインターハイ2日目。
走れるのか危ぶまれた手嶋さんや鏑木もちゃんと走る様子。というか何をさっそくイキってるんだ鏑木。

箱学の方も黒田さんはしっかり2日目も走る。
それにしても山岳と葦木場の天然組は趣味も通じるところがあるのだろうか?ベストボーイ・・・こいつは・・・いらない!!
それはさておき、銅橋が全体に絡んでいるシーンがようやく出て来ました。
うむ、やはりこの男はバランス的にツッコミ役に回るのがいいでしょうな。向いてそうだ。
現箱学は天然とか天然とかアブとかツッコミ所の多い子だらけだし、ツッコミ役の増加は急務と言えます。
それを受けての泉田君のこの言葉。

「機能している」!!チームが!!個々が!!走っていなくともわかる!!

個々の強さだけではなく、お互いがお互いの無い部分をおぎない、得意とするところを増幅させる。
そういう役割分担がなされて初めて強くなるのだと泉田君は言う。去年の福富さんのチームが最強とうたわれたのはそういう理由だ。
そして今年の箱学は黒田さんを中心に回っているとのこと。
彼がいるおかげで他の者は自由に走れる。

それでいい!!ボクはそっと見守りいざとなれば助けよう!!完璧だよ・・・!!
アブユキ!!

長い考えも4文字で纏めればアブユキとなる。泉田言語は便利ですなぁ。
しかしそうか。これこそが新生箱学の真の姿というわけでありますか。
主将ポジションを泉田君から黒田さんに。
ツッコミポジションを黒田さんから銅橋に。
泉田君は一歩引いて見守り、他の3人は変わらずボケておく。これが新生箱根学園スタイルというわけか・・・!!
いや、泉田君は一歩引いてるぐらいじゃ存在感消えないかもしれないな。厄介な筋肉アブ。

ともあれ、初日の完全勝利を受けて気合入りまくりの箱学。
うかれることなく2日目の勝利も狙う。
それを受けて、周りも対応も王者に向けてのものとなる。うーむ、存在感。

去年の王者である総北は箱学に比べて注目度が大幅に下がった様子。
挑戦者として走るのならばその方がいいかもしれませんな。
変に囲まれるようなこともないでしょうし、自分たちの走りに専念できるのなら、それはそれでいいことだ。

インターハイにまで私物のアニメグッズを持ち込む坂道。
やっぱり癒しは大事ですよね。うん。同調は出来なくても必要なんだなと納得してくれる鳴子は実にいいヤツだ。
というのはさておき、ここでついに坂道にあだ名がついていたことが判明する。

昨年のインターハイで初出場――初レースで最後の山を制した男――
ついたあだ名は「山王」――!!

や、やまおー。これはまた似つかわしくないあだ名を頂いたものですなぁ。語感もそれほどよくない。
東堂さんの山神に比べるとどうにも言いにくい・・・ああ、そうか。山神には勝ってないから山王なのか!?
そういう流れで行くならば、坂道に負けた山岳はどういうあだ名になるのだろうか?山将軍?山大佐?山姫?気になるところだ。

それはそうと、ようやく悠人が動き出しました。
坂道と勝負してみたくてインターハイに出ていると述べる悠人。
ふーむ、興味ないフリをしていながら根は熱いという感じでしたか。
強引なところもあるようですし、これは活躍が期待できそうな感じであります。



弱虫ペダル 42巻


RIDE.356 アダ名  (2015年 29号)


さぁ!!!答えはyesですか?
しましょう勝負。オレと。今日どこかで。

有無を言わせぬ悠人の誘い。倒置法まで用いて力強いやら何なんやらな語り掛けをしております。

よく転ぶというウワサが既に広まっているらしい坂道。
本当、自転車乗ってる時と普段とではギャップがありすぎますわなぁ。
だからこそ、知っている人でなければこの坂道が去年の覇者でゼッケン1番をつけて走る山岳の雄、"山王"とは気づけないってわけだ。

ついにボクにもアダ名がと喜ぶ坂道。
自分でつけるわけではなく、自然とどこの誰がつけたか分からないアダ名がつくってのはどんな気持ちなのだろうか。
坂道は純粋に嬉しそうにしているがそういうものなのだろうか。「山王」もどうかと思うが「山追う」はもっとどうかと思うぞ坂道。

山王。自覚なきクライマー
あれだけの実績を残しておきながらそんな大それたことはしていないと述べてしまう坂道。
その態度は挑戦する者としては微妙な感じに映りそうですなぁ。鏑木もその点は非難しておりますし。
その辺りの自覚を促すためにも似つかわしくない王の称号をかぶせたりしているのだろうか?
アダ名をつけた人がその辺りをちゃんと考えているかどうかは分かりませんけどねぇ。
新開さんいる時点で神奈川の最速屋と呼ばれる泉田君の例とかありますし。

王様はヒゲのイメージがあるし、やっぱりアダ名は動物系が良かったという坂道。そこかい?
もう面倒くさいからアダ名もベストボーイでいいんじゃなかろうか。ベストボーイ坂道。彼はベストなボーイだったよ。実にね。

それはさておき、2人の会話はマスコミにかぎつけられそうになったので中断。
ウワサになったりすると恥ずかしいですしね。仕方がないですね。
いや、それよりもここで面白い内容が聞けました。悠人にも既にあるというアダ名。それは――

ピーク・・・"頂上のスズメ蜂"(ピークホーネット)
チクッと痛いみたいです。

スズメ蜂では痛いぐらいじゃすまない気がしますですよ。
というのはさておき、巻島さんのピークスパイダーに凄く近いアダ名。これは坂道としては羨ましいでしょうな。
というか、強そうだし勝負したらかなわなそうだなって反応はさすがにどうなのよ王様。
やはり王の自覚というか、もう少し強さの自覚というのを持ってもらわないと困りますなぁ。
もっと強気に。勝負を受ける代わりに勝ったらアダ名をもらうとか。むしろ交換しちゃうとか言い出すとか。それ強気かな!?

さておき、坂道はこの2日目は勝負は出来ない。
それは手嶋さんの本日のオーダーが6人全員で走るという内容に定められているから。
体力に余裕があり、自由に勝負のしやすい1日目とはわけが違うって話ですわな。
とはいえレースは水物。その時の状況で変わるわけですが・・・はてさてどうなりますか。

さて、2日目開始まであと5分。
鏑木は相当緊張している様子。昨日はリラックスして走ってたというが、開始前はお腹壊してたじゃないか。
甘やかされてきたせいもあるが、この辺りのメンタルの弱さは課題ですなぁ。まだ1年だし仕方ない部分もありますがね。
それに初日で倒れたこともあり、インターハイの過酷さが思った以上のものであると自覚できている部分も大きいわけか。

というわけですっかり鏑木を操る役割を担うこととなった青八木さん。
この神様のビンセンさえあれば大抵のことは言うことを聞かせられそうである。バカ相手には有効だ!!
というか、この鏑木のテンションに真顔を崩さずに対応できる青八木さんもある意味凄いなぁ。さすが神様やで。

それはそうと、テンパってるからって先輩を呼び捨てにするのはアカン。
チーム越えて銅橋が鉄拳制裁かましに来ても問題ないと思えるぐらいにアカン。
いまひとつ成長しているのかどうか分からない鏑木でありますが・・・走りでの活躍には期待したいものです。一応は。



RIDE.357 スタートする2日目!!  (2015年 30号)


脱落者もなく、無事に始まるインターハイ2日目。
いや、実際のところ各校ボロボロな選手がいるので無事とは言い切れないかもしれませんが。

ともかく、2日目以降はゴールした選手から順にスタートしていく。
先頭争いには加われなかったが、ゴール前までは詰めていた今泉君。すぐに鳴子と合流できる。いい感じだ。
まあ、それはつまり1日目で箱学と共闘してゴール獲らせてしまった結果によるものであるのですが・・・今はもう言いますまい。

しばらくはまっすぐな一本道。それが過ぎれば登りに入るとのこと。
ここが本日1回目の勝負所とのことでありますが、各校ここまでにはチーム合流したいところですかねぇ。

相変わらずルールを理解しきれていない鏑木。
そのバカさはともかく、相変わらず青八木さんを呼び捨てにしちゃってるのは実にどうかと。
特に気にした様子もない青八木さんは懐が深いなぁ。さすが神さま!!

ともあれ総北、箱学ともに4名ずつがスタート。先頭に追い付くために走り出す。
どうでもいいが箱学の応援団。ハッコハッコガクとかどういう応援よ。ガク!!とかアブに影響されすぎじゃないですかね?

それはさておき、2日目のレースをこうして走れることに対し坂道に感謝する手嶋さん。
その手嶋さんと1日目に勝負をした山岳も、手嶋さんが無事に復活したことを喜んでいる。よい感じだ。

2人は昨日闘って、全力を出し合って理解したんだ。きっと。
昨日の朝は話したことも無かった2人――つないだのは自転車――真波くんは手嶋さんがレースに戻ってきたことを喜んでる。
やっぱり自転車って凄い!!

世の中にはタイマンはったらダチという言葉もありますしね。
真剣に鎬を削った2人。互いを称える気持ちが目覚めてもおかしくはありますまい。
こうやってチームを超えた絆が生まれていくのも嬉しいことであります。

行こう。この先何がおこるかわからないけど、この道をたどって2日目のゴールへ!!
でも簡単にはいかない!!箱根学園の皆さんもゴールを狙ってる!!うしろの集団の皆さんも狙ってる!!
あたり前だ。そのために走ってるんだ!!けれどボクたちは信じて走る!!6人全員の力で!!

うしろの集団のセンターを飾る水田君!!はさておき。
広島呉南工業の姿が見えるのが印象的ですな。去年もいた面々が何人か揃ってますが、今年は果たして活躍できるのだろうか?

兎にも角にもまずは先頭と合流したい総北。2日目は6人で走ると決めているわけですからねぇ。
しかしこの2日目。箱学に先んじて6人揃えられる可能性はあったりする。
理由のひとつめは先頭が2人いる事。数の優位さはレースをコントロールする上では重要でありますわな。
そしてふたつめは・・・箱学の黒田さんの存在!!

黒田は昨日の1日目ゴール前で落車してしばらく動けていない
黒田がゴールしたのはオレたちよりあとだ!!
ハコガクがフルメンバーを揃えるためには足をゆるめて待たなくちゃならない!!
黒田はハコガクの指揮系統だ。絶対に一緒に走らせたいはずだ!!

もしやもしやと思ってたら、やっぱり倒れたままだった黒田さん。
泉田君たちは放っておいてゴールしたわけか・・・
まあ気付かなかったのかもしれないが・・・いや、ゴール前だし箱学の応援してる奴らが声かければ良かった話ではなかろうか。

その辺りの疑問はさておき、箱学は速度を落とさないといけない状態。
その間に総北が先行できる。これは手嶋さんの読み通りって感じでありますな。
まあ、とはいえその読みに含まれてない要素が発動したりするわけでありますが・・・

登りについていけずに足をつく鏑木
本人の認識とは裏腹にスプリンターの脚質に登りは辛いか。
というか、やはり1日目の疲労が尾を引いている感じのようですなぁ・・・これはイカン。
しかし1日目無茶したスプリンターが2日目に体調を崩すとか・・・どっかで見たことある流れでございますな?
これは鏑木が歌って回復を図るという可能性もあるってことだろうか。
坂道がやれというなら従いそうな気もするが・・・どうだろうか?
去年のことを知っている青八木さんならビンセンにアニソン歌えとか書いてるかもしれませんが・・・どうなんでしょうかね!?



RIDE.358 進む総北  (2015年 31号)


インターハイ栃木県大会2日目――
レースは昨日ゴールだったここ、標高1400mに広がる大湿地帯戦場ヶ原の三本松公園駐車場よりスタートする。
戦場ヶ原を貫く国道120号線を北上。ほどなく始まる長い登りはカーブをくり返し標高1080m――
スタート時に仰ぎ見ていた男体山を遠くに見下ろす程登れば、
冬期は雪で閉鎖され通行止めとなる難所、金精峠――金精トンネルにつながっている。
コースは峠をこえ長い下りに入る。冬はスキー客でにぎわうスキー場と高原の湖を経て下り基調の長い平坦道に入る。
国立公園尾瀬沼への分岐や名勝地吹割の滝を通り、国道120号線終点、沼田氏を通過。更にコースは進む。
今大会3日間中最も長いステージである

恒例の冒頭説明もさすがに2日目のは長い。
しかも最後まで説明しきっていないといのだから長さのほどが分かろうというものである。
ともかく現在は最初の長い登りを登り始めたってところでございます。

箱根学園を引き離して先行することに成功した総北。
このまま先んじて6人揃うことが出来ればこの日はかなり有利に走れる。
そのつもりであったのだが、鏑木は・・・いた!!いつの間に追いついてたんやキミィ。

どうにも歯車がかみ合ってない感じの鏑木。
1日目のスプリントで歯車がかみ合った感触を味わってるのに、まだ自分をオールラウンダーだと思っているというのが何とも。
そろそろ神様も脚質についてハッキリ申し上げてしまっていいのではなかろうか。
しかし万一神様のビンセンも拒否したりすると、本当に言うこと聞かせる手段がなくなりそうで怖いわけですが。

密かに最後の山の上の表彰台を、一番高い所を狙っているという鏑木。
だいそれたことではあるが、意欲としては悪くない。しかしこの有り様では何ともねぇ。

何度か千切れたことについて問う青八木さんに対し、それマボロシ!!と返す鏑木。
それで誤魔化せているとは思えないのに、青八木さんがアホで助かったとは何ごとかと。バカな子は仕方がありませんですねぇ。

さて、集団まで下がり、黒田さんと合流する箱学。
ここから一気に先頭まで追い上げようって構えでありますね。アブレディ!GO!!

集団から飛びだし先頭に向かって走り出す箱学。
どうでもいいがアブがレディになるとかどういうことなんですか?立派な大胸筋が豊かな胸に変わるとかそういうことなんですか!?
何にしてもすぐに追いついて来そうな箱学に対し爆弾を抱えている総北。どうなりますやら。



RIDE.359 鏑木のあがき  (2015年 32号)


黒田さんと合流するために下がった箱学。今の内だと先頭に合流しようと急ぐ総北。しかし・・・

さっきはあぶなかったがもう大丈夫だ!!ペースにも慣れてきた!!もう千切れることはない!!ハハッ!!
登りゃあいいんだ。このままこの登りを。このまま・・・・・・・・・!!

かなりヤバイ状態の鏑木。
それであるのにペースを落としてほしいとはカッコ悪いので言えないという鏑木。その拘りはカッコ悪いぜ!!

一方の箱学は5人揃ったので再び先頭に向かって加速開始。アブレディ。
相変わらず大胸筋をビクビクゥンさせながら荒ぶっている泉田君。追いつく気満点でございます。
先行を許したとはいえ金精峠までは約10km。この長い登りでどこまで先行できるものかと怪しんでいる様子。
そしてその推測が当たった感じで、早速総北の1人を抜き去っていく箱学。アレ?

急にキツくなって隊列から下がってしまった鏑木。
一瞬遅れたぐらいのつもりだったのだが、気づけば足をついて止まっていたという。おやおや。

このまま箱学にも置いて行かれたのではもうレースにくわわることは出来ない。終わることとなる。ヤバイ。
なので鏑木。総北とか箱根学園とか拘ってる場合じゃない。前の車輪にとびつけと考える。そうすれば先頭まではいける、と。
いやさすがに敵チームが列に加わるのを許してくれるものではありますまい。
実際、ついたのはブタこと銅橋の後ろである。

仲間に弱音を吐くのはカッコ悪いとしていた鏑木。
しかしこのままではレースが終わってしまうとようやく危機感を抱いたのか、敵である銅橋に先頭までつれてってくれと頼み込む。
そんな鏑木に対し銅橋。それがてめェのプライドか?と問い質す。
ラクして利用しておいしいとこまで連れてもらって闘う。そういったやり方は誇りが許すのか?と。

許さねェよ!許すわけねェ!けどこれしか方法がないんだ!!
本当はいやだ。けど、さっきから・・・手足がしびれて体が思うように動かないんだ!!
まだオレはインハイを走りたい!!たのむ!!

敵であるはずの銅橋に素直な気持ちを吐露する鏑木。うむ、変な見栄を張るよりこちらの方がよほど格好いい。
その言葉を受けた銅橋であるが、だからこそこちらも素直に答える。そんなんじゃどの道、箱根学園のペースにはついてこれない、と。

おめぇ1年だろ。オレは2年だ。来年またやろうじゃねぇか!!正面から勝負をよ!!
敵に頭下げてプライド捨ててがむしゃらに――生きる道をさがす。
そういう必死なヤツ、オレは嫌いじゃないぜ!!

将来的なライバルとまではいかないかもしれないが、来年はもっといい勝負が出来る。
そういった期待が銅橋の口ぶりからは感じられますな。うむ、いい相手と戦えたものでありますよ鏑木。
とはいえ今年のレースはこれでかなり絶望的になったわけでありますが・・・どうするのか。

千切れてしばらくたってからようやく鏑木がいないことに気付く手嶋さんたち。
え?青八木さん、ひょっとして本当に鏑木の大丈夫という言葉を真に受けてたとでもいうのですか。え?
鏑木のペースに合わせて速度を落とすべきだったかどうだったか。そこも意見が分かれる所でしょうが、この千切れ方はいただけない。

去年はここで坂道が残り、遅れた田所さんを引っぱって走っていった。
今年もその再現になるかもしれないが、果たしてどうなりますか。歌で回復できればいいんですがねぇ。



RIDE.360 手嶋と小野田  (2015年 33号)


2日目、アドバンテージを取るチャンス到来!!
と思いきや、一転ピンチに陥る総北。本当、いつも総北はギリギリですなぁ。

くそ・・・とにかく先行するのに集中してて気づかなかった!!

鏑木が千切れたことに気づかなかったことを素直に白状する手嶋さん。
遅れそうになっているんだから最後尾ではなく間に入れておくべきだったかもしれませんわなぁ。
いや、遅れそうになってたことも気づいてなかったのかな?
いくら何でも青八木さんは気づいて・・・気づいてなかったのか青八木さん!?
前々回の鏑木の言葉を真に受けていたわけでは・・・いやまさか。

ともあれ鏑木のカッコつけによって窮地に陥る総北。
そういうカッコつけこそが後から見るとカッコ悪い事になるんですけどねぇ。まだ若いうちには分からないか。
それに古賀さんもこう言っている。インハイで"1年が一人"てのは何かと背負い込むと。

何でも話せて気負わない同学年がメンバーに誰もいないてのは、しかも1年でってのはプレッシャーがものすごいってな。
期待されて命令されて、何も知らないインターハイで闘わされて、身も心も極限まで削られるって――
それでもそれに必死に応えようと頑張るんだって――

自身も同じ状態で走った古賀さん。鏑木の精神状態はよく分かるらしい。
いっぱいいっぱいで体の信号に気づかない。後でダメージが出てはじめて気づくのだという。うーむ、危うい。
鏑木もカッコつけたかった以外に、その時は大丈夫っぽかったからヨユーと言ってしまったのかもしれませんなぁ。

あんだけ古賀に言われといて目ぇ離すなんて――何やってんだオレ!!

後悔する手嶋さん。
確かに古賀さんから頼まれてはいましたが、さすがに1人でチーム全体を見るのは難しいですわなぁ。
その辺りは全員で意識を共有しておくべきでありましたな。6人で走ると決めたのならば。

さて、去年のように一人落ちたスプリンター。
ならば去年をなぞるように助けに行こうと考えるのが坂道。しかし・・・

いくなァ小野田ァ!!

助けに行こうとした坂道を止めるのは手嶋さん。救出は許可しないとのこと。
箱学よりも先に先頭に合流しなければもう太刀打ちできない。そう述べる。ふうむ。

確かに去年のことも考えると坂道ならば連れて戻ることも可能かもしれない。
だが手嶋さんは言う。もう坂道の立場は去年とは違うのだ、と。

おまえはゼッケン1番だ。前年度優勝者だ。
誇り高いインターハイロードレースで最も栄誉ある個人総合優勝した男だ。
そのゼッケン1が、「1」がチームの先頭にいないてのはチームの力として雲泥の差が出んだ!!
真波が出たら誰が止める!新開が出たら誰が追う!!

「1」がいるだけで封じられる動きというものがある。
去年は巻島さんがいたわけであるが、さすがに2日目も手嶋さんに無理してもらうわけには行きませんからなぁ・・・
長い登りでの戦いで坂道を欠くのは今走っている4人にとっての負担も大きいでしょうな。

というわけで、手嶋さんの取る決断は鏑木を置いていくというもの。
ペースを落として鏑木を待つようなことはもう出来ない。何故なら箱根学園はもうそこまで追いついて来ているから・・・!!

待ってやることもできない。となればもう置いていくしかない。
辛い決断ではあるが、チームを導く主将としてはそういう判断も仕方がないものでありましょう。
手嶋さんとしては心の中で詫びるしかない。手嶋さんとしては――

純太。少し用事を思い出した。一旦下がっていいか?
後ろにバカを一人忘れてきた

坂道も自由に動けないとなれば、やはり鏑木を救えるのはこの人ってことになりますよね。
これ以上戦力は失えないという手嶋さんに対し、あいつはオレにしか救出できないと返す青八木さん。
意見の分かれたチーム2人。さてこれはどうなるか。
スプリンターである青八木さんが救出に行ったとして、果たして連れて戻ることが出来るのだろうか。
まあ、多少遅れてもレースに復帰させるということを考えると同じジャージが1枚でもあればいいって考えはありますが・・・
ともかくこの申し出に手嶋さんがどう答えるか。注目ですな。



RIDE.361 最後の決断  (2015年 34号)


あいつはオレにしか救出できない。そう主張する青八木さん。
箱根学園が揃う前にオレたちは人数を揃えなければならないと主張する手嶋さん。

鏑木は置いていく。これはチームのキャプテンとしてオレが下した決断だ
オレたちは勝つために走ってる!!このあとは5人でこのインターハイを走る!!

意見の分かれるチーム2人。
手嶋さんとしても鏑木を置いていくのは苦渋の選択でありましょうが、チームのキャプテンとしては下さないといけない判断である。
その手嶋さんの内心を汲んでの青八木さんの発言であるのかどうなのか。
確かに連れて戻ってこられればそれが最適でありましょうが・・・できるかどうかというと確かに難しい。
一か八かの賭け。しかも山でスプリンター2人が戻ってこられる可能性はどれほどあるというのか。
その辺りを述べる手嶋さんであるが、青八木さんの意志は変わらない。そしてそのことは説得している手嶋さんにも分かっている。

もう心の奥ではわかってる――だからこんなに声を荒げて制止しようとするんだ。
青八木――おまえとのつき合いは長いから。
その表情。その目。普段無口でしゃべらないおまえが意志ある言葉を発した時、そりゃもう「相談」じゃねえんだよ。だろうがよ。
何があってもそうするって固い決意の表明なんだ!!

さすがによく分かっていらっしゃる手嶋さん。
だからこそ述べるしかない。さよならだな、と。
うむ、さすがに青八木さんもこれが無謀であることは分かっているみたいですな。失敗することは覚悟している様子。
3年の、最後のレースで1年を救うために下がる。その決断はどれ程の人が出来ようことか。
それはつまり、ずっと一緒に頑張ってきた手嶋さんと一緒に走るのも最後になってしまうかもしれないわけで・・・

3年間一緒に走ってくれてありがとう。一。オレたちの"チーム2人"最高だったよ

おまえがいたからここまで来れた。
お互いがその言葉を交わし・・・チーム2人。ここに解散であります。
チームのキャプテンとしての責務を果たすために。チーム2人からチーム6人へと意識を変えたがために。
2人は別々の道を行くこととなりました。願わくばその道がまた交わらんことを。
そのわずかばかりの希望は持ち続けたいものでありますね。それが走る力にもなるってわけだ。

鏑木を連れてくるためにわざと下がる青八木さん。
それを見て2人目が落ちたと述べる悠人は去年の水田君みたいなポジションに思えてしまう。大丈夫か?

さて、その遅れている鏑木。力が入らずほとんど止まっている状態である。
そのせいで福岡城西の大壕にも抜かれてしまうという有り様。おやおや。よもやここで再び出番があろうとはねぇ。
鏑木にあんなん呼ばわりされる大壕。ん?大壕。1日目は大濠と名乗ってたはずだが・・・不思議なこともあるものだな!!

何にしてもスプリンターにも追いつけない鏑木。
青八木さんが引っ張るにしても、少なくとも青八木さんが止まっているところまでは鏑木は自力でたどり着かないといけない。
誰かが背中でも押してくれればいいのだが、足を止めた状態では永久にたどり着けない。
そんなヤバイ状態で頼りになるのは・・・やはりこの人、古賀さん!!

去年以上にサポートの力が重要となっているインターハイレース。
そもそも古賀さん自身が走っていればこんなことにはと思ったりしなくはないが、それはそれ。
背中を押してくれる人物が現れたことですし、鏑木の復帰に期待したいところであります。



RIDE.362 叫ぶ古賀!!  (2015年 35号)


次々と後続に追い抜かれ、もう駄目かと考える鏑木。その前に現れたのは頼りになる男、古賀公貴!!
確かに突然現れたのは驚きだが、それにしても鏑木驚きすぎだろう。それよりもペダルに足をのせろ。

進め鏑木!!絶対に止まるな!!
ロードレースは常に前に進むスポーツだ。立ち止まることは放棄を意味する。
インターハイをこんなところで投げ出すことはオレが許さん!!

出場できず想いを託した者としては当然の主張でありますな。
そしてその"本気"の主張が、全身全霊の主張が聞くものの心を、体を震わす。
うむ。いい流れだ・・・が、それで簡単に力が湧いてくるようならここまで落ちてはいない。苦しいか。
しかしそれでも、何があろうとも前に進み続けてもらわねばならないのである。

鏑木の様子が朝から気になっていたので一人残ることにした古賀さん。
こういう気配りの出来るバックアップが一人いると凄く助かりますなぁ。
勿論古賀さんの代わりに給水の指揮などを取れる杉元の存在も大きいわけですけどね。
しかし古賀さん、走って山を登ってきたんですな・・・さすがの健脚。

同じく唯一人の1年生でインターハイに出場している古賀さんと鏑木。
そういった共通点から気にかけていた。それが生きた様子。
最悪の想定が当たってしまったが保険をかけてて良かったと言ったところでありますな。

というわけで、鏑木を押す古賀さん。選手以外の長いプッシュはルール違反でペナルティが課せられることとなる。
が、古賀さんが言うには休み休み押せば問題ないとのこと。そ、そういうものなのか?
まあ、幸い他に誰も居ないですし、長く押してもペナルティをかけられることはありますまい。セコイかもしれないが仕方ない!!
古賀さんの肩が轟音を鳴らして鏑木を押すぜ!!

そんな古賀さんに礼を言う鏑木。それを聞き、皆が支え合っているから前に進めるんだと考える古賀さん。
いい感じではありますが、その素直さを古賀さん以外にも見せて欲しい所でありますなぁ、鏑木よ。
ともあれ古賀さんは押しながら鏑木に声を掛け続ける。

信じろ。必ずチームに戻れると。想像して走れ。もう一度復調する自分を。
そしておまえはまだこの先このレースを走り、成長するんだ。全身で!!できるはずだ!!おまえが一番伸びしろがあるんだ!!

一番若く成長途上。
インターハイの空気にもまだ馴染みきってないわけですし、確かに伸びしろはあると言えましょう。
その言葉は自分はまだやれるはずだという想いを引き出す効果があるようで・・・鏑木も元気が出てきた様子。いいですねぇ。
しかしこのタイミングで集団が通過。
うーむ、集団の後ろにまで行ってしまったという事実はなかなか重いものがありますなぁ。
せっかく復調出来そうな感じだったのに・・・

古賀さんも無理かと考えていたその時。前に見えるのは総北の黄色いジャージ。
坂の上で待っていてくれたのはこの男、青八木一!!

古賀さんが救い、青八木さんが願いのタスキを繋げる
チーム2人とはまた違う3年生のコンビネーションプレーでありますな。
さて、これによって望みは繋がったわけでありますが・・・ここからが厳しい。
果たして青八木さんは鏑木を上手く先頭まで運ぶことが出来るのか。注目です。



RIDE.363 願いのタスキ  (2015年 36+37号)


誰が想像しただろうか。こぼれ落ちそうな希望をすくうためにのばした手からそれでもこぼれ落ちた希望――
そこに、もうひとつの手がさしのべられていただなんて。

古賀さんにとってみればまさに僥倖。
それは待っている青八木さんの方から見ても、古賀さんという存在は僥倖だったと言えましょう。
どちらが欠けていても希望の糸が繋がることはなかった。

さて、その願いのタスキを届ける役である鏑木でありますが・・・何故か青八木さんへの当たりが辛い。
手嶋さんや坂道なら待っててくれたになるのに、青八木さんだと千切れて落ちて来たになる。なんでやねん!!
尊敬する心が足りないというか、むしろ内心見下し気味だったのが出ちゃってる感じでよろしくない。

そんな鏑木をも素直に言うことを聞かせる青八木さんの迫力。素晴らしい。
が、やはり調子の悪い鏑木を引っぱっていくのは簡単なことではない様子。もどかしいですねぇ。
普通にやっても大変なのに、先頭に追い付くにはペースを上げないといけない。
しかしペースを上げようとすれば肝心の鏑木が付いて来れない。うーむ、厳しい。
やはり去年の田所さんのように段々と復調してもらうしかないわけでありますが・・・

鏑木を抜いた集団は止まっていた青八木さんも追い抜いている。
その集団の中には熊本台一広島呉南の姿も・・・おぉ。

そして集団の中で総北の話をしているのは山口代表・・・そう、山際さんの再登場だ!!
足を止めて鏑木を待つ青八木さんの意図を正確に読んでみせる山際さん。
さらに総北というのは逆境でこそ力を発揮するチームなのではないかと述べる。
うーむ。平坦な顔付きながら何とも味のある・・・この人にはこの調子のままレースの最後まで居て欲しいものですなぁ。

さて、その逆境に強い総北。先頭にここから追いつくというこの上ない難題に対する答えは、これ。鏑木が前に出る!!
落ちて引っ張られるはずの鏑木が何故か前に出て引く!?
普通に考えれば意味の分からない話。だが、引かれてる時より引いてる時のほうがペースが速い!!
うーむ、根っからの先頭体質という部分もあるのだろうか。
カッコつけであるし、救出されるという立場では力が沸いてこないのかもしれない。

ロードレースは半分はメンタルのスポーツだ。心が折れたら終わり。逆に目的があれば前に進める
こいつ、先輩のオレを助けるために全力で前に進もうとしてるのか。
ともかくこいつはバカじゃない。特別なバカだ!!これはひょっとするかもしれない!!

中途半端なバカよりは突き抜けたバカの方がいいって話ですな。
山際さんも言っている。もしこの集団に再び追いつくことがあるなら、それは常識では見たことない姿で追いついてくるじゃろう、と。
その予想は正しく、何故か不調だったはずの鏑木が前を走って集団に追いついてしまう。
素質面で言えば本来集団に捕まるような男たちではないし、復調さえすればこんなもんですわな。
去年の田所さんもメンタル面での疲労が祟ったようですが、坂道に救出されて復調できていました。
となれば鏑木も勘違いによるものであるとはいえ、先輩を救うという優越感で復調できるのならそれはそれでいいのかな――と。
でもやっぱり先輩呼び捨てはよくないなぁ。読者へのストレスとかその辺を考えてもよくない。



RIDE.364 進めぬ2人  (2015年 38号)


救出された側が前を引いて走るという不思議な状況で集団に追いつく鏑木と青八木さん。
これには追いつかれた集団側もビックリ。
そんな中、やはり来たかという感じの笑みを見せる山際さんが実に格好いい。

大したヤツだ!!「オレを助ける」というメンタル――それだけでオレを引いて集団が見えるところまで追い上げた!!

うむ、青八木さんの言う通り、確かに鏑木のやったことは凄い。
けど、荷物とまで呼ばれても流すことの出来る青八木さんの寛容さもある意味とても凄い。とうとうタメ口だし!!
レースが終わったら色々と教育しないとですなあ。色々と。

さて、集団から一度千切れて復帰した2人。ドッキング!!
見事に集団復帰を果たしたわけですが、これが目標というわけではない。
ここは通過点に過ぎず、ここから集団を飛びだして先頭に追い付かないといけない。
――にもかかわらず、気が抜けて倒れそうになる鏑木。危ういなぁ。
そんな状況でも強がってみせるのはカッコつけ故ということか・・・青八木さんも珍しい虫の部分はツッコんでやりなさるな。

鏑木の回復のためにもしばらくは集団の中で足を休めたい。
しかし目端の利く青八木さん。集団の中に紫のジャージ・・・"京都伏見"がいないことに気付く
ふむ。先頭を目指すライバルが増えたということですか。確かに悠長にはしていられませんな。
鏑木も後からそれに気付くが・・・先に気付いたかどうかはどうでもいい。どうでもいいのだが主張されるとムカつくな!!

何はともあれ、京都伏見の116番――岸神小鞠の存在は2日目にして早くも要警戒対象となっている様子。
先頭の御堂筋君にこの男が合流すれば脅威となる!!
レース前に触られたりレース中にかき乱された今泉君としては来て欲しくない相手でありましょうな。間違いなく。

相変わらず肉を求めて走る小鞠。その姿はまるで求道者のよう。いい肉掴もうインターハイ。
山口くんは一人で先行している御堂筋君のことを気にかけている
うーむ、何だかんだですっかりと保護者感覚が身に宿ったみたいで・・・石垣さんの目は確かだったということだろうか。

京都伏見以外にも他の有力チームは既に飛びだしていない様子。
直前までは広島呉南や熊本台一がいたはずだが、さすがに飛びだした後でありますかな?
今年はその2校は有力チームじゃないとかそんな寂しいことは言われないはず・・・

ともかく早く集団からとびだして追いつきたい。
が、やはり鏑木の調子はまだまだ万全からは遠い。
青八木さんの前に出て走り出すが、すぐに速度が落ちてしまう。
うーむ、集団までは追いつこうというモチベーションが保ったようだが、そこから先は厳しいか。
こうなると特別な準備でもしてなければどうにもならない。そう、特別な準備でもしてなければ・・・

・・・これだ。

集団から飛び出す方法があると言いつつ青八木さんが取り出したのは・・・神様のビンセン!!
扱いづらい鏑木に言うことを聞かせられる数少ない有効な方法。
この日のために色々な状況を考えてしたためておいたのでしょうなぁ・・・ご苦労様です神様。
しかしこのビンセンに書かれているのはまさかまさかの内容。「ヒメなのだ?」

歌詞だ。ある歌の

よもや坂道不在でこの歌が出てくるとは!!
田所さんが歌によって救われたことは知っているでしょうし、似たシチュエーションならばと考えるのは不思議ではないが・・・
田所さんの時とは違い、集団に囲まれた状態で歌わなければいけない2人。
恥ずかしさは結構なものとなりましょうが・・・それでも勝つつもりがあるならば歌わなければいけない!!
全力のアニソンに期待です。




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